(実施の形態1)
以下、本発明を実施の形態を示す図面に基づいて説明する。図1は実施の形態1の手書入力装置100の外観の一例を示す説明図であり、図2は本実施の形態の手書入力装置100の構成の一例を示すブロック図である。手書入力装置100は、手書き入力が可能な表示部16、表示部16を収容するケース20などを備える。手書入力装置100は、例えば、タブレット端末、ノート型パーソナルコンピュータ、スマートフォンなどの携帯電話機、あるいは会議室や教室などで情報を共有することができる大型の表示面を備える表示装置又は情報処理装置などであってもよい。
図2に示すように、手書入力装置100は、CPU、メモリ及びタイマーなどで構成され装置全体を制御する制御部10、画面制御部11、タッチ検出部12、手書き入力部13、文字変換部14、記憶部15、表示部16、検索部17、サムネイル制御部18、抽出部19などを備える。
表示部16は、例えば、液晶ディスプレイ、EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等であり、表示面に画像を表示することができる。
タッチ検出部12は、静電容量方式タッチパネル、抵抗膜方式タッチパネル等で構成される。タッチ検出部12は、表示部16の表示面に対して、ユーザがペン又は指等でタッチ操作を行った場合、タッチ操作が行われた表示面上の位置を示す情報、すなわちタッチ操作により押圧された箇所を示す位置情報(例えば、表示面をxy座標で表す場合、タッチ箇所のx座標及びy座標などの座標データ)を取得する。
また、タッチ検出部12は、表示部16の表示面に対して、ユーザがペン又は指等で線(直線又は曲線)を描いた場合(例えば、ドラッグ操作など)、線を構成する複数の点の位置も同様に取得する。また、タッチ検出部12は、離隔した2つ以上の箇所が押圧された場合、それぞれの箇所の位置情報も取得することができ、いわゆるマルチタッチ操作が可能である。なお、タッチ検出部12は、フリック操作を検出することもできる。タッチ検出部12は、取得した位置情報を制御部10へ出力する。
手書き入力部13は、タッチ検出部12で取得した位置情報(座標データ)に基づいてストローク情報(手書きストロークデータ)を生成する。ストローク情報は、表示部16の表示面に対して、ユーザがペン又は指等で線(直線又は曲線)を描いた場合、ペン又は指等を表示面に接触した箇所からペン又は指等を表示面から離すまでに描かれた直線又は曲線を構成する複数の点の位置情報の集合である。
記憶部15は、DDR、SDRAM(Double Data Rate Synchronous Dynamic Random Access Memory)などの揮発性メモリ、フラッシュROM(Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)、HDD(Hard Disk Drive)などの不揮発性メモリなどで構成される。記憶部15は、後述の元ファイルテキストDB、手書き文字DBなどの情報、手書入力装置100を制御するためのプログラム、表示部16の表示面に表示される画像、後述のサムネイル(縮小画像)、ファイル(ノートとも称する)のデータ、ファイルを編集するプログラム、ファイルを管理するプログラムなどを記憶する。
画面制御部11は、表示部16の表示面に表示する操作画面の生成、表示などの制御を行う。画面制御部11は、ファイル表示部としての機能を有し、一のファイルを構成する1又は複数の頁を表示部16の表示面に表示する。一のファイルは、新規に作成するために表示するものでもよく、あるいは、既に作成されたものを、例えば、編集するために表示するものでもよい。
図3はファイルの一例を示す説明図である。図3は、本実施の形態の手書入力装置100による手書入力が行われる前に、既に作成されているファイルを示す。図3に示すファイル名(ノート名)は、NewsReleaseFileとする。図3に示すように、ファイルは4頁で構成され、各頁には、キーボード入力(手書き入力ではない)の文字が文字変換された文字データが記載されているとする。
抽出部19は、画面制御部11が一のファイルを構成する1又は複数の頁を表示面に表示した場合、表示したファイルに含まれ、手書き文字を変換した文字データと異なる文字データ(テキストデータとも称する)を抽出する。手書き文字を変換した文字データと異なる文字データとは、手書き入力された文字が変換された文字データではなく、キーボード等により入力された文字が変換された文字データである。抽出部19は、抽出した文字データを制御部10へ出力する。
