JP2015119095A - 静止誘導機器 - Google Patents

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Soichiro Kainaga
壮一朗 海永
吉村 学
Manabu Yoshimura
学 吉村
崇夫 釣本
Takao Tsurimoto
崇夫 釣本
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Abstract

【課題】楔状の微小隙間に位置する絶縁媒体への電界集中を緩和しつつ絶縁スペーサの機械的強度を維持する。【解決手段】鉄心と、鉄心を中心軸110xとして同心円状に巻き回された複数の巻線120,130と、巻線同士の間において巻線120,130と同心円状に配置された絶縁筒140と、巻線120,130と絶縁筒140との間に配置されて中心軸110xと平行に延在する複数の絶縁スペーサ150とを備える。絶縁スペーサ150は、絶縁スペーサ150の任意のいずれの横断面においても巻線120,130および絶縁筒140の各々と接している。絶縁スペーサ150の任意のいずれの横断面においても、絶縁スペーサ150の外形を包含する最も小さい矩形150aの内部にて絶縁スペーサ150の非存在領域151,152が、巻線120,130の径方向に延びて上記矩形150aの互いに対向する2辺と交差する任意の直線上の少なくとも一部に設けられている。【選択図】図4

Description

本発明は、静止誘導機器に関し、特に、ガス絶縁変圧器に関する。
SF6ガスは、優れた絶縁性能を有するとともに無毒および不燃性であり化学的にも安定しているため、多くの電力機器に使用されている。従来の変圧器においては、絶縁媒体および冷却媒体として絶縁油を使用する油入変圧器が一般的であった。絶縁媒体および冷却媒体としてSF6ガスを使用したガス絶縁変圧器は難燃性に優れる。そのため、防災性および信頼性が要求される都市部の地下変電所、高層ビル、病院および公共事業施設などに、ガス絶縁変圧器の適用範囲が拡大している。
SF6ガスにおいては、高圧になるほど絶縁性能が高くなる。ただし、ガス絶縁変圧器においては、油入変圧器に比較して次の点に注意する必要がある。ガス絶縁変圧器の絶縁媒体であるSF6ガスと固体絶縁物との誘電率比は、油入変圧器の絶縁媒体である絶縁油と固体絶縁物との誘電率比より大きい。そのため、ガス絶縁変圧器の絶縁媒体は、油入変圧器の絶縁媒体より多くの電圧を分担して高電界になる傾向にある。
なお、絶縁媒体と固体絶縁物との誘電率比は、たとえば、ガス絶縁変圧器においては3.0〜3.5(SF6ガスの誘電率が1.0、固体絶縁物の誘電率が3.0〜3.5)であり、油入変圧器においては1.9(絶縁油の誘電率が2.2、固体絶縁物の誘電率が4.2)である。
ガス絶縁変圧器内の楔状の微小隙間に位置する絶縁媒体への電界集中の緩和を図ったガス絶縁変圧器を開示した先行文献として、特開平4−162407号公報(特許文献1)がある。特許文献1に記載されたガス絶縁変圧器においては、巻線の線路端口出しの位置に合わせてスペーサに切欠き部を形成し、この切欠き部をガス空間としている。
特開平4−162407号公報
特許文献1に記載されたガス絶縁変圧器においては、スペーサの延在方向の中央部に切欠きを設けているため、スペーサの機械的強度が低下してスペーサが変形する恐れがある。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであって、楔状の微小隙間に位置する絶縁媒体への電界集中を緩和しつつ絶縁スペーサの機械的強度を維持できる静止誘導機器を提供することを目的とする。
