JP2015124211A - キナゾリノン誘導体 - Google Patents

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Yusuke Tsuda
佑介 津田
孝幸 深谷
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孝幸 深谷
克志 北原
Katsushi Kitahara
克志 北原
中井 陽子
Yoko Nakai
陽子 中井
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Abstract

【課題】5−HT5A受容体への作用を有し、統合失調症、不安障害、注意欠陥多動性障害等の5−HT5A受容体が関与する精神疾患及び神経変性疾患の治療剤及び/又は予防剤として有用な新規化合物を提供する。【解決手段】式(I)で表される化合物またはその薬学上許容される塩。[式中、A−Bは、CY2−CY3、CY2−NまたはN−CY3を表し、R1およびR2は、各々独立して、水素原子、C1−10アルキル、C3−10シクロアルキル、4〜10員の飽和複素環、アリール、ヘテロアリール等を表し、Xは、ヘテロアリール等を表し、Y1は、水素原子、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、水酸基、シアノ、ニトロ、C1−6アルキル、C3−10シクロアルキル、4〜10員の飽和複素環、アリール、ヘテロアリール、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルカルボニル等を表す。]【選択図】なし

Description

本発明は、セロトニン5A受容体(以下、5−HT5A受容体と称することもある)調節作用を有する医薬として有用な新規なキナゾリノン誘導体及びそれを含有する医薬組成物に関する。より詳しくは、統合失調症、不安障害、気分障害、注意欠陥多動性障害、自閉症、薬物依存症、てんかん、疼痛、睡眠障害、アルツハイマー型認知症、レビー小体認知症、血管性認知症、双極性障害、パーキンソン病等の5−HT5A受容体が関与する精神疾患および神経変性疾患の治療剤として有用な新規なキナゾリノン誘導体及びそれを含有する医薬組成物に関する。
神経伝達物質であるセロトニンは情動、認知機能、睡眠や摂食行動を含む様々な機能に関与している。セロトニンの受容体は多くのサブタイプが存在することが知られているが、その一つである5−HT5A受容体は、特に脳に多く発現しているG proteincoupled receptorとして同定されている(非特許文献1を参照)。5−HT5A受容体の遺伝子多型の解析によって、5−HT5A受容体は統合失調症、双極性障害、うつ病において関与が示唆されており(非特許文献2及び3を参照)、実際にその脳内における発現は大脳皮質、海馬、扁桃体、小脳など記憶や情動に関わる部分に多く認められる(非特許文献4、5及び6を参照)。また動物モデルでは、5−HT5A受容体アンタゴニストがVogel型葛藤試験において抗不安様作用を示すことや統合失調症の陽性症状モデルであるMK−801による自発運動量の増加を抑制することが報告されている(非特許文献7及び8を参照)。またマイクロダイアリシスの検討では、5−HT5A受容体アンタゴニスト投与後の前頭前皮質内側部のアセチルコリン量が増加することも報告されており(非特許文献9を参照)、アルツハイマーや統合失調症などの認知機能改善にも有効であることが予想される。さらに5−HT5A受容体アンタゴニストの投与による検討から、5−HT5A受容体が概日リズムのコントロールに関与していること(非特許文献10を参照)や、5−HT5A受容体ノックアウトマウスを用いた検討から、精神病様症状を示すLSDによる運動量の増加を抑制すること(非特許文献11を参照)も報告されている。以上のことから5−HT5A受容体に結合し、その機能を調節する薬剤は統合失調症をはじめとする精神疾患および神経変性疾患に効果がある薬剤として期待される。
5−HT5A受容体に作用する化合物としては、下記で示す構造を有する化合物が開示されている(特許文献1を参照)。しかしながら、下記に示す構造で示される化合物はXが―Z−Wで置換されていることが特徴の一つとして挙げられ、窒素上の置換基が水素原子に限定される本願発明の化合物とは構造が異なるものである。
Figure 2015124211
また、これまでに種々の5−HT5A受容体に作用する化合物が知られているが、それらは本願発明の化合物とは化学構造が明らかに異なるものである。
米国特許出願公開第2010041698号
FEBS Letters(1994)355,242−246 Molecular Psychiatry(2001)6,217−219 Neuroreport(2000)11,2017−2020 Molecular Brain Research(1998)56,1−8 Brain Research(2000)867,131−142 The EMBO Journal(1992)11,4779−4786 36th Annual meeting of the society for Neuroscience(2006)発表演題要旨、演題番号33.3 36th Annual meeting of the society for Neuroscience(2006)発表演題要旨、演題番号529.26 36th Annual meeting of the society for Neuroscience(2006)発表演題要旨、演題番号33.2 European Neuropsychopharmacology(2009)19,887−897 Neuron(1999)22,581−591
本発明が解決しようとする課題は、5−HT5A受容体への作用を有し、統合失調症、不安障害、注意欠陥多動性障害等の5−HT5A受容体が関与する精神疾患及び神経変性疾患の治療剤及び/又は予防剤として有用な新規化合物を提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、下記式(I)で表される新規化合物が5−HT5A受容体への作用を有することを見出し、本発明を完成させた。本発明によれば、下記式(I)で表されるキナゾリノン誘導体(以下、「本発明の化合物」と称することもある。)が提供される。
[項1]
下記式(I):
Figure 2015124211
[式中、
A−Bは、CY−CY、CY−NまたはN−CYを表し、
およびRは、各々独立して、水素原子、C1−10アルキル、C3−10シクロアルキル、4〜10員の飽和複素環、アリール、ヘテロアリール、C3−10シクロアルキル−Q−C1−6アルキレン−、4〜10員の飽和複素環−Q−C1−6アルキレン−、アリール−Q−C1−6アルキレン−またはヘテロアリール―Q−C1−6アルキレン−を表すか、またはRおよびRは一緒になって、それらが結合する窒素原子とともに4〜10員の飽和複素環を表し、
ここにおいて、該アルキル、該シクロアルキル、該アルキレンおよび該飽和複素環は、各々独立して、フッ素、水酸基、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルカルボニル、C3−6シクロアルキルカルボニル、C1−6アルコキシカルボニル、4〜10員の飽和複素環−カルボニル、−CONR、−NRおよび−NRCORからなる群から選択される同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよく、
ここにおいて、該アリールおよび該へテロアリールは、各々独立して、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、水酸基、シアノ、ニトロ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、4〜10員の飽和複素環、C1−6アルキルカルボニル、C3−6シクロアルキルカルボニル、C1−6アルコキシカルボニル、4〜10員の飽和複素環−カルボニル、−CONR、−NR、−NRCOR、−SOおよび−SONRからなる群から選択される同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよく、
ただしRおよびRは、同時に水素原子を表すことはなく、
Qは、単結合、−NR−または−O−を表し、
Xは、
(1)A−BがCY−CYを表すとき、ヘテロアリールを表し、
ここにおいてXは、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、水酸基、シアノ、ニトロ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、4〜10員の飽和複素環、C1−6アルキルカルボニル、C3−6シクロアルキルカルボニル、C1−6アルコキシカルボニル、4〜10員の飽和複素環−カルボニル、−CONR、−NR、−NRCOR、−SO、−SONRおよび−L−Zからなる群から選択される同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよく、
(2)A−BがCY−NまたはN−CYを表すとき、アリールまたはヘテロアリールを表し、
ここにおいてXは、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、水酸基、シアノ、ニトロ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルカルボニル、C1−6アルコキシカルボニル、−CONR、−NR、−NRCOR、−SO、−SONRおよび−L−Zからなる群から選択される同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよく、
Lは、単結合、C1−4アルキレン、−NR−、−NRCO−、−CONR−、−O−、―S−または―CO−を表し、
Zは、C3−10シクロアルキル、4〜10員の飽和複素環、アリールまたはヘテロアリールを表し、
Zにおける、該シクロアルキルおよび該飽和複素環は、各々独立して、フッ素、水酸基、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルカルボニル、C1−6アルコキシカルボニル、−CONR、−NR及び−NRCORからなる群から選択される同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよく、
Zにおける、該アリールおよび該へテロアリールは、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、水酸基、シアノ、ニトロ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルカルボニル、C1−6アルコキシカルボニル、−CONR、−NR、−NRCOR、−SOおよび−SONRからなる群から選択される同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよく、
、YおよびYは、各々独立して、水素原子、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、水酸基、シアノ、ニトロ、C1−6アルキル、C3−10シクロアルキル、4〜10員の飽和複素環、アリール、ヘテロアリール、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルカルボニル、C3−6シクロアルキルカルボニル、C1−6アルコキシカルボニル、4〜10員の飽和複素環−カルボニル、−CONR、−NR、−NRCOR、−SOまたは−SONRを表し、
ここにおいて、該アルキル、該シクロアルキルおよび該飽和複素環は、各々独立して、フッ素、水酸基およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよく、
ここにおいて、該アリールおよび該へテロアリールは、各々独立して、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、水酸基、シアノ、ニトロ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、4〜10員の飽和複素環、C1−6アルキルカルボニル、C3−6シクロアルキルカルボニル、C1−6アルコキシカルボニル、4〜10員の飽和複素環−カルボニル、−CONR、−NR、−NRCOR、−SOおよび−SONRからなる群から選択される同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよく
およびRは、それぞれ独立して、水素原子またはC1−6アルキルを表し、
ここにおいて、該アルキルは、フッ素、水酸基およびC1−6アルコキシからなる群から選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい]
で表される化合物又はその製薬学的に許容される塩。
[項2]
Xがヘテロアリールである、項1に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩。
[項3]
、YおよびYが、各々独立して、水素原子、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、水酸基、シアノ、C1−6アルキル、アリール、ヘテロアリール、C1−6アルコキシまたは−NRを表す、項1〜2のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩。
[項4]
Lが、単結合、−NR−、−NRCO−または−O−、を表す、項1〜3のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩。
[項5]
Lが、単結合を表す、項1〜4のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩。
[項6]
およびRが、各々独立して、C1−10アルキル、C3−10シクロアルキル、4〜10員の飽和複素環、アリール、ヘテロアリール、C3−10シクロアルキル−Q−C1−6アルキレン−、4〜10員の飽和複素環−Q−C1−6アルキレン−、アリール−Q−C1−6アルキレン−またはヘテロアリール―Q−C1−6アルキレン−を表す、項1〜5のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩。
[項7]
A−BがCY−CYである、項1〜6のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩。
[項8]
A−BがCY−Nである、項1〜6のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩。
[項9]
A−BがN−CYである、項1〜6のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩。
[項10]
A−Bが、CY−CYまたはCY−Nを表し、
およびRが、各々独立して、水素原子、C1−10アルキル、C3−10シクロアルキル、4〜10員の飽和複素環、アリール、ヘテロアリール、C3−10シクロアルキル−Q−C1−6アルキレン−、4〜10員の飽和複素環−Q−C1−6アルキレン−、アリール−Q−C1−6アルキレン−またはヘテロアリール―Q−C1−6アルキレン−を表し、ただしRおよびRは、同時に水素原子を表すことはなく、
Qが、単結合、−NR−または−O−を表し、
Xが、ヘテロアリールを表し、
およびYが、各々独立して、水素原子、ハロゲン、C1−6アルコキシを表し、
が、水素原子またはC1−6アルキルを表す、項1に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩。
[項11]
項1〜10のいずれか一項に記載の化合物又はそれらの製薬学的に許容される塩を含有する医薬組成物。
[項12]
項1〜10のいずれか一項に記載の化合物又はそれらの製薬学的に許容される塩を有効成分とする5−HT5A受容体調節剤。
[項13]
項1〜10のいずれか一項に記載の化合物又はそれらの製薬学的に許容される塩を有効成分とする統合失調症、不安障害、注意欠陥多動性障害、自閉症、気分障害、薬物依存症、睡眠障害、認知症又はパーキンソン病に対する治療剤。
本発明化合物は、5−HT5A受容体への作用を有するため、5−HT5A受容体が関与する疾患又は症状の治療剤又は予防剤を提供することができる。より詳しくは、統合失調症、不安障害、気分障害、注意欠陥多動性障害、自閉症、薬物依存症、てんかん、疼痛、睡眠障害、アルツハイマー型認知症、レビー小体認知症、血管性認知症、双極性障害、パーキンソン病等に対する治療剤及び/又は予防剤として有用である。
