本発明の実施形態を、以下に図面に従って説明する。以下の図を通して、特に断らない限り、同一の符号は同一の対象を指す。本発明の実施形態は、本発明の好適な態様を説明するためのものであり、本発明の範囲をここで示すものに限定する意図はないことを理解されたい。
以下に、本発明の実施態様において使用される語について説明する。
本発明の実施態様において使用されうる「コンピュータ・システム」は、商品の電子商取引による販売価格とともに、実店舗への来店によるインセンティブ及び来店日時を顧客に関連付けられた電子装置に提示することができる1又は複数のコンピュータであれば特に限定されるものでない。当該コンピュータは例えば、サーバ、又は、デスクトップ・コンピュータ、ノート・コンピュータ若しくは一体型パソコンでありうるが、これらに限定されるものでない。
本発明の実施態様において使用されうる「電子装置」はユーザ端末として使用されるものであり、任意のウェブ・ブラウザ・アプリケーションを実行可能であるものであれば特に限定されるものでない。ウェブ・ブラウザ・アプリケーションは例えば、Internet Explorer(登録商標)(IE)、Google Chrome(登録商標)、Safari(登録商標)、Firefox(登録商標)などでありうるが、これらに限定されるものでない。当該電子装置は例えば、デスクトップ・コンピュータ、ノート・コンピュータ若しくは一体型パソコン、又は、インターネット・テレビ、ゲーム機端末、タブレット端末若しくはスマートフォン(例えば、Windows(登録商標)、アンドロイド(商標)又はiOS(商標)を搭載したタブレット又はスマートフォン)でありうるが、これらに限定されるものでない。
本発明の実施態様において、「商品」とは、売買の対象となる目的物であれば物であるかサービスであるか特に限定されない。本明細書において特に限定しない場合(「商品」と「サービス」が併記されている場合を除く)は、「商品」とは、物品に限定されず、サービス商品も含み、当該サービス商品は例えば、不動産商品(例えば、マンション販売、コンドミニアム販売)、金融商品(例えば、投資信託、株式、外国又は国内債券)、証券商品、保険商品(例えば、生命保険、傷害保険、地震保険、火災保険)、旅行商品(例えば、企画旅行)、ローン商品(例えば、住宅ローン、カードローン)、興業商品(例えば、映画、スポーツ観戦、芸術鑑賞)、教育商品(例えば、語学教室、学習教室、セミナー)、及び情報商材(例えば、個人データ)を含む。
本発明の実施態様において、「電子商取引」とは、コンピュータ・ネットワーク(例えば、インターネットや特定顧客用の専用線)上での電子的な情報通信によって商品を分配したり売買したりするオンライン取引をいい、ネットショッピングともいわれる。
本発明の実施態様において、「実店舗」とは、商品を実際に提供している店舗をいい、オンライン・ショップに相対する語である。
本発明の実施態様において、「電子商取引による販売価格」とは、電子商取引において提示する、商品単体の販売価格をいう。
本発明の実施態様において、「利益率」とは、対象商品について、各実店舗における各販売員の当該対象商品を対面販売した時の販売実績売値と販売実績原価とを用いて算出される値である。
本発明の実施態様において、「値引き値」とは、対象商品の1又は複数の販売員毎に算出した対面販売による利益率と、当該対象商品の事前に決められた下限利益率とを用いて、上記対象商品の対面販売による販売価格が電子商取引による販売価格よりも安くなるように算出される値である。対象商品の事前に決められた下限利益率とは、上記対象商品を対面販売することによって最低限得られるべき利益率であり、当該下限利益率は例えば、対象商品の販売管理者によって適宜設定されうる。
上記値引き値は、インセンティブとしても使用される。また、当該値引き値は、当該値引き値とともに提供可能な商品又はサービスを特定する為に使用されうる。また、上記値引き値は、当該値引き値の代わりに、当該値引き値に対応して提供される商品又はサービスを特定する為に使用されうる。「値引き値とともに提供可能な商品又はサービス」とは、算出された値引き値の一部に対応する(金銭的)価値を有する商品又はサービスをいう。「値引き値の代わりに、当該値引き値に対応して提供される商品又はサービス」とは、算出された値引き値の全てに対応する(金銭的)価値を有する商品又はサービスをいう。
本発明の実施態様において、「インセンティブ」とは、電子商取引をしようとしている顧客を実店舗へ来店するように誘導するために使用される値引き値、又は、当該値引き値とともに提供可能な商品又はサービス、若しくは、当該値引き値の代わりに提供可能な当該値引き値に対応する商品又はサービスでありうる。
図1Aは、本発明の実施態様において使用されうる電子装置(ユーザ端末である)又は当該ユーザ端末に接続可能なコンピュータ・システム(例えば、サーバ)の一例を示した図であり、当該電子装置又は当該コンピュータ・システムが例えばコンピュータである場合を示した図である。
コンピュータ(101)は、CPU(102)とメイン・メモリ(103)とを備えており、これらはバス(104)に接続されている。CPU(102)は好ましくは、32ビット又は64ビットのアーキテクチャに基づくものである。当該CPU(102)は例えば、インテル社のCore(商標) iシリーズ、Core(商標) 2シリーズ、Atom(商標)シリーズ、Xeon(登録商標)シリーズ、Pentium(登録商標)シリーズ若しくはCeleron(登録商標)シリーズ、AMD(Advanced Micro Devices)社のAシリーズ、Phenom(商標)シリーズ、Athlon(商標)シリーズ、Turion(登録商標)シリーズ若しくはSempron(商標)、又は、インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーションのPower(商標)シリーズでありうる。
バス(104)には、ディスプレイ・コントローラ(105)を介して、ディスプレイ(106)、例えば液晶ディスプレイ(LCD)が接続されうる。また、液晶ディスプレイ(LCD)は例えば、タッチパネル・ディスプレイ又はフローティング・タッチ・ディスプレイであてもよい。ディスプレイ(106)は、コンピュータ(101)上で動作中のソフトウェア(例えば、本発明の実施態様に従うコンピュータ・プログラム又は当該コンピュータ(101)上で動作中の各種コンピュータ・プログラム)が稼働することによって表示されるオブジェクトを、適当なグラフィック・インタフェースで表示するために使用されうる。また、ディスプレイ(106)は例えば、ウェブ・ブラウザ・アプリケーションの画面を出力しうる。
バス(104)には任意的に、例えばSATA又はIDEコントローラ(107)を介して、ディスク(108)、例えばハードディスク又はソリッド・ステート・ドライブ(SSD)が接続されうる。
バス(104)には任意的に、例えばSATA又はIDEコントローラ(107)を介して、ドライブ(109)、例えばCD、DVD又はBDドライブが接続されうる。
バス(104)には、周辺装置コントローラ(110)を介して、例えばキーボード・マウス・コントローラ又はUSBバスを介して、任意的に、キーボード(111)及びマウス(112)が接続されうる。
ディスク(108)には、オペレーティング・システム、例えばWindows(登録商標)、UNIX(登録商標)、MacOS(登録商標)、及びJ2EEなどのJava(登録商標)処理環境、Java(登録商標)アプリケーション、Java(登録商標)仮想マシン(VM)、Java(登録商標)実行時(JIT)コンパイラを提供するプログラム、本発明の実施態様に従うコンピュータ・プログラム、及びその他のプログラム、並びにデータが、メイン・メモリ(103)にロード可能なように記憶されうる。
ディスク(108)は、コンピュータ(101)内に内蔵されていてもよく、当該コンピュータ(101)がアクセス可能なようにケーブルを介して接続されていてもよく、又は、当該コンピュータ(101)がアクセス可能なように有線又は無線ネットワークを介して接続されていてもよい。
ドライブ(109)は、必要に応じて、CD−ROM、DVD−ROM又はBDからプログラム、例えばオペレーティング・システム、アプリケーション又は本発明の実施態様に従うコンピュータ・プログラムをディスク(108)にインストールするために使用されうる。
通信インタフェース(114)は、例えばイーサネット(登録商標)・プロトコルに従う。通信インタフェース(114)は、通信コントローラ(113)を介してバス(104)に接続され、コンピュータ(101)を通信回線(115)に有線又は無線接続する役割を担い、コンピュータ(101)のオペレーティング・システムの通信機能のTCP/IP通信プロトコルに対して、ネットワーク・インタフェース層を提供する。なお、通信回線は例えば、無線LAN接続規格に基づく無線LAN環境、IEEE802.11a/b/g/nなどのWi-Fi無線LAN環境、又は携帯電話網環境(例えば、3G又は4G環境)でありうる。
図1Bは、本発明の実施態様において使用されうる電子装置(ユーザ端末である)の一例を示した図である。
図1Bに示す電子装置(121)のCPU(122)、メイン・メモリ(123)、バス(124)、ディスプレイ・コントローラ(125)、ディスプレイ(126)、SSD(128)、通信コントローラ(133)、通信インタフェース(134)及び通信回線(135)はそれぞれ、図1Aに示すコンピュータ(101)のCPU(102)、メイン・メモリ(103)、バス(104)、ディスプレイ・コントローラ(105)、ディスプレイ(106)、SSD(108)、通信コントローラ(113)、通信インタフェース(114)及び通信回線(115)に対応する。
