JP2015150678A - 移動ロボットの移動制御方法 - Google Patents
移動ロボットの移動制御方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2015150678A JP2015150678A JP2014029793A JP2014029793A JP2015150678A JP 2015150678 A JP2015150678 A JP 2015150678A JP 2014029793 A JP2014029793 A JP 2014029793A JP 2014029793 A JP2014029793 A JP 2014029793A JP 2015150678 A JP2015150678 A JP 2015150678A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mobile robot
- trajectory
- contact point
- center
- gravity
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B25—HAND TOOLS; PORTABLE POWER-DRIVEN TOOLS; MANIPULATORS
- B25J—MANIPULATORS; CHAMBERS PROVIDED WITH MANIPULATION DEVICES
- B25J9/00—Programme-controlled manipulators
- B25J9/16—Programme controls
- B25J9/1602—Programme controls characterised by the control system, structure, architecture
- B25J9/1605—Simulation of manipulator lay-out, design, modelling of manipulator
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B62—LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
- B62D—MOTOR VEHICLES; TRAILERS
- B62D57/00—Vehicles characterised by having other propulsion or other ground- engaging means than wheels or endless track, alone or in addition to wheels or endless track
- B62D57/02—Vehicles characterised by having other propulsion or other ground- engaging means than wheels or endless track, alone or in addition to wheels or endless track with ground-engaging propulsion means, e.g. walking members
- B62D57/032—Vehicles characterised by having other propulsion or other ground- engaging means than wheels or endless track, alone or in addition to wheels or endless track with ground-engaging propulsion means, e.g. walking members with alternately or sequentially lifted supporting base and legs; with alternately or sequentially lifted feet or skid
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Combustion & Propulsion (AREA)
- Transportation (AREA)
- Automation & Control Theory (AREA)
- Robotics (AREA)
- Manipulator (AREA)
Abstract
Description
多点接触移動に対応すべく開発された制御システムが例えば特許文献2に開示されている。(ただし、特許文献2に開示されている方法で滑らかな多点接触移動を実現できるとは言えず種々の問題を抱えている。詳しくは実施形態のなかで説明する。)
二以上の移動手段を交互に接地しながら移動する移動ロボットの移動制御方法であって、
前記移動手段が接地する接触点の位置を時系列のデータとした接触点計画を設定する接触点計画設定工程と、
前記接触点計画設定工程で設定したように前記移動手段を接触点に接地しながら移動するための軌道を生成する軌道生成工程と、を備え、
前記軌道生成工程は、
軌道が発散する場合には接触点の位置を変更する工程を含む
ことを特徴とする。
前記軌道生成工程は、
移動ロボットへの制御入力と移動ロボットの運動との関係を記述する予測モデルを構築して、この予測モデルによって所定時間幅の予測区間における移動ロボットの状態変化を表わし、
前記予測区間において、力学的釣り合いに基づく制約条件と所定の安定性評価基準とを用いて移動ロボットの安定性を確保できる制御入力の時系列データを求め、
この求まった制御入力と前記予測モデルとから、移動ロボットの軌道を得るものであり、
前記制約条件に制約を緩和するスラック変数を含めるとともに、
前記安定性評価基準にスラック変数を含ませるにあたって、制約条件下で安定な軌道が求解できる場合には前記スラック変数ができるかぎり実質的にゼロになり、制約条件下で軌道が発散する場合にはスラック変数に実質的にゼロ以上の値が発生するようにし、
さらに、発生したスラック変数の値を打ち消すように接触点の位置を変更する工程を含む
ことが好ましい。
前記制約条件にスラック変数を含めるにあたっては、
移動ロボットの重心のX軸回りモーメントの釣合い式と、移動ロボットの重心のY軸回りモーメントの釣合い式と、にそれぞれスラック変数を導入する
ことが好ましい。
ただし、X軸およびY軸は、鉛直方向であるZ軸に垂直な面内で互いに直交する軸である。
前記予測区間を、位置を変更できる接触点が無い調整不能サブ区間と、位置を変更できる接触点が一つ以上有る調整可能サブ区間と、に区別し、
前記調整可能サブ区間にのみ実質的にゼロ以上のスラック変数が発生することを許容する
ことが好ましい。
前記制約条件の式には、移動ロボットの重心鉛直軌道と重心回りモーメント軌道とを含んでおり、
前記軌道生成工程は、
予測区間内において、移動ロボットの重心鉛直軌道と重心回りモーメント軌道とを一度仮設定する工程と、
前記安定性評価基準の関数を制約条件のもとで一度求解した後、その結果に応じて、予測区間内において移動ロボットの動作が安定するように接触点の変更および重心鉛直軌道と重心回りモーメント軌道との修正を行い、
変更後の接触点位置、修正した重心鉛直軌道および重心回りモーメント軌道を用いて少なくとも一回以上、前記安定性評価基準の関数の求解を再計算する
ことが好ましい。
前記軌道生成工程において予測区間内で軌道を求め、
この予測区間の最初の一点のデータを現在の入力値として移動ロボットを駆動させ、
予測区間を微小時間だけ進めて、前記軌道生成工程を繰り返す
