以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
[第1実施形態]
はじめに、本発明の第1実施形態のデータ送信装置の構成について説明する。図1は、本発明の第1実施形態の第1のデータ送信装置1、第2のデータ送信装置2、及び、第3のデータ送信装置3を示すブロック図である。
本実施形態の第1のデータ送信装置1は、データ取得部10と、判断部16と、データ記憶部17と、送信部18と、制御部19と、を有している。
データ取得部10は、複数のセンサ11、12、13、14と、データ処理部15と、を備え、センサ11、12、13、14の出力からデータD1(n)、D2(n)、D3(n)、D4(n)を、第1所定間隔T1で繰り返し(n=1、2、・・・k−1、k、・・・)取得する。データ処理部15は、センサ11、12、13、14を駆動するとともに、それぞれの出力を取り込んで所定の形式の信号にまとめるI/F回路である。本実施形態の場合、データD1(n)、D2(n)、D3(n)、D4(n)は、それぞれ1個のデジタル値であり、センサ11、12、13、14の各出力がアナログ値であれば、データ処理部15でA/D変換される。例えば、各出力は、それぞれ、4ビットのデジタル値に変換される。データ処理部15は、データD1(n)、D2(n)、D3(n)、D4(n)にもとづく所定の形式のデジタル信号を伝達する。
送信部18は、無線送信回路と送信用アンテナとを備え、データD1(n)、D2(n)、D3(n)、D4(n)にもとづく送信信号S1(n)を送信する。送信信号S1(n)は、センサ11、12、13、14の出力をまとめたパケット単位で構成されており、送信部18は第2所定間隔T2でパケット単位毎に送信する。
制御部19は、電源と制御回路とを備えて、データ取得部10や送信部18に電源を供給するとともに、それらを動作させるタイミングを制御している。
データ記憶部17は、メモリ回路を備え、第2所定間隔T2で、送信したデータD1(n)、D2(n)、D3(n)、D4(n)を保存する。
判断部16は、マイクロコンピュータで構成され、後述するデータ処理を行う。データ記憶部17はマイクロコンピュータに内蔵されたメモリ回路で構成することができ、データ処理部15及び制御部19の一部機能をマイクロコンピュータが兼ねていてもよい。
本実施形態の第2のデータ送信装置2は、データ取得部20と、判断部26と、データ記憶部27と、送信部28と、制御部29と、を有している。
データ取得部20は、複数のセンサ21、22、23、24と、データ処理部25と、を備えている。データ取得部20は、複数のセンサ21、22、23、24と、データ処理部25と、を備え、センサ21、22、23、24の出力からデータD5(n)、D6(n)、D7(n)、D8(n)を、第1所定間隔T1で繰り返し取得する。データ処理部25は、センサ21、22、23、24を駆動するとともに、それぞれの出力を取り込んで所定の形式の信号にまとめるI/F回路である。本実施形態の場合、データD5(n)、D6(n)、D7(n)、D8(n)は、それぞれ1個のデジタル値であり、センサ21、22、23、24の各出力がアナログ値であれば、データ処理部25でA/D変換される。例えば、各出力は、それぞれ、4ビットのデジタル値に変換される。データ処理部25は、データD5(n)、D6(n)、D7(n)、D8(n)にもとづく所定の形式のデジタル信号を伝達する。
送信部28は、無線送信回路と送信用アンテナとを備え、データD5(n)、D6(n)、D7(n)、D8(n)にもとづく送信信号S2(n)を送信する。送信信号S2(n)は、センサ21、22、23、24の出力をまとめたパケット単位で構成されており、送信部28は第2所定間隔T2でパケット単位毎に送信する。
制御部29は、電源と制御回路とを備えて、データ取得部20や送信部28に電源を供給するとともに、それらを動作させるタイミングを制御している。
データ記憶部27は、メモリ回路を備え、第2所定間隔T2で、送信したデータD5(n)、D6(n)、D7(n)、D8(n)を保存する。
判断部26は、マイクロコンピュータで構成されている。データ記憶部27はマイクロコンピュータに内蔵されたメモリ回路で構成することができ、データ処理部25及び制御部29の一部機能をマイクロコンピュータが兼ねていてもよい。以上のように、本実施形態の第2のデータ送信装置2は、前述の第1のデータ送信装置1と同じ構成である。
本実施形態の第3のデータ送信装置3は、データ取得部30と、判断部36と、データ記憶部37と、送信部38と、制御部39と、を有している。
データ取得部30は、第1のデータ送信装置1から送信された送信信号S1(n)及び第2のデータ送信装置2から送信された送信信号S2(n)を受信する受信部35bと、受信部35bの受信した無線信号を取り込んで所定の形式の信号に変換するデータ処理部35と、を備えている。受信部35bは、無線受信回路と受信用アンテナとを備える。データD1(n)、D2(n)、D3(n)、D4(n)と、データD5(n)、D6(n)、D7(n)、D8(n)と、を、取り込む時間をわずかにずらしながら第2所定間隔T2で繰り返し取得する。データ処理部35は、データD1(n)、D2(n)、D3(n)、D4(n)、D5(n)、D6(n)、D7(n)、D8(n)にもとづく所定の形式のデジタル信号を伝達する。
送信部38は、無線送信回路と送信用アンテナとを備え、データD1(n)、D2(n)、D3(n)、D4(n)、D5(n)、D6(n)、D7(n)、D8(n)にもとづく送信信号S3(n)を送信する。送信信号S3(n)は、データD1(n)、D2(n)、D3(n)、D4(n)、D5(n)、D6(n)、D7(n)、D8(n)をまとめたパケット単位で構成されており、送信部38は第2所定間隔T2でパケット単位毎に送信する。
制御部39は、電源と制御回路とを備えて、データ取得部30や送信部38に電源を供給するとともに、それらを動作させるタイミングを制御している。
