JP2015152375A - 磁気吸着定量装置および磁気吸着定量方法 - Google Patents

磁気吸着定量装置および磁気吸着定量方法 Download PDF

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Abstract

【課題】試料中に含有する磁性粒子の回収挙動を把握し、磁性粒子の効率的な回収条件を見つけ出すことができる磁気吸着定量装置および測定方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る磁気吸着定量装置は、磁性粒子を含有する液体または粉体の試料5を収容するための容器11と、容器11を搭載するステージ10と、試料5を撹拌する撹拌手段と、磁性粒子を磁力により回収する吸着ユニット13と、磁性粒子の回収状況を検知し、磁性粒子を定量する検知手段24を具備する。
【選択図】図2

Description

本発明は、液体または粉体中に含まれる磁性粒子の定量に好適に適用できる磁気吸着定量装置および磁気吸着定量方法に関する。
磁性粒子は、磁力を用いて凝集・分散制御が可能であり、磁場勾配により移動・輸送が可能なため、薬物送達システム(特許文献1)、磁性粒子含有製剤(特許文献2)、除染システム(特許文献3)、ハイパーサーミア、MRI造影剤等の医療分野や除染分野などの様々な分野に応用展開されている。分析装置としては、磁性粒子を用いた試料分析装置(特許文献4)や、沈殿分画測定装置(特許文献5)が提案され、磁気分離方法としては、磁性粒子の磁気分離方法(特許文献6)、磁性粒子撹拌分離装置等が提案されている(特許文献7)。
特許文献7においては、同文献の図2aの磁性粒子回収部、図2bの磁性粒子撹拌部に示すように、反応容器を上下に移動させることにより、磁性粒子の捕捉回収と、磁性粒子の撹拌・洗浄とを行い、抗原・抗体等の測定対象物と磁性粒子などが結合した反応生成物をそれ以外の非磁性成分と分離し、反応生成物を撹拌・洗浄して分離する装置が提案されている(第38、44段落)。
特許第4183047号 国際公開第2011/096230号 特許第4932054号 特開2013−238420号公報 特開平6−213900号公報 特開2011−116752号公報 特開2011−180111号公報
磁性粒子を用いた各種応用展開には、磁性粒子の分離回収システム技術を整えることが必要不可欠であり、種々の磁気分離装置や方法が提案されてきた。
しかしながら、磁性粒子の集積挙動は、含有する磁性粒子の特性(サイズ、質量)、並びに液体または粉体の種類、濃度、粘性などに応じても変動する。また、同一の磁性粒子であっても、撹拌速度・磁力の強さに応じて集積速度・集積挙動・集積後の分散・凝集状態が異なる。また、強力な磁石を用いることにより、集積時間を短時間化することが可能になるが、局所的に捕捉された場合には、その後の処理が困難になる場合もある。これらは、例えば、特許文献7等のように血液等の生体サンプル中の抗原・抗体の有無などの少量用途の場合と、除染用途で磁性粒子を用いるなどの大量用途の場合とでも異なる。其々のサンプルにおいて最適な集積条件を容易に把握できる分析装置があれば、磁性粒子の応用展開を更に促進することが期待できる。
本発明は、上記背景に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、試料中に含有する磁性粒子の集積挙動を把握し、磁性粒子の効率的な集積条件を見つけ出すことができる磁気吸着定量装置および磁気吸着定量方法を提供することである。
本発明者らが鋭意検討を重ねたところ、以下の態様において、本発明の課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
[1] ステージ上に搭載された容器に、磁性粒子を含有する液体または粉体の試料を入れる工程(a)と、撹拌、吸着磁力および稼働時間の条件を決定する工程(b)と、その後、前記条件で、前記試料を撹拌しながら、当該試料中の磁性粒子を磁力により回収する工程(c)と、前記磁性粒子を定量する工程(d)と、を備え、工程(b)の条件変更による再測定が必要と判断する場合には、前記吸着磁力環境をオフして前記磁性粒子を前記試料中に再分散もしくは同一の試料を入れ替えて、工程(b)〜工程(d)を繰り返し行う磁気吸着定量方法。
