JP2015115130A - 二次電池及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来より、容積面(エネルギー密度の面)や製造面(製造工数)が向上した二次電池を提供する。【解決手段】 本発明の二次電池は、第1電極としての機能と基材としての機能とを発揮するシート状の第1電極兼用基材と、第1電極兼用基材の表面側に設けられた表面側蓄電層と、表面側蓄電層に積層された表面側第2電極層と、第1電極兼用基材の裏面側に設けられた裏面側蓄電層と、裏面側蓄電層に積層された裏面側第2電極層とを備える。【選択図】 図6

Description

本発明は二次電池及びその製造方法に関し、例えば、金属酸化物の光励起構造変化を利用して、バンドキャップ中に新たなエネルギー準位を形成して電子を捕獲する動作原理に基づく二次電池(以下、「量子電池」と呼ぶこともある)に適用し得る。
二次電池としては、ニッケル水素電池(Ni−MH)やリチウムイオン二次電池(LIB)などが知られている。一方、近年、小型でかつ大容量の電池が求められている。そのため、単独で二次電池として機能する単位(以下、単位セルと呼ぶ)を、複数重ねるようなことが行われている。
非特許文献1の319頁〜320頁には、図1及び図2に示すような円筒型及び角型のニッケル水素電池(Ni−MH)の構造が記載されている。円筒型電池1Aは、所定形状の薄板状の正極2及び負極3を、セパレータ4を介して渦巻状に巻き取り(渦巻は単位セルを重ねたと見ることができる)、円筒型のケース5に挿入し、電解液を注入後に密閉して電池として完成させている。角型電池1Bは、所定形状の薄板状の正極2及び負極3間にセパレータ4を介した構造を積層し、角型のケース5に挿入し、電解液を注入後に密閉して電池として完成させている。
特許文献1には、図3に示すような角型のリチウムイオン二次電池の内部構造(極板群)が記載されている。ジグザグに折り曲げられたセパレータ4の連続体の谷溝内に正極板2と負極板3とを交互に挿入して、ジグザグ方向に押圧して扁平にした極板群1Cが記載されている。このような極板群が、角型の外装缶に挿入され、電解液が注入された後に密閉されて角型電池として完成される。
また、近年、固体薄膜化して構成される全固体型の二次電池が研究、開発されており、小型化を実現する二次電池として期待されている。図4には、全固体型の二次電池の構成を示す斜視図及び断面図を示している。図4は、正極端子及び負極端子などの端子部材、外装部材や被覆部材などの実装部材などを省略している。全固体型の二次電池1Dは、負極層3と正極層2との間に充放電時に内部変化を起こす固体の層(以下、蓄電層と呼ぶ)6を有するものである。全固体型の二次電池1Dとしては、上述した量子電池や、全固体型のリチウムイオン二次電池などがある。量子電池の場合、負極層3と正極層2との間に、充電動作で電子を蓄積(捕獲)し、放電動作で蓄積した電子を放出する層(後述するようにこの層を充電層と呼ぶ)が設けられており、この充電層が蓄電層6に該当する。また、全固体型のリチウムイオン二次電池の場合、負極層3と正極層2との間に、固体電解質層が設けられており、この固体電解質層が蓄電層6に該当する。なお、図4に示す構造を単位セルとして積層するような場合には、蓄電層6の周囲などに、負極層3と正極層2とを絶縁したり、蓄電層6の周囲を保護したりするシール7を設けることが好ましい(但し、シール7は必須の構成要素ではない)。
全固体型の二次電池1Dも、周知のように、単位セルを直列に積層することで端子電圧を高めることができ、単位セルを並列に積層することでエネルギー密度を大きくすることができる。
図5は、二次電池1Dを単位セルとし、複数の単位セルを並列に接続した、容易に考えられる二次電池1Eを示す断面図である。二次電池1Eにおける各単位セル(1D)はそれぞれ、負極端子板8及び正極端子板9に挟持されており、ある単位セルに係る正極端子板9と、その上段の単位セルに係る負極端子板8との間には絶縁層10が設けられている。複数の負極端子板8は負極端子連結部8bによって連結されており、複数の正極端子板9は正極端子連結部9bによって連結されており、負極端子連結部8b及び正極端子連結部9bはそれぞれ、図示しない実装部材の外部に負極端子、正極端子を露出させるための延長部8a、9aを有している。二次電池1Dの端子電圧がVo、エネルギー密度がIoであり、二次電池1Dの積層数(並列接続数)をNとすると、二次電池1Eの端子電圧Voであり、容量はN×Io(例えば、積層数が6であれば6×Io)となる。
高い端子電圧で大きなエネルギー密度の二次電池を実現するには、単位セルの直列積層と並列積層とを組み合わせれば良い。例えば、図5の負極端子板8及び正極端子板9に挟持されている単位セル(1D)の部分を、複数の単位セルを直列的に積層したものと置き換えることにより、高い端子電圧で大きなエネルギー密度の二次電池を構成することができる。
特開2009−140707
電気化学会 電池技術委員会編、「電池ハンドブック」、株式会社オーム社、平成22年2月発行
