JP2015148498A - 測距装置および測距方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、映り込みや大きな明暗差が有る場合でも、多色画像と単色画像とを使い分けながら、より精度良く測距できる測距装置および測距方法を提供する。
【解決手段】本発明の測距装置は、カラーアレイカメラ32Aと、モノクロアレイカメラ32Bと、カラーアレイカメラ32Aによる多色画像とモノクロアレイカメラ32Bによる単色画像とに基づいて測定対象までの距離を求める距離演算部と、入射光を領域ごとに光学的に互いに異なるように射出する第1および第2光学フィルタ部31A、31Bとを備え、カラーアレイカメラ32Aは、第1光学フィルタ部31Aを介して前記物体の光学像を撮像し、モノクロアレイカメラ32Bは、第2光学フィルタ部31Bを介して前記物体の光学像を撮像する。
【選択図】図2

Description

本発明は、測定対象までの距離を測定する測距装置および測距方法に関し、特に、複数の画像に基づいて距離を測定する測距装置および測距方法に関する。
測定対象までの距離を測定する測距技術は、単に測量に用いられるだけでなく、様々な分野に利用されている。例えば、測距技術は、測定対象の三次元形状を測定する三次元形状測定装置や、車両やロボット等の移動体の周辺監視を監視する周辺監視装置等にも利用されている。このような測距技術の代表例として、例えば、超音波、電磁波およびレーザ光等の波を送信して測定対象で反射した前記波の反射波を受信し、前記送信から受信までの時間を計測することによって前記測定対象までの距離を測定する測距技術がある。この測距技術は、波の送受信によって測距するため、比較的正確に測距できるが、測距範囲が比較的狭いという不都合がある。このため、複数の画像に対し対応点探索を行って前記複数の画像における視差を求めることによって前記測定対象までの距離を測定する測距技術がある。この測距技術では、前記複数の画像を取得する必要があり、このために用いられるステレオ撮影装置が例えば特許文献1に開示されている。
この特許文献1に開示されたステレオ撮影装置は、単一の撮像素子と2つの撮影光学系を用いて被写体のステレオ撮影を行う複眼方式のステレオ撮影装置であって、前記2つの撮影光学系が、第1波長域の光のみから成る第1被写体像を形成する第1撮影光学系と、前記第1波長域とは異なる第2波長域の光のみから成る第2被写体像を形成する第2撮影光学系と、から成り、前記撮像素子が、前記第1被写体像の画像記録を行う第1撮像領域と、前記第2被写体像の画像記録を行う第2撮像領域と、に分割された撮像面を有し、その撮像面上に、前記第1撮像領域では第1波長域の光のみを透過させ、前記第2撮像領域では第2波長域の光のみを透過させる波長フィルタを有するものである。
特開2012−120006号公報
ところで、例えばガラスや水面等を介して物体(被写体)を撮影して前記物体までの距離を測定したい場合がある。このような場合、前記ガラスや水面等に前記物体が映り込む。このため、撮影した画像には、前記物体が複数存在し、対応点探索に誤対応が生じる場合があり、精度良く測距できない。また、大きな明暗差の背景で物体(被写体)を撮影して前記物体までの距離を測定したい場合もある。このような場合、大きな明暗差があるため、撮像装置(カメラ)のダイナミックレンジを超えてしまう。このため、撮影した画像は、その一部が明るく、あるいは、暗くなってしまい、前記物体が前記画像に撮影されない場合があり、精度良く測距できない。
前記特許文献1に開示されたステレオ撮影装置を用いて測距した場合、RGB(赤緑青)のカラー画像と、G(緑)の単色画像とが得られるが、前記特許文献1に開示されたステレオ撮影装置は、簡単かつ調整容易な光学構成でありながら、左右のイメージサークルのしみ出しに起因する画像劣化を防ぐことを目的に考案された技術であるため、上述の場合に対処できない。
本発明は、上述の事情に鑑みて為された発明であり、その目的は、映り込みや大きな明暗差が有る場合でも、多色画像と単色画像とを使い分けながら、より精度良く測距できる測距装置および測距方法を提供することである。
本発明者は、種々検討した結果、上記目的は、以下の本発明により達成されることを見出した。すなわち、本発明の一態様にかかる測距装置は、複数の第1撮像光学系と、前記複数の第1撮像光学系に対応し、前記複数の第1撮像光学系それぞれによって結像された物体の光学像をそれぞれ複数色で撮像する複数の多色撮像部とを備えるカラーアレイカメラと、複数の第2撮像光学系と、前記複数の第2撮像光学系に対応し、前記複数の第1撮像光学系それぞれによって結像された前記物体の光学像をそれぞれ単色で撮像する複数の単色撮像部とを備えるモノクロアレイカメラと、前記カラーアレイカメラによって得られた多色画像と前記モノクロアレイカメラによって得られた単色画像とに基づいて測定対象までの距離を求める距離演算部と、入射光を領域ごとに光学的に互いに異なるように射出する第1および第2光学フィルタ部とを備え、前記カラーアレイカメラは、前記第1光学フィルタ部を介して前記物体の光学像を前記複数の多色撮像部それぞれによって撮像し、前記モノクロアレイカメラは、前記第2光学フィルタ部を介して前記物体の光学像を前記複数の単色撮像部それぞれによって撮像することを特徴とする。
このような測距装置は、カラーアレイカメラおよびモノクロアレイカメラを備えるので、同一の被写体に対し複数の多色画像および複数の単色画像を得ることができる。そして、これら複数の多色画像は、第1光学フィルタ部を介して得られるので、光学的に異なる状態で撮像された画像であり、これら複数の単色画像も、第2光学フィルタ部を介して得られるので、光学的に異なる状態で撮像された画像である。このため、上記測距装置は、距離演算部によって測定対象までの距離を求める際に、このような光学的に異なる複数の多色画像および複数の単色画像の中から適宜な画像を選択できるので、映り込みや大きな明暗差が有る場合でも、多色画像と単色画像とを使い分けながら、より精度良く測距できる。
また、他の一態様では、上述の測距装置において、前記第1および第2光学フィルタ部における互いに同じ位置に配置される領域は、入射光を光学的に互いに同じになるように射出し、前記第1および第2光学フィルタは、互いに対応する領域の配置位置を維持するように、前記カラーアレイカメラおよび前記モノクロアレイカメラに対し配置されることを特徴とする。
このような測距装置では、第1および第2光学フィルタ部は、入射光を光学的に互いに同じになるように射出する各領域を同一配置で備え、かつ、前記同一配置を維持してカラーアレイカメラおよびモノクロアレイカメラに対し配置されている。このため、上記測距装置は、複数の多色画像および複数の単色画像の中から、光学的に同一な状態で撮像された画像同士を容易に選択できる。
また、他の一態様では、これら上述の測距装置において、前記距離演算部は、前記カラーアレイカメラによって得られた多色画像の一部と、前記モノクロアレイカメラによって得られた単色画像の一部とに基づいて測定対象までの距離を求めることを特徴とする。
この構成によれば、多色画像の一部と単色画像の一部とに基づいて測距する測距装置を提供できる。
また、他の一態様では、これら上述の測距装置において、第1および第2光学フィルタ部における前記複数のサブ光学フィルタは、偏光フィルタであることを特徴とする。
このような測距装置は、前記複数のサブ光学フィルタが偏光フィルタであるので、画像に映り込みが有るか否かを判定できる。このため、上記測距装置は、映り込みが有る場合でも、多色画像と単色画像とを使い分けながら、より精度良く測距できる。
また、他の一態様では、これら上述の測距装置において、第1および第2光学フィルタ部における前記複数のサブ光学フィルタは、NDフィルタであることを特徴とする。
このような測距装置は、前記複数のサブ光学フィルタがND(Neutral Density)フィルタであるので、被写体の光学像の光量を変えながら前記光学像を撮像できる。このため、上記測距装置は、大きな明暗差が有る場合でも、多色画像と単色画像とを使い分けながら、より精度良く測距できる。
また、他の一態様では、これら上述の測距装置において、前記距離演算部は、前記モノクロアレイカメラによって得られた単色画像に基づいて、前記複数の多色撮像部によって得られた複数の多色画像および前記複数の単色撮像部によって得られた複数の単色画像の中から、前記測定対象までの距離を求めるために用いる多色画像および単色画像を決定し、前記決定した多色画像および単色画像に基づいて前記測定対象までの距離を求めることを特徴とする。
例えば、映り込みの有無の判定や、模様(柄)の判別などのように、画像選択の際に用いられる判定や判別の種別によっては単色画像が適し、多色画像より優位である場合がある。上記測距装置では、距離演算部が、単色画像に基づいて複数の多色画像および複数の単色画像の中から測距に用いる多色画像および単色画像を決定するので、適切に判定や判別を実行できる。このため、上記測距装置は、適切な画像で測距でき、より精度良く測距できる。
また、他の一態様では、これら上述の測距装置において、前記距離演算部は、前記カラーアレイカメラによって得られた多色画像に基づいて、前記複数の多色撮像部によって得られた複数の多色画像および前記複数の単色撮像部によって得られた複数の単色画像の中から、前記測定対象までの距離を求めるために用いる多色画像および単色画像を決定し、前記決定した多色画像および単色画像に基づいて前記測定対象までの距離を求めることを特徴とする。
画像選択の際に、色によって判定や判別を実施する場合があり、このような場合では、多色画像が適し、単色画像より優位である。上記測距装置では、距離演算部が、多色画像に基づいて複数の多色画像および複数の単色画像の中から測距に用いる多色画像および単色画像を決定するので、適切に判定や判別を実行できる。このため、上記測距装置は、適切な画像で測距でき、より精度良く測距できる。
また、他の一態様では、これら上述の測距装置において、前記カラーアレイカメラによって得られた多色画像および前記モノクロアレイカメラによって得られた単色画像それぞれを画像フィルタでフィルタリングする画像フィルタ処理部をさらに備え、前記カラーアレイカメラによって得られた多色画像は、2次元アレイ状に配列された複数の画素それぞれに対応する複数のデータであって、互いに異なる複数色の複数の濃度データを所定のパターンで配列した単位配列を、複数、さらに2次元アレイ状に配列した前記複数のデータを備え、前記画像フィルタは、フィルタリングするデータである対象データに対応する画素の周辺に位置する画素に対応するデータに基づいて、前記対象データを、前記単位配列の色組成比と同じ色組成比を持つデータに変換するフィルタ係数を備え、前記距離演算部は、前記画像フィルタ処理部でフィルタリングされた前記多色画像および前記単色画像に基づいて前記測定対象までの距離を求めることを特徴とする。
対応点探索によって画像間の視差を求めて測距する場合、対応点探索は、パターンマッチングによって対応点を探索するので、一般に、同じ色成分のデータしか利用できない。このため、例えばベイヤー配列の色フィルタを用いることによって得られた原画像データで対応点探索を実施する場合には、例えばG画素のデータで対応点探索が実施される場合でも、原画像データの半分のデータ量しか利用できない。しかしながら、上記測距装置では、前記画像フィルタによって単位配列の色組成比と同じ色組成比を持つデータに原画像データを変換するように画像フィルタ処理部によってフィルタリングするので、全ての画素のデータを同じ色成分を持つデータとして扱うことができるようになり、この結果、全ての画素のデータを利用して対応点探索の実施が可能となる。したがって、このような測距装置は、対応点探索をより高精度に実施でき、より精度良く測距できる。
また、他の一態様では、上述の測距装置において、前記画像フィルタの各フィルタ係数は、中心位置に対し対称であることを特徴とする。他の一態様では、上述の測距装置において、前記画像フィルタの各フィルタ係数は、前記画像フィルタ全域に前記単位配列を重ねた場合に、前記単位配列の同じ配列位置におけるフィルタ係数の和が、全ての配列位置で同じ値になるように、設定されていることを特徴とする。
このような測距装置は、全ての画素のデータをより同等な色成分を持つデータとして扱うことができ、より好適である。
また、他の一態様では、これら上述の測距装置において、前記多色画像における前記複数のデータをデモザイクすることによって各色成分データを各画素ごとに持つ画像データの少なくとも1色を生成するデモザイク処理部をさらに備えることを特徴とする。
このような測距装置は、デモザイク処理部をさらに備えるので、測距に用いた画像を出力する場合に、カラー画像で出力できる。
また、他の一態様では、これら上述の測距装置において、前記複数の多色画像と前記複数の単色画像とは、入射光を光学的に互いに同じになるように射出する前記サブ光学フィルタを介して互いに対応付けられており、前記距離演算部は、前記複数の単色撮像部によって得られた複数の単色画像の中から、反射の無い単色画像を検出し、前記検出した単色画像および前記単色画像に対応する多色画像に基づいて前記測定対象までの距離を求めることを特徴とする。
このような測距装置は、反射の無い単色画像および多色画像を用いて測距できる。このため、上記測距装置は、映り込みが有る場合でも、より精度良く測距できる。
また、他の一態様にかかる測距方法は、複数の第1撮像光学系と、前記複数の第1撮像光学系に対応し、前記複数の第1撮像光学系それぞれによって結像された物体の光学像をそれぞれ複数色で撮像する複数の多色撮像部とを備えるカラーアレイカメラで前記物体の光学像を撮像して複数の多色画像を得る多色画像取得工程と、複数の第2撮像光学系と、前記複数の第2撮像光学系に対応し、前記複数の第1撮像光学系それぞれによって結像された物体の光学像をそれぞれ単色で撮像する複数の単色撮像部とを備えるモノクロアレイカメラで前記物体の光学像を撮像して複数の単色画像を得る単色画像取得工程と、前記カラーアレイカメラによって得られた多色画像と前記モノクロアレイカメラによって得られた単色画像とに基づいて測定対象までの距離を求める距離演算工程とを備え、前記カラーアレイカメラは、入射光を光学的に互いに異なるように射出する複数のサブ光学フィルタの領域を備える第1および第2光学フィルタ部のうちの前記第1光学フィルタ部を介して前記物体の光学像を前記複数の多色撮像部それぞれによって撮像し、前記モノクロアレイカメラは、前記第1および第2光学フィルタ部のうちの前記第2光学フィルタ部を介して前記物体の光学像を前記複数の単色撮像部それぞれによって撮像することを特徴とする。
このような測距方法は、カラーアレイカメラおよびモノクロアレイカメラによって同一の被写体に対し複数の多色画像および複数の単色画像を得ることができる。そして、これら複数の多色画像は、第1光学フィルタ部を介して得られるので、光学的に異なる状態で撮像された画像であり、これら複数の単色画像も、第2光学フィルタ部を介して得られるので、光学的に異なる状態で撮像された画像である。このため、上記測距方法は、距離演算工程によって測定対象までの距離を求める際に、このような光学的に異なる複数の多色画像および複数の単色画像の中から適宜な画像を選択できるので、映り込みや大きな明暗差が有る場合でも、多色画像と単色画像とを使い分けながら、より精度良く測距できる。
本発明にかかる測距装置および測距方法は、映り込みや大きな明暗差が有る場合でも、カラー画像と単色画像とを使い分けながら、より精度良く測距できる。
第1実施形態における測距装置の構成を示すブロック図である。 第1実施形態の前記測距装置における画像取得部の構成を示すブロック図である。 第1実施形態の前記画像取得部における第1および第2光学フィルタ部の構成を示す図である。 前記画像取得部におけるアレイカメラ(カラーアレイカメラ、モノクロアレーカメラ)の構成を示す斜視図である。 前記カラーアレイカメラにおける色フィルタの単位色フィルタ配列を示す図である。 前記測距装置の距離演算部における前処理部で用いられる画像フィルタの構成を示す図である。 第1実施形態の前記測距装置における動作を示すフローチャートである。 第1実施形態において、前記モノクロアレイカメラの各個眼で得られた各画像およびそのラプラシアンフィルタ処理結果を一例として示す図である。 偏光角0度の場合において、前記モノクロアレイカメラの個眼で得られた画像およびそのラプラシアンフィルタ処理後の画像と、前記カラーアレイカメラの個眼で得られた画像およびそのラプラシアンフィルタ処理後の画像とを比較して一例として示す図である。 偏光角135度の場合において、前記モノクロアレイカメラの個眼で得られた画像およびそのラプラシアンフィルタ処理結果と、前記カラーアレイカメラの個眼で得られた画像およびそのラプラシアンフィルタ処理結果とを比較して一例として示す図である。 前記測距装置における前処理を説明するための図である。 前記前処理における前後の画像を対比して一例として示す図である。 前記測距装置における対応点探索処理を説明するための図である。 前記測距装置における、ステレオ法による測距方法を説明するための図である。 第2実施形態における測距装置の構成を示すブロック図である。 第2実施形態の前記測距装置における画像取得部の構成を示すブロック図である。 第2実施形態の前記画像取得部における第1および第2光学フィルタ部の構成を示す図である。 前記測距装置におけるデモザイク処理を説明するための図である。 第2実施形態の前記測距装置において、第1態様の抽出対象を説明するための図である。 第2実施形態の前記測距装置において、第2態様の抽出対象を説明するための図である。 第2実施形態の前記測距装置が効果的に適用される画像を説明するための図である。 第2実施形態の前記測距装置における動作を示すフローチャートである。 第2実施形態において、前記モノクロアレイカメラの各個眼で得られた各画像および前記カラーアレイカメラの各個眼で得られた各画像を一例として示す図である。 第2実施形態において、被写体抽出を説明するための図である。 第1および第2実施形態の測距装置において、画像取得部の他の構成を示すブロックである。
以下、本発明にかかる実施の一形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、適宜、その説明を省略する。また、本明細書において、総称する場合には添え字を省略した参照符号で示し、個別の構成を指す場合には添え字を付した参照符号で示す。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態における測距装置の構成を示すブロック図である。図2は、第1実施形態の前記測距装置における画像取得部の構成を示すブロック図である。図3は、第1実施形態の前記画像取得部における第1および第2光学フィルタ部の構成を示す図である。図3(A)は、第1光学フィルタ部を示し、図3(B)は、第2光学フィルタ部を示す。図4は、前記画像取得部におけるアレイカメラ(カラーアレイカメラ、モノクロアレイカメラ)の構成を示す斜視図である。図5は、前記カラーアレイカメラにおける色フィルタの単位色フィルタ配列を示す図である。図5(A)ないし(D)は、単位色フィルタ配列の第1ないし第4態様を示す。図6は、前記測距装置の距離演算部における前処理部で用いられる画像フィルタの構成を示す図である。図6(A)ないし(D)は、画像フィルタの第1ないし第4態様を示す。
