JP2015107292A - 遊技機 - Google Patents

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Masahito Okano
雅人 岡野
園田 欽章
Yoshiaki Sonoda
欽章 園田
亀井 欽一
Kinichi Kamei
欽一 亀井
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Abstract

【課題】遊技の興趣を高めることが可能な開口部を備える遊技機を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、遊技領域の始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき実行される変動表示ゲームの結果が特定の結果となる場合に特定の遊技価値を付与可能な遊技機において、遊技球が転動可能な転動面に開口可能に設けられ、開状態のときに遊技球が流入可能な開口部と、前記開口部を閉状態から開状態に切り替え可能であり、前記開口部が閉状態のときは前記転動面として機能する開閉部材と、前記開口部に流入した遊技球が取り込まれる凹室と、を備え、前記開閉部材は、当該開閉部材の前端側及び後端側のどちらか一側が他側を軸に回動することで前記開口部を閉状態から開状態に切り替えることを特徴とする。
【選択図】図80

Description

本発明は、開口部を閉状態から開状態に切り替え可能な開閉部材を有する遊技機に関する。
従来から、開閉部材を閉状態から開状態に変換することで、遊技球を取り込み可能とする開口部を備えた遊技機が多く提案されている。
このような遊技機には、スライド式のシャッター部材(スライド部材)を備え、スライド部材が開口部を閉鎖する閉鎖位置から開放する開放位置に変換することで、開口部への遊技球の流入を可能にしたものある(特許文献1参照)。
特開2013−165832号公報
しかしながら、特許文献1の記載の遊技機では、スライド部材が前後方向にスライド移動するため、遊技者は前方から開口部の開閉を視認することが困難であり、遊技の興趣が乏しい。
本発明は、上記した問題点に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣を高めることが可能な開口部を備える遊技機を提供することを目的とする。
本発明は、遊技領域の始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき実行される変動表示ゲームの結果が特定の結果となる場合に特定の遊技価値を付与可能な遊技機において、遊技球が転動可能な転動面に開口可能に設けられ、開状態のときに遊技球が流入可能な開口部と、前記開口部を閉状態から開状態に切り替え可能であり、前記開口部が閉状態のときは前記転動面として機能する開閉部材と、前記開口部に流入した遊技球が取り込まれる凹室と、を備え、前記開閉部材は、当該開閉部材の前端側及び後端側のどちらか一側が他側を軸に回動することで前記開口部を閉状態から開状態に切り替えることを特徴とする。
ここで、開口部及び開閉部材は、それぞれ第7実施形態の変形例3の特別変動入賞装置ユニット800における第1特別変動入賞装置27の第1大入賞口及び開閉扉27aである。また、凹室は、第7実施形態の変形例3の特別変動入賞装置ユニット800における球見せ凹室271である。
本発明によれば、遊技者は開口部の開閉を容易に視認できるので、遊技の興趣を高めることができる。
第1実施形態の遊技機の正面図である。 第1実施形態において右斜め上方から見た時の遊技機の斜視図である。 第1実施形態の遊技機の裏面図である。 第1実施形態のセンターケースを取り付けた状態の遊技盤の正面図である。 第1実施形態の遊技制御装置の構成を示すブロック図である。 第1実施形態の演出制御装置の構成を示すブロック図である。 第1実施形態の可動役物の動作態様を示す図である。 第1実施形態の可動役物の動作に対応して変化する表示領域を示す図である。 第1実施形態の可動役物の動作態様のバリエーションを示す図である。 第1実施形態において左斜め上方から見た時の遊技機枠の斜視図である。 第1実施形態において左斜め上方から見た時の側方伝播装飾装置の分解斜視図である。 第1実施形態の突出演出ユニットを外した状態のクリア部材保持枠の右側部の正面図である。 第1実施形態のカバーレンズ部材及び内側レンズ部材を外した状態の側方伝播装飾装置を示す図である。 第1実施形態の内側レンズ部材の側面図である。 第1実施形態の突出演出ユニットの横断面図である。 第1実施形態の突出演出ユニットの側方伝播装飾装置の演出態様の一例を示す図である。 第1実施形態の一括表示装置(特図/普図LED基板)を示す図である。 第1実施形態の一括表示装置を制御する遊技制御装置の外観を示す図である。 第1実施形態の特図1/特図2表示器の表示態様を説明する図である。 第1実施形態の7セグLEDによって変動中を示す表示態様の変形例1を示す図である。 第1実施形態の7セグLEDによって変動中を示す表示態様の変形例2を示す図である。 第1実施形態の一括表示装置における特図表示器以外の出力態様を説明する図である。 第1実施形態の一括表示装置における特図表示器以外の出力態様を説明する図である。 第1実施形態の特図表示器と特図保留表示部の更新周期タイミングについて説明する図である。 第1実施形態の特図表示器を構成する7セグLEDを説明する図である。 第1実施形態の一括表示装置に接続される遊技制御装置の一括表示用コネクタを説明する図である。 第1実施形態の一括表示コネクタの各ピンと、一括表示装置を構成する各端子との接続を示す図である。 第1実施形態の変形例1の一括表示装置を示す図である。 第1実施形態の変形例2の一括表示装置を示す図である。 第1実施形態の遊技制御装置によって実行されるメイン処理の前半部のフローチャートである。 第1実施形態の遊技制御装置によって実行されるメイン処理の後半部のフローチャートである。 第1実施形態の遊技制御装置によって実行されるタイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。 第1実施形態の遊技制御装置によって実行されるセグメントLED編集処理の手順を示すフローチャートである。 第1実施形態の一括表示装置の確認表示の一例を説明する図である。 第1実施形態の一括表示装置に含まれる7セグLEDの確認表示の変形例を説明する図である。 第1実施形態の一括表示装置に含まれる単体のLEDの確認表示の変形例を説明する図である。 第1実施形態の大当り終了後の遊技モード遷移を示す図である。 第1実施形態の大当り終了後の演出表示の一例を示す図である。 第1実施形態の大当り終了後の演出表示の一例を示す図である。 第1実施形態の大当り終了後の演出表示の一例を示す図である。 第1実施形態の表示装置における携帯連動操作の画面表示の一例を示す図である。 第2実施形態の遊技制御装置の構成を示すブロック図である。 第2実施形態の表示装置における大入賞口開放の演出例を示す図である。 第2実施形態の表示装置における大入賞口開放の演出例を示す図である。 第2実施形態の表示装置における大入賞口開放タイミングチャレンジの演出例を示す図である。 第2実施形態の大当り遊技における大入賞口の開放タイミング及び演出ボタンの操作タイミングを示すタイムチャートである。 第2実施形態の大入賞口開放開始処理の手順を示すフローチャートである。 第3実施形態のセンターケースを取り付けた状態の遊技盤の正面図である。 第3実施形態の遊技制御装置の構成を示すブロック図である。 第3実施形態の第1特別変動入賞装置の構成について説明する図である。 第3実施形態の第1特別変動入賞装置の可動部材の動作タイミングについて説明するタイムチャートである。 第3実施形態の第1特別変動入賞装置の装飾被覆部材の別パターンを示す図である 第3実施形態の第1特別変動入賞装置の球見せ凹室の別パターンを示す図である。 第3実施形態の変形例の第1特別変動入賞装置の構成について説明する図である。 第3実施形態の変形例の第1特別変動入賞装置の構成の詳細構造について説明する図である。 第3実施形態の変形例の遊技制御装置の構成を示すブロック図である。 第3実施形態の変形例のアウト口のアウト口スライド部材及び第1特別変動入賞装置の可動部材の動作タイミングについて説明するタイムチャートである。 第3実施形態の変形例の大当り遊技中の画面表示例である。 第3実施形態の変形例の第1特別変動入賞装置の別パターンの構成について説明する図である 第4実施形態のセンターケースを取り付けた状態の遊技盤の正面図である。 第4実施形態の遊技制御装置の構成を示すブロック図である。 第4実施形態の第1特別変動入賞装置の構成について説明する図である。 第4実施形態の変形例1の第1特別変動入賞装置の構成について説明する図である。 第4実施形態の変形例2の第1特別変動入賞装置の構成について説明する図である。 第5実施形態のセンターケースを取り付けた状態の遊技盤の正面図である。 第5実施形態の第1特別変動入賞装置において、遊技盤の裏側に演出役物を配設する場合の構成について説明する図である。 第5実施形態の第1特別変動入賞装置において、遊技盤の表側に演出役物を配設する場合の構成について説明する図である。 第6実施形態の仕様1の特別変動入賞装置において開閉扉が開状態の場合を示す図である。 第6実施形態の仕様2の特別変動入賞装置の構造を示す図であり、大入賞口左側で遊技球を検出する場合の図である。 第6実施形態の仕様2の特別変動入賞装置の構造を示す図であり、大入賞口右側で遊技球を検出する場合の図である。 第6実施形態の仕様2の凹室構成部材及び壁段部構成部材を示す図である。 第6実施形態の仕様3の大入賞口の構造を示す図である。 第6実施形態の仕様4の大入賞口の凹室構成部材の構造を示す図である。 第6実施形態の仕様1の大入賞口を適用した特別変動入賞装置について説明する図である。 第7実施形態のセンターケースを取り付けた状態の遊技盤の正面図である。 第7実施形態の遊技制御装置の構成を示すブロック図である。 第7実施形態の特別変動入賞装置ユニットの斜視図である。 第7実施形態の特別変動入賞装置ユニットの正面図である。 第7実施形態の特別変動入賞装置ユニットの下経路の構造について説明する図である。 第7実施形態の変形例1の特別変動入賞装置ユニットについて説明する図である。 第7実施形態の変形例2の特別変動入賞装置ユニットのアウト口の配置について説明する図である。 第7実施形態の変形例3の特別変動入賞装置ユニットについて説明する図である。 第7実施形態の装飾レンズユニットの構造図である。 第7実施形態の装飾レンズユニットの分解斜視図である。 第7実施形態の上部レンズ構成体の全体図である。 第7実施形態の上部レンズ構成体の分解斜視図である。 第7実施形態の変形例の上部レンズ構成体について説明する図である。 第7実施形態の下部レンズ構成体の分解斜視図である。 第7実施形態の下部レンズ構成体の下部レンズカバー(下側)の内部構造を説明する図である。
(第1実施形態)
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、遊技機1の説明における前後左右とは、遊技中の遊技者から見た方向を指すものとする。
〔遊技機全体図〕
図1及び図2を参照して、本発明の実施形態による遊技機1について説明する。図1は、遊技機1の正面図である。図2は、右斜め上方から見た時の遊技機1の斜視図である。
遊技機1は島設備に固定される本体枠2に、ヒンジ16を介して開閉回動自在に取り付けられる開閉枠3を備える。開閉枠3は、前面枠4及びクリア部材保持枠5によって構成されている。
前面枠4には、遊技領域21を有する遊技盤20(図4参照)が交換可能に配設されるとともに、遊技盤20の前面を覆うクリア部材5aを備えたクリア部材保持枠5が取り付けられる。ここで、クリア部材5aは、ガラス、アクリル、ポリカーボネイト等の透明部材である。このように、クリア部材5aは、遊技盤20に形成される遊技領域21(図4参照)を視認可能とする遊技視認領域として機能する。
前面枠4及びクリア部材保持枠5は、それぞれ個別に開放することが可能となっている。例えば、クリア部材保持枠5のみを開放することで、遊技盤20の遊技領域21にアクセスすることができる。また、前面枠4をクリア部材保持枠5が開放されていない状態で開放することで、遊技盤20の裏面側に配設された遊技制御装置100(図5参照)等にアクセスすることができる。
クリア部材保持枠5のクリア部材5a周囲の縁部分には、種々の枠構成部材が配設されている。
クリア部材保持枠5の上部及び左側部には、遊技状態に応じて発光演出可能な装飾装置6,7が配設されている。装飾装置6,7は、内部にLED等の照明部材を収容しており、遊技状態に応じた発光演出を行う。これら装飾装置6,7の内部に配設される照明部材は、枠装飾装置171(図6参照)の一部を構成している。
クリア部材保持枠5の上右角部分及び上左角部分には、上スピーカ8aがそれぞれ配設される。これら上スピーカ8aとは別に遊技機1の下部には、2つの下スピーカ8bが設けられている。下スピーカ8bは、クリア部材保持枠5の下左角部分及び前面枠4の下右角部分に配設されている。これら上スピーカ8a及び下スピーカ8bは、効果音や警報音、報知音等を発するものである。
遊技機1で発生する異常には、遊技機1の故障及び不正行為の実施等が含まれる。不正行為には、例えば、発射された遊技球の軌道を磁石によって不正に操作する行為や遊技機1の始動口スイッチ等に対して電波を発振する行為等が含まれる。これらの不正行為は、磁気センサ29a(図5参照)によって磁気を検出したり、電波センサ29b(図5参照)によって電波を検出したりすることで検知される。
また、不正に前面枠4やクリア部材保持枠5を開放する行為も不正行為に含まれる。前面枠4の開閉状態は前面枠開放検出スイッチ4e(図5参照)によって検出され、クリア部材保持枠5の開閉状態はクリア部材保持枠開放検出スイッチ5d(図5参照)によって検出される。
クリア部材保持枠5の右側部には、遊技機1の上下方向に延設されるとともに、前方(遊技者側)に向かって突出する突出演出ユニット200が配設されている。突出演出ユニット200は、遊技の進行状態に応じて発光演出等を行う演出装置である。突出演出ユニット200の内部に配設される照明部材も枠装飾装置171(図6参照)の一部を構成している。
クリア部材保持枠5の下部には、遊技球を貯留可能な上皿12を有する上皿ユニット11が取り付けられている。上皿12は、上面が開口した箱状に形成されている。上皿12に貯留されている遊技球は、前面枠4の下部に設けられる発射装置(図示省略)に供給される。
上皿ユニット11は、遊技者からの入力操作を受け付ける演出ボタン13と、遊技状態に応じて発光演出等を行う上皿伝播装飾装置250と、遊技者からの入力操作を受け付ける球貸操作装置300と、遊技機1の左下角に位置する下スピーカ8bと、をさらに備える。
演出ボタン13は、遊技者が操作しやすいように上皿ユニット11の上部中央に設けられる。演出ボタン13は、押しボタンの他にタッチパネル機能が組み込まれた操作装置であり、さらに上皿伝播装飾装置250の発光演出の一端を担って発光機能も有している。
遊技者が演出ボタン13を操作することによって、表示装置30(図6参照)に表示される特図変動表示ゲーム等において遊技者の操作を介入させた演出を行うことができる。例えば、演出パターン(演出態様)を選択したり、始動記憶に対応する変動表示ゲームの結果を事前に予告する予告演出を実行したりすることができる。なお、変動表示ゲームには特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲームが含まれ、単に変動表示ゲームとした場合には、本明細書では特図変動表示ゲームを指すものとする。
また、変動表示ゲームの実行中だけでなく、非実行中に遊技者が演出ボタン13を操作することによっても演出パターンを変更するようにしてもよい。
なお、変動表示ゲームが実行される際の遊技状態は、複数の遊技状態からなる。通常遊技状態(通常状態)とは、特別な遊技状態が発生していない遊技状態である。また、特別な遊技状態とは、例えば特定遊技状態(普電サポート状態又は時短状態)や変動表示ゲームにおいて特別結果(大当り)の発生確率が高い状態(確変状態)、大当り状態(特別遊技状態)である。
ここで、確変状態は、次の大当りが発生するまで継続するもの(ループタイプ)、所定回数の変動表示ゲームが実行されるまで継続するもの(回数切りタイプ)、及び所定の確率転落抽選に当選するまで継続するもの(転落抽選タイプ)等がある。
さらに、確変状態を発生させるか否かを大当り図柄乱数によって決定せずに、大当りが発生した場合に必ず確変状態を発生させるようにしてもよいし、特定領域を備える入賞装置等を設け、特定領域を遊技球が通過した場合に確変状態を発生させるようにしてもよい。
上皿伝播装飾装置250は、遊技状態に応じて発光演出等を行う装置であって、上皿ユニット11の前側部分に設けられている。
球貸操作装置300は、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する操作装置であって、上皿ユニット11の上部右側に設けられている。球貸操作装置300は、球貸ボタン301と、返却ボタン302と、残高表示部303と、を備えている。球貸ボタン301は遊技球を借りる場合に遊技者が操作するボタンであり、返却ボタン302は台間装置のカードユニット(図示省略)からプリペイドカード等を排出させる場合に遊技者が操作するボタンである。残高表示部303は、プリペイドカード等の残高が表示される表示領域である。
上記した上皿ユニット11等を備えるクリア部材保持枠5の下方であって、前面枠4の下部には、遊技球を貯留可能な下皿10を有する下皿ユニット9が取り付けられている。下皿10は、上皿ユニット11に対して所定の間隔をあけて、上皿ユニット11の下方に配置されている。下皿10は、当該下皿10の底面を上下方向に貫通する球抜き穴10aと、球抜き穴10aを開閉するための開閉操作部10bと、を有している。遊技者が開閉操作部10bを操作して、球抜き穴10aを開くことによって、下皿10に貯留されていた遊技球を球抜き穴10aを通じて外部に排出することができる。
また、下皿ユニット9は、内部の発射装置の動作を制御するための発射ハンドル14と、遊技機1の右下角に位置する下スピーカ8bと、クリア部材保持枠5を施錠するための鍵穴部15と、をさらに備える。
発射ハンドル14は、前面枠4の右下部であって、右側の下スピーカ8bの下方に配置されている。遊技者が発射ハンドル14を回動操作することによって、発射装置は上皿12から供給された遊技球を遊技盤20の遊技領域21に発射する。発射装置から発射される遊技球の発射速度は、発射ハンドル14の回動操作量が大きくなるほど速くなるように設定されている。
〔遊技機裏面〕
図3を参照して、遊技機1の裏面側の構成について説明する。図3は、遊技機1の裏面図である。
遊技盤20の裏面には、遊技を統括的に制御する遊技制御装置100がスイッチベース180を介して配設されるとともに、遊技制御装置100から送信される演出制御指令に基づいて表示装置30(図6参照)等を制御する演出制御装置150がスイッチベース180の上方の制御ベース190を介して配設される。演出制御装置150の後方には、演出制御装置150の裏面全体及び遊技制御装置100の裏面上部を覆う保護カバー34が設けられる。遊技盤20が前面枠4に収納された状態においては、遊技盤20の裏面に配設された保護カバー34及び遊技制御装置100は、前面枠4の後方に突出する。
前面枠4の裏面上部には、島設備に設置された補給装置(図示省略)から補給される遊技球を貯留する上部タンク45とともに、貯留した遊技球を整列させて流下させるシュート部44を有する貯留ユニット43が配設される。貯留ユニット43は両側部に形成された取付部43aを介して前面枠4に固定される。
前面枠4の左側部の裏面には、上下方向に亘って貯留ユニット43のシュート部44を流下してきた遊技球を上皿12(図1参照)に払い出す払出ユニット41が配設される。
前面枠4の裏面下部には、遊技制御装置100から送信されるデータに基づいて払出ユニット41の動作を制御する払出制御装置410と、発射ハンドル14(図1参照)の回動操作に基づいて遊技球を発射する発射装置と、カードユニット等の台間装置(図示省略)と接続する台間中継基板191と、演出制御装置150と接続される演出制御中継基板192と、各種装置に電力を供給する電源装置450とが配設される。
〔遊技盤構成〕
図4を参照して、遊技機1に備えられる遊技盤20について説明する。図4は、遊技盤20の正面図である。
遊技盤20は、合板やプラスチック等からなる矩形状の遊技盤本体の表面に、区画部材としてのガイドレール21aを設けることで、略円形状の遊技領域21を区画形成している。そして、遊技領域21内に発射装置から遊技球を発射して遊技を行うようになっている。遊技領域21には、打球方向変換部材としての風車や多数の障害釘などが配設されており、発射された遊技球はこれらの打球方向変換部材により転動方向を変えながら遊技領域21を流下する。
遊技領域21の略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンターケース22が取り付けられている。センターケース22に形成された窓部の後方には、複数の識別情報を変動表示(可変表示)する変動表示ゲームの演出を実行可能なメイン表示画面31を有する表示装置30が配置されている。表示装置30は、例えば、液晶ディスプレイを備え、センターケース22の窓部を介して遊技盤20の前面側から表示内容が視認可能となるように配置される。なお、表示装置30は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、EL、CRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
メイン表示画面(メイン表示領域)31には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタが表示される。その他、メイン表示画面31には遊技の進行に基づく画像(例えば、大当り表示、ファンファーレ表示、エンディング表示等)が表示される。
また、メイン表示画面31の右上部及び右側部には、サブ表示装置(第2表示装置)としての上部表示装置60及び右部表示装置70が配設される。これらのサブ表示画面61及び71に、メイン表示画面31に表示可能な表示内容が表示されてもよい。
センターケース22の左側方の遊技領域21には、遊技球が通過した場合に普通図柄(普図)変動表示ゲームの始動条件を成立させる普図始動ゲート25が配設される。遊技領域21内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート25を通過すると、普図変動表示ゲームが実行される。
センターケース22の左下方の遊技領域21には3つの一般入賞口26が配置されており、センターケース22の右下方の遊技領域21には一つの一般入賞口26が配置されている。
また、センターケース22の左下方には、センターケース22の左下方の遊技領域21を流下する遊技球を受け入れ可能な受入口92aを有し、受け入れた遊技球をセンターケース22の下部に設けられるステージ部90に導くワープ通路92が設けられている。ステージ部90は、センターケース22の下部中央に左右方向に延設され、ワープ通路92を流下した遊技球が転動可能な転動面90aを有する。
ワープ通路92からステージ部90に導かれた遊技球は、転動面90a上を転動した後、ステージ中央部に設けられる案内連通路91を通って案内口91aから遊技領域21に排出されるか、又は転動面90a上に設けられる案内部90bから遊技領域21へと排出される。ここで、案内口91aは、第1始動入賞口23の直上方に配設されるのに対して、案内部90bは第1始動入賞口23の左右側にずれて配設されるため、案内口91aから排出される遊技球の方が案内部90bから排出される遊技球よりも第1始動入賞口23へ誘導される確率が高い。
センターケース22の下方の遊技領域21には、特図変動表示ゲームの開始条件を付与する第1始動入賞口(第1始動入賞領域)23が設けられ、その直下には第2始動入賞口(第2始動入賞領域)24が設けられる。第2始動入賞口24は、上側が逆「ハ」の字状に開いて、遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材24aを備える。遊技球が第1始動入賞口23又は第2始動入賞口24に入賞した場合には、特別図柄(特図)変動表示ゲームが実行される。
第2始動入賞口24の一対の可動部材24aは、通常時は遊技球の直径程度の間隔をあけた閉状態(遊技者にとって不利な入賞規制状態)を保持している。但し、第2始動入賞口24の上方には、第1始動入賞口23が設けられているので、可動部材24aが閉状態である場合には遊技球が第2始動入賞口24に入賞できないようになっている。
可動部材24aは、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合に、普電ソレノイド24b(図5参照)を介して逆「ハ」の字状に開いて、遊技球が第2始動入賞口24に流入しやすい開状態(遊技者にとって有利な入賞容易状態)に変化(変換)する。
なお、可動部材24aは、後述する遊技制御装置100によって制御される。遊技制御装置100は、確変状態や時短状態においては通常遊技状態に比べて入賞容易状態の発生頻度を高めたり、入賞容易状態の発生時間を長くしたりしており、このような状態を一般的には普電サポート状態という。
第1始動入賞口23と右側の一般入賞口26の間の遊技領域21には、第1大入賞口ソレノイド27b(図5参照)によって上端側が手前側に倒れる方向に回動することで第1大入賞口を開放するアタッカ形式の開閉扉27aを有する第1特別変動入賞装置27が設けられている。第1特別変動入賞装置27は、特図変動表示ゲームの結果によって第1大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に変換し、第1大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、第1大入賞口内には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段として下カウントスイッチ27d(図5参照)が配設されている。
また、センターケース22の左上部には、第2大入賞口ソレノイド28b(図5参照)によって回動することで第2大入賞口を開放する回動部28aを有する第2特別変動入賞装置28が設けられている。第2特別変動入賞装置28は、第1特別変動入賞装置27と同様に、特図変動表示ゲームの結果によって第2大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に変換し、第2大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、第2大入賞口内には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段として上カウントスイッチ28d(図5参照)が配設されている。
一般入賞口26、第1始動入賞口23、第2始動入賞口24、第1特別変動入賞装置27の第1大入賞口、及び第2特別変動入賞装置28の第2大入賞口に遊技球が入賞すると、払出制御装置410は、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球を払出ユニット41から上皿12に排出する。一般的には、大入賞口に入賞した際の賞球数(例えば15個)が最も多く、一般入賞口26(例えば10個)、始動入賞口(例えば3個)と続くが、第1大入賞口と第2大入賞口の賞球数や第1始動入賞口と第2始動入賞口の賞球数を異ならせても良い。
また、センターケース22の右上部には、ガイドレール21aに沿ってセンターケース22の右上方の遊技領域21を流下する遊技球が流入する振分装置80が配設されている。振分装置80は、遊技球の流入部に設けられる切換弁83によって、流入した遊技球を第1通過ゲート部81(第1特定領域、抽選ゲート)及び第2通過ゲート部82(第2特定領域、固定ゲート)のいずれか一方の流下ルートに誘導可能に設けられる。切換弁83は、演出制御装置150(図6参照)によって制御され、所定間隔(本実施形態では5秒)で振分状態が切り替えられる。
振分装置80は、変動表示ゲームにおいて特定の特別結果が導出された場合に、大当り状態におけるラウンド数を決定する。遊技球が抽選ゲート(第1通過ゲート部81)を通過した場合には、50/100の確率で5ラウンド又は15ラウンドが付与される。一方、遊技球が固定ゲート(第2通過ゲート部82)を通過した場合には、必ず10ラウンドが付与される。
したがって、遊技者は、確実に10ラウンド分の賞球が得られるように固定ゲート(第2通過ゲート部82)に振り分けられるときを狙って遊技球を発射したり、より多くの賞球を取得可能な抽選ゲート(第1通過ゲート部81)に振り分けられるときを狙って遊技球を発射したり、好みによって遊技者が大当り状態におけるラウンド数を選択することができる。すなわち、変動表示ゲームにおいて特定の特別結果が導出された場合には、遊技者が選択可能なラウンド数決定遊技(補助遊技)が実行される。
そして、第1通過ゲート部81及び第2通過ゲート部82を通過した遊技球は、振分装置80の下部に形成された排出通路84を通じて、センターケース22の右側方の遊技領域21に排出される。
また、第1通過ゲート部81には遊技球が第1通過ゲート部81を通過したこと検出する第1通過検出センサ81aが設けられており、第2通過ゲート部82には遊技球が第2通過ゲート部82を通過したこと検出する第2通過検出センサ82aが設けられている。
なお、第2始動入賞口24の下方の遊技領域21には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収するアウト口32が設けられている。
また、遊技領域21の外側であって遊技板20bの右下部には、特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム)及び普図変動表示ゲームを実行する一括表示装置50が設けられている。一括表示装置50は、現在の遊技状態等の情報を表示する表示部51〜59を備える。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、各特図変動表示ゲームの始動(保留)記憶数報知用の記憶表示部(特図1保留表示部53、特図2保留表示部54)と、普図変動表示ゲーム用の普図表示部(普図表示器)55と、普図変動表示ゲームの始動(保留)記憶数報知用の普図保留表示部56と、を有している。
また、一括表示装置50には、遊技機1の電源投入時から最初の大当りの発生まで大当りの確率状態が高確率状態となっていることを報知するための高確率表示部及び時短状態が発生すると点灯して時短状態の発生を報知する時短状態表示部からなる遊技状態表示部57と、大当り時の第1特別変動入賞装置27又は第2特別変動入賞装置28の開放時間及び開放回数を表示する開放パターン表示部58及び開放回数表示部59が設けられている。
次に、遊技機1における遊技の流れ、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームの詳細について説明する。
遊技機1では、遊技者により発射ハンドル14が操作されて発射装置から遊技領域21に向けて遊技球が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域21内の各所に配置された障害釘や風車等によって転動方向を変えながら遊技領域21を流下し、普図始動ゲート25、一般入賞口26、第1始動入賞口23、第2始動入賞口24、第1特別変動入賞装置27又は第2特別変動入賞装置28に入賞するか、遊技領域21の最下部に設けられたアウト口32へ流入し遊技領域21から排出される。そして、一般入賞口26、第1始動入賞口23、第2始動入賞口24、第1特別変動入賞装置27又は第2特別変動入賞装置28に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が払出ユニット41を介して上皿12に排出される。
普図始動ゲート25には、当該普図始動ゲート25を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ25a(図5参照)が設けられている。遊技球が普図始動ゲート25を通過すると、ゲートスイッチ25aによって検出され、普図変動表示ゲームが実行される。
普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われており当該普図変動表示ゲームが終了していない場合や、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって第2始動入賞口24が開放状態に変換されている場合に、遊技球が普図始動ゲート25を通過すると、普図始動記憶数が上限数未満ならば当該記憶数が加算(+1)される。
普図始動記憶には普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されており、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出される。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた普図表示部55で実行されるようになっている。普図表示部55は、普通識別情報(普図)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
普図始動ゲート25通過時に抽出された普図乱数値が当り値である場合には、普図表示部55に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、普電ソレノイド24b(図5参照)が駆動されることにより、可動部材24aが所定の時間(例えば0.3秒間)だけ開状態に変換され、第2始動入賞口24への遊技球の入賞が許容される。
遊技球の第1始動入賞口23への入賞及び第2始動入賞口24への入賞は、第1始動口スイッチ23d(図5参照)と第2始動口スイッチ24d(図5参照)によって検出される。第1始動入賞口23に入賞した遊技球は特図1変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数を限度に記憶されるとともに、第2始動入賞口24に入賞した遊技球は特図2変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数を限度に記憶される。
特図変動表示ゲームの始動入賞球の検出時には、大当り乱数値や大当り図柄乱数値、各変動パターン乱数値が抽出される。これら乱数値は、遊技制御装置100の特図保留記憶領域(RAMの一部)に特図始動入賞記憶として各々所定回数分(例えば最大で8回分)を限度に記憶される。特図始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の特図1保留表示部53や特図2保留表示部54に表示されるとともに、表示装置30のメイン表示画面31にも表示される。
