JP2015116591A - レーザ加工装置及びレーザ加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】加工対象物を高品質かつ高精度で加工することが可能であるレーザ加工装置及びレーザ加工方法を提供すること。【解決手段】レーザ加工装置は、第1プリズム及び第2プリズムを含む第1光学系と、第3プリズム及び第4プリズムを含む第2光学系と、レーザ光を集光して加工対象物に導く集光光学系と、第1プリズムを回転させるとともに第1プリズムと同期して第2プリズムを回転させる第1駆動装置と、第3プリズムを回転させるとともに第3プリズムと同期して第4プリズムを回転させる第2駆動装置と、レーザ光が旋回しながら加工対象物に照射されるように第1駆動装置及び駆動装置を制御する制御装置と、を備える。制御装置は、回転方向に関する第1プリズムと第2プリズムとの相対位置、及び第3プリズムと第4プリズムとの相対位置を調整して、加工対象物に対するレーザ光の入射位置及び入射角度を含むレーザ光の照射条件を調整する。【選択図】図1

Description

本発明は、レーザ加工装置及びレーザ加工方法に関する。
加工対象物を加工する装置として、特許文献1、特許文献2、及び特許文献3に開示されているような、レーザ光で加工対象物を加工するレーザ加工装置が知られている。
特許第4399107号公報 特開2011−167704号公報 特開2013−086129号公報
例えば、レーザ加工装置を用いて加工対象物に穴を形成する場合、任意の形状の穴を精度良く形成できないと、その加工対象物の品質が低下する可能性がある。
本発明は上述した課題を解決するものであり、加工対象物を高品質かつ高精度に加工できるレーザ加工装置及びレーザ加工方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るレーザ加工装置は、レーザ光で加工対象物を加工するレーザ加工装置であって、第1プリズム及び第2プリズムを含み、レーザ光源からの前記レーザ光が供給される第1光学系と、第3プリズム及び第4プリズムを含み、前記第1光学系からの前記レーザ光が供給される第2光学系と、前記第2光学系からの前記レーザ光が供給され、前記レーザ光を集光して前記加工対象物に導く集光光学系と、前記第1プリズムを回転させるとともに前記第1プリズムと同期して前記第2プリズムを回転させる第1駆動装置と、前記第3プリズムを回転させるとともに前記第3プリズムと同期して前記第4プリズムを回転させる第2駆動装置と、前記集光光学系の光軸の周囲において前記レーザ光が旋回しながら前記加工対象物に照射されるように前記第1駆動装置及び第2駆動装置を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、回転方向に関する前記第1プリズムと前記第2プリズムとの相対位置、及び前記第3プリズムと前記第4プリズムとの相対位置を調整して、前記加工対象物に対する前記レーザ光の入射位置及び入射角度を含む前記レーザ光の照射条件を調整する。
また、前記制御装置は、回転方向に関する前記第1プリズムと前記第3プリズムとの相対位置を固定した状態で前記第1プリズムと前記第3プリズムとを一緒に回転させ、回転方向に関する前記第1プリズムに対する前記第2プリズムの相対位置、及び前記第3プリズムに対する前記第4プリズムの相対位置を調整して、前記照射条件を調整してもよい。
また、前記制御装置は、前記入射角度が目標角度になるように回転方向に関する前記第1プリズムに対する前記第2プリズムの相対位置を決定し、決定した前記相対位置を固定した状態で前記第1プリズムと前記第2プリズムとを一緒に回転させてもよい。
また、前記制御装置は、前記第3プリズムの1回の回転において、前記第3プリズムとの相対位置を変えながら前記第4プリズムを回転させてもよい。
また、前記光軸と平行な方向に関して、前記集光光学系の集光位置と前記加工対象物との相対位置を調整可能な位置調整装置を備えてもよい。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るレーザ加工方法は、レーザ光で加工対象物を加工するレーザ加工方法であって、レーザ光源からの前記レーザ光を、第1プリズム及び第2プリズムを含む第1光学系、第3プリズム及び第4プリズムを含む第2光学系、及び集光光学系を介して、前記加工対象物に照射するステップと、前記照射において、前記第1プリズム、前記第2プリズム、前記第3プリズム、及び第4プリズムのそれぞれを同期して回転させて、前記集光光学系の光軸の周囲において前記レーザ光を旋回させるステップと、を含み、前記レーザ光を旋回させるステップは、回転方向に関する前記第1プリズムと前記第2プリズムとの相対位置、及び前記第3プリズムと前記第4プリズムとの相対位置を調整して、前記加工対象物に対する前記レーザ光の入射位置及び入射角度を含む前記レーザ光の照射条件を調整することを含む。
また、前記照射条件の調整は、回転方向に関する前記第1プリズムと前記第3プリズムとの相対位置を固定した状態で前記第1プリズムと前記第3プリズムとを一緒に回転させ、回転方向に関する前記第1プリズムに対する前記第2プリズムの相対位置、及び前記第3プリズムに対する前記第4プリズムの相対位置を調整することを含んでもよい。
また、前記入射角度が目標角度になるように回転方向に関する前記第1プリズムに対する前記第2プリズムの相対位置を決定することと、決定した前記相対位置を固定した状態で前記第1プリズムと前記第2プリズムとを一緒に回転させることと、を含んでもよい。
また、前記第3プリズムの1回の回転において、前記第3プリズムとの相対位置を変えながら前記第4プリズムを回転させてもよい。
また、前記光軸と平行な方向に関して、前記集光光学系の集光位置と前記加工対象物との相対位置を調整することを含んでもよい。
本発明によれば、加工対象物を高品質かつ高精度に加工できる。
図1は、本実施形態に係るレーザ加工装置の概略構成を示す模式図である。 図2は、レーザ加工ヘッドの概略構成を示す模式図である。 図3は、調整装置の光学系を示す図である。 図4は、調整装置の制御ブロック図である。 図5は、第1プリズム及び第2プリズムの動作を説明するための説明図である。 図6は、第1プリズム及び第2プリズムの動作を説明するための説明図である。 図7は、第3プリズム及び第4プリズムの動作を説明するための説明図である。 図8は、第3プリズム及び第4プリズムの動作を説明するための説明図である。 図9は、レーザ加工ヘッドの動作を説明するための説明図である。 図10は、加工された加工対象物の一例を示す模式図である。 図11は、加工された加工対象物の一例を示す模式図である。 図12は、レーザ光の照射状態の一例を説明するための説明図である。 図13は、レーザ光の照射状態の一例を説明するための説明図である。 図14は、レーザ光の照射状態の一例を説明するための説明図である。 図15は、加工対象物に形成すべき穴の一例を示す図である。 図16は、4つのプリズムの動作を説明するための説明図である。 図17は、加工対象物に形成すべき穴の一例を示す図である。 図18は、4つのプリズムの動作を説明するための説明図である。 図19は、加工対象物に形成すべき穴の一例を示す図である。 図20は、4つのプリズムの動作を説明するための説明図である。 図21は、集光点と加工対象物との位置関係の一例を示す図である。 図22は、加工対象物に形成すべき穴の一例を示す図である。 図23は、4つのプリズムの動作を説明するための説明図である。 図24は、集光点と加工対象物との位置関係の一例を示す図である。 図25は、加工された加工対象物の一例を示す模式図である。 図26は、本実施形態に係る複合加工装置の概略構成を示す模式図である。 図27は、ステージユニットの概略構成を示す斜視図である。 図28は、インジェクターの概略構成を示す模式図である。 図29は、ニードルの概略構成を示す模式図である。 図30は、ノズルボディの概略構成を示す模式図である。 図31は、ノズルボディの拡大図である。 図32は、ニードルの製造方法の一例を示すフローチャートである。 図33は、ノズルボディの製造方法の一例を示すフローチャートである。 図34は、複合加工装置の動作を説明するための説明図である。 図35は、複合加工装置の動作を説明するための説明図である。 図36は、複合加工装置の動作を説明するための説明図である。 図37は、複合加工装置の動作を説明するための説明図である。 図38は、複合加工装置の動作を説明するための説明図である。 図39は、複合加工装置の動作を説明するための説明図である。 図40は、複合加工装置の動作を説明するためのフローチャートである。
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換または変更を行うことができる。
以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。水平面内の一方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。X軸は、YZ平面と直交する。Y軸は、XZ平面と直交する。Z軸は、XY平面と直交する。XY平面は、X軸及びY軸を含む。XZ平面は、X軸及びZ軸を含む。YZ平面は、Y軸及びZ軸を含む。XY平面は、水平面と平行である。
<第1実施形態>
第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係るレーザ加工装置10の概略構成を示す模式図である。レーザ加工装置10は、レーザ光Lで加工対象物WPを加工する装置であって、加工対象物WPに対して、切断加工、穴あけ加工等の各種加工を行うことができる。なお、加工の種類は特に限定されないが、本実施形態のレーザ加工装置10は、穴あけ、切断等の切削加工を行う。また、レーザ加工装置10は、加工対象物WPの計測も行う。
図1に示すように、レーザ加工装置10は、フレーム12と、移動ユニット14と、ステージユニット16と、レーザ加工ヘッド60を含むレーザ加工ユニット22と、制御装置24と、を有する。レーザ加工装置10は、ステージユニット16に保持される加工対象物WPにレーザ加工ユニット22によりレーザ光Lを照射して、加工対象物WPをレーザ加工する。
フレーム12は、レーザ加工装置10の筐体であり、地面、土台等の設置面に固定されている。フレーム12は、門12aと門12aの空間に挿入された土台12bとを有する。フレーム12は、移動ユニット14の固定部が固定されている。レーザ加工装置10は、フレーム12の門12aと土台12bとに移動ユニット14が固定され、移動ユニット14により加工対象物WPと、レーザ加工ユニット22とを相対的に移動させる、いわゆる門型の加工装置である。
移動ユニット14は、加工対象物WPとレーザ加工ヘッド60とを相対移動させて、加工対象物WPとレーザ加工ヘッド60との相対位置を調整する。移動ユニット14は、Y軸移動機構30と、X軸移動機構34と、Z軸移動機構38と、θY回転機構39と、を有する。Y軸移動機構30は、フレーム12の土台12b上に配置され、Y軸方向に延在するレール30aと、レール30aに沿って移動するY軸移動部材30bと、を有する。Y軸移動機構30は、Y軸移動部材30bにステージユニット16が固定されている。Y軸移動機構30は、レール30aに沿って、Y軸移動部材30bを移動させることで、ステージユニット16をY軸方向に移動させる。Y軸移動機構30は、Y軸移動部材30bをY軸方向に移動させる機構として、種々の機構を用いることができる。例えば、Y軸移動部材30bにボールねじを挿入し、ボールねじをモータ等で回転させる機構や、リニアモータ機構、ベルト機構等を用いることができる。X軸移動機構34と、Z軸移動機構38も同様に種々の機構を用いることができる。
