JP2015102266A - ガスタービン燃焼器 - Google Patents

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吉田 正平
Shohei Yoshida
正平 吉田
孝志 麻尾
Takashi Mao
孝志 麻尾
浩二 鳥居
Koji Torii
浩二 鳥居
永渕 尚之
Naoyuki Nagabuchi
尚之 永渕
小泉 浩美
Hiromi Koizumi
浩美 小泉
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Abstract

【課題】本発明の目的は、高湿分の燃焼空気を用いて、水素を含む燃料の組成や発熱量が幅広く変化しても燃焼の安定性を高く保持してNOx排出量を抑制することが可能なガスタービン燃焼器を提供する。【解決手段】本発明のガスタービン燃焼器は、燃焼空気に湿分を混合して水素を含む燃料と混合して燃焼させるガスタービン燃焼器3であって、このガスタービン燃焼器に供給する燃焼空気中に湿分15を噴出する湿分噴出装置28、29を複数個設置し、ガスタービン燃焼器を備えたガスタービンプラントの運転状態によって、複数個設置した湿分噴出装置28、29から燃焼室の上流側と下流側の燃焼空気中にそれぞれ噴出する湿分の割合を調節するように構成した。【選択図】図1

Description

本発明はガスタービン燃焼器に関する。
圧縮機で空気を圧縮し、圧縮した燃焼空気をガスタービン燃焼器で燃料と混合して燃焼して燃焼ガスを生成し、生成した燃焼ガスでタービンを回転させ、タービンに連結された発電機で発電するように構成したガスタービンとして、燃焼空気に多量の湿分を混入し、この高湿分空気を燃焼させることで、タービンに流入する燃焼ガスの流量を増加させ、ガスタービンの出力を増加させる高湿分空気燃焼ガスタービンシステムがある。
この高湿分空気燃焼ガスタービンシステムでは、高湿分の燃焼空気で燃焼するため、ガスタービン燃焼器においては、高い燃焼安定性を確保する燃焼技術が求められる。
一般に、ガスタービンの燃料に液化天然ガスを用いることで、二酸化炭素の発生を抑制したクリーンな発電を行うことが可能である。
また近年では、低炭素社会の実現に向けガスタービンの燃料として、水素を含む燃料を燃焼させることが実行されている。
水素は燃焼速度が速いため、液化天然ガスを燃焼させた場合に比べ、火炎がバーナ側に接近する傾向がある。これによりバーナのメタル温度が上昇するため、バーナの信頼性を確保するための冷却技術が必要となる。
また、水素は断熱火炎温度が高いため、高温の局所領域からサーマルNOxが発生しやすく、環境負荷を低減するためにはNOxの発生を抑制する燃焼技術が必要となる。
NOxの発生を抑制する技術に、空気と燃料を予め混合し燃焼させることで局所高温領域を低減する予混合燃焼方式が、一般に広く知られている。
しかしながら、水素は前述したように燃焼速度が速く、火炎が予混合器内部に逆流する恐れがあるため、予混合燃焼方式で燃焼させる事は困難である。
このため、一般には燃料を燃焼室に直接噴射して燃焼させる拡散燃焼方式を用いるが、多量に発生するNOx排出量を抑制するため、火炎形成領域に蒸気などを噴出して火炎温度を低減し、NOx排出量を抑制する方法がとられている。
また、水素を含む燃料としては、石油精製プラントから生成される副生ガスや、石炭をガス化した石炭ガス化ガスなどが代表的である。
特に、石炭ガス化ガスからシフト反応を利用してガス中の二酸化炭素を回収する石炭ガス化ガス二酸化炭素回収システムから生成されるガスは、二酸化炭素を回収する割合に応じてガス中の水素濃度が大きく変化する。
このため、石炭ガス化ガス二酸化炭素回収システムから生成されるガスをガスタービンの燃料とする場合、ガスタービンの燃焼器は、同一構造の燃焼器で幅広い水素濃度の燃料を安定に低NOxで燃焼する燃焼技術が必要となる。
