JP2015124941A - 重質油焚きボイラの燃焼方法及び重質油焚きボイラ - Google Patents

重質油焚きボイラの燃焼方法及び重質油焚きボイラ Download PDF

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【課題】チャーの反応性低下を抑制できる重質油焚きボイラの燃焼方法を提供する。
【解決手段】燃焼バーナの燃料噴霧器に重質油燃料及び微粒化流体を導入して混合し、微粒化された油噴霧粒子Poを含む混合流体を燃焼用空気とともに火炉内へ噴射投入して燃焼させる重質油焚きボイラの燃焼方法において、燃焼用空気が、油噴霧粒子Poの揮発分Gを燃焼させるために必要な理論空気量以下に設定されて燃料噴霧器の周辺から供給される一次空気の空気量と、一次空気による燃焼領域の最高温度を超えないよう段階的に供給される二次空気以降の空気量と、に調整して供給される。
【選択図】図1

Description

本発明は、アスファルト等の重質油を燃料とする重質油焚きボイラに係り、特に、ボイラから排出される煤塵量を低減する重質油焚きボイラの燃焼方法及び重質油焚きボイラに関する。
従来の油焚きボイラは、液体燃料を蒸気等の噴霧媒体により微粒化(霧化)させた状態で火炉内に吹き込み、火炎を形成して燃焼させている。このような油焚きバーナで使用される燃焼バーナは、液体燃料及び噴霧媒体の供給配管先端部に設けたバーナチップを備えている。このバーナチップは、液体燃料及び噴霧媒体を混合して微粒化した後、先端に形成された複数の噴出孔から微粒化燃料を噴射可能となっている。
以下では、油燃料の燃焼プロセスを簡単に説明する。
第1段階において、液体燃料の油を微粒化した油噴霧粒子(微粒化燃料)は、火炉内に吹き込まれることにより温度上昇し、熱分解により揮発分を放出するガス化が行われる。
第2段階において、ガス化した油噴霧粒子は、時間経過に伴って火炉内をさらに高温の領域に移動する。このため、油噴霧粒子の揮発分が燃焼するとともに、固形物の粒子であるチャーが温度上昇して高温化する。
この結果、さらに時間が経過した第3段階において、油噴霧粒子は火炉内を移動して第2段階より温度の低い領域に到達するが、この時点で揮発分の燃焼は完了しており、炭素分を主体とするチャーの燃焼が開始される。このチャーは、さらに温度低下する領域に導かれ、最終段階で未燃分の粒子及び灰として火炉の外部へ排出される。
このような油焚きボイラでは、例えば下記の特許文献1に開示されているように、窒素酸化物(NOx)及び煤煙を抑制するため、内部混合形高圧気流噴霧式燃焼方法及び油バーナのバーナチップを改善することが行われている。
また、下記の特許文献2に開示されているように、微粉固体を含有するスラリ状燃料の高効率、低公害燃焼を図るため、内部混合式アトマイザの空気投入方法を改善する技術も知られている。
特開2003−172505号公報 特公平8−1288号公報
ところで、アスファルト等の重質油を燃料とする重質油焚きボイラでは、重質油の燃料特性から、燃焼後にボイラから排出される煤塵量(未燃分)が多いという問題を有している。すなわち、重質油は燃料中の重質成分(残留炭素分等)が多いため、高温燃焼によりチャー(固形物)の反応性が低下する。この結果、チャーの燃え切りに時間を要し、未燃分として排出される煤塵量が多くなる。
図5は、チャーの燃焼温度と反応性の関係を示したグラフであり、例えば1000℃で燃焼するチャーと比較して、2000℃で燃焼するチャーの反応性が大きく低下していることがわかる。すなわち、図5のグラフは、高温に晒されたチャーほど反応性が悪く、未燃物として排出されやすいことを示している。
このような背景から、重質油を燃料とする重質油焚きボイラにおいては、ボイラから排出される煤塵量を低減するため、チャーの反応性低下を抑制できる燃焼方法が望まれる。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、チャーの反応性低下を抑制できる重質油焚きボイラの燃焼方法及び重質油焚きボイラを提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決するため、下記の手段を採用した。
