JP2015136015A - 光信号受信装置、ストークスベクトル処理回路及び光信号送受信システム - Google Patents

光信号受信装置、ストークスベクトル処理回路及び光信号送受信システム Download PDF

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Kazuro Kikuchi
和朗 菊池
川上 彰二郎
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Abstract

【課題】光を正確に復調することができる光信号受信装置、ストークスベクトル処理回路及び光信号送受信システム提供する。
【解決手段】本発明に係る光信号受信装置は、光信号を受信する光信号受信装置であって、受信した前記光信号の信号光を検出する光検出器と、検出された前記信号光の光信号の偏波状態の情報に基づいて、前記光信号の基準ストークスベクトルを算出するストークスベクトル計算回路と、前記光信号の偏波変動に追従させるために、算出された前記基準ストークスベクトルを前記光信号の偏波変動に対応して変化させる基準ストークスベクトル更新回路と、を備える。
【選択図】図5

Description

本発明は、光信号受信装置、ストークスベクトル処理回路及び光信号送受信システムに関する。
光電界複素振幅をI(In-phase)/Q(Quadrature-phase)平面上で多値変調し、偏波軸上で多重化するシステムが知られている(非特許文献1)。
一方、2つの偏波成分の間に位相相関が保たれているとき、偏波軸はI/Q軸と同等な変調の直交軸として用いることができる。この時、I/Q軸と偏波軸から構成される4次元空間におけるベクトルを用いて符号を設計することが可能となる(非特許文献2)。
また、偏波状態を多値化する光変調方式も古くから研究されてきた(非特許文献3、非特許文献4)。
K. Kikuchi, "Digital coherent optical communication systems: Fundamentals and future prospects," IEICE Electronics Express, vol.8, no.20, pp.1642-1662, Oct. 2011. G. R. Welti and J. S. Lee, "Digital transmission with coherent four-dimensional modulation," IEEE Trans. on Information Theory, vol.IT-20, no.4, pp.497-502, July 1974. S. Betti, F. Curti, G. De Marchis, and E. Iannone, "Multilevel coherent optical system based on Stokes parameters modulation," J. Lightwave Technol., vol.8, no.7, pp.1127-1136, July 1990. S. Benedetto and P. Poggiolini, "Performance evaluation of polarization shift keying modulation schemes," Electron. Lett., vol.26., no.4, pp.256-258, Feb. 1990.
しかしながら、特に、非特許文献3及び非特許文献4に記載される従来の偏波状態を多値化する光変調方式では、光の偏波状態の変動に対して追従することができず、光を正確に復調することができないという問題があった。
そこで、本発明は、光の偏波状態の変動に適切に追従することができ、光を正確に復調することができる光信号受信装置、ストークスベクトル処理回路及び光信号送受信システムを提供することを目的の一つとし得る。
上記課題を解決するために、本発明の所定の実施形態に係る光信号受信装置は、光信号を受信する光信号受信装置であって、受信した前記光信号の信号光を検出する光検出器と、検出された前記信号光の光信号の偏波状態の情報に基づいて、前記光信号の基準ストークスベクトルを算出するストークスベクトル計算回路と、前記光信号の偏波変動に追従させるために、算出された前記基準ストークスベクトルを前記光信号の偏波変動に対応して変化させる基準ストークスベクトル更新回路と、を備える。
また、上記課題を解決するために、本発明の所定の実施形態に係るストークスベクトル処理回路は、光信号の偏波状態の情報に基づいて、前記光信号の基準ストークスベクトルを算出するストークスベクトル計算回路と、前記光信号の偏波変動に追従させるために、算出された前記基準ストークスベクトルを前記光信号の偏波変動に対応して変化させる基準ストークスベクトル更新回路と、を備える。
