JP2015141194A - 核磁気共鳴法を用いた燃料電池用信号検出装置 - Google Patents

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邦康 小川
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Abstract

【課題】小型RFコイルが燃料電池の電極と絶縁破壊してショートすることを防ぐ共振回路であり、かつ、ノイズを低減させることが可能な優れた燃料電池用信号検出装置を提供する。
【解決手段】燃料電池2を構成する膜電極接合体203に静磁場を印加する静磁場印加装置304と、膜電極接合体203を構成する固体高分子電解質膜に含まれる水分子の核磁化を励起し、核磁気共鳴信号を受信する小型RFコイル101と、励起波形を生成し、受信信号を検出する計測部3と、共振回路1を有する。共振回路1は、小型RFコイル101、集中静電容量素子としてのC、C,Cと小型RFコイルと容量素子を接続する同軸ケーブル102、106を有する。負荷部4は、燃料電池の発電電力を消費する負荷401、ノイズを低減するフィルター402a、402bを有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、核磁気共鳴法を用いた信号検出装置に関する。
核磁気共鳴法を用いて、固体高分子形燃料電池内の高分子電解質膜内の含水量や水分子の易動性、燃料電池の発電電流の空間分布を測定する測定装置が提案されている(特許文献1参照)。
その提案の概略は以下のようである。
核磁気共鳴法では、計測対象である試料に静磁場を印加する。静磁場を印加された試料では核磁化ベクトルが顕在化し、核磁化ベクトルは静磁場強度に比例した周波数で回転運動をする。たとえば、水分子を計測対象の試料とすれば、水に1 Teslaの均一な磁場を印加すると、水素原子核(H)の核磁化ベクトルは約43MHzで回転する。Hの核磁化ベクトルから核磁気共鳴信号を取得するために核磁化ベクトルの回転周波数と同じ周波数の振動磁場を計測対象に適切な方位から照射すると、核磁化ベクトルが共鳴現象によって横磁化として励起されて、核磁気共鳴信号が周囲に放出される。
振動磁場は試料の近くに置かれた、たとえばPEW被覆銅線によって巻かれた小型RFコイルを43MHzで電気的に共振させることで生じさせることができる。電気的な共振現象はRFコイルを含めたいわゆるLC共振回路によって生じさせ、そのLC共振回路に43MHzの電力をパルス的に印加することで行われる。核磁化が励起された直後にRFコイルによって受信される核磁気共鳴信号は検出回路に伝送される。
既述の通り静磁場強度1Teslaにおいては高周波振動磁場の発生と核磁気共鳴信号の受信は43MHz付近の周波数で電気的な共振現象が起きるLC共振回路を用いる。LC共振回路はNMRおよびMRIで一般的に用いられ知られているように共鳴周波数付近の周波数のみを選択的に送受信できると言う特性があり、核磁気共鳴信号を高い効率で受信できる効果、さらには、不要なノイズ成分の低減効果がある。このLC共振回路では、共振回路の伝送損失を最小化するために共振回路のインピーダンス整合が行われる。たとえば、共振周波数である43MHz付近での共振回路のインピーダンスを特に電力送信機のインピーダンスと同じ50Ωに調整する。つまり、核磁気共鳴法を用いて核磁気共鳴信号を取得するためには、RFコイルを含めて構成されるLC共振回路が必要であり、共振回路と伝送系のインピーダンスを50Ωに調整する必要がある。
ここで記載する小型RFコイルを用いてLC共振回路を構成する主な方法として、被覆銅線によって巻かれたRFコイル部に対して、セラミックキャパシタキャパシタのような集中定数を持つ静電容量素子のみを用いる方法と、同軸ケーブルのようなインダクタンスと静電容量成分の両方を分布定数として持つ分布定数回路を用いる方法と、キャパシタおよび同軸ケーブルの両方を用いる方法がある。分布定数回路を用いた共振回路の一例を図1に示す。
集中定数の静電容量素子で構成されるLC共振回路では、小型RFコイルとキャパシタとキャパシタの距離が近く、共振回路の占有体積が大きくなるため、多数の小型RFコイルを密集して配置した場合には、共振回路の配置に苦慮すると言う問題が生じる。特に機械的な構造をもった可変容量トリマキャパシタキャパシタ用いて共振回路を構成するため場合では共振回路が大きくなり、設置場所が無くなってしまうのである。
