JP2015120312A - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
インクジェットヘッドの近傍にインク供給のための圧力調整装置の配置スペース確保する必要があり、インクジェット装置の大型化を招く。また、小型の圧力調整装置で圧力調整量を増やす。
【解決手段】
インク圧力室に連通しインクを供給するインク供給口と、インク圧力室に連通しノズルから吐出されなかったインクを排出するインク排出口とを有するインクジェットヘッドと、インク排出口から搬送されたインクに接する気体を含む気体室と、インク供給口に供給するインクに接する気体を含む気体室と、両気体室の圧力を調整する圧力調整部とを備え、インクを循環させながら印字するインクジェット記録装置。圧力調整部を制御して、気体室の圧力を制御する。
【選択図】 図15

Description

本発明の実施形態は、インク循環式のインクジェットヘッドの圧力を調整する装置を備えるインクジェット記録装置に関する。
インク循環式のインクジェットヘッドを有するインクジェット記録装置は、インクがノズルの付近に滞留することなく循環する。このため、インクの変質および色材の沈降を防ぐことができ、インクの吐出安定性を向上させることができる。
インク循環式のインクジェットヘッドは、インクタンクからインクを供給する供給配管を通してインクを受け、ヘッド内のノズルから吐出しなかったインクを排出する還流配管を介してそのインクタンクにインクを戻している。インクタンクは、インクジェットヘッドに分配されるインクを蓄える要素であって、インクジェットヘッドから離れた場所に据え付けられている。インクタンクからインクをインクジェットヘッドへ供給するには、インクを吐出しない時にはインクジェットヘッドのノズルからインクが漏れ出ないようにインク供給圧力を調整し、画像形成のために印字信号に従いインクをノズルから吐出する時には、インク吐出を阻害しない程度のインク供給圧力に調整する必要がある。
従来のインクジェット記録装置では、インクを蓄える容量の大きなインクタンクやインクの供給圧力を調整する圧力調整装置をインクジェット記録装置内の所定の位置に設置し、そのインクタンクとインクジェットヘッドとの間でインクを循環させる専用の循環機構と配管が必要であった。
従来のインクジェット記録装置において、インクジェットヘッドのノズル内の負圧を維持するために、ベローズ形状部、錘部と、アームで構成される圧力調整機構が知られている。
この結果、インクジェットヘッドの下方にインクタンクを設置するスペース、インク供給のための圧力調整装置の配置スペース、およびインクタンクや圧力調整装置を連結する配管を引き回すスペースを確保する必要があり、インクジェット装置の大型化を招く要因となるといった課題がある。また、従来の圧力調整機構ではノズル内のインク圧力の調整範囲が限定された装置であった。
特開2005−125670公報 特開2008−155603公報
従来のインク循環式のインクジェットヘッドを備えるインクジェット記録装置は、インクジェットヘッド、供給管路、還流管路、インクタンクからなるインク循環装置を有している。そのインクタンクはインクジェットヘッドのノズルより下方に配置され、インクジェットヘッドとタンクの間にフィルターが設けられ、ヘッド内に負圧を形成する。
従来のインクジェット記録装置では、インクを蓄える容量の大きなインクタンクやインクの供給圧力を調整する圧力調整装置をインクジェット記録装置内の所定の位置に設置し、そのインクタンクとインクジェットヘッドとの間でインクを循環させる専用の循環機構と配管が必要であった(特許文献1)。また、インクジェットヘッドのノズル内の負圧を維持するために、ベローズ形状部、錘部と、アームで構成される圧力調整機構が知られている(特許文献2)。
この結果、インクジェットヘッドの下方にインクタンクを設置するスペース、インク供給のための圧力調整装置の配置スペース、およびインクタンクや圧力調整装置を連結する配管を引き回すスペースを確保する必要があり、インクジェット装置の大型化を招く要因となるといった課題がある。また、従来の圧力調整機構ではノズル内のインク圧力の調整範囲が限定された装置であった。
上記課題を解決するために、実施形態のインクジェット記録装置は、 インクを吐出するノズルを有するインク圧力室と、前記インク圧力室に連通しインクを供給するインク供給口と、前記インク圧力室に連通し前記ノズルから吐出されなかったインクを排出するインク排出口とを有するインクジェットヘッドと、前記インク排出口から搬送されたインクに接する気体を含む第1気体室と、前記インク供給口に供給するインクに接する気体を含む第2気体室と、大気開放または大気開放を禁止する第1開閉手段を備える第1連通路に連通し、前記第1気体室に連通する第2連通路に連通し前記第2連通路の開閉を行う第2開閉手段を備える第3気体室と、前記第3気体室に連通し、容積可変手段によって容積を可変することができる第4気体室と、連通路の開閉を行う第3開閉手段を備え、前記第2気体室と前記第4気体室を連通させる第3連通路と、前記第3気体室と前記第4気体室を連通される第4連通路と、前記第1開閉手段により前記第1連通路を大気開放し、前記第2開閉手段により前記第2連通路を閉じ、前記第3開閉手段により前記第3連通路を閉じた状態で、前記容積可変手段により前記第4気体室の容積を可変させる制御部と、を有している。
実施形態に係るインクジェット記録装置を概略的に示す正面図である。 実施形態に係るインクジェット記録装置を概略的に示す平面図である。 循環式インクジェットヘッドのノズル近傍の断面図である。 循環式インクジェットヘッドのインクの流れを表した断面図である。 実施形態に係るインク循環装置の斜視図である。 実施形態に係るインク循環装置の他の面から見た斜視図である。 実施形態に係るインク循環装置およびインクジェットヘッドの内部構造を示す断面図である。 インクジェット記録装置を制御する制御部ブロック図である。 圧力調整部の第1実施形態の構造を示す図である。 圧力調整部の第1実施形態の動作を説明する図である。 圧力調整部の第1実施形態の動作を説明する図である。 圧力調整部の第1実施形態の動作を説明する図である。 圧力調整部の第1実施形態の動作を説明する図である。 圧力調整部の第1実施形態の動作を説明するフローチャートである。 圧力調整部の第1実施形態の動作を説明する図である。 圧力調整部の第2実施形態の動作を説明する図である。
以下、実施形態について、図面を参照しながら説明する。図面で同じ番号は同じ構成または類似した構成を示している。
(第1の実施形態)
図1は、インクジェット記録装置1の一例の正面図である。
インクジェットヘッド2とインク循環装置3からなるインクジェット記録部4(a)〜(e)がインク色分の個数、本実施例では5つが並列にキャリッジ100上に配置されている。インクジェットヘッド2は、後述するようにインクI(図3参照)を内蔵し、画像形成信号に合わせてノズルプレート52に設けたノズル51からインクIを吐出させる。インク循環装置3は、後述するように、インクジェットヘッド2へインクIを供給し、ノズル51から吐出せずに残ったインクIを回収し、再度インクジェットヘッド2へ回収したインクを供給してインクを循環させる。インクジェットヘッド記録部4(a)は重力方向において、下向きにインクIを吐出するインクジェットヘッド2を有し、その上部にインク循環装置3を有している。インクジェットヘッド記録部4(b)〜4(e)はそれぞれインクジェット記録部4(a)と同じ構成になっている。
インクジェット記録部4(a)はシアンインク、4(b)はマゼンタインク、4(c)はイエローインク、4(d)はブラックインクを吐出する。インクジェット記録部4(e)はホワイトインクを吐出する。インクジェット記録部4(e)は、ホワイトインク以外に透明光沢インク、赤外線または紫外線を照射したときに発色する特殊インクなどを吐出させる。インクジェット記録部4(a)〜4(e)を搭載したキャリッジ100は搬送ベルト101に固定され、搬送ベルト101はモータ102に連結されている。モータ102を正転または逆転させることでキャリッジ100は矢印A方向に往復移動する。図1に示すインクジェットヘッド記録部4(a)〜4(e)はインクを重力方向(矢印C方向)にインクを吐出する。
