JP2015118369A - 偏光子、偏光子用基板および光配向装置 - Google Patents

偏光子、偏光子用基板および光配向装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、光配向膜への配向規制力付与の容易な偏光子の提供を主目的とする。【解決手段】本発明は、直線状に複数本が並列に配置された細線を有し、上記細線が、偏光材料を含有する偏光材料層を有し、波長250nmの光の消光比が40以上であることを特徴とする偏光子を提供することにより上記目的を達成する。【選択図】図2

Description

本発明は、光配向膜への配向規制力付与の容易な偏光子に関するものである。
液晶表示装置は、一般に駆動素子が形成された対向基板とカラーフィルタとを対向配置して周囲を封止し、その間隙に液晶材料を充填した構造を有する。そして、液晶材料は屈折率異方性を有しており、液晶材料に印加された電圧の方向に沿うように整列される状態と、電圧が印加されない状態との違いから、オンオフを切り替え画素を表示することができる。ここで液晶材料を挟持する基板には、液晶材料を配向させるために配向膜が設けられている。
また、液晶表示装置に用いられる位相差フィルムや、3D表示用位相差フィルムの材料としても配向膜が用いられている。
配向膜としては、例えば、ポリイミドに代表される高分子材料が用いたものが知られており、この高分子材料を布等により摩擦するラビング処理がされることによって配向規制力を有するものとなる。
しかしながら、このようなラビング処理により配向規制力が付与された配向膜では、布等が異物として残存するといった問題があった。
これに対して直線偏光を照射することにより配向規制力を発現する配向膜、すなわち光配向膜では、上述のような布等によるラビング処理をすることなく配向規制力を付与できるため布等が異物として残存する不具合がないことから近年注目されている。
このような光配向膜への配向規制力付与のための直線偏光の照射方法としては、偏光子を介して露光する方法が一般的に用いられる。偏光子としては、平行に配置された複数の細線を有するものが用いられ、細線を構成する材料としては、アルミや酸化チタンが用いられている(特許文献1等)。
特許第4968165号
しかしながら、上述のような材料の細線を備えた偏光子では、紫外線領域のような短波長の光の場合には消光比(P波透過率/S波透過率)、すなわち、上記細線に対して平行な偏光成分(S波)の透過率(出射光中のS波成分/入射光中のS波成分、以下、単にS波透過率とする場合がある。)に対する、上記細線を透過する上記細線に対して垂直な偏光成分(P波)の透過率(出射光中のP波成分/入射光中のP波成分、以下、単にP波透過率とする場合がある。)の割合が低く、光配向膜への配向規制力付与を効率的に行うことができないといった問題があった。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、光配向膜への配向規制力付与の容易な偏光子を提供することを主目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決すべく研究を重ねた結果、細線を構成する材料の屈折率および消衰係数が消光比に寄与していること、さらには屈折率および消衰係数が所定の範囲の材料を用いたところ、短波長の光の場合であっても消光比に優れたものとすることができることを見出し、本発明を完成させるに至ったのである。
すなわち、本発明は、直線状に複数本が並列に配置された細線を有し、上記細線が、偏光材料を含有する偏光材料層を有し、波長250nmの光の消光比が40以上であることを特徴とする偏光子を提供する。
本発明によれば、短波長の光の消光比に優れるため、例えば、光配向膜への配向規制力の付与の容易なものとすることができる。
本発明においては、上記偏光子が光配向膜への配向規制力付与用であり、紫外線領域の波長の光の直線偏光生成用であることが好ましい。
本発明の短波長の光の消光比にも優れるとの効果をより効果的に発揮できるからである。
本発明においては、上記偏光材料の屈折率が2.0〜3.2の範囲内であり、上記消衰係数が2.7〜3.5の範囲内であることが好ましい。上記消光比とすることが容易だからである。また、上記屈折率および消衰係数が上述の範囲内であることにより、幅広い波長範囲で消光比およびP波透過率の両者に優れたものとすることができるからである。
本発明においては、上記偏光材料の屈折率が2.3〜2.8の範囲内であり、上記偏光材料の消衰係数が1.4〜2.4の範囲内であることが好ましい。上記屈折率および消衰係数が上述の範囲内であることにより、様々な角度で偏光子に入射する光に対し、偏光子を出射する偏光光の偏光軸回転量の小さいものとすることができ、さらに、消光比に優れたものとすることができるからである。
本発明においては、上記偏光材料がモリブデンシリサイド系材料であることが好ましい。上記消光比とすることが容易だからである。
本発明においては、上記偏光材料層の膜厚が40nm以上であり、上記偏光材料層間のピッチが150nm以下であることが好ましい。上記消光比とすることが容易だからである。
本発明は、透明基板と、上記透明基板上に形成され、偏光材料を含有する偏光材料膜と、を有し、上記偏光材料膜は、屈折率が2.0〜3.2の範囲内であり、消衰係数が2.7〜3.5の範囲内であることを特徴とする偏光子用基板を提供する。
また、本発明は、透明基板と、上記透明基板上に形成され、偏光材料を含有する偏光材料膜と、を有し、上記偏光材料膜は、屈折率が2.3〜2.8の範囲内であり、消衰係数が1.4〜2.4の範囲内であることを特徴とする偏光子用基板を提供する。
本発明によれば、上記偏光材料膜を有することにより、消光比に優れた偏光子を容易に形成できる。
本発明においては、上記偏光材料がモリブデンシリサイド系材料であることが好ましい。上記材料であることにより、消光比に優れた偏光子の形成により適したものとすることができるからである。
本発明は、紫外光を偏光して光配向膜に照射する光配向装置であって、上述の偏光子を備え、上記偏光子により偏光した光を上記光配向膜に照射することを特徴とする光配向装置を提供する。
本発明によれば、上記偏光子を用いることにより、光配向膜への配向規制力付与の容易なものとすることができる。
本発明においては、上記光配向膜を移動させる機構が備えられており、上記偏光子が上記光配向膜の移動方向および上記光配向膜の移動方向に直交する方向の両方向に複数個備えられており、上記光配向膜の移動方向に直交する方向において隣り合う上記複数個の偏光子間の境界部が、上記光配向膜の移動方向に連続的に繋がらないように、上記複数個の偏光子が配置されていることが好ましい。境界部が光配向膜に与える弊害を抑制できるものとすることができるからである。
本発明においては、光配向膜への配向規制力付与の容易な偏光子を提供できるといった効果を奏する。
本発明の偏光子の一例を示す概略平面図である。 図1のA−A線断面図である。 本発明の偏光子の製造方法の一例を示す工程図である。 本発明の光配向装置の構成例を示す図である。 本発明の光配向装置の他の構成例を示す図である。 本発明の光配向装置における偏光子の配置形態の例を示す図である。 実施例8の偏光子の偏光特性の測定結果を示すグラフである。 実施例9のシミュレーションモデルを説明する説明図である。 実施例9のシミュレーション結果を示すグラフである。 実施例10のシミュレーションモデルを説明する説明図である。 実施例10のシミュレーション結果を示すグラフである。 実施例11〜実施例13のシミュレーション結果を示すグラフである。 実施例14の偏光子の偏光特性の測定結果を示すグラフである。