実施形態における測距装置は、ステレオ法(立体視法)で得られた複数の画像に対し対応点探索を行って前記複数の画像間における視差を求めることによって測定対象である所定の物体までの距離を測定する装置であり、前記複数の画像は、前記測定対象の物体(被写体)を含み、例えば、予め定める基線長間隔だけ離間しかつそれらの各光軸が互いに平行となるように配置されたいわゆるステレオカメラによって得られる。前記対応点探索は、2個の画像に対し、一方を基準画像とし他方を参照画像とした場合に、基準画像上における所定の点に対応する参照画像上における点を探索する処理である。そして、実施形態における測距装置は、アレイカメラによって複数の色から成る複数の多色画像および単色から成る複数の単色画像を取得し、これら複数の多色画像および複数の単色画像の中から、測定対象の状態に応じて測距に最適な画像を選択し、この選択した画像に基づいて測定対象までの距離を求めるものである。
このような測距装置Dの各実施形態を以下に説明するが、まず、第1実施形態における測距装置Daは、例えば、図1に示すように、制御処理部1aと、記憶部2と、画像取得部3aと、入力部4と、出力部5とを備える。
画像取得部3aは、制御処理部1aに接続され、複数の多色画像および複数の単色画像を取得するものである。前記複数の多色画像は、同一の測定対象(物体、被写体)に対し、入射光を光学的に互いに異なるように射出する複数の第1サブ光学フィルタそれぞれを介して生成され、したがって、前記複数の多色画像は、前記複数の第1サブ光学フィルタそれぞれと対応付けられる。同様に、前記複数の単色画像は、前記同一の測定対象に対し、前記複数の多色画像に対する前記複数の第1サブ光学フィルタと同様の光学特性を持つ複数の第2サブ光学フィルタそれぞれを介して生成され、したがって、前記複数の単色画像は、前記複数の第2サブ光学フィルタそれぞれと対応付けられる。このため、同一の光学特性を持つ第1および第2サブ光学フィルタを介して生成された多色画像および単色画像は、測定対象の物体の光学像を光学的に同一の状態で撮像した1対の画像となり、ステレオ法で得られた画像である。なお、前記同一の光学特性を持つ第1および第2サブ光学フィルタは、言い換えれば、複数の第1および第2サブ光学フィルタのうち、入射光を光学的に互いに同じになるように射出する第1および第2サブ光学フィルタ同士である。
このような画像取得部3aは、例えば、図2に示すように、第1および第2光学フィルタ部31Aa、31Baと、カラーアレイカメラ32Aと、モノクロアレイカメラ32Bとを備える。これらカラーアレイカメラ32Aおよびモノクロアレイカメラ32Bは、予め定める基線長間隔だけ離間しかつそれらの各光軸が互いに平行となるように配置される。
第1および第2光学フィルタ部31Aa、31Baは、それぞれ、入射光を領域ごとに光学的に互いに異なるように射出する光学素子であり、例えば、入射光を光学的に互いに異なるように射出する複数のサブ光学フィルタの領域を備える。より具体的には、第1光学フィルタ部31Aaは、図3(A)に示すように、2次元アレイ状に配列された、入射光を光学的に互いに異なるように射出する複数の第1サブ光学フィルタ311Aaを備える。図3(A)に示す例では、第1光学フィルタ部31Aaは、2行2列で配列された4個の第1サブ光学フィルタ311Aa−11〜311Aa−22を備える。これら第1サブ光学フィルタ311Aaは、次の第2サブ光学フィルタ311Baも同様に、個別の光学素子であって良く、また一体に形成された光学素子であっても良い。同様に、第2光学フィルタ部31Baは、図3(B)に示すように、2次元アレイ状に配列された、入射光を光学的に互いに異なるように射出する複数の第2サブ光学フィルタ311Baを備える。図3(B)に示す例では、第2光学フィルタ部31Baは、2行2列で配列された4個の第2サブ光学フィルタ311Ba−11〜311Ba−22を備える。
これら第1および第2サブ光学フィルタ311Aa、311Baは、本実施形態では、例えば、入射光を予め設定された所定の偏光で射出する偏光フィルタである。この偏光フィルタの、4個の第1サブ光学フィルタ311Aa−11〜311Aa−22および4個の第2サブ光学フィルタ311Ba−11〜311Ba−22は、入射光を光学的に互いに異なるように射出するために、それぞれの偏光角が互いに異なっている。より詳しくは、1行1列に配置される第1および第2サブ光学フィルタ311Aa−11、311Ba−11は、偏光角が0度であり、1行2列に配置される第1および第2サブ光学フィルタ311Aa−12、311Ba−12は、偏光角が45度であり、2行1列に配置される第1および第2サブ光学フィルタ311Aa−21、311Ba−21は、偏光角が90度であり、そして、2行2列に配置される第1および第2サブ光学フィルタ311Aa−22、311Ba−22は、偏光角が135度である。このように本実施形態では、第1および第2光学フィルタ部31Aa、31Baは、2次元配列(本実施形態では2行2列の2次元アレイ配列)において、前記複数の第1および第2サブ光学フィルタ311Aa、311Baを光学特性の観点で互いに同一配置で備えており、光学的に同一の特性を持つサブ光学フィルタ同士が互いに同じ位置に配置されるように構成されている。したがって、第1および第2光学フィルタ部31Aa、31Baにおける互いに同じ位置に配置される領域は、入射光を光学的に互いに同じになるように射出する。そして、これら第1および第2光学フィルタ部31Aa、31Baは、互いに対応する領域の配置位置を維持するように(すなわち、光学的に同一の特性を持つ第1および第2サブ光学フィルタ311Aa、311Ba同士が互いに同じ位置に配置されるように)、カラーアレイカメラ32Aおよびモノクロアレイカメラ32Bに対し配置される。
カラーアレイカメラ32Aは、複数の第1撮像光学系と、前記複数の第1撮像光学系に対応し、前記複数の第1撮像光学系それぞれによって結像された物体の光学像をそれぞれ複数色で撮像する複数の多色撮像部とを備えるものである。このようなカラーアレイカメラ32Aは、例えば、図2および図4に示すように、第1アレイレンズ部321Aと、アレイ色フィルタ部322Aと、第1アレイ撮像部323Aとを備える。なお、図4は、カラーアレイカメラ32Aおよびモノクロアレイカメラ32Bの図示として共用されており、図4がカラーアレイカメラ32Aを図示する場合では、アレイ色フィルタ部322Aの図示が省略されている。
第1アレイレンズ部321Aは、前記複数の第1撮像光学系3211Aを備える。1個の第1撮像光学系3211Aは、その光軸に沿って1または複数の光学レンズを備えて構成される。複数の第1撮像光学系3211Aは、図4に示す例では、各光軸が互いに略平行となるように、そして、線形独立な2方向、より具体的には互いに直交するX方向およびY方向の2方向に2次元マトリクス状に配列される。図4に示す例では、複数の撮像光学系3211Aは、第1光学フィルタ部31Aaにおける第1サブ光学フィルタ311Aaの配列態様および個数に合わせて2行2列に2次元マトリクス状に配列された4個の撮像光学系3211A−11〜3211A−22である。
第1アレイ撮像部323Aは、前記複数の多色撮像部3231Aを備える。1個の多色撮像部3231Aは、2次元マトリクス状に配列された複数の光電変換素子(複数の画素)を備え、各光電変換素子は、それぞれ、アレイ色フィルタ部322Aにおける後述の色フィルタ部3221を介して受光した光の光量に応じて変換した電気信号を多色画像における各画素のデータとして出力する。複数の多色撮像部3231Aは、第1アレイレンズ部321Aにおける複数の撮像光学系3211Aに対応し、各撮像面が互いに同一平面となるように配列される。図4に示す例では、複数の多色撮像部3231Aは、線形独立な2方向、より具体的には互いに直交するX方向およびY方向の2方向に2次元マトリクス状に配列されている。図4に示す例では、複数の多色撮像部3231Aは、2行2列に2次元マトリクス状に配列された4個の多色撮像部3231A−11〜3231A−22が示されている。これら複数の多色撮像部3231Aは、同一の基板上に2次元マトリクス状に配列された複数の前記固体撮像素子を備えて構成されて良いが、図4に示す例では、1個の前記固体撮像素子を備えて構成され、この1個の前記固体撮像素子における有効画素領域が、各多色撮像部3231Aに対応するように、2次元マトリクス状に配列された複数の領域に分割され、これら各領域が各多色撮像部3231Aとして利用される。
アレイ色フィルタ部322Aは、複数の色フィルタ部3221を備える。複数の色フィルタ部3221は、第1アレイレンズ部321Aにおける複数の撮像光学系3211Aに対応し、各受光面が互いに同一平面となるように配列される。本実施形態では、複数の色フィルタ部3221は、線形独立な2方向、より具体的には互いに直交するX方向およびY方向の2方向に2次元マトリクス状に配列されている。より具体的には、例えば、複数の色フィルタ部3221は、2行2列に2次元マトリクス状に配列された4個の色フィルタ部3221−11〜3221−22を備える。
これら複数の色フィルタ部3221それぞれは、互いに異なる複数の色フィルタを所定のパターンで配列した単位色フィルタ配列3222−Uを、複数、さらに2次元アレイ状に配列した光学フィルタ素子である。色フィルタ部3221の各色フィルタは、それぞれ、入射した光のうち所定の波長範囲(透過波長帯域)の光を透過し、多色撮像部3231Aの各光電変換素子に対応するように配置される。すなわち、複数の色フィルタ部3221は、それぞれ、複数の多色撮像部3231Aに対応するように配置され、各色フィルタ部3221および多色撮像部3231Aそれぞれにおいて、色フィルタ部3221における各色フィルタは、多色撮像部3231Aにおける複数の光電変換素子(複数の画素)それぞれに対応するように配置される。
前記単位色フィルタ配列3222−Uは、例えば画像の使用用途等に応じて種々の態様を採用でき、例えば、図5(A)ないし(D)に示す第1ないし第4態様の単位色フィルタ配列3222a−U〜3222d−U等である。
図5(A)に示す第1態様の単位色フィルタ配列3222a−Uは、赤色を透過する赤色フィルタ(R)、緑色を透過する第1緑色フィルタ(G)、緑色を透過する第2緑色フィルタ(G)、および、青色を透過する青色フィルタ(B)を2行2列で2次元マトリックス状に配置した配列であり、いわゆるベイヤー配列である。すなわち、1行1列に赤色フィルタが配置され、1行2列および2行1列それぞれ第1および第2緑色フィルタが配置され、そして、2行2列に青色フィルタが配置される。このような複数の単位色フィルタ配列3222a−Uをさらに2次元アレイ状に配列した色フィルタ部3221aが図2に示すアレイ色フィルタ部322Aの色フィルタ部3221として用いられてよい。この色フィルタ部3221aは、いわゆる原色フィルタである。
また、図5(B)に示す第2態様の単位色フィルタ配列3222b−Uは、黄色を透過する黄色フィルタ(Ye)、マゼンダ色を透過するマゼンダ色フィルタ(Mg)、シアン色を透過するシアン色フィルタ(Cy)、および、緑色を透過する緑色フィルタ(G)を2行2列で2次元マトリックス状に配置した配列である。すなわち、1行1列に黄色フィルタが配置され、1行2列にマゼンダ色フィルタが配列され、2行1列にシアン色フィルタが配置され、そして、2行2列に緑色フィルタが配置される。このような複数の単位色フィルタ配列3222b−Uをさらに2次元アレイ状に配列した色フィルタ部3221bが図2に示すアレイ色フィルタ部322Aの色フィルタ部3221として用いられてよい。この色フィルタ部3221bは、いわゆる補色フィルタである。
また、図5(C)に示す第3態様の単位色フィルタ配列3222c−Uは、赤色を透過する赤色フィルタ(R)、緑色を透過する緑色フィルタ(G)、青色を透過する青色フィルタ(B)、および、赤外光を透過する赤外光フィルタ(Ir)を2行2列で2次元マトリックス状に配置した配列である。すなわち、1行1列に赤色フィルタが配置され、1行2列に緑色フィルタが配置され、2行1列に青色フィルタが配置され、そして、2行2列に赤外光フィルタが配置される。このような複数の単位色フィルタ配列3222c−Uをさらに2次元アレイ状に配列した色フィルタ部3221cが図2に示すアレイ色フィルタ部322Aの色フィルタ部3221として用いられてよい。
また、図5(D)に示す第4態様の単位色フィルタ配列3222d−Uは、白色を透過する白色フィルタ(W)、黄色を透過する黄色フィルタ(Ye)、赤色を透過する赤色フィルタ(R)、および、赤外光を透過する赤外光フィルタ(Ir)を2行2列で2次元マトリックス状に配置した配列である。すなわち、1行1列に白色フィルタが配置され、1行2列に黄色フィルタが配列され、2行1列に赤色フィルタが配置され、そして、2行2列に赤外光フィルタが配置される。このような複数の単位色フィルタ配列3222d−Uをさらに2次元アレイ状に配列した色フィルタ部3221dが図2に示すアレイ色フィルタ部322Aの色フィルタ部3221として用いられてよい。このような第4態様の単位色フィルタ配列3222d−Uを用いた色フィルタ部3221dを用いることによって、可視光だけでなく赤外光も利用した画像を生成できる。
このような構成のカラーアレイカメラ32Aでは、第1光学フィルタ部31Aaを介して入射される被写体からの光束は、第1アレイレンズ部321Aにおける複数の撮像光学系3211Aにそれぞれ入射され、アレイ色フィルタ部322Aにおける各色フィルタ部3221を介して各多色撮像部3231Aの各受光面に物体の光学像をそれぞれ形成する。各多色撮像部3231Aの各光電変換素子は、それぞれ、各色フィルタ部3221の各色フィルタを介して受光した光をその光量に応じた電気信号に光電変換し、この電気信号を多色画像における各画素のデータとして制御処理部1aへ出力する。色フィルタ部3221は、図5に示す単位色フィルタ配列3222−Uで構成されているので、各多色撮像部3231Aは、それぞれ、2次元アレイ状に配列された複数の画素それぞれに対応する複数のデータであって、互いに異なる複数色の複数の濃度データを所定のパターンで配列した単位配列を、複数、さらに2次元アレイ状に配列した前記複数のデータを備える原画像データを出力することになる。したがって、複数の撮像光学系3211Aおよび複数の色フィルタ部3221を介して被写体の光学像をそれぞれ撮像する複数の多色撮像部3231Aは、同じ被写体を写した略視差だけずれた原画像データを生成することになる。そして、複数の多色撮像部3231Aは、それぞれ、複数の多色画像それぞれに対応した複数の原画像データを出力する。図4に示す例では、4個の多色撮像部3231A−11〜3231A−22を備える固体撮像素子は、4個の多色画像それぞれに対応した4個の原画像データを出力することになる。
なお、一般に、撮像装置(カメラ)は、イメージセンサから出力される画像信号に対し、ホワイトバランス処理、フィルタ処理、階調変換処理および色空間変換処理等のいわゆる通常の画像処理を施し、最終的な画像信号を生成するが、前記原画像データは、このような通常の画像処理を施す前の、イメージセンサから出力された生の画像信号であり、例えばローデータ(Raw Data、生データ)である。
そして、上記第1態様の単位色フィルタ配列3222a−Uを持つ色フィルタ部3221aが用いられる場合では、単位色フィルタ配列3222a−Uの色組成比は、R:B:G=1:1:2であり、このため、この色フィルタ部3221aを用いることによって生成された多色画像の原画像データの色組成比も、R:B:G=1:1:2である。上記第2態様の単位色フィルタ配列3222b−Uを持つ色フィルタ部3221bが用いられる場合では、単位色フィルタ配列3222b−Uの色組成比は、Ye:Mg:Cy:G=1:1:1:1であり、このため、この色フィルタ部3221bを用いることによって生成された多色画像の原画像データの色組成比も、Ye:Mg:Cy:G=1:1:1:1である。上記第3態様の単位色フィルタ配列3222c−Uを持つ色フィルタ部3221cが用いられる場合では、単位色フィルタ配列3222c−Uの色組成比は、R:G:B:Ir=1:1:1:1であり、このため、この色フィルタ部3221cを用いることによって生成された原画像データの色組成比も、R:G:B:Ir=1:1:1:1である。上記第4態様の単位色フィルタ配列3222d−Uを持つ色フィルタ部3221dが用いられる場合では、単位色フィルタ配列3222d−Uの色組成比は、W:Ye:R:Ir=1:1:1:1であり、このため、この色フィルタ部3221dを用いることによって生成された原画像データの色組成比も、W:Ye:R:Ir=1:1:1:1である。
そして、カラーアレイカメラ32Aには、第1光学フィルタ部31Aaを介して被写体からの光束が入射される。したがって、カラーアレイカメラ32Aは、光学的に互いに異なる状態の光学像を複数色で撮像する。このため、カラーアレイカメラ32Aから出力される複数の多色画像それぞれに対応した複数の原画像データ(多色原画像データ)は、光学的に互いに異なる状態の被写体の光学像を複数色で撮像して生成されたデータである。より具体的には、本実施形態では、第1光学フィルタ部31Aaの第1サブ光学フィルタ311Aaは、偏光フィルタであるので、複数の多色画像それぞれに対応する複数の多色原画像データは、互いに異なる偏光での光学像を複数色で撮像して生成されたデータである。より詳しくは、2行2列の2次元配列において、1行1列に位置する、第1サブ光学フィルタ311Aa−11、第1撮像光学系3211A−11、色フィルタ部3221−11および多色撮像部3231A−11によって生成された多色原画像データは、偏光角0度の偏光フィルタを介して得られた被写体の光学像を撮像したデータ(0度多色原画像データ)である。1行2列に位置する、第1サブ光学フィルタ311Aa−12、第1撮像光学系3211A−12、色フィルタ部3221−12および多色撮像部3231A−12によって生成された多色原画像データは、偏光角45度の偏光フィルタを介して得られた被写体の光学像を撮像したデータ(45度多色原画像データ)である。2行1列に位置する、第1サブ光学フィルタ311Aa−21、第1撮像光学系3211A−21、色フィルタ部3221−21および多色撮像部3231A−21によって生成された多色原画像データは、偏光角90度の偏光フィルタを介して得られた被写体の光学像を撮像したデータ(90度多色原画像データ)である。2行2列に位置する、第1サブ光学フィルタ311Aa−22、第1撮像光学系3211A−22、色フィルタ部3221−22および多色撮像部3231A−22によって生成された多色原画像データは、偏光角135度の偏光フィルタを介して得られた被写体の光学像を撮像したデータ(135度多色原画像データ)である。