テーブル103は密閉された容器で上面に小径の穴110が開いており、ポンプ104で容器内部を負圧にすることで上面に搭載された記録媒体Sを固定する。記録媒体Sは紙、樹脂や金属のフィルム、板材などである。テーブル103はスライドレール105上に取り付けられ、図2矢印B方向に往復移動する。インクジェットヘッド2はインクIを吐出する複数のノズル51(図3参照)が形成されたノズルプレート52を有し、インクジェットヘッド2が往復移動する間ノズルプレート52と記録媒体Sとの距離hは一定に維持されている。インクジェットヘッド2にはその長手方向に300個のノズル51が並んでいる。インクジェット記録装置1はインクジェット記録部4(a)〜4(b)を記録媒体Sの搬送方向に対して直交するように往復移動させながら、画像を形成する。すなわち、ノズル配列された長手方向と記録媒体Sの搬送方向が同じなり、インクジェット記録装置1は記録媒体S上に300ノズルの幅で画像を形成する。
インクジェット記録部4(a)〜4(e)のA方向の走査範囲で、テーブル103の移動範囲外の位置にメンテナンスユニット310が配置されている。メンテナンスユニット310にインクジェットヘッド2が対峙する位置が、インクジェットヘッド2の待機位置Pになっている。メンテナンスユニット310は上方が開放したケースで上下(図1矢印C、D方向)に移動可能に設けられている。メンテナンスユニット310は画像形成のためにキャリッジ100が矢印A方向に移動している場合には下方Cに移動して待機し、画像形成動作が終了した場合には上方Dに移動する。画像形成動作が終了した時インクジェットヘッド2は待機位置Pに戻り、メンテナンスユニット310が上方Dに移動し、インクジェットヘッド2のノズルプレート52を覆う。メンテナンスユニット310はインクの蒸発やノズルプレート52にほこりや紙粉が付着することを防止(キャップ機能)する。
メンテナンスユニット310にはインクジェットヘッド2のノズルプレート52に付着したインク、ほこり、紙粉などを除去するゴム製のブレード120が内蔵されている。画像形成のためにキャリッジ100が矢印A方向に移動している場合にはメンテナンスユニット310は下方に移動し、ブレード120はノズルプレート52から下方Cへ離間している。ノズルプレート52に付着したインク、ほこり、紙粉を除去する場合には上方Dに移動し、ブレード120がノズルプレート52に接触する。メンテナンスユニット310内にはブレード120をB方向へ移動させる機構を備え、ブレード120がノズルプレート52表面を払拭し、インク、ほこり、紙粉を除去(ワイプ機能)することができる。
メンテナンスユニット310は廃インク受け部130を備えている。メンテナンス動作を行う時に、ノズル51からインクを強制的に吐出させることで、ノズル近傍で劣化したインクを廃インク受け部130に廃棄(スピット機能)することもできる。廃インク受け部130はブレード120で払拭することで発生した廃インクおよびスピット動作によって発生した廃インクを収納する。
図2は、インクジェット記録装置1の一例の平面図である。
インクジェット記録部4(a)〜4(e)が搭載されたキャリッジ100は搬送ベルト101の移動によって2本のレール140に沿ってA方向に往復移動する。記録媒体Sを搭載したテーブル103はB方向に往復移動する。インクジェット記録装置1で印字するための画像信号に合わせて、インクジェット記録部4(a)〜4(e)を搭載したキャリッジ100と記録媒体Sを乗せたテーブル103を往復移動させながら、ノズル51からインクを吐出させて、記録媒体Sの全面に画像形成することができる。いわゆるシリアル型インクジェット記録装置になっている。
インクカートリッジ106(a)はシアンインクが充填され、チューブ107を介してインクジェット記録部4(a)のインク循環装置3に連通している。インクカートリッジ106(b)はマゼンタインクが充填され、チューブ107を介してインクジェット記録部4(b)のインク循環装置3に連通している。同様に、インクカートリッジ106(c)はイエローインクが充填され、インクジェット記録部4(c)のインク循環装置3に連通している。インクカートリッジ106(d)はブラックインクが充填され、インクジェット記録部4(d)のインク循環装置3に連通している。インクカートリッジ106(e)はホワイトインクが充填され、インクジェット記録部4(e)のインク循環装置3に連通している。
インクジェット記録部4(a)〜4(e)は、それぞれインクジェットヘッド2の上方にインク循環装置3が積載された構成になっている。インクジェットヘッド2の上方にインク循環装置3を設けることで、キャリッジ100上でインクジェット記録部4(a)〜4(e)が並ぶ方向の間隔を狭められ、搬送方向(A方向)におけるキャリッジ100の幅を短くすることができる。キャリッジ100は、少なくとも最大の記録媒体Sの幅にキャリッジ100幅の2倍の長さを加算した距離だけ、A方向に搬送される。そのためキャリッジ100の幅が狭いほど、搬送距離が減少し印字速度を高めると同時に装置を小型化できる。
実施形態に係るインクジェット記録装置1に適用されるインクジェットヘッド2について説明する。
図3(a)、(b)は、インクジェットヘッド2のインクIを吐出する部分の断面図である。インクジェットヘッド2は、インクを吐出するノズル51を有するノズルプレート52の上面側に、ノズル分岐部53を形成する。 ノズル分岐部53は、図3の矢印E方向に流れているインクをノズル51から吐出させるインクと、そのままインクジェットヘッド2内を流れてインク循環装置3に戻るインクに分岐する部分である。インクジェットヘッド2はノズル51と対向する側の面にアクチュエータ54を有している。アクチュエータ54は圧電セラミック55と振動板56が積層されたユニモルフ式の圧電振動板になっている。圧電セラミック材料は、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)を用いた。PZTの上下面に金電極を形成し、分極処理して圧電セラミック55を形成している。その後、圧電セラミック55を窒化ケイ素製の振動板56に接合してアクチュエータ54を形成した。なお、インクの表面張力によって、ノズル51内ではインクと空気の界面であるメニスカス290を形成している。
図3(a)は圧電セラミック55に電界をかけず、アクチュエータ54が無変形の状態を示している。図3(b)は、アクチュエータ54を変形させてインク滴IDを吐出させる様子を示している。圧電セラミック55に電界を与えてアクチュエータ54を変形させることで、ノズル分岐部53内のインクIはインク滴IDとなってノズル51から吐出する。
図4を参照して、図3で説明したインクを吐出する部分を有するインクジェットヘッド2内部のインクの流れを説明する。
インクジェットヘッド2は、ノズルプレート52、図3に示されるアクチュエータ54を有する基板60、マニフォルド61、インクを流入させるインク供給口160、インクジェットヘッド2からインク循環装置3へインクを環流させるインク排出口170、で構成されている。
ノズルプレート52は、紙面手前から奥方向に並ぶ複数のノズル51(a)を有する第1ノズル列、同様に紙面手前から奥方向に並ぶ複数のノズル51(b)を有する第2ノズル列を有している。前述したようにインクIは各ノズル51(51(a)、51(b))を通して、吐出される。言い換えればインクジェットヘッド2は紙面手前から奥方向に長く、その長手方向にノズル51(a)、51(b)が配置されている。ノズル51(a)、51(b)はB方向(図5参照)に複数配列され、キャリッジ100の移動方向と直交する方向に並んでいる。