本発明は、偏光子に関するものである。
以下、本発明の偏光子について説明する。
本発明の偏光子は、直線状に複数本が並列に配置された細線を有し、上記細線が、偏光材料を含有する偏光材料層を有し、波長250nmの光の消光比が40以上であることを特徴とするものである。
このような本発明の偏光子について図を参照して説明する。図1は、本発明の偏光子の一例を示す概略平面図であり、図2は図1のA−A線断面図である。図1および2に例示するように、本発明の偏光子10は、直線状に複数本が並列に配置された細線2を有し、上記細線2が、偏光材料層3としてモリブデンシリサイド系材料を含有するモリブデンシリサイド系材料層を有するものであり、波長250nmの光の消光比が40以上のものである。
なお、この例では、上記細線2が、上記偏光材料層3であるモリブデンシリサイド系材料層上に形成され、酸化ケイ素を含有する酸化ケイ素層4を有するものであり、合成石英ガラスからなる透明基板1上に形成されるものである。
本発明によれば、短波長の光の消光比に優れるため、光配向膜への配向規制力の付与の容易なものとすることができる。特に紫外線領域の波長のような短波長の光の消光比に優れるため、短時間で十分な配向規制力の付与が可能となり、生産効率を優れたものとすることができる。
本発明の偏光子は、細線を有するものである。
以下、本発明の偏光子の各構成について詳細に説明する。
1.細線
本発明における細線は、直線状に形成され、かつ、平行に配置されるものであり、偏光材料層を有するものである。
(1)偏光材料層
上記偏光材料層は、偏光材料を含有するものである。
このような偏光材料としては、所望の消光比を得ることができるものであれば特に限定されるものではなく、上記偏光材料層の膜厚等の形状によっても異なるものであるが、例えば、所定の屈折率および消衰係数を満たすものから選択することができる。
なお、本発明での屈折率および消衰係数は特に波長の特定に言及が無い場合は250nmの波長における値とする。
上記偏光材料の屈折率と消衰係数の値としては、屈折率が2.0〜3.2の範囲内であり、かつ消衰係数が2.7〜3.5の範囲内であることが好ましい。消光比に優れたものとすることができるからである。なかでも、屈折率が2.0〜2.8の範囲内であり、かつ消衰係数が2.9〜3.5の範囲内であることが好ましく、特に、屈折率が2.0〜2.6の範囲内であり、かつ消衰係数が3.1〜3.5の範囲内であることが好ましい。紫外光領域である200nm〜400nmの波長領域の幅広い波長範囲で消光比およびP波透過率の両者に優れたものとすることができるからである。特に250nm〜370nmの波長領域の範囲で消光比と透過率を優れたものとすることができるからである。
また、上記屈折率と消衰係数は、偏光光の偏光軸回転量の小さいものとすることができるとの観点からは、屈折率が2.3〜2.8の範囲内であり、かつ消衰係数が1.4〜2.4の範囲内であることが好ましい。なかでも屈折率が2.3〜2.8の範囲内であり、かつ消衰係数が1.7〜2.2の範囲内であることが好ましく、特に、屈折率が2.4〜2.8の範囲内であり、かつ消衰係数が1.8〜2.1の範囲内であることが好ましい。
消光比を良好な値とし、かつ、偏光軸回転量も小さいものとすることができるからである。
特に240nm〜280nmの波長領域の範囲で消光比と透過率を優れたものとすることができ、かつ偏光光の偏光軸回転量の小さいものとすることができるからである。
なお、屈折率および消衰係数の測定方法としては、特に限定されないが、分光反射スペクトルから算出する方法、エリプソメーターを用いて測定する方法及びアッベ法を挙げることができる。エリプソメーターとしてはジョバンーイーボン社製UVSELが挙げられる。なお、本件の屈折率はウーラム社製VUV−VASEにて測定した値である。
このような屈折率および消衰係数を満たす偏光材料としては、具体的には、モリブデン(Mo)およびシリコン(Si)を含むモリブデンシリサイド系材料(以下、MoSi系材料と称する場合がある。)、あるいは窒化系モリブデンシリサイド材料等を挙げることができ、なかでも、モリブデンシリサイド系材料であることが好ましい。モリブデンシリサイド系材料に含まれるMoおよびSi、窒素、酸素などの元素の含有量によって、屈折率および消衰係数の値を調節することが容易であり、紫外線領域の波長で上記屈折率および消衰係数を満たすものとすることが容易だからである。また、紫外線領域の短波長に対する耐光性も有し、液晶表示装置用光配向膜の配向用として適しているからである。
また、モリブデンシリサイド系材料を用いることで、細線の膜厚を薄くした設計で消光比を高く保つことができ、加工精度も優れたものとなり、より細線化、狭ピッチ化も可能となるからである。
さらに、従来の偏光材料として用いられることが知られるアルミ材と比較して、酸やアルカリに対しての耐性に優れ、洗浄して繰り返し使用することができ、液晶表示装置用等の光配向膜の配向用として適しているからである。
上記モリブデンシリサイド系材料としては、モリブデン(Mo)およびシリコン(Si)を含み、所望の消光比を得ることができる屈折率および消衰係数を満たすことができるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、モリブデンシリサイド(MoSi)、モリブデンシリサイド酸化物(MoSiO)、モリブデンシリサイド窒化物(MoSiN)、モリブデンシリサイド酸化窒化物(MoSiON)等を挙げることができる。上記材料であることにより、消光比に優れたものとすることができるからである。
上記偏光材料は、偏光材料層の主原料として含有されるものである。
ここで、主原料として含有されるとは、具体的には、上記偏光材料層中の偏光材料の含有量が、70質量%以上であることをいうものであり、なかでも本発明においては、90質量%以上であることが好ましく、特に100質量%、すなわち、上記偏光材料層が上記偏光材料からなるものであることが好ましい。上記含有量であることにより、上記消光比とすることが容易だからである。
また、上記含有量の測定方法としては、含有量を精度良く測定できる方法であれば特に限定されるものではないが、例えば、上記細線の断面について、XPS表面分析を行う方法を挙げることができる。
上記偏光材料層に含まれる偏光材料の種類としては、1種類のみからなるものであっても、2種類以上を組み合わせたものであっても良い。また、2種類以上の偏光材料を用いる場合、偏光材料層は単一の層であっても良く、各偏光材料を含む層を組み合わせた複数の層を含むものであっても良い。
本発明においては、なかでも、偏光材料層が1種類の偏光材料を含む単一の層であることが好ましい。単一の層であることで製造、加工が行い易く、安定して高精度の偏光子を製造することができる。
上記偏光材料層の上記細線中の含有量としては、所望の消光比を得られるものであれば特に限定されるものではない。
