JP2015102666A - 反射防止膜形成用塗布液および反射防止膜付基材とその製造方法ならびにその用途 - Google Patents

反射防止膜形成用塗布液および反射防止膜付基材とその製造方法ならびにその用途 Download PDF

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Abstract

【課題】高温で加熱処理した後、急速に冷却してもクラックを生じることもなく、表面が平坦で、低反射率であるとともに耐擦傷性、スクラッチ強度等に優れた反射防止膜の形成に好適に用いることのできる反射防止膜形成用塗布液を提供する。
【解決手段】シリカ系中空微粒子(A)とシリカ中実微粒子(B)と溶媒とからなり、
シリカ系中空微粒子(A)の平均粒子径(Dpa)が30〜200nmの範囲にあり、シリカ中実微粒子(B)の平均粒子径(Dpb)が5〜80nmの範囲にあり、全固形分濃度が1〜10重量%の範囲にあり、
シリカ系中空微粒子(A)の濃度(CA)が固形分として0.2〜8重量%の範囲にあり、シリカ中実微粒子(B)の濃度(CB)が固形分として0.2〜8重量%の範囲にあり、
シリカ系中空微粒子(A)と、シリカ中実微粒子(B)との重量比(B/A)は、0.25〜4にあることを特徴とする反射防止膜形成用塗布液。
【選択図】なし

Description

本発明は、反射防止膜形成用塗布液、該反射防止膜形成用塗布液を用いて形成した反射防止膜付基材およびその製造方法ならびに反射防止膜付基材を用いた太陽電池に関する。
さらに、詳しくは、高温で加熱処理した後、急速に冷却してもクラックを生じることもなく、表面が平坦で、低反射率であるとともに耐擦傷性、スクラッチ強度等に優れた反射防止膜の形成に好適に用いることのできる反射防止膜形成用塗布液、該反射防止膜形成用塗布液を用いて形成した反射防止膜付基材およびその製造方法ならびに反射防止膜付基材を用いた太陽電池とに関する。
従来より、ガラス、プラスチックシート、プラスチックレンズ等の基材表面の反射を防止するため、基材表面に反射防止膜を形成することが知られており、たとえば、コート法、蒸着法、CVD法等によって、フッ素樹脂、フッ化マグネシウムのような低屈折率の物質の被膜をガラスやプラスチックの基材表面に形成したり、シリカ微粒子等の低屈折率微粒子を含む塗布液を基材表面に塗布して、反射防止被膜を形成する方法が知られている。
このとき、低屈折率微粒子を含む塗布液には低屈折率微粒子の結合材(マトリックス形成成分ということがある)として、有機樹脂あるいは有機珪素化合物の部分加水分解物、加水分解物(ゾルゲルマトリックス形成成分ということがある)が用いられている。
なお、本願出願人は、特開2010-128309号公報(特許文献1)にて、シリカ系中空粒子とマトリックス成分とからなる反射防止膜付基材を提案している。マトリックス成分として、有機ケイ素化合物や有機樹脂系マトリックス成分が使用されている。また、かかる特許文献1では、粒子径の異なる2種のシリカ系中空粒子を使用することも提案している。
特開2010-128309号公報
しかしながら、前記した従来の結合材を用いた反射防止膜形成用塗布液では、塗膜を、乾燥し、加熱処理後、冷却速度が速い場合には反射防止膜にクラックを生じたり、このため透明性、耐擦傷性、スクラッチ強度等が低下する問題があった。通常、ガラスを基材とする反射防止膜付基材を製造する場合、高温で加熱処理した後、急速に冷却すると基材が強化ガラスとなることから、この場合でもクラックを抑制すること求められている。
本発明者等は、鋭意検討した結果、シリカ系中空微粒子の結合材として、平均粒子径の極めて小さいシリカ微粒子を用いると反射防止膜形成用塗布液の安定性が高く、クラックを抑制できることを見出して本発明を完成するに至った。
本発明に係る反射防止膜形成用塗布液は、
シリカ系中空微粒子(A)とシリカ中実微粒子(B)と溶媒とからなり、
シリカ系中空微粒子(A)の平均粒子径(Dpa)が30〜200nmの範囲にあり、シリカ中実微粒子(B)の平均粒子径(Dpb)が5〜80nmの範囲にあり、全固形分濃度が1〜10重量%の範囲にあり、
シリカ系中空微粒子(A)の濃度(CA)が固形分として0.2〜8重量%の範囲にあり、シリカ中実微粒子(B)の濃度(CB)が固形分として0.2〜8重量%の範囲にあり、
シリカ系中空微粒子(A)と、シリカ中実微粒子(B)との重量比(B/A)は、0.25〜4にある。
本発明に係る反射防止膜付基材は、
基材上に反射防止膜が形成された反射防止膜付基材であって、該反射防止膜がシリカ系中空微粒子(A)とシリカ中実微粒子(B)からなり、シリカ系中空微粒子(A)の平均粒子径(Dpa)が30〜200nmの範囲にあり、シリカ中実微粒子(B)の平均粒子径(Dpb)が5〜80nmの範囲にあり、
シリカ系中空微粒子(A)と、シリカ中実微粒子(B)との重量比(B/A)は、0.25〜4にある。
本発明に係る反射防止膜付基材の製造方法は、
基材上に、前記記載の反射防止膜形成用塗布液を塗布し、乾燥し、ついで、基材の軟化点未満の温度で加熱した後、急速冷却することを特徴とする。
本発明に係る太陽電池は、前記記載の反射防止膜付基材を受光面の最上面に備えてなることを特徴とする。
本発明によれば、従来のマトリックス形成成分の代わりに、特定のシリカ中実微粒子を使用することで、反射防止膜付基材の製造時に、高温で加熱処理した後、急速に冷却してもクラックを生じることもなく、表面が平坦で、低反射率であるとともに耐擦傷性、スクラッチ強度等に優れた反射防止膜を形成できる。このような反射防止膜付基材は、太陽電池に好適である。
以下、本発明について具体的に説明する。
[反射防止膜形成用塗布液]
本発明に係る反射防止膜形成用塗布液は、シリカ系中空微粒子(A)とシリカ中実微粒子(B)と溶媒とからなる。
シリカ系中空微粒子(A)
シリカ系中空微粒子(A)としては、本願出願人の出願による特開2001−233611号公報、特開2003−192994号公報等に開示した内部に空洞を有するシリカ系微粒子は屈折率が低く、コロイド領域の微粒子であり、分散性等に優れているので好適に採用することができる。また、シリカ系中空微粒子の製造過程で得られる、シリカ・アルミナ複合酸化物粒子を酸で脱アルミニウム化した多孔質シリカ・アルミナ複合酸化物粒子、中空シリカ系微粒子を用いることもできる。同様に本願出願人の出願による特開平7−133105号公報に開示した多孔質複合酸化物ゾルを用いることもできる。
本発明に用いるシリカ系中空微粒子(A)の平均粒子径(Dpa) は30〜200nm、さらには40〜120nmの範囲にあることが好ましい。
シリカ系中空微粒子(A)の平均粒子径(DpA)が前記範囲の下限未満の場合、微粒子(A)は内部に空洞を有しているが、この空洞の割合が小さく、屈折率が充分低くない粒子(屈折率が1.40以上)となることから、反射防止性能が不充分となる場合がある。
シリカ系中空微粒子(A)の平均粒子径(DpA)が大きすぎると、後述の中実微粒子(B)によって粒子の間隙を埋めにくくなり、基材との密着性、膜強度、表面平坦性、耐擦傷性、スクラッチ強度等が不充分となることに加えて、反射防止性能が不十分となる場合や、反射防止膜のヘイズ値が高くなる場合がある。
シリカ系中空微粒子(A)の屈折率は1.10〜1.45、さらには1.10〜1.40の範囲にあることが好ましい。シリカ系中空微粒子(A)の屈折率は、前記範囲未満のものは得ることが困難であり、大きすぎると基材あるいは下層膜の屈折率にもよるが反射防止性能が不充分となったり、反射防止膜の反射率が高いために明所コントラストが不充分となることがある。
