JP2015121877A - 中央値検索方法及び中央値検索装置 - Google Patents

中央値検索方法及び中央値検索装置 Download PDF

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Abstract

【課題】中央値を効率的かつ高精度に検索する。
【解決手段】実施形態によれば、中央値検索方法は、点対称方向ソートを適用することを含む。点対称方向ソートは、垂直方向ソート及び水平方向ソート後のN行N列のサンプル値のうちの最大値及び最小値がそれぞれ配置される第1の頂点及び第2の頂点以外の第3の頂点から垂直方向に、シフト量が1から最大(N−3)/2までインクリメントするように、シフトした起点と、当該起点とは点対称の関係にある終点と、中心点とを通る折れ線上にあるN個のサンプル値の合計(N−3)/2回に亘るソートと、(c)第3の頂点から水平方向に、シフト量が1から最大(N−3)/2までインクリメントするように、シフトした起点と、当該起点とは点対称の関係にある終点と、中心点とを通る折れ線上にあるN個のサンプル値の合計(N−3)/2回に亘るソートとを含む。
【選択図】図2

Description

実施形態は、中央値の検索に関する。
例えば車載カメラ、監視カメラなどによって撮影される画像は多くのノイズを含んでおり、そのノイズを低減することが望まれる。従来、画像のノイズ低減技法として、メディアンフィルタが知られている。メディアンフィルタは、注目画素を中心とする計N×N(Nは3以上の奇数)画素の画素値をソートすることによって中央値を検索し、当該中央値によって注目画素の画素値を置き換える。
例えば、N=3の場合に通常のメディアンフィルタは以下に例示されるC言語のソースコードとして記述することができる。ここで、通常のメディアンフィルタとは、総当たり方式の中央値検索を行うものを意味する。尚、下記ソースコードにおいて用いられる画素値(即ち、サンプル値)のインデックスは図3に示されるように定められているものとする。
Figure 2015121877
同様に、N=5の場合に通常のメディアンフィルタは以下に例示されるC言語のソースコードとして記述することができる。尚、下記ソースコードにおいて用いられるサンプル値のインデックスは図4に示されるように定められているものとする。
Figure 2015121877
メディアンフィルタは、ソフトウェア及びハードウェアのいずれによっても実装することができる。しかしながら、計N×N個のサンプル値をソートするためには膨大な回数の比較を実行する必要があるので、通常のメディアンフィルタをハードウェア実装すると回路規模が膨大になる。特に、Nが増大するほど、中央値検索に必要とされる比較回数は飛躍的に増加する。中央値検索に必要とされる比較回数を総当たり方式に比べて削減する手法も提案されているが、特にNが5以上の場合に中央値の検索精度は大きく低下する。
メディアンフィルタをソフトウェア実装する場合には上述の問題は生じない。反面、メディアンフィルタをソフトウェア実装する場合にはリアルタイム処理の要求に応えることが困難となる。前述の車載カメラ、監視カメラなどによって撮影された画像に基づいて事件または事故の早期発見する目的から、メディアンフィルタにリアルタイム性が重要視されることもある。故に、検索精度を損なうことなく中央値検索に必要とされる比較回数を削減することが望まれる。
特開平5−300372号公報
実施形態は、中央値を効率的かつ高精度に検索することを目的とする。
実施形態によれば、中央値検索方法は、計N(Nは5以上の奇数)×N個のサンプル値を行列状に配列することによって得られるN行N列のサンプル値に対して、全列をソートする垂直方向ソート及び全行をソートする水平方向ソートを任意の順序で適用することを含む。中央値検索方法は、垂直方向ソート及び水平方向ソート後のN行N列のサンプル値に対して、点対称方向ソートを適用することを含む。点対称方向ソートは、(a)垂直方向ソート及び水平方向ソート後のN行N列のサンプル値のうちの最大値が配置される第1の頂点及び当該N行N列のサンプル値のうちの最小値が配置される第2の頂点以外の第3の頂点から第4の頂点へ向かう対角線上にあるN個のサンプル値のソートと、(b)第3の頂点から垂直方向に、シフト量が1から最大(N−3)/2までインクリメントするように、シフトした起点と、当該起点とは点対称の関係にある終点と、中心点とを通る折れ線上にあるN個のサンプル値の合計(N−3)/2回に亘るソートと、(c)第3の頂点から水平方向に、シフト量が1から最大(N−3)/2までインクリメントするように、シフトした起点と、当該起点とは点対称の関係にある終点と、中心点とを通る折れ線上にあるN個のサンプル値の合計(N−3)/2回に亘るソートとを含む。
N=5の場合に、第1の実施形態に係る中央値検索方法において行われる各種ソートを例示する図。 図1の点対称方向ソートの詳細を例示する図。 3×3サンプル値のメディアンフィルタの説明図。 5×5サンプル値のメディアンフィルタの説明図。 N=7の場合に、第1の実施形態に係る中央値検索方法において行われる各種ソートを例示する図。 図5の点対称方向ソートの詳細を例示する図。 N=9の場合に、第1の実施形態に係る中央値検索方法において行われる各種ソートを例示する図。 図7の点対称方向ソートの詳細を例示する図。 N=11の場合に、第1の実施形態に係る中央値検索方法において行われる各種ソートを例示する図。 第2の実施形態に係る中央値検索装置への計N×N個のサンプル値の入力順序の説明図。 第2の実施形態に係る中央値検索装置を例示するブロック図。 5サンプル値ソート回路に含まれるSORT−BASE回路を例示するブロック図。 5サンプル値ソート回路に含まれるUPPER−BASE回路を例示するブロック図。 5サンプル値ソート回路に含まれるLOWER−BASE回路を例示するブロック図。 5サンプル値ソート回路を例示するブロック図。 図15の5サンプル値ソート回路の構造の説明図。 図15の5サンプル値ソート回路の動作例を示す図。 総当たり方式のソート回路に含まれるCOMPARE−BASE回路を例示するブロック図。 総当たり方式のソート回路に含まれるSORT−BASE回路を例示するブロック図。 総当たり方式の25サンプル値ソート回路の構造の説明図。
