JP2015133353A - 誘導機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】ギャップから漏洩した磁束によって巻線に発生する渦電流による巻線の温度上昇を抑制する。【解決手段】誘導機器は、環状の磁路を形成するとともに、磁路にギャップ14を形成する巻線巻回部を有する磁性体製のコア(E型コア11,12)と、巻線巻回部の周囲に巻回された導線からなる巻線13と、巻線13の少なくとも一部を覆うシールド部材15とを備えている。シールド部材15は、全体が巻線巻回部におけるギャップ14を形成する先端から当該先端の反対側の基端までの間に存在する。【選択図】図1

Description

本発明は、誘導機器に係り、詳しくはコアとこのコアに巻かれた巻線とを有するリアクトル、トランス等の誘導機器に関する。
従来、コイルにおいては、大きなインダクタンスを得るために、また、トランスにおいては、1次側巻線と2次側巻線との間の良好な磁気結合を得るために、磁性体製のコアが用いられてきた。しかし、磁性体は一般に磁気飽和特性を有するため、コアの周囲に巻回した巻線に流れる電流が大きくなり、当該巻線に流れる電流により発生する磁界が、コアをなす磁性体の種類及びコアの形状、大きさ等によって決まるある一定の値を超えると、コアは磁気飽和し、コイル、トランスとしての目的の機能が果たせなくなる。そのため、一般に、図8に示すように、コア51の磁束経路(磁路)中にギャップ52を設けてコア51の磁気飽和を防止していた。
ところが、ギャップ52が存在すると、コア51からギャップ52の周囲に漏れ磁束53が発生する。そして、図8に示すように、漏れ磁束53がギャップ52の近傍の巻線54を貫通すると、漏れ磁束53により、巻線54中に渦電流が発生し、当該渦電流によって巻線54自体が発熱する。巻線54は、通常、絶縁樹脂で被覆されており、使用上限温度が決められている。漏れ磁束により巻線54が発熱すると、巻線54の仕様上限温度以下になるようにインダクタ電流を制限しなければならなくなる。
従来、空間中における磁束密度の低下を防ぐことができ、しかも電磁石を小型化できる電磁石の磁力線シールド機構が提案されている(特許文献1参照)。特許文献1では、図9に示すように、一対の磁極63,64が、互いに対向するように、かつ、両者の間にエアギャップ65が形成されるように配設された交流電磁石61において、エアギャップ65間における磁束密度の低下を防ぐために設けられたシールド機構70が提案されている。シールド機構70は、一対の磁極63,64の間に形成されたエアギャップ65を挟み、かつ互いに対向するように設けられた一対のシールド部材71,71からなり、シールド部材71の素材が、導電性を有する非磁性材料である。
この構成により、交流電磁石61のエアギャップ65に形成される磁場の変化に伴って、シールド部材71の内部に渦電流が生じる。そして、渦電流が形成する磁場によって、エアギャップ65間を流れる磁力線がシールド部材71よりも外方に漏れることを防ぎ、エアギャップ65間における磁束密度の低下を防ぐことができる。そのため、交流電磁石61のコア(芯材)62を大型化しなくても、エアギャップ65間に所望の強度の磁場を形成することができ、交流電磁石61を小型化することができる。
特開2005−123084号公報
特許文献1では、シールド部材71は、エアギャップ65を挟むように設けられている関係上、交流電磁石61の巻線63a,64aに対して影響を与えにくい漏れ磁束までシールド部材71に吸収されてしまう。このため、シールド部材71が発熱し易くなる。そのため、シールド部材71と接触している巻線63a,64aがシールド部材71により加熱され易くなる。
本発明は、前記の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、ギャップから漏洩した磁束によって巻線に発生する渦電流による巻線の温度上昇を抑制することができる誘導機器を提供することにある。