図1〜図3に示す従来の二次電池では、隣接する単位セルの正極と負極とを絶縁させるためにセパレータを配置させることが必要であり、また、電解液の収容空間を確保するため、電池の全容積を小さくすることが困難であった。また、図1〜図3に示す二次電池では、化学反応を利用しているために、充放電性能が劣化したり、寿命が低下したりする。また、電解液を使用しているので液漏れのリスクを伴っている。さらに、リチウムイオン型の二次電池では、過充電、充放電により信頼性が低下したり、電解液を使用しているため電極間が短絡する恐れがあったりする。
電解液を利用することに伴う不都合は、全固体型の二次電池によりかなりの部分が解決される。
上述したように、複数の単位セルを並列接続させることにより、二次電池のエネルギー密度を大きくすることができる。しかし、このような二次電池1Eは、図5に示すように、隣接する単位セルの負極端子板8及び正極端子板9との間に絶縁層10を設けなければならず、また、単位セルの負極層3の数だけ負極端子板8を設けると共に、単位セルの正極層2の数だけ正極端子板9を設けなければならず、二次電池1Eの容積が大きくなる。
一般的に、電池の容積効率は、電池の全容積に対する電池の実効容積の割合で求められる。二次電池の充電周期を考慮すると、二次電池のエネルギー密度を大きくすることが求められるが、エネルギー密度を大きくしても電池の全容積が小さいことが好ましい。また、電池の全容積が小さくなれば、二次電池の小型化にもつながる。負極端子板8及び正極端子板9は電池の構成上必要なものであるが、絶縁層10は充電に直接寄与しないためエネルギー密度向上の阻害要因となっている。
所望するエネルギー密度が大きくなればなるほど、並列接続する単位セルの積層数を増大させれば良い。しかし、積層数の増大に伴い、絶縁層10の数も増えてしまい(負極端子板8や正極端子板9の数も増える)、全容積を一段と大きくする。
並列接続でも直列接続でも、複数の単位セルを積層する二次電池では、各単位セルの位置合わせの要求が高い。図5に示す二次電池1Eの場合、負極端子連結部8bや正極端子連結部9bが単位セル1Dに近い方(図5の隙間Lが短い方)が全容積の軽減の観点から好ましい。例えば、いずれかの単位セルが図5の右にずれて積層され、その単位セルの負極層3が正極端子連結部9bに接した場合には短絡経路が形成されてしまう。そのため、各単位セルの位置合わせの要求が高く、製造効率の低下を招く可能性もある。
また、積層工程では、積層数だけの単位セルを積層処理しなければならず、製造工数が多いものとなっていた。
そのため、蓄電層を正極層と負極層とで挟んだ全固体型の二次電池であって、エネルギー密度が高く、製造プロセスの少ない二次電池及びその製造方法が望まれている。
かかる課題を解決するため、第1の本発明の二次電池は、(1)第1電極としての機能と基材としての機能とを発揮するシート状の第1電極兼用基材と、(2)上記第1電極兼用基材の表面側に設けられた表面側蓄電層と、(3)上記表面側蓄電層に積層された表面側第2電極層と、(4)上記第1電極兼用基材の裏面側に設けられた裏面側蓄電層と、(5)上記裏面側蓄電層に積層された裏面側第2電極層とを備えることを特徴とする。
第2の本発明の二次電池の製造方法は、(1)第1電極としての機能と基材としての機能とを発揮するシート状の第1電極兼用基材の表面側及び裏面側に第1酸化物半導体層を積層する工程と、(2)表面側の上記第1酸化物半導体層に表面側充電層を積層する工程と、(3)裏面側の上記第1酸化物半導体層に裏面側充電層を積層する工程と、(4)上記表面側充電層及び上記裏面側充電層に紫外線を照射する工程と、(5)上記表面側充電層に第2酸化物半導体層及び第2電極層を積層する工程と、(6)上記裏面側充電層に第2酸化物半導体層及び第2電極層を積層する工程とを含むことを特徴とする。
第3の本発明の二次電池の製造方法は、(1)第1電極としての機能と基材としての機能とを発揮するシート状の第1電極兼用基材の表面から裏面に連続するように第1酸化物半導体層を積層する工程と、(2)上記第1酸化物半導体層の一部又は全部を覆うように充電層を積層する工程と、(3)上記充電層に紫外線を照射する工程と、(4)上記充電層の一部又は全部を覆うように第2の半導体酸化物層及び第2電極層を積層する工程とを含むことを特徴とする。
本発明の二次電池及びその製造方法は、1つの第1電極層(第1電極兼用基材)がそれに対して互いに反対側に形成された2つの単位セルの第1電極層を兼ねるため、基材としての強度を維持しながら、実効的に第1電極層の厚みを半減できる点でエネルギー密度向上に寄与する。また、1回の第1電極層(第1電極兼用基材)の製造により2つの単位セルが形成できるから、製造プロセス削減効果も有する。
さらに、1つの第1電極層(第1電極兼用基材)がそれに対して互いに反対側に形成された2つの単位セルの第1電極層を兼ねることは、2つの単位セルの並列接続するような場合に、第1電極層同士の接続プロセスを省略でき、これにより、当該プロセスの際の熱処理による積層済部分の酸化を防止する効果も有する。