本発明に係る重質油焚きボイラの燃焼方法は、燃焼バーナの燃料噴霧器に重質油燃料及び微粒化流体を導入して混合し、微粒化された重質油噴霧粒子を含む混合流体を燃焼用空気とともに火炉内へ噴射投入して燃焼させる重質油焚きボイラの燃焼方法であって、前記燃焼用空気が、前記重質油噴霧粒子の揮発分を燃焼させるために必要な理論空気量以下に設定されて前記燃料噴霧器の周辺から供給される一次空気の空気量と、前記一次空気による燃焼領域の最高温度を超えないよう段階的に供給される二次空気以降の空気量と、に調整して供給されることを特徴とするものである。
このような重質油焚きボイラの燃焼方法によれば、燃焼用空気が、重質油噴霧粒子の揮発分を燃焼させるために必要な理論空気量以下に設定されて燃料噴霧器の周辺から供給される一次空気の空気量と、一次空気による燃焼領域の最高温度を超えないよう段階的に供給される二次空気以降の空気量と、に調整して供給されるので、燃料噴霧器周辺の一次空気量を低減して燃焼初期の空気拡散を遅らせることができる。この結果、燃焼バーナ近傍の燃焼温度が低減され、かつ、最高燃焼温度も低減されるため、重質油噴霧粒子に含まれるチャーの反応性低下を抑制できる。
上記の発明において、前記理論空気量は、前記重質油噴霧粒子の残留炭素量と、前記重質油燃料の成分分析により得られる炭素、水素及び酸素の割合と、により算出される。
また、上記の発明において、前記一次空気の供給量は、前記理論空気量の5〜50%であることが望ましい。
また、前記一次空気の一部または全量を再循環ガスとすることで、燃焼初期の酸素拡散を遅らせるとともに、保炎に必要なガス流量を確保することができる。なお、再循環ガスには、通常2〜5%程度の酸素が含まれている。
本発明に係る重質油焚きボイラは、燃料噴霧器に重質油燃料及び微粒化流体を導入して混合し、微粒化された重質油噴霧粒子を含む混合流体を燃焼用空気とともに火炉内へ噴射投入して燃焼させる際に、請求項1から4のいずれか1項に記載の重質油焚きボイラの燃焼方法により前記重質油燃料を燃焼させる燃焼バーナを備えていることを特徴とするものである。
このような重質油焚きボイラによれば、請求項1から4のいずれか1項に記載の重質油焚きボイラの燃焼方法により前記重質油燃料を燃焼させる燃焼バーナを備えているので、燃料噴霧器周辺の一次空気量を低減して燃焼初期の空気拡散を遅らせることができる。この結果、燃焼バーナ近傍の燃焼温度が低減され、かつ、最高燃焼温度も低減されるため、重質油噴霧粒子に含まれるチャーの反応性低下を抑制できる。
上述した本発明によれば、重質油を燃料とする重質油焚きボイラにおいて、燃焼バーナ近傍の燃焼温度を低減することによりチャーの反応性低下を抑制し、ボイラから排出される煤塵量を低減することが可能になる。
本発明に係る重質油焚きボイラの燃焼方法及び重質油焚きボイラの一実施形態として、重質油を微粒化した油噴霧粒子の燃焼プロセスを示す説明図である。 本発明に係る重質油焚きボイラの燃焼バーナを火炉内から見た正面図である。 図2に示す燃焼バーナの断面図である。 本発明に係る重質油焚きボイラの概略構成例を示す図である。 燃焼温度と反応性の関係例を示すグラフである。
以下、本発明に係る重質油焚きボイラの燃焼方法及び重質油焚きボイラの一実施形態を図面に基づいて説明する。
図4に示す実施形態の重質油焚きボイラ10は、例えば流体燃料としてアスファルト等の重質油を用いるコンベンショナルボイラである。この重質油焚きボイラ10は、火炉11と燃焼装置12とを有している。火炉11は、四角筒の中空形状をなして鉛直方向に沿って設置され、この火炉11を構成する火炉壁の下部に燃焼装置12が設けられている。
燃焼装置12は、火炉壁に装着された複数の燃焼バーナ20を有している。本実施形態の燃焼バーナ20は、周方向に沿って、例えば、4個均等間隔で配設されたものを1セットとして、例えば、3セット、すなわち3段配置されている。なお、燃焼バーナ20の配置場所や個数については、図示の構成に限定されるものではない。
各燃焼バーナ20は、燃料の重質油を導入するため、燃料供給配管13を介して燃料供給源14に連結されており、燃料供給配管13には燃料供給量の調整を行う流量調整弁15が設けられている。また、各燃焼バーナ20は、微粒化流体の噴霧用蒸気を導入するため、各蒸気供給配管16を介して蒸気供給源17に連結されており、蒸気供給配管16には蒸気供給量の調整を行う流量調整弁18が設けられている。
従って、各燃焼バーナ20は、燃料供給源14から燃料供給配管13を通して燃料の重質油が供給されるとともに、蒸気供給源17から蒸気供給配管16を通して噴霧用蒸気が供給されることとなる。このため、各燃焼バーナ20は、重質油と噴霧用蒸気とを混合することにより、重質油を微粒化して重質油噴霧粒子を含む混合流体として火炉11内に噴射し、これを燃焼させて火炎を形成することができる。
