JP2015122691A - 画像処理装置、画像処理方法および印刷システム - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法および印刷システム Download PDF

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大地 岡本
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照幸 ▲高▼田
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Takayuki Fukuda
隆行 福田
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Abstract

【課題】画像データの文字や線などと背景画像との境界領域に発生するジャギーを軽減する画像処理装置を提供する。【解決手段】入力画像データの解像度をn倍に変換し、n倍に変換された画像データの隣接するn個の画素の階調値から平均値を算出し、平均値を階調値とした画素により構成され、n分の1の解像度に変換された画像データを生成する。【選択図】図5

Description

本発明は、画像処理装置、画像処理方法および印刷システムに関する。
画像処理装置は、画像データを拡大または縮小して印刷する際に、画像データの解像度を変換することがある。例えば、特許文献1のように、文字や線などがグラフィックや写真などの背景画像に合成された画像データを縮小して印刷する場合に、文字や線などの途切れや欠けを少なくして低い解像度に変換する画像処理装置が知られていた。
特開2012−195743号公報
特許文献1に記載の画像処理装置では、画像データに含まれる複数の画素からなる画素ブロックを1個の画素に変換する方法で、画像データを低い解像度に変換し縮小印刷する。画素ブロックを1個の画素に変換する際に、画素ブロックに含まれる文字や線の色を変換する1個の画素に残すことによって、途切れや欠けを少なくしている。しかしながら、隣接する画素ブロック間において互いの色を参照しないため、変換後の画像データにおいて隣合う画素に色の差が出てしまい、文字や線の画素と背景画像の画素との境界領域がギザギザしたジャギー状になってしまうことがあった。このような画像処理が施された画像データを印刷すると、文字や線が滑らかでなくなり美観を損ねてしまう恐れがあった。すなわち、縮小印刷用に低い解像度に変換された画像データにおいて、文字や線などと背景画像などとの境界領域にジャギーが発生してしまうという問題があった。
尚、このような問題は、印刷用に低い解像度に変換された画像データに限らず、出力手段が表示用であっても、または出力時のサイズが等倍や拡大された高い解像度に変換された画像データなどであっても、文字や線などと背景画像などとの境界領域にジャギーが発生する場合において共通の問題であった。
本発明では、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、印刷用または表示用に生成された画像データに含まれる文字や線などと背景画像などとの境界領域に発生するジャギーを軽減することを目的とする。
上記課題の少なくとも一部を解決するために、本発明は、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る画像処理装置は、入力画像データを、解像度が自然数n倍となる第1画像データに変換する第1解像度変換手段と、第1画像データにおいて、隣接するn個の画素を選択し、選択されたn個の画素における色空間の階調値の平均値を算出する平均化手段と、第1画像データを、平均値を色空間の階調値とする画素により構成され、かつ解像度がn分の1となる第2画像データに変換する第2解像度変換手段と、を備えることを特徴とする。
本適用例によれば、入力画像データの解像度をn倍に変換した第1画像データから、隣接するn個の画素を選択する。選択するn個の画素の中に、入力画像データの隣接する画素の階調値を引き継いだ画素を含めることができる。平均化手段では、このようなn個の画素に基づいて階調値の平均値を算出し、その平均値を階調値とした新たな1つの画素を生成する。生成された画素は、入力画像データの隣接する画素における階調値の影響を受けた画素である。このような画素で構成された画像データを第2画像データとしている。
つまり、入力画像データに文字や線などの画素と背景画像などの画素との境界領域に階調値の差があっても、変換された第2画像データでは境界領域の画素が隣接する画素の階調値の影響を受けた画素に変換されているため、境界領域における階調値の差を小さくすることができている。階調値の差が小さく変換されているため、ギザギザしたジャギー状部分が緩和され、滑らかな線として印刷または表示出力される。従って、印刷用または表示用に生成された入力画像データに含まれる文字や線などと背景画像などとの境界領域に発生するジャギーを軽減することができる。
[適用例2]上記適用例に係る第1画像データを構成する画素の色空間は、入力画像データの色空間、または入力画像データの色空間が色変換された記録材の色空間であることが好ましい。
本適用例によれば、第1画像データが入力画像データの色空間であれば、表示用に出力される画像データに適してジャギーを軽減することができる。また、第1画像データが記録材の色空間であれば、印刷用に出力される画像データに適してジャギーを軽減することができる。
[適用例3]上記適用例に係る入力画像データの解像度は、印刷装置に出力する画像データの印刷解像度を含むことが好ましい。
本適用例によれば、入力画像データの解像度が印刷解像度であれば、ジャギーが軽減された第2画像データも印刷解像度となる。印刷装置は、第2画像データを印刷する際に、解像度を更に拡大または縮小する処理が必要ないため、画像を高速に印刷することができ、またジャギーが軽減された状態を保持して印刷することができる。
[適用例4]上記適用例に係る平均化手段は、記録材の色空間の階調値の平均値を算出することが好ましい。
記録材の色空間は、印刷装置に備えられている記録材の色に対応している。例えば、6色の記録材を備える印刷装置では、C(シアン)、LC(ライトシアン)、M(マゼンダ)、LM(ライトマゼンダ)、Y(イエロー)、K(黒)などの6色の色空間を有し、各色に階調値が設定されている。各色に設定された階調値は、印刷装置の記録材を印刷媒体に吐出する吐出量に直接反映され、出力される印刷結果(印刷色)を緻密に制御する。
