JP2015122723A - 回路特性評価方法、回路特性評価装置及び回路特性評価用コンピュータプログラム - Google Patents

回路特性評価方法、回路特性評価装置及び回路特性評価用コンピュータプログラム Download PDF

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Hisashi Yamagashiro
尚志 山ヶ城
登坂 正喜
Masaki Tosaka
正喜 登坂
祐司 諏訪
Yuji Suwa
祐司 諏訪
二朗 米田
Jiro Yoneda
二朗 米田
裕友 泉
Hirotomo Izumi
裕友 泉
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Abstract

【課題】差動伝送線路を含む回路の特性を表す指標の算出に要する電磁界シミュレーションの回数を削減できる回路特性評価方法を提供する。【解決手段】回路特性評価方法は、差動伝送線路の2本の信号線のそれぞれに波源を設定し、その二つの波源のそれぞれからの出力電圧の位相が互いに逆相となり、かつ出力電圧の振幅が同一として、ディファレンシャルモード励振によって差動伝送線路に電流が流れる場合の2本の信号線それぞれを流れる電流と他の回路を流れる電流及び電圧とを電磁界シミュレーションにより求め、差動伝送線路と他の回路間の電力の伝達関係を表す等価回路に従って、ディファレンシャルモード励振による差動伝送線路からの入力電力振幅及び他の回路への出力電力振幅を求めることで、差動伝送線路を流れる電流が他の回路に与える影響を表す指標を算出する。【選択図】図9

Description

本発明は、例えば、差動伝送線路を含む回路の回路特性評価方法、回路特性評価装置及び回路特性評価用コンピュータプログラムに関する。
高周波数信号の伝送に利用される伝送線路の一種として、差動伝送線路が知られている(例えば、非特許文献1を参照)。差動伝送線路を装置に実装する際に、最適な回路配置を決定するために、その差動伝送線路を流れる信号により生じるノイズが他の回路に及ぼす影響を調べることが求められている。
差動伝送線路を流れる電流による回路特性を、ミックスドモードSパラメータにより評価する技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。ミックスドモードSパラメータは、差動伝送における二つのポートに入力される交流信号の和信号または差信号に対する、透過または反射といった応答特性を表す指標である。
特開2007−235363号公報
神林、「TDR測定によるコモンモードの解析」、テクトロニクス・イノベーションフォーラム2011、テクトロニクス社、2011年
上記の技術では、差動伝送線路を含む回路を、ミックスドモードSパラメータを用いた等価回路で表し、各信号線のそれぞれに仮想的に波源を配置して電磁界シミュレーションを実行することで、各ミックスドモードSパラメータが算出される。また、1回の電磁界シミュレーションにおいて、使用される可能性のある電流の周波数帯域内の複数の周波数について、各信号線を流れる電流及び電圧が求められる。そのため、上記の技術は、電磁界シミュレーションを信号線の数だけ実行する必要があり、ミックスドモードSパラメータの算出に時間を要してしまう。
そこで本明細書は、一つの側面として、差動伝送線路を含む回路の特性を表す指標の算出に要する電磁界シミュレーションの回数を削減できる回路特性評価方法を提供することを目的とする。
一つの実施形態によれば、2本の信号線を含む差動伝送線路を流れる電流が他の回路に与える影響を表す指標を求める回路特性評価方法が提供される。この回路特性評価方法は、差動伝送線路の2本の信号線のそれぞれに波源を設定し、その二つの波源のそれぞれからの出力電圧の位相が互いに逆相となり、かつ出力電圧の振幅が同一として、ディファレンシャルモード励振によって差動伝送線路に電流が流れる場合の2本の信号線それぞれを流れる電流と他の回路を流れる電流及び電圧とを電磁界シミュレーションにより求め、コモンモード励振により差動伝送線路を流れる電流による入力がなくなるようにコモンモード励振による差動伝送線路のインピーダンスを用いて設定された、差動伝送線路と他の回路間の電力の伝達関係を表す等価回路に従って、ディファレンシャルモード励振による差動伝送線路からの入力電力振幅及び他の回路への出力電力振幅を求め、ディファレンシャルモード励振による差動伝送線路からの入力電力振幅と他の回路への出力電力振幅から差動伝送線路を流れる電流が他の回路に与える影響を表す指標を算出することを含む。
また他の実施形態によれば、2本の信号線を含む差動伝送線路を流れる電流が他の回路に与える影響を表す指標を求める回路特性評価方法が提供される。この回路特性評価方法は、差動伝送線路の2本の信号線のそれぞれに波源を設定し、その二つの波源のそれぞれからの出力電圧の位相が互いに逆相となり、かつ出力電圧の振幅が同一として、ディファレンシャルモード励振によって差動伝送線路に電流が流れる場合の2本の信号線それぞれを流れる電流と他の回路を流れる電流及び電圧とを電磁界シミュレーションにより求め、差動伝送線路と他の回路間の電力の伝達関係を表す等価回路に従って、二つの波源のそれぞれからの出力電圧及び2本の信号線それぞれを流れる電流からディファレンシャルモード励振による差動伝送線路からの入力電力振幅及び他の回路を流れる電流及び電圧から他の回路への出力電力振幅を求め、差動伝送線路からの入力電力振幅と他の回路への出力電力振幅から差動伝送線路を流れる電流が他の回路に与える影響を表す指標を算出することを含む。
さらに他の実施形態によれば、2本の信号線を含む差動伝送線路を流れる電流が他の回路に与える影響を表す指標を求める回路特性評価方法が提供される。この回路特性評価方法は、他の回路に波源を設定し、その波源からの出力電圧により、差動伝送線路の2本の信号線それぞれを流れる電流及びその2本の信号線それぞれにおける電圧と、他の回路を流れる電流とを電磁界シミュレーションにより求め、差動伝送線路と他の回路間の電力の伝達関係を表す等価回路に従って、波源からの出力電圧及び他の回路を流れる電流から、他の回路からの入力電力振幅を求め、等価回路に従って、2本の信号線のそれぞれを流れる電流及び2本の信号線のそれぞれの電圧から、ディファレンシャルモード励振する場合の差動伝送線路への第1の出力電力振幅と、コモンモード励振する場合の差動伝送線路への第2の出力電力振幅のうちの少なくとも一方を求め、他の回路からの入力電力振幅で第1の出力電力振幅及び第2の出力電力振幅の少なくとも一方を除することで得られた第1の値を差動伝送線路からの入力電力振幅と他の回路への出力電力振幅から差動伝送線路を流れる電流が他の回路に与える影響を表す指標として求めることを含む。
本発明の目的及び利点は、請求項において特に指摘されたエレメント及び組み合わせにより実現され、かつ達成される。
上記の一般的な記述及び下記の詳細な記述の何れも、例示的かつ説明的なものであり、請求項のように、本発明を限定するものではないことを理解されたい。
本明細書に開示された回路特性評価方法は、差動伝送線路を含む回路の特性を表す指標の算出に要する電磁界シミュレーションの回数を削減できる。
シミュレーション対象となる回路の一例を示す図である。 従来技術による、図1の差動伝送線路が無線信号回路に与える受信感度劣化を評価するための等価回路を示す図である。 回路特性評価方法を実現する回路特性評価装置の一例を示す図である。 処理部の機能ブロック図である。 本実施形態による、図1の差動伝送線路がディファレンシャルモード励振する場合に差動伝送線路が無線信号回路に与える受信感度劣化を評価するための等価回路を示す図である。 図5に示された等価回路を、ディファレンシャルモード励振する差動伝送線路とコモンモード励振する差動伝送線路がそれぞれ一つの信号線となるように等価変換して得られる等価回路を示す図である。 本実施形態による、図1の差動伝送線路がコモンモード励振する場合に差動伝送線路が無線信号回路に与える受信感度劣化を評価するための等価回路を示す図である。 図7に示された等価回路を、ディファレンシャルモード励振する差動伝送線路とコモンモード励振する差動伝送線路がそれぞれ一つの信号線となるように等価変換して得られる等価回路を示す図である。 回路特性評価方法の動作フローチャートである。 (a)は、差動伝送線路が二つ有り、そのうちの一方にのみ、コモンモード励振により電流が流れ、かつ、差動伝送線路を流れる電流により影響を受ける回路が複数の場合の等価回路を示す図である。(b)は、(a)に示された等価回路を、ディファレンシャルモード励振するときとコモンモード励振するときの各差動伝送線路を一つの入力とするように等価変換して得られる等価回路を示す図である。 (a)は、差動伝送線路が二つ有り、その両方についてコモンモード励振により電流が流れ、かつ、差動伝送線路を流れる電流により影響を受ける回路が複数の場合の等価回路を示す図である。(b)は、(a)に示された等価回路を、ディファレンシャルモード励振するときとコモンモード励振するときの各差動伝送線路を一つの入力とするように等価変換して得られる等価回路を示す図である。 (a)は、差動伝送線路に対する他の回路からの影響を評価するための等価回路を示す図である。(b)は、(a)に示された等価回路を、ディファレンシャルモード励振するときとコモンモード励振するときの各差動伝送線路を一つの入力とするように等価変換して得られる等価回路を示す図である。 変形例における、差動伝送線路の回路構成のモデルを表す図である。 (a)は、図13に示されたモデルに対応する等価回路を示す図である。(b)は、(a)に示された等価回路を、ディファレンシャルモード励振するときとコモンモード励振するときの各差動伝送線路を一つの入力とするように等価変換して得られる等価回路を示す図である。 (a)〜(c)は、それぞれ、差動伝送線路の終端部分を表す等価回路の一例を示す図である。 被影響回路を整合回路とその他の回路とに分解したときの等価回路を示す図である。 被影響回路に含まれる整合回路と終端回路間を流れる電流及び電圧を表す図である。 変形例による回路特性評価方法の動作フローチャートである。 (a)及び(b)は、それぞれ、波源を被影響回路側に接続して、差動伝送線路から被影響回路への影響を調べる場合に利用できる等価回路の他の例を示す図である。