また、上記課題を解決するために、本発明の所定の実施形態に係る光信号送受信システムは、光伝送路を介して光信号を送信する光信号送信装置と、光信号を受信する光信号受信装置であって、受信した前記光信号の信号光を検出する光検出器と、検出された前記信号光の光信号の偏波状態の情報に基づいて、前記光信号の基準ストークスベクトルを算出するストークスベクトル計算回路と、前記光信号の偏波変動に追従させるために、算出された前記基準ストークスベクトルを前記光信号の偏波変動に対応して変化させる基準ストークスベクトル更新回路とを備える光信号受信装置と、を備える。
本発明の所定の実施形態によれば、光の偏波状態の変動に応じて基準ストークスベクトルを更新していくことにより、光の偏波状態の変動に適切に追従することができる。光の偏波状態の変動に適切に追従していくことが、光を正確に復調することにつながる。
本発明の実施形態に係る光信号送受信システムの模式図である。 本発明の実施形態に係るストークス空間における偏波状態を示した図である。 本発明の実施形態に係る偏波変調器の模式図である。 本発明の実施形態に係る3次元ストークス空間におけるコンステレーションマップを示す図であり、図4(a)は、光信号が2相の場合の信号点配置の例を示した図である。図4(b)は、光信号が4相の場合の信号点配置の例を示した図である。図4(c)は、光信号が8相の場合の信号点配置の例を示した図である。 本発明の実施形態に係る光信号受信装置の模式図である。 本発明の実施形態に係る、光信号の偏波状態の変動をシンボル毎にポアンカレ球上にプロットした例を示す図である。 本発明の実施形態に係る、光信号の偏波、ビットレート、キャリア対雑音比の関数として求めた符号誤り率を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。即ち、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形(各実施例を組み合わせる等)して実施することができる。また、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付して表している。図面は模式的なものであり、必ずしも実際の寸法や比率等とは一致しない。図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることがある。
図1に、本発明の実施形態における光信号送受信システム1の構成を示す。図1に示すように、本発明の実施形態に係る光信号送受信システム1は、光信号を送信及び受信するシステムであり、例示的に、光信号送信装置10、光信号受信装置20、及び光伝送路30を備えて構成される。
光信号送信装置10は、光信号を送信する装置であり、例示的に、信号マッピング回路11、偏波変調器13、及び光源15を備えて構成される。
図1に示すように、信号マッピング回路11は、外部又は内部から入力されるデータ信号を、以下で詳述する多値変調方式に応じて、コンステレーションマッピングを行う。
偏波変調器13は、データ信号の偏波状態により光源15の出力光の偏波状態を設定する。また、偏波変調器13は、以下で詳述するように、光信号のストークスベクトルを変調する。さらに、偏波変調器13は、変調した光信号を、光信号受信装置20に光伝送路30を介して送信する。
光源15は、光を出力する装置であり、例えば、半導体レーザを備えて構成される。光源15は、光を出力する機能を有していれば特に制限はなく、半導体レーザ以外の他の構成を備えていてもよい。
なお、偏波変調器13は、光信号の偏波状態の情報を含むトレーニング信号を光信号受信装置20に送信する。この場合、光信号受信装置20は、トレーニング信号を送信するように要求するための信号を、事前に光信号送信装置10に送信するように構成されていてもよい。また、上記トレーニングは有線又は無線通信により送信されてもよい。
ここで、光信号の電界複素振幅は、x偏波成分Exとy偏波成分Eyを用いてベクトル表示を行うと数式1で表される。
数式1で示されたベクトルをジョーンズベクトルといい、ジョーンズベクトルは数式2から数式5に示すように、ストークスベクトルSに変換される。





ここで、δはx、y偏波間の位相差を示し、数式6で示される。
また、ストークスベクトルSの大きさは、数式7で示される。
ストークスベクトルSは、光電界複素振幅とその複素共役の積をとること(二乗検波)によって得られ、ストークスベクトルは、光電界の絶対位相を含まない。
ストークスベクトルSで構成される多次元ベクトル空間であるストークス空間において、ストークスベクトルSの座標は、光信号の強度を含む偏波状態に1対1に対応する。特に、S=1とした場合、ベクトルSの覆う単位球面であるポアンカレ球の球面上の各点が偏波状態を表す。
ここで、実数Aを数式8に示すように定義すると、x偏波成分Exは数式9で示され、y偏波成分Eyは数式10のように示される。ここで、φは光信号の絶対位相であり、x偏波とy偏波との間のパワー分岐比及び位相差は、θ(0≦θ≦π)及びδ(−π≦δ≦π)を用いて決定され、偏波状態もθ、δにより一意に定まる。