制御部10は、抽出部19で抽出した文字データをファイルと関連付けた元ファイルテキストDBを生成し、記憶部15に記憶する。
図4は元ファイルテキストDBの構成の一例を示す説明図である。図4に例示する元ファイルテキストDBは、図3に例示したファイルに基づいて生成されたものである。図4に示すように、元ファイルテキストDBは、記録番号、ノート名、ページ(ページ番号)、文字データ(テキストデータ)、文字データのスタート座標、文字のフォントサイズなどで構成されている。スタート座標は、文字データの先頭位置の座標である。また、同じ頁において、文字列が1行空けて改行されている場合には、2つの文字データとして記憶してある。
すなわち、図4に示すように、抽出部19で抽出した文字データをファイルと関連付けて記憶するとは、例えば、ファイルが1又は複数の頁で構成される場合、キーボード入力された文字を変換して得られた文字データそれぞれを、ファイル名(ノート名とも称する)、頁(ページ、ページ番号とも称する)、頁での位置(例えば、頁をxy座標で表す場合、文字データの位置のx座標及びy座標)、フォントサイズ等と関連付けることである。
文字変換部14は、表示面に表示された1又は複数の頁に入力された手書き文字を文字データ(テキストデータとも称する)に変換する。すなわち、手書き入力が可能な表示面に頁を表示させ、表示させた頁に対して、ユーザがペン又は指等で手書き文字を書込むとする。表示面に手書き文字が書込まれると、画面制御部11はペン又は指の軌跡を表示面に描画するとともに、手書き入力部13は軌跡に応じたストローク情報を生成する。文字変換部14は、ストローク情報に基づいて文字を認識し、手書き文字を文字データに変換する。文字変換部14は、変換した文字データを制御部10へ出力する。なお、手書き入力部13は、生成したストローク情報を記憶部15に記憶する。これにより、表示面に描画された手書き文字を、そのままの状態(手書き文字の状態)で記憶することができる。
図5は手書き文字入力の第1実施例を示す説明図である。図5に例示するファイルは図3に例示したファイルと同じものである。図5に示すように、ユーザが、1頁目、3頁目に「重要」と手書き入力し、2頁目、4頁目に「参考」と手書き入力したとする。
制御部10は、文字変換部14で変換し文字データをファイルと関連付けた手書き文字DBを生成し、記憶部15に記憶する。また、制御部10は、手書き入力部13で生成したストローク情報(手書き文字)をファイルと関連付けた手書き文字DBを生成し、記憶部15に記憶する。
図6は手書き文字DBの構成の一例を示す説明図である。図6に例示する手書き文字DBは、図5に例示したファイルに対する手書き入力の結果生成されたものである。図6に示すように、手書き文字DBは、記録番号、ノート名、ページ(ページ番号)、文字データ(テキストデータ)、手書き文字、手書きオブジェクト座標などで構成されている。手書き文字は、文字変換される前のストローク情報で構成される手書きの状態のままの文字である。手書きオブジェクト座標は、例えば、手書き文字を囲む矩形の対角線上の座標とすることができ、テキストデータ又はテキストデータに変換されていない手書き文字を囲む矩形の対角線上の座標とすることができる。
図6に示すように、手書き入力した文字を変換した文字データをファイルと関連付けて記憶するとは、例えば、ファイルが1又は複数の頁で構成される場合、手書き入力を変換して得られた文字データそれぞれを、ファイル名、頁、頁での位置(例えば、頁をxy座標で表す場合、文字データのx座標、y座標)等と関連付けることである。また、テキストデータに変換されていない手書き文字をファイルと関連付けて記憶するとは、例えばファイルが1又は複数の頁で構成される場合、手書き文字それぞれを、ファイル名、頁、頁での位置(例えば、頁をxy座標で表す場合、手書き文字のx座標、y座標)等と関連付けることである。
図7は手書き文字入力の第2実施例を示す説明図である。図7に例示するファイルはユーザが新規のファイル(ノート)を作成する場合を示し、空白の1頁目に「重要」と手書きで入力する様子を示す。
図8は手書き文字入力の第3実施例を示す説明図である。図8の例では、ファイルは4つあり、ファイル名(ノート名)は、それぞれ「新しいノート」、「アイデアメモ」、「デザイン検討」、「NewsReleaseFile」である。そして、図8に示すように、「新しいノート」というファイルに対しては、「重要」と手書き入力し、「アイデアメモ」というファイルに対しては、「アイデアメモ」と手書き入力し、「デザイン検討」というファイルに対しては、「背面」と手書き入力し(図8では不図示)、「NewsReleaseFile」というファイルに対しては、「重要」及び「参考」と手書き入力(図8では一部不図示)する様子を示す。
