JP2015125141A - 中性子遮蔽コンクリートとその製造方法 - Google Patents

中性子遮蔽コンクリートとその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2015125141A
JP2015125141A JP2013272471A JP2013272471A JP2015125141A JP 2015125141 A JP2015125141 A JP 2015125141A JP 2013272471 A JP2013272471 A JP 2013272471A JP 2013272471 A JP2013272471 A JP 2013272471A JP 2015125141 A JP2015125141 A JP 2015125141A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
colemanite
hirugadite
neutron shielding
water
aggregate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013272471A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6261120B2 (ja
Inventor
裕章 加藤
Hiroaki Kato
裕章 加藤
廣行 新井
Hiroyuki Arai
廣行 新井
良一 小野辺
Ryoichi Onobe
良一 小野辺
橋本 博英
Hirohide Hashimoto
博英 橋本
伊藤 祐二
Yuji Ito
祐二 伊藤
章夫 丸
Akio Maru
章夫 丸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
IHI Construction Materials Co Ltd
Original Assignee
IHI Construction Materials Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by IHI Construction Materials Co Ltd filed Critical IHI Construction Materials Co Ltd
Priority to JP2013272471A priority Critical patent/JP6261120B2/ja
Publication of JP2015125141A publication Critical patent/JP2015125141A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6261120B2 publication Critical patent/JP6261120B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)

Abstract

【課題】天然のエバポライト型鉱床から産する含硼素鉱物を骨材として用いながらも、普通ポルトランドセメント等の各種のセメントを使用して固めるめることができるようにした中性子遮蔽コンクリートとその製造方法を提供する。
【解決手段】エバポライト型堆積鉱床の鉱物に含まれるユーレキサイトとサッソライトは水に溶け易いので予め除き、エバポライト型堆積鉱床からコレマナイトやヒルガダイト塊を目視選別し手選した。採取したコレマナイトやヒルガダイト塊を破砕し、粒径が0.数mm〜2cm程度のものを粗骨材とした。コレマナイトやヒルガダイトの粒径0.6mm以下のものは水溶性が高いので除去し、代替する不足の細骨材を水に不溶のダトライトで補足し、上記粗骨材と、普通ポルトランドセメントと水を加えて混練し、中性子コンクリートを得る。
【選択図】なし