電子装置(121)がタブレット端末等の場合、CPU(122)は例えば、スマートフォン、携帯電話若しくはタブレット端末用のCPU、又はアップル社(登録商標)のAシリーズでありうる。
SSD(128)ディスクには例えば、スマートフォン用OS(例えば、アンドロイド(登録商標)OS、Windows(登録商標)PhoneOS若しくはWindows(登録商標)、又はiOS)、本発明の実施態様に従うアプリケーション・プログラム、及びその他のプログラム、並びにデータが、メイン・メモリ(123)にロード可能なように記憶されうる。
キーボード実現手段(130)は、アプリの一つとして、ディスプレイ(126)上にソフトウェアキーボードを表示しうる。
以下に示す図2A〜図2F及び図3A〜図3Fそれぞれにおいて、本発明の実施態様に従い、商品の電子商取引による販売価格とともに、実店舗への来店によるインセンティブ及び来店日時を顧客に関連付けられた電子装置に提示する処理の為のフローチャートの例を示す。
図2Aは、本発明の実施態様に従い、商品の電子商取引による販売価格とともに、実店舗への来店によるインセンティブ及び来店日時を顧客に関連付けられた電子装置に提示する処理全体のフローチャートを示す。
図2A〜図2Fに示す実施態様では、顧客は、当該顧客が使用中の電子装置(101)上のウェブ・ブラウザ上でインターネット・ショッピング・サイトを閲覧しているものとし(201)、当該電子装置(101,201)は、ネットワークを介してコンピュータ・システム(101)に接続されており、上記ウェブ・ブラウザにコンテンツを提供しているものとする。
ステップ201において、顧客に関連付けられた電子装置は、顧客がウェブ・ブラウザ上でインターネット・ショッピングを閲覧していることに応じて、閲覧中のウェブ・ページを表示している。顧客が、ある商品の販売ページのURLをクリックしたとする。
ステップ202において、コンピュータ・システムは、電子装置のウェブ・ページ上で特定の1又は複数の商品を掲載した販売ページのURLがクリックされたことを検出することに応じて、当該閲覧中の商品の電子商取引による販売価格とともに、実店舗への来店によるインセンティブ及び来店日時を顧客に関連付けられた電子装置に提示する処理を開始する。なお、当該処理の開始は、上記URLのクリックの検出に限定されず、例えば、ユーザが閲覧中の商品の販売ページにおいて、来店によるインセンティブを表示可能にするボタンをクリックすることによって当該処理が開始されるようにしてもよい。
ステップ203において、コンピュータ・システムは、上記処理の開始に応じて、上記販売ページのURLに掲載されている1又は複数の商品IDを特定する。
ステップ204において、コンピュータ・システムは、ステップ203で特定された商品IDに関連付けられた商品(対象商品)の電子商取引(EC)における通常価格(販売価格)を、例えば下記商品管理データベース(432)より取得する。
ステップ205において、コンピュータ・システムは、下記図2Bの説明において詳述する商品販売履歴検索プロセスを使用して、上記対象商品の実店舗における販売実績を、販売員毎に算出する。当該販売実績は、1又は複数の実店舗における各販売員の上記商品を対面販売した時の実績売値、及び任意的に、当該商品の販売又は当該購入対象である商品が属する販売分野における、当該販売員の販売実績又は顧客満足度を含みうる。顧客満足度は例えば、商品を販売した際又はその後のアンケート結果、又は、ソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)における顧客の対象商品についての書き込みに基づいて判断されうる。
ステップ206において、コンピュータ・システムは、下記図2Cの説明において詳述するインセンティブ算出プロセスを使用して、上記対象商品又はその商品IDについて、販売員毎に提示可能な提示インセンティブ(例えば、値引き値;当該値引き値とともに提供可能な商品又はサービス;若しくは、当該値引き値の代わりに提供可能な、当該値引き値に対応する商品又はサービス;又は、電子商取引における通常価格(EC通常価格)よりも安い販売価格)を算出する。コンピュータ・システムは、当該提示インセンティブの算出において、下記ステップ210で取得されたインセンティブ付与率αを用いうる。当該値引き値に対応して提供可能な商品とは例えば、購入対象の商品に関連付けられた周辺機器又は付属品(例えば、購入商品がプリンタである場合の用紙やインク;購入商品がマンションである場合の家具;購入商品が旅行商品である場合の旅先でのお土産商品)でありうる。当該値引き値に対応して提供可能なサービス又は当該値引き値に対応するサービスとは例えば、購入店により提供されているポイントの付加サービス、延長保証サービス、又は、購入対象の商品の無料配送サービス、使用方法の説明サービス若しくは設置サービスでありうる。
ステップ207において、コンピュータ・システムは、上記処理の開始に応じて、上記URLを閲覧中の顧客を特定することが可能か判断する。当該顧客の特定は例えば、当該顧客がID(例えば、メンバーID)を入力して当該販売ページを閲覧中である場合には、当該メンバーIDから特定可能であり、又は、当該顧客が住所及び氏名を入力して当該販売ページを閲覧中である場合には、当該住所及び氏名から特定可能でありうる。コンピュータ・システムは、上記URLを閲覧中の顧客を特定可能であることに応じて、処理をステップ208に進める。一方、コンピュータ・システムは、上記URLを閲覧中の顧客を特定可能でないことに応じて、処理をステップ206に進める。
ステップ208において、コンピュータ・システムは、上記URLを閲覧中の顧客を特定であることに応じて、当該顧客を特定する。
ステップ209において、コンピュータ・システムは、下記図2Eの説明において詳述する顧客購買履歴検出プロセスを使用して、ステップ208で特定された顧客の過去の購入履歴を取得し、対象商品を購入しようとする顧客の実店舗における購入履歴に基づくインセンティブ付与率αを取得する。当該購入履歴は例えば、購入頻度、過去の購入店舗、過去の購入時間、購入金額、商品のカテゴリ、購入数、若しくはオプションを買う傾向、又はそれらの組み合わせを含みうる。
ステップ210において、コンピュータ・システムは、ステップ209で決定されたインセンティブ付与率αを取得し、処理をステップ206に進める。
また、ステップ210において、コンピュータ・システムは、ステップ209で決定された、対象商品を購入しようとする顧客の実店舗における購入履歴に基づくインセンティブ付与率αとともに、例えば、対象商品の販売予定店舗(例えば、店舗のてこ入れによる事由を含む)、又は、購入予定時間帯、購入予定日又は購入予定日時の天気若しくは天候に基づくインセンティブ付与率αを組み合わせて、当該組み合わせたインセンティブ付与率αを取得して、処理をステップ206に進めうる。購入予定時間帯は例えば、1時間単位、曜日単位、日付、月の前半若しくは後半、平日、休日若しくは土日曜日、早朝時間若しくは深夜、又はそれらの組み合わせの単位である。天気若しくは天候は、購入予定当日の予想天気であり、例えば、晴れ、曇り、雨、又は雪でありうる。
代替的には、ステップ210において、コンピュータ・システムは、ステップ209で決定された、対象商品を購入しようとする顧客の実店舗における購入履歴に基づくインセンティブ付与率αを使用せずに、例えば、対象商品の販売予定店舗(例えば、店舗のてこ入れによる事由を含む)、又は、購入予定時間帯、購入予定日又は購入予定日時の天気若しくは天候に基づくインセンティブ付与率αを取得し、処理をステップ206に進めうる。
ステップ211において、コンピュータ・システムは、下記図2Fの説明において詳述するインセンティブ提示プロセスを使用して、販売員の応対可能日時(スケジューリングの空き時間)にとともに、ステップ206で算出された提示インセンティブを、上記顧客に関連付けられた電子装置(上記顧客が上記商品の閲覧に使用中のウェブ・ブラウザ)に送信する。また、コンピュータ・システムは、応対可能日時と提示インセンティブとの複数のセットを送信しうる。代替的には、コンピュータ・システムは、1又は複数の実店舗名とともに、当該実店舗それぞれに所属する販売員の応対可能日時と提示インセンティブの1又は複数のセットを、上記顧客に関連付けられた電子装置(上記顧客が上記商品の閲覧に使用中のウェブ・ブラウザ)に送信する。
また、ステップ211において、販売員は、顧客満足度の高い販売員、顧客の購入対象である商品において若しくは当該購入対象である商品が属する販売分野において販売実績の高い販売員、又は、1又は複数の実店舗の混雑予想状況のリストを参照し、当該実店舗それぞれが混雑していない時間帯に応対可能な1又は複数の販売員でありうる。
ステップ212において、上記顧客に関連付けられた電子装置は、ステップ211でコンピュータ・システムから送信された応対可能日時及び提示インセンティブ(例えば、値引き値;当該値引き値とともに提供可能な商品又はサービス;若しくは、当該値引き値の代わりに提供可能な、当該値引き値に対応する商品又はサービス;又は、電子商取引における通常価格(EC通常価格)よりも安い販売価格)を受信し、EC通常価格とともに、上記受信した応対可能日時及び提示インセンティブをそれぞれ、予約可能日時及び来店による提示インセンティブとして、ウェブ・ブラウザ上に表示する。代替的には、コンピュータ・システムは、上記予約可能日時及び来店による提示インセンティブとともに、当該提示インセンティブを提供可能な1又は複数の実店舗名を表示しうる。