本発明に評価するシリカ系中空微粒子の屈折率は下記の方法によって測定する。
(1)シリカ系中空微粒子の分散液をエバポレーターに採り、分散媒を蒸発させる。
(2)これを120℃で乾燥し、粉末とする。
(3)屈折率が既知の標準屈折液を2、3滴ガラス板上に滴下し、これに上記粉末を混合する。
(4)上記(3)の操作を種々の標準屈折液で行い、混合液が透明になったときの標準屈折液の屈折率をシリカ系中空微粒子の屈折率とする。
本発明に用いるシリカ系中空微粒子(A) は下記式(1)で表される珪素化合物で表面処理されていることが好ましい。
SiX4 (1)
(式中、Xは、炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン、水素のいずれかを表す)
このような式(1)で表される珪素化合物としてはテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシシラン、テトラブトキシシラン等が挙げられる。
シリカ系中空微粒子(A)の表面処理は、従来公知の方法を採用することができ、例えば、シリカ系中空微粒子のアルコール分散液に前記珪素化合物を所定量加え、これに水を加えて加水分解する。この時、珪素化合物の使用量はシリカ系中空微粒子と珪素化合物のSiO2としての重量比(SiO2の重量/シリカ系中空微粒子の重量)が0.01〜2.0さらには0.02〜1.0の範囲にあることが好ましい。前記重量比が小さい場合は、後述する反射防止膜形成用塗布液中で均一に分散しない場合があり、また、後述するシリカ中実微粒子(B)との結合を向上する効果が不充分となり、クラックを発生したり、反射防止膜の強度、耐擦傷性が不充分となる場合がある。前記重量比が大きすぎてもさらにシリカ中実微粒子(B)との結合を向上する効果、クラックの発生を抑制する効果、特に後述する反射防止膜付基材の製造時方法における急速冷却時のクラックの発生を抑制する効果、反射防止膜の強度の向上、耐擦傷性の向上効果がさらに向上することもなく、シリカ系中空微粒子(A)の屈折率が上昇して反射防止性能が不充分となる場合がある。
ついで、必要に応じて有機溶媒に置換することによって表面処理したシリカ系中空微粒子(A)の有機溶媒分散液を得ることができる。有機溶媒としては、後述する反射防止膜形成用塗布液と同様の有機溶媒を用いることが好ましい。
シリカ中実微粒子(B)
本発明では、前記シリカ系中空微粒子(A)とともに、平均粒子径(Dpb)が5〜80nm、好ましくは5〜30nmの範囲にあるシリカ中実微粒子(B)を含んでいる。なお中実とは、内部に中空を有さないものであり、すなわち非中空の意味である。
シリカ中実微粒子(B)の平均粒子径(Dpb)が前記範囲の下限未満のものは得ることが困難であり、得られたとしても、反射防止膜形成用塗布液の安定性が不充分となり、また、反射防止膜付基材の製造時方法における急速冷却時のクラックの発生を抑制する効果が不充分となる場合がある。
シリカ中実微粒子(B)の平均粒子径(Dpb)が前記範囲の上限を越えると、得られる反射防止膜の基材との密着性、強度、耐擦傷性が不充分となる場合がある。
前記シリカ系中空微粒子(A)とともに、このようなシリカ中実微粒子(B)を含んでいると、その理由は明確でないが、シリカ中実微粒子(B)がバインダーとして機能するためか、シリカ系中空微粒子(A)を反射防止膜中に分散・固定でき、反射防止膜付基材の製造時に、高温で加熱処理した後、急速に冷却してもクラックを生じることもなく、表面が平坦で、低反射率であるとともに耐擦傷性、スクラッチ強度等に優れた反射防止膜を形成できる。
前記したシリカ系中空微粒子(A)と、シリカ中実微粒子(B)との粒径比は、(Dpb)/(Dpa)は、0.025〜1、好ましくは0.05〜0.75の範囲にあることが好ましい。この範囲にあると、互いに粒子が寄り密に充填し、急速に冷却してもクラックを生じることもなく、表面が平坦で耐擦傷性、スクラッチ強度に優れた反射防止膜を形成できる。
さらに、このようなシリカ中実微粒子(B)が、平均粒子径(Dpb)が小さいシリカ微粒子(BS)と平均粒子径(Dpb)が大きいシリカ微粒子(BL)との混合物であり、シリカ微粒子(BS)の平均粒子径(DpbS)が5〜20nm、好ましくは5〜15nmの範囲にあり、シリカ微粒子(BL)の平均粒子径(DpbL)が20〜80nm、好ましくは20〜50nmの範囲にあることが望ましい。このとき、平均粒子径(DpbS)<平均粒子径(DpbL)である。
シリカ微粒子(BS)とシリカ微粒子(BL)を混合して用いると、反射防止膜付基材の製造における急速冷却時のクラックの発生を抑制する効果が向上し、強度、耐擦傷性に優れた反射防止膜付基材を得ることができる。
シリカ微粒子(BS)とシリカ微粒子(BL)の混合比は、得られる反射防止膜中のシリカ微粒子(BS)の含有量(WBS)とシリカ微粒子(BL)の含有量(WBL)との重量比(WBL)/(WBS)が0.1〜2、さらには0.2〜1の範囲にあることが好ましい。
重量比(WBL)/(WBS)が小さいと、シリカ微粒子(BL)が少なくシリカ微粒子(BS)が多いために、得られる反射防止膜付基材における急速冷却時のクラックの発生を抑制する効果が不充分となる場合がある。
重量比(WBL)/(WBS)が高すぎても、得られる反射防止膜の基材との密着性、膜強度、表面平坦性、耐擦傷性、スクラッチ強度等が不充分となる場合がある。
本発明では、シリカ中実微粒子(B)を含むために、通常、塗布液に使用される、有機ケイ素化合物や有機樹脂成分などのバインダー成分を必要としない。
このような、シリカ中実微粒子(B)およびその製造方法としては本願出願人の出願による特開昭63−45113号公報、特開昭63−123807号公報等に開示したシリカゾルを用いることができ、また、これらに開示した方法に準じて調製することができる。
本発明では、シリカ系中空微粒子(A)およびシリカ中実微粒子(B)の平均粒子径は透過型電子顕微鏡写真(TEM)を撮影し、100個の粒子について粒子径を測定し、その平均値とした。
ここで、シリカ中実微粒子(B)は基本的に粒子径が小さいほど、シリカ系中空微粒子(A)との接点(結合点)が増加し、結合力が強くなり、前記のようなクラックの発生を抑制できると考えられるが、粒子径の異なるシリカ微粒子(BS)とシリカ微粒子(BL)との混合物を用いるとよりクラックの発生を抑制できることについては、各粒子がより密に充填するためにシリカ微粒子(BS)とシリカ微粒子(BL)との接点(結合点)、シリカ系中空微粒子(A)とシリカ中実微粒子(B)との接点(結合点)が増加するためと考えられる。
溶媒
本発明に用いる溶媒としてはシリカ系中空微粒子(A)、シリカ中実微粒子(B)を均一に分散することができ、塗布液が安定であれば特に制限はなく、従来公知の溶媒を用いることができる。
本発明では、水および/または水と相溶性を有する有機溶媒が用いられ、有機溶媒としてはメチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアル、ブチルアルコール、ジアセトンアルコール等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール等のグリコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル(エチルセロソルブ)、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類等が挙げられる。
