JP2015110340A - 独立して動作可能なルーフパドルによる滴方向制御を伴うインクジェットノズルアセンブリ - Google Patents
独立して動作可能なルーフパドルによる滴方向制御を伴うインクジェットノズルアセンブリ Download PDFInfo
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Abstract
【課題】故障ノズルを補償するための適切な機構からなるインクジェットノズルアセンブリを提供する。
【解決手段】インクを収容し、床部と、ノズル開口13が画定されるルーフとを含むノズルチャンバと、ルーフの一部を画定する複数の可動パドルとを有するインクジェットノズルアセンブリに関する。複数のパドルは、インク滴をノズル開口13から噴射するように動作可能である。各パドルは熱曲がりアクチュエータ15を含み、各アクチュエータは、ノズル開口からの滴の噴射方向が、各パドルの独立した動作によって制御可能になるように、それぞれの駆動回路により独立して制御可能である。
【選択図】図31
【解決手段】インクを収容し、床部と、ノズル開口13が画定されるルーフとを含むノズルチャンバと、ルーフの一部を画定する複数の可動パドルとを有するインクジェットノズルアセンブリに関する。複数のパドルは、インク滴をノズル開口13から噴射するように動作可能である。各パドルは熱曲がりアクチュエータ15を含み、各アクチュエータは、ノズル開口からの滴の噴射方向が、各パドルの独立した動作によって制御可能になるように、それぞれの駆動回路により独立して制御可能である。
【選択図】図31
Description
本発明は、プリンタの分野、特に、インクジェット印刷ヘッドに関する。本発明は、主に、印刷品質および高解像度印刷ヘッドの印刷ヘッド性能を改善するために考案された。
多くの異なるタイプの印刷が発明され、それらの多数が現在使用されている。印刷の公知の形態は、関連するマーキング媒体で印刷媒体にマークを付ける様々な方法を有する。一般的に使用される印刷の形態には、オフセット印刷、レーザ印刷および複写装置、ドットマトリクスタイプのインパクトプリンタ、感熱プリンタ、フィルム記録装置、熱転写プリンタ、昇華型プリンタ、ならびにドロップオンデマンド式および連続流動式の両インクジェットプリンタがある。各タイプのプリンタには、コスト、速度、品質、信頼性、構築作業の単純性などを考慮した場合に、固有の利点および問題点がある。
近年、インクの各個々のピクセルが1つまたは複数のインクノズルから引き出されるインクジェットプリンタの分野が、主に低価格であること、かつ用途が広いという性質から次第に普及するようになった。
インクジェットに関する多数の異なる技術が発明された。分野を調査するために、J Moore,“Non−Impact Printing:Introduction and Historical Perspective”,Output Hard Copy Devices,Editors R Dubeck and S Sherr,207〜220頁(1988年)によって物品について言及がなされている。
インクジェットプリンタ自体には、多数の異なるタイプがある。インクジェット印刷におけるインクの連続流れの利用は、少なくとも1929年までさかのぼると思われ、Hansellによる米国特許第1941001号明細書は、連続流れの静電インクジェット印刷の単純な形態を開示している。
Sweetによる米国特許第3596275号明細書も、滴を分離させるように高周波静電場によってインクジェット流れが調整されるステップを含む連続インクジェット印刷のプロセスを開示している。この技術は、Elmjet and Scitexを含むいくつかのメーカによって引き続き利用されている(Sweetらによる米国特許第3373437号明細書も参照のこと)。
圧電インクジェットプリンタも一般的に使用されるインクジェット印刷装置の1つの形態である。圧電システムは、ダイヤフラムモードの動作を利用する米国特許第3946398号明細書(1970年)にKyserらによって開示され、圧電性結晶の圧縮(squeeze)モードの動作を開示する米国特許第3683212号明細書(1970年)にZoltenによって開示され、Stemmeは、米国特許第3747120号明細書(1972年)において、曲げモードの圧電動作を開示し、Howkinsは、米国特許第4459601号明細書において、インクジェット流れの圧電押し出しモードの動作を開示し、Fischbeckは、米国特許第4584590号明細書において、剪断モードタイプの圧電変換器要素を開示している。
最近では、サーマルインクジェットプリンタが、インクジェット印刷のきわめて普及した形態になった。インクジェット印刷技術には、Endoらによって英国特許第2007162号明細書に、およびVaughtらによって米国特許第4490728号明細書に開示されたものがある。上記の参考文献は共に、電熱アクチュエータの動作を利用して、ノズルなどの狭小空間にバブルを発生させ、それによって、狭小空間に接続された開孔から関連する印刷媒体上にインクを噴射させるインクジェット印刷技術を開示した。電熱アクチュエータを利用する印刷装置は、キャノンおよびヒューレットパッカードなどのメーカによって製造されている。
前述から分かるように、多数の異なるタイプの印刷技術が利用可能である。理想的には、印刷技術は、いくつかの望ましい特性を有するべきである。これらには、安価な構築作業、高速動作、安全性、ならびに連続的な長期動作などが含まれる。各技術には、コスト、速度、品質、信頼性、電力使用量、構築作業の単純性、耐久性、および消耗品の領域における固有の利点および欠点があり得る。
本出願人は、多数のページ幅印刷ヘッド構造を開示してきた。ページの幅全体にわたって延びる、静止したページ幅印刷ヘッドは、より一般的な横に移動するインクジェット印刷ヘッドと比較した場合に、いくつかの独自の設計的問題を示す。例えば、ページ幅印刷ヘッドは通常、複数の個々の印刷ヘッド集積回路(IC)から構築され、これらの印刷ヘッド集積回路は、高い印刷品質を提供するために継ぎ目なく連結されなければならない。本出願人は、これまで、ノズル列がページ幅全体にわたって、隣接する印刷ヘッド集積回路間で途切れることなく印刷するのを可能にする、ノズルのずれた部分を有する印刷ヘッドについて記載してきた(米国特許第7,390,071号明細書、および同第7,290,852号明細書を参照のこと、これらの特許の内容は、参照により本明細書に援用される)。ページ幅印刷の他の手法(例えば、HP Edgeline(商標)Technology)は、印刷領域の大きさを必然的に拡大し、印刷領域との適切な位置合わせを維持するために、媒体送り機構に余分な要求を求める千鳥配置の印刷ヘッドモジュールを採用している。ページ幅印刷ヘッドの構築に対する新たな手法を可能にする代替のノズル構造を提供することが望ましい。
通常、ページ幅印刷ヘッドは「冗長」ノズル列を含み、この「冗長」ノズル列は、故障したノズルを補償するために、または印刷ヘッドのピーク所要電力を調整するために使用することができる(米国特許第7,465,017号明細書および同第7,252,353号明細書を参照のこと、これら特許の内容は、参照により本明細書に援用される)。媒体基材は、印刷中に印刷ヘッドの各ノズルの単一パスを用意するだけなので、故障ノズルの補償は、横に移動する印刷ヘッドとは対照をなす、静止したページ幅印刷ヘッドの特定の問題である。冗長化は、ページ幅印刷ヘッドのコストおよび複雑さを必然的に高めており、冗長ノズル列を最小限にし、一方で、それでもなお、故障ノズルを補償するための適切な機構を提供することが望ましい。
例えば、滴の配置および/または滴の解像度を制御できるより融通の利くページ幅印刷ヘッドを提供することがさらに望ましい。
MEMSおよびCMOS層を別の方法で統合した印刷ヘッドを提供するのがさらに好ましい。「グラウンドバウンス」という望ましくない現象をできるだけなくし、それにより、印刷ヘッドの全体的な電気効率を改善することが特に望ましい。
第1の態様では、インクジェットノズルアセンブリが提供され、インクジェットノズルアセンブリは、
インクを収容し、床部と、ノズル開口が画定されるルーフとを含むノズルチャンバと、
ルーフの少なくとも一部を画定し、インク滴をノズル開口から噴射するように動作可能であり、それぞれが熱曲がりアクチュエータを含む複数の可動パドルと、
を含み、熱曲がりアクチュエータは、
駆動回路に接続された上側熱弾性ビームと、
電流が熱弾性ビームを流れた場合に、熱弾性ビームが膨張し、その結果、それぞれのパドルがノズルチャンバの床部に向かって曲がるように熱弾性ビームに融着された下側受動ビームと、
を含み、
各アクチュエータは、ノズル開口からの滴の噴射方向が、各パドルの独立した動作によって制御可能になるように、それぞれの駆動回路により独立して制御可能である。
インクを収容し、床部と、ノズル開口が画定されるルーフとを含むノズルチャンバと、
ルーフの少なくとも一部を画定し、インク滴をノズル開口から噴射するように動作可能であり、それぞれが熱曲がりアクチュエータを含む複数の可動パドルと、
を含み、熱曲がりアクチュエータは、
駆動回路に接続された上側熱弾性ビームと、
電流が熱弾性ビームを流れた場合に、熱弾性ビームが膨張し、その結果、それぞれのパドルがノズルチャンバの床部に向かって曲がるように熱弾性ビームに融着された下側受動ビームと、
を含み、
各アクチュエータは、ノズル開口からの滴の噴射方向が、各パドルの独立した動作によって制御可能になるように、それぞれの駆動回路により独立して制御可能である。
本明細書において、「ノズルアセンブリ」および「ノズル」という用語は区別なく使用される。したがって、「ノズルアセンブリ」または「ノズル」は、作動時にインクの滴を噴射する装置を指す。「ノズルアセンブリ」または「ノズル」は通常、ノズル開口を有するノズルチャンバおよび少なくとも1つのアクチュエータを含む。
任意選択で、ノズルアセンブリは基板上に配置され、基板の保護層が、ノズルチャンバの床を画定する。
任意選択で、ルーフは床部から離間し、側壁がルーフと床部との間に延びてノズルチャンバを画定する。
任意選択で、ノズルアセンブリは、ノズル開口の両側に配置された1対の対向するパドルを含む。
任意選択で、ノズルアセンブリは、ノズル開口に対して配置された2対の対向するパドルを含む。
任意選択で、パドルは、ノズル開口に対して移動可能である。
任意選択で、各パドルは、ノズル開口およびパドルが床部に対して移動可能なようにノズル開口のセグメントを画定する。
任意選択で、熱弾性ビームは、バナジウム−アルミニウム合金を含む。
任意選択で、受動ビームは、酸化ケイ素、窒化ケイ素、および酸窒化ケイ素からなる群から選択される少なくとも1つの材料を含む。
任意選択で、受動ビームは、酸化ケイ素を含む第1の上側受動ビームと、窒化ケイ素を含む第2の下側受動ビームとを含む。
任意選択で、ルーフは、ポリマー材料でコーティングされる。ポリマー材料は、各パドルとルーフの静止部分との間で機械シールを形成するように構成することができ、それにより、パドルの動作中のインク漏れを最小限にする。あるいは、ポリマー材料は、画定された開口を有することができて、各パドルとルーフの静止部分との間に流体シールが存在する。
任意選択で、ポリマー材料は重合シロキサンを含む。
任意選択で、重合シロキサンは、ポリシルセスキオキサンおよびポリジメチルシロキサンからなる群から選択される。
任意選択で、アクチュエータは、
複数のパドルを連係して動作させるための、各アクチュエータへの駆動信号のタイミングと、
各アクチュエータへの駆動信号の出力と、
のうちの少なくとも1つを制御することで独立して制御可能である。
複数のパドルを連係して動作させるための、各アクチュエータへの駆動信号のタイミングと、
各アクチュエータへの駆動信号の出力と、
のうちの少なくとも1つを制御することで独立して制御可能である。
任意選択で、駆動信号の出力は、
駆動信号の電圧と、
駆動信号のパルス幅と、
のうちの少なくとも1つによって制御される。
駆動信号の電圧と、
駆動信号のパルス幅と、
のうちの少なくとも1つによって制御される。
第1の態様に関連するさらなる態様では、インクジェット印刷ヘッド集積回路が提供され、集積回路は、
駆動回路を含む基板と、
基板に配置された複数のインクジェットノズルアセンブリと、
を含み、各インクジェットノズルアセンブリは、
インクを収容し、基板の上側面によって画定される床部と、ノズル開口が画定されるルーフとを含むノズルチャンバと、