また、ステップ212において、上記顧客に関連付けられた電子装置は特には、上記提示インセンティブとして、値引き値とともに提供可能な商品又はサービスを表示しうる。
代替的には、ステップ212において、上記顧客に関連付けられた電子装置は特には、上記提示インセンティブとして、値引き値の代わりに提供可能な、当該値引き値に対応する商品又はサービスを表示しうる。
ステップ213において、上記顧客に関連付けられた電子装置は、顧客が、上記予約可能日時及び提示インセンティブの一つを選択し、ブラウザ上の承認ボタンを押下したかを判断する。当該電子装置は、上記承認ボタンを押下されたことに応じて、承認済みのメッセージをコンピュータ・システムに送信しうる。一方、当該電子装置は、上記承認ボタンが押下されなかったことに応じて(例えば、閲覧中のURLが変更されたことや閲覧中のURLを表示しているウィンドウが閉じられたこと)、非承認のメッセージをコンピュータ・システムに送信しうる。
ステップ214において、コンピュータ・システムは、承認済みのメッセージを上記顧客に関連付けられた電子装置から受信することに応じて、下記図2Gに示す販売員スケジューリング・プロセスを使用して、上記予約可能日時に応対する販売員の応対予定時間を確保し、例えば下記訪問時間管理データベース(436)に当該応対予定時間を記録する。
ステップ215において、コンピュータ・システムは、ステップ202で開始した上記処理を終了する。
図2Bは、図2Aに示す処理のうち、商品販売履歴プロセスの詳細を示すフローチャートの例である。
ステップ221において、コンピュータ・システムは、図2Aのステップ205に示す商品販売履歴検索プロセスを開始する。
ステップ222において、コンピュータ・システムは、販売員毎に販売実績を算出する為に、販売員nに関して、下記パラメータを初期化する(すなわち、ゼロにする):販売回数N(n)=0;販売実績売値P(n)=0;及び、販売実績原価C(n)=0。
また、ステップ222において、コンピュータ・システムは、電子商取引による販売実績を、実店舗の販売員の一人の販売実績と見なして数値処理しうる。例えば、電子商取引による販売実績が販売員x(架空の人物である)のものであるとする。コンピュータ・システムは、販売員xについての販売実績を算出する為に、上記と同様に、下記パラメータを初期化する:販売回数N(x)=0;販売実績売値P(x))=0;及び、販売実績原価C(x)=0。
ステップ223において、コンピュータ・システムは、例えば下記販売履歴データベース(433)を参照して、ステップ203で特定された商品IDに合致するレコードを検索し、当該検索したレコードから、上記販売回数、上記販売実績売値、及び上記販売実績原価についてリスト(特定された商品IDの販売実績である)を作成する。
ステップ224において、コンピュータ・システムは、ステップ223で作成されたリスト中のレコードすべてを処理する為に、当該リスト中に、下記ステップ225及び226に示す処理が未処理のレコードが存在するかを判定する。コンピュータ・システムは、未処理のレコードが存在することに応じて、処理をステップ225に進める。一方、コンピュータ・システムは、未処理のレコードが存在しないことに応じて、処理を終了ステップ227に進める。
ステップ225において、コンピュータ・システムは、ステップ223で作成されたリスト中の未処理のi番目のレコードを取り出し、当該i番目の該当レコードの売値と原価とを取得し、さらに、上記対象商品と同時に販売された商品群についても販売実績として追加する為に、当該商品群の売値と原価とを取得し、そして上記対象商品と上記商品群との売値合計をp(i)とし、且つそれらの原価をc(i)とする。
ステップ226において、コンピュータ・システムは、i番目の該当レコードの販売員nの実績として、上記売値合計p(i)及び上記原価c(i)を販売実績に追加する:販売回数N(n) = N(n) + 1;販売実績売値P(n) = P(n) + p(i);及び、販売実績原価C(n) = C(n) + c(i)。ステップ226において、販売員毎に、対象商品及び当該対象商品と同時に販売した商品群の販売価格とその原価の実績値が算出される。コンピュータ・システムは、上記追加の処理を終了後、処理をステップ224に進める。
ステップ227において、コンピュータ・システムは、上記商品販売履歴検索プロセスを終了する。
図2Cは、図2Aに示す処理のうち、インセンティブ算出プロセスの詳細を示すフローチャートの例である。
ステップ231において、コンピュータ・システムは、図2Aのステップ206に示すインセンティブ算出プロセスを開始する。
ステップ232において、コンピュータ・システムは、下限利益率Bと、図2Bに示すステップ226で算出した、販売員nに関する、販売回数N(n) = N(n) + 1、販売実績売値P(n) = P(n) + p(i)、及び 販売実績原価C(n)を入力とする。
ステップ233において、コンピュータ・システムは、対象商品の対面販売による利益率β(n)を計算する販売員を特定するかを判定する。コンピュータ・システムは、上記利益率β(n)を計算する販売員を特定することに応じて、処理をステップ234に進める。一方、コンピュータ・システムは、上記利益率β(n)を計算する販売員を特定しないこと(すなわち、上記利益率β(n)の計算が全ての販売員を対象とすること)に応じて、処理をステップ235に進める。
ステップ234において、コンピュータ・システムは、下記図2Dの説明において詳述する販売員抽出プロセスを使用して、利益率β(n)が算出されるべき販売員を特定する。
ステップ235において、コンピュータ・システムは、ステップ234で特定した販売員nについて、又は、ステップ234で販売員を特定しなかった場合には全ての販売員nについて、対象商品の対面販売による利益率β(n)を例えば下記式から求める:利益率β(n) = 1 − { C(n)/ P(n) }。利益率β(n)の算出アルゴリズムは上記式に限定されるものではなく、例えば、下記に説明するカーネル回帰法による利益率算出アルゴリズムが使用されうる。
対象商品の販売実績が不十分(ごく僅か)である場合に、当該対象商品について十分なサンプル数がないために、利益率β(n)の算出が困難である場合がある。そこで、コンピュータ・システムは、カーネル回帰法による利益率算出アルゴリズムを使用して、当該対象商品についての利益率β(n)を計算しうる。カーネル回帰法による利益率算出アルゴリズムは、以下の通りである:
(1)対象商品に類似する商品の販売実績を用いて、当該類似する商品の利益率を算出する;
(2)当該類似する商品が対象商品に類似する商品であるかどうかを、類似度を定義して表現する;及び、
(3)対象商品の利益率に加えて、当該対象商品に類似する商品の利益率を上記類似度で重み付けして平均値をとり、当該重み付き平均値を対象商品の利益率として算出する。なお、対象商品の販売実績が全く存在しない場合には、対象商品の利益率は算出不可能となるために、対象商品の利益率として、販売業者が当該対象商品の販売商品において期待する利益率(見込み利益率)を用いるようにしてもよい。また、対象商品の販売実績が不十分である場合には、対象商品の利益率として、その不十分な販売実績からの利益率を用いるようにしてもよい。
カーネル回帰法による利益率算出アルゴリズムの具体例を以下に記載する。対象製品が、新製品であるタブレット端末A(2013年冬モデル;メモリ容量32G)であるとする。対象製品の利益率を算出しようとしてもまだ販売実績が不十分であり、正確な利益率を算出することは困難である。そこで、当該タブレット端末Aの利益率と、当該タブレット端末Aの一世代前のタブレット端末B(2013年春モデル;メモリ容量16G)の利益率を、後者であるタブレット端末Bにより大きな重み付けをして重み付き平均値を算出し、当該算出した重み付き平均値を上記タブレット端末Aの利益率として推定する。
コンピュータ・システムは、実績売値についても、カーネル回帰法による利益率算出アルゴリズムと同様に、カーネル回帰法による実績売値アルゴリズムを使用して算出しうる。
ステップ236において、コンピュータ・システムは、ステップ235で算出した利益率β(n)が高い順に販売員nのソートを行って、当該利益率β(n)が所定の順位にある販売員又は当該利益率β(n)が所定の閾値よりも高い販売員のリストを生成し(図2Cのステップ236中に示す表(298)を参照)、そして、当該利益率β(n)が下限利益率Bよりも高い候補販売員を抽出しうる。表(298)は、利益率β(n)が高い順にランク1,2,3,・・・として、ランク毎に、販売員n、店舗m、利益率β(n)、販売実績売値P(n)、及び販売回数N(n)を有する。なお、コンピュータ・システムは、ステップ236をスキップして、処理をステップ235からステップ237に直接進めてもよい。
ステップ237において、コンピュータ・システムは、販売員毎に、販売実績売値P(n)と販売回数N(n)から対象商品の一単位当たりの販売平均売値を算出し、当該算出した販売平均売値、下限利益率Βと利益率β(n)との差、及び図2Aのステップ210で取得したとインセンティブ付与率αから、販売店側に値引き値を示す為の内部インセンティブを算出する。内部インセンティブは、図2Cの当該ステップ237中に示す表(299)に示す式に従って算出されうる。
