本発明に係る遊技機を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
実施例1
[スロットマシンの構成例]
本発明に係るスロットマシンを実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。図1は、本実施例におけるスロットマシンの正面図である。また、図2は、スロットマシンの内部構造図である。以下の説明では、図1に示すように、スロットマシン1を遊技する遊技者から見て、当該スロットマシン1の幅方向をx軸方向とし、高さ方向をy軸方向とし、奥行き方向をz軸方向とする。また、z軸方向において、図1の手前側(遊技者側)をスロットマシン1の前面側(前方側)、奥側(内方側)を背面側(後方側)とする。また、本実施例におけるスロットマシン1の前面とは、遊技者側からスロットマシン1を見たときに該遊技者と対向する対向面である。本実施例におけるスロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bとから構成されている。
スロットマシン1の筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。以下では、左リール2L、中リール2C、右リール2Rをまとめて「リール2」という場合もある。
リール2L、2C、2Rの外周部には、図3に示すように、それぞれ「ブランク」(たとえば、左リール2Lの領域番号21の図柄)、「リプ」(たとえば、左リール2Lの領域番号20の図柄)、「JAC3」(たとえば、左リール2Lの領域番号19の図柄)、「ベルa」(たとえば、左リール2Lの領域番号18の図柄)、「白7」(たとえば、左リール2Lの領域番号17の図柄)、「JAC1」(たとえば、左リール2Lの領域番号15の図柄)、「ベルb」(たとえば、左リール2Lの領域番号11の図柄)、「ベルc」(たとえば、左リール2Lの領域番号4の図柄)、「イチゴ」(たとえば、中リール2Cの領域番号21の図柄)、「JAC2」(たとえば、中リール2Cの領域番号18の図柄)といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。
リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、前面扉1bの略中央に設けられた透視窓3において各々上中下三段に表示される。また、リール2L、2C、2Rの図柄が描かれた部分以外は白色であり、高い透過率で光を透過するようになっており、図柄が描かれた部分についても、その図柄の色彩に応じて光を透過するようになっている。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられたリールモータ32L、32C、32R(図4参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12個のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bにおける各リール2L、2C、2Rに対応する位置には、リール2L、2C、2Rを前面側から透視可能とする横長の長方形状の透視窓3が設けられており、該透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。
前面扉1bには、後述する液晶表示器51、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施例では3)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、および演出に用いるための演出用スイッチ56が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
本実施例では、回転を開始した3つのリール2L、2C、2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。なお、3つのリール2L、2C、2Rのうち、左リール2Lを第1停止することを左第1停止、中リール2Cを第1停止することを中第1停止、右リール2Rを第1停止することを右第1停止と称する。また、本実施例において、順押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に、中リール2Cを第2停止させる操作手順をいう。また、順挟み押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に、右リール2Rを第2停止させる操作手順をいう。中左押しとは、中リール2Cを第1停止させた後に、左リール2Lを第2停止させる操作手順をいう。中右押しとは、中リール2Cを第1停止させた後に、右リール2Rを第2停止させる操作手順をいう。逆挟み押しとは、右リール2Rを第1停止させた後に、左リール2Lを第2停止させる操作手順をいう。逆押しとは、右リール2Rを第1停止させた後に、中リール2Cを第2停止させる操作手順をいう。
また、前面扉1bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコードなどが表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始(ゲーム結果を導出するためのリール回転開始)から一定期間経過していないためにゲーム結果を導出するためのリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられたペイアウト表示器13、所定の演出実行時またはエラー発生時に点灯させる枠LED52aが設けられている。
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図4参照)がそれぞれ設けられている。
また、前面扉1bにおけるストップスイッチ8L、8C、8Rの下方には、スロットマシン1のタイトルや配当表などが印刷された下部パネルが設けられている。
前面扉1bの内側には、所定のキー操作により後述するエラー状態および後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、所定条件成立時(たとえば後述するRT3終了時など、遊技者にとって有利な状態終了後)に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、所定条件成立時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられた後述のホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側の何れか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ(図示略)、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図4参照)が設けられている。
筐体1a内部には、図2に示すように、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図4参照)からなるリールユニット、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34cからなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35aが設けられており、導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンク35が満タン状態となったことを検出できるようになっている。
電源ボックス100の前面には、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
本実施例のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。後述するCB(チャレンジボーナス)時ではない非CB時においては、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ライン(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施例では、規定数の賭数として非CB時では遊技状態にかかわらず3枚が定められて規定数の賭数が設定されると入賞ラインが有効となる。なお、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施例では、図1に示すように、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわちリールの中段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL1と、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL2と、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL3と、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち谷型に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL4と、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち山型に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL5とが形成されている。
また、本実施例においては、CB時では規定数の賭数としてメダル1枚が定められ、非CB時では規定数の賭数としてメダル3枚が定められており、規定数の賭数が設定されると、各入賞ラインが有効化されて、ゲームが開始可能な状態となる。
本実施例においては、有効化されるライン(以下、有効化ラインともいう)として、入賞ラインL1が有効化される中段ラインと、入賞ラインL2が有効化される右上がりラインと、入賞ラインL3が有効化される右下がりラインと、入賞ラインL4が有効化される小谷ラインと、入賞ラインL5が有効化される小山ラインとが設定される。なお、本実施例のように複数ラインを有効化するものに限らず、1ラインのみを有効化するものであってもよい。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態で何れかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効ライン上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施例では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払出されるようになっている。
また、有効ライン上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。本実施例では、図7を用いて後述するように、昇格リプ、突入リプ、および転落リプの何れかが入賞、あるいは、取りこぼし出目が導出されると、リプレイ確率が異なるRT1〜3のうち対応する遊技状態に移行するように構成されている。
なお、本実施例では、3つのリール2L、2C、2Rを適用した例について説明しているが、1つのリールのみを備え、この1つのリールの表示結果に応じて入賞が判定されるものでもよいし、2つのリールを備え、2つのリールの表示結果の組合せに応じて入賞が判定されるものでもよいし、4つ以上のリールを備え、これらリールの表示結果の組合せに応じて入賞が判定されるものでもよい。
また、本実施例におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、何れかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は非CB時においては190ms(ミリ秒)に設定されている。
リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
このため、たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8Rの何れかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8Rのうち何れかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの中段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を有効ライン上に表示させることができる。
なお、本実施例においては、後述するCB時に限って、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は75ms(ミリ秒)に設定されている。75msの間では最大で1コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから1コマ先までにある図柄、合計2コマ分の図柄となる。このため、CB時においては、遊技者の目押しの技量に大きく依存して入賞が可能となる。
[スロットマシンの機能構成例]
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40および遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給されるようになっている。また、後述するメイン制御部41からサブ制御部91へのコマンド伝送ラインと、遊技制御基板40から演出制御基板90に対して電源を供給する電源供給ラインとが一系統のケーブルおよびコネクタを介して接続されており、これらケーブルと各基板とを接続するコネクタ同士が全て接続されることで演出制御基板90側の各部が動作可能となり、かつメイン制御部41からのコマンドを受信可能な状態となる。このため、メイン制御部41からコマンドを伝送するコマンド伝送ラインが演出制御基板90に接続されている状態でなければ、演出制御基板90側に電源が供給されず、演出制御基板90側のみが動作してしまうことがない。
また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、および電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、前述したMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、およびリールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述した払出センサ34c、満タンセンサ35a、および設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、ペイアウト表示器13、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、およびリールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、メインCPU41a、ROM41b、RAM41c、I/Oポート41dを備えたマイクロコンピュータからなり、遊技の制御を行うメイン制御部41、所定範囲(本実施例では0〜65535)の乱数を発生させる乱数回路42、一定周波数のクロック信号を乱数回路42に供給するパルス発振器43、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路44、リールモータ32L、32C、32Rの駆動制御を行うモータ駆動回路45、流路切替ソレノイド30の駆動制御を行うソレノイド駆動回路46、遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行うLED駆動回路47、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48、電源投入時またはメインCPU41aからの初期化命令が入力されないときにメインCPU41aにリセット信号を与えるリセット回路49、その他各種デバイス、回路が搭載されている。
メインCPU41aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM41bに記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行うとともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。ROM41bは、メインCPU41aが実行するプログラムや各種テーブルなどの固定的なデータを記憶する。RAM41cは、メインCPU41aがプログラムを実行する際のワーク領域などとして使用される。I/Oポート41dは、メイン制御部41が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
また、メイン制御部41には、停電時においてもバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM41cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
メインCPU41aは、基本処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メインCPU41aは、前述のように割込機能を備えており、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっており、電断検出回路48から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断割込処理(メイン)を実行し、一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎にタイマ割込処理(メイン)を実行する。なお、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
電断割込処理においては、当該処理の開始にともなってその他の割込処理の実行を禁止する。そして、使用している可能性がある全てのレジスタをRAM41cに退避させる処理が行われる。これにより、電断復旧時に、元の処理に復帰できるようにする。
次いで、全出力ポートを初期化した後、RAM41cに記憶されている全てのデータに基づいてRAMパリティを計算して所定のパリティ格納領域にセットし、RAMアクセスを禁止する。そして何らの処理も行わないループ処理に入る。すなわち、そのまま電圧が低下すると内部的に動作停止状態になる。よって、電断時に確実にメイン制御部41は動作停止する。
このように電断割込処理においては、その時点のRAMパリティを計算してパリティ格納領域に格納されるようになっており、次回起動時において計算したRAMパリティと比較することで、RAM41cに格納されているデータが正常か否かを確認できるようになっている。
次に、リセット回路49は、電源投入時においてメイン制御部41が起動可能なレベルまで電圧が上昇したときにメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を起動させるとともに、メイン制御部41から定期的に出力される信号に基づいてリセットカウンタの値がクリアされずにカウントアップした場合、すなわちメイン制御部41が一定時間動作を行わなかった場合にメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を再起動させる回路である。
メインCPU41aは、I/Oポート41dを介して演出制御基板90に、各種のコマンドを送信する。ここで、遊技制御基板40から演出制御基板90へは、たとえば、ダイオードやトランジスタなどの単方向性回路などを用いて、一方向(遊技制御基板40から演出制御基板90への方向)のみにしか信号が通過できないように構成されている。そのため、遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送られることはない。遊技制御基板40から演出制御基板90へのコマンド送信は、シリアル通信にて行われる。なお、遊技制御基板40と演出制御基板90とは、直接接続される構成に限らず、たとえば、中継基板を介して接続されるように構成してもよい。
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図1参照)、枠LED52aを含む演出効果LED52、スピーカ53、54、前述したリールLED55などの演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。また、演出制御基板90には、演出用スイッチ56が接続されており、この演出用スイッチ56の検出信号が入力されるようになっている。
なお、本実施例では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、およびリールLED55などの演出装置の出力制御が行われる構成である。しかしながら、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としてもよい。このような構成では、サブ制御部91および出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われることとなる。
また、本実施例では、演出装置として液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55を例示しているが、演出装置は、これらに限らず、たとえば、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用してもよい。
演出制御基板90は、メイン制御部41と同様にサブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成される。演出制御基板90には、演出の制御を行うサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に接続された演出用スイッチ56から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98、その他の回路などが搭載されている。サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
リセット回路95は、遊技制御基板40においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与えるリセット回路49よりもリセット信号を解除する電圧が低く定められており、電源投入時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも早い段階で起動するようになっている。一方で、電断検出回路98は、遊技制御基板40においてメイン制御部41に電圧低下信号を出力する電断検出回路48よりも電圧低下信号を出力する電圧が低く定められており、電断時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも遅い段階で停電を検知し、後述する電断処理(サブ)を行うこととなる。
サブ制御部91は、メイン制御部41と同様に、割込機能を備えており、メイン制御部41からのコマンド受信時に割込を発生させて、メイン制御部41から送信されたコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブ制御部91は、システムクロックの入力数が一定数に到達するごと、すなわち一定間隔ごとに割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。
また、サブ制御部91は、メイン制御部41とは異なり、コマンドの受信に基づいて割込が発生した場合には、タイマ割込処理(サブ)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、タイマ割込処理(サブ)の契機となる割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行するようになっている。
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
[設定値について]
本実施例のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。なお、CBの当選確率については、設定値に依存することなく何れの遊技状態においても一定の当選確率となっている。なお、CBについても他の小役などと同様に設定値に応じた当選確率を用いてもよい。
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をon状態としてからスロットマシン1の電源をonする必要がある。設定キースイッチ37をon状態として電源をonすると、設定値表示器24にメイン制御部41のRAM41cから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ37がoffされると、確定した表示値(設定値)がメイン制御部41のRAM41cに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をon状態とすればよい。このような状況で設定キースイッチ37をon状態とすると、設定値表示器24にメイン制御部41のRAM41cから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をoff状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。
