JP2015117780A - ボールねじ - Google Patents
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Abstract
【課題】ボールねじの負荷分布のばらつきを均一化し、特定位置のボールに発生する応力集中を低減することにより、ボールねじのサイズを大きくせずにコンパクトで高い負荷容量を実現するボールねじを提供することを課題とする。【解決手段】外面にボールねじ溝2aを有するねじ軸2と、そのボールねじ溝2aに対向するボールねじ溝を内面に有する少なくとも1つのボールナット3と、ボールナット3のボールねじ溝と上記ねじ軸のボールねじ溝2aとにより形成された螺旋状通路と該通路内を循環する多数のボールと、そのボールの戻り路5、6、7とを備え、上記螺旋状通路とボールナット3に設けたボールの戻り路5、6、7とにより形成される循環路X、Y、Zが3回路以上であるボールねじにおいて、前記循環路X、Y、Zのうち少なくとも2回路を円周方向に同一位相とし、残りの回路を他の回路に対して円周方向に180?反転させている。【選択図】図1
Description
本発明は、回転運動を直線運動に変換するボールねじに関するものである。特に、高負荷用途に使用されるボールねじの寿命を延長する技術に関する。
従来のボールねじの、ねじ軸やボールナットのボールねじ溝の形状は、ボールねじ溝と玉との初期接触角が45°程度、最大接触角が65°程度になるように形成されていた。これは加工性、作動性、負荷容量などのバランスを考慮したものである。
複数回路のボール循環路を有するボールねじは、複数の循環チューブの取付け位置を円周方向同位相で軸方向に配列させる設計が通常であった。これは加工工程を少なくするためである。例えば、図7に示すようなボールの循環路を3回路有するチューブ循環方式の場合、各回路の循環チューブ50a、50b、50cの取付け位置を同位相としている。
ボールねじを各種機械装置に適用する場合、ボールねじの選定は、当該ボールねじの使用条件に十分耐え得る様に安全率を大きめに設定した上で行われていた。このとき、安全率を大きくするには、ボールねじの軸径を大きくするのが効果的である。しかしながら、ボールねじの軸径を大きくできない場合は、ボールナット内に設ける循環路の回路数を増やし、ボールの数を増やすことで対処することが行われていた。或いは、ボールねじ溝のリードを大きくし、直径の大きなボールを使用することで対処していた。
なお、上記従来の選定においては、ボールねじの軸径を大きくする場合も含めて、次のように対処するのが通常であった。ボールねじ選定時の荷重条件は、ねじ軸52とボールナット51との間を転動している各ボールには全て均等に荷重が掛かると仮定される。この場合の各ボールにかかる荷重は、ボールねじ全体に掛かる荷重をボールナット51内の有効ボール数で除算されたものである。ここで、有効ボールとは、ねじ軸52とボールナット51との間を実際に転動しているボールのことである。すなわち、循環路内のボールは有効ボールに含まれない。この仮定された荷重を基にねじ溝とボールの接触面圧を算出する。この接触面圧の値と、実験等により得られたボールねじの機能、寿命等のデータベースとを比較することにより、適切なボールねじを選定する。
実際には、有効ボールの全てに対し均等に荷重が掛かるのではない。負荷を受けたときのねじ軸52及びボールナット51の弾性変形により、ボールナット51内における軸方向の負荷分布はばらつきが生じる。当該ボールねじのボールナット51に軸方向のアキシアル荷重Faが、また、ねじ軸52にアキシアル荷重Fa’が図8に示すような方向に負荷された場合、ボールナット51及びねじ軸52の各ボールねじ溝51a、52a位置における軸方向に沿った弾性変位量の分布は、それぞれ上記図8に矢符号で表されるようになる。このねじ軸52の弾性変位量とボールナット51の弾性変位量とに応じて、ボールナット51の両端部のボールと、そのボールに接触する各ボールねじ溝51a、52aとの接触点に応力集中が起きることが分かる。例えば、ボールねじで支持される加工テーブルで重切削するときにはこの傾向が顕著である。
各ボールは、順次、ボールねじ溝51a、52aから循環チューブ50に掬い上げられてチューブ50内を通って循環する。そのためボールナット51と対向するねじ軸52の軌道上にはボールがない部分が存在する。このため、円周方向にも負荷分布のばらつきが発生し、有効ボールの一部に高負荷が掛かることになる。即ち、図9に表されるように、ボールナット51内の各回路のボール1は、ボールねじ溝から循環チューブ50への掬い上げにより循環する。図10は、この状態を軸方向からみたところを機構的に示したものである。円周方向でのβ角度の範囲部分のボール数が相対的に少なくなり、そのβ角度の範囲内のボールに加わる負荷が相対的に大きくなる。
以上のような、ボールナット51の両端部のボールとボールねじ溝との接触部位への応力集中及び特定範囲内のボールへの負荷増大という懸念がある。このことから、従来のボールねじにおいては、設計時の安全率を大きく設定しないと、ねじ軸52又はボールナット51の各ボールねじ溝51a、52a表面の早期剥離、または、異常摩耗を引き起こすという問題があった。
