JP2015116233A - 内視鏡の先端構造 - Google Patents

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Junichi Shirono
純一 城野
夏野 靖幸
Yasuyuki Natsuno
靖幸 夏野
晃 国本
Akira Kunimoto
晃 国本
篤 澤田
Atsushi Sawada
篤 澤田
真島 雅尚
Masanao Mashima
雅尚 真島
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Abstract

【課題】細径化しやすい簡素な内視鏡の先端構造において、照明光の光量低減及び撮像光学系に対する光ノイズを抑えつつ、撮像光学系の広い視野にも対応できるように照明光の広角化を精度よく容易に達成する。【解決手段】内視鏡の先端構造において、照明光学系20は複数の光ファイバーを束ねた好ましくはチューブ状のライトガイドファイバーバンドル21であり、撮像光学系10の外周に配置される。照明光学系の照明光の出射端は、ライトガイドファイバーバンドルの端面21aであり、ライトガイドファイバーバンドル21を構成する光ファイバーの軸線21bと撮像光学系10の光学軸AXとが平行に配置される。端面21aは、当該端面の撮像光学系から遠い側の外縁21dが撮像光学系に近い側の内縁21eに対し軸線21b及び光学軸AXに沿った前方F側に配置されるように傾斜している。その傾斜角θは、屈折の臨界角を超えない範囲で設定される。【選択図】図1

Description

本発明は、内視鏡の先端構造に関する。
内視鏡の撮像光学系が持つ視野全体および全観察深度に対して、良質な画像を確保する為には、撮像光学系の適切な設計やノイズの低減だけに限らず、適切な光量分布と配向角とを兼ね備えた照明光学系を提供することも要求され、内視鏡先端部の限られた空間において全ての要素を満たす構造を提供するには大きな課題が伴う。
例えば、適切な照明光の光量分布についての問題は、特許文献1で示す一般的な内視鏡の先端構造では、撮像光学系に並行して配列した複数の照明光学系を備えているが、撮像光学系の光軸と照明光学系との光軸が一致していない為、視野の範囲と配光の範囲とでズレが生じていることである。この構成による問題は、内視鏡に近い距離を観察する際に顕著となる。図8に示すように、撮像光学系110(イメージファイバー111及び結像レンズ112からなるものを例示)の光軸113と照明光学系120(ライトガイドファイバーを例示)の光軸121とが一致していない場合、視野114と照明光の配光範囲122も一致せず、視野114の一部114aに十分な照明光があたらない為、均一な画質を得ることができない。また、配光範囲122のなかでも照明光量の高い視野114の一部114bには強く照明光があたる為に、画像の一部だけが白飛びしてしまう。
上記の問題は、特許文献2で示す細径内視鏡の構成でも生じる。撮像光学系に近接して並行配列した複数の照明光学系は、特許文献1の一般的な内視鏡の構造と同様、撮像光学系の光軸と照明光学系との光軸が一致していない為、視野と配光とでズレが生じる。
これらの問題を解決する撮像光学系の光軸と照明光学系の光軸とを一致させた構造として、特許文献3には撮像光学系の周囲に照明光学系を均等に配列した内視鏡の先端構造が挙げられる。
一方、適切な配光角についての問題は、特許文献2の構成の様に、照明光学系の観察側端部がライトガイドファイバーの端面である場合に、照明の配光角はライトガイドファイバーの照射側NAの特性でほぼ決まってしまう為、視野角と比較して配光角の自由度がないことである。その為、視野角が十分広い撮像光学系は比較的容易に作製できても、配光角が視野角に追いつけず、周辺部が暗い画像になってしまう。
