JP2015097961A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】特典の付与を不正に受けようとする行為を抑制できる遊技機を提供することを目的とするものである。
【解決手段】パチンコ機は、主制御装置162と払出制御装置242と音声ランプ制御装置143とを備えている。主制御装置162は、入賞口センサ152a〜152cから信号を入力し、一般入賞口への入賞を把握できるようになっている。一般入賞口への入賞が発生した場合に払出制御装置242に賞球コマンドを出力され、遊技球の払出が実行される。また、一般入賞口への入賞が発生した場合、主制御装置162から音声ランプ制御装置143に第2賞球コマンドが出力される。音声ランプ制御装置143では、受信した第2賞球コマンドから一般入賞口への入賞が発生した回数を記憶する。そして、一般入賞口への入賞が発生した回数の値と、予め設定された規定値とを比較する。
【選択図】 図11

Description

本発明は、遊技機に関するものである。
遊技機の一種として、例えばパチンコ機が知られている。この遊技機は、制御装置を備えている。制御装置は、遊技機を構成する機器にハーネス等の電気配線を介して電気的に接続されており、制御装置が当該機器を制御することにより遊技が進行することとなる。
上記遊技機においては、制御装置内のROM(CPUやROMが1チップ化されている場合は当該チップ)を不正に交換して遊技内容を変更し、不正に遊技媒体を得る等、制御装置に対する不正行為が数多く報告されており、従来より各種の不正対策が検討されている。例えば、制御装置の基板ボックスを透明ケース体にて構成して制御基板を外部から容易に視認できるようにする又は基板ボックスに封印構造(いわゆる、カシメ構造)を設けて基板ボックスを開封すると開封履歴が残るようにする等の不正対策が採用されている(例えば、特許文献1参照)。これら不正対策が採用された構成においては、遊技ホールの管理者等が制御装置を目視により確認することで、不正の発見が行われる。
特開2003−180917号公報
しかしながら、上記のような不正対策が採用されていたとしても、以下のような不正行為が行われた場合にはその発見は容易ではない。例えば、入球した場合に特典が付与される入賞口に遊技球が入球するように、磁石等を用いて不正に遊技球を誘導するものや、入賞口に遊技球が入球する割合を調節する遊技釘を不正に折り曲げるもの等が考えられる。これらの不正行為が行われた場合、遊技球が過度に入球することにより、過度に特典が遊技者に付与され、遊技機を設置している遊技ホール等にて不利益が発生することが考えられる。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、特典の付与を不正に受けようとする行為を抑制できる遊技機を提供することを目的とするものである。
本発明は、
遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、
遊技球が流下する遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な第1入球口と、
遊技球が流下する遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な第2入球口と、
前記第1入球口に遊技球が入球したことを検出する第1入球検出手段と、
前記第2入球口に遊技球が入球したことを検出する第2入球検出手段と、
前記第1入球検出手段により入球が検出された場合に第1数の遊技球を払い出し、前記第2入球検出手段により入球が検出された場合に第1数より多い第2数の遊技球を払い出す払出手段と、
前記第1入球口に入球があったことに基づいて遊技者に特典を付与するか否かの抽選を実行する抽選手段と、
前記抽選手段によって当選となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
前記第2入球検出手段の検出回数と前記発射手段による遊技球の発射個数との関連付けがなされている情報を入球情報として把握する把握手段と、
前記入球情報を監視する監視手段と、
前記監視手段による監視結果に異常が生じていない場合に、前記入球情報が所定条件を満たすたびに該入球情報をクリアする第1クリア手段と、
前記監視手段による監視結果に異常が生じた場合に前記入球情報をクリアする第2クリア手段と、
前記第2クリア手段により前記入球情報をクリアする場合に、所定の終了処理が行われるまで継続して特別処理を実行する特別処理実行手段と、
前記特別処理実行手段により前記特別処理が実行されている状態で、前記第1クリア手段による前記入球情報のクリア回数が、前記第2クリア手段による前記入球情報のクリアが行われることなく第1回数に達した場合に、前記終了処理を実行することで前記特別処理を終了させる終了手段と、
を備え、
前記終了手段は、前記特別処理実行手段により前記特別処理が実行されている状態で、前記第2クリア手段による前記入球情報のクリア回数が第2回数に達した場合には、前記終了処理を行わずに前記特別処理を継続させるものであることを特徴とする。
本発明によれば、特典の付与を不正に受けようとする行為を抑制できる。
パチンコ機を示す正面図である。 パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。 パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。 パチンコ機の構成を示す背面図である。 前扉枠の構成を示す背面図である。 本体枠の構成を示す正面図である。 遊技盤の構成を示す正面図である。 遊技盤の背面構成を示す斜視図である。 裏パックユニットの構成を示す正面図である。 払出装置内部に形成された通路構造を示す縦断面図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 図柄表示装置の表示内容を示す説明図である。 遊技制御に用いる各種カウンタの概要を示す説明図である。 第1入力ポートの構成を説明するための説明図である。 (a)は賞球用カウンタエリアを説明するための説明図、(b)はコマンド記憶エリアを説明するための説明図である。 タイマ割込み処理を示すフローチャートである。 始動入賞処理を示すフローチャートである。 メイン処理を示すフローチャートである。 通常処理を示すフローチャートである。 情報判定処理を示すフローチャートである。 入力状態監視処理を示すフローチャートである。 賞球信号監視処理を示すフローチャートである。 払出用出力処理を示すフローチャートである。 賞球コマンド出力処理を示すフローチャートである。 払出制御基板のCPUによるメイン処理を示すフローチャートである。 入力時割込み処理を示すフローチャートである。 タイマ割込み処理を示すフローチャートである。 賞球設定処理を示すフローチャートである。 払出個数設定処理を示すフローチャートである。 払出制御処理を示すフローチャートである。 払出状態設定処理を示すフローチャートである。 賞球許可信号設定処理を示すフローチャートである。 音声ランプ制御基板による音声ランプ制御処理を示すフローチャートである。 コマンド受信処理を示すフローチャートである。 払出回数監視処理を示すフローチャートである。 異常報知処理が実行される場合の態様を示す説明図である。
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図、図4はパチンコ機10の背面図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機主部12とを有する。外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
外枠11の側方には図1に示すように、球貸装置Y(例えばCRユニット)が設けられている。球貸装置Yの前面側にはカード挿入口Hが設けられ、そのカード挿入口Hへのカードの挿入によりカードに記憶された金額に相当する数の遊技球の貸し出しを受けることができるようになっている。
遊技機主部12は、本体枠13と、その本体枠13の前方に配置される前扉枠14と、本体枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機主部12のうち本体枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として本体枠13が前方へ回動可能とされている。
本体枠13には、図2に示すように、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、本体枠13には、図3に示すように、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
次に、前扉枠14について説明する。なお、以下の説明では、図1〜図3を参照するとともに、前扉枠14の背面の構成については図5を参照する。図5は、前扉枠14の背面図である。
前扉枠14は本体枠13の前面側全体を覆うようにして設けられている。前扉枠14には後述する遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部21が形成されている。窓部21は、略楕円形状をなし、透明性を有するガラス22が嵌め込まれている。窓部21の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部23が設けられている。環状電飾部23では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部23の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部24が設けられ、さらにその左右側方には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部25が設けられている。また、左右の賞球ランプ部25に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部26が設けられている。
前扉枠14における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
上記のように本パチンコ機10では、前扉枠14に対して窓部21、上皿33、及び下皿34が一体化されている。従来のパチンコ機においては、少なくとも窓部と下皿とがそれぞれ別ユニットとして設けられており、窓部が下皿に対して独立して回動可能となっていたため、パチンコ機の前面部には上記各ユニット間に境界が生じていた。この場合、当該境界から不正用治具などを挿入して行う不正行為が想定される。また、かかる不正行為を抑制すべく各ユニット間の境界に対して不正抑制構造を設けることもできるが、そうすると構成の複雑化を招いてしまう。さらに、パチンコ機の前面部において境界が生じるのは、デザイン上好ましくない。これに対して、上記のとおり前扉枠14に対して窓部21、上皿33及び下皿34が一体化されているので、窓部21と下皿34との間に境界が生じることはなく、上記不都合が抑制される。
上側膨出部31には、図1に示すように、球貸操作装置36が配設されている。球貸操作装置36には球貸しボタン37と、返却ボタン38と、度数表示部39とが設けられている。球貸装置Yにカード等を挿入した状態で、球貸操作装置36によって球貸し操作、カード返却操作及びカード度数の確認を行うことができる。すなわち、球貸しボタン37は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が払い出される。返却ボタン38は、球貸装置Yに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部39はカード等の残額情報を表示するものである。
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。
前扉枠14の背面には、図2及び図5に示すように、通路形成ユニット50が取り付けられている。通路形成ユニット50は、合成樹脂により成形されており、上皿33に通じる前扉側上皿通路51と、下皿34に通じる前扉側下皿通路52とが形成されている。通路形成ユニット50において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部53が形成されており、当該受口部53を仕切壁54によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路51と前扉側下皿通路52の入口部分とが形成されている。前扉側上皿通路51及び前扉側下皿通路52は上流側が後述する遊技球分配部に通じており、前扉側上皿通路51に入った遊技球は上皿33に導かれ、前扉側下皿通路52に入った遊技球は下皿34に導かれる。
通路形成ユニット50には、図5に示すように、前扉側下皿通路52を通る遊技球を検知するように満タン検知センサ59が設けられている。満タン検知センサ59は、磁気検知タイプの近接センサにて構成されており、検知範囲内を遊技球が通過する際の磁界の変化が検知されて電気信号として出力される。なお、満タン検知センサ59は磁気検知タイプの近接センサに限定されることはなく、遊技球を検知することができるのであれば任意であり、例えば、フォトセンサやリミットセンサなどを用いてもよい。
満タン検知センサ59は後述する払出制御装置242に対して電気信号を出力する。具体的には、遊技球を検知していない状態ではLOWレベル信号を出力し、遊技球を検知している状態ではHIレベル信号を出力する。なお、これに限定されることはなく、遊技球を検知していない状態ではHIレベル信号を出力し、遊技球を検知している状態ではLOWレベル信号を出力する構成としてもよく、また遊技球を検知している状態においてのみ電気信号を出力する構成としてもよい。
払出制御装置242では、満タン検知センサ59の検知結果に基づいて下皿34が満タン状態であるか否かを特定する。具体的には、満タン検知センサ59における遊技球の検知状態が予め定められた期間が経過するまで継続された場合には、下皿34が満タン状態であると特定する。払出制御装置242において下皿34が満タン状態であると特定された場合、払出装置224による遊技球の払出が停止される。これにより、下皿34が満タン状態となり、前扉側下皿通路52において満タン検知センサ59の位置まで遊技球が連なった場合には、それ以上の遊技球の払出が停止される。かかる払出の停止は、下皿34の満タン状態が解除され満タン検知センサ59にて遊技球が検知されなくなることに基づいて解除される。また、払出制御装置242において下皿34が満タン状態であると特定された場合、それに対応した報知処理が実行される。
前扉枠14の背面における回動基端側(図5の右側)には、その上端部及び下端部に突起軸61,62が設けられている。これら突起軸61,62は本体枠13に対する組付機構を構成する。また、前扉枠14の背面における回動先端側(図5の左側)には、図2に示すように、後方に延びる鉤金具63が上下方向に複数並設されている。これら鉤金具63は本体枠13に対する施錠機構を構成する。
次に、本体枠13について詳細に説明する。図6は本体枠13の正面図である。
本体枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース71を主体に構成されている。樹脂ベース71の前面における回動基端側(図6の左側)には、その上端部及び下端部に支持金具72,73が取り付けられている。図示は省略するが、支持金具72,73には軸孔が形成されており、それら軸孔に前扉枠14の突起軸61,62が挿入されることにより、本体枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。
樹脂ベース71の前面における回動先端側(図6の右側)には、前扉枠14の背面に設けられた鉤金具63を挿入するための挿入孔74がそれぞれ設けられている。本パチンコ機10では、本体枠13や前扉枠14を施錠状態とするための施錠装置が本体枠13の背面側に隠れて配置される構成となっている。したがって、鉤金具63が挿入孔74を介して施錠装置に係止されることによって、前扉枠14が本体枠13に対して開放不能に施錠される。
樹脂ベース71の右下隅部には、施錠装置の解錠操作を行うためのシリンダ錠75が設置されている。シリンダ錠75は施錠装置に一体化されており、シリンダ錠75の鍵穴に差し込んだキーを右に回すと本体枠13に対する前扉枠14の施錠が解かれるようになっている。なお、シリンダ錠75の鍵穴に差し込んだキーを左に回すと外枠11に対する本体枠13の施錠が解かれるようになっている。
樹脂ベース71の上部には、図2及び図6に示すように、前扉枠14が開放されているか否か(又は閉鎖されているか否か)を検知する前扉枠開放スイッチ(前面体開放検知手段)78が設けられている。前扉枠開放スイッチ78は、樹脂ベース71の前面から出没可能なピンを有しており、本体枠13に対して前扉枠14を閉じた状態ではピンが押し込まれて前扉枠14の閉鎖が検知され、本体枠13に対して前扉枠14を開いた状態ではピンが突出位置に戻って前扉枠14の開放が検知されるようになっている。
ちなみに、前扉枠開放スイッチ78は、前扉枠14が開放状態の場合に後述する主制御装置162に対して前扉枠開放信号を出力し、前扉枠14が閉鎖状態の場合には当該前扉枠開放信号の出力を停止する。但し、信号の出力態様はこれに限定されることはなく、前扉枠14が開放状態の場合にHIレベル信号又はLOWレベル信号の一方を出力し、閉鎖状態の場合に他方を出力する構成としてもよい。
樹脂ベース71の中央部には略楕円形状の窓孔76が形成されている。樹脂ベース71には遊技盤81が着脱可能に取り付けられている。遊技盤81は合板よりなり、遊技盤81の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース71の窓孔76を通じて本体枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤81の構成を図7に基づいて説明する。遊技盤81には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には第1一般入賞口82a,第2一般入賞口82b,第3一般入賞口82c,可変入賞装置83,上作動口84a,下作動口84b,スルーゲート85及び可変表示ユニット86等がそれぞれ設けられている。
上作動口84a及び下作動口84bは、遊技盤81における幅方向の略中央に設けられている。上作動口84aと下作動口84bとのそれぞれは、可変表示ユニット36の下方に位置するように設けられている。そして、下作動口84bよりも上作動口84aが上方に位置するように上下に並んで設けられている。上作動口84aよりも遊技機主部12(本体枠13、前扉枠14)における開放先端側には、第1一般入賞口82aが設けられている。上作動口84aよりも遊技機主部12における開放基端側には、第2一般入賞口82bが設けられている。詳細には、第1一般入賞口82aと第2一般入賞口82bとは、遊技盤81において上作動口84aを挟んで左右対称となるように設けられている。第2一般入賞口82bよりも上記開放基端寄りには、第3一般入賞口82cが設けられている。さらには、各一般入賞口82a〜82cは、遊技盤81における上下方向にみて上作動口84aよりも下側の領域に設けられている(すなわち、遊技盤81における上皿33及び下皿34寄りの領域に設けられている)。
一般入賞口82a〜82c、可変入賞装置83及び作動口84a,84bに遊技球が入ると、それが後述する検知センサにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払出が実行される。その他に、遊技盤81の最下部にはアウト口87が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口87を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤81には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘88が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。以下の説明では、アウト口87への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口82a〜82c、可変入賞装置83、上作動口84a、スルーゲート85への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
可変表示ユニット86には、作動口84a,84bへの入賞をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示装置91が設けられている。また、可変表示ユニット86には、図柄表示装置91を囲むようにしてセンターフレーム92が配設されている。センターフレーム92の上部には、第1特定ランプ部93及び第2特定ランプ部94が設けられている。また、センターフレーム92の上部及び下部にはそれぞれ保留ランプ部95,96が設けられている。下側の保留ランプ部95は、図柄表示装置91及び第1特定ランプ部93に対応しており、遊技球が作動口84を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部95の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上側の保留ランプ部96は、第2特定ランプ部94に対応しており、遊技球がスルーゲート85を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部96の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
図柄表示装置91は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置91には、例えば左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示された場合には、特別遊技状態(以下、大当たりという)が発生することとなる。
第1特定ランプ部93では、作動口84a,84bへの入賞をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には大当たりが発生する。
作動口84a,84bは、一般入賞口82a〜82cよりも可変表示ユニット86に近接して設けられている。作動口84a,84bへの入賞をトリガとして、大当たりが発生し得るため、遊技者は作動口84a,84bに入賞するか否かに注目するとともに、大当たりが発生するか否かを把握するため図柄表示装置91や第1特定ランプ部93に注目するものと考えられる。作動口84a,84bを可変表示ユニット86に近接して設けたことは、遊技者が注目したい箇所を可変表示ユニット86周辺に集中させるための工夫である。
また、第2特定ランプ部94では、遊技球のスルーゲート85の通過をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には下作動口84bに付随する電動役物89が所定時間だけ開放状態となる。
ちなみに、下作動口(抽選契機入球部)84bは、開閉式の入球補助装置(入球補助手段)又は開閉部材(開閉手段)としての電動役物89が開放状態(補助状態)の場合に入球が可能となる若しくは入球し易くなり、閉鎖状態(非補助状態)の場合に入球が不可となる若しくは入球しがたくなる。
可変入賞装置(特別入球装置又は特別入球手段)83は、開閉部材(開閉手段)としての開閉扉が通常は遊技球が入賞(入球)できない又は入賞(入球)しがたい閉鎖状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞(入球)しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。可変入賞装置83の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置83が繰り返し開放されるものが一般的である。
遊技盤81には、内レール部101と外レール部102とが取り付けられており、これら内レール部101と外レール部102とにより誘導レールが構成され、後述する遊技球発射機構から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。
遊技球発射機構110は、図6に示すように、樹脂ベース71における窓孔76の下方に取り付けられている。遊技球発射機構110は、電磁式のソレノイド111と、発射レール112と、球送り機構113とからなり、ソレノイド111への電気的な信号の入力により当該ソレノイド111の出力軸が伸縮方向に移動し、球送り機構113によって発射レール112上に置かれた遊技球を遊技領域に向けて打ち出す。
発射レール112と遊技盤81に取り付けられた内,外レール部101,102との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方には前扉枠14の通路形成ユニット50に形成された図5等に示すファール球通路55が配設されている。したがって、仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域の上部に到達せずに、内,外レール部101,102によって構成される誘導レールを逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路55内に入る。ファール球通路55は前扉側下皿通路52に通じており、ファール球通路55に入った遊技球は下皿34に排出される。
樹脂ベース71において発射レール112の左方には、樹脂ベース71を前後方向に貫通させて通路形成部121が設けられている。通路形成部121には本体側上皿通路と本体側下皿通路とが形成されている。各通路の上流側は、遊技球分配部に通じている。また、通路形成部121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニット50の受口部53が入り込んでおり、本体側上皿通路の下方には前扉側上皿通路51が配置され、本体側下皿通路の下方には前扉側上皿通路51が配置されている。
樹脂ベース71において通路形成部121の下方には、本体側上皿通路及び本体側下皿通路を開閉する開閉部材124が取り付けられている。開閉部材124はその下端に設けられた支軸125により前後方向に回動可能に支持されており、さらに本体側上皿通路及び本体側下皿通路を閉鎖する前方位置に付勢する図示しない付勢部材が設けられている。したがって、前扉枠14を本体枠13に対して開いた状態では開閉部材124が起き上がり、本体側上皿通路及び本体側下皿通路を閉鎖する。これにより、本体側上皿通路又は本体側下皿通路に遊技球が貯留されている状態で前扉枠14を開放した場合、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できる。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニット50に設けられた受口部53により付勢力に抗して開閉部材124が押し開けられる。この状態では、本体側上皿通路と前扉側上皿通路51とが連通し、さらに本体側下皿通路と前扉側下皿通路52とが連通している。
樹脂ベース71の背面には、係止金具が複数設けられており、これら係止金具によって上述したように樹脂ベース71に対して遊技盤81が取り付けられている。ここで、遊技盤81の背面の構成を説明する。図8は遊技盤81から主制御装置ユニット160を取り外した状態を示す背面図である。
遊技盤81の中央に配置される可変表示ユニット86には、センターフレーム92を背後から覆う合成樹脂製のフレームカバー141が後方に突出させて設けられており、フレームカバー141に対して後側から上述した図柄表示装置91が取り付けられるとともに、その図柄表示装置を駆動するための表示制御装置が取り付けられている(図示は省略)。これら図柄表示装置91及び表示制御装置は前後方向に重ねて配置され(図柄表示装置が前、表示制御装置が後)、さらにその後方に音声ランプ制御装置ユニット142が搭載されている。音声ランプ制御装置ユニット142は、音声ランプ制御装置143と、取付台144とを具備する構成となっており、取付台144上に音声ランプ制御装置143が装着されている。