塗布液組成
反射防止膜形成用塗布液は全固形分濃度が概ね1〜10重量%、さらには1.5〜8重量%の範囲にあることが好ましい。
反射防止膜形成用塗布液の固形分濃度が低い場合は、膜厚の調整が難しく、乾燥状態にムラが生じ易い。固形分濃度が高すぎると、得られる反射防止膜の膜厚が厚過ぎる場合が生じ、光透過率が不充分となる場合がある。また、塗布液の組成によっては安定性が不充分となる場合があり、塗工性が低下することから得られる反射防止膜の基材との密着性、膜強度、耐擦傷性、スクラッチ強度等が不充分となる場合がある。
反射防止膜形成用塗布液中のシリカ系中空微粒子(A)の濃度(CA)は固形分として0.2〜8重量%、さらには0.3〜7重量%の範囲にあることが好ましい。
反射防止膜形成用塗布液中のシリカ系中空微粒子(A)の濃度(CA)が少ないと、基材との密着性、膜強度、表面平坦性、耐擦傷性、スクラッチ強度等が不充分となることに加えて、反射防止膜の屈折率を低下させることができないために反射防止性能が不充分となる場合がある。
反射防止膜形成用塗布液中のシリカ系中空微粒子(A)の濃度(CA)が多すぎても、シリカ系中空微粒子(A)が多すぎ、シリカ微粒子(B)が少なくなるために得られる反射防止膜の膜強度、耐擦傷性、スクラッチ強度等が不充分となることに加えて、反射防止膜のヘイズ値が高くなる場合がある。
反射防止膜形成用塗布液中のシリカ微粒子(B)の固形分としての濃度(CB)は0.2〜8重量%、さらには0.3〜7重量%の範囲にあることが好ましい。
反射防止膜形成用塗布液中のシリカ微粒子(B)の濃度(CB)が少ないと、反射防止膜付基材の製造時方法における急速冷却時にクラックが発生する場合があり、一方、シリカ系中空微粒子(A)が多過ぎるために反射防止膜の膜強度、耐擦傷性、スクラッチ強度等が不充分となることに加えて、反射防止膜のヘイズ値が高くなる場合がある。
反射防止膜形成用塗布液中のシリカ微粒子(B)の濃度(CB)が多すぎても、シリカ系中空微粒子(A)が少な過ぎる場合が生じ、基材との密着性、膜強度、表面平坦性、耐擦傷性、スクラッチ強度等が不充分となることに加えて、反射防止膜の屈折率を低下させることができないために反射防止性能が不充分となる場合がある。
さらに、シリカ微粒子(B)は前記したように平均粒子径(Dpb)が小さいシリカ微粒子(BS)と平均粒子径(Dpb)が大きいシリカ微粒子(BL)との混合物である場合、反射防止膜形成用塗布液中の前記シリカ微粒子(BS)の濃度(CBS)と前記シリカ微粒子(BL)の濃度比(CBL)/(CBS)が0.1〜2、さらには0.2〜1の範囲にあることが好ましい。
濃度比(CBL)/(CBS)が小さいとは、シリカ微粒子(BL)が少なくシリカ微粒子(BS)が多いために、反射防止膜付基材の製造方法における急速冷却時のクラックの発生を抑制する効果が不充分となる場合がある。
濃度比(CBL)/(CBS)が多すぎても、基材との密着性、膜強度、表面平坦性、耐擦傷性、スクラッチ強度等が不充分となる場合がある。
シリカ系中空微粒子(A)と、シリカ中実微粒子(B)との重量比(B/A)は、0.25〜4、好ましくは0.3〜3の範囲にあることが好ましい。この範囲にあると、クラックを生じることもなく、表面が平坦で耐擦傷性、スクラッチ強度に優れ、屈折率が低く、反射防止性能に優れた反射防止膜を形成できる。
つぎに、本発明に係る反射防止膜付基材について具体的に説明する。
[反射防止膜付基材]
本発明に係る反射防止膜付基材は、基材上に反射防止膜が形成された反射防止膜付基材であって、該反射防止膜が、前記シリカ系中空微粒子(A)とシリカ中実微粒子(B)からなる。
基材
本発明では、通常基材としては、各種有機硝子基材、無機ガラス基材が用いられる。
本発明では無機ガラス基材が好適に用いられ、例えば、ソーダ石灰ガラス、ホウ珪酸塩ガラス、ホウ珪酸アルミナガラス等のガラス基材が用いられる。これら、無機ガラス基材の軟化点は概600〜800℃である。
反射防止膜
反射防止膜の膜厚(Th)は80〜250nm、さらには90〜200nmの範囲にあることが好ましい。反射防止膜の膜厚(Th)が薄い場合、膜の強度、耐擦傷性が不充分となる場合がある。膜厚(Th)が厚すぎると、膜にクラックが入りやすくなるために膜の強度が不充分となる場合があり、また、膜が厚すぎて反射防止性能が低下する場合がある。
反射防止膜の膜厚(Th)が前記範囲にあれば、反射率(ボトム反射率、視感反射率)が低く、且つ、膜強度等に優れた反射防止膜を得ることができる。
本発明では、反射防止膜の膜厚(Th)の測定は、透過型電子顕微鏡(TEM)で反射防止膜の断面を撮影して求める。
シリカ系中空微粒子(A)およびシリカ中実微粒子(B)としては、前記した通りである。
反射防止膜中のシリカ系中空微粒子(A)の含有量は、固形分として20〜80重量%、さらには30〜70重量%の範囲にあることが好ましい。
反射防止膜中のシリカ系中空微粒子(A)の含有量が少ないと、反射防止膜の屈折率を低下させることができないために反射防止性能が不充分となる場合がある。微粒子(A)の含有量が多すぎても、粒子が多すぎてしまい基材との密着性、膜強度、表面平坦性、耐擦傷性、スクラッチ強度等が不充分となることに加えて、反射防止膜のヘイズ値が高くなる場合がある。
反射防止膜中のシリカ中実微粒子(B)の含有量は、固形分として20〜80重量%、さらには30〜70重量%の範囲にあることが好ましい。シリカ中実微粒子(B)の含有量が少ないと、クラックが発生する場合があり、かえって、シリカ系中空微粒子(A)が多過ぎて反射防止膜の膜強度、耐擦傷性、スクラッチ強度等が不充分となることに加えて、反射防止膜のヘーズ値が高くなる場合がある。シリカ中実微粒子(B)の含有量が多すぎても、シリカ系中空微粒子(A)が少な過ぎて反射防止膜の屈折率を低下させることができないために反射防止性能が不充分となる場合がある。
シリカ中実微粒子(B)は、前記したとおり、平均粒子径(Dpb)が小さいシリカ微粒子(BS)と平均粒子径(Dpb)が大きいシリカ微粒子(BL)との混合物であってもよく、シリカ微粒子(BS)の平均粒子径(DpbS)が5〜20nmの範囲にあり、シリカ微粒子(BL)の平均粒子径(DpbL)が20〜80nmの範囲にあることが好ましい。
反射防止膜中のシリカ系中空微粒子(A)と、シリカ中実微粒子(B)との重量比(B/A)は、0.25〜4、好ましくは0.3〜3の範囲にあることが好ましい。この範囲にあると、クラックを生じることもなく、表面が平坦で耐擦傷性、スクラッチ強度に優れ、屈折率が低く、反射防止性能に優れた反射防止膜を形成できる。
シリカ微粒子(BS)とシリカ微粒子(BL)を混合して用いると、後述する急速冷却時のクラックを抑制することができ、強度、耐擦傷性に優れた反射防止膜付基材を得ることができる。
反射防止膜中の前記シリカ微粒子(BS)の含有量(WBS)と前記シリカ微粒子(BL)の含有量(WBL)との重量比(WBL)/(WBS)が0.1〜2、さらには0.2〜1の範囲にあることが好ましい。
重量比(WBL)/(WBS)がこの範囲にあると製造の際の急速冷却時のクラックの発生を抑制する効果が高く、さらに反射防止膜は、基材との密着性、膜強度、表面平坦性、耐擦傷性、スクラッチ強度等に優れている。
[反射防止膜付基材の製造方法]
