以下、図面を参照しながら、書籍管理システムの幾つかの実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
第1の実施形態では、書籍の発注業務を支援する書籍管理システム1−1の一例について説明する。
図1は、第1の実施形態に係る書籍管理システム1−1の構成例を示す。書籍管理システム1−1は、書店における書籍を管理するシステムである。書籍管理システム1−1は、書籍管理装置2−1と、書店端末3−1とを有する。
書籍管理装置2−1が一つの書店を管理する場合、書籍管理装置2−1および書店端末3−1は、その書店内に設置され、無線LAN(Local Area Network)等の通信ネットワーク5を通じて接続されてもよい。書籍管理装置2−1が複数の書店を管理する場合、各書店に書店端末3−1が設置され、書籍管理装置2−1および各書店端末3−1は、インターネット等の通信ネットワーク5を通じて接続されてもよい。
書店端末3−1は、書籍の発注、返品及び/又は陳列等に関する業務を支援する装置である。書店端末3−1は、CPU(central processing unit)(不図示)、記憶デバイス(不図示)、無線通信デバイス(不図示)、バッテリ(不図示)、カメラデバイス24およびタッチパネル型ディスプレイデバイス25等を備えるタブレット型コンピュータであってよい。書店端末3−1は、これらのリソースを用いてコンピュータプログラムを実行することにより、後述する各種機能を実現してもよい。
書店端末3−1は、機能として、撮影部21と、UI処理部22−1とを有する。
撮影部21は、カメラデバイス24等を制御し、画像を撮影する。撮影部21で撮影された画像を撮影画像という。書店端末3−1は、撮影画像を、通信ネットワーク5を通じて、書籍管理装置2−1へ送信する。
UI処理部22−1は、タッチパネル型ディスプレイデバイス25を制御し、担当者に様々な情報を提示すると共に、担当者からの様々な入力を受け付ける。UI処理部22−1の詳細については後述する。
書籍管理装置2−1は、書店における書籍を管理する。書籍管理装置2−1は、CPU(不図示)、記憶デバイス(不図示)および通信デバイス(不図示)等を備えるコンピュータであってよい。書籍管理装置2−1は、これらのリソースを用いてコンピュータプログラムを実行することにより、後述する各種機能を実現してもよい。
書籍管理装置2−1は、機能及びデータとして、本棚認識部11と、書籍認識部12と、未陳列書籍抽出部13と、本棚UI生成部14と、発注処理部15と、書籍情報管理テーブル100と、本棚情報管理テーブル120と、販売情報管理テーブル140と、在庫情報管理テーブル160とを有する。
まず、書籍管理装置2−1の有する各テーブルについて説明する。
図2は、書籍情報管理テーブル100の構成例を示す。書籍情報管理テーブル100は、書籍に関する情報(「書籍情報」という)を保持する。書籍情報は、項目として、書籍ID101と、書籍名102と、著者名103と、出版社名104と、価格105と、表表紙画像106と、背表紙画像107とを有してよい。
書籍ID101には、書籍を識別するためのIDが登録される。書籍ID101は、ISBN(International Standard Book Number)、書籍JANコード及び/又は雑誌コード等であってもよいし、独自のIDであってもよい。
書籍名102、著者名103、出版社名104および価格105には、それぞれ書籍ID101に対応する書籍の書籍名、著者名、出版社名および価格の情報が登録される。
表表紙画像106には、書籍ID101に対応する書籍の表表紙の画像データが登録される。背表紙画像107には、書籍ID101に対応する書籍の背表紙の画像データが登録される。これらの画像データは、後述する本棚画像から書籍を認識する際に用いられる。よって、他の方法で書籍を認識する場合、書籍情報管理テーブル100は、表紙画像106及び背表紙画像107を保持しなくてもよい。
例えば、書籍情報管理テーブル100において、書籍情報110aは、書籍ID101「101」に対応する書籍について、書籍名102が「AAA」、著者名103が「T.Y」、出版社名104が「abc社」、価格105が「1000円」、表表紙画像106が「AAA1.jpg」、背表紙画像107が「AAA2.jpg」であることを示す。
図3は、本棚情報管理テーブル120の構成例を示す。本棚情報管理テーブル120は、本棚に関する情報(「本棚情報」という)を保持する。本棚情報は、項目として、書店ID121と、本棚ID122と、本棚画像123と、撮影日時124と、書籍ID125とを有してよい。
書店ID121には、書店を識別するためのIDが登録される。書籍管理装置2−1が複数の書店を管理する場合、書店毎に異なる書店ID121が付与される。書籍管理装置2−1が一つの書店を管理する場合、書店ID121は省略されてもよい。
本棚ID122には、書店ID121の書店に設置されている各本棚を識別するためのIDが登録される。1つの本棚ID122は、1つの本棚を識別するとしてもよいし、所定の複数の本棚をまとめて識別するとしてもよい。
本棚画像123には、本棚ID122の本棚が撮影されている画像データが登録される。撮影日時123には、その本棚画像123が撮影された日時が登録される。書籍ID125には、本棚画像123に含まれる各書籍の書籍IDが登録される。