火炉11は、上部に煙道31が連結されている。この煙道31には、対流伝熱部(熱回収部)として排ガスの熱を回収するための過熱器(スーパヒータ)32,33、再熱器34,35、節炭器(エコノマイザ)36,37,38が設けられており、火炉11での燃焼で発生した排ガスと水との間で熱交換が行われる。
煙道31は、その下流側に熱交換を行った排ガスを排出する排ガス管39が連結されている。この排ガス管39には、図示しない脱硫装置、電気集塵機、誘引送風機、脱硫装置が設けられ、下流端部に煙突が設けられている。
従って、燃焼装置12に各燃焼バーナ20が重質油と噴霧用蒸気との混合流体を火炉11内に噴射すると、火炉11では、混合流体と空気とが燃焼して火炎を生じる。こうして火炉11内の下部で火炎が生じると、燃焼ガス(排ガス)がこの火炉11内を上昇し、煙道31に排出される。
このとき、図示しない給水ポンプから供給された水は、節炭器36,37,38によって予熱された後、図示しない蒸気ドラムを介して火炉壁の各水管(図示せず)に供給される間に加熱されて飽和蒸気となり、図示しない蒸気ドラムに送り込まれる。
さらに、図示しない蒸気ドラムの飽和蒸気は過熱器32,33に導入され、燃焼ガスによって過熱される。過熱器32,33で生成された過熱蒸気は、図示しない発電プラント(例えばタービン等)に供給される。また、タービンでの膨張過程の途中で取り出した蒸気は、再熱器34,35に導入され、再度過熱されてタービンに戻される。なお、火炉11をドラム型(蒸気ドラム)として説明したが、この構造に限定されるものではない。
次に、燃焼装置12の構成例について詳細に説明するが、この燃焼器12を構成する各燃焼バーナ20は、実質的に全てが同様の構成を有している。
本実施形態の燃焼バーナ20は、例えば図2及び図3に示すように構成されている。図中の符号21は、燃料の重質油を微粒化して火炉11内へ噴射投入する重質油噴霧器(燃料噴霧器)である。この重質油噴霧器21の先端部には、微粒化流体として導入する噴霧用蒸気の圧力によって重質油燃料を微粒化して噴出するため、複数の噴出孔22aを有するオイルアトマイザ22が設けられている。
また、重質油噴霧器21の外周には、空気取入孔23aを有するハウジングチューブ23が設けられ、その先端部外面には、すなわちオイルアトマイザ22の近傍には、一次空気(図中の矢印A1)を旋回させて供給するためのスワラー24が円周方向に複数設けられている。
ハウジングチューブ23及びスワラー24の周囲は、二次空気(図中の矢印A2)の空気通路25を形成するため、筒状のバーナスロート26で覆われている。さらに、バーナスロート26の外周には、三次空気(図中の矢印A3)を供給する空気通路27が設けられており、この空気通路27内には可変式空気ダンパ28を装備している。
このような構成の燃焼バーナ20において、燃料の重質油と噴霧用蒸気は、重質油噴霧器21の内部を通って先端部のオイルアトマイザ22に至り、例えば径の異なる大小複数の噴出孔22aから重質油を微粒化した混合流体が所定の方向(例えば斜め前方)へ噴出する。この混合流体は、ハウジングチューブ23内を通ってくる燃焼用空気及びスワラー24によって旋回しながら供給される一次空気と最初に接触し、互いに混合しつつ火炎域を形成する。
一方、スワラー24とバーナスロート26との隙間を通過してくる二次空気、及びバーナスロート26の外側より供給される三次空気は、一次空気による火炎領域より逸脱した未燃分と混合しつつ、主火炎下流部に安定した火炎域を形成する。
このとき、火炎の状態と、排ガス中のNOx濃度及び酸素濃度とに応じて、可変式空気ダンパ28の開度操作をして、三次空気の供給量を調節する。なお、NOx濃度及び酸素濃度は、煙道31の後部適所に設けられた図示しないNOx濃度計及び酸素濃度計の計測値である。
さて、上述した構成の燃焼バーナ20において、本実施形態では、以下に説明する燃焼方法を採用する。
すなわち、燃焼バーナ20の重質油噴霧器21に重質油燃料及び微粒化流体の蒸気を導入して混合し、微粒化された重質油噴霧粒子を含む混合流体を燃焼用空気とともに火炉内へ噴射投入して燃焼させる重質油焚きボイラ10において、燃焼用空気が、以下に説明するように調整して供給される。