ステップ238において、コンピュータ・システムは、図2Aのステップ204で取得した対象商品のEC通常価格と、ステップ237で算出した内部インセンティブの値とを用いて、対象商品の提示インセンティブ(例えば、値引き値とともに提供可能な商品又はサービス;若しくは、値引き値の代わりに提供可能な、当該値引き値に対応する商品又はサービス;又は、電子商取引における通常価格(EC通常価格)よりも安い販売価格)を算出する。コンピュータ・システムは、提示インセンティブとして値引き値を用いる場合には、内部イブインセンティブを提示インセンティブとしてそのまま用いる。電子商取引における通常価格(EC通常価格)よりも安い販売価格は例えば、EC通常価格−内部インセンティブ(値引き値)で算出されうる。
また、ステップ238において、コンピュータ・システムは、電子商取引における通常価格(EC通常価格)よりも安い販売価格を、EC通常価格と、上記算出した内部インセンティブに所定の係数を乗じた値とから算出しうる。当該EC通常価格よりも安い販売価格は例えば、EC通常価格−d×内部インセンティブ(値引き値)(但し、dは任意の係数)で算出されうる。
また、ステップ238において、コンピュータ・システムは、1又は複数の実店舗の混雑予想状況のリストを参照し、当該1又は複数の実店舗が混雑していない時間帯を抽出し、当該抽出した時間帯における値引き値を算出しうる。
ステップ239において、コンピュータ・システムは、上記インセンティブ算出プロセスを終了する。
図2Cに示すインセンティブ算出プロセスでは、コンピュータ・システムは、特定の販売員について利益率β(n)を算出することを特徴とする。
図2Dは、図2Cに示す処理のうち、販売員抽出プロセスの詳細を示すフローチャートの例である。
ステップ251において、コンピュータ・システムは、図2Cのステップ211に示す販売員抽出プロセスを開始する。
ステップ252において、コンピュータ・システムは、顧客IDの特定をすることが可能かを判定する。なお、コンピュータ・システムは、図2Dに示すステップ242において、顧客IDの特定をすることが可能かを既に判定している場合には、当該ステップ252を省略しうる。コンピュータ・システムは、上記ステップ207で説明したと同様の方法により、顧客IDの特定をすることが可能かを判定しうる。コンピュータ・システムは、顧客IDの判別が可能であることに応じて、処理をステップ253に進める。一方、コンピュータ・システムは、顧客IDの判別が可能でないことに応じて、処理をステップ254に進める。
ステップ253において、コンピュータ・システムは、ステップ252において顧客IDの特定をすることが可能であることに応じて、当該特定された顧客IDを、例えば下記販売履歴データベース(433)から検索して、過去の1又は複数の来店店舗の情報を取得し、当該取得した1又は複数の来店店舗を来店可能店舗とする。
ステップ254において、コンピュータ・システムは、ステップ252において顧客IDの特定をすることが可能でないことに応じて、ウェブ経由で来店可能店舗の情報が入手可能であるかを判断する。コンピュータ・システムは例えば、郵便番号又は住所情報(例えば、居住地、現在位置、通勤範囲)がユーザによって入力された場合に、ウェブ経由で来店可能店舗の情報が入手可能であると判断しうる。または、コンピュータ・システムは例えば、ウェブ・アクセスしているコンピュータのIPアドレス情報から場所の特定が可能である場合に、当該IPアドレス情報から、ウェブ経由で来店可能店舗の情報を入手可能であると判断しうる。コンピュータ・システムは、ウェブ経由で来店可能店舗の情報が入手可能であることに応じて、処理をステップ255に進める。一方、コンピュータ・システムは、ウェブ経由で来店可能店舗の情報が入手可能でないことに応じて、処理をステップ256に進める。
ステップ255において、コンピュータ・システムは、ステップ254においてウェブ経由で来店可能店舗の情報が入手可能であることに応じて、当該情報から1又は複数の来店可能店舗を特定する。
ステップ256において、コンピュータ・システムは、ステップ254においてウェブ経由で来店可能店舗の情報が入手可能でないことに応じて、位置情報(例えば、携帯電話、スマートフォン又はタブレット端末のGPS情報)で来店可能店舗の情報が入手可能であるかを判断する。コンピュータ・システムは、位置情報で来店可能店舗の情報が入手可能であることに応じて、処理をステップ257に進める。一方、コンピュータ・システムは、位置情報で来店可能店舗の情報が入手可能でないことに応じて、処理をステップ258に進める。
ステップ257において、コンピュータ・システムは、ステップ256において位置情報で来店可能店舗の情報が入手可能であることに応じて、当該位置情報から1又は複数の来店可能店舗を特定する。
ステップ258において、コンピュータ・システムは、ステップ256において位置情報で来店可能店舗の情報が入手可能でないことに応じて、全店舗を来店可能店舗とする。
ステップ259において、コンピュータ・システムは、利益率β(n)を算出する販売員を、さらに下記に示す条件の少なくとも1つに従い特定しうる:
・顧客満足度の高い販売員(例えば、顧客満足度が所定の閾値よりも高い1又は複数の販売員)を抽出;
・対象商品の販売実績の高い(例えば、当該販売実績が所定の閾値よりも高い)1又は複数の販売員を抽出;
・対象商品が属する販売分野において販売実績の高い(例えば、当該販売実績が所定の閾値よりも高い)1又は複数の販売員を抽出;
・1又は複数の実店舗の混雑予想状況のリストを参照し、当該1又は複数の実店舗が混雑していない時間帯を抽出し、当該時間帯に応対可能な1又は複数の販売員を抽出、なお、上記混雑予想状況のリストを参照する実店舗は、全ての店舗又は、顧客の識別番号若しくは位置情報に基づいて検索された実店舗でありうる;
・顧客が来店可能な1又は複数の実店舗又は当該来店可能な実店舗の近隣の実店舗に属する1又は複数の販売員を抽出、なお、顧客が来店可能な1又は複数の実店舗は、全ての店舗又は、顧客の識別番号若しくは位置情報に基づいて検索された実店舗でありうる。
ステップ260において、コンピュータ・システムは、上記販売員抽出プロセスを終了する。
図2Eは、図2Aに示す処理のうち、顧客購買履歴検出プロセスの詳細を示すフローチャートの例である。
ステップ261において、コンピュータ・システムは、図2Aのステップ209に示す顧客購買履歴検出プロセスを開始する。
ステップ262において、コンピュータ・システムは、図2Aのステップ208で特定された顧客の顧客IDの特定をすることが可能かを判定する。顧客IDの判別は例えば、図2Aに示すステップ207において顧客の特定がID(例えば、メンバーID)によって行われている場合には、当該IDをそのまま使用して、顧客IDの判別が可能である。また、顧客IDの判別は例えば、図2Aに示すステップ207において顧客の特定が当該顧客の住所及び氏名によって行われている場合には、当該顧客に関連付けられたIDを、例えば下記顧客データベース(431)で検索し、当該IDがあるかで顧客IDの判別が可能である。コンピュータ・システムは、顧客IDの判別が可能であることに応じて、処理をステップ263に進める。一方、コンピュータ・システムは、顧客IDの判別が可能でないことに応じて、処理をステップ268に進める。
ステップ263において、コンピュータ・システムは、ステップ262で顧客IDの特定をすることが可能であることに応じて、当該特定された顧客IDの過去の応対日時を、例えば下記訪問時間管理データベース(436)から抽出する。
ステップ264において、コンピュータ・システムは、ステップ263で抽出した応対日時における上記顧客IDの購入実績(例えば、購入金額、購入商品、購入商品の数)を、例えば販売履歴データベース(433)から抽出する。
上記に示すステップ263及び264において、コンピュータ・システムは、顧客が既存のユーザであることが判定済みの場合に、当該顧客の販売履歴に関する情報(顧客ID及び購入実績)を取得する。
ステップ265において、コンピュータ・システムは、ステップ264で抽出した購入実績から、当該顧客IDの顧客が商品の実際の購入に至る頻度が低いかどうかを判定する。当該顧客IDの顧客が商品の実際の購入に至る頻度が低いかどうかの判断は例えば、コンピュータ・システムが、例えば下記訪問時間管理データベース(436)中に当該顧客IDがあるかを検索し、当該訪問時間管理データベース(436)中に当該顧客IDがある場合に、当該顧客IDが、例えば下記顧客データベース(431)中にあるかどうかを検索することによって、判定可能でありうる。コンピュータ・システムは、上記購入に至る頻度が低いことに応じて、処理をステップ266に進める。一方、コンピュータ・システムは、上記購入に至る頻度が低くないことに応じて、処理をステップ267に進める。
ステップ266において、コンピュータ・システムは、当該顧客IDの今回の対象商品の購入に際して与えるべきインセンティブ付与率αを例えば0.1に設定しうる。すなわち、コンピュータ・システムは、顧客が顧客IDを有していても、対面販売の頻度に対して購入回数が低い場合にはインセンティブ付与率αを極僅かな数値にしたり又は付与しないようにしたりしうる。
ステップ267において、コンピュータ・システムは、当該顧客IDの今回の対象商品の購入に際して与えるべきインセンティブ付与率αを例えば0.8に設定しうる。すなわち、コンピュータ・システムは、ステップ267において、対面販売の頻度に対して購入回数が高い場合には、ステップ266で設定されるインセンティブ付与率αよりも高い付与率を設定しうる。
