[1.パチンコ機の全体構造]
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について、図面を参照して説明する。まず、図1乃至図7を参照して実施形態に係るパチンコ機の全体について説明する。図1は実施形態に係るパチンコ機の外枠に対して本体枠を開放し、本体枠に対して扉枠を開放した状態を示す斜視図であり、図2はパチンコ機の正面図であり、図3はパチンコ機の側面図であり、図4はパチンコ機の平面図であり、図5はパチンコ機の背面図であり、図6はパチンコ機を構成する外枠、本体枠、遊技盤、扉枠の後方から見た分解斜視図であり、図7はパチンコ機を構成する外枠、本体枠、遊技盤、扉枠の前方から見た分解斜視図である。
図1乃至図7において、本実施形態に係るパチンコ機1は、遊技ホールの島(図示しない)に設置される外枠2と、外枠2に開閉自在に軸支され且つ遊技盤4を装着し得る本体枠3と、本体枠3に開閉自在に軸支され且つ遊技盤4に形成されて球が打ち込まれる遊技領域605を遊技者が視認し得る遊技窓101とその遊技窓101の下方に配置され且つ遊技の結果によって払出される球を貯留する貯留皿としての皿ユニット300とを備えた扉枠5と、を備えて構成されている。
外枠2には、その下方前方に装飾カバー板15を補強するカバー補強金具14が固着されている。また、本体枠3には、上記したように遊技盤4が着脱自在に装着し得る他に、その裏面下部に打球発射装置650と、遊技盤4を除く扉枠5や本体枠3に設けられる電気的部品を制御するための各種の制御基板や電源基板1136等が一纏めに設けられている基板ユニット1100が取付けられ、本体枠3の後面開口580(図6を参照)を覆うカバー体1250が着脱自在に設けられている。更に、扉枠5には、上記した皿ユニット300の他に、遊技窓101を閉塞するようにガラスユニット450と、ハンドル装置400とが設けられている。そして、本実施形態の特徴は、扉枠5に設けられる皿ユニット300が1つであり、しかも、従来は本体枠3に設けられていたハンドル装置400が扉枠5に設けられ、また、扉枠5と本体枠3とが正面から見て略同じ方形の大きさであるため、正面から本体枠3が視認できなくした点である。以下、パチンコ機1を構成する部材について詳細に説明する。
[1−1.外枠]
外枠2について、主として図8乃至図12を参照して説明する。図8は、外枠2の正面斜視図であり、図9は、同外枠2の正面から見た分解斜視図であり、図10は、同外枠2の正面図であり、図11は、同外枠2の背面図であり、図12は、図10のB−B断面図(A)と図12(A)のC−C断面図(B)、D−D断面図(C)、E−E断面図(D)である。また、図13は本体枠の上軸支金具と外枠の上支持金具との脱着構造を説明するための斜視図であり、図14は外枠の上支持金具の裏面に設けられるロック部材の取付状態を示す分解斜視図(A)と下方から見た斜視図(B)である。更に、図15は軸支ピンとロック部材との関係を説明するための上支持金具部分の裏面図であり、図16はロック部材の作用を説明するための上支持金具部分の裏面図である。
図8及び図9において、本実施形態に係る外枠2は、横方向へ延びる上下の上枠板10及び下枠板11と、縦(上下)方向へ延びる左右の側枠板12,13とを、夫々の端部を連結するための連結部材19で連結することによって方形状に組み付けられるものである。具体的には、連結部材19は、中央と左右とに段差のある表彰台状に形成され、突出した中央の部分が上枠板10及び下枠板11の両端部中央に形成された係合切欠部20に嵌合され、一段下がった左右の部分の平面に上枠板10の裏面と下枠板11の上面とが当接し且つ一段下がった左右の部分の一側面に側枠板12,13の内側面が当接するようになっている。
そして、その状態で、上枠板10の係合切欠部20の両側方及び下枠板11の係合切欠部20の両側方に夫々形成される挿通穴21と連結部材19の一段下がった左右の部分の平面に形成される複数(図示の場合2個)の連結穴22(図9の上枠板10と側枠板12とを連結する連結部材19に表示するが、他の連結部材19にも存在する)とを一致させて上方又は下方から複数(図示の場合2本)の連結ビス23で止着し、更に、側枠板12,13の上下端部分に穿設される複数(図示の場合2個)の取付穴24と連結部材19の一段下がった左右の部分の側面に形成される複数(図示の場合3個)の連結穴25とを一致させて側方外側から複数(図示の場合3本)の連結ビス26,27で止着することにより、上下の上枠板10及び下枠板11と左右の側枠板12,13とが強固に連結固定される。ただし、3本の連結ビス26,27のうち、1本の連結ビス27は、側枠板12,13と連結部材19とを連結するものではなく、上枠板10及び下枠板11と連結部材19とを側方から直接連結するものである。
外枠2を構成する上枠板10と下枠板11、及び側枠板12,13のうち、上枠板10と下枠板11とは従来と同じ木製であり、側枠板12,13は、軽量金属、例えば、アルミニュウム合金の押出し成型板により構成されている。上枠板10及び下枠板11を従来と同じ木製で構成した理由は、パチンコ機1を遊技場に列設される島に設置する場合に、島の垂直面に対し所定の角度をつけて固定する作業を行う必要があるが、そのような作業は上枠板10及び下枠板11と島とに釘を打ち付けて行われるため、釘を打ち易くするためである。一方、側枠板12,13をアルミニュウム合金の押出し成型板により構成した理由は、従来の木製に比べ強度を維持しつつ肉厚を薄く形成することができるため、側枠板12,13の内側に隣接する本体枠3の側面壁540〜543(図69を参照)の正面から見たときの左右幅を広くすることができる。このため左右方向の寸法の大きな遊技盤4を本体枠3に装着することができることになり、結果的に遊技盤4の遊技領域605を大きく形成することができるからである。
なお、側枠板12,13をアルミニュウム合金の平板で構成すると、充分な剛性が確保できないため、図12(C)に示すように、側枠板12(側枠板13も全く同じ構造である。)の後方部分内側にリブによって後方が開放した空間部28(側枠板13の空間部28は図11に表示)を形成して後方部分の肉厚h1が厚くなるように引き抜き成型されている。もちろん、この肉厚h1は、従来の木製の肉厚と同等若しくは若干薄い寸法となっている。
また、図12(B),(D)に示すように、側枠板12の空間部28の前方には、連結部材19の一段下がった左右の部分の一方の部分が嵌め込まれる溝部29(側枠板13の溝部29は図8に表示)が形成されている。側枠板12の溝部29から前端部までは、図12(B)〜(D)に示すように、その内側面が連結部材19の一段下がった左右の部分の他方の部分が当接する平板状をなすものであるが、その平板部に材料軽減のための浅い凹部が形成されている。更に、溝部29が形成される反対側の面(外側面)には、図8及び図12(B)に示すように、上支持金具45の垂下片部53が挿入される凹部30(側枠板13の凹部30は図9に表示)が形成されている。
そして、上記のように形成される軸支側の側枠板12には、連結部材19を取付けるための構成以外に、その上部に上支持金具45の垂下片部53を側枠板12の外側に止着ビス32で止着するための取付穴31が穿設されると共に、その下部に下支持金具66の垂直当接片72に形成される取付穴69と一致させて止着ビス34で止着するための取付穴33が穿設されている。また、取付穴33の下部であって側枠板12の前方部分に側枠板12とカバー補強金具14とを止着ビス36で止着するための取付穴35が形成されている。
一方、開放側の側枠部13には、連結部材19を取付けるための構成以外に、その上部に閉鎖用突起38を取付ネジ39で取付けるための取付穴37が穿設され、その下部に閉鎖用突起41を取付ネジ42で取付けるための取付穴40が穿設されると共に、さらに最下方に側枠板13とカバー補強金具14とを止着ビス44で止着するための取付穴43が形成されている。
なお、この閉鎖用突起38,41は、外枠2に対して本体枠3を閉じる際に、本体枠3の開放側辺に沿って取付けられる錠装置1000のフック部1054,1065(図121を参照)と係合するものであり、後に詳述するように錠装置1000のシリンダ錠1010に鍵を差し込んで一方に回動することにより、フック部1054,1065と閉鎖用突起38,41との係合が外れて本体枠3を外枠2に対して開放することができるものである。
また、下枠板11と左右の側枠板12,13の下部前面に固定されるカバー補強金具14は、閉止時においてその上面に本体枠3が載置されるものであり、カバー補強金具14の表面及び側面は、装飾カバー板15によって被覆されている。なお、外枠2の装飾カバー板15の開放側の上面には、本体枠3の閉止時に本体枠3をスムーズに案内するための案内板18が交換可能に装着されている。
ところで、本体枠3を開閉自在に軸支する構造として、上枠板10と側枠板12とを連結する機能も兼用する上支持金具45とカバー補強金具14の一側上面に沿って取付けられる下支持金具66とが設けられている。上支持金具45には、前方に突出している支持突出片46に支持突出片46の側方から先端中央部に向かって屈曲して形成された支持鉤穴47が形成されており、この支持鉤穴47に本体枠3の後述する上軸支金具503の軸支ピン504(図71を参照)が着脱自在に係合されるようになっている。
また、下支持金具66も前方に突出した形状に形成されているが、この突出した部分に上向きに支持突起68が突設され、この支持突起68に本体枠3の後述する枠支持板506(図72を参照)に形成される支持穴が挿入される。したがって、外枠2に本体枠3を支持するためには、下支持金具66の支持突起68に本体枠3の枠支持板506に形成される支持穴を係合させた後、本体枠3の上軸支金具503の軸支ピン504を支持鉤穴47に掛け止めることにより簡単に開閉自在に軸支することができる。
また、上支持金具45は、上枠板10の軸支側の上面及び前面に凹状に形成される取付段部49に装着されるものであるが、その装着に際し、上支持金具45に形成される複数(図示の場合2個)の取付穴48と取付段部49に穿設される複数(図示の場合2個)の取付穴50とを一致させて取付ビス51を上方から差し込み、上枠板10の裏面から押し当てられる挟持板52に止着することにより上支持金具45が上枠板10に堅固に固定される。
また、上支持金具45の外側側方には、側枠板12の外側に当接する垂下片部53があり、その垂下片部53にも取付穴が穿設され、この取付穴と取付穴31とを止着ビス32で止着することにより、上支持金具45と側枠板12とを固定すると共に、上枠板10と側枠板12とを上支持金具45を介して連結している。
一方、下支持金具66は、前述したように側枠板12の取付穴33と垂直当接片72の取付穴69とを一致させた状態で止着ビス34で止着し、さらに、下支持金具66の水平面の中程に穿設される取付穴70に取付ネジ71を差し込むことにより、装飾カバー板15を介してカバー補強金具14の上面に止着されるものである。
上記のように構成される外枠2において、その構成部材である上枠板10と下枠板11と側枠板12,13とを連結部材19で連結することにより、連結部材19が側枠板12,13の内面に密着して止着されると共に連結部材19と上枠板10及び下枠板11が係合した状態で止着されるので、その組み付け強度が高く頑丈な方形状の枠組みとすることができる。上記した連結部材19と上枠板10及び下枠板11との係合状態に加え、連結部材19の側枠板12,13への取付けに際し、溝部29に連結部材19の一段下がった左右の部分の一方の部分が嵌め込まれる構造であるため、連結部材19の側枠板12,13への取付けが強固となり、これによっても方形状の枠組みの強度を向上することができると共にその位置決めを正確に行うことができる。
また、連結部材19によって上枠板10、下枠板11、側枠板12,13を連結した後、上支持金具45を所定の位置に取付けたときに、図10及び図11に示すように、各枠板10,11,12,13の外側面(外周面)から外側に突出する部材は存在しないので、パチンコ機1を図示しないパチンコ島台に設置する際に、隣接する装置(例えば、隣接する玉貸器)と密着して取付けることができる。また、下支持金具66を取付けたときにも、カバー補強金具14の上面と下支持金具66の上面とが略同一平面となるようになっている。
ところで、本体枠3を開閉自在に軸支するための上支持金具45の裏面には、図14に示すようにロック部材80が回動自在に軸支されている。より詳細に説明すると、図14(A)に示すように、上支持金具45の支持突出片46は、先端部が円弧状の平板として形成されると共に支持突出片46の外側縁に沿って直角に折り曲げられた垂下壁46aが形成される。この垂下壁46aにより、上支持金具45の支持突出片46の強度を向上させることができると共に、正面から見たときに次に説明するロック部材80が視認できないようにして外観を良くし、更に、次に説明するロック部材80の弾性片80cの先端当接部が当接する部位として利用したりロック部材80が支持突出片46から外側に飛び出さないように停止部として利用したりしている。また、支持突出片46に形成される支持鉤穴47は、垂下壁46aが形成されない反対側の側方から内側にやや向ってさらに先端中央部に向かって傾斜状となるように屈曲して形成されている。そして、支持鉤穴47の傾斜状穴部の溝寸法は、軸支ピン504の直径よりもやや大きな寸法に形成されている。
また、上記した垂下壁46aは、支持鉤穴47の前方の入口端部から支持突出片46及び上支持金具45の外側縁に沿って直角に折り曲げられて形成されていると共に、支持鉤穴47の前方の入口端部の部分で内側に向って折り曲げられて停止垂下部47aとなっている。また、支持突出片46の略中央に取付穴46bが穿設され、取付穴46bにロック部材80がリベット81によって回転自在に軸支されている。ロック部材80は、合成樹脂によって成型されるものであり、ストッパー部80aと操作部80bとがL字状に形成され、また操作部80bと反対側に円弧状の弾性片80cが一体的に延設されている。そして、ストッパー部80aと操作部80bとがなすL字状の基部にリベット81が挿通される取付穴80dが形成されている。しかして、ロック部材80がリベット81によって取付穴46bに取付けられて支持突出片46の裏面に回転自在に固定した状態においては、図14(B)に示すように、弾性片80cの先端当接部が垂下壁46aの内側面と当接しており、ストッパー部80aが支持鉤穴47の傾斜状穴部を閉塞するようになっている。また、このときストッパー部80aの先端部分は、支持鉤穴47の傾斜状穴部の先頭空間部分を閉塞した状態となっていない。即ち、通常の状態で支持鉤穴47の先頭空間部分には、本体枠3の上軸支金具503の軸支ピン504が挿入される空間が形成されている。
ところで、軸支ピン504が支持鉤穴47の傾斜状穴部の先端空間部分に挿入されてストッパー部80aの先端側方が入口端部の停止垂下部47aに対向している状態(この状態ではストッパー部80aの先端側方と停止垂下部47aとの間に僅かな隙間があり当接した状態となっていない)である通常の軸支状態においては、屈曲して形成される支持鉤穴47の傾斜状穴部の先端空間部分に位置する軸支ピン504とストッパー部80aの先端面80eとの夫々の中心が斜め方向にずれて対向した状態となっている。そして、この通常の軸支状態においては、重量のある本体枠3を軸支している軸支ピン504が支持鉤穴47の先端部分に当接した状態となっているので、軸支ピン504からストッパー部80aの先端面80eへの負荷がほとんどかかっていないため、ロック部材80の弾性片80cに対し負荷がかかっていない状態となっている。また、図15(A)に示すように、ストッパー部80aの先端面80eが操作部80bを操作して回動したときにロック部材80がスムーズに回動するように円弧状に形成されている。図示の場合、この円弧状先端面80eの円弧中心は、リベット81の中心(ロック部材80の回転中心)である。
このため、軸支ピン504が支持鉤穴47の傾斜状穴部の傾斜に沿って抜ける方向に作用力Fがかかって円弧状の先端面80eに当接したとき、その作用力Fを、軸支ピン504と円弧状の先端面80eとの当接部分に作用する分力F1(円弧状先端面80eの円弧の法線方向)と、軸支ピン504と支持鉤穴47の傾斜状穴部の一側内面との当接部分に作用する分力F2と、に分けたときに、分力F1の方向がリベット81の中心(ロック部材80の回転中心)を向くため、ロック部材80のストッパー部80aの先端部が支持突出片46から外れる方向(図示の時計方向)に回転させるモーメントが働かず、軸支ピン504がロック部材80のストッパー部80aの先端部と支持鉤穴47の傾斜状穴部の一側内面との間に挟持された状態を保持する。このため、通常の軸支状態でもあるいは軸支ピン504の作用力がロック部材80にかかった状態でも、ロック部材80の弾性片80cに常時負荷がかからず、合成樹脂で一体形成される弾性片80cのクリープによる塑性変形を防止し、長期間に亘って軸支ピン504の支持鉤穴47からの脱落を防止することができる。なお、仮に無理な力がかかってロック部材80のストッパー部80aの先端部が支持突出片46から外れる方向(図示の時計方向)に回転させられても、ストッパー部80aの先端部の一側方が停止垂下部47aに当接してそれ以上外れる方向に回転しないので、ロック部材80が支持突出片46の外側にはみ出ることはない。
また、図15(A)に示す実施形態においては、ストッパー部80aの円弧状先端面80eの円弧中心がリベット81の中心(ロック部材80の回転中心)であることにより、軸支ピン504に対し支持鉤穴47の傾斜状穴部の傾斜に沿って抜ける方向の作用力Fがかかってもロック部材80に回転モーメントが生じないものについて説明したが、図15(B)に示すように、ストッパー部80aの円弧状先端面80fの曲率半径をさらに小さくし、且つロック部材80のリベット81による軸支位置を支持突出片46の内側にした場合に、軸支ピン504が支持鉤穴47の傾斜状穴部の傾斜に沿って抜ける方向に作用力Fがかかって円弧状の先端面80fに当接したとき、その作用力Fを、軸支ピン504と円弧状の先端面80fとの当接部分に作用する分力F1(円弧状先端面80fの円弧の法線方向)と、軸支ピン504と支持鉤穴47の傾斜状穴部の一側内面との当接部分に作用する分力F2と、に分けた場合において、分力F1によって回転モーメントが働いてロック部材80を図示の矢印方向(時計回転方向)に回転させるが、ロック部材80が回転してもストッパー部80aの先端一側方が停止垂下部47aに当接するだけであるため、ロック部材80が支持突出片46の外側にはみ出ることもないし、ロック部材80の弾性片80cに対しても負荷がかかることもない。
つまり、図15(A)及び図15(B)に示す実施形態から理解することができる点は、軸支ピン504が支持鉤穴47の傾斜状穴部の傾斜に沿って抜ける方向に作用力Fがかかって先端面80e,80fに当接したとき、その作用力Fの軸支ピン504と先端面80e,80fとの当接部分に作用する分力F1によってロック部材80を回転させる回転モーメントが生じない位置若しくはロック部材80をその先端部が支持突出片46の外側に向って回転させる回転モーメントが生ずる位置にロック部材80の回転中心(リベット81により固定される軸)を位置させることにより、常時ロック部材80の弾性片80cに対しても負荷がかかることはないし、ロック部材80が回転してもストッパー部80aの先端一側方が停止垂下部47aに当接するだけであるため、ロック部材80が支持突出片46の外側にはみ出ることもない。なお、ストッパー部80aの先端面の形状が円弧状でなくても、上記した分力F1の作用により回転モーメントが生じない位置又はロック部材80をその先端部が支持突出片46の外側に向って回転させる回転モーメントが生ずる位置にロック部材80の回転中心(リベット81により固定される軸)を位置させることにより、常時ロック部材80の弾性片80cに対しても負荷がかかることはないし、ロック部材80が回転してもストッパー部80aの先端一側方が停止垂下部47aに当接するだけであるため、ロック部材80が支持突出片46の外側にはみ出ることもないという点を本出願人は確認している。
上記のように構成されるロック部材80の作用について図16を参照して説明する。外枠2に本体枠3を開閉自在に軸支する前提として、本体枠3の枠支持板506(図71を参照)に形成される支持穴(図示しない)に下支持金具66の支持突起68が挿通されていることが必要である。そのような前提において、図16(A)に示すように、本体枠3の上軸支金具503の軸支ピン504をロック部材80のストッパー部80aの側面に当接させて押し込むことにより、図16(B)に示すように、ロック部材80が弾性片80cを変形させながら反時計方向に回動させるので、軸支ピン504を支持鉤穴47に挿入することができる。そして、軸支ピン504が支持鉤穴47の傾斜状穴部の先頭空間部分に到達すると、図16(C)に示すように、軸支ピン504とストッパー部80aの先端側面とが当接しなくなるためロック部材80が弾性片80cの弾性力に付勢されて時計方向に回動し、ロック部材80のストッパー部80aが再度通常の状態に戻って支持鉤穴47の入口部分を閉塞すると同時に、ストッパー部80aの先端部分が軸支ピン504と対向して軸支ピン504が支持鉤穴47から抜け落ちないようになっている。そして、この状態は、図16(D)に示すように、本体枠3が完全に閉じられた状態でもあるいは本体枠3の通常の開閉動作中も保持される。次いで、軸支ピン504を支持鉤穴47から取り外すためには、図16(E)に示すように、指を支持突出片46の裏面に差し入れてロック部材80の操作部80bを反時計方向に回動することにより、ロック部材80が弾性片80cの弾性力に抗して回動し、ストッパー部80aの先端部分が支持鉤穴47から退避した状態となるため、軸支ピン504を支持鉤穴47から取り出すことができる。その後、本体枠3を持ち上げて、枠支持板506に形成される支持穴と下支持金具66の支持突起68との係合を解除することにより、本体枠3を外枠2から取り外すことができる。
上記したように、第二実施形態に係る外枠2の上支持金具45に設けられるロック部材80は、ストッパー部80aと操作部80bと弾性片80cとが合成樹脂によって一体的に形成されているので、上支持金具45の裏面に極めて簡単に取付けることができると共に、極めて簡単な構造であるため故障も少なく且つ製造コストの低減を計ることができる。また、軸支ピン504が支持鉤穴47の傾斜状穴部の傾斜に沿って抜ける方向に作用力Fがかかって先端面80e,80fに当接したとき、その作用力Fの軸支ピン504と先端面80e,80fとの当接部分に作用する分力F1によってロック部材80を回転させる回転モーメントが生じない位置若しくはロック部材80をその先端部が支持突出片46の外側に向って回転させる回転モーメントが生ずる位置にロック部材80の回転中心(リベット81により固定される軸)を位置させることにより、常時ロック部材80の弾性片80cに対しても負荷がかかることはなく、合成樹脂で一体形成される弾性片80cのクリープによる塑性変形を防止し、長期間に亘って軸支ピン504の支持鉤穴47からの脱落を防止することができると共に、ロック部材80が回転してもストッパー部80aの先端一側方が停止垂下部47aに当接するだけであるため、ロック部材80が支持突出片46の外側にはみ出ることもない。
[1−2.扉枠の全体構成]
次に、上記した本体枠3の前面側に開閉自在に設けられる扉枠5について、図17乃至図22を参照して説明する。図17は、扉枠の正面図であり、図18は、扉枠の背面図である。また、図19は、扉枠を右前方から見た斜視図であり、図20は、扉枠を左前方から見た斜視図である。図21は、扉枠の正面から見た分解斜視図であり、図22は、扉枠の背面から見た分解斜視図である。
図17、図18、図21及び図22に示すように、扉枠5は、外形が縦長の矩形状に形成され内周形状が縦長の多角形状とされた遊技窓101を有する扉枠ベースユニット100と、扉枠ベースユニット100の前面で遊技窓101の上部に取付けられる横長のトップランプ電飾ユニット200と、扉枠ベースユニット100の前面で遊技窓101の下部に取付けられる皿ユニット300と、扉枠ベースユニット100の後側に遊技窓101を閉鎖するように取付けられるガラスユニット450と、ガラスユニット450の後側下部を被覆するように扉枠ベースユニット100の後側に取付けられる防犯カバー470とを備えている。この扉枠5における扉枠ベースユニット100には、詳細な説明は後述するが、遊技窓101の左右両側にサイドスピーカ電飾ユニット120を備えており、このサイドスピーカ電飾ユニット120、トップランプ電飾ユニット200、及び皿ユニット300によって、遊技窓101の外周が囲まれた形態となっている。また、扉枠5には、皿ユニット300の正面視左側(開放側)に遊技球の打込操作をするためのハンドル装置400が備えられている。
[1−2A.扉枠ベースユニット]
続いて、扉枠5における扉枠ベースユニット100について、主に図23乃至図31を参照して説明する。図23(A)は扉枠ベースユニットの正面斜視図であり、(B)は扉枠ベースユニットの背面斜視図である。図24は、扉枠ベースユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図25は、扉枠ベースユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。また、図26は、扉枠ベースユニットにおけるサイドスピーカ電飾ユニットの左ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図27は、図26を後ろから見た分解斜視図である。図28は、扉枠ベースユニットにおけるサイドスピーカ電飾ユニットの右ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図29は、図28を後ろから見た分解斜視図である。更に、図30は、扉枠ベースユニットにおける球送りユニットを分解して示す分解斜視図である。また、図31(A)は扉枠ベースユニットにおけるジョイントユニットの部分を拡大して示す斜視図であり、(B)はジョイントユニットを分解して示す分解斜視図である。
図示するように、扉枠ベースユニット100は、外形が縦長の矩形状に形成されると共に、前後方向に貫通し内周が縦長で多角形状に形成された遊技窓101を有した扉枠ベース本体110と、扉枠ベース本体110の前側で遊技窓101の左右両側に固定されるサイドスピーカ電飾ユニット120と、扉枠ベース本体110の後側に固定される金属製で枠状の補強板金140と、補強板金140の後側に固定される横長の装着台160と、装着台160に固定され皿ユニット300から供給される遊技球を一つずつ打球発射装置650へ送る球送りユニット170と、扉枠ベース本体110の後側で補強板金140及び装着台160を介して固定される球送りユニット170の略下側に配置され、ハンドル装置400における操作ハンドル部410の回転操作を打球発射装置650へ伝達させるジョイントユニット180とを主に備えている。
また、扉枠ベースユニット100は、扉枠ベース本体110の前側で遊技窓101の左下側に固定される左下装飾基板190と、扉枠ベース本体110における皿ユニット300の球抜き経路393と対応する位置に形成された球抜き経路開口112を閉鎖する球抜き経路カバー191と、扉枠ベース本体110の後側で遊技窓101よりも下側に固定される扉装飾駆動基板192と、扉装飾駆動基板192を後方から覆う扉装飾駆動基板カバー193と、扉枠ベース本体110の後側でジョイントユニット180の直上に固定されるハンドル中継端子板194と、遊技窓101の下側で扉枠ベース本体110の後側に形成され左下装飾基板190やハンドル中継端子板194からの配線等を収容可能な配線収容溝110bを後側から閉鎖する配線カバー195と、遊技窓101の左右上部に夫々配置され扉枠ベース本体110の後側に回動可能に軸支される止めレバー196とを備えている。
本例の扉枠ベースユニット100は、合成樹脂からなる矩形状の扉枠ベース本体110の後側に、金属板金をリベット等で組立てた補強板金140が固定されることで、全体の剛性が高められていると共に、トップランプ電飾ユニット200や皿ユニット300等を充分に支持することができる強度を有している。
また、扉枠ベースユニット100における左下装飾基板190は、その前面に複数のLED190aが実装されており、後述する皿ユニット300の左端部を発光装飾させることができるようになっている。一方、扉装飾駆動基板192は、扉枠5に設けられる電飾部品や電気部品(各基板等に実装されたLEDやランプ、スピーカ121,391、ハンドル装置400の操作ハンドル部410内に設けられるスイッチ、貸球ユニット301、操作ボタンユニット370等)からの配線が集約して接続され、その扉装飾駆動基板192からの配線が本体枠3の裏面に取付けられる基板ユニット1100に組み込まれる扉中継基板1102等を介しての賞球払出制御基板1186や遊技盤4に取付けられる主制御基板ボックス624の主制御基板4100(図231を参照)に接続されている。
[1−2A−1.扉枠ベース本体]
まず、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110は、図24及び図25等に示すように、合成樹脂によって縦長の額縁状に形成されており、前後方向に貫通し内形が縦長で多角形状の遊技窓101が全体的に上方へオフセットするような形態で形成されている。この扉枠ベース本体110は、遊技窓101によって形成される上辺、及び左右の側辺の幅が、後述する補強板金140の上側補強板金141、軸支側補強板金142、及び開放側補強板金143の幅と略同じ幅とされており、正面視における扉枠ベース本体の大きさに対して、遊技窓101が可及的に大きく形成されている。従って、扉枠5の後側に配置される遊技盤4のより広い範囲を遊技者側から視認できるようになっており、従来のパチンコ機よりも広い遊技領域を容易に形成することができるようになっている。
また、扉枠ベース本体110における遊技窓101よりも下方には、軸支側(正面視で左側)の上部に皿ユニット300の賞球連絡樋343が貫通する賞球通過口111と、賞球通過口111の下方で皿ユニット300における球抜き経路393と対応する位置に形成された球抜き経路開口112と、開放側(正面視で右側)の上部に球送りユニット170を装着するための球送り開口113と、球送り開口113のさらに開放側寄りに後述するシリンダ錠1010が挿通する錠穴114と、球送り開口113の下側でハンドル装置400のカム416が挿通可能なカム挿入開口115とが、扉枠ベース本体110を貫通するように夫々形成されている。
更に、扉枠ベース本体110には、遊技窓101の下端の左右両側に詳細は後述するが防犯カバー470の装着弾性片473を装着するための装着開口部116と、装着開口部116の夫々左右外側に配置され後述するサイドスピーカ電飾ユニット120における左右下側のサイドスピーカ121の後端を逃がすためのスピーカ用開口117とが、貫通するように夫々形成されている。
また、扉枠ベース本体110の後側には、遊技窓101の内周に略沿って前側へ凹みガラスユニット450の前面外周縁が当接可能なガラスユニット支持段部110aと、遊技窓101の下側で下側補強板金144の前面と略対応する位置に前側へ凹んで形成され配線を収容可能な配線収容溝110bと、カム挿入開口115が開口し前側へ向かって凹みジョイントユニット180を取付けるためのジョイントユニット装着凹部110cとを備えている。
更に、扉枠ベース本体110の後側には、その下辺から後方へ所定量突出する扉枠突片110d,110eが形成されており、これら扉枠突片110d,110eが、後述する本体枠3の係合溝584,585内に挿入されることで、扉枠5が本体枠3に対して位置決め係止されるようになっている。なお、扉枠突片110dの後方への突出量は、扉枠突片110eの突出量よりも大きくなるように形成されている。
また、扉枠ベース本体110には、図示するように、その前面上部に、トップランプ電飾ユニット200を固定するための前方へ突出した複数の取付ボス110hが備えられていると共に、その後面に、止めレバー196を回転可能に軸支するための止めレバー取付部110iが備えられている。また、その他に、扉枠ベース本体110には、サイドスピーカ電飾ユニット120、補強板金140、装着台160、皿ユニット300等を固定するための取付ボスや、取付穴が適宜位置に多数形成されている。
[1−2A−2.サイドスピーカ電飾ユニット]
続いて、扉枠ベースユニット100におけるサイドスピーカ電飾ユニット120は、扉枠5の前面で遊技窓101の左右両側を電飾(発光装飾)すると共に、遊技窓101の四隅に配置された四つのサイドスピーカ121によって所定の音楽や効果音等を遊技者に対して発することができるものであり、遊技窓の101の軸支側(正面視で左側)に配置される左サイドスピーカ電飾ユニット120Lと、遊技窓101の開放側(正面視で右側)に配置される右サイドスピーカ電飾ユニット120Rとを備えている。このサイドスピーカ電飾ユニット120は、左右のユニット夫々に、縦長の電飾部122と、電飾部122の上下に夫々配置されサイドスピーカ121を有する音響部130とを備え、略左右が対称の構成となっている。
詳述すると、サイドスピーカ電飾ユニット120の電飾部122は、図26乃至図29に分解して示すように、縦長の半円柱状で透明なサイド電飾レンズ123と、サイド電飾レンズ123の後側に配置されサイド電飾レンズ123と共に円柱を構成する透明なサイド電飾リフレクタ124と、サイド電飾リフレクタ124の後側に配置されるサイド電飾ベース125と、サイド電飾ベース125の後側に固定されるサイド装飾基板126と、サイド電飾レンズ123及びサイド電飾リフレクタ124の上端及び下端を夫々前側から包み込むように形成されサイド電飾ベース125に取付けられることでサイド電飾レンズ123及びサイド電飾リフレクタ124を支持するサイド電飾フラッシュカバー127と、サイド電飾フラッシュカバー127のフラッシュ開口127aを後側から閉鎖する透光性を有したフラッシュレンズ128と、フラッシュレンズ128の後側に配置されサイド電飾ベース125の前面に支持されるフラッシュ基板129とを備えている。
このサイドスピーカ電飾ユニット120の電飾部122は、サイド電飾基板126の前面に、上下方向に所定間隔で様々な色に発光可能な複数のカラーLED126aと、複数のLED126aの上下に高輝度の白色LED126bとが夫々実装されている。また、サイド電飾リフレクタ124及びサイド電飾ベース125におけるサイド電飾基板126のLED126a,126bと対応する位置には、夫々前後方向に貫通する開口部124a,125aが形成されており、サイド装飾基板126に実装されたLED126a,126bからの光が、サイド電飾ベース125の開口部125a、及びサイド電飾リフレクタ124の開口部124aを通して前方へ照射することができるようになっている。
また、電飾部122では、サイド電飾レンズ123とサイド電飾リフレクタ124の透明な円柱内の内側に、サイド電飾レンズ123の内周全体とサイド電飾リフレクタ124の内周の一部にかかるように断面略U字状のサイドレンズシート123aが配置されている。このサイドレンズシート123aは、透過光や反射光を、パール状或いは彩光状に見せる公知の光学シートにより形成されおり、遊技者側から見ると、このサイドレンズシート123aによって、サイド電飾レンズ123及びサイド電飾リフレクタ124により形成された透明な円柱(パイプ)内に、あたかも蛍光管(蛍光灯)が配置されたような外観を呈することができるようになっている。
更に、電飾部122では、サイド電飾リフレクタ124に、サイド装飾基板126の複数のLED126aと対応して形成された複数の開口部124aを、上下方向に三つのグループに分割する分割壁124bを備えており、この分割壁124bによって所定のLED126aからの光が他のグループへ進入するのを抑制するようにしている。つまり、分割壁124bによって、サイド電飾レンズ123及びサイド電飾リフレクタ124によって形成される蛍光管を上中下の三つに明確に分割することができるようになっている。従って、サイド装飾基板126に実装された複数のLED126aを適宜発光させることで、蛍光管を全体的あるいは部分的に発光させたり、上中下の各部分毎に様々な色に発光させたりすることができるようになっている。
また、サイド電飾リフレクタ124には、サイド装飾基板126における上下のLED126bと対応した位置に、前側から凹んだレンズ凹部124cが形成されており、このレンズ凹部124cに前側から半円形状のサブレンズ122a(図28及び図29を参照)が挿入されるようになっている。本例の電飾部122は、このサブレンズ122a及びLED126bにより、LED126aを発光させる前に、LED126bのみを強く発光させることで、サイド電飾レンズ123及びサイド電飾リフレクタ124によって形成される蛍光管をあたかも本物の蛍光灯のように、両端のみが光ってから点灯するような発光演出をすることができるようになっている。
更に、電飾部122は、サイド電飾フラッシュカバー127の後側に支持されるフラッシュ基板129の前面に強い光を発光可能なフラッシュライト129a(例えば、超高輝度白色LED等)が取付けられており、このフラッシュライト129aを発光させることで、閃光(フラッシュ)を遊技者側へ照射させることができるようになっている。
サイドスピーカ電飾ユニット120の音響部130は、最前部に配置され略円形のスピーカ開口131aを有したスピーカ飾り131と、スピーカ飾り131のスピーカ開口131aを後側から閉鎖するパンチングメタルからなる略円盤状のスピーカカバー132と、スピーカカバー132の後側に配置されスピーカ飾り131と協働してスピーカカバーを狭持し円形のスピーカ前支持口133aを有した飾りスペーサ133と、飾りスペーサ133のスピーカ前支持口133aを後側から閉鎖するように配置されるサイドスピーカ121と、サイドスピーカ121の外周に後側から嵌合するスピーカ嵌合口134aを有した裏押え部材134とを主に備えている。
この音響部130は、図示するように、スピーカ飾り131や飾りスペーサ133、及び裏押え部材134の形状が、取付けられる位置に応じて異なる形状とされている。具体的には、図26及び図27に示すように、正面視で左上の音響部130では、スピーカ飾り131が円筒状に形成された上で左側から外方へ延び出す装飾部131bを有し、飾りスペーサ133がスピーカ飾り131内へ挿入可能な円筒状とされると共に、裏押え部材134にはスピーカ飾り131の装飾部131bと組になる裏押え装飾部134bが形成されている。なお、左上の音響部130には、裏押え部材134の裏押え装飾部134bの上部に配置され補強板金140における上軸支部146の軸ピン145よりも下側を覆うヒンジカバー135を更に備えている。また、正面視で左下の音響部130では、スピーカ飾り131が装飾部131bを有した板状に形成されると共に、飾りスペーサ133がスピーカ飾り131の装飾部131bと組になるスペーサ装飾部133bを有した板状に形成され、裏押え部材134がリング状に形成されている。
一方、図28及び図29に示すように、正面視で右上の音響部130では、スピーカ飾り131が円筒状に形成されると共に、飾りスペーサ133と裏押え部材134とがスピーカ飾り131内へ挿入可能な円筒状に形成されている。また、正面視で右下の音響部130では、スピーカ飾り131が円環状に形成された上で、飾りスペーサ133がスピーカ飾り131の後面と当接するスペーサ装飾部133bを有した平板状に形成されると共に、裏押え部材134がリング状に形成されている。なお、右下の音響部130では、裏押え部材134の更に後側に、裏押え部材134を前側から挿通固定可能な貫通する裏押え部材固定口136aを有した飾りベース136を更に備えている。
本例のサイドスピーカ電飾ユニット120における四つのサイドスピーカ121は、図示するように、遊技窓101の上下左右の四隅に配置されており、蓋然的に、遊技する遊技者の頭部に対しても上下左右の位置に配置されるようになっているので、各サイドスピーカ121に対して独立した音響信号(例えば、2chステレオ信号、4chステレオ信号、後述する下部スピーカ391を加えた2.1chサラウンド信号或いは4.1chサラウンド信号、等)を送ることで、従来よりも臨場感のある音響効果(音響演出)を提示することができるようになっている。なお、本例のサイドスピーカ121は、主に中音域から高音域を担当し、下部スピーカ391は、低音域を担当するものとなっている。
[1−2A−3.補強板金]
次に、扉枠ベースユニット100における補強板金140は、主に図24及び図25に示すように、扉枠ベース本体110の上辺部裏面に沿って取付けられる上側補強板金141と、扉枠ベース本体110の軸支側辺部裏面に沿って取付けられる軸支側補強板金142と、扉枠ベース本体110の開放側辺部裏面に沿って取付けられる開放側補強板金143と、扉枠ベース本体110の遊技窓101の下辺裏面に沿って取付けられる下側補強板金144と、が相互にビス等で締着されて方形状に形成されている。
この補強板金140は、図24に示すように、軸支側補強板金142の上下端部に、その上面に上下方向に摺動自在に設けられる軸ピン145を有する上軸支部146と、その下面に軸ピン147(図18を参照)を有する下軸支部148と、が一体的に形成されている。そして、上下の軸ピン145,147が本体枠3の軸支側上下に形成される上軸支金具503及び下軸支金具509に軸支されることにより、扉枠5が本体枠3に対して開閉自在に設けられるものである。
また、補強板金140の下側補強板金144は、所定幅を有して扉枠ベース本体110の横幅寸法と略同じ長さに形成され、その長辺の両端縁のうち下方長辺端縁が後方に向って折曲した下折曲突片149となっており(図25を参照)、上方長辺端縁の両側部が後方に向って折曲した上折曲突片150となっているものの、その両側部の上折曲突片150に挟まれる部分が垂直方向に延設される垂直折曲突片151となっている。下折曲突片149の突出量はあまり大きくなく、この下折曲突片149が溝部や凹部と係合して凹凸係合をなすものではなく、強度を高めるために形成されているのに対し、両側部の上折曲突片150の突出量は下折曲突片149の突出量よりもやや大きく下方からの不正具の侵入を多少防止するが、むしろ、本実施形態における下側補強板金144の構成で最も特徴的な構成は、垂直折曲突片151である。
この垂直折曲突片151は、その上端縁形状が後述するガラスユニット450のユニット枠451の下端形状に合致するように凹状に形成され、ガラスユニット450を扉枠5の裏面側に固定したときに、垂直折曲突片151の上端片がガラスユニット450のユニット枠451における幅方向(前後方向)の略中央の外周に沿って形成される係合溝451cに係合するようになっている。なお、下側補強板金144には、扉枠ベース本体110に形成された賞球通過口111の底面を除く外周を保護する賞球通過口被覆部152が形成されている。
また、補強板金140の開放側補強板金143には、上側補強板金141と下側補強板金144との間の長辺の両側に、後方へ向かって屈曲された開放側外折曲突片153及び開放側内折曲突片154が夫々形成されており、開放側外折曲突片153よりも開放側内折曲突片154の方が後方へ長く延び出したように形成されている。また、上側補強板金141には、その長辺の両側に後方へ向かって屈曲された屈曲突片155,156が夫々形成されている。更に、軸支側補強板金142には、その長辺の外側端に後方へ延び出した軸支側L字状折曲突片157が形成されている。また、開放側補強板金143の後側下部には、後述する錠装置1000の扉枠用フック部1041と当接するフックカバー158が取付けられている。
[1−2A−4.装着台・球送りユニット]
次に、扉枠ベースユニット100における装着台160及び球送りユニット170について説明する。まず、装着台160は、図18、図24、及び図25に示すように、扉枠ベースユニット100の板部裏面の上半分を覆うように取付けられ、防犯カバー470と同様に透明な合成樹脂によって前方が開放した横長直方体状に形成されている。この装着台160は、発射レール515から発射された球をスムーズに遊技盤4に導くために、扉枠5を閉めたときに装着台160の後面と本体枠3の板部511とによって発射レール515を挟持するように形成されており、装着台160の後面に球飛送誘導面161が形成されている。ところで、本実施形態に係る装着台160には、その軸支側上部に下側補強板金144に形成される賞球通過口被覆部152の後方突出部を貫通させる賞球通過口用開口162が形成されており、その開放側下部に球送りユニット170を取付ける球送りユニット取付凹部163が形成されている。この球送りユニット取付凹部163から斜め方向の領域が球飛送誘導面161となっている。
また、装着台160の中程下部には、後述する球抜き経路カバー191、扉装飾駆動基板192及び扉装飾駆動基板カバー193を取り外す際に指を入れることができる蓋用切欠き164が形成されていると共に、装着台160の上辺の一部には、垂直に立設される立壁165が形成されている。この立壁165は、図18に示すように、防犯カバー470を取付けたときに、防犯カバー470の前面と当接して防犯カバー470の下部が前方に移動しないように規制するためのものである。
更に、この装着台160には、上述した球飛送誘導面161の下方から賞球通過口用開口162にかけて斜め状に後方へ向かって突設された防犯突片166を備えている。この防犯突片166は、前述したように、本体枠3の板部511に形成される防犯空間586との間で、扉枠5と本体枠3との下側辺部における内側の突条及び係合部を構成するものである。
一方、球送りユニット170は、図30に示すように、球送りユニット取付凹部163に固定される箱状の本体部171と、本体部171の支持軸171aに回動可能に軸支された球送り部材172と、球送り部材172の球受部を上方へ回動させると共に回転可能に球送り部材172に軸支された錘173とを備えている。この球送りユニット170は、球送り部材172が後述する打球発射装置650の打球槌687の往復動差に対応して揺動することで、皿ユニット300の第三傾斜面311cの流下端にある球を、本体部171に形成された打球供給口171bを通して発射レール515の発射位置に1個ずつ供給するものである。
なお、図中の符号174は、Eリングであり、本体部171の支持軸171aから球送り部材172が抜けるのを防止したり、球送り部材172から錘173が抜けるのを防止したりするものである。
[1−2A−5.ジョイントユニット]
続いて、扉枠ベースユニット100におけるジョイントユニット180について説明する。ジョイントユニット180は、図31に示すように、扉枠ベース本体110のジョイントユニット装着凹部110cの内部に収納されて横方向にスライド可能なスライド体182と、スライド体182が収納された状態でジョイントユニット装着凹部110cの前面を被覆するカバー体184とから構成されている。
扉枠ベース本体110のジョイントユニット装着凹部110cは、前面が開放した直方体の箱状に形成され、その後面にカム挿入開口115が開設されている。また、ジョイントユニット装着凹部110cの一つの略対角線状に位置する隅部には、ジョイントユニット180のカバー体184を固定するための一対の取付穴110fが形成されている。更に、ジョイントユニット装着凹部110cの内側面の上辺及び底辺には、スライド体182の上下辺の外側面と当接してスライド体182がスムーズに移動できるようにするための円弧状の当接凸部110g(図31(B)では下辺の当接凸部110gだけを図示し、上辺の当接凸部110gは図示省略されている。)が突設されている。
一方、ジョイントユニット180のスライド体182は、ジョイントユニット装着凹部110cとカバー体184とによって形成される空間内に左右方向に移動可能に収納されるように、ジョイントユニット装着凹部110cよりも小さな後面が開放した直方体の箱状に形成され、その後面壁には、後方へ所定量突出し略水平方向に並んで配置された二つの案内突起182aと、背面視で右側の案内突起182aの下側に配置され後方へ突出する板状のスライド突片183と、二つの案内突起182aの間でスライド突片183よりも背面視で左側に後述するハンドル装置400の配線通し筒部428が貫通するように穿設された矩形状の筒部材貫通開口182bとを備えている。このスライド体182のスライド突片183は、スライド時の進行方向(背面視で右方向)が斜めにカットされた傾斜辺183aとなっている。また、スライド体182の前面壁には、ハンドル装置400における回転軸415の先端部に固定されるカム416が収納されるカム係合凹部182cがリブによってコ字形状に形成されている。そして、カム係合凹部182cを形成するリブの一部の垂直部分がカム係合凹部182c内に突出するように円弧状のリブとして形成され、その部分がカム416と当接するカム当接部182dとなっている。
また、ジョイントユニット180のカバー体184は、前面が開放した直方体の箱状に形成され、その前面にスライド体182の前面に突設される円筒ボス状の案内突起182aが挿入されてスライド体182の移動を案内する横長穴状の2つの案内横穴194aと、スライド体182の前面に突設されるスライド突片183が挿通される挿通横穴184bと、操作ハンドル部410の後握り部材413の後端に取付けられてカム挿入開口115から挿入される配線通し筒部428の後端部が臨む配線開口184cと、ジョイントユニット装着凹部110cの取付穴110fと対応する位置から外方へ突出するように形成された取付穴184dとを備えている。この取付穴184dを介してジョイントユニット装着凹部110cの取付穴110fへ所定のビス(図示しない)を止着することで、カバー体184をジョイントユニット装着凹部110cに取付けることができるようになっている。
ジョイントユニット180のスライド体182とカバー体184とをジョイントユニット装着凹部110cに組み付けるには、ジョイントユニット装着凹部110cにスライド体182を収納し、その状態でカバー体184を前方から被覆する。被覆する際には、案内突起182aが案内横穴194aに、スライド突片183が挿通横穴184bに、夫々挿通するようにする。そして、被覆した後には、取付穴184dを介して取付穴110fにビスで螺着することにより、スライド体182を内部に収納した状態となってジョイントユニット180の組み付けが終了する。
[1−2B.トップランプ電飾ユニット]
次に、扉枠5におけるトップランプ電飾ユニット200について、主に図32乃至図39を参照して説明する。図32(A)はトップランプ電飾ユニットの正面斜視図であり、(B)はトップランプ電飾ユニットの背面斜視図であり、図33はトップランプ電飾ユニットを斜め前下から示す斜視図である。図34(A)はトップランプ電飾ユニットを主な構成毎に分解して前から示す分解斜視図であり、(B)は(A)を後から示す分解斜視図である。また、図35はトップランプ電飾ユニットにおけるトップランプリフレクタユニットを分解してトップランプベースと共に前から示す分解斜視図であり、図36は図35を後から示す分解斜視図である。更に、図37はトップランプ電飾ユニットにおける左回転灯を分解して示す分解斜視図であり、図38はトップランプ電飾ユニットにおける右回転灯を分解して示す分解斜視図であり、また、図39はトップランプ電飾ユニットにおける中央回転灯を分解して示す分解斜視図である。
本実施形態の扉枠5におけるトップランプ電飾ユニット200は、図33にも示すように、左右方向に並んだ三つの回転灯244,264,284(所謂、パトライト(登録商標))を備えており、それら回転灯244,264,284の大きさは正面視で左側から順に大きなものが配置されている。このトップランプ電飾ユニット200は、横長で箱状のトップランプベース210と、トップランプベース210の前面に固定されると共にトップランプベース210を挟んで扉枠べースユニット100の前面上部に固定されるトップランプリフレクタユニット220と、トップランプリフレクタユニット220の前面に取付けられる左回転灯ユニット240、右回転灯ユニット260、及び中央回転灯ユニット280と、左回転灯ユニット240、右回転灯ユニット260、及び中央回転灯ユニット280の前面を夫々覆いトップランプリフレクタユニット220に取付けられる回転灯カバー201,202,203と、トップランプリフレクタユニットの略中央下面を覆うリフレクタインナ204と、を主に備えている(図34を参照)。
また、トップランプ電飾ユニット200には、トップランプベース210の前側右に固定されるトップランプ電源基板205と、トップランプベース210の後側に固定される二つのトップランプ装飾駆動基板206とを更に備えている。このトップランプ電源基板205は、トップランプ電飾ユニット200内の各基板224,226,231やLED244a,266a,231a、各回転灯ユニット240,260,280のモータ245,265,285や各基板248,268,288,296のLED、後述するガラスユニット450のLED453a等へ電源基板1136(後述する)からの電源を中継して供給するためのものである。また、トップランプ装飾駆動基板206は、トップランプリフレクタユニット220内のLEDや、中央回転灯ユニット280内のLED、及び各回転灯ユニット240,260,280のモータ245,265,285等の発光や駆動を、後述する周辺基板4010(周辺制御基板4140、図231を参照)からの制御信号に基いて駆動させるためのものである。
[1−2B−1.トップランプベース]
次に、トップランプ電飾ユニット200におけるトップランプベース210は、図35及び図36に示すように、上面及び左右側面が扉枠ベースユニット100の上辺及び左右側辺と略沿った形状とされると共に、下面が扉枠ベースユニット100の遊技窓101と略沿った形状とされ、横長で前後方向の中間で仕切られたような箱状に形成されている。このトップランプベース210は、その外周沿った位置に、後側から扉枠ベース本体110の取付ボス110hが挿通されると共に、前側からトップランプリフレクタユニット220から後方へ突出する取付ボス221iの後端が嵌合して夫々を位置決めし、所定のビスが挿通可能な挿通孔を有した略筒状の取付ボス部211を複数備えている。この取付ボス部211に対して、後方から扉枠ベースユニット100の取付ボス110hの先端を挿入すると共に、前方からトップランプリフレクタユニット220の取付ボス221iの後端を挿入し、扉枠ベースユニット100の後側から所定のビスをトップランプリフレクタユニット220の取付ボス221iへ止着することで、トップランプベース210(トップランプ電飾ユニット200)が扉枠ベースユニット100に取付固定されるようになっている。
また、トップランプベース210には、トップランプリフレクタユニット220から後方へ突出する固定ボス221jの後端が嵌合し所定のビスが通過可能な挿通孔を有した複数の固定ボス部212が備えられている。この固定ボス部212を介して後側からトップランプリフレクタユニット220の固定ボス221jへ所定のビスを止着することで、トップランプベース210とトップランプリフレクタユニット220とを互いに組付けることができるようになっている。
更に、トップランプベース210には、正面視で右側端部付近に、トップランプ電源基板205の接続コネクタ205aが挿通可能なコネクタ開口部213を備えており、このコネクタ開口部213を介してコネクタ205aがトップランプベース210の後側から臨むようになっている。また、トップランプベース210の後側の左右には、夫々基板取付部214が備えられており、この基板取付部214にトップランプ装飾駆動基板206が取付けられるようになっている。
[1−2B−2.トップランプリフレクタユニット]
続いて、トップランプ電飾ユニット200におけるトップランプリフレクタユニット220について説明する。本実施形態のトップランプリフレクタユニット220は、図35及び図36にも示すように、トップランプベース210を前方から被覆可能とされ後側が開放された箱状のリフレクタベース221を備えている。このリフレクタベース221は、前面に三つの回転灯244,264,284が並んで取付けられる、中央の回転灯284と左右の回転灯244,264との間が、前方へ大きく突出する筒状の円筒部221aと、円筒部221aから下方へ垂下すると共に下方へ向かうに従って後方へ傾斜する傾斜部221bとによって仕切られている。このリフレクタベース221は、円筒部221aには略円形の開口部が形成されていると共に、傾斜部221bには上下方向に三つ並んだ矩形状の開口部が形成されている(図33を参照)。また、リフレクタベース210には、左右両端に前方へ突出する縦長の膨出部221eを備えており、この膨出部221eの前面に縦長に開口する矩形状のスリット221fが形成されている。このリフレクタベース211は、図示するように、二つの円筒部221a及び傾斜部221bと、二つの膨出部221eによって、三つの回転灯244,264,284の取付位置が後方へ凹んだような形状となっている。
また、リフレクタベース221は、二つの円筒部221a及び傾斜部221bとの間(中央の回転灯284が配置される位置)が、後方へ凹んだ緩やかな湾曲面形状とされていると共に、二つの円筒部221a及び傾斜部221bとの間に、左右方向略中央を挟んだ左右に正面視で略台形状に貫通するレンズ開口部221gが形成されている。更に、リフレクタベース221には、各回転灯244,264,284を備えた各回転灯ユニット240,260,280の回転灯ユニットベース241,261,281の前端が後側から通過可能な回転灯取付口221hが形成されている。また、リフレクタベース221には、トップランプベース210の取付ボス部211と嵌合する後方へ突出した複数の取付ボス221iと、トップランプベース210の固定ボス部212と嵌合し後方へ突出した複数の固定ボス221jとを備えている。なお、詳細な図示は省略するが、リフレクタベース221には、トップランプベース210を介さずに、扉枠ベースユニット100へ直接取付けられる取付ボス221kも備えられている。
ところで、トップランプリフレクタユニット220は、リフレクタベース221の他に、リフレクタベース221の後側で左右方向略中央に固定される一対のトップインナレンズ222と、トップインナレンズ222の後側でリフレクタベース221のレンズ開口部221gと対応した位置に配置される一対のレンズシート223と、レンズシート223の後側に配置され前面に複数のカラーLED224aが実装された一対のリフレクタ装飾基板224と、リフレクタベース210における円筒部221a内に後側から挿入され開口部221cを閉鎖する透明な丸レンズ225と、丸レンズ225及びトップインナレンズ222を挟んでリフレクタベース210の円筒部221a及び傾斜部221bの後側に配置され前面にLED226aが実装された一対の仕切装飾基板226とを備えている。
このトップインナレンズ222は、透明な樹脂により形成されており、リフレクタベース221のレンズ開口部221gを閉鎖する略台形で湾曲面状の湾曲レンズ部222aと、リフレクタベース221における傾斜部221bの三つの開口部221dを閉鎖する仕切レンズ部222bと、丸レンズ225の後端と当接する丸レンズ支持部222cとを備えている。なお、湾曲レンズ部222aの上下辺には鋸状の拡散レンズ部222dが形成されており、湾曲レンズ部222aとは異なる態様で発光することができると共に、発光していない時でも前側からの光を乱反射させることができるようになっている。
また、トップインナレンズ222には、拡散レンズ部222dの後側から後方へ板状に突出する突出片222eと、上下の突出片に挟まれ湾曲レンズ部222aの後側にレンズシート223を支持する支持凹部222fとが形成されている。なお、図示するように、リフレクタ装飾基板224では複数のLED224aが、トップインナレンズ222の突出片222eと対応した位置に列設されていると共に、トップインナレンズ222の湾曲面レンズ部222aと対応した位置にも分散配置されている。これにより、トップインナレンズ222の湾曲レンズ部222aと拡散レンズ部222dとでは、夫々異なる態様で発光させることができるようになっている。
なお、レンズシート223は、リフレクタ装飾基板224に実装されたLED224aからの透過光や、他の光源等からの反射光を、パール状或いは彩光状に見せる公知の光学シートとされている。また、仕切装飾基板226に実装されたLED226aは、超高輝度LEDとされており、強い閃光を発することができるようになっている。
更に、トップランプリフレクタユニット220には、リフレクタベース221の左右の膨出部221eに形成された縦長のスリット221fを閉鎖するトップサイドレンズ227と、トップサイドレンズ227の上端を前側から固定するトップサイドレンズ押え228と、トップサイドレンズ227及びリフレクタベース221の後側に配置されるレンズシート229と、リフレクタベース221の後側に固定されることでレンズシート229を狭持するトップサイド基板ベース230と、トップサイド基板ベース230に固定されレンズシート229を介して前方のトップサイドレンズ227へ光を照射可能なカラーLED231aが前面に実装されたトップサイド基板231とを更に備えている。
このトップサイドレンズ221は、透明な樹脂により平面視でく字状に形成されると共に、上下の端部に夫々係止片227a,227bが形成されており、下端の係止片227bをリフレクタベース221におけるスリット221fの下端と係止させた上で、上端の係止片227aをトップサイドレンズ押え228により押えることで、リフレクタベース221に取付けられるようになっている。また、トップサイドレンズ221の後側に配されるレンズシート229は、上記のレンズシート223と同様の光学シートで形成されていると共に、図示するように、湾曲状に形成されており、リフレクタベース221に取付けられることで、トップサイドレンズ227の後側に、あたかも円柱状の蛍光管が配置されているような外観を呈することができるようになっている。
また、トップサイド基板ベース230は、図示するように、縦長の矩形枠状に形成され、その枠内を通して後側に固定されるトップサイド基板231のLED231aからの光が、レンズシート229及びトップサイドレンズ227を介して前面へ光を照射することができるようになっている。
[1−2B−3.回転灯ユニット]
次に、トップランプ電飾ユニット200における三つの回転灯ユニット240,260,280について説明する。まず、左回転灯ユニット240は、図37に示すように、上下方向に貫通する円形状の開口241aを有し、その開口241aがリフレクタベース221の回転灯取付口221hから前側へ突出した位置となるようにリフレクタベース221の後側に固定される回転灯ユニットベース241と、回転灯ユニットベース241の開口241aと同軸上に配置され回転灯ユニットベース241の上面に固定される略円環状の回転部ベース242と、回転部ベース242と同軸上に配置され回転部ベース242の上面に摺動回転可能に載置される回転灯ベースギア243と、回転灯ベースギア243から垂下するようにその下面に固定される回転灯244と、回転灯ベースギア243の軸線と略平行でリフレクタベース221の回転灯取付口221hよりも後側の軸線上に配置され回転軸245aが回転灯ユニットベース241の上面から上方へ突出するように回転灯ユニットベース241の下面に固定される左回転灯モータ245と、左回転灯モータ245の回転軸245aに固定され回転灯ベースギア243と噛合する伝達ギア246と、回転灯ベースギア243の全体及び伝達ギア246の一部を上方から覆うと共に回転灯ベースギア243を回転部ベース242と協働して軸支し、回転灯ユニットベース241に固定される回転部ホルダ247と、回転灯ベースギア243と同軸上で回転部ホルダ247の下面に固定され、下方の回転灯244へ向かって発光可能な高輝度カラーLED(図示は省略)を有した左回転灯基板248と、を備えている。
また、左回転灯ユニット240は、回転部ホルダ247を上方から覆う回転灯ユニットカバー249と、回転灯244の回転位置を検出する左回転位置検出センサ250と、左回転位置検出センサ250が実装された左回転位置検出基板251と、を更に備えている。
この左回転灯ユニット240の回転灯ユニットベース241は、その上面に開口241aの内周に略沿って形成された取付段部241bと、開口241aよりも後側の位置で下方へ向かって垂下しリフレクタベース211の後側に取付けられる取付部241cと、開口241aの後側に配置され左回転灯モータ245を固定するモータ固定部241dとを備えており、この取付段部241b内に上方から回転部ベース242が嵌合するようになっている。また、回転部ベース242には、回転灯ユニットベース241の開口241aと同軸上で小径の軸支口242aと、回転灯ベースギア243の外周よりも外側となる上面の所定位置に左回転位置検出基板251の下端を支持する基板支持部242bと、基板支持部242bよりも後方に配置され左回転灯基板248及び左回転位置検出基板251に接続される配線を係止する配線係止部242cとを備えている。
また、回転灯ベースギア243は、外径が回転部ベース242の軸支口242aよりも大径の円環状の平歯車とされ、下面から下方へ向かって延び回転部ベース242の軸支口242a内に挿通可能な円筒状のギア軸筒(図示は省略)と、ギア軸筒よりも小径で上下方向に貫通する軸支穴243aと、下面の外周から半径方向外方へ突出した回転位置検出片243bとを備えている。この回転灯ベースギア243の軸筒の外径は、回転部ベース242の軸支口242aの内径よりも若干小径とされており、軸支口242a内へ挿入されることで、回転灯ベースギア243が軸支口242aと略同軸上に回転することができるようになっている。また、左回転灯ユニット240では、回転灯ベースギア243の回転位置検出片243bを、左回転位置検出センサ250で検出することで、回転灯244の回転位置を検出することができるようになっている。
更に、回転部ホルダ247は、図示は省略するが、回転部ベース242の軸支口242aと同軸上となる位置に下方へ突出し回転灯ベースギア243の軸支穴243a内へ挿通可能な円筒状のホルダ軸筒が形成されている。このホルダ軸筒の外径は、回転灯ベースギア243の軸支穴243aよりも若干小径とされており、ホルダ軸筒を回転灯ベースギア243の軸支穴243aへ挿入することで、回転灯ベースギア243をホルダ軸筒と略同軸上に回転させることができるようになっている。つまり、本例の左回転灯ユニット240では、回転部ベース242の軸支口242a、回転灯ベースギア243のギア軸筒及び軸支穴243a、回転部ホルダ247のホルダ軸筒によって、回転灯ベースギア243が回転可能に軸支されている。なお、回転部ホルダ247のホルダ軸筒の下端に、左回転灯基板248が固定されるようになっている。また、回転部ホルダ247には、図示は省略するが、その下面の回転部ベース242の基板支持部242bと対応する位置に、左回転位置検出基板251の上端を支持する基板支持部が形成されており、左回転位置検出基板251が回転部ベース242と回転部ホルダ247とで狭持固定されるようになっている。
また、左回転灯ユニット240の回転灯244は、図示するように、回転灯ベースギア243の下側に配置される透明な円盤状の回転灯レンズ252と、回転灯レンズ252の下側に配置され回転灯ベースギア243の下面に固定されるリフレクタ253と、リフレクタ253を覆うリフレクタカバー254とで構成されている。この回転灯244のリフレクタ253は、表面に金属光沢を有したメッキ処理が施されており、円盤状のベース部253aと、ベース部253aの中央に穿設された開口部253bと、ベース部253aの下面から下方へ垂下する湾曲状の反射部253cと、ベース部253aの上面から上方へ延びだし上端が回転灯ベースギア243と当接可能な複数の取付ボス253dと、を備えている。
この回転灯244は、リフレクタ253の開口部253bから回転灯レンズ252の下面が臨むようになっていると共に、回転灯レンズ252にはリフレクタ253の取付ボス253dを挿通可能な挿通孔252aが形成されており、挿通孔252aに取付ボス253dを挿通させた上で、取付ボス253dを回転灯ベースギア243へ固定することで、回転灯レンズ252が回転灯ベースギア243とリフレクタ253との間に狭持固定されるようになっている。また、回転灯244のリフレクタカバー254は、平面視で略正八角形状とされ、上方が開放された箱状となっていると共に、リフレクタ253における反射部253cの内面側と対向する側面に開口部254aが形成されている。
続いて、右回転灯ユニット260は、図38に示すように、上下方向に貫通する円形状の開口261aを有し、その開口261aがリフレクタベース221の左側の回転灯取付口221hから前側へ突出した位置となるようにリフレクタベース221の後側に固定される回転灯ユニットベース261と、回転灯ユニットベース261の開口261aと同軸上に配置され回転灯ユニットベース261の上面に固定される略円環状の回転部ベース262と、回転部ベース262と同軸上に配置され回転部ベース262の上面に摺動回転可能に載置される回転灯ベースギア263と、回転灯ベースギア263から垂下するようにその下面に固定される回転灯264と、回転灯ベースギア263の軸線と略平行でリフレクタベース221の回転灯取付口221hよりも後側の軸線上に配置され回転軸265aが回転灯ユニットベース261の上面から上方へ突出するように回転灯ユニットベース261の下面に固定される右回転灯モータ265と、右回転灯モータ265の回転軸265aに固定され回転灯ベースギア263と噛合する伝達ギア266と、回転灯ベースギア263の全体及び伝達ギア266の一部を上方から覆うと共に回転灯ベースギア263を回転部ベース262と協働して軸支し、回転灯ユニットベース261に固定される回転部ホルダ267と、回転灯ベースギア263と同軸上で回転部ホルダ267の下面に固定され、下方の回転灯264へ向かって発光可能な高輝度カラーLED(図示は省略)を有した右回転灯基板268と、を備えている。
また、右回転灯ユニット260は、回転部ホルダ267を上方から覆う回転灯ユニットカバー269と、回転灯264の回転位置を検出する右回転位置検出センサ270と、右回転位置検出センサ270が実装された右回転位置検出基板271と、を更に備えている。
この右回転灯ユニット260の回転灯ユニットベース261は、その上面に開口261aの内周に略沿って形成された取付段部261bと、開口261aよりも後側の位置で下方へ向かって垂下しリフレクタベース211の後側に取付けられる取付部261cと、開口261aの後側に配置され右回転灯モータ265を固定するモータ固定部261dとを備えており、この取付段部261b内に上方から回転部ベース262が嵌合するようになっている。また、回転部ベース262には、回転灯ユニットベース261の開口261aと同軸上で小径の軸支口262aと、回転灯ベースギア263の外周よりも外側となる上面の所定位置に右回転位置検出基板271の下端を支持する基板支持部262bと、基板支持部262bよりも後方に配置され右回転灯基板268及び右回転位置検出基板271に接続される配線を係止する配線係止部262cとを備えている。
また、回転灯ベースギア263は、外径が回転部ベース262の軸支口262aよりも大径の円環状の平歯車とされ、下面から下方へ向かって延び回転部ベース262の軸支口262a内に挿通可能な円筒状のギア軸筒(図示は省略)と、ギア軸筒よりも小径で上下方向に貫通する軸支穴263aと、下面の外周から半径方向外方へ突出した回転位置検出片263bとを備えている。この回転灯ベースギア263の軸筒の外径は、回転部ベース262の軸支口262aの内径よりも若干小径とされており、軸支口262a内へ挿入されることで、回転灯ベースギア263が軸支口262aと略同軸上に回転することができるようになっている。また、右回転灯ユニット260では、回転灯ベースギア263の回転位置検出片263bを、右回転位置検出センサ270で検出することで、回転灯264の回転位置を検出することができるようになっている。
更に、回転部ホルダ267は、図示は省略するが、回転部ベース262の軸支口262aと同軸上となる位置に下方へ突出し回転灯ベースギア263の軸支穴263a内へ挿通可能な円筒状のホルダ軸筒が形成されている。このホルダ軸筒の外径は、回転灯ベースギア263の軸支穴263aよりも若干小径とされており、ホルダ軸筒を回転灯ベースギア263の軸支穴263aへ挿入することで、回転灯ベースギア263をホルダ軸筒と略同軸上に回転させることができるようになっている。つまり、本例の右回転灯ユニット260では、回転部ベース262の軸支口262a、回転灯ベースギア263のギア軸筒及び軸支穴263a、回転部ホルダ267のホルダ軸筒によって、回転灯ベースギア263が回転可能に軸支されている。なお、回転部ホルダ267のホルダ軸筒の下端に、右回転灯基板268が固定されるようになっている。また、回転部ホルダ267には、図示は省略するが、その下面の回転部ベース262の基板支持部262bと対応する位置に、右回転位置検出基板271の上端を支持する基板支持部が形成されており、右回転位置検出基板271が回転部ベース262と回転部ホルダ267とで狭持固定されるようになっている。
また、右回転灯ユニット260の回転灯264は、図示するように、左回転灯ユニット240の回転灯244よりも全体的に大きく、回転灯ベースギア263の下側に配置される透明な円盤状の回転灯レンズ272と、回転灯レンズ272の下側に配置され回転灯ベースギア263の下面に固定されるリフレクタ273と、リフレクタ273を覆うリフレクタカバー274とで構成されている。この回転灯264のリフレクタ273は、表面に金属光沢を有したメッキ処理が施されており、円盤状のベース部273aと、ベース部273aの中央に穿設された開口部273bと、ベース部273aの下面から下方へ垂下する湾曲状の反射部273cと、ベース部273aの上面から上方へ延びだし上端が回転灯ベースギア263と当接可能な複数の取付ボス273dと、を備えている。
この回転灯264は、リフレクタ273の開口部273bから回転灯レンズ272の下面が臨むようになっていると共に、回転灯レンズ272にはリフレクタ273の取付ボス273dを挿通可能な挿通孔272aが形成されており、挿通孔272aに取付ボス273dを挿通させた上で、取付ボス273dを回転灯ベースギア263へ固定することで、回転灯レンズ272が回転灯ベースギア263とリフレクタ273との間に狭持固定されるようになっている。また、回転灯264のリフレクタカバー274は、平面視で略正八角形状とされ、上方が開放された箱状となっていると共に、リフレクタ273における反射部273cの内面側と対向する側面に開口部274aが形成されている。
次に、中央回転灯ユニット280は、図39に示すように、上下方向に貫通する円形状の開口281aを有し、その開口281aがリフレクタベース221の左右方向中央の回転灯取付口221hから前側へ突出した位置となるようにリフレクタベース221の後側に固定される回転灯ユニットベース281と、回転灯ユニットベース281の開口281aと同軸上に配置され回転灯ユニットベース281の上面に固定される略円環状の回転部ベース282と、回転部ベース282と同軸上に配置され回転部ベース282の上面に摺動回転可能に載置される回転灯ベースギア283と、回転灯ベースギア283から垂下するようにその下面に固定される回転灯284と、回転灯ベースギア283の軸線と略平行でリフレクタベース221の回転灯取付口221hよりも後側の軸線上に配置され回転軸285aが回転灯ユニットベース281の上面から上方へ突出するように回転灯ユニットベース281の下面に固定される中央回転灯モータ285と、中央回転灯モータ285の回転軸285aに固定され回転灯ベースギア283と噛合する伝達ギア286と、回転灯ベースギア283の全体及び伝達ギア286の一部を上方から覆うと共に回転灯ベースギア283を回転部ベース282と協働して軸支し、回転灯ユニットベース281に固定される回転部ホルダ287と、回転灯ベースギア283と同軸上で回転部ホルダ287の下面に固定され、下方の回転灯284へ向かって発光可能な高輝度カラーLED(図示は省略)を有した中央回転灯基板288と、を備えている。
また、中央回転灯ユニット280は、回転部ホルダ287を上方から覆う回転灯ユニットカバー289と、回転灯284の回転位置を検出する中央回転位置検出センサ290と、中央回転位置検出センサ290が実装された中央回転位置検出基板291と、を更に備えている。
この中央回転灯ユニット280の回転灯ユニットベース281は、その上面に開口281aの内周に略沿って形成された取付段部281bと、開口281aよりも後側の位置で下方へ向かって垂下しリフレクタベース211の後側に取付けられる取付部281cと、開口281aの後側に配置され中央回転灯モータ285を固定するモータ固定部281dとを備えており、この取付段部281b内に上方から回転部ベース282が嵌合するようになっている。また、回転部ベース282には、回転灯ユニットベース281の開口281aと同軸上で小径の軸支口282aと、回転灯ベースギア283の外周よりも外側となる上面の所定位置に中央回転位置検出基板291の下端を支持する基板支持部282bと、基板支持部282bよりも後方に配置され中央回転灯基板288及び中央回転位置検出基板291に接続される配線を係止する配線係止部282cとを備えている。
また、回転灯ベースギア283は、外径が回転部ベース282の軸支口282aよりも大径の円環状の平歯車とされ、下面から下方へ向かって延び回転部ベース282の軸支口282a内に挿通可能な円筒状のギア軸筒(図示は省略)と、ギア軸筒よりも小径で上下方向に貫通する軸支穴283aと、下面の外周から半径方向外方へ突出した回転位置検出片283bとを備えている。この回転灯ベースギア283の軸筒の外径は、回転部ベース282の軸支口282aの内径よりも若干小径とされており、軸支口282a内へ挿入されることで、回転灯ベースギア283が軸支口282aと略同軸上に回転することができるようになっている。また、中央回転灯ユニット280では、回転灯ベースギア283の回転位置検出片283bを、中央回転位置検出センサ290で検出することで、回転灯284の回転位置を検出することができるようになっている。
更に、回転部ホルダ287は、図示は省略するが、回転部ベース282の軸支口282aと同軸上となる位置に下方へ突出し回転灯ベースギア283の軸支穴283a内へ挿通可能な円筒状のホルダ軸筒が形成されている。このホルダ軸筒の外径は、回転灯ベースギア283の軸支穴283aよりも若干小径とされており、ホルダ軸筒を回転灯ベースギア283の軸支穴283aへ挿入することで、回転灯ベースギア283をホルダ軸筒と略同軸上に回転させることができるようになっている。つまり、本例の中央回転灯ユニット280では、回転部ベース282の軸支口282a、回転灯ベースギア283のギア軸筒及び軸支穴283a、回転部ホルダ287のホルダ軸筒によって、回転灯ベースギア283が回転可能に軸支されている。なお、回転部ホルダ287のホルダ軸筒の下端に、中央回転灯基板288が固定されるようになっている。また、回転部ホルダ287には、図示は省略するが、その下面の回転部ベース282の基板支持部282bと対応する位置に、中央回転位置検出基板291の上端を支持する基板支持部が形成されており、中央回転位置検出基板291が回転部ベース282と回転部ホルダ287とで狭持固定されるようになっている。
また、中央回転体ユニット280の回転灯294は、図示するように、その大きさが左回転灯ユニット240の回転灯244と、右回転灯ユニット260の回転灯264との中間の大きさとされ、回転灯ベースギア283の下側に配置される透明な円盤状の回転灯レンズ292と、回転灯レンズ292の下側に配置され回転灯ベースギア283の下面に固定されるリフレクタ293と、リフレクタ293を覆うリフレクタカバー294とで構成されている。この回転灯284のリフレクタ293は、表面に金属光沢を有したメッキ処理が施されており、円盤状のベース部293aと、ベース部293aの中央に穿設された開口部293bと、ベース部293aの下面から下方へ垂下する湾曲状の反射部293cと、ベース部293aの上面から上方へ延びだし上端が回転灯ベースギア283と当接可能な複数の取付ボス293dと、を備えている。
この回転灯284は、リフレクタ293の開口部293bから回転灯レンズ292の下面が臨むようになっていると共に、回転灯レンズ292にはリフレクタ293の取付ボス293dを挿通可能な挿通孔292aが形成されており、挿通孔292aに取付ボス293dを挿通させた上で、取付ボス293dを回転灯ベースギア283へ固定することで、回転灯レンズ292が回転灯ベースギア283とリフレクタ293との間に狭持固定されるようになっている。また、回転灯284のリフレクタカバー294は、平面視で略正八角形状とされ、上方が開放された箱状となっていると共に、リフレクタ293における反射部293cの内面側と対向する側面に開口部294aが形成されている。
ところで、本実施形態の中央回転灯ユニット280は、図示するように、回転部ホルダ287と回転灯ユニットカバー289との間に、回転灯ユニットカバー289の前側の三つの側面に形成された複数の切欠き部289a内へ後側から挿入される複数の突出部295aを有したカバーレンズ295と、カバーレンズ295の後側に配置され表面に複数のカラーLED296aが実装されたカバー装飾基板296とを更に備えている。これらカバーレンズ295及びカバー装飾基板296は、回転部ホルダ287の前端に形成された溝状のレンズ支持部287a及び基板支持部287bに夫々下端が支持されると共に、回転灯ユニットカバー289に形成された図示しない溝状のレンズ支持部及び基板支持部に夫々上端が支持されることで取付けられるようになっている。本例では、カバー装飾基板296のLEDを発光させることで、中央回転灯ユニット280の回転灯ユニットカバー289の前端を発光装飾させることができるようになっている。
[1−2C.皿ユニット]
次に、扉枠5における皿ユニット300について、主に図40乃至図63を参照して説明する。図40は皿ユニットの正面斜視図であり、図41は皿ユニットの背面斜視図であり、図42は皿ユニットの平面図である。図43は、図42におけるA−A断面図である。図44は皿ユニットの皿奥板を取外した状態で示す背面図であり、図45は皿ユニットの皿奥板及び貸球ユニットを取外した状態で後から示す斜視図である。また、図46は皿ユニットを主な構成部品毎に分解して前から示す分解斜視図であり、図47は図46を後ろから示す分解斜視図である。また、図48は皿ユニットにおける皿ユニット本体を分解して前から示す分解斜視図であり、図49は図48を後ろから示す分解斜視図である。更に、図50は皿ユニットにおける第一球抜き機構を示す背面図であり、図51は皿ユニットにおける第二球抜き機構を後から示す斜視図である。また、図52は皿ユニットにおける操作ボタンユニットを分解して示す分解斜視図であり、図53は皿ユニットにおける操作ボタンユニットの操作ボタンユニット基板を取外した状態の底面図であり、図54は皿ユニットにおける操作ボタンユニットのメインボタンを下から示す底面斜視図であり、図55は皿ユニットにおける操作ボタンユニットのメインボタンを分解して示す分解斜視図である。
また、図56は扉枠に取付けられたハンドル装置の断面図であり、図57はハンドル装置を構成する操作ハンドル部とジョイントユニットとの関係を示す斜視図であり、図58はハンドル装置における操作ハンドル部の分解斜視図である。更に、図59は操作ハンドル部とジョイントユニットの動作を説明するための動作図であり、図60はハンドル装置と本体枠に設けられる打球発射装置との関係を示す斜視図であり、図61はハンドル装置と打球発射装置とを連結する状態を説明するための断面図である。更に、図62(A)は皿ユニット内での遊技球の流れを示す説明図であり、(B)は皿ユニット内での第二球抜き口と遊技球の流れとの関係を示す説明図である。また、図63は、皿ユニットにおける横長の球流入口と貯留皿との関係を示す説明図である。
本実施形態の扉枠5における皿ユニット300は、後述する賞球ユニット800から払出され遊技球を貯留することができると共に、貯留した遊技球を球送りユニット170を介して後述する打球発射装置650へ供給することができるものである。この皿ユニット300は、図46及び図47にも示すように、上方及び後方が開放され所定量の遊技球を貯留可能な貯留皿311を有した皿体310と、皿体310の前面を覆う皿ユニット本体320と、皿ユニット本体320及び皿体310の後面を覆う板状の皿奥板340と、皿体310の貯留皿311に貯留された遊技球を全て排出可能な第一球抜き機構350と、皿体310の貯留皿に貯留された遊技球の一部残して排出可能な第二球抜き機構360と、パチンコ機1に隣接して設置された図示しない球貸し機(CRユニットとも称す)を作動させる貸球ユニット301と、皿体310の上面に固定され遊技状態(遊技状況)によって遊技者が操作可能な操作ボタンユニット370と、皿体310の下側で皿ユニット本体320と皿奥板340との間に配置され扉枠ベースユニット100におけるサイドスピーカ電飾ユニット120のサイドスピーカ121よりも大型の下部スピーカ391を有した下部スピーカユニット390と、皿ユニット本体320の正面視右下隅に配置されるハンドルベース303と、ハンドルベース303に支持され遊技球の打込操作をするためのハンドル装置400とを主に備えている。なお、符号302は、後述する皿ユニット本体320における皿電飾基板336と接続される電気配線を覆う配線カバーである。また、図示するように、皿奥板340の正面視で左側には、皿ユニット本体320の左端を発光装飾させる左下装飾基板190が配置されている。
この皿ユニット300における貸球ユニット301は、図示するように、左右方向の略中央で皿奥板340の上辺に固定されており、貸球ボタン301aと、貸球ボタン301aの横に配置された返却ボタン301bと、貸球ボタン301aと返却ボタン301bとの間に配置され球貸し機に現金やプリペイドカードの残数を表示する貸出残表示器(図示せず)と、を備えている。この貸球ユニット301は、パチンコ機1に隣接して設けられた球貸し機に対して現金やプリペイドカードを投入した上で、貸球ボタン301aを押すと、所定数の遊技球を皿ユニット300の貯留皿311内へ貸出す(払出す)ことができると共に、返却ボタン301bを押すと貸出された分の残りを引いた上で投入した現金の残金やプリペイドカードが返却されるようになっている。
また、皿ユニット300における操作ボタンユニット370のメインボタン371及び二つのサブボタン372は、遊技盤4に設けられる液晶表示装置1400等で行われる遊技内容(遊技演出)に遊技者が参加する際に操作するものである。
[1−2C−1.皿体]
まず、皿ユニット300における皿体310は、図示するように、平面視で左端から全体の略2/3を占め上方及び後方に開放された所定深さの貯留皿311と、貯留皿311内の底部の所定位置に配置され上下方向に貫通する第二球抜き口312と、貯留皿312の右端から貯留皿311と連続し第三傾斜面311cの下流側に配置されると共に遊技球が流通可能とされ遊技球を第二球抜き口312の略直下まで誘導可能な第一球抜き経路313(図44及び図47を参照)と、貯留皿311の右側で略菱形状に上方へ開放し操作ボタンユニット370を装着可能な操作ボタンユニット装着凹部314と、操作ボタンユニット装着凹部314の後側で略円形状に開口し第一球抜き機構350の第一球抜きボタン351が装着される第一球抜きボタン装着口315と、第一球抜きボタン装着口315の略直下に配置され第一球抜き機構350を支持する第一球抜き機構支持部316と、を主に備えている。
この皿体310における貯留皿311は、皿奥板340の球流入口341の前面に配置され平面視で右側及び前側へ向かって低くなる第一傾斜面311aと、第一傾斜面311aの右側端部の後部と連続し右側及び後側へ向かって低くなる第二傾斜面311bと、第二傾斜面311bの右側端部と連続し奥皿板340の球供給口342へ向かって低くなる第三傾斜面311cと、第一傾斜面311aの右側端部の前部及び第二傾斜面311bの前側端部と連続し右側及び第二傾斜面311bへ向かって低くなる第四傾斜面311dと、第四傾斜面311dの右側端部と連続し第四傾斜面311dへ向かって低くなる第五傾斜面311eと、を備えている(図42及び図43等を参照)。
また、貯留皿311には、第五傾斜面311eの後側端部から上方へ立上り遊技球が越境不能とされた仕切壁311fと、仕切壁311fと第三傾斜面311cとの間に配置され第三傾斜面311cへ向かって低くなる第六傾斜面311gとを更に備えている。なお、第二球抜き口312は、第一傾斜面311aと第二傾斜面311bとの間に配置されている。また、第二球抜き口312は、通常は第二球抜き機構360の第二球抜きシャッター364により閉鎖された状態となっている。
本実施形態の貯留皿311では、図示するように平面視で、第一傾斜面311aは、貯留皿311の大きさの略半分を占める大きさの四角形状(台形状)とされていると共に、第二傾斜面311bは、左右方向の長さが貯留皿311の長さの約1/4で前後方向の奥行きが第三傾斜面311cへ向かって狭くなるような変五角形状とされ、更に、第三傾斜面311cは、前後方向の奥行きが遊技球の外径よりも若干大きい横長の区形状とされている。また、第四傾斜面311dは、左右方向の長さが第二傾斜面311bと略同じ長さで第二傾斜面311bへ向かうに従って長さが短くなる四角形状(台形状)とされている。更に、第五傾斜面311eは、その後側端部が左端部から右方向へ第三傾斜面311cと略平行に所定距離延びた上で後方の第三傾斜面311cへ向かって斜めに延びた後に仕切壁311fを挟んで第三傾斜面311cに沿って延びると共に、前側端部(右側端部)が後側端部の右端部へ向かって右方向へ向かうに従って後方へ向かうように延び、全体として逆へ字状に形成されており、仕切壁311fが第五傾斜面311eの後側端部に沿って形成されている。
また、この貯留皿311は、図示するように、第一傾斜面311aの左側端部と前側端部、第四傾斜面311dの前側端部、及び第五傾斜面の前側端部(右側端部)から上方へ立上る外周壁311hを備えており、この外周壁311hにより貯留皿311が皿体310の上面から下方へ所定量凹んだ形態となっている。また、貯留皿311の外周壁311hは、第一傾斜面311a、第四傾斜面311d、及び第五傾斜面311eの前側端部では右方向へ向かうに従って前方へ向かうような緩い円弧状に形成されており、球流入口341から第一傾斜面311a上へ流入した遊技球が、外周壁311hにおける球流入口341と対向する位置と当接すると、第五傾斜面311eの方向へ反射して第五傾斜面311d上へ流通するようになっている。また、第五傾斜面311eは、球流入口341から貯留皿311内へ流入してきた遊技球が登坂可能な緩斜面とされており、第五傾斜面311eの右端部まで登坂した後に、その向きを変えて第四傾斜面311dの方向(左方向)へ流下するようになっている。つまり、本例の貯留皿311は、球流入口341から流入した遊技球を、一旦第五傾斜面311eへ迂回させてから球供給口342への供給路となる第三傾斜面311cへ流入させるようになっている。
また、貯留皿311における第六傾斜面311gは、他の傾斜面311a〜311eと比較して傾斜角度が急になっており、その下流側となる第三傾斜面311c上で複数の遊技球を球供給口342へ向かって左右方向へ一列に整列させ易くすることができるようになっている。なお、第三傾斜面311cには、ステンレス製のレール体304が装着されるようになっており、流通する遊技球による耐摩耗性を向上させるようにしていると共に、遊技球に帯電した静電気を除去することができるようになっている。
更に、貯留皿311の第三傾斜面311cは、図44及び図47に示すように、その右側端部が、斜め右下へ潜り込んだ上で下方へ垂下し後側が開放された溝状に形成されていると共に第一球抜き経路313と連続するように形成されており、第一球抜き経路313と連続することで左右方向に対して折り返すような流路が形成されている。この第三傾斜面311cと第一球抜き経路313との境界部分は、第一球抜き機構350の第一球抜きスライド356により流路が閉鎖されるようになっており、この第一球抜きスライド356に臨むように皿奥板340の球供給口342が開口している。これにより、第三傾斜面311cを流下してきた遊技球が、第一球抜きスライド356により流下を遮られることで、球供給口342側へと流通するようになっている。
なお、皿体310における第一球抜き機構支持部316には、第三傾斜面311cと第一球抜き経路313との境界部分の横(正面視で右側、図44では左側)に第一球抜きスライド356が左右方向へスライド可能に挿入配置されるスライド溝316a、スライド溝316aを挟んで第三傾斜面311cと第一球抜き経路313との境界部分の反対側には後述する第一球抜きバネ357の下端部を係止する鉤部316bとが形成されている。
[1−2C−2.皿ユニット本体]
次に、皿ユニット300における皿ユニット本体320は、図48及び図49に示すように、皿ユニット300の前面を構成し皿体310と下部スピーカユニット390の前面を被覆し上方及び後方が開放された箱状の本体部321を備えている。この本体部321は、正面視で左側の約3/4が前方へ膨出したような形態となっており、この膨出した部分の内側(後側)に下部スピーカユニット390が収容されるようになっている。また、本体部321には、その膨出した部分の前面の中央右寄りで下部スピーカユニット390の下部スピーカ391と対応する位置に貫通するように形成されたスピーカ用開口321aと、スピーカ用開口321aの左側に形成されたダミー開口321bと、ダミー開口321bの左側に形成された第二球抜きボタン用開口321cとが夫々貫通するように形成されている。更に、本体部321には、右下隅部にハンドルベース303を取付けるための楕円形状のハンドルベース取付口321dと、ハンドルベース取付口321dの上側に配置され後述するシリンダ錠1010が臨む錠用開口321eと、ハンドルベース取付口dの左側で前側へ膨出した部分の右側面に開口する区形状のダクト用開口321fと、左右方向の略中央下部に開口する区形状の球排出口321gと、を備えている。
また、皿ユニット300における皿ユニット本体320には、本体部321のスピーカ用開口321aとダミー開口321bとを前側から覆う前面裏板322と、前面裏板322のスピーカ用開口322aを通して本体部321のスピーカ用開口321aと対応する前面に配置されパンチングメタルからなり四隅が切り落とされた板状の右カバー323と、右カバー323の前面の略中央に配置され右カバー323よりも小型で表面に金属光沢のメッキ処理が施された板状の右飾りベース324と、右飾りベース324の前面の略中央に配置され右飾りベース324よりも小型で板状の右飾り325と、前面裏板322における本体部321のダミー開口321bと対応する前面に配置されパンチングメタルからなり四隅が切落とされた板状の左カバー326と、左カバー326の前面の略中央に配置され左カバー326よりも小型で表面に金属光沢のメッキ処理が施された板状の左飾りベース327と、左飾りベース327の前面の略中央に配置され左飾りベース327よりも小型で板状の左飾り328と、本体部321のスピーカ用開口321a、ダミー開口321b、及び第二球抜きボタン用開口321cの周縁を装飾する枠状の前面本体329と、を主に備えている。この皿ユニット本体320における前面裏板322には、本体部321のスピーカ用開口321aへ臨むように貫通する複数の透孔322aが形成されており、これら透孔322a及び右飾りベース323のパンチング孔(図示は省略)を介して下部スピーカ391からの音を外部へ良好に伝達させることができるようになっている。
また、本例の皿ユニット本体320は、左下装飾基板190の前側で本体部321の左端に固定される本体左飾りベース330と、本体左飾りベース330の前面に固定され表面に金属光沢のメッキ処理が施された本体左飾り331と、を更に備えている。この本体左飾りベース330は、透光性を有しており、本体左飾りベース330の後側に配置される左下装飾基板190のLED190aによって発光装飾させることができるようになっている。
更に、皿ユニット本体320は、本体部321のダクト用開口321fを覆うパンチングメタルからなる板状のダクト用カバーと、ダクト用カバーが表面から臨むようなダクト用切欠き部333aが形成され、本体部321における前側へ膨出した部分の右側面全体を覆うと共に表面に金属光沢のメッキ処理を施した本体右飾り333と、を更に備えている。
また、皿ユニット本体320は、本体部321の上縁に沿って配置され上下方向に貫通する横長のスリット334aを複数有し、表面に金属光沢のメッキ処理が施された本体上飾り334と、本体上飾り334の下側で本体部321内に配置され、本体上飾り334のスリット334a内へ挿入される導光部335aを有した上飾りレンズ335と、上飾りレンズ335の下側に配置され上面に複数のカラーLED336aが実装された皿電飾基板336と、を備えている。この皿電飾基板336のLED336aを適宜発光させることで、上飾りレンズ335を介して本体上飾り334、つまり、皿ユニット本体320の上縁を発光装飾させることができるようになっている。
[1−2C−3.皿奥板]
続いて、皿ユニット300における皿奥板340は、図46及び図47等に示すように、全体が横長の板状に形成され、正面視で左上隅部に配置され横長の区形状で前後方向に貫通する球流入口341と、球流入口341よりも右下方向へ所定距離はなれて配置され遊技球が通過可能な区形状で貫通する球供給口342と、球流入口341と連通し後方へ延出する角筒状の賞球連絡樋343と、を主に備えている。この皿奥板340の球流入口341は、図43等に示すように、皿体310の貯留皿311内へ向かって開口すると共に、左右方向の長さが貯留皿311の第一傾斜面311aの長さと略同じ長さとされている。また、球供給口342は、貯留皿311における第三傾斜面331cの右端で第一球抜き機構350の第一球抜きスライド356と対応した位置に配置されている。また、賞球連絡樋343は、球流入口341に対して正面視で左端に偏った位置に配置されていると共に、左右方向の長さが球流入口341の長さに対して約半分の長さとされ、後端が扉枠ベース本体110の賞球通過口111を貫通して後述する満タンユニット900における前方誘導通路920の流下端(前端)の出口921と連通するようになっている。
また、皿奥板340は、賞球連絡樋343の前端が球流入口341に対して後方へ所定量控えた位置に配置されており、球流入口341と賞球連絡樋343との間に、球流入口341の左右方向全長に亘って延び遊技球が流通可能な棚部344を更に有している。この棚部344により賞球連絡樋343を流通してきた遊技球を、貯留皿311の第二球抜き口312よりも下流側へ流入させることができるようになっている。
更に、奥皿板340は、後述する下部スピーカユニット390の球抜き経路393と対応し略L字状に貫通した球抜き経路用開口345と、球抜き経路用開口345の正面視左上で球流入口341(皿体310における第二球抜き口312)の下側に配置され、後述する第二球抜き機構360のラッチユニット366の後端が挿通される区形状に貫通したラッチ用開口346と、正面視で右上隅部に配置され略区形状に貫通する配線挿通口347と、球流入口341と配線挿通口346との間で奥皿板340の上辺に配置され貸球ユニット301を取付けるための貸球ユニット取付部348と、を備えている。