遊技制御装置100は、第1始動入賞口23への入賞もしくは第1始動記憶に基づいて、特図1表示器51で特図1変動表示ゲームを実行する。また、遊技制御装置100は、第2始動入賞口24への入賞もしくは第2始動記憶に基づいて、特図2表示器52で特図2変動表示ゲームを実行する。
特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームは、特図1表示器51及び特図2表示器52において識別情報を変動表示した後に所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置30では、各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行される。
表示装置30における飾り特図変動表示ゲームは、前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示(スクロール表示)を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置30では、興趣向上のためにキャラクタの出現等の多様な演出表示が行われる。
第1始動入賞口23又は第2始動入賞口24への遊技球の入賞が所定のタイミングでなされた場合(入賞検出時の大当り乱数値が大当り値である場合)には、特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定の結果態様(特別結果態様)が導出され、大当り状態(特別遊技状態)となる。これに対応して、表示装置30の表示態様は特別結果態様(例えば「7,7,7」等の数字が揃った状態)となる。
その後、特別遊技状態が発生して第1特別変動入賞装置27や第2特別変動入賞装置28に設けられた第1大入賞口ソレノイド27b及び第2大入賞口ソレノイド28b(図5参照)への通電によって、大入賞口が所定の時間(例えば30秒)だけ閉状態から開状態に変換される。すなわち、第1特別変動入賞装置27及び第2特別変動入賞装置28に備えられた大入賞口が所定の時間又は所定数の遊技球が入賞するまで大きく開き、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという特典が付与される。
なお、本実施形態においては特別結果態様が導出されてから特別遊技状態が発生するまでの間に前述のラウンド数決定遊技(補助遊技)を実行する場合と実行しない場合とがあるが、どちらか一方に統一しても良い。また、特図1表示器51及び特図2表示器52は、別々の表示器として構成してもよいし同一の表示器として構成してもよいが、各特図変動表示ゲームが同時に実行されないように設定される。
表示装置30における飾り特図変動表示ゲームについては、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとを別々の表示装置や別々の表示領域で実行するようにしてもよいし、同一の表示装置や表示領域で実行するようにしてもよい。この場合、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。なお、特図2変動表示ゲームは、特図1変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっており、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの始動記憶があり、特図変動表示ゲームの実行が可能な状態になった場合は特図2変動表示ゲームが実行される。始動記憶が記憶された順で特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームが実行されるようにしても良い。
なお、本実施形態の遊技機1は、遊技状態に応じて遊技者が左打ち又は右打ちを行うように構成されている。遊技者が遊技状態に応じた打ち分けをしやすいように、表示装置30のメイン表示画面31には左打ち又は右打ちの指示が表示される。
〔遊技制御装置/演出制御装置〕
次に、図5及び図6を参照して、遊技機1に備えられる遊技制御装置100及び演出制御装置150について説明する。
図5は、遊技機1の遊技制御装置100を中心とする制御系を示すブロック構成図である。図6は、遊技機1の演出制御装置150を中心とする制御系を示すブロック構成図である。
図5に示す遊技制御装置100は、遊技機1における遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)である。遊技制御装置100には、電源装置450、払出制御装置410、及び演出制御装置150が接続される。遊技制御装置100は、払出制御装置410や演出制御装置150に制御信号(コマンド)を送信し、各種処理の実行を指示する。さらに、遊技制御装置100には、各種スイッチや制御対象のソレノイド等が接続される。
遊技制御装置100は、各種演算処理を行うCPU部110と、各種信号の入力を受け付ける入力部120と、各種信号や制御信号を出力する出力部130とを備える。CPU部110、入力部120及び出力部130は、互いにデータバス140によって接続される。
入力部120は、遊技盤20等に設けられた各種スイッチから出力される信号や払出制御装置410から出力される信号を受け付ける。この入力部120は、近接インターフェース(I/F)121(121a、121b)及び入力ポート122(122a、122b)、123を備える。
入力ポート122、123は、近接I/F121を介して入力される信号を受け付けたり、外部から入力される信号を直接受け付けたりする。入力ポート122、123に入力した情報は、データバス140を介してCPU部110等に提供される。
近接I/F121は、各種スイッチから出力された信号を受け付け、それら入力信号を変換して入力ポート122に出力するインターフェースである。近接I/F121aには、第1始動口スイッチ23d、第2始動口スイッチ24d、ゲートスイッチ25a、入賞口スイッチ26a〜26n、及び下カウントスイッチ27dが接続される。また、近接I/F121bには、上カウントスイッチ28d、第1通過検出センサ81a及び第2通過検出センサ82aが接続される。
第1始動口スイッチ23dは、遊技球が第1始動入賞口23に入賞したことを検出するスイッチである。第2始動口スイッチ24dは、遊技球が第2始動入賞口24に入賞したことを検出するスイッチである。ゲートスイッチ25aは、遊技球が普図始動ゲート25を通過したことを検出するスイッチである。入賞口スイッチ26a〜26nは、遊技球が一般入賞口26に入賞したことを検出するスイッチである。
下カウントスイッチ27d及び上カウントスイッチ28dは、遊技球が大入賞口に入賞したことを検出するスイッチである。下カウントスイッチ27d及び上カウントスイッチ28dによって遊技球の入賞が検出されると、入賞した遊技球の数がカウントされ、カウントされた遊技球の数が遊技制御装置100に備えられたメモリに記憶される。
第1通過検出センサ81aは、振分装置80に備えられた第1通過ゲート部81を遊技球が通過したことを検出する。同様に、第2通過検出センサ82aは、第2通過ゲート部82を遊技球が通過したことを検出する。
近接I/F121は、各種スイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vといった負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換する。近接I/F121は、通常時には所定範囲内(7V−11V)となっているため、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
なお、近接I/F121に接続されるスイッチのコネクタの着脱によって、近接I/F121に入力される信号の出力値(ON/OFF)が切り替わるため、近接I/F121はスイッチが接続されていない場合であっても出力を一定に維持するように構成されている。
また、近接I/F121aと近接I/F121bの二つの近接I/Fを設けている理由は、近接I/F121aの入力端子数が限られているためである。近接I/F121bは不足する入力端子数に応じて近接I/F121aよりも小型のものを用いることでコストを削減するようにしてもよい。なお、近接I/F121aとして必要な入力端子数を備えるものを用いることによって、近接I/F121bを設けないようにしてもよい。
また、近接I/F121の出力のうち、電波センサ29bの検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号1,2は入力ポート122aに入力される。また、入力ポート122aには、遊技機1の前面枠4等に設けられた不正検出用の磁気センサ29aの検出信号も入力されるようになっている。
磁気センサ29aは、発射された遊技球の軌道を磁石によって操作する不正行為を検出するために磁力を検出する。電波センサ29bは、入賞口スイッチ26a〜26nなどを誤作動させる不正行為を検出するために、遊技機1に向かって照射された電波を検出する。なお、振動を検出する振動センサを遊技機に設け、検出信号が入力ポート122aに入力されるようにしてもよい。
また、近接I/F121の出力のうち、入力ポート122bへの出力は、遊技制御装置100から中継基板193を介して図示しない試射試験装置に供給されるようになっている。さらに、近接I/F121の出力のうち第1始動口スイッチ23dと第2始動口スイッチ24dの検出信号は、入力ポート122bの他、反転回路112を介して遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。反転回路112を設けているのは、遊技用マイコン111の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、即ち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
したがって、第1始動口スイッチ23dと第2始動口スイッチ24dとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路112を設けずに直接遊技用マイコン111へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、第1始動口スイッチ23dと第2始動口スイッチ24dからの負論理の信号を直接遊技用マイコン111へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置450から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
入力ポート122aには、磁気センサ29aからの信号が直接入力され、入力ポート123には前面枠開放検出スイッチ(SW)4e及びクリア部材保持枠開放検出スイッチ(SW)5dからの信号が直接入力される。入力ポート123には、払出制御装置410からの払出異常を示すステータス信号なども入力される。
前面枠開放検出SW4eは、前面枠4が開放されたことを検出する。前面枠開放検出SW4eは、前面枠4が本体枠2から開放されるとオンに設定され、前面枠4が本体枠2に閉止されるとオフに設定される。
クリア部材保持枠開放検出SW5dは、クリア部材保持枠5が開放されたことを検出する。クリア部材保持枠開放検出SW5dは、クリア部材保持枠5が前面枠4から開放されるとオンに設定され、クリア部材保持枠5が前面枠4に閉止されるとオフに設定される。
入力ポート122bが保持しているデータは、遊技用マイコン111が入力ポート122bに割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。入力ポート122aや後述の入力ポート123も同様である。
遊技制御装置100のCPU部110は、遊技用マイコン111と、反転回路112と、水晶発振器113とを備える。
遊技用マイコン111は、CPU111a、ROM111b、及びRAM111cを有しており、入力部120を介して入力された信号に基づいてROM111bに記憶されたプログラムを実行して大当り抽選等の各種処理を実行する。遊技用マイコン111は、出力部130を介して、第1特図変動表示部(特図1表示器)51、第2特図変動表示部(特図2表示器)52、特図1保留表示部53、特図2保留表示部54、普図表示部(普図表示器)55、普図保留表示部56、遊技状態表示部57、大当り時の開放パターン表示部58及び開放回数表示部59が設けられた特図/普図LED基板等から構成される一括表示装置50、普電ソレノイド24b、第1大入賞口ソレノイド27b、第2大入賞口ソレノイド28b、演出制御装置150、及び払出制御装置410に制御信号を送信し、遊技機1を統括的に制御する。遊技用マイコン111は、チップセレクトで、信号を入力又は出力するポートを選択している。
ROM111bは、不揮発性の記憶媒体であり、遊技制御のためのプログラムやデータ等を記憶する。
RAM111cは、揮発性の記憶媒体であり、遊技制御に必要な情報(例えば、乱数値など)を一時的に記憶するワークエリアとして利用される。
反転回路112は、近接I/F121を介して入力された信号(第1始動口スイッチ23d及び第2始動口スイッチ24dからの信号)の論理値を反転させて遊技用マイコン111に出力する。
水晶発振器113は、タイマ割込み、システムクロック信号、大当り抽選等を行うためのハード乱数の動作クロック源として構成されている。
遊技制御装置100の出力部130は、ポート131a〜131eと、バッファ132a、132bと、ドライバ133a〜133dと、フォトカプラ134とを備える。
ポート131a〜131eは、データバス140を介して入力された信号を受け付ける。
バッファ132a、132bは、データバス140やポート131a、131bを介して入力された信号を一時的に保持する。
ドライバ133a〜133dは、ポート131b〜131eを介して入力される信号から各種駆動信号を生成して各装置に出力する。
フォトカプラ134は、外部の検査装置195に接続可能に構成されており、入出力される各種信号からノイズを除去して各種信号の波形を整形する。フォトカプラ134と検査装置195との間は、シリアル通信によって情報が送受信される。
払出制御装置410には、ポート131aを介してパラレル通信によってCPU部110から出力された情報が送信される。具体的には、4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)を出力する。払出制御装置410に対しては片方向通信を担保する必要がないため、ポート131aから払出制御装置410の払出制御基板に制御信号が直接送信される。
また、払出制御装置410は、発射制御装置に発射許可信号を出力する。発射制御装置は、発射許可信号が入力されている場合にのみ遊技球を遊技領域21に発射することが可能となっている。
払出制御装置410は、遊技制御装置100からの賞球指令信号に基づいて払出ユニット(図示省略)から賞球を排出させたり、カードユニット(図示省略)からの貸球要求信号に基づいて払出ユニットから貸球を排出させたりする。払出制御装置410は、前述のように、球切れや故障等の障害が発生した場合に、払出異常ステータス信号やシュート球切れスイッチ信号、オーバーフロースイッチ信号を遊技制御装置100に出力する。
払出異常ステータス信号は、遊技球の払い出しが正常に行われていない場合に出力される信号である。払出シュート球切れスイッチ信号は、払い出し前の遊技球が不足している場合に出力される信号である。オーバーフロースイッチ信号は、下皿10(図1参照)に所定量以上の遊技球が貯留されている場合に出力される信号である。遊技制御装置100から演出制御装置150には、シリアル通信でデータが送信される。
演出制御装置150には、出力部130のバッファ132aを介してサブコマンドが入力される。バッファ132aを有することによって、演出制御装置150の側から遊技制御装置100に信号を入力できないようにすることが可能となり、片方向通信を担保することができる。演出制御装置150に送信されるサブコマンドには、変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等の演出制御指令信号が含まれる。
第1大入賞口ソレノイド27b、第2大入賞口ソレノイド28b及び普電ソレノイド24bには、ポート131b及びドライバ133aを介して、CPU部110から出力された信号が入力する。第1大入賞口ソレノイド27bは第1特別変動入賞装置27の開閉扉27a(図4参照)を回動させ、第2大入賞口ソレノイド28bは第2特別変動入賞装置28の回動部28a(図4参照)を回動させ、普電ソレノイド24bは第2始動入賞口24への遊技球の入賞が許容されるように、可動部材24aを開状態に変換させる。
一括表示装置50は、特図/普図LED基板と該特図/普図LED基板を収容するケース部材等から構成されている。一括表示装置50のLEDのアノード端子はセグメント線を介してドライバ133bに接続し、このドライバ133bとポート131cとが接続している。一括表示装置50のLEDのカソード端子はデジット線を介してドライバ133cと接続し、このドライバ133cとポート131dとが接続している。一括表示装置50のLEDのアノード端子にはドライバ133bからのオン/オフ駆動信号が入力され、一括表示装置50のLEDのカソード端子からはドライバ133cにオン/オフ駆動信号が出力される。
外部情報端子194は、フォトリレーが備えられ、変動表示ゲームの開始を示すスタート信号や大当り遊技状態の発生を示す特賞信号等の遊技データを情報収集端末装置に出力するための端子である。遊技データは、ポート131e及びドライバ133dを介して外部情報端子194に出力される。
遊技制御装置100は、中継基板193を介して、外部の試射試験装置に接続可能に構成されている。試射試験装置は、所定機関において遊技機1の型式試験を行うための装置である。試射試験装置には、第1始動口スイッチ23d、第2始動口スイッチ24d、ゲートスイッチ25a、入賞口スイッチ26a〜26n、下カウントスイッチ27d、及び上カウントスイッチ28dからの信号や、第1大入賞口ソレノイド27b、第2大入賞口ソレノイド28b及び普電ソレノイド24bに出力される信号等、試射試験に必要な信号が入力される。
遊技制御装置100は、入力部120に設けられるシュミット回路124を介して、電源装置450に接続している。シュミット回路124は、電源の立ち上がり時や電源遮断時において遊技機1の動作が不安定になることを防ぐために、入力信号の揺らぎ(ノイズ)を除去する回路である。シュミット回路124には、電源装置450からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号が入力される。
電源装置450は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータや、DC32Vの電圧からDC12V、DC5V等のより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータを有する通常電源部460と、遊技用マイコン111の内部のRAM111cに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部465と、停電監視回路や初期化スイッチを有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号等の制御信号を生成して出力する制御信号生成部480と、を備える。
バックアップ電源部465は、遊技用マイコン111のRAM111cに記憶された遊技データをバックアップするための電源である。遊技制御装置100は、停電復旧後、RAM111cに保持された遊技データに基づいて、停電前の遊技状態に復旧させる。
制御信号生成部480は、DC12V及びDC5Vを生成するスイッチングレギュレータの入力電圧(保証DC32V)を監視する。検出電圧がDC17.2V〜DC20.0Vのときに停電と判定し、制御信号生成部480から停電監視信号が出力される。停電監視信号は、シュミット回路124を経由して、入力部120の入力ポート123に入力する。停電監視信号の出力後には、停電監視回路はリセット信号を出力する。リセット信号は、シュミット回路124を経由して、遊技用マイコン111及び出力部130の各ポート131a〜131eに入力する。遊技制御装置100は、停電監視信号を受け付けると所定の停電処理を行い、リセット信号を受け付けた後にCPU部110の動作を停止させる。
制御信号生成部480は、初期化スイッチ(図示省略)を備えており、電源投入時に初期化スイッチがON状態となっている場合に、制御信号生成部480から初期化スイッチ信号が出力される。初期化スイッチ信号は、シュミット回路124を介して、入力部120の入力ポート123に入力する。初期化スイッチ信号は、遊技用マイコン111のRAM111c及び払出制御装置410のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する信号である。
以上のように、停電監視信号及び初期化スイッチ信号は、一旦、入力ポート123に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれ、各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。これは、遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミット回路124によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、前述のように、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは、出力部130を介さずに直接中継基板193に出力することで、試射試験装置に出力するために中継基板193のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板193を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122、123には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
図6に示す演出制御装置150は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)151と、主制御用マイコン151の制御下で映像制御等を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)152と、映像制御用マイコン152からのコマンドやデータに従って表示装置30(サブ表示装置60、70含む)への映像表示のための画像処理を行うVDP(Video Display Processor)157と、各種メロディや効果音等を上スピーカ8a及び下スピーカ8bから再生させる音源LSI158と、を備える。
主制御用マイコン151と映像制御用マイコン152には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(Programmable Read Only Memory)154、155がそれぞれ接続される。
VDP157には、キャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM156が接続される。
音源LSI158には、音声データ等が記憶された音声ROM159が接続される。
主制御用マイコン151は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111から送信されたコマンドを解析し、映像制御用マイコン152に出力映像の内容を指示したり、音源LSI158に再生音の内容を指示したりする。また、主制御用マイコン151は、遊技制御装置100からの制御コマンドに基づいて、LED等の点灯制御、各種モータの駆動制御、演出時間の管理等の処理も実行する。
主制御用マイコン151及び映像制御用マイコン152の作業領域を提供するRAM151a、152aは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAM151a、152aはチップの外部に設けるようにしてもよい。
主制御用マイコン151と映像制御用マイコン152との間、主制御用マイコン151と音源LSI158との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。これに対して、主制御用マイコン151とVDP157との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアル方式の場合よりも短時間のうちにコマンドやデータを送信することができる。
VDP157には、画像ROM156から読み出されたキャラクタ等の画像データを展開したり加工したりするのに使用されるVRAM(ビデオRAM)157a、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ157b、及びLVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置30へ送信する映像信号を生成する信号変換回路157cが設けられる。
VDP157から主制御用マイコン151へは、表示装置30の映像と、前面枠4や遊技盤20に設けられるLED等の点灯とを同期させるために垂直同期信号VSYNCが出力される。また、VDP157から映像制御用マイコン152へは、VRAM157aへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン152からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが出力される。
映像制御用マイコン152から主制御用マイコン151へは、映像制御用マイコン152が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが出力される。
主制御用マイコン151と音源LSI158との間においては、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け信号CTSと応答信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン152には、主制御用マイコン151よりも高速処理が可能なCPUが使用されている。主制御用マイコン151とは別に映像制御用マイコン152を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン151のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置30に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン152と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。
演出制御装置150は、遊技制御装置100から送信されるコマンドを受信するためのインタフェースチップ(コマンドI/F)153を備えている。演出制御装置150は、コマンドI/F153を介して、遊技制御装置100から送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置150の主制御用マイコン151はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F153には信号のレベル変換の機能が設けられている。
演出制御装置150には、センターケース22や遊技盤20に設けられるLED等を含む盤装飾装置170を制御する盤装飾LED制御回路161、前面枠4等に設けられるLED等を含む枠装飾装置171を制御する枠装飾LED制御回路162、表示装置30における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物600(図7参照)や振分装置80の切換弁83等を含む盤演出装置172を駆動制御する盤演出モータ/SOL(ソレノイド)制御回路163、突出演出ユニット200の突出部駆動モータ等を含む枠演出装置173を駆動制御する枠演出モータ制御回路164が設けられている。これらの制御回路(161〜164)は、アドレス/データバス160を介して主制御用マイコン151に接続されている。
また、演出制御装置150には、演出ボタン13(図1参照)が操作されたことを検知する演出ボタンSW(スイッチ)174、各種駆動モータが駆動されたことを検知する演出モータSW(スイッチ)175a〜175nを検出して主制御用マイコン151へ検出信号を送信するスイッチ(SW)入力回路165が設けられている。さらに、上スピーカ8a及び下スピーカ8bを駆動するオーディオパワーアンプ等からなるアンプ回路166、167が設けられている。
電源装置450の通常電源部460は、演出制御装置150及び当該演出制御装置150によって制御される電子部品に対して所定レベルの直流電圧を供給するために、複数種類の電圧を生成可能に構成されている。具体的には、駆動モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネル等からなる表示装置30を駆動するためのDC12V、コマンドI/F153の電源電圧となるDC5Vの他に、上スピーカ8a及び下スピーカ8bを駆動するためのDC18Vや、これらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させたりするのに使用するNDC24Vの電圧を生成することが可能となっている。
電源装置450の制御信号生成部480により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン151、映像制御用マイコン152、VDP157、音源LSI158、各種制御回路(161〜164、166、167)に供給され、これらをリセット状態にする。電源装置450は、映像制御用マイコン152が有する汎用ポートを利用して、VDP157に対するリセット信号を生成して供給する機能を有している。これにより、映像制御用マイコン152とVDP157の動作の連携性を向上させることができる。
以上のように、演出制御装置150は、遊技制御装置100から送信されたコマンドに基づいて演出制御を行う演出制御手段として機能し、表示装置30に表示される表示内容を制御する表示制御手段、及び、スピーカ8から効果音等を出力する音出力制御手段としての機能を有する。
〔可動役物〕
次に、図7を参照して、表示装置30の前方に動作可能な可動役物600について説明する。図7は、可動役物600の動作態様を示す図である。図7(A)は通常時の収容状態を示す図であり、図7(B)は動作時の過程状態を示す図であり、図7(C)は動作時の完了状態を示す図である。
可動役物600は、演出制御装置150において主制御用マイコン151が動作させる盤演出モータ/SOL(ソレノイド)制御回路163(図6参照)によって、その動作が制御される。可動役物600は、通常では遊技盤20の裏面であって表示装置30の周縁に収容され、表示装置30における演出表示と協働して表示装置30の前方に可動される。
図7(C)に示すように、本実施形態の可動役物600は、左側可動役物601と、右側可動役物602と、上部可動役物603と、を備える。
左側可動役物601は、図7(A)に示すように通常時は、メイン表示画面31の左側辺に収容されており、遊技者から視認されない。そして、図7(B)に示すように可動が始まると、左側辺から右方向に向かって可動してメイン表示画面31の前方に出現し、図7(C)に示すように完了状態まで出現し続ける。
右側可動役物602は、図7(A)に示すように通常時は、メイン表示画面31の右側辺であって右部表示装置70の裏面に収容されており、遊技者から視認されない。そして、図7(B)に示すように可動が始まると、右側辺から左方向に向かって可動してメイン表示画面31の前方に出現し、図7(C)に示すように完了状態まで出現し続ける。左側可動役物601と右側可動役物602とは同時に可動する。
上部可動役物603は、図7(A)に示すように通常時は、メイン表示画面31の上辺部であって上部表示装置60の裏面に収容されており、遊技者から視認されない。そして、図7(B)に示すように可動が始まって左側可動役物601と右側可動役物602とがメイン表示画面31の前方に出現したのちに、図7(C)に示すように上辺部から下方向に向かって可動してメイン表示画面31の前方に出現する。そして、完了状態において、左側可動役物601、右側可動役物602及び上部可動役物603によって一つのキャラクタが形成される。
図7(C)に示すように、上部可動役物603は、左側可動役物601及び右側可動役物602よりも前方に出現し、完了状態において左側可動役物601及び右側可動役物602の一部を被覆する。ここでは、左側可動役物601及び右側可動役物602は前後方向に同位置に配設されており、上部可動役物603は左側可動役物601及び右側可動役物602よりも前方に配設されている。
このとき、メイン表示画面31における遊技者が視認可能な視認可能表示領域は、各可動役物601〜603の動作とともに狭まる。第4図柄は、視認可能表示領域の変化とともに表示位置が変化する。具体的には、第4図柄の表示位置は、図7(B)に示す過程状態と図7(C)に示す完了状態とでは異なり、メイン表示画面31の上方位置から下方位置に変化する。このように第4図柄は、最後に動作する可動役物(ここでは上部可動役物603)の対極位置に表示される。なお、変動表示ゲームの結果が大当りとなる期待度に応じて第4図柄の表示位置を変更するようにしても良い。
なお、各可動役物601〜603は、演出制御装置150によって表示内容を制御可能なサブ表示装置(液晶ディスプレイ)を備えてもよい。例えば、左側可動役物601と右側可動役物602とに液晶ディスプレイを備え、メイン表示画面31の中央に並ぶ双方の液晶ディスプレイで1つの画像表示を行うようにしてもよい。
以上より、本実施形態の可動役物600は、左側可動役物601及び右側可動役物602(第1可動役物)がメイン表示画面31の前方に動作したのちに、上部可動役物603(第2可動役物)が左側可動役物601の右上部及び右側可動役物602の左上部を被覆するようにメイン表示画面31の前方に動作する。各可動役物601〜603は、メイン表示画面31を形成する4辺のうち異なる3辺からそれぞれ出現して画面前方でキャラクタ等を一体形成するので、キャラクタを立体的でダイナミックに演出することができ、演出効果を高めることができる。
また、左側可動役物601及び右側可動役物602(第1可動役物)は、それぞれメイン表示画面31の左右から出現するのに対して、上部可動役物603(第2可動役物)はメイン表示画面31の上から出現する。このように、第1可動役物と第2可動役物とは、それぞれメイン表示画面31の一辺と該一辺と交差する他辺から、互いの動線が延長線上で交差するように出現するので、出現態様が単調にならず、演出効果を高めることができる。
