JP2015147217A - 接合方法 - Google Patents

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勇人 佐藤
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Nobushiro Seo
伸城 瀬尾
堀 久司
Hisashi Hori
久司 堀
知広 河本
Tomohiro Kawamoto
知広 河本
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Abstract

【課題】接合された金属部材を容易に平坦にすることができる接合方法を提供する。【解決手段】金属部材1,1同士を摩擦攪拌接合する接合方法であって、金属部材1,1の一端側の端面1a,1a同士を突き合わせて突合せ部Jを形成する準備工程と、金属部材1,1の表面1b,1bから回転ツールを挿入し突合せ部Jに対して摩擦攪拌を行う接合工程と、を含み、接合工程では、金属部材1,1の他端側に対して一端側が高くなるように傾斜させて摩擦攪拌を行うことを特徴とする。【選択図】図3

Description

本発明は、摩擦攪拌による金属部材同士の接合方法に関する。
金属部材同士を接合する方法として、摩擦攪拌接合(FSW=Friction Stir Welding)が知られている。摩擦攪拌接合とは、回転ツールを回転させつつ金属部材同士の突合せ部に沿って移動させ、回転ツールと金属部材との摩擦熱により突合せ部の金属を塑性流動させることで、金属部材同士を固相接合させるものである。
特許文献1には、金属部材同士の端部同士を突き合わせて形成された突合せ部に回転ツールを挿入して、突合せ部を摩擦攪拌接合する発明が開示されている。摩擦攪拌接合を行うと、回転ツールの移動軌跡に塑性化領域が形成されるが、当該塑性化領域が熱収縮するため、接合後の金属部材同士が表面側に凹状となるように変形するという問題がある。
特開2008−290092号公報
かかる問題を解消するために、特許文献1に係る発明では、接合後の金属部材をロール部材で挟持しつつ当該金属部材に対してロール部材を相対移動させて、凹状に変形した金属部材を平坦にする矯正工程が行われているが、当該矯正作業が煩雑になるという問題がある。
このような観点から、本発明は、摩擦攪拌による金属部材同士の接合方法において、接合された金属部材を容易に平坦にすることができる接合方法を提供することを課題とする。
このような課題を解決するために本発明は、金属部材同士を摩擦攪拌接合する接合方法であって、前記金属部材の一端側の端面同士を突き合わせて突合せ部を形成する準備工程と、前記金属部材の表面から回転ツールを挿入し前記突合せ部に対して摩擦攪拌を行う接合工程と、を含み、前記接合工程では、前記金属部材の他端側に対して一端側が高くなるように傾斜させた状態で摩擦攪拌を行うことを特徴とする。
かかる接合方法によれば、摩擦攪拌接合を行う前に金属部材を予め傾斜させておき、摩擦攪拌接合後の熱収縮を利用することで、接合された金属部材を容易に平坦にすることができる。
また、本発明は、金属部材同士を摩擦攪拌接合する接合方法であって、前記金属部材同士の一端側の端面を、裏面側に形成された外側端面と、表面側に形成され前記外側端面に対して対向する前記金属部材とは離間する側に形成された内側端面と、前記外側端面と前記内側端面とを繋ぐ中間面とを備えるように形成し、前記金属部材の前記外側端面同士を突き合わせて第一突合せ部を形成する準備工程と、前記金属部材の表面側から回転ツールを挿入し前記第一突合せ部に対して摩擦攪拌を行う第一接合工程と、前記中間面同士と前記内側端面同士とで形成される凹部に継手部材を挿入する挿入工程と、前記継手部材と前記内側端面とで形成される一対の第二突合せ部に対して前記金属部材の表面から回転ツールを挿入して摩擦攪拌を行う第二接合工程と、を含み、前記第一接合工程及び前記第二接合工程では、前記金属部材の他端側に対して一端側が高くなるように傾斜させた状態で摩擦攪拌を行うことを特徴とする。
