JP2015095679A - Ip回線を利用したsfn放送システムおよび放送ts伝送方法 - Google Patents

Ip回線を利用したsfn放送システムおよび放送ts伝送方法 Download PDF

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Abstract

【課題】放送TSの同期やタイミングを維持しつつ、狭帯域でTSを伝送し、受信先で送信元の放送TSを復元する。【解決手段】IP送信装置100は、放送コンテンツに基づいて放送TSを生成し、放送TSのダミーバイト部に記載された付加情報に基づきワンセグ階層のTSパケットおよびIIPパケットを抽出する。ダミーバイト部付きのTSパケットをIPデータに変換して、IP回線を介して複数のOFDM変調装置200へ配信する。各OFDM変調装置200は、伝送データを受信し、ダミーバイトに含まれるTSPカウンタの値からそのTSパケットが多重フレームのどの位置のTSパケットであったかを特定し、TSパケットの並びを時系列的に再現し、放送TSを復元する。さらに、放送TSの情報に基づいて、伝送路符号化およびOFDM変調を行い、生成されたIQデータをアナログ信号に変換するとともに所望の周波数チャンネルに変換して出力する。【選択図】図1

Description

本発明は、IP(Internet Protocol)回線を利用したSFN放送システムおよび放送TS伝送方法に関する。
日本方式の地上デジタル放送(ISDB-T: Integrated Services Digital Broadcasting-Terrestrial)で採用されるOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)変調方式では、同一周波数での放送送信網(SFN:Single Frequency Network)を構成することが可能である。SFNは、サービスエリアの拡張や難視聴地域の削減のために地上デジタルの基幹放送において広く利用されているが、ローカル放送やエリア放送などの小規模なローカル放送では利用が進んでいない。
その理由として、SFNの構築には高額かつ大規模な装置構成が必要となるため、小規模なローカル放送局では採用が難しい面があることが挙げられる。
より具体的には、SFN放送システムを構成するには、システムを構成する装置がすべて基準信号による同期関係にあることが必須条件となる。コンテンツの伝送において、送受信間の同期を確保するためには放送TSでの伝送が必須となる。放送TSとは、ARIB規格で定められたISDB−T方式のOFDM変調に対応するもので、OFDM変調装置と復調器の双方で特別な同期信号を伝送することなくフレーム再生が可能となるよう、階層変調のTS多重構造が定められたTS信号である。ISDB−T方式の符号化時に発生する冗長部が含められており、どのような階層設定、キャリア変調設定でも一定のビットレート(32.507937Mbps)となる。
このような性格から、放送TSの伝送には、
(1)送受信の装置は同期関係にあること
(2)32.5Mbps以上の伝送容量を持った経路であること
(3)伝送ロス、伝送エラーが(極力)ないこと
という条件を満たす伝送手段が必要となる。
これらの条件を満たすには、一般的に無線中継器もしくは放送波中継装置等の大規模な伝送装置を導入することになるため、ローカル放送やエリア放送などの小規模な放送局では設備投資にかかるコスト面で障害が大きく、このことが実現を困難にしている。
特許文献1(特開2009−253619号公報)には、「被災地向け放送システム及び被災地向け放送方法」として、災害によって情報伝達手段が寸断された状態でも避難所に向けた情報伝送ができるワンセグ放送システムが開示されている。このシステムは親局システムと子局システムからなる。親局システムは、被災地情報を地上デジタル放送データに変換し、地上デジタル放送データのワンセグ放送データ部分のみをIPデータに変換しIPデータを子局システムに送信する。子局システムは、受信したIPデータをフルセグ放送データに変換して地上デジタル放送データとし、地上デジタル放送データの地上波を出力する。このシステムは、送信側サーバーより伝送されたワンセグ放送用データを繰り返し再生し、ワンセグ方式に変調、放送する(オフラインの運用を想定したもの)である。
このワンセグ放送システムによれば、ワンセグ部のみを抽出してIP伝送するため狭帯域の回線でも伝送が可能である。
特許文献2(特開2000−188584号公報)には、「放送中継システム並びにこれに用いる送信所及び中継所」として、SFNを構成するための同期に関する技術が開示されている。GPS(Global Positioning System)等の基準時間を送信側と中継側で共有し、同一のタイミングパルスを各々生成する。送信側でスーパーフレームという概念を有し、スーパーフレーム単位でACと呼ばれるキャリアに特定の同期信号を埋め込みスーパーフレームごとにトグルさせる。受信側はこの同期信号を識別してスーパーフレームを識別し、タイミングパルスまで遅らせて送信することにより中継局間のタイミング差を無くしSFNを実現している。
特開2009−253619号公報 特開2000−188584号公報
地上デジタルテレビジョン放送の伝送方式(ARIB STD-B31)http://www.arib.or.jp/english/html/overview/doc/2−STD−B31v2_1.pdf
放送サービスがHDTVではなくワンセグのみの場合は、上記放送TSの98%以上が不要なデータとなる。この不要なデータの削減により回線容量を抑えることができれば、IP回線等の低価格な伝送手段が利用可能となる。
ARIB STD−B31(非特許文献1)で規定されている放送TSは、ISDB−T方式のデジタル放送用伝送路符号化、変調装置に必要となる設定情報や階層変調を実施する際の各TSパケットの階層情報などが記載されたTS形式である。TSの時間情報の修正や再多重を行うことなく送信器で取り扱うことが可能になっているため、そのまま伝送することが理想である。しかし、伝送路符号化に伴う冗長を含んだTSレートになっているため、所定(32.507937Mbps)の伝送容量が必要とされることから、インターネット回線等の狭帯域伝送路では伝送できないという問題がある。
TSの冗長について一例を以下に示す。前提として、有効情報レート(18.255Mbps)は188バイトのレート、放送TS(32.507Mbps)は204バイトである。
