以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
(1)第1の実施の形態
(1−1)経路案内システムの構成
まず、本実施の形態にかかる経路案内システムの概要について説明する。経路案内システムは、図1に示すように、サーバ装置100とスマートフォンなどの情報処理端末200とから構成される。図1では1台のサーバ装置100と1台の情報処理端末200とから構成されている場合を例示しているが、複数のサーバ装置100と複数の情報処理端末200とから構成されていてもよい。
サーバ装置100は、ネットワークを介して情報処理端末200と接続して、情報処理端末200を介して入力されたデータを受信したり、情報処理端末200に経路案内情報を含むデータを送信したりする情報処理装置である。なお、本実施の形態にかかるサーバ装置100は、本発明の経路案内装置の一例である。
情報処理端末200は、ユーザの所有する携帯端末であって、例えば、スマートフォンなどの携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)や小型のPC(Personal Computer)など、表示装置を備える情報処理端末である。
サーバ装置100と情報処理端末200とを接続するネットワークは、両者を通信可能に接続する通信回線網であり、例えば、インターネット、電話回線網、衛星通信網等の公衆回線網や、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、IP−VPN等の専用回線網などで構成されており、有線、無線を問わない。
ここで、本実施形態の概要について説明する。従来から、情報処理端末200を利用して、現在地から目的地までの経路を探索し、探索結果を情報処理端末200の表示画面上に表示させることが行われている。例えば、従来技術では、現在地から探索結果である目的地までの経路を把握しやすくするため、地図上に当該経路をハイライト表示させることなどが行われている。この場合、利用者は、情報処理端末200に表示された地図上を頻繁に見ながら移動しなければならず、スマートフォンなどの表示画面を見たり操作したりしながら歩く、いわゆる「歩きスマホ」を助長させることとなり、駅構内や道路上での事故やトラブルを増加させるという問題があった。
そこで、本実施の形態では、現在地から目的地までの経路を表示させる際に、表示画面に表示させる経路上の案内情報と実際に存在する目印とを紐付けることにより、利用者に容易に経路を把握させ安全に目的地まで誘導することを目的としている。以下では、実際に存在する目印を「サイン」と称して説明する。本実施の形態では、「サイン」とは、実際に存在する物理的な目印であって、駅構内などに既に利用者を案内する目的として設置された行き先表示やのりば表示などを意味する。
具体的に、本実施の形態にかかる経路案内では、経路上に存在する複数のサインを順に表示画面に表示して、利用者に実際に設置されているサインを順に辿らせることで目的地までの経路を案内する。利用者は、表示画面に表示されたサインを示す情報を把握した後、実際に存在するサインを見つけながら移動するため、表示画面を見ながらではなく、顔を上げて移動することとなる。また、表示画面には、経路案内上のサインを示す情報が順に表示されるため、地図上の経路を辿るよりも容易に現在地や目的地までの通過位置を把握することが可能となる。このように、本実施の形態では、サインを利用して、利用者に容易に経路を把握させて安全に目的地まで誘導することが可能となる。
(1−2)サーバ装置及び情報処理端末のハードウェア構成
サーバ装置100は、CPUおよびメモリ等の情報処理資源を備えている。CPUは、演算処理装置として機能し、メモリに記憶されているプログラムや演算パラメータ等にしたがって、サーバ装置100の動作を制御する。
また、サーバ装置100は、ネットワークに接続するための通信デバイス等で構成された通信インタフェースを備えている。通信装置は、無線LAN(Local Area Network)対応通信装置であっても、ワイヤレスUSB対応通信装置であっても、有線による通信を行うワイヤー通信装置であってもよい。この通信装置は、情報処理端末200との間で、ネットワークを介して各種データを送受信する。
また、サーバ装置100は、キーボード、スイッチやポインティングデバイス、マイクロフォン等の情報入力装置と、モニタディスプレイやスピーカ等の情報出力装置とを備えている。
さらに、サーバ装置100は、データ格納用のストレージ装置を備えていてもよい。ストレージ装置は、記憶媒体、記憶媒体にデータを記録する記録装置、記憶媒体からデータを読み出す読出し装置および記憶媒体に記録されたデータを削除する削除装置などを含む。ストレージ装置は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)で構成され、ハードディスクを駆動し、CPUが実行するプログラムや各種データを格納する。
情報処理端末200も、サーバ装置100と同様に、CPUおよびメモリ等の情報処理資源を備えている。また、サーバ装置100とネットワークを介して接続するための通信デバイス等で構成された通信インタフェースを備えている。
さらに、情報処理端末200は、キーボード、スイッチやポインティングデバイス、マイクロフォン等の情報入力装置と、モニタディスプレイやスピーカ等の情報出力装置とを備えている。特に、本実施の形態では、情報処理端末200として、タッチパネルを備えたスマートフォンなどの携帯端末を例示して説明する。情報処理端末200は、タッチパネルを用いてユーザの指や手などの操作体を検知することで、ユーザの操作を受け付ける。
タッチパネルは、表示と入力の2つの機能を備えている。当該タッチパネルは、ユーザの指や手が近接しているか接触しているかを検知する。また近接を検知した場合には、近接している領域を検知する。検出方法としては、透明電極を構成する金属薄膜を利用した抵抗膜方式、指先と導電膜との間での静電容量の変化を捉えて位置を検出する静電容量方式や、赤外線遮光方式、電磁誘導方式など、ディスプレイにおける操作体の位置情報を検出できる方法であればよい。
