JP2015114709A - 保守点検システム - Google Patents

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剛治 國生
Koji Kokusho
剛治 國生
永二 江本
Eiji Emoto
永二 江本
護 金川
Mamoru Kanekawa
護 金川
隆志 世古
Takashi Seko
隆志 世古
堅一 内藤
Kenichi Naito
堅一 内藤
愛人 中尾
Yoshito Nakao
愛人 中尾
知幸 林
Tomoyuki Hayashi
知幸 林
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Abstract

【課題】異常状態にあると判断された特定の太陽光パネルへのアクセス可能位置の緯度経度位置情報まで到達でき、さらに、経路情報で示す経路を経由することにより異常状態にあると判断された特定のソーラセルの行列位置まで到達して保守点検作業を行うことができる。【解決手段】海上基地ユニット150は、個々のソーラセル131の状態を検知するセンサと、センサからの検知信号に基づいて、個々のソーラセルが異常状態であるか否かを判断し、異常状態にあると判断された特定のソーラセルのID情報に基づいて、当該特定のソーラセルの行列位置情報を算出し、行列位置情報に基づいて、当該特定のソーラセルへのアクセス可能位置についての緯度経度位置情報を算出するとともに、当該アクセス可能位置から当該特定の太陽光パネルの行列位置に至る通路についての経路情報を算出し、アクセス可能位置の緯度経度位置情報及び経路情報を保守点検船に送信する。【選択図】図14

Description

本発明は、水上に浮遊する浮体に配列された太陽光パネルの保守点検に好適な保守点検システムに関する。
過去100年程度の短期間における化石燃料を使用した人類の種々の活動により、大気中の二酸化炭素(CO:温室効果ガス)濃度が急速に増大している。その結果、異常気象の多発、氷河の溶解による海水面の上昇等の現象が現実化している。それに対して多くの科学者は、この状態を放置した場合の環境変化を予測して、地球的規模で何らかの対策を講じなければならないと提言している。即ち、化石燃料利用社会からの決別であり、化石燃料エネルギに代わるクリーンな代替エネルギへの転換が叫ばれている。
そこで、地球的規模で再生可能エネルギを用いた発電システムの利用が切望されている。
従来、再生可能エネルギを用いた発電システムは、多くが実用化されている一方、日本国にあっては、内陸部、砂漠地域、海岸地域に限られて実用化されている。
例えば、太陽光を利用した太陽光発電は、「メガソーラ発電」と呼ばれ、日本国内では休耕田や丘陵地を利用して1000KW/日程度の発電システムが稼働している。
しかし、我が国は、北半球の東経135度から150度、北緯25度から45度に位置し、四季を有することから、梅雨や台風、降雪などの気象条件下にあることを避けられない状況にある。さらに年間の降水量が平均1500mm(東京都)など、照射する太陽光を有効的に電気に変換できる気候条件が揃っているとはいえない。
また、風力発電は一部海岸地域や山間部、丘陵地で小規模ながら実用化されている。しかし、風を受けてプロペラが回転する際に発生する低周波音が人体及び畜産に少なからず影響を及ぼすことが報告されている。これらの状況から、海岸線に多くの人が居住している日本国では風力発電を設置する地域はごく限られてくる。
また、潮位差を利用した発電も一部で実用化されているものの、四方を海に囲まれた日本国であっても、発電に効果的な潮位差を得られる場所も海峡と称される地域に限定されるとともに、これらの場所は漁場としても優良であるため、漁業への対策を考慮しなければならずその立地に大きな課題を抱えている。
このように、再生可能エネルギを利用した発電システムは、日本国内においては各々課題を内包しているため、大容量発電の実用化には困難な状況である。
そこで、特許文献1では、太陽光発電パネルを筏上に敷設し、太平洋上の北緯10度から南緯10度、東経170度から西経120度の間をほぼ自転車の速度程度のゆっくりとした速度で帆走しながら発電する海洋移動型太陽光大規模発電システムが提案されている。
詳しくは、特許文献1の発明によれば、太陽光を電気エネルギに変換し、更に電気エネルギを利用して海水を電気分解することで水素に変換し、水素をタンクに貯留し、回収船により回収して水素から電気エネルギに変換するか、又は直接利用するので、赤道に近い日照時間の長い海上で得られた太陽光エネルギを効率よく且つ安価に長距離搬送することができるという効果を有している。
WO2011/048981号公報
ところで、陸地や島等がほとんどない洋上を帆走する洋上発電システムの保守点検を行う方法は様々に考えられる。
例えば、洋上発電システムの外周を走行する点検船(仮称)に点検用ヘリコプタを搭載し、点検用ヘリコプタに機材や点検員を乗せ、故障信号や異常信号等を発信したソーラセルユニットを搭載した筏の位置まで飛行し、機材や点検員を筏上に下ろして点検作業を行い、点検後に点検船まで戻るという方法が想定できる。
しかし、ソーラセルユニットは軽量化されたソーラセルを敷設するのに十分な強度の機構構造を有する反面、周辺空域をヘリコプタがホバリングしながら筏上に着陸可能なまでの機構強度を備えるには設備上の限界がある。
このため、ホバリング中のヘリコプタから機材や点検員を現場に降下させる必要があり、非常に危険な作業となるため、洋上における作業として不適切である。
そこで、太平洋上を帆走する洋上発電システムの各種点検に必要不可欠な設備を提供するとともに、当該設備の電源に再生可能エネルギを利用することが可能な保守点検システムの提案が切望されている。
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的としては、異常状態にあると判断された特定の太陽光パネルへのアクセス可能位置の緯度経度位置情報まで到達することができ、さらに、経路情報で示す経路を経由することにより異常状態にあると判断された特定のソーラセルの行列位置まで到達して保守点検作業を行うことができる保守点検システムを提供することにある。
請求項1記載の発明は、上記課題を解決するため、水上に浮遊する浮体に配列された複数の太陽光パネルを有し、前記太陽光パネルの状態を入力する保守点検ユニットと、前記保守点検ユニットからの情報に基づいて前記太陽光パネルの位置情報及び保守情報を管理する海上基地ユニットと、前記水上を走行可能な保守点検船と、を備えた保守点検システムであって、前記保守点検ユニットは、個々の前記太陽光パネルの状態を検知するセンサと、前記センサからの検知信号に基づいて、個々の前記太陽光パネルが異常状態であるか否かを判断する異常判断手段と、異常状態にあると判断された特定の前記太陽光パネルのID情報を前記海上基地ユニットに送信する送信手段と、前記海上基地ユニットは、異常状態にあると判断された特定の前記太陽光パネルのID情報に基づいて、当該特定の太陽光パネルの行列位置情報を算出する位置算出手段と、前記行列位置情報に基づいて、当該特定の太陽光パネルへのアクセス可能位置についての緯度経度位置情報を算出するとともに、当該アクセス可能位置から当該特定の太陽光パネルの行列位置に至る通路についての経路情報を算出するアクセス可能位置情報算出手段と、前記アクセス可能位置の緯度経度位置情報及び経路情報を前記保守点検船に送信する送信手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、異常状態にあると判断された特定の太陽光パネルへのアクセス可能位置の緯度経度位置情報まで到達することができ、さらに、経路情報で示す経路を経由することにより異常状態にあると判断された特定のソーラセルの行列位置まで到達して保守点検作業を行うことができる。
太陽光ソーラセル帆走筏発電システムのイメージを示す図である。 太平洋上の晴天域について説明するための図である。 (a)(b)は筏構造の敷設例について説明するための図である。 他の筏構造の敷設例について説明するための図である。 帆柱設置ユニットの構造について説明するための図である。 帆柱設置ユニットの構造について説明するための図である。 (a)は筏の上面構造図、(b)(c)は筏と補修用移動台車の側面断面図である。 蓄電と搬送方法について説明するための図である。 (a)は移動航海のサイクルを示す図、(b)は洋上のソーラセルの発電電力ピークを示す図である。 セルユニット、海上基地、及び帆柱設置ユニットのハードウエア構成について説明するためのブロック図である。 本発明の一実施形態に係る保守点検システムの一部を示す図であり、筏101の側辺に配置された海上基地ユニットと帆柱設置ユニットの配置関係を示す図である。 海上基地ユニットのハードウエア構成について説明するためのブロック図である。 保守点検船のハードウエア構成について説明するためのブロック図である。 保守点検システムにおける概略的な動作について説明するためのシーケンス図である。 本実施形態における保守点検システムの特徴的な構成について説明するための図である。 (a)(b)は保守点検システムにおける接続箱の動作について説明するためのフローチャートである。 (a)(b)は保守点検システムにおける海上基地ユニットの動作について説明するためのフローチャートである。 保守点検船の動作について説明するためのフローチャートである。 保守点検システムにおける海上基地ユニットの動作について説明するためのフローチャートである。 保守点検システムにおける接続箱により管理される異常管理テーブルの管理内容を示す図である。 筏上の保守点検中位置、回避エリア、台車が通過可能な経路を示す模式図である。
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
<第1前提条件>
まず、本発明の前提となるソーラセル帆走筏の成立性について、「低経緯太平洋ソーラセル帆走筏発電システムの成立性」(2013年9月)を参照して説明する。
次に、ソーラセル帆走筏構想と太平洋低緯度帯の気象・海象条件について説明する。
図1は、太陽光ソーラセル帆走筏発電システムのイメージを示す図である。
このエネルギシステムは、国土の前面に拡がる海洋に着目し、太平洋低緯度公海上で大規模な筏船団が移動しながら、従来とは桁違いの規模で太陽エネルギを利用することを目的とするものである。
商業活動を目的として公海上を航行することは国際法上当然認められるべき権利であるから、航行しながら発電することも基本的に自由であると考えてよい。海洋でこそ容易に達成できるソーラセル筏の大面積化を追求して究極的には25km(5km×5km)とし、1日で得られる太陽エネルギを例えば8kWh/m、ソーラセルの電気変換効率を例えば12%(現時点の家庭用太陽電池の値)で試算する。
