JP2015141037A - 放射線検出器 - Google Patents

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哲 佐野
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Koichi Tanabe
晃一 田邊
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利典 吉牟田
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貴弘 土岐
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Abstract

【課題】電荷読み出しの回路構成を単純化でき、放射線の減衰を抑え、読み出し回路への放射線の影響を抑えた放射線検出器を提供する。
【解決手段】X線ストリップ検出器1において、変換層3のX線入射面3aには、X線入射反対面3b内には、ピクセル電極5およびYストリップ7が設けられている。ピクセル電極5は、互いに直交するX方向およびY方向に並んでいる。X方向に並ぶピクセル電極5の各々は、X方向に並ぶピクセル電極5の列ごとに、ピクセル電極接続部9で接続される。一方、Yストリップ7は、Y方向に長手であり、Y方向に並ぶピクセル電極5の列と交互に設けられている。ピクセル電極5およびピクセル電極接続部9は、X方向に長手のストリップ電極として機能する。それらにより、変換層3のX線入射反対面3bの片面読み出しで両サイド型のストリップ検出器と同等の機能が得られる。
【選択図】図2

Description

本発明は、放射線に感応して電荷を生成する変換層を備えた放射線検出器に関する。
従来、放射線検出器の一例として、X線検出器がある(例えば、特許文献1参照)。X線検出器は、X線管と共に、X線透視装置などに設けられている。
X線検出器は、X線検出方式として、間接変換型と直接変換型の2つの方式がある。間接変換型は、入射したX線をシンチレータで別の光に変換し、その光をフォトダイオード又はCCDで電荷に変換することにより、X線を検出する。一方、直接変換型は、入射したX線を半導体層で電荷に変換することにより、X線を検出する。
間接変換型では、シンチレータのX線の反応位置と、フォトダイオードが捕らえた位置とで位置ずれが生じる。これに対し、直接変換型では、半導体層において、X線の反応位置から直接電荷(電子またはホール)が収集用の電極に向かってドリフトするので、間接変換型よりも優れた位置分解能を得ることができる。
このようなX線検出器は、一般的に、ピクセル検出器が用いられる。ピクセル検出器は、ピクセルに対応する数の、X線を検出するX線検出素子を多数平面状に配置したものである。また、ピクセル検出器の読み出し方式は、X線から変換された電荷を蓄積容量に一定期間で貯めた後、TFT(薄膜トランジスタ)等のスイッチング素子で、貯めた電荷を読み出すという積分型である。この積分型に対し、近年、フォトンカウンティング型の検出器が普及しつつあり、一部の医用機器においても使用され始めている。
フォトンカウンティング型の検出器として、図10のような、ストリップ検出器101がある。ストリップ検出器101は、入射したX線に感応し電荷を生成するn型の半導体層103と、半導体層103を挟み込むように設けられたX方向およびY方向に長手のストリップ電極105,107とを備えている。ストリップ電極105,107は、細長い板状の電極である。複数のストリップ電極105,107は、並列に配置される。
なお、図10のストリップ検出器101において、X方向に長手のストリップ電極105と半導体層103との間には、X方向に長手のp層171が設けられている。また、Y方向に長手のストリップ電極107と半導体層103との間には、Y方向に長手のn層173が設けられており、隣接する2つのn層173の間には、p層175が設けられている。また、半導体層103のストリップ電極105,107が形成されないところでは、絶縁層(例えばSiO:二酸化ケイ素)177が形成されている。
このようなストリップ検出器101によれば、例えば、ピクセル検出器が3×3ピクセルで構成される場合、9(=3×3)個の読み出しチャンネルを必要とするが、ストリップ電極105,107の個数の合計である、6(=3+3)個の読み出しチャンネルとすることができる利点がある。すなわち、読み出しチャンネルの個数を大幅に抑えることができる。
ストリップ検出器は、例えば、産業機器における非破壊検査装置でのマイクロフォーカスX線管を用いた微小観察に用いられる。すなわち、マイクロフォーカスX線管を用い、また、2次元センサの有感領域が狭いときは、あまりX線が来ない。そのため、ストリップ検出器が用いられる。
なお、特許文献2,3には、シリコン貫通電極(TSV:through silicon via)技術を用いて、シリコンウェーハにフォトダイオード・アレイを形成する方法が記載されている。
特開2005−019543号公報 特開2013−140962号公報 特開2013−140975号公報
図10のように、変換層103の両側にストリップ電極105,107が配置される場合、両側のストリップ電極105,107から配線を引き出さなければならず、電荷読み出しの回路構成が複雑になる問題がある。
また、変換層103の両側にストリップ電極105,107が配置される両サイド型のストリップ検出器101の場合、次のような問題がある。すなわち、本発明者は、図10のストリップ検出器101に関連して、図11のストリップ検出器201を発明した。X線ストリップ検出器201では、X線入射側のストリップ電極105とプリント基板181は、X線入射側のインターポーザ183を介在して接続されており、X線入射反対側のストリップ電極107とプリント基板185は、X線入射反対側のインターポーザ187を介在して接続されている。