Description

本発明は原子炉建屋や医療施設等の壁材等に用いる中性子遮蔽コンクリートとその製造方法に関する。
中性子遮蔽コンクリートは、原子力発電所における原子炉建屋や医療施設の壁材、放射
性廃棄物の収納容器等に用いられるものである。このようなコンクリートにおいて、中性子を遮蔽する物質として硼素が有効であることが特許文献1等で知られており、コンクリート中に硼素含有化合物を添加するようにしている。
硼素含有化合物は天然の硼素を含む鉱物であり、内湾や海水の浸入あるいは封鎖された内陸湖、かん湖として残されたものが激しい乾燥により干上がった層状の堆積層として産出し、コレマナイト(2CaO・3B・5HO)やヒルガダイト(Ca(B11)Cl・4HO)を主として、ユーレキサイト(NaCaB・8HO)、サッソライト(B・3HO)等の各種の硼素含有鉱物が一緒に産出する。
このような硼素を含む種々の鉱物の集合体を普通ポルトランドセメントで固めようとしても、ユーレキサイトとサッソライトは水に溶解し易い特性を有するため水に直ちに溶解してセメントの水和反応を阻害するので、結晶のコレマナイトを骨材として固めることができなかった。また、微粉状のコレマナイトやヒルガダイトも早くに水に溶け易いために、同様に骨材のコレマナイトを普通ポルトランドセメントで固めることができなかった。
そのため、特許文献2等に記載されたように、コレマナイトやユーレキサイトの含硼素骨材と反応の速いアルミナセメントと鉱油等の油にこの油を乳化する界面活性剤が混和された油混和剤とを混和して、天然の硼素鉱物をコンクリート中に固めた中性子遮蔽コンクリートが知られている。このような含硼素鉱物を骨材とした中性子遮蔽コンクリートは原子炉建屋や放射性廃棄物の収納容器等における中性子を遮蔽する壁材等として用いられている。
特開2008−157801号公報 特公平7−25582号公報
ところで、このような中性子遮蔽コンクリートでは固結材としてアルミナセメントを用いているため、耐久性に欠けるという欠点があり、20年〜30年経過すると体積変化してコンクリートや構造体に欠陥を生じるという不具合があった。そのため、耐久性が良く体積変化しにくい普通ポルトランドセメント等を使用することが望まれているが、中性子遮蔽コンクリートの固結材として普通ポルトランドセメントを用いると、水溶性硼素鉱物が混練水に溶解してセメントの水和反応を阻害するために固化しにくく固結材として用いることができなかった。
なお、天然の硼素を多く含む骨材としてエバポライト型堆積鉱床の鉱石が知られているが、エバポライト型堆積鉱床の鉱石を普通ポルトランドセメント等のセメントで固めようとしても水溶性の硼素の含有鉱物量が多いためにそのままでは固化できなかった。
本発明は、このような実情を鑑みてなされたものであり、天然のエバポライト型堆積鉱床から産する含硼素鉱物を骨材として用いながらも、各種のセメントを使用して固めることができるようにした中性子遮蔽コンクリートとその製造方法を提供することを目的とする。
本発明による中性子遮蔽コンクリートは、エバポライト型堆積鉱床の鉱石から選別採取したコレマナイト及び/またはヒルガダイトを主体とした骨材と、固結材であるセメントとを備え、エバポライト型堆積鉱床の鉱石に含まれるユーレキサイトとサッソライトを除いて、コレマナイト及び/またはヒルガダイトを骨材としてセメントと混和したことを特徴とする。
本発明による中性子遮蔽コンクリートによれば、エバポライト型堆積鉱床の鉱石に含まれるユーレキサイトとサッソライトは水に溶解し易いため、先に水に溶けてセメントの水和反応を阻害してしまうためコレマナイト及び/またはヒルガダイトがセメントと固化されにくいが、エバポライト型堆積鉱床の鉱石に含まれるユーレキサイトとサッソライトを除いておくことで、エバポライト型堆積鉱床の鉱石から選別採取した含硼素鉱物であるコレマナイトやヒルガダイトをセメントと混練させて混和させると、高強度で耐久性が高く十分な中性子遮蔽性能を備えたコンクリートを得ることができる。
また、エバポライト型堆積鉱床の鉱石から採取したコレマナイト及び/またはヒルガダイトの微粉を除去することが好ましい。
エバポライト型堆積鉱床の鉱石からコレマナイト及び/またはヒルガダイトを選別採取して破砕した際、微粉が生じると水に溶け易くなり、セメントの水和反応を阻害するが、この微粉を予め除去しておくことで骨材としてのコレマナイト及び/またはヒルガダイトとセメントを混和させて固化させ、中性子遮蔽コンクリートを製造することができる。
また、コレマナイト及び/またはヒルガダイトの微粉はふるいなどによって粒径0.6mm以下のものを除去するものとし、これより粒径が大きいものは骨材としてセメントと混練させて固化させることができる。
また、ダトライトを細骨材として添加してもよい。
コレマナイト及び/またはヒルガダイトの微粉を除去して細骨材の細粒部分が不足した場合、ダトライト(CaBSiO(OH))は水に不溶性であるため、これを細骨材として補足してコレマナイト及び/またはヒルガダイトとセメントと水とを加えて混練することで強度と耐久性に優れたコンクリートを製造できる。
また、玻璃質岩石粉と焼成カオリンと焼成しないハロイサイトとの少なくともいずれか1つを混和してもよい。
玻璃質岩石粉、焼成カオリン、焼成しないハロイサイトは、セメントの水和反応によって生成する遊離カルシウムやアルミニウム、水酸化カルシウム、カルシウム・アルミネート・ハイドレートと良く反応し、セメント水和生成物中で骨格となるC・S・H(トベルモライト・ゲルともいい、ほぼ3CaO・2SiO・3HOの組成を有する)を形成させ、製造したコンクリートの耐久性と強度を大きくすることができる。
また、人工ポゾラン材を混和してもよい。
人工ポゾラン材の混和物は例えばフライアッシュやシリカヒューム等であり、それ自体水硬性はないがコンクリート中の成分と反応して不溶性の化合物をつくるため、コンクリートの耐久性と強度を大きくすることができる。
本発明による中性子遮蔽コンクリートの製造方法は、天然のコレマナイト及び/またはヒルガダイトを主体とするエバポライト型堆積鉱床に含まれるユーレキサイトとサッソライトを除去し、コレマナイト及び/またはヒルガダイトを骨材として、セメントと混和してコンクリートを製造することを特徴とする。
本発明によれば、エバポライト型堆積鉱床の鉱石に含まれる水に溶け易いユーレキサイトとサッソライトを予め除去して含硼素鉱物のコレマナイト及び/またはヒルガダイトの集塊を破砕したものを骨材として、セメントと混和させることで強度と耐久性の高い中性子遮蔽コンクリートを製造することができる。