このような問題を解決した方法として、特許文献1がある。
第5337413号
特許文献1では、同軸ケーブルを用いた共振回路を用いている。この共振回路を用いれば、小型RFコイルと可変容量キャパシタの間を同軸ケーブルで接続するため、43MHzの共振回路の場合には、小型RFコイルと可変容量キャパシタの距離を約70cm程度離すことができる。この結果、小型RFコイルが密集したとしても、共振回路の設置に苦慮することはなく、多数の小型RFコイルを密集して設置することが可能である。
特許文献1に記載したようなNMR測定装置を使用して、燃料電池の固体高分子電解質膜から核磁気共鳴信号を取得し、含水量や易動度、電流分布を計測することができる。いっぽうで、電圧電流の内部変化を伴う燃料電池の固体高分子電解質膜のNMR計測と言う観点から、検出器としての小型RFコイルとキャパシタを、あるいは燃料電池の負荷端をどのように電気的に接地すればあるいは回避すればよいかは具体的な記載がなかった。そこで、本発明では、電気化学計測に適合したNMR検出用RFコイルの具体的な回路構成と方法を解決している。
適当な長さの同軸ケーブルを内包した共振回路では、図1に示すように、同軸ケーブルの外側円筒状網電極側を電気的に接地することができる。その理由は、同軸ケーブル外側と周囲の機器、例えば、静磁場を印加するための磁石や他の電気回路との間で生ずる浮遊容量を安定させ、共振回路の共鳴周波数が変動しないようにするためである。NMRおよびMRIでは静磁場磁石の筐体は一般的に電気的に接地レベルと扱うことになっている。いっぽうで、図2のように同軸ケーブルの外側円筒状網電極を電気的に設置しないとすれば、約70cm程度の同軸ケーブルは共振回路にとって十分に長く、形成される浮遊容量は共振回路の共鳴周波数を大きくずらすだけの容量となり得るため共振周波数が安定しない。この結果、極わずかに同軸ケーブルが移動しり湾曲形状が変化しただけでも同軸ケーブルと静磁場磁石の間で浮遊容量が変化し、共振周波数がずれ、インピーダンス整合が崩れるという結果を引き起こす。この現象は計測時の信号値の揺らぎとしてあらわれ大きな問題となる。
このため、同軸ケーブルの外側円筒状網電極側を電気的に接地することで機械的な配置に違いによって浮遊容量が容易に変動しないように回路を接続することができる。この共振回路は最も構成要素が少ないという特徴がある。
ところがこの回路構成の場合、もう一つの別の問題が生ずる。
燃料電池内に挿入された小型RFコイルが燃料電池の電極に電気的に接続してしまうと、当然のことながら共振回路の電気的特性が大きく変わり、共振回路の共振周波数が大きくずれる。また、燃料電池の電極電位が変化して、燃料電池から出力される電流の一部が小型RFコイルを経由して接地まで流れる場合もあり、本来通るべき負荷を通過しなくなる。このため、燃料電池の真の電力出力が計測できなくなる。さらには、燃料電池の電極を経由して負荷からの大きなノイズが磁気共鳴信号の信号対雑音比を劣化させ、含水量や電流などの計測値が算出できなくなる。このため、小型RFコイルと燃料電池の電極とは常に電気的に絶縁しておく必要がある。
しかし、小型RFコイルの表面には数ミクロンメートル程度の絶縁ワニスが塗布されて絶縁状態を保つように工夫されているが、発電時の燃料電池の電極には約1V程度の電圧が生じており、小型RFコイルと燃料電池の電極との間には数十万V/mという非常に大きな電位勾配(電界)がかかることになる。さらには、燃料電池の電極付近では電気化学反応によりラジカルが高密度に存在し、腐食性が高い。これらの高電界と電気化学的作用により、小型RFコイルの表面の絶縁ワニスは短時間のうちに絶縁性が劣化し、絶縁破壊されて小型RFコイルと電極とがショートしまう。小型RFコイルに高電界がかからないようにし、絶縁破壊が容易に生じない工夫が必要である。つまり絶縁ワニスによる絶縁効果だけでは不十分で、小型RFコイルの燃料電池電極に対する本質的な絶縁性能の確保が必要とされている。
本発明は、小型RFコイルが燃料電池の電極と絶縁破壊してショートすることを防ぐ共振回路であり、かつ、ノイズを低減させることが可能な優れた燃料電池用信号検出装置を提供するものである。