以下、図面を参照しながら実施形態の説明が述べられる。尚、以降、説明済みの要素と同一または類似の要素には同一または類似の符号が付され、重複する説明は基本的に省略される。
実施形態は、例えばメディアンフィルタを実装するために用いられてもよい。この場合には、以降の説明において用語「サンプル値」を用語「画素値」として適宜読み替えればよい。更に、実施形態は、メディアンフィルタに限られず種々の統計分析に応用されてもよい。例えば貧富の差が激しい国では、平均年収は当該国における普通の人の経済状況と乖離していることがあり、このような場合には平均年収の代わりに年収の中央値を用いることで当該国における普通の人の経済状況を妥当に評価することができる。
(第1の実施形態)
第1の実施形態に係る中央値検索方法は、計N×N(Nは5以上の奇数)個のサンプル値を行列状に配列することによって得られるN行N列のサンプル値に対して所定の3種類または4種類のソートを適用することによって、効率的かつ高精度に中央値を検索する。
具体的には、本実施形態に係る中央値検索方法において、水平方向ソートと、垂直方向ソートと、後述される点対称方向ソートとが行われる。更に、この中央値検索方法において、必要に応じて、中央領域ソートが行われてもよい。
図1には、N=5の場合に本実施形態に係る中央値検索方法において適用される各種ソートが例示される。図1のうち中央領域ソートは、後述されるように省略可能である。
最初に、垂直方向ソート及び水平方向ソートが行われる。尚、これらの順序は任意であるので、垂直方向ソートの後に水平方向ソートが行われてもよいし、水平方向ソートの後に垂直方向ソートが行われてもよい。
垂直方向ソートは、N行N列のサンプル値の全列をソートすることを意味する。即ち、垂直方向ソートは、N個のサンプル値を対象とするソートを合計N回に亘って行うことに相当する。これらN回のソートは並列的に実行可能である。
図1の例では、垂直方向ソートは合計5回の列ソートを含み、各列ソートは5個のサンプル値を対象とする。図1の例では、各列は、上端から下端に向かって降順にソートされているが、上端から下端に向かって昇順にソートされてもよい。
水平方向ソートは、N行N列のサンプル値の全行をソートすることを意味する。即ち、水平方向ソートは、N個のサンプル値を対象とするソートを合計N回に亘って行うことに相当する。これらN回のソートは並列的に実行可能である。
図1の例では、水平方向ソートは合計5回の行ソートを含み、各行ソートは5個のサンプル値を対象とする。図1の例では、各行は、左端から右端に向かって降順にソートされているが、左端から右端に向かって昇順にソートされてもよい。
垂直方向ソート及び水平方向ソートの結果、N行N列のサンプル値のうちの最大値が第1の頂点に配置され、N行N列のサンプル値のうちの最小値が当該第1の頂点とは対角方向に位置する第2の頂点に配置される。図1の例では、最大値が左上の頂点に配置され、最小値が右下の頂点に配置される。垂直方向ソート及び水平方向ソートの後に、点対称方向ソートが行われる。
点対称方向ソートは、以下に説明されるように、N個のサンプル値を対象とするソートを合計N−2回に亘って行うことに相当する。
点対称方向ソートは、上記第1の頂点及び第2の頂点以外の第3の頂点から第4の頂点へ向かう対角線上にあるN個のサンプル値のソートを含む。
点対称方向ソートは、更に、第3の頂点から垂直方向にシフトした起点と、当該起点とは点対称の関係にある終点と、中心点とを通る折れ線上にあるN個のサンプル値のソートを含む。このシフト量は、1から順に最大で(N−3)/2までインクリメントされる。換言すれば、この垂直方向シフトに付随するソートは合計(N−3)/2回行われる。
点対称方向ソートは、更に、第3の頂点から水平方向にシフトした起点と、当該起点とは点対称の関係にある終点と、中心点とを通る折れ線上にあるN個のサンプル値のソートを含む。このシフト量も、1から順に最大で(N−3)/2までインクリメントされる。換言すれば、この水平方向シフトに付随するソートは合計(N−3)/2回行われる。
垂直方向シフトに付随するソート及び水平方向シフトに付随するソートの順序は任意であるが、以降の説明では、垂直方向ソートに付随するソートの後に水平方向シフトに付随するソートが行われるものとする。
具体的には、図2に例示されるように、点対称方向ソートは、左下頂点から右上頂点へ向かう対角線上にある5個のサンプル値のソート(1)を含む。点対称方向ソートは、更に、左下頂点から垂直方向にシフトした起点と、当該起点とは点対称の関係にある終点と、中心点とを通る折れ線上にある5個のサンプル値のソート(2)を含む。この垂直方向シフトに付随するソートは1(=(5−3)/2)回行われる。点対称方向ソートは、更に、左下頂点から水平方向にシフトした起点と、当該起点とは点対称の関係にある終点と、中心点とを通る折れ線上にある5個のサンプル値のソート(3)を含む。この水平方向シフトに付随するソートは1=((5−3)/2)回行われる。
点対称方向ソートの後に、中央領域ソートが行われてもよい。中央領域ソートは、中心点及びこれに隣接するN−1点に配置された合計N個のサンプル値をソートすることを意味する。尚、上記隣接するN−1点は、図1及び他の図面は例示される組み合わせに制限されない。N=5に関して、点対称方向ソートによって中央領域ソートと等価のソートが完了しているので、中央領域ソートは省略されてもよい。後述されるように、Nが7以上の場合には、中央領域ソートを行うことで中央値の検索精度を向上させることが可能である。
以上の3種類または4種類のソートの結果、N行N列のサンプル値の中央値が中心点に配置される。換言すれば、点対称方向ソートまたは中央領域ソートの後に中心点に配置された値が、検索された中央値に相当する。
N=5の場合に、本実施形態に係る中央値検索方法によれば、5個のサンプル値のソートが13回(5回(垂直方向)+5回(水平方向)+3回(点対称方向)+0回(中央領域))行われる。5個のサンプル値のソートの各々において、必要とされる比較回数は高々10(=4+3+2+1)である。故に、N=5の場合に、中央値検索に必要とされる合計の比較回数は130回(=13×10)と見積もることができる。他方、総当たり方式の中央値検索に必要とされる合計の比較回数は、300回(=24+23+・・・+2+1)である。従って、本実施形態に係る中央値検索方法によれば、総当たり方式に比べて必要とされる比較回数を57%程度低減することが可能である。