[2] 工程(c)において、前記磁性粒子の磁力による回収挙動を検知することを特徴とする[1]に記載の磁気吸着定量方法。
[3] 工程(d)は、工程(c)により回収した前記磁性粒子の磁力、発光強度、放射線量または当該磁性粒子と反応させて得られる反応産物の測定値から、記憶保持した検量線の情報を基に当該磁性粒子を定量する、又は前記磁性粒子の質量から定量することを特徴とする[1]又は[2]に記載の磁気吸着定量方法。
[4] 磁性粒子を含有する液体または粉体の試料を収容するための容器と、前記容器を搭載するステージと、前記試料を撹拌する撹拌手段と、前記磁性粒子を磁力により回収する吸着ユニットと、前記磁性粒子を定量する検知手段と、前記撹拌手段の撹拌条件および前記吸着ユニットの動作条件をそれぞれ独立に設定する制御部と、を具備する磁気吸着定量装置。
[5] 前記撹拌手段は、前記容器内で撹拌羽を回転させる方法、前記ステージを揺動または回動させる方法、または/および前記ステージ面とは異なる方向に前記容器を移動せしめる移動機構による方法の少なくともいずれかであることを特徴とする[4]に記載の磁気吸着定量装置。
[6] 前記検知手段は、磁性粒子の回収挙動を検知する手段も備えることを特徴とする[4]又は[5]に記載の磁気吸着定量装置。
[7] 前記吸着ユニットは、磁力のオン・オフ手段を有していることを特徴とする[4]〜[6]のいずれかに記載の磁気吸着定量装置。
[8] 前記検知手段は、記憶保持した検量線の情報を基に回収した前記磁性粒子の磁力、発光強度、放射線量または当該磁性粒子と反応させて得られた反応産物の測定値から当該磁性粒子を定量する、又は前記磁性粒子の質量から定量することを特徴とする[4]〜[7]のいずれかに記載の磁気吸着定量装置。
[9] 更に、前記検知手段により測定されたデータを記憶する記憶部と、
前記データに基づいて磁性粒子の回収状況を評価するデータ解析部と、を具備する[4]〜[8]のいずれかに記載の磁気吸着定量装置。
本発明によれば、試料中に含有する磁性粒子の回収挙動を把握し、磁性粒子の効率的な回収条件を見つけ出すことができる磁気吸着定量装置および測定方法を提供できるという優れた効果を有する。
第1実施形態に係る磁気吸着定量方法のフローチャート図。 第1実施形態に係る磁気吸着定量装置の一例を示す模式図。 第1実施形態に係る磁気吸着ユニットの一例を示す模式的上面図。 第1実施形態に係る磁気吸着ユニットの別の変形例を示す模式的上面図。 図2の磁気吸着定量装置の定量方法を説明するための模式図。 第2実施形態に係る磁気吸着定量装置の模式図。 第3実施形態に係る磁気吸着定量装置の模式図。
以下、本発明を適用した実施形態の一例について説明する。なお、以降の図における各部材のサイズや比率は、説明の便宜上のものであり、実際のものとは一致しない。
[第1実施形態]
第1実施形態に係る磁気吸着定量装置は、液体または粉体の試料中に含まれる磁性粒子を定量的に測定する装置である。磁性粒子の定量は、図1に示す工程を経て行われる。即ち、ステージ上に搭載された容器に磁性粒子を含有する液体または粉体の試料を入れ(ステップ1)、試料の撹拌条件、吸着磁力条件および稼働時間を決定する(ステップ2)。次いで、ステップ2の条件で、試料を撹拌しながら、試料中の磁性粒子を磁力により回収する(ステップ3)。その後、磁性粒子を定量する(ステップ4)。これらの工程の後に、ステップ2の条件を変更した再測定が必要か否かを判断する(ステップ5)。Yesの場合には、磁性粒子を試料中に再分散させる(ステップ6)。そして、ステップ2〜ステップ4の工程をステップ5でNoと判断するまで繰り返す。ステップ5でNoと判断した場合には、定量を終了する。ステップ6においては、磁性粒子を試料中に再分散させる方法に代えて、同一の試料を新たに注入して測定することも可能である。
ステップ3の撹拌・回収工程において、磁性粒子の磁力による回収挙動を検知するようにしてもよい。これにより、磁性粒子の分離回収のための有用な知見を得ることができる。回収挙動は、例えば、透過率データ、反射率データ、撮像素子による画像データ等により検知する方法がある。