X軸移動機構34は、フレーム12の門12a上に配置され、X軸方向に延在するレール33と、レール33に沿って移動するX軸移動部材34aと、を有する。X軸移動機構34は、X軸移動部材34aにZ軸移動機構38が固定されている。X軸移動機構34は、レール33に沿って、X軸移動部材34aを移動させることで、Z軸移動機構38をX軸方向に移動させる。Z軸移動機構38は、X軸移動部材34aに固定され、Z軸方向に延在するレール38aと、レール38aに沿って移動するZ軸移動部材38bと、を有する。Z軸移動機構38は、Z軸移動部材38bにθY回転機構39が固定されている。Z軸移動機構38は、レール38aに沿って、θY回転機構39を移動させることで、θY回転機構39をZ軸方向に移動させる。θY回転機構39は、Z軸移動部材38bに固定され、レーザ加工ヘッド60が固定されている。θY回転機構39は、Z軸移動部材38bに対して、レーザ加工ヘッド60をθY方向に回転させることで、レーザ加工ヘッド60をθY方向に回転させる。
移動ユニット14は、Y軸移動機構30とX軸移動機構34とZ軸移動機構38とを用いて、加工対象物WPとレーザ加工ヘッド60とをX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向のそれぞれに相対移動させる。また、移動ユニット14は、θY回転機構39を用いて、加工対象物WPに対してレーザ加工ヘッド60を回転させる。これにより、レーザ加工ヘッド60から加工対象物WPに対して照射されるレーザ光Lの向きを調整することができる。移動ユニット14は、レーザ加工ヘッド60をX軸周りに回転させる機構を備えていてもよい。また、レーザ光Lが照射される向きを調整する機構は、レーザ加工ヘッド60に設けてもよい。
ステージユニット16は、Y軸移動機構30のY軸移動部材30b上に配置されている。ステージユニット16は、加工対象物WPを支持するステージである。本実施形態のステージユニット16は、Y軸移動部材30bと一体化させた部材、つまり、Y軸移動部材30bをステージユニット16のステージとしたが、Y軸移動部材30b上に別の支持部材をステージとして設けてもよい。ステージユニット16は、Y軸移動機構30が加工対象物WPを移動させるステージ移動機構42となる。ステージユニット16は、加工対象物WPをY軸移動部材30bの所定の位置に固定する固定機構を備えている。また、ステージユニット16は、ステージ移動機構42として、さらにY軸移動部材30bに対して加工対象物WPの向きを、つまり姿勢を調整する調整機構を備えていてもよい。具体的には、ステージ移動機構42として、加工対象物WPを回転させる機構を備えていてもよい。
レーザ加工ユニット22は、レーザ加工ヘッド60と、ファイバレーザ光源62と、短パルスレーザ光源64と、を有する。ファイバレーザ光源62は、光ファイバを媒質としてレーザ光を出力する装置である。ファイバレーザ出力装置としては、例えば、ファブリペロー型ファイバレーザ出力装置やリング型ファイバレーザ出力装置を用いることができ、これらの出力装置が励起されることによりレーザ光が発振される。ファイバレーザ出力装置のファイバは、例えば、エルビウム(Er)、ネオジム(Nd)、イッテルビウム(Yb)等の希土類元素が添加されたシリカガラスを用いることができる。短パルスレーザ光源64は、レーザ光を短パルス、例えば、周波数20kHzで出力する。短パルスレーザ出力装置としては、レーザ光の発振源として例えば、チタンサファイアレーザを用いることができ、パルス幅が100ピコ秒以下のパルスを発振することができる。また、YAGレーザやYVO4レーザ等のナノ秒オーダーパルス発振をするレーザも使用可能である。ここで、本実施形態において、短パルスレーザは、パスル幅が100ナノ秒以下の短パルスでレーザ光を出力するものである。なお、レーザ加工ユニット22は、短パルスレーザ光を、パスル幅が10ナノ秒以上の短パルスとすることが好ましく、パスル幅が1ナノ秒未満のレーザ光とすることがより好ましい。
次に、レーザ加工ヘッド60について説明する。図2は、レーザ加工ヘッドの概略構成を示す模式図である。本実施形態において、加工対象物WPに照射されるレーザ光Lは、ファイバレーザ光源62から出力されたファイバレーザ光L1、及び短パルスレーザ光源64から出力された短パルスレーザ光L2の少なくとも一方を含む。ファイバレーザ光源62からのファイバレーザ光L1、及び短パルスレーザ光源64からの短パルスレーザ光L2のそれぞれは、光ファイバのような導光部材を介してレーザ加工ヘッド60に供給される。図2に示すように、ファイバレーザ光源62から出力されたファイバレーザ光L1、及び短パルスレーザ光源64から出力された短パルスレーザ光L2は、レーザ加工ヘッド60に入射する。レーザ加工ヘッド60は、入射されたファイバレーザ光L1及び短パルスレーザ光L2の一方を加工対象物WPに照射して、加工対象物WPをレーザ加工する。
レーザ加工ヘッド60は、レーザ光L(ファイバレーザ光L1及び短パルスレーザ光L2の少なくとも一方)が通る複数の光学素子を有する光学系300を備えている。レーザ光Lは、光学系300を介して、加工対象物WPに照射される。光学系300は、ファイバレーザ光源62及び短パルスレーザ光源64の少なくとも一方からのレーザ光Lが供給されるハーフミラー74と、レーザ光Lをコリメートするコリメート光学系70と、第1プリズム101及び第2プリズム102を含み、コリメート光学系70からのレーザ光Lが供給される第1光学系100と、第3プリズム201及び第4プリズム202を含み、第1光学系100からのレーザ光Lが供給される第2光学系200と、第2光学系200からのレーザ光Lが供給され、レーザ光Lを集光して加工対象物WPに導く集光光学系80と、を備えている。
また、レーザ加工ヘッド60は、第1プリズム101及び第2プリズム102を回転可能な第1駆動装置105と、第3プリズム201及び第4プリズム202を回転可能な第2駆動装置205と、を備えている。また、レーザ加工ヘッド60は、ノズル81を備えている。
本実施形態において、集光光学系80の光軸は、Z軸と平行である。また、コリメート光学系70の光軸も、Z軸と平行である。集光光学系80の光軸とコリメート光学系70の光軸とは一致する(同軸である)。第1光学系100及び第2光学系200は、コリメート光学系70と集光光学系80との間に配置される。第2光学系200は、第1光学系100よりも集光光学系80側に配置されている。以下の説明において、コリメート光学系70及び集光光学系80を含むレーザ加工ヘッド60の光学系300の光軸を適宜、光軸AX、と称する。本実施形態において、光学系300の光軸AXは、Z軸と平行である。
ハーフミラー74は、ファイバレーザ光源62から出力されたファイバレーザ光L1、及び短パルスレーザ光源64から出力された短パルスレーザ光L2をコリメート光学系70に供給する。ハーフミラー74は、ファイバレーザ光L1及び短パルスレーザ光L2のそれぞれが入射可能な位置に配置されている。ハーフミラー74は、短パルスレーザ光L2を反射し、ファイバレーザ光L1を透過する。ファイバレーザ光源62から出力されたファイバレーザ光L1は、ハーフミラー74を透過して、コリメート光学系70に入射する。短パルスレーザ光源64から出力された短パルスレーザ光L2は、ハーフミラー74で反射して、コリメート光学系70に入射する。なお、ハーフミラー74を用いる場合、ファイバレーザ光L1の波長と短パルスレーザ光L2の波長とは離れていることが好ましい。
なお、ハーフミラー74に代えて、短パルスレーザ光L2を反射可能なミラーと、そのミラーを移動可能な駆動部とを備える切換機構が設けられてもよい。短パルスレーザ光源64からの短パルスレーザ光L2の光路にミラーが配置されることにより、その短パルスレーザ光L2はミラーで反射してコリメート光学系70に供給される。ファイバレーザ光源62からのファイバレーザ光L1の光路からミラーが退かされることにより、そのファイバレーザ光L1はコリメート光学系70に供給される。このように、ファイバレーザ光源62から出力されたファイバレーザ光L1を入射させるか、短パルスレーザ光源64から出力された短パルスレーザ光L2を入射させるかを切り換える切換機構が設けられてもよい。
コリメート光学系70は、複数の光学素子を有し、ハーフミラー74からのレーザ光L(ファイバレーザ光L1及び短パルスレーザ光L2の少なくとも一方)をコリメートする。コリメート光学系70でコリメートされ、そのコリメート光学系70から射出されたレーザ光Lは、第1光学系100に供給される。第1光学系100には、ファイバレーザ光源62及び短パルスレーザ光源64の少なくとも一方から出力されたレーザ光Lが、ハーフミラー74、及びコリメート光学系70を介して供給される。
第1光学系100は、コリメート光学系70からのレーザ光Lが供給される第1プリズム101と、第1プリズム101からのレーザ光Lが供給される第2プリズム102と、を有する。第1プリズム101は、コリメート光学系70からのレーザ光Lを屈折させる。第2プリズム102は、第1プリズム101からのレーザ光Lを再度屈折させる。第1プリズム101及び第2プリズムとして、例えばウェッジプリズムを用いることができる。第1プリズム101及び第2プリズム102のそれぞれは、光軸AXと平行な軸(Z軸)まわりに回転可能である。すなわち、第1プリズム101及び第2プリズム102のそれぞれは、θZ方向に回転可能(移動可能)である。本実施形態において、第1プリズム101及び第2プリズム102のそれぞれは、光軸AXを中心に回転する。
第1駆動装置105は、第1プリズム101をθZ方向に回転させるとともに、第1プリズム101と同期して第2プリズム102をθZ方向に回転させる。第1駆動装置105は、第1プリズム101を回転させるアクチュエータ103と、第2プリズム102を回転させるアクチュエータ104とを含む。アクチュエータ103は、サーボモータを含み、第1プリズム101をθZ方向に回転可能である。アクチュエータ104は、サーボモータを含み、第2プリズム102をθZ方向に回転可能である。アクチュエータ103及びアクチュエータ104として、例えば中空モータを用いることができる。
第2光学系200は、第1光学系100からのレーザ光Lが供給される第3プリズム201と、第3プリズム201からのレーザ光Lが供給される第4プリズム202と、を有する。第3プリズム201は、第2プリズム102からのレーザ光Lを屈折させる。第4プリズム202は、第3プリズム201からのレーザ光Lを再度屈折させる。第3プリズム201及び第4プリズム202として、例えばウェッジプリズムを用いることができる。第3プリズム201及び第4プリズム202のそれぞれは、光軸AXと平行な軸(Z軸)まわりに回転可能である。すなわち、第3プリズム201及び第4プリズム202のそれぞれは、θZ方向に回転可能(移動可能)である。本実施形態において、第3プリズム201及び第4プリズム202のそれぞれは、光軸AXを中心に回転する。
第2駆動装置205は、第3プリズム201をθZ方向に回転させるとともに、第3プリズム201と同期して第4プリズム202をθZ方向に回転させる。第2駆動装置205は、第3プリズム201を回転させるアクチュエータ203と、第4プリズム202を回転させるアクチュエータ204とを含む。アクチュエータ203は、サーボモータを含み、第3プリズム201をθZ方向に回転可能である。アクチュエータ204は、サーボモータを含み、第4プリズム202をθZ方向に回転可能である。アクチュエータ203及びアクチュエータ204として、例えば中空モータを用いることができる。
集光光学系80は、複数の光学素子を有し、第2光学系200からのレーザ光Lを集光して、加工対象物WPに導く。集光光学系80は、加工対象物WPに所定のスポット径のレーザ光Lを照射する。本実施形態において、集光光学系80は、凹面を含む第1集光レンズ80Aと、凸面を含む第2集光レンズ80Bと、保護ガラス80Cと、シールドガラス80Dと、を有する。なお、集光光学系80は、冷却機構を有することが好ましい。冷却機構は、例えば、上記複数のレンズを冷却するための冷却ジャケット等である。
ノズル81は、レーザ光Lの進行方向に向かって径が縮小する中空の円錐形状である。ノズル81は、集光光学系80に装着される。ノズル81は、加工対象物WPの加工点で生じるスパッタ等により集光光学系80が汚損することを抑制する。また、ノズル81は、アシストガス供給源86からアシストガスが供給され、このアシストガスを加工対象物WPに向けて噴射可能である。