また、特に高負荷用途では、安全率を大きく設定するとボールねじが大型化し、目的の仕様に合わなくなったり、コスト高になったりしてしまうという問題があった。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたものである。即ち、ボールねじの負荷分布のばらつきを均一化し、特定位置のボールに発生する応力集中を低減できるボールねじを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に係るボールねじは、外面にボールねじ溝を有するねじ軸と、該ねじ軸のボールねじ溝に対向するボールねじ溝を内面に有する少なくとも1つのボールナットと、該ボールナットのボールねじ溝と上記ねじ軸のボールねじ溝とにより形成された螺旋状通路と、該螺旋状通路内を循環する複数のボールと、該ボールナットに設けられた該複数のボールの戻り路とを備え、上記螺旋状通路と戻り路とにより形成される循環路が3回路以上であるボールねじにおいて、前記循環路のうち少なくとも2回路を円周方向に実質的に同位相とし、残りの回路を他の回路に対して円周方向に180°反転させたことを特徴としている。
前記循環路の回路数は偶数であって、そのうちの半数の循環路は円周方向に実質的に同位相とする。また、残りの循環路は他の循環路に対して円周方向に180°反転させたものとすることができる。
また、前記循環路のうち少なくとも2回路を円周方向に同一位相とし、残りの回路を他の回路に対して円周方向に180°反転させたものとすることもできる。
或いは、前記循環路の回路数は奇数であって、そのうちの(n/2)+0.5回路の循環路(但しnは循環路の回路数)は円周方向に同一位相とされ、残りの循環路は他の循環路に対して円周方向に180°反転させたものとすることができる。
請求項2に係るボールねじは、外面にボールねじ溝を有するねじ軸と、該ねじ軸のボールねじ溝に対向するボールねじ溝を内面に有する少なくとも1つのボールナットと、該ボールナットのボールねじ溝と上記ねじ軸のボールねじ溝とにより形成された螺旋状通路と、該螺旋状通路内を循環する多数のボールと、該多数のボールの戻り路とを備え、上記螺旋状通路とボールナットに設けたボールの戻り路とにより形成される循環路が3回路以上であるボールねじにおいて、前記循環路のうち少なくとも2回路を円周方向に同一位相とし、残りの回路を他の回路に対して円周方向に180°反転させ、且つ全循環路のうち少なくとも1回路を他の回路に対して軸方向にオフセットさせたことを特徴としている。
本発明では、円周方向の負荷分布のばらつきについて、3回路以上の循環路のうちの少なくとも2回路を円周方向に同一位相とし、残りの回路を他の回路に対し円周方向に180°反転させている。つまり、1回路の円周方向でのボールの少ない部分(負荷が大きい部分)と他の回路の円周方向でのボールの少ない部分(負荷が大きい部分)とが円周方向に180°反転している。この結果、円周方向におけるボールの少ない部分が分散平均化されて円周方向での負荷分布のばらつきが低減する。
なお、各回路でのボールの少ない部分の範囲は、180°よりも小さい角度範囲に収まるので、180°反転することで、少なくとも2回路の円周方向でのボールの少ない部分と残りの回路の円周方向でのボールの少ない部分とが円周方向で重なることはない。
また、軸方向の負荷のばらつきに対しては、循環路が3回路以上であるボールねじにおける全循環路のうち少なくとも1回路を、ボールナットに加わるアキシアル荷重の負荷方向に応じて軸方向にオフセットさせる。これにより、ボールナット側における当該オフセットさせたボールねじ溝回路内のボールに予圧が付与されることとなり、当該ボールねじ溝の弾性変位量は、オフセットさせない場合に比べて大きくなる。そして当該オフセットさせた回路内のボールによる負荷分担量が増大し、且つオフセットしない状態で応力集中が生じるナット端部側の回路位置での負荷分担量が減少する。この結果、ボールナットにおける軸方向の負荷分布が平均化されてばらつきが低減する。
以上説明してきたように、本発明のボールねじを採用すると、簡単な手段によって、ねじ軸とボールナットとの間を転動している複数のボールに対する負荷分布が平均化する。つまり、一部のボールに発生する応力集中が低減される。従って、ボールねじの外径を大きくすることなく、従来よりも負荷容量が大きくなるという効果がある。
即ち、ボールねじのサイズを大きくすることなく負荷容量が増大するため、高負荷用途(例えば、射出成形機、モールディング、パワーシリンダ)への適用が、更に容易になる。
(第1の実施形態)
図面を参照し本発明の第1の実施形態を説明する。まず構成について説明する。図1に示すように、ねじ軸2の外周に複数のボールを介してボールナット3が螺合している。該ねじ軸2又はボールナット3の一方が相対回転することで、ボールナット3がねじ軸2に対し直線移動をする。
図面を参照し本発明の第1の実施形態を説明する。まず構成について説明する。図1に示すように、ねじ軸2の外周に複数のボールを介してボールナット3が螺合している。該ねじ軸2又はボールナット3の一方が相対回転することで、ボールナット3がねじ軸2に対し直線移動をする。
