JP2015120134A - 触媒基材 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた浄化性能を有する触媒基材を提供する。【解決手段】通過する排気ガスを浄化するための触媒を担持した複数の流路を有する触媒基材において、前記複数の流路は、排気ガスの入り側端部が閉塞され、出側端部が開口した第1の流路と、前記第1の流路に隣接し、入り側端部及び出側端部がともに開口した第2の流路と、を含み、前記第1の流路と前記第2の流路とを仕切る壁部に連通孔を形成したことを特徴とする触媒基材。【選択図】図2

Description

本発明は、自動車の内燃機関等から排出される排ガス浄化触媒を担持する触媒基材に関する。
HC(炭化水素)、CO(一酸化炭素)、NOx(窒素化合物)など、大気中に放出されると人体に害を及ぼし、問題となるガス成分を浄化するために触媒を担持して用いる排気ガス浄化用の触媒基材がある。
自動車や二輪車の排気ガス浄化に用いられ、内燃機関の排気ガスを浄化する目的で、排気ガス経路に触媒を担持した触媒コンバータが配置される。また、メタノール等の炭化水素化合物を水蒸気改質して水素リッチなガスを生成するメタノール改質装置や、COをCOに改質して除去するCO除去装置、あるいはHをHOに燃焼して除去するH燃焼装置においても、同様に触媒を担持した基材が用いられる。これら触媒基材は、ガスが通過する多数の流路を有し、各流路の壁面には触媒がコーティングされ、通過するガスと触媒とが広い面積で接触することが可能になっている。
これらの目的で用いられる触媒基材としては、セラミックス触媒基材とメタル触媒基材とがある。メタル触媒基材は、耐熱合金を用いた厚み数十μmの平箔と波箔とを交互に積層して円筒形のハニカム体とし、このハニカム体を円筒形の金属製の外筒に装入する。ガス流路となるハニカム体の壁の金属箔の表面に、ウォッシュコート層と呼ばれる例えばポーラスなγ−アルミナ層をコーティングする。次に、このウォッシュコート層に貴金属等から成る触媒をしみ込ませる方法、またはあらかじめ触媒を含んだウォッシュコート層をメタル基材にコーティングする方法によって触媒担持層を形成し、触媒を担持したメタル触媒基材とする。
特許文献1〜4は、メタル基材の流路壁面に貫通孔を設けることにより、排気ガスを積極的に流路間で移動可能にすることで、排気ガスの流れに乱れを生じさせて浄化能力の向上を図り、ハニカム体内のガス流速の均一化を図る技術を開示する。
実開昭62−90742号公報 特開平11−47613号公報 特開平6−296877号公報 特開2005−334757号公報
しかしながら、上述の構成では、排気ガスの流速が速く、排気ガスと触媒との接触時間が短くなるため、浄化性能が十分でなかった。そこで、本願発明は、浄化性能の高い触媒基材を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本願発明に係る触媒基材は、(1)通過する排気ガスを浄化するための触媒を担持した複数の流路を有する触媒基材において、前記複数の流路は、排気ガスの入り側端部が閉塞され、出側端部が開口した第1の流路と、前記第1の流路に隣接し、入り側端部及び出側端部がともに開口した第2の流路と、を含み、前記第1の流路と前記第2の流路とを仕切る壁部に連通孔を形成したことを特徴とする。
(2)上記(1)の触媒基材において、前記複数の流路のうち前記第1の流路の流路数の割合を、0.5%以上50%以下に制限するとよい。(2)の構成によれば、浄化性能を高いレベルに維持しながら、圧力損失を十分に抑制することができる。
(3)上記(1)または(2)の触媒基材において、前記複数の流路のうち該触媒基材の径方向中心側の第1の領域における前記第1の流路の形成密度を、該触媒基材の径方向外周側の第2の領域における前記第1の流路の形成密度よりも高くすることができる。(3)の触媒基材を、中心側よりも外周側のガス流速が速い排気経路に接続することにより、排気ガスが第2の領域から第1の領域に向かってより流入し易くなり、本発明の効果が得られやすくなる。