従来の円筒型のニッケル水素電池(Ni−MH)の内部構造を一部破断して示す斜視図である。 従来の角型のニッケル水素電池(Ni−MH)の内部構造を一部破断して示す斜視図である。 特許文献1に記載の角型のリチウムイオン二次電池の内部構造(極板群)を示す斜視図である。 全固体型の二次電池の構成を示す斜視図及び断面図を示している。 全固体型の二次電池を単位セルとし、複数の単位セルを並列に接続した、考えられる二次電池の構成を示す断面図である。 第1の実施形態の二次電池の構成を示す断面図である。 第1の実施形態の二次電池の製造方法を示す説明図である。 第1の実施形態の二次電池の実装構造例を示す説明図である。 第1の実施形態の二次電池における端面絶縁部材に係る変形実施形態を示す説明図である。
(A)第1の実施形態
以下、本発明による二次電池及びその製造方法の第1の実施形態について、図面を参照しながら説明する。第1の実施形態の二次電池は量子電池である。
(A−1)第1の実施形態の二次電池の基本構造
図6は、第1の実施形態に係る二次電池20の構成を示す断面図であり、上述した図4(B)と同様な方向から見た断面図である。図6は、面方向の寸法より厚み方向の寸法を強調して示している。
図6において、第1の実施形態の二次電池20は、シート状負極兼用基材21、表面側のn型金属酸化物半導体層22F、表面側の充電層23F、表面側のp型金属酸化物半導体層24F、表面側の正極層25F、裏面側のn型金属酸化物半導体層22R、裏面側の充電層23R、表面側のp型金属酸化物半導体層24R、裏面側の正極層25R及び基材端面絶縁部26を有する。
シート状負極兼用基材21、表面側のn型金属酸化物半導体層22F、表面側の充電層23F、表面側のp型金属酸化物半導体層24F及び表面側の正極層25Fで、表面側の単位二次電池(単位セル)が構成され、シート状負極兼用基材21、裏面側のn型金属酸化物半導体層22R、裏面側の充電層23R、裏面側のp型金属酸化物半導体層24R及び裏面側の正極層25Rで、裏面側の単位二次電池(単位セル)が構成されている。
二次電池20は、基材の両面共に、単位セルが形成されていることを特徴とするものであり、両面のいずれの面が表面ということができないものであるが、以下の説明では、便宜上、図6における上側の面を表面、図6における下側の面を裏面と呼ぶこととする。また、以下では、二次電池20が、短辺と長辺の差が大きい概ね矩形のシート状のものであるとして説明する(後述する図7参照)。適宜、図6における左右方向を幅方向、図6紙面の法線方向を長尺方向と呼ぶこととする。
シート状負極兼用基材21は、薄膜形成処理時のシート状基材として機能すると共に、負極本体として機能するものである。上述した従来の二次電池(量子電池)1Dを示す図4は、基材上に対する各種の薄膜形成処理を経て得られた後、基材から取り外した二次電池を示している。この従来の二次電池(量子電池)1Dに比較すると、第1の実施形態の二次電池20は、1つの負極層(シート状負極兼用基材21)がそれに対して面対称な2つの単位セルの負極層を兼ねていることを特徴とする。シート状負極兼用基材21の幅方向(図6の左右方向)の一方の端部(図6では左側の端部)21aは、酸化物半導体層22F、22R、充電層23F、23R、p型金属酸化物半導体層24F、24R、正極層25F、25Rが被覆されておらず、負極の引き出し部として機能するようになされている。
シート状負極兼用基材21は、1種類の導電性材質で形成されているものであっても良く、また、導体若しくは絶縁体の表面に、スパッタリングやメッキなどによって導電性薄膜を付着させて形成されているものであっても良い。シート状負極兼用基材21として、例えば、ステンレス鋼シート(SUSシート)を適用することができる。
各面の充電層23F、23Rは、充電動作で電子を蓄え、放電動作で蓄電電子を放出し、充放電がなされていない状態で電子を保持(蓄電)している層である。充電層がこのような機能を持つためには、例えば、国際公開WO2008/053561に開示されているように、光励起構造変化にもとづく充電層中のバンドギャップへのトラップ準位の形成を行えば良い。すなわち、所定値以上のバンドギャップを持つ半導体であって透光性をもつ金属酸化物が絶縁被覆された微粒子状態のものが層をなした充電層を形成し、そこに紫外線照射を行って価電子帯にあった電子を伝導帯に励起させると、一部の電子が絶縁皮膜によって形成されたエネルギー障壁から負電極に移動する。この間に充電層中の電子の抜けた部位の原子間距離が変化する構造変化により、電子の抜けた空乏準位がバンドギャップ中に移動してトラップ準位となる。十分な量の光照射により、バンドギャップ内にトラップ準位を多数発生させた後、充電層に対して負電極の反対側に絶縁物等によるエネルギー障壁を介して正電極を設置し、両電極間に電圧を印加すると、このトラップ準位への電子の捕獲、放出によって充放電ができる。これが量子電池における充電層の働きである。
各面のn型金属酸化物半導体層22F、22Rは、充電層23F、23Rにおいて、金属酸化物のまわりの絶縁層と同様、エネルギー障壁となる機能を有し、何らかの原因で金属酸化物が絶縁層を介さずに直接負電極と接することでエネルギー障壁が存在しない部分ができることを防止できる。n型金属酸化物半導体層22F、22Rを構成する材質は限定されるものではないが、例えば、二酸化チタン(TiO)を適用することができる。