本実施例のスロットマシン1においては、メイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)を実行するごとに、電断検出回路48からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定する停電判定処理を行い、停電判定処理において電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、電断処理(メイン)を実行する。電断処理(メイン)では、レジスタをメイン制御部41のRAM41cのスタックに退避し、RAM41cに何れかのビットが1となる破壊診断用データ(本実施例では、5AH)、すなわち0以外の特定のデータを格納するとともに、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM41cに格納する処理を行うようになっている。なお、RAMパリティとはRAM41cの該当する領域(本実施例では、全ての領域)の各ビットに格納されている値の排他的論理和として算出される値である。このため、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0であれば、RAMパリティ調整用データは0となり、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが1であれば、RAMパリティ調整用データは1となる。
そして、メイン制御部41は、システムリセットによるかユーザリセットによるかにかかわらず、その起動時においてRAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算するとともに、破壊診断用データの値を確認し、RAMパリティが0であり、かつ破壊診断用データの値も正しいことを条件に、RAM41cに記憶されているデータに基づいてメイン制御部41の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)や破壊診断用データの値が正しくない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。なお、RAM異常エラー状態は、通常のエラー状態と異なり、リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38を操作しても解除されないようになっており、前述した設定変更状態において新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
なお、本実施例では、メイン制御部41のRAM41cに格納されている全てのデータが停電時においてもバックアップ電源により保持されるとともに、メイン制御部41は、電源投入時においてRAM41cのデータが正常であると判定した場合に、RAM41cの格納データに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成であるが、RAM41cに格納されているデータのうち停電時において制御状態の復帰に必要なデータのみをバックアップし、電源投入時においてバックアップされているデータに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成としてもよい。
また、電源投入時において電断前の制御状態に復帰させる際に、全ての制御状態を電断前の制御状態に復帰させる必要はなく、遊技者に対して不利益とならない最低限の制御状態を復帰させる構成であればよく、たとえば、入力ポートの状態などを全て電断前の状態に復帰させる必要はない。
[初期化について]
次に、メイン制御部41のRAM41cの初期化について説明する。メイン制御部41のRAM41cの格納領域は、重要ワーク、非保存ワーク、一般ワーク、特別ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
重要ワークは、各種表示器やLEDの表示用データ、I/Oの入出力データ、遊技時間の計時カウンタなど、初期化すると不都合があるデータに加え、遊技状態がRT0〜3のうち何れに制御されているかを特定するためのRTフラグが格納されるワークである。非保存ワークは、各種スイッチ類の状態を保持するワークであり、起動時にRAM41cのデータが破壊されているか否かにかかわらず必ず値が設定されることとなる。一般ワークは、停止制御テーブル、停止図柄、メダルの払出枚数、所定遊技状態(たとえば後述するRT3など、遊技者にとって有利な状態)中のメダル払出総数、後述する遊技状態フラグなど、所定遊技状態終了時に初期化可能なデータが格納されるワークである。特別ワークは、各種ソフトウェア乱数など、設定開始前にのみ初期化されるデータが格納されるワークである。未使用領域は、RAM41cの格納領域のうち使用していない領域であり、後述する複数の初期化条件の何れか1つでも成立すれば初期化されることとなる。スタック領域は、メイン制御部41のレジスタから退避したデータが格納される領域であり、このうちの未使用スタック領域は、未使用領域と同様に、後述する複数の初期化条件の何れか1つでも成立すれば初期化されることとなるが、使用中スタック領域は、プログラムの続行のため、初期化されることはない。
本実施例においてメイン制御部41は、設定キースイッチ37がonの状態での起動時、RAM異常エラー発生時、所定遊技状態終了時、設定キースイッチ37がoffの状態での起動時でRAM41cのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の5つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる4種類の初期化を行う。
[液晶表示器51について]
次に、液晶表示器51について説明する。前面扉1b(つまり、リール2の前面側)には、演出手段としての液晶表示器51が設けられている。図1に示すように、液晶表示器51は、遊技者に対向して表示面51aが配置されるように設けられている。さらに、表示面51aは、「リール領域51b」と、当該リール領域51bとは異なる領域である「非リール領域51c」とを含む。以下では、スロットマシン1にエラーが発生している状態を「エラー状態」といい、エラーが発生していない状態を「非エラー状態」という。非エラー状態のときに、リール領域51bは完全透過状態(完全に透過されている状態)となり、遊技者は、透視窓3および完全透過状態である当該リール領域51bを介してリールの図柄を目視することができる。つまり、リール領域51bは、透視窓3に対応して設けられる。
また、非リール領域51cは、エラー状態および非エラー状態のときに関わらず、非透過状態(全く透過されていない状態)である。つまり、遊技者は、非リール領域51cを介してリールの図柄や、スロットマシン1内部を目視できないようになっている。完全透過状態となるリール領域51bと、非透過状態となる非リール領域51cとにより、透視窓3が形成される。
また、サブ制御部91は、リール領域51bおよび非リール領域51cのうち少なくとも一方に、演出に応じた様々な画像(キャラクタや文字など)を表示させることができる。また、本実施例のスロットマシン1は、後述する特定演出を実行可能である。本実施例の特定演出は、後述する図11に示すように、非リール領域演出、リール領域演出、および一体化演出を含む。特定演出が実行されるときには、特定の種類に対応した演出画像をリール領域51bおよび非リール領域51cのうち少なくとも一方に表示させる。また、たとえば、AT(assist time)中には、当該ATに応じた画像や文字を表示させることができ、通常時(たとえば、非AT中)には、通常演出に対応した画像や文字を表示させることができる。
また、液晶表示器51は、特に図示しないが、フロントカバー、液晶パネル、偏光シート、プリズムシート、拡散シート、拡散板、反射シート、LEDバックライトアレイが遊技者側からリール3側に向けて積層されて構成されている。このうち、拡散シートと反射シートのリール領域51bに対応する箇所がくり抜かれている(貫通されている)。したがって、非リール領域51cを非透過状態にしたとしても、リール領域51bを完全透過状態にすることが可能である。
また、液晶表示器51は、複数の画素がマトリックス状に形成された液晶パネルの間に液晶を封入して構成されるもので、液晶ドライバ(図示せず)から出力される駆動信号により各画素の電圧を制御することで液晶の配向状態を変化させることにより光の透過率を変化させる。液晶ドライバは、サブ制御部91から画像信号が入力されていないときには、透過色(つまり、光の透過率が最も高い)の画像を表示するための駆動信号を各画素に出力するものとなっている。また、液晶パネルの表面には、表面光沢処理が施されている。液晶表示器51の各画素には、RGBのカラーフィルタが配置されている。
液晶表示器51は、リール2よりも特に上下幅が大きいものとなっており、非リール領域51cには、白色光を発するバックライト(LEDバックライトアレイ)が配置されている。液晶表示器51の各画素は、その背面側のバックライトの白色光またはリールLED55の白色光(但し、図柄の部分では図柄の色に応じて白色光でなくなる場合がある)のうちで液晶の配向状態に応じてR(赤)、G(緑)及びB(青)の光を透過させ、リール2の前面でカラー画像を表示させる。
各画素は、RGBのそれぞれについて32階調(0〜31)の表示を行う。各画素のRGBの値を(R、G、B)として表すが、(0、0、0)であればバックライトの白色光またはリールLED55の白色光が透過せずに黒色の表示となるが、(31、31、31)であれば、透明の表示になってリール2L、2C、2Rに描かれた図柄の部分はその色、それ以外の部分は白色の表示になる。(0、0、0)と(31、31、31)以外のRGB値では、それぞれの値が大きくなるに従って赤、緑、青の色味が強くなる。
液晶表示器51は、遊技状態、当選フラグの設定状況、或いはリール2に導出された図柄の種類等に応じて様々な演出用の画像を表示する。また、液晶表示器51は、エラー発生時には、エラー報知態様で発光させたり、後述するエラー情報を表示することもできる。このように、遊技に直接的または間接的に関わる様々な情報を表示することが可能である。リール2L、2C、2Rの回転開始から回転停止までのゲーム中においては、リール領域の各画素では、カラーフィルタで遮断されるものを除いて光を完全透過させるように液晶の配向状態が制御されるものとなっている。
また、リール領域51bに表示される画像の状態によってはリール2L、2C、2Rに描かれている図柄の視認性が損なわれ、ゲームの進行に影響が生じてしまう場合もある。そこで、スタートスイッチ7が操作されてからリール2L、2C、2Rの全てが回転停止して可変表示装置2に表示結果が導出されるまではリール領域51bを非表示(すなわち、リール領域の各画素のRGB値を(31、31、31)として完全透過状態とする)にする。
また、リール2L、2C、2Rの全てが回転を停止して表示結果が導出されると、液晶表示器51において演出が開始されるものの、リール領域の各画素は、本来表示される画像よりも透過度が低い(すなわち、RGB値が(0、0、0)に近い)非透過状態に制御され、リール領域を含む領域で演出画像が表示されたときには、リール領域の背面にあるリール2L、2C、2Rに描かれた図柄を遊技者が視認できないようにしてもよい。これにより、遊技者にリールを視認させず、演出画像のみの視認性を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
[ゲーム処理]
次に、メイン制御部41が設定変更処理の後に実行するゲーム処理の制御内容を説明する。ゲーム処理では、BET処理、内部抽選処理、リール回転処理、入賞判定処理、払出処理、ゲーム終了時処理を順に実行し、ゲーム終了時処理が終了すると、再びBET処理に戻る。BET処理では、賭数を設定可能な状態で待機し、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作された時点でゲームを開始させる処理を実行する。また、BET処理では、ゲームを開始させる処理として、スタートスイッチ7が操作された時点で、設定された賭数に用いられたメダル数分のメダルIN信号の出力を命令する出力命令をRAM41cに設定する。
本実施例のスロットマシン1は、遊技状態(CB、非CB)に応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。より具体的には、遊技状態に応じた規定数(たとえば非CB時では3)の賭数が設定された時点で、入賞ラインが有効化され、ゲームを開始させることが可能となる。
本実施例のスロットマシン1は、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された有効ライン上に役と呼ばれる図柄の組合せが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組合せであってもよいし、異なる図柄を含む組合せであってもよい。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、CB入賞可能なCB役とを含む。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。
内部抽選処理では、S1のステップにおけるスタートスイッチ7の検出によるゲーム開始と同時にラッチされた内部抽選用の乱数値に基づいて上記した各役への入賞を許容するかどうかを決定する処理を行う。この内部抽選処理では、それぞれの抽選結果に基づいて、メイン制御部41のRAM41cに当選フラグが設定される。
遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがメイン制御部41のRAM41cに設定されている必要がある。なお、これら各役の当選フラグのうち、小役および再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となる。
以下、本実施例の内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7の検出時)決定するものである。
内部抽選では、まず、スタートスイッチ7の検出時に内部抽選用の乱数値(0〜65535の整数)を取得する。詳しくは、メイン制御部41のRAM41cに割り当てられた乱数値格納ワークの値を同じくRAM41cに割り当てられた抽選用ワークに設定する。そして、遊技状態およびCBであるか否かに応じて定められた各役について、抽選用ワークに格納された数値データと、遊技状態を特定するための遊技状態フラグの値、RTを特定するためのRTフラグの値、CBであるか否かを特定するためのCBフラグの値、賭数および設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて行われる。
乱数値格納ワークは、スタートスイッチ7の操作と同時にラッチされた数値データが格納される記憶領域であり、新たな数値データがラッチされるごとに、ラッチされた数値データがその後のタイマ割込処理(メイン)において読み出され、乱数値格納ワークに格納された数値データが新たにラッチされた最新の数値データに更新されるようになっている。
内部抽選では、内部抽選の対象となる役、現在の遊技状態フラグ値、RTフラグ値、CBフラグ値および設定値に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数値(抽選用ワークに格納された数値データ)に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選することとなる。
そして、何れかの役の当選が判定された場合には、当選が判定された役に対応する当選フラグをRAM41cに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、たとえば2バイトの格納領域にて構成されている。一般役が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。なお、何れの役および役の組合せにも当選しなかった場合には、一般役格納ワークをクリアする。
リール回転処理では、各リール2L、2C、2Rを回転させる処理、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことに応じて対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる処理を実行する。
ここで、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。メイン制御部41は、リールの回転が開始したとき、およびリールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、メイン制御部41のROMに格納されているテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応する何れかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行う。
テーブルインデックスには、内部抽選による当選フラグの設定状態(以下、内部当選状態と呼ぶ)別に、テーブルインデックスを参照する際の基準アドレスから、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスを示すインデックスデータが格納されているアドレスまでの差分が登録されている。これにより内部当選状態に応じた差分を取得し、基準アドレスに対してその差分を加算することで該当するインデックスデータを取得することが可能となる。なお、役の当選状況が異なる場合でも、同一の制御が適用される場合においては、インデックスデータとして同一のアドレスが格納されており、このような場合には、同一のテーブル作成用データを参照して、停止制御テーブルが作成されることとなる。
テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた滑りコマ数を示す停止制御テーブルと、リールの停止状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスと、からなる。
リールの停止状況に応じて参照される停止制御テーブルは、全てのリール2L、2C、2Rが回転しているか、左リールのみ停止しているか、中リールのみ停止しているか、右リールのみ停止しているか、左、中リールが停止しているか、左、右リールが停止しているか、中、右リールが停止しているか、によって異なる場合があり、さらに、何れかのリールが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合があるので、それぞれの状況について、参照すべき停止制御テーブルのアドレスが回転中のリール別に登録されており、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて、それぞれの状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスが特定可能とされ、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な停止制御テーブルを特定できるようになっている。なお、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の停止制御テーブルが適用される場合においては、停止制御テーブルのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の停止制御テーブルが参照されることとなる。
停止制御テーブルは、停止操作が行われたタイミング別の滑りコマ数を特定可能なデータである。本実施例では、リールモータ32L、32C、32Rに、336ステップ(0〜335)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを336ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して16ステップ(1図柄が移動するステップ数)ごとに分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から0〜20の領域番号が割り当てられている。一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から0〜20の図柄番号が割り当てられているので、0番図柄から20番図柄に対して、それぞれ0〜20の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、停止制御テーブルには、領域番号別の滑りコマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の滑りコマ数を取得できるようになっている。
前述のようにテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して作成される停止制御テーブルは、領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施例では、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)でストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の滑りコマ数がそれぞれ設定されたテーブルである。
次に、停止制御テーブルの作成手順について説明すると、まず、リール回転開始時においては、そのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。具体的には、まずテーブルインデックスを参照し、内部当選状態に対応するインデックスデータを取得し、そして取得したインデックスデータに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから全てのリールが回転中の状態に対応する各リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して全てのリールについて停止制御テーブルを作成する。
また、何れか1つのリールが停止したとき、または何れか2つのリールが停止したときには、リール回転開始時に取得したインデックスデータ、すなわちそのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリールおよび当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。
次に、メイン制御部41がストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応する何れかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応する何れかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する滑りコマ数を取得する。そして、取得した滑りコマ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した滑りコマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から滑りコマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施例では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止することとなる。
本実施例のテーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するインデックスデータとして1つのアドレスのみが格納されており、さらに、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。すなわち一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行われることとなる。
また、本実施例では、非CB時において滑りコマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
本実施例では、何れかの役に当選している場合には、当選役を有効ライン上に4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が有効ライン上に揃わないように引き込む滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う一方、何れの役にも当選していない場合には、何れの役も揃わない滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、有効ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行われることとなる。
本実施例においてメイン制御部41は、リール2L、2C、2Rの回転が開始した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。なお、リール回転エラーの発生により、一時的にリールの回転が停止した場合でも、その後リール回転が再開した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。
なお、本実施例では、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっているが、リールの回転が開始してから、予め定められた自動停止時間が経過した場合に、リールの停止操作がなされない場合でも、停止操作がなされたものとみなして自動的に各リールを停止させる自動停止制御を行うようにしてもよい。この場合には、遊技者の操作を介さずにリールが停止することとなるため、例え、何れかの役が当選している場合でも何れの役も構成しない表示結果を導出させることが好ましい。