本発明によれば、固体高分子電解質膜を使用した燃料電池において前記膜内の水素原子核から放出される核磁気共鳴信号を取得する計測装置であって、前記固体高分子電解質膜に静磁場を印加するための静磁場印加部と、前記燃料電池の中に挿入されて前記固体高分子電解質膜に機械的に接触している、または、前記固体高分子電解質膜に機械的に圧接しているが、絶縁皮膜によって前記燃料電池とは電気的に絶縁しており、前記固体高分子電解質膜よりも小さく、前記核磁気共鳴信号を受信する小型RFコイルと、前記小型RFコイルで取得された前記核磁気共鳴信号を検出する信号検出部と、前記小型RFコイルに接続され、外側円筒状導電体部が電気的に接地されていない同軸ケーブルと、前記小型RFコイルと同軸ケーブルおよび静電容量素子によって構成され、前記小型RFコイルと前記信号検出部の間のインピーダンスを整合するために接続された共振回路を有する燃料電池用信号検出装置が提供される。
本発明によれば、同軸ケーブルの外側円筒状導電体部が電気的に接地されていないために、燃料電池の電極と小型RFコイルの直流電位差は生じず不定となり、小型RFコイル電位差に起因した絶縁破壊による小型RFコイルと燃料電池の電極とのショートを防ぐことができる。これにより、小型RFコイルが燃料電池の電極にショートすることなく、長時間に渡って燃料電池の内部状態を計測することが可能となる。そのため、より信頼性に優れた燃料電池用信号検出装置とすることができる。
ここで、電池用信号検出装置により計測される燃料電池の内部状態とは、固体高分子電解質膜の中に含まれる水や膜を構成する水素原子核などの核磁気共鳴信号から得られる物理量である。例えば、水分量(含水量)、水分子の易動度であり、さらには、燃料電池の発電電流密度などがあげられる。
また、小型RFコイルを流路やGDLの近くに設置すれば、流路やGDLに凝縮した水からも核磁気共鳴信号を取得することができる。この方法を用いれば、燃料電池のGDL内や流路で生ずる水詰まり(フラッディング)現象を計測することができる。
この際、小型RFコイルが燃料電池の中に複数個挿入されると燃料電池の多数の場所から核磁気共鳴信号を取得することができる。このとき、小型RFコイル以外の共振回路部分は複数個あって、小型RFコイルと1対1で接続されることが望ましい。このように燃料電池の多数の場所から核磁気共鳴信号を取得することによって、燃料電池内に形成される含水量の空間分布や、易動度、電流密度などの空間分布を計測することができる。
もちろん、前記燃料電池用信号検出装置において、同軸ケーブルの外側円筒状導電体部を電気的に接地接続することも可能である。電気的に接地することで、同軸ケーブルとその周囲の装置、例えば、静磁場を印加するための磁石や他の電気回路との間で生ずる浮遊容量を安定させ、結果、共振回路全体の共鳴周波数が変動しないようにすることができる。この場合の共振回路では同軸ケーブルが移動したとしても共振周波数が意図せずに数kHzを超えて大きくずれてしまったり、50Ωインピーダンス整合が50%を超えて大きく崩れてしまったりすることはない。この結果、共振回路の共振周波数とインピーダンスの調整がしやすく、計測中に共振周波数とインピーダンスがずれることがないため、信頼性の高い計測値を取得することができる。
そこで、図10に示すように、小型RFコイル、同軸ケーブルおよびキャパシタを含む共振回路構成で同軸ケーブルの外側円筒状導電体部102を接地しない一実施形態において、同軸ケーブルのさらに外側に円筒状導電体部107を設けてこれを接地レベルに接続すると、小型RFコイルの絶縁破壊を回避しつつ、共振回路特性が安定したNMR検出器となる。
また、燃料電池は発電電力を消費する負荷を接続して使用する。具体的には、燃料電池の出力電極(燃料極と酸化剤極、または、正極と負極と表現しても良い)に導線を接続して負荷の電極に接続する。例えば、燃料電池自動車であれば、蓄電池やモーターの電極に接続する。燃料電池の開発時や発電特性などを計測する場合には電子負荷装置の正負電極に接続することが多い。これらの負荷を燃料電池に接続すると、核磁気共鳴信号にノイズが混入されて観測される場合がある。一般に「ノイズが乗った」と表現される信号が取得される場合がある。
この原因の一つには、負荷が発しているノイズが負荷に接続された導線を経由して、燃料電池の電極に伝わるためである。これにより、電極に圧接されている小型RFコイルがノイズを受けて核磁気共鳴信号にノイズが混入する。核磁気共鳴信号にノイズが混入すると、計測の信頼性を低下させ、計測値のばらつきが生ずる。