従って、数式1は、数式11に示すように変形される。
数式11に対応するストークスベクトルSは数式2から数式5により、数式12で示される。ただし、S=Aである。
図2は、本発明の実施形態に係るストークス空間における偏波状態を示した図であり、数式12で示されるベクトルSを表示している。ここで、ストークスベクトルSは、光信号の絶対位相φを含まない。このため、ストークスベクトルSを変調パラメータとして用いた時、その復調操作にはキャリア位相推定を必要としない。したがってストークスベクトル変調方式は、強度変調方式の拡張と考えることもできる。ただし、強度変調方式は、変調空間が1次元であるのに対し、ストークスベクトル変調方式は、3次元空間での変調が可能である。この事実は、ストークスベクトル変調方式では、強度変調方式に比べて、多値変調を行うための設計の自由度が大きいことを示唆している。
偏波変調器13は、光信号のストークスベクトルを、数式12におけるS、θ、δを変調パラメータとして変調する。
図3に示すように、偏波変調器13は、例示的に、光強度変調器131、光分岐器133、位相変調器135、及び光合成器137を備えて構成される。
光強度変調器131は、光信号の信号光の光強度Sを変調する。
光分岐器133は、光強度変調器131により変調された強度変調光を、2つの出力ポートにパワー分岐するためにさらに変調する。
位相変調器135は、分岐された信号間に位相差を与える。
光合成器137は、2つの経路(信号光が光分岐器133から直接入力される経路及び信号光が光分岐器133から位相変調器135を経て入力される経路)の信号光を、数式11に示すように、一方がx偏波、他方がy偏波となるように合成する。
図4は、本発明の実施形態に係る3次元ストークス空間におけるコンステレーションマップ(Constellation map)を示す図であり、図4(a)は、光信号が2相の場合の信号点配置の例を示した図である。図4(b)は、光信号が4相の場合の信号点配置の例を示した図である。図4(c)は、光信号が8相の場合の信号点配置の例を示した図である。
図4に示すように、ストークス空間で偏波状態に対する多値変調を行う場合、光強度を一定(すなわちSを一定)の条件のもとで、信号点間のユークリッド距離が最大となるような信号点配置をとることが望ましい。特に、図4(a)に示すように、光信号が2相の場合には、2つの直交する偏波状態、すなわちポアンカレ球上の2つの対蹠点を信号点とすれば良い。ここでは特に、右旋円偏波と左旋円偏波の場合を示している。図4(b)に示すように、光信号が4相の場合には、正四面体の頂点に信号点を配置するのが最適である。また、図4(c)に示すように、8相の場合には正六面体の頂点に、信号点を配置するのが最適である。
なお、8値を超える多値数に対しては、頂点の数が8を超える正多面体は存在しないので、解析によって最適な信号点配置を求める必要がある。また、偏波状態を維持したまま光強度S、すなわち原点から信号点までの距離を多値変調すれば、さらに多値数を上げることができる。
図1に戻り、光伝送路30は、光信号送信装置10から光信号受信装置20に、光信号やその他の信号を伝送する伝送路であり、例えば、光ファイバにより構成される。光伝送路30は、光信号やその他の信号を伝送する機能を有していれば特に制限はなく、光ファイバ以外の他の構成を備えていてもよい。
図1に示すように、光信号受信装置20は、光信号を受信する装置であり、例示的に、光信号受信器21、ADC(Analog-to-digital converter)23、クロック抽出回路25、及びデジタル信号処理回路27を備えて構成される。
光信号受信器21は、光信号送信装置10から送信される光信号を受信する。また、光信号受信器21は、光信号送信装置10が送信する光信号の偏波状態の情報を含むトレーニング信号を光信号受信装置20に送信するように要求するための信号を、事前に、光伝送路30を介して光信号送信装置10に送信する。なお、トレーニング信号及び/又はトレーニング信号を光信号受信装置20に送信するように要求するための信号は、光伝送路30以外の有線又は無線の他の通信経路を介して送信されてもよい。
図5は、本発明の実施形態に係る光信号受信装置20の模式図である。図5に示すように、光信号受信器21は、例示的に、光分岐器211、偏光子213a、213b、及び213c、並びに光検出器215a、215b、215c、及び215dを備えて構成される。
図5に示す光分岐器211は、入力された光信号の一部を分岐して4つのポートに出力する。入力された光信号の分岐は、4つに限定される必要はない。
図5に示す偏光子213a、213b、及び213cは、光分岐器211により分岐された一以上の信号光を偏光する。偏光子213a、213b、及び213cは、例示的に、信号光の送信軸をx軸とする場合、偏光子213aは、光分岐器211により分岐された信号光を、x軸に対して0度偏光する偏光子であり、偏光子213bは、光分岐器211により分岐された信号光を、x軸に対して45度偏光する偏光子であり、偏光子213cは、45度偏光する偏向子とx軸に対して位置合わせされた四分の一波長板とを備えている。
図5に示すように、光検出器215a、215b、215c、及び215dのそれぞれは、偏光された一以上の信号光のそれぞれの強度を検出する。また、光検出器215a、215b、215c、及び215dのそれぞれは、検出した信号光の光信号をADC23に入力する。
図5に示すADC23は、光検出器215a、215b、215c、及び215dのそれぞれが出力する光信号をデジタル信号に変換する。また、ADC23は、光信号が変換されたデジタル信号をデジタル信号処理回路27に出力する。
