以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
本発明の実施形態の理解を容易にするため、まず、遊技機の機械的構成および電気的構成を簡単に説明し、その後、各基板における具体的な処理を説明する。
図1は、本実施形態の遊技機100の斜視図であり、扉が開放された状態を示している。図示のように、遊技機100は、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成される外枠102と、この外枠102にヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた中枠104と、この中枠104に、ヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた前枠106と、を備えている。
中枠104は、外枠102と同様に、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成されており、この囲繞空間に遊技盤108が保持されている。また、前枠106には、ガラス製または樹脂製の透過板110が保持されている。そして、これら中枠104および前枠106を外枠102に対して閉じると、遊技盤108と透過板110とが所定の間隔を維持して略平行に対面するとともに、遊技機100の正面側から、透過板110を介して遊技盤108が視認可能となる。
図2は、遊技機100の正面図である。この図に示すように、前枠106の下部には、遊技機100の正面側に突出する操作ハンドル112が設けられている。この操作ハンドル112は、遊技者が回転操作可能に設けられており、遊技者が操作ハンドル112を回転させて発射操作を行うと、当該操作ハンドル112の回転角度に応じた強度で、不図示の発射機構によって遊技球が発射される。このようにして発射された遊技球は、遊技盤108に設けられたレール114a、114b間を上昇して遊技領域116に導かれることとなる。
遊技領域116は、遊技盤108と透過板110との間隔に形成される空間であって、遊技球が流下または転動可能な領域である。遊技盤108には、多数の釘や風車(不図示)が設けられており、遊技領域116に導かれた遊技球が釘や風車に衝突して、不規則な方向に流下、転動するようにしている。
遊技領域116は、発射機構の発射強度に応じて遊技球の進入度合いを互いに異にし、遊技球の打ち分けが可能な第1遊技領域116aおよび第2遊技領域116bを備えている。第1遊技領域116aは、遊技機100に正対した遊技者から見て遊技領域116の左側に位置し、第2遊技領域116bは、遊技機100に正対した遊技者から見て遊技領域116の右側に位置している。レール114a、114bが遊技領域116の左側にあることから、発射機構によって所定の強度未満の発射強度で発射された遊技球は第1遊技領域116aに進入し、所定の強度以上の発射強度で発射された遊技球は第2遊技領域116bに進入することとなる。
また、遊技領域116には、遊技球が入球可能な一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122が設けられており、これら一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122に遊技球が入球すると、それぞれ所定の賞球が遊技者に払い出される。
なお、詳しくは後述するが、第1始動口120内には第1始動領域が設けられ、また、第2始動口122内には第2始動領域が設けられている。そして、第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球して第1始動領域または第2始動領域に遊技球が進入すると、予め設けられた複数の特別図柄の中からいずれか1の特別図柄を決定するための抽選が行われる。各特別図柄には、遊技者にとって有利な大役遊技が小当たり遊技の実行可否が対応付けられている。したがって、遊技者は、第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、所定の賞球を獲得するのと同時に、種々の遊技利益を受ける権利獲得の機会を獲得することとなる。
また、第2始動口122には、可動片122bが開閉可能に設けられており、この可動片122bの状態に応じて、第2始動口122への遊技球の進入容易性が変化するようになっている。具体的には、可動片122bが閉状態にあるときには、第2始動口122への遊技球の入球が不可能となっている。これに対して、遊技領域116に設けられたゲート124内の進入領域を遊技球が通過すると、後述する普通図柄の抽選が行われ、この抽選によって当たりに当選すると、可動片122bが所定時間、開状態に制御される。このように、可動片122bが開状態になると、当該可動片122bが遊技球を第2始動口122に導く受け皿として機能し、第2始動口122への遊技球の入球が容易となる。なお、ここでは、第2始動口122が閉状態にあるときに、当該第2始動口122への遊技球の入球が不可能であることとしたが、第2始動口122が閉状態にある場合にも一定の頻度で遊技球が入球可能となるように構成してもよい。
なお、第1始動口120は、第1遊技領域116aを流下する遊技球のみが入球可能であるか、もしくは、第1遊技領域116aを流下する遊技球の方が第2遊技領域116bを流下する遊技球よりも進入し易い位置に配されている。また、第2始動口122は、第2遊技領域116bを流下する遊技球のみが進入可能であるか、もしくは、第2遊技領域116bを流下する遊技球の方が第1遊技領域116aを流下する遊技球よりも進入し易い位置に配されている。
さらに、第2遊技領域116bには、第2遊技領域116bを流下する遊技球のみが入球可能であるか、もしくは、第2遊技領域116bに進入した遊技球の方が、第1遊技領域116aに進入した遊技球よりも進入しやすい位置に第1大入賞口126および第2大入賞口128が設けられている。なお、第1大入賞口126および第2大入賞口128をまとめて単に大入賞口ともよぶ。第1大入賞口126には、開閉扉126bが開閉可能に設けられており、通常、開閉扉126bが第1大入賞口126を閉鎖して、第1大入賞口126への遊技球の入球が不可能となっている。これに対して、前述の大役遊技が実行されると、開閉扉126bが開放されて、開閉扉126bが受け皿として機能し、第1大入賞口126への遊技球の入球が可能となる。そして、第1大入賞口126に遊技球が入球すると、所定の賞球が遊技者に払い出される。
また、第2大入賞口128は、開閉扉128bが開閉可能に設けられており、通常、開閉扉128bが第2大入賞口128を閉鎖して、第2大入賞口128への遊技球の入球が不可能となっている。これに対して、前述の大役遊技や後述の小当たり遊技が実行されると、開閉扉128bが開放されて、開閉扉128bが受け皿として機能し、第2大入賞口128への遊技球の入球が可能となる。そして、第2大入賞口128に遊技球が入球すると、所定の賞球が遊技者に払い出される。
なお、遊技領域116の最下部には、一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122、第1大入賞口126、第2大入賞口128のいずれにも入球しなかった遊技球を、遊技領域116から遊技盤108の背面側に排出する排出口130が設けられている。
そして、遊技盤108には、遊技の進行中等に演出を行う演出装置として、液晶表示装置からなる演出表示装置200、可動装置からなる演出役物装置202、さまざまな点灯態様や発光色に制御されるランプからなる演出照明装置204、スピーカからなる音声出力装置206、遊技者の操作を受け付ける演出操作装置208が設けられている。
演出表示装置200は、画像を表示する画像表示部からなる演出表示部200aを備えており、この演出表示部200aを、遊技盤108の略中央部分において、遊技機100の正面側から視認可能に配置している。この演出表示部200aには、図示のように演出図柄210a、210b、210cが変動表示され、これら各演出図柄210a、210b、210cの停止表示態様によって大役抽選結果が遊技者に報知される変動演出が実行されることとなる。
演出役物装置202は、演出表示部200aよりも前面に配置され、通常、遊技盤108の背面側の原点位置において、複数の構成部材に分割された状態で退避しており、遊技者が視認できないようになっている。そして、上記の演出図柄210a、210b、210cの変動表示中などに、アクチュエータの駆動により、演出表示部200aの前面にある可動位置まで各構成部材が移動すると、演出表示部200aの前面で各構成部材が合体して、遊技者に大当たりの期待感を付与する。
演出照明装置204は、演出役物装置202や遊技盤108等に設けられており、演出表示部200aに表示される画像等に合わせて、さまざまに点灯制御される。
音声出力装置206は、前枠106の上部位置や外枠102の最下部位置に設けられ、演出表示部200aに表示される画像等に合わせて、遊技機100の正面側に向けてさまざまな音声を出力する。
演出操作装置208は、遊技者の押下操作を受け付けるボタンで構成され、遊技機100の幅方向略中央位置であって、かつ、透過板110よりも下方位置に設けられている。この演出操作装置208は、演出表示部200aに表示される画像等に合わせて有効化されるものであり、操作有効時間内に遊技者の操作を受け付けると、当該操作に応じて、さまざまな演出が実行される。
なお、図中符号132は、遊技機100から払い出される賞球や、遊技球貸出装置から貸し出される遊技球が導かれる上皿であり、この上皿132が遊技球で一杯になると、遊技球は下皿134に導かれることとなる。また、この下皿134の底面には、当該下皿134から遊技球を排出するための球抜き孔(不図示)が形成されている。この球抜き孔は、通常、開閉板(不図示)によって閉じられているが、球抜きつまみ134aを押下することにより、当該球抜きつまみ134aと一体となって開閉板がスライドし、球抜き孔から下皿134の下方に遊技球を排出することが可能となっている。
また、遊技盤108には、遊技領域116の外方であって、かつ、遊技者が視認可能な位置に、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172が設けられている。これら各表示器160〜172は、遊技に係る種々の状況を表示するための装置であるが、その詳細については後述する。
図3は、第2大入賞口128を説明するための図である。上記したように、第2遊技領域116bには、第1大入賞口126と第2大入賞口128とが設けられているが、このうち、第2大入賞口128の内部には、特定領域140bが設けられている。
図3(a)に示すように、第2大入賞口128の内部には、導出路128dが設けられており、第2大入賞口128は、当該第2大入賞口128に入球した遊技球が、導出路128dに導かれるように傾斜している。そして、導出路128dには、遊技球が通過可能な孔からなる特定領域140bおよび非特定領域140cが設けられており、第2大入賞口128に入球した遊技球が、特定領域140bおよび非特定領域140cのいずれかを通過して、遊技盤108の背面側に排出されるように構成されている。
そして、第2大入賞口128には、特定領域140bおよび非特定領域140cを開閉する可動部材142が設けられている。この可動部材142は、その可動(スライド)によって、特定領域140bへの遊技球の進入を可能とする状態と、特定領域140bへの遊技球の進入を不可能とする状態とに切り換える。より詳細には、可動部材142が、図3(b)に示す位置に変位すると、非特定領域140cが可動部材142によって塞がれ、遊技球は特定領域140bを通過可能となる。一方、可動部材142が、図3(c)に示す位置に変位すると、特定領域140bが可動部材142によって塞がれ、遊技球は非特定領域140cを通過可能となる。詳しくは後述するが、大役遊技の実行中に特定領域140bに遊技球が進入した場合には、当該大役遊技の終了後の遊技状態が高確率遊技状態に設定され、大役遊技の実行中に特定領域140bに遊技球が進入しなかった場合には、当該大役遊技の終了後の遊技状態が低確率遊技状態に設定されることとなる。
(制御手段の内部構成)
図4は、遊技の進行を制御する制御手段の内部構成を示すブロック図である。
主制御基板300は遊技の基本動作を制御する。この主制御基板300は、メインCPU300a、メインROM300b、メインRAM300cを備えている。メインCPU300aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づいて、メインROM300bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。メインRAM300cは、メインCPU300aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
上記主制御基板300には、一般入賞口118に遊技球が入球したことを検出する一般入賞口検出スイッチ118s、第1始動口120に遊技球が入球したことを検出する第1始動口検出スイッチ120s、第2始動口122に遊技球が入球したことを検出する第2始動口検出スイッチ122s、ゲート124を遊技球が通過したことを検出するゲート検出スイッチ124s、第1大入賞口126に遊技球が入球したことを検出する第1大入賞口検出スイッチ126s、第2大入賞口128に遊技球が入球したことを検出する第2大入賞口検出スイッチ128s、特定領域140bに遊技球が進入したことを検出する特定領域検出スイッチ140sが接続されており、これら各検出スイッチから主制御基板300に検出信号が入力されるようになっている。
また、主制御基板300には、第2始動口122の可動片122bを作動する普通電動役物ソレノイド122cと、第1大入賞口126を開閉する開閉扉126bを作動する第1大入賞口ソレノイド126cと、第2大入賞口128を開閉する開閉扉128bを作動する第2大入賞口ソレノイド128cと、第2大入賞口128内に設けられた可動部材142を可動する可動部材駆動ソレノイド142cと、が接続されており、主制御基板300によって、第2始動口122、第1大入賞口126、第2大入賞口128および特定領域140bの開閉制御がなされるようになっている。
さらに、主制御基板300には、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172が接続されており、主制御基板300によって、これら各表示器の表示制御がなされるようになっている。
また、本実施形態の遊技機100は、主に第1始動口120または第2始動口122への遊技球の入球によって開始される特別遊技と、ゲート124を遊技球が通過することによって開始される普通遊技とに大別される。そして、主制御基板300のメインROM300bには、特別遊技および普通遊技を進行するための種々のプログラムや、各種の遊技に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
また、主制御基板300には、払出制御基板310および副制御基板330が接続されている。
払出制御基板310は、遊技球を発射させるための制御、および、賞球を払い出すための制御を行う。この払出制御基板310も、CPU、ROM、RAMを備えており、主制御基板300に対して双方向に通信可能に接続されている。この払出制御基板310には遊技情報出力端子板312が接続されており、主制御基板300から出力される遊技進行上の種々の情報が、払出制御基板310および遊技情報出力端子板312を介して、遊技店のホールコンピュータや、各遊技機100の近傍に設けられたデータ表示器等に出力されることとなる。ホールコンピュータは、遊技場に設置された複数の遊技機100の遊技情報出力端子板312から出力された遊技進行上の種々の情報、例えば、第1特別図柄表示器160において変動表示が停止されたことを示す信号、第2特別図柄表示器162において変動表示が停止されたことを示す信号、大役遊技の実行を示す大役遊技中信号、小当たり遊技の実行を示す小当たり遊技中信号、時短遊技状態を示す信号等を集計する。また、データ表示器は、1の遊技機100の遊技情報出力端子板312から出力された、第1特別図柄表示器160において変動表示が停止されたことを示す信号、第2特別図柄表示器162において変動表示が停止されたことを示す信号、大役遊技中信号、小当たり遊技中信号、時短遊技状態を示す信号を集計して、例えば、大役遊技の回数、小当たり遊技の回数、変動回数等を表示する。
また、払出制御基板310には、貯留部に貯留された遊技球を賞球として遊技者に払い出すための払出モータ314が接続されている。払出制御基板310は、主制御基板300から送信された払出個数指定コマンドに基づいて払出モータ314を制御して所定の賞球を遊技者に払い出すように制御する。このとき、払い出された遊技球数が払出球計数スイッチ316sによって検出され、払い出すべき賞球が遊技者に払い出されたかが把握されるようになっている。
また、払出制御基板310には、下皿134の満タン状態を検出する皿満タン検出スイッチ318sが接続されている。この皿満タン検出スイッチ318sは、賞球として払い出される遊技球を下皿134に導く通路に設けられており、当該通路を遊技球が通過するたびに、遊技球検出信号が払出制御基板310に入力されるようになっている。
そして、下皿134に所定量以上の遊技球が貯留されて満タン状態になると、下皿134に向かう通路内に遊技球が滞留し、皿満タン検出スイッチ318sから払出制御基板310に向けて、遊技球検出信号が連続的に入力される。払出制御基板310は、遊技球検出信号が所定時間連続して入力された場合に、下皿134が満タン状態であると判断し、皿満タンコマンドを主制御基板300に送信する。一方、皿満タンコマンドを送信した後、遊技球検出信号の連続入力が途絶えた場合には、満タン状態が解除されたと判断し、皿満タン解除コマンドを主制御基板300に送信する。
また、払出制御基板310には、発射制御基板320が双方向に通信可能に接続されている。この発射制御基板320は、払出制御基板310から発射制御データを受信すると発射の許可を行う。この発射制御基板320には、操作ハンドル112に設けられ、当該操作ハンドル112に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ112sと、操作ハンドル112の操作角度を検出する操作ボリューム112aと、が接続されている。そして、タッチセンサ112sおよび操作ボリューム112aから信号が入力されると、発射制御基板320において、遊技球発射装置に設けられた発射用ソレノイド112cを通電して遊技球を発射させる制御がなされる。
副制御基板330は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この副制御基板330は、サブCPU330a、サブROM330b、サブRAM330cを備えており、主制御基板300に対して、当該主制御基板300から副制御基板330への一方向に通信可能に接続されている。サブCPU330aは、主制御基板300から送信されたコマンドやタイマからの入力信号等に基づいて、サブROM330bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、演出を実行制御する。このとき、サブRAM330cは、サブCPU330aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
具体的には、副制御基板330では、サブCPU330a、サブROM330b、サブRAM330cが協働して、サブメイン、画像制御部、役物制御部、照明制御部、音声制御部として機能する。サブメインは、各種入力コマンドに応じて、実行する演出の内容を決定したり、演出の実行を管理、統括したりする。画像制御部は、上記演出表示部200aに画像を表示させる画像表示制御を行う。サブROM330bには、演出表示部200aに表示される図柄や背景、字幕等の画像データが多数格納されており、画像制御部が、画像データをサブROM330bから不図示のVRAMに読み出して、演出表示部200aの画像表示を制御する。
また、役物制御部は、サブメインによる演出の管理にしたがってアクチュエータを駆動し、演出役物装置202を可動制御する。照明制御部は演出照明装置204を点灯制御する。また、音声制御部は、上記音声出力装置206から音声を出力させる音声出力制御を行う。サブROM330bには、音声出力装置206から出力される音声や楽曲等の音声データが多数格納されており、音声制御部が、音声データをサブROM330bから読み出して、音声出力装置206の音声出力を制御する。
さらに、副制御基板330では、演出操作装置208が押下操作または回転操作されたことを検出する演出操作装置検出スイッチ208sから操作検出信号が入力された際に、所定の演出を実行する。
なお、各基板には、不図示の電源基板が接続されており、電源基板を介して商用電源から各基板に電力供給がなされている。また、電源基板にはコンデンサからなるバックアップ電源が設けられている。
次に、本実施形態の遊技機100における遊技について、メインROM300bに記憶されている各種テーブルと併せて説明する。
前述したように、本実施形態の遊技機100は、特別遊技と普通遊技の2種類の遊技が並行して進行するものであり、これら両遊技を進行する際の遊技状態として、低確率遊技状態または高確率遊技状態にて遊技が進行する。
各遊技状態の詳細については後述するが、低確率遊技状態というのは、大入賞口が開放される大役遊技を実行する権利獲得の確率が低く設定された遊技状態であり、高確率遊技状態というのは、大役遊技を実行する権利獲得の確率が高く設定された遊技状態である。なお、遊技機100の初期状態は、低確率遊技状態に設定され、この遊技状態を本実施形態では通常遊技状態と称する場合がある。
遊技者が操作ハンドル112を操作して遊技領域116に遊技球を発射させるとともに、遊技領域116を流下する遊技球が第1始動口120または第2始動口122に入球すると、遊技者に遊技利益を付与するか否かの抽選(以下、「大役抽選」という)が行われる。この大役抽選において、大当たりに当選すると、大入賞口が開放されるとともに当該大入賞口への遊技球の入球が可能となる大役遊技が実行され、また、当該大役遊技の終了後の遊技状態が、上記のいずれかの遊技状態に設定される。以下では、大役抽選方法について説明する。
なお、詳しくは後述するが、第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、大役抽選に係る種々の乱数値(大当たり決定乱数、当たり図柄乱数、変動パターン乱数)が取得されるとともに、これら各乱数値がメインRAM300cの特図保留記憶領域に記憶される。以下では、第1始動口120に遊技球が入球して特図保留記憶領域に記憶された種々の乱数を総称して特1保留とよび、第2始動口122に遊技球が入球して特図保留記憶領域に記憶された種々の乱数を総称して特2保留とよぶ。
メインRAM300cの特図保留記憶領域は、第1特図保留記憶領域と第2特図保留記憶領域とを備えている。第1特図保留記憶領域および第2特図保留記憶領域は、それぞれ4つの記憶部(第1〜第4記憶部)を有している。そして、第1始動口120に遊技球が入球すると、特1保留を第1特図保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶し、第2始動口122に遊技球が入球すると、特2保留を第2特図保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶する。
例えば、第1始動口120に遊技球が入球したとき、第1特図保留記憶領域の第1〜第4記憶部のいずれにも保留が記憶されていない場合には、第1記憶部に特1保留を記憶する。また、例えば、第1記憶部〜第3記憶部に特1保留が記憶されている状態で、第1始動口120に遊技球が入球した場合には、特1保留を第4記憶部に記憶する。また、第2始動口122に遊技球が入球した場合にも、上記と同様に、第2特図保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部の中で、特2保留が記憶されていない、最も番号(序数)の小さい記憶部に特2保留が記憶される。
ただし、第1特図保留記憶領域および第2特図保留記憶領域に記憶可能な特1保留数(X1)および特2保留数(X2)は、それぞれ4つに設定されている。したがって、例えば、第1始動口120に遊技球が入球したときに、第1特図保留記憶領域に既に4つの特1保留が記憶されている場合には、当該第1始動口120への遊技球の入球によって新たに特1保留が記憶されることはない。同様に、第2始動口122に遊技球が入球したときに、第2特図保留記憶領域に既に4つの特2保留が記憶されている場合には、当該第2始動口122への遊技球の入球によって新たに特2保留が記憶されることはない。
図5は、大当たり決定乱数判定テーブルを説明する図である。第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、0〜65535の範囲内から1つの大当たり決定乱数が取得される。そして、大役抽選を開始するとき、すなわち、大当たりの判定を行うときの遊技状態に応じて大当たり決定乱数判定テーブルが選択され、当該選択された大当たり決定乱数判定テーブルと取得された大当たり決定乱数とによって大役抽選が行われる。
低確率遊技状態において、特1保留について大役抽選を開始する場合には、図5(a)に示すように、低確時大当たり決定乱数判定テーブル1が参照される。この低確時大当たり決定乱数判定テーブル1によれば、大当たり決定乱数が10001〜10164であった場合に大当たりと判定し、その他の大当たり決定乱数であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は、約1/399.6となる。
また、高確率遊技状態において、特1保留について大役抽選を開始する場合には、図5(b)に示すように、高確時大当たり決定乱数判定テーブル1が参照される。この高確時大当たり決定乱数判定テーブル1によれば、大当たり決定乱数が10001〜10655であった場合に大当たりと判定し、その他の大当たり決定乱数であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/100.0となる。このように、高確率遊技状態である場合には、低確率遊技状態である場合に比べて、大当たり確率が高くなる。
また低確率遊技状態において、特2保留について大役抽選を開始する場合には、図5(c)に示すように、低確時大当たり決定乱数判定テーブル2が参照される。この低確時大当たり決定乱数判定テーブル2によれば、大当たり決定乱数が10001〜10164であった場合に大当たりと判定し、大当たり決定乱数が0〜10000、10656〜65535であった場合に小当たりと判定し、その他の大当たり決定乱数であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/399.6、小当たり確率は約1/1.01となる。
また、高確率遊技状態において、特2保留について大役抽選を開始する場合には、図5(d)に示すように、高確時大当たり決定乱数判定テーブル2が参照される。この高確時大当たり決定乱数判定テーブル2によれば、大当たり決定乱数が10001〜10655であった場合に大当たりと判定し、その他の大当たり決定乱数であった場合には小当たりと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/100.0、小当たり確率は約1/1.01となる。
図6は、当たり図柄乱数判定テーブルおよび小当たり図柄乱数判定テーブルを説明する図である。第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、0〜99の範囲内から1つの当たり図柄乱数が取得される。そして、上記の大役抽選により「大当たり」の判定結果が導出された場合に、取得している当たり図柄乱数と当たり図柄乱数判定テーブルとによって、特別図柄の種別が決定される。このとき、特1保留によって「大当たり」に当選した場合には、図6(a)に示すように、特1用当たり図柄乱数判定テーブルaが選択され、特2保留によって「大当たり」に当選した場合には、図6(b)に示すように、特2用当たり図柄乱数判定テーブルbが選択され、特2保留によって「小当たり」に当選した場合には、図6(c)に示すように、小当たり図柄乱数判定テーブルcが選択される。以下では、当たり図柄乱数によって決定される特別図柄、すなわち、大当たりの判定結果が得られた場合に決定される特別図柄を大当たり図柄と呼び、小当たりの判定結果が得られた場合に決定される特別図柄を小当たり図柄と呼び、ハズレの判定結果が得られた場合に決定される特別図柄をハズレ図柄と呼ぶ。
図6(a)に示す特1用当たり図柄乱数判定テーブルa、および、図6(b)に示す特2用当たり図柄乱数判定テーブルbによれば、取得した当たり図柄乱数の値に応じて、図示のとおり、特別図柄の種別(大当たり図柄)が決定される。一方、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合に、当該抽選結果が特1保留によって導出されたときは、抽選を行うことなくハズレ図柄として特別図柄Xが決定され、当該抽選結果が特2保留によって導出されたときは、抽選を行うことなくハズレ図柄として特別図柄Yが決定される。
また、大役抽選によって「小当たり」に当選した場合には、保留種別に拘わらず、図6(c)に示す小当たり図柄乱数判定テーブルcを参照して小当たり図柄が決定される。この小当たり図柄乱数判定テーブルcによれば、当たり図柄乱数が0〜59であった場合に小当たり図柄として特別図柄Z1が決定され、当たり図柄乱数が60〜79であった場合に小当たり図柄として特別図柄Z2が決定され、当たり図柄乱数が80〜99であった場合に小当たり図柄として特別図柄Z3が決定される。つまり、当たり図柄乱数判定テーブルは、大役抽選結果が「大当たり」であった場合にのみ参照され、大役抽選結果が「ハズレ」または「小当たり」であった場合に参照されることはない。また、小当たり図柄乱数判定テーブルcは、大役抽選結果が「小当たり」であった場合にのみ参照され、大役抽選結果が「大当たり」または「ハズレ」であった場合に参照されることはない。なお、小当たり図柄である特別図柄Z1〜Z3をまとめて単に特別図柄Zともよぶ。
図7(a)は、変動パターン乱数判定テーブルを説明する図であり、図7(b)は変動時間決定テーブルを説明する図である。なお、変動パターン乱数判定テーブルは、保留種別、大役抽選の結果(特別図柄種別)、遊技状態ごとに複数設けられているが、ここでは、任意の変動パターン乱数判定テーブルxについて説明する。上記のようにして特別図柄の種別が決定されると、図7(a)に示すような変動パターン乱数判定テーブルと、第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球したときに取得した0〜238の範囲の変動パターン乱数とに基づいて、いずれかの変動パターン番号が決定される。この変動パターン番号には、図7(b)に示すように、それぞれ変動時間が対応付けられている。この変動時間というのは、決定された特別図柄を、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162に停止表示させるまでの時間である。
詳しくは後述するが、特1保留に基づいて特別図柄が決定されるとともに、変動パターン番号すなわち変動時間が決定されると、当該決定された変動時間に亘って第1特別図柄表示器160において図柄の変動表示が行われ、変動時間が経過すると、第1特別図柄表示器160に、決定された特別図柄が停止表示される。また、特2保留に基づいて特別図柄が決定されるとともに、変動パターン番号すなわち変動時間が決定されると、当該決定された変動時間に亘って第2特別図柄表示器162において図柄の変動表示が行われ、変動時間が経過すると、第2特別図柄表示器162に、決定された特別図柄が停止表示される。このとき、ハズレ図柄が第1特別図柄表示器160に停止表示されることで、大役抽選の結果としてハズレが確定し、次の特1保留に基づく大役抽選が実行可能となり、ハズレ図柄が第2特別図柄表示器162に停止表示されることで、大役抽選の結果としてハズレが確定し、次の特2保留に基づく大役抽選が実行可能となる。一方、大当たり図柄が第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162に停止表示されると、大役抽選の結果として大当たりが確定し、大役遊技が実行され、小当たり図柄が第2特別図柄表示器162に停止表示されると、大役抽選の結果として小当たりが確定し、小当たり遊技が実行されることとなる。
このように、変動時間は、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示の時間、換言すれば、大役抽選の結果を確定させるまでの時間を規定するものとなるが、この変動時間を決定するための変動パターン乱数判定テーブルは、保留種別、大役抽選の結果(特別図柄種別)、遊技状態ごとに複数設けられている。これにより、取得した変動パターン乱数の値が同一であったとしても、選択する変動パターン乱数判定テーブルによって、異なる変動パターン番号、すなわち、変動時間が決定されることとなる。このことからも明らかなように、本実施形態では、変動時間を決定するための変動時間決定条件が、特別図柄、遊技球が入球した始動口の種別(保留種別)、および、遊技状態に対応して設定されており、この変動時間決定条件が、変動パターン乱数判定テーブルによって設定されていると言える。
以上のようにして変動パターン番号が決定されると、当該決定された変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドが副制御基板330に送信される。副制御基板330においては、受信した変動パターンコマンドに基づいて、変動演出の態様が決定されることとなるが、その詳細については説明を省略する。
