JP2015156736A - 電気回転機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】永久磁石3を円周方向に配列して表裏各面にそれぞれ第1磁界部4aと第2磁界部4bとを形成した回転自在なロータ5と、このロータの第1磁界部と対面する巻線6aを巻いた第1ステータ7aと、ロータの第2磁界部と対面する巻線6bを巻いた第2ステータ7bと、ケース8とを有する。第1ステータ又は第2ステータの一方の巻線に給電してロータを回転駆動する給電装置9と、駆動されるロータの回転によって他方の巻線に発生する電気を取り出す集電装置10とを備える。第1磁界部及び第1ステータと第2磁界部及び第2ステータとは、給電する側と発電する側の交流電流の周波数が異なっている。
【選択図】図1
Description
特許文献1に開示された回転型周波数変換装置は、電動機と発電機とを軸連結して、周波数の異なる系統間で電力の授受を行うように構成されている。
特許文献2のポット型推進器においては、アキシャルギャップ式又はラジアルギャップ式超電導電動機であり、1個のロータを挟んで2個のステータを配置し、ステータの巻線で発生する磁界でロータを電磁誘導にて回転する回転電機が開示されている。
したがって、前記従来の回転型周波数変換装置は、電流の周波数を変換するのに、ひとつの周波数で電動機を回転し、その回転力で軸連結した発電機を駆動して他の周波数の電流を得なければならなく、2台の回転機を必要とするので、動力ロスが発生して変換効率が悪く、かつコスト高になっている。
本発明は、このような従来技術の問題点を解決できるようにした電気回転機を提供することを目的とする。
第1に、永久磁石3を円周方向に配列して表裏各面にそれぞれ第1磁界部4aと第2磁界部4bとを形成した回転自在なロータ5と、このロータ5の第1磁界部4aと対面する巻線6aを巻いた第1ステータ7aと、ロータ5の第2磁界部4bと対面する巻線6bを巻いた第2ステータ7bと、前記第1ステータ7aと第2ステータ7bとを固定しかつロータ5を包囲したケース8とを有しており、
前記第1ステータ7a又は第2ステータ7bの一方の巻線6に給電してロータ5を回転駆動する給電装置9と、前記駆動されるロータ5の回転によって他方の巻線6に発生する電気を取り出す集電装置10とを備えており、
前記第1磁界部4a及び第1ステータ7aと第2磁界部4b及び第2ステータ7bとは、給電する側と発電する側の交流電流の周波数が異なっていることを特徴とする。
第3に、前記永久磁石3はロータ5内に埋め込まれていて、永久磁石3の両端でロータ表裏の第1磁界部4aと第2磁界部4bとを形成していることを特徴とする。
第1ステータ7aはロータ5の第1磁界部4aと対面する円形の内周面に第1ステータ磁界αを形成し、第2ステータ7bはロータ5の第2磁界部4bと対面する円形の外周面に第2ステータ磁界βを形成していることを特徴とする。
第6に、前記第1ステータ7a又は第2ステータ7bの少なくとも一方は、超電導巻線6を巻くとともに臨界温度以下に冷却する超電導冷却装置11と接続していることを特徴とする。
第8に、前記第1ステータ7aと第2ステータ7bとはスロット数が異なることを特徴とする。
第9に、前記ロータ5の第1磁界部4aと第2磁界部4bとは磁極数が異なることを特徴とする。
即ち、本発明は、表裏に第1磁界部4aと第2磁界部4bとを形成した1個のロータ5に対して、その表裏に対面する第1、第2ステータ7a、7bに給電と集電とをそれぞれ行わせて、1台の電気回転機で1個のロータ5を共用して周波数の異なる電動態様と発電態様とを同時に採ることができる。
また、本発明は、第1ステータ7a又は第2ステータ7bの少なくとも一方に超電導冷却装置11を接続して、超電導巻線6を臨界温度以下に冷却することにより、超電導電動態様及び超電導発電態様にすることができ、ロータ5の回転効率を大幅に向上できる。
図1、2は本発明の第1実施形態を示しており、図3において、電気回転機1Aは三相交流用の電動発電機(モータジェネレータ)であって、回転型周波数変換機、サイクロコンバータ、風力発電機の可変速機(DFM)等として利用できるものである。この電気回転機1Aは、給電装置9、集電装置10、インバータ(コンバータを含む)16及びバッテリ17等を備えた制御部18と接続されている。