更に、N=5の場合に、本実施形態に係る中央値検索方法によって検索された中央値が真の中央値と一致する確率(即ち、中央値の検索精度又は正解率)が100%であることもシミュレーションを通じて確認された。このシミュレーションでは、0〜255の範囲の乱数を用いて生成した合計10,000,000通りのサンプル値の組み合わせについて、本実施形態に係る中央値検索方法によって検索された中央値が真の中央値に一致した確率が計算された。尚、このシミュレーションにおいて、中央値検索方法はC言語でプログラミングされた。真の中央値は、例えば総当たり方式の中央値検索を通じて得ることができる。
本実施形態に係る中央値検索方法は、N=7の場合にも有効である。図5には、N=7の場合に本実施形態に係る中央値検索方法において適用される各種ソートが例示される。
最初に、垂直方向ソート及び水平方向ソートが行われる。図5の例では、垂直方向ソートは合計7回の列ソートを含み、各列ソートは7個のサンプル値を対象とする。図5の例では、各列は、上端から下端に向かって降順にソートされているが、上端から下端に向かって昇順にソートされてもよい。図5の例では、水平方向ソートは合計7回の行ソートを含み、各行ソートは7個のサンプル値を対象とする。図5の例では、各行は、左端から右端に向かって降順にソートされているが、左端から右端に向かって昇順にソートされてもよい。
図5の例では、垂直方向ソート及び水平方向ソートの結果、左上の頂点には最大値が配置され、右下の頂点には最小値が配置される。垂直方向ソート及び水平方向ソートの後に、点対称方向ソートが行われる。
図6に例示されるように、点対称方向ソートは、左下頂点から右上頂点へ向かう対角線上にある7個のサンプル値のソート(1)を含む。
点対称方向ソートは、更に、左下頂点から垂直方向にシフトした起点と、当該起点とは点対称の関係にある終点と、中心点とを通る折れ線上にある7個のサンプル値のソート(2〜3)を含む。このシフト量は、1から順に最大で2(=(7−3)/2)までインクリメントされる。換言すれば、この垂直方向シフトに付随するソートは合計2回行われる。
点対称方向ソートは、更に、左下頂点から水平方向にシフトした起点と、当該起点とは点対称の関係にある終点と、中心点とを通る折れ線上にある7個のサンプル値のソート(4〜5)を含む。このシフト量も、1から順に最大で2=((7−3)/2)までインクリメントされる。換言すれば、この水平方向シフトに付随するソートも合計2回行われる。
点対称方向ソートの後に、中央領域ソートが行われる。中央領域ソートは、中心点及びこれに隣接する6点に配置された合計7個のサンプル値をソートすることを意味する。中央領域ソートを行うことで中央値の検索精度を向上させることが可能である。
尚、中央領域ソートは、点対称方向ソートによって中心点付近に集められたN個の中央値候補をソートすることで真の中央値を高確率で中心点に配置するが、真の中央値がこれらN個の中央値候補に含まれていないことがある。そこで、中央領域ソートは、中心点及びこれに隣接するN−1+α(αは2以上の偶数である)点に配置された合計N+α個のサンプル値をソートするように変形されてもよい。係る変形によれば、中央値の検索精度を更に向上できる。αの上限は特に制限されないが、少なくともN=11以下のシミュレーションではα<Nとすれば十分であることが確認されている。
図5の例によれば、中央領域ソートは、中心点及びこれに隣接する8(=6+2)点に配置された合計9(=7+2)個のサンプル値をソートするように変形されてもよい。これら2点のサンプル値は、図5において斜線付きで描かれている。
以上の4種類のソートの結果、7行7列のサンプル値の中央値が中心点に配置される。換言すれば、点対称方向ソートまたは中央領域ソートの後に中心点に配置された値が、検索された中央値に相当する。
N=7の場合に、本実施形態に係る中央値検索方法によれば、7個のサンプル値のソートが20回(7回(垂直方向)+7回(水平方向)+5回(点対称方向)+1回(中央領域))行われる。7個のサンプル値のソートの各々において、必要とされる比較回数は高々21(=6+5+4+3+2+1)である。故に、N=7の場合に、中央値検索に必要とされる合計の比較回数は420回(=20×21)と見積もることができる。他方、総当たり方式の中央値検索に必要とされる合計の比較回数は、1176回(=48+47+・・・+2+1)である。従って、本実施形態に係る中央値検索方法によれば、総当たり方式に比べて必要とされる比較回数を64%程度低減することが可能である。この減少率はN=5の場合に比べて大きい。
更に、N=7の場合に、本実施形態に係る中央値検索方法によって検索された中央値が真の中央値と一致する確率(即ち、中央値の検索精度又は正解率)が約100%であることもシミュレーションを通じて確認された。このシミュレーションの条件は、N=5の場合と同様である。より具体的には、(1)7個(図5に例示される中央領域ソートのうち矢印の通る点)のサンプル値を対象とする中央領域ソートを行う場合には、正解率が99.99975%であってσ値が0.00005であった。(2)9個(図5に例示される中央領域ソートのうち矢印の通る点及び斜線付きで描かれた点)のサンプル値を対象とする中央領域ソートを行う場合には、正解率が100%であってσ値が0.00であった。(3)中央領域ソートを省略する場合には、正解率が94.93702%であってσ値が2.6514であった。これら中央領域ソートに関する(1)〜(3)のオプションのいずれを採用するかは、要求される検索精度に応じて適応的に切り替えられてもよい。尚、オプション(2)に比べて正解率において劣るものの、オプション(1)及びオプション(3)は、σ値が小さい(即ち、検索された中央値が仮に真の中央値と異なっていてもその差異は僅かである)ので、十分に実用的な検索精度を達成可能である。
本実施形態に係る中央値検索方法は、N=9の場合にも有効である。図7には、N=9の場合に本実施形態に係る中央値検索方法において適用される各種ソートが例示される。