(ガード比1/8、64QAM3/4、13セグメントで変調する場合)
・有効情報レート=18.255Mbps
・伝送効率=18.255 ÷ (32.507×188÷204)= 0.609
となり、約40%が無効データとなる。
(ガード比1/8、QPSK2/3、ワンセグのみの変調とする場合)
・有効情報レート=0.41608Mbps
・伝送効率=0.41608 ÷ (32.507×188÷204) = 0.014
となり、実に98%以上が無効なデータとなる。
したがって、例えばエリアワンセグ放送を目的とするTS伝送の場合は、放送TSをそのまま伝送することは回線利用の点では無駄が多すぎるため非現実的である。一方、送信元と同期をとる必要があるSFN送信などを行う場合は、放送TSのまま伝送する必要がある、という矛盾がある。
上記特許文献1に記載の従来技術は、送出側で188バイトの固定長のTSパケットにてワンセグ部のデータのみをIP回線で伝送し、受信側でフルセグ化することを開示しているが、災害時にあらかじめ用意されたデータを繰り返し放送するためのシステムのため、IP回線の伝送はリアルタイム性は考慮されていない。すなわち、この従来技術は、TCP/IP(蓄積型・オフライン)のデータ伝送を想定したものである(本発明はUDP/RTP(リアルタイム)を想定したものである)。そのため、この従来技術のシステムでは、IP受信側において、IPで受信したデータの蓄積、放送TS化のための再多重、PCR等の時間情報の更新などのための手段が必要となる。
上記特許文献2に記載の従来技術は、IP(Internet Protocol)回線を利用したSFN放送システムに関するものではないが、GPS等の基準時間を送信側と中継側で共有し、同一のタイミングパルスを各々生成する技術を開示している。そのために、ACデータを改造してスーパーフレームという単位を新たに持たせて、遅延量がスーパーフレーム内の時にSFN同期がとれるようになっている。
しかし、この方式では、スーパーフレームの設定以上の遅延が発生した際には、SFN同期はできないという問題がある。
また、ARIB規格(ARIB STD-B31)におけるSFNに関する項目は、これら無線伝送や中継伝送を用いることが前提となっており、例えば遅延量が1秒を超えるようなSFN構築は考慮されていない。
本発明は、このような従来の問題に鑑み、放送TSの同期やタイミングを維持しつつ、狭帯域でTSを伝送し、受信先で送信元の放送TSを復元することができる比較的低価格なSFNシステムを実現するものである。
本発明によるIP回線を利用したSFN放送システムは、放送コンテンツの送信元に設けられたIP送信装置と、このIP送信装置にIP回線で接続された複数のOFDM変調装置とを備え、
前記IP送信装置は、
放送コンテンツに対して、多重フレームの構成に適合したTSパケットの配置(再多重)、PSI/SIの付加、IIPパケットの挿入を行い、放送TSを生成する放送TS化部と、
前記放送TSのダミーバイト部の記載内容に基づきワンセグ階層のTSパケットおよびIIPパケットを抽出して、ダミーバイト部付きのTSパケットを生成する階層抽出部と、
前記ダミーバイト部付きのTSパケットをIPデータに変換し、前記複数のOFDM変調装置へ配信するIP変換部と
とを有し、
前記複数のOFDM変調装置の各々は、
前記IPデータを受信し、受信したIPデータからTSパケットを分離して出力するIPデータ受信部と、
分離されたTSパケットからIIPパケットを抽出し、その内容を解析するIIP抽出・設定デコード部と、
受信した各TSパケットをアドレス管理されたメモリに格納すると共に、格納したTSパケットのダミーバイト部から階層情報およびTSPカウンタの値を読み出し、格納したアドレスと紐付けて保存するTSパケットバッファ部と、
前記IIP抽出・設定デコード部で取得された変調設定情報およびフレーム同期に基づいて、TSPカウンタおよび階層情報を生成し、OFDM多重フレームとして放送TSの枠組みを生成し、前記TSパケットバッファ部から読み出したTSパケットをOFDM多重フレームの該当部に多重することにより放送TSを復元するOFDMフレーム復元部と、
前記OFDMフレーム復元部から出力される放送TSの情報に基づいて、伝送路符号化およびOFDM変調を行う符号化IFFT部と、
前記符号化IFFT部で生成されたIQデータをアナログ信号に変換するとともに所望の周波数チャンネルに変換する周波数変換部と
を有することを特徴とする。
放送TSは変調設定情報が判れば同じ多重フレーム構造を再現することができる。そこで、放送TSのダミーバイト部をTSパケットに含めて伝送することにより、ダミーバイト部に含まれるTSPカウンタの値からそのTSパケットが多重フレームのどの位置のTSパケットであったかを特定することができる。さらに、放送TSのビットレートは、どのような変調設定でも32.507937Mbps固定なので、IP送信装置からIPデータを受け取ったOFDM変調装置では、TSパケットの並びを時系列的に完全に再現することが可能となる。
このようにして、比較的低価格なSFNシステムで、狭帯域でTSを伝送し、受信先で送信元の放送TSを復元することができる。
このSFN放送システムにおいて、前記OFDM変調装置は、
前記符号化IFFT部で生成されたIQデータを一時蓄積しておく遅延用メモリと、
1秒未満の精度を確保するためのSTC信号を生成するSTC発生部と、
自己のGPS受信部で取得されたGPS時刻およびSTC信号と、前記IIPパケットから取得されたIPデータ送信側のGPS時刻およびSTC信号とを比較することにより、前記IP回線の伝送遅延量を算出するSTC比較・遅延量算出部と、
前記IIPパケットから取得された遅延設定値から伝送遅延量を差し引いた値を修正遅延設定値として記憶し、遅延用メモリから読み出すタイミングを修正遅延設定値分遅らせ、OFDM変調波を出力するよう、フレーム同期信号を、前記修正遅延設定値に相当する補正遅延量分だけ遅延させて、前記遅延用メモリから前記IQデータを読み出す遅延制御部と、
を有してもよい。
これにより、SFNシステムにおいて、放送TSの同期やタイミングを維持しつつ、TS伝送を行うことができる。すなわち、各OFDM変調装置は、個別に送信元と自己装置間の伝送遅延量を、GPS時刻を基に算出し、設定遅延量から伝送遅延量を補正したOFDM変調波を出力することにより、複数のOFDM変調波を同一のタイミングで出力することを可能とし、SFN放送網を実現することができる。