ことが好ましい。
二以上の移動手段を交互に接地しながら移動する移動ロボットであって、
前記移動手段が接地する接触点の位置を時系列のデータとした接触点計画を設定する接触点計画設定部と、
前記接触点計画設定部で設定したように前記移動手段を接触点に接地しながら移動するための軌道を生成する軌道生成部と、を備え、
前記軌道生成部は、
軌道が発散する場合には接触点の位置を変更する
ことを特徴とする。
前記軌道生成部は、
移動ロボットへの制御入力と移動ロボットの運動との関係を記述する予測モデルを構築して、この予測モデルによって所定時間幅の予測区間における移動ロボットの状態変化を表わし、
前記予測区間において、力学的釣り合いに基づく制約条件と所定の安定性評価基準とを用いて移動ロボットの安定性を確保できる制御入力の時系列データを求め、
この求まった制御入力と前記予測モデルとから、移動ロボットの軌道を得るものであり、
前記制約条件に制約を緩和するスラック変数を含めるとともに、
前記安定性評価基準にスラック変数を含ませるにあたって、制約条件下で安定な軌道が求解できる場合には前記スラック変数ができるかぎり実質的にゼロになり、制約条件下で軌道が発散する場合にはスラック変数に実質的にゼロ以上の値が発生するようにし、
さらに、発生したスラック変数の値を打ち消すように接触点の位置を変更する
ことが好ましい。
(第1実施形態)
本実施形態は移動ロボット制御装置に特徴があり、具体的には、移動ロボットの移動動作を制御するための軌道生成に特徴を有するのであるが、具体的な制御(軌道生成)を説明する前に、制御対象となる移動ロボットのハードウェア構成について予め説明しておく。
移動ロボット100は、股関節が3軸、膝関節が1軸、足首関節が2軸、さらに、肩関節が3軸(肩ピッチ、肩ロール、肩ヨー)、肘関節が1軸(肘ピッチ)、および、手首関節が3軸(手首ヨー、手首ピッチ、手首ロール)、で夫々構成されている。
(移動ロボットの機械構成はこれに限定されないが、手(腕)の自由度は6以上、足(脚)の自由度も6以上は必要である。)
移動ロボット100は、各関節にエンコーダ付きモータ1、2、・・・、28を有している。
各関節のモータ(関節駆動手段)1a、2a、・・・、28a(図3)は、各関節の関節角度θ1、θ2、・・・、θ28を調整できる。
一方、各関節のエンコーダ(関節角度検出手段)1b、2b、・・・、28bは、各関節の関節角度θ1、θ2・・・、θ28を計測することができる。
ここで接触力とは6軸力であり、図4に示すように、x軸、y軸およびz軸方向の力fの組(fx、fy、fz)Tと、x軸回り、y軸回りおよびz軸回りの力τの組(τx、τy、τz)Tと、である。
(なお、x軸およびy軸は、鉛直方向であるz軸に垂直な面内で互いに直交する軸とする。)
そこで、本明細書の以下の説明では、右足、左足、右手および左手を接触点候補と称することがある。
また、手先、足先というのは、すなわち、移動手段のことである。
移動ロボット100は、各関節のモータ1a〜24a及びエンコーダ1b〜24bと、力センサ25と、コントローラ210と、を備えている。
コントローラ210は、ユーザから指令される接触点計画を格納する接触点計画設定部221と、安定に実行できる軌道を生成する軌道生成部222と、生成された軌道に従って移動ロボット100の全身動作を実行させる動作制御部223と、を有する。
ここで、軌道生成部222は、接触点計画に従った動作を実行できる軌道を生成するのであるが、軌道生成には必要に応じた接触点変更を含む。
これら機能部の具体的な処理動作については後述する。
本発明のポイントは、(1)多点接触移動を実現できる軌道を生成し、かつ、(2)必要に応じて接触点の変更を行うこと、にあり、本件出願時点において本願が権利請求したいポイントはどちらかといえば後段、つまり、多点接触移動の安定性を向上させるように接触点を変更(修正)できるようにすること、にある。
しかし、多点接触移動のための軌道生成方法が現時点において公知技術とも言えないので、まず、(1)多点接触移動を実現できる軌道を生成するための方法を説明する。
なお、本出願人は、特願2013-254989(平成25年12月10日出願)においてこの方法を出願しているが、未だ公開されていない。
本願としては、特許文献2の方法で多点接触移動の軌道を生成しつつ、さらに後述する方法で接触点修正を行ってもよい。
(もっというと、本発明の主眼は「(2)必要に応じて接触点の変更を行うこと」にあるのであるから、特許文献2の方法に限らず多点接触移動を実現できれば軌道生成のための個別具体的な方法は限定されない。)
つまり、本願としては軌道生成方法として特許文献2の方法を排除するわけではないのだが、特許文献2の方法には次のような問題があることを指摘しておく。
特許文献2に開示の技術では、接触点の計画だけではなく、目標重心位置や目標運動量を与えないと安定な軌道を作れないという問題がある。
そもそも、将来の目標重心位置を予め知ることはできないのであり、制御目標値として未知であるはずの将来の重心位置をユーザが設定するというのは無理がある。
ユーザとしてはロボットに接触点の計画だけを与え、あとは、ロボットが設定された接触点の計画に基づいて自動的に安定な重心軌道を生成して自律的に移動してくれることが望ましい。
また、特許文献2に開示の技術では、接触点の切替(接触状態の遷移)に伴う力の変化が急峻になってしまい、滑らかな力の遷移が実現できないという問題もある。
このために本発明者はモデル予測制御を用いることを試みた。
最初にモデル予測制御の概要を説明しておく。
例えば図1に図示したような移動動作をロボットに行わせたいとする。
ここでは、2本の腕と2本の脚とを有する人型ロボットに、テーブルの奥側にあるボトルを掴ませるという一連の動作を想定する。
この場合、ユーザは、この一連動作(タスク)を実行できるような接触点計画を作成する。
つまり、図6のように、手先および足先を、どの順番で、どこに、どのように、着くか、という計画を作成する。
図6においては、床、壁およびテーブルにおいて足先および手先を接触させる箇所にマークを付けている。
接触点計画は、左手(LH)、右手(RH)、左足(LF)および右足(RF)に関し、どの順番で、どこに、どのように、着いていくか、という時系列のデータである。
図1、図6および図7の対応関係を簡単に説明する。
当初(t0)左足1本だけで立ち、遊脚である右足を前に振り出し、そして、右足を着地させる(t1)。
この動きの計画を移動ロボットに指令するには、左足が最初に着地している床上の接触点の座標PLF1、そのときの左足の姿勢rLF1、そして、右足が着地する床上の接触点の座標PRF1、そのときの右足の姿勢rRF1、を指定することが必要である。
ここで、接触点の座標は、空間座標としてP=(Px、Py、Pz)の組で表わされる。
また、姿勢というのは、接触点に着地したときの足の裏面の向きであり、例えばオイラー角の組としてr=(rx、ry、rz)として表わされる。
(すなわち、rx、ryおよびrzは、ロール、ピッチおよびヨー角をそれぞれ表わす。)
足に関する接触点の座標およびそのときの姿勢を指令する形式は今後の説明でも同様なので、以後は適宜説明を省略する。
その間に、左手を壁に着くようにする(t3)。
ここで、左手を着く壁上の接触点の座標PLH1、および、そのときの左手の姿勢rLH1を指定する。
この接触点の座標は空間座標としてP=(Px、Py、Pz)の組で表わされ、姿勢は接触点に着いたときの手の平の向きとしてオイラー角の組としてr=(rx、ry、rz)として表わされる。
このようにしてユーザにより接触点計画が時系列のデータとして作成される。
このとき、軌道生成にあたって、移動ロボットはモデル予測制御を行う。
