JP2015137868A - 車両進行方向推定方法及び車両進行方向推定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】特別な構成要素を追加すること無く、従来の構成を基本として、比較的簡素な構成で、車両の進行方向を確実に推定可能とする。
【解決手段】電子制御ユニット100には、車輪速センサ11と加速センサ12の検出結果が入力されるようになっており、電子制御ユニット100においては、車輪速センサ11で得られた車輪の回転速度を微分して車輪の加速度である車輪速微分値が算出される(S102)と共に、加速度センサ12の出力からオフセットが除去された加速度が求められ(S104)、次いで、両者の相関演算が行われ(S106)、得られた相関結果に基づいて、自動車両の前進、後進が推定されるようになっている。
【選択図】図3
【解決手段】電子制御ユニット100には、車輪速センサ11と加速センサ12の検出結果が入力されるようになっており、電子制御ユニット100においては、車輪速センサ11で得られた車輪の回転速度を微分して車輪の加速度である車輪速微分値が算出される(S102)と共に、加速度センサ12の出力からオフセットが除去された加速度が求められ(S104)、次いで、両者の相関演算が行われ(S106)、得られた相関結果に基づいて、自動車両の前進、後進が推定されるようになっている。
【選択図】図3
Description
本発明は、自動車両の進行方向の推定方法に係り、特に、構成の簡素化、信頼性の向上等を図ったものに関する。
近年、自動車両のさらなる安全走行等のため、いわゆるカーナビゲーションシステムや車両レーダ等の車両走行支援装置等が種々提案、実用化されており、多くの自動車両に搭載されつつあることは良く知られている通りである。
このような装置においては、自動車両の進行方向の情報が必要とされる場合があるが、その多くの装置においては、それ自体で自動車両の進行方向を認識できないことが多く、そのため、自動車両側で何らかの方法で検出、取得した進行方向の情報、データを上述の車両走行支援装置等へ提供することが必要となることがある。
このような装置においては、自動車両の進行方向の情報が必要とされる場合があるが、その多くの装置においては、それ自体で自動車両の進行方向を認識できないことが多く、そのため、自動車両側で何らかの方法で検出、取得した進行方向の情報、データを上述の車両走行支援装置等へ提供することが必要となることがある。
自動車両の進行方向を判別する方法として、例えば、簡便には、変速装置による変速比の設定情報に基づいて進行方向を判定する方法や、また、車輌の始動時における加速度の増減によって前進か後退かを簡便に判定する方法等が考えられる。
また、ヨー角速度、車両速度及びかじ取角度に基づいて車両の前進、後退を検出する装置や(特許文献1等参照)、さらに、カメラを用いて車両の前進、後退を検出する装置等が種々提案、実用化されている(特許文献2等参照)。
しかしながら、変速装置による変速比の設定情報に基づいて進行方向を判定する上述の方法は、簡便ではあるが、例えば、AT車が急な坂道にある場合、シフトレバーをいわゆるDレンジに設定した状態であっても、重力のために後退することが有り得るが、この場合には誤判定を生むこととなるという問題がある。
また、車輌の始動時における加速度の増減によって前進か後退かを簡便に判定する上述の方法においては、例えば、前進から後進へ急な切り替えしが生じた場合、短時間の停止時に十分な加速度の安定が得られないため、動き始めにおける加速度の増減を正しく演算算出することができず、誤判定となってしまうという問題がある。
さらに、特許文献1等に開示されているヨー角速度、車両速度及びかじ取角度に基づいて車両の前進、後退を検出する装置においては、ヨー角速度を検出するためのセンサを新たに設ける必要があるばかりか、自動車両が直進走行している場合には後進を判別することができないという問題がある。
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、特別な構成要素を追加すること無く、従来の構成を基本として、比較的簡素な構成で、車両の進行方向を確実に推定可能とする車両進行方向推定方法及び車両進行方向推定装置を提供するものである。
上記本発明の目的を達成するため、本発明に係る車両進行方向推定方法は、
自動車の進行方向を推定する車両進行方向推定方法であって、
車輪の回転速度を基に前記車輪の加速度である第1の加速度を算出し、前記第1の加速度と加速度センサによって得られた第2の加速度との相関演算を行い、その演算結果に基づいて前記自動車の進行方向を推定するよう構成されてなるものである。