例えば、本棚情報管理テーブル120において、書店ID121「a1」の書店に設置されている本棚ID122「b001」の本棚は、「2013年9月30日」及び「2013年10月31日」に撮影され(撮影日時124)、それぞれの本棚画像123は「b001−01.jpg」及び「b001−02.jpg」であることを示す。そして、本棚ID122「b001」の本棚には、「2013年9月30日」の時点で、書籍ID125「101」、「102」、「103」、…の書籍が陳列されており、「2013年10月31日」の時点で、書籍ID125「102」、「103」、…の書籍が陳列されている(つまり、書籍ID125「101」の書籍が陳列されていない)ことを示す。
図4は、販売情報管理テーブル140の構成例を示す。販売情報管理テーブル140は、書籍の販売に関する情報(「販売情報」という)を保持する。販売情報管理テーブル140は、各店舗の所定期間に販売された書籍を、日ごとに整理したものであってよい。販売情報は、項目として、書店ID141と、販売日142と、書籍ID143と、価格144と、数量145とを有してよい。
書店ID141、書籍ID143および価格144は、上記で説明したとおりである。販売日142には、書籍ID143の書籍が販売された日付が登録される。数量145には、書籍ID143の書籍が販売日142に販売された数が登録される。
書籍管理装置2−1の有する各機能は、販売情報管理テーブル140を参照し、或る書籍の所定期間における販売実績(例えば、販売数又は売上額など)を知ることができる。例えば、書籍管理装置2−1の有する各機能は、本棚情報管理テーブル120および販売情報管理テーブル140を参照し、本棚に陳列されている書籍の中で、所定期間に販売実績が所定以下(例えば、販売数が「2冊以下」又は「0冊」など)の書籍を抽出することができる。
図5は、在庫情報管理テーブル160の構成例を示す。在庫情報管理テーブル160は、書店における書籍の在庫状況、発注状況および返品状況等を保持する。在庫情報管理テーブル160は、項目として、書店ID161と、書籍ID162と、在庫数163と、発注/返品フラグ164と、発注数165と、返品数166とを有してよい。
書店ID161および書籍ID162は、上記で説明したとおりである。在庫数163には、書店ID161の書店における、書籍ID162の書籍の在庫数が登録される。
発注/返品フラグ164には、書籍ID162の書籍の発注および返品の状況を示すフラグが登録される。発注数165には、書籍ID162の書籍の発注数がが登録される。発注数164は、例えば、書店の責任者によって入力される。発注数165に登録された発注数は、その書籍が実際に納品された後、在庫数163に反映される。
発注/返品フラグ164は、書籍ID162の書籍が発注候補の段階で「発注候補」となり、発注が確定された段階で「発注」となる。例えば、後述するように、担当者が、書店端末3−1に表示された未陳列書籍の中から或る書籍を選択すると、その選択された書籍が「発注候補」となる。このとき、発注数165の初期値として「1」が登録されてもよい。その後、書店の責任者が、PC4に表示された発注候補書籍の中から選択した書籍の発注/返品フラグ164が「発注」となる。このとき、書店の責任者は、発注数165の初期値「1」を、実際の発注数に変更してもよい。発注/返品フラグ164に「発注」が登録されている書籍ID162の書籍は、発注数165に登録された冊数分、取次業者又は出版社等に発注されてよい。なお、「返品」については、第2の実施形態において説明する。
例えば、在庫情報管理テーブル160は、書店ID161「a1」の書店において、書籍ID162「101」、「121」の書籍はそれぞれ、在庫数163が「0」(在庫切れ)であることを示す。
次に、書籍管理装置2−1の有する各機能について説明する。
本棚認識部11は、撮影画像から本棚が撮影されている画像の領域(「本棚画像」という)を抽出し、その本棚画像に係る本棚の本棚IDを識別する。本棚の単位でその本棚に陳列されている書籍を認識するためである。なお、本実施形態では本棚認識部11は、撮影画像から一つの本棚画像を抽出するとして説明するが、撮影画像から複数の本棚画像をまとめて抽出してもよい。
書籍認識部12は、本棚画像として抽出した本棚に陳列されている書籍を認識(及び特定)する。また、書籍認識部12は、本棚画像として抽出した本棚に対応する本棚IDと、その本棚画像から認識された書籍の書籍IDとを対応付け、本棚情報管理テーブル120へ登録する。
以下、図6を参照しながら、本棚認識部11および書籍認識部12における処理例を説明する。
書店端末3−1から送信された撮影画像200には、図6に示すように、中心に本棚220aの全体が撮影されており、左右に隣の本棚220b、220cの一部が撮影されている。撮影画像200から直接的に書籍を認識すると、隣の本棚220b、220cに陳列されている書籍(例えば、書籍名「XXX」、「ZZZ」等)も認識されてしまう。そこで、本棚認識部11は、撮影画像200の中心に撮影されている一つの本棚220aの全体を認識し、本棚画像として抽出する。例えば、本棚認識部11は、次の何れか方法によって本棚画像を抽出する。
(方法1)
本棚正面の何れかの場所にその本棚を識別可能な情報を有するシール221aを貼っておく。シール221aには、例えば、本棚のジャンル、本棚IDの文字列または本棚IDを示すマトリックス型二次元コード等が記載されている。そして、担当者は、書店端末3−1を用いて、本棚220aの全体が含まれるように、本棚220aを撮影する。
本棚認識部11は、撮影画像200から本棚220aの外郭224を特定し、その外郭224に囲まれる領域を一つの本棚として認識し、本棚画像を抽出する。本棚220aの外郭224は、担当者によって手動で指定されてもよいし、所定の画像処理によって特定されてもよい。そして、本棚認識部11は、その抽出した本棚画像に含まれるシール221aの情報から、その本棚画像に対応する本棚IDを特定する。
