はじめに、本実施の形態から抽出され得る発明を、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。
手段1.遊技に関する制御を行う制御基板(主制御基板91等)と、
内部空間が形成されており、その内部空間に前記制御基板が収容されている基板ボックス(基板ボックス92)と
を備え、
前記基板ボックスは、
相互に組み合わされることにより当該基板ボックスの内部空間の少なくとも一部を形成する第1ボックス構成体(例えば裏側構成体101)及び第2ボックス構成体(例えば表側構成体102)と、
前記第1ボックス構成体及び前記第2ボックス構成体の組み合わせ作業時におけるそれら両ボックス構成体の相対移動方向を所定の方向に規定する規定部(例えば裏側構成体101の裏側周壁部121及び表側構成体102の表側周壁部131)と、
それら第1ボックス構成体及び第2ボックス構成体の分離を規制する規制手段(例えば係止機構175)と
を備え、
前記規制手段は、
前記第1ボックス構成体に設けられた第1係止部(裏側係止部180)と、
前記第2ボックス構成体に設けられ、前記第1係止部に係止されることにより前記両ボックス構成体の分離を規制する第2係止部(表側係止部190)と、
弾性変形することにより前記第1係止部を前記第2係止部との係止状態が解除される側に変位させる第1変形部(裏側係止部180のアーム部181)と、
弾性変形することにより前記第2係止部を前記第1係止部との係止状態が解除される側に変位させる第2変形部(表側係止部190の起立部191)と、
前記規定部によって規定された所定の方向のうち、前記第1ボックス構成体と前記第2ボックス構成体とを組み合わせる側へのそれら両ボックス構成体の相対移動に基づき、前記第1係止部及び前記第2係止部を係止状態へと移行させる案内部(ガイド部158a,199a)と
を備え、
前記第1変形部及び前記第2変形部の弾性変形に基づいて、前記第1係止部及び前記第2係止部の両者が共に係止状態の解除される側に変位することにより、それら第1係止部及び第2係止部の係止状態が解除されることを特徴とする遊技機。
手段1によれば、規定部によって規定された所定の方向へ両ボックス構成体が相対移動することに基づいて、それら各ボックス構成体の分離の規制が規制された状態となる。具体的には、両ボックス構成体の組み合わせ方向への相対移動に基づいて第1変形部及び第2変形部が共に変位することにより、第1係止部と第2係止部とが変位して係止状態へと移行される。このように、ボックス構成体の分離を規制するための別途作業を必要としないことで、基板ボックスの組み上げ作業の煩雑化を抑えることができる。
このように取り外しの規制がボックス構成体の組み合わせ作業に基づいて行われることで、作業忘れ等の過誤により作業が行われなくなるといった不都合を好適に抑制できる。
また、第1変形部及び第2変形部の弾性変形に基づいて、第1係止部及び第2係止部が共に係止状態の解除される側に変位することにより、それら両係止部の係止状態が解除されるため、係止解除を困難なものとしやすい。これにより防犯性の向上を期待することができる。
手段2.前記第1変形部及び前記第2変形部は予め定められた側への弾性変形が許容されるように形成されており、
前記第1係止部における前記係止状態が解除される側への変位方向と、前記第2係止部における前記係止状態が解除される側への変位方向とが逆向きとなるように、それら第1変形部及び第2変形部が配されていることを特徴とする手段1に記載の遊技機。
手段1に示したように係止状態の解除に両係止部の変位を必要とする構成を用いた場合、係止部同士の掛かり代を大きくすることに伴って、両係止部の変位量を大きくする必要があると想定される。安定した係止状態を実現するには、掛かり代を大きくすることが望ましいが、それに起因して係止部の変位量が大きくなることは、規制手段の大型化ひいては基板ボックスの大型化を招来しやすくなり好ましくない。
この点、本手段に示すように、係止解除時の変位方向をそれぞれ逆向きとなるように各変形部を配すれば、両係止部が共に変位する構成を採用しても、それらの変位量の増大を抑えつつ、掛かり代の確保を容易なものとすることができる。これにより、組み付けばらつき等に起因して掛かり代が十分に確保されないといった不都合が発生することを抑制し、係止状態の安定化に貢献することができるとともに、規制手段の大型化を抑制することができる。
手段3.前記第1係止部と所定の間隔を隔てて配置され、前記第1係止部が前記係止状態の解除側に変位した際に同第1係止部に当接しその変位を妨げる第1ストッパ部(裏側構成体101の対向壁部124)と、
前記第2係止部と所定の間隔を隔てて配置され、前記第2係止部が前記係止状態の解除側に変位した際に同第2係止部に当接しその変位を妨げる第2ストッパ部(表側構成体102の第1表側周壁部132)と
を備えていることを特徴とする手段1又は手段2に記載の遊技機。
手段3によれば、第1ストッパ部及び第2ストッパ部によって、各係止部の変位が妨げられる。各ストッパ部によって各係止部の変位量を規定することができ、それら係止部が予め想定されている以上に変位することを回避することができる。これにより、片方の係止部のみを変位させ、その変位量を大きくすることにより他方の係止部の変位量を賄うことを困難なものとし、係止状態の解除に対して、両係止部の変位を不可欠なものとすることができる。
すなわち係止状態を解除するには、第1ボックス構成体と第2ボックス構成体を分離する際には両係止部をそれぞれ異なる方向へ変位させるとともにそれら両ボックス構成体を分離方向へ相対移動させる必要がある。例えば、一方の係止部を片方の手で操作し、他方の係止部を反対側の手で操作した状態にて、更に両ボックス構成体を相対移動させる必要がある。このため、1人で基板ボックスの分離作業を行うことは困難なものとなり、制御基板(例えばCPUチップ)への不正なアクセスや、同制御基板(例えばCPUチップ)の不正な取り外し等を好適に抑制することができる。
以上詳述したように、基板ボックスの組み上げ作業を容易なものとしつつ、基板ボックの分離を困難なものとすることで、作業性の担保と防犯性の向上とを好適に両立することができる。
また、弾性変形域を越える変形(塑性変形)を回避することも可能となり、第1変形部と第2変形部との保護を図ることができる。これにより、規制手段の機能、すなわち両ボックス構成体の分離を規制する機能を好適に維持することが可能となる。
手段4.前記第1係止部における前記係止状態の解除側への変位方向と、前記第2係止部における前記係止状態の解除側への変位方向とが逆向きに設定されており、
前記第1係止部と所定の間隔を隔てて配置され、前記第1係止部が前記係止状態の解除側に変位した際に同第1係止部に当接しその変位を妨げる第1ストッパ部(裏側構成体101の対向壁部124)と、
前記第2係止部と所定の間隔を隔てて配置され、前記第2係止部が前記係止状態の解除側に変位した際に同第2係止部に当接しその変位を妨げる第2ストッパ部(表側構成体102の第1表側周壁部132)と
を備え、
前記第1ストッパ部及び第2ストッパ部は相互に対峙する壁状をなし、それら第1ストッパ部及び第2ストッパ部によって挟まれた領域に、前記第1係止部及び前記第2係止部が配置されていることを特徴とする手段1に記載の遊技機。
手段4によれば、手段2及び手段3に示した効果に加え、以下の特別な効果を奏する。すなわち、第1係止部及び第2係止部は、相互に対峙する壁状をなす第1ストッパ部及び第2ストッパ部によって挟まれた領域に配置されている。これにより、両ストッパ部によって各係止部へのアクセスを困難なものとすることができる。また、仮に係止部にアクセスされた場合であっても、それら両ストッパ部によって、係止部の不正な操作を行いにくくすることができる。故に、基板ボックスの開放を一層困難なものとすることができる。
以上詳述したように、両ストッパ部に係止部へのアクセス及び操作を規制する規制機能を付与することにより、ストッパ部の多機能化に寄与することができる。
手段5.前記第1ストッパ部によって規定されている前記第1係止部の最大変位量(隙間寸法X12)は、前記第1係止部と前記第2係止部との掛かり代(掛かり代X10)よりも小さく設定されているとともに、前記第2ストッパ部によって規定されている前記第2係止部の最大変位量(隙間寸法X14)は、前記第1係止部と前記第2係止部との掛かり代よりも小さく設定されていることを特徴とする手段3又は手段4に記載の遊技機。
手段5によれば、第1係止部の最大変位量及び第2係止部の最大変位量は係止部同士の掛かり代よりも小さく設定されている。これにより、上述した手段4等に示す構成を好適に実現できる。具体的には、片方の係止部のみを変位させたとしても、両係止部の係止状態は解除されず、両係止部の係止状態は維持される。すなわち、係止状態の解除には両係止部の変位を必須とすることができる。
なお、本手段に示す技術的思想(すなわち変位量と掛かり代との関係)を手段3に適用することも可能であるが、かかる場合、「前記第1係止部と前記第2係止部との掛かり代」は、いずれの係止部を基準とするかによって相違することとなる。具体的には、第1係止部においては、第1係止部の変位方向における第2係止部との掛かり代を示し、第2係止部においては、第2係止部の変位方向における第1係止部との掛かり代を示す。
因みに、本手段を、「前記第1ストッパ部によって規定されている最大変位量となるように前記第1係止部が変位した場合であっても前記両係止部の係止状態が維持されるとともに、前記第2ストッパ部によって規定されている最大変位量となるように前記第2係止部が変位した場合であっても前記両係止部の係止状態が維持されるように前記両ストッパ部が形成されていることを特徴とする手段3又は手段4に記載の遊技機。」としてもよい。
手段6.前記第1ストッパ部は前記第2ボックス構成体に設けられており、前記第2ストッパ部は前記第1ボックス構成体に設けられていることを特徴とする手段4又は手段5に記載の遊技機。
手段6によれば、第1係止部は、第2ボックス構成体に設けられた第1ストッパ部と第2係止部とによって挟まれており、第2係止部は、第1ボックス構成体に設けられた第2ストッパ部と第1係止部とによって挟まれている。このため、仮に上記第1ボックス構成体と第2ボックス構成体とが係止部の変位方向に向けて位置ずれした場合であっても、第1係止部と第2係止部との係止状態が解除されやすくなるといった不都合を生じにくくすることができ、係止状態の安定化に貢献することが可能となる。
具体的には、仮に両係止部が近づく側に各ボックス構成体が位置ずれした場合、両係止部が近づくため、掛かり代が減少することはない。一方、両係止部が離れる側に各ボックス構成体が位置ずれした場合、両係止部の掛かり代はその位置ずれ量に応じて減少する。しかしながら、この位置ずれに基づいて、第1ストッパ部が第2係止部に近づき第1ストッパ部及び第2係止部間の隙間寸法(すなわち許容される第2係止部の最大変位量)が減少し、第1係止部が第2ストッパ部に近づき第2ストッパ部及び第1係止部間の隙間寸法(すなわち許容される第1係止部の最大変位量)も減少することとなる。すなわち、掛かり代の減少に伴って、各係止部の最大変位量も減少することとなる。故に、第1ボックス構成体と第2ボックス構成体とが位置ずれしたとしても係止状態の解除が容易化されることは回避される。
なお、本手段に示す構成と逆の構成(第1ストッパ部が第1ボックス構成体に設けられており、第2ストッパ部が第2ボックス構成体に設けられている構成)を採用すると、第1ボックス構成体と第2ボックス構成体との相対位置のずれ(詳しくは係止部の変位方向における位置ずれ)に伴って、第1ストッパ部及び第1係止部が一緒に移動し、第2ストッパ部及び第2係止部が一緒に移動する。かかる場合、係止部同士の掛かりが位置ずれ量に依存して小さくなり、係止状態が容易に解除され得る。故に、望ましくは本手段に示す構成を採用するとよい。
また、「前記第1ストッパ部は前記第2ボックス構成体に設けられ」とは、第1ストッパ部が第2ボックス構成体に一体成形されている場合を示す他、第2ボックス構成体に対して別体で形成された第1ストッパ部が第2ボックス構成体に装着されている場合を示す。「前記第2ストッパ部は前記第1ボックス構成体に設けられ」とは、第2ストッパ部が第1ボックス構成体に一体成形されている場合を示す他、第1ボックス構成体に対して別体で形成された第2ストッパ部が第1ボックス構成体に対して装着されている場合を示す。
手段7.前記第1係止部は、前記第1ボックス構成体の外郭を形成する外壁部(裏側構成体101の外側溝壁部157)の一部を構成しているとともに、前記第1ストッパ部は、少なくとも前記外壁部における前記第1係止部を含んだ所定の領域において当該外壁部に対峙しており、
前記外壁部における前記第1係止部の周辺部位と前記第1ストッパ部との間隔寸法が、当該第1ストッパ部と前記第1係止部との間隔寸法よりも小さいことを特徴とする手段6に記載の遊技機。
手段7によれば、仮に基板ボックスの外部から第1ストッパ部が押される等した場合であっても、第1ストッパ部は、第1係止部と所定の隙間を維持した状態で、外壁部における第1係止部の周辺部位と当接する。これにより、第1ストッパ部に加わった外力が外壁部によって分散され第1係止部に対してその外力による影響が及ぶことを抑制することができる。
例えば、両ボックス構成体を組み合わせた状態において、第1係止部の少なくとも両側にて、外壁部と第1ストッパ部とが当接するように外壁部及び第1ストッパ部を形成するとよい。
手段8.前記第1ボックス構成体と前記第2ボックス構成体とを組み合わせることによって、前記規制手段を取り囲む空間部が形成されていることを特徴とする手段1乃至手段7のいずれか1つの手段に記載の遊技機。
手段8によれば、規制手段が制御基板を所定の位置に配置することにより形成された空間部内に配置されているため、規制手段へのアクセスを困難なものとすることができる。これにより、更なる防犯性の向上に貢献できる。
なお、「取り囲む空間部」は閉空間によって構成することが望ましい。閉空間内に規制手段が収容されることにより、規制手段へのアクセスを更に困難なものとすることができる。
手段9.前記各ボックス構成体は、前記内部空間と前記基板ボックスの外部空間とを区画する略一定肉厚の区画壁部(例えば裏側周壁部121や平板部110,130)を有し、
前記規制手段は、前記区画壁部によって区画された内部空間に収容されていることを特徴とする手段1乃至手段8のいずれか1つの手段に記載の遊技機。
手段9によれば、規制手段は、基板ボックスの内部空間内に収容されており、基板ボックスの外部空間への露出が抑えられている。これにより、規制手段へのアクセスを困難なものとし、基板ボックスが不正に開放されることを好適に抑制できる。
規制手段を基板ボックスの内部空間に収容する構成にあっては、上述の如く規制手段の露出を抑え防犯性を向上することができる反面、規制手段へのアクセスが難しくなることに起因して係止状態への移行作業が煩雑化することが懸念される。この点、手段1等に示すように規制手段(各係止部)が組み合わせ作業時におけるボックス構成体の相対位置の変化に基づいて係止状態に移行される構成を採用していることにより、規制手段に直接触れることなく係止状態への移行作業を行うことができる。これにより、係止状態への移行作業の煩雑化を回避しつつ、防犯性の向上に貢献することができる。
また、係止状態への移行作業用の開口等を基板ボックスに形成する必要もないため、不正侵入防止の観点からも好ましい構成を実現できる。
なお、本手段に示す「略一定肉厚の区画壁部」は、一定肉厚の区画壁部に補強を目的としたリブ等の突部等が形成されているものも含む。また、複数の「区画壁部」を有する構成においては、それら各区画壁部の厚みは同一であってもよいし、それぞれ異なっていてもよい。
因みに、手段7との組み合わせにおいては、「外壁部」を「区画壁部」と同一のものとしてもよいし、それら「外壁部」と「区画壁部」とが異なるものとしてもよい。
手段10.前記各ボックス構成体の区画壁部における少なくとも前記係止部の外側部分は、基板ボックスの外部から前記係止部を視認可能となるように透明又は半透明な材料によって形成されていることを特徴とする手段9に記載の遊技機。
規制手段(詳しくは係止部)を基板ボックスの内部空間に収容する構成とした場合、防犯性の向上を期待できる反面、以下の不都合が生じ得る。すなわち、ボックス構成体を強引に分離方向へ引き離すことによって係止部が破壊された後、ボックス構成体同士を再度組み合わされた場合、そのような開放事実の把握が困難となり得る。この点、本手段に示すように、基板ボックス外部から係止部(係止状態)の確認を可能とすれば、上述したような不都合を好適に回避し、仮に強引な開放が行われた場合であっても、それに伴って発生する痕跡の確認が容易なものとなり、実用上好ましい構成を実現できる。
手段11.前記第1係止部における前記係止状態の解除側への変位方向と、前記第1係止部における前記係止状態の解除側への変位方向とが逆向きに設定されており、
前記第1係止部と所定の間隔を隔てて配置され、前記第1係止部が前記係止状態の解除側に変位した際に同第1係止部に当接しその変位を妨げる第1ストッパ部(裏側構成体101の対向壁部124)と、
前記第2係止部と所定の間隔を隔てて配置され、前記第2係止部が前記係止状態の解除側に変位した際に同第2係止部に当接しその変位を妨げる第2ストッパ部(表側構成体102の第1表側周壁部132)と
を備え、
前記第1ストッパ部及び第2ストッパ部は相互に対峙する壁状をなし、それら第1ストッパ部及び第2ストッパ部によって挟まれた領域に、前記第1係止部及び前記第2係止部が配置されており、
それら各ストッパ部のうち一方は、他方よりも前記基板ボックスにおける内側に配置されていることを特徴とする手段1乃至手段10のいずれか1つの手段に記載の遊技機。
手段11によれば、手段4と同様の効果に加え以下の特別な効果を奏する。すなわち、各ストッパ部のうち一方が他方よりも内側に配置されている。同様に、各係止部の一方は、他方よりも内側に配置されることとなる。このため、基板ボックスの外部から、ストッパ部や係止部へ不正にアクセスしようとした場合には、内側に配置された一方のストッパ部及び一方の係止部に対するアクセスは他方係止部等に比べて困難なものとなる。係止状態の解除には、両方の係止部を変位させる必要があり、少なくとも一方の変位を困難なものとすれば、係止状態が不正に解除されることを好適に抑制できる。
例えば、各ストッパ部及び各係止部を制御基板の長手方向に並設するとよい。これにより、仮に基板ボックスの外部から不正具等が挿入された場合であっても、外側のストッパ部によって、その外側のストッパ部自身よりも内側に配置された両係止部及び内側のストッパ部へのアクセスを妨げることができ、実用上好ましい構成を実現できる。
手段12.前記規定部によって規定された前記第1ボックス構成体と前記第2ボックス構成体との相対移動方向は、前記第1係止部における前記係止状態を解除する側への変位方向と、前記第2係止部における前記係止状態を解除する側への変位方向との両方向に対して交差するように設定されていることを特徴とする手段1乃至手段11のいずれか1つの手段に記載の遊技機。
手段1乃至手段11に示す構成において、第1ボックス構成体と第2ボックス構成体とを分離させる際の相対移動方向が、いずれかの係止部の係止解除側への変位方向と同一となった場合、一の操作によって片方の係止部の変位と両ボックス構成体の分離方向への移動とが同時に実施可能となり得る。より具体的には、片方の手で一方の係止部を操作し、他方の手で他方の係止部を操作しつつ両ボックス構成体の分離操作を実施し得ると想定される。このように操作の統合が生じることは、両ボックス構成体の分離を規制する観点から好ましくない。
この点、本手段によれば、両ボックス構成体の相対移動及び係止部の変位が個々に独立した方向となるように設定できるため、上述したような操作の統合を図ることは困難となり、基板ボックスの開放を好適に規制できる。
手段13.前記案内部は、前記規定部によって前記第1ボックス構成体と前記第2ボックス構成体との組み合わせ方向が規定されている全範囲のうち所定の範囲において、前記規定部によって規定された所定の方向への前記第1ボックス構成体と前記第2ボックス構成体との相対移動に基づきその所定の方向と交差し且つ相互に離れる側へ前記第1変形部と前記第2変形部とを変形させる案内部であり、
前記第1ボックス構成体と前記第2ボックス構成体とをそれら両ボックス構成体の組み合わせ側へ前記所定の範囲を超えて更に相対移動させた場合に、前記第1係止部と前記第2係止部とは、前記案内部による案内状態から、前記第1変形部と前記第2変形部とが自身の弾性力に基づき変形前の状態に復帰する側に変形することに伴って係止状態に移行されることを特徴とする手段1乃至手段12のいずれか1つの手段に記載の遊技機。
手段13によれば、第1ボックス構成体と第2ボックス構成体とを組み合わせることにより、両ボックス構成体の分離が規制された状態に移行される。具体的には、第1ボックス構成体と第2ボックス構成体とを相対移動させることに基づき、両変形部が案内部によって所定の方向と交差し且つ相互に離れる側へ弾性変形する。更に相対移動が行われると、案内部による案内が終了し、両変形部が自身の弾性力により変形前の状態に復帰する側に変形する。これにより、第1係止部と第2係止部とが係止状態となり、第1ボックス構成体と第2ボックス構成体との分離が規制される。
以上詳述したように、基板ボックスを組み上げる際には、両ボックス構成体の相対移動によって係止状態への移行が可能であり、係止状態へ移行するための別途操作を必要としない。これにより、基板ボックスの組み上げ作業を容易なものとしつつ、同基板ボックスの開放を困難なものとすることができる。
手段14.前記規制手段を複数備え、それら各規制手段は複数の異なる箇所に離間して配置されていることを特徴とする手段1乃至手段13のいずれか1つの手段に記載の遊技機。
手段14によれば、第1ボックス構成体及び第2ボックス構成体の分離を複数の部位にて規制することで、両ボックス構成体の離れや、それらボックス構成体間の境界部位の広がりを抑えやすくすることができる。これにより、防犯性の更なる向上が期待できる。
規制手段を複数設定する場合、それぞれの箇所にて係止状態への移行作業を行う必要が生じ、基板ボックスの組み上げ作業が煩雑化しやすくなることが懸念される。この点、手段1等に示すようにボックス構成体の組み合わせ作業に伴って各係止部が係止状態に移行されるという優れた特徴を有している。このため、規制手段の増加に伴う作業性の悪化を抑えつつ、防犯性の向上に貢献することができる。
例えば、第1ボックス構成体及び第2ボックス構成体の境界部位や、制御基板の周縁部に沿って規制手段を点在させるとよい。
手段15.遊技に関する制御を行う制御基板(主制御基板233)と、
前記制御基板を収容する基板ボックス(基板ボックス234)と、
前記基板ボックスを装着するボックス側装着部(制御装置装着部251)、及び遊技機本体(遊技盤33)に対する本体側取付部(脚部252の取付部254等)を有する台座部材(取付台231)と、
前記台座部材への前記基板ボックスの装着作業時における当該基板ボックスの装着方向を所定の方向に規定する規定部(例えば基板ボックス234の周壁部242,243及び取付台231の起立部261,262)と、
前記基板ボックスの前記台座部材からの取り外しを規制する規制手段(例えば規制手段270)と
を備え、
前記規制手段は、
前記台座部材に設けられた第1係止部(取付台側係止部271)と、
前記基板ボックスに設けられ、前記第1係止部に係止されることにより前記台座部材からの前記基板ボックスの取り外しを規制する第2係止部(構成体側係止部281)と、
弾性変形することにより前記第1係止部を前記第2係止部との係止状態が解除される側に変位させる第1変形部(取付台側係止部271のアーム部272)と、
弾性変形することにより前記第2係止部を前記第1係止部との係止状態が解除される側に変位させる第2変形部(構成体側係止部281の起立部282)と、
前記規定部によって規定された所定の方向への前記基板ボックスの移動に基づき、前記第1係止部及び前記第2係止部を係止状態へと移行させる案内部(ガイド部274,285)と
を備え、
前記第1変形部及び前記第2変形部の弾性変形に基づいて、前記第1係止部及び前記第2係止部の両者が共に係止状態の解除される側に変位することにより、それら第1係止部及び第2係止部の係止状態が解除されることを特徴とする遊技機。
手段15によれば、規定部によって規定された所定の方向への基板ボックスの移動に基づいて、台座部材からの基板ボックスの取り外し規制が実施される。具体的には、基板ボックスの装着方向への移動に基づいて第1変形部及び第2変形部が共に変位することにより、第1係止部と第2係止部とが変位して係止状態へと移行される。このように、基板ボックスの取り外しを規制するための別途作業を必要としないことで、基板ボックスの取り付け作業の煩雑化を抑えることができる。
更には、基板ボックスを取り外す際には両係止部をそれぞれ異なる方向へ変位させるとともに基板ボックスを取り外し方向へ移動させる必要がある。例えば、一方の係止部を片方の手で操作し、他方の係止部を反対側の手で操作した状態にて、更に基板ボックスを移動させる必要がある。このため、1人で基板ボックスの取り外し作業を行うことは困難なものとなり、基板ボックスが制御基板ごと持ち去られたり(盗難されたり)、制御基板が基板ボックスごと入れ換えられたりするといった不都合を好適に抑制できる。
以上詳述したように、基板ボックスの取り付け作業を容易なものとしつつ、基板ボックの取り外しを困難なものとすることで、作業性の担保と防犯性の向上とを好適に両立することができる。
なお、本手段に対して、上述した手段2乃至手段14に示した技術的思想を適用することも可能である。
手段16.前記ボックス側係止部を前記基板ボックスにおける前記ボックス側装着部と対峙する部分に配置し、
前記ボックス側装着部に装着した基板ボックスによって、前記規制手段を覆う構成としたことを特徴とする手段15に記載の遊技機。
手段16によれば、ボックス側装着部上に装着した基板ボックスによって規制手段を覆う構成とした。この場合、ボックス側装着部上に基板ボックスが装着された状態では、規制手段の露出が抑制され、規制手段へのアクセスが基板ボックスによって妨げられることとなる。これにより、各係止部による係止状態が不正に解除されることを好適に抑制できる。
手段17.前記基板ボックス及び前記台座部材は透明性を有する材料により形成され、
前記規制手段は、前記制御基板の前記ボックス側装着部側への投影範囲との重なりを回避した位置に配置されていることを特徴とする手段16に記載の遊技機。
手段16に示すように、規制手段を基板ボックスの背後に配置する構成においては、防犯性の向上に貢献できる半面、各係止部が制御基板によって遮られることでの係止状態の確認作業が困難となり得る。この点、本手段によれば、制御基板の板面方向において同制御基板と重ならない位置に規制手段が配置されている。これにより、基板ボックスを取り外すことなく、各係止部の係止状態の確認を容易に行うことができ、防犯性の向上と作業性の担保との両立を図ることができる。
手段18.前記台座部材は、前記基板ボックス側に開放され前記規制手段を収容する凹部(凹部263の拡張領域263a)を備え、
前記基板ボックスは、前記ボックス側装着部に装着された状態にて前記凹部を塞ぐ遮蔽部(裏側平板部241及び第1表側周壁部242の突出部245)を備えていることを特徴とする手段15乃至手段17のいずれか1つの手段に記載の遊技機。
手段18によれば、基板ボックスが台座部材に装着されることで、凹部及び遮蔽部によって閉空間が形成される。この閉空間内に規制手段(詳しくは各係止部)が収容されることで、係止状態の解除が困難なものとなる。これにより、基板ボックスの不正な取り外しを好適に抑制することができる。
手段19.遊技に関する制御を行う制御基板(主制御基板91等)と、
内部空間が形成されており、その内部空間に前記制御基板が収容されている基板ボックス(基板ボックス92)と
を備え、
前記基板ボックスは、
相互に組み合わされることにより当該基板ボックスの内部空間の少なくとも一部を形成する第1ボックス構成体(例えば裏側構成体101)及び第2ボックス構成体(例えば表側構成体102)と、
前記第1ボックス構成体及び前記第2ボックス構成体の組み合わせ作業時におけるそれら両ボックス構成体の相対移動方向を所定の方向に規定する規定部(例えば裏側構成体101の裏側周壁部121及び表側構成体102の表側周壁部131)と、
それら第1ボックス構成体及び第2ボックス構成体の分離を規制する規制手段(例えば係止機構175)と
を備え、
前記各ボックス構成体は、前記内部空間と前記基板ボックスの外部空間とを区画する略一定肉厚の区画壁部(例えば裏側周壁部118や表側周壁部122)を有するとともに、前記内部空間に前記規制手段が収容されており、
前記規制手段は、
前記第1ボックス構成体に設けられた第1係止部(裏側係止部180)と、
前記第2ボックス構成体に設けられ、前記第1係止部に係止されることにより前記両ボックス構成体の分離を規制する第2係止部(表側係止部190)と、
弾性変形することにより前記第1係止部を前記第2係止部との係止状態が解除される側に変位させる第1変形部(裏側係止部180のアーム部181)と、
弾性変形することにより前記第2係止部を前記第1係止部との係止状態が解除される側に変位させる第2変形部(表側係止部190の起立部191)と、
前記規定部によって規定された所定の方向のうち、前記第1ボックス構成体と前記第2ボックス構成体とを組み合わせる側へのそれら両ボックス構成体の相対移動に基づき、前記第1係止部及び前記第2係止部を係止状態へと移行させる案内部(ガイド部158a,199a)と
を備え、
前記第1変形部及び前記第2変形部の弾性変形に基づいて、前記第1係止部及び前記第2係止部の両者が共に係止状態の解除される側に変位することにより、それら第1係止部及び第2係止部の係止状態が解除されることを特徴とする遊技機。
手段19によれば、手段9で示した効果と同様の効果を奏する。本手段に、手段2乃至手段8や手段10乃至手段14に示した技術的思想を適用することも可能である。
なお、複数の「区画壁部」を有する構成においては、それら各区画壁部の厚みは同一であってもよいし、それぞれ異なっていてもよい。
手段20.前記制御基板には遊技制御プログラムを記憶した素子(CPUチップ93等)が搭載されているとともに、
前記基板ボックスの内部空間を規定する規定部を複数の領域に区画するように設けられ、前記両ボックス構成体の係止状態を解除して前記内部空間を開放する場合よりも当該内部空間を開放し易いように切断し易く形成されたボックス側切断部(ボックス側切断部151等)を備えており、
当該ボックス側切断部を切断して、前記内部空間を規定している位置から前記規定部の一部の領域を除去した場合、前記素子の取り外し又は前記制御基板において少なくとも前記素子が搭載された領域の取り外しを可能とする開口(開口154等)が前記基板ボックスに形成されることを特徴とする手段19に記載の遊技機。
手段20によれば、基板ボックスにはボックス側切断部が形成されており、当該ボックス側切断部を切断して、内部空間を規定している位置から規定部の一部の領域を除去した場合、遊技制御プログラムを記憶した素子の取り外しを可能とする開口が基板ボックスに形成される。そして、ボックス側切断部はボックス構成体の係止状態を解除する場合よりも切断し易く形成されているため、遊技場において上記素子を基板ボックスから取り出して入念に検査する場合には、その作業を比較的容易に行うことができる。特に、規制手段を基板ボックスの内部空間に収容している場合、係止状態の不正な解除を不可とする一方で、制御基板や素子等の検査等が行いにくくなる。上述の如く積極的に切断が容易な部分を設けることによって、防犯性の向上と作業性の担保とを両立することが可能となる。
また、ボックス側切断部を切断して基板ボックスの内部空間を開放させた場合には、当該基板ボックスに開口が形成されるため、仮に上記素子などに不正を行う目的でボックス側切断部を切断して基板ボックスの内部空間が開放されていた場合にはその発見を比較的容易に行うことができる。
さらには、上記のようにボックス側切断部が設けられた構成においては、当該ボックス側切断部によって基板ボックスの内部空間を良好に開放するための機能が果たされているため、複数のボックス構成体の分離の規制に際しては、基板ボックスの内部空間を開放する場合の作業性を考慮する必要がなくなる。したがって、複数のボックス構成体の分離の規制(例えば固定)を強固に行うことが可能となる。
なお、「前記基板ボックスの内部空間を規定する規定部」は、基板ボックスの一部又は全部のいずれであってもよい。また、換言すれば、「前記基板ボックスの内部空間を規定する周壁」としてもよく、「前記基板ボックスにおいて当該基板ボックスの内部空間を規定する壁部」としてもよい。そして、手段19に示す「区画壁部」と「規定部」とは同一の対象を示すものであってもよいし、異なる対象を示すものであってもよい。
また、「切断しやすく形成された切断部」は、例えば、以下に示すような構成を適用することで容易に実現できる。「基板ボックスの内外に貫通する貫通孔(貫通孔152)が所定の線上に複数配列されてなり、前記貫通孔は、長孔状をなすとともに、それら各貫通孔の長手方向が前記所定の線に沿うように配置されている構成」を適用してもよく、「前記切断部は、前記基板ボックスの内外に貫通する貫通孔(貫通孔152)が所定の線上に複数配列されてなり、隣り合うように並設された前記貫通孔間の距離寸法は、その並設方向における前記貫通孔の長さ寸法よりも小さく設定されている構成」を適用してもよい。
因みに、「前記素子の取り外しを可能とする開口が前記基板ボックスに形成され」には、当該開口によって素子が露出する構成だけでなく、基板ボックスの内部空間に素子を覆うカバー部を備えた構成においては前記開口によって当該カバー部が露出し、その状態で当該カバー部を除去することが可能となるとともに、当該カバー部を除去することで素子が露出する構成も含まれる。
手段21.前記ボックス側切断部は、前記規定部において前記素子と対峙する部位を含んだ領域をその周囲の領域に対して区画するように形成されていることを特徴とする手段20に記載の遊技機。
手段21によれば、ボックス側切断部を切断することで、制御基板において素子が搭載された領域を露出させることが可能となる。よって、素子の検査を行う場合の作業性を向上させることができる。
なお、「前記素子と対峙する部位」には、当該部位と素子との間に何ら部材が介在していない構成だけでなく、当該部位と素子との間に所定の部材が介在している構成も含まれる。この所定の部材としては、例えば、基板ボックスの内部空間において素子を覆うカバー部などが含まれる。これは以下も同様である。
手段21.前記ボックス側切断部は、当該ボックス側切断部を切断することにより前記基板ボックスに形成される開口が前記制御基板の取り出しを不可とする大きさとなるように形成されていることを特徴とする手段20又は手段21に遊技機。
制御基板装置に対する不正行為としては、制御基板を不正に取得しようとする行為や、制御基板を不正な基板に交換しようとする行為が想定される。この場合に、上記手段1の構成を備え、ボックス側切断部が基板ボックスに設けられた構成においては、当該ボックス側切断部を切断することにより基板ボックスに形成される開口を通じて、制御基板を取り外そうとする行為が想定される。これに対して、本手段によれば、ボックス側切断部を切断したとしても制御基板の取り外しが難しくなり、上記不正行為を困難なものとすることが可能となる。
なお、制御基板は基板ボック内にて固定具等によって固定されていてもよい。かかる場合、仮にそれら固定具による固定が解除された場合であっても、開口からの制御基板の取り外しが困難となる。これにより、防犯性の向上に貢献できる。
以下に、本手段を実現し得る遊技機の具体例を示す。
前記制御基板は、前記制御基板が前記開口側に移動した場合に、前記開口が形成された規定部に対して当接することにより前記基板ボックスからの当該制御基板の取り外しを規制する規制部を備えていることを特徴とする手段20又は手段21に記載の遊技機。
手段23.前記ボックス側切断部によって区画された領域以外の領域に、前記結合手段が設けられていることを特徴とする手段20乃至手段22のいずれか1つの手段に記載の遊技機。
手段23によれば、ボックス側切断部が切断され規定部の一部が除去された場合であっても、規制手段による前記第1ボックス構成体及び前記第2ボックス構成体の係止状態が維持される。これにより、制御基板の不要な露出を抑えることができる。特に手段21との組み合わせにおいては、ボックス構成体同士が分離されることで、制御基板が取り外されることを好適に抑制できる。
手段24.前記制御基板は、当該制御基板を複数の領域に区画するようにして設けられ、制御基板における他の部位に比べ切断し易い基板側切断部(基板側切断部161)を備えており、
当該基板側切断部を切断することにより、前記制御基板において前記素子が搭載された領域が他の領域に対して分離可能となるとともに、
当該素子が搭載された領域は、前記ボックス側切断部を切断することにより前記基板ボックスに形成される開口を通じて前記基板ボックスから取り出し可能な大きさに設定されていることを特徴とする手段22又は手段23に記載の遊技機。
上記手段22の構成を備え、ボックス側切断部を切断したとしても制御基板を取り外すことができないようにした構成において、制御基板の検査を行うために素子が搭載された領域を基板ボックスの外部に取り出すことが必要となることがある。この場合に、手段24によれば、制御基板には基板側切断部が形成されており、当該基板側切断部を切断することにより制御基板において素子が搭載された領域を基板ボックスの外部に取り出すことができる。そして、基板側切断部は制御基板における他の領域に比べ切断し易く形成されている。よって、当該検査の作業性を向上させることができる。
手段25.前記ボックス側切断部は、前記規定部において、前記基板側切断部と対峙する部位の全体を含んだ領域をその周囲の領域に対して区画するように形成されていることを特徴とする手段24に記載の遊技機。
手段25によれば、ボックス側切断部を切断して基板ボックスに開口を形成することにより、基板側切断部の全体が露出することとなる。よって、基板側切断部を切断する場合の作業性を向上させることができる。
以下に、以上の各手段を適用し得る各種遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。
(第1の実施の形態)
(第1実施例)
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施例を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10を前方から見た斜視図、図2はパチンコ機10の遊技機本体12の分解斜視図である。なお、図2では便宜上、パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能(開閉可能)に取り付けられた遊技機本体12とを有している。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技場の島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
外枠11は、木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技場に設置される。なお、外枠11を合成樹脂やアルミニウム等の金属によって形成することも可能である。
外枠11の一側部に遊技機本体12が回動可能に支持されている。具体的には、図1に示すように、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具21が設けられており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具22が設けられている。これら上側支持用金具21及び下側支持用金具22により支持機構が構成され、当該支持機構によって外枠11に対して遊技機本体12が回動可能に支持されている。