概略構成図である図2に示すように、ねじ軸2の外周面には、雌ねじ状のボールねじ溝2aが設けられている。また、ボールナット3の内周面にも、上記ねじ軸2のボールねじ溝2aと径方向で対向する位置に雌ねじ状のボールねじ溝9が設けられている。その両ボールねじ溝2a、9間に複数のボール1(図2では斜線で表している)が介装され、当該ボール1はボールねじ溝2aに沿って転動し且つ循環する。
また、本実施形態のボールねじは、3回路のボール循環路を有するチューブ方式のボールねじである。上記ボールナット3のボールねじ溝9は、上記図2のように、軸方向に沿って3つの区画に分けられている。各区画におけるボールねじ溝9の両端部は、それぞれ戻り路を形成する循環チューブ5、6、7によって連結されている。これにより3回路のボール循環路が形成される。なお、説明の便宜上、図1及び図2における左側から第1回路X、第2回路Y、第3回路Zとする。
本実施形態では、第1及び第3回路X、Zの循環チューブ5、7取付け位置に対し、上記図1に示すように、2回路目Yの循環チューブ6取付け位置を、円周方向180°反転した位置に設けている。
第2回路Y目の循環路は、図2に示すように、第3回路Z側に数十μmだけ近づけるように軸方向にオフセットしている。即ち、ボールナット3における第1回路Xのボールねじ溝9aと第2回路Yのボールねじ溝9bとの間のリードLaを、各ボールねじ溝9a、9b、9cのリードLより数十μm(α)だけ多くする(La=L+α)。それと同時に、第2回路Yのボールねじ溝9bと第3回路Zのボールねじ溝9cとの間のリードLbを前記リードLより数十μm(α)だけ小さく設定(Lb=L−α)している。なお、当然にねじ軸2側のボールねじ溝2aのリードは等間隔である。
ボールねじの負荷容量を大きくするには、ボール1の接触角の大きさ、ボールねじ溝2a、9の曲率半径をできる限り大きくしたいところである。しかし、図4に示すように接触角を過大に大きくした状態で軸方向の負荷を掛けると、接触楕円Fの端部がボールねじ溝2a、9の溝端からはみ出して切れてしまう。接触楕円Fの一部が切れると負荷される応力が大きくなり、ボールねじの寿命が極端に悪くなる。このため、本実施形態では、図3に示すように、初期接触角Dを50°以上55°以下、最大接触角Eを75°以下としている。
好ましくは、初期接触角51°以上54°以下、且つ最大接触角は72°以下である。
また、各ボール1については、ボールねじ溝9のリードLに対して、下式のような関係となるボール径Daのものを使用している。
0.7≦(Da/L)
従来においては、Da/Lを0.7以上に設定すると、循環チューブの外径が隣のボールねじ溝に干渉する可能性があるために、Da/Lを0.7未満に設定していた。これに対して、本実施形態では、ボールねじ溝からチューブへのボール1の、掬い上げ部分の軸方向の角度を従来より大きい方向に変更することで、Da/Lを0.7以上に設定できるようにしている。
0.7≦(Da/L)
従来においては、Da/Lを0.7以上に設定すると、循環チューブの外径が隣のボールねじ溝に干渉する可能性があるために、Da/Lを0.7未満に設定していた。これに対して、本実施形態では、ボールねじ溝からチューブへのボール1の、掬い上げ部分の軸方向の角度を従来より大きい方向に変更することで、Da/Lを0.7以上に設定できるようにしている。
次に、上記構成のボールねじの作用効果等について説明する。第2回路Y目の循環路位置を第3回路Z側にオフセットすることで、第2回路Y部分のボールねじ溝9b内のボールに予圧が付与されている。そのためボールナット3にアキシアル荷重Faが負荷されたときの当該ボールねじ溝9bの弾性変位量は、オフセットさせない場合に比べて大きくなり、ボールとの接触面積が増大する。これにより当該オフセットさせた回路Y内のボールによる負荷分担量が増大し、且つオフセットしない状態で応力集中が生じるナット端部側の回路である第1回路X及び第3回路Zの負荷分担量が減少する。そのため、ボールナット3における軸方向の負荷分布が平均化されてばらつきが低減する。
第2回路Yの循環チューブ6の取付け位置は、第1回路X及び第3回路Zの循環チューブ5及び7の取付け位置に対し、円周方向180°反転させている。これにより、円周方向における第1回路X及び第3回路Zでの有効ボール数が少ない部分と、第2回路Yでの有効ボール数が少ない部分とが円周方向で重なることが回避される。つまり、円周方向における無負荷圏(ボール1が存在しない部分)が分散することで、円周方向での各有効ボール1に対する負荷分布のばらつきが抑えられる。
以上のように、有効ボール(ねじ軸2とボールナット3間を転動しているボール1)に対する軸方向及び円周方向の負荷分布が従来よりも均一化する。したがって、各有効ボールに対する負荷分布、さらにはそのボールに接触するねじ軸2とボールナット3の各ボールねじ溝2a、9に対する負荷分布が平均化し負荷容量が増大する。