前記ロータ5は、円筒形の円筒部5aと、この円筒部5aの両端の延長上の回転軸部5bとを有し、円筒部5aと回転軸部5bとは一体に形成されており、回転軸部5b及び出力軸部5cはそれぞれ軸受40、41を介してケース8に対して回転自在に支持されている。
第1ステータ7aは珪素鋼板を多数枚重ねて巻線(コイル)6aを分巻き又は集中巻きして形成し、ケース8の外周壁8aの内周面に圧入固定したものであり、円形内周面に第1回転磁界(第1ステータ磁界、表回転磁界)αを形成し、この第1回転磁界αをロータ5の第1磁界部4aと僅少間隙(ラジアルギャップ)を介して対面させている。
前記ケース8の外周壁8aには水等の冷却用冷媒を流通する流通路11aが形成され、支持体13にも冷却用冷媒を流通する流通路11bが形成され、これら流通路11a、11bは外部の冷却装置11に接続されており、ケース8内部へ冷却用冷媒を循環できるようになっている。
なお、前記第1回転磁界αのスロット数及び永久磁石3aの個数に対して第2回転磁界βのスロット数及び永久磁石3bの個数を異ならせたり、第1回転磁界αと第2回転磁界βの巻線長さを異ならせたりして、第1回転部M1と第2回転部M2とに出力、発電量等の能力差をつけてもよい。
第1ステータ7aと第2ステータ7bの巻線6a、6bは常温用又は超電導用であり、一方を電動態様としかつ他方を発電態様として使用されるが、電動態様のステータ7には、180°偏位した2箇所で同一磁極が形成されるように電流が供給され、ロータ5に180°対極位置で同一の吸引力又は反発力を発生させ、ロータ5と第1ステータ7a及び第2ステータ7bとの間に適切な僅少間隙を確保するようにしている。
電動態様のステータ7の周方向同一磁極は、180°偏位の2箇所、90°偏位の4箇所、45°偏位の8箇所等、複数同時に励磁させればよく、ロータ5を電動態様のステータ7から磁力で浮き上がらせればよい。これは、前記第1実施形態にも適用できる。なお、ロータ5と第2ステータ7bとの間に金属接触を回避するために、ラジアルギャップより薄い肉厚のスペーサは配置することが好ましい。
前記第1、第2実施形態の電気回転機1A、1Bは、ロータ5は磁気軸受で支持されていて、機械的摩擦がないので回転効率が高く、1個のロータ5を回転するだけであるので、電動機と発電機とを別個に製作して軸連結する回転型周波数変換機に比べて、回転ロスが少なく、周波数変換効率を大幅に向上できる。
前記第1ステータ7aと第2ステータ7bとに超電導用巻線を巻いて、電気回転機1を超電導回転機とする場合、永久磁石3にバルク磁石を採用し、第1ステータ7a及び第2ステータ7bを臨界温度以下の超電導発生温度まで冷却しながら又は臨界温度にしてから、周方向同位相で互いに反対でかつ波形に制御したパルス磁場を与えて、バルク磁石に着磁させる。
この第3変形例では、第1磁界部4aも第2磁界部4bもともに永久磁石3は20個であるので、第1磁界部4aの永久磁石3aに対して第2磁界部4bの永久磁石3bの位相を9度ずらしている。このように第1磁界部4aと第2磁界部4bの永久磁石3a、3bの埋設位相をずらすことによりコギングトルクを減少させることができる。
ロータ5の右円盤部5d1及び左円盤部5d3は、右面に第1磁界部4aを形成しかつ左面に第2磁界部4bを形成しており、中央円盤部5d2は右面に第2磁界部4bを形成しかつ左面に第1磁界部4aを形成している。
前記第1ステータ7a1、7a2、7a3と第2ステータ7b1、7b2、7b3とは周方向の巻線6の数が例えば、5:6等に異なっており、それぞれに流れる電流の周波数が異なっている。
なお、本発明は前記実施形態における構造及び各部材の形状、位置関係は、図1〜9に示すように構成することが最良であるが、部材、構成を種々変形したり、組み合わせを変更したりすることもできる。
例えば、電動態様のステータ7の巻線6を超電導巻線とした超電導電気回転機としても、3K宇宙背景放射空間で使用する場合は冷却装置を省略してもよく、また、それを超電導発電機としてもよい。
冷却装置11は、液体窒素を発生する装置を備えていてもよく、または、液体窒素を封入したボンベを着脱自在に装着するものでもよい。