本実施例のスロットマシン1では、メイン制御部41側において、遊技者の停止操作通りにリールの回転を停止させる制御を行う。サブ制御部91側において、AT中ではない、つまり非AT中のゲームにおいて左リール2Lを第1停止させなかった場合には、左リール2Lを第1停止させたときには科されることのない遊技者にとって不利な所定のペナルティを科す制御が行われる。これは、演出状態が非AT中のゲームにおいて左第1停止するようにさせるためである。つまり、本実施例のスロットマシン1は、非AT中のゲームにおいて左第1停止させるように設計されている。
以下では、左第1停止させる押し順を「推奨押し順」ともいい、「推奨押し順」でストップスイッチ8L、8C、8Rを押すことを「順押し」ともいう。また、推奨押し順以外の押し順(つまり、右第1停止または中第1停止させる押し順)を「変則押し順」ともいい、「変則押し順」でストップスイッチ8L、8C、8Rを押すことを「変則押し」ともいう。
また、ATとは、サブ制御部91によって制御される演出状態であって、内部抽選結果に応じた情報(操作手順など)を報知するナビ演出を実行可能な報知期間となるアシストタイムをいう。
入賞判定処理では、リール回転処理において全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止したと判定した時点で、各リール2L、2C、2Rに導出された表示結果に応じて入賞が発生したか否かを判定する処理を実行する。S4においては、遊技状態の移行を伴う表示結果が停止されたときに、RTフラグおよびCBフラグを当該表示結果に応じた遊技状態を特定するための値に更新する。これにより、表示結果に応じた遊技状態に移行させることができる。
払出処理では、入賞判定処理において入賞の発生が判定された場合に、その入賞に応じた払出枚数に基づきクレジットの加算並びにメダルの払出しなどの処理を行う。また、払出処理では、クレジットの加算並びにメダルの払出しにより遊技者に対して付与されたメダル数分のメダルOUT信号の出力を命令する出力命令をメイン制御部41のRAM41cに設定する。ゲーム終了時処理では、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する。
次に、メイン制御部41がサブ制御部91に対して送信するコマンドについて説明する。
本実施例では、メイン制御部41がサブ制御部91に対して、BETコマンド、クレジットコマンド、内部当選コマンド、リール回転開始コマンド、リール停止コマンド、入賞判定コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、遊技状態コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、エラー解除コマンド、復帰コマンド、設定コマンド、設定確認コマンド、操作検出コマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。
これらコマンドは、コマンドの種類を示す1バイトの種類データとコマンドの内容を示す1バイトの拡張データとからなり、サブ制御部91は、種類データからコマンドの種類を判別できるようになっている。
BETコマンドは、メダルの投入枚数、すなわち賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されていない状態において、メダルが投入されるか、MAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。また、BETコマンドは、賭数の設定操作がなされたときに送信されるので、BETコマンドを受信することで賭数の設定操作がなされたことを特定可能である。
クレジットコマンドは、クレジットとして記憶されているメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されている状態において、メダルが投入されてクレジットが加算されたときに送信される。
内部当選コマンドは、内部当選フラグの当選状況、並びに成立した内部当選フラグの種類を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。また、内部当選コマンドは、スタートスイッチ7が操作されたときに送信されるので、内部当選コマンドを受信することでスタートスイッチ7が操作されたことを特定可能である。
リール回転開始コマンドは、リールの回転の開始を通知するコマンドであり、リール2L、2C、2Rの回転が開始されたときに送信される。
リール停止コマンドは、停止するリールが左リール2L、中リール2C、右リール2Rの何れかであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号、該当するリールの停止位置の領域番号、を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われるごとに送信される。また、リール停止コマンドは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに送信されるので、リール停止コマンドを受信することでストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたことを特定可能である。
入賞判定コマンドは、有効ラインに揃った図柄の組合せ、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドであり、全リールが停止して入賞判定が行われた後に送信される。
払出開始コマンドは、メダルの払出開始を通知するコマンドであり、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出しが開始されたときに送信される。また、払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドであり、入賞およびクレジットの精算によるメダルの払出しが終了したときに送信される。
遊技状態コマンドは、次ゲームの遊技状態(RTの種類、CBの有無など)を特定可能なコマンドであり、ゲームの終了時に送信される。
待機コマンドは、待機状態へ移行する旨を示すコマンドであり、1ゲーム終了後、賭数が設定されずに一定時間経過して待機状態に移行するとき、クレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出しが終了し、払出終了コマンドが送信された後に送信される。
打止コマンドは、打止状態の発生または解除を示すコマンドであり、所定遊技状態終了後、打止状態の発生を示す打止コマンドが送信され、リセット操作がなされて打止状態が解除された時点で、打止状態の解除を示す打止コマンドが送信される。
エラーコマンドは、エラー状態の発生、エラー状態の種類を示すコマンドであり、エラーが判定され、エラー状態に制御された時点でエラー状態の発生およびその種類を示すエラーコマンドが送信される。
エラー解除コマンドは、エラー状態の解除を示すコマンドであり、リセット操作や設定変更操作など、エラー状態の種類に応じた解除操作がなされてエラー状態が解除された時点で、エラー状態の解除を示すエラーコマンドが送信される。
復帰コマンドは、メイン制御部41が電断前の制御状態に復帰した旨を示すコマンドであり、メイン制御部41の起動時において電断前の制御状態に復帰した際に送信される。
設定コマンドは、設定変更状態の開始または終了、設定変更後設定値を示すコマンドであり、設定変更状態に移行する時点で設定変更状態の開始を示す設定コマンドが送信され、設定変更状態の終了時に設定変更状態の終了および設定変更後の設定値を示す設定コマンドが送信される。また、設定変更状態への移行に伴ってメイン制御部41の制御状態が初期化されるため、設定開始を示す設定コマンドによりメイン制御部41の制御状態が初期化されたことを特定可能である。
設定確認コマンドは、設定確認状態の開始または終了を示すコマンドであり、設定確認状態に移行する際に設定確認開始を示す設定確認コマンドが送信され、設定確認状態の終了時に設定確認終了を示す設定確認コマンドが送信される。
操作検出コマンドは、操作スイッチ類(MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R)のうち検出状態(on/off)が変化したスイッチ、検出状態がoffからonに変化したのか、onからoffに変化したのかおよび他のスイッチの検出状態(on/off)を示すコマンドであり、これら操作スイッチ類の何れかの検出状態が変化したときに送信される。
これらコマンドのうちドアコマンドおよび操作検出コマンド以外のコマンドは、基本処理において生成され、非初期化領域に割り当てられたコマンドバッファ内のコマンドデータを新たに生成したコマンドデータに更新するとともに、サブ制御部91に送信される。
また、操作検出コマンドは、タイマ割込処理(メイン)のスイッチ入力判定処理において、何れかのスイッチの検出状態の変化が検出された場合(何れかのスイッチのエッジデータが設定された場合)に生成され、操作検出コマンド格納領域に格納されるとともに、操作検出コマンド送信要求が設定されることにより操作検出コマンド格納領域に格納されている操作検出コマンドの送信が命令され、その後実行されるタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理において、コマンドバッファに格納され、サブ制御部91に送信される。
本実施例のスロットマシン1においては、何れかの有効ライン上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞となる役の種類としては、前述したように、大きく分けて、小役と、再遊技役と、CB役とがある。また、入賞となる役には、遊技状態の移行を伴う移行役が含まれる。
遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の入賞を許容する旨の当選フラグがメイン制御部41のRAMに設定されている必要がある。
[入賞役、取りこぼし出目]
図5は、入賞役の種類、入賞役の図柄組合せ、払出枚数/作動、および、入賞役の関連情報について説明するための図である。また、図6は、所定の小役を取りこぼしたときにのみ有効ライン上に停止される取りこぼし出目を説明するための図である。
本実施例においては、複数種類の入賞役として、CB役であるCBと、再遊技役であるリプ1〜12と、小役であるJAC、AT1〜18、イチゴ、およびチャンス1、2とが設けられている。
CBは、有効ラインに「JAC3−JAC2−JAC3」の組合せが揃ったときに入賞となる。なお、本実施例における図柄組合せの説明における「−」は、“隣り合うリールの区切り”を示し、左が“左リール2Lの図柄”を示し、真ん中が“中リール2Cの図柄”を示し、右が“右リール2Rの図柄”を示している。
CBを構成する図柄のうち、左リール2Lおよび右リール2Rの図柄である「JAC3」は、それぞれ5コマ以内に配置されていない。しかしながら、図1に示すように、有効ラインは、入賞ラインL1〜L5の5種類が有効化されることにより、ストップスイッチ8L、8Rの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに「JAC3」を停止可能である。また、中リール2Cの図柄である「JAC2」は、5コマ以内に配置されているため、ストップスイッチ8Cの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに停止可能である。したがって、内部抽選においてCBに当選しているときには、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず、当選しているCBを入賞させることができる。つまり、CBは取りこぼしのない役である。CBに入賞したときには、CB入賞前後で後述するRT状態が変わらずに、CBが作動される。なお、CBに入賞したときには、メダルは払出されない。
再遊技役のうちリプ1を構成する左リール2L、中リール2C、および右リール2Rの図柄である「リプ」は、それぞれ5コマ以内に配置されているため、それぞれストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに停止可能である。したがって、内部抽選においてリプ1に当選しているときには、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず、当選しているリプ1を入賞させることができる。つまり、リプ1は取りこぼしのない役である。リプ1に入賞したときには、RT状態が移行せずに維持されるため、リプ1は、維持リプともいう。
また、リプ2を構成する左リール2Lおよび中リール2Cの図柄は、5コマ以内に配置されている一方、右リール2Rの図柄である「JAC3」は、5コマ以内に配置されていない。しかしながら、有効ラインとして、入賞ラインL1〜L5の5種類が有効化されることにより、ストップスイッチ8Rの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに「JAC3」を停止可能である。したがって、内部抽選においてリプ2に当選しているときには、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず、当選しているリプ2を入賞させることができる。つまり、リプ2は取りこぼしのない役である。リプ2に入賞したときには、RT状態がRT1からRT2へ移行するため、リプ2は、昇格リプともいう。
リプ3〜リプ5各々を構成する左リール2Lおよび中リール2Cの図柄は、それぞれ5コマ以内に配置されている一方、右リール2Rの図柄は、5コマ以内に配置されておらず、かつ、ストップスイッチ8Rの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。したがって、内部抽選においてリプ3〜リプ5のいずれかに当選しているときには、適正なタイミングでストップスイッチ8Rを操作しなければ、当選しているリプに入賞させることができない。つまり、リプ3〜リプ5は取りこぼしのある役である。リプ3〜リプ5のいずれかに入賞したときには、RT状態がRT2またはRT3からRT1へ移行するため、リプ3〜リプ5は、転落リプともいう。
リプ6を構成する左リール2Lの図柄である「JAC3」は、5コマ以内に配置されていない。しかしながら、有効ラインとして、入賞ラインL1〜L5の5種類が有効化されることにより、ストップスイッチ8Lの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに「JAC3」を停止可能である。また、中リール2Cの図柄である「JAC2」は、5コマ以内に配置されているため、ストップスイッチ8Cの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに停止可能である。一方、右リール2Rの図柄である「白7」は、5コマ以内に配置されていない。しかしながら、有効ラインとして、入賞ラインL1〜L5の5種類が有効化されることにより、ストップスイッチ8Rの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに「白7」を停止可能である。したがって、内部抽選においてリプ6に当選しているときには、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず、当選しているリプ6を入賞させることができる。つまり、リプ6は取りこぼしのない役である。リプ6に入賞したときには、RT状態がRT2からRT3へ移行するため、リプ6は、突入リプともいう。
リプ7を構成する左リール2Lの図柄である「JAC3」は、5コマ以内に配置されていない。しかしながら、有効ラインとして、入賞ラインL1〜L5の5種類が有効化されることにより、ストップスイッチ8Lの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに「JAC3」を停止可能である。また、中リール2Cの図柄である「JAC2」は、5コマ以内に配置されているため、ストップスイッチ8Cの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに停止可能である。また、右リール2Rの図柄である「JAC1」は、5コマ以内に配置されていない。しかしながら、有効ラインとして、入賞ラインL1〜L5の5種類が有効化されることにより、ストップスイッチ8Rの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに「JAC1」を停止可能である。したがって、内部抽選においてリプ7に当選しているときには、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず、当選しているリプ7を入賞させることができる。つまり、リプ7は取りこぼしのない役である。リプ7に入賞したときには、RT状態は移行しない。なお、リプ7は、チャンスリプともいう。本実施例においては、リプ7に入賞しても単に再遊技が行われるだけであるが、リプ7に入賞したときには後述するAT抽選が行われるなど、何らかの特典が付与されるものであってもよい。
リプ8を構成する左リール2Lおよび右リール2Rの図柄である「リプ」は、それぞれ5コマ以内に配置されているため、それぞれストップスイッチ8L、8Rの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに停止可能である。一方、中リール2Cの図柄である「白7」は、5コマ以内に配置されていない。さらに、「白7」は、ストップスイッチ8Cの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。したがって、内部抽選においてリプ8に当選しているときには、適正なタイミングでストップスイッチ8Cを操作しなければ、当選しているリプ8に入賞させることができない。つまり、リプ8は取りこぼしのある役である。リプ8に入賞したときには、RT状態は移行しない。なお、リプ8に入賞したときには、有効ライン上に「リプ−白7−リプ」の組合せが揃うとともに、他の有効ライン上には「白7」が3つ揃うか、あるいは「白7」が2つ揃うテンパイ状態となる。そのため、リプ8は、7揃い用リプともいう。
リプ9を構成する左リール2Lの図柄である「白7」は、5コマ以内に配置されていない。しかしながら、有効ラインとして、入賞ラインL1〜L5の5種類が有効化されることにより、ストップスイッチ8Lの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに「白7」を停止可能である。中リール2Cの図柄である「白7」は、5コマ以内に配置されていない。さらに、「白7」は、ストップスイッチ8Cの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。また、右リール2Rの図柄である「リプ」は、5コマ以内に配置されているため、ストップスイッチ8Rの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに停止可能である。したがって、内部抽選においてリプ9に当選しているときには、適正なタイミングでストップスイッチ8Cを操作しなければ、当選しているリプ9に入賞させることができない。つまり、リプ9は取りこぼしのある役である。リプ9に入賞したときには、RT状態は移行しない。なお、リプ9に入賞したときには、有効ライン上に「白7−白7−リプ」の組合せが揃うとともに、他の有効ライン上には「白7」が3つ揃うか、あるいは「白7」が2つ揃うテンパイ状態となる。そのため、リプ9は、7揃い用リプともいう。
リプ10〜リプ12各々を構成する左リール2Lの図柄は、5コマ以内に配置されていないが、有効ラインとして、入賞ラインL1〜L5の5種類が有効化されることにより、ストップスイッチ8Lの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに「JAC3」を停止可能である。また、中リール2Cの図柄である「JAC2」は、5コマ以内に配置されているため、ストップスイッチ8Cの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに停止可能である。また、右リール2Rの図柄は、5コマ以内に配置されておらず、かつ、ストップスイッチ8Rの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。したがって、内部抽選においてリプ10〜リプ12のいずれかに当選しているときには、適正なタイミングでストップスイッチ8Rを操作しなければ、当選しているリプに入賞させることができない。つまり、リプ10〜リプ12は取りこぼしのある役である。リプ10〜リプ12のいずれかに入賞したときには、RT状態がRT2からRT3へ移行するため、リプ10は、突入リプともいう。
小役のうちJACを構成する左リール2Lおよび右リール2Rの図柄である「JAC1」は、それぞれ5コマ以内に配置されていないが、有効ラインとして、入賞ラインL1〜L5の5種類が有効化されることにより、ストップスイッチ8L、8Rの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに「JAC1」を停止可能である。また、中リール2Cの図柄である「JAC2」は、5コマ以内に配置されているため、ストップスイッチ8Cの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに停止可能である。したがって、内部抽選においてJACに当選しているときには、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず、当選しているJACを入賞させることができる。つまり、JACは取りこぼしのない役である。JACに入賞したときには、14枚のメダルが払出される。
小役のうちAT役には、AT1〜18の18種類のAT役が含まれる。AT1を構成する左リール2L、中リール2C、および右リール2Rの図柄である「ベルa」は、5コマ以内に配置されていない。さらに、「ベルa」は、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。したがって、内部抽選においてAT1に当選しているときには、適正なタイミングでストップスイッチ8L、8C、8Rを操作しなければ、当選しているAT1に入賞させることができない。また、AT1と同様に、AT2〜AT18各々を構成する左リール2L、中リール2C、および右リール2Rの図柄は、5コマ以内に配置されておらず、操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。したがって、内部抽選においてAT2〜AT18のいずれかに当選しているときには、適正なタイミングでストップスイッチ8L、8C、8Rを操作しなければ、当選しているATに入賞させることができない。つまり、AT1〜AT18は取りこぼしのある役である。AT1〜AT18のいずれかに入賞したときには、1枚のメダルが払出される。
小役のうちイチゴは、有効ラインに「ANY−イチゴ−リプ」の組合せが揃ったときに入賞となる。左リール2Lの図柄は「ANY」であるため、何れの図柄が有効ラインに停止したとしてもイチゴを入賞させることが可能である。また、中リール2Cの図柄である「イチゴ」は、5コマ以内に配置されているため、ストップスイッチ8Cの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに停止可能である。さらに、右リール2Rの図柄である「リプ」は、5コマ以内に配置されているため、ストップスイッチ8Rの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに停止可能である。したがって、内部抽選においてイチゴに当選しているときには、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず、当選しているイチゴを入賞させることができる。つまり、イチゴは取りこぼしのない役である。イチゴに入賞したときには、14枚のメダルが払出される。
小役のうちチャンス役には、チャンス1およびチャンス2の2種類のチャンス役が含まれる。チャンス1は、有効ラインに「ブランク−ベルa−ANY」の組合せが揃ったときに入賞となる。左リール2Lの図柄である「ブランク」は、5コマ以内に配置されていない。しかしながら、有効ラインとして、入賞ラインL1〜L5の5種類が有効化されることにより、ストップスイッチ8Lの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに「ブランク」を停止可能である。また、中リール2Cの図柄である「ベルa」は、5コマ以内に配置されていない。さらに、「ベルa」は、ストップスイッチ8Cの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。また、右リール2Rの図柄は「ANY」であるため、何れの図柄が有効ラインに停止したとしてもチャンス1を入賞させることが可能である。したがって、内部抽選においてチャンス1に当選しているときには、適正なタイミングでストップスイッチ8L、8Cを操作しなければ、当選しているチャンス1に入賞させることができない。つまり、チャンス1は取りこぼしのある役である。チャンス1に入賞したときには、7枚のメダルが払出される。