また、本実施形態では、ボール1の初期接触角E及び最大接触角Fを従来よりも大きくすると共にDa/Lを0.7以上に設定することで、さらに負荷容量の増大が図られている。
玉径が10mm以上の場合にも効果があると想定される。電動射出成形機用ボールねじであれば、下式のような関係となるボール径Daのものが好ましい。
0.7≦(Da/L)≦0.9(即ち、DaはLの70〜90%)
0.7≦(Da/L)≦0.9(即ち、DaはLの70〜90%)
なお、本実施形態では、第1回路Xの循環チューブ5の取付け位置に対して、第2回路Yの循環チューブ6の取付け位置だけを180°反転しているが、第3回路Zの循環チューブ7の取付け位置も第1回路Xの循環チューブ5の取付け位置に対して180°反転させてもよい。また、第1回路Xと第2回路Yを円周方向に同一位相とし、第3回路Zのみを180°反転させてもよい。
本実施形態では、ボールナット3へのアキシアル荷重Faが、第1回路X側に負荷される場合に、第2回路Yの循環路におけるボールねじ溝9bを第3回路Z側にオフセットさせた例で説明している。しかし、ボールナット3へのアキシアル荷重が、第3回路Z側に負荷されるような使用態様の場合は、第2回路Yの循環路におけるボールねじ溝9bを第1回路X側にオフセットさせる。
また、本発明にあっては、このようにアキシアル荷重の負荷される方向に応じて、複数の循環路の一部を軸方向にオフセットさせることによりボールナットの軸方向弾性変位量のばらつきを平均化させている。これにより、ボールに対する軸方向負荷分布を平均化し全体としての負荷容量を増大させるという作用効果を得ている。その代わりに、例えば、実施形態において第2回路Yに使用するボール1の径を、第1回路X及び第3回路Zで使用するボール1の径よりも相対的に大きくするというように、一部の循環路内に装填するボール径を変えることによっても、上述と同様な作用効果を得ることができる。即ち、第2回路Yのボール1の径を大きくすることで、第2回路Y部分のボールねじ溝9b内のボールに予圧が付与されることになる。それによりボールナット3にアキシアル荷重Faが負荷されたときの当該ボールねじ溝9bの弾性変位量は、ボールの径を大きくしない場合に比べて大きくなる。よってボールとの接触面積が増大する。そして当該ボールの径を大きくした回路Y内のボールによる負荷分担量が増大し、且つボールの径を大きくしない状態で応力集中が生じるナット端部側の回路である第1回路X及び第3回路Zでの負荷分担量が減少するから、ボールナット3における軸方向の負荷分布が平均化されてばらつきが低減する。これにより、当該第2回路Yのボール1が分担する軸方向荷重が従来よりも増大して上述同様の作用効果を発揮する。
勿論、第2回路Yのボールねじ溝9を第1回路X又は第3回路Z側にオフセットさせると共に、第2回路Yのボール1の径を第1回路X及び第3回路Zのボール1の径よりも大きくするように設定してもよい。
本実施形態においては、循環路を180°反転することと、オフセットすることの両方を採用しているが、循環路を180°反転することだけでも負荷分布のばらつきが低減し、従来よりも負荷容量が増大する。
上記構成の本発明に基づくボールねじと、3つの循環チューブ5、6、7取付け位置を円周方向同位相に設定し且つ第2回路Yの循環路をオフセットさせない従来と同じ仕様のボールねじ(比較例)とに対して、負荷分布の状態について解析してみたところ、図5及び図6のような結果が得られた。
図5は、円周方向での負荷分布のばらつきを無視し軸方向のばらつきのみを考慮したときの有効ボール1に負荷される軸方向の荷重の分布を示したものである。Aが本発明のボールねじのものであり、Bが比較例のボールねじのものである。この図5から分かるように、本発明に基づくボールねじでは、第2回路Yでの負荷が増大すると共に第1回路X及び第3回路Zでの負荷が減少して、軸方向の負荷分布が平均化している。
図6は、軸方向のばらつき及び円周方向での負荷分布を考慮したときのボールねじ溝9に沿った各有効ボール1に負荷される軸方向の荷重を示したものである。A(実線)が本発明のボールねじのものであり、B(破線)が比較例のボールねじのものである。この図6から分かるように、本発明に基づくボールねじの方がボールねじ溝9に沿った負荷の振幅が小さくなり、円周方向での負荷分布状態が平均化している。
実際に、本発明に基づくボールねじAでは、外径寸法を変更することなく、比較例のボールねじBの負荷容量より20%程度も負荷容量が増大していることを確認した。
なお、本発明を適用できるボールねじは、実施形態に示したようなチューブ循環方式のものに限らない。例えば、実公平5−35228号公報の第1図に記載されているようないわゆるデフレクタ循環方式(複数組のボール連通路を互いに連通するボール戻し溝を有してボールナットの外周部に取付けられるガイドプレートと、各ボール連通路の内方側に配設されてボールねじ軸及びボールナットのねじ溝間に介装されたボール群をボール連通路側へ順次導くボール掬上げ部材とで循環路が構成されている)のものにも適用できる。また、同公報の第15図に従来技術として記載されているガイドプレート循環方式(ボール連通路を互いに連通するボール戻し溝を有してボールナットの外周部に取付けられるガイドプレートに、前記ボール連通路内に嵌挿される案内片を突設し、この案内片の内面側に外側ボール案内面を形成し、該外側ボール案内面でボール戻し溝の両端と各ボール連通路との間での実質的なボールの方向転換を行うように構成されている。)のものに対しても適用可能である。