図9は手書き文字DBの構成の他の例を示す説明図である。図9に例示する手書き文字DBは、図8に例示した各ファイルに対する手書き入力の結果生成されたものである。図9に示すように、「新しいノート」というファイルに対しては、「重要」という文字データ(テキストデータ)及び「重要」という手書き文字が対応付けられ、「アイデアメモ」というファイルに対しては、「アイデア」及び「メモ」という文字データ並びに「アイデア」及び「メモ」という手書き文字が対応付けられ、「デザイン検討」というファイルに対しては、「背面」と文字データ及び「背面」という手書き文字が対応付けられ、「NewsReleaseFile」というファイルに対しては、「重要」及び「参考」という文字データ及び「重要」及び「参考」という手書き文字が対応付けられている。
上述のように、手書き入力された文字が文字データに変換されてファイルに関連付けて記憶されるので、例えば、記憶された文字データを検索用の検索文字データ(検索キーワードとも称する)で検索することができる。これにより、ファイル名に手書き入力で書込んだ文字の全部又は一部を含める必要がなく、また、検索対象とする文字数に何らの制限もないので、ファイルを効率良く検索することができ、ユーザの利便性が向上する。
また、ユーザ自身が自分で書いた手書き文字であれば、手書き文字を書いたときの状況を容易に思い出すことができるので、手書き文字そのものをファイルに関連付けて記憶することで、手書き文字を元にファイルを容易に探し出すことができる。
画面制御部11及びタッチ検出部12は、受付部としての機能を有し、ファイルを検索するための検索文字を受け付ける。検索文字は、手書き入力される文字でもよく、キーボード等により入力される文字でもよい。
検索部17は、画面制御部11及びタッチ検出部12で受け付けた検索文字に基づいて記憶部15に記憶した手書き文字DBを参照してファイルを検索する。ファイルには、手書き入力を変換した文字データが関連付けられているので、ファイルを効率良く検索することができ、ユーザの利便性が向上する。
また、検索部17は、画面制御部11及びタッチ検出部12で受け付けた検索文字に基づいて記憶部15に記憶した元ファイルテキストDBを参照してファイルを検索する。キーボード入力された文字が文字データに変換されてファイルに関連付けて元ファイルテキストDBとして記憶されるので、例えば、記憶された文字データを検索用の検索文字データ(検索キーワードとも称する)で検索することができる。これにより、文字データを有するファイルを効率良く検索することができ、ユーザの利便性が向上する。
より具体的には、画面制御部11は、検索文字として手書き文字を入力するための検索画面を表示面に表示する。
図10は手書き文字を入力するための検索画面の一例を示す説明図である。図10の例では、手書き文字を入力するための所要の大きさの検索画面が表示され、ユーザが「重要」という検索文字を入力する様子を示す。これにより、ユーザは、検索画面内でペン又は指で文字を書くことにより検索文字を入力することができる。
そして、文字変換部14は、検索画面に入力された手書き文字を検索文字データに変換する。検索部17は、文字変換部14で変換した検索文字データに基づいて記憶部15に記憶した手書き文字DBを参照してファイルを検索する。ファイルには、手書き入力を変換した文字データ及び手書き文字が関連付けられているので、手書きでファイルを効率良く検索することができ、ユーザの利便性が向上する。
また、検索画面に入力された手書き文字に基づいてファイルを検索する場合、検索画面に入力された手書き文字と、ファイルに関連付けられた手書き文字とをパターンマッチング等の処理により検索するようにしてもよい。
サムネイル制御部18は、縮小画像表示部としての機能を有する。サムネイル制御部18は、検索部17で検索した文字データと一致する文字データに関連付けられたファイルが特定された場合、特定されたファイルを縮小画像(サムネイルとも称する)で表示する。ファイルの縮小画像は、例えば、ファイルの1頁目の画像を縮小したものでもよく、検索文字データと一致する文字データを含む頁の縮小画像でもよい。また、複数のファイルが特定された場合には、複数のファイルそれぞれの縮小画像を表示することができる。
