JP2015155638A - 競技グラウンド冷却システム - Google Patents

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Abstract

【課題】競技グラウンド表面の温度上昇抑制のための施工が容易なシステムを提供する。
【解決手段】競技グラウンドの表層の下に設けられる冷却構造層20と、この冷却構造層内に設けられ、表層と平行する方向に向かって霧を噴出する噴霧ノズル27と、この噴霧ノズル27に給水する給水装置26(261,262)とを有し、上記冷却構造層20は、所定間隔に配置された上側平板状部材21および下側平板状部材22と、この間隔を維持するための支持部材23a〜23d,24とを有し、噴霧ノズル27からの霧の通路が内部に形成される。
【選択図】図2

Description

本発明は、人工芝などを敷設された競技グラウンド表面の温度上昇を抑制する競技グラウンド冷却システムに関する。
近年、たとえば東京での真夏日、猛暑日の日数が増加しており、サッカーグラウンド、陸上競技場、テニスコート、学校の校庭などの競技グラウンド表面の温度が60℃を超えることも珍しくなってきている。このような状況で、スポーツを行うと、競技者、児童、学生などに、熱中症などの健康被害の可能性が高くなる。
ところで、2020年に開催が決定した東京オリンピックは、例年猛暑が観測される時期に各種の屋外競技が予定されている。競技グラウンド表面が高温となると、選手の疲労が早まり、実力を十分に発揮できないことが予想される。ホスト国としては、世界の国々からの選手に、適切な競技環境を提供することが求められる。
人工芝の表面温度上昇を抑制する目的で、下地の上に導水シートを設け、人工芝パイル表面を適度な湿潤状態に維持するものが、特許文献1に開示されている。しかし、毛細管現象を利用して人工芝パイル表面を湿潤状態に維持するため、植毛されたパイルの隙間および通水孔に充填される粒状物質の粒度分布、通水孔の直径、開口率などの各種ファクターをかなり精密に調整する必要があり、温度抑制効果を得るための施工および保守は容易ではない。
また、表面温度上昇を抑制する目的で、人工芝パイル間の充填材として保水性チップを使用するものが、特許文献2に開示されている。これは、チップにスポンジ構造を有する発泡性部材を使用し、温度抑制効果を得るものであるが、保水性チップに水を含ませるための散水が必要であり、また所定の機能を発揮する諸条件に適合するよう保水性チップを作製する必要があり、その施工および保守も容易ではない。
さらには、人工芝や天然芝を敷き詰めたグランドの、下地舗装下に排水管を埋設し、該排水管の端部から立ち上がり管を取り付け、該立ち上がり管の上端に噴霧ノズルを固定し、“温度と乾燥および湿度等を実測するために配置した各種のセンサ”の出力を検出して、前記グラウンドの環境に不適切な場合に、前記配水管に給水して前記グラウンド上に噴霧を放出する技術も特許文献3に開示されている。しかし、この技術はグランドの上方に向けて噴霧するものであり、噴霧が行き渡る箇所の温度や湿度の制御は可能であっても、グランド全体の環境を整えるには、噴霧ノズルひいてはポンプの吐出力を非常に大きくするか、あるいはノズルの数を非常に多くする必要があり、必ずしも実用的ではない。
特開2002−339312号公報 特開2012−219580号公報 特開2006−177130号公報
施工、保守を容易に行うことができ、競技グラウンド表面の安定した温度上昇抑制効果を、低施工コストで、しかも低ランニングコストで得ることができる競技グラウンドの冷却システムが求められている。
本発明による競技グラウンド冷却システムは、競技グラウンドの下地層上に所定の間隔をあけて敷設される表層の下に設けられる冷却構造層と、この冷却構造層内に設けられ、表層と平行する方向に向かって霧を噴出する噴霧ノズルと、この噴霧ノズルに給水する給水装置とを有することを特徴とする。
このように構成することにより、噴霧ノズルから噴出された霧により冷却構造層がその内部から冷却され、その上の表層の温度上昇が抑制される。これにより、競技グラウンド表面の温度上昇抑制が図られ、競技者の負担が低減できる。また、平坦な下地層の上に、冷却構造層および表層(たとえば、人工芝層)を順に重ねれば良いので、施工が容易である。また、使用により人工芝層が損傷した場合、通常の人工芝層のみ張り替えれば良く、保守も容易である。