本発明による中性子遮蔽コンクリート及びその製造方法によれば、コレマナイト及び/またはヒルガダイトを主体とするエバポライト型堆積鉱床の鉱石から水に溶け易いユーレキサイトとサッソライトを除去することで、ユーレキサイトとサッソライトが水に溶解してセメントの水和反応を阻害することを防止できるため、採取したコレマナイト及び/またはヒルガダイトを骨材としてセメントと混練させて固化でき、高強度で耐久性が高く中性子遮蔽性の高い中性子遮蔽コンクリートを製造することができる。
以下、本発明の実施形態による中性子遮蔽コンクリートとその製造方法について説明する。しかし、本発明はこれらの実施形態のみに限定されるものではない。
本実施形態による中性子遮蔽コンクリートは、セメントとして例えば普通ポルトランドセメントを用い、骨材としてエバポライト型堆積鉱床の含硼素鉱物を用いるものとする。
ここで、エバポライト型堆積鉱床は、内湾や封鎖された内陸湖あるいはかん湖が激しい乾燥により干上がった層状の鉱床をいう。そしてエバポライト型堆積鉱床は、コレマナイト(2CaO・3B・5HO)やヒルガダイト(Ca(B11)Cl・4HO)を主鉱物として、ユーレキサイト(NaCaB・8HO)、サッソライト(B・3HO)等を一緒に産出させた硼素を多く含む硼素含有鉱床である。
エバポライト型堆積鉱床において、コレマナイトとヒルガダイト、ユーレキサイトとサッソライトはいずれも硼素を多く含んでいる。コレマナイトとヒルガダイトは結晶の大きさが0.数mm〜2cmの範囲であり、結晶の大きいものは水に溶け難いが、微粉状のものは水に溶解し易い。また、ユーレキサイトの結晶は粒径数mm以下の大きさで粉化し易く、水に溶解し易い。サッソライトは大小様々な結晶があるが、水には極めて早く溶解する特性を有している。
本実施形態の中性子遮蔽コンクリートの製造に際し、骨材に使用した鉱石はコレマナイトとヒルガダイトを主としたB品位45%の鉱石である。天然のエバポライト型堆積鉱床の鉱石はユーレキサイトとサッソライトを含んでおり、しかも、ユーレキサイトとサッソライトは水に溶け易い特性を有するため、鉱石をそのまま骨材として用いるとユーレキサイトとサッソライトが混練水に溶解しセメントの水和反応を阻害してコンクリートとして固まらず、普通ポルトランドセメントによってコレマナイトやヒルガダイトからなる骨材を固定することができない。そのため、本実施形態では、予めエバポライト型堆積鉱床の鉱石からユーレキサイトとサッソライトを除去することとした。
また、エバポライト型堆積鉱床の鉱石に含まれる各鉱物は夫々に集塊を形成しているので、目視観察によって分別できる。そのため、エバポライト型堆積鉱床の鉱石から、目視手選によって岩石砕片や土壌塊、そしてユーレキサイトとサッソライトの集塊を除去し、品位の向上したコレマナイトとヒルガダイト塊を選別・採取する。
そして、これらコレマナイトやヒルガダイト塊を破砕して骨材とする。なお、コレマナイトとヒルガダイトは、微粉状であると水に溶け易くなりセメントの水和反応を阻害するために、骨材をなすコレマナイトやヒルガダイトが十分セメントと固化できない。そのため、ふるいでふるって粒径0.6mm以下の微粉を除いて粒径0.6mmよりも大きいものを骨材として使う。
一方で、細骨材として粒径0.6mm以下の骨材も必要である。コレマナイトとヒルガダイトの微粉を予め除去すると、コンクリートを製造する際、細骨材の細粒部分が不足してしまう。そのため、不足する細粒部として、例えば、粒径0.6mm以下で水に不溶の特性を有するダトライト(CaBSiO(OH))を補足して、普通ポルトランドセメントと水を加えて混練するものとした。或いは、ダトライトに代えて砂を用いてもよい。
なお、エバポライト型堆積鉱床の含硼素鉱物は、主体はコレマナイトであるが、ヒルガダイトやほかの含硼素鉱物と岩石片や土を伴って産出する。商品としての含硼素鉱物は、「コレマナイト」と称して出荷されていて、商品の品位はBが38%〜44%で用途によって取り引き品位を定めている。日本では、B2O3の品位が44%前後のものが中心である。品位を定めた取引であっても、堆積鉱床であるから採掘場所によって含硼素鉱物の組合せが異なる。B2O3品位44%前後の市販製品では、コレマナイトの存在は変わらないが、コレマナイトに伴われるヒルガダイトやその他の含硼素鉱物の組み合わせと量比は変化する。
本実施形態で用いる含硼素鉱物であるエバポライト型堆積鉱床の鉱石は、コレマナイトを主にヒルガダイト、ユーレキサイト、サッソライト、稀にコルジンスカイト(CaB2O4・H2O)、岩石片と土塊から成る。この様な鉱物から結晶が大きく水に対する溶解度が高くないコレマナイトとヒルガダイトを選別し、所定の粒度に破砕してから粒径0.6mm以下の微粉を除き、中性子遮蔽コンクリート用骨材として用いる。
ところで、本実施形態で用いる含硼素鉱物鉱石の選鉱手段は、目視手選によって岩石片や土塊ならびに水に対する溶解性の大きいユーレキサイトやサッソライト及び岩石や土塊を除き、結晶が大きいコレマナイトとヒルガダイトの集塊を所定の粒度に破砕し、微粉である粒径0.6mm以下のものを除く。
簡易選鉱方法としては、含硼素鉱物鉱石の全量を破砕し、発生する1mm程度以下の粉分を除く方法がある。また、この方法で散水しながら破砕し、溶解し易い含硼素鉱物を水に溶かして除去する方法もあるが、鉱石中の含硼素鉱物の組合せが変化すること、水を使うことで硼素が溶けた水は環境管理の対象であり、夫々に対応策を考える必要が生じる。
本実施形態による中性子遮蔽コンクリートの製造に用いる含硼素鉱物の骨材の粒度構成の1例を下記の表1と表2に示す。
Figure 2015125141
Figure 2015125141
しかし、コレマナイトとヒルガダイトの集塊は表3に示すように粒度が細かくなると水に対する溶解量が大きくなる。
Figure 2015125141
なお、表3における粒度(mm)の項目において、各範囲の下端の粒度、例えば20〜5mmでは5mmを超えた値が下限値であり、5〜2.5mmにおいては5mmを上限値として含むことになる。他の粒度項目においても同様である。
表3にみるように、コレマナイトとヒルガダイトの集塊は、粒度0.6mm以下となると、1日後、4日後、7日後、10日後と時間の経過に伴って水に対する溶解量が格段に大きくなる。したがって粒径0.6mm以下の微粉を除きたいが、機械的に粒径0.6mm以下の微粉を効率良く分離する方法がないので粒径1.2mm以下のものをふるい分けして粒径1.2mmを越えたものを使う。
次に、本実施形態で用いる細骨材の粒度構成の一例を表4に示すようにした。
Figure 2015125141
本実施形態による中性子遮蔽コンクリートでは、耐久性と強度を向上させるために、混和材を添加する。混和材として、ポゾラン効果のある玻璃質岩石粉、温度700℃〜800℃で焼成したカオリン鉱物、或いは焼成しないハロサイトの粉の少なくともいずれか1種以上を用いるものとする。