かかる接合方法によれば、摩擦攪拌接合を行う前に金属部材を予め傾斜させておき、摩擦攪拌接合後の熱収縮を利用することで、接合された金属部材を容易に平坦にすることができる。また、第一接合工程及び第二接合工程を行うことで、板厚の大きい金属部材であっても深さ方向の全体を摩擦攪拌することができる。これにより、接合された金属部材同士の接合強度を高めることができるとともに、水密性及び気密性を高めることができる。
また、前記第一接合工程では、前記回転ツールとして、攪拌ピンを備えた第一突合せ部用回転ツールを用いるとともに、前記第一突合せ部用回転ツールの前記攪拌ピンのみを前記金属部材同士に接触させた状態で摩擦攪拌を行うことが好ましい。
かかる接合方法によれば、凹部の幅が小さい場合であっても、ショルダ部が金属部材に接触しないため、第一突合せ部の深い位置まで摩擦攪拌を行うことができる。
また、前記準備工程では、架台と前記金属部材の裏面側との間にスペーサーを配置するとともに、前記スペーサーを用いて前記他端側に対して前記一端側が高くなるように前記各金属部材を傾斜させることが好ましい。
また、前記金属部材を載置する架台に凸部を設けておき、前記準備工程では、前記凸部を用いて前記他端側に対して前記一端側が高くなるように前記各金属部材を傾斜させることが好ましい。
また、前記金属部材を載置する架台に傾斜載置部を設けておき、前記準備工程では、前記傾斜載置部を用いて前記他端側に対して前記一端側が高くなるように前記金属部材の少なくともいずれか一方を傾斜させることが好ましい。
かかる接合方法によれば、突合せ部が高くなるように金属部材を容易に傾斜させることができる。
また、前記第二接合工程では、前記回転ツールとしてショルダ部と、前記ショルダ部に形成された攪拌ピンとを備えた第二突合せ部用回転ツールを用いるとともに、前記ショルダ部の外径を前記凹部の幅以上に設定し、前記第二接合工程では、一の前記第二突合せ部用回転ツールを移動させることにより、一対の前記第二突合せ部を同時に接合することが好ましい。
かかる接合方法によれば、一対の第二突合せ部に対して一パスで摩擦攪拌を行うことができるため、接合サイクルを短縮することができる。
また、前記継手部材の厚さを前記凹部の深さよりも大きく設定することが好ましい。
かかる接合方法によれば、摩擦攪拌による金属材料不足を補うことができる。
本発明に係る接合方法よれば、接合された金属部材を容易に平坦にすることができる。
本発明の実施形態で用いる第一回転ツールを示す図であって、(a)は側面図であり、(b)は接合状態を示す模式断面図である。 本発明の実施形態で用いる第二回転ツールを示す図であって、(a)は側面図であり、(b)は接合状態を示す模式断面図である。 本発明の第一実施形態に係る接合方法を示す断面図であって、(a)は準備工程を示し、(b)は接合工程を示す。 本発明の第二実施形態に係る接合方法を示す断面図であって、(a)は準備工程を示し、(b)は第一接合工程を示す。 第二実施形態に係る接合方法の挿入工程を示す断面図であって、(a)は挿入前を示し、(b)は挿入後を示す。 第二実施形態に係る接合方法を示す断面図であり、(a)は第二接合工程を示し、(b)はクランプを解除した状態を示す。 架台の変形例を示す断面図である。
[第一実施形態]
本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。まずは、本実施形態で用いる第一回転ツール及び第二回転ツールを説明する。
図1の(a)に示すように、第一回転ツールGは、ショルダ部G1と、攪拌ピンG2とで構成されている。第一回転ツールGは、特許請求の範囲の「回転ツール」又は「第二突合せ部用回転ツール」に相当する。第一回転ツールGは、例えば工具鋼で形成されている。ショルダ部G1は、図1の(b)に示すように、摩擦攪拌装置の回転軸Dに連結される部位であるとともに、塑性流動化した金属を押える部位である。ショルダ部G1は円柱状を呈する。ショルダ部G1の下端面は、流動化した金属が外部へ流出するのを防ぐために凹状になっている。
攪拌ピンG2は、ショルダ部G1から垂下しており、ショルダ部G1と同軸になっている。攪拌ピンG2はショルダ部G1から離間するにつれて先細りになっている。攪拌ピンG2の外周面には螺旋溝G3が刻設されている。