(4)上記(1)または(2)の触媒基材において、前記複数の流路のうち該触媒基材の径方向中心側の第1の領域における前記第1の流路の形成密度を、該触媒基材の径方向外周側の第2の領域における前記第1の流路の形成密度よりも低くすることができる。(4)の触媒基材を、外周側よりも中心側のガス流速が速い排気経路に接続することにより、排気ガスが第1の領域から第2の領域に向かってより流入し易くなり、本発明の効果が得られやすくなる。
(5)上記(1)〜(4)の触媒基材において、前記連通孔の平均断面積を0.007mm以上3.1mm以下に設定するとよい。
(6)上記(1)〜(5)の触媒基材において、流路を形成する側壁には、ステンレス板を用いることができる。
(7)上記(1)〜(6)の触媒基材において、前記貫通孔を、前記入り側端部から該触媒基材の全長の1/2以下の範囲にのみ形成するとよい。
本願発明によれば、優れた浄化性能を有する触媒基材を提供できる。
実施形態の触媒基材の外観斜視図である。 実施形態の触媒層形成後の触媒基材の拡大図である。 実施形態の触媒基材の製造過程の一部を示す図である。 図1(A)に対応する触媒基材の外観斜視図である。
以下に本実施形態を図面に基づき説明する。図1は、本実施形態に係る触媒基材1の斜視図である。図1(A)は、ガス入り側からの斜視図であり、図1(B)は、ガス出側からの斜視図である。X軸、Y軸及びZ軸は互いに直交する三軸を示しており、X軸、Y軸及びZ軸の定義は、以降の各図面においても同様である。
触媒基材1は、ハニカム構造を有し、長尺で波状の金属箔21と、平板状(または小波状)の金属箔22を重ねた状態で多重に巻回すことによりロール状に形成されている。その後、金属箔21、22の終端部を固定して、所望の基材を形成する。
金属箔21、22を重ねた状態で多重に巻回すことで、金属箔21、22を側壁とした複数の流路が形成される。これら複数の流路はそれぞれ、触媒基材1の軸方向(つまり、Z軸方向)に延びている。
なお、以下の説明において、排気ガスが流れる方向をガス流れ方向と称する場合がある。複数の流路は、第1の流路11及び第2の流路12に分類される。第1の流路11は、図1(A)に示すようにガス流れ方向における上流側端部(つまり、入り側端部)が、閉塞体51によって閉塞されており、ガス流れ方向における下流側端部(つまり、出側端部)が、図1(B)に示すように開口している。一方、第2の流路12は、図1(A)及び図1(B)に示すように、入り側端部及び出側端部がともに開口している。
引き続いて、図2を参照しながら触媒基材1の構成を説明する。図2は、触媒基材1の入り側端面を正面としたときの触媒基材1の拡大断面図であり、閉塞体51を投影して図示する。金属箔21、22は、各流路を仕切る側壁となっており、この側壁には、隣接する流路まで貫通している1つまたは複数の連通孔41(孔部)が形成されている。ここで、第1の流路11及び第2の流路12は、隣接しており、連通孔41を介して排気ガスの移動が可能となっている。第1の流路11には、第2の流路12から連通孔41を介して排気ガスを流入させる必要があるため、第1の流路11は必ず第2の流路12に隣接している。第2の流路12は、第1の流路11に隣接するものと、隣接しないものとがある。図2に示すように触媒基材1に用いられるすべての金属箔に連通孔41が形成されていることが望ましいが、例えば波状の金属箔21と平板状の金属箔22のいずれか一方に連通孔41を設けてもよい。連通孔41の形状は、真円、楕円、その他の形状とすることができる。真円以外の形状において、連通孔41の径は、微細孔と同一面積の真円とみなしたときの換算直径とする。
金属箔21、22に設ける連通孔41の数が少なすぎると、連通孔41による触媒担持層表面積の増大効果、軽量化によるハニカム熱容量低減効果及びガス乱流化促進効果を十分に発揮することができない。連通孔41の合計開口面積が金属箔21、22の表面積に占める比率(以下「孔開口率」ともいう)が5%以上となるように連通孔41を設ければ、触媒基材1の軽量化による低熱容量効果と触媒担持層表面積の増大効果を最大限に生かしつつ、軽量化によるハニカム熱容量低減効果及びガス乱流化促進効果も十分に発揮することができる。連通孔41の開口率を15%以上とするとより好ましい。