一方で、製鉄所において鉄鉱石を還元して銑鉄を製造する際に生成される高炉ガスやバイオマス燃料は、液化天然ガス比較して発熱量が低く燃えにくい燃料である。
また、いずれの燃料も、その原料や生成の特性上、燃料の発熱量が変化することが考えられる。このため、ガスタービン燃焼器では、燃料の組成や発熱量が大きく変化しても、同一構造のガスタービン燃焼器で安定燃焼する燃焼技術が必要である。
特開平8−210641号公報
前述したように、燃焼空気に多量の湿分を混合し、燃焼器で燃焼させることでガスタービンの出力を増加させることが可能である。しかしながら、燃焼空気に多量の湿分を混入するため、ガスタービン燃焼器の燃焼安定性は低下する事が考えられる。
また、ガスタービン燃焼器としては、水素を含む燃料の組成や発熱量が変化しても、同一構造のガスタービン燃焼器で対応できることが強く求められる。
本発明の目的は、高湿分の燃焼空気を用いて、水素を含む燃料の組成や発熱量が幅広く変化しても燃焼の安定性を高く保持してNOx排出量を抑制することが可能なガスタービン燃焼器を提供することである。
本発明のガスタービン燃焼器は、燃焼空気に湿分を混合し水素を含む燃料と混合して燃焼させるガスタービン燃焼器であって、このガスタービン燃焼器に供給する燃焼空気中に湿分を噴出する湿分噴出装置を複数個設置し、ガスタービン燃焼器を備えたガスタービンプラントの運転状態によって、複数個設置した湿分噴出装置から燃焼室の上流側と下流側の燃焼空気中にそれぞれ噴出する湿分の割合を調節するように構成したことを特徴とする。
本発明によれば、高湿分の燃焼空気を用いて、水素を含む燃料の組成や発熱量が幅広く変化しても燃焼の安定性を高く保持してNOx排出量を抑制することが可能なガスタービン燃焼器を実現できる。
本発明の第1実施例であるガスタービン燃焼器が適用されるガスタービンプラントの全体構成図。 図1に示したガスタービンプラントに設置される第1実施例のガスタービン燃焼器の詳細構造を示した縦断面図。 図1に示したガスタービンプラントにおける湿分噴出制御方法を示す説明図。 図2に示した第1実施例のガスタービン燃焼器における蒸気噴出ノズルの設置位置の一例を示す部分断面図。 図2に示した第1実施例のガスタービン燃焼器における蒸気噴出ノズルの設置位置の他の一例を示す部分断面図。 図2に示した第1実施例のガスタービン燃焼器における蒸気噴出ノズルの設置位置の更に他の一例を示す部分断面図。 図1に示したガスタービンプラントに設置される本発明の第2実施例のガスタービン燃焼器の詳細構造を示した縦断面図。
本発明のガスタービン燃焼器の実施例について図面を参照して以下に説明する。
本発明の第1実施例のガスタービン燃焼器について、図1〜図4を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施例のガスタービン燃焼器が設置されるガスタービンプラントの概略構成図である。
図1に示すガスタービンプラントは、主として、空気を圧縮して高圧の燃焼用空気を生成する圧縮機1と、この圧縮機1から導入される燃焼空気4と、水素を含む燃料を供給する気体燃料供給装置5と、燃料配管6と燃料流量調整弁7を介して気体燃料供給装置5から供給される気体燃料8と圧縮機1から導入される燃焼空気4を混合して高温の燃焼ガスを生成するガスタービン燃焼器3と、このガスタービン燃焼器3で生成された燃焼ガス9が導入されて駆動されるタービン2と、タービン2と連結されてタービン2の駆動によって回転し発電する発電機39と、タービン2から排気された排気ガスを導入して熱交換し、蒸気15を生成する排熱回収ボイラ10と、排熱回収ボイラ10排出される排気ガス11に含まれる水分を回収し排熱回収ボイラ10の補給水12とする水回収装置13と、水回収装置13で水分を回収した排気ガスを大気に放出する煙室14と、排熱回収ボイラ10で生成した蒸気15をガスタービン燃焼器3に供給される燃焼空気中に噴出するように排熱回収ボイラ10から配設された蒸気配管16、17と、これらの気配管16、17にそれぞれ設置され、ガスタービン燃焼器3に供給される燃焼空気中に噴出する蒸気15の流量を調整する蒸気流量調整弁18、19から構成されている。