また、上記本発明の目的を達成するため、本発明に係る車両進行方向推定装置は、
自動車両の進行方向を推定し、その推定結果を出力可能に構成されてなる車両進行方向推定装置であって、
前記自動車両の車輪の回転速度の検出結果と、加速度センサによる前記自動車両の加速度が入力可能に構成されてなる電子制御ユニットを具備し、
前記電子制御ユニットは、
前記車輪の回転速度を基に前記車輪の加速度である第1の加速度を算出し、前記第1の加速度と前記加速度センサによって得られた第2の加速度との相関演算を行い、その演算結果に基づいて前記自動車の進行方向を推定するよう構成されてなるものである。
自動車の進行方向を推定する車両進行方向推定方法であって、
車輪の回転速度を基に前記車輪の加速度である第1の加速度を算出し、前記第1の加速度と加速度センサによって得られた第2の加速度との相関演算を行い、その演算結果に基づいて前記自動車の進行方向を推定するよう構成されてなるものである。
また、上記本発明の目的を達成するため、本発明に係る車両進行方向推定装置は、
自動車両の進行方向を推定し、その推定結果を出力可能に構成されてなる車両進行方向推定装置であって、
前記自動車両の車輪の回転速度の検出結果と、加速度センサによる前記自動車両の加速度が入力可能に構成されてなる電子制御ユニットを具備し、
前記電子制御ユニットは、
前記車輪の回転速度を基に前記車輪の加速度である第1の加速度を算出し、前記第1の加速度と前記加速度センサによって得られた第2の加速度との相関演算を行い、その演算結果に基づいて前記自動車の進行方向を推定するよう構成されてなるものである。
本発明によれば、自動車両の電子制御ユニットにおいて、通常、入力される車輪の回転速度の検出信号と加速度センサの検出信号を用いることができ、新たな部品を追加することなく、しかも、従来と異なり、自動車両の走行状態などに影響されることなく進行方向の推定がなされるので、従来に比して、より確実で信頼性のある進行方向のデータを得ることができるという効果を奏するものである。
以下、本発明の実施の形態について、図1乃至図6を参照しつつ説明する。
なお、以下に説明する部材、配置等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
最初に、本発明の実施の形態における車両進行方向推定装置の構成例について、図1を参照しつつ説明する。
本発明の実施の形態における車両進行方向推定装置は、エンジン130の動作制御や後述する本発明の車両進行方向推定処理等を実行する電子制御ユニット(図1においては「ECU」と表記)100と、車輪速センサ11と、加速度センサ12とを主たる構成要素として構成されてなるものである。
なお、以下に説明する部材、配置等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
最初に、本発明の実施の形態における車両進行方向推定装置の構成例について、図1を参照しつつ説明する。
本発明の実施の形態における車両進行方向推定装置は、エンジン130の動作制御や後述する本発明の車両進行方向推定処理等を実行する電子制御ユニット(図1においては「ECU」と表記)100と、車輪速センサ11と、加速度センサ12とを主たる構成要素として構成されてなるものである。
電子制御ユニット100は、公知・周知の構成を有してなるもので、例えば、マイクロコンピュータ(図示せず)を中心に、RAMやROM等の記憶素子(図示せず)を有すると共に、燃料噴射弁120を通電駆動するための駆動回路(図示せず)等を主たる構成要素として構成されたものとなっている。
かかる電子制御ユニット100には、車輪(図示せず)の回転速度を検出する車輪速センサ11や、車両の加速度を検出する加速度センサ12の検出信号が、後述する本発明の実施の形態における車両進行方向推定処理に供するために入力されるようになっている。
かかる電子制御ユニット100には、車輪(図示せず)の回転速度を検出する車輪速センサ11や、車両の加速度を検出する加速度センサ12の検出信号が、後述する本発明の実施の形態における車両進行方向推定処理に供するために入力されるようになっている。
なお、本発明の実施の形態における電子制御ユニット100は、燃料噴射装置110及び燃料噴射弁120によるエンジン130へ対する燃料噴射動作の制御を行う他、車両の動作に必要な種々の制御処理を行うものとなっており、そのため、図1においては図示を省略してあるが、エンジン130の動作制御等に必要な種々の検出信号、すなわち、例えば、アクセル開度、燃料温度などの検出信号が入力されて、種々の制御処理に供されるようになっている。