ルーフの少なくとも一部を画定し、インク滴をノズル開口から噴射するように動作可能であり、それぞれが熱曲がりアクチュエータを含む複数の可動パドルと
を含み、熱曲がりアクチュエータは、
駆動回路に接続された上側熱弾性ビームと、
電流が熱弾性ビームを流れた場合に、熱弾性ビームが膨張し、その結果、それぞれのパドルがノズルチャンバの床部に向かって曲がるように熱弾性ビームに結合された下側受動ビームと、
を含み、
各アクチュエータは、ノズル開口からの滴の噴射方向が、各パドルの独立した動作によって制御可能になるように、それぞれの駆動回路により独立して制御可能である。
駆動回路を含む基板と、
基板に配置された複数のインクジェットノズルアセンブリと、
を含み、各インクジェットノズルアセンブリは、
インクを収容し、基板の上側面によって画定される床部と、ノズル開口が画定されるルーフとを含むノズルチャンバと、
ルーフの少なくとも一部を画定し、インク滴をノズル開口から噴射するように動作可能であり、それぞれが熱曲がりアクチュエータを含む複数の可動パドルと
を含み、熱曲がりアクチュエータは、
駆動回路に接続された上側熱弾性ビームと、
電流が熱弾性ビームを流れた場合に、熱弾性ビームが膨張し、その結果、それぞれのパドルがノズルチャンバの床部に向かって曲がるように熱弾性ビームに結合された下側受動ビームと、
を含み、
各アクチュエータは、ノズル開口からの滴の噴射方向が、各パドルの独立した動作によって制御可能になるように、それぞれの駆動回路により独立して制御可能である。
任意選択で、基板の上側面は保護層によって画定され、保護層は駆動回路層に配置される。
第2の態様では、ページ幅全体にわたって、端部と端部を合わせて接合された複数の印刷ヘッド集積回路を含む静止ページ幅インクジェット印刷ヘッドが提供され、印刷ヘッドは、印刷ヘッドの長手軸に沿って延びる1つまたは複数のノズル列を含み、各ノズル列は複数のノズルを含み、1つまたは複数のノズルは、長手軸に沿った、前もって定められた複数の異なるドット位置に向かってインク滴を発射するようにそれぞれ構成される。
任意選択で、1つまたは複数のノズルは、長手軸に沿った2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、または7つの異なるドット位置に向かってインク滴を発射するようにそれぞれ構成可能である。
任意選択で、各ノズルは、所定の寸法を有する2次元領域内の前もって定められた複数の異なるドット位置に向かってインク滴を発射するように構成可能である。
任意選択で、その領域は略円形または略楕円形であり、領域の図心は、ノズルの図心に一致する。
任意選択で、1つまたは複数のノズルは、主トッド位置と、主ドット位置の両側の少なくとも1つの副ドット位置とに向かってインク滴を発射するように構成可能である。
任意選択で、第1のセットの各ノズルは、長手軸に沿った、前もって定められた複数の異なるドット位置に向かってインク滴を発射するように構成され、第1のセットの各ノズルは、印刷ヘッドの故障ノズルの2ノズルピッチ内に配置され、1ノズルピッチは、同じノズル列の1対のノズル間の最小長手方向距離として定義される。
任意選択で、ノズル列の各ノズルは、長手軸に沿った、前もって定められた複数の異なるドット位置に向かってインク滴を発射するように構成されるので、印刷されるドット密度は、印刷ヘッドのノズル密度を超える。
任意選択で、印刷ヘッド集積回路の各隣接する対は連結領域を画定し、連結領域にまたがるノズルピッチは1ノズルピッチを超え、1ノズルピッチは、同じノズル列の1対のノズル間の最小長手方向距離として定義される。
任意選択で、第2のセットの各ノズルは、長手軸に沿った、前もって定められた複数の異なるドット位置に向かってインク滴を発射するように構成され、前もって定められた複数のドット位置には、連結領域内の少なくとも1つのドット位置が含まれる。
第3の態様では、印刷ヘッドの長手軸に沿って延びる1つまたは複数のノズル列を含む静止ページ幅インクジェット印刷ヘッドが提供され、各ノズルは、長手軸に沿った、前もって定められた複数の異なるドット位置に向かってインク滴を発射するように構成されるので、印刷されるドット密度は、印刷ヘッドのノズル密度を超える。
任意選択で、各ノズルは、長手軸に沿った2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、または7つの異なるドット位置に向かってインク滴を発射するように構成可能である。
任意選択で、各ノズルは、印刷ヘッドの横軸に沿った、前もって定められた複数の異なるドット位置に向かってインク滴を発射するように構成可能である。
任意選択で、印刷されるドット密度は、印刷ヘッドのノズル密度の少なくとも2倍である。
任意選択で、各ノズルは、1ライン時間内に2度以上発射するように構成され、1ライン時間は、印刷媒体が1ラインだけ印刷ヘッドを越えて進むのにかかる時間として定義される。
第4の態様では、印刷ヘッドの長手軸に沿って延びる1つまたは複数のノズル列を含む静止ページ幅インクジェット印刷ヘッドが提供され、各ノズルは、長手軸に沿った、前もって定められた複数の異なるドット位置に向かってインク滴を発射するように構成可能であり、各ノズルは、対応する主ドット位置を有し、印刷ヘッドは、故障ノズルと同じノズル列に配置された、選択された機能ノズルから印刷することで故障ノズルを補償するように構成され、選択された機能ノズルは、故障ノズルに対応する主ドット位置に向かって少なくともいくつかのインク滴を発射し、それ自体の主ドット位置に向かって少なくともいくつかのインク滴を発射するように構成される。
任意選択で、選択された機能ノズルは、故障ノズルから1、2、3、または4ノズルピッチ離れた距離に配置され、1ノズルピッチは、同じノズル列の1対のノズル間の最小長手方向距離として定義される。
任意選択で、印刷ヘッドは、
故障ノズルを特定するステップと、
故障ノズルを補償する機能ノズルを選択するステップと、
故障ノズルに対応する主ドット位置に向かって少なくともいくつかのインク滴を発射するように、選択された機能ノズルを構成するステップと、
によって故障ノズルを補償するように構成される。
故障ノズルを特定するステップと、
故障ノズルを補償する機能ノズルを選択するステップと、
故障ノズルに対応する主ドット位置に向かって少なくともいくつかのインク滴を発射するように、選択された機能ノズルを構成するステップと、
によって故障ノズルを補償するように構成される。
任意選択で、選択された機能ノズルは、1ライン時間の期間内に故障ノズルに対応する主ドット位置に向かって第1のインク滴を発射し、それ自体の主ドット位置に向かって第2のインク滴を発射するように構成され、1ライン時間は、印刷媒体が1ラインだけ印刷ヘッドを越えて進むのにかかる時間として定義される。
任意選択で、各ノズルは、印刷ヘッドの横軸に沿った、前もって定められた複数の異なるドット位置に向かってインク滴を発射するようにさらに構成可能である。
任意選択で、選択された機能ノズルは、1ライン時間を超え、かつ5ライン時間未満の期間内に故障ノズルに対応する主ドット位置に向かって第1のインク滴を発射し、それ自体の主ドット位置に向かって第2のインク滴を発射するように構成される。
任意選択で、各滴が印刷ヘッドのインク噴射面に対して垂直な方向に噴射された結果として、滴はそれぞれの主ドット位置に載る。
任意選択で、印刷ヘッドは、対応する複数の選択された機能ノズルから印刷することで、複数の故障ノズルを補償するように構成される。
任意選択で、印刷ヘッドは冗長ノズル列を全く有さない。
第4の態様に関連するさらなる態様では、静止ページ幅インクジェット印刷ヘッド用の印刷ヘッド集積回路が提供され、印刷ヘッド集積回路は、その長手軸に沿って延びる1つまたは複数のノズル列を含み、各ノズルは、長手軸に沿った、前もって定められた複数の異なるドット位置に向かってインク滴を発射するように構成され、各ノズルは、対応する主ドット位置を有し、印刷ヘッド集積回路は、故障ノズルと同じノズル列に配置された、選択された機能ノズルから印刷することで故障ノズルを補償するように構成され、選択された機能ノズルは、故障ノズルに対応する主ドット位置に向かって少なくともいくつかのインク滴を発射し、それ自体の主ドット位置に向かって少なくともいくつかのインク滴を発射するように構成される。
第5の態様では、印刷ヘッドの長手軸に沿って延びる1つまたは複数のノズル列を含む静止ページ幅インクジェット印刷ヘッドが提供され、印刷ヘッドは、ページの幅全体にわたって、接合された第1および第2の対向する端部を有する複数の印刷ヘッドモジュールを含み、各接合印刷ヘッドモジュール対は共通連結領域を画定し、連結領域にまたがるノズルピッチは1ノズルピッチを超え、1ノズルピッチは、同じノズル列の1対のノズル間の最小長手方向距離として定義され、接合対の第1の印刷ヘッドモジュールの第1の端部に配置された少なくとも1つの第1のノズルは、それぞれの連結領域にインク滴を発射するように構成される。
任意選択で、接合対の第2の印刷ヘッドモジュールの第2の端部に配置された少なくとも1つの第2のノズルは、それぞれの連結領域にインク滴を発射するように構成されて、隣接する印刷ヘッドモジュールの対向する第1および第2の端部の第1および第2のノズルは、共通連結領域にインク滴を発射する。
任意選択で、各第1のノズルは、長手軸に沿った、前もって定められた複数の異なるドット位置に向かってインク滴を発射するように構成され、前もって定められた複数の異なるドット位置には、連結領域内の少なくとも1つのドット位置が含まれる。
任意選択で、各第1および第2のノズルは、長手軸に沿った、前もって定められたそれぞれの複数の異なるドット位置に向かってそれぞれのインク滴を発射するように構成され、前もって定められた各それぞれの複数の異なるドット位置には、連結領域内の少なくとも1つのドット位置が含まれる。
任意選択で、連結領域のドットピッチは、1ノズルピッチと実質的に同じである。
任意選択で、各第1および第2のノズルは、1ライン時間の期間内に2度以上発射するように構成され、1ライン時間は、印刷媒体が1ラインだけ印刷ヘッドを越えて進むのにかかる時間として定義される。
任意選択で、第1の端部の近くに配置されたノズルは、第1の端部に向かってインク滴を斜めに発射するように構成され、第2の端部の近くに配置されたノズルは、第2の端部に向かってインク滴を斜めに発射するように構成される。
任意選択で、傾斜度は、それぞれの印刷ヘッドモジュールの中心からの各ノズルの距離に依存し、中心に近い方に配置されたノズルは、中心から離れた方に配置されたノズルよりも小さい傾きでインク滴を発射する。
任意選択で、平均ドットピッチは1ノズルピッチよりも大きい。
任意選択で、平均ドットピッチは、1ノズルピッチよりも1%未満だけ大きい。
任意選択で、印刷ヘッドの各ノズルは、故障ノズルを補償しない場合、1つのドット位置のみに向かってインク滴を発射するように構成される。
第6の態様では、長手軸に沿って延びる1つまたは複数のノズル列を含む印刷ヘッド集積回路(IC)が提供され、印刷ヘッドICは、ページ幅印刷ヘッドを画定するように他の印刷ヘッドICと密着係合するための第1および第2の端部を有し、各ノズルは、対応する主ドット位置を有し、第1の端部に配置された少なくとも1つの第1のノズルは、それ自体の主ドット位置に向かって少なくともいくつかのインク滴を発射するのに加えて、第1の端部に向かって少なくともいくつかのインク滴を斜めに発射するように構成される。
任意選択で、第2の端部に配置された少なくとも1つの第2の第1のノズルは、それ自体の主ドット位置に向かって少なくともいくつかのインク滴を発射するのに加えて、第2の端部に向かって少なくともいくつかのインク滴を斜めに発射するように構成される。
任意選択で、第1のノズルは、1ライン時間以下の期間内に第1の端部に向かって1つのインク滴を斜めに発射し、第1のノズル自体の主ドット位置に向かって1つのインク滴を発射するように構成され、1ライン時間は、印刷媒体が1ラインだけ印刷ヘッドICを越えて進むのにかかる時間として定義される。
任意選択で、各第2のノズルは、1ライン時間以下の期間内に第2の端部に向かって1つのインク滴を斜めに発射し、第2のノズル自体の主ドット位置に向かって1つのインク滴発射するように構成される。
任意選択で、印刷ヘッドICのノズルピッチは、印刷されるドットのドットピッチと同じであり、印刷ヘッドICのノズルピッチは、同じノズル列の1対のノズル間の長手方向の距離として定義され、ドットピッチは、同じ印刷ラインの1対のドット間の長手方向の距離として定義される。
