図1は、本発明の実施の形態に係る実施例1の全体構成を示すブロック図である。実施例1は、家庭内におけるコンセントシステムを構成している。商用電源2は家庭内の電源部4に引き込まれ、電力メータ6を経由して分電盤8に接続されている。統括制御部10は、分電盤8を制御するとともにその状態を監視している。統括制御部10はPLC(Power Line Communicaions)モデム12を介して制御信号を電力線通信に合成し送信することより家庭内におけるコンセントシステムを制御している。なお、統括制御部10の記憶部13は、後述のように各コンセントのどのソケットにどの家電が接続されているかの情報を記憶する。統括制御部10の制御は操作部14の設定によって行われ、制御状態は表示部16で表示される。表示部はまた、後述するように、コンセントの各ソケットを介して流れる電流の検知結果と電力メータに基づき、総電力消費とともに家電毎の消費電力をそれぞれ表示する。
分電盤8には、家庭内各所に配置されたコンセント18が接続される。図1では、簡単のためコンセント18の詳細を一つだけ図示し、他は省略しているが、破線で示すように、分電盤8には多数の同様なコンセントが接続される。これらのコンセントは、統括制御部10によって制御可能であるが、コンセント18に基づいてその詳細を説明する。コンセント18は、分電盤8からの電力をスイッチ20経由でソケット22から出力する。コンセント18のPLCモデム24は、電力線通信により統括制御部10から送信される制御信号を分波し、これに基づいてスイッチ20のオンオフを制御する。例えば、長期間の旅行等が予定されている時など、操作部14の操作によりソケット22について待機電流オフモードを設定すれば、統括制御部10から制御信号が送信され、スイッチ20をオフするのでソケット22に接続されている不要な待機電流をオフすることができる。また、操作部14によりタイマーを設定すれば、統括制御部10は一日の所定時間帯のみスイッチ20をオフし他の時間帯はスイッチ20をオンする制御信号を送信する。
コンセント18に設けられた電流センサ26は、ソケット22を介して流れる電流を検知し、PLCモデム24を介して電力線通信により検知信号を電源部4に送信する。電源部4ではPLCモデム12が分波する検知信号を統括制御部10が受信する。検知信号は主に三つの目的で利用される。目的の一つ目は、ソケット22を流れる電流の検知信号の変化とこれに対応する電力メータの総電力変化に基づき電力メータ6の総電力変化の原因となっているソケット22を推定することにある。これによって、推定されたソケットを通じて消費される電力を算定する。このようにしてソケット毎の消費電力を把握し、表示部16にこれらをそれぞれ表示することで家電毎の電力消費の「見える化」を実現することができる。また、総電力が所定のピークを越えたときにその要因となる家電(複数も可)を特定して各家電を統括制御することにより、総電力消費を抑える制御をすることができる。
検知信号の利用の二つ目の目的は、家電による電流消費がゼロであるソケットへの電力供給をオフすることにある。具体的には、電流センサ26により検出される電流が所定時間以上ゼロである状態が続くと、統括制御部10においてソケット22に家電のプラグが挿入されていないとの判断がなされ、制御信号を送信してスイッチ20をオフにする。なお、スイッチ20をオフした後も、所定時間毎に短時間だけスイッチ20をオンする制御信号が統括制御部10からスイッチ20に送られ、このとき電流センサ26により電流が検知されるか否かがチェックされる。そして電流が検知されるとソケット22に家電のプラグが挿入されたものとの判断がなされ、以後スイッチ20はオンとなる。なお、上記のような家電のプラグの挿入・除去の場合だけでなく、プラグは挿入したままで家電の主電源がオフされて電流消費が完全にゼロとなった場合においても同様にして電流センサの検知信号に基づきスイッチ20がオフされる。主電源がオンされた場合に電流センサの検知信号に基づきこれが判断されてスイッチ20がオンされることも上記と同様である。
検知信号の利用の三つ目の目的は、異常状態にあるソケットへの電力供給をオフすることにある。具体的には、電流センサ26により検出される電流が定格以上の大電流になると家電で異常が起こっているか、またはソケットに異物が挿入されTショートしているものとの判断がなされ、制御信号を送信してスイッチ20をオフにする。この判断を行うリミットの電流値は、ソケットに接続される家電からの情報に基づきソケット毎に設定することができる。また、家電からの情報がない場合に備え、通常の家電使用では考えられない電流値以上であって、かつ危険状態となる電流値との間の値をリミットとして画一的に設定しておく。この画一的なリミットの電流値は個別の家電からの情報に基づいて設定されるリミットの電流値より大きく、また分電盤8のブレーカーが作動する電流値よりも小さい値としておく。これにより、分電盤のブレーカーが作動する前に、各コンセントにおける各ソケット毎にきめ細かく危険防止のために電流供給をオフすることができる。
家電28は、プラグ30によりコンセント18のソケット22に接続されており、機能部32により家電28本来の機能を達成する。家電28は例えば、テレビ、冷蔵庫、エアコン、照明、掃除機、洗濯機などである。機能部32は、操作部34の手動操作または手動設定に基づき制御部36により制御される。制御部36は、さらに統括制御部10から電力線通信によって送信されPLCモデム38に分波される制御信号に基づき、機能部32を自動制御することができる。制御部36は制御信号に含まれるIPアドレスに基づいて家電28を指定するものか否か識別する。そして、家電28を指定する制御信号であった場合はこれに基づき機能部32を自動制御する。具体的には、例えば家電28がエアコンであったとき、その冷房運転が他のコンセントのソケットに接続される例えば冷蔵庫の冷却運転と重ならないよう機能部32を制御する。このようして、統括制御部10はそれぞれの家電に制御信号を送って電力消費が大きい機能が動作する時間帯を互いにシフトさせ、電力メータ6における総電力が所定のピークを越えないよう統括制御する。