測定対象となる試料は、磁性粒子を含有する液体または粉体であり、撹拌により流動性が得られるものであれば特に限定されない。液体には、スラリーや粘性の高い液体も含む。試料中に含まれる磁性粒子の種類や濃度についても特に限定されず、極微量の磁性粒子でも高濃度の磁性粒子でもよい。
対象となる磁性粒子は、磁性特性を有する粒子であればよく特に限定されない。例えば、薬剤含有磁性粒子、除染用磁性粒子、磁気記録媒体用の磁性粒子、磁性インク、磁性トナーが挙げられる。磁性粒子の粒径は特に制限されないが、ナノ粒子、マイクロ粒子が好適である。
磁気吸着定量装置は、少なくとも磁性粒子を含有する液体または粉体の試料を収容するための容器と、容器を搭載するステージと、試料を撹拌する撹拌手段と、磁性粒子を磁力により回収する吸着ユニットと、磁性粒子を定量する検知手段とを有する。
図2に、第1実施形態に係る磁気吸着定量装置の一例の概略模式図を示す。磁気吸着定量装置1は、ステージ10、容器11、撹拌手段、吸着ユニット13、回転軸14、撹拌手段支持体15、容器固定部16、移動機構17、ストッパー18、支持体20、固定台21、検知手段24、25、制御部26等を備える。磁気吸着定量装置1の制御部26は、撹拌手段の撹拌条件および吸着ユニットの動作条件をそれぞれ独立に設定することができる。制御部26には、記憶部27、磁性粒子の回収状況を評価するデータ解析部28、ディスプレイやプリンター等の出力部29を接続することができる。なお、記憶部、データ解析部または/および出力部は、磁気吸着定量装置内に内蔵する構成としてもよい。
ステージ10は、容器11を搭載する載置台であり、第1実施形態のステージ10は、固定台21上に配置され、固定台21に対してXY面に回動可能に構成されている。固定台21は制御部26に接続され、制御部26の指示に基づいてステージ10を回動させる。回動可能なステージに代えて、若しくは併用して揺動可能なステージを用いてもよい。また、固定台21そのものをステージとして用いることも可能である。また、ステージ10は、Z軸方向に移動可能なように構成したり、XY面に対して傾斜させる構成としてもよい。
容器11は、試料を収容するための容器であり、例えば、ガラス、金属、セラミックス、プラスチックまたは複合材料により構成することができる。図2の例においては、容器11内に撹拌手段、吸着ユニット13、検知手段25が設置されている。容器11がステージ10に固設されているので、図2の例においては、ステージ10の回動に合わせて容器11自体も回動する。容器11の形状は、図2においては円柱形状の容器の例を挙げているが、フラスコ型など種々の変形が可能である。また、容器11内にセパレータを設けたり、流路を設けたりしてもよい。また、蒸発を防止したり、加温して流動性を調整したりするために、容器11内に温調、湿度制御システムを設けてもよい。
撹拌手段は、試料を撹拌する役割を担うものであり、容器11内に投入した試料を効率的に撹拌せしめることができればよく、構造は特に限定されない。図2の例においては、ステージ10、撹拌羽12、移動機構17が該当する。これらにより、容器11内に収容された試料が効率的に撹拌される。撹拌羽12は、例えばプロペラ型であり、回転軸14に接続されている。撹拌手段は、磁性粒子の吸着効率の最適化を検討可能なように、回転速度、回転動作、揺動動作、移動動作等を所望の速さや動きに設定可能なようになっている。回転羽は、着脱自在に構成し、試料の特性等に応じて変更可能なように構成することが好ましい。なお、前述の撹拌手段の部材の例は一例であり、種々の変形が可能である。例えば、ポンプ等を設けて流体に流れを付与して撹拌することもできる。
吸着ユニット13は、磁力により磁性粒子を回収・保持するユニットであり、少なくとも磁石を内蔵する。磁石の磁力は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で特に限定されない。吸着ユニット13は、撹拌手段による試料の撹拌を妨げないものであれば、設置位置や形状は問わない。図2の例においては、円柱形状の容器11の内側に、円筒状の吸着ユニットがZ軸方向に移動自在に取り付けられている。吸着ユニット13の底面部においては、質量測定部が内蔵されている。