モノクロアレイカメラ32Bは、複数の第2撮像光学系と、前記複数の第2撮像光学系に対応し、前記複数の第2撮像光学系それぞれによって結像された物体の光学像をそれぞれ単色で撮像する複数の単色撮像部とを備えるものである。このようなモノクロアレイカメラ32Bは、例えば、図2および図4に示すように、第2アレイレンズ部321Bと、第2アレイ撮像部323Bとを備える。すなわち、上述したカラーアレイカメラ32Aに対し、モノクロアレイカメラ32Bは、アレイ色フィルタ部322Aが無い構成である。
第2アレイレンズ部321Bは、前記複数の第2撮像光学系3211Bを備える。1個の第2撮像光学系3211Bは、その光軸に沿って1または複数の光学レンズを備えて構成される。複数の第2撮像光学系3211Bは、本実施形態では、第1アレイレンズ部321Aと同様に、各光軸が互いに略平行となるように、そして、線形独立な2方向、より具体的には互いに直交するX方向およびY方向の2方向に2行2列に2次元マトリクス状に配列された4個の撮像光学系3211B−11〜3211B−22である。
第2アレイ撮像部323Bは、前記複数の単色撮像部3231Bを備える。1個の単色撮像部3231Bは、2次元マトリクス状に配列された複数の光電変換素子(複数の画素)を備え、各光電変換素子は、それぞれ、その受光した光の光量に応じて変換した電気信号を単色画像における各画素のデータとして出力する。複数の単色撮像部3231Bは、第2アレイレンズ部321Bにおける複数の撮像光学系3211Bに対応し、各撮像面が互いに同一平面となるように配列される。図4に示す例では、複数の単色撮像部3231Bは、複数の多色撮像部3231Aと同様に、線形独立な2方向、より具体的には互いに直交するX方向およびY方向の2方向に2行2列に2次元マトリクス状に配列された4個の単色撮像部3231B−11〜3231B−22である。これら複数の単色撮像部3231Bは、複数の多色撮像部3231Aと同様に、複数の前記固体撮像素子を備えて構成されて良いが、図4に示す例では、有効画素領域を複数の領域に分割して用いられる1個の前記固体撮像素子を備えて構成されている。
なお、カラーアレイカメラ32Aのアレイ色フィルタ部322Aにおける色フィルタ部3221が、赤外光を透過する赤外光フィルタ(Ir)を含む場合には、からアレイカメラ32Aと同様に赤外光を撮像するように、モノクロアレイカメラ32Bは、赤外光カットフィルタを備えないことが好ましい。
このような構成のモノクロアレイカメラ32Bでは、第2光学フィルタ部31Baを介して入射される被写体からの光束は、第2アレイレンズ部321Bにおける複数の撮像光学系3211Bそれぞれを介して、各単色撮像部3231Bの各受光面に物体の光学像をそれぞれ形成するように、各単色撮像部3231Bに入射される。各単色撮像部3231Bの各光電変換素子は、それぞれ、その受光した光をその光量に応じた電気信号に光電変換し、この電気信号を単色画像における各画素のデータとして制御処理部1aへ出力する。複数の撮像光学系3211Bを介して被写体の光学像をそれぞれ撮像する複数の単色撮像部3231Bは、同じ被写体を写した略視差だけずれた原画像データを生成し、複数の単色画像それぞれに対応した複数の原画像データを出力する。図4に示す例では、4個の単色撮像部3231B−11〜3231B−22を備える固体撮像素子は、4個の単色画像それぞれに対応した4個の原画像データを出力することになる。
そして、モノクロアレイカメラ32Bには、第2光学フィルタ部31Baを介して被写体からの光束が入射される。したがって、モノクロアレイカメラ32Bは、光学的に互いに異なる状態の被写体の光学像を単色で撮像する。このため、モノクロアレイカメラ32Bから出力される複数の単色画像それぞれに対応した複数の原画像データ(単色原画像データ)は、光学的に互いに異なる状態の光学像を単色で撮像して生成されたデータである。より具体的には、本実施形態では、第2光学フィルタ部31Baの第2サブ光学フィルタ311Baは、偏光フィルタであるので、複数の単色画像それぞれに対応する複数の単色原画像データは、互いに異なる偏光での光学像を単色で撮像して生成されたデータである。より詳しくは、2行2列の2次元配列において、1行1列に位置する、第2サブ光学フィルタ311Ba−11、第2撮像光学系3211B−11および単色撮像部3231B−11によって生成された単色原画像データは、偏光角0度の偏光フィルタを介して得られた被写体の光学像を撮像したデータ(0度単色原画像データ)である。1行2列に位置する、第2サブ光学フィルタ311Ba−12、第2撮像光学系3211B−12および単色撮像部3231B−12によって生成された単色原画像データは、偏光角45度の偏光フィルタを介して得られた被写体の光学像を撮像したデータ(45度単色原画像データ)である。2行1列に位置する、第2サブ光学フィルタ311Ba−21、第2撮像光学系3211B−21および単色撮像部3231B−21によって生成された単色原画像データは、偏光角90度の偏光フィルタを介して得られた被写体の光学像を撮像したデータ(90度単色原画像データ)である。2行2列に位置する、第2サブ光学フィルタ311Ba−22、第2撮像光学系3211B−22および単色撮像部3231B−22によって生成された単色原画像データは、偏光角135度の偏光フィルタを介して得られた被写体の光学像を撮像したデータ(135度単色原画像データ)である。
なお、上述のモノクロアレイカメラ32Bは、輝度(白色)の単色原画像データを生成したが、図2に破線で示すように、単色の色フィルタ(例えばGフィルタ等)を備えて構成されるフィルタ部322Bを第2アレイレンズ部321Bと第2アレイ撮像部323Bとの間に介在し、1ch(この例では緑色)の単色原画像データを生成しても良い。
図1に戻って、入力部4は、制御処理部1aに接続され、例えば、測距の開始を指示するコマンド等の各種コマンド、および、例えば測定対象の物体を写した画像における識別子(ファイルネーム)の入力や測距の際の画像処理に用いられる画像フィルタの選択入力等の測距処理を実行する上で必要な各種データを測距装置Daに入力する機器であり、例えば、キーボードやマウス等である。出力部5は、制御処理部1aに接続され、入力部4から入力されたコマンドやデータ、および、測距装置Daによって測距された測定対象までの距離や測距の際に用いた画像等を出力する機器であり、例えばCRTディスプレイ、LCDおよび有機ELディスプレイ等の表示装置やプリンタ等の印刷装置等である。
なお、入力部4および出力部5からタッチパネルが構成されてもよい。このタッチパネルを構成する場合において、入力部4は、例えば抵抗膜方式や静電容量方式等の操作位置を検出して入力する位置入力装置であり、出力部5は、表示装置である。このタッチパネルでは、表示装置の表示面上に位置入力装置が設けられ、表示装置に入力可能な1または複数の入力内容の候補が表示され、ユーザが、入力したい入力内容を表示した表示位置を触れると、位置入力装置によってその位置が検出され、検出された位置に表示された表示内容がユーザの操作入力内容として画像処理装置Dに入力される。このようなタッチパネルでは、ユーザは、入力操作を直感的に理解し易いので、ユーザにとって取り扱い易い測距装置Daが提供される。
記憶部2は、制御処理部1aに接続され、測距処理を実行する上で必要な各種プログラムや各種データを記憶する装置であり、例えば、ROM(Read Only Memory)やEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等の不揮発性記憶素子、RAM(Random Access Memory)等の揮発性記憶素子およびその周辺回路等を備えて構成される。記憶部2は、例えばハードディスク等の大容量記憶装置を備えても良い。
そして、記憶部2は、原画像データ(多色原画像データおよび単色原画像データ)を記憶し、この原画像データに対し制御処理部1aによって後述の測距処理を行うための作業領域として用いられる。なお、この際に、光学的に同一の特性を持つ第1および第2サブ光学フィルタ311Aa、311Baを介して得られた被写体の光学像を撮像した多色原画像データと単色原画像データとが対応付けて記憶されて良い。本実施形態では、上述したように、第1および第2光学フィルタ部31Aa、31Baは、入射光を光学的に互いに同じになるように射出する各領域(各第1および第2サブ光学フィルタ311Aa、311Ba)を同一配置で備え、かつ、前記同一配置を維持してカラーアレイカメラ32Aおよびモノクロアレイカメラ32Bに対し配置されている。このため、制御処理部1aは、複数の多色画像(多色原画像データ)および複数の単色画像(単色原画像データ)の中から、光学的に同一な状態で撮像された画像を第1および第2サブ光学フィルタ311Aa、311Baの配置関係で区別できるので、複数の多色画像および複数の単色画像の中から、光学的に同一な状態で撮像された画像同士を容易に選択でき、これら多色原画像データと単色原画像データとを容易に対応付けて記憶部2に記憶できる。例えば、偏光角0度の多色原画像データは、2次元配列において、1行1列に位置する、第1光学フィルタ部31Aaの第1サブ光学フィルタ311Aa−11、第1アレイレンズ部321Aの第1撮像光学系3211A−11、アレイ色フィルタ部322Aの色フィルタ部3221−11および第1アレイ撮像部323Aの多色撮像部3231A−11によって生成され、これに対応する偏光角0度の単色原画像データは、2次元配列において、1行1列に位置する、第2光学フィルタ部31Baの第2サブ光学フィルタ311Ba−11、第2アレイレンズ部321Bの第2撮像光学系3211B−11および第2アレイ撮像部323Bの単色撮像部3231B−11によって生成される。したがって、各1個の固体撮像素子で第1および第2アレイ撮像部323A、323Bを構成する場合、制御処理部1aは、2行2列に分割された各有効画素領域における1行1列の各領域に該当する画素の各データが、光学的に同一な状態で撮像された多色画像(多色原画像データ)および単色画像(単色原画像データ)として選択できる。そして、この対応付けでは、例えば、原画像データは、例えば、ファイルネームおよび撮像の際の光学的な状態(本実施形態では偏光角)と対応付けて記憶されて良く、また例えば、原画像データは、ファイルネームおよび撮像に用いられたサブ光学フィルタ311aの2次元配列上の配列位置と対応付けて記憶されて良い。
制御処理部1aは、所定の測距処理プログラムに基づき後述の測距処理を実行するべく、測距装置Daの各部を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御するものである。前記所定の測距処理プログラムは、ステレオ法で得られた複数の画像に対し対応点探索を行って前記複数の画像間における視差を求めることによって測定対象の物体までの距離を測定するためのプログラムである。制御処理部1aは、例えば、CPU(Central Processing Unit)およびその周辺回路を備えて構成され、所定の測距処理プログラムを実行することによって、制御処理部1aには、機能的に、制御部11および距離演算部12aが構成される。
制御部11は、所定の測距処理を実行するために、測距装置Daの各部を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御するものである。
距離演算部12aは、カラーアレイカメラ32Aによって得られた多色画像の多色原画像データとモノクロアレイカメラ32Bによって得られた単色画像の単色原画像データとに基づいて測定対象の物体までの距離を求めるものである。このような距離演算部12aは、より具体的には、モノクロアレイカメラ32Bによって得られた単色画像に基づいて、複数の多色撮像部3231Aによって得られた複数の多色画像および複数の単色撮像部3231Bによって得られた複数の単色画像の中から、測定対象の物体までの距離を求めるために用いる多色画像および単色画像を決定し、この決定した多色画像および単色画像に基づいて前記測定対象の物体までの距離を求める。したがって、本実施形態では、一側面では、距離演算部12aは、カラーアレイカメラ32Aによって得られた多色画像の一部と、モノクロアレイカメラ32Bによって得られた単色画像の一部とに基づいて前記測定対象の物体までの距離を求めるものである。すなわち、本実施形態では、距離演算部12aは、偏光角の異なる偏光フィルタそれぞれを用いて得られた各4個の多色画像および単色画像のうちの各1個の多色画像および単色画像に基づいて前記測定対象の物体までの距離を求めるものである。
このような距離演算部12aは、例えば、図1に示すように、個眼画像選択処理部121、前処理部122a、対応点探索処理部123a、位置ずれ量演算部124および距離算出部125を備える。
個眼画像選択処理部121は、複数の多色撮像部3231Aによって得られた複数の多色画像および複数の単色撮像部3231Bによって得られた複数の単色画像の中から、測定対象の物体までの距離を求めるために用いる多色画像および単色画像を選択するものである。より具体的には、個眼画像選択処理部121は、モノクロアレイカメラ32Aによって得られた単色画像に基づいて、前記複数の多色画像および複数の単色画像の中から、測距に用いる多色画像および単色画像を選定するものである。個眼画像選択処理部121は、この選定した多色画像および単色画像(多色原画像データおよび単色原画像データ)を前処理部122aへ通知する。
前処理部122aは、前処理として、個眼画像選択処理部121から通知された多色画像および単色画像(多色原画像データおよび単色原画像データ)それぞれを所定の画像フィルタ(第1画像フィルタ)でフィルタリングすることによって各前処理後画像データ(前処理後多色画像データおよび前処理後単色画像データ)を生成するものである。前処理部122aは、これら生成した各前処理後画像データを対応点探索処理部123aへ通知するものである。前記画像フィルタ(第1画像フィルタ)は、フィルタリングするデータである対象データに対応する画素の周辺に位置する画素に対応するデータに基づいて、前記対象データを、原画像データにおける単位配列の色組成比と同じ色組成比を持つデータに変換するフィルタ係数を備えて構成される。
前記画像フィルタFL1は、種々の態様を採用でき、例えば、ベイヤー配列を単位色フィルタ配列3222a−Uとした色フィルタ部3221aによって得られる原画像データに対し、図6(A)ないし(D)に示す第1ないし第4態様の画像フィルタFL1a〜FL1d等である。これら第1ないし第4態様の画像フィルタFL1a〜FL1dは、それぞれ、フィルタリングの対象データに対応する画素(対象画素)の周辺に位置する画素(周辺画素)に対応するデータ(周辺データ)に基づいて、前記対象データを、単位色フィルタ配列3222a−Uの色組成比(R:B:G=1:1:2)、すなわち、原画像データにおける単位配列の色組成比と同じ色組成比を持つデータに変換するように、そのフィルタ係数の各値がそれぞれ調整されて設定されている。
より具体的には、第1態様の画像フィルタFL1aは、図6(A)に示すように、3行3列の中心位置に対し対称なフィルタ係数を持つフィルタである。すなわち、中心の2行2列に位置するフィルタ係数は、4/16であり、1行2列、2行1列、2行3列および3行2列それぞれに位置する各フィルタ係数は、2/16であり、そして、1行1列、1行3列、3行1列および3行3列それぞれに位置する各フィルタ係数は、1/16である。このようなフィルタ係数を持つ第1態様の画像フィルタFL1aは、ガウシアンフィルタでもある。なお、図6(A)の左右それぞれに示す各画像フィルタは、表現形式が異なるだけで、同じものである。図6(A)の左側では、各位置にフィルタ係数の値そのものが記載され、図6(A)の右側では、各位置にフィルタ係数の値の分子が記載され、分母は、右下に纏めて記載されている。図6(B)ないし(D)は、図6(A)の右側に示す記載形式で記載されている。
第2態様の画像フィルタFL1bは、5行5列の中心位置に対し対称なフィルタ係数を持つフィルタである。すなわち、中心の3行3列に位置するフィルタ係数は、36/256であり、2行3列、3行2列、3行4列および4行3列それぞれに位置する各フィルタ係数は、24/256であり、2行2列、2行4列、4行2列および4行4列それぞれに位置する各フィルタ係数は、16/256であり、1行3列、3行1列、3行5列および5行3列それぞれに位置する各フィルタ係数は、6/256であり、1行2列、1行4列、2行1列、2行5列、4行1列、4行5列、5行2列および5行4列それぞれに位置する各フィルタ係数は、4/256であり、そして、1行1列、1行5列、5行1列および5行5列それぞれに位置する各フィルタ係数は、1/256である。
第3態様の画像フィルタFL1cは、7行7列の中心位置に対し対称なフィルタ係数を持つフィルタである。すなわち、中心の4行4列に位置するフィルタ係数は、400/4096であり、3行4列、4行3列、4行5列および5行4列それぞれに位置する各フィルタ係数は、300/4096であり、3行3列、3行5列、5行3列および5行5列それぞれに位置する各フィルタ係数は、225/4096であり、2行4列、4行2列、4行6列および6行4列それぞれに位置する各フィルタ係数は、200/4096であり、2行3列、2行5列、3行2列、3行6列、5行2列、5行5列、6行3列および6行5列それぞれに位置する各フィルタ係数は、90/4096であり、2行2列、2行6列、6行2列および6行6列それぞれに位置する各フィルタ係数は、36/4096であり、1行4列、4行1列、4行7列および7行4列それぞれに位置する各フィルタ係数は、20/4096であり、1行3列、1行5列、3行1列、3行7列、5行1列、5行7列、7行3列および7行5列それぞれに位置する各フィルタ係数は、15/256であり、1行2列、1行6列、2行1列、2行7列、6行1列、6行7列、7行2列および7行6列それぞれに位置する各フィルタ係数は、6/256であり、そして、1行1列、1行7列、7行1列および7行7列それぞれに位置する各フィルタ係数は、1/4096である。