すなわち、ある時間幅を持った予測区間内で移動ロボットが安定移動できる軌道を生成し、予測区間を微小時間(Δt)ずつシフトさせながら安定動作を行える軌道を順次更新していくようにする。
例えば、図8に予測区間の例を示す。
現在から所定時間(例えば1.6秒)先の未来までを予測区間として設定する。
この予測区間での動きをイメージしたものが図9である。
このように、ある時間幅を持つ予測区間で安定な軌道を生成した上で、最初の一点だけを現在の入力値として使用する。
これを繰り返すことで移動ロボットは安定に移動することができる。
具体的には、各接触点における接触力の二乗和と、前記6軸力の微分値の二乗和と、を含む評価関数Jを最小化するという問題を解くことで、多点接触移動の安定軌道を求める。
この解法により、ある予測区間内で安定な多点接触移動を実現するための、重心位置、重心速度、接触力および接触力の微分値の時系列データが得られることを示す。(ここからの説明では、まず、接触点計画で指示された通りの位置(接触点)に手足を着くことだけを考える。つまり、接触点を変更することは考えない。必要に応じて接触点を変更してもいいようにするには条件式や評価式を緩和するなどの処置が必要になるが、これについてはさらに後ほど詳しく説明する。)
移動ロボット全体の慣性を一つの重心Gで表わす。各接触点には6軸力を定義する。
例えば接触点の候補が左手、右手、左足、右足の4点であれば、n=4(左手:LH=1、右手:RH=2、左足:LF=3、右足:RF=4)とすればよい。ただし、床や壁に接触していない接触点候補については接触力を0にするように拘束条件を設定しておく。例えば図11の例であれば次のようにする。
さて、ここで、本発明者らは、予測区間内において安定な軌道を生成するために次ぎのような評価関数Jを導入した。
重みの意味や接触点候補にどのように重みを配分するかなどの考え方については後ほど詳しく説明する。ここでは、例えば、接触点候補すべてに力を均等配分すると考えて、Qiはすべて1とし、Riはすべて1×10−6とするようなことをイメージして頂ければよい。
この第1項には、次の作用が含まれている。
(1)各接触点への接触力を均等分配すること。これにより、重心をできる限り安定な位置に動かすという効果がある。
(2)不必要な内力を打ち消すこと。
(3)接触点の接地安定性を高めること。すなわち、接触面内の反力中心点を接触面の中心に設定するという効果がある。
この第2項には次の作用が含まれている。
(1)重心の発散を抑制すること。
(2)滑らかに接触力を切り替えていくこと。
「高い接触安定性、滑らかな接触力遷移、最低限の内力、といった条件を満たしながら、安定な重心軌道と各接触点の接触力とを出力する」
ということを意味することとなる。
拘束条件としては、
(2)式のように非接触の接触点候補に対して6軸力が0という拘束、
(6)式の鉛直方向の力の釣り合いの拘束、および、
(6)式のxy軸回りのモーメントの釣り合いの拘束、
が予測区間の全サンプリング点に渡って成り立つ必要がある。
ここで、例えば、あるサンプリング点jにおいて、i番目とi+2番目の接触点が非接触であったとする。
この時、(2)式および(6)式は次のように記述できる。
もしも、重心鉛直軌道や重心回りモーメントが定まっていない場合には仮の値を設定して利用する。例えば、一つ前の制御サイクルで用いた重心鉛直軌道、重心回りモーメントを仮の値として利用してもよい。
もしくは、重心鉛直軌道、重心回りモーメントは予測区間内においては現時点の状態から動かない、と仮設定してもよい。
そして、仮の値で一度計算したあとで、得られた結果を用いて重心鉛直軌道、重心回りモーメントを更新し、求解を繰り返す。
このようにして、重心鉛直軌道や重心回りモーメントについても既知の値として計算を進行させ、ずれについては更新計算のなかで修正するとする。
図13に接触点の座標系(上添え字l(エル)がついている)と、接触多角形(接触点の支持多角形)と、を示した。
接触点の座標系は、接触点を原点とし、かつ、接触面の姿勢riに合わせて定義されているとする。
ここで、接触点の座標系で定義される接触力(6軸力)θi lを次のように表わす。
θi l=[fix l、fiy l、fiz l、τix l、τiy l、τiz l]T
すると、接触力(6軸力)θi lは、接触面の姿勢行列Φi=rot(ri)を用いて次ぎのように表現できる。
なお、rotは、オイラー角を姿勢行列に変換する関数である。
(1)接触点が離れないこと、
(2)接触点が滑らないこと、
(3)接触点が剥がれないこと、
という3つの条件を満たす必要がある。
上記3つの要件が理解しやすいように、図14に、接触点が不安定化する場合を例示した。
(xi1 l, yi1 l),・・・・・(xih l, yih l)
を用いて以下のように表される。
(ただし接触多角形の頂点は反時計回りに順に与えられているとする)。
まずj番目のサンプリング点において全接触点が(25)式を満たす為の条件は次のように書ける。
QPの求解後は、重心軌道と各接触点の接触力とが次ぎのようにして計算される。
X[k+1]というのは、(7)式と(10)式とを見てわかる通り、重心のx座標、重心のx軸方向速度、重心のy座標、重心のy軸速度、および、各接触点の接触力(6軸力)の時系列データである。
上記の演算過程およびこの演算で求められる結果を見て分かるように、ここでいう「軌道」というのは、重心の三次元的軌道に加えて、各接触点で発生すべき接触力(6軸力)の時系列データを含めて考えると分かりやすいであろう。
なお、移動ロボットを移動させるための「軌道」といえば一般的には手先、足先の軌道も含む概念であろうが、ここまでの説明における「軌道」には、手先、足先の軌道を含んでいてもいなくても大差無い。
接触点計画通りに手足を着くことを前提にすれば、手先、足先の軌道は、接触点計画、重心軌道および接触力の時系列データから補間によってほぼ自動的に決定され得る。
(ただし、後述するように、接触点の変更まで考慮にいれるようになると、手先、足先の軌道も重要になってくる。)
ここまでの説明では、接触点計画通りに手足を着くことを前提にしていた。しかし、各種外乱があるような場合には接触点計画通りに手足を着くだけではロボットの安定軌道が定まらないという事態が起こりうる。例えば、ロボットが後ろから強く押される等して大きな外乱が入ったとする。すると、後ろから押された分だけ、ロボットの重心は大きな速度を持つ。このようにロボットの重心に大きな速度が発生した状態からモデル予測制御で軌道を求めたとする。つまり(29)式を解いて(30)式のように求解しようとしたとする。この場合、接触点で発生可能な接触力では止めきれず、軌道が発散してしまうという事態になる。
(32)式を見てもらうと、スラック項は二重シグマ計算の外にある。
このことは、イメージ的にいうと、予測区間内においてモーメントの釣り合いを保てず重心軌道が発散してしまうような場合には、予測区間全体でロボットが少し傾いたような状態の解を許容する、といった感じである。(ただし、予測区間内においてもスラック変数の発生を許容できる場合と許容できない場合がある。これは後述する。)
制約条件((31)式)を次のように書き直す。(先ほどの(31)式では、d[j]のなかにスラック項を含ませていたが、スラック項を明示的に表わすようにする。)
すなわち、場合分けが必要になる。
この場合分けは、予測区間内において、
位置を変更できる接触点があるサブ区間と、
位置を変更できる接触点がないサブ区間と、を区別する、ということである。
後述するように、スラック変数が発生するような場合には接触位置を変更することによってスラック項を打ち消し、最終的にはスラック変数が発生しないような軌道を生成しなければならない。