以下に、本発明をさらに詳細に説明する。
なお、本明細書において、「置換されていてもよい」もしくは「置換されている」で定義される基における置換基の数は、置換可能であれば特に制限はなく、1または複数である。また、特に指示した場合を除き、各々の基の説明はその基が他の基の一部分または置換基である場合にも該当する。
また本明細書において、例えば、C1−10アルキル、C3−10シクロアルキル、4〜10員の飽和複素環、アリール、ヘテロアリールは、それぞれC1−10アルキル基、C3−10シクロアルキル基、4〜10員の飽和複素環基、アリール基、ヘテロアリール基と同じであり、他の置換基の場合も同様である。
式(I)の化合物は、1個又は場合によりそれ以上の不斉炭素原子を有する場合があり、また幾何異性や軸性キラリティを生じることがあるので、複数の立体異性体として存在することがある。本発明においては、これらの立体異性体、それらの混合物及びラセミ体は本発明の式(I)で表される化合物に包含される。
本発明にはまた、式(I)の化合物と同一(化合物中の1個以上の原子を天然に通常見られる原子質量又は質量数とは異なる原子質量又は質量数を有する原子によって置き換えたという事実を除いて)である同位体標識した化合物、及びその製薬学的に許容される塩も本発明に含まれる。本発明の化合物に含まれる同位体の例は、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、臭素、及び塩素の同位体、例えばそれぞれH、H、11C、13C、14C、13N、15N、18O、17O、15O、18F、75Br、76Br、77Br、82Br、及び36Clのような同位体を含む。前述の同位体及び/又は他の原子の他の同位体を含有する本発明の化合物、及びその薬学上許容される塩も本発明に含まれる。
さらに、ジュウテリウム、すなわちHのような重い同位体による置換は、増大した代謝安定性に起因するある種の治療的利点をもたらすことができる。例えばインビボにおける半減期の延長又は用量要件の低減がもたらされるため状況によっては好適であり得る。
製薬学的に許容される塩としては、酸付加塩および塩基付加塩が挙げられる。例えば、酸付加塩としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、酢酸塩、ギ酸塩、プロピオン酸塩、安息香酸塩、トリフルオロ酢酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、酒石酸水素塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、ピルビン酸塩、グルコン酸塩、サッカラート、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、パラトルエンスルホン酸塩、パモエート[1,1’−メチレン−ビス−(2−ヒドロキシ−3−ナフトエート)]等の有機酸塩が挙げられる。塩基付加塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩等の無機塩基塩、トリエチルアンモニウム塩、トリエタノールアンモニウム塩、ピリジニウム塩、ジイソプロピルアンモニウム塩等の有機塩基塩等が挙げられる。また、アルギニン塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩などの塩基性アミノ酸塩あるいは酸性アミノ酸塩を挙げることができる。好ましい塩としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、ピルビン酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩が挙げられる。
本発明の化合物は、水和物及び/又は溶媒和物の形で存在することもあるので、これらの水和物及び/又は溶媒和物もまた本発明の化合物に包含される。
一般式(I)で表される化合物およびその製薬学的に許容される塩には、結晶多形が存在する場合があり、その結晶多形も本発明に包含される。
本明細書における用語について以下に説明する。
「アルキル」とは、直鎖状又は分枝鎖状の飽和炭化水素基を意味し、例えば、「C1−4アルキル」、「C1−6アルキル」又は「C1−10アルキル」とは炭素原子数が1〜4、1〜6又は1〜10のアルキルを意味する。その具体例として、例えば「C1−6アルキル」の場合には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル等が挙げられ、「C1−10アルキル」の場合には、前記に加えて、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル等が挙げられる。
「シクロアルキル」とは、単環又は多環式飽和炭化水素を意味し、例えば「C3−6シクロアルキル」又は「C3−10シクロアルキル」とは炭素原子数が3〜6又は3〜10の環状アルキルを意味する。その具体例として、「C3−6シクロアルキル」の場合には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロへキシルが挙げられ、「C3−10シクロアルキル」の場合には、前記に加えて、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル又はシクロデシルが挙げられる。
「4〜6員の飽和複素環基」又は「4〜10員の飽和複素環基」とは、炭素原子以外に1〜3個の窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を含む5〜6個又は4〜10個の原子で構成される飽和複素環基を意味し、一部不飽和である複素環基も含まれる。その具体例として、「4〜6員の飽和複素環基」の場合には、例えば、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,2,5,6−テトラヒドロピリジン等が挙げられる。「4〜10員の飽和複素環基」の場合には、前記に加えて、ホモピペリジン等が挙げられる。また、飽和複素環の2価基とは、上記で挙げた飽和複素環基に対応する2価の基を意味する。
「アリール」としては、具体的にはベンゼン、ナフタレン、インダン、5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン等が挙げられる。一部飽和している環を形成する、すなわち、環状にCHが含まれる2環性構造がある場合は、CHがカルボニルに置き換わったものも含まれる。
「ヘテロアリール」としては、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群から独立して選択される1〜4個の原子を含む、単環の5〜7員環の芳香族複素環基又は2環の8〜11員の芳香族複素環基が挙げられる。具体的にはピリジル、ピリダジニル、イソチアゾリル、ピロリル、フリル、チエニル、チアゾリル、イミダゾリル、ピリミジニル、チアジアゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピラジニル、トリアジニル、トリアゾリル、イミダゾリジニル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、インドリル、インダゾリル、クロメニル、キノリル、イソキノリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンズイミダゾリル等が挙げられる。好ましくは、単環の5〜7員環の芳香族複素環基が挙げられ、より好ましくは、ピリジル、ピリダジニル、イソチアゾリル、ピロリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピリミジニル、チアジアゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピラジニル、トリアジニル、トリアゾリル、イミダゾリジニル、オキサジアゾリル、トリアゾリル又はテトラゾリルが挙げられる。
「アルキレン」とは、直鎖状又は分枝鎖状の2価の飽和炭化水素基を意味する。例えば、「C1−4アルキレン」、「C1−6アルキレン」とは、炭素原子数が1〜4又は1〜6のアルキレンを意味し、その具体例として、「C1−4アルキレン」の場合には、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、2−メチルエチレン等が挙げられ、「C1−6アルキレン」の場合には、前記に加えて、ペンチレン、イソペンチレン、イソブチレン、sec−ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン等が挙げられる。好ましくは、メチレン、エチレン、プロピレン又はブチレンが挙げられる。
「アルコキシ」とは、直鎖状又は分枝鎖状の飽和炭化水素基が酸素原子を介して結合している基を意味し、例えば、「C1−6アルコキシ」、「C1−4アルコキシ」とは炭素原子数が1〜6又は1〜4のアルコキシを意味する。その具体例として、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブチルオキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等が挙げられる。好ましくは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ又はイソプロポキシが挙げられる。
「ハロゲン」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を意味する。好ましくは、フッ素原子、塩素原子又は臭素原子が挙げられる。より好ましくは、フッ素原子又は塩素原子が挙げられる。
「アルキルカルボニル」とは、カルボニルに直鎖又は分枝状のアルキルが直結した基を意味し、例えば、「C1−6アルキルカルボニル」とはカルボニルに炭素原子の数が1〜6のアルキルが直結した基を意味する。具体的には「C1−6アルキルカルボニル」の場合には、アセチル、プロピオニル、ブチリル、バレリル、ピバロイル等が挙げられる。好ましくは、アセチル、プロピオニル又はブチリルが挙げられる。
「シクロアルキルカルボニル」とは、カルボニルに単環又は多環式飽和炭化水素が直結した基を意味し、例えば、「C3−6シクロアルキルカルボニル」とはカルボニルに炭素原子の数が3〜6の環状アルキルが直結した基を意味する。具体的には、シクロプロピルカルボニル、シクロブチルカルボニル、シクロペンチルカルボニル又はシクロへキシルカルボニル等が挙げられる。
「アルコキシカルボニル」とは、カルボニルに直鎖状又は分枝鎖状の飽和炭化水素基が酸素原子を介して結合している基を意味し、例えば、「C1−6アルコキシカルボニル」とは炭素原子数が1〜6のアルコキシ基を有するアルコキシカルボニルを意味する。その具体例として、「C1−6アルコキシカルボニル」の場合には、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブチルオキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、イソペンチルオキシカルボニル、ネオペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニル等が挙げられる。好ましくは、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル又はイソプロポキシカルボニルが挙げられる。
「C3−10シクロアルキル−Q−C1−6アルキレン−」とは、C1−6シクロアルキルの1個の水素原子がC3−10シクロアルキルと単結合またはリンカーを挟んで置き換わった基を意味する。置き換わる位置は末端に限らず任意の位置である。「C3−10シクロアルキル−Q−C1−6アルキレン−」と同様に「4〜10員の飽和複素環基−Q−C1−6アルキレン−」、「アリール−Q−C1−6アルキル−」および「ヘテロアリール−Q−C1−6アルキル−」等の各後者の置換基の1個の水素原子が各前者の基と単結合またはリンカーを挟んで置き換わった基を意味する。
式(I)で表される本発明の化合物の中でも、A,B、R〜R、X、Y〜Y、L、Q及びZで、好ましいものは以下のとおりであるが、本発明の技術的範囲は下記に挙げる化合物の範囲に限定されるものではない。
A−Bとして好ましくは、CY−CYまたはCY−Nが挙げられ、より好ましくはCY−Nが挙げられる。
およびRとして好ましくは、各々独立して、C1−10アルキル、C3−10シクロアルキル、4〜10員の飽和複素環、アリール、ヘテロアリール、C3−10シクロアルキル−Q−C1−6アルキレン−、4〜10員の飽和複素環−Q−C1−6アルキレン−、アリール−Q−C1−6アルキレン−またはヘテロアリール―Q−C1−6アルキレン−が挙げられ、より好ましくは、各々独立して、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルキル−Q−C1−6アルキレン−、4〜6員の飽和複素環−Q−C1−6アルキレン−、アリール−Q−C1−6アルキレン−またはヘテロアリール―Q−C1−6アルキレン−が挙げられる。さらに好ましくは各々独立して、C1−4アルキル、C3−6シクロアルキル−Q−C1−4アルキレン−、4〜6員の飽和複素環−Q−C1−4アルキレン−、アリール−Q−C1−4アルキレン−またはヘテロアリール―Q−C1−4アルキレン−が挙げられる。
およびRとして好ましくは、それぞれ独立して、C1−6アルキルが挙げられ、より好ましくは、C1−4アルキルが挙げられる。
Xとして好ましくは、ヘテロアリールが挙げられ、より好ましくは、単環の5〜7員環の芳香族複素環基が挙げられ、さらに好ましくは、ピリジル、ピリダジニル、イソチアゾリル、ピロリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピリミジニル、チアジアゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピラジニル、トリアジニル、トリアゾリル、イミダゾリジニル、オキサジアゾリル、トリアゾリル又はテトラゾリルが挙げられ、最も好ましくはピラゾリルが挙げられる。
、YおよびYとして好ましくは、各々独立して、水素原子、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、水酸基、シアノ、C1−6アルキル、アリール、ヘテロアリール、C1−6アルコキシまたは−NRが挙げられ、より好ましくは各々独立して、水素原子、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシまたは−NRが挙げられ、さらに好ましくは、各々独立して、水素原子、ハロゲン及びC1−4アルコキシが挙げられる。
Lとして好ましくは、単結合、−NR−、−NRCO−または−O−が挙げられ、より好ましくは単結合が挙げられる。
Qとして好ましくは、単結合又は―O−が挙げられ、より好ましくは単結合が挙げられる。
Zとして好ましくは、C3−6シクロアルキル、4〜6員の飽和複素環、アリールまたはヘテロアリールが挙げられる。
式(I)で表される好ましい塩としては、化合物の製薬学的に許容される塩である。
式(I)で表される本発明化合物が、各種の酸と塩を形成しうる場合の薬学的に許容される塩としては、、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、安息香酸塩、トリフルオロ酢酸塩、酢酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩等の有機酸塩、又はグルタミン酸塩、アスパラギン酸塩等のアミノ酸塩が挙げられる。好ましくは、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、ピルビン酸塩、メタンスルホン酸塩が挙げられる。
式(I)で表される本発明化合物が、各種の塩基と塩を形成しうる場合の薬学的に許容される塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、又はアンモニウム塩等が挙げられる。好ましくは、ナトリウム塩、カリウム塩が挙げられる。
これらの塩は、式(I)で表される本発明化合物を酸または塩基と混合した後、再結晶などの常法により得ることができる。
なお、本明細書において記載の簡略化のために、次に挙げる略号を用いることもある。p−:para−、n−:normal−、t−:tert−、s−:sec−、i−:iso−、THF:テトラヒドロフラン、DMF:N,N−ジメチルホルムアミド、DMSO:ジメチルスルホキシド、DMSO−d:重ジメチルスルホキシド。
本発明化合物の製造方法