第4態様の画像フィルタFL1dは、5行5列の中心位置に対し対称なフィルタ係数を持つフィルタである。すなわち、中心の3行3列に位置するフィルタ係数は、16/144であり、2行3列、3行2列、3行4列および4行3列それぞれに位置する各フィルタ係数は、12/144であり、2行2列、2行4列、4行2列および4行4列それぞれに位置する各フィルタ係数は、9/144であり、1行3列、3行1列、3行5列および5行3列それぞれに位置する各フィルタ係数は、4/144であり、1行2列、1行4列、2行1列、2行5列、4行1列、4行5列、5行2列および5行4列それぞれに位置する各フィルタ係数は、3/144であり、そして、1行1列、1行5列、5行1列および5行5列それぞれに位置する各フィルタ係数は、1/144である。
このような第1ないし第4態様の画像フィルタFL1a〜FL1dに対し、高周波のモアレ成分が残ると対応点探索が誤判定する虞があるので、画像フィルタFL1は、例えば、原画像データの画像に含まれる高周波成分の割合に応じて適宜に選択されることが好ましい。例えば、原画像データの画像に含まれる高周波成分の割合が多いほど、よりボケさせる画像フィルタFL1が選択される。
また、画像フィルタFLの各フィルタ係数は、画像フィルタFL全域に単位配列を重ねた場合に、前記単位配列の同じ配列位置におけるフィルタ係数の和が全ての配列位置で同じ値になるように、設定されてよい。
図1に戻って、対応点探索処理部123aは、前処理部122aから通知された各前処理後画像データ(前処理後多色原画像データおよび前処理後単色原画像データ)それぞれに対応する多色画像および単色画像の間で対応点探索を実施するものである。対応点探索処理部123aは、対応点探索の結果を位置ずれ量演算部124へ通知する。
位置ずれ量演算部124は、対応点探索処理部123aから通知された対応点探索の結果から、対応点探索処理部123で探索された対応点間の距離である位置ずれ量を求めるものである。位置ずれ量は、ピクセル単位(画素単位、画素ピッチの整数倍)で求められてもよく、また、サブピクセル単位で求められてもよい。位置ずれ量演算部124は、この求めた位置ずれ量を距離算出部125へ通知する。
距離算出部125は、位置ずれ量演算部124で求められ位置ずれ量演算部124から通知された位置ずれ量に基づいて、前記想定対象の物体までの距離を算出するものである。より具体的には、距離算出部125は、位置ずれ量演算部124で求めた対応点間の位置ずれ量を個眼画像選択処理部121で選定された多色画像と単色画像との間における視差とし、前記視差に基づいて前記対応点の表す測定対象の物体までの距離を求めるものである。
次に、本実施形態における測距装置の動作について説明する。図7は、第1実施形態の前記測距装置における動作を示すフローチャートである。図8は、第1実施形態において、前記モノクロアレイカメラの各個眼で得られた各画像およびそのラプラシアンフィルタ処理結果を一例として示す図である。図8(A)、(C)、(E)および(G)は、それぞれ、偏光角0度、45度、90度および135度における各単色画像の一例を示し、図8(B)、(D)、(F)および(H)は、それぞれ、そのラプラシアンフィルタ処理後の各画像を示す。図9は、偏光角0度の場合において、前記モノクロアレイカメラの個眼で得られた画像およびそのラプラシアンフィルタ処理後の画像と、前記カラーアレイカメラの個眼で得られた画像およびそのラプラシアンフィルタ処理後の画像とを比較して一例として示す図である。図9(A)は、図8(A)に示す単色画像の一部拡大図であり、図9(B)は、そのラプラシアンフィルタ処理後の画像を示し、図9(C)は、図8(A)に示す単色画像を撮像する際に用いられた第2サブ光学フィルタ311Ba−11と同じ光学特性を持つ第1サブ光学フィルタ311Aa−11を用いて多色撮像部3231A−11で撮像した多色画像における、図8(A)に示す一部拡大図と同じ画像領域を拡大した一部拡大図であり、図9(D)は、そのラプラシアンフィルタ処理後の画像を示す。すなわち、図9(A)および(C)は、それぞれ、0度単色画像および0度多色画像の一部拡大図であり、図9(B)および(D)は、それぞれ、それらのラプラシアンフィルタ処理後の画像を示す。図10は、偏光角135度の場合において、前記モノクロアレイカメラの個眼で得られた画像およびそのラプラシアンフィルタ処理結果と、前記カラーアレイカメラの個眼で得られた画像およびそのラプラシアンフィルタ処理結果とを比較して一例として示す図である。図10(A)および(C)は、それぞれ、135度単色画像および0度多色画像の一部拡大図であり、図10(B)および(D)は、それぞれ、それらのラプラシアンフィルタ処理後の画像を示す。図11は、前記測距装置における前処理を説明するための図である。図11(A)は、画像の各画素(原画像データの各データ)と画像フィルタとの関係を示し、図11(B)は、画像フィルタを示し、図11(C)は、フィルタリング後の前処理後画像を示す。図12は、前記前処理における前後の画像を対比して一例として示す図である。図12(A)は、図9(A)に示す0度単色画像の一部拡大図であり、図12(B)は、その前処理後の画像を示し、図12(C)は、図9(C)に示す0度多色画像の一部拡大図であり、図12(D)は、その前処理後の画像を示す。図13は、前記測距装置における対応点探索処理を説明するための図である。図13(A)は、基準画像を示し、図13(B)は、参照画像を示し、図13(C)は、対応点探索の対象である基準画像および参照画像を重ねて表示した図である。図14は、前記測距装置における、ステレオ法による測距方法を説明するための図である。
測距装置Daは、例えば、ユーザの操作によって入力部4から起動コマンドを受け付けると、測距処理プログラムを実行する。この画像処理プログラムの実行によって、制御処理部1aに制御部11および距離演算部12aが機能的に構成され、そして、距離演算部12aに個眼画像選択処理部121、前処理部122a、対応点探索処理部123a、位置ずれ量演算部124および距離算出部125が機能的に構成される。そして、測距装置Daは、例えば、ユーザの操作によって入力部4から測距開始コマンドを受け付けると、測距を実行する。
この測距が開始されると、図7において、まず、処理S11では、画像取得部3aによって複数の多色画像および複数の単色画像それぞれに対応する複数の多色原画像データおよび複数の単色原画像データが生成され、これら生成された複数の多色原画像データおよび複数の単色原画像データが当該測距装置Daの記憶部2に記憶される。本実施形態の上述の例では、4個の第1Aないし4A多色画像ISApに対応する第1Aないし第4A多色原画像データISAと、4個の第1Bないし4B単色画像ISBpに対応する第1Bないし第4B多色原画像データISBとが生成され、これらが記憶部2に記憶される。より詳しくは、2次元アレイ配列において、1行1列に位置する偏光角0度の0度多色画像ISAp(0°)に対応する0度多色原画像データISA(0°)、1行2列に位置する偏光角45度の45度多色画像ISAp(45°)に対応する45度多色原画像データISA(45°)、2行1列に位置する偏光角90度の90度多色画像ISAp(90°)に対応する90度多色原画像データISA(90°)、および、2行2列に位置する偏光角135度の135度多色画像ISAp(135°)に対応する135度多色原画像データISA(135°)が第1光学フィルタ部31Aaおよびカラーアレイカメラ32Aによって生成され、2次元アレイ配列において、1行1列に位置する偏光角0度の0度単色画像ISBp(0°)に対応する0度単色原画像データISB(0°)、1行2列に位置する偏光角45度の45度単色画像ISBp(45°)に対応する45度単色原画像データISB(45°)、2行1列に位置する偏光角90度の90度単色画像ISBp(90°)に対応する90度単色原画像データISB(90°)、および、2行2列に位置する偏光角135度の135度単色画像ISBp(135°)に対応する135度単色原画像データISB(135°)が第2光学フィルタ部31Baおよびモノクロアレイカメラ32Bによって生成され、これらが上述のように互いに対応付けられて記憶部2に記憶される。
図8(A)、(C)、(E)および(G)それぞれには、水を張った容器の水中に複数の人形を入れた被写体を撮像することによって得られた、0度単色画像ISBp(0°)、45度単色画像ISBp(45°)、90度単色画像ISBp(90°)および135度単色画像ISBp(135°)が示されている。
図7に戻って、複数の多色画像ISApおよび複数の単色画像ISBpが得られると、次に、処理S12では、距離演算部12aの個眼画像選択処理部121によって、これら複数の多色画像ISApおよび複数の単色画像ISBpの中から、測定対象の物体までの距離を求めるために用いる多色画像ISApおよび単色画像ISBpが選択される。
本実施形態では、測定対象の物体がガラス越しや液体中に存在する場合に、前記測定対象の物体までの距離が測定される。このような測距装置Daがガラスや液面を介して測定対象の物体に相対し、前記測定対象の物体を撮像する場合、ガラス面や液面に測定対象の物体が映り込んで映り込み像を生じるため、通常の撮像を行うと、画像には、前記測定対象の物体そのもの像だけでなく、前記測定対象の物体で反射してガラス面や液面に映り込んだ前記測定対象の物体の映り込み像も存在してしまう。このようなガラス面や液面に映り込んだ映り込み像は、偏光で形成されているため、偏光角を変えることによって画像から除去できる。すなわち、反射の無い画像が得られる。このため、本実施形態における測距装置Daでは、個眼画像選択処理部121は、上述のように互いに偏光角の異なる偏光フィルタ(第1および第2サブ光学フィルタ311Aa、311Ba)を用いて得られた4個の画像から映り込み像の最も少ない画像(反射の最も少ない画像)を、測距用の画像に選定する。ここで、映り込み像が画像に存在すると、物体が二重に写るので、映り込み像が画像に存在しない場合に較べて、高周波成分が多くなる。このため、本実施形態では、個眼画像選択処理部121は、偏光状態を異ならせて得られた4個の画像の中から、高周波成分の最も少ない画像を、測距用の画像に選定する。この選定には、多色原画像データISA(多色画像ISAp)が用いられてもよいが、多色原画像データISAの多色画像ISApには、単位配列に基づく高周波(例えばベイヤー配列の1画素周期の高周波)が含まれるため、画素自体の高周波を検出してしまい、より適切に選定し難い。そのため、より精度良く選定できる観点から、単色原画像データISB(単色画像ISBp)が用いられることが好ましい。また、この単位配列に基づく高周波は、後述の前処理によって低減できるが、この前処理は、画像をぼかすことになるので、映り込み像による高周波も前処理によって低減してしまう。この観点からも、前記選定には、単色原画像データISB(単色画像ISBp)が用いられることが好ましい。したがって、本実施形態における個眼画像選択処理部121は、まず、高周波成分を抽出するために、偏光状態を異ならせて得られた複数の単色画像ISBpの単色原画像データISB(上述の例では4個の0度単色原画像データISB(0°)、45度単色原画像データISB(45°)、90度単色原画像データISB(90°)および135度単色原画像データISB(135°))それぞれに例えばラプラシアンフィルタ等の微分系のフィルタでフィルタリングし、高周波成分をそれぞれ抽出する。個眼画像選択処理部121は、この抽出した各高周波成分を相互に比較して最も高周波成分が少ない単色原画像データISB(単色画像ISBp)を、測距用として選定する。そして、個眼画像選択処理部121は、この測距用の画像として選定した単色原画像データISB(単色画像ISBp)と同じ偏光特性の第1サブ光学フィルタ311Aを用いて撮像された多色原画像データISA(多色画像ISAp)を、測距用として選定する。そして、個眼画像選択処理部121は、この測距用に選定した画像を前処理部122aへ通知する。
図8に示す例では、図9および図10にその一部を拡大して示すように、偏光角0度の偏光フィルタ(第2サブ光学フィルタ311Ba−11)を用いて得られた0度単色画像ISBpが最も高周波成分が少ない。このため、図8に示す例では、個眼画像選択処理部121は、第1および第2サブ光学フィルタ311Aa−11、311Ba−11を用いて得られた0度多色原画像データISA(0°)および0度単色原画像データISB(0°)を測距用の画像として選定する。なお、図9(C)および図9(D)と図9(A)および(B)との対比、ならびに、図10(C)および図10(D)と図10(A)および(B)との対比から分かるように、多色原画像データISAの多色画像ISApは、画素自体の高周波成分を検出してしまうため、単色原画像データISBの単色画像ISBpに較べ、適切な偏光角の画像を選択し難い。
図7に戻って、このように測距用の多色原画像データISA(多色画像ISAp)および単色原画像データISB(単色画像ISBp)が選定されると、次に、処理S13では、距離演算部12aの前処理部122aによって、これら測距用の多色原画像データISAおよび単色原画像データISBそれぞれが前処理される。すなわち、前処理部122aは、これら測距用の多色原画像データISAおよび単色原画像データISBそれぞれを画像フィルタFL1でフィルタリングすることによって前処理後多色画像データBISAおよび前処理後単色画像データBISBそれぞれを生成し、これら生成した前処理後多色画像データBISAおよび前処理後単色画像データBISBを記憶部2に記憶する。ここで、単色画像ISBpは、モノクロなので1ch化する必要はないが、前処理は、ぼかす処理であるので、対応点探索を精度良く実行するために、本実施形態では、単色原画像データISBも多色原画像データISAと同様に前処理される。
より具体的には、例えば、本実施形態では、ベイヤー配列の原画像データIS(多色原画像データISAおよび単色原画像データISB)に対応した画像フィルタFL1、例えば、図6(A)に示す画像フィルタFL1aが用いられる。フィルタリングは、原画像データISにおける最初の1行1列に位置する画素に対応するデータから最終の最終行最終列に位置する画素に対応するデータまで順次に実行される。
例えば、図11(A)上段に示す2行2列に位置するG画素に対し図6(A)および図11(B)に示す画像フィルタFL1aでフィルタリングすると、2行2列に位置するG画素に対応する前処理後画像データBIS(前処理後多色画像データBISAおよび前処理後単色画像データBISB)のデータは、(1行1列に位置する画像フィルタFL1aのフィルタ値;1/16)×(その位置に対応する位置のG画素のデータの値)+(1行2列に位置する画像フィルタFL1aのフィルタ値;2/16)×(その位置に対応する位置のR画素のデータの値)+(1行3列に位置する画像フィルタFL1aのフィルタ値;1/16)×(その位置に対応する位置のG画素のデータの値)+(2行1列に位置する画像フィルタFL1aのフィルタ値;2/16)×(その位置に対応する位置のB画素のデータの値)+(2行2列に位置する画像フィルタFL1aのフィルタ値;4/16)×(その位置に対応する位置のG画素のデータの値)+(2行3列に位置する画像フィルタFL1aのフィルタ値;2/16)×(その位置に対応する位置のB画素のデータの値)+(3行1列に位置する画像フィルタFL1aのフィルタ値;1/16)×(その位置に対応する位置のG画素のデータの値)+(3行2列に位置する画像フィルタFL1aのフィルタ値;2/16)×(その位置に対応する位置のR画素のデータの値)+(3行3列に位置する画像フィルタFL1aのフィルタ値;1/16)×(その位置に対応する位置のG画素のデータの値)となる。したがって、R画素に対応するフィルタ係数の値は、総計、(2/16)×2=4/16=1/4となり、B画素に対応するフィルタ係数の値は、総計、(2/16)×2=4/16=1/4となり、そして、G画素に対応するフィルタ係数の値は、総計、(1/16)×4+(4/16)×1=8/16=1/2となる。したがって、画像フィルタFL1aの色組成比は、R:B:G=1/4:1/4:1/2=1:1:2となり、色フィルタ部3221aにおける単位色フィルタ配列3222a−Uの色組成比、すなわち、原画像データISにおける単位配列の色組成比と同じである。
図11(A)下段に示す3行2列に位置するR画素に対し前記画像フィルタFL1aでフィルタリングすると、3行2列に位置するR画素に対応する前処理後画像データBISのデータは、(1行1列に位置する画像フィルタFL1aのフィルタ値;1/16)×(その位置に対応する位置のB画素のデータの値)+(1行2列に位置する画像フィルタFL1aのフィルタ値;2/16)×(その位置に対応する位置のG画素のデータの値)+(1行3列に位置する画像フィルタFL1aのフィルタ値;1/16)×(その位置に対応する位置のB画素のデータの値)+(2行1列に位置する画像フィルタFL1aのフィルタ値;2/16)×(その位置に対応する位置のG画素のデータの値)+(2行2列に位置する画像フィルタFL1aのフィルタ値;4/16)×(その位置に対応する位置のR画素のデータの値)+(2行3列に位置する画像フィルタFL1aのフィルタ値;2/16)×(その位置に対応する位置のG画素のデータの値)+(3行1列に位置する画像フィルタFL1aのフィルタ値;1/16)×(その位置に対応する位置のB画素のデータの値)+(3行2列に位置する画像フィルタFL1aのフィルタ値;2/16)×(その位置に対応する位置のG画素のデータの値)+(3行3列に位置する画像フィルタFL1aのフィルタ値;1/16)×(その位置に対応する位置のB画素のデータの値)となる。したがって、R画素に対応するフィルタ係数の値は、総計、(4/16)×1=4/16=1/4となり、B画素に対応するフィルタ係数の値は、総計、(1/16)×4=4/16=1/4となり、そして、G画素に対応するフィルタ係数の値は、総計、(2/16)×4=8/16=1/2となる。したがって、画像フィルタFL1aの色組成比は、R:B:G=1/4:1/4:1/2=1:1:2となり、上述と同様に、原画像データISにおける単位配列の色組成比と同じである。