ここで、静電式タッチパネルを用いて操作体を検知する場合について具体的に説明する。静電式タッチパネルは、格子状に配置された静電センサを備えており、静電容量の変化によってその値を常時変化させる。静電センサに操作体である指が近付いたり触れたりした場合に、静電センサにより検知される静電容量が増加する。各静電センサの静電容量は同時に取得することが可能である。すべての静電センサの静電容量の変化を同時に検出し、補間することによって近接または接触している指を検出して、検出した静電容量の値をCPUへ出力する。
また、情報処理端末200は、現在地を測位する機能を有する。現在地を測位する機能としては、例えば、GPS(Global Positioning System)や、Wi−Fiのアクセスポイントを利用して位置情報を取得する方法などを例示できる。
(1−3)サーバ装置及び情報処理端末の機能構成
次に、サーバ装置100の機能構成について説明する。図1に示すように、サーバ装置100は、主に、制御部101、記憶部111及び送受信インタフェース121から構成される。なお、制御部101は、上記CPUの機能の一部であり、記憶部111は上記記憶装置の機能の一部であり、送受信インタフェース121は、上記通信装置の機能の一部である。以下では、本実施形態を説明する上で特徴的な機能構成について主に説明する。
制御部101は、設定部102、ルート検索部103、誘導施設検索部104、主要サイン情報検索部105、通常サイン情報検索部106及び表示画面生成部107を含む。また、記憶部111は、施設情報112、ノード情報113、リンク情報114、誘導施設情報115及びサイン情報116を含む。また、送受信インタフェース121は、受信部及び送信部123を含む。
まず、記憶部111に格納される各種情報について説明する。施設情報112は、ユーザがタッチパネルを介して現在地または目的地を入力したり選択したりする際に提示する施設を示す情報である。例えば、列車ののりばや店舗などの施設の位置情報と該施設の名称とが対応付けられ、ユーザにより施設が特定されると、現在地や目的地の位置がわかる。また、施設ごとに施設を識別する情報が付されていてもよい。
ノード情報113は、案内経路上の交差点や分岐点などの地点となりうる位置の情報である。図2に、ノード情報113の一例であるノード情報テーブル501を示す。図2に示すように、ノード情報テーブル501には、ノードごとに、ノード識別子5010、ノード名称5011、位置情報5012、接合リンク本数5013、接合リンク情報5014及び接合ノード情報5015が対応付けられて格納されている。
ノード識別子5010は、ノードを識別する情報であって、ノードを登録する際に一意に決定される。ノード名称5011は、各ノードの名称を示す情報であって、交差点や分岐点の名称である。位置情報5012は、ノードの位置を示す情報であって、緯度経度、高度や建物内であれば階数の情報である。
接合リンク本数5013は、ノードに接合するリンクの本数の情報である。ここでリンクとは、交差点や分岐点を接続する道や通路などを意味する。接合リンク情報5014は、ノードに接合されたリンクの情報を示し、該リンクの識別情報であってもよい。接合ノード情報5015は、ノードに接合されたリンクの先に接合されているノードの情報を示し、例えば、ある交差点の次に経路上に現れる交差点などであり、該ノードの識別情報であってもよい。なお、各ノードには、複数の接合リンクや接合ノードが対応付けられる場合がある。
例えば、図2では、ノード1には、ノード識別子5010としてS2101、ノード名称5011として南コンコース交差点E01、位置情報5012として東経XX、北緯XX、高度XXm、階情報1F、接合リンク本数5013としてN本、接合リンク情報5014としてL1000、接合ノード情報5015としてS2102が対応付けられ、さらにN個の接合リンク情報と接合ノード情報が対応付けられていることがわかる。接合リンク情報として対応付けられているL1000は、後述するリンク情報テーブル502のリンク1の識別情報であり、南コンコースL01であることがわかる。また、接合ノード情報5015として対応付けられるS2102は、ノード2の識別情報であり、南コンコース終点E02であることがわかる。
リンク情報114は、案内経路上の交差点や分岐点を接続する道や通路などの情報である。図3に、リンク情報114の一例であるリンク情報テーブル502を示す。リンク情報テーブル502には、リンク識別子5020、リンク名称5021、起点ノード識別子5022、終点ノード識別子5023、リンク種別5024、リンク進行方向5025、バリアフリー属性5026及びリンク長5027が対応付けられて格納されている。
リンク識別子5020は、リンクを識別する情報であって、リンクを登録する際に一意に決定される。リンク名称5021は、各リンクの名称を示す情報であって、道路や通路などの情報である。起点ノード識別子5022は、リンクの起点となるノードの識別子である。終点ノード識別子5023は、リンクの終点となるノードの識別子である。リンク種別5024、リンクの種別を示す情報であって、例えば、通常の通路であるのか、スロープの通路であるのかを示す。リンク進行方向5025は、リンクの進行方向を示す情報であって、東方向か南方向かなどの情報である。バリアフリー属性5026は、リンクに対応する通路等がバリアフリーかを示す情報である。リンク長5027は、リンクに対応する通路の長さを示す情報である。
例えば、図3では、リンク1には、リンク識別子5020としてL1000、リンク名称5021として南コンコースL01、起点ノード識別子5022としてS2101、終点ノード識別子5023としてS2102、リンク種別5024として通路(通常)、リンク進行方向5025として東、バリアフリー属性5026としてバリアフリー、リンク長5027として50mが対応付けられていることがわかる。起点ノード識別子5022として対応付けられるS2101は、上記したノード情報テーブル501のノード1の識別情報であり、終点ノード識別子5023として対応付けられるS2102は、上記したノード情報テーブル501のノード2の識別情報であることがわかる。