〔表示領域のバリエーション〕
次に、図8を参照して、前述した可動役物600の動作によって遊技者が視認可能な視認可能表示領域が縮小されてしまう課題を解決する表示態様について説明する。図8は、可動役物600の動作に対応して変化する表示領域を示す図である。図8(A)〜(C)における可動役物600の動作状態は、前述の図7(A)〜(C)に対応しており、図8(A)は通常時の収容状態における表示領域を示す図であり、図8(B)は動作時の過程状態における表示領域を示す図であり、図8(C)は動作時の完了状態における表示領域を示す図である。
図8(A)に示すように、通常時は、可動役物600(左側可動役物601、右側可動役物602及び上部可動役物603)は表示装置30のメイン表示画面31の前方に動作しない。このとき、遊技者は、メイン表示画面31に表示される変動表示ゲーム等の演出表示を全て視認することができる。したがって、このときの視認可能表示領域は、メイン表示画面31の表示領域全体を示す。
図8(B)に示すように、左側可動役物601及び右側可動役物602が可動すると、これらによって一部のメイン表示画面31(図中の黒塗り領域)が被覆される。このように、可動役物によって遊技者が視認できない視認不可表示領域がメイン表示画面31に生じる。
そこで、表示装置30のメイン表示画面31の右側部に設けられる右部表示装置70をサブ表示装置として、右部表示装置70のサブ表示画面71に、メイン表示画面31の視認不可表示領域に表示される表示内容が表示される。すなわち、サブ表示画面71の表示領域が新たに視認可能表示領域となる。
図8(C)に示すように、上部可動役物603が可動すると、さらにメイン表示画面31の視認不可表示領域(図中の黒塗り領域)が拡大する。そこで、表示装置30のメイン表示画面31の右上部に設けられる上部表示装置60をサブ表示装置として、上部表示装置60のサブ表示画面61に、メイン表示画面31の視認不可表示領域に表示される表示内容が表示される。すなわち、サブ表示画面61の表示領域が新たに視認可能表示領域となる。
このように、可動役物600の動作によりメイン表示画面31で表示されていた表示内容が遊技者から視認不可能になる場合は、視認不可能となった表示内容をサブ表示装置(上部表示装置60、右部表示装置70)のサブ表示画面61、71において表示する。よって、可動役物600によって遊技者が視認できなくなったメイン表示画面31の表示内容をサブ表示画面で視認させることができる。本来メイン表示画面31で遊技者が視認可能だった表示内容を見せることと、可動役物600によるダイナミックな演出とを両立することができる。
なお、各可動役物601〜603にサブ表示装置を備える場合は、該サブ表示装置の液晶ディスプレイに、メイン表示画面31の視認不可表示領域に表示される表示内容を表示してもよい。メイン表示画面31と併せて表示内容を立体的に遊技者に見せることができるので、演出効果を高めることができる。
また、可動役物600の動作に応じて、視認不可表示領域の表示内容を表示するサブ表示装置を変更すれば、可動役物600の動作態様と対応するサブ表示装置のバリエーションが多様化するので、さらに演出効果を高めることができる。
また、サブ表示装置で、第1始動記憶及び第2始動記憶の保留表示を行ってもよい。これにより、遊技者は、メイン表示画面31において刻々と変化する視認可能表示領域及び視認不可表示領域に惑わされることなく、保留表示を認識しやすい。
〔可動役物の動作バリエーション〕
次に、図9を参照して、前述した可動役物600の各可動役物601〜603の動作順の他の例について説明する。図9は、可動役物600の動作態様のバリエーションを示す図である。図9(A)は本実施形態の動作態様を示す図であり、図9(B)は他の動作態様について示す図である。
図9(A)に示すように、本実施形態の可動役物600は、左側可動役物601及び右側可動役物602が同時に動作したのちに、上部可動役物603が動作する。これは、最後に動作する上部可動役物603が先に動作する左側可動役物601及び右側可動役物602よりも前方に配設されるからであり(図7(C)参照)、動作完了状態では上部可動役物603によって左側可動役物601及び右側可動役物602の一部が被覆される状態となる。
図9(B)に示すように、他の例の可動役物600は、まず、左側可動役物601のみが動作し、次に上部可動役物603が動作したのち、右側可動役物602が動作する。このとき、可動役物600は、前後方向に後方から左側可動役物601、上部可動役物603、右側可動役物602の順に配設される。
このように、可動役物600は、前後方向の配置が後方のものから順に動作が開始されるので、次に動作する可動役物は先に出現した可動役物のさらに前方に出現することになり、演出が進むにつれ、より遊技者に近い側で演出が実行されることになる。よって、演出の効果をより高めることができる。
なお、動作を完了した可動役物600が収容状態に戻る順番は問わない。一斉に戻るようにしてもよいし、動作順でもよい。
〔突出演出ユニット〕
続いて、図10〜図16を参照して、クリア部材保持枠5の右側部に設けられる突出演出ユニット200について説明する。突出演出ユニット200は、遊技の進行状態に応じて発光演出等を行う枠装飾装置171(図6参照)として機能する。
図10は、左斜め上方から見た時の遊技機枠(前面枠4及びクリア部材保持枠5)の斜視図である。
図10に示すように、突出演出ユニット200は、クリア部材保持枠5の右側部に、上右角部分のスピーカ8aの下方からクリア部材保持枠5の右下端まで上下方向に配設される。突出演出ユニット200は、前方(遊技者側)に向かって突出しており、左側(遊技機1の内側、遊技盤20側)の突出面には遊技状態に応じて発光演出を行う側方伝播装飾装置220が配設される。そして、突出演出ユニット200の右側(遊技機1の外側)の突出面には、遊技機1の右側から左側に向かって通行する遊技者に対して演出を行う外側装飾装置221(図15参照)が配設される。
まず、側方伝播装飾装置220について説明する。図11は、左斜め上方から見た時の側方伝播装飾装置220の分解斜視図である。図12は、突出演出ユニット200を外した状態のクリア部材保持枠5の右側部の正面図である。 図13は、カバーレンズ部材201及び内側レンズ部材202を外した状態の側方伝播装飾装置220を示す図である。図14は、内側レンズ部材202の右側面図である。図15は、突出演出ユニット200の上部の横断面図である。
図11に示すように、側方伝播装飾装置220は、クリア部材保持枠5の右側部の開口部5bを含む内側部分と、カバーレンズ部材201と、内側レンズ部材202と、内側反射部材203と、で構成される。内側反射部材203は、ベース部材204の左側の面に取り付けられる。ベース部材204の右側には、外側装飾装置221の構成要素が取り付けられる。
図12に示すように、クリア部材保持枠5の右側部の上部には、後方に設けられる発光源の発光を前方に導くための開口部5b及び開口部5cが形成されている。クリア部材保持枠5の右側部の内側上部に8個設けられる開口部5bは、側方伝播装飾装置220の発光源に対応する。クリア部材保持枠5の右側部の外側上部に5個設けられる開口部5cは、外側装飾装置221の発光源に対応する。
図13及び図14に示すように、内側反射部材203の表面には、略垂直にリブ203a〜203dが配設される。リブ203a〜203cは、図11に示すカバーレンズ部材201の表面に設けられる発光領域201a〜201dの境界線に対応して円弧状に設けられ、2つの隣り合う発光領域間を仕切る。リブ203aは、カバーレンズ部材201の発光領域201aと発光領域201bの境界を形成する部材である。リブ203bは、カバーレンズ部材201の発光領域201bと発光領域201cの境界を形成する部材である。リブ203cは、カバーレンズ部材201の発光領域201cと発光領域201dの境界を形成する部材である。
リブ203dは、クリア部材保持枠5の右側部の上部領域に配設される発光源(内側用LED208)による光が下部領域に届かないように、内側反射部材203の上下を分離するように設けられる。
したがって、図11に示すように、側方伝播装飾装置220は、内部に備える発光源(内側用LED208)によって光演出が行われる上装飾部220aと、内部に発光源を備えず、外部の照光によって光演出が行われる下装飾部220bとで構成されている。上装飾部220aと下装飾部220bとは、リブ203dによって仕切られる。
内側反射部材203のリブ203a〜203dの後端面は、クリア部材保持枠5に当接する。図13に示すように、リブ203dは、上装飾部220aと下装飾部220bとの境界となるので、8個の開口部5bのうち最下部の8個目の開口部5bの下に配設される。上装飾部220aに設けられるリブ203a〜203cは、8個の開口部5bを2個ずつに区切るように配設される。
内側反射部材203は、反射率を高めるために銀メッキで形成され、上装飾部220aにおいて内側用LED208の前方向の光を屈折させて左方向の光に変えたり、下装飾部220bにおいて外部から取り入れた光を反射させたりする反射板として機能するので、内側(遊技領域21側)を照らすことができる。
また、図11及び図15に示すように、内側反射部材203のリブ203a〜203dの前端面は、内側レンズ部材202の右側面に当接する。このため、図14に示すように、内側レンズ部材202の右側面は、内側反射部材203のリブ203a〜203dが当接する面を平面202a〜202dとし、その他の面を凸凹面(型模様)として形成される。内側レンズ部材202の右側面に前述の表面加工を施すことで、内部の視界を遮って光の透過性と反射をコントロールすることができるとともに、発光した内側用LED208の光が対応しない領域に漏れないようにすることができる。
図11、図12及び図15を参照して、突出演出ユニット200における、内側用LED208による側方伝播装飾装置220及び外側用LED209による外側装飾装置221の光演出について説明する。
突出演出ユニット200は、クリア部材保持枠5の右側部の上部に、複数の内側用LED208(ここでは8個)に対応する開口部5b及び外側用LED209(ここでは5個)に対応する開口部5cを有する。そして、クリア部材保持枠5の右側部の上部裏面には、それら開口部5b、5cから前方に臨む内側用LED208及び外側用LED209を備えた側方発光基板210と、内側用LED208及び外側用LED209の前方を覆う側方レンズ部材211と、が配設される。
また、突出演出ユニット200は、クリア部材保持枠5の前方に、内側から順に内側レンズ部材202、内側反射部材203、ベース部材204、導光板205及び外側レンズ部材206が備えられる。そして、これらの部材を内包して前方からクリア部材保持枠5の右側部を覆うようにカバーレンズ部材201が取り付けられる。突出演出ユニット200は、内側反射部材203とベース部材204の間を境に側方伝播装飾装置220と外側装飾装置221とに区切られる。ここで、内側反射部材203及びベース部材204は、クリア部材保持枠5の開口部5bと開口部5cとの間に配設される。
側方伝播装飾装置220は、ベース部材204の内側に後端から前端に向かって内側に傾斜する内側反射部材203を配設し、内側用LED208の発光による前方向の光を内側反射部材203で屈折させて左方向の光に変えることで、内側用LED208の左側に配設される内側レンズ部材202及びカバーレンズ部材201を照らし、遊技機1で遊技する遊技者に発光パターンに応じた光演出を見せることができる。なお、側方伝播装飾装置220の発光演出態様の一例については、図16を参照して後述する。
外側装飾装置221は、ベース部材204の外側面に導光板205を嵌め込み、外側用LED209の前方に略垂直に配設し、外側用LED209の光を導光板205の後端面から取り入れ、拡散させて均一に面発光することで、導光板205と略平行に設けられる外側レンズ部材206及びカバーレンズ部材201を一定照度で照らし、遊技機1の右側から左側に向かって通行する遊技者に光演出を見せることができる。例えば、外側レンズ部材206の表面に遊技機メーカ名を記載すれば、遊技場内を通行している遊技者の目にも止まり易く遊技機1をアピールすることができ、高い宣伝効果が得られる。
また、外側装飾装置221は、導光板205の前方正面に外側レンズ部材206の折り返し部206aを設けることで、導光板205を直進した外側用LED209の光によって前方で光演出を行うことも可能である。これにより、遊技を行っている遊技者に対する装飾効果をさらに高めることができる。
このように、突出演出ユニット200は遊技領域21側に遊技者に対する発光演出を行う側方伝播装飾装置220と、その反対側に遊技場を通行中の遊技者に対する発光演出を行う外側装飾装置221とを備えるので、装飾効果を高めることができる。そして、側方伝播装飾装置220の内側反射部材203は外側装飾装置221との境界に配置され、内側用LED208の光を全て遊技領域21側に反射するので、内側用LED208と外側用LED209の光が混ざるのを防止することができる。
図16は、側方伝播装飾装置220の発光演出態様の一例を示す図である。
側方伝播装飾装置220の表面はカバーレンズ部材201で構成される。カバーレンズ部材201には発光領域201a〜201dがクリア部材保持枠5側の中央から外側に向かって波紋状に形成されている。そして、側方伝播装飾装置220の上装飾部220aは、内側用LED208によってカバーレンズ部材201の上部の発光領域201a、201b、201c及び201dを順番に照らすことにより、中心から外に向かって光が伝播して波紋状に広がる光の装飾演出を行う。
このとき、側方伝播装飾装置220の下装飾部220bは、遊技場内の照明等の光を取り込むことによって、上装飾部220aに比べて輝度を抑えた光の装飾演出を行う。
以上より、突出演出ユニット200の側方伝播装飾装置220は、内側用LED208を備える上装飾部220a(第1装飾部)と、内部に発光源を備えない下装飾部220b(第2装飾部)とが一体化して設けられているので、遊技者に不快感を与えない程度の輝度の装飾効果を奏することができる。
また、上装飾部220a(第1装飾部)と下装飾部220b(第2装飾部)との間は、内側反射部材203のリブ203d(仕切り部材)によって仕切られるので、内側用LED208の発光が下装飾部220bに漏れることがない。したがって、上装飾部220a及び下装飾部220bがそれぞれの光の装飾演出を行うことができる。
また、突出演出ユニット200は、側方伝播装飾装置220による内側照明と、外側装飾装置221による外側照明とに区別されており、遊技領域側だけでなくその反対側にもそれぞれに対応した光演出を行うことができるので、装飾効果を高めることができる。
また、側方伝播装飾装置220の上装飾部220aは、演出光が波紋状に広がるので、視覚的効果が高く、装飾効果を高めることができる。
なお、本実施形態の突出演出ユニット200のように内部に発光源を備える第1装飾部と内部に発光源を備えない第2装飾部とが一体形成される装飾装置は、クリア部材保持枠5の上部及び左側部の装飾装置6、7にも適用される。凸凹面(型模様)の表面加工が施された共通のレンズ部材に被覆されることによって、第1装飾部の発光源が発光しない場合は第1装飾部と第2装飾部との判別はつかない。第1装飾部の発光源が発光しない場合(通常時)であっても、装飾装置6,7は、遊技場の照明等外部の光をレンズ部材で反射、拡散することで、明る過ぎずに適度に輝度を高める演出を行うことができる。例えば、装飾装置6,7に複数の第1装飾部と第2装飾部とを交互に配置すれば、枠内周への発光源の発光による高輝度の影響を抑えるとこができるので、遊技盤20の遊技領域21や表示装置30の見やすさを維持すると同時に、通常時と発光時との演出に強弱をつけることができる。また、電力消費の削減効果(省エネ効果)も得ることができる。
〔一括表示装置(特図/普図LED基板)の構成〕
次に、図17〜34を参照して、一括表示装置50について説明する。図117は、一括表示装置(特図/普図LED基板)50を示す図である。図18は、一括表示装置50を制御する遊技制御装置100の外観を示す図である。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、各特図変動表示ゲームの始動(保留)記憶数報知用の記憶表示部(特図1保留表示部53、特図2保留表示部54)と、普図変動表示ゲーム用の普図表示部(普図表示器)55と、普図変動表示ゲームの始動(保留)記憶数報知用の普図保留表示部56と、を有している。第1特図変動表示部51及び第2特図変動表示部52以外の遊技の進行を示す表示部を進行表示部とする。
また、一括表示装置50には、遊技機1の電源投入時から最初の大当りの発生まで大当りの確率状態が高確率状態となっていることを報知するための高確率表示部及び時短状態が発生すると点灯して時短状態の発生を報知する時短状態表示部からなる遊技状態表示部57と、大当り時の第1特別変動入賞装置27又は第2特別変動入賞装置28の開放パターン及び開放回数を表示する開放パターン表示部58及び開放回数表示部59が設けられている。
第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示部(特図2表示器)52については図19〜図21、その他の表示部については図22、23を参照しながら説明する。
一括表示装置50は、1列12ピンに構成されている基板側コネクタ501を備えており、配線側コネクタ(配線の一端側コネクタ)500aを介して接続配線500に接続される。また、接続配線500の他方は、遊技制御装置100の一括表示用コネクタ(表示用コネクタ)513に接続される。
図18に示す遊技制御装置100は、遊技制御基板を収装する基板ボックスとして構成される。基板ボックスは、遊技機1に取り付けられる取付ベース(第1ケース部材)と、取付ベースに取り付けられ、取付ベースとの間に遊技制御基板を収納する収納空間を画成する蓋部材(第2ケース部材)とを備える。基板ボックスは、透明な合成樹脂によって構成され、蓋部材が取付ベースに取り付けられた状態でも内部に収納された遊技制御基板が透視可能に構成されている。
取付ベース(第1ケース部材)と蓋部材(第2ケース部材)とは、締め方向にしか回せないワンウェイネジ(固着具)によって封止されている。遊技制御基板を取り出すためには、ワンウェイネジを切り離す必要がある。したがって、取付ベースと蓋部材との固着を解除すると痕跡が残り、遊技制御基板を交換するなどの不正行為が行われた場合に容易に発見することができる。
遊技制御装置100は、遊技機内の各構成又は外部機器に接続するため端子が備えられている。具体的には、基板ボックス上部に左から順に、第1始動口スイッチコネクタ511、第2始動口スイッチコネクタ512、一括表示用コネクタ513、演出用コネクタ514及び各種スイッチ用コネクタ515を備える。さらに、下部左側には検査端子用コネクタ516、下部右側には情報出力用コネクタ517及び電源用コネクタ518を備える。
各端子について説明すると、第1始動口スイッチコネクタ511は第1始動口スイッチ23dに接続され、第2始動口スイッチコネクタ512は第2始動口スイッチ24dに接続され、始動口に遊技球が入賞した場合に信号が入力される。
一括表示用コネクタ513は、前述のように、一括表示装置50に接続される。一括表示用コネクタ513は、2列12ピンに構成されており、詳細については図25及び図26にて後述する。また、一括表示用コネクタ513は、他のコネクタに挟まれた状態、つまり、他のコネクタよりも内側に配置されている。これにより、島設備への設置時等に遊技球が当るなどの破損/接続不良要因が発生する可能性を削減することができ、一括表示装置50に各種の表示がされなくなって遊技進行が把握できなくなる不都合を防止することができる。
演出用コネクタ514は、演出制御装置150が接続され、遊技に関わるコマンドが送信される。各種スイッチ用コネクタ515には、カウントスイッチなどが接続される。検査端子用コネクタ516は、検査装置195に接続され、検査用の信号が出力される。情報出力用コネクタ517は、図示しない情報収集装置や管理装置などの外部装置に遊技データが出力される。電源用コネクタ518は、電源装置450や払出制御装置410が接続され、電源の供給を受けたり、停電監視信号やリセット信号などの信号が入力されたり、払出に関わるコマンドが送受信されたりする。
〔一括表示装置の表示態様〕
次に、図19〜図21を参照しながら特図表示器(特図1表示器51、特図2表示器52)の表示について説明する。図19は、特図1表示器51及び特図2表示器52の表示態様を説明する図であり、(A)は特図表示器の構成及び変動態様を説明する図であり、(B)は変動表示ゲームの結果表示態様の一覧を示す図である。本実施形態において、特図1表示器51と特図2表示器52の表示態様は共通である。
(A)を参照すると、特図表示器は、いわゆる7セグ表示器(7セグLED)である。特図表示器は、横1セグメント(セグメントa、d)、及び縦2セグメント(セグメントf、e、b、c)の長方形により構成され、残る1セグメント(セグメントg)が長方形の真ん中を横切ることで8の字状となっている。セグメントcの右下方には、円形のセグメントD.Pが配置されている。
本実施形態における特図表示器は、前回表示結果から最初にドット(D.P)のみを点灯し、その後はセグメントgとドットを交互に点灯させる。このとき、前回の結果表示態様がハズレの場合であっても当りの場合であっても同様に、セグメントD.P(ドットLED)の点灯から始まり、横1セグメントgの点灯と交互に繰り返して変動表示を行う。これにより、変動開始後すぐに特図表示器の表示態様が変化するため、変動表示中であることを即座に把握することができる。
(B)は変動表示ゲームの結果表示態様の一覧を示す図である。本実施形態の遊技機1では、ハズレと、1〜9、A〜H当りの18種類の結果表示態様が定義されている。
結果表示態様がハズレの場合には、セグメントgを点灯させ、他のセグメントをすべて消灯させる。変動表示中は、結果に係わらず、ハズレの表示とドット点灯を交互に表示するが、当り図柄を含めて変動表示するようにしてもよい。また、特図表示器の結果表示態様は、変動表示ゲームの結果に対応して決定される。
当りの結果表示態様の場合には、セグメントの点灯によって大当り時のラウンド数を報知してもよい。この場合、A〜E当りはそれぞれラウンド数10〜14、F当り及びH当りはラウンド数16、g当りはラウンド数15とする。そして、このとき開放回数表示部59は、1ラウンド毎の開放回数を報知する。
また、結果表示態様は、図19に示した18種類に限らず、さらに多くの種類を定義してもよいし、特図1と特図2で数を異ならせてもよい。例えば、変動表示ゲームの結果及び変動パターンに応じて決定してもよい。
続いて、図20及び図21を参照して、一括表示装置50の表示態様の変形例について説明する。図20は、7セグLEDによって変動中を示す表示態様の変形例1を示す図である。図21は、7セグLEDによって変動中を示す表示態様の変形例2を示す図である。
図20の変形例1では、前回表示結果から最初にドットLEDを点灯し、次にドットLEDを消灯し、その後は8の字を描くように7セグLEDを順に点灯させる。このように構成した場合であっても、変動表示開始時に前回表示結果から表示態様が変化するので、変動表示中であることを即座に把握することが可能となっている。
図21の変形例2では、前回表示結果から最初にドットLED点灯から開始し、その後、ハズレ表示態様や当り表示態様とならないようにコネクタのピン配置(図26参照)が最端部となっていないLED(c〜e)を順次点灯させる。このように構成した場合であっても、変形例1と同様に、変動表示開始時に前回表示結果から表示態様が変化するので、変動表示中であることを即座に把握することが可能となる。
図22及び図23は、一括表示装置50における特図表示器以外(進行表示部)の出力態様を説明する図である。
特図1保留表示部53は、特図1保留表示器1と特図1保留表示器2の2つのLEDからなり、特図1保留表示器1及び特図1保留表示器2が共に消灯している場合は特図1変動表示ゲームの未処理回数(始動記憶数)が「0」であることを示す。また、特図1保留表示器1が点灯し特図1保留表示器2が消灯している場合は特図1変動表示ゲームの未処理回数が「1」、特図1保留表示器1及び特図1保留表示器2が共に点灯している場合は特図1変動表示ゲームの未処理回数が「2」であることを示している。さらに、特図1保留表示器1が点滅し特図1保留表示器2が点灯している場合は特図1変動表示ゲームの未処理回数が「3」、特図1保留表示器1及び特図1保留表示器2が共に点滅している場合は特図1変動表示ゲームの未処理回数が「4」であることを示している。なお、特図1保留表示器1及び特図1保留表示器2が共に点滅する場合は、交互に点灯する。同様に、特図2保留表示部54は、特図2変動表示ゲームの未処理回数(始動記憶数)を表示するものである。
普図表示部55は、普図表示器1と普図表示器2の2つのLEDからなり、普図始動ゲート25を遊技球が通過した場合に点滅状態となり普図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。このとき、普図表示器1は消灯した状態から点灯と消灯を交互に繰り返し、普図表示器2は点灯した状態から点灯と消灯を交互に繰り返す。すなわち、普図表示器1と普図表示器2とで交互に点灯する。また、普図表示器1が点灯し、普図表示器2が消灯している場合は普図変動表示ゲームの結果がはずれであることを示す。また、普図表示器1が消灯し、普図表示器2が点灯している場合は普図変動表示ゲームの結果が当り1であることを示し、普図表示器1及び普図表示器2が共に点灯している場合は普図変動表示ゲームの結果が当り2であることを示す。なお、当り1と当り2とは、当り2の方が当り1よりも遊技者にとって有利な開放パターン(第2始動入賞口24への入賞容易状態の発生時間が長い、又は、発生頻度が高い)となるように設定されている。
普図保留表示部56は、普図保留表示器1と普図保留表示器2の2つのLEDからなり、普図保留表示器1及び普図保留表示器2が共に消灯している場合は普図変動表示ゲームの未処理回数(始動記憶数)が「0」であることを示す。また、普図保留表示器1が点灯し普図保留表示器2が消灯している場合は普図変動表示ゲームの未処理回数が「1」、普図保留表示器1及び普図保留表示器2が共に点灯している場合は普図変動表示ゲームの未処理回数が「2」であることを示している。さらに、普図保留表示器1が点滅し普図保留表示器2が点灯している場合は普図変動表示ゲームの未処理回数が「3」、普図保留表示器1及び普図保留表示器2が共に点滅している場合は普図変動表示ゲームの未処理回数が「4」であることを示している。
遊技状態表示部57は、高確率報知LEDと時短報知LEDの2つのLEDからなる。高確率報知LEDは、電源投入時(詳しくは停電復旧時)に高確率状態(確変状態)の場合に点灯し、最初の大当りが発生すると、消灯される。また、通常時には高確率状態であっても高確率報知LEDは点灯しないように制御される。なお、高確率状態でない場合には消灯される。また、時短報知LEDは、通常時であっても、電源投入時であっても、時短状態の場合に点灯するように制御される。
開放パターン表示部58は、開放パターン表示器1と開放パターン表示器2の2つのLEDからなり、開放パターン表示器1及び開放パターン表示器2が消灯している場合は特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームの結果がはずれであり、第1特別変動入賞装置27及び第2特別変動入賞装置28を開放しないことを示す。また、開放パターン表示器1が点灯し、開放パターン表示器2が消灯している場合は開放パターン1(例えば、1回の開放時間0.5秒)であることを示し、開放パターン表示器1が消灯し、開放パターン表示器2が点灯している場合は開放パターン2(例えば、1回の開放時間15秒)であることを示す。また、開放パターン表示器1及び開放パターン表示器2が共に点灯している場合は、開放パターン3(例えば、1回の開放時間30秒)であることを示す。
開放回数表示部59は、開放回数表示器1〜4の4つのLEDからなる。開放回数表示器1の点灯は2回を示し、開放回数表示器2の点灯は4回を示し、開放回数表示器3の点灯は8回を示し、開放回数表示器4の点灯は16回を示す。これら4つのLEDの点灯態様により、第1特別変動入賞装置27又は第2特別変動入賞装置28の開放回数を報知する。例えば、開放回数表示器1〜4の全てが消灯している場合は特図変動表示ゲームの結果がはずれであることを示している。また、開放回数表示器1のみが点灯している場合は開放回数が2回、開放回数表示器1及び開放回数表示器2が点灯している場合は開放回数が6回、開放回数表示器1〜3が点灯している場合は開放回数14回、開放回数表示器1〜4が全て点灯している場合は開放回数30回を示している。このように4つのLEDの点灯態様により、0〜30回までの偶数回の開放回数を示すことができる。
なお、前述したように特図1表示器51及び特図2表示器52は、セグメントの点灯によってラウンド数を報知することが可能であるが、4つのセグメントを用いて開放回数表示部59の開放回数を報知することも可能である。開放回数表示部59の開放回数表示器1〜4の点灯態様を4つのセグメントの点灯態様に適用することで報知してもよい。
〔更新周期タイミング〕
図24は、特図表示器(特図1表示器51及び特図2表示器52)と特図保留表示部(特図1保留表示部53及び特図2保留表示部54)の更新周期タイミングについて説明する図である。
図24(A)は、特図変動表示ゲームの保留記憶が3つ又は4つの場合における特図変動表示ゲームの実行表示及び保留表示の変化を示すタイムチャートである。以下では特図1変動表示ゲームの実行及び保留記憶を例とする。特図2変動表示ゲームについても同様である。
まず、時刻t0において、保留記憶が2つの状態で特図1変動表示ゲームが開始される。このとき、表示装置30及び特図1表示器51では、通常の変動時間(時刻t0〜時刻t3)による特図1変動表示ゲームが実行される。特図1表示器51では、前述の図19(A)に示すようにドットLEDとセグメントgが交互に点灯して変動中を示し、図19(B)に示すハズレの点灯(セグメントgの点灯)により停止結果を示す。
時刻t0〜時刻t3で特図1変動表示ゲームが実行されている間に、時刻t1と時刻t2で特図1始動記憶が発生し、特図1保留数は2つから4つに変更となる。これに伴い、特図1保留表示部53は、時刻t0で特図1保留表示器1及び特図1保留表示器2が点灯状態であったが、時刻t1で特図1保留表示器1が点滅状態に切り替わり、時刻t2で特図1保留表示器2も点滅状態に切り替わる。
そして、時刻t3で次の特図1変動表示ゲームの開始に伴い保留記憶が1つ消化されると同時に新たに保留記憶が発生し、時刻t3において、保留記憶が最大4つの状態で特図1変動表示ゲームが開始される。本実施形態の遊技機1では、保留記憶が多く貯まった状態で1回の特図1変動表示ゲームに通常の変動時間を費やすのは効率が悪いため、保留記憶が3つ又は4つの場合は通常の変動時間よりも短い変動時間で特図1変動表示ゲームが実行されるように設定されている。ここでは、保留記憶が3つの場合と4つの場合とで変動時間は同じとするが、保留記憶が4つの場合は3つの場合よりもさらに短い変動時間としてもよい。
時刻t3〜時刻t5で実行される特図1変動表示ゲームは、保留記憶が4つなので、時刻t0〜時刻t3の通常変動時間よりも短い短縮変動時間となる。この間、特図1保留表示部53は、特図1保留表示器1及び特図1保留表示器2が点滅状態を継続する。そして、時刻t4で、特図1変動表示ゲームの結果はハズレとなり、時刻t5で、引き続き特図1変動表示ゲームが開始される。
時刻t5〜時刻t7で実行される特図1変動表示ゲームは、保留記憶が3つなので、時刻t0〜時刻t3の通常変動時間よりも短い短縮変動時間となり、保留記憶が4つのときと同じ変動時間(時刻t3〜時刻t5)である。この間、新たな始動記憶は発生せず、特図1保留表示部53は、特図1保留表示器1が点滅状態を継続し、特図1保留表示器2が点灯状態となる。そして、時刻t6〜時刻t7で、特図1変動表示ゲームの結果が停止表示される。
ここで、変動時間の短縮機能は、特図1変動表示ゲームの結果態様の表示時間(「停止表示」時間)を対象とせず、識別情報の変動時間(「変動表示」時間)を対象としているが、これに限らない。識別情報の変動時間だけでなく結果の停止表示時間も短縮してもよい。特図1変動表示ゲームの変動開始から停止結果表示終了までに費やされる時間が短縮されていればよい。
図24(B)は、特図1保留表示部53が点滅状態になるときの点滅表示更新周期と、特図1表示器51が特図1変動表示ゲームの変動中を示すときの変動表示更新周期との関係について説明する図である。
図24(A)及び図24(B)に示すように、特図1変動表示ゲームが実行される場合には、特図1表示器51において、更新周期f1で点灯されるセグメントが切り替えられる。具体的には、ドットLEDの点灯とセグメントgの点灯とが繰り返される(図19(A)参照)。また、保留記憶が3つ又は4つの状態では、特図1保留表示部53において、更新周期f2でLEDの点灯と消灯とが繰り返される。
ところで、一括表示装置50において特図1表示器51と特図1保留表示部53は隣接しており、それぞれの更新タイミングが同期すると表示態様が一斉切替となり、遊技者は一括表示装置50の表示態様を認識しづらいという問題があった。
そこで、本実施形態では、特図1表示器51の変動表示更新周期f1と特図1保留表示部53の点滅表示更新周期f2とが同期する同期タイミングf0が特図1変動表示ゲームの実行中に発生しないように、更新周期f1、更新周期f2及び短縮時の変動表示時間(時刻t3〜時刻t4、時刻t5〜時刻t6)が設定されている。
なお、図24(A)の時刻t1〜時刻t7における特図1保留表示器1に示すように、特図1保留数が3つ以上である限り、特図1保留表示部53の点滅表示は複数の特図1変動表示ゲームに亘って継続される。この場合、特図1表示器51の変動表示の開始タイミング(時刻t3、時刻t5)は、前回の特図1変動表示ゲームの停止表示時間を調整することで、今回の変動表示時間内に特図1保留表示部53の点滅表示と同期しないように設定される。また、同期する前に今回の変動表示時間が終了するように短縮時の変動表示時間(時刻t3〜時刻t4、時刻t5〜時刻t6)を設定してもよい。
以上より、特図1変動表示ゲームの実行権利として記憶される始動記憶を表示する特図1保留表示部53と特図1変動表示ゲームの実行(変動と停止)を表示する特図1表示器51とにおいて、特図1保留表示部53の表示態様と特図1表示器51の表示態様とは、異なる更新周期(それぞれf2、f1)で更新されるので、遊技者は各表示態様を認識しやすい。よって、遊技者は正確な特図1変動表示ゲームの状態を把握でき、遊技の興趣を高めることができる。