具体的には、上記偏光材料層の上記細線中の含有量が80質量%以上であることが好ましく、なかでも90質量%以上であることが好ましく、特に、100質量%、すなわち、上記細線が上記偏光材料層のみ含むものであることが好ましい。上記含有量であることにより、上記消光比とすることが容易だからである
また、上記含有量は、上記細線の幅方向の断面に占める偏光材料層の質量割合をいうものであり、この測定方法としては、上記含有量を精度良く測定できる方法であれば特に限定されるものではないが、例えば、上記偏光材料の含有量の測定方法と同様の方法を用いることができる。
上記偏光材料層の断面視形状としては、所望の消光比を得られるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、正方形や長方形等の四角形状等とすることができる。
(2)細線
本発明における細線は、上記偏光材料層を少なくとも有するものであり、上記偏光材料層のみを有するものであっても良いが、必要に応じて上記偏光材料以外の他の材料を主原料として含む非偏光材料層を有するものであっても良い。
上記非偏光材料層に含まれる他の材料としては、所望の消光比を得られるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、上記偏光材料としてモリブデンシリサイド系材料を用いる場合には、酸化ケイ素などが挙げられる。上記偏光材料としてモリブデンシリサイド系材料を含むモリブデンシリサイド系材料層上に非偏光材料として酸化ケイ素を含有する酸化ケイ素層が形成されたものである場合、モリブデンシリサイド系材料膜をドライエッチングする方法により上記構造の細線を得ることができ、上記モリブデンシリサイド系材料層を含む細線の形成が容易で保護膜としても機能するからである。
上記偏光材料層が偏光材料としてモリブデンシリサイド系材料を含むモリブデンシリサイド系材料層であり、上記非偏光材料層が非偏光材料として酸化ケイ素を含有する酸化ケイ素層である場合、酸化ケイ素層の形成箇所としては、上記モリブデンシリサイド系材料層上に形成されることができ、上記モリブデンシリサイド系材料層が上記透明基板上に形成されている場合には、上記モリブデンシリサイド系材料層の上記透明基板側表面以外の全表面を覆うように形成されることが好ましい。上記モリブデンシリサイド系材料層を含む細線の形成が容易だからである。
上記酸化ケイ素層の膜厚としては、所望の消光比を得ることができるものであれば特に限定されるものではないが、高消光比とする観点からは薄い程好ましく、例えば、10nm以下であることが好ましく、なかでも6nm以下であることが好ましく、特に4nm以下であることが好ましい。上記膜厚であることにより、消光比に優れたものとすることができるからである。また、上記膜厚の下限については、薄い程好ましいため特に限定されるものではないが、製造容易なことから、2nm以上であることが好ましい。
なお、上記酸化ケイ素層の膜厚は、上記偏光材料層表面からの厚みの最大の厚みをいうものであり、具体的には図2中のdで示される厚みをいうものである。
また、膜厚の測定方法としては、偏光子の分野における一般的な測定方法を用いることができ、例えば、AFMにより膜表層の形状を測定し、透過型エリプソメータで偏光特性を測定することにより、膜を構成する組成とそれぞれの膜厚を得ることができる。
上記細線の膜厚としては、所望の消光比を有するものとすることができるものであれば特に限定されるものではないが、膜厚が厚いほど消光比が高くなり、膜厚が薄いほどP波透過率が高くなる傾向があることから、消光比およびP波透過率のバランスを考慮して設定することができる。
本発明においては、上記膜厚は、60nm〜180nmの範囲内であることが好ましい。なかでも、80nm〜160nmの範囲内であることが好ましく、100nm〜150nmの範囲であることが特に好ましい。
また、膜厚を低く抑えることで、フォトリソグラフィやインプリントリソグラフィなどによるレジストパタン形成や、エッチング加工時の精度が向上し、精度の高い偏光子を作製可能となる。また、メガソニックを用いた超音波洗浄などの物理的洗浄の耐性も向上する。
なお、上記細線の膜厚は、細線の長手方向および幅方向に垂直な方向の厚みのうち最大の厚みをいうものであり、細線が非偏光材料層を有する場合には、非偏光材料層をも含む膜厚をいうものである。具体的には図2中のaで示される厚みをいうものである。
また、上記細線の膜厚は一の偏光子内に異なる膜厚のものを含むものであっても良いが、通常、同一膜厚で形成される。
上記細線の幅としては、所望の消光比を有するものとすることができるものであれば特に限定されるものではないが、幅が広いほど消光比が高くなり、幅が広いほどP波透過率が低くなる傾向があることから、P波の透過率と消光比のバランスを考慮し、例えば、30nm〜80nmの範囲内とすることができる。
なお、上記細線の幅は、細線の長手方向に垂直方向の長さをいうものであり、細線が非偏光材料層を含む場合には、非偏光材料層をも含む幅をいうものである。具体的には図2中のbで示される長さをいうものである。
また、上記細線の幅は一の偏光子内に異なる幅のものを含むものであっても良いが、通常、同一幅で形成される。
上記細線のデューティー比、すなわち、ピッチに対する細線の幅の比(幅/ピッチ)としては、所望の消光比を有するものとすることができるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、0.25〜0.70の範囲内とすることができ、なかでも0.30〜0.50の範囲内であることが好ましく、特に0.30〜0.40の範囲内であることが好ましい。デューティー比が上記範囲であることにより消光比とP波透過率の両方を良好な値とすることができるからである。
上記細線のピッチとしては、所望の消光比を有するものとすることができるものであれば特に限定されるものではなく、直線偏光の生成に用いる光の波長等に応じて異なるものであるが、上記光の波長の半分以下とすることができる。より具体的には、上記光が紫外光である場合には、上記ピッチは、例えば、80nm〜150nmの範囲内とすることができ、なかでも100nm〜120nmの範囲内であることが好ましく、特に100nm〜110nmの範囲内であることが好ましい。上記ピッチであることにより、波長300nm以下の光に対しても消光比に優れたものとすることができるからである。
なお、上記細線のピッチは、幅方向に隣接する細線間のピッチの最大幅をいうものであり、細線が非偏光材料層を含む場合には、非偏光材料層をも含むものである。具体的には図2中のcで示される幅をいうものである。
また、上記細線のピッチは一の偏光子内に異なるピッチのものを含むものであっても良いが、通常、同一ピッチで形成される。
上記細線の本数および長さとしては、所望の消光比を有するものとすることができるものであれば特に限定されるものではなく、本発明の偏光子の用途等に応じて適宜設定されるものである。
2.透明基板
本発明の偏光子は上記細線を有するものであるが、通常、上記細線が形成される透明基板を有するものである。
上記透明基板としては、上記細線を安定的に支持することができ、光透過性に優れたものであり、露光光による劣化の少ないものとすることができるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、光学研磨された合成石英ガラス、蛍石、フッ化カルシウムなどを用いることができるが、通常、多用されており品質が安定している合成石英ガラスを挙げることができる。本発明においては、なかでも合成石英ガラスを好ましく用いることができる。品質が安定しており、また、短波長の光、すなわち、高エネルギーの露光光を用いた場合であっても劣化が少ないからである。