(方法2)
本棚の四隅に予めその本棚を識別可能な情報を有するシール223aを貼っておく。シール22aには、例えば、本棚IDを示すマトリックス型二次元コード等が記載されていてもよい。そして、担当者は、書店端末3−1を用いて、本棚の四隅のシール223aが全て含まれるように本棚230aを撮影する。
本棚認識部11は、撮影画像に含まれる本棚の四隅のシール223aを特定し、その四隅のシール223aから形成される領域を本棚画像として抽出する。そして、本棚認識部11は、その抽出した本棚画像に含まれる四隅のシール223aの情報から、その本棚画像に対応する本棚IDを特定する。
本棚画像には複数の書籍が撮影されている。本棚画像には、表表紙が撮影されている書籍もあれば、背表紙が撮影されている書籍もある。書籍認識部12は、書籍がどのように陳列されているかを問わず、本棚画像に撮影されている各書籍を認識する。例えば、書籍認識部12は、次に説明する画像マッチング及び文字認識の一方又は両方の方法を用いて本棚画像に含まれる各書籍を認識する。
(画像マッチングによる方法)
書籍認識部12は、本棚画像から一つの書籍の画像(「書籍画像」という)を抽出する。例えば、書籍認識部12は、書籍情報管理テーブル100に登録されている表表紙画像106又は背表紙画像107とのマッチング度(割合)に基づいて、本棚画像から一つの書籍画像を抽出し、その抽出した書籍画像に対応する書籍IDを特定する。
(文字認識による方法)
書籍認識部12は、本棚画像から文字認識によって文字列を抽出する。書籍認識部12は、本棚画像から抽出した文字列と、書籍情報管理テーブル100に登録されている書籍名102、著者名103及び/又は出版社名104等とのマッチング度(割合)に基づいて、本棚画像に含まれる各書籍の書籍IDを特定する。若しくは、上記画像マッチングによる方法によって抽出した書籍画像から文字列を抽出することによって、その書籍画像に対応する書籍IDを特定してもよい。
以上の処理により、書店端末3−1で撮影された本棚の本棚IDと、その本棚に陳列されている各書籍の書籍IDとが対応付けられて本棚情報管理テーブル120に登録される。
未陳列書籍抽出部13は、2つの本棚画像の内、一方の本棚画像に存在し、他方の本棚画像に存在しない未陳列書籍を抽出する。すなわち、未陳列書籍抽出部13は、最新の本棚画像に存在し、過去の本棚画像に存在しない未陳列書籍を抽出する。
例えば、図3の本棚情報管理テーブル120によれば、本棚ID「b001」に対応する最新の本棚画像は「2013年10月31日」に撮影された「b001−02.jpg」であり、過去の本棚画像は「2013年9月30日」に撮影された「b001−01.jpg」である。未陳列書籍抽出部13は、本棚情報管理テーブル120を参照し、本棚ID「b001」について、過去の本棚画像「b001−01.jpg」から認識された複数の書籍ID「101」、「102」、「103」と、最新の本棚画像「b001−02.jpg」から認識された複数の書籍ID「102」、「103」とを比較し、過去の本棚画像「b001−01.jpg」に含まれ、最新の本棚画像「b001−02.jpg」に含まれていない書籍ID「101」を、未陳列書籍ID「101」として抽出する。
本棚UI生成部14−1は、過去の本棚画像に基づいて、発注用本棚UIを生成する。本棚UI生成部14−1は、過去の本棚画像の未陳列書籍の画像と他の書籍画像とを区別(識別)可能な態様とした発注用本棚UIを生成してよい。例えば、本棚UI生成部14−1は、未陳列書籍の画像の部分を青枠で囲んだ発注用本棚UIを生成する。本棚UI生成部14−1は、その未陳列書籍を選択可能とした発注用本棚UIを生成してよい。書籍管理装置2−1は、その発注用本棚UIに係るデータを、書店端末3−1へ送信する。書店端末3−1のUI処理部22−1は、その発注用本棚UIをディスプレイ25に表示する。
図7は、書籍の発注業務を支援する書店端末3−1のUIの一例である。書店端末3−1のUI処理部22−1は、本棚ID表示領域301と、発注用本棚UI領域302と、発注表示領域303と、送信ボタン304とを有するUIを生成及び表示してよい。
本棚ID表示領域301には、発注用本棚UI領域302に表示されている発注用本棚UI312の本棚IDが表示される。
発注用本棚UI領域302には、書籍管理装置2−1から送信された発注用本棚UI312が表示される。発注用本棚UI領域302には、その本棚画像が撮影された撮影日時311が表示されてもよい。例えば、発注用本棚UI312の未陳列書籍321は青枠322で囲まれており、その青枠322で囲まれている部分がタッチされると、その未陳列書籍321が選択される。
発注表示領域303には、選択された未陳列書籍の情報331が表示される。この発注表示領域303に表示された書籍を、発注候補書籍という。発注候補書籍331の隣には、発注数を入力できる発注数入力領域332が表示されてもよい。発注数入力領域332には、初期値として「1冊」が設定されてもよい。送信ボタン304は、発注候補書籍の書籍ID(「発注候補書籍ID」という)を、書籍管理装置2−1へ送信するためのボタンである。
例えば、担当者が、図7に示すUIを通じて、発注用本棚UI領域302に表示されている発注用本棚UI312の青枠322で囲まれた未陳列書籍321をタッチすると、そのタッチされた未陳列書籍(図2の書籍ID「101」に対応)の書籍名「AAA」が、発注表示領域303に表示される(符号331)。担当者は、発注数入力領域332に、書籍名「AAA」の発注数を入力してもよい。発注数入力領域332に入力された発注数は、在庫情報管理テーブル160の発注数165の初期値となってもよい。担当者が送信ボタン304をタッチすると、書店端末3−1は、発注表示領域303に表示されている発注候補書籍ID「101」および発注入力領域332に入力された発注数「1」を、書籍管理装置2−1へ送信する。