本適用例によれば、記録材の色空間で平均値を算出することで、印刷結果において文字や線などと背景画像などとの境界領域におけるジャギーを軽減することができる。
[適用例5]上記適用例に係る平均化手段は、入力画像データの色空間の階調値の平均値を算出することが好ましい。
入力画像データの色空間は、入力画像データが生成されたときに有している色空間であり、例えば、RGB色空間である。RGB色空間の場合には、R(Red)、G(Green)、B(Blue)各色の階調値毎に平均値が算出される。
本適用例によれば、表示用に出力される画像データに適してジャギーを軽減することができる。更に、印刷をする場合であっても、印刷をする前に、利用者がコンピューターに備えられる表示装置などに表示してジャギーの軽減効果を確認することができる。
[適用例6]本適用例に係る画像処理方法は、入力画像データを、解像度が自然数n倍となる第1画像データに変換する第1解像度変換工程と、第1画像データにおいて、隣接するn個の画素を選択し、選択されたn個の画素における色空間の階調値の平均値を算出する平均化工程と、第1画像データを、平均値を色空間の階調値とする画素により構成され、かつ解像度がn分の1となる第2画像データに変換する第2解像度変換工程と、を備えることを特徴とする。
本適用例によれば、入力画像データの解像度をn倍に変換し、その画像データから、隣接するn個の画素を選択し、n個の画素における階調値の平均値を算出する。算出した平均値を階調値とする画素により構成された第2画像データを生成する。第2画像データは、入力画像データにおいて隣接する画素が保持する階調値の影響を受けた画素で構成されている。つまり、入力画像データに文字や線などの画素と背景画像などの画素との境界領域に階調値の差のある部分は、第2画像データでは隣接する画素の階調値の影響を受けた画素に変換されているため、階調値差が小さくなり段階的に階調値差を埋めている。従って、画像処理方法は、画像データの文字や線などと背景画像などとの境界領域の階調値差を緩和し、ジャギーを軽減することができる。
[適用例7]本適用例に係る印刷システムは、入力画像データを、解像度が自然数n倍となる第1画像データに変換する第1解像度変換手段と、第1画像データにおいて、隣接するn個の画素を選択し、選択されたn個の画素における色空間の階調値の平均値を算出する平均化手段と、第1画像データを、平均値を色空間の階調値とする画素により構成され、かつ解像度がn分の1となる第2画像データに変換する第2解像度変換手段と、を備える画像処理装置と、画像処理装置から出力された画像データに基づいて、画像を媒体に印刷する印刷装置と、を備えることを特徴とする。
本適用例によれば、入力画像データに含まれる文字や線などと背景画像との境界領域に現れる階調値差を小さく変換した画像データを出力する画像処理装置を備え、出力された画像データを媒体に印刷する印刷装置を備える。これにより、印刷システムは、入力画像データが文字や線などと背景画像などとの境界領域にジャギーが発生している画像データであっても、ジャギーが軽減された画像を媒体に印刷することができる。
印刷システムの構成を概略的に示す説明図。 印刷システムのデータフローを概略的に示す説明図。 画像データの一例を示す図。 プリンタードライバーの処理の流れを示すフローチャート図。 画像データの変換イメージを説明した図。 実施形態2におけるデータフローを概略的に示す説明図。 実施形態2における画像データの一例を示す図。 実施形態3におけるデータフローを概略的に示す説明図。 実施形態3における画像データの一例を示す図。 (a)解像度拡大変換部への入力画像データを示す図、(b)解像度拡大変換部からの出力データを示す図、(c)解像度縮小変換部からの出力データを示す図。 変形例3における印刷システムの概要を表す図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。但し、本発明の適用可能な実施形態がこれに限定されるものではない。
(実施形態1)
(1.印刷システムの構成)
図1は、印刷システム1の構成を概略的に示す説明図である。図1に示すように、印刷システム1は、画像処理装置としてのコンピューター10と、コンピューター10に有線または無線によって接続された印刷装置としてのプリンター50と、を備えている。プリンター50は、例えば、インクジェット方式のプリンターである。
コンピューター10は、制御部15とメモリー30などから構成されている。制御部15は、例えば、CPU(Central Processing Unit)であり、プログラムを実行することにより様々な制御を行う。コンピューター10には、アプリケーションプログラム20やプリンタードライバー100などのプログラムがインストールされている。アプリケーションプログラム20やプリンタードライバー100は、所定のオペレーティングシステム(図示せず)の管理下で制御部15により実行される。
アプリケーションプログラム20は、例えば、設計図面やポスターのデザインなどを作成し編集するためのプログラムである。利用者は、アプリケーションプログラム20により提供されるユーザーインターフェイスを介して、アプリケーションプログラム20により編集された設計図面やポスター等を印刷する指示を与えることができる。設計図面やポスター等には、細かい線や文字などが多用されており、アプリケーションプログラム20は、利用者より印刷の指示を受けると、印刷の対象となる細かい線のベクトルデータや文字のフォントデータおよび画像等を配置する指示コマンドが含まれた印刷オブジェクト31を生成し、メモリー30を介してプリンタードライバー100に出力する。
メモリー30は、例えば、RAM(Random Access Memory)であり、アプリケーションプログラム20やプリンタードライバー100などのプログラムの実行により、プログラムが利用する共通変数、およびプログラムの処理間で引き渡される画像データなどが一時的に格納される。プログラムが利用するデータとして、アプリケーションプログラム20から出力される印刷オブジェクト31、プリンタードライバー100により生成または変換される画像データA32、画像データB33、画像データC34、画像データD35、画像データE36、印刷データ37などが格納される。各画像データの詳細については後述する。尚、画像データB33は入力画像データに、画像データC34は第1画像データに、画像データE36は第2画像データにそれぞれ相当する。