音声ランプ制御装置143は、後述する主制御装置からの指示に従い音声やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス145に収容されて構成されている。
遊技盤81の背面には、図8に示すように、可変表示ユニット86の下方に集合板ユニット150が設けられている。集合板ユニット150には、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための遊技球回収機構や、各種入賞口等への遊技球の入賞を検知するための入賞検知機構などが設けられている。
遊技球回収機構について説明すると、集合板ユニット150には、前記一般入賞口82a〜82c、可変入賞装置83、作動口84a,84bの遊技盤開口部に対応して且つ下流側で1カ所に集合する回収通路151が形成されている。したがって、一般入賞口82a〜82c等に入賞した遊技球は何れも回収通路151を介して遊技盤81の下方に集合する。遊技盤81の下方には後述する排出通路があり、回収通路151により遊技盤81の下方に集合した遊技球は排出通路内に導出される。なお、アウト口87も同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球もアウト口87を介して排出通路内に導出される。
入賞検知機構について説明すると、集合板ユニット150には、遊技盤81表側の各一般入賞口82a〜82cと対応する位置にそれぞれ入賞口センサ152a〜152cが設けられている。また、可変入賞装置83と対応する位置にカウントセンサ153が設けられ、各作動口84a,84bに対応する位置にそれぞれ作動口センサ154a,154bが設けられている。また、集合板ユニット150外における可変表示ユニット86の右側には、スルーゲート85を通過する遊技球を検知するゲートセンサ155が設けられている。これら球検知センサ(遊技媒体検知手段)としてのセンサ152〜155により遊技球の入賞がそれぞれ検知される。これらセンサ152〜155は後述する主制御装置162に対して電気信号を出力する。具体的には、遊技球を検知していない状態ではHIレベル信号を出力し、遊技球を検知している状態ではLOWレベル信号を出力する。なお、これに限定されることはなく、遊技球を検知していない状態ではLOWレベル信号を出力し、遊技球を検知している状態ではHIレベル信号を出力する構成としてもよく、また遊技球を検知している状態においてのみ電気信号を出力する構成としてもよい。
遊技盤81の背面には、集合板ユニット150を後側から覆うようにして主制御装置ユニット160が搭載されている。主制御装置ユニット160は、合成樹脂製の取付台161を有し、取付台161に主制御装置162が搭載されている。主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている(図3参照)。
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印部によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。封印部は、基板ボックス163の長辺部に5つ設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて封印処理が行われる。
次に、裏パックユニット15について説明する。図9は裏パックユニット15の正面図である。
裏パックユニット15は、裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。裏パック201は透明性を有する合成樹脂により成形されており、払出機構部202などが取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有する。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット86を囲むのに十分な大きさを有する。
ベース部211には、その右上部に外部端子板213が設けられている。外部端子板213には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。
ベース部211には、外部端子板213よりも外側に、本体枠13が開放されているか否か(又は閉鎖されているか否か)を検知する本体枠開放スイッチ(本体開放検知手段)217が設けられている。外枠11に対して本体枠13を閉じた状態では当該スイッチ217の金属接点が閉じて本体枠13の閉鎖が検知され、外枠11に対して本体枠13を開いた状態では金属接点が開いて本体枠13の開放が検知されるようになっている。
ちなみに、本体枠開放スイッチ217は、本体枠13が開放状態の場合に後述する主制御装置162に対して本体枠開放信号を出力し、本体枠13が閉鎖状態の場合には当該本体枠開放信号の出力を停止する。但し、信号の出力態様はこれに限定されることはなく、本体枠13が開放状態の場合にHIレベル信号又はLOWレベル信号の一方を出力し、閉鎖状態の場合に他方を出力する構成としてもよい。
また、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン214が設けられており、掛止ピン214を本体枠13に設けられた軸受け部に挿通させることで、裏パックユニット15が本体枠13に対して回動可能に支持されている。また、ベース部211には、本体枠13に設けられた被締結孔に対して締結するための締結具215が設けられており、当該締結具215を被締結孔に嵌め込むことで本体枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。すなわち、裏パック201の最上部には上方に開口したタンク221が設けられており、タンク221には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク221の下方には下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール222が連結され、タンクレール222の下流側には上下方向に延びるケースレール223が連結されている。また、ケースレール223の最下流部には払出装置224が設けられている。
ケースレール223には、図9に示すように、当該ケースレール223内の通路を通じてタンク221から払出装置224まで連なった遊技球を検知するように球無検知センサ223aが設けられている。球無検知センサ223aは、磁気検知タイプの近接センサにて構成されており、検知範囲内を遊技球が通過する際の磁界の変化が検知されて電気信号として出力される。なお、球無検知センサ223aは磁気検知タイプの近接センサに限定されることはなく、遊技球を検知することができるのであれば任意であり、例えば、フォトセンサやリミットセンサなどを用いてもよい。
球無検知センサ223aは後述する払出制御装置242に対して電気信号を出力する。具体的には、遊技球を検知していない状態ではLOWレベル信号を出力し、遊技球を検知している状態ではHIレベル信号を出力する。なお、これに限定されることはなく、遊技球を検知していない状態ではHIレベル信号を出力し、遊技球を検知している状態ではLOWレベル信号を出力する構成としてもよく、また遊技球を検知している状態においてのみ電気信号を出力する構成としてもよい。
払出制御装置242では、球無検知センサ223aの検知結果に基づいてタンク221が球無状態であるか否かを特定する。具体的には、予め定められた期間が経過するまで球無検知センサ223aにおける遊技球の非検知状態が継続された場合には、タンク221が球無状態であると特定する。払出制御装置242においてタンク221が球無状態であると特定された場合、払出装置224による遊技球の払出が停止される。これにより、タンク221が球無状態であるにも係らず、払出装置224が動作し続けることが防止される。かかる払出動作の停止は、タンク221の球無状態が解除され球無検知センサ223aにて遊技球が検知され出すことにより解除される。また、払出制御装置242においてタンク221が球無状態であると特定された場合、それに対応した報知処理が実行される。なお、タンク221において球詰まりが発生し、払出装置224側へ遊技球が流れていかない場合も球無状態であると特定される。
また、ケースレール223には、球抜きスイッチ223bが設けられている。例えば、タンク221に貯留されている遊技球のパチンコ機10外への排出に際して、ケースレール223にある遊技球も全て排出する場合に球抜きスイッチ223bが押され、ケースレール223及びその下流側に貯留されている遊技球の排出が可能となる。なお、球抜きスイッチ223bの設置箇所はケースレール223に限定されることはなく、例えば払出制御装置242に設置してもよい。
払出装置224では遊技球の払出が実行される。ここで、払出装置224の構成について図10を用いて説明する。図10は払出装置224内部に形成された通路構造を示す縦断面図である。なお、図10においては払出装置224内部を流下する遊技球を二点鎖線で示す。
払出装置224のハウジング251には、その上端にケースレール223から供給される遊技球を内部に取り込むための遊技球入口252が形成されており、さらに内部にこの遊技球入口252から入球した遊技球を通過させるための遊技球通路253が設けられている。
遊技球通路253はハウジング251の下端に形成された遊技球出口254に通じており、遊技球入口252から入球した遊技球は遊技球出口254に向けて1個ずつ流下する。遊技球通路253の中間部分には通路幅が左右に広がった収容部255が設けられており、同収容部255に回転体256が収容されている。回転体256はその中心が払出モータ257の出力軸257aに固定されている。
払出モータ257は、ステッピングモータにより構成されており、出力軸257aは所定方向(図10で見て時計回り方向又は反時計回り方向)に回転駆動される。出力軸257aは、1パルスの駆動信号を与えることにより1step進み、360パルスの駆動信号を与えることにより1回転するように設定されている。なお、払出モータ257はハウジング251内に収容されている。
回転体256の周縁には、180°間隔で2箇所に、凹部256aが形成されている。凹部256aは、曲面状となっておりその曲率は遊技球の曲率と同程度となっている。また、回転体256の周縁における凹部256a間の部位と収容部255の通路壁との間の距離が遊技球の直径寸法よりも短くなっているのに対して、凹部256aと収容部255の通路壁との間の距離は遊技球の直径寸法よりも長くなっている。これにより、遊技球通路253を流下してきた遊技球が回転体256の凹部256aに到達すると、当該遊技球は回転体256の回転に伴って下流側に導出される。
遊技球通路253には、収容部255よりも下流側の位置に略平板状をした払出球検知センサ258が設置されている。払出球検知センサ258は、周知の磁気検知タイプの近接センサにて構成されており、貫通孔を遊技球が通過したことによる磁界の変化を電気信号に変換して出力する。この払出球検知センサ258により、払出装置224を介して払い出された遊技球の数が確認できるようになっている。
払出装置224より払い出された遊技球は、当該払出装置224の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部に供給される。遊技球分配部は、払出装置224より払い出された遊技球を上皿33、下皿34又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、本体側上皿通路及び前扉側上皿通路51を介して上皿33に通じ、本体側下皿通路及び前扉側下皿通路52を介して下皿34に通じ、排出通路に通じるようにそれぞれ開口部が形成されている。
払出機構部202には、裏パック基板229が設置されている。裏パック基板229には、例えば交流24ボルトの主電源が供給され、電源スイッチ229aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤は、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路が形成されており、当該排出通路の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路151等から排出通路に導出された遊技球は当該排出通路を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台241を有し、取付台241に払出制御装置242と電源・発射制御装置243と球貸用接続端子板249が搭載されている。これら払出制御装置242と電源・発射制御装置243と球貸用接続端子板249は、払出制御装置242及び球貸用接続端子板249がパチンコ機10後方となり、電源・発射制御装置243がパチンコ機10前方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置242は、無色透明の基板ボックス244内に払出装置224を制御する払出制御基板が収容されている。なお、払出制御装置242から払出装置224への払出指令の信号は上述した裏パック基板229により中継される。また、払出制御装置242には状態復帰スイッチ245が設けられている。例えば、払出装置224における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ245が押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。また、払出制御基板には7セグ表示器242aが搭載されており、本体枠13を外枠11に対して開放することで、基板ボックス244を通じて7セグ表示器242aの表示内容が視認可能となっている。
電源・発射制御装置243は、基板ボックス246内に電源・発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源・発射制御装置243にはRAM消去スイッチ247が設けられている。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。したがって、例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチ247を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
球貸用接続端子板249は、球貸装置Y、払出制御装置242及びパチンコ機10前面の球貸操作装置36に電気的に接続され、主として遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置242に出力するものである。
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図11のブロック図に基づいて説明する。図11では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
主制御装置162に設けられた主制御基板301には、CPU311と停電監視回路303(電断監視回路)とが内蔵されている。
CPU311には、当該CPU311により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM312(不揮発性記憶手段)と、そのROM312内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM313(揮発性記憶手段)と、割込回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。なお、CPU311、ROM312及びRAM313の一部又は全部をそれぞれ別のチップとして設けてもよい。
RAM313は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源・発射制御装置243に設けられた電源・発射制御基板321から記憶保持用電力が供給されて情報が記憶保持される構成となっている。
CPU311には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。CPU311の入力側には、主制御基板301に設けられた停電監視回路303、払出制御装置242に設けられた払出制御基板322及びその他センサ群などが接続されている。この場合に、停電監視回路303には電源・発射制御基板321が接続されており、CPU311には停電監視回路303を介して電力が供給される。
一方、CPU311の出力側には、停電監視回路303、払出制御基板322及び中継端子板323が接続されている。払出制御基板322には、賞球コマンドなどといった各種コマンドが出力される。中継端子板323を介してCPU311から音声ランプ制御装置143に設けられた音声ランプ制御基板324に対して各種コマンドなどが出力される。
停電監視回路303は、CPU311と電源・発射制御基板321とを中継し、また電源・発射制御基板321から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。そして、この電圧が22ボルト未満になると電源遮断の発生と判断し、CPU311に停電信号を送信する。
払出制御基板322は、払出装置224により賞球などの払出制御を行うものである。演算装置であるCPU331は、そのCPU331により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM332と、ワークメモリ等として使用されるRAM333とを備えている。なお、CPU331、ROM332及びRAM333の一部又は全部をそれぞれ別のチップとして設けてもよい。
払出制御基板322のCPU331には、入出力ポートが設けられている。CPU331の入力側には、主制御基板301のCPU311、電源・発射制御基板321、及び裏パック基板229が接続されている。また、CPU331の出力側には、主制御基板301のCPU311及び裏パック基板229が接続されている。
電源・発射制御基板321は、電入時用電源部321aと発射制御部321bとを備えている。電入時用電源部321aは、例えば、遊技ホール等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板301のCPU311や払出制御基板322等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を二重線矢印で示す経路を通じて主制御基板301のCPU311や払出制御基板322等に対して供給する。その概要としては、電入時用電源部321aは、裏パック基板229を介して供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種センサやモータ等を駆動するための+12V電力、ロジック用の+5V電力などを生成し、これら+12V電力、+5V電力を主制御基板301のCPU311や払出制御基板322等に対して供給する。
発射制御部321bは、遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作にしたがって遊技球発射機構110の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構110は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
また、電源・発射制御基板321には、電断時用電源部321cが搭載されている。電断時用電源部321cはコンデンサからなり、パチンコ機10の電源がON状態の場合(外部電源からの電力供給が行われている場合)に充電される。また、パチンコ機10の電源がOFF状態の場合や商用電源における停電発生時といった電源遮断状態(外部電源からの電力供給が遮断されている場合)では、電断時用電源部321cから放電され主制御基板301のRAM313に対して記憶保持用電力が供給される。よって、かかる状況であっても、電断時用電源部321cから記憶保持用電力が供給されている間はRAM313に記憶された情報が消去されることなく記憶保持される。
ちなみに、電断時用電源部321cの容量は比較的大きく確保されており、電源遮断前にRAM313に記憶されていた情報は所定の期間内(例えば、1日や2日)保持される。また、電断時用電源部は、コンデンサに限定されることはなく、バッテリや非充電式電池などであってもよい。非充電式電池の場合、パチンコ機10の電源がON状態の際に電断時用電源手段への蓄電を行う必要はないが、定期的に交換する必要が生じる。
また、電源・発射制御基板321には、上記電断時用電源部321cとは異なる停電時処理用電源部が設けられている。電源・発射制御基板321では、直流安定24ボルトの電源が22ボルト未満になった後においても、停電時処理用電源部から放電することにより、後述する停電時処理の実行に十分な時間の間、制御系の駆動電源である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。これにより、主制御基板301のCPU311などは、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
音声ランプ制御基板324は、各種ランプ部23〜25やスピーカ部26、及び表示制御装置325を制御するものである。演算装置であるCPU341は、そのCPU341により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM342と、ワークメモリ等として使用されるRAM343とを備えている。
音声ランプ制御基板324のCPU341には入出力ポートが設けられている。CPU341の入力側には中継端子板323に中継されて主制御基板301のCPU311が接続されており、主制御基板301のCPU311から出力される各種コマンドに基づいて、各種ランプ部23〜25、スピーカ部26、及び表示制御装置325を制御する。表示制御装置325は、音声ランプ制御基板324から入力する表示コマンドに基づいて図柄表示装置91を制御する。
ここで、図柄表示装置91の表示内容について、図12に基づいて説明する。
図柄表示装置91には、左・中・右の3つの図柄列が設定されている。各図柄列は、例えば「0」〜「9」の数字を各々付した主図柄と、例えば菱形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されている。各主図柄及び副図柄がそれぞれ第1図柄を構成している。各図柄列では、数字の昇順又は降順に主図柄が配列されると共に各主図柄の間に副図柄が配されている。すなわち、各図柄列には、10個の主図柄及び10個の副図柄の計20個の第1図柄が備えられている。そして、図柄表示装置91には、各図柄列毎に20個の第1図柄が周期性をもって上から下へとスクロールするように変動表示されるようになっている。図柄表示装置91には、各図柄列毎に上・中・下の3段の第1図柄が表示されるようになっている。従って、図柄表示装置91には、3段×3列の計9個の第1図柄が表示される。また、図柄表示装置91には、5つの有効ライン、すなわち上ラインL1、中ラインL2、下ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5が設定されている。そして、左図柄列→右図柄列→中図柄列の順に変動表示が停止し、その停止時にいずれかの有効ライン上に大当たり図柄の組合せ(本実施の形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示されるようになっている。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
本実施の形態では、主制御装置162内のCPU311は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり抽選、第1特定ランプ部93の発光色の設定や、図柄表示装置91の図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図13に示すように、大当たりの抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たりや通常大当たり等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置91が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、図柄表示装置91の変動パターン選択に使用する第1変動種別カウンタCS1と、第1特定ランプ部93に表示される色の切り替えを行う期間を決定する第2変動種別カウンタCS2と、左列、中列及び右列の各外れ図柄の設定に使用する左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRとを用いることとしている。
このうち、カウンタC1〜C3,CINI,CS1,CS2は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。また、外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、CPU311内のRレジスタ(リフレッシュレジスタ)を用いてレジスタ値が加算され、結果的に数値がランダムに変化する構成となっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM313の所定領域に設定されたカウンタ用エリアに適宜格納される。RAM313には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリアが設けられており、これらの各エリアには、作動口84a,84bへの遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜676の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり676)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜676)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が作動口84a,84bに入賞したタイミングでRAM313の
保留球格納エリアに格納される。
大当たり種別カウンタC2は、0〜49の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり49)に達した後0に戻る構成となっている。そして、本実施の形態では、大当たり種別カウンタC2によって、大当たりが終了した後に、確変状態とするか通常状態とするかを決定することとしている。大当たり種別カウンタC2は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が作動口84a,84bに入賞したタイミングでRAM313の保留球格納エリアに格納される。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。本実施の形態では、リーチ乱数カウンタC3によって、リーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ発生しない「完全外れ」とを抽選することとしている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が作動口84a,84bに入賞したタイミングでRAM313の保留球格納エリアに格納される。
第1変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっており、第2変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等、第1図柄のリーチ種別やその他大まかな図柄変動態様といった図柄表示装置91の表示態様が決定され、第2変動種別カウンタCS2によって、第1特定ランプ部93に表示される色の切り替えを行う期間としての切替表示時間が決定される。また、この切替表示時間は、図柄表示装置91の図柄の変動時間に相当する。従って、当該第2変動種別カウンタCS2によって、図柄表示装置91においてリーチが発生した後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄)が停止するまでの経過時間(言い換えれば、変動図柄数)などより細かな図柄変動態様も決定されることとなる。つまり、図柄表示装置91に関しては、これらの両変動種別カウンタCS1,CS2を組合せることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。両変動種別カウンタCS1,CS2は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1特定ランプ部93に表示される色の切り替え開始時及び図柄表示装置91による第1図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して両変動種別カウンタCS1,CS2のエリア値が取得される。
