JP2015136423A - 生体情報検知用床センサ - Google Patents
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Abstract
Description
この課題に対応するためには、介護者等による人的配置を行い、24時間見守りができれば理想的であるものの、現実には、社会的負担等から完璧にはできない。
このため種々の支援機器を設置して、介護者による見守りを支援する提案がされている。
一般的には、屋内に体温を検出するセンサや物体移動の有無を検出するセンサ、更には室内状況を撮影できるカメラ等により見守りを行う機器が提案されている。
しかしながらこれらは、人の動きの有無を検知する程度であって、呼吸、心拍等の情報まで得ることはできない他、撮影による場合には、プライバシーの面からこれを嫌う利用者もいる。
この先行技術は、身体の動きを密閉したチューブに伝え、心拍動や上半身の引き起こし運動等の生体活動により、チューブ内の微細な空気振動を生じさせ、これをセンサモジュールに検知させるようにしたものである。
しかしながらこのものはあくまで就寝姿勢の利用者が敷いて用いることを前提とするものであり、屋内にいたとしても、ベッドや布団を離れると生体情報が得られなくなってしまう。
また、直接の物理的拘束ではないものの、利用者をベッドや布団の上に拘束するような状況を強いるものとなってしまう。
更に痴呆症患者等の場合、前記センサモジュールの配線やチューブを断線させてしまう等の可能性も排除できない。
このように、前記特許文献1に開示された空気圧式検知センサには、複数の観点から改良する余地があった。
そしてこれら各請求項記載の発明を手段として前記課題の解決が図られる。
そして生体情報検知用床センサ1は、例えば病院における病室の床に設置されるものであり、床面板5の上に、直接あるいは間接的に位置する被験者の生体情報(呼吸・心拍・体動)を、検知チューブ3によって捕えるとともに、検知チューブ3内において空気振動を生じさせ、この空気振動をセンサモジュール6に送り、ここで電気信号に変換することが行われる機器である。
なおこの電気信号は、パソコンP等の解析装置に送られ、ここで生体情報(呼吸・心拍・体動)として解析され、その波形や数値をモニタ等に表示するとともに、適宜の記憶媒体に記録され、更に値に応じて適宜警報音を発することにより、介護者等に異常を知らせるようにして供される。
以下、生体情報検知用床センサ1の構成要素について詳しく説明する。
ここで適宜の剛性とは、基板2の上面に設置される検知チューブ3を不都合なく支持するとともに、検知チューブ3の弾性変形を妨げてしまうことがない程度の硬度を有するものであることを意味するものである。
また基板2の寸法は、いわゆる規格寸法と呼ばれる一般の床材標準寸法(300mm×1800mm)とすることが好ましく、更にその半分の寸法(300mm×900mm)としたり、倍の寸法(600mm×1800mm)等としてもよい。なお基板2のサイズが大きくなる程、生体情報検知用床センサ1としての感度が落ちてくることが、本出願人によって確認されており、900mm×1800mm以下とすることが好ましい。
また基板2の好ましい厚さは、素材によって異なってくるものであるが、塩化ビニルの場合、1〜5mmとされる。
なお基板2のサイズが600mm×450mmのときに、6000cm3 以上(1m2 当たり22222cm3 以上)の空気容量が確保されるように、検知チューブ3の内径及び長さを設定することにより、良好な感度とすることができるが、本出願人によって確認されている。
なお、特に床面板5としてフローリング材を用いる場合には、部屋の隅から順次フローリング材を嵌め込むような施工が行われるため、検知チューブ3の損傷を防止するために、上面板4を設けることが好ましい。
また更にその上に床面板5を乗せるとともに固定し、この状態のものを床センサユニット10としてもよい(図3(c)参照)。
また上面板4を設けることなく、検知チューブ3の上に床面板5を乗せるとともに固定し、この状態のものを床センサユニット10としてもよいし(図3(d)参照)。
なお前記間隔dの寸法は、床センサユニット10の寸法によって最適値が異なってくるものであり、600mm×450mm及び900mm×900mmのときには50mm、1800mm×900mmのときには100mm〜150mmであることが、出願人によって確認されており、この場合、良好な感度を確保することができる。
また特に検知チューブの3の一方の端部が閉塞されている場合には、図4(c)に示すように、スパイラル状に引き廻すことも可能である。
なお前記電子回路61は、オペアンプ等を具えて成るものであり、センサエレメント60の出力を適宜増幅する等して、パソコンP等の解析装置の入力信号のスペックに適合した出力信号を得るものである。なおセンサモジュール6とパソコンPとの間に適宜の制御装置7を設け、この制御装置7に一部の処理を担わせるようにしてもよい。