2行3列に位置するB画素に対し前記画像フィルタFL1aでフィルタリングすると、2行3列に位置するB画素に対応する前処理後画像データBISのデータは、(1行1列に位置する画像フィルタFL1aのフィルタ値;1/16)×(その位置に対応する位置のR画素のデータの値)+(1行2列に位置する画像フィルタFL1aのフィルタ値;2/16)×(その位置に対応する位置のG画素のデータの値)+(1行3列に位置する画像フィルタFL1aのフィルタ値;1/16)×(その位置に対応する位置のR画素のデータの値)+(2行1列に位置する画像フィルタFL1aのフィルタ値;2/16)×(その位置に対応する位置のG画素のデータの値)+(2行2列に位置する画像フィルタFL1aのフィルタ値;4/16)×(その位置に対応する位置のB画素のデータの値)+(2行3列に位置する画像フィルタFL1aのフィルタ値;2/16)×(その位置に対応する位置のG画素のデータの値)+(3行1列に位置する画像フィルタFL1aのフィルタ値;1/16)×(その位置に対応する位置のR画素のデータの値)+(3行2列に位置する画像フィルタFL1aのフィルタ値;2/16)×(その位置に対応する位置のG画素のデータの値)+(3行3列に位置する画像フィルタFL1aのフィルタ値;1/16)×(その位置に対応する位置のR画素のデータの値)となる。したがって、R画素に対応するフィルタ係数の値は、総計、(1/16)×4=4/16=1/4となり、B画素に対応するフィルタ係数の値は、総計、(4/16)×1=4/16=1/4となり、そして、G画素に対応するフィルタ係数の値は、総計、(2/16)×4=8/16=1/2となる。したがって、画像フィルタFL1aの色組成比は、R:B:G=1/4:1/4:1/2=1:1:2となり、上述と同様に、原画像データISにおける単位配列の色組成比と同じである。
そして、3行3列に位置するG画素に対し前記画像フィルタFL1aでフィルタリングすると、3行3列に位置するG画素に対応する前処理後画像データBISのデータは、(1行1列に位置する画像フィルタFL1aのフィルタ値;1/16)×(その位置に対応する位置のG画素のデータの値)+(1行2列に位置する画像フィルタFL1aのフィルタ値;2/16)×(その位置に対応する位置のB画素のデータの値)+(1行3列に位置する画像フィルタFL1aのフィルタ値;1/16)×(その位置に対応する位置のG画素のデータの値)+(2行1列に位置する画像フィルタFL1aのフィルタ値;2/16)×(その位置に対応する位置のR画素のデータの値)+(2行2列に位置する画像フィルタFL1aのフィルタ値;4/16)×(その位置に対応する位置のG画素のデータの値)+(2行3列に位置する画像フィルタFL1aのフィルタ値;2/16)×(その位置に対応する位置のR画素のデータの値)+(3行1列に位置する画像フィルタFL1aのフィルタ値;1/16)×(その位置に対応する位置のG画素のデータの値)+(3行2列に位置する画像フィルタFL1aのフィルタ値;2/16)×(その位置に対応する位置のB画素のデータの値)+(3行3列に位置する画像フィルタFL1aのフィルタ値;1/16)×(その位置に対応する位置のG画素のデータの値)となる。したがって、R画素に対応するフィルタ係数の値は、総計、(2/16)×2=4/16=1/4となり、B画素に対応するフィルタ係数の値は、総計、(2/16)×2=4/16=1/4となり、そして、G画素に対応するフィルタ係数の値は、総計、(1/16)×4+(4/16)×1=8/16=1/2となる。したがって、画像フィルタFL1aの色組成比は、R:B:G=1/4:1/4:1/2=1:1:2となり、上述と同様に、原画像データISにおける単位配列の色組成比と同じである。
画像フィルタFL1aは、原画像データISにおける単位配列の色組成比と同じ色組成比のフィルタ係数を備えるから、原画像データISに画像フィルタFL1aを作用させた場合において、原画像データISのR画素に対応するフィルタ係数の総計と、原画像データISのB画素に対応するフィルタ係数の総計と、原画像データISのG画素に対応するフィルタ係数の総計は、原画像データISにおける単位配列の色組成比と同じになる。
このように原画像データISの単位配列におけるいずれの画素のデータも画像フィルタFL1aによって同じ色組成比でフィルタリングされる。したがって、原画像データISにおける全ての画素のデータが画像フィルタFL1aによって同じ色組成比でフィルタリングされることになる。この結果、前処理後画像データBISにおける全ての画素のデータは、図11(C)に示すように、(G/2+R/4+B/4)で合成された同じ色成分を持つデータとして扱うことが可能となる。よって、次の対応点探索では、前処理後画像データBISにおける全ての画素のデータが使用可能となる。
このような前処理の一具体例を挙げると、図12(A)に示す0度多色画像ISAp(0°)は、画像フィルタFL1aのフィルタリングによって、図12(B)に示す1チャンネル(単色)のモノクロ画像の0度前処理後画像BISAp(0°)となる。そして、図12(C)に示す0度単色画像ISBp(0°)は、画像フィルタFL1aのフィルタリングによって、図12(D)に示す0度前処理後画像BISBp(0°)となる。このように0度単色原画像データISB(0°)も0度多色原画像データISA(0°)と同様に前処理される。これによって図12(B)と図12(D)とを対比すると分かるように、0度単色画像ISBp(0°)も0度多色画像ISAp(0°)と略同レベルでボケるので、次の対応点探索をより適切に実行できる。
図7に戻って、次に、処理S13では、距離演算部12aの対応点探索処理部123aによって対応点探索が実行され、この求められた対応点が位置ずれ量演算部124へ通知される。この対応点探索では、前処理後多色画像データBISAおよび前処理後単色画像データBISBのうちの一方が基準画像とされ、残余の他方が参照画像とされ、対応点が探索される。この各対応点探索処理には、公知の常套手段が利用され、対応点探索処理は、例えば特開2009−14445号公報等に開示されている。
一例として、基準画像と参照画像との位置ずれを視覚的に捉えるため、参考までに、図13(A)に示す基準画像の被写体の輪郭線(実線)と図13(B)に示す参照画像の被写体の輪郭線(破線)とを重ねて表示すると、図13(C)に示す画像となる。このような基準画像と参照画像とにおいて、対応点探索処理では、まず、基準画像上で、対応点を探索したい所定の画素位置を中心に所定の大きさを持つウィンドウWbが設定される。同様に、参照画像上にも同じ大きさを持つウィンドウWraが、いわゆるエピポールライン上に複数設定される。図13(B)には、3個のウィンドウWra1〜Wra3が例示されている。そして、基準画像上におけるウィンドウWb(テンプレート)に対する、参照画像上における各ウィンドウWra1〜Wra3の一致度(相関度)が所定の手法で求められ(テンプレートマッチング)、最も一致度の高いウィンドウWraにおける中心位置の画素が対応点として求められる。前記所定の手法には、公知の常套手段、例えば、NCC(Normalized Cross Correlation)法、SAD(Sum of Absolute Difference)法(絶対誤差法)およびSSD(Sum of Squared Difference)法(二乗誤差法)等が用いられる。例えば、前記NCC法では、次式1で一致度RNCCの値が求められる。
ここで、I(i,j)は、基準画像のウィンドウWbにおける位置(i,j)の画素値(前処理後画像データBISにおける画素のデータ値)であり、T(i,j)は、参照画像のウィンドウWrにおける位置(i,j)の画素値(前処理後画像データBISにおける画素のデータ値)であり、Nは、ウィンドウWb、WrにおけるX方向(横方向)の長さ(画素単位)であり、そして、Mは、ウィンドウWb、WrにおけるY方向(縦方向)の長さ(画素単位)である。
なお、この対応点探索では、本実施形態では、ピクセル単位で対応点が探索されるが、続いて、サブピクセル単位で対応点が探索されてもよい。このサブピクセル単位で対応点を求める手法は、例えば、「田中、矢口、古川、奥富、「位置ずれ量を考慮した画素選択に基づくロバスト超解像処理」、電子情報通信学会論文誌、Vol.J92−D、No.5、pp650−660、2009.、2009年5月」等に開示されている。すなわち、サブピクセルの対応点探索処理では、ピクセル単位の対応点探索処理の結果、最も一致度の高いウィンドウWrbの中心画素およびこの中心画素の周辺8画素それぞれの9個の一致度に、最も近似する2次曲面が求められ(2次曲面フィッティング)、この求められた2次曲面の頂点を与える座標値がサブピクセル単位の対応点として求められる。
図7に戻って、次に、処理S15では、処理S14で求められた各対応点間について、距離演算部12aの位置ずれ量演算部124によって対応点間の位置ずれ量が求められ、この求められた位置ずれ量が距離算出部125へ通知される。例えば、単位長を1画素の大きさ(サイズ)とすれば、対応点間の座標差が位置ずれ量となる。すなわち、基準画像における画素の座標値と参照画像における、前記基準画像の画素に対応する画素の座標値との差が位置ずれ量となる。また例えば、単位長をm単位とすれば、対応点間の座標差に画素ピッチを乗じた値が位置ずれ量となる。前記画素ピッチは、画素の中心位置とこれに隣接する画素の中心位置との間の長さである。
次に、処理S16では、距離演算部125によって、位置ずれ量演算部124で求めた位置ずれ量が多色画像ISApと単色画像ISBpとの間における視差とされ、前記視差に基づいて被写体までの距離が求められる。このような測距技術には、公知の常套手段が利用され、このような測距技術は、例えば特開2010−276469号公報や前記特開2009−14445号公報等に開示されている。この測距技術では、大略、予め定める間隔(基線長)だけ離間して設けられた一対のカメラによって被写体(対象物)の各画像が得られ、これら各画像に対し対応点探索がピクセル単位で実行され、これら各画像から前記離間方向における前記一対のカメラ間の視差がピクセル単位で求められ、この求められた視差に基づいて被写体までの距離がいわゆる三角測量の原理に基づいて求められる。より具体的には、図14において、少なくとも焦点距離(f)、撮像面(多色撮像部3231Aまたは単色撮像部3231B(例えばCCD型イメージセンサ))の画素数、1画素の大きさ(μ)が相互に等しい2台の第1および第2カメラが、所定の基線長(L)だけ左右に離間させて光軸AX−1、AX−2を平行に配置され、これら第1および第2カメラで物体(被写体)Obが撮影された場合に、撮像面IP−1、IP−2上の視差(ずれ画素数)がd(=d1+d2)であるとすると、前記物体(被写体)Obまでの距離(Z)は、斜線を施して示す三角形が相似であることから、
Z:f=L:μ×d
の関係があり、
Z=(L×f)/(μ×d)
で求めることができる。
なお、前記第1および第2カメラは、本実施形態では、それぞれ、2次元配列における同じ位置に配列される、カラーアレイカメラ32Aにおける第1アレイレンズ部321Aの第1撮像光学系3211A−mn、アレイ色フィルタ部322Aの色フィルタ部3221−mnおよび多色撮像部3231A−mnから成る装置、ならびに、モノクロアレイカメラ32Bにおける第2アレイレンズ部321Bの第2撮像光学系3211B−mnおよび単色撮像部3231B−mnから成る装置である(上述の例では、m=1、2、n=1、2)。
そして、図7に戻って、処理S17では、このように距離算出部125によって求められた距離が制御処理部1aによって出力部5へ出力され、処理が終了する。これによって出力部5には、被写体までの距離が表示される。なお、測距に用いられた多色画像ISApおよび単色画像ISBpも出力部5に出力されてもよい。この場合において、多色原画像データISAは、デモザイク処理され、このデモザイク処理された後の多色画像ISDpが出力されてもよい。
本実施形態における測距装置Daおよびこれに実装された測距方法は、カラーアレイカメラ32Aおよびモノクロアレイカメラ32Bを備えるので、同一の被写体に対し複数の多色画像ISAp(多色原画像データISA)および複数の単色画像ISBp(単色原画像データISB)を得ることができる。そして、これら複数の多色画像ISApは、第1光学フィルタ部31Aaを介して得られるので、光学的に異なる状態で撮像された画像(上述の例では0度、45度、90度および135度の各偏光角度の偏光フィルタを介して得られた画像)であり、これら複数の単色画像ISBpも、第2光学フィルタ部31Baを介して得られるので、光学的に異なる状態で撮像された画像(上述の例では同様に0度、45度、90度および135度の各偏光角度を持つ偏光フィルタを介して得られた画像)である。このため、上記測距装置Daおよび測距方法は、距離演算部12aによって測定対象の物体までの距離を求める際に、このような光学的に異なる複数の多色画像ISApおよび複数の単色画像ISBpの中から適宜な画像を選択できるので、映り込みが有る場合でも、多色画像ISApと単色画像ISBpとを使い分けながら、より精度良く測距できる。すなわち、本実施形態では、映り込みの有無の判定では、優位に判定可能な単色画像ISBpが用いられ、複数の単色画像ISBpの中から映り込みの最も少ない(反射の最も少ない)単色画像ISBpが適切に選定され、この選定に対応する多色画像ISApも選定され、そして、これらの前処理された単色画像ISBpおよび多色画像データISApが測距用の画像とされる。したがって、上記測距装置Daおよび測距方法は、映り込みの最も少ない単色画像ISBpおよび多色画像ISApを用いて測定対象の物体までの距離を算出するので、より精度良く測距できる。
対応点探索によって画像間の視差を求めて測距する場合、対応点探索は、上述のようにパターンマッチングによって対応点を探索するので、一般に、同じ色成分のデータしか利用できない。このため、例えばベイヤー配列の色フィルタを用いることによって得られた多色原画像データISAで対応点探索を実施する場合には、例えばG画素のデータで対応点探索が実施される場合でも、多色原画像データISAの半分のデータ量しか利用できない。しかしながら、本実施形態における測距装置Daおよびこれに実装された測距方法では、画像フィルタFL1によって単位配列の色組成比と同じ色組成比を持つデータに多色原画像データISAを変換するように前処理部122aによってフィルタリングするので、全ての画素のデータを同じ色成分を持つデータとして扱うことができるようになり、この結果、全ての画素のデータを利用して対応点探索の実施が可能となる。したがって、上記測距装置Daおよび測距方法は、対応点探索をより高精度に実施でき、より精度良く測距できる。
また、本実施形態における測距装置Daおよびこれに実装された測距方法では、画像フィルタFL1におけるフィルタ係数の各値が中心位置に対し対称に配置されているので、中心に位置する画素(中心画素)に対する周辺に位置する各画素(各周辺画素)における各画素値は、当該周辺画素と中心画素との距離に応じて重み付けられることになり、適切に中心画素に反映される。このため、本実施形態における測距装置Daおよび測距方法は、全ての画素のデータをより同等な色成分を持つデータとして扱うことができるから、対応点探索をより高精度に実施できる。
また、本実施形態における測距装置Daおよびこれに実装された測距方法では、第1画像フィルタFL1の各フィルタ係数は、第1画像フィルタFL1全域に単位配列を重ねた場合に、前記単位配列の同じ配列位置におけるフィルタ係数の和が、全ての配列位置で同じ値になるように、設定されている。このため、このような測距装置Daおよび測距方法は、全ての画素のデータをより同等な色成分を持つデータとして扱うことができ、より好適である。
次に、別の実施形態について説明する。
(第2実施形態)
第1実施形態における測距装置Daおよびこれに実装された測距方法は、画像に映り込み像が有る場合でも好適に測距できる装置であるが、第2実施形態における測距装置Dbおよびこれに実装された測距方法は、大きな明暗差が有る場合でも好適に測距できる装置である。
図15は、第2実施形態における測距装置の構成を示すブロック図である。図15(A)は、全体構成を示し、図15(B)は、被写体抽出処理部の構成を示す。図16は、第2実施形態の前記測距装置における画像取得部の構成を示すブロック図である。図17は、第2実施形態の前記画像取得部における第1および第2光学フィルタ部の構成を示す図である。図17(A)は、第1光学フィルタ部を示し、図17(B)は、第2光学フィルタ部を示す。図18は、前記測距装置におけるデモザイク処理を説明するための図である。図18(A)は、各画素のR色成分データを求めるデモザイク処理を示し、図18(B)は、各画素のB色成分を求めるデモザイク処理を示し、そして、図18(C)は、G色成分データを求めるデモザイク処理を示す。図19は、第2実施形態の前記測距装置において、第1態様の抽出対象を説明するための図である。グレースケールで描かれているが、図19(A)は、赤色の赤帽子を示し、図19(B)は、青色の青帽子を示し、図19(C)は、緑色の緑帽子を示す。図20は、第2実施形態の前記測距装置において、第2態様の抽出対象を説明するための図である。図20(A)は、模様(柄)が横縞である横縞模様帽子を示し、図20(B)は、模様が格子である格子模様帽子を示す。図21は、第2実施形態の前記測距装置が効果的に適用される画像を説明するための図である。図21(A)は、被写体の明暗差がカラーアレイカメラ32Aまたはモノクロアレイカメラ32Bのダイナミックレンジ内である場合を示し、図21(B)は、被写体の明暗差がカラーアレイカメラ32Aまたはモノクロアレイカメラ32Bのダイナミックレンジを超える場合を示す。
第2実施形態における測距装置Dbは、例えば、図15(A)に示すように、制御処理部1bと、記憶部2と、画像取得部3bと、入力部4と、出力部5とを備える。これら第2実施形態の測距装置Dbにおける記憶部2、入力部4および出力部5は、それぞれ、第1実施形態の測距装置Daにおける記憶部2、入力部4および出力部5と同様であるので、その説明を省略する。
画像取得部3bは、制御処理部1aに接続され、第1実施形態の画像取得部3aと同様に、複数の多色画像および複数の単色画像を取得するものである。第1実施形態の画像取得部3aは、映り込み像の有無を判定するために互いに偏光角の異なる偏光フィルタを用いて複数の多色画像ISAp(多色原画像データISA)および複数の単色画像ISBp(単色原画像データISB)を取得したが、第2実施形態の画像取得部3bは、被写体の比較的大きな明暗差に対処するために互いに互いに光学濃度(Optical Density、OD値)の異なるNDフィルタを用いて複数の多色画像ISAp(多色原画像データISA)および複数の単色画像ISBp(単色原画像データISB)を取得するものであり、この点で第2実施形態の画像取得部3bは、第1実施形態の画像取得部3aと異なる。
このような第2実施形態の画像取得部3bは、図16に示すように、第1および第2光学フィルタ部31Ab、31Bbと、カラーアレイカメラ32Aと、モノクロアレイカメラ32Bとを備える。これら第2実施形態の画像取得部3bにおけるカラーアレイカメラ32Aおよびモノクロアレイカメラ32Bは、それぞれ、第1実施形態の画像取得部3aにおけるカラーアレイカメラ32Aおよびモノクロアレイカメラ32Bと同様であるので、その説明を省略する。