また、燃料噴射弁120は、通常、気筒数に応じて複数設けられるものであるが、図1においては一つの燃料噴射弁120に代表させて図示したものとなっている。
また、燃料噴射弁120は、通常、気筒数に応じて複数設けられるものであるが、図1においては一つの燃料噴射弁120に代表させて図示したものとなっている。
次に、電子制御ユニット100により実行される本発明の実施の形態における車両進行方向推定処理の手順について図2乃至図4を参照しつつ説明する。
まず、本発明の実施の形態における車両進行方向推定処理の概略手順について図2を参照しつつ説明する。
本発明の実施の形態における車両進行方向推定処理は、進行方向判定処理(図2のステップS100参照)とオフセット算出処理(図2のステップS200)とに大別されて構成されたものとなっている。
まず、本発明の実施の形態における車両進行方向推定処理の概略手順について図2を参照しつつ説明する。
本発明の実施の形態における車両進行方向推定処理は、進行方向判定処理(図2のステップS100参照)とオフセット算出処理(図2のステップS200)とに大別されて構成されたものとなっている。
この車両進行方向推定処理は、図示されないメインルーチンで定められたタイミングで周期的に実行されるようになっており、進行方向判定処理(S100)、オフセット算出処理の順で実行された後、一旦、メインルーチンへ戻り、所定のタイミングで再び実行されることが繰り返されるようになっているものである、
そして、この車両進行方向推定処理によって得られた車両の前進、後退の情報は、電子制御ユニット100において所定の信号形式に変換されて図示されない車載レーダ等の装置へ進行方向データとして供給されるようになっている(図1参照)。
そして、この車両進行方向推定処理によって得られた車両の前進、後退の情報は、電子制御ユニット100において所定の信号形式に変換されて図示されない車載レーダ等の装置へ進行方向データとして供給されるようになっている(図1参照)。
次に、進行方向判定処理の具体的な処理手順について図3に示されたサブルーチンフローチャート及び図5に示された波形図を参照しつつ説明する。
電子制御ユニット100による処理が開始されると、まず、車輪速センサ11の値より算出される速度の微分値(車輪速微分値)の演算算出が行われる(図3のステップS102参照)。
すなわち、車輪速センサ11の出力信号を基に、1秒当たりの車輪移動速度V[ave](m/s)が演算算出され、さらに、その演算結果の微分値である車輪速微分値a[whl]、換言すれば、車両の加速度が演算算出されることとなる。
電子制御ユニット100による処理が開始されると、まず、車輪速センサ11の値より算出される速度の微分値(車輪速微分値)の演算算出が行われる(図3のステップS102参照)。
すなわち、車輪速センサ11の出力信号を基に、1秒当たりの車輪移動速度V[ave](m/s)が演算算出され、さらに、その演算結果の微分値である車輪速微分値a[whl]、換言すれば、車両の加速度が演算算出されることとなる。
なお、図5(A)は、車輪の回転速度v[actual]の時間変化を模式的に表した波形図であり、時間の経過に沿って前進の場合の波形が、次いで、後進の場合の波形が、それぞれ示されたものとなっている。
また、図5(B)は、電子制御ユニット100において、車輪速センサ11の出力信号を基に演算算出された車輪の移動速度v[ave](m/s)の変化波形であり、前進・後退に関わらず正の領域に変換したものとなっている。
さらに、図5(C)は、図5(B)に示された車輪の移動速度を微分して得られた車輪速微分値a[whl]の変化波形を示している。
また、図5(B)は、電子制御ユニット100において、車輪速センサ11の出力信号を基に演算算出された車輪の移動速度v[ave](m/s)の変化波形であり、前進・後退に関わらず正の領域に変換したものとなっている。
さらに、図5(C)は、図5(B)に示された車輪の移動速度を微分して得られた車輪速微分値a[whl]の変化波形を示している。
また、図5(D)は、オフセットを除去した加速度センサの出力値(加速度センサ出力値)a[xcmp]の変化波形を示している。なお、本発明の実施の形態における加速度センサ出力値は、車輪の移動速度の変化(図5(B)参照)との関係で見ると、基本的には、オフセットの有無に関わらず、車両が前進の場合には、移動速度の立ち上がりに同期して正極性側に振れ、また、移動速度の立ち下がりに同期して負極性側に振れるものとなっている。
また、車両が後進の場合には、移動速度の立ち上がりに同期して負極性側に振れ、また、移動速度立ち下がりに同期して正極性側に振れるものとなっている。