最初に、垂直方向ソート及び水平方向ソートが行われる。図7の例では、垂直方向ソートは合計9回の列ソートを含み、各列ソートは9個のサンプル値を対象とする。図7の例では、各列は、上端から下端に向かって降順にソートされているが、上端から下端に向かって昇順にソートされてもよい。図7の例では、水平方向ソートは合計9回の行ソートを含み、各行ソートは9個のサンプル値を対象とする。図7の例では、各行は、左端から右端に向かって降順にソートされているが、左端から右端に向かって昇順にソートされてもよい。
図7の例では、垂直方向ソート及び水平方向ソートの結果、左上の頂点には最大値が配置され、右下の頂点には最小値が配置される。垂直方向ソート及び水平方向ソートの後に、点対称方向ソートが行われる。
図8に例示されるように、点対称方向ソートは、左下頂点から右上頂点へ向かう対角線上にある9個のサンプル値のソート(1)を含む。
点対称方向ソートは、更に、左下頂点から垂直方向にシフトした起点と、当該起点とは点対称の関係にある終点と、中心点とを通る折れ線上にある9個のサンプル値のソート(2〜4)を含む。このシフト量は、1から順に最大で3(=(9−3)/2)までインクリメントされる。換言すれば、この垂直方向シフトに付随するソートは合計3回行われる。
点対称方向ソートは、更に、左下頂点から水平方向にシフトした起点と、当該起点とは点対称の関係にある終点と、中心点とを通る折れ線上にある9個のサンプル値のソート(5〜7)を含む。このシフト量も、1から順に最大で3=((9−3)/2)までインクリメントされる。換言すれば、この水平方向シフトに付随するソートも合計3回行われる。
点対称方向ソートの後に、中央領域ソートが行われる。中央領域ソートは、中心点及びこれに隣接する合計8個の点に配置された9個のサンプル値をソートすることを意味する。中央領域ソートを行うことで中央値の検索精度を向上させることが可能である。
尚、前述のように、中央領域ソートは、中心点及びこれに隣接するN−1+α点に配置された合計N+α個のサンプル値をソートするように変形されてもよい。係る変形によれば、中央値の検索精度を更に向上できる。図7の例によれば、中央領域ソートは、中心点及びこれに隣接する12(=8+4)点に配置された合計13(=9+4)個のサンプル値をソートするように変形されてもよい。これら4点のサンプル値は、図7において斜線付きで描かれている。
以上の4種類のソートの結果、9行9列のサンプル値の中央値が中心点に配置される。換言すれば、点対称方向ソートまたは中央領域ソートの後に中心点に配置された値が、検索された中央値に相当する。
N=9の場合に、本実施形態に係る中央値検索方法によれば、9個のサンプル値のソートが26回(9回(垂直方向)+9回(水平方向)+7回(点対称方向)+1回(中央領域))行われる。9個のサンプル値のソートの各々において、必要とされる比較回数は高々36(=8+7+・・・+2+1)である。故に、N=9の場合に、中央値検索に必要とされる合計の比較回数は936回(=26×36)と見積もることができる。他方、総当たり方式の中央値検索に必要とされる合計の比較回数は、3240回(=80+79+・・・+2+1)である。従って、本実施形態に係る中央値検索方法によれば、総当たり方式に比べて必要とされる比較回数を71%程度低減することが可能である。この減少率はN=7の場合に比べて大きい。
更に、N=9の場合に、本実施形態に係る中央値検索方法によって検索された中央値が真の中央値と一致する確率(即ち、中央値の検索精度又は正解率)が約100%であることもシミュレーションを通じて確認された。このシミュレーションの条件は、N=5の場合と同様である。より具体的には、(1)9個(図7に例示される中央領域ソートのうち矢印の通る点)のサンプル値を対象とする中央領域ソートを行う場合には、正解率が99.99690%であってσ値が0.00038であった。(2)13個(図7に例示される中央領域ソートのうち矢印の通る点及び斜線付きで描かれた点)のサンプル値を対象とする中央領域ソートを行う場合には、正解率が100%であってσ値が0.00であった。(3)中央領域ソートを省略する場合には、正解率が94.23628%であってσ値が1.3753であった。これら中央領域ソートに関する(1)〜(3)のオプションのいずれを採用するかは、要求される検索精度に応じて適応的に切り替えられてもよい。尚、オプション(2)に比べて正解率において劣るものの、オプション(1)及びオプション(3)は、σ値が小さい(即ち、検索された中央値が仮に真の中央値と異なっていてもその差異は僅かである)ので、十分に実用的な検索精度を達成可能である。
本実施形態に係る中央値検索方法は、N=11の場合にも有効である。図9には、N=11の場合に本実施形態に係る中央値検索方法において適用される各種ソートが例示される。
最初に、垂直方向ソート及び水平方向ソートが行われる。図9の例によれば、垂直方向ソートは合計11回の列ソートを含み、各列ソートは11個のサンプル値を対象とする。図9の例によれば、各列は、上端から下端に向かって降順にソートされているが、上端から下端に向かって昇順にソートされてもよい。図9の例によれば、水平方向ソートは合計11回の行ソートを含み、各行ソートは11個のサンプル値を対象とする。図9の例によれば、各行は、左端から右端に向かって降順にソートされているが、左端から右端に向かって昇順にソートされてもよい。
図9の例では、垂直方向ソート及び水平方向ソートの結果、左上の頂点には最大値が配置され、右下の頂点には最小値が配置される。垂直方向ソート及び水平方向ソートの後に、点対称方向ソートが行われる。
尚、N=11の場合の点対称方向ソートは図示されていないが、Nが9以下の場合と同様である。
即ち、N=11の場合の点対称方向ソートは、左下頂点から右上頂点へ向かう対角線上にある11個のサンプル値のソートを含む。
点対称方向ソートは、更に、左下頂点から垂直方向にシフトした起点と、当該起点とは点対称の関係にある終点と、中心点とを通る折れ線上にある11個のサンプル値のソートを含む。このシフト量は、1から順に最大で4(=(11−3)/2)までインクリメントされる。換言すれば、この垂直方向シフトに付随するソートは合計4回行われる。