図1の(b)に示すように、第一回転ツールGを用いて摩擦攪拌接合をする際には、回転した攪拌ピンG2とショルダ部G1の下端を金属部材1,1に挿入しつつ移動させる。第一回転ツールGの移動軌跡には摩擦攪拌された金属が硬化することにより塑性化領域Wが形成される。
図2の(a)に示すように、第二回転ツールFは、連結部F1と、攪拌ピンF2とで構成されている。第二回転ツールFは、特許請求の範囲の「回転ツール」又は「第一突合せ部用回転ツール」に相当する。第二回転ツールFは、例えば工具鋼で形成されている。連結部F1は、図2の(b)に示す摩擦攪拌装置の回転軸Dに連結される部位である。連結部F1は円柱状を呈し、ボルトが締結されるネジ孔B,Bが形成されている。
攪拌ピンF2は、連結部F1から垂下しており、連結部F1と同軸になっている。攪拌ピンF2は連結部F1から離間するにつれて先細りになっている。攪拌ピンF2の長さ寸法は、後記する金属部材1の板厚よりも大きくなっている。また、攪拌ピンF2の最大径(基端の外径)は、後記する凹部20の幅よりも小さくなっている。攪拌ピンF2の外周面には螺旋溝F3が刻設されている。本実施形態では、第二回転ツールFを右回転させるため、螺旋溝F3は、基端から先端に向かうにつれて左回りに形成されている。
なお、第二回転ツールFを左回転させる場合は、螺旋溝F3を基端から先端に向かうにつれて右回りに形成することが好ましい。螺旋溝F3をこのように設定することで、摩擦攪拌の際に塑性流動化した金属が螺旋溝F3によって攪拌ピンF2の先端側に導かれる。これにより、被接合金属部材(金属部材1,1)の外部に溢れ出る金属の量を少なくすることができる。
図2の(b)に示すように、第二回転ツールFを用いて摩擦攪拌接合をする際には、被接合金属部材に回転した攪拌ピンF2のみを挿入し、被接合金属部材と連結部F1とは離間させつつ移動させる。言い換えると、攪拌ピンF2の基端部は露出させた状態で摩擦攪拌接合を行う。第二回転ツールFの移動軌跡には摩擦攪拌された金属が硬化することにより塑性化領域W1が形成される。
次に、第一実施形態に係る接合方法について説明する。図3に示すように、第一実施形態では、金属部材1,1の端部同士を突き合わせて形成された突合せ部Jを摩擦攪拌によって接合する。金属部材1は、金属製の板状部材である。金属部材1,1は、同等の形状になっている。また、金属部材1,1は同等の材料で形成されている。金属部材1の材料は、摩擦攪拌可能な金属であれば特に制限されないが、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、チタン、チタン合金、 マグネシウム、マグネシウム合金等から適宜選択すればよい。
第一実施形態に係る接合方法では、準備工程と、接合工程を行う。準備工程は、突合せ部Jが高くなるように、金属部材1,1を架台KAに固定する工程である。架台KAは、テーブルK1と、クランプK2,K2とで構成されている。本実施形態では、テーブルK1と金属部材1の裏面1cとの間にスペーサー10を配置する。
準備工程では、金属部材1,1の一端側の端面1a,1aを突き合わせて突合せ部Jを形成しつつ、金属部材1,1の一端側をスペーサー10の上に配置する。そして、本実施形態では、金属部材1,1の他端側をクランプK2で固定する。つまり、金属部材1,1の他端側に対して一端側(端面1a,1a側)が高くなるように金属部材1,1を傾斜させる。これにより、突合せ部Jが高くなる状態で金属部材1,1が固定される。金属部材1,1が架台KAに固定されると、端面1a,1aの下端は当接した状態となるが、端面1a,1aの上端はわずかに離間した状態となる。本実施形態に係る「突合せ部」とは、端面1a,1aが突き合わされており、端面1a,1a間で形成される空間断面がV字状を呈する状態も含むものである。
金属部材1,1の傾斜角度は、特に限定されないが、金属部材1,1の材質、各部位の寸法、後記する接合工程の入熱量や接合後の熱収縮等を考慮して、接合後の熱収縮によって金属部材1,1が平坦になるような傾斜角度を適宜設定すればよい。
接合工程は、突合せ部Jに対して摩擦攪拌接合を行う工程である。接合工程は、本実施形態では第一回転ツールGを用いる。接合工程では、金属部材1,1の表面1b,1b側から突合せ部Jに対して回転した第一回転ツールGの攪拌ピンG2を挿入する。そして、突合せ部Jに沿って第一回転ツールGを相対移動させる。
