JP2015139379A - 核酸増幅装置及び核酸増幅方法 - Google Patents

核酸増幅装置及び核酸増幅方法 Download PDF

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Yusuke Fuchiwaki
雄介 渕脇
田中 正人
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正人 田中
秀典 永井
Shusuke Nagai
秀典 永井
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Abstract

【課題】流路内の核酸を超高速に増幅するための装置及び方法を提供する。
【解決手段】PCR反応を行うことができる一端が閉じられた少なくとも1つの毛細管を固定するための支持体、熱変性温度帯、並びに伸長/アニーリング温度帯を形成できるヒーター、前記毛細管内の圧力を調節可能な圧力調節機構を備えた核酸増幅装置であって、前記毛細管は内部のPCR試料液が前記3つの温度帯のいずれかで加熱されるように前記支持体に取り付けることができ、前記圧力調節機構は前記毛細管の開放側の端部と接続可能であり、毛細管内の圧力を大気圧以上の圧力条件下で前記圧力調節機構により調節することで毛細管内のPCR試料液を前記いずれかの温度帯に繰り返し移動させることができる、核酸増幅装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、核酸増幅装置及び核酸増幅方法に関する。
半導体微細加工技術などを用いて作製されたマイクロ流路チップで、微量のDNAサンプルから目的とする遺伝子配列領域を高速・簡便に増幅させるポリメラーゼ連鎖反応(Polymerase chain Reaction, PCR)が注目されている。
従来技術として、例えば、蛇行マイクロ流路を備えた核酸増幅装置であって、熱変性温度帯(94℃程度)、アニーリング温度帯(60℃程度)、伸長温度帯(72℃程度)を有し、かつ、PCR試料液が気体に挟まれた試料プラグの形状でポンプにより蛇行流路内に送液される核酸増幅装置(特許文献1,2)や、PCR試料液の還流を最適化する事によって高速な遺伝子増幅を達成した方法(特許文献3)が公開されている。
特許文献1,2では、平板型マイクロ流体装置内を流れているPCR試料プラグ液の前後の気体との界面に生じる蒸気圧差を利用することで、高速な温度制御を達成しているが、
(i)入口からの気体吐出によって試料プラグ液を送液させる場合、連続蛇行状のマイクロ流路は高い内圧上昇が発生するため、蛇行状流路の入口付近、中央付近、出口付近は流速が著しく異なる。そのため、蒸気圧差による流体制御を効果的に作用させるには、煩雑な流体制御法が必要になること。
(ii)出口からの気体吸引によって試料プラグ液を送液させる場合、マイクロ流路内の高い蒸気圧は、出口からの吸引による減圧によって解放されるため、マイクロ流路内の蒸気圧差は薄れること。
(iii)蒸気圧差の効果は、装置に接しているヒーターブロックのPID制御のバラつきと、装置とヒーター接触面の熱伝導の不均一さによる影響を大きく受けること。
(iv)1サイクル分或はそれ以上隔てられた状態で、セグメントフロー方式により複数の試料プラグ液を送液する場合、蒸気圧差が発生しているマイクロ流路内を、其々の試料プラグ液の流体制御を実現しながら送液し続けることは、技術的に極めて困難であること、の問題があった。