かかる加速度センサ出力値の絶対値と、車輪速微分値の絶対値とは、両者は基本的に同一の物理量であるので、ほぼ等しいものとなる。
また、車両が後進の場合には、移動速度の立ち上がりに同期して負極性側に振れ、また、移動速度立ち下がりに同期して正極性側に振れるものとなっている。
かかる加速度センサ出力値の絶対値と、車輪速微分値の絶対値とは、両者は基本的に同一の物理量であるので、ほぼ等しいものとなる。
次に、加速度センサ12の出力値の補正、すなわち、オフセット補正が行われる(図3のステップS104参照)。
加速度センサ12は、一般に重力の影響を受けるため、例えば、車両が坂道にある場合には、車両自体に平地と同じ加速度が生じたとしても、坂道の傾斜に応じた分、平地での出力地にオフセットが重畳された値が出力されるものとなっている。
そのため、ステップS104においては、加速度センサ12の出力値から、そのオフセット分を除去し、平地で検出されたと同等の値に補正する処理が行われるようになっている。
加速度センサ12は、一般に重力の影響を受けるため、例えば、車両が坂道にある場合には、車両自体に平地と同じ加速度が生じたとしても、坂道の傾斜に応じた分、平地での出力地にオフセットが重畳された値が出力されるものとなっている。
そのため、ステップS104においては、加速度センサ12の出力値から、そのオフセット分を除去し、平地で検出されたと同等の値に補正する処理が行われるようになっている。
すなわち、加速度センサ12の出力値からオフセット分が減算されて、車両が平地にある場合に相当する加速度センサ出力値が算出されることとなる。なお、以後、説明の便宜上、オフセット分が除去(減算)された加速度センサ出力値を「補正加速度センサ出力値」と称すると共に、必要に応じて"a[xcmp]"と表記することとする。
ここで用いられるオフセット分は直近に演算算出された値であり、かかるオフセットの大きさは、後述するオフセット算出処理により演算算出されるものとなっている。
ここで用いられるオフセット分は直近に演算算出された値であり、かかるオフセットの大きさは、後述するオフセット算出処理により演算算出されるものとなっている。
次いで、先に求められた車輪速微分値と補正加速度センサ出力値の相関演算が行われる(図3のステップS106参照)。
すなわち、具体的には、車輪速微分値と補正加速度センサ出力値との相関係数C[or]が良く知られている相関演算の手法に基づいて算出されることとなる。
すなわち、具体的には、車輪速微分値と補正加速度センサ出力値との相関係数C[or]が良く知られている相関演算の手法に基づいて算出されることとなる。
次いで、上述のようにして求められた相関係数C[or]に対してフィルタリングが施される(図3のステップS108参照)。すなわち、相関演算の結果がローパスフィルタを通過せしめられ、本来の信号の周波数成分を超える高い周波数成分が除去され、ノイズ等の不要な信号成分が取り除かれることとなる。
次いで、フィルタリングが施された相関係数を基に前後の方向判定が行われる(図3のステップS110)。
すなわち、相関係数C[or]が零を超える場合には、車両が前進していると判定される一方、相関係数C[or]が零を下回る場合には、車両が後退していると判定されることとなる。
これは、車体が前進している場合、車輪速度微分値(図5(C)参照)と補正加速度センサ出力値(図5(D)参照)との相関を取ると、その相関係数C[or]は零を超える(図5(E)参照)一方、車体が後進している場合には、その相関係数C[or]は零を下回る(図5(E)参照)という本願発明者が鋭意試験、研究を行った結果見出した知見に基づくものである。
すなわち、相関係数C[or]が零を超える場合には、車両が前進していると判定される一方、相関係数C[or]が零を下回る場合には、車両が後退していると判定されることとなる。
これは、車体が前進している場合、車輪速度微分値(図5(C)参照)と補正加速度センサ出力値(図5(D)参照)との相関を取ると、その相関係数C[or]は零を超える(図5(E)参照)一方、車体が後進している場合には、その相関係数C[or]は零を下回る(図5(E)参照)という本願発明者が鋭意試験、研究を行った結果見出した知見に基づくものである。
このようにして得られた前進、又は、後進の情報は、電子制御ユニット100から所定の信号形式で出力され、図示されない車載レーダ等の装置へ供給されるようになっている。
なお、図5(E)において、相関係数を表す”C[or]”の添え字”cur”は、この時点で算出された相関関数であることを意味するものである。