本実施形態では、ショルダ部G1の下端面を、表面1b,1bよりも数ミリ程度押し込んで摩擦攪拌を行う。回転する第一回転ツールGによって端面1a,1aの金属が摩擦攪拌されて金属部材1,1が接合される。第一回転ツールGの移動軌跡には、塑性化領域Wが形成される。金属部材1,1に対する攪拌ピンG2の挿入深さは適宜設定すればよいが、本実施形態のように、塑性化領域Wが突合せ部Jの深さ方向全体に形成される程度に設定することが好ましい。接合工程が終了したら、クランプK2を解除して金属部材1,1を放置する。
以上説明した本実施形態に係る接合方法によれば、金属部材1,1に熱収縮が発生することにより、接合後の金属部材1,1を平坦にすることができる。要するに、熱収縮による金属部材1,1の変形は避けられないため、摩擦攪拌接合を行う前に金属部材1,1を予め傾斜させておき、摩擦攪拌接合後の熱収縮を利用することで、接合された金属部材1,1を容易に平坦にすることができる。
また、架台KAと金属部材1,1との間にスペーサー10を配置することにより、金属部材1,1を傾斜させつつ金属部材1,1同士を突き合わせる作業を容易に行うことができる。また、スペーサー10の高さを変更するだけで、金属部材1,1の傾斜角度を変更することができる。
なお、第一実施形態では、例えば、突合せ部Jに形成された隙間に肉盛溶接を行った後に接合工程を行ってもよい。また、突合せ部Jに対して第一回転ツールGよりも小型の仮接合用回転ツールを用いて摩擦攪拌を行うか、若しくは溶接によって仮接合を行ってもよい。これにより、接合工程の際の突合せ部Jの目開きを防ぐことができる。また、金属部材1,1の肉厚が大きい場合などは、第二回転ツールFを用いて本接合工程を行ってもよい。また、本実施形態ではスペーサー10を用いて金属部材1,1を傾斜させたが、突合せ部Jが高くなるように金属部材1,1を傾斜させることが可能であれば、スペーサー10を省略してもよい。
[第二実施形態]
次に、第二実施形態に係る接合方法について説明する。図4〜6に示すように、第二実施形態では、金属部材1,1の端部同士を突き合わせて形成された部分を摩擦攪拌によって接合する。第二実施形態では、第一実施形態よりも厚さの大きい金属部材1,1を用いるとともに、金属部材1,1の端部の形状が第一実施形態と異なる。
まずは、接合される金属部材1について説明する。金属部材1は、金属製の板状部材である。金属部材1,1は、同等の形状になっている。また、金属部材1,1は同等の材料で形成されている。金属部材1の材料は、摩擦攪拌可能な金属であれば特に制限されないが、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、チタン、チタン合金、 マグネシウム、マグネシウム合金等から適宜選択すればよい。
図4の(a)に示すように、金属部材1の端面は、外側端面2aと、内側端面2bと、中間面2cとで構成されている。外側端面2aは、金属部材1の下側に形成されている。外側端面2aは、裏面1cに対して垂直になっている。内側端面2bは、金属部材1の上側に形成されている。内側端面2bは、外側端面2aに対して対向する金属部材1とは離間する側にセットバックしている。内側端面2bは、表面1bに対して垂直になっている。
中間面2cは、外側端面2aと内側端面2bとに連結されている。中間面2cは、外側端面2a及び内側端面2bに対して垂直になっている。中間面2cは、金属部材1の中間あたりの高さ位置に形成されている。
第二実施形態に係る接合方法では、準備工程と、第一接合工程と、挿入工程と、第二接合工程とを行う。図4の(a)に示すように、準備工程は、第一突合せ部J1が高くなるように、金属部材1,1を架台KBに固定する工程である。架台KBは、テーブルK1と、クランプK2,K2と、凸部K3とで構成されている。凸部K3は、テーブルK1に凸設された部位である。凸部K3は、金属部材1,1を傾斜させることが可能であればどのような形状であってもよい。