以下、図を参照しつつ、回路特性評価方法について説明する。
最初に、シミュレーション対象となる回路の例について説明する。図1は、シミュレーション対象となる回路の一例を示す図である。図1に示された基板100には、差動伝送線路101で接続された二つの回路102、103と、アンテナ104と信号線105を介して接続される無線信号回路106が配置されている。この例では、回路102と回路103間の通信により差動伝送線路101を流れる電流により生じる電磁波が、アンテナ104と無線信号回路106間の信号伝送におけるノイズとなって無線信号回路106における受信感度劣化を生じる。
図2は、従来技術による、図1の差動伝送線路101が無線信号回路106に与える受信感度劣化を評価するための等価回路を示す図である。なお、この例では、回路102から回路103へ信号が送信されるものとした。等価回路200は、回路102への入射電力振幅及び回路102からの反射電力振幅と、無線信号回路106への入射電力振幅及び無線信号回路106からの反射電力振幅の関係を表す。図2に示す等価回路200は、ミックスドモードSパラメータを行列の要素とする次の行列式で表される。
Figure 2015122723
ここで、ad、bdは、それぞれ、ディファレンシャルモード励振における、回路102への入射電力振幅及び回路102からの反射電力振幅を表す。また、ac、bcは、それぞれ、コモンモード励振における、回路102への入射電力振幅及び回路102からの反射電力振幅を表す。そしてaa、baは、それぞれ、無線信号回路106への入射電力振幅及び無線信号回路106からの反射電力振幅を表す。そしてSij(i,j=a,c,d)は、それぞれ、ミックスドモードSパラメータである。
差動伝送線路101がディファレンシャルモード励振により信号を伝送する際の無線信号回路106における受信感度劣化は、Sadで表される。また、差動伝送線路101がコモンモード励振により信号を伝送する際の無線信号回路106における受信感度劣化は、Sacで表される。したがって、差動伝送線路101が無線信号回路106に与える受信感度劣化を評価するためには、SacとSadを求めればよい。しかし、Sac及びSadを求めるためには、ad、ac、aaとbd、bc、ba間の関係を調べる必要が有る。そのため、従来技術では、差動伝送線路の2本の信号線、及び差動伝送線路により影響を受ける回路のそれぞれごとに波源の位置を設定して電磁界シミュレーションを行っていた。したがって、Sac及びSadを求めるために3回以上の電磁界シミュレーションが必要となる。
そこで、この回路特性評価方法は、差動伝送線路の二つの信号線の両方に波源を設定し、各波源がディファレンシャルモード励振とコモンモード励振のそれぞれに応じた電圧を出力するものとして電磁界シミュレーションを実行する。これにより、この回路特性評価方法は、各信号線を流れる電流及び差動伝送線路により影響を受ける回路(以下では、説明の便宜上、被影響回路と呼ぶ)に印加される電圧及び電流を求める。またこの回路特性評価方法は、ディファレンシャルモードの差動伝送線路及びコモンモードの差動伝送線路のそれぞれが一つのポートに接続され、被影響回路が他のポートに接続される、差動伝送線路と被影響回路間の電力の伝達関係を表す等価回路を設定する。この等価回路では、電流が流れる方のモードと異なる方のモードのポートは、そのポートへの入力電力が無くなるように設定されたインピーダンスを持つインピーダンス素子を介して終端される。そしてこの回路特性評価方法は、その等価回路に従って、電磁界シミュレーションにより得られた各部の電流値及び電圧値に基づいてミックスドモードSパラメータを算出することで、電磁界シミュレーションの回数を削減する。
なお、被影響回路は、図1に示された無線信号回路に限られず、差動伝送線路を流れる高周波電流により影響を受ける可能性がある回路であれば、どのような回路であってもよい。
図3は、回路特性評価方法を実現する回路特性評価装置の一例を示す図である。本実施形態では、回路特性評価装置1は、入力部2と、記憶部3と、処理部4と、出力部5とを有する。
入力部2は、キーボードまたはマウスなど、評価対象の回路または基板の各構成部品の電気特性、位置関係及びサイズなど、電磁界シミュレーションの実行及びミックスドモードSパラメータの算出に必要なデータを入力するためのユーザインターフェースを有する。
また、入力部2は、電磁界シミュレーションの実行及びミックスドモードSパラメータの算出に必要なデータを通信ネットワークを介して回路特性評価装置1と接続された他の機器から取得してもよい。この場合には、入力部2は、回路特性評価装置1を通信ネットワークに接続するためのインターフェース回路を、ユーザインターフェースの代わりに、あるいは、ユーザインターフェースと別個に有してもよい。
記憶部3は、例えば、半導体メモリ回路、磁気記憶装置または光記憶装置のうちの少なくとも一つを有する。そして記憶部3は、処理部4で実行される、電磁界シミュレーション用コンピュータプログラム及び回路特性評価用コンピュータプログラム及び各種のデータを記憶する。
出力部5は、処理部4から受け取った、回路特性評価結果を表す情報を表示する。そのために、出力部5は、例えば、液晶ディスプレイといった表示装置を有する。
処理部4は、一つまたは複数のプロセッサと、メモリ回路と、周辺回路とを有する。そして処理部4は、評価対象の回路または基板についての電磁界シミュレーション及び回路特性評価を行い、評価対象の回路または基板が有する差動伝送線路を流れる電流が他の線路などに与える影響を表す指標としてミックスドモードSパラメータを求める。
図4は、処理部4の機能ブロック図である。処理部4は、シミュレーション実行部11と、ディファレンシャルモード評価部12と、コモンモード評価部13とを有する。
処理部4が有するこれらの各部は、例えば、処理部4が有するプロセッサ上で動作するコンピュータプログラムにより実現される機能モジュールである。
シミュレーション実行部11は、電磁界シミュレーションを実行することにより、評価対象の差動伝送線路に流れる電流及び差動伝送線路から影響を受ける被影響回路における電圧及び電流を求める。本実施形態では、後述するように、シミュレーション実行部11は、コモンモード励振またはディファレンシャルモード励振により差動伝送線路を流れる電流による被影響回路への影響(例えば、図1における無線信号回路の感度劣化)を調べる。そのために、シミュレーション実行部11は、差動伝送線路の各信号線に、それぞれ、波源を設定する。
差動伝送線路がディファレンシャルモード励振する場合について、シミュレーション実行部11は、各波源から出力される電圧の位相が互いに逆相となるように各波源の出力電圧を設定する。またシミュレーション実行部11は、計算の簡単化のために、各波源からの出力電圧の振幅を等しくすることが好ましい。またシミュレーション実行部11は、波源に接続されるインピーダンス素子のインピーダンスを、差動伝送線路がコモンモード励振する際の差動伝送線路のインピーダンスの2倍に設定する。そしてシミュレーション実行部11は、評価対象の回路の各構成部品の電気特性、位置関係、サイズ及び使用する信号の周波数などに基づいて、例えば、Finite-Difference Time-Domain法に従って電磁界シミュレーションを実行する。これにより、シミュレーション実行部11は、差動伝送線路の各信号線に流れる電流及び被影響回路に流れる電流及び電圧を求める。
また差動伝送線路がコモンモード励振する場合について、シミュレーション実行部11は、各波源から出力される電圧の位相が互いに同相となるように各波源の出力電圧を設定する。またシミュレーション実行部11は、計算の簡単化のために、各波源からの出力電圧の振幅を等しくすることが好ましい。またシミュレーション実行部11は、波源に接続されるインピーダンス素子のインピーダンスを、差動伝送線路がディファレンシャルモード励振する際の差動伝送線路のインピーダンスの1/2倍に設定する。そしてシミュレーション実行部11は、評価対象の回路の各構成部品の電気特性、位置関係、サイズ及び使用する信号の周波数などに基づいて、差動伝送線路がディファレンシャルモード励振する場合と同様に電磁界シミュレーションを実行する。これにより、シミュレーション実行部11は、差動伝送線路の各信号線に流れる電流及び被影響回路に流れる電流及び電圧を求める。
このように、本実施形態では、ディファレンシャルモード励振とコモンモード励振とで、それぞれ、一回ずつシミュレーションが行われればよい。
シミュレーション実行部11は、求められた各部の電流、電圧の値を記憶部3に記憶する。
ディファレンシャルモード評価部12は、差動伝送線路がディファレンシャルモード励振する場合を表す等価回路に基づいて、ディファレンシャルモード励振する差動伝送線路が被影響回路へ与える影響を表すミックスドモードSパラメータを算出する。なお、ディファレンシャルモード評価部12は、評価部の一例である。