基板60は内部にインクを通す流路180を有している。流路180を形成するように基板60にノズルプレート52が接着されている。インクを吐出させる圧力を発生するアクチュエータ54はその流路180に面し、かつ各ノズル51に対応して設けられている。アクチュエータ54によって流路180内のインクに発生した圧力がノズル51に集中するように、隣接するノズル51間に境界壁190を設けている。ノズルプレート52、アクチュエータ54、境界壁190で囲まれた流路180が、インク圧力室150となる。インク圧力150は第1ノズル列、第2ノズル列のノズル51(a)51(b)に対応して複数設けられている。第1ノズル列、第2ノズル列にはそれぞれ300個のノズルを有している。インク圧力室150に一方の端部からインクIが流入し、インク分岐部53を通り、他方の端部から流出する。インク圧力室150内のインク分岐部53でインクの一部はノズル51から吐出され、残りは他方の端部から流出する。
第1ノズル列内の各ノズル51(a)対応して形成された複数のインク圧力室150と第2ノズル列内の各ノズル51(b)対応して形成された複数のインク圧力室150との間の流路180は、共通インク室58になっている。共通インク供給室58は、インク圧力室150の一方の流入口へつながり、全インク圧力室150にインクを供給する。
第1ノズル列に対応する複数のインク圧力室150と第2ノズル列に対応する複数のインク圧力室150の他端側から流出するインクは、第1第2ノズル列に繋がる共通インク室59へ流入する。共通インク室59は基板60に設けられた流路180の一部となっている。
マニフォルド61は基板60に接続され、流路180へインクを供給する。マニフォルド61は矢印F方向へインクを流入させるインク供給口160、インク供給口から共通インク供給室58に連通するインク分配通路62を有している。インクジェットヘッド2へ供給するインク温度を検出するためにヘッド内温度センサ(上流)280がインク分配通路62に取り付けられている。また、マニフォルド61はインクを矢印G方向へ排出するインク排出口170と、2つの共通インク室59からインク排出口170に連通するインク環流通路63を有している。インクジェットヘッド2から排出されるインク温度を検出するためにヘッド内温度センサ(下流)281がインク環流通路63に取り付けられている。ヘッド内温度センサ(上流)280、(下流)281でインクジェットヘッド2内へ供給する、またはインクジェットヘッド2から排出されるインク温度を検出し、インクジェットヘッド2内のインク温度によるインク粘度の変化を考慮して、インク循環装置3を制御している。
インク供給口160、インク分配通路62、共通インク供給室58、インク圧力室150、共通インク室59、インク環流通路63、インク排出口170の順に、インクIはインクジェットヘッド2内を移動する。このインクIの一部は画像信号に従いノズル51から吐出され、残ったインクIは移動してインク排出口170からインク循環装置3へ環流する。
図5は、インク循環装置3がインクジェットヘッド2の上方に配置され、インク循環装置3とインクジェットヘッド2が一体になっているインクジェット記録部4を示しいている。図6は図5とは別の向きから見たインクジェット記録部4の図である。図7はインクジェットヘッド2およびインク循環装置3の内部を正面から見た図である。これらを参照して、インク循環装置3について説明する。
インク循環装置3は、インクケーシング200、インクジェットヘッド2にインクを供給するインク供給管208、インクジェットヘッド2からインクを戻すインク戻し管209、インクジェットヘッド2のノズル51内のインク圧力を適正に保つためにインクケーシング200内部の圧力を調整する圧力調整部203を備えている。インク循環装置3はインク供給管208を通して下方へ(重力方向である矢印C)インクを送液し、インクジェットヘッド2はさらに下方へインクを吐出する。
インクケーシング200外壁面に印刷やメンテナンス動作等で消費した量のインクをインクケーシング200に補給するインク供給ポンプ202を備えている。インクケーシング200の内部にインクIを貯留できるように、供給側インク室210と回収側インク室211とを備え、回収側インク室211を覆う第1プレート300、供給側インク室210を覆う第2プレート301で密閉されている。インク供給ポンプ202は回収側インク室211へインクを供給するようになっている。
インクケーシング200を密閉する第1プレート300にはインクケーシング200内のインク量を計測するインク量計測センサ205Aが、取り付けられている。第2プレート301にはインク量計測センサ205Bが取り付けられている。インク量計測センサ205Cは、圧電振動板をインクケーシング200に貼り付けた構成であり、圧電振動板を交流電圧で振動させインクケーシング200内のインクを振動させる。インク量計測センサ205Cによるインクケーシング200内を伝わるインクの振動をインク量計測センサ205A、205Bで検出し、インク量を計測している。
インクケーシング200内のインク粘度を調整するために、インクを加熱するためのヒータ207をインクケーシング200外部に有している。ヒータ207はインクケーシング200に熱伝導性の高い接着剤で貼り付けられている。インクケーシング200のヒータ207近傍にインク温度センサ282が取り付けられている。インク温度センサ282およびヒータ207は後述する制御基板500に接続され、印刷時に所望のインク粘度になるようにヒータ207が制御されている。
図5に示すインク供給ポンプ202は、インクジェット記録部のインク循環装置3の外壁に取り付けられている。インクカートリッジ106からインク循環装置3へインクを送液するチューブ107がインク補給口221に接続されている。インク補給口221は、インク供給ポンプ202へインクを流入させるインクの流入口である。インク供給ポンプ202は、インク補給口221からインク循環装置3内の回収側インク室211へインクを供給する。
インク供給ポンプ202は圧電ポンプになっている。インク供給ポンプ202は、圧電素子と金属板を貼り合わせた圧電振動板がたわむことでポンプ内の容積(ポンプ室240)を周期的に変化させてインクを搬送し、2つの逆止弁によってインク搬送方向を一方向にさせている。インク供給ポンプ202の一方の逆止弁242はインク補給口221とポンプ室240との間に設けられ、他方の逆止弁243はポンプ室240とインクの出口241との間に設けられている。圧電振動板がたわみポンプ室240が拡張すると、逆止弁242が開きポンプ室240にインクが流入し、逆止弁243が閉じる。圧電振動板が逆方向にたわみポンプ室240が収縮すると、逆止弁242が閉じ逆止弁243が開きポンプ室240からインクが流出する。これを繰り返してインクを送液する。
回収側インク室211へインクを供給するインクカートリッジ106は、インク循環装置3より重力方向(C方向)において相対的に下方に配置されている。カートリッジ106を下方に配置することで、カートリッジ106内のインクの水頭圧が、回収側インク室211の設定圧力より低く保たれる。この構成により、インク供給ポンプ202が駆動している時だけ回収側インク室211へインクIを供給するようになっている。
インク循環ポンプ201は、回収側インク室211の吸引孔212からインクIを吸引し、排出孔213から供給側インク室210へインクIを流入させる。密閉されている供給側インク室210はインク量の増加で内圧が高くなり、インクIはインク供給管208を通ってインクジェットヘッド2に流入する。
インク循環ポンプ201は、図6に示すように、回収側インク室211を覆う第1プレート300、供給側インク室210を覆う第2プレート301の面とは反対側の面に設けられている。後述する制御基板500はインク循環ポンプ201を覆うようにインクジェット記録部4に保持されている。制御基板500は、インク循環ポンプ201、インク供給ポンプ、圧力調整部203他を制御するようになっている。
インク循環装置3のインクケーシング200は、インク供給管208を介してインクジェットヘッド2にインクを供給する供給側インク室210と、インク戻し管209を介してインクジェットヘッド2からインクが戻る回収側インク室211を有している。インクケーシング200はアルミニウムで形成されている。アルミニウムで成形されたインクケーシング200は供給側インク室210となる空室を有し、供給側インク室210の空室を形成する枠部に樹脂プレート300を接着剤で固定して供給側インク室210を形成している。同様に、インクケーシング200の回収側インク室211を形成するように、樹脂プレート301を回収側インク室211の枠部に接着剤で固定している。樹脂プレート300、301の材料はポリイミド樹脂である。