一方、連通孔41の開口率が大きすぎると、孔同士がラップしてしまい、金属箔21、22の強度を保持することが困難となる。連通孔41の断面形状が円形の場合の開口率の上限は、80%である。一方、微細孔の断面形状を六角形とし、規則的に配置することにより、微細孔開口率の上限を90%とすることが可能となる。本実施形態のように金属の箔を用いている場合には、連通孔41の開口率を上限の90%まで増大しても機能させることが可能である。以上より、微細孔開口率の上限を、丸孔であれば80%、六角形であれば90%とすると好ましい。
本実施形態では、金属箔21、22をステンレス板としているが、セラミックス板を用いることもできる。セラミックス触媒基材を構成するセラミックスは気孔を有しており、セラミックスの気孔率が、本実施形態の連通孔41の合計開口面積が金属箔の表面積に占める比率(孔開口率)に相当する。触媒基材用セラミックスハニカムの気孔率上限は35%である。35%を超えると壁の強度(アイソスタテック強度)が低く、基材として耐久性を保持することができない。本実施形態のメタル触媒基材であって開口率を40%以上とするものについては、セラミックス触媒基材の気孔がはたす機能を超えて良好な効果を発揮させることができる。
上述の構成において、閉塞体51を設けなかった場合(以下、比較例の触媒基材という場合がある)、各流路を流れる排気ガスの流速が高すぎて、浄化性能が低下する。一方、閉塞体51を用いて一部の流路(つまり、第1の流路11)の入り側端部を閉塞した場合、閉塞されていない流路(つまり、第2の流路12)を流れる排気ガスの流速がさらに増速して、浄化性能が著しく低下する。この場合、連通孔41が設けられることで、第2の流路12から第1の流路11に排気ガスが分流し、第2の流路12を流れる排気ガスの流速が大きく低下する。本発明者は、第2の流路12を流れる排気ガスの流速が、比較例の触媒基材に設けられた流路を流れる排気ガスの流速よりも、低くなり、浄化性能が高くなることを発見した。第1の流路11に排気ガスが分流するため、排気ガスを第1の流路11及び第2の流路12の双方において浄化することができる。
次に、触媒基材1の製造方法について説明する。触媒基材1は、図3に示すように、主に耐熱性のステンレス鋼製の平箔とその平箔に波付け加工を行なった波箔を用い、平箔と波箔とを交互にスパイラル状に軸23を回転軸として巻き回して積層し、あるいは平行に積層して製造する。触媒基材1には波状の金属箔21と平板状の金属箔22とで囲まれた多数の流路が形成される。流路の積層に際しては、波形を台形形状とした波箔を積層して、流路断面形状が六角形である触媒基材を形成してもよい。
また図3に示すように、各金属箔上には複数の貫通した孔41が形成されている。金属箔21、22に孔41を設ける方法としては、金型加工法、溶解法又はレーザー加工法のいずれかの手段を用いることができる。金型加工法はパンチとダイスからなる金型をプレスにより作動させて、金属箔21、22に孔41を形成する機械式の加工方法である。パンチとダイスからなる金型をロール表面に形成して、ロールを回転させながら連続的に孔開け作業ができると、極めて高い生産性を実現できる。
溶解法には、例えば、「フォトエッチング技術」を用いることができる。まず、金属箔21、22の両面にフォトレジストとなる溶液を数μm単位で塗布し、乾燥させ、その後孔を開けない領域を専用マスクで覆い、光をあてて感光させる。感光された微細孔予定部位のフォトレジストは感光によりなくなり、金属箔21、22の地金をむき出しにする。その後、酸性溶液で露出した金属箔部を溶蝕させ、微細孔を形成する。最後に、残ったフォトレジスト部を別の溶液で剥離させれば、均一寸法で規則正しい孔加工ができる。