図2に本実施例のガスタービン燃焼器の詳細構造を示すように、上記ガスタービン燃焼器3は、圧縮機1から導入される燃焼空気4と気体燃料供給装置5から供給される水素を含む燃料である気体燃料8を燃焼して高温の燃焼ガス9を生成するガスタービン燃焼器3の内筒20と、この内筒20の内部に形成した燃焼室30で生成した高温の燃焼ガス9を内筒20からタービン3に導くためのトランジッションピース21と、これらの内筒20及びトランジッションピース21を収納して、車室24に取り付けられる外筒22と、エンドカバー23などによって構成される。
内筒20の上流側の軸中心位置には、燃焼空気4に旋回成分を付与し、水素を含む燃料である気体燃料8との混合を促進して安定に火炎を形成させるための空気旋回器25と、空気旋回部に気体燃料8を噴出する燃料噴孔26が形成された拡散燃焼方式のバーナ27が配置されている。
本実施例のガスタービン燃焼器3では、ガスタービン燃焼器3の軸方向の複数(本実施例では2箇所)の位置で、図1に示すガスタービンプラントの排熱回収ボイラ10で生成した蒸気15を、燃焼空気4中に噴出するための蒸気噴出ノズル28が、燃焼室30の上流側の位置となるエンドカバー23に設置されている。
図2に示した本実施例のガスタービン燃焼器3では、蒸気噴出ノズル28がバーナ27の周囲に2個設置されているが、本実施例のガスタービン燃焼器3において蒸気噴出ノズル28の個数は限定されるものではない。
エンドカバー23に設置した蒸気噴出ノズル28には、排熱回収ボイラ10によって生成した蒸気15を供給するために排熱回収ボイラ10から配設した蒸気配管16が接続され、この蒸気配管16には蒸気15の蒸気流量を調整する蒸気流量調整弁18が設置されている。
一方、蒸気噴出ノズル29は、燃焼室30を形成する内筒20の下流側(燃焼ガスの流れ方向)に設置されている。
蒸気噴出ノズル29の個数も蒸気噴出ノズル28と同様に限定されるものではない。
蒸気噴出ノズル29には、排熱回収ボイラ10によって生成した蒸気15を供給するために排熱回収ボイラ10から配設した蒸気配管17が接続され、この蒸気配管17には蒸気15の蒸気流量を調整する蒸気流量調整弁19が設置されている。
ここで、蒸気を噴出する蒸気噴出ノズル28、29の設置位置について説明する。蒸気噴出ノズル28はガスタービン燃焼器3の燃焼室30の上流側となるエンドカバー23に設置されており、燃焼空気に旋回を付与する旋回器25の空気入口部に蒸気を噴出するように構成されている。
一方、蒸気噴出ノズル29は、内筒20の下流位置に設置され、蒸気噴出ノズル29と対向する位置に形成された蒸気流入孔31から燃焼室30に蒸気15を供給するように構成されている。
エンドカバー23に設置した蒸気噴出ノズル28から蒸気15を噴出することで、噴出された蒸気15は、旋回器25に流入する燃焼空気と混合しながら、燃焼室30内の火炎が形成される燃焼領域に噴出する。
このようにすることで、燃焼室30の上流側に形成される燃焼反応領域では蒸気15の流入により局所的な高温領域の発生を防止し、高温領域から発生するサーマルNOxの発生を抑制することが可能となる。
本実施例のガスタービン燃焼器3を適用するガスタービンプラントでは、燃焼空気に多量の湿分を混入し、高湿分空気を燃焼させることでタービンの作動流体を増加させて出力向上を図るものである。
しかしながら、燃焼反応領域に多量の蒸気を噴出すると、火炎温度が低下し、燃焼不安定状態になることが考えられる。