制御部36の記憶部40は、家電28を特定するIPアドレスを記憶しており、このIPアドレスを所定の手順でPLCモデム38を介して統括制御部10に送信する。統括制御部10はコンセント18のソケット22に割り振られたIPアドレスを記憶部13に記憶しており、このIPアドレスに基づいて電流センサ26の検知信号の把握およびスイッチ20のオンオフ制御を行っている。さらに、記憶部13には、接続された家電28から受信した各家電のIPアドレスが記憶される。また、IPアドレスを記憶部13は、第2家電50のIPアドレスとソケット44のIPアドレスの対応付けも記憶しており、どのソケット22にどの家電28が接続されているかを特定して、家電毎の消費電力の把握および各家電の制御を行う。家電28を特定するIPアドレスは、例えば、家庭に電力が供給開始されたとき(停電後の電力復活を含む)、またはソケット22にプラグ30が新規に挿入されたとき、またはスイッチ20がオンされたときに統括部10に送信され、統括制御部10の記憶部13に記憶された送信済みのIPアドレスとの照合がおこなわれるとともに、変更があったときはIPアドレス記憶の更新が行われる。
なお、後述のようにIPアドレスを記憶していないかこれを統括制御部に送信する機能を持たない家電がコンセント18のソケット22に接続された場合は、ソケット22のIPアドレスにそのような家電を示すIDを操作部14により手動で割当入力する。このIDは使用者が任意に決めてよい。この場合、そのような家電を制御することはできないが、ソケット22のIPアドレスに割当てられたIDを通じて家電を特定して上記と同様にその家電の消費電力を算定することができる。そして算定された値を表示部16に表示することにより、その家電の消費電力を「見える化」することができる。
ここで、図1に示した変換コンセント19について説明する。変換コンセント19は、コンセント18と全く同様の構成(電流センサ、PLCモデムおよびスイッチ)をもつものであるが、分電盤8からの直接配線により家庭内の設備として設けられるものではなく、制御可能に 構成されていない通常コンセント17のソケットに差し込むことによりこれを制御可能なコンセントに変換するものである。つまり、通常コンセント17のソケットに変換コンセント19のプラグを差し込み、次いでPLC通信等に対応している対応家電29のプラグを変換コンセント19のソケットに挿入することにより、コンセント18と家電28で説明したのと全く同様の電源部4と対応家電29との連携および制御が可能となる。
図2は、本発明の実施の形態に係る実施例2の全体構成を示すブロック図である。実施例2も、家庭内におけるコンセントシステムを構成している。図2の実施例2は図1の実施例1と共通する部分が多いので同一部分には同一の番号を付し、必要のない限り説明を省略する。実施例2が実施例1と異なるのは、コンセント42が、第2ソケット44を持つ二口コンセントであること、および家電用の制御コネクタ46、48を持つことである。なお、実施例2における第1家電28は、実施例1における家電28と同じものであり、コンセント42を介した電源部4との連携に関しても実施例1と同様なので、説明は省略する。また、電力線通信により制御が行われる第1家電28が第1ソケット22(図1のソケット22と同じもの)に接続された場合、これに対応する第1制御コネクタ44は使用されない。
以下、第2家電50との関係を中心に、実施例2について詳細に説明する。実施例2では、上記のように、コンセント42が、第1ソケット22とこれに対応する第1制御コネクタ46の組、および第2ソケット44とこれに対応する第2制御コネクタ48の組を備えている。なお、図2では、第1ソケット22に第1家電28が、第2ソケット44に第2家電50が接続されているが、これは逆でもよい。このように、コンセント42はいずれのソケットに任意の家電が接続可能されても対応できるよう同様の構成を備えている。そして、第1制御コネクタ46および第2制御コネクタ48は、電力線通信に対応していない家電が第1ソケット22または第2ソケット44に接続された際に家電との通信を行なう。具体的に述べると、コンセント42のPLCモデム52は、統括制御部10から送信される制御信号やIPアドレス要求信号を分波して第1制御コネクタ46および第2制御コネクタ48に出力するとともに、第1制御コネクタ46および第2制御コネクタ48から受信したIPアドレス信号を電力線に合成して統括制御部10に送信する。
第2ソケット44に関連して、スイッチ54および電流センサ56が設けられているが、これらは、第1ソケット22に関連して設けられているスイッチ20および電流センサ26と同じものである。なお、PLCモデム52は分波した制御信号に含まれるIPアドレスに基づき制御信号が第1ソケット22を指定したものか第2ソケット44を指定したものか判別して、スイッチ20およびスイッチ54のオンオフ制御を行なう。
プラグ58によりコンセント42のソケット44に接続されている第2家電50は、第1家電28と同様にして、機能部60により第2家電50本来の機能を達成する。第2家電50も、例えば、テレビ、冷蔵庫、エアコン、照明、掃除機、洗濯機などであり、電力線通信に対応していないことを除いては第1家電28と性質の異なるものではない。第1家電28と同様にして、第2家電50の機能部60は、操作部64の手動操作または手動設定に基づき制御部62により制御される。制御部62は、制御プラグ66によってコンセント42の第2制御コネクタ48に接続されている。これによって、機能部62は統括制御部10から電力線通信によって送受信されてPLCモデム52で分波・合成される信号により統括制御部10と通信することができる。具体的には、制御部62は制御プラグ66を介して受信する制御信号に含まれるIPアドレスに基づいて第2家電50を指定するものか否か識別し、第2家電50を指定する制御信号であった場合はこれに基づき機能部62を自動制御する。これによって、実施例1の家電28で説明したのと同様にして、他の家電との関係で電力消費が大きい機能が動作する時間帯を互いにシフトさせ、電力メータ6における総電力が所定のピークを越えないようにする統括制御が可能となる。