本発明に係る反射防止膜付基材の製造方法は、基材上に、前記の反射防止膜形成用塗布液を塗布し、乾燥し、ついで、基材の軟化点未満の温度で加熱した後、急速冷却することを特徴としている。基材としては、前記した基材が用いられるが、本発明では前記各種ガラス基材が好適に用いられる。
基材上に前記反射防止膜形成用塗布液を塗布する。反射防止膜形成用塗布液を塗布する方法としては、ディップ法、スプレー法、スピナー法、ロールコート法、バーコート法、ダイコーター法、スリットコーター印刷法、グラビア印刷法、マイクログラビア印刷法等の周知の方法で基材に塗布する。
本発明ではディップ法、ロールコート法、スリットコーター印刷法、グラビア印刷法、マイクログラビア印刷法が推奨される。
ついで、乾燥する。乾燥方法としては、溶媒を除去できれば特に制限はなく従来公知の方法を採用することができる。また、風乾することもできるが、通常加熱乾燥する。このときの加熱温度は、通常80〜120℃程度である。
ついで、基材の軟化点以下の温度で加熱処理する。加熱温度は基材の軟化点によって異なるが、概ね軟化点の100〜10℃以下、さらには軟化点の50〜20℃以下の範囲にあることが好ましい。
加熱温度が低いと、加熱後、冷却した際に基材の強化(強度向上)が不充分となる場合があり、また、温度によっては硬化が不充分となり、基材との密着性、膜強度、耐擦傷性、スクラッチ強度等が不充分となる場合がある。加熱温度が高すぎても、加熱が不均一になった場合、基材が変形する場合がある。
加熱後、全面を均一に急速冷却する。
急速冷却とは、迅速に概ね100℃くらいまで温度を下げることである。通常の強化ガラスの製造では、約600〜800℃近辺で加熱処理した後冷却されている。
急速冷却では、全面を冷却するが、基材上の反射防止膜面を冷却してもよく、その反対面を冷却してもよいが、両面を冷却することが好ましい。
急速冷却する方法としては、冷ガスを吹きかける方法が一般的であり、通常、空気が用いられる。冷却速度は、基材の種類、特に基材ガラスの種類によって異なるが、強化ガラスが得られれば特に制限はなく、冷ガスの吹きかけ量を調整することによって調整することができる。
このようにして、前記した本発明に係る反射防止膜付基材を得ることができる。
[太陽電池]
本発明に係る太陽電池は、前記反射防止膜付基材を受光面の最上面に備えてなることを特徴としている。
太陽電池は、通常、光電気セルから構成され、該光電気セルは、(1)表面に電極層(1)を有し、かつ該電極層表面に光増感材を吸着した半導体膜が形成されてなる基板(1)と、(2)表面に電極層(2)を有する基板(2)とが、電極層(1)および電極層(2)が対向するように配置してなり、半導体膜と電極層(2)との間に電解質層を設けられている。
このような太陽電池の前面に前記反射防止膜付基材を前面(可視光受光面)に備えられている。
本発明に係る太陽電池は、前記反射防止膜付基材が前面に備えられているので、光(可視光)の利用率が高く、このため高い光電変換効率が得られる。また、基材が強化されており、反射防止膜と基材との密着性、反射防止膜の強度、耐擦傷性、スクラッチ強度等に優れているので長期にわたって使用することができる。
[実施例]
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
シリカ系中空微粒子(A-1)分散液の調製
シリカ・アルミナゾル(日揮触媒化成(株)製:USBB−120、平均粒子径25nm、SiO2・Al23濃度20重量%、固形分中Al23含有量27重量%)100gに純水3900gを加えて98℃に加温し、この温度を保持しながら、SiO2として濃度1.5重量%の珪酸ナトリウム水溶液1750gとAl23としての濃度0.5重量%のアルミン酸ナトリウム水溶液1750gを6時間で添加して、SiO2・Al23一次粒子分散液を得た。このときの反応液のpHは11.8、固形分濃度0.7%であった。また、平均粒子径は40nmであった。ついで、SiO2として濃度1.5重量%の珪酸ナトリウム水溶液1530gとAl23としての濃度0.5重量%のアルミン酸ナトリウム水溶液500gを6時間で添加して、固形分濃度0.8重量%のシリカ・アルミナ被覆複合酸化物粒子(1)分散液9,500gを得た。また、平均粒子径は55nmであった。
ついで、限外濾過膜で洗浄して固形分濃度13重量%になった複合酸化物微粒子(1)分散液500gに純水1,125gを加え、さらに濃塩酸(濃度35.5重量%)を滴下してpH1.0とし、脱アルミニウム処理を行った。次いで、pH3の塩酸水溶液10Lと純水5Lを加えながら限外濾過膜で溶解したアルミニウム塩を分離・洗浄して固形分濃度20重量%の多孔質シリカ系微粒子(A-1-1)の水分散液を得た。
ついで、多孔質シリカ系微粒子(A-1-1)の水分散液150gと、純水500g、エタノール1,750gおよび濃度28重量%のアンモニア水626gとの混合液を35℃に加温した後、エチルシリケート(SiO2濃度28重量%)80gを添加してシリカ被覆層を形成し、純水5Lを加えながら限外濾過膜で洗浄して固形分濃度20重量%のシリカ被覆層を形成したシリカ系中空微粒子(A-1-2)の水分散液を得た。
つぎに、シリカ被覆層を形成したシリカ系中空微粒子(A-1-2)分散液にアンモニア水を添加して分散液のpHを10.5に調整し、ついで150℃にて11時間熟成した後、常温に冷却し、陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:ダイヤイオンSK1B)400gを用いて3時間イオン交換し、ついで、陰イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:ダイヤイオンSA20A)200gを用いて3時間イオン交換し、さらに陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:ダイヤイオンSK1B)200gを用い、80℃で3時間イオン交換して洗浄を行い、固形分濃度20重量%のシリカ系中空微粒子(A-1)の水分散液を得た。
ついで限外濾過膜を用いて溶媒をエタノールに置換した固形分濃度20重量%のシリカ系中空微粒子(A-1)のアルコール分散液を調製した。得られたシリカ系中空微粒子(A-1)の平均粒子径および屈折率を測定し、結果を表に示す。
シリカ微粒子(BL-1)分散液の調製
シリカゾル(日揮触媒化成(株)製:CATALOID SI−50、平均粒子径25nm、SiO2濃度50重量%)1000gを、限外濾過膜で純水洗浄して固形分濃度20重量%のシリカ微粒子の水分散液を得た。
このシリカ微粒子水分散液に陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:ダイヤイオンSK1B)500gを用いて3時間イオン交換し、ついで、陰イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:ダイヤイオンSA20A)250gを用いて3時間イオン交換し、さらに陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:ダイヤイオンSK1B)250gを用い、80℃で3時間イオン交換して洗浄を行い、固形分濃度20重量%のシリカ微粒子の水分散液(BL-1)を得た。
ついで限外濾過膜を用いて溶媒をエタノールに置換した固形分濃度20重量%のシリカ系微粒子(BL-1)アルコール分散液を調製した。得られたシリカ微粒子(BL-1)の平均粒子径および屈折率を測定し、結果を表に示す。
シリカ微粒子(BS-1)分散液の調製