特許文献3では、試料液自身の還流を活用することで、正確な温度制御と迅速な昇降操作を可能にしているが、煩雑な制御系が必要であることと、他の生化学反応部との接続を考えた場合、構造上自由度が低く扱い難いという問題がある。
これまでの技術では、現場で処理可能な、迅速かつ簡便なPCRを行うことが不可能であり、超高速に増幅を行える方法が望まれていた。
特開2011-200193 特開2013-055921 特開2011-250800
遺伝子検査は核酸増幅反応だけでなく、微量サンプルの採取、微量サンプルと試薬の混合、増幅した核酸の分析を行う必要がある。
しかし、これらの操作を連続して進める過程でピペットやチューブ等への吸着や、其々の操作には熟達した技術が必要である。
本発明は、熟達した技術を要せずにPCR反応により核酸を超高速に増幅するための装置及び方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の核酸増幅装置及び核酸増幅方法を提供するものである。
項1. PCR反応を行うことができる一端が閉じられた少なくとも1つの毛細管を固定するための支持体、熱変性温度帯、並びに伸長/アニーリング温度帯を形成できるヒーター、前記毛細管内の圧力を調節可能な圧力調節機構を備えた核酸増幅装置であって、前記伸長/アニーリング温度帯は、伸長温度帯とアニーリング温度帯からなる2つの温度帯であるか、伸長温度帯とアニーリング温度帯を兼ねる伸長兼アニーリング温度帯であり、前記毛細管は内部のPCR試料液が前記温度帯のいずれかで加熱されるように前記支持体に取り付けることができ、前記圧力調節機構は前記毛細管の開放側の端部と接続可能であり、毛細管内の圧力を大気圧以上の圧力条件下で前記圧力調節機構により調節することで毛細管内のPCR試料液を前記いずれかの温度帯に繰り返し移動させることができる、核酸増幅装置。
項2. 前記圧力調節機構がスポイト及びチューブを備え、前記チューブが毛細管の開放側端部と接続され、スポイトを押す力を調節することで毛細管内のPCR試料液をアニーリング温度帯、伸長温度帯または熱変性温度帯に移動させることができる、項1に記載の核酸増幅装置。
項3. 前記圧力調節機構がシリンジ、ピストン及びピストンを駆動できる制御モータを備え、前記シリンジが毛細管の開放側端部と接続され、シリンジ内でピストンを移動させることで毛細管内のPCR試料液を各温度帯に移動させることができる、項1に記載の核酸増幅装置。
項4. 熱変性温度帯、伸長温度帯、アニーリング温度帯からなる3つの温度帯を有する、項1〜3のいずれかに記載の核酸増幅装置。
項5. 熱変性温度帯、伸長兼アニーリング温度帯からなる2つの温度帯を有する、項1〜3のいずれかに記載の核酸増幅装置。
項6. 以下の工程1〜4を含む、核酸増幅方法:
工程1:開放系の毛細管に微量のサンプルとPCR増幅試薬の混合液を採取する工程
工程2:一端を閉じた前記毛細管を項1〜4のいずれかに記載の核酸増幅装置の支持体に取り付ける工程
工程3:前記毛細管の開放側端部と前記核酸増幅装置の圧力調節機構を接続する工程
工程4:前記圧力調節機構により毛細管内のPCR反応液を大気圧以上の条件下で熱変性温度帯、伸長/アニーリング温度帯のいずれかに移動させながらPCRサイクルを行う工程。
項7.