[1−2C−4.第一球抜き機構]
次に、皿ユニット300における第一球抜き機構350は、図44、図45及び図50等に示すように、遊技者が押圧操作する第一球抜きボタン351と、第一球抜きボタン351を上下方向へスライド可能に支持すると共に皿体310の第一球抜きボタン装着口315に対して下側から挿入される第一球抜きボタンベース352と、第一球抜きボタンベース352の上部に皿体310を挟んで第一球抜きボタン351が上方へ突出するように固定される第一球抜きボタン装飾体353と、第一球抜きボタン装飾体353と第一球抜きボタンベース352とで支持された第一球抜きボタン351の下端の正面視で右側(図50では左側)となる皿体311の第一球抜き機構支持部316の位置に支持される回動軸354と、回動軸354に回動可能に軸支され一端側が第一球抜きボタン351の下端部と当接すると共に他端側が下方へ延出した逆L字状の第一球抜きクランク355と、第一球抜きクランク355の他端側の下端と当接可能とされると共に皿体311の第一球抜き機構支持部316に略左右方向へスライド可能に支持され、皿体310の第三傾斜面311cと第一球抜き経路313との境界部分を閉鎖可能な第一球抜きスライド356と、第一球抜きクランク355が所定方向へ回動するように付勢する第一球抜きバネ357と、を備えている。
この第一球抜き機構350の第一球抜きスライド356は、皿体310における第一球抜き機構支持部316のスライド溝316a内に挿入配置されることで左右方向へスライドすることができるようになっていると共に、その状態で、第一球抜きクランク355が回動することで第一球抜きクランク355の他端側の下端によって左右方向へスライドさせられるようになっている。この第一球抜きスライド356は、左右方向へスライドすることで先端部が皿体310の第三傾斜面311cと第一球抜き経路313との境界部分の流路内に対して進退することができるようになっており、境界部分へ前進して流路を閉鎖すると第三傾斜面311cを流通してきた遊技球を球供給口342へ供給することができ、境界部分から後退して流路を開放すると第三傾斜面311cを流通してきた遊技球を第一球抜き経路313側へ供給(排出)することができるようになっている。
また、第一球抜きクランク355には、回動軸354を挟んで第一球抜きボタン351の下端部と当接する一端側とは反対側に第一球抜きバネ357の上端部を係止する鉤部355aが形成されている。この第一球抜きバネ357は、その上端部を第一球抜きクランク355の鉤部355aに係止すると共に、下端部を皿体310における第一球抜き機構支持部316の鉤部316bに係止することで、第一球抜きクランク355を、第一球抜きスライド356が第三傾斜面311cと第一球抜き経路313との境界部分を閉鎖する位置、及び第一球抜きボタン351が最も上昇した位置となる方向へ回動するように付勢することができるようになっている。
この第一球抜き機構350は、遊技者によって第一球抜きボタン351が押圧されると、第一球抜きボタン351の下端部と当接する当接ピン355bを介して、第一球抜きクランク355が第一球抜きバネ357の付勢力に抗してその一端側が下方へ移動する方向へ回動すると共に、その他端側が第三傾斜面311cと第一球抜き経路313との境界部分から遠ざかる方向へ移動する。そして、第一球抜きスライド356が第一球抜きクランク355の下端と共に第三傾斜面311cと第一球抜き経路313との境界部分から遠ざかる方向へと移動し、第一球抜きスライド356の先端が境界部分の流路内から後退して第三傾斜面311cと第一球抜き経路313とが連通した状態となり、第三傾斜面311cつまり貯留皿311内の全ての遊技球を、第一球抜き経路313を介して外部へ排出することができるようになっている。
なお、第一球抜きボタン351の押圧を解除すると、第一球抜きバネ357の付勢力により第一球抜きクランク355が回動して、第一球抜きボタン351が上昇すると共に、第一球抜きスライド356の先端が第三傾斜面311cと第一球抜き経路313との境界部分の流路内へ前進してその流路を閉鎖し、第三傾斜面311c上(貯留皿311内)の遊技球を、球供給口342を介して打球発射装置650へ供給することができるようになっている。
[1−2C−5.第二球抜き機構]
続いて、皿ユニット300における第二球抜き機構360は、図51等に示すように、皿ユニット本体320における本体部321の第二球抜きボタン用開口321cから前方へ向かって突出する第二球抜きボタン361と、第二球抜きボタン361が先端に嵌合固定され後述する下部スピーカユニット390によって前後方向へスライド可能に支持された第二球抜きスライド362と、第二球抜きスライド362の前後方向の移動を伝達し下部スピーカユニット390により左右方向へ延びる軸回りに回動可能に軸支された棒状の第二球抜きクランク363と、第二球抜きクランク363の回動により皿体310における第二球抜き口312を閉鎖する閉位置と第二球抜き口312を開放する開位置との間で上下方向へ延びる軸周りに回動可能とされた第二球抜きシャッター364と、第二球抜きシャッター364を第二球抜き口312が閉鎖される閉位置へ付勢する第二球抜きバネ365と、第二球抜きバネ365の付勢力に抗して第二球抜きシャッター364を開位置へ保持可能なラッチユニット366と、第二球抜きシャッター364の下面を摺動可能に支持すると共に第二球抜き口312と対応した開口部367aを有し、皿体310の下側に固定される第二球抜きベース367と、第二球抜きスライド362の後端を摺動可能に保持すると共にラッチユニット366を支持し、後述する下部スピーカユニット390のスピーカボックス392と協同して第二球抜きクランク363を回動可能に軸支する第二球抜き機構支持体368(図44及び図47を参照)と、を備えている。
この第二球抜き機構360の第二球抜きスライド362には、その後端部に上方へ開放され第二球抜きクランク363の下端部が挿入される伝達溝362aと、後端部から後方へ突出しラッチユニット366の係合爪366aと係合可能な係合突起362bとを備えている。また、第二球抜きクランク363は、略上下方向へ延びた棒状の部材とされ、その下端部が第二球抜きスライド362の伝達溝362a内へ上方から挿入されると共に、上下方向の略中間部分で下部スピーカユニット390のスピーカボックス392により回動可能に軸支されている。而して、第二球抜きスライド362が前後方向へスライドすると、その伝達溝362aのスライドに伴って第二球抜きクランク363の下端部が移動し、第二球抜きクランク363が回動すると共に、第二球抜きクランク363の上端部が下端部とは反対方向へ移動するようになっている。
また、第二球抜きシャッター364は、図示するように、第二球抜きスライド362よりも上方に配置され、皿体310の第二球抜き口312及び第二球抜きベース367の開口部367aを閉鎖可能な平面視略半円形状(D字状)で板状の閉鎖部364aと、閉鎖部364aから左右方向の一方(正面視で左方向、図51では右方向)へ延びる棒状の棹部364bとを備えており、全体として略P字状に形成されている。また、この第二球抜きシャッター364は、棹部364bの先端が皿体310と第二球抜きベース367とによって上下方向へ延びる軸周りに回動可能に軸支されていると共に、棹部364bの後側で左右方向の略中間部分に、第二球抜きクランク363の上端部が当接するようになっている。更に、第二球抜きシャッター364における棹部364bの後側基端部分に第二球抜きバネ365の前端部が係止されるようになっている。なお、図示は省略するが、第二球抜きバネ365の後端部は、皿体310の下面から下方へ垂下する係止ボスに係止されるようになっており、第二球抜きバネ365により、第二球抜きシャッター364の閉鎖部364aが第二球抜き口312を閉鎖する閉位置(図51に示す位置)となるように付勢されている。
また、第二球抜き機構360の第二球抜きベース367は、開口部367aと第二球抜きシャッター364を軸支する位置との間に、第二球抜きクランク363の上端部が通過可能な前後方向へ延びるスリット367bを備えており、このスリット367bを介して第二球抜きベース367の下側で軸支された第二球抜きクランク363の上端部が、第二球抜きベース367の上面に配置された第二球抜きシャッター364の棹部364bと当接することができるようになっている。なお、第二球抜きベース367は、図示するように、浅い皿状に形成されており、皿体310とで第二球抜きシャッター364を収容する収容空間を形成することができるようになっている。また、第二球抜きシャッター364を収容する収容空間の高さは、遊技球の外径よりも小さく低い高さとされており、第二球抜きシャッター364が回動して第二球抜き口312が開状態となっても、皿体310と第二球抜きベース367との間に遊技球が進入しないようになっている。
本実施形態の第二球抜き機構360は、遊技者が皿ユニット本体320の前面から前方へ突出する第二球抜きボタン361を押すと、第二球抜きスライド362が後方へスライドすると共に、第二球抜きスライド362の伝達溝362aに案内されて第二球抜きクランク363の下端部が後方へと移動するように第二球抜きクランク363が回動する。そして、第二球抜きクランク363が回動することでその上端部が下端部とは反対方向の前方へ移動することとなり、第二球抜きクランク363の上端部と当接する第二球抜きシャッター364が、第二球抜きバネ365の付勢力に抗して棹部364bの先端を中心として閉鎖部364aが前方へ移動するように回動する。このようにして閉鎖部364aが前方へ移動して皿体310の第二球抜き口312及び第二球抜きベース367の開口部367aが開放されると、貯留皿311における第二球抜き口312よりも上流側に貯留された遊技球が第二球抜き口312を通って皿ユニット300の下方外部へ排出されることとなる。
なお、本例の第二球抜き機構360には、ラッチユニット366を備えており、第二球抜きボタン361を押して第二球抜きスライド362の後端の係合突起362bがラッチユニット366における一対の係合爪366aの間に当接すると、一対の係合爪366aが係合突起362bを挟むように閉じて係合し、第二球抜きバネ365の付勢力に抗して第二球抜きボタン361が押された状態、つまり、第二球抜きシャッター364の閉鎖部364aにより第二球抜き口312が開いた(開放され)位置に保持することができるようになっている。この状態で、第二球抜きボタン361を押すと、ラッチユニット366の一対の係合爪366aが開いて、係合突起362bとの係合が解除され、第二球抜きバネ365の付勢力により第二球抜きシャッター364の閉鎖部364aが第二球抜き口312を閉鎖する位置へと復帰できるようになっている。
[1−2C−6.操作ボタンユニット]
次に、皿ユニット300における操作ボタンユニット370は、図52乃至図55等に示すように、皿ユニット300における皿体310の操作ボタン装着凹部314に対して上方から装着固定されるものであり、平面視で正方形の四隅を切落とした八角形状のメインボタン371と、メインボタン371の左右両側に夫々対称に配置され平面視でホームベース形状の左サブボタン372L及び右サブボタン372Rからなる一対のサブボタン372と、メインボタン371とサブボタン372を上下方向へ摺動可能に保持すると共に皿体310の操作ボタン装着凹部314内へ挿入される操作ボタンユニットベース373と、操作ボタンユニットベース373の上面を装飾する板状の操作ボタンユニット装飾部材374と、操作ボタンユニットベース373の下側に固定され操作ボタンユニット370を発光装飾させるカラーLED375aが上面に複数実装された操作ボタンユニット基板375と、を備えている。
また、操作ボタンユニット370には、メインボタン371の操作を検出するメインボタンセンサ376と、左サブボタン372Lの操作を検出する左サブボタンセンサ377Lと、右サブボタン372Rの操作を検出する右サブボタンセンサ377Rと、を更に備えている。これらメインボタンセンサ376、左サブボタンセンサ377L及び右サブボタンセンサ377Lは、夫々発光部と受光部とを備えたフォトセンサとされており、操作ボタンユニット基板375の所定位置に夫々固定されている。
この操作ボタンユニット370における操作ボタンユニットベース373には、図示するように、平面視で略菱形形状とされ、メインボタン371を上方から収容可能なメインボタン収容凹部373aと、メインボタン収容部373aの内周面に形成されメインボタン371を上下方向へ案内するために上方が開放された上下方向へ延びる複数の案内溝373bと、メインボタン収容凹部373aの底面に形成された略円形状の開口部373cと、メインボタン収容凹部373aの外周に沿って所定幅で開口し下側に配置された操作ボタンユニット基板375のLED375aからの光を上面側へ導く複数の導光用開口部373dと、サブボタン372を上方から収容可能な一対のサブボタン収容凹部373eと、長軸の対角線上隅部に形成されたネジ挿通孔373fと、操作ボタンユニットベース373の上面を形成する板状の天板部373gと、天板部373gの外周に沿って下面から下方へ外周を囲うように垂下する板状の側壁部373hと、を主に備えている。
この操作ボタンユニットベース373は、天板部373gと側壁部373hとにより、下面が開放された箱状に形成されており、この天板部373gの所定位置に、メインボタン収容凹部373a、複数(ここでは、八個)の導光用開口部373d、二つのサブボタン収容凹部373e、及び二つのネジ挿通孔373fが夫々開口している。また、操作ボタンユニットベース373は、メインボタン収容凹部373aは、案内溝373bが形成されていないところの厚さが肉厚に形成されており、内壁面と底面の強度・剛性が高められていると共に、メインボタン収容凹部373aの外周に形成された各導光用開口部373dが、夫々上下方向に長い筒状に形成されており、これら筒状の導光用開口部373dの外周壁によってもメインボタン収容凹部373aが補強されている(図53を参照)。
また、メインボタン371は、図54及び図55に示すように、メインボタン371の上面を形成し透光性を有したメインボタンレンズ371aと、メインボタンレンズ371aを支持し上下が開放された筒状のメインボタンベース371bと、メインボタンベース371bの下側に配置される振動体371cと、振動体371cを包み込むと共にメインボタンベース371bの下側に取付ビス371dを介して固定される振動体ホルダ371eと、を備えている。なお、図示は省略するが、メインボタン371には、上端がメインボタンベース371aの下側側面に当接すると共に、下端が操作ボタンユニットベース373におけるメインボタン収容凹部373aの底面と当接し、メインボタン371が上昇するように付勢するメインボタンバネを備えている。
このメインボタン371におけるメインボタンレンズ371aは、平面視が八角形状で下面が開放された箱状に形成され、表面側が滑らかな形状とされているのに対して、裏面側には複数の小レンズ部が形成されており、操作ボタンユニット基板375のLED375aからの光を広く拡散させて、メインボタン370の表面全体が略均一に発光装飾させることができるようになっている。
また、メインボタンベース371bは、図示するように、上端側の外形がメインボタンレンズ371と同様の八角形状とされているのに対して、上下方向の略中間部から下端側が下方へ窄まる円錐形状とされており、下端部が操作ユニットボタンベース373におけるメインボタン収容凹部373aの底面に形成された開口部373cから下方へ延出して操作ボタンユニット基板375の中央に配置されたLED375a群の直上に位置することができるようになっている。また、メインボタンベース371bには、対向する二辺から下方へ延出するメイン係止爪371fと、操作ボタンユニットベース373の案内溝373b内へ挿入される上下方向に延びた複数の案内凸条371gと、を備えている。このメインボタンベース371bのメイン係止爪371fが、操作ボタンユニットベース373におけるメインボタン収容凹部373a内の係止部(図示は省略する)に係止されることで、メインボタン371がメインボタンバネの付勢力によりメインボタン収容凹部373aから抜け出るのを防止することができるようになっている。
更に、メインボタンベース371bは、一方のメイン係止爪371fの内側に、振動体ホルダ371e及び取付ビス371dを介して振動体371cを取付けられるようになっていると共に、振動体371cを取付ける部位の内側に、メインボタンセンサ376によって検出される検出片371h(図54を参照)が形成されている。
本例のメインボタン371は、メインボタンバネの付勢力に抗してメインボタン371を下方へ押すと、メインボタンベース371bの検出片371hがメインボタンセンサ376の発光部と受光部との間に進入してその操作がメインボタンセンサ376により検出されるようになっている。また、メインボタン371は、メインボタンセンサ376により操作が検出されると、振動体371cが作動するようになっており、振動体371cの作動によってメインボタン371が振動することで、遊技者に対してメインボタン371の操作が受付けられていることを認識させることができると共に、メインボタン371の振動により遊技者を驚かせることができるようになっている。なお、操作ボタンユニット基板375には、実装されたLED375aからの光によってメインボタンセンサ376が誤作動するのを防止するための遮光板375bが取付けられている。
また、操作ボタンユニット370のサブボタン372は、平面視が略二等辺直角三角形状で透光性を有したサブボタンレンズ372aと、サブボタンレンズ372aを平面視がホームベース状の上面に支持し操作ボタンユニットベース373におけるサブボタン収容凹部373e内へ上方から収容されるサブボタンベース372bと、サブボタンベース372bとサブボタン収容凹部373eの底面との間でサブボタンレンズ372aの下方に配置されサブボタンベース372bを上昇させる方向へ付勢するサブボタンバネ372cと、を備えている。このサブボタン372のサブボタンベース372aには、サブボタンバネ372cを挟んた前後に下方へ垂下するサブ係止爪372dと、ホームベース状の長辺から下方へ垂下する板状の案内壁部372eと、案内壁部372eの下端から更に下方へ延出する検出片372fと、を備えている。
このサブボタン372は、サブ係止爪372dが、操作ボタンユニットベース373におけるサブボタン収容凹部373e内の係止部(図示は省略する)に係止されるようになっており、サブ係止爪372dが係止部に係止されることで、サブボタン372がサブボタンバネ372cの付勢力によりサブボタン収容凹部373eから抜け出るのを防止することができるようになっている。また、サブボタン372は、サブボタンバネ372cの付勢力に抗して下方へ押されると、サブボタンベース372bの検出片372fがサブボタンセンサ377の発光部と受光部との間に進入してサブボタン372の操作がサブボタンセンサ377により検出されるようになっている。
更に、操作ボタンユニット370の操作ボタンユニット装飾部材374は、図示するように、平面視形状が略菱形で板状に形成されており、メインボタン371のメインボタンレンズ371a及び二つのサブボタン372のサブボタンレンズ372aが通過可能な開口部374aが形成されていると共に、操作ボタンユニットベース373の導光用開口部373dと対応する位置に透光性を有した装飾部材レンズ374bが備えられている。また、長軸の対角線上隅部には、図示しない取付ビスが上方から挿通可能な取付孔374cが穿設されており、この取付孔374c及び操作ボタンユニットベース373のネジ挿通孔373fを介して所定の取付ビスにより操作ボタンユニット370が皿体310へ取付固定されるようになっている。なお、本例では、操作ボタンユニット装飾部材374の上面には、二つの取付孔374cを隠すネジ隠し378が貼付けられるようになっている。
本実施形態の操作ボタンユニット370は、上述したように、操作ボタンユニットベース373が、メインボタン収容凹部373a、導光用開口部373d、及び側壁部373hによって三重の筒状に形成されており、強度及び剛性が高められているので、メインボタン371等を叩いたりして強く操作されても、操作ボタンユニット370が破損し難くなっている。また、操作ボタンユニット370は、皿体310の操作ボタン装着凹部314に対して上方から装着固定されるようになっており、万が一、操作ボタンユニット370が破損したり不具合が発生したりした場合でも、皿体310の上方から簡単に着脱して交換することができるようになっている。更に、操作ボタンユニット370は、皿体310を介してその下側が後述する下部スピーカユニット390のスピーカボックス392に支持(載置)されているので、メインボタン371等からの耐衝撃性や耐荷重性が更に高められており、操作ボタンユニット370のみならず皿ユニット300全体が破損し難くなっている。
[1−2C−7.下部スピーカユニット]
続いて、皿ユニット300における下部スピーカユニット390は、図46及び図47に示すように、扉枠ベースユニット100におけるサイドスピーカ電飾ユニット120のサイドスピーカ121よりも大径の下部スピーカ391と、下部スピーカ391を正面視における前面右寄りの位置で、皿ユニット本体320における本体部321のスピーカ用開口321aの後側となる位置に保持する箱状のスピーカボックス392と、を主に備えている。本実施形態の下部スピーカユニット390は、スピーカボックス392の内部空間が開放口392aを通して外部へ開放されたバスレフ型スピーカとされており、下部スピーカ391のスピーカ径に対してより重低音を発することができるようになっている。
このスピーカボックス392の開放口392aは、皿ユニット本体320における本体部321のダクト用開口321fに臨む位置に形成されており、下部スピーカ391の振動によりスピーカボックス392内を出入りする空気の流れが、ダクト用開口321fを介して出入りするようになっている。また、下部スピーカ391の駆動(振動)によりダクト用開口321fを介して出入りする空気の流れは、ハンドル装置400における操作ハンドル部410の握り部材412,413を通るように形成されており、操作ハンドル部410を操作する遊技者の手に下部スピーカ391からの空気の流れ(風)を当てることができ、遊技者に対してこれまでにない感触を与えて、楽しませることができるようになっている。なお、下部スピーカ391に対して、人間の可聴帯域よりも低い周波数の音響信号を送ることで、ダクト用開口321fから風だけを遊技者に当てることができ、メインボタン371の振動体371cと合わせて、これまでの遊技機にない触感演出を楽しませることができるようになっている。
また、スピーカボックス392には、その後面に、皿体310の第一球抜き経路313及び第二球抜き口312の下流に配置され、第一球抜き経路313及び第二球抜き口312を流通してきた遊技球を、スピーカボックス392の左右方向略中央の下部に誘導する球抜き経路393を備えている。この球抜き経路393は、後方が開放された略L字状に形成されており、皿ユニット300における奥皿板340の球抜き経路用開口345を介して扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110の球抜き経路用開口111を閉鎖する球抜き経路カバー191によって後側が閉鎖されるようになっている。また、球抜き経路393を流通した遊技球は、皿ユニット本体320における本体部321の球排出口321gから、皿ユニット300の下方へ排出されるようになっている。
更に、スピーカボックス392には、正面視で左側上部に第二球抜き機構360の第二球抜きスライド362の前端を前後方向へ摺動可能に保持する第二球抜きスライド保持孔394と、第二球抜きスライド保持孔394の後側に配置され第二球抜き機構360の第二球抜き機構支持体368を支持する第二球抜き機構支持部395と、を備えている。これら、第二球抜きスライド保持孔394及び第二球抜き機構支持部395によって、第二球抜き機構360を所定位置に支持することができるようになっている。
[1−2C−8.ハンドル装置]
次に、皿ユニット300におけるハンドル装置400は、図56乃至図58等に示すように、扉枠5の開放側下部前面に設けられる操作ハンドル部410と、操作ハンドル部410に対応する扉枠5の裏面に組み付けられて操作ハンドル部410の回動操作に応じて回転する回転軸415と連携され且つ回転軸415の回転運動をスライド運動に変化させるジョイントユニット180と、から構成されている。
まず、操作ハンドル部410は、扉枠5における皿ユニット300の皿ユニット本体320における本体部321のハンドルベース取付口321dから前方へ突出するように取付けられる円筒状のハンドルベース303のハンドル支持筒部303aに挿入固定される。このハンドル支持筒部303aは、パチンコ機1の上方から見た平面視で外側(右側)に向くように傾斜して形成されているため、ハンドル支持筒部303aに挿入固定される操作ハンドル部410も平面視で外側に傾斜(換言するならば、パチンコ機1の前面垂直面に直交する線に対してその先端部がパチンコ機1の外側に向かうように傾斜している。)して扉枠5に取付固定されることになる。このように、操作ハンドル部410を平面視で外側に向けて傾斜させることにより、遊技者が操作ハンドル部410を握り易く、回動動作に違和感がなく回動操作が行いやすいという利点がある。そして、本実施形態においては、後述するように、操作ハンドル部410を傾斜設置しても、操作ハンドル部410の回転軸415の回転運動がスムーズに伝達されて打球発射装置650の弾発力を調整することができる構造が採用されている。なお、操作ハンドル部410のハンドル支持筒部303aへの挿入後、ハンドル支持筒部303aと操作ハンドル部410(正確には、後握り部材413)とをビス等で連結して操作ハンドル部410がハンドル支持筒部303aから引き抜きできないようになっている。
また、操作ハンドル部410は、図58に示すように、前握り部材412と、後握り部材413と、前握り部材412と後握り部材413との間で回動自在に軸支される回動操作部材414と、回動操作部材414にその一端部が固定される直線円柱状の回転軸415と、回転軸415の他端部に固定されるカム416と、から構成されている。後握り部材413は、ハンドル支持筒部303aに嵌合される小径部と小径部の前方の大径部とが一体的に形成され、その中心に回転軸415が貫通される軸貫通穴418が形成されている。回転軸415が軸貫通穴418に挿通される際には、軸受ブッシュ417が軸貫通穴418の後端に嵌めこまれ、その軸受ブッシュ417に回転軸415が挿通される。一方、軸受ブッシュ417を介して軸貫通穴418に貫通された回転軸415は、後握り部材413の前面側に固定される固定軸受部材423の軸受穴424を貫通して回動操作部材414の中心に形成される軸嵌合穴426に嵌合される。
また、後握り部材413の前面側には、タッチセンサ420、発射停止スイッチ422を固定するための突起や取付穴(共に図示しない)が設けられると共に、単発ボタン421が揺動自在に支持される揺動ピン(図示しない)が形成され、それらの突起や取付穴及び揺動ピンにタッチセンサ420、発射停止スイッチ422及び単発ボタン421が取付けられている。そして、それらが取付けられた状態でタッチセンサ420や発射停止スイッチ422からの配線が纏められて後握り部材413の軸貫通穴418の側方に形成される配線通し穴419を有した配線通し筒部428及び配線開口184c(図31を参照)から扉枠5の裏面に導き出され、ハンドル中継端子板194(図24及び図25を参照)に接続されるようになっている。このハンドル中継端子板194からの配線は、上述した下補強板36に沿って取付けられており、後述する払出制御基板1186に電気的に接続されるようになっている。また、固定軸受部材423と回動操作部材414との間には、付勢スプリング425が回転軸415に周設されるように設けられ、この付勢スプリング425が回動操作部材414を常に元の位置に復帰させるようになっている。更に、回動操作部材414の軸嵌合穴426の外側にはスイッチ接触凸部427が突設され、回動操作部材414が付勢スプリング425の付勢力により元位置にある場合に、スイッチ接触凸部427が発射停止スイッチ422のアクチュエータに接触して発射停止スイッチ422をOFFとし、回動操作部材414が遊技者によって回動操作されるとスイッチ接触凸部427が発射停止スイッチ422のアクチュエータと離れてONとする。また、発射停止スイッチ422がONとなっている状態で単発ボタン421が揺動可能になるので、単発ボタン421を押圧することにより、発射停止スイッチ422のアクチュエータをOFF操作することができるようになっている。
なお、回動操作部材414の外周表面には、導電性のメッキが施されており、遊技者が回動操作部材414に接触することによりタッチセンサ420が接触を検出するようになっている。そして、遊技者が回動操作部材414を回動して発射停止スイッチ422がONとなり且つタッチセンサ420が接触を検出しているときに打球発射装置650の後述する発射モータ695(図91を参照)が回転駆動されるようになっている。
また、回転軸415の先端に固定されるカム416は、勾玉状に形成され、回転軸415の回転にしたがって後述するジョイントユニット180のスライド体182(図31及び図59を参照)のカム当接部182dを押圧して一方向にスライドさせるようになっている。そして、本実施形態においては、この回転軸415の先端に固定されるカム416とジョイントユニット180のスライド体182との連携構造によって前述したような操作ハンドル部410の平面視での傾斜状取付けが可能となっている。
上述したように、操作ハンドル部410を扉枠5の前面側からハンドルベース303のハンドル支持筒部303aに挿通支持し、ジョイントユニット180を扉枠5の裏面側からジョイントユニット装着凹部110cに取付けることにより、図56に示すように、回転軸415の先端部に固定されるカム416がスライド体182のカム係合凹部182cに収納されるようになっている。この場合、操作ハンドル部410が平面視で傾斜状に取付けられることにより、カム416も扉枠5の垂直面に対して傾斜状となっているが、カム係合凹部182cが前後方向に所定の空間幅を有しているので、傾斜したカム416の全体をカム係合凹部182cの空間内に収納できるようになっている。また、その収納状態は、図59(A)に示すように、カム416の回転中心がカム当接部182dの側方に位置し、勾玉状のカム416の先端がカム係合凹部182cの下方空間内に位置するようになっている。
上述した状態で操作ハンドル部410の回動操作部材414を遊技者が回動操作すると、回転軸415が回動し、それにつれてカム416も回転するので、図59(B)に示すように、カム係合凹部182cのカム当接部182dとカム416の一側外形面(回転前方の外形面)との当接によってスライド体182が一方向(図59の場合には、図示の右側方向)にスライド移動する。つまり、回転軸415の回転運動がスライド体182のスライド運動に変換される。このため、図59(A)に示す初期状態(回動前)におけるカム416の回転中心とスライド体182のスライド突片183の進行方向の端辺との距離S1が、カム416の最大限の回転によって距離S1よりも大きな距離S2となる。つまり、スライド体182のスライド突片183が「S2−S1」の距離だけスライドすることになる。そして、ジョイントユニット180のスライド突片183のスライド移動が、図57、図60、図61に示すように、打球発射装置650のスライド部材710に伝達されて打球発射装置650の付勢バネ684(図91を参照)の張力を調節し、もって打球槌687の付勢力の強弱を調整して遊技者の望む打球の弾発力を得ることができる。なお、ハンドル装置400と打球発射装置650との関係については、打球発射装置650についての説明の後で詳細に説明する。
なお、操作ハンドル部410の内部から配線通し穴419、配線通し筒部428及び配線開口184cを通って扉枠5の裏面に導出された配線は、扉枠5の裏面下辺に沿って軸支側に引き回され、その後、本体枠3の裏面側に取付けられる基板ユニット1100に集約して取付けられる払出制御基板1186の操作ハンドル用端子1194(図132を参照)に接続されるようになっている。
[1−2C−9.皿ユニットの作用効果]
続いて、本実施形態の皿ユニット300の貯留皿311内における遊技球の流れについて図62及び図63を主に参照して説明する。本例では、後述する賞球ユニット800から払出された遊技球が、満タンユニット900、奥皿板340の賞球連絡樋343を介して球流入口341から貯留皿311内へ流入するようになっており、球流入口341から流入した遊技球が、初めに第一傾斜面311aへと流入するようになっている。この第一傾斜面311aは、前側及び正面視右側が低くなるように形成されており、球流入口341から第一傾斜面311aへ流入した遊技球は、第一傾斜面311aの傾斜に沿って貯留皿311の前側外周を囲う外周壁311hの球流入口341と略対向する位置と当接することとなる。外周壁311hのこの位置は、球流入口341が形成された皿裏板340の面に対して曲線状に傾斜しており、外周壁311hに当接した遊技球は、正面視で右方向へ反射するようになっている。
そして、球流入口341から貯留皿311内へ流入して外周壁311hで右方向へ反射した遊技球は、第四傾斜面311dを越えて第五傾斜面311eへと進入する。この第五傾斜面311eは、正面視で左側、つまり、第四傾斜面311d側が低くなると共に、その傾斜角度が第一傾斜面311aから進入してきた遊技球が登坂可能な緩い斜度とされており、第四傾斜面311dを越えて第一傾斜面311aから進入してきた遊技球が、第五傾斜面311eを上りながら第五傾斜面311eの上部(平面視で右側端部)へと流通することとなる。また、この第五傾斜面311eは、前側から右側端部を巡って後側までが外周壁311hと仕切壁311fとによって仕切られており、第五傾斜面311eへ進入した遊技球は、その周りを囲う外周壁311h及び仕切壁311fに略沿うように第五傾斜面311e内を巡って第五傾斜面311eの左側に配置された第四傾斜面311d側へ戻るようになっている。
第五傾斜面311eから第四傾斜面311dへ進入した遊技球は、第四傾斜面311dの傾斜に従って第四傾斜面311dの後側にある第二傾斜面311bへと流通し、更に、第二傾斜面311bから右側の第三傾斜面311cへと進入して、第三傾斜面311cの下流端に配置された皿裏板340の球供給口342から球発射装置650へと供給されるようになっている。つまり、球供給口341から貯留皿311内へ流入した遊技球は、第一傾斜面311aから第二傾斜面311bを介して直接第三傾斜面311cへ向わずに、第一傾斜面311aから第四傾斜面311dを介して第五傾斜面311eへ一旦進入した上で、第四傾斜面311e及び第二傾斜面311bを介して第三傾斜面311cへ至るようになっており、球流入口341から流入した遊技球を迂回させることができるようになっている。
これにより、貯留皿311の全体を有効に使って複数の遊技球を貯留することができ、従来のパチンコ機のように貯留の少ない状態で貯留され遊技球が球流入口341を塞いでしまうことで、満タンユニット900の満タンスイッチ916が作動して、遊技球の払出しが停止してしまったり、球発射装置650での遊技球の発射動作が停止してしまったりして遊技が中断してしまうのを良好に防止することができるようになっている。
ところで、本例の皿ユニット300の貯留皿311に多くの遊技球が貯留されることで球流入口341が貯留された遊技球によって閉鎖されて、皿裏板340の賞球連絡樋343と賞球ユニット800との間に配置された満タンユニット900内で遊技球が滞留すると、満タンユニット900の満タンスイッチ916が作動して、賞球ユニット800からの遊技球の払出しを停止したり、球発射装置650での遊技球の発射動作を停止したりするようになっており、特に球発射装置650の発射動作が停止されると遊技を中断せざる負えなくなるので、遊技者は、貯留皿311に貯留された遊技球が適宜の量となったら第一球抜きボタン351や第二球抜きボタン361を操作して、貯留皿311から遊技球を皿ユニット300の下方に配置した容器(例えば、ドル箱)へ排出する必要がある。なお、本例では、満タンスイッチ916が作動すると、貯留皿311内が満タンである旨を遊技者に案内してから球発射装置650の発射動作を停止させるようになっている。
この貯留皿311内から遊技球を排出するには、皿ユニット300の上面に配置された第一球抜きボタン351を操作する(押す)と、第一球抜き機構350の第一球抜きスライド356がスライドして、第三傾斜面311cの下流端と第一球抜き経路313との間の閉鎖を解除し、第三傾斜面311cの遊技球を第一球抜き経路313へと流下させ、球抜き経路393を介して球排出口321gから皿ユニット300の下方へと排出することができるようになっている。この第一球抜きボタン351の操作により、貯留皿311における最も低い位置となる第三傾斜面311cの下流端から遊技球を抜くことができるので、貯留皿311内から全ての遊技球を排出することができるようになっている。しかしながら、第一球抜きボタン351の操作による球抜きでは、第三傾斜面311cにおいて遊技球が一列に整列されるので、球抜きに時間がかかる問題がある。
そこで、皿ユニット300の前面左側に配置された第二球抜きボタン361を操作する(押す)と、第二球抜き機構360の第二球抜きシャッター364が移動して貯留皿311内の第二球抜き口312が開放され、貯留皿311内における第二球抜き口312よりも上流側の遊技球が第二球抜き口312を通り、球抜き経路393を介して球排出口321gから皿ユニット300の下方へと排出することができるようになっている(図62(B)を参照)。この第二球抜き口312は、図示するように、遊技球の外径よりも数倍大きい開口とされており、一度に多くの遊技球を素早く排出することができるようになっている。従って、第一球抜きボタン351と第二球抜きボタン361の二つのボタンの存在により、遊技者に対して球抜きにかける時間の長短を選択させることができるようになっている。また、遊技中に大当たりとなった場合に皿ユニット300に大量の球が払出されることになり、これを放置して遊技を継続すると皿ユニット300の上流側に設けられる満タンスイッチ916(図111を参照)の機能が作動して払出動作が停止されたり弾発動作が停止されて大当たり中であるにもかかわらず遊技球の打球動作が停止して遊技が継続できなくなったりする虞れがあり、このような場合に、第二球抜きボタン361の操作を行うことにより、皿ユニット300に貯留されつつある球を球抜すると同時に発射位置への球の供給を維持して大当たり中の遊技を継続することができるようになっている。
また、本例の皿ユニット300では、第二球抜きボタン361を操作すると、第二球抜き機構360のラッチユニット366により、第二球抜きシャッター364が開位置で保持され、第二球抜き口312が開いたままの状態とすることができるようになっている。この状態で第二球抜き口312よりも上流側の遊技球が排出されて、第一傾斜面311a上の遊技球が殆どなくなると、球流入口341から流入する遊技球は、上述したように、外周壁311hで反射して第五傾斜面311eの方向へ流通しようとし、第四傾斜面311dや第五傾斜面311e、及び第二球抜き口312よりも下流側の第二傾斜面311bや第三傾斜面311c上に遊技球が供給されるようになっている。従って、球発射装置650の発射動作により第三傾斜面311c上の遊技球が消費されても、球流入口341から貯留皿311内へ遊技球が流入して来る限り、第二傾斜面311b、第四傾斜面311d、及び第五傾斜面311eを介して第三傾斜面311cへ遊技球が供給されると共に、遊技球の発射動作を停止させて流入してきた遊技球が多くなれば第二球抜き口312から輩出されることとなるので、第二球抜き口312を開放したままでも、常に貯留皿311内に一定量の遊技球を確保して、遊技を継続させることができるようになっている。つまり、大当たり遊技中等の遊技球の払出しが連続するような状態でも、貯留皿311内の遊技球の量を気にすることなく遊技を続けることができるようになっている。
本例の皿ユニット300では、皿体310の貯留皿311は、図63等に示すように、その底面が第一傾斜面311a、第二傾斜面311b、第三傾斜面311cが連続して正面視で右方向(球供給口342)へ向うに従って低くなるようになっているのに対して、皿奥板340の球流入口341は、略水平に左右方向へ長く延びた矩形状とされているので、蓋然的に、貯留皿311の底面と球流入口341の底辺との間に段差が形成されるようになっていると共に、その段差が正面視右方向へ向うほど大きくなるようになっている。この貯留皿311の底面と球流入口341の底辺との間の段差は、球流入口341の左端では殆ど段差がない状態となっており、球流入口341の右端では遊技球の外径よりも若干高い段差となっている。これにより、賞球連絡樋343を介して前後方向へ略真直ぐに流入してきた遊技球は、主に段差の少ない球流入口341の中央寄りも左側の部分を通って貯留皿311内へ流入することとなるので、段差の少ない分、球流入口341から貯留皿311へ落下する遊技球の位置エネルギー(落下エネルギー)も小さく、貯留皿311へ与える負荷を軽減させて貯留皿311が破損するのを防止することができるようになっている。
ところで、貯留皿311内での遊技球の貯留量が多くなって第一傾斜面311a上にも多くの遊技球が貯留されるようになると、賞球連絡樋343を介して球流入口341から貯留皿311内へ流入する遊技球が、貯留皿311内に貯留された遊技球を横から押すような形となり、各遊技球に横方向の力が作用することで遊技球同士が押し合った状態となる。その状態で、球供給口342を介して貯留皿311(第三傾斜面311c)内の遊技球が消費されると、第三傾斜面311cの上流付近(第二傾斜面311b)で遊技球の流路の幅が狭くなると、遊技球同士が押し合って遊技球の流動性が低下し球詰りが発生する場合があるが、本例では、上述したように、球流入口341が左右方向へ延びた矩形状とされているので、賞球連絡樋343からの遊技球が棚部344を通って第二傾斜面311bへ直接流入し、第三傾斜面311cへ遊技球を供給することができるようになっている(図62(B)を参照)。
また、球流入口341の左右方向中央よりも右側の部分は、球流入口341の下辺が貯留皿311の底面に対して遊技球の外径よりも高くなっているので、棚部344を介して貯留皿311内へ流入する遊技球が、貯留皿311内に貯留された遊技球の上側に流入することとなり、遊技球同士が横方向へ押し合うのを抑制して遊技球の流動性が低下すのを防止することができると共に、上から流入する遊技球により下側の遊技球(特に皿奥板340の前面と当接した遊技球)は横方向への移動が促され、自然と球詰りを解消させることができるようになっている(図63を参照)。
このように、本例の貯留皿300は、貯留皿311内に貯留された遊技球の量が多くなっても、賞球ユニット800から払出された遊技球を、横長の球流入口341の棚部344を介して貯留皿311内に貯留された遊技球の上側へ流入させるようにしているので、貯留皿311内で遊技球の球詰りが発生するのを良好に防止することができ、貯留皿311内の遊技球を気にすることなく遊技を継続させて遊技者の興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
[1−2D.ガラスユニット]
次に、扉枠5におけるガラスユニット450について、主に図64乃至図66を参照して説明する。図64はガラスユニットの正面斜視図であり、図65はガラスユニットを分解して前から示す分解斜視図であり、図66は図65を後から示す分解斜視図である。このガラスユニット450は、図示するように、遊技窓101よりも大きな開口を有し合成樹脂で成型した環状で縦長八角形状のユニット枠451と、ユニット枠451の開口の前後端を夫々閉鎖する二枚の透明なガラス板452と、二枚のガラス板452の間でユニット枠451の内周に添って配置される帯状のガラス装飾基板453と、を備えている。
このガラスユニット450におけるユニット枠451は、後方側が開放されガラス装飾基板453が挿入される基板挿入溝451aと、基板挿入溝451aからユニット枠451の内周側へ向って開口する複数の開口部451bと、ユニット枠451の前後方向略中央の外周に形成された係止溝451cと、正面視で左側上端より左方向へ突出する端子板支持部451dと、上下方向中央に対して上寄りの外周位置から左右方向へ夫々突出する止め片451eと、下辺の両端から左右方向外方へ夫々突出する係止突起451fと、を備えている。
また、ガラスユニット450におけるガラス装飾基板453は、帯状で可撓性を有しており、表面側(ユニット枠451の内面側)にユニット枠451の開口部451bと対応する位置に複数のカラーLED453aが実装されており、ガラス装飾基板453をユニット枠451の基板挿入溝451a内へ挿入すると、LED453aが開口部451bを介してユニット枠451の内面側へ臨むようになっている。
更に、ガラスユニット450は、ガラス装飾基板と接続されユニット枠451の端子板支持部451dに支持されるガラス装飾中継端子板454と、ガラス装飾中継端子板454にガラス装飾基板453の端部を固定する基板押え455と、ガラス装飾中継端子板454を支持したユニット枠451の端子板支持部451dを覆う端子板ホルダ456と、を更に備えている。
このガラスユニット450は、ユニット枠451の基板挿入溝451a内にガラス装飾基板453が挿入された状態で、ユニット枠451の前後にガラス板452が夫々接着固定されている。そして、このガラスユニット450は、ユニット枠451の外周下辺に形成された係合溝451cが補強板金140の垂直折曲突片151と係合すると共に、ユニット枠451の外周縁と止め片451e及び係止突起451fとが扉枠ベース本体110のガラスユニット支持段部110a内に後側から嵌合された上で、止めレバー196により扉枠5に対して脱着可能に取付けられるようになっている。
また、ガラスユニット450は、ガラス装飾基板453のLED453aを適宜発光させることで、二つのガラス板452の間を発光装飾させることができるようになっており、これまでのパチンコ機とは異なる雰囲気(ムードのある)の遊技窓101を有したパチンコ機1とすることができるようになっている。
[1−2E.防犯カバー]
続いて、扉枠5における防犯カバー470について、主に図21及び図22を参照して説明する。この防犯カバー470は、上記したガラスユニット450の下部裏面を被覆して遊技盤4への不正具の侵入を防ぐ防犯機能が付与されたものであり、図示するように、透明な合成樹脂によって左右の補強板金142,143の間のガラスユニット450の下方部を覆うような平板状に形成され、その上辺部が遊技盤4の内レール603の下方円弧面に沿った円弧状の当接凹部471として形成されていると共に、その当接凹部471に沿って後方に向って防犯後突片474が突設されている。また、防犯カバー470を取付けた状態で軸支側裏面には、防犯後端部突片475が斜め状に突設形成されている。一方、防犯カバー470の前面には、防犯カバー470を取付けた状態でガラスユニット450におけるユニット枠451の下方形状に沿った防犯前突片472が突設されると共に、下部両端にU字状に形成される装着弾性片473が前方に向けて突設形成されている。
上記のように構成される防犯カバー470は、装着弾性片473を扉枠ベースユニット100に形成される装着開口部116に装着することにより、扉枠5の裏面側に着脱自在に取付けられる。そして、取付けた状態では、図示は省略するが、防犯前突片472がガラスユニット450のユニット枠451の後方下片面と対面するようになっている。また、防犯前突片472の前端は、垂直折曲突片151と当接している。また、防犯後突片474及び防犯後端部突片475は、後方へ突出した状態となっているが、扉枠5を閉じたときに、防犯後突片474の軸支側の半分は、遊技盤4に固定される内レール603の下側面に侵入して対面した状態となるが、防犯後突片474の開放側の半分は、前構成部材601の内レール603に形成されたレール防犯溝607に挿入された状態となり、また、防犯後端部突片475は、本体枠3の軸支側に形成される防犯突起608の上面に沿って重合状の位置となる(図76を参照)。
而して、防犯カバー470を取付けて扉枠5を閉じた状態においては、前述した扉枠突片110dと係合溝584,585とによる防犯構造、及び後述する防犯突片166と防犯空間586とによる防犯構造に加えて、ガラスユニット450の下方から不正具を侵入させようとしても、防犯前突片472とユニット枠451との重合により、防犯カバー470の前面下方方向からの不正具の侵入が防止され、防犯後突片474と前構成部材601を構成する内レール603との重合により、防犯カバー470の後面下方方向からの不正具の侵入が防止される。特に、扉枠5の軸支側の斜め下方からの不正具の侵入に対しては、防犯突起608と防犯後端部突片475との重合構造によって外レール602への不正具の侵入が阻止され、さらに内レール603と防犯後突片474との重合構造によって遊技盤4の遊技領域605への不正具の侵入を阻止することができるようになっている。
また、同様に、扉枠5の開放側の斜め下方からの不正具の侵入に対しては、前述した開放側補強板金143の二重の折曲突片153,154による防犯構造に加えて、レール防犯溝607と防犯後突片474との凹凸係合によりさらに遊技盤4の遊技領域605への不正具の侵入を阻止することができる。なお、防犯カバー470の裏面側の防犯後突片474と防犯後端部突片475との間の垂直面は、扉枠5を閉じた状態で外レール602と内レール603とで形成される打球の誘導通路の前面下方部分を覆うものであるため、誘導通路部分を飛送若しくは逆送する打球のガラス板452への衝突を防止する機能も有している。
[1−3.本体枠]
次に、パチンコ機1における本体枠3について、図67乃至図75を参照して説明する。図67は、部品を取付ける前の本体枠主体500の正面図であり、図68は、部品を取付ける前の本体枠主体500の背面図であり、図69は、部品を取付ける前の本体枠主体500の側面図であり、図70は、部品を取付ける前の本体枠主体500の背面から見た斜視図であり、図71は、部品を取付けた本体枠3の前方から見た斜視図であり、図72は、部品を取付けた本体枠3を外枠2に軸支した状態を前方から見た斜視図であり、図73は、部品を取付けた本体枠3の背面図であり、図74は、部品を取付けた本体枠3の背面から見た斜視図であり、図75は、パチンコ機1の中程(主制御基板ボックス624部分)の水平線で切断したパチンコ機の断面平面図である。
本実施形態の本体枠3は、遊技盤4が前面側から着脱自在に装着し得ると共に、打球発射装置650と、賞球を払い出すための賞球タンク720とタンクレール部材740と球通路ユニット770と賞球ユニット800(本発明の払出ユニットに相当)と満タンユニット900と、外枠2に対する本体枠3の施錠及び本体枠3に対する扉枠5の施錠を行う錠装置1000と、遊技盤4を除く扉枠5や本体枠3に設けられる電気的部品を制御するための各種の制御基板や電源基板1136等が一纏めに設けられている基板ユニット1100と、後面開口580を覆うカバー体1250と、等の各種の部品が装着される本体枠主体500を備えている。
まず、上記した各種の部品が装着される本体枠主体500及び各種の部品が装着された本体枠3について説明する。図67において、本体枠主体500の一側上下には、本体枠3を外枠2に開閉軸支するための上軸支金具503及び下軸支金具509(共に図71を参照)を取付けるための軸支金具取付段部501,502が形成され、この軸支金具取付段部501,502に上軸支金具503及び下軸支金具509を取付けた状態では、本体枠主体500の上辺及び側辺が上軸支金具503の上辺及び側辺と略同一平面状となり、本体枠主体500の下辺及び側辺が下軸支金具509の下辺及び側辺と略同一平面状となっている(図73を参照)。ここで、上軸支金具503と下軸支金具509について図71と図73を参照して説明する。上軸支金具503は、本体枠主体500の裏面に取付部を有すると共にその上端辺が前方に突出し、その前方に突出した上面に軸支ピン504が立設固定され、その軸支ピン504の側方に扉軸支穴505が穿設されている。
一方、下軸支金具509は、本体枠主体500の裏面に取付部を有すると共にその下端辺及びやや上部に2つの支持板506,507が一体的に突設されている。下方に位置する支持板506は、本体枠3を外枠2の下支持金具66に支持するための枠支持板506を構成するものであり、上方に位置する支持板507は、扉枠5の下軸支部148を本体枠3に支持するための扉支持板507を構成するものである。このため、枠支持板506に外枠2の下支持金具66の支持突起68を挿入するための軸支穴(図示しない)が形成され、扉支持板507に扉枠5の下軸支部148に突設される軸ピン147を挿入するための軸支穴508が穿設されている。
ところで、本体枠主体500は、正面から見た場合に、長方形状に形成され、その上部の約3/4が遊技盤4を設置するための遊技盤設置凹部510(図71を参照)となっており、その遊技盤設置凹部510の下方のやや奥まった領域が板部511となっている。また、遊技盤設置凹部510を囲む前面側の前面上辺部及び前面開放側辺部は、扉枠5の裏面と対面するように所定幅を有して形成されており、前面上辺部には、横方向に平行状に突設される突起によって上部防犯二重溝581が形成され、正面から見て右側の前面開放側辺部には、外側に側部防犯溝582が形成されると共に内側に後端が第一側面壁540に接続される傾斜面となっている内壁によって形成される防犯凹部583が形成され、正面から見て左側の前面軸支側辺部は、前面上辺部や前面開放側辺部と異なり扉枠5の裏面と対面する所定幅を有するように形成されていないが、本体枠主体500の前面軸支側辺部が前面上辺部や前面開放側面部に比べて前方への突出量が多い軸支辺部587(図110を参照)となっている。
より詳細に説明すると、前面上辺部に形成される上部防犯二重溝581は、扉枠5の上辺部裏面に取付固定される上側補強板金141の両長辺端を後方に向って折曲される折曲突片155,156が夫々挿入されるようになっているものである。また、前面開放側辺部に形成される側部防犯溝582及び防犯凹部583は、扉枠5の開放部裏面に取付固定される開放側補強板金143の両長辺端を後方に向って折曲される開放側外折曲突片153及び開放側内折曲突片154が夫々挿入されるようになっているものである。更に、前面軸支側辺部の軸支辺部587には、扉枠5の軸支側裏面に取付固定される軸支側補強板金142の軸支側L字状折曲突片157の先端部が当接するようになっている。
そして、上記した構造によって扉枠5と本体枠3との当接面の隙間からピアノ線等の不正具を挿入する不正行為を防止することができ、特に、最も不正行為が行われやすい開放側辺部や次いで不正行為が行われやすい上辺部における不正行為の防止をはかることができる構造となっている。もちろん、軸支側における軸支側補強板金142と軸支側L字状折曲突片157との当接による不正行為の防止も充分に機能するが、多くの場合、軸支側は、頑丈な支持金具45,66と軸支金具503,509とで本体枠3と扉枠5とが連結されているため、上辺部及び開放側辺部に比べて本体枠3と扉枠5との間に隙間が作り難い。このため、本実施形態においては、二重の防犯構造ではなく、一重の防犯構造としている。これらの点については、後に詳述する。
また、遊技盤設置凹部510を囲む前面側の前面上辺部、前面開放側辺部、及び前面軸支側辺部には、上記した構成以外に前面開放側辺部の上部、中間部、下部に本体枠3の開放側裏面に取付けられる後述する錠装置1000に設けられる扉用フック部1041(図121を参照)を貫通させて前方に飛び出させるための扉用フック穴549が開設されており、また、前面軸支側辺部の内側面に遊技盤4に形成される位置決め凹部611と係合するための盤位置決め突起576(図70及び図71等を参照)が設けられている。更に、図67に示すように、開放側の平面部分と遊技盤設置凹部510との境目の上下に遊技盤4に設けられる遊技盤止め具614の端部が係合される盤止め具挿入穴578が形成されている。
次に、板部511の構成について図67乃至図72を参照して説明する。板部511の上面は、遊技盤4を載置するための遊技盤載置部512となっており、その遊技盤載置部512の略中央に遊技盤4を載置したときに、遊技盤4に形成されるアウト口606(図76を参照)の下面を支持する通路支持突起513が突設されている。また、図67に示すように、板部511の前面の中央部から開放側の端部に向かってレール取付ボス514が所定間隔を置いて突設され、このレール取付ボス514に発射レール515(図71を参照)がビス止め固定されている。また、発射レール515の先端位置に対応する板部511の前面には、レール接続部材516が突設され、遊技盤設置凹部510に遊技盤4が設置されたときに、遊技盤4の内レール603の下流端である接続通路部609(図76を参照)と隣接するようになっている。
また、レール接続部材516の側方位置(発射レール515と反対側の位置)には、遊技盤4の下部を固定するための楕円形状の遊技盤固定具519(図71を参照)の上端部を取付けるための固定具取付ボス517が突設され、その斜め下方にストッパー518が突設されている。即ち、遊技盤固定具519は、固定具取付ボス517を中心にして回転自在に設けられ、遊技盤載置部512に遊技盤4が載置された状態で時計方向に回動して遊技盤固定具519を遊技盤4の前面に押圧して遊技盤4を固定するものである。また、遊技盤を取り外す場合には、遊技盤固定具519を反時計方向に回して取り外すことにより、簡単に行うことができる。この場合、遊技盤固定具519はストッパー518により反時計方向の余分な回転ができないようになっている。
また、板部511の開放側下部は、手前側に膨出状に突設された(裏面から見れば凹状となっている)直方体状の発射装置取付部520が形成されており、この発射装置取付部520に本体枠主体500の裏面から打球発射装置650が固定されている。この点については、後に詳述する。上記した発射装置取付部520の前面壁部分には、前述したジョイントユニット180のスライド突片183と連携されるスライド部材710(図95を参照)が収納されるハンドル連結窓522が形成され、そのハンドル連結窓522の隣接する位置に打球槌687の軸受689(図91を参照)の端面が臨む軸用穴523が開設されている。また、発射装置取付部520の上壁部分には、打球発射装置650の打球槌687が上方に突出するための槌貫通開口521が切欠形成され、その槌貫通開口521の斜め上方の板部511の前面に錠装置1000のシリンダ錠1010が貫通するシリンダ錠貫通穴526が開設されている。
一方、板部511の裏面には、図68に示すように、軸支側の上部から板部511の中央部分に向けて延設された後下方に向かう球抜排出通路524が形成されている。この球抜排出通路524は、後述する球抜接続通路880(図71を参照)から排出される球をパチンコ機1の下方から島の内部に排出するためのものである。また、上述した発射装置取付部520の上方には、円柱状の案内突起525が後方に向かって突設され、この案内突起525に後述する基板ユニット1100の案内孔1212(図128を参照)が差し込まれて基板ユニット1100の取付けを容易にしている。また、基板ユニット1100をビスで取付けるための取付穴部527が板部511の左右上下に形成され、この取付穴部527に基板ユニット1100の取付片1122を対応させてビスで止着する。また、発射装置取付部520の凹状の内部には、打球発射装置650を取付けるための発射装置取付ボス529が後方に向かって突設され、更に、開放側の最下端部には、図70に示すように、本体枠3を外枠2に対して閉じる際に、装飾カバー板15の上面に当接しながら本体枠3の閉止動作を案内するために先端が先細状で縦長形状の案内突片528が後方に向かって突設されている。
板部511には、以上説明した構成以外に、図70に示すように、軸支側の端部上面に球抜排出通路524の上流端の開口である球抜接続開口530が形成されている。この球抜接続開口530に球抜接続通路880の下流端が接続されるようになっている。また、球抜接続開口530に隣接する部分は、後に詳述する満タンユニット900(図71を参照)を載置するための満タンユニット載置部531が板部511と直交するように水平状に形成され、その満タンユニット載置部531の前方部分に満タンユニット900の係合片924(図111を参照)と係合するユニット係合溝532が形成されている。更に、図71に示すように、満タンユニット載置部531の前方の板部511の前面には、扉枠5の開放時に満タンユニット900の出口921から排出される賞球を堰き止める出口開閉装置579が設けられている。
この出口開閉装置579については、詳細に説明しないが、扉枠5が閉じているときには、扉枠5の裏面に当接するレバーによって開閉板が下降した状態となっているが、扉板5が開放されるとレバーへの当接がなくなるため開閉板が上昇して出口921を閉塞するものである。このため、扉枠5の開放時においても満タンユニット900内に貯留された賞球が出口921から零れ落ちることがない。また、図71に示すように、板部511の上端辺にそって形成される遊技盤載置部512であって発射レール515の発射部の上方に対応する位置に上下方向に貫通する締結穴533を形成し、その締結穴533の前方部分に締結バンド619を掛け止めるための締結連杆534が差し渡されている。この締結連杆534は、本体枠3からの遊技盤4の取り外しを防止するための機構である。
次に、遊技盤設置凹部510の構成について説明する。遊技盤設置凹部510は、軸支側の内側面及び上記した上辺部及び開放側の鍔面部から後方へ周設される第一側面壁540と、第一側面壁540から後方に周設される第二側面壁541と、第二側面壁541から後方に周設される第三側面壁542と、第三側面壁542から後方に周設される第四側面壁543、とにより、本体枠3の左右側辺及び上辺の後方部分が囲まれた凹状に形成されているものである。
なお、第一側面壁540〜第四側面壁543は、背面から見て上辺及び右辺(軸支側の辺)が段差をもって後方に真っ直ぐに延長されるように形成されるのに対し、左辺(開放側の辺)が第一側面壁540から第四側面壁543に向かうにしたがって内側に傾斜する段差状(図75を参照)に形成される。これは、左辺(開放側の辺)の第一側面壁540から第四側面壁543までを後方に真っ直ぐ形成したときに、本体枠3を開放する際に、第四側面壁543の最後端部が外枠2の側枠板13の内面と当接してスムーズに開放できない場合があるため、開放側の第一側壁面540から第四側面壁543までが内側傾斜状とすることによりスムーズに開放することができるようにしたものである。
また、それと同時に開放側の第一側面壁540に沿って錠装置1000が取付けられるが、その取付けを第一側面壁540の後端辺に設けられる錠取付穴547(図117を参照)を利用して行うため、その錠取付穴547を形成するためにも開放側の第一側面壁540から第四側面壁543を傾斜段差状に形成したものである。更に、第一側面壁540〜第四側面壁543の段差の寸法も、第一側面壁540と第二側面壁541との段差は、後述する遊技盤4の裏面の周辺と当接する必要があるため、ある程度大きな段差をもって形成されるが、それ以外の段差は、極めて小さな段差となっている。もちろん、第二側面壁541〜第四側面壁543までは段差を形成することなく連続的に形成してもよい。
そして、上記した側面壁540〜543は、図69に示すように、夫々奥行き幅寸法d1,d2,d3,d4を有するように形成され、本実施形態の場合、d1+d2+d3+d4=約135mmとなっている。特に、第一側面壁540の幅寸法d1は、遊技盤4の厚みに相当し、残りの第二側面壁541と第三側面壁542と第四側面壁543とによって形成される空間に遊技盤4に設けられる各種の遊技装置の後方突出部分が収納されるようになっている。
つまり、第一側面壁540は、遊技盤4の厚さと略同じ奥行寸法を有する前側面壁を構成し、第二側面壁541〜第四側面壁543は、遊技盤4の周辺部裏面と当接する段差部を有して第一側面壁540から後方に向かって略第一側面壁540と平行状に延設され且つ遊技盤4に設けられる遊技装置の後方突出部を収納する後側面壁を構成するものである。特に、本実施形態の場合には、図4に示すように、第二側面壁541〜第四側面壁543のすべての部位の後方への突出量が、本体枠3の裏面側上部に固定される賞球タンク720の球を貯留する貯留部728の後面壁722と略同じ位置となるように形成されている。
これにより、遊技盤4の周辺部に対応する位置まで第二側面壁541と第三側面壁542と第四側面壁543とによって形成される空間の大きさが確保されているので、例えば、遊技盤4の略全域を液晶表示画面が占めるような遊技装置が取付けられている場合においても、そのような遊技装置の後方突出部分を楽に収納することができるものである。
また、図68及び図70に示すように、第四側面壁543の後端辺からは背面から見てその左辺(開放側)、上辺及び右辺(軸支側)に、開放側後面壁544、上後面壁545及び後面壁としての軸支側後面壁546が夫々パチンコ機の正面と平行となるように内側に向かって突設されている。軸支側後面壁546は、その前面が平板状(図67を参照)となっており、その後面に球払出機構を構成する後述の球通路ユニット770と賞球ユニット800とが着脱自在に取付けられるようになっている。従って、軸支側後面壁546の内側への突出幅寸法は、球通路ユニット770と賞球ユニット800とを取付ける幅があれば充分である。
また、上後面壁545は、その前面が平板状(図67を参照)となっており、その後面に後述するタンクレール部材740が取付けられるため、その下端辺が傾斜状に形成されている。従って、上後面壁545の内側への突出幅は、傾斜状に取付けられるタンクレール部材740の高さ幅寸法があれば充分である。更に、開放側後面壁544には、その前面が平板状(図67を参照)となっており、その後面に後述するカバー体1250を軸支するカバー体支持筒部575が形成されている。したがって、開放側後面壁544の内側への突出幅寸法は、カバー体支持筒部575を形成する幅寸法があれば充分である。
上述したように、第四側面壁543の後端辺から内側に向かって突設される開放側後面壁544、上後面壁545及び軸支側後面壁546の前面が平板状に形成され、この平板状部分が遊技盤4の周辺部に対応するものであるため、上記したように、遊技盤4の周辺部に対応する位置まで第二側面壁541と第三側面壁542と第四側面壁543とによって形成される空間の大きさが確保されているので、例えば、遊技盤4の略全域を液晶表示画面が占めるような遊技装置が取付けられている場合においても、そのような遊技装置の後方突出部分を楽に収納することができるものである。なお、開放側後面壁544、上後面壁545及び軸支側後面壁546の内側は、後面開口580となっており、この後面開口580が後述するカバー体1250によって開閉自在に閉塞されるようになっている。
次に、遊技盤設置凹部510の更に詳細な構成について説明すると、前述したように、開放側の平面部分には、錠装置1000の扉枠用フック部1041が貫通する扉用フック穴549が上中下の3箇所開設されているが、その上下の扉用フック穴549のさらに上中下に錠装置1000の後述する係止突起1004が係合される錠係止穴548(図68を参照)が形成されている。また、開放側の第一側面壁540に沿って錠装置1000が取付けられるが、その取付けをビスで行うための錠取付穴547(図68を参照)が第一側面壁540の後端部の上部と中程に形成されている。なお、錠装置1000のビスによる取付けは、上部と中程だけではなく、後述する錠取付片1008に形成されるビス止め部1003とシリンダ錠貫通穴526の上方近傍に形成される錠取付穴547とを対応させてビスで止着することにより、錠装置1000の下方も取付けられるようになっている。
また、図70に示すように、第一側面壁540の上辺前方の左右には、本体枠3を外枠2に対して閉止する際に、外枠2の上枠板10の内周面と当接する案内円弧突起552が突設され、第一側面壁540の後端辺中央に後述する賞球タンク720の切欠部729と連通する逃げ凹部551が形成され、第一側面壁540と第二側面壁541と接続する垂直面にタンク取付溝550が形成されている。そして、このタンク取付溝550に賞球タンク720の取付鍔部733を取付けたときには、図74に示すように、賞球タンク720の切欠部729が逃げ凹部551と連通して賞球タンク720内に貯留された球の球圧が増加したときに圧抜きして球詰まりが発生しないように機能する。また、賞球タンク720を本体枠3に取付けたときには、平面視で賞球タンク720の正面側から見て奥側の後面壁722と第四側面壁543の後端辺が略一致(図4を参照)するようになっている。なお、上記した案内円弧突起552は、本体枠3の上辺を外枠2の上枠板10の内周面と当接させることにより、本体枠3を持ち上げて本体枠3の下辺と装飾カバー板15との間に隙間を形成し、その隙間から不正器具を挿入するような不正行為を防止するためのものである。
また、前述した上後面壁545には、タンクレール部材740を取付けるためのレール係止溝553が後面開口580の開口縁に沿って形成されており、また、第四側面壁543と上後面壁545の屈曲部にレール係止溝554が形成されている。そして、これらレール係止溝553,554にタンクレール部材740の係止突片749,750(図99を参照)を係止させることにより、タンクレール部材740を本体枠3に取付けることができる。また、タンクレール部材740を取付けたときの下流側に対応する上後面壁545の上部には、レール掛止弾性片555が形成され、レール係止溝553,554にタンクレール部材740の係止突片749,750を係止させて、タンクレール部材740を本体枠3に取付けたときに、その係止状態が外れないようにレール掛止弾性片555がタンクレール部材740の下流側上端の上から当接するようになっている。
このタンクレール部材740を取り外すときには、レール掛止弾性片555を後方へ押圧しておいてからレール係止溝553,554と係止突片749,750との係止状態を解除すべくタンクレール部材740を上方に持ち上げればよい。また、レール掛止弾性片555の側方に逃げ穴556が穿設され、レール掛止弾性片555の下方にアース線接続具557(図110等を参照)形成されている。逃げ穴556は、タンクレール部材740に設けられる整列歯車747の軸ピン748の端部を逃がすために穿設されるものであり、また、アース線接続具557は、タンクレール部材740の内部に貼着される金属製の導電板(図示しない)に接触していると共に、電源基板1136に設けられるアース用コネクタに接続される配線が接続されるものである。
また、軸支側後面壁546には、図68及び図70に示すように、軸支側後面壁546の左右両端に垂直状の立壁560を立設し、その立壁560の間に球通路ユニット770と賞球ユニット800とが取付けられる。また、左右の立壁560の間の最上流部から中流部よりやや上方まで賞球案内突起561が屈曲状に突設されている。この賞球案内突起561は、軸支側後面壁546にその突出高さが下流側に向かって徐々に低くなるように後方に向かって突設され、後述する球通路ユニット770を取付けたときに、球通路ユニット770の球落下通路772(図104を参照)に対応するもので、賞球を一列状に誘導するものである。また、賞球案内突起561の左右には、球通路ユニット770をビスで止着するための通路ユニット取付ボス562、及び位置決めするための位置決めピン574が突設されると共に、後述する球切れスイッチ778(図104を参照)に対面するスイッチ対応突起563が突設されている。通路ユニット取付ボス562及び位置決めピン574については、後に詳述する。
更に、左右の立壁560の中流部から下流部にかけて賞球ユニット800の係合部としての鉤状係合部824(図106を参照)と係合する係止部としての係合突片565と、賞球ユニット800のボタン挿通係合穴821(図106を参照)と係合するロック用弾性爪564と、が形成されると共に、賞球ユニット800のスプロケット807の回転軸808(図106を参照)の端部が受入れられる逃げ穴566が形成されている。また、軸支側後面壁546の下方には、払出モータ用逃げ開口部572が形成されており、この払出モータ用逃げ開口部572に賞球ユニット800の駆動モータとしての払出モータ815が臨むようになっている(図71を参照)。そして、賞球ユニット800は、軸支側後面壁546の裏面最下端に形成される係止溝573のその下端を係止して係合突片565及びロック用弾性爪564によって軸支側後面壁546に着脱自在に取付けられるようになっている。この着脱自在の構成については、後に詳述する。
また、軸支側後面壁546の開放側の端部には、そのカバー体1250の開放側の端辺が入り込むカバー体当接溝567が形成されていると共に、カバー体当接溝567の下方に施錠壁569が突設されている。カバー体当接溝567には、カバー体1250の止め穴1253(図74及び図139を参照)に対応する止め穴568が形成されており、これら止め穴1253,568とを一致させて図示しないビスで止着することにより、カバー体1250によって本体枠3の後面開口580を閉塞固定することができるようになっている。また、施錠壁569には、平面視U字状の施錠用突出鉤片570が突設され、本体枠3に対してカバー体1250を閉じた状態で施錠用突出鉤片570をカバー体1250に形成される貫通穴1254(図74を参照)を貫通させ、例えば、南京錠等の錠を施錠用突出鉤片570に掛け止めることにより、南京錠の鍵を有する責任者しかカバー体1250を開放することができないようにすることができる。
以上、遊技盤設置凹部510及び板部511とからなる本体枠主体500の構成について説明してきたが、上記に説明した以外に、板部511の最下端辺部に、扉枠5を閉じたときに、扉枠ベース本体110の下辺を後方に向けて折曲した扉枠突片110d,110e(図25を参照)が挿入される係合溝584,585(図67を参照)が形成されている。係合溝584は、前述した発射装置取付部520の下方に形成される溝であり、係合溝585は、係合溝584の一端から軸支側に向って形成される溝である。なお、係合溝585に対応する扉枠突片110dは、係合溝584に対応する扉枠突片110eの突出量よりも大きくなるように後方に向って突設されている。ただし、開放端下部には、突出量の多い扉枠突片110dが僅かに形成されている。そして、上記した扉枠突片110d,110eと係合溝584,585とが扉枠5と本体枠3との下側辺部における外側の突条及び係合部を構成するものである。
上記のように板部511には、発射レール515や出口開閉装置579が設けられ且つレール接続部材516や発射装置取付部520が突設形成されているが、発射装置取付部520及び発射レール515の板部511における配置位置が開放側に偏り、しかもそれらが板部511の表面よりも突出して形成されている。このため、扉枠5を閉じた状態において、発射装置取付部520及び発射レール515が配置される板部511の略中央部から開放側にいたる領域は、扉枠5の裏面と発射装置取付部520及び発射レール515の前面とが密着した状態となるため、前述した扉枠突片110dと係合溝585との隙間を上手にすり抜けてきたピアノ線等の不正具を扉枠5の裏面と発射装置取付部520及び発射レール515の前面との間をさらに上手にすり抜けさせて遊技盤4の表面側若しくは遊技盤4の裏面側に到達させることは極めて困難である。
一方、発射装置取付部520及び発射レール515が配置されない板部511の略中央部から軸支側にいたる領域は、板部511の表面に突出した部分がないため、扉枠5を閉じた状態において、扉枠5の裏面と板部511の前面との間に空間586が生じてしまう。このため、前述した扉枠突片110dと係合溝584との隙間を上手にすり抜けてきたピアノ線等の不正具が扉枠5の裏面と板部511の前面との間の空間586を簡単にすり抜けてしまうことができるため、この空間586を不正具が上方に向ってすり抜けないように、扉枠5の裏面下部に取付けられる装着台160には、扉枠5を閉じた状態で空間586に侵入する防犯突片166が形成されている。この防犯突片166は、板部511の略中程から軸支側端部までいたるように装着台160に形成されている。したがって、発射レール515及び遊技盤4に取付けられる外レール602の下方空間は、装着台160に突設される防犯突片166を受入れる防犯空間586を構成している。そして、この防犯突片166と防犯空間586とが扉枠5と本体枠3との下側辺部における内側の突条及び係合部を構成するものである。
本体枠3は、上記したように、遊技盤4、打球発射装置650、賞球タンク720、タンクレール部材740、球通路ユニット770、賞球ユニット800、満タンユニット900、錠装置1000、基板ユニット1100及びカバー体1250が取付けられるが、以下、これらを順次説明する。
[1−3A.遊技盤の概略構成]
遊技盤4の概略構成について図76乃至図89を参照して説明する。図76は、遊技盤4の正面から見た斜視図であり、図77は、遊技盤4の正面図であり、図78は、遊技盤4の背面図であり、図79は、遊技盤4の平面図であり、図80は、遊技盤4に形成される取り外し防止機構部分の拡大斜視図であり、図81は、遊技盤4の取り外し防止機構に対する本体枠側の構造を示す本体枠3の部分斜視図である。
また、図82は、遊技盤の他の実施形態における前構成部材、遊技パネル、及びパネルホルダを組立てた状態で縦方向に切断して示す断面図であり、図83は、図82の遊技盤を主に構成する前構成部材、遊技パネル、及びパネルホルダ等を分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図84は、図83を斜め後から見た分解斜視図である。
更に、図85は、盤用基板ホルダに主制御基板ボックスを固定した状態で斜め後から示す斜視図である。図86は、図85を盤用基板ホルダ、ドロワホルダ、及び主制御基板ボックスに分解して斜め後から示す分解斜視図である。また、図87は遊技盤における機能表示ユニットの分解斜視図の概略図である。更に、図88は機能表示シールの概略図であり、図89は遊技窓を介して遊技盤の機能表示シールを見た部分図である。
本実施形態の遊技盤4は、図示するように、ベニア板等の合板により形成された板状の遊技パネル600と、遊技パネル600の前面に取付けられる前構成部材601と、前構成部材601に固定される機能表示ユニット640と、から構成されており、遊技パネル600により遊技領域605の後端が区画形成されるようになっている。
遊技パネル600の表面には、遊技領域605に各種の遊技装置や多数の障害釘(いずれも図示省略)が植立されている。そして、それらの遊技装置や障害釘が設けられた後に前構成部材601がパネルホルダ630の前面に取付けられるが、その前構成部材601は、遊技領域605の外周を囲むように内部が円形の空洞状に形成され且つ外形がパネルホルダ630の外形に沿った形状に形成されており、その下辺中程から上辺の中心を過ぎた斜め上方までの円弧面が外レール602として形成され、その外レール602の終端に設けられる衝止部620の下部位置から上辺の衝止部620の対称の逆流防止部材604が設けられる位置までが内レール603として形成されている。外レール602は、その始端部に発射レール515の延長状に設けられたレール接続部材516に連接する接続通路部609が斜め状に形成されており、その接続通路部609に隣接してファール口610が形成されている。また、ファール口610の上流端から衝止部620までの外レール602には、金属製のレールが密着して取付けられている。
なお、衝止部620は、勢いよく外レール602を滑走してきた打球が衝突したときに、その衝突した打球を遊技領域605の内側に反発させるようにゴムや合成樹脂の弾性体が設けられるものであり、逆流防止部材604は、一端発射されて遊技領域605の内側に取り入れられた打球が再度外レール602に逆流しないように防止するものである。更に、外レール602の下部一側には、金属製のレールの一部に沿うように防犯突起608が突設されている。この防犯突起608は、扉枠5が閉じられた状態で前述したように防犯カバー470に突設される防犯後端部突片475と上下方向に重複して本体枠3と扉枠5の軸支側の隙間の中程よりやや下方から挿入されるピアノ線等の不正具の侵入を防止するものである。
また、内レール603の下部中央には、アウト口606が設けられ、そのアウト口606から逆流防止部材604までの内レール603と外レール602との間は、発射された打球が遊技領域605まで誘導される誘導通路を構成するものであるが、遊技領域605に到達せずに外レール602を逆流した打球はファール口610に取り込まれて後述する満タンユニット900のファール球入口923に導かれて再度皿ユニット300に排出されるようになっている。なお、遊技領域605は、実質的に内レール603によって囲まれる領域である。また、内レール603のアウト口606から衝止部620に向かう途中の前構成部材601には、レール防犯溝607が形成されている。このレール防犯溝607は、扉枠5が閉じられた状態で前述したように防犯カバー470に突設される防犯後突片474の一部が侵入するように溝状に形成されており、このレール防犯溝607と防犯後突片474との凹凸係合により、上下方向に重複して本体枠3と扉枠5における開放側の隙間の中程よりやや下方から挿入されるピアノ線等の不正具の侵入を最終的に防止するものである。
ところで、遊技盤4の一側には、本体枠3に形成される盤位置決め突起576に嵌合する位置決め凹部611が形成され、遊技盤4の他側には、本体枠3に形成される盤止め具挿入穴578に挿入される遊技盤止め具614が設けられている。遊技盤止め具614は、押し込み固定したときにその端部が盤止め具挿入穴578に挿入されるようになっている。而して、遊技盤4を本体枠3に固定するためには、本体枠3の前面側から位置決め凹部611が盤位置決め突起576に嵌合するように斜め方向から差し込んだ後、遊技盤4の全体を本体枠3の第一側面壁540に押し込み、その状態でフリーな状態となっている遊技盤止め具614を押し込み固定してその端部を盤止め具挿入穴578に挿入して固定する。その後、遊技盤固定具519を回動して遊技盤4の下部前面を固定する。これによって遊技盤4を本体枠3に簡単に装着することができる。遊技盤4を取り外すには、上記の手順と逆の手順で取り外せばよい。
また、本実施形態における遊技盤4は、遊技盤4の本体枠3からの不正な取り外しを極めて簡単に防止する構成を有している。即ち、図76及び図80に示すように、遊技盤4の下方の通路用切欠部613と反対側の下端部に遊技盤4の前後に貫通する取付用切欠部616を形成し(正確には、前構成部材601に取付用切欠部616が形成されている。)、その取付用切欠部616の下部に水平方向に締結バー617を掛け渡し固定する。締結バー617には、その略中央に締結バンド619を掛け止めるための帯溝状の締結部618が形成されている。一方、本体枠3に設けられる取り外し防止機構としては、前述したように、本体枠3下方の板部511の上端辺にそって形成される遊技盤載置部512であって発射レール515の発射部の上方に対応する位置に上下方向に貫通する締結穴533を形成し、その締結穴533の前方部分に締結バンド619を掛け止めるための締結連杆534が差し渡されている(図81を参照)。
上記のように構成される遊技盤4を本体枠3の遊技盤設置凹部510に収納配置したときには、図80に示すように、締結バー617が遊技盤載置部512に当接して載置した状態になると共に、締結部618と締結連杆534とが一致した状態となる。そして、その状態で締結部618と締結連杆534との一致している部分に対して、締結バー617の上方から一般的に市販されている締結バンド619の先端を取付用切欠部616に差し込んで下方に向けて締結穴533に差し込み前方に導き、その先端を締結バンド619の締結具部分に係合させる。そして、締結バンド619の締結具より前方に飛び出した不必要な先端部分を切断しておく。このようにすれば、締結バンド619を切断しない限り、遊技盤止め具614と遊技盤固定具519等の固定を解除しても、遊技盤4を本体枠3から取り外すことができない。締結バンド619を切断すれば、遊技盤4を本体枠3から取り外すことはできるものの、例えば、締結バンド619をパチンコ店独特のものを使用することにより、異なる締結バンドが締結されていれば、遊技盤4を取り外して何らかの不正行為を行われたことが容易に理解することができるものである。このように極めて簡単な取り外し防止機構により遊技盤4の本体枠3からの不正な取り外しを防止することができる。
また、遊技盤4の外形形状は、その上部左右に切欠部612が形成され、また、ファール口610の側方斜め下に後述する満タンユニット900の前方誘導通路920部分の一部が挿入される通路用切欠部613が形成されている。また、前構成部材601の下方左右には、証明確認用の証紙を貼付する証紙貼付部615が設けられている。更に、前構成部材601における下方右の証紙貼付部615の上側には、機能表示シール649が貼付けられている。
一方、遊技盤4の裏面には、遊技領域605に設けられる各種の遊技装置(例えば、一般入賞口2104、始動口2101,2102、第一大入賞口2103等、図148等を参照)に入賞した球を下流側に整列して誘導することができる裏箱621の裏面に遊技領域605の略中央に配置される表示装置としての液晶表示装置1400(図6等を参照)の表示を制御する液晶制御基板4150及び周辺制御基板4140が収納される周辺基板ボックス622が取付けられている。
更に、遊技盤4の裏面には、裏箱621の下方に盤用基板ホルダ623が固定されている。この盤用基板ホルダ623は、その前方に裏箱621によって整列誘導された入賞球を集めるように空間部(この空間部は、前後方向の幅が裏箱621の幅よりも比較的広いものとして形成されている。)が形成され、その空間部の底面に落下口629(図75を参照)が形成されている。この落下口629は、アウト口606の後面部分で合流して後述する基板ユニット1100に形成されるアウト球通路1119(図128を参照)に連通するものである。
また、盤用基板ホルダ623には、その裏面に遊技動作を制御する主制御基板4100を収納する主制御基板ボックス624と、後述する基板ユニット1100に設けられる払出制御基板1186や電源基板1136等と接続するための中継端子板625と、が取付けられている。中継端子板625には、遊技盤4を本体枠3に装着するだけで自動的に基板ユニット1100に設けられているドロワコネクタ1200,1202と接続されるドロワコネクタ626,627が備えられている。
更に、盤用基板ホルダ623には、ドロワコネクタ626,627の間から中継端子板625を貫通するように後方に向かって突出する接合案内突起628が形成されている。この接合案内突起628は、後に詳述するように遊技盤4を本体枠3に装着する作業を行ったときに、基板ユニット1100側に設けられるドロワコネクタ1200,1202と遊技盤4側に設けられるドロワコネクタ626,627とが自然に接続されるように基板ユニット1100の枠用基板ホルダ1101に形成される接合案内孔1213に挿入される(図128を参照)ものである。なお、これらドロワコネクタの接続については、後に詳述する。
[1−3A−1.遊技盤4における遊技パネルの他の保持構造例]
続いて、本実施形態の遊技盤4における遊技パネル600の他の保持構造の例について、主に図82乃至図84を参照して詳細に説明する。この例の遊技盤4は、図示するように、遊技領域605と対応する大きさの透明な合成樹脂からなる板状の遊技パネル600と、遊技パネル600を前方から着脱可能に保持する合成樹脂からなる枠状のパネルホルダ630と、パネルホルダ630の前側に配置され遊技領域605の外周を区画形成すると共に遊技領域605内に遊技球を案内する案内する外レール602及び内レール603を備えた前構成部材601と、パネルホルダ630の後面側で下端から所定高さまでの所定範囲内に配置される板状のパネル裏板635とを主に備えている。
この前構成部材601は、図示するように、その後面側に、後方へ突出する複数の位置決めボス601a及び位置決め突起601bが備えられている。これら位置決めボス601a及び位置決め突起601bは、詳細は後述するが、後側に配置されるパネルホルダ630や盤用基板ホルダ623、及び遊技パネル600と位置決めできるようになっている。
遊技盤4における遊技パネル600は、その外形が遊技領域605よりも若干大きい多角形状とされており、アクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂等の透明な合成樹脂板により形成されている。なお、遊技パネル600の板厚は、パネルホルダ630よりも薄く、図示しない障害釘を植設しても十分に保持可能な必要最低限の厚さ(8〜10mm)とされている。
この遊技パネル600には、外周近傍に配置され前後方向に貫通する丸孔からなる複数の嵌合孔600aと、左下部の外周近傍に配置され前後方向に貫通し上下方向に延びる長孔600bが夫々備えられている。これら嵌合孔600a及び長孔600bは、遊技領域605よりも外側に配置されており、パネルホルダ630との位置決めを行うものである。また、遊技パネル600には、その上辺の両端と下辺の両端に、前側が窪んだ段状の係合段部600cが夫々備えられている。この係合段部600cは、遊技パネル600の板厚の略半分を切欠いた形態とされると共に、嵌合孔600a及び長孔600bと同様に、遊技領域605よりも外側に配置されており、遊技パネル600をパネルホルダ630へ係合固定するためのものである。
また、遊技パネル600には、所定位置に内レール固定孔600dが複数備えられている。この内レール固定孔600dに内レール603の後側から突出する位置決め突起601bを嵌合固定させることで、内レール603を所定の位置に固定することができるようになっている。
更に、遊技パネル600には、センター役物2400及び第一アタッカユニット2100(図148等を参照)等が備えられるように内形が所定形状で前後方向に貫通する開口部600eが複数形成されていると共に、それらを固定するための固定孔が適宜位置に形成されている。なお、これら開口部600eは、遊技パネル600の上下左右方向の外周に対して貫通しないような形状となっており、遊技パネル600の外周が繋がっているので、開口部600eによって遊技パネル600の強度が低下するのを抑制するようになっている。
遊技盤4におけるパネルホルダ630は、遊技パネル600を包含する大きさで外形が略四角形状とされ、第一の実施形態の遊技盤4における遊技パネル600の厚さと略同じ厚さ(本例では、約20mm)とされた熱可塑性合成樹脂からなるものである。このパネルホルダ630には、遊技パネル600を着脱可能に保持し前面側から後方側に向かって凹んだ保持段部630aと、保持段部630aの内側において略遊技領域605と同等の大きさで前後方向に貫通する貫通口630bとを主に備えている。
パネルホルダ630の保持段部630aは、前面からの深さが遊技パネル600の厚さと略同じ深さとされており、保持段部630a内に保持された遊技パネル600の前面がパネルホルダ630の前面と略同一面となるようになっている。また、この保持段部630aは、その前側内周面が、遊技パネル600の外周面に対して所定量のクリアランスC(図82を参照)が形成される大きさとされている。このクリアランスCにより、温度変化や経時変化により相対的に遊技パネル600が伸縮しても、その伸縮を吸収できるようになっている。なお、クリアランスC内にゴム等の弾性部材を詰めても良い。
また、パネルホルダ630には、保持段部630aに保持される遊技パネル600に形成された嵌合孔600a及び長孔600bと対応する位置に配置され、保持段部630aの前面から前方に向かって延び、遊技パネル600の嵌合孔600a及び長孔600bに嵌合及び挿通可能な複数の突出ピン630cを備えている。これらの突出ピン630cを遊技パネル600の嵌合孔600a及び長孔600bに嵌合及び挿通することで、パネルホルダ630と遊技パネル600とを互いに位置決めすることができるようになっている。
更に、パネルホルダ630には、遊技パネル600の係合段部600cと対応する位置に、係合段部600cと係合する係合爪630d及び係合片630eを供えている。詳述すると、図82に示すように、係合爪630dは、パネルホルダ630の上側の保持段部630aに配置されており、遊技パネル600における上側の係合段部600cと対応し、保持段部630aの前面から前方に向かって突出し係合段部600cと弾性係合するようになっている。この係合爪630dは、その先端がパネルホルダ630の前面から突出しない大きさとされている。一方、係合片630eは、パネルホルダ630の下側の保持段部630aに配置され、遊技パネル600における下側の係合段部600cと対応し、保持段部630aの前面との間に遊技パネル600の係合段部600cが挿入可能な大きさの所定の隙間を形成した状態で、パネルホルダ630の前面に沿って上側(中心側)に向かって所定量延びる形態とされている。これら係合爪630d及び係合片630eに遊技パネル600の係合段部600cを係合させることで、遊技パネル600がパネルホルダ630に対して着脱可能に保持されるようになっている。
また、パネルホルダ630には、前構成部材601に備えられた位置決めボス601aを挿通可能な前後方向に貫通するボス挿通孔630fを備えており、このボス挿通孔630fに前構成部材601の位置決めボス601aを挿通することで、パネルホルダ630と前構成部材601とが互いに位置決めされるようになっている。
このパネルホルダ630には、図82及び図84に示すように、その後面側に、上下方向の中央やや下方より下側と外周縁を残すように前側に所定量窪んだ形態の取付支持部630gが備えられている。この取付支持部630gにより、パネルホルダ630の後面は、下端より所定高さまでの所定範囲より上側で、後面側外周部が後方に突出したような状態で窪んだ形態となると共に、その窪み量(深さ)が、取付支持部630gに取付固定される裏ユニット2000における裏箱621のフランジ状の固定部621a(図78を参照)を収容できる深さ(本例では、約2.5mmとされており、1〜3mmの間とすることが望ましい)とされている。この取付支持部630gに所定の部材を取付固定することで、その固定部621aがパネルホルダ630よりも後側に突出するのを防止することができ、パネルホルダ630すなわち遊技盤4をパチンコ機1の遊技盤設置凹部510内に確実に設置装着できるようになっている。
また、パネルホルダ630の後面側には、下端より所定高さまでの所定範囲内で取付支持部630gが形成された位置より下側に形成され、前側に向かって窪み、パネル裏板635を収容可能な収容凹部630hと、この収容凹部630h内に前後方向に貫通するように配置されパネル裏板635に形成された係止爪635cを係止可能な係止部630iとを更に備えている。この収容凹部630hは、パネル裏板635の係止爪635cを係止部630iに係止させることでパネル裏板635を着脱可能に収容すると共に、収容されたパネル裏板635の後面が、パネルホルダ630の後面と略同一面となるように形成されている。
更に、パネルホルダ630には、図82及び図84に示すように、後面側の取付支持部630g内及び収容凹部630hよりも上側に配置され所定のビスを螺合可能な複数の取付孔630jが所定配列で配置されている。また、パネルホルダ630には、取付孔630jと対応するように配置される複数の位置決め孔630kが備えられている。この位置決め孔630kは、取付孔630jを用いて取付固定される部材に形成された位置決め突起(例えば、裏箱621における前面のフランジ状に形成された固定部621aから前方へ突出する位置決め突起(図示は省略する))が挿入されるものである。なお、本例では、位置決め孔630kは、背面視略矩形状(角孔状)の止り孔とされている。
なお、取付孔630jに対して、その孔の内径が大径のものと小径のものとを混在させるようにして、取付固定する所定の部材の大きさや重量等に応じて、適宜径の取付孔630jを用いるようにしても良い。
更に、パネルホルダ630には、少なくとも下端から所定高さまでの所定範囲では後面側に開口する複数の肉抜き部630lが形成されており、肉抜き部630lによりパネルホルダ630の重量が軽減されるようになっている。図83に示すように、収容凹部630hの前側、つまり、パネルホルダ630の前面側の下端から所定高さまでの所定範囲内には、これらの肉抜き部630lが形成されておらず、その範囲内では、パネルホルダ630の前面が略平らな面となるようになっているので、その前面に配置される前構成部材601の接続通路部609の後面が略平らな面となり、打球発射装置650から発射された遊技球が、滑らかに案内されるようになっている。また、このパネルホルダ630は、図示するように、肉抜き部630lが形成されることで、取付孔630j等がボス状に形成されると共に、それらを支持したりパネルホルダ630の強度を維持したりするために、格子状のリブが形成された状態となっている。
なお、このパネルホルダ630には、障害釘植設装置(図示しない)や、組立治具等の位置決め手段に対応した位置決め部630mが形成されており、障害釘植設装置に遊技パネル600を保持した状態でセットできるようになっている。また、パネルホルダ630の下部には、前構成部材601のアウト口606と連通する開口630nと、前構成部材601のファール口610と連通する連通孔630oとが更に備えられている。
次に、パネル裏板635は、パネルホルダ630の後面側で下端から所定高さまでの所定範囲内の肉抜き部630lを覆うように配置されると共に、パネルホルダ630の収容凹部630hに後面同士が略同一面となるように収容可能とされ、平面状の後面に所定配列で配置され所定のビスを螺合可能な複数のビス孔635aと、ビス孔635aと対応するように配置される複数の位置決め孔635bと、パネルホルダ630の係止部630iに係止可能な係止爪635cと、前面側から貫通しないように陥没する減量用の凹陥部635dとを備えている。
なお、このパネル裏板635におけるビス孔635a及び位置決め孔635bは、パネルホルダ630における取付孔630j及び位置決め孔630kと略同じ構成とされている。また、このパネル裏板635もパネルホルダ630と同様に、凹陥部635dにより、ビス孔635a及び位置決め孔635b等が形成された部分がボス状に形成されると共に、それらを支持したりパネル裏板635の強度を維持したりするために、格子状のリブが形成された状態となっている。更に、パネル裏板635には、パネルホルダ630の開口630n、連通孔630o、及びボス挿通孔630fと対応した位置に前後方向に貫通する開口635eが備えられている。