シリカゾル(日揮触媒化成(株)製:CATALOID SI−550、平均粒子径5nm、SiO2濃度20重量%)1000gを、限外濾過膜で純水洗浄して固形分濃度20重量%のシリカ微粒子の水分散液を得た。
このシリカ微粒子水分散液に陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:ダイヤイオンSK1B)200gを用いて3時間イオン交換し、ついで、陰イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:ダイヤイオンSA20A)100gを用いて3時間イオン交換し、さらに陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:ダイヤイオンSK1B)100gを用い、80℃で3時間イオン交換して洗浄を行い、固形分濃度20重量%のシリカ微粒子(BS-1)の水分散液を得た。
ついで限外濾過膜を用いて溶媒をエタノールに置換した固形分濃度20重量%のシリカ系微粒子(BS-1)のアルコール分散液(BS-1)を調製した。得られたシリカ微粒子のアルコール分散液(BS-1)の平均粒子径および屈折率を測定し、結果を表に示す。
反射防止膜形成用塗布液(1)の調製
固形分濃度20重量%のシリカ系中空微粒子(A-1)のアルコール分散液40.0gにシリカ微粒子(BL-1)のアルコール分散液10.0gとシリカ微粒子(BS-1)のアルコール分散液50.0gとエチルアルコール300.0gを混合して、固形分濃度5.0重量%の反射防止膜形成用塗布液(1)を調製した。
反射防止膜付基材(1)の製造
反射防止膜形成用塗布液(1)をホウ珪酸塩ガラス基板(100mm角、厚さ3mm、屈折率1.48、軟化点750℃)にバーコーター法(#10)で塗布し、乾燥機で100℃−10分間乾燥した後、室温で電気炉に投入し700℃まで昇温し、700℃で60分間加熱処理した後、扇風機で急速に冷却した風冷強化ガラスを基材とする反射防止膜付基材(1)を作製した。
このときの反射防止膜の膜厚は100nmであった。
得られた反射防止膜付基材(1)の全光線透過率、ヘイズ、反射率、被膜の屈折率、密着性、鉛筆硬度、耐擦傷性およびクラックの有無を表に示す。全光線透過率およびヘイズは、ヘイズメーター(日本電色工業(株)製)により、反射率は分光光度計(日本分光社、Ubest-55)により夫々測定した。また、反射防止膜の屈折率は、エリプソメーター(ULVAC社製、EMS−1)により測定した。なお、未塗布のガラス基板は全光線透過率が92.0%、ヘイズが0.1%であった。
また、鉛筆硬度、密着性、耐擦傷性、クラックの有無は以下の方法で評価した。
鉛筆硬度
鉛筆硬度は、JIS K 5400に準じて、鉛筆硬度試験器で測定した。即ち、反射防止膜表面に対して45度の角度に鉛筆をセットし、所定の加重を負荷して一定速度で引っ張り、傷の有無を観察した。
密着性
反射防止膜付基材(1)の表面にナイフで縦横1mmの間隔で11本の平行な傷を付け100個の升目を作り、これにセロファンテープを接着し、次いで、セロファンテープを剥離したときに被膜が剥離せず残存している升目の数を、以下の3段階に分類することによって密着性を評価した。結果を表に示す。
残存升目の数100個 :○
残存升目の数95〜99個 :△
残存升目の数94個以下 :×
耐擦傷性の測定
#0000スチールウールを用い、荷重500g/cm2で50回摺動し、膜の表面を目視観察し、以下の基準で評価し、結果を表に示した。
評価基準:
筋条の傷が認められない :◎
筋条の傷が僅かに認められる :○
筋条の傷が多数認められる :△
面が全体的に削られている :×
クラック
クラックが認められなかった :○
微細なクラックが僅かに認められた :△
明らかにクラックが認められた :×
[実施例2]
シリカ系中空微粒子(A-2)分散液の調製
シリカ・アルミナゾル(日揮触媒化成(株)製:USBB−120、平均粒子径25nm、SiO2・Al23濃度20重量%、固形分中Al23含有量27重量%)100gに純水3900gを加えて98℃に加温し、この温度を保持しながら、SiO2として濃度1.5重量%の珪酸ナトリウム水溶液4090gとAl23としての濃度0.5重量%のアルミン酸ナトリウム水溶液1360gを6時間で添加して、固形分濃度0.9重量%のシリカ・アルミナ被覆複合酸化物粒子(1)分散液9,450gを得た。また、平均粒子径は30nmであった。
ついで、限外濾過膜で洗浄して固形分濃度13重量%になった複合酸化物微粒子(1)分散液500gに純水1,125gを加え、さらに濃塩酸(濃度35.5重量%)を滴下してpH1.0とし、脱アルミニウム処理を行った。次いで、pH3の塩酸水溶液10Lと純水5Lを加えながら限外濾過膜で溶解したアルミニウム塩を分離・洗浄して固形分濃度20重量%の多孔質シリカ系微粒子(A-2-1)の水分散液を得た。
ついで、多孔質シリカ系微粒子(A-2-1)の水分散液150gと、純水500g、エタノール1,750gおよび濃度28重量%のアンモニア水626gとの混合液を35℃に加温した後、エチルシリケート(SiO2濃度28重量%)80gを添加してシリカ被覆層を形成し、純水5Lを加えながら限外濾過膜で洗浄して固形分濃度20重量%のシリカ被覆層を形成したシリカ系中空微粒子(A-2-2)の水分散液を得た。
つぎに、シリカ被覆層を形成したシリカ系中空微粒子(A-2-2)分散液にアンモニア水を添加して分散液のpHを10.5に調整し、ついで150℃にて11時間熟成した後、常温に冷却し、陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:ダイヤイオンSK1B)400gを用いて3時間イオン交換し、ついで、陰イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:ダイヤイオンSA20A)200gを用いて3時間イオン交換し、さらに陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:ダイヤイオンSK1B)200gを用い、80℃で3時間イオン交換して洗浄を行い、固形分濃度20重量%のシリカ系中空微粒子(A-2)の水分散液を得た。
ついで限外濾過膜を用いて溶媒をエタノールに置換した固形分濃度20重量%のシリカ系中空微粒子(A-2)のアルコール分散液を調製した。得られたシリカ系中空微粒子(A-2)の平均粒子径および屈折率を測定し、結果を表に示す。
反射防止膜形成用塗布液(2)の調製
実施例1において、固形分濃度20重量%のシリカ系中空微粒子(A-2)のアルコール分散液を用いた以外は同様にして固形分濃度5.0重量%の反射防止膜形成用塗布液(2)を調製した。
反射防止膜付基材(2)の製造
実施例1において、反射防止膜形成用塗布液(2)を用いた以外は同様にして(風冷強化ガラスの)反射防止膜付基材(2)を作製した。このときの反射防止膜の膜厚は100nmであった。
得られた反射防止膜付基材(2)の全光線透過率、ヘイズ、反射率、被膜の屈折率、密着性、クラック、鉛筆硬度、および耐擦傷性を表に示す。
[実施例3]
シリカ系中空微粒子(A-3)分散液の調製