このような構成の場合、変換層103のX線入射反対側では、インターポーザ187を設けることにより、配線の引き出し方法に自由度がある。しかしながら、変換層103のX線入射側では、配線の引き出し方法が制限される。すなわち、インターポーザ183によりX線が減衰し、ストリップ検出器のX線の感度が低下する。また、シリコン等の基板と配線等を有するインターポーザ183に代えて、アンプ等の読み出し回路を更に有するIC(集積回路)チップを用いる場合、読み出し回路がX線の影響を受けてしまうので、読み出し回路の保護の観点から読み出し回路を有するICチップを配置できない。また、図11において、インターポーザ183やICチップを設けない場合、配線の引き出し量にも制限がある。ストリップピッチの微細化やチャンネル数の増加により引き出しが困難になる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、電荷読み出しの回路構成を単純化でき、放射線の減衰を抑え、読み出し回路への放射線の影響を抑えた放射線検出器を提供することを目的とする。
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、本発明に係る放射線検出器は、入射した放射線を電荷に変換する変換層と、前記変換層の放射線入射反対面内で、互いに直交する第1方向および第2方向に並ぶ複数のピクセル電極と、前記第1方向に並ぶ前記ピクセル電極の列ごとに、前記第1方向に並ぶ前記ピクセル電極の各々と接続するピクセル電極接続部と、前記変換層の放射線入射反対面内に、前記第2方向に並ぶ前記ピクセル電極の列と交互に設けられた、前記第2方向に長手の複数のストリップ電極と、前記ピクセル電極接続部および前記ストリップ電極により読み出された前記電荷に基づき、放射線の入射位置を特定する入射位置特定部と、を備えていることを特徴とするものである。
本発明に係る放射線検出器によれば、放射線入射反対面内には、ピクセル電極およびストリップ電極が設けられている。複数のピクセル電極は、互いに交わる第1方向および第2方向に並んでいる。第1方向に並ぶピクセル電極の各々は、第1方向に並ぶピクセル電極の列ごとに、ピクセル電極接続部で接続される。一方、複数のストリップ電極は、第2方向に長手であり、第2方向に並ぶピクセル電極の列と交互に設けられている。ピクセル電極およびピクセル電極接続部は、第1方向に長手のストリップ電極として機能する。それらにより、変換層の放射線入射反対面の片面読み出しで両サイド型のストリップ検出器と同等の機能を有することができる。
また、両サイド型のストリップ検出器では、放射線入射面側にも読み出し回路等の構成が必要になり、回路構成が複雑になる。しかしながら、本発明によれば、片面読み出しの構成とすることで、読み出し回路を放射線入射反対面に集約することができ、回路構成を単純化することができる。また、片面読み出しの構成とすることで、放射線入射面側に電荷を読み出すための配線等が設けられないので、放射線の減衰を抑えることができる。また、放射線入射面側に配置される読み出し回路への放射線の影響を抑えることができる。
また、本発明に係る放射線検出器において、前記電荷を読み出すための配線が形成された読み出し基板と、前記変換層と前記読み出し基板との間でかつ、前記変換層の前記放射線入射反対面を覆うように設けられた、前記ピクセル電極接続部を有する中間基板とを備えていることが好ましい。前記変換層と前記読み出し基板との間に中間基板を設けることにより、ピクセル電極接続部などの回路構成の単純化を実現させることができる。
また、本発明に係る放射線検出器において、前記中間基板の前記変換層側の配線は、前記ピクセル電極および前記ストリップ電極とバンプ接続することが好ましい。バンプ接続することにより、ワイヤーボンディングで配線を引き出さないので、ストリップピッチの微細化や多チャンネル化に対応できる。
また、本発明に係る放射線検出器において、前記中間基板は、前記ピクセル電極接続部および前記ストリップ電極のいずれかから読み出した電荷を処理する読み出し回路を有していることが好ましい。これにより、読み出し基板に形成していた読み出し回路の一部を中間基板に形成することができ、回路構成を更に単純化することができる。
また、本発明に係る放射線検出器において、前記中間基板は、前記放射線入射反対面と対向する面の領域を、前記第1方向および前記第2方向に方形のセルが配列するようにグリッド状に分けて構成され、前記セルには、前記読み出し回路のうち、前記ピクセル電極接続部および前記ストリップ電極ごとに読み出した電荷を処理する第1読み出し回路が設けられ、前記ピクセル電極接続部は、前記第1方向に長手の配線であり、前記放射線入射反対面と直交する方向から見たときに、前記ピクセル電極接続部および前記ストリップ電極は、各々が通過する前記第1読み出し回路のいずれかと接続されていることが好ましい。
すなわち、中間基板は、放射線入射反対面と対向する面の領域を、第1方向および第2方向に方形のセルが配列するようにグリッド状に分けて構成されている。そのセルには、読み出し回路のうち、ピクセル電極接続部およびストリップ電極ごとに読み出した電荷を処理する、例えばアンプ等の第1読み出し回路が設けられている。ピクセル電極接続部は、第1方向に長手の配線であり、また、ストリップ電極は第2方向に長手の電極である。変換層の放射線入射面と直交する方向から見たときに、ピクセル電極接続部およびストリップ電極は、各々が通過する第1読み出し回路のいずれかと接続するように構成されている。
このように、中間基板は、領域をグリッド状に分けて構成されたセルに第1読み出し回路が設けられ、ピクセル電極接続部およびストリップ電極は、各々が通過する第1読み出し回路のいずれかと接続するように構成されている。そのため、例えば、ピクセル電極接続部およびストリップ電極の本数が増えた場合であっても、第1読み出し回路と、ピクセル電極接続部およびストリップ電極の各々との対応付けを容易に行うことができる。また、有感領域全体(センサ面積)と、ピクセル電極接続部およびストリップ電極の本数とに基づき、第1読み出し回路が形成される1セルに必要な面積を容易に設定することができる。
また、本発明に係る放射線検出器において、前記中間基板は、複数段で構成されていることが好ましい。これにより、例えば、1段目の中間基板にアンプ等を形成し、2段目の中間基板に入射位置特定部を形成すれば、回路構成が立体的になり、読み出し基板に形成していた入射位置特定までの回路構成をコンパクトにすることができる。
また、本発明に係る放射線検出器において、前記ピクセル電極接続部および前記ストリップ電極は、前記変換層の有感領域全体をマトリクス状に分割するように、分断されており、前記入射位置特定部は、分断された前記ピクセル接続部および前記ストリップ電極により読み出された前記電荷に基づき、マトリクス状に分割された分割有感領域ごとに、放射線の入射位置を特定することが好ましい。