式(I)で表される本発明の化合物は、下記に示す製法1〜3等により製造することができる。式(I)で表される化合物又はその製薬学的に許容される塩は、新規化合物であり、例えば、以下に述べる方法、後述する実施例及びそれに準じた方法によって製造することができる。下記の製法で用いられる化合物は、反応に支障を来たさない範囲において、塩を形成していてもよい。
[製法1]
Figure 2015124211
(式中、A、B、R、R、X及びYは項1に定義される通りであり、Pはカルボン酸の保護基であり、LGは脱離基(例えば塩素、臭素、ヨウ素のようなハロゲン原子、メタンスルホニルオキシのような低級アルキルスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシのようなトリハロゲノメタンスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシのようなアリールスルホニルオキシ基など)であり、R’はメチル基、エチル基のような低級アルキル基である。)
[工程1]
化合物(A−1)のカルボン酸の保護基Pを脱保護することにより、化合物(A−2)を得ることができる。本工程はProtective Groups in Organic Synthesis(Theodora W. Greene, Peter G. M. Wuts著、John Wiley & Sons, Inc.発行、1999年) に記載されている方法等に準じて行うことができる。
[工程2]
化合物(A−2)を、無溶媒下または適当な溶媒中、チオ尿素、エトキシカルボニルイソチオシアナート等と反応させることにより、化合物(A−2)を得ることができる。溶媒の具体例としては、原料化合物の種類や用いる試薬の種類に従って選択されるべきであるが、例えばピリジン、アセトニトリル、アセトン等が挙げられ、単独あるいは混合溶媒として用いることができる。反応温度は用いる原料化合物の種類及び試薬の種類等によって異なるが、通常0℃〜200℃、好ましくは20℃〜150℃である。
[工程3]
化合物(A−3)を、適当な溶媒中、塩基の存在下、式(a)の化合物と反応させることにより、化合物(A−4)を得ることができる。
溶媒の具体例としては、原料化合物の種類や用いる試薬の種類に従って選択されるべきであるが、例えばアセトン、アセトニトリル、1,4−ジオキサン、DMF、THF、DME、水、又はメタノール、エタノール、イソプロパノール、t−ブタノール等のアルコール類等が挙げられ、単独あるいは混合溶媒として用いることができる。塩基の具体例としては、例えば、水素化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。反応温度は用いる原料化合物の種類及び試薬の種類等によって異なるが、通常0℃〜100℃、好ましくは20℃〜70℃である。
[工程4]
化合物(A−4)を、無溶媒下または適当な溶媒中、常圧または加圧下、式(b)のアミン類と求核置換反応を行うことにより、化合物(Ia)を得ることができる。
溶媒の具体例としては、原料化合物の種類や用いる試薬の種類に従って選択されるべきであるが、例えばアセトニトリル、1,4−ジオキサン、THF,DMSO、DMF、NMP、水、又はエタノール、イソプロパノール、t−ブタノール、エチレングリコール等のアルコール類等が挙げられ、単独あるいは混溶媒として用いることができるが、式(b)のアミン類の過剰量で兼ねることも可能である。なお、式(b)の化合物は、塩酸塩等の酸付加塩の形で使用し、反応系中で遊離塩基を生成させてもよい。反応温度は用いる原料化合物の種類及び試薬の種類等によって異なるが、通常約50℃〜約250℃、好ましくは約100℃〜約200℃である。
[製法2]
Figure 2015124211
(式中、A、B、R、R、X及びYは項1に定義される通りであり、Pはカルボン酸の保護基である。)
[工程1]
化合物(A−1)を、適当な溶媒中、エトキシカルボニルイソチオシアナートと反応させることにより、化合物(B−1)を得ることができる。溶媒の具体例としては、原料化合物の種類や用いる試薬の種類に従って選択されるべきであるが、アセトニトリル、アセトン、THF、1,4−ジオキサン、DMF、ピリジン、又はトルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素類等が挙げられ、単独あるいは混合溶媒として用いることができる。反応温度は用いる原料化合物の種類及び試薬の種類等によって異なるが、通常0℃〜150℃、好ましくは20℃〜100℃である。
[工程2]
化合物(B−1)を、適当な溶媒中、縮合剤、塩基の存在下、式(b)のアミン類と反応させることにより、化合物(B−2)を得ることができる。溶媒の具体例としては、原料化合物の種類や用いる試薬の種類に従って選択されるべきであるが、例えばジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、トルエン、THF、1,4−ジオキサン、DME、酢酸エチル、アセトン、アセトニトリル等が挙げられ、単独あるいは混合溶媒として用いることができる。縮合剤の具体例としては、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド・1塩酸塩、N,N’−カルボニルジイミダゾール、ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシトリス(ピロリジノ)ホスホニウム−ヘキサフルオロホスファート、ヘキサフルオロリン酸2−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム(HATU)等が挙げられる。これらの縮合剤は単独で、又は、これら縮合剤と、N−ヒドロキシコハク酸イミド、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾ−1−トリアゾール等のペプチド合成試薬を組み合わせて用いることができる。塩基の具体例としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、酢酸ナトリウム等の塩基性塩類、ピリジン、ルチジン等の芳香族アミン類、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペリジン、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリン等の第三級アミン等が挙げられるが、式(b)のアミン化合物の過剰量で兼ねることも可能である。反応温度は、用いられる原料化合物及び試薬の種類等によって異なるが、通常−20℃〜150℃、好ましくは0〜100℃である。
[工程3]
化合物(B−2)を、無溶媒下または適当な溶媒中、酸の存在下、環化反応を行うことにより、化合物(Ia)を得ることができる。酸の具体例としては塩酸、トリフルオロ酢酸等が挙げられる。溶媒の具体例としては水、又はメタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類が挙げられ、単独あるいは混溶媒として用いることができるが、過剰量の酸で兼ねることも可能である。反応温度は用いる原料化合物の種類及び試薬の種類等によって異なるが、通常0℃〜150℃、好ましくは20℃〜100℃である。
式(A−1)の化合物は公知の化合物を使用するか、公知の化合物の製法に準じて製造したものを使用することができる。以下にその代表的な製造方法を例示する。
[式(A−1)の化合物の製法1]
Figure 2015124211
(式中、A、B、X及びYは項1に定義される通りであり、LG’およびLG”は脱離基であり、Pはカルボン酸の保護基であり、Pはアミノ基の保護基である。)
[工程1]
化合物(C−1)を、適当な溶媒中、塩基の存在下、式(c)のアミン類と求核置換反応を行うことにより、化合物(C−2)を得ることができる。求核置換反応の反応条件は、前記「製法1(工程4)」と同様の条件を用いることができる。
化合物(C−1)は、例えば国際公開第2004/043925号パンフレット、Tetrahedron Letters,2007,48,4123−4126、国際公開第2012/088469号パンフレットなどに記載されている方法により製造、又は市販品として購入できる。
[工程2]
化合物(C−2)を、適当な溶媒中、パラジウム触媒、ホスフィン配位子、塩基の存在下、有機ホウ素化合物、有機亜鉛化合物、有機マグネシウム化合物、有機スズ化合物、又はピラゾール、ピロール、イミダゾール等のヘテロアリール類と反応させることにより、化合物(C−3)を得ることができる。溶媒の具体例としては、原料化合物の種類や用いる試薬の種類に従って選択されるべきであるが、例えばトルエン、THF、1,4−ジオキサン、DME、酢酸エチル、アセトン、アセトニトリル、DMF及び水等が挙げられ、単独あるいは混合溶媒として用いることができる。パラジウム触媒の具体例としては、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム、ビス(t−ブチルホスフィン)パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム等の0価触媒、又はビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム・ジクロリド、酢酸パラジウム、ビス(ジフェニルホスフィノフェロセン)パラジウム・ジクロリド等の2価触媒が挙げられる。ホスフィン配位子の具体例としては、o−トリトリルホスフィン、S−Phos、X−Phos又はtert−ブチルX−Phos等の単座配位型の配位子、DPPF、DPPE、DPPP、DPPB、BINAP、XANT−Phos又はDPE−Phos等の二座配位型の配位子が挙げられる。塩基の具体例としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、酢酸ナトリウム、又はリン酸カリウム等の塩基性塩類が挙げられる。反応温度は、用いられる原料化合物及び試薬の種類等によって異なるが、通常0〜200℃、好ましくは60〜150℃であり、常圧または加圧下に行われる。
[工程3]
化合物(C−3)のアミノ基の保護基Pを脱保護することにより、化合物(A−1)を得ることができる。本工程はProtective Groups in Organic Synthesis(Theodora W. Greene, Peter G. M. Wuts著、John Wiley & Sons, Inc.発行、1999年) に記載されている方法等に準じて行うことができる。
[式(A−1)の化合物の製法2]
Figure 2015124211
(式中、A、B、X及びYは項1に定義される通りであり、LG’は脱離基であり、Pはカルボン酸の保護基である。)
[工程1]
化合物(D−1)を、パラジウム触媒、ホスフィン配位子、塩基の存在下、有機ホウ素化合物、有機亜鉛化合物、有機マグネシウム化合物、有機スズ化合物、又はピラゾール、ピロール、イミダゾール等のヘテロアリール類とカップリング反応、またはピラゾール、ピロール、イミダゾール等のヘテロアリール類と求核置換反応を行うことにより、化合物(D−2)を得ることができる。カップリング反応の反応条件は、前記「化合物(A−1)の製法1(工程2)」と同様の条件を用いることができ、求核置換反応の反応条件は、前記「化合物(A−1)の製法2(工程1)」と同様の条件を用いることができる。
化合物(D−1)は、例えば、Bioorganic and Medicinal Chemistry,1999,7,1743−1754、 Tetrahedron Letters,2005,46,43,7381−7384などに記載されている方法により製造できるか、又は市販品として購入できる。
[工程2]
化合物(D−2)を、適当な溶媒中、パラジウム炭素、ラネーニッケル、酸化白金等の触媒の存在下、水素と反応させることにより、化合物(B−1)を得ることができる。また、本反応は金属(例えば、スズ、亜鉛、鉄)もしくは金属塩(例えば、塩化第一スズ)と酸(例えば、塩酸、酢酸)との組み合わせ、または鉄もしくは塩化第一スズ単独で行うこともできる。溶媒の具体例としては、原料化合物の種類や用いる試薬の種類に従って選択されるべきであるが、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、水、酢酸、ジオキサン、テトラヒドロフラン、DMFが挙げられ、単独あるいは混合溶媒として用いることができる。
反応温度は用いる原料化合物の種類等により異なるが、通常約0℃〜約80℃であり、常圧または加圧下に行われる。
[製法3]
Figure 2015124211
(式中、A、B、R、R、X及びYは項1に定義される通りであり、LG’は脱離基であり、Pはカルボニル基の保護基である。)
[工程1]
化合物(E−1)のカルボニル基を保護基Pで保護することにより、化合物(E−2)を得ることができる。本工程はProtective Groups in Organic Synthesis(Theodora W. Greene, Peter G. M. Wuts著、John Wiley & Sons, Inc.発行、1999年) に記載されている方法等に準じて行うことができる。
[工程2]
化合物(E−2)を、適当な溶媒中、パラジウム触媒、ホスフィン配位子、塩基の存在下、有機ホウ素化合物、有機亜鉛化合物、有機マグネシウム化合物、有機スズ化合物、又はピラゾール、ピロール、イミダゾール等のヘテロアリール類とカップリング反応を行うことにより、化合物(E−3)を得ることができる。カップリング反応条件は、前記「化合物(A−1)の製法1(工程3)」と同様の条件を用いることができる。
[工程3]
化合物(E−3)を、カルボニル基の保護基Pを脱保護することで、化合物(Ia)を得ることができる。本工程はProtective Groups in Organic Synthesis(Theodora W. Greene, Peter G. M. Wuts著、John Wiley & Sons, Inc.発行、1999年) に記載されている方法等に準じて行うことができる。
[化合物(E−1)の製法1]
Figure 2015124211
(式中、A、B、R、R及びYは項1に定義される通りであり、LG’およびLG”は脱離基である。)
[工程1]
化合物(F−1)を、適当な溶媒中、縮合剤および塩基の存在下、グアニジン(d)と縮合反応を行うことにより、化合物(F−2)を得ることができる。縮合反応の条件は、前記「製法2(工程2)」と同様の条件を用いることができる。
化合物(F−1)は例えば、Tetrahedron Letters 2011, 52, 512-514、European Journal of Organic Chemistry 2009, 7, 1371-1376、国際公開第2009/089263号パンフレットなどに記載の方法により製造、又は市販品として購入できる。
グアニジン(d)は例えばJournal of Medicinal Chemistry 2009,52,1204−1208、Journal of the American Chemical Society 2006,28,16044−16045等の記載の方法により製造、または市販品として購入できる。なお、グアニジン(d)は、塩酸塩等の酸付加塩の形で使用し、反応系中で遊離塩基を生成させてもよい。
[工程2]
化合物(F−2)を、適当な溶媒中、塩基と反応させることにより化合物(E−1)を得ることができる。溶媒の具体例としては、原料化合物の種類や用いる試薬の種類に従って選択されるべきであるが、例えばテトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、DMF等が挙げられる。
塩基の具体例としては、例えば、水素化ナトリウム、ナトリウム−tert−ブトキシド、カリウム−tert−ブトキシド、n−ブチルリチウム等が挙げられる。反応温度は用いる原料化合物の種類及び試薬の種類等によって異なるが、通常0℃〜150℃、好ましくは20℃〜100℃である。
[化合物(E−1)の製法2]
Figure 2015124211
(式中、A、B、R、R及びYは項1に定義される通りであり、LG’は脱離基であり、Pはカルボン酸の保護基である。)
[工程1]
化合物(G−1)を、適当な溶媒中、エトキシカルボニルイソチオシアナートと反応させることにより、化合物(G−2)を得ることができる。反応条件は、前記「製法2(工程1)」と同様の条件を用いることができる。
化合物(G−1)は例えば、Journal of Medicinal Chemistry,2006,49,6371−6390、国際公開第2008/036843号パンフレット、国際公開第2005/097805号パンフレット、国際公開第2012/098066号パンフレットなどに記載の方法により製造、又は市販品として購入できる。
[工程2]