1日当たりの発電量は8kWh/m×0.12×25,000,000m=24,000,000kWhである。これは24時間連続稼働する100万kW級の原子力発電所の1日の総発電量1,000,000kW×24h=24,000,000kWhに匹敵する。
太平洋の赤道を挟んだ低緯度海域でソーラセル筏や母船などからなる船団が、気象衛星などによる長期気象予報技術を活用して南北太平洋の晴天域を低速帆走しつつ、8kWh/m/day以上の強い太陽エネルギにより太陽光発電をすることを目指す。
このような海洋での太陽エネルギ利用の類似アイデアとしては、オイルショック直後の1970年代に横浜国大とマイアミ大により、洋上の定点にとどまった筏上に設置したミラーにより太陽熱を集めて発電し、液体水素を製造して消費地に運ぶ計画が検討された。また、1980年代には当時の船舶技術研究所において、上記の海洋太陽熱発電計画を実現するための要素技術の検討がなされているが、その後、実現へ向けての動きは見られていない。
本構想はそれらとは一線を画し、最近のソーラセル技術の急速な進展を見据え、国際法上自由航行が認められている赤道近傍の公海上で、常に帆走しながら原子力発電所1基分に匹敵する太陽光による大出力発電を行う。ソーラセルによる太陽光発電方式では、ミラー集光が必要な太陽熱発電方式とは異なり、筏の静穏性への要求が大幅に緩和でき、筏の簡素化・大型化により、スケールメリットを生かすことが容易である。これにより従来の小型分散不安定という自然エネルギ利用の制約を打ち破り、大型基幹エネルギとしてスケールメリットを生かすことが可能であり、調べた限りではこれまでに同様な提案は見当たらない。
本構想の最大の特徴は、発電筏船団の晴天域を求めて移動することにある。これは海洋ならでのメリットであり、また移動することにより直下の海中への太陽光の遮断は短時間に押さえられ海生生物に大きな影響を与えずにすむ。しかし、船団の航海に大量のエネルギを使うようではその成立性は望むべくもない。低速ではあっても風力や海流による移動が必須となる。ソーラセル筏を構成する厖大な数の筏ユニット(例えば全体サイズが5km×5kmの場合、平面サイズ100m×100mのユニットが2500個)の集合体が、気象衛星情報などに基づきコンピュータ解析した長期航海計画にしたがって低緯度海域を回遊する。
得られた電気エネルギの海上輸送は大きな課題である。海水の電気分解を使って変換した水素エネルギをタンカで輸送する方法がまず考えられる。一方、電気エネルギのままでの蓄電池輸送が可能であれば、エネルギ変換ロスを大幅に減らすことができる。ここでは、蓄電池の急速な技術進歩により開発される高エネルギ密度新型蓄電池が近い将来に利用可能になると想定し、バッテリタンカによる電力輸送の可能性を追求する。一方、水素あるいはその化合物による輸送も視野の中に入れる。
各筏ユニットは、撓み性のソーラセルで覆われた帆とそれを支える軽量フロートから構成され、帆は受光効率と帆走効率を考えて可能な範囲で角度制御される構造とする。個々の筏ユニットはワイヤ・圧力チューブ・電気ケーブル類で結ばれて集合体を形成し、一体となって発電しながら晴天海域を移動していく。このとき、複数の母船(例えば、4隻程度)は、筏ユニットの周辺を筏ユニットの航行に合わせて移動する。
母港から操業海域の往復航海では膨大な数の筏ユニットはコンパクトに折り畳まれて運搬・曳航され、発電海域に到着後に海上広く展開できる構造とする。また母船は、筏ユニットの発電・帆走制御、維持補修、発電電力の一時貯蔵とバッテリタンカへの受渡しなど筏船団全体の運転機能を担う。
自然エネルギを基幹エネルギとして利用できる本システムの本格的な実用化が図れれば、我国の本格的低炭素化が実現可能となるばかりでなく、人類全体のエネルギ利用形態に抜本的変化を引き起こす先駆けとなる。すなわち、化石燃料への依存が低下し、太陽エネルギにより人類文明を支える持続可能な社会の実現に近付ける。実際、我が国のみならず世界の多くの国々が多数の筏船団を浮かべて基幹エネルギを賄えるほど、日射エネルギの豊富な低緯度海域は広大であることは後ほど述べる通りである。広大な面積の低緯度海域において密度の薄い自然エネルギを集中的に集められるこの構想は、従来の自然エネルギ利用の制約をうち破り、エネルギの主役と成りうるものである。
これを実現するためには単に技術的経済的な開発努力だけでは不十分であり、国連のような場における国際的な合意形成と理解促進のための活動も不可欠である。そのためには、早い段階から単に国内だけでなく海外のグループも巻き込んだ開発プログラムに拡大していく必要がある。このように本構想の目的とスケールは全地球的であり、その基本的見通しが得られた段階からは国家プロジェクトあるは国際プロジェクトとして推進すべきことは明白である。
ここで、高エネルギ密度蓄電池について検証する。
発電した大量の電力を海上輸送する手段として、エネルギ変換ロスを避けるために、バッテリを満載した専用船により電気エネルギのままでピストン輸送することを考える。
バッテリの最先端技術は今後とも電気自動車とともに発展すると考えられ、電気自動車用バッテリを使った電力輸送システムの可能性が高いと思われる。そのため自動車用バッテリを数十個単位まとめたパッケージを大量に輸送できるタンカとしてその使用を終えた巨大タンカを利用する。バッテリはパッケージ単位で充電スタンドへ運ばれ、自動車1台ごとに使用済みバッテリと丸ごと交換されるシステムが採用されることを想定している。現状ではバッテリの最大エネルギ密度はリチウムイオン電池で0.1〜0.2kWh/kg程度である。
NEDOのロードマップによれば、20年ほど先には新型電池(例えば亜鉛空気電池など)の開発により、0.7kWh/kgまでエネルギ密度を向上させることを目標としている。電気自動車は1kWh当たりほぼ10km走行でき、連続走行距離500kmで50kWhの電力が必要となる。
この将来型バッテリが実現すればバッテリ質量は1個当たり50kWh÷0.7kWh/kg≒70kg/個で済むことになる。このエネルギ密度のバッテリを使って、究極的に5km×5kmのソーラセル巨大筏船団の発電電力を輸送する場合を考える。
1日の発電量は8kWh/m×0.12×25×10=24×10kWh/dayである。これを50kWh/個で割ると、24×10kWh/day÷50kWh/個=4.8×10個/dayつまり1日当たり48万個で、そのバッテリ質量は70kg/個×4.8×10個/day≒3.4×10kg/day→34,000t/dayとなる。
現在運航している最大級の石油タンカ(VLCC)は例えば30〜50万tの積載質量があるため、同じクラスタンカをバッテリタンカに利用すれば、それ1隻で5km四方の巨大筏船団が実用化した場合でも、その10日〜2週間程度の発電電力が運べることになる。
現在、VLCCはペルシャ湾と日本の往復を荷役も含め、約40日で1往復し、30万トンクラスで4000kLの重油を消費する。
これを参考に、バッテリタンカの航海用エネルギも同程度と考え、4000kLの重油を二次(電気)エネルギ換算(換算率を35%と仮定)すると、重油の発熱量を例えば1×10kcal/kLとして、4000kL×1×10kcal/kL×1.163×10−3kwh/kcal×0.35=16.3×10kwhとなる。これは、タンカ一隻で運ぶ10日分の電力エネルギ24×10kWh/day×10day=240×10kWhの6%程度に当たることになる。
またバッテリタンカの場合、10日〜2週間程度は母船に横付けして直接充電することも考えられるため荷役時間が長くなる可能性があり、5km四方のソーラセル筏船団に対し、これからの詳細検討が必要だが、複数隻のタンカが必要になる。また、これに必要なバッテリ数量は膨大となるため、自動車用より大型の電力輸送専用の高エネルギ密度バッテリも併用する必要があると考えられる。
次に、革新的な筏浮体構造の開発について説明する。
発電を担うソーラセル筏については1ユニットの平面サイズを例えば100m×100mとした場合、2500ユニット程度必要である。これだけ大規模な筏船団がスクリュを回転させて動力航行するには、大量のエネルギが必要なことは、前述したバッテリタンカの航行エネルギからも類推でき、低速ではあっても風力や海流による移動が必須となる。各筏ユニットは、撓み性のソーラセルで覆われた帆・帆柱とそれを支えるフロートから構成され、帆は受光効率と帆走効率を考えて角度制御される。しかし角度を大きくすれば隣接ユニットへの影により受光効率が低下することや筏の構造・強度面の限界からも、それほど大きくない範囲での角度調整となると思われる。
従来の鋼鉄やコンクリートからなる剛性浮体は経済面から現実的でなく、新材料を活用した軽量で折り畳み可能な革新的な浮体構造を創出する必要がある。各ユニットのフロートは波浪による揺動を減らすために半潜水式浮体が採用され、その上に立つ帆柱にソーラセル帆布が取り付けられる。フロートの浮力や帆布の角度は圧縮空気圧により制御されることになろう。母港から操業海域の往復航海では膨大な数の筏ユニットはコンパクトに折り畳まれて曳航され、発電海域に到着後に海上広く展開できる構造とする。主に天候の良好な海域を航行するとしても、海象・気象条件に対応してこれまで検討されてこなかった先駆的アイデアが必要とされることは間違いない。また、フロートの耐久性や劣化防止は大きな課題と考えられ、特に海生生物付着による機能低下防止策は大きな課題となると予想される。
<第2前提技術>
次に、本発明の前提となる「低経緯太平洋ソーラセル帆走筏発電システムの成立性」(2013年9月)を参照して、第2の前提技術である太陽光ソーラセル帆走筏発電システムについて説明する。
図1に示す斜視図を参照して、洋上発電装置における保守点検ユニットについて説明する。
洋上発電装置としては、ソーラ発電や風力発電などがあるが、ここでは筏ソーラ発電装置の一例を示す。
ソーラ発電装置は、図1に示すように、例えば25m×25mの正方形の筏に帆布状のソーラ発電シートを敷設したものを1単位として、1辺に200個接続し、全体で5000m(5km)敷設し、全面で200×200(40000枚)の筏を配列したものを洋上で航行して発電させるものである。
次に、図2に示す地図を参照して、太平洋上の晴天域について説明する。
太平洋上の晴天域としては、図2に示すように、北太平洋では4月から8月に、また南太平洋では10月から2月にかけて日射が強い。赤道を挟む低緯度太平洋エリアでは全体的に年間の日射量は大きいが、赤道直下より南北に少し離れた海域で極大になっている。この帯状の日射極大域は、亜熱帯高気圧の圏内にあるため生ずる。
このように、前述のエリアは筏ソーラ発電装置を走行させるに相応しい場所である。
筏ソーラ発電装置が航行する場所は、図2に示すように、赤道を挟むほぼ北緯25度から南緯25度、東経170度から西経120度の範囲である。この範囲は、大きな島が少なく、また熱帯性低気圧の発生も少なく、ソーラ発電に適切なエリアである。