本実施形態において、アシストガスは、例えば、空気、窒素ガス、酸素ガス、アルゴンガス、キセノンガス、ヘリウムガス、または、これらの混合ガスを用いることができる。アシストガスとして、酸化反応熱を加工処理に利用できる酸素ガスを用いた場合、金属等の加工対象物WPに対する加工速度をより向上させることができる。また、アシストガスとして、熱影響層としての酸化被膜の生成を抑える窒素ガスやアルゴンガス等を用いた場合、金属等の加工対象物WPに対する加工精度をより向上させることができる。アシストガスのガス種、混合比、および、ノズル81からの噴出量(圧力)などは、加工対象物WPの種類や加工モード等の加工条件に応じて変えることができる。
なお、レーザ加工ユニット22は、加工対象物WPに入射するレーザ光の画像を撮影する撮影手段、例えば、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等を有するカメラを備えていてもよい。これにより、取得した画像に基づいてレーザ光の照射条件を調整することができる。
本実施形態において、レーザ加工装置10は、加工対象物WPに対するレーザ光Lの入射位置及び入射角度を含むレーザ光Lの照射条件(入射条件)を調整する調整装置400を有する。調整装置400は、第1光学系100及び第1駆動装置105を含む第1調整部401と、第2光学系200及び第2駆動装置205を含む第2調整部402と、を有する。第1駆動装置105及び第2駆動装置205は、制御装置24に制御される。制御装置24は、集光光学系80の光軸の周囲においてレーザ光Lが旋回しながら加工対象物WPに照射されるように第1駆動装置105及び第2駆動装置205を制御する。
第1調整部401は、加工対象物WPに入射するレーザ光Lの入射角度を調整可能である。本実施形態において、加工対象物WPの表面は、XY平面と平行であり、第1調整部401は、その加工対象物WPの表面に対するレーザ光Lの入射角度を調整可能である。第1調整部401を、レーザ光入射角度調整部401、と称してもよい。第1プリズム101と第2プリズム102との相対位置が変化することにより、加工対象物WPに対するレーザ光Lの入射角度が変化する。第1調整部401は、θZ方向(回転方向)に関する第1プリズム101及び第2プリズム102の相対位置(位相角の差)を調整することにより、加工対象物WPに入射するレーザ光Lの入射角度を調整可能である。
第2調整部402は、加工対象物WPに入射するレーザ光Lの入射位置を調整可能である。本実施形態において、加工対象物WPの表面は、XY平面と平行であり、第2調整部402は、その加工対象物WPの表面と平行な面内におけるレーザ光Lの入射位置(照射位置)を調整可能である。第2調整部402を、レーザ光旋回径調整部402、と称してもよい。第3プリズム201と第4プリズム202との相対位置が変化することにより、加工対象物WPに対するレーザ光Lの入射位置が変化する。第2調整部402は、θZ方向(回転方向)に関する第3プリズム201及び第4プリズム202の相対位置(位相角の差)を調整することにより、加工対象物WPに入射するレーザ光Lの入射位置を調整可能である。
図3は、調整装置400の光学系の一例を示す図である。調整装置400の光学系は、第1プリズム101と、第2プリズム102と、第3プリズム201と、第4プリズム202と、を備えている。
第1プリズム101は、コリメート光学系70からのレーザ光Lが入射する入射面101Aと、入射面101Aからのレーザ光Lが射出される射出面101Bとを有する。第2プリズム102は、第1プリズム101からのレーザ光Lが入射する入射面102Aと、入射面102Aからのレーザ光Lが射出される射出面102Bとを有する。第3プリズム201は、第2プリズム102からのレーザ光Lが入射する入射面201Aと、入射面201Aからのレーザ光Lが射出される射出面201Bとを有する。第4プリズム202は、第3プリズム201からのレーザ光Lが入射する入射面202Aと、入射面202Aからのレーザ光Lが射出される射出面202Bとを有する。
入射面101Aは、平坦面である。入射面101AとXY平面とがなす角度は、角度θAである。本実施形態において、入射面101Aは、XY平面と平行であり、光軸AX(Z軸)と垂直である。すなわち、角度θAは、0度である。本実施形態において、コリメート光学系70からのレーザ光Lは、入射面101Aに対して垂直に入射する。なお、入射面101Aは、XY平面に対して僅かに傾斜していてもよい。例えば、角度θAが1度未満でもよい。
射出面101Bは、平坦面であり、入射面101Aに対して傾斜する。射出面101BとXY平面とがなす角度は、角度θBであり、射出面101Bは、XY平面に対して傾斜する。射出面101Bにおいて、レーザ光Lは屈折し、光軸AXに対して傾斜して進行する。
入射面102Aは、平坦面である。入射面102AとXY平面とがなす角度は、角度θCであり、入射面102Aは、XY平面に対して傾斜する。射出面101Bと入射面102Aとは、間隙を介して対向する。角度θBと角度θCとは、同じ角度でもよいし、異なる角度でもよい。角度θBと角度θCとが同じ角度である場合、θZ方向に関する第1プリズム101と第2プリズム102との相対位置が調整されることにより、入射面102Aは、射出面101Bに対して傾斜する場合があるし、平行となる場合がある。入射面102Aにおいて、レーザ光Lは、屈折する。
射出面102Bは、平坦面であり、入射面102Aに対して傾斜する。射出面102BとXY平面とがなす角度は、角度θDである。本実施形態において、射出面102Bは、XY平面と平行であり、光軸AX(Z軸)と垂直である。すなわち、角度θDは、0度である。なお、射出面102Bは、XY平面に対して僅かに傾斜していてもよい。例えば、角度θDが1度未満でもよい。射出面102Bにおいて、レーザ光Lは、屈折する。
入射面201Aは、平坦面である。入射面201AとXY平面とがなす角度は、角度θEである。本実施形態において、入射面201Aは、XY平面と平行であり、光軸AX(Z軸)と垂直である。すなわち、角度θEは、0度である。なお、入射面201Aは、XY平面に対して僅かに傾斜していてもよい。例えば、角度θEが1度未満でもよい。図3に示す例において、プリズム102からのレーザ光Lは、入射面201Aに対して斜めに入射する。射出面102Bと入射面201Aとは、間隙を介して対向する。入射面201Aにおいて、レーザ光Lは、屈折する。
射出面201Bは、平坦面であり、入射面202Aに対して傾斜する。射出面201BとXY平面とがなす角度は、角度θFであり、射出面201Bは、XY平面に対して傾斜する。射出面201Bにおいて、レーザ光Lは屈折する。
入射面202Aは、平坦面である。入射面202AとXY平面とがなす角度は、角度θGであり、入射面202Aは、XY平面に対して傾斜する。射出面201Bと入射面202Aとは、間隙を介して対向する。角度θFと角度θGとは、同じ角度でもよいし、異なる角度でもよい。角度θFと角度θGとが同じ角度である場合、θZ方向に関する第3プリズム201と第4プリズム202との相対位置が調整されることにより、入射面202Aは、射出面201Bに対して傾斜する場合があるし、平行となる場合がある。入射面202Aにおいて、レーザ光Lは、屈折する。
射出面202Bは、平坦面である。射出面202BとXY平面とがなす角度は、角度θHである。本実施形態において、射出面202Bは、XY平面と平行であり、光軸AX(Z軸)と垂直である。すなわち、角度θHは、0度である。なお、射出面202Bは、XY平面に対して僅かに傾斜していてもよい。例えば、角度θHが1度未満でもよい。射出面202Bにおいて、レーザ光Lは、屈折する。
図3において、レーザ光Lは、第1プリズム101の入射面101Aに入射角度θ1aで入射し、入射面101Aから屈折角度θ1bで第1プリズム101に入射する。第1プリズム101を進行したレーザ光Lは、射出面101Bに入射角度θ2aで入射し、射出面101Bから屈折角度θ2bで射出する。射出面101Bから射出されたレーザ光Lは、第2プリズム102の入射面102Aに入射角度θ3aで入射し、入射面102Aから屈折角度θ3bで第2プリズム102に入射する。第2プリズム102を進行したレーザ光Lは、射出面102Bに入射角度θ4aで入射し、射出面102Bから屈折角度θ4bで射出する。射出面102Bから射出されたレーザ光Lは、第3プリズム201の入射面201Aに入射角度θ5aで入射し、入射面201Aから屈折角度θ5bで第3プリズム201に入射する。第3プリズム201を進行したレーザ光Lは、射出面201Bに入射角度θ6aで入射し、射出面201Bから屈折角度θ6bで射出する。射出面201Bから射出されたレーザ光Lは、第4プリズム202の入射面202Aに入射角度θ7aで入射し、入射面202Aから屈折角度θ7bで第4プリズム202に入射する。第4プリズム202を進行したレーザ光Lは、射出面202Bに入射角度θ8aで入射し、射出面202Bから屈折角度θ8bで射出する。
射出面202Bから射出されたレーザ光Lは、集光光学系80により集光された後、加工対象物WPに照射される。図3に示す例において、第1プリズム101、第2プリズム102、第3プリズム201、及び第4プリズム202をレーザ光Lが通過することによって、射出面202Bから射出されたレーザ光Lは、光軸AXに対して傾斜する方向に進行する。加工対象物WPの表面がXY平面と平行である場合、レーザ光Lは、加工対象物WPの表面に対して斜めに入射する。
図4は、本実施形態に係る調整装置400の制御ブロック図の一例を示す図である。本実施形態において、レーザ加工装置10は、4つのプリズム101、102、201、202それぞれのθZ方向に関する位置を検出可能な位置検出装置25と、加工対象物WPに形成される穴の目標形状と、その目標形状の穴を形成するための4つのプリズム101、102、201、202それぞれのθZ方向に関する目標位置との関係(テーブル)とを記憶する記憶装置26と、を備えている。制御装置24は、記憶装置26の記憶情報と位置検出装置25の検出結果とに基づいて、4つのアクチュエータ103、104、203、204それぞれの駆動量及び駆動速度を制御する。例えば、アクチュエータ204の駆動量が制御されることにより、第4プリズム202のθZ方向に関する移動量(回転量、回転角度)が制御され、アクチュエータ204の駆動速度が制御されることにより、第4プリズム202のθZ方向に関する移動速度(回転速度)が制御される。アクチュエータ103、104、203についても同様である。
位置検出装置25は、基準位置に対するθZ方向に関する第1プリズム101の移動量を検出するエンコーダ25Aと、第2プリズム102の移動量を検出するエンコーダ25Bと、第3プリズム201の移動量を検出するエンコーダ25Cと、第4プリズム202の移動量を検出するエンコーダ25Dと、を含む。位置検出装置25は、エンコーダ25A、25B、25C、25Dを使って、θZ方向に関する第1、第2、第3、第4プリズム101、102、201、202それぞれの位置を検出可能である。位置検出装置25の検出結果は制御装置24に出力される。制御装置24は、位置検出装置25の検出結果に基づいて、基準位置に対して4つのプリズム101、102、201、202のそれぞれが目標位置に配置されるように、アクチュエータ103、104、203、204を制御する。また、制御装置24は、位置検出装置25の検出結果に基づいて、単位時間当たりの4つのプリズム101、102、201、202それぞれの移動量を求め、その移動量に基づいて、θZ方向に関する4つのプリズム101、102、201、202それぞれの移動速度を求めることもできる。