図示の燃焼バーナ20は、上述したように、燃焼用空気として一次空気、二次空気及び三次空気が用いられている。このような燃焼用空気について、重質油噴霧器21の周辺から供給される一次空気の空気量は、重質油噴霧粒子の揮発分を燃焼させるために必要な理論空気量以下に設定される。換言すれば、例えばスワラー24で構成される保炎器を通って最初に重質油噴霧粒子と接触する一次空気量は、重質油噴霧粒子の揮発分を燃焼させるために必要となる理論空気量以下に設定される。
また、二次空気以降(この場合は二次空気及び三次空気)の空気量は、一次空気による燃焼領域の最高温度を超えないよう段階的に供給される。
図1は、重質油噴霧器21に導入した重質油燃料及び蒸気を混合し、重質油燃料を微粒化した重質油噴霧粒子(以下、「油噴霧粒子」ともいう)Poが、蒸気との混合流体として火炉11内へ噴射投入されて燃焼する際の燃焼プロセスを示している。
燃焼プロセスの第1段階において、重質油噴霧器21から火炉11内へ向けて流出した油噴霧粒子Poは、重質油噴霧器21の周囲に投入される一次空気と混合され、さらに、これと同時に火炉11内の輻射熱を受けて急激に温度上昇する。この温度上昇により、油噴霧粒子Poでは、熱分解により揮発分Gを放出するガス化が行われる。
燃焼プロセスの第2段階において、油噴霧粒子Poは、時間経過に伴って火炉11内のさらに高温の領域へ移動し、ガス化した揮発分Gが燃焼する。また、揮発分Gの燃焼と同時に、油噴霧粒子Poの残留固形物である粒子状のチャーCが温度上昇して高温化する。この時点が最も高温の領域となり、揮発分Gの燃焼は完了し、さらに、炭素分を主体とするチャーCの燃焼が開始される。
そして、さらに時間が経過した第3段階において、チャーC及び揮発分Gに分解された油噴霧粒子Poは、揮発分Gの消失により残ったチャーCが火炉11内を移動し、第2段階より温度の低い領域に到達する。このため、チャーCの燃焼は、最も高温の領域から温度低下した領域で行われることとなり、最終段階では、未燃分の粒子及び灰よりなる煤塵Caが火炉11の外部へ排出される。
このような燃焼プロセスは、第1段階の開始(油噴霧粒子Poの火炉投入)から最終段階となる煤塵Caの排出まで2秒程度の短時間で完結する。特に、揮発分Gが燃焼して最高温度に到達するまでの時間は0.2秒程度と極めて短時間であり、この間に高温に晒されたチャーCは、その反応性が低下して煤塵Caとして排出される割合が多くなる。
しかし、本実施形態の燃焼方法では、重質油噴霧器21の周辺から供給される一次空気の空気量が、すなわち、油噴霧粒子Poと最初に接する一次空気の空気量が、油噴霧粒子Poの揮発分Gを燃焼させるために必要な理論空気量以下に設定されることから、初期の空気拡散を遅らせることができる。このため、燃焼バーナ20の周辺では、空気量の減少によって燃焼温度が低下する。
また、二次空気及び三次空気の空気量は、一次空気による燃焼領域の最高温度を超えないよう段階的に供給されるため、最高燃焼温度を低下させることができる。
この結果、図1に示す燃焼プロセスにおいて、ガス化した揮発分Gが燃焼を完了する第2段階で到達する最高燃焼温度を低下させることができ、従って、チャーCが煤塵Caとなって排出されるまでの間に晒される最高温度は低下することとなる。
このようにして、チャーCが晒される最高温度が低下すると、チャーCの反応性低下を抑制できる。換言すれば、チャーCが火炉11内で晒される最高温度の低下は、チャーCの反応性を向上させるので、未燃分の減少により重質油焚きボイラ10から排出される煤塵Caの量が低減する。
ところで、上述した、油噴霧粒子Poの揮発分Gを燃焼させるために必要な理論空気量は、油噴霧粒子Poの残留炭素量と、重質油燃料(油燃料)の成分分析により得られる炭素(C)、水素(H)及び酸素(O)の割合とにより算出される。
重質油焚きボイラ10等のボイラにおいては、使用する燃料の成分分析を行うことが一般的であるから、この成分分析で得られた値を使用すればよい。また、油噴霧粒子Poの残留炭素量についても、事前の試験研究等により得ることができる。
また、上述した一次空気の供給量は、使用する重質油にもよるが、理論空気量の5〜50%であることが望ましい。例えば重質油としてアスファルトを使用する場合、固形分が20〜30重量%程度であり、残りの70〜80重量%程度が揮発分であるから、この場合の一次空気量は、揮発分を燃焼させるのに必要となる理論空気量の5〜50%まで低減することが望ましい。