このパネル裏板635は、パネルホルダ630の収容凹部630hに収容させると共に、パネル裏板635の係止爪635cをパネルホルダ630の係止部630iに係止させることで、パネルホルダ630と一体となり、その状態では、パネル裏板635の後面が、パネルホルダ630の後面と略同一面となる。このようにパネルホルダ630とパネル裏板635とを一体化することで、パネルホルダ630の後面側には、貫通口630bの外周側で略全周に亘って所定配列で取付孔630j、ビス孔635a等からなる取付孔と、位置決め孔630k及び635bが配置されることとなり、それら取付孔の存在により、所定の部材を任意の位置に取付固定できるようになっている。
上述したように、本例における遊技パネル600の保持構造によると、前方からパネルホルダ630の保持段部630a内へ遊技パネル600を嵌合挿入して、係合爪630d及び係合片630eと、係合段部600cとを係合させることで、パネルホルダ630に遊技パネル600を保持させることができると共に、遊技パネル600とパネルホルダ630の前面側が略面一となるようになっており、従来より用いられている障害釘植設装置を改造等しなくても遊技パネル600をパネルホルダ630に保持した状態で従前の障害釘植設装置にセットすることが可能となり、障害釘の植設にかかるコストが増加するのを抑制することができるようになっている。
また、遊技領域605を有した遊技盤4を、遊技パネル600、パネルホルダ630、及び前構成部材601に分割するようにしているので、パチンコ機1の機種によって障害釘や入賞口等の位置が変化する遊技パネル600を交換パーツとすると共に、パネルホルダ630及び前構成部材601を共通パーツとすることができ、パネルホルダ630や前構成部材601等をリサイクル可能とすることができると共に遊技パネル600のみを交換するだけで種々の機種に対応可能な遊技盤4を備えたパチンコ機1とすることができるようになっている。
更に、パネルホルダ630に予め複数の取付孔630jが所定配列で備えられているので、機種に応じてパネルホルダ630の後面側に取付固定される裏ユニット2000や盤用基板ホルダ623等の種々の所定の部材の取付固定位置が異なる位置となっていても、各種部材の固定部を取付孔630jの位置と対応させるように設計することで、パネルホルダ630を機種に依存しないパチンコ機1の共通パーツとすることができるようになっている。
[1−3A−2.盤用基板ホルダ]
続いて、遊技盤4における盤用基板ホルダ623の詳細な構成について、主に図85及び図86を参考にして説明する。この盤用基板ホルダ623は、遊技パネル600又はパネルホルダ630の後側に取付固定されるものであり、図示するように、前方及び上方が開放された箱状とされ、その底部が左右方向の略中央で前側に向かって低くなるように傾斜しており、遊技パネル600の後側に排出された遊技球を受け取った上で、左右方向の略中央から下方へ排出することができるようになっている。この盤用基板ホルダ623の後面には、主制御基板ボックス624を取付けるための主制御基板ボックス取付部623aが形成されていると共に、主制御基板ボックス取付部623aの横(背面視で右側)に主制御基板ボックス624に備えられた封止部624aと対応する被封止部623bが形成されている。また、盤用基板ホルダ623の後面には、中継端子板625及びドロワコネクタ626,627を支持するドロワホルダ636が固定されている。
本例の主制御基板ボックス624は、盤用基板ホルダ623の後面の主制御基板ボックス取付部623aに支持されると共に、主制御基板ボックス624の封止部624aが主制御基板ボックス取付部623aの横の被封止部623bへ封止されるようになっている。そして、この状態で主制御基板ボックス624を盤用基板ホルダ623から取り外す場合、主制御基板ボックス取付部623aの被封止部623bに開封痕が残るようになっており、主制御基板ボックス624が不正に取り外されたか否かが目視で判るようになっている。
[1−3A−3.機能表示ユニット]
まず、本実施形態のパチンコ機1における機能表示ユニットは、図87に示すように、機能表示基板640a、カバー部材640bを備えている。この機能表示基板640aは、図示するように、セグメント表示器SEG1,SEG2、LED1〜LED12を備えおり、セグメント表示器SEG1には第一特別図柄表示器641が割り当てられ、セグメントSEG2には第二特別図柄表示器642が割り当てられている。セグメント表示器SEG1,SEG2は、英数字及び図形等を表示することができるようになっており、これらの英数字及び図形等を特別図柄として表示することによって、後述する第一アタッカユニット2100の第一始動口2101に遊技球が入賞すると、セグメント表示器SEG1が所定の特別図柄を変動表示し、第二始動口2102又は第三始動口2415に遊技球が入賞すると、セグメント表示器SEG2が所定の特別図柄を変動表示するようになっている。
また、LED1には第一特別図柄記憶ランプ643a、LED2には第一特別図柄記憶ランプ643bが夫々割り当てられ、LED3には第二特別図柄記憶ランプ644a、LED4には第二特別図柄記憶ランプ644bが夫々割り当てられている。第一始動口2101へ入賞した遊技球は、特別図柄の変動表示で使用されないときには、入賞した遊技球の球数を保留数として第一特別図柄記憶表示器643が点灯又は点滅するようになっている。具体的には、保留球(始動記憶)が1球のときには第一特別図柄記憶ランプ643aが点灯して第一特別図柄記憶ランプ643bが消灯し、保留球が2球のときには第一特別図柄記憶表示器643がともに点灯し、保留球が3球のときには第一特別図柄記憶ランプ643aが点滅して第一特別図柄記憶ランプ643bが点灯し、保留球が4球のときには第一特別図柄記憶表示器643がともに点滅する。一方、第二始動口2102又は第三始動口2415へ入賞した遊技球は、特別図柄の変動表示で使用されないときには、入賞した遊技球の球数を保留数として第二特別図柄記憶表示器644が点灯又は点滅するようになっている。具体的には、保留球(始動記憶)が1球のときには第二特別図柄記憶ランプ644aが点灯して第二特別図柄記憶ランプ644bが消灯し、保留球が2球のときには第二特別図柄記憶表示器644がともに点灯し、保留球が3球のときには第二特別図柄記憶ランプ644aが点滅して第二特別図柄記憶ランプ644bが点灯し、保留球が4球のときには第二特別図柄記憶表示器644がともに点滅する。
更に、LED5には普通図柄表示器645が割り当てられている。LED5は赤色/緑色/橙色を点灯することができるLEDであり、これらの赤色/緑色/橙色を組み合わせて点灯することもできるようになっている。LED5は、その点灯する色を普通図柄として表示することによって、後述するゲート2302を遊技球が通過すると、所定の普通図柄が変動表示するようになっている。
また、LED6〜LED9には普通図柄記憶表示器646が夫々割り当てられている。ゲート2201を通過した遊技球は、普通図柄の変動表示で使用されないとき(普通図柄表示器645にて普通図柄の変動表示を実行しているとき及び可動片2105を開閉動作させているときにゲート2302を通過したことにより即座に普通図柄の変動表示に使用されない遊技球)には、通過した遊技球の球数を保留数として普通図柄記憶表示器646が点灯するようになっている。具体的には、保留球が1球のときには普通図柄記憶ランプ646aが点灯して普通図柄記憶ランプ646b〜646dが消灯し、保留球が2球のときには普通図柄記憶ランプ646a,646bが点灯して普通図柄記憶ランプ646c,646dが消灯し、保留球が3球のときには普通図柄記憶ランプ646a〜646cが点灯して普通図柄記憶ランプ646bが消灯し、保留球が4球のときには普通図柄記憶表示器646がすべて点灯する。
また、LED10には遊技状態表示器647が割り当てられている。LED10は赤色/緑色/橙色を点灯することができるLEDであり、これらの赤色/緑色/橙色を組合せて点灯することもできるようになっている。LED10は、その点灯する色を遊技状態として表示することによって、遊技状態が確率変動又は小当たりが生じている旨を報知するようになっている。
更に、LED11には2ラウンド表示ランプ648a、LED12には15ラウンド表示ランプ648bが夫々割り当てられている。上述したように、2ラウンド表示ランプ648aは第一大入賞口2103が閉鎖状態から開放状態となる回数(ラウンド)が2回である旨を点灯して報知するようになっており、一方、15ラウンド表示ランプ648bはラウンドが15回である旨を点灯して報知するようになっている。
このように、機能表示基板640aに実装された、セグメント表示器SEG1,SEG2、LED1〜LED12は、第一特別図柄表示器641、第二特別図柄表示器642、第一特別図柄記憶表示器643、第二特別図柄記憶表示器644、普通図柄表示器645、普通図柄記憶表示器646、遊技状態表示器647、セキュリティ表示器648が夫々割り当てられており、各種機能表示を行う、セグメント表示器SEG1,SEG2、LED1〜LED12、つまり第一特別図柄表示器641、第二特別図柄表示器642、第一特別図柄記憶表示器643、第二特別図柄記憶表示器644、普通図柄表示器645、普通図柄記憶表示器646、遊技状態表示器647、セキュリティ表示器648が機能表示基板640aに集約された構成になっている。また、これらのLED1〜LEDは、遊技機の仕様によって異なる機能が割り当てられても良く、例えば、大当たりに当選した場合に、大入賞口2003が開放される回数(ラウンド数)を報知するラウンド表示ランプが割り当てられても良い。
また、第一特別図柄表示器641及び第二特別図柄表示器642は、大当たり遊技状態を特別図柄として夫々変動表示するため、第一特別図柄記憶表示器643、第二特別図柄記憶表示器644、普通図柄表示器645、普通図柄記憶表示器646、遊技状態表示器647、セキュリティ表示器648と区別して、それらに割り当てられるLED1〜LED12と異なるセグメント表示器SEG1,SEG2を用いて、英数字及び図形等を特別図柄として変動表示している。
なお、普通図柄記憶表示器646に割り当てられるLED6〜LED9の数と、セキュリティ表示器648に割り当てられるLED11,LED12の数と、の和が固定値6となっている。
ところで、機能表示基板640aは、カバー部材640bに図示しないネジで固定され、カバー部材640bが遊技盤4の前構成部材601の裏面から図示しないネジで取付けられるようになっている。前構成部材601には、機能表示基板640aのセグメントSEG1,SEG2に対応する位置にセグメント表示器用開口601cが形成されており、これらのセグメント表示器SEG1,SEG2が表示する内容を視認できるようになっている。
また、前構成部材601には、図87にも示すように、機能表示基板640aのLED1〜LED12に対応する位置にLED用挿通孔601dが夫々設けられており、カバー部材640bを前構成部材601の裏面に取付ける際に、LED1〜LED12が遊技盤4と干渉しないようになっている。これらのLED用挿通孔601dは、LED1〜LED12の点灯又は点滅した光が隣接するLEDの点灯又は点滅した光と誤認されないように円筒状に形成されている。なお、セグメント表示器SEG1,SEG2が表示する内容、LED1〜LED12が点灯又は点滅して表示する内容は、後述する機能表示シール649に印刷されている。前構成部材601には、機能表示シール649を貼り付ける機能表示シール貼付部601eが形成されている。なお、機能表示シール貼付部601eには凹部601fが形成されている。この凹部601fにマイナスドライバ等の工具を挿入して貼り付けた機能表示シール649を剥がし易くしている。ここで、機能表示シール649を剥がし易くするために機能表示シール649に突出部を設けることも考えられるが、扉枠5を本体枠3から開閉する際に、その突出部が何らかの原因によって引っ張られて機能表示シール649が機能表示シール貼付部601eから剥がれるおそれがある。そこで本実施形態では、機能表示シール貼付部601eに凹部601fを形成することによって、扉枠5を本体枠3から開閉する際に、機能表示シール649が機能表示シール貼付部601eから剥がれないようにしている。
[1−3A−4.機能表示シール]
次に、遊技機4における機能表示シール649は、図88に示すように、その表面に機能表示ごとにグループGrp1〜Grp3にグループ化等されて印刷されており、遊技盤4の非遊技領域である前構成部材601に形成された機能表示シール貼付部601eに貼り付けられている。
グループGrp1は、図88に示すように、第一特別図柄表示器641、第一特別図柄記憶表示器643から構成されており、これらの第一特別図柄表示器641、第一特別図柄記憶表示器643を視認できる実線SL1で囲まれた状態で区画されて機能表示シール649に印刷されている。実線SL1で囲まれた領域は、第一特別図柄表示器641による表示や第一特別図柄記憶表示器643による点灯又は点滅を視認できるように、第一特別図柄表示器641、第一特別図柄記憶表示器643と対応する位置が透明となっている。グループGrp1では、第一始動口2101への遊技球の入賞による特別図柄の変動表示に関する各種情報を表示する。例えば、第一始動口2101へ始動入賞すると、第一特別図柄表示器641が所定の特別図柄を変動表示したり、入賞した遊技球の球数を保留数として第一特別図柄記憶表示器643が点灯又は点滅したりする。このように、第一特別図柄表示器641、第一特別図柄記憶表示器643を1つのグループGrp1にグループ化することによって、これらの第一特別図柄表示器641、第一特別図柄記憶表示器643が第一始動口2101への遊技球の入賞による特別図柄の変動表示に関する各種情報を示していることを遊技者に伝えることができる。これにより、遊技者は、実線SL1で囲まれた状態で区画されて機能表示シール649に印刷されたグループGrp1を目視することによって第一始動口2101への遊技球の始動入賞による特別図柄の変動表示に関する各種情報を容易に確認することができる。
一方、グループGrp2は、図88に示すように、第二特別図柄表示器642、第二特別図柄記憶表示器644から構成されており、これらの第二特別図柄表示器642、第二特別図柄記憶表示器644を視認できる実線SL2で囲まれた状態で区画されて機能表示シール649に印刷されている。実線SL2で囲まれた領域は、第二特別図柄表示器642による表示や第二特別図柄記憶表示器644による点灯又は点滅を視認できるように、第二特別図柄表示器642、第二特別図柄記憶表示器644と対応する位置が透明となっている。このグループGrp2では、第二始動口2102又は第三始動口2415への遊技球の入賞による特別図柄の変動表示に関する各種情報を表示する。例えば、第二始動口2102又は第三始動口2415へ遊技球が始動入賞すると、第二特別図柄表示器642が所定の特別図柄を変動表示したり、入賞した遊技球の球数を保留数として第二特別図柄記憶表示器644が点灯又は点滅したりする。このように、第二特別図柄表示器642、第二特別図柄記憶表示器644を1つのグループGrp2にグループ化することによって、これらの第二特別図柄表示器642、第二特別図柄記憶表示器644が第二始動口2102又は第三始動口2415への遊技球の入賞による特別図柄の変動表示に関する各種情報を示していることを遊技者に伝えることができる。これにより、遊技者は、実線SL2で囲まれた状態で区画されて機能表示シール649に印刷されたグループGrp2を目視することによって第二始動口2102又は第三始動口2415への遊技球の入賞による特別図柄の変動表示に関する各種情報を容易に確認することができる。
また、グループGrp3は、図88に示すように、普通図柄表示器645、普通図柄記憶表示器646から構成されており、これらの普通図柄表示器645、普通図柄記憶表示器646を視認できる実線SL3で囲まれた状態で区画されて機能表示シール649に印刷されている。実線SL3で囲まれた領域は、普通図柄表示器645による点灯や普通図柄記憶表示器646による点灯を視認できるように、普通図柄表示器645、普通図柄記憶表示器646と対応する位置が透明となっている。普通図柄表示器645は、上述したように、可動片2105の開閉の有無を所定の普通図柄として変動表示し、可動片2105が閉状態から開状態となると、遊技球が第二始動口2102へ入賞し易くなる。このため、普通図柄表示器645には、第一特別図柄表示器641、第一特別図柄記憶表示器643、第二特別図柄表示器642、第二特別図柄記憶表示器644、普通図柄記憶表示器646、遊技状態表示器647、セキュリティ表示器648と見分けが付くように星印が印刷されている。このグループGrp3では、ゲート2302に関する各種情報を表示することもできるようになっている。例えば、ゲート2302を遊技球が通過すると、普通図柄表示器645が所定の普通図柄を変動表示したり、通過した遊技球の球数を保留数として普通図柄記憶表示器646が点灯したりする。このように、普通図柄表示器645、普通図柄記憶表示器646を1つのグループGrp3にグループ化することによって、これらの普通図柄表示器645、普通図柄記憶表示器646が普通図柄の変動表示に関する各種情報を示していることを遊技者に伝えることができる。これにより、遊技者は、実線SL3で囲まれた状態で区画されて機能表示シール649に印刷されたグループGrp3を目視することによって普通図柄の変動表示に関する各種情報を容易に確認することができる。
更に、遊技状態表示器647、セキュリティ表示器648と対応する位置には、図88に示すように、遊技状態表示器647、セキュリティ表示器648が視認できる実線SL4〜SL6で夫々囲まれた状態で区画されて印刷されている。実線SL4〜SL6で囲まれた領域は、遊技状態表示器647、セキュリティ表示器648による点灯を視認できるように、遊技状態表示器647、セキュリティ表示器648と対応する位置が透明となっている。
なお、本実施形態では、上述したように、グループGrp1〜グループGrp3は実線SL1〜SL6で囲まれた状態で区画されて機能表示シール649に印刷されており、遊技状態表示器647、セキュリティ表示器648と対応する位置は遊技状態表示器647、セキュリティ表示器648が視認できる実線SL4〜SL6で夫々囲まれた状態で区画されて印刷されている。
このように、機能表示シール649は、図87に示した機能表示基板640aに集約して実装された、セグメント表示器SEG1,SEG2、LED1〜LED12の機能がグループGrp1〜Grp3等のようにグループ化されてその内容が印刷されており、区画されている。また普通図柄表示器645等には星印が印刷されており、セグメント表示器SEG1,SEG2、LED1〜LED12が表示する内容が、機能表示シール649に集約して印刷されても、それらの意味を容易に理解することができるようになっている。
このような機能と印刷された内容との対応関係が、図88に示すように、シール管理番号649aとして機能表示シール649に印刷されている。このシール管理番号649aは、図88及び図89に示すように、扉枠5を本体枠3に閉じた際に、遊技窓101を介して遊技窓101から視認し難い位置に印刷されており、遊技者に必要ではない情報を伝えないようになっている。また、機能表示シール貼付部601eに設けた凹部601fも、図88及び図89に示すように、扉枠5を本体枠3に閉じた際に、遊技窓101を介して視認し難い位置に形成されており、凹部601fを遊技者に視認し難くしている。
また、シール管理番号649aは、パチンコ機1を製造するメーカの作業者が、パチンコ機1を組立る際に、誤って別仕様の機能表示シールを取付ける作業ミスを防止するためのものである。また、シール管理番号649aは機能表示シール649の在庫管理にも用いられており、グループGrp1〜グループGrp3等の態様がシール管理番号649aに紐付けされて管理されている。これにより、シール管理番号649aを調べると、シール管理番号649aに対応する機能表示シール649の在庫が分かるようになっている。
ここで、近年のパチンコ機は、そのライフサイクルの短縮化にともないパチンコ機の開発期間も短くなってきている。このため、本実施形態では、例えば、大入賞口が閉鎖状態から開放状態となる回数(ラウンド)が2回、15回である旨を点灯して報知する2ラウンド表示ランプ、15ラウンド表示ランプを追加する場合、始動口の数を2つから1つに減らす場合等によるパチンコ機1の仕様変更には、共通の機能表示基板640aを使用することで対応することができるようになっている。このようなパチンコ機1の仕様変更にともない機能表示シールに印刷する内容も変更するため、上述した、セグメント表示器SEG1,SEG2、LED1〜LED12の機能と、機能表示シールに印刷された内容と、の対応関係を、シール管理番号として機能表示シールに印刷している。これにより、例えばパチンコ機1の製造元では、ラインの作業者が遊技盤4に機能表示シール649を貼り付ける前に、パチンコ機1の仕様と機能表示シール649とが対応しているか否かを、シール管理番号649aを目視することによって確認することができ、パチンコ機1の仕様に対応しない機能表示シール649が貼り付けられるのを防止することができる。なお、機能表示シール649はシールであり、接着剤などを機能表示シール649の裏面等に塗る作業工程がなく、生産性の向上に寄与している。
[1−3B.打球発射装置]
次に、打球発射装置650について図90乃至図95を参照して説明する。図90は、打球発射装置650の全体の斜視図(A),発射モータ部分を取り外した状態の斜視図(B)であり、図91は、打球発射装置650の分解斜視図であり、図92は、打球発射装置650と発射レール515との関係を示す正面図(A),発射モータ部分の斜視図(B)であり、図93は、操作ハンドル部410を操作していない状態における打球発射装置650と発射レール515との関係を示す背面図であり、図94は、操作ハンドル部410を操作している状態における打球発射装置650と発射レール515との関係を示す背面図であり、図95は、打球発射装置650に設けられるスライド部材710の平面図(A),正面図(B),正面から見た斜視図(C),正面図(B)のA−A断面図(D)である。
打球発射装置650は、発射ベース枠651に打球槌687を回動自在に軸支すると共に、その打球槌687に往復回動を付与する発射モータ695を発射ベース枠651に取付け、さらに打球槌687に復帰する付勢力を付与する付勢バネ684の付勢力を調節するスライド杆677及びスライド部材710が発射ベース枠651に設けられることにより構成される。
より詳細に説明すると、図91に示すように、発射ベース枠651は、合成樹脂によって横長な長方形状に成型されるものであり、その略中心に打球槌687の軸受689が嵌合される軸受筒652が形成され、その上部及び側方に打球槌687の発射原点位置を規制するゴムストッパー部材653,654が取付け固定されている。即ち、ゴムストッパー部材653,654は、打球槌687が付勢バネ684の付勢力により発射原点位置に戻ったときに打球槌687の衝撃を受け止めるものである。また、発射ベース枠651の後方(発射レール515の下方に対応する部位の反対側)の上方に横長細溝状のスライド案内孔655が形成され、そのスライド案内孔655の下方にスライド部材収納空間656が形成されている。
このスライド案内孔655は、後述するスライド杆677の後端上部に突設される案内係止片678が挿入されてスライド杆677のスライド移動を案内するものであり、スライド部材収納空間656には、スライド部材710が左右方向に移動可能に収納されるものである。なお、スライド杆677の前方部分のスライド案内は、スライド杆677の前方に形成される案内長孔680に止めネジ682によって発射ベース枠651に形成される止め穴662に止着される案内ブッシュ681を貫通させることにより行われる。また、スライド部材収納空間656の底面には、図92に示すように、長方形状の連結開口664が形成されている。
また、発射ベース枠651の上辺の前方部分には、発射ベース枠651の本体に対して庇部が形成されており、軸受筒652の上方の庇部に作動片用開口657が穿設されている。この作動片用開口657には、扉枠5の皿ユニット300の下流側の打球供給口171b(図18を参照)に臨んで設けられている球送り部材172(図18を参照)の錘173と当接する作動片658が作動片用開口657の開口縁の後方上部に突設されている取付部660に止めピン659によって揺動自在に設けられるものである。作動片658は、「て」字状に形成され、その上辺の後端部が止めピン659によって軸支され、その軸支部から下方の円弧部に打球槌687と一体的に回動するベース板690に突設される作動片当接部693と当接し、打球槌687の往復動作に連動して上辺部が球送り部材172を揺動させ、球送り部材172の揺動動作により打球供給口171bから流出する打球を1個ずつ発射レール515の発射位置に供給するようになっている。
更に、発射ベース枠651には、発射モータ695を内蔵するモータカバー694を止着するためのモータ取付ボス661が後方下部に2箇所と前方上部に1箇所の合計3箇所に突設されていると共に、スライド部材収納空間656の下部後方にスライド杆677をスライドさせるためにスライド部材710と連結される揺動片672の下端の軸穴673が挿入される揺動片用ボス663が突設されている。
上記した発射ベース枠651には、打球発射装置650の剛性を高めるために金属プレート665が略密着するように取付けられている。このため、金属プレート665には、軸受筒652、下方のゴムストッパー部材653、スライド案内孔655、案内ブッシュ681、及び揺動片用ボス663に夫々対応する貫通孔666,667,668,669,671が形成されていると共に、スライド部材710の連結凸部712が貫通する横長楕円状の貫通孔670も貫通されている。上記のように構成される金属プレート665は、スライド部材710をスライド部材収納空間656に収納した後、夫々の貫通孔666〜671がそれに対応する部材652,653,655,681,712,663を貫通あるいは一致させるように発射ベース枠651に密着させてビス止めすることにより発射ベース枠651に固定されるものである。
金属プレート665が取付けられた発射ベース枠651の揺動片用ボス663の先端部分が貫通孔671から頭を出しているが、その頭の部分に揺動片672の軸穴673が挿通されて、揺動片672が下端を中心にして揺動自在に軸支される。揺動片672は、図91に示すように、縦長杆状に形成され、その下端に軸穴673が形成され、その中程にスライド部材710の連結凸部712が挿入されるやや縦長穴形状の連結穴674が形成されている。そして、その連結穴674より上方の前方面がスライド杆677の一端(後端)と当接する当接部675となっている。しかして、揺動片672を揺動片用ボス663に挿通し、且つ貫通孔670から頭を出しているスライド部材710の連結凸部712に連結穴674を挿入してワッシャ付きピン676を連結凸部712に止着することにより、揺動片672が発射ベース枠651に取付けられる。そして、取付けられた揺動片672は、スライド部材710のスライドに伴って下端を中心にしてその上方部分が揺動するようになっている。
また、金属プレート665の上部前面には、横長杆状のスライド杆677が左右方向にスライド可能に取付けられる。即ち、スライド杆677の後方上部に突設されるL字状の案内係止片678を金属プレート665の貫通孔668に貫通係合させ、スライド杆677の前方に形成される案内長孔680に止めネジ682を有する案内ブッシュ681を貫通させて止めネジ682を止め穴662に止着する。上記した案内係止片678と貫通孔668、及び案内長孔680と案内ブッシュ681とにより、スライド杆677が金属プレート665を介して発射ベース枠651にスライド可能に装着される。また、スライド杆677には、その一端(後端)に上述した揺動片672の当接部675と当接する被当接部679が形成され、その他端(前端)に付勢バネ684の一端の係止輪685を掛け止めるためのバネ係止部683が突設されている。
金属プレート665が取付けられた発射ベース枠651の軸受筒652が貫通孔666から突出しているが、その軸受筒652には、打球槌687の軸受689が抜け落ちないように嵌合されている。軸受689の軸には、打球槌687の下端部が固着されると共に同時にベース板690が固着される。ベース板690には、その前方裏面側に作動片658と当接する作動片当接部693が突設され、その前方前面に付勢バネ684の他端の係止輪686を掛け止めるためのバネ係止部692が突設され、さらにその後方前面に発射モータ695のモータカム697と係脱するモータ当接突片691が突設されている。打球槌687の上端には、合成樹脂製の槌先688が固着されており、この槌先688が発射レール515の下端部とその上方に固着される発射位置ストッパー702とによって形成される発射位置に突入するように臨んでいる。
一方、発射ベース枠651の前述したモータ取付ボス661には、モータカバー694に収納された発射モータ695が取付けられる。より具体的には、図92(B)に示すように、モータカバー694は、内部に発射モータ695を収納するように形成された円筒部と、円筒部の前方に拡大してモータ取付ボス661に取付けるための取付固定穴699が形成される取付部と、が一体的に形成され、円筒部の内部に収納される発射モータ695のモータ軸696の先端に逆回転防止カム698とモータカム697とが固定されている。
この逆回転防止カム698の外周には、多数の逆歯が形成されており、ストッパー片取付ボス701に揺動自在に固定されるストッパー片700(図93を参照)と係合して発射モータ695の逆方向の回転を防止している。これは、モータカム697が逆方向に回転してモータカム697とモータ当接突片691とが噛合って打球発射装置650が駆動できなくなる故障が発生しないように防止するためである。また、モータカム697は、勾玉状に形成されており、発射モータ695の回転に伴いモータ当接突片691と係脱しながら打球槌687を往復動作させる。なお、モータカバー694をモータ取付ボス661に取付けたときには、図90(A)に示すように、打球発射装置650の主たる構成が後面から見て被覆されたような状態となっている。
ところで、前述したスライド部材収納空間656に収納されてスライド移動するスライド部材710は、図95に示すように、後方が開放した直方体状に形成され、その前面に楕円形状の楕円凸部711が突設され、更に、楕円凸部711の後方位置に円形状の連結凸部712が突設されている。また、上面及び下面には、スライド部材収納空間656内をスライドし易いように断面円弧状のスライド用当接突部713がその両端に突設されている。一方、直方体状に形成されるスライド部材710の空間は、扉枠5の裏面下部に設けられるジョイントユニット180のスライド突片183が挿入される挿入空間714となっている。
そして、この挿入空間714は、スライド方向前方の側壁手前側に第一傾斜面715が形成されると共に、その第一傾斜面715のやや後方寄りに上面及び下面の内側から内部に向かって突設され且つ相互の先端間に所定の間隔が形成される挟持片716が形成されている。挟持片716の手前側にも奥に向かって側方視でハ字状に傾斜する第二傾斜面717も形成されている。しかして、スライド突片183が挿入空間714に挿入された状態では、図95(B)に示すように、スライド突片183の傾斜辺183a側の一端辺がスライド方向前方の側壁に当接した状態で且つ上下の挟持片716の間に挿入された状態となっている。なお、スライド部材710の挿入空間714の側方に空間部718が形成されているが、この空間部718は、特に機能を奏しているわけではない。
而して、上記のように構成されるスライド部材710は、スライド部材収納空間656に収納された状態で、図92(A)に示すように、スライド部材収納空間656の底面に形成される楕円形状の連結開口664に挿入空間714が臨むように形成されていると共に、スライド部材710がスライド部材収納空間656の一方の空間内壁に当接した状態(図92(A)では左の空間内壁に当接しているように図示されているが、通常の状態では右の空間内壁に当接した状態となっている。)となっている。
そこで、まず、スライド部材710と打球発射装置650の付勢バネ684の強弱を調整する関係について説明すると、スライド部材710がスライド部材収納空間656の内部の初期位置(図92(A)において右の空間内壁に当接した位置)にあるときには、図93に示すように、スライド部材710の連結凸部712に連結された揺動片672が略垂直状態となっている。このため、揺動片672と当接しているスライド杆677も付勢バネ684の付勢力により一方向(図93において左側方向)に付勢された状態で揺動片672の当接部675とスライド杆677の被当接部679とが当接した状態となっている。この状態では、付勢バネ684が張力されていないので、打球槌687が発射モータ695の回転に従動して往復回動しても、打球槌687の復帰力も弱く、発射位置にある打球が弾発されても遊技盤4の遊技領域605に到達することはない。
一方、スライド部材収納空間656の内部をスライド部材710が初期位置から他方方向に移動したとき(図92(A)において左の空間内壁方向に向かって移動したとき)、図94に示すように、揺動片672が下端の軸穴673を軸として揺動して傾動するため、当接部675と被当接部679との当接によりスライド杆677が他方向(図94において右側方向)に向かってスライド移動する。すると、スライド杆677のバネ係止部683に係止されている付勢バネ684も張力されて伸びた状態となる。この状態では、付勢バネ684が張力されているので、打球槌687が発射モータ695の回転に従動して往復回動したときの打球槌687の復帰力が強くなり、発射位置にある打球が強く弾発されて遊技盤4の遊技領域605に到達する。そして、この打球の弾発力の強弱は、スライド部材710のスライド部材収納空間656内でのスライド量に応じて調整することができる。
上記したように、スライド部材710を移動させることにより、打球発射装置650による弾発力を調整することができるが、このスライド部材710の移動は、前述したハンドル装置400の操作ハンドル部410の回動操作部材414の回動操作に応じて移動するジョイントユニット180のスライド体182の移動と連動するようになっている。この点について図60等を参照して説明する。
前述したように、ハンドル装置400の操作ハンドル部410の回動操作部材414を回転させることにより、回転軸415の先端に固着される勾玉状のカム416も回転するため、ジョイントユニット180のスライド体182がジョイントユニット装着凹部110cの内部を一方向に向かってスライド移動する。このため、スライド体182の前面に突設されるスライド突片183も同じ方向にスライド移動することになる。スライド体182のスライド突片183は、扉枠5を本体枠3に対して閉じた状態では、本体枠5の発射装置取付部520に形成される連結開口664を貫通してスライド部材710の挿入空間714に挿入されるようになっている。この場合の挿入状態は、前述したようにスライド突片183の傾斜辺183a側の一端辺がスライド方向前方の側壁に当接した状態で且つ上下の挟持片716の間に挿入された状態である。したがって、スライド突片183が一方向に向かってスライド移動すると、スライド部材710も同一方向に向かってスライド移動することになる。このとき、前述したように、スライド部材710のスライド移動に伴ってスライド杆677もスライド移動するので、付勢バネ684の付勢力を調整することができる。つまり、ハンドル装置400の回動操作部材414を回動操作することにより、打球発射装置650の打球の弾発力を調整することができるものである。
ところで、本実施形態においては、ハンドル装置400が扉枠5に設けられ、打球発射装置650が本体枠3に設けられているので、扉枠5を開閉する毎にハンドル装置400のスライド突片183と打球発射装置650のスライド部材710とが連携したり離れたりすることになる。しかし、本実施形態においては、上述したように、本体枠3に対して扉枠5を閉じることにより、スライド突片183がスライド部材710の挿入空間714に自動的に挿入されてハンドル装置400と打球発射装置650とが連携され、逆に、本体枠3に対して扉枠5を開放することにより、スライド突片183が挿入空間714から離れてハンドル装置400と打球発射装置650とを分離することができるので、極めて簡単に扉枠5の開閉に伴ってハンドル装置400と打球発射装置650との連携・分離を行うことができる。特に、スライド突片183が挿入空間714に挿入される際には、スライド突片183の位置が上下方向に多少ずれていても、挿入空間714内に突設される挟持片716の第二傾斜面717によってスライド突片183がスムーズに挟持位置に挿入されるようになっている。
また、時として、操作ハンドル部410の回動操作部材414に遊技者が詰め物を詰めてある程度回動した位置で固定している場合があるが、遊技場の店員がその詰め物を知らずに扉枠5を開閉する場合がある。このような場合でも、扉枠5を開放する場合には、単にスライド突片183が挿入空間714から離れるだけであるので問題はないが、扉枠5を閉める場合に、スライド突片183の位置が多少一方向にずれた状態となっているものの、スライド突片183の傾斜辺183aとスライド部材710の第一傾斜面715との協働作用により、扉枠5の閉止動作に伴ってスライド部材710を一方向に移動させながら最終的にスライド突片183とスライド部材710とが係合するようになっている。つまり、本実施形態においては、操作ハンドル部410の回動操作部材414がどのような回動位置で固定されていても、操作ハンドル装置400と打球発射装置650との連携を行うことができるものである。
[1−3C.賞球タンク]
次に、本体枠3の裏面上部に取付けられる賞球タンク720について、主として図96を参照して説明する。図96は、賞球タンク720の斜視図(A)、平面図(B)、側面図(C)である。賞球タンク720は、前述したように、本体枠3の裏面上部に形成されるタンク取付溝550(図70を参照)に着脱自在に取付けられるものである。しかして、賞球タンク720は、長方形状の箱状に形成され、パチンコ機1の正面側から見て、その前面壁721に切欠部729が形成され、その底面が上流側壁724から下流側壁723に向かって傾斜する第一傾斜底面726と前面壁721から次に説明する排出口730に向かって傾斜する第二傾斜底面727とによって貯留部728が形成されている。
また、その第二傾斜底面727の傾斜下端に排出口730が形成されるが、この排出口730は、パチンコ機1の正面側から見て賞球タンク720の後面壁722よりも外側に突出するように下流側壁723と後面壁722とをコ字状に連結する排出口突出壁725に囲まれるように形成されている。また、賞球タンク720の前面壁721の両端外側には、タンク取付溝550と係合する取付鍔部733が形成されていると共に、賞球タンク720の底面の裏面側に本体枠3の第四側面壁543に載置当接する載置当接片731,732が突設され、さらに、賞球タンク720の上流側の後面壁722の下部に後述する球ならし部材744を取付けるための球ならし取付軸735が突設されている。また、排出口730を除く賞球タンク720の後面壁722及び上流側壁724には、球の跳ね飛びを防止するための溢れ防止部材734が着脱自在に取付けられるようになっている。
上記のように構成される賞球タンク720においては、本体枠3のタンク取付溝550に対して取付鍔部733を上方から差し込むように取付け、載置当接片731,732を本体枠3の第四側面壁543に当接させる。これによって、賞球タンク720が本体枠3の裏面側上部に載置して取付けられるが、この取付けられた状態においては、図74に示すように、前面壁721の切欠部729を介して貯留部728と本体枠3の裏面に形成された逃げ凹部551とが連通し、また、図4に示すように、排出口730が次に説明するタンクレール部材740の上流端部に臨むようになっている。したがって、賞球タンク720において、球を貯留する貯留部728(第一傾斜底面726及び第二傾斜底面727に対応する貯留空間部分)の前後方向の幅は、本体枠3の第二側面壁541〜第四側面壁543までの前後方向の幅と略同じとなるように形成されると共に、それらの側面壁541〜543までの上部に載置されるようになっている。
また、前述したように、本体枠3の第一側面壁540〜第四側面壁543は、遊技盤4の周辺部の後方突出空間を覆うように深く形成されているので、その側面壁541〜543の上部に載置される賞球タンク720の貯留部の深さは、従来の貯留タンクにくらべて浅く形成されているものの、賞球が貯留されて重量が増加しても賞球タンク720の全体を本体枠3の側面壁542〜543で支持しているので、傾斜底面726,727が変形することなく貯留された球をスムーズに排出口730に導くことができる。また、排出口730が賞球タンク720の後面壁722から外側に外れた位置に設けられているため、貯留部728に貯留された球の流れが第二傾斜底面727から外側に向かって流れるように構成されている。このため、従来のように傾斜底面の一部に開口を設けて排出口としていた賞球タンクに比べて、排出口近傍の貯留部に球詰まり解消のための球崩し突部を突出形成することなく球詰まりが発生し難い構造とすることができる。
そして、本実施形態においては、前述したように、遊技装置の後方突出部を収納する後側面壁541〜543の上部外側に賞球タンク720の貯留部が載置された状態で、しかも、賞球タンク720の排出口730が貯留部の後面壁722よりも外側に突出して設けられているため、タンクレール部材740が賞球タンク720の貯留部の外側(パチンコ機1の正面から見て奥側)に位置して、タンクレール部材740と賞球タンク720の貯留部728とが上下方向に重複しない位置となっているので、遊技盤4の裏面に設けられる遊技装置の後方突出部を収納する後側面壁541〜543の上辺を本体枠3の上辺に近い位置で後方に向って突出させることができ、これにより、遊技装置の後方突出部が遊技盤4の上辺部で突出していても後側面壁541〜543の内部に楽に収納することができる。
更に、賞球タンク720の貯留部728が遊技装置の後方突出部を収納する後側面壁541〜543の上部外側に載置されているか否かに関係なく、排出口730が賞球タンク720の後面壁722から外側に外れた位置に設けられているという構成だけで従来の賞球タンクにはない独特の効果を奏するものである。これについて図97を参考にして説明する。図97は、従来の賞球タンク(A),(B)と本実施形態に係る賞球タンク(C)との排出口部分における球の圧力状態を示す平面図である。図において、通常時、賞球タンク720に貯留される球は、賞球タンク720の貯留部に貯留されて滞留した状態となっている。この場合、従来の賞球タンクのように貯留部の傾斜底面の一部を開口して排出口730Aを形成している場合、例えば、図97(A)に示すように、球崩し突部736Aと反対側に排出口730Aが形成された賞球タンクや、図97(B)に示すように、球崩し突部736Bに隣接して排出口730Bが形成されている場合には、排出口730A,730Bの部分では、貯留された球の圧力とその圧力に基く賞球タンクの側壁からの反作用により、常に排出口730A,730B部分に四方から球圧がかかった状態となっている。
このため、たまたま球の重合具合によって球同士の圧力が釣り合い、下流側の球が流れ出ても、排出口730A,730B部分で球噛み状態が発生し球詰まりが発生することがあった。これに対し、本実施形態に係る賞球タンク720では、排出口730が賞球タンク720の後面壁722から外側に外れた位置に設けられているので、図97(C)に示すように、排出口730部分における貯留された球の圧力は、貯留部から排出口730方向に向かう作用力とその反作用だけの二方向からの圧力であり、従来のように四方から圧力を受けるわけではない。このため、下流側の球が流れ出ても、排出口730部分における球噛み状態が発生し難く、球詰まりが発生しないという優れた効果を奏することができる。
[1−3D.タンクレール部材]
続いて、上記した賞球タンク720の下方に配置されるタンクレール部材740について主として図98乃至図100を参照して説明する。図98は、賞球タンク720、タンクレール部材740、球通路ユニット770、賞球ユニット800、及び満タンユニット900の関係を示すパチンコ機1の背面側から見た斜視図であり、図99は、賞球タンク720、タンクレール部材740、球通路ユニット770、賞球ユニット800、及び満タンユニット900の関係を示すパチンコ機1の正面側から見た斜視図であり、図100は、タンクレール部材740の下流部と球通路ユニット770の上流部との関係を示す断面図(A)と平面図(B)である。
タンクレール部材740は、前述したように、本体枠3の上後面壁545のレール係止溝553,554(図70を参照)に着脱自在に取付けられるものである。そのため、タンクレール部材740には、その後面側の側面の左右辺及び下辺にレール係止溝553に上から差し込まれる複数の係止突片749が突設されると共に、その後面側側面の上辺中央にレール係止溝554に上から掛け止められる鉤状の係止突片750が突設されている。しかして、タンクレール部材740は、上面が開放した傾斜樋状に形成され、その上流端上面が賞球タンク720の排出口730に臨み、その下流端下面が後に詳述する球通路ユニット770に臨んでいる。また、タンクレール部材740の内部は、図4に示すように仕切壁741によって球が2列に整列して流下する通路742となっている。
なお、通路742の底面は、細溝が切り欠けられており、通路742を球と一緒に転動する異物がその細溝から下方に落下するようになっている。また、通路742の側壁には、静電気を除去するための金属板(図示しない)が貼付されており、この金属板の下流端が前述したアース線接続具557(図68を参照)に接続されている。このため、タンクレール部材740を流下する球に帯電していた静電気が金属板からアース線接続具557を介して電源基板1136のアース用コネクタを経て外部にアースされるようになっている。
また、タンクレール部材740の中流域のやや下流側に重錘を有する卵形状の球ならし部材744が揺動自在に設けられている。この球ならし部材744は、前述した賞球タンク720の球ならし取付軸735に揺動自在に軸支されるものであり、タンクレール部材740における2列の夫々の通路742内に向かって垂下され、各通路742を流下する球が上下方向に複数段で流下してきたときに1段となるように整流するものである。また、球ならし部材744の設置位置より下流側のタンクレール部材740の上面が球押え板745によって被覆されている。この球押え板745は、球ならし部材744によって1段とならなかった球を強制的に1段とするように傾斜円弧状に形成されるものである。
更に、タンクレール部材740の下流端部には、夫々の通路742に臨んで一対の整列歯車747が軸ピン748によって回転自在に軸支されている。この整列歯車747は、外周に複数の歯が形成され、一対の整列歯車747における歯のピッチが半ピッチずつ、ずれるようにして軸ピン748に固定されている。このため、タンクレール部材740の各通路742を流下してきた球の上部が整列歯車747の歯と噛合いながら下流側に流下するときに2列の通路742の球が交互に1つずつ送られることになる。この場合、図100に示すように、各通路742を流れてきた球は、整列歯車747と噛合いながら2列の通路742の下部に形成される傾斜面743に沿って中央方向に誘導され、その誘導中に次に説明する球通路ユニット770の球落下通路772の上端入口773に2列の通路742からの球を交互に一列状にして落下するようになっている。なお、整列歯車747は、その上面を円弧状の歯車カバー746によって被覆されている。
[1−3E.球通路ユニット]
次に、上記したタンクレール部材740から一列状に落下される球を賞球ユニット800に導くための球通路ユニット770について、主に図101乃至図105を参照して説明する。図101は、本体枠3と球通路ユニット770及び賞球ユニット800との関係を示す分解斜視図であり、図102は、球通路ユニット770及び賞球ユニット800との関係を示す背面図であり、図103は、球通路ユニット770の背面から見た斜視図であり、図104は、球通路ユニット770の正面図であり、図105は、球通路ユニット770と賞球ユニット800との連結構造を説明するための側面図である。なお、図102及び図103において、賞球ユニット800部分は、ギアカバー866、アルミ放熱板841、ユニットサブ板825が削除され、ユニットベース体801に形成された球通路部分をわかりやすく描いたものである。ただし、ギア等については、球通路との関係を理解し易くするため、一点鎖線で示してある。
本例の球通路ユニット770は、略長方形状の板材の裏面(背面から見える面を表面という。)に屈曲した一対の屈曲通路壁771によって球落下通路772が形成されている。この球落下通路772は、図100(A)に示すように、その上流が前後方向(背面から見て奥行方向)に屈曲する前後屈曲通路部772aと、前後屈曲通路部772aに連通して左右方向(背面から見て左右方向)に屈曲する左右屈曲通路部772bと、左右屈曲通路部772bに連通して略垂直状となっている垂直通路部772cとからなっている。
この前後屈曲通路部772aは、図100(A)に示すように、上述したタンクレール部材740から落下する上端入口773の位置が前述したように2列の通路742の略中央であるため、本体枠3の上後面壁545及び軸支側後面壁546の表面から背面側に離れた位置となっているので、前後屈曲通路部772aと軸支側後面壁546に突設される賞球案内突起561とによって球落下通路772を軸支側後面壁546の表面に近い位置とするように前後方向に屈曲するものである。また、左右屈曲通路部772bは、図104に示すように、タンクレール部材740から前後屈曲通路部772aを落下してきた球の勢いを弱めるために球通路ユニット770の略横幅一杯にコ字状に屈曲して形成されるものである。
更に、垂直通路部772cも略垂直状に形成されているものの若干緩やかに湾曲して形成され、その垂直通路部772cを構成する一方の屈曲通路壁771に切欠部775が形成され、その切欠部775に上端が支軸777によって軸支される球切れ検出片776が揺動自在に取付けられている。この球切れ検出片776の側方には、球切れスイッチ778が取付けられ、球切れスイッチ778のアクチュエータ779が球切れ検出片776に当接している。球切れ検出片776及び球切れスイッチ778によって垂直通路部772cでの球切れを検出する球切れ検出機構が構成されている。
しかして、垂直通路部772cに球が存在しているときには、垂直通路部772cに存在する球によって球切れ検出片776が押圧されてアクチュエータ779を押して球切れスイッチ778をONとするが、垂直通路部772cに球詰まりや球欠乏により球が存在しなくなると球切れ検出片776が垂直通路部772c内に向かって揺動するので、アクチュエータ779が球切れスイッチ778をOFFとする。球切れスイッチ778がOFFになると、後述する賞球ユニット800の払出モータ815の回転が停止して賞球の払出が停止されるようになっている。
なお、切欠部775の下端部には、球切れ検出片776の通路部と反対側への過剰な揺動を防止するためにストッパー突起780が形成されており、また、球通路ユニット770の球切れ検出片776に対応する垂直通路部772cに球詰まり用挿入溝781が形成されている。この球詰まり用挿入溝781は、球詰まり等で球切れ検出片776の揺動動作が行われ難い場合に、球通路ユニット770の後面側からピンを差し込んで球切れ検出片776部分の球詰まりの解消を図るために設けられるものである。更に、球切れ検出片776に対面する他方の屈曲通路壁771は、若干球切れ検出片776側に向かって膨出状に形成されている。これは、垂直通路部772cに球が存在しているときに確実に球切れ検出片776を押圧して球切れスイッチ778をONにするためである。
また、球通路ユニット770には、上記した球落下通路772を避けた位置に止め穴782と位置決めボス783とが形成されている。位置決めボス783は、本体枠3の軸支側後面壁546に形成される位置決めピン574に係合されるものであり、止め穴782は、同様に軸支側後面壁546に形成される通路ユニット取付ボス562に対応するものである。しかして、球通路ユニット770を本体枠3に取付けるには、図101に示すように、位置決めボス783を位置決めピン574に係合させながら通路ユニット取付ボス562と止め穴782とを一致させ、その状態で止め穴782からビス784を螺着することにより行うことができる。更に、球通路ユニット770には、その一側中程にカバー体1250の係合片と係合するカバー体係合溝785が形成されていると共に、下部に賞球ユニット800と連結するための連結蓋部材786が回動自在に設けられている。
連結蓋部材786は、図103に示すように、長方形状の板材の裏面に円弧状に突設される一対の通路壁790を突設することにより構成されており、球通路ユニット770の下部表面の左右両端部に突設される軸支部としての支持突片787に、連結蓋部材786の両端部から延びる支持片788の先端に突設される回転軸部としての突起軸789を嵌合することにより回動自在に軸支されるものである。また、連結蓋部材786は、閉じることにより球通路ユニット770の下方に延長されて通路壁790によって形成される通路と球落下通路772の下流端部とが連通した状態(図105(B)に示す状態)と、開放することにより通路壁790によって形成される通路と球落下通路772の下流端部とが連通しない状態(図105(A)に示す状態)と、に回動し得るが、開放した状態から閉じた状態に移行する際に、連結蓋部材786の支持片788を案内する案内突起791が球通路ユニット770の後面下端部に突設されている。
而して、球通路ユニット770を本体枠3の軸支側後面壁546に固定した状態で、しかも、後述するように賞球ユニット800を同じく軸支側後面壁546に装着した状態(図105(A)に示す状態)で、連結蓋部材786を閉じて賞球ユニット800に設けられる係止弾性爪820によってその後面を係止することにより、球通路ユニット770の球落下通路772と賞球ユニット800の屈曲通路803とを通路壁790にて連通して、球通路ユニット770の球落下通路772を落下する球を賞球ユニット800の屈曲通路803に導くことができるものである。このように球通路ユニット770に回動自在な連結蓋部材786を設けた理由は、後述するように賞球ユニット800を本体枠3に対して着脱自在に装着し易くすることと、その着脱自在に装着したことに起因して球通路ユニット770と賞球ユニット800との間に形成される空間が球のスムーズな落下を阻害しないようにするためである。
また、球通路ユニット770に突設される一対の屈曲通路壁771の間に本体枠3の軸支側後面壁546にその突出高さが下流側に向かって徐々に低くなるように突設される賞球案内突起561を挿入することで、球落下通路772の上端入口773がタンクレール部材740の2列の通路742の略中央下部に位置するように、球落下通路772の上流部を背面からみて前後方向に屈曲する前後屈曲通路部772aとして形成する。これにより、一対の整列歯車747によって2列で流下する球を交互に1個ずつ賞球ユニット800側に送り出す構成において、球落下通路772を通して球を1個ずつスムーズに賞球ユニット800に送り出すことができる。また、この構成によれば、複数の部材の組立体から球落下通路772を構成する必要がないため、球落下通路772を構成する部品点数を削減することができると共に、球落下通路772の組み付け作業性を向上することができる。
また、タンクレール部材740から前後屈曲通路部772aを落下してきた球は、左右屈曲通路部772bを通過することでその勢いを弱め、その後、垂直通路部772cを通って賞球ユニット800に送られる。また、勢いが弱められた状態で球が送り込まれる垂直通路部772cには、球切れを検出するための球切れ検出機構(球切れ検出片776及び球切れスイッチ778)が設けられる。これにより、球落下通路772での球切れ、言い換えれば賞球ユニット800に供給する球が切れたこと(球切れ)を確実に検出することができる。
[1−3F.賞球ユニット]
次に、上記した球通路ユニット770の下流側に配置される賞球ユニット800について、主に図106乃至図109を参照して説明する。図106は、賞球ユニット800の背面側から見た分解斜視図であり、図107は、払出モータ815と払出部材としてのスプロケット807との関係を説明するための背面図であり、図108は、賞球ユニット800の通路と駆動関係を説明するための背面図であり、図109は、図108のA−A断面図である。
図106において、賞球ユニット800は、一対の屈曲通路壁802によって球通路を構成する屈曲通路803、賞球通路810、及び球抜通路811が形成されるユニットベース体801と、ユニットベース体801の後面を覆うユニットサブ板825と、ユニットサブ板825の上部表面(後面側)に取付けられる賞球ユニット内中継端子板830と、ユニットサブ板825の略中央表面領域(後面側領域)に設けられるギア群843,844,847及び検出円盤850(回転伝達部材)を被覆するギアカバー866とから構成されている。以下、これらの構成を順次説明する。
ユニットベース体801は、略長方形状の板状(この板部分を「底面」という場合がある。)に形成され、その板状のユニットサブ板825側に向かって突設される一対の屈曲通路壁802によって屈曲通路803が形成されている。屈曲通路壁802は、ユニットベース体801の上部中央から下流側の略中程まで球の直径よりもやや大きな間隔で突設されるが、その中程から下流側に大きく左右に分かれて中程から下流端までユニットベース体801の両端辺の側壁を兼ねている。また、中程の屈曲通路壁802が大きく左右に分かれた部分は、球送り回転体としてのスプロケット807が配置される振分空間805を構成し、その振分空間805の下部からユニットベース体801の下流端までに左右に分かれた屈曲通路壁802の対をなすように通路区画壁809が突設形成されている。
つまり、中程から下流側の左右の屈曲通路壁802と通路区画壁809とによって振分空間805から左右に2つの通路が構成されることなり、一方の通路が賞球通路810を構成し、他方の通路が球抜通路811を構成している。なお、通路区画壁809も左右に大きく分かれており、その分かれた通路区画壁809の内側に払出モータ815を収納するモータ収納空間814が形成されている。即ち、払出モータ815は、球通路(屈曲通路803、賞球通路810、球抜通路811)を避けた位置であって、その球通路の奥行き幅寸法内に形成されるモータ収納空間814に収納固定される。なお、屈曲通路803は、通路803内に停留する球のスプロケット807への圧力を弱めるために蛇行状に形成されて振分空間805に到達しているが、その振分空間805の上流側の底面に楕円形状の開口804が形成されている。この開口804は、屈曲通路803内に入った小さなゴミ等を貯留するもので、賞球ユニット800を本体枠3から取り外したときに溜まったゴミ等を取り出すことができるようになっている。
また、上記した振分空間805には、外周に球が嵌り合う複数(図示の場合は、3つ)の凹部が形成された払出部材としてのスプロケット807が回転自在に配置されるが、このスプロケット807が固定される回転軸808の他端を軸支する軸受筒806が振分空間805の底面に形成されている。また、振分空間805の底部を構成する通路区画壁809の上端部は、スプロケット807の回転円弧に沿った凹円弧状に形成され、その一方に形成される賞球通路810の上流部には、計数スイッチ812が着脱自在に装着されている。
この計数スイッチ812は、先端部に球が通過する円形状の通過穴が形成された直方体状の磁気センサからなり、その後端部の形状と合致するスイッチ嵌合凹部865を屈曲通路壁802で形成することにより、簡単に着脱自在に取付けられるものである。なお、計数スイッチ812からの配線(図示しない)は、後述する賞球ユニット内中継端子板830に接続されるようになっている。更に、賞球通路810を構成する屈曲通路壁802の下流側には、ユニットサブ板825と一体的に形成される通路蓋板部859に形成される係止部860と係合する係止爪813が複数形成されている。ただし、複数の係止爪813のうち、通路蓋板部859の下端の一方の係止部860と係合する係止爪813は、通路区画壁809側に形成されている。
また、ユニットベース体801の下方であって賞球通路810と球抜通路811との間には、払出モータ815を収納する円形状のモータ収納空間814が形成されるが、このモータ収納空間814の内部に払出モータ815の円筒状本体が収納されるようになっている。ただし、払出モータ815は、その前面に形成される一対の取付片816によってユニットサブ板825の下方に取付けられるアルミ放熱板841の裏面側にビス817で固着されるようになっている。そして、払出モータ815がユニットサブ板825のアルミ放熱板841に取付けられた状態で、払出モータ815のモータ軸818は、アルミ放熱板841に穿設された軸挿通穴842を貫通して第一ギア843が固着されるようになっている。
また、ユニットサブ板825及びアルミ放熱板841でユニットベース体801の後面側を被覆することにより、上記した屈曲通路803、賞球通路810、及び球抜通路811が形成される奥行幅方向の空間内に払出モータ815の円筒状本体部分も収納配置されることになる。そして、払出モータ815を収納するモータ収納空間814と前述したスプロケット807が配置される振分空間805とが、上下方向の極めて近い位置関係に形成されているため、ユニットベース体801の上下方向の長さを短くすることができ、結果的に賞球ユニット800のコンパクト化を図ることができる。
更に、ユニットベース体801には、上記した球抜通路811の最下端に球抜きされた球を賞球ユニット800の裏面側に誘導する誘導突片819が突設され、この誘導突片819に誘導された球が後述する球抜接続通路880に誘導されて最終的にパチンコ機1の外部(島台の下方に設けられる回収樋)に放出されるようになっている。また、ユニットベース体801の上部には、前述した球通路ユニット770の連結蓋部材786を係止する係止弾性爪820が突設されると共に、賞球ユニット800を本体枠3の軸支側後面壁546に着脱自在に取付けるためのボタン挿通係合穴821及び鉤状係合部824と、ユニットベース体801とユニットサブ板825を挟持した状態でギアカバー866とを連結するための取付ボス823が設けられている。
このボタン挿通係合穴821には、ユニットベース体801の上部一側に設けられて棒状の着脱ボタン822が奥行幅方向に摺動自在に取付けられるものであり、後述するように、その前方先端が本体枠3の軸支側後面壁546に形成されるロック用弾性爪564に対応している。また、ボタン挿通係合穴821の後端面は、図101に示すように、ロック用弾性爪564の先端部が入り込むように凹状となっている。また、鉤状係合部824は、本体枠3の軸支側後面壁546に形成される係合突片565と係合するもので、賞球ユニット800を軸支側後面壁546に押し当てて下方に押下げることにより、鉤状係合部824と係合突片565とが係合するものである。そして、その係合状態においてロック用弾性爪564とボタン挿通係合穴821とが係合するので、賞球ユニット800の上方向の移動ができないようになっている。
なお、鉤状係合部824は、ユニットベース体801の上部左右に形成されている。また、ユニットサブ板825を挟持した状態でユニットベース体801とギアカバー866とを連結するための取付ボス823は、後面側に向かって長く突設され、ユニットサブ板825に穿設される貫通穴858を貫通した後、ギアカバー866の取付穴867に対応させ、そのギアカバー866の表面からネジ868を螺着することにより、ユニットサブ板825を挟持した状態でユニットベース体801とギアカバー866とを連結している。
上記したユニットベース体801を被覆するユニットサブ板825の構成について説明すると、ユニットサブ板825は、ユニットベース体801の屈曲通路803部分と振分空間805部分と賞球通路810部分とを覆う合成樹脂製の板材に払出モータ815が取付けられると共に球抜通路811の下流部分とを覆うアルミ放熱板841を取付けることにより構成されている。そして、ユニットサブ板825の合成樹脂板部の表側(後面側)には、賞球ユニット内中継端子板830を取付けるための中継基板領域826が上部に形成され、その下方に複数のギア843,844,847や検出円盤850が取付けられるギア領域840が形成されている。
この中継基板領域826は、略正方形状に形成され、その正方形状に沿って賞球ユニット内中継端子板830を載置する載置リブ827が突設され、その一側垂直辺の上下に後述する基板カバー835の係合突起836と係合する係合溝部828が形成され、その他側垂直辺の中央に基板カバー835の係止突部837と係合する係止爪部829が形成されている。また、中継基板領域826には、着脱ボタン822が挿通されるボタン挿通穴834と賞球ユニット内中継端子板830をビス(図示しない)で止着するための取付ボス部832が形成されている。
上記した中継基板領域826に取付けられる賞球ユニット内中継端子板830は、賞球ユニット800に設けられる上述した計数スイッチ812、払出モータ815、及び後述する回転角スイッチ855からの配線と、後述する払出制御基板1186(図71及び図126を参照)からの配線とを中継するもので、そのために複数のコネクタが設けられると共に、着脱ボタン822が挿通されるボタン挿通穴833と取付ボス部832に対応する取付穴831とが穿設されている。しかして、賞球ユニット内中継端子板830を中継基板領域826の載置リブ827に載置した状態で取付穴831と取付ボス部832とを合致させて図示しないビスで止着することにより賞球ユニット内中継端子板830をユニットサブ板825の表面(後面)に止着することができる。
また、上記のように取付けられる賞球ユニット内中継端子板830は、基板カバー835によって被覆される。基板カバー835は、略正方形状の前面側が開放したボックス状に形成され、その一側垂直辺の上下基部に係合突起836と他側垂直辺の略中央側面に係止突部837が形成されている。また、基板カバー835の正方形状の垂直面には、ボタン開口838と接続開口部839とが形成されている。しかして、基板カバー835の係合突起836を中継基板領域826の係合溝部828に差し込んで係合した後、係止突部837と係止爪部829とを係合させることにより、簡単に基板カバー835で賞球ユニット内中継端子板830を被覆することができる。逆に、取り外す場合には、係止爪部829を弾性変形させて係止突部837との係合を解除すると共に基板カバー835を斜め手前側に引いて係合突起836と係合溝部828との係合を解除することができる。なお、基板カバー835を被覆した状態では、ボタン挿通係合穴821に係合されている着脱ボタン822の頭部がボタン挿通穴833,834を挿通してボタン開口838から外部に僅かに臨んでいる。また、賞球ユニット内中継端子板830に接続された配線は、接続開口部839から外部に引き出されるようになっている。
次に、ユニットサブ板825に形成されるギア領域840に設けられるギア843,844,847、及び検出円盤850について説明する。前述したように、払出モータ815のモータ軸818の先端は、ユニットサブ板825のアルミ放熱板841に穿設される軸挿通穴842を貫通してユニットサブ板825の表面(後面側)に突出しており、その突出した部分に第一ギア843(駆動ギア)が固着されている。第一ギア843の上方には、第一ギア843と噛合する第二ギア844(回転伝達ギア)がギアカバー866の裏面(前面側)に一端が圧入され且つアルミ放熱板841に穿設される軸穴846に他端が支持される軸845に回転自在に設けられ、その第二ギア844の上方には、第二ギア844と噛合する第三ギア847(回転伝達ギア)がユニットサブ板825に形成される軸穴849に圧入された軸848に回転自在に設けられている。更に、第三ギア847の上方には、第三ギア847と噛合するギア部852(従動ギア)を有する検出円盤850がスプロケット807を軸支する回転軸808に回転自在に設けられている。
なお、図109に示すように、モータ軸818の先端部がギアカバー866に形成される受穴に遊嵌されている。また、回転軸808は、その一端がユニットベース体801に形成される軸受筒806に圧入されて支持され、その他端がギアカバー866に形成される軸受穴に支持されるものであるが、ギア領域840の中央よりやや下方に形成された軸貫通穴864を貫通して振分空間805においてスプロケット807を回転自在に軸支し、ユニットサブ板825とギアカバー866とによって形成される空間において検出円盤850を回転自在に軸支している。ただし、図109に示すように、スプロケット807の後端部が検出円盤850の中心前面部と係合した状態となっているので、スプロケット807と検出円盤850とは、回転軸808を中心として一体的に回転するようになっている。したがって、払出モータ815が回転駆動すると、その回転が第一ギア843、第二ギア844、第三ギア847、検出円盤850のギア部852を介してスプロケット807を回転するように伝達される。
この検出円盤850の外周は、ギア部852の円よりも一回り大きく形成されており、そのギア部852よりも外側に突出している外周部分には、スプロケット807の凹部と同じ数(図示の場合には、3個)の検出切欠851が形成されている。この検出切欠851は、ユニットサブ板825の表面に形成される基板取付部857に挟持支持されるセンサ基板854に設けられる投受光方式の回転角スイッチ855(回転位置検出手段)によって検出されるものである。そして、回転角スイッチ855は、払出動作時において所定のインターバル時間内に検出切欠851の検出個数を検出することにより、スプロケット807が正常に回転しているか否かを監視するためのものである。仮に、回転角スイッチ855により、異常回転が検出されたとき(多くは、スプロケット807による球噛み状態)には、スプロケット807を所定回数正逆回転させて異常状態(例えば、球噛み状態)を解消するものである。なお、実際に払いだされた球の個数は、前述した賞球通路810に設けられる計数スイッチ812によって検出して計数のために使用している。なお、図109に示すように、センサ基板854の他端辺もギアカバー866に形成される基板取付部に挟持されるようになっている。
上述したように、ギア領域840に設けられる複数のギアのうち、第二ギア844だけがギアカバー866側に圧入される回転軸845に回転自在に設けられているところ、ギア領域840を覆うギアカバー866には、ユニットベース体801に突設されてユニットサブ板825の貫通穴858を貫通する取付ボス823の先端部に対応する位置に穿設される取付穴867が形成されている。そして、ギアカバー866側に設けられる第二ギア844の歯とユニットサブ板825側に設けられる第一ギア843及び第三ギア847の歯とを噛合せながら、取付穴867と取付ボス823とを一致させた状態でギアカバー866の後面からネジ868で螺着することにより、ユニットサブ板825を挟持する状態でユニットベース体801とギアカバー866とが一体的に固定される。また、ギアカバー866の一側側面には、賞球ユニット内中継端子板830に接続される配線(例えば、賞球ユニット内中継端子板830と後述する払出制御基板1186とを接続する配線等)を掛け留めて纏める配線処理片869が突設されている。
以上、賞球ユニット800の構成について説明してきたが、ユニットベース体801とユニットサブ板825と賞球ユニット内中継端子板830と基板カバー835とギアカバー866とを組み付けた状態においては、図109に示すように、払い出すべき球が導かれる屈曲通路803の下方位置に払出モータ815の円筒状の本体部分が収納されるように位置する。また、ユニットベース体801には、球通路(屈曲通路803、賞球通路810、球抜通路811)内に配置されたスプロケット807と、球通路を避けた位置であって球通路の奥行き幅寸法内に形成されるモータ収納空間814に収納された払出モータ815と、を設け、ユニットサブ板825には、その非閉塞面側に沿って払出モータ815のモータ軸818の回転をスプロケット807の回転軸808に伝達する回転伝達部材(第一ギア843、第二,3ギア844,847、及び検出円盤850のギア部852)を設け、しかも、払出モータ815と屈曲通路803の振分空間805に配置される払出部材としてのスプロケット807とをユニットサブ板825の後面のギア領域840に設けられる複数のギア843,844,847,850(852)によって回転駆動するように連結した構造となっている。即ち、ユニットベース体801とユニットサブ板825との間に形成される球通路(屈曲通路803、賞球通路810、球抜通路811)の奥行き幅内にスプロケット807と払出モータ815とを収納し、しかも、スプロケット807と払出モータ815とを連結する回転伝達部材(第一ギア843、第二,3ギア844,847、及び検出円盤850のギア部852)をユニットサブ板825の非閉塞面側の所定幅内に沿って設けたので、球通路の外側に払出モータやスプロケットの一部を配置したものに比べて、賞球ユニット800を薄型化することができる。
また、このような賞球ユニット800は、賞球ユニット800内の球通路(屈曲通路803、賞球通路810、球抜通路811)が一条の通路形状で形成されることにより、より一層の薄型化が図られている。即ち、従来のように、払出モータ815を賞球ユニットの前面側又は後面側又は側方側に突出させるものと異なり、本体枠3の軸支側後面壁546の後面側に取付けたときに、賞球ユニット800のいずれの部分もさらに後方に向かって突出することがない構造とすることができる。なお、図109において、払出モータ815の前端部分がユニットベース体801の後面よりも僅かに突出して構成されているが、この突出部分は、図71に示すように、軸支側後面壁546の下方の払出モータ用逃げ開口部572から本体枠3の前方部分に臨むようになっているため、結果的にその突出寸法から軸支側後面壁546の板厚寸法を差し引いた寸法だけ突出する程度となり、軸支側後面壁546よりも前方に向かう突出量は僅かなものとなっている。また、このような構成をとることにより、本実施形態では、賞球ユニット800が取付けられる本体枠3の軸支側後面壁546と遊技盤4の裏面との間に、遊技盤4に設けられる遊技装置の後方突出部分を収納する収納空間を奥行き幅方向で大きくとることができる。
更に、上記のように構成される賞球ユニット800を本体枠3の軸支側後面壁546に取付けるためには、図101に示すように、鉤状係合部824と係合突片565とを対応させて位置合わせした後、賞球ユニット800の下端を係止溝573に掛け止め且つ鉤状係合部824と係合突片565とを係合させるために賞球ユニット800を軸支側後面壁546に密着させたまま下方に押下げる。このとき、賞球ユニット800の下端部と係止溝573とが係合し且つ鉤状係合部824と係合突片565とが係合しているので、取付自体は完了しているが、賞球ユニット800を上方に移動させることにより簡単に上記の夫々の係合状態が解除されてしまうため、これを防止するために、ロック用弾性爪564がボタン挿通係合穴821に係合するようになっている。
つまり、ロック用弾性爪564とボタン挿通係合穴821とが係合することにより、取付状態で賞球ユニット800の上方への移動を防止している。このように、賞球ユニット800を取付けた後に、球通路ユニット770の連結蓋部材786を前述したように回動して係止弾性爪820で係止することにより、球通路ユニット770の球落下通路772下流端と賞球ユニット800の屈曲通路803の上流端とを一対の通路壁790によって構成される通路を介して連通化することができる。また、賞球ユニット800を取付けた状態では、賞球通路810の下流端と後に詳述する満タンユニット900の賞球入口927とが接続され、球抜通路811の下流端が球抜接続通路880の上流端と接続される。
一方、賞球ユニット800を取り外すときは、係止弾性爪820による係合を解除して連結蓋部材786を手前側に回動し、その後、着脱ボタン822を押圧してロック用弾性爪564を前面側に移動させてロック用弾性爪564とボタン挿通係合穴821との係合を解除させ、その後着脱ボタン822を押圧したままの状態で賞球ユニット800を上方に引き上げて賞球ユニット800の下端部と係止溝573との係合及び鉤状係合部824と係合突片565との係合を解除して賞球ユニット800を手前側に引き出すことにより、賞球ユニット800を簡単に取り外すことができる。
[1−3G.満タンユニット]
続いて、上記した賞球ユニット800の下流側に配置される満タンユニット900について、主として図110乃至図116を参照して説明する。図110は、賞球ユニット800と満タンユニット900との関係を示す斜視図であり、図111は、満タンユニット900の斜視図であり、図112は、満タンユニット900の正面から見た分解斜視図であり、図113は、満タンユニット900の背面から見た分解斜視図であり、図114は、満タンユニット900とファール口610との関係を示す一部破断斜視図であり、図115は、満タンユニット900に設けられる底面揺動板907部分で切断した横断面図であり、図116は、満タンユニット900とファール口610との関係を示す断面図である。
満タンユニット900は、前述したように本体枠3の満タンユニット載置部531に載置固定されるものであり、図112に示すように、上面が開放したボックス状に形成されるボックス主体901と、ボックス主体901の上面を覆う蓋体926とから構成されている。ボックス主体901は、賞球通路810の下流端から流入した球が内部をジグザグ状に誘導されて出口921から排出されるようになっている。このため、その上流部に蓋体926に形成される賞球入口927から流入した球を一端から他端に向かって側方に誘導する側方誘導通路902が形成されている。側方誘導通路902における賞球入口927の直下の一端部には、球を側方に向かって誘導するように凹円弧状に形成される側方誘導受部903が設けられ、側方誘導通路902の他端内面に側方誘導通路902を流れてきた球の衝撃を受け止めて球を下流側に誘導する緩衝部材904が設けられている。
また、側方誘導通路902の他端内面に設けられる緩衝部材904に衝突した球は、向きを下流側に変えた後、側方誘導通路902の球の流れと逆方向に流れるように誘導される逆側方誘導通路905が形成されている。逆側方誘導通路905を流れた球は、その後、前方に向かって形成される前方誘導通路920に導かれて前方誘導通路920の流下端に形成される出口921から前述した皿ユニット300の賞球連絡樋343に導かれる。
ところで、逆側方誘導通路905の上流側の底面には、その底面の全域に亘って開口する底面開口906が形成され、その底面開口906を底面揺動板907が揺動自在に閉塞している。底面開口906は、上面が開放された略正方形の凹状に形成され、その内部の正面から見て前後方向の側壁に一対の軸支突起911が突設されている。また、底面開口906の凹状の底面にバネ913の下端を位置決めするための円形状のバネ載置凹部912が形成されている。一方、底面開口906を閉塞する底面揺動板907は、略正方形状に形成され、その裏面下流側に正面から見て軸支突起911に嵌合することにより軸支される半円形状の軸受部908が突設形成されている。
また、底面揺動板907の裏面中央には、図115に示すように、バネ913の上端が係止されるバネ係止突起910が下方に向かって突設されている。したがって、底面揺動板907は、バネ913の付勢力によりその上流側が常に上方へ揺動された方向に付勢されている。そして、バネ913は、通常の賞球の払出個数(例えば、15個)が一度に底面揺動板907上に載置したときでも底面揺動板907が下方に揺動せず、賞球の払出個数以上の所定個数の球が底面揺動板907上に載置したときに下方に揺動するようなバネ係数を有するバネ部材によって形成されている。更に、底面揺動板907の上流側に検出突片909が前方に向かって突出されている。この検出突片909は、底面揺動板907の軸受部908を軸支突起911に嵌合軸支したときに、連通孔929を貫通して次に説明するスイッチ収納空間914に位置するようになっている。
また、逆側方誘導通路905の上流端部の側壁の外側には、満タンスイッチ916を収納するためのスイッチ収納空間914が一体的に形成されている。スイッチ収納空間914に満タンスイッチ916を取付けるために、スイッチ収納空間914の上部であって逆側方誘導通路905の上流端部の側壁の外側面にスイッチ取付部918が形成され、そのスイッチ取付部918に満タンスイッチ916を保持するスイッチホルダ915の取付片917がネジ919によって止着されている。満タンスイッチ916は、投光器と受光器とからなるスイッチとして構成され、その受光器と投光器との間を検出突片909が上下に揺動することによりON・OFFを検出するものである。
更に、逆側方誘導通路905の下流側の一側方にファール球通路922が形成されている。ファール球通路922は、その上流側のファール球入口923が図114に示すように、前述したファール口610に連通し、その下流側が前方誘導通路920の上流側に連通するように屈曲して形成されている。このため、ファール口610に取り入れられたファール球は、ファール球入口923から屈曲したファール球通路922を通って前方誘導通路920に導かれ、さらに出口921及び賞球連絡樋343を通って皿ユニット300に戻される。
また、ボックス主体901には、出口921の両側方とファール球入口923の一側方に満タンユニット載置部531に形成されるユニット係合溝532に係合される係合片924が突設されると共に、蓋体926に形成される掛止片928と係合する掛止突起925が形成されている。この掛止突起925は、ボックス主体901の左右後方の側壁上部に適宜形成されている。
一方、蓋体926は、ボックス主体901の側方誘導通路902、逆側方誘導通路905、前方誘導通路920、及びファール球通路922の上面を覆うような板形状に形成され、側方誘導通路902に上流端に対応する位置に正方形状の賞球入口927が開口されている。また、蓋体926の周囲には、ボックス主体901の掛止突起925と係合するための掛止片928が下方に向かって突設されている。
上記のように構成される満タンユニット900においては、図110に示すように、賞球ユニット800の賞球通路810から払出された球が賞球入口927から側方誘導通路902の上流側に入って側方誘導受部903によって側方に向かって誘導されて緩衝部材904に衝突する。緩衝部材904に衝突した球は、そのまま下流側に向かって逆側方誘導通路905を側方誘導通路902の誘導方向と逆方向に誘導されて前方誘導通路920に導かれ、前方誘導通路920の出口921から賞球連絡樋343を通って皿ユニット300に導かれる。また、ファール球入口923から入ったファール球も屈曲したファール球通路922によって球の勢いを弱められて前方誘導通路920に合流し、前方誘導通路920の出口921から賞球連絡樋343を通って皿ユニット300に導かれる。
そして、通常時、満タンユニット900内を球が自然に流れているときには、側方誘導通路902から逆側方誘導通路905に球が移動する際に、底面揺動板907に落下するが、通常の賞球の払出個数程度では、バネ913の弾発力が強いので、底面揺動板907が揺動することがなく、図115の実線で示すように、検出突片909が投受光方式の満タンスイッチ916の投光器と受光器との間に入ってスイッチが導通しない状態(OFF)となっている。これに対し、皿ユニット300に賞球が貯留されて満タンユニット900内にも球が充満してきたときには、前方誘導通路920及び逆側方誘導通路905の上流側の全域に形成される底面揺動板907上に貯留された球の圧力により底面揺動板907がバネ913の付勢力に抗して下方に揺動し、図115の二点鎖線で示すように、検出突片909が投受光方式の満タンスイッチ916の投光器と受光器との間から外れてスイッチが導通した状態(ON)となる。満タンスイッチ916がONすると、賞球ユニット800の払出モータ815の回転駆動が停止(所定個数の賞球を払出している最中にON信号が導出された場合には、その所定個数の賞球が払出されてから停止)するようになっている。
上記したように、満タンユニット900においては、球が流下する通路(図示の場合には、逆側方誘導通路905)の通路底面の幅と略同じ幅の底面揺動板907によって満タンスイッチ916を作動させるようにすると共に、通常時の球の流れによって揺動せずある程度の球が載置したときに底面揺動板907揺動するように付勢部材(バネ913)で付勢したので、従来のように一部の通路の底面等に球が載置したことにより球詰まりを検出するものに比べて、その一部の通路部分における球の載置が球詰まりによって検出されない事態を確実に防止することができる。このことは、球の満タンを確実に検出することができるものである。
また、本実施形態に係る満タンユニット900においては、本体枠3の満タンユニット載置部531に着脱自在に取付けるものであるため、従来のように、満タン装置を本体枠に形成された払出通路の内部に組み付けるものに比べて、本体枠に満タン構造のための通路を形成する必要がない。また、満タンユニット900の内部をジグザグ状の通路とすることにより、賞球ユニット800の賞球通路810から払出された球の勢いを弱めながら皿ユニット300に誘導することができるので、払い出された賞球が皿ユニット300から外に飛び出すこともない。更に、本実施形態に係る満タンユニット900は、ファール球を導くファール球通路922が賞球を払い出す前方誘導通路920の途中に球の勢いを弱めて合流するようになっているので、賞球の流れを阻害することなくファール球を合流させることができる。
[1−4.錠装置]
次に、本体枠3の開放側の裏側端辺に沿って垂直方向に取付けられる錠装置1000について主として図117乃至図125を参照して説明する。図117は、錠装置1000と本体枠3との関係を示す背面斜視図であり、図118は、錠装置1000の本体枠3への掛け止め構造を示す拡大側方断面図であり、図119は、パチンコ機1の縦方向中央よりやや下方の位置で水平方向に切断した一部断面図であり、図120は、錠装置1000と本体枠3の側壁540,541との詳細な関係を示す拡大断面図であり、図121は、錠装置1000の側面図(A)、前面側から見た斜視図(B)であり、図122は、錠装置1000の背面側から見た斜視図(A)、錠装置1000のコ字状基体1001の内部に摺動自在に設けられる扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050の斜視図(B),(C)であり、図123は、錠装置1000の分解斜視図であり、図124は、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050の作用を説明するための正面図であり、図125は、不正防止部材1023,1032の作用を説明するための正面図である。
錠装置1000は、本体枠3の開放側の第一側面壁540に沿って本体枠3の略上端から下端にかけて取付けられるものであり、図117に示すように、本体枠3の外周側辺と第一側面壁540の立ち上がり部との間の上下端近い部分及び中程に形成される複数(図示の場合、3個)の錠係止穴548と、第一側面壁540の垂直面の上部と中程に切り欠けられて形成される錠取付穴547とシリンダ錠貫通穴526の上部近傍に形成される錠取付穴547と、によって次に説明する錠装置1000のコ字状基体1001が支持固定されるものである。そこで、以下、錠装置1000の構造について詳細に説明する。
図121乃至図123に示すように、錠装置1000は、断面コ字状に形成される錠基体としてのコ字状基体1001と、コ字状基体1001内に摺動自在に設けられる扉枠用摺動杆1040と、コ字状基体1001内に摺動自在に設けられる本体枠用摺動杆1050と、本体枠用摺動杆1050の摺動を不正に行うことができないようにコ字状基体1001の下部に取付けられる不正防止部材1023,1032と、からなる。
コ字状基体1001は、金属を断面コ字状となるように折り曲げ、その内部に扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とを摺動可能に設けるものであるが、その横幅寸法は従来の断面L字状に成形された基体に集約される錠装置に比べて極めて薄いものとなっている。これは、前述したように遊技盤4の左右方向及び上下方向の大きさを極めて大きくすると共に、本体枠3の側面壁540〜543で囲まれる空間を大きくしたため、側面壁540と本体枠3の外周辺との間の寸法が極めて小さくなっていることにより、本実施形態に係る錠装置1000の横幅寸法を小さく形成して錠装置1000を本体枠3の裏側に取付けることができるような取付構造として改良したためである。そして、コ字状基体1001の断面コ字状の開放側が本体枠3の裏面に対面するように取付けられるため、錠装置1000が本体枠3に取付けられた状態では、内部に設けられる扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とが、夫々のフック部1041、1054,1065を除いてコ字状基体1001に完全に被覆された状態の不正防止構造となっている。
まず、コ字状基体1001の開放側と反対の閉塞側上下に本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065が貫通される長方形状のフック貫通開口1002が開設されると共に、閉塞側であって第一側面壁540と密着する側面1001b(図123を参照)上部と中程に水平方向にビス止め部1003が突設され、更に、開放側の第一側面壁540と密着しない側面1001a(図123を参照)の上端部及び中間部と、開放側の両側面1001a,1001bの下端部に係止突起1004が突設形成されている。
このビス止め部1003と係止突起1004は、錠装置1000を本体枠3の裏面に取付けるためのものであり、係止突起1004を本体枠3の錠係止穴548に差し込んで上方に移動させ(図118を参照)、その状態でビス止め部1003と錠取付穴547とが一致するため、その一致した穴に図示しないビスを螺着することにより、錠装置1000を本体枠3に強固に固定することができる。なお、錠装置1000のビスによる取付けは、上部と中程のビス止め部1003だけではなく、後述する錠取付片1008に形成されるビス止め部1003とシリンダ錠貫通穴526の上方近傍に形成される錠取付穴547とを対応させて図示しないビスで止着することにより、錠装置1000の下方も取付けられるようになっている。
また、その取付けに際し、コ字状基体1001の開放側(前方部)の上中下の3箇所に形成される係止突起1004を錠係止穴548に差し込んで位置決め係止し、コ字状基体1001の閉塞側(後方部)の上中の2箇所に形成されたビス止め部1003及びコ字状基体1001の開放側(前方部)に形成されたビス止め部1003を錠取付穴547にビスで固定する構造であるため、錠装置1000の前方部を係止突起1004と錠係止穴548で係止し、錠装置1000の後方部をビス止め部1003と錠取付穴547で固定し且つ錠装置1000の下方部をビス止め部1003と錠取付穴547で固定するので、極めて簡単な構造で錠装置1000を本体枠3に強固に固定することができるものである。
換言すると、錠装置1000を極めて横幅寸法の薄いコ字状基体1001に集約して構成した場合でも、錠装置1000の前方部と後方部との係止及び固定により、錠装置1000を本体枠3に強固に固定することができるものである。特に、本実施形態の場合には、前方部の係止構造(固定構造でもよい)を構成する係止突起1004がコ字状基体1001の第一側面壁540と密着しない側面1001aに突設形成される一方、後方部の固定構造を構成するビス止め部1003及びビス止め部1003がコ字状基体1001の第一側面壁540と密着する側面1001bから水平方向に突設形成される構造であるため、前方部の係止構造が第一側面壁540と密着する側面1001bに形成される場合に比べて、ガタ付きが生じないように錠装置1000を本体枠3に固定することができるものである。
また、コ字状基体1001の両側面1001a,1001bの上部、中程、下部に挿通穴1005が形成され、コ字状基体1001に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を収納した状態で挿通穴1005にリベット1006を差込んでかしめることにより、コ字状基体1001の内部に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を摺動自在に取付けることができる。即ち、扉枠用摺動杆1040の上中下の3箇所に形成されるリベット用長穴1042と本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051及び下フック部材1052に夫々1つずつ形成されるリベット用長穴1055,1061にリベット1006を貫通させることにより、扉枠用摺動杆1040が上方に移動できるようにし、本体枠用摺動杆1050が下方に移動できるようになっている。したがって、図122(B)に示すように本体枠用摺動杆1050のリベット用長穴1055,1061の下端部にリベット1006が貫通しており、図122(C)に示すように扉枠用摺動杆1040のリベット用長穴1042の上端部にリベット1006が貫通している。
更に、コ字状基体1001の下方部には、その閉塞側面に不正防止切欠部1007が形成されると共に、その開放側の本体枠3の第一側面壁540と密着する側面1001bの前端部にシリンダ錠1010を取付けるための錠取付片1008が側方に向かって突設され、更に、第一側面壁540と密着する側面1001bに挿入縦開口1020、バネ係止片1021、及び逃げ横穴1022が夫々形成されている。不正防止切欠部1007は、後に説明する第一不正防止部材1023のストッパー片部1027が進退するようになっている。この点については、後に詳述する。また、錠取付片1008は、錠装置1000を本体枠3の裏面に取付けた状態で、遊技盤設置凹部510の下端辺よりも下方の位置となるようにコ字状基体1001の側面1001bの前端部から側方に向かって突設されるが、この錠取付片1008には、シリンダ錠1010が貫通する錠挿通穴1009が形成されると共にシリンダ錠1010の錠取付基板1011に形成される取付穴1013をビス1012で取付けるための取付穴1014が上下2箇所に穿設され、更に、錠装置1000の下部を本体枠3の裏面に取付けるためのビス止め部1003が穿設されている。
また、挿入縦開口1020は、シリンダ錠1010に固定される係合カム1016の第一係合突片1017及び第二係合突片1018がシリンダ錠1010の回動時に侵入するための開口であり、バネ係止片1021は、不正防止部材1023,1032に設けられるバネ1035が係止されるものであり、逃げ横穴1022は、連結ピン1034の移動の邪魔をしないように逃げ穴を構成するものである。この点については後に詳述する。
上記した錠取付片1008に取付けられるシリンダ錠1010について説明すると、シリンダ錠1010は、錠取付基板1011の前方に円筒状のシリンダ錠本体が固定され、そのシリンダ錠本体の錠軸1015が錠取付基板1011より後面に出ており、その錠軸1015の後端に係合カム1016がビス1019によって固定されている。係合カム1016は、ブーメラン形状に形成され、その一端辺が回動時に本体枠用摺動杆1050の下降係合穴1062に係合する第一係合突片1017となっており、その他端辺が回動時に扉枠用摺動杆1040の上昇係合穴1045に係合する第二係合突片1018となっている。そして、上記のように構成されるシリンダ錠1010は、円筒状のシリンダ錠本体部分を錠挿通穴1009に挿通して錠取付基板1011の上下2箇所に形成される取付穴1013と錠取付片1008の取付穴1014とを一致させてビス1012で螺着することにより、シリンダ錠1010をコ字状基体1001に固定することができる。
次に、コ字状基体1001に取付けられる不正防止部材1023,1032,について図123を参照して説明する。不正防止部材1023,1032は、シリンダ錠1010を正式な鍵で回動せずに、例えばピアノ線や針金等で不正に本体枠用摺動杆1050を下降させることを防止するためのものである。しかして、不正防止部材1023,1032は、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とを連結ピン1034で連結した構造となっている。第一不正防止部材1023は、上端の揺動軸穴1025を中心にして揺動自在に構成される縦長の板状に形成され、その揺動軸穴1025を前述したコ字状基体1001の内部に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を摺動自在に取付けるための挿通穴1005及びリベット1006のうち、最下方の挿通穴1005及びリベット1006によって取付けられる。
また、第一不正防止部材1023には、その板状面に挿入縦開口1020と重複する縦長な突片挿入穴1026が開設され、この突片挿入穴1026に第二係合突片1018が挿入し得るようになっている。つまり、突片挿入穴1026と挿入縦開口1020を第二係合突片1018が貫通することにより、コ字状基体1001の内部に設けられる扉枠用摺動杆1040の上昇係合穴1045と第二係合突片1018とが係合するようになっている。また、第一不正防止部材1023の突片挿入穴1026における開設位置の斜め上方の外形線が傾斜部1024となっている。この傾斜部1024は、係合カム1016の回動時に第一係合突片1017の後面側と当接するもので、係合カム1016の回動時に第一係合突片1017と傾斜部1024とが当接することにより第一不正防止部材1023が揺動軸穴1025を中心として揺動(図125(B)において時計回転方向)するようになっている。
更に、第一不正防止部材1023には、突片挿入穴1026の斜め下方の外形線上にストッパー片部1027が突設され、そのストッパー片部1027の下方に規制突片1031が突設され、規制突片1031の前方部にピン穴1029と連結穴1030とが上下に形成されている。ストッパー片部1027は、本体枠用摺動杆1050の施錠時に不正防止切欠部1007及び本体枠用摺動杆1050の係合切欠部1066に侵入係合して本体枠用摺動杆1050が不正に摺動しないようにするものである。また、規制突片1031は、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とはバネ1035によって連結されるが、そのバネ1035で連結されたときに第二不正防止部材1032の付勢方向への移動を規制するものである。ピン穴1029は、ガイドピン1028が固定されるものであり、ガイドピン1028が第一不正防止部材1023の裏面側からピン穴1029に固定された状態で、そのガイドピン1028を挿入縦開口1020の最下端部に形成される横長状開口部に係合させることにより、第一不正防止部材1023をコ字状基体1001の側面1001bに沿って案内するものである。更に、連結穴1030は、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とを連結ピン1034で連結するためのものである。