ここで焦電センサに用いられている焦電素子について説明すると、誘電体の一種に焦電体(チタン酸ジルコン酸鉛等)というものがあり、この焦電体は赤外線を受けると、熱エネルギーを吸収して自発分極に変化が生じ、その変化量に比例して表面に電荷が誘起されることとなる(焦電効果)。この特性を利用して赤外線を含む光を感知する(変化を見る)ものが焦電センサである。
この実施例では一例として、前記センサエレメント60として富士セラミック社製、FKS−HM02を適用した。因みにこの実施例で示されるセンサモジュール6は、1パスカルの変化を検出できるものである。
またセンサモジュール6に対して無線機能を具えることにより、パソコンPとの間の配線を不要とすることができる。
このような検知チューブ3と空圧センサ(モジュール)6との具体的な接続態様は、床センサユニット10が単一である場合と複数である場合で異なるものであり、更に検知チューブ3の端部の状態によって異なるため、以下それぞれの場合毎に説明する。
まず、単一の床センサユニット10であり、且つ検知チューブ3の両端部が解放状態とされた場合について説明する。この場合、図4(a)に示すように検知チューブ3の両端部をそれぞれ連結管8に接続し、この連結管8を、センサモジュール6におけるセンサエレメント60に接続するものである。
次に、複数の床センサユニット10が組み合わされ、且つ検知チューブ3の両端部が解放状態とされた場合について説明する。この場合、図5(a)に示すように各床センサユニット10における検知チューブ3の両端部をそれぞれ連結管8に接続し、この連結管8を、センサモジュール6におけるセンサエレメント60に接続するものである。
なお図5(b)に示す態様は、個々の床センサユニット10における検知チューブ3の両端部が解放状態とされた場合にも適用できるものであり、この場合には個々の床センサユニット10の形態は図4(a)に示したものとなる。
そしてこのように複数の床センサユニット10が組み合わされた形態が採られた場合(図5(b))には、被験者がどの床センサユニット10上にいるのかが判るため、被験者の活動状況を把握することができる。
具体的には、図1に示されるように、被験者が床面板5上に設けられたベッドに寝た状態で、呼吸と心拍と体動とが混合した波形をオシロスコープで観測できることが、本出願人によって確認されている。また図1に仮想線で示すように、被験者が、床面板5上に直接立った状態、床面板5上に設けられた椅子に座った状態いずれの状態であっても呼吸と心拍と体動とが混合した波形をオシロスコープで観測できることが、本出願人によって確認されている。
そしてこの波形を解析することにより、被験者の異変を知ることができ、適宜警報音を発することにより、別の部屋や別の建物に待機している介護者等に異常を知らせることができる。更にパソコンPにデータを蓄積することができるため、被験者の健康管理をより詳細に行うことが可能となる。
10 床センサユニット
2 基板
3 検知チューブ
31 止め具
4 上面板
5 床面板
6 センサモジュール
60 センサエレメント
61 電子回路
7 制御装置
8 連結管
9 伝送線
N 根太
P パソコン
Y 床下地
Claims (6)
- 適宜の剛性を有する基板と、この基板上に、平面視において適宜の間隔を隔てて連通状に満遍なく配設される検知チューブと、この検知チューブの上方に設けられる床面板とを具え、前記検知チューブは、センサモジュールに接続されるとともに、センサモジュールとの接続部以外の範囲は、チューブ内空間が密閉空間であることを特徴とする生体情報検知用床センサ。
- 前記検知チューブは、連続して閉ループ状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の生体情報検知用床センサ。
- 前記検知チューブは、基板1m2 当たり20000cm3 以上の空気容量となるように配設されていることを特徴とする請求項1または2記載の生体情報検知用床センサ。
- 前記検知チューブと床面板との間に、上面板が設けられていることを特徴とする請求項1、2または3記載の生体情報検知用床センサ。
- 前記基板のサイズは、一般の床材標準寸法とされていることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の生体情報検知用床センサ。
- 前記センサモジュールの出力を解析し、二以上の生体情報を認識するための解析装置が具えられていることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の生体情報検知用床センサ。
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