ここで、特図1保留表示部53の点滅表示(更新周期f2)は、特図1保留数が3又は4であるときに発生する。このとき実行される特図1変動表示ゲームには短縮機能が働き、特図1表示器51の変動表示(更新周期f1)は、短縮時の変動表示時間実行される。そこで、更新周期f1と更新周期f2とが同期する同期タイミングf0を短縮時の変動表示時間よりも長くなるように設定する。これにより、確実に変動表示中の同期を防止することができる。
具体的に数値を挙げて説明する。まず、表示装置30における画像表示更新周期、すなわちVDP割込みの発生間隔を4msとする。そして、特図1表示器51は、演出制御装置150によって表示装置30の画面が25回更新されるたびに変動表示が更新される。したがって、特図1表示器51の変動表示更新周期f1は100msである。また、遊技制御装置100によるタイマ割込みの発生間隔を4msとする。そして、特図1保留表示部53は、タイマ割込みにより32回乱数が更新されるたびに点滅表示が更新される。したがって、特図1保留表示部53の点滅表示更新周期f2は128msである。
これにより、更新周期f1(100ms)と更新周期f2(128ms)とが同期する同期タイミングf0は6400ms(6.4秒)となる。一般的に短縮変動時の特図1変動表示ゲームは2秒〜5秒程度で終了するので、短縮変動時間内の同期発生を防ぐことができる。
また、特図1表示器51の変動表示更新周期f1(4ms×25回割込)は、画像表示更新周期(4ms)に基づいて更新が同期するように設定されるので、特図1変動表示ゲームの表示装置30における表示と特図1表示器51における表示との間にずれが生じるのを防止することができ、調和のとれた演出表示が可能となる。
また、特図1保留表示部53の点滅表示更新周期f2(4ms×32回割込)は、遊技用マイコン111のCPU111aのタイマ割込み周期(4ms)に基づいてCPU111aの8ビット更新が同期するように設定される。よって、遊技制御装置100における保留記憶情報と特図1保留表示部53における保留表示との間にずれが生じるのを防止することができ、調和のとれた演出表示が可能となる。
以上では、特図変動表示ゲームの変動表示及び保留表示の更新周期について述べたが、普図変動表示ゲームについても適用することができる。図22(B)に示すように、普図変動表示ゲームの実行を示す普図表示部55における変動表示は点滅表示である。また、図22(C)に示すように、普図保留数が3つ以上の場合は普図保留表示部56において点滅表示が行われる。普図表示部55における変動表示更新周期と普図保留表示部56における点滅表示更新周期とが同期しないように設定することで、遊技者が普図表示ゲーム情報を把握しやすい。
〔一括表示装置の配線〕
続いて、図25から図27を参照しながら、特図表示器を含む一括表示装置50とコネクタとの配線について説明する。図25は、特図表示器を構成する7セグLEDを説明する図である。(A)は各セグメント及び端子を示し、(B)は回路図を示している。なお、図25に示す7セグLEDは、特図1表示器51に対応する。
(A)に示すように、本実施形態における特図表示器を構成する7セグLEDは、セグメントa〜セグメントg及びD.Pの8個のLEDによって構成されている。また、7セグLEDには、1〜10の10本の端子が備えられている。
そして、(B)に示すように、セグメントaには端子1、セグメントbには端子10、セグメントcには端子8、セグメントdには端子5、セグメントeには端子4、セグメントfには端子2、セグメントgには端子3、D.Pには端子6が接続される。また、本実施形態の7セグLEDは、アノードコモンであり、端子9及び端子7が共通の+極となっている。
図26は、一括表示装置50に接続される遊技制御装置100の一括表示用コネクタを説明する図である。(A)はコネクタのピン配置、(B)はピンと出力データとの対応を示している。
(A)に示すように、一括表示用コネクタは、2列12ピンの構成となっておる。また、(B)に示すように、1ピンから8ピンには、各LEDを点灯させるための信号を出力するLEDセグメント0からLEDセグメント7が割り当てられ、9ピンから12ピンには出力先を指定するLEDデジット0からLEDデジット3が割り当てられている。図27にて後述するように、LEDデジット0がオンの場合には特図1表示器51、LEDデジット1がオンの場合には特図2表示器52が指定される。また、7セグ以外のLEDについては図120に詳細を示す。
特図表示器を構成する7セグLEDには、10本の端子が備えられ、1ピンから10ピンまでが各端子に接続される。図25及び図26に示すように、アノードコモンである端子9(コモン端子)にLEDデジット0が接続される。さらに、特図1表示器51及び特図2表示器52におけるハズレ図柄や変動中を表示するためのLEDセグメント2、LEDセグメント6、LEDデジット0及びLEDデジット1のデータ信号を出力するピン(3ピン、7ピン、9ピン、10ピン)は、コネクタの最端部には配置されず、最端部よりも中寄りに配置されている。
基本的にコネクタの最端部のピンは、コネクタ接続の際や配線処理時に最も負荷がかかるために他のピンと比較して折れ易かったり、半差しとなっている状態が発生し易かったりする。そこで、以上のようなピン配置としたことで、基板側コネクタと配線の一端側コネクタの着脱時に特定の発光部材に対応するピンに接続不良が発生しにくくなる。
したがって、特定の発光部材が点滅しなくなってしまうことを防ぎ、当り図柄と比較して出現頻度の多いハズレ図柄が表示されなくなったり、変動表示中であること(変動表示ゲームの進行状況)が理解できなかったりという不都合が発生しにくくなる。また、状態表示部から遊技状態が把握できなくなるという不都合を極力回避することが可能となる。
図27は、一括表示コネクタの各ピンと、一括表示装置50を構成する各端子との接続を示す図である。
前述のように、特図1表示器51及び特図2表示器52におけるハズレ図柄を表示するためのLED(真ん中の「g」)及び変動中を表示するLED(「g」及び「D.P」)に対応するピン配置がコネクタの最端部には配置されず、最端部よりも中寄りに配置されている。すなわち、ピン配置が最端部となっていないセグメントLEDにより、変動中の表示やハズレの表示を行っている。また、特図1表示器51や特図2表示器52の表示に係わるLEDデジット0及び1のピン配置も最端部となっていない。なお、遊技状態を特定/把握するために重要な状態表示部に対応するピン配置についてもコネクタの最端部には配置せず、最端部よりも中寄りに配置している。
また、図27に示すように、特図1表示器51と特図2表示器52とで共通のデータ線によって接続されているが、各セグメントに異なる信号線に接続されている。例えば、特図1表示器51では、セグメント(a)に1ピン(LEDセグメント0)が接続されているが、特図2表示器52では、セグメント(a)に2ピン(LEDセグメント1)が接続されている。
一方、特図1表示器51のコモン端子にはLEDデジット0、特図2表示器52のコモン端子にはLEDデジット1が接続されるように、異なる信号線が接続される。
以上のように構成することによって、信号線や配線の異常により一方の表示器の変動中やハズレを示すセグメント(g)に表示ができなくても他方の表示器の変動中やハズレを示すセグメント(g)への表示を可能としている。当然のことながら、特図1表示器51と特図2表示器52とで各セグメントに同じ信号線に接続するようにしてもよい。
なお、本実施形態とは逆に最も点灯頻度の高いセグメントLEDに対応するピンの配置をコネクタの最端部に配置すると、信号線の異常やセグメントの異常を発見し易くなるという利点がある。
続いて、図28及び図29を参照して、一括表示装置(特図/普図LED基板)50の変形例について説明する。本実施形態の一括表示装置50では、2個の7セグLEDと16個の単体LEDによって構成されていたが、他の構成であってもよい。
図28は、一括表示装置50の変形例1を示す図である。変形例1の一括表示装置50は、すべて7セグLEDによって構成されている。また、図29は、一括表示装置50の変形例2を示す図である。変形例2の一括表示装置50は、すべて単体のLEDによって構成されている。
なお、いずれの構成であっても、制御するLED数は同じであるため、本実施形態と同様に制御すればよい。また、コネクタのピン配置も同様であり、特図1表示器51及び特図2表示器52におけるハズレ図柄を表示するためのLED(真ん中の「g」)及び変動中を表示するLED(「g」及び「D.P」)に対応するピン配置がコネクタの最端部には配置しないように配置する。また、遊技状態表示部57に対応するピン配置もコネクタの最端部には配置しないようにする。
〔一括表示装置の点灯確認〕
続いて、図30〜図36を参照して、一括表示装置50の点灯確認について説明する。まず、遊技制御装置100によって実行される点灯確認の手順について、メイン処理(図30、図31)、タイマ割込み処理(図32)、セグメントLED編集処理(図33)の順に説明する。
(メイン処理)
図30は、遊技制御装置100におけるメイン処理の前半部のフローチャートである。図31は、遊技制御装置100におけるメイン処理の後半部のフローチャートである。
メイン処理は、遊技機1の電源投入時に実行が開始される。例えば、遊技場で営業を開始するために遊技機の電源を投入する場合や停電から復帰した場合に実行される。
遊技制御装置100は、メイン処理が実行されると、まず、割込みを禁止する(ステップA1001)。次いで、割込みが発生した場合に実行されるジャンプ先を示すベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理を実行する(ステップA1002)。さらに、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定する(ステップA1003)。さらに、入力ポート123の状態を読み込み(ステップA1004)、割込み処理のモードを設定する(ステップA1005)。
次に、遊技制御装置100は、従属制御装置(払出制御装置(払出基板))410や演出制御装置150)のプログラムが正常に起動するまで待機するための電源投入ディレイタイマを設定する(ステップA1006)。例えば、3秒間待機するように電源投入ディレイタイマを設定する。このように制御することによって、電源投入の際に、払出制御装置410や演出制御装置150の起動が完了する前に、遊技制御装置100が先に起動してコマンドを従属制御装置に送信してしまうことによって、送信されたコマンドを従属制御装置が取りこぼすことを回避することができる。したがって、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御装置100)の起動を遅らせて従属制御装置の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなしている。
なお、入力ポート123には初期化スイッチ信号が入力されるようになっており、待機時間の開始前に入力ポート123の状態を読み込むことで、初期化スイッチの操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に初期化スイッチの状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから初期化スイッチを操作したり、電源投入から待機時間の経過まで初期化スイッチを操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作を行わなくても電源投入後すぐに操作を行うことで検出されるようになり、電源投入時に行った初期化の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
電源投入ディレイタイマの設定が完了すると、遊技制御装置100は、停電を監視する処理を実行する(ステップA1007〜ステップA1011)。遊技制御装置100は、まず、停電監視信号のチェック回数を設定する(ステップA1007)。停電監視信号のチェックは、電源装置450から出力された停電監視信号を読み込むことによって行う。停電監視信号のチェック回数は、例えば、2回である。なお、停電が発生している場合に、停電監視信号はオンになる。
次に、遊技制御装置100は、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(ステップA1008)。そして、ステップA1007の処理で設定したチェック回数分だけステップA1008の判定を繰り返す(ステップA1009)。
遊技制御装置100は、チェック回数分だけ停電監視信号がオンであることを計測した場合には(ステップA1009の結果が「Y」)、停電が発生していると判定し、電源が遮断されるまで待機する。このように、所定のチェック回数分、停電監視信号をチェックすることによって、ノイズなどによる誤検知を防止することが可能となる。すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなしている。これにより、遊技制御装置100の起動を遅らせている期間に発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。このため、待機時間中に停電が発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、遊技制御装置100は、停電監視信号がオンでない場合(ステップA1009の結果が「N」)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを−1更新し(ステップA1010)、電源投入ディレイタイマの値が0であるか否かを判定する(ステップA1011)。電源投入ディレイタイマの値が0でない場合(ステップA1011の結果が「N」)、すなわち、待機時間が経過していない場合には、ステップA1007の処理に戻る。
一方、遊技制御装置100は、電源投入ディレイタイマの値が0の場合(ステップA1011の結果が「Y」)、すなわち、待機時間が経過した場合には、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)に対するアクセスを許可する(ステップA1012)。さらに、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(ステップA1013)。また、遊技用マイコン111に予め搭載されているシリアルポートを使用しない状態に設定する(ステップA1014)。本実施形態では、遊技制御装置100は、演出制御装置150との間でシリアル通信を行っている。
続いて、遊技制御装置100は、電源装置450内の初期化スイッチ信号がオンに設定されているか否か判定する(ステップA1015)。初期化スイッチ信号は、遊技機1に電源が投入された場合に、初期化された状態で遊技を開始するか否かを設定するための信号である。
例えば、閉店時などに確変状態のまま電源が切断され、翌日の開店時に電源が投入された場合には、初期化された状態で遊技が開始されるように、初期化スイッチ信号がオンに設定される。一方、停電発生後に再度電源が投入された場合には、遊技を可能な限り停電前の遊技状態に近い状態で再開するために、遊技機が初期化されないように、初期化スイッチ信号がオフに設定される。
遊技制御装置100は、初期化スイッチ信号がオフに設定されている場合には(ステップA1015の結果が「N」)、RWM内の停電検査領域のデータが正常であるか否かをチェックする(ステップA1016、ステップA1017)。さらに詳しく説明すると、停電検査領域には、停電検査領域1及び停電検査領域2が含まれている。そして、停電検査領域1には停電検査領域チェックデータ1、停電検査領域2には停電検査領域チェックデータ2が記憶される。ステップA1016の処理では停電検査領域1に記憶された停電検査領域チェックデータ1が正常であるか否かを判定する。同様に、ステップA1017の処理では停電検査領域2に記憶された停電検査領域チェックデータ2が正常であるか否かを判定する。
遊技制御装置100は、RWM内の停電検査領域の停電検査領域チェックデータが正常であると判定された場合には(ステップA1016、ステップA1017の結果が「Y」)、チェックサムと呼ばれる検証用データを算出するチェックサム算出処理を実行する(ステップA1018)。
そして、遊技制御装置100は、チェックサム算出処理で算出されたチェックサムの値と、電源切断時に算出されたチェックサムの値とを比較し、これらの値が一致するか否かを判定する(ステップA1019)。
一方、遊技制御装置100は、初期化スイッチ信号がオンに設定されている場合(ステップA1009の結果が「Y」)、停電検査領域の値が正常でない場合(ステップA1016又はステップA1017の結果が「N」)、電源切断時のチェックサムの値とステップA1018の処理で算出されたチェックサムの値とが一致しない場合には(ステップA1019の結果が「N」)、図31のステップA1040からステップA1044までの初期化処理を実行する。本実施形態では、ここで一括表示装置50が正常に点灯するかを確認するための確認表示を可能としている。初期化処理の詳細については後述する。
遊技制御装置100は、算出されたチェックサムの値と電源切断時のチェックサムの値とが一致する場合には(ステップA1019の結果が「Y」)、停電処理が正常に実行されたため、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブする(ステップA1020)。例えば、停電時の情報が正常に記憶されていたか否かを判定するための情報が記憶されていた、RWM(リードライトメモリ:実施例ではRAM)内の領域(停電検査領域、チェックサム、エラー関連の情報及び不正行為を監視するための情報を記憶する領域等)をクリアする。
次に、遊技制御装置100は、RWM内の遊技状態を記憶する領域から停電発生時の遊技状態が高確率状態であったか否かを判定する(ステップA1021)。高確率でないと判定された場合には(ステップA1021の結果が「N」)、ステップA1024以降の処理を実行する。
また、遊技制御装置100は、停電発生時の遊技状態が高確率状態であったと判定された場合には(ステップA1021の結果が「Y」)、高確率報知フラグをオンに設定して高確率報知フラグ領域にセーブ(保存)する(ステップA1022)。続いて、一括表示装置50に設けられる高確率表示部のLEDをオン(点灯)に設定する(ステップA1023)。
さらに、遊技制御装置100は、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置150に送信する(ステップA1024)。特図ゲーム処理番号は、特図ゲームの状態を示す番号であり、停電発生時にRWMの所定の領域に記憶されている。このように、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置150に送信することによって、可能な限り停電発生前に近い状態で遊技を再開することができるのである。
ここで、初期化処理を実行する場合について説明する。前述のように、初期化処理は、正常に電源が切断された遊技機を起動する場合や停電発生前の状態に復帰できない場合に実行される。
遊技制御装置100は、初期化処理において、まず、アクセス禁止領域よりも前の全作業領域をクリアする(ステップA1040)。さらに、アクセス禁止領域よりも後の全スタック領域をクリアする(ステップA1041)。そして、初期化された領域に電源投入時用の初期値をセーブ(保存)する(ステップA1042)。
遊技制御装置100は、ステップA1042の処理が終了した後、点灯確認実行フラグ領域に実行フラグをセーブする(ステップA1043)。点灯確認実行フラグ領域に実行フラグがセーブされている場合には、後述するタイマ割込処理(図32)のセグメントLED編集処理(ステップA1111)で点灯確認が実行される。セグメントLED編集処理の詳細については、図33にて後述する。
その後、遊技制御装置100は、電源投入時のコマンドを演出制御装置150に送信し(ステップA1044)、ステップA1025以降の処理を実行する。
本実施形態では、一括表示装置50が正常に点灯するかを確認するための確認表示を、RAMクリアを伴う電源投入時に行うようにしたが、RAMクリアが行われた場合に限らず、単なる電源投入時(停電復旧時を含む)に確認表示を毎回行うようにしてもよい。
なお、ステップA1024で送信される停電復旧時のコマンド及びステップA1044で送信される電源投入時のコマンドには、遊技機の種類を示す機種指定コマンド、特図1、2の保留数を示す飾り特図1保留数コマンド及び飾り特図2保留数コマンド、確率の状態を示す確率情報コマンドが含まれる。また、電源遮断時や電源投入時の状態に応じて、電源遮断時に特図変動表示ゲームの実行中であった場合は復旧画面コマンド、電源遮断時に客待ち中であった場合は客待ちデモコマンド、電源投入時に初期化された場合は電源投入コマンドが含まれる。さらに、機種によって演出モードの状態を示す演出モード情報コマンド、時短状態での残りゲーム数を示す時短回数情報コマンドが含まれる。
遊技制御装置100は、ステップA1024又はステップA1044の処理が終了すると、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動させる(ステップA1025)。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、前述したCTC回路とを備えている。タイマ割込み信号は、分周された信号に基づいてCPU111aに所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込みを発生させるための信号である。乱数更新トリガ信号(CTC)は、分周された信号に基づいて乱数生成回路に供給され、乱数生成回路が乱数を更新するトリガとなる。
遊技制御装置100は、CTC回路を起動すると、乱数生成回路の起動設定を行う(ステップA1026)。具体的には、CPU111aが乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)を設定するなどの処理を実行する。このとき、乱数生成回路が正常に動作するかのチェックを行うようにしてもよい。
さらに、遊技制御装置100は、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブする(ステップA1027)。その後、遊技制御装置100は、割込みを許可する(ステップA1028)。
なお、本実施形態のCPU111a内の乱数生成回路では、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変更されるように構成されており、ソフト乱数レジスタの初期値に基づいて各種初期値乱数の初期値(スタート値)を設定することによって、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことが可能となり、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。各種初期値乱数には、例えば、大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図変動表示ゲームの当りを決定する乱数(当り乱数)が含まれる。
続いて、遊技制御装置100は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(ステップA1029)。また、本実施形態では、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。すなわち、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。なお、各種乱数の発生源は前述の態様に限定されるわけではなく、大当り乱数がソフトウェア乱数であってもよいし、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数がハードウェア乱数であってもよい。
さらに、初期値乱数更新処理が実行された後、遊技制御装置100は、電源装置450から入力され、ポート及びデータバスを介して読み込まれる停電監視信号をチェックする回数を設定する(ステップA1030)。チェック回数には、通常、2以上の値が設定される。停電監視信号をチェックすることによって停電が発生したか否かを判定することができる。遊技制御装置100は、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(ステップA1031)。停電監視信号がオンでない場合、すなわち、停電していない場合には(ステップA1031の結果が「N」)、ステップA1029の初期値乱数更新処理を再び実行し、ステップA1029からステップA1031までの処理を繰り返し実行する(ループ処理)。
また、初期値乱数更新処理(ステップA1029)の前に割り込みを許可(ステップA1028)することによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生した場合に、割込み処理を優先して実行することが可能となる。したがって、初期値乱数更新処理の実行が完了するまでタイマ割込み処理を実行できないために、割込み処理に含まれる各種処理を実行する時間が不足してしまうことを回避できる。
なお、初期値乱数更新処理(ステップA1029)は、メイン処理の他に、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行してもよい。ただし、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行する場合には、両方の処理で初期値乱数更新処理が実行されることを回避するため、メイン処理における初期値乱数更新処理の実行時に割込みを禁止し、初期値乱数を更新後に割込みを解除する必要がある。しかし、本実施形態のようにタイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行せず、メイン処理でのみ初期値乱数更新処理を実行すれば、初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても問題が生じることはなく、さらに、メイン処理が簡素化されるという利点がある。また、タイマ割込処理ではなく、メイン処理で各種乱数を更新するようにしてもよい。
なお、停電発生の検出(停電監視信号のチェック)をタイマ割込処理で実行してもよい。このとき、検出結果をメイン処理で監視してもよいし、そのままリセットされるまで待機するようにしてもよい。
一方、遊技制御装置100は、停電監視信号がオンに設定されている場合には(ステップA1031の結果が「Y」)、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がステップA1030の処理で設定したチェック回数に到達したか否かを判定する(ステップA1032)。停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達していない場合には(ステップA1032の結果が「N」)、再度、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(ステップA1031)。すなわち、停電監視信号がオンである場合にはチェック回数分だけ停電監視信号がオンであるか否かを判定する。
遊技制御装置100は、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達した場合には(ステップA1032の結果が「Y」)、停電が発生したものと見なして停電発生時の処理を実行する(ステップA1033〜ステップA1039)。
遊技制御装置100は、割込みを禁止し(ステップA1033)、全出力ポートをオフに設定する(ステップA1034)。その後、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップA1035)、さらに、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップA1036)。
さらに、遊技制御装置100は、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(ステップA1037)、算出されたチェックサムの値をRWMのチェックサム領域にセーブ(保存)する(ステップA1038)。最後に、RWMの内容が変更されないように、RWMへのアクセスを禁止し(ステップA1039)、遊技機1の電源が遮断されるまで待機する。このように、停電復旧検査領域にチェック用のデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出して記憶させることで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判定することが可能となる。
(タイマ割込み処理)
次に、タイマ割込み処理について説明する。図32は、タイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路によって生成される周期的(例えば、1ミリ秒周期)なタイマ割込信号がCPU111aに入力されることによって開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置100は、まず、所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すことによってレジスタを退避させる(ステップA1101)。なお、本実施形態では遊技用マイコンとしてZ80系のマイコンを使用している。Z80系のマイコンには、表レジスタと裏レジスタが備えられており、表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避させることでステップA1101の処理を実装することが可能である。
次に、遊技制御装置100は、入力部120を介して入力される各種センサやスイッチなどからの入力信号を取り込み、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(ステップA1102)。各種センサには、第1始動口スイッチ23d、第2始動口スイッチ24d、普図のゲートスイッチ25a、下カウントスイッチ27d、上カウントスイッチ28d、第1通過検出センサ81a、第2通過検出センサ82aなどが含まれる。また、入力処理では、入力信号にチャタリング除去等を行って入力情報を確定させる。
さらに、遊技制御装置100は、各種処理でセットされた遊技制御に関する出力データを、演出制御装置150及び払出制御装置410に送信するための出力処理を実行する(ステップA1103)。出力データは、ソレノイド等のアクチュエータの駆動制御などを行うための情報であり、制御対象となるソレノイドには、例えば、第1大入賞口ソレノイド27b、第2大入賞口ソレノイド28b及び普電ソレノイド24bが含まれる。また、出力処理では、遊技機における遊技データを収集する情報収集端末装置(図示せず)に遊技データを出力する処理も含まれる。
次に、遊技制御装置100は、送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置410に送信(出力)する払出コマンド送信処理を実行する(ステップA1104)。例えば、払出制御装置から払い出す賞球数を指定する賞球コマンドを送信する。
さらに、遊技制御装置100は、大当り図柄乱数1及び大当り図柄乱数2を更新する乱数更新処理1を実行し(ステップA1105)、続いて特図変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する乱数更新処理2を実行する(ステップA1106)。乱数更新処理1及び乱数更新処理2では、各種乱数にランダム性を付与するために、各種乱数に対応するカウンタ(大当り乱数カウンタ、当り乱数カウンタ、演出決定用乱数カウンタなど)の値を1ずつ加算する。
その後、遊技制御装置100は、各種入賞口スイッチなどを監視したり、枠の不正な開放などのエラーを監視したりする入賞口スイッチ/エラー監視処理が実行される(ステップA1107)。各種入賞口スイッチには、例えば、第1始動口スイッチ23d、第2始動口スイッチ24d、ゲートスイッチ25a、入賞口スイッチ26a〜26n、下カウントスイッチ27d、上カウントスイッチ28dが含まれる。入賞口スイッチ/エラー監視処理では、これらのスイッチから正常な信号が入力されているか否かを監視したりする。エラーの監視としては、前面枠4やクリア部材保持枠5が不正に開放されていないかなどを対象としている。
次に、遊技制御装置100は、特別遊技状態における大当りラウンド数を決定するための振分装置80の動作を制御する振分状態処理を実行する。
さらに、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理を実行する(ステップA1109)。特図ゲーム処理は、開始される変動表示ゲームの結果に対応して、通常時用と大当り時用の2種類を用意してもよい。
続いて、遊技制御装置100は、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理を実行する(ステップA1110)。
次に、遊技制御装置100は、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDの表示内容を制御するセグメントLED編集処理を実行する(ステップA1111)。具体的には、特図変動表示ゲーム及び普図変動表示ゲームの結果をセグメントLED(例えば、一括表示装置50)に出力するためのパラメータを編集する。
遊技制御装置100は、磁気センサ29aからの検出信号をチェックし、異常があるか否かを判定する磁石エラー監視処理を実行する(ステップA1112)。さらに、電波センサ29bからの検出信号をチェックし、異常があるか否かを判定する電波不正監視処理を実行する(ステップA1113)。異常の発生を検出した場合には、スピーカ8から報知音を出力したり、遊技状態報知LEDを点灯させたりするなどして外部に報知する。
次に、遊技制御装置100は、外部情報端子194から出力する各種信号を編集する外部情報編集処理を実行する(ステップA1114)。
そして、遊技制御装置100は、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する(ステップA1115)。その後、ステップA1101の処理で一時退避されていたレジスタを復帰させ(ステップA1116)、禁止設定されていた外部機器による割込み及びタイマ割込みを許可し(ステップA1117)、タイマ割込み処理を終了し、メイン処理に復帰する。
(セグメントLED編集処理)
図33は、セグメントLED編集処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、一括表示装置50の点灯確認処理を実行する(ステップA4001〜A4008)。具体的には、変動表示ゲームが実行中であるか否かを判定する(ステップA4001)。変動表示ゲームが実行中の場合には(ステップA4001の結果が「Y」)、点灯確認処理を行わずに、確認制御タイマ及び点灯確認実行フラグ領域をクリアし(ステップA4008)、その後の処理を実行する。
