JP2015111097A - 水際から離隔した位置からの水面挙動の計測方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 発信部と受信部を一体化したマイクロ波送受信器を水際より水平離隔した場所に設置し、俯角45度〜80度に傾斜させてマイクロ波を被測定水面に向けて送受信し、マイクロ波送受信器にはFM−CW信号方式とドップラー信号方式を用い、FM−CW信号方式単独では水面水位を、FM−CW信号方式とドップラー信号方式との併用では水面水位と水面流速の双方を超高速で切り替え非接触で連続して計測する方法。
【選択図】図1
Description
日本国内に多数存在する河川や工業用・農業用水路などは、日常はもとより異常気象によって生じる水面水位や水面流速の計測監視・管理はより重要さを増している。
また、非接触による水面水位計測の代表例は超音波式であり、現在実用的な計測方法として多用されているのが現実である。
より進歩した計測方法として例を挙げればフロート式と超音波、レーザー、電磁波等を組み合わせて水面水位の電気的信号を発信させる方法(特許文献1)が提案されているがフロート内部に発信装置が組まれているためにメンテナンスが面倒となる。
また、水面流速に関しては、マイクロ波送受信器を俯角45度〜80度の範囲の取り付け角度でドップラー波を送受信し、前記水面水位と水面流速を高速で連続切替しながら、非接触で連続して計測できる方法である。
即ち、従来の水面水位の非接触計測において定説的となっている水面に対して鉛直±4度の範囲でマイクロ波を送受信することに対して、水際に構造物を構築する必要性をなくすことが出来るのである。
即ち、当該マイクロ波センサの測定方式をFM−CW信号方式とドップラー信号方式を併用し、FM−CW信号とドップラー信号のマイクロ波を任意な時間間隔で超高速により連続して切り替え送受信し、水際から離隔した地点から被測定水面の水面水位と水面流速を非接触で連続して計測することが出来るのである。
即ち、当該マイクロ波センサを柱状又は鉄骨状等の支持物の上部等に設置した場合、当該マイクロ波センサの取り付け角度を常に正確に演算変換に反映でき、被測定水面の水面水位の計測精度を高く確保することとしているのである。
即ち、本願発明のマイクロ波送受信器は柱状の構築物に取り付けることも想定しており、その場合、荒天時の強風等により柱状構築物及びマイクロ波送受信器が揺動した場合に、被測定水面の水面水位及び水面流速をそれら揺動要因の影響を自動的に補正して、被測定水面の水面水位と水面流速の計測精度を高く確保することとしているのである。
即ち、本願発明のマイクロ波送受信器を用いて被測定水面の水面流速を計測しようとする場合、被測定水面と河川、工業・農業用水路、溜め池、湖沼等の水面は自然界に暴露しており、風況等の影響を受けることを回避することが出来ない。その場合の風況等の影響を最小限度に抑制するため、マイクロ波送受信器の機能に風速・風向等のデータを取り込み測定データを補正して、被測定水面の水面流速の計測精度を高く確保することとしているのである。
即ち、本願発明を実施する場所には必ずしもその近傍に商用電源が存在するとは限らず、また、災害時の停電等に対して水面挙動の計測を実行又は電源回復までの時間も計測を継続できるのである。
また、本願発明の第2の方式を採用すれば、単体マイクロ波送受信器でもって被測定水面の水面水位と水面流速を同時に非接触で連続して計測することが出来、システムそのものがシンプルでありかつ可動部を要しないなどメンテナンス性でも非常に優位な方法と言える。
それに加えて、河川や工業用・農業用水路などにおいては当該河川や水路の断面積を乗じることにより当該河川や水路の瞬時及び累積流量等を演算出力することも可能である。
なお、本願発明者は微風等(河川の場合水面での流れがあれば通常水面が微妙に変化する)により、さざ波程度の水面変化が伴えばその計測機能に問題は生じないことを確認している。