本発明に基づく静止誘導機器においては、鉄心と、鉄心を中心軸として同心円状に巻き回された複数の巻線と、巻線同士の間において巻線と同心円状に配置された絶縁筒と、巻線と絶縁筒との間に配置されて上記中心軸と平行に延在する複数の絶縁スペーサとを備える。絶縁スペーサは、絶縁スペーサの任意のいずれの横断面においても巻線および絶縁筒の各々と接している。絶縁スペーサの任意のいずれの横断面においても、絶縁スペーサの外形を包含する最も小さい矩形の内部にて絶縁スペーサの非存在領域が、巻線の径方向に延びて上記矩形の互いに対向する2辺と交差する任意の直線上の少なくとも一部に設けられている。
本発明によれば、楔状の微小隙間に位置する絶縁媒体への電界集中を緩和しつつ絶縁スペーサの機械的強度を維持できる。
本発明の実施形態1に係る静止誘導機器の構成を示す斜視図である。 図1の静止誘導機器のII−II線矢印方向から見た断面図である。 図2の静止誘導機器をIII−III線矢印方向から見た断面図である。 図2のIV部を拡大して示す断面図である。 断面二次モーメントの定義を説明するための図である。 比較例に係る絶縁スペーサにおいて切欠きが設けられていない部分の形状を示す横断面図である。 比較例に係る絶縁スペーサが配置された静止誘導機器の図2のIV部に相当する部分を拡大して示す断面図である。 本実施形態に係る絶縁スペーサの形状を示す横断面図である。 本実施形態の第1変形例に係る絶縁スペーサが配置された静止誘導機器の図2のIV部に相当する部分を拡大して示す断面図である。 本実施形態の第2変形例に係る絶縁スペーサが配置された静止誘導機器の図2のIV部に相当する部分を拡大して示す断面図である。 本実施形態の第3変形例に係る絶縁スペーサが配置された静止誘導機器の図2のIV部に相当する部分を拡大して示す断面図である。 本発明の実施形態2に係る絶縁スペーサが配置された静止誘導機器の図2のIV部に相当する部分を拡大して示す断面図である。 本発明の実施形態3に係る絶縁スペーサが配置された静止誘導機器の図2のIV部に相当する部分を拡大して示す断面図である。
以下、本発明の各実施形態に係る静止誘導機器について図面を参照して説明する。以下の実施形態の説明においては、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰り返さない。また、以下の実施形態においては、静止誘導機器としてガス絶縁変圧器について説明するが、静止誘導機器は変圧器に限られず、リアクトルなどでもよい。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る静止誘導機器の構成を示す斜視図である。図2は、図1の静止誘導機器のII−II線矢印方向から見た断面図である。図3は、図2の静止誘導機器をIII−III線矢印方向から見た断面図である。図4は、図2のIV部を拡大して示す断面図である。
図1〜3に示すように、本発明の実施形態1に係る静止誘導機器100は、鉄心110と、鉄心110の主脚部を中心軸110xとして同心円状に巻き回された低圧巻線120および高圧巻線130と、低圧巻線120および高圧巻線130の間において低圧および高圧巻線120,130と同心円状に配置された絶縁筒140と、低圧または高圧巻線120,130と絶縁筒140との間に配置されて中心軸110xと平行に延在する複数の絶縁スペーサ150とを備える。
静止誘導機器100は、図示しないタンクをさらに備えている。タンク内には、絶縁媒体および冷却媒体であるSF6ガスが充填されている。鉄心110、低圧巻線120および高圧巻線130、絶縁筒140並びに絶縁スペーサ150は、タンク内に収容されている。
図3に示すように、高圧巻線130は、低圧巻線120の外側に位置している。高圧巻線130においては、絶縁被覆132が表面に設けられた平角銅線131を円盤状に巻き回して構成した複数の円盤状巻線が、互いの間に直方体状の絶縁体133を挟んで中心軸110x方向に積層されることにより構成されている。図示していないが、低圧巻線120も高圧巻線130と同様の構成を有している。