上記したノード情報113及びリンク情報114をもとに、利用者の現在地から指定された目的地までの案内経路の候補が抽出される。図4に、抽出された案内経路候補情報の一例である案内経路候補情報テーブル503を示す。案内経路候補情報は、検索する都度メモリに格納するようにしてもよいし、記憶部111に記憶してもよい。
図4に示すように、案内経路候補情報テーブル503には、候補経路識別子5030、リンク数5031、延べリンク距離5032、起点ノード番号5033、リンク番号5034及びノード番号5035が対応付けて格納されている。
案内候補経路識別子5030は、案内候補経路を識別する情報である。リンク数5031は、リンク数を示す情報であって、リンク数が多いほど経由する通路等が多くなることを示す。延べリンク距離5032は、案内候補経路の始点から終点までの距離を示し、いずれの案内候補経路が最短距離かなどがわかる。
起点ノード番号5033は、案内候補経路の起点のノードの識別番号である。リンク番号5034は案内候補経路上のリンクの識別番号であり、ノード番号5035は、案内候補経路上のノードの識別番号である。案内候補経路上に複数のリンクやノードが存在する場合には、各案内候補経路に複数のリンクやノードの識別番号が対応付けられる。
誘導施設情報115は、利用者を誘導する施設の情報であって、誘導施設情報115には、当該施設に利用者を誘導するための案内が設置された誘導施設情報と、利用者を誘導するための案内が設置されていない施設情報とが含まれる。図5に、誘導施設情報の一例である誘導施設情報テーブル504の一例を示す、図6に、施設情報の一例である施設情報テーブル505の一例を示す。
図5に示すように、誘導施設情報テーブル504には、誘導施設識別子5040、施設名称5041、誘導サイン有無5042、隣接ノード5043及び隣接リンク情報5044が対応付けられて格納されている。
誘導施設識別子5040は、誘導施設を識別する情報であって、誘導施設を登録する際に一意に決定される。施設名称5041は、誘導施設の名称を示す情報であって、駅の改札や列車ののりばなどの名称である。誘導サイン有無5042は、誘導施設に利用者を誘導するための誘導サインがあるかを示す情報である。ここで、誘導サインは、誘導施設に利用者を誘導するために実際に設置されている目印であって、利用者は、1つまたは複数の誘導サインを辿ることにより、誘導施設情報まで行きつくことができる。
隣接ノード5043は、誘導施設に隣接するノードの識別情報であり、隣接リンク情報5044は、誘導施設に隣接するリンクの識別情報である。
例えば、図5では、誘導施設1には、誘導施設識別子5040としてY0101、施設名称5041として八重洲南口改札、誘導サイン有無5042として有、隣接ノード5043としてN10011が対応付けられていることがわかる。
また、図6に示すように、施設情報テーブル505には、施設識別子5050、施設名称5051、誘導施設条件5052、検索補足情報5053、隣接ノード5054及び隣接リンク情報5055が対応付けられて格納されている。
施設識別子5050は、施設を識別する情報であって、施設を登録する際に一意に決定される。施設名称5051は、施設の名称を示す情報であって、インフォメーションセンタや弁当やなどの名称である。誘導施設条件5052は、利用者を誘導するための施設かを示す情報である。検索補足情報5053は、当該施設を検索するための情報である。隣接ノード5054は、誘導施設に隣接するノードの識別情報であり、隣接リンク情報5055は、誘導施設に隣接するリンクの識別情報である。
例えば、図6では、施設1には、施設識別子5050としてS2101、施設名称5051としてインフォメーションセンタ、誘導施設条件5052として非誘導施設、検索補足情報5053として案内など、隣接ノード5054としてN0002、隣接リンク情報5055としてL1500が対応付けられていることがわかる。
サイン情報116は、利用者を案内する目的として実際に存在している目印の情報であって、誘導施設の名称を含む主要サインの情報と、誘導施設の名称を含まないが、利用者を案内する目的として利用可能な目印となる通常サインの情報とを含む。図7に、主要サインの情報及び通常サインの情報を含むサイン情報の一例であるサイン情報テーブル506の一例を示す。
図7に示すように、サイン情報テーブル506には、サイン識別子5060、サイン名称5061、サイン重要度5062、隣接ノード5063、隣接リンク5064、主表示方向5065及び誘導施設5066が対応付けられて格納されている。
サイン識別子5060は、サインを識別する情報であって、サインを登録する際に一意に決定される。サイン名称5061は、サインの名称を示す情報であって、サインによって案内可能な施設の名称等を含む情報である。サイン重要度5062は、当該サインの重要度を示す情報であって、主要なサインか標準(通常)なサインかを示す情報である。隣接ノード5063は、サインに隣接するノードの識別情報であり、隣接リンク5064は、サインに隣接するリンクの識別情報である。主表示方向5065は、サインの表示方向を示す情報であり、例えば、サインのいずれの方向に案内する施設があるのかを示すことにより、サインと施設との位置関係がわかる。誘導施設5066は、当該サインによって案内可能な施設の情報である。1つのサインによって複数の施設を誘導可能な場合は、複数の誘導施設5066が対応付けられる。
例えば、図7では、サイン1には、サイン識別子5060としてSG0101、サイン名称5061として南コンコース八重洲サイン01、サイン重要度5062として主要サイン、隣接ノード5063としてN10011、隣接リンク5064としてL300、主表示方向5065として東、誘導施設5066として八重洲南改札、東北新幹線のりば、京葉線のりばが対応付けられていることがわかる。このように、各サイン情報テーブル506において、各サインがどのノードやリンクと隣接しているか、サインの向き、各サインによっていずれの施設に誘導可能かを示す情報を対応付けることにより、探索された案内経路上のサインを検索することが可能となる。