プリンタードライバー100は、アプリケーションプログラム20から印刷オブジェクト31を受け取り、印刷データ37を生成する機能を実現するためのプログラムである。プリンタードライバー100は、CD−ROMなどの各種記憶媒体(コンピューター読み取り可能な記憶媒体等)に記憶されて配布されたり、またはインターネットなど各種通信手段を通じて配信されたりする。
図1に示すように、プリンタードライバー100は、レンダリング部110と解像度変換処理部120と、色空間変換部180と、色変換テーブル185と、ハーフトーン処理部190とを備える。
レンダリング部110は、印刷オブジェクト31をラスタライズして画像データA32を生成する機能を有する。詳しくは、印刷オブジェクト31を構成するベクトルデータやフォントデータ、および画像等をラスタライズすることにより、マトリックス上に画素を配置した画像データA32を生成する。画像データA32の画素は所定の色空間の階調値の情報を含み、例えば、所定の色空間がRGB色空間である場合は、R、G、Bの色毎に1バイトのメモリーが割り当てられ、そのメモリーには0〜255の数値が格納される。画素数は、プリンタードライバー100またはオペレーティングシステムにより規定された解像度に基づいて算出される。
解像度変換処理部120は、画像データの解像度を変換する機能を有する。解像度変換処理部120の内部には、印刷解像度変換部130と、解像度拡大変換部140と、解像度縮小変換部150と、階調補間処理部160と、階調平均処理部170と、が備えられている。
印刷解像度変換部130は、画像データの解像度を印刷解像度に変換する機能を有する。詳しくは、利用者により設定された印刷媒体の種類や印刷品質、印刷速度などの印刷情報に基づいて設定された印刷解像度を取得し、画像データの解像度を印刷解像度に一致するように変換する。解像度が拡大される(解像度を高くする)場合は、後述する解像度拡大変換部140を、解像度が縮小される(解像度を低くする)場合は、解像度縮小変換部150を用いて拡大縮小処理をしても良いし、公知の拡大縮小方法を利用しても良い。
尚、印刷解像度は、単位長さ当たりに印刷媒体に配置されるインクドット領域の数であり、1インチ当たりのドットとしてdpi(dots per inch)等で表される。画像データの解像度を印刷解像度にする場合は、1個の画素が1つのインクドット領域に相当する。
解像度拡大変換部140は、画像データの解像度をn倍(nは自然数)に変換する機能を有する。詳しくは、画像データを構成する画素1個に対してn個の画素を生成し、画像データの画素数をn倍の画素数に変換する。生成される画素の階調値は、後述する階調補間処理部160により算出される。尚、解像度拡大変換部140は、第1解像度変換手段に相当する。
解像度縮小変換部150は、画像データの解像度をn分の1に変換する機能を有する。詳しくは、画像データから隣接するn個の画素を1個の画素に変換する。画像データの全ての画素を変換すると、画像データの画素数がn分の1の画素数の画像データに変換される。n個の画素から1個の画素に変換する場合に、n個の画素の階調値を参照して1個の画素の階調値を算出する。階調値は、後述する階調平均処理部170によって算出される。尚、解像度縮小変換部150は、第2解像度変換手段に相当する。
階調補間処理部160は、画像データの解像度を拡大する場合に、生成される画素の階調値を算出する機能を有する。詳しくは、解像度拡大変換部140などにより新たな画素が生成される場合に、新たな画素の階調値を算出するために呼ばれる機能である。例えば、隣接する画素の間に追加する形で配置される画素を生成する場合は、隣接する画素の階調値を用いて、2画素間の階調値差を補なう階調値が算出される。例えば、2画素の平均値であっても良く、または2画素を超えた更に隣接する4画素などの階調値を用いて算出されても良い。また、公知のバイリニア法やバイキュービック法を用いて拡大縮小されて新たに生成される画素の階調値を補間しても良い。尚、階調補間処理部160は、解像度拡大変換部140と共に、第1解像度変換手段に相当する。
階調平均処理部170は、画像データの解像度を縮小する場合に、n個の画素から変換される1個の画素の階調値を算出する機能を有する。詳しくは、解像度縮小変換部150により選択されたn個の画素における階調値の平均値として相加平均値を算出する。階調値は、画像データが有する色空間の色毎に格納されている数値である。具体的には、画像データの色空間がRGB色空間の場合は、n個の画素におけるR、G、B各色の階調値の相加平均値を順にRave、Gave、Baveとすると、数式(1)から数式(3)のように算出される。尚、引数iは画素の番号であり、R(i)、G(i)、B(i)は、各画素のR、G、Bの階調値である。
Rave=[ΣR(i)]/n i=1〜n ・・・ 数式(1)
Gave=[ΣG(i)]/n i=1〜n ・・・ 数式(2)
Bave=[ΣB(i)]/n i=1〜n ・・・ 数式(3)
記録材の色空間など他の色空間の場合も、色空間の色毎に階調値を同様な計算をして算出することができる。尚、階調平均処理部170による平均値算出の方法は、相加平均値に限定されるものではなく、n個の画素の階調値を参照して算出される数式であれば良い。例えば、n個の画素の中の最大と最小の階調値を2つ選択し、その平均を算出する方法や、n個の画素の各階調値における中央値(Median)を求める方法としても良い。尚、階調平均処理部170は、平均化手段に相当する。
色空間変換部180および色変換テーブル185は、画像データの所定の色空間を記録材の色空間に変換する機能を有する。詳しくは、アプリケーションプログラム20の編集機能によって利用された所定の色空間を有する画像データを、プリンター50が備える記録材の色空間に変換する。所定の色空間は、例えば、RGB色空間であり、記録材の色空間は、例えば、C(シアン)、LC(ライトシアン)、M(マゼンダ)、LM(ライトマゼンダ)、Y(イエロー)、K(黒色)の6色の色空間である。色変換テーブル185は、RGB色空間の階調値を記録材の6色の階調値に変換するテーブルである。色空間変換部180は、所定の色空間から記録材色空間の対応表である色変換テーブル185を用いて画像データの画素毎に所定の色空間の階調値から記録材の色空間の階調値に変換する。また、所定の色空間の例として、RGB色空間について説明したが、それに限らずアプリケーションプログラム20などにより利用される他の色空間であっても良く、プリンター50の記録材色に近いCMYK色空間であっても良い。記録材の色空間についても、一例であり、プリンター50の機種毎に異なり、それぞれの機種で備える記録材の種類に応じた色空間が適用される。