一方、遊技制御装置100は、変動表示ゲームが実行中でない場合には(ステップA4001の結果が「N」)、点灯確認実行フラグ領域をチェックし(ステップA4002)、実行フラグがセットされているか否かを判定する(ステップA4003)。実行フラグがセットされていない場合には(ステップA4003の結果が「N」)、ステップA4009以降の処理を実行する。
遊技制御装置100は、点灯確認の実行フラグがセットされている場合には(ステップA4003の結果が「Y」)、確認制御タイマを+1更新する(ステップA4004)。そして、確認制御タイマの値に対応する確認表示データをセグメント領域にセーブする(ステップA4005)。セグメント領域にセーブされた確認表示データに基づいて、タイマ割込処理のステップA1103の処理で一括表示装置50の出力態様が更新される。確認表示の詳細については、図34にて後述する。
さらに、遊技制御装置100は、確認制御タイマが全確認工程終了値に到達したか否かをチェックし(ステップA4006)、全確認工程終了値に到達したか否かを判定する(ステップA4007)。全確認工程終了値に到達した場合には(ステップA4007の結果が「Y」)、確認制御タイマ及び点灯確認実行フラグ領域をクリアし(ステップA4008)、その後の処理を実行する。一方、全確認工程終了値に到達していない場合には(ステップA4007の結果が「N」)、確認制御タイマ及び点灯確認実行フラグ領域をクリアせずに、その後の処理を実行する。
一括表示装置50の点灯確認処理が終了すると、遊技制御装置100は、まず、点滅制御ポインタに点灯ポインタを設定する(ステップA4009)。続いて、表示制御タイマを+1更新する(ステップA4010)。さらに、表示制御タイマがオンタイミングかをチェックし(ステップA4011)、オンタイミングであるか否かを判定する(ステップA4012)。そして、オンタイミングでない場合には(ステップA4012の結果が「N」)、点滅制御ポインタに消灯ポインタを設定する(ステップA4013)。
次に、遊技制御装置100は、普図保留数テーブルを設定する(ステップA4014)。続いて、普図保留数と点滅制御ポインタに対応する表示データを取得し、セグメント領域にセーブする(ステップA4015)。
次に、遊技制御装置100は、特図1保留数表示テーブルを設定する(ステップA4016)。続いて、特図1保留数に対応する表示データを取得し、セグメント領域にセーブする(ステップA4017)。同じく、特図2保留数表示テーブルを設定し(ステップA4018)、その後、特図1保留数に対応する表示データを取得して、セグメント領域にセーブする(ステップA4019)。
次に、遊技制御装置100は、ラウンド表示LED表示テーブルを設定する(ステップA4020)。続いて、ラウンド表示LED出力ポインタに対応する表示データを取得し、セグメント領域にセーブする(ステップA4021)。さらに、遊技状態表示テーブルを設定し(ステップA4022)、遊技状態表示番号に対応する表示データを取得し、セグメント領域にセーブする(ステップA4023)。
最後に、遊技制御装置100は、高確率報知フラグがオンに設定されているか否かを判定し(ステップA4024)、高確率報知フラグがオンに設定されていない場合には(ステップA4024の結果が「N」)、高確率報知LEDのオフデータをセグメント領域にセーブする(ステップA4025)。
続いて、一括表示装置50の各LEDの確認表示ついて説明する。図34は、一括表示装置50の確認表示の一例を説明する図である。
本実施形態における一括表示装置50の確認表示は、(A)から(F)に示す態様で各LEDを点灯させる。具体的に説明すると、RAMクリアが行われた後、(A)に示すように、一括表示装置50の異常確認のために全LEDを点灯させる。
その後、各LEDデジットに対応するLEDを異常箇所確認用に点灯させる。具体的には、(B)に示すLEDデジット0に対応するLED、(C)に示すLEDデジット1に対応するLED、(D)に示すLEDデジット2に対応するLED、(E)に示すLEDデジット3に対応するLEDの順で点灯させる。そして、最後に、(F)に示すように、特図1表示器51及び特図2表示器52にハズレ図柄を表示した状態として、確認表示を終了する。
また、本実施形態では、各LEDデジットに対応する点灯は、3秒間隔で切り替えるようにしている。このとき、各LEDデジット単位で点灯させている3秒間を点滅表示にしてもよい。
以上のように構成することによって、一括表示装置50を構成する複数の発光部材(LED)に関する不良が発生していないか否かを効率良く確認することが可能となる。また、変動表示ゲームが実行されている場合には、確認点灯制御を実行しない(確認点灯制御を中止する)ため、確認点灯制御により変動表示ゲームの実行が阻害されることがない。
また、同時点灯制御(ダイナミック点灯でもスタティック点灯でもよい)により配線の接続不良や発光部材の不良を瞬時に判断することが可能となる。さらに、LEDデジット(表示ブロック)単位での順次点灯制御により端部コネクタにおける配線の誤接続を判断することが可能となる。また、配線の誤接続の確認よりも発光部材が点灯するか否かの確認を優先して行うことで、効率良く不良確認をすることができる。さらに、順次点灯制御でLEDデジットに対応する表示部を順次点灯させることで、複数の表示部の点灯確認を効率よく行うことが可能となる。
続いて、一括表示装置50の確認表示の変形例について説明する。図35は、一括表示装置50に含まれる7セグLEDの確認表示の変形例を説明する図である。
図35に示す変形例では、7セグLEDについて、まず、全セグメントを点灯させた後に、確認表示を行うセグメントを点滅させ、確認対象のセグメントを順次移動させる。確認表示は、特図1表示器51及び特図2表示器52に対して共通の手順で行われる。また、各セグメントの点灯は、3秒間隔で切り替えられる。すべての確認パターンが終了した後、再度、確認表示を行うように確認工程を複数周回繰り返すようにしてもよいし、1回だけでもよい。
なお、各セグメントの点灯順は、全点灯の後、セグメント(a)から(g)、ドットの順としてもよいが、これに限らず、確認しやすい態様であれば他の順序であってもよい。
図36は、一括表示装置50に含まれる単体のLEDの確認表示の変形例を説明する図である。
図36に示す変形例では、各単体のLEDについて、まず、すべてのLEDを点灯させた後に、確認表示を行うLEDを点滅させ、確認対象のLEDを順次移動させる。確認表示は、LEDデジット2に対応する単体LED及びLEDデジット3に対応する単体LEDに対して共通の手順で行われる。
また、各LEDの点灯は、7セグLEDと同様に、3秒間隔で切り替えられる。すべての確認パターンが終了した後、再度、確認表示を行うように確認工程を複数周回繰り返すようにしてもよいし、1回だけでもよい。
図35及び図36に示すように一括表示装置50に含まれる各セグメント及びLEDの確認表示を行うことによって、各セグメント及びLEDの点灯可否だけでなく、一括表示コネクタに対する配線の接続順序の誤りを発見することが可能となる。
〔大当り終了後の遊技モード〕
続いて、図37〜図41を参照して、大当り終了後の遊技モードについて説明する。図37は、大当り終了後の遊技モード遷移を示す図である。
本実施形態の遊技機1は、変動表示ゲームの結果が特別結果(大当り)になると遊技状態を特別遊技状態(大当り状態)に移行し、大当り種類に応じて特別遊技終了後の遊技状態を特定の遊技状態(普電サポート状態や確変状態)に移行させ、所定条件の成立によって通常遊技状態に切り替える遊技状態切替手段を備える。以下では、特別遊技終了後に所定回数の変動表示ゲームが実行されるまで確変状態が続くタイプの遊技機1(所謂ST機)を例に説明する。
図37に示すように、確変状態には遊技モード1及び遊技モード2、通常遊技状態には遊技モード3及び遊技モード4が設けられている。そして、特別遊技終了後の遊技状態が確変状態を経て通常遊技状態に移行する場合は、遊技モード1から遊技モード4へと順に遷移する。
確変状態における遊技モード1と遊技モード2とでは、普電サポートの有無と演出態様が異なる。遊技モード1では高確率状態に加えて普電サポート状態が発生するが、遊技モード2では高確率状態のみで普電サポート状態は発生しない。これに伴い、表示装置30等で行われる演出態様も異なり、遊技モード1では演出モードAが実行されるのに対し、遊技モード2では演出モードAよりも情報が少ない演出モードBに切り替えられる。
ここで、前回の大当り後の確変状態において再び大当りが発生した場合は、連続発生回数(連荘数)や通算獲得遊技球数を報知するのが一般的である。遊技モード1及び遊技モード2においても、このように連続して大当りが発生した場合の各種情報を累積して報知する連荘継続表示が行われる。
確変状態の遊技モード2が終了すると、遊技状態は通常遊技状態の遊技モード3に移行する。遊技モード2から遊技モード3への変更点は、変動表示ゲームにおける特別結果(大当り)の発生確率が高確率状態から低確率状態に戻る点のみである。すなわち、通常遊技状態であっても遊技モード3では、高確率状態の遊技モード2における演出モードBが演出態様として継続され、さらに連荘継続表示も継続して行われる。
そして、遊技モード3が終了すると、遊技状態は遊技モード4に移行する。遊技モード4では、演出態様が演出モードBから演出モードCに変更となり、さらに連荘継続表示も非表示となる。遊技モード4は、従来からの通常遊技状態における演出表示状態である。
なお、本実施形態の遊技機1は、遊技者の携帯端末(外部装置)を用いて、遊技履歴情報や演出情報などのカスタマイズ情報を入出力可能な携帯連動仕様となっている。ここでは、遊技機1における携帯連動の開始(カスタマイズ情報の入力)は、通常遊技状態の遊技モード4でのみ可能とする。そして、携帯連動の終了(カスタマイズ情報の保存)は、遊技モード1〜4のいずれの遊技モードでも可能とする。
〔演出表示例〕
次に、図38〜図40を参照して、大当り終了後の遊技モード遷移における表示装置30での演出遷移について説明する。図38〜図40は、表示装置30における演出表示の一例を示す図である。
ここでは、大当り終了後に変動表示ゲームが50回実行されるまで確変状態となり、そのうち45回実行されるまで普電サポートが付与される。すなわち、大当り終了後の45回の変動表示ゲームが遊技モード1となり、その後5回の変動表示ゲームが遊技モード2となる。そして、50回の変動表示ゲームが終了して確変状態から通常遊技状態に移行したのち変動表示ゲームが15回実行されるまでは遊技モード3となる。
図38(A)に示すように、大当り遊技終了時には、大当りとなった識別情報(「333」)、ラウンド数(「Round.16」)、大当りの連続発生回数(「2連荘」)及び通算獲得遊技球数(「2390pt獲得」)が表示装置30に表示される。そして、この後、大当りの発生確率が高い確変状態が始まるので、表示装置30には、チャンスタイムの開始と右打ちで第1特別変動入賞装置27を狙うよう促すメッセージが表示される。
図38(B)に示すように、遊技状態が大当り遊技から確変状態の遊技モード1に移行すると、表示装置30では変動表示ゲームが実行されるが、識別情報の表示以外に演出モードAとして、現状の演出モード(「チャンスタイム」)の表示、チャンスタイム回数(実際には、普電サポート回数)の残回数表示及び連荘継続表示が行われる。そして、45回目の変動表示ゲームの結果がはずれで終了すると、遊技モード1は終了するが、次の遊技モード2も確変状態なので、表示装置30には現状のチャンスタイムは終了するが、まだまだチャンスは終わっていないことを示唆するメッセージ(「チャンスタイム終了」「まだまだリベンジせよ!」)が表示される。
図39(A)に示すように、遊技状態が確変状態の遊技モード1から遊技モード2に移行すると、表示装置30には、まず、遊技者にまだチャンスがあることを報知するメッセージ(「リベンジゾーン突入」)が表示される。遊技モード2では、識別情報の表示以外に演出モードBとして、現状の演出モード(「リベンジゾーン」)の表示及び連荘継続表示が行われる。遊技モード1の演出モードAでは、普電サポート回数の残回数表示が行われるが、演出モードBでは残回数は表示されない。このため、遊技者は確変状態が終了してしまったのかと落胆するが、実際は確変状態が継続しているので大当りが発生しやすいので、不意打ちで遊技者の落胆した心を高揚させることができる。
そして、遊技モード2となって5回目の変動表示ゲームが終了すると遊技モード2は終了となり、同時に確変状態も終了する。しかし、遊技モード2終了時の表示装置30には、遊技モード1のときのような終了画面は表示されない。ここで、確変状態の終了は遊技者に報知されない。
図39(B)に示すように、遊技状態が確変状態の遊技モード2から通常遊技状態の遊技モード3に移行しても、演出モードBは継続されるので、表示装置30における演出表示に変化はない。このため、遊技者は確変状態の継続を錯覚し、大当りを期待して通常遊技状態の遊技モード3において遊技を行うことができる。よって、確変状態が終了した後も遊技者の遊技への興趣を低下させることなく、遊技を継続させることができるとともに、遊技機1の稼働率向上効果も奏する。また、演出モードBでは連荘継続表示が行われているので、遊技者は獲得遊技球数を把握しながら遊技を行うことができ、遊技の興趣を高めることができる。
図39(B)の左側に示すように、遊技モード3となって15回目の変動表示ゲームが終了すると遊技モード3は終了となり、同時に演出モードBも終了するので、表示装置30には現状のリベンジゾーンが終了することを報知するメッセージ(「リベンジゾーン終了」)が表示される。また、演出モードBの終了とともに連荘継続表示も終了となる。
そして、これ以降は、図40の左側に示すように、遊技状態が通常遊技状態の遊技モード4に移行し、大当りが発生すると、大当り遊技終了後に確変状態の遊技モード1となる。このとき、遊技モード1における連荘継続表示は、今回の大当りを1回目の大当りとして表示される。
また、図39(B)の右側に示すように、遊技モード3が終了する前に大当りが発生すると、遊技状態は、図40の右側に示すように大当り遊技を経て確変状態の遊技モード1となる。このとき、遊技モード1における連荘継続表示は、今回の大当りを連続3回目の大当りとして獲得遊技球数を累積更新して表示される。このように、通常遊技状態であっても遊技モード3(演出モードB)で発生した大当りは、大当りの連続発生回数にカウントされるので、特に連続発生回数にこだわる遊技者の遊技への興趣を維持させることができる。
また、演出モードB(「リベンジゾーン」)が実行される遊技モード2及び遊技モード3では、大当りとなる始動記憶に対し保留先読み演出が行われる。例えば、表示装置30において、チャンスタイム(遊技モード1、演出モードA)が実行されることを報知する表示が行われる。
〔携帯連動操作画面例〕
続いて、図41を参照して、図37で前述した携帯連動について説明する。図41は、表示装置30における携帯連動操作の画面表示の一例を示す図である。図41(A)は遊技状態が通常遊技状態の遊技モード4である場合の画面表示であり、図41(B)は遊技状態が確変状態の遊技モード1、遊技モード2及び通常遊技状態の遊技モード3のいずれかである場合の画面表示である。
図41(A)に示すように、通常遊技状態の遊技モード4では、遊技者の携帯端末(外部装置)を用いて、遊技履歴情報や演出情報などのカスタマイズ情報を入出力することが可能である。このため、表示装置30の携帯連動操作の画面において、遊技者は、「新たに遊技を開始する」「遊技履歴を保存して終了」及び「前画面に戻る」のいずれのメニューも選択可能である。
そして、遊技者が遊技の開始を選択した場合には、表示装置30に表示されるコードを携帯端末で読み取ってログインすることで、その後の遊技機1における遊技情報がログインした遊技者の遊技履歴情報として蓄積される。
また、遊技者が遊技の終了を選択した場合には、表示装置30に表示されるコードを携帯端末で読み取ることで、開始時から蓄積されていた遊技情報が履歴として保存される。
図41(B)に示すように、通常遊技状態の遊技モード4以外の遊技状態(遊技モード1〜3)では、遊技者の携帯端末(外部装置)を用いて、遊技履歴情報や演出情報などのカスタマイズ情報を出力することのみが可能である。したがって、表示装置30の携帯連動操作の画面において、遊技者は、「遊技履歴を保存して終了」又は「前画面に戻る」のメニューを選択可能である。
このように、通常遊技状態であっても演出モードBが適用されて連荘継続表示が行われる遊技モード3においては、携帯連動の開始ができない。連荘継続表示中に携帯連動の開始を可能にすると、携帯連動の開始のタイミングで遊技者が入れ替わったとしても、それまでの大当りの連続発生回数や通算獲得遊技球数が、入れ替わった後の遊技者の遊技履歴情報として保存されることになる。他人の遊技結果が反映されてしまい、自身の遊技履歴情報が不正確になって遊技の興趣が低下してしまうことを未然に防ぐために、連荘継続表示中(大当り遊技情報累積中)は、携帯連動の終了操作のみで開始操作を禁止している。
また、携帯連動の終了操作が行われたときには、現在の確率状態を示唆する情報を遊技者に与えてもよい。遊技状態が確変状態か否かが不明な場合に、遊技者は終了操作を行うことで確認することができるので、遊技者に携帯連動の終了操作を促すことができる。これにより、次の遊技者による携帯連動の開始を円滑にすることができる。
なお、連荘継続表示中の携帯連動の開始を許可する場合には、開始のタイミングで連荘継続表示中の大当り連続発生回数や通算獲得遊技球数をリセットして0からカウントすれば、前述の効果とともに正確な遊技履歴情報を得ることができる。このとき、表示装置30における連荘継続表示もリセットされる。また、連荘継続表示中の携帯連動の開始を許可しても、遊技モード4になるまでの大当り連続発生回数や通算獲得遊技球数のデータは無効になるようにすれば、前述と同等の効果を維持することができる。このとき、演出情報等の遊技履歴情報については携帯連動が開始された時点から記憶される。
なお、前述では特別遊技終了後に所定回数の変動表示ゲームが実行されるまで確変状態が続くタイプ(所謂ST機)を例に説明したが、確変状態が所定の確率で転落抽選に当選するまで継続するタイプ(転落タイプの確変機)では、確率状態に関係なく一定期間は演出モードBが実行されるように設定される。そして、演出モードBが行われる場合には、携帯連動の終了操作のみ可能とすることにより、ST機の場合と同等の効果を得ることができる。また、転落タイプにおいても携帯連動の終了操作時に現在の確率状態を報知する。転落タイプの場合は確変状態か否かを判断するのはより難しいので、携帯連動の終了操作が遊技者にとって遊技継続判断の契機となり、終了操作を促進させることができる。携帯連動を開始した遊技者自身に終了まで行わせることで、次の遊技者がスムーズに遊技を行うことができる。
また、転落タイプは、演出モードが大当りの期待度が高いモードから通常モード(例えば、演出モードBから演出モードC)に切り替わっても、再び大当りの期待度が高いモード(再び、演出モードB)に戻って演出が行われたりする。ST機では演出モードBでは連荘継続表示を行う設定になっているが、転落タイプでは、演出モードBから他の演出モードに切り替わった後に再び演出モードBになった場合は連荘継続表示を行わない。また、このとき携帯連動は終了操作だけでなく開始操作も可能にすることで、混乱を避ける。
(第2実施形態)
ところで、従来から、始動条件の成立により変動表示ゲームを実行し、当該変動表示ゲームの停止結果態様が特別結果(大当り)であれば、特別遊技状態(大当たり遊技)を発生させて遊技者に遊技価値を付与する遊技機(例えば、パチンコ機)が提案されている。このような遊技機には、通常時は閉塞状態にある大入賞口を、大当り遊技で開放状態に切り替え可能な特別変動入賞装置が備えられている(例えば、特開2013−099414号公報)。しかしながら、前述の特許公報に記載される遊技機では、大入賞口が遊技機内部で予め設定されたタイミングで開放されるので、遊技者が開放タイミングに合わせて遊技球を打ち出すのが難しく、無駄球が多く発生していた。
そこで、本発明の第2実施形態では、上記した問題点に鑑み、無駄球の発生を防止可能な遊技機を開示する。第2実施形態では、大当り遊技における第1特別変動入賞装置の大入賞口を遊技者の意思によって開放可能にし、遊技者が演出ボタン13を操作することで大入賞口が閉状態から開状態に切り替わる。以下、図42〜図46を参照して、第2実施形態の大当り遊技における大入賞口の開放タイミングについて説明する。
図42は、第2実施形態の遊技制御装置100の構成を示すブロック図である。ここでは、第1実施形態と異なる点のみ説明する。第2実施形態の遊技制御装置100は、演出ボタン13が操作されたことを検知する演出ボタンSW174と信号を送受信可能に設けられる。遊技制御装置100は、出力部130に備えるドライバ133aを介してCPU部110から出力した信号を演出ボタンSW174に伝えたり、演出ボタンSW174から送られる検出信号を受信したり、受信した検出信号に基づいて第1大入賞口ソレノイド27bに信号を入力したりする。
第2実施形態では、第1大入賞口ソレノイド27bが演出ボタン13の操作入力に基づいて第1特別変動入賞装置27の開閉扉27aを回動させることで、第1特別変動入賞装置27の大入賞口を開放する。
〔大当り遊技における大入賞口開放タイミング〕
図43A及び図43Bは、表示装置30における大当り遊技開始時の大入賞口開放の演出例を示す図である。
以下では、第1特別変動入賞装置27の大入賞口が開放される場合に、表示装置30のメイン表示画面31に表示される画面表示例を示す。大入賞口の開放演出前は、メイン表示画面31では大当り遊技に入る前のファンファーレ等が実行されており、大当りであることを報知する画像が表示されている。そして、メイン表示画面31の画面右下に第1特別変動入賞装置27への遊技球の入賞を狙うように右打ちを促すメッセージが表示される。
大当り遊技が開始されると、図43A(A)に示すように、表示装置30には、遊技者に、右打ちの準備が出来たら第1特別変動入賞装置27の大入賞口を閉状態から開状態に切り替えるように促す画像が表示される。具体的には、演出ボタン13の画像と演出ボタン13の押下操作を促すメッセージ「ボタンを押して入賞口を開放せよ!」とが表示される。このとき、遊技者に右打ちを促すメッセージが継続して表示される。
そして、遊技者が演出ボタン13を押下して、押下操作が検出されると、第1特別変動入賞装置27の大入賞口が開放され、表示装置30には「開放開始!」のメッセージが表示される。
このように、遊技者が大入賞口を開放するタイミングを決めるので、遊技者は、自身のタイミングで大入賞口の開放を開始することができ、無駄球発生を防止することができる。また、大当りが続けて発生する場合に、従来の遊技機では遊技者がトイレに行く等の休憩をとることが困難であったが、本発明の遊技機では遊技者の意に反して大入賞口が開放されることがなく、遊技者が演出ボタン13を押下操作する前に休憩をとることが可能である。
また、遊技者が演出ボタン13を押下操作したときの演出ボタン13の態様(発光、振動)によって、遊技機1の内部状態が良いこと(例えば、大当りのラウンド数が16、大当り終了後に確変状態に突入等)を報知してもよい。
ここで、演出ボタン13が故障して押下操作が検出されない場合や、報知演出に関わらず遊技者が演出ボタン13を操作せず押下操作が検出されない状態が続く場合には、大当り遊技が必要以上に長くなってしまい、遊技機の稼働効率の低下を招く。
そこで、所定時間(例えば、20秒)以内に演出ボタン13の押下操作が検出されなければ、第1特別変動入賞装置27の大入賞口を開放してもよい。この場合は、図43A(B)に示すように、大当り遊技の開始とともに表示装置30には、右打ちの準備が出来たら第1特別変動入賞装置27の大入賞口を閉状態から開状態に切り替えるように促す画像だけでなく、演出ボタン13の押下操作(遊技者による大入賞口開放の切り替え)が有効な残り時間が表示される。そして、残り時間が少なくなると、遊技者に演出ボタン13の押下操作を急かすメッセージ「はやく押して!」が表示される。それでも押下操作が検出されない場合には、所定時間のタイムアップと同時に第1特別変動入賞装置27の大入賞口が強制的に開放され、表示装置30には、大入賞口の強制開放を報知するメッセージ「強制開放開始!」が表示される。
なお、残り時間が0秒に到達する前に遊技者が演出ボタン13を押下して押下操作が検出された場合には、前述の図43A(A)で説明したように、検出された時点で第1特別変動入賞装置27の大入賞口が開放され、表示装置30には、大入賞口の開放を報知するメッセージ「開放開始!」が表示される。
このように、遊技者が大入賞口を開放するタイミングを決めることができる一方、所定時間経過後は強制的に大入賞口が開放されるので大当り遊技の遅延を防止することができ、遊技機の稼働効率の低下を招くことがない。
また、前述の図43A(B)では、所定時間以内に演出ボタン13の押下操作が検出されなければ、強制的に第1特別変動入賞装置27の大入賞口が開放されるが、これに限らない。図43B(A)に後述するように、所定時間経過後は発射ハンドル14へのタッチ検出によって第1特別変動入賞装置27の大入賞口が開放されるようにしてもよい。大当り遊技において、遊技者は遊技球を獲得するためにも必ず発射ハンドル14を操作して遊技領域21に遊技球を打ち出そうとするので、大入賞口が開放されずに放置される心配がない。また、遊技者が遊技球を遊技領域21に打ち出すタイミングで大入賞口が開放されることになるので、より遊技者の遊技意思に沿った大入賞口の開放となる。
また、演出ボタン13が故障して押下操作が検出されない場合には、図43B(A)に示すように、遊技者による発射ハンドル14へのタッチ(接触)が検出されたら第1特別変動入賞装置27の大入賞口を開放してもよいし、図43B(B)に示すように、所定時間経過後に第1特別変動入賞装置27の大入賞口を開放してもよい。この場合は、図43B(A)及び図43B(B)に示すように、表示装置30には、演出ボタン13が故障中であることを報知するメッセージ「ボタンエラー中」が表示される。そして、図43B(A)に示すように、発射ハンドル14へのタッチ検出により大入賞口が開放される場合は、その旨のメッセージ「ハンドルタッチで開きます」が表示装置30に表示される。そして、遊技者が発射ハンドル14に触れると、第1特別変動入賞装置27の大入賞口が開放され、表示装置30には、大入賞口の開放を報知するメッセージ「開放開始!」が表示される。また、所定時間経過後(例えば、20秒後)に大入賞口が開放される場合は、その旨のメッセージ「時間経過後に開きます」及び開放までの残り時間が表示装置30に表示される。そして、所定時間が経過して残り時間が0秒になると、第1特別変動入賞装置27の大入賞口が開放され、表示装置30には、大入賞口の開放を報知するメッセージ「開放開始!」が表示される。
このように、演出ボタン13が故障した場合には、演出ボタン13への操作の替わりに発射ハンドル14へのタッチに基づいて大入賞口が開放されたり、所定時間経過後に大入賞口が開放されたりするので、演出ボタン13を操作したにも関わらず大入賞口が開かずに遊技者にストレスや不利益を与えてしまうことがない。
なお、演出ボタン13への操作が検出可能か否かは、大当り遊技の開始時(ファンファーレ処理)に操作判定手段によって判定され、操作の検出が不可能な場合に故障と判断される。このように、演出ボタン13の状態を事前に確認することで、遊技者に確実に演出ボタン13の操作に基づく大入賞口の開放タイミングを提供することができる。具体的な制御である大入賞口開放開始処理については、図46にて後述する。
以上、遊技者による操作装置の操作(ここでは演出ボタン13の押下操作)によって大入賞口の開放タイミングが決定されるパターンとして、操作が検出されるまで開放されないパターン(図43A(A))と、一定時間までは操作により開放されるが時間経過後は強制的に開放されるパターン(図43A(B))とがある。また、操作装置が故障していると判断された場合には、遊技者が操作可能な別の操作装置(ここでは、発射ハンドル14)への操作によって大入賞口が開放されるパターン(図43B(A))と、所定時間経過後に強制的に開放されるパターン(図43B(B))とがある。
なお、ここでは遊技者による操作装置の操作として、演出ボタン13の押下操作を例に説明したが、これに限らない。レバー式の操作装置へのレバー操作やタッチセンサに対するタッチ操作等、どのような操作入力でもよい。
次に、図44を参照して、遊技者による演出ボタン13の押下操作タイミングによって、遊技者に特典を付与する演出例について説明する。図44は、表示装置30における大入賞口開放タイミングチャレンジの演出例を示す図である。ここでは、遊技者に単に演出ボタン13を操作させるだけでなく、所定のタイミングを狙って操作させる。そして、遊技制御装置100が設定した所定のタイミングで押下操作が検出された場合に開放タイミングチャレンジが成功し、遊技者に特典が付与される。
図44(A)は、開放タイミングチャレンジの演出開始時の画面表示例である。表示装置30には、遊技者に所定の時間後(ここでは20秒後)の押下操作を促すメッセージが表示される。また、開放タイミングチャレンジに成功した場合に遊技者が獲得できる特典も報知されており、例えば開放タイミングチャレンジに成功すれば大当り遊技後の遊技状態が確変状態になることが報知される。
そして、図44(B)に示すように、表示装置30では開放タイミングまでの時間がカウントダウン表示され、遊技者は開放タイミングに合わせて演出ボタン13を押下操作する。
遊技者が開放タイミングチャレンジに成功した場合は、図44(C)に示すように、表示装置30には、成功を報知するメッセージと特典として確変状態を獲得したことが表示される。一方、遊技者の操作が早すぎて開放タイミングチャレンジに失敗した場合は、図44(D)に示すように、表示装置30には、操作タイミングが早すぎて失敗したことが表示される。
ここで、第1特別変動入賞装置27の大入賞口は、遊技者が開放タイミングチャレンジに成功したか否かに関係なく、遊技者が演出ボタン13を操作すると開放され、図44(E)に示すように、表示装置30には、大入賞口の開放を報知するメッセージ「開放開始!」が表示される。
また、遊技者の操作が間に合わずに開放タイミングチャレンジに失敗した場合は、図44(F)に示すように、表示装置30には、時間オーバーで失敗したことが表示される。
このとき、前述の図43A(A)のように遊技者が演出ボタン13を操作するまで大入賞口が開放されない場合であって、遊技者が操作しなかった場合は、図44(G)に示すように、表示装置30には、演出ボタン13を押して第1特別変動入賞装置27の大入賞口を開放するように促す画像が表示される。そして、遊技者が演出ボタン13を操作すると第1特別変動入賞装置27の大入賞口が開放され、図44(E)に示すように、表示装置30には、大入賞口の開放を報知するメッセージ「開放開始!」が表示される。
また、遊技者が演出ボタン13を操作したが間に合わなかった場合や、前述の図43A(B)のように遊技者が操作しなくても一定時間(20秒)が経過すると強制的に大入賞口が開放される場合は、開放タイミングチャレンジの20秒が経過したときに第1特別変動入賞装置27の大入賞口が開放されているので、図44(H)に示すように、表示装置30には、大入賞口が開放中であることを報知するメッセージ「開放始まっているよ!」が表示される。
なお、遊技者に付与される特典は、前述の確変状態の獲得以外に、遊技状態を曖昧に報知する曖昧報知モードから特定可能に報知する特定報知モードへの変更等、遊技情報の提供や、大当り遊技のラウンド数の追加等、遊技者に賞球獲得の機会の付与であってもよい。遊技者が釣られて演出ボタン13を操作するような付加価値があればよい。
このように、遊技者は所定の開放タイミングを狙って演出ボタン13を操作するので、単に操作するよりも興趣が高まる。また、遊技制御装置100で設定された開放タイミングに合わせて演出ボタン13が操作されることになるので、遊技者の操作待ちで大当り遊技の遅延を防止することができ、遊技球が遊技球の打ち出しを行わない無駄な時間を減らすことができる。すなわち、遊技機の稼働効率の低下を防止することができる。
続いて、図45を参照して、大当り遊技における大入賞口の開放タイミングについて説明する。図45は、大当り遊技における大入賞口の開放タイミング及び演出ボタン13の操作タイミングを示すタイムチャートである。
まず、時刻t0で、実行されていた特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる。すると、特図変動表示ゲームに代わって大当り遊技が始まる。大当り遊技が開始されるとまず始めにファンファーレが実行され、この間に演出ボタン13が故障していないか否かに応じて大入賞口の開放タイミングのパターンを決定する大入賞口開放開始処理が実行される。
ここで、従来では、大当り遊技が開始されて予め設定された時間が経過した時刻t1で、大入賞口が開放される。そして、時刻t1cで開状態から閉状態に戻るまでの間、遊技者は開放された大入賞口を狙って遊技球を発射する。その後、時刻t1cから時刻t2までのインターバルを経て、時刻t2で2回目の大入賞口の開放が開始される。以後、1回目の開放における開放時間(時刻t1から時刻t1cまでの間)とインターバル時間(時刻t1cから時刻t2までの間)とが所定回数繰り返されて大当り遊技が終了する。
これに対し、本実施形態では、1回目に大入賞口が開放されるタイミングが演出ボタン13の押下操作によって決定される。大入賞口開放タイミング1では、時刻t1bで演出ボタン13の押下操作が検出されると、1回目の大入賞口の開放が開始される。その後は、時刻t2aで開状態から閉状態に戻るまで、従来と同じ開放時間が付与され、遊技者はこの間開放された大入賞口を狙って遊技球を発射する。そして、時刻t2aから時刻t2bまでのインターバルを経て、2回目の大入賞口の開放が開始される。このように、大入賞口開放タイミング1では、所定回数繰り返される大入賞口開放の1回目の開放開始のずれ(時刻t1から時刻t1bの間)が2回目以降の開放開始にも影響する。すなわち、1回目の大入賞口の開放タイミングがずれるだけで、以後の大入賞口の開放時間やインターバル時間は不変である。
大入賞口開放タイミング2では、1回目の大入賞口の開放タイミングが時刻tbとなっても開状態から閉状態に戻る時刻t1cは固定され、2回目の大入賞口の開放タイミングは従来通りの時刻t2とする。この場合は、表示装置30において、早く演出ボタン13を押さないと大入賞口の開放時間が短くなることを報知してもよい。これにより、演出ボタン13の操作検出が遅いほど1回目の大入賞口の開放時間が短くなるので、遊技者に演出ボタン13を早く操作させることができる。操作タイミングによって獲得できる特典が変わるので遊技の興趣が高まるとともに、大当り遊技の遅延を防止することができる。
大入賞口開放タイミング3では、大入賞口開放タイミング2をベースとするが、従来の1回目の大入賞口の開放タイミングである時刻t1から時刻t1aの間(例えば、0.5秒)、大入賞口が短開放される点が異なる。