このように、担当者は、書店端末3−1で本棚を撮影することにより、その本棚における未陳列書籍を容易に見つけることができる。また、担当者は、その未陳列書籍の中から、発注候補書籍を選択して、書籍管理装置2−1へ登録することができる。
発注処理部15は、書籍の発注に関する処理を実行する。発注処理部15は、在庫情報管理テーブル160において、書店端末3−1から送信された発注候補書籍IDに対応する発注/返品フラグ164を「発注候補」に更新する。発注処理部15は、発注/返品フラグ164が「発注候補」の書籍の一覧を、例えば、PC4に表示する。書店の責任者は、PC4を通じて、その発注候補書籍の一覧を見ながら、実際に発注する書籍を確定することができる。例えば、発注処理部15は、PC4から発注数が入力された場合、その発注数の入力された書籍の発注/返品フラグ164を「発注」に更新すると共に、その入力された発注数を在庫情報管理テーブル160の発注数165へ登録してもよい。
「発注候補」の書籍の一覧は、書店端末3−1に表示されてもよい。そして、責任者は、書店端末3−1を通じて、実際に発注する書籍を確定してもよい。書店端末3−1は、その利用者が責任者であるか否かを認識し、責任者の場合にのみ実際に発注する書籍を確定できるようにしてもよい。
以下、図8のフローチャートを参照しながら、書籍の発注業務を支援する書籍管理システム1−1の処理の一例を示す。
担当者は、書店端末3−1で発注業務の対象の本棚を撮影し、その撮影画像を書籍管理装置2−1へ送信する(S101)。
書籍管理装置2−1の本棚認識部11は、書店端末3−1から送信された撮影画像から、最新の本棚画像を抽出すると共に、その最新の本棚画像の本棚IDを識別する(S102)。書籍管理装置2−1の書籍認識部12は、その最新の本棚画像に含まれる書籍画像の書籍IDを認識する(S103)。書籍管理装置2−1の書籍認識部12は、本棚IDと、撮影日時と、本棚画像と、書籍IDとを対応付けた本棚情報を生成し、本棚情報管理テーブル120へ登録する(S104)。
書籍管理装置2−1の未陳列書籍抽出部13は、本棚情報管理テーブル120を参照し、最新の本棚画像と同一の本棚IDを有する過去の本棚画像を選択する(S105)。例えば、未陳列書籍抽出部13は、同一の本棚IDにおいて最新よりも一つ以前の撮影日時の本棚画像を過去の本棚画像として選択してもよいし、担当者又は責任者が選択した撮影日時の本棚画像を過去の本棚画像として選択してもよい。書籍管理装置2−1の未陳列書籍抽出部13は、本棚情報管理テーブル120を参照し、過去の本棚画像に存在し、最新の本棚画像に存在しない未陳列書籍IDを抽出する(S106)。
書籍管理装置2−1の本棚UI生成部14は、過去の本棚画像の未陳列書籍を他の書籍と区別可能な態様とした発注用本棚UIを生成し、書店端末3−1へ送信する(S107)。
書店端末3−1のUI処理部22は、書籍管理装置2−1から送信された発注用本棚UIを含むUI(図7参照)を表示し、担当者から発注候補書籍の選択を受け付ける(S108)。担当者は、書店端末3−1を通じて、発注候補書籍を選択する。書店端末3−1は、発注候補書籍IDを、書籍管理装置2−1へ送信する(S109)。
書籍管理装置2−1の発注処理部15は、在庫情報管理テーブル160において、書店端末3−1から送信された発注候補書籍IDに対応する発注/返品フラグ164を「発注候補」に更新する(S110)。
その後、書籍管理装置2−1の発注処理部15は、書店の責任者によるPC4からの入力に基づいて、在庫情報管理テーブル160の発注/返品フラグ164が「発注候補」の書籍の内、発注が確定された書籍の発注/返品フラグ164を「発注」に更新すると共に、入力された発注数を発注数165へ登録する(S111)。
第1の実施形態に係る書籍管理システム1−1は、例えば、以下の作用効果を奏する。
(1)担当者は、書店端末3−1で本棚を撮影することにより、その撮影した本棚において過去に陳列されており現在は陳列されていない未陳列書籍を容易に見つけることができる。これにより、担当者及び責任者は、本棚における書籍の欠品を防止することができる。
(2)担当者に書店端末3−1を通じて発注候補書籍を書籍管理装置2−1へ登録してもらうことにより、書籍発注業務の効率を向上させることができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、書籍の返品業務を支援する書籍管理システム1−2の一例について説明する。以下、第1の実施形態で説明したものと同様の機能ブロックについては、同一の符号を付して説明を省略する。
図9は、第2の実施形態に係る書籍管理システム1−2の構成例を示す。書籍管理装置2−1は、本棚認識部11と、書籍認識部12と、未達書籍抽出部31と、本棚UI生成部14−2と、返品処理部32と、書籍情報管理テーブル100と、本棚情報管理テーブル120と、販売情報管理テーブル140と、在庫情報管理テーブル160とを有する。
在庫情報管理テーブル160は、書籍の発注に加えて返品に関する情報も保持してよい。以下、図5を参照しながら、在庫情報管理テーブル160の返品に関する項目について説明する。