ハーフトーン処理部190は、色空間変換および印刷解像度に変換された画像データから印刷データ37を生成するための機能を有する。詳しくは、色空間変換後の画素が有する階調値に基づきハーフトーン処理を行い、印刷用のコマンドとドットデータとを含む印刷データ37を生成し出力する。ドットデータは、画像データを構成する画素におけるドットの形成状態(ドットパターン)を表すデータであり、具体的には、画素が有する記録材の色空間の階調値毎にどのサイズのドットを形成するか(あるいは形成しないか)を示すデータである。ここで、「ドット」とは、プリンター50のインクノズルから吐出されるインク滴またはインク滴群が印刷媒体に着弾して形成される一つの領域をいう。印刷データ37における1ドットの領域は、解像度が印刷解像度である画像データの1画素に相当する。
プリンター50は、印刷媒体にインクドットを形成して画像を印刷する印刷装置であり、例えば、インクジェットプリンターである。プリンタードライバー100から出力された印刷データ37に含まれる印刷用のコマンドを解釈して、ドットデータに基づいて各色のインクノズルからインクを吐出する。プリンター50は、インクノズルを備えたヘッドユニット(図示せず)を搭載しており、ヘッドユニットが所定の走査方向(主走査方向)に移動する。ヘッドユニットが主走査方向に移動している間に各色のインクを断続的に吐出し、主走査方向に沿ったドットライン(ラスターライン)が印刷媒体上に形成される。また、印刷媒体を主走査方向と略直角の方向(副走査方向)に所定の搬送量で搬送させることによって、ラスターラインが断続的に印刷媒体上に形成され、画像が印刷媒体の平面上に印刷される。
尚、マトリックス状(行列状)に画素が配置された画像データA32〜画像データE36において、画像データの1行(ライン)分の画素を印刷する方向(以降、横方向と称す)が主走査方向に一致し、行を重ねる方向(以降、縦方向と称す)が副走査方向に一致する。
(2.印刷システムにおけるデータフロー)
図2は、印刷システムのデータフローを概略的に示す説明図、図3は、画像データの一例を示す図である。
図2には、制御部15(図1)に含まれる画像データ変換処理に係る処理部を丸枠内に示し、メモリー30(図1)に格納されるデータ部を方形枠内に示し、画像データの流れを矢印の方向で表している。図3では、変換された画像データ毎に横方向の解像度をdpiの値で、色空間の種類を利用されている色の種類(R、G、B、C、LC、M、LM、Y、K)で表している。尚、画像データの一例に示す解像度や色空間は、この例に限定されるものではなく、処理部の有する機能が、入力される画像データと出力される画像データとの解像度および色空間の関係を満たしていれば良い。
アプリケーションプログラム20は、ベクトルデータである印刷オブジェクト31を出力する。レンダリング部110は、印刷オブジェクト31を入力として、レンダリング処理し、画像データA32を出力する。画像データA32は所定の色空間を有している。図3の例では、画像データA32は、解像度300dpiで色空間はRGB色空間である。解像度300dpiは、オペレーティングシステムにおいて規定された値であり、RGB色空間はアプリケーションプログラム20において利用されている色空間である。
印刷解像度変換部130は、画像データA32を入力して、解像度を印刷解像度に変換し、画像データB33を出力する。画像データB33は画像データA32と同じ所定の色空間を有している。図3の例では、画像データB33は、印刷解像度が720dpiに変換され、色空間は変換されないためRGB色空間のままである。横方向の解像度が300dpiから720dpiに変換されているため、新たな画素が生成される。それらの画素の階調値は階調補間処理部160により算出される。
尚、上述したように画像データB33は、入力画像データに相当するため、画像データB33の色空間が入力画像データの色空間に相当する。以降、特に断りのない限り、所定の色空間は入力画像データの色空間と同じ色空間を示す。
解像度拡大変換部140は、画像データB33を入力して、解像度を横方向にn倍に変換し、画像データC34を出力する。図3の例では、画像データC34の解像度は横方向に2倍にされるため1440dpiであり、色空間は変換されないためRGB色空間のままである。解像度が720dpiから1440dpiに拡大されているため、新たな画素が生成される。それらの画素における階調値は階調補間処理部160により算出される。
尚、上述したように画像データC34は、第1画像データに相当する。
色空間変換部180は、画像データC34を入力して、色空間をRGB色空間から記録材の色空間に変換し、画像データD35を出力する。図3の例では、画像データD35の解像度は変換されないため1440dpiのままであり、色空間は記録材の色空間に変換され、C、LC、M、LM、Y、Kの6色の色空間になる。
解像度縮小変換部150は、画像データD35を入力して、解像度を横方向にn分の1に変換し、画像データE36を出力する。図3の例では、画像データD35の解像度は、横方向に2分の1にされるため720dpiになり、色空間は変換されず6色の色空間のままである。解像度が1440dpiから720dpiに縮小されるため、画素が削減される。画素の削減時には画像データD35において隣接する2個の画素の階調値を参照しながら、階調平均処理部170により算出された階調値の1個の画素を生成する。解像度は、印刷解像度変換部130により設定された印刷解像度(720dpi)に変換される。
尚、上述したように画像データE36は、第2画像データに相当する。
ハーフトーン処理部190は、画像データE36を入力して、ハーフトーン処理を実行し印刷データ37を出力する。図3の例では、画像データE36が印刷解像度で記録材の色空間を有しているため、ハーフトーン処理部190では1画素に対する1ドット領域に吐出されるインク量値を含むドットデータに変換する。
プリンター50は、印刷データ37を入力して、印刷データ37に含まれるドットデータの吐出されるインク量値の指示どおりに印刷媒体にインクを吐出して印刷する。
(3.プリンタードライバーの処理の流れ)
次に、プリンタードライバー100における画像処理方法について説明する。図4は、プリンタードライバー100の処理の流れを示すフローチャート図であり、図5は、画像データの変換イメージを説明した図である。尚、以下のフローは、図1に示すプリンタードライバー100に基づいて制御部15がメモリー30を含む各部を制御することにより実行される。また、利用者の操作によりアプリケーションプログラム20上で印刷オブジェクト31の印刷が指示されると、アプリケーションプログラム20からプリンタードライバー100に対して印刷命令が発せられる。このタイミングに、プリンタードライバー100の実行が開始される。