また、遊技機本体12には、図2に示すように、その回動先端部に施錠装置23が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して閉鎖状態とした場合には施錠装置23の鉤部材24が外枠11の右枠部の内側面に設けられた鉤受け部にて受けられ、遊技機本体12の開放が阻止される。一方、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠25に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、外枠11の鉤受け部にて鉤部材24が受けられた状態が解除され、遊技機本体12の外枠11からの開放が可能となる。なお、施錠装置23は、後述する内枠13と前扉枠14との施錠を行う機能も有している。
遊技機本体12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能(開閉可能)に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能(開閉可能)に支持されており、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能(開閉可能)に支持されており、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として後方へ回動可能とされている。
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。図3は内枠13の正面図である。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース31を主体に構成されている。樹脂ベース31の中央部には略楕円形状の窓孔32が形成されている。樹脂ベース31には遊技盤33が着脱可能に取り付けられている。遊技盤33は合板よりなり、遊技盤33の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース31の窓孔32を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤33の構成を図4に基づいて説明する。遊技盤33には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口34,可変入賞装置35,作動口36,スルーゲート37及び可変表示ユニット38等がそれぞれ設けられている。一般入賞口34は、左右にそれぞれ2個ずつ合計4個設けられている。一般入賞口34、可変入賞装置35及び作動口36に遊技球が入ると、それが後述する検知スイッチにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。その他に、遊技盤33の最下部にはアウト口39が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口39を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤33には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘40が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
可変表示ユニット38には、作動口36への入賞をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示装置41が設けられている。また、可変表示ユニット38には、図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム42が配設されている。センターフレーム42の上部には、第1特定ランプ部43及び第2特定ランプ部44が設けられている。また、センターフレーム42の下部及び上部にはそれぞれ保留ランプ部45,46が設けられている。下側の保留ランプ部45は図柄表示装置41及び第1特定ランプ部43に対応しており、遊技球が作動口36を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部45の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上側の保留ランプ部46は第2特定ランプ部44に対応しており、遊技球がスルーゲート37を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
図柄表示装置41は液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置41には、例えば左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示された場合には、特別遊技状態(以下、大当たりという)が発生することとなる。
第1特定ランプ部43では、作動口36への入賞をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には大当たりが発生する。また、第2特定ランプ部44では、遊技球のスルーゲート37の通過をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には作動口36に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となる。なお、これら第1特定ランプ部43及び第2特定ランプ部44の制御は、後述する主制御装置により行われる。
可変入賞装置35は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。可変入賞装置35の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置35が繰り返し開放されるものが一般的である。なお、可変入賞装置35の駆動制御は、後述する主制御装置により行われる。
遊技盤33には、内レール部47と外レール部48とが取り付けられており、これら内レール部47と外レール部48とにより誘導レールが構成され、遊技球発射機構50から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。
遊技球発射機構50は、図3に示すように、樹脂ベース31における窓孔32の下方に取り付けられている。遊技球発射機構50は、電磁式のソレノイド51と、発射レール52と、球送り機構53とからなり、ソレノイド51への電気的な信号の入力により当該ソレノイド51の出力軸が伸縮方向に移動し、球送り機構53によって発射レール52上に置かれた遊技球を遊技領域に向けて打ち出す。
内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1等に示すように、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部55が形成されている。窓部55は、略楕円形状をなし、透明性を有するガラス56が嵌め込まれている。窓部55の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。また、左上及び右上の位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部が設けられている。
前扉枠14における窓部55の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部57と下側膨出部58とが上下に並設されている。上側膨出部57内側には上方に開口した上皿57aが設けられており、下側膨出部58内側には同じく上方に開口した下皿58aが設けられている。上皿57aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿58aは、上皿57a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
下側膨出部58の右方には、手前側へ突出するようにしてハンドル装置59が設けられている。ハンドル装置59が操作されることにより、遊技球発射機構から遊技球が発射される。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。図5は内枠13の背面図、図6は裏パックユニット15の正面図である。
図5に示すように、内枠13(遊技盤33)の背面には、主制御装置ユニット61及び音声ランプ制御装置ユニット65が搭載されている。
主制御装置ユニット61は、合成樹脂製の取付台62を有し、取付台62に主制御装置63が搭載されている。具体的には、ネジ等の締結具によって取付台62と主制御装置63とが一体化されている。主制御装置63は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備している。なお、主制御装置63の具体的な構成については、後に詳細に説明する。
音声ランプ制御装置ユニット65は、音声ランプ制御装置66と、取付台67とを具備する構成となっており、取付台67上に音声ランプ制御装置66が装着されている。音声ランプ制御装置66は、主制御装置63からの指示に従い音声やランプ表示、及び図示しない表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス68に収容されて構成されている。
裏パックユニット15は、図6に示すように、裏パック71を備えており、当該裏パック71に対して、払出機構部72及び制御装置集合ユニット73が取り付けられている。裏パック71は透明性を有する合成樹脂により形成されており、払出機構部72などが取り付けられるベース部74と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部75とを有する。
ベース部74には、その右上部に外部端子板76が設けられている。外部端子板76には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技場側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。ベース部74には、保護カバー部75を迂回するようにして払出機構部72が配設されている。すなわち、裏パック71の最上部には上方に開口したタンク77が設けられており、タンク77には遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク77の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレールが連結され、タンクレールの下流側には上下方向に延びるケースレールが連結されている。ケースレールの最下流部には払出装置78が設けられている。払出装置78より払い出された遊技球は、当該払出装置78の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、上皿57a又は下皿58aに排出される。
払出機構部72には、裏パック基板79が設置されている。裏パック基板79には、例えば交流24ボルトの主電源が供給され、電源スイッチの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
ベース部74の下端部には、制御装置集合ユニット73が取り付けられている。制御装置集合ユニット73は、横長形状をなす取付台81を有し、取付台81に払出制御装置82と電源及び発射制御装置83とが搭載されている。これら払出制御装置82と電源及び発射制御装置83とは、払出制御装置82がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置82は、基板ボックス84内に払出装置78を制御する払出制御基板が収容されて構成されている。電源及び発射制御装置83は、基板ボックス85内に電源及び発射制御基板が収容されて構成されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者によるハンドル装置59の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。
次に、主制御装置63の構成を図7〜図9に基づいて詳細に説明する。図7は主制御装置63の構成を示す斜視図、図8は主制御装置63を表側から見た分解斜視図、図9は主制御装置63を裏側から見た分解斜視図である。
主制御装置63は、図8及び図9に示すように、長板状の主制御基板91と内部空間が形成された略直方体状の基板ボックス92とを備えており、当該基板ボックス92内に主制御基板91が収容されてなる。
主制御基板91は、主たる制御を司るCPU、遊技制御プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM等を備えている。本実施の形態では、CPU、ROM及びRAMがCPUチップ93に1チップ化されている。また、詳細な説明は省略するが、主制御基板91には入出力ドライバ用ICチップ94及びラッチ用ICチップ95が搭載されている。更に、図示は省略するが、主制御基板91にはコンデンサや抵抗などの各種素子が搭載されているとともに、複数のコネクタが搭載されている。
主制御基板91においてCPUチップ93などの各種素子やコネクタは全て同一の板面上に搭載されており、CPUチップ93を除いて、逆側の板面にて半田付けされている。つまり、主制御基板91は、一方の板面が素子搭載面97となっており、他方の板面が半田面98となっている。なお、半田面98とは、素子搭載面97に搭載される各種素子の半田付け部分が設けられた面であるが、当該半田面98に対して回路パターンが形成されていてもよい。
ここで、CPUチップ93は素子搭載面97の中央付近に配置されており、さらに素子搭載面97から起立させて設けられている。さらに、CPUチップ93は上記のとおり主制御基板91に半田付けされておらず、CPUチップ93の接続端子が主制御基板91に差し込まれた状態となっている。つまり、CPUチップ93は抜き挿し可能な状態で主制御基板91に搭載されている。但し、CPUチップ93を主制御基板91に対して半田付けしてもよい。
基板ボックス92は、複数のボックス構成体として、裏側構成体(ボックスベース又は裏ケース体)101と、表側構成体(ボックスカバー又は表ケース体)102と、コネクタ用プレート(ミドルプレート)104とを備えている。これら裏側構成体101,表側構成体102,コネクタ用プレート104は、基板ボックス92内に収容された主制御基板91の素子搭載面97及び半田面98を基板ボックス92外から視認可能なように透明性を有する材料により形成されている。具体的には、無色透明のポリカーボネート樹脂により形成されているが、これに限定されることはなく、アクリル樹脂等であってもよく、さらには有色透明であってもよい。
裏側構成体101は、図8及び図9に示すように、主制御基板91と同様に略長板状をなす裏側平板部110を備えている。主制御基板91は、その半田面98が裏側平板部110と対向するように配置されている。裏側平板部110は主制御基板91の長手方向と同一方向を長手方向とする略長方形状をなしており、その外形は主制御基板91の外形よりも大きく形成されている。また、裏側平板部110における主制御基板91と対向している側には、板面を四角形状に区画する区画枠部113が一体形成されている。この区画枠部113は裏側平板部110から主制御基板91側に突出している。
裏側平板部110には、図8に示すように、区画枠部113により区画された領域の内側及び外側のそれぞれに複数のボス114,115,116が一体形成されており、各ボス114〜116にはそれぞれネジ孔が形成されている。これらボス114〜116のうち区画枠部113により区画された領域内に形成されたボス114、詳しくは区画領域の周縁部に沿って形成されたボス114は、主制御基板91を裏側構成体101に固定するために用いられるものであり、区画枠部113により区画された領域内における他のボス115は、主制御基板91を仮固定するために用いられるものであり、区画枠部113により区画された領域の外部に形成されたボス116は、表側構成体102を仮固定するために用いられるものである。なお、以下の説明では、最初のボス114を基板本固定用ボス(基板本固定部)114、次のボス115を基板仮固定用ボス(基板仮固定部)115、最後のボス116をボックス仮固定用ボス(ボックス仮固定部)116ともいう。
基板本固定用ボス114に対してネジ止めされていることにより、裏側構成体101に主制御基板91が固定されている。主制御基板91の周縁は裏側構成体101の区画枠部113と重なっており、さらに主制御基板91の半田面98は、裏側平板部110において区画枠部113により区画された領域と対向している。この場合、主制御基板91の周縁部と区画枠部113とが当接することにより、主制御基板91と裏側平板部110との間に閉空間が形成されるようにしてもよく、一部又は全周に亘って隙間を設けておくようにしてもよい。
基板本固定用ボス114に対する主制御基板91のネジ止めは、主制御基板91の素子搭載面97側から破断ネジ117を螺着することにより行われている。ここで、破断ネジ117とは、ドライバなどの工具に先端を差込可能な頭部とネジ溝が形成された側との連結部分の強度が低く設定されたものであり、それ以上締めることができない位置において頭部に対して上記工具によりさらに所定の力を加えることにより、上記連結部分が切断され、頭部が分離されるものである。つまり、破断ネジ117は、螺着後において、上記工具を用いて緩める方向へ回転させることを不可とするものである。なお、螺着後において主制御基板91と基板本固定用ボス114との結合を緩めることができないようにすることができるのであれば、主制御基板91と基板本固定用ボス114とを結合する固定具(結合手段)は破断ネジ117に限定されることはなく周知のワンウェイネジであってもよい。基板本固定用ボス114に螺着されている破断ネジ117は螺着後において頭部が分離されている。
基板仮固定用ボス115及びボックス仮固定用ボス116はそれぞれ、遊技場において主制御基板91の検査を行う上で基板ボックス92を開放した後に用いられる。これについては、後に詳細に説明することとし、ここでは説明を省略する。
また、裏側平板部110における外周縁の全域には、主制御基板91側に起立し、同主制御基板91を囲む裏側周壁部121が一体成形されている。裏側周壁部121は裏側平板部110の各外周縁に沿って形成された略一定肉厚の板状部分、具体的には主制御基板91における長手方向両側に配置され同主制御基板91を挟んで対峙する一対の第1裏側周壁部122と、主制御基板91における短手方向両側に配置され同主制御基板91を挟んで対峙する一対の第2裏側周壁部123とを有しており、それら第1裏側周壁部122及び第2裏側周壁部123がコーナー部を介して連結されてなる。
これら裏側平板部110及び裏側周壁部121によって区画される空間に、主制御基板91が収容されている。すなわち、裏側構成体101は一方に開放された略箱状をなしており、その裏側構成体101内に主制御基板91が収容された状態となっている。
区画枠部113と各第1裏側周壁部122との間には、それら第1裏側周壁部122に対向する対向壁部124がそれぞれ設けられている。それら各対向壁部124は、裏側平板部110に一体成形されており、両第2裏側周壁部123に連なる板状をなしている。より詳細には、対向壁部124は、裏側平板部110から起立しており、その起立量が第1裏側周壁部122の起立量と同等となるように構成されている。そして、各第1裏側周壁部122と各対向壁部124との間に挟まれた空間、すなわち両壁部122,124及び裏側平板部110の一部によって構成された溝部125には、両構成体101,102の取り外し(すなわち分離)を規制する規制手段の一部が収容されているが、同規制手段についての詳細は後述する。
上記のように主制御基板91が一体化された裏側構成体101に対して、コネクタ用プレート104が一体化された表側構成体102が組み合わされており、この表側構成体102によって裏側構成体101の開放部位が塞がれた状態となっている。
図8及び図9に示すように、表側構成体102は、主制御基板91の素子搭載面97と対向する表側平板部130を有している。すなわち、裏側構成体101の裏側平板部110と表側構成体102の表側平板部130との間に、主制御基板91が挟まれた状態となっている。表側平板部130は主制御基板91の正面側から見て略長方形状をなしており、その外形が裏側平板部110の外形よりも若干大きくなるように形成されている。そして、主制御基板91側の面(内面)が裏側周壁部121及び対向壁部124の先端縁全域に当接している。すなわち、この表側平板部130によって上述の如く裏側構成体101の開放部位が塞がれている。
表側平板部130における外周縁の全域には主制御基板91側に起立した表側周壁部131が一体成形されている。表側周壁部131は、表側平板部130の各縁部に沿って形成された略一定肉厚の板状部分、具体的には主制御基板91における長手方向両側に配置され同主制御基板91を挟んで対峙する一対の第1表側周壁部132と、主制御基板91における短手方向両側に配置され同主制御基板91を挟んで対峙する一対の第2表側周壁部133とを有しており、それら第1表側周壁部132及び第2表側周壁部133がコーナー部を介して連結されてなる。すなわち、これら表側平板部130及び表側周壁部131により、表側構成体102は主制御基板91側に解放された略箱状をなす構成となっている。
また、それら第1表側周壁部132は、自身の内壁面132aが前記第1裏側周壁部122の外壁面122aに対向し、且つそれら外壁面122aのほぼ全域に対して各内壁面132aが当接するように形成されている。第2表側周壁部133についても同様に、自身の内壁面133aが前記第2裏側周壁部123の外壁面123aに対向し、且つそれら外壁面123aのほぼ全域に対して各内壁面133aが当接するように形成されている。これにより、表側構成体102の開放部位が裏側構成体101によって塞がれているとともに、裏側周壁部121及び表側周壁部131によって、主制御基板91は、内外二重に囲われた状態となっている。
裏側周壁部121及び表側周壁部131は、両構成体101,102を組み付ける際の両構成体101,102の相対移動方向を所定の方向(本実施の形態においては素子搭載面97の面方向と同一の方向)に規定する規定手段としての機能と、組み合わせ完了後に両構成体101,102が前記所定の方向と交差する方向に位置ずれすることを抑制する抑制手段としての機能とを併せ有している。両構成体101,102を組み合わせる際には、裏側周壁部121の外壁面122a,123aに表側周壁部131の内壁面132a,133aを沿わせることで、前記所定の方向に向けて組み合わせの案内がなされる。換言すれば、その所定の方向以外の方向からの組み合わせが制限されている。
そして、両構成体101,102が相互に組み合わせられた状態においては、裏側周壁部121の外壁面122a,123aに対して表側周壁部131の内壁面132a,133aが当接していることにより、前記所定の方向に対して交差する方向への位置ずれが抑えられる。なお、両構成体101,102の組み合わせる際に所定の組み合わせ完了位置への案内がなされることに着目すれば、両周壁部121,131を「案内手段」と称することも可能である。
裏側構成体101の各第2裏側周壁部123には、それら第2裏側周壁部123の一部を切り欠いて形成され、表側構成体102の表側平板部130側に開放された複数のスリット141が設けられている。これらスリット141は、第1裏側周壁部122と対向壁部124とによって挟まれた空間に連なるように配置されている。表側構成体102には、それら各スリット141と対をなし、各スリット141に挿入される挿入部142が設けられている。挿入部142は、表側平板部130から起立しているとともに、第1表側周壁部132に対向する板状をなし、スリット141に対して嵌合する嵌合部143と、溝部125に嵌まり、第2裏側周壁部123に当接する当接部144とによって構成されている。挿入部142の板厚寸法はスリット141の隙間寸法と同等となるように形成されており、嵌合部143がスリット141に嵌合し、当接部144が第2裏側周壁部123の内面に当接することに基づいて、両構成体101,102の相対位置(具体的には前記所定の方向における相対位置及び、前記所定の方向と交差する方向における相対位置)が特定される。すなわち、これら第2裏側周壁部123,スリット141及び挿入部142によって、両構成体101,102の位置決め手段が構成されている。
また、表側平板部130の一方の長辺側には当該長辺に沿って延びる長孔部145が形成されている。当該長孔部145は、表側周壁部131と表側平板部130の区画壁146とによりその周囲が囲まれている。
表側構成体102と主制御基板91との間には、長孔部145を塞ぐようにして、コネクタ用プレート104が配置されている。コネクタ用プレート104は、表側構成体102の背面側にネジ止めされている(詳しくは着脱可能な状態で固定されている)。コネクタ用プレート104には、主制御基板91に設けられた所定のコネクタ群に1対1で対応させて貫通孔149が複数形成されている。
上述したようにコネクタ用プレート104が一体化された表側構成体102は、主制御基板91が一体化された裏側構成体101に対して、主制御基板91の素子搭載面97を覆うようにして組み合わされている。この場合、裏側構成体101の裏側周壁部121(詳しくは端面119)と表側構成体102の表側周壁部131とが全周で接触した状態となり、表側構成体102の裏面側への開放部分が裏側構成体101により閉塞されている。また、主制御基板91の素子搭載面97に搭載された各種素子は、主制御基板91と表側構成体102との間の領域内に収容されている。
また、裏側構成体101と表側構成体102とが組み合わされた状態においては、素子搭載面97に搭載された所定のコネクタがコネクタ用プレート104に対応する貫通孔149内に入り込んでいる。そして、この状態ではコネクタは表側構成体102の表面側に露出している。主制御基板91において所定のコネクタの位置は機種毎に変更されることがあり、このような事情において上記のようにコネクタ用プレート104を設けることで、機種毎にコネクタ用プレート104を変更するだけでよく、表側構成体102及び裏側構成体101を機種毎に共通化させることができる。
ちなみに、コネクタ用プレート104の貫通孔149が形成された板状部147は主制御基板91の素子搭載面97に重ね合わせられており、コネクタ用プレート104の板状部147から起立させて設けられた起立部148は、表側平板部130の区画壁146に対して当該表側平板部130よりも内側において重なり合っている。したがって、上記のようにコネクタ用プレート104が設けられた構成において、図7に示すように、コネクタを除いて、主制御基板91の素子搭載面97は表側構成体102及びコネクタ用プレート104により覆われている。
裏側構成体101と表側構成体102とは、上記のように組み合わされた状態において相互に固定されている。これにより、所定の内部空間を有する四角箱状(略直方体形状)の基板ボックス92が形成されており、当該基板ボックス92の内部空間内に主制御基板91が収容されている。この場合、主制御基板91の素子搭載面97はその全体が、コネクタ用プレート104が一体化された表側構成体102と対向しており、主制御基板91の半田面98はその全体が、裏側構成体101と対向している。
上記構成の主制御装置63は、図5に示すように、表側構成体102の表面がパチンコ機10後方を向き、且つコネクタ用プレート104が設けられた側の縁部が上側に位置するようにして搭載されている。ちなみに、遊技場への設置状態において遊技機本体12を外枠11からパチンコ機10前方に開放させることにより、遊技機本体12の背面側が視認可能となる。この場合に、主制御装置63は遊技機本体12の背面部を構成しており、さらには上記のとおり表側構成体102の表面がパチンコ機10後方を向いているため、遊技機本体12を外枠11に対して開放することで表側構成体102の表面が視認可能となる。なお、裏パックユニット15により主制御装置63の全部又は一部が後方から覆われた構成としてもよい。この場合であっても、裏パック71が透明に形成されていることにより、遊技機本体12を外枠11に対して開放することで表側構成体102の表面が視認可能となる。
なお、裏側構成体101と表側構成体102とは、複数の規制手段によってその取り外し(分離)が規制されているが、これら両構成体101,102の取り外し規制に関する構成についての詳細は後述する。
ここで、基板ボックス92の開放を容易に行うための開放容易化構造について説明する。なお、以下の説明では、図7〜図9に加えて、図10〜図12を適宜参照することとする。図10は開放容易化構造を説明するために基板ボックス92の正面を一部拡大して示す説明図、図11及び図12は開放容易化構造を説明するための説明図である。
図7に示すように、表側構成体102の表側平板部130には、当該表側平板部130の所定の領域を区画するようにしてボックス側切断部(ボックス側の脆弱部)151が形成されている。ボックス側切断部151は、表側平板部130を基板ボックス92の内外に貫通するようにして形成された多数(又は複数)の貫通孔152により構成されている。
詳細には、多数の貫通孔152は表側平板部130の周縁に沿って等間隔で形成されており、当該多数の貫通孔152は表側平板部130の所定の領域を囲むようにして並んでいる。つまり、ボックス側切断部151は、表側平板部130の所定の領域を囲む断続的な環状に形成されている。換言すれば、ボックス側切断部151として、断続的な環状の切断ガイド線が形成されている。それら貫通孔152は、長孔状をなしており、その長手方向が切断ガイド線に沿うように配置されている。このように貫通孔152を配置することで、貫通孔152の大型化を抑えつつ、切断の容易化に貢献することができる。また、ボックス側切断部151は矩形枠状、具体的には長方形枠状に形成されている。また、表側平板部130においてボックス側切断部151により区画された領域は、表側平板部130において主制御基板91のCPUチップ93及びその周辺と対向する領域となっている。なお、貫通孔152が丸孔状をなす構成とすることも可能ではある。しかしながら、かかる場合、孔の大きさが直接的に不正治具等の挿入のしやすさに繋がることが懸念される。すなわち、孔径を大きくすることで切断ガイド線上における肉部の占有領域を大きくすることが可能となり、切断作業の容易化が図られる反面、孔径が大きくなることで、不正治具等の挿入が容易となり得る。この点、上述の如く貫通孔152を長孔状とすれば、不正治具等の挿入の困難さを担保しつつ、切断ガイド線上における肉部の占有領域を大きくすることが可能となる。故に、望ましくは貫通孔を切断ガイド線に沿って延びる長孔状とするとよい。
ちなみに、ボックス側切断部151は表側構成体102の金型による成型(射出成型)に際して同時に形成される。つまり、表側構成体102の金型にはボックス側切断部151の貫通孔152を形成するための型が設けられている。この場合に、ボックス側切断部151の貫通孔152は表側構成体102において表側平板部130にのみ形成されているため、金型構造の複雑化を招くことなく、ボックス側切断部151を有する表側構成体102の形成を容易に行うことができる。すなわち、表側構成体102は一方に開放された箱状に形成されているため、金型において成型後の表側構成体102の抜き方向は自ずと規定される。この場合に、ボックス側切断部151の貫通孔152は表側平板部130において当該表側平板部130の厚み方向に貫通するように形成されているため、表側構成体102の上記抜き方向と貫通孔152の貫通方向とが同一方向となっている。よって、表側構成体102の金型構造が複雑化しないようにすることができる。
隣り合う貫通孔152間の間隔は、ニッパやカッタなどによる工具により、隣り合う貫通孔152間の領域を容易に切断可能なように設定されている。具体的には貫通孔152間の間隔寸法は、貫通孔152の長手方向における長さ寸法よりも小さく設定されている。これにより、ボックス側切断部151は表側平板部130において他の部位に比べ脆弱な領域となっている。
ボックス側切断部151を全周に亘って切断することにより、図11及び図12に示すように、ボックス側切断部151により区画されていた領域(以下、ボックス側除去領域153ともいう)を表側構成体102から除去することが可能となり、除去することで基板ボックス92の内部空間を開放させることが可能となる。この場合、ボックス側除去領域153はその全体が表側構成体102から分離され、図11に示すように、当該表側構成体102には矩形状、具体的には長方形状の開口154が形成される。なお、当該開口154の長辺部は表側平板部130の長辺部に沿っており、開口154の短辺部は表側平板部130の短辺部に沿っている。
ボックス側切断部151を切断してボックス側除去領域153を除去することにより、上記のとおり基板ボックス92の内部空間が開放されることとなる。この場合、図11に示すように、主制御基板91の素子搭載面97(詳しくはCPUチップ93)が露出する。CPUチップ93が露出することで、当該CPUチップ93を主制御基板91から取り外すことが可能となる。
一方、主制御基板91は、ボックス側除去領域153の除去を行ったとしても基板ボックス92内から取り出すことはできない。つまり、主制御基板91は上述したように裏側構成体101に対して破断ネジ117を用いて固定されている。また、主制御基板91の少なくとも長辺部は、ボックス側除去領域153の長辺部よりも、すなわちボックス側除去領域153を除去することにより基板ボックス92に形成される開口の長辺部よりも長さ寸法が大きく設定されている。したがって、図10に示すように、ボックス側除去領域153を主制御基板91側に投影させた場合に当該投影させた領域よりも主制御基板91の周縁部が外方にはみ出している。そして、主制御基板91においてはみ出した領域は、少なくとも一対の対向する両端側に存在している。さらにまた、主制御基板91において両端側にはみ出した領域は、表側構成体102の表側周壁部131と対向しているとともに、当該表側周壁部131と対向している領域に上記破断ネジ117による固定部位が存在している。
上記構成であることにより、ボックス側除去領域153の除去を行ったとしても、主制御基板91を基板ボックス92内から取り出すことはできない。これにより、上記のように表側構成体102にボックス側除去領域153を設けた構成において、当該ボックス側除去領域153を除去し純正の主制御基板91を簡単に入手しようとしても、それを行いづらくすることが可能となる。
主制御基板91の取り外しが規制された構成において、当該主制御基板91には、図8及び図10に示すように、基板側切断部161が形成されている。基板側切断部161は、主制御基板91をその厚み方向に貫通するようにして形成された多数(又は複数)の貫通孔162により構成されている。
詳細には、多数の貫通孔162は主制御基板91の周縁に沿って等間隔で形成されており、当該多数の貫通孔162は主制御基板91の所定の領域を囲むようにして並んでいる。つまり、基板側切断部161は、主制御基板91の所定の領域を囲む断続的な環状に形成されている。換言すれば、基板側切断部161として、断続的な環状の切断ガイド線が形成されている。また、基板側切断部161は矩形枠状、具体的には長方形枠状に形成されている。なお、主制御基板91に搭載されているCPUチップ93を含めた各種素子及びコネクタは全て、基板側切断部161により区画された領域内に含まれている。
図8に示すように、基板側切断部161により区画された領域(以下、基板側除去領域163)の範囲内にCPUチップ93が設置されているのに対して、破断ネジ117による裏側構成体101に対する主制御基板91の固定箇所は基板側除去領域163の領域の範囲外にある。また、基板側切断部161における隣り合う貫通孔162間の間隔は、ニッパやカッタなどによる工具により、隣り合う貫通孔162間の領域を容易に切断可能なように設定されている。ちなみに、基板側切断部161の貫通孔162とボックス側切断部151の貫通孔152とは同一の開口面積を有しており、さらには基板側切断部161における隣り合う貫通孔162間の距離はボックス側切断部151における隣り合う貫通孔152間の距離と同一となっている。したがって、ボックス側切断部151を切断する工具を用いて、基板側切断部161を切断することができる。なお、ボックス側切断部151と基板側切断部161とで、それぞれ異なる工具を要する構成としてもよい。
基板側除去領域163は、その面積がボックス側除去領域153の面積よりも小さく設定されている。また、基板側除去領域163は、図10に示すように、ボックス側除去領域153を主制御基板91側に投影させた場合に当該投影させた領域の範囲内に含まれるように形成されている。したがって、ボックス側除去領域153を除去することにより、基板側除去領域163の全体、すなわち基板側切断部161の全体が露出することとなる。そして、この状態で、基板側切断部161を切断することで、ボックス側除去領域153を除去することにより基板ボックス92に形成された開口154を通じて、基板側除去領域163を取り出すことができる。この場合、開口154を通じて、基板側切断部161の全体が露出しているため、当該基板側切断部161の切断作業及び基板側除去領域163の取り出し作業を行い易くなっている。
ここで、図10に示すように、主制御基板91の少なくとも素子搭載面97側の配線パターン164は、当該配線パターン164を構成する一部の配線165が基板側切断部161を跨ぐようにして形成されている。つまり、配線165は、基板側切断部161における隣り合う貫通孔162間の領域を跨ぐようにして形成されている。したがって、基板側除去領域163を基板ボックス92から取り出すべく、基板側切断部161を切断した場合には、主制御基板91の配線パターン164が断線されることとなる。これにより、基板側切断部161を切断して基板側除去領域163を取り出した後に当該基板側除去領域163を元の位置に戻したとしても、配線パターン164が断線された状態は維持されるため、主制御基板91は正常に機能しない。よって、基板側除去領域163を基板ボックス92から取り出して当該基板側除去領域163に不正を施した後に元の位置に戻す不正行為が行われたとしても、その際には主制御基板91が正常に機能しなくなることで、当該不正行為を実質的に無効化させることが可能となる。
次に、遊技場において検査を行うためにCPUチップ93及び主制御基板91を基板ボックス92内から取り出す場合の作業の様子について説明する。図13はCPUチップ93及び主制御基板91を基板ボックス92内から取り出す場合の作業の様子を説明するための説明図である。
先ず、遊技場においてCPUチップ93の検査を行う場合について説明する。始めに、図13(a)に示すように、遊技機本体12から主制御装置63を取り出す。その後、図13(b)に示すように、表側構成体102のボックス側切断部151を切断して、ボックス側除去領域153を除去する。これにより、基板ボックス92内が開放され、主制御基板91の素子搭載面97が露出した状態となり、CPUチップ93へのアクセス(物理的な接触)が可能となる。CPUチップ93は上記のとおり主制御基板91に対して半田付けされていないため、CPUチップ93を素子搭載面97の向く方向に引き抜くことで、CPUチップ93の取り外しを容易に行うことができる。これにより、CPUチップ93の検査を入念に行うことができる。