任意選択で、第1のノズルは、少なくともいくつかのインク滴を1〜3ノズルピッチの距離だけ第1の端部に向かって斜めに発射するように構成される。
任意選択で、各ノズル列は、第1の端部の第1の連結領域と、第2の端部の第2の連結領域との間に延びる。
任意選択で、第1および第2の連結領域は、印刷ヘッドICの縁部とノズルとの間の最小距離として定義される幅を有する。
任意選択で、第1の連結領域は、0.5〜3.5ノズルピッチの幅を有し、第2の連結領域は、0.5〜3.5ノズルピッチの幅を有する。
任意選択で、少なくとも1つのノズル列の印刷可能領域は、印刷ヘッドICが静止している場合に、ノズル列の長手方向の長さよりも長い。
第7の態様では、静止ページ幅印刷ヘッド用の印刷ヘッド集積回路(IC)が提供され、印刷ヘッドICは、その長手軸に沿って延びる少なくとも1つのノズル列を含み、ノズル列に対応する印刷可能な領域の長さはノズル列の長さよりも長い。
任意選択で、印刷可能な領域の長さは、ノズル列の長さよりも少なくとも1ノズルピッチ長く、1ノズルピッチは、ノズル列の1対のノズル間の最小長手方向距離として定義される。
任意選択で、印刷可能領域は、ノズル列よりも最大で8ノズルピッチ長い。
任意選択で、印刷可能領域は、ノズル列によって印刷されるドットラインに対応する。
任意選択で、印刷ヘッドは複数のノズル列を含み、各ノズル列に対応する印刷可能領域の長さは、各ノズル列の長さよりも長い。
任意選択で、印刷可能領域は、ノズル列の各端部を越えて延びる。
任意選択で、印刷ヘッドICの第1の端部に配置された少なくとも1つの第1のノズルは、インク滴を第1の端部に向かって斜めに発射するように構成される。
任意選択で、傾斜度は、第1の端部からの各ノズルの距離に依存し、第1の端部に近い方に配置されたノズルは、第1の端部から離れた方に配置されたノズルよりもインク滴を第1の端部に向かってさらに斜めに発射する。
任意選択で、印刷ヘッドICの反対側の第2の端部に配置された少なくとも1つの第2のノズルは、インク滴を第2の端部に向かって斜めに発射するように構成される。
任意選択で、傾斜度は、印刷ヘッドICの中心からの各ノズルの距離に依存し、中心に近い方に配置されたノズルは、中心から離れた方に配置されたノズルよりも小さい傾きでインク滴を発射する。
任意選択で、印刷ヘッドICの中央領域に配置されたノズルは、印刷ヘッドICのインク噴射面に対して実質的に垂直方向にインク滴を発射するように構成される。
任意選択で、印刷可能領域の平均ドットピッチは1ノズルピッチよりも大きい。
任意選択で、平均ドットピッチは、1ノズルピッチよりも1%未満だけ大きい。
任意選択で、印刷ヘッドの各ノズルは、故障ノズルを補償しない場合、1つのドット位置のみに向かってインク滴を発射するように構成される。
第8の態様では、インクジェットノズルからの滴の噴射方向を制御する方法が提供され、インクジェットノズルは、ノズル開口が画定されるルーフを有するノズルチャンバと、ルーフの少なくとも一部を画定する複数の可動パドルとを含み、各パドルは熱曲がりアクチュエータを含み、方法は、
それぞれの第1のパドルがノズルチャンバの床部に向かって曲がるように、それぞれの第1の駆動回路によって第1の熱曲がりアクチュエータを作動させるステップと、
それぞれの第2のパドルがノズルチャンバの床部に向かって曲がるように、それぞれの第2の駆動回路によって第2の熱曲がりアクチュエータを作動させるステップと、
それにより、ノズル開口からインク滴を噴射するステップと、
を含み、
第1および第2の熱曲がりアクチュエータの作動は、ノズル開口からの滴の噴射方向を制御するように、第1および第2の駆動回路により独立して制御される。
それぞれの第1のパドルがノズルチャンバの床部に向かって曲がるように、それぞれの第1の駆動回路によって第1の熱曲がりアクチュエータを作動させるステップと、
それぞれの第2のパドルがノズルチャンバの床部に向かって曲がるように、それぞれの第2の駆動回路によって第2の熱曲がりアクチュエータを作動させるステップと、
それにより、ノズル開口からインク滴を噴射するステップと、
を含み、
第1および第2の熱曲がりアクチュエータの作動は、ノズル開口からの滴の噴射方向を制御するように、第1および第2の駆動回路により独立して制御される。
任意選択で、第1および第2のアクチュエータは、
複数のパドルを連係して動作させるための、第1および第2のアクチュエータのそれぞれへの駆動信号のタイミングと、
複数のパドルを非対称動作させるための、各アクチュエータへの駆動信号の出力と、
の少なくとも1つを制御することで独立して制御される。
複数のパドルを連係して動作させるための、第1および第2のアクチュエータのそれぞれへの駆動信号のタイミングと、
複数のパドルを非対称動作させるための、各アクチュエータへの駆動信号の出力と、
の少なくとも1つを制御することで独立して制御される。
任意選択で、第1のアクチュエータが、第2のアクチュエータの前に作動されて、第1の方向に滴を噴射するか、または第2のアクチュエータが、第1のアクチュエータの前に作動されて、第2の方向に滴を噴射するかのいずれかである。
任意選択で、第1のアクチュエータが、第2のアクチュエータよりも大きい電力を供給されるか、または第2のアクチュエータが、第1のアクチュエータよりも大きい電力を供給されるかのいずれかである。
任意選択で、駆動信号の出力は、
駆動信号の電圧と、
駆動信号のパルス幅と、
のうちの少なくとも1つによって制御される。
駆動信号の電圧と、
駆動信号のパルス幅と、
のうちの少なくとも1つによって制御される。
任意選択で、2対の対向するパドルがノズル開口に対応して配置される。
任意選択で、方法は、
それぞれの第3のパドルがノズルチャンバの床部に向かって曲がるように、それぞれの第1の駆動回路によって第3の熱曲がりアクチュエータを作動させるステップと、
それぞれの第2のパドルがノズルチャンバの床部に向かって曲がるように、それぞれの第2の駆動回路によって第4の熱曲がりアクチュエータを作動させるステップと、
をさらに含み、
第1、第2、第3、および第4の熱曲がりアクチュエータの作動は、ノズル開口からの滴の噴射方向を制御するように、それぞれ第1、第2、第3、および第4の駆動回路により独立して制御される。
それぞれの第3のパドルがノズルチャンバの床部に向かって曲がるように、それぞれの第1の駆動回路によって第3の熱曲がりアクチュエータを作動させるステップと、
それぞれの第2のパドルがノズルチャンバの床部に向かって曲がるように、それぞれの第2の駆動回路によって第4の熱曲がりアクチュエータを作動させるステップと、
をさらに含み、
第1、第2、第3、および第4の熱曲がりアクチュエータの作動は、ノズル開口からの滴の噴射方向を制御するように、それぞれ第1、第2、第3、および第4の駆動回路により独立して制御される。
任意選択で、パドルは、ノズル開口に対して移動可能である。
任意選択で、各パドルは、ノズル開口およびパドルが床部に対して移動可能なようにノズル開口のセグメントを画定する。
第9の態様では、静止ページ幅印刷ヘッドの故障ノズルを補償する方法が提供され、印刷ヘッドは、印刷ヘッドの長手軸に沿って延びる1つまたは複数のノズル列を有し、各ノズルは、長手軸に沿った、前もって定められた複数の異なるドット位置に向かってインク滴を発射するように構成することができる、熱で曲げて駆動される複数のパドルを含み、各ノズルは、対応する主ドット位置を有し、方法は、
故障ノズルを特定するステップと、
故障ノズルと同じノズル列で機能ノズルを選択するステップと、
故障ノズルに対応する主ドット位置に向かって、選択された機能ノズルから少なくともいくつかのインク滴を発射するステップと、
を含む。
故障ノズルを特定するステップと、
故障ノズルと同じノズル列で機能ノズルを選択するステップと、
故障ノズルに対応する主ドット位置に向かって、選択された機能ノズルから少なくともいくつかのインク滴を発射するステップと、
を含む。
任意選択で、方法は、
機能ノズル自体の主ドット位置に向かって、選択された機能ノズルから少なくともいくつかのインク滴を発射するステップをさらに含む。
機能ノズル自体の主ドット位置に向かって、選択された機能ノズルから少なくともいくつかのインク滴を発射するステップをさらに含む。
任意選択で、選択された機能ノズルは、故障ノズルから1、2、3、または4ノズルピッチ離れた距離に配置され、1ノズルピッチは、同じノズル列の1対のノズル間の最小長手方向距離として定義される。
任意選択で、方法は、
1ライン時間の期間に1ラインだけ、静止した印刷ヘッドを横断方向に越えて印刷媒体を進めるステップと、
故障ノズルに対応する主ドット位置に向かって、選択された機能ノズルから第1のインク滴を発射するステップと、
機能ノズル自体の主ドット位置に向かって、選択された機能ノズルから第2のインク滴を発射するステップと、
をさらに含み、
選択された機能ノズルは、1ライン時間の期間内に第1および第2のインク滴を発射する。
1ライン時間の期間に1ラインだけ、静止した印刷ヘッドを横断方向に越えて印刷媒体を進めるステップと、
故障ノズルに対応する主ドット位置に向かって、選択された機能ノズルから第1のインク滴を発射するステップと、
機能ノズル自体の主ドット位置に向かって、選択された機能ノズルから第2のインク滴を発射するステップと、
をさらに含み、
選択された機能ノズルは、1ライン時間の期間内に第1および第2のインク滴を発射する。
任意選択で、選択された機能ノズルは、任意の順番で第1および第2のインク滴を発射する。
任意選択で、各ノズルは、印刷ヘッドの横軸に沿った、前もって定められた複数の異なるドット位置に向かってインク滴を発射するようにさらに構成可能である。
任意選択で、方法は、
1ライン/1ライン時間の速度で、静止した印刷ヘッドを横断方向に越えて印刷媒体を進ませるステップと、
故障ノズルに対応する主ドット位置に向かって、選択された機能ノズルから第1のインク滴を発射するステップと、
機能ノズル自体の主ドット位置に向かって、選択された機能ノズルから第2のインク滴を発射するステップと、
をさらに含み、
選択された機能ノズルは、1ライン時間を超え、かつ5ライン時間未満の期間に第1および第2のインク滴を発射する。
1ライン/1ライン時間の速度で、静止した印刷ヘッドを横断方向に越えて印刷媒体を進ませるステップと、
故障ノズルに対応する主ドット位置に向かって、選択された機能ノズルから第1のインク滴を発射するステップと、
機能ノズル自体の主ドット位置に向かって、選択された機能ノズルから第2のインク滴を発射するステップと、
をさらに含み、
選択された機能ノズルは、1ライン時間を超え、かつ5ライン時間未満の期間に第1および第2のインク滴を発射する。
任意選択で、故障ノズルは、故障ノズルに対応する1つまたは複数のアクチュエータの抵抗を検出することで特定される。
第10の態様では、ページ幅全体にわたって、端部と端部を合わせて接合した複数の印刷ヘッド集積回路を含む静止ページ幅印刷ヘッドにおいて、ノズル密度を超えるドット密度で印刷する方法が提供され、印刷ヘッドは、その長手軸に沿って延びる少なくとも1つのノズル列を有し、方法は、
1ライン/1ライン時間の速度で、静止した印刷ヘッドを横断方向に越えて印刷媒体を進ませるステップと、
連続する印刷ラインを形成するために、ノズル列の所定のノズルからインク滴を発射するステップと、
を含み、
少なくともいくつかの所定のノズルはそれぞれ、各印刷ラインの印刷されるドット密度がノズル密度を超えるように、1ライン時間中に、長手軸に沿った、前もって定められた複数の異なるドット位置に向かってインク滴を発射する。
1ライン/1ライン時間の速度で、静止した印刷ヘッドを横断方向に越えて印刷媒体を進ませるステップと、
連続する印刷ラインを形成するために、ノズル列の所定のノズルからインク滴を発射するステップと、
を含み、
少なくともいくつかの所定のノズルはそれぞれ、各印刷ラインの印刷されるドット密度がノズル密度を超えるように、1ライン時間中に、長手軸に沿った、前もって定められた複数の異なるドット位置に向かってインク滴を発射する。
第11の態様では、インクジェット印刷ヘッドが提供され、インクジェット印刷ヘッドは、
駆動回路層を含む基板と、
基板の上側面に配置され、印刷ヘッドに沿って長手方向に延びる1つまたは複数のノズル列に配列された複数のノズルアセンブリであって、それぞれが、上側面によって画定される床部を有するノズルチャンバと、床部から離間したルーフと、ルーフ内に画定されたノズル開口からインクを噴射するアクチュエータとを含む複数のノズルアセンブリと、