化合物(G−2)を、式(b)のアミン類と縮合反応を行うことにより、化合物(G−3)を得ることができる。縮合反応の反応条件は、前記「製法2(工程2)」と同様の条件を用いることができる。
[工程3]
化合物(G−3)を、無溶媒下または適当な溶媒中、酸の存在下、環化反応を行うことにより、化合物(E−1)を得ることができる。環化反応の反応条件は、前記「製法2(工程3)」と同様の条件を用いることができる。
式(I)の化合物のうち、Xがピラゾールである下記式(Ib)の化合物は、下記製造法によって製造することができる。
[製法4]
Figure 2015124211
(式中、A、B、R、R及びYは項1に定義される通りであり、R、RまたはRは水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、水酸基、シアノ、ニトロ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルカルボニル、C1−6アルコキシカルボニル、−CONR、−NR、−NRCOR、−SO、−SONRおよび−L−Z(R、R及び−L−Zは項1に定義される通りである)であり、LG’は脱離基であり、Pはアミノ基の保護基である。)
[工程1]
化合物(E−1)を、無溶媒または適当な溶媒中、常圧または加圧下、式(e)の化合物と求核置換反応を行うことにより、化合物(H−1)を得ることができる。求核置換反応の反応条件は、前記「製法1(工程4)」と同様の条件を用いることができる。
[工程2]
化合物(H−1)を、Protective Groups in Organic Synthesis(Theodora W. Greene, Peter G. M. Wuts著、John Wiley & Sons, Inc.発行、1999年) に記載されている方法等より、アミノ基の保護基Pを脱保護することで、化合物(H−2)を得ることができる。
[工程3]
化合物(H−2)を、無溶媒下または適当な溶媒中、酸の存在下、式(f)の化合物と、環化反応を行うことにより、化合物(Ib)を得ることができる。酸の具体例としては、塩酸、酢酸、トリフルオロ酢酸等が挙げられる。溶媒の具体例としては、水、またはメタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類が挙げられる。反応温度は、用いられる原料化合物及び試薬の種類等によって異なるが、通常0〜200℃、好ましくは60〜150℃である。
式(f)の化合物は例えば、Journal of the American Chemical Society, 2013, 135(25), 9318-9321、Synlett, 2005, 18, 2731-2734、Journal of Medicinal Chemistry, 2003, 46(8), 1546-1553、Tetrahedron, 1997, 53(43), 14793-14806の記載の方法により製造、又は市販品として購入できる。
式(I)の化合物のうち、Xがピラゾールである下記式(Ib)の化合物は、下記製造法によって製造することができる。
[製法5]
Figure 2015124211
(式中、A、B、R、R及びYは項1に定義される通りであり、R、RまたはRは前記「製法5」に記載の定義と同義であり、LG’は脱離基であり、Pはアミノ基の保護基であり、Pはカルボニル基の保護基である。)
[工程1]
化合物(D−2)を、式(e)の化合物と、カップリング反応または求核置換反応を行うことにより、化合物(E−3)を得ることができる。反応条件は、前記「式(A−1)の化合物の製法1(工程2)」、または「製法1(工程4)」と同様の条件を用いることができる。
[工程2]
化合物(I−1)を、Protective Groups in Organic Synthesis(Theodora W. Greene, Peter G. M. Wuts著、John Wiley & Sons, Inc.発行、1999年) に記載されている方法等より、アミノ基の保護基Pを脱保護することで、化合物(I−2)を得ることができる。
[工程3]
化合物(I−2)を、無溶媒下または適当な溶媒中、酸の存在下、式(f)の化合物と、環化反応を行うことにより化合物(I−3)を得ることができる。反応条件は、上記「製法4(工程3)」と同様の条件を用いることができる。
[工程4]
化合物(I−3)を、カルボニル基の保護基Pを脱保護することで、化合物(Ib)を得ることができる。本工程はProtective Groups in Organic Synthesis(Theodora W. Greene, Peter G. M. Wuts著、John Wiley & Sons, Inc.発行、1999年) に記載されている方法等に準じて行うことができる。
光学異性体は、前記製造法の適切な工程で、光学活性カラムを用いた方法、分別結晶化法などの公知の分離工程を実施することで分離することができる。また、出発原料として光学活性体を使用することもできる。
化合物(I)の製薬学的に許容される塩は、上記の製造方法で、化合物(I)の塩が得られる場合はそのまま精製すればよい。また、化合物(I)の遊離塩基が得られる場合は、化合物(I)を適当な溶媒に溶解又は懸濁し、酸を加えて塩を形成させればよい。
本発明の化合物は、後述のとおり、統合失調症をはじめ種々の精神神経疾病に対して有用な治療剤及び/又は予防剤となり得る。本発明の化合物の投与経路としては、経口投与、非経口投与又は直腸内投与のいずれでもよく、その一日投与量は、化合物の種類、投与方法、患者の症状・年齢等により異なる。例えば、経口投与の場合は、通常、ヒト又は哺乳動物1kg体重当たり約0.01〜1000mg、更に好ましくは約0.1〜500mgを1〜数回に分けて投与することができる。静注等の非経口投与の場合は、通常、例えば、ヒト又は哺乳動物1kg体重当たり約0.01mg〜300mg、更に好ましくは約1mg〜100mgを投与することができる。
本発明の化合物は、市販されている統合失調症治療薬などと併用することができる。例えば、アリピラゾール、オランザピン、ケチアピン、リスペリドン、ブロナンセリン、ペロスピロン、パリペリドン、ジプラシドン、アセナピン、イロペリドン、セルティンドール、ルラシドン等の統合失調治療薬と併用することができる。
本発明の化合物は、上記のごとき医薬用途に使用する場合、通常、製剤用担体と混合して調製された製剤の形で投与される。製剤用担体としては、製剤分野において常用され、かつ本発明の化合物と反応しない無毒性の物質が用いられる。具体的には、例えばクエン酸、グルタミン酸、グリシン、乳糖、イノシトール、ブドウ糖、マンニトール、デキストラン、ソルビトール、シクロデキストリン、デンプン、部分アルファー化デンプン、白糖、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルデンプン、カルボキシメチルセルロースカルシウム、イオン交換樹脂、メチルセルロース、ゼラチン、アラビアゴム、プルラン、ヒドロキシプロピルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム、タルク、トラガント、ベントナイト、ビーガム、カルボキシビニルポリマー、酸化チタン、ソルビタン脂肪酸エステル、ラウリル硫酸ナトリウム、グリセリン、脂肪酸グリセリンエステル、精製ラノリン、グリセロゼラチン、ポリソルベート、マクロゴール、植物油、ロウ、プロピレングリコール、エタノール、ベンジルアルコール、塩化ナトリウム、水酸化ナトリウム、塩酸、水等が挙げられる。
剤型としては、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤、懸濁剤、注射剤、坐剤、点眼剤、軟膏剤、塗布剤、貼付剤、吸入剤等が挙げられる。これらの製剤は常法に従って調製することができる。なお、液体製剤にあっては、用時、水又は他の適当な媒体に溶解又は懸濁する形であってもよい。また、錠剤及び顆粒剤は周知の方法でコーティングしてもよい。更に、これらの製剤は治療上価値ある他の成分を含有してもよい。
本発明に係わる化合物又はその製薬学的に許容される塩、あるいは本発明に係わる化合物を含む医薬組成物または製剤は、下記に示した治療薬のうちの少なくとも1つと併用することにより、前述の5−HT5A受容体が関与する精神疾患および神経変性疾患に対するさらなる治療効果が期待される。
すなわち、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(donepezil、galantamine、rivastigmine等)、コリンエステラーゼ阻害剤(huperzineA等)、NMDA受容体拮抗薬(memantine等)、定型抗精神病薬(Haloperidol等)、非定型抗精神病薬(Risperidone、Olanzapine、Quetiapine fumarate、Aripiprazole、Lurasidone hydrochloride等)など精神疾患および神経変性疾患の治療に用いられているその他の薬剤との併用により、さらなる治療効果が期待される。
以下に参考例、実施例及び試験例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これらは本発明を限定するものではない。なお、化合物の同定は元素分析値、マス・スペクトル、高速液体クロマト質量分析計;LCMS、IRスペクトル、NMRスペクトル等により行った。
明細書の記載を簡略化するために参考例、実施例及び実施例中の表において以下に示すような略号を用いることもある。置換基として用いられる略号としては、Meはメチル、Etはエチル、Prはプロピル、Phはフェニル、Bnはベンジル、Acはアセチルを意味する。TFAはトリフルオロ酢酸を意味する。NMRに用いられる記号としては、sは一重線、dは二重線、ddは二重の二重線、tは三重線、tdは三重の二重線、qは四重線、mは多重線、brは幅広い、brsは幅広い一重線、brdは幅広い二重線、brtは幅広い三重線及びJは結合定数を意味する。
プロトン核磁気共鳴スペクトルは、Bruker社製、Varian社製またはJEOL社製FT−NMR測定装置(300MHzまたは400MHz)を用いて測定した。プロトン核磁気共鳴スペクトルには、テトラメチルシランを標準物質としてケミカルシフト値をδ値(ppm)にて記載した。
高速液体クロマト質量分析計;LCMSの測定条件(以下、測定法ともいう)は、以下の通りであり、観察された質量分析の値[MS(m/z)]を[M+1]で、保持時間をRt(分、min)で示す。なお、各実測値においては、測定に用いた測定条件をA〜Cで付記する。例えば、「LC−MS:[M+1]/Rt=284.7/4.36min」と表すとき、測定条件Aで測定したことを表す。
測定条件A
検出機器:APIシリーズ用Agilent 1100シリーズ(applied Biosystems社製)
HPLC:API 150EX LC/MS system(applied Biosystems社製)
Column:YMC CombiScreen Hydrosphere C18
(S−5μm, 12nm, 4.6x50mm)
Solvent:A液:0.05%TFA/HO、B液:0.035%TFA/CHOH
Gradient Condition:
0.0−0.5分;A/B=75:25
1.0−4.7分;A/B=75:25〜1:99(liner gradient)
4.7−5.7分;A/B=1:99
5.7−6.1分;A/B=1:99〜75:25(liner gradient)
6.1−7.1分;A/B=75:25
Flow rate:1.8 mL/分
UV:220nm
カラム温度:40℃
測定条件B
測定機器:Waters ACQUITYTM UltraPerformance LC
カラム:Waters ACQUITYTM UPLC BEH C18
(1.7μm,2.1x30mm)
Solvent:A液:CHCN、B液:0.05%ギ酸/H
Gradient Condition:
0.0分;A/B=10:90
0.0−1.3分;A/B=10:90〜95:5(liner gradient)
Flow rate:0.80mL/分
UV:220、254nm
カラム温度:40℃
測定条件C
測定機器:Agilent,LC:1200,MS:6110
カラム:Xbrige RP−18,5μm,2.1×50mm
Solvent:A液:0.05%アンモニア/HO、B液:CHCN
Gradient Condition:
0.0分;A/B=10:90
0.0−2.0分;A/B=10:90〜80:20(liner gradient)
2.0−2.5分;A/B=80:20
Flow rate:1.0mL/分
UV:220nm
カラム温度:30℃
測定条件D
測定機器:SHIMADZU, LC:20A, MS:2010
カラム:Xtimate C18,2.1×30mm,3μm
Solvent:A液:HO、B液:0.019%TFA/CHCN
Gradient Condition:
0.0分;A/B=10:90
0.0−2.2分;A/B=10:90〜80:20(liner gradient)
2.2−2.5分;A/B=80:20
Flow rate:0.8mL/分
UV:254nm
カラム温度:50℃
測定条件E
測定機器:SHIMADZU, LC:20A, MS:2010
カラム:Xtimate C18,2.1×30mm,3μm
Solvent:A液:HO、B液:0.019%TFA/CHCN
Gradient Condition:
0.0分;A/B=0:100
0.0−2.2分;A/B=0:100〜60:40(liner gradient)
2.2−2.5分;A/B=60:40
Flow rate:0.8mL/分
UV:254nm
カラム温度:50℃
測定条件F
測定機器:SHIMADZU, LC:20A, MS:2010
カラム:Xtimate C18,2.1×30mm,3μm
Solvent:A液:0.038%TFA/HO、B液:0.019%TFA/CHCN
Gradient Condition:
0.0分;A/B=10:90
0.0−2.2分;A/B=10:90〜80:20(liner gradient)
2.2−2.5分;A/B=80:20
Flow rate:0.8mL/分
UV:220nm、254nm
カラム温度:50℃
測定条件G
測定機器:SHIMADZU, LC:20A, MS:2010
カラム:Xtimate C18,2.1×30mm,3μm
Solvent:A液:0.038%TFA/HO、B液:0.019%TFA/CHCN
Gradient Condition:
0.0分;A/B=10:90
0.0−0.9分;A/B=10:90〜80:20(liner gradient)
0.9−1.5分;A/B=80:20
Flow rate:1.2mL/分
UV:220nm
カラム温度:50℃
測定条件H
測定機器:SHIMADZU, LC:20A, MS:2010
カラム:Xtimate C18,2.1×30mm,3μm
Solvent:A液:0.038%TFA/HO、B液:0.019%TFA/CHCN
Gradient Condition:
0.0分;A/B=0:100
0.0−2.2分;A/B=0:100〜60:40(liner gradient)
2.2−2.5分;A/B=60:40
Flow rate:0.8mL/分
UV:254nm
カラム温度:50℃
参考例1
7−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−2−(メチルスルファニル)ピリド[4,3−d]ピリミジン−4(3H)−オンの製造
Figure 2015124211
(1)4,6−ジクロロニコチン酸エチル(3.0g)のDMF(10mL)溶液にトリエチルアミン(5.7mL)および4−メトキシベンジルアミン(1.8mL)のDMF(5mL)溶液を加えた。室温にて18時間撹拌した後、反応液に水(100mL)を加え、酢酸エチル(100mL×3回)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過して、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;ヘキサン/酢酸エチル=100/0〜50/50)で精製し、エチル 6−クロロ−4−[(4−メトキシベンジル)アミノ]ピリジン−3−カルボキシレートを4.21g得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.36 (3H, t, J = 7.2 Hz), 3.79 (3H, s), 4.24-4.40 (4H, m), 6.54 (1H, s), 6.85-6.92 (2H, m), 7.18-7.26 (2H, m), 8.45 (1H, br s), 8.67 (1H, s).