筏ソーラ発電装置は、このエリアを10km/時〜20km/時(ほぼ自転車程度の速度)で、航行するものである。低速であっても航行させるのは、筏下面の海中生物に影響を及ぼさないためである。
次に、太平洋低緯度帯での気象・海象条件について説明する。
太平洋低緯度帯での気象・海象条件は実際どの程度この太陽光発電システムに適しているかを知るために、現時点で得られる情報に基づいて概略調査した結果を以下に述べる。
ここで、日射条件について説明する。
新太陽エネルギハンドブックの全地球日射エネルギ分布よれば、太平洋の赤道を挟む北緯・南緯25度以内の海域では最大年平均日射エネルギは5kWh程度とされている。ここでは、NASAが1983年7月から2005年6月までの衛星情報を用いて算出した水平面全天日射量データを利用した。NASAの原データでは、北緯90度〜南緯90度、西経0度〜東経180度までの1度メッシュの全球データが、連続で1ファイル(5MB)に格納されている。この膨大な原データから我々が必要とする太平洋南北低緯度海域を抽出するためにはデータの並び替えなど膨大な作業が必要であり、計算プログラムを作成し自動抽出を行った。
このようにして得られた太平洋中央部の北緯30度〜南緯30度、東経130度〜西経90度までの水平面全天の1日当たりの年平均日射量は、西は日本列島の直ぐ南からオーストラリア大陸南部まで東はハワイ諸島の遥か東のカリフォルニア半島からペルー沖太平洋を含む海域において、6.0kWh/m/day以上の海域は帯状に広く拡がっており、特に南米寄りの赤道から南緯15°の海域では6.5〜7.0kWh/m/dayに達する広大な海域が存在する。これは1年間の平均値であるが、NASAの原データから取得可能な月別平均値の12カ月間での変動係数は、北緯・南緯10°以内での10%以下から、北緯・南緯30°付近での30%程度までほぼ連続的に変化している。このような季節変動を考え晴天海域を移動することにより、最大値は平均値より大幅に伸びることは確実である。
上記の強日射海域には、当地諸国の排他的経済水域(EEZ)と重なる部分がある。間断なく降り注ぐ太陽エネルギは、収奪により失われる漁業・海底地下資源とは明らかに性質が異なり、EEZの規制対象にすべきではない。
しかし仮にEEZで規制されることになったとしても、太平洋東部を中心に年平均6.0−7.0kWh/日のエネルギが降り注ぐオーストラリア大陸を凌ぐ莫大な面積の公海が存在することが分かる。勿論、筏の移動速度や晴天域の移動速度を考慮した現場海域での実証試験は必要であるが、筏船団が可動性を生かして8.0kWh/day以上の日射エネルギを得ることは十分可能と思われる。
次に、図3(a)に示す上面図を参照して、筏構造の敷設例について説明する。
ソーラセル筏101の敷設例としては、図3(a)に示すように、1単位を例えば100m×100mとしている。
図3(a)は、例えば1辺5kmの正方形構造を示している。その最小ユニットは例えば25m×25mで構成されている。その最小ユニットを四方に設置された簡易脱着可能なジョイント部104(図3(b))で固定されている。
ソーラセル筏101(海上基地ユニット)は、複数の太陽光パネルのうち隣り合う太陽光パネルを着脱可能に連結するジョイント部104を有し、異常状態にある太陽光パネルからジョイント部104を離脱することで、連結状態から離脱してメンテナンスが可能になる。
ソーラセル筏101には、複数の浮体を組み合わせて構成されており、浮体同士を互いに結合するための形状として、正方形状、矩形形状、正三角形状、正5角形状、正6角形状の何れか1つであればよい。
ソーラセル筏101の筏船団構造について説明する。
(1)ソーラセル筏101の構造
ソーラセル筏101の面積は、例えば5km×5km=25km=2,500haである。これは、100m×100m=10,000m=1haのユニットを基本単位とし、これを2,500枚連結することにより構成される。
ソーラセル筏101は、構造材料を使って現実的なオーダとして25m×25mのユニットを基本単位とし、これを例えば16枚連結して100m×100mのユニットを作成する。この場合の1つの帆(ソーラパネル)102の大きさは10.5m×10.5mになる。
筏は骨組み構造とし、潜水式のフロートに支えられる構造とする。ユニット同士はジョイント部104を介在して連結することにより、フレキシブルな動きを可能にする。25m×25mのユニットの中に4枚の帆(10.5m×10.5m)を張る。帆の下は海水面であるので、落下防止用の網を張る。25m×25mのユニットの外周には、例えば1.5mの点検修理用の歩廊を設置する。骨組み部材の幅を1mとすると、この上を補修用移動台車が走行できる。ただし落下防止用の手摺りを設置する。
更に、ソーラセル筏101には1000m間隔で緩衝帯兼点検用通路103が設ける。
帆の面積に対しそれを支える構造材や点検補修用の面積が大きくなるのはやむを得ないところであるが、構造材の進歩により帆の面積の割合を増やすことは可能である。現状の面積割合は(10.5×10.5×4)÷(25×25)=70%となる。
試設計とモデルの作成において、試設計の段階では25m×25mのユニットを4枚作り連結することを考える。基本単位ができれば、あとはこれを多数連結すれば大ユニットが作成できる。
(2)筏の基本ユニット
前述のように25m×25mのユニットを考え、図7(a)(b)に示すような構造を考える。
材質は骨組み構造・フロートとも、まずスチールを考える。材質の研究を経て将来は樹脂系の構造材やゴム製のフロートも考え、軽量化と製作費の低減を図っていく。
梁材の端部に例えば4面に3か所、計12カ所にジョイント部104を設置して、これを連結させることにより、100m×100mの筏を作り、100m×100mの筏を連結して5km×5kmの筏に組み立てていく。図3(b)に示すように、ジョイント部104の構造は例えば電車の連結部と同様の構造であればよい。
次に、図4に示す上面図を参照して、他の筏構造の敷設例について説明する。
他の筏構造の敷設例としては、図4に示すように、1辺を例えば2km×12.5kmとしている。その最小ユニットは、図3と同様の25m×25mで構成されている。
このように、筏には、多数のソーラパネルを敷設しているので、1単位のパネルの発電量低下は全体の効率低下になるため、その発電量を維持するためのメンテナンスが必要になる。発電量低下は、例えば洋上で航行するため、海水がソーラ面に付着し乾燥することにより生成される塩によるもの、或いはソーラパネル本体の自然劣化によるものなど様々な要因により発生する。
ソーラパネルの発電量低下は、ソーラパネル1単位毎に設置されている監視機器(図示しない)で常時監視されている。
監視機器がこの信号を受信した場合は、随所に設置されている帆柱設置ユニット110から補修用移動台車を発進させ、発電量が低下している筏単体に向かい、清掃またはパネルシートの交換などを行うものである。
次に、図5に示す平面構造図を参照して、帆柱設置ユニットの構造について説明する。なお、図15に示す数値は一例として記載したものであり、他の値を採用してもよい。
帆柱設置ユニット110の平面構造の例として、図5に示すように、積載構造物、物品、設備等が備えられている。
帆柱設置ユニットに積載する物品、設備の詳細について説明する。
帆柱設置ユニット110は、帆柱111がユニットの中央位置に配置されは、ソーラセルを移動させると共に、分担範囲のソーラセルの維持管理と、発生させた電気をバッテリに蓄え母船に輸送する。更に夜間安全のために帆柱先端に照明装置を設置する。
帆柱設置ユニット110は、ソーラセル2,000m×12,500mの延長方向両側に200m間隔で例えば126台設置する。
ユニットの大きさは、平面で25m×25mとする。帆柱111の高さは20m、帆を張って自走すると共に、先端には夜間安全用の照明器具を付ける。
帆柱設置ユニット110上には、補修機材を保存するための資材置場112、補修用移動台車113、蓄電池114、インバータ115、休憩・操縦スペース(図示しない)を設ける。
帆柱設置ユニット110には、自走用スクリュを設置して、風が無くても自走可能な構造とする。
蓄電池114a、114bには、200m×1,000mのソーラセルから供給される80%の電力を蓄え、運搬船で日本に輸送する。
蓄電池114c、114dには、200m×1,000mのソーラセルから供給される20%の電力を交互に蓄え、ユニットの運用に使用する。
蓄電池114a〜114dとインバータ115との総重量は2,280tになる。
ここで、図5に示す帆柱設置ユニットに搭載される蓄電池について詳しく説明する。
5km×5kmのソーラセルで起こした電気を電池に蓄電し、10日分を運搬船で日本に運ぶという考えで研究を進めてきた。
蓄電池の配置として、200m×1,000mの範囲に1カ所蓄電池を設置するという分散型の蓄電池配置を考えて、蓄電池の台数,重量,容積を試算する。
蓄電池は当初NAS電池を有力候補と考えてきたが、現在のNAS電池では、日本に運ぶ場合、保温のために電気を使うと7.5日で蓄えた電気を全部使ってしまうということが分かった。ここでは、NEDOの開発目標0.7kWh/kgの蓄電池が開発されることを前提に将来想定の電池での蓄電と輸送を考える。
試算の前提条件(図5、参照)として、例えば200m×1,000mの範囲のソーラセルで起こした電気は帆柱設置ユニットの電池(蓄電池114a〜114d)に充電する。蓄電池114a、114bは日本への電力輸送用、蓄電池114c、114dは帆柱設置ユニットの運用に使用する。蓄電池114a、114bはそれぞれ5日分、両方で10日分を蓄電する。
蓄電池114a、114bの容量はそれぞれ、200m×1,000mの範囲のソーラセルで起こす電気の1日分の80%をそれぞれ5日分蓄電する。蓄電池114c、114dは交互に残りの20%を充電する容量とする(必要電力量は未計算)。蓄電池114a、114bに充電した電気は10日ごとに運搬船で日本に運ぶ。交互に新しい電池に入れ替えるのと、積み替えの重量を軽くするため2つに分けている。
次に、電池の容量の試算について説明する。
例えば分担面積は200m×1,000m=200,000m、発生電力は8kWh/m×0.12×200,000m=192,000kWh、1日分の電池の台数は192,000kWh÷50kWh=3,840台、1日分の電池の重量は70kg/台×3,840台=269t、1日分の電池の容積は0.7m/t×269t=188m、蓄電池114aの台数は3,840台×0.8×5日=15,360台、蓄電池114aの重量は269t×0.8×5日=1,076tとなる。
蓄電池114aの容積は188m×0.8×5日=752m、この容積を立方体に換算すると√752=9.1m→10×10×8mとなる。
蓄電池114cの台数は3,840台×0.2=768台、蓄電池114cの重量は1,076t×0.2=54t、蓄電池114cの容積は188m×0.2=38mとなる。この容積を立方体に換算すると、√38=3.4m、5×5×1.5mまたは5×4×2mとなる。