上記透明基板の厚みとしては、本発明の偏光子の用途やサイズ等に応じて適宜選択することができる。
3.偏光子
本発明の偏光子は、上記細線を有し、波長250nmの光の消光比が40以上のものである。
上記波長250nmの光の消光比(P波透過率/S波透過率)としては、40以上であれば特に限定されるものではないが、50以上であることが好ましく、なかでも60以上であることが好ましい。上記範囲であることにより、光配向層への配向規制力を安定的に付与できるからである。
また、上記消光比については大きければ大きい程好ましいので、特に上限は限定されるものではない。
なお、上記消光比の測定方法は、偏光子の分野における一般的な測定方法を用いることができ、例えば、紫外光の偏光特性を測定することが可能な透過型エリプソメータ、例えばウーラム社製VUV-VASEなどの透過型エリプソメータを用いることで測定することができる。
上記偏光子のP波透過率(出射光中のP波成分/入射光中のP波成分)としては、所望の消光比を得ることができるものであれば特に限定されるものではないが、波長250nmの光について0.3以上であることが好ましく、なかでも、0.4以上であることが好ましく、特に、0.6以上であることが好ましい。上記P波透過率であることにより、光配向層への配向規制力を効率的に付与できるからである。
なお、P波透過率の測定方法としては、偏光子の分野における一般的な測定方法を用いることができ、例えば、紫外光の偏光特性を測定することが可能な透過型エリプソメータ、例えばウーラム社製VUV-VASEなどの透過型エリプソメータを用いることで測定することができる。
上記偏光子の用途としては、紫外線領域のような短波長の光の直線偏光生成用に用いられることが好ましく、なかでも、波長200nm〜400nmの範囲内の光の直線偏光生成用であることが好ましい。
光配向膜の材料として、波長260nm程度の光で配向されるもの、300nm程度の光で配向されるもの、365nm程度の光で配向されるものが知られており、材料に応じた波長の光源ランプが使われている。これらの光配向膜の配向に上記モリブデンシリサイド系材料層を含む偏光子を用いることができるからである。
また、上記偏光材料の屈折率が2.0〜3.2の範囲内であり、かつ、上記偏光材料の消衰係数が2.7〜3.5の範囲内である場合には、上記偏光子は、200nm〜400nmの範囲内の光の直線偏光生成用であることが好ましく、なかでも、240nm〜400nmの範囲内の光の直線偏光生成用であることが好ましく、特に、240nm〜370nmの範囲内の光の直線偏光生成用であることが好ましい。上記偏光材料である場合には、上記光の波長が上述の範囲内で消光比およびP波透過率の両者に優れた特性を示すことができるからである。
紫外線領域において、広範囲に消光比とP波透過率が良好となることで、感度波長の異なる複数種類の光配向膜の材料にも同じ材料の偏光子を用いることができるからである。
また、上記偏光材料の屈折率が2.3〜2.8の範囲内であり、かつ、上記偏光材料の消衰係数が1.4〜2.4の範囲内である場合には、上記偏光子は、200nm〜350nmの範囲内の光の直線偏光生成用であることが好ましく、なかでも、240nm〜300nmの範囲内の光の直線偏光生成用であることが好ましく、特に、240nm〜280nmの範囲内の光の直線偏光生成用であることが好ましい。上記偏光材料である場合には、上記光の波長が上述の範囲内で消光比およびP波透過率の両者に優れた特性を示すことができ、また偏光光の偏光軸回転量の小さいものとすることができるからである。特に、波長260nm程度で配向する光配向膜の材料に好適に用いることができるからである。
なお、所定の波長範囲の光の直線偏光生成用とは、本発明の偏光子に照射される光が上記所定の波長範囲の光を含むものであれば良く、なかでも、所定の波長範囲の光を主として含む、すなわち、所定の波長範囲の光のエネルギーが偏光子に照射される光の全エネルギーの50%以上であることが好ましく、特に、全エネルギーの70%以上であることが好ましく、なかでも特に、全エネルギーの90%以上であることが好ましい。
また、本発明においては、液晶表示装置において液晶材料を挟持する液晶表示装置用光配向膜への配向規制力付与に用いられることが好ましい。光配向膜への配向規制力付与を効果的に行うことができるからである。
本発明の偏光子の製造方法について説明する。
図3は本発明の偏光子の製造方法の一例を示す工程図である。図3に例示するように、まず、上記偏光子の波長250nmの光の消光比を40以上とすることができる上記偏光材料の屈折率および消衰係数をシミュレーションにより決定し、その屈折率および消衰係数を満たす偏光材料を選択する(図示せず。)。次いで、透明基板1を準備し(図3(a))、上記透明基板上にスパッタリング法により、選択された偏光材料からなる偏光材料膜3´を形成することにより透明基板および透明基板上に形成され、偏光材料を含有する偏光材料膜を有する偏光子用基板を形成する(図3(b))。
なお、偏光子用基板としては、偏光材料膜3´上に、偏光材料加工用のハードマスクを設けても良い(図示せず)。
次に、フォトリソグラフィ法によりパターン状レジスト11を形成し、パターン状レジスト11をマスクとしてエッチングすることにより(図3(c))、偏光材料層3を含む細線2を形成するものである(図3(d))。
また、偏光材料層としてのモリブデンシリサイド系材料層3の表面に酸化膜を形成することで酸化ケイ素膜4が形成されるものであっても良い。
また、偏光子用基板が偏光材料膜上に形成されたハードマスクを有する場合は、レジスト11をエッチングマスクとしてハードマスクをエッチングし、パターン状にエッチングされたハードマスクをエッチングマスクにし偏光材料膜をエッチングすることができる。
このようにハードマスクをエッチングマスクとして用いることにより、偏光材料膜の微細なパターン加工がより高精度で可能となるといった利点がある。
その後ハードマスクを剥離することで所望の偏光子が得られる。ハードマスクを残したままでも所望の性能が得られる場合はハードマスクを残しても良い。
上記ハードマスクの材料は、偏光材料膜がモリブデンシリサイド系材料である場合は、クロム系材料を用いることができる。クロム系材料はモリブデンシリサイド系材料のエッチング時にエッチングマスクとして機能する。
クロム系材料としては、クロム、クロム酸化物、クロム窒化物、クロム酸化窒化物などを挙げることができる。
ハードマスクの厚みは偏光材料膜のエッチングに耐える厚みが好ましく、偏光材料膜が100nm程度の場合、5nm〜15nm程度の厚みが好ましい。
ハードマスクは偏光材料膜上にスパッタリング法などで形成することができる。
図4は、本発明に係る光配向装置の構成例を示す図である。
図4に示す光配向装置20は、本発明の偏光子10が収められた偏光子ユニット21と紫外光ランプ22を備えており、紫外光ランプ22から照射された紫外光を偏光子ユニット21に収められた偏光子10により偏光し、この偏光された光(偏光光24)をワーク26の上に形成された光配向膜25に照射することで、光配向膜25に配向規制力を付与するものである。
