JP2015127410A - エポキシ樹脂組成物およびその利用 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1および特許文献2には、内層回路板にエポキシ樹脂組成物を塗布、加熱硬化後、粗化剤により表面に凹凸の粗化面を形成し、導体層をメッキにより形成するビルドアップ方式の多層プリント配線板の製造方法が開示されている。
また、特許文献3には、フィルム状アディティブ接着剤を貼り合わせて加熱硬化させた後、アルカリ性酸化剤で粗化し、導体層をメッキにより形成する多層プリント配線板の製造方法が開示されている。
しかしながら、ジシアンジアミド硬化剤を使用する場合は、耐熱性の向上が必要であった。また、フェノール系硬化剤を使用する場合は、その樹脂組成物にゴム成分などの粗化成分が必須であるため、より微細なファインパターン化、絶縁層の薄膜化が要求される分野では、耐熱性や電気絶縁性が問題となる場合があった。
また、該エポキシ樹脂組成物を利用した接着フィルム、プリプレグ、多層プリント配線板、多層プリント配線板の製造方法、および積層板を提供することを目的とする。
即ち、第1の発明は、1分子中に平均して2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂と、化学式(I)で示されるグリコールウリル化合物と、硬化促進剤とを含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物である。
第3の発明は、第1の発明のエポキシ樹脂組成物を繊維からなるシート状補強基材に含浸および/または塗工して得られることを特徴とするプリプレグである。
第4の発明は、第1の発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物の一方の面にメッキ導体層が形成され、他面はパターン加工された内層回路基板に密着して積層されていることを特徴とする多層プリント配線板である。
第5の発明は、第1の発明のエポキシ樹脂組成物をパターン加工された内層回路基板に塗工し、加熱硬化させた後、酸化剤により得られた硬化物の表面を粗化し、その粗化面に導体層をメッキにより形成して得られることを特徴とする多層プリント配線板である。
第6の発明は、第2の発明の接着フィルムを、パターン加工された内層回路基板に加圧、加熱下でラミネートし、必要により支持ベースフィルムを剥離し、エポキシ樹脂組成物を加熱硬化させた後、酸化剤により得られた硬化物の表面を粗化し、その粗化面に導体層をメッキにより形成して得られることを特徴とする多層プリント配線板である。
第7の発明は、第3の発明のプリプレグを、パターン加工された内層回路基板に加圧、加熱下で積層し、一体化させた後、酸化剤により該プリプレグ表面を粗化し、その粗化面に導体層をメッキにより形成して得られることを特徴とする多層プリント配線板である。
第8の発明は、第1の発明のエポキシ樹脂組成物をパターン加工された内層回路基板に塗工し、加熱硬化させた後、酸化剤により得られた硬化物の表面を粗化し、その粗化面に導体層をメッキにより形成することを特徴とする多層プリント配線板の製造方法である。
第9の発明は、第2の発明の接着フィルムを、パターン加工された内層回路基板に加圧、加熱下でラミネートし、必要により支持ベースフィルムを剥離し、エポキシ樹脂組成物を加熱硬化させた後、酸化剤により得られた硬化物の表面を粗化し、その粗化面に導体層をメッキにより形成することを特徴とする多層プリント配線板の製造方法である。
第10の発明は、第3の発明のプリプレグを、パターン加工された内層回路基板に加圧、加熱下で積層し、一体化させた後、酸化剤により該プリプレグ表面を粗化し、その粗化面に導体層をメッキにより形成することを特徴とする多層プリント配線板の製造方法である。
第11の発明は、第1の発明のエポキシ樹脂組成物を両面銅張積層板の銅箔をエッチアウトした面もしくはアンクラッド板の少なくとも片方の面に塗工し、加熱硬化して得られることを特徴とする積層板である。
第12の発明は、第2の発明の接着フィルムを両面銅張積層板の銅箔をエッチアウトした面もしくはアンクラッド板の少なくとも片方の面に、加圧、加熱下でラミネートし、必要により支持ベースフィルムを剥離し、加熱硬化して得られることを特徴とする積層板である。