第1および第2光学フィルタ部31Ab、31Bbは、それぞれ、第1実施形態の第1および第2光学フィルタ部31Aa、31Baと同様に、入射光を領域ごとに光学的に互いに異なるように射出する光学素子であり、例えば、互いに異なる複数のサブ光学フィルタの領域を備える。より具体的には、第1および第2光学フィルタ部31Ab、31Bbは、それぞれ、図17(A)および(B)に示すように、2次元アレイ状に配列された、入射光を光学的に互いに異なるように射出する複数の第1および第2サブ光学フィルタ311Ab、311Bbを備える。図17(A)および(B)に示す例では、第1および第2光学フィルタ部31Ab、31Bbは、それぞれ、2行2列で配列された4個の第1および第2サブ光学フィルタ311Ab−11〜311Ab−22、311Bb−11〜311Bb−22を備える。
これら第1および第2サブ光学フィルタ311Ab、311Bbは、本実施形態では、例えば、入射光を予め設定された所定の光学濃度で射出するNDフィルタ(中性濃度フィルタ)である。NDフィルタは、所定の波長帯において波長に依存すること無く光量を一定量落とす光学素子である。このNDフィルタの、4個の第1サブ光学フィルタ311Ab−11〜311Ab−22および4個の第2サブ光学フィルタ311Bb−11〜311Bb−22は、入射光を光学的に互いに異なるように射出するために、それぞれの光学濃度(OD値)が互いに異なっている。より詳しくは、1行1列に配置される第1および第2サブ光学フィルタ311Ab−11、311Bb−11は、OD値が0であり、1行2列に配置される第1および第2サブ光学フィルタ311Ab−12、311Bb−12は、OD値が0.5であり、2行1列に配置される第1および第2サブ光学フィルタ311Ab−21、311Bb−21は、OD値が1.0であり、そして、2行2列に配置される第1および第2サブ光学フィルタ311Ab−22、311Bb−22は、OD値が1.5である。なお、OD値は、透過率T(T≦1)に対し、OD=log(1/T)の関係にある。このように本実施形態でも、第1および第2光学フィルタ部31Ab、31Bbは、第1および第2光学フィルタ部31Aa、31Baと同様に、2次元配列において、前記複数の第1および第2サブ光学フィルタ311Ab、311Bbを光学特性の観点で互いに同一配置で備えており、光学的に同一の特性を持つサブ光学フィルタ同士が互いに同じ位置に配置されるように構成されている。そして、これら第1および第2光学フィルタ部31Ab、31Bbは、互いに対応する領域の配置位置を維持するように、カラーアレイカメラ32Aおよびモノクロアレイカメラ32Bに対し配置される。
したがって、第2実施形態の画像取得部3bでは、2行2列の2次元配列において、1行1列に位置する、第1サブ光学フィルタ311Ab−11、第1撮像光学系3211A−11、色フィルタ部3221−11および多色撮像部3231A−11によって生成された多色原画像データISAは、OD値0のNDフィルタを介して得られた被写体の光学像を撮像したデータ(OD値0多色原画像データ)ISA(0)である。1行2列に位置する、第1サブ光学フィルタ311Ab−12、第1撮像光学系3211A−12、色フィルタ部3221−12および多色撮像部3231A−12によって生成された多色原画像データISAは、OD値0.5のNDフィルタを介して得られた被写体の光学像を撮像したデータ(OD値0.5多色原画像データ)ISA(0.5)である。2行1列に位置する、第1サブ光学フィルタ311Ab−21、第1撮像光学系3211A−21、色フィルタ部3221−21および多色撮像部3231A−21によって生成された多色原画像データISAは、OD値1.0のNDフィルタを介して得られた被写体の光学像を撮像したデータ(OD値1.0多色原画像データ)ISA(1.5)である。2行2列に位置する、第1サブ光学フィルタ311Ab−22、第1撮像光学系3211A−22、色フィルタ部3221−22および多色撮像部3231A−22によって生成された多色原画像データISAは、OD値1.5のNDフィルタを介して得られた被写体の光学像を撮像したデータ(OD値1.5多色原画像データ)ISA(1.5)である。また、2行2列の2次元配列において、1行1列に位置する、第2サブ光学フィルタ311Bb−11、第2撮像光学系3211B−11および単色撮像部3231B−11によって生成された単色原画像データISBは、OD値0のNDフィルタを介して得られた被写体の光学像を撮像したデータ(OD値0単色原画像データ)ISB(0)である。1行2列に位置する、第2サブ光学フィルタ311Bb−12、第2撮像光学系3211B−12および単色撮像部3231B−12によって生成された単色原画像データISBは、OD値0.5のNDフィルタを介して得られた被写体の光学像を撮像したデータ(OD値0.5単色原画像データ)ISB(0.5)である。2行1列に位置する、第2サブ光学フィルタ311Bb−21、第2撮像光学系3211B−21および単色撮像部3231B−21によって生成された単色原画像データISBは、OD値1.0のNDフィルタを介して得られた被写体の光学像を撮像したデータ(OD値1.0単色原画像データ)ISB(1.0)である。2行2列に位置する、第2サブ光学フィルタ311Bb−22、第2撮像光学系3211B−22および単色撮像部3231B−22によって生成された単色原画像データISBは、OD値1.5のNDフィルタを介して得られた被写体の光学像を撮像したデータ(OD値1.5単色原画像データ)ISB(1.5)である。
制御処理部1bは、第1実施形態の制御処理部1aと同様に、所定の測距処理プログラムに基づき後述の測距処理を実行するべく、測距装置Dbの各部を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御するものである。第2実施形態の制御処理部1bは、図15(A)に示すように、制御部11と、距離演算部12bとを備える。すなわち、第2実施形態の制御処理部1bは、第1実施形態の制御処理部1aに対し、距離演算部12aに代え、距離演算部12bを備える点で異なる。このため、第2実施形態の制御処理部1bにおける制御部11は、第1実施形態の制御処理部1aにおける制御部11と同様であるので、その説明を省略する。
距離演算部12bは、カラーアレイカメラ32Aによって得られた多色画像の多色原画像データとモノクロアレイカメラ32Bによって得られた単色画像の単色原画像データとに基づいて測定対象の物体までの距離を求めるものである。より具体的には、距離演算部12bは、カラーアレイカメラ32Aによって得られた多色画像に基づいて、複数の多色撮像部3231Aによって得られた複数の多色画像および複数の単色撮像部3231Bによって得られた複数の単色画像の中から、測定対象の物体までの距離を求めるために用いる多色画像および単色画像を決定し、この決定した多色画像および単色画像に基づいて前記測定対象の物体までの距離を求める。そして、距離演算部12bは、モノクロアレイカメラ32Bによって得られた単色画像に基づいて、複数の多色撮像部3231Aによって得られた複数の多色画像および複数の単色撮像部3231Bによって得られた複数の単色画像の中から、測定対象の物体までの距離を求めるために用いる多色画像および単色画像を決定し、この決定した多色画像および単色画像に基づいて前記測定対象の物体までの距離を求める。より詳しくは、色によって測定対象の物体を識別して認識する場合には、距離演算部12bは、カラーアレイカメラ32Aによって得られた多色画像に基づいて、測距用の多色画像および単色画像を決定し、模様(柄)によって測定対象の物体を識別して認識する場合には、距離演算部12bは、モノクロアレイカメラ32Bによって得られた単色画像に基づいて、測距用の多色画像および単色画像を決定し、これら決定した測距用の多色画像および単色画像で測距する。
このような距離演算部12bは、例えば、図15(A)に示すように、被写体抽出処理部127、前処理部122b、対応点探索処理部123b、位置ずれ量演算部124および距離算出部125を備える。第2実施形態の距離演算部12bは、第1実施形態の距離演算部12aに対し、個眼画像選択処理部121、前処理部122aおよび対応点探索処理部123aに代え、被写体抽出処理部127、前処理部122bおよび対応点探索処理部123bを備える点で異なる。このため、第2実施形態の距離演算部12bにおける位置ずれ量演算部124および距離算出部125は、それぞれ、第1実施形態の距離演算部12aにおける位置ずれ量演算部124および距離算出部125と同様であるので、その説明を省略する。
被写体抽出処理部127は、カラーアレイカメラ32Aにおける複数の多色撮像部3231Aによって得られた複数の多色画像およびモノクロアレイカメラ32Bにおける複数の単色撮像部3231Bによって得られた複数の単色画像の中から、測定対象の物体までの距離を求めるために、前記測定対象の物体として予め設定された物体(被写体)を抽出するものである。前記測定対象の物体として予め設定された前記物体(被写体)は、本実施形態では、例えば、画像の中から、色を判定することによって測定対象の物体を識別できる色系被写体と、前記画像の中から、模様(柄)を判定することによって測定対象の物体を識別できる模様系被写体である。被写体抽出処理部127は、図15(B)に示すように、前記色系被写体を画像から判定して抽出するために、デモザイク処理部1271と、色系被写体抽出部1272とを備え、前記模様系被写体を画像から判定して抽出するために、模様系被写体抽出部1273とを備える。
デモザイク処理部1271は、多色撮像部3231Aによって得られた多色画像における各画素ごとの複数のデータをデモザイクすることによって各色成分データを前記各画素ごとに持つ画像データの少なくとも1色を生成するものである。デモザイク処理部1271によってデモザイク処理された多色原画像データは、多色画像の画像データ(多色画像データ)として色系被写体抽出部1272へ通知される。このデモザイク処理は、例えば、データの無い色成分データを、当該色成分データを持つ周辺画素の色成分データで補間することによって求められる。例えば、単位配列がベイヤー配列である場合では、各画素のR色成分データ(赤色成分データ)は、図18(A)に示すように、第1態様の第2画像フィルタFL2aを用いることによって生成され、各画素のB色成分データ(青色成分データ)も、図18(B)に示すように、第1態様の第2画像フィルタFL2aを用いることによって生成される。この第1態様の第2画像フィルタFL2aは、3行3列の中心位置に対し対称なフィルタ係数を持つフィルタであり、中心の2行2列に位置するフィルタ係数は、4/4(=1)であり、1行2列、2行1列、2行3列および3行2列それぞれに位置する各フィルタ係数は、2/4(=0.5)であり、そして、1行1列、1行3列、3行1列および3行3列それぞれに位置する各フィルタ係数は、1/4(=0.25)である。そして、各画素のG色成分データ(緑色成分データ)は、図18(C)に示すように、第2態様の第2画像フィルタFL2bを用いることによって生成される。この第2態様の第2画像フィルタFL2bは、3行3列の中心位置に対し対称なフィルタ係数を持つフィルタであり、中心の2行2列に位置するフィルタ係数は、4/4(=1)であり、1行2列、2行1列、2行3列および3行2列それぞれに位置する各フィルタ係数は、1/4(=0.25)であり、そして、1行1列、1行3列、3行1列および3行3列それぞれに位置する各フィルタ係数は、0である。なお、図18に示す“R”、“B”および“G”は、それぞれ、“R”、“B”および“G”が記載された当該画素に当該色成分の画素値が有ることを示し、“0”は、“0”が記載された当該画素に当該色成分の画素値が無いことを示す。
色系被写体抽出部1272は、カラーアレイカメラ32Aにおける複数の多色撮像部3231Aによって得られた複数の多色画像の中から、測定対象の物体までの距離を求めるために、前記測定対象の物体として予め設定された色系被写体を抽出するものである。色系被写体抽出部1272によって抽出された色系被写体は、対応点探索処理部123bへ通知される。色系被写体は、一例では、図19に示すように、着色した帽子であり、例えば、赤色の赤帽子、青色の青帽子および緑色の緑帽子等である。このため、本実施形態では、色系被写体抽出部1272は、より具体的には、カラーアレイカメラ32Aにおける複数の多色撮像部3231Aによって得られた複数の多色画像の多色原画像データをデモザイク処理部1271によってデモザイク処理された多色画像の多色画像データを用い、略同色の画素値を持つ複数の画素から成る画像領域が予め設定された面積以上である場合に、当該画像領域を当該色の帽子を写した色系被写体として抽出する。
ここで、被写体の明暗差がカラーアレイカメラ32Aのダイナミックレンジ内である場合には、カラーアレイカメラ32Aは、例えば、図21(A)に示すように、被写体全体を適切に撮像でき、色系被写体抽出部1272は、1個の多色画像の多色画像データで色系被写体を画像全体に亘って抽出できる。しかしながら、被写体の明暗差がカラーアレイカメラ32Aのダイナミックレンジを超える場合には、カラーアレイカメラ32Aは、例えば、図21(B)に示すように、被写体全体を撮像できず、画像の一部に明るく飛んでしまったり(画素値が最大値で飽和して被写体の正しい画素値ではない場合)、画像の一部が暗く飛んでしまったり(画素値が最小値で飽和して被写体の正しい画素値ではない場合)する。このため、このような場合では、色系被写体抽出部1272は、1個の多色画像の多色画像データで色系被写体を画像全体に亘って抽出できない。
そこで、本実施形態では、複数の多色画像は、OD値の異なるNDフィルタを用いて得られているので、画像中の或る部分(領域)、あるいは、或る画素は、前記複数の多色画像のうちの一方の画像では前記ダイナミックレンジの範囲を超えていても、他方の画像では前記ダイナミックレンジの範囲内であり得る。このため、色系被写体抽出部1272は、色系被写体の有無を判断する画像の部分(領域)ごとに、あるいは、画素ごとに、複数の多色画像の中から、ダイナミックレンジ内の多色画像を選定し、この選定した多色画像を用いて色系被写体を抽出する。このように色系被写体抽出部1272は、色系被写体を判定して抽出する際に、複数の多色画像の中から適宜な多色画像を選択して用いているので、画素値に関し、各多色画像間でそのOD値に応じて対応付けられている。例えば、OD値0多色画像の画素値XaがOD値0.5多色画像の画素値Yaに対応付けられている。そして、色系被写体を抽出した場合に、色系被写体抽出部1272は、この抽出した色系被写体を表す抽出情報(例えば色系被写体の画素位置および色の種類のデータ)と、この抽出に用いた多色画像を表す情報(例えばファイルネームやOD値や2次元配列上の配列位置等)とを対応点探索処理部123bへ通知する。
模様系被写体抽出部1273は、モノクロアレイカメラ32Bにおける複数の単色撮像部3231Bによって得られた複数の単色画像の中から、測定対象の物体までの距離を求めるために、前記測定対象の物体として予め設定された模様系被写体を抽出するものである。模様系被写体抽出部1273によって抽出された模様系被写体は、対応点探索処理部123bへ通知される。模様系被写体は、一例では、図20に示すように、模様を持つ帽子であり、例えば、横縞模様の帽子および格子模様の帽子等である。模様系被写体の判定に多色画像が用いられてもよいが、測距装置Dbから比較的離れた位置に存在する模様系被写体を判定する場合、画像中の模様が細かくなるため、多色画像の場合、ベイヤー配列等の単位配列に起因する高周波成分を模様であると誤認してしまう虞がある。このため、多色画像を用いた模様系被写体の判定精度は、単色画像を用いた模様系被写体の判定精度に較べて劣化する。このため、本実施形態では、模様系被写体の判定には、より精度良く判定できる観点から、単色画像が用いられている。より具体的には、本実施形態では、模様系被写体抽出部1273は、モノクロアレイカメラ32Bにおける複数の単色撮像部3231Bによって得られた複数の単色画像の単色原画像データを用い、単色原画像データを例えば30度ごとに検出方向を変えたいわゆるガボールフィルタでフィルタリングすることによって得られた結果から模様の有無を判定し、模様があると判定した場合に、当該画像領域を当該模様の帽子を写した模様系被写体として抽出する。ガボールフィルタ(Gabor Filter)は、画像中に含まれる線の向きを抽出できるフィルタである。したがって、模様系被写体抽出部1273は、ガボールフィルタのフィルタリングの結果が横方向に向きの揃った複数の線を示す場合には、当該画像領域に横縞模様の帽子があると判定し、また、ガボールフィルタのフィルタリングの結果が2方向それぞれに向きの揃った複数の線を示す場合には、当該画像領域に格子模様の帽子があると判定する。
そして、被写体に比較的大きな明暗差が有る場合に対処するために、模様系被写体抽出部1273も、色系被写体抽出部1272と同様に、模様系被写体の有無を判断する画像の部分(領域)ごとに、あるいは、画素ごとに、複数の単色画像の中から、ダイナミックレンジ内の単色画像を選定し、この選定した単色画像を用いて模様系被写体を抽出する。このように模様系被写体抽出部1273は、模様系被写体を判定して抽出する際に、複数の単色画像の中から適宜な単色画像を選択して用いているので、画素値に関し、各単色画像間でそのOD値に応じて対応付けられている。例えば、OD値0単色画像の画素値XbがOD値0.5単色画像の画素値Ybに対応付けられている。そして、模様系被写体を抽出した場合に、模様系被写体抽出部1273は、この抽出した模様系被写体を表す抽出情報(例えば模様系被写体の画素位置および模様の種類のデータ)と、この抽出に用いた単色画像を表す情報(例えばファイルネームやOD値や2次元配列上の配列位置等)とを対応点探索処理部123bへ通知する。
なお、色系被写体抽出部1272は、画像から特徴抽出できるいわゆるハフ変換(Hough変換)を用いることによって色系被写体を判定しても良く、また同様に、模様系被写体抽出部1273は、前記ハフ変換を用いることによって模様系被写体を判定しても良い。また、帽子は、通常、人が被っているので、色系被写体抽出部1272は、まず、人を画像から抽出し、この抽出した人の画像領域を中心に帽子の色系被写体を抽出して良く、模様系被写体抽出部1273は、まず、人を画像から抽出し、この抽出した人の画像領域を中心に帽子の模様系被写体を抽出して良い。この人の抽出には、公知の常套手段が用いられ、例えば、特開2004−145660号公報や特開2007−148835号公報に開示されたニューラルネットを利用した検出技術が採用可能である。このニューラルネットワークを利用した人の検出技術では、人の居ない画像と人の居る画像とを学習することによって画像から人の有無を判定して抽出できる。