図5は、図1の差動伝送線路がディファレンシャルモード励振する場合に差動伝送線路が無線信号回路に与える受信感度劣化を評価するための等価回路を示す図である。この等価回路500では、差動伝送線路が有する2本の信号線それぞれに相当するポート1、ポート2に、インピーダンス素子503、504を介して二つの波源501、502が接続される。また、被影響回路である無線信号回路106は、インピーダンス素子505として表され、ポート3に接続される。
インピーダンス素子503、504が有するインピーダンスは、ディファレンシャルモード励振で差動伝送線路を流れる電流が、コモンモード励振する差動伝送線路で吸収され、かつ、反射されない条件を満たすように設定される。すなわち、インピーダンス素子503、504が持つインピーダンスZxは、コモンモード励振時の差動伝送線路のインピーダンスZcの2倍のインピーダンス(2Zc)となる。
この点について、差動伝送線路の2本の信号線に流れる電流は逆向きとなるので、波源501の電圧と波源502の電圧の位相は逆相になる。また、コモンモード励振では、電流は2本の信号線を同方向に流れるので、その2本の信号線のインピーダンスが等しいと仮定すると、インピーダンスZxとコモンモード励振時の差動伝送線路のインピーダンスZcの関係は次式のようになる。
Zc=1/(1/Zx+1/Zx)
この関係式より、Zx=2Zcとなることが分かる。
図6は、図5に示された等価回路を、ディファレンシャルモード励振する差動伝送線路とコモンモード励振する差動伝送線路がそれぞれ一つの信号線となるように等価変換して得られる等価回路を示す図である。この等価回路600では、ディファレンシャルモード励振の差動伝送線路と、コモンモード励振の差動伝送線路とが、それぞれ、等価回路600の一つの入力となる。そのため、ディファレンシャルモード励振の差動伝送線路に相当するポートdには、波源601が接続される。一方、コモンモード励振の差動伝送線路に相当するポートcは、コモンモード励振時の差動伝送線路のインピーダンスZcを持つインピーダンス素子602により終端される。この場合、波源601から出力され、インピーダンス素子602に入力された電力は、ポートcで吸収され、反射しない。すなわち、ポートcへ入力する電力は0である。同様に、波源601から出力され、無線信号回路のインピーダンスを持つインピーダンス素子603に入力された電力は、インピーダンス素子603が接続されるポートaで吸収され、反射しない。すなわち、ポートaへ入力する電力は0である。
ここで、波源601が生じる電圧Vdは、図5に示された等価回路500のポート1の電流をI1、ポート2の電流をI2として、次式により算出される。
Figure 2015122723
ただし、Vp1、Vp2は、それぞれ、等価回路500のポート1及びポート2の電圧である。またV1、-V1は、図5に示された波源501、502の出力電圧である。ポート1の電流I1、ポート2の電流I2は、例えば、評価対象の差動伝送線路の各信号線を流れる電流をシミュレーション実行部11が電磁界シミュレーションすることにより求められる。
また、ポートdの電流Idは、次式で算出される。
Figure 2015122723
Vd及びIdから、次式に従って、ディファレンシャルモード励振における差動伝送線路からの入力電力振幅adが算出される。また、ポートaからの出力電力振幅baは、次式に従って、ポートaの出力電圧Va及び出力電流Iaから算出される。
Figure 2015122723
なお、Zdは、ディファレンシャルモード励振における差動伝送線路のインピーダンスであり、例えば、評価対象の差動伝送線路における仕様に従って定められる値(例えば、50Ω)である。同様に、評価対象の被影響回路のインピーダンスZaも、例えば、仕様に従って定められる値である。そのため、Zd及びZaは、例えば、入力部2を介してユーザにより入力されてもよい。ポートaの出力電圧Va及び出力電流Iaは、等価回路600の定義から、等価回路500におけるポート3からの出力電圧V3及び出力電流I3と等しい。そして出力電圧V3(=Va)及び出力電流I3(=Ia)は、シミュレーション実行部11が評価対象の被影響回路についての電磁界シミュレーションを実行することにより求められる。
ポートdの入力電力振幅ad及びポートaの出力電力振幅baから、ディファレンシャルモード励振する差動伝送線路からの入力電力に対する被影響回路への出力電力の比を表すミックスドモードSパラメータSadは、次式により算出される。
Figure 2015122723
ディファレンシャルモード評価部12は、上記の(2)〜(5)式を計算することにより、ミックスドモードSパラメータSadを算出する。
コモンモード評価部13は、差動伝送線路がコモンモード励振される場合を表す等価回路に基づいて、コモンモード励振する差動伝送線路が被影響回路へ与える影響を表すミックスドモードSパラメータを算出する。なお、コモンモード評価部13は、評価部の他の一例である。
図7は、図1の差動伝送線路がコモンモード励振する場合に差動伝送線路が無線信号回路に与える受信感度劣化を評価するための等価回路を示す図である。この等価回路700でも、図5に示された等価回路500と同様に、差動伝送線路が有する2本の信号線それぞれに相当するポート1、ポート2に、インピーダンス素子703、704を介して二つの波源701、702が接続される。また、被影響回路である無線信号回路106は、インピーダンス素子705として表され、ポート3に接続される。
インピーダンス素子703、704が有するインピーダンスは、コモンモード励振で差動伝送線路を流れる電流が、ディファレンシャルモード励振する差動伝送線路で吸収され、かつ、反射されない条件を満たすように設定される。すなわち、インピーダンス素子703、704が持つインピーダンスZxは、ディファレンシャルモード励振時の差動伝送線路のインピーダンスZdの1/2倍のインピーダンス(0.5Zd)となる。
この点について、差動伝送線路の2本の信号線に流れる電流は同じ向きとなるので、波源701の電圧と波源702の電圧の位相は同相となる。また、ディファレンシャルモード励振では、電流は2本の信号線を逆方向に流れるので、その2本の信号線のインピーダンスが等しいと仮定すると、インピーダンスZxとディファレンシャルモード励振時の差動伝送線路のインピーダンスZdの関係は次式のようになる。
Zd=Zx+Zx
この関係式より、Zx=0.5Zdとなることが分かる。
図8は、図7に示された等価回路を、ディファレンシャルモード励振する差動伝送線路とコモンモード励振する差動伝送線路がそれぞれ一つの信号線となるように等価変換して得られる等価回路を示す図である。この等価回路800では、ディファレンシャルモード励振の差動伝送線路と、コモンモード励振の差動伝送線路とが、それぞれ、等価回路800の一つの入力となる。そのため、コモンモード励振の差動伝送線路に相当するポートcには、波源801が接続される。一方、ディファレンシャルモード励振の差動伝送線路に相当するポートdは、ディファレンシャルモード励振時の差動伝送線路のインピーダンスZdを持つインピーダンス素子802により終端される。この場合、波源801から出力され、インピーダンス素子802に入力された電力は、ポートdで吸収され、反射しない。すなわち、ポートdへ入力する電力は0である。同様に、波源801から出力され、無線信号回路のインピーダンスを持つインピーダンス素子803に入力された電力は、インピーダンス素子803が接続されるポートaで吸収され、反射しない。すなわち、ポートaへ入力する電力は0である。
ここで、波源801が生じる電圧Vcは、図7に示された等価回路700のポート1の電流をI1、ポート2の電流をI2として、次式により算出される。
Figure 2015122723
ただし、Vp1、Vp2は、それぞれ、等価回路700のポート1及びポート2の電圧である。またV1は、図7に示された波源701、702の出力電圧である。ポート1の電流I1、ポート2の電流I2は、例えば、評価対象の差動伝送線路の各信号線を流れる電流をシミュレーション実行部11が電磁界シミュレーションすることにより求められる。
また、ポートcの電流Icは、次式で算出される。
Figure 2015122723
Vc及びIcから、次式に従って、コモンモード励振における差動伝送線路からの入力電力振幅acが算出される。また、ポートaからの出力電力振幅baは、次式に従って、ポートaの出力電圧Va及び出力電流Iaから算出される。
Figure 2015122723
なお、Zcは、コモンモード励振における差動伝送線路のインピーダンスであり、例えば、評価対象の差動伝送線路における仕様に従って定められる値(例えば、50Ω)である。同様に、評価対象の被影響回路のインピーダンスZaも、例えば、仕様に従って定められる値である。そのため、Zc及びZaは、例えば、入力部2を介してユーザにより入力されてもよい。ポートaの出力電圧Va及び出力電流Iaは、等価回路800の定義から、等価回路700におけるポート3からの出力電圧V3及び出力電流I3と等しい。そして出力電圧V3(=Va)及び出力電流I3(=Ia)は、シミュレーション実行部11が評価対象の被影響回路についての電磁界シミュレーションを実行することにより求められる。
ポートcの入力電力振幅ad及びポートaの出力電力振幅baから、コモンモード励振する差動伝送線路からの入力電力に対する被影響回路への出力電力の比を表すミックスドモードSパラメータSacは、次式により算出される。
Figure 2015122723
コモンモード評価部13は、上記の(6)〜(9)式を計算することにより、ミックスドモードSパラメータSacを算出する。
図9は、回路特性評価方法の動作フローチャートである。なお、以下のフローチャートは、ディファレンシャルモード励振により動作する差動伝送線路を流れる電流により影響を受ける回路のミックスドモードSパラメータを算出するものである。コモンモード励振により動作する差動伝送線路を流れる電流により影響を受ける回路のミックスドモードSパラメータを算出する場合には、以下の動作フローチャートにおいて、ディファレンシャルモードとコモンモードを入れ替えればよい。