工程1−1:開放系の毛細管に微量のサンプルを採取する工程
工程1−2:工程1−1で毛細管に採取したサンプルをPCT増幅試薬内に押出す工程
工程1−3:サンプルとPCT増幅試薬を含む微量の混合液を毛細管に採取する工程
を含み、必要に応じて工程1−2と工程1−3を繰り返すことにより前記工程1を行うことを特徴とする、項6に記載の核酸増幅方法
項8. 使い捨ての同一毛細管を使って微量サンプルと試薬の混合・調整、核酸の増幅を連続して行うことを特徴とする、項6又は7に記載の核酸増幅方法。
遺伝子検査のように、医療現場において微量に採取した生体試料から、遺伝子のPCR増幅を簡便かつ安価に行うことができる。本発明では、PCR試料液が1つの流路内の3つの温度帯を繰り返し移動するため遺伝子の非特異的吸着の影響がほとんどなく、試料間でコンタミネーションの起こるリスクがないなどの優れた効果を奏する。またリアルタイムPCRへの展開が容易であり、遺伝子の定量化が可能である。
本発明によれば、開放系の毛細管を使った微量サンプルの採取、増幅試薬の調製、密閉された毛細管内で高速・再現性のあるサーマルサイクル、解析などの操作を同一毛細管内で行うことで、熟達した技術を必要とせず、遺伝子検査を実施することができる。
本発明では、大気圧以上の密閉空間でプラグ状のPCR試料液をサーマルサイクルに必要な各温度帯に移動させて高速・高精度に核酸増幅を行うことができ、閉流路で大気圧以上に加圧することで、蒸発を抑制できる。さらに、一試料に対して一毛細管を割り当てることで、吸着による収率の低下及び試料間での交差汚染リスクを防ぐことができる。
安価・手軽な試料採取、混合、超高速遺伝子増幅 毛細管を使用して試料と試薬を混合する手順を示す。 毛細管を使用して試料と試薬を混合する手順を示す。 スポイトと毛細管を使用した超高速PCR法を模式的に示す。 圧力調節機構としてのスポイトを押したり戻したりすることで毛細管内の試料液を各温度帯に移動できることを示す。 スポイトと毛細管を使用した超高速PCR法において、デジタルカメラによる超高速温度サイクル時(毛細管2本)の写真を示す。 スポイトと毛細管を使用した超高速PCR法において、赤外線カメラによる超高速温度サイクル時(毛細管2本)の画像を示す。 スポイトと毛細管を使用した超高速PCR法において、サーマルサイクルによる試料プラグ液の残留時間分布を示す。 スポイトと毛細管を使用した超高速PCR法において、リアルタイムPCRキットのDNA断片の増幅に伴って得られた蛍光強度の増加を示す。 陽圧をモータとシリンジ/ピストンを組み合わせ、陽圧のプログラムを5種類作製してシリンジで押す・引くを繰り返した時の超高速PCR法の実施形態を示す。 モータとシリンジ/ピストンを組み合わせて用いた超高速PCR法での温度サイクルによる毛細管3(13.38秒/cycle)と毛細管4(12.33秒/cycle)の試料プラグ液の残留時間分布を示す。 モータとシリンジ/ピストンを組み合わせて用いた超高速PCR法での温度サイクルによる毛細管5(11.36秒/cycle)と毛細管6(10.31秒/cycle)の試料プラグ液の残留時間分布を示す。 モータとシリンジ/ピストンを組み合わせて用いた超高速PCR法での温度サイクルによる毛細管7(9.35秒/cycle)の試料プラグ液の残留時間分布を示す。 超高速PCR法において、RT−PCRを一本の毛細管内で行う1ステップRT−PCR(試料数:5/PCRは3段階)のときの実施形態を示す。 超高速PCR法において、RT−PCRを一本の毛細管内で行う1ステップRT−PCR(試料数:5/PCRは2段階)のときの実施形態を示す。 超高速PCR法において、RT−PCRを一本の毛細管内で行う1ステップRT−PCR(試料数:5/PCRは2段階)のときのRT−PCR反応試薬の調製 超高速PCR法において、RT−PCRを一本の毛細管内で行う1ステップRT−PCR(試料数:5/PCRは2段階)のときのRT−PCRでの蛍光強度の増加。 毛細管の両側にポンプを使用したときの遺伝子増幅の手順