また、光配向装置20には、光配向膜25を形成したワーク26を移動させる機構が備えられており、ワーク26を移動させることにより、光配向膜25の全面に偏光光24を照射することができる。例えば、図4に示す例において、ワーク26は図中右方向(図4における矢印方向)に移動する。
なお、図4に示す例においては、ワーク26を矩形状の平板として示しているが、本発明において、ワーク26の形態は、偏光光24を照射することができるものであれば特に限定されず、例えば、ワーク26はフィルム状の形態であっても良く、また、巻取り可能なように帯状(ウェブ状)の形態であっても良い。
本発明において、紫外光ランプ22は、波長が240nm以上400nm以下の紫外光を照射することができるものであることが好ましく、また、光配向膜25は、波長が240nm以上400nm以下の紫外光に対して感度を有するものであることが好ましい。光配向装置20は、上記の波長の範囲の紫外光に対して消光比に優れ、高いP波透過率を有する本発明に係る偏光子10を備えているため、上記の波長の範囲の紫外光に感度を有する光配向膜に配向規制力を付与することを効率良く行うことができ、生産性を向上させることができるからである。
また、紫外光ランプ22からの光を効率良く偏光子に照射するために、光配向装置20は、紫外光ランプ22の背面側(偏光子ユニット21とは反対側)や側面側に紫外光を反射する反射鏡23を有していることが好ましい。
また、大面積の光配向膜25に対して効率良く配向規制力を付与するためには、図4に示すように、紫外光ランプ22に棒状のランプを用いて、ワーク26の移動方向(図4における矢印方向)に対して直交する方向に長い照射領域となる偏光光24が照射されるように、光配向装置20を構成することが好ましい。
この場合、偏光子ユニット21も大面積の光配向膜25に対して偏光光24を照射することに適した形態となるが、大面積の偏光子を製造することには困難性があるため、偏光子ユニット21内に、複数個の偏光子を配置することが、技術的にも経済的にも好ましい。
また、本発明に係る光配向装置は、複数個の紫外光ランプを備える構成であっても良い。
図5は、本発明に係る光配向装置の他の構成例を示す図である。
図5に示すように、光配向装置30は、2個の紫外光ランプ32を備えており、各紫外光ランプ32とワーク36の間には、それぞれ、本発明の偏光子10が収められた偏光子ユニット31が備えられている。また、各紫外光ランプ32には、それぞれ反射鏡33が備えられている。
このように、紫外光ランプ32を複数個備えることにより、紫外光ランプ32を1個備える場合よりも、ワーク36の上に形成された光配向膜35に照射する偏光光34の照射量を増加させることができる。それゆえ、紫外光ランプ32を1個備える場合よりも、ワーク36の移動速度を大きくすることができ、その結果、生産性を向上させることができる。
なお、図5に示す例においては、ワーク36の移動方向(図5における矢印方向)に2個の紫外光ランプ32を並列配置した構成を示しているが、本発明はこれに限らず、例えば、ワーク36の移動方向に直交する方向に、複数個の紫外光ランプを配置した構成であっても良く、さらに、ワーク36の移動方向及びそれに直交する方向の両方向に、複数個の紫外光ランプを配置した構成であっても良い。
また、図5に示す例においては、1個の紫外光ランプ32に対して1個の偏光子ユニット31が配設された構成を示しているが、本発明はこれに限らず、例えば、複数個の紫外光ランプに対して、1個の偏光子ユニットが配設された構成であっても良い。この場合、1個の偏光子ユニットは、複数個の紫外光ランプの照射領域を包含できる大きさを有していれば良い。
図6は、本発明に係る光配向装置における偏光子の配置形態の例を示す図である。なお、図6(a)〜(d)に示す偏光子の配置形態は、いずれも、平板状の偏光子10が光配向膜の膜面に対向して平面的に配列された形態を示している。
例えば、図4に示す光配向装置20において、ワーク26の移動方向に対して直交する方向に帯状の偏光光24を照射する場合は、偏光子ユニット21内には、図6(a)に示すように、ワーク26の移動方向(矢印方向)に対して直交する方向に、偏光子10を複数個配置することが効率的である。偏光子10の数を少なく抑えることができるからである。
一方、偏光子10の面積が小さい場合や、光配向装置が複数個の紫外光ランプを備える場合には、図6(b)に示すように、ワークの移動方向(矢印方向)に対して直交する方向に加えて、移動方向(矢印方向)に沿う方向にも、偏光子10を複数個配置することが好ましい。紫外光ランプからの光を無駄なく光配向膜に照射でき、生産性を向上させることができるからである。
ここで、本発明においては、図6(c)および図6(d)に示すように、複数個配置する偏光子が、ワークの移動方向(矢印方向)に沿って一列に揃わないように、隣り合う偏光子の位置を、ワークの移動方向に直交する方向(図中の上下方向)にシフトさせて配置することが好ましい。
言い換えれば、本発明においては、光配向膜の移動方向に直交する方向において隣り合う複数個の偏光子間の境界部が、光配向膜の移動方向に連続的に繋がらないように、複数個の偏光子が配置されていることが、好ましい。
偏光子間の境界部においては、通常、偏光光が生じないため、この境界部が光配向膜に与える弊害を抑制するためである。
ここで、図6(c)に示す配置形態は、配置される複数個の偏光子が、いずれも同じ形状、同じサイズを有し、左右方向において隣り合う偏光子の上下方向の位置が、偏光子の上下方向の大きさの1/2の大きさのステップで上下方向にシフトしている配置形態である。
また、図6(d)に示す配置形態は、配置される複数個の偏光子が、いずれも同じ形状、同じサイズを有し、左右方向において隣り合う偏光子の上下方向の位置が、偏光子の上下方向の大きさの1/2よりも小さいステップで上下方向にシフトしている配置形態である。
上記について、より詳しく説明する。
図6(c)に示す配置形態において、上下方向に隣接配置された偏光子10aと偏光子10bの境界部41は、左右方向に配置された偏光子10cと偏光子10dによって、左右方向に伸びていくことを阻まれている。
すなわち、図6(c)に示す配置形態においては、上下方向に隣接配置された偏光子間の境界部が左右方向に連続的に繋がっていくことを、阻止している。
それゆえ、図6(c)に示す配置形態を採用して、光配向膜に偏光光を照射する場合、上記偏光子間の境界部に起因する弊害が光配向膜に連続的に及ぶことを抑制することができる。
同様に、図6(d)に示す配置形態においても、上下方向に隣接配置された偏光子間の境界部が左右方向に連続的に繋がっていくことが、阻止されている。
それゆえ、図6(d)に示す配置形態を採用して、光配向膜に偏光光を照射する場合、上記偏光子間の境界部に起因する弊害が光配向膜に連続的に及ぶことを抑制することができる。
なお、図6(c)に示す配置形態においては、偏光子の上下方向の大きさの1/2の大きさのステップで上下方向にシフトしているため、左右方向(ワークの移動方向)に対して、偏光子2個毎に境界部41の上下方向の位置が揃うことになる。
一方、図6(d)に示す配置形態においては、偏光子の上下方向の大きさの1/2よりも小さいステップで上下方向にシフトしているため、境界部42の上下方向の位置は、より揃い難くなる。