本実施形態では循環回路を第1(X)、第2(Y)、第3(Z)の3回路にしたボールねじについて説明したが、本発明のボールねじは3回路に限定されるものではなく、3回路以上の循環路を有するものにも適用できる。また、一個のボールナットに3回路以上設けたものに限らず、後述のダブルナットタイプのように2個以上のボールナットを使用して全ナットで合計3回路以上の循環路としたものでもよい。
本実施形態ではボールナットの数が一個のいわゆるシングルナットタイプのものについて述べたが、その他、例えば図11に示す2個のボールナット3A、3Bを使用したいわゆるダブルナットタイプあるいは2個以上のボールナットを使用したものにも適用可能である。こうしたマルチナットタイプの場合、例えば図11に示すダブルナットタイプの場合で説明すると、2個のボールナット3A、3Bのうちの1個(例えば3A)を180°反転させてもよいし、各ボールナット3A、3Bに設けられたそれぞれ2回路10、11及び12、13の循環路のうちの1回路ずつ(例えば回路10と回路12)を180°反転させてもよい。更に、オフセットについては、1個のボールナット内の回路をオフセットするのではなく、2個のボールナット3A、3Bの間に間座14を介装して各ボールナットに設けられたそれぞれの回路(例えば回路10、11の組と回路12、13の組)をオフセットしてもよい。
(第2の実施形態)
次に本発明の第2の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本実施形態に係るボールねじ装置は、図12に示すように片持ち支持構造を想定している。軸方向一端部101a側は、サポートユニット103に回転自在に支持されている。このサポートユニット103に使用されるボールねじの支持軸受は、例えばスラストアンギュラ玉軸受が用いられる。サポートユニット103は固定部材104に固定される。
また、上記ねじ軸101の軸方向一端にはプーリ105が取り付けられている。そのプーリ105の回転に伴ってねじ軸101が回転する。ねじ軸101の回転により、ボールナット102が直線移動するように構成されている。
次に本発明の第2の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本実施形態に係るボールねじ装置は、図12に示すように片持ち支持構造を想定している。軸方向一端部101a側は、サポートユニット103に回転自在に支持されている。このサポートユニット103に使用されるボールねじの支持軸受は、例えばスラストアンギュラ玉軸受が用いられる。サポートユニット103は固定部材104に固定される。
また、上記ねじ軸101の軸方向一端にはプーリ105が取り付けられている。そのプーリ105の回転に伴ってねじ軸101が回転する。ねじ軸101の回転により、ボールナット102が直線移動するように構成されている。
また、ボールナット102には、上記サポートユニット103から遠位にある軸方向端部側にフランジ部107aが設けられている。そのフランジ部107aは取付け部107を構成している。この取付け部107には、スライドさせる取付け部材108がボルト止めで取付けられている。この取付け部7は軸方向荷重作用部を構成する。
上記構成のボールねじ装置にあっては、図13(a)に示すように、取付け部材108からボールナット102の取付け部107に軸方向荷重F1が作用すると、ボールナット102からねじ軸101に軸方向荷重が伝達され、固定側である軸方向一端部101aに反力として反対向きの軸方向荷重F2が発生する。
上記構成のボールねじ装置にあっては、図13(a)に示すように、取付け部材108からボールナット102の取付け部107に軸方向荷重F1が作用すると、ボールナット102からねじ軸101に軸方向荷重が伝達され、固定側である軸方向一端部101aに反力として反対向きの軸方向荷重F2が発生する。
このとき、従来のようにねじ軸101を剛体と仮定し、ボールナット102の弾性変形を考慮する。そうすると、軸方向に沿ったボールの荷重分布は、図13(b)に表されるように、取付け部107の位置で最も荷重が大きくなり、他端部(サポートユニット3側)に向けて徐々に小さくなる。
一方、ボールナット102を剛体と仮定し、ねじ軸101の弾性変形を考慮する。そうすると、軸方向に沿ったボールの荷重分布は、図13(c)に表されるように、サポートユニット103側(ねじ軸101における軸方向一端部101a側)で最も荷重が大きくなり、他端部(ボールナット102の取付け部107)に向けて徐々に小さくなる。
一方、ボールナット102を剛体と仮定し、ねじ軸101の弾性変形を考慮する。そうすると、軸方向に沿ったボールの荷重分布は、図13(c)に表されるように、サポートユニット103側(ねじ軸101における軸方向一端部101a側)で最も荷重が大きくなり、他端部(ボールナット102の取付け部107)に向けて徐々に小さくなる。