次に、主制御基板91の基板側除去領域163を基板ボックス92内から取り出す場合の作業の様子について説明する。図13(b)に示すように、表側構成体102のボックス側切断部151を切断して、ボックス側除去領域153を除去した後、図13(c)に示すように、主制御基板91の基板側切断部161を切断する。これにより、主制御基板91の基板側除去領域163を取り出すことができ、主制御基板91における基板側除去領域163の領域の検査を入念に行うことができる。この場合、基板側切断部161はボックス側切断部151を切断するための工具を用いて切断することができるため、基板側除去領域163を取り出す作業を比較的容易に行うことができる。
ここで、上記のようにCPUチップ93及び基板側除去領域163の基板ボックス92からの取り出しを容易に行うことができるようにした構成においては、その容易化の構造を用いて、CPUチップ93又は主制御基板91の不正目的での取り出しも容易に行うことができてしまう。これに対して、上記のとおりCPUチップ93の基板ボックス92からの取り出しに際しては基板ボックス92からボックス側除去領域153を除去する必要があり、当該基板ボックス92には大きな開口154が形成されることとなる。そうすると、CPUチップ93の不正目的での取り出しが行われていた場合にはそれを容易に発見することができる。
また、上記のとおり主制御基板91の基板ボックス92からの取り出しに際しては基板ボックス92からボックス側除去領域153を除去する必要があるとともに、基板側切断部161を切断して主制御基板91から基板側除去領域163を取り出す必要がある。基板ボックス92からボックス側除去領域153を除去することで当該基板ボックス92には大きな開口154が形成されることとなる。また、主制御基板91から基板側除去領域163を取り出すことで当該主制御基板91には大きな開口が形成されることとなる。そうすると、主制御基板91の不正目的での取り出しが行われていた場合には、基板ボックス92に形成された開口154又は主制御基板91に形成された開口の少なくとも一方を確認することにより、それを容易に発見することができる。
次に、CPUチップ93や主制御基板91の検査後においてこれらCPUチップ93や主制御基板91を基板ボックス92内に仮収容するための構成について説明する。
先ず、CPUチップ93のみを取り出した後に当該CPUチップ93を基板ボックス92に仮収容するための構成について説明する。
既に説明したように、裏側構成体101には複数のボックス仮固定用ボス116が一体形成されており、各ボックス仮固定用ボス116にはネジ孔が形成されている(図8参照)。これらボックス仮固定用ボス116に1対1で対応させて、基板ボックス92のボックス側除去領域153の四隅には、図11及び図12に示すように、ボックス仮固定用ボス171が一体形成されている。当該ボックス仮固定用ボス171は、ボックス側除去領域153の裏面から裏側構成体101側に延びており、ネジ孔が形成されている。当該ネジ孔は、ボックス仮固定用ボス171を貫通しており、ボックス側除去領域153の表側において開口されている。
ボックス側除去領域153を除去してCPUチップ93を取り出した後は、当該CPUチップ93を再度、主制御基板91に取り付けるとともに、ボックス側除去領域153を基板ボックス92の元の位置に配置する。この場合、裏側構成体101の各ボックス仮固定用ボス116に対して、ボックス側除去領域153のそれぞれ対応するボックス仮固定用ボス171が重なり、両ボス116,171のネジ孔は連通される。そして、この状態において、ボックス側除去領域153の表側から破断ネジを螺着することにより、ボックス側切断部151は切断されているものの、CPUチップ93及び主制御基板91が基板ボックス92内に収容された状態となる。
ここで、遊技場においてCPUチップ93を基板ボックス92から取り出して入念に検査した後に、当該CPUチップ93を遊技機メーカにおいて再検査を行う場合などがある。この場合としては、CPUチップ93の検査結果が異常であり、当該CPUチップ93の不正交換などが行われていた場合が考えられる。このような場合に、基板ボックス92に開口154が形成されたまま主制御装置63が遊技機メーカに搬送される場合を想定すると、搬送途中にCPUチップ93が破損して当該CPUチップ93の再検査を行うことができなくなってしまう可能性がある。これに対して、上記のようにボックス側除去領域153により基板ボックス92の開口154を再度閉鎖することで、搬送途中におけるCPUチップ93の破損の発生が抑制される。
また、CPUチップ93の不正交換を行った不正行為者が、主制御装置63の遊技機メーカへの搬送途中において正規のCPUチップ93に再度交換する行為が想定される。これに対して、上記のとおりボックス側除去領域153を破断ネジにより螺着することで、ボックス側除去領域153を取り外しづらくなり、正規のCPUチップ93に再度交換しようとする行為を行いづらくすることが可能となる。
なお、主制御装置63の遊技機メーカへの搬送途中における不都合として、前者のもののみを想定する場合、ボックス側除去領域153の仮固定は破断ネジである必要はなく、着脱自在な周知のネジを用いて行えばよい。
次に、主制御基板91の基板側除去領域163を取り出した後に当該基板側除去領域163を基板ボックス92に仮収容するための構成について説明する。
既に説明したように、裏側構成体101には複数の基板仮固定用ボス115が一体形成されており、各基板仮固定用ボス115にはネジ孔が形成されている。これら基板仮固定用ボス115に1対1で対応させて、基板側除去領域163の四隅には、図8に示すように、仮固定用貫通孔172が形成されている。
ボックス側除去領域153を除去するとともに、基板側切断部161を切断して基板側除去領域163を取り出した後は、当該基板側除去領域163を裏側構成体101上における元の位置に配置する。この場合、裏側構成体101の基板仮固定用ボス115のネジ孔に対して、ボックス側除去領域153のそれぞれ対応する仮固定用貫通孔172が連通される。この状態において、基板側除去領域163の素子搭載面97側から破断ネジを螺着することにより、基板側切断部161は切断されているものの、裏側構成体101に対して基板側除去領域163が固定される。その後、既に説明したように、ボックス側除去領域153を各ボックス仮固定用ボス116,171を通じて仮固定することにより、ボックス側切断部151は切断されているものの、CPUチップ93及び主制御基板91が基板ボックス92内に収容された状態となる。
ここで、遊技場において主制御基板91の基板側除去領域163を基板ボックス92から取り出して入念に検査した後に、当該基板側除去領域163を遊技機メーカにおいて再検査を行う場合などがある。この場合としては、基板側除去領域163の検査結果が異常であり、主制御基板91の不正交換などが行われていた場合が考えられる。このような場合に、基板ボックス92に開口154が形成されたまま主制御装置63が遊技機メーカに搬送される場合を想定すると、搬送途中に基板側除去領域163が破損して当該基板側除去領域163の再検査を行うことができなくなってしまう可能性がある。これは、基板ボックス92内において基板側除去領域163が固定されていない場合も同様である。これに対して、上記のように基板側除去領域163を裏側構成体101に固定するとともに、ボックス側除去領域153により基板ボックス92の開口154を再度閉鎖することで、搬送途中における基板側除去領域163の破損の発生が抑制される。
また、主制御基板91の不正交換を行った不正行為者が、主制御装置63の遊技機メーカへの搬送途中において正規の基板側除去領域163に交換する行為が想定される。これに対して、上記のとおりボックス側除去領域153及び基板側除去領域163をそれぞれ破断ネジにより螺着することで、ボックス側除去領域153及び基板側除去領域163を取り外しづらくなり、正規の基板側除去領域163に交換しようとする行為を行いづらくすることが可能となる。
なお、主制御装置63の遊技機メーカへの搬送途中における不都合として、前者のもののみを想定する場合、ボックス側除去領域153及び基板側除去領域163の仮固定は破断ネジである必要はなく、着脱自在な周知のネジを用いて行えばよい。
また、本実施の形態においては、前述した両構成体101,102の取り外しの規制に関して特徴的な構成を備えている。以下、裏側構成体101と表側構成体102との取り外し規制に関する構成について詳細に説明する。表側構成体102と裏側構成体101との取り外しを規制する規制手段として、(1)接着剤、(2)係止機構が設けられている。そこで、これら各規制手段について個別に説明する。
接着剤は、裏側構成体101の裏側周壁部121における外壁面122a,123aと表側構成体102の表側周壁部131における内壁面132a,133aとの全域に塗布されている。これにより、裏側周壁部121と表側周壁部131とが接着されており、裏側構成体101と表側構成体102との取り外しが規制されている。このように両構成体101,102の境界部位が塞がれることで、同境界部分から基板ボックス92の内部空間内に不正用治具を挿入しようとしても、そのような行為は行いづらくなっている。
なお、接着剤としては、裏側構成体101と表側構成体102とを固定することができるのであれば周知の接着剤を用いることができ、例えば、アクリル樹脂系接着剤、ウレタン樹脂系接着剤、エチレン―酢酸ビニル樹脂系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、シリコーン系接着剤などを用いてもよく、それら接着剤は、反応系、溶液系、水分散系、固形系のいずれであってもよい。
次に、上述した係止機構175について図8〜図10及び図14に基づいて説明する。図14は図5のA−A線部分断面図である。
再び図8及び図9を用いて説明すれば、係止機構175は前記第1周壁部122,132に沿って複数(本実施の形態においては左右に2つづつ)配置されており、それら各係止機構175は裏側構成体101に設けられた裏側係止部180と、表側構成体102に設けられ裏側係止部180に係止される表側係止部190とを備えている。それら両係止部180,190が係止状態となることにより、すなわち相互に引っ掛かることにより両構成体101,102の分離が規制されている。
図8及び図14に示すように、裏側係止部180は、裏側構成体101における第1裏側周壁部122の一部が周辺部位に対して区画されてなる。より具体的には、第1裏側周壁部122にはその先端縁から根元側に延びる一対の切込みが形成されており、その切込みによって挟まれた部位を用いて前記裏側係止部180が構成されている。
裏側係止部180は、裏側構成体101の裏側平板部110から起立するアーム部181を備えている。アーム部181は前記対向壁部124と平行な略板状をなしており、同対向壁部124や第1裏側周壁部122と同様にその先端部が表側構成体102の表側平板部130に当接している。そして、アーム部181の先端側には当該アーム部181の内面から裏側構成体101の内側、すなわち対向壁部124側に突出する係止爪部182が一体成形されている(図14参照)。より詳細には、係止爪部182は、前記溝部125内に突出しており、溝部125の底部側、すなわち裏側平板部111側を向いた裏側係止面182aを有している。
なお、裏側係止部180(詳しくはアーム部181)の先端が表側平板部130に当接する構成としたが、それら両者の間に所定の隙間を設けてもよい、例えばそれら両者が近接する構成とすることも可能である。同様に、裏側周壁部121及び対向壁部124の先端部が表側平板部130に当接する構成としたが、裏側周壁部121及び対向壁部124の先端部と表側平板部130との間に所定の隙間を設けてもよい。
上述した溝部125には、表側構成体102に一体的に形成された前記表側係止部190が嵌まっており、同表側係止部190は裏側係止部180のアーム部181と対峙する位置に配されている。より詳しくは、表側係止部190は前記複数の挿入部142(位置決め手段)によって挟まれた領域に配置されている。これにより、裏側係止部180との相対位置がずれるといった不都合を抑制し、両係止部180,190の引っ掛かりが外れるやすくなるといった不都合の発生を好適に回避している。
図9及び図14に示すように、表側係止部190は第1表側周壁部132に対して所定の間隔を隔てて対峙しており、基本構造として表側平板部130から起立する起立部191を有している。起立部191の起立量は、裏側係止部180の起立量よりも若干小さく、すなわち溝部125の深さ寸法よりも若干小さく設定されている。このため、両構成体101,102が組み合わせられた状態においては、起立部191の先端が溝部125の底部(詳しくは裏側平板部110)に所定の間隔を隔てて対峙した状態となっている。なお、起立部191の起立量と溝部125の深さ寸法とを同等とし、起立部191の先端と裏側平板部110とが当接する構成としてもよい。
また、起立部191(表側係止部190)の起立量は表側周壁部131(詳しくは第1表側周壁部132)の起立量よりも小さく設定されている。このため、表側構成体102を床等に置いた場合には、床面に対して表側周壁部131が当接し、表側係止部190と床面とが当りにくくなる。これにより、表側係止部190の保護が図られている。
起立部191はアーム部181と平行な略板状をなしており、その根元側には当該起立部191の板厚方向に貫通し前記係止爪部182が嵌まる係止孔部192が形成されている。係止孔部192における内周面の一部は、係止爪部182(詳しくは裏側係止面182a)に対して引っ掛かる表側係止面192aを構成しており、これら係止面182a,192a同士が若干の隙間を隔てて対峙している(近接している)。これら係止面182a,192aが当接することにより、両構成体101,102の取り外しが規制されることとなる。更に、これら各係止面182a,192aは、両構成体101,102の着脱方向と直交する平面状をなしている。このため、各構成体101,102が分離方向に引っ張られる等した場合であっても、係止面182a,192aに沿って各係止部182,192が位置ずれするといった不都合が生じにくくなっている。なお、両構成体101,102が組み合わせられた状態において、これら両係止面182a,192aを相互に当接させる構成としてもよい。
次に、両係止部180,190の係止状態と係止解除状態との切り替えを実現する構成について詳細に説明する。
図8及び図14に示すように、アーム部181の外面は、第1裏側周壁部122の外壁面122aから段差状に凹むように形成されている。具体的には、アーム部181の内面が第1裏側周壁部122の内面と同一平面上に位置しているとともに、アーム部181の厚み寸法が第1裏側周壁部122の厚み寸法よりも小さく設定されていることにより、上述した段差が形成されている。このため、第1裏側周壁部122の外壁面122aはそのほぼ全域において表側構成体102の第1表側周壁部132と接触しているのに対して、アーム部181における外側の板面181aは同第1表側周壁部132に対して所定の間隔(隙間)を隔てて対峙した状態となっている。換言すれば、両構成体101,102が組み合わせられることにより、アーム部181と第1表側周壁部132との間には、動作空間が区画形成されている。
アーム部181は、所定の方向における撓み変形(弾性変形)が容易となるように形成されている。具体的には、その厚み寸法がその幅寸法、すなわち第1裏側周壁部122の長手方向(主制御基板91の短手方向)における長さ寸法よりも小さく設定されており、表側係止部190側及び第1表側周壁部132側への撓み変形の容易化が図られている。
上述したように裏側係止部180(詳しくはアーム部181)と第1表側周壁部132との間には所定の隙間(すなわち動作空間)が確保されており、第1表側周壁部132側へのアーム部181の撓み変形はその隙間の範囲内において許容されている。すなわち、アーム部181が第1表側周壁部132側へ撓み変形した場合、アーム部181の先端部と第1表側周壁部132とが当接することによってそれ以上の撓み変形が抑えられる。より詳細には、アーム部181の先端部が第1表側周壁部132の根元側に当接する。これにより、アーム部181に押されることによって第1表側周壁部132が撓むといった不都合が生じにくくなっている。そして、第1表側周壁部132によってアーム部181の撓み変形が規制されることにより、同アーム部181が弾性変形限界を超えて塑性変形領域まで変形するといった不都合の発生が回避されている。なお、第1表側周壁部132によって裏側係止部180の撓み変形が規制される点、すなわち係止爪部182の変位が規制される点に着目すれば、第1表側周壁部132を「表側規制部」と称することも可能である。
また、表側係止部190についても同様に所定の方向における撓み変形(弾性変形)が容易となるように形成されている。具体的には、起立部191の板厚寸法は、第1裏側周壁部122と対向壁部124との隙間寸法、すなわち溝部125の隙間寸法よりも小さく設定されており、当該起立部191と対向壁部124との間には所定の隙間(すなわち動作空間)が確保されている。
より具体的には、起立部191の厚み寸法がその起立部191の幅寸法、すなわち第1表側周壁部132の長手方向(主制御基板91の短手方向)における長さ寸法よりも小さく設定されており、第1表側周壁部132の長手方向への起立部191の撓み変形を困難なものとしつつ、裏側係止部180側(第1表側周壁部132側)及び対向壁部124側への撓み変形を容易化している。
表側係止部190が対向壁部124側へ撓み変形した場合、表側係止部190と対向壁部124とが当接することによってそれ以上の撓み変形が回避される。詳細には、起立部191の先端部が対向壁部124の根元側に当接する。これにより、起立部191に押されることによって対向壁部124が撓むといった不都合が生じにくくなっている。そして、対向壁部124によって表側係止部190の撓み変形が規制されることにより、同表側係止部190が弾性変形限界を超えて塑性変形領域まで変形するといった不都合の発生が回避されている。なお、対向壁部124によって表側係止部190の変形が規制される点、すなわち係止孔部192の変位が規制される点に着目すれば、対向壁部124を「裏側規制部」と称することも可能である。
ここで、両係止部180,190(詳しくは係止面182a,192a)の掛かり代と両係止部180,190の撓み変形量との関係について図14及び図15に基づき詳細に説明する。図15(a)は裏側係止部180の撓み変形が規制された状態を示す概略図であり、図15(b)は表側係止部190の撓み変形が規制された状態を示す概略図であり、図15(c)は裏側係止部180及び表側係止部190の両者の撓み変形が規制された状態を示す概略図である。なお、図14に示す二点鎖線は、各係止部180,190が撓み変形している状態を簡略化して示したものである。
上述したように、裏側係止部180においては、同裏側係止部180が第1裏側周壁部122側に撓むことにより、裏側係止面182aが第1裏側周壁部122側に変位(移動)する。これにより、係止面182a,192aの掛かり代が減少する。また、表側係止部190においては、同表側係止部190が対向壁部124側に撓むことにより、表側係止面192aが対向壁部124側に変位(移動)する。これにより、係止面182a,192aの掛かり代が減少する。本実施の形態においては、各係止部180,190の引っ掛かりを解除する際の撓み方向を互いに逆としたため、裏側係止部180の表側係止部190に対する掛かり代と、表側係止部190の裏側係止部180に対する掛かり代とは同一となっている。
ここで、係止状態の解除に伴って必要となる裏側係止部180(詳しくは裏側係止面182a)の第1裏側周壁部122側への変位量と、同じく係止状態の解除に伴って必要となる表側係止部190(詳しくは表側係止面192a)の対向壁部124側への変位量との総和を両係止部180,190の掛かり代とみなすことができる。以下、これら両係止部180,190の掛かり代を「掛かり代X10」と称する。
図14に示すように、第1裏側周壁部122によって規定された裏側係止面182aの変位量X11、詳しくは裏側係止部180の先端部が第1裏側周壁部122に当接した状態における裏側係止面182aの第1裏側周壁部122側への変位量X11(以下、規定変位量X11と称する)は、掛かり代X10よりも小さく設定されている。このため、裏側係止部180の先端が第1裏側周壁部122に当接するまで変形しても、両係止部180,190の係止状態が維持される(図15(a)参照)。
また、第1裏側周壁部122と裏側係止部180との隙間寸法X12についても同様に、掛かり代X10よりも小さく設定されている。これにより、例えば裏側係止部180の中間部位(詳しくは裏側係止面182aに対応する部位)が第1裏側周壁部122に向けて押圧され裏側係止面182aの変位量が最大となるように裏側係止部180が変形されたとしても、両係止部180,190の係止状態は維持されることとなる。
同図14に示すように、対向壁部124によって規定された表側係止面192aの規定変位量X13、詳しくは表側係止部190の先端部が対向壁部124に当接した状態における表側係止面192aの対向壁部124側への変位量X13(以下、規定変位量X13と称する)は、掛かり代X10よりも小さく設定されている。このため、表側係止部190の先端が対向壁部124に当接するまで変形しても、両係止部180,190の係止状態が維持される(図15(b)参照)。
また、対向壁部124と表側係止部190との隙間寸法X14についても同様に、掛かり代X10よりも小さく設定されている。これにより、例えば表側係止部190の中間部位(詳しくは表側係止面192aに対応する部位)が対向壁部124に向けて押圧され表側係止面192aの変位量が最大となるように表側係止部190が変形されたとしても、両係止部180,190の係止状態は維持されることとなる。
そして、裏側係止部180の規定変位量X11と表側係止部190の規定変位量X13との総和は、掛かり代X10よりも大きくなるように設定されている。このため、両係止部180,190の変位量が規定値に達すれば、より詳しくは両係止部180,190の変位量の総和が掛かり代X10を少なくとも上回れば、両係止部180,190の係止状態が解除され、両構成体101,102の取り外し(分離)が許容されることとなる(図15(c)参照)。
また、図14に示すように、裏側係止部180には、両構成体101,102の組み合わせ方向への相対移動に伴って両係止部180,190を相互に離れる側へ撓ませる裏側ガイド部183が形成されている。裏側ガイド部183は、アーム部181と係止爪部182とに連続し、裏側係止部180の先端側から根元側に向けて溝部125の奥方へ傾斜する面状をなしている。また、裏側ガイド部183は、両構成体101,102の着脱方向において表側係止部190の先端の一部と重なっている。
更に、表側係止部190の先端における裏側ガイド部183に対峙する部位には、裏側ガイド部183に対応する表側ガイド部193が設けられている。具体的には、表側ガイド部193は、表側係止部190の先端部が面取りされてなる平面状をなし、裏側ガイド部183と略平行となるように形成されている。これにより、両ガイド部183,193が当った際のそれら両者の支えを抑制し、円滑な撓み変形を促進することが可能となっている。また、これら両ガイド部183,193により各係止部180,190の意図せぬ側への撓みを抑制し、予め定められた側へ向けて正常な撓み変形が生じるように案内することができる。なお、各ガイド部183,193が曲面状をなす構成としてもよい。
次に、図16に基づき両構成体101,102の組み合わせ作業について説明する。図16(a)〜(d)は組み合わせ作業の流れを示す概略図であり、図16(a)→図16(b)→図16(c)→図16(d)の順に作業が行われる。
図16(a)に示すように、両構成体101,102を組み合わせる際には、表側周壁部131の内壁面132a,133aが、裏側構成体101の裏側周壁部121の外壁面122a,123aに沿うようにして、両構成体101,102を相対移動させる。これにより、両構成体101,102の相対移動方向が規定される。
本実施の形態においては、表側係止部190の表側平板部130からの起立量は、第1表側周壁部132の表側平板部130からの起立量よりも小さく設定されている。このため、表側係止部190が溝部125内に挿入されることに先んじて両周壁部121,131が当接する(摺動する)こととなる。このため、両係止部180,190の相対位置のずれが抑えられ、それら各係止部180,190の相対位置を目視にて確認することなく、係止状態への移行が行われることとなる。
図16(a)に示すように、両周壁部121,131が当接し、両構成体101,102の相対移動方向が規定された状態において、両構成体101,102を更に移動させることにより、表側係止部190の表側ガイド部193と裏側係止部180の裏側ガイド部183とが当接する。かかる状態においては、第1表側周壁部132は裏側係止部180の先端部と対峙している。すなわち、両ガイド部183,193によって各係止部180,190の撓み変形が開始される際には、裏側係止部180の撓みを規制可能な状態が実現されている。
図16(b)に示す状態から、両構成体101,102を更に相対移動させると、表側係止部190(詳しくは表側ガイド部193)によって裏側ガイド部183が押され、裏側係止部180が第1表側周壁部132側に撓み変形する。これと同期して、表側ガイド部193が裏側ガイド部183上を摺動し、表側係止部190は対向壁部124側に撓み変形する。そして、両係止部180,190の撓み量の総和が所定量を超えることによって、係止爪部182が起立部191の板面に乗り上げた状態となり、両構成体101,102の組み合わせ完了位置への相対移動が許容されることとなる(図16(c)参照)。
このように両構成体101,102の組み合わせ完了位置への移動が許容された状態にて、両構成体101,102を更に近づけることにより、係止爪部182が係止孔部192に到達する。これに伴って、両係止部180,190が自身の弾性力によって元の状態に復帰し、図16(d)に示すように係止爪部182が係止孔部192に嵌まる。これとほぼ同期して、挿入部142とスリット141とが嵌合し、両構成体101,102が所定の組み合わせ状態となる。これにより、両構成体101,102の取り外しが規制された状態となる。
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図17のブロック図に基づき説明する。図17では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
主制御装置63に設けられた主制御基板91には、主制御回路202と停電監視回路203とが内蔵されている。主制御回路202には、CPUチップ93が搭載されている。CPUチップ93には、当該CPUチップ93により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM205と、そのROM205内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM206と、割込回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。
CPUチップ93には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。CPUチップ93の入力側には、主制御基板91に設けられた停電監視回路203、払出制御装置82に設けられた払出制御基板211及びその他図示しないスイッチ群などが接続されている。この場合に、停電監視回路203には電源及び発射制御装置83に設けられた電源及び発射制御基板215が接続されており、CPUチップ93には停電監視回路203を介して電力が供給される。
一方、CPUチップ93の出力側には、停電監視回路203、払出制御基板211及び中継端子板219が接続されている。払出制御基板211には、賞球コマンドなどといった各種コマンドが出力される。中継端子板219を介して主制御回路202から音声ランプ制御装置66に設けられた音声ランプ制御基板221に対して各種コマンドなどが出力される。
停電監視回路203は、主制御回路202と電源及び発射制御基板215とを中継し、また電源及び発射制御基板215から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。
払出制御基板211は、払出装置78により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU212は、そのCPU212により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM213と、ワークメモリ等として使用されるRAM214とを備えている。
払出制御基板211のCPU212には、入出力ポートが設けられている。CPU212の入力側には、主制御回路202、電源及び発射制御基板215、及び裏パック基板79が接続されている。また、CPU212の出力側には、主制御回路202及び裏パック基板79が接続されている。
電源及び発射制御基板215は、電源部216と発射制御部217とを備えている。電源部216は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御回路202や払出制御基板211等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を二重線矢印で示す経路を通じて主制御回路202や払出制御基板211等に対して供給する。発射制御部217は、遊技球発射機構50の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構50は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声ランプ制御基板221は、表示制御装置225を制御するものである。演算装置であるCPU222は、そのCPU222により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM223と、ワークメモリ等として使用されるRAM224とを備えている。
音声ランプ制御基板221のCPU222には入出力ポートが設けられている。CPU222の入力側には中継端子板219に中継されて主制御回路202が接続されており、主制御回路202から出力される各種コマンドに基づいて、表示制御装置225を制御する。表示制御装置225は、音声ランプ制御基板221から入力する表示コマンドに基づいて図柄表示装置41を制御する。
以上詳述した第1実施例によれば、以下の優れた効果を奏する。
両構成体101,102の組み合わせ作業に基づいて、両係止部180,190が係止状態に移行される。すなわち、両構成体101,102の取り外し(分離)を規制するための作業を別途必要とせず、作業性の向上が図られている。
両構成体101,102の組み合わせ方向が、それら両構成体101,102の周壁部121,131によって規定されている。これにより、作業ばらつき等に起因して、係止状態への移行が正常に行われなくなるといった不都合を生じにくくすることができる。
対をなす各係止部180,190を、基板ボックス92の外周に沿って配置した。これにより、両構成体101,102の離れ、すなわち両構成体101,102の境界部位の広がりを好適に抑制することができる。このように境界部位の広がりを抑えることで、同境界部位を介して不正具等が挿入されるといった不都合を好適に抑制することができる。また、各係止部180,190を基板ボックス92の外周に沿って配置することで、主制御基板91との干渉を回避しやすくすることができる。故に、基板ボックス92の内部空間という限られた領域において、主制御基板91との共存を好適に実現している。
両構成体101,102の組み付け作業に基づいて、係止部180,190が係止状態に移行される構成とした。すなわち、両構成体101,102に所定の組み合わせ方向を設定するとともに、係止部180,190の係止状態への移行にも所定の作業方向を設定し、それら各方向が同一方向となる構成とした。これにより、両構成体101,102の組み付け作業と、係止部180,190の係止状態への移行作業(以下、係止作業という)を統合することができ、作業の簡略化が図られている。本実施の形態においては特に、基板ボックス92の内部空間に係止部180,190を収容する構成としたため、両係止部180,190の係止状態への移行を手作業にて行うことが困難になると想定される。仮に両構成体101,102の組み合わせ作業と、両係止部180,190の係止作業とを並行して行おうとすれば、作業が煩雑化すると考えられる。この点、上述の如く両構成体101,102の組み合わせ作業に伴って、各係止部180,190を係止状態へと移行させることができるため、作業の煩雑化を抑え、実用上好ましい構成が実現されている。
また、仮に係止部180,190を目視にて確認しながら係止作業を行う場合、両構成体101,102の組み合わせばらつきに起因して、係止状態への移行が不完全なものとなり得る。この点、本実施の形態においては、規定手段を構成する両周壁部121,131によって両構成体101,102の組み合わせの案内がなされ、組み合わせ作業に伴う位置ばらつきが生じにくくなっている。すなわち、係止部180,190の係止作業を目視にて確認することなく、係止状態への移行を実現可能となっている。故に、作業ばらつき等に起因して係止状態への移行が行われないといった不都合を生じにくくすることができる。
複数組の係止部180,190を備える構成とした場合、防犯性の向上を期待できる反面、個別の係止作業を要することに起因して作業の煩雑化を招来し得る。この点、本実施の形態においては、上述したように全ての係止部180,190の係止作業が、両構成体101,102の組み合わせ作業に依存しており、個別に係止作業を行う必要がない。故に、複数組の係止部180,190を備える構成とすることで防犯性の向上を図りつつ、係止部180,190の組数が増加することに起因して組み合わせ作業が煩雑化することを回避することができる。
上述したように係止機構175(詳しくは両係止部180,190)は、基板ボックス92の内部空間に収容されている。これにより、係止機構175の基板ボックス92外部への露出を回避し、基板ボックス92外部からの係止機構175へのアクセス(物理的な接触)を難しくすることができる。このように両係止部180,190へのアクセスを困難なものとすることで、両構成体101,102の係止状態の解除を行いにくくし、主制御基板91やCPUチップ93の不正な取り外し等を抑制することができる。これにより、防犯性の向上に貢献することができる。
裏側係止部180と表側係止部190との両者が共に撓み変形し、それら変形量の総和(詳しくは各係止面182a,192aの変位量の総和)が掛かり代X10を上回ることにより、それら両係止部180,190による係止状態が解除される。換言すれば、裏側係止部180及び表側係止部190のうちいずれか一方の係止部180,190を撓ませても、係止状態を解除することができない。これにより、係止状態の不正な解除操作を困難なものとすることができる。例えば、不正行為者が単独で、係止状態の解除操作を行おうとしても、片方の手で裏側係止部180を撓ませつつ、他方の手で表側係止部190を撓ませ、更に両構成体101,102の引き離し操作を行う必要があり、全ての操作を単独で行うことが困難なものとなる。故に、上述の如く両構成体101,102が分離され主制御基板91に対して不正なアクセスがなされることを抑制できる。
裏側係止部180の撓み変形、すなわち裏側係止面182aの変位は、第1表側周壁部132によって規制されている。より具体的には、裏側係止部180の最大撓み量、すなわち裏側係止面182aの最大変位量は、裏側係止部180と第1表側周壁部132との間に設けられた隙間寸法に基づいて規定されている。このため、裏側係止部180のみを過度に変形させて、係止状態が解除されるといった不都合が生じにくくなっている。
また、表側係止部190についても同様に、その最大撓み量、すなわち表側係止面192aの最大変位量が、同表側係止部190と対向壁部124との隙間寸法に基づいて規定されている。このため、表側係止部190のみを過度に変形させて、係止状態が解除されるといった不都合が生じにくくなっている。
以上詳述したように、第1表側周壁部132及び対向壁部124が設けられているため、片方の係止部180,190のみが撓み変形しても、係止状態が解除されることはない。これにより、係止状態の不正な解除を好適に回避できる。
裏側係止部180が撓み変形した際には、裏側係止部180の先端部が第1表側周壁部132の根元側に当たることでその撓み変形が規制される。このように、第1表側周壁部132における根元側にて裏側係止部180の変形を抑えることで、裏側係止部180とともに第1表側周壁部132が撓むことを抑制できる。これにより、第1表側周壁部132におけるストッパ部としての機能を好適なものとすることができる。これは、表側係止部190についても同様である。詳しくは、表側係止部190が撓み変形した場合、表側係止部190の先端部が対向壁部124の根元側に当たることでその撓み変形が規制される。このように、対向壁部124における根元側にて表側係止部190の変形を抑えることで、表側係止部190とともに対向壁部124が撓むことを抑制できる。これにより、表側係止部190の過度の撓み変形が好適に抑えられる。
また、これら各係止部180,190は第1表側周壁部132と対向壁部124とによって挟まれた領域に配置されている。これにより各係止部180,190を指等で撓ませるといった行為が困難なものとなっている。より詳しくは、両構成体101,102によって区画された領域内に配置されている。このため、各係止部180,190の露出を抑え、これら係止部180,190に対して不正なアクセス(物理的な接触)がなされることを回避しやすくなっている。
第1表側周壁部132は、裏側係止部180の両側及び根元側において、第1裏側周壁部122と裏側平板部110とに接触している。このため、仮に第1表側周壁部132に対して基板ボックス92の内方に向けた外力が加わった場合であっても、そのような外力は第1裏側周壁部122及び裏側平板部110にて分散され、裏側係止部180に対して影響が及びにくくなっている。
裏側係止部180に対応する「ストッパ部」としての第1表側周壁部132が表側構成体102側に設けられているとともに、表側係止部190に対応する「ストッパ部」としての対向壁部124が裏側構成体101側に設けられている。これにより、両構成体101,102の位置ずれ等に起因して、両係止部180,190の係止解除が一方の係止部180,190の撓み変形のみに基づいて実現されるといった不都合を生じにくくすることができる。具体的に説明すれば、仮に表側構成体102の第1表側周壁部132と裏側係止部180との隙間寸法が広がる側に両構成体101,102が位置ずれした場合、表側係止部190は裏側係止部180との掛かり代が増加する側に位置ずれすることとなる。すなわち、裏側係止部180と第1表側周壁部132との隙間の広がりに対応して、表側係止部190と裏側係止部180との掛かり代が増すこととなる。また、仮に表側係止部190と裏側係止部180との掛かり代が減少する側に両構成体101,102が位置ずれした場合、第1表側周壁部132は裏側係止部180との隙間寸法が狭まる側に位置ずれすることとなる。すなわち、裏側係止部180と表側係止部190との掛かり代の減少に対応して、裏側係止部180と第1表側周壁部132との隙間が狭まることとなる。これにより、位置ずれに起因して、掛かり代と隙間寸法とのバランスが極度に崩れることを抑制し、係止状態の解除が容易になりにくくすることができる。