図11はファイルのサムネイル表示の一例を示す説明図である。図11は、図9に例示した手書き文字DBを参照して、図10に例示する「重要」という検索文字で検索した結果、「重要」という文字データ又は手書き文字を有するファイルをサムネイルで表示したものである。図9に示すように、4つのファイル「新しいノート」、「アイデアメモ」、「デザイン検討」及び「NewsReleaseFile」のうち、「重要」という文字を含むファイルは、「新しいノート」及び「NewsReleaseFile」という2つのファイルであるので、図11に示すように、これらの2つのファイルのサムネイルが表示されている。なお、図11の例では、簡便のためサムネイル表示されているファイルの数は2であるが、ファイルの数はこれに限定されるものではない。
ファイルの縮小画像を表示することにより、多くのファイルを検索する場合、あるいは1つのファイルが多くの頁で構成されている場合に、検索文字データと一致する文字データ又は手書き文字に関連付けられたファイルが多く特定されたときにも、多くのファイルを同時に一覧として表示することができる。そして、所望のファイルを容易に見つけることができるので、ユーザの利便性が向上する。
画面制御部11及びタッチ検出部12は、ファイル選択部としての機能を有する。画面制御部11及びタッチ検出部12は、検索部17で検索した文字データと一致する文字データ又は手書き文字に関連付けられた複数のファイルが特定された場合(例えば、図11の例示)、特定された複数のファイルの縮小画像を選択する操作を受け付ける。例えば、ユーザが、表示面に表示されたファイルの縮小画像に触れる(タッチする)ことにより、縮小画像を選択することができる。
サムネイル制御部18は、ファイルの選択操作を受け付けた場合、選択された縮小画像に対応するファイルを構成する頁のうち、検索文字データと一致する文字データ又は手書き文字を含む1又は複数の頁それぞれの縮小画像を表示する。
図12は頁のサムネイル表示の一例を示す説明図である。図12の例は、図11の例示において、「NewsReleaseFile」というファイルを選択した場合を示す。図9に示すように、「NewsReleaseFile」というファイルを構成する頁のうち、検索文字データである「重要」という文字データ又は手書き文字を含む頁は、1頁と3頁である。従って、図12に示すように、「NewsReleaseFile」というファイルの1頁及び3頁の画像がサムネイルで表示されている。なお、図12の例では、簡便のためサムネイル表示されている頁数は2であるが、頁の数はこれに限定されるものではない。
ファイルを構成する頁の縮小画像を表示することにより、多くのファイルを検索する場合、あるいは1つのファイルが多くの頁で構成されている場合に、検索文字データと一致する文字データ又は手書き文字に関連付けられた頁が多く特定されたときにも、多くの頁を同時に一覧として表示することができる。そして、所望の頁を容易に見つけることができるので、ユーザの利便性が向上する。
画面制御部11及びタッチ検出部12は、頁選択部としての機能を有する。画面制御部11及びタッチ検出部12は、表示面に表示された1又は複数の頁それぞれの縮小画像を選択する操作を受け付ける。例えば、ユーザが、表示面に表示された頁の縮小画像に触れる(タッチする)ことにより、縮小画像を選択することができる。
画面制御部11は、表示制御部としての機能を有する。画面制御部11は、頁の選択操作を受け付けた場合、選択された縮小画像に対応する頁に含まれる検索文字データと一致する文字データ又は手書き文字を、選択された縮小画像に対応する頁に含まれる他の文字データ(すなわち、検索文字データと一致しない文字データ)又は手書き文字と異なる表示態様で表示する。
図13は検索された文字の表示の一例を示す説明図である。図13の例は、図12の例で1頁目が選択された場合を示す。図13に示すように、検索文字である「重要」という文字が他の文字と異なる態様で強調されて表示されている。すなわち、検索文字データと一致する文字データ又は手書き文字と、一致しない文字データ又は手書き文字とを異なる表示態様で表示する。異なる表示態様で表示するとは、例えば、検索文字データと一致する文字データ又は手書き文字は強調して表示し、一致しない文字データ又は手書き文字は強調することなく表示することである。強調して表示するには、文字を囲む矩形状の領域をハイライト表示すること、文字の色を変更すること、文字のフォント又はサイズを変更することなどを含む。強調して表示させることにより、ユーザが認識しやすくなり、検索する文字を素早く見つけることができ、ユーザの利便性が向上する。