第1家電28と同様にして、第2家電50の制御部62の記憶部68は、第2家電50を特定するIPアドレスを記憶しており、このIPアドレスを所定の手順でコンセント42のPLCモデム52を介して統括制御部10に送信する。統括制御部10は受信した第2家電50のIPアドレスを記憶部13に記憶する。また、IPアドレスを記憶部13は、コンセント42のソケット44に割り振られたIPアドレスを記憶部13に記憶しており、このIPアドレスに基づいて電流センサ56の検知信号の把握およびスイッチ44のオンオフ制御を行う。記憶部13は、第2家電50のIPアドレスとソケット44のIPアドレスの対応付けも記憶しており、どのソケット22にどの家電28が接続されているかを特定して、家電毎の消費電力の把握および各家電の制御を行う。
図3は、本発明の実施の形態に係る実施例3の全体構成を示すブロック図である。実施例3も、家庭内におけるコンセントシステムを構成している。図3の実施例3は図1の実施例1または図2の実施例2と共通する部分が多いので同一部分にはこれらと同一の番号を付し、必要のない限り説明を省略する。実施例3が実施例1または実施例2と異なるのは、電源部とコンセントとの間の通信が電力線通信ではなく近距離無線通信による点である。
具体的に説明すると、電源部72の統括制御部10には、近距離無線通信部74が接続されており各コンセントとの間で近距離通信を行う。これに対応してコンセント76には近距離通信部78が設けられおり、電源部の近距離無線通信部74と通信する。コンセント76の近距離通信部78と制御コネクタ48との関係は、図2の実施例2におけるPLCモデム52と第2制御コネクタ48との関係と同じであり、それらの機能も同様である。コンセント76のその他の構成は、図2の第2実施例におけるスイッチ54および電流センサ56と同じなので、同じ番号を付して説明を省略する。プラグ58によりコンセント76のソケット44に接続されるとともに制御プラグ66によってコンセント76の制御コネクタ48に接続されている第2家電50の構成も図2の実施例2と同様なので同じ番号を付して説明を省略する。
図3の第3実施例における変換コンセント80および第3家電82は、それぞれ基本的にはコンセント76および第2家電50と同じ構成である。従って、同一部分にはこれらと同一の番号を付して説明を省略する。なお、コンセント76のスイッチ54と変換コンセント80のスイッチ54およびこれらに付属するそれぞれの電流センサの識別はIPアドレスによるもので、図2の実施例2におけるスイッチ20とステップS54等の間の識別と同様である。
変換コンセント80がコンセント76と異なるのは、図1の第1実施例で説明した変換コンセント19と同様にして、分電盤8からの直接配線により家庭内の設備として設けられるものではなく、通常コンセント84のソケット86に変換コンセントのプラグ88を差し込む構成である点である。これによって、通常コンセント84が制御可能なコンセントに変換され、第2家電50と同様にして、第3家電の電力消費が把握できるとともにその制御を行うことができる。
図4は、実施例1から実施例3における統括制御部10の動作を説明する基本フローチャートである。フローは、電源部4または72に商用電源2からの給電が開始されるとスタートし、ステップS2で各ソケットとの通信を確立する手順を実行する。次いで、ステップS4で各ソケットのIPアドレスを確認する処理を行うとともに、ステップS6で各家電のIPアドレスを確認する処理を行いステップS8に移行する。なお、ステップS6は、IPアドレスを持たない家電についてソケットのIPアドレスに家電のIDを手動で割当入力する処理も含む。
ステップS8では、プラグが挿入されていないと判断されるソケットをオフにする。次いでステップS10では待機電流オフモードが設定されているか否かチェックし、該当しなければステップS12で設定対象ソケットをオンにしてS14に移行する。なお対象ソケットが元々オンであればステップS12では何もせずステップS14に移行する。一方、ステップS10で待機電流オフモードの設定が確認されるとステップS16に進み、設定対象ソケットをオフにしてステップS14に移行する。
ステップS14では、プラグが挿入されていなかったソケットに新たに家電のプラグが挿入されたか否かチェックする。プラグの新規挿入が確認されると該当ソケットをオンにし、ステップS20でその家電についてIPアドレスを確認する処理をしてステップS22に移行する。一方、ステップS14で新規家電プラグの挿入が確認されない場合は直接ステップS22に移行する。
ステップS22では、プラグが挿入されていてオフ状態にあったソケットがオンになったか否かチェックする。ソケットのオンが確認されるとステップS24でその家電についてIPアドレスを確認する処理をしてステップS26に移行する。一方、ステップS22でソケットのオンが確認されない場合は直接ステップS26に移行する。ステップS22では、さらに複数のコンセントおよびソケットをまとめているブレーカーがオンになったか否かもチェックしており、ブレーカーのオンが確認されると、各ソケットのオンの場合と同様、ステップS24で該当するブレーカーの支配下にある各家電についてIPアドレスを確認する処理をしてステップS26に移行する。
ステップS26では、電流センサに検知信号に基づき、電流が所定時間以上ゼロであってプラグが除去されたと判断できるか、または、電流が定格以上の大電流になりソケットのショートなどの異常状態であると判断できるか否かチェックする。そして所定時間以上電流ゼロである状態または定格以上の電流が検知されるとステップS28に進み、該当ソケットをオフする。次いで、ステップS30でソケットに挿入されていた家電のIPアドレスの記憶をキャンセルしてステップS32に移行する。一方、ステップS26で所定時間以上電流ゼロである状態または定格以上の電流のいずれもが検知されない場合は、直接ステップS32に移行する。
ステップS32では、電流センサや電力メータ等に基づく各ソケットのモニタおよび制御のための処理を行ってステップS34に移行する。ステップS34では、商用電源2から電源部4または72への給電が行われているか否かチェックし、給電中であればステップS10に戻って、以下給電中である限り、ステップS10からステップS34を繰り返し、種々の状況変化に対応する。ステップS34で電源供給の停止が検知されるとフローを終了する。