第13の発明は、第3の発明のプリプレグを両面銅張積層板の銅箔をエッチアウトした面もしくはアンクラッド板の少なくとも片方の面に、加圧、加熱下で積層して得られることを特徴とする積層板である。
第14の発明は、第3の発明のプリプレグを加圧、加熱下で積層して得られることを特徴とする積層板である。
また、該エポキシ樹脂組成物を利用した接着フィルム、プリプレグ、多層プリント配線板、多層プリント配線板の製造方法および積層板を提供することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、1分子中に平均して2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(以下、単に「エポキシ樹脂」と云うことがある)と、前記の化学式(I)で示されるグリコールウリル化合物(以下、単に「グリコールウリル化合物」と云うことがある)と、硬化促進剤とを含有する。
また、反応性希釈剤として、フェニルグリシジルエーテルなどの単官能エポキシ樹脂を含有していてもよい。
1,3−ジグリシジルグリコールウリル、
1,4−ジグリシジルグリコールウリル、
1,6−ジグリシジルグリコールウリル、
1,3,4−トリグリシジルグリコールウリル、
1,3,4,6−テトラグリシジルグリコールウリル、
1,3−ジグリシジル−3a−メチルグリコールウリル、
1,4−ジグリシジル−3a−メチルグリコールウリル、
1,6−ジグリシジル−3a−メチルグリコールウリル、
1,3,4−トリグリシジル−3a−メチルグリコールウリル、
1,3,4,6−テトラグリシジル−3a−メチルグリコールウリル、
1,3−ジグリシジル−3a,6a−ジメチルグリコールウリル、
1,4−ジグリシジル−3a,6a−ジメチルグリコールウリル、
1,6−ジグリシジル−3a,6a−ジメチルグリコールウリル、
1,3,4−トリグリシジル−3a,6a−ジメチルグリコールウリル、
1,3,4,6−テトラグリシジル−3a,6a−ジメチルグリコールウリル、
1,3−ジグリシジル−3a,6a−ジフェニルグリコールウリル、
1,4−ジグリシジル−3a,6a−ジフェニルグリコールウリル、
1,6−ジグリシジル−3a,6a−ジフェニルグリコールウリル、
1,3,4−トリグリシジル−3a,6a−ジフェニルグリコールウリル、
1,3,4,6−テトラグリシジル−3a,6a−ジフェニルグリコールウリルなどが挙げられる。
1−メルカプトメチルグリコールウリル、
1−(2−メルカプトエチル)グリコールウリル、
1−(3−メルカプトプロピル)グリコールウリル、
1,3−ビス(メルカプトメチル)グリコールウリル、
1,3−ビス(2−メルカプトエチル)グリコールウリル、
1,3−ビス(3−メルカプトプロピル)グリコールウリル、
1,4−ビス(メルカプトメチル)グリコールウリル、
1,4−ビス(2−メルカプトエチル)グリコールウリル、
1,4−ビス(3−メルカプトプロピル)グリコールウリル、
1,6−ビス(メルカプトメチル)グリコールウリル、
1,6−ビス(2−メルカプトエチル)グリコールウリル、
1,6−ビス(3−メルカプトプロピル)グリコールウリル、
1,3,4−トリス(メルカプトメチル)グリコールウリル、
1,3,4−トリス(2−メルカプトエチル)グリコールウリル、
1,3,4−トリス(3−メルカプトプロピル)グリコールウリル、
1,3,4,6−テトラキス(メルカプトメチル)グリコールウリル、
1,3,4,6−テトラキス(2−メルカプトエチル)グリコールウリル、
1,3,4,6−テトラキス(3−メルカプトプロピル)グリコールウリル、
1−メルカプトメチル−3a−メチルグリコールウリル、
1−メルカプトメチル−6a−メチルグリコールウリル、
1−(2−メルカプトエチル)−3a−メチルグリコールウリル、
1−(2−メルカプトエチル)−6a−メチルグリコールウリル、
1−(3−メルカプトプロピル)−3a−メチルグリコールウリル、
1−(3−メルカプトプロピル)−6a−メチルグリコールウリル、
1,3−ビス(メルカプトメチル)−3a−メチルグリコールウリル、
1,3−ビス(2−メルカプトエチル)−3a−メチルグリコールウリル、