また、河川、工業・農業用水路、溜め池、湖沼等全てに亘り、被測定水面と非接触でマイクロ波送受信器を設置できるため、河川、工業・農業用水路、溜め池、湖沼等における構造物のほか流域への影響や、洪水等による計測器具の損壊・流出を皆無にすることができる。
但し、一般的に水面が鏡面状態に至る場合は気象的には安定していることに加えてその現象が長時間に及ぶ確率は非常に低く水面挙動計測自体に実用面状での重要な問題は生じないものと確信する。
図1は本願発明に用いるのマイクロ波送受信器5による水面挙動計測方法の立面断面図である。
河川、工業・農業用水路、溜め池、湖沼等1の水際等から離隔した護岸等3に設置された支持物4の上部位置に当該マイクロ波送受信器5を、計測しようとする河川、工業・農業用水路、溜め池、湖沼等1の被測定水面2に向かって当該マイクロ波送受信器5を俯角45度から90度、好ましくは俯角65度〜90度に設置する。
当該マイクロ波送受信器5からマイクロ波送信波6が送信され、任意の被測定水面の水面水面WLxにおける被測定水面2において、マイクロ波発送信波6が被測定水面において反射され、マイクロ波反射波7として、前記マイクロ波送受信器5に戻ってくる。
次に、予め取り付けられた当該マイクロ波送受信器5の俯角であるθの正弦係数を乗ずれば、当該マイクロ波送受信器5の高さから計測を行った被測定水面2までの距離が換算できることになる。
即ち、
満水位水位HH(WLH)=SH×正弦θ を基準値とすると
任意の水面水位 Hは =HH−(HH−Hx)
=(SH×正弦θ)−{(SH×正弦θ)−(Sx×正弦θ)} を得る。
また、底面HL(WLL)=SL×正弦θ を基準値とすると
任意の水面の水深ΔHは =HL−Hx
=(SL×正弦θ)−(Sx×正弦θ) を得る。
この測定方法及び発信周波数を用いることにより、当該マイクロ波送受信器5から発信されるマイクロ波は連続で発信されるため、当該マイクロ波送受信器5を、より電子化・小型化することができる利点を有する。
また、当該マイクロ波送受信器5のマイクロ波送信周波数を24.15GHz±100MHzとすることにより、24GHz帯特定省電力無線局として,技術基準適合証明を受けて承認を得ることにより、当該マイクロ波送受信器を設置する場合に設置箇所毎の電波法の制約を何らうけることなく、いかなる場所にもいかなる設置者又は管理者でも設置できるメリットを有する。
仮に、マイクロ波送信波6のマイクロ波ビーム角度θmを大きくした場合、当該マイクロ波送受信器5を60度以下の俯角に取り付けた使用状態においては、当該マイクロ波送受信器5より送信されたマイクロ波送信波6は鉛直方向に存在する水面等からの反射したマイクロ波反射波7を受信することによる計測不具合を引き起こすリスクがある。
比較的簡易な手法で計測を行った結果であるが、被測定水面2との鉛直面に対して俯角50度〜90度において当該マイクロ波送受信器5で送信したマイクロ波送信波6及びマイクロ波反射波7から換算した距離が3%以下の誤差範囲内にであり当該マイクロ波送受信器5で計測できることを確認した。
因みに、当該マイクロ波送受信器5の取り付け角度を俯角70度以上とした場合、その誤差は1%以下を得ており精度の高いことが判明している。
表、マイクロ波センサ5を取り付け傾斜角度別に見た実測結果
この結果から、現時点での当該マイクロ波送受信器5を用いれば俯角65度〜90度が実用的に適用できる精度を有していることが確認できたことになる。
勿論、今後の当該マイクロ波送受信器5の更なる技術改良等により、その実用上取り付け角度を俯角45度程度まで引き上げられる可能性がある。
本願発明に用いる当該マイクロ波送受信器5においては、その取り付け角度が俯角45度から90度であるが実用上は俯角65度以上の範囲となることに鑑み、より護岸から遠い水面を被測定水面とする場合、当該マイクロ波送受信器5をより高い位置に設置する必要があるものの、実用上その必要性は高くないとの判断もあり最大で200mとした所以である。
WLx=Sx×正弦60°から
Sx=WLx÷正弦60
=(3+100+6)÷(√3/2)
=125.86m となり
最大200mの計測能力を有すれば実用上の問題は生じないものと確信できる。