左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、大当たり抽選が外れとなった時に左列第1図柄、中列第1図柄、右列第1図柄の外れ停止図柄を決定するためのものであり、各列では主図柄及び副図柄の合わせて20の第1図柄の何れかが表示されることから、各々に20個(0〜19)のカウンタ値が用意されている。外れ図柄カウンタCLにより左図柄列の上・中・下段の各図柄が決定され、外れ図柄カウンタCMにより中図柄列の上・中・下段の各図柄が決定され、外れ図柄カウンタCRにより右図柄列の上・中・下段の各図柄が決定される。
本実施の形態では、CPU311に内蔵のRレジスタの数値を用いることにより各カウンタCL,CM,CRの値をランダムに更新する構成としている。すなわち、各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新時には、前回値にRレジスタの下位3ビットの値が加算され、その加算結果が最大値を超えた場合に20減算されて今回値が決定される。各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは更新時期が重ならないようにして通常処理内で更新され、それら外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合せが、RAM313の前後外れリーチ図柄エリア、前後外れ以外リーチ図柄エリア及び完全外れ図柄エリアの何れかに格納される。そして、第1図柄の変動開始時における変動パターン決定に際し、リーチ乱数カウンタC3の値に応じて前後外れリーチ図柄エリア、前後外れ以外リーチ図柄エリア及び完全外れ図柄エリアの何れかのエリア値が取得される。
なお、図示は省略するが、第2特定ランプ部94の抽選には第2特定ランプ乱数カウンタが用いられる。第2図柄乱数カウンタは、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。第2特定ランプ乱数カウンタは定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球がスルーゲート85を通過したことが検知された時に取得される。
パチンコ機10の電気的構成の説明に戻り、遊技球の払出に関する構成について詳細に説明する。
主制御基板301と払出制御基板322とはハーネスなどの電気配線(信号線)を介して電気的に接続されており、主制御基板301から払出制御基板322に指令情報としてのコマンドが出力されるとともに、払出制御基板322から主制御基板301には各種の電気信号が出力される。
主制御基板301のCPU311は第1入力ポート(第1入力部)351と第2入力ポート(第2入力部)352とを備えており、これら入力ポート351,352において払出制御基板322からの電気信号を入力するとともに各種センサ等からの電気信号を入力する。ここで、第1入力ポート351の構成を、図14を用いて説明する。図14は、第1入力ポート351を説明するための説明図である。
第1入力ポート351は、信号入力用バッファBを備えている。信号入力用バッファBは、第0ビットD0〜第8ビットD8を備えている。これら第0ビットD0〜第8ビットD8は、それぞれ異なる信号出力元との間に信号経路が形成されており、これら信号出力元から入力した信号に基づいて情報が格納される。
詳細には、第0ビットD0は下作動口センサ154bとの間に信号経路が形成されており、第1ビットD1は上作動口センサ154aとの間に信号経路が形成されており、第2ビットD2はカウントセンサ153との間に信号経路が形成されており、第3ビットD3はゲートセンサ155との間に信号経路が形成されており、第4ビットD4は第1入賞口センサ152aとの間に信号経路が形成されており、第5ビットD5は第2入賞口センサ152bとの間に信号経路が形成されており、第6ビットD6は第3入賞口センサ152cとの間に信号経路が形成されており、第7,第8ビットD7,D8は払出制御基板322との間に信号経路が形成されている。なお、第7ビットD7には、払出制御基板322から出力される賞球許可信号が入力され、第8ビットD8には、払出制御基板322から出力される賞球停止信号が入力される。賞球許可信号及び賞球停止信号の詳細については後に説明する。
下作動口センサ154b、上作動口センサ154a、カウントセンサ153、ゲートセンサ155及び各入賞口センサ152a〜152cは、上述したように、遊技領域を流下し下作動口84b、上作動口84a、可変入賞装置83及び一般入賞口82a〜82cに入賞した遊技球や、スルーゲート85を通過した遊技球を検知するためのものであり、遊技球を検知していない間はHIレベル信号を出力し、遊技球を検知している間はLOWレベル信号を出力するよう構成されている。但し、主制御基板301は反転回路を有している。したがって、第0ビットD0〜第6ビットD6には、対応するセンサ154b,154a,153,155,152a〜152cからHIレベル信号が出力されている間は「0」が格納され、LOWレベル信号が出力されている間は「1」が格納される。
なお、上記センサ152〜155が遊技球を検知していない間はLOWレベル信号を出力するとともに遊技球を検知している間はHIレベル信号を出力する構成としてもよい。この場合、上記反転回路を不具備とし、さらには第0ビットD0〜第6ビットD6には、対応するセンサ152〜155からLOWレベル信号が出力されている間は「0」が格納され、HIレベル信号が出力されている間は「1」が格納されるようにする。
一方、賞球許可信号及び賞球停止信号については反転回路の対象となっておらず、賞球許可信号又は賞球停止信号について払出制御基板322からLOWレベル信号が出力されている間は第7又は第8ビットD7,D8に「0」が格納され、HIレベル信号(これが、本パチンコ機10において賞球許可信号及び賞球停止信号に相当する)が出力されている間は第7又は第8ビットD7,D8に「1」が格納される。
主制御基板301のCPU311では、第1入力ポート351の各ビットD0〜D8に格納された情報に基づいて入賞の有無などを判定する。また、第2入力ポート352は、図示による説明は省略するが、第1入力ポート351と同様に構成されており、各ビットには前扉枠開放スイッチ78及び本体枠開放スイッチ217からの電気信号や払出制御基板322から出力される信号のうち上記賞球許可信号及び賞球停止信号以外の信号などが入力される。つまり、第2入力ポート352の各ビットにはCPU311において処理を実行する上で用いられる何らかの信号が入力される。
なお、前扉枠開放スイッチ78及び本体枠開放スイッチ217から出力された電気信号は、電源・発射制御基板321と払出制御基板322とに中継された後に主制御基板301に入力される。この場合、払出制御基板322においては、これら前扉枠開放スイッチ78及び本体枠開放スイッチ217からの電気信号を中継するだけであり、払出制御基板322のCPU331には入力されない。これは電源・発射制御基板321についても同様である。
主制御基板301のRAM313の構成について説明する。なお、以下の説明では、図15を適宜参照する。図15はRAM313の構成を説明するための説明図である。
主制御基板301のRAM313には個別記憶手段としての賞球用カウンタエリア361が設けられている。賞球用カウンタエリア361には、15個賞球用カウンタエリア361aと、10個賞球用カウンタエリア361bと、4個賞球用カウンタエリア361cと、3個賞球用カウンタエリア361dとが設けられている。
ここで、本パチンコ機10には既に説明したように、入球部として、一般入賞口82a〜82c、可変入賞装置83、上作動口84a及び下作動口84bが設けられており、各入球部ごとに入球に対する賞球個数(払い出される遊技球の個数)が異なっている。具体的には、一般入賞口82a〜82cに入球した場合の賞球個数は10個であり、可変入賞装置83に入球した場合の賞球個数は15個であり、上作動口84aに入球した場合の賞球個数は3個であり、下作動口84bに入球した場合の賞球個数は4個である。
当該構成において、15個賞球用カウンタエリア361aは可変入賞装置83への入球に対する15個賞球をあと何回行うかを記憶するものであり(可変入賞装置83への入球に対する15個賞球の未実施回数を記憶するものであり)、10個賞球用カウンタエリア361bは一般入賞口82a〜82cへの入球に対する10個賞球をあと何回行うかを記憶するものであり(一般入賞口82a〜82cへの入球に対する10個賞球の未実施回数を記憶するものであり)、4個賞球用カウンタエリア361cは下作動口84bへの入球に対する4個賞球をあと何回行うかを記憶するものであり(下作動口84bへの入球に対する4個賞球の未実施回数を記憶するものであり)、3個賞球用カウンタエリア361dは上作動口84aへの入球に対する3個賞球をあと何回行うかを記憶するものである(上作動口84aへの入球に対する3個賞球の未実施回数を記憶するものである)。各賞球用カウンタエリア361a〜361dは、それぞれ1バイトで構成されており、賞球の未実施回数を最大で256回まで覚えることができる。
なお、上記賞球個数パターンは一例であり、各個数は任意である。また、賞球数のパターンも上記の4種類に限定されることはなく、2種類、3種類又は5種類以上であってもよい。また、各賞球用カウンタエリア361a〜361dは1バイトに限定されることはなく、2バイト又は3バイト以上であってもよい。さらには各賞球用カウンタエリア361a〜361dに記憶可能な賞球の未実施回数は、最大で256回であることは必須ではなく、複数回が記憶可能であれば、256回よりも少なく又は多くてもよい。
主制御基板301のCPU311では、上記各賞球用カウンタエリア361a〜361dに記憶されている情報(賞球情報)に基づいて、入賞発生の有無を判定し、入賞発生有りと判定した場合にはその入賞の種類に対応した賞球コマンドを払出制御基板322に出力する。
ここで、賞球コマンドの情報形態について図15(b)を用いて説明する。
賞球コマンドは、主制御基板301のROM312のコマンド記憶エリア312aに予め記憶されている。賞球コマンドとしては、15個賞球コマンドと、10個賞球コマンドと、4個賞球コマンドと、3個賞球コマンドとが設定されている。15個賞球用カウンタエリア361aに記憶されている賞球情報に基づいて賞球コマンドが出力される場合には15個賞球コマンドが出力され、10個賞球用カウンタエリア361bに記憶されている賞球情報に基づいて賞球コマンドが出力される場合には10個賞球コマンドが出力され、4個賞球用カウンタエリア361cに記憶されている賞球情報に基づいて賞球コマンドが出力される場合には4個賞球コマンドが出力され、3個賞球用カウンタエリア361dに記憶されている賞球情報に基づいて賞球コマンドが出力される場合には3個賞球コマンドが出力される。
各賞球コマンドは2バイトで構成されている。すなわち、各賞球コマンドは上位情報と下位情報とを備えており、それら各情報はそれぞれ1バイトで構成されている。つまり、上位情報と下位情報とは同数のビット数で構成されている。これら上位情報及び下位情報のうち、上位情報には払出制御基板322のCPU331において本コマンドが賞球コマンドであることを特定するための情報が設定されており、下位情報には払出制御基板322のCPU331において本賞球コマンドの賞球数の情報が設定されている。
各賞球コマンドの具体的な情報形態は図15(b)に示すとおりである。この場合に、全ての賞球コマンドは、上位情報と下位情報との論理和を演算した場合の1バイトからなる情報の形態が16進数で「FF」となるように設定されている。例えば、15個賞球コマンドについて詳細には、上位情報が「11110000」となっており、下位情報が「00001111」となっている。そして、これらの論理和を演算すると、「11111111」となる。また、3個賞球コマンドについて詳細には、上位情報が「11111100」となっており、下位情報が「00000011」となっている。賞球コマンドが上記のような情報形態となっていることにより、払出制御基板322のCPU331では、主制御基板301から入力した賞球コマンドが正常か否かの判定を行うことができるようになっている。
その他、主制御基板301のRAM313には、賞球許可カウンタエリア365及び各種フラグ格納エリア366が設けられている。賞球許可カウンタエリア365は、主制御基板301のCPU311において賞球許可信号に関する処理を実行する上で用いられる。また、各種フラグ格納エリア366は、主制御基板301のCPU311において各種の制御処理を実行する上で用いられる。
払出制御基板322は払出装置224と電気的に接続されており、払出制御基板322のCPU331は、払出モータ257に駆動信号を出力するとともに、払出球検知センサ258から遊技球の検知の有無を示す電気信号を入力する。また、払出制御基板322は球貸用接続端子板249を介して球貸装置Yと電気的に接続されており、払出制御基板322のCPU331は、球貸装置Yとの間で電気信号の入出力を行うことで貸球の制御を実行する。
また、払出制御基板322のCPU331は、満タン検知センサ59及び球無検知センサ223aから電気信号を入力し、下皿34が満タン状態となっているか否かの特定や、タンク221が球無状態となっているか否かの特定を行う。これら満タン検知センサ59及び球無検知センサ223aのうち満タン検知センサ59から出力された電気信号は、電源・発射制御基板321に中継された後に払出制御基板322に入力される。なお、払出制御基板322のCPU331は、下皿34が満タン状態となっているか否かの特定結果を主制御基板301のCPU311に出力する。これにより、下皿34が満タン状態となっているか否かを主制御基板301のCPU311において把握することができるようになっている。
また、払出制御基板322のRAM333にはコマンド格納エリア373が設けられている。コマンド格納エリア373は、主制御基板301のCPU311から入力した賞球コマンドを一時的に格納しておく上で用いられる。また、払出制御基板322のRAM333には賞球数記憶エリア374が設けられている。賞球数記憶エリア374は、1バイトで構成されており、払出制御基板322のCPU331において賞球コマンドから特定した賞球数の情報を記憶しておくための機能を有している。
ここで、賞球コマンドから賞球数の情報を特定する場合には、払出制御基板322のROM332に設けられた賞球テーブル記憶エリア332aが参照される。賞球テーブル記憶エリア332aには、主制御基板301のCPU311から入力する賞球コマンドと、賞球数との対応関係が記憶されている。
また、払出制御基板322のRAM333には貸球数記憶エリア375が設けられている。貸球数記憶エリア375は、1バイトで構成されており、払出制御基板322のCPU331において球貸装置Yから入力した貸球数の情報を記憶しておくための機能を有している。また、払出制御基板322のRAM333には払出個数カウンタエリア376が設けられている。払出個数カウンタエリア376は、1バイトで構成されており、払出制御基板322のCPU331において遊技球の払出を実行する上での実行エリアとしての機能を有する。
なお、賞球数記憶エリア374、貸球数記憶エリア375及び払出個数カウンタエリア376は、1バイトに限定されることはなく、2バイト又は3バイト以上であってもよい。また、これら各エリア374〜376が同一のバイト数である必要はない。
払出制御基板322のRAM333には各種フラグ格納エリア377が設けられている。各種フラグ格納エリア377は、払出制御基板322のCPU331において各種の制御処理を実行する上で用いられる。なお、払出制御基板322のRAM333には、主制御基板301のCPU311からコマンドを入力した場合にそのコマンドを一時的に格納しておくためのリングバッファが設けられている。リングバッファは複数の記憶領域を備えているとともに、読み込みポインタと読み出しポインタとが設定されている。読み込みポインタに基づき各記憶領域にコマンドが順次読み込まれていくとともに、読み出しポインタに基づき各記憶領域に記憶されたコマンドが順次読み出されていく。
電源・発射制御基板321の電入時用電源部321aからの電力は、主制御基板301のCPU311のVCC端子、及び払出制御基板322のCPU331のVCC端子に供給される。VCC端子に供給された電力により、外部電源からの電力供給が行われている状況において、各CPU311,331にて各種制御処理が実行されるとともに、各RAM313,333にて情報の記憶保持が行われる。
また、電源・発射制御基板321の電断時用電源部321cからの電力は、主制御基板301のCPU311のVBB端子に供給される。つまり、電断時用電源部321cからの電力は、主制御基板301のRAM313に供給されるが、払出制御基板322のRAM333には供給されない。VBB端子に供給された電力により、外部電源からの電力供給が遮断されている状況において、主制御基板301のRAM313にて情報の記憶保持が行われる。なお、既に説明したように、電入時用電源部321a及び電断時用電源部321cから主制御基板301のCPU311に供給される電力は、停電監視回路303にて中継される。
また、音声ランプ制御基板324のCPU341のROM342には、主制御基板301から入力したコマンドがどのようなコマンドであるかを特定するためのコマンド記憶エリア342aが設けられている。また、主制御基板301から払出制御基板322に賞球コマンドが出力された場合、その賞球コマンドに対応した賞球コマンドが音声ランプ制御基板324に出力される。音声ランプ制御基板324では、主制御基板301から出力される賞球コマンドのうち、予め定められた賞球コマンドについて受信した回数を記憶し、受信した回数によって特別処理を実行するようになっている。
本パチンコ機10では一般入賞口82a〜82cへ遊技球が入賞した回数を記憶している。そして、一般入賞口82a〜82cへの入賞に基づく賞球コマンドを受信した回数が規定回数以上となっていることにより、一般入賞口82a〜82cへの入賞が異常に発生していると判定し、そのことを報知する報知処理を特別処理として実行する。
音声ランプ制御基板324のCPU341のRAM343には、主制御基板301から一般入賞口82a〜82cへの入賞に対応した賞球コマンドを受信した場合、その賞球コマンドを受信した回数を記憶する受信回数カウンタ400と、上記特別処理を実行するか否かを特定する上で用いられる監視タイマカウンタ401と、ループ数カウンタ402とが設けられている。また、特別処理が実行される場合に各種フラグがセットされる各種フラグ格納エリア403が設けられている。音声ランプ制御基板324では、各種フラグ格納エリア403にセットされたフラグを参照して制御を実行する。各カウンタ400〜402及び各種フラグ格納エリア403については後に詳細に説明する。
次に、主制御基板301のCPU311により実行される各制御処理について説明する。かかるCPU311の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、があり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込み処理とを説明し、その後メイン処理を説明する。
タイマ割込み処理について図16のフローチャートを用いて説明する。
先ずステップS101では、読み込み処理を実行する。読み込み処理では、入賞口センサ152a〜152c、カウントセンサ153、作動口センサ154a,154b及びゲートセンサ155等といった遊技球の入賞に関するセンサからの信号読み込み処理を実行する。続くステップS102では情報判定処理を実行する。情報判定処理については後に詳細に説明する。
その後、ステップS103では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM313の該当するエリアに格納する。続くステップS104では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態ではそれぞれ、676,49,238)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C3の更新値を、RAM313の該当するエリアに格納する。その後、ステップS105にて始動入賞処理を実行する。
始動入賞処理では、図17のフローチャートに示すように、先ずステップS201にて、RAM313の作動口フラグ格納エリアに作動口フラグが格納されているか否かを判定することにより、遊技球が作動口84a,84bに入賞(始動入賞)したか否かを判定する。遊技球が作動口84a,84bに入賞したと判定すると、続くステップS202において、第1特定ランプ部93及び図柄表示装置91の作動保留球数Nが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。作動口84a,84bへの入賞があり、且つ作動保留球数N<4であることを条件にステップS203に進み、作動保留球数Nを1加算する。なお、ステップS203の処理後に作動口フラグを消去する。続くステップS204では、前記ステップS104で更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、RAM313の保留球格納エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。そして、始動入賞処理の後、CPU311は本タイマ割込み処理を一旦終了する。
次に、電源投入時のリセットに伴い起動されるメイン処理について、図18のフローチャートを用いて説明する。
先ずステップS301では、電源投入に伴う立ち上げ処理を実行する。具体的には、従側の制御基板(払出制御基板322等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば500msec程度待機する。
続くステップS302では、ステップS301の立ち上げ処理後から許可禁止用期間である1secが経過したか否かを判定する。1sec経過していない場合にはステップS302の処理を再度実行する。この時間の測定は、ステップS302の処理回数をカウントすることにより行われる。例えば、ステップS302にて否定判定してから再度ステップS302の処理を実行するまでに要する時間が0.1msecである場合には、カウント値が10000回となることで、ステップS301の立ち上げ処理後から1sec経過したと判定する。なお、時間の測定の具体的な構成は任意であり、例えばリアルタイムクロックを用いて時間の測定を行うようにしてもよい。ステップS302にて1sec経過したと判定した場合には、ステップS303に進む。
ステップS303では、RAM313のアクセスを許可する。その後、ステップS304では、電源・発射制御装置243に設けたRAM消去スイッチ247がオンされているか否かを判定し、続くステップS305ではRAM313の停電フラグ格納エリアに停電フラグが格納されているか否かを判定する。停電フラグとは、定期的に実行されるNMI割込み処理にてセットされるフラグである。詳細には、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に実行される。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号が停電監視回路303からCPU311のNMI端子に出力され、CPU311は実行中の制御を中断してNMI割込み処理を開始する。NMI割込み処理では、RAM313に設けられた停電フラグ格納エリアに停電フラグを格納する。
また、ステップS306ではRAM判定値を算出し、続くステップS307では、そのRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判定する。RAM判定値は、例えばRAM313の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM313の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かにより記憶保持されたデータの有効性を判断することも可能である。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ247を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ247が押されていれば、ステップS308〜S309の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)により記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様にステップS308〜S309の処理に移行する。
ステップS308では、RAM313の使用領域を0にクリアし、ステップS309ではRAM313の初期化処理を実行する。その後、ステップS310にて払出制御基板322に初期コマンドを出力するとともに、ステップS311にて割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。払出制御基板322のCPU331では主制御基板301から初期コマンドを入力することで、主制御基板301との通信が正常に行われていることを認識する。
一方、RAM消去スイッチ247が押されていない場合には、停電フラグが格納されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、ステップS312にて停電フラグ格納エリアに格納されている停電フラグをクリアする。その後、ステップS310にて初期コマンドを出力するとともにステップS311にて割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。これにより、電源遮断前の状態に復帰する。
次に、通常処理について、図19のフローチャートを用いて説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS401〜S409の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS411,S412のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS401では、両変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する。具体的には、両変動種別カウンタCS1,CS2を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、両変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM313の該当するエリアに格納する。続くステップS402では、左図柄列、中図柄列及び右図柄列の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新を実行する。
外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新処理では、左・中・右図柄列のいずれかの更新時期か否かを判定し、更新時期となった図柄列の外れ図柄カウンタCL,CM,CRを更新する。各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、重複することなく1回の通常処理で1つずつ順に更新され、通常処理を3回実行する毎に外れ図柄カウンタCL,CM,CRの1セット分が更新されるようになっている。そして、更新した外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合せが、前後外れリーチとなる外れリーチ図柄の組合せである場合、前後外れ以外リーチ図柄の組合せである場合、リーチとならない完全外れ図柄の組合せである場合には、その組合せがそれぞれに対応したエリア内に格納される。なお、更新した外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合せが大当たり図柄の組合せである場合には、そのまま更新処理を終了する。