データ記憶部37は、メモリ回路を備え、第2所定間隔T2で、送信したデータD1(n)、D2(n)、D3(n)、D4(n)、D5(n)、D6(n)、D7(n)、D8(n)を保存する。
判断部36は、マイクロコンピュータで構成され、後述するデータ処理を行う。データ記憶部37はマイクロコンピュータに内蔵されたメモリ回路で構成することができ、データ処理部35及び制御部39の一部機能をマイクロコンピュータが兼ねていてもよい。
以上のように、本実施形態の第3のデータ送信装置3は、前述の第1のデータ送信装置1から送信された送信信号S1(n)及び第2のデータ送信装置2から送信された送信信号S2(n)を受信して、送信信号S3(n)を送信する。例えば、送信信号S3(n)を受信する親機(図示しない)と、第1のデータ送信装置1及び第2のデータ送信装置2と、の設置距離が離れているときに、第3のデータ送信装置3が中間の位置に設置されて無線信号の中継を行う中継機の機能を兼ねている。
例えば、気温・湿度・気圧等を測定する環境センサは、測定対象のセンサ設置ポイント1箇所で複数種類が使用されるので、本実施形態の第1のデータ送信装置1又は第2のデータ送信装置2は、1度の送信信号で各センサのデータをまとめて送信できる。さらに、測定値の変化が穏やかであることが多く、前回の測定値と同じ測定データ、又は測定誤差等の所定範囲でのみ異なる同一状態データであることが多い。
次に、本実施形態の第1のデータ送信装置1から送信される送信信号S1(n)について説明する。図2は、本実施形態の第1のデータ送信装置1による処理を示すフローチャートである。図3は、第1のデータ送信装置1から送信される送信信号S1(n)の特徴を示す説明図であり、図3(a)は最初(n=1)の非圧縮処理の送信信号S1(1)を示す説明図であり、図3(b)は2回目に送信すべき非圧縮処理の場合の送信データを示す説明図であり、図3(c)は2回目に送信信号S1(2)として送信する圧縮処理の送信データを示す説明図である。
本実施形態の第1のデータ送信装置1は、図2に示すように、以下のステップで処理が行われる。
ステップS11でデータ取得タイミングまで待機した後、ステップS12でセンサ11、12、13、14の出力からデータを取得する。開始直後は、ステップS13からステップS17に進み、送信データとして非圧縮処理の送信信号S1(1)を送信する。この送信データは、図3(a)に示すように、データ識別用の「And」及び「S No.」に続けて、取得されたデータD1(1)、D2(1)、D3(1)、D4(1)を順番に並べたパケット単位になっている。ここで、「And」は第1のデータ送信装置1の送信データであることを識別するデータ送信識別情報と、データD1(1)、D2(1)、D3(1)、D4(1)の個数を識別するデータ数識別情報と、を含む識別情報である。「S No.」は、送信データのn回目(図3(a)は1回目)であることを識別する識別情報である。
ステップS18で、この送信データの元になったデータD1(1)、D2(1)、D3(1)、D4(1)がデータ記憶部17に保存され、ステップS19で、送信部18からデータD1(1)、D2(1)、D3(1)、D4(1)にもとづく送信信号S1(1)が送信される。
この後、ステップS11に戻り、2回目の計測タイミングでは、ステップS12でセンサ11、12、13、14の出力から新規データを取得し、ステップS13で保存データがあることが判断されてステップS14に進む。
ステップS14では今回取得した新規データD1(2)、D2(2)、D3(2)、D4(2)を、データ記憶部17のデータと比較する。ステップS15で、図3(b)に示すように、新規データD1(2)、D2(2)が保存データと同じか、計測誤差のように所定範囲でのみ異なる同一状態データであると判断した場合に、ステップS16でデータ同一信号A1(2)を生成する。また、同一状態データと判断しなかった新規データD3(2)、D4(2)に対してデータ有効信号B1(2)を生成する。この場合、データ識別用の「And」は、第1のデータ送信装置1の送信データであることを識別するデータ送信識別情報とデータD1(1)、D2(1)、D3(1)、D4(1)の個数を識別するデータ数識別情報とを、データ同一信号A1(2)とデータ有効信号B1(2)とに書き換え、図3(c)に示す圧縮処理の送信データを送信信号S1(2)として生成し、このパケット単位で一括送信する。
図3は、16進数で表わしているが、図3(c)の「And」は、2進数で「0b00110000」である。この「1」がデータ有効信号B1(2)であり、新規データD3(2)、D4(2)がパケット単位に含まれていることを示すデータ数識別情報である。その前の2個の「0」はデータ同一信号A1(2)であり、新規データD1(2)、D2(2)が保存データと同じであって、新規データD1(2)、D2(2)が圧縮されている送信データであることを示すデータ数識別情報である。
本実施形態の第1のデータ送信装置1に関連付けられた親機では、上記の「And」に含まれているデータ識別情報にもとづき、送信信号S1(2)から元の新規データD1(2)、D2(2)、D3(2)、D4(2)が復元可能である。
同様にして、n=kのとき、判断部16は、データ取得部10から今回取得した新規データD1(k)、D2(k)、D3(k)、D4(k)を、データ記憶部17のデータと比較する。データ記憶部17には、第2所定間隔T2で直前に送信した保存データD1(k−1)、D2(k−1)、D3(k−1)、D4(k−1)が記憶されている。
