JP2015136428A - 歯科用インプラント - Google Patents

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Abstract

【課題】1回法のインプラント治療歯科用インプラントであって、カラー部で上皮組織のダウングロースを抑止する構造とともに、ダウングロースのレベルに対応して、位置の調整、即ち、アバットメントのカラー部への装着高さが変えられるアバットメント構造を提供する。
【解決手段】歯槽骨に埋入するフィクスチャー14と、歯槽骨上部の上皮組織表面に露出する位置まで伸び、フィクスチャー14から他の端部に向かって先細となる側面を備えたカラー部12とすることにより、アバットメント16装着時の口内からの細菌の侵入を防止する。さらに、カラー部12の側面を封止部として、カラー部12を覆う状態で嵌合させるアバットメント16を備え、アバットメント16は、カラー部12における高さ方向の嵌合位置を調整可能な構造とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、歯科用インプラントを歯槽骨に埋入して治療を行った時に、上皮組織のダウングロースによるカラー部の露出に対して、アバットメントの高さが調整可能な歯科用インプラントに関する。
喪失した歯の機能再獲得のために、金属やセラミックス等の人工材料により置換して喪失した口腔機能を補う手段としては、義歯を歯根に埋めたり、完全に歯根まで喪失した場合は、健康な歯にブリッジをかけ義歯を置いたり等の治療手段の他、先端的治療法の一つとして、口腔インプラント治療が実施されている。口腔インプラント治療とは、喪失歯部位の顎骨にチタン製人工歯根を植立する手段である。
1952年スウェーデンのペル・イングヴァール・ブローネマルクが、チタンと骨が完全に結合する事を偶然発見し、チタンの表面を覆う酸素の膜を通して強い結合が生まれることを明らかにした。以来、口腔インプラント治療は飛躍的な進歩を遂げることとなった。結合組織を介在することなくチタンと骨が直接結合する骨結合方式は、骨を表すラテン語のオス(os)と結合を表す英語のインテグレーション(integration)が組み合わされ、オッセオインテグレーション(osseointegration)と呼ばれている。オッセオインテグレーションは、骨と金属が直接結合する現象であり、チタン表面の酸化膜と骨との接触面に働く機能が生体の分子を酸化膜へと結合させ、骨性癒着を生じさせる。
歯科用インプラントは、カラー部と顎骨に埋入して一体化させるフィクスチャー部からなり、オッセオインテグレーションによりフィクスチャーと骨組織を結合したら、アバットメントに形成された歯冠(義歯)をカラー部にネジで固定する。アバットメント周囲は歯肉組織である上皮組織がその周りを取り囲むように存在している。
このアバットメント周囲を囲む上皮組織は、口腔内の細菌により歯周炎の発症によって歯周組織の破壊が進むと、歯周ポケットが形成され歯肉上皮組織が、歯根に向けてのダウングロースを発生し、上皮組織の表面レベルが低下して、アバットメントが露出することになる。
特許文献1では、ダウングロースを防止し、インプラントに対する歯肉の辺縁閉鎖を促進する歯科用インプラントが開示されている。歯科用インプラントは、フィクスチャーと、フィクスチャーの上端に設けられたカラー部とからなり、カラー部の外周面の少なくとも一部が、骨細胞および/または上皮組織細胞を誘導する三次元構造を有する誘導層から構成されることを特徴としている。カラー部の少なくとも一部が、骨細胞および/または上皮組織 細胞を誘導する三次元構造を有する誘導層から構成されるため、上皮組織(歯肉)を、歯科用インプラントの上部にあるカラー部を覆うように誘導し、上皮組織のダウングロースを防止している。この誘導層の三次元構造は、生体親和性が高く生体非吸収性材料の径が5〜100μmの繊維を絡合して、空隙率10〜90%としている。
特許文献2では、フィクスチャー部に誘導層を設けるとともに、カラー部を段差とすることにより細菌を捕捉して、ダウングロースを防止する歯科用インプラントが開示されている。図26は、特許文献2に示されている歯科用インプラントである。歯科用インプラントは、フィクスチャー208とカラー部204で構成され、アバットメント202に一体化された歯冠200が、カラー部204にネジ止めされている。フィクスチャー208には誘導層206が設けられ、テーパ形状のカラー部204とアバットメント202により段差部が構成されている。段差部が細菌繁殖を助長する物質を受けて、細菌繁殖を助長する物質が誘導層へ直接到達するのを抑制するので、ダウングロースの抑制が可能であるとしている。
段差部を設けた歯科用インプラントは、特許文献3でも提案されている。特許文献3によれば、経粘膜要素は、経粘膜要素の必要な高さを減らしかつ軟組織の安定化及び保持ベルトの発生のための容積を作りだすためのウエスト形状または内向きに狭くなった部分を備えている。主たる特徴は前記ウエスト形状または内向きに狭くなった部分の接触表面に沿った縦方向の距離が少なくとも隣接軟組織の必要な幅に相当することである。高さ減少はウエスト形状または内向きに狭くなった部分とインプラント本体の多分ありうる貫通凹所との間の領域内に残るインプラント材料の寸法と強度の関数として選ばれる。ウエスト形状または内向きに狭くなった部分は好ましくはその全体が経粘膜要素または一体型インプラントの経粘膜部分上に設けられる。
さらに、特許文献4にも、細菌が歯科用インプラントのフィクスチャー深部に侵入して細菌感染を起こすことで誘発される骨結合の破壊を防止する歯科用インプラントフィクスチャーの提案がある。特許文献4によれば、口腔内側から雌ねじ部が螺設されており、その側周が口腔内側と反対側の端部に向かってテーパーする截頭円錐状本体に外径が等しくなるように埋入雄ねじ部が螺設されており、埋入雄ねじ部の口腔内側にカラー部が設けられており、カラー部と埋入雄ねじ部との境界部から口腔内側と反対側に向かって埋入雄ねじ部1aの長さLの1/5から1/3の長さだけ延在し、その境界部の埋入雄ねじ部の外径と同一の外径から始まりその外径が截頭円錐状本体より小さなテーパーの截頭円錐状面上にあり且つ口腔内側と反対側においてねじ山が漸次低くなり消滅する1条以上の封鎖用雄ねじ部を埋入雄ねじ部と共に多条ねじ状に螺設させる構成としている。