図4の(イ)は本願発明を河川、工業・農業用水路、溜め池、湖沼等1に適用しようとする場合の断面概念図であり(ロ)はその平面概念図である。
即ち、本願発明に用いるマイクロ波送受信器5を水際より水平離隔した護岸等3に、俯角45度〜80度(図のθ)に傾斜させ、更に河川、工業・農業用水路、溜め池、湖沼等1の流れに対して水平傾斜(図のλ)させて設置し、単体の当該マイクロ波送受信器5でもって被測定水面の水面水位と水面流速を非接触で連続して計測しようとする方法である。
即ち、当該マイクロ波送受信器5からのマイクロ波送信により被測定水面2より反射されるマイクロ受信波を受信する場合、被測定水面の水面水位と水面流速の双方のデータを得るためのマイクロ波送受信器5が複合的な要素を有し、且つ機能させることが必要かつ必須である。
図5は本願発明に用いる当該マイクロ波送受信器5であり、送信アンテナ8から送信されたマイクロ波は被測定水面2より反射されて受信ンテナ9で受信され、増幅器10、マイクロ波比較・ミキシング部11、フィルター12、アナログ/ディジタル変換部13、信号処理部(距離/速度演算部)14を経て信号として出力される。
即ち、水際から離隔した場所に設置したマイクロ波送受信器5の単体でもって被測定水面2の水面水位と水面流速の双方の水面挙動データを非接触で連続して計測できることとなるのである。
本願発明に用いるマイクロ波送受信器5を柱状や鉄骨状等の支持物(以下「支持物」とする)4の上部または他の構造物に固定する場合、計測しようとする被測定水面2に対する当該マイクロ波送受信器5の設置角度、即ち俯角の角度を正確に把握することは非常に重要である。
当該マイクロ波センサ5の取り付け角度を予め固定して、例えば俯角65度から90度の間で5度刻みで予め固定金具等を準備して対応することは可能である。
また、経年により支持物4の自然傾斜のほか強風により一時的又は恒久的な支持物4の傾斜を伴うことも予見しておかなければならない。
本願発明に用いるマイクロ波送受信器5は該マイクロ波送受信器5の揺動を自動的に検出し、被測定水面2の水面水位の実効値として補正する機能を内蔵又は一体化したものを用いて水面挙動を測定しようとするものである。
故に、支持物4に取り付けた際の揺れ等を自動的に検出し、マイクロ波を送信し反射する被測定水面の水面地点までの距離測定値から、該マイクロ波送受信器5から被測定水面2までの鉛直距離及び被測定水面2の水面流速を正確かつ自動的に補正・演算し計測精度を高く確保することとしているのである。
本願発明に用いるマイクロ波送受信器5は当該マイクロ波送受信器5を水際より水平離隔した護岸等3に設置して、当該マイクロ波送受信器5が有するドップラー効果を利用して被測定水面2における表面流速を計測しようとする場合において、風況等の影響を補正し被測定水面2の水面流速の実効値を得ようとするものである。
即ち、被測定水面2の水面状態は特にその流速が遅い場合に、風況影響を受けることに加え、異常気象の強風や台風時には大きな影響を受けることは必定であることに対処しようとするものである。
即ち、風況等による外乱要因を取り除き又は補正して、真の水面流速を得るようにしたものである。
発信部と受信部を一体化したマイクロ波送受信器5に、太陽電池20とそれに連接する蓄電池21をマイクロ波送受信器5に付加又は併設して、当該マイクロ波送受信器5の電源とし、商用電源からの遠隔地における単独電源又は商用電源連結方式における商用電源消失時にも連続して被測定水面2の水面水位及び水面流速の水面挙動の計測を非接触で連続して計測する方法である。
一方、河川、工業・農業用水路、溜め池、湖沼等1の内、河川や工業・農業用水路において管理者から任意の箇所の水面水位や水面流速を要求される場合、商用電源が間近には存在しないか遠隔地となる可能性が高いと想定しておく必要がある。
そのような非常事態時の商用電源の予期しない停電等に対して被測定水面2の水面挙動の計測を実行継続又は商用電源回復までの時間においても本願発明によって要求される被測定水面2の水面水位及び水面流速の水面挙動の計測を継続できるのである。