図8は、遊技状態、特別図柄の種別、変動時間、保留種別の関係を説明する図である。上述のように、本実施形態では、大当たりの当選確率が低確率に設定された低確率遊技状態、および、低確率遊技状態よりも大当たりの当選確率が高確率に設定された高確率遊技状態のいずれかに設定され、設定されている遊技状態に基づいて遊技が進行する。
図8(a)に示すように、低確率遊技状態において、特1保留に基づいてハズレ図柄が決定された場合、変動時間は3.0〜180秒に決定され、特2保留に基づいてハズレ図柄が決定された場合、変動時間は必ず10時間に決定される。また、高確率遊技状態において、特1保留に基づいてハズレ図柄が決定された場合、変動時間は10〜180秒に決定され、特2保留に基づいてハズレ図柄が決定された場合、変動時間は0.2秒に決定される。
また、低確率遊技状態において、特1保留に基づいて小当たり図柄が決定された場合、変動時間は60〜180秒に決定され、特2保留に基づいて小当たり図柄が決定された場合、変動時間は必ず10時間に決定される。また、高確率遊技状態において、特1保留に基づいて小当たり図柄が決定された場合、変動時間は10〜180秒に決定され、特2保留に基づいて小当たり図柄が決定された場合、変動時間は0.2秒に決定される。なお、上記したように、実際には特1保留に基づいて小当たり図柄が決定されることはないが、ノイズ等、何らかの不具合により、特1保留に基づいて小当たり図柄が決定されてしまうといった事態が生じるおそれもある。そこで、本実施形態では、何らかの不具合によって、特1保留に基づいて小当たり図柄が決定された場合にも、遊技の進行に影響が及ぼされないように、10〜180秒の変動時間が決定されることとしている。
さらに、低確率遊技状態において、特1保留に基づいて大当たり図柄が決定された場合、変動時間は60〜180秒に決定され、特2保留に基づいて大当たり図柄が決定された場合、変動時間は0.3〜60秒に決定される。また、高確率遊技状態において、特1保留に基づいて大当たり図柄が決定された場合、変動時間は60〜180秒に決定され、特2保留に基づいて大当たり図柄が決定された場合、変動時間は0.2秒に決定される。
詳しくは後述するが、本実施形態では、大役遊技が実行されておらず、かつ、第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162のいずれにおいても図柄の変動表示が行われていない場合に、第1始動口120および第2始動口122への遊技球の入球に基づく次なる特別図柄の決定処理、すなわち、特1保留および特2保留による大役抽選が実行可能となる。また、第1特別図柄表示器160において図柄が変動表示中であって、第2特別図柄表示器162において図柄の変動表示が行われていない場合に、第2始動口122への遊技球の入球に基づく次なる特別図柄の決定処理、すなわち、特2保留による大役抽選が実行可能となる。さらに、第2特別図柄表示器162において図柄が変動表示中であって、第1特別図柄表示器160において図柄の変動表示が行われていない場合に、第1始動口120への遊技球の入球に基づく次なる特別図柄の決定処理、すなわち、特1保留による大役抽選が実行可能となる。
つまり、特1保留に基づく特別図柄の変動表示と、特2保留に基づく特別図柄の変動表示とは、同時に実行可能となっており、特別図柄の変動表示が終了すると、当該変動表示が終了した保留種別について、次の特別図柄の変動表示が開始される。
しかしながら、大役抽選の結果がハズレであった場合に、変動時間として10時間が決定されると、当該保留種別に基づく次なる大役抽選は、遊技状態が変更されない限り、10時間が経過するまで実行されなくなる。したがって、変動時間として10時間が決定されるということは、現在の遊技状態のままでは、当該保留種別について次なる大役抽選が実質的になされないということを意味している。
したがって、図8(b)に示すように、低確率遊技状態においては、実質的に特1保留のみが大役抽選の対象となり、高確率遊技状態においては、特1保留および特2保留の双方が大役抽選の対象となる。ただし、遊技機100のメインRAM300cがクリアされた場合や、遊技状態が低確率遊技状態に変更された直後等、特2保留に基づく特別図柄の変動表示が行われていないときに第2始動口122に遊技球が入球すると、実質的に大役抽選の対象とはならない特2保留によって大役抽選が行われる。このとき、最初の大役抽選、すなわち、低確率遊技状態に設定された後の特2保留に基づく1回目の大役抽選によって大当たりに当選する場合もある。この場合には、変動時間が60秒以内に決定されることから、大当たりの当選が確定することとなる。
図9は、特別電動役物作動ラムセットテーブルを説明する図である。この特別電動役物作動ラムセットテーブルは、大役遊技または小当たり遊技を制御するための各種データが記憶されたものであり、大役遊技中および小当たり遊技中は、この特別電動役物作動ラムセットテーブルを参照して、第1大入賞口ソレノイド126cまたは第2大入賞口ソレノイド128cが通電制御される。なお、実際は、特別電動役物作動ラムセットテーブルは、特別図柄(大当たり図柄および小当たり図柄)の種別ごとに複数設けられており、決定された特別図柄の種別に応じて、対応するテーブルが大役遊技または小当たり遊技の開始時にセットされるが、ここでは、説明の都合上、1つのテーブルに全ての特別図柄の制御データを示す。
大当たり図柄である特別図柄A〜C、または、小当たり図柄である特別図柄Z1〜Z3が決定されると、図9に示すように、特別電動役物作動ラムセットテーブルを参照して大役遊技または小当たり遊技が実行される。大役遊技は、大入賞口が所定回数開閉される複数回のラウンド遊技で構成され、小当たり遊技は、ラウンド遊技が1回のみ実行される。この特別電動役物作動ラムセットテーブルによれば、オープニング時間(最初のラウンド遊技が開始されるまでの待機時間)、特別電動役物最大作動回数(1回の大役遊技または小当たり遊技中に実行されるラウンド遊技の回数)、特別電動役物開閉切替回数(1ラウンド中の大入賞口の開放回数)、ソレノイド通電時間(大入賞口の開放回数ごとの第1大入賞口ソレノイド126cまたは第2大入賞口ソレノイド128cの通電時間、すなわち、1回の大入賞口の開放時間)、規定数(1回のラウンド遊技における大入賞口への最大入賞可能数)、大入賞口閉鎖有効時間(ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖時間、すなわち、インターバル時間)、エンディング時間(最後のラウンド遊技が終了してから、通常の特別遊技(後述する特別図柄の変動表示)が再開されるまでの待機時間)が、制御データとして、特別図柄の種別ごとに、図示のように予め記憶されている。
なお、大当たり図柄である特別図柄A、Bが決定された場合には、いずれも7回のラウンド遊技で構成される大役遊技が実行される。各大役遊技においては、1〜2回目のラウンド遊技は第2大入賞口128が開放され、3〜7回目のラウンド遊技は第1大入賞口126が開放される。そして、特別図柄A、Bが決定された場合には、3〜7回目のラウンド遊技において、第1大入賞口126が最大で29.0秒×1回開放される点で共通する。しかしながら、特別図柄Aが決定された場合には、1〜2回目のラウンド遊技において、第2大入賞口128が最大で0.1秒×1回しか開放されないのに対して、特別図柄Bが決定された場合には、1回目のラウンド遊技において、第2大入賞口128が最大で0.1秒×1回開放され、2回目のラウンド遊技において、第2大入賞口128が最大で0.1秒×1回、最大で28.9秒×1回の合計2回開放される。
また、特別図柄Cが決定された場合には、1回目のラウンド遊技において、第2大入賞口128が最大で0.1秒×1回開放され、2回目のラウンド遊技において、第2大入賞口128が最大で0.1秒×1回、最大で28.9秒×1回の合計2回開放される。
このことからも明らかなように、特別図柄A、Bが決定された場合には、実質的に約5回のラウンド遊技分の賞球を獲得することができ、特別図柄Cが決定された場合には、特別図柄A、Bが決定された場合よりも、獲得可能な賞球数が少なくなっている。
なお、小当たり図柄である特別図柄Z1〜Z3が決定された場合には、第2大入賞口128が0.1秒×2回、1.6秒×1回の合計3回開放される小当たり遊技が行われる。この小当たり遊技によれば、第2大入賞口128が合計で1.8秒開放されるが、遊技球は0.6秒間隔で発射されることから、1回の小当たり遊技によって、3〜4個の遊技球の入球が可能となっている。
また、小当たり図柄である特別図柄Z1が決定された場合には、オープニング時間として1.0秒が決定され、エンディング時間として1.0秒が決定され、小当たり図柄である特別図柄Z2が決定された場合には、オープニング時間として0.3秒が決定され、エンディング時間として1.7秒が決定され、小当たり図柄である特別図柄Z3が決定された場合には、オープニング時間として1.7秒が決定され、エンディング時間として0.3秒が決定される。
図10は、大役遊技の終了後の遊技状態を設定するための遊技状態設定テーブルを説明する図である。本実施形態においては、大役遊技が実行された場合、当該大役遊技中における特定領域140bへの遊技球の進入可否に応じて大役遊技の終了後の遊技状態が設定される。
この遊技状態設定テーブルによれば、決定された大当たり図柄の種別を問わず、大役遊技中に特定領域140bに遊技球が進入した場合には、高確率遊技状態に設定されるとともに、高確率遊技状態の継続回数(以下、「高確回数」という)は100回に設定される。これは、高確率遊技状態が、大役抽選結果が100回確定するまで継続することを意味している。ただし、上記した高確回数は1の高確率遊技状態における最大継続回数を示すものであり、上記の継続回数に到達するまでの間に大当たりに当選した場合には、再度、高確回数の設定が行われることとなる。したがって、大役遊技の終了後に高確率遊技状態に設定された場合に、当該高確率遊技状態において大当たりの抽選結果が導出されることなく、大当たり以外の抽選結果が100回導出されると、低確率遊技状態に遊技状態が変更されることとなる。
図11は、1〜2回目のラウンド遊技における第2大入賞口128および特定領域140bの開閉態様を説明する図である。図11(a)に示すように、可動部材142は、第2大入賞口128の開放と同時に、特定領域140bを一瞬開放した後、しばらくの間(例えば、3.5秒程度)、特定領域140bを閉鎖状態に維持し、その後、再び特定領域140bを開放した状態に維持する。ここで、特別図柄Aが決定されて大役遊技が実行された場合には、当該大役遊技における1〜2回目のラウンド遊技の開始時に0.1秒のみ第2大入賞口128が開放される。この間に、仮に第2大入賞口128に遊技球が入球したとしても、当該遊技球が特定領域140bに到達するまでには所定の時間を要する。そのため、第2大入賞口128に入球した遊技球が特定領域140bに到達したときには、必ず、特定領域140bが閉鎖されており、その結果、特別図柄Aが決定されて大役遊技が実行された場合に、特定領域140bに遊技球が進入することはない。
なお、遊技球が第2大入賞口128に噛みこんでしまったり、あるいは、何らかの理由で第2大入賞口128内に長時間に亘って遊技球が滞留してしまったりする等、不測の事態が生じた場合には、特別図柄Aが決定された場合であっても、大役遊技中に特定領域140bに遊技球が進入する可能性がある。したがって、本明細書においては、理解を容易にするために、「必ず」、「確実に」という文言を用いて説明しているが、これは、遊技機100の状態が、遊技を進行するにあたって適切な状態に置かれており、かつ、不測の事態が生じていないことを前提とするものであり、物理的な100%を意味するものではない。
これに対して、特別図柄B、Cが決定されて大役遊技が実行された場合には、図11(b)に示すように、当該大役遊技における1回目のラウンド遊技の開始時には0.1秒のみ第2大入賞口128が開放されるものの、2回目のラウンド遊技においては、開始時に第2大入賞口128が0.1秒開放され、その後、所定のインターバル時間(2.0秒)を経て、第2大入賞口128が28.9秒開放される。したがって、第2大入賞口128の開放と同時に第2大入賞口128に入球した1〜2個程度の遊技球は、特定領域140bを通過することができない可能性はあるが、2回目のラウンド遊技において、第2大入賞口128の開放後に第2大入賞口128に入球した遊技球は、確実に特定領域140bを通過することができる。
つまり、特別図柄B、Cが決定されて大役遊技が実行された場合には、第2大入賞口128に遊技球を入球させる限り、確実に、大役遊技の終了後に高確率遊技状態に設定されることとなるが、特別図柄Aが決定されて大役遊技が実行された場合には、大役遊技の終了後に、必ず、低確率遊技状態に設定されることとなる。
ここで、図6で説明したとおり、第2始動口122に遊技球が入球して大当たりに当選した場合には、特別図柄B、Cが決定されるため、大当たりに当選すれば、必ず、大役遊技の終了後に高確率遊技状態に設定されることとなる。これに対して、第1始動口120に遊技球が入球して大当たりに当選した場合には、特別図柄A、Bがそれぞれ50%の確率で決定されるため、大当たりに当選した場合に、50%の確率で、大役遊技の終了後に低確率遊技状態に設定されることとなる。
なお、図9に示すように、第2大入賞口128の規定数は3個となっている。つまり、特別図柄B、Cが決定されて大役遊技が実行された場合に、1、2回目のラウンド遊技中に第2大入賞口128へ入球する遊技球は最大で3個となっており、第2大入賞口128に3個の遊技球が入球した時点で、第2大入賞口128は閉鎖される。
ここで、第2大入賞口128は、開状態に維持されている場合において、第2遊技領域116bを流下する遊技球のほぼ全てが入球可能な位置に配されている。また、遊技者が操作ハンドル112を所定角度回転させた状態に保持している場合、換言すれば、発射操作が継続して検出されている場合、発射制御基板320は、0.6秒間隔で遊技球を発射させるように制御する。したがって、特別図柄B、Cが決定されて実行される大役遊技中、遊技者が通常通りに、第2遊技領域116bに向けて遊技球を継続して発射させていれば、2回目のラウンド遊技のうち、2回目の第2大入賞口128の開放(28.9秒の開放開始)後、約1.2秒〜1.8秒程度で3個の遊技球が第2大入賞口128に入球可能となっている。つまり、2回目のラウンド遊技における2回目の第2大入賞口128の最大開放時間は28.9秒に設定されているものの、通常通りに遊技球が発射されれば、約1.2秒〜1.8秒程度で第2大入賞口128が閉鎖されることとなる。
これにより、図11(b)に示すように、特別図柄B、Cが決定されて大役遊技が実行された場合の1回目〜2回目のラウンド遊技における第2大入賞口128の開放態様と、特別図柄Zが決定されて小当たり遊技が実行された場合の第2大入賞口128の開放態様とを、遊技者にとって識別困難とすることができる。
より詳細に説明すると、大当たり図柄および小当たり図柄には、それぞれ、大役遊技または小当たり遊技における大入賞口の開閉条件が規定されている。このとき、特別図柄Bには、大入賞口の開閉条件として、第1の態様が規定されており、特別図柄Cには、大入賞口の開閉条件として、第2の態様が規定されているとする。特別図柄Bに規定されている第1の態様は、図11(b)に示すように、1回目のラウンド遊技において第2大入賞口128を0.1秒×1回、2回目のラウンド遊技において第2大入賞口128を0.1秒×1回、28.9秒×1回開放するという態様である。また、第1の態様は、3〜7回目のラウンド遊技において、それぞれ第1大入賞口126を29.0秒×1回開放する。
また、特別図柄Cに規定されている第2の態様も、図11(b)に示すように、1回目のラウンド遊技において第2大入賞口128を0.1秒×1回、2回目のラウンド遊技において第2大入賞口128を0.1秒×1回、28.9秒×1回開放するという態様である。ただし、第2の態様は、第1の態様と異なり、2回目のラウンド遊技で大役遊技を終了するものとなっている。したがって、特別図柄Cが決定されて第2の態様で大入賞口が開閉される大役遊技は、特別図柄Bが決定されて第1の態様で大入賞口が開閉される大役遊技よりも、大入賞口への遊技球の入球可能数が少ないと言える。
これに対して、小当たり図柄(特別図柄Z1)には、大入賞口の開閉条件として第3の態様が規定されている。小当たり図柄に規定されている第3の態様は、図11(b)に示すように、第2大入賞口128を0.1秒×2回、1.6秒×1回開放するという態様である。
ここで、小当たり遊技において、大入賞口が最初に開放されてから最終的に閉鎖されるまでの時間、すなわち、第3の態様で大入賞口が開閉制御される時間を第1作動時間とする。この場合、第2の態様は、大入賞口が最初に開放されてから第1作動時間が経過するまでの間は、第3の態様と同一態様で大入賞口が開閉制御され、第1作動時間の経過後も大入賞口が継続して開放される態様と言える。
そして、大当たり図柄(特別図柄C)には、第1作動時間の経過時に実行中のラウンド遊技(2回目のラウンド遊技)において、規定数(3個)の遊技球が大入賞口に入球すると、当該ラウンド遊技(2回目のラウンド遊技)を終了させるといった、ラウンド終了条件が規定されている。この規定数(3個)は、第1作動時間内に発射操作が継続して検出された場合に、発射制御基板320によって発射される遊技球の最大数以内に設定されている。具体的には、第1作動時間は、1回の小当たり遊技における大入賞口の総開放時間(1.8秒)に、大入賞口の総閉鎖時間を合算した時間である。したがって、第1作動時間は、少なくとも、大入賞口の総開放時間である1.8秒以上となる。上記したように、遊技球の発射間隔は0.6秒であることから、第1作動時間(最低でも1.8秒)内に発射操作が継続して検出された場合に、発射制御基板320によって発射される遊技球の最大数は、最低でも3個となる。本実施形態では、以上のようにして規定数を設定することにより、特別図柄Cが決定されて大役遊技が実行されているのか、特別図柄Zが決定されて小当たり遊技が実行されているのかを遊技者が識別できないようにしている。なお、ここでは、特別図柄Cが決定されて実行される大役遊技中、大入賞口が最初に開放されてから第1作動時間が経過するまでの間、第3の態様と同一態様で大入賞口が開閉制御されることとした。しかしながら、第1作動時間が経過するまでの間の大入賞口の開閉態様は必ずしも完全に同一でなくともよく、第2の態様と第3の態様との差異を識別困難な態様で大入賞口が開閉制御されればよい。
なお、特別図柄Bが決定されて実行される大役遊技も、2回目のラウンド遊技までは小当たり遊技との差異が遊技者にわからないようになっているが、その後、第1大入賞口126が開放されるため、遊技者は、特別図柄Bが決定されたことについては、容易に識別することができる。
図12は、当たり決定乱数判定テーブルを説明する図である。遊技領域116を流下する遊技球がゲート124を通過すると、第2始動口122の可動片122bを通電制御するか否かが対応付けられた普通図柄の判定処理(以下、「普図抽選」という)が行われる。
なお、詳しくは後述するが、遊技球がゲート124を通過すると、0〜99の範囲内から1つの当たり決定乱数が取得されるとともに、この乱数値がメインRAM300cの普図保留記憶領域に4つを上限として記憶される。つまり、普図保留記憶領域は、当たり決定乱数をセーブする4つの記憶部を備えている。したがって、普図保留記憶領域の4つの記憶部全てに当たり決定乱数が記憶された状態で、遊技球がゲート124を通過した場合には、当該遊技球の通過に基づいて当たり決定乱数が記憶されることはない。以下では、ゲート124を遊技球が通過して普図保留記憶領域に記憶された当たり決定乱数を普図保留とよぶ。
普図抽選では、図12に示すように、当たり決定乱数判定テーブルが参照される。この当たり決定乱数判定テーブルによれば、当たり決定乱数が0〜98であった場合に、普通図柄の種別として当たり図柄が決定され、当たり決定乱数が99であった場合に、普通図柄の種別としてハズレ図柄が決定される。したがって、当たり図柄が決定される確率、すなわち、当選確率は99/100となる。詳しくは後述するが、この普図抽選において当たり図柄が決定されると、第2始動口122の可動片122bが開状態に制御され、ハズレ図柄が決定された場合には、第2始動口122の可動片122bが閉状態に維持される。
図13(a)は、普通図柄変動時間データテーブルを説明する図であり、図13(b)は、開閉制御パターンテーブルを説明する図である。上記のように、普図抽選が行われると、普通図柄の変動時間が決定される。普通図柄変動時間データテーブルは、普図抽選によって当たり図柄もしくはハズレ図柄が決定されたときに、当該普通図柄の変動時間を決定する際に参照されるものである。この普通図柄変動時間データテーブルによれば、遊技状態に拘わらず、変動時間が1秒に決定される。このようにして変動時間が決定されると、当該決定された時間にわたって普通図柄表示器168が変動表示(点滅表示)される。そして、当たり図柄が決定された場合には普通図柄表示器168が点灯し、ハズレ図柄が決定された場合には普通図柄表示器168が消灯する。
そして、普図抽選によって当たり図柄が決定されるとともに、普通図柄表示器168が点灯した場合には、図13(b)に示すように、開閉制御パターンテーブルを参照し、普通電動役物ソレノイド122cが通電制御されて第2始動口122が開閉制御される。この開閉制御パターンテーブルによれば、普電開放前時間(第2始動口122の開放が開始されるまでの待機時間)、普通電動役物最大開閉切替回数(第2始動口122の開放回数)、ソレノイド通電時間(第2始動口122の開放回数ごとの普通電動役物ソレノイド122cの通電時間、すなわち、1回の第2始動口122の開放時間)、規定数(第2始動口122の全開放中における第2始動口122への最大入賞可能数)、普電閉鎖有効時間(第2始動口122の各開放間の閉鎖時間、すなわち、休止時間)、普電有効状態時間(第2始動口122の最後の開放終了からの待機時間)、普電終了ウェイト時間(普電有効状態時間の経過後、後述する普通図柄の変動表示が再開されるまでの待機時間)が、第2始動口122の制御データとして、図示のように予め記憶されている。
なお、上記したように、ゲート124および第2始動口122は、いずれも第2遊技領域116bに配されている(図2参照)。そして、ここでは、遊技者が第2遊技領域116bに向けて遊技球を発射し続けた場合に、発射球数に対する、第2始動口122に遊技球が入球して払い出される賞球数の割合が、80〜100%となるように、普図抽選による当選確率、普通図柄の変動時間、および、第2始動口122の開放時間が設定されている。
図14は、本実施形態の遊技機100にかかる遊技性を説明する図である。なお、図14(b)において、実線の矢印は、規定された通りに遊技を行った場合の遊技状態の遷移を示し、破線の矢印は、不測な事態が生じた場合や、変則的に遊技を行った場合に生じ得る遊技状態の遷移を示している。上記した保留種別ごとの大当たり図柄の決定比率、大役遊技の実行態様をまとめると、図14(a)に示すとおりとなる。すなわち、特1保留によって大当たりに当選した場合には、特別図柄A、Bがそれぞれ50%の確率で決定される。特別図柄Aが決定されると、実質、5回のラウンド遊技分の賞球を獲得することができるが、大役遊技の終了後の遊技状態は低確率遊技状態となる。一方、特別図柄Bが決定されると、実質、5回以上のラウンド遊技分の賞球を獲得することができ、しかも、大役遊技の終了後の遊技状態は高確率遊技状態となる。これに対して、特2保留によって大当たりに当選した場合には、特別図柄Bが40%、特別図柄Cが60%の確率で決定される。特別図柄Bが決定されると、実質、5回のラウンド遊技分の賞球を獲得することができ、かつ、大役遊技の終了後の遊技状態は高確率遊技状態となる。また、特別図柄Cが決定されると、賞球数は少ないものの、大役遊技の終了後の遊技状態は高確率遊技状態となる。
そして、図14(b)に示すように、遊技機100の初期状態では、遊技状態が低確率遊技状態に設定されている。遊技状態が低確率遊技状態に設定されている場合には、図8(b)に示すように、特2保留についての変動時間が10時間であることから、特2保留に基づく大役抽選は実質的に行われず、実質変動対象は特1保留のみとなっている。このように、低確率遊技状態では、特1保留のみが実質変動対象であることから、遊技者は第1遊技領域116aに向けて遊技球を発射させる。なお、遊技者が第1遊技領域116aに向けて遊技球を発射し続けた場合に、発射球数に対する、第1始動口120に遊技球が入球して払い出される賞球数の割合は、20%となるように設定されている。つまり、第1始動口120および第2始動口122に遊技球が入球すると、それぞれ所定数の賞球が払い出される。そして、第2遊技領域116bに遊技球を流下させた場合において、発射球数に対する、第2始動口122への遊技球の入球によって払い出される賞球数の割合は、第1遊技領域116aに遊技球を流下させた場合において、発射球数に対する、第1始動口120への遊技球の入球によって払い出される賞球数の割合よりも高い。
一方で、この低確率遊技状態において第2遊技領域116bに遊技球を発射させた場合にも、第2始動口122は頻繁に開放される。しかしながら、低確率遊技状態では、ひとたび特2保留について大役抽選が行われると、以後、当該抽選結果が大当たりであった場合を除いて、変動時間が10時間に設定されることから、特2保留によって大役抽選がなされることは実質的にないに等しい。そのため、低確率遊技状態において第2遊技領域116bに向けて遊技球を発射させても、徐々に遊技球が費消されていくだけであり、遊技者は第1遊技領域116aに向けて遊技球を発射させることとなる。
そして、低確率遊技状態において、遊技者が第1遊技領域116aに向けて遊技球を発射させ、第1始動口120に遊技球が入球すると、特1保留によって大役抽選が行われる。この大役抽選によって大当たりに当選すると、特別図柄A、Bのいずれかが決定される。特別図柄Aが決定された場合には、5回のラウンド遊技分の賞球を獲得した後、遊技状態が再度、低確率遊技状態に設定され、以後、上記と同様の遊技を繰り返す。一方、特別図柄Bが決定された場合には、5回のラウンド遊技分以上の賞球を獲得した後、遊技状態が高確率遊技状態に設定され、以後、次の大当たりに当選するか、もしくは、大当たりに再度当選することなく、100回の大役抽選の結果が確定するまでの間、高確率遊技状態が継続する。
ここで、高確率遊技状態においては、特1保留および特2保留のいずれにおいても大役抽選の権利を獲得することができる。つまり、高確率遊技状態では、特1保留および特2保留の双方が変動対象となる。しかしながら、特1保留による大役抽選では、特別図柄Aが50%の確率で決定されるため、特別図柄Aが決定されると、5回のラウンド遊技分の賞球は獲得することができるものの、以後の遊技状態が低確率遊技状態となってしまう。また、本実施形態では、第1始動口120が第1遊技領域116aに設けられており、第1遊技領域116aに向けて遊技球を発射させると、第2遊技領域116bに向けて遊技球を発射させた場合よりも、遊技球の費消率が大きくなる。したがって、高確率遊技状態では、特1保留および特2保留の双方が変動対象となるものの、実質的な変動対象は特2保留となる。したがって、高確率遊技状態では、遊技者は、第2遊技領域116bに遊技球を発射させることとなる。
そして、高確率遊技状態において、遊技者が第2遊技領域116bに向けて遊技球を発射させ、第2始動口122に遊技球が入球すると、特2保留によって大役抽選が行われる。この大役抽選によって大当たりに当選すると、特別図柄B、Cが決定される。特別図柄B、Cが決定された場合には、遊技状態が高確率遊技状態に再設定され、以後、次の大当たりに当選するか、もしくは、大当たりに再度当選することなく、100回の大役抽選の結果が確定するまでの間、さらに高確率遊技状態が継続する。
また、特2保留について小当たりに当選すると、小当たり遊技が実行される。上記したように、特2保留による大役抽選では、約1/1.01の確率で小当たりに当選するように設定されていることから、高確率遊技状態においては、大当たりに当選しなかった場合に小当たりに当選することとなる。つまり、高確率遊技状態では、常時、小当たり遊技が行われている状態となる。この小当たり遊技では、第1大入賞口126が合計で1.8秒開放され、1回の小当たり遊技中に3〜4個の遊技球が入球する。こうして小当たり遊技中に第2大入賞口128に遊技球が入球すると、例えば、1個の遊技球の入球に対して15個の賞球が払い出される。
このとき、高確率遊技状態において第2遊技領域116bに向けて遊技球を発射し続けた場合、発射した遊技球数よりも、払い出される賞球数が多くなるように設定されている。つまり、高確率遊技状態においては、小当たり遊技によって獲得可能な賞球数と、第2始動口122に遊技球が入球して獲得する賞球数との合計が、第2遊技領域116bに向けて遊技球を発射した場合の発射球数よりも多くなるように設定されている。したがって、1の高確率遊技状態は、最大で100回の大役抽選結果が確定するまで継続することから、この間、遊技球は増え続けることとなり、しかも、この間に再度大当たりに当選した場合には、再び、高確率遊技状態が最初から繰り返されることとなる。
従来の所謂ST機と呼ばれる遊技機においても、大当たりに当選すると高確率遊技状態に設定され、所定の高確回数内で再度大当たりに当選しないと、遊技状態が低確率遊技状態に変更されてしまうといった遊技性を備えている。こうした従来の遊技機においては、大当たりに当選したことで実行される大役遊技によって賞球を獲得するのが遊技の目的であるため、高確率遊技状態中であったとしても、早期に大当たりに当選しなければ、徐々に遊技球が減ってしまう。そのため、高確率遊技状態において、なかなか大当たりに当選しないと、大当たりに当選できずに、遊技状態が低確率遊技状態に変更されてしまうといったストレスが強くなるばかりか、遊技球が減っていくことによるストレスが与えられ、遊技の興趣が低下することがある。
これに対して、本実施形態の遊技機100によれば、高確率遊技状態において、小当たり遊技で遊技球を増やすことができるので、仮に、次なる大当たりに当選できずとも、遊技者のストレスを軽減することができる。また、本実施形態における理想的な遊技の進行は、高確回数の残りが少なくなったところで大当たりに当選することである。例えば、高確率遊技状態における100回目、すなわち、最後の大役抽選で大当たりに当選すれば、大当たりに当選するまでの長期間に亘って多量の賞球を獲得することができ、しかも、再度、高確回数が100回に設定される。このように、大当たりに当選したときの高確回数の残りが少なければ少ないほど、遊技者は多量の賞球を獲得することができるといった、これまでにない新規な遊技性がもたらされることから、高確率遊技状態においてなかなか大当たりに当選できないといったストレスを極めて小さくすることができる。
以下に、上記の遊技性を実現するための、主制御基板300の主な処理について、フローチャートを用いて説明する。
(主制御基板300のCPU初期化処理)
図15は、主制御基板300におけるCPU初期化処理(S100)を説明するフローチャートである。
電源基板より電源が供給されると、メインCPU300aにシステムリセットが発生し、メインCPU300aは、以下のCPU初期化処理(S100)を行う。
(ステップS100−1)
メインCPU300aは、電源投入に応じて、初期設定処理として、メインROM300bから起動プログラムを読み込むとともに、各種処理を実行するために必要な設定処理を行う。
(ステップS100−3)
メインCPU300aは、タイマカウンタにウェイト処理時間を設定する。
(ステップS100−5)
メインCPU300aは、電源断予告信号を検出しているかを判定する。なお、主制御基板300には、電源断検知回路が設けられており、電源電圧が所定値以下になると、電源検知回路から電源断予告信号が出力される。電源断予告信号を検出している場合には、上記ステップS100−3に処理を移し、電源断予告信号を検出していない場合には、ステップS100−7に処理を移す。
(ステップS100−7)
メインCPU300aは、上記ステップS100−3で設定したウェイト時間が経過したか否かを判定する。その結果、ウェイト時間が経過したと判定した場合にはステップS100−9に処理を移し、ウェイト時間は経過していないと判定した場合には上記ステップS100−5に処理を移す。
(ステップS100−9)
メインCPU300aは、メインRAM300cへのアクセスを許可するために必要な処理を実行する。
(ステップS100−11)
メインCPU300aは、RAMクリア信号がオンしているか否かを判定する。なお、遊技盤108の背面には不図示のRAMクリアボタンが設けられており、このRAMクリアボタンが押圧操作されると、RAMクリア検出スイッチがRAMクリアボタンの押圧操作を検出して、主制御基板300にRAMクリア信号が出力される。ここでは、RAMクリアボタンが押圧操作された状態で電源が投入された場合に、RAMクリア信号がオンしていると判定される。そして、RAMクリア信号がオンしていると判定した場合にはステップS100−13に処理を移し、RAMクリア信号はオンしていないと判定した場合にはステップS100−19に処理を移す。
(ステップS100−13)
メインCPU300aは、メインRAM300cのうち、電源投入時(メインRAM300cをクリアするリセット時)にクリアすべきクリア対象のデータをクリアする初期化処理を行う。
(ステップS100−15)
メインCPU300aは、メインRAM300cがクリアされたことを副制御基板330に伝達するためのサブコマンド(RAMクリア指定コマンド)の送信処理を行う。
(ステップS100−17)
メインCPU300aは、メインRAM300cがクリアされたことを払出制御基板310に伝達するための払出コマンド(RAMクリア指定コマンド)の送信処理を行う。
(ステップS100−19)
メインCPU300aは、チェックサムを算出するために必要な処理を実行する。
(ステップS100−21)
メインCPU300aは、上記ステップS100−19で算出したチェックサムが、電源断時に保存されたチェックサムと不一致であるかを判定する。その結果、両者が不一致であると判定した場合にはステップS100−13に処理を移し、両者が不一致ではない(一致する)と判定した場合にはステップS100−23に処理を移す。