図3に、第1実施形態に係る吸着ユニット13の模式的上面図を示す。磁石31は電磁石であり、制御部26の指示に基づいて磁力のオンオフ制御が可能なようになっている。電磁石に代えて、永久磁石を用いてもよい。磁石の種類は、磁性粒子を回収・保持できればその種類は問わない。好適な例としては、ネオジウム磁石、フェライト、Ne−Fe−B合金、サマリウム−コバルト合金等の永久磁石が挙げられる。定量後の磁性粒子の吸着ユニットからの分離を容易にする観点、磁力のオンオフや強さを容易に制御できる観点からは電磁石を用いることが好ましい。
永久磁石を用いる場合には、非磁性カバーを用いて磁力のオンオフ制御を行う方法が例示できる。例えば、図4に示すように、吸着ユニット13aは、磁石31a、非シールドカバー32、シールドカバー33を有する。非シールドカバー32とシールドカバー33は、円筒状に一体的に形成され、円心を中心に回動可能に構成されている。容器11内部に磁力を発生させるときには、磁石31aを非シールドカバー32と対面した位置で固定されるようにする。逆に、容器11内部に対して磁力を遮蔽する場合には、磁石31aがシールドカバー33に対面した位置で固定する。非シールドカバー32と対面する磁石31の面積を調整することにより、磁力を調整することができる。磁石は、容器11外の外周部に設置してもよい。また、撹拌手段と一体的に吸着ユニットを形成したり、撹拌手段と衝突しない容器内部や容器底面に吸着ユニットを設置してもよい。
撹拌手段支持体15は、回転軸14を支持し、且つ制御部26からの指示に基づいて撹拌羽12の動作を制御する。容器固定部16は、容器11をステージ10に着脱自在に固定する役割を担う。
移動機構17は、撹拌手段による撹拌方向に加えて、容器11内の撹拌位置が変わるように、ステージ面とは異なる方向に撹拌手段または/およびステージを移動する。図2の例においては、移動機構17は、制御部26の指示に基づいて、容器11内においてZ軸方向に撹拌手段を自在に移動する。移動機構17は、例えば、図2に示すように支持体20に設置できる。支持体20には、容器のサイズに応じて移動機構17のZ軸方向の移動可能位置を規制するストッパー18が設置されている。
磁性粒子の定量は、種々の方法を採用できる。第1実施形態においては、図4に示すように、吸着ユニット13を上方に引き上げて試料から分離し、吸着した磁性粒子の質量を質量センサ24により量ることにより定量する。この際、磁性粒子に含まれている水分を乾燥させてから行ってもよい。水分を乾燥させる手段としては、容器11内部を乾燥させる乾燥ユニットを設けることが好ましい。乾燥は、ヒーターを設ける方法・超音波発生装置を設置する方法等が例示できる。これらは、磁性粒子の乾燥を促すことができれば設置場所は問わないが、例えば、磁石部あるいは磁石を覆うカバー部に設けたり、容器上面部に設けたりすることができる。
磁性粒子の定量は、質量測定に代えて、他の方法により定量してもよい。定量できれば特に限定されないが、例えば、回収された磁性粒子の磁力を測定し、予め記憶保持しておいた検量線と比較する方法が挙げられる。また、蛍光(発光)物質を担持した磁性粒子の場合、吸着ユニット13により吸着された磁性粒子の蛍光(発光)強度を測定し、その測定値と予め作成しておいた検量線の情報を基に定量する方法がある。また、磁性除染剤の場合、吸着ユニット13に吸着された磁性粒子の放射線量を測定し、予め作成しておいた検量線と比較することにより定量する方法がある。また、酵素など生理活性物質や化学物質などを担持した磁性粒子の場合、酵素定量や化学反応により得られる反応産物を測定し、予め作成しておいた検量線の情報を基に定量する方法が例示できる。
検知手段として、前述の定量する手段に加え、吸着開始後のリアルタイム若しくは所定間隔の試料中の磁性粒子の捕捉挙動を解析することができる。磁性粒子の捕捉挙動の解析により、磁性粒子の集積に関するより多くの知見を得ることができる。捕捉挙動の解析方法としては特に限定されないが、第1実施形態においては、吸着ユニットの上方に撮像素子25を設け、画像データから吸着開始後のリアルタイム若しくは所定間隔の試料中の磁性粒子の捕捉挙動を解析する。撮像素子25に代えて透過率、反射率等により評価してもよい。