ライトガイドファイバーの配光角の自由度を上げる為の構造として、特許文献3で示す様な、ライドガイドファイバーの先端のみをライトガイドファイバーの中心軸を基点に捻った形状で且つ内視鏡先端の平面に沿う様にファイバー端面を研磨した構造が挙げられる。この構造によって、ライトガイドファイバーの端面で照明光が屈折し、各ライトガイドファイバーから照射される照明光の光軸が内視鏡の先端から放射状に広がる為、配光角が広がる。
また、特許文献4で示す様な、端面を斜めに研磨したライトガイドファイバーを様々な方向を向くように設置した構造でも、配光角を広げることができる。
特開平10−113326号公報 特開2003−190077号公報 特開2005−168857号公報 特開平5−203882号公報
しかし、特許文献2に挙げた様な撮像光学系と照明光学系との間に遮光部材を設けない細径内視鏡の構成において、特許文献3で挙げた撮像光学系の全周に照明光学系が近接する構造を用いると、図9で示す様に、ライトガイドファイバー130内を進む照明光131は、ライトガイドファイバー130の端面で反射、散乱してライトガイドファイバー130の側面から結像レンズ142やイメージファイバー141へ侵入する漏れ光や散乱光による迷光143となり、この迷光143が影響して画像にノイズが発生しやすいという欠点がある。
また、ライトガイドファイバー先端側の端面で反射して基端側に戻る光も、ライトガイドファイバーからの側面から外部へ漏れ出して画像にノイズを発生させる。特に、図10に示すように、ライトガイドファイバー130の端面で反射する光132は、光ファイバー内の全反射条件を満たしたまま基端部側へ戻る為、ライトガイドファイバー130内を長距離に渡って進む。その際、一部の反射光が不規則にライトガイドファイバー内から外部に漏れ出し(漏れ光133)、撮像光学系側に侵入することでノイズの原因となる。
特許文献3,4に示されるようなライトガイドファイバー端の斜め研磨によって配光角を広げる手法は、その加工方法の難易度に課題がある。例えば、特許文献3で挙げた、ライトガイドの先端を捻る構成は、全ての光ファイバーの捻りを所定の角度に維持したまま光ファイバーを束で固定するのが難しく、且つ、捻ったライトガイドファイバー端面を斜めに研磨するのも難易度が高い作業である。
一方、特許文献4で挙げた構造は、各ライトガイドファイバー端を任意の方向へ配列する為に時間を必要とする上に、配列の品質を安定化させることは難易度が高い。
また、ライトガイドファイバー端の中心を円錐状に研磨して配光角を拡大させる方式も、図11(a)に示す様に、ライトガイドファイバーバンドル150と円錐形状を研磨する為の研磨治具151との芯出しを精密に行わないと、図11(b)に示すように端面形状が歪んでしまい、視野全体に均等な照明光を照射するライトガイドファイバーバンドルにすることができない。
また、研磨治具の先端を完全な鋭角にすることは物理的に困難である為、研磨後のライトガイドファイバーバンドルの端面には一部152に丸みができてしまう。さらに、研磨治具の先端には光ファイバーとの強い応力がかかる為に破損のリスクが伴い、加工難易度や工具消耗度の高い作業である。
さらに、ライトガイドファイバーの端面を斜め研磨すると、研磨角度に応じて光ファイバー端で発生する全反射光の強度が増加する。この全反射光は、視野方向へ照射される照明強度が低下する原因となるだけでなく、全反射光が撮像光学系に迷光として照射されると、強いノイズとなって画像の品質を低下させる為、特許文献2に挙げた様な撮像光学系と照明光学系との間に遮光部材を設けない細径内視鏡では、研磨角度の設定には細心の注意を払う必要がある。
本発明は以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、細径化しやすい簡素な内視鏡の先端構造において、照明光の光量低減及び撮像光学系に対する光ノイズを抑えつつ、撮像光学系の広い視野にも対応できるように照明光の広角化を精度よく容易に達成することを課題とする。
以上の課題を解決するための請求項1記載の発明は、撮像光学系と照明光学系とを備え、
前記照明光学系は、複数の光ファイバーを束ねたライトガイドファイバーバンドルであり、前記撮像光学系の外周に配置され、