1,3−ビス(3−メルカプトプロピル)−3a−メチルグリコールウリル、
1,4−ビス(メルカプトメチル)−3a−メチルグリコールウリル、
1,4−ビス(2−メルカプトエチル)−3a−メチルグリコールウリル、
1,4−ビス(3−メルカプトプロピル)−3a−メチルグリコールウリル、
1,6−ビス(メルカプトメチル)−3a−メチルグリコールウリル、
1,6−ビス(メルカプトメチル)−6a−メチルグリコールウリル、
1,6−ビス(2−メルカプトエチル)−3a−メチルグリコールウリル、
1,6−(2−ビスメルカプトエチル)−6a−メチルグリコールウリル、
1,6−ビス(3−メルカプトプロピル)−3a−メチルグリコールウリル、
1,6−ビス(3−メルカプトプロピル)−6a−メチルグリコールウリル、
1,3,4−トリス(メルカプトメチル)−3a−メチルグリコールウリル、
1,3,4−トリス(メルカプトメチル)−6a−メチルグリコールウリル、
1,3,4−トリス(2−メルカプトエチル)−3a−メチルグリコールウリル、
1,3,4−トリス(2−メルカプトエチル)−6a−メチルグリコールウリル、
1,3,4−トリス(3−メルカプトプロピル)−3a−メチルグリコールウリル、
1,3,4−トリス(3−メルカプトプロピル)−6a−メチルグリコールウリル、
1,3,4,6−テトラキス(メルカプトメチル)−3a−メチルグリコールウリル、
1,3,4,6−テトラキス(2−メルカプトエチル)−3a−メチルグリコールウリル、
1,3,4,6−テトラキス(3−メルカプトプロピル)−3a−メチルグリコールウリル、
1−メルカプトメチル−3a,6a−ジメチルグリコールウリル、
1−(2−メルカプトエチル)−3a,6a−ジメチルグリコールウリル、
1−(3−メルカプトプロピル)−3a,6a−ジメチルグリコールウリル、
1,3−ビス(メルカプトメチル)−3a,6a−ジメチルグリコールウリル、
1,3−ビス(2−メルカプトエチル)−3a,6a−ジメチルグリコールウリル、
1,3−ビス(3−メルカプトプロピル)−3a,6a−ジメチルグリコールウリル、
1,4−ビス(メルカプトメチル)−3a,6a−ジメチルグリコールウリル、
1,4−ビス(2−メルカプトエチル)−3a,6a−ジメチルグリコールウリル、
1,4−ビス(3−メルカプトプロピル)−3a,6a−ジメチルグリコールウリル、
1,6−ビス(メルカプトメチル)−3a,6a−ジメチルグリコールウリル、
1,6−ビス(2−メルカプトエチル)−3a,6a−ジメチルグリコールウリル、
1,6−ビス(3−メルカプトプロピル)−3a,6a−ジメチルグリコールウリル、
1,3,4−トリス(メルカプトメチル)−3a,6a−ジメチルグリコールウリル、
1,3,4−トリス(2−メルカプトエチル)−3a,6a−ジメチルグリコールウリル、
1,3,4−トリス(3−メルカプトプロピル)−3a,6a−ジメチルグリコールウリル、
1,3,4,6−テトラキス(メルカプトメチル)−3a,6a−ジメチルグリコールウリル、
1,3,4,6−テトラキス(2−メルカプトエチル)−3a,6a−ジメチルグリコールウリル、
1,3,4,6−テトラキス(3−メルカプトプロピル)−3a,6a−ジメチルグリコールウリル、
1−メルカプトメチル−3a,6a−ジフェニルグリコールウリル、
1−(2−メルカプトエチル)−3a,6a−ジフェニルグリコールウリル、
1−(3−メルカプトプロピル)−3a,6a−ジフェニルグリコールウリル、
1,3−ビス(メルカプトメチル)−3a,6a−ジフェニルグリコールウリル、
1,3−ビス(2−メルカプトエチル)−3a,6a−ジフェニルグリコールウリル、
1,3−ビス(3−メルカプトプロピル)−3a,6a−ジフェニルグリコールウリル、
1,4−ビス(メルカプトメチル)−3a,6a−ジフェニルグリコールウリル、
1,4−ビス(2−メルカプトエチル)−3a,6a−ジフェニルグリコールウリル、
1,4−ビス(3−メルカプトプロピル)−3a,6a−ジフェニルグリコールウリル、
1,6−ビス(メルカプトメチル)−3a,6a−ジフェニルグリコールウリル、
1,6−ビス(2−メルカプトエチル)−3a,6a−ジフェニルグリコールウリル、
1,6−ビス(3−メルカプトプロピル)−3a,6a−ジフェニルグリコールウリル、
