JP2015104643A - ピーリング機能付きイオン導入美容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】化粧液中の有効成分を皮膚深部にイオン導入させ得るようにしたイオン導入美容器に皮膚表皮の角質層を剥落させ得るピーリング機能を付加することで単一の美容器を多機能型にすること。
【解決手段】上半部を手で握持できる器体1にトリートメントすべき皮膚面に対して化粧液中のイオン化した有効成分を浸透させ得るイオン出力部27を有したイオン導入美容器において、イオン出力部27は、器体1の下面中央部において下向きに露出させた状態で配置しているとともに、器体1の下面におけるイオン出力部27の外側を囲う位置に、回転駆動装置31により回転させながら皮膚面に接触させることにより該皮膚面の角質層を剥ぎ落とす機能を有した円盤状の角質剥落材35を配置していることで、単一の美容器にイオン導入機能とピーリング機能とを付与している。
【選択図】 図3

Description

本願発明は、化粧液中のイオン化した有効成分を外部から皮膚深部に浸透させ得るイオン導入美容器に関し、さらに詳しくは、そのようなイオン導入機能に加えて皮膚面の角質層を剥落させるピーリング機能を付加したピーリング機能付きイオン導入美容器に関するものである。
イオン導入美容器は、家庭用として手軽に使用できるものが各種市販されているが、これらのイオン導入美容器は、化粧液(ジェル)をトリートメントすべき皮膚面に塗布した状態で、器体(美容器本体)の外面に設けたイオン出力部を皮膚の化粧液塗布面に接触させることで(人体を通して微弱電流が流れる)、化粧液中の有効成分(イオン化したもの)を電気的に皮膚深部に浸透させるものである。尚、化粧液中の有効成分は、+イオンのものと−イオンのものがあるが、イオン導入美容器のイオン出力部は化粧液有効成分のイオン極性と同じに設定することで、所望のイオン極性の有効成分を皮膚深部に浸透させることができる。
又、この種のイオン導入美容器は、イオン出力部を−極性にした状態で皮膚面に接触させると、該イオン出力部が−極性であることにより、毛穴内の汚れ成分(+極性)を電気的に吸引するという美容効果もある。
他方、人の皮膚面(表皮)には、老廃物による角質が生成されて堆積していく。そして、この角質層は、皮膚の新陳代謝によって自然に剥がれ落ちるものであるが、皮膚の新陳代謝機能が衰えると、古い角質層が皮膚面から剥がれ落ちにくくなり、該角質層が肌をカサカサにしたり肌に「しみ」や「くすみ」を発生させる原因となっていた。
ところで、肌の美容には、皮膚面(表皮)に生成・堆積する角質層を早期の段階で除去(ピーリングという)することが有効であるが、現在行われている肌のピーリング法としては、薬剤によるケミカルピーリング法や、レーザー光によるレーザーピーリング法や、金属粉末の吹き付けによるクリスタルピーリング法等がある。
ところが、上記ケミカルピーリング法は、薬剤を使用する関係で特に敏感肌の人には不安要素があって敬遠される傾向がある。他方、上記レーザーピーリング法や上記クリスタルピーリング法は、即効性が乏しい(何回も継続使用する必要がある)という難点があるほか、この種のピーリング美容器は高価であってクリニックやエステ等の専門機関で使用している程度で一般家庭用には普及度が低いものである。
又、上記レーザーピーリングや上記クリスタルピーリングを行うピーリング美容器は、皮膚表皮の角質除去のみに使用されるものであって、その他の付加機能(例えば角質除去機能に並行して行われるイオン導入機能)を有するものではなかった。
そこで、本願発明は、一般家庭用向けの簡易な構造であって、化粧液中の有効成分(イオン化したもの)を皮膚深部に浸透させ得るようにしたイオン導入美容器に、皮膚表皮の角質層を剥落させ得るピーリング装置を付加したピーリング機能付きイオン導入美容器を提供することを目的としている。
本願発明は、上記課題を解決するためのものであって、器体(美容器本体)に、皮膚面に対して化粧液中のイオン化した有効成分を浸透させ得るイオン導入装置と皮膚面の角質層を剥ぎ落とすピーリング装置とを備えたピーリング機能付きイオン導入美容器を対象としたものである。尚、以下の説明では、本願の「ピーリング機能付きイオン導入美容器」を単に「美容器」と表現することがある。