以降、図4を用いたフローチャートの説明において、適宜、図5に示す画像データB33、画像データC34、画像データD35、および画像データE36のデータイメージを引用して説明する。画像データのイメージは、マトリックス状に配置された画素を表しており、画像データの一部を切り出したものである。例えば、画像データB33のイメージでは、画像データの一部を6行×7列分抽出した画素であり、1行目の画素を1列目から7列目まで順に画素Pb1〜画素Pb7としている。画像データC34のイメージでは、画像データB33のイメージに示した画素に対応して変換された6行×14列のマトリックスの画素であり、1行目の画素を1列目から14列目まで順に画素Pc1〜画素Pc14としている。同様に、画像データD35では、6行×14列の画素で1行目を画素Pd1〜画素Pd14とし、画像データE36では、6行×7列の画素で1行目を画素Pe1〜画素Pe7として説明する。
引き続き、図5に示す画素毎の階調値の表現方法について説明する。図5に示す各画素のパターン(黒色、白色、格子、斜線)の違いは、異なる階調値を有していることを示す。黒色の画素は、RGB色空間では階調値がR、G、B共に0(以降、RGB=0と記す)の値であり、同画素の記録材の色空間ではKが255で、かつK以外の記録材の階調値は0である(以降、K=255と記す)。白色の画素は、RGB色空間では階調値がR、G、B共に255(以降、RGB=255と記す)であり、同画素の記録材の色空間ではKが0で、かつK以外の記録材の階調値は0である(以降、K=0と記す)。また、パターンが格子および斜線の画素は、R、G、Bの各色の階調値がいずれも同じ値で1から254の間を取る値であり(以降、RGB=1、・・・、254と記す)、同画素の記録材の色空間ではKが254から1までで、かつK以外の記録材の階調値は0である(以降、K=254、・・・、1と記す)。このような表記で、例えば、RGB=0およびK=255は、黒色に視認できる画素であり、RGB=255およびK=0は、白色に視認できる画素である。RGB=1からRGB=254までの画素は黒色から白色までの間を段階的に変化して視認できるグレー色を表し、K=1からK=254までの画素は白色から黒色までの間を段階的に変化して視認できるグレー色を表している。
図4のフローの説明に移る。プリンタードライバー100が実行開始されると、印刷解像度の情報を取得する(ステップS110)。具体的には、プリンタードライバー100では、利用者により設定された印刷する印刷媒体の種類や印刷品質、印刷速度などの印刷情報に基づいて印刷解像度の値が既定されているため、その印刷解像度の値を取得する。
次にレンダリング部110が実行され、印刷オブジェクト31がレンダリング処理され、画像データA32が生成される(ステップS120)。
次に印刷解像度変換部130が実行され、画像データA32の解像度を印刷解像度に変換し、画像データB33を出力する(ステップS130)。図5に示す画像データB33のイメージでは、1行目の画素Pb1がRGB=255、画素Pb2と画素Pb3がRGB=0、画素Pb4〜画素Pb7がRGB=255の階調値を有する画素であり、2行目以降は1行目の画素を1画素分列方向右側にずらしたデータである。左上から右下に向かった2画素幅を有する斜めの線が描画されている。詳細については後述するが、この状態は、RGB=255とRGB=0との画素間の階調値差が大きく画素が階段状に並ぶため、ジャギーが発生している。
次に解像度拡大変換部140が実行され、画像データB33の解像度をn倍に変換し画像データC34を出力する(ステップS140)。図5に示す画像データC34のイメージは、画像データB33の解像度を横方向に2倍の解像度に変換したイメージである。画素Pc1は、画素Pb1の階調値が複製されRGB=255である。画素Pc2は、画素Pb1と画素Pb2との階調値の平均が算出された値となりRGB=127((0+255)÷2)である。画素Pc3は、画素Pb2の階調値が複製されRGB=0である。同様な手順で、画像データB33の2画素の間の画素が生成されて、生成された画素の階調値を補間しながら横方向に2倍の解像度を有する画像データに変換される。尚、ステップS140は、第1解像度変換工程に相当する。
次に色空間変換部180が実行され、画像データC34の色空間をRGB色空間から記録材の色空間に変換し画像データD35を出力する(ステップS150)。図5に示す画像データD35のイメージは、画像データC34の色空間を変換したイメージである。画素Pc1の階調値のRGB=255は、画素Pd1の階調値としてK=0に変換される。画素Pc2のRGB=127は、画素Pd2のK=128(255−127)に、画素Pc3のRGB=0は、画素Pd3のK=255に変換される。
次に解像度縮小変換部150が実行され、画像データD35の解像度をn分の1に変換し画像データE36を出力する(ステップS160)。図5に示す画像データE36のイメージは、画像データD35の解像度を横方向に2分の1の解像度に変換したイメージである。画像データD35の画素Pd1と画素Pd2との2画素分を画像データE36の画素Pe1の1画素分に変換する。画素Pe1の階調値は、画素Pd1と画素Pd2との階調値の平均を算出し、K=63((0+127)÷2)に変換される。画素Pe2の階調値は、K=255((255+255)÷2)に変換され、画素Pe3の階調値は、K=191((255+128)÷2)に変換される。また、画素Pe4は、画素Pd7(K=0)と画素Pd8(K=0)の平均であり、K=0に変換される。詳細については後述するが、この状態は、画素Pe2がK=255で、画素Pe3がK=191で、画素Pe4はK=0の階調値となる。隣接する画素がK=255からK=191を経由してK=0に並び、階調値差がそれぞれ小さく変換され、画像データB33に発生したようなジャギーは軽減されている。尚、ステップS160は、平均化工程および第2解像度変換工程に相当する。
次にハーフトーン処理部190が実行され、画像データE36の階調値をインク吐出量値に変換し印刷データ37が生成される(ステップS170)。
最後に、プリンターに印刷データ37を出力する(ステップS180)。