1,3,4−トリス(メルカプトメチル)−3a,6a−ジフェニルグリコールウリル、
1,3,4−トリス(2−メルカプトエチル)−3a,6a−ジフェニルグリコールウリル、
1,3,4−トリス(3−メルカプトプロピル)−3a,6a−ジフェニルグリコールウリル、
1,3,4,6−テトラキス(メルカプトメチル)−3a,6a−ジフェニルグリコールウリル、
1,3,4,6−テトラキス(2−メルカプトエチル)−3a,6a−ジフェニルグリコールウリル、
1,3,4,6−テトラキス(3−メルカプトプロピル)−3a,6a−ジフェニルグリコールウリルなどが挙げられる。
本発明の実施においては、これらのグリコールウリル化合物から選択される1種を単独で、または、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、キシレン樹脂、不飽和ポリエステル、ポリウレタン、シリコン樹脂、ポリイミド、ポリフェニレンエーテル、BTレジン、ブロックイソシアネート樹脂などが挙げられる。
添加剤としては、例えば、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、酸化ケイ素粉、無定形シリカ、タルク、クレー、雲母粉、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの無機充填剤、シリコンパウダー、ナイロンパウダー、フッ素パウダーの如き有機充填剤、アスベスト、オルベン、ベントンなどの増粘剤、シリコーン系、フッ素系、高分子系の消泡剤、レベリング剤、イミダゾール系、チアゾール系、トリアゾール系、シランカップリング剤などの密着性付与剤、リン系難燃剤等が挙げられる。また、必要に応じてフタロシアニン・ブルー、フタロシアニン・グリーン、アイオジン・グリーン、ジスアゾイエロー、酸化チタン、カーボンブラックなどの従来公知の着色剤を使用することができる。
この接着フィルムの製造方法としては、支持ベースフィルムを支持体とし、その表面に、所定の有機溶剤に該エポキシ樹脂組成物を溶解した樹脂ワニスを塗布後、加熱および/または熱風吹き付けにより溶剤を乾燥させて薄膜とし、接着フィルムを製造する方法がある。
支持ベースフィルムとしては、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルなどのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、更には離型紙や銅箔、アルミニウム箔の如き金属箔等が挙げられる。なお、支持ベースフィルムにはマッド処理、コロナ処理の他、離型処理を施してもよい。
有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールアセテートなどの酢酸エステル類、セロソルブ、ブチルセロソルブなどのセロソルブ類、カルビトール、ブチルカルビトールなどのカルビトール類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素の他、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどが挙げられる。これらから選択される1種を単独で、または、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
具体的には、厚み10〜200μmの支持ベースフィルムに、該エポキシ樹脂組成物層の厚みがラミネートする内層回路板の導体厚以上で、10〜150μmの範囲であり、該エポキシ樹脂組成物層の他の面に厚み1〜40μmの支持フィルムの如き保護フィルムを更に積層して製造される。
繊維からなるシート状補強基材としては、ガラスクロスやアラミド繊維など、従来公知のプリプレグ用繊維を使用することができる。ホットメルト法では、無溶剤の樹脂を使用して、樹脂と剥離性の良い塗工紙に一旦コーティングし、それをラミネートする方法や、ダイコーターにより直接塗工する方法などが知られている。また、ソルベント法は、接着フィルムと同様に有機溶剤に該エポキシ樹脂組成物を溶解した樹脂ワニスに、シート状補強基材を浸漬、含浸させ、その後乾燥させる方法である。