なお、一点でも位置変更可能な接触点があれば、その時点以降はすべて「位置を変更できる接触点があるサブ区間」とする。
(38)式の要素を明示的に書くと次のようになる。
ここでは、前半はスラック項を0とし、後半はスラック項を許容するように表現している。
これは、予測区間の内の前半が「位置を変更できる接触点がないサブ区間」(調整不能サブ区間)で、予測区間の内の後半で「位置を変更できる接触点があるサブ区間」(調整可能サブ区間)となる場合を分かりやすく表現したものである。
いつもこの通りになるとは限らない。例えば、予測区間の全体が「位置を変更できる接触点がないサブ区間」(調整不能サブ区間)になることも有り得る。
しかし、予測区間の全体が「位置を変更できる接触点がないサブ区間」(調整不能サブ区間)の場合を取り上げていては以後の話しが続かないので、予測区間内に調整可能サブ区間を持つ場合を例にしたのである。
(スラック変数が必要に応じて発生するので、必要であればスラック変数を含んだ形のUε[k]が求まるのであるが、とりあえずスラック変数は度外視してU[k]を(30)式に代入すれば、X[k+1]が求まる。つまり、xy重心軌道と各接触点で発生させる力(6軸力)が求まる。)
このとき、スラック変数に値を発生させてもよい場合、すなわち、「位置を変更できる接触点があるサブ区間」(調整可能サブ区間)においてどうしても釣り合い式を満たせない場合にはスラック項に値が入った形で解(Uε[k])が求まることになる。
これによって軌道の発散は回避されるのであるが、スラック項の値は接触位置の変更によって補償しなければならない。
なお、厳密にいうと、スラック変数が無くても釣り合い式を満たせるような場合であってもスラック変数は完全に0(ゼロ)ではなく、計算の結果としてはスラック変数には極微小ながら値が発生する。例えば、10のマイナス10乗などのオーダーでスラック変数が発生した形で求解される。しかし、10のマイナス10乗などのオーダーの値は常識的に考えて実質的にゼロといっていいであろう。
発生したスラック変数値から安定性維持に必要な接触位置変更量を求める計算処理について説明する。
(45)式を求解するとUε[k]が求まり、εが得られるので、(33)式を用いてεx、εyが得られる。
ここで、第i接触点の接触位置変更量Δpiを次のように表わし、(6)式のモーメント釣合式に加える。すると、次の(46)式のようになる。
すなわち、接触面内を平行移動する形で接触位置変更を行うこととする。歩行の場合でいうと、予定していた地面上の着地位置を地面上で平行移動させることに相当する。
上式を符号に留意してまとめると次のように表せる。
例えば図18に示した例で言うと、まず、「位置を変更できる接触点がないサブ区間」(調整不能サブ区間)では当然ながら接触位置変更量が存在しない。
また、「位置を変更できる接触点があるサブ区間」(調整可能サブ区間)においても、実際に着地(着手)位置を変更できる対象があるところにだけ接触位置の変更量を定義できる。
具体的にいうと、ΔpLF2 l(左足の着地位置変更)はk+s〜k+Nの範囲でのみ許容でき、ΔpRF2 l(右足の着地位置変更)がk+Nのみで許容される。
(分かりやすいように、iをLFやRFと表わした。)
これを解くことによって安定性を維持する為に必要な最小限の接触位置変更量を求めることができる。
なお、接触力変更量をある凸領域内に制限する(可動範囲の考慮)等の機能も、(59)式の不等式制約条件に条件を追加することで容易に実現できる。
移動ロボットの移動制御方法を説明する。
図19は、移動ロボットの移動制御方法の全体フローである。
移動ロボットの移動制御の工程には、大きく分けて、接触点計画の設定(ST100)と、軌道生成(ST200)と、動作指令(ST300)と、動作制御の実行(ST400)と、がある。
入力された接触点計画は、コントローラ210の接触点計画設定部221に記憶される。
図20、図、図に軌道生成工程(ST200)の手順を説明するための詳細なフローチャートを示す。
軌道生成工程(ST200)はコントローラ210の軌道生成部222にて実行される。
まず、ST201において、軌道生成部222は現在状態x[k]を設定する。ここで、現在状態(x[k])として設定すべきは、現在の重心のx座標、重心のx軸方向速度、重心のy座標、重心のy軸速度、および、各接触点の接触力(6軸力)である。各接触点における接触力は力センサ25からの検出値によって得ることができる。重心のx座標、重心のx軸方向速度、重心のy座標および重心のy軸速度は、現在の移動ロボットの状態から推定して求める値である。例えば、各エンコーダのセンサ値を取得して移動ロボットの全身姿勢を把握した上で、重心のx座標、重心のx軸方向速度、重心のy座標および重心のy軸速度を求めてもよい。あるいは、想定している姿勢に対して実際の移動ロボットの姿勢がどの程度傾いているか(ずれているか)を把握することによって、重心位置を修正するようにしてもよい。
(先の式の展開でいうと、重み(Qi、Ri)は、(11)式のところで評価関数Jに組み込まれたことを確認されたい。もちろん、制約を緩和してスラック項を取り込んだ(32)式の評価関数J1にもこの重み(Qi、Ri)は引き継がれている。)
重み(Qi、Ri)は、ユーザが予め設定入力しているもので、軌道生成部222は、必要に応じて読み出し、更新設定する。
(更新する必要がなければ、再設定の必要はない。)
接触点候補すべてに力を均等配分する場合には、例えば、Qiをすべて1とし、Riをすべて1×10−6とするなどしてもよいが、もっと細かく設定することもできる。
この重みを調整することで、接触力の変化をどれぐらい滑らかにするかや、手先にはあまり力を掛けないようにする、などの調整ができる。
例えば、足に比べて手が弱い(脆弱な)移動ロボットであって手に荷重を掛け過ぎるとよくないという場合には、手の重みを「大きく」する。重みを大きくするほど、重みに乗算されている手のθiなどが小さくなるので、手には接触力の分配が小さくなる。
スラック項重みρは、(32)式のところで導入されたことを確認されたい。QやRとスラック変数重みρとの比(バランス)によってスラック変数の発生をどの程度許容するかを決めることができる点は前述の通りである。
これは、図8で説明したように、現在から所定の時間幅(例えば1.6秒)を予測区間として設定する、ということである。
次ステップの演算工程(ST206)で(45)式(凸二次計画問題)を解いて、重心のxy方向軌道、各接触点の接触力および接触力微分値、を得るのであるが、しかし、この求解には、各接触点の位置、姿勢、重心鉛直軌道、および、重心回りモーメントが与えられていることが前提となる。
予測区間内における各接触点の位置および姿勢は、接触点計画で与えられる。
一方、この予測区間内における重心鉛直軌道および重心回りモーメントは、未知である。そこで、演算工程(ST206)で(45)式(凸二次計画問題)が解けるように重心鉛直軌道および重心回りモーメントを一回仮設定する。
(例えば、重心高さは変化しない、と仮定してもよい。)
もしくは、一つ前の制御サイクルで用いた重心鉛直軌道、重心回りモーメントを仮の値として利用してもよい。
予測区間は1.6秒ほどの微小な時間であり、最終的に求まる安定軌道においてもこの間の重心高さの変化はやはり微小である。
したがって、一回目の仮計算としては、重心高さが変化しないとしても、前回の制御周期と同じであるとしても計算は進められる。
移動ロボットをリンク同士が関節でジョイントされたリンク構造体と見なすと、重心回りモーメントは、各リンクに分布した質点の運動によって重心の回りに発生するモーメントの合計値である。