電気回転機1のロータ5は、内外周面の永久磁石3間にスリット又は凹みを形成して、マグネットトルクだけでなくリラクタンストルクも発生するようにしてもよい。
3 永久磁石
4a 第1磁界部
4b 第2磁界部
5 ロータ
5a 円筒部
5b 回転軸部
6(6a、6b) 巻線
7 ステータ
7a 第1ステータ
7b 第2ステータ
8 ケース
9 給電装置
10 集電装置
11 冷却装置
13 支持体
18 制御部
α 第1回転磁界(第1ステータ磁界)
β 第2回転磁界(第2ステータ磁界)
Claims (9)
- 永久磁石(3)を円周方向に配列して表裏各面にそれぞれ第1磁界部(4a)と第2磁界部(4b)とを形成した回転自在なロータ(5)と、このロータ(5)の第1磁界部(4a)と対面する巻線(6a)を巻いた第1ステータ(7a)と、ロータ(5)の第2磁界部(4b)と対面する巻線(6b)を巻いた第2ステータ(7b)と、前記第1ステータ(7a)と第2ステータ(7b)とを固定しかつロータ(5)を包囲したケース(8)とを有しており、
前記第1ステータ(7a)又は第2ステータ(7b)の一方の巻線(6)に給電してロータ(5)を回転駆動する給電装置(9)と、前記駆動されるロータ(5)の回転によって他方の巻線(6)に発生する電気を取り出す集電装置(10)とを備えており、
前記第1磁界部(4a)及び第1ステータ(7a)と第2磁界部(4b)及び第2ステータ(7b)とは、給電する側と発電する側の交流電流の周波数が異なっていることを特徴とする電気回転機。 - 前記永久磁石(3)はロータ(5)の表裏各面側に配列して、それぞれ個別の永久磁石(3a、3b)で第1磁界部(4a)と第2磁界部(4b)とを形成していることを特徴とする請求項1に記載の電気回転機。
- 前記永久磁石(3)はロータ(5)内に埋め込まれていて、永久磁石(3)の両端でロータ表裏の第1磁界部(4a)と第2磁界部(4b)とを形成していることを特徴とする請求項1に記載の電気回転機。
- 前記ロータ(5)は軸心回り回転自在な円筒部(5a)を有し、円筒部(5a)の外周面に第1磁界部(4a)を形成しかつ内周面に第2磁界部(4b)を形成しており、
第1ステータ(7a)はロータ(5)の第1磁界部(4a)と対面する円形の内周面に第1ステータ磁界(α)を形成し、第2ステータ(7b)はロータ(5)の第2磁界部(4b)と対面する円形の外周面に第2ステータ磁界(β)を形成していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気回転機。 - 前記ロータ(5)は、第1磁界部(4a)及び第2磁界部(4b)を設けた円筒部(5a)の両端が自由端の円筒体であり、前記給電装置(9)は、一方の巻線(6)に給電する交流電流を周方向等間隔にかつ複数同時に同極に励磁可能であることを特徴とする請求1〜4のいずれか1項に記載の電気回転機。
- 前記第1ステータ(7a)又は第2ステータ(7b)の少なくとも一方は、超電導巻線(6)を巻くとともに臨界温度以下に冷却する超電導冷却装置(11)と接続していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電気回転機。
- 前記第1ステータ(7a)及び第2ステータ(7b)の両方に超電導巻線(6)を巻いており、
前記ロータ(5)は円周方向に間隔をおいて超電導バルクを設け、この超電導バルクを臨界温度にしながら又は臨界温度にしてから、第1ステータ(7a)及び第2ステータ(7b)の両方の超電導巻線(6)を異なる磁極に励磁して、超電導バルクに着磁して前記永久磁石(3)を形成していることを特徴とする請求項1又は3に記載の電気回転機。 - 前記第1ステータ(7a)と第2ステータ(7b)とはスロット数が異なることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の電気回転機。
- 前記ロータ(5)の第1磁界部(4a)と第2磁界部(4b)とは磁極数が異なることを特徴とする請求項1、2、4〜6のいずれか1項に記載の電気回転機。
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