前記照明光学系の照明光の出射端は、前記ライトガイドファイバーバンドルの端面であり、
前記光ファイバーの軸線と前記撮像光学系の光学軸とが平行に配置され、
前記ライトガイドファイバーバンドルの照明光が出射する前記端面は、当該端面の前記撮像光学系から遠い側の外縁が前記撮像光学系に近い側の内縁に対し前記軸線及び前記光学軸に沿った前方側に配置されるように傾斜していることを特徴とする内視鏡の先端構造である。
請求項2記載の発明は、前記軸線に直交する平面に対する前記端面の傾斜角をθとして、前記光ファイバーのコア部の屈折率をnとし、前記光ファイバー内において、伝達する照明光に許容される最大開口数による角度をθnaとしたとき、次式(1A)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡の先端構造である。
Figure 2015116233
請求項3記載の発明は、前記撮像光学系の光軸と、観察対象に対して該撮像光学系が持つ最大画角との間の角度をθとしたとき、次式(2A)を満たすことを特徴とする請求項2に記載の内視鏡の先端構造である。
Figure 2015116233
請求項4記載の発明は、前記軸線に直交する平面に対する前記端面の傾斜角をθとして、前記光ファイバーのコア部の屈折率をnとし、前記光ファイバー内において、伝達する照明光に許容される最大開口数による角度をθnaとしたとき、次式(1B)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡の先端構造である。
Figure 2015116233
請求項5記載の発明は、前記撮像光学系の光軸と、観察対象に対して該撮像光学系が持つ最大画角との間の角度をθとしたとき、次式(2B)を満たすことを特徴とする請求項4に記載の内視鏡の先端構造である。
Figure 2015116233
請求項6記載の発明は、前記ライトガイドファイバーバンドルはチューブ状に形成され、その中空部に前記撮像光学系が配置されたことを特徴とする請求項1から請求項5のうちいずれか一に記載の内視鏡の先端構造である。
本発明によれば、照明光学系の照明光の出射端は、ライトガイドファイバーバンドルの端面であるため、照明光の導光から出射まで手段がライトガイドファイバーバンドルによって構成され、細径化しやすい簡素な構成とすることができる。
また、ライトガイドファイバーバンドルを構成する光ファイバーの軸線と撮像光学系の光学軸が平行に配置されるから、製作も容易である。
さらに、ライトガイドファイバーバンドルの端面はその外縁が前方側に配置されるように傾斜しているから、照明光を広角化することができる。
特に式(1A)を満たすことで水中においてライトガイドファイバーバンドルの端面の傾斜角θが屈折の臨界角を超えず、式(1B)を満たすことで水中においても、空気中においてもライトガイドファイバーバンドルの端面の傾斜角θが屈折の臨界角を超えないので、全反射を起こさず、照明光の光量低減及び撮像光学系に対する光ノイズを抑えることができる。
さらに式(2A)を満たすことで、水中において撮像光学系による観察視野全体に十分な光量の照明光を照射することができ、式(2B)を満たすことで、空気中において撮像光学系による観察視野全体に十分な光量の照明光を照射することができる。
また、ライトガイドファイバーバンドルとしてはチューブ状に形成されたものを適用することにより、組み立て容易に撮像光学系の外周の一周に照明光の出射部を配置することができ、観察視野360度の全体に均等な照明光を照射することが容易であるとともに、組み立て前において、自己芯出し性のある中空構造を有するチューブ状のものは、精度よく容易に加工することができ、均一な傾斜角θを容易に精度よく得ることができる。
以上のようにして、細径化しやすい簡素な内視鏡の先端構造において、照明光の光量低減及び撮像光学系に対する光ノイズを抑えつつ、撮像光学系の広い視野にも対応できるように照明光の広角化を精度よく容易に達成する。