磁性粒子がたとえ同一でも、例えば、撹拌速度が速いと回収ユニットに対する磁性粒子の回収効率が低下し、逆に撹拌速度が遅すぎると、磁性粒子が充分に撹拌されずに捕捉効率が低下する等、撹拌条件や吸着磁力環境が異なると吸着特性が異なる。また、撹拌条件や吸着磁力環境が同じでも、磁性粒子の粒径、粒子形状、濃度、液体または粉体の流動度等に応じても磁気吸着特性が変動する。
第1実施形態に係る磁気吸着定量方法によれば、得られたデータより、各試料における最適な撹拌条件・吸着磁力の条件・稼働時間を決定することができる。また、試料中に含有する磁性粒子の吸着挙動を正確に把握し、磁性粒子の吸着時間を精密に制御することができるので、各種用途の磁性粒子の分離回収をより高効率で行うことが可能となる。
[第2実施形態]
次に、上記第1実施形態とは異なる磁気吸着定量装置の一例について説明する。第2実施形態に係る磁気吸着定量装置は、以下の点を除く基本的な構成は第1実施形態と同様である。即ち、第2実施形態に係る撹拌手段は、撹拌羽による撹拌のみであり、ステージが揺動せず、また、容器11が、着脱自在な試料収容容器に接続可能になっている点において第1実施形態と相違する。第2実施形態に係る磁気吸着定量装置は、液体試料に対して特に好適である。
図6に、第2実施形態に係る磁気吸着定量装置の模式的説明図を示す。なお、第1実施形態と同一の要素部材については、適宜、説明を省略する。
磁気吸着定量装置2は、ステージ10b、容器11b、撹拌手段である撹拌羽12、吸着ユニット13b、回転軸14、撹拌手段支持体15、容器固定部16、移動機構17、ストッパー18、支持体20、質量センサ24b、制御部(不図示)、試料タンク35、連結部36、ポンプ(不図示)等を備える。磁気吸着定量装置2の制御部には、記憶部、データ解析部、出力部等を接続したり、装置内に内蔵することができる。
ステージ10bは、固定された載置台であり、ステージ10b上に容器11が固定されている。また、ステージ10b内には、容器11bの質量を定量する質量センサ24b(検知手段)が内蔵されている。
容器11bには、その下方の側方部において、連結部36を介して試料タンク35に接続されている。連結部36は、容器11bに対して着脱自在に構成されている。測定試料は、試料タンク35から連結部36を介して容器11b内に不図示のポンプを用いて注入可能なようになっている。また、質量分析時または試料を回収時には、不図示のポンプを介して容器11bから試料が回収可能なようになっている。
撹拌手段は、撹拌羽12であり回転軸14に接続されている。吸着ユニット13bは、電磁石を有し、容器11bの外側側方に配設されている。所望のタイミングで磁力をオンオフ制御および磁力の強さが調整可能なようになっている。
ステップ3の撹拌・回収工程を経た後、吸着ユニット13bに捕捉された磁性粒子を除く試料を、試料タンク35に回収する。そして、容器11bの質量を測定して、容器11b自体の質量との差を求め、捕捉された磁性粒子を定量する。再測定が必要と判断した場合には、試料タンク35から容器11bに試料を戻し、吸着ユニット13bの磁力を解除して再測定を行う。
第2実施形態の磁気吸着定量装置によれば、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
[第3実施形態]
第3実施形態に係る磁気吸着定量装置は、図7に示すように、撹拌・吸着ユニット3、分析ユニット4、制御部26を有する。記憶部27、データ解析部28および出力部29は、磁気吸着定量装置2に含まれていてもよいし、外付けで取り付けてもよい。
第3実施形態においては、ステップ3の分離回収後、吸着ユニット13に集積した磁性粒子を試料と分離して乾燥し、その後、容器11から取り出して分析ユニット4にて測定する。その後、再測定が必要な場合には、分析ユニット4から撹拌・吸着ユニット3に磁性粒子を戻し、再測定を行ったり、別に用意してある同一サンプルで条件を設定して再測定を行う。分析ユニットとして、既存の装置を接続してもよい。分析装置は、例えば、質量分析装置、吸光度測定装置、磁気測定装置、蛍光測定装置等が挙げられる。