ピクセル電極接続部およびストリップ電極は、変換層の有感領域全体をマトリクス状に分割するように、分断されている。そのため、入射位置特定部は、分断されたピクセル電極接続部およびストリップ電極により読み出された電荷に基づき、マトリクス状に分割された分割有感領域ごとに、放射線の入射位置を特定する。すなわち、読み出し時間内に2以上の放射線が入射しても、異なる分割有感領域に入射すれば、放射線の入射位置を特定できる。そのため、読み出し時間内に検出できる放射線数を増やすことができるので、照射線量の上限を上げることができ、十分な放射線数をカウントするまでの計測時間を短縮することができる。
また、有感領域全体を分割した分割有感領域ごとに電荷を読み出す場合、実際にどのように読み出すべきか、配線の引き出し方が問題となる。この問題は、分割有感領域が多いほど顕著であり、分割有感領域を多くすることを妨げている。そこで、上述のように、中間基板は、領域をグリッド状に分けて構成されたセルに第1読み出し回路が設けられ、ピクセル電極接続部およびストリップ電極は、各々が通過する第1読み出し回路のいずれかと接続するように構成されている。これにより、ピクセル電極接続部およびストリップ電極が分断されて、本数が増えた場合であっても、分断されたピクセル電極接続部およびストリップ電極の各々と、第1読み出し回路との対応付けを容易に行うことができる。また、有感領域全体(センサ面積)と、分断されたピクセル電極接続部およびストリップ電極の本数とに基づき、第1読み出し回路が形成される1セルに必要な面積を容易に設定することができる。
本発明に係る放射線検出器によれば、片面読み出しの構成とすることで、読み出し回路を放射線入射反対面に集約することができ、回路構成を単純化することができ、ストリップピッチの微細化や多チャンネル化に、回路構成を大きく変えずに対応できる。また、片面読み出しの構成とすることで、放射線入射面側に電荷を読み出すための配線等が設けられないので、放射線の減衰を抑えることができる。また、放射線入射面側に配置される読み出し回路への放射線の影響を抑えることができる。
実施例1に係るX線ストリップ検出器の縦断面図である。 実施例1に係る、変換層のX線入射反対面側から見た図である。 実施例1に係るX線ストリップ検出器のブロック図である。 (a)は、実施例2に係る、ICチップのX線入射面と直交する方向から見た図であり、(b)は(a)における1セルを示す図である。 (a)、(b)は、図4(a)の縦断面方向のブロック図である。 実施例3に係るX線ストリップ検出器の縦断面図である。 実施例4に係る、変換層のX線入射反対面側から見た図である。 (a)は、有感領域全体でのX線入射位置の特定を説明するための図であり、(b)は、4つの分割有感領域でのX線入射位置の特定を説明するための図である。 (a)は、実施例4に係る、ICチップのX線入射面と直交する方向から見た図であり、(b)は(a)における1セルを示す図である。 従来の両サイド型のストリップ検出器の斜視図である。 課題を説明するための縦断面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施例1を説明する。放射線検出器の一例として、X線ストリップ検出器について説明する。図1は、実施例1に係るX線ストリップ検出器の縦断面図であり、図2は、実施例1に係る、変換層のX線入射反対面側から見た図である。すなわち、図2は、図1中のD方向から見た図である。なお、図1中の符号XRは、X線照射を示している。また、本実施例における「接続」とは、原則、電気的に接続されることを示す。
本実施例のX線ストリップ検出器1は、片面読み出しで両サイド型のストリップ検出器と同等の機能を有する検出器である。
<変換層とピクセル電極とストリップ電極>
図1を参照する。X線ストリップ検出器1は、入射したX線を直接電荷に変換する変換層3を備えている。変換層3は、Si(シリコン)、CdTe(テルル化カドミウム)、CdZnTe(CZT:テルル化亜鉛カドミウム)およびPbI(ヨウ化鉛)等のいずれかの半導体層で構成されている。
変換層3のX線入射面3aには、X線入射面3aを覆うように、共通電極4が設けられている。共通電極4は、変換層3のX線入射面3aのほぼ全面に設けられている。一方、変換層3のX線入射反対面3b内には、ピクセル電極5と、Y方向ストリップ電極(以下適宜、「Yストリップ」とする)7とが設けられている。
ピクセル電極5は、図2のように、複数で構成されており、変換層3の放射線入射反対面3b内で、互いに直交するX方向およびY方向に並んでいる。すなわち、複数のピクセル電極5は、マトリクス状に配置されている。また、Yストリップ7は、図2のように、Y方向に長手であり、細長い板状の電極である。Yストリップ7は、複数で構成されている。Yストリップ7は、変換層3の放射線入射反対面3b内に、Y方向に並ぶピクセル電極5の列と交互に設けられている。
共通電極4、ピクセル電極5およびYストリップ7は、導電性材料で構成され、例えば、ピクセル電極5およびYストリップ7は、Al(アルミニウム)で構成されている。
また、共通電極4には、バイアス電圧Vhが印加されるようになっている。そのため、共通電極4と、ピクセル電極5およびYストリップ7との間に、電圧が加えられるので、変換層3内に電場が形成される。これにより、変換層3で変換された電子およびホールを反対方向にドリフトさせて、変換層3の片面に設けられたピクセル電極5およびYストリップ7の各々で、電子またはホールを読み出すことができる。
なお、X線入射面3aは、本発明の放射線入射面に相当し、X線入射反対面3bは、本発明の放射線入射反対面に相当する。また、Yストリップ7は、本発明のストリップ電極に相当する。また、X方向が本発明の第1方向に相当し、Y方向が本発明の第2方向に相当する。
<プリント基板とICチップ>
また、X線ストリップ検出器1は、図2のように、X方向に並ぶピクセル電極5の列ごとに、X方向に並ぶピクセル電極5の各々と接続するピクセル電極接続部9を備えている。ピクセル電極接続部9は、X方向に並ぶピクセル電極5の各々と接続することにより、Yストリップ7と直交するX方向のストリップ電極として機能する。そのため、互いに直交するYストリップ7およびピクセル電極接続部9により、X線の入射位置を特定することができる。なお、ピクセル電極接続部9は、導電性材料で構成され、また、ピクセル電極5およびピクセル電極接続部9と、Yストリップ7とは、電気的に絶縁状態にある。