判断部16は、新規データD1(k)、D2(k)、D3(k)、D4(k)と保存データD1(k−1)、D2(k−1)、D3(k−1)、D4(k−1)とが同じ又は所定範囲でのみ異なる同一状態データであると判断した場合に、同一状態データに対してデータ同一信号A1(k)を生成する。データ同一信号A1(k)は、新規データD1(k)、D2(k)、D3(k)、D4(k)にもとづき所定の形式に圧縮した信号である。この場合、送信部18が送信信号S1(k)としてデータ同一信号A1(k)を送信する。また、判断部16は、新規データD1(k)、D2(k)、D3(k)、D4(k)のうち、同一状態データと判断しなかった残りの更新データに対してデータ有効信号B1(k)を生成する。データ有効信号B1(k)は、データ同一信号A1(k)とは異なる信号である。この場合、送信部18は、送信信号S1(k)としてデータ同一信号A1(k)に続けてデータ有効信号B1(k)と更新データとを一括送信する。新規データD1(k)、D2(k)、D3(k)、D4(k)がすべて、保存データD1(k−1)、D2(k−1)、D3(k−1)、D4(k−1)と異なる場合には、データ有効信号B1(k)と更新データとを一括送信する。
なお、同一状態データに対しては、データ記憶部17に保存されている保存データが更新されず、同一状態データと判断しなかった残りの更新データに対してのみ、保存データが更新されることが好ましい。こうすれば、所定範囲でのみ異なる同一状態データであると判断した場合に、それ以後の新規データは元々の保存データと比較されるので、ゆっくり変化するデータが所定範囲でのみ異なる同一状態データであると判断されてしまうことがない。これと異なり、保存データを新規取得されたデータに更新する場合には、このようにゆっくり変化するデータの取り扱いに注意が必要である。
次に、本実施形態の第2のデータ送信装置2から送信される送信信号S2(n)について説明する。図4は、本実施形態の第2のデータ送信装置2から送信される送信信号S2(n)の特徴を示す説明図であり、図4(a)は最初(n=1)の非圧縮処理の送信信号S2(1)を示す説明図であり、図4(b)は2回目に送信すべき非圧縮処理の場合の送信データを示す説明図であり、図4(c)は2回目に送信信号S2(2)として送信する圧縮処理の送信データを示す説明図である。
本実施形態の第2のデータ送信装置2においても、図2に示す第1のデータ送信装置1のステップと同様の処理が行われる。本実施形態の第2のデータ送信装置2から送信される送信信号S2(1)は、図4(a)に示すように、データ識別用の「And」は、第2のデータ送信装置2の送信データであることを識別するデータ送信識別情報となっている。
図4(b)に示すように、新規データD5(2)、D6(2)、D7(2)が保存データと同じか、計測誤差のように所定範囲でのみ異なる同一状態データであると判断した場合に、データ同一信号A2(2)を生成する。また、同一状態データと判断しなかった新規データD8(2)に対してデータ有効信号B2(2)を生成する。この場合、データ識別用の「And」は、第2のデータ送信装置2の送信データであることを識別するデータ送信識別情報とデータD5(1)、D6(1)、D7(1)、D8(1)の個数を識別するデータ数識別情報とを、データ同一信号A2(2)とデータ有効信号B2(2)とに書き換え、図4(c)に示す圧縮処理の送信データを送信信号S2(2)として生成し、このパケット単位で一括送信する。
図4は、16進数で表わしているが、図4(c)の「And」は、2進数で「0b00000001」である。この「1」がデータ有効信号B2(2)であり、新規データD8(2)がパケット単位に含まれていることを示すデータ数識別情報である。その前の3個の「0」はデータ同一信号A2(2)であり、新規データD5(2)、D6(2)、D7(2)が保存データと同じであって、新規データD5(2)、D6(2)、D7(2)が圧縮されている送信データであることを示すデータ数識別情報である。以降、同様にして、送信信号S2(k)が生成される。
次に、本実施形態の第3のデータ送信装置3から送信される送信信号S3(n)について説明する。図5は、第3のデータ送信装置3から送信される送信信号S3(n)の特徴を示す説明図であり、図5(a)は最初(n=1)の非圧縮処理の送信信号S3(1)を示す説明図であり、図5(b)は2回目に送信すべき非圧縮処理の場合の送信データを示す説明図であり、図5(c)は2回目に送信信号S3(2)として送信する圧縮処理の送信データを示す説明図である。
本実施形態の第3のデータ送信装置3においても、図2に示す第1のデータ送信装置1のステップと同様の処理が行われる。本実施形態の第3のデータ送信装置3から送信される送信信号S3(1)は、図5(a)に示すように、データ識別用の「And」は、第1のデータ送信装置1及び第2のデータ送信装置2をまとめた一括送信の送信データであることを識別するデータ送信識別情報となっている。
図5(a)及び図5(b)に示すように、非圧縮の場合の送信データは、第1のデータ送信装置1及び第2のデータ送信装置2をまとめたデータ長である。したがって、送信パケット数が多くなり、送信に必要な消費電力は大きいものになっている。本実施形態では、第1のデータ送信装置1及び第2のデータ送信装置2で圧縮された送信データをまとめた一括送信であり、図5(c)に示すようにデータ長を短くして、送信パケット数を減らすことができる。
図5は、16進数で表わしているが、図5(c)の「And」は、2進数で「0b00110001」である。この「1」がデータ有効信号B3(2)であり、新規データD3(2)、D4(2)、D8(2)がパケット単位に含まれていることを示すデータ数識別情報である。0b以降の「0」はデータ同一信号A3(2)であり、新規データD1(2)、D2(2)、D5(2)、D6(2)、D7(2)が保存データと同じであって、新規データD1(2)、D2(2)、D5(2)、D6(2)、D7(2)が圧縮されている送信データであることを示すデータ数識別情報である。以降、同様にして、送信信号S3(k)が生成される。
なお、図3(c)及び図4(c)に示す圧縮された送信信号S1(k)及びS2(k)を無線信号として受信する場合には、判断部36であらためてデータ比較を行わなくともよい。この場合は、複数のデータをまとめた送信データを作成し、データ数識別情報を付与した送信信号S3(k)が生成される。