第3実施形態に係る磁気吸着定量装置によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、分析ユニットを外付けのユニットとすることにより、定量手段の選択肢を増やすことができるというメリットがある。
なお、上記実施形態は一例であり、本発明の趣旨に合致する限り、他の実施形態も本発明の範疇に含まれることは言うまでもない。また、上記実施形態は、互いに好適に組み合わせることができる。例えば、複数の試料を同時に測定できるように容器等のユニットが複数設置されていてもよい。また、回転速度、回収ユニットの磁力の強さ等を連続的または断続的に変更して、磁性粒子の挙動を連続的または断続的に評価してもよい。
磁性粒子を用いる液体または粉体の試料の分離回収の定量ができるので、バイオ・医療・除染等をはじめとする磁性粒子含有試料の高効率な分離回収挙動の解析に広範に適用できる。
1、2 磁気吸着定量装置
3 磁気吸着ユニット
4 分析ユニット
5 試料
10 ステージ
11 容器
12 撹拌羽
13 吸着ユニット
14 回転軸
15 撹拌手段支持体
16 容器固定部
17 移動機構
18 ストッパー
20 支持体
21 固定台
24 質量センサ(検知手段)
25 撮像素子(検知手段)
26 制御部
27 記憶部
28 データ解析部
29 出力部
31 磁石
32 非シールドカバー
33 シールドカバー

Claims (9)

  1. ステージ上に搭載された容器に、磁性粒子を含有する液体または粉体の試料を入れる工程(a)と、
    撹拌、吸着磁力および稼働時間の条件を決定する工程(b)と、
    その後、前記条件で、前記試料を撹拌しながら、当該試料中の磁性粒子を磁力により回収する工程(c)と、
    前記磁性粒子を定量する工程(d)と、を備え、
    工程(b)の条件変更による再測定が必要であると判断する場合には、前記磁性粒子を前記試料中に再分散もしくは同一の試料を入れ替えて、工程(b)〜工程(d)を繰り返し行う磁気吸着定量方法。
  2. 工程(c)において、前記磁性粒子の磁力による回収挙動を検知することを特徴とする請求項1に記載の磁気吸着定量方法。
  3. 工程(d)は、工程(c)により回収した前記磁性粒子の磁力、発光強度、放射線量または当該磁性粒子と反応させて得られる反応産物の測定値から、記憶保持した検量線の情報を基に当該磁性粒子を定量する、又は前記磁性粒子の質量から定量することを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気吸着定量方法。
  4. 磁性粒子を含有する液体または粉体の試料を収容するための容器と、
    前記容器を搭載するステージと、
    前記試料を撹拌する撹拌手段と、
    前記磁性粒子を磁力により回収する吸着ユニットと、
    前記磁性粒子を定量する検知手段と、
    前記撹拌手段の撹拌条件および前記吸着ユニットの動作条件をそれぞれ独立に設定する制御部と、を具備する磁気吸着定量装置。
  5. 前記撹拌手段は、前記容器内で撹拌羽を回転させる方法、前記ステージを揺動または回動させる方法、または/および前記ステージ面とは異なる方向に前記容器を移動せしめる移動機構による方法の少なくともいずれかであることを特徴とする請求項4に記載の磁気吸着定量装置。
  6. 前記検知手段は、磁性粒子の回収挙動を検知する手段も備えることを特徴とする請求項4又は5に記載の磁気吸着定量装置。
  7. 前記吸着ユニットは、磁力のオン・オフ手段を有していることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の磁気吸着定量装置。
  8. 前記検知手段は、記憶保持した検量線の情報を基に回収した前記磁性粒子の磁力、発光強度、放射線量または反応産物の測定値から当該磁性粒子を定量する、又は前記磁性粒子の質量から定量することを特徴とする請求項4〜7のいずれか1項に記載の磁気吸着定量装置。
  9. 更に、前記検知手段により測定されたデータを記憶する記憶部と、
    前記データに基づいて磁性粒子の回収状況を評価するデータ解析部と、を具備する請求項4〜8のいずれか1項に記載の磁気吸着定量装置。
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