そして、本願発明の美容器(ピーリング機能付きイオン導入美容器)は、上半部を手で握持できる器体(外装体となる美容器本体)の下面中央部にイオン出力部(イオン導入装置の一部となる)を下向きに露出させた状態で配置しているとともに、上記器体の下面における上記イオン出力部の外側を囲う位置に、回転駆動装置により回転させながら皮膚面に接触させることにより該皮膚面の角質層を剥ぎ落とす機能を有した円盤状の角質剥落材(ピーリング装置の一部となる)を配置していることを特徴としている。
本願発明の美容器におけるイオン導入装置は、電池を有した電気回路の一方の電極端子(例えば+極)を器体の下面中央部に配置したイオン出力部に接続している一方、該電気回路の他方の電極端子(例えば−極)を器体上半部に設けたアース板(握持状態で手が接触する)に接続している。そして、このイオン導入装置は、器体の上半部を手で握持して該器体の下面側をトリートメントすべき皮膚面に押し当てることで、人体を介して微弱電流が流れ、そのとき器体下面のイオン出力部が一方の極性(例えば+極性)となることにより、皮膚面に塗布している化粧液中の有効成分(例えば+極性のイオン)を皮膚深部に浸透させるように機能するものである。尚、イオン出力部の極性は、スイッチ切換により可逆的に変更させ得るようにしておくと、両極性のイオン導入を行えるとともに、該イオン出力部を−極性にして使用する場合は、毛穴内の汚れ成分(+極性)を電気的に吸引・除去する機能も生じる。
他方、本願発明の美容器におけるピーリング装置は、器体の下面におけるイオン出力部の外側を囲う位置に配置した円盤状の角質剥落材を回転駆動装置で所定の低速で回転(例えば毎分30〜60回転)させるようにしたものである。尚、角質剥落材は、下面を粗面加工したものである。
そして、この美容器のピーリング装置は、角質剥落材を回転させながら該角質剥落材の下面を皮膚面に押し当てる(角質剥落材が皮膚面を擦る)ことで、皮膚面の角質を剥がし落とす機能を有するものである。
そして、本願発明の美容器は、次のように使用される。
まず、トリートメントすべき皮膚面に化粧液を塗布しておき、美容器の切換スイッチをONにし、その器体の上半部を手で握持した状態で、該器体の下面をトリートメントすべき皮膚面(化粧液塗布部分)に押し当てる。すると、電池からの電流が人体を介して両電極端子間に流れるとともに、イオン出力部が一方の極性(例えば+極性)になって、該イオン出力部に接触している化粧液中の同極性(+極性)のイオン成分(有効成分)が皮膚深部に浸透するようになる。
他方、この美容器では、上記切換スイッチをONにすると、ピーリング装置の回転駆動装置が作動して、円盤状の角質剥落材がイオン出力部の回りで回転する。そして、その角質剥落材の回転状態で器体(美容器)の下面をトリートメントすべき皮膚面に押し当てると、該角質剥落材の下面(粗面加工している)が皮膚面を擦ることになり、その角質剥落材による擦り作用によって皮膚面の角質層を剥ぎ落とすことができる。尚、皮膚面に対する美容器下面の押付け力は、トリートメントすべき部所によって調整することで、過剰な擦り作用による不快感や肌の損傷等を防止できる。又、この美容器は、器体下面を皮膚面に押し当てた状態で皮膚面に沿ってゆっくり移動させることにより、広範囲の皮膚面を連続してケアすることができる。
本願発明のピーリング機能付きイオン導入美容器は、次のような効果がある。
まず、器体の上半部を握持して器体(美容器)の下面をトリートメントすべき皮膚面に押し当てるだけで、イオン導入装置(イオン出力部)によるイオン導入機能とピーリング装置(角質剥落材)によるピーリング機能とを同時に達成できるので、単一の美容器を多機能型として利用できるとともに、ハンディタイプ式のものであるので使い易いという効果がある。
又、単一の器体にイオン導入装置とピーリング装置の両方を装備しているので、該器体を両装置の取付器体として共用できる(有効利用できる)という効果がある。
本願実施例のピーリング機能付きイオン導入美容器の側面図である。 図1の美容器の底面図である。 図1のIII−III断面図である。
[実施例]
図1〜図3を参照して本願実施例のピーリング機能付きイオン導入美容器を説明する。尚、本願実施例においても、「ピーリング機能付きイオン導入美容器」を単に「美容器」と表現することがある。
この実施例の美容器は、上半部を手A(図1参照)で握持し得る器体1に、イオン導入機能を有するイオン導入装置2とピーリング機能を有するピーリング装置3とを装備して構成されている。