このため、本実施例のガスタービン燃焼器3を適用するガスタービンプラントにおいては、運転状態によって、設定された蒸気15の蒸気流量を保持した上で、蒸気噴出ノズル28、29から噴出する蒸気の流量を制御するものである。
すなわち、燃焼室30の上流側に設置した蒸気噴出ノズル28からNOx排出量を低減するため蒸気15を噴出するが、噴出過多になると燃焼不安定は発生することが考えられるので、運転状態によって予め蒸気噴霧量の上限を設定し、上限以上の蒸気については、燃焼室30の下流側に設置した蒸気噴出ノズル29から蒸気15を噴出する。
蒸気噴出ノズル29から蒸気15を噴出する燃焼室30の下流側は、燃焼反応が進んでいるため蒸気を噴出しても燃焼安定性に与える影響は少なくなると考えられる。
このように、燃焼室30の上流側と下流側に蒸気を噴出する蒸気噴出ノズル28、29をそれぞれ設置して運転状態に応じ、それぞれの蒸気噴出ノズル28、29から噴出する蒸気の流量を蒸気流量調整弁18、19の開度を調節して制御することによって、安定燃焼とNOx排出量の低下を両立し、ガスタービン出力を増加することを可能としたものである。
次に本実施例のガスタービン燃焼器3に蒸気を噴霧する蒸気噴霧流量を制御するガスタービン燃焼器を備えたガスタービンプラントの運転方法について図3を用いて説明する。
図3に示した説明図は、ガスタービン負荷に対する蒸気噴出ノズル28、29から噴出する上記15の蒸気噴出量と、NOx排出量、ガスタービンの燃焼効率の関係を示す概念図である。
本実施例のガスタービン燃焼器3を採用する、例えば液化天然ガスを燃料とするガスタービンプラントでは、ガスタービンの部分負荷において、排熱回収ボイラで生成した蒸気を燃焼空気に混合して作動流体を増加させてガスタービンの出力向上を図る。
ガスタービンプラントのガスタービン出力が低い部分負荷では、ガスタービン燃焼器3の燃焼室30で生成される燃焼ガス9の温度が定格負荷の運転状態に比較して低いため、局所的な高温領域から発生するサーマルNOxの排出量は低下するが、燃焼安定特性は、定格負荷より低下する場合があると考えられる。
このようなガスタービンプラントが低負荷の運転状態では、図3に示すように、ガスタービン燃焼器3の燃焼室3の上流側から蒸気15を噴出する蒸気噴出ノズル28の蒸気噴出量を低減して未燃焼成分の発生を抑制し、高い燃焼効率と安定燃焼、及び、低NOx化を確保するとともに、燃焼反応が進んだガスタービン燃焼器3の燃焼室3の下流側に設置した蒸気噴出ノズル29から蒸気15を噴出する蒸気流量を増加して、タービン出力を増加させる。
一方、燃焼ガス9の温度が高くなるガスタービンプラントが定格負荷では、ガスタービン燃焼器3の燃焼室30の燃焼領域の燃焼ガス温度が上昇して燃焼の安定性は向上するが、NOx排出量が増加する。
そこで、本実施例のガスタービン燃焼器3を採用したガスタービンプラントでは、定格負荷では燃焼室30の上流側に設置した蒸気噴出ノズル28から蒸気15を噴出する蒸気流量を増加させてNOx排出量を抑制し、燃焼室30の下流側に設置した蒸気噴出ノズル29から蒸気15を噴出する蒸気流量を調整することで、ガスタービンプラントの部分負荷から定格負荷にわたって高い燃焼効率と燃焼安定性を確保し、かつ、NOx排出量を制御して高湿分空気燃焼によってガスタービン出力を増加させることが可能である。
ここで、前述した第1実施例のガスタービン燃焼器3では、蒸気噴出ノズル28をエンドカバー23に設置したものであるが、その目的のひとつは、サーマルNOxが生成される燃焼反応領域の火炎温度を低減することであり、蒸気噴出ノズル28の設置位置をエンドカバー23に限定するものではない。
図4Aに示すように、ガスタービン燃焼器3の内筒20の上流側に蒸気流入孔32を形成し、それと対向する位置に蒸気噴出ノズル28を設置することで、上記で説明したものと同様の効果が期待できると考えられる。