シミュレーション実行部11は、差動伝送線路の各信号線に波源を設定して、電磁界シミュレーションにより、各信号線を流れる電流及び差動伝送線路を流れる電流により影響を受ける被影響回路の電圧及び電流を求める(ステップS101)。なお、上記のように、差動伝送線路を流れる電流がディファレンシャルモード励振による場合には、各信号線に設定される二つの波源からの出力電圧の位相は逆相となる。また、差動伝送線路を流れる電流がコモンモード励振による場合には、各信号線に設定される二つの波源からの出力電圧の位相は同相となる。ディファレンシャルモード評価部12は、ディファレンシャルモード励振により動作する差動伝送線路及びコモンモード励振により動作する差動伝送線路をそれぞれ入力とする等価回路を設定する。そしてディファレンシャルモード評価部12は、その等価回路に従って、ディファレンシャルモード励振により動作する差動伝送線路を入力とするポートdの入力電力振幅adを算出する(ステップS102)。
またディファレンシャルモード評価部12は、シミュレーションにより得られた、被影響回路の電圧値及び電流値に基づいて、被影響回路への出力電力振幅baを算出する(ステップS103)。そしてディファレンシャルモード評価部12は、出力電力振幅baを入力電力振幅adで除することにより、Sadを算出する(ステップS104)。そして処理部4は、回路特性評価を終了する。
以上に説明してきたように、この回路特性評価方法は、差動伝送線路から影響を受ける回路一つにつき、ディファレンシャルモード励振とコモンモード励振のそれぞれについて一回ずつシミュレーションすることで、Sad及びSacを算出できる。そのため、この回路特性評価方法は、差動伝送線路の各信号線及び被影響回路ごとに波源を設定したシミュレーションを実行しなくてもよいので、シミュレーションの実行回数を削減できる。
さらに、この回路特性評価方法では、ディファレンシャルモード励振のときとコモンモード励振のときとで、電磁界シミュレーションを行う回路の構成を同一にできる。さらに、この回路特性評価方法では、差動伝送線路にディファレンシャルモード励振による電流が流れるときの評価対象回路及びその周囲の電磁界も、Sad算出のためのシミュレーションによって求めることができる。同様に、この回路特性評価方法では、差動伝送線路にコモンモード励振による電流が流れるときの評価対象回路及びその周囲の電磁界も、Sac算出のためのシミュレーションによって求めることができる。
上記の実施形態では、ノイズ源となる差動伝送線路は一つであったが、この回路特性評価方法は、ノイズ源となる差動伝送線路が複数の場合にも適用できる。さらに、この回路特性評価方法は、差動伝送線路により影響を受ける被影響回路が複数の場合にも適用できる。
図10(a)は、差動伝送線路が二つ有り、そのうちの一方にのみ、コモンモード励振により電流が流れ、かつ、差動伝送線路を流れる電流により影響を受ける回路が複数の場合の等価回路を示す図である。
この例では、電流が流れる方の差動伝送線路の二つの信号線が等価回路1000のポート1、ポート2に接続される。また、電流が流れていない方の差動伝送線路の二つの信号線が等価回路1000のポート3、ポート4に接続される。そしてポート5〜n(nは5以上の整数)のそれぞれには、被影響回路のインピーダンスZa1〜Zanを持つインピーダンス素子が接続される。
この例では、図7と同様に、電流が流れる方の差動伝送線路の各信号線に、波源1001、1002が設定される。各波源1001、1002は、ディファレンシャルモード励振のインピーダンスZd1の1/2のインピーダンスを持つインピーダンス素子1003、1004を介して等価回路1000に接続される。また、電流が流れない方の差動伝送線路の信号線が接続されるポート3、ポート4は、各波源1001、1002からの電力が反射されてポート3、4に再入力しないという条件を満たすように設定されたインピーダンス素子を介して終端される。なお、Zd2は、電流が流れない方の差動伝送線路のディファレンシャルモード励振のインピーダンスであり、Zc2は、電流が流れない方の差動伝送線路のコモンモード励振のインピーダンスである。
図10(b)は、図10(a)に示された等価回路1000を、ディファレンシャルモード励振するときとコモンモード励振するときの各差動伝送線路を一つの入力とするように等価変換して得られる等価回路を示す図である。この等価回路1010は、図8に示される等価回路800と同様に、コモンモード励振により電流が流れる差動伝送線路を表すポートC1にのみ波源1011が接続される。一方、ディファレンシャルモード励振する差動伝送を表すポートD1は、波源1011からの電力が反射してポートD1に再入力しないように、ディファレンシャルモード励振による差動伝送線路のインピーダンスZd1を持つインピーダンス素子を介して終端される。また、電流が流れていない方の差動伝送線路に相当する二つのポートC2、D2は、それぞれ、インピーダンス素子を介して終端される。ポートC2と接続されるインピーダンス素子は、電流が流れていない方の差動伝送線路がコモンモード励振する際のインピーダンスZc2を持つ。またポートD2と接続されるインピーダンス素子は、ディファレンシャルモード励振する際のインピーダンスZd2を持つ。
この等価回路1010においても、波源1011が接続されたポートC1以外のポートについては、入力電力振幅は0とみなすことができる。したがって、コモンモード評価部13は、(6)〜(8)式に従って、この等価回路1010における、波源1011が接続されたポートC1における入力電力振幅ac1を算出できる。同様に、コモンモード評価部13は、(6)〜(8)式に従って、被影響回路を表すインピーダンス素子が接続されるポートa1〜anにおける出力電力振幅bai(i=1,2,...,n)を算出できる。そしてコモンモード評価部13は、コモンモード励振する差動伝送線路を流れる電流による各回路への影響を次式で算出できる。
Figure 2015122723
なお、(10)式で算出されるパラメータSaic1は、ミックスドモードSパラメータと同様に、一方のポートに入力される電力振幅に対する他方のポートの出力電力振幅の比を表すものではあるが、ミックスドモードSパラメータとは異なる指標となる。
また、一方の差動伝送線路においてのみ、ディファレンシャルモード励振により電流が流れる場合も、ディファレンシャルモード評価部12は、(2)〜(4)式に従って、波源が接続されたポートにおける入力電力振幅を算出すればよい。同様に、ディファレンシャルモード評価部12は、(2)〜(4)式に従って、被影響回路が接続される各ポートにおける出力電力振幅を算出すればよい。そしてディファレンシャルモード評価部12は、(10)式と同様に、ディファレンシャルモード励振する差動伝送線路を流れる電流による各回路への影響を、波源が接続されたポートの入力電力振幅に対する出力電力振幅の比の平方根として算出できる。
また、この回路特性評価方法は、複数の差動伝送線路に同時に電流が流れている場合における、被影響回路への影響も評価できる。
図11(a)は、差動伝送線路が二つ有り、その両方についてコモンモード励振により電流が流れ、かつ、差動伝送線路を流れる電流により影響を受ける回路が複数の場合の等価回路を示す図である。
この例では、一方の差動伝送線路の二つの信号線が等価回路1100のポート1、ポート2に接続される。また、他方の差動伝送線路の二つの信号線が等価回路1100のポート3、ポート4に接続される。そしてポート5〜n(nは5以上の整数)のそれぞれには、差動伝送線路を流れる電流により影響を受ける被影響回路のインピーダンスZa1〜Zanを持つインピーダンス素子が接続される。
この例では、差動伝送線路の各信号線に、波源1101〜1104が設定される。各波源1101〜1104は、インピーダンス素子1105〜1108を介して等価回路1100に接続される。各インピーダンス素子1105〜1108のインピーダンスは、コモンモード励振で差動伝送線路を流れる電流が、ディファレンシャルモード励振する差動伝送線路で吸収され、かつ、反射されない条件を満たすように設定される。すなわち、各インピーダンス素子1105〜1108は、ディファレンシャルモード励振のインピーダンスZd1、Zd2の1/2のインピーダンスを持つ。
図11(b)は、図11(a)に示された等価回路を、ディファレンシャルモード励振するときとコモンモード励振するときの各差動伝送線路を一つの入力とするように等価変換して得られる等価回路を示す図である。
この等価回路1110は、コモンモード励振により電流が流れる差動伝送線路を表すポートC1、C2にのみ波源1111、1112が設けられる。ディファレンシャルモード励振する差動伝送を表すポートD1、D2は、各波源からの電力が反射してポートD1、D2に再入力しないよう、ディファレンシャルモード励振による差動伝送線路のインピーダンスZd1、Zd2を持つインピーダンス素子を介して終端される。
この等価回路1110においても、波源1111、1112が接続されたポートC1、C2以外のポートについては、入力電力振幅は0とみなすことができる。したがって、コモンモード評価部13は、(6)〜(8)式に従って、この等価回路1110における、波源1011、1012が接続されたポートC1、C2における入力電力振幅ac1、ac2を算出できる。さらに、コモンモード評価部13は、影響を受ける回路が接続されるポートa1〜anにおける出力電力振幅bai(i=1,2,...,n)を算出できる。そしてコモンモード評価部13は、コモンモード励振する差動伝送線路を流れる電流による各回路への影響を次式で算出できる。