その場合、特段に河川、工業・農業用水路等1の水際から離隔した護岸等3にマイクロ波送受信器5を設置する必要はなく、施設管理者の許諾等を経て当該構造物に直接堅固に固定すれば本願発明の目的を達することができる。
従って、本願発明においては河川、工業・農業用水路、溜め池、湖沼等1の水際から離隔した護岸等3へのマイクロ波送受信器5の設置に拘らずそれらの方法をも全て包摂するものとする。
勿論、水面挙動計測データを施設管理者が必要とする信号出力に変換してテレメーター等で遠隔地(施設管理者の管理場所等)に計測データを送信することも容易であり、水面挙動計測からのデータを元に近傍への注意又は警報信号等を発信することもできる。
2 被測定水面
3 護岸等
4 支持物
5 マイクロ波送受信器
6 マイクロ波送信波
7 マイクロ波反射波
8 送信アンテナ
9 受信アンテナ
10 増幅器
11 マイクロ波比較・ミキシング部
12 フィルター
13 アナログ/ディジタル変換部
14 信号処理部(距離/速度演算部)
15 FM−CW信号
16 ドップラー信号
17 ジャイロセンサ
18 加速度センサ
19 風向・風速計
20 太陽電池
21 蓄電池
Sx マイクロ波送受信器から任意の被測定水面までの計測される距離
SH マイクロ波送受信器から基準水位(満水位等)までの計測される距離
SL マイクロ波送受信器から溜め池等の底面まで計測される距離
Hx マイクロ波送受信器から任意の被測定水面水位までの鉛直距離
HH マイクロ波送受信器から基準水位までの鉛直距離(満水位等)
HL マイクロ波送受信器から溜め池等の底面までの鉛直距離
WLx 被測定水面水位
WLH 基準水位(満水位等)
WLL 溜め池等の底面
θ 水面に対するマイクロ波送受信器の取り付け俯角角度
θm マイクロ波ビーム角度
λ 水流に対するマイクロ波送受信器の取り付け水平角度
日本国内に多数存在する河川や工業用・農業用水路などは、日常はもとより異常気象によって生じる水面水位や水面流速の計測監視・管理はより重要さを増している。
また、非接触による水面水位計測の代表例は超音波式であり、現在実用的な計測方法として多用されているのが現実である。
より進歩した計測方法として例を挙げればフロート式と超音波、レーザー、電磁波等を組み合わせて水面水位の電気的信号を発信させる方法(特許文献1)が提案されているがフロート内部に発信装置が組まれているためにメンテナンスが面倒となる。
また、水面水位と並行して水面流速の計測に関しては、FM−CW信号とドップラー信 号を併用し高速で連続切替しながら、マイクロ波送受信機のマイクロ波送受信角度をを俯 角60度〜80度の範囲として水面水位と水面流速を非接触で連続して計測できる方法に ある。
また、本願発明の第2の方式を採用すれば、単体マイクロ波送受信機でもって被測定水面の水面水位と水面流速を同時に非接触で連続して計測することが出来、システムそのものがシンプルでありかつ可動部を要しないなどメンテナンス性でも非常に優位な方法と言える。
それに加えて、河川や工業用・農業用水路などにおいては当該河川や水路の断面積を乗じることにより当該河川や水路の瞬時及び累積流量等を演算出力することも可能である。
また、本願発明の第4の方式を採用すれば、マイクロ波送受信機が外乱等によって揺動が 発生しても何ら影響を受けず、常にマイクロ波送受信機の取り付け俯角度を補正すること が可能である。
なお、本願発明者は微風等(河川の場合水面での流れがあれば通常水面が微妙に変化する)により、さざ波程度の水面変化が伴えばその計測機能に問題は生じないことを確認している。
また、河川、工業・農業用水路、溜め池、湖沼等全てに亘り、被測定水面と非接触でマイクロ波送受信機を設置できるため、河川、工業・農業用水路、溜め池、湖沼等における構造物のほか流域への影響や、洪水等による計測器具の損壊・流出を皆無にすることができる。
但し、一般的に水面が鏡面状態に至る場合は気象的には安定していることに加えてその現象が長時間に及ぶ確率は非常に低く水面挙動計測自体に実用面上での重要な問題は生じないものと確信する。