インクケーシング200内に、回収側インク室211と供給側インク室210は共通壁245を介して一体的に設けられている。回収側インク室211と供給側インク室210の並び方向は、インクジェットヘッド2のノズル配列方向(インクジェットヘッド2の長手方向(B方向))と同じになっている。すなわち、インクジェットヘッド2の上方に設けられた回収側インク室211と供給側インク室210並び方向はキャリッジ100の走査方向と略直交する方向に配置されている。
回収側インク室211のインク液面b上部は第1空気室350(第1気体室)になっている(インク貯留部)。第1空気室350は開口351を通して第1空気室350より上部にある第2空気室352に連通している。第2空気室352には、圧力センサ204の検出部に繋がる連通孔223が設けられている。圧力センサ204は回収側インク室211の第1空気室350と連通し、第1空気室350内の気圧を検出するようになっている。
供給側インク室210のインク液面a上部は第3空気室360(第2気体室)になっている。インク循環装置3の上部には2つの凹部353、363を有し、後述する圧力調整部203(図9参照)の凸部370が凹部363に凸部372が凹部353に係合するようになっている。第3空気室360は、凸部370に設けられた空気路と開口361を通して、第4空気室362に連通している。第4空気室362には、圧力センサ204の検出部に繋がる連通孔222が設けられている。圧力センサ204は供給側インク室211の第3空気室360と連通し、第3空気室360内の気圧を検出するようになっている。
圧力センサ204は1チップで2つの圧力検知ポートを有し、第1空気室350と第3空気室360の二つの空気室内の圧力を計測するようになっている。圧力センサ204は、供給側インク室210上部と回収側インク室211上部の空気圧を電気信号として出力し、後述する制御基板500(図8参照)に接続されている。第1空気室350、第3空気室360内には空気の代りに、窒素や不活性ガスを入れることも可能である。
インクケーシング200は、回収側インク室211からインクを吸引する吸引孔212と、供給側インク室210にインクを送液する排出孔213を備えている。回収側インク室211と供給側インク室210は共通壁245を介して隣接している。インク循環ポンプ201は隣接している回収側インク室211と供給側インク室210に跨って設けられ、吸引孔212からインクを吸引し、排出孔213を通して供給側インク室210へインクを送液する。
インク循環ポンプ201は前述したインク供給ポンプ202と同様な圧電ポンプになっている。インク循環ポンプ201は、圧電素子と金属板を貼り合わせた圧電振動板がたわむことでポンプ内の容積(ポンプ室)を周期的に変化させてインクを送液し、2つの逆止弁によってインク送液方向を一方向にさせている。インク循環ポンプ201の一方の逆止弁(A)は吸引孔212とポンプ室との間に設けられ、他方の逆止弁(B)はポンプ室と排出孔213との間に設けられている。ポンプ室にインクが流入するときは逆止弁(A)が開き、逆止弁(B)が閉じる。ポンプ室からインクが流出するときは逆止弁(A)が閉じ、逆止弁(B)が開く。これを繰り返して回収側インク室から供給側インク室へインクを送液する。
上記構成のインク循環ポンプ201を動作させると、インクは回収側インク室211から吸引孔212を通して吸い込まれ、インク循環ポンプ201、排出孔213を通って供給側インク室210に搬送される。密閉されている供給側インク室210はインク量の増加で内圧が高くなってインク供給管208を通ってインクジェットヘッド2にインクが流入する。
図8はインクジェット記録装置1の動作を制御する制御基板500のブロック図である。制御基板500には、電源550と、インクジェット記録装置1の状況を表示する表示装置560、入力装置としてキーボード570が接続されている。制御基板500は、動作を制御するマイコン510と、プログラムを格納するメモリ520と、圧力センサ204やヒータ温度センサ280,281,282の出力電圧を取り込むAD変換部530からなる。さらに、制御基板500は駆動回路540を有し、インクジェット記録部4、インクジェット記録部4を記録媒体Sに対して相対移動させるキャリッジモータ102、圧力調整用モータ254、255、スライドレール105、ポンプ104、201、202、ヒータ207などを動作させている。
圧力調整部203を説明する。インクジェットヘッド2のインクが吐出するノズル51にはメニスカス290が形成される。ノズル51からインクが吐出する場合、インクと空気の界面であるメニスカス290を破って、インク滴となり吐出する。メニスカス290にかかる圧力が空気圧より高ければ(陽圧)、インクはノズル51から漏れ出る。メニスカス290にかかる圧力が空気圧より低ければ(負圧)、インクはメニスカス290を維持しノズル51内に留まっている。そのため、インク吐出をしない場合、インク圧力室150内のインクの圧力は−0.5〜−4.0kPaに調整され、メニスカス290を維持している。ノズル51はインクが重力方向下向きに吐出するように配置されているので、この範囲より大きい(陽圧側)場合、わずかな振動などでインクがノズルから漏れ出してしまう。また、より小さい(負圧側)場合、ノズルから空気を吸引してしまい、吐出不良が発生する。当然であるが、通常インク圧力室150内は負圧に保たれていて、アクチュエータ54を動作させるとインク圧力室内のインクは陽圧になり、ノズル51からインクが吐出する。
圧力調整部203はインクジェットヘッド2のメニスカス290の圧力を上記範囲に維持するためものである。
図9は圧力調整部203を示している。圧力調整部203は、圧力調整室261と圧力調整室262を有している。図9(a)は、圧力調整部203の上面図、側面図である。図9(b)は圧力調整室261の内部を示す、分解図になっている。図10(a)(b)(c)と図11(a)〜(e)は、ピストン252、253の位置による圧力調整部203の動作を示している。
圧力調整室261は、供給側インク室210と連通しているシリンダ250と、シリンダ250内部に収納されたピストン252と、ピストン252を上下(H方向)に移動させシリンダ250の容積を変化させるパルスモータ254で構成されている。シリンダ250とピストン252によって囲まれた容積(第4気体室270)を可変して圧力を変化させる。パルスモータ254の回転軸にはオネジが固定され、ピストン252が嵌合する部分にはメネジが形成されている。ピストン252は、中心部の軸316が平面部をもつ小判形状に形成され、シリンダ250に設けられている平面部をもつ小判形状の軸穴318に摺動可能に嵌合し、ピストン252の回転を防止している。ピストン252はパルスモータ254の回転によって、シリンダ250内を上下に摺動する。ピストン252にはゴム製のシール材314が装着されており、シリンダ250内を気密に保っている。シリンダ250は供給側インク室210と連通する連通管路256を有している。連通管路256の内部には、ばねと、ばねの付勢によりシリンダ250と供給側インク室210内の空気室360を連通させる連通孔を閉じ、ピストン252で付勢されると開く開閉部材257が取り付けられている。