冷却構造層は、グラウンドの下地層と表層の間の所定の間隔を維持するための支持部材を有し、この所定間隔内に噴霧ノズルからの霧の通路が形成されるように構成できる。また、この支持部材と共に、上記の間隔をあけて上側(すなわち上記表層下の)平板状部材および/または下側(すなわち上記下地層上の)平板状部材を有する構成とすることもできる。
このようにすれば、冷却構造層を簡単な構造体とすることができ、特に競技グラウンドの表層を上側平板状部材として使用したり、該グラウンドの下地層を下側平板状部材として使用すれば、より一層簡単な構造体とすることができ、霧の通路の形成およびその強度設計が容易となる。冷却構造層内部の通路を霧が拡散することにより、冷却構造層全体の冷却に効果的となる。また、冷却構造層をパネル形状に構成することも可能となり、施工および保守が容易となる。
また、給水装置は、噴霧ノズルへの給水のために冷却構造層内に設けられた導水パイプを含むことができる。冷却構造層内に導水パイプを設けることにより、下地層の上にパネル形状に構成した冷却構造層を並べて連結することで、施工が容易となる。
しかも、上記の導水パイプを、支持部材の一部として形成することにより、冷却構造層の設計を最適化することができるのみならず、該パイプの材料によってはクッション効果をも発現し、競技者の運動からの衝撃に耐える冷却構造層を容易に得ることができる。
さらに、噴霧ノズルによる噴霧状態を検出する噴霧状態検出センサーを設け、給水装置のコントローラが、該噴霧状態検出センサーの出力に基づいて、目詰まり解消試行動作を制御することもできる。たとえば、噴霧状態検出センサーとして流量計を使用し、流量低下の検出により、ポンプ出力を上昇させることで、目詰まり解消を試行することができる。
また、コントローラが、噴霧状態検出センサーの出力に基づいて、目詰まり箇所を判定するように構成することで、噴霧ノズルの交換、冷却ブロックの交換などを容易に実施することが可能となる。
本発明によれば、施工、保守を容易に行うことができるのみならず、競技グラウンド全体をその直下で温度の上昇抑制を行うため、グラウンド全表面の安定した温度上昇抑制効果を、低施工コストで、しかも低ランニングコストで得ることができる競技グラウンドの冷却システムを提供することができる。
本発明の一実施形態による競技グラウンド冷却システムにおける人工芝グラウンドへの冷却構造層の設置例を示す図である。 本発明の一実施形態による競技グラウンド冷却システムに使用される冷却構造ブロックの構成例を示す図であり、(A)が基本例、(B)が応用例、(C)が他の応用例である。 本発明の他の実施形態による競技グラウンド冷却システムにおける人工芝グラウンドへの冷却構造層の設置例を示す図である。 本発明の一実施形態による競技グラウンド冷却システムの給水系統を示す概略構成図である。 本発明の他の実施形態による競技グラウンド冷却システムの給水系統を示す概略構成図である。 図5のシステム中のコントローラにおける処理の一例を示すフローチャートである。 図5のシステム中のコントローラにおける処理の一例を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態による競技グラウンドの冷却システムの構成を説明する。図1において、この実施形態による冷却システムが設置された競技グラウンドは、人工芝層1、その下に冷却構造層2、下地層3の順で積層されている。人工芝層1としては、通常のロングパイル人工芝、ショートパイル人工芝などを使用することができる。図1では、冷却構造層2の詳細は、省略して図示されており、その詳細は後述する。下地層3は、その表面が平坦に仕上げられていればよく、たとえば、路床の上に砕石層を設け、その上に透水性アスファルト舗装を施したものなどが使用できる。
図2(A)は、冷却構造層2を構成する1単位である冷却構造ブロック20の基本的な構成例を示す。図2(A)には、隣り合って設置される2つの冷却構造ブロック20a、20bが示されており、冷却構造ブロック20aについては、おもにその内部構造を示し、冷却構造ブロック20bについては、その内部構造を省略して図示している。2つの冷却構造ブロック20a、20bは、同じ構成を有する。