移動ロボットが図23に示すような多質点モデルで表されており、M個の質点がそれぞれ、
質量:mi、
位置:si=[xi、yi、zi]T
のパラメータを持っているとする。
移動ロボット全体の重心をG=(Gx、Gy、Gz)Tとすると、重心回りモーメントは次のように表わされる。
具体的には、(45)式の第1凸二次計画問題を解くということである。
予測区間内において、接触点おのおのに力を適切に分散させつつ、なおかつ、この接触力を実現しながら重心(ここでの重心はxとy)が安定に遷移するような軌道が求められるわけである。
具体的には、Hε、Fε、Pε、Sε、Vε、Wεが求まり、さらに、Uε[k]が求まる。
(このUε[k]は接触力微分値のベクトルであり、さらに、(34)式でスラック変数を含むように拡張したことを思い出されたい。さらに、Vεにおいて、「位置を変更できる接触点がないサブ区間」(調整不能サブ区間)と、「位置を変更できる接触点があるサブ区間」(調整可能サブ区間)と、を区別したことを思い出されたい。(43)式参照。)
接触点計画においては、接触点とそのときの姿勢だけが設定されている。さらに、先のST207Bにおいて安定性を維持できるように接触位置の変更を行った。これらを踏まえて、各接触点間を結ぶように手先、足先の補間軌道を求める。すると、図24のように、接触点計画で指示された接触点同士の間が埋まる。
まず、重心鉛直軌道を修正する。
これまでの工程により、重心のxy方向の軌道と、手先足先の軌道と、が得られている。(さらに、重心鉛直軌道も仮設定している。)これに基づいて、予測区間内における移動ロボットの姿勢の変化を推定することができるが、このとき、膝や腕が伸びきってしまうなど安定しない要因がある場合には安定するように重心鉛直軌道を調整する。例えば、膝が伸びきりそうになったら重心鉛直軌道を下げる、といった調整を行う。予測区間内における移動ロボットの姿勢が決定したら、それに基づいて重心回りモーメントの計算を行う。
この繰り返し演算(ST206)によって修正された重心鉛直軌道および重心回りモーメントを用いて再度Xout[k+1]およびUΔ[k]が求まる。
このようにして、予測区間内において移動ロボットの安定な移動を実現する、重心位置、重心速度、必要な接触点位置の変更、および、接触力の時系列データが求まった(ST211)。
本実施形態においては、重心および手先足先の軌道に加えて、各接触点における接触力も動作指令として与えられる。そこで、まず、各接触点で指示された接触力が発生するように手先足先の位置(軌道)を微修正するという工程が必要になる(ST410)。例えば、手先をテーブルに着いているときに、比較的大きな接触力が指示された場合には、手先をテーブルに押し込むように手先の軌道を微修正する。
このとき、もし接触点計画通りの着地(着手)ではロボットの安定を保てないとなった場合には、必要な分だけ接触位置を変更することによって軌道の発散を回避し、ロボットの安定動作を継続することができる。
また、軌道生成のために用いた評価関数J1の意味から分かるように、接触点の切替(接触状態の遷移)に伴う力の変化が滑らかになり、移動ロボットの安定かつ滑らかな移動が実現される。
実験例を説明する。
4足歩行であって手足の着き方がランダムであるような接触点計画をロボットに与えたとする。
この接触点計画のタイムラインを図25に示す。
そして、図26、図27は、外乱が無いとした場合のシミュレーション結果である。
図26は、実行結果のスナップショットである。
図27(A)、(B)、(C)は、実行時の重心位置、反力中心の位置、および、接触点の鉛直方向荷重、を示したグラフである。
この場合は、接触点計画通りの着地(着手)位置に手足を着きながら、接触点の切り替えに伴う接触点反力が滑らかに遷移し、そして、滑らかな重心移動を実現していることが分かる。
図28は、実行結果のスナップショットである。ここで、2.2秒頃に大きな外乱が入ったとする。
図29は、(A)、(B)、(C)は、実行時の重心位置、反力中心の位置、および、接触点の鉛直方向荷重、を示したグラフである。
さらに、図30は、スラック変数値のグラフである。
図26と図28とを見比べてもらうと、外乱が入った直後(2.2秒頃)に左足の着地位置を変更することで転倒が回避されていることが分かるであろう。図30により、外乱が入った直後にスラック変数が発生しているが、その後、外乱が無い状態ではスラック変数が0になることがわかる。
移動ロボットとしてのハードウェア構成としては、二足歩行、4足歩行、さらには、6足でも8足でもよいのであって、手足の数に制限があるわけではない。
ただし、少なくとも一つの接触点がどこかに接地している必要がある。(接地、というが、壁に手を着く場合も含めて解釈されたい。)
極端なケースであるが、例えば、図31のように、足が1本、手が1本で、床と壁に手足を交互に着けながら移動するような移動ロボット100であってもよい。
すなわち、ST206AとST207Aとの間にスラック変数の大きさを所定閾値と対比する判断工程を入れ、実質的にゼロ以上であるスラック変数が発生しているかどうかを判断してもよい。
実質的にゼロ以上であるスラック変数が発生している場合には接触点位置の変更を行う必要があるし、スラック変数が実質的にゼロであればST207A、Bの処理は必要無い。
接触点位置の変更が所定値以上であれば接触点を変更する必要があるし(ST207B)、接触点位置の変更量が実質的にゼロであればST207Bを実行する必要は無い。
閾値をどの程度にするかは求められる安定性の精度によるのであって一概に言えないが、接触点位置の変更量が1mmや2mmになるような場合には接触点の変更を実行する必要があると言えるであろう。
もちろん、求められる安定性の精度によるのであって、0.01mmや0.02mmを接触点の変更の閾値とする場合もあるであろう。
接触点位置の変更量が1mmや2mmになる場合のスラック変数を逆算で求めれば、スラック変数の大きさを判定する閾値も得られる。
Claims (8)
- 二以上の移動手段を交互に接地しながら移動する移動ロボットの移動制御方法であって、
前記移動手段が接地する接触点の位置を時系列のデータとした接触点計画を設定する接触点計画設定工程と、
前記接触点計画設定工程で設定したように前記移動手段を接触点に接地しながら移動するための軌道を生成する軌道生成工程と、を備え、
前記軌道生成工程は、
軌道が発散する場合には接触点の位置を変更する工程を含む
ことを特徴とする移動ロボットの移動制御方法。 - 請求項1に記載の移動ロボットの移動制御方法において、
前記軌道生成工程は、
移動ロボットへの制御入力と移動ロボットの運動との関係を記述する予測モデルを構築して、この予測モデルによって所定時間幅の予測区間における移動ロボットの状態変化を表わし、
前記予測区間において、力学的釣り合いに基づく制約条件と所定の安定性評価基準とを用いて移動ロボットの安定性を確保できる制御入力の時系列データを求め、
この求まった制御入力と前記予測モデルとから、移動ロボットの軌道を得るものであり、
前記制約条件に制約を緩和するスラック変数を含めるとともに、
前記安定性評価基準にスラック変数を含ませるにあたって、制約条件下で安定な軌道が求解できる場合には前記スラック変数ができるかぎり実質的にゼロになり、制約条件下で軌道が発散する場合にはスラック変数に実質的にゼロ以上の値が発生するようにし、
さらに、発生したスラック変数の値を打ち消すように接触点の位置を変更する工程を含む
ことを特徴とする移動ロボットの移動制御方法。 - 請求項2に記載の移動ロボットの移動制御方法において、
前記制約条件にスラック変数を含めるにあたっては、