また、前記IP送信装置の放送TS化部は、秒単位のGPS時刻情報および1秒以上の秒単位の遅延設定値をTSパケットのIIPパケットに記載して、前記OFDM変調装置に配信し、
前記OFDM変調装置は、前記IP回線を通じて受信したTSパケットからIIPパケットを抽出し、IIPパケットに記載されている時刻情報と自己のGPS受信部で得た時刻情報とを比較してIP伝送経路の伝送遅延量を算出するとともに、前記IIPパケットから取得された1秒以上の遅延設定値から前記伝送遅延量を差し引いた値を修正遅延設定値として記憶し、前記遅延用メモリから読み出すタイミングを修正遅延設定値分遅らせるようにしてもよい。
すなわち、遅延設定や時刻等の情報は、ARIB規格で対応できない部分について、新たにパラメータを設けて放送TSのIIPパケットに追記する形で送信元から各OFDM変調装置に伝送することができる。
Nullパケットまたは所定のTSパケットをダミーパケットとして発生するダミーパケット生成部をさらに備え、
前記OFDMフレーム復元部は、前記IIP抽出・設定デコード部でのIIP解析結果に基づいて生成された放送TSのOFDMフレームに対して、放送TSのTSPカウンタと前記TSパケットバッファ部に蓄積したTSPのTSPカウンタとを比較し、両カウンタ値が一致したとき前記TSパケットバッファ部からTSパケットを読み出して前記OFDMフレームに多重し、一致しないとき、前記ダミーパケット生成部で発生したダミーパケットを多重するようにしてもよい。
本発明によるIP回線を利用したSFN放送システムにおける放送TS伝送方法は、放送コンテンツの送信元に設けられたIP送信装置と、このIP送信装置にIP回線で接続された複数のOFDM変調装置とを備えSFN放送システムにおける放送TS伝送方法であって、
前記IP送信装置において、
放送コンテンツに対して、多重フレームの構成に適合したTSパケットの配置(再多重)、PSI/SIの付加、IIPパケットの挿入を行い、放送TSを生成するステップと、
前記放送TSのダミーバイト部の記載内容に基づきワンセグ階層のTSパケットおよびIIPパケットを抽出して、ダミーバイト部付きのTSパケットを生成するステップと、
前記ダミーバイト部付きのTSパケットをIPデータに変換して、IP回線を介して前記複数のOFDM変調装置へ配信するステップとを有し、
前記複数のOFDM変調装置の各々において、
前記IPデータを受信し、受信したIPデータからTSパケットを分離して出力するステップと、
分離されたTSパケットからIIPパケットを抽出し、その内容を解析するステップと、
受信した各TSパケットをアドレス管理されたメモリに格納すると共に、格納したTSパケットのダミーバイト部から階層情報およびTSPカウンタの値を読み出し、格納したアドレスと紐付けてTSパケットバッファ部に保存するステップと、
前記IIP抽出・設定デコード部で取得された変調設定情報およびフレーム同期に基づいて、TSPカウンタおよび階層情報を生成し、OFDM多重フレームとして放送TSの枠組みを生成し、前記メモリから読み出したTSパケットをOFDM多重フレームの該当部に多重することにより放送TSを復元するステップと、
前記放送TSの情報に基づいて、伝送路符号化およびOFDM変調を行うステップと、
前記伝送路符号化およびOFDM変調により生成されたIQデータをアナログ信号に変換するとともに所望の周波数チャンネルに変換して出力するステップと
を有することを特徴とする。
本発明によれば、ワンセグサービスを主目的としたローカル放送、エリア放送等の小規模な放送局でもSFNシステムを比較的安価に構築することができる。例えば、山間地方やリアス式沿岸地方等、一斉放送が困難な地方自治体などが放送主体となるローカル放送局、あるいはマラソンやトライアスロンの観戦エリア向け放送など、一時的に広範囲での放送が必要となる小規模なローカル放送やエリア放送においても、低価格で容易にSFNシステムを構築してサービスを提供することが可能となる。
また、本発明は、IP送信装置からIP回線で常時ワンセグ用のTSデータを伝送し、受信側(OFDM変調装置)でフルセグに復元するため、特にIP受信〜OFDM変調部では、ワンセグデータを丸ごと蓄積するような大規模な蓄積手段や再多重、PCR更新は不要である。
さらに、本発明では、複数の送信所が存在する場合に、IP送信装置からのIP回線の伝送遅延量が異なっても、各々において伝送遅延量を補正して出力を遅延させることができるため、IP送信装置側で設定した遅延設定値に基づいて、複数のOFDM変調波を同一のタイミングで出力することができる。
本発明の実施の形態に係るSFN放送システムの概略の構成を示す図である。 図1に示したSFN放送システムにおけるパケットのフィルタリングによるIPデータ伝送の説明図である。 図3(a)はTSP形式を示し、図3(b)は放送TSのより詳細なフォーマット(特にダミーバイト部、すなわち付加情報部)を示している。 ARIB規格におけるISDB−T付加情報のシンタックスを示す図である。 ARIB規格におけるIIPシンタックスを示す図である。 ARIB規格におけるTMCCシンタックスを示す図である。 放送TSの構造の概要を示す図である。 放送TSのBパケット、Aパケット、Nパケットの内容例を示す図である。 ARIB規格におけるIIPシンタックスを示す図である。 ARIB規格におけるNetwork_synchronization_informationシンタックスを示す図である。 図10のNetwork_synchronization_informationシンタックスの一部の詳細を示す図である。 本発明の実施の形態におけるSFN放送システムのデータ伝送方法の概略の処理フローを示すフローチャートである。 図1内のIP送信装置の概略の内部構成を示す図である。 図1内の送信所におけるOFDM変調装置の概略の内部構成を示す図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るSFN放送システムの概略の構成を示している。
放送波を出力する送信所20は複数存在し、演奏所(IP送信元)10とは異なる場所に位置する。各送信所20には、地上デジタル放送送信装置としてのOFDM変調装置200が備えられる。演奏所10から送信所20へは、IP回線またはIP回線網15を利用し、放送TSをIPマルチキャスト送信で一斉配信する。