図2(A)において、冷却構造ブロック20aは、上側平板状部材21および下側平板状部材22が所定間隔をおいて平行に配置され、これら2つの平板状部材21,22を側面部材23a、23b、23c、23dで接続してなり、薄い箱形の直方体状の外形をもつ構造物である。冷却構造ブロック20aについては、その内部を示すために、上側平板状部材21を省略して図示しているが、本例では実際には、冷却構造ブロック20bに示すように、上側平板状部材21により上面が覆われ、その内部が隠されている。上側平板状部材21および下側平板状部材22は、仕切り部材24によっても接続され、略直方体状の空間による区画25a、25bが形成されている。側面部材23a、23b、23c、23d、および仕切り部材24は、内部空間を維持するための支持部材として機能する。この例では、1つの冷却構造ブロック20を2つの区画に仕切っているが、1つの区画とすることも、3個以上の区画とすることもできる。
また、上・下平板状部材21,22、側面部材23a,23b,23c,23dおよび仕切り部材24には、強度に大きな影響を与えない程度に孔を設けても良いし、ネット状にすることもできる。これにより、冷却構造ブロック20の内部空間は、その外部と連通することとなり、冷却構造ブロック20内に噴出するミスト(すなわち冷熱)を該ブロック20の上・下方、側方へ送出することができる。
これらの上側平板状部材21、下側平板状部材22、側面部材23a、23b、23c、23dおよび仕切り部材24は、例えば熱伝導率の良い弾性体の合成樹脂で形成してもよい。
合成樹脂としては、優れた耐衝撃性やクッション性を有するものが好ましく使用でき、冷却構造ブロック20は、全体としてクッション材としての役割も果たし、競技者のひざへの負担を軽減する。一般に樹脂材料の熱伝導性は、金属に比べて1乃至3桁低い(0.1〜0.3W/m・K)が、熱伝導性フィラーを混ぜることによって熱伝導率の高い合成樹脂を得ることができる。また、たとえば熱伝導率20W/m・Kを超える各種の高熱伝導性合成樹脂も開発されており、これらも使用することができる。
側面部材や仕切り部材の設置間隔が、大きい場合、クッション機能は大きくなるが、上側平板状部材21が大きく凹んで、競技者が足をとられる原因となることが考えられる。そこで、側面部材や仕切り部材は、競技者の動きにより加えられる衝撃により、上側平板状部材21が下向きに過度に凹むことがないように、適切な形状および間隔に構成される。
略円形の断面形状をもつ導水パイプ26が、側面部材23a、23c、仕切り部材24を貫通して形成されている。冷却構造ブロック20の端面は、導水パイプ26の通過のために開口している。導水パイプ26は、図示されていないポンプを介して貯水槽、上水道設備などに接続されている。
図2(B)に示すように、導水パイプ261の外径は、上側平板状部材21および下側平板状部材22の上下方向間隔とほぼ同じに設定していてもよい。これにより、導水パイプ261は、支持部材としても機能し、上方からの荷重に対してより良く耐えることができる。支持部材としての側面部材23a、23b、23c、23dおよび仕切り部材24のいくつかを適宜省略するか、または強度の小さい部材とすることも可能である。
また、図2(C)に示すように、導水パイプ262を、2つの平板状部材21,22の間隔と同じ上下方向の大きさをもつ断面が正方形または長方形の筒体としてもよく、これにより、支持部材としての機能が大きくなるよう設計することができる。導水パイプ262は、支持部材としても機能し、上方からの荷重に対してより良く耐えることができる。支持部材としての側面部材23a、23b、23c、23dおよび仕切り部材24のいくつかを適宜省略するか、または強度の小さい部材とすることも可能である。
導水パイプ26(以下、261,262も含む)は、冷却構造ブロック20の各部材、すなわち上側平板状部材21、下側平板状部材22、側面部材23a、23b、23c、23dおよび仕切り部材24と同じ合成樹脂で形成することができるし、これらの各部材を一体成形することもできる。
導水パイプ26には、噴霧ノズル27が水平方向、すなわち上・下側平板状部材21,22に対して平行の方向に向けてミスト(霧)を噴出するように設けられている。また、導水パイプ26を、ステンレス等の金属製パイプとすることもでき、この場合、側面部材23a、23cおよび仕切り部材24に貫通孔を設けたり、これら部材をネット状体とするなどして、ステンレス等の金属製の導水パイプ26を通すこともできる。
なお、上・下側平板状部材や側面部材、仕切り部材をもステンレス等の金属製とすることができる。
また、噴出されたミストの拡散を妨げない程度に、支持部材を設けることもできる。支持部材を多く設ければ、競技者による上からの衝撃にさらに耐えることができるが、ミストの拡散を妨げることにもなるので、支持部材の数、形状、大きさ、材質等は、適切に構成される。