圧力調整室262は、回収側インク室211と連通しているシリンダ251と、シリンダ251内部に収納されたピストン253と、ピストン253を上下(H方向)に移動させシリンダ251の容積を変化させるパルスモータ255で構成されている。シリンダ251とピストン253によって囲まれた容積(第3気体室272)を可変して圧力を変化させる。シリンダ251、ピストン253、パルスモータ255の構成は前述の圧力調整室261と同じ構成になっている。シリンダ251は、回収側インク室211と連通する連通管路258と、シリンダ251内を大気に連通させる連通管路259を有している。連通管路259の内部に、ばねと、ばねの付勢により大気との連通孔を閉じ、ピストン253で付勢されると開く開閉部材263(第1開閉手段)が取り付けられている。また、圧力調整室262は、ピストン253がシリンダ251の下限にある場合、回収側インク室211とシリンダ251の連通管路258の上端306をピストン253(第2開閉手段)が塞ぐように構成されている。したがって、本実施例では、ピストン253は、第1開閉手段を開閉させる機能、さらに、連通管路258を開閉する第2開閉手段として機能を行っている。
さらに、圧力調整室261のシリンダ250と圧力調整室262のシリンダ251の間には両者を常時連通させる連通経路260を備えている。圧力調整室261のシリンダ250内のピストン252と、圧力調整室262のシリンダ251内のピストン253をそれぞれ上下移動(H方向)させて、シリンダ250、251の空気の容積を変化させることと、大気との連通または閉塞を制御することで、インクケーシング200内部の圧力を調整している。
前述の圧力調整部203の構成をもとに、ピストンの移動範囲と位置について説明する。図10に示すように、シリンダ251内でピストン253のホーム位置313(ピストンの基準位置)、大気開放位置、下限位置について説明する。図10(a)、(b)、(c)は圧力調整室261内のピストン252の位置が同じで、圧力調整室262内のピストン253を変化させた状態を示している。ピストン252はピストン253と同様ホーム位置308になっている。Fは大気取り入れ口に設けるフィルタを示している。
図10(a)はピストン253のホーム位置(x1)313を示している。ホーム位置では、ピストン253は、第3気体室272を大気に連通させる連通管路259内に設けられた開閉部材263の先端305を当接しない位置になっている。開閉部材263の先端305を押していないため、開閉部材263は連通管路259を閉状態に保つ。さらに、第3気体室272と回収側インク室211内の空気室350とを連通させる連通管路258の先端306が第3気体室272に入り込む構成になっている。開閉部材263の先端305と連通管路258の先端306とは、ピストン253の移動方向において、距離Gだけ離れている。ピストン253がホーム位置313にある場合、ピストン253は連通管路258の先端306の開口部を塞がない状態になる。この状態で圧力調整を行う。
図10(b)は、第3気体室272を大気開放している、ピストン253の位置を示している。大気開放位置(x2)では、ピストン253は、第3気体室272を大気に連通させる連通管路259内に設けられた開閉部材263の先端305に付勢する。先端305が付勢されると、開閉部材263は開き、第3気体室272は大気開放される。ピストン253の位置が開閉部材263の先端305と連通管路258の先端306の間にあるので、連通管路258の先端306の開口は開いた状態に保たれる。結果、破線矢印で示すように、回収側インク室211内の空気室350は開閉部材263、第3気体室272を通して、大気開放される。
図10(c)は、ピストン253の下限位置(x3)を示している。下限位置では、ピストン253は開閉部材263の先端305を付勢して開閉部材263を開き、さらに、連通管路258の先端306の開口を塞ぐ。このとき、回収側インク室211の気体室350は密閉される。
図11に示すように、ピストン252がシリンダ250内で以下の位置を取ることで、インク回収室側空気室350の圧力調整と、シリンダ252内の空気の流路切替えが可能である。図11(a)、(b)、(c)は圧力調整室262内のピストン253の位置が同じで、圧力調整室261内のピストン250を変化させた状態を示している。図11(a)は調整上限位置(x4)307を示している。圧力調整室261のピストン252の調整上限位置307は、ホーム位置308を基準として、上向き方向にはシリンダ250の天井に達しない位置である。図11(b)は調整下限位置(x5)311を示している。圧力調整室261のピストン252の調整下限位置311は、ホーム位置308を基準として、下向き方向には開閉部材257の先端309に達しない位置である。ピストン252を調整上限位置307と調整下限位置311の間で移動してシリンダ252内の第4気体室270の容積を変化させて、圧力調整を行うことができる。図11(c)は連通位置(x6)312を示している。連通位置312とは、ピストン252が開閉部材257の先端309を押し下げて開閉部材257を開く位置を示している。ピストン252が連通位置312に達すると、開閉部材257が開き、シリンダ250とインク供給側の空気室360間の空気が流通する。
圧力調整動作を説明する。電源が投入されると、両方のピストン252、253が上方に向かって所定時間移動する。電源投入前にピストン252、253がシリンダ250、251内のどのような位置で終了したかによって、電源が投入された時点でのピストン252、253の位置は変化する。そのため、電源投入時にシリンダ250、251内でのピストン252,253の位置は不定である。ピストン252、253位置が不定なので、一旦ピストン252、253をシリンダ250、251の最上部265、266(天井)に移動させる。ピストンを移動させる時間は、ピストン252、253がシリンダ250、251内の最も下方の位置から、天井265、266に衝突するまでに要する時間(初期移動時間)になっている。ピストン252、253が上方に移動している初期移動時間中に天井265、266に衝突した場合には、パルスモータ254、255が脱調して止まる条件で駆動している。
次に、天井265、266に衝突した位置から、所定の位置までピストン252、253を下方に移動させ、その位置をホーム位置として記憶する。今後ピストン252,253が移動した場合には、移動したパルス数をカウントして上下方向の位置を認識する。
図12(a)のピストン252,253の位置における圧力調整部の機能について説明する。圧力調整室262のピストン253が(x2)大気解放位置で、圧力調整室261のピストン252は(x6)連通位置312である。この状態では、図中の破線矢印の経路で連通しているので、供給側インク室210、回収側インク室211の両方が大気解放状態で、内部の圧力は大気圧となる。この状態は、例えばインクジェット装置の使用開始時に空のインクケーシング200にインクカートリッジ106からインクを初期充填する場合に用いる。
図12(b)のピストン252,253の位置における圧力調整部の機能について説明する。圧力調整室262のピストン253を大気と連通しない位置、例えばホーム位置にする。これで、回収側インク室211と圧力調整室261が図中の破線矢印の経路で連通し、かつ、密閉した状態となっている。この状態で、圧力調整室261のピストン252を矢印H方向上下することで、回収側インク室211内部の圧力を調整する。ピストン252を上向き方向に(x4)の調整上限位置307までの範囲で移動させるとシリンダ250の空気の容積が増加して回収側インク室211内の空気室350の圧力は減少する。逆に、圧力調整室261のピストン252を下向き方向に(x6)の調整下限位置311まで到達しない範囲で移動させるとシリンダ250の容積が減少して回収側インク室211内の空気室350の圧力は増加する。圧力の増減によって、空気室350の圧力を調整している。
圧力センサ204は供給側インク室210内の空気室360、回収側インク室211内の空気室350それぞれの圧力を検出している。また、供給側インク室210、回収側インク室211それぞれからインクジェットヘッド2のノズル51までのインク経路の長さはほぼ同じになるように設計している。インク経路長が同じなので、供給側インク室210の圧力と回収側インク室211の圧力の平均値にノズル面と両インク室のインク面の水頭差による圧力を加えたものがノズル51の圧力となる。ノズル51の圧力が所定の圧力になるように回収側インク室211と連通した、圧力調整室261のピストン252を上下に移動させることで良好なインクの吐出が維持できる。