上記課題を解決する誘導機器は、環状の磁路を形成するとともに、前記磁路にギャップを形成する巻線巻回部を有する磁性体製のコアと、前記巻線巻回部の周囲に巻回された導線からなる巻線とを備えた誘導機器において、前記巻線の少なくとも一部を覆うシールド部材を備え、前記シールド部材は、全体が前記巻線巻回部における前記ギャップを形成する先端から当該先端の反対側の基端までの間に存在する。
この構成によれば、巻線に交流電圧が印加された状態で巻線に流れる電流により発生した磁束の一部が漏れ磁束となって、巻線巻回部のギャップに近い箇所に存在する巻線に向かって進む場合、その漏れ磁束の経路に存在するシールド部材に当たり、シールド部材は、漏れ磁束が巻線に当たるのを抑制する。したがって、ギャップから漏洩した磁束によって巻線に発生する渦電流による巻線の温度上昇を抑制することができる。
前記コアは、2個のコア部材を組み合わせて構成され、少なくとも一方のコア部材は、ベース部と、前記ベース部から起立した脚部とを有し、前記巻線巻回部は、前記脚部であることが好ましい。この構成によれば、ギャップを有する環状の磁路と、ギャップを挟んだ状態で真っ直ぐに延びる巻線巻回部とを有する磁性体製のコアを1個の部材で構成する場合に比べて、コアの製造が簡単で、巻線巻回部に巻線を巻回する作業も簡単になる。
前記2個のコア部材は、いずれもベース部と、前記ベース部から起立した2個の側脚部及び1個の中脚部とを有するE型コアであり、前記巻線巻回部は、前記中脚部であることが好ましい。この構成によれば、2個のコア部材を同じE型コアで構成することができ、コアの製造や巻線の巻回作業がより簡単になる。
前記シールド部材は、少なくとも前記巻線の周面の一部を覆うように設けられ、前記巻線の巻回方向と交差する方向に延びるスリットを有することが好ましい。この構成によれば、漏れ磁束によりシールド部材に渦電流が発生する場合、渦電流の流れがスリットにより遮断され、大きな渦電流の発生が抑制される。
前記シールド部材は、少なくとも前記巻線の前記ギャップ側の周面を覆うように設けられていることが好ましい。この構成によれば、巻線のギャップ側の周面に向かう漏れ磁束がシールド部材に当たるため、巻線のギャップ側の周面に漏れ磁束が当たるのを抑制できる。
前記巻線は、前記巻線巻回部における基端と先端との間の側面に巻回され、前記シールド部材は、前記巻線巻回部の側面の形状に対応した筒状部と、前記筒状部における前記巻線巻回部の先端側の端部から前記巻線巻回部側に向かって延びる張り出し部とを有し、前記張り出し部は、前記巻線巻回部の先端の角部に嵌合する段差を有することが好ましい。この構成によれば、シールド部材をコア部材の所定位置に取り付けることが容易になる。
本発明によれば、ギャップから漏洩した磁束によって巻線に発生する渦電流による巻線の温度上昇を抑制することができる。
一実施形態のトランスの模式図。 部分概略断面図。 片側のコア、巻線、シールド部材の関係を示す分解斜視図。 作用を説明する模式図。 (a),(b)はそれぞれ別の実施形態のシールド部材の部分概略断面図。 別の実施形態のシールド部材の部分概略断面図。 別の実施形態のシールド部材の模式図。 従来技術の模式図。 シールド部材を備えた従来技術の概略説明図。
以下、本発明をトランスに具体化した一実施形態を図面にしたがって説明する。
図1に示すように、誘導機器としてのトランス10は、コア部材としての2個のE型コア11,12と、両E型コア11,12に巻回された巻線13とを備えている。両E型コア11,12は同じに形成され、ベース部11a,12aと、ベース部11a,12aから起立した両側脚部11b,12bと、ベース部11a,12aから起立した巻線巻回部としての中脚部11c,12cとを有する。そして、両E型コア11,12は、側脚部11b,12bの先端面同士は当接し、中脚部11c,12cの先端面同士は当接せずに先端面間にギャップ14が形成されるように組み合わされている。両E型コア11,12は、図示しない固定具で固定されている。E型コア11,12は、透磁率の高い材質、例えば、フェライトで形成されている。即ち、ベース部11a,12a、側脚部11b,12b及び中脚部11c,12cは、ギャップ14を有する環状の磁路を構成する。