本実施形態において、制御部19、29、39は、商用電源でなく、電源として電池を有している。なお、電池は乾電池等の1次電池のほか、充電可能な2次電池であってもよく、その充電用エネルギーは太陽電池や風力発電等の再生可能エネルギーであってもよい。また、制御部19、29、39は、データ取得部10、20、30をそれぞれ必要なタイミングで電源をオンして要求される処理を行わせて、それぞれの処理後に電源をオフすることが好ましい。同様に、制御部19、29、39は、送信部18、28、38をそれぞれ必要なタイミングで電源をオンして要求される処理を行わせて、それぞれの処理後に電源をオフすることが好ましい。さらに、データ取得タイミングと送信信号送信タイミングを同一にすることが好ましい。
図6は、間欠動作における消費電力を説明するグラフである。図6に示すように、必要なタイミングでウェイクアップして、上記のデータ取得部10、20、30の電源をオン・オフし、これに続けて送信部18、28、38の電源をオン・オフする起動期間WTと、次の起動までの休眠期間STと、を有している。休眠期間STの間は、時計機能等の低消費電力の必要機能だけを動作させる(図2のS11)。データ取得タイミングで、起動期間WTが開始され、データ取得期間DT(図2のS12)でデータ取得部10、20、30の電源をオン・オフし、送信信号送信期間TT(図2のS19)で送信部18、28、38の電源をオン・オフする。
データ取得部10、20、30の処理に必要な消費電力に比べて、送信部18、28、38の処理に必要な消費電力が大きいので、送信データを圧縮してパケット数を減らすことは効果的である。本実施形態では、同一状態データを圧縮して送信するので、データ送信時に消費電力を低減することができる。また、第1所定間隔T1と第2所定間隔T2とを同一にし、第1のデータ送信装置1及び第2のデータ送信装置2の送信タイミングを連続させて、第3のデータ送信装置3のデータ取得部30の電源オン期間を短縮することが好ましい。さらに、前述のように第1のデータ送信装置1及び第2のデータ送信装置2をまとめた一括送信の送信データとすることによって、第3のデータ送信装置3の送信部38の電源オン期間を短縮することが好ましい。図6に示すように、データ取得タイミングと送信信号送信タイミングを同一にすることで、間欠測定等の休眠期間STが長く起動期間WTが短い場合に、起動期間WTを最小にできる。また、保存データの記憶容量を最小にできる。
本実施形態において、第2所定間隔T2で必ず送信信号が送信される。したがって、第2所定間隔T2での定期的な通信が途絶えたらデータ送信装置の故障と判断できる。これにより、データ送信装置の故障に気付かず放置されてしまう虞がない。データ送信装置の故障に気付かず放置されていた場合、例えば、センサで監視すべき対象に異常が発生していても異常データが送信されず、長期間見逃されて深刻な事態に陥る虞があった。本実施形態のデータ送信装置では、このような事態を避けることができる。
以下、本実施形態としたことによる効果について説明する。
本実施形態の第1のデータ送信装置1は、データDi(n)を第1所定間隔T1で取得するデータ取得部10と、第2所定間隔T2でデータDi(n)にもとづく送信信号S1(n)を送信する送信部18と、データDi(n)に対し、今回取得した新規データDi(k)と直前に送信した保存データDi(k−1)とが同じ又は所定範囲でのみ異なる同一状態か否かを判断する判断部16と、を有している。そして、判断部16は、第2所定間隔T2で、新規データDi(k)と保存データDi(k−1)とが同じ又は所定範囲でのみ異なる同一状態データであると判断した場合に、新規データDi(k)にもとづき圧縮したデータ同一信号A1(k)を生成し、送信部18が送信信号S1(k)としてデータ同一信号A1(k)を送信する。また、本実施形態の第2のデータ送信装置2は、データDi(n)を第1所定間隔T1で取得するデータ取得部20と、第2所定間隔T2でデータDi(n)にもとづく送信信号S2(n)を送信する送信部28と、データDi(n)に対し、今回取得した新規データDi(k)と直前に送信した保存データDi(k−1)とが同じ又は所定範囲でのみ異なる同一状態か否かを判断する判断部26と、を有している。そして、判断部26は、第2所定間隔T2で、新規データDi(k)と保存データDi(k−1)とが同じ又は所定範囲でのみ異なる同一状態データであると判断した場合に、新規データDi(k)にもとづき圧縮したデータ同一信号A2(k)を生成し、送信部28が送信信号S2(k)としてデータ同一信号A2(k)を送信する。
この構成によれば、第2所定間隔T2で新規データDi(k)が前回に送信した保存データDi(k−1)と同じ又は所定範囲でのみ異なる同一状態データである場合はデータ同一信号A1(k)、A2(k)を送信するので、定期的な通信が途絶えたら装置の故障と判断できる。さらに、更新データを送信信号として送信する場合に比べ、データ同一信号A1(k)、A2(k)は圧縮されているので、データ送信時に消費電力を低減することができる。
また、本実施形態の第1のデータ送信装置1において、第2所定間隔T2で、複数のデータDi(n)、Dj(n)、・・・にもとづく送信信号S1(n)を一括送信する場合に、判断部16は、第2所定間隔T2で、複数の新規データDi(k)、Dj(k)、・・・のうち、同一状態データに対してデータ同一信号A1(k)を生成する。そして、同一状態データと判断しなかった残りの更新データに対してデータ有効信号B1(k)を生成し、送信部18は、送信信号S1(k)としてデータ同一信号A1(k)に続けてデータ有効信号B1(1k)と更新データとを一括送信する。また、本実施形態の第2のデータ送信装置2において、第2所定間隔T2で、複数のデータDi(n)、Dj(n)、・・・にもとづく送信信号S2(n)を一括送信する場合に、判断部26は、第2所定間隔T2で、複数の新規データDi(k)、Dj(k)、・・・のうち、同一状態データに対してデータ同一信号A2(k)を生成する。そして、同一状態データと判断しなかった残りの更新データに対してデータ有効信号B2(k)を生成し、送信部18は、送信信号S2(k)としてデータ同一信号A2(k)に続けてデータ有効信号B2(k)と更新データとを一括送信する。