図12(c)のピストン252,253の位置における圧力調整部の機能について説明する。回収側インク室211の負圧を一定に維持するために、圧力調整室261、262のピストン252、253を動作させている。圧力を調整するためにピストン252が上下方向に移動できる範囲は、ピストン252が上昇する場合は天井265に衝突する位置とピストン252が下降する場合は開閉部材257に接触する位置の間になる。上下方向に移動できる範囲内でピストン252を移動させて可変できる圧力以上に、回収側インク室211内で圧力変化を必要とする場合が発生する。また、圧力調整を開始する前のピストン252の位置によっては、ピストン252が移動できる範囲内で上下移動してシリンダ252内の圧力を変化させただけでは、回収側インク室211の圧力を調整しきれない場合もある。例えばピストン252が図11(b)に示す調整下限位置(x5)311に至る場合。
この場合には、圧力調整室262のピストン253を(x3)下限位置に移動させ、回収側インク室211を密閉し、開閉部材263を開いて圧力調整室261を大気圧にする。その後、圧力調整室261のピストン252を調整上限位置(x4)307まで上昇させる。ピストン252を調整上限位置(x4)307まで上昇させている間、圧力調整室261のシリンダ250は図中破線矢印の経路で大気に連通し、開閉部材257が閉じているので供給側インク室210は密閉状態を維持し、ピストン253が下降しているので回収側インク室211も密閉状態になる。そのため、ピストン252が移動しても回収側インク室211、供給側インク室210の圧力には影響しない。次に圧力調整室262のピストン253を上昇させ、開閉部材263を閉じる。その後、圧力調整室261のピストン252を下降させると回収側インク室の圧力を高めることができる。これを繰り返すと、可動範囲が限定されているピストン252を用いても、回収側インク室211の圧力を十分高めることができる。逆に、回収側インク室211の負圧の絶対値を大きくすることも可能である。
この後、圧力調整室262のピストン253をホーム位置に移動させ、図12(b)の回収側インク室211を密閉状態にし、圧力調整室261のピストン252を調整する方向に移動させて所定の圧力を得る。
図12(d)のピストン252,253の位置における圧力調整部の機能について説明する。ピストン252は(x6)以外の位置にあり、ピストン252は(x2)位置にあることを示している。ピストン252、253がこれらの位置にあることで、回収側インク室211内の空気室350、シリンダ251内の第3気体室272、シリンダ250内の第4気体室270が大気開放される。この状態は、例えば第1空気室350内の気圧を測定する圧力センサ204のゼロ点を大気圧(ゲージ圧で0)に補正する場合に用いる。
図12(e)のピストン252,253の位置における圧力調整部の機能について説明する。ピストン252は開閉部材257を開き、ピストン253は連通管路258の先端306を塞いでいる。ピストン252、253がこれらの位置にあることで、供給側インク室210内の空気室360及び連通管路260が大気開放される。この状態は、例えば供給側インク室210の液面aを上昇させたい場合に用いる。
図13(a)に示すように、ホーム位置(x1)にピストン253がある場合、ピストン253の内面と開閉部材263の先端305とは、距離H1だけ離間している。ピストン253が距離H1内を移動する場合、回収側インク室211内の空気室350は密閉状態になる。この密閉状態では、気体を圧縮し、空気室350内で圧力変動が発生する。この圧力変動を低減する必要がある場合には、図13(b)に示すように、ピストン253が距離H1内を移動している間、その移動距離と同じ距離だけピストン252を逆に移動させる。本実施例では、シリンダ250とピストン252の大きさ(第1サイズ)と、シリンダ251とピストン253の大きさ(第2サイズ)が同じになっているので、ピストン252と253を同一距離逆に移動させることで、圧力変動を低減できる。第1サイズと第2サイズが異なる場合、移動によって発生する容積変動を等しくすれば、圧力変動の低減は可能である。
図14のフローチャートと、図15(a)から(d)を参照して、本実施例の圧力調整装置および調整方法を説明する。CPUはフローチャートに従い、各部を制御して、圧力調整を行っている。回収側インク室211の空気室350の気圧を、圧力調整室261のピストン252によって調整する場合、ピストン252は調整上限位置307と調整下限位置311の範囲でシリンダ250内を可動する。この可動範囲では圧力の変化量が不足する場合がある。ピストン253とピストン252の動作を制御して、不足する圧力の変化量を補う方法について説明する。
電源がON(ST400)された後、ST402からST408において、ピストン252をホーム位置308へ移動させ、ピストン253をホーム位置313へ移動させている。電源投入時、ピストン252、253の位置は定まらない。ピストン252、253の位置によって圧力調整量が変化するので、一度、ピストン252および253をホーム位置308、313へ戻している。
ST402、ST404で、ピストン252をホーム位置308へ戻す。ピストン252がシリンダ250の天井方向に向かう方向にパルスモータ254を一定時間回転させる。動作開始時は、ピストン252の位置が不定であるので、ピストン252が最も下方の位置にあってもピストン252がシリンダ250の天井に衝突するパルス数だけ移動させる(ST402)。ピストン252が上方に移動中にシリンダ250の天井に衝突した場合には、パルスモータ254が脱調して止まる条件で駆動している。次に、シリンダ250の天井に衝突した位置から所定の位置までピストン252を下方に移動させ、その位置をホーム位置308としてメモリ520に記録する(ST404)。ホーム位置308はシリンダ250のピストン252の移動方向でほぼ中央としている。ピストン252の移動量はパルスモータ254を動作させるパルス数を計数して決めている。ST406、ST408で、ピストン253をホーム位置313へ戻す。ピストン253をホーム位置313へ戻す制御は、ピストン252をホーム位置308へ戻す制御と同様に行っている。ホーム位置313はシリンダ251のピストン253の移動方向でほぼ中央としている。また、ピストン253の移動量もピストン252の移動量と同じように決めている。
ピストン252、253をホーム位置308、313に戻した後、圧力調整を開始するか否かを判定する(ST410)。圧力調整を行わない場合には、制御を終了する(ST410でNOの場合)。圧力調整を開始する場合(ST410でYES)、その時点での調整要否(ST412)を判定する。その時点での調整が必要なければ(ST412のNOの場合)、圧力調整終了するか否かの判定へ進む(ST428)。その時点において調整が必要と判定した場合(ST412のYES)、パルスモータ254を時計回りに回転する(YES)か、反時計回りに回転する(NO)か、を判定する。パルスモータ254を時計回りに回転すると、ピストン252が上昇する。ピストン252が上昇するとシリンダ250内の第4気体室270は容積が増加し、連通管路260および258を通して空気室350の圧力を減少させる。パルスモータ254を反時計回りに回転させると、ピストン252が下降する。ピストン252が下降すると第4気体室270は容積が減少し、連通管路260および258を通して空気室350の圧力を増加させる。圧力の調整量は空気室350に繋がる圧力センサ204の出力を検出して、行っている。
圧力の変化量がピストン252を1往復させただけでは、不足する場合がある。つまり、シリンダ250内のピストン252の可動範囲では空気室350の圧力調整が不足する場合である。ST420で、圧力センサ204の出力に従う圧力調整量がピストン252の可動範囲内であるか、可動範囲外であるか、を判定する。可動範囲内外の判定は、パルスモータ254を駆動するパルス数を計数して行っている。ピストン252をホーム位置308から調整上限位置307まで移動させるパルス数と、ピストン252をホーム位置308から調整下限位置311まで移動させるパルス数を、予め設定している。このピストン252の移動量で調整できる圧力変化を予め計測している。圧力調整量が不足するか否かは、予め測定してあるピストン252の移動量に対応する圧力変化量と、圧力センサ204で要する圧力変化量を比較し、ピストン252を移動させるパルス数が可動範囲内か、可動範囲外か、を判定している。可動範囲内(ST420でNOの場合)であれば、圧力調整を終了するか否かの判定へ進む(ST428)。