本実施の形態では、ISDB−T地上デジタル放送方式における、放送TSの効率的な伝送手段を提案する。帯域が保証された回線(ASIによる同軸、光回線等)を利用する場合は問題ないが、インターネット等の一般回線を利用する場合はできるだけ効率の良い伝送を行う必要がある。
本発明は、放送TSから所定の階層のデータのみを抽出して伝送する手段と、伝送データを受信し、受信したデータから放送TSを復元する手段を用いることによって、必要とされる回線の帯域を削減することが可能となり、伝送レートの低い回線でもデータの伝送を実現することができるものである。
ARIB STD−B31で規定される放送TSは、TS再多重を行うことなくOFDM変調装置にて直接変調波を出力することができる形式で、データレートは約32.5Mbpsである。
演奏所(IP送信元)10からの放送TSの一斉配信の際、ワンセグ放送に関連して伝送容量を削減する。放送TSに含まれるパケットの内訳(種別)は次の通りである。
(1) A(ワンセグ)階層用TSパケット
(2) B(HDTV)階層用TSパケット
(3) 符号化用無効階層TSパケット
(4) IIP(ISDB-T Information Packet)パケット
ストリーム中のTSパケットの種別は、ダミーバイト部に多重される付加情報の中の階層情報によって識別することができる。
そこで、図2に示すように、本実施の形態では、演奏所10のIP送信装置100において、放送コンテンツを放送TSに変換した後、この放送TSのパケット(1)および(4)を残し、パケット(2)および(3)をフィルタリング除去して得られたA階層TS(0.46Mbps)をIPデータとして、IP回線網15を介して、各送信所20へ送信する。このA階層TSパケットにはダミーバイト部も含めておく。このようなパケットのフィルタリングにより、TSPの伝送レートを約98%削減することが可能となる。
例えば、現行放送で最も使用されている設定は、次のものである。
・モード3、ガードインターバル1/8、
・QPSK2/3(A階層1セグメント)
・64QAM3/4(B階層12セグメント)
上記変調設定の場合の1フレームのパケット数は4608パケットであり、その内訳は、
・A階層のパケット数:64パケット
・B階層のパケット数:2592パケット
・無効階層のパケット数:1952パケット(うちIIPが1パケット)
である。
このように、放送TSからA階層とIIPのパケットだけを抽出した場合、パケットの低減比は65/4608となり、伝送量は劇的に減少する。一方、TSパケットは通常188バイトであるが、ダミーバイト部を含めると204バイトとなる。「ダミーバイト部」の情報もそのまま伝送することにより送信データ量は増加するが、その増加量は十分小さい。ダミーバイト部によりデータ量が増加する比率は、204/188=51/47にすぎない。
階層のフィルタリングのために、IP送信装置100は、放送TS内のダミーバイト部に記載された付加情報を常時監視し、削除するTSパケットと伝送するパケットとを識別する。
図3(a)はTSP形式(ARIB STD-B31付属図5-10)を示し、図3(b)は放送TSのより詳細なフォーマット(特にダミーバイト部、すなわち付加情報部)を示している。図4は、ISDB−T付加情報のシンタックス(ARIB STD-B31付属 表5-7)を示している。図5は、IIPシンタックス(ARIB STD-B31付属 表5-8)を示している。図6は、TMCCシンタックス(ARIB STD-B31付属 表5-10)を示している。
図3(a)(b)および図4に示すように、TSパケット内のダミーバイト部である189〜192バイト部(「多重位置」)に記載された付加情報のうち、階層情報(Layer indicator)を監視し、抽出する階層(A階層、またはB階層、またはC階層:ここではA階層)およびIIPパケット(LayerNのうちのIIP識別)のみを抽出して一旦、バッファ(後述のTSパケットバッファ部)に記憶する。図3(b)および図4から分かるように、ダミーバイト部のバイト189のビット7〜4に「階層情報(LayerIndicator)」が格納され、バイト190のビット4〜0とバイト191のビット7〜0に「TSPcounter(TSパケットカウンタ)」が格納されるようになっている。バッファ内のA階層TSパケットおよびIIPパケットは、IPパケットに加工されてIP回線網15に出力される。
ここで、本発明のより良い理解のために、MPEG−TS(Moving Picture Expert Group - Transport Stream:トランスポートストリーム)と放送TSの相違について概略を説明する。
MPEG−TSは、動画および音声の圧縮技術であるMPEG−2に関する国際規格ISO/IEC13818の中で定められているデータ伝送に関する規格である(ISO/IEC13818-1:MPEG-2 SYSTEMS)。この規格では、圧縮動画や音声、多重化に関する情報を188バイトの伝送パケットに格納して、時分割多重で伝送する。格納されるデータの種類ごとに異なるパケット識別子(=PID)が与られるので、受信処理側では、PIDに基づいて必要な情報のみを抽出することができる。
ISO規格では、基本となるデータ構造、TS内容を記述する情報パケットの構造(PAT,PMT,NITなど)についてのみ定められており、更に詳細な部分については、実際に運用する放送規格団体で制定される。
これに対して、放送TSは、上記MPEG−TSの規格を基に、日本の地上デジタル放送規格(ARIB STD-B31)で定められるTS再多重の法則に従った多重化手法に則った多重構造のMPEG−TS(多重フレームと呼ぶ)がベースとなる。
日本の地上デジタルテレビ放送の符号化、変調方式は、ワンセグやハイビジョンなど最大3階層の階層変調が可能である。多重フレームとは、これらの階層変調に応じてTSパケットの多重化を最適化したものである。
放送TSは、この多重フレーム構造のMPEG−TSに、更にIIP(ISDB-T Information Packet)と呼ばれる地上デジタルOFDM変調に関する情報を記載したTSパケットと、OFDMフレームのTPSカウンタや、個々のTSパケットがどの階層に属するものかを示す識別情報(階層情報)などをダミーバイト部に追記した、204バイト形式のTSデータとなる。
日本の地上デジタル方式は、設定パラメータが多くあり、その組み合わせは多岐に渡る。項目としては、次のようなものがある。