別の方法としてレーザー加工法を用いることができる。レーザー加工法とは、例えばYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)レーザー機を使い、金属箔の厚みにあわせてレーザービームの出力パワー/エネルギー量を変えてビームを照射することで連通孔41を形成する。溶融した金属箔21、22の残塊がドロス状となり箔表面に残り、均一の形状孔は作りにくいものの、安価な設備投資で加工できるメリットがある。
図3に示すように、連通孔41の設ける箇所については、触媒基材1の一方のガス入り側端面からハニカム体1全長の1/2以下の範囲とするのが好ましい。自動車のエンジン始動直後、あるいはアイドリングから高出力に変動した直後においては、通過する排気ガスの温度及び触媒基材は冷えた状態からのスタートであり、ハニカム体1の温度を急速に上昇させて触媒に着火させる必要がある。さもないと、定常状態に達するまでの間に十分に浄化されていない排気ガスを排出することとなる。触媒基材1の温度を急速に上昇させるためには、触媒基材1の熱容量が低く表面積が大きいほど好ましい。触媒基材1のガス入り側において触媒に着火すれば、その下流側のガス温度は急速に上昇するので、触媒基材1のガス入り側を低熱容量化し、表面積を大きくするとより一層効果的である。そこで、触媒基材1のガス入り側端面の側に連通孔41を設けることによって、この部分の熱容量を低下させ、表面積を増大させることができ、触媒基材の初期浄化性能を向上させることができる。
更に、たとえ触媒基材1のガス入り側からガス出側までの全長にわたって連通孔41を設けたとしても、触媒基材1の全長が乱流域になるわけではなく、流路の途中から下流側は層流に変化してしまい、乱流化による触媒反応の活発化効果を得ることはできない。そして、連通孔41の数が増大するほど製造コストが上昇するので、ガス出側に孔を設けることは費用対効果の点で得策ではない場合がある。このような意味からも、連通孔41の形成箇所が、触媒基材1の一方のガス入り側端面から触媒基材1全長の1/2以下の範囲とすると、連通孔41によって乱流域を増大することによる触媒反応効率の向上効果を得つつ、製造コストを低減することができる。
金属箔21、22を巻き回して積層し、あるいは平行に積層することで形成される任意の流路に対し、その後、入り側端面において閉塞体51を設けて閉塞し、触媒基材1を製造する。閉塞体51は、本実施形態ではNi系粉ろう材を使用する。この場合、任意の流路の入り側端面にろう材を詰め込み、ろう付け熱処理時に溶融して当該流路を完全に閉塞する。
以上のように触媒基材1を形成した後、流路の金属箔21、22の表面にウォッシュコート液(γアルミナと添加剤及び貴金属触媒を成分とする溶液)をコーティングする。次いでウォッシュコート液は高温熱処理の過程で基材に焼き付けられ、各流路の金属箔表面に触媒層31が形成される。
このように触媒層31が形成された後の触媒基材1は、ステンレス鋼製の外筒に収納され、車両、二輪車の内燃機関排気系に接続される。排気系から排気されるガスに含まれる有害成分(HC、CO、NOx等)は、金属箔21、22により形成される流路を通過することで、金属箔21、22表面に担持される触媒層31により浄化され無害成分(CO、HO等)になる。
以下、実施例を示して、本発明についてより具体的に説明する。以下の実施例1〜4では、入り側端面における閉塞されている流路の数と、全ての流路の数との割合(以下、閉塞率と称す)を変化させて浄化性能評価、圧損評価を行った。
(実施例1)
まず、板厚0.03mmのステンレス鋼からなる平板に、個々の断面積が0.64mmである円形状の孔(連通孔41に相当)を開口率20%で開けた。孔を開けた平板を波状に加工して波板(金属箔21に相当)としたのち、平板(金属箔22に相当)と波板を重ね合わせて渦巻状に巻き、排気ガスの各流路となるセルの断面積が1.56mm2のハニカムコア(触媒基材1に相当)を製造した。このハニカムコアをステンレス鋼からなる外筒に入れて、ろう付けして、直径120mm、長さ100mmの金属基材を形成した。
本実施例では、形成されるセルの任意の流路の入り側端面にNi系粉ろう材を詰め込み、閉塞体51を設けて当該セルの上流側を完全に閉塞する。本例では、比較例の基材の入り側閉塞率を0%とし、入り側閉塞率を0.1%から90%まで変化させた基材を用意した。