発注/返品フラグ164には、書籍ID162の書籍の発注及び返品の状況を示すフラグが登録される。発注/返品フラグ164は、書籍ID162の書籍が返品の対象である場合に「返品」となる。例えば、後述するように、担当者が、書店端末3−2に表示された未達書籍の中から或る書籍を選択すると、その選択された書籍が「返品」となる。このとき、担当者は、書店端末3−2から返品数を登録してもよい。そして、担当者は、書店端末3−2から「返品」として選択した書籍と同じ実際の書籍を、本棚から撤去して箱詰めしてもよい。その後、責任者は、PC4に表示された返品対象の書籍と、箱詰めされた実際の書籍とを確認し、その書籍を返品してもよい。返品数166に登録された書籍の冊数は、その書籍が実際に返品された後、在庫数163に反映される。
次に、書籍管理装置2−2の有する各機能について説明する。
未達書籍抽出部31は、或る書店において、対象期間における販売実績が目標値未満の書籍である未達書籍を抽出する。対象期間及び目標値は、任意に設定可能であってよい。未達書籍抽出部31は、本棚毎に未達書籍を抽出することもできる。
例えば、未達書籍抽出部31は、図3の本棚情報管理テーブル120を参照し、本棚ID「b001」について、「2013年10月31日」に撮影された最新の本棚画像「b001−02.jpg」に、書籍ID「102」、「103」の書籍が陳列されていることを認識する。対象期間を「2013年10月1日〜2013年10月31日」、目標値(ここでは、書籍の販売数とする)を「1」とした場合、未達書籍抽出部31は、図4の販売情報管理テーブル140を参照し、販売日142が「2013年10月1日」から「2013年10月31日」までの期間に販売数が「1未満(つまり、販売数「0」)」である書籍ID「103」を、未達書籍IDとして抽出する。
本棚UI生成部14−2は、最新の本棚画像に基づいて、返品用本棚UIを生成する。本棚UI生成部14−2は、最新の本棚画像の未達書籍の画像と他の書籍画像とを区別(識別)可能な態様とした返品用本棚UIを生成してよい。例えば、本棚UI生成部14−3は、未達書籍の画像の部分を赤枠で囲んだ返品用本棚UIを生成する。本棚UI生成部14−2は、その未達書籍を選択可能とした返品用本棚UIを生成してよい。書籍管理装置2−2は、その返品用本棚UIに係るデータを、書店端末3−2へ送信する。書店端末3−2のUI処理部22−2は、その返品用本棚UIをディスプレイ25に表示する。
図10は、書籍の返品業務を支援する書店端末3−2のUIの一例である。書店端末3−2のUI処理部22−2は、本棚ID表示領域401と、返品用本棚UI領域402と、返品表示領域403と、送信ボタン404とを有するUIを生成及び表示してよい。
本棚ID表示領域401には、返品用本棚UI領域402に表示されている返品用本棚UI412の本棚IDが表示される。
返品用本棚UI領域402には、書籍管理装置2−2から送信された返品用本棚UI412が表示される。返品用本棚UI領域402には、その本棚画像が撮影された撮影日時411が表示されてもよい。例えば、返品用本棚UI412の未達書籍421の部分は赤枠422で囲まれており、その赤枠422で囲まれている部分がタッチされると、その未達書籍421が選択される。
返品表示領域403には、選択された未達書籍の情報431が表示される。この返品表示領域403に表示された書籍を、返品書籍という。また、返品表示領域403は、返品書籍の返品数を入力できる返品数入力領域432を有してもよい。送信ボタン404は、返品書籍の書籍ID(「返品書籍ID」という)を、書籍管理装置2−2へ送信するためのボタンである。
例えば、担当者が、図10に示すUIを通じて、返品用本棚UI領域402に表示されている返品用本棚UI412の赤枠422で囲まれた未達書籍421をタッチすると、そのタッチされた未達書籍(図2の書籍ID「102」に対応)の書籍名「BBB」が返品表示領域403に表示される(符号431)。担当者は、返品数入力領域432に、書籍名「BBB」の返品数を入力してもよい。担当者が送信ボタン404をタッチすると、書店端末3−2は、その返品表示領域403に表示されている返品書籍ID「102」及び返品数「3」を、書籍管理装置2−2へ送信する。
このように、担当者は、書店端末3−2で本棚を撮影することにより、その本棚における未達書籍を容易に見つけることができる。また、担当者は、その未達書籍の中から、返品書籍を選択して、書籍管理装置2−2へ登録することができる。
返品処理部32は、書籍の返品に係る処理を実行する。返品処理部32は、在庫情報管理テーブル160において、書店端末3−2から送信された返品書籍IDに対応する発注/返品フラグ164を「返品」に更新する。返品処理部32は、発注/返品フラグ164が「返品」である返品書籍の一覧を、例えば、PC4に表示する。書店の責任者は、PC4に表示された返品書籍の一覧と、撤去された実際の返品書籍とを確認した後、返品を行ってもよい。返品処理部32は、PC4を通じて返品書籍の返品数が入力された場合、その返品数を在庫情報管理テーブル160の返品数166へ登録してもよい。なお、「返品」の書籍の一覧は、書店端末3−2に表示されてもよい。
以下、図11のフローチャートを参照しながら、書籍の返品業務を支援する書籍管理システム1の処理の一例を説明する。
担当者は、書店端末3−2で返品業務の対象の本棚を撮影し、その撮影画像を書籍管理装置2−2へ送信する(S201)。書籍管理装置2−2は、図8のS102〜S104と同様の処理を実行する(S202〜S204)。
書籍管理装置2−2の未達書籍抽出部31は、S202において抽出した最新の本棚画像を処理の対象として選択する(S205)。書籍管理装置2−2の未達書籍抽出部31は、本棚情報管理テーブル120および販売情報管理テーブル140を参照し、最新の本棚画像に対応する複数の書籍IDの中から1又は2以上の未達書籍IDを抽出する(S206)。