本発明は、1つの直線状の毛細管内でPCR試料液が繰り返し移動しながら複数の温度帯におけるPCR反応による核酸増幅を極めて高速に行うことができる方法及び装置に関する。より具体的には、本発明は、PCRのための平板型マイクロ流体システムにおいて、毛細管内の圧力を制御することで毛細管内のPCR試料液を各温度帯間で速やかに移動可能であり、これにより流路内の核酸を超高速に増幅するための装置及び方法に関する。
特に断りのない限り、本明細書で使用されるすべての技術および科学用語は、本発明が関係している技術分野の当業者に通常理解される意味と同じ意味を有する。次に実施の形態を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施の形態のみに限定されるものではなく、本明細書で説明されているものと類似のまたは同等の多数の方法および材料についてどれも本発明を実施する際に使用することができる。好ましい材料および方法について以下に説明する。
本明細書において、PCR反応に用いる温度帯は、熱変性温度帯、アニーリング温度帯、伸長温度帯の3つの温度帯、或いは、熱変性温度帯と伸長兼アニーリング温度帯の2つ温度帯から構成される。
PCRにおける伸長は例えば55−60℃程度のアニーリング温度帯でも進行するので、熱変性温度帯と伸長兼アニーリング温度帯(伸長とアニーリングの両方を行うことができる温度帯)の2つの温度帯で構成されてもよい。これらの温度帯は加熱装置(ヒーター)或いは冷却装置などにより明確に区別されていてもよく、隣接する温度帯(熱変性温度帯と伸長温度帯、或いは、伸長温度帯とアニーリング温度帯)の境界は明確でなくてもよい。図4,図5で示される具体的な実施形態では、熱変性温度帯は95℃、伸長温度帯は72℃、アニーリング温度帯は55−60℃に設定されているが、核酸増幅反応(PCR)が進行する限り多少温度を上下させることができる。伸長温度帯とアニーリング温度帯は、見かけ上一体的になった1つの温度帯に見える場合もあるが、本明細書ではこのような場合であっても、より温度の高い部分を伸長温度帯と表現し、より温度の低い部分をアニーリング温度帯と表現する場合がある。熱変性温度帯の長さを「a」、アニーリング温度帯の長さを「b」、伸長温度帯の長さを「c」とすると、a≧b≧cであるのが好ましい。図15には、熱変性温度帯と伸長兼アニーリング温度帯からなる2つの温度帯が示されている。
本発明の毛細管は、任意の方法で支持体に固定することができる。支持体は平板状であるのが好ましく、具体的には毛細管に対応する凹部を有する基板が挙げられ、毛細管はこの凹部に固定することができる。また、毛細管は耐熱性の両面テープなどにより支持体に固定してもよい。
毛細管としては、例えばキャピラリーが挙げられる。毛細管は直線状であることが好ましいが、曲線状であってもよい。PCR試料液を導入する際、毛細管は両端が開放されており、毛細管現象により尿、血液、血清、血漿、唾液、涙液等の生体試料、PCR試薬などを含む液を内部に導入することができる。毛細管の一端を閉じ、開放されている他端を圧力調節機構に接続する。毛細管は、蓋栓などにより一端を閉じてもよく、両側に圧力調節機構を接続してもよい。圧力調節機構としては、ポンプ、スポイトとチューブ、シリンジとピストンなどが挙げられ、ポンプ、チューブ、シリンジは、毛細管の一端又は両端に接続することができる。
本発明の核酸増幅装置は、毛細管の支持体とヒーター(好ましくは平板状ヒーター)、圧力調節機構を備え、好ましい実施形態では、支持体はヒーターとマグネットにより密着挟持され、熱変性温度帯とアニーリング温度帯、これらの中間の伸長温度帯の温度を所定の温度に安定して保持する。熱変性温度帯、伸長温度帯、アニーリング温度帯の3つの温度帯を使用する場合、3つのヒーターを使用でき、熱変性温度帯と伸長兼アニーリング温度帯の2つの温度帯から構成される場合、3つのヒーターを使用できる。