図5は、図4のステップS6、ステップS20およびステップS24における家電IPアドレス確認処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートするとステップS40で対象のソケットを一つ特定する。そしてステップS42で家電IPアドレスの確認が所定回数以上行われたか否かチェックし、所定回数以下であればステップS44に進んでそのソケットに接続されている家電にIPアドレスを要求する。次いでステップS46で家電からIPアドレスの返信があったか否かチェックし、返信がなければIPアドレスを持たない家電であると判断してステップS48に移行する。ステップS48では、ソケットに割り当てる家電のIDの手動入力を促す表示を表示部16で行い、ステップS50でこれに従ったソケット割当家電のIDが手動入力されたか否かチェックする。そして手動入力があればステップS52に移行する。一方、ステップS46で家電からのIPアドレス返信が確認できたときは直接ステップS52に移行する。
ステップS52では、記憶部13に既に記憶されている家電IPアドレスの有無をチェックする。そして記憶IPアドレスがあればステップS54に進み、記憶されているIPアドレスと新たに返信されたIPアドレスを比較し、同一か否かチェックする。同一でなければ、ステップS46で家電IPアドレス更新を確認する表示をステップS16で行い、ステップS58で所定時間内に同意操作があったか否かチェックする。そして同意操作があればステップS60に移行する。一方、ステップS52で記憶家電IPアドレスが確認できないときは直接ステップS60に移行する。また、ステップS54で記憶されているIPアドレスと新たに返信されたIPアドレスが同一であることが確認されたときも直接ステップS60に移行する。これに対し、ステップS58で所定時間内の同意操作確認できない場合はステップS42に戻り、があったか否かチェックする。家電IPアドレスの確認が所定回数以下である限りステップS42からステップS58を繰り返す。
ステップS60に至ったときは、新規家電IPアドレスの記憶を行ってステップS64に移行する。ステップS60における「新規家電IPアドレスの記憶」とは、以前に記憶したのと同じIPアドレスを記憶する場合で結果的に記憶が変わらない場合も含む。一方、ステップS42で家電IPアドレスの確認が所定回数以上となった場合は、ステップS62に移行し、該当のソケットについて割当てられる家電が不明である旨の表示を表示部16で行ってステップS64に移行する。ステップS64では、次に確認を行う対象ソケットがあるか否かをチェックし、あればステップS40に戻って、次の対象ソケットについて同じ動作を繰り返す。これに対し、ステップS64で次の対象ソケットがなければ、フローを終了し、図4のステップS8またはステップS22またはステップS26に移行する。
図6は、図4のステップS32におけるモニタ・制御処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートするとステップS472で測定タイミングか否かのチェックが行われ、測定タイミングであればステップS74でソケット毎の電流をモニタするとともにステップS75で電力メータ6によって対応する時刻の総電力をモニタする。そしてステップS76で、総電力および各ソケットの電流によりソケットに接続されている家電毎の電力消費を算定して結果を記憶部13に記憶するとともに表示部16に表示し、ステップS78に移行する。これによって家電毎ごとの消費電力の「見える化」が実現する。一方、ステップS72で測定タイミングでなければ、直接ステップS78に移行する。
ステップS78では、ソケット毎の消費電力および総電力の推移より処理を必要とするデータが発生しているか否かチェックする。このチェックは、総電力消費が大きくなっている時間帯、頻度、傾向等のチェックに該当する。そして該当するデータがあればステップS80に進み、総電力消費が所定以上となる時間帯を抽出する処理を行う。次いでステップS82では、電流センサの情報に基づき総電力消費を大きくしている要因となっているソケットの組み合せおよび時間帯を分析する処理を行う。さらに、ステップS84では、要因ソケットを抽出する処理を行ってステップS86に移行する。なお、ステップS80、S82およびS84の処理はそれぞれ完了まで行うのではなく、所定の割当時間が過ぎると一旦処理を中断して次のステップに移行する。
ステップS86ではステップS80、S82およびS84の処理がすべて完了したか否かチェックし、完了していなければステップS88に移行する。ステップS88では、ステップS80、S82およびS84に今回割当てられた処理時間が終了したか否かチェックし、終了であればステップS90に進んで、処理の中断手続を行ってステップS92に移行する。一方、ステップS88で、ステップS80、S82およびS84に今回割当てられた処理時間が終了していなければステップS80に戻り、以下割当時間が終了するまで時分割でステップS80、S82およびS84の処理を繰り返す。また、ステップS86で、ステップS80、S82およびS84の処理がすべて完了したことが検知されると直接ステップS92に移行する。なお、ステップS90で処理の中断手続が行われたときは、図4で次回ステップS32に至ったとき処理を再開する。なお、ステップS78で要処理データがなければ直接ステップS92に移行する。
ステップS92では、ステップS80、S82およびS84の処理結果に基づいて決められる要管理時間帯(総電力消費が大きくなることが想定される時間帯)になったか否かチェックする。該当しなければ、ステップS94に進み、総電力消費が所定以上となったか否かチェックする。該当すればステップS96に進み、要因ソケットを抽出してステップS98に移行する。一方、ステップS92で要管理時間帯となったときは以前からの分析に基づく要因ソケットのデータを採用してステップS98に進む。このように、予め分析に従って予想される要管理時間帯でなくても、臨時的に総電力消費が所定上となればステップS96によって要因ソケットを抽出し対応が行われる。