この構成によれば、第2所定間隔T2で複数の新規データDi(k)、Dj(k)、・・・のうち、同一状態データはデータ同一信号A1(k)、A2(k)に圧縮して、残りの更新データはそのまま送信するので、定期的な通信が途絶えたら装置の故障と判断できる。さらに、複数の新規データDi(k)、Dj(k)、・・・をそのまま一括送信する場合に比べ、データ同一信号A1(k)、A2(k)に圧縮されているので、少ないパケット数で送信することができ、データ送信時に消費電力を低減することができる。
また、本実施形態の第1のデータ送信装置1において、データ取得部10は複数のセンサ11、12、・・・を備え、データDi(n)が複数のセンサ11、12、・・・の出力を含むとともに、送信信号S1(n)が複数のセンサ11、12、・・・の出力をまとめたパケット単位で構成され、送信部18は第2所定間隔T2でパケット単位毎に送信することを特徴とする。また、本実施形態の第2のデータ送信装置2において、データ取得部20は複数のセンサ21、22、・・・を備え、データDi(n)が複数のセンサ21、22、・・・の出力を含むとともに、送信信号S2(n)が複数のセンサ21、22、・・・の出力をまとめたパケット単位で構成され、送信部18、28は第2所定間隔T2でパケット単位毎に送信する。
この構成によれば、気温・湿度・気圧等を測定する環境センサは1箇所で複数種類が使用されるので、1度の送信信号でまとめて送信できる。さらに、測定値の変化が穏やかであることが多く、同一状態データを圧縮して送信するので、データ送信時に消費電力を低減することができる。
また、本実施形態の第3のデータ送信装置3において、データ取得部30は無線信号を受信する受信部35bを備え、第1所定間隔T1で無線信号に含まれている複数のデータDi(n)、Dj(n)、・・・を取得するとともに、第2所定間隔T2で複数のデータDi(n)、Dj(n)、・・・にもとづく送信信号S3(n)を一括送信する。
この構成によれば、複数台の子機から中継機に中継して取得データをまとめて一括送信する場合に、1度の送信信号でまとめて送信できる。さらに、同一状態データを圧縮して送信するので、データ送信時に消費電力を低減することができる。
また、本実施形態のデータ送信装置において、第1所定間隔T1と第2所定間隔T2は同一であることが好ましい。
この構成によれば、データ取得タイミングと送信信号送信タイミングを同一にすることで、間欠測定等の休眠期間STが長く起動期間WTが短い場合に、起動期間WTを最小にできる。また、保存データの記憶容量を最小にできる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態のデータ送信装置の構成について説明する。図7は、本発明の第2実施形態のデータ送信装置を示すブロック図である。
本実施形態の第4のデータ送信装置4は、データ取得部40と、判断部16と、データ記憶部17と、送信部18と、制御部19と、を有している。第4のデータ送信装置4は、データ取得部40のデータ処理部45以外は、第1実施形態の第1のデータ送信装置1の構成と同じであり、同じ符号を用い、説明を省略する。
データ取得部40は、センサ11、12、13、14と、データ処理部45と、を備え、センサ11、12、13、14の出力からデータD1(n)、D2(n)、D2(n)、D4(n)を、第1所定間隔T1で繰り返し(n=1、2、・・・k−1、k、・・・)取得する。データ処理部45は、センサ11、12、13、14を駆動するとともに出力を取り込んで所定の形式の信号にまとめるI/F回路部45aと、外部から送信された無線信号を受信するための受信部45bと、を有している。受信部45bは、無線受信回路と受信用アンテナとを備える。
データ取得部40は、I/F回路部45aと受信部45bとにより取得されたデータを所定の形式の信号に変換し、一括してまとまったデジタル信号として伝達することができる。但し、本実施形態の受信部45bは休止している。
本実施形態の第5のデータ送信装置5は、データ取得部50と、判断部26と、データ記憶部27と、送信部28と、制御部29と、を有している。第5のデータ送信装置5は、データ取得部50のデータ処理部55以外は、第1実施形態の第2のデータ送信装置2の構成と同じであり、同じ符号を用い、説明を省略する。
データ取得部50は、センサ21、22、23、24と、データ処理部55と、を備え、センサ21、22、23、24の出力からデータD5(n)、D6(n)、D7(n)、D8(n)を、第1所定間隔T1で繰り返し(n=1、2、・・・k−1、k、・・・)取得する。データ処理部55は、センサ21、22、23、24を駆動するとともに出力を取り込んで所定の形式の信号にまとめるI/F回路部55aと、外部から送信された無線信号を受信するための受信部55bと、を有している。
データ取得部50は、I/F回路部55aと受信部55bとにより取得されたデータを所定の形式の信号に変換し、一括してまとまったデジタル信号として伝達することができる。
データ取得部50は、受信部55bにより、第4のデータ送信装置4から送信された送信信号S4(n)を受信し、データD1(n)、D2(n)、D3(n)、D4(n)を取得する。また、I/F回路部55aにより、センサ21、22、23、24の出力からデータD5(n)、D6(n)、D7(n)、D8(n)を取得する。データ処理部55は、データD1(n)、D2(n)、D3(n)、D4(n)、D5(n)、D6(n)、D7(n)、D8(n)にもとづく所定の形式のデジタル信号を伝達する。