歯科用インプラントはダウングロースの他、強度に対しても様々な提案があり、例えば特許文献5には、アバットメントが破折しにくく、アバットメントとフィクスチャーの間での嵌合強度が強く、さらに直接印象による印象採得を行いやすく、従って安価に補綴物を作製できる歯科用インプラントのフィクスチャーとアバットメントの嵌合形態が開示されている。アバットメントとフィクスチャーの嵌合において、フィクスチャーの内部テーパー嵌合部にアバットメントのテーパー嵌合部の中ネジを締め込むことで接触して突き当てとなり、強い嵌合を実現している。さらに、フィクスチャーのショルダー部嵌合,アバットメントの袴部が最終的に接触し、突き当てとなる二重の突き当てを実現している。
特許文献6には、歯科用インプラントにかかる外力及び衝撃を直接歯槽骨に伝えない構造が提案されている。図27に示したように、歯槽骨に埋入するインプラント部(フィクスチャー)226と人工歯(歯冠)を取り付けるためのアバットメント220から構成され、アバットメントは、メス型合体部222及びオス型合体部224とで構成されている。インプラント部226の口腔側にオス型合体部224をネジ止めし、義歯部にインプラント部と合体させるためのメス型合体部222及びメス型合体部に弾性変形可能に設けた強度調整部を有し、両者合体状態でメス型合体部に設けられた強度調整部が弾性変形することによって、人工歯にかかる外力や衝撃を直接歯槽骨に伝えない構造としている。
このため、咬合や咀嚼時に人工歯に外力や衝撃がかかると、義歯部の合体部周囲が弾性変形して外力や衝撃を緩和する。強度調整は、図27の右図に示したように、メス型合体部222を変形させるために切断されており、この切断は2つ以上なら幾つでもよいが、最適には4から6つの範囲であるとしている。オス型合体部224とメス型合体部222が合体した状態では、人工歯にかかった外力や衝撃は、インプラント部226は不動なので、オススライド面に沿ってメススライド面が下方に移動し、メス合体部の強度調整部の部分が外側に開くように変形することによって、外力や衝撃が緩和されることになる。
特許文献7〜9には、1回法による術式に対応した歯科用インプラントが開示されている。
特許文献7においては、補綴構造用の直接接続型の骨固定要素であって、骨組織に挿入されるインプラントを具備し、植え込まれた位置にある時にインプラントの外側の端面となる該インプラントの端面が補綴構造を取り付けるために配設された骨固定要素において、端面がインプラントの残りの部分と一体的なネック上に設けられ、該ネックはインプラントが植え込まれた位置において骨組織の上方であって軟組織と同じレベルまたは該軟組織より下方に端面がくるように調整され、これにより粘膜により完全に覆われた状態で内殖が可能となると共に継足し部材を適用することなく露出が可能となり、ネックに盲ネジ穴が設けられ、盲ネジ穴が補綴構造を前記端面に係合しつつネジにより直接ネックに取り付けるために端面で開口している。
特許文献8,9は、歯槽骨頂の上方まで延びる粗仕上げされた表面を有する、ワンピース型の歯科用インプラントを提案している。図28は、特許文献8に示された図である。この粗仕上げされた表面234は、結合組織236が歯科用インプラント232に付着することを可能にする。カラー部およびインプラントの歯槽骨頂より上方の部分は、歯槽骨頂の少なくとも約2ミリメートル上方まで粗仕上げされた表面の領域をほぼ360°に渡って形成することによって、自然の歯に類似するように作製される。
このように、歯科用インプラントは、様々な問題に対して解決するための技術開発が進められている。
特開2010−279653号文献 特開2013−085577号文献 特表2007−519467号文献 特開2010−188062号文献 特開2004−113718号文献 特開2004−113718号文献 特表2001−512348号文献 特表2005−528183号文献 特開2011−062572号文献
オッセオインテグレーションを原理としたオッセオインテグレーティドインプラントは、歯の欠損から生ずる口腔機能を回復するための補綴治療であり、オッセオインテグレーションの獲得と維持が長期的な成功に必須である。
しかしながら、免荷期間が終了してオッセオインテグレーションを獲得しても、2回法でのインプラント手術は、免荷期間が終了後、歯茎を切開してカラー部を覆うキャップを取り外してヒーリングキャップに交換する必要がある。この時、歯茎の切開は、カバーキャップが露出するまで、上皮組織・結合組織を取り除かなくてはならない。その侵襲によって炎症反応が発現することがあり、治癒するために上皮組織のダウングロースが発現する。このような場合に対しては、特許文献1〜4に何ら開示されておらず、教示も示唆もされていない。
また、アバットメントはカラー部の上面に、ネジにより固着されるが、強固に固着する方法(例えば特許文献5参照)や、歯科用インプラントにかかる外力及び衝撃を直接歯槽骨に伝えない強度調整部を設ける(例えば特許文献6参照)方法があるが、アバットメントの高さ調整については何ら開示されておらず、教示も示唆もされていない。
免荷期間が終了後に歯茎の切開を必要としないインプラント手術方式は1回法であり、1回法の場合、歯科用インプラントは、多くは1ピースインプラントが使用され、フィクスチャー、カラー部とアバットメントが一体となって構造となっている。は歯槽骨から上皮組織表面に露出している(例えば特許文献7〜9参照)。口内には多くの細菌が存在してるが、カラー部が上皮組織に対して垂直の場合は、細菌の汚染による上皮組織のダウングロースが生じ易い。カラー部を超えてフィクスチャー部に到達し、さらにダウングロースが進展する場合もあるが、1回法対応の歯科用インプラントについて、治療中のダウングロースに対する対応は見当たらない。
治療中における細菌の汚染による上皮組織のダウングロースは無いことが望ましいが、避けて通ることはできず、特に1回法の場合は、ダウングロースに対する対策が必要である。
また、インプラント治療は、歯の喪失部位に行われるが、対合歯は挺出しているため、提供されているアバットメントの高さでは、対合歯に当たってしまい、さらに上部構造の補綴物を入れようとしても物理的に入らなくなってしまう場合もある。