点対称方向ソートは、更に、左下頂点から水平方向にシフトした起点と、当該起点とは点対称の関係にある終点と、中心点とを通る折れ線上にある11個のサンプル値のソートを含む。このシフト量も、1から順に最大で4=((11−3)/2)までインクリメントされる。換言すれば、この水平方向シフトに付随するソートも合計4回行われる。
点対称方向ソートの後に、中央領域ソートが行われる。中央領域ソートは、中心点及びこれに隣接する10点に配置された合計11個のサンプル値をソートすることを意味する。中央領域ソートを行うことで中央値の検索精度を向上させることが可能である。
尚、前述のように、中央領域ソートは、中心点及びこれに隣接するN−1+α点に配置された合計N+α個のサンプル値をソートするように変形されてもよい。係る変形によれば、中央値の検索精度を更に向上できる。図9の例によれば、中央領域ソートは、中心点及びこれに隣接する20(=10+10)点に配置された合計21(=11+10)個のサンプル値をソートするように変形されてもよい。これら10点のサンプル値は、図9において斜線付きで描かれている。
以上の4種類のソートの結果、11行11列のサンプル値の中央値が中心点に配置される。換言すれば、点対称方向ソートまたは中央領域ソートの後に中心点に配置された値が、検索された中央値に相当する。
N=11の場合に、本実施形態に係る中央値検索方法によれば、11個のサンプル値のソートが32回(11回(垂直方向)+11回(水平方向)+9回(点対称方向)+1回(中央領域))行われる。11個のサンプル値のソートの各々において、必要とされる比較回数は高々55(=10+9+・・・+2+1)である。故に、N=11の場合に、中央値検索に必要とされる合計の比較回数は1760回(=32×55)と見積もることができる。他方、総当たり方式の中央値検索に必要とされる合計の比較回数は、7260回(=120+119+・・・+2+1)である。従って、本実施形態に係る中央値検索方法によれば、総当たり方式に比べて必要とされる比較回数を76%程度低減することが可能である。この減少率はN=9の場合に比べて大きい。
更に、N=11の場合に、本実施形態に係る中央値検索方法によって検索された中央値が真の中央値と一致する確率(即ち、中央値の検索精度又は正解率)が約100%であることもシミュレーションを通じて確認された。このシミュレーションの条件は、N=5の場合と同様である。より具体的には、(1)11個(図9に例示される中央領域ソートのうち矢印の通る点)のサンプル値を対象とする中央領域ソートを行う場合には、正解率99.97250%であってσ値が0.0031089であった。(2)21個(図9に例示される中央領域ソートのうち矢印の通る点及び斜線付きで描かれた点)のサンプル値を対象とする中央領域ソートを行う場合には、正解率が100%であってσ値が0.00であった。(3)中央領域ソートを省略する場合には、正解率が94.23628%であってσ値が1.11048であった。これら中央領域ソートに関する(1)〜(3)のオプションのいずれを採用するかは、要求される検索精度に応じて適応的に切り替えられてもよい。尚、オプション(2)に比べて正解率において劣るものの、オプション(1)及びオプション(3)は、σ値が小さい(即ち、検索された中央値が仮に真の中央値と異なっていてもその差異は僅かである)ので、十分に実用的な検索精度を達成可能である。
本実施形態に係る中央値検索方法は、N=13以上の場合にも有効である。Nが13以上の場合に行われるソートの詳細についてはNが11以下の場合と同様であるので説明が省略される。
以上説明したように、第1の実施形態に係る中央値検索方法は、計N×N個のサンプル値を行列状に配列することによって得られるN行N列のサンプル値に対して、垂直方向ソート及び水平方向ソートを適用し、その後に点対称方向ソートを適用する。これら3種類のソートに必要とされる比較回数は、高々、{N(N−1)/2}×(3N−2)である。この比較回数は、総当たり方式において必要とされる比較回数であるN(N−1)/2に比べて小さい。更に、これら3種類のソートによれば、N=5の場合に100%の正解率が達成され、Nが7以上の場合にも十分に高い正解率が達成される。従って、この中央値検索方法によれば、効率的かつ高精度に中央値を検索することができる。例えば、この中央値検索方法を用いてメディアンフィルタをハードウェア実装すれば、総当たり方式のメディアンフィルタに比べて検索精度を殆ど損なうことなく回路規模を大幅に削減することができる。
更に、本実施形態に係る中央値検索方法において、上記N行N列のサンプル値に対して、点対称方向ソートの後に中央領域ソートが更に適用されてもよい。中央領域ソートを行うことで特にNが7以上の場合の正解率を更に向上させることができる。加えて、中央領域ソートの対象をN個のサンプル値からN+α個のサンプル値へと拡張することによって、Nが7以上の場合にも100%の正解率を達成することができる。
(第2の実施形態)
図11に例示されるように、第2の実施形態に係る中央値検索装置は、水平方向ソート回路101と、メモリ102と、垂直方向ソート回路103と、メモリ104と、点対称方向ソート回路105と、中央領域ソート回路106とを備える。尚、前述の中央領域ソートを省略する場合には、中央領域ソート回路106は不要である。また、水平方向ソート回路101及び垂直方向ソート回路103の位置は交換可能である。この中央値検索装置は、例えば、図10に示されるように、計N×N個のサンプル値を行列状に配列することによって得られるN行N列のサンプル値をラスタスキャン順でN個ずつ入力してもよい。
水平方向ソート回路101は、少なくとも1つのNサンプル値ソート回路を備える。ここで、Nサンプル値ソート回路とは、N個のサンプル値を入力し、これらN個のサンプル値を降順(または昇順)にソートし、ソート後のN個のサンプル値を出力する回路を意味する。
水平方向ソート回路101は、計N×N個のサンプル値を行列状に配置することによって得られるN行N列のサンプル値をN個のサンプルからなる行単位で入力する。水平方向ソート回路101は、このNサンプル値ソート回路を用いてN行N列のサンプル値に対して前述の水平方向ソートを行う。水平方向ソート回路101は、水平ソート後のN行N列のサンプル値を行単位でメモリ102へと出力する。