なお、1回目の大入賞口の開放タイミングだけでなく、2回目以降についても同様に演出ボタン13の操作に基づく大入賞口の開放が行われてもよい。
図46は、大入賞口開放開始処理の手順を示すフローチャートである。大入賞口開放開始処理は、前述したように遊技制御装置100によって大当り遊技のファンファーレ/インターバル中に実行される処理である。
図46(A)は、操作判定手段により演出ボタン13の故障を判断し、故障していない場合は前述の図43A(B)のパターン2を適用し、故障している場合は前述の図43B(B)の故障パターン2を適用する場合のフローチャートである。
まず、遊技制御装置100は、S4601及びS4602の処理で演出ボタン13が故障しているか否かを判定する。遊技制御装置100は、演出ボタン13に信号を出力し(S4601)、出力した信号を受信したか否かを判定する(S4602)。信号が受信できない場合は(S4602の結果「N」)、信号ケーブルが断線している可能性があるので演出ボタン13が故障したと判断する。信号が受信できた場合は(S4602の結果「Y」)、演出ボタン13が正常であると判断する。
演出ボタン13が正常であると判断された場合には(S4602の結果「Y」)、遊技制御装置100は、演出ボタン13の操作入力があるか否かを判定する(S4603)。
そして、演出ボタン13の操作入力が検出された場合には(S4603の結果「Y」)、遊技制御装置100は、大入賞口を開放する(S4606)。その後、大入賞口開放開始処理を終了する。
一方、演出ボタン13の操作入力が検出されない場合には(S4603の結果「N」)、遊技制御装置100は、所定時間(ここでは、20秒)が経過したか否かを判定する(S4604)。そして、所定時間が経過しない場合は(S4604の結果「N」)、S4603の処理に戻る。一方、所定時間が経過した場合は(S4604の結果「Y」)、大入賞口を開放して(S4606)、大入賞口開放開始処理を終了する。
演出ボタン13が故障していると判断された場合には(S4602の結果「N」)、遊技制御装置100は、所定時間が経過したか否かを判定する(S4605)。そして、所定時間が経過するまでS4605の処理を繰り返し、所定時間が経過したら(S4605の結果「Y」)、大入賞口を開放して(S4606)、大入賞口開放開始処理を終了する。
図46(B)は、演出ボタン13の故障を判断することなく、前述の図43A(A)のパターン1を適用した場合のフローチャートである。
この場合は、遊技制御装置100は、演出ボタン13の操作入力があるか否かを判定し(S4611)、操作入力があった場合には(S4611の結果「Y」)、大入賞口を開放して(S4612)、大入賞口開放開始処理を終了する。一方、操作入力がない場合には(S4611の結果「N」)、操作入力が検出されるまでS4611の処理が繰り返される。
なお、図46(A)のS4603及びS4604の処理に替えて、図46(B)のS4611の処理を適用してもよいし、図46(A)のS4605の処理に替えて、前述の図43B(A)のように発射ハンドル14へのタッチ操作があるか否かを判定する処理を適用してもよい。発射ハンドル14へのタッチ操作が検出された場合に大入賞口を開放する(S4606)。
(第3実施形態)
ところで、特別変動入賞装置の大入賞口は、大当り遊技において閉状態から開状態に変換され、大入賞口内に遊技球が入賞可能となるものが多く提案されている。このような特別変動入賞装置には、常に特別変動入賞装置自体が遊技者から視認可能に配設され、さらに大入賞口内の遊技球も視認可能に設けられているものがある(特開2007−89631号公報)。しかしながら、前述の特許公報に記載される遊技機では、特別変動入賞装置が大入賞口内も含めて常に遊技者から視認可能に配設されているので、大当り遊技の興趣が乏しい。
そこで、本発明の第3実施形態では、上記した問題点に鑑み、大当り遊技の興趣を高めることが可能な特別変動入賞装置を備える遊技機を開示する。以下、図47〜図57を参照して、第3実施形態の第1特別変動入賞装置27について説明する。
図47は、第3実施形態のセンターケースを取り付けた状態の遊技盤の正面図である。第3実施形態の遊技盤20は、第1実施形態の遊技盤20から右下方の遊技領域21の構成が変更されている。第3実施形態では、右下方の遊技領域21に配設される第1特別変動入賞装置27の構成が第1実施形態と異なる。さらに第1特別変動入賞装置27は、大当り遊技以外の遊技状態において、遊技者から視認不可能に装飾被覆部材270によって被覆されている。
図48は、第3実施形態の遊技制御装置100の構成を示すブロック図である。ここでは、第1実施形態と異なる点のみ説明する。第3実施形態の遊技制御装置100は、出力部130に備えるドライバ133aを介してCPU部110から出力した信号を排出ソレノイド272bに伝える。排出ソレノイド272bは、第3実施形態の第1特別変動入賞装置27に備えられる排出流路272(図49参照)に設けられ、スライド扉272a(図49参照)を移動させることで大入賞口に入賞した遊技球を排出流路272に流下させる。
図49は、第3実施形態の第1特別変動入賞装置27の構成について説明する図である。図49(A)は、通常時の状態であり、図49(B)は、装飾被覆部材270が可動した状態であり、図49(C)は、大入賞口スライド部材27a及び開閉部材271aが開放された状態である。また、図49(D)は、図49(A)及び図49(B)における第1特別変動入賞装置27の上面図及び側面図であり、図49(E)は、図49(C)における第1特別変動入賞装置27の上面図及び側面図である。
図49(A)に示すように、大当り遊技以外の遊技状態では、第1特別変動入賞装置27の前方に装飾被覆部材270が配設される。装飾被覆部材270は、盤演出装置172のひとつであり、演出制御装置150の盤演出モータ/SOL(ソレノイド)制御回路163によって駆動制御される。遊技盤20の右下方の遊技領域21であって第1特別変動入賞装置27の上方には、右側の遊技領域21を流下する遊技球が転動可能な転動面S1が突設されている。そして、装飾被覆部材270は、その上端が転動面S1に沿って設けられている。また、装飾被覆部材270の後方に位置する第1特別変動入賞装置27は、転動面S1に臨んで開口可能に大入賞口(すなわち大入賞口スライド部材27a)が設けられている。
図49(A)の状態において、遊技者は、装飾被覆部材270によって第1特別変動入賞装置27を視認することができない。すなわち、第1特別変動入賞装置27は被覆状態である。このとき、遊技者には、遊技球が装飾被覆部材270の上面(転動面S1)を流下しているように認識し、第1特別変動入賞装置27の存在に気付かない。
遊技状態がファンファーレに移行すると、図49(B)に示すように、装飾被覆部材270が下方に可動する。これにより、遊技者は、第1特別変動入賞装置27を視認することができる。すなわち、第1特別変動入賞装置27は出現状態(視認可能状態)である。この時点では、図49(B)及び図49(D)に示すように、第1特別変動入賞装置27の大入賞口は開放されておらず、遊技球は転動面S1を右から左へと流下する。
そして、大当り遊技のラウンドが開始されると、図49(C)及び図49(E)に示すように、第1特別変動入賞装置27の大入賞口が開放されて、転動面S1を流下する遊技球が大入賞口に入賞可能となる。
ここで、第1特別変動入賞装置27の構成について説明する。図49(A)〜図49(E)に示すように、第1特別変動入賞装置27は、大入賞口スライド部材27aと、入賞流路27cと、球見せ凹室271(開閉部材271a)と、排出流路272と、予備排出流路273と、を備える。
大入賞口スライド部材27aは、第1大入賞口ソレノイド27b(図48参照)によって前後方向の後方にスライド移動することで、大入賞口を転動面S1に臨んで開放する。大入賞口スライド部材27aが開状態になると、転動面S1を流下する遊技球が大入賞口に入賞することができる。
入賞流路27cは、大入賞口に入賞した遊技球を下方の球見せ凹室271に案内可能な流路である。入賞流路27cには、大入賞口に入賞した遊技球を検出する検出手段として下カウントスイッチ27d(図48参照)が配設されている。大入賞口に入賞した遊技球は、必ず下カウントスイッチ27dに検出される。なお、入賞流路27cは、上端開口が大入賞口スライド部材27aに被覆可能な位置であって、下端開口が開状態となった球見せ凹室271の開閉部材271aに臨む位置になるように遊技盤20に設けられる。
球見せ凹室271は、装飾被覆部材270と同様に盤演出装置172のひとつであり、遊技盤20に凹設される。球見せ凹室271は、演出制御装置150の盤演出モータ/SOL(ソレノイド)制御回路163によって駆動制御されるアタッカ形式の開閉部材271aを有する。開閉部材271aの上端側が手前側に倒れる方向に回動することで、開閉部材271aの裏面側(内側)に入賞流路27cを流下した遊技球が落下し、球見せ凹室271に遊技球が誘導される。
排出流路272は、球見せ凹室271の下面に開口して設けられる。排出流路272と球見せ凹室271との境界には、排出ソレノイド272b(図48参照)によってスライド移動が可能なスライド扉272aが配設される。スライド扉272aが閉状態から開状態に変換されると、球見せ凹室271に貯留された遊技球は、排出流路272を流下して外部に排出される。なお、球見せ凹室271の下面には、排出流路272に遊技球が流下しやすいように傾斜面が形成されている。
予備排出流路273は、第1特別変動入賞装置27の最下面S2に開口して設けられる。ここでは、遊技盤20本体の表面に区画形成される遊技領域21の右下方の区画境界を最下面S2とする。そして、遊技領域21の右下方の予備排出流路273には、大入賞口に入賞した遊技球のうち、球見せ凹室271への取り込みが失敗した遊技球が流下する。なお、予備排出流路273は、最下面S2の左端、すなわち遊技領域21の中央寄りに設けられるので、区画境界の傾斜を利用して予備排出流路273に遊技球が流下しやすくすることができる。
続いて、図50を参照して、装飾被覆部材270及び第1特別変動入賞装置27の動作タイミングについて説明する。図50は、第1特別変動入賞装置27の可動部材(大入賞口スライド部材27a、開閉部材271a及びスライド扉272a)の動作タイミングについて説明するタイムチャートである。
まず、時刻t0で特図変動表示ゲームの結果が大当りとなり、大当り遊技の開始演出(ファンファーレ演出)が実行される。
そして、ラウンド遊技が始まる前(ファンファーレ中)の時刻t1で、演出制御装置150によって装飾被覆部材270が下方に可動される。これにより、第1特別変動入賞装置27が遊技者から視認可能な視認可能状態となる(図48(B))。
その後、時刻t2で、第1特別変動入賞装置27の球見せ凹室271の開閉部材271aが演出制御装置150によって閉状態から開状態に変換される。ここで、開閉部材271aは、球見せ凹室271に取り込まれる遊技球を遊技者が視認できるように透明部材で形成されることが好ましい。
そして、球見せ凹室271の開閉部材271aが開状態に切り替えられた後、時刻t3で、第1特別変動入賞装置27の大入賞口スライド部材27aが遊技制御装置100によって閉状態から開状態に変換され、第1特別変動入賞装置27の大入賞口に遊技球が入賞可能な状態となる(図48(C))。そして、大入賞口スライド部材27aは、付与されるラウンド数(ここでは2ラウンド)に応じて開閉を繰り返す。
なお、第1特別変動入賞装置27の排出流路272のスライド扉272aは、球見せ凹室271に遊技球を貯留するか否かに応じて開閉タイミングが異なる。遊技球を球見せ凹室271に貯留せず通過させるのみの場合は、スライド扉272aは、例えば、装飾被覆部材270が可動されるタイミング(時刻t1)で、演出制御装置150によって閉状態から開状態に変換される。排出流路272のスライド扉272aは、第1特別変動入賞装置27の大入賞口に遊技球が入賞可能になる前、すなわち時刻t3より前に、開状態に変換されていればよい。一方、遊技球を球見せ凹室271に貯留する場合は、スライド扉272aは、例えば、ラウンドが終了するタイミングで閉状態から開状態に変換される。
時刻t4で、ラウンド遊技が終了すると、第1特別変動入賞装置27の大入賞口スライド部材27aは開状態から閉状態に変換される。その後、最後に大入賞口に入賞した遊技球が球見せ凹室271に取り込まれるのに十分な時間を空けて、時刻t5で、球見せ凹室271の開閉部材271aが開状態から閉状態に変換される。そして、時刻t6で、装飾被覆部材270が下方から上方に可動して第1特別変動入賞装置27を被覆する状態となる。時刻t7で、大当り遊技が終了し、特図変動表示ゲームが再開される。
このように、第3実施形態の第1特別変動入賞装置27は、大当りになって作動するときに初めて遊技者に視認可能となるので、突然の大入賞口の出現により大当り遊技の興趣が向上する。
また、大入賞口に入賞した遊技球を球見せ凹室271に貯留することができるので、遊技者が入賞した遊技球数を確認しやすい。よって、遊技の興趣が向上する。
(装飾被覆部材270の別パターン)
次に、図51を参照して、装飾被覆部材270の別パターンについて説明する。図51は、第1特別変動入賞装置27の装飾被覆部材270の別パターンを示す図である。図51(A)は第1特別変動入賞装置27の被覆状態であり、図51(B)は第1特別変動入賞装置27の視認可能状態(出現状態)である。
第3実施形態の装飾被覆部材270は、上下方向に可動することで第1特別変動入賞装置27を被覆したり、出現させたりしていた。これに対し、別パターンの装飾被覆部材270は、可動しない。ここでは、装飾被覆部材270に半透鏡(ハーフミラー)部材を用い、特定の場合にのみ第1特別変動入賞装置27を遊技者から視認可能にする。
図51(A)に示すように、装飾被覆部材270には、半透鏡部材(ハーフミラー)が用いられる。そして、球見せ凹室271の天井(上方)には、照明部材274が設けられている。通常状態では、照明部材274は消灯している。したがって、遊技者は装飾被覆部材270越しに後方の球見せ凹室271を視認することはできない。このとき、装飾被覆部材270は鏡のように機能し、遊技者は装飾被覆部材270の外表面に遊技者自身側の様子が映しだされるのを視認できる。
ここで、ハーフミラーの原理について説明する。ハーフミラーはアクリル板やガラスに金属(アルミ等)を薄く蒸着して形成される。この金属の薄さを調節することで反射光と透過光の割合を調整することができ、薄いほどガラスやプラスチック表面の反射光を減らし、透過光を増大させる機能を有する。したがって、明るい部屋と暗い部屋の間にハーフミラーを設置すると、明るい部屋の反射光が暗い部屋からの透過光よりも強いため、明るい部屋からは部屋の中が映り込んで鏡のように見えて暗い部屋の中が見えず、暗い部屋からは明るい部屋の中が見える。
第3実施形態の別パターンでは、装飾被覆部材270にハーフミラー部材を用い、装飾被覆部材270の内側(第1特別変動入賞装置27の球見せ凹室271内)を明るくして、装飾被覆部材270の外側(遊技者側)を暗くすることで、遊技者から球見せ凹室271内が視認できるようにする。
装飾被覆部材270の内側(第1特別変動入賞装置27の球見せ凹室271内)を明るくする照明部材274は、球見せ凹室271の開閉部材271aを閉状態から開状態に変換するタイミング(図50の時刻t2)で点灯する。また、第1特別変動入賞装置27の作動を伴う大当り遊技の開始(図50の時刻t0)を点灯条件の成立としてもよいし、前述の第3実施形態における装飾被覆部材270の可動タイミング(図50の時刻t1)で点灯するようにしてもよい。
照明部材274の点灯により、図51(B)に示すように、遊技者から装飾被覆部材270越しに第1特別変動入賞装置27(ここでは球見せ凹室271内)が視認可能になる。なお、照明部材274が点灯する場合には、少なくとも装飾被覆部材270の外周り周辺の照明は消灯したほうがよい。
このように、装飾被覆部材270にハーフミラー部材を用いれば、装飾被覆部材270を可動させることなく第1特別変動入賞装置27の球見せ凹室271周辺の照明の調整で被覆状態と出現状態(視認可能状態)とを制御可能である。すなわち、照明部材274は盤装飾装置170のひとつであり、この制御は、演出制御装置150の盤装飾LED制御回路161によって実行される。したがって、別パターンでは、盤演出モータ/SOL制御回路163によって実行される第3実施形態よりもコストを抑えて構造の簡素化を図ることができる。
(球見せ凹室271の別パターン)
次に、図52を参照して、球見せ凹室271の別パターンについて説明する。図52は、第1特別変動入賞装置27の球見せ凹室271の別パターンを示す図である。図52(A)は第1特別変動入賞装置27の被覆状態であり、図52(B)は第1特別変動入賞装置27の出現状態である。
第3実施形態の球見せ凹室271は、開閉部材271aがアタッカ形式であった。これに対し、別パターンの開閉部材271aは、羽根タイプを適用する。
図52(A)に示すように、第1特別変動入賞装置27は、装飾被覆部材270によって、大入賞口スライド部材27a、入賞流路27c、球見せ凹室271の開閉部材271aが被覆されている。そして、装飾被覆部材270が下方に可動すると、図52(B)に示すように、第1特別変動入賞装置27が出現状態になり、遊技者は大入賞口の存在を確認することができる。
なお、大入賞口スライド部材27a及び球見せ凹室271の開閉部材271aが被覆状態にあれば大入賞口の隠蔽に十分であるが、さらに球見せ凹室271も装飾被覆部材270によって被覆してもよい。
(第3実施形態の変形例)
次に、図53〜図57を参照して、第3実施形態の変形例の第1特別変動入賞装置27について説明する。
図53A及び図53Bは、第3実施形態の変形例の第1特別変動入賞装置27の構成について説明する図である。まず、図53Aを参照して構成の概要を説明する。図53A(A)は、第1特別変動入賞装置27の被覆状態であり、図53A(B)は、第1特別変動入賞装置27の出現状態である。
図53A(A)及び図53A(B)に示すように、変形例では、第3実施形態の第1特別変動入賞装置27の大入賞口の隣にアウト口275が配設される。なお、球見せ凹室271の開閉部材271aは透明部材とし、図示を省略する。
変形例では、転動面S1を上面とする流路部材260が遊技盤20の前面に配設される。そして、流路部材260の内部に第1特別変動入賞装置27の大入賞口の入賞流路27cと、アウト口275のアウト流路275cとが形成される。なお、流路部材260の内部に入賞流路27c及びアウト流路275cが配設されていることは、遊技者から視認できない。また、装飾被覆部材270は、前述の図51で説明したハーフミラー部材であり、流路部材260の下方領域(球見せ凹室271)を被覆する。装飾被覆部材270によって被覆される被覆領域の上方に位置する流路部材260の下面には、照明部材274が設けられる。
アウト口275は、第1特別変動入賞装置27の大入賞口と同様に転動面S1に臨んで開口可能に配設される。アウト口275は、アウト口ソレノイド275b(図54参照)によって前後方向の後方にスライド移動することで閉状態から開状態に変換されるアウト口スライド部材275aを有する。そして、アウト口スライド部材275aが開状態になると、転動面S1を流下する遊技球がアウト口275に流下可能となる。
アウト口275は、アウト流路275cを介して第1特別変動入賞装置27の球見せ凹室271に流下可能である。アウト流路275cには、アウト口275に入った遊技球を検出する検出手段としてアウトカウントスイッチ275d(図54参照)が配設されている。
次に、図53Bを参照して、第1特別変動入賞装置27の下方領域の構造について説明する。図53B(A)は、前述の図53A(A)と同様に第1特別変動入賞装置27の被覆状態を示す図であり、図53B(B)は、前述の図53A(B)と同様に第1特別変動入賞装置27の出現状態を示す図であり、それぞれ正面図と斜視図とを示す。
流路部材260の下方には、上方が開口したコの字状のフレーム部材270aが遊技領域21に突設される。フレーム部材270aは、流路部材260とともに遊技領域21を区画し、この区画された遊技領域21に球見せ凹室271が配設される。そして、フレーム部材270aの前面枠には、ハーフミラー部材の装飾被覆部材270が設けられ、特定の場合にのみ後方の区画された遊技領域21が遊技者から視認可能になるよう設定される。なお、図53Bでは、照明部材274の図示を省略している。
球見せ凹室271、開閉部材271a、排出流路272の構造は、前述の第3実施形態(図49)と同様なので、説明を省略する。予備排出流路273は、区画された遊技領域の左下端部に前面に開口して設けられる。ここで、フレーム部材270aは、球見せ凹室271への誘導に失敗した遊技球が流下する下辺が右から左に向かって下り傾斜するように設けられるので、例えば、開閉部材271aの右側から落下した遊技球であっても傾斜した下辺を勢いよく流下するので、速やかに予備排出流路273に導かれる。
続いて、変形例における第1特別変動入賞装置27及びアウト口275の動作について説明する。
図53B(A)に示すように、大当りを契機とした動作タイミングでない場合には、装飾被覆部材270によって、第1特別変動入賞装置27の球見せ凹室271を含む区画された遊技領域21は遊技者に視認されない。この被覆状態においては、流路部材260の転動面S1に設けられる第1特別変動入賞装置27の大入賞口スライド部材27a及びアウト口275のアウト口スライド部材275aは閉状態を維持する。このため、転動面S1に落下した遊技球は、そのまま転動面S1を流下する。また、球見せ凹室271の開閉部材271aも閉状態を維持する。
図53B(B)に示すように、大当りを契機とした特定の動作タイミングである場合には、装飾被覆部材270による被覆が解除され、区画された遊技領域21が遊技者に視認可能となる。このとき、球見せ凹室271の開閉部材271a、大入賞口の大入賞口スライド部材27a、アウト口275のアウト口スライド部材275a及び排出流路272のスライド扉272aが予め設定されたタイミングで閉状態から開状態に切り替えられ、転動面S1を流下する遊技球が流下途中で第1特別変動入賞装置27の大入賞口に入賞したり、アウト口275に流下したりする。ここで、大入賞口スライド部材27aとアウト口スライド部材275aとは交互に開状態に切り替えられるが、球見せ凹室271は継続して開放される。これら可動部材の開閉動作タイミングについての詳細は、図55にて後述する。
このように、第3実施形態の変形例の第1特別変動入賞装置27は、球見せ凹室271に大入賞口に入賞した入賞遊技球だけでなく、アウト口275に入ったアウト遊技球も貯留される。したがって、遊技者は実際に大入賞口に入賞した入賞遊技球の数よりも多くの遊技球数を獲得できたと錯覚するので、遊技の興趣が向上する。
なお、アウト口275は、第1特別変動入賞装置27の大入賞口の下流に位置する流路部材260に配設される。一般的に大入賞口への入賞を逃がした遊技球は、遊技領域21下流に設けられるアウト口32(図47参照)に回収されることが多いので、大入賞口に隣接してアウト口275を配設してもスペック等に影響はないと考えられる。
続いて、図54は、第3実施形態の変形例の遊技制御装置100の構成を示すブロック図である。ここでは、第3実施形態と異なる点のみ説明する。
前述したように、変形例では、遊技制御装置100によって開閉制御されるアウト口275が第1特別変動入賞装置27に追加される。このため、変形例の第3実施形態の遊技制御装置100は、出力部130に備えるドライバ133aを介してCPU部110から出力した信号をアウト口ソレノイド275bに伝える。この信号を受けてアウト口ソレノイド275bは、アウト口スライド部材275aを開閉制御する。また、遊技制御装置100の入力部120の近接I/Fには、アウトカウントスイッチ275dが接続され、アウト口275に入って遊技球の数が遊技制御装置100内メモリに記憶される。
次に、図55は、アウト口275のアウト口スライド部材275a及び第1特別変動入賞装置27の可動部材(大入賞口スライド部材27a、開閉部材271a及びスライド扉272a)の動作タイミングについて説明するタイムチャートである。装飾被覆部材270の動作は、第3実施形態(図50)と同じである。ここでは、アウト口275と大入賞口の開閉タイミングに着眼する。
まず、時刻t0で、第1特別変動入賞装置27の球見せ凹室271の開閉部材271aが演出制御装置150によって閉状態から開状態に変換される。
その後、時刻t1で、まず、第1特別変動入賞装置27の大入賞口スライド部材27aが遊技制御装置100によって閉状態から開状態に変換され、第1特別変動入賞装置27の大入賞口に遊技球が入賞可能なラウンド遊技が開始される。
時刻t2で、1ラウンドが終了する。第1特別変動入賞装置27の大入賞口スライド部材27aが開状態から閉状態に変換されると同時に、次はアウト口275のアウト口スライド部材275aが遊技制御装置100によって閉状態から開状態に変換され、アウト口275に遊技球が流入可能になる。アウト口275は、ラウンド遊技間のインターバル中に開状態に設定される。
時刻t3で、2ラウンド目のラウンド遊技が開始される。アウト口275のアウト口スライド部材275aが開状態から閉状態に変換されると同時に、再び第1特別変動入賞装置27の大入賞口スライド部材27aが閉状態から開状態に変換され、第1特別変動入賞装置27の大入賞口に遊技球が入賞可能となる。以降の時刻t4及び時刻t5、時刻t6及び時刻t7は、前述の時刻t2及び時刻t3と同じである。
このようにラウンド遊技とインターバルとは交互に発生するので、大入賞口とアウト口275とは交互に開閉される。そして、大当り遊技中は、第1特別変動入賞装置27の球見せ凹室271の開閉部材271aは、常に開状態である。したがって、第1特別変動入賞装置27の球見せ凹室271には、大入賞口に入賞した遊技球及びアウト口275に流入した遊技球が刻々と貯留されることになる。
そこで、第1特別変動入賞装置27の球見せ凹室271に貯留された遊技球を外部に排出する球抜きタイミングとして、ラウンド終了毎に実行する球抜きタイミング1と、複数ラウンド終了毎(ここでは2ラウンド毎)に実行する球抜きタイミング2とがある。
球抜きタイミング1では、1ラウンド目が終了した後のインターバル中(時刻t2〜時刻t3の間)の時刻taで、第1特別変動入賞装置27の排出流路272のスライド扉272aが遊技制御装置100によって閉状態から開状態に変換される。そして、時刻ta〜2ラウンド目が開始される時刻t3までの間、球見せ凹室271に貯留された遊技球は、排出流路272へと誘導される。このようにラウンド終了毎(時刻ta、時刻tb、時刻tc)に、球見せ凹室271に貯留された遊技球を外部に排出する。
球抜きタイミング2では、2ラウンド目が終了した後のインターバル中(時刻t4〜時刻t5の間)の時刻tbで、初めて、第1特別変動入賞装置27の排出流路272のスライド扉272aが遊技制御装置100によって閉状態から開状態に変換される。そして、時刻tb〜3ラウンド目が開始される時刻t5までの間、球見せ凹室271に貯留された遊技球は、排出流路272へと誘導される。このように2ラウンド終了毎に、球見せ凹室271に貯留された遊技球を外部に排出する。
球見せ凹室271に貯留される遊技球が多いほど、遊技者は大当り遊技で獲得した遊技球が多いと感じるので、球見せ凹室271に貯留可能な遊技球数に応じて球抜きタイミング1や球抜きタイミング2を設定すればよい。また、変形例では、アウト口275に流入したアウト遊技球数をアウトカウントスイッチ275dで計数しているので、大入賞口に入賞した入賞遊技球数とアウト遊技球数との合計が所定数に達したら、排出流路272のスライド扉272aを閉状態から開状態に変換するようにしてもよい。
なお、球抜きタイミングの頻度が低くて球見せ凹室271内の遊技球が溢れてしまった場合や、球見せ凹室271の開閉部材271aをラウンド毎に開閉して開閉部材271aに遊技球が上手く載らない場合など、球見せ凹室271に取り込まれなかった遊技球は、予備排出流路273から外部に排出される。
続いて、図56は、第3実施形態の変形例の大当り遊技中の画面表示例である。
表示装置30には、大当り遊技中に大入賞口への入賞カウントに基づいて獲得遊技球数が表示される。一般的には、大入賞口への入賞が検出された時点でカウントが更新される。しかしながら、変形例において、第1特別変動入賞装置27の大入賞口に入賞した遊技球は、入賞流路27cを流下する途中に下カウントスイッチ27dによって検出される。この時点で表示装置30におけるカウント表示が更新されてしまっては、入賞流路27cの下流に位置する球見せ凹室271において遊技球を遊技者に視認させる効果が失われてしまう。
そこで、変形例では、表示装置30におけるカウント表示の更新は、球見せ凹室271に貯留された遊技球が排出流路272に排出される球抜きタイミングで実行する。
これにより、球見せ凹室271に貯留された多くの遊技球(入賞遊技球+アウト遊技球)が排出流路272に流れ込む状況の中、表示装置30におけるカウント表示が更新されるので、入賞遊技球の検出が球抜きタイミングで行われると遊技者に勘違いさせることができる。また、遊技者により多くの遊技球を獲得したと錯覚させることができる。よって、球見せ凹室271に遊技球を貯留する意義(価値)を高めることができ、遊技の興趣が向上する。
また、変形例では、アウト口275に流入したアウト遊技球がアウトカウントスイッチ275dによって検出される。これにより、アウト遊技球数と入賞遊技球数の比率が把握できるので、比率に応じた演出を実行してもよい。例えば、入賞遊技球数がアウト遊技球数よりも多い場合は、ラウンド終了後の遊技状態について信頼性の高い報知が実行される。また、アウト遊技球数が入賞遊技球数よりも多い場合は、信頼性の低い曖昧な報知が実行される。
このように、大当り遊技において大入賞口を狙って打ち出される遊技球の的中率(入賞率)に応じて演出が変わるので、遊技の興趣が向上する。
(変形例の第1特別変動入賞装置27の別パターン)
次に、図57を参照して、第3実施形態の変形例の第1特別変動入賞装置27の別パターンについて説明する。図57は、第3実施形態の変形例の第1特別変動入賞装置27の別パターンの構成について説明する図である。
変形例では、アウト口275に流入した遊技球は、第1特別変動入賞装置27の球見せ凹室271に貯留される。これに対し、別パターンでは、アウト口275に流入した遊技球は、球見せ凹室271の後方に別途設けられるアウト口側球見せ凹室276に貯留される。
したがって、アウト遊技球は入賞遊技球と別々に貯留される。アウト口275は、アウト流路275cを介してアウト口側球見せ凹室276に連続し、アウト口側球見せ凹室276の下面にはスライド扉277aによって開閉可能な排出流路277が設けられる。アウト口側球見せ凹室276及び排出流路277は、第1特別変動入賞装置27の球見せ凹室271及び排出流路272と前後方向に重合するように配置されるので、遊技球の貯留状態に奥行きが生まれ、より多くの貯留球があるように見せることができ、遊技の興趣が向上する。
(第4実施形態)
ところで、特別変動入賞装置の大入賞口は、大当り遊技において閉状態から開状態に変換され、大入賞口内に遊技球が入賞可能となるものが多く提案されている。このような特別変動入賞装置には、駆動範囲を狭めたものがある(特開2006−280755号公報)。しかしながら、前述の特許公報に記載される遊技機では、特別変動入賞装置の可動範囲が狭いため、大入賞口が開放状態になっても遊技の興趣が乏しい。
そこで、本発明の第4実施形態では、上記した問題点に鑑み、遊技の興趣を高めることが可能な特別変動入賞装置を備える遊技機を開示する。以下、図58〜図62を参照して、第4実施形態の第1特別変動入賞装置27について説明する。
図58は、第4実施形態のセンターケース22を取り付けた状態の遊技盤20の正面図である。第4実施形態の遊技盤20の構成で第1実施形態の遊技盤20の構成と同じ機能を有する構成については、同じ符号を付して説明を省略する。第4実施形態では、第1特別変動入賞装置27に特徴がある。
第4実施形態の第1特別変動入賞装置27は、遊技領域21の下方中央に配設され、アタッカ形式の開閉扉27aを有する。本実施形態の開閉扉27aは、第1開閉扉278と、第2開閉扉279とで構成される。開閉扉27aの構造についての詳細は、図60にて後述する。
図59は、第4実施形態の遊技制御装置100の構成を示すブロック図である。ここでは、第1実施形態と異なる点のみ説明する。第4実施形態の第1特別変動入賞装置27の開閉扉27aは、第1開閉扉278と、第2開閉扉279とで構成される。このため、遊技制御装置100は、第1開閉扉278を開閉する第1a大入賞口ソレノイド278bと第2開閉扉279を開閉する第1b大入賞口ソレノイド279bに対して、CPU部110から出力した信号を伝える。
図60は、第4実施形態の第1特別変動入賞装置27の構成について説明する図である。図60(A)は、開閉扉27aを正面図であり、図60(B)は、開閉扉27aを開放状態にしたときの第1特別変動入賞装置27の上面図である。また、図60(C)は、図60(B)におけるA−A断面図であり、図60(D)は、図60(B)におけるB−B断面図である。
図60(A)に示すように、第1特別変動入賞装置27の開閉扉27aは、第1開閉扉278と、第2開閉扉279と、で構成される。第1開閉扉278は、第2開閉扉279との境界辺に押受部278aが形成される。また、第2開閉扉279は、第1開閉扉278との境界辺に押部279aが形成される。そして、第1開閉扉278の押受部278aの後方に第2開閉扉279の押部279aが重合するように設けられる。これにより、第1a大入賞口ソレノイド278bによって第1開閉扉278が閉状態から開状態に変換される場合は、第1開閉扉278のみが回動するが、第1b大入賞口ソレノイド279bによって第2開閉扉279が閉状態から開状態に変換される場合は、第2開閉扉279だけでなく、押部279aから押受部278aに回動力が伝達されることで第1開閉扉278も回動する。駆動する第1大入賞口ソレノイドは、大当りの種類等に応じて設定すればよい。
図60(A)、図60(B)及び図60(C)に示すように、第1開閉扉278は、閉状態において第1特別変動入賞装置27の大入賞口の開口部を被覆可能に設けられる。第1開閉扉278の幅W1は、大入賞口の開口幅に対応する。開状態となった第1開閉扉278は、遊技領域21を流下した遊技球を受け止め大入賞口内に誘導する大入賞口誘導部材として機能する。そして、大入賞口に流入した遊技球は、大入賞口内に設けられる下カウントスイッチ27dによって入賞検出されたのち、外部に排出される。
一方、第2開閉扉279は、4辺の枠からなり枠内部分(球通過部)279cが貫けている。枠内部分279cの幅W2は、遊技球が枠内部分を貫通可能なように遊技球の直径よりも大きく設定される。このため、第2開閉扉279は、遊技領域21を流下した遊技球を受け止めることなく通過させる遊技球通過部材として機能する。また、図60(D)に示すように、第2開閉扉279に対応する遊技盤20には凸部279dが突設されており、凸部279dは、第2開閉扉279が閉状態となったときに枠内部分279cに嵌まるように設けられる。これにより、閉状態における第2開閉扉279の枠の破損を防止することができる。