円盤状巻線同士の間の隙間において、絶縁体133が位置していない部分は、SF6ガスの流路となる。絶縁体133としては、たとえば、プレスボードまたは樹脂製の積層体などを用いることができる。絶縁体133の比誘電率は、3.0以上3.5以下である。
本実施形態に係る静止誘導機器100においては、低圧巻線120と高圧巻線130との間の絶縁距離を確保するために、低圧巻線120と高圧巻線130との間に円筒状の2つの絶縁筒140が配置されている。ただし、絶縁筒140の数は2つに限られず、1つ以上であればよい。
低圧巻線120と絶縁筒140との間隔、絶縁筒140同士の間隔、および、絶縁筒140と高圧巻線130との間隔は、略同一である。絶縁筒140の材料としては、たとえば、プレスボードを用いることができる。絶縁筒140の比誘電率は、3.0以上3.5以下である。
低圧巻線120と絶縁筒140との間隔、絶縁筒140同士の間隔、および、絶縁筒140と高圧巻線130との間隔の各々を維持するために、複数の絶縁スペーサ150が配置されている。
具体的には、低圧巻線120と絶縁筒140との間において、低圧巻線120の円周方向に沿って等間隔に6本の絶縁スペーサ150が配置されている。絶縁筒140同士の間において、絶縁筒140の円周方向に沿って等間隔に6本の絶縁スペーサ150が配置されている。絶縁筒140と高圧巻線130との間において、高圧巻線130の円周方向に沿って等間隔に6本の絶縁スペーサ150が配置されている。
ただし、絶縁スペーサ150の配置および数は上記に限られず、低圧巻線120と絶縁筒140との間隔、絶縁筒140同士の間隔、および、絶縁筒140と高圧巻線130との間隔の各々を維持可能なように決定されていればよい。
絶縁スペーサ150は、中心軸110x方向に平行な長手方向の長さが数十cm〜数mであり、短手方向の長さが数mm〜数十mmである。絶縁スペーサ150としては、たとえば、プレスボードまたは樹脂製の積層体などを用いることができる。絶縁スペーサ150の比誘電率は、3.0以上3.5以下である。
絶縁スペーサ150は、絶縁スペーサ150の任意のいずれの横断面においても低圧または高圧巻線120,130および絶縁筒140の各々と接している。絶縁スペーサ150は、低圧巻線120と高圧巻線130との間の絶縁距離を確保する機能を有するとともに、静止誘導機器100の輸送時または短絡事故時に発生する機械力によって、低圧または高圧巻線120,130の位置ずれ若しくは変形が発生することを防止する機能を有する。
低圧巻線120と絶縁筒140との間の隙間、絶縁筒140同士の間の隙間、および、絶縁筒140と高圧巻線130との間の隙間の各々において、絶縁スペーサ150が位置していない部分は、SF6ガスの流路となる。
図3に示すように、平角銅線131は角部に丸みを有するため、絶縁体133と絶縁スペーサ150と絶縁被覆132とに囲まれた楔状の微小隙間1が形成される。この微小隙間1に位置するSF6ガスには電界が集中しやすい。仮に、低圧巻線120と高圧巻線130との間が、絶縁筒140および絶縁スペーサ150などの固体絶縁物によってほとんど埋められている場合、微小隙間1に位置するSF6ガスが非常に高い電界となる。この場合、局所的な放電が起きる可能性がある。
そこで、本実施形態に係る静止誘導機器100においては、図4に示すように、絶縁スペーサ150の任意のいずれの横断面においても、絶縁スペーサ150の外形を包含する最も小さい矩形150aの内部にて絶縁スペーサ150の第1および第2非存在領域151,152が、低圧および高圧巻線120,130の径方向に延びて矩形150aの互いに対向する2辺と交差する任意の直線上の少なくとも一部に設けられている。
絶縁スペーサ150は、絶縁スペーサ150の長手方向に一様な形状を有している。本実施形態においては、第1および第2非存在領域151,152が矩形150aと絶縁スペーサ150の外形との間に位置している。