準備工程では、金属部材1,1の外側端面2a,2aを突き合わせて第一突合せ部J1を形成しつつ、金属部材1,1の一端側を凸部K3の上に配置する。そして、本実施形態では、金属部材1,1の他端側をクランプK2で固定する。つまり、金属部材1,1の他端側に対して一端側(外側端面2a,2a側)が高くなるように金属部材1,1を傾斜させる。これにより、第一突合せ部J1が高くなる状態で金属部材1,1が固定される。金属部材1,1が架台KBに固定されると、外側端面2a,2aの下端は当接した状態となるが、外側端面2a,2aの上端はわずかに離間した状態となる。
外側端面2a,2aが突き合わされることにより、金属部材1,1の中央には凹部20が形成される。凹部20は、中間面2c,2cで構成される底面と、当該底面から立ち上がる内側端面2b,2bとで構成されている。底面の中央に第一突合せ部J1が形成されている。
図4の(b)に示すように、第一接合工程は、第一突合せ部J1に対して摩擦攪拌接合を行う工程である。第一接合工程は、本実施形態では第二回転ツールF(特許請求の範囲の「第一突合せ部用回転ツール」に相当)を用いる。第一接合工程では、金属部材1,1の表面1b,1b側から第一突合せ部J1に対して回転した第二回転ツールFの攪拌ピンF2を挿入する。そして、第一突合せ部J1に沿って第二回転ツールFを相対移動させる。
第一接合工程では、第二回転ツールFの攪拌ピンF2のみを金属部材1,1に接触させた状態で摩擦攪拌を行う。つまり、攪拌ピンF2の基端が表面1b,1bよりも上に位置する状態で摩擦攪拌を行う。回転する攪拌ピンF2によって外側端面2a,2aの金属が摩擦攪拌されて金属部材1,1が接合される。第二回転ツールFの移動軌跡には、塑性化領域W1が形成される。金属部材1,1に対する攪拌ピンF2の挿入深さは適宜設定すればよいが、本実施形態のように、塑性化領域W1が第一突合せ部J1の深さ方向全体に形成される程度に設定することが好ましい。なお、第一接合工程が終了したら、塑性化領域W1の表面(凹部20の底面)のバリを切削する切削工程を行うことが好ましい。
図5の(a)に示すように、挿入工程は、継手部材30を凹部20に挿入する工程である。継手部材30は、凹部20に配置される部材であって、本実施形態では金属部材1,1と同等の材料で形成されている。継手部材30は、本実施形態では矩形断面を呈し、凹部20の延長方向に沿って配設されている。継手部材30の幅寸法は、凹部20の下端の幅と略同等になっている。また、継手部材30の高さは、凹部20の深さよりもわずかに大きくなっている。図5の(b)に示すように、凹部20に継手部材30を挿入すると、継手部材30の裏面は凹部20の底面に接触するとともに、上端は金属部材1,1の表面1b,1bよりもわずかに突出する。また、内側端面2b,2bと継手部材30の両側面とが突き合わされて第二突合せ部J2,J2が形成される。
第二接合工程は、第二突合せ部J2,J2に対して摩擦攪拌接合を行う工程である。第二接合工程は、本実施形態では第一回転ツールG(特許請求の範囲の「第二突合せ部用回転ツール」に相当)を用いる。本実施形態では、第一回転ツールGのショルダ部G1の外径は、凹部20の幅よりも大きくなっている。
第二接合工程では、第一回転ツールGの回転中心軸を継手部材30の幅方向の中央に重ねた状態で、継手部材30に沿って相対移動させる。また、第二接合工程では、ショルダ部G1の下端面を表面1b,1bに数ミリ程度押し込んで摩擦攪拌を行う。攪拌ピンG2の挿入深さは、少なくとも第二突合せ部J2,J2が摩擦攪拌されるように適宜設定すればよいが、本実施形態のように攪拌ピンG2の先端が、凹部20の底面に達するように、つまり、攪拌ピンG2の先端が塑性化領域W1と接触するように設定することが好ましい。
図6の(a)に示すように、第二接合工程では、回転する第一回転ツールGによって内側端面2b,2bと継手部材30とが摩擦攪拌されて金属部材1,1が接合される。第一回転ツールGの移動軌跡には、塑性化領域Wが形成される。第二接合工程で形成された塑性化領域Wは、第一接合工程で形成された塑性化領域W1と重複している。
図6の(b)に示すように、第二接合工程が終了したら、クランプK2を解除して金属部材1,1を放置する。