記憶装置26には、加工対象物WPに目標形状の穴を形成するための4つのプリズム101、102、201、202それぞれの目標位置に関する情報が記憶されている。なお、穴の目標形状と、その目標形状の穴を形成するための4つのプリズム101、102、201、202それぞれの目標位置との関係は、予備実験及びシミュレーションの一方又は両方により決定可能である。制御装置24は、加工対象物WPに目標形状の穴が形成されるように、それら4つのプリズム101、102、201、202それぞれの目標位置に関する情報と、4つのエンコーダ25A、25B、25C、25Dそれぞれの検出結果とに基づいて、4つのアクチュエータ103、104、203、204のそれぞれを制御する。換言すれば、制御装置24は、加工対象物WPに目標形状の穴が形成されるように、記憶装置26の記憶情報に基づいて、θZ方向に関する4つのプリズム101、102、201、202の相対位置(位相角の差)、4つのプリズム101、102、201、202それぞれの回転量、及び4つのプリズム101、102、201、202それぞれの回転速度を含む、4つのプリズム101、102、201、202の回転条件(移動条件、位置条件)を決定する。制御装置24は、その決定された回転条件に基づいて4つのプリズム101、102、201、202が回転(移動)するように、4つのアクチュエータ103、104、203、204のそれぞれを制御する。
図5は、第1プリズム101及び第2プリズム102の動作の一例を示す模式図である。図5に示すように、制御装置24は、第1駆動装置105を制御して、θZ方向(回転方向)に関する第1プリズム101と第2プリズム102との相対位置を変化させることができる。例えば、第1プリズム101に対して、第2プリズム102を、図5中、破線で示す位置(符号102’参照)から実線で示す位置(符号102参照)まで回転させることができる。例えば、θZ方向に関して第1プリズム101を第1速度で回転させながら、その第1プリズム101の回転の少なくとも一部の期間において、第2プリズム102を第1速度とは異なる第2速度で回転させることにより、制御装置24は、θZ方向に関する第1プリズム101と第2プリズム102との相対位置を変化させることができる。もちろん、制御装置24は、第1プリズム101に対して第2プリズム102を、θZ方向に1回転させることができるし、複数回転させることができる。
図6は、第1プリズム101及び第2プリズム102の動作の一例を示す模式図である。図6に示すように、制御装置24は、第1駆動装置105を制御して、θZ方向(回転方向)に関する第1プリズム101と第2プリズム102との相対位置を固定した状態で、第1プリズム101と第2プリズム102とを一緒に回転させることができる。例えば、第1プリズム101及び第2プリズム102を、図6中、破線で示す位置(符号101’及び符号102’参照)から実線で示す位置(符号101及び符号102参照)まで、第1プリズム101及び第2プリズム101を一緒に回転させることができる。もちろん、制御装置24は、第1プリズム101及び第2プリズム102を、θZ方向に1回転させることができるし、複数回転させることができる。
図5及び図6を参照して第1プリズム101及び第2プリズム102の動作の一例について説明した。第1プリズム101及び第2プリズム102と同様、制御装置24は、θZ方向(回転方向)に関する第3プリズム201と第4プリズム202との相対位置を変化させることができるし、θZ方向に関する第3プリズム201と第4プリズム202との相対位置を固定した状態で第3プリズム201と第4プリズム202とを一緒に回転させることができる。また、制御装置24は、第1プリズム101、第2プリズム102、第3プリズム201、及び第4プリズム202のそれぞれを別々に回転させることができる。
なお、図5及び図6においては、第1、第2プリズム101、102が角ウェッジプリズムである例を示したが、丸ウェッジプリズムでもよい。
図7及び図8は、第3プリズム201に対して第4プリズム202がθZ方向に相対移動したときの、加工対象物WPに対するレーザ光Lの照射条件(入射条件)の一例を示す模式図である。なお、図7及び図8においては、説明を簡単にするため、第3プリズム201の入射面201Aにレーザ光Lが垂直に入射する例について説明する。すなわち、図7及び図8に示す例において、第3プリズム201の入射面201Aに入射するレーザ光Lの入射角度θ5aは0度である。また、第3プリズム201の入射面201Aに入射したレーザ光Lの屈折角度θ5bも0度である。また、図7及び図8は、便宜上、レーザ光LがXZ平面内を通過する例を示す。
図7に示すように、θZ方向に関する第3プリズム201と第4プリズム202との相対位置が第1条件である場合、レーザ光Lが通過する面内(XZ面内)における、XY平面と第3プリズム201の入射面201Aとがなす角度θEは、0度であり、XY平面と第3プリズム201の射出面201Bとがなす角度θFは、第1角度であり、XY平面と第4プリズム202の入射面202Aとがなす角度θGは、第1角度とは異なる第2角度であり、XY平面と第4プリズム202の射出面202Bとがなす角度θHは、0度である。第1角度及び第2角度のそれぞれは、0度より大きく90度よりも小さい。なお、図7に示す例においては、射出面201Bの−X側の端部が+X側の端部よりも−Z側に配置されるように射出面201Bが傾斜する。入射面202Aの−X側の端部が+X側の端部よりも+Z側に配置されるように入射面202Aが傾斜する。
図7において、第3プリズム201の入射面201Aに入射したレーザ光Lは、その第3プリズム201の射出面201Bから射出される。第3プリズム201の射出面201Bは、XY平面に対して傾斜しており、レーザ光Lは、入射角度θ6aで射出面201Bに入射した後、その入射角度θ6aに応じた屈折角度θ6bで射出面201Bから射出される。光軸AXと平行なZ軸と射出面201Bから射出されるレーザ光Lとがなす角度θLa(射出面201Bから射出されるレーザ光Lの進行方向)は、射出面201Bの傾斜角度θF及びその射出面201Bに対するレーザ光Lの入射角度θ6aに応じて変化する。
第3プリズム201の射出面201Bから射出されたレーザ光Lは、第4プリズム202の入射面202Aに、屈折角度θ6b(Z軸と射出面201Bから射出されるレーザ光Lとがなす角度θLa)に応じた入射角度θ7aで入射する。第4プリズム202の入射面202Aは、XY平面に対して傾斜しており、レーザ光Lは、入射角度θ7aで入射面202Aに入射した後、その入射角度θ7aに応じた屈折角度θ7bで第4プリズム202に入射する。Z軸と入射面202Aから第4プリズム202に入射するレーザ光Lとがなす角度θLb(入射面202Aから入射するレーザ光Lの進行方向)は、入射面202Aの傾斜角度θG及びその入射面202Aに対するレーザ光Lの入射角度θ7aに応じて変化する。第4プリズム202を進行したレーザ光Lは、第4プリズム202の射出面202Bに、入射角度θ8aで入射した後、その入射角度θ8aに応じた屈折角度θ8bで射出面202Bから射出される。
第4プリズム202の射出面202Bから射出されたレーザ光Lは、集光光学系80を介して、加工対象物WPの表面に照射される。加工対象物WPの表面において、レーザ光Lは、集光光学系80の光軸と加工対象物WPの表面との交点Pから第1距離R1だけ離れた位置IP1に照射される。
図8に示すように、θZ方向に関する第3プリズム201と第4プリズム202との相対位置が第2条件である場合、レーザ光Lが通過する面内(XZ面内)における、XY平面と第3プリズム201の入射面201Aとがなす角度θEは、0度であり、XY平面と第3プリズム201の射出面201Bとがなす角度θFは、第1角度であり、XY平面と第4プリズム202の入射面202Aとがなす角度θGは、第1角度及び第2角度とは異なる第3角度であり、XY平面と第4プリズム202の射出面202Bとがなす角度θHは、0度である。第1角度及び第3角度のそれぞれは、0度より大きく90度よりも小さい。
図8において、第3プリズム201の入射面201Aに入射したレーザ光Lは、その第3プリズム201の射出面201Bから射出される。第3プリズム201の射出面201Bは、XY平面に対して傾斜しており、レーザ光Lは、入射角度θ6aで射出面201Bに入射した後、その入射角度θ6aに応じた屈折角度θ6bで射出面201Bから射出される。Z軸と射出面201Bから射出されるレーザ光Lとがなす角度θLa(射出面201Bから射出されるレーザ光Lの進行方向)は、射出面201Bの傾斜角度θF及びその射出面201Bに対するレーザ光Lの入射角度θ6aに応じて変化する。
第3プリズム201の射出面201Bから射出されたレーザ光Lは、第4プリズム202の入射面202Aに、屈折角度θ6b(Z軸と射出面201Bから射出されるレーザ光Lとがなす角度θLa)に応じた入射角度θ7aで入射する。第4プリズム202の入射面202Aは、XY平面に対して傾斜しており、レーザ光Lは、入射角度θ7aで入射面202Aに入射した後、その入射角度θ7aに応じた屈折角度θ7bで第4プリズム202に入射する。Z軸と入射面202Aから第4プリズム202に入射するレーザ光Lとがなす角度θLb(入射面202Aから入射するレーザ光Lの進行方向)は、入射面202Aの傾斜角度θG及びその入射面202Aに対するレーザ光Lの入射角度θ7aに応じて変化する。第4プリズム202を進行したレーザ光Lは、第4プリズム202の射出面202Bに、入射角度θ8aで入射した後、その入射角度θ8aに応じた屈折角度θ8bで射出面202Bから射出される。
第4プリズム202の射出面202Bから射出されたレーザ光Lは、集光光学系80を介して、加工対象物WPの表面に照射される。加工対象物WPの表面において、レーザ光Lは、集光光学系80の光軸と加工対象物WPの表面との交点Pから第1距離R1とは異なる第2距離R2だけ離れた位置IP2に照射される。
このように、射出面202Bから射出されるレーザ光Lの位置(射出位置)、すなわち、加工対象物WPの表面におけるレーザ光Lの照射位置IP(交点Pからの距離R)は、第3プリズム201及び第4プリズム202のそれぞれにおいてレーザ光Lが通過する部分(レーザ光Lが通過する面内)における射出面201Bにおける入射角度θ6a及び屈折角度θ6b、入射面202Aにおける入射角度θ7a及び屈折角度θ7b、射出面202Bにおける入射角度θ8a及び屈折角度θ8b、射出面201Bの傾斜角度θF、及び入射面202Aの傾斜角度θGに応じて変化する。これらレーザ光Lが通過する部分における入射角度θ6a、射出角度θ6b、入射角度θ7a、射出角度θ7b、傾斜角度θF、及びθGは、θZ方向に関する第3プリズム201に対する第4プリズム202の相対位置を変化させることによって、変化させることができる。本実施形態においては、θZ方向に関して、第3プリズム201に対する第4プリズム202の相対位置を連続的に変化させることにより、交点Pとレーザ光Lの照射位置IPとの距離Rを連続的に変化させることができる。
また、θZ方向に関する第3プリズム201と第4プリズム202との相対位置が固定された状態で、第3プリズム201と第4プリズム202とが一緒に回転することにより、図9の模式図に示すように、レーザ光Lの照射位置(入射位置)IPを、交点P(集光光学系80の光軸)の周囲において旋回させることができる(矢印c参照)。すなわち、交点(中心)Pの周囲をレーザ光Lが旋回し、中心Pを旋回中心とする仮想円IC上をレーザLの照射位置IPが移動することにより、図10に示すように、XY平面において円形の穴Wbを加工対象物WPに形成することができる。穴Wbの大きさ(径)は、距離(旋回径)Rを調整することにより調整可能である。
また、θZ方向に関する第3プリズム201と第4プリズム202との相対位置を変化させながら、第3プリズム201の回転と同期して、第4プリズム203を回転させることにより、XY平面における穴の形状を調整することができる。例えば、図11に示すように、楕円形の穴Wbを加工対象物WPに形成することができる。すなわち、レーザ光Lを旋回させながら、距離Rが変化するように第3プリズム201と第4プリズム202との相対位置を調整することにより、楕円形の穴Wbを形成することができる。また、集光光学系80の光軸(中心P)の周囲においてレーザ光Lを旋回させながら距離Rを調整することにより、楕円形とは異なる形状の穴Wbを形成することができる。