(ステップS100−23)
メインCPU300aは、メインRAM300cのうち、電源復帰時(メインRAM300cをクリアせずに、電源断前のデータを維持するとき)にクリアすべきクリア対象のデータをクリアする初期化処理を行う。
(ステップS100−25)
メインCPU300aは、電源断から復帰したことを副制御基板330に伝達するためのサブコマンド(電源復帰指定コマンド)の送信処理を行う。
(ステップS100−27)
メインCPU300aは、電源断から復帰したことを払出制御基板310に伝達するための払出コマンド(電源復帰指定コマンド)の送信処理を行う。
(ステップS100−29)
メインCPU300aは、特別図柄の種別を示す電源投入時特図図柄種別指定コマンド、特1保留数(X1)を示す特1保留指定コマンド、特2保留数(X2)を示す特2保留指定コマンド、記憶されている特1保留および特2保留の入賞順序を示す特別図柄入賞順序コマンドを送信するための電源投入時サブコマンドセット処理を実行する。
(ステップS100−31)
メインCPU300aは、タイマ割込みの周期を設定する。
(ステップS100−33)
メインCPU300aは、割込みを禁止するための処理を行う。
(ステップS100−35)
メインCPU300aは、当たり図柄乱数用初期値更新乱数を更新する。なお、当たり図柄乱数用初期値更新乱数は、当たり図柄乱数の初期値および終了値を決定するためのものである。つまり、後述する当たり図柄乱数の更新処理によって当たり図柄乱数が、当たり図柄乱数用初期値更新乱数から、当該当たり図柄乱数用初期値更新乱数−1まで1周すると、当たり図柄乱数は、そのときの当たり図柄乱数用初期値更新乱数に更新されることとなる。
(ステップS100−37)
メインCPU300aは、払出制御基板310から受信した受信データ(主コマンド)を解析し、受信データに応じた種々の処理を実行する。
(ステップS100−39)
メインCPU300aは、送信バッファに格納されているサブコマンドを副制御基板330に送信するための処理を行う。
(ステップS100−41)
メインCPU300aは、割込みを許可するための処理を行う。
(ステップS100−43)
メインCPU300aは、変動パターン乱数を更新し、以後、上記ステップS100−33から処理を繰り返す。
次に、主制御基板300における割込み処理について説明する。ここでは、電源断時退避処理(XINT割込み処理)およびタイマ割込み処理について説明する。
(主制御基板300の電源断時退避処理(XINT割込み処理))
図16は、主制御基板300における電源断時退避処理(XINT割込み処理)を説明するフローチャートである。メインCPU300aは、電源断検知回路を監視しており、電源電圧が所定値以下になると、CPU初期化処理に割り込んで電源断時退避処理を実行する。
(ステップS300−1)
電源断予告信号が入力されると、メインCPU300aは、レジスタを退避する。
(ステップS300−3)
メインCPU300aは、電源断予告信号をチェックする。
(ステップS300−5)
メインCPU300aは、電源断予告信号を検出しているかを判定する。その結果、電源断予告信号を検出していると判定した場合にはステップS300−11に処理を移し、電源断予告信号を検出していないと判定した場合にはステップS300−7に処理を移す。
(ステップS300−7)
メインCPU300aは、レジスタを復帰させる。
(ステップS300−9)
メインCPU300aは、割込みを許可するための処理を行い、当該電源断時退避処理を終了する。
(ステップS300−11)
メインCPU300aは、出力ポートの出力を停止する出力ポートクリア処理を実行する。
(ステップS300−13)
メインCPU300aは、チェックサムを算出して保存するチェックサム設定処理を実行する。
(ステップS300−15)
メインCPU300aは、メインRAM300cへのアクセスを禁止するために必要なRAMプロテクト設定処理を実行する。
(ステップS300−17)
メインCPU300aは、電源断発生監視時間を設定すべく、ループカウンタのカウンタ値に所定の電源断検出信号検出回数をセットする。
(ステップS300−19)
メインCPU300aは、電源断予告信号をチェックする。
(ステップS300−21)
メインCPU300aは、電源断予告信号を検出しているかを判定する。その結果、電源断予告信号を検出していると判定した場合にはステップS300−17に処理を移し、電源断予告信号を検出していないと判定した場合にはステップS300−23に処理を移す。
(ステップS300−23)
メインCPU300aは、上記ステップS300−17でセットしたループカウンタの値を1減算する。
(ステップS300−25)
メインCPU300aは、ループカウンタのカウンタ値が0でないかを判定する。その結果、カウンタ値が0ではないと判定した場合にはステップS300−19に処理を移し、カウンタ値が0であると判定した場合には上記したCPU初期化処理(ステップS100)に移行する。
なお、実際に電源断が生じた場合には、ステップS300−17〜ステップS300−25をループしている間に遊技機100の稼働が停止する。
(主制御基板300のタイマ割込み処理)
図17は、主制御基板300におけるタイマ割込み処理を説明するフローチャートである。主制御基板300には、所定の周期(本実施形態では4ミリ秒、以下「4ms」という)毎にクロックパルスを発生させるリセット用クロックパルス発生回路が設けられている。そして、リセット用クロックパルス発生回路によって、クロックパルスが発生すると、CPU初期化処理(ステップS100)に割り込んで、以下のタイマ割込み処理が実行される。
(ステップS400−1)
メインCPU300aは、レジスタを退避する。
(ステップS400−3)
メインCPU300aは、割込みを許可するための処理を行う。
(ステップS400−5)
メインCPU300aは、コモン出力バッファにセットされたコモンデータを出力ポートに出力し、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172を点灯制御するダイナミックポート出力処理を実行する。
(ステップS400−7)
メインCPU300aは、各種の入力ポート情報を読み込み、最新のスイッチ状態を正確に取得するためのポート入力処理を実行する。
(ステップS400−9)
メインCPU300aは、各種タイマカウンタを更新するタイマ更新処理を行う。ここで、各種タイマカウンタは、特に断る場合を除き、当該主制御基板300のタイマ割込み処理の度に減算され、0になると減算を停止する。
(ステップS400−11)
メインCPU300aは、上記ステップS100−35と同様、当たり図柄乱数用初期値更新乱数の更新処理を実行する。
(ステップS400−13)
メインCPU300aは、当たり図柄乱数を更新する処理を行う。具体的には、乱数カウンタを1加算して更新し、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを0に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時の当たり図柄乱数用初期値更新乱数の値から乱数を更新する。
なお、詳しい説明は省略するが、本実施形態では、大当たり決定乱数および当たり決定乱数は、主制御基板300に内蔵されたハードウェア乱数生成部によって更新されるハードウェア乱数を用いている。ハードウェア乱数生成部は、大当たり決定乱数および当たり決定乱数を、いずれも一定の規則にしたがって更新し、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列を変更するとともに、システムリセット毎にスタート値を変更している。
(ステップS500)
メインCPU300aは、第1始動口検出スイッチ120s、第2始動口検出スイッチ122s、ゲート検出スイッチ124s、第1大入賞口検出スイッチ126s、第2大入賞口検出スイッチ128s、特定領域検出スイッチ140sから信号の入力があったか否か判定するスイッチ管理処理を実行する。なお、このスイッチ管理処理の詳細については後述する。
(ステップS600)
メインCPU300aは、上記の特別遊技を進行制御するための特別遊技管理処理を実行する。なお、この特別遊技管理処理の詳細については後述する。
(ステップS700)
メインCPU300aは、上記の普通遊技を進行制御するための普通遊技管理処理を実行する。なお、この普通遊技管理処理の詳細については後述する。
(ステップS400−15)
メインCPU300aは、各種エラーの判定およびエラー判定結果に応じた設定を行うためのエラー管理処理を実行する。
(ステップS400−17)
メインCPU300aは、一般入賞口検出スイッチ118s、第1始動口検出スイッチ120s、第2始動口検出スイッチ122s、第1大入賞口検出スイッチ126s、第2大入賞口検出スイッチ128sのチェックを行い、該当する賞球制御用のカウンタ等を加算するための入賞口スイッチ処理を実行する。
また、メインCPU300aは、第1大入賞口126または第2大入賞口128への遊技球の入球が適正になされたものであることを示す大入賞口入球コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS400−19)
メインCPU300aは、上記ステップS400−17でセットされた賞球制御用のカウンタのカウンタ値等に基づく払出コマンドの作成および送信を行うための払出制御管理処理を実行する。
(ステップS400−21)
メインCPU300aは、遊技情報出力端子板312から外部へ出力する外部情報用の出力データをセットするための外部情報管理処理を実行する。
(ステップS400−23)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172等の各種表示器(LED)を点灯制御するためのコモンデータをコモン出力バッファにセットするLED表示設定処理を実行する。
(ステップS400−25)
メインCPU300aは、普通電動役物ソレノイド122c、第1大入賞口ソレノイド126c、第2大入賞口ソレノイド128cのソレノイド出力イメージを合成し、出力ポートバッファに格納するためのソレノイド出力イメージ合成処理を実行する。
(ステップS400−27)
メインCPU300aは、各出力ポートバッファに格納されたコモン出力バッファの値を出力ポートに出力するためのポート出力処理を実行する。
(ステップS400−29)
メインCPU300aは、レジスタを復帰してタイマ割込み処理を終了する。
以下に、上記したタイマ割込み処理のうち、ステップS500のスイッチ管理処理、ステップS600の特別遊技管理処理、ステップS700の普通遊技管理処理について、詳細に説明する。
図18は、主制御基板300におけるスイッチ管理処理(ステップS500)を説明するフローチャートである。
(ステップS500−1)
メインCPU300aは、ゲート検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、ゲート124を遊技球が通過してゲート検出スイッチ124sからの検出信号がオンされたかを判定する。その結果、ゲート検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS510に処理を移し、ゲート検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合にはステップS500−3に処理を移す。
(ステップS510)
メインCPU300aは、ゲート124への遊技球の通過に基づいてゲート通過処理を実行する。なお、このゲート通過処理の詳細については後述する。
(ステップS500−3)
メインCPU300aは、第1始動口検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、第1始動口120に遊技球が入球して第1始動口検出スイッチ120sから検出信号が入力されたかを判定する。その結果、第1始動口検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS520に処理を移し、第1始動口検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合にはステップS500−5に処理を移す。
(ステップS520)
メインCPU300aは、第1始動口120への遊技球の入球に基づいて第1始動口通過処理を実行する。なお、この第1始動口通過処理の詳細については後述する。
(ステップS500−5)
メインCPU300aは、第2始動口検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、第2始動口122に遊技球が入球して第2始動口検出スイッチ122sから検出信号が入力されたかを判定する。その結果、第2始動口検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS530に処理を移し、第2始動口検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合にはステップS500−7に処理を移す。
(ステップS530)
メインCPU300aは、第2始動口122への遊技球の入球に基づいて第2始動口通過処理を実行する。なお、この第2始動口通過処理の詳細については後述する。
(ステップS500−7)
メインCPU300aは、大入賞口検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、第1大入賞口126または第2大入賞口128に遊技球が入球して第1大入賞口検出スイッチ126sまたは第2大入賞口検出スイッチ128sから検出信号が入力されたかを判定する。その結果、大入賞口検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS540に処理を移し、大入賞口検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合にはステップS500−9に処理を移す。
(ステップS540)
メインCPU300aは、第1大入賞口126または第2大入賞口128への遊技球の入球が適正になされたものであるかを判定し、遊技球の入球が適正になされたと判定した場合には、第1大入賞口126または第2大入賞口128への遊技球の入球を示す大入賞口入球コマンドを副制御基板330に送信するための大入賞口通過処理を実行する。なお、この大入賞口通過処理の詳細については後述する。
(ステップS500−9)
メインCPU300aは、特定領域検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、特定領域140bに遊技球が進入して特定領域検出スイッチ140sから検出信号が入力されたかを判定する。その結果、特定領域検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS550に処理を移し、特定領域検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合には当該スイッチ管理処理を終了する。
(ステップS550)
メインCPU300aは、特定領域140bへの遊技球の進入に基づいて特定領域通過処理を実行し、当該スイッチ管理処理を終了する。なお、この特定領域通過処理の詳細については後述する。
図19は、主制御基板300におけるゲート通過処理(ステップS510)を説明するフローチャートである。
(ステップS510−1)
メインCPU300aは、ハードウェア乱数生成部によって更新された当たり決定乱数をロードする。
(ステップS510−3)
メインCPU300aは、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値が最大値以上であるか、つまり、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値が4以上であるかを判定する。その結果、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値が最大値以上であると判定した場合には当該ゲート通過処理を終了し、普通図柄保留球数カウンタは最大値以上ではないと判定した場合にはステップS510−5に処理を移す。
(ステップS510−5)
メインCPU300aは、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新する。
(ステップS510−7)
メインCPU300aは、普図保留記憶領域の4つの記憶部のうち、取得した当たり決定乱数をセーブする対象となる対象記憶部を算定する。
(ステップS510−9)
メインCPU300aは、上記ステップS510−1で取得した当たり決定乱数を、上記ステップS510−7で算定した対象記憶部にセーブする。
(ステップS510−11)
メインCPU300aは、普図保留記憶領域に記憶されている普図保留数を示す普図保留指定コマンドを送信バッファにセットし、当該ゲート通過処理を終了する。
図20は、主制御基板300における第1始動口通過処理(ステップS520)を説明するフローチャートである。
(ステップS520−1)
メインCPU300aは、特別図柄識別値として「00H」をセットする。なお、特別図柄識別値は、保留種別として特1保留および特2保留のいずれであるかを識別するためのもので、特別図柄識別値(00H)は特1保留を示し、特別図柄識別値(01H)は特2保留を示す。
(ステップS520−3)
メインCPU300aは、特別図柄1保留球数カウンタのアドレスをセットする。
(ステップS535)
メインCPU300aは、特別図柄乱数取得処理を実行して、当該第1始動口通過処理を終了する。なお、この特別図柄乱数取得処理は、第2始動口通過処理(ステップS530)と共通のモジュールを利用して実行される。したがって、特別図柄乱数取得処理の詳細は、第2始動口通過処理の説明後に説明する。
図21は、主制御基板300における第2始動口通過処理(ステップS530)を説明するフローチャートである。
(ステップS530−1)
メインCPU300aは、特別図柄識別値として「01H」をセットする。
(ステップS530−3)
メインCPU300aは、特別図柄2保留球数カウンタのアドレスをセットする。
(ステップS535)
メインCPU300aは、後述する特別図柄乱数取得処理を実行する。
(ステップS530−5)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズをロードする。なお、詳しくは後述するが、普通遊技管理フェーズは、普通遊技の実行処理の段階、すなわち、普通遊技の進行状況を示すものであり、普通遊技の実行処理の段階に応じて更新される。
(ステップS530−7)
メインCPU300aは、上記ステップS530−5でロードした普通遊技管理フェーズが「04H」ではないかを判定する。なお、普通遊技管理フェーズの「04H」は、普通電動役物入賞口開放制御処理中であることを示すものである。この普通電動役物入賞口開放制御処理においては、普通電動役物ソレノイド122cが通電されて第2始動口122の可動片122bが開状態に制御されることから、ここでは、第2始動口122が適正に開放され得る状態にあるかを判定することとなる。その結果、普通遊技管理フェーズが「04H」ではないと判定した場合には当該第2始動口通過処理を終了し、普通遊技管理フェーズが「04H」であると判定した場合にはステップS530−9に処理を移す。
(ステップS530−9)
メインCPU300aは、普通電動役物入賞球数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新し、当該第2始動口通過処理を終了する。
図22は、主制御基板300における特別図柄乱数取得処理(ステップS535)を説明するフローチャートである。この特別図柄乱数取得処理は、上記した第1始動口通過処理(ステップS520)および第2始動口通過処理(ステップS530)において、共通のモジュールを用いて実行される。
(ステップS535−1)
メインCPU300aは、上記ステップS520−1またはステップS530−1でセットした特別図柄識別値をロードする。
(ステップS535−3)
メインCPU300aは、対象特別図柄保留球数をロードする。ここでは、上記ステップS535−1でロードした特別図柄識別値が「00H」であれば、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値、すなわち、特1保留数をロードする。また、上記ステップS535−1でロードした特別図柄識別値が「01H」であれば、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値、すなわち、特2保留数をロードする。
(ステップS535−5)
メインCPU300aは、ハードウェア乱数生成部によって更新された大当たり決定乱数をロードする。
(ステップS535−7)
メインCPU300aは、上記ステップS535−3でロードした対象特別図柄保留球数が上限値以上であるかを判定する。その結果、上限値以上であると判定した場合には、ステップS535−19に処理を移し、上限値以上ではないと判定した場合には、ステップS535−9に処理を移す。
(ステップS535−9)
メインCPU300aは、対象特別図柄保留球数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新する。
(ステップS535−11)
メインCPU300aは、特図保留記憶領域の記憶部のうち、取得した大当たり決定乱数をセーブする対象となる対象記憶部を算定する。
(ステップS535−13)
メインCPU300aは、上記ステップS535−5でロードした大当たり決定乱数、上記ステップS400−13で更新された当たり図柄乱数、上記ステップS100−43で更新された変動パターン乱数を取得し、上記ステップS535−11で算定した対象記憶部に格納する。
(ステップS535−15)
メインCPU300aは、特別図柄1保留球数カウンタおよび特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値をロードする。
(ステップS535−17)
メインCPU300aは、上記ステップS535−15でロードしたカウンタ値に基づいて、特図保留指定コマンドを送信バッファにセットする。ここでは、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値(特1保留数)に基づいて特図1保留指定コマンドをセットし、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値(特2保留数)に基づいて特図2保留指定コマンドをセットする。これにより、特1保留または特2保留が記憶されるたびに、特1保留数および特2保留数が副制御基板330に伝達されることとなる。
(ステップS535−19)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズをロードする。
(ステップS535−21)
メインCPU300aは、上記ステップS535−19でロードした普通遊技管理フェーズを確認し、後述する普通電動役物入賞口開放制御状態未満(普通遊技管理フェーズ<04H)であるかを判定する。その結果、普通電動役物入賞口開放制御状態未満であると判定した場合にはステップS535−23に処理を移し、普通電動役物入賞口開放制御状態未満ではないと判定した場合には当該特別図柄乱数取得処理を終了する。
(ステップS535−23)
メインCPU300aは、異常入賞があったか否かを判定するとともに、異常入賞があったと判定した場合には、所定の処理を行う始動口異常入賞エラー処理を実行し、当該特別図柄乱数取得処理(ステップS535)を終了する。
図23は、主制御基板300における大入賞口通過処理(ステップS540)を説明するフローチャートである。
(ステップS540−1)
メインCPU300aは、上記ステップS500−7で大入賞口検出スイッチオン検出時であると判定した場合には、特別遊技管理フェーズをロードする。なお、詳しくは後述するが、特別遊技管理フェーズは、特別遊技の実行処理の段階、すなわち、特別遊技の進行状況を示すものであり、特別遊技の実行処理の段階に応じて更新される。
(ステップS540−3)
メインCPU300aは、上記ステップS540−1でロードした特別遊技管理フェーズが、大入賞口開放前処理以上の実行処理の段階を示すものであるかを判定する。なお、特別遊技管理フェーズは、00H〜08Hの9段階が設けられており、このうち、01H〜08Hが、大入賞口開放前処理以上の実行処理の段階に相当する。大役遊技または小当たり遊技は、特別遊技管理フェーズが01H〜08Hである場合に実行されることから、ここでは、現在、大役遊技中または小当たり遊技中であるかを判定することとなる。特別遊技管理フェーズが、大入賞口開放前処理以上の実行処理の段階を示すものであると判定した場合にはステップS540−5に処理を移し、特別遊技管理フェーズは、大入賞口開放前処理以上の実行処理の段階を示すものではないと判定した場合にはステップS540−7に処理を移す。
(ステップS540−5)
メインCPU300aは、第1大入賞口126または第2大入賞口128に適正に遊技球が入球したことを示す大入賞口入球コマンドを送信バッファにセットし、大入賞口通過処理を終了する。
(ステップS540−7)
メインCPU300aは、第1大入賞口126または第2大入賞口128への遊技球の入球が不適切なものであるとして、所定のエラー処理を実行し、大入賞口通過処理を終了する。
図24は、主制御基板300における特定領域通過処理(ステップS550)を説明するフローチャートである。
(ステップS550−1)
メインCPU300aは、上記ステップS500−9で特定領域検出スイッチオン検出時であると判定した場合には、有効期間フラグがオンしているか否かを判定する。その結果、有効期間フラグがオンしていると判定した場合にはステップS550−3に処理を移し、有効期間フラグはオンしていないと判定した場合にはステップS550−5に処理を移す。
なお、詳しくは後述するが、この有効期間フラグは、特定領域140bへの遊技球の進入を有効なものとみなすか否かを判断するためのものであり、本実施形態においては、大役遊技中における1回目のラウンド遊技の開始時にオンされ、2回目のラウンド遊技の終了から所定時間経過後にオフされる。
(ステップS550−3)
上記ステップS550−1において、有効期間フラグがオンしていると判定した場合には、メインCPU300aは、特定領域進入フラグをオンし、当該特定領域通過処理を終了する。なお、特定領域進入フラグは、大役遊技中において、特定領域140bに有効に遊技球が進入したことを示すものである。また、既に特定領域進入フラグがオンしている場合には、そのまま当該特定領域通過処理を終了する。
(ステップS550−5)
一方、上記ステップS550−1において、有効期間フラグがオンしていないと判定した場合には、メインCPU300aは、エラー処理を実行する。
(ステップS550−7)
メインCPU300aは、エラーが検出されたことを示すエラーコマンドを送信バッファにセットし、当該特定領域通過処理を終了する。
図25は、特別遊技管理フェーズを説明する図である。既に説明したとおり、本実施形態では、第1始動口120または第2始動口122への遊技球の入球を契機とする特別遊技と、ゲート124への遊技球の通過を契機とする普通遊技とが、同時並行して進行する。特別遊技に係る処理は、段階的に、かつ、繰り返し実行されるが、主制御基板300では、こうした特別遊技に係る各処理を特別遊技管理フェーズによって管理している。
図25に示すように、メインROM300bには、特別遊技を実行制御するための複数の特別遊技制御モジュールが格納されており、これら特別遊技制御モジュールごとに、特別遊技管理フェーズが対応付けられている。具体的には、特別遊技管理フェーズが「00H」である場合には、「特別図柄変動処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「01H」または「05H」である場合には、「大入賞口開放前処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「02H」または「06H」である場合には、「大入賞口開放制御処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「03H」または「07H」である場合には、「大入賞口閉鎖有効処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「04H」または「08H」である場合には、「大入賞口終了ウェイト処理」を実行するためのモジュールがコールされる。
図26は、主制御基板300における特別遊技管理処理(ステップS600)を説明するフローチャートである。
(ステップS600−1)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズをロードする。
(ステップS600−3)
メインCPU300aは、上記ステップS600−1でロードした特別遊技管理フェーズに対応する特別遊技制御モジュールを選択する。
(ステップS600−5)
メインCPU300aは、上記ステップS600−3で選択した特別遊技制御モジュールをコールして処理を開始する。
(ステップS600−7)
メインCPU300aは、特別遊技の制御時間を管理する特別遊技タイマをロードし、当該特別遊技管理処理を終了する。
図27は、主制御基板300における特別図柄変動処理を説明するフローチャートである。この特別図柄変動処理は、特別遊技管理フェーズが「00H」であった場合に実行される。
(ステップS610)
メインCPU300aは、特別図柄変動待ち処理を実行する。この特別図柄変動待ち処理については、図28〜図30を用いて後述する。
(ステップS620)
メインCPU300aは、特別図柄変動中処理を実行する。この特別図柄変動中処理については、図31を用いて後述する。
(ステップS630)
メインCPU300aは、特別図柄停止図柄表示処理を実行する。この特別図柄停止図柄表示処理については、図32を用いて後述する。
図28は、主制御基板300における特別図柄変動待ち処理(ステップS610)を説明する第1のフローチャートであり、図29は、主制御基板300における特別図柄変動待ち処理(ステップS610)を説明する第2のフローチャートである。
(ステップS610−1)
メインCPU300aは、特1保留数が1以上であるかを判定する。その結果、特1保留数が1以上であると判定した場合にはステップS610−3に処理を移し、特1保留数は1以上ではないと判定した場合には、図29のステップS610−51に処理を移す。
(ステップS610−3)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160において、特1保留に基づく図柄の変動表示中であるか、または、特1保留に基づく図柄が停止表示中(停止表示時間の計時中)であるかを判定する。その結果、変動表示中である、または、停止表示中であると判定した場合にはステップS610−51に処理を移し、変動表示中ではなく、かつ、停止表示中ではないと判定した場合にはステップS610−5に処理を移す。
(ステップS610−5)
メインCPU300aは、第1特図保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部に記憶されている特1保留を、1つ序数の小さい記憶部にブロック転送する。具体的には、第2記憶部〜第4記憶部に記憶されている特1保留を、第1記憶部〜第3記憶部に転送する。また、メインRAM300cには、処理対象となる第0記憶部が設けられており、第1記憶部に記憶されている特1保留を、第0記憶部にブロック転送する。なお、この特別図柄記憶エリアシフト処理においては、特1保留に対応する対象特別図柄保留球数カウンタのカウンタ値を「1」減算するとともに、特1保留が「1」減算されたことを示す、保留減指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS610−7)
メインCPU300aは、第0記憶部に転送された大当たり決定乱数、保留種別、高確率遊技状態であるか低確率遊技状態であるかを識別する特別図柄確率状態フラグをロードし、対応する大当たり決定乱数判定テーブルを選択して大役抽選を行い、その抽選結果を記憶する特別図柄当たり判定処理を実行する。
(ステップS610−9)
メインCPU300aは、上記ステップS610−7の大役抽選の結果、大当たりに当選したかを判定する。その結果、大当たりに当選したと判定した場合にはステップS610−11に処理を移し、大当たりに当選していないと判定した場合にはステップS610−17に処理を移す。
(ステップS610−11)
メインCPU300aは、特別図柄を決定するための特別図柄図柄判定処理を実行する。ここでは、第0記憶部に転送された当たり図柄乱数、保留種別をロードし、対応する当たり図柄乱数判定テーブルを選択して特別図柄判定データを抽出し、抽出した特別図柄判定データ(大当たり図柄の種別)をセーブする。特別図柄判定データをセーブしたら、当該特別図柄判定データに対応する図柄種別指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS610−13)
メインCPU300aは、第2特別図柄表示器162において、特2保留に基づく図柄の変動表示中であるかを判定する。その結果、変動表示中であると判定した場合にはステップS610−15に処理を移し、変動表示中ではないと判定した場合にはステップS610−19に処理を移す。
(ステップS610−15)