巻線13は、1次側巻線13aと2次側巻線13bとからなり、1次側巻線13a及び2次側巻線13bは、導線としての絶縁被覆を有する銅線で形成されている。1次側巻線13aはE型コア11の中脚部11cに巻回されており、2次側巻線13bはE型コア12の中脚部12cに巻回されている。1次側巻線13aと2次側巻線13bとは、所定の巻数比となるように巻回されている。1次側巻線13a及び2次側巻線13bは、ギャップ14に近接しないように巻回されている。
E型コア11には1次側巻線13aを覆うようにシールド部材15が、E型コア12には2次側巻線13bを覆うようにシールド部材15がそれぞれ設けられている。シールド部材15は、導電率の良い金属(例えば、銅、アルミニウム)で形成されている。
即ち、誘導機器は、環状の磁路を形成するとともに、磁路にギャップ14を形成する巻線巻回部(中脚部11c,12c)を有する磁性体製のコア(E型コア11,12)と、巻線巻回部の周囲に巻回された導線からなる巻線13とを備えている。また、誘導機器は、巻線13の少なくとも一部を覆うシールド部材15を備え、シールド部材15は、全体が巻線巻回部におけるギャップ14を形成する先端から当該先端の反対側の基端までの間に存在する。また、シールド部材15は、巻線巻回部(中脚部11c,12c)の側面の形状に対応した筒状部(四角筒部15a)と、筒状部における巻線巻回部の先端側の端部から巻線巻回部側に向かって延びる張り出し部15bとを有する。
図2及び図3に示すように、シールド部材15は、中脚部11c,12cの突出方向の長さより短い四角筒部15aと、四角筒部15aの一端の内側(四角筒部15aの一端における中脚部11c,12cと対向する面)から突出する張り出し部15bを有する形状に形成され、かつ四角筒部15a及び張り出し部15bが周方向へ連続するのを阻止するスリット16を有する。張り出し部15bは、中脚部11c,12cに嵌合可能に形成されている。
図2に示すように、1次側巻線13aを覆うシールド部材15は、四角筒部15aの基端がE型コア11のベース部11aに当接し、張り出し部15bの先端が中脚部11cの外面に当接する状態でE型コア11に固定されている。2次側巻線13bを覆うシールド部材15も同様に、四角筒部15aの基端がE型コア12のベース部12aに当接し、張り出し部15bの先端が中脚部12cの外面に当接する状態でE型コア12に固定されている。即ち、シールド部材15は、四角筒部15aが1次側巻線13aあるいは2次側巻線13bの周面を覆っており、張り出し部15bが1次側巻線13aあるいは2次側巻線13bのギャップ14側の周面を覆っている。
次に、上記のように構成されたトランス10の作用を説明する。
1次側巻線13aの両端に電圧を印加すると、1次側巻線13aには電流が流れ、1次側巻線13aの周囲に磁界が発生する。1次側巻線13aはE型コア11の中脚部11cに近接しているため、1次側巻線13aの周囲に発生した磁界により、中脚部11cの内部に磁束17が発生する。E型コア11,12の透磁率は空気の透磁率よりも十分に大きいので、磁束17は、両E型コア11,12で構成される磁路を通る。
図4に示すように、磁束17がE型コア11の中脚部11cからE型コア12の中脚部12cに向かう方向に発生した場合、磁束17は、中脚部11cからギャップ14及びE型コア12の中脚部12cを通ってベース部12aに至り、ベース部12aで分岐して2つの側脚部12bへ向かう。各側脚部12bに向かった磁束17は、E型コア11の各側脚部11bを通ってベース部11aに至り、中脚部11cに戻る環状の経路となる。
なお、1次側巻線13aには交流電圧が印加されるため、1次側巻線13aを流れる電流の向きが周期的に変化する。そのため、1次側巻線13aに流れる電流により発生する磁束17の向きも、図4に示すように、中脚部11cから中脚部12cに向かう状態とその方向と反対方向である中脚部12cから中脚部11cに向かう状態とに交互に変化する。
2次側巻線13bは、E型コア12の中脚部12cに近接して巻回されているため、1次側巻線13aに流れる電流により発生した磁束17は、2次側巻線13bとも鎖交する。従って、2次側巻線13bの両端には、1次側巻線13aの両端に印加した電圧、及び1次側巻線13aと2次側巻線13bとの巻線比で決まる電圧が発生する。また、空気の透磁率は、E型コア11,12の透磁率に比べて十分小さいので、1次側巻線13aに流れる電流による磁界によって発生する磁束17は、磁路中にギャップ14がない場合に比べて少なくなる。従って、1次側巻線13aに大きな電流が流れても、E型コア11,12が磁気飽和することがなくなる。すなわち、ギャップ14を設けることにより、E型コア11,12の磁気飽和が防止される。