引き続き、この金属基材にセリアージルコニアーアルミナを主成分とするウォッシュコート層(触媒層31に相当)を形成した。基材にウォッシュコート液を通し、余分なウォッシュコート液を除去した後、180℃で1時間乾燥し、続いて500℃で2時間焼成することにより、金属基材にウォッシュコート層を基材体積当たり180g/Lの割合で担持させた。
このウォッシュコート層を形成した金属担体を蒸留水に浸漬して十分吸水させた後、引き上げて余分な水分を吹き払い、パラジウムを含む水溶液に浸漬した。取り出して乾燥することにより、パラジウムを基材体積当たりで4g/L担持させた。
この各触媒基材を触媒容器に装填して、下記に示す方法で浄化性能評価、圧損評価を行った。この際、触媒基材は予め水蒸気10%含有の大気を980℃まで加熱した雰囲気に暴露させ、4時間保定して劣化模擬処理を施した。
浄化性能評価は、CO、HC、NOxを含有するモデル排気ガスを使用して、各触媒基材について評価を行った。このモデルガスの成分はストイキ成分とした。流量SV=10万h−1で各触媒基材にモデル排気ガスを流しながら、入り側の前段でヒータを用いてモデルガスを加熱して昇温過程における浄化率の変化を測定した。浄化率は入り側と出側のガス組成を分析、比較して、その減少率とした。昇温過程において、浄化率が50%となった入りガス温度T50を評価値とした。
圧損評価は、室温のモデルガスを流量SV=10万h−1で触媒基材へ流し、この際に触媒基材で生じる圧損をピトー管法で測定して行った。
表1に、入り側の閉塞率を0〜90%の間で変えた触媒基材について、浄化性能評価、圧損評価結果を示す。
Figure 2015120134
No.1の触媒基材は入り側閉塞率が0%とした比較例1であるが、50%浄化率温度はCO:196℃、HC:234℃、NOx:248℃であった。また、圧損は177.8mmAqであった。
No.2〜10の触媒基材は、入り側閉塞率を0.1〜90%とした例である。比較例1に比べて、50%浄化率温度が0.1℃〜9.7℃低く、浄化性能が著しく向上していることがわかる。特に、閉塞率が0.5%を超えると、50%浄化率温度は1℃以上低下することがわかった。
一方、圧損は閉塞率が増加すると単調に増加の傾向を示した。ここで、閉塞率が50%を超えると比較例1に比べて圧損の増加は5%超となることがわかった。これは、閉塞率が50%以下ならば、圧損増加が5%以下となることを示している。このことから、浄化性能及び圧損を両立するためには、閉塞率の範囲を0.5%〜50%に制限するのが望ましい。
以上示したように、モデル排気ガスを使用して実施した浄化性能評価、圧損評価において、本発明の触媒基材が優れた浄化性能を有することがわかった。
(実施例2)
まず、板厚0.1mmのステンレス鋼からなる平板に、個々の断面積が3.14mmである円形状の孔(連通孔41に相当)を開口率40%で開けた。孔を開けた平板を波状に加工して波板(金属箔21に相当)としたのち、平板(金属箔22に相当)と波板を重ね合わせて渦巻状に巻き、各セルの断面積が6.14mm2のハニカムコア(触媒基材1に相当)を製造した。このハニカムコアをステンレス鋼からなる外筒に入れて、ろう付けして、直径80mm、長さ60mmの金属基材を形成した。
この際、入り側端面において任意の流路に対してセルを閉塞して、基材を製造した。セルの閉塞にはNi系粉ろう材を使用し、任意の流路の入り側端面にろう材を詰め込み、ろう付け熱処理時に溶融してセルの上流側を完全閉塞した。比較例の基材の入り側閉塞率は0%とし、本発明例として入り側閉塞率を0.1%から90%まで変化させた基材を用意した。
引き続き、この金属基材に活性アルミナを主成分とするウォッシュコート層を形成させた。基材にウォッシュコート液を通し、余分なウォッシュコート液を除去した後、180℃で1時間乾燥し、続いて500℃で2時間焼成することにより、金属基材にウォッシュコート層を基材体積当たり100g/Lの割合で形成した。