Figure 2015122723
なお、(11)式で算出されるパラメータSaic12は、(10)式で算出されるパラメータSaic1と同様に、一方のポートに入力される電力振幅に対する他方のポートの出力電力振幅の比を表すものではあるが、ミックスドモードSパラメータとは異なる指標となる。
また、両方の差動伝送線路に、ディファレンシャルモード励振により電流が流れる場合も、ディファレンシャルモード評価部12は、(2)〜(4)式に従って、波源が接続されたポートにおける入力電力振幅を算出すればよい。同様に、ディファレンシャルモード評価部12は、(2)〜(4)式に従って、被影響回路を表すインピーダンス素子が接続される各ポートにおける出力電力振幅を算出すればよい。そしてディファレンシャルモード評価部12は、ディファレンシャルモード励振する差動伝送線路を流れる電流による各被影響回路への影響を表す指標を、波源が接続された各ポートの入力電力振幅の和に対する出力電力振幅の比として算出できる。
さらに、被影響回路に影響を与える差動伝送線路の数がM(Mは2以上の整数)である場合には、ディファレンシャルモード評価部12及びコモンモード評価部13は、(bai/Σakj)(k=c or d,j=1,2,..,M)を計算すればよい。
またこの回路特性評価方法は、差動伝送線路以外の回路、例えば、図1に示される無線信号回路を流れる電流により生じるノイズが差動伝送線路に与える影響を評価することもできる。
図12(a)は、差動伝送線路に対する他の回路からの影響を評価するための等価回路を示す図である。この等価回路1200でも、ポート1及びポート2は、波源からの電力が反射されてポート3に再入力しないという条件を満たすように設定されたインピーダンス素子1201〜1203を介して終端される。そしてインピーダンス素子1203に対して互いに並列に接続されるインピーダンス素子1201、1202は、ディファレンシャルモード励振時の差動伝送線路のインピーダンスZdの1/2のインピーダンスを持つ。またインピーダンス素子1203は、コモンモード励振時の差動伝送線路のインピーダンスZcから0.25Zdを減じたインピーダンス(Zc-0.25Zd)を持つ。また、ポート3には、他の回路、例えば、図1に示される無線信号回路106を流れる電流に応じた波源1204が接続される。
図12(b)は、図12(a)に示された等価回路を、ディファレンシャルモード励振するときとコモンモード励振するときの各差動伝送線路を一つの入力とするように等価変換して得られる等価回路を示す図である。この場合、等価回路1210のポートdは、ディファレンシャルモード励振するときの差動伝送線路のインピーダンスZdを持つインピーダンス素子1211を介して終端される。一方、ポートcは、コモンモード励振するときの差動伝送線路のインピーダンスZcを持つインピーダンス素子1212を介して終端される。そしてポートd、ポートcからの入力電力は0とみなすことができる。
この場合、この回路特性評価方法は、1回の電磁界シミュレーションにより、他の回路側の電圧及び電流を求めるとともに、差動伝送線路の各信号線の電圧及び電流を求めればよい。そしてこの回路特性評価方法は、得られた電圧及び電流から、ポートaの入力電力振幅aa及びポートc、ポートdの出力電力振幅bc、bdを算出できる。具体的には、(2)、(3)式に従って、ポートdの電圧Vd及び電流Idが算出され、(6)、(7)式に従って、ポートcの電圧Vc及び電流Icが算出される。そして、(4)式のadの算出式の分子を(Vd-ZdId)により置換した式を用いてbdが算出される。また、baの算出式の分子を(Va+ZaIa)により置換した式を用いてaaが算出される。同様に、(8)式のacの算出式の分子を(Vc-ZcIc)により置換した式を用いてbcが算出される。そしてポートaの入力電力振幅aaにより、ポートc、ポートdの出力電力振幅bc、bdを除することで、他の回路が差動伝送線路に与える影響を表すミックスドモードSパラメータSca(=bc/aa)、Sda(=bd/aa)が求められる。
さらにまた、評価対象となる回路に、電磁波の進行方向によって特性が異なる非線形材料が含まれない場合、ミックスドモードSパラメータSad及びSacと、Sda及びScaとの間に相反定理が成立する。すなわち、Sad=Sda、Sac=Scaとなる。そこで変形例による回路特性評価方法は、アンテナといった被影響回路側に波源を設定することで、1回の電磁界シミュレーションで、差動伝送線路から被影響回路への影響を表すミックスドモードSパラメータSad及びSacを算出する。
図13は、この変形例における、差動伝送線路の回路構成のモデルを表す図である。このモデルは、誘電体の基板1300上に形成された差動伝送線路が有する2本の信号線1301及び1302間の中点を通り、かつ、2本の信号線1301及び1302が設けられた基板1300の面に対して直交する面1310に対して対称であると仮定される。そして2本の信号線1301及び1302が設けられた基板1300の面と反対側の面に設けられたグラウンド1303と信号線1301間を接続するインピーダンス素子1304を仮定し、その素子1304のインピーダンスをZβで表す。同様に、グラウンド1303と信号線1302間を接続するインピーダンス素子1305を仮定し、その素子1305のインピーダンスもZβで表す。さらに、信号線1301と信号線1302間を接続するインピーダンス素子1306を仮定し、その素子1306のインピーダンスをZαで表す。
図14(a)は、図13に示されたモデルに対応する等価回路を示す図である。この等価回路1400では、ポート1及びポート2には、それぞれ、差動伝送線路の2本の信号線の何れかが接続され、インピーダンスZβを持つインピーダンス素子1304、1305を介して終端される。またポート1とポート2とは、インピーダンスZαを持つインピーダンス素子1306を介して接続される。そしてインピーダンスZα及びZβは、波源からの電力が反射されてポート1及びポート2に再入力しないという条件を満たすように設定される。一方、ポート3には、被影響回路、例えば、図1に示されるアンテナ104と無線信号回路106間の信号線105を流れる電流に応じた波源1401が接続される。
図14(b)は、図14(a)に示された等価回路を、ディファレンシャルモード励振するときとコモンモード励振するときの各差動伝送線路を一つの入力とするように等価変換して得られる等価回路を示す図である。この場合、等価回路1410のポートdは、ディファレンシャルモード励振するときの差動伝送線路のインピーダンスZdを持つインピーダンス素子1411を介して終端される。一方、ポートcは、コモンモード励振するときの差動伝送線路のインピーダンスZcを持つインピーダンス素子1412を介して終端される。そしてポートd、ポートcからの入力電力振幅ac、adは0とみなすことができる。また、被影響回路に相当するポートaには波源1401が接続される。
この例において、インピーダンスZα及びZβは、以下のように決定できる。まず、差動伝送線路がディファレンシャルモード励振する場合、図14(a)に示される等価回路におけるポート1での電流の振幅とポート2での電流の振幅は等しく、かつ、位相が反転している。そのため、ポート1からの電流はグラウンドへは流れない。したがって、ポート1からの電流は、インピーダンス素子1304とインピーダンス素子1305とが直列に接続された線路と、インピーダンス素子1306が接続された線路とが並列に接続された線路を流れてポート2に入力されると考えられる。そのため、以下の式が成り立つ。
Figure 2015122723
一方、差動伝送線路がコモンモード励振する場合、ポート1の電位とポート2の電位は等しいので、インピーダンス素子1306には電流は流れない。また、ポート1からの電流とポート2からの電流は、それぞれ、インピーダンス素子1304、1305を通ってグラウンドに流れる。そのため、以下の式が成り立つ。
Figure 2015122723
したがって、(12)式及び(13)式を変形することにより得られる次式から、インピーダンスZα及びZβが求められる。
Figure 2015122723
なお、インピーダンスZc及びZdは、差動伝送線路の仕様などに応じて決定される。
図15(a)〜図15(c)は、それぞれ、差動伝送線路の終端部分を表す等価回路の一例である。図15(a)に示される例では、差動伝送線路の2本の信号線1501、1502は、それぞれ、インピーダンスZ1、Z2を持つインピーダンス素子1503及び1504を介して接続される。そしてインピーダンス素子1503とインピーダンス素子1504の間にインピーダンスZ3を持つインピーダンス素子1505の一端が接続され、インピーダンス素子1505の他端は接地される。この場合、Z1=Z2=50Ω、Z3=∞とすると、Zd=100Ω、Zc=∞となる。そして差動伝送線路がコモンモード励振される場合、差動伝送線路の終端部分は開放端となる。すなわちその終端部分は、コモンモード電流を位相反転して反射し、コモンモード電圧を同相のまま反射する。
図15(b)に示される例では、差動伝送線路の2本の信号線1511、1512は、それぞれ、インピーダンスZ1、Z2を持つインピーダンス素子1513及び1514を介して接続される。そしてインピーダンス素子1513とインピーダンス素子1514の間に所定の容量Cを持つコンデンサ1515の一端が接続され、コンデンサ1515の他端は接地される。この場合、Z1=Z2=50Ω、C=60pFとすると、Zd=100Ω、Zc=(25+1/iωC)Ωとなる。ただしωは、差動伝送線路を流れる電流の周波数である。そして差動伝送線路がコモンモード励振される場合、差動伝送線路の終端部分は、カットオフ周波数以下の周波数を持つコモンモード電流に対して開放端となり、カットオフ周波数より高い周波数を持つコモンモード電流に対して略25Ωとなる。