ピクセル電極接続部9は、例えば、図1のように、例えばLSI(大規模集積回路)などのICチップ11内に形成されている。また、X線ストリップ検出器1は、電荷を読み出すための配線13aが形成されたプリント基板13を備えている。ICチップ11は、変換層3とプリント基板13との間でかつ、変換層3のX線入射反対面3bを覆うように設けられている。また、ICチップ11は、配線11a,11b等が形成される基板11cが例えばシリコンで構成されている。なお、ICチップ11は、本発明の中間基板に相当する。
ICチップ11の変換層3側の配線11aは、ピクセル電極5およびYストリップ7の各々と接続している。配線11aと、ピクセル電極5およびYストリップ7との接続は、半田などの導電性材料で構成されたバンプ15によりバンプ接続される。バンプ接続により、ピクセル電極5とYストリップ7等が細かいピッチで形成されていても配線を引き出すことができる。また、配線11aとピクセル電極接続部9は、シリコン貫通電極(以下適宜、「TSV」とする)17で接続されている。
Yストリップ7と接続する配線11aは、図示しないTSVにより、後述するアンプ31等を経由して反対側の配線11bと接続される。また、ピクセル電極接続部9は、さらに、図示しないTSVにより、後述するアンプ31等を経由して配線11bと接続される。配線11bと、プリント基板13の配線13aとは、半田などの導電性材料で構成されたバンプ19によりバンプ接続される。このような構成により、ピクセル電極5およびYストリップ7で読み出した電荷情報を、さらにプリント基板13に読み出すことができる。
なお、プリント基板13は、一般的に、バンプ接続できる配線ピッチが約100μm程度である。そのため、ピクセル電極5とYストリップ7との間のピッチP1(図1参照)が例えば10umなど、プリント基板13の配線13aのピッチP2(図1参照)よりも細かく(狭く)なると、ピクセル電極5およびYストリップ7と、プリント基板13との間を直接バンプ接続できない。
しかしながら、図1のように、変換層3とプリント基板13と間には、ICチップ11が介在している。そのため、ピクセル電極5とYストリップ7との間等のピッチP1を、プリント基板13の配線13aのピッチP2となるように拡大して、ピクセル電極5およびYストリップ7と、プリント基板13の配線13aとを接続させることができる。これにより、ピクセル電極5とYストリップ7との間のピッチP1が細かい場合であっても、ピクセル電極5およびYストリップ7と、プリント基板13の配線13aとを接続できる。
<入射位置特定回路等>
次に、ピクセル電極5およびYストリップ7によって読み出された、変換層3で変換された電荷を処理する読み出し回路について説明する。図3は、実施例1に係るX線ストリップ検出器1のブロック図である。
ピクセル電極5に接続するピクセル電極接続部9、およびYストリップ7の各々の出力側には、アンプ31や、ノイズを除いて波形を整形するシェイパー(shaper)(図示しない)等が設けられている。また、アンプ31等の後段には、マルチプレクサ33およびA/D変換器35が順番に接続されている。アンプ31は、電荷を電圧信号に変換する。マルチプレクサ33は、複数の電圧信号から1つの電圧信号を選択して出力する。A/D変換器35は、電圧信号をアナログからディジタルに変換する。
また、A/D変換器35の出力側には、さらに、入射位置特定回路37およびデータ収集部39が設けられている。入射位置特定回路37は、Yストリップ7およびピクセル接続部9(X方向のピクセル電極5の列)により読み出された電荷に基づき、有感領域全体A内で、X線の入射位置を特定する。データ収集部39は、有感領域全体Aで特定したX線入射位置と、そのX線入射数のデータを収集する。
また、これら、アンプ31、図示しないシェイパー、マルチプレクサ33、A/D変換器35、入射位置特定回路37およびデータ収集部39等は、検出器制御部41により統轄的に制御される。検出器制御部41は、予め設定された読み出し時間(読み出し周期:0<t≦約1μs程度)で電荷を繰り返し読み出すように制御する。データ収集部39は、収集した、X線入射位置およびX線入射数のデータに基づき、X線画像を出力する。これにより、X線ストリップ検出器1は、X線画像を出力する。
なお、本実施例では、アンプ31、図示しないシェイパー、マルチプレクサ33、A/D変換器35、入射位置特定回路37、データ収集部39および検出器制御部41等の読み出し回路は、それらの一部または全部がICチップ11に設けられている。
また、図1のICチップ11に代えて、インターポーザが設けられてもよい。インターポーザは、ピクセル電極接続部9、配線11a,11b、基板11c、TSV17等を有し、アンプ31等の読み出し回路を有していないものである。この場合、アンプ31等の読み出し回路は、例えば、プリント基板13、あるいはプリント基板13の後段に設けられる。なお、インターポーザは、本発明の中間基板に相当する。
<X線ストリップ検出器の動作>
次に、X線ストリップ検出器1の動作を説明する。図1を参照する。X線ストリップ検出器1の共通電極4には、予め設定されたバイアス電圧Vhが印加されている。X線管(図示せず)から被検体(図示せず)にX線を照射し、被検体を透過したX線をX線ストリップ検出器1で検出する。
X線ストリップ検出器1の変換層3にX線が入射すると、変換層3内で光電効果を起こし、1千から1万個程度の電子−ホール対が生成される。バイアス電圧Vhにより変換層3に電場が形成されているので、例えば、共通電極4側に電子がドリフトし、ピクセル電極5およびYストリップ7にホールがドリフトする。そのため、この説明では、ピクセル電極5およびYストリップ7には、ホールが読み出される。なお、ピクセル電極5およびYストリップは、電子を読み出してもよい。
電子−ホール対の生成場所には、広がりがあり、ドリフト中にも拡散する。そのため、ピクセル電極5とYストリップ7と等のピッチがある程度小さければ、図2の符号EHのように、ピクセル電極5とYストリップ7とに跨って電荷(電子またはホール)が読み出される。読み出された電荷は、バンプ15を通じてピクセル電極5およびYストリップ7から読み出される。