実際には、ボールナット102もねじ軸101も軸方向に弾性変形するため、両者101、102の弾性変位を考慮すると、図13(d)に示すようなボールの荷重分布となる。即ち、本実施形態では、サポートユニット103から遠位にある位置にボールナット102の取付け部107を設け、ボールナット102の荷重作用位置とねじ軸101の荷重作用側とが反対側になるように配置したものである。軸方向に沿った荷重分布は両端が相対的に大きく、中央部が相対的に小さい分布となるものの、最大値と最小値との差が小さくなる。つまり、ボールへの負荷が均一化される。すなわち、ねじ軸101とボールナット102は同等に弾性変形することが好ましい。
ここで、ねじ軸101の断面積とボールナット102の断面積を等しくした場合の作用について説明する。図14(a)及び(b)に示すように、ボールへの負荷は、軸方向両端部側が同程度大きくなることで、ねじ軸荷重作用側とボールナット荷重作用側とのバランスがとれて、ボールに対する最大荷重を抑えることができる。一方、例えば、従来と同様に、ねじ軸101の断面積よりもボールナット102の断面積を大きくした場合には、ねじ軸101の断面積とボールナット102の断面積を等しくした場合に比べて不利となる。これは、ねじ軸101の断面積よりもボールナット102の断面積を大きくしたことによって、ねじ軸荷重作用側とボールナット荷重作用側とに差が生じ、ねじ軸101の荷重作用側(取付け部107と反対側つまりサポートユニット側)のボールへの最大荷重が大きくなるからである。
なお、図14(a)及び(b)の荷重分布の違いは、ねじ軸101及びボールナット102の断面積を変えたものである。つまり、図14(a)は両者の断面積を大きくした場合であり、図14(b)は両者の断面積を小さくした場合である。即ち、断面積が大きいほど有効なことが分かる。なお、ねじ軸101とボールナット102とを比べると、内側となるねじ軸101の断面積の方が、どうしてもボールナット102の断面積よりも小さくなる傾向にある。弾性変形の影響を有効に抑えるためには、それぞれの断面積ができるだけ大きい方が望ましい。従って、ねじ軸101の断面積を大きくしてボールナット102断面積と概ね等しくすることが好ましい。また、断面積比の最大値は、ねじ軸101及びボールナット102の弾性変形を考慮し、ボールへ掛かる荷重による影響のバランスがある程度とれる範囲が好ましい。従って、断面積比の最大値は、概ね2以下が好ましい。
(第3の実施形態)
次に、本発明に係る第3の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。図15及び図16は、本発明に係るサイドキャップを示す説明図である。図15はサイドキャップの説明的斜視図、図16は、そのサイドキャップを分割した、一方のサイドキャップ構成部材を示す説明的斜視図である。
次に、本発明に係る第3の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。図15及び図16は、本発明に係るサイドキャップを示す説明図である。図15はサイドキャップの説明的斜視図、図16は、そのサイドキャップを分割した、一方のサイドキャップ構成部材を示す説明的斜視図である。
図15に示すように、このサイドキャップ217は、樹脂成形により製作されており、例えば樹脂材をモールド成形してなる一対のボール循環部材構成部材であるサイドキャップ構成部材223、223を組み合わせて構成されている。ここで、同図に符号PLで示す線は、ボール循環部材217を各サイドキャップ構成部材223に分割する分割線を示している。
図16に示すように、このサイドキャップ217は、ボール掬い上げ(戻し)通路221およびボール送り通路222からなるボール循環通路227が、その内側に形成されている。そして、ボール215の進行方向に沿って点対称に二つに分割されたサイドキャップ構成部材223から構成される。
図16に示すように、このサイドキャップ217は、ボール掬い上げ(戻し)通路221およびボール送り通路222からなるボール循環通路227が、その内側に形成されている。そして、ボール215の進行方向に沿って点対称に二つに分割されたサイドキャップ構成部材223から構成される。
ここで、本発明に係るサイドキャップ217では、図17に示すように、分割線PLが、一対の脚部219の、それぞれの切欠き部225の最も深い部分を通る位置で形成されている。
すなわち、サイドキャップ217を二つのサイドキャップ構成部材223、223に分ける分割線PLの位置は、掬い上げ基端部224aで生じる各切欠き部225を予め分断し、それぞれの分割面223dを形成している。つまり、分割線PLの位置は、一方の側での切欠き部225と他方の側での切欠き部225とを、そのV字状の頂点でそれぞれ予め分断して各々の分割面223dを形成する位置としている。