チャンス2は、有効ラインに「ブランク−ベルb−ANY」の組合せが揃ったときに入賞となる。左リール2Lの図柄である「ブランク」は、5コマ以内に配置されていない。しかしながら、有効ラインとして、入賞ラインL1〜L5の5種類が有効化されることにより、ストップスイッチ8Lの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに「ブランク」を停止可能である。また、中リール2Cの図柄である「ベルb」は、5コマ以内に配置されていない。さらに、「ベルb」は、ストップスイッチ8Cの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。右リール2Rの図柄は「ANY」であるため、何れの図柄が有効ラインに停止したとしてもチャンス2を入賞させることが可能である。したがって、内部抽選においてチャンス2に当選しているときには、適正なタイミングでストップスイッチ8L、8Cを操作しなければ、当選しているチャンス2に入賞させることができない。つまり、チャンス2は取りこぼしのある役である。チャンス2に入賞したときには、7枚のメダルが払出される。
次に、図6を用いて取りこぼし出目を説明する。取りこぼし出目は、小役のうち後述する左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3の何れかに当選しているゲームにおいて、当選役に含まれる入賞役の何れにも入賞させることができない場合(取りこぼす場合)において、有効ライン上に必ず引込まれて停止する特定のはずれの図柄組合せである。
取りこぼし出目は、こぼし目1〜18を含む。こぼし目1〜こぼし目18は、各々、有効ラインに、図6においてこぼし目に対応して示される図柄組合せをいう。
小役のうち左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3に当選しているゲームにおいて、当選役に含まれる入賞役のうち何れも発生させることができない場合にはこぼし目1〜18の何れかが有効ラインに導出され、RT状態がRT1に移行される。
[遊技状態の遷移]
図7は、メイン制御部41により制御される遊技状態の遷移を説明するための図である。本実施例におけるスロットマシン1は、図7に示すように、メイン制御部41により、RT0〜3の4種類の遊技状態(RT状態ともいう)のうち何れかに制御される。
RT0は、内部抽選の当選確率の設定変更後に制御される遊技状態である。RT1は、通常、最も制御される時間が長い遊技状態である。RT1には、RT0におけるゲームで取りこぼし出目が導出されたときに移行される。また、RT2は、RT1よりも再遊技の確率が高くなる遊技状態である。RT2には、RT1におけるゲームで昇格リプに入賞したときに移行される。一方、RT2におけるゲームで転落リプに入賞、または取りこぼし出目が導出されたときには、RT1に移行される。また、RT3は、RT2よりも再遊技役に当選する確率が高くなる遊技状態である。RT3には、RT2におけるゲームで突入リプに入賞したときに移行される。一方、RT3におけるゲームで転落リプに入賞、または取りこぼし出目が導出されたときには、RT1に移行される。さらに、本実施例においては、RT0〜3の何れにおいても、CBに入賞することで、RT状態を維持したままでCB中のゲームが実行される。CBとは、チャレンジボーナスとも称し、JAC、AT1〜18、イチゴ、およびチャンス1、2の小役全てが当選するゲームが行われる。そのため、CB中のゲームでは、遊技者の目押しにより小役の入賞が毎ゲーム可能となる。
[非CB時の抽選対象役、判定値数、リール制御]
次に、図8を参照して、非CB時の内部抽選において読み出される抽選対象役、抽選対象役の判定値数、および抽選対象役に当選しているゲームにおけるリール制御について説明する。本実施例では、遊技状態が、RT0〜RT3の何れであるかによって内部抽選の対象となる役およびその当選確率が異なる。図8においては、縦の欄に、内部抽選で読み出され得る抽選対象役の名称を示し、横の欄に、抽選対象役ごとの、入賞役の組合せ、抽選される遊技状態、およびリール制御の内容を示している。
抽選対象役は、一の入賞役のみについて内部抽選される役と、複数の入賞役について同時に内部抽選される役とが設けられている。抽選対象役に対応して内部抽選される役については、入賞役の組合せの欄に示している。
また、抽選対象役に対応する遊技状態の欄の○印は、当該遊技状態であるときの内部抽選において当該抽選対象役が読み出されることを示し、無印は、当該遊技状態であるときの内部抽選において当該抽選対象役が読み出されないことを示している。
また、○印の下に示す数値は、判定値数を示す。当該判定値数を用いて内部抽選が行われる。なお、判定値数の分母は、内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)に対応させて、「65536」に設定されている。このため、たとえば、判定値数として「1600」が設定されている抽選対象役の当選確率は、1600/65536となる。なお、内部抽選において、何れの抽選対象役にも当選しなかったときには、はずれとなる。
図8に示すように、内部抽選において、抽選対象役のうちJACが読み出されたときには、JACに対応する入賞役であるJACについての当否抽選が行われる。
抽選対象役のうち左ベル1が読み出されたときには、左ベル1に対応する入賞役の組合せであるJAC、AT1、AT2、AT3、AT4、AT5、およびAT6すべてを一括した当否抽選が行われる。抽選対象役のうち左ベル2〜右ベル3が読み出されたときも、同様に、それぞれの抽選対象役に対応して図8に示される入賞役の組合せすべてを一括した当否抽選が行われる。また、抽選対象役のうちイチゴが読み出されたときには、イチゴについての当否抽選が行われる。抽選対象役のうちチャンス1が読み出されたときには、チャンス1についての当否抽選が行われる。抽選対象役のうちチャンス2が読み出されたときには、チャンス2についての当否抽選が行われる。抽選対象役のうちCBが読み出されたときには、CBについての当否抽選が行われる。
また、RT0〜3の何れの遊技状態においても、JAC、左ベル1〜3、中ベル1〜3、右ベル1〜3、イチゴ、チャンス1、チャンス2、およびCBが内部抽選の対象役として順に読み出される。
また、RT0〜RT3の何れの遊技状態においても、遊技状態にかかわらずそれぞれの抽選対象役に共通の判定値数が定められている。すなわち、内部抽選において小役およびCBに当選する当選確率は、遊技状態にかかわらず一定である。なお、内部抽選において小役およびCBに当選する当選確率は、設定されている設定値に応じて異なるように定められているものであってもよい。
次に、右欄に記載されているリール制御の内容について説明する。当選した抽選対象役の種類(当選している入賞役)およびストップスイッチ8L、8C、8Rの操作手順に応じて定められた入賞役を有効ライン上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行われる。
左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3のうち何れかに当選している場合には、最初に停止操作がなされたリール(第1停止リール)が左リール2L、中リール2C、右リール2Rの何れであるかに応じて、JACあるいは当選しているAT役のうちの何れかを有効ライン上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行われる。
たとえば、左ベル1〜3の何れかが当選し、左第1停止させた場合には、当選した小役のうちJACを有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。一方、左ベル1〜3の何れかが当選し、中第1停止または右第1停止させた場合には、当選したAT役のうちの何れかを引込可能範囲で有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。前述したように、AT役は、取りこぼしのある役である。よって、ストップスイッチ8L、8C、8Rの各々が、当選しているAT役の何れかに応じた適正なタイミングで停止操作されたときには、対応するAT役に入賞し得るが、適正なタイミングで停止操作されなかったときには、入賞せずに、図6で示した何れかの取りこぼし出目を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。
中ベル1〜3の何れかが当選し、中第1停止させた場合には、当選した小役のうちJACを有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。一方、中ベル1〜3の何れかが当選し、左第1停止または右第1停止させた場合には、当選したAT役のうちの何れかを引込可能範囲で有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rの各々が、当選しているAT役の何れかに応じた適正なタイミングで停止操作されたときには、対応するAT役に入賞し得るが、適正なタイミングで停止操作されなかったときには、入賞せずに、図6で示した何れかの取りこぼし出目を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。
右ベル1〜3の何れかが当選し、右第1停止させた場合には、当選した小役のうちJACを有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。一方、右ベル1〜3の何れかが当選し、左第1停止または中第1停止させた場合には、当選したAT役のうちの何れかを引込可能範囲で有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rの各々が、当選しているAT役の何れかに応じた適正なタイミングで停止操作されたときには、対応するAT役に入賞し得るが、適正なタイミングで停止操作されなかったときには、入賞せずに、図6で示した何れかの取りこぼし出目を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。
このように、左ベル1〜3の何れかに当選したときにおいては、左第1停止させたときに確実にJACを入賞させるようにリール制御が行われ、左第1停止以外であるときには、引き込み可能な場合にのみ当選しているAT役のうちの何れかを入賞させ、引き込み不可能な場合にすべて取りこぼし、取りこぼし出目を導出させるようにリール制御が行われる。
また、中ベル1〜3の何れかに当選したときにおいては、中第1停止させたときに確実にJACを入賞させるようにリール制御が行われ、中第1停止以外であるときには、引き込み可能な場合にのみ当選しているAT役のうちの何れかを入賞させ、引き込み不可能な場合にすべて取りこぼし、取りこぼし出目を導出させるようにリール制御が行われる。
また、右ベル1〜3の何れかに当選したときにおいては、右第1停止させたときに確実にJACを入賞させるようにリール制御が行われ、右第1停止以外であるときには、引き込み可能な場合にのみ当選しているAT役のうちの何れかを入賞させ、引き込み不可能な場合にすべて取りこぼし、取りこぼし出目を導出させるようにリール制御が行われる。
以上のように本実施例では、左ベル1〜3の何れが当選したか、中ベル1〜3の何れが当選したか、および右ベル1〜3の何れが当選したかによって、JACを確実に入賞させるための第1停止リールを異ならせることにより、入賞させるための操作手順(入賞用操作手順)であり、かつ取りこぼし出目の導出を回避するための操作手順を異ならせることができる。つまり、左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3についてはそれぞれ、押し順(以下、「特定押し順」ともいう。)が対応付けられている。図8の例では、左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3それぞれの特定押し順は、左第1停止、中第1停止、右第1停止である。
上記のようなリール制御が行われる理由は、遊技者がストップスイッチを操作したときに、払出枚数が多い入賞役を入賞させるための図柄を優先的に有効ライン上に引き込んでリールを停止させるか、あるいは、入賞の可能性が高い入賞役を入賞させるための図柄を優先的に有効ライン上に引き込んでリールを停止させるかが、一義的に決められているからである。
たとえば、左ベル1に当選したときに遊技者が行った第1停止が左第1停止であった場合には、左ベル1に含まれる入賞役のうち払出枚数が多いJACを入賞させるための図柄を有効ライン上に引き込んでリールを停止させるようになっている。一方、左ベル1に当選したときに遊技者が行った第1停止が中第1停止や右第1停止であった場合には、左ベル1に含まれる入賞役のうち入賞の可能性が高いAT役を入賞させるための図柄を有効ライン上に引き込んでリールを停止させるようになっている。
入賞の可能性が高いAT役を入賞させるための図柄を有効ライン上に引き込んでリールを停止させる具体例を以下に説明する。たとえば、左ベル1に当選したときに遊技者が行った第1停止が中第1停止であった場合には、図5に示すように、左ベル1に含まれる何れかの役を入賞させるためには、「JAC2」、「ベルa」、「ベルb」の何れかを有効ライン上に引き込んでリールを停止させる必要がある。ここで、「JAC2」を有効ライン上に引き込むよりも、「ベルa」または「ベルb」を有効ライン上に引き込んだ方が入賞役の選択肢が多い(たとえば、「JAC2」を停止させると入賞役の選択肢は「JAC]の1種類のみだが、「ベルa」を停止させると入賞役の選択肢は「AT1」、「AT2」、「AT3」の3種類ある)。そのため、第1停止が中第1停止であった場合には、入賞の可能性の高いAT役の何れかを入賞させるための図柄を有効ライン上に引き込んでリールを停止させるようになっている。
そして、RT2またはRT3で、左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3の何れかが当選したときに特定押し順で操作された場合には、JACが入賞してRT状態が維持されるとともに14枚のメダルが払出される。一方、RT2またはRT3で、左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3の何れかが当選したときに特定押し順以外の押し順で操作された場合には、取りこぼし出目が導出される可能性があり、この場合にはRT状態がRT1に転落する。RT1は、RT2やRT3と比較して再遊技役の当選確率が低い不利なRT状態であるため、RT2またはRT3で左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3の何れかが当選した場合には、特定押し順で操作されたときよりも特定押し順以外の手順で操作されたときの方が遊技者は不利になる割合が高い。よって、左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3は、押し順によってRT状態が変わって大きく有利度を異ならせることが可能な役であるといえる。
一方、JAC、イチゴ、チャンス1、チャンス2、およびCBについては、押し順にかかわらず取りこぼさなければそれぞれに対応する役に入賞する。さらに、JAC、イチゴ、チャンス1、チャンス2、およびCBについては、入賞前後でRT状態は変化しない。よって、JAC、イチゴ、チャンス1、チャンス2、およびCBは、押し順にかかわらず有利度が同一である役だといえる。
なお、本実施例においては、前述したような押し順によって有利度が異なる当選役を第1当選役といい、押し順にかかわらず有利度が同一である当選役を第2当選役ともいう。図8に示す例では、非CB時における第1当選役には、左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3が含まれる。また、非CB時における第2当選役には、JAC、イチゴ、チャンス1、チャンス2、およびCBが含まれる。
なお、図8に示すように、中ベル1〜3や右ベル1〜3よりも、左ベル1〜3の当選確率は低くなるように設定されている。また、前述したように、本実施例におけるスロットマシン1では、演出状態が非AT中のゲームにおいて、左第1停止しなかった場合に遊技者にとって不利な所定のペナルティを科すことにより、左第1停止させるように設計されている。このため、左ベル1〜3よりも中ベル1〜3や右ベル1〜3の方が当選確率が高いにもかかわらず、非AT中のときには中ベル1〜3や右ベル1〜3に当選した場合にJACを確実に入賞させることが困難となる。よって、非AT中のときに仮にRT2に制御された場合であっても、高い確率で取りこぼし出目が導出されるため、当該RT2を維持させることが困難となる。これに対し、演出状態がAT中であるときには、左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3に当選したときにおけるナビ演出に従った操作手順で停止操作を行うことにより、JACを確実に入賞させることができ、RT1に転落することを回避させることができる。
次に、図9に示すように、抽選対象役のうち通常リプ1が読み出されたときには、通常リプ1に対応する入賞役であるリプ1についての当否抽選が行われる。なお、図9に示すテーブル表は、非CB時テーブル表ともいう。
抽選対象役のうち通常リプ2が読み出されたときには、通常リプ2に対応する入賞役の組合せであるリプ1およびリプ7についての当否抽選が行われる。抽選対象役のうち、図9の左欄に示す通常リプ3から7はずれリプのうちいずれかが読み出されたときも、同様に、それぞれの抽選対象役に対応して図9に示される入賞役の組合せすべてを一括した当否抽選が行われる。
また、RT0の遊技状態においては、通常リプ1が内部抽選の対象役として読み出される。RT1の遊技状態においては、通常リプ1および通+昇リプ1〜4が内部抽選の対象役として順に読み出される。RT2の遊技状態においては、通常リプ1、通+転リプ1〜3、および通+突リプ1〜3が内部抽選の対象役として順に読み出される。RT3の遊技状態においては、通常リプ2、通常リプ3、通+転リプ1〜3、チャンリプ1〜3、7揃いリプ、および7はずれリプが内部抽選の対象役として順に読み出される。
ここで、通常リプ2、通常リプ3、チャンリプ1〜3、7揃いリプ、および7はずれリプは、RT3の遊技状態であるときのみ抽選対象役に設定されている。そのため、RT3は、他の遊技状態に比べて再遊技となる確率が高くなっている。また、後述するように、通常リプ2および通常リプ3は、CB中においては唯一14枚払出しが可能な役である。そのため、RT3のときのみCB中のゲームで14枚払出しがされる可能性がある。さらに、後述するように、7揃いリプに当選したときには、AT抽選が実行される。そのため、RT3は、他の遊技状態に比べてAT抽選が実行される可能性が高くなっている。
次に、リール制御の内容について説明する。通+昇リプ1が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。また、通+昇リプ1が当選し、中第1停止させその後に左第2停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ2(昇格リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。また、通+昇リプ1が当選し、中第1停止させその後に右第2停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ7(チャンスリプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。さらに、通+昇リプ1が当選し、右第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。
通+昇リプ2が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。また、通+昇リプ2が当選し、中第1停止させその後に左第2停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ7(チャンスリプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。また、通+昇リプ2が当選し、中第1停止させその後に右第2停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ2(昇格リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。さらに、通+昇リプ2が当選し、右第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。
通+昇リプ3が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。また、通+昇リプ3が当選し、中第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。また、通+昇リプ3が当選し、右第1停止させその後に左第2停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ2(昇格リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。さらに、通+昇リプ3が当選し、右第1停止させその後に中第2停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。
通+昇リプ4が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。また、通+昇リプ4が当選し、中第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。また、通+昇リプ4が当選し、右第1停止させその後に左第2停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。さらに、通+昇リプ4が当選し、右第1停止させその後に中第2停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ2(昇格リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。
このように、通+昇リプ1〜4の何れかが当選したときには、左第1停止する限りは、常に維持リプが入賞するようになっており、昇格リプを入賞することができなくなっている。また、前述したように、本実施例におけるスロットマシン1では、演出状態が非AT中のゲームにおいて、左第1停止させるように設計されている。このため、非AT中のときに通+昇リプ1〜4の何れかが当選した場合には、昇格リプを確実に入賞させることが困難となる。よって、非AT中のときにRT1に制御されているときは、昇格リプを入賞させてRT2に昇格させることが困難となる。これに対し、演出状態がAT中であるときには、通+昇リプ1〜4に当選したときにおけるナビ演出に従った操作手順で停止操作を行うことにより、昇格リプを確実に入賞させることができ、RT2に昇格することができる。
通+転リプ1が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。また、通+転リプ1が当選し、中第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ3〜5(転落リプ)の何れかを有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。また、通+転リプ1が当選し、右第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ3〜5(転落リプ)の何れかを有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。
通+転リプ2が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ3〜5(転落リプ)の何れかを有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。また、通+転リプ2が当選し、中第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。また、通+転リプ2が当選し、右第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ3〜5(転落リプ)の何れかを有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。
通+転リプ3が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ3〜5(転落リプ)の何れかを有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。また、通+転リプ3が当選し、中第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ3〜5(転落リプ)の何れかを有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。また、通+転リプ3が当選し、右第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。
このように、通+転リプ2または通+転リプ3に当選したときには、左第1停止する限りは、常に転落リプが入賞するようになっている。また、前述したように、本実施例におけるスロットマシン1では、演出状態が非AT中のゲームにおいて、左第1停止させるように設計されている。このため、非AT中のときに通+転リプ2または通+転リプ3に当選した場合には、転落リプに入賞する可能性が高くなっている。よって、非AT中のときにRT2に制御されていても、転落リプに入賞することでRT1に転落する可能性が高くなる。これに対し、演出状態がAT中であるときには、通+昇リプ2または通+昇リプ3に当選したときにおけるナビ演出に従った操作手順で停止操作を行うことにより、転落リプの入賞を回避させることができ、RT2を維持することができる。