図5に示すクロック抽出回路25は、ADCのアナログ・デジタル信号変換処理を制御するためのクロックを、光検出器215a、215b、215c、及び215dのうち少なくとも一つから抽出する。この抽出されたクロックによってADCにおけるサンプリングが行われる。また、サンプリングレートは、1sample/symbolとなるように構成される。なお、本実施形態においては、クロック抽出回路25は、光検出器215aのみからクロックを抽出しているが、これに限定されることはなく、他の光検出器215b〜215dからクロックを抽出することが可能なように構成されていてもよい。
図5に示すデジタル信号処理回路27は、光信号のストークスベクトルの復調処理を行う。図5に示すように、デジタル信号処理回路27は、例示的に、ストークスベクトル計算回路271、復号回路273、及び基準ストークスベクトル更新回路275を備えて構成される。
ストークスベクトル計算回路271は、光検出器215a、215b、215c、及び215dにより検出された信号光の光信号に対応する、光強度およびストークス空間におけるベクトルの長さが1に規格化された規格化ストークスベクトルS(k)/S0(k)を計算する。また、光強度も変調パラメータに含まれるため、規格化ストークスベクトルS(k)/S0(k)を用いることで、強度変調を除去することができ、後に詳述する、基準ストークスベクトルv(k)と規格化ストークスベクトルS(k)/S0(k)とを比較して光信号の偏波状態の復号を行う。
また、ストークスベクトル計算回路271は、光信号送信装置10から送信される、光信号の偏波状態の情報を含むトレーニング信号に基づいて、光信号に対応するストークスベクトルの基準となる基準ストークスベクトルv(k)を算出する。なお、トレーニング信号は、図4に示すように、送信端における信号点の位置に関する時系列データであり、例えば、図4(a)に示す信号点(001)及び(00−1)の偏波状態を示す情報を含む。また、ストークスベクトル計算回路271は、これらの信号点が受信端において、どのようなベクトルに変化しているのかを検出して、基準ベクトルが決定される。信号の偏波状態の検出及び基準ストークスベクトルの算出の精度は、トレーニング信号の長さで決定される。
図5に戻り、図5に示す復号回路273は、基準ストークスベクトルv(k)と規格化ストークスベクトルS(k)/S0(k)とを比較して光信号の偏波状態の復号を行う。例えば、復号回路273は、ストークスベクトル計算回路271で計算されたk番目のサンプルの信号光偏波状態を示す規格化ストークスベクトルS(k)/S0(k)と基準ストークスベクトルv(k)との内積を算出し、内積の最大値を探索する。そして、内積の最大値を与える基準ストークスベクトルを復号する。また、内積の最大値を与える基準ストークスベクトルを復号された偏波状態とする。さらに光強度も変調されている場合には、光強度の弁別を行ったうえで、光強度変調の復号も行う。
基準ストークスベクトル更新回路275は、光信号の偏波変動に追従させるために、ストークスベクトル計算回路271により算出された基準ストークスベクトルを光信号の偏波変動に対応して変化させる(更新する)。光ファイバの複屈折変動により、基準ストークスベクトルは時間的に変動する。基準ストークスベクトル更新回路275は、復号回路273により、例えばi番目の基準ストークスベクトルが復号されるごとに、この基準ストークスベクトルは数式13に示されるように更新される。
ここで、μはステップサイズパラメータである。ただし偏波変動の速度は10kHz程度であるので、必ずしもシンボルごとに基準ストークスベクトルを更新する必要はない。なお、基準ストークスベクトルの更新のタイミングや頻度については、特に制限はない。
以上説明したように、本発明によれば、光の偏波状態の変動に適切に追従することができ、光を正確に復調することができる。
また、上記のようなストークスベクトルの復調アルゴリズムには、キャリア位相推定、偏波分離などの計算量の多い操作が含まれない。さらに、基準ベクトルの更新も、低速な偏波変動に対応できる程度の速度で良い。これらの特長は、上記アルゴリズムの実装を極めて容易にする。さらに、本発明の実施形態では、直接検波を採用しているが、コヒーレント検波の場合は絶対位相が必要になるので、ハイパフォーマンスなレーザ(光源)が必要になるのに対し、本願発明は位相差を見るだけなので位相雑音や周波数オフセットに強く、光源の種類を問わないという利点がある。
図7は、本発明の実施形態に係る、光信号の偏波、ビットレート、キャリア対雑音比(Carrier-to-noise ratio: CNR)の関数として求めた符号誤り率(Bit-error rate: BER)を示す図である。図7中のデータ(a)は、DP-QPSK変調方式に関するデータであり、データ(b)は、2相偏波変調方式に関するデータであり、データ(c)は、4相偏波変調方式に関するデータであり、データ(d)は、8相偏波変調方式に関するデータであり、データ(e)は、16相多値変調方式に関するデータであり、データ(f)は、32相多値変調方式に関するデータである。
具体的には、図4に示すコンステレーションマップを持つ2、4、8相偏波変調信号のBER特性を、上記アルゴリズムや以下で詳述する条件に基づいて測定した。
また、8相偏波変調と2相、4相強度変調を組み合わせた16相、32相強度・偏波変調についても同様に測定した。16相変調では、光強度を2値、すなわちS、3Sに変調した。強度弁別の閾値は2Sとした。32相変調では、光強度を4値、すなわちS、2S、4S、6Sに変調した。強度弁別の閾値は1.5S、3S、5Sである。また、シンボル数Nは220であり、ステップサイズパラメータはμ=1/2とした。
送信レーザのスペクトル幅をδf、シンボル間隔をTとした時、δf・T=10−2と仮定した。すなわちシンボルレートが10Gsymbol/sでは、レーザのスペクトル幅は100MHzである。
一方、光ファイバの複屈折変動を考慮し、偏波状態に対しても高速のスクランブルをかけた。ファイバの複屈折を表現するジョーンズ行列を数式14に示す。また、φrとθrは数式15及び数式16に従い、シンボル毎に変化させた。kはシンボル番号である。