ステップS98要因ソケットに接続されている家電を統括管理し消費電力のピークをずらすよう指示する管理信号を各家電に出力しフローを終了する。一方、ステップS94で総電力消費が所定以上でなければ直ちにフローを終了する。
図7は、本発明の実施の形態に係る実施例4の全体構成を示すブロック図である。実施例4も、家庭内におけるコンセントシステムを構成している。図7の実施例4は図1から3の実施例1から3と共通する部分が多いので同一部分にはこれらと同一の番号を付し、必要のない限り説明を省略する。実施例4が実施例1から3と異なるのは、家電がIPアドレスに基づく通信および自動制御機能に対応していない通常家電であり、家電の特定およびそのモニタ・制御については家電のプラグが挿入される変換コンセントまたは変換タップによって行われる点である。なお、後述のように家電の制御は電源供給のオンオフのみとなる。
以下、図7に基づいて具体的に説明する。実施例4における電源部172は、通信手段としてPLCモデム12および近距離無線通信部74を共に備えていること、およびこれらに伴って統括制御部110の機能が若干異なることを除き、図3の実施例3における電源部72と共通なので同一部分には同一の番号を付し、説明を省略する。また、通常家電である第4家電182は、図3に示すような通信のための制御プラグ66がなく、これに伴って制御部162についても、通信による自動制御のための構成はなく家電本来の制御のみの簡単化された構成である。その他の点については第4家電182の構成は図3の実施例3と同様なので、同一番号を付して説明を省略する。また、第5家電183も、第4家電182と同様の構成なので同一番号を付して説明を省略する。
変換コンセント180は、図3の実施例3における変換コンセント80と同様にして、通常コンセント84のソケット86に変換コンセント180のプラグ188を差し込む構成である点である。これによって、通常コンセント84が制御可能コンセントに変換され、変換コンセント180のソケット122および144にそれぞれ接続された第4家電182および第5家電の電力消費が把握できるとともにこれらに対する電源供給のオンオフ制御を行うことができる。
具体的には、変換コンセント180は、プラグ188経由で供給される分電盤8からの電力をスイッチ120および154経由でそれぞれソケット122および144から出力する。変換コンセント180のPLCモデム152は、電力線通信により統括制御部10から送信される制御信号を分波し、制御信号に含まれるコンセント指定信号に基づいてスイッチ120および154のオンオフをそれぞれ制御する。この機能の意義は、図Iから3の実施例
1から3に基づいて理解できるので詳細説明は省略する。
電流センサ126は、ソケット122を介して流れる電流を検知し、PLCモデム152を介して電力線通信により検知信号を電源部172に送信する。電源部172ではPLCモデム12が分波する検知信号を統括制御部110が受信する。同様に、電流センサ156は、ソケット144を介して流れる電流を検知し、PLCモデム152を介して電力線通信により検知信号を電源部172に送信する。統括制御部110で受信された検知信号の利用については、図1から3の実施例1から3について行った説明に基づいて理解できるので詳細は省略する。
コンセント制御部111は、電流センサ126および156によってそれぞれ検知される電流の履歴を記憶部113に蓄積し、これらを分析することによって、対応するソケット122および144にそれぞれ接続されている第4家電182および第5家電183がそれぞれ何かを推定する。この推定は、記憶部113に蓄積される電流について、例えば検知される最大電流、電流変化幅、電流変化パターンなどの電流値要素、および電流消費時間帯や電流消費頻度などの時間的要素のいずれか又はこれらの組み合わせにより行われる。その詳細は後述する。
変換タップ176は、電源部172との通信手段が図3の実施例3と同様の近距離無線通信による他は、変換コンセント180と同様の構成であり、近距離通信部74と通信する近距離無線通信部178およびタップ制御部115のみを図示して他は省略する。変換タップ176は、変換コンセント180と同様にして、通常コンセント184のソケット186に変換タップ176のプラグ189を差し込むことにより通常コンセント184から制御可能タップが延長された状態に機能を変換する。そして、変換タップのソケット(不図示)に家電のプラグ(不図示)を接続することによりこれら家電の電力消費が把握できるようになるとともにそれらに対する電源供給のオンオフ制御が可能となる。なお、図7の実施例4において、変換コンセント180の通信方式をPLCとし、変換タップの通信方式を近距離無線通信としたが、特にこのような構成に限るものではなく、変換コンセントと変換タップの通信方式が逆になってもよいし、両者ともPLCまたは両者とも近距離無線通信としてもよい。また、通常コンセント84および184に、ともに変換コンセントまたは変換タップを接続するようにしてもよい。
図8は、図7の実施例4における変換コンセント180における変換コンセント制御部111の動作を説明する基本フローチャートである。通常コンセント84のソケット86に変換コンセント180のプラグ188を差し込むことで変換コンセント180への給電が開始されるとフローがスタートし、ステップS102で電源部172の統括制御部110との通信を確立する手順を実行する。次いで、ステップS104で変換コンセント180のIPアドレスが統括制御部110の記憶部13に登録済みであるかどうかチェックする。そして未登録ならステップS106に進み、統括制御部110との通信によりIPアドレスを登録してステップS108に移行する。また、IPアドレスが登録済みなら直接ステップS108に移行する。ステップS108では初期状態として、まず変換コンセント180内の全スイッチ(図示ではスイッチ120および154)をオフしてステップS110に移行する。