なお、図5(E)において、相関係数を表す”C[or]”の添え字”cur”は、この時点で算出された相関関数であることを意味するものである。
次に、オフセット算出処理の具体的な処理手順について図4に示されたサブルーチンフローチャート及び図6に示された波形図を参照しつつ説明する。
電子制御ユニット100による処理が開始されると、まず、車輪速微分値及び加速度センサ出力値に対するフィルタリングが行われる(図4のステップS202参照)。
すなわち、すなわち、車輪速微分値及び加速度センサ出力値がローパスフィルタを通過せしめられ、本来の信号の周波数成分を超える高い周波数成分が除去され、ノイズ等の不要な信号成分が取り除かれることとなる。
電子制御ユニット100による処理が開始されると、まず、車輪速微分値及び加速度センサ出力値に対するフィルタリングが行われる(図4のステップS202参照)。
すなわち、すなわち、車輪速微分値及び加速度センサ出力値がローパスフィルタを通過せしめられ、本来の信号の周波数成分を超える高い周波数成分が除去され、ノイズ等の不要な信号成分が取り除かれることとなる。
このように、フィルタリングが施された後の車輪速微分値を説明の便宜上、「フィルタ車輪速微分値」と称すると共に、必要に応じて”a[f-whl]”と表記することとする。また、同様に、フィルタリングが施された後の加速度センサ出力値を、「フィルタ加速度センサ出力値」と称すると共に、必要に応じて”a[f-xsens]”と表記することとする。
次いで、方向判定処理(図2のステップS100参照)における進行方向の判定結果が(図3のステップS110参照)が、前進であるか否かが判定され(図4のステップS204参照)、進行方向の判定は前進であると判定された場合(YESの場合)には、次述するステップS206の処理へ進む一方、進行方向の判定は前進ではないと判定された場合(NOの場合)には、後述するステップS210の処理へ進むこととなる。
ステップS206においては、加速度センサ出力値に含まれるオフセットの大きさが算出される。すなわち、オフセットC[est]は、フィルタ加速度センサ出力値a[f-xsens]からフィルタ車輪速微分値a[f-whl]を減算した結果として算出されることとなる。
なお、ここで、説明の便宜上、フィルタ加速度センサ出力値a[f-xsens]からフィルタ車輪速微分値a[f-whl]を減算して得られたオフセットを「減算オフセット」と称すると共に、必要に応じて”C[est-sub]”と表記することとする。
なお、ここで、説明の便宜上、フィルタ加速度センサ出力値a[f-xsens]からフィルタ車輪速微分値a[f-whl]を減算して得られたオフセットを「減算オフセット」と称すると共に、必要に応じて”C[est-sub]”と表記することとする。
ここで、進行方向の判定結果が前進の場合に、上述のようにオフセットが算出される原理について図6を参照しつつ説明する。
まず、図6(A)は、車両が前進した場合と後進した場合のそれぞれの車輪の回転速度v[actual]の変化を模式的に表した波形図であり、時間の経過に沿って前進の場合の波形を、次いで、後進の場合の波形を、それぞれ示したものとなっている。
また、図6(B)は、電子制御ユニット100において、車輪速センサ11の出力信号を基に演算算出された車輪の移動速度v[ave](m/s)の変化波形であり、前進・後退に関わらず正の領域に変換したものとなっている。
まず、図6(A)は、車両が前進した場合と後進した場合のそれぞれの車輪の回転速度v[actual]の変化を模式的に表した波形図であり、時間の経過に沿って前進の場合の波形を、次いで、後進の場合の波形を、それぞれ示したものとなっている。
また、図6(B)は、電子制御ユニット100において、車輪速センサ11の出力信号を基に演算算出された車輪の移動速度v[ave](m/s)の変化波形であり、前進・後退に関わらず正の領域に変換したものとなっている。
さらに、図6(C)は、図6(B)に示された車輪の移動速度を微分して得られた車輪速微分値a[whl]の変化波形を示している。
そして、図6(D)は、オフセットを含んだ加速度センサ出力値a[xcmp]の波形を示している。
車輪速微分値とオフセットの無い加速度センサ出力値の各々の絶対値は、先に、図5の説明において述べたように、基本的に同一の物理量であり、その値は基本的に等しいものである。
そして、図6(D)は、オフセットを含んだ加速度センサ出力値a[xcmp]の波形を示している。
車輪速微分値とオフセットの無い加速度センサ出力値の各々の絶対値は、先に、図5の説明において述べたように、基本的に同一の物理量であり、その値は基本的に等しいものである。