また、両構成体101,102を組み合わせた状態においては、裏側係止部180の先端部が表側構成体102の表側平板部130の板面に当接している。このように、裏側係止部180と表側平板部130とを当接させることで、両構成体101,102を組み合わせた状態における、裏側係止部180の撓み変形を抑えることができる。
裏側係止部180の係止解除時における撓む側と、表側係止部190の係止解除時における撓む側とが逆となるように構成した。これにより、両係止部180,190の撓み変形時の動作範囲を狭めつつ、両係止部180,190の掛かり代の確保を容易なものとすることができる。故に、係止機構195の設置領域の広がりを抑えつつ、引っ掛かりが十分に行われないといった不都合の発生を抑えることができる。仮に係止機構195が大型化すると、動作範囲及び掛かり代の確保は容易となるものの、基板ボックス92の大型化を招来することとなり好ましくない。この点、上述の如く係止機能を担保しつつ係止機構195の小型化に貢献することができれば、基板ボックス92の大型化を抑えることが可能となり、その技術的貢献度は大きなものとなる。
また、表側係止部190を裏側係止部180よりも基板ボックス92の内側となるように配置した。仮に両構成体101,102の境界部位、すなわち各第1周壁部122,132の境界部位から不正具等が挿入された場合であっても、表側係止部190へのアクセスが裏側係止部180によって遮られることとなる。このため、表側係止部190を不正に撓ませるといった行為が困難なもとなっており、係止状態が不正に解除されることを好適に抑制することができる。
更には、仮に上述した境界部位から不正具が挿入された場合であっても、裏側係止部180の係止解除側への撓み方向と不正具の挿入方向とが異なっているため、裏側係止部180の操作は困難なものとなっている。
両構成体101,102は透明樹脂材料により形成されている。これにより、両構成体101,102を組み合わせた状態であっても、それら構成体101,102を取り外すことなく、両係止部180,190の状態を基板ボックス92の外部から目視にて確認することができる。これにより、確認作業の効率化に貢献している。
主制御装置63の基板ボックス92には、ボックス側切断部151が形成されており、当該ボックス側切断部151を切断して、内部空間を規定している位置からボックス側除去領域153を除去した場合、遊技制御プログラムを記憶したCPUチップ93の取り外しを可能とする開口154が基板ボックス92に形成される。そして、ボックス側切断部151は裏側構成体101と表側構成体102との係止状態を解除する場合よりも切断し易く形成されているため、遊技場においてCPUチップ93を基板ボックス92から取り出して入念に検査する場合には、その作業を比較的容易に行うことができる。
また、ボックス側切断部151を切断して基板ボックス92の内部空間を開放させた場合には、当該基板ボックス92に開口154が形成されるため、仮にCPUチップ93などに不正を行う目的でボックス側切断部151を切断して基板ボックス92の内部空間が開放されていた場合にはその発見を比較的容易に行うことができる。
さらには、上記のようにボックス側切断部151が設けられた構成においては、当該ボックス側切断部151によって基板ボックス92の内部空間を良好に開放するための機能が果たされている。したがって、裏側構成体101と表側構成体102の固定に際しては、基板ボックス92の内部空間を開放する場合の作業性を考慮する必要がなくなる。
つまり、本実施の形態では、裏側係止部180と表側係止部190が基板ボックス92の内部空間に収容されていることにより、両係止部180,190がその係止解除が行いづらい状態で係止されている。そして、従来のパチンコ機のように両係止部180,190による両構成体101,102の固定を解除するための積極的な脆弱部は設けられていない。また、裏側構成体101と表側構成体102との境界部分には接着剤が塗布されており、両構成体101,102が広範囲に亘って固定されているとともに、その境界部分から不正用治具を挿入しようとしてもそれが行いづらくなっている。以上のとおり、裏側構成体101と表側構成体102との固定が強固に行われており、それに伴って、裏側構成体101と表側構成体102とを不正に分離させようとする行為が行いづらくなっている。
(第2実施例)
本実施例では、主制御装置と取付台との取り付けに関する構成が上記第1実施例と異なっている。詳しくは、ネジ等の締結具に代えて、上記第1実施例に示した係止機構175に相等する構成を取付台と主制御装置とに適用した。そこで、以下にその構成について図18及び図19に基づき詳細に説明する。図18は本実施の形態における主制御装置ユニット230の斜視図、図19は図18(a)のB−B線部分断面図である。なお、以下の説明では、上記第1実施例との相違点を中心に説明し、同一の構成については基本的に説明を省略する。
主制御装置ユニット230は、台座部材としての取付台231を有し、その取付台231に主制御装置232が搭載されている。主制御装置232は、主制御基板233を具備しており、主制御基板233が透明樹脂材料等よりなる被包手段としての基板ボックス234に収容されてなる。
この主制御装置232は、上述した主制御装置63に相当するものであり、同主制御装置63と同等の制御機能を有する。基板ボックス234は、裏側構成体237と表側構成体238とを有し、これら両構成体237,238は分離不能に一体化されている。
次に、取付台231の構成を図18に基づいて説明する。取付台231はポリカーボネート樹脂等の合成樹脂製によって形成されており、そのほぼ全体が無色透明となっている。但し、取付台231は有色であってもよいし、不透明又は半透明であってもよい。取付台231には裏側構成体237の裏側平板部241に対向する略平板状の制御装置装着部251が設けられている。制御装置装着部251は、主制御装置232を装着するための主制御装置装着部に相当し、基板ボックス234の形状に合わせて横長の略矩形状に形成されている。制御装置装着部251では、取付台231の表側(パチンコ機10への設置状態で言えばパチンコ機後方に向く側)が制御装置搭載面251aとなっている。
制御装置装着部251には、制御装置搭載面251aとは逆側(取付台231の背面側)の板面から遊技盤33の背面に延びる脚部252が設けられている。脚部252は制御装置装着部251の長手方向両側の縁部に沿って形成されており、一方の脚部252には、上下一対の軸受け部253が設けられている。これら軸受け部253が本取付台231の装着相手側(遊技盤33側)の支軸部によって軸支されることで、同取付台231(主制御装置ユニット230)が遊技盤33に対して回動可能に片持ち支持されるようになっている。
また、他方の脚部252には、締結具を取り付けるための取付部254が複数(具体的には2つ)設けられている。これら取付部254に取り付けられる締結具によって、遊技盤に対する本取付台231(主制御装置ユニット230)の締結がなされている。
また、取付台231と遊技盤33との間には、スペーサ部材255が設けられている。スペーサ部材255は上述した破断ネジ等の固定具によって、取付台231に固定されており、このスペーサ部材255によって取付台231の背後空間に対する不正具等の侵入が阻止されるようになっている。また、制御装置装着部251の背後空間における不正基板等の取り付けも阻止される。
スペーサ部材255について詳細に説明すれば、全体として中空ブロック状の立体形状をなしており、無色透明の合成樹脂材料により成形されている。スペーサ部材255の投影面積は、概ね取付台231の制御装置装着部251の面積に合致している。また、スペーサ部材255の厚さ寸法は、取付台231の脚部252の長さ寸法とほぼ同じ、又は脚部252の長さ寸法よりも若干小さく設定されている。故に、スペーサ部材255は、取付台231の制御装置装着部251の背後空間とほぼ同じ占有体積を有し、該背後空間にほぼ丁度収まるようになっている。
スペーサ部材255には格子状の多数のリブ256が形成されており、その多数のリブ256によって、空間状の一つ一つの塊として比較的大きなものが形成されないようになっている。つまり、空間が細分化されている。また、多数のリブ256を設けることにより、空間の細分化といった所望とする効果を得つつ、スペーサ部材255の重量軽減を図っている。
制御装置装着部251の各周縁部には、制御装置搭載面251a側に起立するとともに主制御装置232を制御装置装着部251の長手方向両側から挟んで対峙する一対の第1起立部261と、同じく制御装置搭載面251a側に起立するとともに主制御装置232を制御装置装着部251の短手方向両側から挟んで対峙する一対の第2起立部262とが形成されている。これら各起立部261,262は、表側構成体238の第1表側周壁部242及び第2表側周壁部243に対応しており、第1起立部261の内面261aと第1表側周壁部242の外壁面242aとが当接しているとともに、第2起立部262の内面253aと第2表側周壁部243の外壁面243aとが当接している。これら、各起立部261,262及び各表側周壁部242,243は、主制御装置232を取付台231に装着する際の装着方向を規定する規定部としての機能を有している。
また、制御装置装着部251において第1起立部261の基端部には、同第1起立部261に沿って延びる細幅の凹部263が形成されている。表側構成体238における第1表側周壁部242の先端部は、裏側平板部241よりも取付台231側に突出しており、この突出した部分が凹部263に嵌まることにより、両構成体237,238の内部空間へのアクセスを一層好適に抑制している。なお以下、上述した第1表側周壁部242の突出した部分を便宜上「突出部245」と称する。
ここで、取付台231と主制御装置232との取り外し(分離)を規制する規制手段270及びそれに関連する構成について詳細に説明する。
図18(b)及び図19に示すように、凹部263は、制御装置装着部251の長手方向における隙間寸法(幅寸法)が他の部位と比較して拡張された拡張領域263aを複数備えている。この拡張領域263aに、規制手段270が収容されている(図19参照)。
図19に示すように、凹部263の底部264には規制手段270を構成する取付台側係止部271が一体成形されている。取付台側係止部271は、上記第1実施例における裏側係止部180と同様の構成、すなわち突出部245に対して所定の隙間を隔てて対向するアーム部272と、そのアーム部272の先端側に形成され突出部245と反対側に突出する係止爪部273とを備えている。アーム部272が突出部245側に撓み変形(弾性変形)することに伴って係止爪部273が突出部245側に変位し、同アーム部272の変形が突出部245に当接することに基づいて規制されることにより係止爪部273の変位が抑えられる構成となっている。また、取付台側係止部271には、裏側係止部180と同様に取付台側ガイド部274が形成されているが、この取付台側ガイド部274は上述した裏側ガイド部183と同様の構成となっているため、詳細な説明は省略する。
一方、主制御装置232には、規制手段270を構成し、取付台側係止部271に対して係止される構成体側係止部281が設けられている。具体的には、構成体側係止部281は、裏側平板部241から取付台231側に突出しており、上述した凹部263内に収容されている。詳しくは、凹部263内にて取付台側係止部271の係止爪部273が設けられた側と同一側に配置されている。すなわち、構成体側係止部281と第1表側周壁部242の突出部245との間に取付台側係止部271が配置されている。
構成体側係止部281は、裏側平板部241に対して一体成形されており、上記第1実施例における表側係止部190と同様の構成を備えている。すなわち、裏側平板部241から起立し、アーム部272と対向する板状の起立部282と、起立部282に形成され、係止爪部273が嵌まる係止孔部283とを備えている。また、起立部282は、凹部263を構成する縦壁部265に対して所定の隙間を隔てて対峙している。
起立部282が縦壁部265側に撓み変形(弾性変形)することに伴って係止孔部283が縦壁部265側に変位し、同起立部282の変形が縦壁部265に当接することに基づいて規制されることにより係止孔部283の変位が抑えられる構成となっている。また、構成体側係止部281には、表側係止部190と同様に構成体側ガイド部284が形成されているが、この構成体側ガイド部284は表側ガイド部193と同様の構成となっているため、詳細な説明は省略する。
主制御装置232を取付台231に装着する際には、主制御装置232の表側周壁部242,243(詳しくは外壁面242a,243a)を取付台231の各起立部261,262に沿わせた状態で主制御装置232を制御装置搭載面251a側に押し込むことで、その装着方向が規定される。このような押し込み操作に伴って、主制御装置232の突出部245が取付台231の凹部263に挿入される。突出部245の裏側平板部241からの突出量は、起立部282の裏側平板部241からの起立量よりも十分に大きく設定されており、両係止部271,281のガイド部274,284が当接する前の段階にて、突出部245が凹部263内に挿入され、アーム部272の撓み変形が規制可能な状態となる。
かかる状態にて、主制御装置232が更に押し込まれることにより、アーム部272及び起立部282が撓み変形し、両係止部271,281が相互に離れるように変位することとなる。そして、主制御装置232が所定の装着完了位置に到達すること、すなわち主制御装置232の裏側平板部241が制御装置搭載面251aに当接することにほぼ同期して、
アーム部272及び起立部282が元の状態に復帰し、両係止部271,281の各係止面271a,281aが引っ掛かる。これにより、両係止部271,281が係止状態に移行され、主制御装置232の取付台231からの取り外しが規制された状態となる。
なお、各係止面271a,281aとの掛かり代と、取付台側係止部271及び突出部245との隙間寸法と、構成体側係止部281及び縦壁部265の隙間寸法との相互の関係については、上記第1実施例と同様の設定となっているため、詳細な説明は省略する。
以上詳述した第2実施例によれば、上述した第1実施例と同様に、主制御基板233の不正な取り外し等を好適に抑制できる。
主制御装置232の取付台231に対する装着作業を容易なものとしつつ、主制御装置232の取り外しを困難なものとすることができる。具体的には、主制御装置232の装着完了位置への押し込み操作によって、係止部271,281が係止状態に移行される。このため、主制御装置232の配置作業と係止作業とを別途行う必要がなく、作業の簡略化に貢献することができる。そして、係止状態の解除には、両係止部271,281の両者を撓ませる必要がある。このように、両係止部271,281を撓ませることが困難となっていることで、主制御装置232が不正に取り外されることを抑制することができる。
各係止部271,281は取付台231と主制御装置232によって挟まれた位置に配されている。換言すれば、各係止部271,281は取付台231と主制御装置232によって覆われている。これにより、それら主制御装置232及び取付台231によって係止部271,281へのアクセスを妨げることができる。このように、主制御装置232及び取付台231によって係止部271,281を覆うことにより、係止部271,281を覆うカバー部材等を別途設けることなく、すなわち構成の煩雑化を回避しつつ、不正なアクセスを抑制でき、実用上好ましい構成を実現できる。
より詳細に説明すれば、主制御装置232が取付台231に装着された状態においては、両係止部271,281は凹部263内に格納されることとなる。詳しくは、主制御装置232と取付台231とが組み合わせられることにより、取付台231における凹部263の開放部分が主制御装置232によって塞がれることとなり、このようにして凹部263内に形成された閉空間に両係止部271,281が収容される。これにより、主制御装置ユニット230の外部からの両係止部271,281へのアクセスを困難なものとし、それら係止部271,281の係止状態が解除されることを抑制することができる。
また、取付台側係止部271は、第1表側周壁部242の突出部245及び第1起立部261の境界部位と構成体側係止部281との間に配置されている。このため、仮に上記境界部位を介して不正具等が挿入された場合であっても、取付台側係止部271によって構成体側係止部281へのアクセスを妨げることができる。これにより、両係止部271,281において不正操作が行われることを抑制することができる。
主制御装置232を装着する際には、取付台の各起立部261,262に対して、主制御装置232の周壁部242,243を沿わせることで、その装着方向が規定される。これにより、目視にて、両係止部271,281の相対位置等を確認することなく、装着作業を実施することができ、作業性の担保に貢献できる。
上述した規定の装着方向へ向けての主制御装置232の移動に基づき、両ガイド部274,285によって各係止部271,281に撓みが生じる。これにより、各係止部271,281に直接触れることなく係止状態への移行が実現できる。故に、上述したような各係止部271,281の格納を好適に実現でき、作業性の向上と防犯性の向上とに貢献できる。
また、基板ボックス234に加え、取付台231及びスペーサ部材255も透明材料により形成されている。このため、主制御装置232を取付台231に装着した状態のまま、各係止部271,281の係止状態の確認を行うことができる。更には、各係止部271,281は、主制御装置232の正面視において、主制御基板233を挟んだ両側、すなわち前後方向にて主制御基板233との重なりを回避した位置に配されている。このため、主制御基板233によって両係止部271,281の視認が妨げられることがない。故に、主制御装置ユニット230を回動させることなく、係止部271,281(すなわち係止状態)の確認を行うことができ、更なる作業性の向上を期待できる。
以上詳述したように、取付台231からの主制御装置232の取り外しを困難なものとすることにより、主制御装置232(主制御基板233)が持ち去られたり、不正に交換されたりすることを好適に回避することができ、防犯性の向上に貢献できる。
なお、上述した各実施例の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記各実施例における構成に対して、個別に適用してもよく、相互に組み合わせて適用してもよい。
(1)上記第1実施例では、裏側構成体101の裏側係止部180が係止爪部182を有し、表側構成体102の表側係止部190が係止孔部192を有する構成としたが、これを以下のように変更することも可能である。例えば、裏側係止部180が係止孔部を有し、表側係止部190が係止爪部を有する構成としてもよい。また、両係止部180,190がそれぞれ係止爪部を有し、それら係止爪部同士が相互に引っ掛かる構成としてもよい。
また、上記第2実施例においても同様に、取付台側係止部271が係止孔部を有するとともに、構成体側係止部281が係止爪部を有する構成とすることも可能である。
(2)上記第1実施例では、裏側係止部180と表側係止部190とが逆側に撓み変形することによりそれら両係止部180,190の係止状態が解除される構成としたが、それぞれの係止部180,190の撓む側は「逆側」に限定されるものではない。
以下、図20に基づき一変形例について説明する。図20(a)は裏側係止部と表側係止部とを示す概略図であり、図20(b)〜図20(d)は両構成体の組み合わせ方向から見た(主制御装置の正面側から見た)両係止部の係止状態を示す説明図であり、図20(e)は両構成体の組み合わせ方向から見た(主制御装置の正面側から見た)両係止部の係止解除状態を示す説明図である。なお、裏側係止部に関しては、上述した裏側係止部180とほぼ同様の構成を有するため、詳細な説明は省略する。
図20(a)に示すように、表側構成体300の表側係止部311は、溝部125内における裏側係止部180の側方(詳しくは裏側構成体101の第2裏側周壁部123側)に配置されており、表側平板部310から裏側構成体101の裏側平板部110側に向けて起立するアーム部312を備えている。アーム部312は板状をなしており、その板面が第1表側周壁部313の長手方向、すなわち主制御基板91の短手方向を向いている。このように、アーム部312が板状をなしていることで、第2裏側周壁部123側への撓み変形が容易化されている。また、アーム部312の幅寸法は溝部125における第1裏側周壁部122と対向壁部124との間隔寸法とほぼ同等に設定されており、それら第1裏側周壁部122と対向壁部124側への撓み変形が抑えられている。
アーム部312の先端側には、裏側係止部180の係止爪部182(以下、便宜上裏側係止爪部182と称する)に引っ掛かる表側係止爪部314が形成されている。より具体的には、表側係止爪部314は、アーム部312における裏側係止部180と対峙する側の板面から突出している。表側係止爪部314は、裏側係止爪部182の裏側係止面182aに対峙する表側係止面314aを有しており、これら両係止面182a,314aが引っ掛かることによって、裏側構成体101と表側構成体300との取り外し(分離)が規制される。
表側係止部311のアーム部312が裏側構成体101の第2裏側周壁部123側に撓み変形することにより、表側係止面314aが裏側係止面182aから離れる側に変位し、両係止面182a,314aの掛かり代が減少する。
また、アーム部312における表側係止爪部314が形成された側と反対側には、表側係止部311の撓み変形を規制するストッパ部317が形成されている。ストッパ部317は、対向壁部124に一体成形されており、当該対向壁部124から起立する板状をなしている。ストッパ部317は、所定の間隔を隔ててアーム部312と対峙しており、表側係止部311が撓んだ際には、その端部がアーム部312の板面に当たることで、それ以上の撓み変形が規制される。
ここで、図20(b)〜図20(d)を用いて、両係止面182a,314aの掛かり代について説明する。図20(b)に示すように、両係止部180,311の係止状態においては、裏側係止面182aにおける表側係止部311側の半分と、表側係止面314aにおける裏側係止部180側の半分とが表側構成体300の着脱方向において相互に重なった状態となっている。裏側係止面182aは全体として略矩形状をなしており、表側係止部311側で且つ自身の撓む側と反対側の角部には、裏側切り欠き縁部318が形成されている。一方、表側係止面314aにおいても同様に全体として略矩形状をなしており、裏側係止部180側で且つ自身の撓む側と反対側の角部には、裏側切り欠き縁部318と平行な表側切り欠き縁部319が形成されている。
図20(c)に示すように、裏側係止部180が撓み変形し、裏側係止面182aが第1表側周壁部313側に変位した場合、両係止面182a,314aの掛かり代は減少するものの、それら両係止面182a,314aの一部は重なった状態で維持される。詳しくは、裏側切り欠き縁部318の一部が表側係止面314aに重なった状態のまま維持される。このため、両係止部180,311の係止状態は好適に維持されることとなる。
なお、本別例における裏側係止面182aの変位量、すなわち第1表側周壁部313によって規定される規定変位量及び最大変位量はほぼ同等である。図20(c)には、最大変位が生じた場合の相対関係を示すが、規定変位が生じた場合であっても同様の相対関係が維持される。すなわち、裏側切り欠き縁部318の一部が表側係止面314aに重なった状態のまま維持される。
このように掛かり代が減少した状態において、残存する掛かり代、詳しくは表側係止部311の撓み方向における掛かり代は、表側係止面314aの規定変位量及び最大変位量よりも小さくなっている。
また、図20(d)に示すように、表側係止部311が撓み変形し、表側係止面314aがストッパ部317側に変位した場合、両係止面182a,314aの掛かり代は減少するものの、それら両係止面182a,314aの一部は重なった状態で維持される。詳しくは、表側切り欠き縁部319の一部が裏側係止面182aに重なった状態のまま維持される。このため、両係止部158,231の係止状態は好適に維持されることとなる。
なお、本別例における表側係止面314aの変位量、すなわちストッパ部317によって規定される規定変位量及び最大変位量はほぼ同等である。図20(c)には、最大変位が生じた場合の相対関係を示すが、規定変位が生じた場合であっても同様の相対関係が維持される。すなわち、表側切り欠き縁部319の一部が裏側係止面182aに重なった状態のまま維持される。
このよう掛かり代が減少した状態において、残存する掛かり代、詳しくは裏側係止部180の撓み方向における掛かり代は、裏側係止面182aの規定変位量及び最大変位量よりも小さくなっている。
ここで、図20(c)の状態から表側係止面314aが変位した場合、又は図20(d)の状態から裏側係止面182aが変位した場合、図20(e)に示すように、両係止面182a,314aの掛かり代が0となる。すなわち、裏側係止面182aが第1表側周壁部313側に変位しているとともに、表側係止面314aがストッパ部317側に変位している場合、両係止面182a,314aの引っ掛かり状態が解除される。
なお、表側係止部311には、上記実施の形態に示す裏側ガイド部183と同様の表側ガイド部321が形成されている。両構成体101,300の組み合わせ方向への相対移動に伴って、裏側ガイド部183と表側ガイド部321が当接し、各係止部190,311の撓み変形が実現される。
因みに、以上詳述した変形例を、第2実施例に適用することも可能である。
(3)上記第1実施例では、各係止部180,190自身が撓み変形(弾性変形)することに基づいて、係止状態と係止解除状態との切り替えを行ったが、これを以下のように変更してもよい。すなわち、係止部180,190を移動可能に設け、別途設けた部材(付勢部材)の撓み変形を伴いながら係止部180,190が移動することに基づいて、上述した係止状態と係止解除状態との切り替えを行ってもよい。
以下、具体例を図21(a)に基づいて説明する。裏側係止部331は裏側構成体101に対して別体で設けられている。裏側係止部331における裏側平板部110側の端部には、溝部125の長手方向(すなわち主制御基板91の短手方向)と同一方向に延びる軸部332が一体成形されている。裏側構成体101の第1裏側周壁部122には軸部332が嵌まる軸受け孔部333が形成されており、この軸受け孔部333に軸部332が挿通されている。これにより裏側係止部331は裏側構成体101に対して回動可能に軸支された状態となっている。
裏側係止部331と表側構成体102の第1表側周壁部132との間には板バネ335が設けられている。板バネ335は第1表側周壁部132と平行な本体部336を有しており、この本体部336が同第1表側周壁部132に接着されている。これにより、板バネ335が表側構成体102に対して一体化されている。
板バネ335には、裏側係止部331側に突出する折曲部337が切り起こし形成されており、その折曲部337の先端が裏側係止部331(詳しくはアーム部338)に接触している。なお、本体部336からの折曲部337の突出量は、裏側係止部331と第1表側周壁部132との隙間寸法よりも若干大きく設定されている。これにより、折曲部337が裏側係止部331に当接した状態においては、同裏側係止部331は表側係止部190側に付勢された状態となっている。
両構成体101,102を組み合わせる際には、表側係止部190と裏側係止部331とが当たることにより、裏側係止部331は第1表側周壁部132側に回動する。かかる場合、折曲部337が折りたたまれることとなり、裏側係止部331が対向壁部124側に向けて付勢された状態となる。両構成体101,102の組み合わせ方向への相対移動に伴って、裏側係止部331の係止爪部339が表側係止部190の係止孔部192に嵌合可能な位置に至ると、板バネ335の付勢力により裏側係止部331が回動し、元の位置に復帰する。これにより、係止爪部339が係止孔部192に嵌まり、両者が係止状態となる。
以上詳述したように、板バネ335が弾性変形することにより、係止状態と係止解除状態との切り替えを実現することも可能である。なお、板バネ335に代えてコイルバネ等を用いることも可能である。
(4)上記第1実施例では、表側係止部190の撓み変形を規制する「第1ストッパ部」としての対向壁部124を裏側構成体101側に設け、裏側係止部180の撓み変形を規制する「第2ストッパ部」としての第1表側周壁部132を表側構成体102側に設けたが、これを変更し、「第1ストッパ部」を表側構成体102側に設け、「第2ストッパ部」を裏側構成体101側に設けてもよい。
例えば、図21(b)に示すように、表側構成体102に表側係止部190の撓み変形を規制する表側ストッパ部351を一体形成し、裏側構成体101に裏側係止部180の撓み変形を規制する裏側ストッパ部352を一体形成するとよい。より詳しくは、表側ストッパ部351を表側係止部190に対して所定の隙間を隔てて対峙するように形成するとともに、裏側ストッパ部352を裏側係止部180に対して所定の隙間を隔てて対峙するように形成するとよい。
また、第2実施例においても同様に、取付台側係止部271の撓み変形を規制する「第1ストッパ部」を取付台231側に設け、構成体側係止部281の撓み変形を規制する「第2ストッパ部」を基板ボックス234側に設けてもよい。
(5)上記第1実施例では、裏側係止部180によって裏側構成体101における第1裏側周壁部122の一部を構成したが、これに限定されるものではない。例えば、裏側係止部180を第1裏側周壁部122に対して別個独立に形成することも可能である。
(6)上記第1実施例では、各係止部180,190の先端部が「第1ストッパ部」としての対向壁部124及び「第2ストッパ部」としての第1表側周壁部132に当たることで各係止部180,190の撓み規制を行ったが、これを変更し、各係止部180,190における先端部以外の部位が対向壁部124及び第1表側周壁部132に当たることで撓みの規制を行ってもよい。
また、対向壁部124及び第1表側周壁部132をそれぞれ板状としたが、これに限定されるものではない。すなわち、各係止部180,190の撓み変形を規制することができるものであれば、「第1ストッパ部」及び「第2ストッパ部」を板状とする必要はない。例えば、「第1ストッパ部」及び「第2ストッパ部」を裏側構成体101や表側構成体102から突出して形成された突起等によって構成することも可能である。なお、「第1ストッパ部」及び「第2ストッパ部」は必ずしも裏側構成体101や表側構成体102と一体成形する必要はなく、別体で形成した部材をそれら裏側構成体101や表側構成体102に取り付けてもよい。
因みに、第2実施例においても同様に、「第1ストッパ部」及び「第2ストッパ部」を裏側構成体101や表側構成体102から突出して形成された突起等によって構成することも可能である。
(7)上記第1実施例では、裏側係止部180に裏側ガイド部183を設けるとともに、表側係止部190に表側ガイド部193を設けたが、これに限定されるものではない、少なくとも一方にガイド部を設ける構成とすればよい。なお、各ガイド部183,193を各係止部180,190に対して一体成形したがこれを変更し、各ガイド部183,193を各係止部180,190に対して別途設けてもよい。
(8)上記第1実施例では、溝部125内にて両係止部180,190が引っ掛かる構成としたが、溝部125外にて両係止部180,190が引っ掛かる構成とすることも可能である。
また上記第2実施例では、凹部263内にて両係止部271,281が引っ掛かる構成としたが、凹部263外にて両係止部271,281が引っ掛かる構成とすることも可能である。
(9)上記各実施例では、各係止部180,190の係止面182a,192aの変位量の総和が規定値に達することにより係止解除が可能となる構成としたが、両係止面182a,192aの変位量が共に最大となることで係止解除が可能となる構成としてもよい。
(10)上記第1実施例では、両構成体101,102を組み合わせる際に両係止部180,190において同期して撓み変形が生じる構成としたが、撓み変形が発生するタイミングは必ずしも同期させる必要はない。すなわち、両係止部180,190が接触することにより、先ず片方の係止部が撓み変形して規制された限界まで撓み、その撓み変形が抑えられた後、撓まなくなった係止部に押されることにより、他方の係止部が撓み変形する構成としてもよい。
なお、第2実施例における、取付台側係止部271と構成体側係止部281の撓み変形の発生タイミングについても同様の変更は可能である。
(11)上記各実施例では、位置決め手段としての挿入部142の間に表側係止部190を配置したが、これら挿入部142の間以外の範囲で配置することも可能である。
(12)上記各実施例において、基板ボックス92を形成するボックス構成体の数は複数であれば任意であり、4個以上のボックス構成体を組み合わせることにより、基板ボックス92が形成される構成としてもよい。この場合に、主制御基板91と表側構成体102との間に両者の空間を遮るように別のボックス構成体が設けられていてもよく、主制御基板91と裏側構成体101との間に両者の空間を遮るように別のボックス構成体が設けられていてもよい。
(13)上記各実施例において主制御装置63の基板ボックス92に適用した構成を、音声ランプ制御装置66、払出制御装置82、電源及び発射制御装置83といった他の制御装置に対して適用してもよい。
(14)上記各実施例では、主制御基板91を表側及び裏側から覆う2つの構成体101,102を用いて基板ボックス92を形成したが、これに限定されるものではない。例えば、主制御基板91の長手方向における両側又は短手方向における両側から同主制御基板91を覆う2つの構成体を用いて基板ボックスを形成してもよい。
また、裏側構成体101及び表側構成体102の両者を、互いに対峙する側(主制御基板91側)に向けて解放された箱状をなす構成としたが、必ずしもこれに限定されるものではない。裏側構成体101及び表側構成体102の一方を、他方の開放部位を塞ぐ板状をなす構成とすることも可能である。
(l5)上記第1実施例では、両構成体101,102の取り外しを規制する規制手段として接着材と係止機構175とを併用したが、係止機構175のみを用いる構成としてもよい。また、係止機構175のみを、基板ボックス92の内部空間に収容する構成としたが、接着剤及び接着の対象となる部位を基板ボックス92の内部空間に収容する構成とすることも可能である。
(16)上記各実施例では、係止部180,190が透明性を有する構成としたが、透明性を有さない構成とすることも可能である。これにより係止部180,190の視認性の向上が期待できる。
(17)上記各実施例では、主制御基板91を破断ネジを用いて基板ボックス92に固定する構成としたが、これら破断ネジに代えて、上記係止機構175と同様の構成を適用してもよい。これにより、主制御基板91の取付作業の簡略化に貢献することができる。
(18)上記各実施例では、取付台62を締結具によって遊技盤33に取り付ける構成としたが、締結具に代えて、係止機構175に相当する構成を適用することも可能である。
(19)上記第1実施例では、裏側構成体101の裏側周壁部121と表側構成体102の表側周壁部131とが両構成体101,102を組み合わせる際の組み合わせ方向を規定する機能を有する構成としたが、これに限定されるものではない。すなわち、両構成体101,102の組み合わせ方向を規定する規定手段を別途設けてもよい。例えば、裏側構成体101の溝部125に嵌まる挿入部を表側構成体102に形成してもよい。具体的には、挿入部を、溝部125に対応する板状をなし、その板厚寸法が溝部125の間隔寸法と同等となるように形成するとよい。
(20)主制御装置63の基板ボックス92に形成されたボックス側切断部151の変形例を、図22(a),(b)に示す。図22(a),(b)は、ボックス側切断部151の変形例を説明するための説明図である。
(20−1)図22(a)に示すボックス側切断部151は、基板ボックスの内外に貫通する貫通孔ではなく、有底の溝を形成することにより設けられている。なお、当該溝は横断面V字状に限定されることはなく、U字状であってもよい。本構成であっても、基板ボックスにボックス側切断部151が形成されているため、基板ボックスの内部空間の開放に関して上記各の実施の形態と同様の効果を得ることができる。また、本構成においては、ボックス側切断部151にて通気口としての機能が果たされないが、ボックス側切断部151を通じて不正用治具を挿入しようとする行為が行われることはない。これにより、係止部180,190への不正アクセスを好適に抑制することができる。
(20−2)図22(b)に示すボックス側切断部151は、基板ボックス92の内外に貫通する貫通孔や溝ではなく、基板ボックス92における他の部位を構成する材料よりも強度の弱い材料を適用することにより設けられている。本構成であっても、基板ボックス92にボックス側切断部151が形成されているため、基板ボックス92の内部空間の開放に関して上記第1実施例と同様の効果を得ることができる。また、本構成においては、ボックス側切断部151にて通気口としての機能が果たされないが、ボックス側切断部151を通じて不正用治具を挿入しようとする行為が行われることはない。これにより、係止部180,190への不正アクセスを好適に抑制することができる。
(21)上記各実施例では、ボックス側切断部151を表側構成体102に形成したが、当該ボックス側切断部を裏側構成体101に形成してもよい。また、裏側構成体101において所定の領域を囲むようにしてボックス側切断部を形成するとともに、表側構成体102において所定の領域を囲むようにしてボックス側切断部を形成してもよい。
(22)上記各実施例では、基板側切断部161は枠状に形成されていたが、これに限定されることはなく、基板ボックス92に形成された開口154を通じて取り出し可能な大きさの基板側除去領域163を分離させることができるのであれば、基板側切断部161の形状は任意である。
(23)上記各実施例において、CPUチップ93や基板側除去領域163の検査後における仮収容の構成を不具備としてもよい。また、CPUチップ93や基板側除去領域163の検査後における仮収容に際しては、CPUチップ93が搭載される側の板面を裏側構成体101側に向けて仮収容させることを可能とする構成としてもよい。
(24)上記各実施例では、CPU,ROM,RAMが1チップ化されたCPUチップ93を主制御基板91に搭載したが、これに代えて、ROM専用の素子を主制御基板91に搭載してもよい。この場合、少なくともそのROM専用の素子に関して、上記第1実施例における基板ボックス92の各構成を適用するとよい。
(25)上記各実施例において、主制御装置63の基板ボックス92はコネクタ用プレート104を具備しない構成とするとともに、表側構成体102が長孔部145を具備しない構成としてもよい。この場合、基板ボックス92は一対の構成体101,102から形成されることとなる。また、3個のボックス構成体ではなく、2個又は4個以上のボックス構成体を組み合わせることにより、基板ボックス92が形成される構成としてもよい。
(26)上記各実施例においては、基板ボックス92等の開放を容易とする構成として、ボックス側切断部151等を設けたが、これを省略することも可能である。また、主制御基板91の取り外しを容易化する構成として、基板側切断部161を設けたがこれを省略することも可能である。
(27)上記各実施例とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
(第2の実施の形態)
以下、上述した第1の実施の形態に対して、異なる構成を有する第2の実施の形態について詳細に説明する。なお、本第2の実施の形態にて使用している各符号は第1の実施の形態にて使用した各符号と重複しているものが存在しているが、それら重複している符号は、別個独立のものとする。すなわち、本第2の実施の形態における符号は本第2の実施の形態においてのみ参照するものとし、第1の実施の形態における各符号との関連性は排除するものとする。