発信部と受信部を一体化したマイクロ波送受信機5を用い、水際から水平離隔距離がある 場所にマイクロ波送受信機5を傾斜させて設置し、被測定水面2に対してマイクロ波を送 信しその反射波を受信して水面水位等を非接触で連続して計測する方法において、マイク ロ波送受信機5の取り付け角度が被測定水面2に対して俯角50度〜90度とすることに ある。
即ち、従来の水面水位の非接触計測において定説的となっている水面に対して鉛直±4度 の範囲でマイクロ波を送受信することに対して、水際に構造物を構築する必要性をなくす ことが出来ることを特定・確立したのである。
図1は本願発明に用いるマイクロ波送受信機5による水面挙動計測方法の立面断面図であ る。
河川、工業・農業用水路、溜め池、湖沼等1の水際等から離隔した護岸等3に設置された 支持物4の上部位置にマイクロ波送受信機5を、計測しようとする河川、工業・農業用水 路、溜め池、湖沼等1の被測定水面2に向かってマクロ波を送受信するマイクロ波送受信 機5を傾斜させて設置する。
マイクロ波送受信機5によって発信するマイクロ波送信波6と被測定水面2からの反射するマイクロ波反射波7の往復に要する時間を計測してマイクロ波送受信機5から被測定水面2までの距離に換算し、更にマイクロ波送受信機5の取り付け俯角角度の正弦角θを乗じて、マイクロ波送受信機5の設置高さから鉛直方向の被測定水面2レベル位置までの距離を導き出し、予め基準としたマイクロ波送受信機5から基準水面(満水位又は河川、工業・農業用水路、溜め池、湖沼等の底面等)までの距離から前記実測した被測定水面2の水面水位との差分で計測時点の水面水位等の被測定水面2の水面水位としての水面挙動を導き出す方法である。
マイクロ波送受信機5からマイクロ波送信波6が送信され、任意の被測定水面2の水面水面WLxにおける被測定水面2において、マイクロ波発送信波6が被測定水面において反射され、マイクロ波反射波7として、マイクロ波送受信機5に戻ってくる。
次に、予め取り付けられたマイクロ波送受信機5の俯角であるθの正弦係数を乗ずれば、マイクロ波送受信機5の高さから計測を行った被測定水面2までの距離が換算できることになる。
即ち、
満水位水位HH(WLH)=SH×正弦θ を基準値とすると
任意の水面水位 Hは =HH−(HH−Hx)
=(SH×正弦θ)−{(SH×正弦θ)−(Sx×正弦θ)} を得る。
また、底面HL(WLL)=SL×正弦θ を基準値とすると
任意の水面の水深ΔHは =HL−Hx
=(SL×正弦θ)−(Sx×正弦θ) を得る。
比較的簡易な手法で計測を行った結果であるが、被測定水面2との鉛直面に対して俯角50度〜90度において当該マイクロ波送受信機5で送信したマイクロ波送信波6及びマイクロ波反射波7から換算した距離が3%以下の誤差範囲内にでありマイクロ波送受信機5で計測できることを確認した。
また、マイクロ波送受信機5の取り付け角度を俯角70度以上とした場合、その誤差は1%以下を得ており精度の高いことが判明している。
この結果から、現時点でのマイクロ波送受信機5を用いれば俯角50度〜90度が実用的に適用できる精度を有していることが確認できた。
発信部と受信部を一体化したマイクロ波送受信機を用い、水際から水平離隔距離がある 場所にマイクロ波送受信機を傾斜させて設置し、マイクロ波送受信機の測定方法をFM− CW信号とドップラー信号を併用し、送受信するマイクロ波を任意な時間間隔で超高速に より連続して切り替え、水面水位と水面流速 を連続して計測する方法において、マイクロ 波送受信機の送受信波の照射角度を被測定水面に対して俯角50度〜80度の範囲とすることにある。
図3は本願発明の基本となるマイクロ波送受信機の構成図である。
マイクロ波送受信機5の送信アンテナ8から送信されたマイクロ波は被測定水面2より反射されて受信ンテナ9で受信され、増幅器10、マイクロ波比較・ミキシング部11、フィルター12、アナログ/ディジタル変換部13、信号処理部(距離/速度演算部)14を経て信号として出力される。