すなわち、サイドキャップ217を二つのサイドキャップ構成部材223、223に分ける分割線PLの位置は、掬い上げ基端部224aで生じる各切欠き部225を予め分断し、それぞれの分割面223dを形成している。つまり、分割線PLの位置は、一方の側での切欠き部225と他方の側での切欠き部225とを、そのV字状の頂点でそれぞれ予め分断して各々の分割面223dを形成する位置としている。
また、各切欠き部225を通る分割線PLは、掬い上げ基端部224aの近傍であり、同図に符号223fで示すように、円弧をもつ。また、その円弧と直線部とが連続する部分からなる周壁延出部で、なだらかに繋がるように設定されている。換言すれば、図16に示すように、ボール循環部材構成部材223の分割面223dは、掬い上げ基端部224aの近傍(図16に示すF部)において、その掬い上げ基端部224aでの分割線PLを、ボール軌道路8でのボール215の中心の軌跡BCDに対し、ボール掬い上げ部224の反対の側(同図での脚部219側)をボール掬い上げ部224の側にずらしてなる周壁延出部223fを有する。そのため、掬い上げ基端部224aでの分割面223dは、この周壁延出部223fによる、なだらかな稜線によって分割されている。そのため、掬い上げ基端部224aでの応力集中を、より好適に緩和可能になっている。これにより、掬い上げ基端部224a、あるいは掬い上げ基端部224aの近傍が起点となる疲労破壊が生じるおそれがほとんどない。したがって、ボールねじ210の高速運転性能や耐久性能を向上させることができる。
(第4の実施形態)
次に本発明に係る第4の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。図18は、本実施形態に係るシール315の正面図である。図19は、図18のシール315をA−A線で切断して矢印方向に見た図である。シール315は、円板状のシール本体315cと、シール本体315cから内方に延在する類似円錐形状(左方に傾斜した形状)のシール片315dとからなる。シール片315dは、その内方縁に環状円筒部315bを形成している。
次に本発明に係る第4の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。図18は、本実施形態に係るシール315の正面図である。図19は、図18のシール315をA−A線で切断して矢印方向に見た図である。シール315は、円板状のシール本体315cと、シール本体315cから内方に延在する類似円錐形状(左方に傾斜した形状)のシール片315dとからなる。シール片315dは、その内方縁に環状円筒部315bを形成している。
環状円筒部315bの内側は、ねじ軸1の断面形状に対応した開口315aとなっている。外周を不図示のナットに取り付ける取付け部であるシール本体315cと、シール片315dと、環状円筒部315bは、耐摩耗性及び可撓性を有する樹脂又はゴムから一体形成されている。
図20は、本実施形態にかかるシール315の一部拡大軸線方向断面図であり、図21は、図20のシール315の環状円筒部315bを更に拡大し、ねじ溝(点線)との当接状態を示し図である。なお、環状円筒部315bは、図に示すように断面が円形であるO−リングのような形状を有する。
図20において点線は、シール315とねじ軸1との相対角度に応じて変位する、ねじ軸31に当接するシール315の環状円筒部315bの位置(315Aないし315G)を示している。図21から明らかなように、環状円筒部315bの当接点315e(当接領域)は、ねじ軸31の周面に当接する位置に応じて、環状円筒部315b上を変移する。
即ち、ねじ軸1の何れの周面に環状円筒部315bが当接しても、図21に示すように当接面の法線は必ず環状円筒部315bの断面中心を通過する。従って、当接位置に関わらず、シール315とねじ軸31との当接関係は一定に維持されることになり、もって密封機能を確保できることとなる。その結果、ボールねじの内部に異物が侵入するのを防止し、ボールねじ装置の寿命を延長することができる。
X 第1回路
Y 第2回路
Z 第3回路
1 ボール
2 ねじ軸
2a ボールねじ溝(ねじ軸の)
3 ボールナット
5 第1回路の循環路
6 第2回路の循環路
7 第3回路の循環路
9 ボールねじ溝(ボールナットの)
9a 第1回路のボールねじ溝
9b 第2回路のボールねじ溝
9c 第3回路のボールねじ溝
Y 第2回路
Z 第3回路
1 ボール
2 ねじ軸
2a ボールねじ溝(ねじ軸の)
3 ボールナット
5 第1回路の循環路
6 第2回路の循環路
7 第3回路の循環路
9 ボールねじ溝(ボールナットの)
9a 第1回路のボールねじ溝
9b 第2回路のボールねじ溝
9c 第3回路のボールねじ溝
Claims (11)
- 外面にボールねじ溝を有するねじ軸と、該ねじ軸のボールねじ溝に対向するボールねじ溝を内面に有する少なくとも1つのボールナットと、該ボールナットのボールねじ溝と上記ねじ軸のボールねじ溝とにより形成された螺旋状通路と該螺旋状通路内を循環する多数のボールと、該多数のボールの戻り路とを備え、上記螺旋状通路とボールナットに設けたボールの戻り路とにより形成される循環路が3回路以上であるボールねじにおいて、