本発明は、1回法のインプラント治療歯科用インプラントであって、カラー部で上皮組織のダウングロースを抑止する構造とともに、ダウングロースのレベルに対応して、位置の調整、即ち、アバットメントのカラー部への装着高さが変えられるアバットメント構造を提供することを目的としている。
本発明は、歯槽骨に埋入するフィクスチャーと、歯槽骨上部の上皮組織表面に露出する位置まで伸び、フィクスチャーから他の端部に向かって先細となる側面を備えたカラー部とすることにより、アバットメント装着時の口内からの細菌の侵入を防止し、上皮組織のダウングロースを抑止することができる歯科用インプラントである。カラー部を先細となるテーパ形状、あるいは階段状とすることで、口内の細菌の侵入を妨げ、上皮組織のダウングロースが抑制できる。
さらに本発明による歯科用インプラントは、カラー部の側面を封止部として、カラー部を覆う状態で嵌合させるアバットメントを備え、アバットメントは、カラー部における高さ方向の嵌合位置が調整可能な構造としている。
アバットメントの高さ調整を可能とするために、カラー部は、直線状又は曲線状のテーパ面であり、アバットメントは、カラー部を覆う内部に、カラー部最上部に位置するようにカラー部の側面を密着する封止面を備え、アバットメントのカラー部における位置は、アバットメントの封止面を削除して内径を広げ、カラー部のフィクスチャー側に移動させて高さ調整する構造としている。封止面の削除は、CADデータの変更によりCAMにより作製してもよい。
アバットメントだけで高さ調整できない場合は、カラー部の上部が削除され、削除された形状のカラー部の側面を封止部として、前記カラー部を覆う状態で嵌合させるアバットメントを作製することができる。
また高さ調整は、カラー部は、直線状又は曲線状のテーパ面であり、アバットメントは、カラー部を覆う内部に、カラー部の最下部に位置するようにカラー部側面を密着する封止面を備え、アバットメントのカラー部における位置は、アバットメントの封止面に、一定の厚さを持つ調整リングを入れて内径を小さくし、カラー部の先端側に移動させて高さ調整する構造とすることができる。アバットメントをカラー部の異なる位置で固定させるため、厚さが異なる複数の調整リングを備え、どの調整リングを使用するかで、アバットメントの高さ調整を行う。
本発明による歯科用インプラントのカラー部は、階段状に先細となる側面を備えていてもよい。階段状の段差部が口内の細菌の受け部となって侵入を防止し、汚染による上皮組織のダウングロースを抑制する。
階段状に先細となる側面を備えたカラー部は、カラー部の階段状側面の平面部を封止部として、カラー部を覆う状態で嵌合させるアバットメントを備え、アバットメントは、カラー部における階段状側面のどの平面と封止するかによって高さ方向の嵌合位置を調整することができる。
さらに、アバットメントは、階段状側面を持つカラー部を覆う内部面に、カラー部の最下部に位置するようにカラー部の階段状側面の平面部に密着する封止面を備え、アバットメントのカラー部における位置は、アバットメントの封止面と水平面を同一にする下端部をもつ一定の厚さを持つ調整リングを内部に入れて内径を小さくし、カラー部の先端側に移動させて高さ調整する構造とする。
また、アバットメントは、カラー部を覆う内部に、カラー部の最下部に位置するようにカラー部の階段状側面の平面部に密着する封止面を備え、アバットメントのカラー部における位置は、アバットメントに、カラー部の最上部に位置する厚さを持つ調整リングを入れて、調整リングの下面でカラー部の階段状側面の平面部に密着する構造とし、調整リングの内径を削除して広げ、アバットメントをフィクスチャー側に移動させて高さ調整する構造としてもよい。
さらに、カラー部の側面を封止部として、カラー部を覆う状態で嵌合させるカバーキャップ及び仮歯用ヒーリングキャップを備え、先細形状のカラー部に対応している。
本発明による歯科用インプラントは、カラー部が歯槽骨上部の上皮組織表面に露出する位置まで伸び、フィクスチャーから他の端部に向かって先細となるテーパ形状、あるいは階段状としているため、口内の細菌の侵入を妨げ、上皮組織のダウングロースが抑制できる。これにより、インプラント治療期間中に、生体と結合するフィクスチャー部への細菌の侵入も防止することができる。また、免荷期間が終了後にカラー部を覆うキャップを取りすことがないので、歯茎を切開する必要もなく、切開による侵襲での炎症反応も発現することがない。
カラー部で上皮組織のダウングロースが生じた場合であっても、アバットメントの位置が調整可能であり、ダウングロースによる上皮組織の位置に対応して適応できる。このため、アバットメントの最適な位置を決めた後に印象採得を行うことができ、カラー部の露出がなく、審美的な効果がある。さらに、長期間、歯を喪失させていた場合は、対合歯が挺出して、標準的なアバットメントでは対応できない場合も少なくないが、アバットメントの封止面がカラー部の側面であるため、カラー部の上部を削除してアバットメントの上下的位置の調整が可能であり、アバットメント上部の削除も可能である。
さらに、カラー部が歯肉より低い位置にあると目視が確保しにくいため操作性が悪くなるり、境界の歯肉を傷つけることが多く、それによる上皮組織のダウングロースも多く発生するが、本発明のによる歯科用インプラントでは、カラー部が高い位置に来ているために目視による操作性に優れている。
本発明による歯科用インプラントを示す図。 本発明によるアバットメントを示す図。 本発明による歯科用インプラントとアバットメントを組み合わせた断面図。 本発明によるアバットメントの高さ調整をするための説明図。 喪失した歯の対合歯が挺出しているパノラマX線画像。 対合歯上面位置を説明する図。 本発明による歯科用インプラントの切削除去を説明する図。 上部を切断したカラー部にアバットメントを装着した断面図。 従来のカバーキャップをかぶせた状態を示す図。 本発明によるカバーキャップを、本発明の歯科用インプラントに装着した断面図。 カラー部に仮歯用ヒーリングキャップを装着した状態を説明する図。 2回法によるカバーキャップとヒーリングキャップの説明図。 2回法インプラント手術のフローチャートを示す図。 2次手術前の理想的な縫合状態を説明する図。 ヒーリングキャップ取り付け後の汚染状態と、ダウングロースを説明する図。 従来の1ピース型歯科用インプラントを示す図。 本発明の歯科用インプラントを埋入した状態を説明する図。 本発明による歯科用インプラントを埋入して、汚染によるダウングロースが生じた状態を示した図。 高さ調整したアバットメントを装着した図。 アバットメントの高さ調整のための調整リングを示す図。 調整リングをアバットメントに挿入して、カラー部に取り付けた場合のアバットメント断面図。 階段状のカラー部を示す図。 アバットメントに、高さ調整用の調整リングを挿入した状態の断面図。 階段状カラー部に、調整リングを挿入したアバットメントを装着した図。 他のフィクスチャー形状を採用した本発明による歯科用インプラントの例を示す図。 従来例を示す図。 従来例を示す図。 従来例を示す図。