器体1は、内部が中空の合成樹脂製で、環状の胴体11の上部に蓋体12を開閉自在に取付けて構成されている。そして、この器体1は、側面視が横長の略楕円形で平面視が略円形に近い形状であって、平面視における外径C(図2参照)を80〜90cm程度の大きさ(図1に示すように器体1の上半部を手Aで握持できる大きさ)に設定している。尚、器体1における形状及び大きさは、上記したものに限定されるものではなく、器体1の上半部を手Aで握持できるものであれば、適宜に設計変更可能である。
器体1の胴体11は、図2に示すように、左右に2つ割りした各分割胴体11a,11aを環状に合体させたものである。又、該胴体11の下面は、中心寄りのかなりの面積部分でフラットな平面となっているとともに、該胴体11の下面の中央部には後述の回転軸13(大径盤14部分)を挿通させるための穴が形成されている。
蓋体12は胴体11に対して開閉自在であって、該蓋体12を開放させることで胴体11内に電池21を出し入れし得るようになっている。
上記イオン導入装置2は、器体1内に配置された電池21と配電基盤22と切換スイッチ23とを有した電気回路を有している。そして、このイオン導入装置2は、上記電気回路の一方の電極端子24を器体1の下面中央部に設けたイオン出力部27に接続している一方、該電気回路の他方の電極端子25を蓋体12の上面に設けたアース板28に接続している。
上記イオン出力部27は、通電可能な金属製の容器形状のものであって、その下面部分(皮膚接触部分)の外径を15mm程度(この大きさは特に限定するものではない)に設定している。そして、このイオン出力部27は、後述するピーリング装置3の一部となる回転軸13の下端に設けた大径盤14の下面に固定されていて、回転軸13と供回りするように設置されている。尚、このイオン出力部27の下端は、この美容器全体の下面(後述する角質剥落材35)から僅かに突出する状態で露出させており、美容器の下面を皮膚面B(図1)に押し当てたときに、該イオン出力部27と後述の角質剥落材35とが同時に皮膚面Bに接触するようになっている。
ところで、この実施例で使用しているイオン導入装置2では、後述するようにイオン出力部27が器体1に対して回転することにより、配電基盤22とイオン出力部27(電極端子24)とをロータリー接点26(固定接点26aと可動接点26b)を介して接続している一方、蓋体12が胴体11に対して開閉される関係で、配電基盤22と蓋体12側のアース板28(電極端子25)とを接離自在な接点29を介して接続している。尚、イオン出力部27側の電極端子24へのリード線は、回転軸13の中心に設けた貫通穴を通して配置されており、該リード線の上端部を回転軸13の上端部においてロータリー接点26(固定接点26aと可動接点26b)を介して配電基盤22に接続している。
そして、この美容器のイオン導入装置2を機能させるには、トリートメントすべき皮膚面B(図1)に化粧液を塗布しておき、蓋体12を閉じ、切換スイッチ23のスイッチボタン23aを操作してイオン出力部27側の電極端子24の極性を所望の側にセットし(+極にすることが多い)、器体1の上半部を手Aで握持した状態(アース板28が手に接触する)で美容器下面を皮膚面Bに押し当てることで、人体を介して微弱電流が流れ、そのとき器体下面のイオン出力部27が一方の極性(+極性)となることにより皮膚面Bに塗布している化粧液中の有効成分(+イオン)を皮膚深部に浸透させるように機能する。尚、化粧液の有効成分が−イオンである場合には、スイッチボタン23aで切換スイッチ23を切換えてイオン出力部27の極性を−極性にした状態で行えばよく、その場合(イオン出力部27が−極性の場合)は、−極性のイオン導入を行えるとともに毛穴内の汚れ成分(+極性)を電気的に吸引・除去する機能も発生する。
この実施例の美容器には、上記イオン導入装置2のほかに、角質剥落用のピーリング装置3が使用されている。このピーリング装置3は、器体1の下面におけるイオン出力部27の外側を囲う位置において、円盤状の角質剥落材35を回転駆動装置(モータ)31によって所定の低速で回転(例えば毎分30〜60回転)させるようにしたものである。
即ち、このピーリング装置3は、図3に示すように、器体1(胴体11)内の中心位置に上下2つの軸受15,15で回転自在に支持された回転軸13と、該回転軸13を回転させる回転駆動装置(モータ)31と、減速機32及び各歯車33,34からなる減速機構と、回転軸13の下端に設けた大径盤14の下面に固定した円盤状の角質剥落材35とを有して構成している。尚、回転駆動装置31は、上記電池21からの電力を受けて駆動される。