上記した第一不正防止部材1023に連結される第二不正防止部材1032は、逆「て」字状の板材で形成され、その上部一端に連結穴1033が形成され、その上部他端にバネ係止穴1036が穿設され、下方端部に当接部1037が設けられている。連結穴1033は、第一不正防止部材1023の連結穴1030と一致させて連結ピン1034で連結するためのものであり、バネ係止穴1036は、一端がコ字状基体1001のバネ係止片1021に係止されるバネ1035の他端を係止するものである。また、当接部1037は、本体枠3の閉鎖時に外枠2の内側下部に固定される閉鎖用突起41と当接するものである。なお、上記した第一不正防止部材1023及び第二不正防止部材1032の作用については、後に詳述する。
なお、図123に示すように、コ字状基体1001の下端には、板状の閉鎖部材1038が配置されており、閉鎖部材1038によってコ字状基体1001の下端が閉鎖されることで、コ字状基体1001の下側から針金等をコ字状基体1001内に挿入して不正行為が行われるのを防止することができるようになっている。この閉鎖部材1038は、長手方向の両端から上方へ延出する係止部を備えており、それら係止部がコ字状基体1001における下側のフック貫通開口1002及び係止突起1004に係止されることで、コ字状基体1001の下端に取付けられるようになっている。
次に、コ字状基体1001の内部に摺動自在に設けられる扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050について説明する。まず、扉枠用摺動杆1040は、縦長の金属製の板状部材から構成され、その一側縦辺の上中下の3箇所に扉枠用フック部1041が前方に向かって一体的に突設されている。この扉枠用フック部1041は、コ字状基体1001内に収納したときに、その開放側から前方に突出しているもので、錠装置1000を本体枠3の裏面に固定したときに、本体枠3に形成される扉用フック穴549(図67及び図68を参照)から前方に突出し、扉枠5の裏面に形成されるフックカバー158(図18を参照)に係止するものである。なお、扉枠用フック部1041は、下向きの係合爪形状となっているため、扉枠用摺動杆1040を上昇させることにより扉枠用フック部1041とフックカバー158との係止状態を解除することができる。
また、扉枠用摺動杆1040の上中下の側面中央に、リベット1006が挿通される縦長のリベット用長穴1042が形成され、複数のリベット用長穴1042のうち、最上部のリベット用長穴1042の下方及び扉枠用摺動杆1040の最下端にガイド突起1043が突設されている。リベット用長穴1042は、コ字状基体1001の挿通穴1005に挿通されるリベット1006が貫通されるものであり、しかも、このリベット1006が扉枠用摺動杆1040の上昇動作を邪魔しないように縦長に形成されている。そして、通常状態においては、リベット用長穴1042の上端部にリベット1006が貫通当接した状態となっている。また、ガイド突起1043は、本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051及び下フック部材1052に形成される突片移動穴1056,1064に挿通されるものであり、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050との相互の摺動動作を案内するようになっている。
また、扉枠用摺動杆1040の上端部にスプリングフック部1046が形成され、このスプリングフック部1046にスプリング1048の一端が係止され、そのスプリング1048の他端が本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051に形成されるスプリングフック部1057に係止される。これにより、扉枠用摺動杆1040が下方向に、本体枠用摺動杆1050が上方向に、夫々相互に付勢されている。扉枠用摺動杆1040の中程には、当接弾性片1047が凸状に形成されている。この当接弾性片1047は、扉枠用摺動杆1040の一側側面からプレスで打ち出して凸状に形成したものであり、コ字状基体1001の内側面に当接して内部で扉枠用摺動杆1040がガタつかないようにするものである。
更に、扉枠用摺動杆1040の下方部分の側面には、共に縦長な遊び穴1044と上昇係合穴1045とが形成されている。遊び穴1044は、係合カム1016の第一係合突片1017が差し込まれて回動するときに、その回動動作の邪魔にならないように第一係合突片1017の先端部が移動しえる空間を構成するものである。また、上昇係合穴1045は、係合カム1016の第二係合突片1018が差し込まれて回動するときに、その回動動作によって扉枠用摺動杆1040が上昇するように係合するためのものである。なお、扉枠用摺動杆1040の縦辺下部後方には、不正防止切欠部1007よりも上下方向に大きな切欠である逃げ切欠部1049が形成されている。この逃げ切欠部1049は、第一不正防止部材1023のストッパー片部1027を確実に不正防止切欠部1007及び係合切欠部1066に係合させるために邪魔しないように形成されるものである。
一方、本体枠用摺動杆1050は、金属板製の上フック部材1051と、金属板製の下フック部材1052と、上フック部材1051と下フック部材1052とを連結する連結線杆1052と、から構成されている。つまり、本体枠用摺動杆1050は、従来のように1つの金属製の縦長板で構成されているわけではなく、フック部1054,1065を有する上フック部材1051と下フック部材1052とを金属製の板材をプレスで形成し、その金属製の上フック部材1051と下フック部材1052とを細い金属製の連結線杆1053で連結したものである。このため、狭いコ字状基体1001の空間に扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とを効率よく収納することができる。
ところで、上フック部材1051には、その上端部に後方に向かってフック部1054が突設され、その板面部にリベット用長穴1055と突片移動穴1056とが形成され、また、その前方の縦辺下端部にスプリングフック部1057と連結穴1058とが形成され、さらに、その上辺及び下辺に当接部1059が形成されている。フック部1054は、コ字状基体1001の上方のフック貫通開口1002を貫通して外枠2の開放側内側の上部に設けられる閉鎖用突起38に係合するもので上向きに係止爪部が形成されている。
このリベット用長穴1055は、扉枠用摺動杆1040の上部に形成されるリベット用長穴1042に対応するものであり、このリベット用長穴1055にリベット1006が貫通された通常の状態では、リベット1006がリベット用長穴1055の最下端部を貫通した状態となっている。これにより、上フック部材1051が下方に向かって移動することができるようになっている。突片移動穴1056は、前述したように扉枠用摺動杆1040の上方のガイド突片1043が挿入されて、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050との相互の移動を案内するようになっている。スプリングフック部1057は、前述したようにスプリング1048の他端が係止されるものである。また、連結穴1058は、連結線杆1053の上端が折り曲げられて挿入されるものである。更に、当接部1059は、コ字状基体1001に収納されたときに、コ字状基体1001の内部側壁に当接して上フック部材1051の摺動動作においてガタつきがなくスムーズに行われるようにするためのものである。
一方、下フック部材1052には、その下端部に後方に向かってフック部1065が突設され、その板面部の上方から下方にかけてリベット用長穴1061と下降係合穴1062と遊び穴1063と突片移動穴1064とが順次形成され、また、その前方の縦辺上端部に連結穴1060が、その後方の縦辺下部に係合切欠部1066が夫々形成され、さらに、その上辺及び下辺に当接部1067が形成されている。フック部1065は、コ字状基体1001の下方のフック貫通開口1002を貫通して外枠2の開放側内側の下部に設けられる閉鎖用突起41に係合するもので上向きに係止爪部が形成されている。リベット用長穴1061は、扉枠用摺動杆1040の下部に形成されるリベット用長穴1042に対応するものであり、このリベット用長穴1061にリベット1006が貫通された通常の状態では、リベット1006がリベット用長穴1061の最下端部を貫通した状態となっている。
これにより、下フック部材1052が下方に向かって移動することができるようになっている。下降係合穴1062は、係合カム1016の第一係合突片1017が差し込まれて回動するときに、その回動動作によって本体枠用摺動杆1050が下降するように係合するためのものである。また、遊び穴1063は、係合カム1016の第二係合突片1018が差し込まれて回動するときに、その回動動作の邪魔にならないように第二係合突片1018の先端部が移動し得る空間を構成するものである。突片移動穴1064は、前述したように扉枠用摺動杆1040の下方のガイド突片1043が挿入されて、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050との相互の移動を案内するようになっている。また、連結穴1060は、連結線杆1053の下端が折り曲げられて挿入されるものである。更に当接部1067は、コ字状基体1001に収納されたときに、このコ字状基体1001の内部側壁に当接して下フック部材1052の摺動動作においてガタつきがなくスムーズに行われるようにするためのものである。
以上、錠装置1000を構成する各部材について説明してきたが、この錠装置1000を組み付けるには、本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051と下フック部材1052とを連結線杆1053で連結し、その状態で扉枠用摺動杆1040のガイド突片1043を上フック部材1051と下フック部材1052の突片移動穴1056,1064に挿入すると共に、相互のリベット長穴1042とリベット用長穴1055,1061を位置合わせして重ね合わせ、その重ね合わせた状態で上フック部材1051のフック部1054と下フック部材1052のフック部1065とをコ字状基体1001のフック貫通開口1002に貫通させながら扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050をコ字状基体1001のコ字状の空間に挿入する。その後、挿通穴1005からリベット1006を差し込む。
この際、リベット1006がリベット用長穴1055,1061、1042を貫通するように差し込む。ただし、最下端のリベット1006を差し込むときには、第一不正防止部材1023の揺動軸穴1025にもリベット1006を差し込んで第一不正防止部材1023をコ字状基体1001に同時に取付ける必要がある。なお、第一不正防止部材1023をコ字状基体1001に取付ける前に、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とを連結ピン1034で連結し且つガイドピン1028をピン穴1029に図示しないビスで止着しておき、さらにガイドピン1028を挿入縦開口1020の最下端の開口部に挿入しておく必要がある。
更に、リベット1006で扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050をコ字状基体1001内に収納固定した状態で、スプリング1048をスプリングフック部1046,1057相互間に掛け渡し、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とを相互に反対方向に付勢し、さらに、バネ1035をバネ係止片(穴)1021,1036に掛け渡して第二不正防止部材1032が規制突片1031に当接した状態とする。その後、錠取付片1008の錠挿通穴1009にシリンダ錠1010の円筒状本体部分を挿入してシリンダ錠1010をビス1012で取付穴1014に固定する。なお、このとき係合カム1016の第一係合突片1017の先端部が傾斜部1024の外側で且つ挿入縦開口1020に僅かに挿入し、係合カム1016の第二係合突片1018の先端部が第一不正防止部材1023の突片挿入穴1026及び挿入縦開口1020に僅かに挿入した状態となるようにシリンダ錠1010を錠取付片1008に取付ける。
上記のようにして組付けた錠装置1000を本体枠3の裏面に取付けるためには、前述したように、扉枠用摺動杆1040の扉枠用フック部1041を本体枠3に形成される扉用フック穴549に差し込みながら、鉤型に突出する係止突起1004を本体枠3の錠係止穴548に差し込んで上方に移動させ、その状態で水平方向に突出したビス止め部1003及びビス止め部1003を錠取付穴547に一致させ、その一致した穴に図示しないビスを螺着することにより、図117に示すように、錠装置1000を本体枠3の裏面に強固に固定することができる。特に、本実施形態の場合には、前方部の係止構造を構成する係止突起1004がコ字状基体1001の第一側面壁540と密着しない側面1001aに突設形成される一方、後方部の固定構造を構成するビス止め部1003及びビス止め部1003がコ字状基体1001の第一側面壁540と密着する側面1001bから水平方向に突設形成される構造であるため、前方部の係止構造が第一側面壁540と密着する側面1001bに形成される場合に比べて、ガタ付きが生じないように錠装置1000を本体枠3に固定することができるものである。
ところで、本体枠3の裏面に取付けられた錠装置1000の作用について図124及び図125を参照して説明する。まず、図124を参照して本体枠3の開閉動作と扉枠5の開閉動作について説明する。本体枠3が外枠2に対して閉じ且つ扉枠5が本体枠3に対して閉じている状態においては、図124(A)に示すように、外枠2の閉鎖用突起38,41と本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065とが係止し且つ扉枠用摺動杆1040の扉枠用フック部1041と扉枠5のフックカバー158とが係止した状態となっている。その状態でシリンダ錠1010に図面示しない鍵を差し込んで係合カム1016の第一係合突片1017が挿入縦開口1020内に侵入する方向に回動すると、図124(B)に示すように、第一係合突片1017の先端が本体枠用摺動杆1050の下降係合穴1062に係合してスプリング1048の付勢力に抗して下フック部材1052を下方に押下げ、これと連結されている連結線杆1053と上フック部材1051も押下げられて下降する。このため、外枠2の閉鎖用突起38,41と本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065とが係止状態が解除されるため、本体枠3を前面側に引くことにより本体枠3を外枠2に対して開放することができる。
なお、本体枠3を閉じる場合には、フック部1054,1065がスプリング1048の付勢力により上昇した状態(図124(A)に示す状態と同じ上昇した位置)となっているが、フック部1054,1065の上辺が外側に向かって下り傾斜しているため、強制的に本体枠3を外枠2に対して押圧することにより、フック部1054,1065の上辺傾斜部が閉鎖用突起38,41の下端部と当接するので、本体枠用摺動杆1050が下方に下降し、遂には、フック部1054,1065の上向き爪部と閉鎖用突起38,41とが再度係止した状態となって本体枠用摺動杆1050が上昇して係止状態に戻る。
一方、シリンダ錠1010に図示しない鍵を差し込んで係合カム1016の第二係合突片1018が挿入縦開口1020内に侵入する方向に回動すると、図124(C)に示すように、第二係合突片1018の先端が扉枠用摺動杆1040の上昇係合穴1045に係合してスプリング1048の付勢力に抗して扉枠用摺動杆1040を上方に押し上げ上昇する。このため、扉枠5のフックカバー158と扉枠用摺動杆1040の扉枠用フック部1041とが係止状態が解除されるため、扉枠5を前面側に引くことにより扉枠5を本体枠3に対して開放することができる。
なお、扉枠5を閉じる場合には、扉枠用フック部1041がスプリング1048の付勢力により下降した状態(図124(A)に示す状態と同じ下降した位置)となっているが、扉枠用フック部1041の下辺が外側に向かって上り傾斜しているため、強制的に扉枠5を本体枠3に対して押圧することにより、扉枠用フック部1041の下辺傾斜部がフックカバー158の上端部と当接するので、扉枠用摺動杆1040が上方に上昇し、遂には、扉枠用フック部1041の下向き爪部とフックカバー158とが再度係止した状態となって扉枠用摺動杆1040が下降して係止状態に戻る。なお、本実施形態における扉枠用摺動杆1040は、コ字状基体1001の全長と略同じ長さに形成されると共に、そのコ字状基体1001が本体枠3の縦方向の側面の略全長に亘って取付けられ、しかも、扉枠5との係止部である扉枠用フック部1041が扉枠用摺動杆1040の上端部、中央部、下端部の3箇所に形成されているため、扉枠5と本体枠3の縦方向の全長における施錠が確実に行われ、扉枠5と本体枠3との間を無理やりこじ開けてその間からピアノ線等の不正具を挿入する不正行為を行うことができないという利点もある。
上記したように、本実施形態に係る錠装置1000は、シリンダ錠1010に差し込んだ鍵を一方向に回動することにより、外枠2に対する本体枠3の施錠を解除し、他方向に回動することにより、本体枠3に対する扉枠5の施錠を解除することができる。この場合、シリンダ錠1010に鍵を差し込むことなく本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065にピアノ線等を引っ掛けてこれを下降させる不正行為が行われることがあるが、本実施形態においては、このような不正行為を行うことができないようになっている。このような不正行為を防止する構造の第一番目が第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とから構成されるロック機構であり、第二番目の不正防止構造がコ字状基体1001の閉鎖空間に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050が収納される構造である。
まず、第一番目の不正防止構造であるロック機構の作用について図125を参照して説明する。まず、外枠2と本体枠3とが閉じている状態においては、図125(A)に示すように、外枠2の閉鎖用突起41と第二不正防止部材1032の当接部1037とが当接した状態となっている。この状態においては、バネ1035の付勢力により第一不正防止部材1023が反時計方向に回動してストッパー片部1027が不正防止切欠部1007内に侵入し、ストッパー片部1027が不正防止切欠部1007に対応する位置にある本体枠用摺動杆1050の下フック部材1052に形成される係合切欠部1066と係合した状態となっている。このため、本体枠用摺動杆1050にピアノ線等を引っ掛けて引き降ろそうとしても、ストッパー片部1027と係合切欠部1066とが係合しているので、本体枠用摺動杆1050を不正に下方に引き降ろすこと(解錠すること)が不能となり、本体枠3を開放するという不正行為を行うことができない。
一方、シリンダ錠1010に鍵を差し込んで正規に本体枠3を開錠する場合には、図125(B)に示すように、鍵を回動させることにより係合カム1016の第一係合突片1017が挿入縦開口1020内に侵入するように回動される。この第一係合突片1017の回動時に、第一不正防止部材1023の傾斜部1024と第一係合突片1017の側面とが当接するため、第一不正防止部材1023が揺動軸穴1025を中心として図示の時計回転方向に回転を始め、ストッパー片部1027も不正防止切欠部1007から退避するように移動する。このため、ストッパー片部1027と係合切欠部1066との係合が解除された状態となる。このとき、第二不正防止部材1032は、バネ1035を伸ばして当接部1037が後退した位置となっている。この状態でさらに係合カム1016を回動させて第一係合突片1017も回動させると、第一係合突片1017の先端が下フック部材1052の下降係合穴1062に係合して本体枠用摺動杆1050の全体を下降させるので、フック部1054,1065と外枠2の閉鎖用突起38,41との係止状態が解除されて本体枠3を外枠2に対して開放することができる。
なお、本体枠3を外枠2に対して閉じるときには、第二不正防止部材1032は、規制突片1031に当接した状態となっているため、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032との位置関係は、図125(A)に示す状態と略同じ位置関係になっている。この状態で本体枠3を閉めると、外枠2の閉鎖用突起41と第二不正防止部材1032の当接部1037とが正面から当接し、最終的に図125(A)に示す状態となる。このため、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とが本体枠3を閉じるときに邪魔になることはない。また、本実施形態においては、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とが本体枠用摺動杆1050の下降動作だけが不正に行われないように防止しているのは、本体枠用摺動杆1050を不正に解放すれば、解放後に扉枠用摺動杆1040を手動で簡単に開けることができることと、ピアノ線等で摺動杆を上昇させる不正行為は事実上行い難いという理由により、本体枠用摺動杆1050に対する不正操作ができないように工夫されている。
また、上記した第一番目の不正防止構造であるロック機構であっても、第一不正防止部材1023をピアノ線等で揺動させることにより、ロック機構の機能を無力化することも不可能ではない。そこで、万一ロック機構のロック機能が不正な行為により無力化される場合を想定すると、本実施形態においては、錠装置1000が本体枠3に取付けられた状態では、内部に設けられる扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とが、夫々のフック部1041、1054,1065を除いてコ字状基体1001の閉鎖空間に収納されて完全に被覆された状態となっているので、ピアノ線等を差し込んでコ字状基体1001の閉鎖空間の内部に設けられる本体枠用摺動杆1050を引き下げようとしても、コ字状基体1001の両側面1001a,1001bによって不正具の閉鎖空間への侵入が阻止されるため、不正行為を簡単に行うことができない構造となっている。
以上、詳述したように、本実施形態に係る錠装置1000は、その横幅寸法が従来のL字状基体に集約される錠装置に比べて極めて薄いコ字状基体1001の内部に扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とを摺動可能に設け且つ錠装置1000を操作するためのシリンダ錠1010のコ字状基体1001への取付位置を遊技盤の下端辺よりも下方となる位置としたので、遊技盤4の左右方向及び上下方向の大きさを極めて大きくすると共に、本体枠3の側面壁540〜543で囲まれる空間を大きくしても、錠装置1000を本体枠3の裏側に強固に取付けることができる。そして、断面コ字状の開放側が本体枠3の裏面に対面するように取付けられるため、錠装置1000が本体枠3に取付けられた状態では、内部に設けられる扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とが、夫々のフック部1041、1054,1065を除いてコ字状基体1001に完全に被覆された状態となっているので、ピアノ線等を差し込んで内部に設けられる本体枠用摺動杆1050を引き下げる等の不正行為を簡単に行うことができない。
また、錠装置1000の取付けに際し、コ字状基体1001の開放側(前方部)の上中下の3箇所に形成される係止突起1004を錠係止穴548に差し込んで位置決め係止し、コ字状基体1001の閉塞側(後方部)の上中下の3箇所に形成されたビス止め部1003及びビス止め部1003を錠取付穴547にビスで固定する構造であるため、錠装置1000の前方部を係止突起1004と錠係止穴548で係止し、錠装置1000の後方部をビス止め部1003及びビス止め部1003と錠取付穴547で固定するので、極めて簡単な構造で錠装置1000を本体枠3に強固に固定することができるものである。
なお、上記した実施形態においては、コ字状基体1001の下方部をビス止めする構造として錠取付片1008に形成されたビス止め部1003と本体枠3のシリンダ錠貫通穴526の上部近傍に形成した錠取付穴547とを螺着する構造としたが、これに代えて、シリンダ錠1010を錠取付片1008に取付けるビス1012を利用して、ビス1012の先端が錠取付片1008を貫通して螺着される錠取付穴をシリンダ錠貫通穴526の上下に形成する構造でも良い。また、コ字状基体1001の下方部をビス止めしなくても、錠装置1000の後方部のビス止め部1003と錠取付穴547との固定だけでも、錠装置1000を本体枠3の裏面に強固に固定されることを確認している。
また、上記した実施形態においては、扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を左右の側面1001a,1001bを有するコ字状基体1001で完全に被覆するものとしたが、例えば、扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を第一側面壁540に密着しない反対側の側面1001aに摺動自在にリベット等で装着し、第一側面壁540に密着する側面1001bを省略したL字状基体(錠基体)とし、そのL字状基体(錠基体)の側面1001aと第一側面壁540とによって形成される閉鎖空間に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を収納する構造としてもよい。この場合でも、実施形態と同じような取付構造及び不正防止構造とすることができる。
[1−5.基板ユニット]
次に、本体枠3の裏面下部に取付けられる基板ユニット1100について、主として図126乃至図134を参照して説明する。図126は、基板ユニットを背面側から見た斜視図であり、図127は、基板ユニットの背面側から見た分解斜視図であり、図128は、基板ユニットを前面側から見た斜視図であり、図129は、基板ユニットの前面側から見た分解斜視図であり、図130は、基板ユニットの主体をなす枠用基板ホルダの前面側から見た正面図であり、図131は、枠用基板ホルダの背面図であり、図132は、基板ユニットの背面図であり、図133は、払出制御基板ボックス及び端子基板ボックスを取り外した状態の基板ユニットの背面図であり、図134は、基板ユニットに設けられる各基板の接続関係を示す平面図であり、図135は、基板ユニットと遊技盤との電気的な接続を示す概略図であり、図136は、払出制御基板と基板ユニットとの配線等を示すパチンコ機の背面図の一部であり、図137は、図138の断面図の断面箇所を説明するための遊技盤(ただし、この遊技盤は、図76乃至図80に示す取り外し防止機構を組み込んだ遊技盤である。)の正面図であり、図138は、図137のC−C断面図である。
基板ユニット1100は、本体枠3の裏面下部に複数形成されるホルダ用の取付穴部527(図68及び図70を参照)に取付けられるものであり、図126及び図127に示すように、合成樹脂成形された枠用基板ホルダ1101に、扉中継基板1102、電源基板ボックス1103、端子基板ボックス1104、払出制御基板ボックス1105、主ドロワ中継基板1107、及び副ドロワ中継基板1108の各種基板を取付けることにより構成されている。上記の基板のうち、扉中継基板1102、電源基板ボックス1103、端子基板ボックス1104、及び払出制御基板ボックス1105は、枠用基板ホルダ1101の後面側に前後方向に重複して取付けられ、主ドロワ中継基板1107及び副ドロワ中継基板1108は、枠用基板ホルダ1101の前面側に取付けられるものである。後述するように、電源基板1136は+34V、+18V及び+9Vを作成して供給するため極めて高温な熱源となっており、電源基板1136から発せられた熱が上昇する。このため、払出制御基板1186を収納する払出制御基板ボックス1105を電源基板ボックス1103の上面に重複して取付けることによって、その上昇する熱を受けずに済むようになっている。なお、主ドロワ中継基板1107及び副ドロワ中継基板1108は、基板カバー1109に被覆されて取付けられている。以下、基板ユニット1100を構成する各部材について詳細に説明する。
まず、枠用基板ホルダ1101は、横長状に合成樹脂で成形され、図127及び図130に示すように、その後面側一側部(図130において右側部)に配線用開口1124が形成され、配線用開口1124の内側に扉中継基板1102を取付けるための中継基板用凹部1110が形成されている。この中継基板用凹部1110は、略正方形状の扉中継基板1102の外形に合致するように正方形状の凹部として形成され、この中継基板用凹部1110内の上下辺には、扉中継基板1102の裏面を支える当接突部1113が突設されると共に、中継基板用凹部1110に扉中継基板1102を収納した状態で扉中継基板1102の一側縦辺の表面と係止する止め爪1111が形成されている。また、中継基板用凹部1110の外側寄りの上下には、電源基板ボックス1103の一端辺に形成される係合係止穴1135に係合されて図示しないビスで止着するための取付ボス1112が突設されている。
また、枠用基板ホルダ1101の後面側において、上記した中継基板用凹部1110よりも中央寄りに内部に通す配線を係止して纏めるための2つの配線処理片1114が形成されている。この配線処理片1114は、垂直面に対して側方から見たときにL字状に突出形成されるもので、その垂直面とL字状突片との間に配線を掛け止めるようになっている。更に、枠用基板ホルダ1101の中継基板用凹部1110の上部から略中央よりやや他端側に近い部分までが電源基板ボックス1103を取付けるための領域(次に説明する右側の低い領域)となっており、その上下辺に電源基板ボックス1103の裏面と当接する当接突部1115が突設されている。したがって、この電源基板ボックス取付領域に電源基板ボックス1103を当接突部1115に当接するように取付けた状態では、電源基板ボックス1103の裏面と枠用基板ホルダ1101の垂直面との間に空間が形成され、この空間内に基板相互を接続する配線が収納されることになり、この収納された配線を係止して纏めるものが2つの配線処理片1114である。
なお、電源基板ボックス1103を取付ける領域の他端辺から枠用基板ホルダ1101の他端辺(図130において左側辺)までは、後方への突出量が大きく形成されている。つまり、枠用基板ホルダ1101は、背面から見たときに、中央よりやや左側の位置で左側が高く右側が低い段差状に形成されており、その右側の低い領域が電源基板ボックス1103を取付けるための領域(以下、「電源基板ボックス取付領域」という場合がある。)となっている。そして、この電源基板ボックス取付領域の他端辺側には、電源基板ボックス1103の他端辺上下に突設される挿入突起1134が挿入される挿入口1115aが形成されている。このため、電源基板ボックス1103を取付けるためには、挿入突起1134を挿入口1115aに差し込んだ後、電源基板ボックス1103の一端辺上下に形成される係合係止穴1135を取付ボス1112に上から差し込んで図示しないビスで止着することにより、電源基板ボックス1103を枠用基板ホルダ1101に固定することができる。
更に、枠用基板ホルダ1101の背面側において、上記した段差状の高い領域は、払出制御基板ボックス1105を取付けるための領域(以下、「払出制御基板ボックス取付領域」という場合がある。)の一部を構成するものであり、この段差状の高い領域の一部には、横L字状の凹状の配線引き廻し空間1116が形成されている。この配線引き廻し空間1116の底面には、配線用開口1121(図129乃至図132を参照)が形成されており、電源基板ボックス取付領域内の2つの配線処理片1114に掛け止められた配線を配線引き廻し空間1116及び配線用開口1121から枠用基板ホルダ1101の前面側に引き出すようになっている。また、払出制御基板ボックス取付領域の他端側(図127の左端部側)には、払出制御基板ボックス1105の係合弾性片1184が係合するための係止突部1117が突設形成されている。
次に、枠用基板ホルダ1101の前面側の構成について説明すると、図128、図129、図131に示すように、枠用基板ホルダ1101の前面側の略中央には、アウト球通路1119が逆さL字状に形成されている。このアウト球通路1119は、前述したアウト口606(図78を参照)、球抜排出通路524(図68を参照)の下流側、及び落下口629(図75を参照)と対応するように上方が幅広く形成され、下流側が球を列状に排出するように幅狭く形成されている。したがって、基板ユニット1100を本体枠3に取付けたときには、図71に示すように、アウト球通路1119の幅広上流部がアウト口606の下面を支持する通路支持突起513の後方に位置するようになっている。そして、アウト球通路1119の下流端からアウト球や入賞球、あるいは球抜き球がパチンコ機の外部(一般的に、島の回収樋)に向かって放出されるものである。
また、枠用基板ホルダ1101の前面側であって払出制御基板ボックス取付領域に対応する前面側には、その上方領域に主ドロワ中継基板1107と副ドロワ中継基板1108とを横方向に所定間隔を空けて並列状に取付けるドロワ取付領域1120が形成されている。ドロワ取付領域1120には、夫々の中継基板1107,1108に形成された支持穴1204,1205が貫通されて各中継基板1107,1108を支持するためのドロワ取付ボス1118が突設されると共に、夫々の中継基板1107,1108の中間位置の上下に接合案内孔1126と案内孔1125が穿設されている。この接合案内孔1126は、図138に示すように、遊技盤4を本体枠3に装着する作業に伴って、基板ユニット1100側に設けられるドロワコネクタ1200,1202(ホルダ側コネクタ)と遊技盤4側に設けられるドロワコネクタ626,627(遊技盤側コネクタ)とが自然に接続されるように遊技盤4の盤用基板ホルダ623に形成される接合案内突起628(図78を参照)が挿入されるものである。一方、案内孔1125は、基板ユニット1100を本体枠3に取付ける際に、本体枠3に突設される案内突起525(図68及び図70を参照)が挿入されるもので、基板ユニット1100の位置決めを行うと共に装着作業の容易化を図っているものである。また、枠用基板ホルダ1101の左右両辺及び下辺には、基板ユニット1100を本体枠3に取付けるための取付片1122が外側に向かって突設され、取付片1122を本体枠3の取付穴部527(図68を参照)に対応させて図示しないビスで止着することにより、基板ユニット1100が本体枠3の背面下部に取付けられる。なお、取付穴部527は、図70に示すように、取付片1122の外形形状に合致する外周壁を有して形成されている。更に、枠用基板ホルダ1101の他端側(図128の右側)側壁の外側に、配線を係止するための配線掛止片1123が突設形成されている。
枠用基板ホルダ1101の構成は、概ね上記した通りであるが、そのような構成を有する枠用基板ホルダ1101に取付けられる各種の基板の構成について説明する。まず、枠用基板ホルダ1101の後面側の中継基板用凹部1110に装着される扉中継基板1102について説明すると、扉中継基板1102には、図127に示すように、多ピンコネクタ形式の内部接続端子1130と扉枠用接続端子1131とが設けられている。扉枠用接続端子1131は、枠用基板ホルダ1101にすべての基板を取付けた状態においても、図132に示すように、背面から見て外部から視認できるようになっており、扉枠5に設けられるランプ及びLEDからなる電飾部品やスピーカ等の扉枠用配線1212(図134を参照)が配線用開口1124を通って扉枠用接続端子1131に接続されるものである。また、内部接続端子1130は、副ドロワ中継基板1108に設けられる扉枠用コネクタ1203に内部配線1213(図134を参照)によって接続されるものである。ただし、この内部配線1213は、前述した配線処理片1114及び配線引き廻し空間1116、配線用開口1124を敷設されるように枠用基板ホルダ1101の内部に設けられている。
また、枠用基板ホルダ1101の後面側の電源基板ボックス取付領域に取付けられる電源基板ボックス1103は、電源基板1136(図133を参照)を固定するボックス主体1132と、ボックス主体1132を被覆するカバー体1133と、から構成されている。ボックス主体1132には、その一端部の上下に取付ボス1112と係合する係合係止穴1135が一体的に形成され、その他端部の上下に挿入口1115aに挿入される挿入突起1134が一体的に形成されている。また、電源基板1136のカバー体1133に被覆されない部分(図133の右側部と左下部)には、図133に示すように、電源スイッチ1137と電源線コネクタ1138とCRユニット電源コネクタ1139とアース用コネクタ1140と払出制御基板用電源コネクタ1141とが設けられている。電源スイッチ1137は、パチンコ機1の全ての電気機器に電源を供給するためのスイッチであり、パチンコ機1を使用する際にONとするものである。
また、電源線コネクタ1138は、島内に供給されている交流24V(AC24V)の電源用配線からの電源配線を接続したり、パチンコ機1に帯電したノイズ等を外部にフレームグランドとしてアースしたりするためのコネクタである。CRユニット電源コネクタ1139は、パチンコ機1に隣接されるカード式球貸器(図示しない;一般的に、CRユニットと言われている。)への電源を供給したりするためのコネクタである。アース用コネクタ1140は、パチンコ機1に設けられる帯電防止用の種々のアース線が電気的に接続されており、パチンコ機1に侵入したノイズ等を、電源線コネクタ1138を介して、外部にアースするためのコネクタである。
具体的には、扉枠5(補強板211〜214)からのノイズ等を除去するアース線がフレームグランドとしてアース用コネクタ1140aと電気的に接続され、タンクレール部材740を流下する球からのノイズ等を除去するアース線がフレームグランドFG1としてアース用コネクタ1140bと電気的に接続され、賞球ユニット800からのノイズ等を除去するアース線がフレームグランドFG1としてアース用コネクタ1140cと電気的に接続されている。これらのフレームグランドは、電源線コネクタ1138のフレームグランドと電気的に接続されており、このフレームグランドを介して、パチンコ機1の外部にアースされる。更に、払出制御基板用電源コネクタ1141には、図134に示すように、電源供給用配線1214が接続され、電源供給用配線1214が払出制御基板1186の電源用端子1192に接続されている。
そして、この電源供給用配線1214により、払出制御基板1186を介して他の制御基板(例えば、周辺基板ボックス622に収納される液晶制御基板4150や主制御基板ボックス624に収納される主制御基板4100)等に電源を供給するようになっている。なお、電源供給用配線1214は、払出制御基板用電源コネクタ1141から配線引き廻し空間1116に導かれ払出制御基板ボックス1105の裏面から後方に引き出されて電源用端子1192に接続されるようになっている。つまり、この電源供給用配線1214も枠用基板ホルダ1101の内部に敷設された状態となっている。
ところで、電源基板ボックス1103のカバー体1133の後面は、図127に示すように、段差状に形成され、その段差の高い領域が端子基板ボックス1104を取付けるための取付領域1142となっており、段差の低い領域が払出制御基板ボックス1105を取付けるための取付領域1143となっている。取付領域1143は、枠用基板ホルダ1101の前述した払出制御基板ボックス取付領域と一緒になって横長の払出制御基板ボックス1105を取付けるための取付領域を構成するものである。なお、上記した段差部の略中央には、払出制御基板ボックス1105の後述する係合片1182(図129を参照)が係合挿入される係合穴1146が形成されている。
端子基板ボックス1104を取付けるための取付領域1142を構成するカバー体1133には、端子基板ボックス1104の裏面側に形成される位置決めピン1148及び係合片部1147と夫々位置決め若しくは係合する位置決め穴1145及び取付係合穴1144が形成されている。係合片部1147は、断面L字状に形成される一方、取付係合穴1144は、幅広部と幅狭部とが連続する穴状に形成されているので、係合片部1147を取付係合穴1144の幅広部に挿入した後、一方向(図示の場合は、枠用基板ホルダ1101の中央方向)にスライド移動させることにより、L字状の係合片部1147と取付係合穴1144の幅狭部とが係合するようになっている。なお、端子基板ボックス1104の他側辺の下部に掛止片1149が突設され、端子基板ボックス1104がカバー体1133にスライド移動係合されたときに、掛止片1149が払出制御基板ボックス1105のボックス主体1180の一部と係合するようになっている。なお、この係合は、少し力を入れて端子基板ボックス1104を非係合方向にスライド移動させることにより、簡単に外れる程度の係合状態である。
また、端子基板ボックス1104には、図132に示すように、複数の外部情報端子1151と払出制御基板用端子1156とが設けられる外部端子板1150aと、度数表示器用端子1152と電源アース端子1153とCRユニット用端子1154と払出制御基板用端子1155とが設けられるCRユニット端子板1150bと、の2つの基板が上下方向に並列状に収納されている。外部端子板1150aに設けられる複数の外部情報端子1151は、大当たり情報出力信号や始動口入賞情報出力信号等のパチンコ機1の管理に必要な各種の情報信号を外部(例えば、遊技場に設置してある管理コンピュータ(ホールコンピュータ))に導出するためのコネクタであり、それらの情報信号は、主として主制御基板ボックス624に収納されている主制御基板4100から後に詳述する主ドロワ中継コネクタ1200を介して払出制御基板1186に伝送され、さらに払出制御基板1186に設けられる外部端子板用端子1188と払出制御基板用端子1156との接続により、最終的に複数の外部情報端子1151の夫々に伝達される。
CRユニット端子板1150bの度数表示器用端子1152は、パチンコ機1の、例えば皿ユニット300に設けられるプリペイドカードの残度数表示器、貸球スイッチ、及び返却スイッチとの配線が接続されるものである。また、電源アース端子1153は、2つのコネクタから構成され、一方のコネクタ(図132の左側)には電源基板1136のCRユニット電源コネクタ1139からの配線が接続され、他方のコネクタには電源基板1136の複数のアース用コネクタ1140のうちの1つのアース用コネクタ1140からの配線が接続されるものである。更に、CRユニット用端子1154は、図示しないCRユニットからの配線が接続されるものであり、払出制御基板1186のCRユニット端子板用端子1189と払出制御基板用端子1155とが接続されることにより、払出制御基板1186とCRユニットとが接続されることになる。
上記したように、端子基板ボックス1104は、主制御基板ボックス624に収納される主制御基板4100からの遊技情報を外部に導出する外部端子板1150aと、払出制御基板1186とCRユニットとの接続を中継するCRユニット端子板1150bと、の両方の基板を収納するものであり、これらは従来別々の基板ボックスに収納されてパチンコ機1の裏面に別々の位置に設けられていたが、本実施形態においては、1つの端子基板ボックス1104に纏めて枠用基板ホルダ1101に装着したものである。このため、特に、本実施形態の場合、主制御基板4100と外部端子板1150aとを直接配線で接続することなく、払出制御基板1186を介して接続した独特な構成を有するものとなっている。
次に、枠用基板ホルダ1101の払出制御基板ボックス取付領域と電源基板ボックス1103のカバー体1133に形成される取付領域1143とにわたって取付けえる払出制御基板ボックス1105について、主として図127、図129及び図132を参照して説明する。払出制御基板ボックス1105は、横長の長方形状の払出制御基板1186が図示しないビス等で固定されるボックス主体1180と、ボックス主体1180に取付けられて払出制御基板1186の表面を覆うカバー体1181と、から構成されている。
ボックス主体1180とカバー体1181とは、その一側辺(図132の右側辺)を係合させ、その他側辺(図132の左側辺)に分離切断部1183でカシメ固定している。これによってボックス主体1180とカバー体1181とを分離するためには、分離切断部1183を切断しないと分離できないようになっている。ただし、分離切断部1183におけるカシメ固定は、複数箇所(図示の場合は、1〜4の数字で示す4箇所)のうち、いずれかをカシメ部材でカシメれば良く、例えば、検査等で分離する必要がある場合には、3回まで行うことができる。もちろん、不正に分離した場合には、切断した痕跡が残ることになるので、不正行為があったか否かを直ちに知ることができる。
また、ボックス主体1180の一側短辺中央には、電源基板ボックス1103のカバー体1133に形成される係合穴1146に差し込まれる係合片1182が突設形成され、他側短辺下部には、枠用基板ホルダ1101に形成される係止突部1117に弾性係合する係合弾性片1184が形成されている。従って、払出制御基板ボックス1105を枠用基板ホルダ1101に取付けるには、係合片1182を係合穴1146に差し込んだ後、係合弾性片1184を係止突部1117に係合させることにより、簡単に取付けることができる。
そして、枠用基板ホルダ1101の払出制御基板ボックス取付領域と電源基板ボックス1103のカバー体1133に形成される取付領域1143とにわたって払出制御基板ボックス1105を取付けた状態においては、それらの取付領域1143内に払出制御基板ボックス1105が収納された状態となり左右方向にも上下方向にも移動できないように固定された状態となっている。逆に、取り外す場合には、係合弾性片1184を弾性方向と逆方向に押圧して係合弾性片1184と係止突部1117との係合を外して払出制御基板ボックス1105を引き上げながら、係合穴1146から係合片1182を引き抜くことにより、払出制御基板ボックス1105を枠用基板ホルダ1101から外すことができる。
また、上記したボックス主体1180とカバー体1181とによって被覆される払出制御基板1186には、その一側部(図132の右側部)に扉枠開放スイッチ用端子1185a、本体枠開放スイッチ用端子1185b、賞球ユニット用端子1187、外部端子板用端子1188、CRユニット端子板用端子1189、操作ハンドル用端子1194、エラーLED表示器4130、エラー解除スイッチ4131、及び球抜きスイッチ4132が設けられ、その他側下部(図132の左側部)に満タンスイッチ用端子1190、検査用出力端子1191、電源用端子1192、発射モータ用端子1193、及び内部接続端子1195が設けられている。
扉枠開放スイッチ用端子1185aは、扉枠5が本体枠3から開放されたことを検出する扉枠開放スイッチ4133からの配線が接続されるコネクタである。本体枠開放スイッチ用端子1185bは、本体枠3が外枠2から開放されたことを検出する本体枠開放スイッチ4134からの配線が接続されるコネクタである。賞球ユニット用端子1187は、前述した賞球ユニット800の中継基板480からの配線が接続される多ピンコネクタである。外部端子板用端子1188は、前述したように外部端子板1150aの払出制御基板用端子1156に接続される多ピンコネクタである。CRユニット端子板用端子1189は、前述したようにCRユニット端子板1150bの払出制御基板用端子1155に接続される多ピンコネクタである。
満タンスイッチ用端子1190は、満タンユニット900の満タンスイッチ916からの配線が接続されるコネクタである。エラーLED表示器4130は、CRユニット接続異常等のパチンコ機の状態を表示する。エラー解除スイッチ4131は、操作されるとエラーLED表示器4130に表示されているエラーに応じた解除方法の案内がサイドスピーカ121や下部スピーカ391から流れる。球抜きスイッチ4132は、操作されると賞球タンク720及びタンクレール部材740に貯留された球を排出開始する(球抜き開始する)。検査用出力端子1191は、払出制御基板1186を検査する際に検査機器に接続するためのコネクタであり、検査用の各種の出力信号を出力するための端子である。電源用端子1192は、前述したように電源基板1136の払出制御基板用電源コネクタ1141に電源供給用配線1214によって接続されるコネクタである。
発射モータ用端子1193は、打球発射装置650の発射モータ695からの配線が接続されるコネクタである。操作ハンドル用端子1194は、ハンドル装置400の操作ハンドル部410の内部に設けられるタッチセンサ420及び発射停止スイッチ422からの配線が接続されるコネクタである。内部接続端子1195は、主ドロワ中継基板1107に設けられる払出制御基板用コネクタ1201に信号電源配線1215によって接続されるコネクタである。
なお、エラー解除スイッチ4131の左方近傍には、図132に示すように、抵抗R1194a〜R1194dが配置されている。これらの抵抗R1194a〜R1194dは、操作ハンドル用端子1194に入力された各種検出信号に扉枠5(図18に示した補強板211〜214)からのノイズ等が侵入した際に、グランド(GND)が不安定にならないようにするものであり、その詳細な説明は後述する。
次に、枠用基板ホルダ1101の前面側に形成されるドロワ取付領域1120に取付ける主ドロワ中継基板1107と副ドロワ中継基板1108について説明する。図129に示すように、主ドロワ中継基板1107には、遊技盤4の裏面側に取付けられる中継端子板625に設けられる主ドロワコネクタ626(遊技盤側コネクタ:図78を参照)と接続される主ドロワ中継コネクタ1200(ホルダ側コネクタ)と、払出制御基板1186の内部接続端子1195と信号電源配線1215を介して接続される払出制御基板用コネクタ1201とが上下に設けられている。
また、副ドロワ中継基板1108には、遊技盤4の裏面側に取付けられる中継端子板625に設けられる副ドロワコネクタ627(遊技盤側コネクタ:図78を参照)と接続される副ドロワ中継コネクタ1202(ホルダ側コネクタ)と、扉中継基板1102の内部接続端子1130と内部配線1213を介して接続される扉枠用コネクタ1203とが上下に設けられている。また、主ドロワ中継基板1107及び副ドロワ中継基板1108には、各基板の左右両側に支持穴1204,1205が穿設され、支持穴1204,1205をドロワ取付領域1120に突設されるドロワ取付ボス1118に差し込むことにより、主ドロワ中継基板1107及び副ドロワ中継基板1108をドロワ取付領域1120内に位置決め支持され、その後、基板カバー1109で被覆することにより、堅固に固定される。
ところで、基板カバー1109には、主ドロワ中継基板1107に設けられる主ドロワ中継コネクタ1200及び払出制御基板用コネクタ1201と、副ドロワ中継基板1108に設けられる副ドロワ中継コネクタ1202及び扉枠用コネクタ1203とが基板カバー1109の外側に突出するための長方形状のコネクタ用開口1206,1207,1208,1209が開設され、また、基板カバー1109の裏面側に、ドロワ取付ボス1118の先端部が挿通されるピン挿通穴1210(図127を参照)が形成されると共に、左右両端に基板カバー1109を枠用基板ホルダ1101に図示しないビスで止着するための止め穴1211が形成されている。このため、主ドロワ中継基板1107及び副ドロワ中継基板1108の支持穴1204,1205をドロワ取付領域1120に突設されるドロワ取付ボス1118に差し込み、ドロワ取付ボス1118の先端部をピン挿通穴1210に挿通しながら基板カバー1109で被覆し、止め穴1211に図示しないビスで止着することにより、主ドロワ中継基板1107及び副ドロワ中継基板1108をドロワ取付領域1120内に堅固に固定することができる。
以上、基板ユニット1100の構成について説明してきたが、本実施形態の場合には、パチンコ機1を駆動制御するために必要な各種の基板のうち、遊技盤4の変更に伴って交換される主制御基板4100及び液晶制御基板4150以外の基板である扉中継基板1102、電源基板ボックス1103に収納された電源基板1136、端子基板ボックス1104に収納された外部端子基板1150、払出制御基板ボックス1105に収納された払出制御基板1186を、枠用基板ホルダ1101に予め組み付けてユニット化し、その組み付けてユニット化した基板ユニット1100を本体枠3の背面側下部に取付けるだけの簡単な作業によって、従来別々に本体枠3の背面側に取付けていた各種の基板取付作業に比べ、作業能率を向上することができる。また、この場合、基板ユニット1100にユニット化される各基板同士の配線も枠用基板ホルダ1101の内部に収めることができるので、基板同士を接続する配線が乱雑に入り乱れることがなく、整然と敷設することができる。
また、本実施形態においては、基板ユニット1100の前面に主ドロワ中継コネクタ1200(ホルダ側コネクタ)を有する主ドロワ中継基板1107と副ドロワ中継コネクタ1202(ホルダ側コネクタ)を有する副ドロワ中継基板1108とが設けられているので、図138に示すように、本体枠3に遊技盤4をその前面側から装着する作業に伴って、遊技盤4の裏面側に設けられる中継端子板625の主ドロワコネクタ626と副ドロワコネクタ627(遊技盤側コネクタ)が夫々対応する主ドロワ中継コネクタ1200と副ドロワ中継コネクタ1202(ホルダ側コネクタ)とに接続されるので、遊技盤4の装着と基板間の接続とを同時に行うことができる。このため、遊技盤4の交換作業を手際よく行うことができる。
更に、本実施形態においては、基板ユニット1100を本体枠3の裏面に固定した後に、本体枠3に設けられる各種の電気機器との配線の接続作業が必要な払出制御基板ボックス1105と、外部のCRユニットや管理コンピュータとの接続作業が必要な端子基板ボックス1104と、を基板ユニット1100の最も後方の視認し易い位置に並列状に配置する一方、外部との接続作業の必要性が少ない電源基板ボックス1103や扉中継基板1102を内部に配置しているので、複数の基板を前後方向に効率よく重複配置することができ、基板ユニット1100の大きさを最小限に設計することができる。ただし、内部に配置される電源基板ボックス1103や扉中継基板1102においても、外部に接続される端子部分は、すべて外部から視認できるようになっているので、それらの接続作業が手探りになるという問題はない。
[1−5A−1.基板ユニットと遊技盤との電気的な接続(ドロワコネクタによる接続)]
次に、基板ユニット1100と遊技盤4との電気的な接続について図135を参照して説明する。上述したように、遊技盤4側にはドロワコネクタ626,627が設けられ、基板ユニット1100側にはドロワコネクタ1200,1202が設けられている。図135(a)に示すように、遊技盤4側のドロワコネクタ626,627を基板ユニット1100側のドロワコネクタ1200,1202に挿入することで電気的に接続することができる。遊技盤4側のドロワコネクタ626,627は、図135(b)に示すように、ターミナル626a,627aを備えており、基板ユニット1100側のドロワコネクタ1200,1202は、図135(c)に示すように、コンタクト1200a,1202aを備えている。遊技盤4側のドロワコネクタ626,627を基板ユニット1100側のドロワコネクタ1200,1202に挿入すると、図135(c)に示すように、ターミナル626a,627aがコンタクト1200a,1202aを押し下げコンタクト1200a,1202aが変位する。この変位によって発生したコンタクト1200a,1202aの反発力は、ターミナル626a,627aを強く接触することで電気的な導通状態となる。
これにより、遊技盤4側のドロワコネクタ626,627と、基板ユニット1100側のドロワコネクタ1200,1202と、には、各種制御基板相互による(例えば、主制御基板4100と払出制御基板1186とによる)各種制御信号を伝える制御信号ラインが形成される。また遊技盤4側のドロワコネクタ626と、基板ユニット1100側のドロワコネクタ1200と、には、さらに、電源基板1136によって作成された各種電圧を供給する電圧供給ラインが形成される。このように、遊技盤4を本体枠3に着脱自在に装着することで、遊技盤4側のドロワコネクタ626,627と、基板ユニット1100側のドロワコネクタ1200,1202と、による制御信号ライン及び電圧供給ラインが接離自在に接続することができる。
なお、本実施形態におけるターミナル626a,627a及びコンタクト1200a,1202aは、ベローズタイプのものを採用している。ピンタイプのものでは作業時にうっかりピンに触れて曲げてしまうおそれがあるが、ベローズタイプのものではそのおそれがない。また、ターミナル626a,627a及びコンタクト1200a,1202aのメッキには摩擦係数の小さい金メッキを採用している。これにより、遊技盤4の着脱時のすべり良さ(嵌合の良さ)が確保されている。
ここで、遊技盤4を本体枠3に取付けるときに、図133に示した電源スイッチ1137を入れたままの状態で、その作業を行うと、ターミナル626aとコンタクト1200aとの接点、具体的には、各種電圧供給ライン用接点では大電流(後述する突入電流)が流れるため溶着することとなる。この溶着した状態のまま、遊技盤4を本体枠3に無理に押し込んで取付けようとすると、コンタクト1200aが折れ曲がって壊れたり、その遊技盤4を本体枠から取り外すときに、コンタクト1200aがドロワコネクタ1200から剥がれて破損したりして、ドロワコネクタ1200が使用できなくなる。
また、ターミナル626aとコンタクト1200aとが溶着すると、コネクタの破損にともない、各種制御基板が誤動作したり、各種制御基板に実装された電子部品が破損したりするおそれもある。そこで、本実施形態では、溶着を防止する回路を後述する主制御基板4100に設けて対応している。その詳細な説明については後述する。
[1−5A−2.賞球ユニットとの配線等]
次に、払出制御基板ボックス1105に収納された払出制御基板1186と賞球ユニット800との配線等について図136を参照して説明する。賞球ユニット内中継端子板830には、上述したように、計数スイッチ用コネクタ830a、払出モータ用コネクタ830b、回転角スイッチ用コネクタ830c、球切れスイッチ用コネクタ830d、アース用コネクタ830e、及び払出制御基板用コネクタ830fが設けられている。
計数スイッチ用コネクタ830aは計数スイッチ812からの配線が接続され、払出モータ用コネクタ830bは払出モータ815からの配線が接続され、回転角スイッチ用コネクタ830cは回転角スイッチ855からの配線が接続され、球切れスイッチ用コネクタ830dは球通路ユニット770の球切れスイッチ778からの配線が接続され、アース用コネクタ830eは払出モータ815からのアース線が接続されている。払出制御基板用コネクタ830fは払出制御基板1186の賞球ユニット用端子1187と配線(ハーネス)により接続されている。
球切れスイッチ778からの配線及び回転角スイッチ855からの配線を除いた、計数スイッチ812からの配線、払出モータ815からの配線、払出モータ815からのアース線、及び賞球ユニット用端子1187とのハーネスは、配線処理片869により掛け留めてまとめられている。
島から供給された球は、上述したように、賞球タンク720及びタンクレール部材740に貯留され、球通路ユニット770に取り込まれ、賞球ユニット800に導かれる。球は、互いにこすれ合って帯電すると、静電放電してノイズを発生する。このため、賞球ユニット800はノイズの影響を受けやすり環境下にある。
上述したように、賞球ユニット800のセンサ基板854には回転角スイッチ855が設けられており、この回転角スイッチ855からの検出信号は、球の静電放電によるノイズの影響を受けやすい。また、上述した、払出制御用コネクタ480fと賞球ユニット用端子1187とを接続するハーネス、つまり賞球ユニット800と払出制御基板1186とを接続するハーネスも球の静電放電によるノイズの影響を受けやすい。
[1−6.カバー体]
次に、カバー体1250について、図139乃至図147を参照して説明する。図139は、パチンコ機におけるカバー体を開放した状態の背面から見た斜視図であり、図140は、パチンコ機の側面図であり、図141は、パチンコ機におけるカバー体の開放側から見た斜視図であり、図142は、パチンコ機におけるカバー体の軸支側から見た斜視図であり、図143は、パチンコ機の背面図であり、図144は、カバー体の下辺部と重合当接する払出制御基板ボックスの斜視図であり、図145は、図143のA−A断面図であり、図146は、図143のB−B断面図であり、図147は、図143のC−C断面図である。
カバー体1250は、本体枠3の後面開口580を覆うものであり、やや縦長長方形状の周辺の側壁が立ち上がった皿状に合成樹脂によって形成されており(側壁部や長方形板部の上半分には、多数の空気穴が形成されている。)、その縦辺一側の側壁に本体枠3に形成されたカバー体支持筒部575に挿入軸支される複数(図示の場合には4個)の軸支ピン1251が一体的に形成されている。また、その縦辺他側のやや上部寄りに球通路ユニット770に形成されたカバー体係合溝785と係合する係合片1252が形成されている。しかして、カバー体1250の軸支ピン1251をカバー体支持筒部575に差し込むことにより、カバー体1250を本体枠3に開閉自在に軸支し、係合片1252をカバー体係合溝785に係止することにより、カバー体1250を本体枠3に閉じた状態とすることができ、遊技盤4に設けられる主制御基板ボックス624を含む各種部品の背面を保護することができる。なお、開放する場合には、係合片1252とカバー体係合溝785との係合を解除すればよい。
また、図示の場合のカバー体1250には、開放側の係合片1252の上下に止め穴1253と、本体枠3の施錠壁569に突設された施錠用突出鉤片570を貫通させる貫通穴1254とが形成されている。そして、カバー体1250を閉じた状態で、カバー体1250の止め穴1253と本体枠3側の止め穴568とを一致させて図示しないビスで止着することにより、カバー体1250によって本体枠3の後面開口580を閉塞固定することができる。そして、本体枠3に対してカバー体1250を閉じた状態で施錠用突出鉤片570がカバー体1250の貫通穴1254を貫通しているので、例えば、南京錠等の錠を施錠用突出鉤片570に掛け止めることにより、南京錠の鍵を有する責任者しかカバー体1250を開放することができないようにすることができる。
更に、本例のカバー体1250は、閉じた状態では主制御基板ボックス624の裏面まで覆ってしまうため、主制御基板ボックス624に外部に露出して設けられるRAMクリアスイッチ624aと検査機器が接続される試験用端子624b,624cとに対応する位置に接続操作用開口1255が形成されていると共に、カバー体1250における下辺の側壁の先端辺が閉じた状態で払出制御基板ボックス1105のカバー体1181の表面に当接するようになっている。
詳述すると、接続操作用開口1255は、カバー体1250における下辺の当接下辺側壁1256の上部に長方形状に形成されており、その大きさは、図143に示すように主制御基板ボックス624に外部に露出して設けられるRAMクリアスイッチ624aと検査機器が接続される試験用端子624b,624cとが臨む大きさに開設されている。また、接続操作用開口1255の内側には、閉じた状態で主制御基板ボックス624の外周面に当接する立壁1257と当接突起1258とが突設されている。立壁1257は、接続操作用開口1255の左右開口縁に沿って比較的高く形成され、当接突起1258は、接続操作用開口1255の上開口縁から一側開口縁に沿って比較的低く突設形成されており、これらの立壁1257と当接突起1258は、図145及び図146に示すように、主制御基板ボックス624の外周面(主制御基板ボックス624に収納される主制御基板4100の表面を含む)との間に隙間が生じないようにして接続操作用開口1255から不正具を差し込んで主制御基板ボックス624に対して不正な行為が行えないようにしている。
次に、カバー体1250の下辺に形成される当接下辺側壁1256について説明すると、カバー体1250を本体枠3に対して閉じたときに、当接下辺側壁1256は、図146及び図147に示すように、枠用基板ホルダ1101に取付けられる払出制御基板ボックス1105のカバー体1181の上辺部分に当接するようになっている。このため、パチンコ機1の枠用基板ホルダ1101に装着される払出制御基板ボックス1105のカバー体1181の上辺部には、図144に示すように、表面より一段と低く形成される当接低段面1181aが形成されている。しかして、枠用基板ホルダ1101に取付けられる払出制御基板ボックス1105は、図143に示すように、枠用基板ホルダ1101の払出制御基板ボックス取付領域と電源基板ボックス1103のカバー体1133に形成される取付領域とにわたって取付けられた状態において、それらの取付領域内に払出制御基板ボックス1105が収納された状態となり左右方向にも上下方向にも移動できないように固定された状態となっている。このため、払出制御基板ボックス1105のカバー体1181における上面の一部である当接低段面1181aがカバー体1250の当接下辺側壁1256によって当接被覆されることによって、カバー体1250を開放しない限り、払出制御基板ボックス1105を枠用基板ホルダ1101から取り外すことができない構成となっている。
ところで、本例のカバー体1250は、図139に示すように、貫通穴1254の上下に、カバー体1250を閉じる際に、開閉を案内するための案内突起1259が内側に向って突設されている。この案内突起1259は、本体枠3側の施錠壁569に形成された施錠用突出鉤片570の上下に形成された案内孔569bと対応する位置に配置されており、カバー体1250を閉じる際に、案内突起12159が案内孔569b内へ挿入されることで、カバー体1250が所定位置に位置決めされるようになっている。
また、カバー体1250は、図140に示すように、閉じた状態で、その背面側が賞球タンク720の最後端部(本実施形態の場合には、排出口730の後面壁)、及びタンクレール部材740の後端壁と側方から見たときに同一垂直面となっている。このため、パチンコ機1の背面から見たときに、背面側の上部から下方までに凹凸がなく、きわめてスッキリした形状となっているため、パチンコ機1を運搬するときに全体の厚みが均一で把握し易いため、積み込みや重ね合わせ作業が行いやすく、また、実際に遊技場の島台に設置する際も、背向列設されるパチンコ機1の背面において、相手方のパチンコ機の背面に突出する配線等を気にすることなく、きわめてスムーズに設置することができるものである。
以上、本例実施形態に係るカバー体1250について説明してきたが、このカバー体1250は、カバー体1250を本体枠3に対して閉じたときに、カバー体1300の下辺部である当接下辺側壁1256が枠用基板ホルダ1101に取付けられる払出制御基板ボックス1105のカバー体1181の上辺部分に当接被覆するようになっているため、カバー体1250を開放しない限り、払出制御基板ボックス1105を枠用基板ホルダ1101から取り外すことができない構成となっている。そして、カバー体1250が、貫通穴1254を貫通した施錠用突出鉤片570に掛け止められた南京錠などによって施錠されるため、カバー体1250に被覆される主制御基板ボックス624に対する不正行為はもちろん、カバー体1250に被覆されない払出制御基板ボックス1105に対する不正行為も防止することができる。
また、カバー体1250を閉じた状態で且つ南京錠などで施錠した状態であっても、カバー体1250に接続操作用開口1255が開設されているため、試験用の試験用端子624b,624cに検査機器を接続したり、あるいはソフトウエア等が暴走して復旧する際に、RAMクリアスイッチ624aを操作したりすることができる。そして、この接続操作用開口1255の内側には、立壁1257や当接突起1258が形成されて主制御基板ボックス624との間に隙間が生じないようにされているので、接続操作用開口1255からピアノ線等を挿入して遊技盤4の裏面に対する不正行為を防止することができる。
更に、カバー体1250は、閉じた状態で、その背面側が賞球タンク720の最後端部、及びタンクレール部材740の後端壁と側方から見たときに同一垂直面となっているため、パチンコ機1の背面から見たときに、背面側の上部から下方までに凹凸がなく、きわめてスッキリした形状となっており、パチンコ機1を運搬するときに全体の厚みが均一で把握し易いため、積み込みや重ね合わせ作業が行い易く、また、実際に遊技場の島台に設置する際も、背向列設されるパチンコ機1の背面において、相手方のパチンコ機の背面に突出する配線等を気にすることなく、きわめてスムーズに設置することができる。
[2.遊技盤の詳細構成]
続いて、本実施形態のパチンコ機1における遊技盤4の詳細な構成について、図148乃至図153を参照して説明する。図148は遊技盤の正面図であり、図149は遊技盤を斜め右前から見た斜視図であり、図150は遊技盤を斜め左前から見た斜視図である。図151は遊技盤を斜め後から見た斜視図である。更に、図152は遊技盤を構成する主な部材毎に分解して斜め前から見た斜視図であり、図153は遊技盤を構成する主な部材毎に分解して斜め後から見た斜視図である。
図示するように、本実施形態のパチンコ機1における遊技盤4は、外レール602及び内レール603を有し、遊技者が操作ハンドル部461を操作することで遊技媒体としての遊技球(単に「球」とも称す)が打ち込まれる遊技領域605の外周を区画形成する枠状の前構成部材601と、前構成部材601の後側で遊技領域605を閉鎖するように配置される透明板状の遊技パネル600と、遊技パネル600の外周を覆うと共に遊技パネル600を前側から着脱可能に保持し、前構成部材601の後側に取付けられる枠状のパネルホルダ630と、遊技領域605の外側でアウト口606よりも右側の前構成部材601下部に配置された機能表示ユニット640と、機能表示ユニット640の前面に貼り付けられる機能表示シール649と、を備えている。
この遊技盤4は、主に遊技パネル600の前面側に配置される表ユニット2000と、遊技パネル600の後面側に配置される裏ユニット3000と、裏ユニット3000の後側に遊技者側から視認可能に取付けられ所定の演出画像を表示可能な液晶表示装置1400と、を更に備えている。
遊技盤4における裏ユニット3000は、遊技パネル600の後側に取付けられ前側が開放された箱状の裏箱621と、裏箱621内の前面付近に取付けられ表ユニット2000で受入れられた遊技球を下方の所定位置へ誘導する球誘導ユニット3100と、裏箱621内の開口621cよりも上側の右上隅部付近に取付けられ遊技状態に応じて可動する裏上可動演出ユニット3200と、裏上可動演出ユニット3200よりも下側且つ右側で裏箱621内における開口621cよりも右側に配置され遊技状態に応じて可動する裏右可動演出ユニット3400と、裏箱621内における前後方向の略中央位置に配置され開口621cと略同じ大きさで透明板状の保護カバー3010と、保護カバーと裏箱621の後壁621bとの間に配置され遊技状態に応じて可動する裏後可動演出ユニット3500と、を備えている。
この裏ユニット3000における裏箱621には、後壁621bに前後方向へ貫通した略矩形状の開口621cを有しており、この開口621cから表示画面が前方(遊技者側)へ臨むように、液晶表示装置1400が裏箱621の後壁621bの後側に脱着可能に取付けられている。
更に、遊技盤4における液晶表示装置1400の後側には、詳細は後述するが、周辺制御基板4140及び液晶制御基板4150からなる周辺基板4010を収容した周辺基板ボックス622と、液晶表示装置1400へ電源を供給するインバータ基板1411を収容したインバータ基板ボックス1410とが備えられている。
[2−1.表ユニットの全体構成]
次に、本実施形態のパチンコ機1における遊技盤4の表ユニット2000について、図154及び図155を参照して説明する。図154は遊技盤における表ユニットを前から見た斜視図であり、図155は遊技盤における表ユニットを後から見た斜視図である。
遊技盤4における表ユニット2000は、遊技領域605内の左右方向略中央でアウト口606の上側に配置され遊技パネル600の前面に支持される第一アタッカユニット2100と、第一アタッカユニット2100の左側で遊技領域605の外周に沿って配置され遊技パネル600の前面に支持されるサイド装飾部材2200と、遊技領域605内の上下方向中央からやや上寄り左側に配置され遊技パネル600の前面に支持されるゲート部材2300と、遊技領域605の略中央部分に配置され遊技パネル600に支持される枠状のセンター役物2400と、を備えている。
[2−2.第一アタッカユニット]
次に、本実施形態のパチンコ機1の遊技盤4における表ユニット2000の第一アタッカユニット2100について、図156乃至図158参照して説明する。図156は第一アタッカユニットを前から見た斜視図であり、図157は第一アタッカユニットを後から見た斜視図である。また、図158は、第一アタッカユニットを後下から見た斜視図である。
本例の表ユニット2000における遊技盤4の第一アタッカユニット2100は、遊技パネル600における左右方向中央の下部に形成された開口部600eに対して、前側から挿入された上で、遊技パネル600の前面に固定されるものである。この第一アタッカユニット2100は、遊技領域605内へ打ち込まれた遊技球が受入可能とされた複数の受入口(入賞口)を有しており、具体的には、左右方向の略中央に配置された第一始動口2101と、第一始動口2101の下側に配置された第二始動口2102と、第二始動口2102の下側に配置され第一始動口2101や第二始動口2102よりも左右方向へ大きく延びた矩形状の第一大入賞口2103と、を備えている。
この第一アタッカユニット2100の第一始動口2101は、上側が開放されており遊技球が常時受入(入賞)可能となっている。一方、第一始動口2101の下側に配置された第二始動口2102は、図示するように、第二始動口2102の左右両側に略直立状態で配置された一対の羽根状の可動片2105によって第一始動口2101との間が閉鎖された状態となっており、図示の状態では遊技球が第二始動口2102へ受入不能な状態となっている。この第二始動口2102を閉鎖する一対の可動片2105は、下端側が回動可能に軸支されており、上端側を互いに離反する方向へ回動させることで、第二始動口2102へ遊技球が受入可能な状態となるようになっている。つまり、第二始動口2102は、一対の可動片2105により可変入賞口となっている。
また、第一アタッカユニット2100の第一大入賞口2103は、その開口を閉鎖可能な横長矩形状の第一開閉部材2106によって開閉可能とされている。この第一開閉部材2106は、下辺が回動可能に軸支されており、略垂直な状態では第一大入賞口2103を閉鎖して遊技球を受入不能とすることができると共に、上辺が前側へ移動するように回動すると第一大入賞口2103を開放して遊技球を受入可能とすることができるようになっている。つまり、第一大入賞口2103は、第一開閉部材2106により可変入賞口となっている。
本例の第一アタッカユニット2100は、更に詳述すると、遊技パネル600の前面に取付けられ、左右方向中央に第一始動口2101及び第一大入賞口2103を有し、第二始動口2102、及び一般入賞口2104を形成可能な板状の台板2110と、台板2110における第一始動口2101の下側前面に取付けられ一対の可動片2105を回動可能に軸支すると共に第二始動口2102を形成し上側及び後側が開放された中央受部材2111と、台板2110の後側に取付けられ、第一大入賞口2103を開閉する第一開閉部材2106を回動可能に軸支すると共に、一対の可動片2105及び第一開閉部材2106を回動駆動させるアタッカ駆動ユニット2120と、を備えている。
第一アタッカユニット2100の台板2110は、左右方向へ延びた板状に形成されており、表面にレリーフ状の装飾が施されている。この台板2110は、第二始動口2102と対応した位置に前後方向へ貫通する開口2110aを有している。また、台板2110は、第一始動口2101から後方へ延出し遊技球を誘導可能な樋部2110aを備えている。
第一アタッカユニット2100における台板2110の前面に取付けられる中央受部材2110は、前面にパチンコ機1のコンセプトに沿った所定のロゴがレリーフ状に施されている。なお、詳細な図示は省略するが、この中央受部材2110は、台板2110における開口2110aの左右の幅よりも広い間隔で前板の後面から後方へ延出した一対の軸部を備えており、これら軸部によって可動片2105を回動可能に軸支することができるようになっている。
更に、第一アタッカユニット2100におけるアタッカ駆動ユニット2120は、第二始動口2102を開閉する一対の可動片2105を開閉駆動させるための始動口ソレノイド2121と、始動口ソレノイド2121を支持し台板2110の後側に取付けられる始動口駆動機構ベース2123と、第一大入賞口2103を閉鎖する第一開閉部材2106を開閉駆動させるための第一アタッカソレノイド2124と、第一アタッカソレノイド2124を支持すると共に第一開閉部材2106を回動可能に軸支し、始動口駆動機構ベース2123の下側で台板2110の後側に取付けられるアタッカ駆動機構ベース2126と、アタッカ駆動機構ベース2126の所定位置に支持され第二始動口2102に受入れられた遊技球を検知する第二始動口センサ2127と、第二始動口センサ2127とは異なる位置に支持され第一大入賞口2103に受入れられた遊技球を検知する第一カウントセンサ2128と、アタッカ駆動機構ベース2126の上面に支持され始動口ソレノイド2121、第一アタッカソレノイド2124、第二始動口センサ2127、及び第一カウントセンサ2128と主制御基板4100との接続を中継するためのアタッカユニット中継基板2130と、を備えている。
始動口ソレノイド2121は、図示は省略するが、通電によって進退可能とされると共にコイルバネによって突出方向へ付勢されたプランジャを有しており、第一始動口2101の下側で第二始動口2102の後方位置に、プランジャが前方へ向かって突出するように始動口駆動機構ベース2123に支持されている。本例の第一アタッカユニット2100は、始動口ソレノイド2121へ通電すると、始動口ソレノイド2121のプランジャがコイルバネの付勢力に抗して後退し、プランジャの先端と係合した伝達部材を介して一対の可動片2105の上端同士が互いに離反した方向へ回動するようになっており、第二始動口2102が開状態となるようなっている。
また、始動口駆動機構ベース2123は、始動口ソレノイド2121を前側から収容支持することができるように箱状に形成されていると共に、上面に第一始動口2101へ受入れられて台板2110の樋部2110bを流通した遊技球を正面視で右方向へ誘導する第一誘導部2123aと、始動口ソレノイド2121を支持する部位よりも下側に形成され第二始動口2102へ受入れられた遊技球を下方へ遊動する第二誘導部(詳細な図示は省略する)と、を備えている。
アタッカ駆動ユニット2120における第一アタッカソレノイド2124は、図示は省略するが、始動口ソレノイド2121と同様に、通電によって進退可能とされると共に、コイルバネによって突出方向へ付勢されたプランジャを有している。本例の第一アタッカユニット2100は、第一アタッカソレノイド2124に通電すると、第一アタッカソレノイド2124のプランジャが没入し、プランジャの先端に係合された伝達部材を介して第一開閉部材2106の上端が相対的に前方へ移動するように回動するようになっており、第一大入賞口2103が開状態となるようになっている。
本例の第一アタッカユニット2100は、第一始動口2101及び一般入賞口2104が常時遊技球を受入可能な状態となっている。一方、第二始動口2102では、後述するゲート部材2300において遊技球がゲート2302を通過することで抽選される普通抽選結果に応じて、始動口ソレノイド2121が通電駆動されることで一対の可動片2105が拡開して受入可能となるようになっている。また、第一大入賞口2103では、第一始動口2101や第二始動口2102へ遊技球が受入れられる(始動入賞する)ことで抽選される特別抽選結果に応じて(例えば、特別抽選結果が「大当たり」の時に)、第一アタッカソレノイド2124が通電駆動されることで第一開閉部材2106が所定パターンで開閉して受入可能となるようになっている。
また、第一アタッカユニット2100は、図示は省略するが、アタッカ駆動機構ベース2126の下部に支持され上面に複数のLEDが実装された第一大入賞口装飾基板を備えており、第一大入賞口2103内を発光装飾させることができるようになっている。
また、第一アタッカユニット2100では、第一始動口2101へ受入れられた遊技球は、後述する、裏ユニット3000の球誘導ユニット3100のにおける右球誘導部材3106の右球排出通路3106bへ送られるようになっている。また、第二始動口2102へ受入れられた遊技球は、アタッカ駆動機構ベース2126に支持された第二始動口センサ2127により検知された後に下方へ排出されるようになっている。更に、第一大入賞口2103へ受入れられた遊技球は、第一カウントセンサ2128により検知された後に下方へ排出されるようになっている。
本実施形態の第一アタッカユニット2100は、第一アタッカソレノイド2124を、プランジャ2124aの進退方向が左右方向となるように配置すると共に、第一アタッカソレノイド2124を可及的に第一開閉部材2106へ近付けた位置に配置するようにしているので、第一アタッカユニット2100における前後方向の寸法を、従来品と比較して、5〜30%短くすることができ、第一アタッカユニット2100の後方空間をより広く確保することができるようになっている。
[2−3.サイド装飾部材]
続いて、本実施形態のパチンコ機1の遊技盤4における表ユニット2000のサイド装飾部材2200について、主に図159及び図160を参照して説明する。図159は、サイド装飾部材を前から見た斜視図である。また、図160は、サイド装飾体を後から見た斜視図である。遊技盤4におけるサイド装飾部材2200は、遊技パネル600における左右方向中央から左寄りの下部で、第一アタッカユニット2100が挿入固定される開口部600eよりも左側に形成された開口部600eに対して、前側から挿入された上で、遊技パネル600の前面に固定されるものであり、遊技領域605の内周に沿うように形成されている。このサイド装飾部材2200は、上方へ向かって開口し遊技球を受入可能とされた三つの一般入賞口2201を備えている。
このサイド装飾部材2200は、遊技パネル600の前面に取付けられ遊技領域605の内周に略沿った円弧状の開口枠2202aを有した本体部材2202と、本体部材2202における前面の所定位置に取付けられると共に一般入賞口2201を形成し上方及び後方が開放された箱状の受部材2203と、本体部材2202における開口枠2202a内に挿入される透明板状のサイドレンズ部材2204と、本体部材2202の上端部に取付けられ遊技パネル600の前面よりも前方へ膨出し上面が右側へ向かって低くなるように傾斜した棚部2205aを備えた棚部材2205と、このサイド装飾部材2200は、サイドレンズ部材2204の後側に配置され前面に複数のLEDが実装されたサイド装飾基板(図示は省略)と、サイド装飾基板を後側から覆うように本体部材2202の後面に取付けられる基板カバー2208と、を備えている。
このサイド装飾部材2200は、図示するように、棚部材2205の下流側に三つの一般入賞口2201が配置されており、棚部材2205における棚部2205a上に流下してきた遊技球を、一般入賞口2201側、つまり、遊技領域605における左右方向の中央側へ誘導することができるようになっている。
また、サイド装飾部材2200における本体部材2202は、各一般入賞口2201と対応した位置に後方へ延出し遊技球を後側へ誘導可能な樋部2202bを備えている。このサイド装飾部材2200は、一般入賞口2201に受入れられた遊技球を、本体部材2202の樋部2202bによって、後述する裏ユニット3000の球誘導ユニット3100における左球誘導部材3108の排出通路3108a,3108b,3108cへ送るようになっている。そして、左球誘導部材3108へ送られた遊技球は、一般入賞口センサ3122に検知された後に下方へ排出されるようになっている。
[2−4.ゲート部材]
次に、本実施形態のパチンコ機1の遊技盤4における表ユニット2000のゲート部材2300について、主に図154及び図155等を参照して説明する。遊技盤4におけるゲート部材2300は、透明な遊技パネル600における左右方向中央よりも左側で上下方向中央からやや上寄りの位置に形成された開口部600eに対して、前側から挿入された上で、遊技パネル600の前面に固定されるものである。このゲート部材2200は、遊技球が一つのみ通過可能な幅のゲート2302を有しており、このゲート2302内に配置されたゲートセンサ2304によりゲート2302を通過した遊技球を検出することができるようになっている。
なお、本例のゲート部材2300は、従来のゲート部材と比較して、前後方向の長さが短く形成されており、遊技パネル600の前面よりも後側の部分が、遊技パネル600の厚さ内に収まるようになっている。
[2−5.センター役物]
続いて、本実施形態のパチンコ機1の遊技盤4における表ユニット2000のセンター役物2400について、主に図161乃至図165を参照して説明する。図161はセンター役物の正面図であり、図162はセンター役物の平面図である。また、図163は、図161の矢視Aにおける拡大図である。更に、図164はセンター役物を主要な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図165はセンター役物を主要な部材毎に分解して後から見た分解斜視図である。
本例のセンター役物2400は、板状の遊技パネル600の略中央を貫通するように大きく形成された開口部600eに対して、前側から挿入された上で、遊技パネル600の前面に固定されるものであり、図示するように、遊技領域605の大半を占める大きさの枠状に形成されている。このセンター役物2400は、上枠外周の形状が、正面視で左右方向の略中央から左側では、左右方向の略中央から左下へ向かって急な角度で略直線状に傾斜した上で、更に、その下端から左側へ向かうに従って緩やか傾斜した屈曲形状とされている。一方、センター役物2400の上枠における右側の外周形状は、遊技領域605の内周に略沿った湾曲形状(円弧形状)とされている。
また、センター役物2400は、左枠の外周形状が、下方へ垂下した略直線状に形成されていると共に、右枠の外周形状が、湾曲状の上部と連続すると共に左枠よりも下方へ延出し遊技領域605の内周に略沿った円弧形状とされている。更に、センター役物2400は、下枠の形状が、左枠の下端から左右方向中央が最も低くなるような緩やかな湾曲状に形成されていると共に、左端から全体の約3/4の位置から右枠の下端へ向かって円弧状に垂下した形状とされている。
このセンター役物2400は、上枠右側の外周と右枠の外周とが、上述したように、遊技領域605の内周に略沿った形状とされており、遊技パネル600に取付けた状態では、センター役物2400の右側の外周に、遊技球の外形よりも若干大きい隙間が形成されるようになっている。また、センター役物2400は、上枠左側と左枠と下枠とが上述したような形状とされており、遊技パネル600に取付けた状態では、センター役物2400の左側の外周に、遊技領域605の内周との間で所定幅の領域が形成されるようになっている。
このセンター役物2400は、遊技パネル600の前面と当接する板状のフランジ部2401と、フランジ部2401から前方へ膨出し左右方向の略中央を境として遊技領域605内を流下してきた遊技球を左右へ誘導すると共に枠内への遊技球の侵入を阻止する周壁部2402と、周壁部2402の上部(上枠)における左右方向中央から左寄りの位置(急な角度で左側が低くなるように傾斜した傾斜面の下端付近)に開口し遊技球を受入可能とされた上アウト口2403(図150を参照)と、上アウト口2403の左側(上枠左側の緩やかに傾斜した右端付近)に配置され上方に開口した第二大入賞口2404と、を備えている。
また、センター役物2400は、周壁部2402における左側外周(左枠外周)の上部に開口し遊技領域605内の遊技球が進入可能とされた上ワープ入口2405と、上ワープ入口2405よりも下側で周壁部2402の左側外周における上下方向中央よりもやや下寄りの位置に開口し遊技領域605内の遊技球が進入可能とされた下ワープ入口2406と、を備えている。
更に、センター役物2400は、枠内の下部(下枠の上部)に配置され上ワープ入口2405や下ワープ入口2406から進入した遊技球が供給されるステージ2410を備えている。このセンター役物2400におけるステージ2400は、上ワープ入口2405から進入した遊技球が供給されると共に供給された遊技球が左右方向へ転動可能且つ前方へ放出可能とされた第一ステージ2411と、第一ステージ2411の前側且つ下側に配置され遊技球が左右方向へ転動可能且つ前方へ放出可能とされた第二ステージ2412と、第二ステージ2412の前側且つ下側に配置されると共に下ワープ入口2406から進入した遊技球が供給され、遊技球が左右方向へ転動可能且つ遊技領域605内へ還流放出可能とされた第三ステージ2413と、を備えている。
また、センター役物2400は、第二ステージ2412を転動する遊技球が受入可能とされた第三始動口2415と、第三ステージ2413を転動する遊技球が進入可能とされたチャンス入口2416と、チャンス入口2416から進入した遊技球が放出されフランジ部2401における第一始動口2101の直上の位置に開口したチャンス出口2417と、を備えている。また、センター役物2400は、第二ステージ2412における転動面の形態を周期的に変化させる可動ステージ片2418を備えている。
更に、詳述すると、本例のセンター役物2400は、遊技パネル600の前面に取付けられる枠状に形成され、フランジ部2401、周壁部2402、上アウト口2403、第二大入賞口2404、下ワープ入口2406、及び第三ステージ2413等を有したセンター本体2450と、センター本体2450の上枠左側に取付けられ第二大入賞口2404を開閉する第二アタッカユニット2500と、センター本体2450の左枠に取付けられ上ワープ入口2405や下ワープ入口2406から進入した遊技球をステージ2410へ誘導するワープ通路ユニット2550と、を備えている。
また、センター役物2400は、ステージ2410における第一ステージ2411及び第二ステージ2412、第三始動口2415及び可動ステージ片2418を有しセンター本体2450の下枠に取付けられる可動ステージユニット2600と、センター本体2450の枠内における左上隅に配置される左上後装飾部材2650と、左上後装飾部材2650の前側に配置され上ワープ入口2405を有した左上前装飾部材2660と、センター本体2450の右枠内側に配置される円弧状の右後装飾部材2670と、右後装飾部材の前側に配置される右前装飾部材2680と、を備えている。
[2−5A.センター本体]
続いて、センター役物2400におけるセンター本体2450について説明する。センター本体2450は、図164及び図165等に示すように、遊技パネル600の前面に取付けられセンター役物2400全体のベースを構成する枠状のメイン台枠2452を備えている。また、センター役物2400におけるセンター本体2450は、メイン台枠2452の上枠右側前面に取付けられる上飾り部材2454と、上飾り部材2454の左端前面に取付けられる上中央飾り部材2456と、上中央飾り部材2456の左側に配置され第二アタッカユニット2500の前面を覆う前板部材2458と、前板部材2458の左側に配置され第二大入賞口2404の左端を形成すると共に周壁部2402の一部を形成する左上棚部材2460と、メイン台2452枠の左枠前面下部に取付けられ下ワープ入口2406を有した左中装飾部材2462と、を備えている。
また、センター本体2450は、メイン台枠2452の下部枠内に取付けられ第三ステージ2413を有した第三ステージ部材2464と、第三ステージ部材2464の下側の位置に取付けられ前後方向へ貫通した複数の貫通部2466a及びチャンス出口2417を有した板状のステージ下装飾部材2466と、ステージ下装飾部材2466の貫通部2466aに対して後側から挿入される複数の膨出部2468aを備えた透光性を有するレンズ部材2468と、メイン台枠2452の右枠外周に取付けられ周壁部2402の一部を形成すると共に右枠外周を装飾する円弧状の右外周装飾部材2470と、を備えている。
更に、センター本体2450は、上飾り部材2454の後側に配置され上飾り部材2454を発光装飾させる上装飾基板2471と、左上後装飾部材2650を発光装飾させる左上装飾基板2472と、レンズ部材2468の後側に配置されステージ下の前側を発光装飾させるステージ下前装飾基板2474と、メイン台枠2452の右下部に取付けられ後述する右前装飾部材2680における右下演出表示部2681を発光装飾させる右下中央装飾基板2476と、右下中央装飾基板2476の後側に配置され可動ステージユニット2600の可動ステージ駆動モータ2608、第三始動口センサ2618、及び位置検知センサ2620等と主制御基板4100との接続を中継する右下中継基板2478と、メイン台枠2452の後側における左上棚部材2460の真後ろの位置に取付けられ後述する第二アタッカユニット2500の第二大入賞口装飾基板2514と第一ランプ駆動基板3014及び第二ランプ駆動基板3018との接続を中継する左上中継基板2480と、を備えている。
このセンター本体2450におけるメイン台枠2452は、左枠の所定位置に、前後方向に貫通し上ワープ入口2405及び下ワープ入口2406に進入した遊技球が通過可能な通過孔2452aが上下に夫々備えられている。この通過孔2452aを通って後側に取付けられるワープ通路ユニット2550へ遊技球が送られるようになっている。また、メイン台枠2452は、左枠の下部から下枠の左部にかかる前面の形状が、布を模した立体的な形状に形成されていると共に、前後方向へ貫通した複数のスリット2452bを備えており、スリット2452bを通して後側に配置されるワープ通路ユニット2550内を流通する遊技球が遊技者側から良好に視認することができるようになっている。
また、メイン台枠2452は、図165に示すように、上枠に、前後方向へ貫通し上飾り部材2454に形成された上アウト口2403に受入れられた遊技球を後方に配置された裏ユニット3000の上球誘導部材3102における上球排出通路3102aへ案内する排出孔2452cと、第二大入賞口2404に受入れられて第二アタッカユニット2500の排出口2506dから排出された遊技球を左方へ誘導した上で左端から後方のワープ通路ユニット2550の通過口2554bへ送る排出球通路2452dと、を備えている。
センター本体2450における上飾り部材2454は、前面が布を模した立体的な形状に形成されており、透光性を有した素材により形成されている。また、上飾り部材2454は、上側の外周面が周壁部2402の一部を構成している。上中央飾り部材2456は、図示するように、略円形で宝石を模した多面体形状の中央装飾部と、中央装飾部の外周を囲い宝石の台を模した環状装飾部と、環状装飾部の外側を囲い渦巻状にはためく外周装飾部と、を備えており、表面に金属光沢を有したメッキ層が夫々形成されている。なお、本例では、環状装飾部は、他とは異なる色とされている。
また、センター本体2450における前板部材2458は、透明な部材とされており、第二大入賞口2404へ受入れられた遊技球が遊技者側から視認できるようになっている。また、前板部材2458は、図169に示すように、上面に後方へ向かって低くなる傾斜面2458aが形成されている。この傾斜面2458aによって、上方から流下してきた遊技球を後方へ案内することができるようになっている。また、左中装飾部材2460は、布を模した立体的な形状に形成されており、透光性を有した素材により形成されている。また、左中装飾部材2460は、前後方向へ貫通した複数のスリット2460aを備えており、スリット2460aを通して、遊技者側から後側に配置されたワープ通路ユニット2550内を流通する遊技球を視認することができるようになっている。
また、センター本体2450における第三ステージ部材2464は、上面に左右方向の中央が最も低くなるように緩やかに湾曲した第三ステージ2413を有している。この第三ステージ部材2464は、上面における左右方向の中央に前方へ向かうに従って左右へ広がると共に低くなる前案内部2464aと、前案内部2464aにおける前後方向の略中央から後方へ向かうに従って左右へ広がると共に低くなる後案内部2464bと、前案内部2464aを除いた第三ステージ2413の前端から上方へ延出し第三ステージ2413上から遊技球が転落するのを阻止可能な前壁部2464cと、を備えている。
この第三ステージ部材2464は、前壁部2464cによって第三ステージ2413上を転動する遊技球が左右方向中央の前案内部2464a及び後案内部2464bの位置から放出されるようになっており、転動する遊技球が、前案内部2464aによって案内されると前側へ放出されて遊技領域605内へ還流するようになっており、後案内部2464bによって案内されると後側へ放出されてチャンス入口2416へ進入するようになっている。なお、図示するように、後案内部2464bは、前案内部2464aよりも小さく形成されており、前案内部2464aによって前側へ案内される確率よりも、後案内部2464bによって後側のチャンス入口2416へ案内される確率が低くなっている。
本例のセンター役物2400におけるセンター本体2450は、メイン台枠2452の上枠、上飾り部材2454の上部左端、前板部材2458、及び左上棚部材2460の右端によって、上方へ向かって開口した第二大入賞口2404を形成している。この第二大入賞口2404は、第一大入賞口2103と同様に、左右方向へ長く延びた形態とされており、開状態の時には、第一始動口2101、第二始動口2102、一般入賞口2201等よりも遊技球が受入れられ易くなっている。
[2−5B.第二アタッカユニット]
続いて、センター役物2400における第二アタッカユニット2500について、主に図166乃至図169を参照して説明する。図166は、センター役物における第二アタッカユニットを前から見た斜視図である。図167は、第二アタッカユニットを分解して前がら見た分解斜視図である。また、図168は、第二アタッカユニットにおける開閉駆動機構の動きを示す説明図である。更に、図169(A)は図162におけるA−A断面図であり、(B)は(A)における第二大入賞口が開状態を示す断面図である。