代用歯としての歯科用インプラントは、歯槽骨に埋入し、生体組織と結合(オッセオインテグレーション)させる。このため、歯槽骨と直接接触するフィクスチャーは、表面性状等様々な試みがされ、オッセオインテグレーションの促進効果を得ている。ところが、実際の臨床現場では口内に存在する細菌の侵入による汚染がカラー部超えてフィクスチャーにまで達し、オッセオインテグレーションの阻害要因となっていることが大きな問題であり、いかにカラー部で細菌の侵入を阻止するかがインプラント治療を成功させるための重要な課題となっている。
このような背景から、本発明はインプラント手術の1回法に対応した歯科用インプラントに着目し、そのカラー部を細菌が侵入しにくい構造とし、細菌の侵入による汚染で上皮組織のダウングロースが発生してもカラー部に装着するアバットメントの位置を調整可能とした構造を備えた歯科用インプラントを提供する。以下本発明による歯科用インプラントを、図1〜図3で説明する。
図1は、本発明による歯科用インプラント10である。歯科用インプラント10は、カラー部12とフィクスチャー14から構成されている。カラー部12の長さは、歯槽骨面から上皮組織の表面よりも長く、歯科用インプラント埋入後も上皮組織を縫合することなく露出している。インプラント手術一回法の特徴でもある。
カラー部12の側面は、フィクスチャー14の端部から図面での上方に向かって先細となっており、図1では直線的なテーパ状となっている。カラー部12の側面形状は先細であればよく、曲線的なテーパ状であってもよい。先細となっているカラー部12の上部から覆い被せるようにアバットメントが装着される。
フィクスチャー14は、生体組織との結合を促進する。歯科用インプラント10は一般的にはチタンで作製されているが、生体組織との結合を促進するために、様々な方法で表面処理が行われている。例えば、構造的に生体組織との結合を促進するために、フィクスチャー14を適度な表面粗さとすること、酸化により、酸化チタンとしたり陽極酸化させたりすること、アルカリ処理すること等の表面処理が行われている。これらは、オッセオインテグレーションを基本とした生体組織との結合の促進であるが、さらには、バイオインテグレーションと呼ばれるハイドロキシアパタイト(Hydoroxyapatite)処理がある。ハイドロキシアパタイトは、ヒドロキシアパタイトとも言われている。
ハイドロキシアパタイトはリン酸カルシウムでできた歯や骨を構成する成分のことで、エナメル質は97%、象牙質の70%がハイドロキシアパタイトで構成されている。ハイドロキシアパタイトは唾液中のミネラルイオンに作用し、周囲骨との間にはカルシウムが沈着して骨と生化学的に結合する。このため、ハイドロキシアパタイトをコーティングしたインプラントは、インプラント治療の治癒期間が短いのが特徴とされている。しかしながら、一旦細菌が侵入すると、他の処理を行ったインプラントよりも汚染の進行が早く、また、消毒による殺菌も効果が薄い。このために、特にハイドロキシアパタイトをコーティングしたインプラントでは、フィクスチャー部への細菌の侵入を防止することが必要とされる。
図2は、本発明によるアバットメント16の外観を示している。アバットメント16には、上部構造が取り付けられ、義歯として機能する。アバットメント16は、取付部18を歯科用インプラントのネジ穴に挿入してネジで固定する。取付部18は、歯科用インプラント10に挿入するが、回転防止のために円筒形ではなく、例えば六角柱等の多角柱形状である。また、カラー部12とアバットメント16の結合部がフィクスチャー上部、即ち、歯槽骨上面から離れている方が、ダウングロースに対しては有利であり、歯肉から露出して、先細となっている本発明による歯科用インプラントのカラー部先端を覆う構造とすることで、容易に実現可能である。
図3は、本発明による歯科用インプラント10に、本発明によるアバットメント16を装着した時の断面図を示している。アバットメント16は、先細となるテーパ形状のカラー部12の外周に、歯科用インプラント10のテーパ形状と同角度で形成されたアバットメント16の内面にある封止面20を密着させている。固定は、ネジ止め部22からネジ(図示せず)を入れ、歯科用インプラント10のネジ部24にネジ止めされる。
図4は、アバットメント16の高さ調整のための実施例でを説明する図である。本発明によるアバットメント16は、図3に示したようにテーパ形状のカラー部12の外周で封止して装着する構造であり、アバットメント16の封止面20の径を広げることで下方に移動する。このため、封止面20を図4における切削面26まで切削することで、切削面26が新たな封止面20となり、アバットメント16の高さ調整が可能である。
切削については、アバットメント16の内面を手作業により切削するのは、封止面20の精度が必要とされ、かなりの労力と高度の技術を要する。現在は、CAD/CAM(Computer−Aided−Design/Computer−Aided Manufactureing)システムが普及しており、歯科治療の際に口腔内に装着される修復物や補綴物製作工程(設計や加工)の一部をコンピュータ制御の機器に置き換えられている。CAD/CAMアバットメントも作製されており、このCAD/CAMシステムを利用することで、CADデータにより位置調整するアバットメントの封止面を決定し、CAMにより作製することができる。
従来の1回法対応の歯科用インプラントには、1ピース型と2ピース型があり、1ピース型は、歯科用インプラントとアバットメントが一体的に構成されているタイプであり(例えば、特許文献7,8参照)、2ピース型は、歯科用インプラントとアバットメントが別になっている(例えば特許文献9参照)。いずれのタイプにおいても、アバットメントは位置の調整ができず、上皮組織のダウングロースに対処できなかった。