移動ロボットの重心のX軸回りモーメントの釣合い式と、移動ロボットの重心のY軸回りモーメントの釣合い式と、にそれぞれスラック変数を導入する
ことを特徴とする移動ロボットの移動制御方法。
ただし、X軸およびY軸は、鉛直方向であるZ軸に垂直な面内で互いに直交する軸である。 - 請求項2または請求項3に記載の移動ロボットの移動制御方法において、
前記予測区間を、位置を変更できる接触点が無い調整不能サブ区間と、位置を変更できる接触点が一つ以上有る調整可能サブ区間と、に区別し、
前記調整可能サブ区間にのみ実質的にゼロ以上のスラック変数が発生することを許容する
ことを特徴とする移動ロボットの移動制御方法。 - 請求項2から請求項4のいずれかに記載の移動ロボットの移動制御方法において、
前記制約条件の式には、移動ロボットの重心鉛直軌道と重心回りモーメント軌道とを含んでおり、
前記軌道生成工程は、
予測区間内において、移動ロボットの重心鉛直軌道と重心回りモーメント軌道とを一度仮設定する工程と、
前記安定性評価基準の関数を制約条件のもとで一度求解した後、その結果に応じて、予測区間内において移動ロボットの動作が安定するように接触点の変更および重心鉛直軌道と重心回りモーメント軌道との修正を行い、
変更後の接触点位置、修正した重心鉛直軌道および重心回りモーメント軌道を用いて少なくとも一回以上、前記安定性評価基準の関数の求解を再計算する
ことを特徴とする移動ロボットの移動制御方法。 - 請求項2から請求項5のいずれかに記載の移動ロボットの移動制御方法において、
前記軌道生成工程において予測区間内で軌道を求め、
この予測区間の最初の一点のデータを現在の入力値として移動ロボットを駆動させ、
予測区間を微小時間だけ進めて、前記軌道生成工程を繰り返す
ことを特徴とする移動ロボットの移動制御方法。 - 二以上の移動手段を交互に接地しながら移動する移動ロボットであって、
前記移動手段が接地する接触点の位置を時系列のデータとした接触点計画を設定する接触点計画設定部と、
前記接触点計画設定部で設定したように前記移動手段を接触点に接地しながら移動するための軌道を生成する軌道生成部と、を備え、
前記軌道生成部は、
軌道が発散する場合には接触点の位置を変更する
ことを特徴とする移動ロボット。 - 請求項7に記載の移動ロボットにおいて、
前記軌道生成部は、
移動ロボットへの制御入力と移動ロボットの運動との関係を記述する予測モデルを構築して、この予測モデルによって所定時間幅の予測区間における移動ロボットの状態変化を表わし、
前記予測区間において、力学的釣り合いに基づく制約条件と所定の安定性評価基準とを用いて移動ロボットの安定性を確保できる制御入力の時系列データを求め、
この求まった制御入力と前記予測モデルとから、移動ロボットの軌道を得るものであり、
前記制約条件に制約を緩和するスラック変数を含めるとともに、
前記安定性評価基準にスラック変数を含ませるにあたって、制約条件下で安定な軌道が求解できる場合には前記スラック変数ができるかぎり実質的にゼロになり、制約条件下で軌道が発散する場合にはスラック変数に実質的にゼロ以上の値が発生するようにし、
さらに、発生したスラック変数の値を打ち消すように接触点の位置を変更する
ことを特徴とする移動ロボット。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014029793A JP5910647B2 (ja) | 2014-02-19 | 2014-02-19 | 移動ロボットの移動制御方法 |
US14/618,184 US9327399B2 (en) | 2014-02-19 | 2015-02-10 | Movement control method for mobile robot |
CN201510083619.8A CN104842360B (zh) | 2014-02-19 | 2015-02-16 | 用于移动机器人的移动控制方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014029793A JP5910647B2 (ja) | 2014-02-19 | 2014-02-19 | 移動ロボットの移動制御方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015150678A true JP2015150678A (ja) | 2015-08-24 |
JP5910647B2 JP5910647B2 (ja) | 2016-04-27 |
Family
ID=53797305
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014029793A Active JP5910647B2 (ja) | 2014-02-19 | 2014-02-19 | 移動ロボットの移動制御方法 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US9327399B2 (ja) |
JP (1) | JP5910647B2 (ja) |
CN (1) | CN104842360B (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016022540A (ja) * | 2014-07-16 | 2016-02-08 | 本田技研工業株式会社 | 移動ロボットの動作目標生成装置 |
JPWO2017135053A1 (ja) * | 2016-02-04 | 2018-08-09 | シャープ株式会社 | ロボット、ロボットの制御方法、制御プログラムおよび記録媒体 |
KR20190008530A (ko) * | 2016-04-29 | 2019-01-24 | 소프트뱅크 로보틱스 유럽 | 향상되고 균형 있는 모션과 행동 능력을 가진 모바일 로봇 |
Families Citing this family (20)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014112632A1 (ja) * | 2013-01-18 | 2014-07-24 | 株式会社東芝 | 動作情報処理装置及び方法 |
JP5927270B2 (ja) * | 2014-11-06 | 2016-06-01 | ファナック株式会社 | ロボットシミュレーション装置 |
EP3358546A4 (en) * | 2015-09-29 | 2019-05-01 | Sony Corporation | INFORMATION PROCESSING DEVICE, INFORMATION PROCESSING METHOD, AND PROGRAM |
JP2017158644A (ja) * | 2016-03-07 | 2017-09-14 | 富士通株式会社 | 測定装置、測定方法及び測定プログラム |
CN105729483B (zh) * | 2016-05-06 | 2019-03-19 | 广东戈兰玛汽车系统有限公司 | 一种机器人行走的控制方法、控制装置及沙滩清洁机器人 |
JP6682341B2 (ja) * | 2016-05-10 | 2020-04-15 | パナソニック株式会社 | 歩行制御方法、歩行制御プログラム及び2足歩行ロボット |
US10795937B2 (en) * | 2016-08-08 | 2020-10-06 | International Business Machines Corporation | Expressive temporal predictions over semantically driven time windows |