ステップ268において、コンピュータ・システムは、当該顧客IDの今回の対象商品の購入に際して与えるべきインセンティブ付与率αを例えば0.5に設定しうる。すなわち、コンピュータ・システムは、ステップ268において、ステップ267で設定されるインセンティブ付与率αよりも低い付与率を設定しうる。なお、コンピュータ・システムは、ステップ268において、ステップ266で設定されるインセンティブ付与率と同等かそれよりも高い付与率を設定しうる。顧客IDの特定が可能でないことから、当該顧客が当該実店舗へ初めての来店可能性があるためである。
ステップ269において、コンピュータ・システムは、上記顧客購買履歴検出プロセスを終了する。
コンピュータ・システムは、上記顧客購買履歴検出プロセスによって顧客に対するインセンティブ付与率αを算出しうるが、インセンティブ付与率は上記顧客購買履歴検出プロセスに限定されるものでない。コンピュータ・システムは、例えば下記図6において詳細に述べる種々の態様の1又は複数を組み合わせて、インセンティブ付与率αを算出しうる。また、コンピュータ・システムは、インセンティブ付与率αを、顧客毎に設定したり、又は、顧客に対する付与率を一律の値に設定したりしうる。
図2Fは、図2Aに示す処理のうち、インセンティブ提示プロセスの詳細を示すフローチャートの例である。
ステップ271において、コンピュータ・システムは、図2Aのステップ211に示すインセンティブ提示プロセスを開始する。
ステップ272において、コンピュータ・システムは、ステップ206で算出された提示インセンティブ結果を取り出す。
ステップ273において、コンピュータ・システムは、インセンティブ算出結果のうち上位から、予め決められた人数の販売員の応対可能日時、及び当該顧客に応対可能な日時を取得し、ウェブ経由で、当該応対可能日時、店舗情報、及び提示インセンティブを顧客に関連付けられた電子装置(例えば、ウェブ・ブラウザ上)に提示可能にする。
ステップ274において、コンピュータ・システムは、上記インセンティブ提示プロセスを終了する。
図2Gは、図2Aに示す処理のうち、販売員スケジューリング・プロセスの詳細を示すフローチャートの例である。
ステップ281において、コンピュータ・システムは、図2Aのステップ214に示す販売員スケジューリング・プロセスを開始する。
ステップ282において、コンピュータ・システムは、図2Aのステップ221で提示された提示インセンティブ及び応対可能日時を顧客が選択したかを判断する。コンピュータ・システムは、顧客が上記選択したかの判断を、上記承認済みのメッセージを受信することに応じて行いうる。コンピュータ・システムは、顧客が上記選択したことに応じて、処理をステップ283に進める。一方、コンピュータ・システムは、顧客が上記選択をしなかったことに応じて、処理を終了ステップ286に進める。
ステップ283において、コンピュータ・システムは、顧客によって選択された提示インセンティブ及びその率α、並びに、担当販売員及び応対予定時間の情報を、例えば下記訪問時間管理データベース(436)のレコードに追加する。
ステップ284において、コンピュータ・システムは、上記訪問時間管理データベース(436)に追加した訪問に関するレコードと、担当販売員に関するレコードを、例えば下記販売員シフト・データベース(434)に追加する。
ステップ285において、コンピュータ・システムは、上記訪問時間管理データベース(436)に追加した担当販売員及び応対可能時間(上記対応予定時間に対応する)の情報を、例えば下記受付可能時間データベース(435)から削除する。
ステップ286において、コンピュータ・システムは、上記販売員スケジューリング・プロセスを終了する。
図3Aは、本発明の実施態様に従い、商品の電子商取引による販売価格とともに、実店舗への来店によるインセンティブ及び来店日時を顧客に関連付けられた電子装置に提示する処理の為のフローチャートの例を示す。
図3A〜図3Fに示す実施態様では、顧客は、当該顧客が使用中の電子装置(101)上のウェブ・ブラウザ上でインターネット・ショッピング・サイトを閲覧しているものとし(301)、当該電子装置(101,201)は、ネットワークを介してコンピュータ・システム(101)に接続されており、上記ウェブ・ブラウザにコンテンツを提供しているものとする。
図3Aに示すステップ301〜305及び307〜315はそれぞれ、図2Aに示すステップ201〜205及び207〜215に対応する。従って、ステップ301〜305及び307〜315それぞれについての説明は、上記ステップ201〜205及び207〜215についての説明を参照されたい。
図3Aに示す実施態様では、インセンティブ算出プロセスがステップ311中に示すインセンティブ提示プロセスにおいて実行される点で、図2Aに示す実施態様(ステップ206を参照)と異なる。
図3Bは、図3Aに示す処理のうち、商品販売履歴プロセスの詳細を示すフローチャートの例である。
図3Bに示すステップ321〜327はそれぞれ、図2Aに示すステップ221〜227に対応する。従って、ステップ321〜327それぞれについての説明は、上記ステップ221〜227についての説明を参照されたい。
図3Cは、図3Aに示す処理のうち、顧客購買履歴検出プロセスの詳細を示すフローチャートの例である。
図3Cに示すステップ331〜339はそれぞれ、図2Eに示すステップ261〜269に対応する。従って、ステップ331〜339それぞれについての説明は、上記ステップ261〜269についての説明を参照されたい。
図3Dは、図3Aに示す処理のうち、インセンティブ提示プロセスの詳細を示すフローチャートの例である。
ステップ341において、コンピュータ・システムは、図3Aのステップ311に示すインセンティブ提示プロセスを開始する。
ステップ342〜348はそれぞれ、図2Dに示すステップ252〜258に対応する。従って、ステップ342〜348それぞれについての説明は、上記ステップ252〜258についての説明を参照されたい。
ステップ349において、コンピュータ・システムは、下記図3Eの説明において詳述するインセンティブ算出プロセスを使用して、上記対象商品又はその商品IDについて、販売員毎に提示可能な提示インセンティブ(値引き値;当該値引き値とともに提供可能な商品又はサービス;若しくは、当該値引き値の代わりに提供可能な、当該値引き値に対応する商品又はサービス;又は、電子商取引における通常価格(EC通常価格)よりも安い販売価格)を算出する。コンピュータ・システムは、当該提示インセンティブの算出において、上記ステップ310で取得されたインセンティブ付与率αを用いうる。
ステップ350において、コンピュータ・システムは、ステップ349で算出された提示インセンティブのうち、来店可能店舗以外のインセンティブ算出結果を抹消する(例えば、図3Dのステップ350中に示す表(397)上のランク2(取り消し線で示す)が抹消された提示インセンティブの結果を示す)。
ステップ351において、コンピュータ・システムは、ステップ351で抹消された提示インセンティブ結果を除く提示インセンティブ結果のうち上位から、予め決められた人数の販売員の応対可能日時、及び当該顧客に応対可能な日時を取得し、ウェブ経由で、当該応対可能日時、店舗情報、及び提示インセンティブを顧客に関連付けられた電子装置(例えば、ウェブ・ブラウザ上)に提示可能にする。
ステップ352において、コンピュータ・システムは、上記インセンティブ提示プロセスを終了する。
図3Eは、図3Dに示す処理のうち、インセンティブ算出プロセスの詳細を示すフローチャートの例である。
ステップ361において、コンピュータ・システムは、図3Dのステップ349に示すインセンティブ算出プロセスを開始する。
ステップ362において、コンピュータ・システムは、下限利益率Bと、図3Bに示すステップ326で算出した、販売員nに関する、販売回数N(n) = N(n) + 1、販売実績売値P(n) = P(n) + p(i)、及び販売実績原価C(n)を入力とする。
ステップ363において、コンピュータ・システムは、全ての販売員nについて、又は上記ステップ343、345若しくはステップ347で取得された来店可能店舗に属する販売員nについて、対象商品の対面販売による利益率β(n)を下記式から求める:利益率β(n) = 1 − { C(n) / P(n) }。利益率β(n)の算出アルゴリズムは上記式に限定されるものではなく、例えば、下記に説明するカーネル回帰法による利益率算出アルゴリズムが使用されうる。
対象商品の販売実績が不十分(ごく僅か)の商品である場合に、当該対象商品について十分なサンプル数がないために、利益率β(n)の算出が困難である場合がある。そこで、コンピュータ・システムは、カーネル回帰法による利益率算出アルゴリズムを使用して、当該対象商品についての利益率β(n)を計算しうる。カーネル回帰法による利益率算出アルゴリズムは、図2Cに示すステップ235の説明において述べた通りである。
コンピュータ・システムは、実績売値についても、カーネル回帰法による利益率算出アルゴリズムと同様に、カーネル回帰法による実績売値アルゴリズムを使用して算出しうる。
また、ステップ363において、コンピュータ・システムは、対象商品について利益率β(n)を、顧客満足度の高い販売員毎に算出しうる。
また、ステップ363において、コンピュータ・システムは、対象商品について利益率β(n)を、顧客の購入対象である商品において又は当該購入対象である商品が属する販売分野において販売実績の高い1又は複数の販売員毎に算出しうる。