その際、前記のマイクロ波送受信機5の回路において、水面水位計測向けとしてのFM−CW信号と、水面流速計測向けとしてのドップラー信号を超高速で連続して切り替えて出力されることにより実現されるのである。
即ち、水際から離隔した場所に設置したマイクロ波送受信機5の単体でもって被測定水面2の水面水位と水面流速の双方の水面挙動データを非接触で連続して計測できることとなるのである。
即ち、マイクロ波送受信機5を水際より水平離隔した護岸等3に、俯角50度〜80度(図のθ)に傾斜させ、更に河川、工業・農業用水路、溜め池、湖沼等1の流れに対して水平傾斜(図のλ)させて設置し、単体の当該マイクロ波送受信機5でもって被測定水面2の水面水位と水面流速を非接触で連続しての計測方法が確立できたのである。
即ち、マイクロ波送受信機5からのマイクロ波送信により被測定水面2より反射されるマイクロ受信波を受信する場合、被測定水面2の水面水位と水面流速の双方のデータを得るためのマイクロ波送受信機5が複合的な要素を有し、且つ機能させることが必要かつ必須である。
またドップラー信号での被測定対象動体物の速度計測には、該動体物に対するドップラ ー信号の照射角度が鉛直に近いほどその測定精度が低下することも周知慣用技術として知 られている。
本願発明では、水面水位と水面流速を並行して計測することを目的としており、請求項1 に記載の水面水位と並行して水面流速を計測するには、双方の補完できる角度が絶対条件 であり、その角度を被測定水面に対して俯角50度〜80度とするものである。
即ち、マイクロ波送受信機5の測定方式をFM−CW信号方式とドップラー信号方式を併 用し、FM−CW信号とドップラー信号のマイクロ波を任意な時間間隔で超高速により連 続して切り替え送受信し、水際から離隔した地点から被測定水面2の水面水位と水面流速 を非接触で連続して計測することが出来 るのである。
発信部と受信部を一体化したマイクロ波送受信機5を用い、水際から水平離隔距離がある 場所にマイクロ波送受信機5を傾斜させて設置し、マイクロ波送受信機5を用いて水面水 位及び水面流速を測定する方法において、マイクロ波送受信機5を構築物に固定した際の 俯角角度を自動的に検出するためのジャイロセンサ17又はジャイロセンサと同等の機能 を有する機材を内蔵又は一体化し、マイクロ波を送信し反射する水面地点までの距離測定 値から、マイクロ波送受信機5から被測定水面までの鉛直距離を正確かつ自動的に演算す ることにある。
即ち、マイクロ波送受信機5を柱状又は鉄骨状等の支持4物の上部等に設置した場合、マ イクロ波送受信機5の取り付け角度を常に正確に演算変換に反、映でき被測定水面2の水 面水位の計測精度を高く確保することとしているのである。
マイクロ波送受信機5の取り付け角度を予め固定して、例えば俯角50度から90度の間で5度刻みで予め固定金具等を準備して対応することは可能である。
また、経年により支持物4の自然傾斜のほか強風により一時的又は恒久的な支持物4の傾斜を伴うことも予見しておかなければならない。
この対策として、マイクロ波送受信機5には、新設時はもとより経年変化に基づく支持物4の傾斜等に、その傾斜度合いを自動的に検出する機能を、当該マイクロ波送受信機5に内蔵するか一体化し、当該マイクロ波送受信機5から被測定水面2までの距離ひいてはマイクロ波送受信機5からの鉛直距離を正確に把握させることは必然的であり、その要素が重要であることに鑑み、本願発明においてはそれらの要素を織り込んだものとしている。
本願発明で用いるマイクロ波送受信機5はマイクロ波送受信機5の揺動を自動的に検出し、被測定水面2の水面水位の実効値として補正する機能を内蔵又は一体化したものを用いて水面挙動を測定しようとするものである。
即ち、本願発明のマイクロ波送受信機5は柱状の構築物に取り付けることも想定しており、その場合、荒天時の強風等により柱状構築物及びマイクロ波送受信機5が揺動した場合に、被測定水面2の水面水位及び水面流速をそれら揺動要因の影響を自動的に補正して、被測定水面2の水面水位と水面流速の計測精度を高く確保することとしているのである。