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施例を、図面に基づいて詳細に説明する。図23はパチンコ機10を前方から見た斜視図、図24はパチンコ機10における遊技機本体12の分解斜視図である。なお、図24では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能(開閉可能)に取り付けられた遊技機本体12とを有している。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技場の島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
外枠11は、矩形枠状をなしており、上下の枠が木製であり、左右の枠がアルミニウム等の金属によって形成されている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技場に設置される。なお、外枠11を形成する材料は上記のものに限定されることはなく任意である。
外枠11の一側部に遊技機本体12が回動可能に支持されている。具体的には、図23に示すように、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具21が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具22が設けられている。これら上側支持用金具21及び下側支持用金具22により支持機構が構成され、当該支持機構によって外枠11に対して遊技機本体12が回動可能に支持されている。
また、遊技機本体12には、図24に示すように、その回動先端部に施錠装置23が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して閉鎖状態とした場合には施錠装置23の鉤部材24が外枠11の右枠部の内側面に設けられた鉤受け部にて受けられ、遊技機本体12の開放が阻止される。一方、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠25に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、外枠11の鉤受け部にて鉤部材24が受けられた状態が解除され、遊技機本体12の外枠11からの開放が可能となる。なお、施錠装置23は、後述する内枠13と前扉枠14との施錠を行う機能も有している。
遊技機本体12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能(開閉可能)に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能(開閉可能)に支持されており、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能(開閉可能)に支持されており、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として後方へ回動可能とされている。
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。図25は内枠13の正面図である。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース31を主体に構成されている。樹脂ベース31の中央部には略楕円形状の窓孔32が形成されている。樹脂ベース31には遊技盤33が着脱可能に取り付けられている。遊技盤33は合板よりなり、遊技盤33の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース31の窓孔32を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤33の構成を図26に基づいて説明する。遊技盤33には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口34,可変入賞装置35,作動口36,スルーゲート37及び可変表示ユニット38等がそれぞれ設けられている。一般入賞口34は、左右にそれぞれ2個ずつ合計4個設けられている。一般入賞口34、可変入賞装置35及び作動口36に遊技球が入ると、それが後述する検知スイッチにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。その他に、遊技盤33の最下部にはアウト口39が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口39を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤33には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘40が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
可変表示ユニット38には、作動口36への入賞をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示装置41が設けられている。また、可変表示ユニット38には、図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム42が配設されている。センターフレーム42の上部には、第1特定ランプ部43及び第2特定ランプ部44が設けられている。また、センターフレーム42の下部及び上部にはそれぞれ保留ランプ部45,46が設けられている。下側の保留ランプ部45は図柄表示装置41及び第1特定ランプ部43に対応しており、遊技球が作動口36を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部45の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上側の保留ランプ部46は第2特定ランプ部44に対応しており、遊技球がスルーゲート37を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置41には、例えば左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示された場合には、特別遊技状態(以下、大当たりという)が発生することとなる。
第1特定ランプ部43では、作動口36への入賞をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には大当たりが発生する。また、第2特定ランプ部44では、遊技球のスルーゲート37の通過をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には作動口36に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となる。なお、これら第1特定ランプ部43及び第2特定ランプ部44の制御は、後述する主制御装置により行われる。
可変入賞装置35は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。可変入賞装置35の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置35が繰り返し開放されるものが一般的である。なお、可変入賞装置35の駆動制御は、後述する主制御装置により行われる。
遊技盤33には、内レール部47と外レール部48とが取り付けられており、これら内レール部47と外レール部48とにより誘導レールが構成され、遊技球発射機構50から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。
遊技球発射機構50は、図25に示すように、樹脂ベース31における窓孔32の下方に取り付けられている。遊技球発射機構50は、電磁式のソレノイド51と、発射レール52と、球送り機構53とからなり、ソレノイド51への電気的な信号の入力により当該ソレノイド51の出力軸が伸縮方向に移動し、球送り機構53によって発射レール52上に置かれた遊技球を遊技領域に向けて打ち出す。
内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図23等に示すように、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部55が形成されている。窓部55は、略楕円形状をなし、透明性を有するガラス56が嵌め込まれている。窓部55の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。また、左上及び右上の位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部が設けられている。
前扉枠14における窓部55の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部57と下側膨出部58とが上下に並設されている。上側膨出部57内側には上方に開口した上皿57aが設けられており、下側膨出部58内側には同じく上方に開口した下皿58aが設けられている。上皿57aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿58aは、上皿57a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
下側膨出部58の右方には、手前側へ突出するようにしてハンドル装置59が設けられている。ハンドル装置59が操作されることにより、遊技球発射機構から遊技球が発射される。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。図27は内枠13の背面図、図28は裏パックユニット15の正面図である。
図27に示すように、内枠13(遊技盤33)の背面には、主制御装置ユニット61及び音声ランプ制御装置ユニット65が搭載されている。
主制御装置ユニット61は、合成樹脂製の取付台を有し、取付台に主制御装置63が搭載されている。主制御装置63は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備している。なお、主制御装置63の具体的な構成については、後に詳細に説明する。
音声ランプ制御装置ユニット65は、音声ランプ制御装置66と、取付台とを具備する構成となっており、取付台上に音声ランプ制御装置66が装着されている。音声ランプ制御装置66は、主制御装置63からの指示に従い音声やランプ表示、及び図示しない表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス68に収容されて構成されている。
裏パックユニット15は、図28に示すように、裏パック71を備えており、当該裏パック71に対して、払出機構部72及び制御装置集合ユニット73が取り付けられている。裏パック71は透明性を有する合成樹脂により形成されており、払出機構部72などが取り付けられるベース部74と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部75とを有する。
ベース部74には、その右上部に外部端子板76が設けられている。外部端子板76には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技場側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。ベース部74には、保護カバー部75を迂回するようにして払出機構部72が配設されている。すなわち、裏パック71の最上部には上方に開口したタンク77が設けられており、タンク77には遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク77の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレールが連結され、タンクレールの下流側には上下方向に延びるケースレールが連結されている。ケースレールの最下流部には払出装置78が設けられている。払出装置78より払い出された遊技球は、当該払出装置78の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、上皿57a又は下皿58aに排出される。
払出機構部72には、裏パック基板79が設置されている。裏パック基板79には、例えば交流24ボルトの主電源が供給され、電源スイッチの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
ベース部74の下端部には、制御装置集合ユニット73が取り付けられている。制御装置集合ユニット73は、横長形状をなす取付台81を有し、取付台81に払出制御装置82と電源及び発射制御装置83とが搭載されている。これら払出制御装置82と電源及び発射制御装置83とは、払出制御装置82がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置82は、基板ボックス84内に払出装置78を制御する払出制御基板が収容されて構成されている。電源及び発射制御装置83は、基板ボックス85内に電源及び発射制御基板が収容されて構成されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者によるハンドル装置59の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。
次に、主制御装置63の構成を図29〜図31に基づいて詳細に説明する。図29は主制御装置63の斜視図、図30は主制御装置63の正面図、図31は主制御装置63の分解斜視図である。
主制御装置63は、図31に示すように、主制御基板91と基板ボックス92とを備えており、当該基板ボックス92の内部空間に主制御基板91が収容されてなる。
主制御基板91は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM等を備えている。本実施の形態では、CPU、ROM及びRAMがCPUチップ93に1チップ化されている。また、詳細な説明は省略するが、入出力ドライバ用ICチップ94及びラッチ用ICチップ95が搭載されている。また、図示は省略するが、主制御基板91には、コンデンサや抵抗などの各種素子や、複数のコネクタが搭載されている。
主制御基板91においてCPUチップ93などの各種素子は全て同一の板面上に搭載されており、その逆側の板面にて半田付けされている。つまり、主制御基板91は、一方の板面が素子搭載面96となっており、他方の板面が半田面となっている。なお、半田面とは、素子搭載面96に搭載される各種素子の半田付け部分が設けられる面であるが、当該半田面に対して回路パターンが形成されていてもよい。
基板ボックス92は、複数のボックス構成体として、表側構成体(ボックスカバー)101と裏側構成体(ボックスベース)102とを備えている。これら表側構成体101及び裏側構成体102は、基板ボックス92内に収容された主制御基板91の素子搭載面96及び半田面を基板ボックス92外から視認可能なように透明性を有する材料により形成されている。具体的には、無色透明のポリカーボネート樹脂により形成されているが、形成材料はこれに限定されることなく、アクリル樹脂等であってもよい。
表側構成体101及び裏側構成体102が組み合わされることにより、図29及び図30に示すように、基板ボックス92は四角箱状(略直方体形状)に形成されており、所定の内部空間を有している。詳細には、表側構成体101は、図31に示すように、当該表側構成体101の周縁を規定する表側周縁部103と、当該表側周縁部103から一方に膨出するようにして形成された膨出部104とが一体形成されてなる。これら表側周縁部103と膨出部104とにより、表側構成体101は膨出部104の膨出側とは反対側に開放された略直方体形状をなしている。
表側構成体101にはその背面側から主制御基板91がネジ固定されている(着脱可能な状態で固定されている)。なお、表側構成体101への主制御基板91のネジ固定は、主制御基板91の半田面側から行われており、主制御基板91の素子搭載面96に搭載された各種素子は、主制御基板91と表側構成体101との間の領域内に収容されている。
主制御基板91が一体化された表側構成体101に対して、裏側構成体102が固定されている。裏側構成体102は、図31に示すように、正面視で四角形状、具体的には長方形状をなす略板状に形成されており、平面状に形成された平面部105と、当該平面部105の周縁を囲むようにして形成された裏側周縁部106とが一体形成されてなる。
表側構成体101に対してその裏面側から裏側構成体102を固定することにより、表側構成体101の表側周縁部103と裏側構成体102の裏側周縁部106とが重なり、膨出部104の裏面側への開放部分が裏側構成体102の平面部105により閉塞される。この場合、主制御基板91の半田面は、裏側構成体102により覆われている。つまり、主制御基板91の素子搭載面96はその全体が表側構成体101と対向しており、主制御基板91の半田面はその全体が裏側構成体102と対向している。上記構成の主制御装置63は、図27に示すように、表側構成体101の表面がパチンコ機10後方を向くようにして搭載されている。
次に、表側構成体101と裏側構成体102との固定に関する構成について詳細に説明する。両構成体101,102の固定に関する構成としては、両構成体101,102の相互の位置ずれを特定の規制方向のみに規制する規制手段と、当該規制方向への位置ずれを防止するように両構成体101,102を相互に固定する固定手段と、を備えている。
先ず、規制手段について詳細に説明する。なお、以下の規制手段の説明では、図31だけでなく図32も適宜参照する。図32(a)は主制御装置63の一部を拡大して示す側面図、図32(b)は図32(a)のA―A線断面図である。
図31に示すように、規制手段として、表側構成体101には、フック部(係止部又は表側規制部)111が一体形成されている。フック部111は複数設けられており、これらフック部111は表側周縁部103の対向する各長辺部(具体的には、上縁部及び下縁部)において当該長辺部の延びる方向に沿って等間隔で形成されている。この場合、フック部111は、上下にそれぞれ6個ずつ形成されているが、複数であればその数は任意である。各フック部111は、全て同一形状となるように形成されているとともに、全て同一のサイズに形成されている。
フック部111の形状について詳細に説明する。表側構成体101の表側周縁部103は、当該表側周縁部103に沿って矩形枠状に形成された枠部112を備えている。枠部112は表側周縁部103において膨出部104に連続するベース部110から裏側構成体102側に起立させて形成されている。この場合、枠部112におけるベース部110からの突出寸法(高さ寸法)は、主制御基板91の厚み寸法と同一となっている。なお、枠部112におけるベース部110からの突出寸法を、主制御基板91の厚み寸法よりも大きくしてもよい。
枠部112において一の長辺部を構成する上枠部(一の枠部)113に複数のフック部111が形成されているとともに、当該上枠部113と対向した位置にて一の長辺部を構成する下枠部(他の枠部)114にも複数のフック部111が形成されている。この場合、各フック部111の内側の面は形成元の枠部112における内側の面と同一平面上に位置しているとともに、各フック部111の外側の面は形成元の枠部112における外側の面と同一平面上に位置している。
フック部111は枠部112を基端として形成されており、自由端側が表側構成体101の一方の短辺部側、具体的には、右縁に向けて延びるように途中位置で折り曲げて形成されている。つまり、フック部111は枠部112から裏側構成体102に向けて起立した起立部115と、起立部115から表側構成体101の側縁に向けて延びる延出部116とが一体形成されてなる。
延出部116は起立部115の高さ寸法分、枠部112から離間されており、延出部116と枠部112との間には係止用溝117が形成されている。当該係止用溝117は延出部116に沿って形成されており、延出部116の自由端側において開放されている。
フック部111に対応させて裏側構成体102には、係止受け(裏側規制部)121が一体形成されている。係止受け121の形状について詳細に説明する。裏側構成体102の裏側周縁部106には、表側構成体101の上枠部113と対応する辺部に当該辺部の全体に沿って一連の上側周壁部122が一体形成されているとともに、表側構成体101の下枠部114と対応する辺部に当該辺部の全体に沿って一連の下側周壁部123が一体形成されている。これら上側周壁部122及び下側周壁部123は表側構成体101に向けて起立している。上側周壁部122及び下側周壁部123はそれぞれ、裏側構成体102の周面(上面及び下面)を構成しているとともに、基板ボックス92の周面(上面及び下面)を構成している。
裏側周縁部106には、上側周壁部122及び下側周壁部123にそれぞれ一体形成された上側台座部124及び下側台座部125を備えている。ここで、上側台座部124及び下側台座部125は共に同一の構成を有しており、さらに規制手段について基板ボックス92の上側と下側とで基本的に構成は同一となっているため、下側の構成を例にとって以下説明する。
下側台座部125は、図31に示すように、下側周壁部123の内側の壁面から裏側構成体102の平面部105側に突出させて形成されており、下側周壁部123及び平面部105の両方に対して一体化されている。下側台座部125は下側周壁部123の長さ方向(長手方向)の全体又は略全体に亘って形成されている。
下側台座部125は、表側構成体101に向けて起立している。但し、その高さ寸法(基板ボックス92の厚み方向の寸法)は、下側周壁部123の高さ寸法よりも小さく設定されている。この点、裏側構成体102は、その長辺側の縁部において下側周壁部123と下側台座部125とにより段差状となっていると言える。
下側台座部125には、フック部111と1対1で対応させて係止受け121が形成されている。つまり、係止受け121は、上下にそれぞれ6個ずつ形成されている。但し、フック部111と1対1で対応しているのであれば、その具体的な数は任意である。各係止受け121は全て同一の形状及び大きさを有している。
係止受け121は、下側台座部125をその高さ方向、すなわち裏側構成体102の厚み方向に貫通するスリットとして構成されている。詳細には、係止受け121は、裏側構成体102において上記のとおり周面を構成する下側周壁部123と、下側台座部125において平面部105との境界部分を構成する内側壁部126と、これら下側周壁部123及び内側壁部126を連結するようにして形成された連結壁部127とにより周囲が規定されており、裏側構成体102の厚み方向(基板ボックス92の厚み方向)に貫通している。
ちなみに、連結壁部127は、隣り合う係止受け121を区画する機能も有しているとともに、下側台座部125において表側構成体101(表側構成体101の枠部112)と対向する対向面を構成している。また、内側壁部126は係止受け121側からの基板ボックス92内への侵入経路を遮断するように形成されているとともに、内側壁部126は基板ボックス92の内部空間の周面を構成している。
係止受け121の幅寸法、すなわち下側周壁部123と内側壁部126との間の距離は、フック部111の厚み寸法と同一又はそれよりも若干大きく設定されている。また、係止受け121の長さ寸法、すなわち対向する連結壁部127間の距離は、延出部116の長さ寸法よりも大きく設定されている。
係止受け121は、図32(a)に示すように、一方の連結壁部127側において、スリット状の当該係止受け121を閉塞する受け部128を備えている。この受け部128が形成された側の連結壁部127は、一の係止受け121における両連結壁部127のうち、フック部111の自由端側に対応した側となっている。
受け部128は、係止受け121において表側構成体101側の端部に形成されている。また、受け部128は、スリット状の係止受け121の全体を閉塞しているのではなく、一部のみを閉塞している。そして、係止受け121において受け部128が形成されていない側の連結壁部127から受け部128までの距離は、フック部111の延出部116が延びる方向の長さ寸法よりも大きくなっている。これにより、上記のように受け部128が形成された構成において、裏側構成体102の表側からフック部111を係止受け121内に挿入可能となっている。受け部128は、上記フック部111の係止用溝117内に入り込み可能な厚み寸法に設定されている。
なお、係止受け121は、受け部128とは逆側の連結壁部127側において、スリット状の当該係止受け121を閉塞する閉塞部129を備えている。但し、閉塞部129は係止受け121において受け部128が形成された側とは反対側の端部に形成されている。また、閉塞部129は、スリット状の係止受け121の全体を閉塞しているのではなく、一部のみを閉塞している。
表側構成体101と裏側構成体102とが一体化された状態では、図32(a)及び図32(b)に示すように、係止受け121内にフック部111が挿入されおてり、図32(a)に示すように、フック部111の係止用溝117内に係止受け121の受け部128が入り込んでいる。そして、受け部128は、枠部112に当接しているとともに、フック部111の延出部116に当接している。
この場合、表側構成体101と裏側構成体102とを、係止用溝117に対する受け部128の入り込み方向に移動させて分離させようとしても、表側構成体101の起立部115に受け部128が当接することで規制される。また、表側構成体101と裏側構成体102とを基板ボックス92の厚み方向に分離させようとしても、フック部111と受け部128との当接により規制される。また、図32(b)に示すように、フック部111は係止受け121を構成する下側周壁部123及び内側壁部126の両方に挟まれた状態となっている。したがって、表側構成体101と裏側構成体102とを上下方向に移動させて分離させようとしても、フック部111が下側周壁部123又は内側壁部126のいずれかに当接することで規制される。つまり、フック部111及び係止受け121により、表側構成体101と裏側構成体とを分離させる際の方向が、係止用溝117から受け部128を抜き取る方向、すなわち基板ボックス92の一方の短辺側に規制されている。
特に、フック部111と係止受け121との組み合わせは、基板ボックス92の両長辺部においてそれぞれ複数組設けられており、さらにはこれらの組み合わせは、各長辺部においてその長さ方向の略全体に亘って分散させた位置にて行われている。したがって、上記規制は強固に行われている。
図32(b)に示すように、係止受け121内にフック部111が挿入され、且つ係止用溝117内に受け部128が入り込んだ規制状態では、表側構成体101の下枠部114が裏側構成体102の下側台座部125と基板ボックス92の厚み方向に重なり合っている。この場合、下側台座部125の全体に亘って下枠部114が重なり合っており、これら下側台座部125と下枠部114とにより基板ボックス92の長辺部において当該基板ボックス92の内部空間の周面の一部が構成されている。
下枠部114は、上記のとおり表側周縁部103のベース部110から裏側構成体102側に起立させて設けられている。また、下側台座部125は上記のとおりスリット状の係止受け121を構成する部位であり、それに伴って下枠部114よりも肉厚に形成されている。さらには、下枠部114は、下側台座部125上において下側周壁部123と接するように当該下側周壁部123側に偏倚した位置に配置されている。したがって、図32(b)に示すように、下枠部114へと続くベース部110と下側台座部125との間には所定の隙間が形成されており、当該隙間には主制御基板91の周縁部の一部が入り込んでいる。
裏側構成体102の下側周壁部123は、上記のとおり下側台座部125よりも表側構成体101側に突出しており、当該突出した部位が下枠部114の外側の側面に対して外方から重なり合っている。また、下側周壁部123はその起立した先端側の端面が表側周縁部103におけるベース部110の表面と面一となっている。つまり、下側周壁部123は表側周縁部103における一長辺部の外側周面の全体と重なり合っている。当該構成であることにより、表側構成体101と裏側構成体102との長辺部における境界は、図30に示すように、線状となっている。
また、当該境界は、図32(b)に示すように、表側周縁部103のベース部110よりも外側にある。当該境界を通じて基板ボックス92の内部空間にリード線などの不正用治具を挿入しようとしても、上記のとおり下枠部114と下側台座部125とがその全体に亘って重なり合っているため、それが阻止される。さらには、上記のとおりフック部111と係止受け121とによる規制は強固に行われているため、下枠部114と下側台座部125とを離間させようとしてもそれが強固に阻止される。
ここで、上記のようにフック部111と係止受け121とが設けられていることにより、基板ボックス92の小型化を図りながら、表側構成体101と裏側構成体102との分離方向の規制が強固に行われている。当該構成について、図33を用いて、基板ボックス92の体格が大きくなってしまう構成と比較しながら説明する。図33(a)は本パチンコ機10における基板ボックス92の規制箇所を示す断面図であり、図33(b)は比較対象の基板ボックス131の規制箇所を示す断面図である。
本パチンコ機10の基板ボックス92では上記のとおりフック部111と係止受け121とが設けられていることにより、図33(a)に示すように、基板ボックス92の内部空間の縁部から基板ボックス92の周面までの距離はX1となっている。
これに対して、比較対象の基板ボックス131では、図33(b)に示すように、フック部132と係止受け133とが、上記基板ボックス92とは逆の関係で、表側構成体134及び裏側構成体135に形成されている。つまり、裏側構成体135にフック部132が形成されており、表側構成体134に係止受け133が形成されている。また、上記基板ボックス92ではフック部111が設けられた表側構成体101の縁部において基板ボックス92における内部空間の周面の一部を構成していたが、本基板ボックス131ではフック部132が設けられた裏側構成体135の縁部は内部空間の周面の一部を構成していない。したがって、基板ボックス131の内部空間の縁部から基板ボックス131の周面までの距離はX2となっており、上記基板ボックス92における対応箇所の距離X1よりもX3だけ長くなっている。
以上より、本パチンコ機10における基板ボックス92によれば、基板ボックス92の小型化を図りながら、表側構成体101と裏側構成体102との分離方向の規制が強固に行われている。パチンコ機10では、図柄表示装置41の表示画面の大型化やパチンコ機10の多機能化を行うことが好ましい。しかしながら、表示画面の大型化やパチンコ機10の多機能化を図ろうとすると、パチンコ機10の背面側において電気機器を搭載するスペースに制限が生じてしまう。これに対して、上記のとおり基板ボックス92の小型化を図ることで、表示画面の大型化やパチンコ機10の多機能化を良好に実現することができる。
次に、上記規制手段による表側構成体101と裏側構成体102との組み付け作業について図34を用いて説明する。図34(a)〜(c)は表側構成体101と裏側構成体102との組み付け作業を説明するための説明図である。
表側構成体101と裏側構成体102とを相互に固定する場合、図34(a)の状態から図34(b)の状態となるように、先ず裏側構成体102の裏側からフック部111を係止受け121内に挿入する。この場合、フック部111の自由端が、挿入された係止受け121内の受け部128側を向いている。また、この状態では、表側構成体101と裏側構成体102とは完全に重なり合っておらず、左右方向にずれた状態となっている。
その後、表側構成体101又は裏側構成体102の少なくとも一方を、両構成体101,102が完全に重なり合う方向にスライド移動させることにより、図34(c)に示すように、フック部111の係止用溝117内に係止受け121の受け部128が入り込む。これにより、係止用溝117に対する受け部128の抜け方向にのみ移動可能なように表側構成体101及び裏側構成体102の移動方向が規制される。そして、当該状態において固定手段による固定を行うことで、規制手段により規制された移動方向への移動も行うことが不可となり、表側構成体101及び裏側構成体102が相互に固定される。
次に、固定手段について説明する。
図30及び図31に示すように、表側構成体101における一方の短辺部には、表側結合領域141が一体形成されている。表側結合領域141は、当該短辺部において膨出部104から側方に延出させて形成されている。表側結合領域141には複数(具体的には、4個)の表側結合部142,143が設けられており、各表側結合部142,143には基板ボックス92の厚み方向に貫通する貫通孔部144が形成されている。なお、本実施の形態においては、主制御装置63を製造する際に使用される表側結合部と、主制御装置63を開放した後、両構成体101,102を再ボックス化する場合に使用される表側結合部との2種類の異なる表側結合部を備えている。以下、説明の便宜上、前者を「第1表側結合部142」と称し、後者を「第2表側結合部143」と称することとする。
各表側結合部142,143は、前記短辺部に沿って並設されている。より具体的には、短辺部に沿い離間して配置された2つの第1表側結合部142の間に、2つの第2表側結合部143が配置されている。また、各第1表側結合部142は第1連結部145を介して膨出部104と連結されているとともに、第2連結部146を介して隣り合う第2表側結合部143と連結されている。この場合、各連結部145,146の周囲には、ニッパやカッタ等の工具を差込可能な空間が確保されており、第1表側結合部142を破壊するよりも上記工具により切断し易くなっている。なお、上述した第2連結部146を省略することも可能である。因みに、第1表側結合部142及び第2表側結合部143の相違点についての詳細は後述する。
表側結合領域141に対応させて、裏側構成体102の裏側周縁部106には裏側結合領域151が設けられている(図35等参照)。ここで、本基板ボックス92では、裏側結合領域151が特徴的な構成となっている。そこで以下に、裏側結合領域151の特徴的な構成を重点的に説明しつつ、上記結合に関する構成を説明する。
先ず、裏側結合領域151の構成を、図31に加え図35〜図37を用いて説明する。図35は裏側結合領域151の断面図、図36は裏側結合領域151を構成する受け部材153の一部破断領域を含む斜視図、図37(a)は裏側結合領域151を構成するカバー部材154の正面図、図37(b)はカバー部材154を裏側から見た斜視図である。
裏側結合領域151は、図31及び図35に示すように、裏側構成体102の裏側周縁部106に一体形成された結合領域形成部152と、当該結合領域形成部152に組み付けられる受け部材(受け金具)153及びカバー部材154と、を備えている。
結合領域形成部152は、裏側構成体102の裏側周縁部106における一方の短辺部において、全体又は略全体に亘って形成されている。結合領域形成部152には、図35に示すように、表側構成体101側に向けて開放された溝部155が形成されている。溝部155は、結合領域形成部152の全体に亘って形成されている。
結合領域形成部152には、溝部155内に挿入された状態で受け部材153が固定されている。受け部材153は、少なくとも裏側構成体102の壁部よりも高強度な(硬質な)金属板を図36に示すように、複数箇所で折り曲げることにより形成されており、結合領域形成部152の溝部155と同一又は略同一の長さ寸法を有している。なお、受け部材153を、金属板を折り曲げることにより形成するのではなく、複数の金属板を溶接することにより形成してもよい。
受け部材153は、溝部155の周面に沿うようにして凹み空間161を有するように形成された受けベース部162と、当該受けベース部162に対して一体形成された引っ掛け板部163と、を備えている。この場合、受けベース部162は相互に対向する対向板部164,165と、これら対向板部164,165を一端において連結する連結板部166と、を備えており、これら各板部164,165,166により、凹み空間161が形成されている。また、引っ掛け板部163も板状であり、一部の板部は内側の対向板部164と対向している。
受け部材153は、受けベース部162の外周面が溝部155の内周面と重なるように、結合領域形成部152に設置されている。この場合、引っ掛け板部163は、結合領域形成部152において溝部155を形成する壁部のうち内側溝壁部156に引っ掛けられた状態となっている。また、図31及び図36に示すように、受けベース部162の対向板部164,165のうち、外側の対向板部165(以下、外側対向板部165と称する)には係止用凹部167が複数箇所に形成されており、これに対応させて、図31に示すように、結合領域形成部152において溝部155を区画する壁部のうち外側溝壁部157には、係止部158が一体形成されている。係止部158は係止用凹部167に1対1で対応させて複数箇所に形成されている。
受け部材153を結合領域形成部152に設置した状態では、係止用凹部167が係止部158により係止され、結合領域形成部152に対して受け部材153が固定されている。受け部材153が結合領域形成部152に固定された状態においては、受けベース部162における凹み空間161は表側構成体101に向けて開放されており、受けベース部162は溝部155内の略全体に亘って位置している。
つまり、図30に示すように、受け部材153は基板ボックス92における一の短辺部の略全体に亘って位置している。換言すれば、受け部材153は基板ボックス92の複数の周面部のうち少なくとも所定の周面部におけるコーナー部分間の全体又は略全体に亘って位置するように設けられている。さらに換言すれば、基板ボックス92は正面視で多角形状(四角形状)に形成されており、受け部材153は所定の一辺部の当該辺部が延びる方向の全体又は略全体に亘って位置するように設けられている。
受け部材153の対向板部164,165のうち、内側の対向板部164(以下、内側対向板部164と称する)には、図35に示すように、凹み空間161側に突出するように係止片168が設けられている。係止片168は、図36の破断部分に示すように、内側対向板部164を切除しない範囲で切断を行い、切断によって板バネ状となった箇所を凹み空間161側に曲げることにより形成されている。この場合、係止片168の自由端は、受けベース部162の連結板部166側、すなわち凹み空間161の奥側を向いている。係止片168は、等間隔で複数形成されており、この数は表側結合領域141に形成された表側結合部142,143の数と同数となっているとともに、表側結合部142,143の位置に対応させて形成されている。
上記のように受け部材153が固定された結合領域形成部152に対してカバー部材154が設置されている。カバー部材154は、無色透明のポリカーボネート樹脂により形成されているが、形成材料はこれに限定されることはなく、アクリル樹脂等であってもよい。カバー部材154は、結合領域形成部152と同一又は略同一の長さ寸法を有しており、結合領域形成部152及び受け部材153の全体又は略全体を覆う機能を有しているとともに、受け部材153が固定された結合領域形成部152を表側結合部142,143と同数の裏側結合部176に区画するための機能を有している。