シリカ・アルミナゾル(日揮触媒化成(株)製:USBB−120、平均粒子径25nm、SiO2・Al23濃度20重量%、固形分中Al23含有量27重量%)100gに純水3900gを加えて98℃に加温し、この温度を保持しながら、SiO2として濃度1.5重量%の珪酸ナトリウム水溶液20,950gとAl23としての濃度0.5重量%のアルミン酸ナトリウム水溶液20950gを6時間で添加して、SiO2・Al23一次粒子分散液を得た。このときの反応液のpHは11.8、固形分濃度1.0%であった。また、平均粒子径は70nmであった。ついで、SiO2として濃度1.5重量%の珪酸ナトリウム水溶液50,460gとAl23としての濃度0.5重量%のアルミン酸ナトリウム水溶液16,820gを6時間で添加して、固形分濃度1.1重量%のシリカ・アルミナ被覆複合酸化物粒子(1)分散液113,180gを得た。また、平均粒子径は90nmであった。
ついで、限外濾過膜で洗浄して固形分濃度13重量%になった複合酸化物微粒子(1)分散液500gに純水1,125gを加え、さらに濃塩酸(濃度35.5重量%)を滴下してpH1.0とし、脱アルミニウム処理を行った。次いで、pH3の塩酸水溶液10Lと純水5Lを加えながら限外濾過膜で溶解したアルミニウム塩を分離・洗浄して固形分濃度20重量%の多孔質シリカ系微粒子(A-3-1)の水分散液を得た。
ついで、多孔質シリカ系微粒子(A-3-1)の水分散液150gと、純水500g、エタノール1,750gおよび濃度28重量%のアンモニア水626gとの混合液を35℃に加温した後、エチルシリケート(SiO2濃度28重量%)80gを添加してシリカ被覆層を形成し、純水5Lを加えながら限外濾過膜で洗浄して固形分濃度20重量%のシリカ被覆層を形成したシリカ系中空微粒子(A-3-2)の水分散液を得た。
つぎに、シリカ被覆層を形成したシリカ系中空微粒子(A-3-2)分散液にアンモニア水を添加して分散液のpHを10.5に調整し、ついで150℃にて11時間熟成した後、常温に冷却し、陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:ダイヤイオンSK1B)400gを用いて3時間イオン交換し、ついで、陰イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:ダイヤイオンSA20A)200gを用いて3時間イオン交換し、さらに陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:ダイヤイオンSK1B)200gを用い、80℃で3時間イオン交換して洗浄を行い、固形分濃度20重量%のシリカ系中空微粒子(A-3)の水分散液を得た。
ついで限外濾過膜を用いて溶媒をエタノールに置換した固形分濃度20重量%のシリカ系中空微粒子(A-3)のアルコール分散液を調製した。得られたシリカ系中空微粒子(A-3)の平均粒子径および屈折率を測定し、結果を表に示す。
反射防止膜形成用塗布液(3)の調製
実施例1において、固形分濃度20重量%のシリカ系中空微粒子(A-3)のアルコール分散液を用いた以外は同様にして固形分濃度5.0重量%の反射防止膜形成用塗布液(3)を調製した。
反射防止膜付基材(3)の製造
実施例1において、反射防止膜形成用塗布液(3)を用いた以外は同様にして風冷強化ガラスを基材とする反射防止膜付基材(3)を作製した。このときの反射防止膜の膜厚は100nmであった。
得られた反射防止膜付基材(3)の全光線透過率、ヘイズ、反射率、被膜の屈折率、密着性、クラック、鉛筆硬度、および耐擦傷性を表に示す。
[実施例4]
反射防止膜形成用塗布液(4)の調製
実施例1と同様にして調製した固形分濃度20重量%のシリカ系中空微粒子(A-1)のアルコール分散液40.0gに、実施例1と同様にして調製したシリカ微粒子(BS-1)のアルコール分散液60.0gとエチルアルコール300.0gを混合して、固形分濃度5.0重量%の反射防止膜形成用塗布液(4)を調製した。
反射防止膜付基材(4)の製造
実施例1において、反射防止膜形成用塗布液(4)を用いた以外は同様にして風冷強化ガラスを基材とする反射防止膜付基材(4)を作製した。このときの反射防止膜の膜厚は100nmであった。
得られた反射防止膜付基材(4)の全光線透過率、ヘイズ、反射率、被膜の屈折率、密着性、クラック、鉛筆硬度、および耐擦傷性を表に示す。
[実施例5]
反射防止膜形成用塗布液(5)の調製
実施例1と同様にして調製した固形分濃度20重量%のシリカ系中空微粒子(A-1)のアルコール分散液70.0gに実施例1と同様にして調製したシリカ微粒子(BL-1)のアルコール分散液5.0gとシリカ微粒子(BS-1)のアルコール分散液25.0gとエチルアルコール300.0gを混合して、固形分濃度5.0重量%の反射防止膜形成用塗布液(5)を調製した。
反射防止膜付基材(5)の製造
実施例1において、反射防止膜形成用塗布液(5)を用いた以外は同様にして風冷強化ガラスを基材とする反射防止膜付基材(5)を作製した。このときの反射防止膜の膜厚は100nmであった。
得られた反射防止膜付基材(5)の全光線透過率、ヘイズ、反射率、被膜の屈折率、密着性、クラック、鉛筆硬度および耐擦傷性を表に示す。
[実施例6]
反射防止膜形成用塗布液(6)の調製
実施例1と同様にして調製した固形分濃度20重量%のシリカ系中空微粒子(A-1)のアルコール分散液20.0gに実施例1と同様にして調製したシリカ微粒子(BL-1)のアルコール分散液20.0gとシリカ微粒子(BS-1)のアルコール分散液60.0gとエチルアルコール300.0gを混合して、固形分濃度5.0重量%の反射防止膜形成用塗布液(6)を調製した。
反射防止膜付基材(6)の製造
実施例1において、反射防止膜形成用塗布液(6)を用いた以外は同様にして風冷強化ガラスを基材とする反射防止膜付基材(6)を作製した。このときの反射防止膜の膜厚は100nmであった。
得られた反射防止膜付基材(6)の全光線透過率、ヘイズ、反射率、被膜の屈折率、密着性、クラック、鉛筆硬度および耐擦傷性を表に示す。
[実施例7]
多孔質シリカ系微粒子(A-4)分散液の調製
実施例1と同様にして固形分濃度20重量%の多孔質シリカ系微粒子(A-3-1)の水分散液を調製した。
ついで、陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:ダイヤイオンSK1B)400gを用いて3時間イオン交換し、ついで、陰イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:ダイヤイオンSA20A)200gを用いて3時間イオン交換し、さらに陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:ダイヤイオンSK1B)200gを用い、80℃で3時間イオン交換して洗浄を行い、固形分濃度20重量%の多孔質シリカ系微粒子(A-4)の水分散液を得た。
限外濾過膜を用いて溶媒をエタノールに置換した固形分濃度20重量%の多孔質シリカ系微粒子(A-4)のアルコール分散液を調製した。得られた多孔質シリカ系微粒子(A-4)の平均粒子径および屈折率を測定し、結果を表に示す。
反射防止膜形成用塗布液(7)の調製
実施例1において、固形分濃度20重量%の多孔質シリカ系微粒子(A-4)のアルコール分散液を用いた以外は同様にして固形分濃度5.0重量%の反射防止膜形成用塗布液(7)を調製した。
反射防止膜付基材(7)の製造
実施例1において、反射防止膜形成用塗布液(7)を用いた以外は同様にして風冷強化ガラスを基材とする反射防止膜付基材(7)を作製した。このときの反射防止膜の膜厚は100nmであった。
得られた反射防止膜付基材(7)の全光線透過率、ヘイズ、反射率、被膜の屈折率、密着性、クラック、鉛筆硬度および耐擦傷性を表に示す。