次に、本実施の形態の手書入力装置100の動作について説明する。図14及び図15は本実施の形態の手書入力装置100によるファイルの編集又は作成時の処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、以下の説明では、簡便のため処理の主体を制御部10とする。制御部10は、編集又は新規作成のためのファイルを表示し(S11)、ファイルのテキスト情報(文字データ、テキストデータとも称する)があるか否かを判定する(S12)。
テキスト情報がある場合(S12でYES)、制御部10は、ノート名、ページ、テキスト情報、テキスト情報の座標、テキストのフォントサイズを元ファイルテキストDBに記憶する(S13)。テキスト情報がない場合(S12でNO)、例えば、ファイルが新規作成のファイルの場合、制御部10は、ステップS13の処理を行うことなく後述のステップS14の処理を行う。
制御部10は、手書き入力を受け付け(S14)、ペン又は指が移動したか否かを判定する(S15)。なお、ペンの代わりに指等でもよい。ペンが移動した場合(S15でYES)、制御部10は、ペンの軌跡を画面上(表示面上)に描画し(S16)、描画した軌跡に応じたストローク情報を記録する(S17)。ペンが移動していない場合(S15でNO)、制御部10は、ステップS16、S17の処理を行うことなく後述のステップS18の処理を行う。
制御部10は、ペンが表示面から離れたか否かを判定し(S18)、ペンが離れていない場合(S18でNO)、ステップS15以降の処理を続ける。ペンが離れた場合(S18でYES)、制御部10は、タイマーを起動し(S19)、所定時間経過したか否かを判定する(S20)。所定時間は、例えば、1秒程度とすることができる。
所定時間経過した場合(S20でYES)、制御部10は、ストローク情報に基づいて文字認識を行い、手書き文字をテキストデータ(文字データ)に変換する(S21)。制御部10は、編集中又は新規作成中のファイルのノート名(ファイル名)、ページ、変換したテキストデータ、手書きオブジェクトの座標を手書き文字DBに記憶する(S22)。制御部10は、一旦記録したストローク情報を消去する(S23)。所定時間経過していない場合(S20でNO)、制御部10は、ステップS21〜S23の処理を行うことなく後述のステップS24の処理を行う。
制御部10は、ペンダウンがあるか否かを判定する(S24)。ペンダウンとは、ユーザが表示面から離したペンを表示面にタッチさせる操作である。ペンダウンがない場合(S24でNO)、制御部10は、ステップS20以降の処理を行う。ペンダウンがあった場合(S24でYES)、制御部10は、タイマーをクリアし(S25)、終了処理があるか否かを判定する(S26)。終了処理は、例えば、開いているファイルを閉じる操作、保存する操作などである。終了処理がない場合(S26でNO)、制御部10は、ステップS15以降の処理を続け、終了処理があった場合(S26でYES)、処理を終了する。
図16、図17及び図18は本実施の形態の手書入力装置100による検索処理の手順の一例を示すフローチャートである。制御部10は、検索処理を行うための管理画面(例えば、図10に例示)を表示し(S41)、検索キーワード(検索文字情報)の入力(例えば、手書き入力)の有無を判定する(S42)。検索キーワードの入力がない場合(S42でNO)、制御部10は、ステップS42の処理を続ける。
検索キーワードの入力があった場合(S42でYES)、制御部10は、手書きDB及び元ファイルテキストDBを参照して検索キーワードをテキストデータに含んでいるノート(ファイル)を検索する(S43)。制御部10は、検索キーワードと一致するテキストデータを含むノート(ファイル)の有無を判定する(S44)。
検索キーワードと一致するテキストデータを含むノート(ファイル)がある場合(S44でYES)、制御部10は、ノートのサムネイルとノート名を表示する(S45)。検索キーワードと一致するテキストデータを含むノート(ファイル)がない場合(S44でNO)、制御部10は、該当するノート(ファイル)がない旨を表示し(S46)、処理を終了する。制御部10は、ノートの選択の有無を判定し(S47)、ノート(ファイル)の選択がない場合(S47でNO)、ステップS47の処理を続ける。
ノート(ファイル)の選択があった場合(S47でYES)、制御部10は、手書きDB及び元ファイルテキストDBを参照して選択されたノート(ファイル)を対象に検索キーワードをテキストデータに含んでいるページを検索する(S48)。制御部10は、検索キーワードと一致するテキストデータを含むページ(頁)の有無を判定する(S49)。