玻璃質岩石粉は、天然の玻璃(ガラス)を含む岩石の粉であり、玻璃質安山岩、玻璃質流紋岩、黒曜石、真珠岩、凝灰岩、火山灰の粉体を用いれば廉価であり、セメントの水和反応によって生成する遊離カルシウムやアルミニウム、水酸化カルシウム、カルシウム・アルミネート・ハイドレートと良く反応し、セメント水和生成物中で骨格となるC・S・H(トベルモライト・ゲルともいい、ほぼ3CaO・2SiO・3HOの組成を有する)を形成させ、耐久性と強度を大きくする。
また、温度700℃〜800℃で焼成したカオリン鉱物や焼成しないハロイサイト粉を混和することでも、玻璃質岩石粉と同じ効果を得ることができる。
本実施形態による中性子遮蔽コンクリートの製造方法において、混和する混和材の量は、セメント量に対して5%〜20%である。
混和材を混和する効果は、セメントの水和反応時にセメントから溶出するカルシウム(Ca)やアルミニウム(Al)あるいはナトリウム(Na)やカリウム(K)を吸収し固定するためである。また、混和材がコンクリート中に溶出したカルシウムを吸収すると、水和セメントの骨格であるC・S・Hが良く形成され、コンクリートの耐久性と強度が増大する。
以下、本発明による中性子遮蔽コンクリート及びその製造方法の実施例について説明する。
実施例で使用する固結材であるセメントは特殊なものではなく、普通ポルトランドセメントである。骨材は、選鉱して品位を上げた粗粒結晶のコレマナイトとヒルガダイトの混じった集塊であり、粒径5〜20mmの粗骨材と粒径1.2mm〜5mmの細骨材を表1と表4に示す粒度分布になるように調整する。細骨材は粒径1.2mm以下の粉体が足りないためダトライトの粉鉱で補った。
なお、実施例で用いた混和剤は、山形県産の玻璃質安山岩を粒径0.15mm以下に粉砕した岩粉であり、岩石中の玻璃の量は40%以上である。
次に、骨材に使用したコレマナイトとヒルガダイトが混じった集塊ならびにダトライト粉鉱の硼素品位を表5に示す。
Figure 2015125141
実施例1として細骨材を配合しないコレマナイトとヒルガダイトの混じった集塊の粗骨材と普通ポルトランドセメントと水とを組合せて混練し、中性子遮蔽コンクリートを製造した。実施例1の中性子遮蔽コンクリートは図示しない適宜形状の型枠内に打設した。
また、実施例2として、上述したコレマナイトとヒルガダイトの混じった集塊の粗骨材と粒径1.2〜5mmの細骨材、細骨材の細粒部を補うダトライト粉鉱、玻璃質安山岩粉鉱(岩粉)の混和材と、普通ポルトランドセメントと水とを混練してコンクリートを製造し、上記実施例1と同様に適宜形状の型枠内に打設した。
コンクリート成形型枠は、直径10cm、高さ20cmの円筒状の型枠を用い、コンクリートの打ち込み方法は、JISA1132「コンクリートの強度試験用供試体の作り方」に従った。
このような実施例1,2によるコンクリートの配合を表6に示す。
Figure 2015125141
実施例1,2について、コンクリート打ち込み後、温度20℃で7日間養生した。そして、型枠を外し、室内で曝露して供試体である実施例1,2の外観変化を観察した。結果を表7に示す。実施例1,2による供試体は、共に材令6ヶ月後の外観が全く変化を認められなかった。
Figure 2015125141
本発明は、天然のエバポライト型堆積鉱床から産する含硼素鉱物である品位の高いコレマナイトとヒルガダイトを骨材として、普通ポルトランドセメントを使用して中性子遮蔽コンクリートとして固めることができた。しかも、得られた実施例1、2は含硼素割合が高いために中性子遮蔽性が高く、材令6か月を経過しても固結状態が良好であり、ひび割れ等見えず、外観の変化は認められなかった。
上述のように本実施形態による中性子遮蔽コンクリート及びその製造方法は、天然のエバポライト型堆積鉱床から産する含硼素鉱物であるコレマナイトとヒルガダイトを骨材として多く含みながらも、水に溶け易いユーレキサイトとサッソライトを除去し、更に微粉状のコレマナイトとヒルガダイトを除去したため、これらがセメントの水和反応を阻害することがなく、塊状のコレマナイトとヒルガダイトを骨材としてセメントと水で結合させて固結状態が良好で、硼素が多いため中性子遮蔽性能が高く、ひび割れ等の外観の変化が認められない耐久性と強度の高い中性子遮蔽コンクリートを得られる。
しかも、天然のエバポライト型堆積鉱床から産する含硼素鉱物であるコレマナイトとヒルガダイトの塊に対し、水に溶解し易いユーレキサイトとサッソライトと微粉状態のコレマナイトとヒルガダイトを予め目視観察と手選、ふるいによって選別・除去することができるので、骨材をなす品位の高いコレマナイトとヒルガダイトをセメントと精度よく混練することができる。
しかも目視手選によって品位の向上したコレマナイトとヒルガダイト塊を採取して破砕し、ふるいで粒径0.6mm以下のものを除いて骨材とし、更にコンクリートとして不足する粒径0.6mm以下の細粒部は、水に不溶性のダトライトの砕砂で補足することで、普通ポルトランドセメントと水を加えて混練し、型枠中に打ち込むと堅硬なコンクリートを得ることができる。
また、混和材として、ボゾラン効果のある玻璃質岩石粉や700℃〜800℃で焼成した焼成カオリンあるいは焼成しないハロイサイトを混和したため、コンクリートの耐久性と強度を向上することができる。
なお、本発明による中性子遮蔽コンクリートは、上述した実施形態や実施例1,2に記載されたものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形や置換等が可能である。
例えば、上述した実施例では、固結材であるセメントとして、普通ポルトランドセメントを用いたが、これに代えて、早強ポルトランドセメント等の他のポルトランドセメントやアルミナセメント等、各種のセメントを採用してもよい。
混和材としてのポゾランは、石灰等の天然ポゾランに限定されるものではなく、人工ポゾランを用いてもよい。人工ポゾランとして、高炉スラグやフライアッシュ、シリカヒューム、メタカオリン等を採用できる。
また、上述した実施形態では、粗骨材として、エバポライト型堆積鉱床の鉱石から採取した天然のコレマナイトとヒルガダイトが結合した集塊を含んでいるが、コレマナイトとヒルガダイトのいずれか一方のみの塊であってもよい。
なお、上述した中性子遮蔽コンクリートは原子力関連施設の壁材等に好適であるが、それ以外にも医療関連施設やその他の適宜の試験施設等にも適用することができる。
また、本明細書において各種成分の含有割合の%は、特に断りのないものは重量%を示すものとする。