本発明の一実施形態に係る内視鏡の先端構造の縦断面図(a)及び先端面図(b)である。 本発明の一実施形態に係る内視鏡の先端構造におけるライトガイドファイバーバンドル先端部及び結像レンズ先端部を示す縦断面図である。 本発明の一実施形態に係り、チューブ状のライトガイドファイバーバンドルの開口端を研磨する様子を示す研磨前の図(a)及び研磨中の図(b)である。 本発明の一実施形態に係る内視鏡の先端構造の縦断面図である。 本発明の一実施形態に係る内視鏡の先端構造におけるライトガイドファイバーバンドル先端部を示す縦断面図である。 対比形態に係る内視鏡の先端構造の縦断面図(a)及び先端面図(b)である。 対比形態に係る内視鏡の先端構造の縦断面図である。 従来の一例の内視鏡の先端構造を示す縦断面図である。 従来の他の一例の内視鏡の先端構造を示す縦断面図である。 ライトガイドファイバーから漏れ光が生じる様子を示す模式図である。 丸棒状のライトガイドファイバーバンドルの端面を研磨する様子を示す研磨前の図(a)及び研磨後の図(b)である。
以下に本発明の一実施形態につき図面を参照して説明する。以下は本発明の一実施形態であって本発明を限定するものではない。
本実施形態では、細径内視鏡の構造を用いて説明する。図1に示すように本実施形態の内視鏡の先端構造は、撮像光学系10と照明光学系20とを備える。
撮像光学系10には数千本の光ファイバーが束状に形成されたイメージファイバー11と、イメージファイバー11の先端面に密着固定されたGRINレンズ12が備わっている。GRINレンズ12は結像レンズの役割を果たす。
照明光学系20には、照明用の光源から観察対象まで光を伝播させる為の数百本の光ファイバーが束状に形成されたライトガイドファイバーバンドル21が備わっている。照明光学系20の照明光の出射端は、ライトガイドファイバーバンドル21の端面21aである。すなわち、端面21aの前方に光学部品が配置されず簡素な構成である。ライトガイドファイバーバンドル21はチューブ状に形成され、その中空部に撮像光学系10が配置されている。特に、撮像光学系10を構成する光信号伝達部(イメージファイバー11およびGRINレンズ12)の外周面がライトガイドファイバーバンドル21の内周面に密着するように、撮像光学系10が挿入されている。
本内視鏡の先端構造の中心軸をAXで示す。本実施形態においては撮像光学系10の光軸もAXと共通である。但し、本実施形態に拘わらず、撮像光学系10の光軸を、内視鏡の先端構造の中心軸AXから偏在させた構成をとっても良い。図2に示すようにライトガイドファイバーバンドル21を構成する光ファイバーの軸線21bと撮像光学系10の光学軸AXとが平行に配置されている。
撮像光学系10と照明光学系20との外側には、柔軟な保護チューブ30が備わっており、生体と光学部品との接触を保護する。
図1(b)に示すように内視鏡の先端を正面に見た時、中心に撮像光学系10が配置され、撮像光学系10の外周に照明光学系20が配置されている。
以上のような構造により、内視鏡を細径にすることができ、且つ、撮像光学系10の視野範囲に均一な照明光を照射することができる。
GRINレンズ12とイメージファイバー11と間の固定には透明な接着剤を用いる。接着剤の材料は、UV硬化タイプの接着剤でもエポキシ接着剤でも構わない。
撮像光学系10に用いるレンズは、GRINレンズ12に限らず球面もしくは非球面のレンズを1枚若しくは複数用いて構わない。
イメージファイバー11およびライトガイドファイバーバンドル21を構成する光ファイバーの材質は、用途に合った透過性や色味を備えた、多成分ガラス、石英ガラス、プラスチック(ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、スチレンアクリロニトリル、ポリウレタン等)のどれを選択しても構わない。また、使用する光ファイバーの直径・NA・本数等は組立てが可能な範囲で任意に選択して構わない。