量子電池を、一般的な二次電池と同様に、電気エネルギーを保持する部分と、2つの電極とで構成されていると見た場合、n型金属酸化物半導体層22F、22Rは、負極の要素と見ることができる。
各面の正極層25F、25Rは、導電層として形成されたものであれば良い。正極層25F、25Rの材質は問われないが、例えば、アルミニウム(Al)を適用することができる。量子電池の場合、正極層25F、25Rから充電層23F、23Rへの不必要な電子の注入を防止するために、充電層23F、23Rに接するようにp型金属酸化物半導体層24F、24Rを有している。p型金属酸化物半導体層24F、24Rの材質は限定されないが、例えば、酸化ニッケル(NiO)を適用できる。
基材端面絶縁部26は、負極として機能するシート状負極兼用基材21と、正極層25F、25Rとの間の、充電層23F、23Rが設けられていないシート状負極兼用基材21の一方の端部での短絡を防止するために設けられたものである。基材端面絶縁部26の材質は問われないが、例えば、ゴム系材料、ポリオレフィン製材料、フッ素樹脂等を用いることができ、また、アルミナ(Al)やシリカ(SiO)を適用することができる。なお、基材端面絶縁部26は、n型金属酸化物半導体層22F、22Rより前に形成されても良く、n型金属酸化物半導体層22F、22Rの形成後であって充電層23F、23Rより前に形成されても良く、充電層23F、23Rより後に形成されても良い。充電層23F、23Rの形成時には高温処理も行われるので、充電層より前に形成する場合には、基材端面絶縁部26の材質として耐熱性の材質を適用することが好ましい。
図6の例では、n型金属酸化物半導体層22F、22R及び充電層23F、23Rが、シート状負極兼用基材21の一方の端面から少し手前まで形成され、断面コ字状に基材端面絶縁部26が形成された例を示している。シート状負極兼用基材21の表面及び裏面の基材端面絶縁部26の厚みは、n型金属酸化物半導体層22F、22Rの厚み程度である。また、充電層23F、23Rの基材端面絶縁部26側の縁とn型金属酸化物半導体層22F、22Rの基材端面絶縁部26側の縁とはほぼ揃っている。その結果、基材端面絶縁部26の表面、裏面と、充電層23F、23Rとの縁部とには段差が生じる。図6の例では、基材端面絶縁部26の表面及び裏面上にも、p型金属酸化物半導体層24F、24R及び正極層25F、25Rが積層されている。その結果、シート状負極兼用基材21の一方の端部側において、正極層25F、25R自体が段差を有するものとなっている。
基材端面絶縁部26が設けられていないシート状負極兼用基材21の幅方向の端部においては、シート状負極兼用基材21が所定長さだけ外部に露出しており(引き出し部21a)、表面及び裏面共に、端面までの距離は、n型金属酸化物半導体層22F、22Rが最も短く、充電層23F、23Rが次に短く、p型金属酸化物半導体層24F、24R及び正極層25F、25Rが最も長くなっている。このような段差構造により、シート状負極兼用基材21と正極層25F、25Rとの短絡を防止するようになされている。
なお、基板端部の構造は正極層25F、25Rの短絡を防止できる構造であればこれに限らない。
図6では、基材端面絶縁部26の端面(表面及び裏面でない面)が外部に露出しているものを示したが、基材端面絶縁部26の端面をもp型金属酸化物半導体層や正極層で覆うようにしても良い。この場合において、表面及び裏面のp型金属酸化物半導体層24F及び24Rを、被覆したp型金属酸化物半導体層が連絡すると共に、表面及び裏面の正極層25F及び25Rを、被覆した正極層が連絡するようにしても良い。
また、図6では、基材端面絶縁部26の表面側部分及び裏面側部分がシート状負極兼用基材21の端部側を覆うもの(言い換えると、シート状負極兼用基材21の端部側に積層されたもの)を示したが、シート状負極兼用基材21上に形成されたn型金属酸化物半導体層22F、22Rの端部側を覆うようにしても良い。
以上では、シート状負極兼用基材21の幅方向の一方の端部における短絡防止構成について説明した。なお、第1の実施形態の特徴から離れるが、シート状負極兼用基材21の長尺方向の一方若しくは両方の端部にも、上述と同様な短絡防止構成を適用しても良い。また、シート状負極兼用基材21の長尺方向の一方若しくは両方の端部にも、上述した引き出し部21aと同じような処理を行っても良い。
(A−2)第1の実施形態の二次電池の製造方法
次に、図6に示す構造を有する第1の実施形態の二次電池20の製造方法を説明する。図7は、第1の実施形態の二次電池の製造方法を示す説明図である。図7(A1)〜(A4)が概略斜視図であり、図7(B1)〜(B4)が断面図である。図7(B1)〜(B4)の断面図は、上述した図6に示す断面図に比較し、二次電池の中間形成状態や完成品を時計方向に90度だけ回転した断面図である。