検索キーワードと一致するテキストデータを含むページ(頁)がある場合(S49でYES)、制御部10は、ページのサムネイルとページ番号を表示する(S50)。検索キーワードと一致するテキストデータを含むページがない場合(S49でNO)、制御部10は、該当するページがない旨を表示し(S51)、処理を終了する。制御部10は、ページの選択の有無を判定し(S52)、ページの選択がない場合(S52でNO)、ステップS52の処理を続ける。
ページの選択があった場合(S52でYES)、制御部10は、手書きDB及び元ファイルテキストDBを参照して選択されたページを対象に検索キーワードと一致する最初のテキストデータを検索する(S53)。制御部10は、テキストデータの有無を判定する(S54)。
テキストデータがない場合(S54でNO)、制御部10は、処理を終了する。テキストデータがある場合(S54でYES)、制御部10は、テキストデータは、手書き文字を変換したものであるか否かを判定し(S55)、手書き文字を変換したものである場合(S55でYES)、手書きオブジェクト座標で特定されるエリアをハイライト表示(強調表示)してページを表示し(S56)、処理を終了する。
手書き文字を変換したものでない場合(S55でNO)、制御部10は、スタート座標、テキストデータ数、フォントサイズで特定されるエリアをハイライト表示(強調表示)してページを表示し(S57)、処理を終了する。スタート座標、テキストデータ数、フォントサイズで特定されるエリアとは、キーボード等により入力された文字を変換した文字データを囲む領域であり、文字データのスタート座標(先頭位置の座標)、文字数、フォントサイズにより特定することができる。
本実施の形態の手書入力装置100が行う処理は、CPU、RAMなどを備えた汎用コンピュータを用いて実現することもできる。すなわち、図14から図18に示すような各処理手順を定めたコンピュータプログラムを記録した記録媒体を、コンピュータに備えられた記録媒体読取装置で読み取ることにより、当該コンピュータプログラムをRAMにロードし、コンピュータプログラムをCPUで実行することにより、コンピュータ上で手書入力装置を実現することができる。
(実施の形態2)
実施の形態1では、手書入力装置として、タブレット端末のような装置を例として挙げて説明したが、手書入力装置は、タブレット端末などに限定されるものではなく、複数のユーザで情報を共有することができる大型の表示面を備える表示装置にも適用することができる。
図19は実施の形態2の手書入力装置120の外観の一例を示す説明図である。実施の形態2では、手書入力装置120は、大型(例えば、60インチ、70インチ、80インチなど)の表示部216を備えるタッチパネル装置である。
表示部216の周囲には、赤外光を発する発光ダイオードを複数有する発光部、及び赤外光を受光するフォトダイオードを複数有する受光部を周設してある。ユーザが、タッチペン又は指などで表示部16をタッチ(接触)すると、タッチした位置に応じて発光部からの赤外光が遮光され、タッチ位置を検出することができる。なお、実施の形態2の手書入力装置120においても、図2から図18で例示したのと同等の作用効果を奏するので、説明は省略する。
上述のとおり、実施の形態1、2の手書入力装置にあっては、手書き入力により書込んだ文字を対象に検索することができ、手書き文字が記録されたファイル、ファイルの中の頁、頁中の文字を容易に見つけることができ、データの整理又は管理を簡単に行うことができユーザの利便性が向上する。また、本発明の上述の各実施の形態で記載されている技術特徴は、お互いに組み合わせて新しい技術方案を形成することができる。
本実施の形態の手書入力装置(100、120)は、手書き入力が可能な表示面(16、216)を備える手書入力装置であって、一のファイルを構成する1又は複数の頁を前記表示面に表示するファイル表示部(11)と、該ファイル表示部で表示された1又は複数の頁に入力された手書き文字を文字データに変換する文字変換部(14)と、該文字変換部で変換した文字データと前記ファイルとを関連付けて記憶する記憶部(15)とを備えることを特徴とする。
本実施の形態の手書入力装置(100、120)による手書入力方法は、手書き入力が可能な表示面(16、216)を備える手書入力装置による手書入力方法であって、一のファイルを構成する1又は複数の頁をファイル表示部(11)が前記表示面に表示するステップと、表示された1又は複数の頁に入力された手書き文字を文字変換部(14)が文字データに変換するステップ、変換された文字データと前記ファイルとを関連付けて記憶部(15)に記憶するステップとを含むことを特徴とする。