Claims (7)

  1. エバポライト型堆積鉱床の鉱石から採取したコレマナイト及び/またはヒルガダイトを主体とした骨材と、固結材であるセメントとを備え、前記エバポライト型堆積鉱床の鉱物に含まれるユーレキサイトとサッソライトを除いて、前記コレマナイト及び/またはヒルガダイトを骨材として前記セメントと混和したことを特徴とする中性子遮蔽コンクリート。
  2. 前記エバポライト型堆積鉱床の鉱石から採取した前記コレマナイト及び/またはヒルガダイトの微粉を除去した請求項1に記載された中性子遮蔽コンクリート。
  3. 前記コレマナイト及び/またはヒルガダイトの微粉は粒径0.6mm以下である請求項2に記載された中性子遮蔽コンクリート。
  4. ダトライトを細骨材として添加した請求項1から3のいずれか1項に記載された中性子遮蔽コンクリート。
  5. 玻璃質岩石粉と焼成カオリンと焼成しないハロイサイトとの少なくともいずれか1つを混和した請求項1から4のいずれか1項に記載された中性子遮蔽コンクリート。
  6. 人工ポゾラン材または天然ポゾラン材を混和した請求項1から5のいずれか1項に記載された中性子遮蔽コンクリート。
  7. 天然のコレマナイト及び/またはヒルガダイトを主体とするエバポライト型堆積鉱床に含まれるユーレキサイトとサッソライトを除去し、前記コレマナイト及び/またはヒルガダイトを破砕して骨材とし、セメントと混和してコンクリートを製造するようにしたことを特徴とする中性子遮蔽コンクリートの製造方法。