このように、第4実施形態の第1特別変動入賞装置27は、大入賞口の幅W1よりも幅広い開閉扉27aを備えるので、可動範囲が大きく、遊技の興趣が高まる。また、遊技者に遊技球の取り込み範囲が広いと感じさせることができ、遊技に好印象を与えることができる。
また、第1特別変動入賞装置27は、開閉扉27aを個々に駆動される第1開閉扉278と第2開閉扉279とで構成する。そして、開閉扉27aは、2パターンの開動作態様を有するので、大当りの種類に応じて開動作態様を変更することが可能であり、遊技の興趣を高めることができる。
また、第1特別変動入賞装置27の開閉扉27aは、第1開閉扉278及び第2開閉扉279が共に開状態になっても、第2開閉扉279に流下する遊技球が大入賞口内に誘導されることがない。大入賞口には、大入賞口の開口部に対応する第1開閉扉278に流下する遊技球のみが誘導される。よって、大入賞口の規定を守りつつ、大入賞口の開口部よりも大きい開閉扉27aを用いて遊技の興趣を高めることができる。
(第4実施形態の変形例1)
第4実施形態の第1特別変動入賞装置27は、別部材の第1開閉扉278と第2開閉扉279とで開閉扉27aを構成している。これに対し、変形例1の開閉扉27aは、第1開閉扉278と第2開閉扉279とが一体となって同一部材で構成される。
図61は、第4実施形態の変形例1の第1特別変動入賞装置27の構成について説明する図である。図61(A)は、開閉扉27aを正面図であり、図61(B)は、開閉扉27aを開放状態にしたときの第1特別変動入賞装置27の上面図である。また、図61(C)は、図61(B)におけるA−A断面図である。
図61(A)、図61(B)及び図61(C)に示すように、変形例1の第1特別変動入賞装置27は、第2開閉扉279が第1開閉扉278と一体形成される。そして、第1開閉扉278と第2開閉扉279との境界には、扉の裏面にリブ278cが突設される。第4実施形態の第2開閉扉279は、第2開閉扉279に流下した遊技球を大入賞口に誘導しないように、扉の中央に球通過部279cを形成して遊技球の受け止め不可能にしたが、変形例1の第2開閉扉279は、第1開閉扉278との境界にリブ278cを突設することで、第2開閉扉279で受け止めた遊技球を大入賞口に誘導しないようにしている。リブ278cは、開閉扉27a(第1開閉扉278及び第2開閉扉279)が閉状態の場合、大入賞口内に収容される。
なお、変形例1では、第1開閉扉278及び第2開閉扉279は同一部材なので、扉を回動する第1大入賞口ソレノイドは1つでよい。すなわち、変形例1における遊技制御装置100の構成を示すブロック図は、第1実施形態におけるブロック図(図5参照)と同じである。変形例1の第1特別変動入賞装置27は、第1大入賞口ソレノイド27b(図5参照)によって上端側が手前側に倒れる方向に回動することで大入賞口を開放するアタッカ形式の開閉扉27a(第1開閉扉278及び第2開閉扉279)を有する。
このように、第4実施形態の変形例1の第1特別変動入賞装置27は、第4実施形態に比べ、構造を簡素化してコストを抑えた上で、大入賞口の幅W1よりも幅広い開閉扉27aを開閉することによる同等の効果を得ることができる。
(第4実施形態の変形例2)
第4実施形態の変形例1の第1特別変動入賞装置27は、大入賞口に対応して第1開閉扉278が設けられているが、第2開閉扉279に対応する遊技球の流入口は設けられていない。これに対し、変形例2では、第2開閉扉279に対応する遊技球の流入口としてアウト口280bを有するアウト凹室280が遊技盤20に形成される。
図62は、第4実施形態の変形例2の第1特別変動入賞装置27の構成について説明する図である。図62(A)は、開閉扉27aを正面図であり、図62(B)は、開閉扉27aを開放状態にしたときの第1特別変動入賞装置27の上面図である。また、図62(C)は、図62(B)におけるA−A断面図である。
図62(A)、図62(B)及び図62(C)に示すように、変形例2の第1特別変動入賞装置27に対応する遊技盤20には、開閉扉27aの第1開閉扉278及び第2開閉扉279に対応する凹室として、それぞれ大入賞口及びアウト凹室280が形成される。大入賞口とアウト凹室280とは、境界壁280aによって仕切られる。境界壁280aは、開閉扉27aのリブ278cと干渉しないように設けられる。
これにより、第1開閉扉278に流下した遊技球は大入賞口に誘導され、第2開閉扉279に流下した遊技球はアウト凹室280に誘導される。そして、大入賞口に入賞した遊技球は、大入賞口内に設けられる下カウントスイッチ27dによって入賞検出されたのち、外部に排出される。また、アウト凹室280に流入した遊技球は、凹室内のアウト口280bから外部に排出される。
このように、第4実施形態の変形例2の第1特別変動入賞装置27は、第2開閉扉279に対応してアウト凹室280を備えるので、第2開閉扉279に到達した遊技球も大入賞口内に入賞しているように感じさせることができ、遊技の興趣を高めることができる。
また、大入賞口とアウト凹室280との間には境界壁280aが設けられるので、確実に第1開閉扉278に流下した遊技球は大入賞口に誘導され、第2開閉扉279に流下した遊技球はアウト口280bに誘導される。よって、入賞遊技球とアウト遊技球の調整が容易である。
(第5実施形態)
ところで、特別変動入賞装置の大入賞口は、大当り遊技において閉状態から開状態に変換され、大入賞口内に遊技球が入賞可能となるものが多く提案されている。このような特別変動入賞装置には、常に特別変動入賞装置自体が遊技者から視認可能に配設され、さらに大入賞口内の遊技球も視認可能に設けられているものがある(特開2007−089631号公報)。また、大入賞口の開放動作の予告にキャラクタ体の可動装置(演出役物)が動作されるものがある(特開2007−296117号公報)。しかしながら、前述の特許公報に記載される遊技機では、大当り遊技の興趣が乏しい。
そこで、本発明の第5実施形態では、上記した問題点に鑑み、特定の遊技(ここでは大当り遊技)における演出効果を高めることが可能な演出役物290を有する変動入賞装置(ここでは第1特別変動入賞装置27)を備えた遊技機を開示する。以下、図63〜図65を参照して、第5実施形態の第1特別変動入賞装置27について説明する。
図63は、第5実施形態のセンターケース22を取り付けた状態の遊技盤20の正面図である。第5実施形態の遊技盤20の構成で第1実施形態の遊技盤20の構成と同じ機能を有する構成については、同じ符号を付して説明を省略する。第5実施形態では、第1特別変動入賞装置27に特徴がある。
第5実施形態の第1特別変動入賞装置27は、センターケース22の右側の遊技領域21を流下した遊技球が転動する流路S1に臨んで開口可能に大入賞口(すなわち大入賞口スライド部材27a)が設けられる。また、流路S1の下方には、アタッカ形式の演出役物290が視認可能に配置される。
ここで、第5実施形態では、演出役物290が遊技盤20の裏側に配設される場合(図64参照)と、演出役物290が遊技盤20の表側に配設される場合(図65参照)とにおける第1特別変動入賞装置27の構成について説明する。
(遊技盤裏側に演出役物290を配置する場合)
まず、図64を参照して、演出役物290が遊技盤20の裏側に配設される場合について説明する。図64は、第5実施形態の第1特別変動入賞装置27において、遊技盤20の裏側に演出役物290を配設する場合の構成について説明する図である。図64(A)は、図63の一点鎖線で囲った領域の正面図である。図64(B)は、演出役物290が閉状態の場合を示す図であり、図64(A)のA−A断面図と斜視分解図とを示す図である。図64(C)は、演出役物290が開状態の場合を示す図であり、図64(A)のA−A断面図と斜視分解図とを示す図である。このとき、演出役物290の前方に位置する遊技盤20はクリア部材からなり、遊技者は遊技盤20越しに演出役物290を視認可能である。
図64(A)に示すように、第1特別変動入賞装置27は、流路S1を構成し、第1大入賞口ソレノイド27b(図5参照)によって前端側が後端側に前後移動することで大入賞口を開放するスライド形式の大入賞口スライド部材27aと、流路S1の下方であって、大入賞口に入賞した遊技球が前方を流下する位置に配設されるアタッカ形式の演出役物290とを有する。
図64(B)及び図64(C)に示すように、アタッカ形式の演出役物290は、遊技盤20の裏面側に配設され、上端側が手前側に倒れる方向に回動することで開口するアタッカ形式の開閉扉290aを有する。演出役物290は、開閉扉290aが開状態に変換された状態であっても、開閉扉290aが前方の遊技盤20に接触することがないように配設される。
ここで、演出役物290の動作について説明する。演出役物290は盤演出装置172のひとつであり、演出制御装置150の盤演出モータ/SOL(ソレノイド)制御回路163によって開閉扉290aが駆動制御される。開閉扉290aは、図64(B)に示すように大入賞口が閉状態の場合には閉状態とし、図64(C)に示すように大入賞口が開状態になる場合には開状態として、大入賞口スライド部材27aの開閉動作と同調する。これにより、第1実施形態に示すような一般的な第1特別変動入賞装置27の大入賞口の開閉状態(アタッカ形式の開閉扉の開閉動作)による大当り遊技のイメージを崩さず役物演出の興趣を高めることができる。また、演出役物290の開状態を狙って発射された遊技球は、演出役物290の上方の遊技領域21に設けられる流路S1に到達する可能性が高く、流路S1に臨んで開口する大入賞口に入賞可能となるので、遊技のイメージと入賞率とのバランスも崩さない。
そして、演出役物290は、開閉扉290aが開状態であっても実際に遊技球が入賞することはないので、前述した擬似大入賞口としての動作以外の開閉動作も可能である。
例えば、実際に大入賞口が開放開始される前のファンファーレ中において、演出役物290の開閉扉290aの開閉を繰り返す。これにより、大当り遊技において開放対象となる大入賞口を演出役物290によって示唆することが可能であり、対象の大入賞口(ここでは第1特別変動入賞装置27の大入賞口)の開放を期待させる煽り演出が実行可能である。よって、演出役物290は、大当り遊技に係る役物の興趣を高めることができる。
また、演出役物290の開閉扉290aの開閉動作を、敢えて第1特別変動入賞装置27の大入賞口の開閉動作と同調させない。遊技者が演出役物290の開状態にも反応して遊技球を発射することで、遊技者による第1特別変動入賞装置27の大入賞口への入賞のみを狙った狙い撃ちを防止することができる。
また、大当り遊技において遊技者が入賞を狙う第1特別変動入賞装置27の大入賞口は、その仕様や開口部の大きさが規定されている。しかし、演出役物290は、大入賞口としての機能を有しないので、そのサイズに制限がない。よって、演出役物290は、規定の大入賞口よりも大きな開口部を備えたり、小さな開口部を備えたりすることで、多様なアタッカ形式の役物(擬似大入賞口)を表現することができる。さらに、演出役物290は、アタッカ形式の開閉扉290aの開閉動作の仕様(開閉回数、開閉速度、喋る等の付加演出)を自由に設定することができるので、擬似大入賞口として機能するだけでなく、多種多様な演出に対応可能である。また、演出役物290の動作は、大当りが確定した場合に限定されないので、大当りや小当りが確定していない状態であっても開閉扉290aを開閉動作することで何か遊技者に有利な状態が発生するイメージを遊技者に与えることができる。
(遊技盤表側に演出役物290を配置する場合)
続いて、図65を参照して、演出役物290が遊技盤20の表側に配設される場合について説明する。まず、図65は、第5実施形態の第1特別変動入賞装置27において、遊技盤20の表側に演出役物290を配設する場合の構成について説明する図である。図65(A)、図65(B)及び図65(C)は、図63の一点鎖線で囲った領域の正面図及び斜視図である。図65(A)及び図65(B)は、演出役物290の被覆状態を示す図であり、図65(B)は、図65(A)の状態における内部(演出役物290)の状態を説明するため装飾被覆部材270を斜線で表した図である。図65(C)は、演出役物290の視認可能状態を示す図であり、演出役物290の開閉扉290aが開状態の場合を示す図である。
ここで、演出役物290は、前述の第3実施形態の変形例(図53A及び図53B)で説明した第1特別変動入賞装置27の球見せ凹室271と同じである。そして、演出役物290の開閉扉290aは球見せ凹室271の開閉部材271aであり、フレーム部材291の前面に設けられるハーフミラー部材の装飾被覆部材292は、装飾被覆部材270である。また、演出役物290に取り込まれなかった遊技球がフレーム部材291によって区画された遊技領域21下方に落下した場合に速やかに外部に排出する予備排出流路293は、第3実施形態の変形例における予備排出流路273である。そして、演出役物290に遊技球を供給する第1特別変動入賞装置27の大入賞口の構造は、前述の第3実施形態の変形例(図53A及び図53B)と同じである。
なお、図示は省略しているが、図65においても、前述の第3実施形態の変形例と同様に、演出役物290には、内部に取り込んだ遊技球を外部に排出するための排出流路272(図53A)と同等の排出流路が設けられている。また、装飾被覆部材292がハーフミラー部材なので、フレーム部材291によって区画された遊技領域21には、前述の第3実施形態の変形例と同様に照明部材274(図53A)と同等の照明部材が設けられている。
第5実施形態の第1特別変動入賞装置27において、遊技盤20の表側に演出役物290を配設する場合は、演出役物290に遊技領域21を流下する遊技球を実際に取り入れることが可能である。
図65(A)及び図65(B)に示すように、通常は装飾被覆部材292によって演出役物290は遊技者から視認されないように隠蔽されている。この被覆状態においては、流路部材260の転動面S1に設けられる第1特別変動入賞装置27の大入賞口スライド部材27aは閉状態を維持する。このため、転動面S1に落下した遊技球は、そのまま転動面S1を流下する。また、演出役物290の開閉扉290aも動作することなく閉状態を維持している。
図65(C)に示すように、大当りを契機とした特定の動作タイミングである場合には、装飾被覆部材292による被覆が解除され、演出役物290は遊技者に視認可能となる。そして、大入賞口の大入賞口スライド部材27aが閉状態から開状態に切り替えられ、転動面S1を流下する遊技球が大入賞口に入賞可能になる。ここで、演出役物290の開閉扉290aは、大入賞口の大入賞口スライド部材27aよりも早い段階で閉状態から開状態に切り替えられる。これにより、大入賞口の入賞流路27cを通過した遊技球を開状態となった開閉扉290aが取りこぼすことなく、演出役物290の内部に誘導することができる。
このように、第5実施形態の第1特別変動入賞装置27において、遊技盤20の表側に演出役物290を配設する場合は、実際に大入賞口に入賞した遊技球を演出役物290に貯留することが可能なので、遊技者は入賞した遊技球数を目視確認することができ、演出役物290によって遊技の興趣が向上する。
なお、遊技盤20の表側に演出役物290を配設して実際に大入賞口に入賞した遊技球を取り込む場合であっても、演出役物290は、入賞検出手段を備えておらず、演出制御装置150によって制御される盤演出装置172のひとつである。よって、遊技盤20の裏側に演出役物290を配設する場合(図64)で挙げた効果と同等の効果を奏する。
(第6実施形態)
ところで、大当り遊技において閉状態から開状態に変換され、遊技球が入賞可能となる特別変動入賞装置の大入賞口として、アタッカ形式の開閉扉と、内部に入賞球を検出するカウントスイッチを備えた箱型の大入賞口が提案されている。このような特別変動入賞装置には、開閉扉裏面に、受け止めた遊技球を内部に誘導する扉突部が設けられているものがある(特開2002−113220号公報)。しかしながら、前述の特許公報に記載されている遊技機では、大入賞口内に誘導された遊技球が入賞球としてカウントスイッチに検出されるまでの時間が長かった。
そこで、本発明の第6実施形態では、上記した問題点に鑑み、大入賞口内の遊技球を速やかに入賞検出可能な特別変動入賞装置を備えた遊技機を開示する。以下、図66〜図72を参照して、第6実施形態の特別変動入賞装置700の構造について仕様1〜仕様4を説明する。第6実施形態の特別変動入賞装置700は、第1実施形態及び第2実施形態の第1特別変動入賞装置27に適用可能である。また、第6実施形態の特別変動入賞装置700の大入賞口710の構造は、第3実施形態の球見せ凹室271や第4実施形態の第1特別変動入賞装置27の大入賞口の構造に適用可能である。
(仕様1)
図66は、第6実施形態の仕様1の特別変動入賞装置700において開閉扉701が開状態の場合を示す図であり、図66(A)は正面図、図66(B)は斜視図、図66(C)は上面図である。なお、大入賞口710の構造を説明するため、大入賞口710の天井面は図示しない。
特別変動入賞装置700は、アタッカ形式の開閉扉701と、開閉扉701で受け止めた遊技球を取り込む凹室の大入賞口710と、大入賞口710を転動する遊技球を外部に排出する排出口702と、を有する。
開閉扉701は、第1実施形態の第1特別変動入賞装置27の開閉扉27aと同じく、図示しない大入賞口ソレノイドによって上端側が手前側に倒れる方向に回動することで大入賞口710を開放する。開閉扉701は、開状態において遊技領域を流下する遊技球を受け止める。開閉扉701の裏面(内側面)には、閉状態において上方から下方に向かって下り傾斜する傾斜面を有する扉突部701a及び扉突部701bが突設されている。扉突部701a及び扉突部701bは、開閉扉701に当たった遊技球を大入賞口710の排出口702付近に誘導する。
大入賞口710は、開閉扉701の後方に、床面720と、閉状態において開閉扉701と対面する後壁730と、側壁740(左側壁741)とからなる凹室空間を構成する。
床面720には、左端奥側に排出口702が開口して設けられる。そして、排出口702には、大入賞口710に入った遊技球を検出するカウントスイッチ702aが配設されている。床面720には、右端から左端の排出口702に向かって床面高さが徐々に低くなるよう床段部721〜床段部723が設けられている。床段部721〜床段部723は、右から左に向かって上下方向の下り傾斜を有する傾斜面、もしくは、各床段部は床面高さが一定の段差面からなる。床段部721〜床段部723は、排出口702に近いほど床面高さを低くすることで、床面720を転動する遊技球を排出口702に速やかに誘導する。
後壁730は、壁段部731〜壁段部736の6面が大入賞口710の左右幅に合わせて右から左に順に連なって構成される。壁段部731〜壁段部736は、右から左に向かって前後方向の下り傾斜を有する傾斜面からなり、排出口702に近いほど開閉扉701との距離が拡がるように設けられている。後壁730の右端に位置する壁段部731は、右側壁742の前端側に右辺を有し、後壁730の左端に位置する壁段部736は、左側壁741の後端側に左辺を有する。壁段部731〜壁段部736は、排出口702から遠いほど床面720の奥行きを狭くすることで、床面720を転動する遊技球を排出口702に速やかに誘導する。特に、大入賞口710の右端領域の床面720の奥行き、すなわち壁段部731と開閉扉701との距離が遊技球の直径よりも短くなるよう設定することで、排出口702から離れた右側の床面720における遊技球の球止まりを防止し、大入賞口710の右側から入賞した遊技球を速やかに左側の排出口702へと誘導することができる。また、壁段部731〜壁段部736の傾斜角度はそれぞれ異なり、交互に緩急つけて設けられている。排出口702に遠い壁段部ほど傾斜角度を大きく設定することが好ましい。これにより、傾斜角度が一定の場合に比べ、遊技球の転動にも緩急をつけることができ、より速やかに遊技球を排出口702に誘導することができる。
このように遊技球が転動する凹室(床面720、後壁730)を複数の傾斜面(壁段部731〜壁段部736)や複数の段差面(床段部721〜床段部723)で構成することで、凹室内での遊技球の球どまりが抑制され、排出口702への遊技球の到達が早くなる。よって、大入賞口710に入賞した遊技球がカウントスイッチ702aによって検出されるまでの時間を短縮することができ、円滑な入賞検出処理が可能になる。
(仕様2)
次に、図67〜図69を参照して、大入賞口710の遊技球検出が床面720の左側検出の場合及び右側検出の場合の両方に対応できる共通仕様(仕様2)の大入賞口710の構造について説明する。
図67及び図68は、第6実施形態の仕様2の特別変動入賞装置700の構造を示す図であり、図67は大入賞口左側で遊技球を検出する場合、図68は大入賞口右側で遊技球を検出する場合を示す。また、図67(A)及び図68(A)は正面図、図67(B)及び図68(B)は斜視図、図67(C)及び図68(C)は上面図である。なお、大入賞口710の凹室構造を説明するため、大入賞口710の天井面及び開閉扉701は図示しない。
仕様2の大入賞口710について、前述の仕様1(図66)と異なる構成について説明する。仕様1では一部材で構成されていたが、仕様2の大入賞口710は、凹室構成部材711と壁段部構成部材750との二部材で構成される。
ここで、図69を参照して、仕様2の大入賞口710の凹室構成部材711及び壁段部構成部材750について説明する。図69(A)は、凹室構成部材711の正面図、上面図及び斜視図である。図69(B)は、壁段部構成部材750の正面図、上面図及び斜視図である。
図69(A)に示すように、凹室構成部材711は、床面720と、後壁730と、左側壁741と、右側壁742との四つの構成部材からなる。
床面720には、左端側に排出口702と、右端側に排出口703とが開口して設けられる。排出口702及び排出口703には、それぞれ大入賞口に入賞した遊技球を検出するカウントスイッチ702a及びカウントスイッチ703aが配設されている。また、床面720には、前方から後方に向かって床面高さが徐々に低くなるよう床段部721〜床段部723が設けられている。床段部721〜床段部723は、前から後ろに向かって上下方向の下り傾斜を有する傾斜面、もしくは、床面高さが一定の段差面からなる。
後壁730、左側壁741及び右側壁742は、それぞれ床面720の後端辺、左端辺及び右端辺を囲って設けられる。左側壁741及び右側壁742には、前側に嵌合孔741a及び嵌合孔742aが形成されている。嵌合孔741a又は嵌合孔742aには、後述する壁段部構成部材750の嵌合突部750a(図69(B)参照)が嵌められる。これにより、壁段部構成部材750が凹室構成部材711に固定される。
図69(B)に示すように、壁段部構成部材750は、前面に仕様1の壁段部731〜壁段部736と同様に緩急をつけた傾斜面からなる壁段部751〜壁段部755を有する。また、壁段部構成部材750は、側面に凹室構成部材711の左側壁741もしくは右側壁742と接触する側壁756が設けられ、後面に凹室構成部材711の後壁730と接する接触面757と、側壁756と接触面757との間の接続面758を有する。側壁756には、嵌合突部750aが突設されており、前述したように嵌合突部750aが凹室構成部材711の左側壁741又は右側壁742に嵌め込まれることで固定される。
図67及び図68に戻って、凹室構成部材711及び壁段部構成部材750で構成される第6実施形態の仕様2の大入賞口710について説明する。
図67に示すように、大入賞口710の遊技球検出が左側検出の場合、すなわち排出口702が用いられる場合には、凹室構成部材711の右側壁742の嵌合孔742aに壁段部構成部材750の嵌合突部750aが嵌められる。このとき、壁段部構成部材750は、側壁756及び接触面757の二面が凹室構成部材711の右側壁742及び後壁730に接する。そして、壁段部構成部材750によって凹室構成部材711の床面720の排出口703が被覆されるので、排出口703が使用不可能になる。
これに対し、図68に示すように、大入賞口710の遊技球検出が右側検出の場合、すなわち排出口703が用いられる場合には、凹室構成部材711の左側壁741の嵌合孔741aに壁段部構成部材750の嵌合突部750aが嵌められる。このとき、壁段部構成部材750は、図67の状態から上下反転して180度回転した状態で用いられる。壁段部構成部材750は、側壁756及び接触面757の二面が凹室構成部材711の左側壁741及び後壁730に接する。そして、壁段部構成部材750によって凹室構成部材711の床面720の排出口702が被覆されるので、排出口702が使用不可能になる。
このように、仕様2の大入賞口710は、仕様1と同等の効果だけでなく、大入賞口710の左右どちらに遊技球の検出手段(カウントスイッチ702a、カウントスイッチ703a)が設けられた場合にも壁段部構成部材750の配置を切り替えることで対応可能である。遊技盤20における大入賞口710の左右位置に関係なく、大入賞口710の共通化を図ることができる。また、遊技球の入賞から検出までの時間を調整する場合は、取り外し可能な壁段部構成部材750のみ変更すればよい。よって、コストを抑えることができる。
(仕様3)
次に、図70を参照して、壁段部構成部材750が可動することで壁段部の傾斜角度を変更可能な仕様3の大入賞口710の構造について説明する。図70は、第6実施形態の仕様3の大入賞口710の構造を示す図である。図70(A)は傾斜角度変更前(ソレノイドオフ時)の大入賞口710の上面図であり、図70(B)は傾斜角度変更後(ソレノイドオン時)の大入賞口710の上面図である。図70(C)は、図70(B)における凹室構成部材711の底面図である。図70(D)は、図70(B)における壁段部構成部材750の上面図、底面図、正面図及び裏面図である。なお、大入賞口710の凹室構造を説明するため、大入賞口710の天井面及び開閉扉701は図示しない。
仕様3の大入賞口710は、前述の仕様2(図68)と同様に凹室構成部材711と壁段部構成部材750とで構成され、大入賞口右側でのみ遊技球を検出する。したがって、仕様3の凹室構成部材711の床面720には、排出口703のみが設けられる。また、凹室構成部材711の床面720には、中央後方に壁段部構成部材750が回動可能に嵌合される嵌合孔720aが設けられる。
また、仕様3の壁段部構成部材750は、前述の仕様2のように側壁756が凹室構成部材711に嵌合して固定されるのではなく、底面759の左右中央部に突設される嵌合突部750bが前述の凹室構成部材711の嵌合孔720aに嵌合することで回動自由に固定される。そして、壁段部構成部材750の接触面757には磁性部750cが設けられている。壁段部構成部材750は、図示しないソレノイドによって磁性部750cが凹室構成部材711の後壁730側に引きよせられたり、後壁730から離されたりすることで嵌合突部750bを軸に回動可能である。これにより、壁段部構成部材750は、大入賞口710における(凹室構成部材711に対する)壁段部751〜壁段部755の傾斜角度を変更することができる。
具体的には、大当り遊技におけるラウンド遊技は、ラウンド開始から所定数(例えば、10個)の遊技球がカウントスイッチ703aによって検出された場合、又は、所定時間(例えば、30秒)が経過した場合に1ラウンド終了となる。仕様3の大入賞口710は、カウントスイッチ703aによる入賞球の検出が0個〜7個までは図70(A)に示す状態を維持し、それ以降は図70(B)に示す状態に切り替えられる。そして、1ラウンド終了タイミングで再び図70(A)に示す状態に戻される。
なお、仕様3の大入賞口710は、大入賞口右側でのみ遊技球を検出する仕様として凹室構成部材711の床面720に排出口703のみが設けられるパターンを示したが、これに限らない。図70(A)の状態において壁段部構成部材750が排出口702への遊技球の流下を不可能にすることができれば、凹室構成部材711に仕様2と同様に排出口702を備えてもよい。この場合、壁段部構成部材750は、仕様2と同様に配置を切り替え可能なように、上面にも凹室構成部材711の床面720に回動可能に嵌合される嵌合突部が設けられ、さらに接続面758にも磁性体を備える。図70の状態から壁段部構成部材750の配置を切り替え、ソレノイドにより接続面758の磁性体を凹室構成部材711の後壁730に近づけたり遠ざけたりすることで、大入賞口710が左側の排出口702で遊技球を検出する場合に対応することができる。
このように、仕様3の大入賞口710は、仕様1及び仕様2と同等の効果を奏するだけでなく、大入賞口710の壁の傾斜角度を調整することで入賞した遊技球が大入賞口710を転動する時間(遊技球が入賞してから検出されるまでの時間)を変更することができるので、遊技の興趣を高めることができる。また、仕様3ではラウンド遊技における入賞球の検出数が多くなると大入賞口710の壁を緩傾斜から急傾斜に変更して入賞球の入賞から検出までの時間を早めるので、大入賞口710に遊技球が残留した状態でラウンドが終了してしまうのを防止することができる。
(仕様4)
次に、図71を参照して、仕様2(図69(A))や仕様3(図70)に示すような凹室構成部材711の別構造について説明する。ここでは、仕様2の凹室構成部材711をベースに説明する。図71は、第6実施形態の仕様4の大入賞口710の凹室構成部材711の構造を示す図である。図71(A)は正面図であり、図71(B)は斜視図であり、図71(C)は床面720の上面図であり、図71(D)は床下面725の上面図である。
仕様4の凹室構成部材711は、仕様2から床面720の下方に床下面725が設けられ、排出口702又は排出口703を流下した遊技球が転動可能な左右共通空間726が形成されている。そして、床下面725には、中央に床下面725を転動する遊技球を外部に排出する共通排出口704が設けられている。仕様4の排出口702及び排出口703には流下した遊技球を検出するカウントスイッチ702a及びカウントスイッチ703aが設けられておらず、共通排出口704には流下した遊技球を検出するカウントスイッチ704aが設けられている。
このように、仕様4の凹室構成部材711は、大入賞口710の遊技球を床面720の左右両側に流下可能な共通仕様の場合においても大入賞口710に入賞した遊技球を検出するカウントスイッチを1つ備えれば十分である。仕様2の凹室構成部材711の場合に比べて、カウントスイッチを減らすことができるので、よりコストを抑えることができる。
(適用具体例)
前述したように、第6実施形態の各大入賞口710の構造は、第1実施形態〜第5実施形態の大入賞口や球見せ凹室の構造に適用可能である。ここでは、具体的に図72を参照して、第4実施形態の変形例2の第1特別変動入賞装置27(図62)の大入賞口に第6実施形態の仕様1の構造を適用した例を挙げる。図72は、第6実施形態の仕様1の大入賞口710を適用した特別変動入賞装置について説明する図である。図72(A)は正面図であり、図72(B)は、斜視図であり、図72(C)は上面図である。
このように、第4実施形態の変形例2の第1特別変動入賞装置27において、大入賞口及び第1開閉扉278に第6実施形態の仕様1の大入賞口710及び開閉扉701を適用することで、第1開閉扉278(開閉扉701)に流下した遊技球は、扉突部701a及び扉突部701bにより大入賞口710に速やかに誘導され、大入賞口710を構成する床段部721〜床段部723や壁段部731〜壁段部736によって排出口702に流下しやすい。
したがって、第4実施形態の変形例2の第1特別変動入賞装置27は、第6実施形態の仕様1の大入賞口710による速やかな入賞検出と大入賞口710に併設されるアウト凹室280による遊技の興趣の向上とを両立することができる。
(第7実施形態)
ところで、特別変動入賞装置の大入賞口は、特別遊技において閉状態から開状態に変換され、大入賞口内に遊技球が入賞可能となるものが多く提案されている。このような特別変動入賞装置には、遊技領域に複数(二つ)配設され、1回の特別遊技において二つの特別変動入賞装置それぞれに大入賞口が開状態に変換される機会が設定されているものがある(特開2013−208306号公報)。しかしながら、このような遊技機では、二つの特別変動入賞装置の狙い(遊技球の打ち方)が異なる位置に配設されており、開状態に変換される大入賞口が切り替わる際に無駄球が多く発生することにより、遊技者に不満を抱かせていた。
また、遊技盤に装飾を施した遊技機も多く提案されており、装飾効果を高めるためにレンズカバーを有する装飾部材を備えたものがある(特開2013−180145)。しかしながら、このような遊技機では、装飾性に乏しく改善の余地があった。
そこで、本発明の第7実施形態では、上記した問題点に鑑み、特別遊技中の無駄球発生を抑制可能であって装飾効果が高い遊技機を開示する。以下、図73〜図80を参照して、第7実施形態の特別変動入賞装置ユニット800について説明する。また、図81〜図87を参照して、第7実施形態の装飾レンズユニット810について説明する。
〔遊技盤〕
図73は、第7実施形態のセンターケース22を取り付けた状態の遊技盤20の正面図である。第7実施形態の遊技盤20の構成で第1実施形態の遊技盤20の構成と同じ機能を有する構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
第7実施形態では、第1特別変動入賞装置27及び第2特別変動入賞装置28を含めた特別変動入賞装置ユニット800が遊技領域21の右下領域に配設される点と、遊技球流下領域の一部を含む装飾レンズユニット810がセンターケース22の配設される点とに特徴がある。本実施形態では、センターケース22の右上方の遊技領域21を流下する遊技球が流入する振分装置80(図4参照)は配設されていない。また、本実施形態では、障害釘の代わりに遊技盤20の遊技盤本体の表面に突設される打球方向変換部33が設けられる。
第7実施形態の遊技領域21は、センターケース22の右側方に普図始動ゲート25が配設される。また、センターケース22のメイン表示画面31の右側方には、右側の遊技領域21の一部を構成する装飾レンズユニット810が設けられている。そして、センターケース22の右下方に一般入賞口26、アウト口803、第1特別変動入賞装置27及び第2特別変動入賞装置28が備えられた特別変動入賞装置ユニット800が設けられている。特別変動入賞装置ユニット800は、センターケース22の右側の遊技領域21を流下した遊技球が流下可能に設けられる。
第7実施形態の第1特別変動入賞装置27及び第2特別変動入賞装置28は、それぞれ第1大入賞口ソレノイド27b及び第2大入賞口ソレノイド28b(図74参照)によって前後方向にスライド移動することで第1大入賞口及び第2大入賞口を開放するスライド形式の第1大入賞口スライド部材27a及び第2大入賞口スライド部材28aを有する。なお、第1大入賞口内及び第2大入賞口内には、大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてそれぞれ第1カウントスイッチ27d及び第2カウントスイッチ28d(図74参照)が配設されている。