また、図4Aに示した蒸気噴出ノズル28は、内筒20の外周側に設置されているため、燃焼室軸中心の燃焼反応領域には距離が確保されているため、多量の蒸気を噴出しても燃焼安定性が低下しにくいと言う利点がある。
同様に、蒸気噴出ノズル29についても、その目的の主なものは、燃焼室3に多量の蒸気を噴出することであり、蒸気噴出ノズル29の設置位置は、第1実施例のガスタービン燃焼器3で説明した構成である内筒20の下流側に蒸気流入孔31を形成し、それと対向する位置に蒸気噴出ノズル29を設置する構造に限定されるものではない。
例えば、図4Bに示すように、内筒20の下流側位置は上記で説明したものと同様であるが、蒸気流入孔31を形成せずに、外筒22と内筒20で形成される環状の空気流路33に蒸気を噴射することで第1実施例のガスタービン燃焼器3と同様の効果が期待できる。
すなわち、内筒20の下流側の環状流路33に蒸気噴出ノズル29から噴出された蒸気は、環状流路33を流下し、内筒20の上流側に設置したバーナ27に到達する過程で、内筒20に形成されている冷却孔(図示なし)や、燃焼孔(図示なし)から燃焼室30に図4Bの矢印34のように流入する。
蒸気噴出ノズル29から噴出された蒸気の一部はバーナ27にその一部が流入するが、燃焼安定性を考慮し蒸気噴出ノズル28の蒸気噴出流量を制御することで前述したものと同様の効果が得られるものと考えられる。
さらに、前述した蒸気噴出ノズル28、29は、ガスタービン燃焼器3の構成部品に設置されているため、例えば、蒸気噴出ノズル29に供給する蒸気15は、蒸気配管17からガスタービン燃焼器3の缶数に分岐されて供給されるため、複数のガスタービン燃焼器3に供給される蒸気流量の偏差は発生しにくいと言う利点はあるが、ガスタービン燃焼器3の缶数だけ分岐配管や蒸気噴出ノズルが必要となる。
ガスタービン燃焼器3は、圧縮機2とガスタービン1を連結するロータの外周に複数個配置され、それぞれのガスタービン燃焼器3は、車室24に設置されている。
圧縮機2で生成された圧縮空気4は車室24を介してそれぞれのガスタービン燃焼器3に分配される。
そこで、図4Cに示したように車室24に蒸気噴出ノズル29を設置することで、上記で説明したものと同様の効果に加え、蒸気噴出ノズル29の個数を低減し、コストを低下させることが可能になる。
本実施例によれば、高湿分の燃焼空気を用いて、水素を含む燃料の組成や発熱量が幅広く変化しても燃焼の安定性を高く保持してNOx排出量を抑制することが可能なガスタービン燃焼器を実現できる。
次に本発明の第2実施例のガスタービン燃焼器について、図5を参照して説明する。
図5に示した第2実施例のガスタービン燃焼器3は、図1〜図4に示した第1実施例のガスタービン燃焼器3と基本的な構成は共通しているので、両実施例に共通した構成の説明は省略して、相違する部分についてのみ以下に説明する。
即ち、第1実施例のガスタービン燃焼器3では、液化天然ガスを燃料としたガスタービンプラントに本実施例のガスタービン燃焼器3を適用したものであるが、図5に示した第2実施例のガスタービン燃焼器3では、水素を含む燃料をガスタービンの燃料に用いる場合のガスタービン燃焼器3の構造とその制御方法について説明する。
図5に示した本実施例のガスタービン燃焼器3において、水素を含む燃料としては、石油精製プラントから生成される副生ガスや、石炭をガス化した石炭ガス化ガスなどが代表的である。ここでは石炭をガス化した石炭ガス化ガスを燃料の対象にして説明する。
石炭を燃焼すると多くの二酸化炭素が排出されるため、石炭ガス化ガスからシフト反応を利用してガス中の二酸化炭素を回収する石炭ガス化ガス二酸化炭素回収システムがある。
石炭ガス化ガス二酸化炭素回収システムから生成されるガスは、二酸化炭素を回収する割合に応じてガス中の水素濃度が大きく変化する。