図1において、ICチップ11が、アンプ31等の読み出し回路を有しないインターポーザの場合、ピクセル電極5は、バンプ15、配線11a、TSV17、ピクセル電極接続部9、ピクセル電極接続部9と配線11bとを接続させるTSV(図示しない)、配線11bおよびバンプ19を通じてプリント基板13の配線13aと電気的に接続される。一方、Yストリップ7は、バンプ15、配線11a、配線11aと配線11bとを接続させるTSV(図示しない)、配線11bおよびバンプ19を通じてプリント基板13の配線13aと電気的に接続される。配線13aに読み出された電荷は、プリント基板13、あるいはプリント基板13の後段に設けられたアンプ31等の読み出し回路により、必要な処理が行われて、X線画像を出力する。
また、図1において、ICチップ11の場合、ICチップ11は、アンプ31等の読み出し回路の一部または全部を有している。そのため、ピクセル電極接続部9およびYストリップ7ごとに読み出された電荷は、ICチップ11、あるいは、バンプ接続されたICチップ11およびプリント基板13等により、必要な処理が行われて、X線画像を出力する。以下、順番に説明する。
まず、読み出された電荷は、図3のアンプ31により電圧信号に変換される。すなわち、ピクセル電極接続部9およびYストリップ7ごとに読み出された電荷が電圧信号に変換される。変換された複数の電圧信号は、マルチプレクサ33により1つの電圧信号が選ばれて出力される。A/D変換器35は、電圧信号をアナログからディジタルに変換する。ディジタル変換された電気信号は、入射位置特定回路37に送られる。
入射位置特定回路37は、複数のピクセル電極接続部9に対応する電圧信号の強度から、ピクセル電極接続部9におけるX線入射位置を特定する。同様に、入射位置特定回路37は、複数のYストリップ7に対応する電圧信号の強度から、Yストリップ5におけるX線入射位置を特定する。なお、X線入射により変換された電荷の広がりは、複数のピクセル電極接続部9および複数のYストリップ7の少なくともいずれかに跨っている場合がある。この場合、入射位置特定回路37は、ピクセル電極接続部9またはYストリップ7のX線入射位置の特定において、例えば、電圧信号の最大値をX線入射位置として特定する。
例えば、図3のように、入射位置特定回路37は、矢印LXのピクセル電極接続部9でX線入射位置であると特定し、矢印LYのYストリップ7でX線入射位置であると特定するとする。これにより、入射位置特定回路37は、1本のX線が、矢印LXのピクセル電極接続部9と、矢印LYのYストリップ7とが交わる交点RでX線入射したと特定する。
また、X線入射位置と、その位置におけるX線入射数のデータは、データ収集部39で収集される。データ収集部39、すなわちX線ストリップ検出器1は、X線入射位置と、その位置におけるX線入射数のデータに基づきX線画像を出力する。出力されたX線画像は、必要な画像処理が行われる。そして、X線画像は、液晶モニタなどの表示部(図示しない)に表示され、記憶部(図示しない)に記憶される。
本実施例によれば、変換層3のX線入射面3aには、共通電極4が設けられており、X線入射反対面3b内には、ピクセル電極5およびYストリップ7が設けられている。複数のピクセル電極5は、互いに直交するX方向およびY方向に並んでいる。X方向に並ぶピクセル電極5の各々は、X方向に並ぶピクセル電極5の列ごとに、ピクセル電極接続部9で接続される。一方、複数のYストリップ7は、Y方向に長手であり、Y方向に並ぶピクセル電極5の列と交互に設けられている。ピクセル電極5およびピクセル電極接続部9は、X方向に長手のX方向ストリップ電極として機能する。それらにより、変換層3のX線入射反対面3bの片面読み出しで両サイド型のストリップ検出器と同等の機能を有することができる。
また、両サイド型のストリップ検出器では、放射線入射面3a側にも読み出し回路等の構成が必要になり、回路構成が複雑になる。しかしながら、本発明によれば、片面読み出しの構成とすることで、読み出し回路を放射線入射反対面3bに集約することができ、回路構成を単純化することができる。また、片面読み出しの構成とすることで、変換層3のX線入射面3a側に電荷を読み出すための配線等が設けられないので、放射線の減衰を抑えることができる。また、X線入射面側に配置される読み出し回路への放射線の影響を抑えることができる。
また、X線ストリップ検出器1は、電荷を読み出すための配線13aが形成されたプリント基板13と、変換層3とプリント基板13との間でかつ、変換層3のX線入射反対面3bを覆うように設けられた、ピクセル電極接続部9を有するICチップ11とを備えている。変換層3とプリント基板13との間にICチップ11を設けることにより、ピクセル電極接続部9などの回路構成の単純化を実現させることができる。
また、ICチップ11の変換層3側の配線11aは、ピクセル電極5およびYストリップ7とバンプ接続する。バンプ接続することにより、ワイヤーボンディングで配線を引き出さないので、ストリップピッチの微細化や多チャンネル化に対応できる。
また、ICチップ11は、ピクセル電極5およびYストリップ7のいずれかから読み出した電荷を処理する読み出し回路を有している。これにより、プリント基板13に形成していた読み出し回路の一部をICチップ11に形成することができ、回路構成を更に単純化することができる。
次に、図面を参照して本発明の実施例2を説明する。なお、実施例1と重複する説明は省略する。実施例2では、実施例1のICチップ11について、アンプ31等の読み出し回路の配置について説明する。
実施例2において、読み出し回路は、次のように2種類に分類される。すなわち、読み出し回路は、アンプ31や、図示しないシェイパー等のような、ピクセル電極接続部9およびYストリップ7ごとに読み出した電荷を処理する第1読み出し回路と、マルチプレクサ33やA/D変換器35等の第1読み出し回路以外の第2読み出し回路とに分類される。なお、A/D変換器35をピクセル電極接続部9およびYストリップ7ごとに設ける場合は、A/D変換器35は、第1読み出し回路に分類されることになる。
また、実施例2のX線ストリップ検出器1において、図4(a)のように、ICチップ11は、変換層3のX線入射反対面3bと対向する面の領域を、X方向およびY方向に、方形のセルCが配列するようにグリッド状に分けて構成されている。グリッド状に分けられた1つの領域であるセルCには、第1読み出し回路および第2読み出し回路のいずれかが設けられている。