故に、支持物4に取り付けた際の揺れ等を自動的に検出し、マイクロ波を送信し反射する被測定水面の水面地点までの距離測定値から、マイクロ波送受信機5から被測定水面2までの鉛直距離及び被測定水面2の水面流速を正確かつ自動的に補正・演算し計測精度を高く確保することとしているのである。
その場合、特段に河川、工業・農業用水路等1の水際から離隔した護岸等3にマイクロ波送受信機5を設置する必要はなく、施設管理者の許諾等を経て当該構造物にマイクロ波 送受信機5を直接堅固に固定すれば本願発明の目的を達することができる。
従って、本願発明においては河川、工業・農業用水路、溜め池、湖沼等1の水際から離隔した護岸等3へのマイクロ波送受信機5の設置に拘らずそれらの方法をも全て包摂するものとする。
2 被測定水面
3 護岸等
4 支持物
5 マイクロ波送受信機
6 マイクロ波送信波
7 マイクロ波反射波
8 送信アンテナ
9 受信アンテナ
10 増幅器
11 マイクロ波比較・ミキシング部
12 フィルター
13 アナログ/ディジタル変換部
14 信号処理部(距離/速度演算部)
17 ジャイロセンサ
18 加速度センサ
Hx マイクロ波送受信器から任意の被測定水面水位までの鉛直距離
HH マイクロ波送受信器から基準水位までの鉛直距離(満水位等)
HL マイクロ波送受信器から溜め池等の底面までの鉛直距離
WLx 被測定水面水位
WLH 基準水位(満水位等)
WLL 溜め池等の底面
θ 水面に対するマイクロ波送受信器の取り付け俯角角度
λ 水流に対するマイクロ波送受信器の取り付け水平角度
Claims (6)
- 発信部と受信部を一体化したマイクロ波送受信器を、水際から水平離隔距離がある場所に被測定水面に対して俯角45度〜90度の範囲で当該マイクロ波送受信機を傾斜させて設置し、マイクロ波を送信しその反射波を受信して水面水位等を非接触で連続して計測することを特徴とする水面挙動の計測方法
- 発信部と受信部を一体化したマイクロ波送受信器を、水際から水平離隔距離がある場所に被測定水面に対して俯角45度〜80度の範囲で当該マイクロ波送受信器を傾斜させて設置し、当該マイクロ波送受信器の測定方式をFM−CW信号とドップラー信号を併用し、発受信するマイクロ波を任意な時間間隔で超高速により連続して切り替え、水面水位と水面流速を非接触で連続して計測することを特徴とする水面挙動の計測方法
- 発信部と受信部を一体化したマイクロ波送受信器に、当該マイクロ波送受信機を構築物に固定した際の傾斜度を自動的に検出する機能を内蔵又は一体化し、マイクロ波を送信し反射する水面地点までの距離測定値から、該マイクロ波送受信器から被測定水面までの鉛直距離を正確かつ自動的に演算することを特徴とする請求項1又は請求項2の何れかに記載の水面挙動の計測方法。
- 発信部と受信部を一体化したマイクロ波送受信器に、該マイクロ波送受信器の揺動を自動的に補正する機能を内蔵又は一体化し、当該マイクロ波送受信機を構築物に固定した際の支持物の揺れ等を自動的に検出し、マイクロ波を送信し反射する水面地点までの距離測定及び被測定水面の水面流速の実効値を正確かつ自動的に演算することを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載の水面挙動の計測方法
- 発信部と受信部を一体化したマイクロ波送受信器に、被測定水面の挙動と無関係な風況等の外乱を補正する機能を一体化し、又は被測定水面近傍に前記の風況等の外乱を補正する機能を併設し、該マイクロ波送受信器から得られる被測定水面の水面流速の実効値を正確かつ自動的に演算することを特徴とする請求項2〜請求項4の何れかに記載の水面挙動の計測方法
- 発信部と受信部を一体化したマイクロ波送受信器に、太陽電池とそれに連接する蓄電池を付加して、当該マイクロ波送受信器の電源とし、商用電源からの遠隔地又は商用電源消失時にも被測定水面の水面水位及び水面流速を非接触で連続して計測することを特徴とする請求項1〜請求項5の何れかに記載の水面挙動の計測方法
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