通+突リプ1が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ6(突入リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。通+突リプ1が当選し、中第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。通+突リプ1が当選し、右第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。
通+突リプ2が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。通+突リプ2が当選し、中第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ6(突入リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。通+突リプ2が当選し、右第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。
通+突リプ3が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。通+突リプ3が当選し、中第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。通+突リプ3が当選し、右第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ6(突入リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。
このように、通+突リプ2または通+突リプ3に当選したときには、左第1停止する限りは、常に維持リプが入賞するようになっており、突入リプを入賞することができなくなっている。また、前述したように、本実施例におけるスロットマシン1では、演出状態が非AT中のゲームにおいて、左第1停止させるように設計されている。このため、非AT中のときに通+突リプ2または通+突3に当選した場合には、突入リプを確実に入賞させることが困難となる。よって、非AT中のときにRT2に制御されていても、突入リプを入賞させてRT3に昇格させることが困難となる。これに対し、演出状態がAT中であるときには、通+突リプ2または通+転リプ3に当選したときにおけるナビ演出に従った操作手順で停止操作を行うことにより、突入リプを確実に入賞させることができ、RT3に昇格することができる。
チャンリプ1が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ7(チャンスリプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。チャンリプ1が当選し、中第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。チャンリプ1が当選し、右第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。
チャンリプ2が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。チャンリプ2が当選し、中第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ7(チャンスリプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。チャンリプ3が当選し、右第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。
チャンリプ3が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。チャンリプ3が当選し、中第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。チャンリプ3が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ7(チャンスリプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。
7揃いリプが当選した場合には、第2停止まで行ったときに有効ライン上に「白7」が2つ揃うテンパイ状態となり、その後、第3停止のタイミングに応じて有効ライン上に「白7」が3つ揃って停止する7揃い出目を導出させる制御を行う。
7はずれリプが当選した場合には、第2停止まで行ったときに有効ライン上に「白7」が2つ揃うテンパイ状態となり、その後、第3停止のタイミングにかかわらず有効ライン上に「白7」が3つ揃わずに停止する7揃いはずれ出目を導出させる制御を行う。
以上のように、通+昇リプ1〜4、通+転リプ1〜3、通+突リプ1〜3、およびチャンリプ1〜3については、それぞれ特定押し順が対応付けられている。そして、図9に示すように、押し順に応じて異なる種類の再遊技役(維持リプ、転落リプ、昇格リプ、突入リプ)が入賞して、RT状態が変化する。よって、通+昇リプ1〜4、通+転リプ1〜3、通+突リプ1〜3、およびチャンリプ1〜3は、押し順によってRT状態が変わって大きく有利度を異ならせることが可能な役であるといえる。
一方、通常リプ1〜3、7揃いリプ、および7はずれリプについては、押し順にかかわらず所定の役に入賞する。つまり、通常リプ1〜3、7揃いリプ、および7はずれリプは、押し順にかかわらず有利度が同一である役だといえる。
よって、図9に示す例では、非CB時における第1当選役には、通+昇リプ1〜4、通+転リプ1〜3、通+突リプ1〜3、およびチャンリプ1〜3が含まれる。また、非CB時における第2当選役には、常リプ1〜3、7揃いリプ、および7はずれリプが含まれる。
このように、メイン制御部41は、遊技状態に応じた抽選対象役について内部抽選し、当該抽選結果およびストップスイッチ8L、8C、8Rの操作手順に応じて、リール制御を行い、表示結果にしたがってメダル払出しや遊技状態移行を行う。また、メイン制御部41は、遊技の進行状況に応じてコマンドを演出制御基板90に送信する。
[ゲームの流れ]
ここで、図7を再び参照し、ゲームの流れに関しまとめて説明する。本実施例におけるスロットマシン1では、図7に示されるように、設定変更状態が終了した後において、RT0に制御される。設定変更状態に制御されることにより非ATとなるため、RT0では、ATに制御されず、ナビ演出が実行されない。このように、RT0においてナビ演出が実行されることがないため、RT0において左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3のうち何れかに当選したときに、高い確率でJACおよびAT役を取りこぼして、有効ラインに取りこぼし出目が停止され、いつまでも取りこぼし出目が停止されずにRT1に移行されないといった不都合の発生を防止することができる。RT1〜3においては、AT中であるか否かによって、それぞれ、以下に説明するようなゲームの流れとなる。
まず、非AT中のゲームの流れについて説明する。本実施例におけるスロットマシン1では、前述したように、RT0〜RT3において非AT中のときに、左第1停止させるように設計されている。このため、遊技者は、非AT中のときには、左第1停止するように停止操作を行う。その結果、ゲームの流れは以下のようになる。
RT1では、昇格リプに入賞することにより、RT2に移行する。昇格リプに入賞するためには、図9で示したように、通+昇リプ1〜4の何れかに当選しかつ昇格リプ入賞させるための操作手順で停止操作する必要がある。
しかし、通+昇リプ1〜4の何れかに当選しても左第1停止する限りは昇格リプに入賞しない。よって、左第1停止させる限り、RT2に移行する可能性はない。
また、RT1においてペナルティを科されながらも左第1停止させて昇格リプに入賞してRT2に制御された場合でも、当該RT2への制御を維持することが困難となるように設定されている。すなわち、RT2では、通+転リプ2、3に当選する可能性があり、このときに、左第1停止すると転落リプが入賞してRT1に転落してしまう。さらに、RT2で中ベル1〜3や右ベル1〜3のうち何れかに当選したときには、左第1停止すると第2停止と第3停止のタイミングによっては取りこぼし出目が導出されてRT1に転落してしまう。このため、非AT中のときの遊技の大部分は、RT1において消化されることとなる。
次に、AT中であるときのゲームの流れについて説明する。RT1では、通+昇リプ1〜4の何れかに当選したときに、昇格リプを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行され得る。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、昇格リプ入賞によりRT2に移行させることができる。
また、RT2では、通+転リプ1〜3の何れかに当選したときに、維持リプを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行され得る。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、維持リプ入賞によりRT2を維持することができる。
さらに、RT2では、通+突リプ1〜3の何れかに当選したときに、突入リプを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行され得る。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、突入リプ入賞によりRT3に移行させることができる。
RT3では、左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3のうち何れかに当選したときに、JACを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行される。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、JAC入賞により取りこぼし出目の導出を回避させてRT3を維持させることができる。ここで、本実施例においては、左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3のうち何れかに当選したときにJACを取りこぼした場合は押し順に応じてAT1〜18に入賞するしかメダルは払出されない。しかも、運よくAT1〜18に入賞したとしても、メダルの払出枚数はJACの14枚よりもはるかに少ない1枚のメダルしか払出されない。そのため、ATに制御されているときには、制御されていないときよりも、遊技者が得られるメダルの払出枚数を多くすることができ、AT制御の有無によって有利度を大きく異ならせることができる。なお、RT3では、チャンリプ1〜3の何れかに当選したときに、チャンスリプを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行される。
このように、本実施例のスロットマシン1において、AT中であるときには、RT3に制御されるように、かつRT3が維持されるように、ナビ演出が実行されるため、AT中であるときの遊技の大部分は、RT3において消化されることとなる。本実施例では、遊技者にとって有利なRT3においてATに制御されている状態を、特に、アシストリプレイタイム(以下、ARTという)と呼ぶ。
また、本実施の形態のスロットマシンでは、後述するように、遊技状態として、AT、非ATのうちいずれかに制御される。そして、非ATでありかつRT3である期間を「特定期間」という。また、「特定期間」において、取りこぼし出目が導出されるまたは転落リプが入賞すると(図7参照)、RT3からRT1(つまり、非AT+RT1)に転落する。このように、特定期間のRT3からRT1に転落して当該RT1が維持されている期間を「転落期間」という。また、「特定期間」は、通常演出が実行されている期間でありかつRT3である期間としてもよい。
そして、本実施形態のスロットマシンにおいては、ART(AT+RT3)の期間においては、有利演出が実行され、特定期間(非AT+RT3)および転落期間(非AT+RT1)においては、通常演出が実行される。ここで、有利演出とは、通常演出よりも遊技者にとって有利な情報を報知する演出である。有利演出とは、たとえば、通常ナビ演出や、AT残りゲーム数を報知する演出、通常演出の背景画像とは異なる背景画像とする演出などを含む。また、有利演出は、ATが開始されたゲーム(AT1ゲーム目)において、当該ATが開始された旨を報知する演出も含む。
つまり、特定期間であっても転落期間であっても通常演出が実行されることから、演出内容からは、遊技者に対して特定期間であるか転落期間であるかを把握させないようにすることができ、換言すると、ATが終了した後のRT状態を遊技者に把握させないようにすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、本実施の形態においては、何れのRT状態においてもCB入賞することによって、RT状態を維持したままCB中のゲームに移行する。これにより、CBの発生によって、RT状態を変更するものと比較して、処理負担を削減できる。また、CB時の抽選対象役、判定値数、リール制御については所定のものとすればよく、詳細の説明を割愛する。
[AT関連処理]
次に、サブ制御部91側において行われる処理のうち、ATに関連する処理について説明する。サブ制御部91は、遊技状態に応じて、演出状態をATに制御するとともに、ナビ演出を実行するためのAT関連処理を行う。
サブ制御部91は、AT関連処理を実行することにより、ATに制御するか否かのAT抽選を行う。サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドに基づき、所定のAT抽選条件が成立したか否かを判定し、成立したときにAT抽選が実行される。AT抽選は、ナビストック数を付与するか否かを決定するナビ付与抽選と、付与するナビストック数を決定するナビストック数抽選とを含む。
ナビストック数とは、ATに制御可能となる期間を示す。ナビストック数を1消費(減算)することにより、所定期間に亘りゲームを消化するまで(たとえば、ATに制御されてから10ゲーム)、ATに制御され、その間ナビ演出が実行可能となる。このため、決定されたナビストック数が多い程、長い期間に亘りATに制御されるため、遊技者にとって有利度合いが高いといえる。
図10は、AT抽選に用いるAT抽選用テーブルを説明するための図である。AT抽選条件は、RT状態、AT状態、および、当選状況やゲーム進行状況などのその他の条件の組合せにより成立する。サブ制御部91は、成立したAT抽選条件に定められた当選確率に従ってAT当選し、AT当選した場合には振分率に従ってナビストックを付与する。
なお、サブ制御部91は、たとえばメイン制御部41からの遊技状態コマンド、内部当選コマンド、入賞判定コマンドに基づき、制御されているRT状態および当選状況を判定するとともに、AT中にセットされるATフラグに基づきAT中か否かを判定する。
第1AT抽選条件は、AT中であるか否かにかかわらず、RT状態がRT0〜3であるときに、チャンス1またはチャンス2に当選したときに成立する。第1AT抽選条件が成立したときには、30%の確率でAT当選し、AT当選した場合には付与されるナビストック数が、50%の確率で「1」に、30%の確率で「2」に、20%の確率で「3」に決定される。なお、AT抽選は、たとえば乱数などを用いて、設定されている確率あるいは振分率にしたがってランダムに行われる。よって、第1AT抽選条件が成立したときに獲得することが期待され得る期待ナビストック数は、(1×0.5+2×0.3+3×0.2)×0.03=0.051となる。
第2AT抽選条件は、AT中であるか否かにかかわらず、RT状態がRT3であるときに、7揃いリプに当選したときに成立する。第2AT抽選条件が成立したときには、10%の確率でAT当選し、AT当選した場合には付与されるナビストック数が、30%の確率で「1」に、30%の確率で「2」に、20%の確率で「3」、10%の確率で「4」に、10%の確率で「5」に決定される。よって、第2AT抽選条件が成立したときに獲得することが期待され得る期待ナビストック数は、(1×0.3+2×0.3+3×0.2+4×0.1+5×0.1)×0.1=0.24となる。
第3AT抽選条件は、AT中であるか否かにかかわらず、RT状態がRT3であるときに、チャンスリプに入賞したときに成立する。第3AT抽選条件が成立したときには、3%の確率でAT当選し、AT当選した場合には付与されるナビストック数が、20%の確率で「1」に、20%の確率で「2」に、30%の確率で「3」、20%の確率で「4」に、10%の確率で「5」に決定される。よって、第3AT抽選条件が成立したときに獲得することが期待され得る期待ナビストック数は、(1×0.2+2×0.2+3×0.3+4×0.2+5×0.1)×0.3=0.84となる。
第4AT抽選条件は、AT中であるか非AT中であるかにかかわらず、RT状態がRT0〜3であるときにイチゴが当選したときに成立する。第4AT抽選条件が成立したときには、50%の確率でAT当選し、AT当選した場合には付与されるナビストック数が、40%の確率で「1」に、30%の確率で「2」に、20%の確率で「3」、10%の確率で「4」になる。よって、第3AT抽選条件が成立したときに獲得することが期待され得る期待ナビストック数は、(1×0.4+2×0.3+3×0.2+4×0.1)×0.5=1.0となる。
また、第1〜第4AT抽選条件は、各々、AT中であるか非AT中であるかにかかわらず、当選確率および振分率が同じである例について説明したが、これに限らず、AT中であるか否かに応じて当選確率および振分率を異ならせてもよい。たとえば、AT中であるときの方が非AT中であるときよりも高い当選確率でナビ付与抽選を行い、また、AT中であるときの方が非AT中であるときよりも期待ナビストック数が大きくなるようにナビストック数抽選を行うようにしてもよい。
なお、第1、第2、第4AT抽選条件は、所定の入賞役に当選することにより成立する例について説明したが、これに限らず、所定の入賞役に入賞することにより成立するものであってもよい。たとえば、第1AT抽選条件は、チャンス1またはチャンス2に入賞することにより成立するようにしてもよい。また、第1、第2、第4AT抽選条件に示したように、チャンス1当選またはチャンス2当選、イチゴ当選、7揃いリプ当選の順番で、AT当選確率、AT当選確率および付与されるナビストックの期待値は大きくなる。
このように、メイン制御部41からのコマンドに基づきサブ制御部91によってAT制御のためのナビストックを付与するか否かが決定されて、当該決定に応じてナビストックが付与されるため、遊技者に対して、サブ制御部91の処理に注目させることができる。
[AT制御処理]
サブ制御部91は、AT抽選において1以上のナビストック数が決定されたときに、ナビストック数をRAM91cの所定領域に格納する。サブ制御部91は、RAM91cのナビストック数の有無に基づき、ATに制御するか否かを特定する。ナビストック数が残っているときに、さらにAT抽選によってナビストック数を獲得したときには、残っているナビストック数に今回獲得したナビストック数を上乗せ加算させる。本実施例においては、AT抽選で決定されたナビストック数の合計数に応じて、ATに制御される。
非AT中であるときにおいてナビストックを獲得した場合、サブ制御部91は、所定のAT開始条件が成立したときにATに制御する。所定のAT開始条件は、特定の当選状況となったときに成立する。特定の当選状況となったときの一例としては、たとえば、非AT中でかつRT2中であるときに突入リプに入賞したときに成立する。
サブ制御部91は、非AT中かつナビストックが1以上付与されているときにおいて、AT開始条件が成立したときに、ATである旨を示すATフラグをRAM91cの所定領域に格納してATに制御する。
なお、AT開始条件は、当選状況に応じて成立するものに限らず、ナビストックを獲得したことを契機として複数ゲームに亘り所定の連続演出を実行した後、当該連続演出の演出結果によってナビストックを獲得した旨が報知されたときに成立するようにしてもよい。この場合、連続演出は、ナビストックを獲得していないときにも所定確率にしたがって実行される。これにより、連続演出が実行されることによりナビストックを獲得したことに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
サブ制御部91は、RT1またはRT2においてATフラグからATである旨が特定されたときに、ATへの制御を開始する。これにより、ナビ演出が実行される。このため、図9に示すように、RT1においては、通+昇リプ1〜4の何れかに当選したときに昇格リプ入賞となる可能性が高くなり、その結果、RT2へ制御されやすくなる。また、RT2においては、通+転リプ1〜3の何れかに当選したときに維持リプに入賞する可能性が高くなるとともに、転落リプに入賞することを回避することができる。さらに、通+突リプ1〜3の何れかに当選したときに突入リプに入賞する可能性が高くなり、その結果、RT3へ移行する可能が高くなる。
また、RT2またはRT3においては、左ベル1〜4、中ベル1〜4、および右ベル1〜4の何れかに当選したときに取りこぼし出目の導出を回避させ、その結果、RT1への転落を回避することができる。
RT1またはRT2においては、ナビストック数を消費(減算)することなく、ATに制御されて、ナビ演出が実行可能となる。AT中におけるRT1において昇格リプ入賞によりRT2に制御されたときにも当該ATへの制御が継続される。
RT3に制御されたときには、ナビストックを1消費(減算)して、所定回数(たとえば10)ゲームを消化する間、RT3かつATであるARTに制御可能となる。なお、ナビストックを1消費したときには、RAM91cに記憶されているナビストック数を1減算させた値に更新される。
サブ制御部91は、ARTに制御すると、ATに制御されることが確定しているATゲーム数を報知するとともに、ゲーム消化に応じてATゲーム数を更新させる。具体的に、たとえば、ATに制御されたときに、液晶表示器51において「AT残り10ゲーム」といったメッセージを表示し、ゲーム消化に応じて残りゲーム数を更新表示する有利演出が実行される。これにより、少なくともナビストック1に対応してATに制御されている旨が報知される。
サブ制御部91は、AT残りゲーム数が0に到達したときに、残りのナビストック数が0であれば、「AT終了!」といったメッセージを液晶表示器51に表示するとともに、ATでない旨を示すATフラグに更新させて一連のATを終了させる。これにより、ナビ演出が実行されなくなるため、左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3の何れかに当選したときに取りこぼし出目が導出されやすく、かつ、通+転リプ1〜3の何れかに当選したときに転落リプ入賞となる可能性が高くなり、その結果、RT3からRT1へ制御される可能性が高まる。
[特定演出について]
次に、図11を用いて特定演出について説明する。図11は特定演出を説明するための図である。本実施例の特定演出は、図11(A)に示す非リール領域演出、図11(B)に示すリール領域演出、図11(C)に示す一体化演出を含む。なお、図11の説明での演出画像700、702、704は、星形状であるが、他の画像やメッセージ等を表示するようにしてもよい。また、特定演出の実行契機については、図12で説明し、特定演出の実行タイミングおよび実行期間については、図16で説明する。
まず、図11(A)を用いて、非リール領域演出について説明する。非リール領域演出は、非リール領域51cに演出画像700を表示させ、リール領域51bには、演出画像を表示させない演出である。非リール領域演出が実行されるときは、リール領域51bは、完全透過状態とされている(リール領域51bのRGB値が(31、31、31)とされている)ことから、遊技者はリール2(リールの図柄)を目視できる。
次に、図11(B)を用いて、リール領域演出について説明する。リール領域演出は、リール領域51bに演出画像702を表示させ、非リール領域51cには、演出画像を表示させない演出である。一般的に、遊技者は、遊技中にリール2(リール領域51b)を目視しているので、リール領域演出を実行してリール領域51bに演出画像702を表示させることにより、非リール領域演出よりもインパクトを与えることができる。また、本実施例では、非リール領域演出で表示される演出画像700と同一の画像を、演出画像702としてリール領域演出で表示することができる。
ここで、リール領域演出を実行するときの演出画像702の表示態様について説明する。仮に、演出画像702の表示態様を、非リール領域演出を実行するときの表示態様(以下、「通常態様」という。)と同一の態様とすると、以下の理由などにより、遊技者は、演出画像700よりも演出画像702が薄く見えたり暗く見えてしまう。前述のように、液晶表示器51を構成する拡散シートおよび反射シートのリール領域51bに対応する箇所がくり抜かれることにより貫通穴が形成されている。そうすると、LEDバックライトアレイやリールLEDから照射される照射光の一部が当該貫通穴から漏れる現象(以下、「光漏れ現象」という。)などが起き、照射光の全てが遊技者に到達しないことで、演出画像700よりも演出画像702の濃度が薄く見えたり、暗く見えたりする。