そして、図8に、サイン情報116を利用して、案内経路上に存在するサインの検索結果の一例であるサイン誘導結果情報テーブル507を示す。サイン誘導結果は、検索する都度メモリに格納するようにしてもよいし、記憶部111に記憶してもよい。
図8に示すように、サイン誘導結果情報テーブル507には、サイン誘導結果識別子5070、案内経路5071、誘導サイン数5072、主要サイン数5073及びサイン表示5074が対応付けて格納されている。
サイン誘導結果識別子5070は、サイン誘導結果を識別する情報である。案内経路5071は、案内経路を識別する情報であって、図4に示す案内候補経路情報テーブル503に含まれる案内経路の識別情報である。誘導サイン数5072は、案内経路上に存在する誘導サインの数を示す情報である。主要サイン数5073は、案内経路上に存在する主要サインの数を示す情報である。サイン表示5074は、案内経路上に存在するサインの識別情報である。
例えば、図8では、誘導結果1には、サイン誘導結果識別子5070としてSGR0101、案内経路5071としてR01、誘導サイン数5072は4、主要サイン数5073は1、サイン表示1〜4は、S11005、S005、S11006及びS11007が対応付けられていることがわかる。このように、サイン誘導結果情報テーブル507には、利用者に提示する案内経路に対して、該案内経路上に存在するサインを検索した結果が格納される。
これにより、例えば、案内経路上の誘導サイン数の個数や主要サイン数の個数に応じて利用者に提示する情報の優先度を決定したり、案内経路上の誘導サインの種類に応じて利用者に提示する情報を変更したりすることができる。例えば、案内経路上の誘導サインの多い案内経路を利用者に優先的に提示することにより、利便性の高い情報を利用者に提供することが可能となる。また、誘導サインの種類に応じて、案内経路上の表示を変更することにより、視認性の高い経路案内を提供することが可能となる。
次に、制御部101に含まれる各機能について説明する。設定部102は、情報処理端末200を介してユーザにより入力された現在地及び目的地を設定する機能を有する。現在地の情報は、利用者により指定されてもよいし、上記した現在地を測位する機能を利用して現在地の位置情報を設定してもよい。また、目的地は、利用者により入力された目的地の名称を設定してもよいし、情報処理端末200に表示されたメニューや地図などから選択された目的地の位置情報を設定してもよい。設定部102は、設定した現在地及び目的地の情報をルート検索部103に提供する。
ルート検索部103は、設定部102から提供された現在地及び目的地の情報をもとに、案内候補経路を検索する機能を有する。具体的に、ルート検索部103は、ノード情報113及びリンク情報114を参照して、現在地と目的地のノードを検索し、ノードに接合するリンクを検索する。検索結果が複数ある場合には、複数の案内候補経路を上記した案内候補経路情報テーブル503に格納する。ルート検索部103は、検索した案内候補経路の情報を誘導施設検索部104に提供する。ルート検索部103から誘導施設検索部104に提供される案内候補経路の情報は、図4に示すように、各案内候補経路に含まれるノードとリンクの識別子が含まれる情報である。
誘導施設検索部104は、ルート検索部103から提供された案内候補経路上にある誘導施設を抽出する。具体的に、誘導施設検索部104は、誘導施設情報115を参照して、案内候補経路上に存在する誘導施設の情報を検索する。また、誘導施設検索部104は、案内候補経路上には存在しないが、案内候補経路に含まれるリンクの情報と、サインの表示方向などに基づいて、リンクの延長先に存在する誘導施設を抽出する。また、案内候補経路上に誘導施設が存在しない場合には、施設情報テーブル505を参照して、誘導施設ではない施設を抽出してもよいし、誘導施設とその他の施設とを抽出してもよい。誘導施設検索部104は、案内候補経路の情報と、誘導施設の情報とを主要サイン情報検索部105及び通常サイン情報検索部106に提供する。
主要サイン情報検索部105は、サイン情報116を参照して、案内候補経路上にある主要サインの情報を検索する。具体的に、主要サイン情報検索部105は、案内候補経路上にあって、誘導施設検索部104により検索された誘導施設の名称を含み、ノード上に存在し、利用者の進行方向とサインの進行方向とが一致しているなどの条件に合致する主要サインを検出する。なお、これらの条件に対応する主要サインが検出できない場合には、他の案内候補経路を用いて誘導施設の検索や主要サインの検索をやり直してもよい。
また、ルート検索部103により検索された案内候補経路のすべてについて主要サインや通常サインの情報を検索してもよい。この場合、存在する主要サインの数が多い案内経路候補を優先的に利用者に提示したり、目的地に近い主要サインが存在する案内経路候補を優先的に利用者に提示したりしてもよい。
通常サイン情報検索部106は、サイン情報116を参照して、案内候補経路上にある通常サインの情報を検索する。具体的に、通常サイン情報検索部106は、案内候補経路上にあって、利用者の進行方向とサインの進行方向とが一致している通常サインを検出する。主要サイン情報検索部105及び通常サイン情報検索部106により検索された結果は、案内経路と対応付けられて、サイン誘導結果情報テーブル507に格納される。
表示画面生成部107は、サイン誘導結果情報テーブル507に格納されたサインの検索結果を情報処理端末200に表示させるための表示画面を生成する。情報処理端末200に表示されるサイン誘導結果については、後で詳細に説明する。
(1−4)経路案内処理の詳細
次に、図9を参照して、経路案内システムにおいて実行される経路案内処理の詳細について説明する。経路案内処理の詳細を説明する際に、適宜、図10〜図18の情報処理端末200に表示される表示画面例を参照して説明する。
以下では、サーバ装置100上で経路案内処理を実行する場合について説明する。以下では、各処理の処理主体をサーバ装置100の各機能部として説明するが、実際には、サーバ装置100上で実行される各プログラムに基づいてサーバ装置100のCPUが各処理を実行する。