次に、インバータ115の容量の試算について説明する。
分担面積は200m×1,000m=200,000m、発生電力は8kWh/m×0.12×200,000m÷8h=24,000kW、インバータ115の台数は24,000kW÷1,000kW=24台、インバータ115の重量は2.5t/台×24台=60tとなる。
なお、帆柱設置ユニットは図4、図5に示す構造を備えているが、この帆柱設置ユニットを例えば図3または図4に示すソーラパネルを敷設した筏ユニットの外周部に多数配置し、各単体ユニットから発信される異常信号を受信した場合、当該単体ユニットに向かい、点検、部品交換などの作業を行い、元の保管位置に引き返し、次回の準備を終えて一連の作業を終了する。
この場合、最も短時間に信号を発信した単体ユニットに到着することが必要条件である。
次に、図6に示す側面図を参照して、帆柱設置ユニット110の構造について説明する。
補修用移動台車113は、ソーラパネルの異常信号を発信しているユニットまで必要な機材などを積載して筏上に設けられた通路上を移動するための補修用移動台車である。補修用移動台車113の動力は主に電気モータを用いている。図6のように、ソーラパネルのユニットとユニットの間には、補修用移動台車が走行可能な通路を備えている。
帆柱設置ユニット110には、自走用のスクリュ116を設置して、風が無くても自走可能な構造とする。
図6では、走行用のスクリュ116を記載しているが、帆111を立てて航行することも可能である。
また、波の影響を極力抑えるため、(ヨットに使用されている)センタボードを複数設けること、あるいは走行安定用のスタビライザを張り出すことも可能である。センタボードおよびスタビライザは図示していない。
積載している備品の補助説明を以下に述べる。
補修用機材として、ここには、交換用ソーラセル、付着した塩などを清掃する用具、修理用工具類、などを格納している。
バッテリとしては、ソーラセルで発電した電気を貯蔵し日本に送るためのバッテリと、本帆柱設置ユニット110を走行するための動力用のバッテリの2つを搭載する。
休憩・操縦スペースとして、本帆柱設置ユニット110を操縦する機能を有する。
その他、長時間の作業に備えて休憩、寝具、厨房機器、トイレなど生活備品を備えている。
次に、図7(a)に示す筏101aの上面構造図、図7(b)(c)に示す筏101aと補修用移動台車113の側面断面図を参照して、補修用移動台車113の側面構造について説明する。
図7(a)において、筏101aには、ソーラパネル102と、ソーラパネル列と当該ソーラパネル列に隣り合うソーラパネル列との間の通路121と、フロート122とを備えている。
一方、補修用移動台車113は、通路上を走行するタイヤ125、補修用移動台車113が筏上で静止した状態を維持するための台車アウトリガ126が設けられている。台車アウトリガ126は、補修用移動台車113が筏上を走行している際には補修用移動台車内に折りたたまれた状態で収納されている。
補修用移動台車113上には、資材を移動するためのクレーン120が設けられている。
補修用移動台車113は、筏101a上に設けられたソーラパネル102上を跨いで走行し、警報信号を発信した異常状態にあるソーラパネル上で保守点検作業を行うためにある。
補修用移動台車113は、ソーラパネルの保守点検がない正常状態にある場合、帆柱設置ユニット110上又はソーラセル筏101の外周部に配置されている。
次に、図8に示す模式図を参照して、蓄電と搬送方法について説明する。
ソーラセル筏101において、200m×1,000mの範囲の電力を10日分蓄電すると、将来想定の蓄電池でも1日分で269t、10日分では2,690tになる。前節の試算では帆柱設置ユニットで発電量の20%を使用することを考えているので、帆柱設置ユニット上の電池1〜4の重量は2,260tになっている。これにインバータ115の重量を加えると合計で2,320tになる。
この試算結果から考えると、5km×5kmの範囲の電気を1カ所で集めることは難しく、分散型の電池の配置を前提に考える。
1例として、2km×12.5kmの蛇型の筏構造(図4)を考えてみた。これなら、帆柱設置ユニットに蓄電したものを側面から運搬船に移動できそうである。上下の四角が帆柱設置ユニットであり、延長方向に126台設置する。台船上の電池に着色して区分した200m×1,000mの範囲の電気を蓄電し、ここから運搬船に電池を移して、日本に運ぶ。
図9(a)に示すように、6船団により10日で放電、20日移動航海、10日で充電、20日で移動航海というサイクルを考える。なおこれからの検討によるが、バッテリごと積み替えることができれば、充電・放電時間はかなり短縮される可能性がある。
なお、電気エネルギを専門に回収するバッテリタンカを利用してもよい。
図9(b)に示すように、洋上のソーラセルの発電電力ピークは設備稼働率を日本国並み(14〜15%)と仮定すると、100万kW/0.14=約700万kWとする必要がある。
<実施形態>
次に、本発明の一実施形態に係る保守点検システムについて説明する。
まず、図10に示すブロック図を参照して、セルユニット及び帆柱設置ユニットのハードウエア構成について説明する。
まず、セルユニット130の構成について説明する。
セルユニット130は、複数のソーラセル131の集合体で構成されている。セルユニット毎に、ソーラセルと配線ケーブルで結ばれた接続箱132が設けられ、接続箱132にはコンバータ、マイコン(コンピュータ)、モデムが設けられている。
各ソーラセル131には、発電量、温度などの基本情報を測定、送信する機能を有する。
接続箱132には、1セットのデータ収集に用いるマイコン(コンピュータ)が設けられ、各セル(10.5m×10.5m)に接続されている配線ケーブル毎に電圧計及び電流計を接続しておく。
各マイコンに設けられたメモリには、当該接続箱132の固有のIDが記憶されており、各ソーラセルとの間に接続されている配線ケーブルの番号(No)から不良のソーラセルの番号を確認できるように構成されている。
なお、本実施形態では、当該接続箱132の固有のIDに各ソーラセルとの間に接続されている配線ケーブルの番号を加えた情報をソーラセルのID(太陽光パネルのID情報)と呼ぶこととする。
接続箱の近辺の代表点(200m×200mに一個程度)を選び、照度計、温度計、風向・風力計、GPS(位置情報)、水温計、日射計等のセンサ133を設置しておき、センサ133から出力されるセンサ情報を上記マイコンで収集するように構成されている。
接続箱132に設けられたコンバータは、各セルから夫々に供給される直流電力を高圧(例えば1000V)の直流電力に変換し、送電線134に出力する。
なお、各セルから夫々に供給される直流電力を直列接続することにより高圧(例えば1000V)の直流電力とし、送電線134に出力するように構成してもよい。
接続箱132に設けられたモデムは、送電線134を介して帆柱設置ユニット135の接続箱136に設けられたモデムとの間で電力線通信PLC方式の通信を行う。なお、セルユニット130と帆柱設置ユニット135との間の通信に無線通信を用いてもよい。
なお、送電線134には、電力搬送の損失を低減するため38mmの2芯の電力ケーブルを2条用いるのが好ましい。さらに、送電線134には、60mmの2芯の電力ケーブルを2条用いるのがより好ましい。
次に、帆柱設置ユニット135の構成について説明する。
帆柱設置ユニット135は、セルユニット130の保守点検を行う目的で洋上の筏101の列毎に配置されており、ソーラセルの保守点検に用いる資材を常時配備されている。また、帆柱設置ユニット135には、保守点検船の停泊位置が設けられている。
セルユニット130から送信された各情報は、送電線134を介して帆柱設置ユニット135の接続箱136に設けられたモデムに受信され、更にコンピュータ137に出力される。
コンピュータ137は、各セルユニット130からの情報を収集し、無線機140を介して各情報を海上基地ユニット150に送信するとともに、各情報を必要に応じて操作表示パネル139などに表示させる。
海上基地ユニット150は、例えば筏101の周囲を走行する複数の母船のうちの一艘に配置されていればよい。
接続箱136に設けられたコンバータは、各セルユニット130から電送線134を介して夫々に供給される高圧の直流電力を低圧の直流電力に変換し、配線ケーブルから各蓄電池141に供給して充電する。
無線機140は、コンピュータ137に接続されており、海上基地ユニット150側の無線機154と相互に無線通信を行うことで情報を通信する。
その他、帆柱設置ユニット150は、船体の4隅などの数箇所にGPS受信装置を備えている。
図11に示すブロック図を参照して、筏101と複数の帆柱設置ユニットの特徴的な関係について説明する。
上述したソーラセル131は、筏101上にマトリクス状(格子)に配列されており、個々のソーラセル131の位置座標をS(x,y)として表現する。帆柱設置ユニット135は例えば、ソーラセルの2列分の範囲を受け持つこととする。帆柱設置ユニット135において収集された情報は無線機140を介して海上基地ユニット150(図示しない)に送信される。
図12に示すブロック図を参照して、海上基地ユニット150に搭載された特徴的なハードウエア構成について説明する。
海上基地ユニット150は、セルユニットの運用・管理を行う目的で洋上の母船の一つに配置されており、ソーラセルの保守・点検に用いる資材や、運用・管理を行う人員が常時配備されている。また、海上基地ユニット150には、保守点検船160の停泊位置が設けられている。
帆柱設置ユニット135から送信された各情報は、無線通信を介して無線機154に受信されコンピュータ151に出力される。
コンピュータ151は、帆柱設置ユニット135からの情報を収集し、各情報を履歴情報としてデータベース153に記憶しておき、必要に応じて操作表示パネル152などに表示させる。
また、コンピュータ151は、筏101の運行プランに基づいて運行航路を算出する。コンピュータ151は、GPS受信装置よりのGPS位置情報を収集・処理を行い筏101の航行制御を行う。コンピュータ151は、時間平均照射量、風向、風力計、セルの角度、船の向きなどのデータより風による走力を計算し、航路を維持し、パネルを太陽の方向に向くように制御をする。このため、海上基地ユニット150は制御可能な稼働帆や、小型モータ駆動のスクリュなどを備えている。コンピュータ151は、天候の予測(天気予報)のために気象衛星のデータ・情報の取得をする。
なお、コンピュータ151は、内部にROM、RAM及びCPUを有し、ROMからオペレーティングシステムOSを読み出してRAM上に展開してOSを起動し、OS管理下において、ROMからプログラムを読み出し、データ処理、制御処理等を実行する。