以上説明した本実施形態に係る接合方法によれば、図6の(b)に示すように、金属部材1,1に熱収縮が発生することにより、接合後の金属部材1,1を平坦にすることができる。要するに、熱収縮による金属部材1,1の変形は避けられないため、摩擦攪拌接合を行う前に金属部材1,1を予め傾斜させておき、摩擦攪拌接合の熱収縮を利用することで、接合された金属部材1,1を容易に平坦にすることができる。
また、架台KBに凸部K3を設けているため、金属部材1,1を傾斜させつつ金属部材1,1同士を突き合わせる作業を容易に行うことができる。また、凸部K3の高さを変更することで、金属部材1,1の傾斜角度を変更することができる。
また、第一接合工程及び第二接合工程を行うことで、板厚の大きい金属部材1,1であっても深さ方向の全体を摩擦攪拌することができる。これにより、接合された金属部材1,1の接合強度を高めることができるとともに接合部の水密性及び気密性を高めることができる。
また、本実施形態では、第二接合工程において、第一回転ツールGのショルダ部G1の外径を、凹部20の幅よりも大きく設定した。これにより、第二突合せ部J2,J2に対して、単一の第一回転ツールGを用いて一パスで摩擦攪拌を行うことができるため、接合サイクルを短縮することができる。
また、本実施形態では、継手部材30の厚さを凹部20の深さ寸法よりも大きく設定した。これにより、摩擦攪拌接合の際の金属材料の不足を補うことができる。
また、第一本接合工程後に塑性化領域Wの表面に発生したバリを削除する切削工程を行うことで、凹部20の底面と継手部材30の裏面との間に隙間がない状態で継手部材30を配置することができる。これにより、金属部材1,1の接合部の水密性及び気密性を高めることができる。
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明の趣旨に反しない範囲において、適宜設計変更が可能である。図7は、架台の変形例を示す断面図である。図7に示すように、変形例に係る架台KCは、テーブルK1と、クランプ(図示省略)と、テーブルK1に設けられた傾斜載置部K4とで構成されている。
傾斜載置部K4は、断面山型を呈し、傾斜面K4a,K4aを備えている。準備工程では、金属部材1,1の裏面1cを傾斜面K4a,K4aにそれぞれ面接触させつつ、頂点K4bに突合せ部Jが位置するように配置し、クランプで固定する。このように、傾斜載置部K4を備えた架台KCを用いても準備工程を容易に行うことができる。なお、第一実施形態を行う場合に、架台KB又は架台KCを用いることもできる。また、第二実施形態と行う場合に、架台KA又は架台KCを用いることもできる。
また、第二実施形態において、凹部20の幅が大きい場合は、第一回転ツールGを用いて第一突合せ部J1に対して摩擦攪拌接合を行ってもよい。また、第二本接合工程では、本実施形態では、一対の第二突合せ部J2を同時に摩擦攪拌接合するようにしたが、各第二突合せ部J2ごとに第一回転ツールGを相対移動させて二パスで摩擦攪拌接合を行ってもよい。
また、本実施形態では、金属部材1,1を両方とも同じ角度で傾斜させているが、両者の傾斜角度が異なってもよい。また、傾斜載置部K4は、傾斜面K4a,K4aを備えるようにしたが、これに限定されるものではない。具体的な図示は省略するが、傾斜載置部を水平面と傾斜面K4aとで構成してもよい。この場合の準備工程では、一方の金属部材1を水平面に載置するとともに、他方の金属部材1を傾斜面K4aに載置する。このようにしても、接合工程、第一接合工程及び第二接合工程において金属部材の他端側に対して一端側が高くなるように傾斜させた状態で摩擦攪拌を行うことができる。
また、金属部材1,1の他端側を架台に固定せずに本接合工程、第一接合工程及び第二接合工程を行ってもよい。
1 金属部材
1a 端面
2a 外側端面
2b 内側端面
2c 中間面
10 スペーサー
20 凹部
30 継手部材
F 第二回転ツール(第一突合せ部用回転ツール)
F1 ショルダ部
F2 攪拌ピン
G 第一回転ツール(第二突合せ部用回転ツール)
G1 ショルダ部
G2 攪拌ピン
J 突合せ部
J1 第一突合せ部
J2 第二突合せ部
KA 架台
K1 テーブル
K2 クランプ
K3 凸部
K4 傾斜載置部

Claims (11)

  1. 金属部材同士を摩擦攪拌接合する接合方法であって、