尚、水平方向ソート回路101に含まれるNサンプル値ソート回路の個数を多くすることで、複数行のソートを並列的に(即ち、高速に)行うことができる。或いは、水平方向ソート回路101に含まれるNサンプル値ソート回路の個数を少なくすることで、回路規模を抑制することができる。
メモリ102は、水平ソート後のN行N列のサンプル値を水平方向ソート回路101から行単位で入力する。メモリ102は、N行N列のサンプル値を一時的に記憶する。メモリ102に記憶されたN行N列のサンプル値は、N個のサンプル値からなる列単位で垂直方向ソート回路103によって読み出される。尚、メモリ102の容量は、少なくともN行N列のサンプル値を1セット以上物理的または論理的に記憶可能な大きさに設計される。
垂直方向ソート回路103は、少なくとも1つのNサンプル値ソート回路を備える。垂直方向ソート回路103は、N行N列のサンプル値をN個のサンプルからなる列単位でメモリ102から読み出す。垂直方向ソート回路103は、このNサンプル値ソート回路を用いてN行N列のサンプル値に対して前述の垂直方向ソートを行う。垂直方向ソート回路103は、垂直ソート後のN行N列のサンプル値を列単位でメモリ104へと出力する。
尚、垂直方向ソート回路103に含まれるNサンプル値ソート回路の個数を多くすることで、複数列のソートを並列的に(即ち、高速に)行うことができる。或いは、垂直方向ソート回路103に含まれるNサンプル値ソート回路の個数を少なくすることで、回路規模を抑制することができる。
メモリ104は、垂直ソート後のN行N列のサンプル値を垂直方向ソート回路103から列単位で入力する。メモリ104は、これらのサンプル値を一時的に記憶する。メモリ104の容量は、少なくともN行N列のサンプル値を1セット以上物理的または論理的に記憶可能な大きさに設計される。
点対称方向ソート回路105は、少なくとも1つのNサンプル値ソート回路を備える。点対称方向ソート回路105は、N行N列のサンプル値をソートの対象となるN個のサンプル値からなる単位でメモリ104から読み出す。点対称方向ソート回路105は、このNサンプル値ソート回路を用いて、読み出されたN個のサンプル値をソートする。点対称方向ソート回路105は、ソート後のN個のサンプル値をメモリ104に書き戻す。点対称方向ソート回路105は、このようなN個のサンプル値の読み出しと、N個のサンプル値のソートと、ソート後のN個のサンプル値の書き戻しとを合計N−2回に亘って反復する。最終的に、点対称方向ソート後のN行N列のサンプル値がメモリ104に記憶される。中央領域ソート回路106が省略される場合には、メモリ104に記憶されたN行N列のサンプル値のうち中心点に対応するサンプル値が、検索された中央値として出力される。
中央領域ソート回路106は、Nサンプル値ソート回路(またはN+αサンプル値ソート回路)を備える。中央領域ソート回路106は、メモリ104に記憶された点対称方向ソート後のN行N列のサンプル値のうちソートの対象となるN個(またはN+α個)のサンプル値を読み出す。中央領域ソート回路106は、このNサンプル値ソート回路(またはN+αサンプル値ソート回路)を用いて、読み出されたN個(またはN+α個)のサンプル値をソートする。中央領域ソート回路106は、ソート後のN個(またはN+α個)のサンプル値のうち真ん中に配置されたサンプル値を、検索された中央値として出力する。
前述のように、水平方向ソート回路101、垂直方向ソート回路103、点対称方向ソート回路105及び中央領域ソート回路106は、Nサンプル値ソート回路(またはN+αサンプル値ソート回路)を含む。Nサンプル値ソート回路は、基本的に任意の構成を採用することができるが、例えば以下に例示される構成を採用できる。
N=5の時の5サンプル値ソート回路を例に説明する。同回路は、図16に示すように、SORT−BASE回路を根とし、UPPER−BASE回路(U)及びLOWER−BASE回路(L)を葉とする二分木構造を備える。この5サンプル値ソート回路に必要とされる段数は高々4(=N−1)である。係る二分木構造を持つ5サンプル値ソート回路によれば、最大4セットの5サンプル値ソートをパイプライン処理として実現することができる。
SORT−BASE回路は、N個のサンプル値から選択された基準サンプル値(例えばインデックスが最小のサンプル値)と他のN−1個のサンプル値とを比較する。SORT−BASE回路は、基準サンプル値よりも大きなサンプル値を次段のUPPER−BASE回路へと出力し、基準サンプル値よりも小さなサンプル値を次段のLOWER−BASE回路へと出力する。
SORTーBASE回路をより詳しく説明する。図12に例示されるように、N=5の場合に、SORT−BASE回路は、4(=N−1)個の比較器を含む。各比較器は、基準サンプル値(インデックス=0)と他の4個のサンプル値の各々とを比較する。これらの比較器によって出力される比較結果b<1:4>と、これら比較結果b<1:4>の累積値であるa<1:4>が次段のUPPER−BASE回路及びLOWER−BASE回路への入力サンプル値を決定付ける。比較結果b<1:4>は、基準サンプル値がもう一方の入力サンプル値に比べて大きければ「1」をとり、そうでなければ「0」をとる。尚、基準サンプル値の降順ソート後のインデックスはa4によって決定される。
UPPER−BASE回路は、入力サンプル値から選択された基準サンプル値(例えばインデックスが最小のサンプル値)と他のサンプル値とを比較する。UPPER−BASE回路は、基準サンプル値よりも大きなサンプル値を次段のUPPER−BASE回路へと出力し、基準サンプル値よりも小さなサンプル値を次段のLOWER−BASE回路へと出力する。同様に、LOWER−BASE回路は、入力サンプル値から選択された基準サンプル値(例えばインデックスが最小のサンプル値)と他のサンプル値とを比較する。LOWER−BASE回路は、基準サンプル値よりも大きなサンプル値を次段のUPPER−BASE回路へと出力し、基準サンプル値よりも小さなサンプル値を次段のLOWER−BASE回路へと出力する。