無線機154は、コンピュータ151に接続されており、帆柱設置ユニット135側の無線機140と相互に無線通信を行うことで情報を通信する。
その他、海上基地ユニット150は、筏101の4隅などの数箇所に備えたGPS受信装置から無線通信によりGPS情報を受信してコンピュータに位置情報を管理させている。
図13に示すブロック図を参照して、保守点検船160に搭載された特徴的なハードウエア構成について説明する。
コンピュータ161は、海上基地ユニット150からの情報を操作表示パネル152などに表示させる。
コンピュータ161は、内部にROM、RAM及びCPUを有し、ROMからオペレーティングシステムOSを読み出してRAM上に展開してOSを起動し、OS管理下において、ROMからプログラムを読み出し、データ処理、制御処理等を実行する。
コンピュータ151は、GPS受信機163からのGPS位置情報を収集・処理を行い当該保守点検船の緯度経度位置情報を算出し、無線機164を介してこの緯度経度位置情報を海上基地ユニット150に送信する。
無線機164は、コンピュータ161に接続されており、海上基地ユニット150側の無線機154と相互に無線通信を行うことで情報を通信する。
無線機164を介して海上基地ユニット135から、異常状態にあると判断された特定の太陽光パネルへのアクセス可能位置、アクセス可能位置の緯度経度位置情報、当該アクセス可能位置から当該特定の太陽光パネルの行列位置に至る通路についての経路情報を受信し、コンピュータ161から操作表示パネル152に表示させる。
図14に示すシーケンス図を参照して、保守点検システムにおける概略的な動作について説明する。
ソーラセル131は、配線ケーブルを介して電力を接続箱132に供給しているので、セルユニット131に設けられた接続箱132では、電圧信号、電流信号を監視することができる。
筏101に配列されているある1つのソーラセル131に何らかの理由で、電圧低下か、或いは電流低下に起因した電力低下が発生したこととする。セルユニット131に設けられた接続箱132では、電圧値に電流値を乗算した電力値が一定値以下に降下するか否かを判断する。電力値が一定値以下に降下した場合、異常信号を生成する。さらに、送電線134を介して異常信号、電圧値、電流値、電力値、ソーラセルのIDを帆柱設置ユニット135に送信する。
帆柱設置ユニット135では、接続箱132から異常信号、電圧値、電流値、電力値、ソーラセルのIDを受信する。次いで、無線機140を介してこれらの情報を海上基地ユニット150に送信する。
次に、海上基地ユニット150は、無線機154を介して帆柱設置ユニット135から受信した異常信号、電圧値、電流値、電力値、ソーラセルのIDを履歴情報DB153aに記憶する。
次に、海上基地ユニット150は、異常信号、行列位置、ソーラセルのIDを無線通信により保守点検船160に送信する。
保守点検船160は、通常、洋上に待機しており、海上基地ユニット150から異常信号、行列位置、ソーラセルのIDを受信した場合には、筏101上のアクセス可能位置を問合せるためのアクセス可能位置問合せ情報に当該保守点検船160の現在位置を付加して保守点検船160に送信する。
海上基地ユニット150では、保守点検船160から受信したアクセス位置問合せ情報に付加された現在位置に基づいて、最適な筏101上のアクセス可能位置を算出する。さらに当該アクセス可能位置から当該特定のソーラセルの行列位置に至る通路についての経路情報を算出し、アクセス可能位置情報と経路情報を保守点検船160に送信する。
保守点検船160は、海上基地ユニット150からアクセス可能位置情報及び経路情報を受信し、アクセス可能位置を目的地に設定して洋上を走行する。
筏101上のアクセス可能位置に保守点検船160が到着する。筏101上のアクセス可能位置に帆柱設置ユニット135がある場合には、帆柱設置ユニット135上に配置されている補修用移動台車113に作業員が搭乗し、作業員が補修用移動台車113を操作して筏101上の行列位置まで経路上に補修用移動台車113を走行させる。
これにより、補修用移動台車113は、筏101上の異常状態にある当該ソーラセル131に到着することができる。
当該ソーラセル131を保守・点検を実施した後、作業員は保守情報を保守点検船160の無線機164から海上基地ユニット150に送信する。
海上基地ユニット150は、保守点検船160から受信した保守情報を履歴情報DB153aに記憶する。
図15に示す概略図を参照して、本実施形態における保守点検システムの特徴的な構成について説明する。
ソーラセル130は、海上に浮遊する筏(浮体)101上に配置され、太陽光エネルギを利用して発電された直流電力を出力する。図15に示すように、筏101上のソーラセル130の位置として行列位置を規定し、行列位置S(x,y)とする。また、ソーラセル130にはセル番号Nが割り付けられている。
筏101上には通路が配置されており、この通路上に補修用移動台車113のタイヤを乗せた場合に補修用移動台車113が通路上を走行可能となる。
ここで、補修用移動台車113のアクセス可能位置をPa、Pbとする。
複数のソーラセル130が筏の外周部に設けられた接続箱(図示しない)に夫々に接続されており、更に複数の接続箱は送電線を介して帆柱設置ユニット135に接続されている。
筏101の角部4地点には、複数のGPS衛星(図示しない)から送信されているGPS情報を受信するGPS受信機を夫々に配置され、GPS受信機により算出される夫々の緯度経度をP1〜P4とする。
保守点検船160は、何れかの帆柱設置ユニット135に寄港した際に、送電線134を介して接続箱132と接続され、接続箱から供給される直流電力を蓄電する蓄電池を有し、蓄電池からの直流電力を原動機に供給することで海上を走行することが可能になる。
保守点検船160の角部には、複数のGPS衛星(図示しない)から送信されているGPS情報を受信するGPS受信機が配置され、GPS受信機により算出される緯度経度をPvとする。
帆柱設置ユニット150上には補修用移動台車113が装備されている。
図16(a)(b)に示すフローチャートを参照して、保守点検システムにおける接続箱132の動作について説明する。
まず、図16(a)を参照して、異常管理テーブルの生成処理について説明する。
なお、図16(a)に示すフローチャートをプログラムとして記憶するマイコンは、1つのソーラセルにつき1つ設けることが好ましいが、複数のソーラセルに対して1つのマイコンを設けてもよい。
筏101に配列されているある1つのソーラセル131に何らかの理由で、電圧低下か、或いは電流低下が発生したこととする。
セルユニット131に設けられた夫々の接続箱132では、マイコンは、照度計の検出値を参照し、検出値が基準値よりも大きいか否かを判断する(S100)。照度計の検出値が基準値よりも大きい場合はソーラセルが発電中であることを示している。
なお、ステップS100では、照度計の検出値を用いて判断処理を行ったが、例えば、日射計の検出値を用いて判断処理を行ってもよい。
次いで、マイコンは、タイマから現在の時刻を読み出し、時刻が××時00分か否かを判断する(S101)。
現在の時刻が××時00分である場合にはステップS102に進む。マイコンに設けられたA/D変換器に電圧信号及び電流信号を入力し、これらのデジタル値を読み取り(S102)、電圧値×電流値=電力値を算出する(S103)。
ステップS103で算出された電力値が基準値よりも大きいか否かを判断することにより異常状態を判断する(S104)。
なお、ステップS104では、ステップS103で算出された電力値を用いて異常状態の判断処理を行ったが、例えば、ステップS103で算出された電力値に対して移動平均を算出した後の電力値の移動平均値について異常状態の判断処理を行ってもよく、この場合、激しい数値変動による誤判断を防止することができる。
マイコンは、電力値が異常状態にある場合に(S108、Y)、異常状態が発生した日時に異常フラグ(NG)を異常管理テーブル(図20参照)に記憶する(S105)。なお、図20に示す異常管理テーブルはRAM上に生成されており、ソーラセルが正常異常である場合にはフラグは無く、異常状態にある場合のみ異常フラグ(NG)が記憶されることとする。
次に、図16(b)を参照して、真に異常状態にあるソーラセルの判定処理について説明する。
マイコンは、処理対象となるソーラセルのセル番号NをN=1として初期化する(S110)。
異常管理テーブル(図20参照)からセル番号Nに対応する異常フラグの有無を読み出す(S111)。
太陽光の照射時間帯のうち最も照射量が多くなる数時間を基準時間とし、異常継続時間が基準時間を越えているか否かを判断する。すなわち、異常フラグ(NG)の個数が基準個数よりも大きいか否かを判断する(S112)。
一般的にソーラセルの発電電力の低下率は0.1〜1%の範囲であるが、突発的にソーラセルが破損した場合継続的に異常状態となる。そこで、異常継続日数が基準日数を越えているか否かを判断する。すなわち、少なくとも1つの異常フラグ(NG)がある日が基準日数を越えているか否かを判断する(S113)。
異常継続時間が基準時間を越えている場合(S112、Y)、或いは異常継続日数が基準日数を越えている場合(S113、Y)は、真に異常状態にあると判断し、そのセル番号Nを抽出する。
これにより、当該ソーラセル131が真に異常状態であると判断することができ、当該ソーラセル131が真に異常状態にある場合にのみ保守点検作業を促すことができる。このため、異常状態の誤検出に起因した作業員による保守点検作業への出動を回避することができる。
次いで、マイコンは、ROMから当該接続箱のIDを読み出し、異常情報に、電圧値、電流値、電力値、当該接続箱のID+セル番号NをソーラセルIDとして付加して一まとまりの情報とし、モデムから送電線134を介して帆柱設置ユニット135に送信する(S115)。
次いで、マイコンは、処理対象となるソーラセルのセル番号Nが当該接続箱に接続されているソーラセルの個数Nmaxに到達したか否かを判断する(S116)。
処理対象となるセル番号NがNmaxに到達していない場合はステップS117に進み、セル番号Nをインクリメントし、N=N+1とする(S117)。次いで、ステップS110に戻る。
一方、処理対象となるセル番号NがNmaxに到達した場合は、処理を終了する。
帆柱設置ユニット135では、送電線134からモデムを介して受信した異常情報、電圧値、電流値、電力値、ソーラセルIDを一まとまりの情報としてRAMに記憶し、さらに、無線機140を介してこれらの情報を海上基地ユニット150に転送する。
図17に示すフローチャートを参照して、保守点検システムにおける海上基地ユニット150の動作について説明する。
まず、海上基地ユニット150では、コンピュータ137は、異常情報、電圧値、電流値、電力値、ソーラセルIDを受信する(S120)。