最初に、図7(A1)及び(B1)に示すように、シート状負極兼用基材21の幅方向の一辺近傍に、基材端面絶縁部26を形成させる。形成方法にもよるが、この形成時には、非形成領域をマスキングしておく。例えば、シート状負極兼用基材21としてSUSシートを適用し、その一端部に基材端面絶縁部26を形成する。例えば、基材端面絶縁部26の材質が樹脂の場合には、一般的な樹脂被膜の成膜方法(例えば、吹き掛け塗装)により基材端面絶縁部26を形成する。また例えば、基材端面絶縁部26の材質がアルミナ(Al)やシリカ(SiO)等の場合には、スパッタリング法、蒸着法、CVD法(化学気相成長法)、塗布熱分解法等により基材端面絶縁部26を形成(成膜)する。
次に、図7(A2)及び(B2)に示すように、シート状負極兼用基材21における引き出し部21aを確保し、かつ、基材端面絶縁部26上には積層しないように適宜マスキングをして、n型金属酸化物半導体層22F、22Rを形成する。例えば、n型金属酸化物半導体層22F、22Rの材質として二酸化チタン(TiO)を適用し、スパッタリング法、蒸着法、CVD法、塗布熱分解法等により、n型金属酸化物半導体層22F、22Rを形成する。ここで、表面及び裏面のn型金属酸化物半導体層22F及び22Rを同時に形成するようにしても良く、また、片面ずつ形成するようにしても良い。
なお、図6に示す第1の実施形態の二次電池20の場合、基材端面絶縁部26と、n型金属酸化物半導体層22F、22Rとは積層関係にないので、上述とは異なり、n型金属酸化物半導体層22F、22Rの形成(成膜)後に、基材端面絶縁部26を形成するようにしても良い。
次に、図7(A3)及び(B3)に示すように、シート状負極兼用基材21における引き出し部21aをn型金属酸化物半導体層22F、22Rの一部が露出するように確保し、かつ、基材端面絶縁部26上には積層しないように適宜マスキングをして、充電層23F及び23Rを形成する。充電層23F、23Rの形成方法の詳細は、国際公開WO2012/046325に記載されている。ここで、表面及び裏面の充電層23F及び23Rを同時に形成するようにしても良く、また、片面ずつ形成するようにしても良い。
次に、図7(A4)及び(B4)に示すように、シート状負極兼用基材21における引き出し部21aをn型金属酸化物半導体層22F、22Rの一部と充電層23F、23Rの一部とが露出するように確保し、かつ、基材端面絶縁部26の端面にp型金属酸化物半導体層や正極層を形成しないように適宜マスキングをして、p型金属酸化物半導体層24F及び24Rを形成し、その後、正極層25F及び25Rを形成する。なお、図7(A4)及び(B4)は、正極層25F及び25Rが形成された後の状態を示している。例えば、p型金属酸化物半導体層24F、24Rの材質として酸化ニッケル(NiO)を適用し、スパッタリング法、蒸着法、CVD法、塗布熱分解法等により、p型金属酸化物半導体層24F、24Rを形成した後、正極層25F、25Rの材質としてアルミニウム(Al)を適用し、スパッタリング法、蒸着法、CVD法、塗布熱分解法等により、正極層25F、25Rを形成する。ここで、表面及び裏面のp型金属酸化物半導体層24F及び24Rを同時に形成するようにしても良く、また、片面ずつ形成するようにしても良い。また、表面及び裏面の正極層25F及び25Rを同時に形成するようにしても良く、また、片面ずつ形成するようにしても良い。
以上の工程を経て、図6に示す構造を有する第1の実施形態の二次電池20が形成される。
以上では、n型金属酸化物半導体層22F、22R、充電層23F、23R、p型金属酸化物半導体層24F、24R、正極層25F、25Rの形成に関し、シート状負極兼用基材21の両面の処理を並行的に行うものを示したが、例えば、表面側の形成処理をまとめて行い、表面側の形成処理が終了した後に、裏面側の形成処理を行うようにしても良い。すなわち、基材端面絶縁部26が形成されたシート状負極兼用基材21に対し、表面側のn型金属酸化物半導体層22F、充電層23F、p型金属酸化物半導体層24F、正極層25Fを順次形成し、その後、裏面側のn型金属酸化物半導体層22R、充電層23R、p型金属酸化物半導体層24R、正極層25Rを順次形成するようにしても良い。
第1の実施形態の二次電池20の実装構造に合わせて、上記工程における処理を一部変更するようにしても良い。
例えば、製造された第1の実施形態の二次電池20を、長尺方向に所定長さずつに切り分けて実装に供する場合であれば、切断位置では、シート状負極兼用基材21を幅方向に露出させるようにしても良い。
また例えば、製造された第1の実施形態の二次電池20を蛇腹状に折り曲げてケースに収容するような場合であれば、折り曲げた際に内側になる折り曲げ部分の所定種類の薄膜を形成しないようにして折り曲げ時の応力を軽減するようにしても良い。例えば、折り曲げ部分には正極層25F、25Rを形成しないようにしても良く、また、折り曲げ部分には正極層25F、25Rとp型金属酸化物半導体層24F、24Rと、充電層23F、23Rとを形成しないようにしても良い。あるいは折り曲げ部の薄膜を形成後にレーザー等で選択的に除去することで折り曲げ時の応力を軽減するようにしても良い。
(A−3)第1の実施形態の二次電池の実装構造
次に、図6に示す構造を有する第1の実施形態の二次電池20の実装構造の一例を説明する。