図15(c)に示される例では、差動伝送線路の2本の信号線1521、1522は、それぞれ、インピーダンスZ1、Z2を持つインピーダンス素子1523、1524を介して接地される。この場合、Z1=Z2=50Ωとすると、Zd=100Ω、Zc=25Ωとなる。
図14(a)に示される等価回路は、シミュレーション実行部11により実行される電磁界シミュレーションで利用され、その際、(14)式に従って算出されたインピーダンスZα及びZβも、その電磁界シミュレーションで利用される。
この回路特性評価方法では、シミュレーション実行部11が、1回の電磁界シミュレーションにより、被影響回路側に設定した波源からの出力電圧により、図14(a)に示される等価回路1400の各ポートにおける電圧及び電流を求めればよい。そしてこの回路特性評価方法では、ディファレンシャルモード評価部12及びコモンモード評価部13が、得られた電圧及び電流から、ポートaの入力電力振幅aa、及び、ポートc、ポートdの出力電力振幅bc、bdを算出できる。具体的には、ディファレンシャルモード評価部12は、(2)、(3)式に従って、ポートdの電圧Vd及び電流Idを算出する。そしてディファレンシャルモード評価部12は、(4)式のadの算出式の分子を(Vd-ZdId)により置換した式を用いてbdを算出し、baの算出式の分子を(Va+ZaIa)により置換した式を用いてaaを算出する。そしてディファレンシャルモード評価部12は、ポートaの入力電力振幅aaにより、ポートdの出力電力振幅bdを除することで、被影響回路が差動伝送線路に与える影響を表すミックスドモードSパラメータSda(=bd/aa)を算出する。なお、被影響回路のインピーダンスZaは、上記の実施形態と同様に、例えば、仕様によって定められる。
この例では、相反定理が成立することを仮定しているので、Sda=Sadが成立する。そこで、ディファレンシャルモード評価部12は、差動伝送線路がディファレンシャルモード励振する際に差動伝送線路が被影響回路に与える影響を表すミックスドモードSパラメータSadの値を、算出されたミックスドモードSパラメータSdaと同じ値とする。
一方、コモンモード評価部13は、(6)、(7)式に従って、ポートcの電圧Vc及び電流Icを算出する。そしてコモンモード評価部13は、(8)式のacの算出式の分子を(Vc-ZcIc)により置換した式を用いてbcを算出するとともに、ディファレンシャルモード評価部12と同様にaaを算出する。そしてコモンモード評価部13は、ポートaの入力電力振幅aaにより、ポートcの出力電力振幅bcを除することで、被影響回路が差動伝送線路に与える影響を表すミックスドモードSパラメータSca(=bc/aa)を算出する。
上述したように、この例では、相反定理が成立することを仮定しているので、Sca=Sacが成立する。そこで、コモンモード評価部13は、差動伝送線路がコモンモード励振する際に差動伝送線路が被影響回路に与える影響を表すミックスドモードSパラメータSacの値を、算出されたミックスドモードSパラメータScaと同じ値とする。
この変形例による回路特性評価方法は、1回の電磁界シミュレーションを行うだけで、ミックスドモードSパラメータSad及びSacを求めることができるので、電磁界シミュレーションの実行回数をより削減できる。
さらに、被影響回路が、他の回路とのインピーダンス整合をとるための整合回路を有していることがある。例えば、図1に示されたアンテナ104と無線信号回路106の間に整合回路が接続されることがある。このような場合、整合回路も等価回路に含めて電磁界シミュレーションを実行すると、被影響回路において電磁波が共振するために、そのシミュレーションが収束するのに時間が掛かる。そこで、変形例による回路特性評価方法は、整合回路を含まない等価回路を規定して電磁界シミュレーションを行って得られたミックスドモードSパラメータを、整合回路の電圧と電流の伝送特性に応じて補正する。これにより、この回路特性評価方法は、差動伝送線路が整合回路を含む被影響回路に与える影響を表すミックスドモードSパラメータを求める。
この場合も、シミュレーション実行部11は、波源を、等価回路の被影響回路側のポートに接続して電磁界シミュレーションを実行する。その際、等価回路には、整合回路を含まないものとする。そしてディファレンシャルモード評価部12及びコモンモード評価部13は、それぞれ、その電磁界シミュレーションの結果を利用して、Saa、Sda及びScaを算出する。その際、被影響回路のインピーダンスZaを、整合回路のインピーダンスZmと被影響回路のその他の部分(例えば、アンテナ、以下、便宜上、終端回路と呼ぶ)のインピーダンスである基準インピーダンスZ0の和とする。
図16は、被影響回路を整合回路とその他の回路とに分解したときの等価回路を示す図である。ここでは、差動伝送線路のレシプロシティを仮定して、等価回路1600は、ディファレンシャルモード励振するときの差動伝送線路に相当するポートdから給電されるものとする。また、コモンモード励振するときの差動伝送線路に相当するポートcは、インピーダンスZcを持つインピーダンス素子を介して終端される。また、被影響回路に相当するポートaには、インピーダンスZmを持つ整合回路1601が接続され、整合回路1601のポートmは、基準インピーダンスZ0を持つ終端回路1602と接続される。
この場合、ポートmへの入力電力am=0となる。そのため、差動伝送線路がディファレンシャル励振する場合の被影響回路への影響を表す、求めるべきミックスドモードSパラメータSmdは、bm/adとなる。一方、波源を被影響回路側に配置した電磁界シミュレーションの結果から、Sda=Sad=ba/aaは算出される。そこで、SdaからSmdを導出するための式について説明する。
図17に示されるように、整合回路1601から等価回路へ向けて流れる電流をI3、電圧をV3と定義し、終端回路1602から整合回路1601へ向けて流れる電流をI4、電圧をV4と定義する。この場合、等価回路のポートaにおける入力電力振幅aa及び出力電力振幅baは、次式で表される。
Figure 2015122723
ここで、整合回路1601の電圧と電流の伝送特性を表すF行列は、次式で表わされる。なお、F行列の各要素は、整合回路1601の仕様に基づいて予め求めることができる。
Figure 2015122723
この場合、V3、I3と、V4、I4との間には、次式が成立する。
Figure 2015122723
(17)式において、V4を消去することで、次式が得られる。
Figure 2015122723
そこで、(18)式におけるV3に、(15)式を適用することで次式が得られる。
Figure 2015122723
以上により、終端回路1602と整合回路1601間の電流I4が、等価回路のポートaにおける出力電力振幅baを用いて表される。
一方、ポートmにおける入力電力振幅am及び出力電力振幅bmは、次式で表される。
Figure 2015122723
そこで、(20)式におけるI4に、(19)式を適用することで次式が得られる。
Figure 2015122723
(21)式において、Sda=Sad=ba/aaの関係を適用することにより、次式が得られる。
Figure 2015122723
したがって、ディファレンシャルモード評価部12は、整合回路を含まない等価回路を用いて算出されたSdaの値を(22)式に代入する。これにより、ディファレンシャルモード評価部12は、ディファレンシャルモード励振する差動伝送線路が整合回路を含む被影響回路への影響を表すミックスドモードSパラメータSmdを求めることができる。
同様に、コモンモード評価部13は、整合回路を含まない等価回路を用いて算出されたScaの値を(22)式に代入する。これにより、コモンモード評価部13は、コモンモード励振する差動伝送線路が整合回路を含む被影響回路への影響を表すミックスドモードSパラメータSmcを求めることができる。
図18は、この変形例による回路特性評価方法の動作フローチャートである。
シミュレーション実行部11は、被影響回路側に波源を設定して、電磁界シミュレーションにより、差動伝送線路の各信号線を流れる電流及び電圧と、被影響回路の電流を求める(ステップS201)。
ディファレンシャルモード評価部12は、ディファレンシャルモード励振により動作する差動伝送線路及びコモンモード励振により動作する差動伝送線路をそれぞれ入力とし、整合回路を含まない等価回路を設定する。そしてディファレンシャルモード評価部12は、その等価回路に従って、ディファレンシャルモード励振により動作する差動伝送線路を入力とするポートdの出力電力振幅bdを算出する(ステップS202)。
またディファレンシャルモード評価部12は、シミュレーションにより得られた、被影響回路の電圧値及び電流値に基づいて、被影響回路からの入力電力振幅aaを算出する(ステップS203)。ディファレンシャルモード評価部12は、出力電力振幅bdを入力電力振幅aaで除することにより、Sdaを算出する(ステップS204)。そしてディファレンシャルモード評価部12は、Sdaを整合回路の電圧及び電流の伝送特性に応じて補正して得た値を、Smdとする(ステップS205)。
また、コモンモード評価部13は、上記の等価回路に従って、コモンモード励振により動作する差動伝送線路を入力とするポートcの出力電力振幅bcを算出する(ステップS206)。さらに、コモンモード評価部13は、シミュレーションにより得られた、被影響回路の電圧値及び電流値に基づいて、被影響回路からの入力電力振幅aaを算出する(ステップS207)。コモンモード評価部13は、出力電力振幅bcを入力電力振幅aaで除することにより、Scaを算出する(ステップS208)。そしてコモンモード評価部13は、Scaを整合回路の電圧及び電流の伝送特性に応じて補正して得た値を、Smcとする(ステップS209)。そして処理部4は、回路特性評価を終了する。