メインCPU300aは、特2保留に基づいて導出され、メインRAM300cに記憶されている特別図柄2(特2保留)にかかる特別図柄判定データが、大当たり図柄に対応するか否かを判定する。つまり、ここでは、大当たり図柄にかかる変動表示が、第2特別図柄表示器162で実行されているか否かを判定することとなる。その結果、大当たり図柄にかかる図柄の変動表示が第2特別図柄表示器162において実行されていると判定した場合にはステップS610−17に処理を移し、大当たり図柄にかかる図柄の変動表示が第2特別図柄表示器162において実行されていないと判定した場合にはステップS610−19に処理を移す。
(ステップS610−17)
メインCPU300aは、ハズレ図柄にかかる特別図柄判定データをセーブし、当該特別図柄判定データに対応する図柄種別指定コマンドを送信バッファにセットする。なお、上記ステップS610−11で特別図柄判定データ(大当たり図柄の種別)がセーブされている場合には、ハズレ用の特別図柄判定データに書き換える。これにより、大当たり図柄が最終的に停止表示される図柄の変動が、第1特別図柄表示器160と第2特別図柄表示器162とで同時に行われることがなくなる。
(ステップS610−19)
メインCPU300aは、上記ステップS610−11またはステップS610−17で抽出した特別図柄判定データに対応する特別図柄停止図柄番号をセーブする。なお、第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162は、それぞれ7セグで構成されており、7セグを構成する各セグメントには番号(カウンタ値)が対応付けられている。ここで決定する特別図柄停止図柄番号は、最終的に点灯するセグメントの番号(カウンタ値)を示すものである。
(ステップS611)
メインCPU300aは、変動パターン番号を決定する特別図柄変動番号決定処理を実行する。この特別図柄変動番号決定処理の詳細は後述する。
(ステップS610−21)
メインCPU300aは、上記ステップS611で決定された変動パターン番号をロードするとともに、変動時間決定テーブルを参照して変動時間を決定する。そして、決定した変動時間を、特別図柄変動タイマにセットする。
(ステップS610−23)
メインCPU300aは、上記ステップS610−7における大役抽選の結果が大当たりであるか否かを判定し、大当たりであった場合には、上記ステップS610−11でセーブした特別図柄判定データをロードして、大当たり図柄の種別を確認する。そして、遊技状態設定テーブルおよび現在の遊技状態を参照して、大役遊技終了後に設定される遊技状態および高確回数を判定し、その判定結果を特別図柄確率状態予備フラグおよび高確回数切り予備カウンタにセーブする。なお、ハズレ図柄がセーブされている場合には、当該処理を実行することなく、次の処理に移行する。
(ステップS610−25)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160において、特別図柄の変動表示を開始するために、特別図柄表示図柄カウンタを設定する処理を実行する。第1特別図柄表示器160を構成する7セグの各セグメントにはカウンタ値が対応付けられており、特別図柄表示図柄カウンタに設定されたカウンタ値に対応するセグメントが点灯制御される。ここでは、特別図柄の変動表示の開始時に点灯させるセグメントに対応するカウンタ値が特別図柄表示図柄カウンタに設定されることとなる。なお、特別図柄表示図柄カウンタは、第1特別図柄表示器160に対応する特別図柄1表示図柄カウンタと、第2特別図柄表示器162に対応する特別図柄2表示図柄カウンタとが別個に設けられており、ここでは、特別図柄1表示図柄カウンタにカウンタ値が設定される。
(ステップS610−27)
メインCPU300aは、回数切り管理処理を実行する。ここでは、特別図柄確率状態フラグをロードして、現在の遊技状態が低確率遊技状態であるか高確率遊技状態であるかを確認する。そして、遊技状態が高確率遊技状態であった場合には、高確回数切りカウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値から「1」減算した値に更新する。なお、高確回数切りカウンタを更新した結果、カウンタ値が「0」になった場合には、低確率遊技状態に対応する特別図柄確率状態フラグをセットする。これにより、高確率遊技状態において、大当たりに当選することなく、大役抽選が所定回数実行されたところで、遊技状態が低確率遊技状態に移行することとなる。
(ステップS610−29)
メインCPU300aは、高確回数が0になるまでの残り回数(実残り回数)を示す回数コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS610−51)
図29に示すように、メインCPU300aは、特2保留数が1以上であるかを判定する。その結果、特2保留数が1以上であると判定した場合にはステップS610−53に処理を移し、特2保留数は1以上ではないと判定した場合にはステップS610−87に処理を移す。
(ステップS610−53)
メインCPU300aは、第2特別図柄表示器162において、特2保留に基づく図柄の変動表示中であるか、または、特2保留に基づく図柄が停止表示中(停止表示時間の計時中)であるかを判定する。その結果、変動表示中、または、停止表示中であると判定した場合にはステップS610−87に処理を移し、変動表示中ではなく、かつ、停止表示中ではないと判定した場合にはステップS610−55に処理を移す。
(ステップS610−55)
メインCPU300aは、第2特図保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部に記憶されている特2保留を、1つ序数の小さい記憶部にブロック転送する。具体的には、第2記憶部〜第4記憶部に記憶されている特2保留を、第1記憶部〜第3記憶部に転送する。また、メインRAM300cには、処理対象となる第0記憶部が設けられており、第1記憶部に記憶されている特2保留を、第0記憶部にブロック転送する。なお、この特別図柄記憶エリアシフト処理においては、特2保留に対応する対象特別図柄保留球数カウンタのカウンタ値を「1」減算するとともに、特2保留が「1」減算されたことを示す、保留減指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS610−57)
メインCPU300aは、第0記憶部に転送された大当たり決定乱数、保留種別、高確率遊技状態であるか低確率遊技状態であるかを識別する特別図柄確率状態フラグをロードし、対応する大当たり決定乱数判定テーブルを選択して大役抽選を行い、その抽選結果を記憶する特別図柄当たり判定処理を実行する。
(ステップS610−59)
メインCPU300aは、上記ステップS610−57の大役抽選の結果、大当たりに当選したかを判定する。その結果、大当たりに当選したと判定した場合にはステップS610−61に処理を移し、大当たりに当選していないと判定した場合にはステップS610−71に処理を移す。
(ステップS610−61)
メインCPU300aは、特別図柄を決定するための特別図柄図柄判定処理を実行する。ここでは、第0記憶部に転送された当たり図柄乱数、保留種別をロードし、対応する当たり図柄乱数判定テーブルを選択して特別図柄判定データを抽出し、抽出した特別図柄判定データ(大当たり図柄の種別)をセーブする。特別図柄判定データをセーブしたら、当該特別図柄判定データに対応する図柄種別指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS610−63)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160において、特1保留に基づく図柄の変動表示中であるかを判定する。その結果、変動表示中であると判定した場合にはステップS610−65に処理を移し、変動表示中ではないと判定した場合にはステップS610−75に処理を移す。
(ステップS610−65)
メインCPU300aは、特1保留に基づいて導出され、メインRAM300cに記憶されている特別図柄1(特1保留)にかかる特別図柄判定データが、大当たり図柄に対応するか否かを判定する。つまり、ここでは、大当たり図柄にかかる変動表示が、第1特別図柄表示器160で実行されているか否かを判定することとなる。その結果、大当たり図柄にかかる図柄の変動表示が第1特別図柄表示器160において実行されていると判定した場合にはステップS610−67に処理を移し、大当たり図柄にかかる図柄の変動表示が第1特別図柄表示器160において実行されていないと判定した場合にはステップS610−75に処理を移す。
(ステップS610−67)
メインCPU300aは、ハズレ図柄にかかる特別図柄判定データをセーブし、当該特別図柄判定データに対応する図柄種別指定コマンドを送信バッファにセットする。なお、上記ステップS610−61で特別図柄判定データ(大当たり図柄の種別)がセーブされている場合には、ハズレ用の特別図柄判定データに書き換える。これにより、大当たり図柄が最終的に停止表示される図柄の変動が、第1特別図柄表示器160と第2特別図柄表示器162とで同時に行われることがなくなる。
(ステップS610−71)
メインCPU300aは、上記ステップS610−57における大役抽選の結果、小当たりに当選したかを判定する。その結果、小当たりに当選したと判定した場合にはステップS610−73に処理を移し、小当たりに当選していないと判定した場合にはステップS610−67に処理を移す。
(ステップS610−73)
メインCPU300aは、第0記憶部に転送された当たり図柄乱数、保留種別をロードし、対応する当たり図柄乱数判定テーブルを選択して特別図柄判定データを抽出し、抽出した特別図柄判定データ(小当たり図柄の種別)をセーブする。そして、特別図柄判定データをセーブしたら、当該特別図柄判定データに対応する図柄種別指定コマンドを送信バッファにセットして、ステップS610−75に処理を移す。
(ステップS610−75)
メインCPU300aは、上記ステップS610−61、ステップS610−67、ステップS610−73で抽出した特別図柄判定データに対応する特別図柄停止図柄番号をセーブする。
(ステップS611)
メインCPU300aは、変動パターン番号を決定する特別図柄変動番号決定処理を実行する。この特別図柄変動番号決定処理の詳細は後述する。
(ステップS610−77)
メインCPU300aは、上記ステップS611で決定された変動パターン番号をロードするとともに、変動時間決定テーブルを参照して変動時間を決定する。そして、決定した変動時間を、特別図柄変動タイマにセットする。
(ステップS610−79)
メインCPU300aは、上記ステップS610−57における大役抽選の結果が大当たりであるか否かを判定し、大当たりであった場合には、上記ステップS610−61でセーブした特別図柄判定データをロードして、大当たり図柄の種別を確認する。そして、遊技状態設定テーブルおよび現在の遊技状態を参照して、大役遊技終了後に設定される遊技状態および高確回数を判定し、その判定結果を特別図柄確率状態予備フラグおよび高確回数切り予備カウンタにセーブする。なお、上記ステップS610−67で書き換え処理が行われた場合には、当該処理を実行することなく、次の処理に移行する。
(ステップS610−81)
メインCPU300aは、第2特別図柄表示器162において、特別図柄の変動表示を開始するために、特別図柄表示図柄カウンタを設定する処理を実行する。第2特別図柄表示器162を構成する7セグの各セグメントにはカウンタ値が対応付けられており、特別図柄表示図柄カウンタに設定されたカウンタ値に対応するセグメントが点灯制御される。ここでは、特別図柄の変動表示の開始時に点灯させるセグメントに対応するカウンタ値が特別図柄2表示図柄カウンタに設定されることとなる。
(ステップS610−83)
メインCPU300aは、回数切り管理処理を実行する。ここでは、特別図柄確率状態フラグをロードして、現在の遊技状態が低確率遊技状態であるか高確率遊技状態であるかを確認する。そして、遊技状態が高確率遊技状態であった場合には、高確回数切りカウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値から「1」減算した値に更新する。なお、高確回数切りカウンタを更新した結果、カウンタ値が「0」になった場合には、低確率遊技状態に対応する特別図柄確率状態フラグをセットする。これにより、高確率遊技状態において、大当たりに当選することなく、大役抽選が所定回数実行されたところで、遊技状態が低確率遊技状態に移行することとなる。
(ステップS610−85)
メインCPU300aは、上記ステップS610−83で更新されたカウンタ値(高確回数が0になるまでの残り回数)を示す回数コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS610−87)
メインCPU300aは、現在の遊技状態が低確率遊技状態であるかを判定する。その結果、低確率遊技状態であると判定した場合には、ステップS610−89に処理を移し、低確率遊技状態ではない、すなわち、高確率遊技状態であると判定した場合には、ステップS610−91に処理を移す。
(ステップS610−89)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160において、特1保留に基づく図柄の変動表示中または停止表示中(停止表示時間の計時中)であるかを判定する。その結果、変動表示中または停止表示中であると判定した場合には当該特別図柄変動待ち処理を終了し、変動表示中および停止表示中のいずれでもないと判定した場合にはステップS610−93に処理を移す。
(ステップS610−91)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160において特1保留に基づく図柄の変動表示中または停止表示中(停止表示時間の計時中)であり、かつ、第2特別図柄表示器162において特2保留に基づく図柄の変動表示中または停止表示中(停止表示時間の計時中)であるかを判定する。その結果、特1保留および特2保留の双方が、変動表示中または停止表示中であると判定した場合には当該特別図柄変動待ち処理を終了し、特1保留および特2保留の双方が、変動表示中および停止表示中のいずれでもないと判定した場合にはステップS610−93に処理を移す。
(ステップS610−93)
メインCPU300aは、客待ち状態の時間を計時するための客待ちタイマをセットする。
(ステップS610−95)
メインCPU300aは、客待ち状態の開始を伝達するためのデモコマンドを送信バッファにセットし、当該特別図柄変動待ち処理を終了する。
図30は、主制御基板300における特別図柄変動番号決定処理(ステップS611)を説明するフローチャートである。
(ステップS611−1)
メインCPU300aは、上記ステップS610でセーブされた特別図柄判定データ(特別図柄の種別)をロードする。
(ステップS611−3)
メインCPU300aは、現在設定されている遊技状態を確認する。
(ステップS611−5)
メインCPU300aは、現在設定されている遊技状態が高確率遊技状態であるかを判定する。その結果、高確率遊技状態であると判定した場合にはステップS611−7に処理を移し、高確率遊技状態ではない、すなわち、低確率遊技状態であると判定した場合にはステップS611−9に処理を移す。
(ステップS611−7)
メインCPU300aは、高確回数が0になるまでの、実際の残り回数(実残り回数)を確認する。
(ステップS611−9)
メインCPU300aは、上記ステップS611−7で確認した実残り回数が1であれば、上記ステップS611−1でロード、確認した特別図柄の種別に基づいて、高確中最終回専用変動パターン乱数判定テーブルをセットする。なお、本実施形態では、高確回数が100回に設定されるが、実残り回数が1になったとき、すなわち、高確率遊技状態における最後の特別図柄の変動表示の開始時には、高確中最終回専用変動パターン乱数判定テーブルを参照して変動パターン番号が決定される。また、上記ステップS611−7で確認した実残り回数が1以外であれば、上記ステップS611−1でロード、確認した特別図柄の種別、上記ステップS611−3で確認した現在の遊技状態、および、保留種別に基づいて、対応する変動パターン乱数判定テーブルを選択してセットする。
(ステップS611−11)
メインCPU300aは、上記ステップS611−9でセットした変動パターン乱数判定テーブルと、上記ステップS610−5またはステップS610−55で第0記憶部に転送した変動パターン乱数とに基づいて、変動パターン番号を決定する。
(ステップS611−13)
メインCPU300aは、上記ステップS611−11で決定した変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドを送信バッファにセットし、当該特別図柄変動番号決定処理を終了する。
図31は、主制御基板300における特別図柄変動中処理を説明するフローチャートである。
(ステップS620−1)
メインCPU300aは、処理対象識別値として「00H」をセットする。なお、処理対象識別値というのは、以下の各処理を実行する際に、特1保留にかかる処理を実行するのか、特2保留にかかる処理を実行するのかを識別するためのものであり、処理対象識別値として「00H」がセットされている場合には、特1保留にかかる処理が実行され、処理対象識別値として「01H」がセットされている場合には、特2保留にかかる処理が実行される。なお、特別図柄変動中処理および特別図柄停止図柄表示処理の説明で登場する各種のカウンタやタイマには、特1保留用と特2保留用とが設けられており、以下のステップS620−5〜ステップS620−23の処理では、メインRAM300cに記憶された処理対象識別値に対応する処理対象(カウンタやタイマ等)についてなされるものである。
(ステップS620−3)
メインCPU300aは、処理対象の保留が第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162において変動表示中であるかを判定する。その結果、変動表示中であれば、ステップS620−5に処理を移し、変動表示中でなければ、ステップS620−25に処理を移す。
(ステップS620−5)
メインCPU300aは、特別図柄変動ベースカウンタを更新する処理を実行する。なお、特別図柄変動ベースカウンタは、所定周期(例えば100ms)で1周するようにカウンタ値が設定される。具体的には、特別図柄変動ベースカウンタのカウンタ値が「0」であった場合には、所定のカウンタ値(例えば25)がセットされ、カウンタ値が「1」以上であった場合には、現在のカウンタ値から「1」減算した値にカウンタ値を更新する。
(ステップS620−7)
メインCPU300aは、上記ステップS620−5で更新した特別図柄変動ベースカウンタのカウンタ値が「0」であるかを判定する。その結果、カウンタ値が「0」であった場合にはステップS620−9に処理を移し、カウンタ値が「0」ではなかった場合にはステップS620−13に処理を移す。
(ステップS620−9)
メインCPU300aは、上記ステップS610−21またはステップS610−77で設定された特別図柄変動タイマのタイマ値を所定値減算する特別図柄変動タイマ更新処理を行う。
(ステップS620−11)
メインCPU300aは、上記ステップS620−9で更新した特別図柄変動タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。その結果、タイマ値が「0」であった場合にはステップS620−19に処理を移し、タイマ値が「0」ではなかった場合にはステップS620−13に処理を移す。
(ステップS620−13)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162を構成する7セグの各セグメントの点灯時間を計時する特別図柄表示タイマを更新する。具体的には、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」であった場合には、所定のタイマ値がセットされ、タイマ値が「1」以上であった場合には、現在のタイマ値から「1」減算した値にタイマ値を更新する。
(ステップS620−15)
メインCPU300aは、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。その結果、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS620−17に処理を移し、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」でないと判定した場合にはステップS620−25に処理を移す。
(ステップS620−17)
メインCPU300aは、更新対象の特別図柄表示図柄カウンタのカウンタ値を更新し、ステップS620−25に処理を移す。これにより、7セグを構成する各セグメントが、所定時間おきに順次点灯することとなる。
(ステップS620−19)
メインCPU300aは、対象の特別図柄表示図柄カウンタに、上記ステップS610−19またはS610−75で決定した特別図柄停止図柄番号(カウンタ値)をセーブする。これにより、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162に、決定された特別図柄が停止表示されることとなる。
(ステップS620−21)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162に特別図柄が停止表示されたことを示す特図停止指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS620−23)
メインCPU300aは、特別図柄を停止表示する時間である特別図柄変動停止時間を特別遊技タイマにセットする。
(ステップS620−25)
メインCPU300aは、メインRAM300cに記憶された処理対象識別値が最大(01H)であるかを判定する。その結果、処理対象識別値が最大であると判定した場合には当該特別図柄変動中処理を終了し、処理対象識別値は最大ではないと判定した場合にはステップS620−27に処理を移す。
(ステップS620−27)
メインCPU300aは、処理対象識別値として「01H」をセットし、ステップS620−3に処理を移す。
図32は、主制御基板300における特別図柄停止図柄表示処理を説明するフローチャートである。
(ステップS630−1)
メインCPU300aは、処理対象識別値として「00H」をセットする。
(ステップS630−3)
メインCPU300aは、メインRAM300cにセットされた処理対象識別値に対応する保留種別にかかる特別図柄が、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162に停止表示中であるかを判定する。その結果、停止表示中であると判定した場合にはステップS630−5に処理を移し、停止表示中ではないと判定した場合にはステップS630−13に処理を移す。
(ステップS630−5)
メインCPU300aは、上記ステップS620−23でセットした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合にはステップS630−13に処理を移し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS630−7に処理を移す。
(ステップS630−7)
メインCPU300aは、大役抽選の結果を確認する。
(ステップS630−9)
メインCPU300aは、大役抽選の結果が大当たりまたは小当たりであるかを判定する。その結果、大当たりまたは小当たりであると判定した場合にはステップS630−17に処理を移し、大当たりおよび小当たりのいずれでもないと判定した場合にはステップS630−11に処理を移す。
(ステップS630−11)
メインCPU300aは、特別図柄が確定したときの遊技状態を示す特図確定時遊技状態確認指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS630−13)
メインCPU300aは、メインRAM300cに記憶された処理対象識別値が最大(01H)であるかを判定する。その結果、処理対象識別値が最大であると判定した場合には当該特別図柄停止図柄表示処理を終了し、処理対象識別値は最大ではないと判定した場合にはステップS630−15に処理を移す。
(ステップS630−15)
メインCPU300aは、処理対象識別値に01Hを加算し、ステップS630−3に処理を移す。
(ステップS630−17)
メインCPU300aは、変動表示中の特別図柄があるか、すなわち、第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162のいずれかにおいて、図柄の変動表示中であるかを判定する。その結果、変動表示中の特別図柄があると判定した場合にはステップS630−19に処理を移し、変動表示中の特別図柄はないと判定した場合にはステップS630−21に処理を移す。
(ステップS630−19)
メインCPU300aは、変動表示中の特別図柄を、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162に強制的に停止表示させるための処理を実行する。
(ステップS630−21)
メインCPU300aは、現在の遊技状態を遊技状態バッファに記憶する。
(ステップS630−23)
メインCPU300aは、上記ステップS630−9において、大役抽選の結果が大当たりであると判定した場合には、遊技状態を初期状態である通常遊技状態にリセットする。ただし、小当たりであると判定した場合には、遊技状態をリセットすることなく、次の処理に移行する。
(ステップS630−25)
メインCPU300aは、確定した特別図柄の種別に応じて、特別電動役物作動ラムセットテーブルのデータをセットする。
(ステップS630−27)
メインCPU300aは、特別電動役物最大作動回数設定処理を行う。具体的には、上記ステップS630−25でセットしたデータを参照し、特別電動役物最大作動回数カウンタに、カウンタ値として所定数(特別図柄の種別に対応するカウンタ値=ラウンド数)をセットする。なお、この特別電動役物最大作動回数カウンタは、これから開始する大役遊技において実行可能なラウンド数を示すものである。一方、メインRAM300cには、特別電動役物連続作動回数カウンタが設けられており、各ラウンド遊技の開始時に、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値を「1」加算することで、現在のラウンド遊技数が管理される。ここでは、大役遊技の開始に伴って、この特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値をリセット(「0」に更新)する処理が併せて実行される。
(ステップS630−29)
メインCPU300aは、上記ステップS630−25でセットしたデータを参照し、特別遊技タイマに、タイマ値として所定のオープニング時間をセーブする。
(ステップS630−31)
メインCPU300aは、大役遊技の開始を副制御基板330に伝達するためのオープニング指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS630−33)
メインCPU300aは、大役遊技を開始する場合には特別遊技管理フェーズを「01H」に更新し、小当たり遊技を開始する場合には特別遊技管理フェーズを「05H」に更新して、当該特別図柄停止図柄表示処理を終了する。これにより、大役遊技または小当たり遊技が開始されることとなる。
図33は、主制御基板300における大入賞口開放前処理を説明するフローチャートである。この大入賞口開放前処理は、特別遊技管理フェーズが「01H」、「05H」であった場合に実行される。
(ステップS640−1)
メインCPU300aは、上記ステップS630−29でセットした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該大入賞口開放前処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS640−3に処理を移す。
(ステップS640−3)
メインCPU300aは、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新する。
(ステップS640−5)
メインCPU300aは、大入賞口の開放開始(ラウンド遊技の開始)を副制御基板330に伝達するための大入賞口開放指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS641)
メインCPU300aは、大入賞口開閉切替処理を実行する。この大入賞口開閉切替処理については後述する。
(ステップS640−7)
メインCPU300aは、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値を確認し、1回目のラウンド遊技の開始であるか、すなわち、第2大入賞口128の開放開始であるかを判定する。その結果、1回目のラウンド遊技が開始すると判定した場合にはステップS640−9に処理を移し、1回目のラウンド遊技の開始ではないと判定した場合にはステップS640−11に処理を移す。
(ステップS640−9)
メインCPU300aは、有効期間フラグをオンする。
(ステップS640−11)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを、現在の値に01Hを加算した値(「02H」または「06H」)に更新し、当該大入賞口開放前処理を終了する。
図34は、主制御基板300における大入賞口開閉切替処理を説明するフローチャートである。
(ステップS641−1)
メインCPU300aは、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物開閉切替回数(1回のラウンド遊技中における大入賞口の開閉回数)の上限値であるかを判定する。その結果、カウンタ値が上限値であると判定した場合には当該大入賞口開閉切替処理を終了し、カウンタ値は上限値ではないと判定した場合にはステップS641−3に処理を移す。
(ステップS641−3)
メインCPU300aは、特別電動役物作動ラムセットテーブルのデータを参照し、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値に基づいて、第1大入賞口ソレノイド126c、第2大入賞口ソレノイド128cを通電制御するためのソレノイド制御データ、および、通電時間もしくは通電停止時間であるタイマデータを抽出する。
(ステップS641−5)
メインCPU300aは、上記ステップS641−3で抽出したソレノイド制御データに基づいて、第1大入賞口ソレノイド126cまたは第2大入賞口ソレノイド128cの通電を開始するか、もしくは、通電を停止するための大入賞口ソレノイド通電制御処理を実行する。この大入賞口ソレノイド通電制御処理の実行により、上記ステップS400−25およびステップS400−27において、第1大入賞口ソレノイド126cまたは第2大入賞口ソレノイド128cの通電開始もしくは通電停止の制御がなされることとなる。
(ステップS641−7)
メインCPU300aは、不図示の可動部材制御テーブルをセットするとともに、当該テーブルを参照して、可動部材駆動ソレノイド142cの通電制御を行う。
(ステップS641−9)
メインCPU300aは、上記ステップS641−3で抽出したタイマデータに基づくタイマ値を、特別遊技タイマにセーブする。なお、ここで特別遊技タイマにセーブされるタイマ値は、大入賞口の1回の最大開放時間となる。
(ステップS641−11)
メインCPU300aは、第1大入賞口ソレノイド126cまたは第2大入賞口ソレノイド128cの通電開始状態か、すなわち、上記ステップS641−5において、第1大入賞口ソレノイド126cまたは第2大入賞口ソレノイド128cの通電を開始する制御処理がなされたかを判定する。その結果、通電開始状態であると判定した場合にはステップS641−13に処理を移し、通電開始状態ではないと判定した場合には当該大入賞口開閉切替処理を終了する。
(ステップS641−13)
メインCPU300aは、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新し、当該大入賞口開閉切替処理を終了する。
図35は、主制御基板300における大入賞口開放制御処理を説明するフローチャートである。この大入賞口開放制御処理は、特別遊技管理フェーズが「02H」、「06H」であった場合に実行される。
(ステップS650−1)
メインCPU300aは、上記ステップS641−9でセーブした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合にはステップS650−5に処理を移し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS650−3に処理を移す。
(ステップS650−3)
メインCPU300aは、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物開閉切替回数の上限値であるかを判定する。その結果、カウンタ値が上限値であると判定した場合にはステップS650−7に処理を移し、カウンタ値は上限値ではないと判定した場合にはステップS641に処理を移す。
(ステップS641)
上記ステップS650−3において、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物開閉切替回数の上限値ではないと判定した場合には、メインCPU300aは、上記ステップS641の処理を実行する。
(ステップS650−5)
メインCPU300aは、上記ステップS500−9で更新された大入賞口入賞球数カウンタのカウンタ値が規定数に到達していないか、すなわち、大入賞口に、1ラウンド中の最大入賞可能数と同数の遊技球が入球していないかを判定する。その結果、規定数に到達していないと判定した場合には当該大入賞口開放制御処理を終了し、規定数に到達したと判定した場合にはステップS650−7に処理を移す。