このようにして、入力画像データとしての印刷解像度を有する画像データB33は、同じ印刷解像度を有し画素の階調値が変換された画像データE36に変換される。図5に示す画像データB33の画素Pb2〜画素Pb4の3個の画素における階調値の変換結果に注目する。画像データB33の画素Pb2、画素Pb3、画素Pb4の順にRGB=0、RGB=0、RGB=255であり、画像データE36の画素Pe2、Pe3、Pe4の階調値は、順にK=255、K=191、K=0である。視認できる色としては、画像データB33では、黒、黒、白であり、画像データE36では、黒、グレー、白である。画像データB33のように隣接する画素間の階調値差が大きい箇所で、斜めの線などの印刷時にギザギザが残りジャギーとなる。それに対して画像データE36では、隣接する画素間の階調値差は画像データB33よりは小さくなり、斜めの線などを印刷した時に滑らかに視認できる。つまり、ジャギーが軽減されている。
また、画像データE36の画素Pe2〜画素Pe4の階調値の成分に注目すると、画素Pe2の階調値は、画像データB33の画素Pb2および画素Pb3の階調値の影響を受けている。具体的には、画像データC34において画素Pc3が画素Pb2の階調値を複製しており、画素Pc4が画素Pb2と画素Pb3との階調値の平均値を階調値としている。画素Pc3と画素Pc4の階調値は、画像データD35において色変換され画素Pd3と画素Pd4に引き継がれ、画像データE36では画素Pd3と画素Pd4の階調値の平均値を階調値としている。このように、画素Pe2は、画素Pb2と画素Pb3との階調値を参照して作成されている。同様に、画素Pe3は、画素Pb3と画素Pb4との階調値を、画素Pe4は、画素Pb4と画素Pb5との階調値を参照して作成されている。つまり、画像データE36を構成する画素は、画像データB33の隣接する画素の階調値の成分を参照することで、隣接する画素のどちらにも近い階調値に変換されている。これによって、隣接する画素間の階調値に大きな差があっても、その部分に関しては段階的に階調値が変化する画素から構成される画像データを生成することができる。
尚、本実施形態において、画像データの説明を白黒、グレーの色を例にして説明したが、入力画像データの色空間または記録材の色空間の色であればどの色でも同様な効果を得ることができる。
(4.本実施形態における作用効果)
以上のように、本実施形態における画像処理装置は、入力画像データ(画像データB33)の隣接する2画素の階調値を参照して新たな画素を生成し、新たな画素を2画素の間に追加してn倍の解像度に変換する。引き続き、画像処理装置は、n倍の解像度に変換された画像データ(画像データD35)から、隣接するn個の画素を選択し、階調値の平均値を算出する。そして、画像処理装置は、算出した平均値を階調値とする画素により構成された画像データ(画像データE36)を生成する。このように、生成された画像データの各画素が、入力画像データにおいて隣接する2画素の階調値の影響を受けた(平均値をとった)階調値に変換されている。従って、入力画像データにおける文字や線などと背景画像との境界領域における2画素間の階調値差が大きな部分では、2画素の階調値の平均値の階調値を有する画素に変換され、階調値差が小さい画素に置き換えられる。これにより、段階的に階調値が変化し、文字や線などと背景画像との境界領域におけるギザギザに見える部分が緩和され、ジャギーが軽減される。このようにして、入力画像データに含まれる文字や線などの境界領域のジャギーを軽減させることができる画像処理装置を提供することができる。
また、上述の例では入力画像データの解像度は特定の印刷解像度を例にして説明したが、どのようなサイズの解像度であっても同様な成果が期待できる。入力画像データの解像度が、縮小または拡大されたものであっても、入力画像データにジャギーが発生していれば、本実施形態によってジャギーが軽減された画像データに変換させることができる。
(実施形態2)
次に、実施形態2について、図6および図7を中心に適宜各図を交えて説明する。
図6は、実施形態2におけるデータフローを概略的に示す説明図、図7は実施形態2における画像データの一例を示す図である。
実施形態1では色空間変換部180の後に解像度縮小変換部150が実行されているのに対し、本実施形態では、解像度縮小変換部150の後に色空間変換部180が実行される点が異なる。また、本実施形態では、所定の色空間をRGB色空間に限定している。アプリケーションプログラム20より出力された印刷オブジェクト31がレンダリング部110と印刷解像度変換部130と解像度拡大変換部140とを介して、画像データA32と画像データB33と画像データC34に順次変換されるデータフローに関しては実施形態1と共通である。
解像度縮小変換部150は、RGB色空間を有し解像度がn倍に拡大された画像データC34を入力して、解像度をn分の1に変換し、画像データF235を出力する。解像度縮小変換部150は、RGB色空間の階調値の平均を算出して新たな画素の階調値とする。図7に示す例では、画像データF235の解像度は、1440dpiから720dpiに変換され、色空間はRGB色空間のまま変更されない。次に、色空間変換部180は、画像データF235の色空間をRGB色空間から記録材の色空間に変換する。画像データG236(図7)では、RGB色空間から記録材の色空間に変換されている。
尚、本実施形態では、画像データB33が入力画像データに、画像データC34が第1画像データに、画像データF235が第2画像データにそれぞれ相当する。
このように、解像度縮小変換部150をRGB色空間を有する画像データに適用しても、画素間の階調値差を緩和することができ、文字や線などの境界領域のジャギーを軽減させることができる。また、解像度縮小変換部150から出力された画像データF235は、RGB色空間であるため、プリンタードライバー100あるいはアプリケーションプログラム20によりコンピューター10に備えられる表示装置(図示せず)に表示させることができる。利用者は、印刷する前に表示装置上で画像データF235においてジャギーの軽減状態を確認することができる。
(実施形態3)
次に、実施形態3について、図8および図9を中心に適宜各図を交えて説明する。
図8は、実施形態3におけるデータフロー図を概略的に示す説明図、図9は実施形態3における画像データの一例を示す図である。
実施形態2では、入力画像データの色空間をRGB色空間としていたのに対し、本実施形態では入力画像データの色空間をCMYK色空間としている点が異なる。