磁束17が中脚部11cから中脚部12cに向かう状態に付いて説明すると、E型コア11,12の対向する中脚部11c,12cの先端面間にはギャップ14が存在する。そのため、図4に示すように、中脚部11cを通過して中脚部12cへ向かう磁束17の一部は、中脚部11cの先端面から出て中脚部12cの先端面から中脚部12cに向かうものだけでなく、中脚部11cの側面から出て中脚部12cの側面へ向かう漏れ磁束18が発生する。
シールド部材15が存在しない場合は、背景技術の図8で説明したように、漏れ磁束53が巻線54を貫通し、巻線54に渦電流が流れる。そして、当該渦電流と、渦電流の経路の抵抗分とにより巻線54が発熱して巻線54が加熱される。そのため、巻線54が巻線54の仕様上限温度以下になるようにインダクタ電流を制限しなければならなくなる。
しかし、この実施形態においては、シールド部材15が1次側巻線13a及び2次側巻線13bの外周面及び1次側巻線13a及び2次側巻線13bの中脚部11c,12cのギャップ14側の周面を覆っているため、図4に示すように、漏れ磁束18は、シールド部材15に当たり、シールド部材15は、漏れ磁束18が2次側巻線13bに当たるのを抑制する。そのため、漏れ磁束18が2次側巻線13bに渦電流を発生させることが抑制されて、2次側巻線13bの温度上昇が抑制される。そして、2次側巻線13bがその仕様上限温度以下に保持された状態で、必要な大きさのインダクタ電流を流すことができる。
漏れ磁束18は、シールド部材15に渦電流を発生させ、渦電流によりジュール熱が発生してシールド部材15が加熱される。しかし、シールド部材15と2次側巻線13bとの間に隙間があるため、シールド部材15が加熱されても、2次側巻線13bに殆ど影響を与えない。また、シールド部材15の材質として導電率の良い金属が使用されているため、導電率の悪い金属を使用した場合に比べて発熱量が少なくなる。
1次側巻線13aを流れる電流の向きが変わり、磁束17が中脚部12cから中脚部11cに向かう状態の場合は、中脚部12cの側面から出て中脚部11cの側面へ向かう漏れ磁束18が発生する。この場合、1次側巻線13aを覆っているシールド部材15は、もれ磁束18が1次側巻線13aに当たるのを抑制する。そのため、前記と同様に漏れ磁束18が1次側巻線13aに渦電流を発生させることが抑制されて、1次側巻線13aの温度上昇が抑制される。そして、1次側巻線13aがその仕様上限温度以下に保持された状態で、必要な大きさのインダクタ電流を流すことができる。
この実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)誘導機器は、環状の磁路を形成するとともに、磁路にギャップ14を形成する巻線巻回部(中脚部11c,12c)を有する磁性体製のコア(E型コア11,12)と、巻線巻回部の周囲に巻回された導線からなる巻線13を構成する1次側巻線13a及び2次側巻線13bと、巻線13の少なくとも一部を覆うシールド部材15とを備えている。そして、シールド部材15は、全体が巻線巻回部におけるギャップ14を形成する先端から当該先端の反対側の基端までの間に存在する。したがって、1次側巻線13aに交流電圧が印加された状態で1次側巻線13aに流れる電流により発生した磁束の一部が漏れ磁束18となって、巻線巻回部のギャップ14に近い箇所に存在する巻線13に向かって進む場合、その漏れ磁束18の経路に存在するシールド部材15に当たり、シールド部材15は、漏れ磁束18が巻線13に当たるのを抑制する。そのため、ギャップ14から漏洩した磁束によって巻線13に発生する渦電流による巻線13の温度上昇を抑制することができる。そして、巻線13がその仕様上限温度以下に保持され、必要な大きさのインダクタ電流を流すことができる。