センター役物2400の第二アタッカユニット2500は、センター本体2450の上枠に形成された第二大入賞口2404を開閉するためのものであり、メイン台枠2452の所定位置に取付けられている。この第二アタッカユニット2500は、第二大入賞口2404を開閉する板状の第二開閉部材2502と、第二開閉部材2502を前後方向へスライド可能に支持する上ケース部材2504と、上ケース部材2504の下側に取付けられ第二大入賞口2404の底部となる球受部2506aを有した下ケース部材2506と、下ケース部材2506及び上ケース部材2504の間に挟持され第二開閉部材2502を開閉駆動するための第二アタッカソレノイド2508と、第二アタッカソレノイド2508の駆動を伝達して第二開閉部材2502を前後方向へスライドさせる伝達部材2510と、を備えている。
また、第二アタッカユニット2500は、下ケース部材2506の所定位置に取付けられ第二大入賞口2404を通って球受部2506aに受けられた遊技球を検知する第二カウントセンサ2512と、上ケース部材2504及び下ケース部材2506の間に挟持され球受部2506a内(第二大入賞口2404内)を発光装飾させる第二大入賞口装飾基板2514と、を備えている。
この第二アタッカユニット2500の第二開閉部材2502は、図示するように、第二大入賞口2404を閉鎖し正面視で左側が低くなった板状の扉部2502aと、扉部2502aの後端から後方へ水平に延出した延出部2502bと、を備えており、平面視で略T字状に形成されている。また、第二開閉部材2502は、扉部2502aの上面前端に形成され前方へ向かって低くなる傾斜面2502cと、延出部2502bの後端に上下方向へ貫通し左右方向へ延びた連結孔2502dと、を備えている。
また、第二アタッカユニット2500の上ケース部材2504は、第二開閉部材2502における扉部2502aの左右両端を前後方向へスライド支持する案内部2504aと、第二大入賞口2404の左右両端を区画し上下方向に延びた板状の側壁部2504bと、第二アタッカソレノイド2508の上側を保持するソレノイド保持部2504cと、を備えている。この上ケース部材2504は、透光性を有した素材により形成されている。
また、下ケース部材2506は、球受部2506aの底面が正面視で右側へ向かって低くなると共に右端部付近が後側へ向かって低くなっている。この下ケース部材2506は、球受部2506aの後部右側に球受部2506aに受けられた遊技球が通過可能な球入口2506bと、球入口2506bの下流側で第二カウントセンサ2512を支持するセンサ取付部2506cと、第二カウントセンサ2512で検知された遊技球を下方へ排出する排出口2506dと、第二アタッカソレノイド2508の下側を保持するソレノイド保持部2506eと、第二大入賞口装飾基板2514を保持する基板保持部2506fと、を主に備えている。
また、下ケース部材2506は、図示は省略するが、伝達部材2510を回動可能に保持する軸受部を備えている。この下ケース部材2506は、伝達部材2510を回動可能に支持する軸受部が、第二アタッカソレノイド2508の下端(プランジャ2508aの先端)と略同じ高さとなる位置に形成されている。なお、下ケース部材2506は、透光性を有した素材により形成されている。
第二アタッカユニット2500の第二アタッカソレノイド2508は、通電により下方へ進退するプランジャ2508aと、プランジャ2508aの先端に固定された円盤状のフランジ部2508bと、を備えている。この第二アタッカソレノイド2508は、通常時(非通電時)ではプランジャ2508aが下方へ前進した状態となっており、通電することで、上方へ後退するようになっている。なお、図示は省略するが、第二アタッカソレノイド2508は、コイルスプリング等の弾性部材によってプランジャ2508aが下方へ前進する方向へ付勢されている。
また、第二アタッカユニット2500の伝達部材2510は、左右方向へ延び下ケース部材2506の軸受部に支持される軸部2510aと、軸部2510aの左端部からクランク状に左方向へ延び第二アタッカソレノイド2508のフランジ部2508bと係合する係合部2510bと、軸部2510aから上方へ板状に延出し上端が第二開閉部材2502の連結孔2502d内に挿入される連結片2510cと、を備えており、図168に示すように、側面視で略L字状に形成されている。この伝達部材2510の係合部2510bは、上下に並んで左方向へ突出した二つの突起を有しており、突起の間に板状のフランジ部2508bを挿入することで、フランジ部2508bと係合することができるようになっている。また、連結片2510cは、上端が左右方向へ延びた円柱状に形成されている。
本例の第二アタッカユニット2500は、通常の状態(非通電時)では第二アタッカソレノイド2508のプランジャ2508aが下方へ前進した状態となっており、プランジャ2508a先端のフランジ部2508bと係合した係合部2510bによって伝達部材2510の連結片2510cが軸部2510aから略垂直に立上った状態となっている(図168(A)を参照)。この通常の状態では、図169(A)に示すように、第二開閉部材2502の前端がセンター役物2400におけるフランジ部2401の前面よりも前方へ突出し、前方に配置された前板部材2458との間で遊技球が通過不能な隙間SK1を形成した状態となっている。つまり、第二開閉部材2502は、第二大入賞口2404への遊技球の受入れを阻止しており、第二大入賞口2404が受入不能な閉状態となっている。
そして、第二アタッカユニット2500は、第二アタッカソレノイド2508に通電されると、プランジャ2508aと共に先端のフランジ部2508bが後退して上昇し、フランジ部2508bと係合した伝達部材2510の係合部2510bも上昇するように軸部2510aの軸芯を中心として伝達部材2510全体が回動することとなり、この回動により略垂直に立上った連結片2510cの上端が相対的に後方へ移動することとなる。この伝達部材2510の連結片2510cが相対的に後方へ移動することで、連結片2510cが挿入された第二開閉部材2502の連結孔2502dの内壁が後方へ押され、第二開閉部材2502全体が後方へスライドすることとなる(図168(B)を参照)。
第二アタッカソレノイド2508に通電した状態では、図169(B)に示すように、第二開閉部材2502の前端がセンター役物2400におけるフランジ部2401の前面から前方へ突出していない状態となり、前方に配置された前板部材2458との間で遊技球が通過可能な隙間SK2が形成された状態となっている。つまり、第二開閉部材2502は、第二大入賞口2404への遊技球の受入れを阻止しておらず、第二大入賞口2404が受入可能な開状態となっている。
因みに、本例では、第二大入賞口2404が閉状態の時の、第二開閉部材2502の前端と前板部材2458との間の隙間SK1は、遊技球の直径に対して約1/3倍(0.3倍)の大きさとされている。なお、隙間SK1は、遊技球の直径に対して0.1倍〜0.5倍の大きさであれば良い。
本例の第二アタッカユニット2500は、上述したように、第二アタッカソレノイド2508を通電駆動することで、第二開閉部材2502を前後方向へスライドさせて、第二大入賞口2404を開閉させることができるようになっており、第一始動口2101や第二始動口2102へ遊技球が受入れられる(始動入賞する)ことで抽選される特別抽選結果に応じて(例えば、特別抽選結果が「小当たり」の時に)、第二アタッカソレノイド2508が通電駆動されて第二大入賞口2404(第二開閉部材2502)が所定パターンで開閉して受入可能となるようになっている。
また、第二アタッカユニット2500は、図169に示すように、第二大入賞口2404を閉状態とした時に、前板部材2458との間で所定量の隙間SK1を形成するようにしているので、遊技パネル600の前面からの第二開閉部材2502の突出量を可及的に少なくしており、第二開閉部材2502の耐衝撃性能を高めることができ、上方から流下してきた遊技球が第二開閉部材2502に当接しても破損し難くすることができるようになっている。また、第二開閉部材2502の前端に傾斜面2502cを備えており、傾斜面2502cに上方から遊技球が当接すると、その力を傾斜面2502cによって上下方向だけでなく水平方向へも分散させることができるので、第二開閉部材2502等にかかる衝撃力を緩和させることができ、第二開閉部材2502(第二アタッカユニット2500)を破損し難くすることができるようになっている。
また、前板部材2458の上端と、第二アタッカユニット2500における第二開閉部材2502の前端との両方に傾斜面2458a,2502cを備えており、上方から流下してきた遊技球が前板部材2458と第二開閉部材2502の両方に同時に当接すると、その衝撃力を両方に分散させることができ、第二開閉部材2502等にかかる衝撃を更に軽減させることができるようになっている。
[2−5C.ワープ通路ユニット]
続いて、センター役物2400におけるワープ通路ユニット2550について、主に図170を参照して説明する。図170は、センター役物におけるワープ通路ユニットを各部材毎に分解して後から見た分解斜視図である。このセンター役物2400におけるワープ通路ユニット2550は、図示するように、上下方向に延びると共に後側が開口した箱状の前通路部材2552と、前通路部材2552の後側に配置され逆L字状に形成された通路ユニット本体2554と、を備えている。
ワープ通路ユニット2550における前通路部材2552は、上端付近に配置され前後方向へ貫通すると共に上ワープ入口2405へ進入した遊技球が通過可能とされた上進入口2552aと、上進入口2552aを通過した遊技球を前通路部材2552の後面側で上下方向の中央付近まで誘導する前上ワープ通路2552bと、前上ワープ通路2552bの下側で前後方向へ貫通すると共にしたワープ通路2406へ進入した遊技球が通過可能とされた下進入口2552cと、下進入口2552cを通過した遊技球を前通路部材2552の後面側で下端まで誘導する下ワープ通路2552dと、下ワープ通路2552dの下端で正面視右側に開口し遊技球が通過可能とされた下ワープ出口2552eと、を備えている。
この前通路部材2552は、メイン台枠2452における左枠の後側に沿って配置されるものであり、上進入口2552a及び下進入口2552cがメイン台枠2452の二つの排出孔2452cと対応した位置に形成されている。また、前通路部材2552は、下ワープ通路2552d内における左右の側壁に、下ワープ通路2552d内に突出し前後方向へ延びた複数の突条2552fが、上下方向に対して互い違いとなる位置に備えられている。これら複数の突条2552fにより下ワープ通路2552d内を流下する遊技球の速度を抑制することができるようになっている。
ワープ通路ユニット2550における通路ユニット本体2554は、前通路部材2552の後端に取付けられ前上ワープ通路2552b及び下ワープ通路2552dの後側開口を閉鎖する板状のワープ通路閉鎖部2554aと、ワープ通路閉鎖部2554aの上端で前通路部材2552よりも上側の位置に配置され前後方向へ貫通すると共にメイン台枠2452における排出球通路2452dを流通した遊技球が通過可能とされた通過口2554bと、通過口2554bから正面視で右方向へ延びメイン台枠2452における排出球通路2452dの後側開口を閉鎖する板状の排出球通路閉鎖部2554cと、を備えている。
また、通路ユニット本体2554は、ワープ通路閉鎖部2554aにおける前通路部材2552の前上ワープ通路2552bの下部と対応した位置に配置され前後方向へ貫通すると共に前上ワープ通路2552bを流通した遊技球が通過可能とされた中進入口2554dと、中進入口2554dを通過した遊技球をワープ通路閉鎖部2554aの後面側で下端まで誘導し後方が開口した後上ワープ通路2554eと、後上ワープ通路2554eの下端で正面視右側に開口し遊技球が通過可能とされた上ワープ出口2554fと、後上ワープ通路2554e内における左右の側壁から後上ワープ通路2554e内へ突出すると共に前後方向へ延出し上下方向に対して互い違いとなる位置に配置された複数の突条2554gと、を備えている。
また、通路ユニット本体2554は、ワープ通路閉鎖部2554aの正面視右端、及び排出球通路閉鎖部2554cの下端と連続し、布を模した立体的な形状の装飾部2554hを備えている。更に、通路ユニット本体2554は、通過口2554bを通過した遊技球をワープ通路閉鎖部2554aの後面側で正面視左右方向左側へ誘導し後方が開口した排出球通路2554iと、排出球通路2554iの左端で平面視左側に開口し遊技球が通過可能な排出口2554jと、を備えている。この通路ユニット本体2554は、後上ワープ通路2554e内の複数の突条2554gによって、後上ワープ通路2554e内を流下する遊技球の速度を抑制することができるようになっている。
更に、本例のワープ通路ユニット2550は、通路ユニット本体2554における後上ワープ通路2554eの後側開口を閉鎖するワープ通路後蓋と、通路ユニット本体2554における排出球通路2554iの後側開口を閉鎖する排出球通路蓋と、を備えている。このワープ通路ユニット2550は、図164等に示すように、下ワープ出口2552eの後側に上ワープ出口2554fが配置されており、下ワープ出口2552e及び上ワープ出口2554fが下端で前後方向に並んだ状態となっている。また、本例のワープ通路ユニット2550は、各構成部材が透明な合成樹脂によって形成されており、前上ワープ通路2552b、下ワープ通路2552d、後上ワープ通路2554e、及び排出球通路2554i内を流通する遊技球を、外部から視認することができるようになっている。
このワープ通路ユニット2550は、センター役物2400における上ワープ入口2405へ進入した遊技球が、メイン台枠2452における上側の通過孔2452aを通って前通路部材2552の上進入口2552aへ進入すると、前通路部材2552の後面に形成された前上ワープ通路2552bによって上下方向の中間位置まで下方へ誘導された上で、前上ワープ通路2552bの下端から後側に配置された通路ユニット本体2554の中進入口2554dへと進入し、通路ユニット本体2554の後側に形成された後上ワープ通路2554e内を流下して、下端の上ワープ出口2554fから正面視右側へ放出させて、可動ステージユニット2600における第一ステージ2411へ遊技球を供給することができるようになっている。
また、ワープ通路ユニット2550は、センター役物2400における下ワープ入口2406へ進入した遊技球が、メイン台枠2452における下側の通過孔2452aを通って前通路部材2552の下進入口2552cへ進入すると、前通路部材2552の後面に形成された下ワープ通路2552dによって下方へ誘導され、下ワープ通路2552dの下端の下ワープ出口2552eから正面視右側へ放出させて、センター本体2450における第三ステージ2413へ遊技球を供給することができるようになっている。
更に、ワープ通路ユニット2550は、センター役物2400における第二大入賞口2404に受入れられた遊技球が、第二アタッカユニット2500の排出口2506dからメイン台枠2452の排出球通路2452dへ排出されて排出球通路2452d内を正面視左端へ向かって転動し、排出球通路2452dの左端後側に開口した通路ユニット本体2554の通過口2554bを通過すると、ワープ通路閉鎖部2554aの後面に形成された排出球通路2554iによって正面視左方向へと送られ、排出球通路2554iの左端に形成された排出口2554jから左方へ排出させることができるようになっている。
[2−5D.可動ステージユニット]
続いて、センター役物2400における可動ステージユニット2600について、主に図171乃至図176を参照して説明する。図171はセンター役物における可動ステージユニットを前から見た斜視図であり、図172は可動ステージユニットを後から見た斜視図である。図173は、可動ステージユニットの平面図である。また、図174は可動ステージユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図175は可動ステージユニットを分解して後から見た斜視図である。更に、図176は、可動ステージユニットにおける可動ステージ片の動きを断面で示す説明図である。
センター役物2400における可動ステージユニット2600は、全体が左右方向へ延びた形態とされ、センター役物2400の下枠上面に配置されたステージ2410を構成する第一ステージ2411及び第二ステージ2412と、第二ステージ2412の転動面の形態を周期的に変化させる可動ステージ片2418と、第二ステージ2412上を転動する遊技球を受入可能とした第三始動口2415と、センター本体2450の第三ステージ2413上を転動する遊技球が進入可能とされたチャンス入口2416と、を備えている。また、可動ステージユニット2600は、正面視左側端部付近における第一ステージ2411の前側に第三ステージ2413の一部を備えている。
この可動ステージユニット2600は、第一ステージ2411が、左右両端が最も高くなるように形成されており、左端から左右方向中央に対して左寄りの位置へ向かって湾曲状に滑らかに低くなった上で、左右方向中央に対して右寄りの位置(遊技領域605内における左右方向の略中央に相当する位置)へ向かって左端よりも低い高さで滑らかに高くなり、一旦滑らかに低くなった上で右端へ向かって高くなるような波状に形成されている。そして、可動ステージユニット2600では、第一ステージ2411における左右方向中央に対して右寄りの高くなった位置と同じ左右方向の位置に第三始動口2415とチャンス入口2416とが配置されている。
また、可動ステージユニット2600は、第二ステージ2412が、第一ステージ2411における左右方向中央に対して左寄りの低くなった位置から第三始動口2415の位置へ向かって低くなる緩やかな傾斜面とされており、第二ステージ2412の左端に可動ステージ片2418が配置されている。換言すると、可動ステージ片2418は、第一ステージ2411における左右方向中央に対して左寄りの低くなった位置と同じ左右方向の位置に配置されている。
更に、可動ステージユニット2600は、図示するように、第二ステージ2412の左右方向の長さが、左右方向中央に対して右寄りの位置から可動ステージ片2418が配置された位置までとされており、可動ステージ片2418よりも左側では、第三ステージ2413が後方へ屈曲して第一ステージ2411と第三ステージ2413とが互いに隣接した状態となっている。
また、可動ステージユニット2600の可動ステージ片2418は、全体が略板状に形成されており、前後方向における略中央から前側に、前端及び左端が僅かに高くなるように傾斜した転動面2418aと、転動面2418aの前端から上方へ突出し左右方向に延びた突出部2418bと、後端から左方へ延出した検知片2418cと、下面に形成され左右方向へ延びた凹状の摺動溝2418dと、を備えている(図174等を参照)。この可動ステージ片2418は、転動面2418aによって遊技球を第二ステージ2412が配置された右側へ誘導することができるようになっている。
更に、可動ステージユニット2600は、図示するように、第一ステージ2411の前側且つ下側に第二ステージ2412を配置しており、第一ステージ2411と第二ステージ2412との間に段差が形成されている。また、第二ステージ2411が第三ステージ2413よりも高い位置に形成されており、第二ステージ2411と第三ステージ2413との間にも段差が形成されている(図149等を参照)。そして、第三始動口2415及びチャンス入口2416は、ステージ間の段差の壁に形成されており、前方へ向かって開口した状態となっている。
更に詳述すると、可動ステージユニット2600は、図174及び図175に示すように、左右方向へ延び上面に第一ステージ2411と第三ステージ2413の一部、及び第三始動口2415を有し、第一ステージ2411の下側の所定位置で可動ステージ片2418を前後方向へスライド可能に保持する本体2602と、本体2602の前側に取付けられ第二ステージ2412及びチャンス入口2416を有したサブ本体2604と、本体2602の下面に取付けられる駆動ブラケット2606と、駆動ブラケット2606の下側に取付けられる可動ステージ駆動モータ2608と、可動ステージ駆動モータ2608の回転軸に固定される駆動ギア2610と、駆動ギア2610と噛合し可動ステージ片2418の直下に配置される作用ギア2612と、作用ギア2612を駆動ブラケット2606に対して回転可能に支持するためのギア軸2614と、作用ギア2612の上面における回転中心よりも外側へ偏芯した位置から上方へ突出したクランクピン2616と、クランクピン2616を左右方向へ摺動可能に被覆し可動ステージ片2418の下面に形成された摺動溝2418dと、を主に備えている。
この可動ステージユニット2600における本体2602は、左右方向へ延びると共に上下方向へ波状に湾曲した第一ステージ2411の後端から上方へ延出し第一ステージ2411から遊技球が後方へ脱落するのを防止する板状の後壁2602aと、第一ステージ2411における左右方向中央に対して右寄りの位置を挟んだ両側の最も低くなった位置に配置され前方へ向かうに従って左右に広がると共に低くなる扇状の第一案内部2602bと、第一案内部2602bが形成された位置を除く第一ステージ2411の前端から上方へ突出した突出壁2602cと、を備えている。
本体2602の後壁2602aは、遊技球の外径に対して半分以上の高さとされており、遊技球が第一ステージ2411の後側へ脱落しないようになっている。一方、突出壁2602cは、遊技球の外径に対して約1/8〜1/4の高さとされており、第一ステージ2411上を転動する遊技球の転動具合によっては乗り越えられるようになっている。この本体2602は、第一ステージ2411上を転動する遊技球が専ら二つの第一案内部2602bの何れかから前方へ放出されるようになっている。
また、本体2602は、第一ステージ2411における左側の案内部2602bの下側で第一ステージ2411と第二ステージ2412との間の段差の壁に前後方向へ貫通し可動ステージ片2418を挿通可能な横長の挿通孔2602dと、挿通孔2602dの前側の位置で可動ステージ片2418と略同じ幅で前方へ向かって低くなる第二案内部2602eと、第二案内部2602e及び挿通孔29602eの左右両端に配置され前後方向へ延びると共に可動ステージ片2418をスライド可能に支持するレール部2602fと、第一ステージ2411の下側に配置され第三始動口2415に受入れられた遊技球を下方へ誘導する誘導通路2602gと、を備えている。この誘導通路2602g内に第三始動口2415へ受入れられた遊技球を検知する第三始動口センサ2618が取付けられるようになっている。また、本体2602はも第一ステージ2411の右端に上方へ延出し遊技球が可動ステージユニット2600から右側へ脱落するのを防止する障壁部2602hを備えている。
可動ステージユニット2600におけるサブ本体2604は、本体2602における第二案内部2602eの右側で第一ステージ2411の前側に取付けられるものであり、本体2604の第二案内部2602eの右側から続き第三始動口2415の右端まで延びた第二ステージ2412と、第二案内部が形成された位置を除く第二ステージ2412の前端から上方へ突出した誘導壁2604aと、第一ステージ2411における右側の第一案内部2602bから放出された遊技球を前方の第三ステージ2413へ案内するスキップ部2604bと、右端から上方へ延出し遊技球が可動ステージユニット2600の右側へ脱落するのを防止する障壁部2604cと、を備えている。
サブ本体2604における誘導壁2604aは、本体2602における第一ステージ2411の突出壁2602cよりは若干高くされており、第二ステージ2412に供給された遊技球を極めて高い確率で第三始動口2415へ誘導することができるようになっている。また、スキップ部2604bは、左右両端に上方へ突出した突条を有しており、スキップ部2604bの左右から遊技球が脱落し難いようになっている。更に、障壁部2604cは、上端が本体2602の障壁部2602hと略同じ高さとされている。
また、サブ本体2604は、チャンス入口2416へ進入した遊技球を下方へ誘導した上で前方へ誘導するチャンス通路2604dを備えている。このチャンス通路2604dは、遊技球を前方へ誘導する下端部が、センター本体2450におけるステージ下装飾部材2466に形成されたチャンス出口2417の後側に位置するようになっており、チャンス通路2604dによって誘導された遊技球がチャンス出口2417から放出されるようになっている。
可動ステージユニット2600は、第三始動口2415に受入れられた遊技球を検知し本体2602における誘導通路2602g内に支持される第三始動口センサ2618と、駆動ブラケット2606に取付けられ可動ステージ片2418の検知片2418cを検知して前後方向のスライド位置を検知する位置検知センサ2620と、本体2602の下側で第二案内部2602eよりも左側の位置に配置され上方のステージ2410へ向けて光を照射可能なステージ左装飾基板2622と、本体2602における第一ステージ2411の下側で第三始動口2415の左側に配置され前方へ向けて光を照射可能なステージ中装飾基板2624と、ステージ中装飾基板2624とは第三始動口2415を挟んで反対側に配置され前方へ向けて光を照射可能なステージ右装飾基板2626と、ステージ右装飾基板及2626びステージ中装飾基板2624の後側を被覆し本体2602の後面に取付けられる板状の裏カバー2628と、を備えている。
本例のセンター役物2400における可動ステージユニット2600は、可動ステージ片2418が本板2604のレール部2602fにより前後方向にスライド可能に保持されていると共に、可動ステージ片2418の左右方向へ延びた摺動溝2418d内に、作用ギア2612から突出したクランクピン2616が摺動可能に挿入された状態となっている。この可動ステージユニット2600は、可動ステージ駆動モータ2608によって駆動ギア2610を回転駆動させると、駆動ギア2610と噛合した作用ギア2612が回転し、クランクピン2616が作用ギア2612の軸心周りを公転することとなる。このクランクピン2616が公転することで、クランクピン2616が可動ステージ片2418の摺動溝2418d内を左右方向へスライドすると同時に、可動ステージ片2418が前後方向へスライドするようになっている。
これにより、本例の可動ステージユニット2600は、クランクピン2616が公転して最も前側へ位置すると、可動ステージ片2418も最も前側へ前進した位置となり、クランクピン2616が公転して最も後側へ位置すると、可動ステージ片2418も最も後側へ後退した位置となるようになっている。具体的には、図176(A)に示すように、可動ステージ片2418が最も前進した状態では、可動ステージ片2418の前端が第二ステージ2412の前端と略同じ位置(図中、突出量TS1)となっており、第一ステージ2411における左側の第一案内部2602bによって前方へ案内された遊技球が、可動ステージ片2418の転動面2418a上に落下し、転動面2418aによって右側の第二ステージ2412へ案内されるようになっている。
一方、図176(B)に示すように、可動ステージ片2418が最も後退した状態では、可動ステージ片2418の前端が、第一ステージ2411の前端から僅かに前方へ突出した位置(遊技球の外径に対して約1/3〜約1/2突出した位置、図中、突出量TS2)となっており、第一ステージ2411の第一案内部2602bによって前方へ案内された遊技球が、可動ステージ片2418の転動面2418a上に落下することなく、可動ステージ片2418の下側に配置された第二案内部2602eへと落下し、第二案内部2602eにより第三ステージ2413へと案内されるようになっている。
この可動ステージ片2418は、図示するように、前端に突出部2418bを備えているので、転動面2418a上に落下して突出部2418bを乗り越えることができなかった遊技球が、転動面2418aによって右側の第二ステージ2412へと送ることができるようになっている。なお、可動ステージ片2418の突出部2418bを乗り越えた遊技球は、可動ステージ片2418の前端から前方の第三ステージ2413へと送られるようになっている。
また、可動ステージ片2418は、前端に断面が三角形状の突出部2418bを備えているので、可動ステージ片2418がある程度後方へ後退すると、可動ステージ片2418の転動面2418a上へ遊技球が落下するのを阻止しすることができ、第二ステージ2412側へ遊技球を送ることをできなくすることができるようになっている。従って、可動ステージ片2418の前端を、第一ステージ2411の前端と同じ位置まで後退させる必要を無くすことができ、可動ステージ片2418の後端が可動ステージユニット2600から後方へ大きく突出するのを防止することができると共に、可動ステージ片2418における前後方向のスライド範囲を小さくすることができるようになっている。
なお、本例の可動ステージユニット2600は、可動ステージ駆動モータ2608が一定速度で回転しており、可動ステージ片2418が一定周期で前後方向へ進退(スライド)するようになっている。
[2−5E.左上後装飾部材]
続いて、センター役物2400における左上後装飾部材2650について、図164及び図165等を参照して説明する。この左上後装飾部材2650は、図示するように、センター本体2450における左棚部材2460の下側でメイン台枠2452の前面に取付けられるものである。この左上後装飾部材2650は、全体が、横長で布を模した立体的に形成されており、センター役物2400の上枠下部の左隅を装飾するものである。また、左上後装飾部材2650は、円形のレンズ部を複数前面に備えており、これらレンズ部により後側に配置された左上装飾基板2472からの光を適宜屈折させて前側に配置される左上前装飾部材2660を発光装飾させることができるようになっている。また、この左上後装飾部材2650は、透光性を有した合成樹脂によって形成されている。
[2−5F.左上前装飾部材]
続いて、センター役物2400における左上前装飾部材2660について、図164及び図165等を参照して説明する。この左上前装飾部材2660は、センター本体2450におけるメイン台枠2452の左上隅部前面に取付けられるものであり、センター本体2450における上中央飾り部材2456の下部から左側へ上枠の左端まで左右方向へ伸びた上で、センター本体2450の左枠に沿って下方へ延びた逆L状に形成されている。この左上前装飾部材2660は、略全体が布を模した滑らかな立体形状とされており、左側側面上部に上ワープ入口2405が形成されている。また、左上前装飾部材2660は、上ワープ入口2405に進入した遊技球を後方のメイン台枠2452における上側の通過孔2452aへ案内する上部上ワープ通路2662を備えている。
また、左上前装飾部材2660は、上ワープ入口2405付近の前面に、上部中央飾り部材2456と同形状の上部左飾り部材2664を備えている。また、左上前装飾部材2660は、可撓性を有した糸状の吊具に複数の透明なビーズ玉を通したチェーン状のレンズ部材2666を複数(本例では、三つ)備えている。このレンズ部材2666は、図示するように、一端が第二大入賞口2404の下側の位置と対応した位置に取付けられ、他端が上部左飾り部材2664の右側に取付けられており、円弧状に垂れ下がったように取付けられている。
更に、左上前装飾部材2660は、センター本体2450の左枠と沿った部位に、前後方向へ貫通した複数のスリット2668を備えており、これらスリット2668を通して後側に配置される前上ワープ通路2552b内を流通する遊技球を遊技者側から視認することができるようになっている。
[2−5G.右後装飾部材]
続いて、センター役物2400における右後装飾部材2670について、図164及び図165等を参照して説明する。この右後装飾部材2670は、図示するように、センター本体2450の右枠に沿った縦長に形成され、右端が円弧状に形成されている。この右後装飾部材2670は、表面が布を模した立体形状に形成されており、円形のレンズ部を複数備えている。
[2−5H.右前装飾部材]
続いて、センター役物2400における右前装飾部材2680について、図163乃至図165等を参照して説明する。この右前装飾部材2680は、センター本体2450の右枠下部の前面に取付けられるものであり、センター本体2450の右下中央装飾基板2476の前側と対応した位置に配置される円形状の右下演出表示部2681と、右下演出表示部2681の外周を覆うと共に上部右端からセンター本体2450の右枠に沿って上方へ延出し布を模した立体形状の装飾部2682と、右下演出表示部2681の左側で装飾部2682の外周に沿って配置され前後方向へ延びた板状の障壁部2683と、を備えている。
右前装飾部材2680の右下演出表示部2681は、図示は省略するが、後側に配置された右下中央装飾基板2476から照射される光の色(例えば、赤色光、青色光)に応じて、パチンコ機1のコンセプトに対応したキャラクタや絵柄等を表示することができるようになっている。また、障壁部2683は、可動ステージユニット2600の障壁部260h,2604cと同じ高さで連続するように形成されており、遊技領域605内を流下する遊技球が右前装飾部材2680の装飾部2682と当接するのを防止することができるようになっている。
また、右前装飾部材2680は、右下演出表示部2681と障壁部2683との間に配置され右下演出表示部2681の外周に沿って円弧状に列設された複数のレンズ部2684と、装飾部2682の右外壁を形成すると共にセンター役物2400の周壁部2402の一部を形成する右下周壁部2685と、右下周壁部2685の後端から遊技パネル600の面に沿うように右下演出表示部2681とは反対方向へ延出しセンター役物2400におけるフランジ部2401の一部を形成する右下フランジ部2686と、右下周壁部2685の前側で右下フランジ部2686と対向するように装飾部2682から延出した板状の延出片2687と、を備えている。
また、右下装飾部材2680は、右下演出表示部2681の上下方向略中央から上側に位置する複数のレンズ部2684の後側に配置され前方へ向かって光を照射可能とされた右下上装飾基板2688と、右下上装飾基板2688の下側で右下演出表示部2681の上下方向略中央から下側に位置する複数のレンズ部2684の後側に配置され前方へ向かって光を照射可能とされた右下下装飾基板2689と、を備えている。
更に、右下装飾部材2680は、延出片2687の後面から後方へ突出し遊技領域605に対して略放射状に延びると共に右下周壁部2685の周方向に沿って複数配置された前突部2690と、右下フランジ部2686における延出片2687と対向した位置で複数の前突部2690に対し右下周壁部2685の周方向に沿って互い違いとなる位置に配置され前方へ突出すると共に遊技領域605に対して略放射状に延びた複数の後突部2691と、を備えている(図163等を参照)。
右下装飾部材2680は、本例では前突部2690が三つ、後突部2691が四つ夫々備えられており、センター役物2400の周壁部2402に沿った遊技球の流れに対して、上側から後突部2691、前突部2690、後突部2691・・・の順に交互に形成されている。これにより、周壁部2402に沿って流下してきた遊技球が、後突部2691と前突部2690とに交互に当接し、遊技球の流下速度を減速させて、遊技球がアウト口606等に強く衝突して破損等の不具合が発生するのを防止することができるようになっている。
また、右下装飾部材2680は、前突部2690を装飾部2683から延長させた延出片2687に備えており、延出片2687が前後方向へ撓み易くなっているので、後突部2691に当接して前側へ跳ねた遊技球が延出片2687の後側に衝突すると、延出片2687が前側へ撓んで衝突による衝撃を吸収・緩和させることができ、前突部2690及び後突部2691による遊技球の減速効果を更に高めることができるようになっている。
更に、図163に示すように、後突部2691の上側二つは、他の前突部2690や後突部2691と比較して、突出量が約2倍となっている。これにより、周壁部2402に沿って流下してきた遊技球を、後突部2691へ当接し易くすることができるので、遊技球を確実に後突部2691へ衝突させて前側の延出片2687へ向けて跳ねさせることができ、延出片2687の撓みによる減速効果等を確実に発揮させることができるようになっている。
[2−6.裏ユニットの全体構成]
次に、本実施形態のパチンコ機1における遊技盤4の裏ユニット3000の全体構成について、図177乃至図180を参照して説明する。図177は遊技盤における裏ユニットを前から見た斜視図であり、図178は裏ユニットを後から見た斜視図である。また、図179は裏ユニットを主な構成部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図180は裏ユニットを主な構成部材毎に分解して後から見た分解斜視図である。
本例の裏ユニット300は、遊技パネル600の後側に取付けられ前側が開放された箱状で後壁621bに液晶表示装置1400の表示画面が臨む開口621cが形成された裏箱621と、裏箱621内の前面付近に取付けられ表ユニット2000における第一始動口2101、一般入賞口2201、第三始動口2415、上アウト口2403、及び第二大入賞口2404に受入れられた遊技球を下方の所定位置へ誘導する球誘導ユニット3100と、裏箱621内の開口621cよりも上側の右上隅部付近に取付けられ遊技状態に応じて可動する裏上可動演出ユニット3200と、裏上可動演出ユニット3200よりも下側且つ右側で裏箱621内における開口621cよりも右側に配置され遊技状態に応じて可動する裏右可動演出ユニット3400と、裏箱621内における前後方向の略中央位置に配置され開口621cと略同じ大きさで透明板状の保護カバー3010と、保護カバーと裏箱621の後壁621bとの間に配置され遊技状態に応じて可動する裏後可動演出ユニット3500と、を備えている。
また、裏ユニット3000は、裏箱621の後壁621bの後面に、背面視で左下隅に取付けられ主制御基板4100と表ユニット2000の第一カウントセンサ2128等との接続を中継するパネル中継基板3012と、パネル中継基板3012の背面視で右側に取付けられ表ユニット2000や裏ユニット3000の装飾基板や駆動モータ等を制御する第一ランプ駆動基板3104を収納した第一ランプ駆動基板ボックス3016と、開口621cの背面視右側に取付けられ第一ランプ駆動基板3014と協同して表ユニット2000や裏ユニット3000の装飾基板や駆動モータ等を制御する第二ランプ駆動基板3018を収納した第二ランプ駆動基板ボックス3020と、背面視で右上隅に取付けられ第一ランプ駆動基板3014や第二ランプ駆動基板3018と裏後可動演出ユニット3500における上部旋回装飾ユニット3540や上部旋回駆動ユニット3550等の裏後上装飾基板3544や裏後上部駆動モータ3554等との接続を中継する上部旋回中継基板3022と、開口621cの背面視右側で上下方向の略中央に取付けられパネル中継基板3012と第二アタッカユニット2500の第二アタッカソレノイド2508や第二カウントセンサ2512等との接続を中継する第二アタッカユニット中継基板3024と、開口621cの背面視左側で上下方向の略中央に取付けられ裏箱621の後面に液晶表示装置1400を脱着可能に保持するためのロック部材3026と、を備えている。
また、裏ユニット3000は、裏箱621における第一アタッカユニットの第一始動口2102及び第二始動口2102の後側と対応した位置に取付けられる磁気検出センサ3028を備えている。
この裏ユニット3000における裏箱621は、後壁621bの前後の適宜位置に、球誘導ユニット3100、裏上可動演出ユニット3200、裏右可動演出ユニット3400、裏後可動演出ユニット3500、パネル中継基板3012、第一ランプ駆動基板ボックス3016、第二ランプ駆動基板ボックス3020、上部旋回中継基板3022、第二アタッカユニット中継基板3024、及びロック部材3026等を取付けるための取付孔や取付ボスを備えている。また、裏箱621は、前端から外方へ延出したフランジ状の固定部621aを備えており、この固定部621aを介して遊技パネル600の後側に固定されるようになっている。また、裏箱621は、後壁621bの後面側で開口621cの背面視左側に上下方向へ離反して配置され、液晶表示装置1400の側面から突出した固定片1402が挿入される取付凹部621dを備えている。
また、詳細な図示は省略するが、裏箱621には、上部旋回中継基板3022の下側の位置で、後端が裏箱621の後壁621bの後面に取付けられると共に、前端が裏箱621内に延出し、磁着可能な素材で形成された板状の保持板3030(図178を参照)を備えている。この保持板3030は、後述する裏後可動演出ユニット3500における上部旋回装飾ユニット3540が上方へ旋回した後退位置の時に、上部旋回装飾ユニット3540の保持磁石3547と磁着するようになっており、上部旋回装飾ユニット3540を後退位置の状態で保持する際に、裏後上部駆動モータ3554にかかる負荷を低減させることができるようになっている。
[2−6A.球誘導ユニット]
続いて、裏ユニット3000における球誘導ユニット3100について、図181乃至図183を参照して説明する。図181(A)は裏ユニットにおける球誘導ユニットを前側から見た斜視図であり、(B)は球誘導ユニットを後側から見た斜視図である。図182は、球誘導ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。また、図183は、球誘導ユニットを主な部材毎に分解して後から見た分解斜視図である。
裏ユニット3000における球誘導ユニット3100は、全体が、図示するように、後側の液晶表示装置1400に表示された演出画像の妨げとならないように、液晶表示装置1400(裏箱621の開口621c)の外形に沿ったような形状とされている。この球誘導ユニット3100は、表ユニット2000における上アウト口2403の後側と対応した位置から正面視左方向へ裏箱621における開口621cの左端よりも左側の位置まで延びた横長の上球誘導部材3102と、上球誘導部材3102の左端から裏箱621における開口621cの略下端まで下方へ延びた上で上球誘導部材3102の右端と略同じ左右方向の位置へ向かって斜め下に延びそこから更に下方へ垂下した変クランク状の下球誘導部材3104と、を備えている。
また、球誘導ユニット3100は、下球誘導部材3104における下部の正面視右側に配置される右球誘導部材3106と、下球誘導部材3104の下部を挟んで右球誘導部材3106とは反対側の正面視左側に配置される左球誘導部材3108と、下球誘導部材3104の下部後側に取付けられる板状の裏カバー3110と、を更に備えている。
更に、球誘導ユニット3100は、上部球誘導部材3102の後側に取付けられ前方へ向かって光を照射可能な裏左上装飾基板3112と、下球誘導部材3104の後側に所定距離離間して取付けられ前方へ向かって光を照射可能な裏左装飾基板3114と、裏左装飾基板3114と下球誘導部材3104との間に配置され正面視右方向へ向かって光を照射可能な裏左サイド装飾基板3116と、左球誘導部材3108の後側に配置され第一ランプ駆動基板3014や第二ランプ駆動基板3018と裏左上装飾基板3112、裏左装飾基板3114、及び裏左サイド装飾基板3116等との接続を中継する裏左下中継基板3118と、を備えている。
また、球誘導ユニット3100は、右球誘導部材3106に取付けられ第一始動口2101に受入れられた遊技球を検知する第一始動口センサ3120と、左球誘導部材3108に取付けられ一般入賞口2201に受入れられた遊技球を検知する一般入賞口センサ3122と、を備えている。
球誘導ユニット3100における上球誘導部材3102は、前側が開放され表ユニット2000のセンター本体2450における排出孔2452cの後側の位置から正面視左方向へ延び、左端側で若干下方へ垂下した上球排出通路3102aと、上球排出通路3102aの左端下部の後側に開口し遊技球が通過可能とされた球排出口3102b(図183を参照)と、を備えている。この上球誘導部材3102は、表ユニット2000における上アウト口2403へ受入れられた遊技球を、上球排出通路3102aによって正面視左側へ誘導し、球排出口3102bから下球誘導部材3104へ遊技球を受渡すことができるようになっている。
また、球誘導ユニット3100における下球誘導部材3104は、上端に正面視右側を向いて開口し遊技球が通過可能とされた上右開口3104aと、上右開口3140aから進入した遊技球を下球誘導部材3104に沿って下端まで誘導し後側が開放された下球排出通路3104bと、下球排出通路3104bの下端で下方へ向かって開口し遊技球が通過可能とされた下開口3104cと、上右開口3104aの下側且つ正面視左側で前方へ向かって開口し遊技球が通過可能とされた上前開口3104dと、上前開口3104dから進入した遊技球を下球排出通路3104b内へ誘導し後側が開放された上連絡通路3104eと、を備えている。
また、下球誘導部材3104は、下部における上下方向へ延びた上端から正面視で右側へ延出し上方に向かって開口し遊技球が通過可能とされた下上開口3104fと、下上開口3104fから進入した遊技球を下球排出通路3104bへ誘導し後側が開放された下連絡通路3104gと、を備えている。なお、下球誘導部材3104は、下連絡通路3104g内を流通する遊技球を検知することができるように、遊技球の検知センサを取付可能なセンサ取付部3104hも備えている。
この下球誘導部材3104は、上右開口3104aがセンター役物2400におけるワープ通路ユニット2550の排出口2554jと対向する位置に配置されており、第二大入賞口2404に受入れられた遊技球が排出口2554jを介して上右開口3104aから進入するようになっている。また、下球誘導部材3104は、上前開口3104dが上球誘導部材3102の球排出口3102bと対向する位置に配置されており、上球誘導部材3102の上球排出通路3102aを介して第二大入賞口2404に受入れられた遊技球が上前開口3104dから進入するようになっている。
更に、下球誘導部材3104は、下上開口3104fがセンター役物2400の駆動ステージユニット2600における誘導通路2602gの下端開口と対向する位置に配置されており、センター役物2400のステージ2410上に配置された第三始動口2415へ受入れられた遊技球が誘導通路2602gを介して下上開口3104fから進入するようになっている。
この下球誘導部材3104は、上右開口3104a、上前開口3104d及び下上開口3104fから進入した遊技球を、下球排出通路3104bによって裏ユニット3000における左右方向の略中央下部へと誘導し、下端の下開口3104cから下方へ排出することができるようになっている。
なお、下球誘導部材3104における後側が開放された下球排出通路3104bは、下部が裏カバー3110によって閉鎖されると共に、裏カバー3110よりも上部が保護カバー3010によって閉鎖されるようになっている。
球誘導ユニット3100における右球誘導部材3106は、上部に正面視左方向へ開口し遊技球が通過可能とされた上部開口3106aと、上部開口3106aから進入した遊技球を正面視右下へ向けてクランク状に誘導し前側が開放された右球排出通路3106bと、右球排出通路3106bの下端で下方へ向けて開口し遊技球が通過可能とされた下端開口3106cと、を備えている。
この右球誘導部材3106は、上部開口3106aが表ユニット2000の第一アタッカユニット2100における第一始動口2101と連通する第一誘導部2123aの下流端と対向するようになっており、第一始動口2101に受入れられた遊技球が第一誘導部2123aを介して上部開口3106aから右球排出通路3106b内へ進入し、右球排出通路3106bを通って下端の下端開口3106cから下方へ排出することができるようになっている。また、右球誘導部材3106は、右球排出通路3106b内の所定位置に第一始動口センサ3120が取付けられており、第一始動口2101に受入れられた遊技球を検知することができるようになっている。
球誘導ユニット3100における左球誘導部材3108は、図示するように、遊技球が理由通可能とされ上下方向へ延びると共に前側が開放され、正面視で左側から左第一排出通路3108a、左第二排出通路3108b、及び左第三排出通路3108cの三つの排出通路を備えている。また、左球誘導部材3108は、左第一排出通路3108aと左第二排出通路3108bとが上下方向の中間位置で合流した形態となっており合流した下流側で下方に開口し遊技球が通過可能とされた左下開口3108dと、左第三排出通路3108cの下端で下方へ開口し遊技球が通過可能とされた右下開口3108eと、を備えている。
左球誘導部材3108は、左第一排出通路3108a、左第二排出通路3108b、左第三排出通路3108cの夫々上端部が、表ユニット2000のサイド装飾部材2200における三つの一般入賞口2201と夫々対応した樋部2202bの後端と対向するようになっており、一般入賞口2201に受入れられた遊技球が、夫々の排出通路へと進入して、下端の左下開口3108d或いは右下開口3108eから下方へ排出することができるようになっている。
また、左球誘導部材3108は、左第一排出通路3108aと左第二排出通路3108bとが合流する上流側の左第一排出通路3108a内と、、左第一排出通路3108aと左第二排出通路3108bとが合流した下流側の排出通路内と、左第三排出通路3108c内とに、夫々一般入賞口センサ3122が取付けられており、一般入賞口2201に受入れられた遊技球を検知することができると共に、何れの一般入賞口2201に受入れられたのかが判るようになっている。
本例の球誘導ユニット3100は、上球誘導部材3102、下球誘導部材3104、右球誘導部材3106、左球誘導部材3108、及び裏カバー3110が、透明な合成樹脂によって形成されている。
[2−6B.裏上可動演出ユニット]
続いて、裏ユニット3000における裏上可動演出ユニット3200について、主に図184乃至187を参照して説明する。図184は裏ユニットにおける裏上可動演出ユニットを前から見た斜視図であり、図185は裏上可動演出ユニットを後から見た斜視図である。また、図186は、裏上可動演出ユニットを裏上前ユニットと裏上後ユニットとに分解して前から見た分解斜視図である。更に、図187は、裏上可動演出ユニットを裏上前ユニットと裏上後ユニットとに分解して後から見た分解斜視図である。
この裏上可動演出ユニット3200は、正面視で遊技領域605内における第二大入賞口2404(第二アタッカユニット2500)の右側に配置されるものである(図148等を参照)。この裏上可動演出ユニット3200は、前側に配置され二つの装飾された文字を有する裏上前ユニット3210と、裏上前ユニット3210の後側に配置され左右方向の中央にパチンコ機1のコンセプトに沿った所定のキャラクタを模したフィギュアを有する裏上後ユニット3300と、を備えている。
[2−6B−1.裏上前ユニット]
次に、裏上可動演出ユニット3200における裏上前ユニット3210について、主に図188乃至図192を参照して説明する。図188は裏上可動演出ユニットにおける裏上前ユニットを主要な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図189は裏上前ユニットを主要な部材毎に分解して後から見た分解斜視図である。また、図190は、裏上前ユニットの正面図である。図191は、図190におけるA−A線で裏上前ユニットを切断した断面図である。
裏上可動演出ユニット3200における裏上前ユニット3210は、図示するように、正面視で左側に配置され大きく「歌」の文字が造形されたロゴ左装飾部材3220と、ロゴ左装飾部材3220の右側に配置され大きく「姫」の文字が造形されたロゴ右装飾部材3230と、ロゴ左装飾部材3220及びロゴ右装飾部材3230の後側に配置されると共にロゴ左装飾部材3220及びロゴ右装飾部材3230を昇降させるロゴ駆動ユニット3240と、を備えている。
この裏上前ユニット3210は、ロゴ駆動ユニット3240によって、ロゴ左装飾部材3220、及びロゴ右装飾部材3230を、やや斜め左下へ延びた軸線上に沿って夫々独立して昇降駆動させることができるようになっている。
裏上前ユニット3210におけるロゴ左装飾部材3220は、「歌」の文字が立体的に造形されると共にレリーフ状の装飾が施され透光性を有したロゴ左装飾本体3221と、ロゴ左装飾本体3221の後側に取付けられる板状のロゴ左ベース3222(図191を参照)と、ロゴ左ベース3222の右端に取付けられ縦長で透光性を有したレンズ部材3223と、レンズ部材3223及びロゴ左ベース3222の後側に配置され前方へ光を照射可能とされたロゴ左装飾基板3224と、を備えている。
また、ロゴ左装飾部材3220は、ロゴ左ベース3222の左端後側に取付けられ斜め上下方向に延びると共に正面視右側に露出したラックギア3225aを有するラック部材3225と、ラック部材3225のラックギア3225aと平行に延びロゴ左ベース3222の右端後側に取付けられたレール部材3226と、ラック部材3225の下側でロゴ左ベース3222に取付けられ磁着可能な金属板によって形成された保持板3227と、を備えている。
このロゴ左装飾部材3220のロゴ左装飾基板3224は、「歌」の文字と対応した位置の前面に複数のカラーLED3224aと、レンズ部材3223と対応した位置に斜め上下方向に列設され閃光を発することが可能な複数の高輝度LED3224bと、が実装されている(図190を参照)。また、ラック部材3225は、上端から後方へ延出した検知片3225bと、後端から左方向へ延出したレール部3225cと、を備えている。なお、詳細な図示は省略するが、ロゴ左装飾部材3220は、ロゴ左ベース3222の前側に、ロゴ左装飾基板3224からの光を拡散させるシート状の拡散レンズ部材を備えている。
一方、裏上前ユニット3210におけるロゴ右装飾部材3230は、「姫」の文字が立体的に造形されると共にレリーフ状の装飾が施され透光性を有したロゴ右装飾本体3231と、ロゴ右装飾本体3231の後側に取付けられる板状のロゴ右ベース3232(図191を参照)と、ロゴ右ベース3232の後側に配置され前方へ光を照射可能とされたロゴ右装飾基板3234と、ロゴ右ベース3232の右端後側に取付けられ斜め上下方向に延びると共に正面視左側に露出したラックギア3235a(図191を参照)を有するラック部材3235と、ラック部材3235のラックギア3235aと平行に延びロゴ右ベース3232の左端後側に取付けられたレール部材3236と、ラック部材3235の下側でロゴ右ベース3232に取付けられ磁着可能な金属板によって形成された保持板3237と、を備えている。
このロゴ右飾部材3230のロゴ右装飾基板3234は、「姫」の文字と対応した位置の前面に複数のカラーLED3234aが実装されている(図190を参照)。また、ラック部材3235は、上端から後方へ延出した検知片3235bと、後端から右方向へ延出したレール部3235cと、を備えている。なお、詳細な図示は省略するが、ロゴ右装飾部材3230は、ロゴ右ベース3232の前側に、ロゴ右装飾基板3234からの光を拡散させるシート状の拡散レンズ部材を備えている。
この裏上前ユニット3210におけるロゴ駆動ユニット3240は、透明なロゴ駆動ベース3242と、ロゴ駆動ベース3242の前面で正面視左端に取付けられ斜め上下方向に延びると共にロゴ左装飾部材3220におけるラック部材3225の左側面及びレール部3225bを案内する左案内部材3244と、左案内部材3244に案内されたロゴ左装飾部材3220におけるラック部材3225のラックギア3225aと噛合し左案内部材3244の下部右側の位置で回転可能に支持される駆動ギア3246と、駆動ギア3246が回転軸に固定されると共にロゴ駆動ベース3242の後側に取付けられるロゴ左駆動モータ3248と、左案内部材3244の上端近傍と対応するロゴ駆動ベース3242の後側に取付けられロゴ左装飾部材3220におけるラック部材3225の検知片3225bを検知可能なロゴ左位置検知センサ3250と、を備えている。
また、ロゴ駆動ユニット3240は、ロゴ駆動ベース3242の前面で正面視右端に取付けられ左案内部材3244と平行に斜め上下方向に延びると共にロゴ右装飾部材3230におけるラック部材3235の右側面及びレール部3235bを案内する右案内部材3252と、右案内部材3252に案内されたロゴ右装飾部材3230におけるラック部材3235のラックギア3235aと噛合し右案内部材3252の下部左側の位置で回転可能に支持される駆動ギア3254と、駆動ギア3254が回転軸に固定されると共にロゴ駆動ベース3242の後側に取付けられるロゴ右駆動モータ3256と、右案内部材3252の上端近傍と対応するロゴ駆動ベース3242の後側に取付けられロゴ右装飾部材3230におけるラック部材3235の検知片3235bを検知可能なロゴ右位置検知センサ3258と、を備えている。
更に、ロゴ駆動ユニット3240は、ロゴ駆動ベース3242における左案内部材3244及び右案内部材3252の下端付近と対応した位置に取付けられ、ロゴ左装飾部材3220の保持板3227及びロゴ右装飾部材3230の保持板3237に磁着可能とされた保持磁石3259を備えている。
このロゴ駆動ユニット3240のロゴ駆動ベース3242は、左右方向略中央の下端前面に配置され、ロゴ左装飾部材3220のレール部材3226及びロゴ右装飾部材3230のレール部材3236を夫々案内するレール案内部3242aを備えている。なお、詳細な図示は省略するが、ロゴ駆動ベース3242には、左案内部材3244の右側と右案内部材3252の左側の位置に、夫々に沿って斜め上下方向へ延びたスリットを備えており、このスリットを通してラック部材3225,3235の検知片3225c,3235cがロゴ駆動ベース3242の後側へ延出し、ロゴ左位置検知センサ3250やロゴ右位置検知センサ3258によって検知することができるようになっている。
また、ロゴ駆動ユニット3240の左案内部材3244及び右案内部材3252は、ロゴ左装飾部材3220及びロゴ右装飾部材3230のラック部材3225,3235の側面と当接して転動可能とされた複数のローラを備えており、ロゴ左装飾部材3220及びロゴ右装飾部材3230を滑らかに案内することができるようになっている。
本例の裏上可動演出ユニット3200における裏上前ユニット3210は、ロゴ左装飾部材3220におけるラック部材3225のレール部3225cを、ロゴ駆動ユニット3240の左案内部材3244に案内させると共に、ロゴ左装飾部材3220のレール部材3226を、ロゴ駆動ユニット3240のロゴ駆動ベース3242のレール案内部3242aに案内させることで、ロゴ左装飾部材3220をやや斜め左下へ延びた軸線上に沿ってスライド可能に保持することができるようになっており、その状態で、ロゴ左駆動モータ3248を駆動して駆動ギア3246を回転させることで、駆動ギア3246と噛合したラックギア3225aを介してロゴ左装飾部材3220を昇降させることができるようになっている。
また、裏上前ユニット3210は、ロゴ右装飾部材3230におけるラック部材3235のレール部3235cを、ロゴ駆動ユニット3240の右案内部材3252に案内させると共に、ロゴ右装飾部材3230のレール部材3236を、ロゴ駆動ユニット3240のロゴ駆動ベース3242のレール案内部3242aに案内させることで、ロゴ右装飾部材3230をやや斜め左下へ延びた軸線上に沿ってスライド可能に保持することができるようになっており、この状態で、ロゴ右駆動モータ3256を駆動して駆動ギア3254を回転させることで、駆動ギア3254と噛合したラックギア3235aを介してロゴ右装飾部材3230を昇降させることができるようになっている。
更に、裏上前ユニット3210は、ロゴ左装飾部材3220のレンズ部材3223が、ロゴ右装飾体3230の左側に位置するようになっており、立体的に造形された「歌」と「姫」の間に配置された状態となっている。
この裏上前ユニット3210は、ロゴ左装飾部材3220及びロゴ右装飾部材3230が上昇した状態(上昇位置の状態)では、夫々に備えられた保持板3227,3237が、ロゴ駆動ユニット3240の保持磁石3259と磁着するようになっており、保持磁石3259の磁力によってロゴ左装飾部材3220及びロゴ右装飾部材3230を上昇位置に保持し、ロゴ左駆動モータ3248やロゴ右駆動モータ3256にかかる負荷を低減させることができるようになっている。
[2−6B−2.裏上後ユニット]
続いて、裏上可動演出ユニット3200における裏上後ユニット3300について、主に図192乃至図200を参照して説明する。図192は裏上可動演出ユニットにおける裏上後ユニットの正面図である。図193は、裏上後ユニットを前方斜め下から見た斜視図である。図194は、図192におけるA−A線で裏上後ユニットを切断した断面図である。また、図195は裏上後ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図196は裏上後ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。更に、図197は、裏上後ユニットにおけるシーソー機構を正面から示す説明図である。また、図198は、裏上後ユニットにおける演出球ローテーション機構を正面から示す説明図である。
本例の裏上可動演出ユニット3200における裏上後ユニット3300は、内部に遊技球と同じ形状の演出球3301を複数(本例では、五つ)備えており(図198等を参照)、演出球3301を用いた可動演出を行うことができるようになっている。この裏上後ユニット3300は、図示するように、正面視略中央に配置されパチンコ機1の所定のキャラクタを模した裏上キャラクタ体3302と、裏上キャラクタ体3302の前側下部に配置され左右方向へ延びると共に演出球が転動可能とされた樋状で左右方向の中央を中心として前後方向へ延びた軸周りに回動可能とされたシーソー部材3303と、シーソー部材3303を回動可能に支持すると共に裏上キャラクタ体3302を後側から支持する振分ベース3304と、を備えている。
この裏上後ユニット3300は、振分ベース3304の前側で裏上キャラクタ体3302がシーソー部材3303を持っているようになっている。シーソー部材3303は、左右両端が後方へ湾曲していると共に、左右両端の後側に演出球3301が通過可能な開放部3303aを備えており、左右両端から演出球3301を放出することができるようになっている。また、シーソー部材3303は、左右方向中央から後方へ突出した筒状の軸受部3303bを備えており、後述する振分軸3312が後側から挿入されるようになっている。
裏上後ユニット3300の振分ベース3304は、幾何学模様をレリーフ状に形成した装飾部が前面に複数形成されており、前面における左右方向の略中央に裏上キャラクタ体3302を取付けるためのキャラクタ体取付部3304aと、キャラクタ体取付部3304aの下部から前方へ突出しシーソー部材3303を軸支するための筒状の軸受ボス部3304bと、を備えている。また、振分ベース3304は、軸受ボス部3304bの左右両側のやや下側で回動したシーソー部材3303の左右両端の開放部3303aと対応する位置と、キャラクタ体取付部3304aの左側でシーソー部材3303の上側となる位置とに形成され、演出球3301よりも大径で前後方向に貫通した三つの貫通孔3304cを備えている。
また、振分ベース3304は、下端から前方へ延出し左右両端が立上った受棚部3304dと、受棚部3304dの左右方向中央上側の位置に形成され前後方向へ貫通した中央開口部3304eと、を備えている。この振分ベース3304は、軸受ボス部3304bよりも下側の二つの貫通孔3304cが、夫々後述するローテーションベース3321における下左開口3321cと下右開口3321dと対応する位置に形成されている。また、振分ベース3304の中央開口部3304eは、ローテーションベース3321の下中開口3321bと対応する位置に形成されている。なお、本例の振分ベース3304は、透光性を有するように形成されている。
裏上後ユニット3300は、振分ベース3304における受棚部3304dの上側且つ貫通孔3304cの下側の位置で振分ベース3304の前面に取付けられ、軸受ボス部3304b左右の貫通孔3304cを跨ぐように左右方向へ延びると共に前方へ延出し、振分ベース3304の中央開口部3304eへ向かって低くなるように傾斜した透明板状の回収ステージ3305を備えている。また、裏上後ユニット3300は、振分ベース3304における軸受ボス部3304b左側の貫通孔3304cの前面外周を装飾する左ポータル3306と、軸受ボス部3304b右側の貫通孔334cの前面外周を装飾する右ポータル3307と、振分ベース3304の後側に配置され前方へ向かって光を照射可能とされた振分装飾基板3308と、を備えている。
また、裏上後ユニット3300は、シーソー部材3303をシーソー状に揺動させると共にシーソー部材3303上に供給された演出球3301を左右の何れかから放出させるためのシーソー機構3310を備えている。裏上後ユニット3300におけるシーソー機構3310は、振分装飾基板3308の後側に配置されると共に後側が開放された薄い箱状に形成されシーソー機構3310の一部を収容するシーソー機構ボックス3311と、シーソー機構ボックス3311及び振分ベース3304を貫通してシーソー部材3303の軸受部3303bに挿入固定され振分ベース3304の軸受ボス部334bに回動可能に軸支される振分軸3312と、振分軸3312の後端に固定されると共に振分軸3312の軸心を中心として扇状に形成され外周に複数の歯を有した振分ギア3313と、振分ギア3313と噛合する振分駆動ギア3314と、振分駆動ギア3314を回転駆動させ後述するローテーションベース3321の後側に取付けられる振分駆動モータ3315と、ローテーションベース3321の前面に取付けられシーソー部材3303の回動位置を検知する振分位置検知センサ3316と、を備えている。
振分ギア3313は、上側の側面から外方へ延出した板状の検知片3313aを備えており、この検知片3313aを振分位置検知センサ3316によって検知することで、振分ギア3313を介してシーソー部材3303の回転位置を検知することができるようになっており、図197に示すように、振分位置検知センサ3316による振分ギア3313の検知片3313aの検知が、検知或いは非検知に切替わる位置の時に、シーソー部材3303が略水平状態となるようになっている。なお、シーソー機構3310のシーソー機構ボックス3311は、ローテーションベース3321の前面に取付けられている。また、本例では、演出球3301を左右の何れかに振分けるシーソー機構3310に、シーソー部材3303も含まれている。
裏上後ユニット3300のシーソー機構3310は、振分駆動モータ3315により振分駆動ギア3314を正面視で時計回りの方向へ回転させると振分ギア3313を介して左端が低くなるようにシーソー部材3303を傾動させることができるようになっていると共に、振分駆動モータ3315により振分駆動ギア3314を反時計回りの方向へ回転させると振分ギア3313を介して右端が低くなるようにシーソー部材3303を傾動させることができるようになっている。
このシーソー機構3310は、シーソー部材3303を水平状態から正面視左側が低くなる方向へ約15゜回動させると、左端の開放部3303aが後述する球回収通路部材3329における左回収通路3329aの前端開口と一致するようになっており、シーソー部材3303上の演出球3301を左回収通路3329a側、つなり、左ポータル3306内へ進入することができるようになっている。一方、シーソー部材3303を水平状態から右側が低くなる方向へ約15゜回動させると、右端の開放部3303aが球回収通路部材3329における右回収通路3329bの前端開口と一致するようになっており、シーソー部材3303上の演出球3301を右回収通路3329b側、つなり、右ポータル3307内へ進入することができるようになっている。
なお、シーソー部材3303上に供給された演出球3301が、左ポータル3306及び右ポータル3307の何れにも進入しなかった場合、シーソー部材3303の下方に配置された回収ステージ3305へと落下し、回収ステージ3305の中央から振分ベース3304の中央開口部3304e内に臨んだ球回収通路部材3329の中回収通路3329cへ送られるようになっている。
なお、振分軸3312の前端は、図194に示すように、シーソー部材3303の軸受部3303bに挿入された状態で、下側から軸受部3303bを貫通した固定ビス3317がねじ込まれることで、シーソー部材3303と一体回転可能に固定されるようになっている。また、回収ステージ3305には、シーソー部材3303に振分軸3312を固定する固定ビス3317が取付けられる位置の直下に、固定ビス3317を回転させるためのドライバ等の工具を挿通可能な挿通孔3305aが形成されており、下側から固定ビス3317によりシーソー部材3303と振分軸3312とを固定することができるようになっている。この回収ステージ3305の挿通孔3305aは、図194に示すように、内壁の前側が上下方向へ延びるように形成されており、この内壁によりドライバ等の工具を案内することができ、固定ビス3317の着脱作業を容易にすることができるようになっている。
更に、裏上後ユニット3300は、シーソー機構3310に対して演出球3301を供給すると共に回収するための演出球ローテーション機構3320を備えている。裏上後ユニット3300における演出球ローテーション機構3320は、シーソー機構3310よりも後側で振分ベース3304の後面に取付けられるローテーションベース3321と、ローテーションベース3321の後側に取付けられるローテーションギアカバー3322と、ローテーションベース3321とローテーションギアカバー3322とによって回転可能に両端が支持されると共に前後方向へ延びたローテーション軸3323と、ローテーション軸3323に固定されると共にローテーションベース3321とローテーションギアカバー3322との間に配置され円盤状で外周に複数のギア歯3324aを有し演出球3301を搬送可能なロータリーケース3324と、ロータリーケース3324のギア歯3324aと噛合するローテーション駆動ギア3325と、ローテーション駆動ギア3325を回転駆動させローテーションギアカバー3322の後側に取付けられるローテーション駆動モータ3326と、を備えている。
この演出球ローテーション機構3320は、ローテーション駆動モータ3326によってローテーション駆動ギア3325を回転駆動させると、ローテーション駆動ギア3325と噛合したロータリーケース3324の外周のギア歯3324aによってロータリーケース3324が前後方向へ延びた軸周りに回転するようになっている。
演出球ローテーション機構3320のロータリーケース3324は、図示するように、外周に形成されたギア歯3324aの他に、前面の外周付近に周方向に沿って複数(本例では、五つ)列設され、後方へ窪み演出球3301を一つのみ収容可能な球収容凹部3324bを備えている。このロータリーケース3324は、五つの球収容凹部3324bが互いに隣接するように周方向へ列設されており、一端側の球収容凹部3324bの中心から回転中心へ延びた軸線と、他端側の球収容凹部3324bの中心から回転中心へ延びた軸線とが、120゜の角度で交わるように形成されている。つまり、各球収容凹部3324bは、回転中心に対して30゜の角度毎に形成されている。
このロータリーケース3324の球収容凹部3324bは、回転中心側の内壁が前方へ向かうに従って回転中心側へ近くなるように傾斜している(図194)。これにより、ロータリーケース3324が回転した球収容凹部3324bが回転中心よりも上側へ移動すると、球収容凹部3324b内に収容された演出球3301を傾斜した内壁によって前方へ転動させることができるようになっている。
また、演出球ローテーション機構3320のローテーションベース3321は、正面視が横長の略矩形状で、略中央の位置にローテーションギアカバー3322と協同してローテーション軸3323を介してロータリーケース3324を回転可能に支持している。このローテーションベース3321は、ローテーション軸3323の真上におけるロータリーケース3324の球収容凹部3324bと対応する位置で前後方向に貫通し演出球3301が通過可能な上開口3321aと、上開口3321aとはローテーション軸3323を挟んだ反対側の下側でロータリーケース3324の球収容凹部3324bと対応する位置に前後方向へ貫通し演出球3301が通過可能な下中開口3321bと、下中開口3321bの左側且つローテーション軸3323よりも下側でロータリーケース3324の球収容凹部3324bと対応する位置に前後方向へ貫通し演出球3301が通過可能な下左開口3321cと、下左開口3321cとはローテーション軸3323を挟んで反対側の右側でロータリーケース3324の球収容凹部3324bと対応する位置に前後方向へ貫通し演出球3301が通過可能な下右開口3321dと、を備えている。
演出球ローテーション機構3320は、ロータリーケース3324の前面をローテーションベース3321によって閉鎖しており、ローテーションベース3321の上開口3321a、下中開口3321b、下左開口3321c、及び下右開口3321d以外からは、ローテーションケース3324の球収容凹部3324bに対して演出球3301が出入りできないようになっている。
このローテーションベース3321は、下左開口3321cの中心からローテーション軸3323の軸心へ延びた軸線と、下右開口3321dの中心からローテーション軸3323の軸心へ延びた軸線とが、120゜の角度で交わるように形成されている。ローテーションベース3321は、下左開口3321c及び下右開口3321dが振分ベース3304における軸受ボス部3304bよりも下側の二つの貫通孔3304cと対応すると共に、下中開口3321dが振分ベース3304の中央開口部3304eと対応するようになっている。
演出球ローテーション機構3320は、ローテーションベース3321の前面に取付けられ上開口3321aから前側へ放出された演出球3301を左方へ誘導した上で振分ベース3304の前側へ誘導する球供給通路部材3327と、球供給通路部材3327における前方へ演出球3301を誘導する部位の上側を覆うと共に球供給通路部材3327によって誘導された演出球3301を下方のシーソー部材3303上へ落下させる球供給口部材と3328、球供給口部材3328からシーソー部材3303側へ供給されてシーソー部材3303から放出された演出球3301を振分ベース3304の前側からローテーションベース3321の下中開口3321b、下左開口3321c、及び下右開口3321dへ誘導しローテーションベース3321の前面に取付けられる球回収通路部材3329と、を備えている。
球供給通路部材3327は、演出球3301を前方へ誘導する部位が、振分ベース3304における軸受ボス部3304bよりも上側の貫通孔3304cと対応する位置に形成されており、上側を覆う球供給口部材3328と共に、振分ベース3304の後側から貫通孔3304cを貫通して振分ベース3304の前側へ延びだすようになっている(図193等を参照)。
また、球回収通路部材3329は、振分ベース3304における軸受ボス部3304bよりも下側で左側の貫通孔3304cを後側から貫通して左ポータル3306よりも前端が前方へ突出し後端がローテーションベース3321の下左開口3321cの前面に臨み演出球3301が流通可能な筒状の左回収通路3329aと、振分ベース3304における軸受ボス部3304bよりも下側で右側の貫通孔3304cを後側から貫通して右ポータル3307よりも前端が前方へ突出し後端がローテーションベース3321の下右開口3321dの前面に臨み演出球3301が流通可能な筒状の右回収通路3329bと、前端が振分ベース3304の中央開口部3304eに臨むと共に後端がローテーションベース3321の下中開口3321bの前面に臨み演出球3301が流通可能な筒状の中回収通路3329cと、を備えている。
この球回収通路部材3329は、左回収通路3329a、右回収通路3329b、及び中回収通路3329cが、夫々後方へ向かって低くなるように傾斜しており(図194を参照)、演出球3301を前側から後側へ誘導することができるようになっている。
また、演出球ローテーション機構3320は、ローテーションベース3321の前面における上開口3321aの正面視右側且つロータリーケース3324よりも右側の位置で前後方向へ延びた軸周りに回動可能に支持されると共に先端が上開口3321aの前面まで延出した横長板状のシャッター部材3330と、シャッター部材3330の先端が上開口3321aの前面の位置(閉位置)と上開口3321aよりも上側の位置(開位置)との間で移動するようにシャッター部材3330を回動させるシャッターソレノイド3331と、を備えている。
この演出球ローテーション機構3320は、シャッター部材3330が、回動可能に軸支された位置の斜め左上側の位置で、シャッターソレノイド3331における進退するプランジャの先端と係合するようになっており、通常の状態(シャッターソレノイド3331に対して非通電時)では、シャッターソレノイド3331のプランジャが前進しシャッター部材3330の先端が上開口3321aの前面に位置して上開口3321aが閉鎖された閉状態となっている(図198を参照)。そして、シャッターソレノイド3331を空電駆動してプランジャを右方向へ後退させると、シャッター部材3330の先端が上昇する方向へ回動し、上開口3321aが開いた開状態となるようになっている。
なお、本例の演出球ローテーション機構3320は、シャッター部材3330に回動中心を中心とした円弧状のスリット3330aを有すると共に、ローテーションベース3321にシャッター部材のスリット3330a内へ挿入される突出ボス3321eを有しており、突出ボス3321eがスリット3330aの端部に当接することでシャッター部材3330の移動端が規制されるようになっている。なお、ローテーションベース3321における突出ボス3321eの前端には、シャッター部材3330のスリット3330aよりも大径の押え部材3332が取付けられており、シャッター部材3330のスリット3330aが突出ボス3321eから抜けないようになっている。
更に、演出球ローテーション機構3320は、球供給通路部材3327内を流通する演出球3301を検知する供給検知センサ3333と、ローテーションベース3321における下左開口3321cの前面に取付けられ球回収通路部材3329の左回収通路3329aを流通した演出球3301を検知する左回収検知センサ3334と、ローテーションベース3321における下右開口3321dの前面に取付けられ球回収通路部材3329の右回収通路3329bを流通した演出球3301を検知する右回収検知センサ3335と、ローテーションベース3321における下中開口3321bの前面に取付けられ球回収通路部材3329の中回収通路3329cを流通した演出球3301を検知する中回収検知センサ3336と、を備えている。これら検知センサ3333,3334,3335,3336によってロータリーケース3324からの演出球3301の出入りを監視することができるようになっている。
なお、演出球ローテーション機構3320は、ローテーションギアカバー3322の後側に、取付ブラケット3337を介してロータリーケース3324の回転位置を検知する回転位置検知センサ3338を備えており、この回転位置検知センサ3338によってロータリーケース3324の後側に形成された検知スリット3324cを検知することでロータリーケース3324の回転位置(具体的には、中央の球収容凹部3324aの回転位置)を検知することができるようになっている。
また、裏上後ユニット3300は、ローテーションベース3321の右側前面に取付けられ、振分装飾基板3308、振分駆動モータ3315、振分位置検知センサ3316、ローテーション駆動モータ3326、シャッターソレノイド3331、供給検知センサ3333、左回収検知センサ3334、右回収検知センサ3335、中回収検知センサ3336、及び回転位置検知センサ3338と、第一ランプ駆動基板3014及び第二ランプ駆動基板3018との接続を中継する裏上後ユニット中継基板3339を備えている。
裏上後ユニット3300の演出球ローテーション機構3320は、図198に示すように、通常の状態ではロータリーケース3324における五つの球収容凹部3324bに夫々一つずつ演出球3301が収容された状態となっていると共に、正面視でロータリーケース3324を反時計回りの方向へ回転させた時に、先頭側となる球収容凹部3324bが、ローテーションベース3321の上開口3321aと一致する位置となっている。また、この状態では、上開口3321aの前面にシャッター部材3330の先端が位置した状態となっており、球収容凹部3324b内の演出球3301が、上開口3321aを通って前側へ転動しないようになっている。
この演出球ローテーション機構3320は、上述した通常状態から、シャッターソレノイド3331を通電駆動すると、シャッター部材3330の先端が上昇する方向(正面視で時計回りの方向)へシャッター部材3330が回動し、先頭側の球収容凹部3321a内の演出球3301が、ローテーションベース3321の上開口3321aを通過して前側の球供給通路部材3327へと供給され、球供給通路部材3327及び球供給口部材3328を介して振分ベース3304の前側に配置されたシーソー部材3303上へ落下供給することができるようになっている。
また、演出球ローテーション機構3320では、球供給通路部材3327内に配置された供給検知センサ3333によって遊技球の流通が検知されると、シャッターソレノイド3331の通電駆動を停止し、シャッター部材3330の先端が下降する方向(正面視で反時計回りの方向)へシャッター部材3330が回動してローテーションベース3321の上開口3321aがシャッター部材3330の先端によって閉鎖された状態とした上で、ローテーション駆動モータ3326を駆動し、ローテーション駆動ギア3325を介してロータリーケース3324を正面視で反時計回りの方向へ約30゜回転させ、演出球3301を収容した次の球収容凹部3321bをローテーションベース3321の上開口3321aと一致させた状態で停止し、次の演出球3301の供給に備えた状態となるようになっている。
ところで、ローテーションベース3321の上開口3321aを通り、球供給通路部材3327及び球供給口部材3328を介してシーソー部材3303へ供給され演出球3301は、上述したように、シーソー部材3303から放出された後に、左ポータル3306、右ポータル3308、或いは、球回収ステージ3305から球回収通路部材3329を通ってローテーションベース3321における下中開口3321b、下左開口3321c、下右開口3321dの何れかの前側へ送られることとなる。この時、下中開口3321b、下左開口3321c、及び下右開口3321dは、後側がロータリーケース3324の前面によって閉鎖された状態となっており、送られた演出球3301が開口3321b,3321c,3321dの前側で停止するようになっている。
この演出球ローテーション機構3320は、シーソー部材3303側へ供給した演出球3301を回収する場合、ローテーション駆動モータ3326の駆動により、ロータリーケース3324を所定方向(例えば、正面視で反時計回りの方向)へ回転させることで供給した演出球3301をロータリーケース3324の球収容凹部3324bに回収することができるようになっている。具体的には、ロータリーケース3324を回転させることで、空の球収容凹部3324bが下左開口3321c、下中開口3321b、下右開口3321dと一致すると、その前側でロータリーケース3324の前面によって停止していた演出球3301が、空の球収容凹部3324b内へ進入し、演出球3301を回収することができるようになっている。
なお、本例の演出球ローテーション機構3320では、ロータリーケース3324に形成された五つの球収容凹部3324bを、120゜の角度範囲内で互いに隣接するように配置しているので、五つの演出球3301を全てシーソー部材3303側へ供給した場合、その状態(最後尾の球収容凹部3324bがローテーションベース3321の上開口3321aと一致した状態)からローテーションケース3324を、240゜回転させて先頭の球収容凹部3324aを上開口3321aと一致させると、全ての演出球3301を球収容凹部3324b内へ回収することができ、可及的に少ない回転で演出球3301を4回収できるようになっている。
[2−6B−3.裏上可動演出ユニットの可動演出について]
続いて、裏上可動演出ユニット3200による可動演出について、主に図199及び図200を参照して説明する。図199は、裏上可動演出ユニットにおける裏上前ユニットの動きを示す説明図である。また、図200は、裏上可動演出ユニットにおける裏上後ユニットの動きを示す説明図である。この裏上可動演出ユニット3200は、液晶表示装置1400の上側で第二大入賞口2404の右側に配置されており(図148等を参照)、第一始動口2101、第二始動口2102、及び第三始動口2415に遊技球が受入れられることによって抽選される特別抽選結果に応じて、様々な可動演出を行うことができるようになっている。
本例の裏上可動演出ユニット3200は、図199(A)等に示すように、通常の状態では、裏上前ユニット3210のロゴ左装飾部材3220とロゴ右装飾部材3230とが、共に上昇した位置に位置しており、この状態では、裏上前ユニット3210の後側に配置された裏上後ユニット3300の裏上キャラクタ体3302が、一部(上部)のみが遊技者側から見えるようになっている。これにより、遊技者に対して、裏上前ユニット3210の後側にフィギュアが存在していることを認識させることができるので、フィギュア(裏上キャラクタ体3302)全体が見えるように裏上前ユニット3210が可動することを容易に想起させることができ、フィギュアの完全出現によりチャンスを示唆するものと思わせて裏上前ユニット3210(ロゴ左装飾部材3220及びロゴ右装飾部材3230)の可動に対する期待感を高めることができるようになっている。
この裏上可動演出ユニット3200は、まず、特別抽選結果に応じて、裏上前ユニット3210のロゴ左駆動モータ3248の駆動によりロゴ左装飾部材3220が斜め左下へ向かって下降する(図199(B)を参照)。これにより、後側に配置されたフィギュア(裏上後ユニット3300の裏上キャラクタ体3302)が更に遊技者側から見えるようになり、遊技者の遊技に対する期待感を更に高めることができるようになっている。なお、抽選された特別抽選結果によっては、ロゴ左装飾部材3220が下降しただけで可動演出が終了して、ロゴ左装飾部体3220が上昇して通常の状態に戻る場合もある。
裏上前ユニット3210のロゴ左装飾部体3220が下降すると、続いて、ロゴ右駆動モータ3256の駆動によってロゴ右装飾部体3230が斜め左下へ向かって下降し、後側に配置されたフィギュア(裏上キャラクタ体3302とシーソー部材3303)の全体が遊技者側から視認できるようになる(図199(C)を参照)。これにより、遊技者に対してチャンスの到来を認識させて興趣を高めさせることができると同時に、新たに裏上キャラクタ体3302が持っているようなシーソー部材3303が見えるようになり、後側に配置されたフィギュアが、単なる飾りではなく別の可動役物(可動装飾体)であることを遊技者に認識させることができ、遊技者を大いに驚かせることができると共に新たな可動役物の可動に対する期待感を高めることができ、興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。なお、特別抽選結果によっては、ここで可動演出が終了して通常の状態に復帰する場合がある。
ところで、裏上前ユニット3210におけるロゴ左装飾部材3220は、右端のレンズ部材3223の後側に、上下方向に列設した複数のLED3224bを備えており(図190を参照)、ロゴ左装飾部材3220が降下した時に、LED3224bの光が下方へ流れるように順次発光させることで、遊技者に対して裏上前ユニット3210へ注目させることができると共に、右側のロゴ右装飾部材3230が続いて降下するのではないかと思わせることができるようになっている。
本例の裏上可動演出ユニット3200は、裏上前ユニット3210のロゴ左装飾部材3220とロゴ右装飾部材3230が降下した状態となると、後側に配置された裏上後ユニット3300における裏上キャラクタ体330とシーソー部材3303とが遊技者側から良好に視認できる状態となる。そして、この状態で、特別抽選結果に応じて裏上可動演出ユニット3200の左側に配置された第二大入賞口2404が開状態となって、第二大入賞口2404に遊技球が受入れられると、裏上後ユニット3300におけるローテーション機構3320のシャッターソレノイド3331が駆動してシャッター部材3330が回動し、ロータリーケース3324の球収容凹部3324bからローテーションベース3321の上開口3321aを通って遊技球と同じような演出球3301が、シーソー部材3303上へ供給されるようになっている(図200(A)を参照)。
この裏上後ユニット3300は、第二大入賞口2404の右側に配置されており、遊技者に対して、第二大入賞口2404へ受入れられた遊技球が、あたかもシーソー部材3303へ供給されたように錯覚させることができるようになっている。また、裏上後ユニット3300では、内部に収容した演出球3301を循環(ローテーション)させて演出に用いるようにしているので、第二大入賞口2404の位置に規制されることなく配置位置を設定することができると共に、遊技球を用いる場合と比較して、裏上後ユニット3300内に遊技球を媒介としてゴミや埃等の異物が侵入するのを防止することができ、球詰り等の不具合が発生するのを抑制することができるようになっている。
裏後ユニット3300は、ロータリーケース3324からシーソー部材3303へ演出球3301が供給されると、特別抽選結果に応じて振分駆動モータ3315を適宜パターンで正転・逆転を繰返させることで、シーソー部材3303を振分軸3312周りに揺動させ、シーソー部材3303上に供給された演出球3301をシーソー部材3303に沿って左右へ往復転動させるようになっている。これにより、シーソー部材3303上を転動する演出球3301が、左ポータル3306或いは右ポータル3307の何れの側へ放出されるかで、遊技者をハラハラ・ワクワクさせることができ、遊技者を楽しませることができるようになっている。
そして、例えば、シーソー部材3303の左端が低くなって左端の開放部3303aが、左ポータル3306内に臨む球回収通路部材3329における左回収通路3329aの前端開口と一致すると、左ポータル3306内へ演出球3301が進入するようになっている(図200(B)を参照)。一方、シーソー部材3303の右端が低くなって右端の開放部3303aが、右ポータル33067に臨む球回収通路部材3329における右回収通路3329bの前端開口と一致すると、右ポータル3307内へ演出球3301が進入するようになっている(図200(C)を参照)。
なお、シーソー部材3303が揺動中にシーソー部材3303から演出球3301が転落したり、演出球3301が左ポータル3306や右ポータル3307内へ進入しなかったりした場合、演出球3301は、シーソー部材3303の下方の回収ステージ3305上に落下し、回収ステージ3305によって回収されるようになっている。
この裏上後ユニット3300におけるシーソー部材3303の動きは、特別抽選結果に基いて、確実に左ポータル3306又は右ポータル3307へ演出球3301が進入するように振分駆動モータ3315の回転を制御する場合と、左ポータル3306又は右ポータル3307の何れに演出球3301が進入しても良いように振分駆動モータ3315の回転を制御する場合とある。何れの場合でも、左回収検知センサ3334、右回収検知センサ3335、及び中回収検知センサ3336により、シーソー部材3303から放出された演出球3301の進入位置を検知することができ、検知した進入位置に応じた演出(例えば、演出画像の表示)がその後に行われるようになっている。
[2−6C.裏右可動演出ユニット]
次に、裏ユニット3000における裏右可動演出ユニット3400について、図201乃至図207を主に参照して説明する。図201(A)は裏ユニットにおける裏右可動演出ユニットを前から見た斜視図であり、(B)は裏右可動演出ユニットを後から見た斜視図である。また、図202は裏右可動演出ユニットを主要な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図203は裏右可動演出ユニットを主要な部材毎に分解して後から見た分解斜視図である。更に、図204は裏右可動演出ユニットにおける裏右ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図205は裏右可動演出ユニットにおける裏右ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。また、図206は、裏右可動演出ユニットにおける裏右ユニットの動きを示す説明図である。また、図207は、裏右可動演出ユニット全体の動きの一例を示す説明図である。
裏ユニット3000における裏右可動演出ユニット3400は、図148等に示すように、正面視でセンター役物2400の枠内における液晶表示装置1400の右側の位置に配置され、全体が上下方向へ延びた縦長の形態とされている。この裏右可動演出ユニット3400は、裏箱621内に取付けられ上下方向へ延びた裏右ユニットベース3401と、裏右ユニットベース3401の前面右側に取付けられ前方へ向かって光を照射可能とされた縦長の裏右装飾基板3402と、裏右装飾基板3402の前側を覆い裏右装飾基板3402からの光をセンター役物2400の特定の部位へ照射させる裏右装飾基板カバー33と、裏右装飾基板カバー3403及び裏右装飾基板3402の左側の位置で裏右ユニットベース3401の前面に取付けられ上から下へ順に列設された複数(本例では、四つ)のユニット3410と、を備えている。
この裏右可動演出ユニット3400における四つの裏右ユニット3410は、正面視外形が略矩形状で前面に夫々異なるアルファベットの文字が形成された裏右装飾部材3411と、裏右装飾部材3411の後側に配置され所定のキャラクタを立体的に造形した裏右キャラクタ体3412と、裏右キャラクタ体3412及び裏右装飾部材3411を可動させる裏右駆動モータ3413と、裏右駆動モータ3413の駆動によって裏右装飾部材3411と共に可動し裏右装飾部材3411の後側に取付けられ前側へ向かって光を照射可能な裏右ユニット装飾基板3414と、を夫々備えている。
また、裏右可動演出ユニット3400は、四つの裏右ユニット3410の裏右装飾部材3411を夫々回動可能に軸支する回動軸3404を備えている。この回動軸3404は、上端がワッシャー3405及びEリング3406によって裏右ユニットベース3401の上部に支持されていると共に、下端が同じくワッシャー3405及びEリング3406によって後述する裏右第四ユニット3410Dの下部に支持されている。更に、裏右可動演出ユニット3400は、裏右ユニットベース3401の前面下部に取付けられ、四つの裏右ユニット3410の裏右駆動モータ3413、裏右ユニット装飾基板3414、及び裏右装飾基板3402と、第一ランプ駆動基板3014及び第二ランプ駆動基板3018と、の接続を中継する裏右中継基板3407を備えている。
この裏右可動演出ユニット3400の裏右ユニット3410は、図示するように、上から順に、裏右第一ユニット3410A、裏右第二ユニット3410B、裏右第三ユニット3410C、及び裏右第四ユニット3410Dとされている。これら裏右第一ユニット3410A、裏右第二ユニット3410B、裏右第三ユニット3410C、及び裏右第四ユニット3410Dは、裏右装飾部材3411としての裏右第一装飾部材3411A、裏右第二装飾部材3411B、裏右第三装飾部材3411C、及び裏右第四装飾部材3411Dと、裏右キャラクタ体3412として裏上キャラクタ体3302と同じキャラクタの衣装や髪型等の態様を夫々異なる状態で立体的に造形した裏右第一キャラクタ体3412A、裏右第二キャラクタ体3412B、裏右第三キャラクタ体3412C、及び裏右第四キャラクタ体3412Dと、を備えている。
また、裏右ユニット3410は、裏右第一キャラクタ体3412A、裏右第二キャラクタ体3412B、裏右第三キャラクタ体3412C、及び裏右第四キャラクタ体3412Dを左右方向へ夫々スライドさせると共に、裏右第一装飾部材3411A、裏右第二装飾部材3411B、裏右第三装飾部材3411C、及び裏右第四装飾部材3411Dを回動軸3404回りに回動させる裏右駆動モータ3413としての裏右第一駆動モータ3413A、裏右第二駆動モータ3413B、裏右第三駆動モータ3413C、及び裏右第四駆動モータ3413Dを備えている。
更に、裏右ユニット3410は、裏右第一装飾部材3411A、裏右第二装飾部材3411B、裏右第三装飾部材3411C、及び裏右第四装飾部材3411Dの夫々後側に配置され裏右第一装飾部材3411A、裏右第二装飾部材3411B、裏右第三装飾部材3411C、及び裏右第四装飾部材3411Dを発光装飾させる裏右ユニット装飾基板3414としての裏右第一ユニット装飾基板3414A、裏右第二ユニット装飾基板3414B、裏右第三ユニット装飾基板3414C、及び裏右第四ユニット装飾基板3414Dを備えている(図203を参照)。
本例の裏右可動演出ユニット3400における裏右ユニット3410の裏右第一ユニット3410Aは、図示するように、裏右第一装飾部材3411Aに「L」の文字が透光性を有するように形成されており、後側に配置された裏右第一ユニット装飾基板3414AのLED3414aによって「L」の文字が発光するようになっている。また、裏右第二ユニット3410Bは、裏右第二装飾部材3411Bに「I」の文字が透光性を有するように形成されており、後側に配置された裏右第二ユニット装飾基板3414BのLED3414aによって「I」の文字が発光するようになっている。また、裏右第三ユニット3410Cは、裏右第三装飾部材3411Cに「V」の文字が透光性を有するように形成されており、後側に配置された裏右第三ユニット装飾基板3414CのLED3414aによって「V」の文字が発光するようになっている。更に、裏右第四ユニット3410Dは、裏右第四装飾部材3411Dに「E」の文字が透光性を有するように形成されており、後側に配置された裏右第四ユニット装飾基板3414DのLED3414aによって「E」の文字が発光するようになっている。
この裏右可動演出ユニット3400における裏右ユニット3410は、裏右第一ユニット3410A、裏右第二ユニット3410B、裏右第三ユニット3410C、及び裏右第四ユニット3410Dが、夫々基本的に同一の構成とされており、図204及び図205等を参照して、更に詳細な構成を説明する。なお、図204及び図205では、裏右ユニット3410として裏右第四ユニット3410Dを示しているが、他の裏右ユニット3410も同様の構成である。