Δφr(k)とΔθr(k)は実数のガウス雑音であり、φr(k)とθr(k)はランダムウォークするので、N番目のシンボルでの分散σ(N)は数式17で示される。
N=220では、Δφr(k)とΔθr(k)の標準偏差(数式18)を考慮すると、数式19が得られる。

図6は、本発明の実施形態に係る、光信号の偏波状態の変動をシンボル毎にポアンカレ球上にプロットした例を示す図である。具体的には、図6は、数式14のジョーンズ行列にE=[1,0]を作用させた時の偏波状態の変動を、シンボル毎にポアンカレ球上にプロットした例である。S=[1,0,0]からスタートして、偏波状態がランダムに変化することが把握できる。
図7に戻り、図7に示すBER曲線は、レーザスペクトル線幅、ファイバの偏波変動の影響を全く受けていないことが確認できる。また、DP-QPSKのBER曲線も他の変調方式との比較のために示している。16相多値変調は、8相偏波変調と2相強度変調の組み合わせで実現しているが、多値化によるペナルティーはBER=10−5において、3dB程度にとどまっている。この16相多値変調方式は、シンボルレート25Gsymbol/sで100Gbit/sの伝送速度が得られるが、100Gbit/sのDP-QPSK 変調方式に対するペナルティーは7dB程度である。このように、信号処理のための計算量は極めて少ないため、有効な方式であると考えられる。
(その他)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々に組み合わせることができ、変形・変更して適用することが可能である。また、上記数式1から数式19については、記載されている数式のみに限定されるわけではなく、それぞれの数式と同値であるような他の式数を用いてもよい。
1 光信号送受信システム
10 光信号送信装置
11 信号マッピング回路
13 偏波変調器
15 光源
20 光信号受信装置
21 光信号受信器
23 ADC
25 クロック抽出回路
27 デジタル信号処理回路
131 光強度変調器
133 光分岐器
135 位相変調器
137 光合波器
211 光分岐器
213a、213b、213c 偏光子
215a、215b、215c、215d 光検出器
271 ストークスベクトル計算回路
273 復号回路
275 基準ストークスベクトル更新回路