[実施例8]
多孔質シリカ系微粒子(A-5)分散液の調製
実施例1と同様にして固形分濃度20重量%のシリカ被覆層を形成したシリカ系中空微粒子(A-3-2)の水分散液を得た。
ついで、陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:ダイヤイオンSK1B)400gを用いて3時間イオン交換し、ついで、陰イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:ダイヤイオンSA20A)200gを用いて3時間イオン交換し、さらに陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:ダイヤイオンSK1B)200gを用い、80℃で3時間イオン交換して洗浄を行い、固形分濃度20重量%のシリカ被覆層を形成したシリカ系中空微粒子(A-5)の水分散液を得た。
ついで限外濾過膜を用いて溶媒をエタノールに置換した固形分濃度20重量%のシリカ被覆層を形成したシリカ系中空微粒子(A-5)のアルコール分散液を調製した。得られたシリカ被覆層を形成したシリカ系中空微粒子(A-5)の平均粒子径および屈折率を測定し、結果を表に示す。
反射防止膜形成用塗布液(8)の調製
実施例1において、固形分濃度20重量%のシリカ被覆層を形成したシリカ系中空微粒子(A-5)のアルコール分散液を用いた以外は同様にして固形分濃度5.0重量%の反射防止膜形成用塗布液(8)を調製した。
反射防止膜付基材(8)の製造
実施例1において、反射防止膜形成用塗布液(8)を用いた以外は同様にして風冷強化ガラスを基材とする反射防止膜付基材(8)を作製した。このときの反射防止膜の膜厚は100nmであった。
得られた反射防止膜付基材(8)の全光線透過率、ヘイズ、反射率、被膜の屈折率、密着性、クラック、鉛筆硬度および耐擦傷性を表に示す。
[実施例9]
反射防止膜形成用塗布液(9)の調製
実施例1と同様にして調製した固形分濃度20重量%のシリカ系中空微粒子(A-1)のアルコール分散液40.0gに実施例1と同様にして調製したシリカ微粒子(BL-1)のアルコール分散液35.0gとシリカ微粒子(BS-1)のアルコール分散液25.0gとエチルアルコール300.0gを混合して、固形分濃度5.0重量%の反射防止膜形成用塗布液(5)を調製した。
反射防止膜付基材(9)の製造
実施例1において、反射防止膜形成用塗布液(9)を用いた以外は同様にして風冷強化ガラスを基材とする反射防止膜付基材(9)を作製した。このときの反射防止膜の膜厚は100nmであった。
得られた反射防止膜付基材(9)の全光線透過率、ヘイズ、反射率、被膜の屈折率、密着性、クラック、鉛筆硬度および耐擦傷性を表に示す。
[実施例10]
シリカ微粒子(BL-2)分散液の調製
シリカゾル(日揮触媒化成(株)製:CATALOID SI−45P、平均粒子径45nm、SiO2濃度20重量%)2500gを、限外濾過膜で純水洗浄して固形分濃度20重量%のシリカ微粒子の水分散液を得た。
このシリカ微粒子水分散液に陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:ダイヤイオンSK1B)500gを用いて3時間イオン交換し、ついで、陰イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:ダイヤイオンSA20A)250gを用いて3時間イオン交換し、さらに陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:ダイヤイオンSK1B)250gを用い、80℃で3時間イオン交換して洗浄を行い、固形分濃度20重量%のシリカ微粒子の水分散液(BL-2)を得た。
ついで限外濾過膜を用いて溶媒をエタノールに置換した固形分濃度20重量%のシリカ系微粒子(BL-2)アルコール分散液を調製した。得られたシリカ微粒子(BL-2)の平均粒子径および屈折率を測定し、結果を表に示す。
反射防止膜形成用塗布液(10)の調製
実施例1と同様にして調製した固形分濃度20重量%のシリカ系中空微粒子(A-1)のアルコール分散液40.0gに実施例10で調製したシリカ微粒子(BL-2)のアルコール分散液10.0gと実施例1と同様にして調製したシリカ微粒子(BS-1)のアルコール分散液50.0gとエチルアルコール300.0gを混合して、固形分濃度5.0重量%の反射防止膜形成用塗布液(5)を調製した。
反射防止膜付基材(10)の製造
実施例1において、反射防止膜形成用塗布液(10)を用いた以外は同様にして風冷強化ガラスを基材とする反射防止膜付基材(10)を作製した。このときの反射防止膜の膜厚は100nmであった。
得られた反射防止膜付基材(10)の全光線透過率、ヘイズ、反射率、被膜の屈折率、密着性、クラック、鉛筆硬度および耐擦傷性を表に示す。
[比較例1]
反射防止膜形成用塗布液(R1)の調製
エタノール675.3gに純水149.8g、濃度61重量%の硝酸1.23gを加え、溶液を25℃に調整する。次に、4官能基の有機珪素化合物としてテトラエトキシシラン(多摩化学工業(株)製:正珪酸エチル)173.8gをゆっくり添加した。この溶液を35℃で180分間撹拌して固形分濃度5重量%のシリカマトリックス形成成分分散液(SM-1)を得た。このときのGPCで測定したシリカマトリックス形成成分の平均分子量は800であった。
ついで、実施例1と同様にして調製した固形分濃度20重量%のシリカ系中空微粒子(A-1)のアルコール分散液6.25gとイソプロピルアルコール38.75g、プロピレングリコールモノメチルエーテル20gとシリカマトリックス形成成分分散液(SM-1)35gを混合して固形分濃度3.0重量%の反射防止膜形成用塗布液(R1)を調製した。
反射防止膜付基材(R1)の製造
反射防止膜形成用塗布液(1)をホウ珪酸塩ガラス基板(100mm角、厚さ3mm、屈折率1.48、軟化点750℃)にバーコーター法(#6)で塗布し、乾燥機で100℃−10分間乾燥した後、室温で電気炉に投入し700℃まで昇温し、700℃で60分間加熱処理した後、扇風機で急速に冷却した風冷強化ガラスを基材とする反射防止膜付基材(R1)を作製した。
得られた反射防止膜付基材(R1)の全光線透過率、ヘイズ、反射率、被膜の屈折率、密着性、クラック、鉛筆硬度および耐擦傷性を表に示す。
[比較例2]
シリカ微粒子(RBL-1)分散液の調製
シリカゾル(日揮触媒化成(株)製:スフェリカシリカ SS−120、平均粒子径120nm、SiO2濃度20重量%)1000gを、限外濾過膜で純水洗浄して固形分濃度20重量%のシリカ微粒子の水分散液を得た。
このシリカ微粒子水分散液を陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:ダイヤイオンSK1B)400gを用いて3時間イオン交換し、ついで、陰イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:ダイヤイオンSA20A)200gを用いて3時間イオン交換し、さらに陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:ダイヤイオンSK1B)200gを用い、80℃で3時間イオン交換して洗浄を行い、固形分濃度20重量%のシリカ微粒子の水分散液(RBL-1)を得た。