このウォッシュコート層を形成した金属担体を蒸留水に浸漬して十分吸水させた後、引き上げて余分な水分を吹き払い、白金を含む水溶液に浸漬した。取り出して乾燥することにより、白金を基材体積当たりで1.5g/L担持させた。
この各触媒基材を触媒容器に装填して、下記に示す方法で浄化性能評価、圧損評価を行った。この際、触媒基材は予め水蒸気10%含有の大気を700℃まで加熱した雰囲気に暴露させ、20時間保定して劣化模擬処理を施した。
浄化性能評価は、CO、HC、NOxを含有するモデル排気ガスを使用して、各触媒基材について評価を行った。このモデルガスの成分はリーン成分であった。流量SV=20万h−1で各触媒基材にモデル排気ガスを流しながら、入り側の前段でヒータを用いてモデルガスを加熱して昇温過程における浄化率の変化を測定した。浄化率は入り側と出側のガス組成を分析して、その減少率とした。昇温過程において、浄化率が50%となった入りガス温度を評価値とした。
圧損評価は、室温のモデルガスを流量SV=20万h−1で触媒基材へ流し、この際に触媒基材で生じる圧損をピトー管法で測定して行った。
表2は、入り側の閉塞率を0〜90%の間で変えた触媒基材について、浄化性能評価、圧損評価結果を示している。
Figure 2015120134
No.11の触媒基材は入り側閉塞率が0%の比較例2であるが、50%浄化率温度はCO:210℃、HC:237℃であった。また、圧損は32.5mmAqであった。
No.12〜20の触媒基材は、入り側閉塞率を0.1〜90%としたものである。比較例2に比べて、50%浄化率温度が0.3℃〜7.6℃低く、浄化性能が著しく向上していることがわかる。特に、閉塞率が0.5%を超えると、50%浄化率温度は1℃以上低下することがわかった。
一方、圧損は閉塞率が増加すると単調に増加の傾向を示した。ここで、閉塞率が50%を超えると比較例2に比べて圧損の増加は5%超となることがわかった。これは、閉塞率が50%以下ならば、圧損増加が5%以下となることを示している。これらから、浄化性能、圧損の両面から考えると、閉塞率の範囲は0.5%〜50%が望ましい。
以上のように、閉塞率が0.5%以上50%以下であると、入り側端面が全く閉塞されていない基材に比べて排気ガスの圧損の増加が5%以下に抑制できることが分かった。閉塞率が0.5%未満であると、浄化性能の向上が小さく効果を得にくい。50%超であると、圧損の増加が5%を超えるため実用には不利となる。したがって、閉塞率は0.5%以上50%以下が望ましい。
上記各実施例では閉塞率を異ならせて評価を行ったが、第1の流路11の形成密度、各流路の断面積、各孔の断面積を調整することで、より好適な効果を得ることができる。以下に具体例を示す。
図4は、図1(A)に対応した触媒基材1の斜視図であり、径方向において触媒基材1を中心側領域E1(第1の領域に相当する)及び外周側領域E2(第2の領域に相当する)に領域分けしている。ハッチングで示す中心側領域E1は触媒基材1の径方向中心から半径R1までの領域であり、外周側領域E2は触媒基材1の半径R1から半径R2までの領域である。ここで、排気ガスが触媒基材1の外周側に集中する(つまり、外周側領域E2に向かう排気ガスの流量が、中心側領域E1に向かう排気ガスの流量よりも多い)場合には、中心側領域E1に形成される第1の流路11の形成密度を、外周側領域E2に形成される第1の流路11の形成密度よりも高くするのが好ましい。これにより、中心側領域E1の閉塞領域が相対的に増加するとともに、外周側領域E2の閉塞領域が相対的に減少するため、外周側領域E2から中心側領域E1に向かって排気ガスがより流入し易くなり、本発明の効果が得られやすくなる。
一方、排気ガスが触媒基材1の中心側に集中する(つまり、中心側領域E1に向かう排気ガスの流量が、外周側領域E2に向かう排気ガスの流量よりも多い)場合には、中心側領域E1に形成される第1の流路11の形成密度を、外周側領域E2に形成される第1の流路11の形成密度よりも低くするのが好ましい。これにより、中心側領域E1の閉塞領域が相対的に減少するとともに、外周側領域E2の閉塞領域が相対的に増加するため、中心側領域E1から外周側領域E2に向かって排気ガスがより流入し易くなり、本発明の効果が得られやすくなる。排気ガスが集中する領域は、例えば、触媒基材1の上流側に接続される排気ガス経路におけるガス流速分布などを測定することによって、特定することができる。また、半径R1は、本発明の効果が得られるやすくなる適宜の値に設定することができる。具体的には、実験、或いはシミュレーションによって、半径R1を最適な値に設定することができる。