(2)上記生成物(2.32g)の1,4−ジオキサン(35mL)溶液に3,5−ジメチルピラゾール(1.10g)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(660mg)、tert−ブチル XPos(920mg)および炭酸セシウム(6.00g)を加え、21時間加熱還流した。反応液を室温に戻し、水(100mL)を加え、酢酸エチル(150mL×3回)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;ヘキサン/酢酸エチル=100/0〜40/60)で精製し、エチル 6−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−4−[(4−メトキシベンジル)アミノ]ピリジン−3−カルボキシレートを2.41g得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.37 (3H, t, J = 7.2 Hz), 2.28 (3H, s), 2.60 (3H, s), 3.80 (3H, s), 4.32 (2H, q, J = 7.2 Hz), 4.44 (2H, d, J = 5.1 Hz), 5.97 (1H, s), 6.85-6.93 (2H, m), 7.11 (1H, s), 7.24-7.32 (2H, m), 8.27-8.38 (1H, m), 8.80 (1H, s).
(3)上記生成物(2.41g)とトリフルオロ酢酸(100mL)の混合液を70℃にて3時間撹拌した。溶媒を減圧留去した後、残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(120mL)を加え、酢酸エチル(100mL×3回)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、エチル 4−アミノ−6−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)ピリジン−3−カルボキシレートを2.14g得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.40 (3H, t, J = 7.1 Hz), 2.28 (3H, s), 2.63 (3H, s), 4.36 (2H, q, J = 7.2 Hz), 5.97 (1H, s), 7.08 (1H, s), 8.79 (1H, s).
(4)上記生成物(1.64g)のエタノール(40mL)溶液に、2規定水酸化リチウム水溶液(5mL)を加え、室温にて4時間撹拌した。反応液に1.2規定塩酸を加えてpH5とし、クロロホルム/メタノール(9/1)の混合液(100mL×3回)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をアセトニトリル(60mL)およびピリジン(10mL)に溶かし、エトキシカルボニルイソチオシアナート(3.0mL)を滴下した。室温にて22時間撹拌後、析出した結晶をろ取し、アセトニトリルで洗浄し、乾燥して7−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−2−チオキソ−2,3−ジヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−4(1H)−オンを816mg得た。
1H-NMR (DMSO-D6) δ: 2.21 (3H, s), 2.61 (3H, s), 6.17 (1H, s), 7.63 (1H, s), 8.83 (1H, s), 12.63 (1H, br s), 12.85 (1H, br s).
(5)上記生成物(714mg)、1規定水酸化ナトリウム水溶液(10mL)およびアセトン(10mL)の混合液に、ヨウ化メチル(0.179mL)を加え、室温にて2時間撹拌した。アセトンを減圧留去し、残渣を1規定塩酸でpH5とした。析出した結晶をろ取し、水で洗浄し、乾燥して、標記化合物421mgを得た。
1H-NMR (DMSO-D6) δ: 2.21 (3H, s), 2.59 (3H, s), 2.63 (3H, s), 6.17 (1H, s), 7.71 (1H, s), 9.00 (1H, s), 12.89 (1H, br s).
参考例2
2−アミノ−4−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)安息香酸の製造
Figure 2015124211
(1)4−フルオロ―2−ニトロ安息香酸メチル(6.64g)のDMF(40mL)溶液に3,5−ジメチルピラゾール(3.85g)および炭酸カリウム(5.53g)を加え、100℃にて23時間撹拌した。反応液を20−25℃に冷却し、反応液に水(70mL)を加え、酢酸エチル/トルエン(1/1)の混合溶媒(70mL×3回)で抽出した。有機層を水(70mL×2回)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;ヘキサン/酢酸エチル=9/1〜3/1)で精製し、メチル 4−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−2−ニトロベンゾエートを4.40g得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 2.30 (3H, s), 2.44 (3H, s), 3.94 (3H, s), 6.08 (1H, s), 7.80 (1H, dd, J = 8.5, 2.2 Hz), 7.87 (1H, d, J = 8.5 Hz), 8.03 (1H, d, J = 2.2 Hz).
(2)上記生成物(4.33g)のメタノール(40ml)溶液に10%パラジウム炭素(500mg)を加え、水素雰囲気下20−25℃にて4時間攪拌した。反応後、パラジウム炭素を濾別し、ろ液を減圧濃縮してメチル 2−アミノ−4−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)ベンゾエートを3.79g得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 2.29 (3H, s), 2.36 (3H, s), 3.88 (3H, s), 5.85 (2H, br s), 6.00 (1H, s), 6.71 (1H, dd, J = 8.5, 2.0 Hz), 6.80 (1H, d, J = 2.0 Hz), 7.91 (1H, d, J = 8.5 Hz).
(3)上記生成物(215mg)、メタノール(2.0mL)およびTHF(2.0mL)の混合液に2規定水酸化ナトリウム水溶液(2.0mL)を加え、20−25℃にて12時間撹拌した。反応液に2規定塩酸を加え、pH5−6とし、クロロホルム(50mL×3回)で抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで感想後、ろ過し、溶媒を減圧留去し、標記化合物を203mg得た。
LCMS:[M+H]/Rt=232.4/3.75min
参考例3
7−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−イル)−2−(メチルスルファニル)キナゾリン−4(3H)−オンの製造
Figure 2015124211
(1)2−アミノ−4−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)安息香酸<参考例2の化合物>(300mg)のアセトニトリル(6.0mL)溶液に、エトキシカルボニルイソチオシアナート(0.168mL)を加え、12時間加熱還流した。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;ヘキサン/酢酸エチル=100/0〜40/60)で精製し、エチル 7−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−4−オキソ−2−チオキソ−1,4−ジヒドロキナゾリン−3(2H)−カルボキシレートを214mg得た。
LCMS:[M+H]/Rt=345.1/4.78min
(2)上記生成物(214mg)、メタノール(0.6mL)およびTHF(4.3mL)の混合液に、ナトリウムメトキシド5mol/Lメタノール溶液(0.149mL)を加え、60℃にて1時間撹拌した。反応液を酢酸(0.1mL)で中和し、溶媒を減圧留去した。残渣を水で洗浄し、析出した結晶をろ取し、乾燥して、7−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−2−チオキソ−2,3−ジヒドロキナゾリン−4(1H)−オンを155mg得た。
LCMS:[M+H]/Rt=272.9/1.48min
(3)上記生成物(20mg)のエタノール(1.0mL)溶液にナトリウムエトキシド20%エタノール溶液(37.5mg)を加えた後、30分間加熱還流した。反応液を20−25℃に冷却し、ヨウ化メチル(5.5μL)を加え、同温にて30分間撹拌した。反応液に水(30mL)を加え、酢酸エチル(50mL×3回)で抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;クロロホルム/酢酸エチル)で精製し標記化合物14.2mgを得た。
LCMS:[M+H]/Rt=287.3/4.31min
参考例4
メチル 2−({(ジメチルアミノ)[(エトキシカルボニル]アミノ]メチリデン}アミノ)−4−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)ベンゾエートの製造
Figure 2015124211
(1)2−アミノ−4−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)安息香酸<参考例2の化合物>(3.33g)のアセトニトリル(80mL)溶液にエトキシカルボニルイソチオシアナート(1.92mL)を加え、20−25℃にて16時間撹拌した。析出した結晶をろ取し、アセトニトリルで洗浄し、乾燥して、メチル 4−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−2−{[(エトキシカルボニル)カルバノチオニル]アミノ}ベンゾエートを3.34g得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.35 (3H, t, J = 7.2 Hz), 2.30 (3H, s), 2.50 (3H, s), 3.96 (3H, s), 4.34 (2H, q, J = 7.2 Hz), 6.02 (1H, s), 7.55 (1H, dd, J = 8.5, 2.0 Hz), 8.12 (1H, d, J = 8.5 Hz), 8.13 (1H, br s), 8.66 (1H, d, J = 2.0 Hz), 12.88 (1H, s).
(2)上記生成物(400mg)のジクロロメタン(8.0ml)溶液にジメチルアミン塩酸塩(130mg)、N−エチルジイソプロピルアミン(0.735ml)および1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩(265mg)を順次加え、20−25℃にて12時間攪拌した。反応液に水(10mL)を加え、クロロホルム(20mL×3回)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;酢酸エチル/メタノール=1/0〜9/1)で精製し、標記化合物を412mg得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.18 (3H, t, J = 7.2 Hz), 2.28 (3H, s), 2.40 (3H, s), 3.07 (6H, s), 3.94 (3H, s), 4.04 (2H, q, J = 7.2 Hz), 6.01 (1H, s), 7.19 (1H, dd, J = 8.6, 2.0 Hz), 7.56 (1H, d, J = 2.0 Hz), 8.04 (1H, d, J = 8.6 Hz), 10.89 (1H, br s).
参考例5−22
対応する原料化合物を用いて参考例4と同様に反応・処理し、表1〜3に示す化合物を得た。
Figure 2015124211
Figure 2015124211
Figure 2015124211
Figure 2015124211
参考例23
メチル 2−({(ジメチルアミノ)[(エトキシカルボニル]アミノ]メチリデン}アミノ)−4−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メトキシベンゾエートの製造
Figure 2015124211
(1)4−フルオロ−3−メトキシ安息香酸メチル(2.0g)を濃硫酸(10mL)に溶かし、0℃にて濃硝酸(0.7mL)をゆっくり滴下した。30分後、反応液を氷水に注ぎ、クロロホルム(100mL×2回)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;ヘキサン/酢酸エチル=100/1〜40/60)で精製し、メチル 4−フルオロ−5−メトキシ−2−ニトロベンゾエートを1.51g得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 3.91 (3H, s), 3.99 (3H, s), 7.15 (1H, d, J = 7.9 Hz), 7.77 (1H, d, J = 10.3 Hz).