一方、車両が前進している場合の車輪速微分値と加速度センサ出力値は、後進の場合と異なり、同一極性であるため(図6(C)及び図6(D)参照)、加速度センサ出力値から車輪速微分値を減算することでオフセットを求めることが可能となる(図6(E)参照))。これは、車輪速微分値及び加速度センサ出力値が、フィルタリングを施したものであるか否かに関わらず言えることである。
なお、図6(E)は、加速度センサ出力値から車輪速微分値を減算して得られるオフセットを示したものである。
なお、図6(E)は、加速度センサ出力値から車輪速微分値を減算して得られるオフセットを示したものである。
一方、ステップS210においては、方向判定処理(図2のステップS100及び図3のステップS110参照)における進行方向の判定結果が、後進であるか否かが判定され、進行方向の判定は後進であると判定された場合(YESの場合)には、次述するステップS212の処理へ進む一方、進行方向の判定は後進ではないと判定された場合(NOの場合)には、後述するステップS214の処理へ進むこととなる。
ステップS212においては、加速度センサ出力値に含まれるオフセットの大きさが算出される。すなわち、オフセットは、フィルタ加速度センサ出力値a[f-xsens]にフィルタ車輪速微分値a[f-whl]を加算した結果として算出されることとなる。
なお、フィルタ加速度センサ出力値a[f-xsens]にフィルタ車輪速微分値a[f-whl]を加算して得られたオフセットを「加算オフセット」と称すると共に、必要に応じて”C[est-add]”と表記することとする。
なお、フィルタ加速度センサ出力値a[f-xsens]にフィルタ車輪速微分値a[f-whl]を加算して得られたオフセットを「加算オフセット」と称すると共に、必要に応じて”C[est-add]”と表記することとする。
ここで、車両が後進の場合に、上述のようにしてオフセットが算出される原理について図6を参照しつつ説明する。
先のステップS206で述べたように、車輪速微分値とオフセットの無い加速度センサ出力値の各々の絶対値は、基本的に同一の物理量であり、その値は基本的に等しいものである。
一方、車両が後進している場合の加速度センサ出力値は、先に図5(D)で説明したように、移動速度の立ち上がりに同期して負極性の大凡正弦波状の信号が、また、回転速度立ち下がりに同期して正極性の大凡正弦波状の信号が、それぞれ出力されるものとなっており(図6(B)及び図6(D)参照)、車輪速微分値とその極性は丁度反対の関係になっている(図6(C)及び図6(D)参照)。
先のステップS206で述べたように、車輪速微分値とオフセットの無い加速度センサ出力値の各々の絶対値は、基本的に同一の物理量であり、その値は基本的に等しいものである。
一方、車両が後進している場合の加速度センサ出力値は、先に図5(D)で説明したように、移動速度の立ち上がりに同期して負極性の大凡正弦波状の信号が、また、回転速度立ち下がりに同期して正極性の大凡正弦波状の信号が、それぞれ出力されるものとなっており(図6(B)及び図6(D)参照)、車輪速微分値とその極性は丁度反対の関係になっている(図6(C)及び図6(D)参照)。
そのため、加速度センサ出力値と車輪速微分値とを加算することで、オフセットを基準とした変化分は相殺されるため、オフセットのみが算出されることとなる。これは、先の前進の場合と同様に、車輪速微分値及び加速度センサ出力値が、フィルタリングを施したものであるか否かに関わらず言えることである。
一方、ステップS214においては、車両の進行方向の判定が前進、後進のいずれでもないと判定されたことに対応して(図4のステップS204,S210参照)、車両は停止状態であるとし、オフセットは加速度センサ出力値そのものであるとされる。
このように処理するのは、加速度センサ12の出力にオフセットが含まれている場合、車両が停止している状態にあって、加速度センサ12から出力されるのはオフセットそのものとなることに因るものである。
以上のようにして、ステップS206、S212、又は、S214のいずれかにおいて算出されたオフセットは、再度、フィルタリングが施されて(図6のステップS208参照)、一連の処理が終了されることとなる。
以上のようにして、ステップS206、S212、又は、S214のいずれかにおいて算出されたオフセットは、再度、フィルタリングが施されて(図6のステップS208参照)、一連の処理が終了されることとなる。
車両の進行方向の確実な取得が所望される車両走行のための支援装置等に適する。
11…車輪速センサ
12…加速度センサ
100…電子制御ユニット
110…燃料噴射装置
120…燃料噴射弁
130…エンジン
12…加速度センサ
100…電子制御ユニット