次いで、コンピュータ151は、ソーラセルIDに対応させて異常情報、電圧値、電流値、電力値を履歴情報DB153aに記憶する(S122)。
ここで、履歴情報DB153aには、夫々のソーラセルIDに対応するソーラセルの行列位置情報S(x,y)が記憶されている。
次いで、コンピュータ151は、ソーラセルIDをキーとし、履歴情報DB153aからソーラセルの行列位置S(x,y)を検索する(S124)。
次いで、コンピュータ151は、無線機154を介して異常情報、行列位置S(x,y)を保守点検船160に送信する(S126)。
次いで、コンピュータ151は、保守点検船160から送信されるアクセス可能位置問合せ、現在位置Ph(緯度経度位置情報)を無線機154で受信する(S128)。
これにより、異常状態にあると判断された特定のソーラセル131のID情報に基づいて、データベースから当該ID情報に対応するソーラセル131の行列位置情報を検索するので、異常状態にあると判断された特定のソーラセル131の行列位置情報を求めることができる。更に、異常状態にあると判断された特定のソーラセル131の行列位置まで到達して保守点検作業を行うことができる。
次いで、コンピュータ151は、アクセス可能位置情報算出処理を実行するためのサブルーチンへ移行する。
図15に示すように、筏101の角部の4地点P1〜P4には、夫々に複数のGPS衛星からGPS情報を受信するためのGPS受信機(図示しない)と無線機(図示しない)が配置されている。海上基地ユニット150からの位置要求情報が無線機で受信されると、GPS受信機が自地点の緯度経度位置情報を算出し、無線機を介して緯度経度位置情報を海上基地ユニット150に返信するように構成されている。
まず、コンピュータ151は、無線機154を介して位置要求情報を筏101の角部の4地点P1〜P4に配置されている夫々の無線機に送信する(S140)。この無線機から位置要求情報を受け付けたGPS受信機は、夫々に複数のGPS衛星からGPS情報を受信し、各地点の現在の緯度経度位置を算出して無線機に出力する。無線機は緯度経度位置情報を海上基地ユニット150に返信する。
無線機154は、筏の角部4地点から現在の緯度経度位置を受信する(S142)。
次いで、コンピュータ151は、4地点P1〜P4の現在の緯度経度位置、不良ソーラセルの行列位置S(x,y)からアクセス可能位置Pa、Pbを算出する(S144)。
すなわち、筏101の外周であるP1−P2間及びP3−P4間には無人の帆柱設置ユニット150が配置されており、帆柱設置ユニット150上には補修用移動台車113が配置されている。図11には、地点P3の位置を示しており、仮にこの地点P3を行列位置P3(0,0)とし、地点P4を行列位置P4(xmax,1)、地点P1を行列位置P1(xmax,ymax)、地点P2を行列位置P2(1,ymax)とする。
不良ソーラセルの行列位置S(x,y)から夫々P1−P2間及びP3−P4間に下ろした垂線の位置をアクセス可能位置Pa、Pbとすると、アクセス可能位置Paに相当する行列位置はPa(x,1)となり、アクセス可能位置Pbに相当する行列位置はPb(x,ymax)となる。
そこで、2地点P3,P4の現在の緯度経度位置からアクセス可能位置Pa(x,1)の緯度経度位置を比例配分により求め、2地点P1,P2の現在の緯度経度位置からアクセス可能位置Pb(x,ymax)の緯度経度位置を比例配分により求める。
これにより、複数のGPS衛星から送信される情報に基づいて当該基地ユニットの緯度経度位置情報を算出し、特定のソーラセル131の行列位置情報、当該基地ユニットの緯度経度位置情報に基づいて、当該特定のソーラセル131へのアクセス可能位置についての緯度経度位置情報を算出するので、異常状態にあると判断された特定のソーラセル131へのアクセス可能位置についての緯度経度位置情報を求めることができる。
更に、異常状態にあると判断された特定のソーラセル131の行列位置まで到達して保守点検作業を行うことができる。
次いで、コンピュータ151は、保守点検船160の現在位置Ph(緯度経度位置)、アクセス可能位置Pa(x,1)、Pb(x,ymax)の緯度経度位置に基づいて、近い方のアクセス可能位置を選択する(S146)。
次いで、コンピュータ151は、異常状態にあると判断された特定のソーラセルの行列位置S(x,y)を保守点検中位置情報として保守点検中DB153bに記憶する(S148)。
次いで、コンピュータ151は、保守点検中DB153bから取得した保守点検中位置S(x,y)を含む狭エリアを回避エリアとしてRAM上に展開して設定する(S150)。
そこで、筏101上では、ソーラセルの保守点検中位置S(x,y)上に補修用移動台車113の車輪が存在しているので、この位置の通路を含んでいるエリア、すなわち、保守点検中位置に近接する位置S(x−1,y)、S(x,y−1)、S(x+1,y)、S(x,y+1)を回避エリアとし、RAMに設定する。図21では保守点検中位置S(x,y)を「○」、その位置の回避エリアを「×」で示している。
表1に保守点検中DB153bに記憶される項目及びデータを示す。
Figure 2015114709

次いで、コンピュータ151は、新たに異常状態にある特定のセルの行列位置情報が判断された場合に、アクセス可能位置から当該行列位置情報(図21に「◎」で示す)で示す位置に向かって、回避エリアを回避するように経路を探索し、探索結果の経路を表す経路情報を出力する(S152)。
ここで、アクセス可能位置から当該行列位置情報に至る最短経路上に回避エリアが存在する場合、回避エリアを通過しないように経路を探索する。また、回避エリアを通過しないようにして探索した結果である経路がクランク状経路になる場合は、クランク状経路になった列数分だけアクセス可能位置の列を移動するようにして補正することで、クランク状経路を削減してもよい。
このようにして補正されたアクセス可能位置から当該行列位置情報で示す位置に向かって、回避エリアを回避するように経路を探索し、探索結果の経路を表す経路情報を出力することで、最適なアクセス可能位置及び経路を求めることができる。
例えば、新たに異常状態にある特定のセルの行列位置をS(x,y)(図21に「◎」で示す)とすると、補修用移動台車113が通過可能な経路はS(x−5,y−1)S(x−4,y−1)S(x−3,y−1)S(x−2,y−1)S(x−1,y−1)S(x−1,y)となり、この経路170上に配置されている正常状態にあるソーラセル上を跨ぎながら補修用移動台車113が走行することができる。
次いで、コンピュータ151は、アクセス可能位置、経路情報をRAMに記憶する(S154)。次いで、メインルーチンに復帰する。
これにより、異常状態にあると判断された特定の太陽光パネルへのアクセス可能位置の緯度経度位置情報まで到達することができ、さらに、経路情報で示す経路を経由することにより異常状態にあると判断された特定のソーラセルの行列位置まで到達して保守点検作業を行うことができる。
図17(b)に示すサブルーチン(アクセス位置情報算出処理)から図17(a)に示すメインルーチンに復帰すると、コンピュータ151は、アクセス可能位置情報、経路情報を無線機154から保守点検船160に送信する(S132)。
これにより、異常状態にあると判断された特定のソーラセル131へのアクセス可能位置の緯度経度位置情報まで到達することができ、さらに、経路情報で示す経路を経由することにより異常状態にあると判断された特定のソーラセルの行列位置まで到達して保守点検作業を行うことができる。
次いで、コンピュータ151は、保守点検船160から送信される保守情報、行列位置を無線機154で受信する(S134)。
次いで、コンピュータ151は、行列位置で示す履歴情報に保守情報を加えて履歴情報DB153aに記憶させて更新する(S136)。
これにより、保守点検船160から受信した保守点検情報に付加された行列位置情報に基づいて、データベースに記憶された履歴情報を更新することで、異常状態にあると判断されたソーラセル131の保守点検後の履歴情報を更新することができる。
なお、海上基地ユニット150では、履歴情報DB153aに記憶されている履歴情報が更新される。履歴情報は表2に示すように、行列位置、ソーラセルIDにより構成されている。
表2に履歴情報DB153aに記憶される項目及びデータを示す。
Figure 2015114709
次いで、コンピュータ151は、保守情報、行列位置で示す保守点検中位置情報を保守点検中DB153bから削除し、RAM上に展開した当該行列位置に関連する回避エリアを削除する(S138)。
図18に示すフローチャートを参照して、保守点検船160の動作について説明する。
まず、保守点検船160において、コンピュータ161は、海上基地ユニット150から送信される異常情報、行列位置を無線機164で受信する(S160)。
次いで、コンピュータ161は、GPS衛星からGPS情報を受信し、現在の緯度経度位置を算出する(S162)。
次いで、コンピュータ161は、現在の緯度経度を現在位置とし、アクセス可能位置問合せ情報に現在位置を付加して無線機164から海上基地ユニット150に送信する(S164)。
次いで、コンピュータ161は、海上基地ユニット150から送信されるアクセス可能位置情報、経路情報を無線機164で受信する(S166)。
次いで、コンピュータ161は、アクセス可能位置情報を目的地点として設定し、当該帆柱設置ユニット150を操舵する(S168)。
これにより、保守点検船160に近いアクセス可能位置の緯度経度位置情報で示す位置に到達することができる。
保守点検船160が目的地点に到着した場合、作業員が目的地点に配置されている帆柱設置ユニット135に移動する。帆柱設置ユニット135に搭載されている補修用移動台車113を筏101の浮体上のソーラセル(アクセス可能位置)を挟むように通路上に移動する。さらに、補修用移動台車113を経路情報で示す通路上を走行させ目的となるソーラセルの行列位置まで走行させる。
なお、筏101の浮体上の全てのソーラセルには行列位置S(x,y)を含む情報を記憶したRFIDが配置され、一方、補修用移動台車113の下部においてソーラセルのRFIDと対向する位置にRFIDリーダ装置が配置されている。これにより、補修用移動台車113がソーラセル上に配置されているRFID上を通過するとRFIDからRFIDリーダ装置が行列位置S(x,y)を含む情報を読み取るので、この行列位置S(x,y)をコンピュータ(図示しない)のモニタ画面に表示すれば作業員は現在走行中の行列位置S(x,y)を目視確認することができる。
さて、保守点検が終了すると、補修用移動台車113を上記アクセス可能位置に戻し、補修用移動台車113を通路上から帆柱設置ユニット150上に戻す。作業員が帆柱設置ユニット135から保守点検船160に移動する。
次いで、作業員が操作表示パネル162への操作を開始する。