印刷ヘッド全体にわたって延び、ルーフを少なくとも部分的に画定するノズルプレートと、
ノズルプレートに配置された少なくとも1つの導電路であって、印刷ヘッドに沿って長手方向に、かつノズル列と平行に延びる少なくとも1つの導電路と、
を含み、
導電路は、駆動回路層と導電路との間に延びる複数の導体ポストを介して駆動回路層の共通基準面に接続される。
駆動回路層を含む基板と、
基板の上側面に配置され、印刷ヘッドに沿って長手方向に延びる1つまたは複数のノズル列に配列された複数のノズルアセンブリであって、それぞれが、上側面によって画定される床部を有するノズルチャンバと、床部から離間したルーフと、ルーフ内に画定されたノズル開口からインクを噴射するアクチュエータとを含む複数のノズルアセンブリと、
印刷ヘッド全体にわたって延び、ルーフを少なくとも部分的に画定するノズルプレートと、
ノズルプレートに配置された少なくとも1つの導電路であって、印刷ヘッドに沿って長手方向に、かつノズル列と平行に延びる少なくとも1つの導電路と、
を含み、
導電路は、駆動回路層と導電路との間に延びる複数の導体ポストを介して駆動回路層の共通基準面に接続される。
任意選択で、共通基準面は、接地面または電源面を画定する。
任意選択で、印刷ヘッドは、少なくとも1つの第1の導電路を含み、第1の導電路は、第1の導電路に隣接する少なくとも1つのノズル列の複数のアクチュエータに直接接続される。
任意選択で、印刷ヘッドは、少なくとも1つの第2の導電路をさらに含み、第2の導電路は、任意のアクチュエータに直接接続されない。
任意選択で、第1の導電路は、ノズル列の各アクチュエータ用の共通基準面を形成するように、印刷ヘッドに沿って連続的に延びる。
任意選択で、第1の導電路は、ノズル列のアクチュエータセット用の共通基準面を形成するように、印刷ヘッドに沿って不連続に延びる。
任意選択で、第1の導電路は、それぞれのノズル列対間に配置され、第1の導電路は、対のノズル列の両方の複数のアクチュエータ用の共通基準面を形成する。
任意選択で、各アクチュエータは、第1の導電路に直接接続された第1の端子と、駆動回路層の駆動トランジスタに接続された第2の端子とを有する。
任意選択で、各ルーフは、少なくとも1つのアクチュエータを含み、各アクチュエータの第1の端子は、ノズルプレート全体にわたって、第1の導電路に対して横方向に延びる横接続体を介して第1の導電路に接続される。
任意選択で、第2の端子は、駆動回路層と第2の端子との間に延びるアクチュエータポストを介して駆動トランジスタに接続される。
任意選択で、アクチュエータポストは、第1の導電路の面に対して垂直である。
任意選択で、各ルーフは、それぞれの熱曲がりアクチュエータを含む少なくとも1つの可動パドルを含み、パドルは、ノズル開口からインクを噴射させるように、それぞれのノズルチャンバの床部に向かって移動可能であり、熱曲がりアクチュエータは、
第1および第2の端子を有する上側熱弾性ビームと、
電流が熱弾性ビームを流れた場合に、熱弾性ビームが膨張し、その結果、それぞれのパドルがノズルチャンバの床部に向かって曲がるように熱弾性ビームに融着された下側受動ビームと、
を含む。
第1および第2の端子を有する上側熱弾性ビームと、
電流が熱弾性ビームを流れた場合に、熱弾性ビームが膨張し、その結果、それぞれのパドルがノズルチャンバの床部に向かって曲がるように熱弾性ビームに融着された下側受動ビームと、
を含む。
任意選択で、熱弾性ビームは、導電路と同一平面上にある。
任意選択で、熱弾性ビームおよび導電路は同じ材料を含む。
任意選択で、ノズルプレートはセラミック材料を含む。
任意選択で、駆動回路層は、各アクチュエータ用の駆動電界効果トランジスタ(FET)を含み、各駆動FETは、論理発射信号を受け取るゲートと、電源面と電気的につながったソースと、接地面と電気的につながったドレーンとを含み、駆動FETは、
アクチュエータがドレーンと接地面との間に接続されるp型FETか、または
アクチュエータが電源面とソースとの間に接続されるn形FETか、
のいずれか一方である。
アクチュエータがドレーンと接地面との間に接続されるp型FETか、または
アクチュエータが電源面とソースとの間に接続されるn形FETか、
のいずれか一方である。
任意選択で、駆動FETはp型FETであり、第1の導電路は接地面を形成し、さらに、アクチュエータの第1の端子は第1の導電路に接続され、アクチュエータの第2の端子は、p型FETのドレーンに接続される。
任意選択で、第2の導電路は電源面を形成し、p型FETのソースに接続される。
任意選択で、駆動FETはn型FETであり、第1の導電路は電源面を形成し、さらに、アクチュエータの第1の端子は、第1の導電路に接続され、アクチュエータの第2の端子は、n型FETのソースに接続される。
任意選択で、第2の導体路は接地面を形成し、n型FETのドレーンに接続される。
第12の態様では、インクジェット印刷ヘッド用の印刷ヘッド集積回路(IC)が提供され、印刷ヘッド集積回路は、
駆動回路層を含む基板と、
基板の上側面に配置され、印刷ヘッドICに沿って長手方向に延びる1つまたは複数のノズル列に配列された複数のノズルアセンブリであって、それぞれが、上側面によって画定される床部を有するノズルチャンバと、床部から離間したルーフと、ルーフ内に画定されたノズル開口からインクを噴射するアクチュエータとを含む複数のノズルアセンブリと、
印刷ヘッドIC全体にわたって延び、ルーフを少なくとも部分的に画定するノズルプレートと、
ノズルプレートに融着された少なくとも1つの導電路であって、印刷ヘッドに沿って長手方向に、かつノズル列と平行に延びる少なくとも1つの導電路と、
を含み、
導電路は、駆動回路層と導電路との間に延びる複数の導体ポストを介して駆動回路層の共通基準面に接続される。
駆動回路層を含む基板と、
基板の上側面に配置され、印刷ヘッドICに沿って長手方向に延びる1つまたは複数のノズル列に配列された複数のノズルアセンブリであって、それぞれが、上側面によって画定される床部を有するノズルチャンバと、床部から離間したルーフと、ルーフ内に画定されたノズル開口からインクを噴射するアクチュエータとを含む複数のノズルアセンブリと、
印刷ヘッドIC全体にわたって延び、ルーフを少なくとも部分的に画定するノズルプレートと、
ノズルプレートに融着された少なくとも1つの導電路であって、印刷ヘッドに沿って長手方向に、かつノズル列と平行に延びる少なくとも1つの導電路と、
を含み、
導電路は、駆動回路層と導電路との間に延びる複数の導体ポストを介して駆動回路層の共通基準面に接続される。
任意選択で、共通基準面は、接地面または電源面を画定する。
任意選択で、導電路は、ノズルプレートの上または下に配置される。
本発明の任意の実施形態が、添付の図面を参照して例示のみを目的として以下に説明される。
可動ルーフパドルを含むインクジェットノズルアセンブリの製造プロセス
完全を期すために、および背景的情報として、熱曲がりアクチュエータを有する可動ルーフパドルを含むインクジェットノズルアセンブリ(または「ノズル」)を製造するプロセスについて以下に説明する。図15および図16に示す完成したインクジェットノズルアセンブリ100は熱曲がり作用を利用し、それにより、ノズルチャンバルーフの可動パドル4が基板1に向かって曲がり、結果的にインクが噴射される。この製造プロセスは、本出願人が前に出願した米国特許出願公開第2008/0309728号明細書および同第2008/0225077号明細書に説明されており、これら特許の内容は、参照により本明細書に援用される。しかし、当然のことながら、相当する製造プロセスを使用して、本明細書で説明する任意のインクジェットノズルアセンブリ、実際には、印刷ヘッドおよび印刷ヘッド集積回路(IC)を製造することができる。
完全を期すために、および背景的情報として、熱曲がりアクチュエータを有する可動ルーフパドルを含むインクジェットノズルアセンブリ(または「ノズル」)を製造するプロセスについて以下に説明する。図15および図16に示す完成したインクジェットノズルアセンブリ100は熱曲がり作用を利用し、それにより、ノズルチャンバルーフの可動パドル4が基板1に向かって曲がり、結果的にインクが噴射される。この製造プロセスは、本出願人が前に出願した米国特許出願公開第2008/0309728号明細書および同第2008/0225077号明細書に説明されており、これら特許の内容は、参照により本明細書に援用される。しかし、当然のことながら、相当する製造プロセスを使用して、本明細書で説明する任意のインクジェットノズルアセンブリ、実際には、印刷ヘッドおよび印刷ヘッド集積回路(IC)を製造することができる。
MEMS製造の出発点は、不動態化シリコンウェハの上側層に配置されたCMOS駆動回路を有する標準CMOSウェハである。MEMS製造プロセスの最後で、このウェハは、個々の印刷ヘッド集積回路(IC)に切断され、各ICは、CMOS駆動回路層および複数のノズルアセンブリを含む。
図1および図2に示す一連のステップでは、最初に、二酸化ケイ素の8μmの層を基板1の上側面に堆積させる。二酸化ケイ素の深さは、インクジェットノズルのノズルチャンバ5の深さを画定する。SiO2層の堆積後、SiO2層はエッチングされて壁4を画定し、壁4は、図2に最も明瞭に示すとおり、ノズルチャンバ5の側壁になる。
図3および図4に示すとおり、次いで、次の堆積ステップのための犠牲スカフォード(scaffold)として働くフォトレジストまたはポリイミド6でノズルチャンバ5を満たす。ポリイミド6は、標準技術を使用して、UV硬化および/または堅焼きされてウェハ上で回転し、次いで、化学機械平坦化(CMP)にかけられてSiO2壁4の上面と面一になる。
図5および図6では、ノズルチャンバ5のルーフ7が、電極2まで下方に延びる高導電性アクチュエータポスト8とともに形成されている。最初に、SiO2の1.7μmの層をポリイミド6および壁4の上に堆積させる。このSiO2の層は、ノズルチャンバ5のルーフ7を画定する。次に、標準的な異方性DRIE(ディープリアクティブイオンエッチング)を使用して、壁4内で1対のバイアを下方に電極2まで形成する。このエッチングは、それぞれのバイアを通じて1対の電極2を露出させる。次いで、無電解めっきを使用して、銅などの高導電性金属でバイアを満たす。堆積した銅ポスト8はCMPにかけられ、SiO2ルーフ部材7と面一になって平面構造を形成する。無電解銅めっき時に形成された銅製アクチュエータポスト8は、それぞれの電極2と接触して、ルーフ7までの直線導電路を形成することがわかる。
図7および8では、アルミニウムの0.3μmの層を堆積させ、エッチングすることで、金属パッド9が形成されている。任意の高導電性金属(例えば、アルミニウム、チタンなど)を使用することができ、この高導電性金属は、ノズルアセンブリの全体的な平面性に深刻すぎる影響を及ぼさないように、約5μm以下の厚さで堆積しなければならない。金属パッド9は、アクチュエータポスト8上と、屋根部材7上の、熱弾性能動ビーム部材の所定の「曲げ領域」とに配置されるように、エッチングにより画定される。もちろん、金属パッド9は厳密には必須ではなく、図7および図8に示す一連のステップは、製造プロセスから削除することができるのは当然である。
図9および図10では、熱弾性能動ビーム部材10がSiO2ルーフ7上に形成されている。能動ビーム部材10に融着されることで、SiO2ルーフ7の一部は、機械的熱曲がりアクチュエータの下側受動ビーム部材16として機能し、機械的熱曲がりアクチュエータは、能動ビーム10および受動ビーム16によって画定される。熱弾性能動ビーム部材10は、窒化チタン、窒化チタンアルミニウム、およびアルミニウム合金などの任意の適切な熱弾性材料を含むことができる。本出願人が以前に出願した、2002年12月4日に出願の米国特許出願第11/607,976号明細書(その内容は参照により本明細書に援用される)で説明されているように、バナジウム−アルミニウム合金は、高い熱膨張、低い密度、および高いヤング率といった有利な特性を兼ね備えているために好ましい材料である。