・モード: 1、2、3
・ガードインターバル: 1/4、1/8、1/16、1/32
・(階層)セグメント数: 1〜13(但し、各階層の合計が13になること)
・(階層)キャリア変調方式: QPSK、16QAM、64QAM
・(階層)符号化率: 1/2、2/3、3/4、5/6、7/8
・(階層)インターリーブ長: 4段階
更に、最大3階層までの階層変調が可能なので、「(階層)」と記載した設定パラメータは階層数分の設定を有している。これらの組み合わせにより、MPEG−TSの伝送可能な情報量が変化し、多重フレーム構造も変化するので、各種設定と情報レートに齟齬があると正常な放送波を出すことができなくなる。
放送TSはこれらの複雑な設定と情報レートの関係をMPEG−TSの形で自動化し、解決するものであり、放送TS形式のTS信号を受信すれば、信号入力と同時に設定情報を取得することができるため、手動での設定が不要となる。つまり、放送TSとは符号化・OFDM変調装置のために用意されたインターフェースということができる。
図7に、放送TSの構造について、概要を示す。
この図は、次のような設定パラメータについてのTSパケット列の一例を示している。
モード3、
ガードインターバル1/8
QPSK1/2(A階層1セグメント)、
64QAM7/8(B階層12セグメント)
図中の記号は次のとおりである。
A: A(ワンセグ)階層用TSパケット
B: B(HDTV)階層用TSパケット
N: 無効階層TSパケット
モード3、ガードインターバル1/8の場合、OFDMフレーム=4608パケットとなるので、図の0〜1151までの多重構造を4回繰り返す。(TSPカウンタの値の範囲は0〜4607)
図8は、Bパケット、Aパケット、Nパケットの内容例を示している。TSパケットは通常188バイトであるが、各パケットは、ダミーバイト部を含めて204バイトとなっている。この図の各パケットのバイト188から195に付加情報が載っていることが分かる。
本発明の前提として重要なことは、従来、放送TSで埋め込まれるIIPパケットやダミーバイト部の情報は、符号化ないしOFDM変調の過程で削除されてしまうという点である。これらの情報は、専らOFDM変調装置のために用意されたものであり、放送波としては"伝送されない領域(冗長部分)"を利用しているので、放送波を受信した装置側では得ることができない。特許文献2に記載の技術はOFDM変調した放送波での中継のため、IIPやダミーバイト部の情報を利用することは原理上不可能である。
次に、各送信所20のOFDM変調装置200は、IP回線網15を介して、階層制限されたIPデータを受信した後、まずストリームの中からIIPパケットを探して抽出し、そのmodulation_control_configuration_informationの内容を解読する。ここから、モード、ガードインターバル、階層変調情報を確認することにより、放送TSのフレーム多重構造を復元する。受信したTSパケットは、そのダミーバイト部に記載された階層情報とTSPカウンタ値を参照し、復元した放送TSの該当箇所に上書き多重することにより元の放送TSを復元することが可能となる。(なお、本実施の形態におけるIIPはARIB STD-B31付属第5章5.5.3項に準拠している。)
本発明のSFN放送システムの大前提として、送信、受信とも同期のとれた基準信号にて動作することが必要となる。同期の方法としては、GPS受信による同期信号源もしくは高安定な信号源を用いた疑似同期信号等の利用が挙げられる。
本実施の形態では、また、演奏所10のIP送信装置100と、各送信所20のOFDM変調装置200はGPS受信機能を有し、演奏所10のIP送信装置100、OFDM変調装置200が共にGPSからの同一基準信号に同期すること、および伝送手段に放送TSを用いることにより、系の同期を確保する。
演奏所10では、IP送信装置100において、送出するIPデータに所定のタイミング、フォーマットにて次の情報をデータに多重して送信する。
(1)GPSに同期した送信時刻情報
(2)SFN同期のための遅延設定値
これらの情報の伝送は、ARIB STD−B31付属第5章STL/TTLへの信号伝送手法による。参考に、IIPシンタックスを示す図9(ARIB STD-B31付属 表5-8)、Network_synchronization_informationシンタックスを示す図10の(ARIB STD-B31付属 表5-12)および図11の(ARIB STD-B31付属 表5-13抜粋)を挙げる。GPSに同期した送信時刻情報として、IIPパケットに記載される、1秒未満の時刻情報をsynchronization_time_stamp(0〜0.9999999秒)、および、SFN同期のための遅延設定値として、maximum_delay(0〜0.9999999秒)を用いる。
このように、IIPパケットに記載されるNetwork_synchronization_informationシンタックスを利用して、各送信所にマルチキャストにてIPデータが複数のOFDM変調装置200に対して一斉に配信される。
本実施の形態では、送信元となるIP送信装置100と実際に変調波を出力するOFDM変調装置200間はIP回線網15で結ばれ、放送TS形式でコンテンツを伝送することにより、ベースバンド信号としての同期関係が維持される。そのために、IP送信装置100と複数のOFDM変調装置200は、各々、GPS受信機能を有し、GPS発信元(GPS衛星30)に同期した基準クロックと現在時刻を生成することにより装置間の同期、および時刻情報の共有を実現する。各送信所20のOFDM変調装置200は、OFDM変調機能に加え、IP送信装置100が多重した時刻情報と遅延設定の読出し機能、および回線遅延量の算出機能、SFN遅延を実現するための所定量のデータバッファを内蔵している。
より具体的には、IPデータ送信側で送信時点の時刻情報を放送TSに埋め込む。IP受信側ではOFDM変調装置200が、受信したIPデータから送信時刻情報を抽出し、自己のGPS時刻を比較することにより伝送遅延量を認識する。すなわち、自己のGPS時刻と送信が記載した時刻情報を比較して伝送遅延量を計算し、遅延設定を行う。次に、受信したSFN遅延設定値から伝送遅延量を差し引いた値で自己の遅延量を算出し、この値に基づいてデータバッファの読出しタイミングを設定する。