次いで、コンピュータ161は、操作表示パネル162に設けられた保守点検終了ボタンへの操作に基づいて、アクセス可能位置に到着後、保守点検を終了したか否かを判断する(S170)。
コンピュータ161は、キーボードから入力される保守情報を受け付ける(S172)。保守情報としては、ソーラセルの行列位置情報、交換されたジョイント部材の位置を示す保守済みジョイント位置等である。
コンピュータ161は、保守情報に行列位置、交換されたジョイント部材の位置を付加して海上基地ユニット150に無線機164で送信する(S174)。
なお、筏101は、正方形状、矩形形状、正三角形状、正5角形状、正6角形状の何れか1つの形状を有する基本浮体同士にジョイント部材を介在させて連結するように構成されている。ジョイント部材の交換を行った場合に、異常状態を発生したソーラセルの行列位置情報に、交換されたジョイント部材の保守済み位置情報を付加することとする。
図19に示すフローチャートを参照して、保守点検システムにおける海上基地ユニット150の動作について説明する。
海上基地ユニット150のコンピュータ137は、異常状態を発生したソーラセルの行列位置を履歴情報として履歴情報DB153aに記憶して管理する。
コンピュータ137は、履歴情報DB153aから異常状態を発生したソーラセルの行列位置を読み出し、該行列位置を2次元平面上にプロットしてモニタ(図示しない)に表示する表示制御部139a(図示しない)を有する。
まず、表示制御部139aは、履歴情報DB153aから異常状態を発生したソーラセルの各行列位置における異常状態の発生回数を計数する(S190)。
次いで、表示制御部139aは、行列位置情報、保守済みジョイント位置情報を2次元平面上にプロットしてモニタ(図示しない)に表示する(S192)。
これにより、異常状態にあると判断された特定のソーラセル131の行列位置情報を2次元平面上にプロットしてモニタに表示することができる。
また、異常状態にあると判断された特定のソーラセル131の行列位置及び当該ジョイント部材の保守済み位置をモニタに表示することができ、異常状態にあると判断されるソーラセル131の行列位置及び当該ジョイント部材の保守済み位置を容易に目視確認することができる。
なお、行列位置情報は整数値x、yからなるS(x,y)で表されるのに対して、保守済みジョイント位置情報は整数値に小数点以下の数を加えた値となる。
次いで、表示制御部139aは、発生回数が多くなるに従ってプロットされる画素点又は画素群の表示濃度を濃くするように変更して表示する(S194)。
これにより、各行列位置情報において異常状態にあると判断された回数が多くなるに従ってプロットされる画素点又は画素群の濃度を濃くすることができ、異常状態にあると判断される傾向性が高い行列位置を容易に目視確認することができる。
ところで、筏101の浮体は、基本単位となる基本浮体を複数結合することにより構成され、基本浮体の形状は、正方形状、矩形形状、正三角形状、正5角形状、正6角形状の何れか1つである。基本浮体の形状は、形状パターンとしてデータベースに予め記憶しておく。
次いで、表示制御部139aは、2次元平面上にプロットされた複数の画素点又は画素群がなす形状が、基本浮体の形状の一部に近似する近似状態であるか否かを判別する(S196)。
すなわち、2次元平面上にプロットされた複数の画素点又は画素群の夫々の位置座標をメモリ空間上にプロットし、プロットされた狭領域内の各点に対して最小二乗法により近似直線を求め、この処理を複数の狭領域で行うことで近似形状が求まる。
次いで、近似形状で示される形状パターンと、データベースから読み出した基本浮体の形状パターンの一部とパターンマッチング処理によって比較することで形状認識処理を行い、処理結果を相関度として求めておく。
次いで、求まった複数の相関度が基準値を越えているか否かを判断し、基準値を越えた相関度を有する複数の狭領域において、2次元平面上にプロットされた複数の画素点又は画素群がなす形状が、基本浮体の形状の一部に近似する近似状態であると判定する(S198)。
次いで、表示制御部139aは、近似状態であると判別された場合(S198,Y)に、警告メッセージを表示操作パネル152に表示する(S200)。
これにより、ソーラセルの保守点検時に取得した位置情報が記憶されている履歴情報により、筏101の浮体を構成する基本浮体に外力が加わった結果、基本浮体が異常状態にあることを目視確認することができ、早期の保守点検に役立たせることができる。
本実施形態によれば、水上に浮遊する浮体に配列された複数のソーラセル131(太陽光パネル)を有し、ソーラセル131の状態を入力する帆柱設置ユニット135(保守点検ユニット)と、帆柱設置ユニット135(保守点検ユニット)からの情報に基づいてソーラセル131の位置情報及び保守情報を管理する海上基地ユニット150と、水上を走行可能な保守点検船160と、を備えた保守点検システムであって、帆柱設置ユニット135(保守点検ユニット)は、個々のソーラセル131の状態を検知するセンサと、センサからの検知信号に基づいて、個々のソーラセル131が異常状態であるか否かを判断する異常判断手段と、異常状態にあると判断された特定のソーラセル131のID情報を海上基地ユニット150に送信する送信手段と、海上基地ユニット150は、異常状態にあると判断された特定のソーラセル131のID情報に基づいて、当該特定のソーラセル131の行列位置情報を算出する位置算出手段と、行列位置情報に基づいて、当該特定のソーラセル131へのアクセス可能位置についての緯度経度位置情報を算出するとともに、当該アクセス可能位置から当該特定のソーラセル131の行列位置に至る通路についての経路情報を算出するアクセス可能位置情報算出手段と、アクセス可能位置の緯度経度位置情報及び経路情報を保守点検船160に送信する送信手段と、を有する。
このように、異常状態にあると判断された特定のソーラセル131のID情報に基づいて、当該特定のソーラセル131の行列位置情報を算出し、行列位置情報に基づいて、当該特定のソーラセル131へのアクセス可能位置についての緯度経度位置情報を算出するとともに、当該アクセス可能位置から当該特定のソーラセル131の行列位置に至る通路についての経路情報を算出し、アクセス可能位置の緯度経度位置情報及び経路情報を保守点検船に送信する。
これにより、異常状態にあると判断された特定のソーラセル131へのアクセス可能位置の緯度経度位置情報まで到達することができ、さらに、経路情報で示す経路を経由することにより異常状態にあると判断された特定のソーラセルの行列位置まで到達して保守点検作業を行うことができる。
本実施形態によれば、帆柱設置ユニット135(保守点検ユニット)の異常判断手段は、ソーラセル131が異常状態になってから所定時間を越えて継続して異常状態にある場合に、当該ソーラセル131が真に異常状態であると判断するか、或いはソーラセル131が異常状態になってから所定日数を越えて継続して異常状態にある場合に、当該ソーラセル131が真に異常状態であると判断するか、或いはソーラセル131の異常状態が所定時間帯において所定日数を越えて継続している場合に、当該ソーラセル131が真に異常状態であると判断する。
これにより、当該ソーラセル131が真に異常状態であると判断することができ、当該ソーラセル131が真に異常状態にある場合にのみ保守点検作業を促すことができる。このため、異常状態の誤検出に起因した作業員による保守点検作業への出動を回避することができる。
本実施形態によれば、海上基地ユニット150は、ID情報に対応するソーラセル131の行列位置情報を記憶するデータベースを有し、位置算出手段では、異常状態にあると判断された特定のソーラセル131のID情報に基づいて、データベースから当該ID情報に対応するソーラセル131の行列位置情報を検索する。
これにより、異常状態にあると判断された特定のソーラセル131のID情報に基づいて、データベースから当該ID情報に対応するソーラセル131の行列位置情報を検索するので、異常状態にあると判断された特定のソーラセル131の行列位置情報を求めることができる。更に、異常状態にあると判断された特定のソーラセル131の行列位置まで到達して保守点検作業を行うことができる。
本実施形態によれば、海上基地ユニット150のアクセス可能位置情報算出手段は、複数のGPS衛星から送信される情報を受信するGPS衛星受信手段と、GPS衛星受信手段から取得された情報に基づいて当該海上基地ユニット150の緯度経度位置情報を算出する算出手段と、を有し、アクセス可能位置情報算出手段では、特定のソーラセル131の行列位置情報、当該海上基地ユニット150の緯度経度位置情報に基づいて、当該特定のソーラセル131へのアクセス可能位置についての緯度経度位置情報を算出する。
これにより、複数のGPS衛星から送信される情報に基づいて当該基地ユニットの緯度経度位置情報を算出し、特定のソーラセル131の行列位置情報、当該基地ユニットの緯度経度位置情報に基づいて、当該特定のソーラセル131へのアクセス可能位置についての緯度経度位置情報を算出するので、異常状態にあると判断された特定のソーラセル131へのアクセス可能位置についての緯度経度位置情報を求めることができる。
更に、異常状態にあると判断された特定のソーラセル131の行列位置まで到達して保守点検作業を行うことができる。
本実施形態によれば、海上基地ユニット150のアクセス可能位置情報算出手段は、異常状態にあると判断された特定のソーラセル131の行列位置情報を保守点検中位置情報として記憶する保守点検中データベースと、保守点検中データベースから取得した保守点検中位置情報で示す位置を含む狭エリアを回避エリアとして設定する回避エリア設定手段と、異常判断手段により新たに異常状態にある特定のソーラセル131の行列位置情報が判断された場合には、アクセス可能位置から当該行列位置に向かって、回避エリアを回避するように経路を探索し、探索結果の経路情報を出力する。
これにより、異常状態にあると判断された特定のソーラセル131の行列位置情報を保守点検中位置情報として保守点検中データベースに記憶し、保守点検中データベースから取得した保守点検中位置情報で示す位置を含む狭エリアを回避エリアとして設定し、新たに異常状態にある特定のソーラセル131の行列位置情報が判断された場合には、アクセス可能位置から当該行列位置に向かって、回避エリアを回避するように経路を探索し、探索結果の経路情報を出力するので、アクセス可能位置から新たに異常状態にある特定のソーラセル131の行列位置に向かって、回避エリアを通過しない経路情報を出力することができる。
この結果、異常状態にあると判断された特定の太陽光パネルへのアクセス可能位置の緯度経度位置情報まで到達することができ、さらに、経路情報で示す経路を経由することにより異常状態にあると判断された特定のソーラセルの行列位置まで到達して保守点検作業を行うことができる。