また、ステップ363において、コンピュータ・システムは、1又は複数の実店舗の混雑予想状況のリストを参照し、当該実店舗それぞれが混雑していない時間帯を抽出し、対象商品について利益率β(n)を、当該抽出した時間帯に応対可能な1又は複数の販売員毎に算出しうる。
また、ステップ363において、コンピュータ・システムは、対象商品について利益率β(n)値を、商品を購入しようとする顧客の識別番号又は位置情報に基づいて検索された1又は複数の実店舗であって、当該顧客が来店可能な1又は複数の実店舗に所属する販売員毎に算出しうる。
ステップ364において、コンピュータ・システムは、ステップ363で算出した利益率β(n)が高い順に販売員nのソートを行って、当該利益率β(n)が所定の順位にある販売員又は当該利益率β(n)が所定の閾値よりも高い販売員のリストを生成し(図3Eのステップ364中に示す表(398)を参照)、そして、当該利益率β(n)が下限利益率Bよりも高い候補販売員を抽出しうる。表(398)は、利益率β(n)が高い順にランク1,2,3,・・・として、ランク毎に、販売員n、店舗m、利益率β(n)、販売実績売値P(n)、及び販売回数N(n)を有する。なお、コンピュータ・システムは、ステップ364をスキップして、処理をステップ363からステップ365に直接進めてもよい。
ステップ365において、コンピュータ・システムは、販売員毎に、販売実績売値P(n)と販売回数N(n)から対象商品の一単位当たりの販売平均売値を算出し、当該算出した販売平均売値、下限利益率Βと利益率β(n)との差、及び図3Aのステップ310で取得したとインセンティブ付与率αから、販売店側に値引き値を示す為の内部インセンティブを算出する。内部インセンティブは、図3Eの当該ステップ365中に示す表(399)に示す式に従って算出されうる。
ステップ366において、コンピュータ・システムは、提示インセンティブを算出する販売員を特定するかを判定する。コンピュータ・システムは、上記提示インセンティブを算出する販売員を特定することに応じて、処理をステップ367に進める。一方、コンピュータ・システムは、上記提示インセンティブを算出する販売員を特定しないこと(すなわち、表(399)において特定されている全ての販売員が対象であること)に応じて、処理をステップ368に進める。
ステップ367において、コンピュータ・システムは、下記図3Fの説明において詳述する販売員抽出プロセスを使用して、下記ステップ368において提示インセンティブを算出する販売員をさらに特定する。
ステップ368において、コンピュータ・システムは、図3Aのステップ304で取得した対象商品のEC通常価格と、ステップ365で算出した内部インセンティブの値とを用いて、対象商品の提示インセンティブ(例えば、値引き値;値引き値とともに提供可能な商品又はサービス;若しくは、値引き値の代わりに提供可能な、当該値引き値に対応する商品又はサービス;又は、電子商取引における通常価格(EC通常価格)よりも安い販売価格)を算出する。コンピュータ・システムは、提示インセンティブとして値引き値を用いる場合には、内部イブインセンティブを提示インセンティブとしてそのまま用いる。電子商取引における通常価格(EC通常価格)よりも安い販売価格は例えば、EC通常価格−内部インセンティブ(値引き値)で算出されうる。
また、ステップ368において、コンピュータ・システムは、電子商取引における通常価格(EC通常価格)よりも安い販売価格を、EC通常価格と、上記算出した内部インセンティブに所定の係数を乗じた値とから算出しうる。当該EC通常価格よりも安い販売価格は例えば、EC通常価格−d×内部インセンティブ(値引き値)(但し、dは任意の係数)で算出されうる。
ステップ369において、コンピュータ・システムは、上記インセンティブ算出プロセスを終了する。
図3Eに示すインセンティブ算出プロセスでは、コンピュータ・システムは、全ての販売員について利益率β(n)を算出した後に、販売員を特定する操作364及び366から367を行うことを特徴とする。コンピュータ・システムは、図3Eに示すインセンティブ算出プロセスにおいて、代替的には、ステップ366〜367を実施した後にステップ364〜365を実施しうる。
図3Fは、図3Eに示す処理のうち、販売員抽出プロセスの詳細を示すフローチャートの例である。
図3Fに示すステップ371〜380はそれぞれ、図2Dに示すステップ251〜260に対応する。従って、ステップ371〜380それぞれについての説明は、上記ステップ251〜260についての説明を参照されたい。
図3Gは、図3Aに示す処理のうち、販売員スケジューリング・プロセスの詳細を示すフローチャートの例である。
図3Gに示すステップ381〜386はそれぞれ、図2Gに示すステップ281〜286に対応する。従って、ステップ381〜386それぞれについての説明は、上記ステップ281〜286についての説明を参照されたい。
図4は、顧客に関連付けられた電子装置と当該電子装置にネットワークを介して接続されたコンピュータ・システムの機能ブロック図の一例を示した図である。
コンピュータ・システム(401)は、本発明の実施態様に従い、上記商品の電子商取引による販売価格とともに、実店舗への来店によるインセンティブ及び来店日時を顧客に関連付けられた電子装置に提示する1又は複数のコンピュータであり、当該コンピュータは例えば図1Aに示すコンピュータでありうる。上記複数のコンピュータは例えば、密結合状態の複数のコンピュータ又は疎結合状態の複数のコンピュータでありうる。
コンピュータ・システム(401)は、ウェブ・フロント・エンド(411)を介して、ネットワーク(403)に接続されており、且つ、当該ネットワーク(例えば、インターネット)(403)を介して、1又は複数の電子装置(402)に接続されている。
コンピュータ・システム(401)は、商品販売履歴検索プロセス(421)、インセンティブ算出プロセス実行手段(422)、顧客購買履歴検出プロセス実行手段(423)、販売員抽出プロセス実行手段(424)、インセンティブ提示プロセス実行手段(425)、及び、販売員スケジューリング・プロセス実行手段(426)を備えている。
商品販売履歴検索プロセス(421)は、図2Bに示す各ステップ及び図3Bに示す各ステップを実行しうる。
インセンティブ算出プロセス実行手段(422)は、図2Cに示す各ステップ及び図3Eに示す各ステップを実行しうる。
顧客購買履歴検出プロセス実行手段(423)は、図2Eに示す各ステップ及び図3Cに示す各ステップを実行しうる。
販売員抽出プロセス実行手段(424)は、図2Dに示す各ステップ及び図3Fに示す各ステップを実行しうる。
インセンティブ提示プロセス実行手段(425)は、図2Fに示す各ステップ及び図3Dに示す各ステップを実行しうる。
販売員スケジューリング・プロセス実行手段(426)は、図2Gに示す各ステップ及び図3Gに示す各ステップを実行しうる。
また、コンピュータ・システム(401)は、顧客データベース(431)、商品管理データベース(432)、販売履歴データベース(433)、販売員シフト・データベース(434)、受付可能時間データベース(435)、及び訪問時間管理データベース(436)にアクセス可能なようにネットワークを介して又は直接的に接続されている。各データベース(431〜436)の詳細については、下記図5の説明において詳述する。
電子装置(402)は、そのウェブ・ブラウザ(441)上に、コンピュータ・システム(401)によって提供された、対象商品の電子商取引による販売価格(ウェブ価格)(451)、並びに、実店舗への来店による提示インセンティブ、来店日時(店舗側の接待可能日時でもある)及び店舗名の各セット(452,453及び454)を表示している。当該各セット(452,453及び454)では、ウェブ価格よりも安い価格が表示されている。また、上記セット(453)では、ウェブ価格よりも安い価格とともに、当該商品に付随して無料で提供可能な商品(純正ポーチ)が表示されている。顧客は、対象商品の電子商取引による販売価格(451)に関連付けられた購入ボタン(「いますぐ購入」ボタン)(451)並びに、上記セット(452,453及び454)それぞれに関連付けられた承認ボタン(「来店予約」ボタン)のうちのいずれか一つを選択しうる。顧客が上記セット(452,453及び454)それぞれに関連付けられた承認ボタンのうちのいずれか一つを選択することに応じて、実店舗は、当該顧客に対して上記ウェブ・ブラウザ(441)上で表示された提示インセンティブを、上記顧客に対して、指定の日時及び店舗に来店することによって提供しうる。
図5は、本発明の実施態様において使用されうる種々のデータベース(431〜436)の一例を示す図である。なお、図5では、各種データがデータベース(431)として実装される態様を示されているが、当該各種データが例えばCSVファイルやXMLファイルとして実装されてもよい。
顧客データベース(431)は、顧客に付された顧客IDと当該顧客IDに関連付けられた顧客の過去の購入履歴とを紐付けるものである。顧客データベース(431)は例えば、1つのレコード中に、顧客IDと、当該顧客IDに関連付けられた1又は複数の販売履歴IDとを有する(501)。
商品管理データベース(432)は、電子商取引と実店舗で取引されている商品に付された商品IDと当該商品IDに関連付けられた情報とを紐付けるものである。品管理データベース(432)は例えば、1つのレコード中に、商品IDと、当該商品IDに関連付けられた例えば原価及びEC通常価格とを有する(502)。