そうすると、演出画像700の濃度や明るさを、ある程度記憶している遊技者は、演出画像702を目視すると、当該演出画像702は演出画像700よりも薄く見えたり暗く見えたりするため、当該遊技者に違和感を抱かせるようになり、遊技の興趣の低下を招いてしまう。
そこで、リール領域演出を実行するときには、濃度および明るさの観点で演出画像700との遊技者の見え方の差が小さくなるように、通常態様よりも、明るさを強調し、必要に応じて濃度を調整する態様で、演出画像702をリール領域51bに表示させる。「遊技者の見え方の差が小さいように」とは、たとえば、「遊技者が、演出画像702を目視したときに、演出画像700と比較して濃度および明るさの観点で当該遊技者に違和感(違い)を感じさせないように」ということである。したがって、濃度および明るさの観点で、演出画像702は、遊技者が違和感を感じなければ演出画像700と若干の差があってもよい。また、濃度および明るさの観点で、演出画像702は、演出画像700と同一に見えるように構成されていてもよい。また、「見え方」とは、たとえば、「遊技者の視覚を通じて、当該遊技者により認識される態様」をいう。
ここで、詳細は後述するが、本実施例では、「明るさを強調する手法」として、たとえば、リールLEDからリール領域51bに対して照射される光量を増加させる。具体的には、リール領域51bに対して、通常態様では照射されないリールLEDに照射させる。また、濃度を調整する手法として、たとえば、RGB値の値を調整する。つまり、本実施例では、リール領域演出が実行されている期間中は、リールLEDからリール領域51bに対して照射される光量を増加させる。また、「必要に応じて濃度を調整する」とは、「通常態様で表示されている演出画像700と、明るさを強調した演出画像702とを比較して、当該演出画像702が演出画像700よりも見た目の濃度が低ければ、当該演出画像702の濃度を増加させ、当該演出画像702が演出画像700よりも見た目の濃度が高ければ、当該演出画像702の濃度を低下させ、当該演出画像702と演出画像700との見た目の濃度が同じであれば、当該演出画像702の濃度を調整しない」ことである。
以下では、「濃度および明るさの観点で演出画像700(つまり、非リール領域51cに表示される画像)との遊技者の見え方の差が小さくなるように、通常態様よりも、明るさを強調し、必要に応じて濃度を調整する態様」を「強調態様」という。また、換言すれば、演出画像702の表示度合いを演出画像700の表示度合いよりも強調して表示する。ここで、表示度合いとは、画像の明るさや画像の濃度などをいう。
このような強調態様でリール領域演出を実行することにより、濃度および明るさの観点で演出画像700との遊技者の見え方の差が小さくなるように演出画像702を表示させることができるので、演出画像700と比較して違和感なく演出画像702を表示することができる。したがって、遊技者に違和感を抱かせないようになり、遊技の興趣の低下を防止できる。
また、当該強調態様は、「演出画像702が表示されたときには、遊技者が、奥側のリール2を目視できない程度の態様」であることが好ましい。このような強調態様で演出画像702を表示することにより、リール2が目視されるときと比較して、演出画像702に対する注目を集めることができ、リール領域演出に対する興趣を向上させることができる。
次に、図11(c)を用いて一体化演出について説明する。一体化演出は、リール領域51bおよび非リール領域51cに跨って、演出画像704が表示される演出である。ここで、一体化演出の表示態様について説明する。以下では、演出画像704を、非リール領域51cに表示される画像(以下、「非リール領域画像704c」という。)と、リール領域51bに表示される画像(以下、「リール領域画像704b」という。)とに分けて説明する。
仮に、一体化演出が実行されるときにおいて、濃度および明るさの観点で、非リール領域画像704cおよびリール領域画像704bを同じ通常態様で表示した場合には、前述の光漏れ現象などにより、リール領域画像704bが、非リール領域画像704cよりも薄く見えたり、暗く見えたりする。そうすると、演出画像704全体を目視した遊技者に違和感を抱かせるようになり、遊技の興趣の低下を招いてしまう。
そこで、一体化演出を実行するときには、強調態様でリール領域画像704bを表示する。したがって、濃度および明るさの観点で非リール領域画像704cとの遊技者の見え方の差が小さくなるようにリール領域画像704bを表示させることができるので、非リール領域画像704cと比較して違和感なくリール領域画像704bを表示することができる。よって、演出画像704全体を目視した遊技者に、リール領域画像704bと非リール領域画像704cとの間で違和感を抱かせないようにすることができ、遊技の興趣の低下を防止できる。
また、一体化演出を実行するときの強調態様は、「演出画像704が表示されたときには、遊技者が、奥側のリール2を目視できない程度の態様」であることが好ましい。このような強調態様で演出画像704(リール領域画像704b)を表示することにより、リール2が目視されるときと比較して、演出画像704に対する注目を集めることができ、一体化演出に対する興趣を向上させることができる。
このような構成によれば、リール領域演出で表示される演出画像702は、強調態様で表示される。したがって、リール領域演出を実行するときには、濃度および明るさの観点で演出画像700との遊技者の見え方の差が小さくなるように演出画像702を表示させることができるので、演出画像700と比較して違和感なく演出画像702を表示することができる。したがって、演出画像702に対して、遊技者に違和感を抱かせないようになり、遊技の興趣の低下を防止できる。
また、本実施例では、演出画像700と演出画像702において、たとえば、明るさの観点で遊技者に違和感を感じさせないように、明るさが増加された演出画像702を表示できる。したがって、演出画像702に対して、遊技者に違和感を抱かせないようになり、遊技の興趣の低下を防止できる。
また、演出画像700と演出画像702において、たとえば、濃度の観点で遊技者に違和感を感じさせないように、必要に応じて濃度が増加された演出画像702を表示できる。したがって、演出画像702に対して、遊技者に違和感を抱かせないようになり、遊技の興趣の低下を防止できる。
また、演出画像700と演出画像702において、たとえば、濃度の観点で遊技者に違和感を感じさせないように、必要に応じて濃度が低下された演出画像702を表示できる。したがって、演出画像702に対して、遊技者に違和感を抱かせないようになり、遊技の興趣の低下を防止できる。
また、図11(A)に示すように、非リール領域演出は、演出画像700を、リール領域51bには表示させず非リール領域51cに表示させる演出である。一方、リール領域演出は、演出画像702を、非リール領域51cには表示させずリール領域51bに表示させる演出である。また、リール領域演出は、遊技者が目視する割合の高いリール領域51bに演出画像702を表示する演出であることから、当該リール領域演出は、非リール領域演出よりも、大きいインパクトを遊技者に与えることができる。したがって、与えるインパクトを異ならせる様々なバリエーションの演出を実行することができ、遊技の興趣を向上させることができる。さらに、このような場合であっても、演出画像700と同一の明るさおよび濃度で演出画像702を表示することができる。したがって、演出画像702に対して、遊技者に違和感を抱かせないようになり、遊技の興趣の低下を防止できる。
また、本実施例では、非リール領域演出とリール領域演出において、同一の演出画像を表示することが可能である。このような場合であっても、濃度および明るさの観点で演出画像700との遊技者の見え方の差が小さくなるように、演出画像702を表示することができる。したがって、演出画像702に対して、遊技者に違和感を抱かせないようになり、遊技の興趣の低下を防止できる。
また、図11(C)に示すように、本実施例のスロットマシン1は、一体化演出を実行することができる。一体化演出を実行することにより表示される演出画像704の大きさは、非リール領域演出およびリール領域演出よりも大きい。したがって、一体化演出は、非リール領域演出およびリール領域演出よりも、大きなインパクトを遊技者に対して与えることができる。
また、一体化演出が実行されるときには、濃度および明るさの観点で非リール領域画像704cとの遊技者の見え方の差が小さくなるように、リール領域画像704bを表示する。したがって、遊技者にとって違和感のない一体化演出を実行することができ、遊技者に視認し易い演出画像704を表示できることから、遊技の興趣を向上させることができる。
また、一体化演出を実行するときには、非リール領域画像704cとの遊技者の見え方の差が小さくなるように、リール領域画像704bを表示する。よって、一体化演出を実行することにより表示される演出画像704に対して、濃度の観点で遊技者に違和感を抱かせないようになり、遊技の興趣の低下を防止できる。
また、一体化演出を実行するときにおいて、リール領域画像704bと非リール領域画像704cにおいて、明るさの観点で遊技者に違和感を感じさせないように、明るさが増加されたリール領域画像704bを表示できる。したがって、一体化演出を実行することにより表示される演出画像704に対して、遊技者に違和感を抱かせないようになり、遊技の興趣の低下を防止できる。
また、一体化演出を実行するときにおいて、リール領域画像704bと非リール領域画像704cにおいて、濃度の観点で遊技者に違和感を感じさせないように、濃度が増加されたリール領域画像704bを表示できる。したがって、一体化演出を実行することにより表示される演出画像704に対して、遊技者に違和感を抱かせないようになり、遊技の興趣の低下を防止できる。
また、一体化演出を実行するときにおいて、リール領域画像704bと非リール領域画像704cにおいて、濃度の観点で遊技者に違和感を感じさせないように、濃度が低下されたリール領域画像704bを表示できる。したがって、一体化演出を実行することにより表示される演出画像704に対して、遊技者に違和感を抱かせないようになり、遊技の興趣の低下を防止できる。
[演出関連処理について]
次に、演出関連処理について説明する。演出関連処理とは、メイン制御部41から内部当選コマンドを受信する毎に、サブ制御部91により実行される処理である。図12は演出関連処理の処理フローを示す。図12を用いて、演出関連処理について説明する。なお、演出関連処理は、メイン制御部41から内部当選コマンドを受信してから所定時間経過後に実行するようにしてもよい。
S400において、特定演出抽選が実行される。特定演出抽選は、メイン制御部41から送信される内部当選コマンドの解析結果を用いて実行される処理である。また、特定演出抽選は、特定演出を実行するか否か、および、特定演出が実行されると決定された場合には、実行される特定演出の種類も決定されるものである。特定演出抽選は、特定演出抽選用テーブルを用いて実行される。図13は特定演出抽選用テーブルの一例を示した図である。特定演出抽選用テーブルは予めROM91b等に格納されている。
図13に示すように、内部当選コマンドの解析結果が、7揃いリプ当選であるときには、一体化演出、リール領域演出、非リール領域演出が、それぞれ90%、5%、5%の確率で実行される。また、内部当選コマンドの解析結果が、イチゴ当選であるときには、一体化演出、リール領域演出、非リール領域演出が、それぞれ5%、90%、5%の確率で実行される。また、内部当選コマンドの解析結果が、チャンス1当選またはチャンス2当選であるときには、一体化演出、リール領域演出、非リール領域演出が、それぞれ5%、5%、90%の確率で実行される。また、内部当選コマンドの解析結果がこれら以外であれば、特定演出抽選は実行されない。なお、特定演出抽選は、7揃いリプ、イチゴ、チャンス1、およびチャンス2以外の当選役であってもよい。また、内部当選コマンドに関わらず、サブ制御部91により他のコマンドが受信されることを、特定演出抽選の実行契機としてもよい。
図10に示したように、7揃いリプ当選、イチゴ当選、チャンス1またはチャンス2当選の順番で、AT当選確率および付与されるナビストックの期待値が多くなるように設定されている。一方、図11に示したように、一体化演出、リール領域演出、非リール領域演出の順番で、遊技者に対して与えることができるインパクトは大きくなる。したがって、AT当選確率および付与されるナビストックの期待値が最も大きい7揃いリプが当選したときには、高確率で(90%の確率で)、遊技者に与えるインパクトが最も大きい一体化演出が実行される。また、AT当選確率および付与されるナビストックの期待値が2番目に大きいイチゴが当選したときには、高確率で(90%の確率で)、遊技者に与えるインパクトが2番目に大きいリール領域演出が実行される。また、AT当選確率および付与されるナビストックの期待値が3番目に大きい(最も低い)チャンス1またはチャンス2が当選したときには、高確率で(90%の確率で)、遊技者に与えるインパクトが3番目に大きい(最も低い)非リール領域演出が実行される。なお、本実施例では、チャンスリプが入賞したときには、いずれの特定演出も実行されない。
つまり、本実施例のスロットマシン1は、いずれかのAT抽選対象役(本実施例では、7揃いリプ、イチゴ、チャンス1またはチャンス2)に当選したときにおいて、AT当選確率および付与されるナビストックの期待値の大きさに応じたインパクトを遊技者に与える特定演出を実行することができる。したがって、特定演出を目視することにより、遊技者は、AT当選確率および付与されるナビストックの期待値を予想することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
S402において、特定演出抽選により一体化演出が実行される旨が決定されたか否かが判断される。また、S402において、一体化演出が実行される旨が決定されてないと判断されると(S402のNO)、S403に移行される。S403において、特定演出抽選によりリール領域演出が実行される旨が決定されたか否かが判断される。S403において、リール領域演出が実行される旨が決定されてないと判断されると(S403のNO)、S405に移行する。S405において、非リール領域演出が実行される旨が決定されたか否かが判断される。S405において、非リール領域演出が実行される旨が決定されていない、つまり、いずれの特定演出も実行されない旨が決定されたときには、演出関連処理は終了する。一方、S402においてYESと判断されたときには、S404に移行し、S403においてYESと判定されたときには、S406に移行し、S405においてYESと判断されたときには、S410に移行する。
S404において、特定演出態様テーブルを用いて非リール領域演出データが1単位画像データずつ、通常態様で設定される。ここで、「非リール領域演出データ」とは、非リール領域51cに表示される演出画像を表示させるための演出データである。また、「1単位画像データ」とは、単位時間(たとえば、1/30秒)当たりの画像データをいう。また、「単位画像データ」を最小単位の画像データとしてもよい。S404の処理が終了すると、S406に移行する。S406において、リール領域演出データが1単位画像データずつ通常態様で設定される。ここで、「リール領域演出データ」とは、リール領域51bに表示される演出画像を表示させるための演出データである。また、S404またはS406において、所定個数(たとえば、2または3個)の1単位画像データずつ通常態様または強調態様で設定されるようにしてもよい。
次に、図14を用いて、強調態様および通常態様の詳細について説明する。前述したように、強調態様とは、リール領域演出の場合には、「濃度および明るさの観点で演出画像700との遊技者の見え方の差が小さくなるように、通常態様よりも演出画像702の明るさを強調し、必要に応じて演出画像702の濃度を調整する態様」である。また、一体化演出の場合には、「濃度および明るさの観点で非リール領域51cとの遊技者の見え方の差が小さくなるように、通常態様よりもリール領域51bの明るさを強調し、必要に応じてリール領域51bの濃度を調整する態様」である。
図14に示すように、画像の明るさの観点において、通常態様では、光量を増加させない態様であり、強調態様では、光量を増加させる態様である。ここで、光量を増加させる手法の一例として、通常態様では点灯させないリールLED55を点灯させることである。
また、画像の濃度の観点において、通常態様では、RGB値を通常値のままとし、強調態様とは、RGB値を調整値へと変換する態様である。本実施例では、変換テーブルを用いて液晶表示器51の全ての画素のRGB値を通常値を調整値に変換する。図15は、変換テーブルの一例を示した図である。図15の例では、通常値(15、16、16)に対して、調整値(26、24、20)が対応付けられている。また、通常値(16、16、16)に対応して、調整値(28、24、20)が対応付けられている。また、通常値(18、20、27)に対応して、調整値(16、19、14)が対応付けられている。また、通常値(21、14、30)に対応して、調整値(21、14、30)が対応付けられている。
このように、図15の例では、通常値(15、16、16)および通常値(16、16、16)については、RGB値が増加される調整値が対応付けられており、通常値(18、20、27)については、RGB値が減少される調整値が対応付けられており、通常値(21、14、30)については、RGB値が同一の調整値が対応付けられている。また、図15の記載では、他のRGB値について、通常値と調整値の対応は省略されているが、実際は、全てのRGB値について、通常値と調整値の対応が規定されている。
つまり、本実施例においては、強調態様で演出画像(演出画像702やリール領域画像704b)が表示されるときには、たとえば、RGB値が通常値(15、16、16)の画素については、調整値(26、24、20)に変換される。また、他の画素の通常値についても図15記載の変換テーブルにおいて、対応付けられている調整値に変換される。
また、図15記載の変換テーブルは、予め作成されて、ROM91bに格納されている。たとえば、設計者は、通常態様では点灯させないリールLED55を点灯させた状態で、明るさおよび濃度の点で演出画像700との遊技者の見え方の差が小さくなる演出画像702を表示できるようにシミュレーションを行い、調整値を設定する。また、設計者は、通常態様では点灯させないリールLED55を点灯させた状態で、明るさおよび濃度の点で非リール領域画像704cとの遊技者の見え方の差が小さくなるリール領域画像704bを表示できるようにシミュレーションを行い、調整値を設定する。
このように、予め設定された変換テーブルを用いて、演出画像702またはリール領域画像704bの濃度を調整することにより、明るさおよび濃度の点で、演出画像700または非リール領域画像704cとの遊技者の見え方の差が小さくなるように、演出画像702またはリール領域画像704bを表示することができる。
説明を図12に戻す。S406の処理が終了すると、S408に移行する。S408では、遊技者により払出処理が終了されるまで待機する(S408のNO)。S408において、払出処理が終了されたと判断されると(S408のYES)、S410に移行する。なお、S408の払出処理が終了されたか否かの判断手法の一例として、メイン制御部41から、払出終了コマンドをサブ制御部91が受信すると、払出処理が終了されたと判断される。
S410において、S404およびS406で設定された演出データで特定演出を実行する。このように、本実施例では、払出処理が終了されたときに、特定演出は実行される。つまり、当選したAT抽選対象が入賞したゲームにおいては、当該入賞に応じた払出処理が終了されたときに、特定演出は実行される。また、当選したAT抽選対象が入賞しなかったゲームにおいては、第3停止された(つまり、3番目のストップスイッチが押下された)後からBETスイッチが操作されるまでの期間において、特定演出は実行される。また、当選したAT抽選対象が入賞しなかったゲームにおける特定演出の開始タイミングを、「3番目のストップスイッチが押下されて、当該ストップスイッチが遊技者の手から離されたとき」としてもよく、終了タイミングを、「スタートスイッチ7が操作されるとき」としてもよい。
なお、S405においてYESと判断されたとき(つまり、非リール領域演出が実行される旨が決定されたとき)に移行されたS410においては、全ての演出データにおいて通常態様で非リール領域演出が実行される。
[特定演出の開始タイミングおよび終了タイミングについて]
次に、特定演出の開始タイミングなどについて説明する。図16は、特定演出の開始タイミングおよび終了タイミングを説明するための図である。図16を用いて、本実施例の特定演出の開始タイミングおよび終了タイミングを説明する。
図16(A)は、遊技者の操作のタイミングを説明したものであり、図16(B)は、本実施例の特定演出の開始タイミングおよび終了タイミングを示したものであり、図16(C)、(D)は、変形例の特定演出の開始タイミングおよび終了タイミングを示したものである。
本実施例では、図16(B)に示すように、AT抽選対象役に当選したゲームにおいて、払出処理が終了したタイミングT1からスタートスイッチ7が操作されるタイミングT2まで特定演出が実行される。このように、特定演出が実行されるタイミングを、払出処理が終了したタイミングT1とすることにより、特定演出として、リール2が目視不能になるリール領域演出または一体化演出が実行されたとしても、遊技者は、導出された表示結果を目視できることから、遊技の興趣を向上させることができる。また、特定演出が終了されるタイミングをスタートスイッチ7が操作されるタイミングT2とすることにより、特定演出を終了させるタイミングを遊技者の意思により決定できるようになり、遊技の興趣を向上させることができる。たとえば、長い期間、特定演出を目視したい遊技者は、スタートスイッチ7を操作しないようにすればよい。また、特定演出を目視したくない遊技者は、スタートスイッチ7を早いタイミングで操作することにより、特定演出がキャンセルされることになる。
[エラーについて]
次に、本実施例のエラーの種類について説明する。本実施例のスロットマシン1のエラーは、RAM異常エラー、設定値エラー、リール回転エラー、投入エラー、ホッパー払出エラー、払出メダル詰りエラー、投入メダル詰りエラー、投入メダル切れエラー、満タンエラー、ドア開放エラーを含む。
まず、RAM異常エラーについて説明する。本実施例のスロットマシン1においては、メイン制御部41のCPU41aが電圧低下信号を検出した際に、電断割込処理を実行する。電断割込処理では、レジスタをRAM41cのスタックに退避し、メイン制御部41のRAM41cにいずれかのビットが1となる破壊診断用データ、すなわち0以外の特定のデータを格納するとともに、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM41cに格納する処理を行うようになっている。なお、RAMパリティとはRAM41cの該当する領域(本実施例では、全ての領域)の各ビットに格納されている値の排他的論理和として算出される値である。このため、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0であれば、RAMパリティ調整用データは0となり、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが1であれば、RAMパリティ調整用データは1となる。
そして、CPU41aは、その起動時においてRAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算するとともに、破壊診断用データの値を確認し、RAMパリティが0であり、かつ破壊診断用データの値も正しいことを条件に、RAM41cに記憶されているデータに基づいてCPU41aの処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)や破壊診断用データの値が正しくない場合には、RAM異常と判定し、遊技の進行を不能化させるようになっている。なお、RAM異常エラー状態は、他のエラー状態と異なり、リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38を操作しても解除されないようになっており、前述した設定変更状態において新たな設定値が設定されたときに解除される。また、RA異常エラー以外のエラー(後述する)については、リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38が操作されることにより解除される。
また、設定値エラーは、設定値が適正な値でない場合(たとえば、設定値が1〜6以外の値である場合)に判定されるエラーである。リール回転エラーは、一定期間以上、リールセンサ33によりリール基準位置が検出されない場合に判定されるエラーである。投入エラーは、メダルの投入が許可されている期間以外で、メダルの投入が検出された場合に判定されるエラーである。ホッパー払出エラーは、払出センサ34cにより、ホッパータンク34aへの不正行為による払出異常が検出された場合に判定されるエラーである。払出メダル詰りエラーは、ホッパータンク34a内において払出されたメダルが詰まったことが検出された場合に判定されるエラーである。投入メダル詰りエラーは、メダル投入部4から投入されたメダルが詰まったことが検出された場合に判定されるエラーである。払出メダル切れエラーは、ホッパータンク34aにメダルが貯留されていないことが検出された場合に判定されるエラーである。満タンエラーは、オーバーフロータンク35が満タン状態であることが満タンセンサ35aにより検出された場合に判定されるエラーである。ドア開放エラーは、前面扉1bが開放された場合に判定されるエラーである。