図7及び図8を参照した例では、第3プリズム201の入射面201Aに対してレーザ光Lが垂直に入射する場合について説明した。本実施形態においては、θZ方向に関する第1プリズム101及び第2プリズム102の相対位置を変化させて、第3プリズム201の入射面201Aに入射するレーザ光Lの入射角度θ5a及び入射位置を変化させることができる。すなわち、第2プリズム102の射出面102Bから射出されるレーザ光Lの位置及び屈折角度θ4bは、第1プリズム101及び第2プリズム102のそれぞれにおいてレーザ光Lが通過する部分(レーザ光Lが通過する面内)における射出面101Bにおける入射角度θ2a及び屈折角度θ2b、入射面102Aにおける入射角度θ3a及び屈折角度θ3b、射出面102Bにおける入射角度θ4a及び屈折角度θ4b、射出面101Bの傾斜角度θB、及び入射面102Aの傾斜角度θCに応じて変化する。これらレーザ光Lが通過する部分における入射角度θ2a、屈折角度θ2b、入射角度θ3a、屈折角度θ3b、入射角度θ4a、屈折角度θ4b、傾斜角度θB、及び傾斜角度θCは、θZ方向に関する第1プリズム101に対する第2プリズム102の相対位置を変化させることによって、変化させることができる。したがって、θZ方向に関する第1プリズム101及び第2プリズム102の相対位置を変化させることにより、図12に示すように、第2プリズム102の射出面102Bから射出されるレーザ光Lの屈折角度θ4b、及び第3プリズム201の入射面201Aに入射するレーザ光Lの入射角度θ5aを調整することができる。本実施形態においては、θZ方向に関して、第1プリズム101に対する第2プリズム102の相対位置を連続的に変化させることにより、第3プリズム201の入射面201Aに入射するレーザ光Lの入射角度θ5aを連続的に調整することができる。また、入射面201Aに入射するレーザ光Lの入射位置を連続的に調整することもできる。
第3プリズム201の入射面201Aに入射するレーザ光Lの入射角度θ5aが変化することにより、第4プリズム202の射出面202Bから射出されるレーザ光Lの屈折角度θ8bが変化する。したがって、θZ方向に関する第1プリズム101及び第2プリズム102の相対位置を変化させることにより、第4プリズム202の射出面202Bから射出されるレーザ光の屈折角度θ8bを調整することができ、図13に示すように、加工対象物WPの表面に入射するレーザ光Lの入射角度θWを調整することができる。本実施形態においては、θZ方向に関して、第1プリズム101に対する第2プリズム102の相対位置を連続的に変化させることにより、加工対象物WPの表面に入射するレーザ光Lの入射角度θWを連続的に調整することができる。
そして、本実施形態においては、θZ方向に関する第1プリズム101と第2プリズム102の相対位置、及び第3プリズム201と第4プリズム202との相対位置を変化させることによって、図14に示すように、加工対象物WPの表面におけるレーザ光Lの入射位置IP(交点Pからの距離R)と、加工対象物WPの表面に対するレーザ光Lの入射角度θWとの一方又は両方を調整することができる。
このように、制御装置24は、θZ方向(回転方向)に関する第1プリズム101と第2プリズム102との相対位置、及び第3プリズム201と第4プリズム202との相対位置を調整して、加工対象物WPに対するレーザ光LPの入射位置(照射位置)IP及び入射角度θWを含むレーザ光Lの照射条件を調整することができる。
なお、本実施形態においては、調整装置400の第1調整部401が加工対象物WPの表面に対するレーザ光Lの入射角度θWを調整し、第2調整部402がレーザ光Lの照射位置IPを調整することとした。実際には、調整装置400が有する4つのプリズム101、102、201、202のθZ方向に関する相対位置を適宜調整することによって、加工対象物WPの表面におけるレーザ光Lの入射位置IP、及び加工対象物WPの表面に対するレーザ光Lの入射角度θWが調整される。すなわち、上述の説明においては、第1調整部401がレーザ光Lの入射角度θWを調整し、第2調整部402がレーザ光Lの照射位置IPを調整することとしたが、第1調整部401がレーザ光Lの入射角度θW及び照射位置IPの一方又は両方を調整可能であるし、第2調整部402がレーザ光Lの入射角度θW及び照射位置IPの一方又は両方を調整可能である。
次に、レーザ加工装置10を用いて加工対象物WPを加工する方法の一例について説明する。以下の説明において、4つのプリズム101、102、201、202は、同じ方向に回転する。4つのプリズム101、102、201、202は、例えば+θZ方向(時計まわりの方向)に同期して回転してもよいし、−θZ方向(反時計まわりの方向)に同期して回転してもよい。
図15(A)は、加工すべき穴Wbの平面図、図15(B)は、加工すべき穴Wbの断面図を示す。すなわち、図15は、加工対象物WPに形成すべき穴Wbの目標形状を示す。図15(A)に示すように、XY平面における穴Wbの形状は、円形であり、穴Wbの半径は、r1である。図15(B)に示すように、加工対象物WPの表面から裏面に向かって、穴Wbの大きさは一定である。すなわち、穴Wbは、所謂、ストレート穴である。
制御装置24は、加工対象物WPに図15に示した穴Wbが形成されるように、記憶装置26の記憶情報に基づいて、θZ方向に関する4つのプリズム101、102、201、202の回転条件(移動条件、位置条件)を決定する。例えば、制御装置24は、加工対象物WPに図15に示した穴Wbが形成されるように、記憶装置26の記憶情報に基づいて、θZ方向に関する4つのプリズム101、102、201、202の相対位置(位相角の差)を決定する。例えば、制御装置24は、図15に示したストレート穴Wbが形成されるように、θZ方向に関する第1プリズム101と第2プリズム102との相対位置を決定するとともに、図15に示した半径r1の穴Wbが形成されるように、θZ方向に関する第3プリズム201と第4プリズム202との相対位置を決定する。一例として、加工対象物WPの表面に入射するレーザ光Lの入射角度θWの目標角度を0度とし、加工対象物WPの表面に入射するレーザ光Lの入射位置IPの目標位置を中心Pから距離r1の位置としてもよい。制御装置24は、加工対象物WPの表面に入射するレーザ光Lの入射角度θWが目標角度になり、入射位置IPが目標位置になるように、θZ方向に関する第1プリズム101と第2プリズム102と第3プリズム201と第4プリズム202との相対位置を決定する。
本実施形態においては、穴Wbの加工において、θZ方向に関する第1プリズム101と第3プリズム201との相対位置は変化しないように第1駆動装置105及び第2駆動装置205が制御される。目標形状の穴Wbが形成されるように、θZ方向に関する第1プリズム101に対する第2プリズム102の相対位置が決定され、第3プリズム201に対する第4プリズム202の相対位置が決定される。
図16は、図15に示した穴Wbを形成するためのθZ方向に関する4つのプリズム101、102、201、202の回転条件の一例を示す図である。図16に示す回転条件は、記憶装置26に記憶されている。図16(A)において、横軸は、第1プリズム101及び第2プリズム102が回転している時間を示し、縦軸は、θZ方向に関する第1プリズム101に対する第2プリズム102の相対位置(位相角の差)を示す。図16(B)において、横軸は、第3プリズム201及び第4プリズム202が回転している時間を示し、縦軸は、θZ方向に関する第3プリズム201に対する第4プリズム202の相対位置(位相)を示す。4つのプリズム101、102、201、202のそれぞれは、θZ方向に関する回転開始位置から回転を開始し、1回転するのに時間Tを要するものとする。
図16において、4つのプリズム101、102、201、202のそれぞれが、基準相対位置を維持した状態で、一定速度で、時間Tをかけて1回転するときの各時点における位相(相対位相)をそれぞれφ1、φ2、φ3、φ4とする。本実施形態においては、プリズム101、201は、一定速度で回転するため、1回転するときの各時点におけるプリズム101とプリズム201との位相(相対位相)はそれぞれ、φ1、φ3と一定である。また、プリズム101が一定速度で回転し、プリズム102が角速度を変化させずに一定速度で回転する場合、プリズム102の位相(プリズム101に対する相対位相)は、一定である(図16、図18、図20、図23参照)。一方、1回の回転の少なくとも一部においてプリズム102の角速度が変化する場合、プリズム102の位相は変化する。また、プリズム201が一定速度で回転し、プリズム202が角速度を変化させずに一定速度で回転する場合、プリズム202の位相(プリズム201に対する相対位相)は、一定である(図16、図20参照)。一方、1回の回転の少なくとも一部においてプリズム202の角速度が変化する場合、プリズム202の位相は変化する(図18、図23参照)。
本実施形態においては、図15に示す穴Wbが形成されるように、第1プリズム101に対する第2プリズム102の位相角の差が決定される。本実施形態においては、入射角度θWを目標角度にするための第1プリズム101に対する第2プリズム102の位相角の差は(φ1−φ2)である。制御装置24は、入射角度θWが目標角度になるように、θZ方向に関する第1プリズム101に対する第2プリズム102の相対位置(位相角の差)を決定し、調整する。また、図15に示す穴Wbが形成されるように、第3プリズム201に対する第4プリズム202の位相角の差が決定される。本実施形態においては、入射位置IPを中心Pにするための第3プリズム201に対する第4プリズム202の位相角の差は(φ3−φ4)であり、入射位置IPを目標位置(中心Pから距離r1の位置)にするための第3プリズム201に対する第4プリズム202の位相角の差は(φ3−φ5)である。制御装置24は、入射位置IPが目標位置になるように、θZ方向に関する第3プリズム201に対する第4プリズム202の相対位置(位相角の差)を決定し、調整する。
制御装置24は、θZ方向に関する第1プリズム101と第3プリズム201との相対位置(位相角の差)を固定した状態で、第1プリズム101と第3プリズム201とを一緒に回転させる。また、制御装置24は、入射角度θWが目標角度になるように、θZ方向に関する第1プリズム101に対する第2プリズム102の相対位置(位相角の差)を固定した状態で、第1プリズム101と第2プリズム102とを一緒に回転させる。また、制御装置24は、入射位置IPが目標位置になるように、θZ方向に関する第3プリズム201に対する第4プリズム202の相対位置(位相角の差)を固定した状態で、第3プリズム201と第4プリズム202とを一緒に回転させる。すなわち、本実施形態においては、回転開始位置において第1プリズム101と第2プリズム102と第3プリズム201と第4プリズム202との相対位置が固定され、その相対位置が固定された状態で、第1プリズム101と第2プリズム102と第3プリズム201と第4プリズム202とが一緒に回転する。これにより、図15に示したような穴Wbが形成される。
また、本実施形態においては、第1プリズム101と第2プリズム102と第3プリズム201と第4プリズム202とは、一定速度で回転する。なお、制御装置24は、4つのプリズム101、102、201、202の相対位置を固定した状態で、回転速度を変化させてもよい。
図17は、加工すべき穴Wbの別の例を示す。図17(A)に示すように、XY平面XYにおける穴Wbの形状は、楕円形であり、穴Wbの短軸の半分の寸法はr1であり、長軸の半分の寸法はr2である。図17(B)に示すように、加工対象物WPの表面から裏面に向かって、穴Wbの大きさは一定である。