なお、本発明において、冷却構造ブロック20は、図3(A)に示すように、下側平板状部材22のみとし、上側平板状部材21を省略して競技グラウンドの表層、図1の実施形態では人工芝層1のベース部材、を上側平板状部材として兼務させることもできる。
逆に、図3(B)に示すように、上側平板状部材21のみとし、下側平板状部材22を省略することもできる。この場合は、下地層3が下側平板状部材として兼務することとなる。
もちろん、図3(C)に示すように、上・下側平板部材21,22を省略し、支持部材である側面部材23a,・・・や仕切り部材24のみとすることもできる。これら何れの例においても、各部材に貫通孔を設けたり、各部材をネット状体で構成することで、ミストの上・下・側方向への拡散を良好に行うことができる。
また、支持部材は、以上のような板状体に限らず、例えば、ランダムな形状と大きさを有するリング状体が多数連続し、図2や図3(A)〜(C)に示す各部材で囲まれた空間内に詰め込まれた状態のもの(図3(D)参照)や、目の大きさや糸の太さが均一であっても不均一であってもよいネット状体のものが詰め込まれた状態のもの(図3(E)参照)としてもよい。もちろん、このようなリング状体やネット状体を支持部材として使用する場合には、図3(D),(E)に示すように、前述の上・下側平板部材21,22、側面部材23a,・・・や仕切り部材24は省略することもできる(全ての部材あるいは何れか1種の部材を使用してもよいことは言うまでもない)。図3(D)中、32が上記のランダムな形状と大きさを有するリング状体が多数連続して構成される支持部材(例えば、「ヘチマロン」様の構成のもの)で、図3(E)中、33が上記の目の大きさや糸の太さが均一であるいは不均一なネット状体から構成される支持部材である。
以上の実施形態によれば、競技グランドは、以下のように施工される。下地層3上に多数の冷却構造ブロック20を水平に並べて、冷却構造層2を形成する。その上に、シート状の人工芝を重ね、そのつなぎ目を処理する。冷却構造ブロック20の端部の導水パイプ26の開口部同士を一致させることにより、導水パイプ26が複数の冷却構造ブロック20にわたって連通し、給水経路が形成される。なお、これら複数の冷却構造ブロック20をあらかじめ連結しておくことにより、現地での設置が容易となる。
図4に示すように、噴霧ノズル27が取り付けられた導水パイプ26は、ポンプ60、貯水槽61、送水管62を介して水道設備に連結されている。また、ポンプ60は、温度センサー、湿度センサーなどからなるセンサー63からの信号を受けてコントローラ64により制御されるようになっており、この冷却システムは、電源スイッチ65を閉状態にすることにより、動作を開始するようになっている。
次に、このように構成された冷却システムの作用を説明する。競技開始に先立って、電源スイッチ65を閉状態にして、システムを起動する。センサー63による温度、湿度などの測定値に基づいて、コントローラ64がポンプ60に起動指令を出力する。ポンプ60が起動すると、水道設備から送水管62、貯水槽61を介して、導水パイプ26に給水され、噴霧ノズル27からミストが噴出される。噴霧ノズル27からのミストは、冷却構造ブロック20内の空間を水平方向に拡散する。すなわち、表層である人工芝層1と平行の方向に拡散する。
これにより、冷却構造ブロック20内の空間全体が冷却され、上側平板状部材21、該部材が省略されている場合には、グラウンドの表層あるいは人工芝層1のベース部材が冷却される。冷却される上側平板状部材21や人工芝層1のベース部材、あるいはグラウンドの表層の上には、人工芝層1があり、人工芝層1上の空間の温度が低減できる。これにより、足元の温度が下がり、グラウンド表面からの輻射熱が減ることで、競技者の体感としては大きな負担軽減となる。
下側平板状部材22に設けられた下側の孔31は、冷却構造ブロック20内に拡散したミストのドレインとしても機能する。降雨時には、人工芝層1を通過した雨水は、上側の孔30、冷却構造ブロック20内の空間、下側の孔31を通り、その下の下地層3へ浸透していく。
平板状部材21,22として、上記のような孔30,31を設けた板状体に替えて、ネット状体を使用することもできるし、上・下側平板状部材21,22の何れか一方あるいは双方を省略することもできる。ネット状体を使用する場合には、ネットの網目が上記の孔31と同様の作用を示し、これら部材を省略する場合には、人工芝層1のベース部材あるいは下地層3が直接上記のような作用を示すことは言うまでもない。もちろん、図3(D),(E)に示すような態様の支持部材32,33とする場合にも、優れたドレイン機能を発現することは言うまでもない。