また、本発明によれば、燃料電池の発電電力を取り出すために前記燃料電池の燃料極および酸化剤極に接続した導線に前記核磁気共鳴信号へのノイズを低減するためのフィルターを接続した燃料電池用信号検出装置を提供することができる。
このフィルターとしては、核磁気共鳴信号と同じか、それに近い周波数のノイズを低減させるようなキャパシタとインダクタンスから構成される回路が使われる。具体的には、円筒型貫通形セラミックキャパシタやフェライトコアなどが用いられる。それらのフェルターを燃料電池の電極と負荷との間に挿入することで核磁気共鳴信号に混入するノイズを低減させることができる。
さらに、燃料電池内に小型RFコイルを設置する場合において、燃料電池の酸化剤側の固体高分子電解質膜に接触するように挿入し、酸化剤極を電気的に接地することで、小型RFコイルの絶縁性を長い間、維持することができる。また、燃料電池の燃料側の固体高分子電解質膜に接触するように挿入し、燃料極を電気的に接地することで、小型RFコイルの絶縁性を長い間、維持することもできる。
この場合、同軸ケーブルの外側円筒状導電体部を電気的に接地しても、接地しなくてもどちらでも同様の効果を得ることができる。
本発明によれば、小型RFコイルが燃料電池の電極と絶縁破壊してショートすることを防ぐ共振回路であり、かつ、ノイズを低減させることが可能な優れた燃料電池用信号検出装置を提供する。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
この燃料電池用信号検出装置1は、図2に示すように、共振回路1と、燃料電池2と、信号を取得する計測部3と、負荷部4を備える。
(共振回路の構成)
共振回路1は、図2に示すように、小型RFコイル101、同軸ケーブル102、集中静電容量素子としてのキャパシタ103、104、105、同軸ケーブル106を有する。集中静電容量素子の静電容量はC、C,Cと記載されている。
(燃料電池の構成)
燃料電池2は、図2に示すように、固体高分子電解質膜に触媒を塗布した膜電極接合体203、一対の拡散層202a、202bと、電極を兼ねた一対のセパレータ201a、201bを有する。
(計測部の構成)
計測部3は、励起用電磁波と受信した核磁気共鳴信号の波形とを電気的に切り替える切替器301と、核磁気共鳴信号を検出する信号検出器302と、励起用電磁波を発生する励起用電磁波発生器303と、膜電極接合体203に静磁場を印加する静磁場印加装置304を有する。
(負荷部の構成)
負荷部4は、燃料電池の発電電力を消費する負荷401、ノイズを低減するフィルター402a、402bを有する。
共振回路は、1から構成され、切り替え器301から見たときのインピーダンスが、計測対象とする試料の原子核の核磁気共鳴周波数と同じ共鳴周波数を持つ共振回路に同軸ケーブル102の長さとキャパシタ103、104、105の静電容量で調整されている。共振回路1は、キャパシタ103、104、105の静電容量を変更することで、共振周波数とともにインピーダンスも変更することが可能である。調整後の共振回路1は、当該共振周波数で励起用電磁波発生器303および信号検出器302とインピーダンスが整合している。
次に、本発明の実施例について説明する。
ここでは、図2に示すように、同軸ケーブルの外側円筒状網線を接地しない共振回路で信号取得を行った。回路の評価値は模擬燃料電池に小型表面コイルを挿入して共振回路を組んだ際の共振回路のQ値、核磁気共鳴信号を取得した際のスピンエコー信号強度、ベースの雑音強度、信号対雑音比である。
具体的には図2と同等の共振回路である図3の回路で行った。
小型RFコイルとして、楕円型コイルの短径側の横幅を0.3mm×長径側の横幅1.5mmで、線径0.06mmの導線を3回巻いて製作したコイルを用いた。計測対象は燃料電池用高分子膜と似た信号を出すシリコンゴム(厚さ0.5mm)とし、燃料電池の模擬装置として製作したセルに挟んで小型表面コイルに密着させた。
共振回路の電気的特性を計測するために、ネットワークアナライザー(HP 8751A)によって反射計測(S11)を行い、−6dBとなる半値幅からQ値を算出した。
その結果を図4に示す。このときのQ値は21.5であった。