可動範囲外である場合(ST420でYESの場合)、ピストン252の位置を変化させて圧力調整範囲を連続的に広げるようにしている。ピストン252の位置を変化させる動作はST422、ST424,ST426で行っている。図15(a)は、空気室350の圧力を減少させるためにピストン252を上方へ移動させ、ピストン252が調整上限位置307へ達した状態を示している。ST422で、図15(b)に示すように、ピストン253で開閉部材263の先端305を押し下げ、開閉部材263を開く。さらに、ピストン253を押し下げ、連通管路258の先端306を閉塞する。この状態では、空気室350は密閉され、連通管路259を通してシリンダ251とピストン253で囲まれた第3気体室272は大気開放される。
次に、図15(c)に示すように、空気室350を密閉し、第3気体室272を大気開放した状態で、ピストン252を上限調整位置307からホーム位置308へ移動させる(ST424)。図15(c)の破線で示すように、空気室350を密閉したまま、第3気体室272およびシリンダ250とピストン252で囲まれた第4気体室270は大気開放される。結果、ピストン252を、空気室350の圧力を変化させることなく、移動させることができる。ピストン252をホーム位置308へ移動した後、ピストン253をホーム位置313へ移動させる(ST426)。図15(d)に示すように、ピストン253がホーム位置313へ戻り、開閉部材263は閉じ、連通管路258の先端306が開き、空気室350は密閉された状態で、ピストン252はホーム位置308へ戻る。このピストン252とピストン253の移動を圧力調整に必要な回数繰り返すことで、ピストン252の可動範囲内での圧力調整では不足する圧力変化を補うことができる。ST428で圧力調整を終了するかを判定し、必要があれば(ST428でNOの場合)ST412へ戻って動作を繰り返す。
なお、空気室350の圧力を増加させるためにピストン252を下方へ移動させ、ピストン252が調整下限位置311へ達した場合でも、ST422、ST424、ST426の制御を行っている。ピストン252が上限調整位置307にある場合の制御との違いは、ピストン252が下限調整位置311にあるので、ピストン252をホーム位置308へ上昇させる点である。
上記のように、ピストン252が調整上限位置307または調整下限位置311に至って、1度のピストン252の可動範囲内では圧力調整が不足する場合でも、空気室350へ影響することなくピストン252をホーム位置308へ戻し、連続して圧力調整を行うことができる。
インクジェット記録装置1を最初に印刷動作させる場合には、インクカートリッジ106からインク循環装置3とインクジェットヘッド2にインクを充填する必要がある。すなわち、インクカートリッジ106(a)からインクジェット記録部4(a)のインク循環装置3とインクジェットヘッド2にシアンインクを充填する。同様に、インクカートリッジ106(b)〜(e)からインクジェット記録部4(b)〜4(e)それぞれにマゼンタインク、イエローインク、ブラックインク、ホワイトインクを充填する。制御部のキーボードから初期充填動作が指示されると、以下の順で動作する。
インクジェット記録部4を待機位置に戻し、メンテナンスユニット310を上昇させてノズルプレート52を覆う。圧力調整部203は図12(a)の状態にする。インク供給ポンプ202を駆動させ、チューブ107内の空気とともにインクカートリッジ106からインクケーシング200の回収側インク室211にインクを送液するが、インクジェットヘッド2の内部の流路抵抗が大きいので、インクジェットヘッド2、および、供給側インク室210へは、短時間ではインクは流れ込まない。回収側インク室211のインク量センサ205Bが吸引孔212までインクが流入したことを検知すると、圧力調整部203がインクケーシング200内の圧力の調整を開始し、同時にインク循環ポンプ201が所定時間駆動する。インクは回収側インク室211からインク循環ポンプ201を経て供給側インク室210に送液される。圧電センサ205A、205Bによる回収側インク室211と供給側インク室212の液量検出結果が、それぞれ循環ポンプ201の吸引孔212と排出孔213に到達していればインクの充填は終了である。回収側インク室211のインク量が未達の場合は、インク供給ポンプ202を駆動させ、インクカートリッジ106からインクケーシング200の回収側インク室211にインクを送液する。インク量センサ205Bが吸引孔212までインクが流入したことを検知すると、圧力調整部203がインクケーシング200内の圧力の調整を開始し、同時にインク循環ポンプ201が所定時間駆動する。インクは回収側インク室211からインク循環ポンプ201を経て供給側インク室210に送液される。圧電センサ205A、205Bによる回収側インク室211と供給側インク室212の液量検出結果が、それぞれ循環ポンプ201の吸引孔212と排出孔213に到達していればインクの充填は終了である。この動作を繰り返すことで、回収側インク室211、供給側インク室210のインク量を適正になり、初期充填動作が完了する。なお、圧力調整部203が動作し、インクケーシング200は密閉状態なので、電源が切れてもノズル51のメニスカスの圧力は負圧に維持され、インクが漏れることはない。
圧力センサ204は、圧力を電圧として出力する。圧力センサ204を長期間使用する、または環境(温度)条件が変化すると、圧力と出力電圧に差異が発生する。そこで、大気圧の出力電圧値を保存しておき、圧力検知時の出力電圧値との差分で圧力(ゲージ圧)を求めることで、圧力を正確に検知することができる。大気圧の出力電圧を保存するタイミングになると、圧力調整室261,262を大気に連通させる。回収側インク室211の圧力は大気圧になるので、その時の出力電圧値を制御部のメモリに格納する。インクケーシング200内の圧力が大気圧になると、インクジェットヘッド2のノズル51のメニスカスは正圧になりインクがノズル51から漏れる可能性が有る。しかし、大気圧にする動作は短時間で終了するので、大気圧の出力電圧値を保存後、回収側インク室211を所定の圧力に調整すれば、ノズル51からインクが漏れ出ることはない。大気圧の出力電圧値をメモリに格納するタイミングは、装置の電源を入れた時に行っている。
大気圧の出力電圧値をメモリに保存する他のタイミングとして、装置が内蔵しているタイマーで一定時間ごとに行うこともできる。一定時間ごとに出力電圧値をメモリに保存する場合、インクジェットヘッド記録部4で印刷している間にそのタイミングが発生すると、印刷動作を停止することになる。印刷動作を停止させないために、タイマーで一定時間が経過しても大気圧の出力電圧値を保存するタイミングをずらして印刷終了後に、出力電圧値をメモリに保存する。
印刷動作について説明する。キーボード、またはコンピュータから印刷動作が指示されると、メンテナンスユニット310はノズルプレート52から離間する。圧力調整部203は図12(b)の状態で回収側インク室211内の圧力を調整する。インク循環ポンプ201が駆動し、回収側インク室211からインク循環ポンプ201、供給側インク室210、インクジェットヘッド2、回収側インク室211 の順にインクが循環する。供給側インク室210と回収側インク室211のインク量センサ205A,205Bが検知したインク液面(a)(b)高さが所望のインク液面高さでない場合は、インク供給ポンプ202を駆動して、所望のインク液面高さになるまでインクカートリッジ106から回収側インク室211にインクを供給する。インクケーシング200に貼り付けられたヒータ207に通電し、インクが所望の温度になるまで加熱を行う。所望の温度に到達すると、インク温度が一定の範囲に収まるようにヒータの通電を制御する。