具体的には、カバー部材154は、図35に示すように、第1カバー板部172と、当該第1カバー板部172に対して直交する第2カバー板部173と、を有するカバーベース部171を備えている。カバー部材154を結合領域形成部152に設置した場合には、第1カバー板部172は結合領域形成部152の対向する溝壁部156,157及び結合領域形成部152に固定された受け部材153に対して、受け部材153の凹み空間161の開放側から重なり合っており、第2カバー板部173は結合領域形成部152における外側溝壁部157の外側周面の全体に対して外方から重なり合っている。
第1カバー板部172には、図37(a)に示すように、その長さ方向に等間隔で複数の貫通孔部174が形成されている。当該貫通孔部174が形成されていることにより、受け部材153の凹み空間161は第1カバー部材154により完全に閉塞されておらず、貫通孔部174の位置にて表側構成体101側に向けて開放されている。
貫通孔部174は、受け部材153の係止片168と1対1で対応しており、図35に示すように、一の貫通孔部174と基板ボックス92の厚み方向に並ぶ位置に一の係止片168が位置している。また、貫通孔部174は、表側結合部142,143と1対1で対応している。
第1カバー板部172の表面側には、図37(a),(b)に示すように、当該第1カバー板部172の表面側において各貫通孔部174が形成された領域を個別に区画するようにして区画壁部175が一体形成されている。そして、区画壁部175により区画された各領域によって裏側結合部176が構成されている。各裏側結合部176は、表側構成体101に向けて開放されているとともに、裏側構成体102において裏側結合領域151が形成された側の短辺部と対向する短辺部に向けて開放されている。各裏側結合部176は対応する表側結合部142,143を収容可能な大きさを有しており、各裏側結合部176に対応する各表側結合部142,143が収容された状態では、各表側結合部142,143の貫通孔部144と各裏側結合部176の貫通孔部174とが連通された状態となる。
なお、図37(b)に示すように、第1カバー板部172の裏面側には、複数箇所に位置決め用突起177が設けられている。これら位置決め用突起177は、第1カバー板部172から起立する板状をなしており、その板厚寸法が受け部材153の両対向板部164,165の間隔寸法と同等となるように形成されている。カバー部材154を設置する場合にはこれら位置決め用突起177が受け部材153の凹み空間161内に入り込むようにすることにより、装着方向が規定され、設置箇所の位置決めを容易に行うことができる。また、当該突起177が受け部材153の凹み空間161内に入り込むことで、カバー部材154をその設置箇所から離脱させる際の離脱方向が規定される。換言すれば、凹み空間161が開放されている方向、すなわち裏側構成体102から表側構成体101に向けた方向に規定される。
ここで、カバー部材154の取り外し規制に関する構成について、図31,図36,図37に加え図38(a)を用いて説明する。図38(a)は図30のB−B線部分断面図である。
図31等に示すように、第1カバー板部172の中央には、その第1カバー板部172から表側構成体101側に起立する円筒部178が一体成形されている。第1カバー板部172には、円筒部178の孔部178aに連通し、当該円筒部178の軸線方向と同一方向に延びる丸孔179が形成されている。より詳しくは、孔部178aと丸孔179とは段差状に連続しており、その孔径は丸孔179において減縮されている。
また、図31及び図36に示すように受け部材153には丸孔179と連通する連通孔169が形成されており、これら孔部178aと丸孔179と連通孔169とには表側構成体101側から破断ネジ170が挿通されている。裏側構成体102には、この破断ネジ170がねじ込まれる取付穴部159が形成されており、その取付穴部159に対して破断ネジ170が螺着されることによって、裏側構成体102と受け部材153とカバー部材154とが一体化されている。
なお、破断ネジ170とは、装着作業と取り外し作業とを比較した場合、後者の方が困難となるものであり、一旦装着された後には、固定対象及び自身の少なくともいずれかの破壊を伴うことなくその取り外しが不可とされるものである。より具体的に説明すれば、ドライバなどの工具の先端を差込可能な頭部170aと、ネジ溝が形成された側との連結部分170bの強度が低く設定されたものであり、それ以上締めることができない位置において頭部170aに対して上記工具によりさらに所定の力を加えることにより、上記連結部分170bが切断され、頭部170aが分離されるものである。つまり、破断ネジ170は、螺着後において、上記工具を用いて緩める方向へ回転させることを不可とするものである。なお、裏側構成体102に螺着されている破断ネジ170は螺着後においてその頭部170aが分離されている。
因みに、螺着後において裏側構成体102とカバー部材154との結合を緩めることができないようにすることができるのであれば、裏側構成体102とカバー部材154とを結合する固定具は破断ネジ170に限定されることはなく周知のワンウェイネジであってもよい。
図38に示すように、破断ネジ170の連結部分170bは、円筒部178の孔部178a内に収容されている。すなわち、連結部分170bは円筒部178によって囲われた状態となっている。このように連結部分170bを囲う機能に着目すれば円筒部178を「囲い部」と称することも可能であり、連結部分170bをその内部に収容する機能に着目すれば「収容部」と称することも可能である。
ここで、破断ネジ170と円筒部178との関係について詳細に説明する。円筒部178の起立量X5は、第1カバー板部172からの破断ネジ170(詳しくは連結部分170b)の突出量X6よりも大きく設定されており、当該円筒部178によって、破断ネジ170が主制御装置63の側方へ露出することを回避している。
また、両構成体101,102が相互に組み合わせられた状態においては、丸孔179の中心軸線上に表側構成体101が位置している。この表側構成体101によって、破断ネジ170へのアクセスが妨げられている。具体的には、図38に示すように、表側構成体101の表側結合領域141には、円筒部178の開放部分を塞ぐ遮蔽部180が一体成形されている。遮蔽部180は、円筒部178にほぼ接した(近接した)状態となっており、前記円筒部178とともに、前記破断ネジ170の連結部分170bを収容する閉空間を区画形成している。遮蔽部180は、基板ボックス92の長手方向、すなわち前記規制手段による規制方向と反対側に延びる板状をなしており、両構成体101,102が組み合わされる際の円筒部178との引っ掛かりが回避されている。なお、遮蔽部180と円筒部178とが接する(当接する)構成とすることも可能である。
更には、円筒部178の起立量X5は、破断ネジ170の頭部170aが残存している状態における当該破断ネジ170の第1カバー板部172からの突出量X7よりも小さく設定されている。このため、破断ネジ170の頭部170aが分離されていない状態にて、すなわち破断ネジ170の取り外しが規制されていない状態にて、両構成体101,102を組み合わせようとした場合には、破断ネジ170の頭部170aと遮蔽部180とが当接し、所定の組み受け位置への移動が妨げられることとなる。すなわち、遮蔽部180は、上記破断ネジ170の露出を抑える遮蔽機能に加え、破断ネジ170における頭部170aの取り忘れ防止機能を併せ有している。
また、図38(b)に示すように、両構成体101,102を組み合わせた状態、詳しくは図34(b)に示すように両構成体101,102が組み合わされているものの未だ相互に位置ずれした状態においては、丸孔179の中心軸線(破断ネジ170の着脱経路)と遮蔽部180の一部とが重なっている。換言すれば、破断ネジ170を着脱する際の当該破断ネジ170の通過領域E1と遮蔽部180の一部とが、両構成体101,102の装着完了状態のみならず、少なくとも係止受け121に対してフック部111が引っ掛かった状態においては重なるように構成されている。このため、遮蔽部180による破断ネジ170の取り外し制限を解除するには、先ず両構成体101,102を分離する必要があり、両構成体101,102を規制手段による規制方向に若干位置ずれさせることにより破断ネジ170の不正な取り外しが容易化されるといった不都合は生じにくくなっている。
次に、裏側結合領域151を形成する上での作業の流れ及び両構成体101,102の組み合わせ作業の流れを、図38(a)及び図17を用いて説明する。図39(a)〜(d)は裏側結合領域151を形成する上での作業を説明するための説明図である。なお、図39(a),(b)と図17(c),(d)とは説明の便宜上、カバー部材154の長手方向においてずれた位置での断面を示している。
図39(a)に示す裏側構成体102の結合領域形成部152に対して、図39(b)に示すように受け部材153を設置する。当該設置は、受け部材153の受けベース部162が結合領域形成部152の溝部155内に入り込むように、且つ受け部材153の引っ掛け板部163が結合領域形成部152の内側溝壁部156に引っ掛けられた状態となるように行われる。
図39(b)に示すように、受け部材153の受けベース部162が結合領域形成部152の溝部155の内周面と重なった状態となることで、受けベース部162の係止用凹部167が結合領域形成部152の係止部158により係止された状態となる。なお、係止部158はその先端が溝部155内に突出しているが、当該係止部158は受けベース部162の溝部155への入り込みに際して当該入り込みを阻害しない位置へと弾性変形可能に形成されている。
その後、受け部材153が設置された結合領域形成部152にカバー部材154を設置する。この際、カバー部材154に位置決め用突起177が形成されていることにより、カバー部材154の設置を良好に行うことができる。また、カバー部材154を設置した場合には、当該カバー部材154により係止部158が外側から覆われる(図29及び図31参照)。さらに、溝部155の開放箇所における、係止部158と係止用凹部167との係止箇所を露出させる部位もカバー部材154により覆われる。これにより、係止部158と係止用凹部167との係止状態を不正に解除しようとしても、当該行為が行いづらくなる。なお、カバー部材154の装着完了位置への押し込み操作に基づいて、同カバー部材154と裏側構成体102とが引っ掛かった状態となり、カバー部材154の取り外しが規制される。このカバー部材154と裏側構成体102との引っ掛かりに関する構成及びカバー部材154の装着作業に関する詳細については後述する。
次に、図39(c)に示すように、カバー部材154の円筒部178(詳しくは孔部178a)に対して破断ネジ170を挿入する。そして、この破断ネジ170を丸孔179及び連通孔169に挿通させ、ドライバ等の工具を用いて破断ネジ170を取付穴部159にねじ込む。それ以上破断ネジ170を締めることができない位置までねじ込むことにより、カバー部材154が裏側構成体102に対して固定された状態となる。すなわち、カバー部材154と受け部材153と裏側構成体102とが一体化され、裏側結合領域151の形成が完了する。
このように、カバー部材154の固定がなされた状態にて、上記工具に更に所定の力を加えることにより、破断ネジ170の連結部分170bを切断する(図39(d)参照)。これにより、破断ネジ170の頭部170aが分離され、当該頭部170aの取り外しが可能となる。そして、このように頭部170aの分離がなされることにより、破断ネジ170の取り外しが困難なものとなり、カバー部材154や受け部材153の裏側構成体102からの取り外しが規制される。
その後、図38(a)に示すように、両構成体101,102を所定の方向に相対移動させることによって両構成体101,102を組み合わせる。かかる場合、破断ネジ170の頭部170aが取り除かれていることによって、両構成体101,102、の組み付け完了位置への移動が許容される。詳しくは、破断ネジ170と表側構成体101の遮蔽部180との干渉が回避され上述した組み付け完了位置への移動が許容されることとなる。このようにして両構成体101,102の組み付けが完了した状態においては、破断ネジ170の取り外し軌道上に遮蔽部180が位置することとなる。より詳しくは、円筒部178の開口が遮蔽部180によって塞がれ、破断ネジ170(詳しくは連結部分170b)の露出が抑えられる。これにより、基板ボックス92の外部からの破断ネジ170へのアクセスが困難なものとなる。故に、破断ネジ170を不正に取り外そうとしても、当該行為が行いづらくなる。
ここで、カバー部材154の固定部位(丸孔179)と前記表側結合部142,143の相互の位置関係について説明する。図30等に示すように、カバー部材154の固定部位を挟んだ両側に第1表側結合部142が配置されている。より具体的には、カバー部材154の両短側に偏倚して第1表側結合部142が配置されている。そしてこれらカバー部材154の固定部位と第1表側結合部142との間には第2表側結合部143がそれぞれ配置されている。換言すれば、カバー部材154の固定部位は第1表側結合部142と第2表側結合部143とによって二重に挟まれた状態となっている。すなわち、固定部位と第1表側結合部142までの距離寸法は、固定部位と第2表側結合部143までの距離寸法よりも大きく設定されている。
次に、表側結合部142,143と裏側結合部176との結合に関連する構成ついて説明する。上述の如く第1表側結合部142と第2表側結合部143との結合に関連する構成は一部相違している。故に、先ず図40(a)に基づき第1表側結合部142について詳細に説明し、その後、第1表側結合部142との相違点を踏まえて第2表側結合部143について説明する。図40(a)は基板ボックス92における第1表側結合部142と裏側結合部176との結合箇所を示す断面図である。
各裏側結合部176に対して対応する各第1表側結合部142が収容された状態では、上記のとおり、各第1表側結合部142の貫通孔部144と第1カバー板部172に形成された対応する貫通孔部174とが連通された状態となっている。これら連通された貫通孔部144,174に対して、図40(a)に示すように、第1表側結合部142側から、金属製の第1結合具(固定具)181が挿入されていることで、第1表側結合部142と裏側結合部176とが結合(固定)されている。
第1結合具181は、長尺状をなす金属製の板材が略L字状に折り曲げ形成されてなり、前記貫通孔部144,174に挿通されるベース部181aと、ベース部181aの片側の端部に形成され当該ベース部181aと直交する操作部181bと、によって構成されている。ベース部181aにはその厚み方向に貫通する係止孔部181cが形成されており、第1結合具181を挿入することで当該係止孔部181c内に係止片168が入り込む。この場合、係止片168は上記のとおり板バネとしての機能を有しているとともに、自由端が凹み空間161の奥側に向けられているため、第1結合具181の挿入方向の移動は規制しないが、係止孔部181c内に係止片168が入り込んだ後は第1結合具181の抜き取り方向の移動は規制する。これにより、第1表側結合部142と裏側結合部176とが結合され、表側構成体101と裏側構成体102とが固定される。第1結合具181を挿入する際には、操作部181bを指等で押すことにより、作業を容易に行うことができる。
操作部181bは、ベース部181aにおける表側結合部142側の端部に形成されており、装着された状態においては、その板面が第1表側結合部142の当接部142aに当接している。当接部142aは、操作部181bの板面と平行な略板状をなしている。これら操作部181bと当接部142aとが当接することで、操作部181bと裏側結合部176との間に表側結合部142を挟み込んだ状態となっている。すなわち、両結合部142,176が結合された状態となっている。
また、表側結合領域141(詳しくは第1表側結合部142)には、当接部142aを囲って起立するとともに、操作部181bを内部に収容する第1周壁部142bが形成されている。換言すれば、第1周壁部142bによって操作部181bを収容する収容凹部182が形成されている。収容凹部182の内周は操作部181bの外周とほぼ同様となるように設定されており(図30参照)、操作部181bが収容凹部182に収容された後は、操作部181bを掴みづらくなっている。これにより、第1結合具181の不正な取り外しが抑制されている。
次に、第2表側結合部143及び当該第2表側結合部143に関連する構成について図40(b)に基づき説明する。図40(b)は基板ボックス92における第2表側結合部143と裏側結合部176との結合箇所を示す断面図である。
第2表側結合部143は、第1表側結合部142と同様に、当接部143a及び周壁部143bを備えている。また、第1結合具181と同様に、第2表側結合部143と裏側結合部176とを結合(固定)する第2結合具(固定具)183が設けられている。そして、周壁部143b及び膨出部104の壁面によって、第2結合具183を収容可能な収容凹部184が形成されており、第2結合具183が収容凹部184に嵌まり貫通孔部144,174に対して挿入されていることで、第2表側結合部143と裏側結合部176とが結合されている。
第2結合具183は、長尺状をなす金属製の板材が略L字状に折り曲げ形成されてなり、前記貫通孔部144,174に挿通されるベース部183aと、ベース部183aの片側の端部に形成され当該ベース部183aと直交する操作部183bと、によって構成されている。ベース部183aにはその厚み方向に貫通する係止孔部183cが形成されており、第2結合具183を挿入することで当該係止孔部183c内に前記係止片168が入り込む。この場合、係止片168は上記のとおり板バネとしての機能を有しているとともに、自由端が凹み空間161の奥側に向けられているため、第2結合具183の挿入方向の移動は規制しないが、係止孔部183c内に係止片168が入り込んだ後は第2結合具183の抜き取り方向の移動は規制する。これにより、第2表側結合部143と裏側結合部176とが結合され、表側構成体101と裏側構成体102とが固定されることとなる。
周壁部143bは、表側構成体101の膨出部104に対して連なっている。すなわち、第1表側結合部142とは異なり、表側構成体101からの離脱を容易とする(切断を容易とする)連結部145に相当する部位は設けられていない。故に、第2表側結合部143が結合された場合には、両構成体101,102の分離が不可能又は困難なものとなる。
収容凹部184の内部には、第2結合具183の挿入方向を所定の方向、具体的には貫通孔部144の軸線方向に規制する規制部143cが形成されている。規制部143cは、貫通孔部144の軸線方向に延びる複数(本実施の形態においては2つ)の柱状部よりなる。より詳しくは、規制部143cは貫通孔部144を挟んで周壁部143bと対峙しており、それら規制部143cと周壁部143bとの間隔寸法は、第2結合具183におけるベース部183aの板厚寸法とほぼ同等となっている。貫通孔部144に向けて挿入された第2結合具183は、そのベース部183aが規制部143cと周壁部143bとによって挟まれた領域に嵌まることで、その挿入方向が規制される。
操作部183bは、当該操作部183bにおける折り曲げ基端側から先端側までの最大長さ寸法が、その長さ方向において相互に対峙する周壁部143b間の間隔寸法とほぼ同等となるように構成されており、その先端縁が周壁部143bに近接した状態となっている。また、操作部183bは、その最大幅寸法(長さ方向と直交する方向における幅寸法)その幅方向において相互に対峙する周壁部143b間の間隔寸法とほぼ同等となるように構成されており、その幅方向における両側の縁部が周壁部143bに近接した状態となっている。このように各縁部を周壁部143bに対して近接させることで、操作部183bを掴みにくくしている。これにより、操作部183bの押し操作の容易さを維持しつつ、操作部183bの引き操作を困難なものとすることが可能となっている。なお、操作部183bにおける各縁部を周壁部143bに対して当接させてもよい。
また図30等に示すように、第2結合具183の操作部183bには、規制部143cに対応する切欠き部183dが形成されている。具体的には切り欠き部183dは、貫通孔部144の軸線方向にて操作部183bにおける前記規制部143cと対峙している部位が削除されてなる。このため、規制部143cによって規制された所定の方向に第2結合具183を押し込んだとしても、これら規制部143cによって第2結合具183の移動が妨げられることはなく、第2結合具183の操作部183bと第2表側結合部143の当接部143aとの接触が担保されている。
なお、規制部143cは周壁部143bに沿って配置されている。これにより、操作部183bの押し込み操作に伴い指が規制部143cに当たるといった不都合を生じにくくしている。すなわち、操作部183bの操作性の担保が図られている。
第2結合具183は、収容凹部184の内部において仮止め(係止)される構成、すなわち結合前の待機状態にて保持される構成となっている。以下、その具体的な構成について図31及び図41に基づき説明する。図41は図30のC−C線部分断面図である。
図41に示すように、収容凹部184の内部(詳しくは周壁部143b)には、内方に突出し前記係止孔部183cに引っ掛かる仮止め部としての係止爪部143dが形成されている。周壁部143bには、第2結合具183の挿入に基づいて係止爪部143dを含んだ部位の撓み変形(弾性変形)を可能とする構成体側可動部143eが形成されている(図31参照)。構成体側可動部143eは板バネとしての機能を有しており、自身が撓み変形(弾性変形)することによって、収容凹部184の内方への係止爪部143dの突出量が減少する構成となっている。
一方、区画壁部175には、当該区画壁部175における構成体側可動部143eと対峙している部位を含んだ領域が他の部位と独立して変形(弾性変形)できるようにカバー側可動部175aが形成されている。具体的には、カバー側可動部175aは、区画壁部175における構成体側可動部143eと対峙している部位を含んだ領域を挟んだ両側に切り込みが形成されており、この切り込みによって区画壁部175の周辺部位に対して独立して変形可能となっている。
収容凹部184内に第2結合具183を挿入した際には、係止爪部143dと第2結合具183のベース部183aとが接触する。第2結合具183の押し込み操作に基づいて、構成体側可動部143eが撓み変形(弾性変形)し、これに伴ってカバー側可動部175aも撓み変形(弾性変形)する。すなわち、両可動部143e,175aが一体となって撓む。これにより、係止爪部143dの突出量が減少し、第2結合具183の挿入が許容される。詳しくは、係止爪部143dがベース部183aの板面上に乗り上げた状態となり、第2結合具183の移動に伴って係止爪部143dがベース部183aの板面上を摺動する。かかる状態においては、両可動部143e,175aの弾性力により、係止爪部143dがベース部183a側に付勢されたまま維持される。
第2結合具183が所定位置まで押し込まれることにより、係止爪部143dが係止孔部183cに嵌まり得る状態となる。かかる場合、両可動部143e,175aが自身の弾性力により元の状態に復帰しようとすることで、係止爪部143dが係止孔部183cに嵌まり、それら係止爪部143dと係止孔部183cとが引っ掛かった状態となる。これにより、第2結合具183が仮止めされる。
同図41に示すように、係止孔部183cに対して係止爪部143dが引っ掛かった状態、すなわち仮止めされた状態では、ベース部183aの先端部が貫通孔部144から突出(裏側結合部176側への突出)することが回避されている。このため、仮止めされている第2結合具183によって、両構成体101,102の相対移動が妨げられることはない。更に、第2結合具183が仮止めされた状態においては、操作部183bが収容凹部184内に収まっており、操作部183bを掴みにくくなっている。このため、第2結合具183を仮止めした後の当該第2結合具183の取り外し作業は困難なものとなっている。
また、図29に示すように、カバー側可動部175aは、構成体側可動部143eのみならず周壁部143b(詳しくは周壁部143bにおける構成体側可動部143eを挟んだ両側)にも接触している。このため、仮にカバー側可動部175aが主制御装置63の外方から押された場合、カバー側可動部175aに加わった負荷を周壁部143bによって分散することができ、構成体側可動部143eに対して局所的に負荷が集中することを回避可能となっている。更に、構成体側可動部143eの少なくとも可動先端側を含んだ部分に対してカバー側可動部175aが接触している。これにより、外部から構成体側可動部143eが不正に操作されることを好適に抑制することが可能となっている。
以上詳述した、構成体側可動部143e及びカバー側可動部175aによれば、構成体側可動部143eの撓み変形を許容可能としつつ、外部からの不正な操作等を抑制可能となり、実用上好ましい構成を実現することができる。
なお、両結合具181,183は、裏側構成体102の壁部よりも高強度となるように金属により形成されているが、裏側構成体102の壁部よりも高強度であれば、金属製に限定されることはなく合成樹脂製であってもよく、合成樹脂材料にガラス繊維などの補強剤を分散させた材料により形成してもよく、合成樹脂材料により形成したものに対してメッキなどの表面処理を施すことにより形成してもよい。
上記のとおり設置箇所からのカバー部材154の離脱方向は突起177により、裏側構成体102から表側構成体101に向けた方向に規制されているため、裏側結合部176に対して表側結合部142が重ね合わせられた状態となることで、カバー部材154を離脱させる方向への移動が一層好適に規制される。そして、表側結合部142と裏側結合部176とが結合されることで、カバー部材154は表側結合部142と結合領域形成部152とにより挟持され遊びのない状態となる。
また、図40に示すように、カバー部材154には、第1カバー板部172から基板ボックス92の内部空間に入り込むようにして受け板部185が一体形成されている。受け板部185は、図37(b)に示すように、カバー部材154の長さ方向の概ね全体に亘って位置するように、複数箇所に設けられており、図40に示すように、第1カバー板部172から裏側構成体102側に向けて延びる基端部186と、当該基端部186から基板ボックス92の内部空間の中央側に向けて延びる先端部187と、を備えている。受け板部185の先端部187は、結合領域形成部152にカバー部材154を設置した状態で、裏側構成体102において結合領域形成部152に隣接させて形成された支持台部188に接している。また、受け板部185の先端部187は、裏側構成体102に表側構成体101を組み合わせた状態で、表側構成体101の枠部112及び表側構成体101に一体化された主制御基板91の周縁部が乗り上げた状態となる。つまり、受け板部185の先端部187は、裏側構成体102の支持台部188と、表側構成体101の枠部112及び主制御基板91の周縁部と、により挟持されている。これにより、カバー部材154の固定がより安定した状態で行われている。
次に、表側結合部142,143と裏側結合部176とを結合状態とする場合の作業の流れを、図40を用いて説明する。図42(a)〜(c)は第1表側結合部142と裏側結合部176とを結合状態とする場合の作業の流れを説明するための説明図である。
図42(a)は示すように結合領域形成部152に受け部材153及びカバー部材154が設置されて裏側結合領域151が形成された状態の裏側構成体102に対して表側構成体101を組み合わせることにより、図42(b)に示すように、第1表側結合部142の貫通孔部144と、対応する裏側結合部176の貫通孔部174とが連通された状態となる。この場合、フック部111及び係止受け121からなる規制手段により規制された状態とすることで、自ずと第1表側結合部142が裏側結合領域151の各裏側結合部176に対して、対応する各第1表側結合部142が収容された状態となり、上記のとおり各貫通孔部144,174が連通された状態となる。
その後、図42(c)に示すように、連通された貫通孔部144,174に対して、第1表側結合部142側から第1結合具181を挿入することで、それら第1結合具181が挿入された第1表側結合部142及び裏側結合部176の組み合わせが結合状態となり、表側構成体101と裏側構成体102とが固定される。この場合に、第1表側結合部142と裏側結合部176との組み合わせは複数組(具体的には、2組)設けられているが、これら各組み合わせに対して第1結合具181を挿入することで、表側構成体101と裏側構成体102との固定は行われる。
主制御装置63の製造工程においては、上述の如く第1表側結合部142及び裏側結合部176の結合作業とともに、第2表側結合部143及び裏側結合部176を結合待機状態とするための(仮止めするための)予備的作業が行われる。再び図41を用いて、この予備的作業について説明する。
第1表側結合部142と裏側結合部176の結合作業が終了した後に、第2結合具183の仮止め作業が行われる。具体的には、第2表側結合部143の貫通孔部144に向けて第2収容凹部184の開口から第2結合具183を挿入する。かかる場合、第2結合具183のベース部183aを貫通孔部144に向かって押し込むことで、ベース部183aが規制部143cと周壁部143bとの間に挟まれた状態となり、その移動方向が規制される。これとほぼ同期して、ベース部183aの先端が係止爪部143dに当たる。第2結合具183を更に押し込むことで、係止爪部143dが係止孔部183cに嵌まり、第2結合具183が第2表側結合部143に対して引っ掛かった状態となる。かかる場合、操作部183b全体が第2収容凹部184内に収容される。これにより、操作部183bの押し込み操作の操作性を担保しつつ、引っ張り操作を困難なものとしている。
なお、以上詳述した第2結合具183の仮止め作業を行った後、上述した第1表側結合部142及び裏側結合部176の結合作業を行うことも可能である。かかる場合、第2結合具183の仮止めを行うことにより、第1表側結合部142及び裏側結合部176の結合作業が可能となる構成としてもよい。
次に、第1表側結合部142と裏側結合部176とを結合状態とした状態において、表側構成体101及び裏側構成体102の固定状態を解除する場合の作業の流れを、図43を用いて説明する。図43(a)〜(c)は表側構成体101と裏側構成体102との固定状態を解除する場合の作業の流れを説明するための説明図である。
表側構成体101と裏側構成体102との固定状態の解除に際しては、図43(a)に示すように、結合状態となっている第1表側結合部142と膨出部104との間の連結部145を切断するとともに、結合状態となっている第1表側結合部142と結合状態となっていない第2表側結合部143との間の連結部146をニッパやカッタ等の工具により切断する。これにより、表側構成体101と裏側構成体102との分離が、第1表側結合部142及び裏側結合部176の結合により阻害されなくなる。
この場合に、連結部145,146は第1表側結合部142に対して設けられており、裏側結合領域151は破壊されない。したがって、結合状態となっている第1表側結合部142は裏側結合領域151側に残る。また、このように結合状態となっている第1表側結合部142が残ることで、当該第1表側結合部142と裏側結合部176との結合を通じて、カバー部材154が結合領域形成部152に固定された状態は維持される。
その後、図43(b)に示すように、フック部111及び係止受け121からなる規制手段により規制された方向に表側構成体101又は裏側構成体102の少なくとも一方をスライド移動させることにより、フック部111と係止受け121との係止状態が解除される。その後、図43(c)に示すように、表側構成体101と裏側構成体102とを基板ボックス92の厚み方向に分離させることで、これら構成体101,102が完全に分離された状態となる。
この場合、上記連結部145が切断されていることにより、当該連結部145の切断箇所を確認することで表側構成体101と裏側構成体102とが分離されたか否かを確認することが可能となる。
このように、両構成体101,102の固定状態を解除することにより、主制御基板91やCPUチップ93を露出させることができ、主制御基板91やCPUチップ93の検査等を実施可能となる。本実施の形態に示す両構成体101,102は、分離された後に第2表側結合部143及び裏側結合部176を結合することにより再ボックス化可能となっている。
ここで、両構成体101,102の再固定する際の作業について図40(b),図41,図43(d)及び図43(e)を用いて説明する。図43(d)及び図43(e)は表側構成体101と裏側構成体102との再固定する場合の作業の流れを説明するための説明図である。図43(d)→図43(e)の作業に基づいて、第2結合具183が図41→図40(b)の状態に移行される。
図43(c)に示すように、両構成体101,102を分離し、主制御基板91やCPUチップ93の検査等を行った後、再び両構成体101,102を組み合わせる(図41及び図43(d)参照)。この状態では、第2表側結合部143の貫通孔部144と裏側結合部176の貫通孔部174とが連通した状態となる。ここで、図41及び図43(d)に示すように係止爪部143dによって仮止めされている第2結合具183を、裏側構成体102側へと押し込み図40(b)及び図43(e)の状態に移行させる(係止爪部143dについては図41参照)。図40(b)に示すように押し込まれた第2結合具183が係止片168と引っ掛かり、第2表側結合部143と裏側結合部176とが結合された状態となる。これにより、両構成体101,102の再固定が完了する。
第2表側結合部143には第1表側結合部142と異なり、連結部145,146に相当する切断を容易とする箇所が設けられていない。このため、第2表側結合部143を結合した後は、その結合状態の解除は困難なものとなっている。
なお、第2表側結合部143が、第1表側結合部142と同様に、連結部145,146等に相当する積極的に切断を容易とした部分を有する構成とすることも可能である。
次に、基板ボックス92に設けられた他の固定構造について簡略に説明する。
図30に示すように、基板ボックス92において表側結合領域141及び裏側結合領域151が設けられた側とは反対側の短辺部には、貼付板部191が設けられている。当該貼付板部191は、表側構成体101に形成された貼付板部と、裏側構成体102に形成された貼付板部とが重ね合わされることにより構成されている。貼付板部191には、両者の境界を跨ぐようにして封印シール192が貼り付けられている。封印シール192は、貼り付けた後に剥がすと粘着剤層が貼付板部191側に残り、再貼付不可となるものである。
なお、基板ボックス92において貼付板部191が設けられた短辺部には、当該貼付板部191を挟むようにして固定部193が設けられており、当該固定部193に対してネジ固定が行われていることで表側構成体101と裏側構成体102とが固定されている。
また、本実施の形態においては、前述したカバー部材154の取り外しの規制に関して特徴的な構成を備えている。詳しくは、裏側構成体102からのカバー部材154の取り外しを規制する取り外し規制手段として、(1)前記破断ネジ170,(2)上述した両構成体101,102によるカバー部材154の挟み込み構造,(3)係止機構が設けられており、この(3)係止機構が特徴的な構成を備えている。そこで以下、その係止機構及びそれに関連する構成について図30,図31,図37及び図44に基づき詳細に説明する。図44は図30のD−D線部分断面図である。なお、(1)破断ネジ170,(2)挟み込み構造に関する具体的な構成については既に説明済みであるため、ここでの説明は省略する。
図44に示すように、係止機構195は、裏側構成体102に設けられた前記構成体側係止部158と、カバー部材154に設けられ構成体側係止部158に引っ掛かるカバー側係止部196とを備えている。それら両係止部158,196が相互に引っ掛かることにより裏側構成体102とカバー部材154との分離が規制されている。
再び図30を用いて説明すれば、係止機構195は、カバー部材154の円筒部178を挟んだ両側、すなわちカバー部材154の中央を挟んだ両側にそれぞれ設けられている。より具体的には、第1表側結合部142と第2表側結合部143との間にそれぞれ配置されている。このように両結合部142,143に挟まれた位置に係止機構195を配することにより、各結合部142,143付近でのカバー部材154の位置ずれ(例えば浮き上がり等)が好適に抑制されている。なお、それら各係止機構195は同様の構成を有するため、以下、片方の係止機構195(図30における上側の係止機構195)について説明し、他方の係止機構(図30における下側の係止機構195)についての説明は省略する。
図31及び図44に示すように、構成体側係止部158は、裏側構成体102の外側溝壁部157の一部が周辺部位に対して区画されてなる。より具体的には、外側溝壁部157にはその先端縁から根元側に延びる一対の切込みが形成されており、その切込みによって挟まれた部位を用いて前記構成体側係止部158が構成されている。
構成体側係止部158は、裏側構成体102の平面部105から起立するアーム部197を備えている。アーム部197は外側溝壁部157と平行な略板状をなしており、外側溝壁部157と同様にその先端部がカバー部材154の第1カバー板部172に当接している。そして、アーム部197の先端側には内側溝壁部156側に突出する係止爪部198が一体成形されている(図44参照)。より詳細には、係止爪部198は溝部155内に突出している。なお、構成体側係止部158(詳しくはアーム部197)の先端が第1カバー板部172に当接する構成としたが、それら両者の間に所定の隙間を設けてもよい、例えばそれら両者が近接する構成とすることも可能である。
上述したように構成体側係止部158は受け部材153の取り外しを規制する機能を併せ有している。具体的には、溝部155内に収容された受け部材153は、外側対向板部が内側溝壁部156及びアーム部197の板面と接触しているとともに、反対側の内側対向板部164が内側溝壁部156に接触している状態、すなわちその着脱方向が規制された状態にて、係止用凹部167に対して係止爪部198が引っ掛かることにより、溝部155からの取り外しが規制されている。
このように係止用凹部167に対して係止爪部198が引っ掛かった状態においては、係止爪部198の先端が受け部材153によって形成された凹み空間161内に突出している。より詳しくは、係止爪部198は係止用凹部167に対して接触する構成体側係止面198aを有しており、その構成体側係止面198aの一部が、凹み空間161内に延出している。
この凹み空間161には、カバー部材154のカバー側係止部196が嵌まっている。より詳しくは、カバー側係止部196は、受け部材153の外側対向板部を挟んでアーム部197と対峙する位置に配されている。また、カバー側係止部196は前記位置決め用突起177によって挟まれた領域に配置されている。これにより、構成体側係止部158との相対位置がずれるといった不都合を抑制し、両係止部158,196の引っ掛かりを担保することが可能となっている。
カバー側係止部196は、第1カバー板部172に対して一体成形されており、同第1
カバー板部172から起立する起立部199を有している。起立部199の起立量は、位置決め用突起177の第1カバー板部172からの起立量と同等、すなわち、凹み空間161の深さ寸法と同等に設定されている。このため、カバー部材154が装着された状態においては、起立部199の先端が凹み空間161の底部(詳しくは連結板部166)に接している。なお、起立部199の先端と連結板部166との間に所定の隙間を設ける構成とすることも可能である。