JP2013272471A 2013-12-27 2013-12-27 中性子遮蔽コンクリートとその製造方法 Active JP6261120B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013272471A JP6261120B2 (ja) 2013-12-27 2013-12-27 中性子遮蔽コンクリートとその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013272471A JP6261120B2 (ja) 2013-12-27 2013-12-27 中性子遮蔽コンクリートとその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015125141A true JP2015125141A (ja) 2015-07-06
JP6261120B2 JP6261120B2 (ja) 2018-01-17

Family

ID=53535925

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013272471A Active JP6261120B2 (ja) 2013-12-27 2013-12-27 中性子遮蔽コンクリートとその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6261120B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106750820A (zh) * 2017-01-12 2017-05-31 中国工程物理研究院核物理与化学研究所 一种低密度中子屏蔽材料及其制备方法
JP2019183404A (ja) * 2018-04-02 2019-10-24 株式会社Ihi建材工業 防災シェルター
US10839970B2 (en) 2015-04-28 2020-11-17 Wats Co., Ltd. Spent nuclear fuel assembly storage container and assembly of spent nuclear fuel assembly storage containers
CN114171215A (zh) * 2021-12-01 2022-03-11 中国核电工程有限公司 一种中子毒物材料及其制备方法、以及核临界安全贮槽