図9に示すように、サーバ装置100の設定部102は、情報処理端末200を介してユーザにより入力された現在地及び目的地を設定する(S101)。図10〜図15を参照して、情報処理端末200における現在地及び目的地の設定入力について説明する。
図10に、情報処理端末200に表示される表示画面601及び表示画面602を示す。表示画面601は、利用者が目的地までの経路を検索する場合に、利用者が現在地及び目的地を設定入力する際に情報処理端末200にされる表示画面の一例である。具体的に、利用者は、現在地の設定入力欄6011を選択して自身の現在地を設定入力する。また、利用者は、目的地の設定入力欄6013を選択して所望の目的地を設定入力する。
現在地から目的地に行く間に他の目的地に寄る場合には、「寄り道」釦6012を選択させるようにしてもよい。また、利用者は「設定」釦6014を選択して、歩く速度を設定したり、階段ではなくエレベータのある経路や、バリアフリーの経路を優先的に提示する設定をしたりしてもよい。
また、現在地及び目的地の設定入力が完了した場合に、経路案内処理を実行させるための「案内開始」釦6015を押下する。また、現在地または目的地のいずれかが入力された場合に、「場所表示」釦6016を選択させて、現在地付近または目的地付近の地図上の場所を表示させるようにしてもよい。
図10の表示画面602は、利用者により現在地及び目的地が設定入力され、入力結果が情報処理端末200に表示される表示画面の一例である。表示画面601において、利用者により現在地及び目的地が設定入力されると、現在地の入力結果欄6021及び目的地の入力結果欄6022に入力結果が表示される。
図11及び図12を参照して、ユーザによる現在地の設定入力について説明する。図11及び図12は、情報処理端末200に表示される表示画面603〜表示画面606である。
図11の表示画面603は、利用者が現在地を設定入力するためのメニュー一覧6030の一例である。表示画面604は、表示画面603のメニュー一覧で「のりば」が選択された場合に表示される選択画面の一例である。表示画面605は、表示画面603のメニュー一覧で「のりば」が選択された場合に表示される選択画面の別の一例である。表示画面606は、表示画面603のメニュー一覧で「地図から探す」が選択された場合に表示される地図の一例である。
図11の表示画面603のメニュー一覧6030には、利用者の入力を簡便にするための複数の選択欄6031が表示される。選択欄6031には、例えば、「改札」、「のりば(ホーム、階段口)」、「店舗」、「地図から探す」、「現在地から探す」などの選択項目が表示される。利用者は、自身が改札やホームなどにいる場合に「改札」や「のりば(ホーム、階段口)」を選択したり、自身のいる位置がわからない場合には、「現在地から探す」を選択したりする。
なお、利用者により「現在地から探す」が選択されなくても、情報処理端末200の現在地測位機能により現在地を取得して、表示画面601の現在地の設定入力欄6011に表示させるようにしてもよい。
図11の表示画面604は、表示画面603のメニュー一覧6030において、利用者が「のりば(ホーム、階段口)」を選択した場合ののりばの選択画面6040である。のりばの選択画面6040には、のりばの番号(1、2)とともに、列車の名称(A線)や該列車の進行方向(a方面)などが表示される。選択画面6040において利用者により選択された「のりば」の情報が、図10の表示画面602の現在地の入力結果欄6021に表示される。
また、最近では、改札内に複数の店舗が存在している場合もあるため、表示画面603のメニュー一覧6030において利用者が「のりば(ホーム、階段口)」を選択した場合に、図12の表示画面605に示すように、利用者がホームにいるのか改札内の店舗にいるのかを選択させる選択画面を表示させるようにしてもよい。
また、表示画面603のメニュー一覧6030において利用者が「地図から探す」を選択した場合には、図12の表示画面606に示すように、駅構内の地図などを表示させてもよい。また、表示画面603のメニュー一覧6030において利用者が「現在地から探す」を選択した場合には、現在地の位置情報を設定入力してもよいし、現在地の位置情報から取得可能なのりばや店舗の一覧を表示させて選択させるようにしてもよい。
続いて、図13〜図15を参照して、ユーザによる目的地の設定入力について説明する。図13〜図15は、情報処理端末200に表示される表示画面607〜表示画面612である。
図13の表示画面607は、利用者が目的地を設定入力するためのメニュー一覧6070の一例である。表示画面608は、表示画面607のメニュー一覧で「ロッカー」が選択された場合に表示される地図の一例である。表示画面609は、表示画面607のメニュー一覧で「店舗」が選択された場合に表示される選択画面の一例である。表示画面610〜表示画面612は、表示画面609のメニュー一覧で「カフェ・レストラン」が選択された場合に表示される選択画面の一例である。
図13の表示画面607のメニュー一覧6070には、利用者の入力を簡便にするための複数の選択欄6071が表示される。選択欄6071には、例えば、「改札」、「のりば」、「店舗」、「コインロッカー」、「トイレ」、「案内所」、「待合室」、「きっぷ売り場」などの選択項目が表示される。利用者は、目的地が含まれる選択項目を選択欄6071から選択する。
表示画面607のメニュー一覧6070において、利用者が「ロッカー」を選択した場合には、図13の表示画面608に示すように、ロッカーの位置を示した地図6080が表示される。利用者は、地図6080に表示されたロッカーの位置を示すマークを選択する。利用者により地図6080上で選択されたロッカーの位置が、図10の表示画面602の目的地の入力結果6022に表示される。
また、目的地が店舗であり、表示画面607のメニュー一覧6070において利用者が「店舗」を選択した場合には、図14の表示画面609に示すように、店舗の種類を示す選択画面6090が表示される。そして、店舗の選択画面6090から利用者により「カフェ・レストラン」が選択された場合には、図14の表示画面610に示すように、「カフェ・レストラン」の選択画面6100が表示される。