この裏右ユニット3410の裏右装飾部材3411は、図示するように、後側が開放された箱状に形成されており、内部に裏右ユニット装飾基板3414が取付けられるようになっている。また、裏右装飾部材3411は、上壁と下壁における後端右端から後方へ延出した一対の板状の延出片3411aと、延出片3411aを上下方向へ同軸上に貫通し回動軸3404が挿通される軸支孔3411bと、下壁の後端付近に形成され前後方向へ貫通すると共に左右方向へ延びた長孔3411c(図205を参照)と、を備えている。
また、裏右ユニット装飾基板3414は、表面に実装された複数のLED3414aと、右端から外部へ延出した柔軟性を有した帯状の接続ケーブル3414bと、を備えている。なお、詳細な図示は省略するが、裏右ユニット装飾基板3414から延びた接続ケーブル3414bは、裏右装飾基板3402に接続されている。
この裏右ユニット3410は、裏右ユニット3410の下端を仕切り水平方向へ延びた板状の仕切ベース3415と、仕切ベース3415の上側に取付けられると共に裏右ユニットベース3401の前面に取付けられ上面に回転軸が下方へ延出するように裏右駆動モータ3413が取付けられるスライドケース3416と、を備えている。
裏右ユニット3410における仕切ベース3415は、左右方向の略中央の前側部に、回動軸3404が挿通される軸孔3415aと、軸孔3415aの左後の位置から上方へ突出し左右方向へ所定量延びた規制部3415bと、規制部3415bの後側に配置され軸孔3415aよりも右側の位置から左端まで延出し規制部3415bよりも低く上方へ突出したガイド部3415cと、ガイド部3415cとは異なる位置で上下方向に貫通し左右方向へ延びたスリット3415dと、を備えている。また、スライドケース3416は、後端に仕切ベース3415と略同じ長さの左右方向へ延びたガイド部3416aと、ガイド部3416aの上側で正面視左右方向の略中央位置に配置され裏右駆動モータ3413を取付けるためのモータ取付部3416b、とを備えている。
また、裏右ユニット3410は、スライドケース3416と仕切ベース3415との間でスライドケース3416及び仕切ベース3415のガイド部3415c,3416aによって左右方向へスライド可能に支持され、略中央から右側に左右方向へ延びたラックギア3417aを有しラックギア3417aよりも左側に裏右キャラクタ体3412が取付けられるスライダ3417と、スライダ3417のラックギア3417aと噛合し裏右駆動モータ3413の回転軸に固定される駆動ギア3418と、駆動ギア3418の回転により左右方向へスライドするスライダ3417の動きを伝達して裏右装飾部材3411を回動軸3404周りに回動させるリンク部材3419と、を備えている。
裏右ユニット3410におけるスライダ3417は、仕切ベース3415よりも若干短い長さで左右方向へ延びた形態とされ、左右方向の略中央の前端上部から前方へ突出した突出片3417bと、突出片3417bの前端で上下方向へ貫通した貫通孔3417cと、仕切ベース3415のスリット3415dを通して下面から下方へ延出する検知片3417dと、を備えている。このスライダ3417の突出片3417bは、仕切ベース3415におけるガイド部3415cの上側に突出すると共に、ガイド部3415cの上面との間で所定量の隙間が形成される高さに形成されている。
また、リンク部材3419は、図示するように、左右方向の略中央から左側が前方へ屈曲した「く」字形状に形成されていると共に、仕切ベース3415のガイド部3415cとスライダ3417の突出片3417bとの間に配置され、右端にスライダ3417の貫通孔3417cに挿入される上方へ突出した突出ピン3419aと、左端に上下方向に貫通した連結孔3419bと、を備えている。このリンク部材3419は、右端の突出ピン3419aをスライダ3417の貫通孔3417cへ下側から挿入するようになっており、組立てた状態では、仕切ベース3415のガイド部3415cとスライダ3417の突出片bとの間で挟持された状態となる。また、リンク部材3419は、突出ピン3419aをスライダ3417の貫通孔3417cに挿入することで、スライダ3417と一緒に左右方向へスライドすると共に、スライダ3417における貫通孔3417cの軸心を中心として回動することができるようになっている。
なお、リンク部材3419は、仕切ベース3415におけるガイド部3415cの幅と略同じ幅とされている。また、リンク部材3419は、左右方向の位置によって前面側が、仕切ベース3415における規制部3415bの後面と当接するようになっており、規制部3415bと当接した状態では、スライダ3417の貫通孔3417を中心とした軸心周りに回動しないようになっている。
また、裏右ユニット3410は、リンク部材3419の左端に形成された連結孔3419bと裏右装飾部材3411の長孔3411cとに挿通され、リンク部材3419の左端を裏右装飾部材3411の長孔3411cと連結する連結ピン3420と、連結ピン3420の下端に取付けられ連結ピン3420が長孔3411cや長孔3419bが抜けるのを防止する固定ブッシュ3421と、を備えている。
更に、裏右ユニット3410は、仕切ベース3415のスリット3415dを通して下方へ延出したスライダ3417の検知片3417dを検知してスライダ3417の左右方向のスライド位置を検知するスライド位置検知センサ3422と、裏右キャラクタ体3412の後側に配置され裏右キャラクタ体3412の背後を装飾する背後装飾部材3423と、裏右ユニット装飾基板3414における接続ケーブル3414bの一部をスライドケース3416に固定するケーブル押え3424と、裏右装飾部材3411における一対の軸支孔3411bに夫々挿入されると共に回動軸3404が挿入される軸支ブッシュ3425と、を備えている。
この裏右ユニット3410は、図206(A)に示すように、通常の状態(初期の第一位置の状態)では、スライダ3417の右端における左右方向の位置が、仕切ベース3415の右端と略一致した位置となっており、裏右装飾部材3411の後端左側が仕切ベース3415に可及的に接近した状態となっていると共に、スライダ3417の左端部に取付けられた裏右キャラクタ体3412の略全体が裏右装飾部材3411の真後ろに位置した状態となっている。この状態では、裏右装飾部材3411の後側に、裏右キャラクタ体3412の左端が僅かに遊技者側から見えるようになっている。また、この第一位置の状態では、図示するように、裏右装飾部材3411の前面が左側へ向かうほど後側へ後退するように傾斜した状態となっており、裏右装飾部材3411が遊技者の方向を向くようになっていると共に、裏右装飾部材3411に形成された長孔3411cも、左端側が右端側よりも後側に位置し左右方向に対して傾斜した状態となっている。
この状態から裏右駆動モータ3413を駆動して駆動ギア3418を平面視時計回りの方向へ回転させると、駆動ギア3418と噛合したラックギア3417aにより、スライダ3417が左方向へとスライドし、正面視で裏右装飾部材3411の左側へ裏右キャラクタ体3412が徐々に出現するようになっている。このスライダ3417が左方向へスライドすると、スライダ3417の貫通孔3417cに挿入された突出ピン3419aを介してリンク部材3419も左方向へスライドすることとなる。ところで、このリンク部材3419は、第一位置の状態では、その前面側が仕切ベース3415の規制部3415bに当接した状態となっており、スライダ3417と一緒に左方向へスライドすることはできるが、スライダ3417の貫通孔3417cを中心とした軸心周りには回動することができないようになっている。
そして、スライダ3417と一緒に左方向へリンク部材3419がスライドすると、リンク部材3419の左端も一緒に左方向へスライドすることとなり、リンク部材3417の左端の連結孔3419bに挿入された連結ピン3420が、裏右装飾部材3411の長孔3411c内を左方向へスライドすることとなる。この連結ピン3420が左方向へ斜めに傾斜した長孔3411c内をスライドすることで、連結ピン3420の側面が長孔3411cの内面を前方向へ押圧し、連結ピン3420のスライドに伴って裏右装飾部材3411が回動軸3404を中心として平面視反時計回りの方向へ僅かに回動することとなる。これにより、裏右キャラクタ体3412の出現量よりも裏右装飾部材3411の回動量が体感的に少なくすることができるので、遊技者に対して裏右装飾部材3411が回動していないように錯覚させることができ、裏右キャラクタ体3412のみが動くものと思わせることができるようになっている。
裏右駆動モータ3413の回転駆動によりスライダ3417が第一位置から左方向へスライドし、スライダ3417における貫通孔3417cの中心が仕切ベース3415における規制部3415bの左端と略一致した第二位置の状態(図206(B)の状態)となると、規制部3415bに対してリンク部材3419の前面側が離れて規制部3415bによる回動規制が解除された状態となり、リンク部材3419が回動できるようになる。なお、リンク部材3419の後面側には、スライダ3417が配置されているので、リンク部材3419は左端が前方へ移動する方向(平面視で反時計回りの方向)へのみ回動することができるようになっている。また、第二位置の状態では、図示するように、リンク部材3419における左端の連結孔3419bに挿入された連結ピン3420が、裏右装飾部材3411における長孔3411cの左端に到達した状態となっている。
この第二位置の状態から裏右駆動モータ3413によってスライダ3417を更に左方向へスライドさせると、裏右キャラクタ体3412が更に左方向へスライドしてより多くの範囲が遊技者側から見えるようになる。一方、スライダ3417と一緒に左方向へスライドするリンク部材3419は、スライダ3417と連結された右端の突出ピン3419a側が左方向へスライドするのに対して、左端の連結孔3419b側が長孔3411cの左端に到達した連結ピン3420によって左方向へのスライドが阻害された状態となる。これにより、連結ピン3420を左方向へスライドさせようとする力が、裏右装飾部材3411を前方へ押す力へと変化し、裏右装飾部材3411が回動軸3404を中心として平面視反時計回りの方向へ大きく回動することとなる。
そして、裏右キャラクタ体3412の全体が、正面視で裏右装飾部材3411よりも左側の位置へスライドして完全に出現した状態(第三位置の状態)となると、裏右駆動モータ3413の回転駆動が停止して、裏右キャラクタ体3412(スライダ3417)のスライドと裏右装飾部材3411の回動が停止するようになっている(図206(C)を参照)。この第三位置の状態では、図示するように、裏右キャラクタ体3412が完全に出現した状態となると共に、裏右装飾部材3411の前面が右側へ向かうほど後側へ後退するように傾斜した状態となっている。これにより、遊技者側からは、裏右装飾部材3411が遠ざかったように見え、裏右キャラクタ体3412が左方向へ大きく突出(出現)したように錯覚させることができるようになっている。
また、第三位置の状態では、裏右装飾部材3411が、遊技領域605の外側を向いた状態となるので、この状態で裏右ユニット装飾基板3414のLED3414aを発光させても、LED3414aの光軸が遊技者から遠ざかった方向を向いており、裏右装飾部材3411が眩しく見えるのを抑制することができ、後側の裏右キャラクタ体3412を見易くすることができるようになっている。
なお、第三位置の状態から、初期の第一位置の状態へ復帰させる場合は、裏右駆動モータ3413により駆動ギア3418を平面視で反時計回りの方向へ逆転させて、スライダ3417を右方向へスライドさせ、スライド位置検知センサ3422がスライダ3417の検知片3417dを検知したら裏右駆動モータ3413の回転を停止させることで、第一位置へ復帰させることができるようになっている。
ところで、本例の裏右可動演出ユニット3400は、上述した裏右ユニット3410を上下方向に隣接して四つ備えており、夫々の裏右駆動モータ3413(裏右第一駆動モータ3413A、裏右第二駆動モータ3413B、裏右第三駆動モータ3413C、及び裏右第四駆動モータ3413D)を独立して夫々駆動制御することができるようになっている。これにより、例えば、図207に示すように、初期の第一位置の状態から各裏右ユニット3410における裏右駆動モータ3413の回転駆動の開始を、所定時間ずつ遅らせて駆動させると共に、第一位置と第三位置との間で裏右キャラクタ体3412(スライダ3417)が往復するように裏右駆動モータ3413を正転・逆転を繰返させるようにすることで、全体として、四つの裏右ユニット3410がウエーブ状に可動しているように見せることができ、遊技者の関心を強く引き付けることが可能な可動演出を行うことができるようになっている。
[2−6D.裏後可動演出ユニット]
続いて、遊技盤4の裏ユニット3000における裏後可動演出ユニット3500について、主に図208乃至図211を参照して説明する。図208は裏ユニットにおける裏後可動演出ユニットの各旋回装飾ユニットが後退位置へ移動した状態を示す正面図であり、図209は裏後可動演出ユニットの各旋回装飾ユニットが出現位置へ移動した状態を示す正面図である。また、図210は、裏後可動演出ユニットを前から見た斜視図である。更に、図211は、裏後可動演出ユニットを後から見た斜視図である。
この裏後可動演出ユニット3500は、裏箱621内で開口621cよりも外側の位置に取付けられており、正面視で裏箱621の開口621c(液晶表示装置1400)の右側から開口621cの中央へ向かって出没可能とされた右部旋回装飾ユニット3510と、右部旋回装飾ユニット3510を所定軸周りに旋回駆動させ裏箱621内における右下隅部に取付けられる右部旋回駆動ユニット3520と、正面視で裏箱621の開口621cの上側から開口621cの中央へ向かって出没可能とされた上部旋回装飾ユニット3540と、上部旋回装飾ユニット3540を所定軸周りに旋回駆動させ裏箱621内の左右方向中央から左寄りの上部に取付けられる上部旋回駆動ユニット3550と、正面視で裏箱621の開口621cの下側から開口621cの中央へ向かって出没可能とされた下部旋回装飾ユニット3570と、下部旋回装飾ユニット3570を所定軸周りに旋回駆動させ裏箱621内の左下隅部からやや上寄りに取付けられる下部旋回駆動ユニット3580と、を備えている。
裏後可動演出ユニット3500における右部旋回装飾ユニット3510、上部旋回装飾ユニット3550、及び下部旋回装飾ユニット3570は、夫々自由端側に扇状の先端装飾部3510a,3540a,3570aを備えており、これら各先端装飾部3510a,3540a,3570aが正面視で裏箱621の開口621cの中央へ出現するように各旋回装飾ユニット3510,3540,3570が旋回して出現位置へ移動すると、各先端装飾部3510a,3540a,3570a同士が互いに当接して組合さり、一つの大きな円形状のメイン装飾体3501を形成することができるようになっている(図209等を参照)。
[2−6D−1.右部旋回装飾ユニット及び右部旋回駆動ユニット]
続いて、裏後可動演出ユニット3500における右部旋回装飾ユニット3510及び右部旋回駆動ユニット3520について、主に図210乃至図215を主に参照して詳細に説明する。図212は裏後可動演出ユニットにおける右部旋回装飾ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図213は図212を後から見た分解斜視図である。また、図214は裏後可動演出ユニットにおける右部旋回駆動ユニットを分解して右部旋回装飾ユニットと共に前側から見た分解斜視図であり、図215は図214を後側から見た分解斜視図である。
この裏後可動演出ユニット3500における右部旋回装飾ユニット3510は、所定方向(図212中、斜め上下方向)へ延び、前面側に立体的な装飾が施された右部旋回装飾部材3511を備えている。この右部旋回装飾部材3511は、図示するように、前面の中央から先端側に円弧状の装飾枠部3511aと、装飾枠部3511aにおける円弧の内側に配置され所定のキャラクタを立体的に造形した裏後右キャラクタ体3511bと、裏後右キャラクタ体3511bの背景を形成すると共に装飾枠部3511aにおける円弧の略中心から装飾枠部3511aへ向かって扇状に広がり複数のヒダを有する布を模した背面装飾部3511cと、背面装飾部3511cの意匠と連続し装飾枠部3511aの外周から基端まで延びた外側装飾部3511dと、を備えている。
この右部旋回装飾部材3511における裏後右キャラクタ体3511bは、裏上キャラクタ体3302や裏右キャラクタ体3412等と同じキャラクタで衣装や髪型等の態様を異ならせたものであり、手にマイクを持って歌っているような形態とされている。また、背面装飾部3511c及び外側装飾部3511dは、透光性を有する素材により形成されている。
また、右部旋回装飾ユニット3510は、右部旋回装飾部材3511の後側を支持し、右部旋回装飾部材3511の基端よりも外側で右部旋回装飾部材3511が延びた長手方向に対して略直角方向へ延びた基部3512aと、基部3512aを前後方向へ貫通し後述する右部旋回駆動ユニット3520の旋回軸3521が挿入される軸孔3512bと、を有する右部旋回装飾ベース3512を更に備えている。この右部旋回装飾ベース3512は、外形が右部旋回装飾部材3511の外形と略沿った外形とされ、前後方向へ貫通した複数の開口部3512cを有している。また、右部旋回装飾ベース3512は、右部旋回装飾部材3511における装飾枠部3511aの円弧の端部と対応した位置に合体磁石3515を支持する磁石支持部3512dを備えている。
更に、右部旋回装飾ユニット3510は、右部旋回装飾ベース3512における基部3512aの前面に取付けられ、旋回軸3521が挿入される軸孔3513aと、軸孔3513aの軸心を中心とした円弧状にギア歯が配列されたギア部3513bと、を有したギア部材3513を備えている。このギア部材3513には、図示するように、外方へ延出した板状の検知片3513cと、前面から前方へ突出した突出部3513dと、を更に有している。
また、右部旋回装飾ユニット3510は、右部旋回装飾ベース3512の後側に取付けられ前方へ向かって光を照射可能なLED3514aを複数実装した裏後右装飾基板3514と、右部旋回装飾ベース3512における磁石支持部3512dに支持される合体磁石3515と、右部旋回装飾ベース3512における基部3512aの後側に取付けられ旋回軸3521が挿入される軸孔3516aを有した旋回軸支持板3516と、を備えている。裏後右装飾基板3514のLED3514aからの光は、右部旋回装飾ベース3512に形成された開口部3512cを通して右部旋回装飾部材3511の後側へ照射されるようになっている。
この右部旋回装飾ユニット3510は、右部旋回装飾部材3511における装飾枠部3511a、裏後右キャラクタ体3511b、及び背面装飾部3511cによって先端装飾部3510aを構成している。
裏後可動演出ユニット3500における右部旋回駆動ユニット3520は、右部旋回装飾ユニット3510における右部旋回装飾ベース3512、ギア部材3513、及び旋回軸支持板3516の各軸孔3512b,3513a,3516aに挿通される旋回軸3521と、旋回軸3521の後端を支持し裏箱621内に取付けられるユニットベース3522と、ユニットベース3522の前側に取付けられると共に旋回軸3521の前端を支持するユニット前部材3523と、を備えている。
また、右部旋回駆動ユニット3520は、ユニット前部材3523における前面の所定位置に回転軸が後方へ延出するように取付けられる裏後右部駆動モータ3524と、裏後右部駆動モータ3524の回転軸に固定されユニットベース3522とユニット前部材3523との間に配置される駆動ギア3525と、駆動ギア3525と噛合する大径の第一ギア部3526a及び第一ギア部3526aより小径で右部旋回装飾ユニット3510におけるギア部材3513のギア部3513bと噛合する第二ギア部3526bを有し第一ギア部3526aと第二ギア部3526bとが同軸上で一体回転可能とされた伝達ギア3526と、伝達ギア3526を回転可能に支持し両端がユニットベース3522及びユニット前部材3523に支持される伝達ギア軸3527と、ユニットベース3522の所定位置に取付けられ右部旋回装飾ユニット3510におけるギア部材3513の検知片3513cを検知することで右部旋回装飾ユニット3510の旋回位置を検知可能な裏後右部旋回位置検知センサ3528と、を備えている。
右部旋回駆動ユニット3520のユニット前部材3523は、旋回軸3521の軸心を中心として前後方向へ貫通した円弧状のスリット3523aを備えている。このユニット前部材3523は、スリット3523a内に右部旋回装飾ユニット3510におけるギア部材3513の突出部3513dが挿入されるようになっており、スリット3523aにおける円弧方向の端部にギア部材3513の突出部3513dが当接することで、右部旋回装飾ユニット3510の旋回範囲を規制することができるようになっている。
本例の右部旋回駆動ユニット3520は、裏後右部駆動モータ3524により駆動ギア3525を回転させると、駆動ギア3525と噛合した伝達ギア3526を介して右部旋回装飾ユニット3510が旋回軸3521周りに回動するようになっている。これにより、右部旋回装飾ユニット3510における先端装飾部3510aが旋回するようになっている。なお、本例では、右部旋回装飾ユニット3510を、約43゜の範囲内で旋回させることができるようになっている。
[2−6D−2.上部旋回装飾ユニット及び上部旋回駆動ユニット]
続いて、裏後可動演出ユニット3500における上部旋回装飾ユニット3540及び上部旋回駆動ユニット3550について、主に図210、図211、及び図216乃至図219を参照して詳細に説明する。図216は裏後可動演出ユニットにおける上部旋回装飾ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図217は図216を後から見た分解斜視図である。また、図218は裏後可動演出ユニットにおける上部旋回駆動ユニットを分解して上部旋回装飾ユニットと共に前側から見た分解斜視図であり、図219は図218を後側から見た分解斜視図である。
この裏後可動演出ユニット3500における上部旋回装飾ユニット3540は、所定方向(図216中、上下方向)へ延び、前面側に立体的な装飾が施された上部旋回装飾部材3541を備えている。この上部旋回装飾部材3541は、図示するように、前面の中央から先端側(下側)に「A」の文字の左側斜線を円弧状に図案化した装飾枠部3541aと、装飾枠部3541aにおける円弧の内側且つ下側に配置され所定のキャラクタを立体的に造形した裏後上キャラクタ体3541bと、裏後上キャラクタ体3541bの背景を形成し複数のヒダを有する布を模した背面装飾部3541cと、背面装飾部3541cの意匠と連続し装飾枠部3541aの外周から基端(上端)まで延びた外側装飾部3541dと、を備えている。
この上部旋回装飾部材3541における装飾枠部3541aは、「A」の文字の左側斜線を円弧状に図案化しており、円弧状の部位の半径が、右部旋回装飾ユニット3410における右部旋回装飾部材3411の装飾枠部3411aと同じ径とされ、全体が扇状に形成されている。また、裏後上キャラクタ体3541bは、裏後右キャラクタ体3511bと同じキャラクタで衣装や髪型等の態様を異ならせたものであり、裏後右キャラクタ体3511bと同様に手にマイクを持って歌っているような形態とされている。また、背面装飾部3541c及び外側装飾部3541dは、透光性を有する素材により形成されている。
また、上部旋回装飾ユニット3540は、上部旋回装飾部材3541の後側を支持し、上部旋回装飾部材3541の基端(上端)よりも外側へ延びた基部3542aと、基部3542aを前後方向へ貫通し後述する上部旋回駆動ユニット3550の旋回軸3551が挿入される軸孔3542bと、を有する上部旋回装飾ベース3542を更に備えている。この上部旋回装飾ベース3542は、外形が上部旋回装飾部材3541の外形と略沿った外形とされ、透光性を有する素材により形成されている。また、上部旋回装飾ベース3542は、上部旋回装飾部材3541における装飾枠部3541aの円弧状に形成された部位の両端と対応した位置に合体磁石3545を保持するための磁石保持部3542cと、装飾枠部3541aの円弧よりも外側で上部旋回装飾ユニット3540が後退位置の時に最も高くなる部位の近傍に形成され保持磁石3547を収容保持するための保持凹部3542dと、を備えている。
更に、上部旋回装飾ユニット3540は、上部旋回装飾ベース3542における基部3542aの後面に取付けられ、旋回軸3551が挿入される軸孔3543aと、軸孔3543aの軸心を中心とした円弧状にギア歯が配列されたギア部3543bと、を有したギア部材3513を備えている。
また、上部旋回装飾ユニット3540は、上部旋回装飾ベース3542の後側に取付けられ前方へ向かって光を照射可能なLED3544aを複数実装した裏後上装飾基板3544と、上部旋回装飾ベース3542における磁石支持部3542cに支持される合体磁石3545と、上部旋回装飾ベース3542における基部3542aの前側に取付けられ旋回軸3551が挿入される軸孔3546aを有した旋回軸支持板3546と、上部旋回装飾ベース3542における保持凹部3542d内に挿入保持され合体磁石3545よりも大型の保持磁石3547と、を備えている。この旋回軸支持板3546は、図示するように、旋回軸3551の軸方向に対して直角方向へ延びた板状り検知片3546bと、前面から前方へ突出した突出部3546cと、を備えている。
この上部旋回装飾ユニット3540は、上部旋回装飾部材3541における装飾枠部3541a、裏後上キャラクタ体3541b、及び背面装飾部3541cによって先端装飾部3540aを構成している。
また、上部旋回装飾ユニット3540の保持磁石3547は、上部旋回装飾ユニット3540が上方へ旋回した後退位置の時に、裏箱621内に配置された保持板3030と磁着するようになっており、上部旋回装飾ユニット3540を後退位置の状態で保持する際に、後述する上部旋回駆動ユニット3550の裏後上部駆動モータ3554にかかる負荷を低減させることができるようになっている。
裏後可動演出ユニット3500における上部旋回駆動ユニット3550は、図218等に示すように、上部旋回装飾ユニット3540における上部旋回装飾ベース3542、ギア部材3543、及び旋回軸支持板3546の各軸孔3542b,3543a,3546aに挿通される旋回軸3551と、旋回軸3551の後端を支持し裏箱621内に取付けられるユニットベース3552と、ユニットベース3552の前側に取付けられると共に旋回軸3551の前端を支持するユニット前部材3553と、を備えている。
また、上部旋回駆動ユニット3550は、ユニット前部材3553における前面の所定位置に回転軸が後方へ延出するように取付けられる裏後上部駆動モータ3554と、裏後上部駆動モータ3554の回転軸に固定されユニットベース3552とユニット前部材3553との間に配置される駆動ギア3555と、駆動ギア3555と噛合する大径の第一ギア部3556a及び第一ギア部3556aより小径で上部旋回装飾ユニット3540におけるギア部材3543のギア部3543bと噛合する第二ギア部3556bを有し第一ギア部3556aと第二ギア部3556bとが同軸上で一体回転可能とされた伝達ギア3556と、伝達ギア3556を回転可能に支持し両端がユニットベース3552及びユニット前部材3553に支持される伝達ギア軸3557と、ユニットベース3552の所定位置に取付けられ上部旋回装飾ユニット3540における旋回軸支持板3546の検知片3546bを検知することで上部旋回装飾ユニット3540の旋回位置を検知可能な裏後上部旋回位置検知センサ3558と、を備えている。
上部旋回駆動ユニット3550のユニット前部材3553は、旋回軸3551の軸心を中心として前後方向へ貫通した円弧状のスリット3553aを備えている。このユニット前部材3553は、スリット3553a内に上部旋回装飾ユニット3540における旋回軸支持板3546の突出部3546cが挿入されるようになっており、スリット3553aにおける円弧方向の端部に旋回軸支持板3546の突出部3546cが当接することで、上部旋回装飾ユニット3540の旋回範囲を規制することができるようになっている。
この上部旋回駆動ユニット3550における駆動ギア3555は、右部旋回駆動ユニット3520の駆動ギア3525と略同じ直径とされている。また、上部旋回駆動ユニット3550の伝達ギア3556は、第一ギア部3556aの直径が、右部旋回駆動ユニット3520の伝達ギア3526における第一ギア部3526aの直径の約1/2とされていると共に、第二ギア部3556bの直径が、右部旋回駆動ユニット3520の伝達ギア3526における第二ギア部3526bの直径と略同じとされている。
本例の上部旋回駆動ユニット3550は、裏後上部駆動モータ3554により駆動ギア3555を回転させると、駆動ギア3555と噛合した伝達ギア3556を介して上部旋回装飾ユニット3540が旋回軸3551周りに回動するようになっている。これにより、上部旋回装飾ユニット3540における先端装飾部3540aが旋回するようになっている。なお、本例では、上部旋回装飾ユニット3540を、約90゜の角度範囲内で旋回させることができるようになっている。
[2−6D−3.下部旋回装飾ユニット及び下部旋回駆動ユニット]
続いて、裏後可動演出ユニット3500における下部旋回装飾ユニット3570及び下部旋回駆動ユニット3580について、主に図210、図211、及び図220乃至図223を主に参照して詳細に説明する。図220は裏後可動演出ユニットにおける下部旋回装飾ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図221は図220を後から見た分解斜視図である。また、図222は裏後可動演出ユニットにおける下部旋回駆動ユニットを分解して下部旋回装飾ユニットと共に前側から見た分解斜視図であり、図223は図222を後側から見た分解斜視図である。
この裏後可動演出ユニット3500における下部旋回装飾ユニット3570は、所定方向(図220中、斜め上下方向)へ延び、前面側に立体的な装飾が施された下部旋回装飾部材3571を備えている。この下部旋回装飾部材3571は、図示するように、前面の中央から先端側に逆V字状の部位と、逆V字状の部位の下端から両側へ延びた円弧状の部位とを有した装飾枠部3571aを備えている。また、下部旋回装飾部材3571は、装飾枠部3511aにおける円弧の内側で逆V字状の部位の左側に配置され所定のキャラクタを立体的に造形した裏後下キャラクタ体3571bと、裏後下キャラクタ体3571b等の背景を形成し複数のヒダを有する布を模した背面装飾部3571cと、背面装飾部3571cの意匠と連続し装飾枠部3571aの外周から基端まで延びた外側装飾部3571dと、を備えている。
この下部旋回装飾部材3571における裏後下キャラクタ体3571bは、裏後右キャラクタ体3511aや裏後上キャラクタ体3541aと同じキャラクタで衣装や髪型等の態様を異ならせたものであり、裏後右キャラクタ体3511b等と同様に手にマイクを持って歌っているような形態とされている。また、背面装飾部3571c及び外側装飾部3571dは、透光性を有する素材により形成されている。
また、下部旋回装飾ユニット3570は、下部旋回装飾部材3571の後側を支持し、下部旋回装飾部材3571の基端よりも外側へ延びた基部3572aと、基部3572aを前後方向へ貫通し後述する下部旋回駆動ユニット3580の旋回軸3581が挿入される軸孔3572bと、を有する下部旋回装飾ベース3572を更に備えている。この下部旋回装飾ベース3572は、外形が下部旋回装飾部材3571の外形と略沿った外形とされ、前後方向へ貫通した複数の開口部3572cを有している。また、下部旋回装飾ベース3572は、下部旋回装飾部材3571における装飾枠部3571aの円弧の端部と対応した位置に合体磁石3575を支持するための磁石支持部3572dを備えている。
更に、下部旋回装飾ユニット3570は、下部旋回装飾ベース3572における基部3572aの後面に取付けられ、旋回軸3581が挿入される軸孔3573aと、軸孔3573aの軸心を中心とした円弧状にギア歯が配列されたギア部3573bと、を有したギア部材3573を備えている。このギア部材3573には、図示するように、前面から前方へ突出した突出部3573cと、突出部3573cの先端から旋回軸3581の軸方向に対して直角方向へ延出した板状の検知片3573dと、を備えている。
また、下部旋回装飾ユニット3570は、下部旋回装飾ベース3572の後側に取付けられ前方へ向かって光を照射可能なLED3574aを複数実装した裏後下装飾基板3574と、下部旋回装飾ベース3572における磁石支持部3572dに支持される合体磁石3575と、下部旋回装飾ベース3572における基部3572aの前側に取付けられ旋回軸3581が挿入される軸孔3576aを有した旋回軸支持板3576と、を備えている。裏後下装飾基板3574のLED3574aからの光は、下部旋回装飾ベース3572に形成された開口部3572cを通して下部旋回装飾部材3571の後側へ照射されるようになっている。
この下部旋回装飾ユニット3570は、下部旋回装飾部材3571における装飾枠部3571a、裏後下キャラクタ体3571b、及び背面装飾部3571cによって先端装飾部3570aを構成している。
裏後可動演出ユニット3500における下部旋回駆動ユニット3580は、下部旋回装飾ユニット3570における下部旋回装飾ベース3572、ギア部材3573、及び旋回軸支持板3576の各軸孔3572b,3573a,3576aに挿通される旋回軸3581と、旋回軸3581の後端を支持し裏箱621内に取付けられるユニットベース3582と、ユニットベース3582の前側に取付けられると共に旋回軸3581の前端を支持するユニット前部材3583と、を備えている。
また、下部旋回駆動ユニット3580は、ユニット前部材3583における前面の所定位置に回転軸が後方へ延出するように取付けられる裏後下部駆動モータ3584と、裏後下部駆動モータ3584の回転軸に固定されユニットベース3582とユニット前部材3583との間に配置される駆動ギア3585と、駆動ギア3585と噛合する大径の第一ギア部3586a及び第一ギア部3586aより小径で下部旋回装飾ユニット3570におけるギア部材3573のギア部3573bと噛合する第二ギア部3586bを有し第一ギア部3586aと第二ギア部3586bとが同軸上で一体回転可能とされた伝達ギア3586と、伝達ギア3586を回転可能に支持し両端がユニットベース3582及びユニット前部材3583に支持される伝達ギア軸3587と、ユニットベース3582の所定位置に取付けられ下部旋回装飾ユニット3570におけるギア部材3573の検知片3573dを検知することで下部旋回装飾ユニット3570の旋回位置を検知可能な裏後下部旋回位置検知センサ3588と、を備えている。
下部旋回駆動ユニット3580のユニット前部材3583は、旋回軸3521の軸心を中心として後側から前方へ窪んだ円弧状の凹部3583aを備えている。このユニット前部材3583は、凹部3583a内に下部旋回装飾ユニット3570におけるギア部材3573の突出部3573cが挿入されるようになっており、凹部3573aにおける円弧方向の端部にギア部材3573の突出部3573cが当接することで、下部旋回装飾ユニット3570の旋回範囲を規制することができるようになっている。
この下部旋回駆動ユニット3580は、駆動ギア3585の直径が、右部旋回駆動ユニット3520の駆動ギア3525の直径と略同じとされている。また、下部旋回駆動ユニット3580の伝達ギア3586は、第一ギア部3586a及び第二ギア部3586bの直径が、右部旋回駆動ユニット3520における伝達ギア3526の第一ギア部3526a及び第二ギア部3526bの直径と、夫々略同じとされている。
本例の下部旋回駆動ユニット3580は、裏後下部駆動モータ3584により駆動ギア3585を回転させると、駆動ギア3585と噛合した伝達ギア3586を介して下部旋回装飾ユニット3570が旋回軸3581周りに回動するようになっている。これにより、下部旋回装飾ユニット3570における先端装飾部3570aが旋回するようになっている。なお、本例では、下部旋回装飾ユニット3570を、約40゜の角度範囲内で旋回させることができるようになっている。
[2−6D−4.裏後可動演出ユニットの可動演出について]
続いて、裏後可動演出ユニット3500の可動演出について、主に図224及び図225を参照して説明する。図224は、裏後可動演出ユニットにおける各旋回装飾ユニットの旋回範囲を示す説明図である。また、図225は、裏後可動演出ユニットによる可動演出の例を示す説明図であり、図226は、図225とは異なる裏後可動演出ユニットによる可動演出の例を示す説明図である。
本例における裏後可動演出ユニット3500は、三つの旋回装飾ユニット3510,3540,3570が夫々独立して可動(旋回)するようになっている。また、裏後可動演出ユニット3500は、図224に示すように、各旋回装飾ユニット3510,3540,3570の各旋回範囲が夫々異なっており、右部旋回装飾ユニット3510が約43゜、上部旋回装飾ユニット3540が約90゜、そして、下部旋回装飾ユニット3570が約40゜とされている。つまり、本例の裏後可動演出ユニット3500は、上部旋回装飾ユニット3540の旋回範囲が、他の旋回装飾ユニット3510,3570の旋回範囲と比較して、約2倍の旋回範囲となっている。
また、裏後可動演出ユニット3500は、上述したように、上部旋回駆動ユニット3550における伝達ギア3556の第一ギア部3556aの直径が、他の第一ギア部3526a,3586aの約1/2とされており、各駆動モータ3524,3554,3584を同一速度で回転させた場合、上部旋回装飾ユニット3540のみ、他の旋回装飾ユニット3510,3570の2倍の速度で旋回するようになっている。つまり、本例では、上部旋回装飾ユニット3540が、速く、且つ、大きく、旋回することができるようになっている。
本例の裏後可動演出ユニット3500は、通常の状態では、各旋回装飾ユニット3510,3540,3570が、裏箱621における開口621cよりも外側(液晶表示装置1400の表示画面の外側)の後退位置に位置した状態となっている。この後退位置の状態では、遊技者側から夫々の旋回装飾ユニット3510,3540,3570が殆ど見えないようになっている。
この裏後可動演出ユニット3500は、始動入賞により抽選された特別抽選結果に応じて可動するようになっており、例えば、図224に示すように、右部旋回装飾ユニット3510、上部旋回装飾ユニット3540、及び下部旋回装飾ユニット3570が、夫々後退位置から出現位置へ旋回すると、各旋回装飾ユニット3510,3540,3570の扇状の先端装飾部3510a,3540a,3570aが互いに当接して合体し、一つの大きな円形状のメイン装飾体3501を形成することができるようになっている。これにより、大きなメイン装飾体3501が出現することとなり、遊技者を強く驚かせることができ、遊技に対する期待感を高めることができる。
なお、三つの先端装飾部3510a,3540a,3570aが合体すると、夫々の各旋回装飾ユニット3510,3540,3570に備えられた合体磁石3515,3545,3575同士が互いに磁着し、夫々が互いに支え合って合体した状態を良好に維持することができると共に、右部旋回駆動ユニット3520、上部旋回駆動ユニット3550、及び下部旋回駆動ユニット3580の各駆動モータ3524,3554,3584にかかる負荷を低減させることができるようになっている。
この裏後可動演出ユニット3500は、各右部旋回装飾ユニット3510、上部旋回装飾ユニット3540、及び下部旋回装飾ユニット3570が、各右部旋回駆動ユニット3520、上部旋回駆動ユニット3550、及び下部旋回駆動ユニット3580によって、夫々独立して旋回することができるようになっており、抽選された特別抽選結果に応じては、例えば、図225に示すように、上部旋回装飾ユニット3540のみが後退位置から出現位置へ旋回させることができるようになっている。これにより、旋回装飾ユニット3510,3540,3570が一つ出現するので、全ての旋回装飾ユニット3510,3540,3570が同時に出現する場合とは異なる印象を与えることができ、可動演出を楽しませることができると共に、一つの旋回装飾ユニット3540の出現に続いて、次の旋回装飾ユニット3510,3570が出現するのではと思わせることができ、遊技者の期待感を高めて、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
或いは、図226に示すように、右部旋回装飾ユニット3510と下部旋回装飾ユニット3570が先に後退位置から出現位置へ旋回して合体した状態とした上で、上部旋回装飾ユニット3540を後退位置から出現位置へ旋回させて、全ての旋回装飾ユニット3510,3540,3570同士を合体させることもできる。これにより、まず二つの旋回装飾ユニット3510,3570が出現して合体するので、遊技者の遊技に対する期待感を高めさせることができ、更に、残りの旋回装飾ユニット3540が出現して合体することで、遊技者の期待を確信に変化させることが可能となり、遊技者の興趣を高められる効果を期待することができるようになつている。
なお、本例の裏後可動演出ユニット3500は、三つの旋回装飾ユニット3510,3540,3570の各先端装飾部3510a,3540a,3570aが、一つの円を周方向へ120゜毎に分割したような形態となっているので、互いに合体させる際に先端装飾部3510a,3540a,3570a同士が当接した衝撃の力を、各装飾枠部3511a,3541a,3570aの円弧状に沿って他方の当接した部位へ誘導することができ、誘導した力と当接した力とが互いに打消し合う方向へ作用することとなり、互いに撥ね返るのを抑制して三つの旋回装飾ユニット3510,3540,3570同士を確実に合体させることができると共に、当接による衝撃が右部旋回駆動ユニット3520、上部旋回駆動ユニット3550、及び下部旋回駆動ユニット3580等に伝達されるのを抑制することができ、裏後可動演出ユニット3500が破損し易くなるのを防止することができるようになっている。
[2−7.遊技盤における可動演出]
次に、本実施形態の遊技盤4における可動演出について、主に図148、図227乃至図230を参照して説明する。図227は遊技盤における裏上可動演出ユニットの動きを示す正面図であり、図228は図227に続く裏上可動演出ユニットの動きを示す正面図である。また、図229は、遊技盤における裏右可動演出ユニットの動きを示す正面図である。更に、図230は、遊技盤における裏後可動演出ユニットの動きを示す正面図である。本実施形態の遊技盤4は、上述したように、裏ユニット3000に可動可能な複数の可動演出ユニット3200,3400,3500を備えており、周辺制御基板4140からの制御信号に基いて、様々な可動演出を行うことができるようになっている。
本例の遊技盤4は、図148に示すように、裏上可動演出ユニット3200が、第二大入賞口2404の右側で、センター役物2400の枠内の液晶表示装置1400よりも前側且つ上側の位置に配置されており、液晶表示装置1400の表示画面を妨げることなく、左右に並んだ「歌」「姫」のロゴ文字を有したロゴ左装飾部材3220及びロゴ右装飾部材3230が遊技者側から良く見えるようになっている。また、この状態(通常の状態)では、センター役物2400の上枠と、ロゴ左装飾部材3220及びロゴ右装飾部材3230との間の僅かな隙間から、後側に配置された裏上後ユニット3300の裏上キャラクタ体3302の一部が見えるようになっている。
これにより、遊技者に対して、裏上前ユニット3210(ロゴ左装飾部材3220及びロゴ右装飾部材3230)の後側に裏上キャラクタ体3302が存在していることを認識させることができるので、裏上キャラクタ体3302の全体が見えるようにロゴ左装飾部材3220及びロゴ右装飾部材3230が可動することを容易に想起させることができ、裏上キャラクタ体3302の完全出現によりチャンスを示唆するものと思わせてロゴ左装飾部材3220及びロゴ右装飾部材3230(裏上前ユニット3210)の可動に対する期待感を高めることができるようになっている。
また、遊技盤4は、裏右可動演出ユニット3400が、図148に示すように、センター役物2400の枠内で液晶表示装置1400の前側且つ右側の位置に配置されており、液晶表示装置1400の表示画面を妨げることなく、上下に並んだ「L」「I」「V」「E」の装飾文字を有した裏右装飾部材3411としての裏右第一装飾部材3411A、裏右第二装飾部材3411B、裏右第三装飾部材3411C、及び裏右第四装飾部材3411Dが遊技者側から良く見えるようになっている。なお、図示するように、裏右可動演出ユニット3400の各裏右キャラクタ体3412は、各裏右装飾部材3411の左側から一部が僅かに見えるようになっている。
更に、遊技盤4は、裏後可動演出ユニット3500が、センター役物2400の枠内よりも外側且つ遊技パネル600の後側で、液晶表示装置1400の前側且つ外側の位置に配置されており、正面視で遊技者側からは見えないようになっている。
この遊技盤4は、図227に示すように、裏上前ユニット3210のロゴ左駆動モータ3248を回転駆動させると、ロゴ左装飾部材3220が斜め左下へ向かって下降し、液晶表示装置1400の前面中央上部に位置すると共に、後側に配置された裏上後ユニット3300の裏上キャラクタ体3302が半分近く遊技者側から見えるようになる。これにより、ロゴ左装飾部材3220によって液晶表示装置1400の一部が遮られることで、遊技者の関心をロゴ左装飾部材3220へ引き付けることができると共に、ロゴ左装飾部材3220の裏上キャラクタ体3302がより見えるようになったことで、遊技者に対してチャンスの到来が近いと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めることができるようになっている。
この遊技盤4では、裏上可動演出ユニット3200のロゴ左装飾部体3220が下降すると、続いて、図228に示すように、ロゴ右駆動モータ3256の駆動によってロゴ右装飾部体3230が斜め左下へ向かって下降し、液晶表示装置1400の前面側に位置すると共に、後側に配置された裏上キャラクタ体3302とシーソー部材3303の全体が遊技者側から良く見えるようになる。これにより、遊技者に対してチャンスの到来を認識させて興趣を高めさせることができると同時に、新たに裏上キャラクタ体3302が持っているようなシーソー部材3303が見えるようになり、後側に配置された裏上キャラクタ体3302が、単なる飾りではなく別の可動役物(可動装飾体)であることを遊技者に認識させることができ、遊技者を大いに驚かせることができると共に新たな可動役物の可動に対する期待感を高めることができ、興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
なお、詳細な遊技盤4の全体図は省略するが、ロゴ左装飾部材3220及びロゴ右装飾部材3230が下降した状態で、センター役物2400の上部に配置された第二大入賞口2404を閉鎖する第二開閉部材2502が後退して第二大入賞口2404が開状態となった時に、第二大入賞口2404へ遊技球が受入れられると、裏上可動演出ユニット3200における裏上後ユニット3300の裏上キャラクタ体3302が持ったシーソー部材3303上に、遊技球と良く似た演出球3301が供給されるようになっている(図200を参照)。この裏上後ユニット3300は、第二大入賞口2404の右側に配置されており、遊技者に対して、第二大入賞口2404へ受入れられた遊技球が、あたかもシーソー部材3303へ供給されたように錯覚させることができるようになっている。
シーソー部材3303上に演出球3301が供給されると、振分駆動モータ3315によりシーソー部材3303が揺動し、シーソー部材3303上に供給された演出球3301がシーソー部材3303に沿って左右へ往復転動する。これにより、シーソー部材3303上を転動する演出球3301が、左ポータル3306或いは右ポータル3307の何れの側へ放出されるかで、遊技者をハラハラ・ワクワクさせることができ、遊技者を楽しませることができるようになっている。そして、シーソー部材3303から放出された演出球3301が、左ポータル3306或いは右ポータル3307の何れかに進入し、進入したポータル3306,3307に応じた演出画像が液晶表示装置1400に表示されるようになっている。なお、本例の遊技盤4では、第二大入賞口2404に受入れられた遊技球の数と対応した数の演出球3301が、シーソー部材3303上に順次供給されるようになっている。
また、遊技盤4では、図229に示すように、裏右可動演出ユニット3400の四つの裏右駆動モータ3413を夫々駆動すると、裏右装飾部材3411の後側に配置された裏右キャラクタ体3412が、左側へスライドして液晶表示装置1400の前面側に位置すると共に、裏右装飾部材3411がその右辺側を回動軸として左端が前方へ移動するように回動するようになっている。遊技者側からは、裏右装飾部材3411が遠ざかったように見え、裏右キャラクタ体3412が液晶表示装置1400の前面へ大きく突出(出現)したように錯覚させることができるようになっている。なお、裏右可動演出ユニット3400では、各裏右駆動モータ3413を夫々独立して回転制御させることができるようになっているので、図示するように、各裏右駆動モータ3413の回転を開始させるタイミングを適宜異ならせることで、四つの裏右キャラクタ対3412(裏右ユニット3410)がウエーブ状に可動しているように見せることが可能となり、遊技者の関心を強く引き付けて遊技に対する期待感を高めることができるようになっている。
更に、遊技盤4では、図230に示すように、裏後可動演出ユニット3500の各駆動モータ3524,3554,3584を同時に回転駆動させることで、液晶表示装置1400の外側の後退位置に位置して遊技者側から見えない各旋回装飾ユニット3510,3540,3570を出現位置へ旋回させて液晶表示装置1400の前面側で遊技者側から見えるようにすることができると共に、三つの各旋回装飾ユニット3510,3540,3570の先端装飾部3510a,3540a,3570aを互いに合体させることができる。これら三つの先端装飾部3510a,3540a,3570aが合体すると一つの大きなメイン装飾体3501が形成されるようになっており、液晶表示装置1400の前面の略全体に亘る巨大なメイン装飾体3501の出現によって、遊技者を強く驚かせることができ、遊技に対する期待感を非常に高めることができるようになっている。
なお、詳細な図示は省略するが、本例の遊技盤4は、裏後可動演出ユニット3500の各旋回装飾ユニット3510,3540,3570を夫々独立して旋回させることができるようになっており、旋回させて出現させる旋回装飾ユニット3510,3540,3570を適宜組合わせたり、旋回装飾ユニット3510,3540,3570の出現順序を適宜異ならせたりすることができ、多様な可動演出を行って飽き難くすることができるようになっている。
[3.主基板・周辺基板]
続いて、パチンコ機1の各種制御を行う制御基板について、図231を参照して説明する。図231は主基板及び周辺基板のブロック図である。パチンコ機1の制御構成は、図示するように、主基板4000のグループ及び周辺基板4010のグループから構成されており、これら2つのグループにより各種制御が分担されている。主基板4000のグループは、遊技動作(遊技の進行)を制御する主制御基板4100と、遊技球の払出し等を制御する払出制御基板1186と、を備えて構成されている。また、周辺基板4010のグループは、主制御基板4100からのコマンドに基いて遊技中の各種演出を制御する周辺制御基板4140と、周辺制御基板4140からのコマンドに基いて液晶表示装置1400での演出画像の表示を制御する液晶制御基板4150と、を備えている。
[3−1.主制御基板]
遊技の進行を制御する主制御基板4100は、図231に示すように、マイクロプロセッサとしての主制御MPU4100aと、入出力デバイス(I/Oデバイス)としての主制御I/Oポート4100bと、上述したRAMクリアスイッチ624aと、を備えている。主制御MPU4100aには、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMと、一時的にデータを記憶するRAMと、が内蔵される他に、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマや不正を防止するための機能等も内蔵されている。
主制御MPU4100aは、第一始動口2101へ受入れられた遊技球を検出する第一始動口センサ3120、第二始動口2102へ受入れられた遊技球を検出する第二始動口センサ2127、第三始動口2415へ受入れられた遊技球を検出する第三始動口センサ2618、及び一部の一般入賞口センサ3122からの検出信号が夫々主制御I/Oポート4100bを介して入力されたり、ゲートセンサ2304、一般入賞口センサ3122、第一カウントセンサ2128、センター役物2400における可動ステージ片2418の移動位置を検知する位置検知センサ2620、及び裏ユニット3000に取付けられた磁気検出センサ3028からの検出信号が、遊技盤4に取付けられたパネル中継基板3086、主制御I/Oポート4100bを介して入力されたりする。主制御MPU4100aは、これらの検出信号に基いて、主制御I/Oポート4100bそしてパネル中継基板3086を介して始動口ソレノイド2121、第一アタッカソレノイド2124、第二アタッカソレノイド2508、及び可動ステージ駆動モータ2608への駆動信号を出力したり、主制御I/Oポート4100b、パネル中継基板3086、機能表示基板640aを介して第一特別図柄表示器641、第二特別図柄表示器642、第一特別図柄記憶表示器643、第二特別図柄記憶表示器644、普通図柄表示器645、普通図柄記憶表示器646、遊技状態表示器647、セキュリティ表示器648に駆動信号を出力したりする。
また主制御MPU4100aは、遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払出しに関する各種コマンド等を、上述した主ドロワ中継基板1107を介して払出制御基板1186に送信したり、この払出制御基板1186からのパチンコ機1の状態に関する各種コマンド等を、主ドロワ中継基板1107を介して受信したりする。更に主制御MPU4100aは、遊技演出の制御に関する各種コマンド及びパチンコ機1の状態に関する各種コマンドを、主制御I/Oポート4100bを介して後述する周辺基板4010の周辺制御基板4140に送信したりする(主制御基板4100と周辺制御基板4140との基板間は図示しないハーネスより電気的に接続されている)。なお、主制御MPU4100aは、その詳細な説明は後述するが、払出制御基板1186からパチンコ機1の状態に関する各種コマンドを受信すると、これらの各種コマンドを整形して周辺制御基板4140に送信する。
主制御基板4100には、その詳細な説明は後述するが、電源基板1136から各種電圧が供給されている。この電源基板1136は、電源遮断時にでも所定時間、主制御基板4100に電力を供給するバックアップ電源としての電気二重層キャパシタ(以下、単に「キャパシタ」と記載する。)を備えている。このキャパシタにより主制御MPU4100aは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報をその内蔵するRAMに記憶することができるようになっている。なお、記憶した各種情報は、電源投入時に主制御基板4100のRAMクリアスイッチ624aが操作されると、内蔵するRAMから消去(クリア)されるようになっている。このRAMクリアスイッチ624aの操作信号(検出信号)は、主ドロワ中継基板1107を介して払出制御基板1186にも出力されるようになっている。
また、主制御基板4100には、停電監視回路が設けられている。この停電監視回路は、電源基板1136から供給される各種電圧の低下を監視しており、それらの電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号を出力するようになっている。この停電予告信号は、主制御I/Oポート4100bを介して主制御MPU4100aに入力される他に図示しないハーネスを介して払出制御基板1186等にも伝達されている。
[3−2.払出制御基板]
遊技球の払出し等を制御する払出制御基板1186は、図231に示すように、払出しに関する各種制御を行う払出制御部4110と、上述した発射モータ695の発射制御を行う発射制御部4120と、上述した、エラーLED表示器4130と、エラー解除スイッチ4131と、球抜きスイッチ4132と、を備えて構成されている。
払出制御基板1186における払出しに関する各種制御を行う払出制御部4110は、図231に示すように、マイクロプロセッサとしての払出制御MPU4110aと、I/Oデバイスとしての払出制御I/Oポート4110bと、払出制御MPU4110aが正常に動作しているか否かを監視する外部ウォッチドックタイマ4110c(以下、「外部WDT4110c」と記載する。)と、上述した払出モータ815に駆動信号を出力する払出モータ駆動回路4110dと、を備えて構成されている。払出制御MPU4110aには、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMと、一時的にデータを記憶するRAMと、が内蔵される他に、不正を防止するため機能等も内蔵されている。
払出制御MPU4110aは、その詳細な説明は後述するが、主制御基板4100からの遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払出しに関する各種コマンドを受信したり、主制御基板4100からのRAMクリアスイッチ624aの操作信号(検出信号)が入力されたりする他に、満タンスイッチ916からの検出信号が入力されたり、球切れスイッチ778、計数スイッチ812及び回転角スイッチ855からの検出信号が賞球ユニット内中継端子板830を介して入力されたりする。
また払出制御MPU4110aは、主制御基板4100からの払出しに関する各種コマンドを受信すると、その受信した払出しに関する各種コマンドに基いて払出モータ駆動回路4110dから払出モータ815に駆動信号を出力したり、球抜きスイッチ4132が操作されると、この操作信号(検出信号)に基いて上述した、賞球タンク720及びタンクレール部材740に貯留された遊技球を排出する(球抜きする)ために払出モータ駆動回路4110dから払出モータ815に駆動信号を出力したり、図示しないCRユニット(球貸し機)からの貸球要求信号がCRユニット端子板1150bを介して入力されると、この貸球要求信号に基いて払出モータ駆動回路4110dから払出モータ815に駆動信号を出力したり、満タンスイッチ916からの検出信号が入力されると、この検出信号に基いて払出モータ駆動回路4110dから払出モータ815への駆動信号を停止して払出モータ815を停止したりする。
更に払出制御MPU4110aは、パチンコ機1の状態をエラーLED表示器4130に表示したり、その状態を示す各種コマンドを主制御基板4100に送信したり、計数スイッチ812からの検出信号が入力されると、この検出信号に基いて、実際に払出した遊技球の球数を外部端子板1150aに出力したりする。この外部端子板1150aは、遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータと電気的に接続されている。このホールコンピュータは、パチンコ機1が払出した遊技球の球数やパチンコ機1の遊技情報等を把握することにより遊技者の遊技を監視している。
一方、払出制御基板1186における発射モータ695の発射制御を行う発射制御部4120は、図231に示すように、各種信号が入力される入力回路4120aと、定時間毎にクロック信号を出力する発信回路4120bと、このクロック信号に基いて発射モータ695の回転速度を決定する基準パルスを出力する発射制御回路4120cと、この発射制御回路4120cからの基準パルスに基いて発射モータ695に駆動信号を出力する発射モータ駆動回路4120dと、を備えて構成されている。発射制御回路4120cは、発信回路4120bからのクロック信号に基いて、1分当たり約99.95個の遊技球が遊技領域605に向けて発射されるよう発射モータ695の回転速度を制御している。つまり、上述した打球槌687の可動を制御している。
なお、上述したハンドル装置460(操作ハンドル部461)には、上述したように、タッチセンサ420、発射停止スイッチ422が内蔵されており、操作ハンドル部461の回動操作部材464に触れるとタッチセンサ420により検出され、単発ボタン421を操作すると発射停止スイッチ422により検出される。これらの検出信号は、その詳細な説明は後述するが、上述したハンドル中継端子板194を介して入力回路4120aに入力されている。また、CRユニットがCRユニット端子板1150bに電気的に接続されると、CR接続信号がCRユニット端子板1150bを介して入力回路4120aに入力される。
この払出制御基板1186には、電源基板1136から各種電圧が主制御基板4100と同様に供給されている。この電源基板1136は、電源遮断時にでも所定時間、払出制御基板1186に電力を供給するキャパシタを備えている。このキャパシタにより払出制御MPU4110aは電源遮断時にでも払出しに関する各種の払出情報をその内蔵するRAMに記憶することができるようになっている。なお、記憶した払出情報は、電源投入時に主制御基板4100のRAMクリアスイッチ624aが操作されると、その内容が内蔵するRAMから消去(クリア)されるようになっている。
[3−3.周辺制御基板]
周辺基板4010における演出制御を行う周辺制御基板4140は、図231に示すように、マイクロプロセッサとしての周辺制御MPU4140aと、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶する周辺制御ROM4140bと、高音質の演奏を行う音源IC4140cと、この音源IC4140cが参照する音楽及び効果音等の音情報が記憶されている音ROM4140dと、を備えて構成されている。
周辺制御MPU4140aは、パラレル入出力ポート、シリアル入出力ポート及びウォッチドックタイマ(WDT)等の各種入出力ポートを内蔵しており、主制御基板4100から各種コマンドを受信すると、この各種コマンドに基いて、扉枠5に備えられた各装飾基板のLEDに点灯信号又は点滅信号を出力する扉枠側点灯点滅コマンドを第一ランプ駆動基板3014及び第二ランプ駆動基板3018を有したランプ駆動基板4160に出力したり、遊技盤4に備えられた各装飾基板2471,2472,2474,2476,2514,2622,2624,2626,2688,2689,3112,3114,3116,3224,3234,3308,3402,3414,3514,3554,3574のLEDに点灯信号又は点滅信号を出力する遊技盤側点灯点滅コマンドをランプ駆動基板4160に出力したり、扉枠5に備えられたトップランプ電飾ユニット200の左回転灯モータ245、右回転灯モータ265、及び中央回転灯モータ285に回転駆動信号を出力する扉枠側可動駆動コマンドをランプ駆動基板4160に出力したり、遊技盤4に備えられたロゴ左駆動モータ3256、ロゴ右駆動モータ3256、振分駆動モータ3315、ローテーション駆動モータ3326、シャッターソレノイド3331、裏右駆動モータ3413、裏後右部駆動モータ3524、裏後上部駆動モータ3554、及び裏後下部駆動モータ3584に回転駆動信号を出力する遊技盤側可動駆動コマンドをランプ駆動基板4160に出力したり、音ROM4140dから抽出する音情報を示す制御信号(音コマンド)を音源IC4140cに出力したり、液晶表示装置1400に表示させる画面を示す表示コマンドを液晶制御基板4150に出力したりする。
周辺制御MPU4140aから液晶制御基板4150に出力される表示コマンドはシリアル入出力ポートにより行われ、本実施形態では、ビットレート(単位時間あたりに送信できるデータの大きさ)として19.2キロ(k)ビーピーエス(bits per second、以下、「bps」と記載する)が設定されている。一方、周辺制御MPU4140aからランプ駆動基板4160に出力される、初期データ、扉枠側点灯点滅コマンド、遊技盤側点灯点滅コマンド、扉枠側可動駆動コマンド、遊技盤側可動駆動コマンド、表示コマンドと異なる複数のシリアル入出力ポートにより行われ、本実施形態では、ビットレートとして250kbpsが設定されている。
このランプ駆動基板4160は、受信した扉枠側点灯点滅コマンドに基いて点灯信号又は点滅信号を、副ドロワ中継基板1108を介して扉枠5に備えられた各装飾基板126,190,206,224,225,296等のLEDに出力したり、受信した遊技盤側点灯点滅コマンドに基いて点灯信号又は点滅信号を遊技盤4に備えられた各装飾基板2471,2472,2474,2476,2514,2622,2624,2626,2688,2689,3112,3114,3116,3224,3234,3308,3402,3414,3514,3554,3574のLEDや、扉枠5のガラスユニット450におけるガラス装飾基板453のLED453aに出力したりする。また、ランプ駆動基板4160は、受信した扉枠側可動駆動コマンドに基いて回転駆動信号を、副ドロワ中継基板1108を介して扉枠5に備えられた左回転灯モータ245、右回転灯モータ265、及び中央回転灯モータ285に出力したり、受信した遊技盤側可動駆動コマンドに基いて回転駆動信号を遊技盤4に備えられたロゴ左駆動モータ3256、ロゴ右駆動モータ3256、振分駆動モータ3315、ローテーション駆動モータ3326、シャッターソレノイド3331、裏右駆動モータ3413、裏後右部駆動モータ3524、裏後上部駆動モータ3554、及び裏後下部駆動モータ3584に出力したりする。
また、周辺制御MPU4140aは、遊技盤4の裏上可動演出ユニット3200の裏上前ユニット3210におけるロゴ左装飾部材3220及びロゴ右装飾部材3230の位置を検知する位置検知センサ3250,3258、裏上後ユニット3300におけるシーソー部材3303及びロータリーケース3324の回転位置を検知する位置検知センサ3316,3338、裏右可動演出ユニット3400における裏右装飾部材3411及び裏右キャラクタ体3412のスライド位置等を検知する位置検知センサ3422、裏後可動演出ユニット3500における各旋回装飾ユニット3510,3540,3570の旋回位置を検知する位置検知センサ3528,3558,3588等からの検知信号が、ランプ駆動基板4160を介して夫々入力されており、これらの検知信号に基いて、ロゴ左装飾部材3220、ロゴ右装飾部材3230、シーソー部材3303、ロータリーケース3324、裏右装飾部材3411及び裏右キャラクタ体3412、旋回装飾ユニット3510,3540,3570の原位置を把握している。
また、周辺制御MPU4140aは、扉枠5の回転灯244,264,284の回転位置を夫々検出する左回転位置検出センサ250、右回転位置検出センサ270、中央回転位置検出センサ290からの検出信号が、副ドロワ中継基板108及びモータ駆動基板3013を介して夫々入力されており、これらの検出信号に基いて各回転灯224,264,284の回転位置を把握している。更に周辺制御MPU4140aは、液晶制御基板4150が正常動作している旨を伝える信号(動作信号)が液晶制御基板4150から入力されたり、扉枠5における皿ユニット300に備えられた操作ボタンユニット370のメインボタン371やサブボタン372の操作を検出するメインボタンセンサ376やサブボタンセンサ378からの操作検出信号が、副ドロワ中継基板1108及びランプ駆動基板4160を介して入力されたりする。なお、メインボタン371には、振動体371cが備えられており、この振動体371cに対して副ドロワ中継基板1108及びランプ駆動基板4160を介して周辺制御MPU4140aから駆動信号が送られるようになっている。
音源IC4140cは、周辺制御MPU4140aから出力された音コマンドに基いて音ROM4140dから音情報を抽出し、ランプ駆動基板4160、そして副ドロワ中継基板1108を介して扉枠5のサイドスピーカ121や下部スピーカ391から各種演出に合わせた音楽及び効果音等が流れるよう制御を行う。
なお、周辺制御基板4140は、図示しない、外部ウォッチドックタイマ(外部WDT)も備えており、周辺制御MPU4140aは、その内蔵されたウォッチドックタイマ(内蔵WDT)と外部WDTとを併用して周辺制御MPU4140aのシステムが暴走していないかを診断している。
[3−4.液晶制御基板]
次に、周辺基板4010における液晶表示装置1400の描画制御を行う液晶制御基板4150は、図示するように、マイクロプロセッサとしての液晶制御MPU4150aと、各種処理プログラム、各種コマンド及び各種データを記憶する液晶制御ROM4150bと、上述した液晶表示装置1400を表示制御するVDP(Video Display Processorの略)4150cと、液晶表示装置1400に表示される画面の各種データを記憶するキャラROM4150dと、このキャラROM4150dに記憶されている各種データが転送されてコピーされるキャラRAM4150eと、を備えている。
この液晶制御MPU4150aは、パラレル入出力ポート、シリアル入出力ポート等を内蔵しており、周辺制御基板4140から上述した表示コマンドを受信すると、その詳細な説明は後述するが、受信した表示コマンドに基いてVDP4150cを制御して液晶表示装置1400の描画制御を行う。なお、液晶制御MPU4150aは、正常に動作していると、上述したように、その旨を伝える動作信号を周辺制御基板4140に出力する。
液晶制御ROM4150bは、液晶表示装置1400に描画する画面を生成するための各種プログラムの他に、表示コマンドに対応するスケジュールデータ、表示コマンドに対応する非常駐領域転送スケジュールデータ等を複数記憶している。スケジュールデータは、画面の構成を規定する画面データが時系列に配列されて構成されており、液晶表示装置1400に描画する画面の順序が規定されている。非常駐領域転送スケジュールデータは、キャラROM4150dに記憶されている各種データをキャラRAM4150eの後述する非常駐領域に転送する際に、その順序を規定する非常駐領域転送データが時系列に配列されて構成されている。この非常駐領域転送データは、スケジュールデータの進行に従って液晶表示装置1400に描画される画面データを、前もって、キャラROM4150dからキャラRAM4150eの非常駐領域に各種データを転送する順序が規定されている。
液晶制御MPU4150aは、周辺制御基板4140から表示コマンドを受信すると、この表示コマンドに対応するスケジュールデータを抽出し、この抽出したスケジュールデータの先頭の画面データを液晶制御ROM4150bから抽出してVDP4150cに出力する。そして液晶制御MPU4150aは、先頭の画面データに続く画面データを抽出してVDP4150cに出力する。このように、液晶制御MPU4150aは、スケジュールデータに時系列に配列された画面データを、先頭の画面データから1つずつ、液晶制御ROM4150bから抽出してVDP4150cに出力する。
VDP4150cは、液晶制御MPU4150aから出力された画面データが入力されると、この入力された画面データに基いてキャラRAM4150eから後述するスプライトデータを抽出して液晶表示装置1400に表示する描画データを生成し、この生成した描画データを液晶表示装置1400に出力する。なお、VDP4150cは、ラインバッファ方式が採用されている。この「ラインバッファ方式」とは、液晶表示装置1400の左右方向を描画する1ライン分の描画データをラインバッファに保持し、このラインバッファに保持した1ライン分の描画データを液晶表示装置1400に出力する方式である。
キャラROM4150dは、極めて多くのスプライトデータを記憶しており、その容量が大きくなっている。キャラROM4150dの容量が大きくなると、つまり液晶表示装置1400に描画するスプライトの数が多くなると、キャラROM4150dのアクセス速度が無視できなくなり、液晶表示装置1400に描画する速度に影響することとなる。そこで、本実施形態では、アクセス速度の速いキャラRAM4150eに、キャラROM4150dに記憶されているスプライトデータを転送してコピーし、このキャラRAM4150eからスプライトデータを抽出している。スプライトデータは、スプライトをビットマップ形式に展開する前のデータである基データであり、圧縮された状態でキャラROM4150dに記憶されている。
ここで、「スプライト」とは、液晶表示装置1400にまとまった単位として表示されるイメージである。例えば、液晶表示装置1400に種々の人物を表示させる場合には夫々の人物を描くためのデータを「スプライト」と呼ぶ。これにより、液晶表示装置1400に複数人の人物を表示させる場合には複数のスプライトを用いることとなる。また人物のほかに、背景を構成する家、山、道路等もスプライトであり、背景全体を1つのスプライトとすることもできる。これらのスプライトは、画面に配置される位置やスプライト同士が重なる場合の上下関係(以下、「スプライトの重ね合わせの順序」と記載する。)が設定されて液晶表示装置1400に表示される。
なお、スプライトは縦横夫々64画素の矩形領域を複数張り合わせて構成されている。この矩形領域を描くためのデータを「キャラクタ」と呼ぶ。小さなスプライトの場合には1つのキャラクタを用いて表現することができるし、人物など比較的大きいスプライトの場合には、例えば横2×縦3などで配置した合計6個のキャラクタを用いて表現することができる。背景のように更に大きいスプライトの場合には更に多数のキャラクタを用いて表現することができる。このように、キャラクタの数及び配置は、スプライトごとに任意に指定することができるようになっている。
液晶表示装置1400は、左右方向に800画素、上下方向に600画素(SVGA)を有しており、液晶表示装置1400の左から右に向かって順次、画素に沿った一方向に画素ごとの表示状態を設定する主走査と、その一方向と交差する方向に主走査を繰り返し行う副走査と、によって駆動されるようになっている。液晶表示装置1400は、液晶制御基板4150から出力された1ライン分の描画データが入力されると、液晶ドライブ回路1315bは、この1ライン分の描画データに基いて、主走査として液晶表示装置1400の左から右に向かって順次、1ライン分の画素に夫々出力する。そして1ライン分の出力が完了すると、副走査として直下のラインに移行し、同様に次ライン分の描画データが入力されると、この次ライン分の描画データに基いて、主走査として液晶表示装置1400の左から右に向かって順次、1ライン分の画素に夫々出力する。
また、液晶表示装置1400は、インバータ基板1411によって点灯されるバックライト(冷陰極管)が内蔵されている。
[4.遊技内容]
本実施形態のパチンコ機1における遊技内容について、主に図232を参照して説明する。図232は、主制御基板における機能的な構成を示すブロック図である。まず、本実施形態のパチンコ機1における主制御基板4100での遊技演出制御に係る機能的な構成について、図232等を参考に説明する。なお、遊技球の払出しに係る機能的な構成については省略する。本例の主制御基板4100では、図示しないROMに予め格納された所定のプログラムを主制御MPU4100aによって実行することで各種の遊技制御や演出制御等が具現化されるようになっている。この主制御基板4100には、ゲートセンサ2304から遊技球の検出信号が入力されると、普通図柄に対する抽選結果となる所定の普通乱数を発生させる普通乱数発生手段4200と、発生した普通乱数を所定の条件に応じて一時的に記憶する普通図柄保留記憶手段4202と、普通図柄保留記憶手段4202により記憶された上で実行された普通乱数と対応する普通図柄変動パターンを、主制御基板4100のROMに格納された所定の普通図柄変動パターンテーブルから選択する普通図柄変動パターン選択手段4204と、選択された普通図柄変動パターンに基いて普通図柄表示器645の普通図柄を変動表示させる普通図柄表示制御手段4206と、普通図柄表示制御手段4206によって普通図柄表示器645に表示された普通乱数(普通抽選結果)が「普通当たり」であると始動口ソレノイド2121を駆動して一対の可動片2105を拡開させる始動口開閉制御手段4208と、普通図柄保留記憶手段4202に保留記憶された普通図乱数の数を記憶数として普通図柄記憶表示器646に表示させる普通図柄記憶数表示制御手段4210とを備えている。
上述の普通図柄保留記憶手段4202は、普通図柄表示制御手段4206によって普通図柄が変動表示中に、ゲートセンサ2304からの遊技球の検出信号を契機として発生した普通乱数を所定数(例えば、四つ)まで記憶すると共に、普通図柄の変動表示が可能となるまで記憶した普通乱数の実行を保留するものである。
また、主制御基板4100は、第一特別乱数発生手段4212と、第一特別図柄保留記憶手段4214と、第一特別図柄変動パターン選択手段4216と、第一特別図柄表示制御手段4218と、第一特別図柄記憶数表示制御手段4220とを備えている。第一特別乱数発生手段4212は、第一始動口2101への始動入賞により第一始動口センサ3120で検出された検出信号に基づいて第一特別図柄に対する第一特別抽選結果となる所定の第一特別乱数を発生させる。第一特別図柄保留記憶手段4214は、第一特別乱数発生手段4212において発生した第一特別乱数および第一特別乱数の発生と共に取得される各種データ(例えば、後述する図柄乱数、リーチ判定用乱数、第一変動パターン用乱数、第二変動パターン用乱数、変動タイプ乱数)を所定の条件に応じて一時的に記憶する。以下では、第一始動口2101への始動入賞に基づいて発生・取得される一グループのデータ(例えば、第一特別乱数、図柄乱数、リーチ判定用乱数、第一変動パターン用乱数、第二変動パターン用乱数、変動タイプ乱数)を第一特別図柄抽選単位データとも呼ぶ。第一特別図柄変動パターン選択手段4216は、一つの第一特別図柄抽選単位データに基づく第一特別図柄変動パターンを、主制御基板4100のROMに予め記憶された所定の特別図柄変動表示パターンテーブルから選択する。第一特別図柄表示制御手段4218は、第一特別図柄変動パターン選択手段4216で選択された第一特別図柄変動パターンに基づいて第一特別図柄表示器641の第一特別図柄を変動表示させる。第一特別図柄記憶数表示制御手段4220は、第一特別図柄保留記憶手段4214で保留記憶された第一特別図柄抽選単位データの数(以下、第一特別図柄保留数と呼ぶ。)を記憶数として第一特別図柄記憶表示器643に表示させる。
さらに、主制御基板4100は、第二特別乱数発生手段4222と、第二特別図柄保留記憶手段4224と、第二特別図柄変動パターン選択手段4226と、第二特別図柄表示制御手段4228と、第二特別図柄記憶数表示制御手段4230とを備えている。第二特別乱数発生手段4222は、第二始動口2102又は第三始動口2415への始動入賞により第二始動口センサ2127又は第三始動口センサ2618で検出された検出信号に基づいて第二特別図柄に対する第二特別抽選結果となる所定の第二特別乱数を発生させる。第二特別図柄保留記憶手段4224は、第二特別乱数発生手段4222において発生した第二特別乱数および第二特別乱数の発生と共に取得される各種データ(例えば、後述する図柄乱数、リーチ判定用乱数、第一変動パターン用乱数、第二変動パターン用、変動タイプ乱数)を所定の条件に応じて一時的に記憶する。以下では、第二始動口2102および第三始動口2415への始動入賞に基づいて発生・取得される一グループのデータ(例えば、第二特別乱数、図柄乱数、リーチ判定用乱数、第一変動パターン用乱数、第二変動パターン用乱数、変動タイプ乱数)を第二特別図柄抽選単位データとも呼ぶ。第二特別図柄変動パターン選択手段4226は、一つの第二特別図柄抽選単位データに基づく第二特別図柄変動パターンを、主制御基板4100のROMに予め記憶された所定の特別図柄変動表示パターンテーブルから選択する。第二特別図柄表示制御手段4228は、第二特別図柄変動パターン選択手段4226で選択された第二特別図柄変動パターンに基づいて第二特別図柄表示器642の第二特別図柄を変動表示させる。第二特別図柄記憶数表示制御手段4230は、第二特別図柄保留記憶手段4224で保留記憶された第二特別図柄抽選単位データの数(以下、第二特別図柄保留数と呼ぶ。)を記憶数として第二特別図柄記憶表示器644に表示させる第二特別図柄記憶数表示制御手段4230とを備えている。
これら第一特別図柄保留記憶手段4214及び第二特別図柄保留記憶手段4224は、第一及び第二特別図柄表示制御手段4218,4228によって第一及び第二特別図柄が変動表示中等の新たに特別図柄を変動表示させることができない時に、第一〜第三始動口2101、2102、2415への始動入賞に基づく第一及び第二特別図柄抽選単位データをそれぞれ所定数(例えば、それぞれ4つ)まで記憶すると共に、特別図柄の変動表示が可能となるまで記憶した第一及び第二特別図柄抽選単位データの実行を保留するものである。
なお、主制御基板4100には、第一特別図柄保留記憶手段4214と第二特別図柄保留記憶手段4224で保留された第一及び第二特別図柄抽選単位データを、始動口2102、2102、2415への始動入賞タイミングよりも、第二特別図柄抽選単位データの方を優先して実行(消化)させる優先保留消化手段4231を備えており、この優先保留消化手段4231によって第二特別図柄抽選単位データ(第二始動口2102および第三始動口2415への入賞に基づいて取得された特別図柄図柄抽選単位データ)に基づく抽選結果の保留が優先して実行(消化)されるようになっている。
また、主制御基板4100には、第一特別図柄保留記憶手段4214や第二特別図柄保留記憶手段4224に記憶された、第一及び第二特別図柄抽選単位データに基づく抽選結果(特別抽選結果)に基いて遊技者が有利となる有利遊技状態を発生させる有利遊技状態発生手段4232と、有利遊技状態発生手段4232からの指示に基づいて第一大入賞口2103又は第二大入賞口2404を閉鎖する第一開閉部材2106又は第二開閉部材2502を所定パターンで開閉するように第一アタッカソレノイド2124又は第二アタッカソレノイド2508の駆動制御をする大入賞口開閉制御手段4234とを備えている。
また、主制御基板4100は、パチンコ機1の遊技状態がいずれの遊技状態であるかを判断し、当該判断した遊技状態に基づいて、遊技状態を制御する遊技状態制御手段4236を更に備えている。
本実施形態では、パチンコ機1の遊技状態として、パチンコ機1の外観から遊技の状態を把握可能な外部遊技状態として、外部通常遊技状態(ノーマル遊技状態)およびこの外部通常遊技状態よりも遊技者に有利となる外部有利遊技状態(チャンス遊技状態)のいずれかの遊技状態に制御される。
外部通常遊技状態は、開放延長機能(可動片2105の開放時間が通常時より長くなる機能)および時短機能(普通図柄および特別図柄の変動時間が短くなる機能)が作動しない遊技状態であって、一対の可動片2105が後述の促進態様に制御されない遊技状態である。即ち、上述のとおり、一対の可動片2105は、普通抽選結果が当選であったことを契機として開閉動作するものであり、これによって第二始動口2102への遊技球の入賞を可能とするものであるが、当該可動片2105が動作するときの動作態様としては、第1の動作態様(平常態様)と、該第1の動作態様よりも遊技者に有利な第2の動作態様(促進態様)とが用意されている。
本実施形態では、開放延長機能および時短機能が作動しない遊技状態では、第1の動作態様として、普通抽選結果が当選となる確率が2%、普通図柄の変動時間が10sec、一対の可動片2105が1回の開放当たりの開放時間0.18secで1回の当選につき1回開放されるように設定される。また、開放延長機能および時短機能が作動する遊技状態では、第2の動作態様として、普通抽選結果が当選となる確率が99.6%、普通図柄の変動時間が0.5sec、一対の可動片2105が1回の開放当たりの開放時間0.95secで1回の当選につき3回開放されるように設定される。
そして外部通常遊技状態では、上記可動片2105が動作するときの動作態様として上記第1の動作態様が採用されることとなる。上述のとおり、この第1の動作態様は、第2の動作態様と比べると、上記第二始動口2102への遊技球の入賞が促進され難い態様である。
一方、外部有利遊技状態は、開放延長機能および時短機能が作動する遊技状態であって、一対の可動片2105が動作するときの動作態様として上記第2の動作態様(促進態様)が採用される遊技状態である。ここで、「促進態様」とは、第二始動口2102への遊技球の入賞が促進される態様である。
なお、「促進態様」では、普通抽選結果が当選となる確率のアップ、抽選時間の短縮(普通図柄の変動時間の短縮)および一対の可動片2105の開放時間アップの三つの態様のうち、いずれか一つまたは二つのみを行うことによって促進態様としても良く、三つ全てを行うことによって促進態様としても良い。
また、パチンコ機1の遊技状態は、外観から把握することが困難な内部的に制御される遊技状態もある。本実施形態では、確変機能(所謂確率変動機能)が作動する遊技状態と当該確変機能が作動しない遊技状態とがそれに相当する。
確変機能が作動しない場合、第一特別抽選結果および第二特別抽選結果が大当たりに当選する確率が所定の低確率(第1の確率:本実施形態では、約1/300)に設定される。一方、確変機能が作動する場合、第一特別抽選結果および第二特別抽選結果が大当たりに当選する確率が第1の確率よりも少なくとも2倍以上の所定の高確率(第2の確率:本実施形態では、第1の確率に対して10倍とされた第2の確率(約1/30))に設定される。このように、確変機能が作動する場合に、確変機能が作動しない場合と比べて大当たりへの当選確率を少なくとも2倍以上とするのは、確変機能が作動したときに、確変機能が作動しない場合と比べて特別図柄の変動回数が少ない段階で大当たりに当選しうるようにすることで、興趣の低下の抑制を図るためである。
本実施形態では、確変機能が作動していない外部通常遊技状態を「外部通常遊技状態A」と称し、確変機能が作動している外部通常遊技状態を「外部通常遊技状態B」と称す。また、確変機能が作動していない外部有利遊技状態を「外部有利遊技状態A」と称し、確変機能が作動している外部有利遊技状態を「外部有利遊技状態B」と称する。
なお、本実施形態のパチンコ機1は、遊技者が、外部通常遊技状態Aと外部通常遊技状態Bとを可動片2105の動作によっては区別することはできず、同様に、外部有利遊技状態Aと外部有利遊技状態Bとを可動片2105の動作によっては区別できないようになっている。
また、いずれかの遊技状態から遊技者にとってより有利な遊技状態への変更は、特別抽選結果が大当たりとなったことに基づいて条件装置が作動した場合にのみ行われる。なお、上記4つの遊技状態(外部通常遊技状態A、外部通常遊技状態B、外部有利遊技状態A、外部有利遊技状態B)のうち、遊技者にとって最も有利な遊技状態は外部有利遊技状態Bであり、遊技者にとっても最も不利な遊技状態は外部通常遊技状態Aである。従って、外部通常遊技状態Aから他の遊技状態(外部通常遊技状態B、外部有利遊技状態Aおよび外部有利遊技状態B)への変更、外部有利遊技状態Aから外部有利遊技状態Bへの変更等は、条件装置が作動しない限り行われない。
更に、主制御基板4100には、第一特別図柄抽選単位データ、第二特別図柄抽選単位データに基づいて、演出コマンド等の所定の制御用のコマンドを生成するコマンド生成手段4238と、コマンド生成手段4238で生成されたコマンドを周辺制御基板4140へ送信するコマンド送信手段4240とを備えている。
本実施形態のパチンコ機1は、扉枠5の右下に配置された操作ハンドル部461を遊技者が回転操作することで、皿ユニット300の貯留皿311に貯留された遊技球が、透明な遊技パネル600の前面に配置された遊技領域605内の上部へと打ち込まれて、遊技球による遊技が開始されるようになっている。遊技領域605内の上部へ打ち込まれた遊技球は、その打込強さによってセンター役物2400の上側の左側或いは右側の遊技領域605内を流下することとなる。なお、遊技球の打込強さは、操作ハンドル部461の回転量によって調整することができるようになっており、時計回りの方向へ回転させるほど強く打ち込むことができるようになっている。また、遊技領域605内には、適宜位置に所定のゲージ配列で複数の障害釘が遊技パネル600の前面に植設されており、遊技球がその障害釘に当接することで、遊技球の流下速度が抑制されると共に、遊技球に様々な動きが付与されて、その動きを楽しませられるようになっている。
センター役物2400の上部へ打ち込まれた遊技球が、左右方向の略中央から左側を流下してセンター役物2400の左上棚部材2460へ到達すると、左上棚部材2460によってセンター役物2400の左側の領域へと誘導される。そして、センター役物2400の左側を流下する遊技球が、センター役物2400の左側に配置されたゲート部材2300のゲート2302に進入通過してゲートセンサ2304により検出されると、その検出信号に基いて主制御基板4100では、普通乱数発生手段4200で普通抽選結果としての普通乱数が発生する。そして、その普通乱数に基いて、機能表示ユニット1400における普通図柄表示器645の普通図柄が変動表示(一つのLEDからなる普通図柄表示器645が、赤色、緑色、橙色に交互に発光)され、所定時間(例えば、2秒〜30秒の間)経過後に抽出され普通乱数(普通抽選結果)に基いた普通図柄が停止表示(普通図柄表示器645が赤色又は緑色の何れかに発光)される。この普通図柄の変動表示は、普通図柄変動パターン選択手段4204において所定の普通図柄変動パターン選択テーブルから選択された普通図柄変動パターンに基いて行われるようになっている。
詳しくは、抽選された普通乱数が「普通当たり」乱数の場合、当たりを示唆する普通図柄で停止表示(普通図柄表示器645が緑色に発光)され、抽選された普通乱数が「普通ハズレ」乱数の場合、ハズレを示唆する普通図柄で停止表示(普通図柄表示器645が赤色に発光)されるようになっている。そして、当たりを示唆する普通図柄が停止表示されると、第二始動口2102を閉鎖する一対の可動片2105が所定時間(例えば、0.3秒〜3秒の間)拡開して、第二始動口2102へ遊技球が入賞できるようになっている。
なお、普通図柄の変動時間や第二始動口2102における可動片2105の拡開時間については、第一及び第二特別図柄抽選単位データに基づく特別抽選結果に応じて変化させるようにしても良く、例えば、特別抽選結果が所定の大当たりであった場合に、その変動時間や拡開時間を短い時間に変更するようにしても良い。具体的には、例えば、普通図柄変動パターン選択手段4204において普通図柄変動パターンを選択する普通図柄変動パターンテーブルを異なるテーブルと差替えた上で、選択させることで容易に変化させることができる。
なお、本例のパチンコ機1では、センター役物2400の上側において、左右方向中央から左側には遊技球が流下可能な領域が備えられているものの、中央から右側は遊技領域605の外周に沿って下方へ延びる円弧状の領域が備えられており、この領域に遊技球が進入するとゲート部材2300やワープ入口2405へ遊技球が進入する機会を得ることなくセンター役物2400の下側へ送られてしまい、チャンスが少なくなると共に遊技球の動きがあまり楽しめなくなるようになっている。また、センター役物2400の上側において、第二大入賞口2404の上流右側に上アウト口2403を備えており、この上アウト口2403に遊技球が進入するとそのまま遊技領域605内から排出されるようになっており、遊技球が上アウト口2403へ進入した時点でその遊技球による遊技が終了してしまうようになっている。従って、遊技者は、遊技球がセンター役物2400の上側において左右方向中央から左側の領域を流下し、更に、上アウト口2403へ進入しないように、操作ハンドル部461の回転量を適宜調整して遊技することとなり、闇雲に遊技球を強く打ち込むような遊技操作を抑制して、パチンコ機1本来の操作ハンドル部461の操作による遊技を楽しませて興趣が低下するのを防止することができるようになっている。また、上アウト口2403が第二大入賞口2404の上流右側に開口しているので、第二大入賞口2404が開状態となって受入可能となった時でも、操作ハンドル部461の操作によって比較的狙い易い遊技領域605の上流部でも、遊技球の打込操作を慎重に行わせることができるようになっている。
ところで、本例では、普通図柄表示器645において普通図柄が変動表示中に、ゲートセンサ2304で遊技球の通過が検出されると、変動中の普通図柄停止して先に発生・抽出された普通乱数の結果が確定するまでの間、ゲートセンサ2304からの検出信号に基いて抽出された普通乱数(普通図柄変動パターンを含む)を普通図柄記憶保留手段4202で一時的に記憶してその表示を保留するようになっており、その記憶された普通乱数の数(保留数とも言う)を、普通図柄記憶表示器646で表示するようになっている。この普通図柄記憶表示器646は、四つのLEDからなっており、点灯する各LEDの数によって記憶数を示唆するようになっており、本例では、四つまで記憶して表示するようになっている。なお、記憶数が四つを越えた場合は、ゲートセンサ2304の検出信号に基いて抽出された普通乱数が破棄されるようになっている。
また、遊技領域605内へ打ち込まれセンター役物2400の左側を流下した遊技球は、サイド装飾部材2100の棚部2102によってセンター役物2400の下側で遊技領域605の中央側へ寄せられるようになっている。そして、センター役物2400の下方に配置された一般入賞口2104に遊技球が入賞して、一般入賞口センサ3122に検出されると、その検出信号に基いて主制御基板4100では払出制御基板1186に対して所定の払出コマンドを送信し、その払出コマンドに応じて払出制御基板1186が賞球ユニット800の払出モータ815を制御して所定数(例えば、10個)の遊技球が、貯留皿311へ払出されるようになっている。
なお、遊技領域605内へ打ち込まれた遊技球が、一般入賞口2104、第一始動口2101、第二始動口2102、第三始動口2415、第一大入賞口2103、及び第二大入賞口2404の何れにも入賞しなかった場合、遊技領域605の左右方向中央下端に設けられてアウト口606から、遊技盤4の後側下方へ排出されるようになっている。また、遊技球が、一般入賞口2104、第一始動口2101、第二始動口2102、第三始動口2415、第一大入賞口2103、及び第二大入賞口2404の何れに入賞しても、入賞した遊技球は、遊技領域605内へ戻されること無く遊技盤4の後側下方へ排出されるようになっている。
一方、センター役物2400の左側を流下する遊技球が、センター役物2400の左側側面に開口する上ワープ入口2405へ進入すると、センター役物2400のステージ2410における後側の第一ステージ2411へと供給されるようになっている。そして、第一ステージ2411上へ供給された遊技球は、第一ステージ2411上を左右方向へ転動して、主に第一案内部2602bから前方へと放出される。本例のステージ2410は、第一ステージ2411における正面視左側の第一案内部2602bの前側に周期的に進退する可動ステージ片2418を備えており、可動ステージ片2418の進退具合によって左側の第一案内部2602bから放出された遊技球が、第二ステージ2412又は第三ステージ2413の何れかに供給されるようになっている。
この可動ステージ片2418によって第二ステージ2412側へ供給された遊技球は、第二ステージ2412上を右方向へ転動してそのまま第三始動口2415へと受入れられる。そして、第三始動口2415に受入れられて第三始動口センサ2618に検出されると、主制御基板4100等を介して賞球ユニット800から所定数(例えば、3個)の遊技球が、貯留皿311へ払出されるようになっている。
一方、可動ステージ片2418によって第二ステージ2412へ送られなかった遊技球、及び第一ステージ2411における右側の第一案内部2602bから前方へ放出された遊技球は、第三ステージ2413上へと供給されるようになっている。
また、センター役物2400の左側を流下する遊技球が、センター役物2400の左側における上ワープ入口2405よりも下側に開口した下ワープ入口2406へ進入すると、センター役物2400のステージ2410における最も前側の第三ステージ2413へと供給されるようになっている。
そして、第三ステージ2413に供給された遊技球は、第三ステージ2413上を左右方向へ転動し、高い確率で左右方向の中央に形成された前案内部2464aから第一アタッカユニット2100の上方の遊技領域605内へ放出される。一方、第三ステージ2413上を転動する遊技球が、後案内部2464bによって案内されると、第三ステージ2413の後側中央に開口したチャンス入口2416へと進入するようになっている。このチャンス入口2416へ進入した遊技球は、第一始動口2101の直上に開口したチャンス出口2417から遊技領域605内へ放出され、高い確率で第一始動口2101へと受入れられるようになっている。そして、遊技球が第一始動口2101に受入れられて第一始動口センサ3120に検出されると、主制御基板4100等を介して賞球ユニット800から所定数(例えば、3個)の遊技球が、貯留皿311へ払出されるようになっている。
なお、本例のパチンコ機1では、第一始動口2101、第二始動口2102、及び第一大入賞口2103が、上下方向に並んで配置されているので、ステージ2410から放出される遊技球が、高い確率で第一始動口2101等に受入れられるようになっており、第二始動口2102や第一大入賞口2103が受入可能な時に、遊技球がステージ2410から放出されると受入れられる可能性が高いので、第一始動口2101だけでなく第二始動口2102や第一大入賞口2103に対しても、遊技球の受入れに関する期待感を持たせて興趣を高めることができるようになっている。
ところで、遊技球がゲート部材2300のゲート2302を通過してゲートセンサ2304により検出されて普通抽選結果として「普通当たり」が抽選されると、上述したように、第二始動口2102を閉鎖する一対の可動片2105が所定時間拡開して入賞可能となり、その入賞可能となった時に、遊技球が第二始動口2102へ受入れられて第二始動口センサ2127に検出されると、主制御基板4100等を介して賞球ユニット800から所定数(例えば、4個)の遊技球が、貯留皿311へ払出されるようになっている。
また、主制御基板4100では、これら第一始動口2101、第二始動口2102、第三始動口2415に遊技球が入賞して、第一始動口センサ3120、第二始動口センサ2127、第三始動口センサ2618に検出されると、第一始動口2101では第一特別乱数発生手段4212による所定の第一特別乱数の発生・抽出が、第二始動口2102及び第三始動口2415では第二特別乱数発生手段4222による所定の第二特別乱数の発生・抽出が夫々行われる。そして、抽出された特別乱数に基いて、機能表示ユニット1400の対応する第一特別図柄表示器641や第二特別図柄表示器642に表示された特別図柄の変動表示が開始された後に、抽出された特別乱数と対応する特別図柄が特別抽選結果として停止表示されるようになっている。