具体的には、矩形150a内の低圧巻線120側の中央部に、略半円形状の第1非存在領域151が設けられている。矩形150a内の高圧巻線130側の両端部に、略1/4円形状の第2非存在領域152が設けられている。
第1および第2非存在領域151,152は、矩形150aの低圧巻線120側の辺および矩形150aの高圧巻線130側の辺の各々と交差する任意の直線上の少なくとも一部に設けられている。
この任意の直線は、図4に示すように、中心軸110x上の点と矩形150aの高圧巻線130側の辺の一端とを繋ぐ直線10と、中心軸110x上の点と矩形150aの高圧巻線130側の辺の他端とを繋ぐ直線11との間に位置しつつ中心軸110x上の点を通過するいずれかの直線である。
絶縁スペーサ150を上記の形状とすることにより、低圧巻線120と高圧巻線130との間が絶縁筒140および絶縁スペーサ150などの固体絶縁物によってほとんど埋められている状態となることを抑制できる。
すなわち、低圧巻線120と高圧巻線130との間に絶縁筒140および絶縁スペーサ150が位置する箇所において、第1および第2非存在領域151,152を設けることによって、低圧および高圧巻線120,130のいずれの径方向においても固体絶縁物が占める割合を減じることができる。これにより、微小隙間1に位置するSF6ガスが分担する電界を低減して、微小隙間1に位置するSF6ガスへの電界集中を緩和することができる。
なお、第1および第2非存在領域151,152を設けたことにより、第1および第2非存在領域151,152と接する絶縁スペーサ150の角部の周囲の電界は増大するが、この絶縁スペーサ150の角部の周囲の電界は微小隙間1に位置するSF6ガスの電界に比べて小さいため、静止誘導機器100の全体としては電界緩和効果の方が大きくなる。
以下、絶縁スペーサ150を上記の形状とすることにより、絶縁スペーサ150の機械的強度を維持できる理由について説明する。
低圧巻線120と高圧巻線130との間においては、低圧および高圧巻線120,130をそれぞれ流れる電流と静止誘導機器100内の磁場との影響によって電磁力が発生する。この電磁力は、全体として低圧および高圧巻線120,130を中心軸110x方向において圧縮するように作用する。
低圧および高圧巻線120,130を貫く磁場、並びに、低圧および高圧巻線120,130をそれぞれ流れる電流は、それぞれ中心軸110x方向に分布を有する。そのため、上記の電磁力も中心軸110x方向に分布を有する。
よって、中心軸110x方向において、低圧および高圧巻線120,130に作用する中心軸110xに向かう方向のせん断力の大きさが異なる。これにより、絶縁スペーサ150には、低圧および高圧巻線120,130の円周方向に沿って延びる軸に関する曲げ応力が発生する。
曲げ応力とは、物体に曲げモーメントが作用したときに物体に働く垂直応力であり、曲げモーメントに比例し、断面二次モーメントに反比例する。曲げモーメントは力の作用点からの距離に比例するため、細長い形状を有する絶縁スペーサ150の長手方向の端部には、大きな曲げモーメントが作用する可能性がある。
断面二次モーメントは、物体の断面形状のみで決まる量であり、断面二次モーメントが大きいほど物体は曲がりにくい。図5は、断面二次モーメントの定義を説明するための図である。図5に示す断面積Aの平面図形について、下記の式(1)で定義されるIxをx軸に関する断面二次モーメント、下記の式(2)で定義されるIyをy軸に関する断面二次モーメントとそれぞれ称する。
Figure 2015119095
Figure 2015119095
ここで、絶縁スペーサの長手方向の中央部のみに絶縁スペーサの厚さが薄くなるように切欠きを設けた比較例に係る絶縁スペーサと、本実施形態に係る絶縁スペーサ150とにおいて、低圧および高圧巻線120,130の円周方向に沿って延びる軸に関する断面二次モーメントを比較する。