さらに、撮像光学系10にはイメージファイバーの代わりに電子内視鏡等に用いられている光電素子を用いても構わない。イメージファイバーよりも高画質な画像を得ることができる。
以上のような細径内視鏡の先端構造において、照明光の広角化を図るために、端面21aは傾斜角θを有している(図2参照)。この傾斜角θは、軸線21bに直交する平面21cに対する端面21aの角度である。この傾斜角θによる端面21aの傾斜は、端面21aの撮像光学系10から遠い側の外縁21dが撮像光学系10に近い側の内縁21eに対し軸線21b及び光学軸AXに沿った前方側(矢印F方向)に配置されるような傾斜である。
ここで、以上のような傾斜角θを有しているライトガイドファイバーバンドル21の端面21aの加工方法について説明する。
図3に示すような円錐形状の先端研磨部を有した研磨治具40を用いる。まず、この研磨治具40の先端をライトガイドファイバーバンドル21の中空部21fに挿入する。
次に、研磨治具40とライトガイドファイバーバンドル21とを中心軸回りに相対回転させてライトガイドファイバーバンドル21の端面を研磨すると、その端面がライトガイドファイバーバンドル21の中心軸に軸を置いた円錐形状の一部を構成するように傾斜して研磨加工される。
ライトガイドファイバーバンドル21の端面21aの研磨角度は、研磨治具40の円錐形状で決まる為、用途に応じて研磨治具の形状を調整する。加工時、機械強度に乏しい研磨治具40の先端はライトガイドファイバーバンドル21に接触しない為、研磨治具40を痛めることなく加工ができる。また、ライトガイドファイバーバンドル21が中空形状であることから、研磨時の摩擦の影響で、研磨治具40の頂点はライトガイドファイバーバンドル21の中心軸に移動しやすい。その為、研磨時に芯をとらえやすく、加工難易度も易しい。
以上のようにして、ライトガイドファイバーバンドル21の端面21aを所望の傾斜角θに精度よく容易に加工することができる。
ライトガイドファイバーバンドル21の端面21aに傾斜角θを付けたことによる作用効果について説明する。
図4に示すように、ライトガイドファイバーバンドル21の端面21aに傾斜角θを付けると、ライトガイドファイバーバンドル21内を伝わってきた照明光21gは端面21aで軸AXに対して外側に屈折した後に外部へ照射される為(屈折した照明光を21hで示す)、照明光の配光角が広がる。この時、端面21aでは反射光21iも発生するが、端面21aが上述したような傾斜角θを有している為、反射光21iは内視鏡の側面から外部へ抜ける方向へ進む。撮像光学系10が配置されている方向とは異なる方向へ反射光21iが進む為、撮像光学系10に侵入する迷光の度合いが低減される。
さらに、ライトガイドファイバーバンドル21の端面21aの最適な傾斜角θについて説明する。
傾斜角θを大きくし過ぎると、一部の照明光がライトガイドファイバーバンドル21の端面21aで屈折の臨界角を超えて全反射光となる。全反射した光は、ライトガイドファイバーバンドル21の側方へ照射される為、照明光とはならずに撮像光学系10に対するノイズの原因にしかならない。つまり、ライトガイドファイバーバンドル21内の照明光が臨界角を超えずに屈折できる最大の傾斜角θを設定することで、効率よく照明光の配光角を改善し且つノイズを最低限に抑えることができる。
そこで、図5に示すように、上で定義した傾斜角θに加え、ライトガイドファイバーバンドル21を構成する光ファイバーのコア部の屈折率をnとし、ライトガイドファイバー前方の媒体の屈折率をn(照明光を空気中に照射する場合は屈折率n=1、水中に照射する場合はn=1.3とすることができる。)とし、ライトガイドファイバーバンドル21内を伝達する照明光の最大開口数の角度をθnaとしたとき、傾斜角θを以下の式(1)を満たす範囲で設定すると、照明光は、臨界角を超えずに最適な角度で端面21aから屈折し、研磨前の角度よりも広がって照射される。図5において、傾斜角θの付いた端面21aで屈折した照明光を21hで示し、研磨前の傾きの無い端面(平面21cに配置される)で屈折した照明光を21jで示す。