書籍管理装置2−2の本棚UI生成部14は、最新の本棚画像の未達書籍を他の書籍と区別可能な態様とした返品用本棚UIを生成し、書店端末3−2へ送信する(S207)。
書店端末3−2のUI処理部22−2は、書籍管理装置2−2から送信された返品用本棚UI412を表示し(図10参照)、担当者から返品書籍の選択および返品数の入力を受け付ける(S208)。担当者は、書店端末3−2を通じて、返品書籍を選択すると共に返品数を入力する。書店端末3−2は、返品書籍ID及び返品数を、書籍管理装置2−2へ送信する(S209)。
書籍管理装置2−2の返品処理部32は、在庫情報管理テーブル160において、書店端末3−2から送信された返品書籍IDに対応する発注/返品フラグ164を「返品」に更新すると共に、返品数を登録する(S210)。
担当者は、返品業務として、書店端末3−2から選択した返品書籍に対応する実際の書籍を、書店端末3−2に入力した返品数分、実際の本棚から撤去して箱詰めしてもよい。書店の責任者は、在庫情報管理テーブル160に登録された返品書籍及び返品数と、実際の本棚から撤去されて箱詰めされた書籍及びその数とを確認し、問題がなければ、その箱詰めされた書籍を返品してもよい。
図12は、書籍の発注業務及び返品業務を支援する書店端末3−2のUIの一例である。以下、担当者が各本棚における発注業務及び返品業務をまとめて行う場合について、図12を参照しながら説明する。
書店端末3−2のUI処理部22−2は、本棚ID表示領域501と、発注用本棚UI領域503と、返品用本棚UI領域502と、発注表示領域504と、返品表示領域505と、送信ボタン506とを有するUIを生成及び表示する。
発注用本棚UI領域503及び発注表示領域504は、図7で説明したとおりである。返品用本棚UI領域502及び返品表示領域505は、図10で説明したとおりである。
送信ボタン506は、発注候補書籍IDおよび返品書籍IDを、書籍管理装置2−2へ送信するためのボタンである。
例えば、担当者が、書店端末3−2で発注業務及び返品業務の対象本棚を撮影し、その撮影画像を書籍管理装置2−2へ送信すると、書店端末3−2には、図12に示すように、その対象本棚に係る発注用本棚UI522及び返品用本棚UI512が表示される。担当者が発注用本棚UI522から、青枠562で囲まれた未陳列書籍561をタッチすると、発注表示領域504に未陳列書籍561に対応する書籍情報531が表示される。担当者が返品用本棚UI512から赤枠552で囲まれた未達書籍551をタッチすると、返品表示領域505に未達書籍551に対応する書籍情報532が表示される。担当者が送信ボタン506をタッチすると、発注表示領域504に表示されている書籍情報531に係る発注候補書籍ID「101」、および、返品表示領域505に表示されている書籍情報532に係る返品書籍ID「102」が、書籍管理装置2−2へ送信される。このように、書店端末3−2は、本棚ごとにまとめて発注業務および返品業務が行われる場合についても支援可能である。
第2の実施形態に係る書籍管理システム1−2は、以下の作用効果を奏する。
(1)担当者は、書店端末3−2で本棚を撮影することにより、その撮影した本棚において販売実績が目標値未満の未達書籍を容易に見つけることができる。これにより、本棚から返品対象の書籍を撤去する業務の効率を向上させることができる。
(2)担当者に書店端末3−2を通じて本棚から撤去した返品書籍を書籍管理装置2−2へ登録してもらうことにより、責任者の返品書籍を確認する業務の効率を向上させることができる。
(第3の実施形態)
書籍の販売実績は、本棚における書籍の陳列を工夫することによって増減し得るため、書店の責任者は、他の書店における書籍の陳列方法を参考にすることがある。そこで、第3の実施形態では、本棚における書籍の陳列に関する業務を支援する書籍管理システム1−3の一例について説明する。以下、第1の実施形態および第2の実施形態で説明したものと同様の機能ブロックについては、同一の符号を付して説明を省略する。
図13は、複数の書店を管理する書籍管理システム1−3の構成例を示す。図13において、書籍管理装置2−3は、書店ID「a1」の書店(「書店a1」という)と、書店ID「a2」の書店(「書店a2」という)とを管理している。書店a1、書店a2はそれぞれ、書店端末3−3及びPC4を有する。書籍管理装置2−3と、各書店端末3−3及び各PC4とは、例えば、インターネット等の通信ネットワーク5を通じて接続されている。
各書店端末3−3には、その書店端末3−3を有する書店の書店IDが設定されてもよい。書店端末3−3は、設定された書店IDを含めたデータを書籍管理装置2−2へ送信してもよい。書籍管理装置2−3は、書店端末3−3から送信されたデータとそのデータに含まれる書店IDとを対応付けて管理してもよい。これにより、書籍管理装置2−3は、書店毎の各種データを管理することができる。
図14は、第3の実施形態に係る書籍管理システム1−3の構成例を示す。書籍管理装置2−3は、本棚認識部11と、書籍認識部12と、未達書籍抽出部31と、参考本棚検索部41と、本棚UI生成部14−3と、発注処理部15と、書籍情報管理テーブル100と、本棚情報管理テーブル120と、販売情報管理テーブル140と、在庫情報管理テーブル160とを有する。
未達書籍抽出部31は、第2の実施形態で説明したように、例えば、書店a1において、対象期間における販売実績が目標値未満の未達書籍を抽出する。未達書籍抽出部31は、この抽出した未達書籍のリストを、書店a1の書店端末3−3へ送信してもよい。書店端末3−3のUI処理部22−3は、この未達書籍のリストをディスプレイ25に表示してもよい。