図6に示す構造を有する第1の実施形態の二次電池20の実装方法は任意であって良い。例えば、平面シート状のまま、二次電池20を必要とする装置の電源部として貼付するようにしても良い。また例えば、製造された二次電池20を、長尺方向に所定長さずつに切り分けて実装に供するようにしても良い。
ここで、両面のそれぞれに二次電池として機能する構造が形成されたシート状であるという特徴を反映すると、図8に示すような実装構造を挙げることができる。
すなわち、図8(A)のイメージ的な平面図に示すように、円筒状の芯材30に第1の実施形態の二次電池20を巻き取り、二次電池20の巻取りロール31を形成させる。巻取りロール31の形成後において、芯材30をそのまま残しておいても良く、また、芯材30を除去するようにしても良い。電極に適用可能な導電性材質が表面に付着したものを芯材30として適用し、芯材30が外部の正極部材として機能するものであっても良い。図8(B)は、図8(A)のVIIIB−VIIIB線に沿った断面を多少上側から見たイメージ的な斜視図を表している。なお、以下の実装構造の説明においては、図8(B)の上下方向に従って上下に言及している。図8(A)及び(B)は、二次電池20の層構造を省略して描いている。
巻取りロール31において、あるターン数の二次電池部分の表面側の正極層25Fが、それより1だけ多いターン数の二次電池部分の裏面側の正極層25Rに接し、巻き取ることによって、正極層が他の層に接することはない。
巻取りロール31におけるシート状負極兼用基材21の引き出し部21a側は、外部の負極端子が接触される、導電性材質でなる露出負極部材32(上蓋と見ることができる)によって被蓋される。露出負極部材32は、円形の天板と、その周縁から下方に垂設されている、引き出し部21aの幅方向の長さと同様な長さを有する円筒部材とを有する。露出負極部材32の内部には、ターンが異なる引き出し部21a間の隙間に入り込んで引き出し部21aに接触するような導電性部材が、円形天板の内面から下方に垂設されていても良い。このような導電性部材は、シート状のものに限定されず、不織布状やブラシ状のものであっても良い。
巻取りロール31における引き出し部21aの反対側の端部は、外部の正極端子が接触される、導電性材質でなる露出正極部材33(下蓋と見ることができる)によって被蓋される。露出正極部材33は、円形の底板と、その周縁から上方に垂設されている、正極層25F、25Rの段によって低くなっている部分の幅方向の長さと同様な長さを有する円筒部材とを有する。露出正極部材33の内部には、ターンが異なる正極層25F、25Rの低段部分間の隙間に入り込んで低段部分に接触するような導電性部材が、円形底板の内面から上方に垂設されていても良い。このような導電性部材は、シート状のものに限定されず、不織布状やブラシ状のものであっても良い。
図8(C)は、露出負極部材32及び露出正極部材33を、巻取りロール31に取り付けた状態を示している。このほぼ円筒状の状態の側面を、図8(D)に示すように、シート状の絶縁部材34で覆って実用に供する二次電池35を完成させる。
以上では、露出負極部材32及び露出正極部材33を取り付けた後にシート状の絶縁部材34を取り付ける手順を説明したが、シート状の絶縁部材34を取り付けた後に露出負極部材32及び露出正極部材33を取り付ける手順で二次電池35を完成させるようにしても良い。
上記では、1枚の二次電池20を巻き取る場合を説明したが、複数枚の二次電池20を重ね合わせた状態で巻き取るようにしても良い。ここで、幅方向は一致するが、長尺方向にずれて重ね合されていても良い。
(A−4)第1の実施形態の二次電池の効果
第1の実施形態の二次電池20によれば、以下の効果を奏することができる。
負極は、外部の電極部材(例えば露出負極部材32)と接触するための意図的な引き出し部21aを有する。正極についても、成膜する領域を幅方向の端面に向かって増大させて外部の電極部材(例えば露出正極部材33)と接触する部分を形成しているので、外部の電極部材と接触する部分を薄く形成でき、かつ、形成するための工数も少なくて済む。
ロール状の実装方法を採用した場合には、正極25F、25Rがロール状に巻き取られた棒状の引出部となる。これにより、簡便で低抵抗の電気接続が可能で、充放電時のロスが少なくなる。また、正極、負極に引出電極を外付けする工法に比べると製造工数を少なくできる。
第1の実施形態の二次電池20は、シート状負極兼用基材21の両面共に単位セル(単位次電池)を構成しているので、エネルギー密度を向上させることができる。例えば、基材(但し、負極兼用基材であっても良い)上に構成された基材が残ったままの従来の二次電池を2つ用い、基材の背面同士を接着して両面に単位セルを構成した二次電池を比較対象とすると、第1の実施形態の二次電池20は、基材の厚さを比較対象の二次電池の半分程度とすることができ、これによりエネルギー密度を高めることができる。
第1の実施形態の二次電池20では、シート状負極兼用基材21を2つの単位セルが共用して2つの単位セルが並列接続されている。別体の2つの単位セルで第1の実施形態の二次電池20と同じような物理量を実現しようとした場合、別体の2つの単位セルを並列接続させるための構成要素が必要となり、この分、第1の実施形態の二次電池20は構造及び製造工程が簡単になっているということができる。