なお、第4のデータ送信装置4は、第5のデータ送信装置5と同じ機能を備えているが、受信部45bは休止しているので、第5のデータ送信装置5から送信された送信信号S5(n)を受信する動作は行っていない。まお、受信部45bを休止する制御は制御部19によって行う。
本実施形態の第5のデータ送信装置5は、第4のデータ送信装置4からの送信信号S4(n)を受信して、センサ21、22、23、24の出力から取得したデータD5(n)、D6(n)、D7(n)、D8(n)を付加した送信信号S5(n)として第2所定間隔T2で一括送信する。例えば、送信信号S5(n)を受信する親機(図示しない)と、第4のデータ送信装置4と、の設置距離が離れているときに、第5のデータ送信装置5が中間の位置に設置されて無線信号の中継を行う中継機の機能を兼ねている。
例えば、気温・湿度・気圧等を測定する環境センサは、測定対象のセンサ設置ポイント1箇所で複数種類が使用されるので、本実施形態の第4のデータ送信装置4又は第5のデータ送信装置5は、1度の送信信号で各センサのデータをまとめて送信できる。さらに、測定値の変化が穏やかであることが多く、前回の測定値と同じ測定データ、又は測定誤差等の所定範囲でのみ異なる同一状態データであることが多い。
次に、本実施形態の第5のデータ送信装置5から送信される送信信号S5(n)について説明する。なお、本実施形態の第4のデータ送信装置4から送信される送信信号S4(n)は、第1実施形態の第1のデータ送信装置1から送信される送信信号S1(n)と同じであり、説明を省略する。図8は、本実施形態の第5のデータ送信装置5による処理を示すフローチャートである。図9は、第5のデータ送信装置5から送信される送信信号S5(n)の特徴を示す説明図であり、図9(a)は最初(n=1)の非圧縮処理の送信信号S5(1)を示す説明図であり、図9(b)は2回目に送信すべき非圧縮処理の場合の送信データを示す説明図であり、図9(c)は2回目に送信信号S5(2)として送信する圧縮処理の送信データを示す説明図である。
本実施形態の第5のデータ送信装置5は、図8に示すように、以下のステップで処理が行われる。
ステップS51でデータ取得タイミングまで待機した後、ステップS52で、受信部35bの受信した無線信号を取り込んでデータを取得するとともに、センサ21、22、23、24の出力からデータを取得する。開始直後は、ステップS53からステップS57に進み、送信データとして非圧縮処理の送信信号S5(1)を送信する。この送信データは、図9(a)に示すように、データ識別用の「And」及び「S No.」に続けて、取得されたデータD1(1)、D2(1)、D3(1)、D4(1)、D5(1)、D6(1)、D7(1)、D8(1)を順番に並べたパケット単位になっている。ここで、「And」は第5のデータ送信装置5の送信データであることを識別するデータ送信識別情報と、データD1(1)、D2(1)、D3(1)、D4(1)、D5(1)、D6(1)、D7(1)、D8(1)の個数を識別するデータ数識別情報と、を含む識別情報である。「S No.」は、送信データのn回目(図9(a)は1回目)であることを識別する識別情報である。
ステップS58で、この送信データの元になったデータD1(1)、D2(1)、D3(1)、D4(1)、D5(1)、D6(1)、D7(1)、D8(1)がデータ記憶部27に保存され、ステップS59で、送信部18からデータD1(1)、D2(1)、D3(1)、D4(1)、D5(1)、D6(1)、D7(1)、D8(1)にもとづく送信信号S5(1)が送信される。
この後、ステップS51に戻り、2回目の計測タイミングでは、ステップS52で受信部35bの受信した無線信号及びセンサ11、12、13、14の出力から新規データを取得し、ステップS53で保存データがあることが判断されてステップS54に進む。
ステップS54では今回取得した新規データD1(2)、D2(2)、D3(2)、D4(2)、D5(2)、D6(2)、D7(2)、D8(2)を、データ記憶部27のデータと比較する。なお、受信部35bの受信した無線信号は、第4のデータ送信装置4から圧縮処理の送信データを送信信号S4(2)(図3(c)参照)として送信したものである。
ステップS55で、図9(b)に示すように、新規データD1(2)、D2(2)が圧縮されている場合と、新規データD5(2)、D6(2)、D7(2)が保存データと同じか、計測誤差のように所定範囲でのみ異なる同一状態データであると判断した場合に、ステップS56でデータ同一信号A5(2)を生成する。また、同一状態データと判断しなかった新規データD3(2)、D4(2)、D8(2)に対してデータ有効信号B5(2)を生成する。この場合、データ識別用の「And」は、第5のデータ送信装置5の送信データであることを識別するデータ送信識別情報とデータD1(2)、D2(2)、D3(2)、D4(2)、D5(2)、D6(2)、D7(2)、D8(2)の個数を識別するデータ数識別情報とを、データ同一信号A5(2)とデータ有効信号B5(2)とに書き換え、図9(c)に示す圧縮処理の送信データを送信信号S5(2)として生成し、このパケット単位で一括送信する。
図9は、16進数で表わしているが、図9(c)の「And」は、2進数で「0b00110001」である。この「1」がデータ有効信号B5(2)であり、新規データD3(2)、D4(2)、D8(2)がパケット単位に含まれていることを示すデータ数識別情報である。0b以降の「0」はデータ同一信号A5(2)であり、新規データD1(2)、D2(2)、D5(2)、D6(2)、D7(2)が保存データと同じであって、新規データD1(2)、D2(2)、D5(2)、D6(2)、D7(2)が圧縮されている送信データであることを示すデータ数識別情報である。