また、シールド部材15は、全体が巻線巻回部におけるギャップ14を形成する先端から当該先端の反対側の基端までの間に存在するため、ギャップ14の側方(中脚部11c,12cの対向方向と直交する方向)は、シールド部材15に覆われることなく開放されている。これにより、巻線13とは異なる方向に向かう漏れ磁束までシールド部材15に吸収されることが抑制されている。よって、巻線13に影響が少ない漏れ磁束18までシールド部材15によって吸収されてしまうことに起因してシールド部材15が過度に発熱してしまうことを抑制できる。
(2)コアは、2個のコア部材(E型コア11,12)を組み合わせて構成され、両E型コア11,12は、ベース部11a,12aと、ベース部11a,12aから起立した側脚部11b,12b及び中脚部11c,12cとを有し、巻線巻回部は、中脚部11c,12cに設けられている。この構成によれば、2個のコア部材を同じE型コア11,12で構成することができ、コアの製造や巻線13の巻回作業が簡単になる。
(3)シールド部材15は、巻線13の周面の一部を覆うように設けられ、巻線13の巻回方向と交差する方向に延びるスリット16を有する。この構成によれば、漏れ磁束18によりシールド部材15に渦電流が発生する場合、渦電流の流れがスリット16により遮断され、大きな渦電流の発生が抑制される。
(4)シールド部材15は、張り出し部15bが巻線13のギャップ14側の周面を覆っている。この構成によれば、巻線13のギャップ14側の周面に向かう漏れ磁束18がシールド部材15に当たるため、巻線13のギャップ14側の周面に漏れ磁束18が当たるのを抑制できる。
実施形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
○ 図5(a)に示すように、シールド部材15は、巻線巻回部(中脚部11c,12c)の側面の形状に対応した筒状部(四角筒部15a)と、筒状部における巻線巻回部の先端側の端部から巻線巻回部側に向かって延びる張り出し部15bとを有し、張り出し部15bは、巻線巻回部の先端の角部に嵌合する段差15cを有してもよい。この構成によれば、シールド部材15をコア部材(E型コア11,12)の所定位置に取り付けることが容易になる。
○ 図5(b)に示すように、シールド部材15は、巻線巻回部の側面に沿って設けられる四角筒部15aを備えずに、1次側巻線13a及び2次側巻線13bのギャップ14側の周面を覆うよう環状に形成されてもよい。この構成によれば、シールド部材の面積を、四角筒部15aを設ける場合に比べて小さくすることができる。なお、シールド部材15は、平板状で中脚部11c,12cと嵌合する嵌合孔を有する形状であってもよいが、図5(b)に示すように、中脚部11c,12cの先端の角部に嵌合する段差15cを備えている方が、シールド部材15が薄くても、シールド部材15を安定した状態で中脚部11c,12cに取り付けることができる。
○ 図6に示すように、シールド部材15を1次側巻線13a及び2次側巻線13bとの間に断熱材19が介在する状態で11c,12cに取り付けてもよい。この場合、シールド部材15に生じた渦電流でシールド部材15の温度が高くなっても、シールド部材15の熱が1次側巻線13a及び2次側巻線13bに伝達され難くなる。また、シールド部材15と1次側巻線13a及び2次側巻線13bとの間に空気が存在する場合に比べてシールド部材15と1次側巻線13a及び2次側巻線13bとの距離を小さくすることができる。
○ シールド部材15は、巻線13の少なくとも一部を覆う構成であればよく、かつシールド部材15全体が巻線巻回部の基端から先端までの間に存在すればよい。例えば、シールド部材15は、1次側巻線13a及び2次側巻線13bのギャップ14側周面を覆う張り出し部15bを備えずに、四角筒部15aのみを有する構成であってもよい。
○ 巻線13の周面を覆うシールド部材15は筒状に限らない。例えば、コ字状に形成された複数のシールド部材で巻線13の周面を覆うように構成してもよい。