それゆえ、図6(d)に示す配置形態においては、上記偏光子間の境界部に起因する弊害が光配向膜に連続的に及ぶことを、より抑制することができる。
なお、図6(a)〜図6(d)に示す例においては、個々の偏光子は、その側面が互いに接するように配置されているが、本発明は、この形態に限定されず、隣り合う偏光子間の境界部が隙間を有している形態であっても良い。
また、隣り合う偏光子の端部を互いに重ねることにより、偏光子間の境界部に隙間が生じない形態としても良い。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例1]
膜厚が80nm幅およびピッチが72nmおよび120nm、偏光材料からなる偏光材料層のみを含む細線モデルについて、「回折光学素子の数値解析とその応用」(丸善出版、小館香椎子慣習)に記載のRCWA(Rigorous Coupled Wave Analysis)に基づいて、屈折率および消衰係数に対する波長250nmの光の消光比のシミュレーションを行った。結果を下記表1に示す。
表1より、MoSi系材料により可能な屈折率が2.0〜3.0の範囲内でありかつ消衰係数が2.7〜3.5の範囲内である場合において、消光比が40以上(200.4〜1203.8の範囲内)の値を示した。
[実施例2]
細線モデルを、膜厚が80nm、幅およびピッチが60nmおよび120nmの細線モデルとした以外は実施例1と同様のシミュレーションを行った。結果を下記表2に示す。
表2より、MoSi系材料により可能な屈折率が2.0〜3.0の範囲内でありかつ消衰係数が2.7〜3.5の範囲内である場合において、消光比が40以上(72.9〜263.9の範囲内)を示した。
[実施例3]
細線モデルを、膜厚が80nm、幅およびピッチが48nmおよび120nmの細線モデルとした以外は実施例1と同様のシミュレーションを行った。結果を下記表3に示す。
表3より、MoSi系材料により可能な消衰係数が2.7〜3.1の範囲内でありかつ屈折率が2.2〜3.0の範囲内である場合(条件3−1)、消衰係数が3.2〜3.3の範囲内でありかつ屈折率が2.1〜3.0の範囲内である場合(条件3−2)、または消衰係数が3.4〜3.5の範囲内でありかつ屈折率が2.0〜3.0の範囲内である場合(条件3−3)において、消光比が40以上を示した。なお、具体的な消光比としては、条件3−1では41.8〜85.1の範囲内、条件3-2では40.9〜79.7の範囲内、条件3-3では40.0〜80.1の範囲内であり、本細線モデル全体の消光比の値としては40.0〜85.1の範囲内を示した。
[実施例4]
細線モデルを、膜厚が60nm、幅およびピッチが72nmおよび120nmの細線モデルとした以外は実施例1と同様のシミュレーションを行った。結果を下記表4に示す。
表4より、MoSi系材料により可能な屈折率が2.0〜3.0の範囲内でありかつ消衰係数が2.7〜3.5の範囲内である場合において、消光比が40以上(52.8〜309.6の範囲内)を示した。
[実施例5]
細線モデルを、膜厚が60nm、幅およびピッチが60nmおよび120nmの細線モデルとした以外は実施例1と同様のシミュレーションを行った。結果を下記表5に示す。
表5より、MoSi系材料により可能な消衰係数が2.7〜2.9の範囲内でありかつ屈折率が2.4〜3.0の範囲内である場合(条件5−1)、消衰係数が3.0〜3.3の範囲内でありかつ屈折率が2.3〜3.0の範囲内である場合(条件5−2)、または消衰係数が3.4〜3.5の範囲内でありかつ屈折率が2.2〜3.0の範囲内である場合(条件5−3)において、消光比が40以上を示した。なお、具体的な消光比としては、条件5−1では43.4〜85.1の範囲内、条件5-2では40.2〜78.1の範囲内、条件5-3では41.2〜76.9の範囲内であり、本細線モデル全体としては、消光比の値は40.2〜85.1の値を示した。
[実施例6]
細線モデルを、膜厚が60nm、幅およびピッチが48nmおよび120nmの細線モデルとした以外は実施例1と同様のシミュレーションを行った。結果を下記表6に示す。
表6より、MoSi系材料により可能な、屈折率が2.0〜3.0の範囲内でありかつ消衰係数が2.7〜3.5の範囲内の場合では消光比40以上の領域はなかったが、消衰係数が1.5〜2.4の範囲内でありかつ屈折率が2.6〜3.0の範囲内の一部の条件で消光比が40以上(41.7〜493.0の範囲内)を示した。
[実施例7]
細線モデルを、膜厚が40nm、幅およびピッチが72nmおよび120nmの細線モデルとした以外は実施例1と同様のシミュレーションを行った。結果を下記表7に示す。
表7より、MoSi系材料により可能な消衰係数が3.0〜3.5の範囲内でありかつ屈折率が3.0である場合において、消光比が40以上(40.0〜42.4の範囲内)を示した。
[参考例1]
細線モデルを、膜厚が40nm、幅およびピッチが60nmおよび120nmの細線モデルとした以外は実施例1と同様のシミュレーションを行った。結果を下記表8に示す。
表8より、消光比40以上を示す条件は得られなかった。
[参考例2]
細線モデルを、膜厚が40nm、幅およびピッチが48nmおよび120nmの細線モデルとした以外は実施例1と同様のシミュレーションを行った。結果を下記表9に示す。
表9より、消光比40以上を示す条件は得られなかった。
(シミュレーションまとめ)
表1〜9の屈折率および消衰係数と消光比との相関関係を示す表より、屈折率および消衰係数の範囲を網掛け部分から選択することにより消光比を40以上とすることができることが確認できた。
例えば、実施例1(膜厚86μm、幅72μm、ピッチ120μm)の細線(偏光材料層)の場合では、屈折率を2以上、消衰係数1.5〜3.5の範囲内で消光比を40以上とすることができることが確認できた。
[実施例8]
透明基板として膜厚6.35mmの合成石英ガラスを準備し、モリブデンとシリコンとの混合ターゲット(Mo:Si=1:2mol%)を用いアルゴン窒素の混合ガス雰囲気で反応性スパッタリング法により、モリブデンシリサイド系材料膜として、膜厚120nmの窒化したモリブデンシリサイド膜を形成した。また、窒素の量はMoの含有量の半分程度であった。
さらにモリブデンシリサイド膜上に、ハードマスクとして酸化窒化クロム膜を7nmでスパッタリング法で形成した。
次いで、ハードマスク上に、ピッチが100nmのラインアンドスペースパターンを有するパターン状レジストを形成した。その後、エッチングガスとして塩素と酸素の混合ガスを用いてクロム系材料のハードマスクをドライエッチングし、続いてSFを用いて、モリブデンシリサイド系材料膜をドライエッチングし、その後ハードマスクを剥離することにより、偏光子を得た。
得られた偏光子の細線の幅、厚み、およびピッチをVistec社製SEM測定装置LWM9000とVEECO社製AFM装置DIMENSION−X3Dにより測定したところ、それぞれ、34nm、120nm、および100nmであった。
(細線の構造評価)
実施例8の偏光子の細線について透過型エリプソメータ(ウーラム社製VUV-VASE)により構造を評価した。
その結果、上記細線が、幅および厚みがそれぞれ29.8nmおよび115.8nmのモリブデンシリサイド系材料からなるモリブデンシリサイド系材料層と、上記モリブデンシリサイド系材料層の上面の膜厚および側面の膜厚がそれぞれ4.2nmおよび4.2nmnmの酸化ケイ素からなる酸化膜と、を有することが確認できた。