UPPER−BASE回路をより詳しく説明する。図13に例示されるように、N=5の場合に、SORT−BASE回路の次段のUPPER−BASE回路は、4個の比較器を含む。各比較器は、基準サンプル値(入力サンプル値のうちインデックスが最小のサンプル値)と他のサンプル値の各々とを比較する。これらの比較器によって出力される比較結果ub<1:4>と、これら比較結果ub<1:4>の累積値であるua<1:4>が次段のUPPER−BASE回路及びLOWER−BASE回路への入力サンプル値を決定付ける。比較結果ub<1:4>は、基準サンプル値がもう一方の入力サンプル値に比べて大きければ「1」をとり、そうでなければ「0」をとる。尚、基準サンプル値の降順ソート後のインデックスはua3によって決定される。
LOWER−BASE回路をより詳しく説明する。図14に例示されるように、N=5の場合に、SORT−BASE回路の次段のLOWER−BASE回路は、4個の比較器を含む。各比較器は、基準サンプル値(入力サンプル値のうちインデックスが最小のサンプル値)と他のサンプル値の各々とを比較する。これらの比較器によって出力される比較結果lb<1:4>と、これら比較結果lb<1:4>の累積値であるla<1:4>が次段のUPPER−BASE回路及びLOWER−BASE回路への入力サンプル値を決定付ける。比較結果lb<1:4>は、基準サンプル値がもう一方の入力サンプル値に比べて大きければ「1」をとり、そうでなければ「0」をとる。尚、基準サンプル値の降順ソート後のインデックスはa4+1+la3によって決定される。
尚、図13のUPPER−BASE回路及び図14のLOWER−BASE回路にそれぞれ入力されるサンプル値の総数は高々4個である。従って、図13及び図14のうち左から4番目の比較器は不要である。係る不要な比較器を取り除くことにより、UPPER−BASE回路及びLOWER−BASE回路の回路規模を抑制することができる。このような不要な比較器は、図15及び図16に示されるように、段数が1つ増加する毎に1つ増加する。従って、5サンプル値ソート回路に必要とされる比較器の総数は、高々26(=1×4+2×3+4×2+8×1)個と見積もることができる(図16参照)。
図15の5サンプル値ソートは、図17に例示されるように動作する。具体的には、SORT−BASE回路は、0〜4のインデックスが付与された5個のサンプル値を入力する。1段目にあるSORT−BASE回路(U1)は、基準サンプル値(インデックス=0)と他の4個のサンプル値の各々とを比較する。図17の例では、b1=a1=0、b2=0、a2=0、b3=1、a3=1、b4=0、a4=1である。従って、基準サンプル値の降順ソート後のインデックスは1(=a4)に決定される。
2段目にあるUPPER−BASE回路(U2)は、インデックス=3のサンプル値を入力する。即ち、このUPPER−BASE回路は1つのサンプル値のみを入力するから、比較結果ub<1:3>及びその累積値ua<1:3>はいずれも0である。従って、基準サンプル値(インデックス=3)の降順ソート後のインデックスは0(=ua3)により決定される。
2段目にあるLOWER−BASE回路(L2)は、インデックス=1,2,4のサンプル値を入力する。このLOWER−BASE回路は、基準サンプル値(インデックス=1)と他の2個のサンプル値の各々とを比較する。図17の例では、lb1=la1=1、lb2=1、la2=2、lb3=0、la3=2である。従って、基準サンプル値の降順ソート後のインデックスは4(=a4+1+la3)により決定される。
3段目にあるUPPER−BASE回路(LU3)は、インデックス=2,4のサンプル値を入力する。このUPPER−BASE回路は、基準サンプル値(インデックス=2)と他の1個のサンプル値とを比較する。図17の例では、lub1=lua1=0、lub2=0、lua2=0である。従って、基準サンプル値の降順ソート後のインデックスは2(=a4+1+lua2)により決定される。
4段目にあるLOWER−BASE回路(LUL4)は、インデックス=4のサンプル値を入力する。即ち、このLOWER−BASE回路は1つのサンプル値のみを入力するから、比較結果lulb<1:1>及びその累積値lula<1:1>はいずれも0である。従って、基準サンプル値(インデックス=4)の降順ソート後のインデックスは3(=a4+1+lua2+1)により決定される。
図20は、本実施形態に係る中央値検索装置の比較例に相当する、総当たり方式の25サンプル値ソート回路を例示する。図20の25サンプル値ソート回路は、24段ものSORT−BASE回路を含む。各SORT−BASE回路は、前段から入力される2〜25個の入力サンプル値から最小値を検索し、残りの1〜24個のサンプル値を次段のSORT−BASE回路へと出力する。例えば、1段目のSORT−BASE回路は、25個の入力サンプル値から最小値を検索し、残りの24個のサンプル値を次段のSORT−BASE回路へと出力する。
1段目のSORT−BASE回路は、図19に例示されるように、24個のCOMPARE−BASE回路を含む。一般化すれば、各SORT−BASE回路は、入力サンプル数−1個のCOMPARE−BASE回路を含む。
COMPARE−BASE回路は、図18に例示されるように、2つの入力サンプル値のうち大きい方を第1の出力端子(OUT0)を介して出力し、小さい方を第2の出力端子(OUT1)を介して出力する。1個のCOMPARE−BASE回路は、少なくとも1個の比較器を含む。
図19に例示されるように、各SORT−BASE回路において、COMPARE−BASE回路の第2の出力端子は次段のCOMPARE−BASE回路に接続される。従って、各SORT−BASE回路における最終段に配置されたCOMPARE−BASE回路は、当該SORT−BASE回路の入力サンプル値のうちの最小値を第2の出力端子を介して出力する。
図20に例示されるように、総当たり方式の25サンプル値ソート回路は、24段ものSORT−BASE回路を含み、これらに含まれる比較器の合計は300個である。加えて、この回路を用いた25サンプル値ソートをパイプライン処理として実現するには、SORT−BASE回路毎に25サンプル値を記憶するための記憶素子(例えばメモリ)が必要である。