ついで限外濾過膜を用いて溶媒をエタノールに置換した固形分濃度20重量%のシリカ系微粒子(RBL-1)アルコール分散液を調製した。得られたシリカ微粒子(RBL-1)の平均粒子径を測定し、結果を表に示す。
反射防止膜形成用塗布液(R2)の調製
実施例4において、シリカ微粒子(BS-1)のアルコール分散液の代わりに固形分濃度20重量%のシリカ系微粒子(RBL-1)アルコール分散液を用いた以外は同様にして固形分濃度5.0重量%の反射防止膜形成用塗布液(R2)を調製した。
反射防止膜付基材(R2)の製造
実施例1において、反射防止膜形成用塗布液(R2)を用いた以外は同様にして風冷強化ガラスを基材とする反射防止膜付基材(R2)を作製した。このときの反射防止膜の膜厚は100nmであった。
得られた反射防止膜付基材(R2)の全光線透過率、ヘイズ、反射率、被膜の屈折率、密着性、クラック、鉛筆硬度、および耐擦傷性を表に示す。
[比較例3]
反射防止膜形成用塗布液(R3)の調製
実施例1と同様にして調製した固形分濃度20重量%のシリカ系中空微粒子(A-1)のアルコール分散液85.0gに実施例1と同様にして調製したシリカ微粒子(BL-1)のアルコール分散液11.0gとシリカ微粒子(BS-1)のアルコール分散液4.0gとエチルアルコール300.0gを混合して、固形分濃度5.0重量%の反射防止膜形成用塗布液(R3)を調製した。
反射防止膜付基材(R3)の製造
実施例1において、反射防止膜形成用塗布液(R3)を用いた以外は同様にして風冷強化ガラスを基材とする反射防止膜付基材(R3)を作製した。このときの反射防止膜の膜厚は100nmであった。
得られた反射防止膜付基材(R3)の全光線透過率、ヘイズ、反射率、被膜の屈折率、密着性、クラック、鉛筆硬度および耐擦傷性を表に示す。
[比較例4]
反射防止膜形成用塗布液(R4)の調製
実施例1と同様にして調製した固形分濃度20重量%のシリカ系中空微粒子(A-1)のアルコール分散液15.0gに実施例1と同様にして調製したシリカ微粒子(BL-1)のアルコール分散液65.0gとシリカ微粒子(BS-1)のアルコール分散液20.0gとエチルアルコール300.0gを混合して、固形分濃度5.0重量%の反射防止膜形成用塗布液(R3)を調製した。
反射防止膜付基材(R4)の製造
実施例1において、反射防止膜形成用塗布液(R4)を用いた以外は同様にして風冷強化ガラスを基材とする反射防止膜付基材(R4)を作製した。このときの反射防止膜の膜厚は100nmであった。
得られた反射防止膜付基材(R4)の全光線透過率、ヘイズ、反射率、被膜の屈折率、密着性、クラック、鉛筆硬度および耐擦傷性を表に示す。
Figure 2015102666
Figure 2015102666
Figure 2015102666

Claims (16)

  1. シリカ系中空微粒子(A)とシリカ中実微粒子(B)と溶媒とからなり、
    シリカ系中空微粒子(A)の平均粒子径(Dpa)が30〜200nmの範囲にあり、シリカ中実微粒子(B)の平均粒子径(Dpb)が5〜80nmの範囲にあり、全固形分濃度が1〜10重量%の範囲にあり、
    シリカ系中空微粒子(A)の濃度(CA)が固形分として0.2〜8重量%の範囲にあり、シリカ中実微粒子(B)の濃度(CB)が固形分として0.2〜8重量%の範囲にあり、
    シリカ系中空微粒子(A)と、シリカ中実微粒子(B)との重量比(B/A)は、0.25〜4にあることを特徴とする反射防止膜形成用塗布液。
  2. 前記シリカ系中空微粒子(A)の屈折率が1.10〜1.45の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の反射防止膜形成用塗布液。
  3. 前記シリカ中実微粒子(B)が、平均粒子径が小さいシリカ微粒子(BS)と前記シリカ微粒子(BS)よりも平均粒子径が大きいシリカ微粒子(BL)との混合物であり、シリカ微粒子(BS)の平均粒子径(DpbS)が5〜20nmの範囲にあり、シリカ微粒子(BL)の平均粒子径(DpbL)が20〜80nmの範囲にある(ただし、DpbS<DpbL)ことを特徴とする請求項1または2に記載の反射防止膜形成用塗布液。
  4. 前記シリカ中実微粒子(B)中のシリカ微粒子(BS)とシリカ微粒子(BL)との重量比(WBL)/(WBS)が0.1〜2の範囲にあることを特徴とする請求項3に記載の反射防止膜形成用塗布液。
  5. 前記シリカ系中空微粒子(A)が、下記式(1)で表される珪素化合物で表面処理されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の反射防止膜形成用塗布液。
    SiX4 (1)
    (但し、式中Xは炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン、水素のいずれかを表す)
  6. 基材上に反射防止膜が形成された反射防止膜付基材であって、該反射防止膜がシリカ系中空微粒子(A)とシリカ中実微粒子(B)からなり、シリカ系中空微粒子(A)の平均粒子径(Dpa)が30〜200nmの範囲にあり、シリカ中実微粒子(B)の平均粒子径(Dpb)が5〜80nmの範囲にあり、
    シリカ系中空微粒子(A)と、シリカ中実微粒子(B)との重量比(B/A)は、0.25〜4にあることを特徴とする反射防止膜付基材。
  7. 前記反射防止膜中の前記シリカ系中空微粒子(A)の含有量が固形分として20〜80重量%の範囲にあり、
    前記シリカ中実微粒子(B)の含有量が固形分として20〜80重量%の範囲にあることを特徴とする請求項6に記載の反射防止膜付基材。
  8. 平均粒子径が小さいシリカ微粒子(BS)と前記シリカ微粒子(BS)よりも平均粒子径が大きいシリカ微粒子(BL)との混合物であり、シリカ微粒子(BS)の平均粒子径(DpbS)が5〜20nmの範囲にあり、シリカ微粒子(BL)の平均粒子径(DpbL)が20〜80nmの範囲にある(ただし、DpbS<DpbL)ことを特徴とする請求項6または7に記載の反射防止膜付基材。
  9. 前記シリカ微粒子(BS)の含有量(WBS)と前記シリカ微粒子(BL)の含有量(WBL)との重量比(WBL)/(WBS)が0.1〜2の範囲にあることを特徴とする請求項8に記載の反射防止膜付基材。
  10. 前記シリカ系中空微粒子(A)の屈折率が1.10〜1.45の範囲にあることを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載の反射防止膜付基材。
  11. 前記反射防止膜の膜厚(Th)が80〜250nmの範囲にあることを特徴とする請求項6〜10のいずれかに記載の反射防止膜付基材。
  12. 前記基材がガラス基材であることを特徴とする請求項6〜11のいずれかに記載の反射防止膜付基材。
  13. 基材上に、請求項1〜5のいずれかに記載の反射防止膜形成用塗布液を塗布し、乾燥し、ついで、基材の軟化点未満の温度で加熱した後、急速冷却することを特徴とする反射防止膜付基材の製造方法。
  14. 前記加熱温度が基材の軟化点の10〜100℃以下の温度の範囲にあることを特徴とする請求項13に記載の反射防止膜付基材の製造方法。
  15. 前記基材がガラス基材であることを特徴とする請求項13または14に記載の反射防止膜付基材の製造方法。
  16. 請求項6〜12のいずれかに記載の反射防止膜付基材を受光面の最上面に備えてなることを特徴とする太陽電池。
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