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5014216B1 (ja) * 1969-07-10 1975-05-26
JP2001281396A (ja) * 2000-03-29 2001-10-10 Hitachi Chem Co Ltd 中性子線遮蔽材料
JP5347075B1 (ja) * 2013-01-25 2013-11-20 石川島建材工業株式会社 中性子遮蔽コンクリート

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5014216B1 (ja) * 1969-07-10 1975-05-26
JP2001281396A (ja) * 2000-03-29 2001-10-10 Hitachi Chem Co Ltd 中性子線遮蔽材料
JP5347075B1 (ja) * 2013-01-25 2013-11-20 石川島建材工業株式会社 中性子遮蔽コンクリート

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
"コレマナイトを固めて中性子線をシャットアウト", IHI技報, vol. 第53巻第1号, JPN6017015401, April 2013 (2013-04-01), JP, pages 第14−15頁 *

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10839970B2 (en) 2015-04-28 2020-11-17 Wats Co., Ltd. Spent nuclear fuel assembly storage container and assembly of spent nuclear fuel assembly storage containers
CN106750820A (zh) * 2017-01-12 2017-05-31 中国工程物理研究院核物理与化学研究所 一种低密度中子屏蔽材料及其制备方法
JP2019183404A (ja) * 2018-04-02 2019-10-24 株式会社Ihi建材工業 防災シェルター
JP7023160B2 (ja) 2018-04-02 2022-02-21 株式会社Ihi建材工業 防災シェルター
CN114171215A (zh) * 2021-12-01 2022-03-11 中国核电工程有限公司 一种中子毒物材料及其制备方法、以及核临界安全贮槽

Also Published As

Publication number Publication date
JP6261120B2 (ja) 2018-01-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Chen et al. Utilization of phosphogypsum and phosphate tailings for cemented paste backfill
Hoy et al. Recycled asphalt pavement–fly ash geopolymers as a sustainable pavement base material: Strength and toxic leaching investigations
Wang et al. Study of the material properties of fly ash added to oyster cement mortar
Wang et al. Formation of Friedel’s salt using steel slag and potash mine brine water
Jaydeep et al. Study on fly ash based geo-polymer concrete using admixtures
Calikla et al. Engineering properties of expansive clayey soil stabilized with lime and perlite
JP6261120B2 (ja) 中性子遮蔽コンクリートとその製造方法
JP7073088B2 (ja) 土壌改質方法
US20130098272A1 (en) Method and compositions for pozzolanic binders derived from non-ferrous smelter slags
Bilgen Utilization of powdered glass in lime-stabilized clayey soil with sea water
Mani et al. Investigation on effect of fly ash content on strength and microstructure of geopolymer concrete in chloride-rich environment
CN103332877A (zh) 利用疏浚淤泥制备无机胶凝材料的方法
Xie et al. Synthesis and influencing factors of high-performance concrete based on copper tailings for efficient solidification of heavy metals
Wang et al. Basic properties, characteristic heavy metals leaching and migration of coal incineration fly ash-based mortar
JP2009079161A (ja) 地盤改良材
Mymrin et al. Material cycle realization by hazardous phosphogypsum waste, ferrous slag, and lime production waste application to produce sustainable construction materials
CN108264323A (zh) 用粉煤灰和脱硫石膏制备的隔墙条板及其制备方法
Lv et al. Study on leaching and curing mechanism of heavy metals in magnesium coal based backfill materials
Sun et al. Stabilization/solidification of lead-and cadmium-containing tailings for cemented paste backfill by using clinker-free binders
Xie et al. Characterization of red mud and fly ash based for co-curing of Cu2+-contaminated soil
Lesovik et al. Fine-grain concrete from mining waste for monolithic construction
Wu et al. Preparation and performance of slag-based binders for the cementation of fine tailings
Arandara et al. Evaluation of coconut shell biochar on recycled aggregate concrete through petrographic studies
JP6713736B2 (ja) セメント組成物用pH調整剤、コンクリート組成物、セメント組成物、及びセメント組成物用pH調整剤の使用方法
Liu et al. Durability analysis of seashore saline soil bound with a slag compound binder

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160921

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170428

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170509

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170707

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171114

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171211

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6261120

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250