また、モリブデンシリサイド系材料層の屈折率および消衰係数、すなわち、モリブデンシリサイド系材料(Mo:Si=1:2mol%)の屈折率および消衰係数を、透過型エリプソメータ(ウーラム社製VUV-VASE)を用いて測定したところ、波長250nmにおける屈折率nは、2.30であり、波長250nmにおける消衰係数kは、3.24であった。なお、波長365nmでの屈折率nは3.94であり、消衰係数kは2.85であった。
(P波透過率およびS波透過率の測定)
実施例8の偏光子について透過型エリプソメータ(ウーラム社製VUV-VASE)により、波長200nm〜700nmの範囲内の紫外光のP波透過率(出射光中のP波成分/入射光中のP波成分)およびS波透過率(出射光中のS波成分/入射光中のS波成分)を測定し、消光比(P波透過率/S波透過率)を算出した。結果を表10および図7に示す。
表10および図7に示すように、波長240nm〜400nmの範囲において、偏光子のP波透過率は70.5%以上であり、消光比は79.5%以上であった。
なお、波長240nm〜260nmの範囲において、偏光子のP波透過率は70.5%以上であり、消光比は79.5以上であった。
また、波長280〜320nmの範囲において偏光子のP波透過率は73.7%以上であり、消光比は208.5以上であった。
また、波長355nm〜375nmの範囲において、偏光子のP波透過率は79.6%以上であり、消光比は346.5以上であった。
光配向膜の材料として、波長260nm程度の光で配向されるもの、300nm程度の光で配向されるもの、365nm程度の光で配向されるものが知られており、以上の性能により、各種類の光配向膜に用いることができ、特に365nm程度の光で配向される光配向膜の材料に好適に用いることができることが確認できた。
また、波長200nm以上600nm以下の範囲において、実施例8の偏光子のS波透過率は8.44%以下であり、消光比は10.9以上であった。
また、波長220nm以上500nm以下の範囲において、実施例8の偏光子のS波透過率は2.69%以下であり、消光比は33.5以上であった。
実施例8の偏光子は波長200nmから600nm程度まで10以上の消光比を保っていることを確認できた。
一般に、光配向膜の吸収スペクトルは、特定の波長範囲においてピークを持つものの、広い波長範囲で光を吸収することが知られている。
そのため、従来の偏光子においては、消光比が低くなる波長範囲の光をバンドパスフィルターによりカットしていた。例えば、アルミから構成される細線を備えた偏光子では、300nm以下の波長範囲の光をカットしており、酸化チタンから構成される細線を備えた偏光子では、300nm以上の波長範囲の光をカットしていた。
しかしながら、上記の方法では、光のカットにより、光配向膜に配向規制力を付与する効率も低下してしまうという不具合があった。
一方、本発明の偏光子は、上記のように広い波長範囲において一定以上の消光比を確保できるため、バンドパスフィルターを用いる必要はなくなり、広い波長範囲の光を、光配向膜への配向規制力の付与に効率的に用いることができることが確認できた。
[実施例9]
図8に示す偏光子10に対し、波長250nmの光が、細線が形成された側から方位角45度、入射角60度で入射する場合について、「回折光学素子の数値解析とその応用」(丸善出版、小館香椎子慣習)に記載のRCWA(Rigorous Coupled Wave Analysis)に基づくシミュレーションモデルを作成し、偏光材料の屈折率n及び消衰係数kと、偏光子から出射する偏光光の偏光軸の回転量(°)の関係を算出した。結果を下記表11および図9に示す。
なお、この実施例9のシミュレーションモデルにおいては、計算を容易とするために、図8に示す偏光子10の細線は、偏光材料からなる偏光材料層(単層構造)の細線モデルとした。偏光子10の細線の厚みは100nm、幅は33nm、ピッチは100nmとした。
また、偏光軸の回転量は、入射光の入射角が0度の場合の偏光軸の方向を基準とし、この方向からの回転量(回転角度)を示している。
図9に示すグラフにおいては、m、n、o、p、qおよびrで示される屈折率nと消衰係数kの範囲は、それぞれ、方位角45度で入射角60度における、偏光軸の回転量が+6度から+9度、+3から+6度、0度から+3度、−3度から0度、−6度から−3度および−9度から−6度となる範囲を示すものである。したがって、図9に示すグラフにおいては、方位角45度で入射角60度における、偏光軸の回転量が−3.0度から+3.0度となる屈折率nと消衰係数kの範囲を白色の領域として表している。なお、上記の白色の領域の略中央を通る黒線は、偏光軸の回転量が0度となる屈折率nと消衰係数kを示している。
一方、偏光軸の回転量が−6.0度から−3.0度となる屈折率nと消衰係数kの範囲、および、偏光軸の回転量が+3.0度から+6.0度となる屈折率nと消衰係数kの範囲は、図9に示すグラフにおいて、薄い灰色の領域として表されている。
表11および図9に示すように、細線2を構成する偏光材料の屈折率nと消衰係数kの範囲を適切に選ぶことで、偏光子に入射する光の入射角が大きくなる場合であっても、偏光光の偏光軸の回転を抑制することができることが確認できた。
[実施例10]
次に、図10に示す偏光子10に対し、波長250nmの光が、細線が形成された側から方位角0度、入射角0度で入射する場合について、「回折光学素子の数値解析とその応用」(丸善出版、小館香椎子慣習)に記載のRCWA(Rigorous Coupled Wave Analysis)に基づくシミュレーションモデルを作成し、細線を構成する偏光材料の屈折率n及び消衰係数kと、消光比の関係を算出した。結果を下記表12および図11に示す。
なお、この実施例10のシミュレーションモデルにおいては、計算を容易とするために、図10に示す偏光子10の細線は、偏光材料からなる偏光材料層(単層構造)の細線モデルとした。偏光子10の細線の厚みは100nm、幅は33nm、ピッチは100nmとした。
図11において、s、t、uおよびvで示される屈折率nと消衰係数kの範囲は、それぞれ、方位角0度で入射角0度における、消光比が10から10、10から10、10から10、10から10および1から10となる範囲を示すものである。
また、表11および表12ならびに図9および図11に基づいて、各屈折率及び各消衰係数と偏光軸の回転量の関係と、各屈折率及び各消衰係数と消光比の関係と、を比較すると、屈折率が同じまたは近い値では、偏光軸回転量が最小となる消衰係数より、消衰係数が高い材料を偏光材料として用いることで、消光比を高くできることが確認できた。
モリブデンシリサイド(MoSi)系材料を用いる場合、組成の調節や、酸素や窒素の含有量の調節により、波長250nmにおける屈折率nと消衰係数kの範囲を、2.2≦n≦3.0であって0.7≦k≦3.5程度の範囲とすることができる。そのなかで高い消光比を実現し、偏光軸の回転量も同時に抑えることができる屈折率と消衰係数は、屈折率が2.3〜2.8の範囲内であり、かつ消衰係数が1.4〜2.4の範囲内であることが確認できた。
そのなかでも特に、屈折率が2.3〜2.8の範囲内であり、かつ消衰係数が1.7〜2.2の範囲内であることが好ましく、特に、屈折率が2.4〜2.8の範囲内であり、かつ消衰係数が1.8〜2.1の範囲内であると効果がより顕著になることが確認できた。