磁気回路は1T/110mmAirGap永久磁石を用いた。計測対象の試料には1Tの磁場が印加された。この磁場強度でのHの水分子の共鳴周波数は約44.8MHzであった。核磁気共鳴信号は単純スピンエコー法で取得した。90度励起パルスの幅は10μs、90度励起パルスの繰り返し時間TRは10s、エコー時間TEは10ms、FIDを減衰させる勾配磁場の印加時間は1.5msとした。NMR(核磁気共鳴)信号はフィルター幅が±10kHz、サンプリング周波数が10μs、サンプリング点数が4096点で取得された。
得られた典型的なスピンエコー信号波形を図5に示す。縦軸の信号強度はAD変換機に入力された電圧[V]である。この図の信号波形は32回積算した結果である。スピンエコー信号強度は図5に示した32回の積算波形を基に、時間t=20ms±1msの200点の平均値として求めた。
一方、雑音強度は1回で取得された積算なしのNMR波形を基に90度励起パルスを照射する前の時間t=0〜8msの間で取得された800点の波形の標準偏差σを求め、それらの32回の平均値とした。得られた結果を表1の実験#1として示す。
その結果は、スピンエコー信号強度が23.3、ノイズ強度が92.7、信号対雑音比は0.251であった。
前述の実施例1のスピンエコー信号強度がどの程度の大きさかを比較として示すために、図6に示すように、同軸ケーブルの外側円筒状網線を接地した共振回路で信号取得を行った。
前述の実施例1と同様な方法と装置によって計測を行った。得られたNMR信号を図7に示す。得られた結果を表1の実験#2として示す。
その結果は、スピンエコー信号強度が57.8、ノイズ強度が122.1、信号対雑音比は0.474であった。
ノイズフィルターを負荷と電極との間に挿入した際のノイズ低減効果を示すために、図8に示すように、100pFの貫通キャパシタを挿入して信号取得を行った。
前述の実施例2と同様な方法と装置によって計測を行った。得られたNMR信号を図9に示す。得られた結果を表1の実験#3として示す。
その結果は、スピンエコー信号強度が73.2、ノイズ強度が65.0、信号対雑音比は1.128であった。
Figure 2015141194
同軸ケーブルを用いた共振回路の要部を示す図である。 燃料電池用信号検出装置の共振回路を示す図である。 実施例1での燃料電池用信号検出装置の共振回路を示す図である。 実施例1での共振回路の共振特性を示す反射計測の結果を示す図である。 実施例1での燃料電池用信号検出装置の受信信号を示す図である。 実施例2での燃料電池用信号検出装置の共振回路を示す図である。 実施例2での燃料電池用信号検出装置の受信信号を示す図である。 実施例3での燃料電池用信号検出装置の共振回路を示す図である。 実施例3での燃料電池用信号検出装置の受信信号を示す図である。 燃料電池用信号検出装置の共振回路を示す図である。
1 共振回路
2 燃料電池
3 計測部
4 負荷部
101 小型RFコイル
102 同軸ケーブル
103 集中静電容量素子としてのキャパシタ
104 集中静電容量素子としてのキャパシタ
105 集中静電容量素子としてのキャパシタ
106 同軸ケーブル
107 円筒状導電体部
201a 電極を兼ねたセパレータ
201b 電極を兼ねたセパレータ
202a 拡散層
202b 拡散層
203 膜電極接合体
301 切替器
302 核磁気共鳴信号を検出する信号検出器
303 励起用電磁波発生器
304 静磁場印加装置
401 燃料電池の発電電力を消費する負荷
402a ノイズを低減するフィルター
402b ノイズを低減するフィルター
バランス用可変容量キャパシタ(容量素子)
マッチング用可変容量キャパシタ(容量素子)
チューニング用可変容量キャパシタ(容量素子)

Claims (7)

  1. 固体高分子電解質膜を使用した燃料電池において前記膜内の水素原子核から放出される核磁気共鳴信号を取得する計測装置であって、
    前記固体高分子電解質膜に静磁場を印加するための静磁場印加部と、
    前記燃料電池の中に挿入されて前記固体高分子電解質膜に機械的に接触している、または、前記固体高分子電解質膜に機械的に圧接しているが、絶縁皮膜によって前記燃料電池とは電気的に絶縁しており、前記固体高分子電解質膜よりも小さく、前記核磁気共鳴信号を受信する小型RFコイルと、
    前記小型RFコイルで取得された前記核磁気共鳴信号を検出する信号検出部と、
    前記小型RFコイルに接続され、外側円筒状導電体部が電気的に接地されていない同軸ケーブルと、