本実施形態によれば、保守点検船160は、複数のGPS衛星から送信される情報を受信するGPS衛星受信手段と、GPS衛星受信手段から取得された情報に基づいて当該保守点検船160の緯度経度位置情報を算出する算出手段と、当該保守点検船160の緯度経度位置情報を海上基地ユニット150に送信する送信手段と、を有し、海上基地ユニット150は、保守点検船160から当該保守点検船の緯度経度位置情報を受信した場合に、当該保守点検船160についての緯度経度位置情報、当該ソーラセル131へのアクセス可能位置についての緯度経度位置情報に基づいて、保守点検船160に近いアクセス可能位置についての緯度経度位置情報を選択する選択手段を有し、送信手段では、保守点検船160に近いアクセス可能位置の緯度経度位置情報を保守点検船160に送信する。
これにより、保守点検船160に近いアクセス可能位置の緯度経度位置情報で示す位置に到達することができる。
本実施形態によれば、海上基地ユニット150は、異常状態にあると判断された特定のソーラセル131の行列位置情報を履歴情報として履歴情報データベースに記憶して管理する記憶管理手段と、履歴情報データベースから異常状態にあると判断された特定のソーラセル131の行列位置情報を取得することにより、当該行列位置情報を2次元平面上にプロットして表示する表示制御手段と、を有する。
これにより、異常状態にあると判断された特定のソーラセル131の行列位置情報を2次元平面上にプロットしてモニタに表示することができる。
本実施形態によれば、保守点検船160は、異常状態にあると判断された特定のソーラセル131の保守点検に関する保守点検情報に、当該ソーラセル131の行列位置情報を付加して海上基地ユニットに送信する送信手段を有し、海上基地ユニット150は、保守点検船160から保守点検情報及び行列位置情報を受信する受信手段を有し、記憶管理手段では、保守点検情報に付加された行列位置情報に基づいて、履歴情報データベースに記憶された履歴情報を更新する。
これにより、保守点検船160から受信した保守点検情報に付加された行列位置情報に基づいて、データベースに記憶された履歴情報を更新することで、異常状態にあると判断されたソーラセル131の保守点検後の履歴情報を更新することができる。
本実施形態によれば、表示制御手段は、履歴情報データベースから取得した各行列位置情報に基づいて、各行列位置情報において異常状態にあると判断された回数を計数する計数手段を有し、計数手段により計数された各行列位置情報についての回数が多くなるに従ってプロットされる画素点又は画素群の濃度を濃くするように表示する。
これにより、各行列位置情報において異常状態にあると判断された回数が多くなるに従ってプロットされる画素点又は画素群の濃度を濃くすることができ、異常状態にあると判断される傾向性が高い行列位置を容易に目視確認することができる。
本実施形態によれば、浮体は、正方形状、矩形形状、正三角形状、正5角形状、正6角形状の何れか1つの形状を有する基本浮体同士にジョイント部材を介在させて連結するように構成され、ジョイント部材の交換を行った場合に、記憶管理手段は、異常状態にあると判断されたソーラセル131の行列位置情報に、ジョイント部材についての保守済み位置情報を付加して履歴情報としてデータベースに記憶し、表示制御手段は、異常状態にあると判断されたソーラセル131の行列位置情報、ジョイント部材についての保守済み位置情報をデータベースから取得し、当該行列位置情報及び当該ジョイント部材の保守済み位置情報を2次元平面上にプロットして表示する。
これにより、異常状態にあると判断された特定のソーラセル131の行列位置及び当該ジョイント部材の保守済み位置をモニタに表示することができ、異常状態にあると判断されるソーラセル131の行列位置及び当該ジョイント部材の保守済み位置を容易に目視確認することができる。
100…太陽光発電システム、101…筏、110…帆柱設置ユニット、111…帆柱、112…資材置場、113…補修用移動台車、115…インバータ、116…スクリュ、111…帆、121…通路、122…フロート、125…車輪、126…台車アウトリガ、120…クレーン、130…セルユニット、132…接続箱、133…センサ、134…送電線、134…電送線、135…海上基地、137…コンピュータ、139…操作表示パネル、140…無線機、150…海上基地ユニット、151…コンピュータ、152…表示操作パネル、153…データベース、153a…履歴情報DB、153b…保守点検中DB、154…無線機、160…保守点検船、161…コンピュータ、162…表示操作パネル、163…GPS受信機、154…無線機

Claims (9)

  1. 水上に浮遊する浮体に配列された複数の太陽光パネルを有し、前記太陽光パネルの状態を入力する保守点検ユニットと、前記保守点検ユニットからの情報に基づいて前記太陽光パネルの位置情報及び保守情報を管理する海上基地ユニットと、前記水上を走行可能な保守点検船と、を備えた保守点検システムであって、
    前記保守点検ユニットは、
    個々の前記太陽光パネルの状態を検知するセンサと、
    前記センサからの検知信号に基づいて、個々の前記太陽光パネルが異常状態であるか否かを判断する異常判断手段と、
    異常状態にあると判断された特定の前記太陽光パネルのID情報を前記海上基地ユニットに送信する送信手段と、
    前記海上基地ユニットは、
    異常状態にあると判断された特定の前記太陽光パネルのID情報に基づいて、当該特定の太陽光パネルの行列位置情報を算出する位置算出手段と、
    前記行列位置情報に基づいて、当該特定の太陽光パネルへのアクセス可能位置についての緯度経度位置情報を算出するとともに、当該アクセス可能位置から当該特定の太陽光パネルの行列位置に至る通路についての経路情報を算出するアクセス可能位置情報算出手段と、
    前記アクセス可能位置の緯度経度位置情報及び経路情報を前記保守点検船に送信する送信手段と、を有することを特徴とする保守点検システム。
  2. 前記保守点検ユニットの前記異常判断手段は、
    前記太陽光パネルが異常状態になってから所定時間を越えて継続して異常状態にある場合に、当該太陽光パネルが真に異常状態であると判断するか、
    或いは前記太陽光パネルが異常状態になってから所定日数を越えて継続して異常状態にある場合に、当該太陽光パネルが真に異常状態であると判断するか、
    或いは前記太陽光パネルの異常状態が所定時間帯において所定日数を越えて継続している場合に、当該太陽光パネルが真に異常状態であると判断することを特徴とする請求項1記載の保守点検システム。
  3. 前記海上基地ユニットは、
    前記ID情報に対応する太陽光パネルの行列位置情報を記憶するデータベースを有し、
    前記位置算出手段では、前記異常状態にあると判断された特定の前記太陽光パネルのID情報に基づいて、前記データベースから当該ID情報に対応する太陽光パネルの行列位置情報を検索することを特徴とする請求項1記載の保守点検システム。
  4. 前記海上基地ユニットのアクセス可能位置情報算出手段は、
    複数のGPS衛星から送信される情報を受信するGPS衛星受信手段と、
    前記GPS衛星受信手段から取得された情報に基づいて当該海上基地ユニットの緯度経度位置情報を算出する算出手段と、を有し、
    前記アクセス可能位置情報算出手段では、前記特定の太陽光パネルの行列位置情報、当該海上基地ユニットの緯度経度位置情報に基づいて、当該特定の太陽光パネルへのアクセス可能位置についての緯度経度位置情報を算出することを特徴とする請求項1記載の保守点検システム。
  5. 前記海上基地ユニットの前記アクセス可能位置情報算出手段は、
    前記異常状態にあると判断された特定の前記太陽光パネルの行列位置情報を保守点検中位置情報として記憶する保守点検中データベースと、
    前記保守点検中データベースから取得した保守点検中位置情報で示す位置を含む狭エリアを回避エリアとして設定する回避エリア設定手段と、
    前記異常判断手段により新たに異常状態にある特定の太陽光パネルの行列位置情報が判断された場合には、前記アクセス可能位置から当該行列位置に向かって、前記回避エリアを回避するように前記経路を探索し、探索結果の経路情報を出力することを特徴とする請求項1記載の保守点検システム。
  6. 前記保守点検船は、
    複数のGPS衛星から送信される情報を受信するGPS衛星受信手段と、
    前記GPS衛星受信手段から取得された情報に基づいて当該保守点検船の緯度経度位置情報を算出する算出手段と、
    当該保守点検船の緯度経度位置情報を前記海上基地ユニットに送信する送信手段と、を有し、
    前記海上基地ユニットは、
    前記保守点検船から当該保守点検船の緯度経度位置情報を受信した場合に、当該保守点検船についての前記緯度経度位置情報、当該太陽光パネルへのアクセス可能位置についての緯度経度位置情報に基づいて、前記保守点検船に近いアクセス可能位置についての緯度経度位置情報を選択する選択手段を有し、
    前記送信手段では、前記保守点検船に近いアクセス可能位置の緯度経度位置情報を前記保守点検船に送信することを特徴とする請求項1記載の保守点検システム。
  7. 前記海上基地ユニットは、
    前記異常状態にあると判断された特定の前記太陽光パネルの行列位置情報を履歴情報として履歴情報データベースに記憶して管理する記憶管理手段と、
    前記履歴情報データベースから前記異常状態にあると判断された特定の前記太陽光パネルの行列位置情報を取得することにより、当該行列位置情報を2次元平面上にプロットして表示する表示制御手段と、を有することを特徴とする請求項1記載の保守点検システム。
  8. 前記保守点検船は、
    前記異常状態にあると判断された特定の前記太陽光パネルの保守点検に関する保守点検情報に、当該太陽光パネルの行列位置情報を付加して前記海上基地ユニットに送信する送信手段を有し、
    前記海上基地ユニットは、
    前記保守点検船から前記保守点検情報及び前記行列位置情報を受信する受信手段を有し、
    前記記憶管理手段では、前記保守点検情報に付加された行列位置情報に基づいて、前記履歴情報データベースに記憶された前記履歴情報を更新することを特徴とする請求項6記載の保守点検システム。
  9. 前記表示制御手段は、
    前記履歴情報データベースから取得した各行列位置情報に基づいて、各行列位置情報において異常状態にあると判断された回数を計数する計数手段を有し、
    前記計数手段により計数された各行列位置情報についての回数が多くなるに従ってプロットされる画素点又は画素群の濃度を濃くするように表示することを特徴とする請求項7記載の保守点検システム。
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