なお、これら第一始動口2101、第二始動口2102、及び第三始動口2415においても、ゲート部材2300への遊技球の通過による普通図柄の変動表示と同様に、第一特別図柄表示器641や第二特別図柄表示器642において特別図柄が変動表示中、又は、特別有利遊技状態としての大当たり遊技中等の特別図柄を変動表示さることができない時に、始動口2101,2102,2415へ遊技球が入賞して第一始動口センサ3120、第二始動口センサ2127、第三始動口センサ2618で検出されると、特別図柄の変動表示が可能となるまでの間、第一始動口センサ3120、第二始動口センサ2127、第三始動口センサ2618からの検出信号に基いて抽出された第一特別乱数や第二特別乱数を、第一特別図柄保留記憶手段4214や第二特別図柄保留記憶手段4224で記憶してその表示を保留するようになっており、その記憶された特別乱数の数を、第一特別図柄記憶表示器643や第二特別図柄記憶表示器644において表示するようになっている。
これら第一特別図柄記憶表示器643や第二特別図柄記憶表示器644は、夫々二つのLEDからなっており、消灯・点灯・点滅する各LEDの発光状態の組合せによって記憶数を示唆するようになっており、本例では、夫々四つまで記憶して表示するようになっている。なお、記憶数が四つを越えた場合は、抽出された特別乱数が破棄されるようになっている。また、優先保留消化手段4231によって、第二特別図柄保留記憶手段4224で記憶(保留)された第二特別図柄抽選単位データが、第一特別図柄保留記憶手段4214で記憶された第一特別図柄抽選単位データよりも優先して実行(消化)されるようになっている。つまり、第二始動口2102及び第三始動口2415に係る抽選結果の保留が、第一始動口2101に係る抽選結果の保留よりも優先して実行(消化)されるようになっている。
また、主制御基板4100では、第一始動口センサ3120、第二始動口センサ2127、第三始動口センサ2618の検出に基いて取得された第一特別図柄抽選単位データまたは第一特別図柄抽選単位データに含まれる特別乱数に基づいて、「ハズレ」、「小当たり」、「大当たり」の何れであるかが判別される。また、当該判別結果が「大当たり」である場合には、第一特別図柄抽選単位データまたは第一特別図柄抽選単位データに含まれる図柄乱数に基づいて、大当たりのの種別についても判別されるようになっている。大当たりの種別については後述する。
そして、当該判別結果が、「小当たり」、「大当たり」である場合、当該当たりの種別に応じて、主制御基板4100は、有利遊技状態発生手段4232によって第一アタッカユニット2100の第一開閉部材2106または第二アタッカユニット2500の第二開閉部材2502を、所定時間の間、開状態として閉鎖する開閉パターンを複数回(例えば、15回)繰返すようになっている。これらの第一、第二開閉部材2106、2502の開閉動作についての詳細は後述する。
ところで、本実施形態のパチンコ機1では、第一始動口2101、第二始動口2102及び第三始動口2415への遊技球の始動入賞を契機として取得された第一特別図柄抽選単位データまたは第一特別図柄抽選単位データに応じて、機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器641や第二特別図柄表示器642が変動表示される他に、液晶表示装置1400においても、第一特別図柄抽選単位データまたは第一特別図柄抽選単位データに応じた演出画像が表示されるようになっている。具体的には、液晶表示装置1400において、複数の異なる図柄からなる一連の図柄列が複数列(例えば、三列)表示された状態で各図柄列の変動表示が開始され、その後に、順次停止表示され、最終的に全ての図柄列が停止表示されると、停止表示された図柄の組合せによって抽出された特別乱数の判定結果が遊技者側に示唆されるようになっている。つまり、処理対象の第一特別図柄抽選単位データまたは第一特別図柄抽選単位データに応じて、複数の図柄列が変動表示された後に特別抽選結果を示唆するように停止表示される演出画像が表示されるようになっている。なお、第一及び第二特別図柄表示器641,642の特別図柄よりも、液晶表示装置1400に表示される図柄の方が大きく見易いため、一般的に遊技者は液晶表示装置1400に表示された図柄に注目することとなる。
この複数の図柄列が変動表示する演出画像の一つとして、一つの変動する図柄列を残して停止表示された図柄の組合せが特定条件(リーチ)を充足するように表示される「リーチ演出画像」があり、この「リーチ演出画像」が表示される態様として、「リーチ当たり」、「リーチハズレ」、がある。また、「リーチ演出画像」と繋がるように表示され、リーチ表示後に、変動表示している残りの図柄列を強調して表示する「リーチ発展演出画像」もある。また、液晶表示装置1400には、第一特別図柄抽選単位データまたは第一特別図柄抽選単位データに基づく演出表示だけでなく、「大当たり」遊技中に表示される「大当たり遊技演出画像」も表示可能とされている。
なお、第一特別図柄表示器641や第二特別図柄表示器642での特別図柄の変動表示は、主制御基板4100によって直接制御されるようになっているのに対して(図231を参照)、液晶表示装置1400での図柄の変動表示は、主制御基板4100から周辺制御基板4140へ送信される抽選結果に係るコマンドに基づいて周辺制御基板4140及び液晶制御基板4150によって制御されるようになっている。これにより、特に遊技者が注目する液晶表示装置1400での図柄の変動表示を周辺制御基板4140等で制御するようにしているので、主制御基板4100から送信されてくる抽選結果に係る或る一つのコマンドに対して、複数の図柄の変動パターンを予め用意して液晶表示装置1400における図柄の変動パターンをより多くすることができる。また、「大当たり」遊技中等に表示される「大当たり遊技演出画像」等も周辺制御基板4140等で制御されるようになっており、様々なパターンの演出画像が予め用意されている。これにより、主制御基板4100における演算処理の負荷を高めることなく表示される演出画像の表示パターンを増やすことができ、遊技者をより楽しませて飽きられ難いパチンコ機1とすることができるようになっている。
また、周辺制御基板4140では、演出画像の制御の他に、抽選結果に係るコマンドに基いて、裏ユニット3000に備えられた可動する裏上可動演出ユニット3200の裏上前ユニット3210におけるロゴ左装飾部材3220及びロゴ右装飾部材3230、裏上後ユニット3300におけるシーソー部材3303及びロータリーケース3324、裏右可動演出ユニット3400における裏右装飾部材3411及び裏右キャラクタ体3412、裏後可動演出ユニット3500における各旋回装飾ユニット3510,3540,3570等を適宜作動させると共に、遊技盤4等に備えられた各装飾基板2471,2472,2474,2476,2514,2622,2624,2626,2688,2689,3112,3114,3116,3224,3234,3308,3402,3414,3514,3554,3574に実装されたLEDを適宜発光させるようにしており、可動演出や発光演出によって遊技者を楽しませることができるようになっている。
[5.制御処理]
次に、パチンコ機1の遊技進行に応じて主基板4000で実行される種々の制御処理について、図233〜図253を参照して説明する。
[5−1.メインシステム処理について]
まず、図233に基づいて説明する。図233は、主基板4000の主制御基板4100に搭載される主制御MPU4100aが実行するメインシステム処理の一例を示すフローチャートである。
図233に示すように、パチンコ機1へ電源が供給されると、主制御MPU4100a(図231参照)は、電源投入時処理を実行する(ステップS10)。この電源投入時処理では、まず、主制御MPU4100aのRAMに記憶されているバックアップデータが正常であるか(停電発生時の設定値となっているか)否かを判別する。即ち、この実施形態の主制御MPU4100aのRAM(データメモリ)は、電力の常時供給によって各種の制御データがバックアップされるバックアップ領域を有している。そして、パチンコ機1は、電力供給の停止に際しては、上記主制御MPU4100aのRAMの処理領域に記憶されている各種の制御データを上記バックアップ領域に一時退避させる処理を行うとともに、電源復帰時にこの一時退避されたデータを当該主制御MPU4100aのRAMの処理領域に読み出すことで、電源遮断時から継続性のある遊技を実行可能としている。
したがって、この電源投入時処理(ステップS10)では、バックアップデータ(バックアップ領域内のデータ)が正常であれば、主制御MPU4100aのRAMに記憶されているバックアップデータに従って電力供給の停止時の状態に戻す処理(復電時処理)を実行する。一方、バックアップデータが異常であれば、主制御MPU4100aのRAMに記憶されているバックアップデータは消去される。そしてその後、主制御MPU4100aのRAMの処理領域には、例えば大当たりの当選確率や、現在の遊技状態を示す制御データなど、遊技進行に必要な各種の制御データが各々の初期パラメータをもって書き込まれることとなる(初期化処理)。また、製品化されてから最初の電源投入時も、遊技進行に必要な各種の制御データが各々の初期パラメータをもって書き込まれることとなる。
なお、電源投入時処理において書き込まれた現在の遊技状態は、周辺制御基板4140にコマンド送信され、これに基づいて液晶表示装置1400の表示が制御される。このように、停電時における現在の遊技状態を主制御基板4100の主制御MPU4100aのRAMに記憶し、現在の遊技状態を復電後に周辺制御基板4140に送信することで、停電した場合であっても、内部的な遊技状態と液晶表示装置1400に表示される遊技状態とを一致させることができる(周辺制御基板4140では停電時の遊技状態が記憶されない)。ところで、現在の遊技状態については、液晶表示装置1400の装飾図柄1153および特別図柄対応図柄の変動を特別図柄の変動に同調させるために、特別図柄の変動を開始するタイミングで、後述する変動パターンについての情報をコマンド送信している。そして、当該コマンドを送信した直後に、現在の遊技状態についてのコマンドを、その都度、主制御基板4100から周辺制御基板4140に送信している。これにより、周辺制御基板4140でも、現在の遊技状態を常に把握できるようになっている。
ただし、この電源投入時処理(ステップS10)では、主制御MPU4100aのRAMに記憶されているバックアップデータの消去を指示するRAMクリアスイッチ624aがオンであるか否かの判断も行われる。即ち、このRAMクリアスイッチ624aがオンであったときも、主制御MPU4100aのRAMに記憶されているバックアップデータは消去される。また併せて、主制御MPU4100aのRAMの処理領域には、例えば大当たりの当選確率や、現在の遊技状態を示す制御データなど、遊技進行に必要な各種の制御データが各々の初期パラメータをもって書き込まれることとなる(初期化処理)。なお、こうした初期化処理が行われた状態では(イニシャル時では)、大当たりの当選確率を示す制御データは、第1の確率を示すようになり、現在の遊技状態を示す制御データは、可動片2105が第1の動作態様で動作し、確変機能が作動しない遊技状態である「外部通常遊技状態A」を示すようになる。
また、電源投入時処理(ステップS10)では、このような初期化処理を実行したときに主制御基板4100(図231参照)が起動したことを示す電源投入コマンドを、周辺制御基板4140(図231参照)に送信可能な状態にセットする処理も実行される。電源投入コマンドは、主制御基板4100が起動したことを周辺制御基板4140に通知するものである。なお、遊技店の閉店時等にパチンコ機1への電力供給を停止した場合(電源を落とした場合)にも主制御MPU4100aのRAMにバックアップデータが記憶され、再びパチンコ機1への電力供給を開始したときには電源投入時処理が実行される。
電源投入時処理(ステップS10)が終了すると、主制御MPU4100aは、遊技用の各処理を繰り返し実行するループ処理を開始する。このループ処理の開始時には、主制御MPU4100aは、まず、停電予告信号が検知されているか否かを判断する(ステップS20)。なお、この実施形態では、パチンコ機1にて使用する電源電圧は、電源基板395によって生成される。即ち、パチンコ機1に搭載される複数種類の装置はそれぞれ異なる電源電圧で動作するため、外部電源からパチンコ機1に供給される電源電圧を電源基板にて所定の電源電圧に変換した後、各装置に電源を供給している。そして、停電が発生し、外部電源から電源基板に供給される電源電圧が所定の電源電圧以下となると、電源基板から主制御基板4100に電源電圧の供給が停止することを示す停電予告信号が送信される。そして、ステップS20で主制御基板4100に搭載されるMPUにより停電予告信号を検知すると、電源断発生時処理を実行する(ステップS40)。
この電源断発生時処理は、停電後に電源基板に供給される電源電圧(本実施形態では24V)が復旧(以下「復電」と称する)した場合に、遊技機の動作を停電前の状態から開始するために停電発生時の状態を主制御MPU4100aのRAMのバックアップ領域にデータを一時退避させる処理である。処理内容は後述するが、本実施形態においては、図示する通り、電源断発生時処理は、割込処理ではなく、ループの開始直後に停電予告信号の検知有無に応じて実行される分岐処理としてメインシステム処理(主制御処理)内に組み込まれている。
ステップS20で停電予告信号が検知されていない場合(ステップS20におけるNO)、即ち、外部電源からの電力が正常に供給されている場合には、遊技にて用いられる乱数を更新する非当落乱数更新処理を行う(ステップS30)。なお、非当落乱数更新処理にて更新される乱数については後述する。
[5−2.電源断発生処理について]
図234は、電源断発生時処理の一例を示すフローチャートである。上述したように、電源断発生時処理(ステップS40)は、メインシステム処理において、停電予告信号が検出された時に(ステップS20におけるYES)実行される処理である。主制御MPU4100aは、まず、割込処理が実行されないように割込禁止設定を行う(ステップS42)。そして、主制御MPU4100aのRAMの処理領域におけるチェックサムを算出し、この算出結果と各種の遊技データを主制御MPU4100aのRAMのバックアップ領域に記憶する(ステップS44)。このチェックサムは、復電時に停電前の主制御MPU4100aのRAMの内容が適正に保持されているか否かをチェックするために使用される。
次いで、主制御MPU4100aは、主制御MPU4100aのRAMの所定領域に設けられたバックアップフラグに、電源断発生時処理が行われたことを示す規定値を設定する(ステップS46)。以上の処理を終えると、主制御MPU4100aは、主制御MPU4100aのRAMへのアクセスを禁止し(ステップS48)、無限ループに入って電力供給の停止に備える。ところで、この処理では、ごく短時間の停電等(以下「瞬停」と称する)により電源電圧が不安定になって電源断発生時処理が開始されてしまうと、実際には電源電圧は停止されないため、無限ループから復帰することができなくなるおそれがある。かかる弊害を回避するため、本実施形態の主制御MPU4100aには、ウォッチドックタイマが設けられており、所定時間、ウォッチドックタイマが更新されないとリセットがかかるように構成されている。ウォッチドックタイマは、正常に処理が行われている間は定期的に更新されるが、電源断発生時処理に入ると、更新が行われなくなる。その結果、瞬停によって電源断発生時処理に入り、図234の無限ループに入った場合でも所定期間経過後にリセットがかかり、電源投入時と同じプロセスで主制御MPU4100aが起動することになる。
なお、主制御MPU4100aのRAMのバックアップ領域に代えて、書き換え可能な不揮発性メモリ(EEPROMなど)を備えるようにしてもよい。この場合、データをバックアップさせるために常時の電力供給を必要としない、といったメリットがある。
若しくは、上記主制御MPU4100aのRAMの全領域を、電力の常時供給によってデータがバックアップされるバックアップ領域としてもよい。この場合、電源遮断時において、主制御MPU4100aのRAMの特定領域に記憶されているデータをその他の領域に退避させる必要がなくなる。また、電源復帰時にも、退避データを処理領域に読み出す必要がなくなるため、これらの処理に要する負荷が軽減されるようになる。
[5−3.タイマ割込処理について]
図235は、タイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。本実施形態においては、メインシステム処理の実行中に主基板4000の主制御基板4100に搭載される主制御MPU4100aにより4ms毎にタイマ割込処理が実行される。タイマ割込処理において、主制御MPU4100aは、レジスタの待機処理を実行した後(ステップS50)、ステップS60からステップS270の処理を実行する。
ステップS60のセンサ監視処理では、上述した各種のセンサ(ゲートセンサ2304、第一始動口センサ3120、第二始動口センサ2127、第3始動口第三始動口センサ2618等)の検出信号を監視する処理を実行する。
ステップS70の当落乱数更新処理では、遊技で用いられる乱数を更新する処理を実行する。なお、この実施形態では、当落乱数更新処理にて更新される乱数と、上述した非当落乱数更新処理にて更新される乱数と、は異なる。乱数については後述するが、当落乱数更新処理にて更新される乱数を非当落乱数更新処理でも更新するようにしてもよい。
また、ステップS80の払出制御処理では、センサ監視処理(ステップS60)にて検出された信号に基づいて払出制御基板1186に遊技球の払い出しを指示する払出コマンドを送信する。
ステップS90の普通図柄・普通電動役物制御処理では、センサ監視処理処理(ステップS60)にてゲートセンサ2202から検出された信号に基づいて普通図柄表示器645に関わる制御処理を実行するとともに、一対の可動片2105の開閉制御を行うための処理を実行する。
ステップS100の特別図柄・特別電動役物制御処理では、特別図柄の変動開始から当たり遊技の開始までの一連の処理を実行するとともに、特別電動役物としての第一アタッカユニット2100の第一開閉部材2106または第二アタッカユニット2500の第二開閉部材2502の開閉制御を行うための処理を実行する。
ステップS260の出力データ設定処理では、特別図柄・特別電動役物制御処理(ステップS100)等において定まる情報に基づいて、主制御基板4100から周辺制御基板4140に送信するコマンドを生成する処理を実行する。
ステップS270のコマンド送信処理では、出力データ設定処理(ステップS260)において設定されたコマンドを周辺制御基板4140に送信する処理が行われる。ステップS60からステップS270の処理を実行すると、レジスタ復帰処理(ステップS280)を実行して、タイマ割込処理を終了する。
ここで、上述した非当落乱数更新処理(ステップS30)および当落乱数更新処理(ステップS70)において主制御MPU4100aにより更新される各種乱数について説明する。
本実施形態において、遊技にて用いられる各種乱数として、上述した特別乱数(第一特別乱数および第二特別乱数)、普通乱数に加えて、図柄乱数、リーチ判定用乱数(より厳密には、高期待演出判定用乱数)、第一変動パターン用乱数、第二変動パターン用乱数、変動タイプ乱数等がある。
特別乱数は、特別電動役物大当たり制御処理(大当たり遊技)または特別電動役物小当たり制御処理(小当たり遊技)を発生させるか否かの判定に用いられる乱数である。すなわち、第一特別乱数は、第一特別抽選結果が「大当たり」、「小当たり」、「ハズレ」のいずれであるかの判定に用いられ、第二特別乱数は、第二特別抽選結果が「大当たり」、「小当たり」、「ハズレ」のいずれであるかの判定に用いられる。図柄乱数は、「大当たり」であると判定されたときに、大当たりの種別の判定に用いられる乱数である。第一、第二特別抽選結果が「大当たり」、「小当たり」、「ハズレ」のいずれであるかの判定および大当たりの種別の判定は、「大当たり」、「小当たり」、および、各大当たりの種別の当選値が記述された当たり判定テーブルに基づいて行われる。当たり判定テーブルの一例を表1に示す。本実施形態では、第一、第二特別乱数は、0〜1200のいずれかの値を取り、図柄乱数は、0〜199のいずれかの値を取る。
表1から解るように、本実施形態では、第一特別乱数に基づく抽選と第二特別乱数に基づく抽選のいずれが行われた場合であっても大当たりへの当選確率は同じである。具体的には、上述のとおり確変機能が作動しない場合、第一特別抽選結果および第二特別抽選結果が大当たりに当選する確率は、共に約1/300に設定されている。一方、確変機能が作動する場合、第一特別抽選結果および第二特別抽選結果が大当たりに当選する確率は、共に約1/30)に設定されている。これに限らず、例えば、第一特別乱数に基づく抽選の大当たり当選確率と、第一特別乱数に基づく抽選の大当たり当選確率と、が異なるようにしても良い。なお、大当たりの種類は、大当たりA、B、C、D、E、Fの6種類がある。
本実施形態では、第一特別乱数に基づく抽選にて大当たりに当選した場合と、第二特別乱数に基づく抽選にて大当たりに当選した場合とで、各大当たり種別の選択率が異なっている。例えば、第一特別乱数に基づく抽選にて大当たりに当選した場合に、図柄乱数に基づいて抽選される各大当たり種別の選択率は、上掲した表1に示す第一特別図柄に関する図柄乱数の振り分けから計算できるとおり、「大当たりA」が29%、「大当たりB」が37%、「大当たりC」が2%、「大当たりD」が21%、「大当たりE」が2%、「大当たりF」が9%とされる。また、例えば、第二特別乱数に基づく抽選にて大当たりに当選した場合に、図柄乱数に基づいて抽選される各大当たり種別の選択率は、上掲した表1に示す第一特別図柄に関する図柄乱数の振り分けから計算できるとおり、「大当たりA」が47%、「大当たりB」が37%、「大当たりC」および「大当たりD」が0%(第二特別図柄では大当たりC、Dは発生しない。)、「大当たりE」が5%、「大当たりF」が11%とされる。これに限らず、第一特別乱数に基づく抽選にて大当たりに当選した場合と、第二特別乱数に基づく抽選にて大当たりに当選した場合とで、各大当たり種別の選択率に差異を設けなくても良い。
ここで、小当たりに当選した場合に行われる小当たり遊技、および、大当たりA〜Fに当選した場合に行われる大当たり遊技について説明する。
小当たり遊技では、主制御基板4100は、有利遊技状態発生手段4232によって第二アタッカユニット2500の第二開閉部材2502の開閉動作を、短時間開閉パターンで複数回(本実施形態では、15回)繰り返す。短時間開閉パターンでは、第二開閉部材2502を閉状態から開状態とした後、所定短時間(例えば、1.0秒)の経過、或いは、所定個数(例えば、2個)の遊技球が第二大入賞口2404に入賞、の何れかの条件が充足すると第二開閉部材2502を閉状態とするパターンである。すなわち、小当たり遊技では、タイミング良く、開閉部材2006に遊技球が入賞した場合に、少量(例えば、数十個)の賞球は遊技者に付与されるが、多量の賞球(例えば、1000個)は遊技者に付与されない。
一方、「大当たりA」「大当たりB」「大当たりF」に当選した場合に行われる大当たり遊技は、長開放大当たり遊技である。長開放大当たり遊技では、主制御基板4100は、有利遊技状態発生手段4232によって第一アタッカユニット2100の第一開閉部材2106の開閉動作を、第一長時間開閉パターンで複数回(本実施形態では、15回)繰り返す。第一長時間開閉パターンは、第一開閉部材2106を閉状態から開状態とした後に、所定長時間(例えば、26秒〜33秒)経過、或いは、所定個数(例えば、8個)の遊技球が第一大入賞口2103に入賞、の何れかの条件が充足すると第一開閉部材2106を閉状態に戻すパターンである。第一長時間開閉パターンにおいて、第一開閉部材2106が開状態とされる時間は、短時間開閉パターンにおいて、第二開閉部材2502が開状態とされる時間より十分に長い。すなわち、長開放大当たり遊技では、特典として多量の賞球(例えば、約1500個)が実質的に遊技者に付与される。
また、「大当たりC」「大当たりD」に当選した場合に行われる大当たり遊技は、短開放大当たり遊技である。短開放大当たり遊技では、主制御基板4100は、有利遊技状態発生手段4232によって第二アタッカユニット2500の第二開閉部材2502の開閉動作を、上述した短時間開閉パターンで複数回(本実施形態では、15回)繰返す。すなわち、短開放大当たり遊技では、小当たり遊技と同様に、タイミング良く、開閉部材2006に遊技球が入賞した場合に、少量(例えば、数十個)の賞球は遊技者に付与されるが、多量の賞球(例えば、1000個)は遊技者に付与されない。
また、特別抽選結果が、「大当たりE」に当選した場合に行われる大当たり遊技は、短開放後長開放大当たり遊技である。短開放後長開放大当たり遊技では、主制御基板4100は、有利遊技状態発生手段4232によって第二アタッカユニット2500の第二開閉部材2502の開閉動作を、上述した短時間開閉パターンで複数回(本実施形態では、15回)繰返した後、第二長時間開閉パターンで複数回(本実施形態では、15回)繰り返す。第二長時間開閉パターンは、第二開閉部材2502を閉状態から開状態とした後に、所定長時間(例えば、26秒〜33秒)の経過、或いは、所定個数(例えば、8個)の遊技球が第二大入賞口2404に入賞、の何れかの条件が充足すると第二開閉部材2502を閉状態に戻すパターンである。すなわち、短開放後長開放大当たり遊技では、短時間開閉パターンの間は、少量の賞球(例えば、数十個)しか遊技者に付与されないが、第二長時間開閉パターンの間は、特典として多量の賞球(例えば、約1500個)が実質的に遊技者に付与される。
なお、上述した「小当たり」の場合に行われる第二開閉部材2502の動作と、「大当たりC」および「大当たりD」の場合に行われる第二開閉部材2502の動作は、同一とされ、遊技者は、特別抽選結果が「小当たり」、「大当たりC」、「大当たりD」のいずれであるかを開閉部材2006の開閉動作だけでは判断できない。また、「小当たり」、「大当たりC」および「大当たりD」の場合に行われる第二開閉部材2502の動作と、「大当たりE」の場合に行われる第二開閉部材2502の短時間開閉パターンでの動作は、同一とされている。この結果、遊技者は、特別抽選結果が「小当たり」、「大当たりC」、「大当たりD」、「大当たりE」のいずれであるかを、第二開閉部材2502が短時間開閉パターンで動作している間には判断できない。すなわち、遊技者は、第二開閉部材2502が短時間開閉パターンで動作した後、第二長時間開閉パターンで動作し始めたときに、特別抽選結果が「大当たりE」であることを第二開閉部材2502の動作から認識できる。そして、遊技者は、第二開閉部材2502が短時間開閉パターンで動作した後、第二長時間開閉パターンで動作しないときに、特別抽選結果が「小当たり」「大当たりC」「大当たりD」のいずれかあることを第二開閉部材2502の動作から認識できる。
なお、上述した「小当たり」の場合に行われる第二開閉部材2502の動作と、「大当たりC」および「大当たりD」の場合に行われる第二開閉部材2502の動作とは、完全に同一でなくても良いが、遊技者が区別することが困難な程度に近似していることが好ましい。同様に、また、「小当たり」、「大当たりC」および「大当たりD」の場合に行われる第二開閉部材2502の動作と、「大当たりE」の場合に行われる第二開閉部材2502の短時間開閉パターンでの動作は、完全に同一でなくても良いが、遊技者が区別することが困難な程度に近似していることが好ましい。
この結果、特別抽選結果が「小当たり」、「大当たりC」、「大当たりD」、「大当たりE」である場合に、遊技者に、最も利益の大きい「大当たりE」であって欲しいと願い、「大当たりE」でないなら、「大当たりE」の次に利益の大きい「大当たりC」か「大当たりD」であって欲しいと願いながら、当該変動を見守らせ、その後の変動でのどきどき感を高めることが、パチンコ機1の一つの遊技性となっている。また、上述のとおり本実施形態のパチンコ機1では、全ての大当たり遊技の第一開閉部材2106または第二開閉部材2502のラウンド数が同一(15回)として、ラウンド表示ランプを設けていない。したがって、特別抽選結果が「小当たり」、「大当たりC」、「大当たりD」、「大当たりE」であるかをより遊技者が識別困難とすることができるので、上述した遊技性を向上させることができる。
普通乱数は、一対の可動片2105を開放状態に制御するか否かの判定に用いられる乱数である。普通乱数は、本実施形態では0〜250の値を取り、普通乱数の当選値は、外部通常遊技状態の場合には246〜250に設定され、外部有利遊技状態の場合には1〜250に設定される。リーチ判定用乱数は、特別抽選結果が「ハズレ」である場合(「大当たり」でも「小当たり」でもない場合)に、リーチ演出などの高期待演出を行うか否かの判定(高期待演出抽選)に用いられる乱数である。リーチ判定用乱数は、本実施形態では0〜138の値を取り、リーチ判定用乱数の当選値は、第一特別抽選では0〜7に設定され、第二特別抽選では0〜6に設定される。第一変動パターン用乱数、第二変動パターン用乱数は、第一、第二抽選結果に対応して第一特別図柄表示器641および第二特別図柄表示器642に表示する特別図柄の変動パターンの決定、および、第一、第二抽選結果に対応して液晶表示装置1400に表示される演出画像および装飾図柄の変動パターンを決定するために用いられる乱数である。本実施形態では、第一変動パターン用乱数は、0〜99の値を取り、第二変動パターン用乱数は、0〜199の値を取る。したがって、第1変動パターンと第二変動パターン用乱数の組合せの数は、100×200=20000通りとなる。変動タイプ乱数は、変動パターンのタイプ(後述するように、本実施形態では、通常、2連、3連、4連、5連の5種類の変動タイプがある。)を決定するために用いられる乱数である。本実施形態では、変動タイプ乱数は、0〜199の値(総数200)を取る。
なお、液晶表示装置1400にて表示制御される演出画像および装飾図柄の変動パターンは、第一、第二変動パターン乱数により決定しても良く、周辺基板4010の周辺制御基板4140に搭載される周辺制御MPU4140aまたは液晶制御基板4150に搭載される液晶制御MPU4150a(いずれも図231参照)により決定するようにしてもよい。また、変動パターン乱数は必須ではなく、リーチ判定用乱数を用いて特別図柄の変動パターンを決定するようにしても良い。
これらの乱数のうち、当落乱数更新処理では、特別乱数、図柄乱数、および、普通乱数の更新を行う。ここで、特別乱数、図柄乱数、普通乱数は一定のタイミングとして4ms毎に更新される。こうすることにより、それぞれの乱数における所定期間における確率(「大当たり」または「小当たり」を発生させると判定される確率、一対の可動片2105を開放状態に制御すると判定される確率)を一定にして、即ち狙い打ち等により確率に偏りが発生することを防止している。この結果、狙い打ち等を行う特定の遊技者が、他の遊技者と比べて有利な状態となることを抑制し、遊技者間の不公平を抑制することができる。
一方、非当落乱数更新処理では、「大当たり」または「小当たり」の発生および普通図柄の表示結果に関わらないリーチ判定用乱数、並びに、変動パターン乱数の更新を行う。なお、主制御基板4100で更新される乱数は、上記したものに限られず、非当落乱数更新処理では、特別乱数を更新するカウンタが1周したときに次にカウントを開始させる特別乱数の初期値を決定するための初期値決定乱数等の更新も行う。
なお、本実施形態においては、特別乱数を取得するための手段として、第一特別乱数を発生させる第一特別乱数取得手段4212および第二特別乱数を発生させる第二特別乱数取得手段4222の2つの手段を設けているが、これを一つのみ設けた構成としてもよい。
[5−4.特別図柄・特別電動役物制御処理について]
次に、図236に基づいて特別図柄・特別電動役物制御処理について説明する。図236は、特別図柄・特別電動役物制御処理の一例を示すフローチャートである。
この特別図柄・特別電動役物制御処理では、まず、始動口入賞処理(ステップS110)を行う。具体的には後述するが、第一始動口2101、第二始動口2102、第三始動口2415に遊技球が受け入れられたか否か判別し、これに基づいて一連の処理を行う。始動口入賞処理(ステップS110)を行うと、次に、処理フラグを確認し、処理フラグに対応する処理を行う(ステップS120〜ステップS230)。
始動口入賞処理(ステップS110)を終えると、先ず、処理フラグが0であるか否かを判断し(ステップS120)、処理フラグが0であれば(ステップS120におけるYES)、変動開始処理(ステップS130)を実行する。変動開始処理(ステップS130)では、特別図柄の変動表示を開始するための設定を行う。詳しくは後述するが、「大当たり」または「小当たり」に当選したか否かの判断を行い、処理フラグを「1」に更新する。一方、ステップS120において処理フラグが0でなければ(ステップS120におけるNO)ステップS140に進む。
ステップS140に進むと、処理フラグが1であるか否かを判断する(ステップS140)。処理フラグが1であれば(ステップS140におけるYES)、変動パターン設定処理(ステップS150)を実行する。この変動パターン設定処理では、第一特別図柄表示器641または第二特別図柄表示器642に表示される特別図柄および液晶表示装置1400に表示される装飾図柄および演出の変動パターンを決定し、当該変動パターンに対応して設定される変動時間(第一特別図柄表示器641または第二特別図柄表示器642のいずれかにおいて特別図柄の変動表示を開始してから停止表示するまでの時間)をタイマにセットし、処理フラグを「2」に更新する。一方、ステップS140において処理フラグが1でなければ(ステップS140におけるNO)、ステップS170に進む。
ステップS170に進むと、処理フラグが2であるか否かを判断する(ステップS170)。処理フラグが2であれば(ステップS170におけるYES)変動中処理(ステップS180)を実行する。この変動中処理では、変動パターン設定処理(ステップS150)で設定された変動時間をタイマにより監視し、タイムアウトしたことに基づいて第一特別図柄表示器641または第二特別図柄表示器642における特別図柄の変動表示を停止させる。このとき、変動開始処理(ステップS130)にて「大当たり」とする判定がなされていれば、処理選択フラグを「3」に更新し、「小当たり」とする判定がなされていれば、処理選択フラグを「4」に更新し、大当たりおよび小当たりとする判定のいずれもなされていなければ(ハズレ)処理選択フラグを「0」に更新する。一方、ステップS170において処理フラグが2でなければ(ステップS170におけるNO)、ステップS190に進む。
ステップS190に進むと、処理フラグが3かどうか判断する(ステップS190)。処理フラグが3であれば(ステップS190におけるYES)大当たり遊技開始処理(ステップS200)を実行する。この大当たり遊技開始処理では、大当たり種別(大当たりA〜大当たりF)を判断し、その大当たり種別に応じて第一アタッカユニット2100の第一開閉部材2106、または、第二アタッカユニット2500の第二開閉部材2502の開閉動作を制御するためのラウンド回数、開放時間および遊技球の入賞制限個数をセットし、処理フラグを「5」に更新する。一方、ステップS190において処理フラグが3でなければ(ステップS190におけるNO)、ステップS210に進む。
ステップS210に進むと、処理フラグが4かどうか判断する(ステップS210)。処理フラグが4であれば(ステップS210におけるYES)、小当たり成立時処理(ステップS220)を実行する。この小当たり成立時処理では、第二アタッカユニット2500の第二開閉部材2502の開放動作を制御するための開放回数および開放時間をセットし、処理フラグを「6」に更新する。一方、処理フラグが4でなければ(ステップS210におけるNO)、ステップS230に進む。
ステップS230に進むと、処理フラグが5かどうか判断する(ステップS230)。処理フラグが5であれば(ステップS230におけるYES)、特別電動役物大当たり制御処理(ステップS240)を実行する。この特別電動役物大当たり制御処理では、大当たり遊技開始処理(ステップS200)においてセットしたラウンド回数、開放時間および遊技球の入賞制限個数に基づいて第一アタッカユニット2100の第一開閉部材2106、または、第二アタッカユニット2500の第二開閉部材2502の開閉動作を制御し、大当たり遊技が終了する場合には、確率変動機能を作動させるか否かおよび可動片2105の動作態様を促進態様とするか否かを判断させるとともに処理フラグを「0」に更新する処理を行う。
一方、ステップS230において処理フラグが5でなければ(ステップS230におけるNO)、特別電動役物小当たり制御処理(ステップS250)を実行する。この特別電動役物小当たり制御処理(ステップS250)では、小当たり成立時処理(ステップS220)においてセットした開放回数、開放時間および制限個数に基づいて、第二アタッカユニット2500の第二開閉部材2502の開閉動作を制御し(小当たり遊技の実行)、特別電動役物小当たり制御処理が終了する場合には、処理フラグを「0」に更新する処理を行う。なお、特別電動役物小当たり制御処理において行われる小当たり遊技は、大当たり遊技のように条件装置の作動を伴う遊技ではないものの、上述したとおり、大当たり遊技の一種である短開放大当たり遊技と極似する遊技である。
ステップS130からステップS250の各種処理のいずれかを実行すると特別図柄・特別電動役物制御処理を終了する。
[5−5.始動口入賞処理について]
次に、始動口入賞処理について図237に基づいて説明する。図237は、始動口入賞処理の一例を示すフローチャートである。
始動口入賞処理では、主制御MPU4100aは、先ず、第二始動口2102または第三始動口2415に遊技球が入賞したか否かを判断する(ステップS1101
)。具体的には、第二始動口センサ2012または第三始動口センサ2618による遊技球検知の有無を確認する。このとき、第二始動口センサ2012または第三始動口センサ2618による遊技球の検知があれば、第二始動口2102または第三始動口2415に遊技球が入賞したと判断する(ステップS1101におけるYES)。第二始動口センサ2012または第三始動口センサ2618による遊技球の検知がなければ、第二始動口2102または第三始動口2415に遊技球が入賞していない(ステップS1101におけるNO)と判断する。
ステップS1101において第二始動口2102または第三始動口2415に遊技球が入賞したと判断したときには、第二特別図柄抽選単位データを取得する。そして、第二特別図柄保留記憶手段4224の保留数が上限値である4未満であるか否かを判断する(ステップS1102)。
ステップS1101において第二特別図柄保留記憶手段4224の保留数が上限の4未満であると判断すると(ステップS1102におけるYES)、主制御MPU4100aは、第二保留記憶処理を行い(ステップS1103)、その後、ステップS1104に進む。第二保留記憶処理では、第二始動口2102または第三始動口2415に遊技球が入賞したことによって取得した第二特別図柄抽選単位データを第二特別図柄保留記憶手段4224に記憶する処理が主として行われる。
第二保留記憶処理が行われると、主制御MPU4100aは、第二特別図柄先行処理を実行する(ステップS1104)。
図238は、第二特別図柄先行処理の処理ステップを示すフローチャートである。第二特別図柄先行処理は、先のステップS1103において取得した第二特別図柄抽選単位データ(処理対象の第二特別図柄抽選単位データ)の契機となった第二始動口2102または第三始動口2415への遊技球の入賞(ステップS1101)を通知する入賞通知コマンドを周辺制御基板4140に送信する処理である。
第二特別図柄先行処理が開始されると、主制御MPU4100aは、非変動状態であるか否かを判断する(ステップS11041)。非変動状態は、処理対象の第二特別図柄抽選単位データが、第二特別図柄保留数が「0」であって、かつ、現在、第一特別図柄および第二特別図柄のいずれも変動中ではない状態である。主制御MPU4100aは、非変動状態であると判断すると(ステップS11041:YES)、第1種入賞通知コマンドを周辺制御基板4140に送信して(ステップS11042)、第二特別図柄先行処理を終了する。
主制御MPU4100aは、非変動状態ではないと判断すると(ステップS11041:NO)、大当たり遊技中であるか否かを判断する(ステップS11044)。主制御MPU4100aは、大当たり遊技中であると判断すると(ステップS11044:YES)、第1種入賞通知コマンドを周辺制御基板4140に送信して(ステップS11042)、第二特別図柄先行処理を終了する。第1種入賞通知コマンドは、処理対象の第二特別図柄抽選単位データが何番目の保留記憶として記憶されたかを示すコマンドである。
例えば、本実施形態では、処理対象の第二特別図柄抽選単位データが、第二特別図柄保留数が「0」であって、かつ、第一特別図柄および第二特別図柄のいずれかが変動(以下、単に変動状態と呼ぶ)中であるときに、入賞した遊技球に基づく第二特別図柄抽選単位データである場合、第1種入賞通知コマンドは「6302」とされる。また、処理対象の第二特別図柄抽選単位データが、第二特別図柄保留数が「1」であるときに、入賞した遊技球に基づく第二特別図柄抽選単位データである場合、第1種入賞通知コマンドは「6303」とされる。また、処理対象の第二特別図柄抽選単位データが、第二特別図柄保留数が「2」であるときに、入賞した遊技球に基づく第二特別図柄抽選単位データである場合、第1種入賞通知コマンドは「6304」とされる。また、処理対象の第二特別図柄抽選単位データが、第二特別図柄保留数が「3」であるときに、入賞した遊技球に基づく第二特別図柄抽選単位データである場合、第1種入賞通知コマンドは「6305」とされる。なお、コマンド「6301」は、第二特別図柄保留数が「0」になったときに、主制御MPU4100aから周辺制御MPU4140aに送信される。
一方、主制御MPU4100aは、大当たり遊技中でないと判断すると(ステップS11044:NO)、処理対象の第二特別図柄抽選単位データに基づいて先行判定テーブルに示すように判定を行う先行判定処理を実行する(ステップS11045)。
図239は、先行判定テーブルを示す図である。図239の上側のテーブルは、第一特別図柄抽選単位データに基づく先行判定処理における判定を表す先行判定テーブルを示し、図239の下側のテーブルは、第二特別図柄抽選単位データに基づく先行判定処理における判定を表す先行判定テーブルを示す。なお、図239は、確変機能が動作していなときに用いられる先行判定テーブルを示している。確変機能が動作しているときは、特別乱数の値の振り分け(通常当たり、確変当たり1、確変当たり2に振り分けられる特別乱数が増加し、通常ハズレ、リーチA、リーチBに振り分けられる乱数が減少する)が異なる以外は同じであるので図示は省略する。
第二特別図柄抽選単位データに基づく先行判定処理では、例えば、図239の下側のテーブルに示すように、処理対象の第二特別図柄抽選単位データのうち、第二特別乱数の値が「0〜500、505〜1196」にあり、かつ、リーチ判定用乱数の値が「7〜238」である場合に主制御MPU4100aは「通常ハズレ」であると判定する。本処理において「通常ハズレ」であると判定された第二特別図柄抽選単位データは、後に変動開始処理において、当該第二特別図柄抽選単位データが処理対象となった場合に、第二特別抽選結果は「ハズレ」となり、リーチ抽選結果も「ハズレ」となることになる。
第二特別図柄抽選単位データに基づく先行判定処理は、後述する変動開始処理、変動パターン設定処理において行われる処理対象の第二特別図柄抽選単位データに基づく大当たり抽選、演出抽選(変動パターンの決定)の一部または全部を、後述する変動開始処理、変動パターン設定処理の開始に先立って、処理対象の第二特別図柄抽選単位データの取得契機となった第二始動口2102または第三始動口2415への遊技球の入賞直後に実行する処理である。
第二特別図柄抽選単位データに基づく先行判定処理では、先行判定結果として、例えば、「通常ハズレ」、「リーチA」、「リーチB」、「小当たり」、「通常当たり」、「確変当たり1」、「確変当たり2」のいずれかであると判定する。
本処理において「通常ハズレ」であると判定された第二特別図柄抽選単位データは、後に変動開始処理、変動パターン設定処理において当該第二特別図柄抽選単位データが処理対象となった場合に、第二特別抽選結果は「ハズレ」となり、リーチ抽選結果は「ハズレ」となることになる。
本処理において「リーチA」であると判定された第二特別図柄抽選単位データは、後に変動開始処理、変動パターン設定処理において当該第二特別図柄抽選単位データが処理対象となった場合に、第二特別抽選結果は「ハズレ」となり、リーチ抽選結果は「当たり」となり、比較的大当たり期待度の低いリーチ演出に対応する変動パターンが選択されることになる。
本処理において「リーチB」であると判定された第二特別図柄抽選単位データは、後に変動開始処理、変動パターン設定処理において当該第二特別図柄抽選単位データが処理対象となった場合に、第二特別抽選結果は「ハズレ」となり、リーチ抽選結果は「当たり」となり、比較的大当たり期待度の高いリーチ演出に対応する変動パターンが選択されることになる。
本処理において「通常当たり」であると判定された第二特別図柄抽選単位データは、後に変動開始処理、変動パターン設定処理において当該第二特別図柄抽選単位データが処理対象となった場合に、第二特別抽選結果は「大当たりB」となることになる。
本処理において「確変当たり1」であると判定された第二特別図柄抽選単位データは、後に変動開始処理、変動パターン設定処理において当該第二特別図柄抽選単位データが処理対象となった場合に、第二特別抽選結果は「大当たりA」または「大当たりF」となることになる。
本処理において「確変当たり2」であると判定された第二特別図柄抽選単位データは、後に変動開始処理、変動パターン設定処理において当該第二特別図柄抽選単位データが処理対象となった場合に、第二特別抽選結果は「大当たりE」となる。
先行判定処理を終えると、主制御MPU4100aは、先行判定処理の処理結果に応じて、第2種入賞通知コマンドを周辺制御基板4140に送信して(ステップS11046)、第二特別図柄先行処理を終了する。ここで、第2種入賞通知コマンドは、処理対象の第二特別図柄抽選単位データが何番目の保留記憶として記憶されたかを示すコマンドであると同時に、先行判定処理における判定結果を示すコマンドである。なお、上述した第1種入賞通知コマンドは、第2種入賞通知コマンドとは異なり、処理対象の第二特別図柄抽選単位データが何番目の保留記憶として記憶されたかのみを示し、先行判定処理における判定結果は示していない。
以上の説明から解るように、第二始動口2102または第三始動口2415に遊技球が入賞する度に、当該入賞の検出直後に、第1種入賞通知コマンドまたは第2種入賞通知コマンドのいずれかが主制御MPU4100aから周辺制御基板4140に送信される。このうち、先行判定処理の処理結果を示す第2種入賞通知コマンドは、大当たり遊技中でない場合、かつ、非変動中でない場合における入賞において行われる。従って、第二特別図柄について、第2種入賞通知コマンドは、外部通常遊技状態A、外部通常遊技状態B、外部有利遊技状態A、外部有利遊技状態Bの全ての遊技状態において送信される。
主制御MPU4100aが、ステップS1101において第二始動口2102または第三始動口2415に遊技球が入賞していないと判断したとき(ステップS1101:NO)、および、ステップS1102において第二特別図柄保留記憶手段4224の保留数が上限値の4に達していると判断したとき(ステップS1102:NO)、および、上記第二特別図柄先行処理が終了したときは、いずれもステップS1105に進む。
ステップS1105では、主制御MPU4100aは、第一始動口2101に遊技球が入賞したか否かを判断する(ステップS1105)。具体的には、第一始動口センサ3115による遊技球検知の有無を確認する。このとき、第一始動口センサ3115によって遊技球が検知された場合には第一始動口2101に遊技球が入賞したと判断する(ステップS1105:YES)。第一始動口センサ3115による遊技球の検知がなければ、第一始動口2101に遊技球が入賞していない(ステップS1105:NO)と判断する。
ステップS1105において第一始動口2101に遊技球が入賞したと判断したときには、第一特別図柄抽選単位データを取得し、第一特別図柄保留記憶手段4214の保留数が上限値である4未満であるか否かを判断する(ステップS1106)。
ステップS1106において第一特別図柄保留記憶手段4214の保留数が上限の4未満であると判別すると(ステップS1106:YES)、主制御MPU4100aは、第一保留記憶処理を行う(ステップS1107)。第一保留記憶処理では、第一始動口2101に遊技球が入賞したことによって取得した第一特別図柄抽選単位データを第一特別図柄保留記憶手段4214に記憶する処理が主として行われる。なお、第二始動口2102または第三始動口2415に遊技球が入賞したことによって取得した第二特別図柄抽選単位データと同様に、第一始動口2101に遊技球が入賞したことによって取得した第一特別図柄抽選単位データは、第一特別図柄保留記憶手段4214に記憶される。第一保留記憶処理が行われると、主制御MPU4100aは、第一特別図柄先行処理を実行する(ステップS1108)。
図240は、第一特別図柄先行処理の処理ステップを示すフローチャートである。第一特別図柄先行処理は、先のステップS1106において取得した第一特別図柄抽選単位データ(処理対象の第一特別図柄抽選単位データ)の契機となった第一始動口2101への遊技球の入賞(ステップS1105)を通知する入賞通知コマンドを周辺制御基板4140に送信する処理である。
第一特別図柄先行処理が開始されると、主制御MPU4100aは、可動片2105の動作態様が促進態様であるか否かを判断する(ステップS11081)。
主制御MPU4100aは、可動片2105が促進態様であると判断すると(ステップS11081:YES)、第1種入賞通知コマンドを周辺制御基板4140に送信して(ステップS11082)、第一特別図柄先行処理を終了する。ここで送信される第1種入賞通知コマンドは、処理対象の第一特別図柄抽選単位データが何番目の保留記憶として記憶されたかを示すコマンドである。
例えば、本実施形態では、処理対象の第一特別図柄抽選単位データが、第一特別図柄保留数が「0」であって、かつ、変動状態であるときに、入賞した遊技球に基づく第一特別図柄抽選単位データである場合、第1種入賞通知コマンドは「6202」とされる。
また、処理対象の第一特別図柄抽選単位データが、第一特別図柄保留数が「1」であるときに、入賞した遊技球に基づく第一特別図柄抽選単位データである場合、第1種入賞通知コマンドは「6203」とされる。また、処理対象の第一特別図柄抽選単位データが、第一特別図柄保留数が「2」であるときに入賞した遊技球に基づく第一特別図柄抽選単位データである場合、第1種入賞通知コマンドは「6204」とされる。また、処理対象の第一特別図柄抽選単位データが、第一特別図柄保留数が「3」であるときに入賞した遊技球に基づく第一特別図柄抽選単位データである場合、第1種入賞通知コマンドは「6205」とされる。なお、コマンド「6201」は、第一特別図柄保留数が「0」になったときに、主制御MPU4100aから周辺制御MPU4140aに送信される。
処理対象が第一特別図柄抽選単位データである場合に送信される入賞通知コマンドは、第一始動口2101への遊技球の入賞に基づいて、当該入賞直後に主制御MPU4100aから周辺制御基板4140に送信されるコマンドであるとも言える。また、処理対象が第二特別図柄抽選単位データである場合に送信される入賞通知コマンドは、第二始動口2102または第三始動口2415への遊技球の入賞に基づいて、当該入賞直後に主制御MPU4100aから周辺制御基板4140に送信されるコマンドであるとも言える。
一方、主制御MPU4100aは、可動片2105が促進態様でないと判断すると(ステップS11081:NO)、非変動状態であるか否かを判断する(ステップS11083)。主制御MPU4100aは、非変動状態であると判断すると(ステップS11083:YES)、上述した第1種入賞通知コマンドを周辺制御基板4140に送信して(ステップS11082)、第一特別図柄先行処理を終了する。
主制御MPU4100aは、非変動状態ではないと判断すると(ステップS11083:NO)、大当たり遊技中であるか否かを判断する(ステップS11084)。主制御MPU4100aは、大当たり遊技中であると判断すると(ステップS11084:YES)、上述した第1種入賞通知コマンドを周辺制御基板4140に送信して(ステップS11082)、第一特別図柄先行処理を終了する。一方、主制御MPU4100aは、大当たり遊技中でないと判断すると(ステップS11084:NO)、処理対象の第一特別図柄抽選単位データに基づいて先行判定テーブルに示すように判定を行う先行判定処理を実行する(ステップS11085)。
第一特別図柄抽選単位データに基づく先行判定処理では、例えば、図239の上側のテーブルに示すように、処理対象の第一特別図柄抽選単位データのうち、第一特別乱数の値が「0〜500、510〜1196」にあり、かつ、リーチ判定用乱数の値が「8〜238」である場合に主制御MPU4100aは「通常ハズレ」であると判定する。本処理において「通常ハズレ」であると判定された第一特別図柄抽選単位データは、後に変動開始処理において、当該第一特別図柄抽選単位データが処理対象となった場合に、第一特別抽選結果は「ハズレ」となり、リーチ抽選結果も「ハズレ」となることになる。
第一特別図柄抽選単位データに基づく先行判定処理は、後述する変動開始処理、変動パターン設定処理において行われる処理対象の第一特別図柄抽選単位データに基づく大当たり抽選、演出抽選(変動パターンの決定)の一部または全部を、後述する変動開始処理、変動パターン設定処理の開始に先立って、処理対象の第一特別図柄抽選単位データの取得契機となった第一始動口2101への遊技球の入賞直後に実行する処理である。
第一特別図柄抽選単位データに基づく先行判定処理では、先行判定結果として、例えば、「通常ハズレ」、「リーチA」、「リーチB」、「小当たり」、「通常当たり」、「確変当たり1」、「確変当たり2」のいずれかであると判定する。
本処理において「通常ハズレ」であると判定された第一特別図柄抽選単位データは、後に変動開始処理、変動パターン設定処理において当該第一特別図柄抽選単位データが処理対象となった場合に、第一特別抽選結果は「ハズレ」となり、リーチ抽選結果は「ハズレ」となることになる。
本処理において「リーチA」であると判定された第一特別図柄抽選単位データは、後に変動開始処理、変動パターン設定処理において当該第一特別図柄抽選単位データが処理対象となった場合に、第一特別抽選結果は「ハズレ」となり、リーチ抽選結果は「当たり」となり、比較的大当たり期待度の低いリーチ演出に対応する変動パターンが選択されることになる。
本処理において「リーチB」であると判定された第一特別図柄抽選単位データは、後に変動開始処理、変動パターン設定処理において当該第一特別図柄抽選単位データが処理対象となった場合に、第一特別抽選結果は「ハズレ」となり、リーチ抽選結果は「当たり」となり、比較的大当たり期待度の高いリーチ演出に対応する変動パターンが選択されることになる。
本処理において「通常当たり」であると判定された第一特別図柄抽選単位データは、後に変動開始処理、変動パターン設定処理において当該第一特別図柄抽選単位データが処理対象となった場合に、第一特別抽選結果は「大当たりB」となることになる。
本処理において「確変当たり1」であると判定された第一特別図柄抽選単位データは、後に変動開始処理、変動パターン設定処理において当該第一特別図柄抽選単位データが処理対象となった場合に、第一特別抽選結果は「大当たりA」または「大当たりF」となることになる。
本処理において「確変当たり2」であると判定された第一特別図柄抽選単位データは、後に変動開始処理、変動パターン設定処理において当該第一特別図柄抽選単位データが処理対象となった場合に、第一特別抽選結果は「大当たりC」、「大当たりD」、「大当たりE」のいずれかとなる。
先行判定処理を終えると、主制御MPU4100aは、先行判定処理の処理結果に応じて、第2種入賞通知コマンドを周辺制御基板4140に送信して(ステップS11086)、第一特別図柄先行処理を終了する。ここで、本ステップで送信される第2種入賞通知コマンドは、処理対象の第一特別図柄抽選単位データが何番目の保留記憶として記憶されたかを示すコマンドであると同時に、先行判定処理における判定結果を示すコマンドである。
以上の説明から解るように、第一始動口2101に遊技球が入賞する度に、当該入賞の検出直後に、第1種入賞通知コマンドまたは第2種入賞通知コマンドのいずれかが主制御MPU4100aから周辺制御基板4140に送信される。このうち、先行判定処理の処理結果を示す第2種入賞通知コマンドは、大当たり遊技中でない場合、かつ、可動片2105が平常態様で動作している場合における入賞に限って行われる。従って、実質的に、第一特別図柄について、第2種入賞通知コマンドが送信されるのは、可動片2105が平常進態様で動作している外部通常遊技状態Aおよび外部通常遊技状態Bで遊技が行われているときとなる。
第1種入賞通知コマンドまたは第2種入賞通知コマンドを受信した周辺制御基板4140の周辺制御MPU4140aは、当該受信直後に、入賞通知コマンドに基づき、保留表示を制御する。すなわち、周辺制御MPU4140aは、入賞通知コマンドの上から2桁目の値が「2」である場合には、当該入賞通知コマンドが第一始動口2101への入賞(第一特別図柄抽選単位データの取得)に基づくコマンドであると認識し、入賞通知コマンドの上から2桁目の値が「3」である場合には、当該入賞通知コマンドが第二始動口2102または第三始動口2415への入賞(第二特別図柄抽選単位データの取得)に基づくコマンドであると認識する。また、周辺制御MPU4140aは、入賞通知コマンドの下から一桁目の値に基づいて表示すべき保留表示の数を認識する。
具体的には、例えば、第1種入賞通知コマンドを例に説明すると、第1種入賞通知コマンドが「6202」である場合には、第一特別図柄について1つの保留記憶がある旨を保留表示する。また、周辺制御MPU4140aは、第1種入賞通知コマンドが「6203」である場合には、第一特別図柄について2つの保留記憶がある旨を保留表示する。また、周辺制御MPU4140aは、第1種入賞通知コマンドが「6204」である場合には、第一特別図柄について3つの保留記憶がある旨を保留表示し、第1種入賞通知コマンドが「6205」である場合には、第一特別図柄について4つの保留記憶がある旨を保留表示する。
また、第1種入賞通知コマンドが「6302」である場合には、第二特別図柄について1つの保留記憶がある旨を保留表示する。また、周辺制御MPU4140aは、第1種入賞通知コマンドが「6303」である場合には、第二特別図柄について2つの保留記憶がある旨を保留表示する。また、周辺制御MPU4140aは、第1種入賞通知コマンドが「6304」である場合には、第二特別図柄について3つの保留記憶がある旨を保留表示し、第1種入賞通知コマンドが「6305」である場合には、第二特別図柄について4つの保留記憶がある旨を保留表示する。第2種入賞通知コマンドが受信された場合においても、第1種入賞通知コマンドが受信された場合と同様にして、第2種入賞通知コマンドの上から2桁目の値と下一桁目の値とに基づいて、周辺制御MPU4140aが保留表示の制御を行う。
一方で、第2種入賞通知コマンドを受信した周辺制御基板4140の周辺制御MPU4140aは、受信された第2種入賞通知コマンドに基づき、当該第2種入賞通知コマンドに対応する特別図柄抽選単位データについて、当該特別図柄抽選単位データが保留されているにも拘わらず、事前に当該特別図柄抽選単位データに基づく抽選結果(特別抽選結果やリーチ抽選結果を含む)を大まかに認識することができる。そして、周辺制御MPU4140aは、第2種入賞通知コマンドによって認識した抽選結果を用いることにより、ある特別図柄抽選単位データが保留されているにも拘わらず、事前に当該特別図柄抽選単位データに基づく抽選結果を反映した演出(いわゆる先読み演出)を行うことができる。先読み演出の詳細については後述する。
図237に戻って説明を続ける。主制御MPU4100aが、ステップS1105において第一始動口2101に遊技球が入賞していないと判断したとき(ステップS1105:NO)、および、ステップS1106において第一特別図柄保留記憶手段4214の保留数が上限値の4に達していると判断したとき(ステップS1106:NO)、および、第一特別図柄先行処理を終えたときは、いずれも始動口入賞処理を終了する。
以上説明した始動口入賞処理の第一特別図柄先行処理によれば、第1特別図柄については、外部通常遊技状態Aおよび外部通常遊技状態Bにおいて、変動状態であって、かつ、第一特別図柄抽選単位データの保留記憶数が1〜3である場合に第一始動口2101に遊技球が入賞した場合には、入賞直後に先行判定処理を行って先行判定処理結果を周辺制御基板4140に入賞毎に送信する。先行判定結果は、上述のとおり、第一特別図柄抽選単位データが変動開始時に特別抽選およびリーチ抽選の対象となったときの結果を予め示すものである。そして、実際に先読み演出を行うか否かの判定およびどのような先読み演出を行うかは、周辺制御基板4140に委ねられている。また、第二特別図柄については、外部通有利遊技状態Aおよび外部有利遊技状態Bにおいて、変動状態であって、かつ、第二特別図柄抽選単位データの保留記憶数が1〜3である場合に第二始動口2102または第三始動口2415に遊技球が入賞した場合には、入賞直後に先行判定処理を行って先行判定処理結果を周辺制御基板4140に入賞毎に送信する。そして、実際に先読み演出を行うか否かの判定およびどのような先読み演出を行うかは、周辺制御基板4140に委ねられている。
従来は、主制御MPU4100aにおいて、先行判定処理を行うと共に、先読み演出を行うか否かの判定を行い、先読み演出を行うと判定した場合に先読み演出を指示するコマンドを周辺制御基板4140に送信していた。そして、周辺制御基板4140において先読み演出を指示するコマンドを受信した場合に、当該コマンドに従って周辺制御基板4140が先読み演出を行っていた。そして、複数種類の先読み演出を用意する場合には、先読み演出の種類についても主制御MPU4100aにおいて判定して、先読み演出をその種類を指定して指示するコマンドを周辺制御基板4140に送信する必要もあった。このため、開発途中において、先読み演出の実行頻度の変更、先読み演出の種類の追加、先読み演出が行われた場合の大当たり期待度の変更など、先読み演出の仕様を変更する場合には、周辺制御MPU4140aの制御プログラムのみならず、主制御MPU4100aの制御プログラムについても変更を余儀なくされ、開発期間の長期化、開発作業の複雑化を引き起こすおそれがあった。
しかしながら、本実施形態によれば、上述のとおり、主制御MPU4100aでは、特別抽選およびリーチ抽選の結果を先行判定して、その結果を、周辺制御基板4140に送信するのみであり、実際に先読み演出を行うか否かの判定およびどのような先読み演出を行うかは、周辺制御基板4140に委ねられている。このため、開発途中において、先読み演出の実行頻度の変更、先読み演出の種類の追加、先読み演出が行われた場合の大当たり期待度の変更など、先読み演出の仕様を変更する場合には、周辺制御MPU4140aの制御プログラムのみを変更すれば良いため、開発期間の長期化、開発作業の容易化を実現できる。
なお、ステップS1102において、第二始動口2102または第三始動口2415に遊技球が入賞したときに第二特別図柄保留記憶手段4224の保留数が上限値であるとき、ステップS1101で取得した第二特別図柄抽選単位データを破棄する。同様に、ステップS1106において、第一始動口2101に遊技球が入賞したときに第一特別図柄保留記憶手段4214の保留数が上限値であるとき、ステップS1104で取得した第一特別図柄抽選単位データを破棄する。
なお、第二始動口2102または第三始動口2415に遊技球が入賞したと判断したとき、第二特別図柄抽選単位データの取得は、必ずしもステップS1101で行う必要はなく、ステップS1101〜ステップS1103の間で行えばよい。例えば、ステップS1101で第二特別図柄抽選単位データを取得せずに、ステップS1102で第二特別図柄保留記憶手段4224の保留数が上限値未満であることを判定した後に第二特別図柄抽選単位データを取得してもよいし、ステップS1103の第二保留記憶処理で取得するようにしてもよい。
同様に、第一始動口2101に遊技球が入賞したと判定したとき、第一特別図柄抽選単位データの取得は、必ずしもステップS1105で行う必要はなく、ステップS1105〜ステップS1107の間で行えばよい。例えば、ステップS1105で第一特別図柄抽選単位データを取得せずに、ステップS1106で第一特別図柄保留記憶手段4214の保留数が上限値未満であることを判別した後に第一特別図柄抽選単位データを取得してもよいし、ステップS1107の第一保留記憶処理で取得するようにしてもよい。
このように、本実施形態では、第二始動口2102または第三始動口2415への入賞処理(ステップS1101〜ステップS1104)を実行したのちに、第一始動口2101への入賞処理(ステップS1105〜1108)を実行している。ただし、これに代えて、第一始動口2101への入賞処理を実行したのちに、第二始動口2102または第三始動口2415への入賞処理を実行する態様であっても良い。
[5−6.変動開始処理について]
次に、変動開始処理について図241に基づいて説明する。図241は、変動開始処理の一例を示すフローチャートである。
処理選択フラグが「0」のときに実行される変動開始処理(ステップS130)では、主制御MPU4100aは、先ず、第二特別図柄保留記憶手段4224の保留数が0であるか否かを判断する(ステップS1301)。
第二特別図柄保留記憶手段4224の保留数が0でなければ(ステップS1301:NO)、主制御MPU4100aは、処理対象の第二特別図柄抽選単位データを第二特別図柄保留記憶手段4224から取得する(ステップS1302)。上述したように第二特別図柄抽選単位データは、第二特別図柄保留記憶手段4224に4つまで記憶順序が特定できるように記憶されており、記憶された順序で処理対象とされる。
一方、第二特別図柄保留記憶手段4224の保留数が0である場合には(ステップS1301:YES)、主制御MPU4100aは、第一特別図柄保留記憶手段4214の保留数が0であるか否かを判断する(ステップS1303)。
第一特別図柄保留記憶手段4214の保留数が0でなければ(ステップS1303:NO)、主制御MPU4100aは、処理対象の第一特別図柄抽選単位データを第一特別図柄保留記憶手段4214から取得する(ステップS1304)。上述したように第一特別図柄抽選単位データは、第一特別図柄保留記憶手段4214に4つまで記憶順序が特定できるように記憶されており、記憶された順序で処理対象とされる。
以上の説明から解るように、特別図柄抽選単位データは、所定の始動条件が成立するまでの間は、特別図柄保留記憶手段4214,4224に記憶(保留)され、所定の始動条件が成立したときに処理対象とされる(その後に大当たり抽選等の対象とされる)ことが解る。本実施形態では、第二特別図柄抽選単位データについての始動条件は、変動開始処理がなされた時点で、当該第二特別図柄抽選単位データより先に保留された他の第二特別図柄抽選単位データがないことである。また、第一特別図柄抽選単位データについての始動条件は、変動開始処理がなされた時点で、保留されている第二特別図柄抽選単位データがないこと、かつ、当該第一特別図柄抽選単位データより先に保留された他の第一特別図柄抽選単位データがないことである。
一方、第一特別図柄保留記憶手段4214の保留数が0である場合には(ステップS1301におけるYES)、主制御MPU4100aは、変動開始処理を終了する。
主制御MPU4100aは、第二特別図柄抽選単位データ、または、第一特別図柄抽選単位データを取得すると、確変機能が作動している遊技状態(外部通常遊技状態Bまたは外部有利遊技状態B)であるか否かを判断する(ステップS1305)。ここで、確変機能が作動している遊技状態であれば(ステップS1305におけるYES)、当たり判定テーブルのうち高確率時の当たり判定テーブルが選択される(ステップS1306)。
一方、ステップS1305において確変機能が未作動であれば(ステップS1305におけるNO)、当たり判定テーブルのうち通常時の当たり判定テーブルが選択される(ステップS1307)。
そして、ステップS1306またはステップS1307において選択された判定テーブルと、処理対象の特別図柄抽選単位データ(第一特別図柄抽選単位データまたは第二特別図柄抽選単位データ)に含まれる特別乱数(第一特別乱数または第二特別乱数)と、に基づいて、主制御MPU4100aは、大当たりか否かを判定する(ステップS1308)。
主制御MPU4100aは、処理対象の特別図柄抽選単位データに含まれる特別乱数が大当たりであると判定すると(ステップS1308におけるYES)、処理対象の特別図柄抽選単位データに含まれる図柄乱数に基づいて大当たりの種別を判定する(ステップS1309)。その後、大当たりの種別に応じたフラグをON状態にする(ステップS1310)。具体的には、主制御MPU4100aは、大当たりの種別が大当たりAであれば大当たりAフラグをON状態にし、大当たりの種別が大当たりBであれば大当たりBフラグをON状態にし、大当たりの種別が大当たりCであれば大当たりCフラグをON状態にし、大当たりの種別が大当たりDであれば大当たりDフラグをON状態にし、大当たりの種別が大当たりEであれば大当たりEフラグをON状態にし、大当たりの種別が大当たりFであれば大当たりFフラグをON状態にする。その後、主制御MPU4100aは、処理フラグを「1」に更新し(ステップS1313)、変動開始処理を終了する。
一方、主制御MPU4100aは、ステップS1308における大当たり判定にて大当たりでないと判定すると(ステップS1308におけるNO)、表1に示す判定テーブルと、処理対象の特別図柄抽選単位データ(第一特別図柄抽選単位データまたは第二特別図柄抽選単位データ)に含まれる特別乱数(第一特別乱数または第二特別乱数)とに基づいて、小当たりか否かを判定する(ステップS1311)。主制御MPU4100aは、処理対象の特別図柄抽選単位データに含まれる特別乱数が小当たりであると判定すると(ステップS1311におけるYES)、小当たりフラグをON状態にして(ステップS1312)、ステップS1313に進み、処理フラグを「1」に更新し、変動開始処理を終了する。また、主制御MPU4100aは、処理対象の特別図柄抽選単位データに含まれる特別乱数が小当たりでないと判定すると(ステップS1311におけるNO)、ステップS1313に進み、処理フラグを「1」に更新し、変動開始処理を終了する。
[5−7.変動パターン設定処理について]
次に、変動パターン設定処理について図242に基づいて説明する。図242は、変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。
変動パターン設定処理は、特別図柄抽選結果(大当たり、小当たり、ハズレ)に応じて変動パターンを設定する処理である。この処理では、先ず、複数種類の大当たりのうちいずれかの大当たりフラグがON状態であるか否か、または、小当たりフラグがON状態であるか否かを判断する(ステップS1510)。ここで大当たりフラグまたは小当たりフラグがON状態であると(ステップS1510:YES)、当たり変動パターンテーブル設定処理を行い(ステップS1520)、その後、変動パターン決定処理を行う(ステップS1560)。この変動パターン設定処理では、詳細は後述するが、当たり変動パターンテーブル設定処理にて設定されたテーブルに基づいて変動パターンが決定される。
ステップS1510において大当たりフラグおよび小当たりフラグのいずれもONでなければ(ステップS1510:NO)、大当たりへの当選の期待度が高い高期待演出(例えば、リーチ演出)を行うべきか否かを判断する(ステップS1530)。ここで、大当たりへの当選の期待度が高い高期待演出を行うべきであると判断されると(ステップS1530:YES)、高期待外れ変動パターンテーブル設定処理を行い(ステップS1540)、その後、変動パターン決定処理を行う(ステップS1560)。この変動パターン設定処理では、詳細は後述するが、高期待外れ変動パターンテーブル設定処理にて設定された変動パターンテーブルに基づいて変動パターンが決定される。
一方、ステップS1530において大当たりへの当選の期待度が高い高期待演出を行うべきでないと判断されると(ステップS1530:NO)、低期待外れ変動パターンテーブル設定処理を行い(ステップS1550)、その後、変動パターン決定処理を行う(ステップS1560)。この変動パターン設定処理では、詳細は後述するが、低期待外れ当たり変動パターンテーブル設定処理にて設定された変動パターンテーブルに基づいて変動パターンが決定されるとともに決定された変動パターンについて変動タイプが決定される。
なお、高期待演出を行うべきか否かの判断は、上述したリーチ判定用乱数が高期待演出抽選に当選していれば高期待演出を行うと判断され、高期待演出抽選に落選していれば高期待演出を行わないと判断される。高期待演出抽選は、特別抽選結果がハズレである場合に、図柄の変動が開始されるに際して、取得された処理対象の特別図柄抽選単位データに含まれるリーチ判定用乱数を用いて行われる。ここで、高期待演出抽選に当選する確率は外部通常遊技状態であるか外部有利遊技状態であるか否かによって異なっていても良い。さらに、第一特別図柄保留数や第二特別図柄保留数によっても高期待演出抽選に当選する確率が異なっていても良い。例えば、外部通常遊技状態の場合であって且つ当該変動が第一特別図柄の変動であるとき、第一特別図柄保留数が0であれば10.5分の1、第一特別図柄保留数が1であれば12分の1、第一特別図柄保留数が2であれば13.5分の1、第一特別図柄保留数が3であれば15分の1としても良い。また、外部通常遊技状態の場合)であって且つ当該変動が第二特別図柄の変動であるとき、高期待演出抽選に当選する確率は、第二特別図柄保留数が0であれば10.5分の1、第二特別図柄保留数が1であれば12分の1、第二特別図柄保留数が2であれば13.5分の1、第二特別図柄保留数が3であれば15分の1としても良い。また、外部有利遊技状態の場合は、第一特別図柄保留数および第二特別図柄保留数に拘らず、高期待演出抽選に当選する確率は常に14分の1としても良い。
次いで、ステップS1560において変動パターンが決定されると、当該決定された変動パターンと変動タイプとの組合せを表す値を選択値としてセットし(ステップS1570)、当該変動パターンと変動タイプとの組合せに対応する変動時間値をタイマにセットする(ステップS1580)。例えば、変動時間値は、変動パターンと変動タイプとの組合せ毎に予め設定されている。その後、処理フラグを「2」に更新(ステップS1590)し、変動パターン設定処理を終了する。
なお、この変動パターン設定処理において設定された変動パターンに基づいて、第一特別図柄表示器641または第二特別図柄表示器642において、複数のLEDが所定の点灯パターンで点灯される。
[5−8.当たり変動パターンテーブル設定処理について]
次に、図243、図244に基づいて当たり変動パターンテーブル設定処理について説明する。図243は、当たり変動パターンテーブル設定処理の一例を示すフローチャートである。図244は、当たり変動パターンテーブル設定処理において、設定されるテーブルの振り分けを示す表である。
図243の当たり変動パターンテーブル設定処理において、主制御MPU4100aは、先ず、遊技状態を認識する(ステップS15201)。遊技状態は、上述のとおり外部通常遊技状態Aと、外部通常遊技状態Bと、外部有利遊技状態Aと、外部有利遊技状態Bの4種類がある。例えば、遊技状態は、主制御MPU4100aにおいてフラグで管理されており、外部通常遊技状態Aフラグと、外部通常遊技状態Bフラグと、外部有利遊技状態Aフラグと、外部有利遊技状態Bフラグのいずれか一つのフラグがオン状態とされている。主制御MPU4100aは、オン状態となっているフラグを認識することにより、遊技状態を認識する。次いで、主制御MPU4100aは、当たり種別を認識する(ステップS15202)。当たり種別は、上述したように主制御MPU4100aにおいてフラグで管理されている。例えば、主制御MPU4100aは、大当たりAフラグ、大当たりBフラグ、大当たりCフラグ、大当たりDフラグ、大当たりEフラグ、大当たりフラグF、小当たりフラグのいずれのフラグがオン状態となっているかを認識することにより、大当たりA〜F、小当たりのいずれの当たりであるかを認識する。次いで、主制御MPU4100aは、遊技状態と、当たり種別と、処理対象の特別図柄抽選単位データに含まれる第一変動パターン用乱数とに基づいて当たり変動パターン設定テーブルを選択し(ステップS15203)、当たり変動パターンテーブル設定処理を終了する。
本実施形態では、当たり変動パターンテーブルには、図244に示されるように、A〜Pの16種類がある。遊技状態と、当たり種別と、第一変動パターン用乱数の組合せに、当たり変動パターンテーブルA〜Pのいずれかが対応付けられている。例えば、図244に示されるように、遊技状態が外部通常遊技状態Aまたは外部通常遊技状態Bで、かつ、当たり種別が大当たりAである場合、総数100(0〜99)の第一変動パターン用乱数のうち、80個の値が当たり変動パターンテーブルAに対応付けられており、20個の値が当たり変動パターンテーブルBに対応付けられている。したがって、遊技状態が外部通常遊技状態Aまたは外部通常遊技状態Bで、かつ、当たり種別が大当たりAである場合には、当たり変動パターンテーブル設定処理において、100分の80の確率で当たり変動パターンテーブルAが選択され、100分の20の確率で当たり変動パターンテーブルBが選択される。そして、遊技状態が外部通常遊技状態Aまたは外部通常遊技状態Bで、当たり種別が大当たりAである場合には、当たり変動パターンテーブル設定処理において、当たり変動パターンテーブルA、B以外のテーブルが選択されることはない。
また、図244に示すように、当たり種別が大当たりFである場合には、遊技状態が同じで当たり種別が大当たりBである場合と同じ当たり変動パターンテーブルが利用される。これにより、大当たりFに当選した場合には、大当たりBに当選した場合と同様の演出(変動パターン)が実現される。このように、大当たりF(確変機能が作動する)に当選した場合には、大当たりB(確変機能が作動しない)に当選した場合と同様の演出が行われるので、遊技者は、演出を見ただけでは、大当たりFであるのか大当たりBであるのかを区別をすることが困難である。これにより、遊技者は、大当たりBよりも大当たりFであって欲しいと期待しつつ、演出を楽しむことができる。
また、図244に示すように、外部有利遊技状態Bは、2つの場合に分けられている。それらは、大当たりFの後の場合(前回の大当たりが大当たりFである場合)と、その他の場合である。遊技状態が外部有利遊技状態B(大当たりFの後)である場合には、遊技状態が外部有利遊技状態Aである場合と同じ変動パターンテーブルが利用される。これにより、大当たりF後に移行する外部有利遊技状態B(高確率時短有り)での遊技中には、大当たりB後に移行する外部有利遊技状態A(低確率時短有り)での遊技中と、同様の演出(変動パターン)が実現される。その結果、遊技者は、大当たり遊技の後に実現される演出を観察しても、前回の大当たりが大当たりFであるのか、それとも、大当たりBであるのかを区別することが困難である。これにより、遊技者は、大当たりBよりも大当たりFであって欲しいと期待しつつ、演出を楽しむことができる。但し、本実施形態では、可動片2105の動作態様が促進態様に維持される期間が、大当たりBに当選した場合と、大当たりFに当選した場合との間で、異なっている。大当たりBに当選した場合には、可動片2105の動作態様は、次の大当たりに当選せずに図柄の変動(抽選)が所定の作動回数行われた時に、促進態様から平常態様に変更される。一方、大当たりFに当選した場合には、可動片2105の動作態様は、次に大当たりに当選するまで、促進態様に維持される。従って、遊技者は、次の大当たりに当選せずに上述の作動回数の図柄変動(抽選)が行われた時点で、可動片2105の動作態様の確認することによって、大当たりBと大当たりFとを区別することができる。なお、主制御MPU4100aは、前回の大当たりの種別を表すフラグを利用して、前回の大当たりの種別を特定する。
なお、本実施形態のパチンコ機1では、第一特別図柄抽選単位データが処理対象となっている場合と、第二特別図柄抽選単位データが処理対象となっている場合とで、異なる変動パターンテーブルが設けられている。すなわち、例えば、図244における変動パターンテーブルAは、第一特別図柄抽選単位データが処理対象となっている場合に選択されるテーブルA1と、第二特別図柄抽選単位データが処理対象となっている場合に選択されるテーブルA2とを含んでいる。この結果、同じ遊技状態(外部通常遊技状態A、Bおよび外部有利遊技状態A、Bのいずれか)で遊技が行われている場合であっても、第一特別図柄抽選単位データが処理対象となっている場合と、第二特別図柄抽選単位データが処理対象となっている場合とで、異なる演出が実行可能とされている。これは、図244、図246、図248に示されている全ての変動パターンテーブルA〜Z、AA、BBについて同様である。なお、後述の変動パターンテーブルの例(図249〜図252)は、第一特別図柄抽選単位データが処理対象となっている場合に選択されるテーブルを表している。第二特別図柄抽選単位データが処理対象となっている場合の変動パターンテーブルについては、図示を省略する。
[5−9.高期待外れ変動パターンテーブル設定処理について]
次に、図245および図246に基づいて高期待外れ変動パターンテーブル設定処理について説明する。図245は、高期待外れ変動パターンテーブル設定処理の一例を示すフローチャートである。図246は、高期待外れ変動パターンテーブル設定処理において、設定されるテーブルの振り分けを示す表である。
図245の高期待外れ変動パターンテーブル設定処理において、主制御MPU4100aは、先ず、遊技状態を認識する(ステップS15401)。例えば、遊技状態は、主制御MPU4100aにおいてフラグで管理されており、外部通常遊技状態Aフラグと、外部通常遊技状態Bフラグと、外部有利遊技状態Aフラグと、外部有利遊技状態Bフラグのいずれか一つのフラグがオン状態とされている。主制御MPU4100aは、オン状態となっているフラグを認識することにより、遊技状態を認識する。次いで、主制御MPU4100aは、遊技状態と、処理対象の特別図柄抽選単位データに含まれる第一変動パターン用乱数とに基づいて高期待外れ変動パターン設定テーブルを選択し(ステップS15402)、高期待外れ変動パターンテーブル設定処理を終了する。
本実施形態では、高期待外れ変動パターンテーブルには、図246に示されるように、Q〜Tの4種類がある。遊技状態と、第一変動パターン用乱数の組合せに、高期待外れ変動パターンテーブルQ〜Tのいずれかが対応付けられている。例えば、図246に示されるように、遊技状態が外部通常遊技状態Aまたは外部通常遊技状態Bである場合、総数100(0〜99)の第一変動パターン用乱数のうち、95個の値が高期待外れ変動パターンテーブルQに対応付けられており、5個の値が高期待外れ変動パターンテーブルRに対応付けられている。したがって、遊技状態が外部通常遊技状態Aまたは外部通常遊技状態Bである場合には、高期待外れ変動パターンテーブル設定処理において、100分の95の確率で高期待外れ変動パターンテーブルQが選択され、100分の5の確率で高期待外れ変動パターンテーブルRが選択される。そして、外部通常遊技状態Aまたは外部通常遊技状態Bである場合には、高期待外れ変動パターンテーブル設定処理において、高期待外れ変動パターンテーブルQ、R以外のテーブルが選択されることはない。
また、図246に示すように、外部有利遊技状態Bは、2つの場合に分けられている。それらは、大当たりFの後の場合(前回の大当たりが大当たりFである場合)と、その他の場合である。遊技状態が外部有利遊技状態B(大当たりFの後)である場合には、遊技状態が外部有利遊技状態Aである場合と同じ変動パターンテーブルが利用される。これにより、大当たりF後に移行する外部有利遊技状態B(高確率時短有り)での遊技中には、大当たりB後に移行する外部有利有利状態A(低確率時短有り)での遊技中と、同様の演出(変動パターン)が実現される。その結果、遊技者は、大当たり遊技の後に実現される演出を観察しても、前回の大当たりが大当たりFであるのか、それとも、大当たりBであるのかを区別することが困難である。これにより、遊技者は、大当たりBよりも大当たりFであって欲しいと期待しつつ、演出を楽しむことができる。
[5−10.低期待外れ変動パターンテーブル設定処理について]
次に、図247および図248に基づいて低期待外れ変動パターンテーブル設定処理について説明する。図247は、低期待外れ変動パターンテーブル設定処理の一例を示すフローチャートである。図248は、低期待外れ変動パターンテーブル設定処理において、設定されるテーブルの振り分けを示す表である。
図247の低期待外れ変動パターンテーブル設定処理において、主制御MPU4100aは、先ず、遊技状態を認識する(ステップS15501)。例えば、遊技状態は、主制御MPU4100aにおいてフラグで管理されており、外部通常遊技状態Aフラグと、外部通常遊技状態Bフラグと、外部有利遊技状態Aフラグと、外部有利遊技状態Bフラグのいずれか一つのフラグがオン状態とされている。主制御MPU4100aは、オン状態となっているフラグを認識することにより、遊技状態を認識する。次いで、主制御MPU4100aは、処理対象の特別図柄抽選単位データの属する特別図柄(第一特別図柄または第二特別図柄)において処理対象の特別図柄抽選単位データを除く未処理の特別図柄抽選単位データの数、すなわち、残りの保留数を認識する(ステップS15502)。例えば、処理対象の特別図柄抽選単位データを取得したときその特別図柄の保留数が4であれば、残りの保留数は3となる。また、処理対象の特別図柄抽選単位データを取得したときその特別図柄の保留数が3であれば、残りの保留数は2となる。主制御MPU4100aは、遊技状態と、処理対象の特別図柄抽選単位データの属する特別図柄の残りの保留数と、処理対象の特別図柄抽選単位データに含まれる第一変動パターン用乱数とに基づいて低期待外れ変動パターン設定テーブルを選択し(ステップS15503)、低期待外れ変動パターンテーブル設定処理を終了する。
本実施形態では、低期待外れ変動パターンテーブルには、図248に示されるように、U〜Z、AA、BBの8種類がある。遊技状態と、処理対象の特別図柄の残り保留数と、第一変動パターン用乱数の組合せに、低期待外れ変動パターンテーブルU〜Z、AA、BBのいずれかが対応付けられている。
例えば、図248に示されるように、遊技状態が外部通常遊技状態Aまたは外部通常遊技状態Bである場合、残り保留数0、1、2、3に応じて、総数100(0〜99)の第一変動パターン用乱数の全てがそれぞれ低期待外れ変動パターンテーブルU、V、W、Xに対応付けられている。したがって、遊技状態が外部通常遊技状態Aまたは外部通常遊技状態Bである場合には、第一特別図柄の残り保留数0、1、2、3に応じて、低期待外れ変動パターンテーブル設定処理において、100%の確率で低期待外れ変動パターンテーブルU、V、W、Xがそれぞれ選択され、他の低期待外れ変動パターンテーブルが選択されることはない。
また、図248に示すように、外部有利遊技状態Bは、2つの場合に分けられている。それらは、大当たりFの後の場合(前回の大当たりが大当たりFである場合)と、その他の場合である。遊技状態が外部有利遊技状態B(大当たりFの後)である場合には、遊技状態が外部有利遊技状態Aである場合と同じ変動パターンテーブルが利用される。これにより、大当たりF後に移行する外部有利遊技状態B(高確率時短有り)での遊技中には、大当たりB後に移行する外部有利有利状態A(低確率時短有り)での遊技中と、同様の演出(変動パターン)が実現される。その結果、遊技者は、大当たり遊技の後に実現される演出を観察しても、前回の大当たりが大当たりFであるのか、それとも、大当たりBであるのかを区別することが困難である。これにより、遊技者は、大当たりBよりも大当たりFであって欲しいと期待しつつ、演出を楽しむことができる。
なお、低期待外れ変動パターンテーブル設定処理において、残りの保留数が多いときに選択される低期待外れ変動パターンテーブルには、全般的に残りの保留数が少ないときに選択される低期待外れ変動パターンテーブルと比較して、特別図柄の変動時間の短い変動パターンが記述されており、保留の状態とされている抽選処理の処理数が少ないときよりも多いときのほうが短い時間にて特別図柄の変動表示が行われる。
上述の図244、図246、図248から解るように、大当たりBに当選した場合と、大当たりFに当選した場合には、同じ変動パターンテーブルが選択されるようになっている。また、大当たりB後に移行する外部有利遊技状態A(低確率時短有り)と、大当たりF後に移行する外部有利遊技状態B(高確率時短有り)での遊技中には、同じ変動パターンテーブルが選択されるようになっている。これらの結果、大当たりB後に移行する外部有利遊技状態A(低確率時短有り)での遊技中と、大当たりF後に移行する外部有利遊技状態B(高確率時短有り)での遊技中とでは、同じ演出が実現される。この結果、遊技者は、大当たりBまたは大当たりFのいずれかに当選した場合、大当たり後の外部有利遊技状態において、確変機能が動作しているか否かを演出から判断し難い。これにより、遊技者は、大当たりBよりも大当たりFであって欲しいと期待しつつ、演出を楽しむことができる。
次に、ステップS1560の変動パターン決定処理について説明する。この変動パターン設定処理では、ステップS1520の当たり変動パターンテーブル設定処理、ステップS1540の高期待外れ変動パターン設定処理またはステップS1550の低期待外れ変動パターン設定処理で設定された変動パターンテーブルに基づいて、変動パターンが決定される。以下、設定された変動パターンテーブル毎に、変動パターン決定処理について説明する。図249は、当たり変動パターンテーブル設定処理において選択され得る当たり変動パターンテーブルA、Bに基づいて決定される変動パターンの一覧表である。図250は、当たり変動パターンテーブル設定処理において選択され得る当たり変動パターンテーブルC〜Pに基づいて決定される変動パターンの一覧表である。図251は、高期待外れ変動パターン設定処理において選択され得る高期待外れ変動パターンテーブルQ〜Tに基づいて決定される変動パターンの一覧表である。図252は、低期待外れ変動パターン設定処理において選択され得る低期待外れ変動パターンテーブルU〜Z、AA、BBに基づいて決定される変動パターンの一覧表である。図249〜図252には、各変動パターンテーブルに基づいて決定される変動パターンの振り分けが併せて示されている。
各変動パターンテーブルA〜Z、AA、BB、CCは、総数200(0〜199)の第二変動パターン用乱数と、各変動パターンとを対応付けている。そして、主制御MPU4100aは、設定された変動パターンテーブルにおいて、処理対象の特別図柄抽選単位データに含まれる第二変動パターン用乱数と対応付けられている変動パターンを、処理対象の特別図柄抽選単位データに対応する変動における変動パターンに決定する。また、主制御MPU4100aは、変動パターンが決定されると、処理対象の特別図柄抽選単位データに含まれる変動タイプ乱数に基づいて、変動パターン毎に変動タイプを決定する。変動タイプは、後述するように、通常、2連、3連、4連、5連の5種類があり、図249〜図252には、変動パターン毎の変動タイプの振り分けが併せて示されている。
例えば、設定された変動パターンテーブルがAの場合、図249に示すように、番号4、5、7、8、9、10、12、14、15、17、18、20、22、24、25、27、28のうちいずれかの変動パターンに、それぞれ、200分の3、200分の20、200分の4、200分の5、200分の6、200分の25、200分の30、200分の3、200分の15、200分の3、200分の12、200分の12、251分の23、200分の1、200分の10、200分の2、200分の13、の確率で決定されることとなる。
また、例えば、図249に示すように、番号20の変動パターン(実写リーチA当たり)が選択された場合、変動タイプは、200分の60の確率で「通常」に、200分の30の確率で「2連」に、200分の90の確率で「3連」に、200分の15の確率で「4連」に、200分の5の確率で「5連」に、それぞれ決定される。
また、例えば、図252に示すように、設定された変動パターンテーブルがXの場合、番号253の変動パターン(通常変動(保留3))が100%の確率で選択される。なお、図252に示される変動パターンテーブルU〜Z、AA、BBに基づいて決定される変動パターンの変動タイプは、100%の確率で「通常」に決定されるので、図252において変動タイプの振り分けは図示していない。
なお、こうして変動パターンおよび対応する変動タイプが決定されると、該決定された変動パターンおよび変動タイプに対応したコマンド(情報)と、当該変動に対応する特別図柄抽選単位データの抽選結果(ハズレ、大当たりA、大当たりB、大当たりC、大当たりD、大当たりE、大当たりF)を示すコマンド(「大当たり種別情報」とも呼ぶ)とが当該主制御基板4100から上記周辺基板4010に送信され、該周辺基板4010内の周辺制御MPU4140aによる演出抽選などの処理に供される。すなわち、液晶表示装置1400に表示される装飾図柄の変動表示や演出表示(連続演出や、リーチ演出など)は、実際には、この周辺基板4010内にて上記主制御基板4100から送信されるコマンドに応じて決定されるようになっている。この意味では、上記液晶表示装置1400に表示される装飾図柄の変動表示や演出表示にかかる制御は、主制御基板4100と周辺基板4010とによって協働して行われている(表示制御手段)。
[5−11.変動中処理について]
次に、図253に基づいて、変動中処理について説明する。図253は、変動中処理の一例を示すフローチャートである。変動中処理では、先ず、特別図柄が変動中であるか否かを判断する(ステップS1801)。ここで、第一特別図柄表示器641および第二特別図柄表示器642のいずれかが変動中であれば変動中であると判断される。特別図柄が変動中でなければ(ステップS1801:NO)、そのまま、変動中処理を終了する。
ステップS1801において特別図柄が変動中であると判断すると(ステップS1801:YES)、ステップS1802に進み、変動時間が終了しているか否かを判断する。具体的には、変動パターン設定処理においてタイマにセットした変動時間が経過したか否かを判断する。ここで、変動時間が経過していなければ、そのまま、変動中処理を終了する(ステップS1802:NO)。変動時間が経過すると(ステップS1802:YES)、特別図柄の変動を停止する(ステップS1803)。即ち、第一特別図柄表示器641または第二特別図柄表示器642のうち変動中の表示器において、第一特別抽選結果または第二特別抽選結果を導出表示する。
特別図柄の変動を停止すると(ステップS1803)、複数の大当たり種別のうちいずれかの大当たりフラグがON状態であるか否かを判断する(ステップS1804)。即ち、今回の変動が停止して抽選結果が導出された結果、いずれかの大当たり遊技を開始するか否を判断する。いずれかの大当たりフラグがON状態であると(ステップS1804におけるYES)、処理フラグを「3」に更新し(ステップS1805)、変動中処理を終了する。いずれの大当たりフラグもON状態でなければ(ステップS1804におけるNO)、次に小当たりフラグがON状態であるか否かを判断する(ステップS1806)。即ち、今回の変動が停止して抽選結果が導出された結果、特別電動役物小当たり制御処理を開始するか否かを判断する。小当たりフラグがON状態であると(ステップS1806におけるYES)、処理フラグを「4」に更新し(ステップS1807)、変動中処理を終了する。小当たりフラグがON状態でなければ(ステップS1806におけるNO)、処理フラグを「0」に更新し(ステップS1808)、変動中処理を終了する。
[5−12.大当たり遊技開始処理について]
次に、図254に基づいて、大当たり遊技開始処理について説明する。図254は、大当たり遊技開始処理の一例を示すフローチャートである。この大当たり遊技開始処理では、主制御MPU4100aは、先ず、確率変動機能が作動中であるか否かを判断する(ステップS2001)。大当たり遊技が実行されているときは確変機能を作動させないため、主制御MPU4100aは、確変機能が作動している場合には、確変機能の作動を停止して(ステップS2002)、ステップS2003に進む。一方、ステップS2001において確変機能が作動していないと判断すると(ステップS2001:NO)、主制御MPU4100aは、ステップS2002をスキップしてステップS2003に進む。
ステップS2003では、主制御MPU4100aは、可動片2105の動作態様が促進態様であるか否かを判断する。大当たり遊技が実行されているときは可動片2105の動作態様を平常態様とするため、主制御MPU4100aは、可動片2105の動作態様が促進態様である場合には、可動片2105の動作態様を平常態様に変更して(ステップS2004)、ステップS2005に進む。一方、ステップS2003において可動片2105の動作態様が平常態様である場合には(ステップS2003:NO)、主制御MPU4100aは、ステップS2004をスキップしてステップS2005に進む。
ステップS2005では、主制御MPU4100aは、大当たりフラグを参照して大当たり種別を認識し、大当たり種別に応じて第一アタッカユニット2100の第一開閉部材2106、または、第二アタッカユニット2500の第二開閉部材2502の開閉パターンをセットする。例えば、大当たり種別が「大当たりA」「大当たりB」である場合、上述した第一長時間開閉パターンを実現するため、ラウンド回数(例えば15ラウンド)、1ラウンド当たりの第一アタッカユニット2100の第一開閉部材2106の最大開放時間(例えば、26秒〜33秒)および最大入賞数(例えば、8球)をセットする。また、そして、その後、ステップS2006に進んで処理フラグを「5」に更新し、大当たり遊技開始処理を終了する。
[5−13.小当たり成立時処理について]
次に、図255に基づいて、小当たり成立時処理について説明する。図255は、小当たり成立時処理の一例を示すフローチャートである。この小当たり成立時処理では、先ず、第二アタッカユニット2500の第二開閉部材2502の開閉パターンを小当たり用の開閉パターン(本実施形態では、上述したように短時間開閉パターン)にセットする。具体的には、短時間開閉パターンを実現するため、ラウンド回数(例えば15ラウンド)、1回当たりの第二アタッカユニット2500の第二開閉部材2502の開放時間(例えば、1.0秒)および最大入賞数(例えば、2球)をセットする(ステップS2201)。その後、処理フラグを「6」に更新して小当たり成立時処理を終了する(ステップS2202)。