販売履歴データベース(433)は、販売履歴に付された販売履歴IDと当該販売履歴IDに関連付けられた情報とを紐付けるものであり、一度の販売(例えば、1枚のレシート)において複数の商品が同時に販売されている場合には、当該同時に販売された商品へのリンクを保持する。販売履歴データベース(433)は例えば、1つのレコード中に、販売履歴IDと、当該販売履歴IDに関連付けられた例えば購入日時、商品ID、売値、購入店舗、及び担当販売員IDと、当該販売履歴IDで購入された商品に関連付けられた(すなわち、当該購入された商品と同時に購入された1又は複数の関連商品(例えば、消耗品やオプション)の販売履歴に対応する1又は複数の販売履歴IDとを有する(503)。
販売員シフト・データベース(434)は、販売員に付された担当販売員IDと当該担当販売員IDの勤務予定や対面販売の応対予定に付された応対予定IDとを紐付けるものである。販売員シフト・データベース(434)は例えば、1つのレコード中に、担当販売員IDと、当該担当販売員IDに関連付けられた例えば1又は複数の応対予定IDとを有する(504)。
受付可能時間データベース(435)は、販売員に付された担当販売員IDと当該販売員が属する店舗又は当販売員が出張可能な店舗における混雑予測を反映した当該販売員の対面販売の応答可能日時に関する情報とを紐付けるものである。受付可能時間データベース(435)は例えば、1つのレコード中に、担当販売員IDと、当該担当販売員IDに関連付けられた例えば勤務店舗及び応対可能日時とを有する(505)。
訪問時間管理データベース(436)は、対面販売の応対予定に付された対応予定IDと当該対応予定IDに関連付けられた情報とを紐付けるものである。
訪問時間管理データベース(436)は例えば、1つのレコード中に、応対予定IDと、当該応対予定IDに関連付けられた例えば応対日時、当該対応予定で対応予定の顧客ID、当該顧客が購入しようとしている対象商品の商品IDと、並びに、当該商品の購入に対して算出された提示インセンティブの内容(例えば、値引き値、又は、対象商品の販売とともに提供可能な商品若しくはサービス)及び提示インセンティブ付与率αとを有する(506)。
図6は、本発明の実施態様において使用されうるインセンティブ付与率αの種々の態様例を示す。
インセンティブ付与率αは例えば、(1)顧客の購入履歴(購入実績)、(2)購入予定時間帯、(3)購入予定店舗、(4)購入予定日又は購入予定日時の天気又は天候、又は(5)購入予定日又は購入予定日時の気温、によって変動しうる。当業者は、インセンティブ付与率αのその他の態様を使用しうる。
(1)インセンティブ付与率αの顧客の購入履歴による変動は、図2Eに示す顧客購買履歴検出プロセス及び図3Cに示す顧客購買履歴検出プロセス、並びにそれらに対応する詳細な説明によって示されているとおりである。
(2)インセンティブ付与率αの購入予定時間帯による変動として、例えば1時間単位、曜日単位、日付、月の前半若しくは後半、平日、休日若しくは土日曜日、早朝時間若しくは深夜、又はそれらの組み合わせの単位における例えば実店舗の混雑状況(例えば、販売員の稼働状況や来店人数)に基づいて、インセンティブ付与率αが設定されうる(601)。具体的には例えば、時間帯毎の1又は複数の実店舗の過去の混雑状況κに関するデータ(例えば、混雑予想状況のリスト)を事前に準備しておき、混雑していない時間帯ほど大きなインセンティブ付与率αを当てることを実現する為に、より大きなインセンティブ付与率αを与える店舗に関してインセンティブ付与率αを増加させる為の重みγを定義し、当該重みγをインセンティブ付与率αに乗じることによって、店舗状況をインセンティブ付与率αに反映させうる。また、例えば(1−κ)をインセンティブ付与率αに乗じることによって、混雑状況をインセンティブ付与率αに反映させうる。
(3)インセンティブ付与率αの購入予定店舗による変動として、店舗毎に、店舗状況(例えば、各店舗の立地条件、販売員の数、又は販売促進を行いたい店舗)に基づいて、インセンティブ付与率αが設定されうる(602)。具体的には例えば、立地条件が悪い店舗ほど、販売員の数が多い店舗ほど、又は販売促進をより行いたい店舗ほどより大きなインセンティブ付与率αを与えることを実現する為に、より大きなインセンティブ付与率αを与える店舗に関してインセンティブ付与率αを増加させる為の重みεを定義し、当該重みεをインセンティブ付与率αに乗じることによって、店舗状況をインセンティブ付与率αに反映させうる。
(4)インセンティブ付与率αの天気若しくは天候による変動として、天気若しくは天候毎に、例えば天気予報や週間天気予報に基づいて、インセンティブ付与率αが設定されうる(603)。天気予報や週間天気予報は例えば、天気予報データベースや天気予報提供サービスから取得されうる。具体的には例えば、天気若しくは天候が悪いほどより大きなインセンティブ付与率αを与えることを実現する為に、インセンティブ付与率αを増加させる為の重みζを定義し、当該重みζをインセンティブ付与率αに乗じることによって、天気若しくは天候をインセンティブ付与率αに反映させうる。
(5)インセンティブ付与率αの気温による変動として、例えば5℃刻み毎に、例えば天気予報や週間天気予報に基づいて、インセンティブ付与率αが設定されうる。気温は例えば、天気予報データベースや天気予報提供サービスから取得されうる。具体的には例えば、外に出やすい気温であるほど低いインセンティブ付与率αを割り当て、外に出にくい気温であるほど高いインセンティブ付与率αを割り当てる為の重みを定義し、当該重みをインセンティブ付与率αに乗じることによって、気温をインセンティブ付与率αに反映させうる。
図7は、図1Aに従うハードウェア構成を好ましくは備えており、本発明の実施態様に従い、商品の電子商取引による販売価格とともに、実店舗への来店によるインセンティブ及び来店日時を顧客に関連付けられた電子装置に提示するコンピュータ・システムの機能ブロック図の一例を示した図である。
コンピュータ・システム(701)は、本発明の実施態様に従い、上記商品の電子商取引による販売価格とともに、実店舗への来店によるインセンティブ及び来店日時を顧客に関連付けられた電子装置に提示する1又は複数のコンピュータであり、当該コンピュータは例えば図1Aに示すコンピュータでありうる。上記複数のコンピュータは例えば、密結合状態の複数のコンピュータ又は疎結合状態の複数のコンピュータでありうる。
コンピュータ・システム(701)は、ネットワーク(例えば、インターネット)(703)を介して、1又は複数の電子装置(702)に接続されている。
コンピュータ・システム(701)は、受信手段(711)、利益率算出手段(712)、値引き値算出手段(713)、及び提示手段(714)、並びに任意的に、予約登録手段(715)、及び検索手段(716)を備えている。
受信手段(711)は、電子装置(702)で実行中のウェブ・ブラウザ(721)から情報を受信しうる。受信手段(711)は、例えば、電子装置(702)から、図2Aのステップ201又は図3Aのステップ301において顧客によってクリックされた、ある商品の販売ページのURL、図2Aのステップ213又は図3Aのステップ313の各説明で述べた承認済みのメッセージや非承認のメッセージを受信しうる。
利益率算出手段(712)は、1又は複数の実店舗における各販売員の対象商品を対面販売した時の実績売値を用いて、当該対象商品の対面販売による利益率を1又は複数の販売員毎に算出する。
利益率算出手段(712)は、図2Cに示すステップ235〜236、及び図3Eに示すステップ363〜364を実行しうる。
値引き値算出手段(713)は、対象商品の1又は複数の販売員毎に算出した対面販売による利益率と、当該対象商品の事前に決められた下限利益率とを用いて、当該対象商品の対面販売による販売価格が電子商取引による販売価格よりも安くなるように、当該対象商品の値引き値を1又は複数の販売員毎に算出する。
値引き値算出手段(713)は、図2Cに示すステップ237〜238、並びに図3Eに示すステップ365及び368を実行しうる。
提示手段(714)は、値引き値算出手段(713)が算出した値引き値と当該値引き値を提供可能な販売員についての応対可能日時それぞれを、提示インセンティブ及び来店日時として顧客に関連付けられた電子装置(702)に提示する。
提示手段(714)は、図2Aに示すステップ211及び図3Aに示すステップ311を実行しうる。
予約登録手段(715)は、顧客が当該顧客に関連付けられた電子装置上で応対可能日時を来店予約することに応じて、当該応対可能日時を、値引き値を提供可能な販売員の接客予定として予約登録する。
予約登録手段(715)は、図2Aに示すステップ214及び図3Aに示すステップ314を実行しうる。
検索手段(716)は、顧客の現在位置を、例えばGPS情報又はWi−Fiのアクセス基地ポイント情報を用いて検索しうる。
検索手段(716)は、図2Dに示すステップ256及び図3Dに示すステップ346を実行しうる。
電子装置(702)はウェブ・ブラウザ(721)を実装し、当該ウェブ・ブラウザ(721)は、本発明に従う提示インセンティブ及び来店日時を表示しうる。
以下において、本発明の実施態様を適用して、販売員毎に、利益率、そして値引き値を算出し、商品の電子商取引による販売価格とともに、上記算出した値引き値と当該値引き値を提供可能な販売員についての対応可能日時それぞれを、実店舗への来店によるインセンティブ及び来店日時として顧客に関連付けられた電子装置に提示する態様を示す。
(実施例1)