ステップS110では、ソケットに家電のプラグが挿入されているか否かチェックする。そしてプラグ挿入が確認されるとチェックしたソケットに該当するスイッチをオンしてステップS114に移行する。一方、ステップS110でソケットに家電のプラグが挿入されていないことが確認されるとステップS116に進み、該当スイッチをオフするとともにステップS118で家電推定取消の旨を統括制御部に通知する。なお、前回チェックで家電プラグ非挿入が検知されその後挿入検知がない履歴がある場合、ステップS118では何もせずステップS114に移行する。なお、図8では簡略化して一つのソケットに対する動作のみ図示しているが、実際には各ソケットを順次一つずつ指定し、ステップS110、S112、S116Sおよび118をそれぞれ繰り返し実行し、全ソケットについてのチェックが完了したことを確認してからステップS114に移行する。
ステップS114では、変換コンセント180の各コンセントに対応する全スイッチのオンまたはオフを指示する信号を統括制御部110から受信したか否かチェックする。受信が確認されるとステップS120に進み、どの家電であるかの推定が未だできていない家電の有無をチェックする。そして未推定家電が一つでもあればステップS122に進み、未推定家電に該当するスイッチ以外のスイッチを指示どおりにオンまたはオフしてステップS124に移行する。これは、どの家電か不明のものに対する電源供給を画一的にオンまたはオフする不都合を避けるためである。一方、ステップS120において未推定家電がないことが確認されるとステップS126に進み、全てのスイッチを指示どおりにオンまたはオフしてステップS124に移行する。また、ステップS114で全スイッチのオンまたはオフを指示する信号の受信が検知されない場合は直接ステップS124に移行する。
ステップS124では、スイッチを指定してそのスイッチのオンまたはオフを指示する信号を統括制御部110から受信したか否かチェックする。受信が確認されるとステップS128に進み、指定されたスイッチに対応するコンセントに接続されている家電が推定済のものか否かチェックする。そして推定済の家電であればステップS130に進み、指定されたスイッチを指示どおりにオンまたはオフしてステップS132に移行する。一方、ステップS128において指定されたスイッチに対応するコンセントに接続されている家電が推定済であることが確認されない場合は直接ステップS132に移行する。これは、どの家電か不明であるにも係らずその家電への電源供給を行うスイッチを一方的にオンまたはオフする不都合を避けるためである。また、ステップS124でスイッチを指定してオンまたはオフを指示する信号の受信が検知されない場合は直接ステップS132に移行する。
ステップS132では、各ソケットを通じて接続されている家電に流れる電流を時分割でそれぞれ所定の短時間ずつモニタし、変換コンセント180自身の記憶部113に記憶するとともに統括制御部110に送信してその記憶部13に記憶させる。なお後述のように変換コンセント180に電源が供給される限り、ステップS132に至るフローが短時間で繰り返されるので、この電流モニタ・記憶・送信の機能は実質的に常時継続して行われる。所定の短時間が経過するとフローはステップS134に移行し、家電推定処理を行うとともにステップS136の家電推定通知処理を行ってステップS138に移行する。家電推定処理と家電推定通知処理の詳細は後述する。
ステップS138では、変換コンセント180に電源が供給中か否かをチェックし、供給中であればフローはステップS110に戻り、以下、ステップS138で電源が供給中でないことが検知されない限りステップS110からステップS138を繰り返す。これによって、コンセントへの家電プラグの挿入・離脱、各スイッチへのオン・オフ信号への対応、電流モニタおよび家電の推定推進等に対応する。一方、ステップS138で電源が供給中でないことが検知されるとフローを終了する。
なお、図8は図7における変換コンセント180のコンセント制御部111の機能を示しているが、変換タップ176のタップ制御部115の機能としても理解できる。この場合、タップ制御部115の動作については、図8における「変換コンセント」を「変換タップ」と読み替える。
図9は、図8のステップS134における家電推定処理およびステップS136の家電推定通知処理の詳細を示すフローチャートであり、ステップ142からS168が図8のス134に、ステップS170から174が図8のス136に、それぞれ相当する。図8のフローがステップS132からステップS136 に至ると図9のフローがスタートし、まずステップS142で未推定の家電の有無をチェックする。そして未推定の家電があれば、ステップ144に進み、未推定家電が接続されている該当ソケットを一つ特定してステップS146に移行する。ステップS146では指定されたソケットに接続されている未推定家電に関する電流モニタ履歴が所定時間分以上蓄積されているか否かをチェックする。そして所定時間以上の電流モニタ履歴の蓄積が確認されるとステップS148に移行する。
ステップS148では、ステップS144で指定したソケットに接続された家電の電流モニタ履歴における最大電流を所定の基準と比較し、基準以上の最大電流であることからそのような最大電流を消費しうる家電の候補として推定できるか否かチェックする。例えば最大電流消費家電の候補はエアコンである。そして候補とできる家電があればステップS150に進み最大電流推定候補として記録してステップ152に進む。一方、ステップS148で最大電流による候補推定ができなければ直接ステップS152に移行する。
ステップS152では、同様にして、ステップS144で指定したソケットに接続された家電の電流モニタ履歴における電流変化幅を所定の基準と比較し、基準以上の電流変化幅であることからそのような変化幅を呈する家電の候補として推定できるか否かチェックする。例えば電流変化幅の大きな家電の候補は風量変更可能な扇風機である。そして候補とできる家電があればステップS154に進み電流変化幅推定候補として記録してステップ156に進む。一方、ステップS152で電流変化幅による候補推定ができなければ直接ステップS156に移行する。