[実施例11]
波長250nmにおける偏光材料の屈折率nおよび消衰係数kを、それぞれ、2.66および1.94とし、細線の厚みを150nmとした以外は、実施例9と同様にして、RCWA(Rigorous Coupled Wave Analysis)に基づくシミュレーションモデルを作成し、入射角(0°、10°、20°、30°、40°および50°)に対する偏光子から出射する偏光光の偏光軸の回転量の関係を算出した。結果を図12に示す。
[実施例12]
偏光材料の屈折率nおよび消衰係数kを、それぞれ、250nm波長における屈折率nを2.66および消衰係数kを1.94とし、細線の厚みを170nmとした以外は、実施例11と同様にして、入射角(0°、10°、20°、30°、40°および50°)に対する偏光子から出射する偏光光の偏光軸の回転量の関係を算出した。結果を図12に示す。
[実施例13]
偏光材料の屈折率nおよび消衰係数kを、それぞれ、250nm波長のおける屈折率nを2.29および消衰係数kを3.24とし、細線の厚みを100nmとした以外は、実施例11と同様にして、入射角(0°、10°、20°、30°、40°および50°)に対する偏光子から出射する偏光光の偏光軸の回転量の関係を算出した。結果を図12に示す。
図12より、偏光材料がモリブデンシリサイド系材料であっても、屈折率および消衰係数により、偏光軸の回転量、すなわち、軸ずれに対する影響度が異なることが確認できた。
屈折率nを2.66および消衰係数kを1.94とした材料では、幅広い入射角度の入射光に対して偏光軸の軸ずれが少ないことが確認できた。
[実施例14]
透明基板として膜厚6.35mmの合成石英ガラスを準備し、モリブデンとシリコンとの混合ターゲット(Mo:Si=1mol%:2mol%)を用い、アルゴン、窒素、酸素の混合ガス雰囲気で反応性スパッタリング法により、モリブデンシリサイド系材料膜を形成した。実施例8の膜の成膜に比べ、屈折率を調整するため窒素を増やし、消衰係数の調節のため酸素を若干導入した。膜厚は100nmとした。
さらにモリブデンシリサイド系材料膜上に、ハードマスクとして酸化窒化クロム膜を7nmでスパッタリング法で形成した。
以後は、実施例8と同様にして、エッチングすることによって、偏光子を得た。
得られた偏光子の細線の幅、厚み、およびピッチは、それぞれ、36nm、100nm、および100nmであった。
(細線の構造評価)
実施例14の偏光子の細線について透過型エリプソメータ(ウーラム社製VUV-VASE)により構造を評価した。
その結果、上記細線が、幅および厚みがそれぞれ31.8nmおよび95.8nmのモリブデンシリサイド系材料からなるモリブデンシリサイド系材料層と、上記モリブデンシリサイド系材料層の上面の膜厚および側面の膜厚がそれぞれ4.2nmおよび4.2nmnmの酸化ケイ素からなる酸化膜と、を有することが確認できた。
また、モリブデンシリサイド系材料層の屈折率および消衰係数、すなわち、モリブデンシリサイド系材料(Mo:Si=1mol%:2mol%)の250nm波長における屈折率nは、2.66であり、消衰係数kは、1.94であった。
(P波透過率およびS波透過率の測定)
実施例8と同様にしてP波透過率およびS波透過率を測定し、消光比を算出した。結果を表13および図13に示す。
表13および図13に示すように、波長200nm〜350nmの範囲において偏光子のP波透過率は48%以上であり、消光比は40以上であった。なかでも、240nm〜300nmの範囲内において偏光子のP波透過率は61%以上であり、消光比は142以上であった。特に、240nm〜280nmの範囲内の範囲内において偏光子のP波透過率は61%以上であり、消光比は220以上であった。
本実施例の偏光子は特に、波長260nm程度で配向する光配向膜の材料に好適に用いることができることが確認できた。
1 … 透明基板
2 … 細線
3 … 偏光材料層
4 … 非偏光材料層
10、10a、10b、10c、10d … 偏光子
20、30 … 光配向装置
21、31・・・偏光子ユニット
22、32・・・紫外光ランプ
23、33・・・反射鏡
24、34・・・偏光光
25、35・・・光配向膜
26、36・・・ワーク
41、42・・・境界部

Claims (11)

  1. 直線状に複数本が並列に配置された細線を有し、
    前記細線が、偏光材料を含有する偏光材料層を有し、
    波長250nmの光の消光比が40以上であることを特徴とする偏光子。
  2. 前記偏光子が光配向膜への配向規制力付与用であり、
    紫外線領域の波長の光の直線偏光生成用であることを特徴とする請求項1に記載の偏光子。
  3. 前記偏光材料の屈折率が2.0〜3.2の範囲内であり、
    前記偏光材料の消衰係数が2.7〜3.5の範囲内であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の偏光子。
  4. 前記偏光材料の屈折率が2.3〜2.8の範囲内であり、
    前記偏光材料の消衰係数が1.4〜2.4の範囲内であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の偏光子。
  5. 前記偏光材料がモリブデンシリサイド系材料であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の偏光子。
  6. 前記偏光材料層の膜厚が40nm以上であり、
    前記偏光材料層間のピッチが150nm以下であることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載の偏光子。
  7. 透明基板と、
    前記透明基板上に形成され、偏光材料を含有する偏光材料膜と、
    を有し、
    前記偏光材料膜は、屈折率が2.0〜3.2の範囲内であり、消衰係数が2.7〜3.5の範囲内であることを特徴とする偏光子用基板。
  8. 透明基板と、
    前記透明基板上に形成され、偏光材料を含有する偏光材料膜と、
    を有し、
    前記偏光材料膜は、屈折率が2.3〜2.8の範囲内であり、消衰係数が1.4〜2.4の範囲内であることを特徴とする偏光子用基板。
  9. 前記偏光材料がモリブデンシリサイド系材料であることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の偏光子用基板。
  10. 紫外光を偏光して光配向膜に照射する光配向装置であって、
    請求項1から請求項6までのいずれかの請求項に記載の偏光子を備え、
    前記偏光子により偏光した光を前記光配向膜に照射することを特徴とする光配向装置。
  11. 前記光配向膜を移動させる機構が備えられており、
    前記偏光子が前記光配向膜の移動方向および前記光配向膜の移動方向に直交する方向の両方向に複数個備えられており、
    前記光配向膜の移動方向に直交する方向において隣り合う前記複数個の偏光子間の境界部が、前記光配向膜の移動方向に連続的に繋がらないように、前記複数個の偏光子が配置されていることを特徴とする請求項10に記載の光配向装置。
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