本実施の形態にあっては、ファイル表示部(11)は、一のファイルを構成する1又は複数の頁を表示面(16、216)に表示する。一のファイル(ノートとも称する)は、新規に作成するために表示するものでもよく、あるいは、既に作成されたものを、例えば、編集するために表示するものでもよい。文字変換部(14)は、表示面に表示された1又は複数の頁に入力された手書き文字を文字データに変換する。すなわち、手書き入力が可能な表示面に頁を表示させ、表示させた頁にペン又は指等で手書き文字を書込む。表示面に手書き文字を書込むと、ペン又は指の軌跡が表示面に描画されるとともに、軌跡に応じたストローク情報が取得される。文字変換部は、ストローク情報に基づいて文字を認識し、手書き文字を文字データ(テキストデータとも称する)に変換する。
変換された文字データは、ファイルと関連付けて記憶部(15)に記憶する。ファイルと関連付けて記憶するとは、例えば、ファイルが1又は複数の頁で構成される場合、手書き入力を変換して得られた文字データそれぞれを、ファイル名(ノート名とも称する)、頁(ページ、ページ番号とも称する)、頁での位置(例えば、頁をxy座標で表す場合、文字データのx座標、y座標)等と関連付けることである。手書き入力された文字が文字データに変換されてファイルに関連付けて記憶されるので、例えば、記憶された文字データを検索用の検索文字データ(検索キーワードとも称する)で検索することができる。これにより、ファイル名に手書き入力で書込んだ文字の全部又は一部を含める必要がなく、また、検索対象とする文字数に何らの制限もないので、ファイルを効率良く検索することができ、ユーザの利便性が向上する。
本実施の形態の手書入力装置(100、120)は、前記ファイルを検索するための検索文字を受け付ける受付部(11、12)と、該受付部で受け付けた検索文字に基づいて前記記憶部に記憶したファイルを検索する検索部(17)とを備えることを特徴とする。
本実施の形態にあっては、受付部(11、12)は、ファイルを検索するための検索文字を受け付ける。検索文字は、手書き入力される文字でもよく、キーボード等により入力される文字でもよい。検索部(17)は、受付部で受け付けた検索文字に基づいて記憶部に記憶したファイルを検索する。ファイルには、手書き入力を変換した文字データが関連付けられているので、ファイルを効率良く検索することができ、ユーザの利便性が向上する。
本実施の形態の手書入力装置(100、120)は、前記受付部(11、12)は、前記検索文字として手書き文字を入力するための検索画面を前記表示面に表示するようにしてあり、前記文字変換部(14)は、前記検索画面に入力された手書き文字を検索のための検索文字データに変換するようにしてあり、前記検索部(17)は、前記文字変換部で変換した検索文字データに基づいて前記記憶部(15)に記憶したファイルを検索するようにしてあることを特徴とする。
本実施の形態にあっては、受付部(11、12)は、検索文字として手書き文字を入力するための検索画面を表示面に表示する。これにより、ユーザは、検索画面内でペン又は指で文字を書くことにより検索文字を入力することができる。文字変換部(14)は、検索画面に入力された手書き文字を検索文字データに変換する。検索部(17)は、文字変換部で変換した検索文字データに基づいて記憶部(15)に記憶したファイルを検索する。ファイルには、手書き入力を変換した文字データが関連付けられているので、手書きでファイルを効率良く検索することができ、ユーザの利便性が向上する。
本実施の形態の手書入力装置(100、120)は、前記検索部(17)で検索した文字データと一致する文字データに関連付けられたファイルが特定された場合、該ファイルを縮小画像で表示する縮小画像表示部(18)を備えることを特徴とする。
本実施の形態にあっては、縮小画像表示部(18)は、検索部(17)で検索した文字データと一致する文字データに関連付けられたファイルが特定された場合、特定されたファイルを縮小画像(サムネイルとも称する)で表示する。ファイルの縮小画像は、例えば、ファイルの1頁目の画像を縮小したものでもよく、検索文字データと一致する文字データを含む頁の縮小画像でもよい。また、複数のファイルが特定された場合には、複数のファイルそれぞれの縮小画像を表示することができる。ファイルの縮小画像を表示することにより、多くのファイルを検索する場合、あるいは1つのファイルが多くの頁で構成されている場合に、検索文字データと一致する文字データに関連付けられたファイルが多く特定されたときにも、多くのファイルを同時に一覧として表示することができる。そして、所望のファイルを容易に見つけることができるので、ユーザの利便性が向上する。