複数の送信所20で伝送遅延量が異なっても、複数のOFDM変調装置200の各々は、個別に送信元と自己装置間の伝送遅延量を、GPS時刻を基に算出し、設定遅延量から伝送遅延量を補正したOFDM変調波を出力することにより、複数のOFDM変調波を同一のタイミングで出力することができる。
このようにして、各送信所20は、回線の伝送遅延量が異なっても、各々において伝送遅延量を補正して出力を遅延させるため、演奏所10で設定した遅延設定値に基づいた送信出力を得ることができる。
これによって、複数の送信所20におけるSFN(Single Frequency Network)放送網を実現することが可能となる。
なお、遅延設定や時刻等の情報は、ARIB規格で対応できない部分について、新たにパラメータを設けて放送TSのIIPパケットに追記する形で送信元から各OFDM変調装置200に伝送する。この点については後に詳述する。
図12に、本実施の形態におけるSFN放送システムのデータ伝送方法の概略の処理フローを示す。
この処理は、放送コンテンツの送信元に設けられたIP送信装置100と、このIP送信装置100と、IP回線で接続された複数のOFDM変調装置200とで実行される。
IP送信装置100は、まず、放送コンテンツ(MPEG−TS信号)を受けて、多重フレームの構成に適合したTSパケットの配置(再多重)、PSI/SI(Program Specific Information/Service Information)の付加、IIPパケットの挿入を行い、放送TSを生成する(S11)。
次に、放送TSのダミーバイト部に記載の付加情報に基づきA階層(ワンセグ階層)パケットおよびIIPパケットを抽出して、ダミーバイト部付きのTSパケットを生成してメモリに格納する(S12)。
次いで、階層抽出後のTS信号をIPデータに変換し、複数のOFDM変調装置へ配信する(S13)。
複数のOFDM変調装置200の各々は、まず、IPデータを受信し、受信したIPデータからTSパケットを分離して出力する(S21)。
次いで、分離されたTSパケットからIIPパケットを抽出し、その内容を解析する(S22)。
さらに、受信した各TSパケットをアドレス管理されたメモリに格納すると共に、格納したTSパケットのダミーバイト部からそのTSパケットの階層情報およびTSPカウンタの値を読み出し、格納したアドレスと紐付けてTSパケットバッファ部(後述)に保存する(S23)。
そこで、先に取得された変調設定情報およびフレーム同期に基づいて、TSPカウンタおよび階層情報を生成し、OFDM多重フレームとして放送TSの枠組みを生成し、TSパケットバッファ部から読み出したTSパケットをOFDM多重フレームの該当部に多重することにより放送TSを復元する(S24)。
次いで、OFDMフレーム復元部205から出力される放送TSの情報に基づいて、伝送路符号化およびOFDM変調を行う(S25)。
この伝送路符号化およびOFDM変調により生成されたIQデータをアナログ信号に変換するとともに所望の周波数チャンネルに変換して出力する(S26)。
以下、このような放送TS伝送方法を実施するための具体的なシステム構成について説明する。
図13に、IP送信装置100の概略の内部構成を示す。
このIP送信装置100は、ASI受信部101、PSI/SI修正・放送TS化部103、階層抽出部105、IPパケット化部107、GPS受信部111、STC発生部113、SFN情報生成部114、IIP生成部115、および基準信号発生部117により構成されている。
ASI受信部101は、外部からDVB−ASI信号を受信し、MPEG−TS信号(データ8bit、クロック、シンク)を出力するブロックである。より具体的には、シリアルのASI信号を受信し、10bit→8bit変換、シリアル→パラレル変換を行い、同期ワード検出、データクロックの生成を行い、後段の処理部にMPEG−TS信号として出力する。
GPS受信部111は、GPS衛星からの電波を受信し、GPSに同期した10MHzクロック、1PPS(1秒間隔で1パルスを発生する信号)およびGPSから受信した時刻情報を出力するブロックである。
周知のように、GPSとは、衛星(GPS衛星)から得られる情報により、受信点の位置情報(緯度、経度)などを算出するシステムである。測量と同等の3点測量の要領で、3つ以上の衛星の受信データを同時に受けることにより位置情報を算出するものである。測位算出には正確な時刻情報が不可欠であり、衛星から受信するデータにはUTC(世界協定時)も一緒に送られて来る。一般的なGPS受信モジュールは、GPS衛星から受信した時刻情報(GPS時刻)に同期した10MHzクロック、および1秒に一度の間隔でパルスを発する1PPSという信号を出力する。また、GPS衛星から受信した各種データ(時刻情報も含む)は、UARTなどのシリアル通信の手段で取り出すことが可能である。データフォーマットは、NMEA(米国海洋電子機器協会)でプロトコルが決められており、NMEA0183で規定されている。
UARTで受信する日時/時刻情報には、小数点以下の秒データも記載されているが、UARTが低速のシリアル通信のため、UART経由で取り出した小数点以下の秒データで同期をとるのは事実上不可能である。従って、本実施の形態では年月日時分秒までのデータをUART経由で取込み、1秒以下の分解能についてはモジュールの10MHzクロックと1PPSでカウントした値を利用している。このカウント値をSTC(信号)と称している。尚、GPS時刻は、精度自体はUTCと同じであるが、うるう秒の補正がされていない点でUTCと若干異なる。このために本明細書では「GPS時刻」という呼び方をしている。
STC発生部113は、GPS受信部111から10MHzクロックおよび1PPSパルスを受信し、STC信号(0〜999.9999msカウンタ出力)を出力するブロックである。GPSから取得できる時刻情報の分解能は1秒であるため、STC信号は、1秒未満の精度(例えば0.1μS)を確保するための付加情報となる。STC発生部113は、具体的には、10MHzをクロックとして、1PPSパルスで0からスタートする24ビットカウンタを含む。10MHz分解能で精度は100nsとなる。STCは、上述したIIPパケットの「synchronization_time_stamp」と同等の情報である。
基準信号発生部117は、GPS受信部111から受信した10MHzクロックから各種クロックを生成するPLL(PhaseLockLoop)部を含む。具体的にはISDB−T方式のOFDMシンボルクロックである65.016MHz(10MHz×4096/63)、MPEG−TS、DVB−ASI入力処理で使用する27MHz(10MHz×27/10)などを出力する。