一方、2回法対応の歯科用インプラントは、歯槽骨に埋入させるフィクスチャーとカラー部から成っているが、一般にカラー部は高さがほとんど無ない構造が主流であり、また、上皮組織のダウングロースに対応した高さ調整はできない。また2回法は、その術式からして、一度縫合した歯茎を切開しなければならず、この時に、カバーキャップを取り出さなくてはならず、上皮組織、結合組織を取り除く必要があり、ヒーリングキャップに交換した際、炎症反応が発現し易く、しかもカラー部の高さがほとんどないため歯槽骨へダウングロースが達し、歯槽骨が吸収する場合もある。一度ダウングロースした上皮組織は回復することなく、骨吸収も回復しない。
アバットメントの高さ調整が必要な場合は、カラー部の露出を防止するためだけでなく、他にも必要な場合がある。例えば、歯は対合歯が喪失した場合である。多くの場合、下の歯が喪失すれば上の歯が垂れ下がり、上の歯が喪失すると、下の歯が挺出する。そのため、喪失した部位に義歯(上部構造)を入れようとしても、極端な場合、対顎の歯槽頂歯肉と接触してしまい、義歯の物理的スペースが確保できないことが多く存在する。インプラント治療は、喪失部位に行われるため、多くの場合、対合歯は挺出している。そうした症例では、提供されているアバットメントの高さでは、対合歯に当たってしまい、さらに上部構造の補綴物を入れようとしても物理的に入らなくなってしまう。
このような症例に対応するには、対合歯を切削するか、低いアバットメントを入れる必要があるが、フィクスチャーの位置は動かすことができないので、アバットメントで対応しなければならない。あまり背の低いアバットメントでは、物理的強度が低下してしまう。
図5は、喪失した歯の対合歯が挺出しているパノラマX線画像である。喪失部位28で下顎右側7番と8番が、かなり以前に喪失しており、対合歯の上顎右側7番と8番が、下へ垂れ下がった状態となっている。こういう症例に対し、対合歯を切削しないでアバットメントで対応するには、アバットメントの高さ及びカラー部の高さを低くして対応しなければならない場合も少なくなく、上下的位置の調整が必須である。
図6は、カラー部12に装着したアバットメント16の上面に対して、対合歯上面位置30を示している。アバットメント16の上面からの距離が、対合歯上面位置30−1であるY0から対合歯上面位置30−2であるY1までは、アバットメント16の封止面20の内径を調整できる範囲であるとしても、さらに対合歯上面位置30−3まで対合歯の位置が延びており、距離がY3となった場合は対応できない。このような場合は、カラー部12の上部を削除して対応しなければならない。
図7は、カラー部12の上部を切削除去して低くするための切断面32を示し、切断面31で切断されたカラー部12に、高さの低い低部位のアバットメント16−1を装着する状態である。
図8は、図7で説明したアバットメント16−1をカラー部12に装着した断面図である。図8では、フィクスチャー14は省略し、図示していない。上部を切断面31で切削除去されたカラー部12に、封止面をカラー部12の側面部とした高さの低い低部位のアバットメント16−1が装着されている。
歯科用インプラントは、図3で示した断面図からも分かるように、アバットメントを装着するために内部が空間となっており、上部は塞がっていない。このため、歯科用インプラントの初期埋入時には、上部にカバーキャップを被せて、内部空間を塞ぐ必要がある。
図9は、歯科用インプラントに従来のカバーキャップを被せた状態を示す図である。カラー部12の上部には、カバーキャップ32がネジ部で固定されている。通常のカバーキャップは円筒型であり、本発明による歯科用インプラントは、埋入時にはカラー部12の上部が歯肉より突出した状態となるので、従来のカバーキャップ32では、舌感に問題が生ずる可能性が高く、本発明によるアバットメント構造と同様に、カラー部の側面を封止面として、カラー部上端を覆う構造が望まれる。
図10は、本発明によるカバーキャップを、カラー部先端が先細となる本発明の歯科用インプラントに装着した断面図を示している。本発明によるカバーキャップ32−1は、封止面をカラー部12の側面としており、カラー部12の上部を覆うような構造としている。カバーキャプ32−1は、歯科用インプラントに挿入するネジを有する構造であり、歯科用インプラント内部のネジ部24にネジ止めされ、固定される。このような構造では、カバーキャップ32−1の表面が滑らかな形状となっており、舌感に問題が生ずる可能性は極めて低くなる。
さらに、カバーキャップ32−1は、免荷期間の終了後に、周囲歯肉の形状を整えるためのヒーリングキャップと交換してもよく、この場合のヒーリングキャップ構造も、カラー部12の側面を封止部とするカバーキャップ32−1と同様な構造であり、周囲歯肉の形状を整えるための外部形状が変わるだけである。
本発明による歯科用インプラントは、カラー部が先細形状であることが特徴であり、他の歯科用インプラントの部品との組み合でせは、カラー部の側面を封止面としている。このため、仮歯用ヒーリングキャップについても同様の構造とする。
図11は、カラー部に仮歯用ヒーリングキャップを装着した状態を示している。内部の取り付け構造は、図3で示したようなアバットメント取り付け構造と同様であり、仮歯用ヒーリングキャップ34は、カラー部12の側面部を封止面として装着される。図11において破線で示した仮歯36は、即時重合レジンを材料として作製され、仮歯用ヒーリングキャップ34には、即時重合レジンの維持部35を備えている。仮歯36を即時重合レジンでサ作製することにより、歯科用インプラントの埋入手術と同時に作製できる。維持部35は、仮歯36が外部から加えられる力に対して仮歯用ヒーリングキャップ34から抜け落ちないようにするための構造であり、凹凸構造としている。
また、仮歯用ヒーリングキャップ34は、歯肉表面の開口部を広げて仮歯を装着するため、歯肉に接することになる。このため、仮歯用ヒーリングキャップ34の材料は、歯科用インプラントに使用されているチタンであることが好ましい。
次に、インプラント術式について、図5と図6により2回法を説明し、細菌の侵入による汚染状態とダウングロースについても説明する。1回法は、2回法との対比により説明する。