また、ICチップ11内に設けられるピクセル電極接続部9は、X方向に長手の配線であり、Yストリップ7のように細長い板状で構成されている。そして、X線入射面3aと直交する方向から視たときに、ピクセル電極接続部9およびYストリップ7は、各々が通過するセルCの第1読み出し回路のいずれかと接続される。
このような構成にすることにより、第1読み出し回路(セルC)と、ピクセル電極接続部9およびYストリップ7の各々との対応付けを容易に行うことができる。
実施例2の特徴を具体的に説明する。図4(a)は、実施例2に係る、ICチップ11のX線入射面と直交する方向から見た図であり、図4(b)は、図4(a)における1セルを示す図である。また、図4(a)は、ピクセル電極5と接続するピクセル電極接続部9と、Yストリップ7と、セルCの配置と、バンプ15との配置関係を示している。なお、図4(a)において、図示等の便宜上、X方向に並ぶピクセル電極5の列は、ピクセル電極接続部9に重なるように配置されているものとする。また、ピクセル電極接続部9を実線で示す。
また、説明の便宜上、図4(a)において、ピクセル電極接続部9およびYストリップ7のいずれかと、セルCとの接続位置をバンプ15により表現している。また、白色で塗り潰したバンプ15は、ピクセル電極接続部9の接続位置を示し、黒色で塗り潰したバンプ15は、Yストリップ7の接続位置を示している。実際には、図5(a)のように、ピクセル電極接続部9とセルCは、TSV53により接続される。そのため、図4(a)の白色で塗り潰したバンプ15は、ピクセル電極接続部9とセルCの接続の対応関係を示している。一方、図5(b)のように、Yストリップ7とセルCは、バンプ15、配線11aおよびTSV55により接続される。そのため、同様に、図4(a)の黒色で塗り潰したバンプ15は、Yストリップ7とセルCの接続の対応関係を示している。なお、図5(a)および図5(b)において、セルCは、配線11b(図1参照)と図示しないTSV等により接続されている。
第1読み出し回路は、アンプ31、図示しないシェイパー等で構成されている。1つの第1読み出し回路は、1つのセルCに配置されており、1つのピクセル電極接続部9および1つのYストリップ7のいずれかから読み出した電荷を処理するようになっている。セルCは、ICチップ11内でX方向およびY方向に配置されている。ピクセル電極接続部9およびYストリップ7は、各々、線状である。そのため、ピクセル電極接続部9およびYストリップ7は、線状でないセルCに対して形状が異なる。しかしながら、図4(a)のように、バンプ接続の配置など対応関係を工夫することにより、全ての、ピクセル電極接続部9およびYストリップ7から電荷を読み出せるようになっている。
図4(a)では、16本×2方向(X方向およびY方向)=32本のピクセル電極接続部9およびYストリップ7が配置され、ICチップ11は、縦7個×横5個=35個のセルCが配列している。合計32本のピクセル電極接続部9およびYストリップ7は、各々が通過するセルCのいずれかと接続される。
合計32本のピクセル電極接続部9およびYストリップ7に対応する32個のセルCには、アンプ31や、図示しないシェイパー等のピクセル電極接続部9およびYストリップ7ごとに読み出した電荷を処理する第1読み出し回路が形成される。また、図4(a)において、3個(=35−32)のセルCが余る。余った3個のセルC(図4(a)中の上から7行目の左から3個のセルC)には、マルチプレクサ33やA/D変換器35等の第1読み出し回路以外の第2読み出し回路が形成されてもよい。
このような1セルCの面積は、センサの面積と、ピクセル電極5の列およびYストリップ7の本数の調節から簡単に設定することができる。例えば、10μmピッチのYストリップ7等を100本、X方向およびY方向に形成すると、センサーエリアは、1mm×1mmとなる。アンプ31等の第1読み出し回路は、200ch(チャンネル)必要なので、ICチップ11内の1chの読み出し回路のセルCの面積は、1mm/200ch=500μmとなる。そして、例えば、1つのセルCを、100μm×50μmの形状とすることができる。
本実施例によれば、ICチップ11は、X線入射反対面3bと対向する面の領域を、X方向およびY方向に方形のセルCが配列するようにグリッド状に分けて構成され、セルCには、読み出し回路のうち、ピクセル電極接続部9およびYストリップ7ごとに読み出した電荷を処理する第1読み出し回路が設けられ、ピクセル電極接続部9は、X方向に長手の配線であり、X線入射面3aと直交する方向から見たときに、ピクセル電極接続部9およびYストリップ7は、各々が通過する第1読み出し回路のいずれかと接続されている。
このように、ICチップ11は、領域をグリッド状に分けて構成されたセルCに第1読み出し回路が設けられ、ピクセル電極接続部9およびYストリップ7は、各々が通過する第1読み出し回路のいずれかと接続するように構成されている。そのため、例えば、ピクセル電極接続部9およびストリップ電極7の本数が増えた場合であっても、第1読み出し回路と、ピクセル電極接続部9およびYストリップ7の各々との対応付けを容易に行うことができる。また、有感領域全体(センサ面積)Aと、ピクセル電極接続部9およびYストリップ7の本数とに基づき、第1読み出し回路が形成される1セルCに必要な面積を容易に設定することができる。
次に、図面を参照して本発明の実施例3を説明する。なお、実施例1または2と重複する説明は省略する。図6は、実施例3に係るX線ストリップ検出器の縦断面図である。
実施例1および2では、ICチップ11は、単体であり、1段で構成されていた。この点、実施例3では、ICチップ11は、複数段で構成されている。すなわち、複数のICチップ11は、変換層3とプリント基板13との間で積層して構成されている。また、ICチップ11は、実施例1および2のように、TSV技術を用いて構成されている。
図6の2つのICチップ11,51の構成の一例を説明する。例えば、1段目(上側)のICチップ11は、実施例2のようにセルCを構成し、アンプ31等の第1読み出し回路が形成される。そして、2段目(下側)のICチップ51は、マルチプレクサ33、A/D変換器35、入射位置特定回路37およびデータ収集部39および検出器制御部41等の第2読み出し回路が形成される。