アプリケーションプログラム20においてRGB色空間で編集された印刷オブジェクト31を、レンダリング部110で利用者により指定されたCMYK色空間変換プロファイルなどを利用して色空間をCMYK色空間に変換して画像データH332を出力する。CMYK色空間にすることにより、コンピューター10の表示装置などの表示で印刷記録材の色空間に近い色再現が可能となる。
印刷解像度変換部130、解像度拡大変換部140、および解像度縮小変換部150により、解像度が印刷解像度のn倍に拡大され、n分の1に縮小され、その過程でCMYK色空間におけるC、M、Y、Kの各色の階調値が階調補間処理部160および階調平均処理部170(図1)により算出される。画像データH332は、画像データI333、画像データJ334に順次変換され、画像データK335が出力される。出力された画像データK335は、解像度が印刷解像度であり、色空間はCMYK色空間を有している。また、画像データK335は、画像データI333よりも、各画素間のC、M、Y、K各色の階調値差が、小さくなるように変換されている。つまり、画像データK335は、記録材の色空間に近い(印刷媒体に印刷した結果に近い)CMYK色空間の階調値を有する画素に変換され、文字や線などと背景画像の境界領域におけるジャギーが軽減された画像データである。
尚、本実施形態では、画像データI333が入力画像データに、画像データJ334が第1画像データに、画像データK335が第2画像データに相当し、入力画像データの色空間はCMYK色空間である。
画像データK335は、色空間変換部180によりCMYK色空間から記録材の色空間に変換され、画像データL336に変換される。画像データL336はハーフトーン処理部190を介して印刷データ37としてプリンター50に出力される。プリンター50は、印刷データ37を入力して、プリンター50が備える記録材をノズル毎に印刷媒体に吐出する。図9に示す例では、画像データK335は、解像度が720dpi、色空間がC、M、Y、Kであり、画像データL336は、解像度は同じく720dpi、色空間はC、LC、M、LM、Y、KでありC、M、Y、Kが含まれる色空間である。また、印刷データ37および印刷結果においても、720dpiであり記録材の種類はC、LC、M、LM、Y、Kである。画像データK335と印刷結果との間では解像度の拡大縮小が行われず、色空間も近いため、画像データK335は印刷結果をシミュレーション可能な画像データであるといえる。
従って、本実施形態によると、印刷する前に、利用者は画像データK335をコンピューター10の表示装置で確認することにより、記録材の色空間に近い状態でジャギーの軽減状態を確認することができる。
(変形例1)
図10を中心に適宜、図2および図4を参照して説明する。図10は、変形例1における画像データの変換イメージを説明した図である。図10(a)は解像度拡大変換部140への入力画像データを示す図、(b)は解像度拡大変換部140からの出力データを示す図、(c)は解像度縮小変換部150からの出力データを示す図である。
本変形例は、図4に示すステップS140(解像度拡大変換部140の実行)における画像データの解像度をn倍に変換する処理と、ステップS160(解像度縮小変換部150の実行)における画像データの解像度をn分の1に変換する処理とを連携して処理する変形例である。
まず、本変形例における解像度拡大変換部140は、図10(a)に示す入力画像データを入力する。解像度拡大変換部140は、入力画像データを1列毎に選択し、選択した列の画素の階調値を複製してn列の画素を生成する。入力画像データは横方向にn倍の解像度の画像データに変換される。図10(b)の画像データのイメージは、nを2として2倍の解像度に変換されたデータイメージ図である。
次に、解像度縮小変換部150では、解像度拡大変換部140により変換された画像データを入力すると、最初の1列目を飛ばして(空読みして)、2列目からn列毎に画素を選択し、選択したn列の画素における階調値の平均値を算出する。n列分の画素から1列分の画素の階調値が算出され、その階調値を有する画素で構成される画像データに変換する。図10(c)の画像データはnを2として解像度縮小変換部150が実行され、変換されたデータイメージ図である。図10(c)のデータイメージ図における斜線の画素は、入力画像データ(図10(a))における黒色の画素と白色の画素の階調値の平均値を階調値とした画素になる。
このような解像度拡大変換部140および解像度縮小変換部150による拡大および縮小の方法では、上述の実施形態および変形例と同様に入力画像データに発生していたジャギーが軽減されるばかりではなく、階調値の複製と平均値の算出という比較的少ない演算量で実現できる。更に、この方法では、n倍した解像度の画像データを一時的に格納するメモリーの領域は必ずしも必要ではなく、内部変数を利用した計算で処理できる。例えば、図10(a)の1列目と2列目の平均値を算出し、1列目の画素の階調値を平均値に置き換える。同様に図10(a)の2列目と3列目の平均値を算出し、2列目の画素の階調値を平均値に置き換える。このようにして、最後の列まで繰り返すことで、図10(c)と同様なイメージ図の画像データに変換される。
従って、本変形例によれば、ジャギーの軽減を実現する画像処理装置において画像処理速度が速くなり、実装するメモリーが節約された印刷システムを提供することができる。
(変形例2)
上述の実施形態および変形例では、アプリケーションプログラム20から出力された印刷オブジェクト31を対象に、解像度変換処理部120(図1)が実行されるとしているが、印刷オブジェクト31に対して解像度変換処理部120を実行するか否か、利用者に選択させる構成にしても良い。
詳しくは、プリンタードライバー100に印刷設定に関する画面を表示する機能を設け、その画面に「ジャギー軽減の処理を適用するか否か」を選択できるチェックボックスを設ける。利用者により、当該チェックボックスにチェックされた場合に、プリンタードライバー100は、印刷オブジェクト31を解像度変換処理部120に渡し、解像度変換処理部120によりジャギー軽減処理が実行された画像データが出力される。また、当該チェックボックスにチェックされない場合は、プリンタードライバー100は、印刷オブジェクト31をレンダリング部110に渡し、レンダリング部110から色空間変換部180、ハーフトーン処理部190を介して印刷データ37をプリンター50に出力する。
更に、プリンタードライバー100による印刷設定に関する画面には、ジャギー軽減の程度を選択できるように構成しても良い。詳しくは、解像度拡大変換部140および解像度縮小変換部150において利用される演算方法の種類と、その演算方法を適用した結果の画像データとを画面に表示する。演算方法の種類は、上述の実施形態および変形例において示した方法、解像度拡大変換部140で利用される倍率(nの値)の変更、および階調補間処理部160で利用可能な公知のバイリニア法やバイキュービック法など、を含めても良い。