図6は、比較例に係る絶縁スペーサにおいて切欠きが設けられていない部分の形状を示す横断面図である。図7は、比較例に係る絶縁スペーサが配置された静止誘導機器の図2のIV部に相当する部分を拡大して示す断面図である。
図6に示すように、比較例に係る絶縁スペーサ950は、横断面寸法として、x軸方向の厚さt、y軸方向の幅bを有する。絶縁スペーサ950の横断面のx軸方向の中心を通る軸950xに関する断面二次モーメントI1は、下記の式(3)で表される。
Figure 2015119095
式(3)に示すように、断面二次モーメントI1は、絶縁スペーサ950の厚さtの3乗に比例する。比較例に係る絶縁スペーサにおいては、切欠きが設けられた中央部の厚さが、切欠きが設けられていない端部に比べて薄いため、絶縁スペーサの長手方向の端部に比べて中央部の断面二次モーメントI1が大幅に小さくなる。
また、図7に示すように、切欠きが設けられていない絶縁スペーサ950の長手方向の端部においては、絶縁スペーサ950は、低圧または高圧巻線120,130および絶縁筒140の各々と接している。一方、切欠きが設けられた中央部においては、絶縁スペーサ950は、低圧または高圧巻線120,130および絶縁筒140のいずれか一方とのみ接している。このような切欠きが設けられた比較例に係る絶縁スペーサ950においては、切欠きの近傍に応力集中が発生する。
図8は、本実施形態に係る絶縁スペーサの形状を示す横断面図である。図8に示すように、本実施形態に係る絶縁スペーサ150は、横断面寸法として、x軸方向の厚さt、y軸方向の幅bを有する。また、絶縁スペーサ150は、厚さt、幅bの矩形150a内において半径rの半円形の第1非存在領域151と半径rの1/4円形の2つの第2非存在領域152とを除いた形状を有する。
絶縁スペーサ150の横断面のx軸方向の中心を通る軸150xに関する断面二次モーメントI2は、下記の式(4)で表される。
Figure 2015119095
絶縁スペーサ150が構造上成り立つためには、r<t/2でなければならない。この条件を式(4)に代入すると下記の式(5)が得られる。
Figure 2015119095
式(5)に示すように、本実施形態に係る絶縁スペーサ150においては、第1非存在領域151および第2非存在領域152を設けたことによる断面二次モーメントI2の低減は限定的である。
なお、第1非存在領域151および第2非存在領域152を設けたことによって、絶縁スペーサ150において低圧および高圧巻線120,130の中心軸110xに平行な軸に関する断面二次モーメントは低減する。
ただし、上述の通り、曲げモーメントは力の作用点からの距離に比例し、絶縁スペーサ150の短手方向の長さは長手方向の長さの数十分の一である。そのため、低圧および高圧巻線120,130の中心軸110xと平行な軸に関する曲げモーメントは、低圧および高圧巻線120,130の円周方向に沿って延びる軸に関する曲げモーメントと比較して数十分の一になる。
したがって、比較例に係る絶縁スペーサ950においても、低圧および高圧巻線120,130の中心軸110xと平行な軸に関する曲げ応力は、低圧および高圧巻線120,130の円周方向に沿って延びる軸に関する曲げ応力と比較して数十分の一である。
よって、本実施形態に係る絶縁スペーサ150において、低圧および高圧巻線120,130の中心軸110xに平行な軸に関する曲げ応力が多少増加しても、絶縁スペーサ150の機械的強度にはほとんど影響を及ぼさない。また、絶縁スペーサ150は、絶縁スペーサ150の長手方向に一様な形状を有しているため、比較例に係る絶縁スペーサ950とは異なり、応力集中は発生しない。
上記のように、本実施形態に係る静止誘導機器100においては、楔状の微小隙間1に位置する絶縁媒体への電界集中を緩和しつつ絶縁スペーサ150の機械的強度を維持できる。
また、本実施形態に係る絶縁スペーサ150は、絶縁スペーサ150の任意のいずれの横断面においても、低圧および高圧巻線120,130の中心軸110xに近い側に位置する低圧巻線120または絶縁筒140と2箇所で接している。