以上説明したように、第2の実施形態に係る中央値検索装置は、前述の第1の実施形態に係る中央値検索方法を実現する。更に、この中央値検索装置は、前述の二分木構造を持つNサンプル値ソート回路を採用することによって、最大N−1セットのNサンプル値ソートをパイプライン処理として実現することができる。
上記各実施形態の処理は、汎用のコンピュータを基本ハードウェアとして用いることで実現可能である。上記各実施形態の処理を実現するプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体に格納して提供されてもよい。プログラムは、インストール可能な形式のファイルまたは実行可能な形式のファイルとして記憶媒体に記憶される。記憶媒体としては、磁気ディスク、光ディスク(CD−ROM、CD−R、DVD等)、光磁気ディスク(MO等)、半導体メモリなどである。記憶媒体は、プログラムを記憶でき、かつ、コンピュータが読み取り可能であれば、何れであってもよい。また、上記各実施形態の処理を実現するプログラムを、インターネットなどのネットワークに接続されたコンピュータ(サーバ)上に格納し、ネットワーク経由でコンピュータ(クライアント)にダウンロードさせてもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
101・・・水平方向ソート回路,102,104・・・メモリ,103・・・垂直方向ソート回路,105・・・点対称方向ソート回路,106・・・中央領域ソート回路

Claims (6)

  1. 計N(Nは5以上の奇数)×N個のサンプル値を行列状に配列することによって得られるN行N列のサンプル値に対して、全列をソートする垂直方向ソート及び全行をソートする水平方向ソートを任意の順序で適用することと、
    前記垂直方向ソート及び前記水平方向ソート後のN行N列のサンプル値に対して、点対称方向ソートを適用することと
    を具備し、
    前記点対称方向ソートは、(a)前記垂直方向ソート及び前記水平方向ソート後のN行N列のサンプル値のうちの最大値が配置される第1の頂点及び当該N行N列のサンプル値のうちの最小値が配置される第2の頂点以外の第3の頂点から第4の頂点へ向かう対角線上にあるN個のサンプル値のソートと、(b)前記第3の頂点から垂直方向に、シフト量が1から最大(N−3)/2までインクリメントするように、シフトした起点と、当該起点とは点対称の関係にある終点と、中心点とを通る折れ線上にあるN個のサンプル値の合計(N−3)/2回に亘るソートと、(c)前記第3の頂点から水平方向に、シフト量が1から最大(N−3)/2までインクリメントするように、シフトした起点と、当該起点とは点対称の関係にある終点と、中心点とを通る折れ線上にあるN個のサンプル値の合計(N−3)/2回に亘るソートとを含む、
    中央値検索方法。
  2. 前記点対称方向ソート後のN行N列のサンプル値に対して、中心点及びこれに隣接するN−1個の点に配置された合計N個のサンプル値をソートする中央領域ソートを適用することを更に具備する、請求項1の中央値検索方法。
  3. 前記点対称方向ソート後のN行N列のサンプル値に対して、中心点及びこれに隣接するN−1+α(αは2以上の偶数)個の点に配置された合計N+α個のサンプル値をソートする中央領域ソートを適用することを更に具備する、請求項1の中央値検索方法。
  4. αはN未満である、請求項3の中央値検索方法。
  5. 計N(Nは5以上の奇数)×N個のサンプル値を行列状に配列することによって得られるN行N列のサンプル値に対して、全列をソートする垂直方向ソート及び全行をソートする水平方向ソートを任意の順序で適用する垂直方向ソート回路及び水平方向ソート回路と、
    前記垂直方向ソート及び前記水平方向ソート後のN行N列のサンプル値に対して、点対称方向ソートを適用する点対称方向ソート回路と
    を具備し、
    前記点対称方向ソートは、(a)前記垂直方向ソート及び前記水平方向ソート後のN行N列のサンプル値のうちの最大値が配置される第1の頂点及び当該N行N列のサンプル値のうちの最小値が配置される第2の頂点以外の第3の頂点から第4の頂点へ向かう対角線上にあるN個のサンプル値のソートと、(b)前記第3の頂点から垂直方向に、シフト量が1から最大(N−3)/2までインクリメントするように、シフトした起点と、当該起点とは点対称の関係にある終点と、中心点とを通る折れ線上にあるN個のサンプル値の合計(N−3)/2回に亘るソートと、(c)前記第3の頂点から水平方向に、シフト量が1から最大(N−3)/2までインクリメントするように、シフトした起点と、当該起点とは点対称の関係にある終点と、中心点とを通る折れ線上にあるN個のサンプル値の合計(N−3)/2回に亘るソートとを含む、
    中央値検索装置。
  6. 前記中央値検索装置は、少なくとも1つのNサンプル値ソート回路を含み、
    前記Nサンプル値ソート回路は、SORT−BASE回路を根とし、UPPER−BASE回路及びLOWER−BASE回路を葉とする二分木構造を備え、
    前記SORT−BASE回路は、N個のサンプル値から選択された基準サンプル値と他のN−1個のサンプル値とを比較し、当該基準サンプル値よりも大きなサンプル値を次段のUPPER−BASE回路へと出力し、当該基準サンプル値よりも小さなサンプル値を次段のLOWER−BASE回路へと出力し、当該基準サンプル値のソート後のインデックスを決定し、
    前記UPPER−BASE回路は、入力サンプル値から選択された基準サンプル値と他のサンプル値とを比較し、当該基準サンプル値よりも大きなサンプル値を次段のUPPER−BASE回路へと出力し、当該基準サンプル値よりも小さなサンプル値を次段のLOWER−BASE回路へと出力し、当該基準サンプル値のソート後のインデックスを決定し、
    前記LOWER−BASE回路は、入力サンプル値から選択された基準サンプル値と他のサンプル値とを比較し、当該基準サンプル値よりも大きなサンプル値を次段のUPPER−BASE回路へと出力し、当該基準サンプル値よりも小さなサンプル値を次段のLOWER−BASE回路へと出力し、当該基準サンプル値のソート後のインデックスを決定する、
    請求項5の中央値検索装置。
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