図74は、第7実施形態の遊技制御装置100の構成を示すブロック図である。ここでは、第1実施形態と異なる点のみ説明する。前述したように、本実施形態の遊技盤20には、第1実施形態の振分装置80(図4参照)が設けられていない。また、第1実施形態の第1特別変動入賞装置27の大入賞口への入賞球を検出する下カウントスイッチ27dは、第1カウントスイッチ27dに、第2特別変動入賞装置28の大入賞口への入賞球をカウントする上カウントスイッチ28dは、第2カウントスイッチ28dに呼称を変える。
したがって、近接I/F121aには、第1始動口スイッチ23d、第2始動口スイッチ24d、ゲートスイッチ25a、入賞口スイッチ26a〜26n、及び第1カウントスイッチ27dが接続される。また、近接I/F121bには、第2カウントスイッチ28dが接続される。そして、各種スイッチから出力された信号は、近接I/F121を介して入力ポート122で受け付けられる。
〔特別変動入賞装置ユニット〕
図75は、第7実施形態の特別変動入賞装置ユニット800の斜視図である。図75(A)は左上方から見た場合、図75(B)は右上方から見た場合を示す。また、図76は、第7実施形態の特別変動入賞装置ユニット800の正面図である。図76(A)は全部品が揃った正面図であり、図76(B)は最前面の前面カバー806を除いた正面図である。
本実施形態の特別変動入賞装置ユニット800は、センターケース22の右側の遊技領域21を流下する遊技球が転動可能な経路として上経路R1と下経路R2とが設けられている。
上経路R1は、左右に並んで設けられ、高低差を有する2つの転動面802a、802bと、双方の転動面に接続して上下方向に設けられる段差面802cと、からなる。2つの転動面のうち上方に位置する転動面802aは、もう一方の下方に位置する転動面802bの右上方に配設され、双方の転動面は右から左に向かってなだらかな下り傾斜面となるよう形成されている。また、転動面802bの上方には、右上方に臨んで開口する一般入賞口26が配設されている。
センターケース22の右側の遊技領域21を流下した遊技球は、転動面802aに着地すると、転動面802aを右から左へ流下する。転動面802aから落下した遊技球は、特定の放物線を描いた場合に一般入賞口26に入賞することが可能である。一般入賞口26に入賞しなかった遊技球は、転動面802bに落下して流下したり、一般入賞口26の上を越えたりしてセンターケース22の下方中央の遊技領域21に誘導される。
下経路R2は、上経路R1の転動面802a、段差面802c及び転動面802bの下方にそれぞれ並行に設けられ、転動面801a、段差面801c及び転動面801bからなる。そして、転動面801a、段差面801c及び転動面801bには、それぞれ第1特別変動入賞装置27の第1大入賞口、アウト口803及び第2特別変動入賞装置28の第2大入賞口が設けられる。したがって、下経路R2を流下する遊技球は、転動面801aに臨んで開放される第1大入賞口を有する第1特別変動入賞装置27、又は、転動面801bに臨んで開放される第2大入賞口を有する第2特別変動入賞装置28に入賞する可能性、もしくは、段差面801cに開口して設けられるアウト口803に流入する可能性がある。
下経路R2の転動面801aの一部は、前後方向にスライド可能な第1大入賞口スライド部材27aで構成される。第1大入賞口スライド部材27aは、第1大入賞口ソレノイド27b(図74参照)によって前後方向の後方にスライド移動することで、第1大入賞口を転動面801aに臨んで開放する。
下経路R2の転動面801bの一部は、前後方向にスライド可能な大入賞口スライド部材28aで構成される。大入賞口スライド部材28aは、第2大入賞口ソレノイド28b(図74参照)によって前後方向の後方にスライド移動することで、第2大入賞口を転動面801bに臨んで開放する。
下経路R2の段差面801cには、遊技球を誘導可能に開口されたアウト口803が設けられる。
図76(B)に示すように、特別変動入賞装置ユニット800の内部には、第1特別変動入賞装置27の第1大入賞口及び第2特別変動入賞装置28の第2大入賞口に入賞した遊技球を外部に排出流下する第1入賞流路27c及び第2入賞流路28c、アウト口803に流入した遊技球が流下する排出流路807がそれぞれ設けられている。第1入賞流路27cには、上流に第1大入賞口に入賞した遊技球の通過を検出する第1カウントスイッチ27dが配設されている。そして、第1入賞流路27cは、下流で排出流路807に合流する。また、第2入賞流路28cには、上流に第2大入賞口に入賞した遊技球の通過を検出する第2カウントスイッチ28dが配設されている。
排出流路807には、アウト口803から流入して落下してきた遊技球、又は、第1大入賞口に入賞して第1入賞流路27cを流下した遊技球を遊技盤20の後方に誘導するための誘導突部807aが設けられている。同様に、第2入賞流路28cには、第2大入賞口に入賞して落下してきた遊技球を遊技盤20の後方に誘導するための誘導突部28eが設けられている。
ここで、下経路R2の転動面801aの前端には、遊技球の転落を防止するために第1リブ804aと、第1リブ804aよりも高さが低い第1リブ切欠き804bとが立設される。第1リブ804aは、転動面801aの上流側に設けられ、第1大入賞口スライド部材27aの右端から略4分の3の位置まで配設される。第1リブ切欠き804bは、第1リブ804aが配設されない第1大入賞口スライド部材27aの左端部から下流の転動面801aに対応して配設される。
また、下経路R2の転動面801bの前端には、遊技球の転落を防止するために第2リブ805aと、第2リブ805aよりも高さが低い第2リブ切欠き805bとが立設される。第2リブ805aは、転動面801bの上流側に設けられ、大入賞口スライド部材28aの右端から略4分の3の位置まで配設される。第2リブ切欠き805bは、第2リブ805aが配設されない大入賞口スライド部材28aの左端部から下流の転動面801bに対応して配設される。
なお、これら第1リブ804a(第2リブ805a)、第1リブ切欠き804b(第2リブ切欠き805b)及び第1大入賞口スライド部材27a(第2大入賞口スライド部材28a)の構造や配置関係等についての詳細は、図77にて後述する。図77では、第1リブ804a、第1リブ切欠き804b及び第1大入賞口スライド部材27aを有する転動面801aについて説明しているが、第2リブ805a、第2リブ切欠き805b及び第2大入賞口スライド部材28aを有する転動面801bについても同様である。
図77は、第7実施形態の特別変動入賞装置ユニット800の下経路R2の構造について説明する図である。図77(A)は上経路R1を除いた特別変動入賞装置ユニット800の上面図であり、図77(B)は上経路R1を除いた特別変動入賞装置ユニット800の左側面図である。
図77(A)に示すように、転動面801aは、遊技盤20の遊技領域21の一部を成す特別変動入賞装置ユニット800の遊技盤面800aの前方に突設して設けられる。そして、転動面801aの中央部分には、第1大入賞口スライド部材27aが設けられている。そして、前述したように、転動面801aの前端には遊技盤面800aに対向するように第1リブ804a及び第1リブ切欠き804bが設けられる。これにより、転動面801aを転動する遊技球は、遊技盤面800aと第1リブ804a、又は、第1リブ切欠き804bとの側壁の間を通る。
第1大入賞口スライド部材27aは、通常は閉状態を維持し、上面を遊技球が転動する転動面801aの一部として機能する。また、特別遊技状態において第1大入賞口が開放される場合は、第1大入賞口ソレノイド27b(図74参照)によって図中矢印に示すように後方(遊技盤面800aの後方)にスライド移動することで開状態となり、第1大入賞口を閉鎖状態から開放状態に変換する。
ここで、第1大入賞口スライド部材27aは、閉状態であっても前方の側壁(第1リブ804a、第1リブ切欠き804b)との間に隙間W1が設けられる。第1大入賞口スライド部材27aの幅Woは遊技球の直径と同程度に設けられる。隙間W1は、遊技球の半径よりも小さくなるように設けられる。
また、図77(B)に示すように、第1リブ804aの高さHaは、遊技球の半径と同程度に設けられる。第1リブ切欠き804bの高さHbは、遊技球の半径の2分の1より高く、遊技球の半径未満に設けられる。
第1リブ切欠き804bの高さHbと隙間W1とは、遊技球の高さ方向の重心がずれない、すなわち、遊技球が第1リブ切欠き804bに当接した際に、遊技球が第1リブ切欠き804bに乗り上げたり、隙間W1に嵌まったりすることがないように設けられる。したがって、第1リブ切欠き804bに当接するときの遊技球は、第1リブ切欠き804bの上方に突出するので、第1リブ804aに当接するときよりも重心位置が前側に寄る。
(特別変動入賞装置ユニットの効果)
このように、第7実施形態の特別変動入賞装置ユニット800は、センターケース22の右側の遊技領域21を流下する遊技球が入賞可能に第1大入賞口及び第2大入賞口を並存して配設するので、第1大入賞口及び第2大入賞口がラウンド毎に交互に開状態に変換される大当り遊技であっても遊技者は遊技球の打ち方(狙う位置)を変えなくてよい。したがって、ラウンド間に発生する無駄球を抑えることができ、遊技者の不満を解消することができる。よって、大当り遊技中の興趣を高めることができる。
また、第1大入賞口及び第2大入賞口はラウンド毎に交互に開放されるので、各大入賞口が開状態となるラウンド(第1の動作タイミング、第2の動作タイミング)を把握していなくても、遊技者はどちらの大入賞口に入賞するかを期待する楽しみが増える。よって、さらに遊技の興趣を高めることができる。
また、第1大入賞口及び第2大入賞口を並存して配設される下経路R2に、第1大入賞口を有する転動面801aと第2大入賞口を有する転動面801bとの間の段差面801cに開口するアウト口803を備える。下経路R2に誘導された遊技球は、大入賞口に入賞する可能性だけでなくアウト口803に回収される可能性があるので、遊技者に遊技球の行方に関心を抱かせ、ドキドキ感を与えることができる。
また、第1大入賞口及び第2大入賞口を閉状態から開状態に切り替える開閉部材として、それぞれ第1大入賞口スライド部材27a及び第2大入賞口スライド部材28aを備える。第1大入賞口スライド部材27a及び第2大入賞口スライド部材28aは、通常はそれぞれ下経路R2の転動面801a及び転動面801bとして機能しており、下経路R2に誘導された遊技球は第1大入賞口に入賞しなくても下流の第2大入賞口に入賞する可能性がある。これにより、よりラウンド間の無駄球発生を防止することができる。
また、下経路R2の転動面801aと転動面801bとは高低差が設けられている。これにより、第1大入賞口又は第2大入賞口に入賞可能な下経路R2を流下する遊技球の動きがダイナミックに見やすくなる。よって、大当り遊技の興趣を高めることができる。
また、従来からスライド式のシャッター部材(スライド部材)が開口部を閉鎖する閉鎖位置から開放する開放位置に変換することで、開口部への遊技球の流入を可能にした遊技機はある(特開2013−165832号公報)。しかしながら、このような従来の遊技機では、遊技店の従業員がシャッター部材(スライド部材)を指等で動かすことが困難で不具合等が発生した場合に対処できない懸念があった。
これに対し、本実施形態では、第1大入賞口スライド部材27aの前方に側壁(第1リブ804a、第1リブ切欠き804b)が設けられているので、転動面801aを転動する遊技球の前方の側壁との当接点と転動面801aとの当接点との前後方向の距離分だけ隙間W1を設けることができる。これにより、第1大入賞口スライド部材27aに不具合が発生した場合に遊技店の従業員が隙間W1に指を入れる(掛ける)ことが可能となるので、従業員は第1大入賞口スライド部材27aを開けやすく、不具合等に対処し易い。
また、第1大入賞口スライド部材27aの前方の側壁は、第1リブ804aと第1リブ切欠き804bとで構成される。前方側壁の一部に切欠き部分(第1リブ切欠き804b)を設けたことで、さらに遊技店の従業員の指が第1大入賞口スライド部材27aに届きやすくなる。これにより、より従業員は第1大入賞口スライド部材27aを開けやすく、不具合等に対処し易い。
また、従来から、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収するアウト口が下方の遊技領域に設けられた遊技機はある(特開2013−208256号公報)。しかしながら、このような従来の遊技機では、遊技領域を流下する過程で回収されてしまうかもしれないというドキドキ感がなかった。
これに対し、本実施形態では、下方の遊技領域21のアウト口32以外に特別変動入賞装置ユニット800の下経路R2にアウト口803が設けられている。下経路2には転動面801aに第1大入賞口、転動面801bに第2大入賞口が設けられており、アウト口803は第1大入賞口と第2大入賞口との間に配設される。したがって、下経路R2に誘導された遊技球は、大入賞口に入賞する可能性とアウト口803に回収される可能性とがあり、遊技者に遊技領域21を流下する遊技球の行方に関心を抱かせ、ドキドキ感を与えることができる。また、ユニット単体で構成され、遊技盤20に取り付けられる特別変動入賞装置ユニット800にアウト口803を設け、回収した遊技球を外部に排出する排出流路807と第1大入賞口に入賞した遊技球が流下する第1入賞流路27cとを合流して一体化させる。これにより、簡易に遊技領域21にアウト口を追加することができる。
(特別変動入賞装置ユニットの変形例1)
次に、図78を参照して、本実施形態の特別変動入賞装置ユニット800の変形例1について説明する。図78は、第7実施形態の変形例1の特別変動入賞装置ユニット800について説明する図である。図78(A)は特別変動入賞装置ユニット800が配設された遊技盤20の右下拡大図であり、図78(B)は特別変動入賞装置ユニット800の正面図であり、図78(C)は特別変動入賞装置ユニット800の上面図である。
前述の第7実施形態の特別変動入賞装置ユニット800は、上経路R1と下経路R2とが設けられている。そして、下経路R2は、第1大入賞口を有する転動面801aと、第2大入賞口を有する転動面801bとに段差が設けられており、その段差に形成される段差面801cにアウト口803が設けられていた。これに対し、第7実施形態の変形例1の特別変動入賞装置ユニット800は、上経路R1が設けられておらず、下経路R2の第1大入賞口を有する転動面801aと第2大入賞口を有する転動面801bとが同じ平面801dに設けられる。そして、特別変動入賞装置ユニット800の右上部にアウト口803が設けられる。
変形例1の特別変動入賞装置ユニット800では、センターケース22の右側の遊技領域21を流下する遊技球は、まず、遊技領域21の上方に臨んで開口したアウト口803に流入する可能性がある。そして、アウト口803に流入せずアウト口803の左側を流下する遊技球は、転動面801dに臨んで開放される第1大入賞口を有する第1特別変動入賞装置27、又は、同じく転動面801dに臨んで開放される第2大入賞口を有する第2特別変動入賞装置28に入賞する可能性がある。
(特別変動入賞装置ユニットの変形例1の効果)
このように、変形例1の特別変動入賞装置ユニット800では、第1大入賞口と第2大入賞口とは高低差がなく同一転動面801d上に開放可能に設けられる。そして転動面801dの前方の側壁として、第1大入賞口スライド部材27aに対応する位置に第1リブ804aと第1リブ切欠き804b、第2大入賞口スライド部材28aに対応する位置に第2リブ805aと第2リブ切欠き805b、が設けられる。その他、第1大入賞口スライド部材27aの隙間W1、第1リブ804aの高さHaや第1リブ切欠き804bの高さHb等の構成は第7実施形態と同じであり、第7実施形態と同様の効果を奏する。
(特別変動入賞装置ユニットの変形例2)
次に、図79は、第7実施形態の変形例2の特別変動入賞装置ユニット800のアウト口803の配置について説明する図である。図79(A)は第7実施形態の特別変動入賞装置ユニット800に配設可能なアウト口を示す図であり、図79(B)は第7実施形態の変形例1の特別変動入賞装置ユニット800に配設可能なアウト口を示す図である。
図79(A)に示すように、前述の図73〜図77の特別変動入賞装置ユニット800には、前述した段差面801cに配設されるアウト口803以外に、特別変動入賞装置ユニット800の右上部に配設可能である。
具体的には、特別変動入賞装置ユニット800の右上部であって上経路R1よりも上流に、上方に臨んで開口するアウト口803aと、アウト口803aの下方であって下経路R2の入口付近に左上方に臨んで開口するアウト口803bと、が配設可能である。なお、アウト口803aとアウト口803bとは、内部で排出流路が合流するように設けられている(図示省略)。
図79(B)に示すように、前述の図78の変形例1の特別変動入賞装置ユニット800には、前述した特別変動入賞装置ユニット800の右上端に上方に臨んで配設されるアウト口803以外に、転動面801dの右端に左上方に臨んで開口するアウト口803cが配設可能である。
なお、図79(A)及び(B)に示したアウト口(803、803a〜803c)は、特別変動入賞装置ユニット800に少なくとも一つ配設されていればよい。
(特別変動入賞装置ユニットの変形例2の効果)
このように、遊技領域21の中央下部のアウト口32以外に、大入賞口が設けられる特別変動入賞装置ユニット800に設けられるアウト口の数が増え、遊技球が流入し易いアウト口の配置であるほど、さらに遊技者に遊技領域21を流下する遊技球の行方(大入賞口の入賞又はアウト口の回収のどちらなのか)に関心を抱かせ、ドキドキ感を募らせることができる。
(特別変動入賞装置ユニットの変形例3)
次に、図80を参照して、本実施形態の特別変動入賞装置ユニット800の変形例3について説明する。図80は、第7実施形態の変形例3の特別変動入賞装置ユニット800について説明する図である。図80(A)は第1大入賞口が閉鎖状態の特別変動入賞装置ユニット800の正面図であり、図80(B)は第1大入賞口が開放状態の特別変動入賞装置ユニット800の正面図である。
前述の第7実施形態の特別変動入賞装置ユニット800は、上経路R1と下経路R2とが設けられている。そして、下経路R2は、第1大入賞口を有する転動面801aと、第2大入賞口を有する転動面801bとに段差が設けられており、その段差に形成される段差面801cにアウト口803が設けられていた。これに対し、第7実施形態の変形例3の特別変動入賞装置ユニット800は、上経路R1と下経路R2とを設けるが、下経路R2の段差面801cがなくなり、転動面801aと転動面801bとが一体化して転動面801eとなる。そして、下経路R2には、転動面801eに臨んで開口可能な第1大入賞口を有する第1特別変動入賞装置27が設けられる。
第7実施形態の変形例3の第1特別変動入賞装置27は、図示しない第1大入賞口ソレノイド27bによって前端側が奥後方側に倒れる方向に回動することで第1大入賞口を開放するアタッカ形式の開閉扉27aを有する。開閉扉27aは、前端側に第1リブ804aが設けられている。また、その他の転動面801eの前方の側壁には、第1リブ切欠き804bが設けられている。
さらに、第7実施形態の変形例3の第1特別変動入賞装置27は、第1大入賞口の開口部から第1カウントスイッチ27dまでの空間を大きく確保して球見せ凹室271とする。そして、前面カバー806は、球見せ凹室271に対応する部分に前述の第3実施形態の変形例の装飾被覆部材270の被覆機能を有する球見せ凹室カバー部806aを備える。
図80(A)に示すように、大当りを契機とした開閉扉27aの動作タイミングでない場合、すなわち、第1大入賞口が閉鎖状態の場合には、球見せ凹室カバー部806aによって、球見せ凹室271は遊技者から視認不可能である。この被覆状態において、開閉扉27aは転動面801eの一部として構成される。このため、転動面801eに誘導された遊技球は、そのまま転動面801eを流下する。
図80(B)に示すように、大当りを契機とした開閉扉27aの動作タイミングである場合、すなわち、第1大入賞口が開放状態となる場合には、球見せ凹室カバー部806aによる被覆機能が解除され、球見せ凹室271が遊技者に視認可能となる。このとき、開閉扉27aは視認可能状態の球見せ凹室271の内部に入り込むように回動するので、転動面801eを流下する遊技球は流下途中で球見せ凹室271に落下入賞する。そして、遊技者は、開閉扉27aの転動面801eとして機能する上面や第1大入賞口に入賞する遊技球をはっきりと視認することができる。
(特別変動入賞装置ユニットの変形例3の効果)
このように、変形例3の特別変動入賞装置ユニット800では、第1特別変動入賞装置27の開閉扉27aが通常時(非動作時)は転動面801eとして機能し、動作時は第1リブ804a側が第1大入賞口(球見せ凹室271)の内部に倒れる方向に回動して第1大入賞口を開放状態に変換する。このとき、開閉扉27aは、遊技盤20に対して略垂直となる位置から、球見せ凹室271の背面(遊技盤20)となす角が鋭角になるように後方から前方に向かって下り傾斜となる傾斜位置に変化するので、遊技者が前方から開閉扉27aを視認しやすい。よって、遊技者は第1大入賞口の開閉状態を視認しやすく、開放時の遊技球の入賞に興趣が高まる。
また、第7実施形態の変形例3の第1特別変動入賞装置27の第1大入賞口(球見せ凹室271)は、大当りになって第1大入賞口が開放状態に切り替わるときのみ遊技者に視認可能となるので、突然の第1大入賞口の出現により大当り遊技の興趣が向上する。
〔装飾レンズユニット〕
図81は、第7実施形態の装飾レンズユニット810の構造図である。図81(A)は右上方から見た斜視図であり、図81(B)は正面図であり、図81(C)は裏面図である。
装飾レンズユニット810は、上部レンズ構成体820と、下部レンズ構成体830と、ベース840とで構成される。図81(B)に示すように、遊技者からは上部レンズ構成体820の上部レンズカバー821及び装飾部822、下部レンズ構成体830の下部レンズカバー831が視認可能である。装飾レンズユニット810は、前面は上部レンズ構成体820と下部レンズ構成体830とに分かれているが、背面は図81(C)に示すように上下一体のベース840が設けられている。
続いて、図82を参照して、装飾レンズユニット810についての詳細を説明する。図82は、第7実施形態の装飾レンズユニット810の分解斜視図である。
装飾レンズユニット810は、ベース840に、上部レンズ構成体820と下部レンズ構成体830とが取り付けられて構成される。ベース840には、前面にLEDが配設されたLED基板841が設けられる。そして、ベース840の上半分には上部レンズ構成体820が取り付けられ、ベース840の下半分には下部レンズ構成体830が取り付けられる。
上部レンズ構成体820は、上部レンズカバー821と、2つの装飾部822aと、2つの装飾部822bと、レンズシート823aと、球流下路用レンズシート823bと、からなる。2つの装飾部822aは、上部レンズカバー821の装飾カバー部821aの上下に設けられる。2つの装飾部822bは、上部レンズカバー821の球流下路部821bの上下に設けられ、球流下路部821bとともに遊技領域21の一部を構成する。レンズシート823aは、上部レンズカバー821の装飾カバー部821aの後方に配設され、LED基板841のLEDの光を拡散する機能を有する。球流下路用レンズシート823bは、上部レンズカバー821の球流下路部821b及び2つの装飾部822bの後方に配設され、LED基板841のLEDの光を拡散する機能を有する。球流下路用レンズシート823bに対応するLEDは、遊技球の流下を検知して発光する。
下部レンズ構成体830は、下部レンズカバー(上側)831aと、下部レンズカバー(下側)831bと、拡散レンズカバー832と、からなる。下部レンズカバー(上側)831aと下部レンズカバー(下側)831bとは、上下に並んで配設され、下部レンズ構成体830の前面装飾部材として機能する。拡散レンズカバー832は、下部レンズカバー(上側)831a及び下部レンズカバー(下側)831bの後方に配設され、LED基板841のLEDの光を拡散する機能を有する。
〔上部レンズ構成体〕
次に、図83及び図84を参照して、上部レンズ構成体820の構造について説明する。図83は、第7実施形態の上部レンズ構成体820の全体図である。図83(A)は正面図であり、図83(B)は前方から見た斜視図であり、図83(C)は裏面図であり、図83(D)は後方から見た斜視図である。また、図84は、第7実施形態の上部レンズ構成体820の分解斜視図である。
上部レンズ構成体820は、メイン表示画面31(図73参照)の右側部を装飾する装飾機能と、センターケース22の右側の遊技領域21(図73参照)の一部として遊技球が流下可能な球流下路を形成する流下路機能とを有する。
上部レンズカバー821は、樹脂等で形成され、左部の装飾カバー部821aと、右部の球流下路部821bとを有する。装飾カバー部821aと球流下路部821bとでは、表面(前面)の位置が異なる。球流下路部821bの表面(前面)は、遊技領域21を形成する遊技盤20の盤面と同一平面になるように設けられる。装飾カバー部821aの表面(前面)は、球流下路部821bよりも前方に突出して設けられる。
球流下路部821bの表面(前面)は、遊技球が流下する遊技領域21であるため平面で形成され、一部に障害釘の代わりとなる打球方向変換部824が突出形成されている。これに対し、装飾カバー部821aの表面(前面)は、立体的に波形に形成される。
装飾カバー部821a及び球流下路部821bの後方には、それぞれ平板状のレンズシート823a及び球流下路用レンズシート823bが配設される。レンズシート823a及び球流下路用レンズシート823bは、樹脂製である。レンズシート823aは、装飾カバー部821aの表面(前面)の裏面に貼り付けるように配設され、球流下路用レンズシート823bは、球流下路部821bの表面(前面)の裏面に貼り付けるように配設される。このため、レンズシート823aと球流下路用レンズシート823bとでは、前後方向の位置が異なる(図83(C)及び(D))。
また、装飾カバー部821aの表面(前面)には、上端部及び下端部に装飾部822aが嵌め込まれる(図84)。装飾部822aは、メッキで形成される。球流下路部821bの上端及び下端には、球流下路部821bとともに遊技領域21を形成する表面(前面)を有する装飾部822bが連接して設けられる。装飾部822bは、メッキで形成される。
(上部レンズ構成体の変形例)
続いて、図85を参照して、上部レンズ構成体820の変形例について説明する。図85は、第7実施形態の変形例の上部レンズ構成体820について説明する図である。図85(A)は変形例の上部レンズ構成体820の全体斜視図であり、図85(B)は変形例のレンズシート823aである。
前述の第7実施形態の上部レンズ構成体820では、上部レンズカバー821の装飾カバー部821aの表面(前面)は立体的な波形状で同一の表面加工が施されていた。また、装飾カバー部821aの裏面に配設されるレンズシート823aは平板状の樹脂レンズシートである。これに対し、第7実施形態の変形例の上部レンズ構成体820は、上部レンズカバー821の装飾カバー部821aの表面(前面)の一部の表面加工を変更し、レンズシート823aを前方の装飾カバー部821aの表面(前面)と同様の立体形状とした。
図85(A)に示すように、変形例の上部レンズカバー821の装飾カバー部821aは、表面に複数のクリア開口部825が設けられる。クリア開口部825は、装飾カバー部821aの蒸着が施された表面の一部をレーザーで削り取ることにより形成される。ここで、上部レンズカバー821は立体造形される樹脂等のクリア部材である。遊技者は、クリア開口部825を介して後方のレンズシート823aを視認することができる。装飾カバー部821aの蒸着が施された表面は、曇りガラスのように後方の光を散光する。
そして、図85(B)に示すように、変形例のレンズシート823aは、装飾カバー部821aの表面(前面)と同様に立体的な波形状で形成される。
なお、前述の上部レンズカバー821の装飾カバー部821aにクリア開口部825を設けること(図85(A))と、レンズシート823aを装飾カバー部821aの表面(前面)と同様の立体形状とすること(図85(B))は、いずれか一方のみを適用するようにしてもよい。
(上部レンズ構成体の変形例の効果)
このように、変形例の上部レンズ構成体820では、上部レンズカバー821の装飾カバー部821aのクリア開口部825を介して遊技者が後方のレンズシート823aを視認可能となる。これにより、透過度の高いクリア開口部825と、その他の蒸着加工により透過度が低い曇り部分とでLEDの発光態様(輝度)や遊技者からの模様の見え方といった装飾態様が異なって演出されるので、高い装飾効果が得られる。
〔下部レンズ構成体〕
次に、図86及び図87を参照して、下部レンズ構成体830の構造について説明する。図86は、第7実施形態の下部レンズ構成体830の分解斜視図である。また、図87は、第7実施形態の下部レンズ構成体830の下部レンズカバー(下側)831bの内部構造を説明する図である。
下部レンズ構成体830は、メイン表示画面31(図73参照)の右下方を装飾する装飾機能を有する。前述したように下部レンズ構成体830は、下部レンズカバー(上側)831aと、下部レンズカバー(下側)831bと、拡散レンズカバー832と、からなる。下部レンズカバー(上側)831a及び下部レンズカバー(下側)831bは、樹脂部材で形成されている。ここで、図87に示すように、下部レンズカバー(下側)831bの一部は、裏面に内部レンズカバー833が設けられた二重レンズ構造となっている。
内部レンズカバー833は、前方の下部レンズカバー(下側)831bと同形状であり、樹脂クリア部材である。内部レンズカバー833の表面(前面)には、複数のスタンプ加工部833aが設けられる。スタンプ加工部833aは、内部レンズカバー833の表面(前面)にデザイン塗装(例えば、赤色)が施されることにより形成される。そして、後方に配設されるLED基板841のLEDが発光する。これにより、下部レンズカバー(下側)831bの色(例えば、青色)のみの発光態様と、スタンプ加工部833aの色(例えば、赤色)が混じり合う発光態様との異なった発光演出を提供できるので、遊技者からの見え方が一様ではなく変化し、高い装飾効果が得られる。
また、前述した変形例の上部レンズ構成体820の上部レンズカバー821のように、装飾カバー部821aの表面を蒸着加工して発光態様を変える箇所(クリア開口部825
)をレーザー処理で形成する手法よりも費用を抑えることができるとともに、同等もしくはそれ以上の装飾効果が得られる。具体的には、立体的な下部レンズカバー(下側)831bが後方のスタンプ加工部833aのデザインを屈折させて遊技者に視認させるので、奥行き感のあるレンズ効果を生み出すことができる。
なお、下部レンズカバー(下側)831bと内部レンズカバー833との間に、前述の上部レンズ構成体820の変形例のレンズシート823a(図85(B)参照)のように、前方の下部レンズカバー(下側)831bの表面(前面)と同形状の表面を有するレンズシートを配置してもよい。
(下部レンズ構成体の効果)
このように、本実施形態の装飾レンズユニット810は、下部レンズ構成体830の下部レンズカバー(下側)831bの後方に、下部レンズカバー(下側)831bを縮小した構造の内部レンズカバー833が配設される。そして、内部レンズカバー833の表面にはスタンプ加工部833aが設けられる。これにより、LED基板841のLEDの発光によってレンズカバーの二重構造が奥行き感のある演出を生み出すので、高い装飾効果が得られる。
なお、今回開示した実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではない。また、本発明の範囲は前述した発明の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 遊技機
20 遊技盤
21 遊技領域
22 センターケース
27 第1特別変動入賞装置
27a 開閉扉/第1大入賞口スライド部材
27b 第1大入賞口ソレノイド
27c 第1入賞流路
27d 第1カウントスイッチ/下カウントスイッチ
28 第2特別変動入賞装置
28a 回動部/第2大入賞口スライド部材
28b 第2大入賞口ソレノイド
28c 第2入賞流路
28d 第2カウントスイッチ/上カウントスイッチ
28e 誘導突部
30 表示装置
31 メイン表示画面
100 遊技制御装置
150 演出制御装置
270 装飾被覆部材
271 球見せ凹室
800 特別変動入賞装置ユニット
801a、801b 転動面
801c 段差面
802a,802b 転動面
802c 段差面
803、803a〜803c アウト口
804a 第1リブ
804b 第1リブ切欠き
805a 第2リブ
805b 第2リブ切欠き
806 前面カバー
806a 球見せ凹室カバー部
807 排出流路
807a 誘導突部
810 装飾レンズユニット
820 上部レンズ構成体
821 上部レンズカバー
821a 装飾カバー部
821b 球流下路部
822 装飾部
822a 装飾部
822b 装飾部
823a レンズシート
823b 球流下路用レンズシート
824 打球方向変換部
825 クリア開口部
830 下部レンズ構成体
831 下部レンズカバー
831a 下部レンズカバー(上側)
831b 下部レンズカバー(下側)
832 拡散レンズカバー
833 内部レンズカバー
833a スタンプ加工部
840 ベース
841 LED基板

Claims (2)

  1. 遊技領域の始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき実行される変動表示ゲームの結果が特定の結果となる場合に特定の遊技価値を付与可能な遊技機において、
    遊技球が転動可能な転動面に開口可能に設けられ、開状態のときに遊技球が流入可能な開口部と、
    前記開口部を閉状態から開状態に切り替え可能であり、前記開口部が閉状態のときは前記転動面として機能する開閉部材と、
    前記開口部に流入した遊技球が取り込まれる凹室と、を備え、
    前記開閉部材は、当該開閉部材の前端側及び後端側のどちらか一側が他側を軸に回動することで前記開口部を閉状態から開状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
  2. 前記凹室を被覆状態もしくは出現状態に状態変換可能な装飾被覆部材を備え、
    前記凹室は、前記開口部の開状態への切り替えを契機に、前記装飾被覆部材によって被覆状態から出現状態に状態変換されることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
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