このように、横断面において、絶縁スペーサ150が内側に位置する低圧巻線120または絶縁筒140と複数の箇所で接することにより、絶縁スペーサ150が内側に位置する低圧巻線120または絶縁筒140と1箇所で接する場合と比較して、低圧および高圧巻線120,130の円周方向に沿う方向の振動に対して絶縁スペーサ150を強くすることができる。
なお、絶縁スペーサの横断面形状は上記に限られず、絶縁スペーサの外形を包含する最も小さい矩形の内部にて絶縁スペーサの非存在領域が、低圧および高圧巻線120,130の径方向に延びて上記矩形の互いに対向する2辺と交差する任意の直線上の少なくとも一部に設けられていればよい。
以下、絶縁スペーサの横断面形状のみが本実施形態とは異なる本実施形態の変形例に係る静止誘導機器について説明する。
図9は、本実施形態の第1変形例に係る絶縁スペーサが配置された静止誘導機器の図2のIV部に相当する部分を拡大して示す断面図である。図10は、本実施形態の第2変形例に係る絶縁スペーサが配置された静止誘導機器の図2のIV部に相当する部分を拡大して示す断面図である。図11は、本実施形態の第3変形例に係る絶縁スペーサが配置された静止誘導機器の図2のIV部に相当する部分を拡大して示す断面図である。
図9に示すように、本実施形態の第1変形例に係る静止誘導機器においては、絶縁スペーサ250の任意のいずれの横断面においても、絶縁スペーサ250の外形を包含する最も小さい矩形250aの内部にて絶縁スペーサ250の第1〜第3非存在領域251,252,253が、低圧および高圧巻線120,130の径方向に延びて矩形250aの互いに対向する2辺と交差する任意の直線上の少なくとも一部に設けられている。
絶縁スペーサ250は、絶縁スペーサ250の長手方向に一様な形状を有している。具体的には、矩形250a内の低圧巻線120側の中央部に、略半楕円形状の第1非存在領域251が設けられている。矩形250a内の高圧巻線130側の中央部に、略半楕円形状の第2非存在領域252が設けられている。矩形250a内の低圧および高圧巻線120,130の円周方向に沿う方向の両端部に、略三角形状の第3非存在領域253が設けられている。
第1〜第3非存在領域251,252,253は、矩形250aの低圧巻線120側の辺および矩形250aの高圧巻線130側の辺の各々と交差する任意の直線上の少なくとも一部に設けられている。
絶縁スペーサ250を上記の形状とすることにより、低圧巻線120と高圧巻線130との間が絶縁筒140および絶縁スペーサ250などの固体絶縁物によってほとんど埋められている状態となることを抑制できる。
第1変形例に係る静止誘導機器においても、楔状の微小隙間1に位置する絶縁媒体への電界集中を緩和しつつ絶縁スペーサ250の機械的強度を維持できる。
図10に示すように、本実施形態の第2変形例に係る静止誘導機器においては、絶縁スペーサ350の任意のいずれの横断面においても、絶縁スペーサ350の外形を包含する最も小さい矩形350aの内部にて絶縁スペーサ350の第1および第2非存在領域351,352が、低圧および高圧巻線120,130の径方向に延びて矩形350aの互いに対向する2辺と交差する任意の直線上の少なくとも一部に設けられている。
絶縁スペーサ350は、絶縁スペーサ350の長手方向に一様な形状を有している。具体的には、矩形350a内の低圧巻線120側の中央部に、略四角形状の第1非存在領域351が設けられている。矩形350a内の高圧巻線130側の両端部に、略四角形状の第2非存在領域352が設けられている。
第1および第2非存在領域351,352は、矩形350aの低圧巻線120側の辺および矩形350aの高圧巻線130側の辺の各々と交差する任意の直線上の少なくとも一部に設けられている。