次に、「エラーの重要度」について説明する。本実施例のエラーの重要度は、予め所定の基準で定められるものである。当該重要度は、安全性からの基準、不正行為を防止する観点からの基準、遊技者へ注意喚起する観点からの基準、および店舗管理の観点からの基準など様々な基準に基づき定義され、遊技機の製造メーカで設定される。たとえば、遊技者への注意喚起に関するエラー、不正な手法で利益を獲得する不正行為の防止に関するエラー、安全性に関するエラーの順に重要度が高くなるように遊技機の製造メーカで設定する。
本実施例では、重要度として「低」、「高」の2種類が設定されており、不正行為の防止に関するエラーが「高」、注意喚起に関するエラーが「低」に設定されている。なお、エラー報知の重要度の設定・変更を遊技機の製造メーカが行う場合に限定されるものではなく、遊技場の店員や管理者によって、エラー報知の重要度を設定・変更するようにしてもよい。以下では、重要度が高いエラーを「高エラー」といい、重要度が低いエラーを「低エラー」という。
具体的には、RAM異常エラー、設定値エラー、リール回転エラー、投入エラー、ホッパー払出エラーは、「不正行為の防止に関するエラー」に該当することから、「高エラー」に該当する。また、払出メダル詰りエラー、投入メダル詰りエラー、投入メダル切れエラー、満タンエラー、ドア開放エラーは、「注意喚起に関するエラー」に該当することから、「低エラー」に該当する。
次に、エラーの「報知期間」について説明する。本実施例においては、全てのエラーについてエラーが発生したときからエラーが解除されるまで、エラー報知が実行される。前述のように、RAM異常エラーは、設定変更状態において新たな設定値が設定されたときに解除される。したがって、RAM異常エラーは、当該RAM異常エラーが発生してから、設定変更状態において新たな設定値が設定されるまで報知される。その他のエラーについては、エラー発生からエラー解除まで当該エラーが報知される。
次に、エラー発生時の「発光パターン」について説明する。高エラー発生時の発光パターンは、「枠LED52a」および「液晶表示器51のバックライト(図示せず)」の双方を発光させるパターンである。以下では、「液晶表示器51のバックライトを発光させる」ことを単に「液晶表示器51を発光させる」という。
具体的には、高エラー発生時の発光パターンは、枠LED52aを全点灯させると共に液晶表示器51を点滅発光させるパターンである(図17参照)。また、低エラー発生時の発光パターンは、枠LED52aを全点灯させる一方、液晶表示器51を発光させないパターンである(図17参照)。
次に、エラー発生時の「音パターン」について説明する。本実施例では、高エラー発生時には、エラー音Aを出力する。また、低エラー発生時には、エラー音Bを出力する。また、エラー音Aはエラー音Bよりも、ホール(遊技場)の店員等が聞き取りやすい音である。本実施例では、エラー音Aは「ピコーン」であり(図17参照)、エラー音Bは「ピー」である(図18参照)。
次に、エラー発生時の「表示パターン」について説明する。本実施例では、高エラー発生時には、液晶表示器51にエラーの種類を特定できる情報(以下、「エラー情報」という。)を表示する。たとえば、高エラーであるRAM異常エラーが発生したときには、液晶表示器51に「RAM異常エラー」というエラー情報を表示する(図17参照)。また、低エラー発生時には、液晶表示器51にエラー情報は表示しない(図18参照)。なお、エラー情報は、非エラー状態や、低エラー発生状態のときには、表示されないものである。
また、本実施例のスロットマシン1では、それぞれのエラーに対応して、エラーを検出できるエラー検出センサが設けられている。たとえば、リール回転エラー、ホッパー払出エラー、満タンエラーを検出できるエラー検出センサとして、それぞれ、リールセンサ33、払出センサ34c、満タンセンサ35aが設けられているが、その他のエラーについても他のエラー検出センサ(特に図示せず)が設けられている。
[エラー報知の態様について]
次に、図17、図18を用いて、高エラー発生時と低エラー発生時とでのエラー報知態様の具体例を説明する。図17は、高エラー(図17の例では、設定値エラー)発生時のエラー報知態様の一例を示した図である。
図17に示すように、高エラー発生時には、枠LED52aおよび液晶表示器51を発光させると共に、当該液晶表示器51に、エラー情報を表示する。図17の例では、「設定値エラーになりました」というエラー情報800を表示する。また、図17の例では、液晶表示器51の表示面51aのうち、リール領域51bおよび非リール領域51cに、当該エラー情報800が表示される。このように、リール領域51bと非リール領域51cにエラー情報800を表示させることにより、当該エラー情報を大きく表示させることができる。また、図17の例では、エラー音として、エラー音A(ピコーン ピコーンという音)が出力される。
図18は、低エラー発生時のエラー報知態様の一例を示した図である。図18に示すように、低エラー発生時には、枠LED52aを発光させる一方、液晶表示器51は発光させない。また、低エラー発生時には、当該液晶表示器51に、エラー情報を表示しない。また、図18の例では、エラー音として、エラー音B(ピーという音)が出力される。
次に、図17に示すように、リール領域51bにエラー情報800を表示させる手法について説明する。前述のように、液晶表示器51を構成する各部材のうち、拡散シートと反射シートのリール領域51bに対応する箇所がくり抜かれている。したがって、非リール領域51cでは裏側が遮蔽部材(拡散シートと反射シートなど)により遮蔽されることで、裏側が透けて見えなくなる。一方、リール領域51bでは裏側が透けており、リールLED55を消灯していてもうっすらとリールが透けて見えてしまう。そのため、非エラー状態である演出時にリール領域51bに表示された演出画像の視認性が非リール領域51cに表示された演出画像の視認性よりも悪くなってしまう。換言すれば、遊技者は、非リール領域51cに表示された演出画像よりも、リール領域51bに表示された演出画像の方が暗く見えてしまう。
以下では、リール領域51bおよび非リール領域51cに表示されるエラー情報800に係る画像のうち、リール領域51bに表示される画像を「リール領域エラー情報画像」といい、非リール領域51cに表示される画像を「非リール領域エラー情報画像」という。本実施例では、「リール領域エラー情報画像」の強調度を、リール領域51bに対応する演出画像の強調度よりも高く設定して表示させる。ここで、画像の強調度とは、画像の強調度合いを示したものであり、たとえば、「画像の濃度」および「画像の明るさ」のうち少なくとも一方を含むものである。
また、適切に店員や遊技者がエラー情報を視認できる程度であれば、「非リール領域エラー情報画像」の強調度と「リール領域エラー情報画像」の強調度は異なっていてもよい。また、「非リール領域エラー情報画像」の強調度と「リール領域エラー情報画像」の強調度は同一であってもよい。
なお、エラー情報画像の強調度を高くすることにより、遊技者はリールを視認できなくなるが、エラー情報が表示されているということは、エラー状態であるということであり、エラー状態中に遊技者にリールを視認させる必要はないので、特段の不都合は生じない。
また、リール領域51bに対応する演出画像の強調度を「リール領域エラー情報画像」の強調度よりも低く設定して表示させるようにしてもよい。
このような構成によれば、リール領域エラー情報画像を、演出実行時(非エラー状態)に表示される演出画像よりも強調して表示させることができる。したがって、エラー情報800を遊技者や店員に異常が検出されたことを認識させやすくすることができる。
[エラーと演出の関係について]
エラーと特定演出の関係について説明する。図19(A)は、低エラーと特定演出の関係を示したものであり、図19(B)は、高エラーと特定演出の関係を示したものである。また、図19(A1)および図19(B1)に枠LED52aの発光態様を示し、図19(A2)および図19(B2)に液晶表示器51の発光態様を示し、図19(A3)および図19(B3)にスピーカ53、54からの演出音の出力態様を示し、図19(A4)および図19(B4)にスピーカ53、54からの報知音の出力態様を示す。
まず、図19(A1)について説明する。図19(A1)に示すように、サブ制御部91がエラーコマンドを受信するまでは、実行されている特定演出に応じた発光態様で枠LED52aを発光させる。また、サブ制御部91がエラーコマンドを受信したときには、枠LED52aをエラー報知に対応した発光態様(以下、「エラー報知発光態様」という。)で枠LED52aを発光させる。エラー報知発光態様とは、たとえば、枠LED52aを全点灯させることである。
また、図19(A2)に示すように、エラーコマンドを受信したか否かに関わらず、実行されている特定演出に応じた発光態様での液晶表示器51の発光、および実行されている特定演出に応じた画像表示を継続させる。また、図19(A3)に示すように、エラーコマンドを受信したか否かに関わらず、実行されている特定演出に応じた出力態様でのスピーカ53、54からの演出音出力を継続させる。
また、図19(A4)に示すように、エラーコマンドを受信するまでは、スピーカ53、54から、報知音を出力させない。また、サブ制御部91がエラーコマンドを受信したときには、スピーカ53、54から、報知音を出力させる。また、当該報知音は、図18に示すように「ピーピー」である。
このように、低エラーが発生したときには、実行されている特定演出に応じた発光態様からエラー報知発光態様に切り替えて枠LED52aを発光させると共に、スピーカ53、54から報知音を出力させる。一方、低エラーが発生しても、液晶表示器51の特定演出に応じた発光態様および画像表示を継続させると共に、スピーカ53、54からの特定演出に応じた演出音の出力も継続させる。
次に、図19(B)について説明する。図19(B1)に示すように、サブ制御部91がエラーコマンドを受信するまでは、実行されている特定演出に応じた発光態様で枠LED52aを発光させる。サブ制御部91がエラーコマンドを受信したときには、特定演出に応じた発光態様からエラー報知に応じた発光態様(エラー報知発光態様)に切り替えて、枠LED52aを発光させる。エラー報知発光態様とは、低エラー発生時と同様に、枠LED52aを全点灯させる態様である。
また、図19(B2)に示すように、サブ制御部91がエラーコマンドを受信するまでは、実行されている特定演出に応じた発光態様で液晶表示器51を発光させ、かつ実行されている特定演出に応じた画像を液晶表示器51に表示させる。サブ制御部91がエラーコマンドを受信したときには、特定演出に応じた発光態様および画像表示からエラー報知に応じた発光態様(エラー報知発光態様)に切り替えることで、液晶表示器51のリール領域51bおよび非リール領域51cを点滅させる。これと共に、液晶表示器51のリール領域51bおよび非リール領域51cにエラー情報を表示させる(図17参照)。
また、図19(B3)に示すように、サブ制御部91がエラーコマンドを受信するまでは、実行されている特定演出に応じた演出音を出力する。サブ制御部91がエラーコマンドを受信したときには、当該演出音の出力を停止させる。また、図19(B4)に示すように、エラーコマンドを受信するまでは、スピーカ53、54から、報知音を出力させない。また、サブ制御部91がエラーコマンドを受信したときには、スピーカ53、54から、報知音を出力させる。また、当該報知音は、図17に示すように「ピコーン、ピコーン」である。
このように、高エラーが発生したときには、実行されている特定演出に応じた発光態様からエラー報知発光態様に切り替えて枠LED52aを発光させると共に、スピーカ53、54から報知音を出力させる。さらに、高エラーが発生したときには、液晶表示器51の特定演出に応じた発光態様での発光を停止させて、液晶表示器51のリール領域51bおよび非リール領域51cを点滅させると共に、リール領域51bおよび非リール領域51cにエラー情報を表示させる(図17参照)。また、高エラーが発生したときには、特定演出に応じた演出音を停止させる。
このような構成によれば、高エラー発生時には、液晶表示器51と枠LED52aとを発光させると共に、液晶表示器51にエラー情報(図17の例ではエラー情報800)を表示する。一方、低エラー発生時には、枠LED52aを発光させる一方、液晶表示器51は発光させない。したがって、高エラー発生時には低エラー発生時と比較して、店員などに対して分かりやすい対応でエラーが発生したことを報知することができる。つまり、エラーの重要度に応じたエラー報知を実行することができる。
また、図19(A2)、(A3)に示すように、重要度の低いエラー(低エラー)が発生したときであっても、特定演出に応じて発光させていた液晶表示器51の発光制御を継続して行い、特定演出に応じて出力させていたスピーカ53、54の演出音の出力制御を継続して行う。したがって、重要度の低いエラーが生じたとしても、特定演出を停止させることはないので、遊技者に対して煩わしさを感じさせないようにすることができる。
また、図19(B3)に示すように、高エラー発生時には、特定演出に応じて出力していた演出音の出力を停止して、エラー報知音を出力させる。したがって、遊技者や店員に対して、エラー報知音を際立たせることができ、すぐに、高エラーが発生したことを認識させることができる。
また、図17に示すように、高エラー発生時には、液晶表示器51のリール領域51bと非リール領域51cを発光させ、かつ、リール領域51bと非リール領域51cにエラー情報を表示する。したがって、たとえば、リール領域51bのみを発光させエラー情報を表示したときや、非リール領域51cのみを発光させエラー情報を表示したときと比較して、大きい領域を発光させ、かつ大きくエラー情報を表示できることから、エラーを明確に報知できる。
また、高エラーが発生したときには、非エラー状態のときでは発光されない発光態様で、リール領域51bおよび非リール領域51cを発光させる。これと共に、非エラー状態のときでは表示されない表示態様で、リール領域51bおよび非リール領域51cにエラー情報を表示させる。また、液晶表示器51は、遊技者や店員が最も視認し易い領域に設置されており、さらに、リール領域51bにエラー情報を表示させることにより、遊技者のリール2への視認を阻害させることができる。したがって、遊技者や店員に対して、高エラーが発生したことをすぐに認識させ易くすることができる。
また、図19(A1)および図19(B1)で示したように、高エラー発生時と低エラー発生時とで、枠LED52aの発光態様は同一である(両者とも、枠LED52aを全点灯させる)。したがって、サブ制御部91に対して、枠LED52aの複雑な発光制御を行わせる必要はないようにすることができる。
[実施例2]
次に実施例2として、実施例1で説明した技術思想を適用したパチンコ遊技機を説明する。本実施例のパチンコ遊技機は、遊技球などの遊技媒体を発射装置によって遊技領域に発射するものであって、該遊技領域に設けられている入賞口などの始動領域に遊技媒体が入賞したときに複数種類の識別情報の可変表示を行う演出表示装置を備えている。演出表示装置には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの変動表示領域(図柄表示エリア)がある。演出表示装置は、特別図柄表示器による特別図柄の変動表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄であって、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄の変動(可変)表示を行う。たとえば、本実施例の演出表示装置は、電子的なリールを表示するものである。以下では、「演出表示装置」を単に「リール」という。また、必要に応じて、前述した図面などを用いて説明する。なお、本実施例のように、演出表示装置を電子的なリールを表示するものとしてもよいし、演出表示装置を「物理的なリール」としてもよい。「物理的なリール」とは、たとえば、図2、図3などで説明した「リール2」をいう。
また、本実施例のパチンコ遊技機は、演出表示装置(リール)の前面側(遊技者側)に、液晶表示器51に相当する液晶表示器を備える。液晶表示器は、遊技者に対向して表示面が配置されるように設けられている。さらに、図11に示すように、表示面は、「リール領域51b」と、リール領域51bとは異なる領域である「非リール領域51c」とを含む。遊技者は、完全透過状態である当該リール領域51bを介してリール(演出図柄)を目視することができる。
本実施例のパチンコ遊技機は、特定演出を実行可能である。本実施例の特定演出は、図11(A)〜(C)に示すように、リール領域演出、リール領域演出、一体化演出を含む。また、本実施例のパチンコ遊技機の非リール領域、図11(A)のリール領域51bに示されているリール図柄が、演出図柄に代替されたものである。
また、本実施例のパチンコ遊技機は、図17〜図19に示したように、エラーの重要度に応じて、エラーの報知態様を変更することができる。
(1) 本実施例のパチンコ遊技機において、リール領域演出で表示される演出画像702は、強調態様で表示される。したがって、リール領域演出を実行するときには、濃度および明るさの観点で演出画像700との遊技者の見え方の差が小さくなるように演出画像702を表示させることができるので、演出画像700と比較して違和感なく演出画像702を表示することができる。したがって、演出画像702に対して、遊技者に違和感を抱かせないようになり、遊技の興趣の低下を防止できる。
(2) また、本実施例では、演出画像700と演出画像702において、たとえば、明るさの観点で遊技者に違和感を感じさせないように、明るさが増加された演出画像702を表示できる。したがって、演出画像702に対して、遊技者に違和感を抱かせないようになり、遊技の興趣の低下を防止できる。
(3) また、演出画像700と演出画像702において、たとえば、濃度の観点で遊技者に違和感を感じさせないように、必要に応じて濃度が増加された演出画像702を表示できる。したがって、演出画像702に対して、遊技者に違和感を抱かせないようになり、遊技の興趣の低下を防止できる。
(4) また、演出画像700と演出画像702において、たとえば、濃度の観点で遊技者に違和感を感じさせないように、必要に応じて濃度が低下された演出画像702を表示できる。したがって、演出画像702に対して、遊技者に違和感を抱かせないようになり、遊技の興趣の低下を防止できる。
(5) また、図11(A)に示すように、非リール領域演出は、演出画像700を、リール領域51bには表示させず非リール領域51cに表示させる演出である。一方、リール領域演出は、演出画像702を、非リール領域51cには表示させずリール領域51bに表示させる演出である。また、リール領域演出は、遊技者が目視する割合の高いリール領域51bに演出画像702を表示する演出であることから、当該リール領域演出は、非リール領域演出よりも、大きいインパクトを遊技者に与えることができる。したがって、与えるインパクトを異ならせる様々なバリエーションの演出を実行することができ、遊技の興趣を向上させることができる。さらに、このような場合であっても、演出画像700と同一の明るさおよび濃度で演出画像702を表示することができる。したがって、演出画像702に対して、遊技者に違和感を抱かせないようになり、遊技の興趣の低下を防止できる。
また、たとえば、遊技者にとって有利となる有利状態(たとえば、大当り)に移行される確率に応じたインパクトを遊技者に与える特定演出を実行することができる。したがって、特定演出を目視することにより、遊技者は、有利状態になる確率を予想することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(6) また、本実施例では、非リール領域演出とリール領域演出において、同一の演出画像を表示することが可能である。このような場合であっても、濃度および明るさの観点で演出画像700との遊技者の見え方の差が小さくなるように、演出画像702を表示することができる。したがって、演出画像702に対して、遊技者に違和感を抱かせないようになり、遊技の興趣の低下を防止できる。
(7) また、図11(C)に示すように、本実施例のパチンコ遊技機は、一体化演出を実行することができる。一体化演出を実行することにより表示される演出画像704の大きさは、非リール領域演出およびリール領域演出よりも大きい。したがって、一体化演出は、非リール領域演出およびリール領域演出よりも、大きなインパクトを遊技者に対して与えることができる。
また、一体化演出が実行されるときには、濃度および明るさの観点で非リール領域画像704cとの遊技者の見え方の差が小さくなるように、リール領域画像704bを表示する。したがって、遊技者にとって違和感のない一体化演出を実行することができ、遊技者に視認し易い演出画像704を表示できることから、遊技の興趣を向上させることができる。
(8) また、一体化演出を実行するときには、非リール領域画像704cとの遊技者の見え方の差が小さくなるように、リール領域画像704bを表示する。よって、一体化演出を実行することにより表示される演出画像704に対して、濃度の観点で遊技者に違和感を抱かせないようになり、遊技の興趣の低下を防止できる。
(9) また、一体化演出を実行するときにおいて、リール領域画像704bと非リール領域画像704cにおいて、明るさの観点で遊技者に違和感を感じさせないように、明るさが増加されたリール領域画像704bを表示できる。したがって、一体化演出を実行することにより表示される演出画像704に対して、遊技者に違和感を抱かせないようになり、遊技の興趣の低下を防止できる。
(10) また、一体化演出を実行するときにおいて、リール領域画像704bと非リール領域画像704cにおいて、濃度の観点で遊技者に違和感を感じさせないように、濃度が増加されたリール領域画像704bを表示できる。したがって、一体化演出を実行することにより表示される演出画像704に対して、遊技者に違和感を抱かせないようになり、遊技の興趣の低下を防止できる。
(11) また、一体化演出を実行するときにおいて、リール領域画像704bと非リール領域画像704cにおいて、濃度の観点で遊技者に違和感を感じさせないように、濃度が低下されたリール領域画像704bを表示できる。したがって、一体化演出を実行することにより表示される演出画像704に対して、遊技者に違和感を抱かせないようになり、遊技の興趣の低下を防止できる。
(12) また、高エラー発生時には、液晶表示器51と所定の発光手段(たとえば枠ランプ)とを発光させると共に、液晶表示器51にエラー情報(図17の例ではエラー情報800)を表示する。一方、低エラー発生時には、当該所定の発光手段を発光させる一方、液晶表示器51は発光させない。したがって、高エラー発生時には低エラー発生時と比較して、店員などに対して分かりやすい対応でエラーが発生したことを報知することができる。つまり、エラーの重要度に応じたエラー報知を実行することができる。
[変形例について]
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。本発明は、上記の実施例に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な変形例などについて説明する。また、前述した本実施例で説明した技術事項、および、以下の変形例で説明する技術事項のうち少なくとも2つを組み合わせて実施するようにしてもよく、前述した本実施例で説明した技術事項を以下の変形例で説明する技術事項に置換して実施するようにしてもよく、当該置換したものに対して、以下の変形例で説明する技術事項をさらに組み合わせて実施するようにしてもよい。
[強調態様について]
(1) 本実施例の強調態様において、強調または調整されるパラメータは「濃度および明るさ」であるとして説明した。しかしながら、強調または調整されるパラメータは「明るさや濃度」に限られるものではなく、非リール領域に表示される画像(演出画像700や、非リール領域画像704c)と、リール領域51b(演出画像702や、リール領域画像704b)に表示される画像との遊技者の見え方の差が小さくなれば、如何なるパラメータを強調または調整するようにしてもよい。
一般的に、いわゆる色の三要素として「色相」、「明度」、「彩度」があるが、これらの三要素のうち、少なくとも1つから定まるパラメータであって、1以上のパラメータを強調または調整するようにしてもよい。または、強調または調整されるパラメータを、「色温度」「黒レベル」「白レベル」「色あい」「シャープネス」「色調」などとしてもよい。
(2) 本実施例では、リールLEDから照射される光量を増加させることにより、リール領域51bに表示される画像の「明るさ」を増加させるとして説明した。これに限られず、他の照射手段によりリール領域51bに表示される画像の「明るさ」を増加させるようにしてもよい。たとえば、液晶表示器51に備えられているバックライトなどでリール領域51bに表示される画像の「明るさ」を増加させるようにしてもよい。
(3) 本実施例では、リールLEDから照射される光量を増加させることにより、「明るさ」増加させ、RGBを調整することにより、「濃度」を調整するとして説明した。しかしながら、これに限られるものではない。たとえば、「明るさ」を増加させる手法として、RGB値を調整するようにしてもよい。つまり、RGB値を調整することにより、画像の濃度および画像の明るさを調整できる。このような構成にすることにより、リールLEDなどの照射手段の制御負担を軽減できる。また、リールLEDなどの照射手段でリール領域51bに照射される光量を調整することにより、画像の濃度を調整させるようにしてもよい。一般的に、光量を増加させると画像の濃度は低下し、光量を低下させると画像の濃度は増加する。
また、一般的に、画像の明るさが増加すると画像の濃度は低下し、画像の明るさが低下すると画像の濃度は増加する傾向にある場合がある。以下の説明では、このような傾向を踏まえて説明する場合もある。