前処理部122bは、第1実施形態の前処理部122aと同様に、多色画像および単色画像(多色原画像データおよび単色原画像データ)それぞれを所定の第1画像フィルタFL1でフィルタリングすることによって各前処理後画像データ(前処理後多色画像データおよび前処理後単色画像データ)を生成するものである。第1実施形態の前処理部122aは、複数の多色画像および複数の単色画像のうちの、個眼画像選択処理部121で選定された単色画像およびこの選定された単色画像に対応する多色画像のみを前処理したが、第2実施形態の前処理部122bは、カラーアレイカメラ32Aにおける複数の多色撮像部3231Aによって得られた複数の多色画像(複数の多色原画像データ)およびモノクロアレイカメラ32Bにおける複数の単色撮像部3231Bによって得られた複数の単色画像(複数の単色原画像データ)全てをそれぞれ前処理するものである。第2実施形態の前処理部122bは、この点で第1実施形態の前処理部122aと相違するが、他の点では第1実施形態の前処理部122aと同様であるので、その説明を省略する。そして、前処理部122bは、前処理の各結果を位置ずれ量演算部124へ通知する。
対応点探索処理部123bは、第1実施形態の対応点探索処理部123aと同様に、前処理部122bから通知された各前処理後画像データ(前処理後多色原画像データおよび前処理後単色原画像データ)それぞれに対応する多色画像および単色画像の間で対応点探索を実施するものである。第1実施形態の対応点探索処理部123aは、複数の多色画像および複数の単色画像のうちの、個眼画像選択処理部121で選定された単色画像およびこの選定された単色画像に対応する多色画像のみの間で対応点探索を実施したが、第2実施形態の対応点探索処理部123bは、色系被写体抽出部1272で色系被写体の抽出に用いられた多色画像およびこれに対応する単色画像の間で、および、模様系被写体抽出部1273で模様系被写体の抽出に用いられた単色画像およびこれに対応する多色画像の間で、対応点探索を実施するものである。第2実施形態の対応点探索処理部123bは、この点で第1実施形態の対応点探索処理部123aと相違するが、他の点では第1実施形態の対応点探索処理部123aと同様であるので、その説明を省略する。そして、対応点探索処理部123bは、対応点探索の各結果を位置ずれ量演算部124へ通知する。
次に、本実施形態における測距装置の動作について説明する。図22は、第2実施形態の前記測距装置における動作を示すフローチャートである。図23は、第2実施形態において、前記モノクロアレイカメラの各個眼で得られた各画像および前記カラーアレイカメラの各個眼で得られた各画像を一例として示す図である。図23(A)は、OD値が0の場合の多色画像を示し、図23(B)は、OD値が0の場合の単色画像を示し、図23(C)は、OD値が1.0の場合の多色画像を示し、図23(D)は、OD値が1.0の場合の単色画像を示す。図24は、第2実施形態において、被写体抽出を説明するための図である。図24(A)は、抽出した色系被写体を示す、OD値が0の場合の多色画像を示し、図24(B)は、図24(A)に対応する、OD値が0の場合の単色画像を示す。図24(D)は、抽出した模様系被写体を示す、ND値が1.0の場合の単色画像を示し、図24(C)は、図24(D)に対応する、ND値が1.0の場合の多色画像を示す。
測距装置Dbは、例えば、ユーザの操作によって入力部4から起動コマンドを受け付けると、測距処理プログラムを実行する。この画像処理プログラムの実行によって、制御処理部1bに制御部11および距離演算部12bが機能的に構成され、そして、距離演算部12bに被写体抽出処理部127、前処理部122、対応点探索処理部123b、位置ずれ量演算部124および距離算出部125が機能的に構成され、さらに、被写体抽出処理部127にデモザイク処理部1271、色系被写体抽出部1272および模様系被写体抽出部1273が機能的に構成される。そして、測距装置Dbは、例えば、ユーザの操作によって入力部4から測距開始コマンドを受け付けると、測距を実行する。
この測距が開始されると、図22において、まず、処理S21では、第1実施形態の処理S11と同様に、画像取得部3bによって複数の多色画像ISApおよび複数の単色画像ISBpそれぞれに対応する複数の多色原画像データISAおよび複数の単色原画像データISBが生成され、これら生成された複数の多色原画像データISAおよび複数の単色原画像データISBが当該測距装置Dbの記憶部2に記憶される。本実施形態の上述の例では、より詳しくは、2次元アレイ配列において、1行1列に位置するOD値0のOD値0多色画像ISAp(0)に対応するOD値0多色原画像データISA(0)、1行2列に位置するOD値0.5のOD値0.5多色画像ISAp(0.5)に対応するOD値0.5多色原画像データISA(0.5)、2行1列に位置するOD値1.0のOD値1.0多色画像ISAp(1.0)に対応するOD値1.0多色原画像データISA(1.0)、および、2行2列に位置するOD値1.5のOD値1.5多色画像ISAp(1.5)に対応するOD値1.5多色原画像データISA(1.5)が第1光学フィルタ部31Abおよびカラーアレイカメラ32Aによって生成され、2次元アレイ配列において、1行1列に位置するOD値0のOD値0単色画像ISBp(0)に対応するOD値0単色原画像データISB(0)、1行2列に位置するOD値0.5のOD値0.5単色画像ISBp(0.5)に対応するOD値0.5単色原画像データISB(0.5)、2行1列に位置するOD値1.0のOD値1.0単色画像ISBp(1.0)に対応するOD値1.0単色原画像データISB(1.0)、および、2行2列に位置するOD値1.5のOD値1.5単色画像ISBp(1.5)に対応するOD値1.5単色原画像データISB(1.5)が第2光学フィルタ部31Bbおよびモノクロアレイカメラ32Bによって生成され、これらが上述のように互いに対応付けられて記憶部2に記憶される。
図23(A)ないし(D)それぞれには、被写体として3個の第1ないし第3帽子Ob1〜Ob3それぞれを被った3人の人HU1〜HU3を撮像することによって得られた、OD値0多色画像ISAp(0)、OD値0単色画像ISBp(0)、OD値1.0多色画像ISAp(1.0)およびOD値1.0単色画像ISBp(1.0)が示されている。なお、OD値0.5多色画像ISAp(0.5)、OD値0.5単色画像ISBp(0.5)、OD値1.5多色画像ISAp(1.5)およびOD値1.5単色画像ISBp(1.5)も同様に生成されているが、その図示がここでは省略されている。この図23の例において、OD値0のNDフィルタを介して被写体の光学像を撮像すると、紙面右寄りの被写体が明る過ぎるために、紙面右寄りの被写体の光学像の光量がカラーアレイカメラ32Aおよびモノクロアレイカメラ32Bの各ダイナミックレンジの各範囲を超えてしまい(各ダイナミックレンジの上限値を上回ってしまい)、その結果、図23(A)および(B)では、紙面右寄りの画像領域が明るく飛び、紙面右寄りの被写体が画像から認識できなくなっている。なお、明るく飛んでいる画像領域は、実際の画像では白くなるが、図23(A)および(B)では、作図の都合上、明るく飛んでいる紙面右寄りの画像領域は、被写体が画像から認識し難いことを表示するために、暗く描かれている。一方、このような被写体をOD値1.0のNDフィルタを介して撮像すると、紙面左寄りの被写体の光学像の光量に較べてNDフィルタのOD値が大き過ぎるために、紙面左寄りの被写体の光学像の光量がカラーアレイカメラ32Aおよびモノクロアレイカメラ32Bの各ダイナミックレンジの各範囲を超えてしまい(各ダイナミックレンジの下限値を下回ってしまい)、その結果、図23(C)および(D)では、紙面左寄りの画像領域が暗く飛び、紙面左寄りの被写体が画像から認識できなくなっている。
図22に戻って、複数の多色画像ISApおよび複数の単色画像ISBpが得られると、次に、処理S22では、距離演算部12aの被写体抽出処理部127によって、これら複数の多色画像ISApおよび複数の単色画像ISBpの中から、測定対象の物体までの距離を求めるために、前記測定対象の物体として予め設定された物体(被写体)を抽出する。
より具体的には、色系被写体を抽出するために、まず、被写体抽出処理部127におけるデモザイク処理部1271は、カラーアレイカメラ32Aにおける複数の多色撮像部3231Aそれぞれによって得られた複数の多色原画像データISA(上述の例では4個のOD値0多色原画像データISA(0)、OD値0.5多色原画像データISA(0.5)、OD値1.0多色原画像データISA(1.0)およびOD値1.5多色原画像データISA(1.5))をデモザイク処理する。そして、デモザイク処理部1271は、これらデモザイク処理された複数の多色原画像データISA(デモザイク処理後多色画像データISDA)を色系被写体抽出部1272へ通知する。色系被写体抽出部1272は、予め設定された広さの領域ごとに、あるいは、画素ごとに、例えば画像の左上から右下まで順に、デモザイク処理後の多色画像ISDAp(デモザイク処理後多色画像データISDA)を走査しながら、色系被写体の有無を判定し、色系被写体を抽出する。この走査および判定の際に、色系被写体抽出部1272は、デモザイク処理後の複数の多色画像ISDAp(デモザイク処理後多色画像データ、上述の例では4個のOD値0多色原画像データISA(0)、OD値0.5多色原画像データISA(0.5)、OD値1.0多色原画像データISA(1.0)およびOD値1.5多色原画像データISA(1.5)それぞれをデモザイク処理した4個のデモザイク処理後多色画像データISDA)の中から、画素値がダイナミックレンジの範囲内にある多色画像ISDApを選択し、色系被写体の有無を判定し、色系被写体を抽出する。例えば、前記走査および判定の際に、色系被写体抽出部1272は、デフォルトとしてOD値0多色原画像データISA(0)をデモザイク処理した多色画像ISDApを最初に用い、この画像ISDApの画素値がダイナミックレンジの範囲内であるか否かを判定する。この判定の結果、前記画素値が前記範囲内である場合には、色系被写体抽出部1272は、OD値0多色原画像データISA(0)をデモザイク処理した前記多色画像ISDApを用いて色系被写体の有無を判定し、前記画素値が前記範囲を超えている場合には、色系被写体抽出部1272は、当該画像ISDApの画素値がダイナミックレンジの範囲内であると判定されるまで、OD値0.5多色原画像データISA(0.5)をデモザイク処理した多色画像ISDAp、OD値1.0多色原画像データISA(1.0)をデモザイク処理した多色画像ISDApおよびOD値1.5多色原画像データISA(1.5)をデモザイク処理した多色画像ISDApを順に判定し、前記画素値が前記範囲内であると判定した多色画像ISDApを用いて色系被写体の有無を判定し、色系被写体を抽出する。これによって例えば図23に示す例では、色系被写体抽出部1272によって紙面左寄りの画像領域では、OD値0多色原画像データISA(0)をデモザイク処理した図23(A)に示す多色画像ISDApが色系被写体を判定して抽出する多色画像ISDApとして選択され、紙面右寄りの画像領域では、OD値1.0多色原画像データISA(1.0)をデモザイク処理した図23(C)に示す多色画像ISDApが色系被写体を判定して抽出する多色画像ISDApとして選択され、OD値0多色原画像データISA(0)をデモザイク処理した図23(A)に示す多色画像ISDApから、図24(A)に示すように、色系被写体として赤帽子Ob1および緑帽子Ob2が抽出される。色系被写体を抽出すると、色系被写体抽出部1272は、この抽出した色系被写体を表す抽出情報(上述の例では赤帽子Ob1および緑帽子Ob2)と、この抽出に用いた多色画像ISDApを表す情報(上述の例では赤帽子Ob1の抽出に用いられたOD値0多色原画像データISA(0)を指し示す情報、および、緑帽子Ob2の抽出に用いられたOD値0多色原画像データISA(0)を指し示す情報)とを対応点探索処理部123bへ通知する。
そして、模様系被写体を抽出するために、模様系被写体抽出部1273は、予め設定された広さの領域ごとに、あるいは、画素ごとに、例えば画像の左上から右下まで順に、単色画像ISBp(単色原画像データISB)を走査しながら、模様系被写体の有無を判定し、模様系被写体を抽出する。この走査および判定の際に、模様系被写体抽出部1273は、色系被写体抽出部1272と同様に、複数の単色画像ISBp(単色原画像データISB、上述の例では4個のOD値0単色原画像データISB(0)、OD値0.5単色原画像データISB(0.5)、OD値1.0単色原画像データISB(1.0)およびOD値1.5単色原画像データISB(1.5))の中から、画素値がダイナミックレンジの範囲内にある単色画像ISBpを選択し、模様系被写体の有無を判定し、模様系被写体を抽出する。例えば、前記走査および判定の際に、模様系被写体抽出部1273は、デフォルトとしてOD値0単色原画像データISB(0)の単色画像ISBpを最初に用い、この画像ISBpの画素値がダイナミックレンジの範囲内であるか否かを判定する。この判定の結果、前記画素値が前記範囲内である場合には、模様系被写体抽出部1273は、OD値0単色原画像データISB(0)の単色画像ISBpを用いて模様系被写体の有無を判定し、前記画素値が前記範囲を超えている場合には、模様系被写体抽出部1273は、当該画像ISBpの画素値がダイナミックレンジの範囲内であると判定されるまで、OD値0.5単色原画像データISA(0.5)の単色画像ISBp、OD値1.0単色原画像データISA(1.0)の単色画像ISBpおよびOD値1.5単色原画像データISA(1.5)の単色画像ISBpを順に判定し、前記画素値が前記範囲内であると判定した単色画像ISBpを用いて模様系被写体の有無を判定し、模様系被写体を抽出する。これによって例えば図23に示す例では、模様系被写体抽出部1273によって紙面左寄りの画像領域では、図23(B)に示す、OD値0単色原画像データISB(0)の単色画像ISBpが模様系被写体を判定して抽出する単色画像ISBpとして選択され、紙面右寄りの画像領域では、図23(D)に示す、OD値1.0単色原画像データISB(1.0)の単色画像ISBpが模様系被写体を判定して抽出する単色画像として選択され、図23(D)に示す、OD値1.0単色原画像データISA(1.0)の単色画像ISBpから、図24(D)に示すように、模様系被写体として横縞模様の帽子Ob3が抽出される。模様系被写体を抽出すると、模様系被写体抽出部1273は、この抽出した模様系被写体を表す抽出情報(上述の例では横縞模様の帽子Ob3)と、この抽出に用いた単色画像ISBpを表す情報(上述の例では横縞模様の帽子Ob3の抽出に用いられたOD値1.0単色原画像データISB(1.0)を指し示す情報)とを対応点探索処理部123bへ通知する。
図22に戻って、このような被写体抽出処理S22を実行している間に平行して、あるいは、被写体抽出処理S22の終了後に、処理S23では、距離演算部12bの前処理部122bによって、第1実施形態の処理S13と同様に、多色原画像データISAおよび単色原画像データISBそれぞれが前処理される。ここで、第2実施形態では、第1実施形態と異なり、前処理部122bは、カラーアレイカメラ32Aにおける複数の多色撮像部3231Aそれぞれによって生成された複数の多色原画像データISAおよびモノクロアレイカメラ32Bにおける複数の単色撮像部3231Bそれぞれによって生成された複数の単色原画像データISBの全てについて前処理を実行する。
次に、処理S24では、距離演算部12bの対応点探索処理部123bによって、第1実施形態の処理S14と同様に、対応点探索が実行され、この求められた対応点が位置ずれ量演算部124へ通知される。ここで、第2実施形態では、第1実施形態と異なり、被写体抽出処理S22によって抽出された被写体に対し、前処理S23によって得られた前処理後多色画像データBISAおよび前処理後単色画像データBISBを用いて、対応点探索が実行され、この求められた各対応点が位置ずれ量演算部124へ通知される。より具体的には、被写体抽出処理S22によって抽出された被写体Obに対し対応点探索が実行される場合、まず、対応点探索処理部123bは、複数の前処理後多色画像データBISAおよび複数の前処理後単色画像データBISBの中から、前記被写体Obの抽出に関与した多色原画像データISAおよび単色原画像データISBに対応する前処理後多色画像データBISAおよび前処理後単色画像データBISBを選択する。次に、対応点探索処理部123bは、これら選択された前処理後多色画像データBISAおよび前処理後単色画像データBISBの一方を基準画像に設定し、その他方を参照画像に設定し、基準画像中に、被写体抽出処理S22によって抽出された被写体Obの位置に前記被写体Obを含む所定の大きさを持つウィンドウWbを設定し、同様に、参照画像上にも同じ大きさを持つウィンドウWranをいわゆるエピポールライン上に複数設定する。そして、対応点探索処理部123bは、参照画像上における各ウィンドウWranの一致度(相関度)を所定の手法で求め(テンプレートマッチング)、最も一致度の高いウィンドウWraにおける中心位置の画素を対応点として求める。したがって、本実施形態では、一側面では、距離演算部12bは、カラーアレイカメラ32Aによって得られた多色画像の一部(色系被写体の部分画像、模様系被写体の部分画像)と、モノクロアレイカメラ32Bによって得られた単色画像の一部(色系被写体の部分画像、模様系被写体の部分画像)とに基づいて前記測定対象の物体までの距離を求めるものである。
図23および図24に示す例では、例えば、被写体抽出処理S22によって抽出された色系被写体Ob1に対し対応点探索が実行される場合、まず、対応点探索処理部123bは、複数の前処理後多色画像データBISAおよび複数の前処理後単色画像データBISBの中から、色系被写体Ob1の抽出に関与したOD値0多色原画像データISA(0)およびOD値0単色原画像データISB(0)に対応する前処理後多色画像データBISAおよび前処理後単色画像データBISBを選択する。次に、対応点探索処理部123bは、これら選択された前処理後多色画像データBISAおよび前処理後単色画像データBISBの一方を基準画像に設定し、その他方を参照画像に設定する。色系被写体Ob1の場合、この色系被写体Ob1がOD値0多色原画像データISA(0)をデモザイクした多色画像から抽出されたので、OD値0多色原画像データISA(0)を基準画像とすることが好ましい。次に、対応点探索処理部123bは、基準画像中に、被写体抽出処理S22によって抽出された色系被写体Ob1の位置に前記色系被写体Ob1を含む所定の大きさを持つウィンドウWbを設定し、同様に、参照画像上にも同じ大きさを持つウィンドウWranをいわゆるエピポールライン上に複数設定する。そして、対応点探索処理部123bは、前記テンプレートマッチングを行い、最も一致度の高いウィンドウWraにおける中心位置の画素を対応点として求める。