    前記金属部材の一端側の端面同士を突き合わせて突合せ部を形成する準備工程と、
    前記金属部材の表面から回転ツールを挿入し前記突合せ部に対して摩擦攪拌を行う接合工程と、を含み、
    前記接合工程では、前記金属部材の他端側に対して一端側が高くなるように傾斜させた状態で摩擦攪拌を行うことを特徴とする接合方法。
  2. 前記準備工程では、架台と前記金属部材の裏面側との間にスペーサーを配置するとともに、前記スペーサーを用いて前記他端側に対して前記一端側が高くなるように前記各金属部材を傾斜させることを特徴とする請求項1に記載の接合方法。
  3. 前記金属部材を載置する架台に凸部を設けておき、前記準備工程では、前記凸部を用いて前記他端側に対して前記一端側が高くなるように前記各金属部材を傾斜させることを特徴とする請求項1に記載の接合方法。
  4. 前記金属部材を載置する架台に傾斜載置部を設けておき、前記準備工程では、前記傾斜載置部を用いて前記他端側に対して前記一端側が高くなるように前記金属部材の少なくともいずれか一方を傾斜させることを特徴とする請求項1に記載の接合方法。
  5. 金属部材同士を摩擦攪拌接合する接合方法であって、
    前記金属部材同士の一端側の端面を、裏面側に形成された外側端面と、表面側に形成され前記外側端面に対して対向する前記金属部材とは離間する側に形成された内側端面と、前記外側端面と前記内側端面とを繋ぐ中間面とを備えるように形成し、
    前記金属部材の前記外側端面同士を突き合わせて第一突合せ部を形成する準備工程と、
    前記金属部材の表面側から回転ツールを挿入し前記第一突合せ部に対して摩擦攪拌を行う第一接合工程と、
    前記中間面同士と前記内側端面同士とで形成される凹部に継手部材を挿入する挿入工程と、
    前記継手部材と前記内側端面とで形成される一対の第二突合せ部に対して前記金属部材の表面から回転ツールを挿入して摩擦攪拌を行う第二接合工程と、を含み、
    前記第一接合工程及び前記第二接合工程では、前記金属部材の他端側に対して一端側が高くなるように傾斜させた状態で摩擦攪拌を行うことを特徴とする接合方法。
  6. 前記第一接合工程では、前記回転ツールとして、攪拌ピンを備えた第一突合せ部用回転ツールを用いるとともに、前記第一突合せ部用回転ツールの前記攪拌ピンのみを前記金属部材同士に接触させた状態で摩擦攪拌を行うことを特徴とする請求項5に記載の接合方法。
  7. 前記準備工程では、架台と前記金属部材の裏面側との間にスペーサーを配置するとともに、前記スペーサーを用いて前記他端側に対して前記一端側が高くなるように前記各金属部材を傾斜させることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の接合方法。
  8. 前記金属部材を載置する架台に凸部を設けておき、前記準備工程では、前記凸部を用いて前記他端側に対して前記一端側が高くなるように前記各金属部材を傾斜させることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の接合方法。
  9. 前記金属部材を載置する架台に傾斜載置部を設けておき、前記準備工程では、前記傾斜載置部を用いて前記他端側に対して前記一端側が高くなるように前記金属部材の少なくともいずれか一方を傾斜させることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の接合方法。
  10. 前記第二接合工程では、前記回転ツールとしてショルダ部と、前記ショルダ部に形成された攪拌ピンとを備えた第二突合せ部用回転ツールを用いるとともに、前記ショルダ部の外径を前記凹部の幅以上に設定し、
    前記第二接合工程では、一の前記第二突合せ部用回転ツールを移動させることにより、一対の前記第二突合せ部を同時に接合することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の接合方法。
  11. 前記継手部材の厚さを前記凹部の深さよりも大きく設定することを特徴とする請求項10に記載の接合方法。
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