マグネットで挟持する場合、ヒーターは平板状ステンレス製ヒーターを使用するのが好ましい。マグネットなどにより基板とヒーターを密着させることで、各温度帯の均一な温度を実現できる。圧力調節機構は、支持体に毛細管が取り付けられた場合、毛細管の少なくとも一方と接続し、毛細管内の圧力を調節することでPCR試料液を適切な温度帯に移動させることができる。
本発明を実施するための核酸増幅装置の模式図を図4に示す。この装置は、一端が微小蓋栓で閉じられた複数の毛細管を支持体に固定し、熱変性温度帯、伸長温度帯、アニーリング温度帯に各々対応するヒーターブロック、毛細管と同じ数の圧力調節機構としてのスポイトとスポイトに接続されたチューブ、スポイトを押す板、スポイトを固定する板、スポイトを置く板などを備える。前記チューブは毛細管の一端に接続されている。なお、毛細管内は、陰圧にならないようにするのが好ましい。例えば毛細管の両側に圧力調節機構を接続した場合、一方の圧力調節機構の陽圧は他方の圧力調節機構の陰圧よりも大きくなるようにするのが好ましい。
図1〜3に示すように毛細管(キャピラリー)は、試料液に先端を入れることで毛細管現象により試料液を内部に吸い上げることができ、毛細管の一端を指などで閉じた状態で毛細管を指などで暖めると、毛細管内部の試料液を吐出することができる。従って、毛細管を使用して液体の吸入と吐出を繰り返すことで、測定対象の試料液、PCRに必要な試薬(核酸、酵素など)を含む液を混合し、本発明で使用するPCR試料液を毛細管内に導入することができる。毛細管は、支持体上に両面テープを用いて固定してもよく、毛細管の設置位置に対応する窪みを有する板状プラスチック(支持体)に載せ、必要に応じて耐鉄製のテープなどで固定してもよい。毛細管の固定の方法は特に限定されず、任意の方法を適用可能である。
図4に示すように、熱変性温度帯は95℃のヒーターブロックに対応し、アニーリング温度帯は55−60℃のヒーターブロックに対応し、伸長温度帯は72℃のヒーターブロックに対応する。本発明で使用する核酸増幅装置は、多数の毛細管が平行に設置された核酸増幅装置により行うことができ、スポイトを用いた図4,5の実施形態では、1つのスポイトを押す板を押すことで全てのスポイトを陽圧とすることができ、PCR試料液を蓋栓の方向に移動させることができる。同様に前記板を押す力を弱めることでスポイトはもとに戻り、毛細管内の陽圧は小さくなり、PCR試料液はスポイト側に移動する。従って、スポイトをPCRに必要とされる適切な時間間隔で押したり戻したり(押す力を弱めたり)することで、PCR反応を高速で行うことができる。PCR試料液の幅は全ての温度帯の幅の3分の2以下、好ましくは2分の1以下であるのがよい(図6)。PCR試料液の幅が各温度帯に対して長すぎると圧力調節機構による圧力の制御を精密に行う必要があるためである。図5に示すように、スポイトを押すことをやめると試料液がアニーリング温度帯に戻るようにしておけば、スポイドを押す力を熱変性温度帯と伸長温度帯に対応する2段階で調節すればよく、圧力の調節を容易に行うことができる。毛細管の一端を蓋栓などで閉じるか、両端を圧力調節機構と接続し(図18)、大気圧以上の圧力にしておけば試料液の蒸発は抑制される。複数の毛細管を1つの装置に取り付けることで、1つの試料について複数の核酸を増幅するか、多数の試料について同時に核酸増幅を行うことができるので、超高速PCRを実現できる(図4、10では5本、図6,7では2本)。2つの毛細管(毛細管1、毛細管2)を並べてセットした場合のスポイドを用いた各温度帯での残留時間の測定結果を図8に示す。図8に示されるように、各サイクルの残留時間を短くしてもばらつきは非常に少なく、超高速に核酸増幅できることが確認された。なお、本発明者は、毛細管を5本へ以降に並べた場合でも、各毛細管におけるばらつきは非常に小さく、許容できることを確認している。さらに図9に示すように、40サイクルに400秒以上の時間があれば、PCRによる蛍光強度の増加はほぼ達成できることが確認された。