また例えば、被写体抽出処理S22によって抽出された模様系被写体Ob3に対し対応点探索が実行される場合、まず、対応点探索処理部123bは、複数の前処理後多色画像データBISAおよび複数の前処理後単色画像データBISBの中から、模様系被写体Ob3の抽出に関与したOD値1.0単色原画像データISB(1.0)およびOD値1.0多色原画像データISA(1.0)に対応する前処理後単色画像データBISBおよび前処理後多色画像データBISAを選択する。次に、対応点探索処理部123bは、これら選択された前処理後単色画像データBISBおよび前処理後多色画像データBISAの一方を基準画像に設定し、その他方を参照画像に設定する。模様系被写体Ob3の場合、この模様系被写体Ob3がOD値1.0単色原画像データISB(1.0)の単色原画像から抽出されたので、OD値1.0単色原画像データISB(1.0)を基準画像とすることが好ましい。次に、対応点探索処理部123bは、基準画像中に、被写体抽出処理S22によって抽出された模様系被写体Ob3の位置に前記模様系被写体Ob3を含む所定の大きさを持つウィンドウWbを設定し、同様に、参照画像上にも同じ大きさを持つウィンドウWranをいわゆるエピポールライン上に複数設定する。そして、対応点探索処理部123bは、前記テンプレートマッチングを行い、最も一致度の高いウィンドウWraにおける中心位置の画素を対応点として求める。
次に、処理S25では、処理S15と同様に、処理S24で求められた各対応点間について、距離演算部12bの位置ずれ量演算部124によって対応点間の位置ずれ量が求められ、この求められた位置ずれ量が距離算出部125へ通知される。次に、処理S26では、処理S16と同様に、距離演算部125によって、位置ずれ量演算部124で求めた位置ずれ量が多色画像ISApと単色画像ISBpとの間における視差とされ、前記視差に基づいて被写体までの距離が求められる。そして、処理S27では、処理S17と同様に、このように距離算出部125によって求められた各被写体Obまでの各距離が制御処理部1bによって出力部5へ出力され、処理が終了する。これによって出力部5には、各被写体Obまでの各距離が表示される。なお、測距に用いられた多色画像ISApおよび単色画像ISBpも出力部5に出力されてもよい。
本実施形態における測距装置Dbおよびこれに実装された測距方法は、カラーアレイカメラ32Aおよびモノクロアレイカメラ32Bを備えるので、同一の被写体に対し複数の多色画像ISAp(多色原画像データISA)および複数の単色画像ISBp(単色原画像データISB)を得ることができる。そして、これら複数の多色画像ISApは、第1光学フィルタ部31Abを介して得られるので、光学的に異なる状態で撮像された画像(上述の例ではOD値0、0.5、1.0および1.5の各OD値を持つNDフィルタを介して得られた画像)であり、これら複数の単色画像ISBpも、第2光学フィルタ部31Bbを介して得られるので、光学的に異なる状態で撮像された画像(上述の例では同様にOD値0、0.5、1.0および1.5の各OD値を持つNDフィルタを介して得られた画像)である。このため、上記測距装置Dbおよび測距方法は、距離演算部12bによって測定対象の物体までの距離を求める際に、このような光学的に異なる複数の多色画像ISApおよび複数の単色画像ISBpの中から適宜な画像を選択できるので、大きな明暗差が有る場合でも、多色画像ISApと単色画像ISBpとを使い分けながら、より精度良く測距できる。すなわち、本実施形態における測距装置Dbおよび測距方法は、OD値の異なるNDフィルタで被写体の光学像の光量を変えながら前記光学像を撮像できるので、画素値がダイナミックレンジの範囲内である画像を適切に選択できる。例えば、色系被写体の抽出では、優位に判定可能な多色画像ISAp(デモザイク処理後多色画像ISDAp)が用いられ、複数の多色画像ISApの中から、画素値がダイナミックレンジの範囲内である多色画像ISApが適切に選定され、色系被写体の測距の際に、この選定に対応する単色画像ISBpも選定され、そして、これら多色画像ISApおよび単色画像データISBpが測距用の画像とされる。また例えば、模様系被写体の抽出では、優位に判定可能な単色画像ISBpが用いられ、複数の単色画像ISBpの中から、画素値がダイナミックレンジの範囲内である単色画像ISBpが適切に選定され、模様系被写体の測距の際に、この選定に対応する多色画像ISApも選定され、そして、これらの前処理された単色画像ISBpおよび多色画像データISApが測距用の画像とされる。したがって、上記測距装置Dbおよび測距方法は、被写体に大きな明暗差があっても、多色画像ISApと単色画像ISBpとを使い分けながら、より精度良く測距できる。
また、本実施形態における測距装置Daおよびこれに実装された測距方法は、前処理および第1画像フィルタFL1に関し、第1実施形態における測距装置Daおよび測距方法と、同様の作用効果を奏する。
そして、第2実施形態における測距装置Dbおよびこれに実装された測距方法は、例えば企業内に勤務する人をその帽子で識別し、測距する場合に好適に利用できる。このような測距装置Dbは、被写体抽出処理部127で抽出された被写体に、人を特定し識別するための識別子を割り当て、この識別子に測距した距離を対応付けることで、識別子で表された人とその距離とを管理できる。また例えば、勤務者の作業内容等の属性に応じて異なる種類の帽子が予め割り当てられている場合には、測距装置Dbは、被写体抽出処理部127で被写体を抽出することで、この抽出した被写体の属性を判定でき、被写体抽出処理部127で抽出された被写体に、前記識別子に代え前記属性を用いて良く、あるいは、前記識別子に加えて前記属性も対応付けても良い。前記属性は、企業の事業分野や業務内容に応じて適宜に設定されてよく、例えば、流通業の流通拠点では、属性は、入荷作業、出荷作業、保管作業、仕分け作業および管理者等であり、また例えば、飲料生産業の生産工場では、属性は、調合作業、充填作業、包装作業、検品作業および管理者等である。このような流通拠点や生産工場等では、窓やドア、あるいは、機械の陰等によって比較的大きな明暗差が生じ易く、第2実施形態における測距装置Dbおよび測距方法は、好適に利用できる。また、色だけで被写体を識別すると、色の種類が少ない場合は、良いが、色の種類が増えると近似した色が増え、光源の影響で誤識別する虞があるが、上述では、色だけでなく模様も用いて被写体を識別しているので、より精度よく識別できる。
なお、上述の第1および第2実施形態における測距装置Da、Dbでは、図3および図17それぞれに示す、2行2列に2次元配列にされた互いに光学的の異なる4個のサブ光学フィルタ311Aa、311Ba;311Ab、311Bbを備える第1および第2光学フィルタ部31Aa、31Ba;31Ab、31Bbと、これに応じたカラーアレイカメラ32Aおよびモノクロアレイカメラ32Bとが用いられたが、これに限定されるものではない。個眼数は、任意の個数であって良く、また、各個眼のサブ光学フィルタ311は、必ずしも全て互いに異なっている必要はなく、一部、同じであっても良い。
図25は、第1および第2実施形態の測距装置において、画像取得部の他の構成を示すブロックである。例えば、第1実施形態の測距装置Daにおいて、画像取得部3aに代え、画像取得部3cが用いられてもよく、これによって第1実施形態の変形形態の測距装置Dcが構成される。この画像取得部3cは、図3に示す第1および第2光学フィルタ部31Aa、31Baとこれに応じたカラーアレイカメラ32Aおよびモノクロアレイカメラ32Bに代え、図25に示すように、第1および第2光学フィルタ部31Ac、31Bcとこれに応じたカラーアレイカメラ32Acおよびモノクロアレイカメラ32Bcを備える。図25に示す第1および第2光学フィルタ部31Ac、31Bcは、それぞれ、2行4列で2次元アレイ状に配列された8個のサブ光学フィルタ311Ac、311Bcを備える。それらの1行1列および1行3列それぞれに配置された各サブ光学フィルタ311Ac−11、311Ac−13;311Bc−11、311Bc−13は、偏光角0度の偏光フィルタであり、それらの1行2列および1行4列それぞれに配置された各サブ光学フィルタ311Ac−12、311Ac−14;311Bc−12、311Bc−14は、偏光角45度の偏光フィルタであり、それらの2行1列および2行3列それぞれに配置された各サブ光学フィルタ311Ac−21、311Ac−23;311Bc−21、311Bc−23は、偏光角90度の偏光フィルタであり、それらの2行2列および2行4列それぞれに配置された各サブ光学フィルタ311Ac−22、311Ac−24;311Bc−22、311Bc−24は、偏光角135度の偏光フィルタである。そして、カラーアレイカメラ32Acおよびモノクロアレイカメラ32Bcは、これら第1および第2光学フィルタ部31Ac、31Bcに対応して2行4列の8個の個眼を持つように構成される。
第2実施形態における測距装置Dbに対しても、上述の偏光フィルタ311Ac、311Bcに代えてNDフィルタを用いた変形形態の第1および第2光学フィルタ部31Ad、31Bdとこれに応じたカラーアレイカメラ32Adおよびモノクロアレイカメラ32Bdを備えて構成される画像取得部3dが用いられてもよい。これによって第2実施形態の変形形態の測距装置Ddが構成される。
このような変形形態の測距装置Dc、Ddおよびこれに実装された測距方法は、例えば1行1列のサブ光学フィルタ311Ac−11と1行3列のサブ光学フィルタ311Bc−13とのように、同じ光学特性を持つサブ光学フィルタ311を備えるので、その一方に例えば汚損やゴースト等のような不具合があっても他方を用いることで、このような不具合に対処できる。また、ステレオ法では、基線長が短いと比較的近い測定対象は、精度良く測距できるが、遠い測定対象は、測定し難い。しかしながら、このような変形形態の測距装置Dc、Ddおよびこれに実装された測距方法は、測定対象が比較的近い場合には、第1および第2光学フィルタ部31Ac、31Bc間において、基線長の短い組(ペア)、例えば第1光学フィルタ部31Acにおける1行3列に位置するサブ光学フィルタ311Ac−13による多色画像と、第2光学フィルタ部31Bcにおける1行1列に位置するサブ光学フィルタ311Bc−11による単色画像とを用いることで、より精度良く測距でき、また、測定対象が比較的遠い場合には、第1および第2光学フィルタ部31Ac、31Bc間において、基線長の長い組(ペア)、例えば第1光学フィルタ部31Acにおける1行1列に位置するサブ光学フィルタ311Ac−11による多色画像と、第2光学フィルタ部31Bcにおける1行3列に位置するサブ光学フィルタ311Bc−13による単色画像とを用いることで、より精度良く測距でき、測定対象の遠近に依らず、精度良く測距できる。
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。
Da、Db、Dc、Dd 測距装置
1a、1b 制御処理部
3a、3b、3c、3d 画像取得部
12a、12b 距離演算部
31Aa、31Ab、31Ac、31Ad 第1光学フィルタ部
31Ba、31Bb、31Bc、31Bd 第2光学フィルタ部
121 個眼画像選択処理部
122a、122b 前処理部
123a、123b 対応点探索処理部
124 位置ずれ量演算部
125 距離算出部
3111Aa、3111Ab 第1サブ光学フィルタ
3111Ba、3111Bb 第2サブ光学フィルタ

Claims (13)

  1. 複数の第1撮像光学系と、前記複数の第1撮像光学系に対応し、前記複数の第1撮像光学系それぞれによって結像された物体の光学像をそれぞれ複数色で撮像する複数の多色撮像部とを備えるカラーアレイカメラと、
    複数の第2撮像光学系と、前記複数の第2撮像光学系に対応し、前記複数の第1撮像光学系それぞれによって結像された前記物体の光学像をそれぞれ単色で撮像する複数の単色撮像部とを備えるモノクロアレイカメラと、
    前記カラーアレイカメラによって得られた多色画像と前記モノクロアレイカメラによって得られた単色画像とに基づいて測定対象までの距離を求める距離演算部と、
    入射光を領域ごとに光学的に互いに異なるように射出する第1および第2光学フィルタ部とを備え、
    前記カラーアレイカメラは、前記第1光学フィルタ部を介して前記物体の光学像を前記複数の多色撮像部それぞれによって撮像し、
    前記モノクロアレイカメラは、前記第2光学フィルタ部を介して前記物体の光学像を前記複数の単色撮像部それぞれによって撮像すること
    を特徴とする測距装置。
  2. 前記第1および第2光学フィルタ部における互いに同じ位置に配置される領域は、入射光を光学的に互いに同じになるように射出し、前記第1および第2光学フィルタ部は、互いに対応する領域の配置位置を維持するように、前記カラーアレイカメラおよび前記モノクロアレイカメラに対し配置されること
    を特徴とする請求項1に記載の測距装置。
  3. 前記距離演算部は、前記カラーアレイカメラによって得られた多色画像の一部と、前記モノクロアレイカメラによって得られた単色画像の一部とに基づいて測定対象までの距離を求めること
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載の測距装置。
  4. 第1および第2光学フィルタ部における前記複数のサブ光学フィルタは、偏光フィルタであること
    を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の測距装置。
  5. 第1および第2光学フィルタ部における前記複数のサブ光学フィルタは、NDフィルタであること
    を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の測距装置。
  6. 前記距離演算部は、前記モノクロアレイカメラによって得られた単色画像に基づいて、前記複数の多色撮像部によって得られた複数の多色画像および前記複数の単色撮像部によって得られた複数の単色画像の中から、前記測定対象までの距離を求めるために用いる多色画像および単色画像を決定し、前記決定した多色画像および単色画像に基づいて前記測定対象までの距離を求めること
    を特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の測距装置。
  7. 前記距離演算部は、前記カラーアレイカメラによって得られた多色画像に基づいて、前記複数の多色撮像部によって得られた複数の多色画像および前記複数の単色撮像部によって得られた複数の単色画像の中から、前記測定対象までの距離を求めるために用いる多色画像および単色画像を決定し、前記決定した多色画像および単色画像に基づいて前記測定対象までの距離を求めること
    を特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の測距装置。
  8. 前記カラーアレイカメラによって得られた多色画像および前記モノクロアレイカメラによって得られた単色画像それぞれを画像フィルタでフィルタリングする画像フィルタ処理部をさらに備え、
    前記カラーアレイカメラによって得られた多色画像は、2次元アレイ状に配列された複数の画素それぞれに対応する複数のデータであって、互いに異なる複数色の複数の濃度データを所定のパターンで配列した単位配列を、複数、さらに2次元アレイ状に配列した前記複数のデータを備え、
    前記画像フィルタは、フィルタリングするデータである対象データに対応する画素の周辺に位置する画素に対応するデータに基づいて、前記対象データを、前記単位配列の色組成比と同じ色組成比を持つデータに変換するフィルタ係数を備え、
    前記距離演算部は、前記画像フィルタ処理部でフィルタリングされた前記多色画像および前記単色画像に基づいて前記測定対象までの距離を求めること
    を特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の測距装置。
  9. 前記画像フィルタの各フィルタ係数は、中心位置に対し対称であること
    を特徴とする請求項8に記載の測距装置。
  10. 前記画像フィルタの各フィルタ係数は、前記画像フィルタ全域に前記単位配列を重ねた場合に、前記単位配列の同じ配列位置におけるフィルタ係数の和が、全ての配列位置で同じ値になるように、設定されていること
    を特徴とする請求項8に記載の測距装置。
  11. 前記多色画像における前記複数のデータをデモザイクすることによって各色成分データを各画素ごとに持つ画像データの少なくとも1色を生成するデモザイク処理部をさらに備えること
    を特徴とする請求項8ないし請求項10のいずれか1項に記載の測距装置。
  12. 前記複数の多色画像と前記複数の単色画像とは、入射光を光学的に互いに同じになるように射出する前記サブ光学フィルタを介して互いに対応付けられており、
    前記距離演算部は、前記複数の単色撮像部によって得られた複数の単色画像の中から、反射の無い単色画像を検出し、前記検出した単色画像および前記単色画像に対応する多色画像に基づいて前記測定対象までの距離を求めること
    を特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載の測距装置。
  13. 複数の第1撮像光学系と、前記複数の第1撮像光学系に対応し、前記複数の第1撮像光学系それぞれによって結像された物体の光学像をそれぞれ複数色で撮像する複数の多色撮像部とを備えるカラーアレイカメラで前記物体の光学像を撮像して複数の多色画像を得る多色画像取得工程と、
    複数の第2撮像光学系と、前記複数の第2撮像光学系に対応し、前記複数の第1撮像光学系それぞれによって結像された物体の光学像をそれぞれ単色で撮像する複数の単色撮像部とを備えるモノクロアレイカメラで前記物体の光学像を撮像して複数の単色画像を得る単色画像取得工程と、
    前記カラーアレイカメラによって得られた多色画像と前記モノクロアレイカメラによって得られた単色画像とに基づいて測定対象までの距離を求める距離演算工程とを備え、
    前記カラーアレイカメラは、入射光を光学的に互いに異なるように射出する複数のサブ光学フィルタの領域を備える第1および第2光学フィルタ部のうちの前記第1光学フィルタ部を介して前記物体の光学像を前記複数の多色撮像部それぞれによって撮像し、
    前記モノクロアレイカメラは、前記第1および第2光学フィルタ部のうちの前記第2光学フィルタ部を介して前記物体の光学像を前記複数の単色撮像部それぞれによって撮像すること
    を特徴とする測距方法。
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