本実施の形態の手書入力装置(100、120)は、前記検索部(17)で検索した文字データと一致する文字データに関連付けられた複数のファイルが特定された場合、該複数のファイルの縮小画像を選択する操作を受け付けるファイル選択部(12)を備え、前記縮小画像表示部(18)は、前記ファイル選択部で前記操作を受け付けた場合、選択された縮小画像に対応するファイルを構成する頁のうち、前記検索文字データと一致する文字データを含む1又は複数の頁それぞれの縮小画像を表示するようにしてあることを特徴とする。
本実施の形態にあっては、ファイル選択部(12)は、検索部(17)で検索した文字データと一致する文字データに関連付けられた複数のファイルが特定された場合、特定された複数のファイルの縮小画像を選択する操作を受け付ける。例えば、ユーザが、表示面に表示されたファイルの縮小画像に触れる(タッチする)ことにより、縮小画像を選択することができる。縮小画像表示部(18)は、ファイル選択部で選択操作を受け付けた場合、選択された縮小画像に対応するファイルを構成する頁のうち、検索文字データと一致する文字データを含む1又は複数の頁それぞれの縮小画像を表示する。頁の縮小画像を表示することにより、多くのファイルを検索する場合、あるいは1つのファイルが多くの頁で構成されている場合に、検索文字データと一致する文字データに関連付けられた頁が多く特定されたときにも、多くの頁を同時に一覧として表示することができる。そして、所望の頁を容易に見つけることができるので、ユーザの利便性が向上する。
本実施の形態の手書入力装置(100、120)は、前記表示面に表示された1又は複数の頁それぞれの縮小画像を選択する操作を受け付ける頁選択部(12)と、該頁選択部で前記操作を受け付けた場合、選択された縮小画像に対応する頁に含まれる前記検索文字データと一致する文字データを、該頁に含まれる他の文字データと異なる表示態様で表示する表示制御部(11)とを備えることを特徴とする。
本実施の形態にあっては、頁選択部(12)は、表示面に表示された1又は複数の頁それぞれの縮小画像を選択する操作を受け付ける。例えば、ユーザが、表示面に表示された頁の縮小画像に触れる(タッチする)ことにより、縮小画像を選択することができる。表示制御部(11)は、頁選択部で選択操作を受け付けた場合、選択された縮小画像に対応する頁に含まれる検索文字データと一致する文字データを、選択された縮小画像に対応する頁に含まれる他の文字データ(すなわち、検索文字データと一致しない文字データ)と異なる表示態様で表示する。すなわち、検索文字データと一致する文字データと、一致しない文字データとを異なる表示態様で表示する。異なる表示態様で表示するとは、例えば、検索文字データと一致する文字データは強調して表示し、一致しない文字データは強調することなく表示することである。強調して表示させることにより、ユーザが認識しやすくなり、検索する文字を素早く見つけることができ、ユーザの利便性が向上する。
本実施の形態の手書入力装置(100、120)は、前記ファイル表示部(11)が一のファイルを構成する1又は複数の頁を前記表示面に表示した場合、該ファイルに含まれ、手書き文字を変換した文字データと異なる文字データを抽出する抽出部(19)と、該抽出部で抽出した文字データと前記ファイルとを関連付けて記憶する記憶部(15)とを備えることを特徴とする。
本実施の形態にあっては、抽出部(19)は、ファイル表示部(11)が一のファイルを構成する1又は複数の頁を表示面に表示した場合、表示したファイルに含まれ、手書き文字を変換した文字データと異なる文字データを抽出する。手書き文字を変換した文字データと異なる文字データとは、手書き入力された文字が変換された文字データではなく、キーボード等により入力された文字が変換された文字データである。
抽出された文字データは、ファイルと関連付けて記憶部(15)に記憶する。ファイルと関連付けて記憶するとは、例えば、ファイルが1又は複数の頁で構成される場合、キーボード入力された文字を変換して得られた文字データそれぞれを、ファイル名(ノート名とも称する)、頁(ページ、ページ番号とも称する)、頁での位置(例えば、頁をxy座標で表す場合、文字データの位置のx座標及びy座標)、フォントサイズ等と関連付けることである。キーボード入力された文字が文字データに変換されてファイルに関連付けて記憶されるので、例えば、記憶された文字データを検索用の検索文字データ(検索キーワードとも称する)で検索することができる。これにより、文字データを有するファイルを効率良く検索することができ、ユーザの利便性が向上する。