SFN情報生成部114は、制御手段(CPU)もしくは操作パネルからのデータ取得によって得た遅延に関する設定、およびGPS信号から生成した時刻情報を生成するブロックである。特に時刻情報はIIP生成部115の生成タイミングに合わせてラッチをかける。
IIP生成部115は、SFN情報生成部114から得た遅延設定値、GPS時刻およびSTC信号、タイミングパルスに基づいて、IIP(ISDB-T Information Packet)パケットデータを生成するブロックである。すなわち、IIPのフォーマットに従ってIIPパケットを生成し、SFN情報生成部114から取得した各種情報をIIPパケットに反映させる。
PSI/SI修正・放送TS化部103は、放送コンテンツを構成するMPEG−TS信号を放送TSに変換するブロックである。より具体的には、MPEG−TS信号およびPSI/SI情報を受けて、放送TS信号(32.507Mbps)を出力する。その際、多重フレームの構成に適合したTSパケットの配置(再多重)、ビットレート調整、PCR補正、PSI/SI(Program Specific Information/Service Information)の付加、IIPパケットの挿入が行われる。PSI/SI情報については制御手段(CPUなど)から設定情報やデータを取得する。
階層抽出部105は、PSI/SI修正・放送TS化部103から受けた放送TS信号(32.507Mbps)に基づいて、階層抽出後のTS信号であるダミーバイト部付きのTSパケット(0.459Mbps)を出力するブロックである。そのために、放送TS(32.507Mbps)のダミーバイト部を監視し、A階層(ワンセグ階層)パケットおよびIIPパケットを抽出してメモリに格納するフィルタ部を含む。これらの各TSパケットは、ダミーバイト部をそのまま含む204バイトのデータである。そのために、204バイトのTSパケットを所定の数量、格納できるメモリ容量を確保する。ここに、「所定の数量」は、次段のIPパケット化の処理によって必要な量が変化する。
IPパケット化部107は、階層抽出後のTS信号(0.459Mbps)を受けて、IPデータとしてのVoIP(Video over Internet Protocol)信号を出力するブロックである。すなわち、ダミーバイト部付きのTSパケットを階層抽出部105(内のメモリ)から読出し、VoIP信号に変換する。このIPパケット化部107の処理は、UDP、RTPプロトコルに適合し、ユニキャストまたはマルチキャストにて出力する。
図14に、送信所20におけるOFDM変調装置200の概略の内部構成を示す。このOFDM変調装置200は、IPデータ受信部201、IIP抽出・設定デコード部202、TSパケットバッファ部203、STC比較・遅延量算出部204、OFDMフレーム復元部205、遅延制御部206、符号化部(符号化・IFFT・GI付加部)207、遅延用メモリ部208、DAC・周波数変換部209、GPS受信部211、STC発生部213、および、基準信号発生部215を有する。
IPデータ受信部201は、IP回線またはIP回線網15を介して受信したVoIP信号からTSパケットを分離して出力するブロックである。より具体的には、このIPデータ受信部201は、VoIP信号を受けて、階層抽出されたTS信号(0.459Mbps)を出力する。
IIP抽出・設定デコード部202は、IPデータ受信部201から受けた階層抽出されたTS信号(0.459Mbps)からIIPパケットを抽出し、その内容を解析し、階層抽出されたTS信号(0.459Mbps)、フレームシンク(同期)、IIPより取得したパラメータ各種を出力するブロックである。IIPパケットは特定のPID(0x1FF0)を有することから、PIDに基づいて検出することができる。もしくは、ダミーバイト部の階層情報に基づいて検出してもよい。IIPパケットの記載内容の解析により次の情報を取得する。
・変調設定情報各種(モード、ガードインターバル、階層変調設定)
・OFDMフレームシンクの位置
・SFN遅延設定値
・(IP送信装置100が打刻した)GPS時刻
・(IP送信装置100が打刻した)STC信号
STC比較・遅延量算出部204は、自己のGPS受信部211で取得したGPS時刻およびSTC信号と、IIPパケットから取得したIPデータ送信側のGPS時刻およびSTC信号とを比較するとともに、上記SFN遅延設定値との差を求めることにより、IP回線の伝送遅延量を算出するブロックである。
より具体的には、例えば、次の式によりIP回線の伝送遅延量を算出する。
・伝送遅延量 =(OFDM変調装置200自身の)GPS時刻およびSTC信号 − (IP送信装置100の)GPS時刻およびSTC信号
・補正遅延量 = 遅延設定値 − 伝送遅延量
TSパケットバッファ部203は、受信したTSパケットを一時的に格納しておくメモリを有するとともに、各TSパケットのダミーバイト部に記載された付加情報を解析し、読出し制御信号に従ってTSパケットを出力するブロックである。すなわち、TSパケットは、アドレス管理されたメモリに格納すると同時に、格納したTSパケットのダミーバイト部から階層情報とTSPカウンタの値を読み出し、格納したアドレスと紐付けて保存する。
OFDMフレーム復元部205は、TSパケット、階層情報、TSPカウンタを受けて、IIP抽出・設定デコード部202で取得した変調設定情報(キャリア変調、符号化率、セグメント数)、およびフレーム同期に基づいてOFDM多重フレームを生成し、TSパケットバッファ部203から読み出したTSパケットを多重フレームの該当部に多重することにより放送TS(32.507Mbps)を復元するブロックである。変調設定情報からのOFDM多重フレームの生成は、ISDB−Tの規格に基づいた方法で実現可能であり、IPデータ送信側のそれと同一のものを再現することが可能である。同時に、TSPカウンタおよび階層情報も生成し、放送TSの枠組みを生成する。
ここで生成したTSPカウンタおよび階層情報と、TSパケットバッファ部203で記憶している同情報とを比較し、該当するパケットがメモリに存在すればメモリから読出して多重フレームに配置する。これにより、IP送信装置100から伝送されたTSパケットを放送TSに復元することができる