ステップS152では、同様にして、ステップS144で指定したソケットに接続された家電の電流モニタ履歴における電流変化パターンを所定の基準パターンと照合し、基準パターンとの類似性が高いことからそのような基準パターンの電流変化を呈する家電の候補として推定できるか否かチェックする。例えば特徴的な電流変化パターンを示すのは冷蔵庫である。そして候補とできる家電があればステップS158に進み電流変化パターン推定候補として記録してステップ160に進む。一方、ステップS156で電流変化パターンによる候補推定ができなければ直接ステップS160に移行する。
以上のステップS148からステップS158のステップは電流消費が継続している状況における電流値およびその変化に基づく推定であるが、ステップS160以降は電流消費の有無と時間要素との関係に基づく家電候補推定を行う。
ステップS160では、ステップS144で指定したソケットに接続された家電の電流モニタ履歴において電流消費が生じている時間帯を所定の基準時間帯と照合し、基準時間帯での電流消費が生じていることからそのような時間帯における電流消費が生じる家電の候補として推定できるか否かチェックする。具体的には、一日中電流消費が継続している場合、その家電の候補は例えば冷蔵庫とし、主に夜間において電流消費が生じる場合、その家電の候補は例えば電気毛布とする。また、ここでいう時間帯は一日のような短期間ではなく、年間における季節の場合も意味するものとする。例えば、冬季を中心にのみ電流消費が生じているならば、その家電の候補は扇風機ではありえず、電気こたつ等の暖房器であるとする。ステップS160において候補とできる家電があればステップS162に進み、時間帯推定候補として記録してステップ164に進む。一方、ステップS160で時間帯による候補推定ができなければ直接ステップS164に移行する。
ステップS164では、同様にステップS144で指定したソケットに接続された家電の電流モニタ履歴において電流消費が生じる頻度を所定の基準と照合し、その頻度から家電の候補として推定できるか否かチェックする。例えば、頻度が一日一回程度であれば、その家電の候補は例えば洗濯機または掃除機である。比較的頻度の大きい家電の候補は例えば電気スタンドである。ステップS164において候補とできる家電があればステップS166に進み、頻度推定候補として記録してステップ168に進む。一方、ステップS164で頻度による候補推定ができなければ直接ステップS168に移行する。
ステップS168では、ステップ142からS166までの機能に基づく推定候補記憶に基づいて総合的に候補の絞り込みを行う処理を実行してステップS170に移行する。ステップS168の詳細は後述する。ステップS170では推定が完了したか否かチェックし、完了していればステップS172で推定結果を電源部172の統括制御部110に送信し、その記憶部13に記憶させステップS138に移行する。これによって、電源部172は家電を特定してその消費電流をモニタできるとともに、家電を特定して給電の制御を行うことができる。
一方、ステップS170で推定の完了が検知できない時はステップS174に移行し、記憶部113に該当ソケットに接続された家電が未推定状態にあることを記憶させてステップS138に移行する。また、ステップS142で未推定家電がないことが確認できたとき、またはステップS146において電流モニタ履歴が所定時間分以上蓄積されているかことが確認できないときは、直接ステップS138n移行する。
図10は、図9のステップS168における総合候補絞り込み処理の詳細を示すフローチャートである。図9のフローがステップS166からステップS168に至ると図10のフローがスタートし、まずステップS182で推定候補の有無をチェックする。そして推定記録があればステップS184に移行する。
ステップS184では、推定記録に基づき、最大電流の観点から唯一の家電を推定できるか否かチェックし、この推定ができない場合はステップS186に移行する。ステップS186では、推定記録に基づき、電流変化幅の観点から唯一の家電を推定できるか否かチェックし、この推定ができない場合はステップS188に移行する。ステップS188では、推定記録に基づき、電流変化パターンの観点から唯一の家電を推定できるか否かチェックし、この推定ができない場合はステップS190に移行する。ステップS190では、推定記録に基づき、電流消費時間帯の観点から唯一の家電を推定できるか否かチェックし、この推定ができない場合はステップS192に移行する。ステップS192では、推定記録に基づき、電流消費頻度の観点から唯一の家電を推定できるか否かチェックし、この推定ができない場合はステップS194に移行する。
ステップS194では、一つの推定観点における複数の候補の中から検討候補を一つ選定し、ステップS196において、その検討候補につき他の推定観点でクロスチェックを行う。そしてステップS198においてクロスチェック結果を記憶する。次いでステップS200においてクロスチェック結果の記録に基づいて検討候補を唯一の家電として推定できたか否かチェックする。唯一の家電として推定できなかった場合は、ステップS202において未検討候補の有無をチェックする。検討候補の選定が初めてであれば他の未検討候補が少なくとも一つあるのでステップS194にもどり、未検討候補の一つを検討公報として選定しステップS196に移行する。以下、ステップS200において唯一の推定ができたことが検知されるか、またはステップS202において未検討候補がもうないことが確認されるまでステップS194からステップS202を繰り返し、全ての推定観点における全ての推定候補のクロスチェックを行う。
ステップS202で未検討候補がないことが検知されるとフローはステップS204に進む。これは、クロスチェックによっては唯一の家電が推定できなかったことを意味する。従ってステップS204ではクロスチェック記録の比較を行い、単独のクロスチェックのみでは唯一の家電として推定しきれないが、他のクロスチェック記録との比較において格段に蓋然性の高い推定ができないか判断する。そしてステップS206に進み、唯一の家電として推定できる蓋然性の高いクロスチェック結果の有無をチェックし、該当するものがあればこれに基づいて唯一の家電を推定し、ステップS208に移行する。