また、図14の表示画面610において、「カフェ・レストラン」を店舗名から探すか、地図から探すかを選択させる選択釦6101を表示させてもよい。目的地となる「カフェ・レストラン」を地図から検索させる場合には、図15の表示画面611に示すように、「カフェ・レストラン」の位置を示した地図6112を表示させてもよい。利用者は、地図6112に表示されたカフェまたはレストランの位置を示すマークを選択する。利用者により地図6112上で選択された「カフェ・レストラン」の位置が、図10の表示画面602の目的地の入力結果6022に表示される。
また、表示画面611の地図6112上で利用者によりカフェまたはレストランの位置を示すマークが選択された場合に、表示画面612に示すように、選択されたカフェまたはレストランの詳細情報が表示されるようにしてもよい。利用者は、「店舗状況」釦6123を選択して当該店舗の混雑状況を確認したり、「ここに行く」釦6124を選択して当該カフェまたはレストランを目的地として選択したりすることができる。
図9に戻り、次に、ルート検索部103は、ステップS101で設定された現在地及び目的地の情報をもとに、案内候補経路を検索する(S102)。具体的に、ルート検索部103は、ノード情報113及びリンク情報114を参照して、現在置と目的地のノードを検索し、ノードに接合するリンクを検索する。
続いて、誘導施設検索部104は、ステップS102で検索された案内候補経路上にある誘導施設を検索する(S103)。具体的に、誘導施設検索部104は、誘導施設情報115を参照して、案内候補経路上に存在する誘導施設の情報を検索する。また、誘導施設検索部104は、案内候補経路上には存在しないが、案内候補経路に含まれるリンクの情報と、サインの表示方向などに基づいて、リンクの延長先に存在する誘導施設を抽出する。
続いて、主要サイン情報検索部105は、ステップS102で検索された案内候補経路上に存在する主要サインの情報を検索する(S104)。具体的に、主要サイン情報検索部105は、案内候補経路上にあって、誘導施設検索部104により検索された誘導施設の名称を含み、ノード上に存在し、利用者の進行方向とサインの進行方向とが一致しているなどの条件に合致する主要サインを検出する。なお、当該条件は、予め管理者により設定され、誘導施設や主要サインの設置状況に応じて変更してもよい。
そして、主要サイン情報検索部105は、案内候補経路上に上記の条件に合致する主要サインが存在するかを判定する(S105)。ステップS105において、案内候補経路上に主要サインが存在しないと判定された場合には、ステップS102に戻り、再度案内候補経路を検索する。一方、ステップS105において、案内候補経路上に主要サインが存在する場合には、ステップS106以降の処理を実行する。
また、ステップS102において、複数の案内候補経路が検索された場合に、検索されたすべての案内候補経路に対して、ステップS103の誘導施設検索処理及びステップS104の主要サイン情報検索処理を実行してもよい。この場合、主要サイン情報検索部105は、存在する主要サインの数が多い案内経路候補を優先的に選択したり、目的地に近い主要サインが存在する案内経路候補を優先的に選択したりしてもよい。
そして、通常サイン情報検索部106は、ステップS102で検索された案内候補経路上に存在する通常サインの情報を検索する(S106)。具体的に、通常サイン情報検索部106は、案内候補経路上にあって、利用者の進行方向とサインの進行方向とが一致している通常サインを検出する。
そして、表示画面生成部107は、主要サイン及び通常サインの検索結果をもとに情報処理端末200に表示させる表示画面を生成する(S107)。ここで、図16〜図18を参照して、情報処理端末200に表示させる、主要サイン及び通常サインを用いた経路案内表示について説明する。
図16に、情報処理端末200に表示される表示画面613を示す。表示画面613は、主要サイン及び通常サインを用いた経路案内表示の一例である。図16では、利用者を現在地として設定された改札内ののりばから、目的地として設定された所定のコインロッカーまでの経路を案内する場合を示す。
図16に示すように、表示画面613において、現在地であるのりばから目的地であるコインロッカーまでの経路の概要を利用者が把握可能なように表示する。すなわち、現在地または現在地付近に存在する主要サインに対応する表示6132、目的地までに通過する主要サインに対応する表示6135、目的地または目的地付近に存在する主要サインに対応する表示6137及び6139を表示画面613に順に表示する。
例えば、利用者は、表示画面613に表示された経路案内表示により、A線のりばからコインロッカーの先にY改札のサインを目標に移動すればよいことがわかる。そして、A線のりばからX改札まで3分程まっすぐ進み、X改札は出ずに右に曲がり2分程移動し、Y改札の手前にコインロッカーがあることを把握する。
また、主要サイン間の移動時間や主要サイン間の利用者が取るべき行動の情報を示す表示6133を表示してもよい。また、主要サイン間を階段で移動するかなどの主要サイン間の状態を示す表示6138を表示してもよい。このように、経路案内を開始する際に最初に表示される表示画面613に、現在地から目的地までに通過する主要なポイントを表示させるとともに、経路上の状態や利用者の行動を示す情報を表示することにより、利用者を容易に目的地まで誘導することが可能となる。
また、図16の表示画面613において、利用者により通過釦6134が選択されると、図17の表示画面615の通過経路の詳細情報が表示される。表示画面615では、例えば、A線の乗り場からX改札までに通過するサインに対応する表示6153が表示される。例えば、A線の乗り場からX改札までに、B線(b方面)、C線(c方面)、D線(d方面)、E線(e方面)、F線(f方面)の乗り場を経由する場合には、各乗り場のサインに対応する表示が順に表示される。
このように、表示画面615上にサインに対応する表示がなされることにより、利用者は、表示画面の地図等で自身の位置や周囲を確認せずとも、表示画面615を視認した後、実際の乗り場の案内版等を辿りながら、次のポイントに辿り着くことができる。これにより、スマートフォン等の表示画面を見ながら歩くいわゆる「歩きスマホ」による事故やトラブルを防止して、安全に利用者を目的地まで誘導することができる。さらに、表示画面上のサインに対応する表示を、実際のサインの表示と同様の形状や色とすることで、より利用者が実際のサインを見つけ易くするようにしてもよい。