次に、インクジェットヘッド2はキャリッジ100の走査に同期して印刷する画像データに応じたインクを記録媒体Sに対して吐出する。記録媒体Sをスライドレール105で所定距離移動させて、キャリッジ100の走査に同期させインクを吐出する動作を繰り返して、記録媒体Sに画像を形成する。インクジェットヘッド2からインクを吐出するとインクケーシング200内のインクの量が瞬間的に減少し、回収側インク室211内の圧力が低下する。圧力センサ204が回収側インク室211内の圧力が低下したことを検知すると、図8(b)で説明した圧力調整動作を圧力調整部203が実行するとともに、インク供給ポンプ202を駆動して吐出したインク量相当のインクを回収側インク室211へ送液する。
ここで、インクジェットヘッド2から吐出されるインク滴の体積は一定であり、画像データから吐出したインク滴の個数も算出できるので、それらの積でインクの使用量が見積もっている。このため、印刷動作中のインクケーシング200内のインク量はすぐに所定の量に戻る。
インクカートリッジ106内のインクが無くなった場合、インク供給ポンプ202を所定時間駆動しても、回収側インク室211のインク液面が所望の高さにならない。回収側インク室211のインク液面が所望の高さにならない場合、インクカートリッジ106が空になったことを示す表示を表示装置に実行させる。
(第2の実施形態)
図16を参照して、圧力調整部203の第2の実施形態を説明する。第1の実施形態の圧力調整室261は第4気体室270と供給側インク室210上部の空気室360とを連通させる連通管路256を有している。第2の実施形態では、この連通管路256および開閉部材257に相当する構成を有していない。これ以外の構成は、第1の実施形態の構成と同じになっている。以下、詳細に説明する。
圧力調整室261は、シリンダ250と、シリンダ250内部に収納されたピストン252と、ピストン252を上下(H方向)に移動させシリンダ250の容積を変化させるパルスモータ254で構成されている。シリンダ250とピストン252によって囲まれた容積(第4気体室270)を可変して圧力を変化させる。圧力調整室262は、回収側インク室211と連通しているシリンダ251と、シリンダ251内部に収納されたピストン253と、ピストン253を上下(H方向)に移動させシリンダ251の容積を変化させるパルスモータ255で構成されている。シリンダ251とピストン253によって囲まれた容積(第3気体室272)を可変して圧力を変化させる。シリンダ251は、回収側インク室211と連通する連通管路258と、シリンダ251内を大気に連通させる連通管路259を有している。連通管路259の内部に、ばねと、ばねの付勢により大気との連通孔を閉じ、ピストン253で付勢されると開く開閉部材263(第1開閉手段)が取り付けられている。また、圧力調整室262は、ピストン253がシリンダ251の下限にある場合、回収側インク室211とシリンダ251の連通管路258の上端306をピストン253(第2開閉手段)が塞ぐように構成されている。したがって、本実施例では、ピストン253は、第1開閉手段を開閉させる機能、さらに、連通管路258を開閉する第2開閉手段として機能を行っている。
さらに、圧力調整室261のシリンダ250と圧力調整室262のシリンダ251の間には両者を常時連通させる連通経路260を備えている。圧力調整室261のシリンダ250内のピストン252と、圧力調整室262のシリンダ251内のピストン253をそれぞれ上下移動(H方向)させて、シリンダ250、251の空気の容積を変化させることと、大気との連通または閉塞を制御することで、インクケーシング200内部の圧力を調整している。
この構成において、ピストン252の調整下限位置311はシリンダ250の底面近傍となる。この実施形態においても、図14で示すフローチャートに従い第1の実施形態と同様に、ピストン252の可動範囲では圧力調整不足が発生する場合に、ピストン252および253を可動させ圧力調整量を補うことができる。
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行なうことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…インクジェット記録装置
2…インクジェットヘッド
3…インク循環装置
4、4a〜4e…インクジェット記録部
51…ノズル
100…キャリッジ
150…インク圧力室
160…インク供給口
170…インク排出口
200…インクケーシング
201…インク循環ポンプ
202…インク供給ポンプ
203…圧力調整部
210…供給側インク室
211…回収側インク室(インク貯留部)
250…シリンダ
251…シリンダ
252…ピストン(可動体)
253…ピストン(第2開閉手段)
254、255…パルスモータ
256…第3連通路
257…第3開閉手段
258…第2連通路
259…第1連通路
260…第4連通路
263…第1開閉手段
270…第4気体室
272…第3気体室
350…空気室(第1気体室)
352…空気室(第2気体室)

Claims (5)

  1. インクを吐出するノズルを有するインク圧力室と、前記インク圧力室に連通しインクを供給するインク供給口と、前記インク圧力室に連通し前記ノズルから吐出されなかったインクを排出するインク排出口とを有するインクジェットヘッドと、
    前記インク排出口から搬送されたインクに接する気体を含む第1気体室と、
    前記インク供給口に供給するインクに接する気体を含む第2気体室と、
    大気開放または大気開放を禁止する第1開閉手段を備える第1連通路に連通し、前記第1気体室に連通する第2連通路に連通し前記第2連通路の開閉を行う第2開閉手段を備える第3気体室と、
    前記第3気体室に連通し、容積可変手段によって容積を可変することができる第4気体室と、
    連通路の開閉を行う第3開閉手段を備え、前記第2気体室と前記第4気体室を連通させる第3連通路と、
    前記第3気体室と前記第4気体室を連通される第4連通路と、
    前記第1開閉手段により前記第1連通路を大気開放し、前記第2開閉手段により前記第2連通路を閉じ、前記第3開閉手段により前記第3連通路を閉じた状態で、前記容積可変手段により前記第4気体室の容積を可変させる制御部と、
    を備えるインクジェット記録装置。
  2. インクジェットヘッドに供給するインクを貯留し、前記インクに接する第1気体室を有するインク貯留部と、
    大気開放または大気開放を禁止する第1開閉手段を備える第1連通路に連通し、前記第1気体室に連通する第2連通路に連通し前記第2連通路の開閉を行う第2開閉手段を備える第3気体室と、
    前記第3気体室に連通し、容積可変手段によって容積を可変することができる第4気体室と、
    前記第1開閉手段により前記第1連通路を大気開放し、前記第2開閉手段により前記第2連通路を閉じた状態で、前記容積可変手段により前記第4気体室の容積を可変させる制御部と、
    を備えるインクジェット記録装置。
  3. 前記第3気体室の気密を維持しながら、前記第3気体室の容積を可変させる可動体を備え、
    前記第1開閉手段は通常閉じており、前記可動体が移動することで開く請求項1乃至2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記第3気体室の気密を維持しながら、前記第3気体室の容積を可変させる可動体を備え、
    前記第2開閉手段は通常前記第2連通路を開き、前記可動体が移動することで前記第2連通路を閉じる請求項1乃至3の1項記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記容積可変手段は、前記第4気体室の気密を維持しながら容積を可変させる可動体である請求項1乃至4の1項記載のインクジェット記録装置。
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