先ず、該エポキシ樹脂組成物をパターン加工された内層回路基板に塗工し、有機溶剤を含有している場合には乾燥した後、加熱硬化させる。内層回路基板としては、ガラスエポキシ基板や金属基板、ポリエステル基板、ポリイミド基板、BTレジン基板、熱硬化型ポリフェニレンエーテル基板などを使用することができ、回路表面は予め粗化処理されていてもよい。乾燥条件は70〜130℃で5〜40分間、加熱硬化条件は130〜180℃で15〜90分間の範囲とすることが好ましい。加熱硬化後、必要に応じて所定のスルーホール、ビアホール部などにドリルおよび/またはレーザー、プラズマにより穴開けを行う。次いで、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、オゾン、過酸化水素/硫酸、硝酸などの酸化剤で粗化処理し、硬化物表面に凹凸のアンカーが形成される。更に、無電解および/または電解メッキにより導体層を形成するが、このとき導体層とは逆パターンのメッキレジストを形成し、無電解メッキのみで導体層を形成してもよい。このように導体層が形成された後、150〜180℃で20〜60分間アニール処理することにより、残留している未反応のエポキシ樹脂が硬化し、導体層のピール強度を更に向上させることもできる。
このようにして得られた積層板は、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、オゾン、過酸化水素/硫酸、硝酸などの酸化剤で粗化処理を行うことにより、積層板表面に凹凸のアンカーが形成され、更に無電解および/または電解メッキにより、積層板表面に直接導体層を形成することができる。
このようにして得られた積層板は、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、オゾン、過酸化水素/硫酸、硝酸などの酸化剤で粗化処理を行うことにより、積層板表面に凹凸のアンカーが形成され、更に無電解および/または電解メッキにより、積層板表面に直接導体層を形成することができる。
このようにして得られた積層板は、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、オゾン、過酸化水素/硫酸、硝酸などの酸化剤で粗化処理を行うことにより、積層板表面に凹凸のアンカーが形成され、更に無電解および/または電解メッキにより、積層板表面に直接導体層を形成することができる。
また、実施例および比較例において採用した評価試験は、以下のとおりである。
(1)ピール強度の測定
JIS C6481に準拠して測定を行った。導体メッキ厚は約30μm。
試験片を2時間煮沸処理した後、260℃のはんだ浴に60秒間浸漬し、外観を目視により確認した。下記評価基準に従い判定した。
○;良好、×;ふくれ、はがれ発生。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製jER828、エポキシ当量185)100重量部と、1,3,4,6−テトラキス(2−メルカプトエチル)グリコールウリル(四国化成工業社製)55重量部を撹拌しながら加熱溶解させた後、室温まで冷却する。続いて、2−フェニル−4,5−ビス(ヒドロキシメチル)イミダゾール(四国化成工業社製2PHZ−PW)0.8重量部と、微粉砕シリカ2重量部を添加してエポキシ樹脂組成物を調製した。
得られたエポキシ樹脂組成物を銅箔35μmのガラスエポキシ両面銅張積層板に塗布し、170℃で30分間加熱硬化させた。次いで、過マンガン酸塩のアルカリ性酸化剤で得られた樹脂層(硬化物)の表面を粗化処理した後、無電解メッキしてサブトラクティブ法に従ってプリント配線板を作製した。その後、更に170℃で30分間アニール処理を行い、これを試験片とした。
この試験片についてピール強度の測定および煮沸耐熱性試験を行ったところ、得られた結果は表1に示したとおりであった。
1,3,4,6−テトラキス(2−メルカプトエチル)グリコールウリルの代わりにフェノールノボラック樹脂(大日本インキ化学工業社製フェノライト)30重量部使用した以外は、実施例1と同様にして試験片を作製し、評価試験を行ったところ、得られた結果は表1に示したとおりであった。
Claims (14)
- 請求項1記載のエポキシ樹脂組成物を支持ベースフィルム上に薄膜形成して得られることを特徴とする接着フィルム。