また、上記の実施形態では、表層として、人工芝層の場合を説明したが、たとえば陸上競技場のトラック部分のようにポリウレタンまたは合成ゴムの表層である場合も、同様に本発明が適用できる。また、表層が人工芝と天然芝で構成した混合芝の競技グラウンドにも、本発明は同様に適用できる。この混合芝の場合には、ミストが天然芝への水分供給作用をも有し、天然芝育成のために別途水分を供給する必要はない。
ところで、水を使用する冷却システムにおいて、長期間の使用により、水道水などに含まれるカルシウム成分が導水パイプ26あるいは噴霧ノズル27の内部に蓄積し、目詰まりを起こし、所望の噴霧が行えなくなる可能性がある。この対策として、目詰まりを検出する機能を持たせた冷却システムの一実施形態を、図5ないし図7を参照して説明する。
図5において、複数の噴霧ノズル27−1、27−2、27−3が、導水パイプ26に設けられており、それぞれに流量計28−1、28−2、28−3が、取り付けられている。流量計28−1、28−2、28−3は、噴霧ノズル27−1、27−2、27−3それぞれに送られる水の流量を測定する。ここで、流量計28−1、28−2、28−3は、噴霧状態検出センサーとして働く。噴霧状態を検出できる限り、圧力計など、他のセンサーであってもよい。流量計28−1、28−2、28−3からの流量測定値は、コントローラ64に与えられ、所定の処理がなされて、その処理結果が、ポンプ60および表示装置66に提供されるようになっている。他の構成は、図4と同様である。図5には、噴霧ノズル、流量計が3個ずつ例示されているが、これに限られるものではなく、実際のシステムでは、より多数の噴霧ノズル、流量計が設けられることは、言うまでもない。
コントローラ64における処理を、図6および図7を参照して説明する。図6中ステップ701において、コントローラ64は、流量計28−1、28−2、28−3からの流量計測値F1、F2、F3を入力する。ステップ702において、流量計測値F1、F2、F3のそれぞれと基準値Frとを比較する。基準値Frは、噴霧が適切に行われている場合の下限の流量値に対応する。流量計測値F1、F2、F3のいずれかが基準値Fr以下である場合、システムのいずれかの箇所で目詰まりが生じたものとして、ステップ703において、出力を上昇させる指令を、ポンプ60に与える。ポンプ60の吐出量が増加し、導水パイプ26および各噴霧ノズル27に高い水圧がかかって、目詰まりの解消が期待できる。ステップ704において、ポンプ60の出力を通常の所定値に戻す。ステップ705において、ポンプ60の出力上昇動作の繰り返し回数カウント値Nに1を加える。なお、繰り返し回数カウント値Nの初期値は、1である。ステップ706において、繰り返し回数値Nが所定値Neに達しているかどうかを判定する。繰り返し回数値Nが所定値Neに達していない場合、処理をステップ701に戻す。
ステップ702において、依然として流量計測値F1、F2、F3のいずれかが基準値Fr以下である場合、ステップ703において、出力を上昇させる指令を、ポンプ60に与える。ステップ704、705へ進み、ステップ706において、繰り返し回数値Nが所定値Neに達していると判定されると、ポンプ60の出力上昇によっては目詰まりが解消できないものとして、ステップ707において、目詰まり箇所判定へ進むことを決定する。
一方、ステップ702において、流量計測値F1、F2、F3のすべてが基準値Frを上回ると判定された場合、目詰まりがない、あるいは目詰まりが解消したものとして、ステップ710において、繰り返し回数値Nを1にリセットして、処理をステップ701に戻す。このポンプ60の出力上昇動作は、システムでの目詰まり解消試行動作の一例である。
ポンプ60の出力上昇によっては目詰まりが解消できなかった場合、図7中のステップ801において、目詰まり箇所判定ルーチンを開始する。ステップ802において、流量計測値Fiと基準値Frとを比較し、流量計測値Fiが基準値Fr以下かどうか判定する。ここで、流量計測値Fiは、導水パイプ26に設けられた複数の噴霧ノズル27のうち、上流側からi番目の噴霧ノズル27iについての流量計測値である。iの初期値は、1である。流量計測値Fiが基準値Fr以下であれば、ステップ803において、噴霧ノズル27iに目詰まりが生じている可能性があると判定する。ステップ802での比較結果により、流量計測値Fiが基準値Frよりも大きいと判定された場合、目詰まりが生じていないものとし、ステップ810において、iをインクリメントし、処理をステップ802に戻す。ステップ804において、iが噴霧ノズル総数に達したかどうか、判定する。まだ、iが噴霧ノズル総数に達していない場合、ステップ811において、iをインクリメントし、処理をステップ802に戻す。