また、図16の表示画面613において、利用者により地図釦6136が選択されると、図17の表示画面616の地図6163が表示される。表示画面616は、X改札から目的地であるコインロッカーまでの経路を含む地図6163を示す表示画面である。利用者は、地図6163を視認することにより、X改札からコインロッカーまでの経路を直観的に把握することができる。
また、目的地であるコインロッカーに対応する主要サインがない場合には、当該コインロッカー付近にある主要サインを表示させてもよい。例えば、目的地であるコインロッカーの先に主要サインが設置されているY改札がある場合には、図16の表示画面613に示すように、コインロッカーの先にY改札のサインがあることを示す表示6139を表示してもよい。このように、所定の店舗やコインロッカーや手洗いなどのように、固有名称が付されたサインが設置されていない場合、すなわち、目的地に対応する主要サインが存在しない場合には、目的地付近の主要サインを利用者に提示する。これにより、実際に設置されたサインを利用して、利用者を確実に目的地まで近づけ、誘導することが可能となる。
また、利用者が目的地まで辿り着いたのちに、続けて次の目的地までの経路を検索したり、経路案内の途中で目的地を変更したりすることも可能である。この場合、利用者は、図16の表示画面6130の「続けて検索」釦6140や、「行先変更」釦6141を選択する。
図18に、図16の表示画面6130の「続けて検索」釦6140が選択された場合の表示画面617及び表示画面618を示す。表示画面617は、最初の目的地(コインロッカー)から次に設定された目的地(S線のりば)までの経路を案内するための表示画面である。案内経路上に主要サインが存在しない場合には、通過ポイントに対応する写真6172を表示させてもよい。
例えば、利用者は、表示画面617に表示された経路案内表示により、コインロッカーからS線のりばまで、3分程まっすぐ進み、十字路で右に曲がり2分程移動したところにS線のりばがあることを把握する。このとき、右折する十字路に対応する写真6172を表示することにより、利用者が右折するポイントを直感的に把握することが可能となる。
また、図18の表示画面618に示すように、目的地であるS線における列車の遅延情報6184等を表示させてもよい。このように、経路案内の情報とともに、経由地や目的地に関連する情報を提示することで、表示画面を切り替えたりせずとも、利用者が所望する情報をまとめて提供することが可能となる。
(1−5)本実施の形態の効果
本実施の形態によれば、利用者により設定された現在地及び目的地から案内経路を検索し、当該案内経路上の物理的なサインを検索し、案内経路上に誘導施設の名称等を含む主要サインが存在する場合に、当該主要サインに対応する表示を順に表示画面に表示させる経路案内表示画面を生成する。また、主要サイン以外に、利用者を誘導可能な通常サインが経路案内上に存在する場合には、当該通常サインも順に表示させる。これにより、利用者は、表示画面の地図等で自身の位置や周囲を確認せずとも、表示画面を視認した後、実際の乗り場の案内版等であるサインを辿りながら目的地に着くことができ、既存の目印を利用して、利用者に容易に経路を把握させ安全に目的地まで誘導することが可能となる。
(2)第2の実施の形態
利用者の移動経路は、地図データシステムでデータ化された経路に比べ自由度があるため、必ずしもデータ化された経路を正確に移動しないことが多い。そこで、利用者を目的地まで誘導する際に、利用者の移動経路を考慮して誘導を補助する必要がある。本実施の形態では、利用者の誘導を容易にするために、目的地までの経路検索結果を修正する点で第1の実施の形態と異なっている。以下では、経路検索結果を修正する処理を、案内経路を整形する整形処理と称して説明する。以下では、第1の実施の形態と同様の構成について説明を省略し、第1の実施の形態と異なる構成について詳細に説明する。
(2−1)サーバ装置及び情報処理端末の機能構成
図19は、本実施の形態にかかる経路案内システムの一例である。本実施の形態にかかる経路案内システムは、第1の実施の形態と同様に、案内経路及びサイン誘導結果を検索するが、さらに、利用者の誘導を補助するように検索した案内経路を整形している。具体的に、図19に示すように、サーバ装置100は、ルート整形部108及び整形補助情報117を備える点で第1の実施の形態と異なっている。以下、異なる構成について詳細に説明する。
ルート整形部108は、案内経路および案内経路に対応付けられたサイン誘導結果を受け取ると、整形補助情報117に含まれる整形補助条件テーブル508を参照して、アクションメッセージを算出し、アクションメッセージをサイン誘導結果に付与する。具体的に、ルート整形部108は、受け取ったサイン誘導結果が整形補助条件テーブル508の整形補助条件に該当するかを判定して、条件に該当する場合に案内経路の整形処理を行う。
上記図16〜図18に示すように、検索により得られたサインと交差点の情報は、表示画面に順に出力されるが、交差点とサインの位置関係が明確でなかったり、小規模な角を右に左に曲がる旨を出力してしまったりする場合がある。ルート整形部108は、案内経路の整形処理を実施することにより、サインと交差点の関係をアクションメッセージとして繋いだり、利用者にとって重要でない曲がり角の情報を表示画面に出力させないようにしたりする。
図20に、整形補助条件テーブル508の一例を示す。整形補助条件テーブル508は、ルート整形部108が、案内経路を整形するかを判定するために利用する条件テーブルである。図20に示すように、整形補助条件テーブル508には、整形項目5080、整形条件5081、整形処理5082及びメッセージ内容5083が対応付けられている。