起立部199はアーム部197と平行な略板状をなしており、その根元側には当該起立部199の板厚方向に貫通し係止爪部198が嵌まる係止孔部200が形成されている。係止孔部200における内周面の一部は、構成体側係止面198aに対して引っ掛かるカバー側係止面200aを構成しており、これら係止面198a,200a同士が若干の隙間を隔てて対峙している(近接している)。これら係止面198a,200aが当接することにより、カバー部材154の取り外しが規制されることとなる。更に、これら各係止面198a,200aは、カバー部材154の着脱方向と直交する平面状をなしている。このため、カバー部材154が離脱方向に引っ張られる等した場合であっても、係止面198a,200aに沿って各係止部158,196が位置ずれするといった不都合が生じにくくなっている。なお、カバー部材154が装着された状態において、これら両係止面198a,200aを相互に接触させる構成としてもよい。
次に、両係止部158,196の引っ掛かり状態と引っ掛かり解除状態との切り替えを実現する構成について詳細に説明する。
図31及び図44に示すように、アーム部197の外面は、外側溝壁部157の外面から段差状に凹むように形成されている。具体的には、アーム部197の内面が外側溝壁部157の内面と同一平面上に位置しているとともに、アーム部197の厚み寸法が外側溝壁部157の厚み寸法よりも小さく設定されていることにより、上述した段差が形成されている。このため、外側溝壁部157の外面はそのほぼ全域においてカバー部材154の第2カバー板部173と接触しているのに対して、アーム部197の外面は同第2カバー板部173に対して所定の間隔(隙間)を隔てて対峙した状態となっている。換言すれば、カバー部材154が装着されることにより、アーム部197と第2カバー板部173との間には、閉空間が区画形成されている。
アーム部197は、所定の方向における撓み変形(弾性変形)が容易となるように形成されている。具体的には、その厚み寸法がその幅寸法、すなわち外側溝壁部157の長手方向における長さ寸法よりも小さく設定されており、カバー側係止部196側及び第2カバー板部173側への撓み変形の容易化が図られている。但し、アーム部197の撓み変形は外側溝壁部157及び受け部材153の外側対向板部によって抑えられており、実質的に第2カバー板部173側への撓み変形、すなわちカバー側係止部196から離れる側への撓み変形のみが許容された状態となっている。つまり、構成体側係止部158においては、第2カバー板部173側への撓み変形のみが許容されるように規制されている。
上述の如く、構成体側係止部158(詳しくはアーム部197)と第2カバー板部173との間には、所定の隙間が確保されており、第2カバー板部173側へのアーム部197の撓み変形はその隙間の範囲内において許容されている。すなわち、アーム部197が第2カバー板部173側へ撓み変形した場合、アーム部197の先端部と第2カバー板部173とが接触することによってそれ以上の撓み変形が抑えられる。より詳細には、アーム部197の先端部が第2カバー板部173の根元側に接触する。これにより、アーム部197に押されることによって第2カバー板部173が撓むといった不都合が生じにくくなっている。そして、第2カバー板部173によってアーム部197の撓み変形が規制されることにより、同アーム部197が弾性変形限界を超えて塑性変形領域まで変形するといった不都合の発生が回避されている。なお、第2カバー板部173によって構成体側係止部158の撓み変形が規制される点、すなわち係止爪部198の変位が規制される点に着目すれば、第2カバー板部173を「規制部」又は「カバー側規制部」と称することも可能である。
また、カバー側係止部196についても同様に所定の方向における撓み変形(弾性変形)が容易となるように形成されている。具体的には、起立部199の板厚寸法は位置決め用突起177の板厚寸法よりも小さくなっており、受け部材153の内側対向板部164との間には所定の隙間が確保されている。
より具体的には、起立部199の厚み寸法がその起立部199の幅寸法、すなわちカバー部材154の長手方向における長さ寸法よりも小さく設定されており、カバー部材154の長手方向への起立部199の撓み変形を困難なものとしつつ、構成体側係止部158側(第2カバー板部173側)及び内側溝壁部156側(受け部材154の内側対向板部164側)への撓み変形を容易化している。これにより、カバー側係止部196、詳しくは起立部199の撓む側が実質的に内側対向板部164側となるように規制された状態となっている。言い換えれば、カバー側係止部196においては、構成体側係止部158における撓み変形が許容されている側と反対側への撓み変形が許容されている。
カバー側係止部196が内側対向板部164側へ撓み変形した場合、カバー側係止部196と内側対向板部164とが接触することによってそれ以上の撓み変形が回避される。そして、内側対向板部164によってカバー側係止部196の撓み変形が規制されることにより、同カバー側係止部196が弾性変形限界を超えて塑性変形領域まで変形するといった不都合の発生が回避されている。なお、内側対向板部164によってカバー側係止部196の変形が規制される点、すなわち係止孔部200の変位が規制される点に着目すれば、内側対向板部164を「規制部」又は「構成体側規制部」と称することも可能である。
ここで、両係止部158,196(詳しくは係止面198a,200a)の掛かり代と両係止部158,196の撓み変形量との関係について図44及び図45に基づき詳細に説明する。図45(a)は構成体側係止部158の撓み変形が規制された状態を示す概略図であり、図45(b)はカバー側係止部196の撓み変形が規制された状態を示す概略図であり、図45(c)は構成体側係止部158及びカバー側係止部196の両者の撓み変形が規制された状態を示す概略図である。なお、図44に示す二点鎖線は、各係止部158,196が撓み変形している状態を簡略化して示したものである。
上述したように、構成体側係止部158においては、同構成体側係止部158が第2カバー板部173側に撓むことにより、構成体側係止面198aが第2カバー板部173側に変位(移動)する。これにより、係止面198a,200aの掛かり代が減少する。また、カバー側係止部196においては、同カバー側係止部196が内側対向板部164側に撓むことにより、カバー側係止面200aが内側対向板部164側に変位(移動)する。これにより、係止面198a,200aの掛かり代が減少する。本実施の形態においては、各係止部158,196の引っ掛かりを解除する際の撓み方向を互いに逆としたため、構成体側係止部158のカバー側係止部196に対する掛かり代と、カバー側係止部196の構成体側係止部158に対する掛かり代とは同一となっている。
ここで、引っ掛かり状態を解除するために要する構成体側係止部158(詳しくは構成体側係止面198a)の第2カバー板部173側への変位量と、同じく引っ掛かり状態を解除するために要するカバー側係止部196(詳しくはカバー側係止面200a)の内側対向板部164側への変位量との総和を両係止部158,196の掛かり代とみなすことができる。以下、これら両係止部158,196の掛かり代を「掛かり代X10」と称する。
図44に示すように、第2カバー板部173によって規定された構成体側係止面198aの変位量X11、詳しくは構成体側係止部158の先端部が第2カバー板部173に当接した状態における構成体側係止面198aの第2カバー板部173側への変位量X11(以下、規定変位量X11と称する)は、掛かり代X10よりも小さく設定されている。このため、構成体側係止部158の先端が第2カバー板部173に当接するまで変形しても、両係止部158,196の引っ掛かりが維持される(図45(a)参照)。
また、第2カバー板部173と構成体側係止部158との隙間寸法X12についても同様に、掛かり代X10よりも小さく設定されている。これにより、例えば構成体側係止部158の中間部位(詳しくは構成体側係止面198aに対応する部位)が第2カバー板部173に向けて押圧され構成体側係止面198aの変位量が最大となるように構成体側係止部158が変形されたとしても、両係止部158,196の引っ掛かりは維持されることとなる。
同図44に示すように、内側対向板部164によって規定されたカバー側係止面200aの規定変位量X13、詳しくはカバー側係止部196の先端部が内側対向板部164に当接した状態におけるカバー側係止面200aの内側対向板部164側への変位量X13(以下、規定変位量X13と称する)は、掛かり代X10よりも小さく設定されている。このため、カバー側係止部196の先端が内側対向板部164に当接するまで変形しても、両係止部158,196の引っ掛かりが維持される(図45(b)参照)。
また、内側対向板部164とカバー側係止部196との隙間寸法X14についても同様に、掛かり代X10よりも小さく設定されている。これにより、例えばカバー側係止部196の中間部位(詳しくはカバー側係止面200aに対応する部位)が内側対向板部164に向けて押圧されカバー側係止面200aの変位量が最大となるようにカバー側係止部196が変形されたとしても、両係止部158,196の引っ掛かりは維持されることとなる。
そして、構成体側係止部158の規定変位量X11とカバー側係止部196の規定変位量X13との総和は、掛かり代X10よりも大きくなるように設定されている。このため、両係止部158,196の変位量が規定値に達すれば、より詳しくは両係止部158,196の変位量の総和が掛かり代X10を少なくとも上回れば、両係止部158,196の引っ掛かり状態が解除され、カバー部材154の取り外しが許容されることとなる(図45(c)参照)。
上述したように、構成体側係止部158は、カバー側係止部196に対する引っ掛かり機能に加えて、受け部材153の取り外しを規制する機能を有している。このように受け部材153の取り外しを規制する機能は、図45(a)及び図45(c)に示すように、構成体側係止面198aの変位量が規定値(規定変位量)X11に達するように構成体側係止部158が撓んだとしても維持される構成となっている。具体的には、図44に示すように、構成体側係止部158の構成体側係止面198aと受け部材153の係止用凹部167との掛かり代X15は、構成体側係止面198aの規定変位量X11よりも大きく設定されている。これにより、カバー部材154が装着された状態においては、受け部材153の引っ掛かり状態が好適に維持され、当該受け部材153の位置ずれ等を抑えることが可能となっている。なお、掛かり代X15は、構成体側係止面198aの最大変位量(すなわち隙間寸法X12)よりも大きく設定されている。このため、構成体側係止面198aが最大変位した場合であっても、受け部材153の取り外し規制機能は維持されることとなる。
また、図44に示すように、構成体側係止部158には、カバー部材154の装着方向への移動に伴って両係止部158,196を相互に離れる側へ撓ませる構成体側ガイド部158aが形成されている。構成体側ガイド部158aは、アーム部197と係止爪部198とに連続し、カバー部材154の装着方向に向かって凹み空間161側に下るように傾斜する面状をなしている。また、構成体側ガイド部158aは、カバー部材154の装着方向においてカバー側係止部196の先端の一部と重なっている。
さらに、カバー側係止部196の先端における構成体側ガイド部158aに対峙する部位には、構成体側ガイド部158aに対応するカバー側ガイド部199aが設けられている。具体的には、カバー側ガイド部199aは、カバー側係止部196の先端部が面取りされてなり、構成体側ガイド部158aと略平行となるように形成されている。これにより、両ガイド部158a,199aが当った際のそれら両者の支えを抑制し、円滑な撓み変形を促進することが可能となっている。また、これら両ガイド部158a,199aにより各係止部158,196の意図せぬ側への撓みを抑制し、予め定められた側へ向けて正常な撓み変形が生じるように案内することができる。
次に、図46に基づきカバー部材154の装着作業について説明する。図46(a)〜(d)はカバー部材154を装着する際の作業の流れを示す概略図であり、装着の際には、図46(a)→図46(b)→図46(c)→図46(d)の順に作業が行われる。
図46(a)に示すように、カバー部材154装着の準備段階として、先ず受け部材153を溝部155内に装着する。かかる作業を行う際には、受け部材153の溝部155内への挿入に伴って、受け部材153の連結板部166が構成体側ガイド部158aに当る。構成体側ガイド部158aを溝部155の奥方に押し込むことにより、構成体側係止部158が受け部材153から離れる側に撓み変形する。これにより、係止爪部198の溝部155内への突出量が減少し、受け部材153の装着完了位置への移動が許容される。このように構成体側係止部158が撓み変形する際には、カバー部材154の装着が未だ行われておらず、第2カバー板部173による撓み変形の規制が実施されない。このため、構成体側係止部158を、受け部材153の溝部155内への移動を許容できる程度に大きく撓ませることが可能となっている。
受け部材153が所定の装着完了位置に到達することに伴い構成体側係止部158が元の状態に復帰する。そして、係止用凹部167に対して係止爪部198が引っ掛かる。これにより、受け部材153の装着が完了し、同受け部材153の取り外しが規制される。
次に図46(b)に示すようにカバー部材154の位置決め用突起177が受け部材153の凹み空間161に嵌まるように、同カバー部材154の押し込みを行う。位置決め用突起177が凹み空間161内に挿入されることにより、カバー部材154の装着方向が規定される。また、起立部199の起立量は、第1カバー板部172からの第2カバー
板部173の起立量よりも小さく設定されている。このため、起立部199が凹み空間161に挿入されることに先んじて第2カバー板部173が外側溝壁部157に接触することとなる。第2カバー板部173を外側溝壁部157に沿わせて挿入することによりカバー部材154の位置ずれが抑えられ、位置決め用突起177と凹み空間161との相対位置を目視にて確認することなく、上述した挿入作業を実施することができる。
このように、カバー部材154の挿入方向が規定された状態において、カバー部材154を押し込むことにより、カバー側係止部196のカバー側ガイド部199aが構成体側係止部158の構成体側ガイド部158aに接触する。かかる状態においては、第2カバー板部173が外側溝壁部157と対峙(詳しくは接触)している。より詳しくは、第2カバー板部173は構成体側係止部158の先端部と対峙している。これにより、同構成体側係止部158の撓みを規制可能となっている。
図46(b)に示す状態から、カバー部材154を更に押し込むと、カバー側係止部196(詳しくはカバー側ガイド部199a)によって構成体側ガイド部158aが押され、構成体側係止部158が第2カバー板部173側に撓み変形する。これと同期して、カバー側ガイド部199aが構成体側ガイド部158a上を摺動し、カバー側係止部196は受け部材153の内側対向板部164側に撓み変形する。そして、両係止部158,196の撓み量の総和が所定量を超えることによって、係止爪部198が起立部199の板面に乗り上げた状態となり、カバー部材154の装着完了位置への移動が許容されることとなる(図46(c)参照)。
このようにカバー部材154の装着完了位置への移動が許容された状態にて、カバー部材154を更に押し込むことにより、係止爪部198が係止孔部200に到達する。これに伴って、両係止部158,196が自身の弾性力によって元の状態に復帰し、図46(d)に示すように係止爪部198が係止孔部200に嵌まる。これとほぼ同期して、カバー部材154が装着完了位置に到達し、当該カバー部材154の取り外しが規制された状態となる。
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図44のブロック図に基づいて説明する。図44では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
主制御装置63に設けられた主制御基板91には、主制御回路202と停電監視回路203とが内蔵されている。主制御回路202には、CPUチップ93が搭載されている。CPUチップ93には、当該CPUチップ93により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM205と、そのROM205内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM206と、割込回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。
CPUチップ93には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。CPUチップ93の入力側には、主制御基板91に設けられた停電監視回路203、払出制御装置82に設けられた払出制御基板211及びその他図示しないスイッチ群などが接続されている。この場合に、停電監視回路203には電源及び発射制御装置83に設けられた電源及び発射制御基板215が接続されており、CPUチップ93には停電監視回路203を介して電力が供給される。
一方、CPUチップ93の出力側には、停電監視回路203、払出制御基板211及び中継端子板219が接続されている。払出制御基板211には、賞球コマンドなどといった各種コマンドが出力される。中継端子板219を介して主制御回路202から音声ランプ制御装置66に設けられた音声ランプ制御基板221に対して各種コマンドなどが出力される。
停電監視回路203は、主制御回路202と電源及び発射制御基板215とを中継し、また電源及び発射制御基板215から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。
払出制御基板211は、払出装置78により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU212は、そのCPU212により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM213と、ワークメモリ等として使用されるRAM214とを備えている。
払出制御基板211のCPU212には、入出力ポートが設けられている。CPU212の入力側には、主制御回路202、電源及び発射制御基板215、及び裏パック基板79が接続されている。また、CPU212の出力側には、主制御回路202及び裏パック基板79が接続されている。
電源及び発射制御基板215は、電源部216と発射制御部217とを備えている。電源部216は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御回路202や払出制御基板211等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を二重線矢印で示す経路を通じて主制御回路202や払出制御基板211等に対して供給する。発射制御部217は、遊技球発射機構50の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構50は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声ランプ制御基板221は、表示制御装置225を制御するものである。演算装置であるCPU222は、そのCPU222により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM223と、ワークメモリ等として使用されるRAM224とを備えている。
音声ランプ制御基板221のCPU222には入出力ポートが設けられている。CPU222の入力側には中継端子板219に中継されて主制御回路202が接続されており、主制御回路202から出力される各種コマンドに基づいて、表示制御装置225を制御する。表示制御装置225は、音声ランプ制御基板221から入力する表示コマンドに基づいて図柄表示装置41を制御する。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
主制御装置63の基板ボックス92において、表側結合部142と裏側結合部176とを結合具181により結合することで、表側構成体101と裏側構成体102との分離が阻止される。この場合に、裏側構成体102において結合具181を係止する受け部材153は金属製であるため、受け部材153と結合具181との係止箇所を破壊して当該係止を解除しようとしてもそれが行いづらくなる。本構成において、受け部材153は、全ての裏側結合部176に亘って設けられている。これにより、各裏側結合部176のそれぞれに対して個別に受け部材153を設置する構成に比べ、基板ボックス92の形成作業を良好に行うことができる。また、各裏側結合部176のそれぞれに対して個別に受け部材を設置する構成に比べ、受け部材153に関して部材点数の削減を図ることが可能となる。
上記金属製の受け部材153は、基板ボックス92の所定の周面部におけるその長さ方向の略全体に亘って設けられているため、当該所定の周面部を破壊して基板ボックス92の内部空間へ通じる開口を不正に形成しようとする行為を阻止することが可能となる。また、固定手段を構成する受け部材153により当該不正行為の阻止を可能とする機能が果たされるため、受け部材153の多機能化が図られる。
受け部材153は、相互に対向する一対の対向板部164,165により幅方向が規定されて形成された一連の凹み空間161を備えているとともに、各裏側結合部176に対応した係止部158が凹み空間161内に形成されている。そして、結合具181との係止は凹み空間161内において行われる。つまり、結合具181の係止箇所は、金属製の受け部材153により規定された凹み空間161内において行われる。よって、当該係止箇所の周囲を破壊して、係止状態を解除しようとしてもそれが行いづらくなり、かかる不正行為を阻止することが可能となる。また、一連の凹み空間161内に複数の係止部158を設けるという比較的簡素な構成により、各裏側結合部176について、上記優れた効果を得ることができる。
また、凹み空間161を形成する一対の対向板部164,165が、基板ボックス92の所定の周面部における長さ方向の略全体に亘って位置するように設けられている。したがって、一の板部が設けられた構成に比べ、所定の周面部の強度が高められ、当該所定の周面部を破壊して基板ボックス92の内部空間へ通じる開口を不正に形成しようとする行為を阻止することが可能となる。
裏側構成体102には、受け部材153の凹み空間161の入口を複数の開口に区画し、複数の裏側結合部176を形成するカバー部材154が設けられている。これにより、金属製の受け部材153において凹み空間161の入口を複数の開口に区画する部位が設けられていなくても、当該区画する機能がカバー部材154により果たされる。これにより、受け部材153の形状をシンプルなものとすることが可能となる。特に、カバー部材154は合成樹脂製であるため、裏側結合部176において複雑な形状を有する部位については合成樹脂製のカバー部材154にて形成し、結合具181を係止する部位については金属製の受け部材153にて形成することができ、各裏側結合部176の一体的な形成を良好に行うことができる。
また、4個の裏側結合部176のそれぞれに対して個別に受け部材を設置する構成では、裏側構成体102の結合領域形成部152に設置する部材は少なくとも4個必要となるが、全ての裏側結合部176に亘って設けられた受け部材153と、当該受け部材153をカバーするカバー部材154とを設けた本パチンコ機10の構成では、結合領域形成部152に設置する部材は2個となる。つまり、裏側結合部176が3個以上設けられた構成においては、カバー部材154を裏側構成体102に対して別体で設けたとしても、各裏側結合部176のそれぞれに対して個別に受け部材を設置する従来の構成に比べ、部材点数の削減を図ることができる。また、これに伴って、裏側構成体102に裏側結合領域151を形成する上での作業工程数も、上記従来の構成に比べ少なくすることが可能となる。
また、カバー部材154を裏側構成体102に対して別体で設けるのではなく、カバー部材154の機能を裏側構成体102に対して一体形成する構成も考えられるが、この場合、裏側構成体102を成型するための金型の構造上、受け部材153の周辺をカバーして当該受け部材153への不正なアクセスを阻止する機能が低下することが懸念される。これに対して、カバー部材154を裏側構成体102に対して別体で設けることで、上記不正なアクセスを阻止する機能が高められ、さらには上記のとおり、従来の構成に比べ、裏側結合領域151を形成する上での部材点数及び作業工程数の削減が図られる。
カバー部材154に区画壁部175が形成されていることにより、裏側結合部176への対応する表側結合部142の配置が区画壁部175によりガイドされ、当該配置を良好に行うことができる。また、本構成によれば、凹み空間161の入口を複数の開口に区画する機能を有するカバー部材154においてガイド部としての機能が果たされるため、カバー部材154の多機能化が図られる。
受け部材153は完成後の裏側構成体102の結合領域形成部152に対して設置されている。例えば、裏側構成体102の形成に際して受け部材153をインサート成型する構成も考えられるが、この場合、受け部材の不正な取り外し等を困難なものとすることができる反面、金型の複雑化等を招くこととなり好ましくない。また、完成後の裏側構成体102(溝部155)に対して別体で設けられた受け部材153を嵌め込む構成とすれば、上述したインサート成型を行う場合と比較して、金型の簡素化を図ることができる反面、受け部材153の不正な取り外しが行われやすくなると懸念される。このように受け部材153の取り外しが容易となれば、基板ボックス92の不正な開放が行われやすくなったり、受け部材153に細工等施すことにより基板ボックス92の不正開放の痕跡を隠蔽されやすくなったりすると想定され、防犯性の観点から好ましくない。
これに対して、本実施の形態においては、受け部材153は裏側構成体102の結合領域形成部152に対して設置され、カバー部材154によって溝部155からの取り外しが規制されている。これにより、製造工程(金型)の複雑化を抑えつつ、受け部材153の不正な取り外しを抑制することが可能となる。よって、基板ボックス92の形成を良好に行うことを可能としつつ、基板ボックス92に対して行われる不正行為の抑制に貢献することができる。
また、結合領域形成部152に対する受け部材153の固定箇所はカバー部材154により覆われている。これにより、完成後の裏側構成体102に受け部材154を設置するようにした構成において、裏側構成体102に対する受け部材153の固定状態を不正に解除しようとする行為を行いづらくすることが可能となる。また、本構成によれば、凹み空間161の入口を複数の開口に区画する機能を有するカバー部材154において、結合領域形成部152に対する受け部材153の固定箇所を覆う機能が果たされるため、カバー部材154の多機能化が図られる。
第2結合具183は、仮止めされることにより、第2収容凹部184内に収容される構成とした。このように第2結合具183を結合準備状態で待機させておくことで、第2結合具183の紛失等を回避しやすくすることができる。また、第2結合具183は結合方向への押し込み操作は容易であるものの、操作部183b全体が第2収容凹部184内に嵌まっているため、その取り外し(引き抜き)操作は困難なものとなっている。これにより、第2結合具183の不正な取り外しを抑制している。
また、一の受け部材153をカバー部材154によって区画する場合、各表側結合部142,143に形成された貫通孔部144を介して受け部材153(特に他の貫通孔部144に対応する係止片168)への不正なアクセスがなされるおそれがある。この点、本実施の形態における貫通孔部144は、両結合具181,183によって予め塞がれている。具体的には、第2表側結合部143の貫通孔部144は仮止めされた第2結合具183によって塞がれている。このため、受け部材153及びカバー部材154がそれぞれ複数の結合部位に跨って設けられている構成であっても、このような構成を採用したことに起因する防犯性の悪化を好適に抑制することができる。また、貫通孔部144を介して破断ネジ170への不正なアクセスがなされることを抑制することもできる。
連結部145,146を破壊することで、結合具181を用いた各結合部142,176の結合状態を維持しながら表側構成体101と裏側構成体102との分離を可能とする構成であるため、結合具181を用いた固定を強固に行うようにしつつ、表側構成体101と裏側構成体102との分離に際してその痕跡を残すことが可能となる。この場合に、連結部145は第1表側結合部142に対して設けられている。例えば、連結部145,146が裏側結合部176に対して設けられている構成を想定すると、連結部145,146を破壊しただけでは表側構成体101と裏側構成体102との分離を行うことができず、さらに受け部材153の破壊を要することが想定される。そうすると、表側構成体101と裏側構成体102との分離操作を容易に行うことができない。これに対して、連結部145,146が第1表側結合部142に対して設けられているため、上記のような不都合が生じることはなく、表側構成体101と裏側構成体102との分離操作を容易に行うことが可能となる。
カバー部材154は受け板部185を備えており、表側構成体101と裏側構成体102とを組み合わせた状態では表側構成体101の枠部112及び主制御基板91の周縁部と、裏側構成体102の支持台部188とにより受け板部185が挟持される。これにより、カバー部材154を一層安定した状態で設置箇所に保持させることができる。
カバー部材154の装着に伴って、カバー部材154のカバー側係止部196と裏側構成体102の構成体側係止部158とが引っ掛かり同カバー部材154の取り外しが規制される。これにより、カバー部材154の取り外し規制作業の煩雑化を抑制することができる。
これら各係止部158,196は、第1表側結合部142及び第2表側結合部143に
対応する各裏側結合部176の間に配置されている。これによりそれら裏側結合部176におけるカバー部材154の位置ずれが好適に抑制される。このため、結合具181,183を挿入する際に、裏側結合部176と結合具181,183とが支えるといった不都合が発生しにくくなる。故に、受け部材153の係止片168に対して結合具181,183を到達させやすくすることができる。
構成体側係止部158とカバー側係止部196との両者が共に撓み変形し、それら変形量の総和(詳しくは各係止面198a,200aの変位量の総和)が掛かり代X10を上回ることにより、それら両係止部158,196による引っ掛かり状態が解除される。換言すれば、いずれか一方の係止部158,196を撓ませても、係止状態を解除することができない。これにより、係止状態の不正な解除操作を困難なものとすることができる。例えば、不正行為者が単独で、係止状態の解除操作を行おうとしても、片方の手で構成体側係止部158を撓ませつつ、他方の手でカバー側係止部196を撓ませ、更にカバー部材154の引き抜き操作を行う必要があり、全ての操作を単独で行うことが困難なものとなる。故に、上述の如くカバー部材154の不正な取り外しが抑制される。
構成体側係止部158の撓み変形、すなわち構成体側係止面198aの変位は、第2カバー板部173によって規制されている。より具体的には、構成体側係止部158の最大撓み量、すなわち構成体側係止面198aの最大変位量は、構成体側係止部158と第2カバー板部173との間に設けられた隙間寸法に基づいて規定されている。このため、構成体側係止部158のみを過度に変形させて、係止状態が解除されるといった不都合が生じにくくなっている。
また、カバー側係止部196についても同様に、その最大撓み量、すなわちカバー側係止面200aの最大変位量が、同カバー側係止部196と受け部材153の内側対向板部164との隙間寸法に基づいて規定されている。このため、カバー側係止部196のみを過度に変形させて、係止状態が解除されるといった不都合が生じにくくなっている。
以上詳述したように、第2カバー板部173及び内側対向板部164が設けられているため、片方の係止部158,196のみが撓み変形しても、係止状態が解除されることはない。これにより、係止状態の不正な解除を好適に回避できる。
構成体側係止部158が撓み変形した際には、構成体側係止部158の先端部が第2カバー板部173の根元側に当たることでその撓み変形が規制される。このように、第2カバー板部173における根元側にて構成体側係止部158の変形を抑えることで、構成体側係止部158とともに第2カバー板部173が撓むことを抑制できる。これにより、第2カバー板部173におけるストッパ部としての機能を好適なものとすることができる。これは、カバー側係止部196についても同様である。詳しくは、カバー側係止部196が撓み変形した場合、カバー側係止部196の先端部が内側対向板部164の根元側(詳しくは内側溝壁部156の根元側)に当たることでその撓み変形が規制される。このように、内側対向板部164における根元側にてカバー側係止部196の変形を抑えることで、カバー側係止部196とともに内側対向板部164が撓むことを抑制できる。これにより、カバー側係止部196の過度の撓み変形が好適に抑えられる。
また、これら各係止部158,196は第2カバー板部173と内側対向板部164とによって挟まれた領域に配置されている。これにより各係止部158,196を指等で撓ませるといった行為が困難なものとなっている。より詳しくは、カバー部材154と裏側構成体102によって区画された領域内に配置されている。このため、各係止部158,196の露出を抑え、これら係止部158,196に対して不正なアクセス(物理的な接触)がなされることを回避しやすくなっている。
第2カバー板部173は、構成体側係止部158の両側及び根元側において、外側溝壁部157と平面部105とに接触している。このため、仮に第2カバー板部173に対して基板ボックス92の内方に向けた外力が加わった場合であっても、そのような外力は外側溝壁部157及び平面部105にて分散され、構成体側係止部158に対して影響が及びにくくなっている。
構成体側係止部158の係止爪部198が受け部材153の係止用凹部167に対して引っ掛かることにより、受け部材153の裏側構成体102からの取り外しが規制されている。すなわち、構成体側係止部158は、カバー部材154の取り外しを規制する機能に加えて、受け部材153の取り外しを規制する機能を併せ有している。これにより、構成体側係止部158の多機能化を実現している。
より詳しくは、受け部材153を取り付ける時点では、カバー部材154は未装着となる。このため、構成体側係止部158の撓み変形は第2カバー板部173によって規制されることなく。受け部材153の溝部155奥側への移動を許容できるように撓み変形する。一方、カバー部材154が装着された後には、第2カバー板部173によって構成体側係止部158の撓み変形が規制され、最大に変形した場合であっても、受け部材153の取り外し規制が維持される。これにより、受け部材153の装着作業の簡略化を実現しつつ、カバー部材154を装着した後の取り外しを一層困難なものとすることができる。特に、カバー部材154の装着に伴って、受け部材153が位置ずれすることを抑制でき、実用上好ましい構成の実現に貢献することができる。
構成体側係止部158に対応する「ストッパ部」としての第2カバー板部173がカバー部材154側に設けられているとともに、カバー側係止部196に対応する「ストッパ部」としての内側対向板部164が裏側構成体102側に設けられている。これにより、カバー部材154の位置ずれ等に起因して、両係止部158,196の係止解除が一方の係止部158,196の撓み変形のみに基づいて実現されるといった不都合を生じにくくすることができる。具体的に説明すれば、仮にカバー部材154の第2カバー板部173と構成体側係止部158との隙間寸法が広がる側に同カバー部材154が位置ずれした場合、カバー側係止部196は構成体側係止部158との掛かり代が増加する側に位置ずれすることとなる。すなわち、構成体側係止部158と第2カバー板部173との隙間の広がりに対応して、カバー側係止部196と構成体側係止部158との掛かり代が増すこととなる。また、仮にカバー側係止部196と構成体側係止部158との掛かり代が減少する側に同カバー部材154が位置ずれした場合、第2カバー板部173は構成体側係止部158との隙間寸法が狭まる側に位置ずれすることとなる。すなわち、構成体側係止部158とカバー側係止部196との掛かり代の減少に対応して、構成体側係止部158と第2カバー板部173との隙間が狭まることとなる。これにより、位置ずれに起因して、掛かり代と隙間寸法とのバランスが極度に崩れることを抑制し、係止状態の解除が容易になりにくくすることができる。
また、カバー部材154を装着した状態においては、構成体側係止部158の先端部がカバー部材154の第1カバー板部172の板面に当接している。このように、構成体側係止部158と第1カバー板部172とを当接させることで、カバー部材154を装着した状態における、構成体側係止部158の撓み変形を抑えることができる。なお、カバー部材154の装着完了状態においては、カバー側係止部196の先端が受け部材153の連結板部166に当接している。このため、カバー側係止部196についても同様に撓み変形の抑制が行われる。
構成体側係止部158の係止解除時における撓む側と、カバー側係止部196の係止解除時における撓む側とを逆となるように構成した。これにより、両係止部158,196の撓み変形時の動作範囲を狭めつつ、両係止部158,196の掛かり代の確保を容易なものとすることができる。故に、係止機構195の設置領域の広がりを抑えつつ、引っ掛かりが十分に行われないといった不都合の発生を抑えることができる。仮に係止機構195が大型化すると、動作範囲及び掛かり代の確保は容易となるものの、基板ボックス92の大型化を招来することとなり好ましくない。この点、上述の如く引っ掛かり機能を担保しつつ係止機構195の小型化に貢献することができれば、基板ボックス92の大型化を抑えることが可能となり、その技術的貢献度は大きなものとなる。
カバー部材154は透明樹脂材料により形成されている。これにより、カバー部材154を装着完了した状態であっても、そのカバー部材154を取り外すことなく、両係止部158,196の状態を基板ボックス92の外部から目視にて確認することができる。これにより、確認作業の効率化に貢献している。
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記実施の形態における構成に対して、個別に適用してもよく、相互に組み合わせて適用してもよい。
(1)上記実施例では、構成体側係止部158が係止爪部198を有し、カバー側係止部196が係止孔部200を有する構成としたが、これを以下のように変更することも可能である。例えば、構成体側係止部158が係止孔部を有し、カバー側係止部196が係止爪部を有する構成としてもよい。また、両係止部158,196がそれぞれ係止爪部を有し、それら係止爪部同士が相互に引っ掛かる構成としてもよい。
(2)上記実施例では、構成体側係止部158とカバー側係止部196とが逆側に撓み変形することによりそれら両係止部158,196の係止状態が解除される構成としたが、それぞれの係止部158,196の撓む側は「逆側」に限定されるものではない。
以下、図48に基づき一変形例について説明する。図48(a)は構成体側係止部とカバー側係止部とを示す概略図であり、図48(b)〜図48(d)はカバー部材の着脱方向から見た両係止部の引っ掛かり状態を示す説明図であり、図48(e)はカバー部材の着脱方向から見た両係止部の引っ掛かり解除状態を示す説明図である。なお、構成体側係止部に関しては、上述した構成体側係止部158とほぼ同様の構成を有するため、詳細な説明は省略する。