Figure 2015116233
式(1)で示される条件に加え、ライトガイドファイバーバンドル21の端面21aに傾斜角θを設けることよって広がった照明光の照射角度は、撮像光学系10が持つ画角に合わせた角度であることが望ましい。少なくとも、撮像光学系10の画角に対して、90%以上の範囲に照明光を照射すれば、観察視野全体に十分な光量の照明光を照射して対象物の観察を行うことができる。
そこで、図2に示すように光軸AXを基準にした撮像光学系10の画角をθとしたとき、以下の式(2)を満たす範囲に傾斜角θを設定することで、観察視野全体に十分な光量の照明光を照射して対象物の観察を行うことができる。
Figure 2015116233
さらに、最適な傾斜角θの実例を以下に記載する。
ライトガイドファイバーバンドル21を構成する光ファイバーのコア部の材料をアクリルにした時、その屈折率nはおおよそ1.5である。照明光を空気中に照射する場合、屈折率nは1とすることができる。この条件下での照明光の屈折の臨界角はおおよそ41.8度である。ライトガイドファイバーバンドル21内を伝達する照明光の最大開口数を0.5とするとθnaは30度である為、上記の式に従えば、最大の傾斜角θは12度弱という結果が導かれる。
上記の結果から、ライトガイドファイバーバンドル21の端面を12度に研磨した場合、アクリルと空気との屈折率差から、中心軸AXを基準として、照明光は内視鏡の外側にむかって6度程度広がった方向へ屈折することになる。本例の計算に用いたライトガイドファイバーバンドル21のθnaは30度である為、結果的に、傾斜角θが12度で端面21aを研磨したライトガイドファイバーバンドル21の配光角は全角で72度程度になる。
すると、ライトガイドファイバーバンドル21の端面21aを12度とした場合に、撮像光学系10の画角θは80度以下であれば、反射ノイズを抑えつつ撮像光学系の観察視野に良好な範囲で照明光を照射することができる。
また、実際に端面を12度に研磨する前後での、照明光の分布の違いを確認した。照明光を照射する平面とライトガイドファイバーバンドルの端位置との距離を一定にし、同光量の照明光をライトガイドファイバーバンドルへ導入させた時に、傾斜角θが12度のライトガイドファイバーバンドル21にあっては、傾斜角θが0度のライトガイドファイバーバンドルに対して、照射範囲の直径が拡大しており、計算上で最大になる72度の配光角を確保できていることが実物評価を通しても確認することができた。
次に、以上説明した実施形態に対する対比形態につき図6及び図7を参照して説明する。
図6に示す様に、ライトガイドファイバーハンドル21の内周と撮像光学系10との間にレンズ枠31を組込んだ。すなわち、GRINレンズ12およびイメージファイバー11先端部の周囲にはパイプ形状のレンズ枠31が備わっている。レンズ枠31内でGRINレンズ12とイメージファイバー11とを固定することで、GRINレンズ12とイメージファイバー11との密着性を向上させ、内視鏡の使用中にGRINレンズ12が脱落してしまうリスクを低下させる。
また、レンズ枠31は、照明光学系20から反射や散乱によって撮像光学系10に侵入してくる迷光を遮光する効果もある。
なお、迷光を遮光する為、レンズ枠31の代わりに、GRINレンズ12の周囲をブラックカーボン等で黒塗りしても良い。また、イメージファイバーの側面全てを黒塗りすると、遮光効果がさらに向上する。
以上のように照明光学系20からの反射、散乱の光を遮断する遮光部材が撮像光学系10の周囲に設けられた構成であれば、ライトガイドファイバーバンドル21の端面21aの傾斜角を逆向きに設けた場合でも、レンズ枠31や遮光性塗膜などの遮光部材が遮光物の役割を担う為、照明光の迷光によるノイズを抑制しつつ照明光の配光角を広げることができる。ここで、傾斜角を逆向きに設けるとは、端面21aの撮像光学系10から遠い側の外縁21dが撮像光学系10に近い側の内縁21eに対し軸線21b及び光学軸AXに沿った後方側に配置されるように端面21aを傾斜させることに相当する。