能動ビーム部材10を形成するために、標準的なプラズマCVDによって、能動ビーム材料の1.5μmの層を最初に堆積させる。次いで、ビーム材料は、標準的な金属エッチングを使用してエッチングされて、能動熱弾性ビーム部材10を画定する。金属エッチングの完了後、ならびに図9および図10に示すとおり、能動ビーム部材10は、部分ノズル開口11と、各端部でアクチュエータポスト8を介して電源および接地電極2に電気的に接続された蛇行ビーム要素12とを含む。平面ビーム要素12は、第1の(電源側)アクチュエータポストの上部から延び、約180°曲がって第2の(接地側)アクチュエータポストの上部に戻る。
引き続き図9および図10を参照して、金属パッド9は、潜在的に抵抗が高い方の領域で電流が流れるのを容易にするように配置されている。一方の金属パッド9は、ビーム要素12の曲げ領域に配置され、能動ビーム部材10と受動ビーム部材16との間に挟まれている。他方の金属パッド9は、アクチュエータポスト8の上部とビーム要素12の端部との間に配置されている。
図11および図12を参照すると、次いで、ルーフのノズル開口13および可動片持ちパドル14を完全に画定するようにSiO2ルーフ7をエッチングする。パドル14は熱曲がりアクチュエータ15を含み、熱曲がりアクチュエータそれ自体は、能動熱弾性ビーム部材10および下にある受動ビーム部材16を含む。ノズル開口13は、動作中にアクチュエータと共に動作するようにルーフのパドル14内に画定される。参照により本明細書に援用される、本出願人による米国特許出願第11/607,976号明細書で説明されているような、ノズル開口13がパドル14に対して静止した構成も同様に可能である。
可動パドル14を囲む周縁空間またはギャップ17は、ルーフの静止部分18からパドルを分離している。このギャップ17は、アクチュエータ15の作動時に、可動パドル14がノズルチャンバ5の中に、基板1に向かって曲がるのを可能にする。
図13および図14を参照すると、次いで、ポリマー層19をノズルアセンブリ全体に堆積させ、さらに、ノズル開口13を再度画定するようにポリマー層19をエッチングする。ポリマー層19は、米国特許出願公開第2008/0225077号明細書に説明されているように、ノズル開口13をエッチングする前に、薄い除去可能な金属層(図示せず)で保護することができ、この特許の内容は、参照により本明細書に援用される。
ポリマー層19は複数の機能を果たす。第1に、ポリマー層19はギャップ17を埋めて、パドル14とルーフ7の静止部分18との間の機械シールを形成する。ポリマーが、十分に小さいヤング率を有するとすると、アクチュエータは、それでもなお、基板1に向かって曲がることができ、一方で、動作中にインクがギャップ17を通って漏出するのを防止する。第2に、ポリマーは、高い疎水性を有して、インクが比較的親水性のノズルチャンバから印刷ヘッドのインク噴射面21にあふれ出る傾向を最小限にする。第3に、ポリマーは保護層として機能し、印刷ヘッドの維持を容易にする。
ポリマー層19は、米国特許出願第12/508,564号明細書に説明されているように、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、またはポリシルセスキオキサン類の任意のポリマーなどの重合シロキサンを含むことができ、この特許の内容は、参照により本明細書に援用される。ポリシルセスキオキサンは通常、実験式(RSiO1.5)nを有し、ここで、Rは水素または有機基であり、nは高分子鎖の長さを示す整数である。有機基は、C1〜12アルキル(例えば、メチル)、C1〜10アリール(例えば、フェニル)、またはC1〜16アリールアルキル(例えば、ベンジル)とすることができる。高分子鎖は、当技術分野で公知の任意の長さとすることができる(例えば、nは、2〜10,000、10〜5000、または50〜1000である)。適切なポリシルセスキオキサンの具体的な例として、ポリ(メチルシルセスキオキサン)およびポリ(フェニルシルセスキオキサン)がある。
最後の製造ステップに戻って、ならびに図15および図16に示すとおり、インク供給チャネル20が、基板1の背面からノズルチャンバ5まで貫通してエッチングされている。インク供給チャネル20は、図15および図16ではノズル開口13と一列に整列して示されているが、もちろん、ノズル開口からずらして配置することもできる。
インク供給チャネルのエッチングに続いて、ノズルチャンバ5を埋めていたポリイミド6を、例えば、O2プラズマを使用するアッシング(前側アッシング、または後ろ側アッシングのいずれか)によって除去してノズルアセンブリ100を形成する。
対向する可動ルーフパドル対を有するインクジェットノズルアセンブリ
図12に最もよく示すとおり、本出願人が前述したインクジェットノズルアセンブリは、インクをノズル開口13から噴射するための1つの可動パドル14を含む。
図12に最もよく示すとおり、本出願人が前述したインクジェットノズルアセンブリは、インクをノズル開口13から噴射するための1つの可動パドル14を含む。
図17を参照すると、1対の対向するルーフパドル14A、14Bを含むインクジェットノズルアセンブリ200が平面図で概略的に示されている。平面図で示す、本明細書で説明するすべてのインクジェットノズルでは、見やすくするために上側ポリマー層19が削除されている。さらに、分かりやすくするために、本明細書で説明するすべてのインクジェットノズルアセンブリの共通の特徴部は、同じ参照番号を付与されている。
各パドル14A、14Bは、上記のインクジェットノズル100と同様に、上側熱弾性ビームおよび下側受動ビームによって画定されるそれぞれの熱曲がりアクチュエータ15A、15Bを有する。さらに、各熱曲がりアクチュエータ(そしてひいては、各パドル)は、基板1のCMOS駆動回路層のそれぞれの駆動回路により独立して制御可能である。これは、第1のアクチュエータ15A(そしてひいては、第1のパドル14A)が、第2のアクチュエータ15B(そしてひいては、第2のパドル14B)から独立して制御されるのを可能にする。
図17は、対向するパドル14A、14Bを有するノズルアセンブリ200を示しており、各パドルは、ノズル開口13のセグメントを画定する。したがって、ノズル開口13は、動作中にパドルと共に動く。
図18は、対向するパドル14A、14Bを有する代替のノズルアセンブリ210を示し、各パドルは、ノズル開口13に対して移動可能である。言い換えると、ノズル開口13は、ルーフ7の静止部分で画定される。もちろん、図17および図18に示すノズルアセンブリ200、210は共に、本発明の範囲内であるのは明らかである。
図19は、ノズルアセンブリ200の各アクチュエータ15A、15Bに供給される相対電力量を制御する簡単な回路図である。アクチュエータ15Aは、最大限の電力を受け取り、一方、アクチュエータ15Bに供給される電力量は、ポテンショメータ202を使用して変えられる。
様々なポテンショメータ抵抗のセットを使用した実験的測定から、アクチュエータ15Bに供給される電力量を減らすことで、最大パドル速度を変えることができることが分かった。例えば、電力量が等しい場合、最大パドル速度はほぼ同じである。しかし、ポテンショメータ抵抗を大きくすると、パドル14Bの最大パドル速度は、パドル14Aと比べてかなり遅くなる。例えば、パドル14Bの最大パドル速度は、パドル14Aの最大パドル速度の75%未満、50%未満、または25%未満まで遅くすることができる。
最大パドル速度のこの差は、結果として、滴の方向性に非常に大きな影響を及ぼす。したがって、各アクチュエータ15A、15Bに供給される相対電力量を制御することで、ノズル開口13からの滴の噴射方向を制御することができる。実験上、滴の方向は、印刷ページ上で最大約4ドットピッチまで傾けることができる。したがって、−4、−3、−2、−1、0、+1、+2、+3、および+4のドットピッチ(および間にあるすべての非整数ドット位置)を1つのノズルから得ることができ、「0」は、インク噴射面に対して垂直な滴噴射によって得られる主ドット位置として定義される。この結果は、下記にさらに詳細に説明するように、ページ幅インクジェット印刷ヘッドの設計にとって重要な波及効果を有する。
当然、実験のためにポテンショメータ202を使用することで、様々な電力パラメータを容易に調べることが可能になる。しかし、各アクチュエータに供給される電力を制御することに対する代替案としてか、またはそれに加えて、作動のタイミングを制御することによっても、滴を斜めに噴射することが可能である。例えば、アクチュエータ15Aは、アクチュエータ15Bがその作動信号を受け取る前か、または後のいずれかに作動信号を受け取ることができ、その結果、非対称のパドル動作および斜めの滴噴射が得られる。
さらに、各アクチュエータに供給される電力は、駆動信号のパルス幅を変えることで制御することができる。実際上、各アクチュエータに供給される電力を変えるこの方法は、特に、滴の方向を「即座に」変えることが望ましい場合に、CMOS駆動回路を使用するのに最も適することができる。
4つの可動ルーフパドルを有するインクジェットノズルアセンブリ
図17および図18に示すノズルアセンブリ200、210は、滴の噴射方向を1つの軸に沿って制御するのを可能にする。通常(および最も有用には)、この軸は、長いページ幅印刷ヘッドの長手軸であり、ノズル列はこの長手軸に沿って延びる。しかし、ノズル開口に対して配置された3つ以上のパドルの使用を通じて、滴の方向性をそれ以上に制御することが可能である。
図17および図18に示すノズルアセンブリ200、210は、滴の噴射方向を1つの軸に沿って制御するのを可能にする。通常(および最も有用には)、この軸は、長いページ幅印刷ヘッドの長手軸であり、ノズル列はこの長手軸に沿って延びる。しかし、ノズル開口に対して配置された3つ以上のパドルの使用を通じて、滴の方向性をそれ以上に制御することが可能である。
図20は、インクジェットノズルアセンブリ220を含む印刷ヘッドの一部を示し、各ノズルアセンブリ220は、静止したノズル開口13に対して配置された4つの可動パドル14A、14B、14C、14Dを含む。ノズルチャンバの側壁から突出する減衰柱221は、特に、アクチュエータの1つが機能しなくなった場合に、滴の噴射特性の制御およびチャンバ再充填の助けとなる。
図20に示す4パドル構成では、滴の噴射は、4つのパドルの連係動作を通じて、いずれかの軸または両方の軸(すなわち、長手軸および横軸)に沿って斜めにすることができる。したがって、インク滴は、印刷媒体の2次元領域のいずれの場所にも噴射することができ、その2次元領域は通常、発射ノズルが図心にある円形または楕円形領域である。
図21は、ノズル列の長手軸に沿って、1ノズルピッチの距離だけ互いから離間した複数のノズル220を有するノズル列の一部を示している。印刷媒体の楕円形領域222は、楕円形領域の図心に配置された発射ノズル(「0」)がインク滴を発射して載せることができる領域を示している。図21に示すとおり、発射ノズル(「0」)は、2次元の楕円形領域222内の任意のドット位置に向かって発射することができる。
横軸に沿って(すなわち、長手方向のノズル列軸に対して垂直な方向に)インク滴を発射できるということは、ノズルアセンブリ220からの滴の噴射が、同じノズル列の他のノズルと厳密に同期して行われる必要がないことを意味する。通常、ページ幅印刷ヘッドのすべての発射ノズルは、印刷媒体が1ラインの距離だけ印刷ヘッドを横断方向に越えて進むのにかかる時間である1ライン時間の期間内に発射しなければならない。しかし、印刷ヘッドの横軸に沿ってインク滴を噴射できる発射ノズルは、印刷ラインがノズルを通り過ぎる前または後のいずれかにインク滴を発射し、それでもなお、インク滴をこの同じ印刷ラインに向けるように構成することができる。その結果、ノズルアセンブリ220は、ノズルアセンブリ200、210よりもさらにいっそう融通の利くページ幅印刷ヘッドの設計を可能にする。
さらに、複数のルーフパドルがあることで、各ノズルにとって利用可能な全噴射力が大きくなる。したがって、4パドルノズル構成は、2パドルまたは1パドル構成よりも粘性流体の噴射に適する。同様に、2パドルノズル構成は、1パドル構成よりも強力である。
各個々のアクチュエータの出力は、アクチュエータビームの長さを長くする、かつ/または複数回曲がる蛇行アクチュエータビームを用いることで大きくすることもできる。蛇行アクチュエータビームは、本出願人による米国特許第7,611,225号明細書で説明されており、この特許の内容は、参照により本明細書に援用される。したがって、本発明はまた、比較的高い粘性、例えば、水より高い粘性を有する流体を噴射するのに適した高出力インクジェットノズルを提供する。
高ドット密度を有するインクジェット印刷ヘッド