図48(a)に示すように、カバー部材230のカバー側係止部231は、受け部材153の凹み空間161内における構成体側係止部158の側方(詳しくは裏側構成体102の上側周壁部122側)に配置されており、第1カバー板部232から裏側構成体102の平面部105側に起立するアーム部234を備えている。アーム部234は板状をなしており、その板面がカバー部材230の長手方向を向いている。このように、アーム部234が板状をなしていることで、上側周壁部122側へのたわみ変形が容易化されている。また、アーム部234の幅寸法は凹み空間161における両対向板部164,165間の隙間寸法とほぼ同等に設定されており、対向板部164,165側への撓み変形が抑えられている。
アーム部234の先端側には、構成体側係止部158の係止爪部198に引っ掛かるカバー側係止爪部235が形成されている。より具体的には、カバー側係止爪部235は、アーム部234における構成体側係止部158と対峙する側の板面から突出している。カバー側係止爪部235は、係止爪部198の構成体側係止面198aに対峙するカバー側係止面235aを有しており、これら両係止面198a,235aが引っ掛かることによって、裏側構成体102からのカバー部材230の取り外しが規制される。
カバー側係止部231(詳しくはアーム部234)は裏側構成体102の上側周壁部122側に撓み変形することにより、カバー側係止面235aは構成体側係止面198aから離れる側に変位し、カバー側係止面235aと構成体側係止面198aとの掛かり代が減少する。
また、アーム部234におけるカバー側係止爪部235が形成された側と反対側(すなわち上側周壁部122側)には、カバー側係止部231の撓み変形を規制するストッパ部237が形成されている。ストッパ部237は受け部材153の外側対向板部の一部が切り起こされてなり、当該外側対向板部から起立する板状をなしている。ストッパ部237は、所定の間隔を隔ててアーム部234と対峙しており、カバー側係止部231が撓んだ際には、その端部がアーム部234の板面に当たることで、それ以上の撓み変形が規制される。
ここで、図48(b)〜図48(d)を用いて、両係止面198a,235aの掛かり代について説明する。図48(b)に示すように、両係止部158,231が引っ掛かった状態においては、構成体側係止面198aにおけるカバー側係止部231側の半分と、カバー側係止面235aにおける構成体側係止部158側の半分とがカバー部材230の着脱方向において相互に重なった状態となっている。構成体側係止面198aは全体として略矩形状をなしており、カバー側係止部231側で且つ自身の撓む側と反対側の角部には、構成体側切り欠き縁部238が形成されている。一方、カバー側係止面235aにおいても同様に全体として略矩形状をなしており、構成体側係止部158側で且つ自身の撓む側と反対側の角部には、構成体側切り欠き縁部238と平行なカバー側切り欠き縁部239が形成されている。
図48(c)に示すように、構成体側係止部158が撓み変形し、構成体側係止面198aが第2カバー板部233側に変位した場合、両係止面198a,235aの掛かり代は減少するものの、それら両係止面198a,235aの一部は重なった状態で維持される。詳しくは、構成体側切り欠き縁部238の一部がカバー側係止面235aに重なった状態のまま維持される。このため、両係止部158,231の引っ掛かり状態は好適に維持されることとなる。
なお、本別例における構成体側係止面198aの変位量、すなわち第2カバー板部173によって規定される規定変位量及び最大変位量はほぼ同等である。図48(c)には、最大変位が生じた場合の相対関係を示すが、規定変位が生じた場合であっても同様の相対関係が維持される。すなわち、構成体側切り欠き縁部238の一部がカバー側係止面235aに重なった状態のまま維持される。
このよう掛かり代が減少した状態において、残存する掛かり代、詳しくはカバー側係止部231の撓み方向における掛かり代は、カバー側係止面235aの規定変位量及び最大変位量よりも小さくなっている。
また、図48(d)に示すように、カバー側係止部231が撓み変形し、カバー側係止面235aがストッパ部237側に変位した場合、両係止面198a,235aの掛かり代は減少するものの、それら両係止面198a,235aの一部は重なった状態で維持される。詳しくは、カバー側切り欠き縁部239の一部が構成体側係止面198aに重なった状態のまま維持される。このため、両係止部158,231の引っ掛かり状態は好適に維持されることとなる。
なお、本別例におけるカバー側係止面235aの変位量、すなわちストッパ部237によって規定される規定変位量及び最大変位量はほぼ同等である。図48(c)には、最大変位が生じた場合の相対関係を示すが、規定変位が生じた場合であっても同様の相対関係が維持される。すなわち、カバー側切り欠き縁部239の一部が構成体側係止面198aに重なった状態のまま維持される。
このよう掛かり代が減少した状態において、残存する掛かり代、詳しくは構成体側係止部158の撓み方向における掛かり代は、構成体側係止面198aの規定変位量及び最大変位量よりも小さくなっている。
ここで、図48(c)の状態からカバー側係止面235aが変位した場合、又は図48(d)の状態から構成体側係止面198aが変位した場合、図48(e)に示すように、両係止面198a,235aの掛かり代が0となる。すなわち、構成体側係止面198aが第2カバー板部233側に変位しているとともに、カバー側係止面235aがストッパ部237側に変位している場合、両係止面198a,235aの引っ掛かり状態が解除される。
なお、カバー側係止部231には、上記実施例に示すガイド部158aと同様のガイド部241がそれぞれ形成されている。カバー部材230を装着位置への移動に伴って、これらガイド部158a,241同士が接触し、各係止部158,231の撓み変形が実現される。
(3)上記実施例では、各係止部158,196自身が撓み変形(弾性変形)することにより、係止状態と係止解除状態との切り替えを行ったが、これを以下のように変更してもよい。すなわち、係止部158,196を移動可能に設け、別途設けた部材(付勢部材)の撓み変形を伴いながら係止部158,196が移動することに基づいて、上述した係止状態と係止解除状態との切り替えを行ってもよい。
以下、具体例を図49(a)に基づいて説明する。構成体側係止部251は裏側構成体102に対して別体で設けられている。構成体側係止部251における平面部105側の端部には、カバー部材154の長手方向と同一方向に延びる軸部252が一体成形されている。裏側構成体102の外側溝壁部157には軸部252が嵌まる軸受け孔部253が形成されており、この軸受け孔部253に軸部が挿通されている。これにより構成体側係止部251は裏側構成体102に対して回動可能に軸支された状態となっている。
構成体側係止部251と第2カバー板部173との間には板バネ255が設けられている。板バネ255は第2カバー板部173と平行な本体部256を有しており、この本体部256が同第2カバー板部173に接着されている。これにより、板バネ255がカバー部材154に対して一体化されている。
板バネ255には構成体側係止部251側に突出する折曲部257が切り起こしされており、その折曲部257の先端が構成体側係止部251(詳しくはアーム部258)に接触している。なお、本体部256からの折曲部257の突出量は、構成体側係止部251と第2カバー板部173との隙間寸法よりも若干大きく設定されている。これにより、折曲部257が構成体側係止部251に接触した状態においては、同構成体側係止部251はカバー側係止部196側に付勢された状態となっている。
カバー部材154を裏側構成体102に対して装着する際には、カバー側係止部196と構成体側係止部251とが当たることにより、構成体側係止部251は第2カバー板部173側に回動する。かかる場合、折曲部257が折りたたまれることとなり、構成体側係止部251が内側溝壁部156側に向けて付勢された状態となる。カバー部材154の所定の装着完了位置への移動に伴って、構成体側係止部251の係止爪部259がカバー側係止部196の係止孔部200に嵌合可能な位置に至ると、板バネ255の付勢力により構成体側係止部251が回動し、元の位置に復帰する。これにより、係止爪部259が係止孔部200に嵌まり、両者が引っ掛かった状態となる。
以上詳述したように、板バネ255が弾性変形することにより、係止状態と係止解除状態との切り替えを実現することも可能である。なお、板バネ255に代えてコイルバネを用いることも可能である。
(4)上記実施例では、カバー側係止部196の撓み変形を規制する「第1ストッパ部」としての内側対向板部164を裏側構成体102側に設け、構成体側係止部158の撓み変形を規制する「第2ストッパ部」としての第2カバー板部173をカバー部材154側に設けたが、これを変更し、「第1ストッパ部」をカバー部材154側に設け、「第2ストッパ部」を裏側構成体102側に設けてもよい。
例えば、図49(b)に示すように、カバー部材154にカバー側係止部196の撓み変形を規制するカバー側ストッパ部271を一体形成し、裏側構成体102に構成体側係止部158の撓み変形を規制する構成体側ストッパ部272を形成するとよい。より詳しくは、カバー側ストッパ部271をカバー側係止部196に対して所定の隙間を隔てて対峙するように形成するとともに、構成体側ストッパ部272を構成体側係止部158に対して所定の隙間を隔てて対峙するように形成するとよい。
(5)上記実施例では、構成体側係止部158によって裏側構成体102における外側溝壁部157の一部を構成したが、これに限定されるものではない。例えば、構成体側係止部158を外側溝壁部157に対して別個独立に形成することも可能である。
(6)上記実施例では、各係止部158,196の先端部が「第1ストッパ部」としての内側対向板部164及び「第2ストッパ部」としての第2カバー板部173に当たることで各係止部158,196の撓みの規制を行ったが、これを変更し、各係止部158,196における先端部以外の部位が内側対向板部164及び第2カバー板部173に当たることで撓みの規制を行ってもよい。
また、内側対向板部164及び第2カバー板部173をそれぞれ板状とした、これに限定されるものではない。すなわち、各係止部158,196の撓み変形を規制することができるものであれば、「第1ストッパ部」及び「第2ストッパ部」を板状とする必要はない。例えば、「第1ストッパ部」及び「第2ストッパ部」をカバー部材154や裏側構成体102から突出して形成された突起等によって構成することも可能である。なお、「第1ストッパ部」及び「第2ストッパ部」は必ずしもカバー部材154や裏側構成体102と一体成形する必要はなく、別体で形成した部材をそれらカバー部材154や裏側構成体102に取り付けてもよい。
(7)上記実施例では、構成体側係止部158に構成体側ガイド部158aを設けるとともに、カバー側係止部196にカバー側ガイド部199aを設けたが、これに限定されるものではない、少なくとも一方にガイド部を設ける構成とすればよい。なお、各ガイド部158a,199aを各係止部158,196に対して一体成形したがこれを変更し、各ガイド部158a,199aを各係止部158,196に対して別途設けてもよい。
(8)上記実施例においては、カバー側係止部196の撓み変形を受け部材153の内側対向板部164によって規制する構成とした。より詳しくは、裏側構成体102の内側溝壁部156によって支持された内側対向板部164に対してカバー側係止部196が当たる構成とした。これを以下のように変更することも可能である。すなわち、カバー側係止部196が内側対向板部164を介することなく、内側溝壁部156に対して直接当たる構成とすることも可能である。
(9)上記実施例では、構成体側係止部158がカバー部材154の取り外し規制機能と受け部材153の取り外し規制機能とを併せ有する構成としたが、後者の機能を省略することも可能である。具体的には、構成体側係止部158と受け部材153の係止用凹部167との引っ掛かりを省略することも可能である。
(10)上記実施例では、受け部材153によって区画された凹み空間161内にて、両係止部158,196が引っ掛かる構成としたが、受け部材153の凹み空間161外にて両係止部158,196が引っ掛かる構成とすることも可能である。例えば、基板ボックス92の内部空間内にて両係止部が引っ掛かる構成とすることで、それら係止部への不正なアクセスを一層困難なものとすることができる。
(11)上記実施例では、各係止部158,196の係止面198a,200aの変位量の総和が規定値に達することにより係止解除が可能となる構成としたが、両係止面198a,200aの変位量が共に最大となることで係止解除が可能となる構成としてもよい。
(12)上記実施例では、カバー部材154を装着する際に各係止部158,196において同期して撓み変形が生じる構成としたが、撓み変形が発生するタイミングは必ずしも同期させる必要はない。すなわち、両係止部が接触することにより、先ず片方の係止部が撓み変形し、規制された限界まで撓み、その撓み変形が抑えられた後、撓まなくなった係止部に押されることにより、他方の係止部が撓み変形する構成としてもよい。
(13)上記実施例では、カバー部材154の取り外し規制手段として、破断ネジ170を有する構成としたが、この破断ネジ170を省略してもよい。
また、両構成体101,102によってカバー部材154が挟持される構成としたが、これを省略することも可能である。
(14)上記実施例では、係止機構195を第1表側結合部142と第2表側結合部1
43との間に配置したが、これに限定されるものではなく、係止機構195をそれら各結合部142,143の間以外の部位に配置してもよい。
また、係止機構195をカバー部材154の中央部分を挟んだ両側に配置したが、片側にのみ配置することも可能である。また、カバー部材154の中央部分に配置することも可能出る。但し、かかる場合、カバー部材154の位置連れ(例えば浮き上がり)が生じやすくなることが懸念される。故に、望ましくは係止機構195を少なくとも中央部分を挟んだ両側に配置するとよい。
(15)上記実施例では、カバー部材154の位置決め用突起177の間にカバー側係止部196を配置したが、これら位置決め用突起177の間以外の部位に配置することも可能である。但し、かかる場合、カバー側係止部196が撓み変形する際に、カバー部材154の位置ずれを招来しやすくなると想定され好ましくない。故に、望ましくは位置決め用突起177の間に配置するとよい。
(16)上記実施例では、構成体側係止部158の両側において第2カバー板部173と外側溝壁部157とが接触し、構成体側係止部158の根元側において第2カバー板部173と平面部105とが接触する構成としたが、構成体側係止部158の根元側における第2カバー板部173と平面部105との接触を省略することも可能である。
(17)上記実施例では、カバー部材154が複数の結合部176に対応する構成としたが、個々の結合部176に対して個別のカバー部材を設けることも可能である。
また、上記実施例ではカバー部材154を合成樹脂製としたが、これに代えて金属製とすることも可能である。
(18)受け部材153が凹み空間161を有していることは必須の構成ではなく、一の板部に対して係止部158が形成されており、受け部材153単体で見た場合に、当該係止部158が空間内に収容されているのではなく、露出している構成としてもよい。この場合、係止部158が空間内に収容されていないことで上記実施例よりもセキュリティ性が低下するものの、受け部材154の構成の簡素化が図られる。
(19)上記実施例では、受け部材153を金属製としたが、裏側構成体102の壁部よりも高強度であれば金属製に限定されない。例えば、裏側構成体102を形成する合成樹脂材料又はそれとは別の合成樹脂材料にガラス繊維などの補強剤を分散させた材料により受け部材153を形成することで、裏側構成体102の壁部よりも高強度にしてもよい。また、裏側構成体102を形成する合成樹脂材料又はそれとは別の合成樹脂材料により形成したものに対してメッキなどの表面処理を施すことによって受け部材153を形成することで、裏側構成体102の壁部よりも高強度にしてもよい。
(20)上記実施例において、基板ボックス92を形成するボックス構成体の数は複数であれば任意であり、4個以上のボックス構成体を組み合わせることにより、基板ボックス92が形成される構成としてもよい。この場合に、主制御基板91と表側構成体101との間に両者の空間を遮るように別のボックス構成体が設けられていてもよく、主制御基板91と裏側構成体102との間に両者の空間を遮るように別のボックス構成体が設けられていてもよい。
(21)上記実施例においてフック部111及び係止受け121を不具備とし、基板ボックス92の長辺部においては表側構成体101及び裏側構成体102を接着剤により接着する構成としてもよい。
(22)上記実施例では、両構成体101,102の再ボックス化(主制御基板91の再収用)を1度だけ許容する構成としたが、再ボックス化を複数回許容する構成としてもよい。例えば、1つの第1表側結合部142によって両構成体101,102を固定する構成としてもよいし、第3表側結合部を追加して設けてもよい。
(23)上記実施例において主制御装置63の基板ボックス92に適用した構成を、音声ランプ制御装置66、払出制御装置82、電源及び発射制御装置83といった他の制御装置に対して適用してもよい。
(24)上記実施例とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
以上詳述した第2の実施の形態における開示範囲において抽出可能な技術的思想を以下に示す。
(1).複数のボックス構成体(例えば表側構成体101や裏側構成体102)が組み合わされることにより形成された基板ボックス(基板ボックス92)と、
前記基板ボックスの内部空間に収容された制御基板(主制御基板91)と、
前記基板ボックスの内部空間が開放されないように前記複数のボックス構成体を離脱不可又は離脱困難な状態で相互に固定する固定手段(例えば結合具181,183や受け部材153)と、
前記固定手段を構成する固定具(結合具181,183)と、
前記固定手段を構成するとともに、前記ボックス構成体に設けられた設置部(溝部155)に対して設置され、前記固定具が固定される受け部材(受け部材153)と、
前記ボックス構成体に対して当該ボックス構成体との間に前記受け部材を挟んだ状態で装着され、前記固定具の前記受け部材に対する装着を許容しつつ、前記受け部材の少なくとも一部を覆うカバー部材(カバー部材154)と、
前記カバー部材と前記ボックス構成体との組み合わせ作業時におけるそれらカバー部材及びボックス構成体の相対移動方向を所定の方向に規定する規定部(位置決め用突起177や凹み空間161等)と、
前記ボックス構成体からの前記カバー部材の取り外しを規制する規制手段(係止機構195)と
を備え、
前記規制手段は、
前記ボックス構成体に設けられたボックス側係止部(構成体側係止部158)と、
前記カバー部材に設けられ、前記ボックス側係止部に係止されることにより前記ボックス構成体からの前記カバー部材の取り外しを規制するカバー側係止部(カバー側係止部196)と、
弾性変形することにより前記ボックス側係止部を前記カバー側係止部との係止状態が解除される側に変位させるボックス側変形部(構成体側係止部158のアーム部197)と、
弾性変形することにより前記カバー側係止部を前記ボックス側係止部との係止状態が解除される側に変位させるカバー側変形部(カバー側係止部196の起立部199)と、
前記規定部によって規定された所定の方向のうち、前記カバー部材と前記ボックス構成体とを組み合わせる側へのそれらカバー部材及びボックス構成体の相対移動に基づき、前記ボックス側係止部及び前記カバー側係止部を係止状態へと移行させる案内部(ガイド部158a,199a)と
を備え、
前記ボックス側変形部及び前記カバー側変形部の弾性変形に基づいて、前記ボックス側係止部及び前記カバー側係止部の両者が共に係止状態の解除される側に変位することにより、それらボックス側係止部及びカバー側係止部の係止状態が解除されることを特徴とする遊技機。
(1)によれば、受け部材はボックス構成体に設けられた設置部に対して設置されており、その取り外しがカバー部材によって規制されている。ボックス構成体の形成に際して受け部材をインサート成形等する構成も考えられるが、この場合、受け部材の不正な取り外し等を困難なものとすることができる反面、金型の複雑化等を招くこととなり好ましくない。また、完成後のボックス構成体に対して別体で設けられた受け部材を嵌め込む構成とすれば、上述したインサート成形等を行う場合と比較して、金型の簡素化を図ることができる反面、受け部材の不正な取り外しが行われやすくなると懸念される。このように受け部材の取り外しが容易となれば、基板ボックスの不正な開放が行われやすくなったり、受け部材に細工等施すことにより基板ボックスの不正開放の痕跡を隠蔽されやすくなったりすると想定され、防犯性の観点から好ましくない。
この点、(1)に示すように受け部材をボックス構成体の設置部に対して設置するとともに、その受け部材の取り外しをカバー部材、詳しくはボックス構成体との間に受け部材を挟んだ状態で設けられ規制手段によって取り外しが規制されたカバー部材により妨げる構成とすれば、製造工程(金型)の複雑化を抑えつつ、受け部材の不正な取り外しを抑制することが可能となる。これにより、基板ボックスの形成を良好に行うことを可能としつつ、基板ボックスに対して行われる不正行為の抑制に貢献することができる。また、カバー部材に対して、受け部材の露出を抑える遮蔽機能を付与することが可能となり、受け部材に対する不正なアクセス(物理的な接触)を困難なものとすることができる。
但しカバー部材を有する構成とした場合、そのカバー部材の装着作業が必要となり、基板ボックスを組み上げる際の作業の煩雑化を招来することが懸念される。この点、(1)においては、カバー部材を装着する際に、規定部により規定された所定の方向へボックス構成体とカバー部材とを相対移動させることによりカバー側係止部とボックス側係止部とが変位し係止状態となる。これにより、ボックス構成体からのカバー部材の取り外しが規制される。故に、カバー部材の装着作業の煩雑化を抑えることができる。
また、ボックス側変形部及びカバー側変形部の弾性変形に基づいて、ボックス側係止部及びカバー側係止部が共に係止状態の解除される側に変位することにより、それら両係止部の係止状態が解除されるため、係止解除を困難なものとしやすい。これにより防犯性の向上を期待することができる。
(2).前記ボックス側変形部及び前記カバー側変形部は予め定められた側への弾性変形が許容されるように形成されており、
前記ボックス側係止部における前記係止状態が解除される側への変位方向と、前記カバー側係止部における前記係止状態が解除される側への変位方向とが逆向きとなるように、それらボックス側変形部及びカバー側変形部が配されていることを特徴とする(2)に記載の遊技機。
(1)に示したように係止状態の解除に両係止部の変位を必要とする構成を用いた場合、係止部同士の掛かり代を大きくすることに伴って、両係止部の変位量を大きくする必要があると想定される。安定した係止状態を実現するには、掛かり代を大きくすることが望ましいが、それに起因して係止部の変位量が大きくなることは、規制手段の大型化ひいては基板ボックスの大型化を招来しやすくなり好ましくない。
この点、(2)に示すように、係止解除時の変位方向をそれぞれ逆向きとなるように各変形部を配すれば、両係止部が共に変位する構成を採用しても、それらの変位量の増大を抑えつつ、掛かり代の確保を容易なものとすることができる。これにより、組み付けばらつき等に起因して掛かり代が十分に確保されないといった不都合が発生することを抑制し、係止状態の安定化に貢献することができるとともに、規制手段の大型化を抑制することができる。
(3).前記カバー側係止部と所定の間隔を隔てて配置され、前記カバー側係止部が前記係止状態の解除側に変位した際に同カバー側係止部に当接しその変位を妨げる第1ストッパ部(受け部材153の内側対向板部164)と、
前記ボックス側係止部と所定の間隔を隔てて配置され、前記ボックス側係止部が前記係止状態の解除側に変位した際に同ボックス側係止部に当接しその変位を妨げる第2ストッパ部(カバー部材154の第2カバー板部173)と
を備えていることを特徴とする(1)又は(2)に記載の遊技機。
(3)によれば、第1ストッパ部及び第2ストッパ部によって、係止部の変位が妨げられる。各ストッパ部によって各係止部の変位量を規定することができ、係止部が想定される以上に変位することを回避することができる。これにより、片方の係止部のみを変位させ、その変位量を大きくすることにより他方の係止部の変位量を賄うことを困難なものとし、係止状態の解除に対して、両係止部の変位を不可欠なものとすることができる。
すなわち係止状態を解除するには、カバー側係止部とボックス側係止部とをそれぞれ異なる方向へ変位させるとともにカバー部材とボックス構成体とを引き離す必要がある。例えば、一方の係止部を片方の手で操作し、他方の係止部を反対側の手で操作した状態にて、更にカバー部材とボックス構成体とを相対移動させる必要がある。このため、1人でカバー部材の取り外し作業を行うことは困難なものとなる。
以上詳述したように、カバー部材の取り付けを容易なものとしつつ、取り外しを困難なものとすることで、基板ボックス作成時の作業性の担保と防犯性の向上とを好適に両立することができる。
また、弾性変形域を越える変形(塑性変形)を回避することも可能となり、ボックス側変形部とカバー側変形部との保護を図ることができる。これにより、規制手段の機能、すなわちカバー部材の取り外しを規制する機能を好適に維持することが可能となる。
(4).前記ボックス側係止部における前記係止状態の解除側への変位方向と、前記カバー側係止部における前記係止状態の解除側への変位方向とが逆向きに設定されており、
前記カバー側係止部と所定の間隔を隔てて配置され、前記カバー側係止部が前記係止状態の解除側に変位した際に同カバー側係止部に当接しその変位を妨げる第1ストッパ部(受け部材153の内側対向板部164)と、
前記ボックス側係止部と所定の間隔を隔てて配置され、前記ボックス側係止部が前記係止状態の解除側に変位した際に同ボックス側係止部に当接しその変位を妨げる第2ストッパ部(カバー部材154の第2カバー板部173)と
を備え、
前記第1ストッパ部及び第2ストッパ部は相互に対峙する壁状をなし、それら第1ストッパ部及び第2ストッパ部によって挟まれた領域に、前記カバー側係止部及び前記ボックス側係止部が配置されていることを特徴とする(1)に記載の遊技機。
(4)によれば、(2)及び(3)に示した効果に加え、以下の特別な効果を奏する。すなわち、ボックス側係止部及びカバー側係止部は、相互に対峙する壁状をなす第1ストッパ部及び第2ストッパ部によって挟まれた領域に配置されている。これにより、両ストッパ部によって各係止部へのアクセスを困難なものとすることができる。また、仮に係止部にアクセスされた場合であっても、それら両ストッパ部によって、係止部の不正な操作を行いにくくすることができる。故に、カバー部材の取り外しを一層困難なものとすることができる。
以上詳述したように、両ストッパ部に係止部へのアクセス及び操作を規制する規制機能を付与することにより、ストッパ部の多機能化に寄与することができる。
(5).前記第1ストッパ部によって規定されている前記カバー側係止部の最大変位量(隙間寸法X12)は、前記カバー側係止部と前記ボックス側係止部との掛かり代(掛かり代X10)よりも小さく設定されているとともに、前記第2ストッパ部によって規定されている前記ボックス側係止部の最大変位量(隙間寸法X14)は、前記カバー側係止部と前記ボックス側係止部との掛かり代よりも小さく設定されていることを特徴とする(3)又は(4)に記載の遊技機。
(5)によれば、カバー側係止部の最大変位量及びボックス側係止部の最大変位量は係止部同士の掛かり代よりも小さく設定されている。これにより、上述した(4)等に示す構成を好適に実現できる。具体的には、片方の係止部のみを変位させたとしても、両係止部の係止状態は解除されず、カバー部材の取り外し規制は維持される。すなわち、係止状態の解除には両係止部の変位を必須とすることができる。
なお、(5)に示す技術的思想(すなわち変位量と掛かり代との関係)を(3)に適用することも可能であるが、かかる場合、「前記カバー側係止部と前記ボックス側係止部との掛かり代」は、いずれの係止部を基準とするかによって相違することとなる。具体的には、カバー側係止部においては、カバー側係止部の変位方向におけるボックス側係止部との掛かり代を示し、ボックス側係止部においては、ボックス側係止部の変位方向におけるカバー側係止部との掛かり代を示す。
因みに、(5)を、「前記第1ストッパ部によって規定されている最大変位量となるように前記カバー側係止部が変位した場合であっても前記両係止部の係止状態が維持されるとともに、前記第2ストッパ部によって規定されている最大変位量となるように前記構成体側係止部が変位した場合であっても前記両係止部の係止状態が維持されるように前記両ストッパ部が形成されていることを特徴とする(3)又は(4)に記載の遊技機。」としてもよい。
(6).前記第1ストッパ部は前記ボックス構成体側に設けられており、前記第2ストッパ部は前記カバー部材側に設けられていることを特徴とする(4)又は(5)に記載の遊技機。
(6)によれば、カバー側係止部はボックス構成体側に設けられた第1ストッパ部とボックス側係止部とによって挟まれており、ボックス側係止部はカバー部材側に設けられた第2ストッパ部とカバー側係止部とによって挟まれている。このため、仮にカバー部材とボックス構成体とが係止部の変位方向に向けて位置ずれした場合であっても、ボックス側係止部とカバー側係止部との係止状態が解除されやすくなるといった不都合を生じにくくすることができ、係止状態の安定化に貢献することが可能となる。
具体的には、仮に両係止部が近づく側にカバー部材が位置ずれした場合、両係止部が近づくため、掛かり代が減少することはない。一方、両係止部が離れる側にカバー部材が位置ずれした場合、両係止部の掛かり代はその位置ずれ量に応じて減少する。しかしながら、この位置ずれに基づいて、第1ストッパ部がボックス側係止部に近づき第1ストッパ部及びボックス側係止部間の隙間寸法(すなわち許容されるボックス側係止部の最大変位量)が減少し、カバー側係止部が第2ストッパ部に近づき第2ストッパ部及びカバー側係止部間の隙間寸法(すなわち許容されるカバー側係止部の最大変位量)も減少することとなる。すなわち、掛かり代の減少に伴って、各係止部の最大変位量も減少することとなる。故に、カバー部材が位置ずれしたとしても係止状態の解除が容易化されることは回避される。
なお、(6)に示す構成と逆の構成(第1ストッパ部がカバー部材側に設けられており、第2ストッパ部がボックス構成体側に設けられている構成)を採用すると、カバー部材の位置ずれに伴って、第1ストッパ部とカバー側係止部とがともに移動し、係止部同士の掛かりが位置ずれ量に依存して小さくなる。かかる場合、係止状態が容易に解除され得る。故に、望ましくは(6)に示す構成を採用するとよい。
また、「前記第1ストッパ部は前記ボックス構成体側に設けられ」とは、第1ストッパ部がボックス構成体に一体成形されている場合を示す他、ボックス構成体に対して別体で形成された第1ストッパ部がボックス構成体に装着されている場合を示す。
「前記第2ストッパ部は前記カバー部材側に設けられ」とは、第2ストッパ部がカバー部材に一体成形されている場合を示す他、カバー部材に対して別体で形成された第2ストッパ部がカバー部材に対して装着されている場合を示す。
(7).前記ボックス側係止部は、前記ボックス構成体の外郭を形成する外壁部(裏側構成体102の外側溝壁部157)の一部を構成しているとともに、前記第2ストッパ部は、少なくとも前記外壁部における前記ボックス側係止部を含んだ所定の領域において当該外壁部に対峙しており、
前記外壁部における前記ボックス側係止部の周辺部位と前記第2ストッパ部との間隔寸法が、当該第2ストッパ部と前記ボックス側係止部との間隔寸法よりも小さいことを特徴とする(6)に記載の遊技機。
(7)によれば、仮に基板ボックスの外部から第2ストッパ部が押される等した場合であっても、第2ストッパ部は、ボックス側係止部と所定の隙間を維持した状態で、外壁部におけるボックス側係止部の周辺部位と当接する。これにより、第2ストッパ部に加わった外力が外壁部によって分散されボックス側係止部に対してその外力による影響が及ぶことを抑制することができる。
例えば、カバー部材を装着した状態において、ボックス側係止部の少なくとも両側にて、外壁部と第2ストッパ部とが当接するように外壁部及び第2ストッパ部を形成するとよい。
(8).前記カバー部材と前記ボックス構成体を組み合わせることによって、前記規制手段を取り囲む空間部が形成されていることを特徴とする(1)乃至(7)のいずれか1つに記載の遊技機。
(8)によれば、規制手段がカバー部材とボックス構成体とによって形成された空間部内に配置されているため、規制手段へのアクセスを困難なものとすることができる。これにより、更なる防犯性の向上に貢献できる。
(9).前記固定手段は、それぞれ個別に両ボックス構成体を固定する第1固定手段(例えば第1表側結合部142及び第1結合具181)及び第2固定手段(例えば第2表側結合部143や第2結合具183)を有し、
前記カバー部材は前記第1固定手段及び前記第2固定手段に跨って設けられた部材であり、
前記規制手段は少なくとも前記第1固定手段と前記第2固定手段との間に配置されていることを特徴とする(1)乃至(8)のいずれか1つに記載の遊技機。
(9)によれば、第1固定手段及び第2固定手段は受け部材との固定に寄与するものであるが、同固定手段の少なくともいずれかを用いた固定が行われることで、カバー部材の取り外しも規制されることとなる。すなわち、固定手段がカバー部材の固定にも寄与することとなり、カバー部材の不正な取り外しを好適に抑制できる。
また、カバー部材を複数設けるとすれば、カバー部材の増加に伴って個々のカバー部材に対応する規制手段を配置するためのスペースが必要となる。このような規制手段の増加は限られた設置領域における固定手段との共存を妨げるおそれがあり、望ましくない。この点、(9)に示すように、複数の固定手段に対して一の規制手段(一のカバー部材)を設置すれば、省スペース化に貢献でき実用上好ましい構成を実現できる。
(10).前記受け部材は、相互に対向する一対の対向板部(内側対向板部164及び外側対向板部165)とそれら対向板部を繋ぐ連結板部(連結板部166)とにより形成された一連の溝部(凹み空間161)を備えているとともに、当該溝部内において前記固定具を固定する固定部(係止片168)を少なくとも前記第1固定手段及び前記第2固定手段に対応させて備えており、更に前記受け部材に対する前記固定具の固定は前記溝部内において行われるものであり、
前記溝部内に、前記カバー側係止部と前記ボックス側係止部との係止部位(構成体側係止面198aの一部とカバー側係止面200a)が配置されていることを特徴とする(9)に記載の遊技機。
(10)によれば、受け部材の溝部内に両係止部の係止部位が位置されている。このため、受け部材によって係止部同士の係止部位に対するアクセスを困難なものとすることができる。すなわち、カバー部材によって受け部材の不正な取り外しを抑制しつつ、受け部材によってカバー部材の取り外しを困難なものとすることができる。
(11).前記カバー部材には、前記固定具の前記溝部への進入を許容する開口部(貫通孔部174)を有するとともに、前記溝部の入口における前記開口部以外の領域を覆うカバー部(第1カバー板部172)が形成されていることを特徴とする(10)に記載の遊技機。
(11)によれば、溝部はカバー部材のカバー部によってその入口が覆われている。カバー部材自身(詳しくはカバー部)によって、溝部内に配置された係止部位の露出を抑えることができる。これにより、実用上好ましい構成を実現できる。
なお、開口部を介して固定具を挿入することが可能となっており、固定具及び受け部材によってボックス構成体同士を固定する機能は担保されている。
(12).前記カバー部材には、前記基板ボックスの内部空間に入り込むように設けられ、相互に固定された前記複数のボックス構成体により挟持される被挟持部(受け板部185)が形成されていることを特徴とする(1)乃至(11)のいずれか1つに記載の遊技機。
(12)によれば、カバー部材は複数のボックス構成体により挟持される被挟持部を有している。このため、両構成体が組み合わされた後には、カバー部材をより安定した状態で保持することができる。このようにカバー部材の挟持を行うことで、カバー部材が引っ張られる等した場合であっても、規制手段に局所負荷が加わることを抑制することができる。
(13).前記規定部によって規定された前記カバー部材と前記ボックス構成体との相対移動方向は、前記カバー側係止部における前記係止状態を解除する側への変位方向と、前記ボックス側係止部における前記係止状態を解除する側への変位方向との両方向に対して交差するように設定されていることを特徴とする(1)乃至(12)のいずれか1つに記載の遊技機。
(1)乃至(12)に示す構成において、カバー部材とボックス構成体とを分離させる際の相対移動方向が、いずれかの係止部の係止解除側への変位方向と同一となった場合、一の操作によって片方の係止部の変位とカバー部材の離脱方向への移動とが同時に実施可能となり得る。より具体的には、片方の手で一方の係止部を操作し、他方の手で他方の係止部を操作しつつカバー部材の取り外し操作を実施し得ると想定される。このように操作の統合が生じることは、カバー部材の取り外しを規制する観点から好ましくない。
この点、(13)によれば、カバー部材とボックス構成体との相対移動及び係止部の変位が個々に独立した方向となるように設定できるため、上述したような操作の統合を図ることは困難となり、カバー部材の取り外しを好適に規制できる。
(14).前記案内部は、前記規定部によって前記カバー部材と前記ボックス構成体との組み合わせ方向が規定されている全範囲のうち所定の範囲において、前記規定部によって規定された所定の方向への前記カバー部材と前記ボックス構成体との相対移動に基づきその所定の方向と交差し且つ相互に離れる側へ前記ボックス側変形部と前記カバー側変形部とを変形させる案内部であり、
前記ボックス構成体と前記カバー部材とをそれらボックス構成体及びカバー部材の組み合わせ側へ前記所定の範囲を超えて更に相対移動させた場合に、前記カバー側係止部と前記ボックス側係止部とは、前記案内部による案内状態から、前記ボックス側変形部と前記カバー側変形部とが自身の弾性力に基づき変形前の状態に復帰する側に変形することに伴って係止状態に移行されることを特徴とする(1)乃至(13)のいずれか1つに記載の遊技機。
(14)によれば、カバー部材とボックス構成体とを組み合わせることにより、カバー部材の取り外しが規制された状態に移行される。具体的には、カバー部材とボックス構成体とを相対移動させることに基づき、案内部によって、両変形部が所定の方向と交差し且つ相互に離れる側へ弾性変形する。更に相対移動が行われると、案内部による案内が終了し、両変形部が自身の弾性力により変形前の状態に復帰する側に変形する。これにより、カバー側係止部とボックス側係止部とが係止状態となり、カバー部材とボックス構成との分離が規制される。
以上詳述したように、カバー部材とボックス構成体を組み合わせる際には、両者の相対移動によって係止状態への移行が可能であり、係止状態へ移行するための別途操作を必要としない。これにより、カバー部材の取り付け作業を容易なものとしつつ、同カバー部材の取り外しを困難なものとすることができる。
以下に、以上の(1)〜(14)を適用し得る各種遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。