本実施形態の第5のデータ送信装置5に関連付けられた親機では、上記の「And」に含まれているデータ識別情報にもとづき、送信信号S5(2)から元の新規データD1(2)、D2(2)、D3(2)、D4(2)、D5(2)、D6(2)、D7(2)、D8(2)が復元可能である。
同様にして、n=kのとき、判断部16は、データ取得部50から今回取得した新規データD1(k)、D2(k)、D3(k)、D4(k)、D5(k)、D6(k)、D7(k)、D8(k)を、データ記憶部27のデータと比較する。データ記憶部27には、第2所定間隔T2で直前に送信した保存データD1(k−1)、D2(k−1)、D3(k−1)、D4(k−1)、D5(k−1)、D6(k−1)、D7(k−1)、D8(k−1)が記憶されている。なお、新規データD1(k)、D2(k)、D3(k)、D4(k)と保存データD1(k−1)、D2(k−1)、D3(k−1)、D4(k−1)とが同じ又は所定範囲でのみ異なる同一状態データである場合、圧縮処理の送信データを受信している。
判断部26は、新規データD5(k)、D6(k)、D7(k)、D8(k)と保存データD5(k−1)、D6(k−1)、D7(k−1)、D8(k−1)とが同じ又は所定範囲でのみ異なる同一状態データであると判断した場合に、同一状態データに対してデータ同一信号A5(k)を生成する。データ同一信号A5(k)は、新規データD5(k)、D6(k)、D7(k)、D8(k)にもとづき所定の形式に圧縮した信号である。この場合、送信部28が送信信号S5(k)としてデータ同一信号A5(k)を送信する。また、判断部26は、新規データD5(k)、D6(k)、D7(k)、D8(k)のうち、同一状態データと判断しなかった残りの更新データに対してデータ有効信号B5(k)を生成する。データ有効信号B5(k)は、データ同一信号A5(k)とは異なる信号である。この場合、送信部28は、送信信号S5(k)としてデータ同一信号A5(k)に続けてデータ有効信号B5(k)と更新データとを一括送信する。新規データD5(k)、D6(k)、D7(k)、D8(k)がすべて、保存データD5(k−1)、D6(k−1)、D7(k−1)、D8(k−1)と異なる場合には、データ有効信号B5(k)と更新データとを一括送信する。
なお、同一状態データに対しては、データ記憶部27に保存されている保存データが更新されず、同一状態データと判断しなかった残りの更新データに対してのみ、保存データが更新されることが好ましい。こうすれば、所定範囲でのみ異なる同一状態データであると判断した場合に、それ以後の新規データは元々の保存データと比較されるので、ゆっくり変化するデータが所定範囲でのみ異なる同一状態データであると判断されてしまうことがない。これと異なり、保存データを新規取得されたデータに更新する場合には、このようにゆっくり変化するデータの取り扱いに注意が必要である。
また、新規データD1(k)、D2(k)、D3(k)、D4(k)のうち、圧縮処理の送信データで圧縮された情報として受信されたデータは、そのまま送信データに転送されるように送信データに付加される。なお、「And」に含まれているデータ識別情報は、受信された送信信号S4(k)のデータ識別情報でなく、送信する送信信号S5(k)のデータ識別情報に付け替えられる。
図9(a)に示すように、非圧縮の場合の送信データは、第4のデータ送信装置4及び第5のデータ送信装置5のセンサ出力から取得されたデータをまとめたデータ長である。したがって、送信パケット数が多くなり、送信に必要な消費電力は大きいものになっている。本実施形態では、圧縮された送信データをまとめた一括送信であり、図9(c)に示すようにデータ長を短くして、送信パケット数を減らすことができる。
本実施形態において、本実施形態において、制御部19、29は、商用電源でなく、電源として電池を有している。なお、電池は乾電池等の1次電池のほか、充電可能な2次電池であってもよく、その充電用エネルギーは太陽電池や風力発電等の再生可能エネルギーであってもよい。また、制御部19、29は、データ取得部40、50をそれぞれ必要なタイミングで電源をオンして要求される処理を行わせて、それぞれの処理後に電源をオフすることが好ましい。同様に、制御部19、29は、送信部18、28をそれぞれ必要なタイミングで電源をオンして要求される処理を行わせて、それぞれの処理後に電源をオフすることが好ましい。さらに、データ取得タイミングと送信信号送信タイミングを同一にすることが好ましい。
第4のデータ送信装置4及び第5のデータ送信装置5は、第1の実施形態と同様、間欠動作させることが好ましい(図6参照)。必要なタイミングでウェイクアップして、上記のデータ取得部40、50の電源をオン・オフし、これに続けて送信部18、28の電源をオン・オフする起動期間WTと、次の起動までの休眠期間STと、を有する。休眠期間STの間は、時計機能等の低消費電力の必要機能だけを動作させる(図8のS51)。データ取得タイミングで、起動期間WTが開始され、データ取得期間DT(図8のS52)でデータ取得部50の電源をオン・オフし、送信信号送信期間TT(図8のS59)で送信部28の電源をオン・オフする。
データ取得部40、50の処理に必要な消費電力に比べて、送信部18、28の処理に必要な消費電力が大きいので、送信データを圧縮してパケット数を減らすことは効果的である。本実施形態では、同一状態データを圧縮して送信するので、データ送信時に消費電力を低減することができる。また、第1所定間隔T1と第2所定間隔T2とを同一にすることが好ましい。
本実施形態において、第2所定間隔T2で必ず送信信号が送信される。したがって、第2所定間隔T2での定期的な通信が途絶えたらデータ送信装置の故障と判断できる。これにより、データ送信装置の故障に気付かず放置されてしまう虞がない。データ送信装置の故障に気付かず放置されていた場合、例えば、センサで監視すべき対象に異常が発生していても異常データが送信されず、長期間見逃されて深刻な事態に陥る虞があった。本実施形態のデータ送信装置では、このような事態を避けることができる。