また、ICチップ11には、余ったセルCに、マルチプレクサ33、A/D変換器35、入射位置特定回路37、データ収集部39および検出器制御部41の少なくともいずれかが設けられてもよい。また、ICチップ51には、マルチプレクサ33、A/D変換器35、入射位置特定回路37、データ収集部39および検出器制御部41の少なくともいずれかが形成されていなくてもよい。この場合、ICチップ51に形成されない構成は、ICチップ51以外の例えばICチップ11およびプリント基板13の少なくともいずれかに形成される。
なお、図6において、TSVを符号57に示す。また、図6では、ICチップ11,51は、2段で構成されているが、3段以上で構成されていてもよい。この場合、3段以上のICチップには、読み出し回路が分けて配置される。
本実施例によれば、ICチップ11,51は、2(複数)段で構成されている。これにより、例えば、1段目のICチップ11にアンプ等を形成し、2段目のICチップ51に入射位置特定回路37を形成すれば、回路構成が立体的になり、プリント基板13に形成していた入射位置特定までの回路構成をコンパクトにすることができる。
次に、図面を参照して本発明の実施例4を説明する。なお、実施例1から3のいずれかと重複する説明は省略する。
図7は、実施例4に係る、変換層3のX線入射反対面3bから見た図である。実施例1〜3では、図2のように、有感領域全体AでX線の入射位置を特定していた。この点、実施例4では、図7のように、有感領域全体Aを2行×2列に分割した分割有感領域A1〜A4ごとに、X線の入射位置を特定している。
図7において、変換層3の有感領域全体Aは、太字の二点鎖線で示される。有感領域全体Aは、図7のように、変換層3の一部の領域であるが、変換層3の全部の領域であってもよい。
実施例4のX線ストリップ検出器1において、Yストリップ7は、変換層3の有感領域全体Aをマトリクス状に分割するように、分断されている。図7において、Yストリップ7は、境界線BYで分断されている。分断後のYストリップ7は、Y方向に並ぶ2つのYストリップ7a,7bで示される。
一方、ピクセル電極接続部9は、同様に、変換層3の有感領域全体Aをマトリクス状に分割するように、分断されている。図7において、ピクセル電極接続部9は、境界線BXで分断されている。すなわち、X方向に並ぶピクセル電極5の列は、境界線BXで分割して、変換層3の有感領域全体Aをマトリクス状に分割するように、2つ(複数)のピクセル電極接続部9a,9bで接続されている。このように、図7では、2行×2列に分割された4つの分割有感領域A1〜A4の各々でX線の入射位置が特定される。
本実施例の効果を説明する。実施例1等のX線ストリップ検出器1は、変換層3に1本のX線が入射すると、光電効果により電子およびホールが生じる。変換層3には、バイアス電圧により電場が加わっているので、電子とホールは各々、反対方向にドリフトし、X方向に長手のピクセル電極接続部9、およびY方向に長手のYストリップ7で読み出される。そして電子またはホールを読み出したピクセル電極接続部9およびYストリップ7の組合せにより、X線の入射位置が特定される。すなわち、図8(a)のように、矢印LXのピクセル電極接続部9および矢印LYのYストリップ7により、各々、電荷およびホールを読み出した場合、X線の入射位置が符号Rであることが判る。
しかしながら、有感領域全体Aで検出する際に、読み出し時間(0<t≦約1μs程度)内に2以上のX線が入射すると、実際に入射していない位置も入射位置の候補に挙がってしまう。すなわち、図8(a)において、読み出し時間内に2つの位置R,SにX線が入射すると、位置R,Sの他に、実際に入射していない位置T,Uも入射位置の候補に挙がってしまう。そのため、X線の入射位置を特定できない問題が生じる。この場合、X線入射のイベントが使用できなくなる。
2以上のX線が入射し、X線入射のイベントが使用できなくことを抑えるためには、照射線量の上限を下げなければならない。また、2以上のX線が入射してしまうことは、有感領域の面積が大きいほど起こりやすい。
本実施例によれば、ピクセル電極接続部9およびYストリップ7は、変換層3の有感領域全体Aをマトリクス状に分割するように、分断されている(図7および図8(b)参照)。そのため、入射位置特定回路37は、分断されたピクセル電極接続部9および、分断されたYストリップ7により読み出された電荷に基づき、マトリクス状に分割された分割有感領域A1〜A4ごとに、X線の入射位置を特定する。すなわち、読み出し時間内に2以上のX線が入射しても、異なる分割有感領域A1〜A4に入射すれば、X線の入射位置を特定できる。そのため、読み出し時間内に検出できるX線数を増やすことができるので、照射線量の上限を上げることができ、十分な放射線数をカウントするまでの計測時間を短縮することができる。
図8(b)を参照する。読み出し時間内に、例えば位置R,SにX線が入射しても、異なる分割有感領域A1,A4に入射すれば、入射位置特定回路37は、ピクセル電極接続部9とYストリップ7とが分断して構成された分割有感領域A1〜A4ごとに入射位置を特定する。そのため、ピクセル電極接続部9とYストリップ7とが分断されていない図8(a)のように、位置R,Sの他に、実際にX線が入射していない位置T,Uが入射位置の候補に挙がることがない。
次に、分割有感領域A1〜A4ごとにX線の入射位置を特定する本実施例の構成を、ICチップ11の面の領域をグリッド状に分けた実施例2の構成に適用させた場合について説明する。
図9(a)は、実施例4に係る、ICチップ11のX線入射面と直交する方向から見た図であり、図9(b)は、図9(a)における1セルを示す図である。図9(a)の例では、16本×2方向=32本のピクセル電極接続部9およびYストリップ7を配置され、ICチップ11は、縦8個×横8個=64個のセルが配列している。上述のように、ピクセル電極接続部9およびYストリップ7は、変換層3の有感領域全体Aをマトリクス状に分割するように、分断されている。すなわち、ピクセル電極接続部9は、境界線BXで分割され、Yストリップ7は、境界線BYで分割されている。そのため、分断されたピクセル電極接続部9a,9bおよび、分断されたYストリップ7a,7bは、合計64本ある。そして、図9(a)のように、分断されたピクセル電極接続部9a,9bおよび、分断されたYストリップ7a,7bは、第1読み出し回路のいずれかと接続される。これにより、合計64本のピクセル電極接続部9a,9bおよびYストリップ7a,7bは、64個のセルと1対1で対応する。