参考本棚検索部41は、書店端末3−3から指定された又は任意に設定された検索条件に適合する書店及び本棚を検索する。例えば、書店端末3−3から、検索条件として、対象期間および最低販売実績が指定された場合、参考本棚検索部41は、未達書籍抽出部31によって抽出された各未達書籍について、対象期間内に最低販売実績以上販売した書店と、その書店において未達書籍が陳列されている本棚とを検索する。
例えば、書店a1は、対象期間「2013年10月1日〜2013年10月31」において、未達書籍ID「103」を有するとする。書店a1の書店端末3−3から、検索条件として、対象期間「2013年10月1日〜2013年10月31日」および最低販売実績(ここでは、最低販売数とする)「3冊」が指定されたとする。検索条件における対象期間は、担当者又は責任者が入力してもよいし、未達書籍の抽出で用いた対象期間が自動的に適用されてもよい。参考本棚検索部41は、図4に示す販売情報管理テーブル140を参照して、販売日142が対象期間内において、未達書籍ID「103」の書籍を最低販売実績「3冊」以上販売した書店である書店a2を抽出する。次に、参考本棚検索部41は、図3に示す本棚情報管理テーブル120を参照して、書店a2において書籍ID「103」が対応付けられている本棚ID「b201」を抽出する。
本棚UI生成部14−3は、参考本棚検索部41によって抽出された本棚IDに対応する本棚画像(つまり、他の書店の本棚画像。「参考本棚画像」という)に基づいて、参考用本棚UIを生成する。本棚UI生成部14−3は、例えば、書店a2の本棚画像を、書店a1における未達書籍が他の書籍と区別(識別)可能な態様として、参考用本棚UIを生成してもよい。例えば、本棚UI生成部14−3は、未達書籍の画像の部分を青枠で囲んだ参考用本棚UIを生成する。本棚UI生成部14−3は、他の書店の本棚画像に含まれる各書籍を選択可能とした参考用本棚UIを生成してもよい。書籍管理装置2−3は、その参考用本棚UIに関するデータを、書店端末3−3へ送信する。書店端末3−3のUI処理部22−3は、その参考用本棚UIをディスプレイ25に表示する。
図15は、本棚に書籍を陳列する業務を支援する書店端末3−3のUIの一例である。書店端末3−3のUI処理部22−3は、検索条件入力領域602と、参考書店選択領域601と、検索ボタン603と、参考本棚UI領域604と、発注表示領域605と、参考本棚移動ボタン607と、送信ボタン606とを有するUIを生成及び表示してよい。
検索条件入力領域602には、検索の対象期間612及び最低販売実績613を入力することができる。検索ボタン603がタッチされると、書店端末3−3は、検索条件入力領域602に入力された検索の対象期間612及び最低販売実績613とを、書籍管理装置2−3へ送信する。
参考書店選択領域601には、検索条件に適合する書籍を有する書店のリスト611が表示される。この書店のリスト611から選択された書店(参考書店)において未達書籍の陳列されている本棚が、参考用本棚UI604に表示される。なお、書店のリスト611には、その書店に関する情報が合わせて表示されてもよい。書店に関する情報とは、例えば、書店の住所、書店の規模、立地条件、客層などである。これにより、担当者及び責任者が、参考書店をより効率的に選択することができる。
参考本棚UI領域604には、書籍管理装置2−3から送信された参考用本棚UI622が表示される。参考本棚UI領域604には、その本棚画像における書店ID、本棚IDおよび撮影日時(符号621)も表示されてよい。参考用本棚UI622において、各書籍画像の部分(例えば、符号661、662、663)は選択可能となっている。また、参考用本棚UI662において、未達書籍661は青枠664で囲まれている。参考本棚移動ボタン607は、参考本棚UI領域604の内容を、その書店において検索条件を満たす未達書籍の陳列されている別の本棚のものに切り替えるためのボタンである。その参考書店において、検索条件を満たす未達書籍が一つとは限らないし、同一の未達書籍が複数の異なる本棚に陳列されている場合もあるからである。
発注表示領域605には、参考用本棚UI622から選択された書籍の書籍情報631が表示される。送信ボタン606は、発注表示領域605に表示されている書籍情報631に係る発注書籍IDを、書籍管理装置2−3へ送信するためのボタンである。
例えば、担当者は、図15に示すUIを通じて、検索条件入力領域602に、対象期間「2013年10月1日〜2013年10月31日」(符号612)、最低販売実績「3冊」(符号613)を入力する。担当者が検索ボタン603をタッチすると、これらの検索条件が書籍管理装置2−3へ送信される。そして、書籍管理装置2−3は、書店a1における各未達書籍(例えば、図2の書籍ID「103」)に対応する書籍を、対象期間「2013年10月1日〜2013年10月31日」の間に、最低販売実績「3冊」以上販売した書店ID及びその書店の本棚IDを検索する。そして、書籍管理装置2−3は、その検索結果に基づいて、書店a2を含む参考書店のリスト611を生成する。担当者が、参考書店のリスト611から書店a2を選択すると、書籍管理装置2−3は、書店a2の本棚ID「b201」の本棚画像に係る参考用本棚UI622を生成する。