(ステップS650−7)
メインCPU300aは、第1大入賞口ソレノイド126cまたは第2大入賞口ソレノイド128cの通電を停止して大入賞口を閉鎖するために必要な大入賞口閉鎖処理を実行する。これにより、大入賞口は閉鎖状態となる。
(ステップS650−9)
メインCPU300aは、大入賞口閉鎖有効時間(インターバル時間)を特別遊技タイマにセーブする。
(ステップS650−11)
メインCPU300aは、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値を確認し、2回目のラウンド遊技の終了であるか、すなわち、第2大入賞口128が閉鎖されるかを判定する。その結果、2回目のラウンド遊技が終了すると判定した場合にはステップS650−13に処理を移し、2回目のラウンド遊技の終了ではないと判定した場合にはステップS650−15に処理を移す。
(ステップS650−13)
メインCPU300aは、有効期間フラグをオフする有効期間フラグオフタイマをセットする。なお、有効期間フラグオフタイマは、ステップS400−9のタイマ更新処理でタイマ割込処理の度に減算されていき、0になると有効期間フラグがオフになる。
(ステップS650−15)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを、現在の値に01Hを加算した値(「03H」または「07H」)に更新する。
(ステップS650−17)
メインCPU300aは、大入賞口が閉鎖されたことを示す大入賞口閉鎖指定コマンドを送信バッファにセットし、当該大入賞口開放制御処理を終了する。
図36は、主制御基板300における大入賞口閉鎖有効処理を説明するフローチャートである。この大入賞口閉鎖有効処理は、特別遊技管理フェーズが「03H」、「07H」であった場合に実行される。
(ステップS660−1)
メインCPU300aは、上記ステップS650−9でセーブした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないと判定した場合には当該大入賞口閉鎖有効処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS660−3に処理を移す。
(ステップS660−3)
メインCPU300aは、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物最大作動回数カウンタのカウンタ値と一致するか、すなわち、予め設定された回数のラウンド遊技が終了したかを判定する。その結果、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物最大作動回数カウンタのカウンタ値と一致すると判定した場合にはステップS660−9に処理を移し、一致しないと判定した場合にはステップS660−5に処理を移す。
(ステップS660−5)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「01H」に更新する。なお、特別遊技管理フェーズが07Hである場合、すなわち、小当たり遊技の制御中は、小当たり遊技のラウンド遊技回数が「1」であることから、上記ステップS660−3で必ずYESと判定され、当該ステップに処理が移行することはない。
(ステップS660−7)
メインCPU300aは、所定の大入賞口閉鎖時間を特別遊技タイマにセーブし、当該大入賞口閉鎖有効処理を終了する。これにより、次のラウンド遊技が開始されることとなる。
(ステップS660−9)
メインCPU300aは、エンディング時間を特別遊技タイマにセーブするエンディング時間設定処理を実行する。
(ステップS660−11)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを、現在の値に01Hを加算した値(「04H」または「08H」)に更新する。
(ステップS660−13)
メインCPU300aは、エンディングの開始を示すエンディング指定コマンドを送信バッファにセットし、当該大入賞口閉鎖有効処理を終了する。
図37は、主制御基板300における大入賞口終了ウェイト処理を説明するフローチャートである。この大入賞口終了ウェイト処理は、特別遊技管理フェーズが「04H」、「08H」であった場合に実行される。
(ステップS670−1)
メインCPU300aは、上記ステップS660−9でセーブした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該大入賞口終了ウェイト処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS670−3に処理を移す。
(ステップS670−3)
メインCPU300aは、大役遊技終了後の遊技状態を設定するための状態設定処理を実行する。ここでは、大役遊技中に特定領域140bに遊技球が進入した場合には高確率遊技状態に設定し、特定領域140bに遊技球が進入しなかった場合には低確率遊技状態に設定する。なお、この処理は、大役遊技が実行された場合にのみ行われ、小当たり遊技が実行された場合には、当該処理を行うことはない。
(ステップS670−5)
メインCPU300aは、大役遊技の終了後に設定される遊技状態を伝達するための遊技状態変化指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS670−7)
メインCPU300aは、上記ステップS670−3でセーブした高確回数に対応する回数コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS670−9)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「00H」に更新し、当該大入賞口終了ウェイト処理を終了する。これにより、特1保留または特2保留が記憶されている場合には、特別図柄の変動表示が再開されることとなる。
図38は、普通遊技管理フェーズを説明する図である。既に説明したとおり、本実施形態では、ゲート124への遊技球の通過を契機とする普通遊技に係る処理が、段階的に、かつ、繰り返し実行されるが、主制御基板300では、こうした普通遊技に係る各処理を普通遊技管理フェーズによって管理している。
図38に示すように、メインROM300bには、普通遊技を実行制御するための複数の普通遊技制御モジュールが格納されており、これら普通遊技制御モジュールごとに、普通遊技管理フェーズが対応付けられている。具体的には、普通遊技管理フェーズが「00H」である場合には、「普通図柄変動待ち処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「01H」である場合には、「普通図柄変動中処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「02H」である場合には、「普通図柄停止図柄表示処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「03H」である場合には、「普通電動役物入賞口開放前処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「04H」である場合には、「普通電動役物入賞口開放制御処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「05H」である場合には、「普通電動役物入賞口閉鎖有効処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「06H」である場合には、「普通電動役物入賞口終了ウェイト処理」を実行するためのモジュールがコールされる。
図39は、主制御基板300における普通遊技管理処理(ステップS700)を説明するフローチャートである。
(ステップS700−1)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズをロードする。
(ステップS700−3)
メインCPU300aは、上記ステップS700−1でロードした普通遊技管理フェーズに対応する普通遊技制御モジュールを選択する。
(ステップS700−5)
メインCPU300aは、上記ステップS700−3で選択した普通遊技制御モジュールをコールして処理を開始する。
(ステップS700−7)
メインCPU300aは、普通遊技の制御時間を管理する普通遊技タイマをロードする。
図40は、主制御基板300における普通図柄変動待ち処理を説明するフローチャートである。この普通図柄変動待ち処理は、普通遊技管理フェーズが「00H」であった場合に実行される。
(ステップS710−1)
メインCPU300aは、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値をロードし、カウンタ値が「0」であるか、すなわち、普図保留が「0」であるかを判定する。その結果、カウンタ値が「0」であると判定した場合には当該普通図柄変動待ち処理を終了し、カウンタ値は「0」ではないと判定した場合にはステップS710−3に処理を移す。
(ステップS710−3)
メインCPU300aは、普図保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部に記憶されている普図保留(当たり決定乱数)を、1つ序数の小さい記憶部にブロック転送する。具体的には、第2記憶部〜第4記憶部に記憶されている普図保留を、第1記憶部〜第3記憶部に転送する。また、メインRAM300cには、処理対象となる第0記憶部が設けられており、第1記憶部に記憶されている普図保留を、第0記憶部に転送する。なお、この普通図柄記憶エリアシフト処理においては、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値を「1」減算するとともに、普図保留が「1」減算したことを示す、普図保留減指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS710−5)
メインCPU300aは、第0記憶部に転送された当たり決定乱数をロードし、現在の遊技状態に対応する当たり決定乱数判定テーブルを選択して普図抽選を行い、その抽選結果を記憶する普通図柄当たり判定処理を実行する。
(ステップS710−7)
メインCPU300aは、上記ステップS710−5の普図抽選の結果に対応する普通図柄停止図柄番号をセーブする。なお、本実施形態では、普通図柄表示器168は1つのLEDランプで構成されており、当たりの場合には普通図柄表示器168を点灯させ、ハズレの場合には普通図柄表示器168を消灯させる。ここで決定する普通図柄停止図柄番号は、最終的に普通図柄表示器168を点灯するか否かを示すものであり、例えば、当たりに当選した場合には、普通図柄停止図柄番号として「0」が決定され、ハズレの場合には、普通図柄停止図柄番号として「1」が決定される。
(ステップS710−9)
メインCPU300aは、現在の遊技状態を確認し、対応する普通図柄変動時間データテーブルを選択してセットする。
(ステップS710−11)
メインCPU300aは、上記ステップS710−3で第0記憶部に転送した当たり決定乱数と、上記ステップS710−9でセットした普通図柄変動時間データテーブルとに基づいて、普通図柄変動時間を決定する。
(ステップS710−13)
メインCPU300aは、上記ステップS710−11で決定した普通図柄変動時間を普通遊技タイマにセーブする。
(ステップS710−15)
メインCPU300aは、普通図柄表示器168において、普通図柄の変動表示を開始するために、普通図柄表示図柄カウンタを設定する処理を実行する。この普通図柄表示図柄カウンタに、カウンタ値として例えば「0」が設定されている場合には普通図柄表示器168が点灯制御され、カウンタ値として「1」が設定されている場合には普通図柄表示器168が消灯制御される。ここでは、普通図柄の変動表示の開始時に所定のカウンタ値が普通図柄表示図柄カウンタに設定されることとなる。
(ステップS710−17)
メインCPU300aは、普図保留記憶領域に記憶されている普図保留数を示す普図保留指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS710−19)
メインCPU300aは、上記ステップS710−7で決定された普通図柄停止図柄番号、すなわち、普通図柄当たり判定処理によって決定された図柄種別(当たり図柄またはハズレ図柄)に基づいて、普通図柄指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS710−21)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「01H」に更新し、当該普通図柄変動待ち処理を終了する。
図41は、主制御基板300における普通図柄変動中処理を説明するフローチャートである。この普通図柄変動中処理は、普通遊技管理フェーズが「01H」であった場合に実行される。
(ステップS720−1)
メインCPU300aは、上記ステップS710−13でセーブした普通遊技タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。その結果、タイマ値が「0」であった場合にはステップS720−9に処理を移し、タイマ値が「0」ではなかった場合にはステップS720−3に処理を移す。
(ステップS720−3)
メインCPU300aは、普通図柄表示器168の点灯時間および消灯時間を計時する普通図柄表示タイマを更新する。具体的には、普通図柄表示タイマのタイマ値が「0」であった場合には、所定のタイマ値がセットされ、タイマ値が「1」以上であった場合には、現在のタイマ値から「1」減算した値にタイマ値を更新する。
(ステップS720−5)
メインCPU300aは、普通図柄表示タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。その結果、普通図柄表示タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS720−7に処理を移し、普通図柄表示タイマのタイマ値が「0」でないと判定した場合には当該普通図柄変動中処理を終了する。
(ステップS720−7)
メインCPU300aは、普通図柄表示図柄カウンタのカウンタ値を更新する。ここでは、普通図柄表示図柄カウンタのカウンタ値が、普通図柄表示器168の消灯を示すカウンタ値であった場合には点灯を示すカウンタ値に更新し、普通図柄表示器168の点灯を示すカウンタ値であった場合には消灯を示すカウンタ値に更新し、当該普通図柄変動中処理を終了する。これにより、普通図柄表示器168は、普通図柄変動時間にわたって、所定時間おきに点灯、消灯を繰り返す(点滅する)こととなる。
(ステップS720−9)
メインCPU300aは、普通図柄表示図柄カウンタに、上記ステップS710−7で決定した普通図柄停止図柄番号(カウンタ値)をセーブする。これにより、普通図柄表示器168が最終的に点灯もしくは消灯制御され、普図抽選の結果が報知されることとなる。
(ステップS720−11)
メインCPU300aは、普通図柄を停止表示する時間である普通図柄変動停止時間を普通遊技タイマにセットする。
(ステップS720−13)
メインCPU300aは、普通図柄の停止表示が開始されたことを示す普図停止指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS720−15)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「02H」に更新し、当該普通図柄変動中処理を終了する。
図42は、主制御基板300における普通図柄停止図柄表示処理を説明するフローチャートである。この普通図柄停止図柄表示処理は、普通遊技管理フェーズが「02H」であった場合に実行される。
(ステップS730−1)
メインCPU300aは、上記ステップS720−11でセットした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該普通図柄停止図柄表示処理を終了し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS730−3に処理を移す。
(ステップS730−3)
メインCPU300aは、普図抽選の結果を確認する。
(ステップS730−5)
メインCPU300aは、普図抽選の結果が当たりであるかを判定する。その結果、当たりであると判定した場合にはステップS730−9に処理を移し、当たりではない(ハズレである)と判定した場合にはステップS730−7に処理を移す。
(ステップS730−7)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「00H」に更新し、当該普通図柄停止図柄表示処理を終了する。これにより、1の普図保留に基づく普通遊技管理処理が終了し、普図保留が記憶されている場合には、次の保留に基づく普通図柄の変動表示を開始するための処理が行われることとなる。
(ステップS730−9)
メインCPU300aは、開閉制御パターンテーブルのデータを参照し、普通遊技タイマに、タイマ値として普電開放前時間をセーブする。
(ステップS730−11)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「03H」に更新し、当該普通図柄停止図柄表示処理を終了する。これにより、第2始動口122の開閉制御が開始されることとなる。
図43は、主制御基板300における普通電動役物入賞口開放前処理を説明するフローチャートである。この普通電動役物入賞口開放前処理は、普通遊技管理フェーズが「03H」であった場合に実行される。
(ステップS740−1)
メインCPU300aは、上記ステップS730−9でセットした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口開放前処理を終了し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS741に処理を移す。
(ステップS741)
メインCPU300aは、普通電動役物入賞口開閉切替処理を実行する。この普通電動役物入賞口開閉切替処理については後述する。
(ステップS740−3)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「04H」に更新し、当該普通電動役物入賞口開放前処理を終了する。
図44は、主制御基板300における普通電動役物入賞口開閉切替処理を説明するフローチャートである。
(ステップS741−1)
メインCPU300aは、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、普通電動役物開閉切替回数(1回の開閉制御中における第2始動口122の可動片122bの開閉回数)の上限値であるかを判定する。その結果、カウンタ値が上限値であると判定した場合には当該普通電動役物入賞口開閉切替処理を終了し、カウンタ値は上限値ではないと判定した場合にはステップS741−3に処理を移す。
(ステップS741−3)
メインCPU300aは、開閉制御パターンテーブルのデータを参照し、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値に基づいて、普通電動役物ソレノイド122cを通電制御するためのソレノイド制御データ(通電制御データまたは通電停止制御データ)、および、普通電動役物ソレノイド122cの通電時間(ソレノイド通電時間)もしくは通電停止時間(普電閉鎖有効時間=休止時間)であるタイマデータを抽出する。
(ステップS741−5)
メインCPU300aは、上記ステップS741−3で抽出したソレノイド制御データに基づいて、普通電動役物ソレノイド122cの通電を開始するか、もしくは、普通電動役物ソレノイド122cの通電を停止するための普通電動役物ソレノイド通電制御処理を実行する。この普通電動役物ソレノイド通電制御処理の実行により、上記ステップS400−25およびステップS400−27において、普通電動役物ソレノイド122cの通電開始もしくは通電停止の制御がなされることとなる。
(ステップS741−7)
メインCPU300aは、上記ステップS741−3で抽出したタイマデータに基づくタイマ値を、普通遊技タイマにセーブする。なお、ここで普通遊技タイマにセーブされるタイマ値は、第2始動口122の1回の最大開放時間となる。
(ステップS741−9)
メインCPU300aは、普通電動役物ソレノイド122cの通電開始状態か、すなわち、上記ステップS741−5において、普通電動役物ソレノイド122cの通電を開始する制御処理がなされたかを判定する。その結果、通電開始状態であると判定した場合にはステップS741−11に処理を移し、通電開始状態ではないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口開閉切替処理を終了する。
(ステップS741−11)
メインCPU300aは、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新する。
図45は、主制御基板300における普通電動役物入賞口開放制御処理を説明するフローチャートである。この普通電動役物入賞口開放制御処理は、普通遊技管理フェーズが「04H」であった場合に実行される。
(ステップS750−1)
メインCPU300aは、上記ステップS741−7でセーブした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合にはステップS750−5に処理を移し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS750−3に処理を移す。
(ステップS750−3)
メインCPU300aは、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、普通電動役物開閉切替回数の上限値であるかを判定する。その結果、カウンタ値が上限値であると判定した場合にはステップS750−7に処理を移し、カウンタ値は上限値ではないと判定した場合にはステップS741に処理を移す。
(ステップS741)
上記ステップS750−3において、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、普通電動役物開閉切替回数の上限値ではないと判定した場合には、メインCPU300aは、上記ステップS741の処理を実行する。
(ステップS750−5)
メインCPU300aは、上記ステップS530−9で更新された普通電動役物入賞球数カウンタのカウンタ値が規定数に到達していないか、すなわち、第2始動口122に、1回の開閉制御中の最大入賞可能数と同数の遊技球が入球していないかを判定する。その結果、規定数に到達していないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口開放制御処理を終了し、規定数に到達したと判定した場合にはステップS750−7に処理を移す。
(ステップS750−7)
メインCPU300aは、普通電動役物ソレノイド122cの通電を停止して第2始動口122を閉鎖するために必要な普通電動役物閉鎖処理を実行する。これにより、第2始動口122が閉鎖状態となる。
(ステップS750−9)
メインCPU300aは、普電有効状態時間を普通遊技タイマにセーブする。
(ステップS750−11)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「05H」に更新し、当該普通電動役物入賞口開放制御処理を終了する。
図46は、主制御基板300における普通電動役物入賞口閉鎖有効処理を説明するフローチャートである。この普通電動役物入賞口閉鎖有効処理は、普通遊技管理フェーズが「05H」であった場合に実行される。
(ステップS760−1)
メインCPU300aは、上記ステップS750−9でセーブした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口閉鎖有効処理を終了し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS760−3に処理を移す。
(ステップS760−3)
メインCPU300aは、普電終了ウェイト時間を普通遊技タイマにセーブする。
(ステップS760−5)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「06H」に更新し、当該普通電動役物入賞口閉鎖有効処理を終了する。
図47は、主制御基板300における普通電動役物入賞口終了ウェイト処理を説明するフローチャートである。この普通電動役物入賞口終了ウェイト処理は、普通遊技管理フェーズが「06H」であった場合に実行される。
(ステップS770−1)
メインCPU300aは、上記ステップS760−3でセーブした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口終了ウェイト処理を終了し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS770−3に処理を移す。
(ステップS770−3)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「00H」に更新し、当該普通電動役物入賞口終了ウェイト処理を終了する。これにより、普図保留が記憶されている場合には、普通図柄の変動表示が再開されることとなる。
以上のように、主制御基板300において各種の処理が実行されることにより、特別遊技および普通遊技が進行することとなるが、こうした遊技の進行中には、主制御基板300から送信されるコマンドに基づいて、副制御基板330において、さまざまな演出を実行するための制御が行われる。以下では、低確率遊技状態において実行される、大役抽選の抽選結果を報知する変動演出について簡単に説明した後、本実施形態の特徴的な演出である、高確率遊技状態において実行される演出について説明する。
(演出の一例)
図48は、リーチなし変動パターンの変動演出の一例を説明する図である。上記のように、低確率遊技状態に設定されている場合に、主制御基板300において大役抽選が行われると、特別図柄の変動表示中、すなわち、特別図柄の変動時間に亘って、大役抽選の結果を報知する変動演出が実行される。なお、この変動演出は、遊技状態が低確率遊技状態に設定されている場合に、特1保留に基づいて特別図柄の変動表示が行われると実行されるが、遊技状態が高確率遊技状態に設定されている場合に実行されることはない。また、特2保留に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、大当たり図柄が決定された場合に限り実行される。
この変動演出においては、演出表示部200aにおいて種々の背景画像が表示されるとともに、この背景画像に重畳して、演出図柄210a、210b、210cが変動表示(スクロール表示)される。そして、最終的に演出表示部200aに停止表示された演出図柄210a、210b、210cの組み合わせ表示態様によって、大役抽選の結果が遊技者に報知されることとなる。なお、変動演出中は、演出表示部200aに表示される画像に伴って、音声出力装置206から音声が出力されるとともに、演出照明装置204が点灯制御され、また、演出役物装置202が可動制御される。
本実施形態の変動演出は、リーチなし変動パターン、リーチ変動パターンに大別される。リーチなし変動パターンの変動演出では、演出表示部200aに背景画像(図示を省略)が表示されるとともに、この背景画像に演出図柄210a、210b、210cが重畳して変動表示される。例えば、図48(a)に示すように、大役抽選結果がハズレであったことを示す組み合わせで演出図柄210a、210b、210cが停止表示されているとする。この状態で、新たに特別図柄の変動表示が行われると、当該特別図柄の変動表示の開始に伴って、図48(b)に示すように、3つの演出図柄210a、210b、210cが変動表示(スクロール表示)を開始する。なお、図中下向きの矢印は、演出図柄210a、210b、210cが縦方向にスクロール表示されていることを示している。
そして、図48(c)に示すように、まず、演出図柄210aが停止表示され、その後、図48(d)に示すように、演出図柄210aと異なる図柄(態様)で演出図柄210cが停止表示される。そして、特別図柄の変動表示が終了して、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162に特別図柄が停止表示するのとほぼ同じタイミングで、図48(e)に示すように、演出図柄210bが停止表示され、このとき停止表示されている3つの演出図柄210a、210b、210cの組み合わせによって、大役抽選結果が遊技者に報知される。
なお、本実施形態では、大当たり当選時には、3つの演出図柄210a、210b、210cが全て同一の図柄(態様)で停止表示され、その後に大役遊技が実行される。一方、大役抽選結果がハズレであった場合には、3つの演出図柄210a、210b、210cが全て同一の図柄(態様)で停止表示されることはない。
図49は、リーチ変動パターンの変動演出の一例を説明する図である。リーチ変動パターンの変動演出は、リーチなし変動パターンの変動演出と同様に、特別図柄の変動表示の開始に伴って、演出図柄210a、210b、210cの変動表示が開始され、図49(a)に示すように、演出図柄210aがまず停止表示される。その後、図49(b)に示すように、演出図柄210aと同一の図柄(態様)で演出図柄210cが停止表示される。
このように、演出表示部200aにおいて、演出図柄210a、210cが特定態様(同一の図柄(態様))、所謂「リーチ態様」で表示されると、図49(c)に示すように、演出表示部200aにおいて、演出図柄210a、210cに重畳して「リーチ」と表示される。その後、図49(d)に示すように、演出図柄210a、210b、210cの形状を、特定態様になる前と異にして変動表示が継続される。そして、その後、演出表示部200aには、図49(e)に示すように、所定の動画(リーチ発展演出)が再生表示されるとともに、最終的に、演出図柄210a、210b、210cが停止表示されて大役抽選結果が遊技者に報知されることとなる。
(演出決定テーブルの一例)
次に、上記の変動演出の態様の決定方法について説明する。図50は、低確時変動演出決定テーブルを説明する図である。図50に示すように、変動パターンコマンドを受信すると、0〜249の範囲から演出乱数を取得するとともに、取得した乱数値と、低確時変動演出決定テーブルとに基づいて、1の変動演出の実行態様(パターン)が決定される。このとき決定される変動演出の実行パターンには、演出表示部200aに表示する画像パターン等が対応付けられており、主制御基板300で決定された変動パターン番号に対応付けられた特別図柄の変動表示の時間と一致する変動演出の実行態様が決定されるように予め設計されている。
次に、高確率遊技状態に設定されている場合に実行される演出について説明する。
図51は、高確率遊技状態に設定されている場合の演出の一例を説明する図である。高確率遊技状態においては、図51(a)に示すように、演出表示部200aの中央に、背景画像としてキャラクタ画像220が表示される。ここでは、背景画像として表示されるキャラクタ画像220が複数種類用意されており、演出表示部200aの左側には、各キャラクタ画像220に対応するアイコン画像222(図中、符号222a、222b、222cで示す)が表示される。
さらに、演出表示部200aの下部には、合計払出数表示部224が設けられており、遊技者が獲得した賞球数、より詳細には、大入賞口に遊技球が入球して払い出された賞球数を積算した合計払出数が表示される。なお、上記したように、本実施形態では、高確率遊技状態に設定されている場合、遊技者が第2遊技領域116bに向けて遊技球を発射させると、小当たり遊技が頻繁に実行され、この小当たり遊技によって獲得賞球数が徐々に増加していく。この合計払出数表示部224には、低確率遊技状態から高確率遊技状態への変更契機となる大役遊技の開始時から、遊技状態が最終的に低確率遊技状態に変更されるまでの間、大役遊技および小当たり遊技中に大入賞口に遊技球が入球して払い出された合計払出数が表示される。
そして、演出表示部200aに表示されるキャラクタ画像220は、合計払出数表示部224に表示される合計払出数に応じて切り替わる。具体的には、副制御基板330においては、合計払出数が算出されており、算出した合計払出数が閾値を超えると、演出表示部200aの中央に表示するキャラクタ画像220が変更される。例えば、図51(c)に示すように、演出表示部200aに表示されるキャラクタ画像220が、キャラクタA〜Eの5種類設けられており、各キャラクタA〜Eに、合計払出数がそれぞれ対応付けられている。副制御基板330においては、合計払出数を常時確認しており、合計払出数が閾値を超えると、現在の合計払出数に対応するキャラクタ画像220を演出表示部200aに表示するように制御する。このとき、例えば、図51(b)に示すように、既に演出表示部200aに表示されたキャラクタ画像220に対応するアイコン画像222には、×が表示される。
従来の遊技機においては、大当たり回数が、遊技者の獲得した遊技利益に直結することから、大当たり回数や、所謂、連荘回数に応じて演出を切り替えることで、遊技者に満足感や達成感を付与するのが一般的となっていた。しかしながら、本実施形態の遊技性では、連荘状態が継続したとしても、大当たりに当選するタイミングによって、合計払出数が大きく異なることから、大当たり回数等によって演出を切り替えるのは適切ではない。そこで、本実施形態では、合計払出数に応じて演出を切り替えることで、遊技者が獲得した遊技利益に合致した演出を展開することとしている。
また、本実施形態では、高確率遊技状態に設定されている場合に、遊技者が演出操作装置208を操作することで、好みの出力音声(楽曲)を選択できるようにしている。このとき、図51(c)に示すように、合計払出数が多くなるにつれて、選択可能な出力音声(楽曲)が徐々に増えていくように設定されている。