図1から図5に示した本発明の実施形態においても、図6及び図7に示した対比形態のように、レンズ枠31等の遮光部材を撮像光学系10と照明光学系20との間に配置してもよい。その場合でも、ライトガイドファイバーバンドル21の端面21aに傾斜角θを設けたことによる照明光の広角化の効果がある。
しかし、図1から図5に示した本発明の実施形態のように、撮像光学系10と照明光学系20との間に遮光部材等の部材を介さずに両者をなるべく密着させるように構成することで、内視鏡の細径化を追求することができる。そして、遮光部材が配置されない代わりに、上述したように全反射の無い傾斜角θを設定することで、撮像光学系10に対するノイズを抑えることができる。
10 撮像光学系
11 イメージファイバー
12 レンズ
20 照明光学系
21 ライトガイドファイバーバンドル
21a 照明光が出射する端面
21b ライトガイド光ファイバーの軸線
21c 軸線に直交する平面
21d 外縁
21e 内縁
21f 中空部
30 保護チューブ
40 研磨治具
AX 中心軸(撮像光学系の光学軸)
F 前方方向

Claims (6)

  1. 撮像光学系と照明光学系とを備え、
    前記照明光学系は、複数の光ファイバーを束ねたライトガイドファイバーバンドルであり、前記撮像光学系の外周に配置され、
    前記照明光学系の照明光の出射端は、前記ライトガイドファイバーバンドルの端面であり、
    前記光ファイバーの軸線と前記撮像光学系の光学軸とが平行に配置され、
    前記ライトガイドファイバーバンドルの照明光が出射する前記端面は、当該端面の前記撮像光学系から遠い側の外縁が前記撮像光学系に近い側の内縁に対し前記軸線及び前記光学軸に沿った前方側に配置されるように傾斜していることを特徴とする内視鏡の先端構造。
  2. 前記軸線に直交する平面に対する前記端面の傾斜角をθとして、前記光ファイバーのコア部の屈折率をnとし、前記光ファイバー内において、伝達する照明光に許容される最大開口数による角度をθnaとしたとき、次式(1A)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡の先端構造。
    Figure 2015116233
  3. 前記撮像光学系の光軸と、観察対象に対して該撮像光学系が持つ最大画角との間の角度をθとしたとき、次式(2A)を満たすことを特徴とする請求項2に記載の内視鏡の先端構造。
    Figure 2015116233
  4. 前記軸線に直交する平面に対する前記端面の傾斜角をθとして、前記光ファイバーのコア部の屈折率をnとし、前記光ファイバー内において、伝達する照明光に許容される最大開口数による角度をθnaとしたとき、次式(1B)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡の先端構造。
    Figure 2015116233
  5. 前記撮像光学系の光軸と、観察対象に対して該撮像光学系が持つ最大画角との間の角度をθとしたとき、次式(2B)を満たすことを特徴とする請求項4に記載の内視鏡の先端構造。
    Figure 2015116233
  6. 前記ライトガイドファイバーバンドルはチューブ状に形成され、その中空部に前記撮像光学系が配置されたことを特徴とする請求項1から請求項5のうちいずれか一に記載の内視鏡の先端構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016180869A (ja) * 2015-03-24 2016-10-13 三菱電線工業株式会社 細径スコープ及び対象物の観察方法
CN113777772A (zh) * 2021-09-15 2021-12-10 中国建筑材料科学研究总院有限公司 一种光纤式内窥镜及其制备方法和应用

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