以下、本実施形態としたことによる効果について説明する。
本実施形態の第5のデータ送信装置5は、データDi(n)を第1所定間隔T1で取得するデータ取得部50と、第2所定間隔T2で前記データDi(n)にもとづく送信信号S1(n)を送信する送信部18と、データDi(n)に対し、今回取得した新規データDi(k)と直前に送信した保存データDi(k−1)とが同じ又は所定範囲でのみ異なる同一状態か否かを判断する判断部16と、を有している。そして、判断部16は、第2所定間隔T2で、新規データDi(k)と保存データDi(k−1)とが同じ又は所定範囲でのみ異なる同一状態データであると判断した場合に、新規データDi(k)にもとづき圧縮したデータ同一信号A5(k)を生成し、送信部18が送信信号S5(k)としてデータ同一信号A5(k)を送信する。
この構成によれば、第2所定間隔T2で新規データDi(k)が前回に送信した保存データDi(k−1)と同じ又は所定範囲でのみ異なる同一状態データである場合はデータ同一信号A5(k)を送信するので、定期的な通信が途絶えたら装置の故障と判断できる。さらに、更新データを送信信号として送信する場合に比べ、データ同一信号A5(k)は圧縮されているので、データ送信時に消費電力を低減することができる。
また、本実施形態の第5のデータ送信装置5において、第2所定間隔T2で、複数のデータDi(n)、Dj(n)、・・・にもとづく送信信号S5(n)を一括送信する場合に、判断部16は、第2所定間隔T2で、複数の新規データDi(k)、Dj(k)、・・・のうち、同一状態データに対してデータ同一信号A5(k)を生成する。そして、同一状態データと判断しなかった残りの更新データに対してデータ有効信号B5(k)を生成し、送信部18は、送信信号S5(k)としてデータ同一信号A5(k)に続けてデータ有効信号B5(k)と更新データとを一括送信する。
この構成によれば、第2所定間隔T2で複数の新規データDi(k)、Dj(k)、・・・のうち、同一状態データはデータ同一信号A5(k)に圧縮して、残りの更新データはそのまま送信するので、定期的な通信が途絶えたら装置の故障と判断できる。さらに、複数の新規データDi(k)、Dj(k)、・・・をそのまま一括送信する場合に比べ、データ同一信号A5(k)に圧縮されているので、少ないパケット数で送信することができ、データ送信時に消費電力を低減することができる。
また、本実施形態の第5のデータ送信装置5において、データ取得部50は複数のセンサ11、12、・・・を備え、データDi(n)が複数のセンサ11、12、・・・の出力を含むとともに、送信信号S5(n)が複数のセンサ11、12、・・・の出力をまとめたパケット単位で構成され、送信部18は第2所定間隔T2でパケット単位毎に送信する。
この構成によれば、気温・湿度・気圧等を測定する環境センサは1箇所で複数種類が使用されるので、1度の送信信号でまとめて送信できる。さらに、測定値の変化が穏やかであることが多く、同一状態データを圧縮して送信するので、データ送信時に消費電力を低減することができる。
また、本実施形態の第5のデータ送信装置5において、データ取得部50は無線信号を受信する受信部55bを備え、第1所定間隔T1で無線信号に含まれている複数のデータDi(n)、Dj(n)、・・・を取得するとともに、第2所定間隔T2で複数のデータDi(n)、Dj(n)、・・・にもとづく送信信号S5(n)を一括送信する。
この構成によれば、子機から子機に中継して取得データをまとめて一括送信する場合に、1度の送信信号でまとめて送信できる。さらに、同一状態データを圧縮して送信するので、データ送信時に消費電力を低減することができる。
また、本実施形態のデータ送信装置において、第1所定間隔T1と第2所定間隔T2は同一であることが好ましい。
この構成によれば、データ取得タイミングと送信信号送信タイミングを同一にすることで、間欠測定等の休眠期間STが長く起動期間WTが短い場合に、起動期間WTを最小にできる。また、保存データの記憶容量を最小にできる。
以上のように、本発明の実施形態のデータ送信装置を具体的に説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施することが可能である。例えば次のように変形して実施することができ、これらも本発明の技術的範囲に属する。
(1)本実施形態において、データ取得部10、20、30、40はセンサの出力をデータとしていたが、狭義のセンサ以外のデータであってもよい。例えば、電圧や周波数のように電気回路から取り出せる電気的データであってもよい。
(2)本実施形態において、最初のデータと更新データは同じ形式のデータとしていたが、2回目以降の更新データは、保存データとの差分データとして送信するようにしてもよい。例えば、最初のデータに近い範囲でのみ変化する更新データの場合、差分データとして送信するほうがパケット数を少なくできることが多い。このような場合は差分データを送信するほうが好ましい。
(3)本実施形態において、第3のデータ送信装置3は、無線信号として圧縮された送信信号S1(n)及びS2(n)を受信するとしたが、第1のデータ送信装置1及び第2のデータ送信装置2に限定されない。その他の非圧縮データを送信するデータ送信装置の無線信号を受信し、第3のデータ送信装置3が前回の保存データと比較して、圧縮された送信信号S3(n)を送信するようにしてもよい。例えば、既存のデータ送信装置を活用して、中継機として本発明のデータ送信装置を使用しても効果を奏する。
(4)本実施形態において、識別情報として、送信データのn回目であることを送信したが、識別情報はこれに限定されるものではない。例えば、データ送信装置のIDを登録して、ID情報を識別情報として送信するように変更してもよい。また、送信するデータ量に応じてデータ量は変更されるものであって、本実施形態のデータ量に限定されるものではない。