図52は、高確率遊技状態に設定されている場合の特殊演出の一例を説明する図である。例えば、図52(a)に示すように、高確率遊技状態に設定されてから遊技者に払い出された遊技球の合計払出数が2488であったとする。その後、小当たり遊技で開放された第2大入賞口128に遊技球が入球し、図52(b)に示すように、合計払出数が2500になると、図52(c)に示すように、演出表示部200aに「2500発OVER」と表示される。そして、図52(d)に示すように、背景画像として表示されるキャラクタ画像220の変更、および、遊技者が選択可能となる出力音声(楽曲)の追加が報知される。
このように、合計払出数に応じてキャラクタ画像220と選択可能な出力音声とが予め対応付けられており、合計払出数が閾値を超えたところで、図52(c)、(d)に示す特殊演出が実行されることとなる。そして、特殊演出が所定時間に亘って実行されると、図52(e)に示すように、キャラクタ画像220が変更された状態で、演出表示部200aが元の画像に切り替わる。この状態では、遊技者が演出操作装置208を操作することで、新たに追加された出力音声(楽曲)が選択可能となっている。
以上のように、合計払出数が所定の閾値を超えるたびに、キャラクタ画像220が変更されることで遊技者の倦怠感が低減され、選択可能な出力音声(楽曲)が順次追加されていくことで、遊技者に特典を獲得したという満足感が付与され、演出効果の向上、並びに、遊技の興趣向上が図られている。
なお、本実施形態では、演出表示部200aの右端に、主制御基板300のメインRAM300cに記憶されている特2保留に対応する保留表示画像228(図中、符号228a〜228dで示す)が表示される。上記のように、主制御基板300のメインRAM300cには第2特図保留記憶領域が設けられており、この第2特図保留記憶領域の第1〜4記憶部に特2保留が記憶される。第1記憶部に特2保留が記憶されている場合には、保留表示画像228aが表示され、第1記憶部および第2記憶部に特2保留が記憶されている場合には、保留表示画像228a、228bが表示され、第1記憶部〜第3記憶部に特2保留が記憶されている場合には、保留表示画像228a、228b、228cが表示され、第1記憶部〜第4記憶部に特2保留が記憶されている場合には、保留表示画像228a、228b、228c、228dが表示される。つまり、保留表示画像228は、主制御基板300のメインRAM300cに記憶されている特2保留数の増減を報知するものとなっている。
また、演出表示部200aの下部には、報知残り回数表示部226が設けられており、この報知残り回数表示部226に、高確率遊技状態における残りの大役抽選可能回数が表示される。ただし、報知残り回数表示部226に表示される回数は、主制御基板300で管理されている実際の残り回数(実残り回数)と必ずしも一致するものではない。すなわち、報知残り回数表示部226に表示される報知残り回数は、高確率遊技状態から低確率遊技状態に変更されるまでの特別図柄の決定もしくは停止表示の実残り回数に基づいて決定されるが、この報知残り回数は、主制御基板300で管理されている実残り回数の範囲内の回数となっている。
つまり、報知残り回数表示部226には、実残り回数よりも少ない回数が報知残り回数として表示される場合がある。このように、実残り回数と報知残り回数とを意図的に異ならせることにより、遊技者に緊張感や期待感を与えた演出を実現可能とする。以下に、実残り回数と報知残り回数との間に差分が生じている場合の演出について詳述する。
図53は、高確率遊技状態における演出サイクルを説明する図である。遊技状態が低確率遊技状態に設定されているときに、大当たり図柄として特別図柄Bが決定され、大役遊技中に第2大入賞口128に入球した遊技球が特定領域140bに進入したとする。この場合、図53(a)に示すように、大役遊技の終了後に遊技状態が高確率遊技状態に設定され、高確回数すなわち高確率遊技状態の実残り回数は100回に設定される。このとき、大役遊技が終了して高確率遊技状態における特別遊技の再開に伴って、報知残り回数表示部226には、報知残り回数として「100」と表示される。つまり、低確率遊技状態から高確率遊技状態に移行した最初の時点では、報知残り回数と実残り回数とが等しくなっている。
そして、特別図柄の変動表示、すなわち、大役抽選が行われるたびに、主制御基板300で管理される実残り回数は1ずつ減算されていくが、これに合わせて、報知残り回数表示部226に表示される報知残り回数も1ずつ減算されていく。このようにして、高確率遊技状態において再度大当たりに当選することなく、換言すれば、大当たり図柄以外の図柄が100回決定されると、遊技状態が低確率遊技状態に変更される。したがって、この場合には、実残り回数と報知残り回数との間に差異が生じることなく、報知残り回数が1となった後に、遊技状態が低確率遊技状態に変更されることとなる。
なお、上記したように、高確率遊技状態では特2保留が変動対象となるが、特2保留によって大役抽選が行われた場合、決定される図柄は、小当たり図柄としての特別図柄Z1、Z2、Z3か、大当たり図柄としての特別図柄B、Cとなる。図53(b)に示すように、大役抽選によって特別図柄Z1が決定されると、主制御基板300において変動パターン番号が決定され、決定された変動パターン番号に対応する変動時間に亘って、特別図柄の変動表示が行われる。その後、特別図柄Z1が、一定時間、第2特別図柄表示器162に停止表示されると、小当たり遊技が実行される。
ここで、実残り回数が100〜2回であるときに、小当たり図柄として特別図柄Z1が決定された場合に選択される変動パターン番号、すなわち、変動時間は、1つのみとなっている。また、特別図柄の停止表示時間は、図柄の種別や遊技状態等に拘わらず、常に一定となっている。したがって、特別図柄Z1が決定された場合、第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示の開始から、特別図柄Z1の停止表示後に実行される小当たり遊技が終了するまでの期間を1サイクルとした場合、この1サイクルに要する時間は常に一定(本実施形態では6.0秒)となる。
また、実残り回数が100〜2回であるときに、小当たり図柄として特別図柄Z2、Z3が決定された場合にも、特別図柄Z1が決定された場合と同じ変動パターン番号のみが選択されるように設計されている。なお、小当たりに当選した場合に実行される小当たり遊技は3種類設けられており、決定された小当たり図柄に応じて、第2大入賞口128の開閉制御がなされる。これら3種類の小当たり遊技は、図53(b)〜(d)に示すように、オープニング時間とエンディング時間が互いに異なることから、小当たり遊技中の大入賞口の開閉タイミングが異なっている。ただし、いずれの小当たり遊技においても、第2大入賞口128が最初に開放されてから最終的に閉鎖されるまでに要する時間や開閉態様は同一であり、しかも、小当たり遊技の開始(オープニング)から終了(エンディング)までに要する時間も、同じ時間に設定されている。したがって、特別図柄Z1、Z2、Z3のいずれが決定された場合にも、1サイクルに要する時間は一定(6.0秒)となっている。
また、実残り回数が100〜2回であるときに、大当たり図柄として特別図柄Cが決定された場合にも、小当たり図柄が決定された場合と同じ変動パターン番号が選択される。また、特別図柄Cが決定されて実行される大役遊技のオープニング時間およびエンディング時間は、小当たり図柄Z1が決定された場合に実行される小当たり遊技と等しい。したがって、第2遊技領域116bに向けて遊技球を発射させる発射操作を遊技者が継続して行っていれば、特別図柄Cが決定された場合の変動表示の開始から大役遊技の終了までの1サイクルに要する時間も、小当たり図柄が決定された場合の1サイクルに要する時間とほぼ等しくなる。
このように、高確率遊技状態においては、特2保留に基づいて大役抽選が行われると、6.0秒を1サイクルとして遊技が進行する。そして、本実施形態では、1サイクルに要する時間に対応する6.0秒の演出パターンや、複数サイクルに要する時間、つまり6.0秒×n(nは任意の数値)の演出パターンが複数設けられており、これら複数の演出パターンの中からいずれかの演出パターンを選択して、演出が実行制御される。より詳細には、通常、図51(a)、(b)に示す演出が実行されているが、予め設定された条件が成立すると、1サイクルを基準としたサイクル演出が実行制御される。ただし、こうした1サイクルを基準とする各サイクル演出は、主に、報知残り回数と実残り回数との間に差分が発生している場合に行われる。
なお、実残り回数が100〜2回であるときに、大当たり図柄として特別図柄Bが決定された場合にも、小当たり図柄が決定された場合と同じ変動パターン番号が選択される。ただし、特別図柄Bが決定されて実行された場合には、図53(f)に示すように、2回目のラウンド遊技の終了後に、第1大入賞口126が開閉されるラウンド遊技が継続して行われる。そのため、3回目のラウンド遊技が実行された時点で、特別図柄Bが決定されたことを遊技者が識別可能となる。したがって、特別図柄Bが決定された場合には、サイクル演出とは異なる専用演出が実行され、大当たりに当選したことが遊技者に報知されることとなる。
図54は、報知残り回数と実残り回数との差分発生状態を説明する図である。上記したように、高確率遊技状態において大当たりに当選しなかった場合には、図54(a)に示すように、実残り回数と報知残り回数との間に差分が発生することはない。一方で、高確率遊技状態に設定されている場合に、大役抽選によって特別図柄Cが決定され、大役遊技中に第2大入賞口128に入球した遊技球が特定領域140bに進入すると、大役遊技の終了後に遊技状態の再設定がなされ、実残り回数が再度100回に設定される。
例えば、図54(b)に示すように、実残り回数が59回となったところで、大役抽選によって特別図柄Cが決定され、大役遊技中に特定領域140bに遊技球が進入すると、図示のように、実残り回数が100回に再設定される。このとき、大役遊技における第2大入賞口128の開閉態様は、小当たり遊技における第2大入賞口128の開閉態様と識別するのが困難であるため、遊技者は、第2大入賞口128の開閉を見ただけでは、実残り回数が100回に再設定されたことに気付くのは難しい。したがって、特別図柄Cが決定されたときの1サイクル中に、大当たりの当選を報知するような演出を実行することなく、そのまま報知残り回数を減算していくことで、遊技者に気付かれないうちに、報知残り回数と実残り回数との間に、42回の差分を生じさせる。
そして、その後、実残り回数が72回となったところで、大役抽選によって再び特別図柄Cが決定され、大役遊技中に特定領域140bに遊技球が進入すると、図示のように、実残り回数が100回に再設定される。この場合にも、大当たりの当選を報知するような演出を実行することなく、そのまま報知残り回数を減算していくと、遊技者に気付かれないうちに、報知残り回数と実残り回数との間に、71回の差分が生じることとなる。
本実施形態では、上記のようにして実残り回数と報知残り回数との間に差分が生じた状態において、報知残り回数が恰も増加したかのような印象を遊技者に抱かせるべく、上乗せ演出と継続確定演出といった2種類の演出が実行される。
図55は、上乗せ演出および継続確定演出とサイクルとの関係を説明する図である。本実施形態では、遊技者が第2遊技領域116bに向けて遊技球を継続的に発射している場合、特2保留が途切れることなく遊技を進行することができるように設計されている。したがって、高確率遊技状態においては、図55(a)に示すように、基本的に、6.0秒の1サイクルが間を空けずに繰り返されている。
そして、報知残り回数と実残り回数との間に差分が生じている状態で実行される上乗せ演出および継続確定演出は、それぞれ複数パターン設けられている。なお、上乗せ演出および継続確定演出は、それぞれ1サイクル演出と複数サイクル演出に分類されている。具体的には、上乗せ演出は、1サイクル演出としての1サイクル上乗せ演出と、複数サイクル演出としての2サイクル上乗せ演出および3サイクル上乗せ演出とからなる、合計3種類が設けられている。また、継続確定演出は、1サイクル演出としての1サイクル継続確定演出と、複数サイクル演出としての2サイクル継続確定演出および3サイクル継続確定演出とからなる、合計3種類が設けられている。
1サイクル演出は、図55(b)、(e)に示すように、1サイクルに要する時間、すなわち、6.0秒で構成されている。また、複数サイクル演出は、2サイクル演出が、図55(c)、(f)に示すように、2サイクルに要する時間(12.0秒)で構成され、3サイクル演出が、図55(d)、(g)に示すように、3サイクルに要する時間(18.0秒)で構成されている。
なお、詳しくは後述するが、本実施形態ではガセ演出(上乗せガセ演出および継続確定ガセ演出)が設けられており、このガセ演出についても、図55(h)〜(j)に示すように、1サイクルガセ演出、2サイクルガセ演出、3サイクルガセ演出の3種類が設けられている。これらの1サイクル演出および複数サイクル演出は、主制御基板300において小当たり図柄(大当たり図柄)が決定され、第2特別図柄表示器162において特別図柄の変動表示が開始されるのに伴って実行制御される。ただし、これら1サイクル演出および複数サイクル演出は、その実行可否が、特別図柄の変動表示の開始時、および、特2保留の記憶時に抽選により決定され、抽選によって当選した場合に限って実行される。こうした各演出の抽選に関しては、後で詳述する。
図56は、1サイクル上乗せ演出および1サイクル上乗せガセ演出の一例を説明する図である。例えば、図56(a)に示すように、高確率遊技状態用の演出が実行されているときに、1サイクル上乗せ演出または1サイクル上乗せガセ演出の実行が抽選により決定されたとする。すると、特別図柄の変動表示の開始に伴って、図56(b)に示すように、演出表示部200aに爆弾を模した画像が表示されるとともに、図56(c)に示すように、爆弾が爆発するといった内容の画像が表示される。
そして、上乗せ演出では、図56(d)に示すように、演出表示部200aに、「上乗せ+n(nは上乗せ回数、ここでは20)」と表示され、このとき表示された上乗せ回数nが、図56(e)に示すように、上乗せ演出の実行前もしくは実行時に報知された報知残り回数に加算される。なお、この上乗せ演出で表示される上乗せ回数は、実残り回数と報知残り回数との差分の範囲内で導出されるため、上乗せ回数nの加算後の報知残り回数が、実残り回数よりも多くなることはない。
一方で、上乗せガセ演出では、図56(c)に示す演出の実行後、図56(f)に示すように、演出表示部200aがブラックアウトし、その後、図56(g)に示すように、上乗せガセ演出の実行前と同様の演出に復帰する。
このように、上乗せ演出においては、実残り回数と報知残り回数との差分の範囲内で上乗せ回数nが報知されるとともに、報知された上乗せ回数nが、報知残り回数表示部226に表示されていた報知残り回数に加算表示される演出となっている。
図57は、1サイクル継続確定演出および1サイクル継続確定ガセ演出の一例を説明する図である。例えば、図57(a)に示すように、高確率遊技状態用の演出が実行されているときに、1サイクル継続確定演出または1サイクル継続確定ガセ演出の実行が抽選により決定されたとする。すると、特別図柄の変動表示の開始に伴って、図57(b)に示すように、演出表示部200aに「STOCK」および「残念」と記されたルーレットを模した画像が表示されるとともに、ルーレットが回転する画像が表示される。
そして、継続確定演出では、図57(c)に示すように、「STOCK」と表示された領域が識別表示されるとともに、図57(d)に示すように、演出表示部200aに、「STOCK」と表示される。その後、図57(e)に示すように、継続確定演出の開始前の画像に復帰するが、このとき、演出表示部200aの右上に「STOCK」と記された継続確定アイコン230が表示される。この継続確定アイコン230は、以後、報知残り回数が1になるまで、つまり、高確率遊技状態における最終回に相当する報知残り回数が報知残り回数表示部226に表示されるまで継続して表示される。
このようにして継続確定演出が実行され、演出表示部200aに継続確定アイコン230が表示された場合には、報知残り回数が1となったとき、すなわち、高確率遊技状態における最終回に相当する報知残り回数となったときに、報知残り回数の回復を示す回復演出が必ず実行される。したがって、継続確定演出は、現在の報知残り回数が1となった後も高確率遊技状態が継続すること、すなわち、回数報知演出によって高確率遊技状態の最終回に相当する報知残り回数(1)が報知された後も高確率遊技状態が継続することを示す演出と言える。
なお、継続確定演出によって演出表示部200aに表示される継続確定アイコン230は複数パターン設けられており、表示される継続確定アイコン230によって、回復する報知残り回数が示唆される。例えば、継続確定アイコン230が第1の表示パターンで表示された場合には、報知残り回数が10回回復し、第2の表示パターンで表示された場合には、報知残り回数が20回回復し、第3の表示パターンで表示された場合には、報知残り回数が30回回復する。このように、継続確定アイコン230の表示パターンによって、回復回数を示唆することで、より一層、演出効果を向上することができる。
一方で、継続確定ガセ演出では、図57(b)に示す演出の実行後、図57(f)に示すように、「残念」と表示された領域が識別表示されるとともに、図57(g)に示すように、演出表示部200aがブラックアウトし、その後、図57(h)に示すように、継続確定ガセ演出の実行前と同様の演出に復帰する。
このように、高確率遊技状態に設定されている場合、高確率遊技状態から低確率遊技状態に変更されるまでの特別図柄の決定もしくは停止表示の実残り回数に基づいて、当該実残り回数の範囲内で報知残り回数が導出される。こうして導出された報知残り回数は、報知残り回数表示部226において直接的に報知されるが、報知残り回数が実残り回数よりも少ない場合において継続確定演出の実行が決定されると、報知残り回数以上に高確率遊技状態が継続することが報知されることとなる。
図58は、複数サイクル上乗せ演出の一例を説明する図である。例えば、図58(a)に示すように、高確率遊技状態用の演出が実行されているときに、3サイクル上乗せ演出の実行が抽選により決定されたとする。すると、特別図柄の変動表示の開始に伴って、図58(b)に示すように、等分された4つの領域それぞれに、「継続確定」、「NEXT」、「残念」、「上乗せ」と記されたルーレット画像が演出表示部200aに表示される。そして、ルーレットが回転するとともに、所定時間が経過すると、図58(c)に示すように、4つの領域のうち「NEXT」と表示された領域が識別表示される。この3サイクル上乗せ演出では、演出の開始から図58(c)に示す演出の状態までが1サイクル目に相当する。
その後、図58(d)に示すように、再び、ルーレットの4つの領域が全て表示されるとともに、再度ルーレットが回転する。そして、所定時間が経過すると、図58(e)に示すように、再び、4つの領域のうち「NEXT」と表示された領域が識別表示される。ここでは、図58(d)から図58(e)に示す演出の状態、すなわち、2回目のルーレットの回転開始から停止までが2サイクル目に相当する。
その後、図58(f)に示すように、再び、ルーレットの4つの領域が全て表示されるとともに、再度ルーレットが回転する。そして、所定時間が経過すると、図58(g)に示すように、今度は4つの領域のうち「上乗せ」と表示された領域が識別表示され、その後、図58(h)に示すように、「上乗せ+20」と演出表示部200aに表示されて、3サイクル上乗せ演出が終了となる。ここでは、図58(f)から図58(h)に示す演出の状態、すなわち、3回目のルーレットの回転開始から演出の終了までが3サイクル目に相当する。
なお、ここでは、3サイクル上乗せ演出について説明したが、2サイクル上乗せ演出は、ルーレットの回転および停止が1回少ない点のみが上記と異なっている。また、2サイクル継続確定演出および3サイクル継続確定演出では、最後のルーレットの停止時に「継続確定」と記された領域が識別表示されるとともに、図58(h)の演出に代えて、継続確定アイコン230が演出表示部200aに表示される点のみが上記と異なっている。
図59は、上乗せ演出および継続確定演出が実行された場合の報知残り回数と実残り回数との遷移の一例を説明する図である。例えば、図59(a)に示すように、実残り回数が59回となったところで、特別図柄Cが決定され、大役遊技中に特定領域140bに遊技球が進入して、実残り回数と報知残り回数との間に、42回の差分が発生したとする。こうした差分発生状態では、上乗せ演出や継続確定演出の実行可否の抽選が行われる。そして、例えば、報知残り回数が55回となったところで1サイクル上乗せ演出の実行が決定されると、報知残り回数と実残り回数との差分の範囲内で、上乗せ回数nが導出される。ここで、上乗せ回数nとして14回が決定されたとすると、この14回が55回に加算され、報知残り回数は69回となる。したがって、上乗せ演出が実行された次の1サイクルの開始時には、実残り回数が96回、報知残り回数が68回となり、両者の差分が28回となる。
この場合にも、いまだ差分発生状態となっていることから、各サイクルの開始時に上乗せ演出および継続確定演出の実行可否の抽選が行われる。そして、図59(a)に示すように、2回目および3回目の上乗せ演出によって、最終的に差分がなくなると、以後、再度差分が発生するまで、上乗せ演出および継続確定演出は実行されなくなる。なお、ガセ演出は、差分の発生有無に拘わらず実行可否の抽選が行われ、差分が発生していない状態でも実行される場合がある。
また、例えば、図59(b)に示すように、実残り回数が59回となったところで、特別図柄Cが決定され、大役遊技中に特定領域140bに遊技球が進入して、実残り回数と報知残り回数との間に、42回の差分が発生したとする。そして、報知残り回数が55回となったところで1サイクル上乗せ演出の実行が決定されると、報知残り回数と実残り回数との差分の範囲内で、上乗せ回数nが導出される。ここで、上乗せ回数nとして10回が決定されたとすると、この10回が55回に加算され、報知残り回数は65回となる。したがって、上乗せ演出が実行された次の1サイクルの開始時には、実残り回数が96回、報知残り回数が64回となり、両者の差分が32回となる。
その後、報知残り回数が31回となったところで、1サイクル継続確定演出が実行されたとする。この場合には、以後、報知残り回数が1となるまで、演出表示部200aに継続確定アイコン230が表示されたままとなり、報知残り回数が1となったときに、回復演出が実行される。この回復演出は、1サイクルに対応する6.0秒用の演出で構成されており、報知残り回数が実残り回数まで回復することが報知される。これにより、回復演出の実行後は、報知残り回数と実残り回数とが等しくなる。なお、ここでは、回復演出によって、報知残り回数が実残り回数まで回復する場合について説明したが、報知残り回数の回復回数は、実残り回数の範囲内となっている。
具体的には、継続確定演出を実行する場合には、実残り回数と報知残り回数との差分の範囲内でストック回数が導出、記憶される。継続確定アイコン230は、このとき導出されたストック回数に応じて表示パターンが決定されることで、継続確定アイコン230によって、回復する報知残り回数が遊技者に示唆されることとなる。そして、継続確定アイコン230が表示された状態で、報知残り回数とストック回数とを合計した合計回数と、実残り回数との間に差分がある場合には、継続確定アイコン230が表示された状態、すなわち、回復演出が実行されるまでの間にさらに上乗せ演出が実行可能となる。また、回復演出の実行後も、なお、実残り回数と報知残り回数との間に差分が発生している場合には、以後、上乗せ演出等によって、再度差分が埋められることとなる。
ここで、上記のように、実残り回数と報知残り回数との間に意図的に差分を生じさせ、上乗せ演出や継続確定演出を実行することで、大役抽選の結果とは無関係に、遊技者にとって喜ばしい演出を適宜実行することができる。しかしながら、上乗せ演出や継続確定演出を実行するためには、報知残り回数を実残り回数よりも少なくする必要がある。本実施形態のように、所謂ST機においては、報知残り回数が多い状態では、遊技者の緊張感が比較的小さく、報知残り回数が少なくなるにつれて、遊技者の緊張感が徐々に増していくという特性がある。そのため、主制御基板300で管理している実残り回数よりも少ない回数を報知残り回数として遊技者に報知することで、遊技者は、常時、高い緊張感の中で遊技を行わなければならず、遊技者によっては大きなストレスを受けてしまい、遊技の興趣が低下するおそれがある。そこで、本実施形態では、上乗せ演出や継続確定演出によってもたらされる演出効果を発揮しながらも、遊技者のストレスを適度に軽減することで、より一層の遊技の興趣向上を図っている。
図60は、特別図柄Bが決定された場合の報知残り回数と実残り回数との遷移の一例を説明する図である。例えば、図60に示すように、実残り回数が59回となったところで、特別図柄Cが決定され、大役遊技中に特定領域140bに遊技球が進入して、実残り回数と報知残り回数との間に、42回の差分が発生したとする。こうした差分発生状態では、上乗せ演出や継続確定演出の実行可否の抽選が行われる。そして、図示のように、上乗せ演出や継続確定演出が実行されたとする。その後、実残り回数が60回となったところで、特別図柄Bが決定され、大役遊技中に特定領域140bに遊技球が進入したとする。
この場合には、実残り回数が100回となるが、これに伴って、実残り回数が100回に設定されることを報知する専用演出が実行されるとともに、報知残り回数として、回数報知演出によって報知される最大の回数である100回が導出される。これにより、以後、回数報知演出で報知される報知残り回数は、実残り回数と等しくなる。このように、高確率遊技状態において決定される大当たり図柄に、獲得可能な賞球数の多い大役遊技の実行が対応付けられた大当たり図柄(特別図柄B)を含ませておき、この大当たり図柄(特別図柄B)が決定された場合には、報知残り回数を最大回数まで復帰させる。こうして報知残り回数が最大回数まで復帰することで、以後、しばらくの間、遊技者は安心して遊技を行うことが可能となり、高確率遊技状態におけるストレスが軽減されて、遊技の興趣を向上することができる。
なお、上記の1サイクル演出および複数サイクル演出は、その実行可否が、特別図柄の変動表示の開始時、および、特2保留の記憶時に抽選により決定される。そして、1サイクル演出および複数サイクル演出の実行が決定されると、これら各演出は、特別図柄の変動表示の開始と同時に実行されるが、本実施形態では、特2保留の有無に拘わらず、複数サイクル演出の実行可否をも決定される。
図61は、特2保留の有無と複数サイクル演出との関係を説明する図である。上記のように、1サイクル演出は6.0秒で構成され、2サイクル演出は12.0秒で構成され、3サイクル演出は18.0秒で構成されている。そして、各サイクル演出は、特別図柄の変動表示の開始に伴って実行されることから、図61(a)に示すように、特2保留が途切れなければ、小当たり遊技の終了タイミング、すなわち、1サイクルの終了タイミングと、各サイクル演出の終了タイミングとは一致する。
しかしながら、例えば、第2始動口122に遊技球が一定期間に亘って入球せずに、1サイクルの終了時点で、特2保留が記憶されていないこともあり得る。具体的には、図61(b)に示すように、特別図柄の変動表示の開始時に、2サイクル演出の実行が決定されるとともに、この2サイクル演出が、特別図柄の変動表示の開始に伴って実行されたとする。このとき、特別図柄の停止表示後に実行される小当たり遊技が終了した時点で、特2保留が記憶されておらず、主制御基板300において客待ち状態に移行すると、特別図柄の変動表示や小当たり遊技が行われていない状態でも、2サイクル演出が継続して実行されることとなる。このように、複数サイクル演出が実行された場合には、必ずしも、演出の終了タイミングが、1サイクルの終了タイミングと一致するとは限らないが、演出の終了タイミングと1サイクルの終了タイミングとにずれが生じたとしても、特段の問題が生じることはない。
なお、例えば、図61(c)に示すように、2サイクル演出の開始後、主制御基板300において特2保留が途切れて一旦客待ち状態に移行し、その後、当該2サイクル演出が実行されている間に、新たに特2保留が記憶されて特別図柄の変動表示が開始されたとする。この場合、2回目の特別図柄の変動表示の開始時点では、2サイクル演出の実行中であるため、当該1サイクルの開始時には、新たに1サイクル演出や複数サイクル演出の実行可否の抽選が行われないようにしている。したがって、複数サイクル演出の実行中に特別図柄の変動表示が開始されたとしても、実行中の複数サイクル演出が中断されてしまうといった事態が生じないようにしている。
また、図61(c)に示すように、複数サイクル演出の実行中に特2保留が途切れてしまうと、特別図柄の変動表示中、停止表示中、小当たり遊技中に、複数サイクル演出が終了する。このように、複数サイクル演出の終了タイミングと、1サイクルの終了タイミングとが一致しない場合には、複数サイクル演出の終了時点から、1サイクルが終了するまでの時間を吸収するための尺吸収演出が実行される。この尺吸収演出は、例えば、複数サイクル演出の最後に演出表示部200aに表示される画像を、そのまま継続して表示させる等、複数サイクル演出が恰も継続しているかのような印象を遊技者に与えるものである。なお、尺吸収演出は、時間のずれによる違和感を遊技者に与えない内容であれば、その具体的な内容は適宜設計すればよい。また、複数サイクル演出の終了タイミングと、1サイクルの終了タイミングとの時間的なずれは6.0秒以内であることや、抽選で当選しなかった場合にはサイクル演出が実行されない場合もあることから、1サイクルの終了タイミングとサイクル演出の終了タイミングとの間にずれが生じても違和感は小さく、よって、特段の措置を講じなくともよい。
次に、上記の1サイクル演出および複数サイクル演出の実行可否を決定する処理について具体的に説明する。本実施形態では、ガセ演出、上乗せ演出、継続確定演出の実行可否がそれぞれ別の抽選で決定されるが、ここでは、上乗せ演出の実行可否を決定する処理について説明する。
図62(a)は上乗せ演出決定テーブルを説明する図であり、図62(b)は先読み演出決定テーブルを説明する図である。上記したように、本実施形態では、高確率遊技状態に設定されている場合に、特2保留が読み出されて図柄の変動表示が開始されるとき、および、特2保留が記憶されたときに、サイクル演出の実行パターンが決定される。サイクル演出としての上乗せ演出の実行パターンを決定する場合には、図62(a)に示す上乗せ演出決定テーブルを参照して、上乗せ演出の実行パターンが決定される。
具体的には、特2保留が記憶されると、0〜249の範囲から1の演出乱数が取得される。そして、図62(a)に示す上乗せ演出決定テーブルを参照し、取得した演出乱数と、その時点の未報知回数(MC)とに基づいて、上乗せ演出の実行パターンを決定する。ここで、未報知回数(MC)は、副制御基板330でカウントされているものであり、主制御基板300で管理されている実残り回数と、報知残り回数(HC)および後述するストック回数(SC)の合計回数との差分を示す。つまり、未報知回数(MC)>0の場合というのは、報知残り回数(HC)と、回復演出で回復が報知されることが決まっているストック回数(SC)との合計回数が実残り回数よりも小さく、上記の上乗せ演出や継続確定演出によって上乗せや回復を報知可能な状態である。一方、未報知回数(MC)=0の場合というのは、主制御基板300で管理されている実残り回数と、報知残り回数(HC)およびストック回数(SC)の合計回数が等しく、上記の上乗せ演出や継続確定演出を実行できない場合である。
上乗せ演出決定テーブルにおいては、未報知回数(MC)に応じて、上乗せ演出の不実行(図中「不実行」と記す)、1サイクル上乗せ演出の実行(図中「1サイクル」と記す)、2サイクル上乗せ演出の実行(図中「2サイクル」と記す)、3サイクル上乗せ演出の実行(図中「3サイクル」と記す)の選択比率が設定されている。より詳細には、未報知回数(MC)が0である場合には、上乗せ演出の不実行のみが決定されるように、選択比率が設定されている。また、0<未報知回数(MC)<5である場合には、上乗せ演出の不実行が245/250、1サイクル上乗せ演出の実行が5/250の確率で決定されるように、選択比率が設定されている。また、5≦未報知回数(MC)<10である場合には、上乗せ演出の不実行が240/250、1サイクル上乗せ演出の実行が10/250の確率で決定されるように、選択比率が設定されている。また、10≦未報知回数(MC)<30である場合には、上乗せ演出の不実行が220/250、1〜3サイクル上乗せ演出の実行がそれぞれ10/250の確率で決定されるように、選択比率が設定されている。また、30≦未報知回数(MC)である場合には、上乗せ演出の不実行が200/250、1サイクル上乗せ演出の実行が10/250、2サイクル上乗せ演出の実行が15/250、3サイクル上乗せ演出の実行が25/250の確率で決定されるように、選択比率が設定されている。
このように、上乗せ演出決定テーブルによれば、未報知回数(MC)が大きくなるほど、上乗せ演出の実行確率が高くなり、また、サイクル数の多い上乗せ演出の実行確率が高く設定されている。
詳しくは後述するが、特2保留が記憶されたときに、上乗せ演出の実行対象が決定されると、上乗せ演出の実行対象となる特2保留がいずれであるのかを示す実行情報が記憶される。そして、主制御基板300において特2保留が読み出されて図柄の変動表示が開始されるたび、副制御基板330では、読み出された特2保留が、上乗せ演出の実行対象に決定されている特2保留であるかを実行情報に基づいて確認する。このとき、上乗せ演出の実行対象に決定されている特2保留が読み出されると、当該特2保留の記憶時に決定された実行パターンで上乗せ演出を開始することとなる。