(2)上記生成物(1.51g)のNMP(20mL)溶液に、炭酸カリウム(2.73g)および3,5−ジメチルピラゾール(950mg)を加え、100℃にて15時間撹拌した。反応液を20−25℃に冷却し、水(100mL)を加え、酢酸エチル(100mL×3回)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;ヘキサン/酢酸エチル=100/1〜50/50)で精製し、メチル 4−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メトキシ−2−ニトロベンゾエートを1.16g得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 2.10 (3H, s), 2.27 (3H, s), 3.93 (3H, s), 3.95 (3H, s), 5.99 (1H, s), 7.18 (1H, s), 8.09 (1H, s).
(3)上記生成物(1.10g)、エタノール(50mL)およびメタノール(10mL)の混合液に、10%パラジウム炭素(500mg)を加え、水素雰囲気下4時間攪拌した。反応後、パラジウム炭素を濾別し、ろ液を減圧濃縮してメチル 2−アミノ−4−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)ベンゾエート−5−メトキシベンゾエートを907mg得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 2.11 (3H, s), 2.26 (3H, s), 3.71 (3H, s), 3.88 (3H, s), 5.48 (2H, br s), 5.94 (1H, s), 6.71 (1H, s), 7.44 (1H, s).
(4)上記生成物(907mg)のアセトニトリル(5mL)溶液にエトキシカルボニルイソチオシアナート(0.467mL)を加え、20−25℃にて1時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、残渣をヘキサン/酢酸エチルの混合液で洗浄し、結晶をろ取し、乾燥して、メチル 4−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−2−{[(エトキシカルボニル)カルバモチオイル]アミノ]−5−メトキシベンゾエートを771mg得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.32 (3H, t, J = 7.2 Hz), 2.18 (3H, s), 2.27 (3H, s), 3.85 (3H, s), 3.95 (3H, s), 4.30 (2H, q, J = 7.2 Hz), 5.96 (1H, s), 7.58 (1H, s), 8.05 (1H, br s), 8.33 (1H, s), 12.40 (1H, br s).
(5)上記生成物(250mg)のジクロロメタン(10mL)溶液に、トリエチルアミン(0.128mL)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド・1塩酸塩(177mg)およびジメチルアミン2mol/LTHF溶液(0.462mL)を加え、20−25℃にて15時間撹拌した。反応液に水(30mL)を加え、クロロホルム(50mL×2回)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;ヘキサン/酢酸エチル=50/1〜0/100)で精製し、標記化合物を119mg得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.15 (3H, t, J = 7.2 Hz), 2.05 (3H, s), 2.20 (3H, s), 2.93 (6H, s), 3.74 (3H, s), 3.90 (3H, s), 3.97 (2H, q, J = 7.2 Hz), 5.89 (1H, s), 7.16 (1H, s), 7.49 (1H, s), 10.75 (1H, br s).
参考例24
7−クロロ−2−(ジメチルアミノ)ピリド[4,3−d]ピリミジン−4(3H)−オンの製造
Figure 2015124211
(1)2、4−ジクロロニコチン酸エチル(6.0g)、メタノール(5mL)およびTHF(5mL)の混合液に1規定水酸化ナトリウム水溶液(41mL)加えた。20−25℃にて30分間撹拌後、1規定塩酸を加えてpH4とした。析出した結晶をろ取し、水で洗浄し、乾燥して4,6−ジクロロピリジン−3−カルボン酸を4.79g得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.51 (1H, s), 9.01 (1H, s).
(2)上記生成物(3.50g)のDMF(50mL)溶液にCDI(3.54g)を加え、20−25℃にて15分間撹拌した。反応液にジメチルグアニジン(4.76g)および炭酸セシウム(17.8g)を加え、20−25℃にて15時間撹拌した。反応液に水(150mL)を加え、酢酸エチル(200mL×3回)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;ヘキサン/酢酸エチル=60/40〜0/100)で精製し、4,6−ジクロロ−N−(N,N−ジメチルカルバムイミドイル)ピリジン−3−カルボキサミドを3.74g得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 2.81 (3H, s), 2.89 (3H, s), 7.31 (1H, s), 7.95 (1H, br s), 8.81 (1H, s).
(3)水素化ナトリウム(60%油性、1.71g)のTHF(100mL)懸濁液に、上記生成物(3.74g)を0℃にて少量ずつ加え、窒素雰囲気下18時間加熱還流した。溶媒を減圧留去し、標記化合物を4.52g得た。
LCMS:[M+H]/Rt=225.1/0.591min
参考例25
対応する原料化合物を用いて参考例24と同様に反応・処理し、表4に示す化合物を得た。
Figure 2015124211
参考例28
7−ブロモ−2−(ジメチルアミノ)−5−メトキシキナゾリン−4(3H)−オンの製造
Figure 2015124211
7−ブロモ−2−(ジメチルアミノ)−5−フルオロキナゾリン−4(3H)−オン<参考例27>の化合物(510mg)のDMF(10mL)溶液に、ナトリウムメトキシド(230mg)を加え、70℃にて8時間撹拌した。反応液に水(50mL)を注ぎ、飽和塩化ナトリウム水溶液でpH5とした。析出した結晶をろ取し、水で洗浄し、乾燥して、標記化合物を398mg得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 3.17 (6H, s), 3.94 (3H, s), 6.66 (1H, d, J = 1.7 Hz), 7.16 (1H, d, J = 1.7 Hz), 8.73 (1H, s).
参考例29
7−ブロモ−2−(ジメチルアミノ)キナゾリン−4(3H)−オンの製造
Figure 2015124211
(1)2−アミノ−4−ブロモ安息香酸メチル(5.0g)のアセトニトリル(100mL)溶液に、エトキシカルボニルイソチオシアナート(3.42g)を加え、20−25℃にて12時間撹拌した。析出した結晶をろ取し、アセトニトリルで洗浄し、乾燥して、メチル 4−ブロモ−2−{[(エトキシカルボニル)カルバモチオイル]アミノ}ベンゾエートを5.20g得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.37 (t, 3H, J = 7.6 Hz), 3.96 (s, 3H), 4.35 (q, 2H, J = 7.6 Hz), 7.36-7.48 (m, 1H), 7.90 (d, 1H, J = 8.6 Hz), 8.13 (s, 1H), 8.86 (s, 1H), 12.73 (1H, br s).
(2)上記生成物(2.5g)のジクロロメタン(50mL)溶液に、ジメチルアミン塩酸塩(847mg)、N−エチルジイソプロピルアミン(4.79ml)および1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩(1.72g)を順次加え20−25℃にて6時間攪拌した。反応液に水(100mL)を加え、クロロホルム(100mL×2回)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;ヘキサン/酢酸エチル=1/4〜0/10)で精製し、メチル 4−ブロモ−2−[{(ジメチルアミノ)[(エトキシカルボニル)アミノ]メチリデン}アミノ]ベンゾエートを2.47g得た。
LCMS:[M+H]/Rt=374.4/3.27min
(3)上記生成物(2.47g)に水(2.5mL)およびトリフルオロ酢酸(12.5mL)を加え、80℃にて15時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、析出した結晶をろ取し、乾燥し、標記化合物を1.74g得た。
LCMS:[M+H]/Rt=270.0/2.79min
参考例30
2−[ベンジル(メチル)アミノ]−7−ブロモキナゾリン−4(3H)−オンの製造
対応する原料化合物を用いて参考例29と同様に反応・処理し、以下の化合物を得た。
Figure 2015124211
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.98 (s, 3H), 4.84 (s, 2H), 6.83-6.98 (m, 1H), 7.09-7.40 (m, 6H), 7.62-7.74 (m, 1H).
参考例31
7−クロロ−4−メトキシ−N,N−ジメチルピリド[4,3−d]ピリミジン−2−アミンの製造
Figure 2015124211
7−クロロ−2−(ジメチルアミノ)ピリド[4,3−d]ピリミジン−4(3H)−オン<参考例24の化合物>(3.74g)のTHF(100mL)懸濁液に、炭酸セシウム(9.32g)加え、50℃にて15分間撹拌した後、BOP(12.6g)を加え、20−25℃にて30分間撹拌した。溶媒を減圧留去し、残渣にメタノール(150mL)を加えて室温にて2時間撹拌した。反応液に水(200mL)を加え、クロロホルム(200mL×3回)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;ヘキサン/酢酸エチル=100/0〜40/60)で精製し、標記化合物を2.11g得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 3.28 (6H, s), 4.10 (3H, s), 7.28 (1H, s), 8.86 (1H, s).
参考例32−37
対応する原料化合物を用いて参考例31と同様に反応・処理し、表5〜6に示す化合物を得た。
Figure 2015124211
Figure 2015124211
参考例38
7−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−4−メトキシ−N,N−ジメチルピリド[4,3−d]ピリミジン−2−アミンの製造
Figure 2015124211
7−クロロ−4−メトキシ−N,N−ジメチルピリド[4,3−d]ピリミジン−2−アミン<参考例31の化合物>(2.11g)の1,4−ジオキサン(45mL)溶液に、3,5−ジメチルピラゾール(1.28g)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(324mg)、tert−ブチル XPos(300mg)および炭酸セシウム(8.64g)を加え、21時間加熱還流した。反応液を室温に戻し、水(100mL)を加え、酢酸エチル(150mL×3回)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;ヘキサン/酢酸エチル=100/0〜40/60)で精製し、標記化合物を1.30g得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 2.28 (3H, s), 2.59 (3H, s), 3.27 (6H, s), 4.09 (3H, s), 5.97 (1H, s), 7.66 (1H, s), 8.95 (1H, s).