充電層23F、23Rの形成など、製造工程中に熱処理が含まれている。シート状負極兼用基材21は早い段階で両面共にn型金属酸化物半導体層22F、22Rで被覆されるため、熱処理時における酸化等の問題は、従来の二次電池に比べて小さくなっている。
第1の実施形態の二次電池20は、シート状負極兼用基材21における引き出し部21aを除けば露出している大半が正極層25F、25Rである。そのため、複数の二次電池20は重ね合わせても、1枚又は複数の二次電池20を巻き取っても折り曲げても接触するのは正極層同士である。これにより、絶縁部材等を用いることなく、多様な実装構造をとることができるようになっている。
(B)他の実施形態
上記第1の実施形態の説明においても、種々変形実施形態に言及したが、さらに、以下に例示するような変形実施形態を挙げることができる。
(B−1)第1の実施形態では、負極が基材と兼用のものを示したが、逆に、正極が基材と兼用するものであっても良い。この場合には、正極兼用基材上に、p型金属酸化物半導体層、充電層、n型金属酸化物半導体層、負極層を順次成膜することとなる。若しくは、p型金属酸化物半導体層が既に形成されている正極兼用基材上に、充電層、n型金属酸化物半導体層、負極層を順次成膜するようにする。
第1の実施形態の二次電池とこの変形実施形態の二次電池とを重ねた場合には、単層二次電池の直列接続を実現でき、端子電圧を増大させることができる。
(B−2)第1の実施形態では、二次電池のベースとなっている負極兼用基材が短辺と長辺との差が大きい矩形のシート状のものを示したが、負極兼用基材は、第1の実施形態のものに限定されない。例えば、縦横の長さが同程度の矩形のものであっても良く、円形や六角形等の他の形状であっても良い。円形や六角形の場合には、基本形状に引き出し部に相当する部分を付け加えた形状にすることが好ましい。
また例えば、負極兼用基材を円筒状に形成し、円筒側面(底がある場合には、底面を含んでも良い)の外面と内面の両面に対して、第1の実施形態と同様な単位セルを構成するようにしても良い。
(B−3)第1の実施形態では、負極兼用基材21の両面共に、負極の引き出し部21aとして機能する部分を確保したものを示したが、一方の面(例えば裏面)には引き出し部21aとして機能する部分を設けずに、裏面のほぼ全面を単位セルとして機能させるようにしても良い。
また、負極兼用基材21が帯状の場合において、長尺方向の一方若しくは両方の端部に引き出し部21aを設け、幅方向については両方の端部共に、引き出し部21aとして機能する部分を設けないようにしても良い。
(B−4)第1の実施形態では、負極の引き出し部21aが平板状のものを示したが、これに限定されない。例えば、負極の引き出し部21aが櫛歯状や鋸歯状であっても良い。また、円筒若しくは円棒が嵌合する開口を負極の引き出し部21aが有していても良い。
(B−5)第1の実施形態では、基材端面絶縁部26を薄膜形成処理等によって積極的に形成したものを示したが、他の方法によって基材端面絶縁部26を形成するようにしても良い。例えば、シート状負極兼用基材21が、絶縁体の表面に、スパッタリングやメッキによって導電性薄膜を付着させて形成されるものである場合には、基材端面絶縁部26になる領域に対する導電性薄膜の付着を阻止することによって基材端面絶縁部26を構成するようにしても良い。
(B−6)第1の実施形態では、基材端面絶縁部26が断面コ字状に設けられたものを示したが、基材端面絶縁部26の付着の方法はこれに限定されない。また、基板の端面近傍において正極層と負極層との絶縁を確保できるのであれば、基材端面絶縁部26を設けないようにしても良い。図9(A)は、シート状負極兼用基材21の表面や裏面側に設けずにシート状負極兼用基材21の端面だけを覆うように基材端面絶縁部26を設けた場合を示している。図9(B)は、シート状負極兼用基材21の端面にも、表面から裏面に連続するように、n型金属酸化物半導体層、充電層、p型金属酸化物半導体層及び正極層を設けることにより基材端面絶縁部26を不要とした場合を示している。
(B−7)第1の実施形態の二次電池20の実装構造は、上述したように限定されるものでない。上述した巻取りロール以外の実装構造を、数例挙げると以下の通りである。
二次電池20の長尺方向の中心位置で2つ折りにして実装に供しても良く、また、2つ折りにしたものを幅方向にしかも正極と負極とが短絡しないように折り曲げた4つ折りにしたものをケース等に実装するようにしても良い。さらに、折り曲げ方向を交互に変えて蛇腹状したものをケース等に実装するようにしても良く、折り曲げ毎の折り曲げ方向が同じである反物状にしたものをケース等に実装するようにしても良い。蛇腹状や反物状にする場合において、細い円筒若しくは円棒を利用して折り曲げ、この円筒若しくは円棒として電極に利用されるような導電性材質を適用し、正極層と外部の正極部材とを電気的に連絡する機能を担うようにさせても良い。また、長尺方向に対して90度以外の所定角度(例えば45度)で折り曲げて、水平方向に沿って延びていたものを途中から他の方向に延びるように変更したものを実装に供するようにしても良い。二次電池20の長尺方向の両端を物理的に連結し(電気的に連結されていても良く、電気的には絶縁状態で連結されたものであっても良い)、このエンドレスな状態で実装に供するようにしても良い。複数の細い円筒若しくは円棒で、このエンドレスベルト状の二次電池に張力を付与し、各円筒若しくは円棒が、上述したのと同様に、正極層と外部の正極部材とを電気的に連絡する機能を担うようにしても良い。