なお、被影響回路が整合回路を含まない場合、ステップS205及びステップS209の処理は省略されてもよい。この場合、ディファレンシャルモード評価部12は、相反定理に従って、SdaをSadとする。同様に、コモンモード評価部13は、相反定理に従って、ScaをSacとする。また、ステップS202〜S205の処理とステップS206〜S209の処理の順序は入れ換えられてもよい。さらに、ステップS203で得られた被影響回路からの入力電力振幅aaを利用することにより、ステップS207の処理は省略されてもよい。
一例として、基板から2.5mmの高さの位置に設けられたアンテナを含む被影響回路について、下記のワークステーションにより電磁界シミュレーションを行った結果を示す。
CPU:Intel(登録商標) Xeon(登録商標) X5675 3.06GHz×2
搭載メモリ:48.0GB
GPU: NVIDIA Quadro 4000
NVIDIA Tesla C2075
この場合、等価回路に整合回路を含めて電磁界シミュレーションを行うと、シミュレーション結果が収束するまでに要する解析時間は約51分であった。一方、等価回路に整合回路を含めずに電磁界シミュレーションを行うと、シミュレーション結果が収束するまでに要する解析時間は約9分であった。このように、等価回路に整合回路を含めないようにすることで、電磁界シミュレーションに要する時間が約1/5に短縮された。
以上に説明したように、この変形例によれば、回路特性評価方法は、1回の電磁界シミュレーションに要する時間を短縮できるので、より短時間でミックスドモードSパラメータを求めることができる。
また、この回路特性評価方法において、シミュレーション実行部11は、図14(a)に示された等価回路の代わりに、差動伝送線路を他のモデルで表したときの等価回路に従って、電磁界シミュレーションを実行してもよい。
図19(a)及び図19(b)は、それぞれ、波源を被影響回路側に接続して、差動伝送線路から被影響回路への影響を調べる場合に利用できる等価回路の他の例を示す。
図19(a)に示される等価回路1901では、図14(a)に示される等価回路1400と比較して、差動伝送線路の2本の信号線間に接続されるインピーダンス素子が異なる。この等価回路1901では、差動伝送線路の2本の信号線間には、インピーダンスZ'αを持つ二つのインピーダンス素子1902、1903が直列に接続される。
また、図19(b)に示される等価回路1911では、図14(a)に示された等価回路400と比較して、差動伝送線路の2本の信号線間のインピーダンス素子1306の接続位置が、インピーダンス素子1304、1305とグラウンドの間に変更されている。
このように、シミュレーション実行部11は、何れのモデルに従って電磁界シミュレーションを実行してもよい。
また、上記の各実施名体または変形例による回路特性評価方法は、差動伝送線路がディファレンシャルモード励振する場合に差動伝送線路が被影響回路へ与える影響を表すミックスドモードSパラメタ(Sad、Smd)のみを求めてもよい。あるいは、この回路特性評価方法は、差動伝送線路がコモンモード励振する場合に差動伝送線路が被影響回路へ与える影響を表すミックスドモードSパラメタ(Sac、Smc)のみを求めてもよい。
さらに、各実施形態または変形例による回路特性評価方法をコンピュータに実現させるコンピュータプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体、例えば、磁気記録媒体、または光記録媒体に記録された形で提供されてもよい。
ここに挙げられた全ての例及び特定の用語は、読者が、本発明及び当該技術の促進に対する本発明者により寄与された概念を理解することを助ける、教示的な目的において意図されたものであり、本発明の優位性及び劣等性を示すことに関する、本明細書の如何なる例の構成、そのような特定の挙げられた例及び条件に限定しないように解釈されるべきものである。本発明の実施形態は詳細に説明されているが、本発明の精神及び範囲から外れることなく、様々な変更、置換及び修正をこれに加えることが可能であることを理解されたい。
以上説明した実施形態及びその変形例に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
2本の信号線を含む差動伝送線路が他の回路を流れる電流から受ける影響を表す指標を求める回路特性評価方法であって、
前記他の回路に波源を設定し、該波源からの出力電圧により、前記2本の信号線それぞれを流れる電流及び前記2本の信号線それぞれにおける電圧と、前記他の回路を流れる電流とを電磁界シミュレーションにより求め、
前記差動伝送線路と前記他の回路間の電力の伝達関係を表す等価回路に従って、前記波源からの出力電圧及び前記他の回路を流れる電流から前記他の回路からの入力電力振幅を求め、
前記等価回路に従って、前記2本の信号線のそれぞれを流れる電流及び前記2本の信号線のそれぞれの電圧から、ディファレンシャルモード励振する場合の前記差動伝送線路への第1の出力電力振幅と、コモンモード励振する場合の前記差動伝送線路への第2の出力電力振幅のうちの少なくとも一方を求め、
前記他の回路からの入力電力振幅で前記第1の出力電力振幅及び前記第2の出力電力振幅の前記少なくとも一方を除することで前記指標を算出する、
回路特性評価方法。
1 回路特性評価装置
2 入力部
3 記憶部
4 処理部
5 出力部
11 シミュレーション実行部
12 ディファレンシャルモード評価部
13 コモンモード評価部

Claims (16)

  1. 2本の信号線を含む差動伝送線路を流れる電流が他の回路に与える影響を表す指標を求める回路特性評価方法であって、
    前記2本の信号線のそれぞれに波源を設定し、該二つの波源のそれぞれからの出力電圧の位相が互いに逆相となり、かつ該出力電圧の振幅が同一として、ディファレンシャルモード励振によって前記差動伝送線路に電流が流れる場合の前記2本の信号線それぞれを流れる電流と、前記他の回路を流れる電流及び電圧とを電磁界シミュレーションにより求め、
    前記差動伝送線路と前記他の回路間の電力の伝達関係を表す等価回路に従って、前記二つの波源のそれぞれからの出力電圧及び前記2本の信号線それぞれを流れる電流から前記ディファレンシャルモード励振による差動伝送線路からの入力電力振幅及び前記他の回路を流れる電流及び電圧から前記他の回路への出力電力振幅を求め、
    前記ディファレンシャルモード励振による差動伝送線路からの入力電力振幅と前記他の回路への出力電力振幅から前記指標を算出する、回路特性評価方法。
  2. 前記等価回路は、コモンモード励振により前記差動伝送線路を流れる電流による入力がなくなるようにコモンモード励振による前記差動伝送線路のインピーダンスを用いて設定される、請求項1に記載の回路特性評価方法。
  3. 前記電磁界シミュレーションにおいて、前記2本の信号線のそれぞれと前記二つの波源の間に接続されるインピーダンス素子のインピーダンスがコモンモード励振による前記差動伝送線路のインピーダンスの2倍に設定される、請求項2に記載の回路特性評価方法。
  4. 前記差動伝送線路が複数存在し、
    前記2本の信号線それぞれを流れる電流と、前記他の回路を流れる電流及び電圧とを電磁界シミュレーションにより求めることは、前記複数の差動伝送線路ごとに、前記2本の信号線のそれぞれに波源を設定し、該二つの波源のそれぞれからの出力電圧の位相が互いに逆相となり、かつ該出力電圧の振幅が同一として、ディファレンシャルモード励振によって前記複数の差動伝送線路のそれぞれに電流が流れる場合の前記複数の差動伝送線路のそれぞれの前記2本の信号線に流れる電流と、前記他の回路を流れる電流及び電圧とを電磁界シミュレーションにより求め、
    前記入力電力振幅を求めることは、前記複数の差動伝送線路ごとに前記入力電力振幅を求め、
    前記指標を算出することは、前記複数の差動伝送線路のそれぞれの前記入力電力振幅の和で前記出力電力振幅を除することにより前記指標を算出する、請求項1〜3の何れか一項に記載の回路特性評価方法。
  5. 2本の信号線を含む差動伝送線路を流れる電流が他の回路に与える影響を表す指標を求める回路特性評価方法であって、
    前記2本の信号線のそれぞれに波源を設定し、該二つの波源のそれぞれからの出力電圧の位相が互いに同相となり、かつ該出力電圧の振幅が同一として、コモンモード励振によって前記差動伝送線路に電流が流れる場合の前記2本の信号線それぞれを流れる電流と、前記他の回路を流れる電流及び電圧とを電磁界シミュレーションにより求め、
    前記差動伝送線路と前記他の回路間の電力の伝達関係を表す等価回路に従って、前記二つの波源のそれぞれからの出力電圧及び前記2本の信号線それぞれを流れる電流から前記コモンモード励振による差動伝送線路からの入力電力振幅及び前記他の回路を流れる電流及び電圧から前記他の回路への出力電力振幅を求め、
    前記コモンモード励振による差動伝送線路からの入力電力振幅と前記他の回路への出力電力振幅から前記指標を算出する、回路特性評価方法。
  6. 前記等価回路は、ディファレンシャルモード励振により前記差動伝送線路を流れる電流による入力がなくなるようにディファレンシャルモード励振による前記差動伝送線路のインピーダンスを用いて設定される、請求項5に記載の回路特性評価方法。