絶縁スペーサ350を上記の形状とすることにより、低圧巻線120と高圧巻線130との間が絶縁筒140および絶縁スペーサ350などの固体絶縁物によってほとんど埋められている状態となることを抑制できる。
第2変形例に係る静止誘導機器においても、楔状の微小隙間1に位置する絶縁媒体への電界集中を緩和しつつ絶縁スペーサ350の機械的強度を維持できる。
図11に示すように、本実施形態の第3変形例に係る静止誘導機器においては、絶縁スペーサ450の任意のいずれの横断面においても、絶縁スペーサ450の外形を包含する最も小さい矩形450aの内部にて絶縁スペーサ450の第1および第2非存在領域451,452が、低圧および高圧巻線120,130の径方向に延びて矩形450aの互いに対向する2辺と交差する任意の直線上の少なくとも一部に設けられている。
絶縁スペーサ450は、絶縁スペーサ450の長手方向に一様な形状を有している。具体的には、矩形450a内の低圧巻線120側の中央部に、略円形状の第1非存在領域451が設けられている。矩形450a内の高圧巻線130側の両端部に、略三角形状の第2非存在領域452が設けられている。
第1および第2非存在領域451,452は、矩形450aの低圧巻線120側の辺および矩形450aの高圧巻線130側の辺の各々と交差する任意の直線上の少なくとも一部に設けられている。
絶縁スペーサ450を上記の形状とすることにより、低圧巻線120と高圧巻線130との間が絶縁筒140および絶縁スペーサ450などの固体絶縁物によってほとんど埋められている状態となることを抑制できる。
第3変形例に係る静止誘導機器においても、楔状の微小隙間1に位置する絶縁媒体への電界集中を緩和しつつ絶縁スペーサ450の機械的強度を維持できる。
以下、本発明の実施形態2に係る静止誘導機器について説明する。本実施形態に係る静止誘導機器は、絶縁スペーサの横断面形状のみ実施形態1に係る静止誘導機器と異なるため、他の構成については説明を繰り返さない。
(実施形態2)
図12は、本発明の実施形態2に係る絶縁スペーサが配置された静止誘導機器の図2のIV部に相当する部分を拡大して示す断面図である。
図12に示すように、本発明の実施形態2に係る静止誘導機器においては、絶縁スペーサ550の任意のいずれの横断面においても、絶縁スペーサ550の外形を包含する最も小さい矩形550aの内部にて絶縁スペーサ550の第1および第2非存在領域551,554が、低圧および高圧巻線120,130の径方向に延びて矩形550aの互いに対向する2辺と交差する任意の直線上の少なくとも一部に設けられている。
絶縁スペーサ550は、絶縁スペーサ550の長手方向に一様な形状を有している。本実施形態においては、第1非存在領域551が矩形550aと絶縁スペーサ550の外形との間に位置し、第2非存在領域554が絶縁スペーサ550の内部に位置している。
具体的には、矩形550a内の低圧巻線120側の両端部に、略三角形状の第1非存在領域551が設けられている。絶縁スペーサ550の内部に、略台形状の第2非存在領域554が設けられている。すなわち、絶縁スペーサ550は、横断面形状が台形状の貫通孔を有する。
第1および第2非存在領域551,554は、矩形550aの低圧巻線120側の辺および矩形550aの高圧巻線130側の辺の各々と交差する任意の直線上の少なくとも一部に設けられている。
絶縁スペーサ550を上記の形状とすることにより、低圧巻線120と高圧巻線130との間が絶縁筒140および絶縁スペーサ550などの固体絶縁物によってほとんど埋められている状態となることを抑制できる。
また、式(1),(2)から分かるように、断面二次モーメントは軸から離れた要素があるほど大きくなる。そのため、本実施形態に係る絶縁スペーサ550の方が、実施形態1に係る絶縁スペーサ150に比較して、低圧および高圧巻線120,130の円周方向に沿う方向の軸に関する断面二次モーメントを大きくしやすい。