典型的なページ幅印刷ヘッドでは、各発射ノズル(すなわち、印刷ヘッドが受け取った印刷データに基づいて発射するように選択されたノズル)は、1ライン時間内に一度に発射する。さらに、各ノズルは、インク滴がノズルに対応する主ドット位置に載るようにインク滴を噴射する。ノズルがその対応する主ドット位置に噴射する場合、滴の噴射は、通常、印刷ヘッドのインク噴射面に対して垂直である。したがって、従来のページ幅印刷ヘッドでは、印刷ヘッドのノズル密度は印刷されたページのドット密度に一致する。例えば、ノズルピッチがnのページ幅ノズル列は、ドットピッチがnのドットラインを印刷し、ノズルピッチおよびドットピッチは、それぞれ隣接するノズルおよびドットの図心間の距離として定義される。
典型的なページ幅印刷ヘッドでは、各発射ノズル(すなわち、印刷ヘッドが受け取った印刷データに基づいて発射するように選択されたノズル)は、1ライン時間内に一度に発射する。さらに、各ノズルは、インク滴がノズルに対応する主ドット位置に載るようにインク滴を噴射する。ノズルがその対応する主ドット位置に噴射する場合、滴の噴射は、通常、印刷ヘッドのインク噴射面に対して垂直である。したがって、従来のページ幅印刷ヘッドでは、印刷ヘッドのノズル密度は印刷されたページのドット密度に一致する。例えば、ノズルピッチがnのページ幅ノズル列は、ドットピッチがnのドットラインを印刷し、ノズルピッチおよびドットピッチは、それぞれ隣接するノズルおよびドットの図心間の距離として定義される。
しかしながら、インクジェットノズルアセンブリ200、210、220は、印刷されるドットピッチが印刷ヘッドのノズルピッチよりも短く、したがって、印刷されるドット密度が、印刷ヘッドのノズル密度を超えるように印刷ヘッドを設計することを可能にする。
図22は、印刷されるドットピッチが、印刷ヘッドのノズルピッチよりも短いページ幅印刷ヘッド230の一部を示している。同じノズル列の3つのノズル231がノズルピッチnだけ離間して示されている。各3つのノズルは、例えば、(図18に示すような)ノズルアセンブリ210で構成することができる。各ノズルからのインク滴は、矢印236で示す長手軸に沿って、印刷媒体235上の複数の異なるドット位置に向かって噴射可能である。図22、図23、図29、および図30に示すとおり、印刷媒体235は紙面の外に(すなわち、印刷ヘッドまたは印刷ヘッドICの長手軸に対して横断方向に、見る人に向かって)送られる。
引き続き図22を参照すると、各ノズル231は、1ライン時間の期間に2つの異なるドット位置に向かってインクを噴射するように構成されており、一方のドット位置は、印刷ヘッド面に対して垂直な滴噴射による主ドット位置232であり、他方のドット位置234は、主ドット位置間の中間にインク滴を載せる斜めのインク噴射から得られる。したがって、結果として得られるドットピッチdはノズルピッチnよりも短く、印刷されるドット密度は、印刷ヘッドのノズル密度を超える。
図22に示す例では、ノズルピッチnはドットピッチdの2倍であるが、当然ながら、n>dになるように、印刷ヘッドによりノズルピッチnとドットピッチdとの任意の比率を構成可能である。例えば、各ノズルが、1ライン時間内にその主ドット位置と2つの他のドット位置(例えば主ドットの両側)に印刷する場合、n=3dとなるドットピッチでの印刷が実現される。
実現可能な実際のドットピッチは、印刷媒体が印刷ヘッドを越えて送られる速度に対するインクチャンバ再充填速度によってのみ限定される。本出願人によるモデル化により、典型的な静止ページ幅印刷ヘッドで通常得られるドット密度の2倍で印刷することを可能にするように、60ページ/分で1ライン時間内に少なくとも2度インクチャンバを再充填できることが分かった。当然、印刷媒体送りの速度を(例えば、30ppmまで)遅くすることで、さらに高いドット密度が可能になる。
このようにして、静止ページ幅印刷ヘッドは、走査型印刷ヘッドと同様な融通性を得ることができる。走査型印刷ヘッドは各ライン全体にわたって走査し、走査速度に応じて多数の異なるドット位置に印刷する機会があるために、走査型印刷ヘッドにおいて、より遅い速度で印刷することで、印刷されるドット密度を高くできるのは公知である。図22に示す静止ページ幅印刷ヘッド230は、一般的な走査型印刷ヘッドよりも遙かに速い印刷速度であるにもかかわらず、同様の融通性を有し、非常に高いドット密度(例えば、3200dpi)で印刷することを可能にする。
故障ノズル補償
本出願人は、静止ページ幅印刷ヘッドの故障ノズル補償を行うための機構についてすでに説明した。本明細書では、「故障ノズル」とは、全くインクを噴射しないノズル、または滴の速度もしくは滴の方向性を十分に制御することなくインクを噴射するノズルを意味する。通常、「故障ノズル」は、(検出回路によって最も容易に特定可能なノズル不良の原因である)アクチュエータ不良によって引き起こされるが、ノズル開口内の取り除くことのできない妨害物、またはノズル開口を覆う、もしくは部分的に覆う、インク噴射面上の取り除くことのできない異物によっても引き起こされる。
本出願人は、静止ページ幅印刷ヘッドの故障ノズル補償を行うための機構についてすでに説明した。本明細書では、「故障ノズル」とは、全くインクを噴射しないノズル、または滴の速度もしくは滴の方向性を十分に制御することなくインクを噴射するノズルを意味する。通常、「故障ノズル」は、(検出回路によって最も容易に特定可能なノズル不良の原因である)アクチュエータ不良によって引き起こされるが、ノズル開口内の取り除くことのできない妨害物、またはノズル開口を覆う、もしくは部分的に覆う、インク噴射面上の取り除くことのできない異物によっても引き起こされる。
通常、静止ページ幅印刷ヘッドでの故障ノズル補償は、(内容が参照により本明細書に援用される米国特許第7,465,017号明細書、同第7,252,353号明細書で説明しているように)冗長ノズル列から印刷することを必要とする。これは、印刷ヘッドが冗長ノズル列を必要とし、必然的に印刷ヘッドのコストを上げるという欠点を有する。
あるいは、故障ノズルの視覚的影響は、(内容が参照により本明細書に援用される米国特許第6,575,549号明細書で説明しているように)故障ノズルに隣接するノズルを発射させる(好ましくは「過度に電力を供給する」)ことで補償することができる。実際上、これは、故障ノズルの全体的な視覚的影響を最小限にするように印刷マスク(print mask)を修正することを含む。
インクジェットノズルアセンブリ200、210、220は、冗長ノズル列を必要とすることなく、または印刷マスクを変更することなく、故障ノズル補償を可能にする。図23は、故障ノズル242が同じノズル列の隣接する機能ノズル243によって補償されるページ幅印刷ヘッド240の一部を示している。
同じノズル列にある3つのノズルが示されており、各ノズルは、(図18に示すような)ノズルアセンブリ210で構成されている。中央ノズル242は、故障しているか、またはその他の不具合があり、一方、中央ノズル242の両側で隣接するノズル243、244は、正常に機能している。
各機能ノズル243、244からのインク滴は、(図23に示すとおり見る人に向かって送られる)印刷媒体235上の、長手軸236に沿った複数の異なるドット位置に向かって噴射可能である。ノズル243は、1ライン時間の期間内にそれ自体の主ドット位置247に向かって、かつ故障ノズル242に対応する主ドット位置248に向かってインク滴を噴射する。したがって、ノズル243は、1ライン時間の期間内に2つのドットを印刷することで、同じノズル列の故障ノズル242を補償する。当然、次のライン時間では、ノズル244が、ノズル243の代わりに故障ノズル242を補償することができるので、ノズル243、244は、故障ノズルを補償する作業量を分担し合う。さらに、補償ノズルは、実現できる滴噴射の傾斜度によっては、故障ノズルに直接隣接する必要はない。例えば、補償ノズルは、故障ノズルから−4、−3、−2、−1、0、+1、+2、+3、または+4の各ノズルピッチ離れて配置することができ、多数の異なるノズルが故障ノズルを補償する作業量を分担することが可能になる。
図23は、ノズル243が、1ライン時間内にそれ自体の主ドット位置247、および故障ノズル242に対応する主ドット位置248に向かってインク滴を噴射しなければならないシナリオを示している。当然、印刷マスクは、主に、1ライン時間中にどのノズルが発射しなければならないかを規定する。故障ノズルが、特定のライン時間内に発射することを印刷マスクから要求された場合、その特定のライン時間中に、適切な機能ノズルがそれ自体の主ドット位置に向かって発射する必要がないならば、その機能ノズルを補償用に優先して使用することができる。このように補償ノズルを選択することで、故障ノズルに隣接する機能ノズルの需要がさらに最小化される。実際上、多くの場合に、および印刷マスクによっては、補償ノズルが1ライン時間内に2度発射しなければならないのを回避することが可能である。
あるいは、ノズルアセンブリ220で構成される印刷ヘッドは、必ずしも故障ノズルに割り当てられたのと同じライン時間内に補償ノズルを発射させる必要のない故障ノズル補償を可能にする。ノズルアセンブリ220は、(印刷ヘッドの横軸に沿ったドット位置を含む)2次元領域で任意のドット位置に発射できるので、この場合に、故障ノズルの補償は、後のライン時間まで遅らせるか、または前のライン時間まで早めるかのいずれかとすることができる。これは、補償ノズルの選択およびタイミングにおける融通性をさらにいっそう高めることを可能にする。
故障ノズルは通常、故障ノズルに対応する1つまたは複数のアクチュエータの抵抗を検出することで特定される。有利にも、この方法は、故障ノズルの動的な特定および補償を可能にする。ただし、故障ノズルを特定する他の方法(例えば、所定の印刷パターンを使用する光学技術)も当然可能である。
継ぎ目なく連結されたページ幅印刷ヘッド
非常に低い歩留まりを欠点としてもつ一体構造のページ幅印刷ヘッドを除いて、本出願人によるページ幅印刷ヘッドは通常、ページ幅全体にわたって、複数の印刷ヘッドICの端部同士を合わせて接合することで構築される。
非常に低い歩留まりを欠点としてもつ一体構造のページ幅印刷ヘッドを除いて、本出願人によるページ幅印刷ヘッドは通常、ページ幅全体にわたって、複数の印刷ヘッドICの端部同士を合わせて接合することで構築される。
図24は、写真幅の印刷ヘッド250を形成するために端部と端部を合わせて接合された5つの印刷ヘッドIC251A〜251Eの配列を示し、一方、単一の印刷ヘッドIC251が図25に示されている。当然ながら、ページ幅印刷ヘッドが長いほど(例えば、A4印刷ヘッドおよび大判印刷ヘッド)より多くの印刷ヘッドIC251同士を接合することで製造することができる。このように印刷ヘッドIC同士を接合することには、印刷領域の幅を最小限にし、それにより、印刷媒体と印刷ヘッドとの間の非常に正確な位置合わせの必要性をなくすという利点がある。しかし、図26および図27を参照すると、共に接合した印刷ヘッドICには、接合した印刷ヘッドIC対間の連結領域257にわたって印刷することが困難であるという欠点がある。これは、ノズル255が、各印刷ヘッドICの最大縁部258まで製造することができないためであり、構造的頑強性を得るために、および印刷ヘッドIC同士を接合するのを可能にするために、不可避の量の「死空間」259が縁部に維持されなければならない。したがって、接合IC間の実際のノズルピッチは、印刷ヘッドICのノズル列内の1ノズルピッチよりも必ず大きい。
したがって、ページ幅印刷ヘッドは、連結領域にわたって途切れることなくドットを印刷するように設計されなければならない。図24〜27を再度参照すると、本出願人はこれまで、隣接する印刷ヘッドICからページ幅印刷ヘッドを構築するという課題に対する問題解決策を説明してきた。図27に最もよく示すとおり、ノズル群からなるずれた三角形部253は、隣接する接合印刷ヘッドICのノズル間のギャップを効果的に埋める。ずれた三角形部253内で発射するノズル255のタイミングを調整することで(すなわち、これらのノズルを対応するノズル列よりも後に発射させることで)、連結領域257にわたって途切れることなくドットを印刷することができる。ずれたノズル三角形部253の機能は、米国特許第7,390,701号明細書および同第7,290,852号明細書に広範に説明されており、これらの特許の内容は、参照により本明細書に援用される。