前記循環路のうち少なくとも2回路を円周方向に同一位相とし、残りの回路を他の回路に対して円周方向に180°反転させたことを特徴とするボールねじ。 - 外面にボールねじ溝を有するねじ軸と、該ねじ軸のボールねじ溝に対向するボールねじ溝を内面に有する少なくとも1つのボールナットと、該ボールナットのボールねじ溝と上記ねじ軸のボールねじ溝とにより形成された螺旋状通路と該螺旋状通路内を循環する多数のボールと、該多数のボールの戻り路とを備え、上記螺旋状通路とボールナットに設けたボールの戻り路とにより形成される循環路が3回路以上であるボールねじにおいて、
循環路のうち少なくとも2回路を円周方向に同一位相とし、残りの回路を他の回路に対して円周方向に180°反転させ、且つ全循環路のうち少なくとも1回路を他の回路に対して軸方向にオフセットさせたことを特徴とするボールねじ。 - 上記オフセットが数十μmの範囲で行われていることを特徴とする請求項2に記載のボールねじ。
- 初期接触角Dを50°以上55°以下、最大接触角Eを75°以下としたことを特徴とする請求項1又は2に記載のボールねじ。
- 初期接触角51°以上54°以下、最大接触角は72°以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のボールねじ。
- 玉径が10mm以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のボールねじ。
- ボール径とリードの関係が以下の式で成り立つことを特徴とする請求項1又は2に記載のボールねじ。
0.7≦(Da/L) Da:ボール径 L:リード - 電動射出成形機用ボールねじであって、以下の式が成り立つことを特徴とする請求項1又は2に記載のボールねじ。
0.7≦(Da/L)≦0.9 Da:ボール径 L:リード - ねじ軸と直角な方向におけるねじ軸とボールナットの断面積の比率が0.5〜2であることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載したボールねじ。
- 前記ボール循環部材は、ボールを導くための通路が内部に形成された一対の脚部を有し、各脚部内に形成された通路での前記ボールの進行方向が、前記ねじ軸の接線方向且つ前記両ボール転動溝のリード角と一致する方向にボールを掬い上げることを可能に構成されており、かつ、前記ボール循環部材は、樹脂により形成されるとともに、その内部を通る前記ボールの進行方向に延びる分割線に沿って分割された二つのボール循環部材構成部材を備えて構成されてなり、前記二つのボール循環部材構成部材の一方は、他方のボール循環部材構成部材の前記掬い上げ基端部の外側をその両側から覆うように周壁を延出させた周壁延出部を有し、前記分割線は、前記一方の側での前記切欠き部の最も深い部分と前記他方の側での前記切欠き部の最も深い部分とを通るとともに、当該分割線が通る前記切欠き部の最も深い部分が、ボール中心の軌跡位置を基準に見たときに、掬い上げ部の側に向けてずらした位置に形成されていることを特徴とする請求項1から9までのいずれかに記載のボールねじ。
- 前記ボールナットに取り付けられる取付部と、前記取付部から延在し、前記ボールねじのねじ軸の周面に当接することにより所定の弾性力を前記周面に付与するシール片とからなり、前記シール片は、前記ボールねじのねじ軸の周面に当接する当接領域を有し、前記当接領域は、前記ボールねじのねじ軸の周面との当接位置に応じて、前記シール片上を変移するようになっており、それにより前記当接位置に関わらず、前記周面と前記シール片との当接関係は一定に維持されるようになっているボールねじ用密封形シールを有する請求項1から10までのいずれかに記載のボールねじ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013261947A JP2015117780A (ja) | 2013-12-19 | 2013-12-19 | ボールねじ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013261947A JP2015117780A (ja) | 2013-12-19 | 2013-12-19 | ボールねじ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015117780A true JP2015117780A (ja) | 2015-06-25 |
Family
ID=53530682
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013261947A Pending JP2015117780A (ja) | 2013-12-19 | 2013-12-19 | ボールねじ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2015117780A (ja) |
-
2013
- 2013-12-19 JP JP2013261947A patent/JP2015117780A/ja active Pending
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