このため、石炭ガス化ガス二酸化炭素回収システムから生成される水素を含むガスをガスタービンの燃料とする場合、ガスタービン燃焼器は、同一構造のガスタービン燃焼器で幅広い水素濃度の燃料を安定に低NOxで燃焼する燃焼技術が必要となる。
第2実施例のガスタービン燃焼器3は第1実施例のガスタービン燃焼器3と構成などは同様であるが、第2実施例のガスタービン燃焼器3においては、水素を含む燃料を燃焼した時に発生する課題に対応するガスタービン燃焼器3の構造となっている点が、第1実施例のガスタービン燃焼器3と異なっている。
図5に示した第2実施例のガスタービン燃焼器3では、ガスタービン燃焼器3の内筒20の上流軸中心位置に、燃焼空気4に旋回成分を付与し、水素を含む燃料である気体燃料8との混合を促進して安定に火炎を形成させるための空気旋回器25と、空気旋回部に石炭ガス化ガス燃料37を噴出する燃料噴孔26が形成された拡散燃焼方式のバーナ27が配置され、バーナ27の軸中心に蒸気噴出ノズル34が設置されている。
また、内筒20の外周位置には燃焼室30に蒸気を噴出する蒸気流入孔31、32が形成されており、内筒20の上流側蒸気流入孔32と対向する位置に蒸気噴出ノズル28が、内筒20の下流側蒸気流入孔31と対向する位置に蒸気噴出ノズル29がそれぞれ設置されている。
前述したように、水素は燃焼速度が速いため、水素の含有量が増加すると火炎がバーナ27の近傍に接近してバーナ27を焼損する場合が考えられるため、バーナ27の冷却する手段が必要となる。
これに対応するため、第2実施例のガスタービン燃焼器3では、バーナ27の軸中心部に蒸気15を噴射する蒸気噴射ノズル34を配置して、水素濃度が高い燃料を燃焼する場合は、蒸気噴射ノズル34から蒸気15を噴出してバーナ27のメタル温度を低減し、バーナ27の焼損を防止しするように構成したものである。
また、第2実施例のガスタービン燃焼器3では、内筒20の外周位置には燃焼室30に蒸気15を噴出する蒸気流入孔31、32が形成されており、内筒20の上流側蒸気流入孔32と対向する位置に蒸気噴出ノズル28が、内筒20の下流側蒸気流入孔31と対向する位置に蒸気噴出ノズル29が設置されているのは、第1実施例のガスタービン燃焼器3の構成と同様であり、その制御方法においても第1実施例のガスタービン燃焼器3と同様である。
すなわち、第2実施例のガスタービン燃焼器3を適用するガスタービンプラントにおいては、低負荷で燃焼室30の燃焼ガス温度が低い状態では、上流側の蒸気噴出ノズル28から噴出する流量を抑制して燃焼安定性を確保し、高負荷で燃焼室30の燃焼ガス温度が上昇して燃焼安定性が増加している状態では、内筒20の下流側に設置した蒸気噴出ノズル29から噴出する蒸気15の蒸気流量を抑制して、上流側の蒸気噴出ノズル28から噴出する蒸気流量を増加して、NOx排出量を抑制する。
また、前述したように、石炭ガス化ガス二酸化炭素回収システムから生成される水素を含むガスをガスタービンの燃料とする場合に、二酸化炭素を回収する割合に応じてガス中の水素濃度が大きく変化するため、同一構造のガスタービン燃焼器で幅広い水素濃度の燃料を安定に低NOxで燃焼する燃焼技術が必要となる。
そこで、第2実施例のガスタービン燃焼器3において、燃料に含まれる水素濃度が低い場合は、上流側の蒸気噴出ノズル28から噴出する流量を抑制して燃焼安定性を確保し、燃料に含まれる水素濃度が高い場合は、内筒20の下流側に設置した蒸気噴出ノズル29から噴出する蒸気流量を抑制して上流側の蒸気噴出ノズル28から噴出する蒸気流量を増加して、NOx排出量を抑制するように制御する。
ガスタービン燃焼器3の燃焼室30の上流側の燃焼反応領域に噴出可能な蒸気15の蒸気量は、燃焼安定性と予め計画された蒸気投入量の制限がある。
ガスタービン燃焼器30の上流側に設置した蒸気噴出ノズル28で燃焼反応領域の火炎温度を低減してNOx排出量を抑制することは可能であるが、バーナ軸中心部のメタル温度を冷却するには限界がある。