また、読み出された特2保留が、上乗せ演出の実行対象に決定されていない場合には、当該特2保留が読み出されて実行される図柄の変動表示の開始時に、再度、演出乱数が取得され、上記の上乗せ演出決定テーブルを参照して、上乗せ演出の実行可否および実行パターンが決定される。このように、本実施形態では、まず、特2保留が記憶された時点で、当該特2保留を上乗せ演出の実行対象とするかが決定され、上乗せ演出の実行対象に決定されなかった場合には、その後、当該特2保留が読み出された時点で、再度、当該特2保留を上乗せ演出の実行対象とするかが決定されることとなる。
なお、詳細な説明は省略するが、副制御基板330には、継続確定演出の実行可否や実行パターンを決定するための継続確定演出決定テーブル、および、ガセ演出の実行可否や実行パターンを決定するためのガセ演出決定テーブルが設けられている。特2保留が読み出されて図柄の変動表示が開始されるときには、これらの演出決定テーブルを参照して、継続確定演出やガセ演出の実行可否および実行パターンが決定される。この継続確定演出やガセ演出の実行可否、実行パターンについても、上記の上乗せ演出の実行可否および実行パターンを決定するときと同様の処理によって決定されることとなる。ただし、既に上乗せ演出の実行対象に決定された特2保留が読み出された場合には、ガセ演出、上乗せ演出、継続確定演出の実行可否の抽選が行われることはない。換言すれば、特2保留が読み出されて実行される図柄の変動表示の開始時においては、読み出された特2保留が上乗せ演出の実行対象に決定されていない場合に限り、ガセ演出、上乗せ演出、継続確定演出の実行可否等が決定されることとなる。
また、特2保留が記憶されたときには、先読み演出の実行可否および実行パターンが決定される。本実施形態では、演出表示部200aに表示される保留表示画像228を用いて先読み演出が実行される。保留表示画像228は、白、青、黄、赤、虹の5色の表示パターンが設けられており、通常は、デフォルトに設定されている白色の表示パターンで表示され、先読み演出が実行されると、青、黄、赤、虹のいずれかの表示パターンで表示される。この先読み演出では、演出表示部200aに表示された保留表示画像228の色により、当該保留表示画像228に対応する特2保留が読み出されて図柄の変動表示が行われるのに伴って上乗せ演出が開始される可能性が示唆される。
すなわち、特2保留が記憶されると、当該特2保留を上乗せ演出の実行対象とするか否か、また、上乗せ演出の実行対象とする場合にはその実行パターンが決定される。このとき決定された上乗せ演出の実行パターンに応じて、保留表示画像228の表示パターンが決定される。より詳細に説明すると、図62(b)に示すように、先読み演出決定テーブルにおいては、上乗せ演出の実行パターンごとに、保留表示画像228の表示パターンの選択比率が設定されている。例えば、上乗せ演出の不実行が決定された場合には、「白」が240/250、「青」が10/250の確率で選択されるように選択比率が設定されている。同様に、1サイクル上乗せ演出の実行が決定された場合には、「白」が200/250、「青」および「黄」がそれぞれ25/250の確率で選択され、2サイクル上乗せ演出および3サイクル上乗せ演出の実行が決定された場合にも、保留表示画像228の表示パターンの選択比率が、それぞれ図示のとおりに設定されている。
特2保留が記憶されたときには、0〜249の範囲から1の演出乱数が取得され、先に決定された上乗せ演出の実行可否および実行パターンと、取得した演出乱数とに基づき、上記の先読み演出決定テーブルを参照して保留表示画像228の表示パターンが決定される。こうして決定された表示パターンで保留表示画像228が演出表示部200aに表示され、特2保留数が遊技者に報知されるとともに、このときの表示パターンによって、保留表示画像228を用いた先読み演出が実行されることとなる。
図63は、先読み演出の一例を説明する図である。例えば、主制御基板300のメインRAM300cに設けられた第2特図保留記憶領域の第1〜4記憶部に特2保留が記憶されており、このうち第2記憶部に記憶された特2保留が、当該特2保留の記憶時に、上乗せ演出の実行対象に決定されているとする。そして、この上乗せ演出の実行対象に決定された特2保留に対応する保留表示画像228の表示パターンが、青色に決定されたとすると、図63(a)に示すように、第2記憶部の特2保留に対応する保留表示画像228bが青色で表示される。
その後、1サイクルが終了すると、主制御基板300において第2特図保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている特2保留が読み出され、次なる1サイクルにかかる処理が開始される。このとき、図63(b)に示すように、演出表示部200aにおいては、保留表示画像228bが保留表示画像228aへシフトし、保留表示画像228cが保留表示画像228bへシフトし、保留表示画像228dが保留表示画像228cへとシフトする。こうした保留表示画像228のシフトにより、特2保留が1つ減少したことが遊技者に報知される。そして、さらに1サイクルが終了すると、再び、主制御基板300において第2特図保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている特2保留が読み出され、次なる1サイクルにかかる処理が開始される。
この場合にも、図63(c)に示すように、演出表示部200aにおいて、保留表示画像228bが保留表示画像228aへシフトし、保留表示画像228cが保留表示画像228bへシフトする。また、このとき読み出された特2保留は、上乗せ演出の実行対象に決定されていることから、青色で表示された保留表示画像228aが演出表示部200aから消去されるのと同時に、図63(d)に示すように、上乗せ演出が開始されることとなる。
以上のように、先読み演出を実行することにより、近いうちに上乗せ演出が実行されるのではないかといった期待感が遊技者に付与される。例えば、図柄の変動表示が開始された直後に、第2特図保留記憶領域の第4記憶部に特2保留が記憶され、この特2保留が、3サイクル上乗せ演出の実行対象に決定され、しかも、この特2保留に対応する保留表示画像228によって先読み演出が実行されたとする。この場合には、当該特2保留が読み出されるまでの4サイクルと、当該特2保留が読み出された後の3サイクルとの合計7サイクルに亘って遊技者に期待感が付与されることとなり、極めて高い演出効果が発揮されることとなる。
ただし、上記のように、上乗せ演出や先読み演出は、複数サイクルに亘って実行されることから、1のサイクルに対して、先読み演出や上乗せ演出の実行が重複して決定されるおそれがある。そこで、本実施形態では、複数サイクル演出および先読み演出の禁止期間を設定することで、演出の重複を排除するようにしている。
図64は、演出の禁止期間を説明する図である。例えば、図64(a)に示すように、実残り回数が95回となったときの図柄の変動表示中に、第2特図保留記憶領域の第1記憶部および第2記憶部に特2保留が記憶されているとする。また、これら第1記憶部および第2記憶部に記憶された特2保留は、いずれも上乗せ演出および先読み演出の実行対象に決定されていないとする。この状態で、第3記憶部に新たに特2保留が記憶され、この特2保留の記憶時に、当該特2保留が3サイクル上乗せ演出の実行対象に決定されるとともに、先読み演出の実行対象に決定されたとする。
この場合には、図64(b)に示すように、実残り回数と報知残り回数との間に差分が生じた差分発生状態であったとしても、第1記憶部および第2記憶部に記憶された特2保留が読み出されたときに、複数サイクル演出の実行が制限される。具体的には、実残り回数が94回となったときの図柄の変動表示の開始時には、3サイクル演出の実行が制限され、実残り回数が93回となったときの図柄の変動表示の開始時には、2サイクル演出および3サイクル演出の実行が制限される。このように、第2特図保留記憶領域に記憶されたいずれかの特2保留が、サイクル演出(上乗せ演出)の実行対象に決定されている状態においては、当該実行対象に決定されていない特2保留について、既に実行が決定されているサイクル演出と重複しないように、新たにサイクル演出の実行可否ならびに実行パターンが決定されることとなる。
なお、実残り回数が91回および90回となるときの図柄の変動表示をもたらす特2保留の記憶時においても、当該特2保留については先読み演出が禁止される。
このように、本実施形態によれば、高確率遊技状態においては、演出がサイクル単位で管理されており、記憶されている特2保留の数以上のサイクルに亘って演出が実行される場合がある。つまり、特2保留が記憶されていない状態でも、一連の演出が実行されるので、従来のように、特2保留が枯渇することで、変動演出が長時間に亘って実行されずに、遊技者が倦怠感を覚えてしまうといった事態が起こりにくい。
また、複数サイクルに亘って演出を実行したり、サイクル演出の実行を決定するタイミングが複数設けられたりすることで、演出効果の向上が図られるが、一のサイクルに対してサイクル演出の実行が重複して決定されると、実行される演出が複雑になって遊技者に違和感を与えたり、演出の管理が煩雑となったりする。本実施形態のように、演出を制限したり禁止したりする期間を適宜設定することにより、遊技者に違和感が与えられなくなり、演出の管理ひいては設計作業を簡素化することができる。
ここで、本実施形態では、報知残り回数が所定回数以下になると、上乗せ演出や継続確定演出が実行されることはなく、これらの演出に代えてカウントダウン演出が実行される。以下に、報知残り回数が所定回数以下になった場合の演出について説明する。
図65は、報知残り回数が実残り回数よりも少ない状態で、報知残り回数が所定回数以下になった場合のカウントダウン演出を説明する図であり、図66は、報知残り回数が実残り回数と等しい状態で、報知残り回数が所定回数以下になった場合のカウントダウン演出を説明する図である。本実施形態では、報知残り回数が4以下になると、実残り回数に拘わらず、カウントダウン演出が実行される。例えば、図65(a)に示すように、実残り回数と報知残り回数との間に40回の差分が生じた状態で、報知残り回数が4以下になったとする。この場合、特別図柄の変動表示の開始に伴って、報知残り回数が4、3、2、1と減算されていき、実残り回数が44、43、42、41と減算されていく。
上記したように、高確率遊技状態において小当たり図柄が決定された場合、実残り回数が、高確率遊技状態の最終回に相当する回数以外、すなわち、「1」以外であれば、図65(b)に示すように、1サイクルの時間が6.0秒となるように変動時間が決定される。したがって、この場合には、図65(a)に示すように、実残り回数が44、43、42、41回であり、報知残り回数が4、3、2、1である場合の1サイクルの時間は、いずれも6.0秒となる。
そして、実残り回数が44回、報知残り回数が4回となった1サイクルでは、図65(c)に示すように、演出表示部200aに「3」と表示される。同様に、実残り回数が43回、報知残り回数が3回となった1サイクルでは、図65(d)に示すように、演出表示部200aに「2」と表示され、実残り回数が42回、報知残り回数が2回となった1サイクルでは、図65(e)に示すように、演出表示部200aに「1」と表示される。
そして、実残り回数が41回、報知残り回数が1回となった1サイクルでは、まず、高確率遊技状態が終了するか否かを示唆する示唆演出が実行される。この示唆演出では、図65(f)に示すように、演出表示部200aに扉が閉まりかけた画像が表示されるとともに、演出操作装置208の押下操作を促す画像が表示される。このとき、遊技者が演出操作装置208を押下操作すると、図65(g)に示すように、扉が閉じる画像が表示された後、扉が開かれて、図65(h)に示すように、演出表示部200aに「上乗せ+40」と表示される継続報知演出が実行される。このように、実残り回数と報知残り回数との間に差分が生じたまま、報知残り回数が1になった場合には、示唆演出および継続報知演出で構成される1サイクル演出が実行され、報知残り回数の上乗せが報知される。この演出は、上記の上乗せ演出のように抽選によって行われるものではなく、報知残り回数と実残り回数との間に差分が生じており、かつ、継続確定演出が実行されていない状態で、報知残り回数が1となった場合に必ず実行される。
なお、示唆演出および継続報知演出で構成される1サイクル演出で表示される上乗せ回数nは、実残り回数と報知残り回数との差分の範囲内であればよい。したがって、継続報知演出によって、実残り回数と報知残り回数とが等しくなるようにしてもよいし、継続報知演出の実行後も、実残り回数と報知残り回数との間に差分が生じていてもよい。
これに対して、高確率遊技状態において小当たり図柄が決定された場合、実残り回数が、高確率遊技状態の最終回に相当する回数、すなわち、「1」であれば、図66(c)に示すように、1サイクルの時間が15.0秒となるように変動時間が決定される。したがって、この場合には、図66(a)〜(c)に示すように、実残り回数(報知残り回数)が4、3、2回である場合の1サイクルの時間は、いずれも6.0秒となり、実残り回数(報知残り回数)が1回である場合の1サイクルの時間は、実残り回数が100〜2回である場合の6.0秒よりも長い15.0秒となる。
そして、実残り回数(報知残り回数)が4〜2回となった各1サイクルでは、上記と同様、図66(d)〜(f)に示すように、それぞれ、演出表示部200aに「3」、「2」、「1」と表示される。また、実残り回数(報知残り回数)が1回となった1サイクルでは、まず、図66(g)に示すように、演出表示部200aに扉が閉まりかけた画像が表示される示唆演出が実行される。この示唆演出は、図65(f)に示す演出と同様であり、カウントダウン演出の開始後、示唆演出の実行時点までは、実残り回数と報知残り回数との間に差分が生じているか否かに拘わらず同じ演出が実行される。そして、示唆演出の開始後、遊技者が演出操作装置208を押下操作すると、示唆演出に続いて終了報知演出が実行される。この終了報知演出は、図66(h)に示すように、扉が閉じる画像に重畳して「終了」と表示され、図66(i)に示すように、高確率遊技状態が終了するまでの合計払出数と、大役抽選の回数(特別図柄の変動表示の回数)とが表示される。この演出が終了すると、主制御基板300において遊技状態が低確率遊技状態に変更され、これに伴って、演出表示部200aには、低確率遊技状態用の演出画像が表示されることとなる。
以上のように、実残り回数が、高確率遊技状態の最終回に相当する回数以外であって、報知残り回数が高確率遊技状態の最終回に相当する回数であれば、1サイクルの時間が6.0秒に決定される。そして、1サイクルの時間である6.0秒に亘って、示唆演出と、高確率遊技状態の継続を報知する継続報知演出とが実行される。一方、実残り回数が、高確率遊技状態の最終回に相当する回数であれば、1サイクルの時間が15.0秒に決定され、15.0秒に亘って、示唆演出と終了報知演出とが実行されることとなる。このように、高確率遊技状態の最終回の1サイクルの時間を長時間とすることで、遊技者の獲得した遊技利益を確実に報知することが可能となっている。
以下に、上記の各演出を実行するための副制御基板330における制御処理について説明する。なお、以下では、理解を容易にするために、各処理についての説明の順番が前後する場合がある。
(副制御基板330のサブCPU初期化処理)
図67は、副制御基板330におけるサブCPU初期化処理(S1000)を説明するフローチャートである。
(ステップS1000−1)
サブCPU330aは、電源投入に応じて、サブROM330bからCPU初期化処理プログラムを読み込むとともに、サブRAM330cに記憶されるフラグ等の初期化、設定処理を行う。
(ステップS1000−3)
次に、サブCPU330aは、各演出乱数を更新する処理を行うとともに、以後は、割込み処理が行われるまで当該ステップS1000−3の処理を繰り返し行う。なお、演出乱数は複数種類設けられており、ここでは、それぞれの演出乱数が非同期的に更新されている。
(副制御基板330のサブタイマ割込み処理)
図68は、副制御基板330におけるサブタイマ割込み処理(S1100)を説明するフローチャートである。副制御基板330には、所定の周期でクロックパルスを発生するリセット用クロックパルス発生回路(不図示)が設けられている。そして、このリセット用クロックパルス発生回路によるクロックパルスの発生により、サブCPU330aはタイマ割込み処理プログラムを読み込んで当該サブタイマ割込み処理を開始する。
(ステップS1100−1)
サブCPU330aは、レジスタを退避する。
(ステップS1100−3)
サブCPU330aは、割込みを許可するための処理を行う。
(ステップS1100−5)
サブCPU330aは、副制御基板330で用いられる各種タイマカウンタの更新処理を行う。ここで、各種タイマカウンタは、特に断る場合を除き、当該副制御基板330のサブタイマ割込み処理の度に1ずつ減算され、0になると減算を停止する。
(ステップS1200)
サブCPU330aは、サブRAM330cの受信バッファに格納されているコマンドを解析するとともに、受信したコマンドに応じた種々の処理を行う。副制御基板330においては、主制御基板300からコマンドが送信されると、コマンド受信割込み処理が行われ、主制御基板300から送信されたコマンドが受信バッファに格納される。ここでは、コマンド受信割込み処理によって受信バッファに格納されたコマンドを解析することとなる。
(ステップS1300)
サブCPU330aは、各種演出の経過時間を計時するとともに、演出ごとにセットされるタイムテーブルを参照して、当該タイムテーブルに記憶された該当時間に対応する処理を実行するタイムスケジュール管理処理を行う。
(ステップS1100−7)
サブCPU330aは、レジスタを復帰して当該サブタイマ割込み処理を終了する。
図69は、上記コマンド解析処理のうち、変動パターンコマンドを受信した際に実行される変動パターンコマンド受信処理を説明するフローチャートである。上記したとおり、変動パターンコマンドは、主制御基板300において、図30のステップS611−13でセットされた後、ステップS100−39のサブコマンド送信処理(図15参照)によって副制御基板330に送信される。
(ステップS1250−1)
変動パターンコマンドを受信すると、サブCPU330aは、まず、現在の遊技状態が高確率遊技状態であるかを判定する。その結果、高確率遊技状態であると判定した場合にはステップS1251に処理を移し、高確率遊技状態ではないと判定した場合にはステップS1250−3に処理を移す。
(ステップS1251)
上記ステップS1250−1において、高確率遊技状態であると判定した場合には、サブCPU330aは、高確時演出決定処理を実行し、当該変動パターンコマンド受信処理を終了する。なお、この高確時演出決定処理については後述する。
(ステップS1250−3)
サブCPU330aは、受信した変動パターンコマンドが、特1保留用のコマンドであるか、すなわち、特1保留に基づく特別図柄の変動表示が開始されるかを判定する。その結果、特1保留用のコマンドであると判定した場合にはステップS1250−5に処理を移し、特1保留用のコマンドではないと判定した場合にはステップS1250−15に処理を移す。
(ステップS1250−5)
サブCPU330aは、変動用特別演出の実行中であるかを判定する。なお、変動用特別演出というのは、低確率遊技状態において、本来、変動対象ではない特2保留によって大当たり図柄が決定された場合にのみ実行される演出である。つまり、ここでは、低確率遊技状態において、第2特別図柄表示器162で特別図柄の変動表示が行われており、最終的に第2特別図柄表示器162に大当たり図柄が停止表示されるかを判定することとなる。その結果、変動用特別演出の実行中であると判定した場合には当該変動パターンコマンド受信処理を終了し、変動用特別演出の実行中ではないと判定した場合にはステップS1250−7に処理を移す。
(ステップS1250−7)
サブCPU330aは、受信した変動パターンコマンドを解析する。
(ステップS1250−9)
サブCPU330aは、上記ステップS1000−3で更新された演出乱数(0〜249)を取得するとともに、図50に示す低確時変動演出決定テーブルを参照して、当該取得した演出乱数および上記ステップS1250−7における解析結果に基づいて、変動演出の態様を決定する。
(ステップS1250−11)
サブCPU330aは、上記ステップS1250−9で決定された変動演出を実行するための種々のデータを生成する。
(ステップS1250−13)
サブCPU330aは、上記ステップS1250−11または後述するステップS1250−17で生成されたデータをタイムテーブルのデータとしてセットし、当該変動パターンコマンド受信処理を終了する。これにより、上記ステップS1300のタイムスケジュール管理処理において、セットされたデータにしたがって変動演出が実行されることとなる。
(ステップS1250−15)
サブCPU330aは、受信した変動パターンコマンドが、大当たり用の変動パターンコマンドであるかを判定する。つまり、ここでは、低確率遊技状態において、変動対象ではない特2保留によって大当たりに当選したかを判定することとなる。その結果、大当たりであると判定した場合にはステップS1250−17に処理を移し、大当たりではないと判定した場合には当該変動パターンコマンド受信処理を終了する。
(ステップS1250−17)
サブCPU330aは、上記の変動用特別演出を実行するための種々のデータを生成する変動用特別演出データ生成処理を実行してステップS1250−13に処理を移す。
図70は、上記の高確時演出決定処理(ステップS1251)を説明する第1のフローチャートであり、図71は、上記の高確時演出決定処理(ステップS1251)を説明する第2のフローチャートであり、図73は、上記の高確時演出決定処理(ステップS1251)を説明する第3のフローチャートである。
(ステップS1251−1)
サブCPU330aは、高確中遊技回数カウンタの現在のカウンタ値(KC)に1加算した値を、新たなカウンタ値(KC)として記憶する。これにより、高確率遊技状態において、主制御基板300で大役抽選が行われるたびに高確中遊技回数が更新され、高確率遊技状態において実行された大役抽選の累積回数がカウントされることとなる。
(ステップS1251−3)
サブCPU330aは、報知残り回数カウンタの現在のカウンタ値(HC)から1減算した値を、新たなカウンタ値(HC)として記憶する。また、ここでは、更新したカウンタ値(HC)を報知残り回数表示部226に表示するための処理を実行する。これにより、高確率遊技状態において大役抽選が行われるたびに、報知残り回数表示部226において報知残り回数が1ずつ減算表示されることとなる。なお、詳しい説明は省略するが、この報知残り回数カウンタのカウンタ値(HC)は、低確率遊技状態から高確率遊技状態に移行する際、すなわち、初当たり時に、主制御基板300でセットされる実残り回数と同数(ここでは100)にセットされる。
(ステップS1251−5)
サブCPU330aは、受信した変動パターンコマンドが、特2保留用のコマンドであるか、すなわち、特2保留に基づく図柄の変動表示が開始されるかを判定する。その結果、特2保留用のコマンドであると判定した場合にはステップS1251−9に処理を移し、特2保留用のコマンドではないと判定した場合にはステップS1251−7に処理を移す。
(ステップS1251−7)
サブCPU330aは、高確時特1変動処理により、高確率遊技状態において特1保留用の変動パターンコマンドを受信した場合に必要な処理を実行し、当該高確時演出決定処理を終了する。なお、詳細な説明は省略するが、高確率遊技状態において、受信した特1保留用の変動パターンコマンドがハズレ用の変動パターンコマンドであった場合には、そのまま高確時演出決定処理を終了する。一方、受信した特1保留用の変動パターンコマンドが大当たり用の変動パターンコマンドであった場合には、実行中の変動演出を打ち切って所定の演出を実行するために必要な所定の処理を実行する。
(ステップS1251−9)
サブCPU330aは、受信した変動パターンコマンドが、大当たり用の変動パターンコマンドであるかを判定する。その結果、大当たり用の変動パターンコマンドであると判定した場合には、図73のステップS1251−101に処理を移し、大当たり用の変動パターンコマンドではないと判定した場合にはステップS1251−11に処理を移す。
(ステップS1251−11)
サブCPU330aは、上記ステップS1251−3で更新した報知残り回数カウンタのカウンタ値(HC)が1であるか、すなわち、報知残り回数が、高確率遊技状態における最終回に相当する回数であるかを判定する。その結果、カウンタ値(HC)が1であると判定した場合にはステップS1251−13に処理を移し、カウンタ値(HC)は1ではないと判定した場合には、図71のステップS1251−51に処理を移す。
(ステップS1251−13)
サブCPU330aは、継続確定演出が実行されたこと、すなわち、継続確定アイコン230の表示状態であることを示す継続確定フラグがオンしているかを判定する。その結果、継続確定フラグがオンしていると判定した場合にはステップS1251−15に処理を移し、継続確定フラグはオンしていないと判定した場合にはステップS1251−21に処理を移す。
(ステップS1251−15)
サブCPU330aは、後述するストック回数カウンタのカウンタ値(SC)を確認し、カウンタ値(SC)分だけ報知残り回数が回復することを報知する回復演出を実行するための処理を行う。これにより、継続確定演出が実行された後、報知残り回数が1になったところで回復演出が実行されることとなる。
(ステップS1251−17)
サブCPU330aは、報知残り回数カウンタのカウンタ値(HC)を、ストック回数カウンタのカウンタ値(SC)に更新するとともに、ストック回数カウンタのカウンタ値(SC)をリセットする。
(ステップS1251−19)
サブCPU330aは、継続確定フラグをオフして、当該高確時演出決定処理を終了する。
(ステップS1251−21)
サブCPU330aは、未報知回数カウンタのカウンタ値(MC)が0であるかを判定する。なお、未報知回数カウンタは、主制御基板300で管理されている実残り回数と、報知残り回数(HC)およびストック回数(SC)の合計回数との差分(未報知回数=MC)をカウントするものである。つまり、未報知回数(MC)>0の場合というのは、上乗せ演出や継続確定演出によって上乗せや回復を報知可能であり、未報知回数(MC)=0の場合というのは、上乗せ演出や継続確定演出を実行できない場合である。未報知回数(MC)=0と判定した場合には、ステップS1251−23に処理を移し、未報知回数(MC)=0ではないと判定した場合には、ステップS1251−31に処理を移す。
なお、詳しい説明は省略するが、低確率遊技状態から高確率遊技状態に移行した際、つまり、初当たり時には、主制御基板300で管理される実残り回数と、報知残り回数とが一致している。したがって、初当たり時には、未報知回数カウンタのカウンタ値(MC)がリセットされ、以後、高確率遊技状態に設定されている間に、再度、大当たりに当選しない限り、未報知回数(MC)は0のままとなる。
(ステップS1251−23)
サブCPU330aは、上記ステップS1251−1で更新した高確中遊技回数カウンタのカウンタ値(KC)をロードする。
(ステップS1251−25)
サブCPU330aは、高確率遊技状態において第1大入賞口126または第2大入賞口128に入球して払い出された賞球の合計数をカウントする合計払出数カウンタのカウンタ値をロードする。
(ステップS1251−27)
サブCPU330aは、高確率遊技状態の終了を報知する終了報知演出を実行するための終了報知演出実行処理を行う。これにより、最後の1サイクル中に、図66(g)〜(i)に示す終了報知演出が実行されることとなる。
(ステップS1251−29)
サブCPU330aは、各カウンタのカウンタ値をリセットして、当該高確時演出決定処理を終了する。
(ステップS1251−31)
サブCPU330aは、未報知回数カウンタのカウンタ値(MC)を確認し、未報知回数(MC)分だけ報知残り回数が上乗せされることを報知する継続報知演出を実行するための継続報知演出実行処理を行う。これにより、1サイクル中に、図65(f)〜(h)に示す示唆演出および継続報知演出が実行されることとなる。
(ステップS1251−33)
サブCPU330aは、報知残り回数カウンタのカウンタ値(HC)を、未報知回数カウンタのカウンタ値(MC)に更新する。また、ここでは、更新したカウンタ値(HC)を報知残り回数表示部226に表示するための処理を実行する。これにより、報知残り回数表示部226に表示される報知残り回数が、実残り回数と等しくなる。
(ステップS1251−35)
サブCPU330aは、未報知回数カウンタのカウンタ値(MC)をリセットして(0にして)、当該高確時演出決定処理を終了する。
(ステップS1251−51)
また、上記ステップS1251−11において、報知残り回数カウンタのカウンタ値(HC)は1ではないと判定した場合には、図71に示すように、サブCPU330aは、複数サイクル演出の実行中であることを示す複数サイクル演出実行中フラグがオンしているかを判定する。その結果、複数サイクル演出実行中フラグがオンしていると判定した場合には当該高確時演出決定処理を終了し、複数サイクル演出実行中フラグはオンしていないと判定した場合にはステップS1251−53に処理を移す。
(ステップS1251−53)
サブCPU330aは、報知残り回数カウンタのカウンタ値(HC)が4以下であるかを判定する。その結果、カウンタ値(HC)が4以下であると判定した場合にはステップS1251−55に処理を移し、カウンタ値(HC)が4以下ではないと判定した場合にはステップS1251−57に処理を移す。
(ステップS1251−55)
サブCPU330aは、カウンタ値(HC)に対応する1サイクル用のカウントダウン演出を実行するためのカウントダウン演出実行処理を行い、当該高確時演出決定処理を終了する。
(ステップS1251−57)
サブCPU330aは、サブRAM330cに記憶されたサイクル演出対象保留情報を確認し、主制御基板300で読み出された特2保留が、当該特2保留の記憶時に上乗せ演出の実行対象に決定されているかを判定する。その結果、上乗せ演出の実行対象に決定されていると判定した場合には、ステップS1252に処理を移し、上乗せ演出の実行対象に決定されていないと判定した場合には、ステップS1251−59に処理を移す。
(ステップS1251−59)
サブCPU330aは、ガセ演出(上乗せガセ演出、継続確定ガセ演出)の実行可否、および、ガセ演出を実行する場合の演出パターンを決定するガセ演出抽選処理を行う。
(ステップS1251−61)
サブCPU330aは、上記ステップS1251−59において、ガセ演出の実行が決定されたかを判定する。その結果、ガセ演出の実行が決定されたと判定した場合にはステップS1252に処理を移し、ガセ演出の実行は決定されていないと判定した場合にはステップS1251−63に処理を移す。
(ステップS1251−63)
サブCPU330aは、未報知回数カウンタのカウンタ値(MC)が0よりも大きいかを判定する。その結果、MC>0であると判定した場合にはステップS1251−65に処理を移し、MC>0ではないと判定した場合には当該高確時演出決定処理を終了する。
(ステップS1251−65)
サブCPU330aは、継続確定フラグがオンしているか、すなわち、継続確定演出が実行されて継続確定アイコン230の表示中であるかを判定する。その結果、継続確定フラグがオンしていると判定した場合にはステップS1251−71に処理を移し、継続確定フラグはオンしていないと判定した場合にはステップS1251−67に処理を移す。
(ステップS1251−67)
サブCPU330aは、継続確定演出の実行可否、および、継続確定演出を実行する場合の演出パターン、ストック回数を決定する継続確定演出抽選処理を行う。
(ステップS1251−69)
サブCPU330aは、上記ステップS1251−67において、継続確定演出の実行が決定されたかを判定する。その結果、継続確定演出の実行が決定されたと判定した場合にはステップS1252に処理を移し、継続確定演出の実行は決定されていないと判定した場合にはステップS1251−71に処理を移す。
(ステップS1251−71)
サブCPU330aは、上乗せ演出の実行可否、および、上乗せ演出を実行する場合の実行パターンを決定する上乗せ演出抽選処理を行う。具体的には、この上乗せ演出抽選処理では、演出乱数を取得するとともに、取得した演出乱数、および、現在の未報知回数(MC)に基づき、図62(a)の上乗せ演出決定テーブルを参照して、上乗せ演出の実行可否、および、上乗せ演出を実行する場合の実行パターンを決定する。また、この上乗せ演出抽選処理では、上乗せ演出の実行が決定された場合に、現在の未報知回数(MC)の範囲内で上乗せ回数nを導出する。
(ステップS1251−73)
サブCPU330aは、上記ステップS1251−71において、上乗せ演出の実行が決定されたかを判定する。その結果、上乗せ演出の実行が決定されたと判定した場合にはステップS1252に処理を移し、上乗せ演出の実行は決定されていないと判定した場合には当該高確時演出決定処理を終了する。
(ステップS1252)
上記ステップS1251−59においてガセ演出の実行および実行パターンが決定された場合、上記ステップS1251−67において継続確定演出の実行および実行パターンが決定された場合、上記ステップS1251−71において上乗せ演出の実行および実行パターンが決定された場合には、サブCPU330aは、演出変更処理を実行し、当該高確時演出決定処理を終了する。この演出変更処理について、図72を用いて説明する。
図72は、上記の演出変更処理(ステップS1252)を説明するフローチャートである。
(ステップS1252−1)
サブCPU330aは、サブRAM330cに記憶されている上乗せ演出実行予定情報を確認し、上乗せ演出の実行対象に決定されている特2保留が読み出される前に、上記ステップS1251−59、ステップS1251−67、ステップS1251−71で決定された各サイクル演出の実行パターンが終了するかを判定する。その結果、上乗せ演出の実行対象に決定されている特2保留が読み出される前に終了すると判定した場合にはステップS1252−5に処理を移し、上乗せ演出の実行対象に決定されている特2保留が読み出される前に終了しないと判定した場合、すなわち、上記ステップS1251−59、ステップS1251−67、ステップS1251−71で決定された実行パターンでサイクル演出を実行すると、先に決定されている上乗せ演出と重複してしまうと判定した場合にはステップS1252−3に処理を移す。