  7. 電磁界シミュレーションにおいて、前記2本の信号線のそれぞれと前記二つの波源の間に接続されるインピーダンス素子のインピーダンスがディファレンシャルモード励振による前記差動伝送線路のインピーダンスの半分に設定される、請求項6に記載の回路特性評価方法。
  8. 前記差動伝送線路が複数存在し、
    前記2本の信号線それぞれを流れる電流と、前記他の回路を流れる電流及び電圧とを電磁界シミュレーションにより求めることは、前記複数の差動伝送線路ごとに、前記2本の信号線のそれぞれに波源を設定し、該二つの波源のそれぞれからの出力電圧の位相が互いに同相となり、かつ該出力電圧の振幅が同一として、コモンモード励振によって前記複数の差動伝送線路のそれぞれに電流が流れる場合の前記複数の差動伝送線路のそれぞれの前記2本の信号線に流れる電流と、前記他の回路を流れる電流及び電圧とを電磁界シミュレーションにより求め、
    前記入力電力振幅を求めることは、前記複数の差動伝送線路ごとに前記入力電力振幅を求め、
    前記指標を算出することは、前記複数の差動伝送線路のそれぞれの前記入力電力振幅の和で前記出力電力振幅を除することにより前記指標を算出する、請求項5〜7の何れか一項に記載の回路特性評価方法。
  9. 2本の信号線を含む差動伝送線路を流れる電流が他の回路に与える影響を表す指標を求める回路特性評価装置であって、
    前記2本の信号線のそれぞれに波源を設定し、該二つの波源のそれぞれからの出力電圧の位相が互いに逆相となり、かつ該出力電圧の振幅が同一として、ディファレンシャルモード励振によって前記差動伝送線路に電流が流れる場合の前記2本の信号線それぞれを流れる電流と、前記他の回路を流れる電流及び電圧とを電磁界シミュレーションにより求めるシミュレーション実行部と、
    前記差動伝送線路と前記他の回路間の電力の伝達関係を表す等価回路に従って、前記二つの波源のそれぞれからの出力電圧及び前記2本の信号線それぞれを流れる電流から前記ディファレンシャルモード励振による差動伝送線路からの入力電力振幅及び前記他の回路を流れる電流及び電圧から前記他の回路への出力電力振幅を求め、前記ディファレンシャルモード励振による差動伝送線路からの入力電力振幅と前記他の回路への出力電力振幅から前記指標を算出する評価部と、
    を有する回路特性評価装置。
  10. 2本の信号線を含む差動伝送線路を流れる電流が他の回路に与える影響を表す指標を求める回路特性評価装置であって、
    前記2本の信号線のそれぞれに波源を設定し、該二つの波源のそれぞれからの出力電圧の位相が互いに同相となり、かつ該出力電圧の振幅が同一として、コモンモード励振によって前記差動伝送線路に電流が流れる場合の前記2本の信号線それぞれを流れる電流と、前記他の回路を流れる電流及び電圧とを電磁界シミュレーションにより求めるシミュレーション実行部と、
    前記差動伝送線路と前記他の回路間の電力の伝達関係を表す等価回路に従って、前記二つの波源のそれぞれからの出力電圧及び前記2本の信号線それぞれを流れる電流から前記コモンモード励振による差動伝送線路からの入力電力振幅及び前記他の回路を流れる電流及び電圧から前記他の回路への出力電力振幅を求め、前記コモンモード励振による差動伝送線路からの入力電力振幅と前記他の回路への出力電力振幅から前記指標を算出する評価部と、
    を有する回路特性評価装置。
  11. 2本の信号線を含む差動伝送線路を流れる電流が他の回路に与える影響を表す指標を求めることをコンピュータに実行させる回路特性評価用コンピュータプログラムであって、
    前記2本の信号線のそれぞれに波源を設定し、該二つの波源のそれぞれからの出力電圧の位相が互いに逆相となり、かつ該出力電圧の振幅が同一として、ディファレンシャルモード励振によって前記差動伝送線路に電流が流れる場合の前記2本の信号線それぞれを流れる電流と、前記他の回路を流れる電流及び電圧とを電磁界シミュレーションにより求め、
    前記差動伝送線路と前記他の回路間の電力の伝達関係を表す等価回路に従って、前記二つの波源のそれぞれからの出力電圧及び前記2本の信号線それぞれを流れる電流から前記ディファレンシャルモード励振による差動伝送線路からの入力電力振幅及び前記他の回路を流れる電流及び電圧から前記他の回路への出力電力振幅を求め、
    前記ディファレンシャルモード励振による差動伝送線路からの入力電力振幅と前記他の回路への出力電力振幅から前記指標を算出する、
    ことをコンピュータに実行させるための回路特性評価用コンピュータプログラム。
  12. 2本の信号線を含む差動伝送線路を流れる電流が他の回路に与える影響を表す指標を求めることをコンピュータに実行させる回路特性評価用コンピュータプログラムであって、
    前記2本の信号線のそれぞれに波源を設定し、該二つの波源のそれぞれからの出力電圧の位相が互いに同相となり、かつ該出力電圧の振幅が同一として、コモンモード励振によって前記差動伝送線路に電流が流れる場合の前記2本の信号線それぞれを流れる電流と、前記他の回路を流れる電流及び電圧とを電磁界シミュレーションにより求め、
    前記差動伝送線路と前記他の回路間の電力の伝達関係を表す等価回路に従って、前記二つの波源のそれぞれからの出力電圧及び前記2本の信号線それぞれを流れる電流から前記コモンモード励振による差動伝送線路からの入力電力振幅及び前記他の回路を流れる電流及び電圧から前記他の回路への出力電力振幅を求め、
    前記コモンモード励振による差動伝送線路からの入力電力振幅と前記他の回路への出力電力振幅から前記指標を算出する、
    ことをコンピュータに実行させるための回路特性評価用コンピュータプログラム。
  13. 2本の信号線を含む差動伝送線路を流れる電流が他の回路に与える影響を表す指標を求める回路特性評価方法であって、
    前記他の回路に波源を設定し、該波源からの出力電圧により、前記2本の信号線それぞれを流れる電流及び前記2本の信号線それぞれにおける電圧と、前記他の回路を流れる電流とを電磁界シミュレーションにより求め、
    前記差動伝送線路と前記他の回路間の電力の伝達関係を表す等価回路に従って、前記波源からの出力電圧及び前記他の回路を流れる電流から前記他の回路からの入力電力振幅を求め、
    前記等価回路に従って、前記2本の信号線のそれぞれを流れる電流及び前記2本の信号線のそれぞれの電圧から、ディファレンシャルモード励振する場合の前記差動伝送線路への第1の出力電力振幅と、コモンモード励振する場合の前記差動伝送線路への第2の出力電力振幅のうちの少なくとも一方を求め、
    前記他の回路からの入力電力振幅で前記第1の出力電力振幅及び前記第2の出力電力振幅の前記少なくとも一方を除することで得られた第1の値を前記指標として求める、回路特性評価方法。
  14. 前記2本の信号線それぞれを流れる電流及び前記2本の信号線それぞれにおける電圧と、前記他の回路を流れる電流とを求めることは、前記他の回路がインピーダンス整合のための整合回路を含む場合において、前記電磁界シミュレーションにおいて当該整合回路を含めずに前記2本の信号線それぞれを流れる電流及び前記2本の信号線それぞれにおける電圧と、前記他の回路を流れる電流とを求め、
    前記指標を求めることは、前記第1の値を前記整合回路による電圧と電流の伝送特性に応じて補正して得られる値を前記指標とする、請求項13に記載の回路特性評価方法。
  15. 2本の信号線を含む差動伝送線路を流れる電流が他の回路に与える影響を表す指標を求める回路特性評価装置であって、
    前記他の回路に波源を設定し、該波源からの出力電圧により、前記2本の信号線それぞれを流れる電流及び前記2本の信号線それぞれにおける電圧と、前記他の回路を流れる電流とを電磁界シミュレーションにより求めるシミュレーション実行部と、
    前記差動伝送線路と前記他の回路間の電力の伝達関係を表す等価回路に従って、前記波源からの出力電圧及び前記他の回路を流れる電流から前記他の回路からの入力電力振幅を求め、前記等価回路に従って、前記2本の信号線のそれぞれを流れる電流及び前記2本の信号線のそれぞれの電圧から、ディファレンシャルモード励振する場合の前記差動伝送線路への第1の出力電力振幅と、コモンモード励振する場合の前記差動伝送線路への第2の出力電力振幅のうちの少なくとも一方を求め、前記他の回路からの入力電力振幅で前記第1の出力電力振幅及び前記第2の出力電力振幅の前記少なくとも一方を除することで得られた第1の値を前記指標として求める評価部と、
    を有する回路特性評価装置。
  16. 2本の信号線を含む差動伝送線路を流れる電流が他の回路に与える影響を表す指標を求めることをコンピュータに実行させる回路特性評価用コンピュータプログラムであって、
    前記他の回路に波源を設定し、該波源からの出力電圧により、前記2本の信号線それぞれを流れる電流及び前記2本の信号線それぞれにおける電圧と、前記他の回路を流れる電流とを電磁界シミュレーションにより求め、
    前記差動伝送線路と前記他の回路間の電力の伝達関係を表す等価回路に従って、前記波源からの出力電圧及び前記他の回路を流れる電流から前記他の回路からの入力電力振幅を求め、
    前記等価回路に従って、前記2本の信号線のそれぞれを流れる電流及び前記2本の信号線のそれぞれの電圧から、ディファレンシャルモード励振する場合の前記差動伝送線路への第1の出力電力振幅と、コモンモード励振する場合の前記差動伝送線路への第2の出力電力振幅のうちの少なくとも一方を求め、
    前記他の回路からの入力電力振幅で前記第1の出力電力振幅及び前記第2の出力電力振幅の前記少なくとも一方を除することで得られた第1の値を前記指標として求める、
    ことをコンピュータに実行させるための回路特性評価用コンピュータプログラム。
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