制御装置24は、加工対象物WPに図17に示した穴Wbが形成されるように、記憶装置26の記憶情報に基づいて、θZ方向に関する4つのプリズム101、102、201、202の回転条件を決定する。例えば、制御装置24は、加工対象物WPに図17に示した穴Wbが形成されるように、記憶装置26の記憶情報に基づいて、θZ方向に関する4つのプリズム101、102、201、202の相対位置(位相角の差)を決定する。本実施形態において、制御装置24は、ストレート穴Wbが形成されるように、θZ方向に関する第1プリズム101と第2プリズム102との相対位置を決定するとともに、楕円形の穴Wbが形成されるように、θZ方向に関する第3プリズム201と第4プリズム202との相対位置を決定する。一例として、加工対象物WPの表面に入射するレーザ光Lの入射角度θWの目標角度を0度とし、加工対象物WPの表面に入射するレーザ光Lの入射位置IPの目標位置を中心Pから距離r1の位置と距離r2の位置との間で変化させてもよい。制御装置24は、加工対象物WPの表面に入射するレーザ光Lの入射角度θWが目標角度になり、入射位置IPが目標位置になるように、θZ方向に関する第1プリズム101と第2プリズム102と第3プリズム201と第4プリズム202との相対位置を調整する。
穴Wbの加工において、θZ方向に関する第1プリズム101と第3プリズム201との相対位置は変化しないように第1駆動装置105及び第2駆動装置205が制御される。目標形状の穴Wbが形成されるように、θZ方向に関する第1プリズム101に対する第2プリズム102の相対位置が決定され、第3プリズム201に対する第4プリズム202の相対位置が決定される。
図18は、図17に示した穴Wbを形成するためのθZ方向に関する4つのプリズム101、102、201、202の回転条件の一例を示す図である。図17に示す穴Wbが形成されるように、第1プリズム101に対する第2プリズム102の位相角の差が決定される。入射角度θWを目標角度にするための第1プリズム101に対する第2プリズム102の位相角の差は(φ1−φ2)である。制御装置24は、入射角度θWが目標角度になるように、θZ方向に関する第1プリズム101に対する第2プリズム102の相対位置(位相角の差)を決定し、調整する。また、図17に示す穴Wbが形成されるように、第3プリズム201に対する第4プリズム202の位相角の差が決定される。本実施形態においては、入射位置IPを中心Pから距離r1の位置にするための第3プリズム201に対する第4プリズム202の位相角の差は(φ3−φ5)であり、入射位置IPを中心Pから距離r2の位置にするための第3プリズム201に対する第4プリズム202の位相角の差は(φ3−φ6)である。制御装置24は、入射位置IPが目標位置になるように、θZ方向に関する第3プリズム201に対する第4プリズム202の相対位置(位相角の差)を決定し、調整する。
制御装置24は、θZ方向に関する第1プリズム101と第3プリズム201との相対位置(位相角の差)を固定した状態で、第1プリズム101と第3プリズム201とを一緒に回転させる。また、制御装置24は、入射角度θWが目標角度になるように、θZ方向に関する第1プリズム101に対する第2プリズム102の相対位置(位相角の差)を固定した状態で、第1プリズム101と第2プリズム102とを一緒に回転させる。また、制御装置24は、θZ方向に関する第3プリズム201の1回の回転において、第3プリズム201との相対位置(位相角の差)を変えながら、第4プリズム202を回転させる。本実施形態においては、第3プリズム201と第4プリズム202との位相角の差が、(φ3−φ5)と(φ3−φ6)との間において変化するように、第3プリズム201対する第4プリズム202の位相角の差を変化させながら、第3プリズム201の回転と同期して、第4プリズム202を回転させる。これにより、図17に示したような穴Wbが形成される。なお、制御装置24は、第3プリズム201の1回の回転において、第3プリズム201との相対位置を固定して第4プリズム202を第1角度(例えば90度)回転させ、第3プリズム201との相対位置を変えながら第4プリズム202を第2角度(例えば90度)回転させてもよい。
本実施形態において、第1プリズム101と第2プリズム102と第3プリズム201とは、一定速度で回転し、第4プリズム202の回転速度(角速度)は変化する。なお、制御装置24は、3つのプリズム101、102、201の相対位置を固定した状態で、回転速度を変化させてもよい。
図19は、加工すべき穴Wbの別の例を示す。図19(A)に示すように、XY平面における穴Wbの形状は、円形である。図19(B)に示すように、加工対象物WPの表面から裏面に向かって、穴Wbの大きさは小さくなる。すなわち、穴Wbは、所謂、テーパ穴である。
制御装置24は、加工対象物WPに図19に示した穴Wbが形成されるように、記憶装置26の記憶情報に基づいて、θZ方向に関する4つのプリズム101、102、201、202の相対位置(位相角の差)を決定する。一例として、加工対象物WPの表面に入射するレーザ光Lの入射角度θWの目標角度をθr度とし、加工対象物WPの表面に入射するレーザ光Lの入射位置IPの目標位置を中心Pから距離r1の位置としてもよい。制御装置24は、加工対象物WPの表面に入射するレーザ光Lの入射角度θWが目標角度になり、入射位置IPが目標位置になるように、θZ方向に関する第1プリズム101と第2プリズム102と第3プリズム201と第4プリズム202との相対位置を調整する。
穴Wbの加工において、θZ方向に関する第1プリズム101と第3プリズム201との相対位置は変化しないように第1駆動装置105及び第2駆動装置205が制御される。目標形状の穴Wbが形成されるように、θZ方向に関する第1プリズム101に対する第2プリズム102の相対位置が決定され、第3プリズム201に対する第4プリズム202の相対位置が決定される。
図20は、図19に示した穴Wbを形成するためのθZ方向に関する4つのプリズム101、102、201、202の回転条件の一例を示す図である。図19に示すテーパ角の穴Wbが形成されるように、第1プリズム101に対する第2プリズム102の位相角の差が決定される。本実施形態においては、入射角度θWを目標角度にするための第1プリズム101に対する第2プリズム102の位相角の差は(φ1−φ7)である。制御装置24は、入射角度θWが目標角度になるように、θZ方向に関する第1プリズム101に対する第2プリズム102の相対位置(位相角の差)を決定し、調整する。また、図19に示す円形の穴Wbが形成されるように、第3プリズム201に対する第4プリズム202の位相角の差が決定される。本実施形態においては、入射位置IPを目標位置にするための第3プリズム201に対する第4プリズム202の位相角の差は(φ3−φ5)である。制御装置24は、入射位置IPが目標位置になるように、θZ方向に関する第3プリズム201に対する第4プリズム202の相対位置(位相角の差)を決定し、調整する。
制御装置24は、θZ方向に関する第1プリズム101と第3プリズム201との相対位置(位相角の差)を固定した状態で、第1プリズム101と第3プリズム201とを一緒に回転させる。また、制御装置24は、入射角度θWが目標角度になるように、θZ方向に関する第1プリズム101に対する第2プリズム102の相対位置(位相角の差)を固定した状態で、第1プリズム101と第2プリズム102とを一緒に回転させる。また、制御装置24は、入射位置IPが目標位置になるように、θZ方向に関する第3プリズム201に対する第4プリズム202の相対位置(位相角の差)を固定した状態で、第3プリズム201と第3プリズム202とを一緒に回転させる。これにより、図19に示したような穴Wbが形成される。
本実施形態においては、図21に示すように、集光光学系80の集光位置(集光点)が加工対象物WPの裏面に一致するように、光軸AXと平行なZ軸方向に関する集光光学系80(レーザ加工ヘッド10)と加工対象物WPとの相対位置が調整される。本実施形態においては、Z軸移動機構38を含む移動ユニット14により、Z軸方向に関する集光光学系80と加工対象物WPとの相対位置が調整される。制御装置24は、移動ユニット14を制御して、集光光学系80の集光位置と加工対象物WPの裏面とを一致させた状態で、レーザ光Lを照射する。これにより、図19に示したような穴Wbが形成される。
図22は、加工すべき穴Wbの別の例を示す。図22(A)に示すように、XY平面における穴Wbの形状は、楕円形である。図22(B)に示すように、加工対象物WPの表面から裏面に向かって、穴Wbの大きさは大きくなる。すなわち、穴Wbは、所謂、逆テーパ穴である。
制御装置24は、加工対象物WPに図22に示した穴Wbが形成されるように、記憶装置26の記憶情報に基づいて、θZ方向に関する4つのプリズム101、102、201、202の相対位置(位相角の差)を決定する。制御装置24は、逆テーパ穴Wbが形成されるように、θZ方向に関する第1プリズム101と第2プリズム102との相対位置を決定するとともに、図22に示した大きさの穴Wbが形成されるように、θZ方向に関する第3プリズム201と第4プリズム202との相対位置を決定する。制御装置24は、加工対象物WPの表面に入射するレーザ光Lの入射角度θWが目標角度になり、入射位置IPが目標位置になるように、θZ方向に関する第1プリズム101と第2プリズム102と第3プリズム201と第4プリズム202との相対位置を調整する。
穴Wbの加工において、θZ方向に関する第1プリズム101と第3プリズム201との相対位置は変化しないように第1駆動装置105及び第2駆動装置205が制御される。目標形状の穴Wbが形成されるように、θZ方向に関する第1プリズム101に対する第2プリズム102の相対位置が決定され、第3プリズム201に対する第4プリズム202の位置が決定される。
図23は、図22に示した穴Wbを形成するためのθZ方向に関する4つのプリズム101、102、201、202の回転条件の一例を示す図である。図22に示すテーパ角の穴Wbが形成されるように、第1プリズム101に対する第2プリズム102の位相角の差が決定される。また、図22に示す楕円形の穴Wbが形成されるように、第3プリズム201に対する第4プリズム202の位相角の差が決定される。
制御装置24は、θZ方向に関する第1プリズム101と第3プリズム201との相対位置(位相角の差)を固定した状態で、第1プリズム101と第3プリズム201とを一緒に回転させる。また、制御装置24は、入射角度θWが目標角度になるように、θZ方向に関する第1プリズム101に対する第2プリズム102の相対位置(位相角の差)を固定した状態で、第1プリズム101と第2プリズム102とを一緒に回転させる。また、制御装置24は、θZ方向に関する第3プリズム201の1回の回転において、第3プリズム201との相対位置(位相角の差)を変えながら、第4プリズム202を回転させる。本実施形態においては、第3プリズム201と第4プリズム202との位相角の差が(φ3−φ5)と(φ3−φ6)との間において変化するように、第3プリズム201に対する第4プリズム202の位相角の差を変化させながら、第3プリズム201の回転と同期して、第4プリズム202を回転させる。これにより、図22に示したような穴Wbが形成される。
本実施形態においては、図24に示すように、集光光学系80の集光位置(集光点)が加工対象物WPの表面に一致するように、移動ユニット14により、光軸AXと平行なZ軸方向に関する集光光学系80(レーザ加工ヘッド10)と加工対象物WPとの相対位置が調整される。制御装置24は、移動ユニット14を制御して、集光光学系80の集光位置と加工対象物WPの表面とを一致させた状態で、レーザ光Lを照射する。これにより、図22に示したような穴Wbが形成される。
以上説明したように、本実施形態によれば、第1プリズム101、第2プリズム102、及び第1駆動装置105を含む第1調整部401と、第3プリズム201、第4プリズム202、及び第2駆動装置205を含む第2調整部402とを備える調整装置400により、加工対象物WPに対するレーザ光Lの入射角度θW及び入射位置IPを調整できるため、任意の形状の穴Wbを加工対象物WPに精度良く形成することができる。したがって、加工対象物WPを高品質かつ高精度に加工することができる。