その他の明るさを増加させる(濃度を低下させる)手法を説明する。表示されている画像の色が明るくなるように、所定時間(たとえば、0.5秒)ごとに表示している画像の色とは異なる画像の色を短時間(たとえば、2ms)表示する。たとえば、赤色の画像を表示する場合には、所定期間ごとに白色の画像を表示することにより、赤色を明るく表示することができる。また、このような手法を用いて明るさを低下させる(濃度を増加させる)手法を説明する。表示されている画像の色が暗くなるように、所定時間(たとえば、0.5秒)ごとに表示している画像の色とは異なる画像の色を短時間(たとえば、2ms)表示する。たとえば、赤色の画像を表示する場合には、所定期間ごとに黒色の画像を表示することにより、赤色を暗く表示することができる。
また、濃度を増加させる(明るさを低下させる)その他の手法として、リール領域51bに表示されている画像の色と同一または類似する色の図柄がリール領域51bに対向するように、リールを制御するようにしてもよい。たとえば、リール領域51bに表示されている画像の色が「赤色」である場合には、赤色に同一または類似である色を備える図柄(たとえば、「チェリー」をリール領域51bに対向するように、リールを制御する。このような構成であっても、リール領域51bに表示されている画像の濃度を増加させることができる。
(4) 本実施例の強調態様は「通常態様よりも、明るさを強調し、必要に応じて濃度を調整する態様」であるとして説明した。しかしながら、強調態様を強調する対象を「濃度」とし、必要に応じて調整する対象を「明るさ」としてもよい。このように明るさを低下させることにより、明るさの観点で遊技者に違和感を感じさせないように、明るさが低下された演出画像702を表示できる。また、強調態様は、明るさのみを強調し、濃度を調整しないようにしてもよい。また、強調態様は、濃度のみを強調し、明るさを調整しないようにしてもよい。
(5) 本実施例では、変換テーブルをもちいて変換される対象を「画像の濃度」であるとして説明したが、当該対象を「画像の明るさ」としてよく、また当該対象を「画像の濃度および明るさ」としてもよい。
(6) また、図15記載の変換テーブルを用いずに、予め定められた変換式により、各画素のRGBの濃度を通常値から調整値に変換するようにしてもよい。このような構成にすることにより、変換テーブルの記憶容量を削減することができる。また、変換式や変換テーブルを用いずに、各画素のRGBの濃度を通常値から調整値に変換できれば、如何なる変換制御を行ってもよい。
(7) また、本実施例では、リール領域演出または一体化演出を実行する際に、変換テーブルを用いて、リール領域51bに表示される画像の各画素のRGBの濃度を変換するとして説明した。しかしながら、リール領域51bに表示される画像に係る画像データが予め調整値に変換されている画像データを用いて、リール領域演出または一体化演出を実行するようにしてもよい。このような構成にすることにより、変換処理の処理負担を削減することができる。
(8) 本実施例では、リール領域51bに表示される画像の明るさを強調し、必要に応じて濃度を調整することで、リール2が目視できないようにするとして説明した。しかしながら、他の強調態様として、奥側に配置されているリールについて遊技者が気にならない態様で、演出画像702を表示するようにしてもよい。ここで、「遊技者が気にならない態様」とは、たとえば、「演出画像700よりも派手な態様」をいう。たとえば、演出画像700が、停止している所定のキャラクタである場合には、演出画像702は、動く所定のキャラクタとすればよい。このような構成によれば、さらに、リール領域演出が実行されるときにおいて、遊技者に対して、リールに気をとらせないようにすることができる。
(9) 本実施例の強調態様とは、リール領域51bに表示される画像の濃度や明るさを調整する、つまり、ソフトウェア制御により、これらを調整するとして説明した。しかしながら、このようなソフトウェア制御に限られず、ハードウェア制御により画像の濃度や明るさを調整するようにしてもよい。たとえば、拡散シートおよび反射シートの貫通穴を覆う覆い部材を備えるようにしてもよい。当該覆い部材が、備えられる箇所として、たとえば、リール2の前面側であって、液晶表示器51の背面側とすることが好ましい。さらに、当該覆い部材は、サブ制御部91により制御可能とされており、リール領域演出や一体化演出が実行されるときには、サブ制御部91の制御により当該覆い部材で反射シートの貫通穴を覆うようにしてもよい。このような構成により、光漏れ現象を低減することができ、画像の明るさを増加させることができる。
(10) また、本実施例のスロットマシンやパチンコ遊技機が設置されている場所(たとえば、遊技店)の明るさを検出するセンサを備えるようにしてもよい。当該センサの検出結果を用いて、リール領域51bに表示される画像を強調態様で表示するようにしてもよい。このような構成によれば、たとえば、遊技店などの明るさに応じて、リール領域演出や一体化演出を実行できることから、さらに、鮮明な演出画像702や演出画像704を表示することができる。
また、強調態様として、強調度合いが異なる複数種類の態様が予め設けられており、当該センサの検出結果に応じて採用する強調態様を選択するようにしてもよい。
(11) また、本実施形態の強調態様は、明るさが強調され、かつ必要に応じて濃度が調整される対象の画像データが「リール領域51bに表示される画像」であるとして説明したが、当該対象の画像データを「非リール領域51bに表示される画像」としてもよい。この場合には、リール領域51bに表示される画像は通常態様で表示され、当該「リール領域51bに表示される画像」と遊技者の見え方の差が小さくなるような特殊態様で、「非リール領域51bに表示される画像」が表示される。当該特殊態様とは、たとえば、「明るさを暗くして、さらに必要に応じて濃度を調整する」という態様である。このような構成であっても、「非リール領域51bに表示される画像」と、「リール領域51bに表示される画像」との見え方の差を小さくできるので、遊技の興趣の低下を防止できる。
さらに、「非リール領域51bに表示される画像」と、「リール領域51bに表示される画像」との見え方の差が小さくなるように、「非リール領域51bに表示される画像」を特殊態様で表示し、「リール領域51bに表示される画像」を強調態様で表示するようにしてもよい。このような構成であれば、「非リール領域51bに表示される画像」と、「リール領域51bに表示される画像」との見え方の差をさらに小さくできる。
[一体化演出について]
(1) 本実施例では、図11(C)に示すように、本実施例の一体化演出は非リール領域51cとリール領域51bとに跨って、演出画像704を表示する演出であるとして説明した。しかしながら、一体化演出は、非リール領域51cとリール領域51bとに同時に画像を表示するものであれば、非リール領域51cとリール領域51bとに跨って画像を表示させなくてもよい。たとえば、演出画像700と演出画像702とを同時に表示させる演出である。このような一体化演出であっても、演出画像702は強調態様で表示されることから、遊技者にとって違和感のない一体化演出を実行することができる。
(2) また、本実施例の一体化演出により表示される画像が以下の順番になる態様で実行するようにしてもよい。たとえば、非リール領域51cに表示されリール領域51bには表示されない→非リール領域51cおよびリール領域51bに表示される→リール領域51bに表示され非リール領域51cに表示されない。このような順番で画像を表示することにより、リール領域51bおよび非リール領域51cという大きな領域内で、画像を移動させて表示させることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。また、リール領域51bに表示される画像は強調態様で表示されるため、遊技者に対して違和感のない一体化演出を実行できる。
なお、このような一体化演出を実行するときでも、演出データは、1単位画像データずつ、通常態様または強調態様で設定されることから、遊技者に対して違和感のない一体化演出を実行できる。
(3) また、一体化演出として、非リール領域51cに背景画像を表示し、リール領域51bにキャラクタ画像を表示するような演出を実行するようにしてもよい。このような一体化演出の場合には、背景画像よりも、キャラクタ画像の方を強調して表示するようにしてもよい。このような構成によれば、キャラクタ画像の薄暗さを遊技者に意識させるだけではなく、背景画像よりも遊技者に視認させたいキャラクタ画像を強調することができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
また、このような一体化演出では、背景画像とキャラクタ画像との見え方の差が小さくなるように表示してもよい。また、一の一体化演出を構成する各パートにおいて、背景画像よりも、キャラクタ画像の方を強調して表示するパートと、背景画像とキャラクタ画像との見え方の差が小さくなるパートとに分けるようにしてもよい。
[リール領域演出と非リール領域演出について]
本実施例では、リール領域演出により表示される演出画像702と、非リール領域演出により表示される演出画像700とにおいて、両者の見え方の差が小さくなるように、両者の画像を表示するとして説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、たとえば、演出画像702は演出画像700よりも、強調表示するようにしてもよい。たとえば、演出画像702に係るキャラクタを主役のキャラクタとし、演出画像700に係るキャラクタを副役のキャラクタとした場合には、演出画像702に係るキャラクタを演出画像700に係るキャラクタよりも強調表示することで、当該演出画像702を目立たせることができ、遊技の興趣を向上できる。
[特定演出の実行期間について]
(1) 図16(B)に示したように、本実施例の特定演出は、払出処理が終了したタイミングT1から次のゲームのスタートスイッチ7操作タイミングT2までの期間であるとして説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、図16(C)や図16(D)のようなタイミングで、特定演出を実行するようにしてもよい。
図16(C)では、第3停止タイミングT3または、当該タイミングT3と同時、または当該T3の所定時間経過後に、特定演出を実行するようにしてもよい。このような構成によれば、表示される導出結果が、メダル払出がされる導出結果であるか、メダル払出がない導出結果であるかに関わらず、特定演出の開始タイミングを固定にすることができ、処理負担を軽減できる。
また、図16(D)に示すように、たとえば、入賞ラインがL1のみのスロットマシン1であれば、特定演出が実行される旨が決定されたタイミングT4(スタートスイッチ7が操作されたときタイミング)で特定演出を実行するようにしてもよい。このような、タイミングT4で特定演出を実行することにより、図16(B)や(C)と比較して、長い期間、特定演出を実行できることから、遊技の興趣を向上させることができる。この場合において、一体化演出やリール領域演出が実行されると、回転しているリールを遊技者が目視できなくなる。そこで、リール回転中やリール停止時において、入賞ラインL1に位置する図柄を目視できる領域は透過させ、その他のラインに位置する図柄を目視できる領域は透過させないようにして、特定演出を実行させることが好ましい。このような構成により、導出される表示結果の目視を阻害させることなく、特定演出への注目を集めることができる。
(2) また、特定演出は、フリーズとして実行するようにしてもよい。ここで、フリーズとは、非フリーズ状態とは異なる態様で、メイン制御部41によりリールが制御されることである。「非フリーズ状態とは異なる態様」とはたとえば、リールが回転しなかったり、非フリーズ状態とは異なる速度でリールが回転したり、非フリーズ状態とは逆回転にリール回転することである。また、フリーズ状態中は、ゲーム進行操作が有効化されず、非フリーズ状態に切り替わったときに、ゲーム進行操作が有効化される。つまり、フリーズは、ゲーム進行操作を有効化させるタイミングを所定期間、遅延させるものである。また、遅延されるゲーム進行操作は、複数の操作のうち少なくとも1つとしてもよい。本実施例では、ゲーム進行操作をストップスイッチ8L、8C、8Rすべての操作とする。なお、ゲーム進行操作は他の操作部(たとえば、スタートスイッチ7やMAXBETスイッチ6)としてもよい。また、当該フリーズは、所定条件が成立することにより、実行されるようにしてもよい。
[その他の画像について]
本実施例では、強調態様で表示される画像を「演出が実行されることにより表示される画像」として説明したが、リール領域51bに表示される画像であれば、「演出が実行されることにより表示される画像」でなくてもよい。たとえば、強調態様で表示される画像を、履歴画面としてもよい。履歴画面とは、たとえば、遊技者が遊技した履歴(たとえば、出玉数やボーナス当選回数など)が表示される画面である。当該履歴画面が、非リール領域51cおよびリール領域51bに跨って表示されるときには、リール領域51bに表示される画像を強調態様で表示することにより、違和感なく当該履歴画面を表示することができる。また、強調態様で表示される画像を、デモ画面としてもよい。デモ画面とは、デモ期間中(遊技が行われてない期間)に表示される画像である。当該デモ画面が、たとえば、非リール領域51cおよびリール領域51bに跨って表示されるときには、リール領域51bに表示される画像を強調態様で表示することにより、違和感なく当該デモ画面を表示することができる。
[エラー報知態様について]
(1) 本実施例の高エラーの報知態様は、図16に示すように、リール領域51bと、非リール領域51cとを発光させて、かつ、エラー情報を表示させるとして説明した。高エラーの報知態様の変形例として、図20に示すように、非リール領域51cにはエラー情報900を表示せずに、リール領域51b内においてのみエラー情報900を表示するようにしてもよい。このような構成であっても、リール領域51bが阻害されることにより、遊技者や店員は、重要度の高いエラーに気付き易くなる。また、図20に示すように、リール2L、2C、2Rの全てと重畳するようにエラー情報を表示させているが、透視窓3から視認可能となるリール2L、2C、2Rのうち少なくとも1つと重畳するようにエラー情報を表示させるようにしてもよい。
また、エラー情報は、エラーの種類を特定する情報ではなく、単に「エラーが生じた」ことを特定できる情報であってもよい。図20に示すエラー情報は、エラーの種類を特定する情報ではなく、単に「エラーが生じた」ことを特定できる情報である。
(2) 本実施例の低エラーの報知態様は、図17に示すように、表示面51a(リール領域51bおよび非リール領域51c)にエラー情報を表示させないとして説明した。しかしながら、低エラーの報知態様の変形例として、図21に示すように、リール領域51b内では表示せずに、非リール領域51c内においてのみエラー情報900を表示させてもよい。このような構成によれば、エラー情報900が表示されたとしても、遊技者のリール3の視認を阻害させることなく、かつ、適切に低エラーを報知することができる。
(3) 本実施例においては、図19(A1)(B1)に示したように、低エラー発生時および高エラー発生時には、演出実行時に用いられる枠LED52aを同一の発光態様で発光させるとして説明した。しかしながら、低エラー発生時と高エラー発生時とで枠LED52aの発光態様を異ならせるようにしてもよい。ここで、発光態様とは、発光パターンや、発光される際に放出される光量などである。
また、演出実行時に用いられる演出手段であれば、枠LED52aに限られず、他の手段を用いるようにしてもよい。また、演出実行時に用いない手段を用いて、低エラーまたは高エラーを報知するようにしてもよい。また、エラーの重要度に応じて、用いる手段を異ならせるようにしてもよい。
(4) 本実施例においては、図19(A4)(B4)に示すように、低エラー発生時と、高エラー発生時とでエラー報知音の出力パターンを変える(高エラー発生時では、「ピコーン」であり、低エラー発生時では「ピー」である)として説明した。しかしながら、出力パターンではなく、他の出力態様を変えるようにしてもよい。出力態様とは、たとえば、音量である。
(5) 本実施例では、図19(B3)(B4)に示すように、高エラー発生時には、演出に応じた演出音を停止させるとして説明した。しかしながら、たとえば、以下のような制御を行ってもよい。高エラーを示すエラーコマンドを受信したときには、スピーカ53、54からエラー報知音を出力させるとともに、演出音の出力を停止させるのではなく演出音の音量をゼロにするように制御する。なお、演出音の音量をゼロにしているが、演出音の出力は継続して行われている。そのため、エラー報知音を出力している間、演出音の出力が停止している訳でなく、エラー報知が終了するとエラー報知音を出力していた期間経過後に演出音の出力が再開される。これにより、エラー報知が終了した後に、演出音が最初の音から出力が再開されるなどの不自然な出力がなくなり自然な演出音の出力が可能となる。特に、複数のスロットマシンがリアルタイムクロックなどで同じタイミングで同じ演出音を出力する場合に、当該演出音を出力している遊技機のうちの1台がエラー報知を行ったとしても、当該演出音のタイミングが遊技機間でズレが生じることはない。
(6) 本実施例では、図19(A3)(A4)に示すように、低エラー発生時には、エラー報知音と共に演出に応じた演出音の出力を継続させるとして説明した。しかしながら、スピーカ27から出力される演出音の音量を異常報知音の音量よりも小さくしてもよい(たとえば、演出音の音量を異常報知音の音量の50%とする)。これにより、演出音を楽しみつつ、遊技者に対して異常報知音を気付かせることができる。なお、演出制御用マイクロコンピュータ81は、スピーカ27から出力される演出音の音量を異常報知音の音量よりも小さくするために、異常報知音の音量を大きくせずに演出音の音量を小さくしても、演出音の音量を小さくせずに異常報知音の音量を大きくしてもよい。
[エラーについて]
(1) 本実施例では、エラーの重要度は、「高」および「低」の2段階あるとして説明したが、3段階以上あるものとしてもよい。たとえば、「高」、「中」、「低」というようにしてもよい。エラーの重要度を3段階にした場合において、高エラー報知態様、中エラー報知態様、低エラー報知態様について説明する。たとえば、高エラー報知態様を図17に示すものとし、中エラー報知態様を図21に示すものとし、低エラー報知態様を図18に示すものとしてもよい。何故なら、図17、図21、図18の順番で、店員や遊技者にエラーを認識させ易い態様となっているからである。また、エラーの重要度を4段階に分けて、エラーの重要度に応じて、図17、図18、図20、図21に示したエラー報知態様を用いて、エラー報知するようにしてもよい。また、エラーの重要度を5段階以上に分けて、図17、図18、図20、図21に示したエラー報知態様のほか、音出力処理、発光処理などを組み合わせて、エラーの重要度に応じてエラー報知するようにしてもよい。
(2) 本実施例では、エラーの種類は、RAM異常エラー、設定値エラー、リール回転エラー、投入エラー、ホッパー払出エラー、払出メダル詰りエラー、投入メダル詰りエラー、投入メダル切れエラー、満タンエラー、ドア開放エラーを含むとして説明した。しかしながら、これらのエラー以外のエラーを報知対象としてもよい。
(3)本実施例では、RAM異常エラーについては、設定変更状態において新たな設定値が設定されたときに解除され、RAM異常エラー以外のエラーは、リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38が操作されることにより解除される、として説明した。しかしながら、RAM異常エラー以外のエラーのうち少なくとも1つは、設定変更状態において新たな設定値が設定されたときに解除されるようにしてもよい。たとえば、設定値エラーを、設定変更状態において新たな設定値が設定されたときに解除されるエラーとしてもよい。
[液晶表示器51について]
本実施例では、液晶表示器51を用いるとして説明した。しかしながら、リール領域51b、非リール領域51cを有する画像表示装置であれば、液晶表示器51に限られない。たとえば、当該画像表示装置として導光板を用いるようにしてもよい。
導光板の構造の一例を簡単に説明する。導光板は、光を透過可能な透光性を有する第1導光板及び第2導光板を有している。第1導光板及び第2導光板は、前後に重畳して配置されており、第1導光板及び第2導光板を介してリールの図柄を前面側から視認することができる。また、導光板は、各導光板の端面に光を入射可能に設けられる発光体としての表示用LEDと、各導光板の背面に所定の画像(静止画像)を表す態様にて設けられている。また、各導光板の端面から内部に入射された表示用からの入射光を誘導して前面から出射させることで画像を表示する反射部と、各導光板と表示用との間に配置され、該表示用LEDからの入射光を各導光板側に誘導しながら板厚方向に集光して各導光板の端面に向けて出射する前レンズ及び後レンズと、非透光性を有する合成樹脂材により四角枠状に形成されたフレーム枠体とから主に構成されている。
[その他の変形例]
前述した実施例では、3つのリール2L、2C、2Rを有する可変表示装置を備え、全てのリールが停止した時点で1ゲームが終了し、3つのリールに導出された表示結果の組合せに応じて入賞が発生するスロットマシンについて説明した。すなわち、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示領域のそれぞれに表示結果を導出させることが可能な可変表示装置を備え、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、前記複数の可変表示領域のすべてに前記表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、1ゲームの結果として前記複数の可変表示領域のそれぞれに導出された前記表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンについて説明した。しかし、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであれば、3つのリールを有する可変表示装置を備えるものに限らず、3以外の複数のリールを有する可変表示装置を備えるスロットマシンであってもよい。
また、本実施例のスロットマシンは、入賞ラインがL1〜L5の5本であるとして説明したが、入賞ラインの数が5本に限らず、たとえば、1本としてもよい。
また、上記の実施例では、賭数の設定や入賞に伴う遊技用価値の付与に用いる遊技媒体としてメダルを適用したスロットマシンを例として説明した。しかしながら、本発明を具現化するスロットマシンは、パチンコ遊技機で用いられている遊技球を遊技媒体として適用したスロットマシンであってもよい。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記の実施例で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
また、上記の実施例では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、クレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。
さらに、流路切替ソレノイド30や投入メダルセンサ31など、メダルの投入機構に加えて、遊技球の取込を行う球取込装置、球取込装置により取り込まれた遊技球を検出する取込球検出スイッチを設けるとともに、ホッパーモータ34bや払出センサ34cなど、メダルの払出機構に加えて、遊技球の払出を行う球払出装置、球払出装置により払い出された遊技球を検出する払出球検出スイッチを設け、メダル及び遊技球の双方を用いて賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダル及び遊技球が払い出されるスロットマシンに適用してもよい。
本実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すスロットマシンを説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式のスロットマシンを採用してもよい。基盤とドラムとが流通可能で、筺体が共通なもので基盤のみあるいは基盤とドラムとを遊技機と称する。
また、遊技機の一例としてスロットマシンを例に挙げて説明したが、本実施の形態はパチンコ遊技機に適用することも可能である。この場合、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すパチンコ遊技機を採用してもよく、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式のパチンコ遊技機を採用してもよい。封入式のパチンコ遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉をパチンコ遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算される。また、パチンコ遊技機は、発射装置および玉払出装置を備えた遊技枠に遊技球が打ち込まれる遊技領域を形成する遊技盤を取り付けた構成であるが、これに限らず、発射装置は玉払出装置などの基本的な機能を共通化し、遊技の特長的構成である遊技盤のみを流通させるようにしてもよい。この場合、遊技の特長的構成であるところの遊技盤を遊技機と称する。
なお、今回開示された実施例は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。