参考例39−44
対応する原料化合物を用いて参考例38と同様に反応・処理し、表7〜9に示す化合物を得た。
Figure 2015124211
Figure 2015124211
Figure 2015124211
参考例46
4−メトキシ−N,N−ジメチル−7−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]ピリド[4,3−d]ピリミジン−2−アミンの製造
Figure 2015124211
7−クロロ−4−メトキシ−N,N−ジメチルピリド[4,3−d]ピリミジン−2−アミン<参考例31の化合物>(100mg)のDMF(3mL)溶液に、ビス(t−ブチルホスフィン)パラジウム(11mg)、2−トリフルオロフェニルボロン酸(119mg)および炭酸カリウム(174mg)を加え、100℃にて20時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;ヘキサン/酢酸エチル=10/0〜2/3)で精製し、標記化合物を61mg得た。
LCMS:[M+H]/Rt=349.4/1.27min
参考例47
7−(2,5−ジメチルフェニル)−4−メトキシ−N,N−ジメチルピリド[4,3−d]ピリミジン−2−アミンの製造
対応する原料化合物を用いて参考例46と同様に反応・処理し、以下の化合物を得た。
Figure 2015124211
LCMS:[M+H]/Rt=309.4/0.747min
参考例48
7−(4−ブロモ−3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−4−メトキシ−N,N−ジメチルキナゾリン−2−アミンの製造
Figure 2015124211
7−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−4−メトキシ−N,N−ジメチルキナゾリン−2−アミン<参考例40の化合物>(50mg)の酢酸エチル(1.5mL)溶液にN−ブロモスクシンイミド(31mg)を加え、20−25℃にて3時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;ヘキサン/酢酸エチル=100/30〜50/50)で精製し標記化合物を53mg得た。
LCMS:[M+H]/Rt=378.4/3.95min
参考例49
7−[4−(4−フルオロフェニル)−3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル]−4−メトキシ−N,N−ジメチルキナゾリン−2−アミンの製造
Figure 2015124211
7−(4−ブロモ−3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−4−メトキシ−N,N−ジメチルキナゾリン−2−アミン<参考例48の化合物>(20mg)の1,4−ジオキサン(1mL)および水(0.3mL)の混合液に、4−フルオロフェニルボロン酸(8.9mg)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリド−ジクロロメタン錯体(2.2mg)および炭酸ナトリウム(11mg)を加え、100℃にて17時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;ヘキサン/酢酸エチル=50/50〜0/100)で精製し、標記化合物を17mg得た。
LCMS:[M+H]/Rt=392.4/4.20min
参考例50
7−(4−クロロ−3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−フルオロ−4−メトキシ−N,N−ジメチルキナゾリン−2−アミンの製造
Figure 2015124211
7−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−フルオロ−4−メトキシ−N,N−ジメチルキナゾリン−2−アミン<参考例45の化合物>(13.5mg)のDMF(1mL)溶液にN−クロロスクシンイミド(6mg)を加え、80℃にて17時間撹拌した。反応液に水(10mL)を加え、酢酸エチル(10mL×3回)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;ヘキサン/酢酸エチル=30/70〜50/50)で精製し、標記化合物を8mg得た。
LCMS:[M+H]/Rt=350.5/4.28min
参考例51
7−ヒドラジニル−4−メトキシ−N,N−ジメチルキナゾリン−2−アミン 二塩酸塩の製造
Figure 2015124211
(1)7−ブロモ−4−メトキシ−N,N−ジメチルキナゾリン−2−アミン<参考例32の化合物>(100mg)のトルエン(2mL)溶液に、tert−ブチル カルバゼート(187mg)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(16mg)、XANT−Phos(31mg)および炭酸セシウム(231mg)を加え、100℃にて5時間撹拌した。反応液を20−25℃に冷却し、水(10mL)を加え、酢酸エチル(15mL×2回)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;ヘキサン/酢酸エチル=40/60〜0/100)で精製しtert−ブチル 2−[2−(ジメチルアミノ)−4−メトキシキナゾリン−7−イル]ヒドラジンカルボキシレートを99mg得た。
LCMS:[M+H]/Rt=334.6/3.65min
(2)上記生成物(59mg)に4規定塩酸/ジオキサン(1.0mL)を加え、20−25℃にて4時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、標記化合物を58mg得た。
LCMS:[M+H]/Rt=234.0/1.55min
参考例52
エチル 1−[2−(ジメチルアミノ)−4−メトキシキナゾリン−7−イル]−3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシレートの製造
Figure 2015124211
7−ヒドラジニル−4−メトキシ−N,N−ジメチルキナゾリン−2−アミン 二塩酸塩<参考例51の化合物>(20mg)のエタノール(1mL)溶液に酢酸(0.3mL)およびジアセト酢酸エチル(14mg)を加え、18時間加熱還流した。反応液を20−25℃に冷却し、溶媒を減圧留去した後、残渣にアンモニア水(0.2mL)およびエタノール(1mL)を加えて、塩基性とした。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;ヘキサン/酢酸エチル=40/60〜0/100)で精製して、標記化合物を8mg得た。
LCMS:[M+H]/Rt(min)=370.4/3.87min
参考例53−65
対応する原料化合物を用いて参考例52と同様に反応・処理し、表10〜12に示す化合物を得た。
Figure 2015124211
Figure 2015124211
Figure 2015124211
Figure 2015124211
参考例66
4−メトキシ−7−(4−メトキシ−3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−N,N−ジメチルキナゾリン−2−アミンの製造
Figure 2015124211
(1)1−[2−(ジメチルアミノ)−4−メトキシキナゾリン−7−イル]−3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル ベンゾエート<参考例61の化合物>(50mg)のエタノール(1mL)溶液に1規定水酸化ナトリウム水溶液(0.18mL)を加え、20−25℃にて15時間撹拌した。反応液に水(1mL)を加え、酢酸エチル(2mL×3回)で抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;ヘキサン/酢酸エチル=40/60〜0/100)で精製し、1−[2−(ジメチルアミノ)−4−メトキシキナゾリン−7−イル]−3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−オールを21mg得た。
LCMS:[M+H]/Rt(min)=314.0/3.29min
(2)上記生成物(9mg)のDMF(1mL)溶液に炭酸セシウム(14mg)およびヨウ化メチル(6mg)を加え、20−25℃にて3時間撹拌した。反応液に水(2mL)を加え、トルエン(2mL×3回)で抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;ヘキサン/酢酸エチル=40/60〜0/100)で精製し、標記化合物を7mg得た。
LCMS:[M+H]/Rt(min)=327.9/3.57min
参考例67−69
対応する原料化合物を用いて参考例66と同様に反応・処理し、表13に示す化合物を得た。
Figure 2015124211
参考例70
{1−[2−(ジメチルアミノ)−4−メトキシキナゾリン−7−イル]−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル}メタノールの製造
Figure 2015124211
水素化リチウムアルミニウム(2.48g)の無水THF(100mL)懸濁液に、エチル 1−[2−(ジメチルアミノ)−4−メトキシキナゾリン−7−イル]−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート<参考例62の化合物>(5.70g)の無水THF(50mL)溶液を、−30℃にてゆっくり滴下した。同温にて10分間撹拌後、0℃にて10分間撹拌した。反応液に硫酸ナトリウム・10水和物を加えた後、不溶物をろ去し、ろ液を減圧留去して、標記化合物を2.7g得た。
LCMS:[M+H]/Rt=314.1/1.03min
参考例71
2−(ジメチルアミノ)−6−フルオロ−7−ヒドラジニルキナゾリン−4(3H)−オンの製造
Figure 2015124211
(1)4,5−ジフルオロ−2−ニトロ安息香酸(3.0g)のDMF(70mL)溶液に、炭酸カリウム(3.1g)およびヨウ化メチル(1.1mL)を加え、40℃にて1時間撹拌した。反応液に水(150mL)を加え、酢酸エチル(100mL×3回)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をメタノール(70mL)に溶かし、10%パラジウム炭素(1.47g)を加え、水素雰囲気下1時間攪拌した。反応後、パラジウム炭素を濾別し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をアセトニトリル(70mL)に溶かし、エトキシカルボニルイソチオシアナート(2.1g)を加え、20−25℃にて1時間撹拌した。反応液にヘキサン(25mL)を加え、0℃にて10分間撹拌した。析出した結晶をろ取し、ヘキサン/アセトニトリル(3/1)の混合液で洗浄し、乾燥して、メチル 2−{[(エトキシカルボニル)カルバモイオニル]アミノ}−4,5−ジフルオロベンゾエートを3.4g得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.35 (3H, t, J = 7.2 Hz), 3.95 (3H, s), 4.34 (2H, q, J = 7.2 Hz), 7.79-7.90 (1H, m), 8.13 (1H, br s), 8.64 (1H, dd, J = 12.6, 7.4 Hz), 12.75 (1H, br s).
(2)上記生成物(1.0g)のジクロロメタン(20mL)溶液に室温にてジメチルアミン2.0mol/L THF溶液(1.89mL)、N−エチルジイソプロピルアミン(0.652ml)および1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩(722mg)を順次加え室温にて17時間攪拌した。反応液に水(50mL)を加え、クロロホルム(50mL×2回)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣に水(50mL)およびTFA(10mL)を加え、80℃にて15時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)を加え、析出した結晶をろ取し、水で洗浄し、乾燥して、2−(ジメチルアミノ)−6,7−ジフルオロキナゾリン−4(3H)−オンを474mg得た。
1H-NMR (DMSO-D6) δ: 3.08 (6H, s), 7.12-7.29 (1H, m), 7.67-7.86 (1H, m), 11.27 (1H, br s).
(3)上記生成物(447mg)にヒドラジン水和物(10mL)を加え、80℃にて18時間撹拌した。反応液に水(50mL)を加え、析出した結晶をろ取し、水で洗浄し、乾燥して、標記化合物を400mg得た。
LCMS:[M+H]/Rt=237.9/0.429min
実施例1
7−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−2−[エチル(メチル)アミノ]ピリド[4,3−d]ピリミジン−4(3H)−オンの製造
Figure 2015124211
7−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−2−(メチルスルファニル)ピリド[4,3−d]ピリミジン−4(3H)−オン<参考例1の化合物>(412mg)、N−エチルメチルアミン(1.23mL)およびアセトニトリル(3mL)の混合液をマイクロ波照射下170℃に加熱した。1時間後、反応液を水(30mL)に注ぎ、飽和塩化アンモニウム水溶液で中和し、析出した結晶をろ取した。得られた結晶をクロロホルムおよびヘキサンの混合液より再結晶し、標記化合物358mgを得た。
1H-NMR (DMSO-D6) δ: 1.12 (3H, t, J = 6.8 Hz), 2.19 (3H, s), 2.60 (3H, s), 3.10 (3H, s), 3.62 (2H, q, J = 6.8 Hz), 6.11 (1H, s), 7.38 (1H, s), 8.79 (1H, s), 11.27 (1H, br s).
実施例2−12
対応する原料化合物を用いて実施例1と同様に反応・処理し、表14〜15に示す化合物を得た。
Figure 2015124211
Figure 2015124211
Figure 2015124211
実施例13−48
対応する原料化合物を用いて実施例1と同様に反応・処理し、表16〜23に示す化合物を得た。
Figure 2015124211
Figure 2015124211
Figure 2015124211
Figure 2015124211
Figure 2015124211
Figure 2015124211
Figure 2015124211
Figure 2015124211
Figure 2015124211
実施例49
2−(ジメチルアミノ)−7−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−6−メトキシキナゾリン−4(3H)−オンの製造
Figure 2015124211
メチル 2−({(ジメチルアミノ)[(エトキシカルボニル]アミノ]メチリデン}アミノ)−4−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−5−メトキシベンゾエート<参考例23の化合物>(119mg)、トリフルオロ酢酸(5mL)および水(10mL)の混合液を12時間加熱還流した。反応液を20−25℃に戻し、溶媒を減圧留去した。残渣に水(5mL)を加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でpH8とし、クロロホルム(10mL×3回)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をメタノール(35mL)より再結晶し、標記化合物を20mg得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 2.11 (3H, s), 2.30 (3H, s), 3.17 (6H, s), 3.84 (3H, s), 5.99 (1H, s), 7.47 (1H, s), 7.53 (1H, br s).
実施例50−68
対応する原料化合物を用いて実施例49と同様に反応・処理し、表24〜27に示す化合物を得た。
Figure 2015124211
Figure 2015124211
Figure 2015124211
Figure 2015124211
Figure 2015124211
実施例69
2−(ジメチルアミノ)−7−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)ピリド[4,3−d]ピリジン−4(3H)−オンの製造
Figure 2015124211
7−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−4−メトキシ−N,N−ジメチルピリド[4,3−d]ピリミジン−2−アミン<参考例38の化合物>(1.30g)に濃塩酸(20mL)および酢酸(20mL)を加え、80℃にて20時間撹拌した。溶媒を減圧留去した後、残渣に水(50mL)を加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でpH8とし、クロロホルム(80mL×3回)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をクロロホルム/ヘプタンの混合液より再結晶し、標記化合物を833mg得た。
1H-NMR (DMSO-D6) δ: 2.19 (3H, s), 2.59 (3H, s), 3.13 (6H, s), 6.11 (1H, s), 7.38 (1H, s), 8.80 (1H, s), 11.28 (1H, br s).
実施例70−90
対応する原料化合物を用いて実施例69と同様に反応・処理し、表28〜33に示す化合物を得た。
Figure 2015124211
Figure 2015124211
Figure 2015124211

Figure 2015124211
Figure 2015124211
Figure 2015124211
Figure 2015124211
実施例91−95
対応する原料化合物を用いて実施例69と同様に反応・処理し、表34に示す化合物を得た。
Figure 2015124211
実施例96
2−[ベンジル(メチル)アミノ]−7−(ピリジン−2−イル)キナゾリン−4(1H)−オンの製造
Figure 2015124211
2−[ベンジル(メチル)アミノ]−7−ブロモキナゾリン−4(3H)−オン<参考例30の化合物>(100mg)の無水THF(2mL)溶液に、窒素雰囲気下、ビス(t−ブチルホスフィン)パラジウム(7.4mg)および臭化2−ピリジル亜鉛0.5mol/L THF溶液(5.8mL)を加え、12時間加熱還流した。反応液を20−25℃に冷却し、酢酸エチル(30mL)で希釈し、水(10mL×2回)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、標記化合物を11mg得た。
LCMS:[M+H]/Rt=342.9/2.01min
実施例97
2−(ジメチルアミノ)−7−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)−6−フルオロキナゾリン−4(3H)−オンの製造
Figure 2015124211
2−(ジメチルアミノ)−6−フルオロ−7−ヒドラジニルキナゾリン−4(3H)−オン<参考例71の化合物>(400mg)のエタノール(8.0mL)溶液に、2,4−ペンタジノン(202mg)および酢酸(3.0mL)を加え、90℃にて17時間撹拌した。反応液を20−25℃に冷却し、水(20mL)を加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、析出した結晶をろ取した。得られた結晶をクロロホルム/ヘキサンの混合液より再結晶して、標記化合物を292mg得た。
1H-NMR (DMSO-D6) δ: 2.16 (3H, s), 2.18 (3H, s), 3.09 (6H, s), 6.10 (1H, s), 7.28 (1H, d, J = 6.8 Hz), 7.74 (1H, d, J = 10.3 Hz), 11.32 (1H, br s).