本実施形態に係る静止誘導機器においても、楔状の微小隙間1に位置する絶縁媒体への電界集中を緩和しつつ絶縁スペーサ550の機械的強度を維持できる。
以下、本発明の実施形態3に係る静止誘導機器について説明する。本実施形態に係る静止誘導機器は、絶縁スペーサの横断面形状のみ実施形態1に係る静止誘導機器と異なるため、他の構成については説明を繰り返さない。
(実施形態3)
図13は、本発明の実施形態3に係る絶縁スペーサが配置された静止誘導機器の図2のIV部に相当する部分を拡大して示す断面図である。
図13に示すように、本発明の実施形態3に係る静止誘導機器においては、絶縁スペーサ650の任意のいずれの横断面においても、波形状の形状を有して、絶縁スペーサ650の外形を包含する最も小さい矩形650aの内部にて絶縁スペーサ650の第1および第2非存在領域651,652が、低圧および高圧巻線120,130の径方向に延びて矩形650aの互いに対向する2辺と交差する任意の直線上の少なくとも一部に設けられている。
絶縁スペーサ650は、絶縁スペーサ450の長手方向に一様な形状を有している。本実施形態においては、第1および第2非存在領域651,652が矩形650aと絶縁スペーサ650の外形との間に位置している。
具体的には、矩形650a内の低圧巻線120側に、複数の第1非存在領域651が設けられている。矩形650a内の高圧巻線130側に、複数の第2非存在領域652が設けられている。
第1および第2非存在領域651,652は、矩形650aの低圧巻線120側の辺および矩形650aの高圧巻線130側の辺の各々と交差する任意の直線上の少なくとも一部に設けられている。
絶縁スペーサ650を上記の形状とすることにより、低圧巻線120と高圧巻線130との間が絶縁筒140および絶縁スペーサ650などの固体絶縁物によってほとんど埋められている状態となることを抑制できる。
本実施形態に係る静止誘導機器においても、楔状の微小隙間1に位置する絶縁媒体への電界集中を緩和しつつ絶縁スペーサ650の機械的強度を維持できる。
なお、今回開示した上記実施形態はすべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
1 微小隙間、100 静止誘導機器、110 鉄心、110x 中心軸、120 低圧巻線、130 高圧巻線、131 平角銅線、132 絶縁被覆、133 絶縁体、140 絶縁筒、150,250,350,450,550,650,950 絶縁スペーサ、151,251,351,451,551,651 第1非存在領域、152,252,352,452,554,652 第2非存在領域、253 第3非存在領域。

Claims (4)

  1. 鉄心と、
    前記鉄心を中心軸として同心円状に巻き回された複数の巻線と、
    前記巻線同士の間において前記巻線と同心円状に配置された絶縁筒と、
    前記巻線と前記絶縁筒との間に配置されて前記中心軸と平行に延在する複数の絶縁スペーサとを備え、
    前記絶縁スペーサは、前記絶縁スペーサの任意のいずれの横断面においても前記巻線および前記絶縁筒の各々と接し、
    前記絶縁スペーサの任意のいずれの横断面においても、前記絶縁スペーサの外形を包含する最も小さい矩形の内部にて前記絶縁スペーサの非存在領域が、前記巻線の径方向に延びて前記矩形の互いに対向する2辺と交差する任意の直線上の少なくとも一部に設けられている、静止誘導機器。
  2. 前記非存在領域が前記矩形と前記絶縁スペーサの外形との間に位置している、請求項1に記載の静止誘導機器。
  3. 前記非存在領域が前記絶縁スペーサの内部に位置している、請求項1または2に記載の静止誘導機器。
  4. 前記絶縁スペーサは、任意のいずれの横断面においても波形状の形状を有している、請求項2に記載の静止誘導機器。
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