US10247751B2 (en) * | 2017-06-19 | 2019-04-02 | GM Global Technology Operations LLC | Systems, devices, and methods for calculating an internal load of a component |
US11511429B2 (en) * | 2017-10-31 | 2022-11-29 | Safetics, Inc. | Method of improving safety of robot and method of evaluating safety of robot |
GB2573790B (en) * | 2018-05-17 | 2020-10-28 | Sony Interactive Entertainment Inc | Robot development system |
CN109189092B (zh) * | 2018-08-03 | 2020-11-13 | 北京航空航天大学 | 一种针对二维区域覆盖任务的多机调度方法 |
CN109664317B (zh) * | 2019-01-24 | 2022-06-14 | 深圳勇艺达机器人有限公司 | 机器人的物体抓取系统及方法 |
CN110103225B (zh) * | 2019-06-04 | 2023-04-11 | 兰州大学 | 一种数据驱动的机械臂重复运动控制方法与装置 |
CN110587611B (zh) * | 2019-09-30 | 2021-06-22 | 中电九天智能科技有限公司 | 电视机组装线的机械臂控制方法 |
JP7221839B2 (ja) * | 2019-10-08 | 2023-02-14 | 国立大学法人静岡大学 | 自律移動ロボットおよび自律移動ロボットの制御プログラム |
DE102019129338B3 (de) * | 2019-10-30 | 2021-02-18 | Pilz Gmbh & Co. Kg | Modellprädiktive Interaktionsregelung |
US11787055B2 (en) * | 2021-03-30 | 2023-10-17 | Honda Research Institute Europe Gmbh | Controlling a robot using predictive decision making |
US11878418B2 (en) * | 2021-03-30 | 2024-01-23 | Honda Research Institute Europe Gmbh | Controlling a robot based on constraint-consistent and sequence-optimized pose adaptation |
CN114833830A (zh) * | 2022-04-27 | 2022-08-02 | 北京市商汤科技开发有限公司 | 抓取方法及装置、电子设备和存储介质 |
CN116619361A (zh) * | 2023-05-16 | 2023-08-22 | 傅利叶动力(北京)科技有限公司 | 双足机器人质量分布的方法及双足机器人 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04201187A (ja) * | 1990-11-30 | 1992-07-22 | Honda Motor Co Ltd | 脚式移動ロボットの歩行御制装置 |
JP2009214255A (ja) * | 2008-03-12 | 2009-09-24 | Toyota Motor Corp | 脚式ロボット、及びその制御方法 |
JP2011200991A (ja) * | 2010-03-26 | 2011-10-13 | Toyota Motor Corp | 脚式ロボットの歩行着地位置計画方法 |
Family Cites Families (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3269852B2 (ja) | 1992-05-29 | 2002-04-02 | 本田技研工業株式会社 | 脚式移動ロボットの姿勢安定化制御装置 |
US6520727B1 (en) * | 2000-04-12 | 2003-02-18 | Asyt Technologies, Inc. | Modular sorter |
JP4513320B2 (ja) | 2003-12-17 | 2010-07-28 | ソニー株式会社 | ロボット装置、並びにロボット装置の運動制御方法 |
JP4168943B2 (ja) * | 2004-01-28 | 2008-10-22 | トヨタ自動車株式会社 | 脚式ロボットと脚式ロボットの歩行制御方法 |
JP2006136962A (ja) * | 2004-11-11 | 2006-06-01 | Hitachi Ltd | 移動ロボット |
JP4517947B2 (ja) * | 2005-06-09 | 2010-08-04 | トヨタ自動車株式会社 | 接触センサシステム |
JP5034235B2 (ja) * | 2006-01-16 | 2012-09-26 | ソニー株式会社 | 制御システム及び制御方法、並びにコンピュータ・プログラム |
JP2007316966A (ja) * | 2006-05-26 | 2007-12-06 | Fujitsu Ltd | 移動ロボット、その制御方法及びプログラム |
JP5083763B2 (ja) | 2007-10-26 | 2012-11-28 | 学校法人早稲田大学 | 制御装置、制御方法、及び2足歩行ロボット |
KR101487783B1 (ko) * | 2008-12-22 | 2015-01-29 | 삼성전자 주식회사 | 로봇 및 그 제어방법 |
CN103003031B (zh) * | 2010-07-22 | 2014-07-02 | 丰田自动车株式会社 | 双脚行走机器人以及双脚行走机器人的着地时机确定方法 |
WO2012124342A1 (ja) * | 2011-03-17 | 2012-09-20 | パナソニック株式会社 | ロボット、ロボットの制御装置、制御方法、及び制御プログラム |
WO2015087504A1 (ja) | 2013-12-10 | 2015-06-18 | トヨタ自動車株式会社 | 移動ロボットの移動制御方法、および、移動ロボット |
-
2014
- 2014-02-19 JP JP2014029793A patent/JP5910647B2/ja active Active
-
2015
- 2015-02-10 US US14/618,184 patent/US9327399B2/en active Active
- 2015-02-16 CN CN201510083619.8A patent/CN104842360B/zh active Active
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04201187A (ja) * | 1990-11-30 | 1992-07-22 | Honda Motor Co Ltd | 脚式移動ロボットの歩行御制装置 |
JP2009214255A (ja) * | 2008-03-12 | 2009-09-24 | Toyota Motor Corp | 脚式ロボット、及びその制御方法 |