    前記小型RFコイルと同軸ケーブルおよび静電容量素子によって構成され、前記小型RFコイルと前記信号検出部の間のインピーダンスを整合するために接続された共振回路を有する燃料電池用信号検出装置。
  2. 請求項1に記載の燃料電池用信号検出装置において、
    複数個の前記小型RFコイルが前記燃料電池の異なる場所に挿入されて、前記小型RFコイルが接続された複数個の前記共振回路があって、小型RFコイルと前記共振回路が1対1で接続されることによって燃料電池の複数の箇所から核磁気共鳴信号を取得できる燃料電池用信号検出装置。
  3. 固体高分子電解質膜を使用した燃料電池において前記膜内の水素原子核から放出される核磁気共鳴信号を取得する計測装置であって、
    前記固体高分子電解質膜に静磁場を印加するための静磁場印加部と、
    前記燃料電池の中に挿入されて前記固体高分子電解質膜に機械的に接触している、または、前記固体高分子電解質膜に機械的に圧接しているが、絶縁皮膜によって前記燃料電池とは電気的に絶縁しており、前記固体高分子電解質膜よりも小さく、前記核磁気共鳴信号を受信する小型RFコイルと、
    前記小型RFコイルで取得された前記核磁気共鳴信号を検出する信号検出部と、
    前記小型RFコイルに接続され、外側円筒状導電体部が電気的に接地されている同軸ケーブルと、
    前記小型RFコイルと同軸ケーブルおよび静電容量素子によって構成され、前記小型RFコイルと前記信号検出部の間のインピーダンスを整合するために接続された共振回路を有する燃料電池用信号検出装置。
  4. 固体高分子電解質膜を使用した燃料電池において前記膜内の水素原子核から放出される核磁気共鳴信号を取得する計測装置であって、
    前記固体高分子電解質膜に静磁場を印加するための静磁場印加部と、
    前記燃料電池の中に挿入されて前記固体高分子電解質膜に機械的に接触している、または、前記固体高分子電解質膜に機械的に圧接しているが、絶縁皮膜によって前記燃料電池とは電気的に絶縁しており、前記固体高分子電解質膜よりも小さく、前記核磁気共鳴信号を受信する小型RFコイルと、
    前記小型RFコイルで取得された前記核磁気共鳴信号を検出する信号検出部と、
    前記小型RFコイルに接続され、外側円筒状導電体部1が電気的に接地されていない同軸ケーブルと、前記外側円筒状導電体部1の外側にあって前記外側円筒状導電体部1とは絶縁された状態で前記外側円筒状導電体部1を同軸上に被覆している電気的に接地された前記外側円筒状導電体部2と、
    前記小型RFコイルと同軸ケーブルおよび静電容量素子によって構成され、前記小型RFコイルと前記信号検出部の間のインピーダンスを整合するために接続された共振回路を有する燃料電池用信号検出装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の燃料電池用信号検出装置において、
    燃料電池の発電電力を取り出すために前記燃料電池の燃料極および酸化剤極に接続した導線に前記核磁気共鳴信号へのノイズを低減するためのフィルターを接続した燃料電池用信号検出装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の燃料電池用信号検出装置において、
    前記小小型RFコイルを前記燃料電池の酸化剤側の固体高分子電解質膜に接触するように挿入し、酸化剤極を電気的に接地した燃料電池用信号検出装置。
  7. 請求項1乃至5のいずれかに記載の燃料電池用信号検出装置において、
    前記小型RFコイルを前記燃料電池の燃料側の固体高分子電解質膜に接触するように挿入し、燃料極を電気的に接地した燃料電池用信号検出装置。
JP2014025860A 2014-01-28 2014-01-28 核磁気共鳴法を用いた燃料電池用信号検出装置 Pending JP2015141194A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2021141010A1 (ja) * 2020-01-10 2021-07-15 三菱重工業株式会社 水分率測定装置及び水分率測定方法
CN114695925A (zh) * 2020-12-31 2022-07-01 宝能汽车集团有限公司 车载燃料电池的异常检测方法、装置及车辆

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