角質剥落材35は、図2に示すように、イオン出力部27の外側を囲う位置においてかなり大きな直径D(D=約60cm程度)のものを採用している。又、この角質剥落材35の下面は、ヤスリ面のような粗面加工が施されている。尚、角質剥落材35の下面よりイオン出力部27の下面が僅かに下方に突出しているが、この美容器の下面を皮膚面Bに押し当てると、図1に示すように、皮膚面の凹みによりイオン出力部27の下面と角質剥落材35の下面とが同時に皮膚面Bに接触する。
そして、この美容器のピーリング装置3は、切換スイッチ23をON操作すると、回転駆動装置(モータ)31の回転力で角質剥落材35を回転させることができ、該角質剥落材35が回転しながら皮膚面Bを擦ることによって、皮膚面Bに堆積された角質層を剥落させる機能を発揮するものである。尚、この実施例では、単一の切換スイッチ23(スイッチボタン23a)でイオン導入装置2の電気回路に通電するとともにピーリング装置3の回転駆動装置31を作動させるようになっているが、他の実施例では、回転駆動装置31用のスイッチを個別に設けて、イオン導入装置2とピーリング装置3とを別々に作動させる得るようにしてもよい。
この実施例の美容器は、次のように使用される。
まず、トリートメントすべき皮膚面Bに化粧液を塗布しておき、該化粧液の有効成分のイオン極性に応じて切換スイッチ23によりイオン出力部27側の電極端子24を所望の極性にセットする。尚、この状態では、イオン導入装置2が機能できる状態となっている一方、ピーリング装置3の角質剥落材35がイオン出力部27とともに回転している。
続いて、図1に示すように、器体1の上半部を手Aで握持した状態で(アース板28に手Aが接触している)、美容器の下面をトリートメントすべき皮膚面B(化粧液塗布部分)に押し当てると、イオン出力部27の下面と角質剥落材35の下面が共に皮膚面Bに接触する。
そして、そのとき、イオン導入装置2においては、電池21からの電流が人体を介して両電極端子24,25間に流れるとともに、イオン出力部27が一方の極性(例えば+極性)になって、該イオン出力部27に接触している化粧液中の同極性(+極性)のイオン成分(有効成分)が皮膚深部に浸透するようになる。
他方、ピーリング装置3においては、角質剥落材35が回転していることにより該角質剥落材35の下面(粗面加工している)が皮膚面Bを擦ることになり、その角質剥落材35による擦り作用によって皮膚面Bの角質層を剥ぎ落とすことができる。
そして、この美容器の下面を皮膚面Bに押し当てた状態で皮膚面に沿ってゆっくり移動させることにより、イオン導入装置2によるイオン導入機能とピーリング装置3によるピーリング機能とを同時進行させながら広範囲の皮膚面を連続してケアすることができる。
このように、本願実施例の美容器では、器体1の上半部を手Aで握持して美容器の下面をトリートメントすべき皮膚面Bに押し当てるだけで、イオン導入装置2(イオン出力部27)によるイオン導入機能とピーリング装置3(角質剥落材35)によるピーリング機能とを達成できるので、単一の美容器を多機能型として利用できる。
又、単一の器体1にイオン導入装置2とピーリング装置3の両方を装備しているので、該器体1を両装置の取付器体として共用できる(有効利用できる)。
尚、この美容器において、イオン導入装置2とピーリング装置3とに別々のスイッチを設けておくと、イオン導入とピーリングとを別々に(単独で)行ったり、同時に行ったりすることを選択できる。
1は器体、2はイオン導入装置、3はピーリング装置、11は胴体、12は蓋体、13は回転軸、21は電池、24はイオン出力部側の電極端子、25はアース板側の電極端子、27はイオン出力部、28はアース板、31は回転駆動装置(モータ)、35は角質剥落材である。

Claims (1)

  1. 上半部を手で握持できる器体(1)にトリートメントすべき皮膚面に対して化粧液中のイオン化した有効成分を浸透させ得るイオン出力部(27)を有したイオン導入美容器において、
    上記イオン出力部(27)は、上記器体(1)の下面中央部において下向きに露出させた状態で配置しているとともに、
    上記器体(1)の下面における上記イオン出力部(27)の外側を囲う位置に、回転駆動装置(31)により回転させながら皮膚面(B)に接触させることにより該皮膚面の角質層を剥ぎ落とす機能を有した円盤状の角質剥落材(35)を配置している、
    ことを特徴とするピーリング機能付きイオン導入美容器。
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