外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新処理の後は、ステップS403にて第1特定ランプ部93に表示される色の切り替えを行うための第1特定ランプ部制御処理を実行する。第1特定ランプ部制御処理では、大当たり判定や第1特定ランプ部93に配設されたLEDランプの光源スイッチのオンオフ制御などが行われる。また、第1特定ランプ部制御処理において、図柄表示装置91による第1図柄の変動表示の設定も行われる。
具体的には、大当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判定し、さらに大当たり種別カウンタC2の値に基づいて大当たりの種類を決定する(いわゆる、確変大当たりか否かを決定する)。なお、この際、第1図柄における大当たり図柄の種類及び大当たり図柄の組合せの停止ラインも決定し、停止図柄コマンドとして設定する。また、大当たりが発生しないと判定された場合には、リーチ乱数カウンタC3の値に基づいて第1図柄における外れ図柄の組合せの態様を決定する。かかる場合に、上記外れ図柄カウンタ更新処理にて更新されエリア内に格納された図柄の組合せを停止図柄コマンドとして設定する。さらに、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいて、第1特定ランプ部93に表示される色の切替表示時間、及び第1図柄の変動表示時間を決定する。さらに、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて第1図柄におけるリーチ種別やその大まかな図柄変動態様を決定し、変動態様コマンドとして設定する。なお、当該第1特定ランプ部制御処理にて第1特定ランプ部93のオンオフ制御が開始される毎に作動保留球数Nが1減算され、作動保留球数Nが0の場合にはオンオフ制御が開始されない。
第1特定ランプ部制御処理の後は、ステップS404にて大入賞口開閉処理を実行する。大入賞口開閉処理では、大当たり状態である場合において可変入賞装置83の大入賞口を開放又は閉鎖する。すなわち、大当たり状態のラウンド毎に大入賞口を開放し、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数だけ入賞したかを判定する。この規定数だけ入賞したか否かの判定は、大入賞口用カウンタを確認することにより行われる。そして、これら何れかの条件が成立すると大入賞口を閉鎖する。
その後、ステップS405では、第2特定ランプ部94に表示される色の切り替え処理を行うための第2特定ランプ部制御処理を実行する。第2特定ランプ部制御処理では、ゲート保留球数が1以上であることを条件に第2特定ランプ部94における表示色の切り換えを開始する。この際、表示色の切り換え時間も設定する。また、既に取得されている第2特定ランプ乱数カウンタの値に基づいて停止表示する色を設定する。この停止表示される色として所定の色が設定された場合には、その色の停止表示後に、下作動口84bに付随する電動役物89が所定時間開放される。
ちなみに、本パチンコ機10では、特別遊技状態の一種として、電動役物89が開放状態となる単位時間当たりの頻度が高くなる頻度向上状態が設定されている。この頻度向上状態では、下作動口84bへの入賞が発生し易くなる。頻度向上状態の具体的な内容としては、大当たり状態終了後の予め定められた遊技回数(図柄表示装置91における図柄の変動表示回数)又は次回の大当たりが発生するまで継続するものであり、頻度向上状態では、電動役物89を開放状態とするか否かの抽選間隔が通常遊技状態(頻度向上状態ではない状態)よりも短くなるとともに、抽選において当選となった場合には電動役物89が開放状態となる回数が通常遊技状態よりも多くなり、且つ開放状態となった場合の継続時間が通常遊技状態よりも長くなる。なお、頻度向上状態における開放状態当選とするか否かの確率は、通常遊技状態における確率と同一に設定されているが、通常遊技状態よりも高く設定されていてもよい。
ステップS405の後は、ステップS406にて、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源・発射制御基板321の発射制御部321bから発射許可信号を入力していることを条件として、所定期間(本実施形態では、0.6sec)に1回、遊技球発射機構110のソレノイド111を励磁する。これにより、発射レール112上にある遊技球が遊技領域に向けて打ち出される。
ステップS406の後は、ステップS407にて入力状態監視処理を実行し、ステップS408にて払出用出力処理を実行する。これらの処理については後に詳細に説明する。その後、ステップS409にて、RAM313に設けられた停電フラグ格納エリアに停電フラグが格納されているか否かを判定する。停電フラグが格納されていない場合は、繰り返し実行される複数の処理の最後の処理が終了したこととなるので、ステップS410にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び両変動種別カウンタCS1,CS2の更新を繰り返し実行する。つまり、ステップS411では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM313の該当するエリアに格納する。また、ステップS412では、両変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する。具体的には、両変動種別カウンタCS1,CS2を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、両変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM313の該当するエリアに格納する。
一方、ステップS409にて、停電フラグが格納されていると判定した場合は、電源遮断が発生したことになるので、ステップS413以降の停電時処理を実行する。つまり、ステップS413では、タイマ割込み処理の発生を禁止し、その後、ステップS414にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS415にてRAM313のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
(遊技球の払出に関する処理構成であって主制御基板301のCPU311における処理構成)
次に、遊技球の払出に関する、主制御基板301のCPU311における処理構成について説明する。なお、以下の説明において、カウンタエリアの値とは、バイト単位で構成されたカウンタエリアの値を仮想的に10進数で表現した値のことをいう。
ここで、主制御基板301のタイマ割込み処理にて実行される情報判定処理について、図20のフローチャートを参照しながら説明する。
情報判定処理では、先ずステップS501にて、上述した信号入力用バッファBの第0ビットD0に入賞情報があるか否か、すなわち、第0ビットD0に「1」が格納されているか否かを判定する。第0ビットD0に入賞情報がない場合(「0」が格納されている場合)には、そのままステップS503に進む。第0ビットD0に入賞情報がある場合(「1」が格納されている場合)には、ステップS502にて第1格納処理を実行した後に、ステップS503に進む。第1格納処理では、RAM313の賞球用カウンタエリア361における4個賞球用カウンタエリア361cの値を1加算する。第0ビットD0に入賞情報があるということは、下作動口84bへの入賞が発生したことを意味するからである。
ちなみに、第1格納処理では、RAM313の作動口フラグ格納エリア(抽選契機情報記憶手段)に作動口フラグ(抽選契機情報)を格納する。この作動口フラグは、上述した始動入賞処理(図17)において下作動口84bへの入賞が発生したか否かを判定する上で用いられる。なお、作動口として上作動口84a及び下作動口84bの2つが設けられているため、作動口フラグ格納エリアは各作動口84a,84bに1対1で対応させて設けられている。つまり、抽選契機情報記憶手段として第1抽選契機情報記憶手段と第2抽選契機情報記憶手段とが設けられている。
続くステップS503では、第1ビットD1に入賞情報があるか否か、すなわち、第1ビットD1に「1」が格納されているか否かを判定する。第1ビットD1に入賞情報がない場合(「0」が格納されている場合)には、そのままステップS505に進む。第1ビットD1に入賞情報がある場合(「1」が格納されている場合)には、ステップS504にて第2格納処理を実行した後に、ステップS505に進む。第2格納処理では、RAM313の賞球用カウンタエリア361における3個賞球用カウンタエリア361dの値を1加算する。第1ビットD1に入賞情報があるということは、上作動口84aへの入賞が発生したことを意味するからである。ちなみに、第2格納処理では、RAM313における上作動口84aに対応した作動口フラグ格納エリアに作動口フラグを格納する。
続くステップS505では、第2ビットD2に入賞情報があるか否か、すなわち、第2ビットD2に「1」が格納されているか否かを判定する。第2ビットD2に入賞情報がない場合(「0」が格納されている場合)には、そのままステップS507に進む。第2ビットD2に入賞情報がある場合(「1」が格納されている場合)には、ステップS506にて第3格納処理を実行した後に、ステップS507に進む。第3格納処理では、RAM313の賞球用カウンタエリア361における15個賞球用カウンタエリア361aの値を1加算する。第2ビットD2に入賞情報があるということは、可変入賞装置83への入賞が発生したことを意味するからである。ちなみに、第3格納処理では、RAM313に設けられた大入賞口フラグ格納エリア(特別入賞情報記憶手段)に大入賞口フラグ(特別入賞情報)を格納する。この大入賞口フラグは、上述した大入賞口開閉処理(図19のステップS404)において可変入賞装置83への入賞が発生したか否かを判定する上で用いられる。
続くステップS507では、第3ビットD3に入賞情報があるか否か、すなわち、第3ビットD3に「1」が格納されているか否かを判定する。第3ビットD3に入賞情報がない場合(「0」が格納されている場合)には、そのままステップS509に進む。第3ビットD3に入賞情報がある場合(「1」が格納されている場合)には、ステップS508にて第4格納処理を実行した後に、ステップS509に進む。第4格納処理では、RAM313に設けられたスルーフラグ格納エリアにスルーフラグを格納する。このスルーフラグは、上述した第2特定ランプ部制御処理(図19のステップS405)においてスルーゲート85を遊技球が通過したか否かを判定する上で用いられる。第3ビットD3に入賞情報があるということは、スルーゲート85を遊技球が通過したことを意味するからである。
続くステップS509では、第4ビットD4に入賞情報があるか否か、すなわち、第4ビットD4に「1」が格納されているか否かを判定する。第4ビットD4に入賞情報がない場合(「0」が格納されている場合)には、そのままステップS511に進む。第4ビットD4に入賞情報がある場合(「1」が格納されている場合)には、ステップS510にて第5格納処理を実行した後に、ステップS511に進む。第5格納処理では、RAM313の賞球用カウンタエリア361における10個賞球用カウンタエリア361bの値を1加算する。第4ビットD4に入賞情報があるということは、一般入賞口82a〜82cのうちいずれかの一般入賞口82a〜82cへの入賞が発生したことを意味するからである。
続くステップS511では、第5ビットD5に入賞情報があるか否か、すなわち、第5ビットD5に「1」が格納されているか否かを判定する。第5ビットD5に入賞情報がない場合(「0」が格納されている場合)には、そのままステップS513に進む。第5ビットD5に入賞情報がある場合(「1」が格納されている場合)には、ステップS512にて第5格納処理を実行した後に、ステップS513に進む。第5格納処理については、既に説明したとおりである。第5ビットD5に入賞情報があるということは、一般入賞口82a〜82cのうちいずれかの一般入賞口82a〜82cへの入賞が発生したことを意味するからである。
続くステップS513では、第6ビットD6に入賞情報があるか否か、すなわち、第6ビットD6に「1」が格納されているか否かを判定する。第6ビットD6に入賞情報がない場合(「0」が格納されている場合)には、そのまま本情報判定処理を終了する。第6ビットD6に入賞情報がある場合(「1」が格納されている場合)には、ステップS514にて第5格納処理を実行した後に、情報判定処理を終了する。第5格納処理については、既に説明したとおりである。第6ビットD6に入賞情報があるということは、複数ある一般入賞口82a〜82cのうちいずれかの一般入賞口82a〜82cへの入賞が発生したことを意味するからである。
以上のように、本パチンコ機10では、一般入賞口82a〜82c、可変入賞装置83、上作動口84a、下作動口84b及びスルーゲート85といった入球部における入賞発生の有無の判定は、予め定められた周期(具体的には、2msec)で実行される読み込み処理において第1入力ポート351(信号入力用バッファB)を監視することにより行われる。
(入力状態監視処理)
次に、通常処理(図19)のステップS407にて実行される入力状態監視処理について、図21のフローチャートを参照しながら説明する。
入力状態監視処理では、先ずステップS601にて、第2入力ポート352から入力情報を取得する。具体的には、CPU311に設けられた1バイト単位の汎用レジスタに、第2入力ポート352の入力情報を格納する。
続くステップS602では、遊技球の払出に関して異常が発生しているか否かを特定するための払出異常信号監視処理を実行する。詳細には、払出異常信号監視処理では、払出制御基板322から異常信号を入力している旨の情報が汎用レジスタに格納されている場合に、払出異常の発生を主制御基板301のCPU311において特定する。そして、払出異常の発生を特定した場合には、音声ランプ制御基板324に払出異常コマンド(払出異常情報)を出力し、異常報知を実行させる。ここでいう払出異常には、タンク221の球無状態や、払出装置224の故障が含まれる。本パチンコ機10では、当該異常報知として、スピーカ部26から球無状態であることや払出装置224が故障していることを示すメッセージが出力されるようになっている。払出異常コマンドは、払出異常の発生が特定されなくなるまで出力される。音声ランプ制御基板324は、払出異常コマンドを受信しなくなった場合、異常報知を終了するようになっている。
なお、異常報知の態様は任意であり、例えば、図柄表示装置91の表示画面などにおいて報知表示を行うようにしてもよい。また、外部端子板213を通じて遊技ホールの管理コンピュータ(ホールコンピュータ)に異常信号を出力するようにしてもよい。
続くステップS603では、下皿34が満タン状態となっているか否かを特定するための満タン信号監視処理を実行する。詳細には、満タン信号監視処理では、払出制御基板322から満タン信号を入力している旨の情報が汎用レジスタに格納されている場合に、下皿34が満タン状態であることを主制御基板301のCPU311において特定する。そして、下皿34が満タン状態であることを特定した場合には、音声ランプ制御基板324に満タン状態コマンド(満タン状態情報)を出力し、満タン報知として、スピーカ部26から満タン状態であることを示すメッセージが出力されるようになっている。満タン状態コマンドは、満タン状態であることが特定されなくなるまで出力される。音声ランプ制御基板324は、満タン状態コマンドを受信しなくなった場合、満タン報知を終了するようになっている。
なお、この満タン報知の態様は任意であり、例えば、図柄表示装置91の表示画面などにおいて報知表示を行うようにしてもよい。また、外部端子板213を通じて遊技ホールの管理コンピュータ(ホールコンピュータ)に満タン信号を出力するようにしてもよい。
続くステップS604では、本体枠13が開放状態となっているか否かを特定するための本体枠開放信号監視処理を実行する。詳細には、本体枠開放信号監視処理では、本体枠開放スイッチ217から本体枠開放信号を入力している旨の情報が汎用レジスタに格納されている場合に、本体枠13が開放状態であることを主制御基板301のCPU311において特定する。そして、本体枠13が開放状態であることを特定した場合には、音声ランプ制御基板324に本体枠開放状態コマンド(本体開放報知用情報)を出力し、本体開放報知として、スピーカ部26から本体枠開放状態であることを示すメッセージが出力されるようになっている。本体枠開放状態コマンドは、本体枠13の開放状態であることが特定されなくなるまで出力される。音声ランプ制御基板324は、本体枠開放状態コマンドを受信しなくなった場合、本体開放報知を終了するようになっている。
なお、この本体開放報知の態様は任意であり、例えば、図柄表示装置91の表示画面などにおいて報知表示を行うようにしてもよい。また、外部端子板213を通じて遊技ホールの管理コンピュータ(ホールコンピュータ)に本体開放信号を出力するようにしてもよい。
その後、ステップS605にて前扉枠開放信号監視処理を実行する。詳細には、前扉枠開放信号監視処理では、前扉枠14が開放状態であるか閉鎖状態であるかを特定する。そして、前扉枠14が開放状態であることが特定された場合、音声ランプ制御基板324に前扉枠開放状態コマンド(本体開放報知用情報)を出力し、前扉枠開放報知として、スピーカ部26から前扉枠14が開放状態であることを示すメッセージが出力されるようになっている。前扉枠開放状態コマンドは、前扉枠14の開放状態であることが特定されなくなるまで出力される。音声ランプ制御基板324は、本体枠開放状態コマンドを受信しなくなった場合、本体開放報知を終了するようになっている。前扉枠開放信号監視処理を実行したら、続くステップS606にて賞球信号監視処理を実行した後に、本入力状態監視処理を終了する。
なお、この本体開放報知の態様は任意であり、例えば、図柄表示装置91の表示画面などにおいて報知表示を行うようにしてもよい。また、外部端子板213を通じて遊技ホールの管理コンピュータ(ホールコンピュータ)に本体開放信号を出力するようにしてもよい。
(賞球信号監視処理)
次に、上記ステップS606の賞球信号監視処理について、図22のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず賞球許可信号について説明する。
本パチンコ機10では、既に説明したように、電源・発射制御基板321の電断時用電源部321cからの電力は、主制御基板301のRAM313に供給されるが、払出制御基板322のRAM333には供給されない。当該構成とすることにより、電断時用電源部321cの小容量化が図られ、それに伴ってパチンコ機10のコストの削減が図られる。
但し、当該構成においては、外部電源からのパチンコ機10への電力供給が停止されると、払出制御基板322のRAM333に記憶されている情報は全て消去されてしまう(破壊されてしまう)。この場合、従来のパチンコ機のように未払出の賞球数の情報を全て払出制御基板322のRAM333に記憶しておく構成とすると、未払出の賞球数がある状況でパチンコ機10への電力供給が停止された場合にはその未払出の賞球数の全てが払い出されることなく消去されてしまう。そうすると、遊技者に多大な不利益を及ぼすこととなってしまう。
これに対して、本パチンコ機10では、未払出の賞球情報は基本的に主制御基板301のRAM313の賞球用カウンタエリア361に記憶し、主制御基板301のCPU311は払出制御基板322のCPU331から賞球許可信号を入力している場合に当該CPU331に対して賞球コマンドを出力する。そして、払出制御基板322のCPU331では、RAM333の賞球数記憶エリア374に記憶される賞球数の情報が、最大でも、1回の入賞に対する最大賞球数(15個賞球)と、後述する許可基準数との和となるように賞球許可信号の出力開始タイミング及び出力停止タイミングを設定する。なお、この許可基準数は、1回の入賞に対する最小賞球数又はそれ未満となっている。これにより、未払出の賞球数が多数残っている状況でパチンコ機10への電力供給が停止されたとしても、その際に消去される賞球数を極力少なくすることが可能となる。つまり、賞球許可信号とは、主制御基板301のCPU311において賞球コマンドの出力タイミングを特定するために、払出制御基板322のCPU331から主制御基板301のCPU311に出力される情報である。
さて、賞球信号監視処理では先ずステップS701にて、賞球許可信号を入力している旨の賞球許可情報が第1入力ポート351の第7ビットD7に格納されているか否かを判定する。賞球許可情報が格納されている場合には、ステップS702にて、賞球停止信号を入力している旨の賞球停止情報が第1入力ポート351の第8ビットD8に格納されているか否かを判定する。
なお、賞球信号監視処理に際して、第1入力ポート351の情報をCPU311の汎用レジスタや専用レジスタに格納する構成としてもよく、この場合、そのレジスタに賞球許可情報、賞球停止情報が格納されているか否かをそれぞれ判定する構成とする。
ステップS702にて賞球停止情報が格納されている場合には、ステップS703にて、賞球停止コマンド出力処理を実行する。賞球停止コマンド出力処理では、賞球停止コマンドを音声ランプ制御装置143の音声ランプ制御基板324に出力する。上述したように、遊技球の払出が実行される場合、音声ランプ制御基板324にて遊技球が払い出されることに対応して賞球ランプ部25が点灯するようになっている。賞球停止コマンドは、賞球ランプ部25を消灯させるために出力されるコマンドである。
賞球許可信号及び賞球停止信号について説明を補足する。払出制御基板322のCPU331は、RAM333の賞球数記憶エリア374に記憶される未払出の賞球数が規定数以下となった場合に、賞球許可信号を出力する。すなわち、遊技球の払出の実行中において賞球許可信号を出力するようになっている。そして、賞球許可信号を出力している状態において、賞球数記憶エリア374に未払出の賞球数が「0」となった場合に賞球停止信号を出力するようになっている。このため、賞球許可信号を出力し、賞球数記憶エリア374に記憶される未払出の賞球数が「0」となる前の状態において主制御基板301から賞球コマンドを受信した場合、賞球数記憶エリア374に未払出の賞球数の情報が記憶されることとなり、賞球停止信号が出力されることはない。賞球停止信号を出力する前のタイミングにて賞球許可信号を出力することにより、主制御基板301のRAM313に未払出の賞球情報が記憶されている場合に、払出制御基板322の賞球数記憶エリア374に記憶される未払出の賞球数が「0」となることを抑制できる。
例えば、賞球許可信号が設定されておらず、払出制御基板322から賞球停止信号が出力されたことに基づいて主制御基板301から賞球コマンドが出力される構成が考えられる。この構成では、主制御基板301のRAM313に未払出の賞球数の情報が記憶されている場合にも、払出制御基板322の賞球数記憶エリア374に記憶される未払出の賞球数の情報が「0」となってから主制御基板301から賞球コマンドが出力される。この場合、賞球数記憶エリア374に記憶される未払出の賞球数の情報が一旦「0」となり、主制御基板301のRAM313に未払出の賞球数の情報が記憶されているにも関わらず、払出モータ257が停止される。このため、主制御基板301のRAM313に未払出の賞球数の情報が記憶されている場合、払出モータ257の駆動及び停止が短い期間にて繰り返されることとなる。払出制御基板302から賞球許可信号が出力されることは、主制御基板301に未払出の賞球数の情報が記憶されている場合に賞球数記憶エリア374に記憶される未払出の賞球数の情報が「0」となることを抑制し、上記払出モータ257の駆動及び停止が繰り返されることを抑制するための工夫である。
ステップS702にて賞球停止情報が格納されていなかった場合、又はステップS703にて賞球停止コマンド出力処理を実行した場合、ステップS704に進み、主制御基板301のRAM313の賞球許可カウンタエリア(許可契機把握用手段)365に格納されている値が「5」であるか否かを判定する。賞球許可カウンタエリア365とは、第1入力ポート351に賞球許可情報が格納されている場合に、それが払出制御基板322から実際に賞球許可信号が出力されていることに起因して格納されたものか、ノイズなどの原因により格納されたものかをCPU311において特定するためのものである。
賞球許可カウンタエリア365の値が「5」以上の場合には、ステップS704にて肯定判定をし、そのまま本賞球信号監視処理を終了する。一方、賞球許可カウンタエリア365の値が「5」未満の場合には、ステップS704にて否定判定をし、ステップS705に進む。ステップS705では、賞球許可カウンタエリア365の値を1加算した後に、本賞球信号監視処理を終了する。
ここで、賞球信号監視処理は、通常処理の一部の処理として実行されるため、その実行周期は約4msecである。したがって、払出制御基板322から賞球許可信号が出力されており、且つ賞球許可カウンタエリア365の値が「5」未満の場合には、約4msec周期で賞球許可カウンタエリア365の値が1加算される。また、ステップS704の処理が実行されることにより、払出制御基板322からの賞球許可信号の出力が継続されている状況であっても賞球許可カウンタエリア365の値が「5」以上となった場合には、当該賞球許可カウンタエリア365の値の加算処理は実行しない。
また、ステップS704にて、賞球許可情報が格納されていないと判定した場合には、ステップS706にて賞球許可カウンタエリア365の値を「0」クリアした後に、本賞球信号監視処理を終了する。つまり、払出制御基板322から賞球許可信号が出力されていない状況では、賞球許可カウンタエリア365の値は「0」に維持される。
(払出用出力処理)
次に、通常処理(図19)のステップS408にて実行される払出用出力処理について、図23のフローチャートを参照しながら説明する。払出用出力処理とは、主制御基板301のCPU311から払出制御基板322のCPU331に各種コマンドを出力するための処理である。
ステップS801では、前扉枠14が開放されているか否かを判定する。具体的には、RAM313の前扉枠開放フラグ格納エリアに前扉枠開放フラグが格納されているか否かを判定する。前扉枠開放フラグについて補足すると、上述した入力状態監視処理にて前扉枠開放信号監視処理が実行された場合、前扉枠14が開放状態である場合には、RAM313の前扉枠開放フラグ格納エリアに前扉枠開放フラグが格納される。また、前扉枠開放信号監視処理にて前扉枠14が閉鎖状態である場合にはRAM313の前扉枠開放フラグ格納エリアがクリアされるようになっている。前扉枠開放フラグが格納されている場合には、そのまま払出用出力処理を終了する。
前扉枠開放フラグが格納されていない場合には、ステップS802にて、RAM313の賞球許可カウンタエリア365の値が出力許可基準回数としての「5」となっているか否かを判定する。ここで、上記のとおり、賞球許可カウンタエリア365の値は、払出制御基板322のCPU331から賞球許可信号が出力されており、且つ賞球許可カウンタエリア365の値が「5」未満の場合には、約4msec周期で1加算される。また、賞球許可カウンタエリア365の値は、払出制御基板322のCPU331からの賞球許可信号の出力が停止された場合には「0」クリアされる。したがって、ステップS802では、払出制御基板322のCPU331からの賞球許可信号の出力が継続して出力許可継続期間としての20msecとなったか否かを判定している。
賞球許可カウンタエリア365の値が「5」でない場合には、そのまま本払出用出力処理を終了する。賞球許可カウンタエリア365の値が「5」である場合には、ステップS803にて、RAM313の賞球用カウンタエリア361における各種カウンタエリア361a〜361dのいずれかに賞球情報が記憶されているか否かを判定する。いずれにも賞球情報が記憶されていない場合には、そのまま本払出用出力処理を終了する。
各種賞球用カウンタエリア361a〜361dのいずれかに賞球情報が記憶されている場合には、ステップS804にて賞球許可カウンタエリア365の値を「0」クリアする。その後、ステップS805にて賞球コマンド出力処理を実行し、本払出用出力処理を終了する。
ここで、賞球コマンド出力処理について、図24のフローチャートを参照しながら説明する。
本賞球コマンド出力処理では、遊技球の払出を実行するように払出制御基板322に賞球コマンドを出力するとともに、遊技球の払出が実行されることを認識するように音声ランプ制御基板324に賞球コマンドを出力する。払出制御基板322は、当該コマンドを受信することにより、遊技球の払出を実行するよう払出装置224を制御する。音声ランプ制御基板324は、当該コマンドを受信することにより、遊技球の払出が実行されていることを報知するよう賞球ランプ部25を制御するとともに、受信した賞球コマンドが予め定められた賞球コマンドであった場合には、その予め定められた賞球コマンドを受信した回数をカウントする。
先ずステップS901では、RAM313の15個賞球用カウンタエリア361aの値が「0」か否かを判定する。「0」でない場合には、15個賞球について賞球の未実施情報が記憶されていることを意味するため、ステップS902にて15個賞球コマンドを払出制御基板322のCPU331に出力するとともに、ステップS903にて15個賞球用カウンタエリア361aの値を1減算する。上述したように、15個賞球コマンドは上位情報「11110000」と下位情報「00001111」とからなる2バイトで構成されている。ステップS902では、払出制御基板322に対してこの上位情報及び下位情報を出力する。
続くステップS904にて、第1賞球コマンド出力処理として、遊技球の払出が実行されることを認識させるように音声ランプ制御基板324に第1賞球コマンドを出力する。詳細には、第1賞球コマンドは、上位情報と下位情報とからなる2バイトで構成されている。そして、上位情報が「11110000」、下位情報が「00001111」となっている。これは、払出制御基板322に出力する15個賞球コマンドと同様のものとなっている。その後、本賞球コマンド出力処理を終了する。
ステップS901において、15個賞球用カウンタエリア361aの値が「0」である場合には、ステップS905に進む。ステップS905では、RAM313の4個賞球用カウンタエリア361cの値が「0」か否かを判定する。「0」でない場合には、4個賞球について賞球の未実施情報が記憶されていることを意味するため、ステップS906にて4個賞球コマンドを払出制御基板322のCPU331に出力するとともに、ステップS907にて4個賞球用カウンタエリア361cの値を1減算する。上述したように、4個賞球コマンドは、上位情報「11111011」と下位情報「00000100」とからなる2バイトで構成されている。ステップS906では、払出制御基板322に対してこの上位情報及び下位情報を出力する。
続くステップS908にて、ステップS904と同様、第1賞球コマンドを出力する。すなわち、ステップS908では、第1賞球コマンドとして上位情報が「11110000」、下位情報が「00001111」からなるコマンドが出力される。その後、本賞球コマンド出力処理を終了する。
ステップS905において、4個賞球用カウンタエリア361cの値が「0」である場合には、ステップS909に進む。ステップS909では、RAM313の3個賞球用カウンタエリア361dの値が「0」か否かを判定する。「0」でない場合には、3個賞球について賞球の未実施情報が記憶されていることを意味するため、ステップS910にて3個賞球コマンドを払出制御基板322のCPU331に出力するとともに、ステップS911にて3個賞球用カウンタエリア361dの値を1減算する。上述したように、3個賞球コマンドは、上位情報「11111100」と下位情報「00000011」とからなる2バイトで構成されている。ステップS910では、払出制御基板322に対してこの上位情報及び下位情報を出力する。
続くステップS912にて、ステップS904と同様、第1賞球コマンドを出力する。すなわち、ステップS912では、第1賞球コマンドとして上位情報が「11110000」、下位情報が「00001111」からなるコマンドが出力される。その後、本賞球コマンド出力処理を終了する。
ステップS909において、3個賞球用カウンタエリア361dの値が「0」である場合には、ステップS913に進む。ステップS913にて10個賞球コマンドを払出制御基板322のCPU331に出力するとともに、ステップS914にて10個賞球用カウンタエリア361bの値を1減算する。上述したように、10個賞球コマンドは、上位情報「11110101」と下位情報「00001010」とからなる2バイトで構成されている。ステップS913では、払出制御基板322に対してこの上位情報及び下位情報を出力する。
続くステップS915にて、第2賞球コマンド出力処理として、第2賞球コマンドを音声ランプ制御基板324に出力する。詳細には、第2賞球コマンドは、上位情報と下位情報とからなる2バイトで構成されている。そして、上位情報が「11110101」、下位情報が「00001010」となっている。これは、払出制御基板322に出力する10個賞球コマンドと同様のものとなっている。その後、本賞球コマンド出力処理を終了する。
本賞球コマンド出力処理では、払出制御基板322に賞球コマンドが出力されるとともに、音声ランプ制御基板324に賞球コマンドが出力される。これにより、音声ランプ制御基板324にて遊技球の払出が実行されることを認識できる。また、音声ランプ制御基板324に賞球コマンドを出力する場合、15個、4個及び3個賞球コマンドに対応したものとして15個賞球コマンドと同一のコマンドである第1賞球コマンドを出力し、10個賞球コマンドに対応したものとして10個賞球コマンドと同一のコマンドである第2賞球コマンドを出力するようにした。この結果、音声ランプ制御基板324では、今回実行される遊技球の払出が10個賞球コマンドに対応したものであるか、又はそれ以外の賞球コマンドに対応したものであるかを認識できる。
また、払出制御基板322に出力する賞球コマンドを、音声ランプ制御基板324に出力する賞球コマンドとして同一のコマンドとしている。この結果、主制御基板301から従側の制御基板に出力するコマンドの種類を削減することが可能となり、主制御基板301のROM312におけるコマンド記憶エリア312aの記憶容量を削減することが可能となる。
主制御基板301の賞球コマンドの出力について説明を補足すると、主制御基板301のCPU311は、第1入力ポート351に賞球許可情報が格納されたとしても、払出制御基板322において賞球コマンドの出力が許可されたと即座に特定することはなく、複数回として設定された出力許可基準回数だけ連続して賞球許可情報が確認された場合、すなわち、出力許可基準期間である20msecに亘って賞球許可信号が出力されている状態が確認された場合に、賞球コマンドの出力が許可されたと特定する(出力許可状態であると特定する)。そして、賞球コマンドの出力が許可されたと特定することで、払出制御基板322のCPU331に1回の入賞に対応した1個の賞球コマンドを出力する。本パチンコ機10では外部電源からの電力供給が停止されると払出制御基板322のRAM333に記憶されている情報は消去されてしまう。このため、遊技球の払出に関する情報を可能な限り主制御基板301にて記憶しておくことが望ましい。出力許可基準期間である20msecに亘って賞球許可信号が出力されている状態が確認された場合に、賞球コマンドの出力が許可されたと特定することは、ノイズ等の影響によって瞬間的に賞球許可情報が格納され、主制御基板301にて賞球コマンドの出力が許可されたと判定することを抑制するための工夫である。
また、払出用出力処理(図23)においてステップS804の処理が実行されることにより、前扉枠14が開放状態の場合には賞球許可信号を入力している期間が出力許可基準期間に達しているとしても賞球コマンドは出力されない。本パチンコ機10では、前扉枠14が開放状態である場合には遊技球の払出は停止される。この場合、前扉枠14が開放状態である場合に賞球コマンドを出力しないようにすることで、遊技球の払出が停止されている状況において新たに賞球コマンドが出力されないようにすることが可能となる。遊技球の払出が停止されている状況において賞球コマンドが出力されると、前扉枠14を開放状態としたまま電力供給が停止された場合にはその賞球コマンドに対応した賞球は払い出されることなく消去されてしまう。これに対して、本構成によれば、このような不都合の発生を阻止することができる。なお、前扉枠14が開放状態の場合に賞球コマンドの出力を禁止することは必須の構成ではなく、前扉枠14が開放状態の場合に賞球コマンドを出力するようにしてもよい。
また、賞球コマンド出力処理(図24)においては、複数種類設定された賞球情報についてコマンド出力に関して以下のように優先度を設定した。つまり、(1)15個賞球情報→(2)4個賞球情報→(3)3個賞球情報→(4)10個賞球情報の順序で優先度を設定した((1)が最も優先度が高く、(4)が最も優先度が低い)。
本パチンコ機10では、主制御基板301のRAM313の賞球用カウンタエリア361a〜361dは、1バイトで構成されており、記憶可能な賞球情報の数には上限があり、各上限数は一定となっている。その一方、前扉枠14が開放状態となった場合のように、賞球コマンドの出力が禁止されることがある。これに対して、上記のように賞球コマンドの出力に関して優先度を設定することで、入賞が発生したにも関わらずその入賞に対応した賞球情報が賞球用カウンタエリア361a〜361dに加算されないまま消去されてしまうといった不都合が発生する可能性が低減される。
つまり、一般入賞口82a〜82c、可変入賞装置83、上作動口84a及び下作動口84bのうち、短時間で多数の入賞が発生する可能性が高いのは、可変入賞装置83→下作動口84b→上作動口84a→一般入賞口82a〜82cである(可変入賞装置83の可能性が最も高く、一般入賞口82a〜82cの可能性が最も低い)。そして、短時間で多数の入賞が発生する可能性が高いものほど、上記のような不都合が発生する可能性が高いと言える。これに対して、上記のように優先度を設定することで、短時間で多数の入賞が発生する可能性が高い入賞に対応した賞球情報から優先して賞球コマンドとして出力されることとなり、上記のような不都合が発生する可能性が低減される。
可変入賞装置83は、大当たり状態の場合に開放状態となるものであり、開放状態となると短時間で多数の入賞が発生する。また、下作動口84bは、頻度向上状態の場合に開放状態となるものであり、開放状態となると短時間で多数の入賞が発生する。但し、開放状態となった場合の単位時間当たりの入賞数は、可変入賞装置83の方が多くなっている。また、上作動口84aは、常に入賞が可能な状態となっているが、可変入賞装置83や下作動口84bのように入賞をサポートする部材は不具備であり、可変入賞装置83や下作動口84bが開放状態となった場合の単位時間当たりの入賞数は、これら可変入賞装置83及び下作動口84bよりも上作動口84aの方が少なくなっている。さらには、一般入賞口82a〜82cは、固定入賞口となっている。このため、遊技状態に関わらず一般入賞口82a〜82cに入賞することが可能となっているが、釘88により上作動口84aよりも入賞しづらい状態となっている。各入賞口について入賞が発生する可能性について説明を補足すると、60秒あたりに遊技球が入賞する期待数は、一般入賞口82a〜82cが0.5個、大当たり状態において可変入賞装置83が40個、上作動口84aが8個、頻度向上状態において下作動口84bが35個と設定されている。すなわち、一般入賞口82a〜82cへ遊技球が入賞する期待数が低く設定されている。一般入賞口82a〜82cは、遊技状態に関わらず入賞可能となっており、遊技者が遊技を行っている場合に大当たり状態となる機会が得られなかった場合にも最低限の遊技球を遊技者に付与して、いわゆる球もちのベースを保つために設けられている。
一般入賞口82a〜82cへ入賞する可能性について個別に説明すると、図柄表示装置91の左側(前扉枠14の開放基端側)を遊技球が通過するように遊技を行った場合、図柄表示装置91の右側(前扉枠14の開放先端側)を遊技球が通過するように遊技を行った場合よりも第2,第3一般入賞口82b,82cに入賞しやすくなっている。図柄表示装置91の右側を遊技球が通過するように遊技を行った場合、図柄表示装置91の左側を遊技球が通過するように遊技を行った場合よりも第1一般入賞口82aに入賞しやすくなっている。このため、図柄表示装置91の左側を遊技球が通過するように遊技を行った方が、図柄表示装置91の右側を遊技球が通過するように遊技を行った場合よりも入賞する可能性のある入賞口が多く遊技者に有利となっている。すなわち、第1一般入賞口82aと左右対称に設けられた第2一般入賞口82bに加え、第3一般入賞口82cに入賞する可能性があるため、図柄表示装置91の左側を遊技球が通過するよう遊技を行った方が遊技者に有利となっている。
このため、遊技者は図柄表示装置91の左側を遊技球が通過するように遊技を行い、一般入賞口82a〜82cのうち、第1一般入賞口82aに遊技球が入賞する機会が低減される。また、一般入賞口82a〜82cへの入賞に関わらず、図柄表示装置91の左側を通過するよう遊技を行う期間が長い遊技機が一般的であり、第1一般入賞口82aに遊技球が入賞する機会が少なくなっている。
なお、本パチンコ機10においては、図柄表示装置91の右側を遊技球が通過可能となっているが、遊技機によっては、図柄表示装置91の右側を遊技球が通過できない又は図柄表示装置91の右側を遊技球が通過した場合、大当たり状態の付与や遊技球の払出等の特典を遊技者が得られなくなっている。例えば、図柄表示装置91の右側を遊技球が通過した場合、上,下作動口に遊技球が入賞することがないものが考えられる。上記構成においては、開放先端側に設けられた第1一般入賞口82aに遊技球が入賞する機会が一層低減される。
(払出制御基板322のCPU331における処理構成)
次に、払出制御基板322のCPU331における処理構成について説明する。かかるCPU331の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、主制御基板301のCPU311からのコマンドの入力により起動される入力時割込み処理と、定期的に(本実施の形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理とがある。
(メイン処理)
メイン処理について、図25のフローチャートを参照しながら説明する。このメイン処理は、電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず、ステップS1001では、電源投入に伴う初期設定を実行する。続くステップS1002では、初期表示処理を実行する。初期表示処理では、払出制御基板322に設けられた7セグ表示器242aに初期表示として「0」を表示させる。
続くステップS1003では、RAMアクセスを許可すると共に、ステップS1004で外部割込みベクタの設定を行う。その後、ステップS1005にてRAM333の全領域を「0」にクリアし、ステップS1006にてCPU周辺デバイスの初期設定を行う。続くステップS1307では割込みを許可する。以上のステップS1001〜ステップS1007の一連の処理が払出制御基板322のCPU331における立ち上げ処理に該当し、当該立ち上げ処理が完了するまでに、例えば300msecを要する。なお、この立ち上げ処理に要する時間は300msecに限定されることはなく、主制御基板301のCPU311において立ち上げ処理に要する時間よりも短いのであれば任意である。
その後、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで、ステップS1007の処理を繰り返し実行する。なお、このようにステップS1007の割込み許可の設定処理を繰り返し実行することで、仮にノイズ等の影響で割込み許可の設定が解除されて不許可の設定となったとしても、割込み許可の状態に再度設定しなおすことができる。
(入力時割込み処理)
次に、払出制御基板322のCPU331により実行される入力時割込み処理について、図26のフローチャートを参照しながら説明する。
入力時割込み処理では、先ずステップS1101にて入力したコマンドが初期コマンドか否かを判定する。初期コマンドである場合には、ステップS1102にて初期表示解除処理を実行した後に、本入力時割込み処理を終了する。初期表示解除処理では、7セグ表示器242aにおける初期表示を終了させる。
入力したコマンドが初期コマンドでない場合には、ステップS1103にて賞球コマンドか否かを判定する。賞球コマンドである場合には、ステップS1104にてコマンド格納処理を実行した後に、本入力時割込み処理を終了する。コマンド格納処理では、払出制御基板322のRAM333のコマンド格納エリア373に、今回入力した賞球コマンドを格納する。
入力したコマンドが賞球コマンドでない場合には、ステップS1105にて前扉枠開放コマンドか否かを判定する。前扉枠開放コマンドである場合には、ステップS1106にてRAM333の前扉枠開放フラグ格納エリア(払出側の前面体開放情報記憶手段)に前扉枠開放フラグ(払出側の前面体開放情報)を格納した後に、本入力時割込み処理を終了する。
入力したコマンドが前扉枠開放コマンドでない場合には、ステップS1107にて前扉枠閉鎖コマンドか否かを判定する。前扉枠閉鎖コマンドである場合には、ステップS1108にてRAM333の前扉枠開放フラグ格納エリアから前扉枠開放フラグを消去した後に、本入力時割込み処理を終了する。前扉枠開放コマンドでない場合には、そのまま本入力時割込み処理を終了する。
(タイマ割込み処理)
次に、払出制御基板322のCPU331により例えば2msec毎に実行されるタイマ割込み処理について、図27のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS1201にて状態復帰スイッチ245をチャックして、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する。その後、ステップS1202にて下皿34の満タン状態に関する処理として満タン用処理を実行する。ステップS1202の満タン用処理について説明する。満タン用処理では、下皿34が満タン状態であるか否かを判定する。そして、下皿34が満タン状態である場合には、満タン検知信号を主制御基板301のCPU311に出力する。詳細には、下皿34への前扉側下皿通路52に設けられた満タン検知センサ59の検知結果に基づいて下皿34が満タン状態か否かを判定する(満タン検知センサ59により遊技球が検出された場合に満タン状態であることが特定される)。主制御基板301のCPU311では、満タン検知信号を受信することにより、下皿34が満タン状態であることを把握する。
続くステップS1203にてタンク221の球無状態に関する処理として球無用処理を実行する。球無用処理では、ケースレール223に設けられた球無検知センサ223aの検知結果に基づいてタンク221が球無状態か否かが判定される。具体的には、払出制御基板322のCPU331の入力ポートに球無検知センサ223aから球無検知信号を入力している旨を示す球無検知情報が格納されているか否かを判定する。球無検知情報が格納されることにより、払出制御基板322のCPU331から主制御基板301のCPU311に払出異常信号の出力が開始される(詳細には、払出異常信号は払出状態設定処理の異常信号出力処理にて出力される)とともに、球無状態が設定されている間は払出異常信号の出力状態が維持される。これにより、主制御基板301にて払出異常が発生していることを把握することが可能となる。
球無用処理を実行したらステップS1204にて賞球数の設定に関する処理として賞球設定処理を実行する。賞球設定処理については後述する。
続くステップS1205にて貸球の設定に関する処理として貸球設定処理を実行する。次に、ステップS1205の貸球設定処理について説明する。貸球設定処理では、球貸用接続端子板249を通じて球貸装置Yから入力した貸球要求信号に基づいて貸球数を特定し、その特定した貸球数を払出制御基板322のRAM333の貸球数記憶エリア375に加算する処理が実行される。そして、貸球数記憶エリア375に記憶されている値に基づいて遊技球の払出(貸出)が実行される。
なお、本パチンコ機10では、賞球コマンドに基づいた遊技球の払出が行われている場合、球貸装置Yから貸球の払出に対応した情報を入力しないようになっている。これは、賞球の払出が実行されている間は仮に球貸操作装置36において球貸操作が行われたとしても賞球の払出を優先させるための工夫である。
賞球の払出の優先について補足する。賞球の払出が実行されている状況で球貸操作が行われた場合に当該球貸を優先させる構成を想定すると、払出制御基板322のRAM333の賞球数記憶エリア374に賞球数の情報が記憶されているにも関わらず、賞球の払出を停止させる必要が生じる。この場合に、パチンコ機10が電源遮断状態となると、払出制御基板322のRAM333に電断時用電力が供給されないことに伴って、賞球数の情報は消去されてしまう。その一方、球貸装置Yは独自に情報の電断時記憶保持機能を有しているため、賞球の払出が実行されている状況では球貸装置Yから貸球要求信号を入力しないようにすることで、貸球数の情報は球貸装置Yにて記憶保持され、パチンコ機10が電源遮断状態となったとしても貸球数の情報が消去されることはない。上記事情において、賞球の払出が実行されている状況で球貸操作が行われたとしても賞球の払出を優先させることで、賞球数の情報が実際に払い出されないまま消去されてしまうことが防止される。
ステップS1205にて貸球設定処理を実行したらステップS1206にて払出個数の設定に関する処理として払出個数設定処理を実行し、ステップS1207にて遊技球の払出に関する処理として払出制御処理を実行し、ステップS1208にて賞球許可信号の設定に関する処理として賞球許可信号設定処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。
以下、ステップS1204の賞球設定処理、ステップS1206の払出個数設定処理、ステップS1207の払出制御処理及びステップS1208の賞球許可信号設定処理を詳細に説明する。
(賞球設定処理)
次に、ステップS1204の賞球設定処理について、図28のフローチャートを参照しながら説明する。賞球設定処理では、主制御基板301のCPU331から入力した賞球コマンドから賞球数を特定し、その特定した賞球数を払出制御基板322のRAM333の賞球数記憶エリア374に加算する処理が実行される。
賞球設定処理では先ずステップS1301にて、RAM333のコマンド格納エリア373に賞球コマンドが格納されているか否かを判定する。賞球コマンドが格納されていない場合には、そのまま本賞球設定処理を終了する。賞球コマンドが格納されている場合には、ステップS1302に進む。ステップS1302では、賞球コマンドが正常か否かを判定する。上述したように各賞球コマンドは上位情報と下位情報とからなる2バイトで構成されている。そして、各賞球コマンドは、上位情報と下位情報との論理和を演算した場合の情報の形態が「FF」となるように設定されている。ステップS1302では、賞球コマンドの論理和の結果が「FF」となるかを判定している。「FF」でなかった場合、本賞球設定処理を終了する。この場合、今回の賞球コマンドは、賞球数の情報としてRAM333の賞球数記憶エリア374に加算されることなく消去される。
ステップS1302にて賞球コマンドが正常と判定した場合、ステップS1303に進む。ステップS1303では、賞球数特定処理を実行する。具体的には、ROM332の賞球テーブル記憶エリア332aに記憶されている情報に基づいて、今回入力した賞球コマンドがいずれの賞球数に対応しているかを特定する。この場合、賞球コマンドの下位情報と賞球テーブル記憶エリア332aとが照らし合わされ、賞球数の特定が行われる。ここで特定された賞球数は、賞球コマンドの情報に代えて、CPU331の汎用レジスタに格納される。
続くステップS1304では、賞球数の加算処理を実行する。当該加算処理では、ステップS1303にて特定した賞球数の情報を、賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報に加算する。
続くステップS1305では、RAM333の賞球低速フラグ格納エリア(賞球低速情報記憶手段)に賞球低速フラグ(賞球低速情報)が格納されているか否かを判定する。賞球低速フラグとは、賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報が、払出制御基板322のROM332に予め記憶された切換基準数(具体的には、「2」)となった場合に格納され、切換基準数を超えることにより消去されるフラグである。
ここで、本パチンコ機10は、賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報が切換基準数となった場合には、払出モータ257の払出速度の設定をそれまでの通常周期から低速周期に変更するように構成されている。これは以下の理由による。つまり、賞球数記憶エリア374に賞球数の情報が記憶されていない状況では、節電のため払出モータ257の駆動は停止される。この場合に、単発的な入賞が所定の間隔を置いて繰り返し発生すると、払出モータ257の駆動開始及び駆動停止を繰り返し行う必要が生じる。払出モータ257の駆動開始には払出モータ257の駆動状態を維持する場合よりも大きな駆動力を必要とするため、上記のように払出モータ257の駆動開始及び駆動停止が繰り返し行われることは好ましくない。これに対して、賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報が切換基準数となった場合に、払出モータ257の払出速度を低速周期に切り換えることで、単発的な入賞が所定の間隔を置いて繰り返し発生したとしても、切換基準数の賞球を低速周期で実行している間に次の入賞が発生する可能性が高まり、払出モータ257の駆動開始及び駆動停止が繰り返し行われてしまう可能性が低減される。
なお、払出モータ257の払出速度を常に低速とする構成も考えられるが、この場合、遊技球の払出速度が慢性的に遅くなり、遊技者にとっては入賞が発生したにも関わらずそれに対する賞球を受けるのに相当な時間を要することとなり好ましくない。
ステップS1305にて、賞球低速フラグ格納エリアに賞球低速フラグが格納されていない場合には、そのままステップS1307に進む。一方、賞球低速フラグが格納されている場合には、ステップS1306にて賞球低速フラグ格納エリアから賞球低速フラグを消去した後に、ステップS1307に進む。賞球低速フラグが消去されることで、低速周期に設定された払出モータ257の払出速度が通常周期に復帰することとなる。
ステップS1307では、エラーフラグの消去処理を実行する。エラーフラグは、例えば、主制御基板301のCPU311から解析不能なコマンドを入力した場合や主制御基板301のCPU311からコマンドを所定の期間に亘って入力していない場合に格納されるフラグである。当該エラーフラグは、賞球コマンドを正常に入力し、その賞球コマンドに対する賞球設定処理が実行されることで、ステップS1307にて消去される。ステップS1307にてエラーフラグの消去処理を実行した後は本賞球設定処理を終了する。
(払出個数設定処理)
次に、ステップS1206の払出個数設定処理について、図29のフローチャートを参照しながら説明する。払出個数設定処理では、RAM333の賞球数記憶エリア374又は貸球数記憶エリア375に記憶されている情報を、遊技球の払出に際しての実行エリアであるRAM333の払出個数カウンタエリアに格納する処理が実行される。
ステップS1401では、球抜き動作中か否かを判定する。球抜き動作とは、タンク221に貯留されている遊技球をパチンコ機10外部に排出するための動作のことをいう。
ここで、球抜き動作の手順について説明する。先ず島設備からタンク221への補給を止める。その後、前扉枠14を開放状態とし、可変入賞装置83内に多数の遊技球を手で入れる。その後、前扉枠14を閉鎖状態とすることで、払出制御基板322のCPU331から主制御基板301のCPU311に賞球許可信号が出力されるのに応じて主制御基板301のCPU311から払出制御基板322のCPU331に賞球コマンドが出力され、払出装置224による遊技球の払出が実行される。
その後、タンク221に貯留されている遊技球が無くなることで、球無検知センサ223aから球無検知信号が出力され、払出装置224による遊技球の払出が停止される。この場合に、ケースレール223に設けられた球抜きスイッチ223bを操作することで、払出制御基板322のCPU331において球抜き状態に設定される。具体的には、RAM333の球抜き状態フラグ格納エリアに球抜き状態フラグを格納する。これにより、球無検知センサ223aから球無検知信号が出力されている状況であっても払出装置224による遊技球の払出が再開され、球抜きスイッチ223bよりも下流側であって払出装置224の払出モータ257の位置まで連なっている遊技球の排出が行われる。そして、当該遊技球の排出が行われることで、タンク221の球抜きが完了する。この際、球抜き状態の設定が解除される。すなわち、RAM333の球抜き状態フラグ格納エリアに格納されている球抜き状態フラグが消去される。
ステップS1401にて球抜き状態が設定されていない場合には、ステップS1402に進み、払出エラー状態か否かを判定する。払出エラー状態である場合には、そのまま本払出個数設定処理を終了する。これにより、払出エラー状態において遊技球の払出が実行されることが阻止される。払出エラー状態とは、前扉枠開放状態、下皿満タン状態、タンク球無状態又は払出装置異常状態のいずれかに該当している状態のことである。
払出エラー状態でない場合には、ステップS1403にてリトライ動作中か否かを判定する。リトライ動作とは、払出装置224において遊技球の球詰まりが発生した場合などにおいて回転体256を通常とは逆に回転させたりする処理である。リトライ動作中である場合にはそのまま本払出個数設定処理を終了し、リトライ動作中でない場合にはステップS1404に進む。
ステップS1404では、貸球動作中か否かを判定する。貸球動作中とは、RAM333の貸球状態フラグ格納エリアに貸球状態フラグが格納されている状態、又はRAM333の貸球数記憶エリア375に貸球数の情報が記憶されている状態のことをいう。貸球状態フラグが格納されている又は貸球数記憶エリア375に貸球数の情報が記憶されている場合には、ステップS1405にて、貸球数記憶エリア375の情報をRAM333の払出個数カウンタエリア376に更新した後に、本払出個数設定処理を終了する。
一方、貸球状態フラグが格納されておらず且つ貸球数記憶エリア375に貸球数の情報が記憶されていない場合には、ステップS1406にて、RAM333の賞球数記憶エリア374の情報をRAM333の払出個数カウンタエリア376に更新した後に、本払出個数設定処理を終了する。また、ステップS1401において、球抜き状態が設定されている場合にも、ステップS1406にて、RAM333の賞球数記憶エリア374の情報をRAM333の払出個数カウンタエリア376に更新した後に、本払出個数設定処理を終了する。
(払出制御処理)
次に、ステップS1207の払出制御処理について、図30のフローチャートを参照しながら説明する。払出制御処理では、RAM333の払出個数カウンタエリア376に記憶されている情報に基づいて遊技球の払出を行う処理が実行される。
払出制御処理では先ずステップS1501にて、払出状態設定処理を実行する。ここで、払出状態設定処理について図31のフローチャートを参照しながら説明する。
払出状態設定処理では、先ずステップS1601にて、払出エラー状態か否かを判定する。払出エラー状態については既に説明したとおりである。払出エラー状態である場合には、ステップS1602にて、払出モータ257を停止状態に設定する。これにより、払出制御基板322のCPU331から払出モータ257への駆動信号の出力が停止され、払出装置224による遊技球の払出が停止される。なお、既に遊技球の払出が停止されている場合にはその状態が維持される。
続く、ステップS1603にて払出異常信号出力処理を実行する。払出異常信号出力処理では、主制御基板301のCPU311に対して払出異常信号を出力する。主制御基板301は、払出異常信号を受信することにより、払出エラー状態であることを把握できる(入力状態監視処理におけるステップS602)。払出異常信号出力処理を実行したら本払出状態設定処理を終了する。
ステップS1601にて、払出エラー状態でない場合には、ステップS1604にて、RAM333の払出個数カウンタエリア376の値が「0」か否かを判定する。払出個数カウンタエリア376の値が「0」である場合には、払出を実行すべき遊技球が存在しないことを意味するため、ステップS1605にて払出モータ257を停止状態に設定し、ステップS1606にて賞球停止信号出力処理を実行する。賞球停止信号出力処理では、主制御基板301のCPU311に対して賞球停止信号が出力される。主制御基板301は、賞球停止信号を受信することにより、払出装置224が停止状態となったことを把握できる(賞球信号監視処理におけるステップS702)。賞球停止信号出力処理を実行したら本払出状態設定処理を終了する。
ステップS1604にて、払出個数カウンタエリア376の値が「0」でない場合には、ステップS1607にて、RAM333の賞球低速フラグ格納エリアに賞球低速フラグが格納されているか否かを判定する。
いずれかの低速フラグが格納されている場合には、ステップS1608にて、払出モータ257の払出速度を低速周期に設定した後に、本払出状態設定処理を終了する。払出モータ257の払出速度が低速周期に設定されることで、払出装置224から1.2sec毎に1個の遊技球が払い出される。なお、既に低速周期に設定されている場合にはその状態が維持される。
一方、いずれの低速フラグも格納されていない場合には、ステップS1609にて、払出モータ257の払出速度を通常周期に設定した後に、本払出状態設定処理を終了する。払出モータ257の払出速度が通常周期に設定されることで、払出装置224から60msec毎に1個の遊技球が払い出される。なお、既に通常周期に設定されている場合にはその状態が維持される。
払出制御処理(図30)の説明に戻り、ステップS1501にて払出状態設定処理を実行した後は、ステップS1502に進む。ステップS1502では、払出装置224の払出球検知センサ258にて遊技球を検知しているか否かを判定する。具体的には、払出球検知センサ258から払出球検知信号を入力しているか否かを判定する。この判定は、払出球検知信号の入力継続期間が払出検知継続期間に達しているか否かを判定することにより行われる。払出球検知信号を入力していない場合には、そのまま本払出制御処理を終了する。払出球検知信号を入力している場合には、ステップS1503に進む。
ステップS1503では、貸球動作中か否かを判定する。貸球動作中でない場合には、ステップS1504〜ステップS1508の賞球用減算処理を実行した後に、本払出制御処理を終了する。一方、貸球動作中である場合には、ステップS1509、ステップS1510の貸球用減算処理を実行した後に、本払出制御処理を終了する。
賞球用減算処理では、先ずステップS1504にて、RAM333の賞球数記憶エリア374の値を1減算し、続くステップS1505にて、RAM333の払出個数カウンタエリア376の値を1減算する。その後、ステップS1506では、賞球数記憶エリア374の値が「2」以下か否かを判定する。「2」以下でない場合には、そのまま本払出制御処理を終了する。「2」以下である場合には、ステップS1507にて、RAM333の賞球低速フラグ格納エリアに賞球低速フラグが格納されているか否かを判定する。賞球低速フラグが格納されている場合にはそのまま本払出制御処理を終了し、賞球低速フラグが格納されていない場合にはステップS1508にて賞球低速フラグ格納エリアに賞球低速フラグを格納した後に本払出制御処理を終了する。
また、貸球用減算処理では、先ずステップS1509にて、RAM333の貸球数記憶エリア375の値を1減算し、続くステップS1510にて、RAM333の払出個数カウンタエリア376の値を1減算した後に、本払出制御処理を終了する。
(賞球許可信号設定処理)
次に、ステップS1208の賞球許可信号設定処理について、図32のフローチャートを参照しながら説明する。賞球許可信号設定処理では、払出制御基板322のCPU331から主制御基板301のCPU311への賞球許可信号の出力停止及び出力開始の設定を行う処理が実行される。
賞球許可信号設定処理では、先ずステップS1701にて、RAM333の賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報が許可基準数である3個以下か否かを判定する。4個以上である場合には、ステップS1707にて賞球不許可状態(出力不許可状態)の設定をした後に、本賞球許可信号設定処理を終了する。
賞球不許可状態の設定について具体的には、RAM333の賞球許可状態フラグ格納エリア(賞球許可情報記憶手段)に賞球許可状態フラグ(賞球許可情報)が格納されている場合に、その賞球許可状態フラグを消去する。賞球許可状態フラグが消去されている状態では、払出制御基板322のCPU331から主制御基板301のCPU311への賞球許可信号の出力が停止され、その状態が維持される。
なお、本パチンコ機10では、賞球許可信号が出力されている状態がHIレベル信号の出力状態であるため、賞球許可信号の出力が停止されている状態はLOWレベル信号の出力状態となる。但し、賞球許可信号が出力されている状態がLOWレベル信号の出力状態とした場合には、賞球許可信号の出力が停止されている状態をHIレベル信号の出力状態としてもよい。さらには、賞球許可信号の出力が停止されている状態を、当該信号経路について何ら信号が出力されていない状態としてもよい。
一方、ステップS1701にて、賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報が許可基準数である3個以下である場合には、ステップS1702にて、球抜き動作中か否かを判定する。球抜き動作中でない場合には、ステップS1703にて、払出エラー状態か否かを判定する。
払出エラー状態である場合には、ステップS1707にて賞球不許可状態を設定した後に本賞球許可信号設定処理を終了する。このように払出エラー状態である場合に賞球不許可状態を設定することで、払出エラー状態では賞球許可信号の出力が停止され、賞球コマンドの出力が禁止される。
既に説明したように、払出エラー状態では遊技球の払出が停止される。また、本パチンコ機10では外部電源からの電力供給が停止されると払出制御基板322のRAM333に記憶されている情報は消去されてしまう。したがって、払出エラー状態において賞球コマンドが出力されると、払出エラー状態が継続されたまま電力供給が停止された場合にはその賞球コマンドに対応した賞球は払い出されることなく消去されてしまう。つまり、払出エラー状態において賞球コマンドが出力される構成では、それだけ賞球コマンドに対応した賞球が払い出されることなく消去されてしまう可能性が高くなる。これに対して、本構成によれば、このような不都合の発生を阻止することができる。
ステップS1703において、払出エラー状態でない場合には、ステップS1704にて、RAM333の満タン低速フラグ格納エリアに満タン低速フラグが格納されているか否かを判定する。また、ステップS1705では、RAM333の球無低速フラグ格納エリアに球無低速フラグが格納されているか否かを判定する。
満タン低速フラグ又は球無低速フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS1707にて賞球不許可状態を設定した後に、本賞球許可信号設定処理を終了する。このように満タン低速状態又は球無低速状態である場合に賞球不許可状態を設定することで、満タン低速状態又は球無低速状態では賞球許可信号の出力が停止され、賞球コマンドの出力が禁止される。
既に説明したように、満タン低速状態又は球無低速状態は、その後、払出エラー状態となる可能性が高い場合にその前段階として設定される状態である。そして、払出エラー状態では遊技球の払出が停止される。また、本パチンコ機10では外部電源からの電力供給が停止されると払出制御基板322のRAM333に記憶されている情報は消去されてしまう。したがって、払出エラー状態において賞球コマンドが出力されると、払出エラー状態が継続されたまま電力供給が停止された場合にはその賞球コマンドに対応した賞球は払い出されることなく消去されてしまう。つまり、払出エラー状態において賞球コマンドが出力される構成では、それだけ賞球コマンドに対応した賞球が払い出されることなく消去されてしまう可能性が高くなる。これに対して、本構成のように、払出エラー状態となる可能性が高いと判定した段階で、賞球許可信号の出力を停止して賞球コマンドの出力を禁止することで、払出エラー状態となる前に賞球コマンドの出力を禁止することができ、上記のような不都合が発生する可能性が飛躍的に低減される。
ステップS1704にて満タン低速フラグが格納されておらず、さらにはステップS1705にて球無低速フラグが格納されていない場合には、ステップS1706にて賞球許可状態(出力許可状態)を設定した後に、本賞球許可信号設定処理を終了する。また、ステップS1703にて球抜き動作中である場合にも、ステップS1706にて賞球許可状態を設定した後に、本賞球許可信号設定処理を終了する。
賞球許可状態の設定について具体的には、RAM333の賞球許可状態フラグ格納エリアに賞球許可状態フラグが格納されていない場合に、賞球許可状態フラグを格納する。賞球許可状態フラグが格納されている状態では、払出制御基板322のCPU331から主制御基板301のCPU311への賞球許可信号の出力が開始され、その状態が維持される。つまり、球抜き動作中でない状態においては、RAM333の賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報が許可基準数である3個以下であり、さらには払出エラー状態、満タン低速状態及び球無低速状態でない場合に、賞球許可信号の出力が継続される。
(音声ランプ制御処理)
ここで音声ランプ制御基板324により2msec周期にて実行される音声ランプ制御処理について図33のフローチャートを用いて説明する。本音声ランプ制御処理におけるステップS1801〜ステップS1808では、主制御基板301から出力された第1,第2賞球コマンドを受信した場合、払出装置224にて遊技球の払出が実行されているものとして賞球ランプ部25を点灯させたり、10個賞球コマンドが出力された回数をカウントし、10個賞球が発生した回数を把握したりする。そして、本音声ランプ制御処理におけるステップS1809の払出回数監視処理では、規定回数以上の10個賞球が規定期間内に発生した場合には、不正行為が行われたことにより10個賞球が発生していると判定し、規定回数以上の10個賞球が発生していることを報知するようになっている。
音声ランプ制御処理におけるステップS1801では、コマンド受信処理を実行する。本コマンド受信処理について図34のフローチャートを用いて説明する。
ステップS1901では、主制御基板301から賞球停止コマンド(賞球信号監視処理におけるステップS703にて出力されるコマンド)を受信したか否かを判定する。賞球停止コマンドを受信していなかった場合、ステップS1902に進み、主制御基板301から賞球コマンドを受信したか否かを判定する。すなわち、主制御基板301による賞球コマンド出力処理にて出力された第1又は第2賞球コマンドを受信したか否かを判定する。賞球コマンドを受信していなかった場合、本コマンド受信処理を終了する。
なお、主制御基板301からいずれかのコマンドを受信した場合、そのコマンドの情報と音声ランプ制御基板324のROM342に設けられたコマンド記憶エリア342aに記憶されている情報とを比較することによって、受信したコマンドがいずれのコマンドであったかを特定している。例えば、受信したコマンドが上位情報及び下位情報からなる「11110101」、「00001010」の組合せであった場合、第2賞球コマンドであると特定される。
賞球コマンドを受信していた場合、ステップS1903に進み、受信した賞球コマンドが第2賞球コマンドであったか否かを判定する。受信していた賞球コマンドが第2賞球コマンドであった場合、ステップS1904に進み、音声ランプ制御基板324のRAM343に設けられた受信回数カウンタ400の値を1加算する。ステップS1903にて受信した賞球コマンドが第2賞球コマンドでなかった場合、又は、ステップS1904にて受信回数カウンタ400の値を1加算した場合、ステップS1905に進み、払出中表示処理として賞球ランプ部25を点灯させ、本コマンド受信処理を終了する。
ステップS1902〜ステップS1904の処理を実行することにより、音声ランプ制御基板324にて受信した賞球コマンドが10個賞球に対応したコマンドであったか、それ以外の賞球に対応したコマンドであったかを把握できるようになっている。
ステップS1901にて賞球停止コマンドを受信した場合、ステップS1906にて払出中表示終了処理として賞球ランプ部25を消灯させ、本コマンド受信処理を終了する。なお、既に賞球ランプ部25が消灯されている場合には、その消灯を維持するようになっている。
音声ランプ制御処理の説明に戻り、ステップS1801にてコマンド受信処理を実行したらステップS1802に進み、監視タイマカウンタ減算処理として、音声ランプ制御基板324のRAM343に設けられた監視タイマカウンタ401の値を1ディクリメントする。上述したように本音声ランプ制御処理は所定周期毎に実行されるものであり、監視タイマカウンタ401の値を減算することによって、経過した期間を音声ランプ制御基板324にて把握できるようになっている。
監視タイマカウンタ減算処理を実行したらステップS1803に進み、監視タイマカウンタ401の値が0か否かを判定する。監視タイマカウンタ401の値が0であった場合、ステップS1804にて受信回数カウンタ400の値を0にクリアした後に、ステップS1805にて監視タイマカウンタ401に30000をセットする。続くステップS1806では音声ランプ制御基板324のRAM343に設けられたループ数カウンタ402の値を1インクリメントする。
ステップS1806にてループ数カウンタ402の値を1インクリメントしたらステップS1807に進み、ループ数カウンタ402の値が20か否かを判定する。ループ数カウンタ402の値が20であった場合、ステップS1808に進む。ステップS1808では、ループ数カウンタ402を0にクリアするとともに、第1,第2異常フラグ(後述する払出回数監視処理にてセットされるフラグである)をクリアする。さらに、ステップS1808では、第1,第2異常報知処理がそれぞれ実行されている場合には、その異常報知処理の実行を終了する異常報知終了処理を実行する(第1,第2異常報知処理は、後述する払出回数監視処理にて実行される)。各異常報知処理が実行されていない場合には、異常報知終了処理を実行することなくステップS1808の処理を終了する。
上述したステップS1803〜ステップS1808の処理について補足すると、監視タイマカウンタ401が0となった場合、監視タイマカウンタ401に30000がセットされる。監視タイマカウンタ401は2msec周期にて減算されるため、監視タイマカウンタ401は60秒の期間を測定しているともいえる。また、ループ数カウンタ402は、監視タイマカウンタ401が0となった場合に1インクリメントされ、その値が20となった場合に0にクリアされるため、ループ数カウンタ402によって20分の期間を計測しているともいえる。
なお、監視タイマカウンタ401及びループ数カウンタ402が計測する期間を変更してもよく、例えば、監視タイマカウンタ401が59秒以下又は61秒以上の期間を計測するようにし、ループ数カウンタ402が19分以下又は21分以上の期間を計測するようにしてもよい。この場合、監視タイマカウンタ401にセットする値、ループ数カウンタ402が0にクリアされる値をそれぞれ変更すればよい。また、期間を計測する方法を変更してもよく、値がインクリメントされることにより監視タイマカウンタ401にて期間を計測してもよいし、所定値から値がディクリメントされることによりループ数カウンタ402を用いて期間を計測してもよい。さらには、値を更新することによる間接的な期間の計測ではなく、パチンコ機10がリアルタイムクロックを備え、直接的に経過した期間の計測を行うようにしてもよい。
ステップS1803にて監視タイマカウンタ401の値が0でなかった場合、ステップS1807にてループ数カウンタ402の値が20でなかった場合、又はステップS1808の処理を実行した場合、ステップS1809に進み、払出回数監視処理を実行する。払出回数監視処理を実行したら本音声ランプ制御処理を終了する。
(払出回数監視処理)
払出回数監視処理について図35のフローチャート及び図36の説明図を用いて詳細に説明する。図36は、異常報知処理が実行される場合の態様を示す説明図である。
なお、図36では、説明の便宜上、エラー表示ランプ部24の点灯をドットにて示している。さらに、異常報知処理が実行されるタイミングを異常フラグがセットされたタイミングにて説明する。
上述したように、払出回数監視処理では、音声ランプ制御処理のステップS1801〜ステップS1808の処理にて格納された受信回数カウンタ400の値が規定値以上となっているか否かを判定する。また、本払出回数処理では、受信回数カウンタ400の値が規定値以上となった回数に応じて実行する特別処理が異なるようになっている。特別処理が行われることにより、パチンコ機10を設置しているホール関係者等に一般入賞口82a〜82cへの入賞が過度に発生していることを報知できる。
ステップS2001〜ステップS2003では、第3〜第1異常フラグが音声ランプ制御基板324のRAM343に設けられた異常フラグ格納エリア403にセットされているか否かを判定する。以下、ステップS2004〜ステップS2010にて第1異常フラグがセットされる場合について、ステップS2011〜ステップS2018にて第2異常フラグがセットされる場合について、ステップS2019〜ステップS2023にて第3異常フラグがセットされる場合についてそれぞれ説明する。
ステップS2003にて第1異常フラグがセットされていなかった場合、ステップS2004に進み、受信回数カウンタ参照処理として受信回数カウンタ400の値を参照する。続くステップS2005では、受信回数カウンタ400の値が音声ランプ制御基板324のROM342に予め記憶された規定値以上か否かとして、受信回数カウンタ400の値が5以上か否かを判定する。受信回数カウンタ400は60秒が経過した場合に0にクリアされるため、ステップS2004、ステップS2005では60秒の間に5回以上の10個賞球(一般入賞口82a〜82cへの入賞)が発生したか否かを判定している。受信回数カウンタ400の値が5より小さかった場合、本払出回数監視処理を終了する。
ステップS2005にて受信回数カウンタ400の値が5以上であった場合、ステップS2006に進み、各種フラグ格納エリア403の異常フラグ格納エリアに第1異常フラグをセットし、続くステップS2007にて第1異常報知処理として、異常報知ランプ制御処理を実行する。当該制御処理では、エラー表示ランプ部24を点灯させる。エラー表示ランプ部24を点灯させることにより、エラー表示ランプ部24がいずれの場合に点灯するかを理解しているホール関係者等に、一般入賞口82a〜82cへの入賞が過度に発生していることを報知できる。例えば、t1のタイミングにて第1異常フラグがセットされ、第1異常報知処理が実行された場合、図36(a)に示すように、エラー表示ランプ部24が点灯した状態となる。
その後、ステップS2008にて受信回数カウンタ400の値を0にクリアする。そして、ステップS2009にて監視タイマカウンタ401に30000をセットし、ループ数カウンタ402の値を0にクリアして、本払出回数監視処理を終了する。
第1異常フラグがセットされている場合に実行される処理について説明する。ステップS2003にて第1異常フラグがセットされていた場合、ステップS2011に進み、受信回数カウンタ参照処理を実行し、ステップS2012にて受信回数カウンタ400の値が規定値以上か否かとしてステップS2005の処理と同様、受信回数カウンタ400の値が5以上か否かを判定する。受信回数カウンタ400の値が規定値より小さかった場合、本払出回数監視処理を終了する。ステップS2011及びステップS2012の処理については、ステップS2004及びステップS2005の処理と同様のため説明を省略する。
ステップS2012にて受信回数カウンタ400の値が規定値以上であった場合、ステップS2013にて第1異常フラグをクリアした後に、ステップS2014にて第2異常フラグを各種フラグ格納エリア403の異常フラグ格納エリアにセットする。続くステップS2015では第2異常報知処理として、異常報知ランプ制御処理と第2異常表示コマンド出力処理とを実行する。異常報知ランプ制御処理は上述したものと同様のため説明を省略する。第2異常表示コマンド出力処理では、表示制御装置325に第2異常表示コマンドを出力する。表示制御装置325は、第2異常表示コマンドを受信した場合、パチンコ機10にて異常が発生していることを教示する特別報知として、遊技者を褒め称えるメッセージ(本実施形態では、「大量払出!!」)を表示するよう図柄表示装置91を制御する。
第2異常報知処理が実行された場合、エラー表示ランプ部24及び図柄表示装置91にて特別報知が実行されることにより、一般入賞口82a〜82cへの入賞が過度に発生していることをホール関係者等が良好に発見できるとともに、遊技球が大量に払い出されていることを遊技者が理解できる。なお、第2異常フラグがセットされている場合、第2異常表示コマンドが表示制御装置325に出力され続けるようになっており、表示制御装置325では、異常表示コマンドを受信している期間に亘りメッセージを表示するよう図柄表示装置91を制御するようになっている。
例えば、t2のタイミングにて第1異常フラグがクリアされ、第2異常フラグがセットされ、第2異常報知処理が実行された場合、図36(b)に示すように、エラー表示ランプ部24が点灯した状態を維持しつつ、図柄表示装置91にてメッセージが表示された状態となる。詳細には、図柄表示装置91の左下(端部)にメッセージが表示される。すなわち、メッセージの表示によって図柄の変動表示が視認しにくくなることを抑制している。
第2異常報知処理を実行したらステップS2016〜ステップS2018の処理を実行して本払出回数監視処理を終了する。ステップS2016〜ステップS2018の処理はステップS2008〜ステップS2010までの処理と同様であるため説明を省略する。
第1異常報知処理,第2異常報知処理では、一般入賞口82a〜82cへの規定値以上の入賞が偶発的に発生している可能性を加味して、パチンコ機10にて異常が発生していることを、ホール関係者が把握できる報知態様となっており、遊技者が把握しにくい報知態様となっている。
第2異常フラグがセットされている場合に実行される処理について説明する。ステップS2002にて第2異常フラグがセットされていた場合、ステップS2019に進み、受信回数カウンタ参照処理を実行し、ステップS2020にて受信回数カウンタ400の値が規定値以上か否かとしてステップS2005の処理と同様、受信回数カウンタ400の値が5以上か否かを判定する。受信回数カウンタ400の値が規定値より小さかった場合、本払出回数監視処理を終了する。ステップS2019及びステップS2020の処理については、ステップS2004及びステップS2005の処理と同様のため説明を省略する。
ステップS2020にて受信回数カウンタ400の値が規定値以上であった場合、ステップS2021にて第2異常フラグをクリアした後に、ステップS2022にて第3異常フラグを異常フラグ格納エリア403にセットする。続くステップS2023にて第3異常報知処理として、異常報知ランプ制御処理と異常報知スピーカ制御処理と第3異常表示コマンド出力処理とを実行する。異常報知ランプ制御処理は上述したものと同様のため説明を省略する。異常報知スピーカ制御処理では、パチンコ機10に異常が発生していることを教示する特別報知として、パチンコ機10にて異常が発生していることを報知するメッセージ(本実施形態では、「係員を呼んでください!!」)が出力されるようになっている。第3異常表示コマンド出力処理では、表示制御装置325に第3異常表示コマンドが出力される。表示制御装置325は、第3異常表示コマンドを受信した場合、パチンコ機10にて異常が発生していることを教示する特別報知として、パチンコ機10にて異常が発生していることを報知するメッセージ(本実施形態では、「係員を呼んでください!!」)を表示するよう図柄表示装置91を制御する。
例えば、t3のタイミングにて第2異常フラグがクリアされ、第3異常フラグがセットされ、第3異常報知処理が実行された場合、図36(c)に示すように、エラー表示ランプ部24が点灯した状態を維持しつつ、図柄表示装置91のメッセージが変更されるとともに、スピーカ部26からメッセージが出力されている状態となる。詳細には、図柄表示装置91の中央部にメッセージが表示される。そのメッセージの表示は、第2異常報知処理が実行された場合よりも図柄表示装置91にて広範囲に亘り表示されるようになっている。すなわち、第3異常報知処理が実行された場合、表示されたメッセージによって図柄の変動表示を遊技者が視認しにくくなるようになっている。
第3異常報知処理では、パチンコ機10にて不正行為が行われているものと判定し、パチンコ機10にて異常が発生していることを教示するようになっている。なお、第3異常報知処理が実行された場合、当該メッセージが繰り返し出力され続けるようになっている。
第3異常フラグがセットされた場合、ステップS2001にて第3異常フラグ有りと判定し、ステップS2002〜ステップS2023の処理を実行することなく、本払出回数監視処理を終了する。
本パチンコ機10では、規定値以上の一般入賞口82a〜82cへの遊技球の入賞が発生した場合、その発生した回数に応じて実行する処理(第1〜第3異常報知処理)を異ならせている。補足すると、規定値以上の一般入賞口82a〜82cへの遊技球の入賞が発生した回数に関係なく同一の処理を実行すると、一規定値以上の一般入賞口82a〜82cへの入賞が一度発生した場合に過度な報知を行う必要があり、不正行為が行われることなく偶発的に発生した規定値以上の一般入賞口82a〜82cへの遊技球の入賞と区別することが困難となる。本パチンコ機10では、規定値以上の一般入賞口82a〜82cへの遊技球の入賞が発生した回数に応じて実行する異常報知処理を異ならせることにより、不正行為が行われている可能性の高さに応じた異常報知処理を実行できる。
ここで、第1〜第3異常フラグがセットされた後に、そのフラグがクリアされる場合について説明する。セットされた第1異常フラグ及び第2異常フラグは、音声ランプ制御処理におけるステップS1807にてループ数カウンタ402の値が0となった場合にステップS1808にてクリアされるようになっている。ループ数カウンタ402の値は、第1,第2異常フラグがセットされた場合に0にクリアされる。すなわち、第1異常フラグがセットされた場合、20分の期間に亘りステップS2012にて受信回数カウンタ400の値が規定値より小さいと判定され続けた場合に、その第1異常フラグがクリアされる。また、第2異常フラグがセットされた場合、20分の期間に亘り、ステップS2020にて受信回数カウンタ400の値が規定値より小さいと判定され続けた場合に第2異常フラグがクリアされる。また、ステップS1808では、各異常フラグをクリアするとともに、各異常報知処理を終了する異常報知終了処理が実行される。この結果、いずれの異常報知処理も実行されていない状態とすることが可能となっている。
本パチンコ機10では、第1又は第2異常フラグが一度セットされた場合、不正行為が行われている可能性が有るものとして、各異常フラグに対応した異常報知処理を所定期間(20分)に亘り実行し続けるようになっている。この結果、一般入賞口82a〜82cへの入賞が偶発的に発生したものなのか、不正行為が行われ恒常的に発生しているものなのかを区別することが可能となっている。
第3異常フラグがセットされた場合、音声ランプ制御基板324のRAM343がクリアされない限り、当該第3異常フラグはクリアされることがない。音声ランプ制御基板324のRAM343は、パチンコ機10の電源を遮断された場合にクリアされる。すなわち、第3異常フラグがセットされている場合に実行される第3異常報知処理は、パチンコ機10の電源が遮断されるまで実行され続けることとなる。第3異常フラグがセットされた場合、短期間の間に複数回以上の一般入賞口82a〜82cへの規定値以上の入賞が発生しているため、不正行為が行われている可能性が高いことを意味している。このため、ホール関係者等によってパチンコ機10の電源が遮断されるまで、第3異常報知処理が実行され続けたとしても不具合が生じない。
また、10個賞球は一般入賞口82a〜82cへ入賞した場合に発生するものであり、他の賞球に比べ発生しにくいように設定されている。60秒の間に5回以上発生した場合には、設定されている一般入賞口82a〜82cへの入賞の期待数(0.5個)よりも過度に多く、不正行為が行われているおそれがある。特に、10個賞球が発生した場合、上、下作動口84a,84bのように図柄表示装置91にて図柄の変動表示が行われることがない。このため、一般入賞口82a〜82cへ過度に入賞するように不正行為が行われたとしても、その不正行為が目立つことが少なく、その不正行為を発見できないことが考えられる。本払出回数監視処理を実行することにより、不正行為が行われた場合に発見しにくい入賞口の遊技球の入賞回数を監視することが可能となる。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
一般入賞口82a〜82cへ遊技球が入賞した回数がカウントし、60秒あたりに発生した一般入賞口82a〜82cへの入賞と、規定値との比較とを行う構成とした。例えば、パチンコ機10に隙間を形成しその隙間から一般入賞口82a〜82cに直接遊技球を入賞させたり(すなわち、不正行為者の手によって直接遊技球を入賞させたり)、一般入賞口82a〜82cに入賞する遊技球が増加するように遊技釘88を変形させたり、磁石等を用いてパチンコ機10前方より一般入賞口82a〜82cに入賞するように遊技球を誘導させたりする不正行為が行われことが考えられる。上記実施形態では、一般入賞口82a〜82cへの遊技球の入賞が異常に発生しているか否かを判定し、当該遊技球の入賞が異常に発生している場合には、異常報知処理を実行することにより、一般入賞口82a〜82cへの不正行為を発見することが可能となっている。
第1異常報知処理が実行され、第1異常フラグがセットされている場合に再び規定回数以上の一般入賞口82a〜82cへの入賞が発生した場合に第2異常報知処理が実行される構成とした。このように、複数段階で異常報知処理を実行することで、不正行為が行われている可能性の高さに応じた制御を実行することができる。
第2異常報知処理として、遊技球の払出が多いことを図柄表示装置91にて表示する構成とした。これにより、遊技球が大量に発生していることを遊技者に報知できる。また、不正行為を行っている遊技者に対して、一般入賞口82a〜82cへの入賞が異常に発生していることが特定されたことを警告できる。また、第2異常報知処理が実行された場合、遊技者を褒め称えるメッセージを表示する構成とした。これにより、不正行為を行っていない遊技者に対して、あたかも不正行為が行われていることを示唆する警告が実行されることを抑制できる。
さらには、第2異常報知処理が実行されている場合に、一般入賞口82a〜82cへの入賞が再び発生した場合、第3異常報知処理が実行される構成とした。これにより、パチンコ機10に異常が発生していることを好適に報知できる。
第1,2異常フラグがセットされ、通常想定される状況を逸脱した頻度で一般入賞口82a〜82cへの入賞があるといった監視結果が得られても、遊技球の挙動によっては偶発的に頻繁に入賞したと考えられなくもない。この状況で不正行為と決め付けることは危険である。この点、本パチンコ機10では、第1異常フラグがセットされた場合、第2異常フラグをセットするか否かの監視が実行される。また、第2異常フラグがセットされた場合、第3異常フラグがセットするか否かの監視が実行される。これにより、一般入賞口82a〜82cへの期定数以上の入賞が発生したことを、タイミングをずらして把握することができる。この結果、第1,2異常フラグがセットされた場合にはまずは不正の蓋然性が一定程度あると判断し、それに続いて第3異常フラグがセットされた場合には偶発的な入球ではないと判断することが可能となる。
60秒が経過した場合に受信回数カウンタ400の値を0にクリアすることにより、60秒あたりに一般入賞口82a〜82cに遊技球が入賞した回数を把握する構成とした。すなわち、一般入賞口82a〜82cに遊技球が入賞した回数のみを把握すれば、60秒あたりの一般入賞口82a〜82cへの入賞回数を把握することが可能となる。これにより、一般入賞口82a〜82cに遊技球が入賞する毎に、その入賞が発生したタイミングを記憶し、その入賞の履歴から所定期間あたりにおける一般入賞口82a〜82cへ入賞した割合を算出する必要がなくなる。
第1異常フラグがセットされた後に、第2異常フラグをセットするか否かの判定を行う構成とした。また、第1,第2異常フラグがセットされてから所定期間(20分)が経過した場合、第1異常フラグをクリアし、再び第1異常フラグをセットするか否かの判定を行う構成とした。さらには、第1異常フラグがセットされ、第2異常フラグがセットされることなく所定期間が経過した場合、実行されている第1異常報知処理が終了される構成とした。同様に第2異常フラグがセットされ、第3異常フラグがセットされることなく所定期間が経過した場合、実行されている第2異常報知処理が終了される構成とした。すなわち、所定期間の経過によって異常報知処理が終了される。この結果、異常報知処理が実行され続けることを抑制しつつ、異常報知処理が実行される期間を担保することが可能となる。
一般入賞口82a〜82cに遊技球が入賞したことに基づいて主制御基板301から払出制御基板322及び音声ランプ制御基板324にそれぞれ賞球コマンドが出力される構成とした。さらに、その出力される賞球コマンドを同一の情報の賞球コマンドとした。この結果、主制御基板301にて一般入賞口82a〜82cに遊技球が入賞した場合に払出制御基板322に出力するための賞球コマンドと、音声ランプ制御基板324に出力するための賞球コマンドとの2種類の賞球コマンドを生成する必要がない。
一般入賞口82a〜82cに対して不正行為が行われているか否かの監視を行う構成とした。これにより、一般入賞口82a〜82cへの不正行為を直接的に監視することが可能となる。
また、一般入賞口82a〜82cは遊技球が入賞した場合には図柄表示装置91にて図柄の変動表示が行われるといったことがなく、一般入賞口82a〜82cへの入賞が異常に発生していたとしても、その異常な発生を発見しにくいことが考えられる。このため、不正行為が行われる可能性が高いことが考えられる。上記実施形態によれば、不正行為が行われる可能性が高い入賞口に対しての不正行為を監視することが可能となる。
さらに、一般入賞口82a〜82cは、上,下作動口84a,84bに比べ、可変表示ユニット86から離間して設けられている。各作動口84a,84bへの入賞をトリガとして可変表示ユニット86(図柄表示装置91等)にて大当たり抽選の結果が表示されるため、各作動口84a,84bへの注目度は高く、各作動口84a,84bに対して不正行為を行っていると、パチンコ機10を視認している視認者によってその不正行為が発見されやすいことが考えられる。すなわち、一般入賞口82a〜82cは、各作動口84a,84bに比べ、注目度が低く、不正行為が発見されにくいことが考えられる。さらに、一般入賞口82a〜82cは固定入賞口であり、遊技状態(遊技の進行)に関わらず変化がないため、視認者に注目されにくく、不正行為が一層発見されにくいことが考えられる。これらのため、不正行為の対象となりやすい。上記実施形態では、一般入賞口82a〜82cへの不正行為を監視することにより、不正行為が行われる可能性が高い入賞口に対しての不正行為を監視している。
また、一般入賞口82a〜82cに入賞した場合、上,下作動口84a,84bに入賞した場合よりも、払い出される遊技球が多い構成とした。このため、上,下作動口84a,84bに比べ、不正行為が行われた場合に遊技ホールに発生する不利益が大きくなることが考えられる。一般入賞口82a〜82cへの不正行為を監視できることにより、不正行為が行われた場合に、遊技ホールに発生する不利益が大きい入賞口に対して不正行為を直接的に監視できる。
電源及び発射制御基板321の電断時用電源部321cからの電力を、主側RAM313に供給するが、払出側RAM333には供給しないようにした。これにより、電断時用電源部321cの小容量化が図られ、それに伴ってパチンコ機10のコストの削減が図られる。
但し、当該構成においては、外部電源からパチンコ機10への電力供給が停止されると、払出側RAM333に記憶されている情報は全て消去されてしまう。これに対して、未払出の賞球情報は基本的に主側RAM313に記憶し、主側CPU311は払出側CPU331から賞球許可信号を入力している場合に当該CPU331に対して一の入賞に対応した賞球コマンドを出力するようにした。そして、払出側CPU331では、入力した賞球コマンドに対応した賞球数の情報を払出側RAM333に記憶し、当該払出側RAM333に記憶された賞球数の情報に基づいて払出装置224を駆動制御するようにした。これにより、未払出の賞球数が多数ある場合には、その一部のみが払出側RAM333に記憶され、残りが主側RAM313にて記憶されることとなる。よって、未払出の賞球数が多数残っている状況でパチンコ機10への電源が遮断されたとしても、その際に消去される賞球数を極力少なくすることが可能となる。
ちなみに、払出側RAM333に賞球数の情報を記憶させずに、主側RAM313に記憶した賞球数の情報を払出装置224により遊技球の払出を行う度に減算する構成も考えられる。しかしながら、当該構成においては、主側CPU311の処理負荷が極端に高められてしまい、主側CPU311とは別に払出側CPU331を設けることで主側CPU311の処理負荷を低減するようにした効果が消失してしまう。これに対して、本実施の形態における構成によれば、主側CPU311とは別に払出側CPU331を設けた効果を得つつ、それに加えて上記優れた効果を得ることができる。
(他の実施の形態)
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組合せて上記実施の形態に対して適用してもよい。
(1)上記実施形態では、第1,第2異常フラグがセットされた場合、所定期間が経過することによって、各異常フラグがクリアされるとともに、そのフラグに対応した異常報知処理が終了されるものであったが、第1,第2異常フラグの少なくとも一方が、所定期間が経過したとしてもクリアされず、そのフラグに対応した異常処理が終了されないようにしてもよい。
また、第2異常フラグがクリアされるタイミングを、第1異常フラグがセットされてから所定期間が経過したタイミングとしてもよい。この場合、第2異常フラグがセットされた場合にループ数カウンタ402を0にクリアしないようにすればよい(すなわち、払出回数監視処理におけるステップS2018の処理を実行しないようにすればよい)。
また、第3異常フラグがセットされた場合、パチンコ機10の電源が遮断されることなく当該第3異常フラグがクリアされることがなかったが、所定期間が経過した場合に第3異常フラグがクリアされるとともに、第3異常報知処理が終了されるようにしてもよい。
(2)実行される特別処理としての異常報知処理を変更してもよい。すなわち、各異常フラグがセットされた場合の特別処理としての報知はパチンコ機10にて実行される必要はなく、不正行為が行われている可能性があることを示す情報がパチンコ機10外部に出力されるようにしてもよい。すなわち、遊技球が入賞した回数が基準値以上であると比較判定されたことに対応した比較結果信号を遊技機外部に出力する外部出力手段を備えた構成としてもよい。
例えば、第1異常フラグがセットされた場合、エラー表示ランプ部24を点灯させることなく、一般入賞口82a〜82cへの遊技球の入賞が過度に発生していることに対応した信号を、パチンコ機10を設置している遊技ホールのホールコンピュータに出力するものが考えられる。この場合、第1異常フラグがセットされたタイミングでは、ホール関係者のみがその異常を知り得ることとなり、規定回数以上の入賞が偶発的に発生した場合にパチンコ機10自身にてその報知が実行されることを抑制できる。この結果、遊技球の入賞が過度に発生していることが遊技者に把握されることを抑制できる。
なお、パチンコ機10外部に信号を出力する場合、その信号が音声ランプ制御基板324から出力されてもよいし、主制御基板301を介して出力されてもよい。
(3)また、第2異常報知処理として、遊技者を褒め称えるメッセージを表示するものとし、第3異常報知処理としてパチンコ機10にて異常が発生していることを警告する構成としたが、かかる構成に限定しない。すなわち、各異常報知処理における報知態様は任意である。例えば、第2異常報知処理として不正行為が行われている可能性があることを直接的に教示するメッセージとしてもよい。また、例えば、第3異常報知処理として、遊技球が発射できなくなるようにする等、遊技を続行できないようにしてもよい。
また、各異常報知処理として、エラー表示ランプ部24、スピーカ部26及び図柄表示装置91にて異常報知処理に対応した報知を実行するものであったが、各異常報知処理に対応した異常報知装置(異常報知手段)が別途設けられていてもよい。
さらには、第1異常フラグがセットされた場合、パチンコ機10内部にて一般入賞口82a〜82cへの入賞が過度に発生したことは把握されるが、いずれの特別処理(第1異常報知処理)も実行されないようにしてもよい。すなわち、第2異常フラグがセットされた場合に、特別処理として異常報知処理の実行が開始される。この場合、払出回数監視処理におけるステップS2007の第1異常報知処理を実行しないようにすればよい。
(4)上記実施形態では、音声ランプ制御基板324にて一般入賞口82a〜82cへの入賞回数を監視するものであったが、表示制御装置325にて上記監視を実行してもよいし、主制御基板301にて上記監視を実行してもよい。主制御基板301にて監視を実行する場合、上述したパチンコ機10外部への信号の出力を良好に行うことが可能となる。
(5)一般入賞口82a〜82cへの入賞回数をカウントするものであったが、一般入賞口82a〜82c以外への遊技球の入賞回数をカウントするようにしてもよい。この場合、一般入賞口82a〜82cへの入賞回数をカウントしなくともよいし、複数種の入賞口への入賞回数を個別にカウントするようにしてもよい。例えば、上作動口84aに遊技球が入賞した回数をカウントするものが考えられる。この場合、遊技球の入賞が発生した入賞口を区別可能に主制御基板301から音声ランプ制御基板324に賞球コマンドが出力されるようにすればよい。
(6)上記実施形態における払出回数監視処理のステップS2005、ステップS2012、ステップS2020の比較判定に用いる規定値を変更してもよく、例えば、規定値を10回や20回とするものが考えられる。
また、上記実施形態では、いずれの異常フラグもセットされていない場合、第1異常フラグがセットされている場合及び第2異常フラグがセットされている場合、それぞれ払出回数監視処理におけるステップS2005、ステップS2012、ステップS2020にて異常に入賞が発生していると判定する規定値が同じものであったが、かかる構成に限定しない。すなわち、セットされている異常フラグに応じて規定値が異なっていてもよい。さらには、第1異常フラグがセットされる場合の第1規定値、第2異常フラグがセットされる場合の第2規定値、第3フラグがセットされる場合の第3規定値が個別に設定されていてもよい。
例えば、いずれの異常フラグもセットされていない場合、60秒の期間に亘り5回以上の一般入賞口82a〜82cへの入賞が発生した場合に、第1異常フラグがセットされるようにする。そして、第1異常フラグがセットされている場合、60秒の期間に亘り6回以上の一般入賞口82a〜82cへの入賞が発生した場合に、第2異常フラグがセットされるようにする。第1異常フラグがセットされる場合よりも第2異常フラグがセットされる場合の方が規定値を大きくすることにより、一般入賞口82a〜82cへの入賞が偶発的に発生した場合に、第2異常フラグがセットされることを抑制できる。
また、60秒の期間における一般入賞口82a〜82cに入賞した遊技球の数に応じた異常フラグをセットするようにしてもよい。すなわち、上記実施形態では、第1異常フラグがセットされている場合に、第2異常フラグがセットされ得るものであったが、第1異常フラグのセットの有無に関わらず、第2異常フラグがセットされ得るようにしてもよい。例えば、60秒の期間において5〜7個の遊技球が入賞していた場合、第1異常フラグをセットし、第1異常報知処理を実行する。また、60秒の期間において8〜10個の遊技球が入賞していた場合、第2異常フラグをセットし第2異常報知処理を実行する。そして、60秒の期間において11個以上の遊技球が入賞していた場合、第3異常フラグをセットし、第3異常報知処理を実行するものが考えられる。
(7)上記実施形態では、監視タイマカウンタ401の値が0となった場合に、受信回数カウンタ400を0にクリアすることにより、60秒間における一般入賞口82a〜82cへの入賞回数をカウントするものであったが、パチンコ機10にて一般入賞口82a〜82cへの入賞が発生した履歴(タイミング)を記憶し、その履歴から一般入賞口82a〜82cへの入賞が発生した割合を算出するようにしてもよい。すなわち、払出遊技内容となったことを記憶する記憶手段を備え、前記把握手段は、前記記憶手段の記憶履歴に基づいて累積特定値を把握するものであり、さらに、前記記憶手段は、最も近い払出遊技内容の特定から単位期間の経過までの範囲における累積特定値を把握する上で必要な期間分について、払出遊技内容となった履歴を記憶するとともに、払出遊技内容の特定から単位期間が経過した履歴について順次消去する構成としてもよい。
(8)上記実施形態では、受信回数カウンタ400の値が規定値以上か否かの判定を音声ランプ制御処理が実行される毎に実行するものであったが、かかる構成に限定しない。すなわち、受信回数カウンタ400の値が規定値以上か否かの判定が所定タイミング又は所定周期にて実行されていればよい。例えば、監視タイマカウンタ401の値が0となった場合に受信回数カウンタ400の値が規定値以上か否かの判定を実行するものが考えられる。この場合、音声ランプ制御処理のステップS1803にて監視タイマカウンタ401の値が0と判定された場合、ステップS1804の処理を実行する前に受信回数カウンタ400の値が規定値以上か否かの判定を実行するようにすればよい。
(9)上記実施形態では、払出制御基板322から主制御基板301に賞球停止信号が出力されたことに基づいて、主制御基板301から音声ランプ制御基板324に賞球停止コマンドが出力されるものであったが、主制御基板301にて入賞がないと判定した場合に賞球停止信号が出力されるようにしてもよい。すなわち、主制御基板301による払出用出力処理におけるステップS803にて入賞有りと判定しなかった場合、賞球停止コマンドを出力するようにすればよい。
(10)上記実施形態では、主制御基板301による賞球コマンド出力処理にて音声ランプ制御基板324に第1,第2賞球コマンドが出力されるものであったが、音声ランプ制御基板324に各賞球コマンドを出力するタイミングは任意である。例えば、主制御基板301による情報判定処理が実行された場合に第1,第2賞球コマンドが出力されるようにしてもよい。この場合、ステップS502、ステップS504、ステップS506、ステップS508の処理が実行された場合に第1賞球コマンドを出力し、ステップS510、ステップS512、ステップS514の処理が実行された場合に第2賞球コマンドを出力するようにすればよい。
(11)上記実施形態では、主制御基板301から払出制御基板322に出力する15個賞球コマンド、10個賞球コマンドと同一の情報(コマンド)を、第1賞球コマンド、第2賞球コマンドとしてそれぞれ音声ランプ制御基板324に出力するものであったが、かかる構成に限定しない。すなわち、払出制御基板322への賞球コマンドの情報と、音声ランプ制御基板324への賞球コマンドの情報と、がそれぞれ異なっていてもよい。この場合、各制御基板322,324に出力する賞球コマンドの情報をそれぞれ主制御基板301のコマンド記憶エリア312aに記憶させておけばよい。
(12)上記実施形態では、複数種類設定された賞球情報についてコマンド出力に関して優先度を設定する構成としたが、コマンド出力の態様は任意である。
例えば、賞球情報のコマンド出力の優先度を変更してもよく、10個賞球コマンドが優先して出力されるようにしてもよい。10個賞球コマンドが優先して出力されることにより、音声ランプ制御基板324にも優先的に第2賞球情報が出力され、一般入賞口82a〜82cへの入賞が発生したタイミングを音声ランプ制御基板324にてより正確に把握できる。
また、例えば、各入賞口への入賞が発生した順番を記憶し、その順番にて賞球コマンドが出力されるようにしてもよい。
(13)上記実施形態にて設定した各入賞口へ遊技球が入賞する期待数を変更してもよい。例えば、一般入賞口82a〜82cに60秒あたり平均5個の遊技球が入賞するように設定されていてもよい。一般入賞口82a〜82cの上記期待数を変更する場合、その変更に応じて音声ランプ制御基板324の払出回数監視処理にて受信回数カウンタ400と比較する規定値を変更すればよい。
また、一般入賞口82a〜82cへ入賞する上記期待数が他の入賞口に比べ低く設定されている必要はなく、例えば、一般入賞口82a〜82cへ入賞する上記期待数が他の入賞口に比べ高く設定されていてもよい。
(14)音声ランプ制御基板324による払出回数監視処理は、パチンコ機10の遊技状態に関わらず実行されるものであったが、予め定められた遊技状態において払出回数監視処理が実行されるようにしてもよい。
(15)上記実施形態では、各異常フラグがセットされた場合、ループ数カウンタ402の値が20となった場合にセットされている各異常フラグをクリアするものであったが、各異常フラグがクリアされるタイミングは任意である。例えば、ループ数カウンタ402の値が19以下の所定値となった場合にセットされている異常フラグがクリアされるものが考えられるし、ループ数カウンタ402の値が21以上の所定値となった場合にセットされている異常フラグがクリアされるものが考えられる。さらには、受信回数カウンタ400の値が一度でも規定値以下と判定された場合にセットされている異常フラグがクリアされるものが考えられる。
また、第2異常フラグがセットされた状態にてループ数カウンタ402の値が20となった場合、第2異常フラグがクリアされるとともに、第1異常フラグをセットするようにしてもよい。すなわち、受信回数カウンタ400の値が規定値以上と判定され、各異常フラグがセットされた場合、その異常フラグの解除が段階的に行われるようにしてもよい。
(16)一般入賞口82a〜82cなどの入賞口への遊技球の入賞に対する遊技球の付与の構成は、遊技球を直接払い出す構成に限定されることはなく、仮想遊技媒体を記憶する機能を有する構成においては、当該仮想遊技媒体を付与する構成としてもよい。
(17)図柄表示装置91が不具備であり、大当たりの抽選などの抽選結果が可動式の装飾部材により教示される構成としてもよい。
(18)各入賞口に遊技球が入賞した場合、遊技者に遊技球が払い出されるものであったが、各入賞口に遊技球が入賞したとしても遊技球が払い出されなくともよい。すなわち、入賞口に遊技球が入賞した場合、遊技者に特典が付与されるようにすればよい。
例えば、一般入賞口82a〜82cに遊技球が入賞した場合に遊技球が払い出されない構成においては、一般入賞口82a〜82cに遊技球が入賞した場合に、上,下作動口84a,84bに遊技球が入賞した場合のように大当たり抽選が行われたり、電動役物89が解放されるか否かの抽選が行われたりしてもよい。
また、例えば、各入賞口に入賞した場合に払い出される遊技球の数を変更してもよく、一般入賞口82a〜82cに遊技球が入賞した場合に3個の遊技球が払い出され、上,下作動口84a,84bに遊技球が入賞した場合にそれぞれ5個の遊技球が払い出されるようにしてもよい。すなわち、一般入賞口82a〜82cに入賞した場合に払い出される遊技球の数が上,下作動口84a,84bに入賞した場合よりも少なくともよいし、上,下作動口84a,84bのいずれに遊技球が入賞したとしても払い出される遊技球の数が同一となっていてもよい。
(19)上記実施形態では、複数設けられた一般入賞口82a〜82cに対して入賞した遊技球の合計数が規定値以上か否かを判定するものであったが、かかる構成に限定しない。すなわち、複数設けられた一般入賞口82a〜82cへの入賞を個別に把握するようにしてもよい。この場合、各一般入賞口82a〜82cに対応した賞球コマンドが主制御基板301から音声ランプ制御基板324に出力されるようにすればよい。
本構成においては、一般入賞口82a〜82cに対する不正行為を個別に監視できる。遊技盤81において一般入賞口82a〜82cが設けられている位置が異なっているため、各一般入賞口82a〜82cにおいて不正行為が行われるおそれが異なっていることが考えられる。例えば、第1一般入賞口82aにおいては、上,下作動口84a,84b、第2一般入賞口82b及び第3一般入賞口82cと比べ、前扉枠14の開放先端側に設けられている。前扉枠14を歪ませた場合、開放基端側に比べ開放先端側には隙間ができやすく、他の入賞口に比べ、第1一般入賞口82aにはアクセスしやすいことが考えられる。本構成においては、個別に不正行為の監視ができるため、上記不正行為が行われた場合に、その不正行為を良好に発見できる。
上記実施形態にて説明したように、第1一般入賞口82aには、遊技球が入賞する機会が少なく、一般入賞口82a〜82cの中でも特に注目されにくいことが考えられる。このため、不正行為者による不正行為の対象となりやすい。第1一般入賞口82aへの不正行為を監視することにより、不正行為が行われる可能性の高い入賞口に対する不正行為を直接的に監視することが可能となる。
なお、主制御基板301による情報判定処理にて各センサ152a〜152cによっていずれの一般入賞口82a〜82cへ入賞したかが特定可能なため、本構成においては、情報判定処理にて音声ランプ制御基板324に賞球コマンドを出力するようにすればよい。補足すると、上記実施形態における主制御基板301の賞球コマンド出力処理にて各一般入賞口82a〜82cに対応した賞球コマンドを出力する構成も考えられるが、この場合、主制御基板301にて複数の一般入賞口82a〜82cに対してそれぞれ個別に賞球用カウンタエリアを設けなければならなくなることが考えられる。
(20)各入賞口が設けられている位置及び数を変更してもよい。例えば、一般入賞口82a〜82cが上,下作動口84,84bよりも可変表示ユニット86に近接して設けられているものが考えられる。また、例えば、一般入賞口82a〜82cが1個、2個、4個以上設けられているものが考えられる。
(21)上記実施形態では、所定時間において一般入賞口82a〜82cに入賞した遊技球の数をカウントするものであったが、かかる構成に限定しない。
例えば、遊技球発射機構110から遊技球が発射された個数に対して、一般入賞口82a〜82cに入賞した個数をカウントするようにしてもよい。上記実施形態では、経過した時間に対して一般入賞口82a〜82cに入賞した個数をカウントするため、不正行為を行っている不正行為者が遊技を中断しながら不正行為を行い続けた場合、その不正行為を発見しにくくなることが考えられる。このため、遊技を行う遊技ペースによって不正行為を発見しにくくなることが考えられる。これに対して本構成では、遊技球が発射された個数に対して何個の遊技球が一般入賞口82a〜82cに入賞したかをカウントするため、上記遊技ペースによって不正行為を発見しにくくなることを抑制できる。
また、所定の入賞口に入賞した遊技球の個数に対して、一般入賞口82a〜82cに入賞した個数をカウントするようにしてもよい。例えば、上作動口84aに遊技球が入賞した個数に対して、一般入賞口82a〜82cに入賞した個数をカウントするようにしてもよい。本構成においても遊技ペースによって不正行為を発見しにくくなることを抑制できる。また、上作動口84aは入賞したことに基づいて大当たり抽選が行われるものであり、単位期間あたりに上作動口84aに入賞する遊技球の期待数が設定されているものと考えられる。このため、上作動口84aに入賞した個数に対して一般入賞口82a〜82cに入賞した個数をカウントしたとしても不具合が生じにくい。
(22)上記各実施の形態では、音声ランプ制御装置143が表示制御装置325を制御する構成としたが、これに代えて、表示制御装置325が音声ランプ制御装置143を制御する構成としてもよい。また、音声ランプ制御装置143と表示制御装置325との両機能を有する単一の制御装置を設けてもよい。
(23)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。また、球貸装置Yを通じた遊技球の貸球が行われないパチンコ機に本発明を適用してもよい。
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
特徴1.遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構110)と、
遊技球が流下する遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な入球口(一般入賞口82a〜82c)と、
前記入球口に遊技球が入球したことを検出する入球検出手段(主側CPU311における読み込み処理を実行する機能)と、
前記入球口に入球があったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(払出制御基板322)と、
前記入球検出手段の検出回数と期間との関連付けがなされている情報を入球情報として把握する把握手段(音声ランプ制御基板324におけるコマンド受信処理)と、
前記入球情報を複数段階で監視する監視手段(音声ランプ制御基板324における払出回数監視処理におけるステップS2005、S2012、ステップS2020)と、
前記監視手段による監視結果に応じ、前記段階毎に設定された特別処理を実行する特別処理実行手段(音声ランプ制御基板324における払出回数監視処理におけるステップS2007、ステップS2015、ステップS2023)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴1によれば、入球口へ遊技球が入球した場合に遊技者に特典が付与される。このため、特典の付与を不正に受けようとするために入球口へ遊技球を不正に入球させる不正行為が行われるおそれが考えられる。これに対して本特徴では、入球口への入球に基づいた入球情報が複数段階で監視される。複数段階で入球情報の監視を行うことで、各段階に応じた対処を行うことができる。また、入球情報は入球検出手段の検出回数と期間とを関連付けた情報であるため、通常想定される状況を逸脱した頻度で入球があった場合のような不正の可能性を適切に判断し得る。この結果、特典の付与を不正に受けようと、入球口に遊技球を入球させる不正行為を抑制できる。
また、本特徴における「特典を付与する」には、遊技球を遊技者に付与するものが含まれるし、遊技者に有利な特定遊技状態に遊技状態を移行させるものが含まれる。
特徴2.特徴1において、前記把握手段は、予め定められた期間における前記入球検出手段の検出回数を、前記入球情報として把握することを特徴とする遊技機。
特徴2によれば、予め定められた期間における入球口への入球の検出回数が監視される。すなわち、入球口への入球の検出回数をカウントすることによって、上記期間において入球口に遊技球が異常に多く入球しているか否かを判定できる。これにより、入球口への入球が検出される毎に、入球口に入球した履歴から入球口に入球した割合を算出する構成に比べ、入球情報の把握にかかる処理負荷を軽減できる。
特徴3.特徴2において、前記監視手段は、
前記予め定められた期間である第1期間における前記検出回数が異常状態か否かを監視する第1監視手段(音声ランプ制御基板324における払出回数監視処理におけるステップS2005)と、
その第1監視手段における監視結果が異常状態である場合に、前記第1期間後の前記予め定められた期間である第2期間における前記検出回数が異常状態であるか否かを更に監視する第2監視手段(音声ランプ制御基板324における払出回数監視処理におけるステップS2012、ステップS2020)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴3によれば、第1監視手段によって、通常想定される状況を逸脱した頻度で入球があるといった異常状態の監視結果が得られても、遊技球の挙動によっては偶発的に頻繁に入球口へ入球したと考えられなくもない。この状況で不正行為と決め付けることは危険である。この点、本特徴では、第1監視手段により異常状態であるとの監視結果が得られた場合に、これに続いて第2監視手段による監視が実行されるようにしているので、入球頻度についての異常状態がタイミングをずらして発生したことを把握することができる。その結果、第1監視手段によってまずは不正の蓋然性が一定程度あると判断し、それに続いて第2監視手段による異常状態の監視結果が得られた場合には偶発的な入球ではないと判断することが可能となる。
以上のとおり、本特徴によれば、不正行為によるものであるのか偶発的なものであるのかの切り分け精度を高めることができる。
特徴4.特徴3において、前記監視手段は、前記第2監視手段による監視結果が所定期間に亘り異常状態と判断されなかった場合、前記第2監視手段による監視を中止して前記第1監視手段による監視を再度実行することを特徴とする遊技機。
特徴4によれば、第2監視手段による監視結果が所定期間に亘り異常状態と判断されなかった場合、第2監視手段による監視を中止して第1監視手段による監視を再度実行する。すなわち、第2監視手段による監視結果が異常状態とならなかった場合、段階的に行われる監視手段による監視を初期状態とすることが可能となる。例えば、偶発的に入球口への入球が頻繁に発生し第1監視手段による監視結果が異常状態となったとしても、第2監視手段による監視結果が異常状態とならなかった場合に再び第1監視手段による監視が行われる。これにより、偶発的な遊技球の入球が発生した場合に第2監視手段による監視が行われ続けることを抑制できる。
また、第1監視手段による監視結果が異常状態となった場合に、第2監視手段による監視を所定期間に亘り行う。これにより、不正行為が行われている可能性を否定できない状況下における監視手段の監視を所定期間に亘り担保できる。
特徴5.特徴4において、前記第2監視手段による監視処理は前記所定期間のうちに複数回実行されることを特徴とする遊技機。
特徴5によれば、第2監視手段による監視処理は所定期間のうちに複数回実行される。すなわち、第2監視手段による監視結果が複数回に亘り異常状態でなかった場合に第2監視手段による監視が中止される。この結果、第1監視手段による監視結果が異常状態となった場合に、不正行為が行われている可能性があるものとした監視処理の実行を複数回に亘り担保できる。
特徴6.特徴3乃至5のいずれか1において、
前記特別処理実行手段は、
前記第1監視手段により異常状態の監視結果が得られた場合に、第1特別処理を実行する第1特別処理実行手段(音声ランプ制御基板324における払出回数監視処理におけるステップS2007)と、
前記第2監視手段により異常状態の監視結果が得られた場合に、前記第1特別処理とは異なる第2特別処理を実行する第2特別処理実行手段(音声ランプ制御基板324における払出回数監視処理におけるステップS2015、ステップS2023)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴6によれば、第1監視手段により異常状態の監視結果が得られた場合に第1特別処理が実行され、第2監視手段により異常状態の監視結果が得られた場合に第2特別処理が実行される。このように、複数段階で異なる特別処理を実行するようにすることで、不正行為が行われている可能性の高さに応じた特別処理を実行できる。
特徴7.特徴4において、前記特別処理実行手段は、
前記第1監視手段により異常状態の監視結果が得られた場合に、第1特別処理を実行する第1特別処理実行手段(音声ランプ制御基板324における払出回数監視処理におけるステップS2007)と、
前記第2監視手段により異常状態の監視結果が得られた場合に、前記第1特別処理とは異なる第2特別処理を実行する第2特別処理実行手段(音声ランプ制御基板324における払出回数監視処理におけるステップS2015、ステップS2023)と、
を備え、
前記第1特別処理実行手段は、前記第2監視手段における監視が中止されるまで前記第1特別処理を継続して実行することを特徴とする遊技機。
特徴7によれば、第1監視手段により異常状態の監視結果が得られた場合に第1特別処理が実行され、第2監視手段により異常状態の監視結果が得られた場合に第2特別処理が実行される。このように、複数段階で異なる特別処理を実行するようにすることで、不正行為が行われている可能性の高さに応じた特別処理を実行できる。
第2監視手段による監視が中止されるまで第1特別処理が実行される。これにより、第1監視手段による監視結果が異常状態となった場合の第1特別処理の実行を所定期間に亘り担保できる。また、第2監視手段による監視が中止された場合には、第1特別処理を終了するようにすれば、偶発的な遊技球の入球が発生した場合に第1特別処理が実行され続けることを抑制できる。
特徴8.特徴6又は7において、前記第2特別処理実行手段は、前記第2特別処理として、特別報知を実行するよう報知手段(スピーカ部26、図柄表示装置91)を報知制御することを特徴とする遊技機。
特徴8によれば、第2監視手段により異常状態の監視結果が得られた場合、報知手段による特別報知が実行される。これにより、監視結果より得られた状況を好適に報知できる。
また、遊技者に向けた報知であれば、不正行為への警告として機能し、それ以上の不正行為による遊技ホール等への不利益の発生を抑制できる。また、遊技ホール等の管理者等に向けた報知であれば、不正行為者の特定に役立てることが可能となる。
特徴9.特徴1乃至8のいずれか1において、前記遊技領域には、複数の入球口(上,下作動口84a,84b、一般入賞口82a〜82c)が設けられており、
前記把握手段は、これら各入球口のうち予め定められた入球口(一般入賞口82a〜82c)の前記入球情報を把握することを特徴とする遊技機。
特徴9によれば、複数設けられている入球口のうち、予め定められた入球口に対応した入球情報が把握される。これにより、不正行為が行われやすい入球口について不正行為の監視を行うことが可能となる。
特徴10.特徴1乃至9のいずれか1において、遊技者に有利な特定遊技状態に移行させるか否かの移行判定を行う移行判定手段(主制御基板301による始動入賞処理)と、
前記移行判定手段により移行判定が行われた場合、その移行判定の結果を表示する表示手段(図柄表示装置91)と、
を備え、
前記入球口として、
遊技球が入球したことに基づいて前記移行判定手段による移行判定が行われる第1入球口(上,下作動口84a,84b)と、
遊技球が入球した場合に前記移行判定手段による移行判定が行われることなく、遊技球が遊技者に付与される第2入球口(一般入賞口82a〜82c)と、
を備え、
前記把握手段は、前記第2入球口の入球情報を把握することを特徴とする遊技機。
特徴10によれば、第1入球口及び第2入球口のうち、第2入球口について不正行為の監視が行われる。第2入球口に入球したとしても特定遊技状態に移行させるか否かの抽選が行われない。このため、第2入球口に不正に遊技球を入球させたとしても、その不正行為を発見しにくいことが考えられる。補足すると、第1入球口に不正に遊技球を入球させた場合、移行判定の結果が表示手段に表示されることが考えられ、第1入球口に過度に遊技球が入球した場合、過度に移行判定の結果が表示されたり特定遊技状態に移行したりすることが考えられる。この結果、第2入球口への不正行為に比べ、第1入球口への不正行為は目立ちやすく発見しやすいことが考えられる。すなわち、第1入球口に比べ、第2入球口に対して不正行為が行われやすいことが考えられる。本特徴によれば、不正行為が行われやすい第2入球口を直接的に監視できる。
特徴11.特徴1乃至10のいずれか1において、前記遊技領域を開放した開放状態と前記遊技領域の前方に配置された閉鎖状態とに変位可能な開閉体(前扉枠14)を備え、
前記入球口として、
第1入球口(上,下作動口84a,84b)と、
前記第1入球口よりも前記遊技領域における前記開閉体の開放先端側に設けられた第2入球口(第1一般入賞口82a)と、
を備え、
前記把握手段は、前記第2入球口の入球情報を把握することを特徴とする遊技機。
特徴11によれば、第1入球口及び第2入球口のうち、第1入球口よりも開閉体の開放先端側に設けられた第2入球口への不正行為の監視が行われる。開閉体を開放して不正に入球させる場合、開閉体が大幅に開放すると不正行為が発見され易いため、目立たないように開閉体を少しだけ開放しながら不正を行うことが考えられる。この場合には、開閉体の開放先端寄りに配置された入球口が不正の対象になり易いと考えられる。これに対して本特徴によれば、不正行為が行われやすい入球口の監視を好適に実行することが可能となる。
特徴12.特徴1乃至11のいずれか1において、前記入球口として、
遊技球が入球した場合に遊技球が遊技者に付与される第1入球口(上,下作動口84a,84b)と、
前記入球口として設けられ、第1入球口に入球した場合よりも、遊技球が入球した場合に遊技者に付与される遊技球の数が多い第2入球口(一般入賞口82a〜82c)と、
を備え、
前記把握手段は、前記第2入球口の入球情報を把握することを特徴とする遊技機。
特徴12によれば、第1入球口及び第2入球口のうち、第2入球口について不正行為の監視が行われる。第2入球口に入球した場合、第1入球口に入球した場合よりも遊技者に付与される遊技球の数が多い。このため、過度に第1入球口に入球するように不正行為が行われた場合よりも、過度に第2入球口に入球するように不正行為が行われた場合の方が遊技機を設置している遊技ホール等に発生する不利益が大きくなることが考えられる。また、不正行為は発見されないようになるべく短時間のうちに実行されることが考えられる。この場合には付与される遊技球数の多い入球口が不正の対象になりやすいと考えられる。この点、本特徴によれば、不正行為が行われた場合に短時間のうちに不正行為が行われた場合に不利益が大きくなりやすい入球口の監視を好適に行うことが可能となる。
なお、本特徴及び特徴10を適用した構成においては、第2入球口に対して不正行為が行われた場合、その不正行為を第1入球口に対して不正行為が行われた場合よりも発見しにくく、さらに、第1入球口に対して不正行為が行われた場合よりも上記不利益が大きくなることが考えられる。これに対して第2入球口に対して不正行為の監視を行うことにより、不利益が発生することを抑制する効果を高めることが可能となる。
特徴13.特徴1乃至12のいずれか1において、前記入球口として、
第1入球口(上,下作動口84a,84b)と、
前記第1入球口よりも前記遊技領域の外延寄りに設けられた第2入球口(一般入賞口82a〜82c)と、
を備え、
前記把握手段は、前記第2入球口の入球情報を把握することを特徴とする遊技機。
特徴13によれば、第2入球口に対して不正行為の監視が実行される。第2入球口は第1入球口よりも遊技領域の外延寄りに設けられている。このため、例えば、遊技領域とそれ以外の領域とを区分する部材の隙間等から第2入球口にアクセスされる等、第1入球口よりも第2入球口に対して不正行為が行われやすいことが考えられる。また、遊技領域の外延寄りに設けられているため、遊技領域の中央側に対して不正行為が行われた場合と比して、第2入球口への不正行為が発見されにくいことが考えられる。本特徴によれば、不正行為が行われやすい入球口に対して不正行為の監視を行うことが可能となる。
なお、「前記把握手段は、前記第1入球口よりも前記遊技領域の下方に設けられた第2入球口の入球情報を把握する」とよい。一般的な遊技機においては、遊技領域の略中央や、遊技領域の上方に表示手段が設けられているものがあり、遊技領域の中央から上方の領域に遊技者や遊技を行っていない視認者が注目することが考えられる。このため、遊技領域の下方は注目されにくく、不正行為が行われたとしても目立ちにくいことが考えられる。本構成によれば、不正行為が行われた場合により目立ちにくく発見しにくい入球口の監視を好適に実行できる。
特徴14.特徴13において、遊技者に有利な特定遊技状態に移行させるか否かの移行判定を行う移行判定手段(主制御基板301による始動入賞処理)と、
前記移行判定手段により移行判定が行われた場合、その移行判定の結果を表示する表示手段(図柄表示装置91)と、
を備え、
前記第2入球口は、前記第1入球口よりも前記表示手段から離間して設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴14によれば、第2入球口は第1入球口よりも表示手段から離間して設けられている。表示手段にて移行判定の結果が表示されるものであり、表示手段の周辺は遊技を行っていない視認者等から視認されることがある。すなわち、表示手段の周辺に対して不正行為を行っている場合、その不正行為を視認者により発見されることが考えられる。このため、不正行為を行う不正行為者は、不正行為が発見されることをおそれ、第1入球口よりも表示手段から離れた第2入球口に対して不正行為を行うことが考えられる。本特徴によれば、不正行為の対象となりやすい入球口の監視を好適に実行できる。
なお、本特徴及び特徴10を適用した構成においては、第1入球口に遊技球が入球した場合、表示手段にて移行判定の結果が表示される。このため、第1入球口への入球は第2入球口への入球よりも視認者からの注目度が高くなることが考えられ、不正行為者は第1入球口への不正行為を避けることが考えられる。この結果、第1入球口よりも第2入球口に対して不正行為が行われるおそれが一層高くなることが考えられる。本特徴によれば、不正行為が行われやすい入球口への不正行為の監視を良好に行うことが可能となる。
特徴15.特徴10乃至14のいずれか1において、前記第2入球口は、前記遊技領域に複数設置されているものであり、
前記入球検出手段は、複数の第2入球口のうち、いずれの第2入球口への入球であるかを特定可能に検出するものであり、
前記把握手段は、複数の第2入球口に対して個別に前記入球情報を把握することを特徴とする遊技機。
複数の第2入球口が設けられている構成においては、例えば、それぞれの第2入球口毎に不正行為が行われるおそれの大きさが異なることが考えられる。このため、いずれの第2入球口に対して不正行為が行われているかを特定可能とすることが望ましい。これに対して本特徴によれば、複数の第2入球口に対して個別に入球情報が把握される。これにより、各第2入球口のうち、いずれの第2入球口に不正行為が行われているかを個別に監視できる。
また、複数の第2入球口毎に不正行為を監視するため、複数の第2入球口毎に監視結果を異常状態とする入球情報を異ならせることが可能となる。このため、複数の第2入球口に応じて監視結果を異常状態とする入球情報を適度に設定できる。
なお、特徴10乃至15のいずれかにおける「第1入球口」は、それぞれ同一のものとしてもよいし、別のものとしてもよい。また、特徴10乃至15のいずれかにおける「第2入球口」は、それぞれ同一のものとしてもよいし、別のものとしてもよい。
特徴16.特徴1乃至15のいずれか1において、前記入球検出手段により前記入球口への入球が検出されたことに基づいて遊技者に特典を付与するように前記特典付与手段に付与指令情報を出力する付与指令情報出力手段(主制御基板301)を備え、
前記特典付与手段は、前記付与指令情報出力手段から付与指令情報を入力するとともに、当該付与指令情報に対応した情報を特定する付与情報特定手段(払出制御基板322における賞球設定処理のステップS1303)を有し、前記付与情報特定手段により特定された情報に基づいて特典を付与するものであり、
前記把握手段は、前記付与指令情報を入力することにより前記入球情報を把握することを特徴とする遊技機。
特徴16によれば、特典付与手段は、付与指令情報を入力し、その付与指令情報に基づいて特典を付与する。また、把握手段は付与指令情報を入力することにより入球情報を把握する。すなわち、特典の付与と入球情報の把握とを同じ情報を用いて実行する。この結果、遊技機における通常の特典付与のために用いられる付与指令情報を利用して入球情報を把握することができ、入球情報を把握するために新たに特別な信号を発生させる必要がない。
なお、本特徴を、入球検出手段に接続されるとともに付与指令情報を出力する主制御装置と、この主制御装置からの付与指令情報を受けて特典付与を行わせる副制御装置とを備えた遊技機に適用した場合にあっては、主制御装置それ自体の変更を伴うことなく実現することも可能となる。
以下に、以上の各特徴を適用し得る各種遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル41)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(内,外レール部101,102)と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の入球部に遊技球が入球した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
10…遊技機としてのパチンコ機、13…遊技機本体を構成する本体枠、14…遊技機前面体としての前扉枠、15…遊技機本体を構成する裏パックユニット、24…エラー表示ランプ部、26…スピーカ部、41…遊技球発射ハンドル、82a〜82c…一般入賞口、84a,84b…上,下作動口、91…図柄表示装置、101,102…内,外レール部、110…遊技球発射機構、143…音声ランプ制御装置、162…主制御装置、224…払出装置、242…払出制御装置、301…主制御基板、311…CPU、322…払出制御基板、324…音声ランプ制御基板、325…表示制御装置、361…賞球用カウンタエリア、400…受信回数カウンタ、401…監視タイマカウンタ、402…ループ数カウンタ。

Claims (1)

  1. 遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、
    遊技球が流下する遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な第1入球口と、
    遊技球が流下する遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な第2入球口と、
    前記第1入球口に遊技球が入球したことを検出する第1入球検出手段と、
    前記第2入球口に遊技球が入球したことを検出する第2入球検出手段と、
    前記第1入球検出手段により入球が検出された場合に第1数の遊技球を払い出し、前記第2入球検出手段により入球が検出された場合に第1数より多い第2数の遊技球を払い出す払出手段と、
    前記第1入球口に入球があったことに基づいて遊技者に特典を付与するか否かの抽選を実行する抽選手段と、
    前記抽選手段によって当選となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
    前記第2入球検出手段の検出回数と前記発射手段による遊技球の発射個数との関連付けがなされている情報を入球情報として把握する把握手段と、
    前記入球情報を監視する監視手段と、
    前記監視手段による監視結果に異常が生じていない場合に、前記入球情報が所定条件を満たすたびに該入球情報をクリアする第1クリア手段と、
    前記監視手段による監視結果に異常が生じた場合に前記入球情報をクリアする第2クリア手段と、
    前記第2クリア手段により前記入球情報をクリアする場合に、所定の終了処理が行われるまで継続して特別処理を実行する特別処理実行手段と、
    前記特別処理実行手段により前記特別処理が実行されている状態で、前記第1クリア手段による前記入球情報のクリア回数が、前記第2クリア手段による前記入球情報のクリアが行われることなく第1回数に達した場合に、前記終了処理を実行することで前記特別処理を終了させる終了手段と、
    を備え、
    前記終了手段は、前記特別処理実行手段により前記特別処理が実行されている状態で、前記第2クリア手段による前記入球情報のクリア回数が第2回数に達した場合には、前記終了処理を行わずに前記特別処理を継続させるものであることを特徴とする遊技機。
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