- 請求項1記載のエポキシ樹脂組成物を繊維からなるシート状補強基材に含浸および/または塗工して得られることを特徴とするプリプレグ。
- 請求項1記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物の一方の面にメッキ導体層が形成され、他面はパターン加工された内層回路基板に密着して積層されていることを特徴とする多層プリント配線板。
- 請求項1記載のエポキシ樹脂組成物をパターン加工された内層回路基板に塗工し、加熱硬化させた後、酸化剤により得られた硬化物の表面を粗化し、その粗化面に導体層をメッキにより形成して得られることを特徴とする多層プリント配線板。
- 請求項2記載の接着フィルムを、パターン加工された内層回路基板に加圧、加熱下でラミネートし、必要により支持ベースフィルムを剥離し、エポキシ樹脂組成物を加熱硬化させた後、酸化剤により得られた硬化物の表面を粗化し、その粗化面に導体層をメッキにより形成して得られることを特徴とする多層プリント配線板。
- 請求項3記載のプリプレグを、パターン加工された内層回路基板に加圧、加熱下で積層し、一体化させた後、酸化剤により該プリプレグ表面を粗化し、その粗化面に導体層をメッキにより形成して得られることを特徴とする多層プリント配線板。
- 請求項1記載のエポキシ樹脂組成物をパターン加工された内層回路基板に塗工し、加熱硬化させた後、酸化剤により得られた硬化物の表面を粗化し、その粗化面に導体層をメッキにより形成することを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。
- 請求項2記載の接着フィルムを、パターン加工された内層回路基板に加圧、加熱下でラミネートし、必要により支持ベースフィルムを剥離し、エポキシ樹脂組成物を加熱硬化させた後、酸化剤により得られた硬化物の表面を粗化し、その粗化面に導体層をメッキにより形成することを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。
- 請求項3記載のプリプレグを、パターン加工された内層回路基板に加圧、加熱下で積層し、一体化させた後、酸化剤により該プリプレグ表面を粗化し、その粗化面に導体層をメッキにより形成することを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。
- 請求項1記載のエポキシ樹脂組成物を両面銅張積層板の銅箔をエッチアウトした面もしくはアンクラッド板の少なくとも片方の面に塗工し、加熱硬化して得られることを特徴とする積層板。
- 請求項2記載の接着フィルムを両面銅張積層板の銅箔をエッチアウトした面もしくはアンクラッド板の少なくとも片方の面に、加圧、加熱下でラミネートし、必要により支持ベースフィルムを剥離し、加熱硬化して得られることを特徴とする積層板。
- 請求項3記載のプリプレグを両面銅張積層板の銅箔をエッチアウトした面もしくはアンクラッド板の少なくとも片方の面に、加圧、加熱下で積層して得られることを特徴とする積層板。
- 請求項3記載のプリプレグを加圧、加熱下で積層して得られることを特徴とする積層板。
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JPWO2015141347A1 (ja) * | 2014-03-17 | 2017-04-06 | ナミックス株式会社 | 樹脂組成物 |
JPWO2016143815A1 (ja) * | 2015-03-12 | 2017-12-28 | ナミックス株式会社 | 半導体装置、およびイメージセンサーモジュール |
WO2022239687A1 (ja) * | 2021-05-10 | 2022-11-17 | デンカ株式会社 | 積層体、回路基板及び回路基板の製造方法 |
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2014
- 2014-11-28 JP JP2014242415A patent/JP6356587B2/ja active Active
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