ネットショップ上で販売している商品A(例えば、電化製品や生け花)を実店舗でも併売している企業Aがあるとする。企業Aが販売している商品Aは、オンライン上で複数の企業が取り扱っている為に価格競争にさらされやすい。そこで、企業Aは、本発明の実施態様に従い、顧客を実店舗に誘導しようとする。
コンピュータ・システムは、上記ネットショップのウェブ・ブラウザ上で顧客によって選択された商品A(対象商品)について、各実店舗における各販売員の当該商品Aを対面販売した時の販売実績売値と販売実績原価とを用いて、当該商品Aの対面販売による利益率を販売員毎に算出する。次に、コンピュータ・システムは、販売員毎に算出した対面販売による上記利益率と、上記商品Aの事前に定められた下限利益率とを用いて、上記ネットショップによる販売価格(オンライン価格)よりも安くなるように、上記商品Aの値引き値を販売員毎に算出する。そして、コンピュータ・システムは、上記オンライン価格とともに、上記顧客に対する提示インセンティブ(例えば、上記値引き値の提供、又は、ポイント還元、若しくは商品Aのオプション品の無料又は割引提供)及び当該提示インセンティブを提供可能な販売員(特には、上記商品Aについてのセリングに強い販売員)についての応対可能日時を、上記顧客に関連付けられたスマートフォンに送信する。当該スマートフォンは、上記ウェブ・ブラウザ上で、上記提示インセンティブ及び上記応対可能日時を表示する。
上記スマートフォンは、上記提示インセンティブ及び上記応対可能日時が顧客によって選択されることに応じて、承認メッセージを上記コンピュータ・システムに送信する。
上記コンピュータ・システムは、上記承認メッセージを受信することに応じて、当該提示インセンティブを提供可能な販売員についてのスケジュールに上記応対可能日時に対応する対応予約時間を予約登録する。
上記実施例1では、企業A(実店舗側)にとっては、商品Aのセリングに強い販売員を割り当てることによって有利な営業状態(例えば、商品Aの周辺商品の販売)を作り出すことが可能になり、顧客にとっては、電子商取引によっては得られない提示インセンティブを受け取ることが可能になるというメリットが生み出される。
(実施例2)
ネットショップ上で販売している旅行商品Bを実店舗でも併売している企業Bがあるとする。旅行業者Bが販売している旅行商品Bは、複数のオプション設定(例えば、宿泊ホテル、部屋若しくは料理のアップグレード、又は、旅先でのオプションツアー)が可能である。そこで、旅行業者Bは、本発明の実施態様に従い、顧客を実店舗に誘導しようとする。
コンピュータ・システムは、上記ネットショップのウェブ・ブラウザ上で顧客によって選択された旅行商品B(対象商品)について、各実店舗における各販売員の当該旅行商品Bを対面販売した時の販売実績売値と販売実績原価とを用いて、当該旅行商品Bの対面販売による利益率を販売員毎に算出する。次に、コンピュータ・システムは、販売員毎に算出した対面販売による上記利益率と、上記旅行商品Bの事前に定められた下限利益率とを用いて、上記ネットショップによる販売価格(オンライン価格)よりも安くなるように、上記旅行商品Bの値引き値を販売員毎に算出する。そして、コンピュータ・システムは、上記オンライン価格とともに、上記顧客に対する提示インセンティブ(例えば、上記値引き値の提供、ポイント還元、粗品、お土産、アトラクション入場券若しくは金券の提供、又は、その他のオプション・サービスの無料若しくは割引提供)及び当該提示インセンティブを提供可能な販売員(特には、上記旅行商品Bについてのセリングに強い販売員)についての応対可能日時を、上記顧客に関連付けられたタブレット端末に送信する。当該タブレット端末は、上記ウェブ・ブラウザ上で、上記提示インセンティブ及び上記応対可能日時を表示する。
上記タブレット端末は、上記提示インセンティブ及び上記応対可能日時が顧客によって選択されることに応じて、承認メッセージを上記コンピュータ・システムに送信する。
上記コンピュータ・システムは、上記承認メッセージを受信することに応じて、当該提示インセンティブを提供可能な販売員についてのスケジュールに上記応対可能日時に対応する対応予約時間を予約登録する。
上記実施例2では、旅行業者B(実店舗側)にとっては、旅行商品Bの旅行先に精通した販売員が対応することで、ネットショップ上では網羅しきれない関連する様々な旅行オプションの営業を有利に行うことが可能になり、顧客にとっては、電子商取引によっては得られない提示インセンティブを受け取るだけでなく、対面販売により、例えばネットショップ上では取り扱いされていない旅行オプションを引き出すことでより充実した旅行商品の申し込みが可能になるというメリットが生み出される。
(実施例3)
ネットショップ上で販売している保険商品Cを実店舗でも併売している企業Cがあるとする。保険会社Cが販売している保険商品Bは、複数のオプション設定(例えば、家族への適用又は保険適用範囲の拡大)が可能である。しかしながら、そのオプション設定の理解に困難なところもある。そこで、保険会社Cは、本発明の実施態様に従い、顧客を実店舗に誘導しようとする。
コンピュータ・システムは、上記ネットショップのウェブ・ブラウザ上で顧客によって選択された保険商品C(対象商品)について、各実店舗における各販売員の当該旅行商品Cを対面販売した時の販売実績売値と販売実績原価とを用いて、当該保険商品Cの対面販売による利益率を販売員毎に算出する。次に、コンピュータ・システムは、販売員毎に算出した対面販売による上記利益率と、上記商品Aの事前に定められた下限利益率とを用いて、上記ネットショップによる販売価格(オンライン価格)よりも安くなるように、上記保険商品Cの値引き値を販売員毎に算出する。そして、コンピュータ・システムは、上記オンライン価格とともに、上記顧客に対する提示インセンティブ(例えば、上記値引き値の提供、ポイント還元、粗品、チケット若しくは金券の提供、又は、その他のオプション・サービスの無料若しくは割引提供)及び当該提示インセンティブを提供可能な販売員(特には、上記保険商品Cについてのセリングに強い販売員)についての応対可能日時を、上記顧客に関連付けられたパソコンに送信する。当該パソコンは、上記ウェブ・ブラウザ上で、上記提示インセンティブ及び上記応対可能日時を表示する。
上記パソコンは、上記提示インセンティブ及び上記応対可能日時が顧客によって選択されることに応じて、承認メッセージを上記コンピュータ・システムに送信する。
上記コンピュータ・システムは、上記承認メッセージを受信することに応じて、当該提示インセンティブを提供可能な販売員についてのスケジュールに上記応対可能日時に対応する対応予約時間を予約登録する。
上記実施例3では、保険会社C(実店舗側)にとっては、保険商品Cに精通した販売員が対応することで、ネットショップ上では網羅しきれない関連する様々なオプションの営業を有利に行うことが可能になり、顧客にとっては、電子商取引によっては得られない提示インセンティブを受け取るだけでなく、対面販売により、例えばネットショップ上では理解の困難な保険商品についてより適切な保険商品の申し込みやオプション設定が可能になるというメリットが生み出される。
(実施例4)
ネットショップ上で販売している不動産商品(マンション)Dを実店舗でも併売している不動産販売業者Dがあるとする。企業Dが販売している不動産商品Dは、オンライン上で複数の不動産販売業者によって併売されているとする。しかしながら、複数の不動産販売業者で提示されている価格や仲介手数料が異なる。そこで、不動産販売業者Dは、本発明の実施態様に従い、顧客を自分の実店舗に誘導しようとする。
コンピュータ・システムは、上記ネットショップのウェブ・ブラウザ上で顧客によって選択された不動産商品D(対象商品)について、各実店舗における各販売員の当該不動産商品Dを対面販売した時の販売実績売値と販売実績原価とを用いて、当該不動産商品Dに類する不動産商品の対面販売による利益率を販売員毎に算出する。次に、コンピュータ・システムは、販売員毎に算出した対面販売による上記利益率と、上記不動産商品Dの事前に定められた下限利益率とを用いて、上記ネットショップによる販売価格(オンライン価格)よりも安くなるように、上記不動産商品Dの値引き値を販売員毎に算出する。そして、コンピュータ・システムは、上記オンライン価格とともに、上記顧客に対する提示インセンティブ(例えば、上記値引き値の提供、又は、手数料の減額、粗品、チケット若しくは金券の提供、又は、その他のオプション商品(例えば、家具)若しくはサービス(例えば、ハウスクリーニング)の無料若しくは割引提供)及び当該提示インセンティブを提供可能な販売員(特には、上記不動産商品Dについてのセリングに強い販売員)についての応対可能日時を、上記顧客に関連付けられたパソコンに送信する。当該パソコンは、上記ウェブ・ブラウザ上で、上記提示インセンティブ及び上記応対可能日時を表示する。
上記パソコンは、上記提示インセンティブ及び上記応対可能日時が顧客によって選択されることに応じて、承認メッセージを上記コンピュータ・システムに送信する。
上記コンピュータ・システムは、上記承認メッセージを受信することに応じて、当該提示インセンティブを提供可能な販売員についてのスケジュールに上記応対可能日時に対応する対応予約時間を予約登録する。
上記実施例4では、実店舗側にとっては、販売員のスケジューリングや不動産商品Dの内覧のスケジューリングを適正に行うことが可能になり、顧客にとっては、電子商取引によっては得られない提示インセンティブを受け取るだけでなく、対面販売により、例えば不動産商品Dについての詳細な説明を受けることが可能になるというメリットが生み出される。