図12は、2回法用の歯科用インプラント40に、カバーキャップ32とヒーリングキャップ42が装着される状態を示している。2回法用の歯科用インプラント40は、フィクスチャー部14−2は歯槽骨に埋入され、生体組織との結合、即ちオッセオインテグレーションが促進されて、歯科用インプラント30が歯槽骨に固定される。
インプラント治療期間中は、まず、カバーキャップ32が、2回法用の歯科用インプラント40の上部からネジにより装着され、オッセオインテグレーションが進み、免荷期間が終了したところで、カバーキャップ32が取り外され、ヒーリングキャップ42が取り付けられる。
図13は、2回法インプラント手術のフローチャート44である。
まずステップS1では、歯科用インプラントを埋入する部分の歯槽骨に麻酔をして、埋入するインプラントの長さに合わせてドリルでインプラントの植立孔を形成する。次に、ステップ2では形成した植立孔に歯科用インプラントを埋入予定位置まで埋入する。埋入した歯科用インプラントには、カラー部の上面が開口したキャップ取付部がある。ステップS3ではこの開口部にカバーキャップを装着し、ステップS4で歯茎を縫合して封印する。ステップS5は、歯茎が縫合された状態で、オッセオインテグレーションが促進されるまで2〜6ヶ月静置する。静置する期間は、症例により若干異なるが、上顎で約3〜6月、下顎で約2〜4ヶ月程度である。
オッセオインテグレーションが促進された後に、2次手術に移る。ステップS6では、歯茎、即ち、上皮組織,結合組織と骨膜を切開して、歯科用インプラントに装着していたカバーキャップを取り外す。次に、ステップS7ではヒーリングキャップを歯科用インプラントに装着する。ヒーリングキャップは、ヒーリングキャップ上部が歯茎から出た状態で歯茎を縫合し、上部構造(義歯)装着時の歯茎を形成する。ステップS8で、歯茎が形成されるまで2〜4週間静置する。歯茎が形成された後に、ステップ9ではヒーリングキャップを取り外す。
次に、ステップ10で歯科用インプラントに印象コーピングを取り付け、シリコン印象材で印象採得を行う。
そして、最後のステップ11では、フィクスチャーから印象コーピングを取り外し、取り外した印象コーピングにアナログを取り付け印象内に戻す。さらに、印象内にガム模型用シリコンを流し込み、その上から石膏を流してアナログ模型を作製する。石膏硬化後は、印象コーピングを取り外す。さらに上部構造(義歯)を作製して、歯科用インプラントにはアバットメントを介して上部構造を取り付け、インプラント手術が完了する。
図14は、2次手術前の理想的な状態を示している。歯槽骨50に埋入している歯科用インプラントのフィクスチャー14−2は、オッセオインテグレーションにより生体と結合している。カバーキャップ32の装着後に歯茎の切開部を縫合するが、外界との交通を遮断するため上皮組織が増殖し、上皮組織のダウングロースを避けて、骨が吸収する。骨膜52、結合組織54と上皮組織56は層状にカラー部12−2の上部とカバーキャップ32を覆っている。歯科用インプラント埋入時に切開した縫合部58は組織結合して治癒している。
縫合部58から細菌が侵入して汚染状態となることもあるが、2回法では縫合部58が組織結合して治癒していても、2次手術において歯茎を切開してカバーキャップ32を取り除き、ヒーリングキャプ42と交換しなければならない。この時、上皮組織56、結合組織54と骨膜52を取り除いて、ヒーリングキャップ42を取り付ける。このため、2次手術における、上皮組織56、結合組織54と骨膜52取り除いたことに対する侵襲によって炎症反応が発現した場合は、ヒーリングキャップ42の周囲が汚染され、ダウングロースが発現する。
図15は、2次手術でヒーリングキャップ42を歯科用インプラント40に取り付けたときの、免荷期間終了時における汚染状態とダウングロースの状態を示している。ヒーリングキャップ42は外部と交通しているために、切開部が歯茎で覆われることはなく、ヒーリングキャップ42の周囲は、単に上皮組織や結合組織と接しているだけの状態となる。上皮組織56、結合組織54と骨膜52を取り除いたことに対する侵襲によって炎症反応が発現した場合は、カラー部12−2の高さが低いため、フィクスチャー14−2との距離が短く、図15に示したように、カラー部12−2を超えて、フィクスチャー14−2に達する。さらに過度に汚染が生じて、上皮組織56のダウングロースが進行した場合は、歯科用インプラントは固定せず、再度の手術をしなければならない。
これに対して、1回法インプラント手術では、図13に示した2回法インプラント手術のフローチャートにおいて、1回法対応の1ピース型の歯科用インプラントを用いることにより、ステップS2から、いきなりステップS10となる。従って、歯茎の切開は一度だけのため、患者への負担が軽く、歯科用インプラントに直接上部構造(義歯)を装着するため、治療期間を短縮できる、一体型のため強度に優れている等のメリットがある。反面、デメリットとして、2回法のようにフィクスチャーと生体組織の結合するオッセオインテグレーションを促進する免荷期間に相当する期間でも、外部との交通が遮断されないため、細菌の侵入リスクがが高いことがある。また、骨の量が少ない場合には骨再生誘導法等を併用する場合があるが、骨造成を併用する場合は、2回法よりも細菌の感染リスクが高い。
1回法対応の歯科用インプラントであっても2ピース型は、アバットメントが分離されているため、連結部分の清掃性が良く上部構造の角度等が変えられる自由度がある。ただ、1ピース型も2ピース型も細菌の感染リスク、ダウングロースは同じである。
ダウングロースの進行は、カラー部形状とも関係し、現在明確に証明されたわけではないが、上皮組織、結合組織と骨膜を取り除いたことに対する侵襲によって炎症反応が発現し、ダウングロースが進行するのは、経験的にカラー部がストレート形状の場合には、なんの抵抗もなく進行し易くなるとの認識が得られている。ダウングロースが進行しにくいカラー部形状は、先細となる傘状の突起物が存在する場合であることであり、これは本質的に上皮組織が外界と遮断するために表面積を小さくしようとする機能を備えているためではないかと考えられている。