このように本変形例による画像処理装置では、ジャギー軽減処理の有無や程度を選択することができ、また適用効果のシミュレーション結果を表示装置に表示することで、印刷媒体に印刷する前に利用者に確認させることができる。
(変形例3)
図11は、変形例3における印刷システムの概要を表す図である。
上述の実施形態および変形例では、印刷システム1をコンピューター10とプリンター50とで構成されるとして説明したが、ネットワークを介して画像データを変換するPC(Personal Computer)と、印刷装置の特性に依存する変換処理をするPCとに機能を分担した印刷システムを構成しても良い。
本変形例に係る印刷システム2は、PC70と、ネットワーク75と、PC80と、プリンター85と、PC90と、プリンター95などから構成されている。PC70は、上述の実施形態におけるプリンタードライバー100(図1)のレンダリング部110および解像度変換処理部120を少なくとも備える。ネットワーク75は、インターネットあるいはイントラネットなどであり、PC70から出力された画像データを搬送する。PC80およびPC90は、プリンタードライバー100の一部である色空間変換部180、色変換テーブル185、およびハーフトーン処理部190とを備える。プリンター85およびプリンター95はそれぞれ異なる特性(記録材の色空間や印刷可能サイズなど)を有する印刷装置であっても良い。PC80は、プリンター85専用のプリンタードライバー100の一部を備え、PC90は、プリンター95専用のプリンタードライバー100の一部を備えている。
実施形態2のデータフロー図(図6)を用いて説明する。アプリケーションプログラム20から出力された印刷オブジェクト31に対して、レンダリング部110、印刷解像度変換部130、解像度拡大変換部140、および解像度縮小変換部150の各部が実行され、画像データF235が出力される。画像データF235は、印刷解像度でRGB色空間を有した画像データである。画像データF235をネットワーク経由でPC80あるいはPC90に転送する。画像データF235を取得したPC80あるいはPC90は、色空間変換部180およびハーフトーン処理部190の実行により印刷データ37をプリンター85あるいはプリンター95に出力する。
このようにして、解像度が印刷解像度で色空間がRGB色空間の状態でジャギーが軽減された画像データ(画像データF235)を、複数のプリンターに出力することができる。業務用途の印刷システム2などで、PC70においてジャギーが軽減された画像データを確認し、画像データを同時に複数のプリンターに出力することによりジャギーが軽減された印刷物を大量に生産することが可能になる。
1、2…印刷システム、10…コンピューター、15…制御部、20…アプリケーションプログラム、30…メモリー、31…印刷オブジェクト、32…画像データA、33…画像データB、34…画像データC、35…画像データD、36…画像データE、37…印刷データ、50、85、95…プリンター、70、80、90…PC、75…ネットワーク、100…プリンタードライバー、110…レンダリング部、120…解像度変換処理部、130…印刷解像度変換部、140…解像度拡大変換部、150…解像度縮小変換部、160…階調補間処理部、170…階調平均処理部、180…色空間変換部、185…色変換テーブル、190…ハーフトーン処理部、235…画像データF、236…画像データG、332…画像データH、333…画像データI、334…画像データJ、335…画像データK、336…画像データL。

Claims (7)

  1. 入力画像データを、解像度が自然数n倍となる第1画像データに変換する第1解像度変換手段と、
    前記第1画像データにおいて、隣接するn個の画素を選択し、選択された前記n個の画素における色空間の階調値の平均値を算出する平均化手段と、
    前記第1画像データを、前記平均値を色空間の階調値とする画素により構成され、かつ解像度がn分の1となる第2画像データに変換する第2解像度変換手段と、を備えることを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記第1画像データを構成する画素の色空間は、前記入力画像データの色空間、または前記入力画像データの色空間が色変換された記録材の色空間であることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記入力画像データの解像度は、印刷装置に出力する画像データの印刷解像度を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記平均化手段は、前記記録材の色空間の階調値の平均値を算出することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  5. 前記平均化手段は、前記入力画像データの色空間の階調値の平均値を算出することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  6. 入力画像データを、解像度が自然数n倍となる第1画像データに変換する第1解像度変換工程と、
    前記第1画像データにおいて、隣接するn個の画素を選択し、選択された前記n個の画素における色空間の階調値の平均値を算出する平均化工程と、
    前記第1画像データを、前記平均値を色空間の階調値とする画素により構成され、かつ解像度がn分の1となる第2画像データに変換する第2解像度変換工程と、を備えることを特徴とする画像処理方法。
  7. 入力画像データを、解像度が自然数n倍となる第1画像データに変換する第1解像度変換手段と、
    前記第1画像データにおいて、隣接するn個の画素を選択し、選択された前記n個の画素における色空間の階調値の平均値を算出する平均化手段と、
    前記第1画像データを、前記平均値を色空間の階調値とする画素により構成され、かつ解像度がn分の1となる第2画像データに変換する第2解像度変換手段と、を備える画像処理装置と、
    前記画像処理装置から出力された画像データに基づいて、画像を媒体に印刷する印刷装置と、を備えることを特徴とする印刷システム。
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