図27はまた、印刷ヘッドICの一方の長手方向縁部に沿って配置された接合バッド75と、位置合わせ基準76とを示している。接合パッド75は、電力および論理信号を印刷ヘッドICのCMOS駆動回路に供給するために、ワイヤボンド(図示せず)によって接続される。位置合わせ基準76は、印刷ヘッドの構築中に、適切な光学位置合わせツール(図示せず)を使用して、接合印刷ヘッドICが互いに整列するのを可能にする。
ずれたノズル三角形部253は、連結領域にわたって印刷するという課題に対する適切な問題解決策を提供するが、いくつかの問題がまだ残ったままである。第1に、ずれたノズル三角形部253は、インクを供給されなければならず、長手方向に延びる背面インク供給チャネルの鋭角の屈曲部が、三角形部253内のノズルへのインクの供給に悪影響を及ぼすことがある。第2に、ずれたノズル三角形部253は、各印刷ヘッドIC251の幅を長くするので、ずれたノズル三角形部253により、ウェハの生産量が少なくなる。実際上、各印刷ヘッドICは、r個のノズル列しかないにもかかわらず、r+2個のノズル列を収容するのに十分な幅を有さなければならない。
長手軸に沿った、前もって定められた複数の異なるドット位置に向かってインク滴を噴射する能力を有する、本明細書で説明したノズルアセンブリ200、210、220は、印刷ヘッドIC同士を連結し、その一方で、各連結領域にわたって一定のドットピッチを維持するという課題に対する問題解決策を提供する。さらに、図28に示すとおり、連続したノズル列を有する(すなわち、図27に示すずれたノズル三角形部253のない)印刷ヘッドIC260同士を接合することができる。印刷ヘッドICのこの構造は、各ノズル列に沿ったインクの供給を容易にするだけでなく、ウェハの生産量も向上させる。原理的には、連結領域257にわたって広がる「存在しない」ノズルを補償するために採用され得る2つの可能な手法がある。
第1の手法では、印刷ヘッドIC260の両端の近くに配置されたノズルは、インク滴をそれぞれの端部に向かって斜めに噴射するように構成され、一方、印刷ヘッドIC260の中央の近くに配置されたノズルは、インク滴をインク噴射面に対して垂直に噴射する。図29を参照すると、右側縁部の近くに配置されたノズル264が、インク滴を右側縁部に向かって斜めに噴射するように構成された印刷ヘッドIC260が示されている。同様に、左側縁部の近くに配置されたノズル262は、インク滴を左側縁部に向かって斜めに噴射するように構成されている。印刷ヘッドICの中央の近くに配置されたノズル266は、インク滴をインク噴射面に対して垂直に噴射するように構成されている。ノズル262、264、266は、異なる滴噴射特性を有するが、当然ながら、滴の方向を制御する特有の能力を有する、図18、図19、および図20に示すタイプのノズルであるという意味ですべて同一である。
傾斜度は、特定のノズルの、印刷ヘッドIC260の中央からの距離によって決まる。印刷ヘッドICの末端に配置されたノズルは、印刷ヘッドICの中央の近くに配置されたノズルよりもインク滴を斜めに噴射するように構成されている。印刷ヘッドIC260の中央からこのように次第に外側に広がることで、一定のドットピッチが、印刷ヘッドICの全長にわたって維持されるのが可能になる。
滴噴射の「広がり」が図29に誇張して示されているが、当然ながら、噴射されるインク滴の平均ドットピッチは、この広がりにより、印刷ヘッドIC260のノズルピッチよりも若干大きくなり得る。ただし、何百または何千のノズルが各ノズル列にある場合、結果として生じる、ノズル密度に対するドット密度の低下はごくわずかである。通常、平均ドットピッチは、滴噴射が広がったにもかかわらず、印刷ヘッドのノズルピッチよりも1%未満だけ大きくなる。
印刷ヘッドIC260の縁部での滴の斜めの噴射により、特定のノズル列の実際の印刷可能領域は、そのノズル列の長さよりも長くなる。印刷可能領域は、ノズル列よりも1〜8ノズルピッチだけ長くすることができる。この延長された印刷可能領域により、印刷ヘッドICが、隣接する印刷ヘッドIC260間の連結領域257に印刷することが可能になり、それによって、図27に示す、ずれたノズル三角形部253が不要になる。
当然ながら、印刷ヘッドICの一方の端部に配置されたノズルだけが滴噴射を斜めにすることも同様に可能である。しかしながら、典型的な連結領域257の幅(すなわち、同じノズル列にある接した印刷ヘッドIC対のノズル間の幅)を考慮すると、滴噴射が広がった図29に示す構成が通常好ましい。これは、隣接する印刷ヘッドIC対が、連結領域257の「存在しない」ノズルを補償することができる範囲を最大限にする。
滴の噴射が広がった、図29に示す印刷ヘッドIC260は、故障ノズルの補償を行わないか、またはより高いドット密度で印刷する必要がない場合に、各ノズルが、該当するノズル列の長さを越えて印刷可能領域の長さを広げると同時に、1ライン時間内に1度しか発射しないという利点を有する。代替の手法では、印刷ヘッドIC270は、各ノズル列の末端の選択されたノズルが、連結領域の「存在しない」ノズルを補償するために、1ライン時間内に2度以上発射するように構成することができる。
図30を参照すると、ほとんどのノズルが、印刷ヘッドICのインク噴射面に対して垂直にインク滴を噴射する印刷ヘッドIC270が示されている。しかし、ノズル列の末端の少なくとも1つのノズル272は、主ドット位置274に向かって(すなわち、インク噴射面に対して垂直に)インク滴を噴射し、かつ印刷ヘッドICのそれぞれの端部に対して斜めに位置する第2のドット位置276に向かってインク滴を噴射するように構成されている。言い換えると、ノズル272は、高密度印刷ヘッド230のノズル231と同様の態様で、1ライン時間内に2つのインク滴を噴射するように構成されている。ただし、ノズルピッチnが、通常では、印刷ヘッドIC270の印刷可能領域全体にわたってドットピッチdと等しくなるように、一定ドットピッチdがノズル272によって維持される。
印刷ヘッドIC270には、ノズルピッチに関係してドットピッチが犠牲になることが全くないという利点があるが、各ノズル列の末端のノズル272が、他のノズル271の頻度の2倍でインクを噴射する必要があるという欠点もある。結果として、ノズル272は、疲労による障害をより起こしやすく、したがって、印刷ヘッドIC260が、互いに接合した印刷ヘッドICに対する問題解決策として、より一般的に好ましい。
改良されたMEMS/CMOSの統合
MEMS印刷ヘッド構造に関する重要な態様として、MEMSアクチュエータと下にあるCMOS駆動回路との統合がある。ノズルを作動させるために、CMOS駆動回路層の駆動トランジスタからの電流は上方に流れてMEMS層に入り、アクチュエータを通り、下降してCMOS駆動回路層に(例えば、CMOS層の接地面に)戻らなければならない。1つの印刷ヘッドICに数千のアクチュエータがある場合、電流の流路の効率は、印刷ヘッド全体の効率の低下を最小限にするように最大化されるべきである。
MEMS印刷ヘッド構造に関する重要な態様として、MEMSアクチュエータと下にあるCMOS駆動回路との統合がある。ノズルを作動させるために、CMOS駆動回路層の駆動トランジスタからの電流は上方に流れてMEMS層に入り、アクチュエータを通り、下降してCMOS駆動回路層に(例えば、CMOS層の接地面に)戻らなければならない。1つの印刷ヘッドICに数千のアクチュエータがある場合、電流の流路の効率は、印刷ヘッド全体の効率の低下を最小限にするように最大化されるべきである。
これまで、本出願人は、(ノズルチャンバルーフに配置された)MEMSアクチュエータと、下にあるCMOS駆動回路層との間に延びる1対の直線状ポストを有するノズルアセンブリについて説明した。実際に、そのような平行なアクチュエータポストの製造が図5および図6に示され、本明細書で説明された。より蛇行性の電流路とは対照的に、MEMS層まで上に延びる直線状の銅製ポストが、印刷ヘッドの効率を改良するとして示された。それでもなお、本出願人によるMEMS印刷ヘッド(および印刷ヘッドIC)の電気効率を向上させる余地がまだある。
数千の駆動を制御することに伴う、共通CMOS電源面および接地面で生じる1つの問題は、「グラウンドバウンス」として公知である。グラウンドバウンスは、共通の電源および接地面間に、電力を供給される多数の装置を有することで特に悪化する、集積回路設計における公知の問題である。グラウンドバウンスとは、一般的に、多くの異なる発生源から起こり得る、電源面または接地面のいずれかにわたる望ましくない電圧降下を言う。グラウンドバウンスの典型的な発生源には、直列抵抗(「IRドロップ」)、自己インダクタンス、および接地面と電源面との間の相互インダクタンスがある。これらの各現象は、電源面と接地面との間の電位差を不必要に小さくして、グラウンドバウンスの一因になることがある。この小さくなった電位差により、必然的に、集積回路、より具体的には、本例では印刷ヘッドICの電気効率が低下する。当然ながら、電源面および接地面の配置および構成、ならびにそれらへの接続部は、基本的に、グラウンドバウンスおよび印刷ヘッドの全体効率に影響を及ぼし得る。
図31を参照すると、長手方向にノズル列と平行に延びる導電路を有する印刷ヘッドIC300の一部が平面図で示されている。図31において、最上部のポリマー層19は、見やすくするために削除されている。
(図18に関連して詳細に説明した)複数のノズル210は、印刷ヘッドIC300の長手軸に沿って延びるノズル列に配置されている。図31は、1対のノズル列302A、302Bを示しているが、印刷ヘッドIC300は、当然、より多くのノズル列を含むことができる。ノズル列302A、302Bは対とされ、互いからずれており、一方のノズル列302Aは、「偶数」ドットの印刷を担い、他方のノズル列302Bは、「奇数」ドットの印刷を担う。本出願人による印刷ヘッドでは、例えば、図28により明瞭に示すとおり、ノズル列は通常このように対とされる。
第1の導電路303は、ノズル列302A、302B間に配置されている。第1の導電路303は、ノズルチャンバルーフ7(図10を参照のこと)を画定する、印刷ヘッドIC300のノズルプレート304に堆積する。したがって、第1の導電路303は、アクチュエータ15の熱弾性ビーム10と概ね同一平面上にあり、MEMS製造中に熱弾性ビーム材料(例えば、バナジウム−アルミニウム合金)との共堆積によって形成することができる。導電路303の導電性は、MEMS製造中に別の導電性金属層(例えば、銅、チタン、アルミニウムなど)を堆積させることでさらに改善することができる。例えば、金属層は、熱弾性ビーム材料の堆積の前に堆積する(例えば、図8に示す金属パッド9と共堆積する)ことができるのは当然のことである。金属パッド9用のエッチングマスクを簡単に修正して、導電路303を画定することができる。したがって、導電路303は、導電性を最適化するように複数の金属層を含むことができる。
各アクチュエータ15は、横接続体305を介して第1の導電路303に直接接続された第1の端子を有する。図31に示すとおり、両方のノズル列302A、302Bの各アクチュエータは、第1の導電路303に接続された第1の端子を有する。第1の導電路303は、複数の導体ポスト307を介して、下にあるCMOS駆動回路層の共通基準面に接続され、この導体ポスト7は、図6に関連して上記に説明したアクチュエータポスト8と同様に製造される。したがって、導電路303は、ノズル列対の各アクチュエータ用の共通基準面を形成するように、印刷ヘッドIC300に沿って連続的に延びることができる。下記にさらに詳細に説明するように、ノズル列302A、302B間の共通基準面は、n型FETまたはp型FETのどちらがCMOS駆動回路に採用されるかに応じて、電源面または接地面とすることができる。
あるいは、導電路303は、印刷ヘッドIC300に沿って不連続的に延びることができ、導電路の各部分は、アクチュエータセット用の共通基準面を形成する。不連続導電路303は、導電路の剥離に問題があるが、導電路がそれでもなお上記と同じ態様で機能する場合に好ましい。
各アクチュエータ15の第2の端子は、アクチュエータとCMOS駆動回路層との間に延びるアクチュエータポスト8を介して、下にあるCMOS駆動回路層の駆動FETに接続されている。各アクチュエータポスト8は、図6に示すアクチュエータポスト8と全く同じであり、同じ方法でMEMS製造中に形成される。したがって、各アクチュエータ15は、それぞれの駆動FETによって個別に制御される。