また、本実施形態においては、θZ方向に関する第1プリズム101と第3プリズム201との相対位置を固定した状態で第1プリズム101と第3プリズム201とを一緒に回転させ、θZ方向に関する第1プリズム101に対する第2プリズム102の相対位置、及び第3プリズム201に対する第4プリズム202の相対位置を調整して、レーザ光Lの照射条件(入射角度θW及び入射位置IPの一方又は両方)を調整するようにしたので、制御の複雑化を抑制することができる。また、第1プリズム101と第3プリズム201との相対位置を固定した状態で第1プリズム101と第3プリズム201とを一定速度で回転させつつ、所望の入射角度θW及び入射位置IPが得られるように、第2プリズム102及び第4プリズム202の回転を制御することにより、より制御の複雑化を抑制できる。
また、本実施形態においては、入射角度θWが目標角度になるようにθZ方向に関する第1プリズム101に対する第2プリズム102の相対位置を決定し、その決定した相対位置を固定した状態で第1プリズム101と第2プリズム102とを一緒に回転させるようにしたので、高品質なストレート穴、テーパ穴、及び逆テーパ穴を形成することができる。
また、本実施形態においては、第3プリズム201の1回の回転において、第3プリズム201との相対位置を変えながら第4プリズム202を回転させることにより、XY平面内において任意の形状の穴を形成することができる。上述の実施形態においては、楕円形の穴を形成する例について説明したが、ハート型の穴など、任意の形状の穴を形成することができる。
また、Z軸方向に関して、集光光学系80の集光位置と加工対象物WPとの相対位置を調整してレーザ光Lを照射することにより、図19及び図21に示したようなテーパ穴を形成することができるし、図22及び図24に示したような逆テーパ穴を形成することができる。
なお、本実施形態において、第1プリズム101の1回の回転において、第1プリズム101との相対位置を変えながら第2プリズム102を回転させてもよい。こうすることにより、傾斜角度が異なる内側面を有する穴を形成することができる。
なお、上述の実施形態においては、4つのプリズム101、102、201、202を回転させて、光軸AXの周囲においてレーザ光Lを旋回させて穴加工を行う例について説明した。レーザ光Lの照射条件が所望の入射角度θW及び入射位置IPとなるように4つのプリズム101、102、201、202の相対位置を固定した状態で、それら4つのプリズム101、102、201、202を回転させることなく、レーザ光Lを照射してもよい。これにより、例えば図25に示すように、加工対象物WPをレーザ光で切断することができる。また、レーザ光Lの入射角度θWを調整することにより、加工対象物WPの切断面の角度を調整することができる。以下の実施形態においても同様である。
なお、上述の実施形態において、集光光学系80の光軸がZ軸と平行で、コリメート光学系70の光軸がX軸(又はY軸)と平行でもよい。なお、集光光学系80の光軸及びコリメート光学系70の光軸のそれぞれがZ軸と平行で、それら光軸がずれていてもよい(同軸でなくてもよい)。その場合、コリメート光学系70から射出されたレーザ光Lは、ミラーなどの光学素子により進行方向を変えられた後、調整装置400の光学系に供給されればよい。以下の実施形態においても同様である。
<第2実施形態>
第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図26は、本実施形態に係る複合加工装置10Bの概略構成を示す模式図である。図27は、ステージユニットの概略構成を示す斜視図である。
複合加工装置10Bは、フレーム12と、移動ユニット14と、ステージユニット16と、機械加工ヘッド50を含む機械加工ユニット20と、レーザ加工ヘッド60を含むレーザ加工ユニット22と、制御装置24と、を有する。複合加工装置10Bは、ステージユニット16に保持される加工対象物WPを機械加工ユニット20により機械加工する。また、複合加工装置10Bは、ステージユニット16に保持される加工対象物WPにレーザ加工ユニット22によりレーザ光Lを照射し、加工対象物WPをレーザ加工する。
移動ユニット14は、加工対象物WPと機械加工ヘッド50とを相対移動させ、加工対象物WPとレーザ加工ヘッド60とを相対移動させる。移動ユニット14は、Y軸移動機構30と、第1X軸移動機構32と、第2X軸移動機構34と、第1Z軸移動機構36と、第2Z軸移動機構38と、を有する。
移動ユニット14は、Y軸移動機構30と第1X軸移動機構32と第1Z軸移動機構36とを用いて、加工対象物WPと機械加工ヘッド50とをX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向のそれぞれに相対移動させ、Y軸移動機構30と第2X軸移動機構34と第2Z軸移動機構38とを用いて、加工対象物WPとレーザ加工ヘッド60とをX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向のそれぞれに相対移動させる。
ステージユニット16は、Y軸移動機構30のY軸移動部材30b上に配置されている。ステージユニット16は、支持台40と、ステージ移動機構42と、ステージ44と、を有する。支持台40は、Y軸移動部材30bに固定された板状の部材であり、ステージ移動機構42を支持している。ステージ移動機構42は、支持台40上に固定されており、支持台40に対してステージ44を移動させる。ステージ移動機構42は、図27に示すように、B軸回転機構46と、C軸回転機構48と、を有する。B軸回転機構46は、支持台40に固定されており、C軸回転機構48を、支持台40に対して、B軸に回転させる。ここで、B軸は、X軸と一致する軸である。C軸回転機構48は、B軸回転機構46に固定されており、ステージ44を、B軸回転機構46に対して、C軸周りに回転させる。ここで、C軸は、B軸つまりX軸に直交する軸方向である。ステージ移動機構42は、ステージ44を支持台40に対して、直交する2軸のそれぞれの回りにステージ44を回転させることができる。また、ステージ44は、加工対象物WPを支持する機構である。本実施形態のステージ44は、板状部材に加工対象物WPが固定されている。また、ステージ44は、板状部材に固定され、加工対象物WPと接触するローラが設けられており、ローラが加工対象物WPの回転を抑制している。ステージユニット16は、Y軸移動機構30に設定され、加工対象物WPをステージ44上に固定する。また、ステージユニット16は、ステージ移動機構42でステージ44を回転させることで、加工対象物WPの向き、つまり姿勢を調整する。
機械加工ユニット20は、機械加工ヘッド50と、工具交換ユニット52と、を有する。機械加工ヘッド50は、加工対象物WPを機械加工する機構であり、ヘッド本体54と、ヘッド本体54に着脱可能な工具56とを有する。機械加工ヘッド50は、加工対象物WPに工具56を接触させた状態でヘッド本体54により工具56を回転させたり、振動させたりすることで、加工対象物WPを加工する。機械加工ヘッド50は、ヘッド本体54に測定用の工具を装着することで、加工対象物WPの計測を行うこともできる。工具交換ユニット52は、工具を支持する支持機構を複数備えた支持部55を有し、支持部55が複数の工具56a、56b、56cを支持している。工具56aは、細長い棒状の部材であり、先端の一部に砥石面が設けられた工具である。工具56bは、細長い棒状の部材であり、側面に砥石面が設けられた工具である。工具56cは、計測用の工具であり、空気を供給する空気通路が設けられている。機械加工ユニット20は、例えば、測定対象物(加工対象物)を密閉した状態で、空気通路から空気を供給し、測定対象物の開口部から空気が排出されることによって生じる内圧の変化を計測することで、内部空間の容積や、開口部の径を計測したり、開口部が開口しているかを計測したりする。工具交換ユニット52は、機械加工ヘッド50の移動可能な範囲内に配置されている。工具交換ユニット52は、支持部55の工具を支持する支持機構のうち工具が配置されていない支持機構に、機械加工ヘッド50に装着されている工具を保持させることで、ヘッド本体54から工具56を取り外し、支持機構に保持されている別の工具をヘッド本体54に取り付けることで、別の工具をヘッド本体54に装着させる。機械加工ユニット20は、加工対象物WPに対する加工に応じて、ヘッド本体54に装着する工具を切り換えることで、目的に応じた加工を行うことができる。また、工具の数は特に限定されない。
次に、図28から図40を用いて、複合加工装置10Bの動作、つまり複合加工方法の一例について説明する。図28は、インジェクターの概略構成を示す模式図である。図29は、ニードルの概略構成を示す模式図である。図30は、ノズルボディの概略構成を示す模式図である。図31は、ノズルボディの拡大図である。図32は、ニードルの製造方法の一例を示すフローチャートである。図33は、ノズルボディの製造方法の一例を示すフローチャートである。図34から図39は、それぞれ複合加工装置10Bの動作を説明するための説明図である。図40は、複合加工装置10Bの動作を説明するためのフローチャートである。
ここで、本実施形態では、複合加工装置10Bを用いて図28に示すインジェクター600を製造する場合とし説明する。なお、インジェクター600は、複合加工装置10Bによる加工とその他の各種加工装置による加工によって製造される。インジェクター600は、所定以上の圧力で流体を噴射する装置であり、ディーゼルエンジン等の内燃機関の燃料噴射機構として用いられる。インジェクター600は、ニードル602とノズルボディ604とを有する。インジェクター600は、ノズルボディ604の中空部分にニードル602が挿入されている。ニードル602は、図29に示すように、細長い棒状の部材である。ノズルボディ604は、図30及び図31に示すように、内部に中空部分が形勢されており、先端に中空部分の径に対して径が小さい噴口穴606が複数形成されている。噴口穴606は、外部から中空部分まで貫通している穴である。本実施形態の複合加工装置10Bは、ノズルボディ604の製造に用いることができる。
まず、図32を用いて、ニードルの製造方法について説明する。ニードルの製造方法は、棒状の部材に対して切削加工を行い(ステップS12)、ニードルの外形形状を形成し、熱処理を行い(ステップS14)、仕上げ加工として外面の研磨を行い(ステップS16)製造する。また、製造方法は、製造したニードルの外形形状、特に、先端部近傍の外径を計測する。なお、ニードルは、複合加工装置10B以外の装置で製造してもよい。
次に、図33から図39を用いて、ノズルボディの製造方法について説明する。まず、ノズルボディの製造方法は、鋳造等で外形形状がノズルボディの形状となる加工対象物を製造する。製造方法は、製造した部材に対して内径ドリル加工を行い(ステップS20)、内部の空間を形成し、その後、加工対象物に内径ザグリ電解加工を行い(ステップS22)、熱処理を行う(ステップS24)。ノズルボディの製造方法は、熱処理を行った加工対象物のステージ44に固定し、複合加工装置10Bで加工する。
複合加工装置10Bは、レーザ加工ヘッド60でレーザ加工を行い、固定された加工対象物に噴口穴を開ける(ステップS26)。具体的には、図34に示すように、ステージ移動機構42で加工対象物WPの向きを調整し、加工対象物WPの噴口穴を形成する部分が反対側の端部よりもZ軸方向上側となる向きで、かつ、形成する噴口穴の中心がZ軸方向と平行となる向きに移動させ、レーザ加工ヘッド60でレーザ加工を行うことで、加工対象物WPに噴口穴を形成する。さらに、複合加工装置10Bは、C軸回転機構48でC軸周りにステージ44を回転させることで、図35に示すように、加工対象物WPを長手方向の軸中心に回転させることができる。複合加工装置10Bは、C軸回転機構48でC軸周りにステージ44を回転させ、加工対象物WPを一定角度回転させ、レーザ加工ヘッド60でレーザ加工を行うことで、複数個所に噴口穴を形成する。複合加工装置10Bは、C軸回転機構48でC軸周りにステージ44を回転させ、加工対象物WPに噴口穴を形成することで、同心円上に噴口穴を形成することができる。