さらに、好ましくは、排気ガスが通過する個々の流路の平均断面積を0.2mm以上8mm以下とする。平均断面積が0.2mm未満であると、入り側端面を閉塞させても壁の孔を介した排気ガスの流入が起こりにくくなり、効果が得られにくくなる。8mm超となると、触媒面積が十分ではなくなるため実用に要する浄化効率が得られなくなる。これらのことから流路の平均断面積は0.2mm以上8mm以下が望ましい。
好ましくは、流路を隔てている壁を貫通している個々の孔の平均面積を0.007mm以上3.1mm以下とする。孔の平均面積が0.007mm未満であると、孔を通過する排気ガスの圧損が大きくなり隣り合う流路へ排気ガスが流れ込みにくくなる。このため、顕著な効果を得ることができない。一方、3.1mm超であると、流路を隔てている壁の強度が低くなり、実用に耐えなくなる。したがって、個々の孔の平均面積は0.007mm以上3.1mm以下が望ましい。
以上に示したように、モデル排気ガスを使用して実施した浄化性能評価、圧損評価において、実施形態の触媒基材が優れた浄化性能を有することがわかった。
1 触媒基材
11 第1の流路
12 第2の流路
21 波状金属箔
22 平板状金属箔
31 触媒層
41 連通孔
51 閉塞体

Claims (7)

  1. 通過する排気ガスを浄化するための触媒を担持した複数の流路を有する触媒基材において、
    前記複数の流路は、
    排気ガスの入り側端部が閉塞され、出側端部が開口した第1の流路と、
    前記第1の流路に隣接し、入り側端部及び出側端部がともに開口した第2の流路と、を含み、
    前記第1の流路と前記第2の流路とを仕切る壁部に連通孔を形成したことを特徴とする触媒基材。
  2. 前記複数の流路のうち前記第1の流路の流路数の割合は、0.5%以上50%以下であることを特徴とする請求項1に記載の触媒基材。
  3. 前記複数の流路のうち該触媒基材の径方向中心側の第1の領域における前記第1の流路の形成密度は、該触媒基材の径方向外周側の第2の領域における前記第1の流路の形成密度よりも高いことを特徴とする請求項1または2に記載の触媒基材。
  4. 前記複数の流路のうち該触媒基材の径方向中心側の第1の領域における前記第1の流路の形成密度は、該触媒基材の径方向外周側の第2の領域における前記第1の流路の形成密度よりも低いことを特徴とする請求項1または2に記載の触媒基材。
  5. 前記連通孔の平均断面積が0.007mm以上3.1mm以下であることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載の触媒基材。
  6. 前記壁部は、ステンレス板であることを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載の触媒基材。
  7. 前記貫通孔は、前記入り側端部から該触媒基材の全長の1/2以下の範囲にのみ形成されていることを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか1項に記載の触媒基材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114060127A (zh) * 2021-11-29 2022-02-18 亿达天地环保技术股份有限公司 一种具有箔带穿孔结构的金属蜂窝载体
US20230080614A1 (en) * 2021-09-15 2023-03-16 Sentec E&E Co., Ltd. Metal honeycomb substrate

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