図31では、1対の第2の導電路310A、310Bも印刷ヘッドIC300に沿って長手方向に延び、ノズル列対302A、302Bの横に位置している。第2の導電路310A、310Bは、第1の導電路303を補完する。言い換えると、第1の導電路303が電源面の場合、第2の導電路は共に接地面である。逆に、第1の導電路303が接地面の場合、第2の導電路は共に電源面である。第2の導電路310A、310Bは、アクチュエータ15に直接接続されないが、複数の導体ポスト307を介して、CMOS駆動回路層の対応する基準面(電源または接地)に接続される。
当然ながら、第2の導電路310は、上記のように、第1の導電路303と全く同じ態様でMEMS製造中に形成することができる。したがって、第2の導電路310は通常、熱弾性ビーム材料を含み、導電性を高めるように多層化することができる。
第1の導電路303および第2の導電路310は、主に、CMOS駆動回路層の対応する基準面の直列抵抗を低減するように機能する。したがって、CMOS層の対応する基準面と並列に電気接続された導電路をMEMS層に形成することで、これらの基準面の全体抵抗が、オームの法則の単純な応用により大幅に低減される。通常、導電路は、例えば、幅または深さを可能な限り最大化することで、導電路の抵抗を最小化するように構成される。
接地面または電源面の直列抵抗は、MEMS層の導電路の効果によって、少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも75%、または少なくとも90%低減することができる。さらに、接地面または電源面の自己インダクタンスも同様に低減することができる。接地面および電源面両方の直列抵抗および自己インダクタンスのこの大幅な低減は、印刷ヘッドIC300のグラウンドバウンスを最小化し、ひいては印刷ヘッドの効率を向上させるのに寄与する。電源面と接地面との間の相互インダクタンスも図31に示す印刷ヘッドIC300において低減されると本発明者は考えるが、相互インダクタンスの定量的解析は複雑なモデル化を必要とし、本開示では割愛する。
図32および図33は、p型FETおよびn型FET駆動トランジスタ用の簡略化したCMOS回路図を提示している。駆動トランジスタ(n型FETまたはp型FETのいずれか)は、図31に示すとおり、アクチュエータポスト8を介して各アクチュエータ15の第2の端子に直接接続されている。
図32では、アクチュエータ15は、p型FETのドレーンと接地面(「Vss」)との間に接続されている。電源面(「Vpos」)は、p型FETのソースに接続される一方で、ゲートは、論理発射信号を受け取る。p型FETが(NANDゲートにより)ゲートで低電圧を受け取ると、電流がp型FETを流れるので、アクチュエータ15が作動する。p型FET回路では、アクチュエータの第1の端子は、第1の導電路303によって形成された接地面に接続され、一方、アクチュエータの第2の端子は、p型FETに接続される。したがって、第2の導電路は電源面を形成する。
図33では、アクチュエータ15は、電源面(「Vpos」)とn型FETのソースとの間に接続されている。接地面(「Vss」)は、n型FETのドレーンに接続され、一方、ゲートは論理発射信号を受け取る。n型FETが(ANDゲートにより)ゲートでハイ電圧を受け取ると、電流がn型FETを流れるので、アクチュエータ15が作動する。n型FET回路では、アクチュエータの第1の端子は、第1の導電路303によって形成された電源面に接続され、一方、アクチュエータの第2の端子は、n型FETに接続される。したがって、第2の導電路は接地面を形成する。
図32および図33から、第1の導電路303および第2の導電路310は、p型FETまたはn型FETのいずれにも対応することが分かる。
当然、上記の導電路を使用する利点は、決して図31に示すノズル210に限定されるものではない。原理的には、任意のタイプのアクチュエータを有する任意の印刷ヘッドICが、上記の導体路から恩恵を受けることができる。
図34は、長手方向に延びるノズル列対302A、302Bに配置された(図16に関連して説明したものと同様なタイプの)複数のノズル100を含む印刷ヘッドIC400を示している。第1の導電路303は、ノズル列対302A、302B間に延び、第2の導電路310A、310Bは、ノズル列対の横に位置している。それぞれのノズル100の各アクチュエータ15は、横接続体305を介して第1の導電路303に接続された第1の端子を有し、第2の端子は、アクチュエータポスト8を介して下のFETに接続されている。したがって、印刷ヘッドIC400は、導電路303、310が、下にあるCMOS駆動回路の対応する基準面と接続されることにより共通基準面を形成するという意味で、印刷ヘッドIC300と同様に機能するのは当然のことである。さらに、第1の導電路303は、両方のノズル列302A、302Bの各アクチュエータ用の共通基準面を形成するように、各アクチュエータの一方の端子に直接接続されている。
広範に説明した本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、特定の実施形態で示した本発明に対して多数の変形および/または修正を行うことができると当業者には分かるであろう。したがって、この実施形態は、あらゆる点において例示であり、限定ではないとみなされるべきである。
Claims (20)
- インクジェットノズルアセンブリにおいて:
インクを収容し、床部と、ノズル開口が画定されるルーフとを含むノズルチャンバと、
前記ルーフの少なくとも一部を画定し、インク滴を前記ノズル開口から噴射するように動作可能であり、それぞれが熱曲がりアクチュエータを含む複数の可動パドルと、
を具え、前記熱曲がりアクチュエータは、
駆動回路に接続された上側熱弾性ビームと、
前記熱弾性ビームに融着された下側受動ビームであって、電流が前記熱弾性ビームを流れた場合に前記受動ビームに対して前記熱弾性ビームが膨張し、その結果、それぞれのパドルが前記ノズルチャンバの前記床部に向かって曲がる、下側受動ビームと、
を含み、
各アクチュエータは、前記ノズル開口からの滴の噴射方向が、各パドルの独立した動作によって制御可能になるように、それぞれの駆動回路により独立して制御可能であることを特徴とするインクジェットノズルアセンブリ。 - 請求項1に記載のインクジェットノズルアセンブリにおいて、前記ノズルアセンブリは基板上に配置され、前記基板の保護層が前記ノズルチャンバの前記床部を画定することを特徴とするインクジェットノズルアセンブリ。
- 請求項1に記載のインクジェットノズルアセンブリにおいて、前記ルーフが前記床部から離間し、側壁が前記ルーフと前記床部との間に延びて前記ノズルチャンバを画定することを特徴とするインクジェットノズルアセンブリ。
- 請求項1に記載のインクジェットノズルアセンブリにおいて、前記ノズル開口の両側に配置された1対の対向するパドルを具えることを特徴とするインクジェットノズルアセンブリ。
- 請求項1に記載のインクジェットノズルアセンブリにおいて、前記ノズル開口に対して配置された2対の対向するパドルを具えることを特徴とするインクジェットノズルアセンブリ。
- 請求項1に記載のインクジェットノズルアセンブリにおいて、前記パドルが、前記ノズル開口に対して移動可能であることを特徴とするインクジェットノズルアセンブリ。
- 請求項1に記載のインクジェットノズルアセンブリにおいて、各パドルが、前記ノズル開口および前記パドルが前記床部に対して移動可能なように前記ノズル開口のセグメントを画定することを特徴とするインクジェットノズルアセンブリ。
- 請求項1に記載のインクジェットノズルアセンブリにおいて、前記熱弾性ビームがアルミニウム合金を含むことを特徴とするインクジェットノズルアセンブリ。
- 請求項1に記載のインクジェットノズルアセンブリにおいて、前記受動ビームが、酸化ケイ素、窒化ケイ素、および酸窒化ケイ素からなる群から選択される少なくとも1つの材料を含むことを特徴とするインクジェットノズルアセンブリ。
- 請求項1に記載のインクジェットノズルアセンブリにおいて、前記受動ビームが、酸化ケイ素を含む第1の上側受動ビームと、窒化ケイ素を含む第2の下側受動ビームとを含むことを特徴とするインクジェットノズルアセンブリ。
- 請求項1に記載のインクジェットノズルアセンブリにおいて、前記ルーフがポリマー材料でコーティングされることを特徴とするインクジェットノズルアセンブリ。
- 請求項1に記載のインクジェットノズルアセンブリにおいて、前記アクチュエータが、
前記複数のパドルを連係して動作させるための、前記アクチュエータのそれぞれへの駆動信号のタイミングと、
前記アクチュエータのそれぞれへの駆動信号の出力と、
の少なくとも1つを制御することで独立して制御されることを特徴とするインクジェットノズルアセンブリ。 - 請求項12に記載のインクジェットノズルアセンブリにおいて、前記駆動信号の出力が、
前記駆動信号の電圧と、
前記駆動信号のパルス幅と、
のうちの少なくとも1つによって制御されることを特徴とするインクジェットノズルアセンブリ。 - インクジェット印刷ヘッド集積回路において:
駆動回路を含む基板と;
前記基板に配置された複数のインクジェットノズルアセンブリと、
を含み、各インクジェットノズルアセンブリは、
インクを収容し、前記基板の上側面によって画定される床部と、ノズル開口が画定されるルーフとを含むノズルチャンバと、
前記ルーフの少なくとも一部を画定し、インク滴を前記ノズル開口から噴射するように動作可能であり、それぞれが熱曲がりアクチュエータを含む複数の可動パドルと
を含み、前記熱曲がりアクチュエータは、
前記駆動回路に接続された上側熱弾性ビームと、
前記熱弾性ビームに融着された下側受動ビームであって、電流が前記熱弾性ビームを流れた場合に前記受動ビームに対して前記熱弾性ビームが膨張し、その結果、それぞれのパドルが前記ノズルチャンバの前記床部に向かって曲がる、下側受動ビームと、
を含み、
各アクチュエータは、前記ノズル開口からの滴の噴射方向が、各パドルの独立した動作によって制御可能になるように、それぞれの駆動回路により独立して制御可能であることを特徴とするインクジェット印刷ヘッド集積回路。 - 請求項16に記載のインクジェット印刷ヘッド集積回路において、前記基板の上側面は保護層によって画定され、前記保護層は駆動回路層に配置されることを特徴とするインクジェット印刷ヘッド集積回路。
- 請求項1乃至13の何れか一項に記載のインクジェットノズルアセンブリからの滴の噴射方向を制御する方法において、当該方法が:
それぞれの第1のパドルが前記ノズルチャンバの床部に向かって曲がるように、それぞれの第1の駆動回路によって第1の熱曲がりアクチュエータを作動させるステップと、
それぞれの第2のパドルが前記ノズルチャンバの床部に向かって曲がるように、それぞれの第2の駆動回路によって第2の熱曲がりアクチュエータを作動させるステップと、
それにより、前記ノズル開口からインク滴を噴射するステップと、
を含み、
前記第1および第2の熱曲がりアクチュエータの作動は、前記ノズル開口からの滴の噴射方向を制御するように、前記第1および第2の駆動回路により独立して制御されることを特徴とする方法。 - 請求項16に記載の方法において、前記第1および第2のアクチュエータが、
前記複数のパドルを連係して動作させるための、前記第1および第2のアクチュエータのそれぞれへの駆動信号のタイミングと、
前記複数のパドルを非対称動作させるための、前記アクチュエータのそれぞれへの駆動信号の出力と、
の少なくとも1つを制御することで独立して制御されることを特徴とする方法。 - 請求項17に記載の方法において、前記第1のアクチュエータが前記第2のアクチュエータの前に作動されて第1の方向に滴を噴射するか、あるいは前記第2のアクチュエータが前記第1のアクチュエータの前に作動されて第2の方向に滴を噴射することを特徴とする方法。
- 請求項17に記載の方法において、前記第1のアクチュエータが前記第2のアクチュエータよりも大きい電力を供給されるか、あるいは前記第2のアクチュエータが前記第1のアクチュエータよりも大きい電力を供給されることを特徴とする方法。
- 請求項16に記載の方法において、当該方法が、
印刷ヘッドの故障ノズルを補償すること、
印刷ヘッドの印刷されるドット密度を、ノズル密度を超えるように増加すること、
印刷ヘッドの印刷領域を長手方向に延ばすこと、および
隣接する印刷ヘッド集積回路の連結領域に印刷すること、
の少なくとも1つのために用いられることを特徴とする方法。
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