本実施例によれば、有感領域全体を分割した分割有感領域ごとに電荷を読み出す場合、実際にどのように読み出すべきか、配線の引き出し方が問題となる。この問題は、分割有感領域が多いほど顕著であり、分割有感領域を多くすることを妨げている。そこで、実施例2のようにICチップを構成し、ICチップ11と、ピクセル電極接続部9およびYストリップ7とを接続させる。
これにより、ピクセル電極接続部9およびYストリップ7が分断されて、本数が増えた場合であっても、分断されたピクセル電極接続部9a,9bおよびYストリップ7a,7bの各々と、アンプ等の第1読み出し回路との対応付けを容易に行うことができる。また、有感領域全体Aと、分断されたピクセル電極接続部9a,9bおよびYストリップ7a,7bの本数に基づき、第1読み出し回路が形成される1セルに必要な面積を容易に設定することができる。
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した実施例4では、有感領域全体Aを2行×2列に分割させていたが、2行×1列、1行×2列、2行×3列、3行×2列、および3行以上×3列以上であってもよい。例えば3行以上×3列以上の場合は、ICチップ11を設けることで、有感領域全体Aの端部に位置しない、有感領域全体Aの真ん中の分割有感領域からも電荷を読み出すことが容易にできる。
(2)上述した各実施例および変形例(1)では、検出対象の放射線としてX線が例示されていたが、例えばガンマ線や赤外線等であってもよい。なお、本発明の放射線は、フォトンを含み、フォトンは、X線、ガンマ線および赤外線等の電磁波を含むものとする。
(3)上述した各実施例および各変形例では、第1方向はX方向であり、第2方向はY方向であったが、これに限られない。すなわち、第1方向はY方向であり、第2方向はX方向と逆であってもよい。また、第1方向と第2方向とが互いに直交していれば、X方向およびY方向でなくてもよい。また、第1方向と第2方向は、他の角度(例えば88度等のほぼ直交)で交わっていてもよい。また、ピクセル電極5、Yストリップ7の第1方向および第2方向と、セルCが配列する第1方向および第2方向とは、完全に一致しなくてもよい。
(4)上述した各実施例および各変形例では、図2および図7において、Yストリップ7と、Y方向に並ぶピクセル電極5の列とは、1列ごとに交互に設けられていた。この点、例えば、2列のYストリップ7と、Y方向に並ぶピクセル電極5の2列とが交互に設けられていてもよい。また、1列のYストリップ7と、Y方向に並ぶピクセル電極5の2列とが交互に設けられていてもよい。
1 … X線ストリップ検出器
3 … 変換層
3a … X線入射面
3b … X線入射反対面
4 … 共通電極
5 … ピクセル電極
7(7a,7b)… Y方向ストリップ電極(Yストリップ)
9(9a,9b)… ピクセル電極接続部
11,51 … ICチップ
11a,11b … 配線
11c … 基板
13 … プリント基板
13a … 配線
15,19 … バンプ
17,53,55,57… シリコン貫通電極(TSV)
31 … アンプ
33 … マルチプレクサ
35 … A/D変換器
37 … 入射位置特定回路
39 … データ収集部
41 … 検出器制御部
A … 有感領域全体
A1〜A4… 分割有感領域

Claims (7)

  1. 入射した放射線を電荷に変換する変換層と、
    前記変換層の放射線入射反対面内で、互いに交わる第1方向および第2方向に並ぶ複数のピクセル電極と、
    前記第1方向に並ぶ前記ピクセル電極の列ごとに、前記第1方向に並ぶ前記ピクセル電極の各々と接続するピクセル電極接続部と、
    前記変換層の放射線入射反対面内に、前記第2方向に並ぶ前記ピクセル電極の列と交互に設けられた、前記第2方向に長手の複数のストリップ電極と、
    前記ピクセル電極接続部および前記ストリップ電極により読み出された前記電荷に基づき、放射線の入射位置を特定する入射位置特定部と、
    を備えていることを特徴とする放射線検出器。
  2. 請求項1に記載の放射線検出器において、
    前記電荷を読み出すための配線が形成された読み出し基板と、
    前記変換層と前記読み出し基板との間でかつ、前記変換層の前記放射線入射反対面を覆うように設けられた、前記ピクセル電極接続部を有する中間基板とを備えていることを特徴とする放射線検出器。
  3. 請求項2に記載の放射線検出器において、
    前記中間基板の前記変換層側の配線は、前記ピクセル電極および前記ストリップ電極とバンプ接続することを特徴とする放射線検出器。
  4. 請求項2または3に記載の放射線検出器において、
    前記中間基板は、前記ピクセル電極接続部および前記ストリップ電極のいずれかから読み出した電荷を処理する読み出し回路を有していることを特徴とする放射線検出器。
  5. 請求項4に記載の放射線検出器において、
    前記中間基板は、前記放射線入射反対面と対向する面の領域を、前記第1方向および前記第2方向に方形のセルが配列するようにグリッド状に分けて構成され、
    前記セルには、前記読み出し回路のうち、前記ピクセル電極接続部および前記ストリップ電極ごとに読み出した電荷を処理する第1読み出し回路が設けられ、
    前記ピクセル電極接続部は、前記第1方向に長手の配線であり、
    前記放射線入射反対面と直交する方向から見たときに、前記ピクセル電極接続部および前記ストリップ電極は、各々が通過する前記第1読み出し回路のいずれかと接続されていることを特徴とする放射線検出器。
  6. 請求項2から5のいずれかに記載の放射線検出器において、
    前記中間基板は、複数段で構成されていることを特徴とする放射線検出器。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の放射線検出器において、
    前記ピクセル電極接続部および前記ストリップ電極は、前記変換層の有感領域全体をマトリクス状に分割するように、分断されており、
    前記入射位置特定部は、分断された前記ピクセル接続部および前記ストリップ電極により読み出された前記電荷に基づき、マトリクス状に分割された分割有感領域ごとに、放射線の入射位置を特定することを特徴とする放射線検出器。
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