図10には、リニアサーボ(リニア制御モータ)と連結したピストンとシリンジから構成される圧力制御機構を用いた実施形態を示し、図11、12,13は、この実施形態で1サイクルの時間を13.38秒、12.33秒、11.36秒、10.31秒、9.35秒にしたときに、ばらつきが非常に小さいことを示す。
図14,15は、RT-PCRを1本の毛細管内で行う1ステップRT-PCRの実施形態を示し、図14では3つの温度帯を有し、図15では2つの温度帯を有する。
図16に示す反応試薬を使用してRT−PCR(試料数:5/PCRは2段階)を行うと、5本の毛細管(反応時間13分50秒)はいずれも市販のサーマルサイクラー(反応時間21分50秒)と同程度の増幅が超高速で実現できた(図17)

Claims (8)

  1. PCR反応を行うことができる一端が閉じられた少なくとも1つの毛細管を固定するための支持体、熱変性温度帯、並びに伸長/アニーリング温度帯を形成できるヒーター、前記毛細管内の圧力を調節可能な圧力調節機構を備えた核酸増幅装置であって、前記伸長/アニーリング温度帯は、伸長温度帯とアニーリング温度帯からなる2つの温度帯であるか、伸長温度帯とアニーリング温度帯を兼ねる伸長兼アニーリング温度帯であり、前記毛細管は内部のPCR試料液が前記温度帯のいずれかで加熱されるように前記支持体に取り付けることができ、前記圧力調節機構は前記毛細管の開放側の端部と接続可能であり、毛細管内の圧力を大気圧以上の圧力条件下で前記圧力調節機構により調節することで毛細管内のPCR試料液を前記いずれかの温度帯に繰り返し移動させることができる、核酸増幅装置。
  2. 前記圧力調節機構がスポイト及びチューブを備え、前記チューブが毛細管の開放側端部と接続され、スポイトを押す力を調節することで毛細管内のPCR試料液をアニーリング温度帯、伸長温度帯または熱変性温度帯に移動させることができる、請求項1に記載の核酸増幅装置。
  3. 前記圧力調節機構がシリンジ、ピストン及びピストンを駆動できる制御モータを備え、前記シリンジが毛細管の開放側端部と接続され、シリンジ内でピストンを移動させることで毛細管内のPCR試料液を各温度帯に移動させることができる、請求項1に記載の核酸増幅装置。
  4. 熱変性温度帯、伸長温度帯、アニーリング温度帯からなる3つの温度帯を有する、請求項1〜3のいずれかに記載の核酸増幅装置。
  5. 熱変性温度帯、伸長兼アニーリング温度帯からなる2つの温度帯を有する、請求項1〜3のいずれかに記載の核酸増幅装置。
  6. 以下の工程1〜4を含む、核酸増幅方法:
    工程1:開放系の毛細管に微量のサンプルとPCR増幅試薬の混合液を採取する工程
    工程2:一端を閉じた前記毛細管を請求項1〜4のいずれかに記載の核酸増幅装置の支持体に取り付ける工程
    工程3:前記毛細管の開放側端部と前記核酸増幅装置の圧力調節機構を接続する工程
    工程4:前記圧力調節機構により毛細管内のPCR反応液を大気圧以上の条件下で熱変性温度帯、伸長/アニーリング温度帯のいずれかに移動させながらPCRサイクルを行う工程。
  7. 工程1−1:開放系の毛細管に微量のサンプルを採取する工程
    工程1−2:工程1−1で毛細管に採取したサンプルをPCT増幅試薬内に押出す工程
    工程1−3:サンプルとPCT増幅試薬を含む微量の混合液を毛細管に採取する工程
    を含み、必要に応じて工程1−2と工程1−3を繰り返すことにより前記工程1を行うことを特徴とする、請求項6に記載の核酸増幅方法
  8. 使い捨ての同一毛細管を使って微量サンプルと試薬の混合・調整、核酸の増幅を連続して行うことを特徴とする、請求項6又は7に記載の核酸増幅方法。
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