上皮組織が表面積を小さくしようとして働くために、先細となる傘状の突起物を超えてダウングロースすることが難しく、結果としてダウングロースが抑止される。また、細菌もストレートな形状よりも侵入しにくく、汚染が阻止される結果、ダウングロースの抑止作用が働く。
図16は、従来の1ピース型歯科用インプラント52の例を示している。従来は、カラー部12−1が長く、ストレートな形状となっており、場合によっては従来例を説明する図28のように、フィクスチャー14−1だけでなく、カラー部12−1を歯槽骨まで埋入することもあった。このため、細菌の侵入によるダウングロースの抑止機能がなく、インプラント治療での失敗例も2回法に比べて多く発生していた。
本発明による歯科用インプラントは、上皮組織が外界と遮断するために表面積を小さくしようとする機能を備えている性質を利用した形状である。
図17は、本発明の歯科用インプラント10を埋入した状態を示している。カラー部12の上部は、上皮組織56から露出しており、カバーキャップ64で封止されている。カラー部12は、フィクスチャーと接する部分のテーパ角は30度以下として、突起状態を形成し、その上部はテーパ角を60度以上として、上皮組織58に先細形状を形成している。このため、細菌の侵入がし難く、また、ダウングロースも抑えられる。
図18は、本発明による歯科用インプラントを埋入して、汚染によるダウングロースが生じた状態を示した図である。カラー部12の周囲には、細菌の侵入により汚染部60が発生して、上皮組織58がカラー部12の途中までダウングロースが発現している。上皮組織のダウングロースは完全には防止することができず、多かれ少なかれ発現する。このため、汚染部60を取り除いて、印象採得を行い、上部構造を作製してアバットメントに装着してカラー部12の上部に取り付ける。この時、アバットメントの高さ調整ができないと、ダウングロースにより上皮組織の表面が下がっているため、カラー部12が露出して、著しく審美性を損ねることになる。
図19は、図2に示した本発明によるアバットメントにより高さ調整し、高さ調整されたアバットメント16に、破線で示した義歯となる上部構造66を作製して装着し、カラー部12に固定した状態を示している。アバットメント1616の高さ調整は、図4に示した封止面20を切削して内径を広げることによりフィクスチャー14側に移動させた。このため、カラー部12が露出することなく、審美性を損ねることもない。
アバットメントの高さ調整をする構造は、いろいろ考えられるが、図4で示した封止面を切削して内径を広げる方法は、カラー部側面の最上位部に位置するように封止面を設定し、削除によってアバットメントを下げていく構造である。これに対して、カラー部側面の最下部からアバットメントを上げている構造がある。
図20は、アバットメントの高さ調整のための調整リング70である。この調整リング70をアバットメントの封止面に入れて内径を小さくして、カラー部でのアバットメントの高さを調整する。
図21は、調整リング70をアバットメント16に挿入して、カラー部12に取り付けた場合のアバットメント断面図である。ここで、フィクスチャーは省略している。アバットメント16は、調整リング70がない場合は、封止面によって、カラー部12の破線で示した最下部にアバットメント16の底面が位置するように設計されている。調整リング70は、封止面の底辺部の水平方向と同じ位置になるように挿入され、調整リング70の厚さを変えることで内径を狭めていき、アバットメントの高さが調整される。このため、調整リングは内径の異なる複数の調整リングが用意される。
次に、本発明の他の実施形態を説明する。
図22は、本発明による歯科用インプラントのカラー部のみを示した図である。カラー部は、階段状に平面部74を設けてカラー部の先細形状を実現した階段状カラー部72である。階段状の側面形状は、平面部が74がアバットメントとの封止部となり、アバットメントの高さを調整する。さらに多段に設けられた平面部は、歯科用インプラント埋入時に、細菌侵入の受け部となり、また、上皮細胞のダウングロースに対しては突起物となって抑制する。従って、ダウングロースに対して非常に有効な構造となっている。
図23は、アバットメント16に、高さ調整用の調整リング76を挿入した状態の断面図である。カラー部との封止は、調整リングの底面となる。
図24は、階段状カラー部72に、図23で示したように調整リング76を挿入したアバットメント16を装着した図である。調整リング76がない場合には、図24に示した破線部を最下部位置として、アバットメント底面部で封止される。上皮組織のダウングロースのレベルに応じて、調整リングで、階段状カラー部72のどの平面部74で封止するかを決定する。調整リング76は、階段状カラー部72の平面部74に対応して複数の調整リングが用意される。
また、調整リング76は、階段状カラー部72の最上部に底面が突き当たる大きさ(図24参照)として、内径を切削していってもよい。この場合、封止部は調整リング76の底面部であり、切削による内径の粗さは関係なく、医療現場でも簡単に調整可能である。また、階段状カラー部72の形状は決まっているから、調整リング76の内径をどの平面部74の高さに対応するかを、調整リング76の底面にマーカをつけておいてもよい。
本発明は、フィクスチャー形状には依存せず、どんな形状のフィクスチャーでも成立するが、インプラント治療中及び完了後の長期的な安定性の維持のためには、オッセオインテグレーティッドインプラントのフィクスチャーは、初期の固定を堅固にして、オッセオインテグレーションを促し、荷重に対して過度の集中を回避できるフィクスチャー形状が望ましい。
図25は、初期の固定を堅固にし、荷重に対して過度の集中を回避できるフィクスチャー形状をフィクスチャーとして採用したた本発明による歯科用インプラントの例を示している。フィクスチャー68は、発明者が既に提案し、特開2011−135975に開示されている。長期安定可能な構造であり、わずかな括れ部を有する頚部と、頚部から外形を徐々に小さくした円錐形状の一部を成す本体部と、半球形状若しくは丸味を帯びた形状の根尖部とを備えている。頚部の括れ部は円弧状に括れていても、外径が小さいストレートな側面部を有する形状でもよい。
このように、初期及び長期にわたって安定なフィクスチャーを組み合わせることにより、本発明による歯科用インプラントは、さらなる有効性を発揮することができる。