複合加工装置10Bは、噴口穴を形成したら、機械加工ヘッド60で先端加工を行う(ステップS28)。具体的には、図36に示すように、ステージ移動機構42で加工対象物WPの向きを調整し、加工対象物WPの中空部分の中心軸(長手方向に平行でかつ断面の中心を通る軸)がZ軸方向と平行となる向きに移動させる。その後、複合加工装置10Bは、工具56aをヘッド本体54に装着し、工具56aを中空部分に挿入し、砥石面で中空部分の先端部分を研磨する。なお、ヘッド本体54は、例えば、工具56aを中空部分の中心軸周りに回転させることで研磨加工を行うことができる。これにより、図37に示すように、加工対象物614aの中空部分の先端616、つまり、噴口穴606が形成されている部分の周辺部である先端616が研磨された状態となる。
複合加工装置10Bは、先端加工を行ったら、内面研磨を行う(ステップS30)。複合加工装置10Bは、工具56bをヘッド本体54に装着し、工具56bを中空部分に挿入し、砥石面で中空部分の内周面を研磨する。なお、ヘッド本体54は、例えば、工具56aを中空部分の中心軸周りに回転させることで研磨加工を行うことができる。これにより、図38に示すように、加工対象物614bの中空部分の内周面618が研磨された状態となる。
複合加工装置10Bは、内面研磨を行ったら、マッチング加工として、流体研磨を行う(ステップS32)。具体的には、図39に示すように、複合加工装置10Bは、工具をヘッド本体54に装着し、加工対象物614cの中空部分に研磨用の流体を供給し、内面を研磨することで、内面の仕上げ加工を行う。
複合加工装置10Bは、マッチング加工として、流体研磨を行ったら、内径を計測する(ステップS34)。製造方法は、内径を計測したら、複合加工装置10Bから加工対象物(ノズルボディ)を取り外し、性能を評価し(ステップS36)、本処理を終了する。性能評価を行って、要求性能を満たしていないノズルボディは、不良品として排除することで、性能を満たすインジェクターを製造することができる。以上のようにして製造したニードルとノズルボディは、ノズルボディにニードルを挿入し、その他の仕上げを行うことで、インジェクターとなる。
複合加工装置10Bは、ステージ44に保持された加工対象物WPを、機械加工ユニット20とレーザ加工ユニット22の両方で加工できる。これにより、加工対象物WPの固定状態を維持したまま、加工を行うことができ、レーザ加工した部分と機械加工した部分との間で軸ズレが生じることを抑制できる。また、レーザを回転させることで、効果的にレーザ加工を行うことができる。
また、複合加工装置10Bは、ファイバレーザ光源62と、短パルスレーザ光源64と、を設け、切換機構74により照射するレーザを切り換え可能とすることで、加工対象物の大きさ、厚み、材料等に応じて、使用するレーザを切り換えることができる。これにより用途に応じた加工を高い精度かつ短時間で行うことができる。
また、複合加工装置10Bは、ステージ移動機構42で加工対象物WPを直交する2軸に回転できる機構とすることで、加工対象物WPを同じステージ44で保持した状態を維持しつつ、種々の向きで加工対象物WPを加工することができる。
複合加工装置10Bは、製造されたニードル、ノズルボディの情報に基づいて加工条件を補正(変更)することが好ましい。図40に示すように、複合加工装置10Bは、ノズルボディの内径の計測結果を取得し(ステップS70)、ニードルの外径の計測結果を取得し(ステップS72)、計測結果の比較に基づいて、加工条件の補正を行い(ステップS74)、本処理を終了する。具体的には、仕上げ加工前の研磨処理の工程にかかる時間また工程数を減らすことができるように、各ステップでの切削量や研磨量を調整する。これにより、製造に係る時間を低減することができ、さらに工具にかかる負荷も少なくすることができる。
ここで、加工対象物WPとしては、ノズルボディ以外の種々の部材を対象とすることができる。また、加工対象物WPの材料も種々の材料を用いることができ、例えば、インコネル(登録商標)、ハステロイ(登録商標)、ステンレス、セラミック、鋼、炭素鋼、耐熱鋼、セラミックス、シリコン、チタン、タングステン、樹脂、プラスチックス、Ni基耐熱合金等で作成された部材を用いることができる。また、加工対象物WPとして、炭素繊維強化プラスチック(CFRP:Carbon Fiber Reinforced Plastics)、ガラス繊維強化プラスチック(GFRP:Glass Fiber Reinforced Plastics)、ガラス長繊維強化プラスチック(GMT:Glass-mat Reinforced Thermoplastics)等の繊維強化プラスチック、鋼板以外の鉄合金、アルミ合金等の各種金属、種々の複合材等で作成された部材も用いることができる。
また、上記実施形態において、移動ユニット14により加工対象物WPをY軸方向移動させ、かつ機械加工ヘッド50とレーザ加工ヘッド60とをX軸方向、Z軸方向に移動させたがこれに限定されない。複合加工装置10Bは、加工対象物WPをX軸Y軸Z軸の3方向に移動させても、機械加工ヘッド50とレーザ加工ヘッド60とをX軸Y軸Z軸の3方向に移動させてもよい。また、本実施形態では、ステージ移動機構42により加工対象物WPの姿勢(向き、回転方向の位置)を調整したが、機械加工ヘッド50とレーザ加工ヘッド60の姿勢を調整してもよい。
上述の各実施形態で説明したように、レーザ加工装置10は、レーザ光Lを用いて、加工対象物WPに対する微細加工(微細穴加工、切断加工など)を実行可能であり、真円形状及び非真円形状のテーパ穴及び逆テーパ穴を形成可能である。したがって、例えば、従来においては放電加工により加工されていた分野を、上述の実施形態で説明したレーザ加工装置10で実行することができる。
また、上記実施形態のレーザ加工装置10は、2つのレーザ加工ヘッドで2種類のレーザを照射させたが、これに限定されない。レーザ加工装置10は、少なくとも短パルスレーザを照射することができればよい。また、もう1つのレーザを用いる場合、レーザはファイバレーザに限定されず、可能に用いる種々のレーザを用いることができる。また、レーザ加工装置10に、短パルスレーザを照射するヘッドと、短パルスレーザ以外のレーザ(ファイバレーザ、COレーザ)を照射するヘッドとを備え、上記短パルスレーザによる加工と、それ以外のレーザ加工を行うようにしてもよい。また、上記短パルスレーザによる加工以外の加工(金属層の加工)を行う手段は、レーザ加工に限定されず、機械加工(ドリル加工、旋盤加工)で切削加工を行ってもよい。
10 レーザ加工装置
12 フレーム
14 移動ユニット
16 ステージユニット
22 レーザ加工ユニット
24 制御装置
30 Y軸移動機構
34 X軸移動機構
38 Z軸移動機構
39 θY回転機構
60 レーザ加工ヘッド
62 ファイバレーザ光源
64 短パルスレーザ光源
100 第1光学系
101 第1プリズム
102 第2プリズム
103 アクチュエータ
104 アクチュエータ
105 第1駆動装置
200 第2光学系
201 第3プリズム
202 第4プリズム
203 アクチュエータ
204 アクチュエータ
205 第2駆動装置
300 光学系
400 調整装置
401 第1調整部
402 第2調整部
WP 加工対象物

Claims (10)

  1. レーザ光で加工対象物を加工するレーザ加工装置であって、
    第1プリズム及び第2プリズムを含み、レーザ光源からの前記レーザ光が供給される第1光学系と、
    第3プリズム及び第4プリズムを含み、前記第1光学系からの前記レーザ光が供給される第2光学系と、
    前記第2光学系からの前記レーザ光が供給され、前記レーザ光を集光して前記加工対象物に導く集光光学系と、
    前記第1プリズムを回転させるとともに前記第1プリズムと同期して前記第2プリズムを回転させる第1駆動装置と、
    前記第3プリズムを回転させるとともに前記第3プリズムと同期して前記第4プリズムを回転させる第2駆動装置と、
    前記集光光学系の光軸の周囲において前記レーザ光が旋回しながら前記加工対象物に照射されるように前記第1駆動装置及び第2駆動装置を制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、回転方向に関する前記第1プリズムと前記第2プリズムとの相対位置、及び前記第3プリズムと前記第4プリズムとの相対位置を調整して、前記加工対象物に対する前記レーザ光の入射位置及び入射角度を含む前記レーザ光の照射条件を調整するレーザ加工装置。
  2. 前記制御装置は、回転方向に関する前記第1プリズムと前記第3プリズムとの相対位置を固定した状態で前記第1プリズムと前記第3プリズムとを一緒に回転させ、回転方向に関する前記第1プリズムに対する前記第2プリズムの相対位置、及び前記第3プリズムに対する前記第4プリズムの相対位置を調整して、前記照射条件を調整する請求項1に記載のレーザ加工装置。
  3. 前記制御装置は、前記入射角度が目標角度になるように回転方向に関する前記第1プリズムに対する前記第2プリズムの相対位置を決定し、決定した前記相対位置を固定した状態で前記第1プリズムと前記第2プリズムとを一緒に回転させる請求項1又は請求項2に記載のレーザ加工装置。
  4. 前記制御装置は、前記第3プリズムの1回の回転において、前記第3プリズムとの相対位置を変えながら前記第4プリズムを回転させる請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のレーザ加工装置。
  5. 前記光軸と平行な方向に関して、前記集光光学系の集光位置と前記加工対象物との相対位置を調整可能な位置調整装置を備える請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のレーザ加工装置。
  6. レーザ光で加工対象物を加工するレーザ加工方法であって、
    レーザ光源からの前記レーザ光を、第1プリズム及び第2プリズムを含む第1光学系、第3プリズム及び第4プリズムを含む第2光学系、及び集光光学系を介して、前記加工対象物に照射するステップと、
    前記照射において、前記第1プリズム、前記第2プリズム、前記第3プリズム、及び第4プリズムのそれぞれを同期して回転させて、前記集光光学系の光軸の周囲において前記レーザ光を旋回させるステップと、を含み、
    前記レーザ光を旋回させるステップは、回転方向に関する前記第1プリズムと前記第2プリズムとの相対位置、及び前記第3プリズムと前記第4プリズムとの相対位置を調整して、前記加工対象物に対する前記レーザ光の入射位置及び入射角度を含む前記レーザ光の照射条件を調整することを含むレーザ加工方法。
  7. 前記照射条件の調整は、回転方向に関する前記第1プリズムと前記第3プリズムとの相対位置を固定した状態で前記第1プリズムと前記第3プリズムとを一緒に回転させ、回転方向に関する前記第1プリズムに対する前記第2プリズムの相対位置、及び前記第3プリズムに対する前記第4プリズムの相対位置を調整することを含む請求項6に記載のレーザ加工方法。
  8. 前記入射角度が目標角度になるように回転方向に関する前記第1プリズムに対する前記第2プリズムの相対位置を決定することと、
    決定した前記相対位置を固定した状態で前記第1プリズムと前記第2プリズムとを一緒に回転させることと、を含む請求項6又は請求項7に記載のレーザ加工方法。
  9. 前記第3プリズムの1回の回転において、前記第3プリズムとの相対位置を変えながら前記第4プリズムを回転させる請求項6から請求項8のいずれか一項に記載のレーザ加工方法。
  10. 前記光軸と平行な方向に関して、前記集光光学系の集光位置と前記加工対象物との相対位置を調整することを含む請求項6から請求項9のいずれか一項に記載のレーザ加工方法。
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