実施例98
N−ベンジル−1−[2−(ジメチルアミノ)−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−7−イル]−3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの製造
Figure 2015124211
エチル 1−[2−(ジメチルアミノ)−4−メトキシキナゾリン−7−イル]−3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート<参考例52の化合物>(6mg)に酢酸(0.1mL)および濃塩酸(0.1mL)を加え、19時間加熱還流した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をジクロロメタン(1mL)に溶かし、ベンジルアミン(4.3mg)、HATU(9.3mg)およびN−エチルジイソプロピルアミン(14μL)を加え、20−25℃にて16時間撹拌した。反応液に水(2mL)を加え、クロロホルム(2mL×3回)で抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;酢酸エチル/メタノール=100/0〜80/20)で精製し、標記化合物を4mg得た。
LCMS:[M+H]/Rt=417.0/3.65min
実施例99−100
対応する原料化合物を用いて実施例98と同様に反応・処理し、表35に示す化合物を得た。
Figure 2015124211
実施例101
2−(ジメチルアミノ)−7−[3−(メトキシメチル)−5−メチル−1H−ピラゾール−1−イル]キナゾリン−4(3H)−オンの製造
Figure 2015124211
(1){1−[2−(ジメチルアミノ)−4−メトキシキナゾリン−7−イル]−5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル}メタノール<参考例70の化合物>(700mg)に濃塩酸(10mL)および酢酸(10mL)を加え、90℃にて16時間撹拌した後、溶媒を減圧留去した。残渣にジクロロメタン(20mL)および塩化チオニル(0.53g)を加え、20−25℃にて16時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、7−[3−(クロロメチル)−5−メチル−1H−ピラゾール−1−イル]−2−(ジメチルアミノ)キナゾリン−4(3H)−オンを0.6g得た。
LCMS:[M+H]/Rt=318.1/0.873min
(2)上記生成物(100mg)のメタノール(5mL)溶液に、ナトリウムメトキシド(35mg)を加え、20−25℃にて16時間撹拌した。反応液に水(1mL)を加え、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、標記化合物を15.3mg得た。
LCMS:[M+H]/Rt=314.1/1.61min
試験例
以下に、本発明の代表化合物の薬理試験結果を示すが、本発明はこれらの試験例に限定されるものではない。
試験例1:ヒト型5−HT5A受容体結合阻害試験
(1)ヒト型5-HT5A受容体発現細胞膜の調製
ヒト型5−HT5A受容体はPCR法により得た。本受容体を発現するプラスミドを作製し、これをCHO細胞(chinese hamster ovary cells)に導入することにより一過性あるいは安定発現細胞株を作製した。この発現細胞を培養後、回収し、50mM Tris,0.5mM EDTA,10mM MgSO(pH7.6)で懸濁した。その後ヒスコトロンによりホモジナイズし、遠心分離(26000rpm、4℃、30分)した。上清を取り除き、ペレットに上記緩衝液を加え、これをヒト型5−HT5A受容体発現細胞膜画分とした。
(2)ヒト型5−HT5A受容体結合阻害試験
96穴プレートに、本発明化合物のDMSO懸濁液、[H]5−CT(5−Carboxamidotryptamine)(50μL)を添加し、細胞膜画分149μL(最終濃度0.124mg/mL)を添加することにより反応を開始した。非特異的結合量を算出するウエルには、本発明化合物の代わりに5−CTのDMSO懸濁液(最終濃度10μM)を添加した。37℃、1時間静置した後、あらかじめ0.3%ポリエチレンイミンでコーティングしたMultiScreen Filter plate(Millipore)へ反応液を移したのち、manifold(Millipore)にて吸引し、50mM Tris−HCl Buffer(pH7.6)で2回洗浄した。フィルターを液体シンチレーター入りのバイアルに入れ、液体シンチレーションカウンターで放射活性を測定した。
結合阻害活性はDMSOのみを添加したウエルの放射活性を0%、10μM 5−CTを添加したウエルの放射活性を100%阻害とした場合の、本発明化合物のIC50値を算出した。さらにKi値は以下の式より算出した。解離定数Kdは別途試験より算出した。
Ki=IC50[1+([H]5−CT濃度/Kd)]
(3)代表的化合物の5−HT5A受容体に対する結合活性データを表36に示す。
Figure 2015124211
試験例2:ヒト型5−HT5A受容体に対するアンタゴニスト活性評価試験
(1)ヒト型5−HT5A受容体発現細胞の作製
ヒト型5−HT5A受容体、カルシウム結合性発光蛋白質エクオリン、Gα16、Gqi5cDNAはPCR法により得た。ヒト型5−HT5A受容体、エクオリン及び、Gα16もしくはGqi5等のキメラG蛋白を発現するプラスミドを作製し、これらをHEK293細胞(human embryonic kidney 293 cells)に導入することにより一過性あるいは安定発現細胞株を作製した。
(2)ヒト型5−HT5A受容体に対するアンタゴニスト活性評価試験
ヒト型5−HT5A受容体に対するアンタゴニスト活性については細胞内カルシウム濃度を指標にして測定した。エクオリンおよびGα16もしくは、Gqi5等のキメラG蛋白を発現させたヒト型5−HT5A受容体発現HEK293細胞を384穴プレートに藩種し、COインキュベーター内で37℃にて終夜培養した。その後、ViviRen(Promega)を添加し(最終濃度1.0μM)、2時間以上静置した後に、FDSS(浜松フォトニクス社製)を用いて、本発明化合物のDMSO懸濁液、セロトニン(最終濃度100nM)を添加し、発光量の変化を測定した。
アンタゴニスト活性はDMSOのみを添加したウエルの発光量を100%阻害、100μMセロトニンのみを添加したウエルの発光量を0%阻害とした場合の、本発明化合物の阻害率を算出した。
(3)各化合物の5−HT5A受容体に対するアンタゴニスト活性データを表37〜40に示す。
Figure 2015124211
Figure 2015124211
Figure 2015124211
Figure 2015124211
本発明の代表化合物を上述の生物学的試験で評価したところ、各濃度において濃度依存的に5−HT5Aへの作用を示す化合物を見出した。特に実施例1、19、20、22、25、56、58、63、64、68及び69は、30nMの濃度で強い5−HT5Aへの作用を示した。
以上で説明したように、本発明の化合物は強い5−HT5Aに対する拮抗作用を示す。したがって、本発明の化合物は統合失調症、不安障害、気分障害、注意欠陥多動性障害、自閉症、薬物依存症、てんかん、疼痛、睡眠障害、アルツハイマー型認知症、レビー小体認知症、血管性認知症、双極性障害、パーキンソン病等の5−HT5A受容体が関与する精神疾患および神経変性疾患の治療剤及び/又は予防剤として有用である。

Claims (13)

  1. 下記式(I):
    Figure 2015124211
    [式中、
    A−Bは、CY−CY、CY−NまたはN−CYを表し、
    およびRは、各々独立して、水素原子、C1−10アルキル、C3−10シクロアルキル、4〜10員の飽和複素環、アリール、ヘテロアリール、C3−10シクロアルキル−Q−C1−6アルキレン−、4〜10員の飽和複素環−Q−C1−6アルキレン−、アリール−Q−C1−6アルキレン−またはヘテロアリール―Q−C1−6アルキレン−を表すか、またはRおよびRは一緒になって、それらが結合する窒素原子とともに4〜10員の飽和複素環を表し、
    ここにおいて、該アルキル、該シクロアルキル、該アルキレンおよび該飽和複素環は、各々独立して、フッ素、水酸基、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルカルボニル、C3−6シクロアルキルカルボニル、C1−6アルコキシカルボニル、4〜10員の飽和複素環−カルボニル、−CONR、−NRおよび−NRCORからなる群から選択される同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよく、
    ここにおいて、該アリールおよび該へテロアリールは、各々独立して、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、水酸基、シアノ、ニトロ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、4〜10員の飽和複素環、C1−6アルキルカルボニル、C3−6シクロアルキルカルボニル、C1−6アルコキシカルボニル、4〜10員の飽和複素環−カルボニル、−CONR、−NR、−NRCOR、−SOおよび−SONRからなる群から選択される同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよく、
    ただしRおよびRは、同時に水素原子を表すことはなく、
    Qは、単結合、−NR−または−O−を表し、
    Xは、
    (1)A−BがCY−CYを表すとき、ヘテロアリールを表し、
    ここにおいてXは、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、水酸基、シアノ、ニトロ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、4〜10員の飽和複素環、C1−6アルキルカルボニル、C3−6シクロアルキルカルボニル、C1−6アルコキシカルボニル、4〜10員の飽和複素環−カルボニル、−CONR、−NR、−NRCOR、−SO、−SONRおよび−L−Zからなる群から選択される同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよく、
    (2)A−BがCY−NまたはN−CYを表すとき、アリールまたはヘテロアリールを表し、
    ここにおいてXは、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、水酸基、シアノ、ニトロ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルカルボニル、C1−6アルコキシカルボニル、−CONR、−NR、−NRCOR、−SO、−SONRおよび−L−Zからなる群から選択される同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよく、
    Lは、単結合、C1−4アルキレン、−NR−、−NRCO−、−CONR−、−O−、―S−または―CO−を表し、
    Zは、C3−10シクロアルキル、4〜10員の飽和複素環、アリールまたはヘテロアリールを表し、
    Zにおける、該シクロアルキルおよび該飽和複素環は、各々独立して、フッ素、水酸基、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルカルボニル、C1−6アルコキシカルボニル、−CONR、−NR及び−NRCORからなる群から選択される同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよく、
    Zにおける、該アリールおよび該へテロアリールは、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、水酸基、シアノ、ニトロ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルカルボニル、C1−6アルコキシカルボニル、−CONR、−NR、−NRCOR、−SOおよび−SONRからなる群から選択される同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよく、
    、YおよびYは、各々独立して、水素原子、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、水酸基、シアノ、ニトロ、C1−6アルキル、C3−10シクロアルキル、4〜10員の飽和複素環、アリール、ヘテロアリール、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルカルボニル、C3−6シクロアルキルカルボニル、C1−6アルコキシカルボニル、4〜10員の飽和複素環−カルボニル、−CONR、−NR、−NRCOR、−SOまたは−SONRを表し、
    ここにおいて、該アルキル、該シクロアルキルおよび該飽和複素環は、各々独立して、フッ素、水酸基およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよく、
    ここにおいて、該アリールおよび該へテロアリールは、各々独立して、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、水酸基、シアノ、ニトロ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、4〜10員の飽和複素環、C1−6アルキルカルボニル、C3−6シクロアルキルカルボニル、C1−6アルコキシカルボニル、4〜10員の飽和複素環−カルボニル、−CONR、−NR、−NRCOR、−SOおよび−SONRからなる群から選択される同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよく
    およびRは、それぞれ独立して、水素原子またはC1−6アルキルを表し、
    ここにおいて、該アルキルは、フッ素、水酸基およびC1−6アルコキシからなる群から選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい]
    で表される化合物又はその製薬学的に許容される塩。
  2. Xがヘテロアリールである、請求項1に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩。
  3. 、YおよびYが、各々独立して、水素原子、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、水酸基、シアノ、C1−6アルキル、アリール、ヘテロアリール、C1−6アルコキシまたは−NRを表す、請求項1〜2のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩。
  4. Lが、単結合、−NR−、−NRCO−または−O−、を表す、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩。
  5. Lが、単結合を表す、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩。
  6. およびRが、各々独立して、C1−10アルキル、C3−10シクロアルキル、4〜10員の飽和複素環、アリール、ヘテロアリール、C3−10シクロアルキル−Q−C1−6アルキレン−、4〜10員の飽和複素環−Q−C1−6アルキレン−、アリール−Q−C1−6アルキレン−またはヘテロアリール―Q−C1−6アルキレン−を表す、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩。
  7. A−BがCY−CYである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩。
  8. A−BがCY−Nである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩。
  9. A−BがN−CYである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩。
  10. A−Bが、CY−CYまたはCY−Nを表し、
    およびRが、各々独立して、水素原子、C1−10アルキル、C3−10シクロアルキル、4〜10員の飽和複素環、アリール、ヘテロアリール、C3−10シクロアルキル−Q−C1−6アルキレン−、4〜10員の飽和複素環−Q−C1−6アルキレン−、アリール−Q−C1−6アルキレン−またはヘテロアリール―Q−C1−6アルキレン−を表し、ただしRおよびRは、同時に水素原子を表すことはなく、
    Qが、単結合、−NR−または−O−を表し、
    Xが、ヘテロアリールを表し、
    およびYが、各々独立して、水素原子、ハロゲン、C1−6アルコキシを表し、
    が、水素原子またはC1−6アルキルを表す、請求項1に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物又はそれらの製薬学的に許容される塩を含有する医薬組成物。
  12. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物又はそれらの製薬学的に許容される塩を有効成分とする5−HT5A受容体調節剤。
  13. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物又はそれらの製薬学的に許容される塩を有効成分とする統合失調症、不安障害、注意欠陥多動性障害、自閉症、気分障害、薬物依存症、睡眠障害、認知症又はパーキンソン病に対する治療剤。
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WO2022031678A1 (en) * 2020-08-04 2022-02-10 Mirati Therapeutics, Inc. Kras g12d inhibitors

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