Claims (8)

  1. 光信号を受信する光信号受信装置であって、
    受信した前記光信号の信号光を検出する光検出器と、
    検出された前記信号光の光信号の偏波状態の情報に基づいて、前記光信号の基準ストークスベクトルを算出するストークスベクトル計算回路と、
    前記光信号の偏波変動に追従させるために、算出された前記基準ストークスベクトルを前記光信号の偏波変動に対応して変化させる基準ストークスベクトル更新回路と、を備える、
    光信号受信装置。
  2. 前記光信号の偏波変動に対応して変化した前記基準ストークスベクトルを復号する復号回路をさらに備える、
    請求項1に記載の光信号受信装置。
  3. 前記ストークスベクトル計算回路は、前記光信号に対応する、ストークス空間におけるベクトルの長さを1とした規格化ストークスベクトルを算出し、
    前記復号回路は、前記基準ストークスベクトルと前記規格化ストークスベクトルの内積を算出し、
    前記基準ストークスベクトル更新回路は、前記内積が最大である場合に、前記最大の内積に対応する前記基準ストークスベクトルを前記光信号の偏波変動に対応して変化させる、
    請求項1又は請求項2に記載の光信号受信装置。
  4. 前記ストークスベクトル計算回路は、光信号送信装置から受信した、前記光信号の偏波状態の情報に基づいて前記基準ストークスベクトルを算出する、
    請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の光信号受信装置。
  5. 前記光検出器が出力する光信号をデジタル信号に変換する信号変換器と、
    前記信号変換器の信号変換処理を制御するためのクロックを抽出するクロック抽出回路と、をさらに備え、
    前記クロック抽出回路は、前記クロックを前記光検出器から抽出する、
    請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の光信号受信装置。
  6. 受信した前記光信号の信号光の一部を分岐する光分岐器と、
    分岐された一以上の前記信号光を偏光する一以上の偏光子と、をさらに備え、
    前記光検出器は、偏光された一以上の前記信号光のそれぞれの強度を検出する、
    請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の光信号受信装置。
  7. 光信号の偏波状態の情報に基づいて、前記光信号の基準ストークスベクトルを算出するストークスベクトル計算回路と、
    前記光信号の偏波変動に追従させるために、算出された前記基準ストークスベクトルを前記光信号の偏波変動に対応して変化させる基準ストークスベクトル更新回路と、を備える、
    ストークスベクトル処理回路。
  8. 光伝送路を介して光信号を送信する光信号送信装置と、
    光信号を受信する光信号受信装置であって、
    受信した前記光信号の信号光を検出する光検出器と、
    検出された前記信号光の光信号の偏波状態の情報に基づいて、前記光信号の基準ストークスベクトルを算出するストークスベクトル計算回路と、
    前記光信号の偏波変動に追従させるために、算出された前記基準ストークスベクトルを前記光信号の偏波変動に対応して変化させる基準ストークスベクトル更新回路とを備える光信号受信装置と、を備える、
    光信号送受信システム。
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