このように、ステップ802における比較は、導水パイプ26に設けられた噴霧ノズルの全てについて行われ、目詰まりが生じている可能性がある噴霧ノズル27iが特定され、ステップ804において、目詰まり判定が終了する。この目詰まり判定結果を、表示装置66に表示する。表示装置66として、たとえば液晶表示装置を使用し、導水パイプ26および噴霧ノズル27i(27−1,27−2,27−3、....)の配置を模式的に画面表示する。そして、目詰まりの可能性があると判定された噴霧ノズルについて、たとえばその色を変えるように表示する。このように表示すれば、目詰まりが生じている全ての噴霧ノズルを把握することができる。
一方、たとえば、噴霧ノズル27−2以降の下流側の全ての噴霧ノズル(27−2,27−3,27−4、....)に目詰まりが生じている可能性があると表示されている場合、実際には、噴霧ノズルの目詰まりではなく、導水パイプ26の噴霧ノズル27−2より上流側に目詰まりが生じている可能性がある。
このように、保守作業員は、表示装置66の表示を見て、導水パイプ26における目詰まりの箇所を推定することもできる。表示装置66は、視覚的表示の他、ブザー音、音声などの聴覚的表示が可能なものを含む。
保守作業員は、特定された噴霧ノズル目詰まり箇所の上にある人工芝層1をはがし、該当する噴霧ノズルのみを交換することができる。また、該当する噴霧ノズルを含む冷却構造ブロック20を交換することもできる。とくに、導水パイプ26での目詰まりが推定される場合、対応する部分の冷却構造ブロック20を交換することが良い。このように、本実施形態によれば、目詰まりが生じた場合に、その箇所を迅速に特定または推定し、支障のある冷却ブロック単位で交換することが可能であり、保守が容易となる。
1 人工芝層
2 冷却構造層
3 下地層
20、20a、20b 冷却構造ブロック
21 上側平板状部材
22 下側平板状部材
23a、23b、23c、23d 側面部材
24 仕切り部材
25a、25b 区画
26,261,262 導水パイプ
27 噴霧ノズル
28 流量計
30、31 孔
32 リング状体
33 ネット状体
60 ポンプ
61 貯水槽
62 送水管
63 センサー
64 コントローラ
65 電源スイッチ
66 表示装置

Claims (7)

  1. 競技グラウンドの下地層上に所定の間隔をあけて敷設される表層の下に設けられる冷却構造層と、
    この冷却構造層内に設けられ、前記表層と平行する方向に向かって霧を噴出する噴霧ノズルと、
    この噴霧ノズルに給水する給水装置とを有することを特徴とする競技グラウンド冷却システム。
  2. 前記冷却構造層は、前記下地層と前記表層の間の前記間隔を維持するための支持部材を有し、該所定間隔内に前記噴霧ノズルからの霧の通路が形成されていることを特徴とする請求項1記載の競技グラウンド冷却システム。
  3. 前記冷却構造層は、前記所定間隔をあけて上側平板状部材および/または下側平板状部材を有することを特徴とする請求項2記載の競技グラウンド冷却システム。
  4. 前記給水装置は、前記噴霧ノズルへの給水のために前記冷却構造層内に設けられた導水パイプを含むことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の競技グラウンド冷却システム。
  5. 前記導水パイプは、前記支持部材の一部として形成されることを特徴とする請求項4記載の競技グラウンド冷却システム。
  6. さらに、前記給水装置は、給水を制御するコントローラを含み、このコントローラは、前記噴霧状態検出センサーの出力に基づいて、目詰まり解消試行動作を制御することを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の競技グラウンド冷却システム。
  7. 前記コントローラは、前記噴霧状態検出センサーの出力に基づいて、目詰まり箇所を判定することを特徴とする請求項6に記載の競技グラウンド冷却システム。
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