110…燃料噴射装置
120…燃料噴射弁
130…エンジン
Claims (8)
- 自動車の進行方向を推定する車両進行方向推定方法であって、
車輪の回転速度を基に前記車輪の加速度である第1の加速度を算出し、前記第1の加速度と加速度センサによって得られた第2の加速度との相関演算を行い、その演算結果に基づいて前記自動車の進行方向を推定することを特徴とする車両進行方向推定方法。 - 前記第1の加速度と前記第2の加速度の相関演算の演算結果に基づく進行方向の推定は、前記第1の加速度と第2の加速度の相関演算により算出された相関係数が零を超える場合に前進と推定する一方、相関係数が零を下回る場合に後進と推定することを特徴とする請求項1記載の車両進行方向推定方法。
- 前記第2の加速度は、前記加速度センサの出力値からオフセットを減じたものであることを特徴とする請求項2記載の車両進行方向推定方法。
- 前記オフセットは、前記加速度センサによって得られた第2の加速度から前記第1の加速度に相当する成分を減じて得られたものであることを特徴とする請求項3記載の車両進行方向推定方法。
- 自動車両の進行方向を推定し、その推定結果を出力可能に構成されてなる車両進行方向推定装置であって、
前記自動車両の車輪の回転速度の検出結果と、加速度センサによる前記自動車両の加速度が入力可能に構成されてなる電子制御ユニットを具備し、
前記電子制御ユニットは、
前記車輪の回転速度を基に前記車輪の加速度である第1の加速度を算出し、前記第1の加速度と前記加速度センサによって得られた第2の加速度との相関演算を行い、その演算結果に基づいて前記自動車の進行方向を推定するよう構成されてなることを特徴とする車両進行方向推定装置。 - 前記電子制御ユニットによる、前記第1の加速度と前記第2の加速度の相関演算の演算結果に基づく進行方向の推定は、前記第1の加速度と第2の加速度の相関演算により算出された相関係数が零を超える場合に前進と推定する一方、相関係数が零を下回る場合に後進と推定することを特徴とする請求項5記載の車両進行方向推定装置。
- 前記電子制御ユニットは、前記加速度センサの出力値からオフセットを減じて前記第2の加速度を算出するよう構成されてなるものであることを特徴とする請求項6記載の車両進行方向推定装置。
- 前記電子制御ユニットは、前記加速度センサによって得られた第2の加速度から前記第1の加速度に相当する成分を減じて前記オフセットを算出するよう構成されてなるものであることを特徴とする請求項7記載の車両進行方向推定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014007998A JP2015137868A (ja) | 2014-01-20 | 2014-01-20 | 車両進行方向推定方法及び車両進行方向推定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014007998A JP2015137868A (ja) | 2014-01-20 | 2014-01-20 | 車両進行方向推定方法及び車両進行方向推定装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2015137868A true JP2015137868A (ja) | 2015-07-30 |
Family
ID=53768973
Family Applications (1)
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JP2014007998A Pending JP2015137868A (ja) | 2014-01-20 | 2014-01-20 | 車両進行方向推定方法及び車両進行方向推定装置 |
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JP (1) | JP2015137868A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017115782A (ja) * | 2015-12-25 | 2017-06-29 | ダイハツ工業株式会社 | 変速機の制御装置 |
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2014
- 2014-01-20 JP JP2014007998A patent/JP2015137868A/ja active Pending
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