担当者が、参考用本棚UI622から、例えば、書籍画像661(書籍名「CCC」)の両隣に陳列されている書籍画像662(書籍名「FFF」、書籍ID「121」)及び書籍画像663(書籍名「GGG」、書籍ID「122」)をタッチすると、書籍画像662、663のそれぞれに対応する書籍情報631、632が発注表示領域605に表示される。ここで、担当者は、発注数入力領域に、各書籍の発注数を入力してもよい。
そして、担当者が送信ボタン606をタッチすると、書店端末3−3は、発注表示領域605に表示された書籍情報631、632のそれぞれに対応する発注候補書籍ID「121」及び「122」を、書籍管理装置2−3へ送信する。
書籍管理装置2−3は、第1の実施形態で説明したように、在庫情報管理テーブル160において、その受信した発注候補書籍IDに対応する発注/返品フラグ164を「発注候補」に更新する。
このように、担当者は、或る書店では未達書籍であるにも関わらず、その未達書籍について対象期間に最低販売実績以上販売している(つまり、販売実績のよい)他の書店を、容易に見つけることができる。担当者は、その販売実績のよい他の書店におけるその未達書籍の陳列されている本棚を、容易に参考にすることができる。担当者は、その参考とした他の書店の本棚に一緒に陳列されている書籍を、容易に発注することができる。
書籍管理装置2−3の本棚UI生成部14−3は、参考本棚画像と共に、その参考本棚とその周辺に存在するものとの位置関係がわかる画像を表示させてもよい。例えば、本棚UI生成部14−3は、参考本棚画像と共に、その参考本棚の所定範囲内で撮影された他の画像を表示させてもよい。例えば、本棚UI生成部14−3は、参考本棚が書店の入口付近であること若しくはレジ前であること、又は参考本棚の左右の本棚の書籍ジャンルなどがわかる画像を合わせて表示させてもよい。書籍の売上は、書店における本棚の位置や、本棚の並べ方などによっても変わり得るからである。
以下、図16のフローチャートを参照しながら、本棚に書籍を陳列する業務を支援する書籍管理システム1−3の処理の一例を説明する。
書籍管理装置2−3及び書店端末3−3は、図12のS201〜S206と同様の処理を実行する(S301)。これにより、書籍管理装置2−3の未達書籍抽出部31は、書店a1における未達書籍を抽出する。
書店端末3−3のUI処理部22−3は、担当者から注目書籍及び検索条件の入力を受け付ける(S302)。担当者は、書店端末3−3を通じて、検索条件を入力する(図15の検索条件入力領域602参照)。書店端末3−3のUI処理部22−3は、担当者によって入力された検索条件を、書籍管理装置2−3へ送信する(S303)。
書籍管理装置2−3の参考本棚検索部41は、検索条件を満たす未達書籍を有する参考書店IDを抽出する(S304)。書籍管理装置2−3の参考本棚検索部41は、その抽出した参考書店IDの書店のリストを生成し、書店端末3−3へ送信する(S305)。
書店端末3−3のUI処理部22−3は、書店のリストを表示し(図15の参考書店選択領域601参照)、担当者から参考書店の選択を受け付ける(S306)。担当者は、書店端末3−3を通じて、書店のリストから参考書店を選択する。書店端末3−3のUI処理部22−3は、担当者によって選択された参考書店の参考書店IDを、書籍管理装置2−3へ送信する(S307)。
書籍管理装置2−3は、書店端末3−3から受信した参考書店IDの参考書店において、検索条件を満たす未達書籍の陳列されている参考用本棚IDを抽出する(S308)。
書籍管理装置2−3の本棚UI生成部14−3は、その参考書店ID(例えば、書店ID「a2」)及び参考用本棚ID(例えば、本棚ID「b201」)に基づく参考用本棚UIを生成し、書店端末3−3へ送信する(S309)。
書店端末3−3のUI処理部22−3は、書籍管理装置2−3から送信された参考用本棚UIを含むUI(図15参照)を表示し、担当者から発注候補書籍の選択を受け付ける(S310)。担当者は、書店端末3−3を通じて、発注候補書籍を選択する。書店端末3は、選択された発注候補書籍IDを、書籍管理装置2−3へ送信する(S311)。書籍管理装置2−3は、図8のS110、S111と同様の処理を実行する(S312、S313)。
第3の実施形態に係る書籍管理システム1−3は、例えば、以下の作用効果を奏する。
(1)担当者及び責任者は、自分の書店において未達書籍の内、他の書店では販売実績の良い書籍を容易に発見することができる上、その販売実績の良い他の書店を容易に見つけることができる。また、担当者及び責任者は、その販売実績の良い他の書店(参考書店)における未達書籍の陳列されている本棚(参考用本棚)を容易に参考にすることができる。これにより、担当者及び責任者は、本棚の回転率及び売上が向上するより効果的な書籍の陳列方法を検討することができる。
(2)担当者及び責任者は、参考にした他の書店の本棚に一緒に陳列されている書籍を容易に発注することができる。これにより、担当者及び責任者は、本棚の書籍の陳列を変更する業務をより効率的に行うこととができる。
上述した本発明の実施形態は、本発明の説明のための例示であり、本発明の範囲をそれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。当業者は、本発明の要旨を逸脱することなしに、他の様々な態様で本発明を実施することができる。
例えば、図7、図10、図12、図15に示したUIは、書店端末で実行されるネイティブアプリケーションによって実現されてもよいし、書店端末で実行されるウェブブラウザを通じて書籍管理装置で実現されてもよい。図1、図9、図14に示した書籍管理装置の有する機能又はテーブルは、その機能又はテーブルの一部が書店端末において実現されてもよいし、その機能又はテーブルの一部が他の装置において実現されてもよい。