[5−14.特別電動役物大当たり制御処理]
次に、図256に基づいて、特別電動役物大当たり制御処理について説明する。図256は、特別電動役物大当たり制御処理の一例を示すフローチャートである。特別電動役物大当たり制御処理においては、主制御MPU4100aは、先ず、大当たりの種別に応じて定まる動作対象の開閉部材(第一アタッカユニット2100の第一開閉部材2106または第二アタッカユニット2500の第二開閉部材2502)が開放中であるか否かを判断する(ステップS2401)。動作対象の開閉部材が開放中であれば(ステップS2401:YES)、主制御MPU4100aは、予めセットされた当該開閉部材の最大開放時間が経過したか否かを判断する(ステップS2402)。具体的には、主制御MPU4100aは、ステップS2005においてセットされた最大開放時間が経過したか否かを判断する。当該開閉部材の最大開放時間が経過したと判断すると(ステップS2402:YES)、当該開閉部材2106を閉鎖して(ステップS2404)、特別電動役物大当たり制御処理を終了する。
ステップS2402において当該開閉部材の開放時間が経過していなければ(ステップS2402:NO)、主制御MPU4100aは、予めセットされた最大入賞数の遊技球が当該開閉部材によって開閉される大入賞口(第一アタッカユニット2100の第一大入賞口2103または第二アタッカユニット2500の第二大入賞口2404)に受け入れられたか否かを判断する(ステップS2403)。具体的には、主制御MPU4100aは、当該大入賞口に配置されたカウントセンサによるカウント値が、ステップS2005においてセットされた最大入賞数に達したか否かを判断する。当該大入賞口に最大入賞数の遊技球が受け入れられたと判断すると(ステップS2403:YES)、主制御MPU4100aは、ステップS2404に進み、当該開閉部材を閉鎖して特別電動役物大当たり制御処理を終了する。一方、当該大入賞口に最大入賞数の遊技球が受け入れられていなければ(ステップ2403:NO)、そのまま特別電動役物大当たり制御処理を終了する。
当該開閉部材が開放中でなければ(ステップS2401:NO)、主制御MPU4100aは、予めセットされたラウンド数に達したか否かを判断する(ステップS2405)。具体的には、主制御MPU4100aは、ステップS2005においてセットされたラウンド数に達したか否かを判断する。ここで、予めセットされたラウンド数に達していれば(ステップS2405:YES)、主制御MPU4100aは、ステップS2408に進み、大当たりフラグ(大当たりAフラグ、大当たりBフラグ、大当たりCフラグ、大当たりDフラグ、大当たりEフラグ、大当たりFフラグのうちON状態となっているフラグ)をOFFにする。一方、予めセットされたラウンド数に達していなければ(ステップS2405:NO)、主制御MPU4100aは、ラウンド間時間(ラウンド間のインターバル)が経過しているか否かを判断する(ステップS2406)。主制御MPU4100aは、ラウンド間時間が経過していないと判断すると(ステップS2406:NO)、そのまま特別電動役物大当たり制御処理を終了する。ラウンド間時間が経過したと判断すると(ステップS2406:YES)、主制御MPU4100aは、当該開閉部材2106の開放処理を行い(ステップS2407)、特別電動役物大当たり制御処理を終了する。
ステップS2408において大当たりフラグをOFFにしたのち、確変機能を作動すべきか否かを判断し(ステップS2409)、確変機能を作動すべきであれば確変機能の作動処理を行う(ステップS2410)。具体的には、ステップS2408においてOFFにされた大当たりフラグが、大当たりAフラグ、大当たりCフラグ、大当たりDフラグ、大当たりEフラグ、大当たりFフラグのうちいずれかのフラグであれば、主制御MPU4100aは、確変機能を作動する。すなわち、上述した大当たりA〜Fのうち、大当たりA、C、D、E、Fは、大当たり遊技後に確変機能が作動するいわゆる確変大当たりであり、大当たりBは、大当たり遊技後に確変機能が作動しないいわゆる通常大当たりである。
主制御MPU4100aは、確変機能を作動させると、第二始動口2102を開閉する可動片2105の動作態様を平常態様から促進態様に変更するか否かを判断する(ステップS2401)。本実施形態では、具体的には、主制御MPU4100aは、大当たり遊技の発生の原因となった大当たりの種別が大当たりA、C、E、Fである場合には、当該大当たりに当選した際の遊技状態に拘わらず可動片2105の動作態様を平常態様から促進態様に変更すると判断する。大当たり遊技の発生の原因となった大当たりの種別が大当たりDである場合には、主制御MPU4100aは、当該大当たりに当選した際の遊技状態が外部通常遊技状態Aであれば、可動片2105の動作態様を平常態様から促進態様に変更しないと判断し、外部通常遊技状態A以外の遊技状態であれば(外部通常遊技状態Aまたは外部有利遊技状態A、B)、可動片2105の動作態様を平常態様から促進態様に変更すると判断する。すなわち、本実施形態の遊技機は、大当たり遊技後に確変機能が作動する大当たり(いわゆる確変大当たり)のうち、大当たりA、C、E、Fに当選した場合には、必ず大当たり遊技後に外部有利遊技状態Bに移行する。そして、本実施形態の遊技機は、いわゆる確変大当たりのうち、大当たりDに当選した場合には、当該当選時の遊技状態が外部通常遊技状態Aである場合に限り大当たり遊技後に外部通常遊技状態Bに移行し、当該当選時の遊技状態が外部通常遊技状態A以外である場合には外部有利遊技状態Bに移行する。
主制御MPU4100aは、可動片2105の動作態様を平常態様から促進態様に変更すると判断すると(ステップS2411におけるYES)、可動片2105の動作態様を平常態様から促進態様に変更して(ステップS2412)、その後、処理フラグを「0」に更新し(ステップS2415)、特別役物大当たり制御処理を終了する。一方、主制御MPU4100aは、可動片2105の動作態様を平常態様から促進態様に変更しないと判断すると、ステップS2412をスキップして、処理フラグを「0」に更新し(ステップS2415)、特別電動役物大当たり制御処理を終了する。
一方、この実施形態では、上記ステップS2409において、確変機能を作動すべきでない当たり(大当たりB)に当選している旨判断された場合は(ステップS2409におけるNO)、主制御MPU4100aは、可動片2105の動作態様を平常態様から促進態様に変更する(ステップS2413)。その後、主制御MPU4100aは、促進態様での可動片2105の作動回数(例えば100回)を設定して(ステップS2414)、処理フラグを「0」に更新し(ステップS2415)、特別電動役物大当たり制御処理を終了する。すなわち、本実施形態の遊技機は、いわゆる通常大当たり(大当たりB)に当選した場合には、必ず外部有利遊技状態Aに移行する。そして、次の大当たりに当選せずに図柄の変動(抽選)が上述の作動回数行われた時に、主制御MPU4100aは、可動片2105の動作態様を、促進態様から平常態様に変更する(周辺制御MPU4140aは、主制御MPU4100aからの指示に従って、可動片2105の動作態様を、促進態様から平常態様に変更する)。
[5−15.特別電動役物小当たり制御処理]
次に、図257に基づいて、特別電動役物小当たり制御処理について説明する。図257は、特別電動役物小当たり制御処理の一例を示すフローチャートである。特別電動役物小当たり制御処理では、先ず、主制御MPU4100aは、第二アタッカユニット2500の第二開閉部材2502が開放中であるか否かを判断する(ステップS2501)。主制御MPU4100aは、第二アタッカユニット2500の第二開閉部材2502が開放中であると判断すると(ステップS2501:YES)、ステップS2201において予めセットされた開放時間が経過しているか否かを判断し(ステップS2502)、開放時間が経過していれば(ステップS2502:YES)、主制御MPU4100aは、第二アタッカユニット2500の第二開閉部材2502を閉鎖して(ステップS2504)、特別電動役物小当たり制御処理を終了する。
一方、ステップS2502において、開放時間が経過していなければ(ステップS2502:NO)、ステップS2201においてセットされた最大入賞数の遊技球が第二アタッカユニット2500の第二大入賞口2404に入賞したか否かを判断する(ステップS2503)。最大入賞数の遊技球が第二アタッカユニット2500の第二大入賞口2404に入賞していれば(ステップS2503:YES)、第二アタッカユニット2500の第二開閉部材2502を閉鎖して(ステップS2504)、特別電動役物小当たり制御処理を終了する。一方、最大入賞数の遊技球が第二アタッカユニット2500の第二大入賞口2404に入賞していなければ(ステップS2503:NO)、そのまま、特別電動役物小当たり制御処理を終了する。
上述のステップ2501において、第二開閉部材2502が開放中でなければ(ステップS2501:NO)、主制御MPU4100aは、ステップS2201において予めセットされたラウンド数に達したか否かを判断する(ステップS2505)。ここで、予めセットされたラウンド数に達していれば(ステップS2505:YES)、主制御MPU4100aは、小当たりフラグをOFF状態にし(ステップS2508)、処理フラグを「0」に更新して(ステップS2509)、特別電動役物小当たり制御処理を終了する。
一方、上述のステップS2505において、予めセットされたラウンド数に達していなければ(ステップS2505:NO)、主制御MPU4100aは、所定のラウンド間時間(ラウンド間のインターバル)が経過しているか否かを判断する(ステップS2506)。主制御MPU4100aは、ラウンド間時間が経過していないと判断すると(ステップS2506:NO)、そのまま特別電動役物小当たり制御処理を終了する。ラウンド間時間が経過したと判断すると(ステップS2506:YES)、主制御MPU4100aは、第二アタッカユニット2500の第二開閉部材2502の開放処理を行い(ステップS2507)、特別電動役物小当たり制御処理を終了する。
[5−16.潜確示唆処理について]
(1)基本的な潜確示唆処理
(1−1)基本的な処理の構成
次に、図258〜267に基づいて、潜確示唆処理について説明する。図258は、図図232において示した主制御基板4100の構成において潜確示唆処理を実行する手段(潜確示唆手段4300)について追加的に表すとともに、図232において示した構成のうち、潜確示唆手段4300と特に関係する手段のみを抽出して表した機能ブロック図である。
なお、説明の便宜上、各手段の名称を、図232における名称と変更して用いるが、その場合には図232における名称は文章中又は図面において括弧書きで示す。また、以下の説明においては、始動口センサ、乱数発生手段、特別図柄変動パターン選択手段について、説明の便宜上、「第一」に係るもののみを用いているが、本実施形態の潜確示唆処理は、第二又は第三の始動口の入賞においても同様に処理されるものであるため、第二、第三の始動口センサ、乱数発生手段、特別図柄変動パターン選択手段においても、以下に示す第一における場合を置き換えることで、本処理を実現可能である。
本実施形態の潜確示唆処理は、始動口センサ(第一始動口センサ)3120と、乱数発生手段(第一特別乱数発生手段)4212と、保留記憶手段(第一特別図柄保留記憶手段)4214と、大当たり判定手段(第一特別図柄変動パターン選択手段)4216とを備える。なお、これらの構成は、すでに説明したが、改めて確認的に以下に説明を加える。
乱数発生手段4212は、遊技球の始動口への入賞を検出する始動口センサ3120と、この始動口センサ3120により遊技球の入賞が検出される毎に特別図柄抽選単位データ(例えば、特別乱数、図柄乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン用乱数、変動タイプ乱数)を発生させる手段である。
保留記憶手段4214は、乱数発生手段4212において発生した特別乱数および特別乱数の発生と共に取得される各種データ(例えば、図柄乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン用乱数、変動タイプ乱数)を所定の条件に応じて一時的に記憶する手段である。
大当たり判定手段4216は、一つの特別図柄抽選単位データに基づく特別図柄変動パターンを、主制御基板4100のROMに予め記憶された所定の特別図柄変動表示パターンテーブルから選択し、大当たりか否かを、種別を含めて判定する手段である。
以上は、図232に表された本実施形態における一般の制御構成であるが、本実施形態の潜確示唆処理を直接的に実行する手段は、図258における潜確示唆手段4300であり、この潜確示唆手段4300は、大当たり種別判定手段4311と、保留球数確認手段4312と、始動口通過確認手段4313と、潜確示唆通知手段4314とからなる。
大当たり種別判定手段4311は、現在の遊技状態に移行される原因となった大当たり種別が潜確大当たりであったか否かを判断する手段である。
すなわち、本実施形態の遊技機では、上述のように、大当たり種別が、大当たりA〜Fまで存在し、大当たり遊技後に確変機能が作動する大当たり(いわゆる確変大当たり)は、大当たりA、C、D、E、Fに当選した場合である。そして、大当たり遊技後に確変機能が作動する大当たり(いわゆる確変大当たり)のうち、大当たりA、C、E、Fに当選した場合には、必ず大当たり遊技後に外部有利遊技状態Bに移行する。一方で、大当たりDに当選した場合には、当該当選時の遊技状態が外部通常遊技状態Aである場合に限り大当たり遊技後に外部通常遊技状態Bに移行し、当該当選時の遊技状態が外部通常遊技状態A以外である場合には外部有利遊技状態Bに移行する。
したがって、本実施形態において、「潜確大当たり」の場合とは、大当たりDの場合であって、かつ、当選時の遊技状態が外部通常遊技状態Aである場合である。そこで、大当たり種別判定手段4311が、確変状態に移行する原因となった大当たり遊技発生の原因が、この「潜確大当たり」に当たるか否かを判断する。
ここで、確認的に説明すると、前述のとおり、小当たり遊技は、有利遊技状態発生手段4232によって第二アタッカユニット2500の第二開閉部材2502の開閉動作を、短時間開閉パターンで複数回(本実施形態では、15回)繰り返す遊技であり、この短時間開閉パターンでは、第二開閉部材2502を閉状態から開状態とした後、所定時間(例えば、1.0秒)の経過、或いは、所定個数(例えば、2個)の遊技球が第二大入賞口2404に入賞、の何れかの条件が充足すると第二開閉部材2502を閉状態とするパターンである。すなわち、この小当たり遊技と、「大当たりD」に当選した場合に行われる大当たり遊技は、第二開閉部材2502の開閉動作において相違がないため、遊技者は見かけ上、確変大当たりなのか、小当たりなのか、判別できない状態となっている。遊技者にとっては、現在の遊技モードが、高確率状態なのか低確率状態なのか、一見して把握できないから、非常にもどかしく、遊技を止め時を失い、引くに引けない心理状態で遊技を継続することなる。
保留球数確認手段4312は、大当たり種別判定手段4311により、大当たりの原因が潜確大当たりであると判断された場合に、保留記憶手段4214から保留記憶された特別図柄抽選単位データの数(以下、保留数と呼ぶ。)がオーバーフロー状態、すなわち、保留数が上限の4つであるか否かの情報を取得する手段である。
始動口通過確認手段4313は、潜確状態において、さらに、保留数がオーバーフロー状態である場合に、始動口センサ3120から、遊技球の通過が検出されたかを判断する手段である。
潜確示唆通知手段4314は、始動口通過確認手段4313により、遊技球の通過が検出された場合に、現在の遊技状態が潜確モードにあることを、周辺回路基板4140に通知し、周辺回路基板4140を通じて、音声又は映像を含む演出により、遊技者に通知する手段である。
このような演出としては、潜確を示唆するものとして、通常時とは異なる複数種類の特別な音(ピューン、ヒャッ、ウヒャッ、アツイヨ、等の示唆音)を出したり、「潜確突入!」など、潜確状態を直に示す音声を出力することによっても構成可能である。また、液晶表示装置1400を通じて、上記同様「熱いよ!」や「潜確突入!」等の文字を表示する手法も考えられる。あくまでも潜確を通知するものというよりは、潜確を「示唆」するものであって、潜確をダイレクトに通知することを避ける場合には、前者のように、単に通常の演出とは異なる音声を出力するのが好ましい。
(1−2)基本的な処理の流れ
上記のような構成からなる潜確示唆処理の流れについて、図258のブロック図を参照しつつ、図259のフローチャートを参照して説明する。
図259に示すように、まず、大当たり種別判定手段4311が、現在の遊技状態に移行する原因となった大当たり遊技発生の原因が、潜確大当たりであったか否かを判断する(ステップS2591)。この確認は、一つの特別図柄抽選単位データに基づく特別図柄変動パターンを、主制御基板4100のROMに予め記憶された所定の特別図柄変動表示パターンテーブルから選択するものであり、より具体的には、図244におけるテーブルデータのうち、外部通常遊技状態Aにおける「大当たりD」時の振り分けに相当するテーブル番号Eが選択された状態か否かを判断するものである。
S2591において、大当たり種別判定手段4311が、現在の状態が潜確大当たりを原因とするものでないと確認した場合には(S2591のNO)、潜確示唆処理を終了し(リターン)、潜確大当たりに当たることを確認した場合には(S2591のYES)、保留球数確認手段4312が、保留数がオーバーフロー状態、すなわち、上限の4つであるか否かを判断する(S2592)。
第一特別図柄の保留数がオーバーフロー状態でない場合には(S2592のNO)、潜確示唆処理を終了し(リターン)、オーバーフロー状態の場合には(S2592のYES)、始動口通過確認手段4313が、このオーバーフロー状態にて、さらに、始動口センサ3120から、遊技球の通過が検出されたかを判断する(S2593)。
そして、始動口通過確認手段4313により、遊技球の通過が検出されない場合(S2593のNO)には潜確示唆処理を終了し、遊技球の通過が検出された場合(S2593のYES)には、潜確示唆手段4300が、現在の遊技状態が潜確モードにあることを、周辺回路基板4140に通知し、周辺回路基板4140を通じて、音声又は映像を含む演出により、遊技者に通知して(S2594)、潜確示唆処理を終了する(リターン)。
(1−3)基本的な処理の作用効果
以上のような本実施形態の潜確示唆処理によれば、潜確示唆の始動条件を、遊技球の始動口への入賞がオーバーフロー状態にあることとした。具体的には、保留球数確認手段4312及び始動口通過確認手段4313が、保留数(例えば、4個)を超えて球技球の始動口への入賞を確認した場合に、その旨を音声又は映像を含む演出により遊技者に通知することで、潜確遊技状態になっていることを遊技者に示唆する。
通常、保留数の上限を超えると、以降は、入賞口に遊技球が入ったとしても、入賞対象とはされない。そのため、遊技者にとって、保留数を超えて打ち続けることにメリットはなく、遊技者は保留数を超えると打つのを止める。遊技者が、遊技機の前に座っている間、打たない時間が生じるということは、店舗(ホール)の収益上はマイナスである。
この点、本実施形態の潜確示唆手段4300によれば、保留数の上限を超えた後に更に始動口に遊技球を入賞させることで、潜確示唆手段4300を働かせるため、遊技者は、遊技状態を覚知するために保留数に関わらず、遊技球を発射し続ける。遊技者が保留数を超えても打ち続けるということは、遊技球の消費が促進されることとなり、店舗(ホール)は効率良く収益の拡大を図ることができる。
(2)その他の付加的手段を有する場合の構成
本実施形態における潜確示唆処理は、上記の基本的な処理構成に加えて、以下の(2−1)〜(2−4)に示すような各手段を有する。なお、図260〜図267において、主基板4000の潜確示唆手段4300の内部構成以外の構成は、図258に示したものと同様であるので、ここでは、本項における付加的手段を有する潜確示唆手段4300の内部構成のみをピックアップして説明する。
(2−1)潜確示唆度合変動手段を有する場合
[構成]
本実施形態における潜確示唆処理は、図260に示すように、図258において示した構成に加え、潜確示唆度合変動手段4320を設けることも可能である。この潜確示唆度合変動手段4320は、示唆条件充足数カウント手段4321と、示唆度合設定手段4322とを備える。なお、その他の構成については、上述の潜確示唆通知処理において説明したのと同様、大当たり種別判定手段4311、保留球数確認手段4312、始動口通過確認手段4313、潜確示唆通知手段4314の各手段を有するが、これらの構成については、上述の説明を援用する。
示唆条件充足数カウント手段4321は、遊技球の始動口への通過検知に基づいて、通過回数nを、例えば、潜確示唆条件の充足数「m=n−1」としてカウントする手段である。すなわち、潜確示唆度合変動手段4320の処理が開始され、はじめて遊技球の第一始動口への通過が検出された場合には、「m=n−1」は「0」と算出する手段である。したがって、潜確示唆度合変動手段4320の処理が開始され、はじめて遊技球の第一始動口への通過が検出された場合には、「m=n−1」は、「0」と算出されることとなる。
示唆度合設定手段4322は、示唆条件充足数カウント手段4321が算出した潜確示唆条件充足数について、示唆度合の係数値として「m+1」とする手段である。例えば、潜確示唆条件充足数が「0」の場合には、「m+1」は「1」となる。したがって、この場合、示唆度合設定手段4322は、示唆度合いを「1」として設定するものである。
ここいう示唆度合とは、潜確示唆通知手段4314によって、周辺回路基板4140を通じて音声又は映像を含む演出により、遊技者に通知する際の音声の音量や、映像上示される潜確示唆文字の大きさや照明の明るさなどの度合いをいう。例えば、示唆度合が「1」であれば、音量、文字の大きさ、照明の明るさを「小」とし、示唆度合が「2」であれば、これらを「中」とし、示唆度合が「3」であればこれらを「大」とするように予め設定される。
[処理の流れ・効果]
以上のような構成からなる潜確示唆度合変動手段4320の処理の流れを図261のフローチャートを参照して説明する。なお、潜確示唆度合変動手段4320の処理において、S2614の第一始動口における遊技球の通過の有無を検出するまでの処理は、上述した基本的な処理の流れと同様であるので、以下では、当該処理以降の処理について詳しく説明する。
潜確示唆度合変動手段4320においては、示唆条件充足数カウント手段4321が、遊技球の第一始動口への通過検知に基づいて、通過回数nを、潜確示唆条件の充足数「m=n−1」としてカウントする(S2615)。したがって、潜確示唆度合変動手段4320の処理が開始され、S2614において、はじめて遊技球の第一始動口への通過が検出された場合には、「m=n−1」は、「0」と算出される。
続いて、示唆度合設定手段4322が、S2615において算出された潜確示唆条件充足数について、示唆度合の係数値として「m+1」とする(S2616)。この場合、S2615における潜確示唆条件充足数が「0」の場合には、「m+1」は「1」となる。したがって、この場合、示唆度合いは、「1」、例えば示唆する音量が「小」であると設定される。
上記の示唆度合設定手段4322における潜確示唆度合いの設定値に基づいて、潜確示唆通知手段4314は、潜確示唆度合に応じた量の潜確示唆を周辺回路基板4140に通知し、周辺回路基板4140を通じて、音声又は映像を含む演出により、遊技者に通知して(S2617)、一連の処理を終了する(リターン)。
以上のような示唆度合設定手段4322によれば、潜確示唆手段4300が、始動口への遊技球の入賞数に応じて示唆の回数や分かり易さを変化させる示唆度合変動手段をさらに備える。この示唆度合変動手段によれば、保留数がオーバーフローしている間、始動口へ入賞すればするほど、例えば、次第に潜確の示唆の音量を大きくし、または電飾を使った演出を派手にすることで、潜確示唆が遊技者に判別し易くなる。そのため、遊技者は保留数がオーバーフローしていても、最初の入賞において潜確示唆を聞き逃した、又は「潜確示唆があったかも知れない。」という半信半疑の状態に誘導することができ、このような心理状態の遊技者は潜確示唆の確信を得るため、遊技球の発射を止めることなく、さらに始動口への入賞を狙って打ち続ける。このような演出によって、遊技者の潜確示唆への期待感をさらに向上させ、遊技を継続させるものである。これにより、店舗(ホール)は収益の拡大を図ることができる。
また、店舗(ホール)内の特定の遊技者が、潜確示唆の告知のために遊技球を多く打っていれば、その台は、他の台に比べ、潜確示唆演出が音声面や電飾面で派手になるので、店舗(ホール)内の従業員が、どの遊技者が多く打ってくれているかを一目で判別可能となり、場合によっては、ホールでの顧客サービスが行い易くなる。
(2−2)示唆時刻制御手段を有する場合
[構成]
本実施形態における潜確示唆処理は、上記の基本的な潜確示唆処理の構成に加え、さらに示唆時刻制御手段4330を備えることも可能である。なお、本項における潜確示唆処理も、示唆時刻制御手段4330以外の構成として、上述の潜確示唆処理において説明したのと同様、大当たり種別判定手段4311、保留球数確認手段4312、始動口通過確認手段4313、潜確示唆通知手段4314の各手段によって実行されるものであるが、これらの構成については、上述の説明を援用する。
示唆時刻制御手段4330は、上述の始動口通過確認手段4313によって始動口への遊技球の通過が確認された後に、現在時刻を確認し、当該時刻が予め設定された時間内である場合にのみ、潜確通知手段に、遊技者に対する潜確示唆の通知を依頼するものである。
より具体的には、図262に示すように、示唆時刻制御手段4330は、現在時刻情報を外部に設けられた時計機能を有する計時器Wから取得する時刻取得手段4331と、この取得された現在時刻に基づいて、当該時刻が潜確示唆を行うのに適した時刻であるか否かを判定する示唆時刻判定手段4332とからなる。なお、本実施形態において、計時器Wは、時計機能を有することとしているが、遊技機自体に既存の時計機能がない場合には、例えば、「電源投入後何時間」等、計時機能さえ備えていれば、潜確示唆の開始制御を、時刻設定ではなく経過時間設定にて行うことも可能である。
[処理の流れ・効果]
以上のような構成からなる示唆時刻制御手段4330の処理の流れを図263のフローチャートを参照して説明する。示唆時刻制御手段4330の処理において、S2634の始動口における遊技球の通過の有無を検出するまでの処理は、上述した基本的な処理の流れと同様であるので、以下では、当該処理以降の処理について詳しく説明する。
示唆時刻制御手段4330においては、時刻取得手段4331が、主制御基板4100の外部に設けられた計時器Wから現在時刻を取得する(S2635)。次に、時刻判定手段が、この現在時刻が、予め設定された潜確示唆を発する時間内にあるか否かを確認する(S2636)。
現在時刻が潜確示唆可能時間でない場合は(S2636のNO)、潜確示唆の通知をせず処理を終了する(S2637)。一方、現在時刻が潜確示唆可能な時間である場合は(2636のYES)、潜確モードにあることを遊技者に通知して(S2638)、処理を終了する(リターン)。
ここで、予め設定される潜確示唆を発する時間とは、原則として、現在の遊技状態が潜確モードではなく小当たりモードであることを遊技者が把握してしまうと、遊技を継続しないであろう時刻や時間帯のことをいい、より具体的には、例えば、パチンコ店の開店から2時間程度の時間と、閉店まで2時間程度の時間など、開店後と閉店前の所定時間のことをいう。
以上のような示唆時刻制御手段4330によれば、ある特定の時間帯だけ、オーバーフロー状態における潜確示唆を行うようにすることで、潜確を狙って開店時に来る遊技者を多く取り込むことができるようになる。
また、遊技者は、大当たり確率の低い小当り状態なのか、大当たり確率の高い潜確状態なのか判別できない場合、遊技の止め時(引き際)が分からない。このことによる遊技者の精神的ストレスの度合いは時間帯によって異なる。例えば、ホールの閉店時刻(例えば23時)前1時間頃(例えば22時頃)から小当りなのか潜確なのか分からない状態になった場合、閉店時刻(23時)まで打ち続けるべきかどうか判断に困ることになる。このような時間帯における遊技者の精神的ストレスは、たとえばホールの開店間もない時間から打ち始め、残り時間が十分にある場合と比較して遙かに大きい。
そこで、本実施形態の示唆時刻設定手段では、時間帯によって潜確示唆の有無を変えることが可能となる。したがって、例えば、閉店時刻(23時)前15分頃(22時45分頃)から潜確示唆を発生させなどの設定が可能となる。これにより、遊技者としては、遊技の止め時(引き際)の判断がしやすくなるため、精神的ストレスが緩和される。また、ホール側としては、遊技者の精神的ストレスが緩和されることにより、遊技者一人当たりの遊技継続時間が長くなり、ホールの収益増大につながる。
(2−3)潜確示唆制限手段を有する場合
[構成]
本実施形態における潜確示唆処理は、上記の構成に加え、潜確示唆制限手段4340を備えることも可能である。例えば、歌手とタイアップした遊技機において、演出として当該歌手のヒット曲等が一曲流れる設定を有する機種が存在する。この潜確示唆制限手段4340は、このような場合に、当該曲の流れている間など、他の演出が行われている場合に、その演出が終了するまで、潜確示唆を行わないようにする手段である。
より具体的な構成として、この潜確示唆制限手段4340は、図263に示すように、演出実行確認手段4341と、通過球数累積手段4342と、示唆通知制御手段4343とを有する。演出実行確認手段4341は、コマンド生成手段4238にアクセスして、周辺回路基板4140を通じて、液晶表示装置1400等において、他のリーチ演出や大当たり演出が実行されているか否かを確認するものである。
また、通過球数累積手段4342は、始動口通過確認手段4313における始動口の遊技球の通過を受けて、この通過数を累積的にカウントし、潜確示唆条件の充足数として記憶する手段である。
示唆通知制御手段4343は、通過球数累積手段4342により記憶された累積数の入力を受け、この累積数を潜確示唆の回数として、この回数分、潜確示唆を数回に分けて行う手段である。
[処理の流れ・効果]
以上のような構成からなる潜確示唆制限手段4340の処理の流れを図265のフローチャートを参照して説明する。なお、潜確示唆制限手段4340の処理において、始動口における遊技球の通過の有無を検出するまでの処理(S2651〜S2653)は、上述した基本的な処理の流れと同様であるので、以下では、当該処理以降の処理について詳しく説明する。
演出実行確認手段4341が、コマンド生成手段4238にアクセスして、周辺回路基板4140を通じて、液晶表示装置1400等において、他のリーチ演出や大当たり演出が実行されているか否かを確認する(S2655)。この演出実行確認手段4341は、例えば、遊技機とタイアップした歌手のヒット曲などが現在流れているかなど、他の演出が行われているか否かを確認するものである。
潜確示唆を制限すべき演出が実行中の場合には(S2654のYES)、通過球数累積手段4342が、通過球数を累積的にカウントするとともに、S2652に戻ってS2652〜S2654の処理を繰り返す。
一方、潜確示唆を制限すべき演出が実行中でない場合は(S2654のNO)、示唆制御手段は、通過球数累積手段4342により記憶された累積数を読み出し(S2655)、潜確示唆通知手段4314によって行われる潜確示唆通知が、この累積回数分行われるように、潜確示唆通知手段4314を制御する(S2656)。これに基づき、潜確示唆通知手段4314は、この累積数を潜確示唆の数として、この回数分、潜確示唆を数回に分けて行う(S2657)。その後、処理を終了する(リターン)。
以上のような本実施形態の潜確示唆制限手段4340によれば、例えば、歌パチなどのリーチ中に歌が流れる機種において、遊技者が、リーチ中に歌を楽しんでいるにも関わらず、歌の途中に鳴る示唆音は邪魔である。この点、本実施形態によれば、潜確示唆制限手段4340により、歌が流れている間は示唆音の出力処理を中断する。その間、始動口への入賞数をカウントしておき、歌が終了した後(リーチ演出終了後)、カウント値分の示唆音の出力処理を再開する。このような潜確示唆制限手段4340により、遊技者は、リーチ中に流れる歌を楽しみながら、遊技を続行することができる。
(2−4)潜確制限設定受付手段を有する場合
本実施形態における潜確示唆処理は、図254に示した潜確示唆制限手段4340を有する構成に加え、さらに潜確制限受付手段を備えることも可能である。
この潜確制限設定受付手段4350は、図256に示すように、上述した他の演出が実行中の場合には、潜確を行わないようにする潜確示唆制限手段4340のオンオフを遊技者により設定可能とするものである。なお、この示唆制限受付は、図231において示すブロックにおいて、例えば、メインボタンセンサ376又はサブボタンセンサ377からの入力を副ドロワ中継基板1008、ランプ駆動基板4160、周辺基板4010を介して受け付けるものである。
以上のような潜確制限設定受付手段4350の処理について、図267を参照して説明する。潜確制限設定受付手段4350は、潜確示唆制限手段4300のS2674において、示唆制限機能の設定の有無を確認する処理と、この示唆制限機能の設定の有無を確認した結果、設定されていない場合(S2674のNO)に、そのままS2676〜2679の処理(潜確示唆制限手段4300の項において説明した処理)を経ずにS2670において潜確モードにあることを遊技者に通知する機能が付加されたものである。
すなわち、S2673において、始動口において遊技球の通過が検知された場合(S2673のYES)に、示唆制限機能の設定があるか、つまり、潜確示唆を他の演出の実行中は行わない旨の設定がされているかを確認し(S2674)、設定されていない場合(S2674のNO)には、潜確通知手段を介して、現在の遊技状態が潜確モードであることを通知制御するものである(S2670)。
以上のような本実施形態の潜確制限設定受付手段4350によれば、その制限の要否を遊技者からの入力によって受け付ける。これにより、例えば、歌パチにおける歌にそれほど興味がない遊技者は、制限機能を解除する設定を行うことにより、歌の終わりを待たずにいち早く潜確示唆の有無を知ることができるようになる。
[6.演出表示の具体例]
[外部通常遊技状態Aでの演出例]
続いて、外部通常遊技状態Aにおいて、液晶表示装置1400の表示画面1400Xで行われる演出の例について説明する。この演出例は、遊技状態が外部通常遊技状態Aである際に、停止状態の複数の装飾図柄のそれぞれが変動を開始し、リーチ状態を形成するか否かを表す煽り演出を行い、リーチ状態を形成するリーチ形成演出を実行し、さらに、リーチ後演出を実行後、最終的に複数の装飾図柄を用いて大当たり図柄配列を形成(表示)するまでの演出を表している。この演出例を、以下では、リーチ大当たり演出とも呼ぶ。ここで、「リーチ状態」とは、複数の装飾図柄で成る大当たり図柄配列が形成された状態から一部の装飾図柄が欠けた(変動中である)状態であり、大当たり図柄配列が形成される一歩手前の状態をいう。例えば、大当たり図柄配列を数字の「7」を表す3つの装飾図柄を用いて表す場合(大当たり図柄配列が「777」である場合)において、リーチ状態とは、例えば、「7↓7」のような状態である。ここで、「↓」は、装飾図柄が変動中であることを表している。また、大当たり図柄配列が表示されるのは、複数種類の大当たりA〜Fのうちの任意の大当たりに当選した場合であってもよく、その代わりに、特定の一部の大当たりに当選した場合であってもよい。例えば、長開放大当たり遊技が行われる大当たりA、B、Fに当選した場合に限って、大当たり図柄配列を表示することとしてもよい。このような演出の振り分けは、上述の変動パターンテーブルの振り分け(図244)によって、定められて良い。なお、外部通常遊技状態Aは、受入抑制低確率モードに相当する。
リーチ大当たり演出:
周辺制御MPU4140aは、遊技状態が外部通常遊技状態Aの場合において、主制御MPU4100aから送信されてくる変動パターンが大当たりの際の変動パターン(以下では、大当たり変動パターンとも呼ぶ。図249等参照)である場合に、特定の変動パターンに基づいて、リーチ大当たり演出を含む一つの演出表示パターン(以下では、リーチ大当たり演出表示パターンとも呼ぶ)を決定(選択)し得る。
そして、周辺制御MPU4140aは、決定したリーチ大当たり演出表示パターンに基づいて、液晶表示装置1400を制御し、表示画面1400Xで、リーチ大当たり演出を実行する。
図268〜図273は、リーチ大当たり演出を説明するための図である。各図268〜図273は、それぞれ、表示画面1400Xに表示される画像(フレーム画像)を表している。図268〜図273に示すフレーム画像を順番に見ることによって、このリーチ大当たり演出の概要を把握することができる。
リーチ大当たり演出では、図268に示すように、表示画面1400Xにおいて、左図柄列1153a、中図柄列1153b、および、右図柄列1153cで装飾図柄が停止している状態から、図269に示すように、左図柄列1153a、中図柄列1153b、および、右図柄列1153cのそれぞれで装飾図柄が高速に変動開始される。なお、本実施形態では、数字「X」を表す装飾図柄を、装飾図柄FXとして表記する。例えば、数字の「1」を表す装飾図柄を、装飾図柄F1とする。図268では、左図柄列1153a、中図柄列1153b、および、右図柄列1153cにおいて、それぞれ、装飾図柄F6、装飾図柄F8、装飾図柄F5が示されている。また、図269に示すように、以下では、左図柄列1153a、中図柄列1153b、および、右図柄列1153cにおいて、装飾図柄が高速変動中である場合には、高速変動中であることを、変動方向を表す矢印(例えば、「↓」)で示すようにしている。
続いて、表示画面1400Xにおいて、煽り演出が実行される。例えば、図270に示すように、左図柄列1153aにおいて、装飾図柄を上方向に低速変動させつつ、右図柄列1153cにおいて、装飾図柄を下方向に低速変動させて、左図柄列1153aの装飾図柄と右図柄列1153cの装飾図柄とがすれ違うような演出が実行される。この場合、中図柄列1153bでは、装飾図柄が高速変動されている(図示省略)。なお、本実施形態において、煽り演出は、図柄がすれ違う演出に限られるものではなく、リーチ状態を形成するか否かを導出する種々の演出を採用可能である。例えば、装飾図柄を変動させて停止させる態様を繰り返す擬似変動演出などを煽り演出として採用することもできる。図260では、煽り演出中において、演出を盛り上げるためにメインキャラクターCHAが表示されている。
次に、表示画面1400Xにおいて、リーチ状態を形成するリーチ形成演出が実行される。例えば、図271に示すように、左図柄列1153aおよび右図柄列1153cにおいて、同じ装飾図柄(図の例では、装飾図柄F4)を停止表示させ、「REACH」の文字を示すタイトルTL1を表示させる。なお、この場合、装飾図柄F4でリーチ状態が形成されていることになる。
続いて、表示画面1400Xにおいて、リーチ後演出が実行される。具体的には、図262に示すように、複数の装飾図柄を表示画面1400X上で回転させるように表示させて、リーチ状態を形成する装飾図柄F4が、中図柄列1153bに停止するか否かを強調する演出が実行される。なお、本実施形態において、リーチ後演出は、これに限られるものではなく、他の種々の演出を適用可能である。例えば、特定の物語風に進行するストーリー演出などをリーチ後演出として適用することもできる。
そして、表示画面1400Xにおいて、リーチ後演出を実行した後、図273に示すように、最終的に、大当たり図柄配列が表示される。図273の例では、左図柄列1153a、中図柄列1153b、および、右図柄列1153cにおいて、それぞれ、装飾図柄F4を表示させることで、大当たり図柄配列「444」が停止表示されている。
なお、上記リーチ大当たり演出は、大当たりの際の演出例であるが、遊技状態が外部通常遊技状態Aである場合において、特別抽選結果が大当たりではなくはずれの場合に、上記リーチ大当たり演出で説明した煽り演出、リーチ形成演出、および、リーチ後演出を実行後、はずれ図柄配列を停止表示する演出を実行する場合がある。
このように、外部通常遊技状態Aでの演出例としては、特別抽選結果が大当たりであるのか否かを図柄を利用して示唆する演出が行われ得る。遊技者は、どのような図柄が停止表示されるかに関心を持って、演出を享受する。
[外部有利遊技状態Aでの演出例]
続いて、液晶表示装置1400の表示画面1400Xで行われる外部有利遊技状態Aにおける演出の例について説明する。この演出例は、遊技状態が外部有利遊技状態Aの際に、演出(楽曲)が最後まで進行(達成)すると大当たりとなり、演出(楽曲)が途中で終了してしまうとはずれとなる演出を表している。この演出例を、以下では、達成演出とも呼ぶ。この達成演出では、リーチ大当たり演出のように、リーチ状態を形成することはない。この外部有利遊技状態Aは、受入促進低確率モードに相当する。まず、達成演出のうち、大当たりとなる演出(以下では、大当たり達成演出とも呼ぶ)を説明し、続いて、達成演出のうち、はずれとなる演出(以下では、はずれ達成演出とも呼ぶ)を説明する。なお、大当たり達成演出が実現されるのは、複数種類の大当たりA〜Fのうちの任意の大当たりに当選した場合であってもよく、その代わりに、特定の一部の大当たりに当選した場合であってもよい。例えば、長開放大当たり遊技が行われる大当たりA、B、Fに当選した場合に限って、大当たり達成演出が実現されてもよい。このような演出の振り分けは、上述の変動パターンテーブルの振り分け(図244)によって、定められて良い。
大当たり達成演出:
周辺制御MPU4140aは、遊技状態が外部有利遊技状態Aの場合において、主制御MPU4100aから送信されてくる変動パターンが大当たり変動パターン(図249等参照)のうちの特定の変動パターンである場合には、当該変動パターンに基づいて、大当たり達成演出を含む一つの演出表示パターン(以下では、大当たり達成演出表示パターンとも呼ぶ)を決定(選択)し得る。
そして、周辺制御MPU4140aは、決定した大当たり達成演出表示パターンに基づいて、液晶表示装置1400を制御し、表示画面1400Xで、大当たり達成演出を実行する。
図274〜図284は、大当たり達成演出を説明するための図である。各図274〜図274は、それぞれ、表示画面1400Xに表示される画像(フレーム画像)を表している。図274〜図284に示すフレーム画像を順番に見ることによって、この大当たり達成演出の概要を把握することができる。
大当たり達成演出では、まず、上記リーチ大当たり演出同様に、表示画面1400Xにおいて、左図柄列1153a、中図柄列1153b、および、右図柄列1153cで装飾図柄が停止している状態から、図269に示すように、左図柄列1153a、中図柄列1153b、および、右図柄列1153cのそれぞれで装飾図柄が高速に変動開始される。その後、表示画面1400Xにおいて、図274に示すように、左扉画像TA1と右扉画像TA2とが閉じた状態を表す扉画像TAが表示される。
次に、図275に示すように、表示画面1400Xにおいて、左扉画像TA1が左方向に移動し、右扉画像TA2が右方向に移動して(すなわち、扉画像TAが開いて)、タイトルTL2が表示される。タイトルTL2は、「歌って歌って歌い続けろ!」と表され、この大当たり達成演出が、最後まで進行すれば、良いことがあること(すなわち、大当たりとなること)を示唆している。実際に、この大当たり達成演出では、この後、メインキャラクターCHAが特定の歌(以下では、歌MNとも呼ぶ)を歌い続ければ(扉画像が閉まっては消える動作を、4回繰り返すことができれば)、大当たり図柄配列が表示されて大当たりとなり、メインキャラクターCHAが歌い続けることができなければ(扉画像が閉まっては消える動作を、4回繰り返すことができず、途中で終了すれば)、はずれ図柄配列が表示されてはずれとなる。これについて、以下に詳細を説明する。
続いて、図276に示すように、表示画面1400Xにおいて、メインキャラクターCHAが登場する様子を表示し、画面右上に、カウントCUT1が表示される。このカウントCUT1は、この達成演出が最後まで進行するまで、すなわち、大当たりとなるまでに、閉まる扉画像の残り枚数を表している。図276では、残り4枚となっている。遊技者は、このカウント数を見て、達成演出の進行度合いを知ることができる。すなわち、カウントCUT1は、扉画像の残り枚数が4枚なので、これを見た遊技者は、演出の進行の度合い(達成演出の最後までどの位残っているか)を知ることができる。また、この際、周辺制御MPU4140aは、スピーカ121から、歌MNの序奏部分に対応する楽曲を流している。
次に、図277に示すように、表示画面1400Xにおいて、左扉画像TA1が右に移動し右扉画像TA2が左に移動することで閉じた扉画像TAが表示される。ここで、大当たり達成演出においては、メインキャラクターCHAが扉画像TAよりも遊技者から見て手前側に位置するように表示される。これは、楽曲(演出)の進行が継続されることを表している。また、画面下には、歌MNの歌詞KASが表示される。画面右上には、カウントCUT1に代えてカウントCUT2が表示される。このカウントCUT2は、扉画像の残り枚数が3枚となったことを表している。このカウントCUT2を観察した遊技者は、達成演出が進行していることを知ることできる。この際、スピーカ121から、歌MNにおける歌詞KASに対応する楽曲が流されている。なお、歌詞KASの内容は、楽曲の進行に応じて、順次更新される(後述する他の図においても同様)。
続いて、図278に示すように、表示画面1400Xにおいて、左扉画像TA1および右扉画像TA2が消去され、新たな扉画像TB(左扉画像TB1および右扉画像TB2)が表示される。また、継続して、画面右上にカウントCUT2が、画面下に歌詞KASがそれぞれ表示されており、さらに、スピーカ121からは、歌MNにおける歌詞KASに対応する楽曲が流されている。
次に、図279に示すように、表示画面1400Xにおいて、左扉画像TB1が右に移動し右扉画像TB2が左に移動することで閉じた扉画像TBが表示される。メインキャラクターCHAは扉画像TBよりも遊技者から見て手前側に位置するように表示される。これは、楽曲(演出)の進行が継続されることを表している。また、画面右上には、カウントCUT2に代えてカウントCUT3が表示される。このカウントCUT3は、扉画像の残り枚数が2枚となったことを表している。このカウントCUT3を観察した遊技者は、この達成演出が終わり一歩近づいたことを知ることができる。また、継続して、画面下に歌詞KASが表示されており、さらに、スピーカ121から歌MNにおける歌詞KASに対応する楽曲が流されている。
続いて、図280に示すように、表示画面1400Xにおいて、左扉画像TB1および右扉画像TB2が消去され、新たな扉画像TC(左扉画像TC1および右扉画像TC2)が表示される。また、継続して、画面右上にカウントCUT3が、画面下に歌詞KASがそれぞれ表示されており、さらに、スピーカ121から歌MNにおける歌詞KASに対応する楽曲が流されている。
次に、図281に示すように、表示画面1400Xにおいて、左扉画像TC1と右扉画像TC2とが閉まって閉じた扉画像TCが形成されると共に、メインキャラクターCHAが扉画像TCよりも遊技者から見て手前側に位置するように表示され、さらに、画面右上に、カウントCUT3に代えてカウントCUT4が表示される。このカウントCUT4は、扉画像の残り枚数が1枚となったことを表している。従って、遊技者は、この達成演出がクライマックスに近づいていることを知ることができる。また、継続して、画面下に歌詞KASが表示されており、さらに、スピーカ121から歌MNにおける歌詞KASに対応する楽曲が流されている。
続いて、図282に示すように、表示画面1400Xにおいて、左扉画像TC1および右扉画像TC2が消去され、新たな左扉画像TD1および右扉画像TD2が表示される。また、継続して、画面右上にCUT4が、画面下に歌詞KASがそれぞれ表示されており、さらに、スピーカ121から歌MNにおける歌詞KASに対応する楽曲が流されている。
次に、図283に示すように、表示画面1400Xにおいて、左扉画像TD1が右に移動し右扉画像TD2が左に移動することで閉じた扉画像TDが表示され、メインキャラクターCHAが扉画像TDよりも遊技者から見て手前側に位置するように表示され、さらに、画面右上に、カウントCUT4に代えてタイトルTL3が表示される。このタイトルTL3は、「完走」と示され、扉画像の残り枚数がなくなり、この達成演出が最後まで進行したことを表している。従って、遊技者は、この達成演出が最後まで進行したことを知ることができる。また、スピーカ121からは、歌MNの最終部分に対応する楽曲が流されている。
そして、図284に示すように、表示画面1400Xにおいて、最終的に、大当たり図柄配列が表示される。図284の例では、左図柄列1153a、中図柄列1153b、および、右図柄列1153cにおいて、それぞれ、装飾図柄F4を表示させることで、大当たり図柄配列「444」を表示されている。
はずれ達成演出:
続いて、達成演出のうち、はずれ達成演出を説明する。周辺制御MPU4140aは、遊技状態が外部有利遊技状態Aの場合において、主制御MPU4100aから送信されてくる変動パターンがはずれ変動パターン(図251等参照)のうちの特定の変動パターンである場合には、当該変動パターンに基づいて、はずれ達成演出を含む一つの演出表示パターン(以下では、はずれ達成演出表示パターンとも呼ぶ)を決定(選択)し得る。
そして、周辺制御MPU4140aは、決定したはずれ達成演出表示パターンに基づいて、液晶表示装置1400を制御し、表示画面1400Xで、このはずれ達成演出を実行する。
このはずれ達成演出では、上記大当たり達成演出における上記図277のシーン、図269のシーン、図281のシーン、または、図283のシーンのいずれかのシーンにおいて、上記大当たり達成演出とは異なり、表示画面1400Xにおいて、左扉画像が右に移動し右扉画像が左に移動することで扉画像が閉まった後に、メインキャラクターCHAが扉画像によって隠蔽されたる様子が表示され(遊技者から見ればメインキャラクターCHAが扉画像の向こう側に隠れたように表示され)、その後、はずれ図柄配列が表示される。このようにはずれ達成演出では、大当たり達成演出のように、メインキャラクターCHAが歌MNを歌い終わることはなく、メインキャラクターCHAが歌MNを歌い終わる前に演出を終了させるようになっている。なお、はずれ達成演出では、上述のように大当たり達成演出と異なる演出を行うまでは、大当たり達成演出と同内容の演出が行われれる。
このように、達成演出では、楽曲が最後まで進行するか否かによって、大当たりか否がが示唆される。遊技者は、特別抽選結果が大当たりか否かを把握するために、楽曲が途中で終了するのか、それとも、最後まで進行するのかを注意深く聴くことによって、演出を楽しむことができる。
[外部有利遊技状態Bでの演出例]
続いて、液晶表示装置1400の表示画面1400Xで行われる外部有利遊技状態Bにおける演出の例について説明する。この演出例は、遊技状態が外部有利遊技状態Bの際に、外部有利遊技状態Bから外部有利遊技状態Aに変更されるのか、それとも、外部有利遊技状態Bが継続されるのかのいずれかを導出しようとする様子を表す演出であり、言い換えれば、大当たりした場合における大当たり種別を示唆する演出であるモード導出演出を実行後、外部有利遊技状態Bから外部有利遊技状態Aに変更されるのか、それとも、外部有利遊技状態Bが継続されるのかを報知する演出を表している。この演出例を、以下では、確変継続判定演出とも呼ぶ。この確変継続判定演出では、リーチ大当たり演出のように、リーチ状態を形成することはない。外部有利遊技状態Bは、「高確率モード」または「受入促進高確率モード」に相当する。まず、確変継続判定演出のうち、外部有利遊技状態Bから外部有利遊技状態Aに変更されることを報知する演出(以下では、確変継続判定演出Aとも呼ぶ)を説明し、次に、確変継続判定演出のうち、外部有利遊技状態Bが継続されることを報知する演出(以下では、確変継続判定演出Bとも呼ぶ)を説明する。なお、確変継続判定演出B(確変機能が継続)が実現されるのは、確変機能が継続する複数種類の大当たりA、C、D、E、Fのうちの任意の大当たりに当選した場合であってもよく、その代わりに、特定の一部の大当たりに当選した場合であってもよい。例えば、本実施形態では、大当たりAに当選した場合には、確変継続判定演出B(確変機能が継続)が実現され得る。大当たりBに当選した場合には、確変継続判定演出A(確変機能が停止)が実現され得る。大当たりFに当選した場合には、確変機能が継続するものの、見た目の演出を大当たりBと同じにするために、確変継続判定演出Aが実現され得る。大当たりC、D、Eのいずれかに当選した場合には、確変継続判定演出とは異なる演出が実現される(図示省略)。このような演出の振り分けは、上述の変動パターンテーブルの振り分け(図244)によって、定められて良い。
確変継続判定演出A:
周辺制御MPU4140aは、遊技状態が外部有利遊技状態Bの場合において、主制御MPU4100aから送信されてくる変動パターンが大当たり変動パターンのうちの特定の変動パターンである場合(主制御MPU4100aから送信されてくる大当たり種別情報が、大当たりBまたは大当たりFである場合)に、これらの情報に基づいて、確変継続判定演出Aを含む一つの演出表示パターン(以下では、確変継続判定演出A表示パターンとも呼ぶ)を決定(選択)し得る。
そして、周辺制御MPU4140aは、決定した確変継続判定演出A表示パターンに基づいて、液晶表示装置1400を制御し、表示画面1400Xで、この確変継続判定演出Aを実行する。
図285〜図289は、確変継続判定演出Aを説明するための図である。各図285〜図289は、それぞれ、表示画面1400Xに表示される画像(フレーム画像)を表している。図285〜図289に示すフレーム画像を順番に見ることによって、この確変継続判定演出Aの概要を把握することができる。
確変継続判定演出Aでは、まず、図285に示すように、表示画面1400Xにおいて、画面下に位置する左図柄列1153a、中図柄列1153b、および、右図柄列1153cで装飾図柄が停止している状態から、左図柄列1153a、中図柄列1153b、および、右図柄列1153cのそれぞれで装飾図柄が高速で変動開始される。また、この際、図285に示すように、表示画面1400Xにおいて、複数のパネル画像PNLから成るパネル画像群PNLGが表示されている。
次に、図286に示すように、表示画面1400Xにおいて、パネル画像群PNLGにおける隅に位置する4つのパネル画像PNLに、赤色を基調とした赤色画像、若しくは、青色を基調とした青色画像を表示させる。図286の表示例では、パネル画像群PNLGの右上隅と左下隅との2枚のパネル画像PNLが青色画像を表し、パネル画像群PNLGの左上隅と右下隅との2枚のパネル画像PNLが赤色画像を表している。赤色画像には、外部有利遊技状態Bの継続を示唆する数字が示され、青色画像には、外部有利遊技状態Bから外部有利遊技状態Aに変更されることを示唆する数字が示されている。例えば、図276の例では、赤色画像には、外部有利遊技状態Bの継続を示唆する数字「5」が示されており、青色画像には、外部有利遊技状態Bから外部有利遊技状態Aに変更されることを示唆する数字「4」が示されている。なお、この際、図286に示すように、左図柄列1153a、中図柄列1153b、および、右図柄列1153cは、高速変動している。
続いて、図287に示すように、表示画面1400Xにおいて、赤色画像を表すパネル画像PNLの総数と青色画像を表すパネル画像PNLの総数との少なくとも一方が変化(ここでは、増加)する。図287の表示例では、パネル画像群PNLGの右上隅の3枚と左下隅の3枚との6枚のパネル画像PNLが青色画像を表し、右下隅の3枚のパネル画像PNLが赤色画像を表している。このように、青色画像を表すパネル画像PNLの総数を赤色画像を表すパネル画像PNLの総数よりも多くする(青色画像を表す面積を赤色画像を表す面積よりも広くする)ことによって、外部有利遊技状態Bから外部有利遊技状態Aに変更される可能性が高いことを示唆することができる。なお、図286のシーンで赤色画像を表していた左上隅のパネル画像PNLでは、赤色画像が消去されている。また、図277に示すように、左図柄列1153a、中図柄列1153b、および、右図柄列1153cは、継続して、高速変動している。
次に、図288に示すように、表示画面1400Xにおいて、パネル画像群PNLGにおけるすべてのパネル画像PNLに、赤色画像、若しくは、青色画像が表示される。図278の表示例では、パネル画像群PNLGにおいて、下側の各パネル画像PNLに赤色画像が、上側の各パネル画像PNLに青色画像が、それぞれ表示されている。また、青色画像を表すパネル画像PNLの総数は、赤色画像を表すパネル画像PNLの総数よりも、多い。このように、パネル画像群PNLGにおいて、青色画像と赤色画像とを、表示画面1400Xの一方側と他方側(ここでは、上側と下側)とに振り分けることによって、赤色画像の数と青色画像の数とのどちらが多いかを分かり易くしている。また、図288に示すように、左図柄列1153a、中図柄列1153b、および、右図柄列1153cは、継続して、高速変動している。
以上説明した、図285のシーンから図288のシーンまでの演出が、上述したモード導出演出に相当する。モード導出演出に続けて、図289に示すように、表示画面1400Xにおいて、最終的に、確変を表す図柄とは異なる図柄(通常図柄とも呼ばれる)を用いた大当たり図柄配列が表示される。図289の例では、左図柄列1153a、中図柄列1153b、および、右図柄列1153cにおいて、それぞれ、装飾図柄F4を表示させることで、確変ではない大当たりを表す大当たり図柄配列「444」が表示されている。なお、上述したように、大当たりFに当選している場合には、大当たり遊技の終了後に確変機能が作動するにも拘わらずに、演出は、確変機能が作動しない大当たりBに当選した場合と同様に進行する。
確変継続判定演出B:
続いて、確変継続判定演出のうち、確変継続判定演出Bについて説明する。周辺制御MPU4140aは、遊技状態が外部有利遊技状態Bの場合において、主制御MPU4100aから送信されてくる変動パターンが大当たり変動パターンのうちの特定の変動パターンである場合(主制御MPU4100aから送信されてくる大当たり種別情報が、大当たりAである場合)に、これらの情報に基づいて、確変継続判定演出Bを含む一つの演出表示パターン(以下では、確変継続判定演出B表示パターンとも呼ぶ)を決定(選択)し得る。
そして、周辺制御MPU4140aは、決定した確変継続判定演出B表示パターンに基づいて、液晶表示装置1400を制御し、表示画面1400Xで、この確変継続判定演出Bを実行する。
この確変継続判定演出Bでは、上記確変継続判定演出Aにおける上記図288のシーンにおいて、上記確変継続判定演出Aとは異なり、赤色画像を表すパネル画像PNLの総数が、青色画像を表すパネル画像PNLの総数よりも、多い(図示省略)。図285のシーンから、この図288に相当するシーンまでの演出は、モード導出演出に相当する。モード導出演出に続けて、確変を表す図柄を用いた大当たり図柄配列(例えば、「555」)が表示される。
このように、確変継続判定演出(モード導出演出)では、色を利用することによって、外部有利遊技状態Bが継続されるか否かを、示唆している。具体的には、第1の色(ここでは、赤色)が、外部有利遊技状態Bの継続を表し、第2の色(ここでは、青色)が、外部有利遊技状態Bが継続しないことを表している。そして、第1の色と第2の色とのどちらが優勢であるかを表示することによって、外部有利遊技状態Bが継続するか否かを示唆している。遊技者は、外部有利遊技状態Bが継続するか否かを把握するために、優勢な色が何色であるのかを注意深く観察することによって、演出を楽しむことができる。なお、第1色と第2色とのどちらが優勢であるかを表現する方法としては、種々の方法を採用可能である。例えば、各色を表す領域(例えば、パネル画像PNL)の総数を利用してもよく、また、各色を表す領域の面積を利用してもよい。
なお、周辺制御MPU4140aは、遊技状態が外部有利遊技状態Bの場合において、大当たり種別情報が大当たりAである場合にも、図288に示すように、青色画像を表すパネル画像PNLの総数が赤色画像を表すパネル画像PNLの総数よりも多い表示(演出)を実現し得る。一方、遊技状態が外部有利遊技状態Bの場合において、大当たり種別情報が大当たりBあるいは大当たりFである場合にも、赤色画像を表すパネル画像PNLの総数が青色画像を表すパネル画像PNLの総数よりも多い表示(演出)を実現し得る。ただし、周辺制御MPU4140aは、赤色画像を表すパネル画像PNLの総数が青色画像を表すパネル画像PNLの総数よりも多い表示(演出)が実現された場合には、赤色画像を表すパネル画像PNLの総数が青色画像を表すパネル画像PNLの総数よりも少ない表示(演出)が実現された場合と比べて、外部有利遊技状態Bが継続される確率が高くなるように、演出表示パターンを決定(選択)する。その結果、このモード導出演出では、赤色画像を表すパネル画像PNLの割合(総数)によって、外部有利遊技状態Bが継続される可能性の高さ(期待度)を示唆することができる。例えば、赤色画像を表すパネル画像PNLの数が青色画像を表すパネル画像PNLの数よりも多い場合には、赤色画像を表すパネル画像PNLの数が青色画像を表すパネル画像PNLの数よりも少ない場合と比べて、外部有利遊技状態Bが継続される確率が高いことを示唆することができる。
また、周辺制御MPU4140aは、図288に示す段階に限らず、図285〜図278に示すようにモード導出演出の進行の過程において、赤色画像を表すパネル画像PNLの割合(総数)を変化させている。これにより、外部有利遊技状態Bが継続される確率(示唆される確率)が複数回に亘って変更されるので、遊技者の演出に対する興味を持続することができる。ここで、外部有利遊技状態Bが継続される確率(示唆される確率)が、一旦下がった後に、再び高くなってもよい。
なお、周辺制御MPU4140aは、遊技状態が外部有利遊技状態Bの場合において、主制御MPU4100aから送信されてくる変動パターンがはずれ変動パターンのうちの特定の変動パターンである場合に、上記確変継続判定演出の途中までと似た演出を行った後、はずれ図柄配列を表示する演出表示パターンを決定し、それを実行する場合がある。このようにすれば、モード導出演出で、パネル画像群PNLGにおいて外部有利遊技状態Bの継続が危ぶまれる青色画像を表すパネル画像PNLが多い場合であっても、続く演出ではずれが報知されれば、外部有利遊技状態Bを継続できる大当たりに当選する可能性を残すことが可能となる。その結果、パネル画像群PNLGにおいて青色画像を表すパネル画像PNLが多い場合であっても、遊技者が過度に落胆する可能性を低減することができる。
ところで、遊技状態が外部有利遊技状態Bである場合においては、外部通常遊技状態Aや外部有利遊技状態Aなどと比べて大当たりの当選確率が高いので、遊技者は、近い将来には大当たりとなるであろうと予想することができ、大当たりとなるか否かについては、それほど心配をせずに済む。一方、遊技状態が外部有利遊技状態Bである場合において、外部有利遊技状態Bが継続するか否かについては、どうなるか予想が容易ではない。従って、遊技者は、外部有利遊技状態Bが継続するか否か、すなわち、大当たり種別情報に高い関心を持つ。このように、遊技状態が外部有利遊技状態Bである場合においては、遊技者は、大当たりするかしないかよりも、大当たり種別情報に大きな関心をよせる。そこで、本実施形態の確変継続判定演出では、周辺制御MPU4140aは、遊技状態が外部有利遊技状態Bである場合において、主制御MPU4100aから送信されてくる変動パターンが特定の大当たり変動パターンである場合に、遊技状態が外部有利遊技状態Bから外部有利遊技状態Aへ変更されるのか、それとも、外部有利遊技状態Bが継続されるのかのいずれかを導出しようとする様子を表すモード導出演出を、装飾図柄を用いてリーチ状態を形成することなく実現するようにしている。このようにすれば、遊技状態が外部有利遊技状態Bである場合に、遊技者の関心の高い大当たり種別情報を導出しようとする様子を表す演出であるモード導出演出が実現されるので、遊技者の関心を強く惹き付けることができる。さらに、このモード導出演出を、リーチ状態を形成することなく実行しているので、高確率モードにおける演出が間延びしているように遊技者が感じることを抑制することができ、外部有利遊技状態Bにおける遊技者の興味を持続することができる。以上により、遊技者の遊技意欲の低下を抑制するような演出を実現できる。
また、上述のように、遊技状態が外部有利遊技状態Bである場合においては、遊技者は、大当たりするかしないかよりも、大当たり種別情報に大きな関心をよせる。そこで、本実施形態では、周辺制御MPU4140aは、遊技状態が外部有利遊技状態Bである場合において、主制御MPU4100aから送信されてくる変動パターンが特定の大当たり変動パターンである場合に、モード導出演出を、図柄を用いてリーチ状態を形成することなく実現し、その後、遊技状態が外部有利遊技状態Bから外部有利遊技状態Aへ変更されるのか、それとも、外部有利遊技状態Bが継続されるのかをリーチ状態を形成しないままに報知するようにしている。大当たりとなるか否かよりも大当たり種別情報に強い関心を持つ遊技者にとっては、リーチ状態を形成することは、さほど重要ではないので、遊技状態が外部有利遊技状態Bに設定されている状態においては、遊技者は、リーチ状態の形成には、興味を持ちにくい。従って、本実施形態の確変継続判定演出では、以上のように、興味が持たれにくい演出(リーチ状態の形成)が省略されて、リーチ状態を形成しないままに、外部有利遊技状態Bが継続されるのか否かが報知されるので、遊技者の興味のある部分に的を絞った演出を実現することができ、外部有利遊技状態Bにおいて演出に対する遊技者の興味を持続することができる。
上記確変継続判定演出において、モード導出演出では、大当たりか否かを表示したりせずに、遊技状態が外部有利遊技状態Bに維持される可能性の高さを示唆するようにしている。このようにすれば、遊技状態が外部有利遊技状態Bに設定されている状態で実現され得るモード導出演出として、遊技者の関心の高い大当たり種別判定の望ましい結果(外部有利遊技状態Bの維持)の可能性の高さを示唆する表示が実現されるので、外部有利遊技状態Bにおいて演出に対する遊技者の興味を持続することができる。
上記確変継続判定演出において、モード導出演出では、図285〜図288に示すように、遊技状態が外部有利遊技状態Bに維持される可能性の高さを示唆する表示を、時間の経過に応じて変更することによって、示唆される可能性の高さを複数回に亘って変更するようにしている。このようにすれば、遊技状態が外部有利遊技状態Bに設定されている状態で実現され得るモード導出演出において、一旦、遊技状態が外部有利遊技状態Bに維持される可能性の高さを示唆する表示が行われたとしても、その後に、示唆される可能性の高さが変化するので、遊技者は、モード導出演出が実現されている間は、演出に対する興味を失うことなく、演出を楽しむことができる。また、一旦、遊技状態が外部有利遊技状態Bに維持される可能性が低いことを示唆する表示が行われたとしても、その後に、示唆される可能性の高さが変化するので、モード導出演出が実現されている間は、外部有利遊技状態Bに維持される可能性が高いことを示唆する表示に変更される可能性がある。その結果、遊技者は、演出に対する興味を失うことなく、演出を楽しむことができる。このように、外部有利遊技状態Bにおいて演出に対する遊技者の興味を持続することができる。
なお、外部有利遊技状態Bが維持される期待度(可能性)を示唆する演出としては、特定の色を示す画像(ここでは、赤色画像)を表すパネル画像PNLの総数あるいは割合を期待度と対応付ける演出に限らず、種々の演出を採用可能である。例えば、特定の色を示す領域の面積を期待度と対応付ける演出を採用してもよい。
さらに、遊技状態が外部有利遊技状態Aに設定されている状態においては、可動片2105によって第二始動口2102への遊技球の受け入れが促進されているので、大当たりの当選確率は外部有利遊技状態Bより低いものの、外部通常遊技状態と比べて抽選の機会が多くなる。その結果、遊技者は、それぞれの抽選に関して、早く大当たりとなるか否かを知りたいと思うようになる。このように、遊技状態が外部有利遊技状態Aに設定されている状態においては、リーチ状態が形成されるか否かに対する遊技者の関心は低くなり、遊技者は、大当たりとなるか否かについて大きな関心をよせる。そこで、本実施形態の達成演出では、遊技状態が外部有利遊技状態Aに設定されている状態で、新たに大当たりか否かの抽選が行われた場合において、当該抽選の結果が、当選なのか、それとも、落選なのかを、リーチ状態を形成しないままに報知するようにしている。可動片2105によって可動片2105への遊技球の受け入れが促進されている状態では、リーチ状態の形成は、遊技者にとってさほど重要ではないので、遊技者は、リーチ状態の形成には、興味を持ちにくい。従って、以上のように、そのように興味が持たれにくい演出(リーチ状態の形成)が省略されて、リーチ状態を形成しないままに、大当たりとなるか否かの抽選結果(当選、それとも、落選)が報知されるので、外部有利遊技状態Aにおいて演出に対する遊技者の興味を持続することができる。また、外部有利遊技状態Aにおける演出が間延びしているように遊技者が感じることを抑制することができ、外部有利遊技状態Aにおける遊技者の興味を持続することができる。これらの結果、遊技者の遊技意欲の低下を抑制するような演出を実現できる。
本実施形態では、遊技状態が外部有利遊技状態Aである場合であって、大当たりであるか否かの抽選結果を報知する場合において、達成演出が最後まで進行するか否かによって、大当たりであるか否かの抽選結果が当選であるのか落選であるのかを報知するようにしている。このようにすれば、達成演出を体験した遊技者は、遊技状態が外部有利遊技状態Aに設定されている場合において、達成演出が出現すれば、大当たりになる可能性があることを認識することができる。従って、遊技者は、遊技状態が外部有利遊技状態Aに設定されている場合には、達成演出が出現することを心待ちにし、外部有利遊技状態Aにおける遊技者の興味を持続することができる。また、達成演出が最後まで進行されることによって、大当たりであるか否かの抽選結果が当選であることを報知するようにしている。このようにすれば、達成演出を体験した遊技者は、達成演出が出現した場合には、達成演出が最後まで進行するか否かに大きな関心をよせることになり、達成演出中における遊技者の興味を持続することができる。以上より、遊技状態が外部有利遊技状態Aに設定されている場合に、遊技者の遊技意欲の低下を抑制することができる。
また、遊技状態が外部通常遊技状態Aに設定されている状態においては、大当たりであるか否かの抽選の当選確率も低く、さらに、可動片2105による第二始動口2102への遊技球の受け入れの促進も行われないので、大当たりであるか否かの抽選の機会もそれほど多くはない。その結果、遊技者は、1つ1つの抽選に関して、大当たりであるか否かの抽選結果が当選であることを示す図柄態様の一歩手前であるリーチ状態が形成されることに、大きな関心をよせる。そこで、上記のリーチ大当たり演出では、遊技状態が外部通常遊技状態Aに設定されている状態において、図柄を用いてリーチ状態を形成するか否かを導出しようとする様子を表す煽り演出を行い、その後、リーチ状態を形成するようにしている。このようにすれば、遊技状態が外部通常遊技状態Aである状態において、遊技者が大きく関心をよせる事柄であるリーチ状態を形成する前に、図柄を用いてリーチ状態が形成されるか否かを導出しようとする様子を表す煽り演出が行われるので、遊技者は、外部通常遊技状態A中に、そのような演出が出現することを心待ちにすることができ、その結果、外部通常遊技状態Aにおける遊技者の興味を持続することができる。従って、遊技状態が外部通常遊技状態Aに設定されている場合に、遊技者の遊技意欲の低下を抑制することができる。
また、本実施形態では、以上説明したように、外部有利遊技状態B、外部有利遊技状態A、および、外部通常遊技状態Aという全く異なる遊技状態のそれぞれにおいて、遊技者の関心の高い事項(モードに応じて異なる事項)に着目した演出が実現されるので、それらの遊技状態のそれぞれにおいて、適切に、演出に対する遊技者の興味を持続することができる。
なお、本実施形態では、外部有利遊技状態Bの演出例として、パネル画像群PNLGにおいて、各パネル画像PNLに赤色画像若しくは青色画像を表示させ、どちらの色が優勢かを表現することによって、外部有利遊技状態Bが継続する可能性の高さを示唆する確変継続判定演出を行うようにしているが、そのような演出は、外部有利遊技状態Bに限られるものではない。このような演出を、外部有利遊技状態A、外部通常遊技状態A、または、外部通常遊技状態Bの演出例として用いることができる。例えば、遊技状態が外部有利遊技状態Aである場合において、パネル画像群PNLGにおける各パネル画像PNLに赤色画像若しくは青色画像を表示させ、赤色の優勢度合いを表現することによって、大当たりである可能性の高さを示唆するようにしてもよい。なお、演出に利用される色は、赤色と青色に限らず、任意の色を採用可能である。
また、外部有利遊技状態Aの演出例として、演出が最後まで進行(達成)すると大当たりとなり、演出が途中で終了してしまうとはずれとなる演出、すなわち、メインキャラクターCHAが歌MNを歌い続ければ(扉画像が閉まっては消える動作を、4回繰り返すことができれば)、大当たりとなり、メインキャラクターCHAが歌い続けることができなければ(扉画像が閉まっては消える動作を、4回繰り返すことができず、途中で終了すれば)、はずれとなる達成演出を行うようにしているが、そのような演出は、外部有利遊技状態Aに限られるものではない。このような演出を、外部通常遊技状態A、外部通常遊技状態B、または、外部有利遊技状態Bの演出例として用いることができる。例えば、遊技状態が外部有利遊技状態Bである場合において、演出(楽曲)が最後まで進行(達成)すると外部有利遊技状態Bの継続が確定となり、演出(楽曲)が途中で終了してしまうと遊技状態が外部有利遊技状態Bから外部有利遊技状態Aへ移行となる、すなわち、メインキャラクターCHAが歌MNを歌い続ければ(扉画像が閉まっては消える動作を、4回繰り返すことができれば)、外部有利遊技状態Bの継続が確定となり、メインキャラクターCHAが歌い続けることができなければ(扉画像が閉まっては消える動作を、4回繰り返すことができず、途中で終了すれば)、遊技状態が外部有利遊技状態Bから外部有利遊技状態Aへ移行となるようにしてもよい。
本実施形態において、遊技状態が外部有利遊技状態Bである場合には、リーチ状態を形成することなく上記確変継続演出のみを実現させるようにしてもよい。このようにすれば、興味が持たれにくい演出(リーチ状態の形成)が省略されて、常に、リーチ状態を形成しないままに、外部有利遊技状態Bが継続されるのか否かが報知されるので、遊技者の興味のある部分に的を絞った演出を常時実現することができ、外部有利遊技状態Bにおいて演出に対する遊技者の興味をより持続することができる。ただし、リーチ状態を形成した後に、上記の確変継続判定演出を実現してもよい。この場合も、確変継続判定演出によって遊技者の興味を惹きつけることができる。
本実施形態において、遊技状態が外部有利遊技状態Aである場合には、リーチ状態を形成することなく上記達成演出のみを実現させるようにしてもよい。このようにすれば、遊技状態が外部有利遊技状態Aである場合には、興味が持たれにくい演出(リーチ状態の形成)が省略されて、常に、リーチ状態を形成しないままに、大当たりとなるか否かの抽選結果(当選、それとも、落選)が報知されるので、外部有利遊技状態Aにおいて演出に対する遊技者の興味をより持続することができる。ただし、リーチ状態を形成した後に、上記の達成演出を実現してもよい。この場合も、達成演出によって遊技者の興味を惹きつけることができる。
[メーター先読み演出]
[メーター演出について]
次に、右下演出表示部2681(図148)と複数のレンズ部2684とを利用した演出例(以下、「メーター先読み演出」とも呼ぶ)について説明する。この演出例では、第二始動口2102又は第三始動口2415に入った遊技球の数がカウントされ、そして、カウントされた数が所定値以上の場合に、所定の確率で先読み演出が行われる。まず、複数のレンズ部2684を利用したカウントの表示(以下「メーター演出」とも呼ぶ)について説明する。
図290、図291は、複数のレンズ部2684の点灯/消灯の状態を示す説明図である。以下、レンズ部2684が前方(遊技者)に向かって光を照射することを「点灯」と呼び、レンズ部2684が光を照射しないことを「消灯」と呼ぶ。図290、図291には、右下演出表示部2681と、複数のレンズ部2684と、ステージ2410の一部(第一ステージ2411、可動ステージ片2418、第二ステージ2412、第三ステージ2413)とが示されている。上述したように、複数のレンズ部2684は、右下演出表示部2681の左側の外周に沿って下部から上部まで並ぶことによって、円弧状のラインを形成している。なお、本実施形態では、10個のレンズ部2684が、設けられている。
周辺制御MPU4140aは、これらの複数のレンズ部2684を、第二始動口2102または第三始動口2415に入賞した遊技球の累積数を表すメーターとして機能させる。それらの始動口2102、2415に遊技球が入る毎に、周辺制御MPU4140aは、複数のレンズ部2684のうちの点灯状態のレンズ部2684を1つ増加させる。点灯されるレンズ部2684は、消灯状態のレンズ部2684のうちの最も下に位置するレンズ部2684である。
例えば、図290では、1つのレンズ部2684(最も下のレンズ部2684)のみが点灯している。これは、1つの遊技球TMが、第二始動口2102あるいは第三始動口2415に入ったことを表している。図291では、複数のレンズ部2684のうちの、下から数えて1〜5番目の5つのレンズ部2684が点灯している。これは、第二始動口2102あるいは第三始動口2415に入った遊技球TMの累積数が5であることを示している。図290、図291のそれぞれでは、第三始動口2415に1つの遊技球TMが入賞する様子が示されている。このように、点灯状態のレンズ部2684のうちの最も高いレンズ部2684の位置(すなわち、高さ)が高いほど、第二始動口2102あるいは第三始動口2415に入った遊技球の累積数が多い。遊技者は、そのような高さを観察することによって、容易に、累積数の多さを把握することができる。
なお、周辺制御MPU4140aは、入賞通知コマンドを利用して、複数のレンズ部2684の点灯状態を制御する。周辺制御MPU4140aは、主制御基板4100から入賞通知コマンド(第1種あるいは第2種入賞通知コマンド)を受信すると、受信した入賞通知コマンドを解析して、その入賞通知コマンドが、どの始動口への入賞によるものかを特定する。
入賞通知コマンドが、第二始動口2102または第三始動口2415への遊技球の入賞によるものである場合には、周辺制御MPU4140aは、点灯状態のレンズ部2684を1つ増加させる。そして、遊技球の入賞によって全てのレンズ部2684が点灯した場合には、周辺制御MPU4140aは、その後に全てのレンズ部2684を消灯することによって、再び、ゼロから累積数をカウントする。これにより、長期間に亘って遊技機が稼働し続けた場合であっても、第二始動口2102または第三始動口2415へによる遊技球の受け入れの数の表示を、適切に継続することができる。なお、点灯状態のレンズ部2684によって表される数は、上述の保留数とは無関係である。例えば、抽選が進行して保留数が減少したからといって、点灯状態のレンズ部2684によって表される数は減少しない。
上述したように、第一ステージ2411には、上ワープ入口2405(図150)から進入した遊技球が供給される。そして、第一ステージ2411に供給された遊技球は、第一ステージ2411から前方に放出される。例えば、左側の第一案内部2602bから放出された遊技球は、可動ステージ片2418に到達し得る。周期的に進退する可動ステージ片2418は、遊技球の行き先を、第二ステージ2412と、第三ステージ2413とのいずれかに振り分けている。ここで、第二ステージ2412に振り分けられた遊技球が、第三始動口2415に入り得る。一方、第一ステージ2411の他の部分から放出された遊技球は、第二ステージ2412には到達せずに、第三ステージ2413、あるいは、遊技領域605へ供給され得る。例えば、第一ステージ2411の右側の第一案内部2602bから放出された遊技球は、第三始動口2415には到達できずに、第三ステージ2413に到達し得る。そして、第三ステージ2413に供給された遊技球は、遊技領域605内へ放出される。
このように、第三始動口2415に遊技球が入ることは、容易ではない。また、外部通常遊技状態(一対の可動片2105が上述の促進態様に制御されない遊技状態)においては、第二始動口2102に遊技球が入ることも容易ではない。従って、点灯状態のレンズ部2684の数が多い(例えば、7以上)状態を観察できる遊技者は、長い時間に亘って遊技を続けている場合が多い。そのように長い時間に亘って遊技を続けている遊技者にとっては、複数のレンズ部2684による累積数の表示を観察することは、それまでに生じた得難い事象(第三始動口2415への入球)の履歴(累積値)を確認できる楽しみの一つである。
また、上ワープ入口2405を通過したものの第三始動口2415に到達する前に、ステージ2410(第一ステージ2411、第二ステージ2412、第三ステージ2413)から遊技球が脱した場合には、第三始動口2415は遊技球を受け入れない。上ワープ入口2405を通過した遊技球がステージ2410(第一ステージ2411、可動ステージ片2418、第二ステージ2412)によって第三始動口2415に導かれた場合に、第三始動口2415に遊技球が受け入れられる。第三始動口2415による遊技球が受け入れられるか否かは、ステージ2410における遊技球の動きに応じて大きく変わり得る。その結果、遊技球が上ワープ入口2405を通過した場合には、遊技者は、第三始動口2415に遊技球が到達することを期待しつつ、ステージ2410における遊技球の動きを観察することを楽しむことができる。そして、無事に第三始動口2415に遊技球が導かれた場合には、ステージ2410から遊技球が脱するかもしれないという困難を乗り越えて第三始動口2415に遊技球が受け入れられたことの喜びが、複数のレンズ部2684による演出(表示が変化する演出)によって高められる。これらの結果、長い時間に亘って望ましくない遊技状態が続いてしまっている場合(例えば、大当たりに恵まれずに遊技が続いた場合)であっても、遊技者は遊技を楽しむことができる。
さらに、第一ステージ2411から第二ステージ2412との間には可動ステージ片2418が設けられ、可動ステージ片2418の動作状態に応じて、第2受入口に向かう方向(第二ステージ2412の右に向かう方向)と、第二ステージ2412から脱する方向(第三ステージ2413に向かう方向)とに遊技球が振り分けられる。これにより、第三始動口2415による遊技球の受け入れに至る過程を、よりダイナミックなものにすることができる。これにより、ステージ2410における遊技球の動きを観察する楽しみを向上することができる。
[先読み演出について]
次に、右下演出表示部2681を利用した先読み演出について説明する。上述したように、主制御基板4100から周辺制御基板4140に供給される入賞通知コマンドには、第1種入賞通知コマンドと第2種入賞通知コマンドがある。第1種入賞通知コマンドは、先行判定処理における判定結果(以下「先行判定結果」とも呼ぶ)を示しておらず、第2種入賞通知コマンドは、先行判定結果を示している(図239参照)。周辺制御基板4140の周辺制御MPU4140aは、第2種入賞通知コマンドを受信した場合には、当該第2種入賞通知コマンドに対応する遊技球の入賞に対応する変動における特別抽選結果を、ある程度、事前に特定できる。先読み演出は、第2種入賞通知コマンドによって表される先行判定結果を示唆する演出である。
周辺制御MPU4140aは、第2種入賞通知コマンドを受信した場合には、先読み演出(「先行演出」とも呼ぶ)を行うか否かを決定する。先読み演出としては、第2種入賞通知コマンドに対応する遊技球の入賞に対応する変動において特別抽選結果が特定の当たりとなる期待度を示唆する演出(「将来期待度示唆演出」あるいは、単に「期待度演出」とも呼ぶ)が実現される。例えば、先読み演出としては、特別抽選結果が特定の当たりとなる確率が、本来の確率よりも高いこと(高く見えること)を示唆する演出である高期待度演出が行われ得る。高期待度演出は、先行判定結果が特定の当たりを示している場合に高期待度演出が行われる確率を、先行判定結果が特定の当たりを示していない場合に高期待度演出が行われる確率よりも高くすることによって、実現可能である。これにより、特別抽選結果が特定の当たりとなる実際の確率は本来の確率と変わらないものの、高期待度演出が実現された場合だけを見ると、特別抽選結果が特定の当たりとなる確率が高いように遊技者には見える。なお、先読み演出としては、示唆される期待度が互いに異なる複数種類の期待度演出が実現され得る。そして、本実施形態の遊技機では、後述するように、周辺制御MPU4140aは、右下演出表示部2681を利用した先読み演出として、高期待度演出と、高期待度演出と比べて示唆される期待度の低い低期待度演出とを実現可能である。
周辺制御MPU4140aは、先読み演出を実行する場合の、先読み演出の内容(種類)についても決定する。本実施形態では、先読み演出の1種として、右下演出表示部2681を利用した演出がある。本実施形態では、周辺制御MPU4140aは、複数のレンズ部2684のうちの7つ以上のレンズ部2684が点灯している状態で第2種入賞通知コマンドを受信した場合に、右下演出表示部2681を利用した先読み演出を実行し得ることとしている。また、後述するように、右下演出表示部2681を利用した先読み演出には、高期待度演出と、高期待度演出と比べて示唆される期待度の低い低期待度演出とがある。周辺制御MPU4140aは、右下演出表示部2681を利用した先読み演出を実行するか否か、そして、先読み演出を実行する場合には、高期待度演出と低期待度演出とのうちのいずれを実行するかを、先行判定結果と、乱数を利用した抽選によって決定する。なお、先読み演出としては、右下演出表示部2681を利用しない先読み演出も、実現され得る。周辺制御MPU4140aは、そのような先読み演出を行うか否かについても、別途、判定している(詳細な説明は省略)。
なお、本実施形態では、外部通常遊技状態においては、主制御基板4100は、第一始動口2101に遊技球が入賞した場合と、第二始動口2102又は第三始動口2415に遊技球が入賞した場合との、両方の場合において、第2種入賞通知コマンドを周辺制御基板4140に供給する。外部有利遊技状態においては、主制御基板4100は、第一始動口2101に遊技球が入賞した場合には、第1種入賞通知コマンドを周辺制御基板4140に供給し、第二始動口2102又は第三始動口2415に遊技球が入賞した場合に、第2種入賞通知コマンドを周辺制御基板4140に供給する。周辺制御MPU4140aは、外部通常遊技状態においては、第一始動口2101の第2種入賞通知コマンドと、第二始動口2102又は第三始動口2415の第2種入賞通知コマンドとの、それぞれを利用して、右下演出表示部2681を用いた先読み演出を実行可能である。また、周辺制御MPU4140aは、外部有利遊技状態においては、第二始動口2102又は第三始動口2415の第2種入賞通知コマンドを利用して、右下演出表示部2681を用いた先読み演出を実行可能である(外部有利遊技状態においては、第一始動口2101の入賞通知コマンドを契機とする右下演出表示部2681を用いた先読み演出は、実行されない)。
図292は、複数のレンズ部2684の点灯/消灯の状態を示す説明図である。図282の状態例では、7つのレンズ部2684が点灯している。この状態で、遊技球が第三始動口2415に入ると、主制御基板4100は、第2種入賞通知コマンドを、周辺制御基板4140に供給する。周辺制御基板4140の周辺制御MPU4140aは、受信した第2種入賞通知コマンドを利用して先読み演出を行うか否かを決定する。ここで、周辺制御MPU4140aが、右下演出表示部2681を用いた先読み演出(高期待度演出と低期待度演出とのいずれか)を行うと判定したことと仮定して、説明を行う。なお、右下演出表示部2681を用いた先読み演出を行わないと判定した場合には、周辺制御MPU4140aは、複数のレンズ部2684のうちの点灯状態のレンズ部2684を1つ増加させて、レンズ部2684と右下演出表示部2681とに関する処理を終了する。
図293は、図292の状態に続く、右下演出表示部2681と複数のレンズ部2684との状態の変化を示す説明図である。まず、周辺制御MPU4140aは、一旦、複数のレンズ部2684の全てを点灯させるとともに(図293(A))、全てのレンズ部2684の点灯を表す特定の音(例えば、サイレン音)をスピーカ(例えば、スピーカ121,391)に鳴らせる。これにより、遊技者は、メーターが一挙に一杯になったこと(消灯状態の全ての複数のレンズ部2684が、一度に点灯状態になったこと)に気づき、特別な何かが起こり得ることを期待して、演出を楽しむことができる。特に、容易には増えないメーター(点灯状態のレンズ部2684)が、一度に複数個増えるので、遊技者の嬉しさは格別である。これにより、長い時間に亘って望ましくない遊技状態が続いてしまっている場合(例えば、大当たりに恵まれずに遊技が続いた場合)であっても、遊技者の感じ得るストレスを緩和することができる。
次に、周辺制御MPU4140aは、高期待度演出と低期待度演出とから選択された一方の実現を継続する。図293(B)は、高期待度演出を示している。高期待度演出においては、周辺制御MPU4140aは、複数のレンズ部2684のそれぞれを複数回に亘って点滅させ、そして、右下演出表示部2681を赤色に発光させることによって、特定の当たりの期待度が高いことを表す画像を、右下演出表示部2681に映し出す(図283(B)の表示例では、「チャンス!?」の文字が映し出されている)。このように右下演出表示部2681に映し出された赤色の画像を観察した遊技者は、期待度の高いことを読み取り、近い将来に特定の当たりに当選するかもしれないという期待感を抱き得る。
図293(C)は、低期待度演出を示している。低期待度演出においては、周辺制御MPU4140aは、高期待度演出と同様に複数のレンズ部2684のそれぞれを複数回に亘って点滅させる。しかし、周辺制御MPU4140aは、右下演出表示部2681を発光させない。このように、高期待度演出と同様に複数のレンズ部2684が複数回に亘って点滅するので、遊技者は、右下演出表示部2681に画像が映し出されることを期待しながら、演出に高い関心を持つことができる。ただし、高期待度演出とは異なり、低期待度演出では、右下演出表示部2681に画像が映し出されないので、遊技者は、それほど期待度が高くないことを、理解する。
図293(D)は、図293(B)、図293(C)の状態に続く、右下演出表示部2681と複数のレンズ部2684との状態の変化を示している。複数のレンズ部2684のそれぞれを点滅させた後、周辺制御MPU4140aは、全てのレンズ部2684を消灯させる(高期待度演出においては、右下演出表示部2681の発光も停止する)。そして、周辺制御MPU4140aは、先読み演出を終了する。この後、周辺制御MPU4140aは、再び、第二始動口2102又は第三始動口2415に入った遊技球の数のカウントを、ゼロから行う。
なお、先読み演出で示唆される期待度の対象となる大当たりは、複数種類の大当たりA〜Fのうちの任意の大当たりであってもよく、その代わりに、特定の一部の大当たりであってもよい。例えば、先読み演出が、長開放大当たり遊技が行われる大当たりA、B、Fのいずれかに当選する期待度を示唆してもよい。
また、図293の表示例では、7つのレンズ部2684が点灯している状態で、遊技球が第三始動口2415に入った場合について説明したが、点灯しているレンズ部2684の数が8以上である場合も、同様に、周辺制御MPU4140aは、受信した第2種入賞通知コマンドを利用して先読み演出を行い得る。ここで、消灯状態のレンズ部2684が1つである状態で遊技球が第二始動口2102又は第三始動口2415に入った場合には、その遊技球の入球によって、全てのレンズ部2684が点灯する。この場合には、特別な方法で先読み演出を行っても良い。例えば、周辺制御MPU4140aは、先行判定結果が特定の当たりを示している場合には、必ず、高期待度演出を実現することとしてもよい。こうすれば、高期待度演出が実現された場合には、遊技者は、特定の当たりに大きな期待を寄せることができるので、その後の演出に高い関心を持つことができる。さらに、先行判定結果が特定の当たりを示していない場合には、必ず、高期待度演出を実現しないこととしてもよい。こうすれば、高期待度演出が実現された場合には、遊技者は、特定の当たりを確信することができるので、演出に対する興味が薄れることを抑制できる。
また、消灯状態のレンズ部2684が1つである状態で遊技球が第二始動口2102又は第三始動口2415に入った場合には、その遊技球の入賞に対応する変動における特別抽選結果が報知されるまでは、複数のレンズ部2684を利用したカウントの表示を停止してもよい。こうすれば、レンズ部2684の点灯によって遊技者の注意が乱されることを抑制できるので、遊技者は、最後の1つの消灯状態のレンズ部2684を点灯させる特別な入賞による特別抽選結果がどうなるのかを、落ち着いて観察することができる。これにより、遊技者の感じ得るストレスを緩和することができる。
また、第二始動口2102又は第三始動口2415に遊技球が入ったことを契機として、液晶表示装置1400では、種々の演出が実現されてよい。例えば、一対の可動片2105の動作態様が促進態様であるか否かに拘わらずに、図G〜図Qで説明した達成演出が実現されてもよい。このように、図A〜図Fで説明したような図柄を用いて種々の情報を提示する演出とは全く異なる達成演出を採用すれば、第二始動口2102又は第三始動口2415に遊技球が入ったという得難い事象が生じたことの嬉しさを盛り上げることができる。その結果、長い時間に亘って望ましくない遊技状態が続いてしまっている場合(例えば、大当たりに恵まれずに遊技が続いた場合)であっても、遊技者の感じ得るストレスを緩和することができる。
以上のように、第三始動口2415に遊技球TMが受け入れられた場合に、第三始動口2415に受け入れられた遊技球TMの数の増加を表すように表示手段(ここでは、右下演出表示部2681と複数のレンズ部2684との全体)による表示が変化する。ここで、第三始動口2415による遊技球TMの受け入れは、第一始動口2101に遊技球TMが受け入れられることと比べて困難であるにも拘わらずに遊技球TMの受け入れに成功した、得難い事象である。そのような得難い事象(第三始動口2415による遊技球TMの受け入れ)は、頻繁には起きないので、そのような事象を観察することができる遊技者は、長い時間に亘って遊技を続けている場合が多い。そして、上記構成によれば、そのような得難い事象が生じた場合に、始動条件の成立を待っている抽選情報の数とは無関係に、その事象の起こった数(第三始動口2415に受け入れられた遊技球TMの数)の増加を表すように表示手段(右下演出表示部2681と複数のレンズ部2684との全体)による表示が変化する。これにより、長い時間に亘って望ましくない遊技状態が続いてしまっている場合(例えば、大当たりに恵まれずに遊技が続いた場合)であっても、そのような得難い事象が生じた場合には、そのような得難い事象が積み重なることを表現する演出が実現されるので、遊技者の感じ得るストレスを、そのような演出によって緩和することができる。さらに、遊技者は、「第三始動口2415に、さらに、遊技球TMが受け入れられたらどうなるのだろう」と期待を持って、遊技を継続することができる。具体的には、遊技者は、多数の遊技球TMが受入口(第一始動口2101)に受け入れられることを期待して、第三始動口2415と比べて遊技球TMが受け入れられ易い第一始動口2101に遊技球TMを入れようとして遊技をすることを楽しむことができる。ここで、遊技者は、第三始動口2415による遊技球TMの受け入れを狙わないまでも、偶然に第三始動口2415に遊技球TMが受け入れられた場合の抽選結果や演出を期待しつつ、遊技を進行することができ、そして、幸運にも第三始動口2415に遊技球TMが受け入れられた場合には、抽選の結果を期待しつつ、さらに、表示手段(右下演出表示部2681と複数のレンズ部2684との全体)による演出(数の増加を表すような表示の変化)を楽しむことができる。このように、遊技者は、長時間に亘って遊技を行う場合であっても、2つの受入口を意識する遊技を楽しむことができるので、遊技者が遊技に単調さを感じてしまうことを抑制することができる。これらの結果、遊技者の遊技意欲の低下を抑制することができる。
また、第三始動口2415(または第二始動口2102)に受け入れられた遊技球の数が所定値以上であることを示唆する表示が表示手段(ここでは、右下演出表示部2681と複数のレンズ部2684との全体)によって行われている状態で、第三始動口2415に新たな遊技球が受け入れられた場合に、将来期待度示唆演出が行われ得るので、第三始動口2415によって多数の遊技球が受け入れられた場合には、遊技者は、将来期待度示唆演出、すなわち、将来の抽選の結果を期待して、遊技を楽しむことができる。特に、長い時間に亘って望ましくない遊技状態が続いてしまっている場合(例えば、大当たりに恵まれずに遊技が続いた場合)であっても、将来の抽選の結果を期待して遊技を行うことができるので、遊技者の感じ得るストレスを、そのような演出によって緩和することができる。さらに、遊技者は、将来期待度示唆演出の実現を期待して、第三始動口2415による遊技球の受け入れを狙って遊技を楽しむこともできる。このように、遊技者は、第一始動口2101を狙っても遊技を楽しむことができ、また、第三始動口2415を狙っても遊技を楽しむことができるので、長い時間に亘って単調な遊技が続く可能性を低減できる。これらの結果、遊技者の遊技意欲の低下を抑制することができる。
また、将来期待度示唆演出として、高期待度演出(図293(B)。高期待表示態様に相当する)と低期待度演出(図293(C)。低期待表示態様に相当する)とのいずれかが表示手段(右下演出表示部2681と複数のレンズ部2684との全体)によって表示されるので、遊技者は、将来の抽選の期待度を容易に把握することができる。その結果、長い時間に亘って望ましくない遊技状態が続いてしまっている場合(例えば、大当たりに恵まれずに遊技が続いた場合)であっても、把握が難しい演出(将来期待度示唆演出)が実現される場合と比べて、遊技者の感じ得るストレスを緩和することができる。その結果、遊技者の遊技意欲の低下を抑制することができる。