整形項目5080は、対象となる変数を示し、例えば、リンク長、サインとリンク端の距離または位置関係などの変数を示す。整形条件5081は、対象となる変数の判定条件を示し、変数と予め定められた値との関係を示す式を示す。整形処理5082は、対象となる整形項目が整形条件に該当する場合の処理方法を示し、案内経路を表示するか否か、メッセージを出力するか否かの情報を示す。メッセージ内容5083は、整形処理の出力にあたって文字列を用いる際に、予め設定された出力すべき文字列を示す。
図21に、整形結果を保存するサイン誘導結果情報テーブル507の一例を示す。図8に示すサイン誘導結果情報テーブル507とは、アクションメッセージ5075が追加されている点で異なるが、その他の項目は同様であるため詳細な説明は省略する。アクションメッセージ5075は、サイン表示に対応付けられて保存される。ルート整形部108は、整形処理を実施した結果、作成したメッセージをサイン表示と対にしてアクションメッセージ領域5075に保存する。
(2−2)ルート整形処理の詳細
次に、図22を参照して、ルート整形部108により実行されるルート整形処理の詳細について説明する。図22に示すように、ルート整形処理部108は、案内候補経路を受取って(S201)、案内候補経路に対応付られたサイン誘導結果を受取る(S202)。
そして、ルート整形処理部108は、ステップS201で受け取った案内候補経路から案内候補経路に含まれる次リンクを読み込む(S203)。上記したように、リンクとは、交差点や分岐点を接続する道や通路などを意味し、ステップS203において、ノードに接合する次のリンクの読み込みを行う。
ルート整形処理部108は、ステップS203の次リンクの読み込みの結果、リンクがあるかを判定する(S204)。ステップS204において、リンクがあると判定された場合には、ルート整形処理部108は、整形補助条件テーブル508の整形補助条件を読み込み(S205)、リンクの内容が、整形補助条件の整形項目5080及び整形条件5081に該当するか判定する(S206)。一方、ステップS204において、リンクがないと判定された場合には、ルート整形処理部108は、処理を終了する。
ステップS206において、整形補助条件に該当すると判定された場合には、ルート整形処理部108は、該当する整形補助条件の整形処理5082を行う(S207)。具体的に、ルート整形処理部108は、サイン間で利用者が取るべき行動の情報の表示を抑止したり、サインと交差点の関係を示すメッセージを出力したりする。ステップS206において、整形補助条件に該当しない場合には、ルート整形処理部108は、ステップ203の処理に戻る。ルート整形処理部108は、ステップS206の整形判定及びステップS207の整形処理をリンク毎に実行し、次に読み込むリンクがなくなった場合に処理を終了する。
次に、図23を参照して、上記整形処理によりサイン誘導結果を整形した例について説明する。表示例621は、表示画面に表示される地図上のサイン及び案内経路の一例である。表示例622は、データ化された地図にて起点/終点を検索した結果得られた誘導経路を図示したものである。表示例621に示すように、整形処理を実施しない場合には、検索した結果得られたサインと交差点の情報が順に出力される。
しかし、表示例622では、交差点の情報とサインの位置関係が明確ではなかったり、小規模な角を右に左に曲がる旨が出力してしまっている。表示例623は、ルート整形処理部108による整形処理が実施された結果の一例を示す。表示例623では、例えば、「サイン1」と「左に曲がる。」との関係が明確になるように、「サイン1付近を左に曲がる。」と整形して出力されている。また、実際の経路では、交差点が存在し、「右に曲がる」「左に曲がる」とのメッセージが出力されるが、これらの交差点の間隔が短かかったり曲がる角度が小さかったりするため、利用者にとって重要ではない。そこで、表示例623では、重要ではない交差点の情報である「右に曲がる」「左に曲がる」との表示が抑止される。
このように、本実施形態における整形処理が実施されることにより、サインと交差点の関係をアクションメッセージとして繋いだり、また利用者にとって重要でない曲がりを出力から省いたりすることが出来、利用者を目的地まで誘導する際に、利用者の移動経路を考慮して誘導を補助することが可能となる。
(3)第3の実施の形態
上記した経路検索後に、利用者が提示されたルートとは異なるルートを誤って移動した場合、利用者は現在位置および進行方向を誤って認識している場合が想定される。本実施の形態では、このように、利用者がルートを誤って移動した場合に、ルートを修正するための修正ルートを表示する。
図24及び図25を用いて詳細に説明する。以下では、第1の実施の形態と異なる構成について特に詳細に説明する。
図24に示すように、本実施の形態にかかる経路案内システムは、サーバ装置100に周辺サイン情報検索部109及び修正ルート表示画面生成部110が備えられ、情報処理端末200に計測部204、経路判定部205、ルート周辺検索部206及び修正ルート表示部207を備える点で第1の実施の形態と異なる。
計測部204は、所定の周期もしくは利用者の操作により、情報処理端末200の現在位置を計測する。経路判定部205は、現在位置がルート検索結果から離れた場所にいるかを判定し、判定結果をルート周辺検索部206に通知する。ルート周辺検索部206は、経路判定部205により現在位置から離れていることを示す判定結果を通知されると、現在位置情報を入力条件として、サーバ装置100に周辺サイン情報を問い合わせる。
サーバ装置100の周辺サイン情報検索部109は、情報処理端末200から現在位置情報を受け取ると、現時位置情報の近傍にあるサイン情報を、進行方向か否かに関わらず検索し、検索結果を修正ルート表示画面生成部110に通知する。修正ルート表示画面生成部110は、現在位置の周辺にあるサイン情報が設置向きに沿うような表示画面を生成する。
図25に、上記修正ルート表示画面生成部110により生成され、情報処理端末200に出力される表示画面630の一例を示す。現在位置付近サイン情報6302で、現在位置と、現在位置周辺に設置されているサインを、実際にサインの向きや配置に沿うように表示させる。これにより、移動経路を誤った利用者は、現在の位置からどの方向に再度進むべきかを表示画面で確認して、次のサイン6303を目印に移動することが可能となる。