(ステップS1252−3)
サブCPU330aは、上記ステップS1251−59、ステップS1251−67、ステップS1251−71で決定された実行パターンを、上乗せ演出の実行対象に決定されている特2保留が読み出される前に終了する実行パターンに変更する。具体的には、上記ステップS1251−59、ステップS1251−67、ステップS1251−71で3サイクル演出が決定された場合には、上乗せ演出の実行対象に決定されている特2保留が読み出される前に2サイクル演出を終了可能であるかを判定する。そして、上乗せ演出の実行対象に決定されている特2保留が読み出される前に2サイクル演出を終了可能であると判定した場合には、実行パターンを3サイクル演出から2サイクル演出に変更する。
また、上乗せ演出の実行対象に決定されている特2保留が読み出される前に2サイクル演出を終了することができないと判定した場合には、さらに、上乗せ演出の実行対象に決定されている特2保留が読み出される前に1サイクル演出を終了可能であるかを判定する。そして、上乗せ演出の実行対象に決定されている特2保留が読み出される前に1サイクル演出を終了可能であると判定した場合には、実行パターンを3サイクル演出から1サイクル演出に変更する。また、上乗せ演出の実行対象に決定されている特2保留が読み出される前に1サイクル演出を終了することができないと判定した場合には、サイクル演出の実行を取りやめて不実行とする。
なお、上記ステップS1251−59、ステップS1251−67、ステップS1251−71で2サイクル演出が決定された場合にも、上記と同様に、1サイクル演出に変更可能であるかを判定し、1サイクル演出に変更可能である場合には、2サイクル演出を1サイクル演出に変更する。また、上記ステップS1251−59、ステップS1251−67、ステップS1251−71で1サイクル演出が決定された場合には、サイクル演出の実行を取りやめて不実行とする。
なお、サイクル演出の実行パターンを変更する場合であっても、ガセ演出、上乗せ演出、継続確定演出の種別は変更されない。つまり、この処理では、同一種別のサイクル演出内で実行パターンが変更されることとなる。また、上乗せ演出および継続確定演出では、上乗せ回数nやストック回数(SC)が決定されているが、サイクル演出の実行パターンが変更されたとしても、この回数は変更されないものとする。ただし、上乗せ演出および継続確定演出の実行パターンの変更に伴って、上乗せ回数nやストック回数(SC)も変更してもよい。
このように、サイクル演出の実行パターンが決定された場合に、当該サイクル演出を、上乗せ演出の実行対象に決定されている特2保留が読み出される前に終了可能な実行パターンに変更したり、サイクル演出の実行を取りやめたりすることで、先読み演出との整合性を保つことができる。
(ステップS1252−5)
サブCPU330aは、合計払出数カウンタのカウンタ値、すなわち、初当たり時からの賞球の合計払出数をロードする。
(ステップS1252−7)
サブCPU330aは、上記ステップS1251−59、ステップS1251−67、ステップS1251−71で決定されたサイクル演出、もしくは、上記ステップS1252−3で変更されたサイクル演出中に、大入賞口への遊技球の入球によって遊技者が獲得可能な賞球数、すなわち、サイクル演出中に大入賞口への遊技球の入球によって払い出しが予定される予定獲得数を算出する。1サイクル中には、小当たり遊技が1回実行されるが、この1回の小当たり遊技中に第2大入賞口128に入球する遊技球数の平均、もしくは、考えられ得る最大入球数が3個であり、第2大入賞口128への遊技球の1個の入球に対して、10個の遊技球が賞球として払い出されるとする。この場合には、1サイクル中に3×10=30個の賞球の払い出しが予定される。この1サイクル中に払い出しが予定される賞球数は予め設定されており、ここでは、上記ステップS1251−59、ステップS1251−67、ステップS1251−71で決定、もしくは、上記ステップS1252−3で変更されたサイクル演出のサイクル数に、予め設定されている1サイクル中の払出予定数を乗算することで予定獲得数を算出する。
(ステップS1252−9)
サブCPU330aは、上記ステップS1252−5でロードした合計払出数に、上記ステップS1252−7で算出した予定獲得数を積算する。そして、この積算値と、現在の合計払出数から、サイクル演出中に、図52に示す特殊演出の実行が規定された閾値を跨ぐかを判定することで、サイクル演出中に特殊演出が実行される可能性があるかを判定する。具体的には、現在の合計払出数よりも大きく、かつ、現在の合計払出数に直近の閾値を特定し、算出した積算値が、特定した閾値以上であるかを判定する。その結果、積算値が閾値以上であり、サイクル演出中に特殊演出が実行される可能性があると判定した場合にはステップS1252−11に処理を移し、積算値が閾値よりも小さく、サイクル演出中に特殊演出が実行される可能性がない(小さい)と判定した場合にはステップS1252−13に処理を移す。
(ステップS1252−11)
サブCPU330aは、上記ステップS1252−3と同様に、サイクル数を変更する処理を行う。ここでは、上記ステップS1251−59、ステップS1251−67、ステップS1251−71で決定されたサイクル演出、もしくは、上記ステップS1252−3で変更されたサイクル演出の実行パターンを、特殊演出が実行される前に終了するサイクル数の実行パターンに変更する。なお、いずれのサイクル演出(1サイクル演出)によっても、特殊演出の実行前に終了するのが困難である場合には、サイクル演出の実行が取り消されることとなる。
このサイクル数変更処理により、サイクル演出と特殊演出といった、実行契機を異にする複数種類の演出が同時並行して行われる事態が起こりにくくなり、演出の内容が遊技者にわかりにくくなってしまい、遊技者に不快感を与えて演出効果が低下するおそれを低減することができる。
(ステップS1252−13)
サブCPU330aは、上記ステップS1251−59、ステップS1251−67、ステップS1251−71で決定されたサイクル演出、もしくは、上記ステップS1252−3、ステップS1252−11で変更されたサイクル演出が複数サイクル演出であるかを判定する。その結果、複数サイクル演出であると判定した場合にはステップS1252−15に処理を移し、複数サイクル演出ではない、すなわち、1サイクル演出もしくはサイクル演出は不実行であると判定した場合には、ステップS1252−19に処理を移す。
(ステップS1252−15)
サブCPU330aは、複数サイクル演出実行中フラグをオンする。
(ステップS1252−17)
サブCPU330aは、上記ステップS1251−59、ステップS1251−67、ステップS1251−71で決定された複数サイクル演出、もしくは、上記ステップS1252−3、ステップS1252−11で変更された複数サイクル演出の対象となる保留情報を記憶する。ここでは、複数サイクル演出が、いずれの特2保留の図柄の変動表示中まで継続して実行されるかが記憶される。
(ステップS1252−19)
サブCPU330aは、上記ステップS1251−59、ステップS1251−67、ステップS1251−71で決定されたサイクル演出、もしくは、上記ステップS1252−3、ステップS1252−11で変更されたサイクル演出を実行するための演出実行処理を行う。この演出実行処理により、特2保留が読み出されて実行される図柄の変動表示の開始に伴ってサイクル演出が開始されることとなる。なお、上記ステップS1252−3、ステップS1252−11において、サイクル演出の不実行が決定された場合には、当該演出実行処理を行うことなく次の処理に移行する。
(ステップS1252−21)
サブCPU330aは、上記ステップS1252−19で実行されるサイクル演出がガセ演出であるかを判定する。その結果、ガセ演出であると判定した場合にはステップS1252−29に処理を移し、ガセ演出ではないと判定した場合にはステップS1252−23に処理を移す。
(ステップS1252−23)
サブCPU330aは、上記ステップS1252−19で実行されるサイクル演出が上乗せ演出であるかを判定する。その結果、上乗せ演出であると判定した場合にはステップS1252−31に処理を移し、上乗せ演出ではない(継続確定演出である)と判定した場合にはステップS1252−25に処理を移す。
(ステップS1252−25)
サブCPU330aは、上記ステップS1251−67で決定されたストック回数を、ストック回数カウンタのカウンタ値(SC)としてセットする。
(ステップS1252−27)
サブCPU330aは、継続確定フラグをオンする。
(ステップS1252−29)
サブCPU330aは、未報知回数カウンタのカウンタ値(MC)を更新して、当該演出変更処理を終了する。ここでは、上乗せ演出の実行が決定された場合には、現在のカウンタ値(MC)から、上記ステップS1251−71で導出された上乗せ回数nを減算する。また、継続確定演出の実行が決定された場合には、現在のカウンタ値(MC)から、上記ステップS1251−67でセットされたストック回数(SC)を減算する。
(ステップS1252−31)
サブCPU330aは、報知残り回数カウンタのカウンタ値(HC)に、上記ステップS1251−71で決定された上乗せ回数nを加算する。また、ここでは、更新したカウンタ値(HC)を報知残り回数表示部226に表示するための処理を実行する。ただし、上乗せ演出が複数サイクル演出であった場合には、報知残り回数表示部226の表示回数を即座に更新せずに、上乗せ演出の終了時点で報知残り回数表示部226の表示回数を更新するように制御する。この場合には、報知残り回数表示部226の表示回数を更新するまでの間に減算されたカウンタ値(HC)を考慮して、上乗せ演出後の表示回数が報知残り回数表示部226に表示される。
(ステップS1251−101)
また、図70の上記ステップS1251−9において、受信した変動パターンコマンドが大当たり用の変動パターンコマンドであると判定した場合には、図73に示すように、サブCPU330aは、特別図柄B用の変動パターンコマンドであるか、つまり、大役抽選において特別図柄Bが決定されて7回のラウンド遊技が実行されるかを判定する。その結果、特別図柄B用の変動パターンコマンドであると判定した場合にはステップS1251−105に処理を移し、特別図柄B用の変動パターンコマンドではないと判定した場合にはステップS1251−103に処理を移す。
(ステップS1251−103)
上記ステップS1251−101において、特別図柄B用の変動パターンコマンドではないと判定する場合というのは、大役抽選によって特別図柄Cが決定され、特別図柄C用の変動パターンコマンドを受信した場合である。この場合、サブCPU330aは、未報知回数カウンタのカウンタ値(MC)を、報知残り回数の最大回数である100から、現在の報知残り回数(HC)、および、現在のストック回数(SC)を減算した値に更新して、図70のステップS1251−11に処理を移す。
(ステップS1251−105)
サブCPU330aは、特別図柄Bが決定されて大役遊技が実行されることを報知する専用演出を実行するための処理を行う。なお、上乗せ演出や継続確定演出、あるいは、ガセ演出が、複数サイクル演出によって実行されている場合があるが、この場合には、各演出を打ち切ったうえで、専用演出を実行する。
(ステップS1251−107)
サブCPU330aは、報知残り回数カウンタのカウンタ値(HC)を100に更新する。
(ステップS1251−109)
サブCPU330aは、未報知回数カウンタのカウンタ値(MC)をリセットする。
(ステップS1251−111)
サブCPU330aは、継続確定フラグがオンしているかを判定する。その結果、継続確定フラグがオンしていると判定した場合にはステップS1251−113に処理を移し、継続確定フラグはオンしていないと判定した場合にはステップS1251−117に処理を移す。
(ステップS1251−113)
サブCPU330aは、継続確定フラグをオフする。
(ステップS1251−115)
サブCPU330aは、ストック回数カウンタのカウンタ値(SC)をリセットする。
(ステップS1251−117)
サブCPU330aは、複数サイクル演出実行中フラグがオンしているかを判定する。その結果、複数サイクル演出実行中フラグがオンしていると判定した場合にはステップS1251−119に処理を移し、複数サイクル演出実行中フラグはオンしていないと判定した場合には当該高確時演出決定処理を終了する。
(ステップS1251−119)
サブCPU330aは、複数サイクル演出実行中フラグをオフして、当該高確時演出決定処理を終了する。
上記ステップS1251−105からステップS1251−119の処理により、高確率遊技状態において特別図柄Bが決定された場合には、報知残り回数(HC)が最大回数となり、以後、しばらくの間、遊技者がストレスから解放された心理状態で遊技を行うことが可能となる。
図74は、上記コマンド解析処理のうち、特図保留指定コマンドを受信した際に実行される特図保留指定コマンド受信処理を説明するフローチャートである。上記したとおり、特図保留指定コマンドは、主制御基板300において、図22のステップS535−17でセットされた後、ステップS100−39のサブコマンド送信処理(図15参照)によって副制御基板330に送信される。
(ステップS1260−1)
特図保留指定コマンドを受信すると、サブCPU330aは、まず、現在の遊技状態が高確率遊技状態であり、かつ、受信した特図保留指定コマンドが、特2保留の記憶を示すコマンドであるかを判定する。その結果、高確率遊技状態であり、かつ、特2保留であると判定した場合にはステップS1260−3に処理を移し、高確率遊技状態ではないもしくは特2保留ではないと判定した場合にはステップS1260−21に処理を移す。
(ステップS1260−3)
サブCPU330aは、サブRAM330cに記憶されている先読み禁止情報を確認し、新たに記憶された特2保留について、先読み演出の実行が禁止されているかを判定する。その結果、先読み演出の実行が禁止されていると判定した場合にはステップS1260−21に処理を移し、先読み演出の実行は禁止されていないと判定した場合にはステップS1260−5に処理を移す。なお、先読み禁止情報は、後述するステップS1260−15で記憶される。
(ステップS1260−5)
サブCPU330aは、サイクル演出対象保留情報(上記ステップS1252−17または後述するステップS1260−13で記憶)を確認し、新たに記憶された特2保留が、複数サイクル演出の実行対象となっているかを判定する。その結果、複数サイクル演出の実行対象になっていると判定した場合にはステップS1260−21に処理を移し、複数サイクル演出の実行対象になっていないと判定した場合にはステップS1260−7に処理を移す。
(ステップS1260−7)
サブCPU330aは、未報知回数カウンタのカウンタ値(MC)をロードする。
(ステップS1260−9)
サブCPU330aは、上記ステップS1251−71と同様に、上乗せ演出抽選処理を実行する。
(ステップS1260−11)
サブCPU330aは、上記ステップS1260−9で、上乗せ演出の実行が決定されたかを判定する。その結果、上乗せ演出の実行が決定されたと判定した場合にはステップS1260−13に処理を移し、上乗せ演出の実行は決定されなかったと判定した場合にはステップS1260−17に処理を移す。
(ステップS1260−13)
サブCPU330aは、上記ステップS1260−9で決定された上乗せ演出の実行パターン、および、いずれの特2保留が上乗せ演出の実行対象となるかを示すサイクル演出対象保留情報をサブRAM330cに記憶する。
(ステップS1260−15)
サブCPU330aは、上記ステップS1260−9で決定された上乗せ演出の実行対象となる特2保留について、先読み演出の禁止を示す先読み禁止情報をサブRAM330cに記憶する。
(ステップS1260−17)
サブCPU330aは、0〜249の範囲から1の演出乱数を取得するとともに、上記ステップS1260−9で決定された上乗せ演出の実行可否および上乗せ演出の実行パターンに基づき、図62(b)に示す先読み演出決定テーブルを参照して、保留表示パターンを決定する。
(ステップS1260−19)
サブCPU330aは、上記ステップS1260−17で決定された保留表示パターンで保留表示画像228を表示するための保留表示処理を実行し、当該特図保留指定コマンド受信処理を終了する。
(ステップS1260−21)
サブCPU330aは、保留表示画像228を白色の円で表示するためのデフォルト保留表示処理を実行し、当該特図保留指定コマンド受信処理を終了する。
図75は、上記コマンド解析処理のうち、大入賞口入球コマンドを受信した際に実行される大入賞口入球コマンド受信処理を説明するフローチャートである。上記したとおり、大入賞口入球コマンドは、主制御基板300において、図23のステップS540−5でセットされた後、ステップS100−39のサブコマンド送信処理(図15参照)によって副制御基板330に送信される。
(ステップS1270−1)
大入賞口入球コマンドを受信すると、サブCPU330aは、まず、計数期間フラグがオンしているかを判定する。その結果、計数期間フラグがオンしていると判定した場合にはステップS1270−3に処理を移し、計数期間フラグはオンしていないと判定した場合には当該大入賞口入球コマンド受信処理を終了する。なお、計数期間フラグは、初当たり時にオンされ、高確率遊技状態が終了したときにオフされる。
(ステップS1270−3)
サブCPU330aは、合計払出数カウンタを更新する。ここでは、大入賞口への遊技球の1個の入球に対して払い出される賞球数を、現在の合計払出数カウンタのカウンタ値に加算する。
(ステップS1270−5)
サブCPU330aは、上記ステップS1270−5で更新した合計払出数カウンタのカウンタ値が、閾値を超えたかを判定する。その結果、閾値を超えたと判定した場合にはステップS1270−7に処理を移し、閾値を超えていないと判定した場合には当該大入賞口入球コマンド受信処理を終了する。
(ステップS1270−7)
サブCPU330aは、上記ステップS1270−3で更新された合計払出数カウンタのカウンタ値に基づき、遊技者が選択可能な出力音声(楽曲)を追加するための選択可能楽曲追加処理を実行する。この処理により、以後、遊技者が演出操作装置208を操作した際に、追加された出力音声(楽曲)を選択可能となる。
(ステップS1270−9)
サブCPU330aは、報知残り回数(HC)が4以下であるかを判定する。その結果、HC≦4であると判定した場合には当該大入賞口入球コマンド受信処理を終了し、HC≦4ではないと判定した場合にはステップS1270−11に処理を移す。
(ステップS1270−11)
サブCPU330aは、上記ステップS1270−3で更新された合計払出数カウンタのカウンタ値に対応する特殊演出を実行するための処理を行い、当該大入賞口入球コマンド受信処理を終了する。これにより、図52に示す特殊演出が実行されることとなる。なお、報知残り回数(HC)が4以下である場合には、カウントダウン演出との重複を避けるために、特殊演出が実行されないが、報知残り回数(HC)と実残り回数との間に差分があり、その後に報知残り回数が増加した場合には、適切なタイミングで特殊演出を実行したり、キャラクタ画像220の変更が適切なタイミングでなされたりする。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
上記実施形態では、大入賞口が開放される遊技機として大役遊技と小当たり遊技とを設けることとしたが、こうした遊技種別は特に設けなくともよい。いずれにしても、決定される図柄の中に、大入賞口が開放される特定遊技の実行が対応付けられた特定図柄、および、特定遊技の不実行が対応付けられたハズレ図柄が少なくとも含まれていればよい。
また、上記実施形態では、1サイクルを基準とするサイクル演出を実行する場合について説明したが、従来周知の遊技機と同様に、1回の図柄の変動表示に対して1の演出の実行パターンを決定し、1回の大役遊技や小当たり遊技に対して1の演出の実行パターンを決定してもよい。いずれにしても、始動領域への遊技球の進入を条件として、遊技領域に設けられた大入賞口が開放される特定遊技の実行可否を決定するとともに、決定結果に基づいて導出された変動時間の経過後に、決定結果を確定させる通常遊技と、特定遊技の実行を可能とする決定結果が確定された場合に実行される特定遊技とが実行制御される遊技機であれば、遊技の具体的な内容は適宜設計可能である。
また、上記実施形態における特殊演出をはじめとする各演出の内容は一例に過ぎない。いずれにしても、上記通常遊技中または特定遊技中に、通常遊技または特定遊技それぞれに対応する演出の実行パターンを決定し、決定した実行パターンで演出を実行制御するとともに、賞球の合計数が所定の閾値に達した場合には、予め設けられた特殊演出を実行制御する。そして、賞球の合計数から特殊演出の実行時期を予測し、通常遊技または特定遊技に対応する演出の実行パターンのうち、特殊演出の開始前に終了する実行パターンで演出を実行制御すれば、各演出の内容は適宜設計可能である。
また、上記実施形態では、初当たりから高確率遊技状態が終了するまでの期間中に払い出された賞球の合計数を計数することとしたが、賞球の合計数を計数する期間はこれに限らない。例えば、1回の大役遊技中に獲得した賞球の合計数を計数し、この合計数が所定の閾値を超えた場合に特殊演出を実行してもよい。いずれにしても、予め設定された期間中に払い出された賞球の合計数を算出すればよい。
また、上記実施形態では、高確率遊技状態および低確率遊技状態のいずれかの遊技状態にて遊技が進行することとした。しかしながら、上記実施形態の遊技状態は一例に過ぎない。いずれにしても、所定の遊技の進行条件が設定された第1遊技状態、および、第1遊技状態よりも有利な遊技の進行条件が設定された第2遊技状態を含む複数の遊技状態のうち、いずれかの遊技状態にて遊技が進行すればよい。したがって、例えば、第2始動口122への遊技球の入球が困難な遊技状態を第1遊技状態とし、第1遊技状態よりも第2始動口122への遊技球の入球が容易な遊技状態を第2遊技状態としてもよい。
また、上記実施形態において、第1始動口120、第2始動口122、第1大入賞口126、第2大入賞口128等の配置は一例に過ぎず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜設計することができる。
また、上記実施形態では、第1始動口120を、常時遊技球が入球可能な所謂、固定始動口で構成し、第2始動口122を、遊技球の入球容易性が可変となる所謂、可変始動口で構成した。しかしながら、例えば、第1始動口120を可変始動口で構成してもよいし、第2始動口122を固定始動口で構成してもよい。
また、上記の遊技性も一例にすぎず、遊技性は適宜設計可能であることは言うまでもない。したがって、例えば、始動口は1つのみ設けることとしてもよい。また、上記実施形態では、第1特別図柄表示器160における図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示とが同時並行して行われることとした。しかしながら、例えば、第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162のいずれか一方で図柄の変動表示が行われている場合には、いずれか他方における図柄の変動表示が行われないこととしてもよい。この場合、例えば、第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162のいずれかにおいて図柄の変動表示を優先的に行うこととしてもよいし、保留種別を問わず、先に記憶された保留から順に読み出して図柄の変動表示を行うとしてもよい。
また、上記実施形態では、第1大入賞口126および第2大入賞口128の2つの大入賞口を設けることとしたが、大入賞口は1つでも構わない。
また、上記実施形態では、ゲート124を遊技球が通過することで普通遊技が行われ、普図抽選によって当たりに当選することで、第2始動口122が開状態に制御されることとした。しかしながら、可変始動口を設ける場合、例えば、ゲート124を通過することで、特段の抽選を行うことなく、可変始動口を開状態に制御するとしてもよい。
また、上記実施形態における大役遊技や小当たり遊技の内容、また、各図柄の決定比率等は一例に過ぎない。また、上記実施形態では、第2大入賞口128内に特定領域140bが設けられ、大当たり図柄には、第2大入賞口128に入球した遊技球が特定領域140bに進入可能な大役遊技の実行が対応付けられた大当たり図柄(特別図柄B、C)と、第2大入賞口128に入球した遊技球が特定領域140bに進入不可能もしくは困難な大役遊技の実行が対応付けられた大当たり図柄(特別図柄A)と、が含まれることとした。そして、大役遊技中に特定領域140bに遊技球が進入した場合には、大役遊技の終了後の遊技状態を高確率遊技状態(第2遊技状態)に設定し、大役遊技中に特定領域140bに遊技球が進入しなかった場合には、大役遊技の終了後の遊技状態を低確率遊技状態(第1遊技状態)に設定することが遊技状態設定条件として予め設定されており、大役遊技中に特定領域140bに遊技球が進入したか否かに応じて、大役遊技の終了後の遊技状態を設定することとした。
しかしながら、例えば、大役抽選で決定される大当たり図柄に、大役遊技の終了後の遊技状態を予め対応付けておき、決定された大当たり図柄の種別に応じて、大役遊技の終了後の遊技状態を設定するとしてもよい。いずれにしても、大役遊技の終了後の遊技状態を設定する条件である遊技状態設定条件を予め設定しておき、この遊技状態設定条件にしたがって遊技状態が設定されればよい。このとき、大役遊技の終了後の遊技状態として、少なくとも、第2遊技状態(高確率遊技状態)に設定されることがあるようにしておけばよい。
そして、大役遊技の終了後の遊技状態が第2遊技状態(高確率遊技状態)に設定された後、大当たり図柄以外の図柄が予め設定された規定回数停止表示されると、遊技状態を第1遊技状態(低確率遊技状態)に変更すればよい。上記実施形態では、規定回数を100回としたが、この回数は適宜設定可能である。また、例えば、決定された大当たり図柄の種別に応じて、相対的に有利な遊技状態である第2遊技状態が終了するまでの規定回数を異ならせることも可能である。
また、上記実施形態における変動時間は一例に過ぎず、上記実施形態と同様の遊技性を実現する場合には、当該遊技性を実現可能な範囲で適宜設計すればよい。上記実施形態の遊技性を担保する場合には、少なくとも大役遊技が実行されておらず、かつ、第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162のいずれにおいても図柄の変動表示が行われていない場合に、第1始動領域および第2始動領域への遊技球の進入を契機として特別図柄の決定処理を実行し、第1特別図柄表示器160において図柄が変動表示中であって、第2特別図柄表示器162において図柄の変動表示が行われていない場合に、第2始動領域への遊技球の進入を契機として特別図柄の決定処理を実行し、第2特別図柄表示器162において図柄が変動表示中であって、第1特別図柄表示器160において図柄の変動表示が行われていない場合に、第1始動領域への遊技球の進入を契機として特別図柄の決定処理を実行する。そして、遊技状態が第1遊技状態(低確率遊技状態)に設定されているときに、ハズレ図柄が決定された場合に決定される変動時間の平均である平均変動時間、および、小当たり図柄が決定された場合に決定される平均変動時間のいずれか一方または双方について、第2始動領域への遊技球の進入を契機として特別図柄が決定された場合の方が、第1始動領域への遊技球の進入を契機として特別図柄が決定された場合よりも長く設定されており、第1遊技状態(低確率遊技状態)においては、実質的に第1始動領域へ遊技球を進入させることで遊技が進行されるように設定されていればよい。また、遊技状態が第2遊技状態(高確率遊技状態)に設定されている場合には、第2始動領域への遊技球の進入を契機として実行される小当たり遊技によって、遊技球の発射数よりも、払い出される賞球数が多くなるように、小当たり図柄が決定される確率が設定されていればよい。
したがって、上記実施形態では、第1遊技状態(低確率遊技状態)においても、特2保留について小当たりに当選することとしたが、第1遊技状態においては小当たりに当選することがないようにしてもよい。また、上記実施形態では、特1保留について小当たりに当選することがないようにしたが、特1保留についても所定の確率で小当たりに当選するようにしてもよい。この場合、例えば、第1遊技状態においては、実質的に特1保留が変動対象とならないように、もしくは、小当たり遊技が実行されても、遊技球が徐々に減少するように設定しておけばよい。いずれにしても、第1始動領域への遊技球の進入を契機としては小当たり図柄を決定することなく、第2始動領域への遊技球の進入を契機としてのみ小当たり図柄を決定するか、もしくは、第2始動領域への遊技球の進入を契機として図柄を決定する場合の方が、第1始動領域への遊技球の進入を契機として図柄を決定する場合よりも、小当たり図柄を高確率で決定すればよい。
また、上記実施形態では、第2遊技状態(高確率遊技状態)においては、特1保留および特2保留のいずれについても変動対象となる場合について説明した。しかしながら、第2遊技状態では、特1保留が変動対象とならないようにしてもよい。つまり、遊技状態が第2遊技状態に設定されているときにハズレ図柄が決定された場合の平均変動時間、および、小当たり図柄が決定された場合の平均変動時間のいずれか一方または双方を、第1始動領域への遊技球の進入を契機として図柄が決定された場合の方が、第2始動領域への遊技球の進入を契機として図柄が決定された場合よりも長く設定し、第2遊技状態においては、実質的に第2始動領域へ遊技球を進入させることで遊技が進行されるように設定してもよい。
また、上記実施形態では、大当たり決定乱数および当たり図柄乱数の2つの乱数値によって、大役遊技の実行可否を少なくとも決定するための大役用乱数値を構成し、変動パターン乱数からなる1つの乱数値によって、大役遊技の実行可否を報知する変動演出の時間を少なくとも決定するための変動用乱数値を構成した。しかしながら、大役用乱数値および変動用乱数値は、それぞれ予め設定された範囲内から取得されるものであれば、それぞれ1の乱数値で構成してもよいし複数の乱数値で構成してもよい。
また、上記実施形態では、小当たり図柄を複数種類設けることとしたが、小当たり図柄は、1種類のみ設けることとしてもよい。この場合、大役遊技中の大入賞口の開閉態様と、小当たり遊技中の開閉態様とを、同一もしくは遊技者が識別困難であるようにすることが望ましいが、両遊技における大入賞口の開閉態様が識別可能なように異なることとしてもよい。
また、上記実施形態では、特1保留および特2保留のいずれか一方に基づく大役抽選によって大当たり図柄が決定された場合に、いずれか他方の保留について、大当たりの当選にかかる図柄の変動表示が行われていると、決定された大当たり図柄をハズレ図柄に書き換えることとした。しかしながら、特1保留および特2保留のいずれか一方に基づいて大役抽選を行う前に、他方の保留について大当たりの当選にかかる図柄の変動表示中であるかを判定し、大当たりの当選にかかる図柄の変動表示中であった場合には、大役抽選を行うことなく、ハズレ図柄を決定したり、あるいは、小当たり専用の抽選を行ったりしてもよい。さらには、一方の保留により、大当たりの当選にかかる図柄の変動表示が行われている際に、他方の保留によっても、大当たりの当選にかかる図柄の変動表示を行ってもよい。
また、上記実施形態では、特定回数目のラウンド遊技中に有効期間フラグをオンすることとし、この有効期間フラグがオンしている場合にのみ、特定領域140bへの遊技球の進入を有効なものとして扱うこととした。しかしながら、特定領域140bへの遊技球の進入を常に有効なものとして扱いながら、想定外のタイミングで特定領域140bに遊技球が進入した場合に、エラー処理を実行するとしてもよい。
また、上記実施形態で説明した各演出の内容は一例に過ぎない。上記実施形態では、報知残り回数表示部226に、報知残り回数を表示するといった具合に、実残り回数に基づいて導出される報知残り回数を、直接的に報知することとしたが、例えば、メーターやグラフ等によって、報知残り回数を間接的に報知してもよい。いずれにしても、実残り回数の範囲内で報知残り回数を導出し、導出した報知残り回数を、直接または間接的に報知する回数報知演出が実行されれば、その具体的な内容は限定されるものではない。
また、上記実施形態では、未報知回数が1以上である場合において、抽選によって当選することを条件として、継続確定演出や上乗せ演出が実行されることとした。しかしながら、未報知回数が1以上の場合に、例えば、報知残り回数や実残り回数が、予め設定された回数になったことを条件として、継続確定演出や上乗せ演出が実行されるとしてもよい。いずれにしても、継続確定演出や上乗せ演出を実行するための特定条件(発生条件)を予め設定しておき、特定条件(発生条件)が成立すると、継続確定演出や上乗せ演出が実行されればよい。
なお、上記実施形態において、図27の処理によってもたらされる遊技機が本発明の通常遊技に相当し、図27の処理を実行するメインCPU300aが、本発明の通常遊技実行手段に相当する。
また、上記実施形態において、図33〜図36に示す処理を実行するメインCPU300aが、本発明の特定遊技実行手段に相当する。
また、上記実施形態における払出制御基板310が、本発明の払出制御手段に相当する。
また、上記実施形態において、図75のステップS1270−3の処理を実行するサブCPU330aが、本発明の累積賞球数算出手段に相当する。
また、上記実施形態において、主に図71および図72の処理を実行するサブCPU330aが、本発明の演出制御手段に相当する。