○ 磁性体製のコアは、環状の磁路を形成するとともに、磁路にギャップ14を形成する巻線巻回部を有していればよく、巻線巻回部は1個であってもよい。例えば、図7に示すように、2個のコア部材としてのT型コア21と、U型コア22とで磁性体製のコアを構成する。そして、T型コア21のベース部21aから起立する起立部21bを巻線巻回部とし、起立部21bには1本の巻線23が巻回されている。シールド部材15は、巻線23の周面を覆うように形成されている。この実施形態の誘導機器はトランスではなく、リアクトルである。この実施形態では、巻線23に交流電圧が印加された状態で、磁束が凸部22aから起立部21bに向かって進む場合に、凸部22aからの漏れ磁束が起立部21bに巻回された巻線23に当たることをシールド部材15が抑制する。
○ リアクトル用の磁性体製のコアを構成する場合、E型コアとI型コアとを組み合わせて構成してもよい。
○ リアクトルのように1本の巻線を使用する構成において、2個のE型コア11,12を使用し、一方のE型コア11の中脚部11cにのみ巻線23を巻回してもよい。
○ トランス10を構成する場合、2個のE型コア11,12の中脚部11c,12cの長さを1次側巻線13a及び2次側巻線13bの長さに対応して設定してもよい。
○ トランス10を構成する場合、一般的なE型コアに限らず、2個のコア部材を組み合わせた形状がE型コアを2個組み合わせた形状となる構成としてもよい。例えば、E型コアとT型コアとを組み合わせて、環状の磁路を形成するとともに、磁路にギャップを形成する巻線巻回部を有する磁性体製のコアを構成してもよい。
○ 巻線13は断面形状が円形に限らず、例えば、楕円形や角形であってもよい。
○ 誘導機器を構成する磁性体製のコアは、環状の磁路を形成するとともに、磁路にギャップを形成する巻線巻回部を有していればよく、磁性体製のコアは、1個のコア部材で構成されていてもよい。
10…誘導機器としてのトランス、11,12…コア部材としてのE型コア、11a,12a,21a…磁路を構成するベース部、11b,12b…磁路を構成する側脚部、11c,12c…磁路及び巻線巻回部を構成する中脚部、13,23,54…巻線、13a…巻線としての1次側巻線、13b…巻線としての2次側巻線、14…ギャップ、15…シールド部材、15b…張り出し部、15c…段差、16…スリット、21…コア部材としてのT型コア、22…コア部材としてのU型コア。

Claims (6)

  1. 環状の磁路を形成するとともに、前記磁路にギャップを形成する巻線巻回部を有する磁性体製のコアと、
    前記巻線巻回部の周囲に巻回された導線からなる巻線と
    を備えた誘導機器において、
    前記巻線の少なくとも一部を覆うシールド部材を備え、前記シールド部材は、全体が前記巻線巻回部における前記ギャップを形成する先端から当該先端の反対側の基端までの間に存在することを特徴とする誘導機器。
  2. 前記コアは、2個のコア部材を組み合わせて構成され、少なくとも一方のコア部材は、ベース部と、前記ベース部から起立した脚部とを有し、前記巻線巻回部は、前記脚部である請求項1に記載の誘導機器。
  3. 前記2個のコア部材は、いずれもベース部と、前記ベース部から起立した2個の側脚部及び1個の中脚部とを有するE型コアであり、前記巻線巻回部は、前記中脚部である請求項2に記載の誘導機器。
  4. 前記シールド部材は、少なくとも前記巻線の周面の一部を覆うように設けられ、前記巻線の巻回方向と交差する方向に延びるスリットを有する請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の誘導機器。
  5. 前記シールド部材は、少なくとも前記巻線の前記ギャップ側の周面を覆うように設けられている請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の誘導機器。
  6. 前記巻線は、前記巻線巻回部における基端と先端との間の側面に巻回され、
    前記シールド部材は、前記巻線巻回部の側面の形状に対応した筒状部と、前記筒状部における前記巻線巻回部の先端側の端部から前記巻線巻回部側に向かって延びる張り出し部とを有し、
    前記張り出し部は、前記巻線巻回部の先端の角部に嵌合する段差を有する請求項4又は請求項5に記載の誘導機器。
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