また、上述した実施形態では、一次空気の全量を空気としたが、空気に含まれる酸素割合が多いことから、例えば一次空気量を理論空気量の50%程度まで低減すると、一次空気量の減少によって保炎に必要な流速の確保が困難になることも考えられる。
そこで、一次空気の一部または全量に、酸素割合が空気より低い再循環ガスを供給することにより、燃焼初期の酸素拡散を遅らせるとともに、保炎に必要なガス流量を確保することができる。すなわち、酸素割合の低い再循環ガスを一次空気に混入する場合や、一次空気として再循環ガスを全量投入する場合には、理論空気量の酸素量(理論酸素量)を確保するためには、再循環ガス供給量を増す必要がある。
この結果、一次空気として重質油噴霧器21の周囲を流れる空気及び再循環ガスの総流量、または、再循環ガスの総流量が増加するので、バーナ20の保炎に必要な流速の確保が可能になる。
ところで、通常の再循環ガスは、空気より少ない2〜5%程度の酸素を含んであり、従って、一次空気の全量を再循環ガスにしても重質油燃料の燃焼は可能である。なお、一次空気に再循環ガスを使用する場合の燃焼プロセスは、図1に基づく燃焼プロセスの説明において、空気を酸素と読み替えればよい。
また、本実施形態の重質油焚きボイラ10は、微粒化された油噴霧粒子Poを含む混合流体を燃焼用空気とともに火炉11内へ噴射投入して燃焼させる際に、上述した燃焼方法により重質油燃料を燃焼させる燃焼バーナ20を備えているので、重質油噴霧器21の周辺における一次空気量を低減し、燃焼初期の空気拡散(または酸素拡散)を遅らせることができる。この結果、燃焼バーナ20の近傍では、燃焼温度が低減され、かつ、最高燃焼温度も低減されるため、油噴霧粒子Poに含まれるチャーCの反応性低下を抑制できる。
このように、チャーCの反応性低下が抑制された重質油焚きボイラ10は、最終的にボイラから排出される煤塵量Caを低減することが可能になる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、たとえば二次空気以降の空気が二次空気及び三次空気に限定されないなど、その要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
10 重質油焚きボイラ
11 火炉
12 燃焼装置
13 燃料供給配管
14 燃料供給源
15,18 流量調整弁
16 蒸気供給配管
17 蒸気供給源
20 燃焼バーナ
21 重質油噴霧器(燃料噴霧器)
22 オイルアトマイザ
22a 噴出孔
23 ハウジングチューブ
23a 空気取入孔
24 スワラー
25,27 空気通路
26 バーナスロート
28 可変式空気ダンパ
31 煙道

Claims (5)

  1. 燃焼バーナの燃料噴霧器に重質油燃料及び微粒化流体を導入して混合し、微粒化された重質油噴霧粒子を含む混合流体を燃焼用空気とともに火炉内へ噴射投入して燃焼させる重質油焚きボイラの燃焼方法であって、
    前記燃焼用空気が、前記重質油噴霧粒子の揮発分を燃焼させるために必要な理論空気量以下に設定されて前記燃料噴霧器の周辺から供給される一次空気の空気量と、
    前記一次空気による燃焼領域の最高温度を超えないよう段階的に供給される二次空気以降の空気量と、に調整して供給されることを特徴とする重質油焚きボイラの燃焼方法。
  2. 前記理論空気量は、前記重質油噴霧粒子の残留炭素量と、前記重質油燃料の成分分析により得られる炭素、水素及び酸素の割合と、により算出されることを特徴とする請求項1に記載の重質油焚きボイラの燃焼方法。
  3. 前記一次空気の供給量は、前記理論空気量の5〜50%であることを特徴とする請求項1または2に記載の重質油焚きボイラの燃焼方法。
  4. 前記一次空気の一部または全量を再循環ガスであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の重質油焚きボイラの燃焼方法。
  5. 燃料噴霧器に重質油燃料及び微粒化流体を導入して混合し、微粒化された重質油噴霧粒子を含む混合流体を燃焼用空気とともに火炉内へ噴射投入して燃焼させる際に、請求項1から4のいずれか1項に記載の重質油焚きボイラの燃焼方法により前記燃焼用空気を調整して前記重質油燃料を燃焼させる燃焼バーナを備えていることを特徴とする重質油焚きボイラ。
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