(B−8)実装に際して、絶縁シートや絶縁板等を適宜介在させるようにしても良い。また、正極層25F、25Rと露出正極部材とを連絡する正極連結部材を、実装で利用するようにしても良い。
(B−9)第1の実施形態では、単位セルが量子電池であるものを示したが、量子電池に限定されるものではなく、シート状(平行平板状)の二次電池であれば良い。例えば、固体リチウムイオン二次電池も、負極兼用基材又は正極兼用基材の両面に設ける単位セルとすることができる。

Claims (9)

  1. 第1電極としての機能と基材としての機能とを発揮するシート状の第1電極兼用基材と、
    上記第1電極兼用基材の表面側に設けられた表面側蓄電層と、
    上記表面側蓄電層に積層された表面側第2電極層と、
    上記第1電極兼用基材の裏面側に設けられた裏面側蓄電層と、
    上記裏面側蓄電層に積層された裏面側第2電極層と
    を備えることを特徴とする二次電池。
  2. 上記表面側蓄電層及び上記裏面側蓄電層はそれぞれ、酸化物半導体が、バンドギャップ内に電子不在のエネルギー準位が多数発生する光励起構造変化を起こし、エネルギー準位に電子を捕獲させることで充電し、捕獲した電子を放出させることで放電する充電層でなり、
    上記第1電極兼用基材と上記表面側充電層との間に設けられた表面側第1酸化物半導体層と、
    上記第1電極兼用基材と上記裏面側充電層との間に設けられた裏面側第1酸化物半導体層と、
    上記表面側充電層と上記表面側第2電極層との間に設けられた表面側第2酸化物半導体層と、
    上記裏面側充電層と上記裏面側第2電極層との間に設けられた裏面側第2酸化物半導体層とをさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
  3. 上記表面側充電層及び上記表面側第2電極層が設けられていない領域、及び、上記裏面側充電層及び上記裏面側第2電極層が設けられていない領域の少なくとも一方を、上記第1電極を外部の第1電極部材と接続する領域として有することを特徴とする請求項1又は2に記載の二次電池。
  4. 上記第1電極兼用基材の少なくとも一部の端面に、上記表面側第2電極層及び上記裏面側第2電極層と、上記第1電極との短絡を防止する基材端面絶縁部を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の二次電池。
  5. 上記表面側第1酸化物半導体層及び上記裏面側第1酸化物半導体層はn型金属酸化物半導体で、上記表面側第2酸化物半導体層及び上記裏面側第2酸化物半導体層はp型金属酸化物半導体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の二次電池。
  6. 上記表面側第1酸化物半導体層及び上記裏面側第1酸化物半導体層はp型金属酸化物半導体で、上記表面側第2酸化物半導体層及び上記裏面側第2酸化物半導体層はn型金属酸化物半導体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の二次電池。
  7. 第1電極としての機能と基材としての機能とを発揮するシート状の第1電極兼用基材の表面側及び裏面側に第1酸化物半導体層を積層する工程と、
    表面側の上記第1酸化物半導体層に表面側充電層を積層する工程と、
    裏面側の上記第1酸化物半導体層に裏面側充電層を積層する工程と、
    上記表面側充電層及び上記裏面側充電層に紫外線を照射する工程と、
    上記表面側充電層に第2酸化物半導体層及び第2電極層を積層する工程と、
    上記裏面側充電層に第2酸化物半導体層及び第2電極層を積層する工程と
    を含むことを特徴とする二次電池の製造方法。
  8. 上記シート状の第1電極兼用基材の端部に基材端面絶縁部を形成する工程をさらに有することを特徴とする請求項7に記載の二次電池の製造方法。
  9. 第1電極としての機能と基材としての機能とを発揮するシート状の第1電極兼用基材の表面から裏面に連続するように第1酸化物半導体層を積層する工程と、
    上記第1酸化物半導体層の一部又は全部を覆うように充電層を積層する工程と、
    上記充電層に紫外線を照射する工程と、
    上記充電層の一部又は全部を覆うように第2の半導体酸化物層及び第2電極層を積層する工程と
    を含むことを特徴とする二次電池の製造方法。
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