一方、ステップS184からステップS192のいずれかにおいて唯一の家電が推定できた場合はいずれもステップS210に進み、念のため他の推定記録と矛盾しないかチェックする。そして、矛盾がなければステップS208に移行する。そして万一矛盾があればステップS194に移行し、ステップS184からステップS192のいずれかでも唯一推定ができなかった場合と同様にしてステップS194からステップS206の検討に進む。また、ステップS200において唯一推定ができた場合はステップS208に移行する。
ステップS208では、推定完了フラグを立てて図のステップS170に移行し、推定が完了したか否かの判断に供する。一方、ステップS182において推定候補記録が検知できなかった場合、または、ステップS206における蓋然性チェックに至っても唯一家電が推定できなかった場合はステップS214に進み、未推定フラグを立ててステップS170に移行し、推定が完了したか否かの判断に供する。
図11は、本発明の実施の形態に係る実施例5の電源部における統括制御部の動作を説明する基本フローチャートである。実施例5も、家庭内におけるコンセントシステムを構成しており、その構成自体は実施例4と共通なので図7を援用して理解することができる。また、実施例5も、実施例4と同様にして、家電がIPアドレスに基づく通信および自動制御機能に対応していない通常家電であることを前提とする。図11の実施例5が図8から図10にその機能を示す実施例4と異なるのは、実施例4において家電の特定を変換コンセントまたは変換タップによって行うのに対し、実施例5では、家電の特定を電源部172側で行うように構成した点である。なお、その他の点においては、実施例5は実施例4と共通なので、図11における家電推定処理以外の部分は実施例4における統括制御部110の機能としても理解できる。
図11のフローは、電源部172に商用電源からの給電が開始されるとスタートし、ステップS222で各ソケットとの通信を確立する手順を実行する。次いで、ステップS224で、接続済の変換コンセントおよび変換タップをサーチする。そしてサーチ結果に基づき、ステップS226で接続済の変換コンセントまたは変換タップの有無をチェックする。変換コンセントまたは変換タップがあればステップS228に進み、まず全変換コンセントが登録済みか否かチェックする。そして登録済みでないものがあればステップS230で登録を行ってステップS232に移行する。一方、ステップS228で全変換コンセントが登録済みであることが確認されると直接ステップS232に移行する。なお、ステップS228では、接続済みの変換コンセントそのものがない場合も未登録の変換コンセントがないものとしてステップS232に移行する。
ステップS232では、ステップS226での接続済の変換コンセントまたは変換タップの有無チェックに基づき、全変換タップが登録済みか否かチェックする。そして登録済みでないものがあればステップS234で登録を行ってステップS236に移行する。一方、ステップS232で全変換タップが登録済みであることが確認されると直接ステップS236に移行する。なお、ステップS232では、ステップS228と同様にして、接続済みの変換タップそのものがない場合も未登録の変換タップがないものとしてステップS236に移行する。
ステップS236では、各変換コンセントおよび変換タップについて待機電流制御処理を行う。この機能の内容は、図4のステップS10、S12およびステップS16と同様である。次いでステップS238に進み、新規家電プラグが変換コンセントまたは変換タップに挿入されたか否かチェックする。そしてプラグ挿入が検知されると該当するソケットをオンする信号を送信するとともにステップS242に移行する。
実施例5では、各変換コンセントおよび変換タップから送信される電流センサの検知電流の履歴を統括制御部110の記憶部13で蓄積している。ステップS242では、記憶部13に蓄積される電流センサの履歴を分析することによって、各変換コンセントおよび変換タップの各ソケットにそれぞれ接続されている家電を推定する処理を行ってステップS244に移行する。ステップS242における推定処理の具体的内容は、図9および図10に示した処理と基本的に同じであって、実施例9ではこの処理が各変換コンセントまたは変換タップでそれぞれローカルに行われるのに対し、実施例10では統括制御部110で行われるところが異なる。 なお、図11における電源部での家電推定処理の場合、図9のステップS172を「推定記憶・表示」と読み替え、S174を「未推定記憶・表示」と読み替える。一方、ステップS238において新規家電のプラグ挿入が検知されなければ直接ステップS244に移行する。
ステップS244では、ソケットのオンまたはブレーカーのオンが検知されるか否かをチェックする。この処理は図4におけるステップS22と同様である。これが検知されるとステップS246に進み、家電推定処理を行ってステップS248に移行する。ステップS246の内容は、ステップS242と同様にして、図9および図10に示した処理と基本的に同じである。一方、ステップS244においてソケットのオンまたはブレーカーのオンが検知されなければ直接ステップS248に移行する。
ステップS248では、プラグ除去またはソケットショート処理を行う。その内容は、図4におけるステップS26からステップS30と同様である。次いでステップS250で各ソケットにおける電流のモニタと電流供給の制御を行う処理を実行してステップS252に移行する。ステップS250の内容は図4のス32で説明したのと共通である。また、ステップS226において接続済みの変換コンセントまたは変換タップが検知されない場合は直接ステップS252に移行する。
ステップS252では、商用電源から電源部172への給電が行われているか否かチェックし、給電中であればステップS224に戻って、以下給電中である限り、ステップS224からステップS252を繰り返し、種々の状況変化に対応する。ステップS252で電源供給の停止が検知されるとフローを終了する。
以上の各実施例に示した種々の特徴は、説明の都合状、それぞれの特徴部分を抽出して示したものであり、実際の実施に当たっては、図示または説明を省略した機能が存在する。また、
各実施例に固有のものではなく、これら種々の特徴は実施例間で適宜交換または併用可能である。