そこで、第2実施例のガスタービン燃焼器3においては、バーナ27の軸中心部に蒸気噴出ノズル34を設置して、比較的少ない蒸気流量でもバーナ27のメタル温度を低減するようにしたものである。
以上説明したように第2実施例のガスタービン燃焼器3によれば、ガスタービンの運転中に燃料となる水素ガス含有燃料の水素濃度が大きく変化しても、ガスタービン燃焼器3の燃焼室30内に噴出する蒸気噴出ノズル28、29の位置や噴出する蒸気15の流量を制御することに加えて、バーナ27の軸中心部に設置する蒸気噴出ノズル34の位置や噴出する蒸気15の流量を制御することによって、燃焼安定性と低NOx化を両立しつつ、バーナ27の信頼性を確保した上で、高湿分燃焼によってガスタービン出力と効率を向上させるのが可能となる。
本実施例によれば、高湿分の燃焼空気を用いて、水素を含む燃料の組成や発熱量が幅広く変化しても燃焼の安定性を高く保持してNOx排出量を抑制することが可能なガスタービン燃焼器を実現できる。
1:圧縮機、2:タービン、3:燃焼器、4:燃焼空気、5:気体燃料供給装置、6:燃料配管、7:燃料流量調整弁、8:気体燃料、9:燃焼ガス、10:排熱回収ボイラ、11:排気ガス、12:補給水、13:水回収装置、14:煙室、15:蒸気、16:蒸気配管、17:燃焼ガス、18:蒸気流量調整弁、19:蒸気流量調整弁、20:内筒、21:トランジッションピース、22:外筒、23:エンドカバー、24:車室、25:空気旋回器、26:燃料噴孔、27:バーナ、28:蒸気噴出ノズル、29:蒸気噴出ノズル、30:燃焼室、31:蒸気流入孔、32:蒸気流入孔、33:環状流路、34:蒸気噴出ノズル、35:燃料配管、36:燃料流調弁、37:蒸気配管、38:蒸気流量調整弁、39:発電機。

Claims (5)

  1. 燃焼空気に湿分を混合し水素を含む燃料と混合して燃焼させるガスタービン燃焼器であって、このガスタービン燃焼器に供給する燃焼空気中に湿分を噴出する湿分噴出装置を複数個設置し、
    ガスタービン燃焼器を備えたガスタービンプラントの運転状態によって、複数個設置した湿分噴出装置から燃焼室の上流側と下流側の燃焼空気中にそれぞれ噴出する湿分の割合を調節するように構成したことを特徴とするガスタービン燃焼器。
  2. 請求項1に記載のガスタービン燃焼器において、
    複数個設置した一方の湿分噴出装置からガスタービン燃焼器の燃焼室の燃焼反応領域となる上流側に湿分を噴出するように構成し、複数個設置した他方の湿分噴出装置から燃焼反応が進行した燃焼室の下流側に湿分を噴出するように構成したことを特徴とするガスタービン燃焼器。
  3. 請求項2に記載のガスタービン燃焼器において、
    複数個設置した他方の湿分噴出装置からガスタービン燃焼器を構成する外筒と内筒で形成される環状の空気流路に湿分を噴出するように構成したことを特徴とするガスタービン燃焼器。
  4. 請求項2に記載のガスタービン燃焼器において、
    複数個設置した他方の湿分噴出装置からガスタービンの車室に湿分を噴出するように構成したことを特徴とするガスタービン燃焼器。
  5. 請求項1に記載のガスタービン燃焼器において、
    複数個設置した一方の湿分噴出装置からガスタービン燃焼器の燃焼室の燃焼反応領域となる上流側に湿分を噴出するように構成し、複数個設置した他方の湿分噴出装置から燃焼反応が進行した燃焼室の下流側に湿分を噴出するように設置し、
    更に、別の湿分噴出装置をガスタービン燃焼器の軸中心上流側に設置したバーナの端面から湿分を噴出するように設置したことを特徴とするガスタービン燃焼器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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