JP2011200991A (ja) * | 2010-03-26 | 2011-10-13 | Toyota Motor Corp | 脚式ロボットの歩行着地位置計画方法 |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016022540A (ja) * | 2014-07-16 | 2016-02-08 | 本田技研工業株式会社 | 移動ロボットの動作目標生成装置 |
JPWO2017135053A1 (ja) * | 2016-02-04 | 2018-08-09 | シャープ株式会社 | ロボット、ロボットの制御方法、制御プログラムおよび記録媒体 |
KR20190008530A (ko) * | 2016-04-29 | 2019-01-24 | 소프트뱅크 로보틱스 유럽 | 향상되고 균형 있는 모션과 행동 능력을 가진 모바일 로봇 |
CN109311159A (zh) * | 2016-04-29 | 2019-02-05 | 软银机器人欧洲公司 | 一种具有增强的平衡运动和行为能力的移动机器人 |
JP2019514713A (ja) * | 2016-04-29 | 2019-06-06 | ソフトバンク・ロボティクス・ヨーロッパSoftbank Robotics Europe | バランスのとれた運動および行動能力が向上した移動型ロボット |
KR102199608B1 (ko) * | 2016-04-29 | 2021-01-07 | 소프트뱅크 로보틱스 유럽 | 향상되고 균형 있는 모션과 행동 능력을 가진 모바일 로봇 |
US11014247B2 (en) | 2016-04-29 | 2021-05-25 | Softbank Robotics Europe | Mobile robot with enhanced balanced motion and behavior capabilities |
CN109311159B (zh) * | 2016-04-29 | 2022-03-25 | 软银机器人欧洲公司 | 一种具有增强的平衡运动和行为能力的移动机器人 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US20150231786A1 (en) | 2015-08-20 |
JP5910647B2 (ja) | 2016-04-27 |
CN104842360A (zh) | 2015-08-19 |
CN104842360B (zh) | 2017-01-04 |
US9327399B2 (en) | 2016-05-03 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5910647B2 (ja) | 移動ロボットの移動制御方法 | |
Feng et al. | Optimization‐based full body control for the darpa robotics challenge | |
Feng et al. | 3D walking based on online optimization | |
US9120227B2 (en) | Human motion tracking control with strict contact force constraints for floating-base humanoid robots | |
US9334002B2 (en) | Balance control apparatus of robot and control method thereof | |
US7053577B2 (en) | Robot and motion control method of robot | |
JP5836565B2 (ja) | モーションキャプチャデータを模倣するロボットの追跡及びバランス維持システム及び方法 | |
JP3726081B2 (ja) | 脚式移動ロボットの歩容生成装置 | |
CN111891252A (zh) | 一种四足仿生机器人的身体姿态斜坡自适应控制方法 | |
US8868240B2 (en) | Walking robot and pose control method thereof | |
US20120316682A1 (en) | Balance control apparatus of robot and control method thereof | |
US20050177277A1 (en) | Ambulation control apparatus and ambulation control method of robot | |
JP2007185756A (ja) | 制御システム及び制御方法、並びにコンピュータ・プログラム | |
JP2006212736A (ja) | 脚式ロボットとその制御方法 | |
WO2006067904A1 (ja) | 脚式移動ロボットの歩容生成装置 | |
US20120158183A1 (en) | Walking robot and control method thereof | |
JP6421683B2 (ja) | 最適制御装置、最適制御方法及び最適制御プログラム | |
WO2005077611A1 (ja) | 移動ロボットの歩容生成装置 | |
JP6168158B2 (ja) | 移動ロボットの移動制御方法、および、移動ロボット | |
JP4492395B2 (ja) | 脚式ロボットとその動作制御方法 | |
Feng | Online Hierarchical Optimization for Humanoid Control. | |
Hildebrandt et al. | Real-time 3D collision avoidance for biped robots | |
EP2428335A1 (en) | Robot and control method thereof | |
Denisov et al. | Analysis of balance control methods based on inverted pendulum for legged robots | |
Kim et al. | Assessing whole-body operational space control in a point-foot series elastic biped: Balance on split terrain and undirected walking |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20150804 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20151217 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20151222 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160120 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20160301 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20160314 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 5910647 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |