JP2015095782A - 通信システム、送信装置、中継装置及び通信方法 - Google Patents

通信システム、送信装置、中継装置及び通信方法 Download PDF

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Abstract

【課題】基地局のCPU使用率の上昇を抑えつつ、スループットの低下を防ぐこと。【解決手段】通信システム100は、サーバ1と、フェムトGW2と、フェムト基地局3と、通信端末4とを有する。通信システム100では、サーバ1からフェムトGW2及びフェムト基地局3を介して通信端末4へ一連の複数のデータパケットが送信される一方で、通信端末4からフェムト基地局3及びフェムトGW2を介してサーバ1へ複数のデータパケットに対する複数のACKパケットが送信される。フェムト基地局3は、複数のデータパケットを含むDLフローに対しリンクアグリケーション(LA)を行うときにLA通知をフェムトGW2へ行う。フェムトGW2は、フェムト基地局3からLA通知があるときに、複数のACKパケットのうちの重複ACKパケットを隠蔽する隠蔽処理を行い、隠蔽処理後の残りのACKパケットをサーバ1へ送信する。【選択図】図2

Description

本発明は、通信システム、送信装置、中継装置及び通信方法に関する。
従来のセルラー方式移動体通信システムでは、各々が半径数百メートルから数キロメートルの通信エリアを持つ「マクロセル」を複数形成して通信が行われていた。このように1つのマクロセルの通信エリアは大きいため、マクロセル同士の境界領域、屋内、地下等の場所では電波強度が微弱となり通信品質が劣化する。そこで、最近、このような場所に、半径10メートル程度の「フェムトセル」を形成する小型基地局である「フェムト基地局」(Femtocell Base Station,Femto BS)を設置して、通信品質の劣化を防止することが行われている。フェムトセル内での通信は、例えば、WiFi(Wireless Fidelity)を用いて行われる。よって、フェムト基地局は、WiFiインタフェースを有する。
また最近、スマートフォン等の通信端末がマクロセルにおいて接続可能な通信方式として、3Gに代わり、3Gよりも通信速度が速いLTE(Long Term Evolution)が普及しつつある。このため、将来、LTEインタフェースを有するフェムト基地局が、上記のような場所に設置されることが想定される。よって将来、LTEとWiFiの双方の無線インタフェースを有する通信端末は、上記のような場所に位置する場合に、LTEとWiFiの双方に同時に接続することが可能になると見込まれる。このとき、フェムト基地局は、あるトラフィック・フロー(以下では単に「フロー」と呼ぶことがある)に対して、LTEの通信リンクとWiFiの通信リンクの双方を同時に用いて通信端末との通信を行う「リンクアグリゲーション(Link Aggregation)」(以下では「LA」と呼ぶことがある)を行ってスループットの向上を図ることができる。特にLAにおいては、多くのアプリケーションが利用するプロトコルであるTCP(Transmission Control Protocol)のフローのスループットを向上させることが重要である。なお、以下では、LTEの通信リンクを「LTEリンク」と呼び、WiFiの通信リンクを「WiFiリンク」と呼ぶことがある。
あるTCPのフローに対するLAにおいて、フェムト基地局は、サーバから通信端末へ向かう「ダウンリンク(Down Link)」(以下では「DL」と呼ぶことがある)のフローに対して所定の振分アルゴリズムを適用して、DLフローに含まれるデータパケットを、パケットごとに、LTEリンクとWiFiリンクとへ振り分ける。その際、例えば、フェムト基地局は、無線回線の使用率(例えば、LTEリンクのPBR(Physical Resource Block)使用率)を測定し、測定結果を振分アルゴリズムへの入力パラメータとして用いることにより、適時、適切な振り分けを行う。
通信端末は、データパケットを受信すると、受信したデータパケットに対する「送達確認パケット(Acknowledgement Packet)」(以下では「ACKパケット」と呼ぶことがある)を、通信端末からサーバへ向かう「アップリンク(Up Link)」(以下では「UL」と呼ぶことがある)のフローに含めて送信する。LA中にある通信端末は、LTEリンクとWiFiリンクとにパケット単位で振り分けられたデータパケットを受信するので、無線リンク途中の遅延時間によっては、データパケットの通信端末での到達順序が、フェムト基地局からの送信順序に対して反転することがある。例えば、LA中のフェムト基地局が先にLTEリンクを用いて第1のデータパケット、後にWiFiリンクを用いて第2のデータパケットを送信し、LTEリンクでの遅延時間がWiFiリンクでの遅延時間より大きい場合を想定する。この場合、後にWiFiリンクを用いて送信された第2のデータパケットが、先にLTEリンクを用いて送信された第1のデータパケットよりも先に通信端末に到達し、送信順序に対して到達順序が反転することがある。通信端末は、データパケットの到達順序の反転(以下では「順序反転」と呼ぶことがある)を検出すると、「重複ACK(Duplicate Acknowledgement)」と呼ばれる所定の送信パターンのACKパケットをサーバへ返信する。つまり、重複ACKは、データパケットの通信端末における到達順序が反転したことを示すACKパケットである。サーバは、重複ACKを一定数以上受信すると、サーバから端末までの経路の途中でパケットロスが発生したと判断し、パケットの再送を行うとともに、データパケットの送信レートを下げてしまう。よって、通信端末において順序反転が発生すると、DLフローのスループットが低下する。そこで、通信端末における順序反転の現象をサーバから隠蔽してDLスローのスループットの低下を未然に防止するために、フェムト基地局において、重複ACKに対し「隠蔽処理」を施すことがある。隠蔽処理の一つに「重複ACKフィルタリング」と呼ばれる技術がある。以下、重複ACKフィルタリングの一例について説明する。
図1は、従来の通信システムの処理シーケンスの一例を示す図である。図1において、「TCP」は、プロセッサで行われるTCPに従った処理を示す。また、「LTE」はLTEインタフェースを示し、「WiFi」はWiFiインタフェースを示し、「Eth」はイーサネット(Ethernet)インタフェースを示す(イーサネット(登録商標),Ethernet(登録商標))。
図1において、通信端末がn=1のACKパケットをLTEリンクを用いて送信すると(ステップS11)、このACKパケットに応じて、サーバは、n=1,2,3の一連の複数のデータパケットをフェムト基地局に送信する(ステップS12)。LA中にあるフェムト基地局は、n=1のデータパケットをLTEリンクに、n=2,3のデータパケットをWiFiリンクにそれぞれ振り分けて通信端末に送信する。ここで、n=1のデータパケットが、LTEリンクの途中でロスしたとする。よって、通信端末にはn=1のデータパケットよりも先に、n=2,3のデータパケットが到達する(ステップS12,S13)。つまり、通信端末において順序反転が発生する。なお「n」は、データパケットのシーケンス番号(Sequence Number:SN)である。
順序反転を検出した通信端末は、到達が遅れているデータパケットのシーケンス番号であるn=1を有する重複ACKをLTEリンクを用いて送信する(ステップS14)。このように、「重複ACK」とは、同一のシーケンス番号を有する一連の複数のACKパケットである。
n=1の重複ACKを受信したフェムト基地局は、これらの重複ACKをバッファに記憶する(ステップS14)。
フェムト基地局のLTEインタフェースは、LTE通信方式で規定されている、LTE通信内部の再送制御により、n=1のデータパケットがLTEリンクの途中でロスしたことが分かる。このため、フェムト基地局のLTEインタフェースは、LTE通信方式の規定に従い、n=1のデータパケットをLTEリンクを用いて再送する(ステップS15)。再送されたn=1のデータパケットは通信端末に到達したとする。
ステップS15の時点で通信端末にはn=1〜3のデータパケットが到達しているので、通信端末は、n=1〜3のデータパケットが到達していることを通知するために、n=4のACKパケットをLTEリンクを用いて送信する。n=4のACKパケットを受信したフェムト基地局は、n=1〜3のデータパケットが通信端末に到達していると判断し、バッファに記憶した重複ACKを廃棄するとともに、n=4のACKパケットをサーバに送信する(ステップS16)。つまり、重複ACKは、フェムト基地局によりフィルタリングされて、サーバから隠蔽される。これにより、通信端末における順序反転の現象がサーバから隠蔽されるので、サーバはデータパケットの再送を行わない。よって、重複ACKの隠蔽処理により、DLフローのスループットの低下を未然に防止することができる。
特開2012−151772号公報
川崎 健,外4名,「フェムト基地局によるLTE−WLANリンクアグリゲーションの評価(Evaluation of LTE-WLAN Link Aggregation provided by LTE Femto cell base station)」,2013年電子情報通信学会総合大会 通信講演論文集1,電子情報通信学会,2013年3月,B-17-23,p.667 須加 純一,外5名,「異種無線Link Aggregationにおける重複ACKフィルタリングによる順序整列代替処理の評価(Duplicate ACK Filtering for Link Aggregation on Heterogeneous Networks)」,2013年電子情報通信学会ソサイエティ大会通信講演論文集2,2013年9月,B-6-59,p.59
上記のような隠蔽処理は、CPU(Central Processing Unit)の処理負荷が大きい。一方で、フェムト基地局は小型かつ安価であることが望ましく、CPU性能を高めるほどフェムト基地局は大型かつ高価になるので、上記のような隠蔽処理を行うためにフェムト基地局のCPU性能を高くすることは避けたい。また、CPU性能が低いフェムト基地局に上記のような隠蔽処理を行わせたとしても、フェムト基地局は他の処理等によりCPU使用率が高いときは隠蔽処理を行えず、その結果、DLフローのスループットの低下を招いてしまう。
なお、従来、到達順序が反転したデータパケットの順序整列を行う機能を通信端末に備えることも検討されている。しかし、この機能を通信端末に備えることで通信端末の処理負荷が増え、また、スマートフォン向けのOS(Operating System)であるAndroid等を搭載した通信端末にはこの機能をユーザ権限によってインストールすることはできない。
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、基地局のCPU使用率の上昇を抑えつつ、スループットの低下を防ぐことができる通信システム、送信装置、中継装置及び通信方法を提供することを目的とする。
開示の態様では、通信システムは、サーバと、中継装置と、送信装置と、受信装置とを含む。この通信システムにおいて、一連の複数のデータパケットが、前記サーバから前記中継装置及び前記送信装置を介して前記受信装置へ送信される。前記複数のデータパケットに対する複数の送達確認パケットが、前記受信装置から前記送信装置及び前記中継装置を介して前記サーバへ送信される。前記送信装置は、前記複数のデータパケットを含むダウンリンクフローに対し前記送信装置と前記受信装置との間の複数の通信リンクを同時に用いるリンクアグリケーションを行うときに、前記ダウンリンクフローが前記リンクアグリケーション中であることを示す通知を前記中継装置へ行う。前記中継装置は、前記送信装置から前記通知があるときに、前記複数の送達確認パケットのうち、前記リンクアグリケーション中の前記ダウンリンクフローに対応するアップリンクフローに含まれる特定の送達確認パケットであって、前記複数のデータパケットの前記受信装置における到達順序が反転したことを示す前記特定の送達確認パケットを隠蔽する隠蔽処理を行い、前記隠蔽処理後の残りの送達確認パケットを前記サーバへ送信する。
開示の態様によれば、基地局のCPU使用率の上昇を抑えつつ、スループットの低下を防ぐことができる。
図1は、従来の通信システムの処理シーケンスの一例を示す図である。 図2は、実施例1の通信システムの構成の一例を示す図である。 図3は、実施例1のフェムト基地局の一例を示す機能ブロック図である。 図4は、実施例1のフローテーブルの一例を示す図である。 図5は、実施例1のACKパケットの一例を示す図である。 図6は、実施例1のフェムトGWの一例を示す機能ブロック図である。 図7は、実施例1の通信システムの処理シーケンスの一例を示す図である。 図8は、実施例1の通信システムの処理シーケンスの一例を示す図である。 図9は、実施例1のフェムト基地局の動作の説明に供するフローチャートである。 図10は、実施例1のフェムトGWの動作の説明に供するフローチャートである。 図11は、実施例2のフェムト基地局の一例を示す機能ブロック図である。 図12は、実施例2のフェムト基地局の動作の説明に供するフローチャートである。 図13は、実施例3のフェムト基地局の一例を示す機能ブロック図である。 図14は、実施例3のフローテーブルの一例を示す図である。 図15は、実施例3の通信リンクテーブルの一例を示す図である。 図16は、実施例3のACKパケットの一例を示す図である。 図17は、実施例3のフェムトGWの一例を示す機能ブロック図である。 図18は、実施例3の通信システムの処理シーケンスの一例を示す図である。 図19は、実施例3のフェムト基地局の動作の説明に供するフローチャートである。 図20は、実施例3のフェムトGWの動作の説明に供するフローチャートである。 図21は、実施例4の通信システムの構成の一例を示す図である。 図22は、実施例4のフェムト基地局の一例を示す機能ブロック図である。 図23は、実施例4の負荷状態テーブルの一例を示す図である。 図24は、実施例4のフェムトGWの一例を示す機能ブロック図である。 図25は、実施例4の通信システムの処理シーケンスの一例を示す図である。 図26は、実施例4のフェムト基地局の動作の説明に供するフローチャートである。 図27は、フェムト基地局のハードウェア構成例を示す図である。 図28は、フェムトGWのハードウェア構成例を示す図である。
以下に、本願の開示する通信システム、送信装置、中継装置及び通信方法の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例により本願の開示する通信システム、送信装置、中継装置及び通信方法が限定されるものではない。また、各実施例において同一の機能を有する構成、及び、同一の処理を行うステップには同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
[実施例1]
<通信システムの構成例>
図2は、実施例1の通信システムの構成の一例を示す図である。図2において通信システム100は、サーバ1と、フェムトGW(Gateway)2と、フェムト基地局3と、通信端末4とを有する。
まず、DLについて説明する。
DLフローでは、サーバ1からフェムトGW2及びフェムト基地局3を介して通信端末4へ、一連の複数のデータパケットが送信される。サーバ1とフェムトGW2とフェムト基地局3とは有線リンクで接続されており、サーバ1から送信されたデータパケットは、有線リンクを用いてフェムトGW2を中継してフェムト基地局3に到達する。よって、フェムトGW2は、DLフローのデータパケットを中継する「中継装置」に相当する。
フェムト基地局3と通信端末4とは無線リンクで接続されており、フェムト基地局3は、DLフローに対してLTEリンクとWiFiリンクの双方を同時に用いるLAを行って、通信端末4へデータパケットを送信することが可能である。フェムト基地局3は、LA中のときは、フェムトGW2から受信した一連の複数のデータパケットを、データパケットごとに、LTEリンクとWiFiリンクとへ振り分けて通信端末4に送信する。例えば、フェムト基地局3は、LTEリンクの使用率(例えば、LTEリンクのPBR使用率)が閾値以上であるときにLAを行う。また、フェムト基地局3は、LTEリンクの閾値以上の使用率が大きくなるほどデータパケットのWiFiリンクへの振分数を増加させる。一方で、フェムト基地局3は、LA中でないときは、フェムトGW2から受信した一連の複数のデータパケットをLTEリンクだけを用いて通信端末4に送信する。つまり、フェムト基地局3は、DLフローのデータパケットを無線リンクを用いて通信端末4に送信する「送信装置」に相当する。
通信端末4は、DLフローに対してLTEリンクとWiFiリンクの双方を同時に用いてフェムト基地局3からデータパケットを受信することが可能である。通信端末4は、フェムト基地局3がLA中であるときは、LTEリンクとWiFiリンクの双方を同時に用いてフェムト基地局3からデータパケットを受信する。一方で、通信端末4は、フェムト基地局3がLA中でないときは、LTEリンクだけを用いてフェムト基地局3からデータパケットを受信する。つまり、通信端末4は、DLフローのデータパケットを無線リンクを用いてフェムト基地局3から受信する「受信装置」に相当する。また、フェムト基地局3がLA中であるときは、通信端末4において、LTEリンクを用いて受信されたデータパケットと、WiFiリンクを用いて受信されたデータパケットとの間で順序反転が生じることがある。
次いで、ULについて説明する。
上記の一連の複数のデータパケットを含むDLフローに対応するULフローでは、通信端末4からフェムト基地局3及びフェムトGW2を介してサーバ1へ、DLフローに含まれるデータパケットに対するACKパケットが送信される。
通信端末4は、受信したデータパケットに対するACKパケットを形成し、形成したACKパケットをLTEリンクを用いてフェムト基地局3に送信する。また、通信端末4は、順序反転を検出したときは、重複ACKを送信する。よって、通信端末4からフェムト基地局3に送信される複数のACKパケットには、重複ACKが含まれることがある。
フェムト基地局3は、通信端末4から受信したACKパケットをフェムトGW2に送信する。また、フェムト基地局3は、DLフローに対してLAを行うときは、ACKパケットのフェムトGW2への送信に併せて、DLフローがLA中であることを示す通知(以下では「LA通知」と呼ぶことがある)をフェムトGW2へ行う。フェムト基地局3は、DLフローがLA中でないときは、フェムトGW2へLA通知を行わない。よって、LA通知の有無により、フェムトGW2は、フェムト基地局3がLA中にあるか否かを判断することができる。
フェムトGW2は、フェムト基地局3からACKパケットを受信する。フェムトGW2は、フェムト基地局3からLA通知があるときは、通信端末4における順序反転の現象をサーバ1から隠蔽する。すなわち、フェムトGW2は、フェムト基地局3からLA通知があるときは、ULフローに含まれるACKのうち重複ACKを隠蔽する隠蔽処理を行い、隠蔽処理後の残りのACKパケットをサーバ1に送信する。一方で、フェムトGW2は、フェムト基地局3からLA通知がないときは、フェムト基地局3から受信したACKパケットを隠蔽せずにサーバ1に送信する。よって、フェムトGW2がフェムト基地局3からLA通知を受信しないときは、フェムト基地局3からサーバ1に送信されるACKパケットには、重複ACKが含まれることがある。
サーバ1は、フェムトGW2から重複ACKを受信したときは、その重複ACKが有するシーケンス番号のデータパケットを通信端末4へ再送する。
ここで、フェムト基地局3は、上記のように、LTEリンクの使用率に基づいてLAにおける振分を行う。LTEリンクの使用率は、データパケットの通信量等に応じて時々刻々と変化する。このため、LAにおける振分を、時々刻々と変化する無線回線の使用率に追従させるには、無線回線の使用率の取得からデータパケットの振分に至る一連の処理における遅延ができるだけ小さいことが望ましい。
一方で、上記のような隠蔽処理は、無線回線の使用率等の時々刻々と変化する無線回線の状態を取得して行われるものではないため、処理遅延が許容される。
そこで、開示の技術では、上記のように、従来の基地局でも行われていたLA中の振分処理をフェムト基地局3に残したまま、順序反転の隠蔽処理をフェムトGW2に移行した。
<フェムト基地局の構成例>
図3は、実施例1のフェムト基地局の一例を示す機能ブロック図である。図3に示すフェムト基地局10は、図2に示すフェムト基地局3に相当する。フェムト基地局10は、イーサネット通信部11と、LA判断部12と、LTE通信部13と、LTE用のアンテナ14と、WiFi通信部15と、WiFi用のアンテナ16と、フローテーブル17と、LA通知部18とを有する。
イーサネット通信部11は、イーサネット方式の通信をフェムトGW2と行い、DLフローをフェムトGW2から受信してLA判断部12に出力し、LA通知部18から入力されるULフローをフェムトGW2に送信する。DLフローにはデータパケットが含まれ、ULフローにはACKパケットが含まれる。
LA判断部12は、DLフローに対しLTEリンク及びWiFiリンクの双方を同時に用いるLAを行うか否かを判断する。LA判断部12は、LTE通信部13からLTEリンクの使用率を定期的に取得し、LTEリンクの使用率が閾値以上のときはLAを行うと判断し、LTEリンクの使用率が閾値未満のときはLAを行わないと判断する。LA判断部12は、LAを行わないと判断したときは、イーサネット通信部11から入力されたDLフローをLTE通信部13に出力する一方で、WiFi通信部15には出力しない。また、LA判断部12は、LAを行うと判断したときは、イーサネット通信部11から入力されたDLフローを、LTEリンクの使用率に基づいて、LTE通信部13とWiFi通信部15とに振り分けて出力する。LA判断部12は、LA中は、LTEリンクの使用率が大きくなるほど、WiFi通信部15へのデータパケットの振分数を増加させる。また、LA判断部12は、LAの対象となったDLフロー、つまり、LA中のDLフローを示す情報をフローテーブル17に登録する。
図4は、実施例1のフローテーブルの一例を示す図である。互いに異なるDLフローは、DLフローの送信元IPアドレス(Internet Protocol Address)及び送信元ポート番号と、DLフローの宛先IPアドレス及び宛先ポート番号とによって区別されて一意に特定される。宛先IPアドレス及び送信元IPアドレスはデータパケットのIPヘッダに格納されて示されており、宛先ポート番号及び送信元ポート番号はデータパケットのTCPヘッダに格納されて示されている。そこで、LA判断部12は、LA中のDLフローに含まれるデータパケットのヘッダから宛先IPアドレス、送信元IPアドレス、宛先ポート番号、送信元ポート番号を取得して、これらのIPアドレス及びポート番号を互いに対応付けて登録する。例えば、図4に示すように、LA中のDLフローの送信元がサーバ#1のポートn1で、宛先が通信端末#1のポートn2であるとき、宛先IPアドレス=通信端末#1のIPアドレス、送信元IPアドレス=サーバ#1のIPアドレス、宛先ポート番号=n2、送信元ポート番号=n1が互いに対応付けられて、「DLフロー1」として登録される。
LTE通信部13は、LTEリンクを用いて通信端末4と通信する。LTE通信部13は、LA判断部12から入力されるDLフローをLTE方式に従ってアンテナ14を介して通信端末4に送信する。また、LTE通信部13は、通信端末4からLTEリンクを用いて送信されたULフローをアンテナ14を介して受信し、受信したULフローをLA通知部18に出力する。また、LTE通信部13は、LTEリンクの使用率を定期的に測定し、測定結果をLA判断部12に出力する。
WiFi通信部15は、WiFiリンクを用いて通信端末4と通信する。WiFi通信部15は、LA判断部12から入力されるDLフローをWiFi方式に従ってアンテナ16を介して通信端末4に送信する。
LA通知部18は、DLフローに対してLAが行われるときに、LA通知を形成し、形成したLA通知をイーサネット通信部11に出力する。このLA通知は、LA通知部18から出力されてイーサネット通信部11に入力されるULフローに含まれる。
すなわち、まず、LA通知部18は、LTE通信部13から入力されるULフローに対応するDLフローがLA中であるか否かを、以下のようにしてフローテーブル17を検索して判断する。LA通知部18は、ULフローに含まれるACKパケットのIPヘッダから宛先IPアドレス及び送信元IPアドレスを、TCPヘッダから宛先ポート番号及び送信元ポート番号をそれぞれ取得する。DLフローと、そのDLフローに対応するULフローとでは、宛先と送信元とが互いに対称となる。例えば、送信元がサーバ#1のポートn1で、宛先が通信端末#1のポートn2であるDLフローに対応するULフローは、送信元が通信端末#1のポートn2で、宛先がサーバ#1のポートn1であるフローである。このように、「DLフローに対応するULフロー」とは、そのDLフローの宛先が送信元となり、そのDLフローの送信元が宛先となっているULフローである。逆に、「ULフローに対応するDLフロー」とは、そのULフローの宛先が送信元となり、そのULフローの送信元が宛先となっているDLフローである。そこで、LA通知部18は、ACKパケットの「宛先IPアドレス」をフローテーブル17の「送信元IPアドレス」に対するキーにし、ACKパケットの「送信元IPアドレス」をフローテーブル17の「宛先IPアドレス」に対するキーにし、ACKパケットの「宛先ポート番号」をフローテーブル17の「送信元ポート番号」に対するキーにし、ACKパケットの「送信元ポート番号」をフローテーブル17の「宛先ポート番号」に対するキーにして、フローテーブル17を検索する。よって例えば、送信元が通信端末#1のポートn2で、宛先がサーバ#1のポートn1であるACKパケットがLA通知部18に入力されたとき、図4に示すフローテーブル17に対する検索の結果、「DLフロー1」のエントリがヒットする。このような検索の結果、LA通知部18は、ヒットするエントリがあったときは、入力されたULフローに対応するDLフローがLA中であると判断し、ヒットするエントリがなかったときは、入力されたULフローに対応するDLフローがLA中でないと判断する。
また、LA通知部18は、例えば以下のようにしてLA通知を形成する。図5は、実施例1のACKパケットの一例を示す図である。
LTE通信部13からLA通知部18に入力されるACKパケットは、IPヘッダH4及びTCPヘッダH5を有する。TCPヘッダH5のタイプは「ACK」となる。LA通知部18は、LA中にあるDLフローに対応するULフローのACKパケットにおいて、IPヘッダH4及びTCPヘッダH5にGRE(Generic Routing Encapsulation)ヘッダH3−1を付加し、GREヘッダH3−1によってIPヘッダH4及びTCPヘッダH5をカプセル化する。つまり、GREヘッダH3−1の付加によりACKパケットをカプセル化する。このように、LA中のDLフローに対応するULフローのACKパケットには、対応するDLフローがLA中であることを示すフラグ(以下では「LA中フラグ」と呼ぶことがある)としてGREヘッダH3−1が付加される。つまり、LA通知部18は、GREヘッダH3−1をLA中フラグとして用い、LA通知の形成を、GREヘッダH3−1の付加によって行う。そして、LA通知部18は、GREヘッダH3−1によってカプセル化したIPヘッダH4及びTCPヘッダH5に、MACヘッダH1及びIPヘッダH2を付加して形成したACKパケットをイーサネット通信部11に出力する。
一方で、LA通知部18は、LA中にないDLフローに対応するULフローのACKパケットに対してはGREヘッダH3−1を付加せず、IPヘッダH4及びTCPヘッダH5に直接MACヘッダH1及びIPヘッダH2を付加して形成したACKパケットをイーサネット通信部11に出力する。
<フェムトGWの構成例>
図6は、実施例1のフェムトGWの一例を示す機能ブロック図である。図6に示すフェムトGW20は、図2に示すフェムトGW2に相当する。フェムトGW20は、イーサネット通信部21,22と、隠蔽処理部23とを有する。
イーサネット通信部21は、イーサネット方式の通信をサーバ1と行い、DLフローをサーバ1から受信してイーサネット通信部22に出力し、隠蔽処理部23から入力されるULフローをサーバ1に送信する。
イーサネット通信部22は、イーサネット方式の通信を基地局10と行い、イーサネット通信部21から入力されるDLフローを基地局10に送信し、ULフローを基地局10から受信して隠蔽処理部23に出力する。
隠蔽処理部23は、イーサネット通信部22から入力されるULフローにLA通知が含まれているときは、通信端末4における順序反転の現象をサーバ1から隠蔽する。すなわち、隠蔽処理部23は、イーサネット通信部22がフェムト基地局10からLA通知を受信したときは、ULフローに含まれるACKのうち重複ACKを隠蔽する隠蔽処理を行い、隠蔽処理後の残りのACKパケットをイーサネット通信部21に出力する。一方で、隠蔽処理部23は、イーサネット通信部22から入力されるULフローにLA通知が含まれていないときは、イーサネット通信部22から入力されたACKパケットを隠蔽せずにイーサネット通信部21に出力する。
<通信システムの処理シーケンス>
図7及び図8は、実施例1の通信システムの処理シーケンスの一例を示す図である。図7,8において、「TCP」は、プロセッサで行われるTCPに従った処理を示す。また、通信端末4において、「LTE」はLTEインタフェースを示し、「WiFi」はWiFiインタフェースを示す。フェムト基地局10において、「WiFi」はWiFi通信部15を示し、「LTE」はLTE通信部13を示し、「Eth」はイーサネット通信部11を示す。サーバ1において、「Eth」はイーサネットインタフェースを示す。また、図7,8において、「LAフロー」とはLA中にあるフローを示し、「非LAフロー」とはLA中にないフローを示す。
フェムトGW20で行われる隠蔽処理の一例として、図7では「重複ACKフィルタリング」について説明し、図8では「ACK再構築」について説明する。
<重複ACKフィルタリング(図7)>
図7において、通信端末4がn=1のACKパケットをLTEリンクを用いてフェムト基地局10に送信する。フェムト基地局10は、この時点では、n=1のACKパケットを含むULフローに対応するDLフローに対してLAを行っていないため、受信したACKパケットにLA中フラグを付加せずに、n=1のACKパケットをフェムトGW20に送信する。フェムトGW20は、受信したACKパケットにLA中フラグが付加されていないため、n=1のACKパケットを隠蔽することなくサーバ1へ送信する(ステップS21)。このn=1のACKパケットに応じて、サーバ1は、n=1,2,3の一連の複数のデータパケットをフェムト基地局10に送信する(ステップS22)。n=1,2,3のデータパケットを受信した時点でLA中にあるフェムト基地局10は、n=1のデータパケットをLTEリンクに、n=2,3のデータパケットをWiFiリンクにそれぞれ振り分けて通信端末4に送信する。ここで、n=1のデータパケットが、LTEリンクの途中でロスしたとする。よって、通信端末4にはn=1のデータパケットよりも先に、n=2,3のデータパケットが到達する(ステップS22,S23)。つまり、通信端末4において順序反転が発生する。
順序反転を検出した通信端末4は、到達が遅れているデータパケットのシーケンス番号であるn=1を有する重複ACKをLTEリンクを用いて送信する。n=1の重複ACKを受信したフェムト基地局10は、n=1のデータパケットを含むDLフローに対してLAを行っているので、n=1の重複ACKにLA中フラグを付加し、LA中フラグを付加した重複ACKをフェムトGW20に送信する。そして、LA中フラグが付加された重複ACKを受信したフェムトGW20は、これらの重複ACKをバッファに記憶する(ステップS24)。
一方で、フェムト基地局10は、LTE通信内部の再送制御により、n=1のデータパケットをLTEリンクを用いて再送する(ステップS25)。再送されたn=1のデータパケットは通信端末4に到達したとする。
ステップS25の時点で通信端末4にはn=1〜3のデータパケットが到達しているので、通信端末4は、n=1〜3のデータパケットが到達していることを通知するために、n=4のACKパケットをLTEリンクを用いて送信する。n=4のACKパケットを受信したフェムト基地局10は、n=1〜3のデータパケットに後続してサーバ1から送信される予定のn=4のデータパケットがn=1〜3のデータパケットと同一のDLフロー、つまり、LA中のDLフローに属するため、n=4のACKパケットにLA中フラグを付加し、LA中フラグを付加したACKパケットをフェムトGW20に送信する。LA中フラグが付加されたn=4のACKパケットを受信したフェムトGW20は、n=1〜3のデータパケットが通信端末4に到達していると判断し、バッファに記憶したn=1の重複ACKを廃棄する。この廃棄により、n=1の重複ACKはフィルタリングされる。また、n=4のACKパケットは重複ACKでないため、フェムトGW20は、n=4のACKパケットからLA中フラグを削除し、LA中フラグ削除後のn=4のACKパケットをサーバ1に送信する(ステップS26)。つまり、重複ACKは、フェムト基地局10からLA通知を受信したフェムトGW20によりフィルタリングされて、サーバ1から隠蔽される。これにより、通信端末4における順序反転の現象がサーバ1から隠蔽されるので、サーバ1はn=1のデータパケットの再送を行わない。
LA中フラグ削除後のn=4のACKパケットを受信したサーバ1は、n=1〜3のデータパケットを含むDLフローにおける最終のデータパケットがn=3のデータパケットであったため、新たなDLフローを送信する。フェムト基地局10は、この新たなDLフローに対してLAを行わないと判断し、非LAのこの新たなDLフローをLTEリンクだけを用いて通信端末4に送信する(ステップS27)。
非LAのDLフローに含まれるn=1〜3のデータパケットを受信した通信端末4は、n=1〜3のデータパケットが到達していることを通知するために、n=4のACKパケットをLTEリンクを用いて送信する。n=4のACKパケットを受信したフェムト基地局10は、ステップS27で通信端末4に送信されたn=1〜3のデータパケットが非LAのDLフローに属するため、n=4のACKパケットにLA中フラグを付加せずに、n=4のACKパケットをフェムトGW20に送信する。LA中フラグが付加されていないn=4のACKパケットを受信したフェムトGW20は、このACKパケットをサーバ1に送信する。
<ACK再構築(図8)>
図8において、通信端末4がn=1のACKパケットをLTEリンクを用いてフェムト基地局10に送信する。フェムト基地局10は、この時点では、n=1のACKパケットを含むULフローに対応するDLフローに対してLAを行っていないため、受信したACKパケットにLA中フラグを付加せずに、n=1のACKパケットをフェムトGW20に送信する。フェムトGW20は、受信したACKパケットにLA中フラグが付加されていないため、n=1のACKパケットを隠蔽することなくサーバ1へ送信する(ステップS31)。このn=1のACKパケットに応じて、サーバ1は、n=1〜8の一連の複数のデータパケットをフェムト基地局10に送信する(ステップS32)。n=1〜8のデータパケットを受信した時点でLA中にあるフェムト基地局10は、n=1,4,6,8のデータパケットをLTEリンクに、n=2,3,5,7のデータパケットをWiFiリンクにそれぞれ振り分ける。n=1,4,6,8のデータパケットは通信端末4に到達した。一方で、n=2のデータパケットがWiFiリンクの途中でロスしたため、フェムト基地局10は、n=3,5,7のデータパケットを送信できずに自局のバッファに記憶する(ステップS32,S33)。
通信端末4は、n=2のデータパケットが未達なのにもかかわらず、n=4のデータパケットが到達したので、n=2の重複ACKにn=4,6,8のSACK(Selective ACK;選択的ACK)を重畳して送信する。SACKの詳細は後述する。n=4,6,8のSACKが重畳されたn=2の重複ACKを受信したフェムト基地局10は、n=2,4,6,8のデータパケットを含むDLフローに対してLAを行っているので、n=2の重複ACKにLA中フラグを付加し、LA中フラグを付加した重複ACKをフェムトGW20に送信する(ステップS34)。フェムトGW20は、n=4,6,8のSACKが重畳され、かつ、LA中フラグを付加されたn=2の重複ACKをバッファに記憶する(B1,B2)。
次いで、フェムト基地局10は、n=9,10のデータパケットを受信し、n=10のデータパケットをLTEリンクに、n=9のデータパケットをWiFiリンクにそれぞれ振り分ける。n=10のデータパケットは通信端末4に到達した(ステップS35)。一方で、フェムト基地局10は、WiFiリンクでのn=2のデータパケットの再送が済んでいないので、n=9のデータパケットを送信できず、n=3,5,7のデータパケットと同様に、n=9のデータパケットを自局のバッファに記憶する(ステップS36)。
次いで、フェムト基地局10は、WiFiリンクを用いてn=2のデータパケットを再送し、このn=2のデータパケットが通信端末4に到達する(ステップS37)。
通信端末4は、n=2のパケットが到達したので、n=3のACKパケットを送信する。このとき、通信端末4は、既にn=4,6,8,10のデータパケットが到達しているので、n=4,6,8,10のSACKをACKパケットに重畳して送信したい。しかし、1つのACKパケットに重畳できるSACKの数は標準仕様上3つまでに制限されているので、通信端末4は、シーケンス番号が最小のn=4のSACKを除き、n=6,8,10のSACKをn=3のACKパケットに重畳して送信する。n=6,8,10のSACKが重畳されたn=3のACKパケットを受信したフェムト基地局10は、n=6,8,10のデータパケットを含むDLフローに対してLAを行っているので、n=3のACKパケットにLA中フラグを付加し、LA中フラグを付加したACKパケットをフェムトGW20に送信する(ステップS38)。フェムトGW20は、n=6,8,10のSACKが重畳され、かつ、LA中フラグが付加されたn=3のACKパケットをバッファに記憶する(B3)。よって、この時点で、フェムトGW20のバッファの内容は図8に示すようになっている(B1〜B3)。
ここで、フェムトGW20のバッファの内容B1〜B3から、各シーケンス番号の到達確認状況を導出すると、n=1〜10のデータパケットのうち、n=3,5,7,9のデータパケットの通信端末4への到達が確認できていない状況にある。また、フェムトGW20は、n=3のACKパケットを受信しているので、n=2の重複ACKをサーバ1へ送信すべきでない。そして、1つのACKパケットに重畳できるSACKの数は3つまでに制限されていること、n=2の重複ACKをサーバ1へ送信すべきでないこと、及び、ACKパケット及びSACKの送信量をできるだけ少なくすることを考慮すると、フェムトGW20は、バッファの内容B1〜B3を、(1)n=4のSACKを重畳したn=2のACKパケットと、(2)n=6,8,10のSACKを重畳したn=3のACKパケットとの2つのACKパケットに再構築してサーバ1へ送信するのが適切である(ステップS39)。
なお、ステップS39の時点でフェムトGW20がACKパケットの再構築をせずに待機していても、ステップS40では、フェムト基地局10が送信したn=3,5,7,9のデータパケットが通信端末40に到達する。このため、フェムトGW20は、ステップS41で、通信端末40からフェムト基地局10を介して受信するn=11のACKパケットだけをサーバ1へ送信すれば足りる。しかし、ここでは、フェムトGW20は、n=2の重複ACKをバッファに記憶してから一定時間が経過したステップS39の時点でACKパケットの再構築を行って、再構築した適切なACKパケットをサーバ1へ送信するものとした。
このように、ACK再構築では、ACKパケット、重複ACK及びSACKを一時的にフェムトGW20のバッファに記憶して、記憶されたACKパケット及びSACKの送達確認の状況に基づいて、ACKパケットを再構築してサーバ1へ送信する。これにより、重複ACKがサーバ1へ送信されないようにようにする。つまり、ACKパケットの再構築により、重複ACKがサーバ1から隠蔽される。
以上説明した「重複ACKフィルタリング」及び「ACK再構築」のように、順序反転の隠蔽処理には、少なくとも、下位の装置(例えば、フェムトGW20)が受信した重複ACKを、下位の装置から上位の装置(例えば、サーバ1)に送信しないように制御する処理が含まれる。
<フェムト基地局の動作>
図9は、実施例1のフェムト基地局の動作の説明に供するフローチャートである。図9に示すフローチャートは、フェムト基地局10の電源がオンにされたときに開始され、オフにされたときに停止される。
フェムト基地局10は、ULフローのACKパケットの受信を待つ(ステップS101:No)。
フェムト基地局10は、ACKパケットを受信すると(ステップS101:Yes)、フローテーブル17を検索し(ステップS102)、ステップS101で受信したACKパケットが含まれるULフローに対応するDLフローがLA中のフローであるか否かを判断する(ステップS103)。
DLフローがLA中のフローであるときは(ステップS103:Yes)、フェムト基地局10は、ステップS101で受信したACKパケットにLA中フラグを付加し(ステップS104)、LA中フラグ付きのACKパケットをフェムトGW20に送信する(ステップS105)。
一方で、DLフローがLA中のフローでないときは(ステップS103:No)、フェムト基地局10は、ステップS101で受信したACKパケットにLA中フラグを付加せず、LA中フラグが付いていないACKパケットをフェムトGW20に送信する(ステップS106)。
ステップS105,S106の処理後、処理はステップS101に戻る。
<フェムトGWの動作>
図10は、実施例1のフェムトGWの動作の説明に供するフローチャートである。図10に示すフローチャートは、フェムトGW20の電源がオンにされたときに開始され、オフにされたときに停止される。
フェムトGW20は、ULフローのACKパケットの受信を待つ(ステップS201:No)。
フェムトGW20は、ACKパケットを受信すると(ステップS201:Yes)、受信したACKパケットにLA中フラグが付加されているか否か、つまり、受信したACKパケットがLA中フラグ付きのACKパケットであるか否かを判断する(ステップS202)。受信したACKパケットにLA中フラグが付加されていないとき(ステップS202:No)、フェムトGW20は、ステップS201で受信したACKパケットをサーバ1に送信する(ステップS206)。
受信したACKパケットにLA中フラグが付加されているとき(ステップS202:Yes)、フェムトGW20は、そのACKパケットが重複ACKか否かを判断する(ステップS203)。LA中フラグが付加されているACKパケットが重複ACKであるときは(ステップS203:Yes)、フェムトGW20は、重複ACKを隠蔽する(ステップS204)。
LA中フラグが付加されているACKパケットが重複ACKでないときは(ステップS203:No)、フェムトGW20は、ACKパケットからLA中フラグを削除し(ステップS205)、LA中フラグ削除後のACKパケットをサーバ1に送信する(ステップS206)。
ステップS204,S206の処理後、処理はステップS201に戻る。
以上のように、本実施例によれば、通信システム100は、サーバ1と、フェムトGW2と、フェムト基地局3と、通信端末4とを有する。通信システム100では、サーバ1からフェムトGW2及びフェムト基地局3を介して通信端末4へ一連の複数のデータパケットが送信される一方で、通信端末4からフェムト基地局3及びフェムトGW2を介してサーバ1へ複数のデータパケットに対する複数のACKパケットが送信される。フェムト基地局3は、複数のデータパケットを含むDLフローに対しLAを行うときにLA通知をフェムトGW2へ行う。フェムトGW2は、フェムト基地局3からLA通知があるときに、複数のACKパケットのうちの重複ACKパケットを隠蔽する隠蔽処理を行い、隠蔽処理後の残りのACKパケットをサーバ1へ送信する。
また、本実施例によれば、フェムト基地局10は、LTE通信部13と、WiFi通信部15と、LA判断部12と、LA通知部18と、イーサネット通信部11とを有する。LTE通信部13は、LTEリンクを用いて通信端末4と通信する。WiFi通信部15は、WiFiリンクを用いて通信端末4と通信する。LA判断部12は、DLフローに対しLAを行うか否かを判断する。LA通知部18は、DLフローに対しLAが行われるときに、LA通知を形成し、形成したLA通知をイーサネット通信部11を介してフェムトGW20に送信する。
また、本実施例によれば、フェムトGW20は、イーサネット通信部22と、隠蔽処理部23と、イーサネット通信部21とを有する。イーサネット通信部22は、LA通知を受信する。隠蔽処理部23は、イーサネット通信部22がLA通知を受信するときに、複数のACKパケットのうちの重複ACKパケットを隠蔽する。イーサネット通信部21は、隠蔽後の残りのACKパケットをサーバ1へ送信する。
これにより、フェムトGWは、フェムト基地局から送信されるLA通知に従って、フェムト基地局の代わりに、順序判定の隠蔽処理を行うことができる。一般的にフェムトGWはコア装置であるため、フェムト基地局のCPUより高性能なCPUを搭載している。順序反転の隠蔽処理は、重複ACKのバッファ処理を含むため、CPU使用率を顕著に上昇させる傾向がある。一方で、順序反転の隠蔽処理のCPU使用率に比べて、LA通知の処理(例えば、LA中フラグを付加する処理)のCPU使用率は極めて低い。よって、CPU使用率が高い一方で、処理遅延が許容される隠蔽処理をフェムトGWがフェムト基地局の代わりに行うことで、フェムト基地局のCPU使用率の上昇を抑えつつ、スループットの低下を防ぐことができる。
[実施例2]
本実施例では、フェムト基地局の処理負荷が閾値未満であるときに、フェムトGWではなく、フェムト基地局が順序反転の隠蔽処理を行う点が実施例1と異なる。このため、本実施例のフェムト基地局は、自局の処理負荷が閾値以上のときに、LA通知をフェムトGWへ行う。
<フェムト基地局の構成例>
図11は、実施例2のフェムト基地局の一例を示す機能ブロック図である。図11に示すフェムト基地局30は、図2に示すフェムト基地局3に相当する。フェムト基地局30は、LA通知部31と、隠蔽処理部32とを有する。
LA通知部31及び隠蔽処理部32には、フェムト基地局30の処理負荷を示すパラメータとして、例えばフェムト基地局30が有するCPUの使用率が入力される。また、LA通知部31及び隠蔽処理部32には、LTE通信部13からULフローが入力される。
LA通知部31は、フェムト基地局30のCPU使用率が閾値以上か否かを判断する。LA通知部31は、フェムト基地局30のCPU使用率が閾値以上のとき、すなわち、フェムト基地局30の処理負荷が閾値以上のときは、実施例1のLA通知部18と同様にして、LA通知を形成する。よって、フェムト基地局30のCPU使用率が閾値以上のときは、フェムトGW20によって順序反転の隠蔽処理が行われる。一方で、LA通知部31は、フェムト基地局30のCPU使用率が閾値未満のとき、すなわち、フェムト基地局30の処理負荷が閾値未満のときは、LA通知を形成しない。よって、フェムト基地局30のCPU使用率が閾値未満のときは、フェムトGW20では、順序反転の隠蔽処理が行われない。
隠蔽処理部32は、フェムト基地局30のCPU使用率が閾値以上か否かを判断する。上記のようにフェムト基地局30のCPU使用率が閾値以上のときはフェムトGW20によって順序反転の隠蔽処理が行われるため、隠蔽処理部32は、フェムト基地局30のCPU使用率が閾値以上のときは、順序判定の隠蔽処理を行わない。一方で、上記のようにフェムト基地局30のCPU使用率が閾値未満のときはフェムトGW20では順序反転の隠蔽処理が行われないため、隠蔽処理部32は、フェムト基地局30のCPU使用率が閾値未満のときは、フェムトGW20の隠蔽処理部23と同様にして、順序反転の隠蔽処理を行う。
<フェムト基地局の動作>
図12は、実施例2のフェムト基地局の動作の説明に供するフローチャートである。図12に示すフローチャートは、フェムト基地局30の電源がオンにされたときに開始され、オフにされたときに停止される。
DLフローがLA中のフローであるときは(ステップS103:Yes)、フェムト基地局30は、自局のCPU使用率が閾値以上か否かを判断する(ステップS301)。自局のCPU使用率が閾値以上のときは(ステップS301:Yes)、フェムト基地局30は、ステップS101で受信したACKパケットにLA中フラグを付加し(ステップS104)、LA中フラグ付きのACKパケットをフェムトGW20に送信する(ステップS105)。
一方で、自局のCPU使用率が閾値未満のときは(ステップS301:No)、フェムト基地局30は、ULフローに含まれるACKパケットが重複ACKか否かを判断する(ステップS302)。ACKパケットが重複ACKであるときは(ステップS302:Yes)、フェムト基地局30は、重複ACKに対する隠蔽処理を行う(ステップS303)。ステップS303の処理後、処理はステップS101に戻る。
ACKパケットが重複ACKでないときは(ステップS302:No)、フェムト基地局30は、ACKパケットをフェムトGW20に送信する(ステップS106)。
以上のように、本実施例によれば、フェムト基地局30は、自局の処理負荷が閾値以上のときに、LA通知をフェムトGW20へ行う。
こうすることで、フェムト基地局30の処理負荷が閾値以上のときは、フェムト基地局30ではなくて、フェムトGW20によって順序反転の隠蔽処理が行われる。一方で、フェムト基地局30の処理負荷が閾値未満のときは、フェムト基地局30が順序反転の隠蔽処理を行って、フェムトGW20は順序反転の隠蔽処理を行わない。これにより、本実施例によれば、フェムト基地局30とフェムトGW20との間で、順序反転の隠蔽処理の処理負荷を適正に分散させることができる。
[実施例3]
本実施例では、フェムトGWが、フェムト基地局からLA通知があるときに、通信リンク情報に基づいて、順序反転の隠蔽処理を行うか否かを判断する点が実施例1と異なる。このため、本実施例のフェムト基地局は、LA通知に加えて、通信リンク情報をフェムトGWに送信する。「通信リンク情報」とは、DLフローに含まれる複数のデータパケットのそれぞれがLTEリンクまたはWiFiリンクの何れを用いてフェムト基地局から通信端末に送信されたかを示す情報である。
<フェムト基地局の構成例>
図13は、実施例3のフェムト基地局の一例を示す機能ブロック図である。図13に示すフェムト基地局50は、図2に示すフェムト基地局3に相当する。フェムト基地局50は、LA判断部51と、フローテーブル52と、通信リンクテーブル53と、LA通知部54とを有する。
LA判断部51は、実施例1のLA判断部12が行う処理に加えて、さらに以下の処理を行う。すなわち、LA判断部51は、図14に示すように、実施例1(図4)に示したフローテーブル17の各DLフロー1〜4に対して通信リンクテーブルへのポインタp1〜p4を付加したフローテーブル52を形成する。図14は、実施例3のフローテーブルの一例を示す図である。
また、LA判断部51は、各データパケットのLTE通信部13とWiFi通信部15とへの振分結果に従って、各ポインタp1〜p4にそれぞれ対応する通信リンクテーブルに通信リンク情報を登録する。図15は、実施例3の通信リンクテーブルの一例を示す図である。図15には、一例として、ポインタp1に対応する通信リンクテーブルを示す。つまり、通信リンクテーブル53は、各ポインタp1〜p4にそれぞれ対応する複数の通信リンクテーブルを有する。図15に示す通信リンクテーブルは、DLフロー1に含まれるn=1〜3のデータパケットにおいて、n=1のデータパケットがLTEリンクを用いて送信され、n=2,3のデータパケットがWiFiリンクを用いて送信されたことを示す。
LA通知部54は、実施例1のLA通知部18が行う処理に加えて、さらに以下の処理を行う。すなわち、LA通知部54は、LA通知を行うときに、LA通知に加えて、通信リンク情報の通知をフェムトGW2に行う。但し、LA通知部54は、LA中フラグとしてGREヘッダを用いない。LA通知部54は、例えば以下のようにしてLA通知及び通信リンク情報の通知を形成する。図16は、実施例3のACKパケットの一例を示す図である。
LTE通信部13からLA通知部54に入力されるACKパケットは、IPヘッダH4、TCPヘッダH5及びTCPヘッダオプションH6を有する。TCPヘッダH5のタイプは「ACK」となり、TCPヘッダオプションH6のタイプは「SACK」となる。LA通知部54は、LA中にあるDLフローに対応するULフローのACKパケットにおいて、IPヘッダH4、TCPヘッダH5及びTCPヘッダオプションH6に、ヘッダH3−2を付加する。ヘッダH3−2には、LA中フラグ、及び、LA中のDLフローの通信リンク情報が含まれる。このLA中のDLフローは、LA通知部54がヘッダH4及びH5のIPアドレス及びポート番号に基づいて実施例1と同様にしてフローテーブル52を検索することによって特定される。また、LA中のDLフローの通信リンク情報は、LA通知部54が、フローテーブル52の各ポインタをキーにして、通信リンクテーブル53を検索することによって取得される。例えば、LA通知部54は、フローテーブル52の検索によって「DLフロー1」を特定した場合、ポインタp1をキーにして通信リンクテーブル53を検索し、n=1のデータパケットがLTEリンクを用いて送信され、n=2,3のデータパケットがWiFiリンクを用いて送信されたことを示す通信リンク情報を取得する。LA通知部54は、各データパケットの通信リンク情報を取得したら、取得済みのシーケンス番号の通信リンク情報を通信リンクテーブルから削除する。そして、LA通知部54は、ヘッダH3−2,IPヘッダH4、TCPヘッダH5及びTCPヘッダオプションH6に、MACヘッダH1及びIPヘッダH2を付加して形成したACKパケットをイーサネット通信部11に出力する。
一方で、LA通知部54は、LA中にないDLフローに対応するULフローのACKパケットに対してはヘッダH3−2を付加せず、IPヘッダH4、TCPヘッダH5及びTCPヘッダオプションH6に直接MACヘッダH1及びIPヘッダH2を付加して形成したACKパケットをイーサネット通信部11に出力する。
<フェムトGWの構成例>
図17は、実施例3のフェムトGWの一例を示す機能ブロック図である。図17に示すフェムトGW40は、図2に示すフェムトGW2に相当する。フェムトGW40は、パケットロス判断部41と、隠蔽処理部42とを有する。
パケットロス判断部41には、イーサネット通信部22からULフローが入力される。パケットロス判断部41は、イーサネット通信部22から入力されるULフローにLA通知が含まれているときは、フェムト基地局50から通知された通信リンク情報に基づいて、順序反転の隠蔽処理を行うか否かを判断する。
ここで、第1の無線リンクを用いて送信された第1のデータパケットと、第2の無線リンクを用いて送信された第2のデータパケットのうち、送達が確認された第2のデータパケットのシーケンス番号よりも小さいシーケンス番号の第1のデータパケットの送達が確認されない場合を想定する。この場合は、第1のデータパケットの送達が確認されない原因は、第1のデータパケットのロスの他に、第1の無線リンクでの遅延時間が第2の無線リンクでの遅延時間より大きいことも考えられる。
しかし、同一の無線リンクを用いて送信された複数のデータパケットのうち、送達が確認されたデータパケットのシーケンス番号よりも小さいシーケンス番号のデータパケットの送達が確認されない場合は、後者のデータパケットが無線リンクでロスしたと判断可能である。
例えば、LA中に、n=1のデータパケットがLTEリンクを用いて送信され、n=2,3のデータパケットがWiFiリンクを用いて送信され、n=2のデータパケットに対するn=2の重複ACKが返信された場合を想定する。つまり、n=2のデータパケットの送達が確認されていない場合を想定する。この場合、n=2のデータパケットとn=3のデータパケットとが同一の無線リンクを用いて送信されたことが分かり、かつ、n=3のデータパケットの送達が確認されれば、n=2のデータパケットは無線リンクでロスしたと判断可能である。そこで、パケットロス判断部41は、まず、以下のようにして、パケットロスが発生したか否かを判断する。
すなわち、例えば、ACKパケットに含まれている通信リンク情報が、図15のように、n=2,3のデータパケットの双方がWiFiリンクを用いて送信されたことを示す。この通信リンク情報を取得したパケットロス判断部41は、共にWiFiリンクを用いて送信されたn=2,3のデータパケットのうち、SACKが返信されたn=3のデータパケットよりもシーケンス番号が小さいn=2のデータパケットに対する重複ACKが返信された場合は、その重複ACKが返信された原因が、n=2のデータパケットのロスにあると判断する。つまり、この場合は、パケットロス判断部41は、n=2のデータパケットがロスしたと判断する。この場合以外は、パケットロス判断部41は、n=2のデータパケットはロスしていないと判断する。ここで、SACKは、どのパケットが通信端末4に到達したかを一意に示すACKであり、通信端末4が選択的に使用できるものである。つまり、n=3のSACKは、n=3のデータパケットが通信端末4に到達していることを示す。また、SACKの送信はオプションであり、ここでは、通信端末4とサーバ1との間でSACKを使用することがネゴシエーション済みであるとする。
そして、パケットロス判断部41は、データパケットがロスしたと判断したきとは、そのデータパケットに対する重複ACKを隠蔽することなくサーバ1に送信すると決定する。つまり、パケットロス判断部41は、データパケットがロスしたと判断したきとは、順序反転の隠蔽処理を行わないと判断する。
一方で、パケットロス判断部41は、データパケットがロスしていないと判断したときは、そのデータパケットに対する重複ACKを隠蔽すると決定する。つまり、パケットロス判断部41は、データパケットがロスしていないと判断したきとは、順序反転の隠蔽処理を行うと判断する。
そして、パケットロス判断部41は、順序反転の隠蔽処理を行うか否かの判断結果を隠蔽処理部42に出力する。
隠蔽処理部42は、隠蔽処理を行うとの判断結果をパケットロス判断部41から入力されたときは、実施例1の隠蔽処理部23と同様にして、重複ACKを隠蔽する。一方で、隠蔽処理部42は、隠蔽処理を行わないとの判断結果をパケットロス判断部41から入力されたときは、重複ACKを隠蔽することなくイーサネット通信部21に出力する。
<通信システムの処理シーケンス>
図18は、実施例3の通信システムの処理シーケンスの一例を示す図である。フェムトGW40で行われる隠蔽処理の一例として、図18では「重複ACKフィルタリング」について説明する。
図18において、通信端末4がn=1のACKパケットをLTEリンクを用いてフェムト基地局10に送信する。フェムト基地局10は、この時点では、n=1のACKパケットを含むULフローに対応するDLフローに対してLAを行っていないため、受信したACKパケットにLA中フラグを付加せずに、n=1のACKパケットをフェムトGW40に送信する。フェムトGW40は、受信したACKパケットにLA中フラグが付加されていないため、n=1のACKパケットを隠蔽することなくサーバ1へ送信する(ステップS41)。このn=1のACKパケットに応じて、サーバは、n=1,2,3の一連の複数のデータパケットをフェムト基地局50に送信する(ステップS42)。n=1,2,3のデータパケットを受信した時点でLA中にあるフェムト基地局50は、n=1のデータパケットをLTEリンクに、n=2,3のデータパケットをWiFiリンクにそれぞれ振り分けて通信端末4に送信する。ここで、n=2のデータパケットが、WiFiリンクの途中でロスしたとする。よって、通信端末4にはn=2のデータパケットよりも先に、n=3のデータパケットが到達する(ステップS43)。なお、ここでは、n=2のデータパケットが再送される場合でも、最終的にロスしたものとする。
通信端末4は、到達していないデータパケットのシーケンス番号であるn=2を有する重複ACKをLTEリンクを用いて送信する。このとき、通信端末4は、n=3のSACKをn=2の重複ACKに重畳して送信する(ステップS44)。
n=3のSACKが重畳されたn=2の重複ACKを受信したフェムト基地局50は、n=2,3のデータパケットを含むDLフローに対してLAを行っているので、n=2の重複ACKにLA中フラグ及び通信リンク情報を付加し、n=3のSACKを重畳し、かつ、LA中フラグ及び通信リンク情報を付加したn=2の重複ACKをフェムトGW40に送信する(ステップS44)。
n=3のSACKが重畳され、かつ、LA中フラグ及び通信リンク情報が付加されたn=2の重複ACKを受信したフェムトGW40は、通信リンク情報に基づいて、n=2のデータパケットがロスしたか否かを判断する(ステップS45)。
そして、フェムトGW40は、n=2のデータパケットがロスしていないと判断したときは(ステップS45:No)、n=3のSACKが重畳され、かつ、LA中フラグ及び通信リンク情報が付加されたn=2の重複ACKをバッファに記憶する(ステップS46)。
一方で、フェムトGW40は、n=2のデータパケットがロスしていると判断したときは(ステップS45:Yes)、重複ACKをバッファに記憶せずに、重複ACKからLA中フラグ及び通信リンク情報を削除し、n=3のSACKが重畳されたn=2の重複ACKをサーバ1に送信する。これにより、フェムトGW40は、n=2のデータパケットの再送をサーバ1に早期に促す(ステップS47)。
n=3のSACKが重畳されたn=2の重複ACKを受信したサーバ1は、n=3のSACKとn=2の重複ACKとによってn=2のデータパケットの再送を促され、n=2のデータパケットを再送する(ステップS48)。
<フェムト基地局の動作>
図19は、実施例3のフェムト基地局の動作の説明に供するフローチャートである。図19に示すフローチャートは、フェムト基地局50の電源がオンにされたときに開始され、オフにされたときに停止される。
DLフローがLA中のフローであるときは(ステップS103:Yes)、フェムト基地局10は、ステップS101で受信したACKパケットにLA中フラグを付加するとともに(ステップS104)、通信リンク情報を付加する(ステップS501)。そして、フェムト基地局10は、LA中フラグ及び通信リンク情報付きのACKパケットをフェムトGW40に送信する(ステップS502)。ステップS502の処理後、処理はステップS101に戻る。
<フェムトGWの動作>
図20は、実施例3のフェムトGWの動作の説明に供するフローチャートである。図20に示すフローチャートは、フェムトGW40の電源がオンにされたときに開始され、オフにされたときに停止される。
フェムトGW40は、ACKパケットを受信すると(ステップS201:Yes)、受信したACKパケットにLA中フラグ及び通信リンク情報が付加されているか否か、つまり、受信したACKパケットがLA中フラグ及び通信リンク情報付きのACKパケットであるか否かを判断する(ステップS401)。受信したACKパケットにLA中フラグ及び通信リンク情報が付加されていないとき(ステップS401:No)、フェムトGW40は、ステップS201で受信したACKパケットをサーバ1に送信する(ステップS206)。
受信したACKパケットにLA中フラグ及び通信リンク情報が付加されているとき(ステップS401:Yes)、フェムトGW40は、そのACKパケットが重複ACKか否かを判断する(ステップS203)。LA中フラグ及び通信リンク情報が付加されているACKパケットが重複ACKであるときは(ステップS203:Yes)、フェムトGW40は、通信リンク情報に基づいて、データパケットのロスが発生したか否かを判断する(ステップS402)。データパケットのロスが発生していないと判断されるときは(ステップS402:No)、フェムトGW40は、重複ACKを隠蔽する(ステップS204)。
LA中フラグ及び通信リンク情報が付加されているACKパケットが重複ACKでないとき(ステップS203:No)、または、データパケットのロスが発生していると判断されるときは(ステップS402:Yes)、フェムトGW40は、ACKパケットからLA中フラグ及び通信リンク情報を削除し(ステップS403)、LA中フラグ及び通信リンク情報削除後のACKパケットをサーバ1に送信する(ステップS206)。
ステップS204,S206の処理後、処理はステップS201に戻る。
以上のように、本実施例によれば、フェムト基地局50は、複数のデータパケットのそれぞれをLTEリンクまたはWiFiリンクの何れを用いて通信端末4へ送信したかを示す通信リンク情報をフェムトGW40へ送信する。フェムトGW40は、フェムト基地局50からLA通知があるときに、通信リンク情報に基づいて、順序反転の隠蔽処理を行うか否かを判断する。
こうすることで、フェムトGW40は、データパケットのロスが発生した場合に、データパケットの再送をサーバ1に早期に促すことができる。よって、実施例1よりも、さらにスループットの低下を防ぐことができる。
[実施例4]
本実施例では、通信システムが複数のフェムトGWを有し、フェムト基地局が、複数のフェムトGWのうち、処理負荷が閾値未満の特定のフェムトGWへLA通知を行う点が実施例1と異なる。
<通信システムの構成例>
図21は、実施例4の通信システムの構成の一例を示す図である。図21において通信システム200は、複数のフェムトGW2−1〜2−Nを有する。フェムトGW2−1〜2−Nは、サーバ1及びフェムト基地局2と相互に接続されている。フェムトGW2−1〜2−Nは、同一の構成を採る。
<フェムト基地局の構成例>
図22は、実施例4のフェムト基地局の一例を示す機能ブロック図である。図22に示すフェムト基地局70は、図21に示すフェムト基地局3に相当する。フェムト基地局70は、負荷状態取得部71と、負荷状態テーブル72と、LA通知部73とを有する。
負荷状態取得部71は、フェムトGW2−1〜2−Nの各フェムトGWの負荷状態を取得する。すなわち、負荷状態取得部71は、フェムトGW2−1〜2−Nのそれぞれに対して負荷状態の問い合わせを行う。これらの負荷状態の問い合わせは、イーサネット通信部11に入力されて各フェムトGWに送信される。そして、負荷状態取得部71は、負荷状態の問い合わせに応じてフェムトGW2−1〜2−Nから返信される負荷状態を取得する。各フェムトGWの負荷状態を示す情報を含むDLフローは、イーサネット通信部11により受信され負荷状態取得部71に入力される。そして、負荷状態取得部71は、入力されたDLフローからフェムトGW2−1〜2−Nの各フェムトGWの負荷状態を取得して負荷状態テーブル72に登録する。
図23は、実施例4の負荷状態テーブルの一例を示す図である。図23のフェムトGW#1〜#3は、図21のフェムトGW2−1〜2−Nに相当し、図23では、フェムトGW#1〜#3の3つのフェムトGWがフェムト基地局70に接続されている場合を示す。また、フェムトGW#1の処理負荷が低負荷で、フェムトGW#2,#3の処理負荷が高負荷であった場合を示す。ここで例えば、「処理負荷が低負荷」とは、処理負荷が閾値未満であることを言い、「処理負荷が高負荷」とは、処理負荷が閾値以上であることを言う。例えば、フェムトGWのCPU使用率が閾値未満であったときにフェムトGWの処理負荷が低負荷であり、フェムトGWのCPU使用率が閾値以上であったときにフェムトGWの処理負荷が高負荷であるとすることができる。
LA通知部73は、実施例1のLA通知部18が行う処理に加えて、さらに以下の処理を行う。すなわち、LA通知部73は、LA通知を行うときに、LA通知の宛先となるフェムトGWを決定する。この決定にあたり、LA通知部73は、負荷状態テーブル72を参照し、処理負荷が低負荷であるフェムトGWを特定する。そして、LA通知部73は、処理負荷が低負荷であるフェムトGWをLA通知の宛先に決定し、処理負荷が低負荷であるフェムトGWにLA通知を行う一方で、処理負荷が高負荷であるフェムトGWにLA通知を行わない。例えば負荷状態テーブルが図23に示すものである場合、LA通知部73は、フェムトGW#1〜#3のうち、フェムトGW#1のみにLA通知を行う。
<フェムトGWの構成例>
図24は、実施例4のフェムトGWの一例を示す機能ブロック図である。図24に示すフェムトGW60は、図21に示すフェムトGW2−1〜2−Nに相当する。フェムトGW60は、負荷状態返信部61を有する。
負荷状態返信部61には、イーサネット通信部22からULフローが入力される。このULフローには、負荷状態の問い合わせが含まれている。また、負荷状態返信部61には、フェムトGW60のCPU使用率が入力される。負荷状態返信部61は、フェムトGW60に対する負荷状態の問い合わせに応じて、フェムトGW60の現在の処理負荷が低負荷であるか、または、高負荷であるかを判断する。負荷状態返信部61は、例えば、フェムトGW60のCPU使用率が閾値未満であるときは、フェムトGW60の処理負荷が低負荷であると判断し、フェムトGW60のCPU使用率が閾値以上であるときは、フェムトGW60の処理負荷が高負荷であると判断する。そして、負荷状態返信部61は、判断結果を示す情報、すなわち、フェムトGW60の負荷状態を示す情報をイーサネット通信部22に出力する。イーサネット通信部22は、フェムトGW60の負荷状態を示す情報をフェムト基地局70に送信する。
<通信システムの処理シーケンス>
図25は、実施例4の通信システムの処理シーケンスの一例を示す図である。図25では、フェムトGW#1〜#3の3つのフェムトGWがフェムト基地局70に接続されている場合を示す。
図25のステップS51〜S53において、フェムト基地局70は、順次、フェムト基地局GW#1〜GW#3に対して、負荷状態の問い合わせを行う。
ステップS51での問い合わせに応じて、フェムトGW#1は、フェムトGW#1の負荷状態を返信する(ステップS54)。例えば、フェムトGW#1は、現在の処理負荷が低負荷であると返信する。
ステップS52での問い合わせに応じて、フェムトGW#2は、フェムトGW#2の負荷状態を返信する(ステップS55)。例えば、フェムトGW#2は、現在の処理負荷が高負荷であると返信する。
ステップS53での問い合わせに応じて、フェムトGW#3は、フェムトGW#3の負荷状態を返信する(ステップS56)。例えば、フェムトGW#3は、現在の処理負荷が高負荷であると返信する。
<フェムト基地局の動作>
図26は、実施例4のフェムト基地局の動作の説明に供するフローチャートである。図26に示すフローチャートは、フェムト基地局70の電源がオンにされたときに開始され、オフにされたときに停止される。
フェムト基地局70は、DLフローがLA中のフローであるときは(ステップS103:Yes)、負荷状態テーブル72を参照して、LA通知の宛先となるフェムトGWを決定する(ステップS701)。
そして、フェムト基地局70は、ステップS701で宛先に決定したフェムトGWに、LA中フラグ付きのACKパケットを送信する(ステップS105)。
以上のように、本実施例によれば、フェムト基地局70は、フェムトGW#1〜#3のうち、処理負荷が閾値未満のフェムトGW#1へLA通知を行う。
こうすることで、処理負荷が低負荷であるフェムトGWに順序反転の隠蔽処理を行わせる一方で、処理負荷が高負荷であるフェムトGWには順序反転の隠蔽処理を行わせないようにすることができる。よって、複数のフェムトGWの間で、順序反転の隠蔽処理の処理負荷を適正に分散することができる。
[他の実施例]
[1]上記実施例では、第1通信リンクの通信方式がLTEであり、第2通信リンクの通信方式がWiFiである場合を一例として説明した。しかし、LA可能な複数の無線リンクの通信方式は、LTE及びWiFiに限定されない。LA可能な通信方式として、LTE及びWiFiの他に、例えば、3G,GSM(Global System for Mobile Communications)(GSM(登録商標))、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)、または、WiMax(Worldwide Interoperability for Microwave Access)等が挙げられる。
[2]上記実施例では、LA中であるか否かをLA中フラグの有無によりフェムトGWに通知した。この他に、値が‘0’であるときはLA中でなく、値が‘1’であるときはLA中であることを示すフラグの付加によってLA中であるか否かをフェムトGWに通知してもよい。また、フェムトGWの特定のMACドレスまたは特定のIPアドレスにACKパケットを送信することでLA中であることをフェムトGWに通知してもよい。例えば、1つのフェムトGWに対して複数のIPアドレスを付与し、フェムトGWは、これらの複数のIPアドレスのうち特定のIPアドレス宛てにACKパケットが届いたら、LA中と判断してもよい。
[3]上記実施例ではDLフローに対してLAを行ってDLフローを送信する送信装置の一例としてフェムト基地局、LAされたDLフローを受信する受信装置の一例として通信端末を挙げた。つまり、送信装置と受信装置とが無線リンクで接続される場合を一例として説明した。しかし、送信装置と受信装置とを繋ぐ通信リンクは、無線リンクに限定されず、有線リンクであってもよい。送信装置と受信装置とが複数の有線リンクで接続される場合、LAの要否の判断は、例えば、特定の有線リンクでのDLフローのトラフィック量に基づいて行ってもよい。
[4]上記実施例において、例えば、複数のDLフローのうち、厳密にQoS(Quality Of Service)を確保する必要があるDLフローついては、LAを行わずにLTEリンクのみを使用し、厳密にQoSを確保する必要がなく、ベストエフォートでスループットが高ければ高いほど好ましいDLフローについては、LAを行ってLTEリンクとWiFiリンクの双方を使用してもよい。
[5]上記実施例のフェムト基地局はDLフローに対してLAを行うため「LA装置」と呼ばれることもある。
[6]上記実施例のフェムト基地局10,30,50,70は、次のようなハードウェア構成により実現することができる。図27は、フェムト基地局のハードウェア構成例を示す図である。図27に示すように、フェムト基地局10,30,50,70は、ハードウェアの構成要素として、バス10aと、プロセッサ10bと、メモリ10cと、LTEインタフェースモジュール10dと、WiFiインタフェースモジュール10eと、イーサネットインタフェースモジュール10fとを有する。プロセッサ10bの一例として、CPU(Central Processing Unit),DSP(Digital Signal Processor),FPGA(Field Programmable Gate Array)等が挙げられる。また、フェムト基地局10,30,50,70は、プロセッサ10bと周辺回路とを含むLSI(Large Scale Integrated circuit)を有してもよい。メモリ10cの一例として、SDRAM等のRAM,ROM,フラッシュメモリ等が挙げられる。LTE通信部13とアンテナ14とは、LTEインタフェースモジュール10dにより実現される。WiFi通信部15とアンテナ16とは、WiFiインタフェースモジュール10eにより実現される。イーサネット通信部11は、イーサネットインタフェースモジュール10fにより実現される。LA判断部12,51と、LA通知部18,31,54,73と、隠蔽処理部32と、負荷状態取得部71とは、プロセッサ10bにより実現される。フローテーブル17,52と、通信リンクテーブル53と、負荷状態テーブル72とは、メモリ10cに記憶される。
[7]LA判断部12,51、LA通知部18,31,54,73、隠蔽処理部32、負荷状態取得部71での上記説明における各処理は、各処理に対応するプログラムをプロセッサ10bに実行させることによって実現してもよい。例えば、LA判断部12,51、LA通知部18,31,54,73、隠蔽処理部32、負荷状態取得部71での上記説明における各処理に対応するプログラムがメモリ10cに記憶され、そのプログラムがプロセッサ10bによってメモリ10cから読み出されて実行されてもよい。
[8]上記実施例のフェムトGW20,40,60は、次のようなハードウェア構成により実現することができる。図28は、フェムトGWのハードウェア構成例を示す図である。図28に示すように、フェムトGW20,40,60は、ハードウェアの構成要素として、バス20aと、プロセッサ20bと、メモリ20cと、フェムト基地局側イーサネットインタフェースモジュール20dと、サーバ側イーサネットインタフェースモジュール20eとを有する。プロセッサ20bの一例として、CPU,DSP,FPGA等が挙げられる。また、フェムトGW20,40,60は、プロセッサ20bと周辺回路とを含むLSIを有してもよい。メモリ20cの一例として、SDRAM等のRAM,ROM,フラッシュメモリ等が挙げられる。イーサネット通信部21は、サーバ側イーサネットインタフェースモジュール20eにより実現される。イーサネット通信部22は、フェムト基地局側イーサネットインタフェースモジュール20dにより実現される。隠蔽処理部23,42と、パケットロス判断部41と、負荷状態返信部61とは、プロセッサ20bにより実現される。
[9]隠蔽処理部23,42、パケットロス判断部41、負荷状態返信部61での上記説明における各処理は、各処理に対応するプログラムをプロセッサ20bに実行させることによって実現してもよい。例えば、隠蔽処理部23,42、パケットロス判断部41、負荷状態返信部61での上記説明における各処理に対応するプログラムがメモリ20cに記憶され、そのプログラムがプロセッサ20bによってメモリ20cから読み出されて実行されてもよい。
[10]上記の実施例1〜4のうちいくつかの実施例を適宜組合せて実施することも可能である。
1 サーバ
2,20,40,60 フェムトGW
3,10,30,50,70 フェムト基地局
4 通信端末
12,51 LA判断部
13 LTE通信部
15 WiFi通信部
17,52 フローテーブル
18,31,54,73 LA通知部
23,32,42 隠蔽処理部
53 通信リンクテーブル
71 負荷状態取得部
72 負荷状態テーブル
41 パケットロス判断部
61 負荷状態返信部

Claims (7)

  1. サーバと、中継装置と、送信装置と、受信装置とを具備し、前記サーバから前記中継装置及び前記送信装置を介して前記受信装置へ一連の複数のデータパケットが送信される一方で、前記受信装置から前記送信装置及び前記中継装置を介して前記サーバへ前記複数のデータパケットに対する複数の送達確認パケットが送信される通信システムであって、
    前記送信装置は、前記複数のデータパケットを含むダウンリンクフローに対し前記送信装置と前記受信装置との間の複数の通信リンクを同時に用いるリンクアグリケーションを行うときに、前記ダウンリンクフローが前記リンクアグリケーション中であることを示す通知を前記中継装置へ行い、
    前記中継装置は、前記送信装置から前記通知があるときに、前記複数の送達確認パケットのうち、前記リンクアグリケーション中の前記ダウンリンクフローに対応するアップリンクフローに含まれる特定の送達確認パケットであって、前記複数のデータパケットの前記受信装置における到達順序が反転したことを示す前記特定の送達確認パケットを隠蔽する隠蔽処理を行い、前記隠蔽処理後の残りの送達確認パケットを前記サーバへ送信する、
    通信システム。
  2. 前記送信装置は、前記送信装置の処理負荷が閾値以上のときに、前記通知を前記中継装置へ行う、
    請求項1に記載の通信システム。
  3. 前記送信装置は、前記複数のデータパケットのそれぞれを前記複数の通信リンクの何れを用いて前記受信装置へ送信したかを示す通信リンク情報を前記中継装置へ送信し、
    前記中継装置は、前記送信装置から前記通知があるときに、前記通信リンク情報に基づいて、前記隠蔽処理を行うか否かを判断する、
    請求項1に記載の通信システム。
  4. 複数の前記中継装置を具備し、
    前記送信装置は、前記複数の中継装置のうち、処理負荷が閾値未満の特定の中継装置へ前記通知を行う、
    請求項1に記載の通信システム。
  5. 第1通信リンクを用いて受信装置と通信する第1通信部と、
    第2通信リンクを用いて前記受信装置と通信する第2通信部と、
    一連の複数のデータパケットを含むダウンリンクフローに対し前記第1通信リンク及び前記第2通信リンクの双方を同時に用いるリンクアグリケーションを行うか否かを判断する判断部と、
    前記リンクアグリケーションが行われるときに、前記ダウンリンクフローが前記リンクアグリケーション中であることを示す通知を中継装置へ送信する第3通信部と、
    を具備する送信装置。
  6. 第1通信リンク及び第2通信リンクを用いて受信装置と通信可能な送信装置が、一連の複数のデータパケットを含むダウンリンクフローに対し前記第1通信リンク及び前記第2通信リンクの双方を同時に用いるリンクアグリケーション中であることを示す通知を前記送信装置から受信する第1通信部と、
    前記第1通信部が前記通知を受信するときに、前記複数のデータパケットに対する複数の送達確認パケットのうち、前記リンクアグリケーション中の前記ダウンリンクフローに対応するアップリンクフローに含まれる特定の送達確認パケットであって、前記複数のデータパケットの前記受信装置における到達順序が反転したことを示す前記特定の送達確認パケットを隠蔽する隠蔽処理部と、
    隠蔽後の残りの送達確認パケットをサーバへ送信する第2通信部と、
    を具備する中継装置。
  7. サーバと、中継装置と、送信装置と、受信装置とを具備し、前記サーバから前記中継装置及び前記送信装置を介して前記受信装置へ一連の複数のデータパケットが送信される一方で、前記受信装置から前記送信装置及び前記中継装置を介して前記サーバへ前記複数のデータパケットに対する複数の送達確認パケットが送信される通信システムに用いられる通信方法であって、
    前記送信装置が、前記複数のデータパケットを含むダウンリンクフローに対し前記送信装置と前記受信装置との間の複数の通信リンクを同時に用いるリンクアグリケーションを行うときに、前記ダウンリンクフローが前記リンクアグリケーション中であることを示す通知を前記中継装置へ行い、
    前記中継装置が、前記送信装置から前記通知があるときに、前記複数の送達確認パケットのうち、前記リンクアグリケーション中の前記ダウンリンクフローに対応するアップリンクフローに含まれる特定の送達確認パケットであって、前記複数のデータパケットの前記受信装置における到達順序が反転したことを示す前記特定の送達確認パケットを隠蔽し、隠蔽後の残りの送達確認パケットを前記サーバへ送信する、
    通信方法。
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