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明はその目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に、上記の実施形態よる限定は受けない。
10 歯科用インプラント
12,12−1,12−2 カラー部
14,14−1,14−2 フィクスチャー
16 アバットメント
18 取付部
20 封止面
22 ネジ止め部
24 ネジ部
26 切削面
28 喪失部位
30,30−1,30−2,30−2 対合歯上面位置
31 切断面
32,32−1 カバーキャップ
34 仮歯用ヒーリングキャップ
35 維持部
36 仮歯
38 歯肉表面
40 2回法用の歯科用インプラント
42 ヒーリングキャップ
44 2回法インプラント手術のフローチャート
50 歯槽骨
52 骨膜
54 結合組織
56 上皮組織
58 縫合部
60 汚染部
62 1ピース型歯科用インプラント
64 カバーキャップ
66 上部構造
68 喪失部位
70,76 調整リング
72 階段状カラー部
74 平面部
78 フィクスチャー

Claims (15)

  1. 歯槽骨に埋入するフィクスチャーと、
    歯槽骨上部の上皮組織表面に露出する位置まで伸び、前記フィクスチャーから他の端部に向かって先細となる側面を備えたカラー部と、
    からなる歯科用インプラント。
  2. 請求項1に記載の歯科用インプラントにおいて、
    さらに、前記カラー部の側面を封止部として、前記カラー部を覆う状態で嵌合させるアバットメントを備えていること、
    を特徴とする歯科用インプラント。
  3. 請求項2に記載の歯科用インプラントにおいて、
    前記アバットメントは、前記カラー部における高さ方向の嵌合位置が調整可能な構造であること、
    を特徴とする歯科用インプラント。
  4. 請求項3に記載の歯科用インプラントにおいて、
    前記カラー部は、直線状又は曲線状のテーパ面であり、
    前記アバットメントは、前記カラー部を覆う内部に、前記カラー部の最上部に位置するように前記カラー部の側面を密着する封止面を備え、
    前記アバットメントの前記カラー部における位置は、前記アバットメントの前記封止面を削除して内径を広げ、前記カラー部の前記フィクスチャー側に移動させて高さ調整可能な構造であること、
    を特徴とする歯科用インプラント。
  5. 請求項4に記載の歯科用インプラントにおいて、
    前記封止面の削除は、CADデータの変更によりCAMにより作製すること、
    を特徴とする歯科用インプラント。
  6. 請求項2に記載の歯科用インプラントにおいて、
    前記カラー部の上部が削除され、削除された形状の前記カラー部の側面を封止部として、前記カラー部を覆う状態で嵌合させるアバットメントを備えていること、
    を特徴とする歯科用インプラント。
  7. 請求項2に記載の歯科用インプラントにおいて、
    前記カラー部は、直線状又は曲線状のテーパ面であり、
    前記アバットメントは、前記カラー部を覆う内部に、前記カラー部の最下部に位置するように前記カラー部の側面を密着する封止面を備え、
    前記アバットメントの前記カラー部における位置は、前記アバットメントの前記封止面に、一定の厚さを持つ調整リングを入れて内径を小さくし、前記カラー部の先端側に移動させて高さ調整可能な構造であること、
    を特徴とする歯科用インプラント。
  8. 請求項7に記載の歯科用インプラントにおいて、
    前記アバットメントを前記カラー部の異なる位置で固定させるため、厚さが異なる複数の調整リングを備えていること、
    を特徴とする歯科用インプラント。
  9. 請求項1に記載の歯科用インプラントにおいて、
    前記カラー部は、階段状に先細となる側面を備えていること、
    を特徴とする歯科用インプラント。
  10. 請求項9に記載の歯科用インプラントにおいて、
    さらに、前記カラー部の階段状側面の平面部を封止部として、前記カラー部を覆う状態で嵌合させるアバットメントを備えていること、
    を特徴とする歯科用インプラント。
  11. 請求項10に記載の歯科用インプラントにおいて、
    前記アバットメントは、前記カラー部における階段状側面のどの平面と封止するかによって高さ方向の嵌合位置を調整可能な構造であること、
    を特徴とする歯科用インプラント。
  12. 請求項11に記載の歯科用インプラントにおいて、
    前記アバットメントは、前記カラー部を覆う内部に、前記カラー部の最下部に位置するように前記カラー部の階段上側面の平面部に密着する封止面を備え、
    前記アバットメントの前記カラー部における位置は、前記アバットメントの封止面と水平面を同一にする下端部をもつ一定の厚さを持つ調整リングを内部に入れて内径を小さくし、、前記カラー部の先端側に移動させて高さ調整可能な構造であること、
    を特徴とする歯科用インプラント。
  13. 請求項11に記載の歯科用インプラントにおいて、
    前記アバットメントは、前記カラー部を覆う内部に、前記カラー部の最下部に位置するように前記カラー部の階段上側面の平面部に密着する封止面を備え、
    前記アバットメントの前記カラー部における位置は、前記アバットメントに、前記カラー部の最上部に位置する厚さを持つ調整リングを入れて、調整リングの下面で前記カラー部の階段状側面の平面部に密着する構造とし、
    前記調整リングの内径を削除して広げ、前記アバットメントを前記フィクスチャー側に移動させて高さ調整可能な構造であること、
    を特徴とする歯科用インプラント。
  14. 請求項1に記載の歯科用インプラントにおいて、
    さらに、前記カラー部の側面を封止部として、前記カラー部を覆う状態で嵌合させるカバーキャップを備えていること、
    を特徴とする歯科用インプラント。
  15. 請求項1に記載の歯科用インプラントにおいて、
    さらに、前記カラー部の側面を封止部として、前記カラー部を覆う状態で嵌合させる仮歯用ヒーリングキャップを備えていること、
    を特徴とする歯科用インプラント。

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