遅延制御部206は、10MHzクロック、フレーム同期、補正遅延設定量を受け、フレーム同期信号を、修正遅延設定値に相当する補正遅延量分だけ遅延させるブロックである。10MHzクロックでカウントするカウンタを装備し、フレーム同期信号で0からカウントをスタートし、補正遅延量の設定値に達したらパルスを出力する。このパルスが補正遅延させたフレーム同期信号となる。
OFDMフレームは変調設定により変化するが、その長さは最大でも251msのため、それ以上の遅延を行うにはフレーム同期信号にインデックスを与え、各インデックスごとに遅延量をカウントすることにより遅延設定を可能にする。
符号化部207は、放送TS(32.507Mbps)の情報に基づいて、ARIB規格(STD−B31)に準拠した伝送路符号化・OFDM変調を行うブロックである。符号化部207から出力されるIQデータは、IQ各16ビットのバイナリデータである。
遅延用メモリ部208は、符号化部207で生成されたIQデータを一時蓄積しておくアドレス管理されたメモリ部である。遅延前のインデックス情報とともにメモリに書込み、遅延フレーム同期と遅延後インデックスに基づいてIQデータを読み出すことにより補正遅延量分だけ遅延したIQデータを出力する。
DAC・周波数変換部209は、遅延用メモリ部208から出力された遅延IQデータを受け、DACクロックに従ってこの遅延IQデータをアナログに変換するとともに、所望の周波数チャンネルに変換するブロックである。これにより、DAC・周波数変換部209から直交変調波(OFDM変調波)が出力される。
GPS受信部211、STC発生部213、および、基準信号発生部2153の各ブロックは、IP送信装置100における同一名称のブロックと同一の機能を有する。
ところで、基幹放送局で中継伝送する場合、情報伝送に関する信頼性が高く、伝搬遅延の少ない放送波や無線波を利用した中継伝送方法をとるのが一般的である。SFNの遅延設定もこのような手法を想定したものであるため、1秒を超える遅延までは考慮されていない。IP回線でTS伝送を行う場合、受信側で一定量のバッファリングを行うことが必要となるが、このバッファリングの量によっては、遅延量が1秒を超えることが想定される。上記の書式では1秒を超える遅延量については伝送できない。本発明ではこのような範囲外の部分について独自フォーマットで伝送することにより、長い遅延量の設定に対応する。
そこで、本実施の形態の応用例として、equipment_loopを利用して、下記のような拡張情報を伝送する。Equipment_Loopは、ARIB規格に定められたIIPパケットの記述事項の一つである。EquipmentとはSFNを構築する個々の送信器を指すものであり、各々の送信器に個別に微調整を加える目的で規定されている。すなわち、本来のEquipmentLoopの役割は、各EquipmentのID(識別)番号、遅延設定の対するオフセット値(0〜0.9999999秒)、オフセットの極性(±)、制御方法(静的、動的)といったパラメータを各送信器に個別に与えるものである。Equipment_IDは、12ビットで与えられ、通常はすべてのID(0x000〜0xFFFの4096個)を使用することはないので、使用しないID(たとえば0xFFE)を、本実施の形態での独自設定の伝送用として利用する。受信側(変調器)は、上記のIDのEquipmentLoopを独自部分の伝送情報として解釈し、設定値を取り出す。
・秒単位のGPS時刻情報、すなわち、GPS時刻の秒情報(例えば0〜59秒)
・1秒以上の秒単位の遅延設定値(例えば1〜9秒)
遅延設定値の範囲は、OFDM変調装置200の遅延用バッファの搭載量に関係する。例えば8OFDMフレーム分のバッファを備えている場合は、(1フレーム=約230ms)1.84秒までが設定可能範囲となる。
設定例
・Equipment_id( ): 12bit、拡張設定用として選定された特定のID
・Additional_GPS_time_info( ): 8bit、GPS時刻の秒情報(10進x2桁)
・Additional_maximum_delay( ): 4bit、遅延設定の1秒単位部の設定
Additional_GPS_time_info( )は秒情報だけでなく、例えば32ビットに拡張してGPSで取得した時刻すべてを伝送してもよい。
また、Additional_maximum_delay( )も、想定される最大遅延量に応じて拡張してよい。
これらの設定値および時刻情報は、演奏所10に設けられたIP送信装置100においてIIPパケットに記載され、複数のOFDM変調装置200に同報される。
OFDM変調装置200は、IP回線を通じて受信したTSパケットからIIPパケットを抽出し、OFDMフレーム位置を識別しシンクパルスを生成する。また、IIPパケットを解析して、記載されている時刻情報と自己のGPS受信部で得た時刻情報とを比較してIP伝送経路の伝送遅延量を算出する。この場合、上述した1秒未満の時刻情報および遅延設定値も併せて考慮することができる。
遅延設定値から伝送遅延量を差し引いた値を修正遅延設定値として記憶し、遅延用メモリから読み出すタイミングを修正遅延設定値分遅らせ、OFDM変調波を出力する。
複数のOFDM変調装置200が、機器ごとにまちまちな伝送遅延量を個々に補正して遅延調整した変調波を出力することにより、各OFDM変調装置の出力は同一タイミングで出力されるため、SFN網を構築することが可能となる。
なお、「equipment loop」以外にも例えば次のような利用できるエリアが考えられる。
(1)IIPパケットのTMCC以降を独自フォーマット化して記載する。
(2)(IIPの)ダミーバイト部の空きエリアを利用して伝送する。
(3)ACパケットを利用してIIPのほかにACパケットも伝送するようにする。
(4)A階層に含まれるNullパケットの一つを利用して伝送する。
また、システムの安定動作のために次のようなブロックを追加してもよい。
(1)GPSリカバリ
GPS信号は、GPS衛星からの受信データに依存するが、高周波信号のため天候や電波障害などの外的要因によって、受信できない時間帯が発生することが想定される。そこで、GPS受信部からのロックステータスを監視し、アンロックの状態になった場合は、時刻情報(STC信号も含めて)は10MHzのクロックで自走により更新したデータに差し替えて後段へ伝送する。ロックが復帰したら本来の時刻情報に戻す。
(2)TSパケットのリカバリ
VoIP回線は、伝送品質や回線速度が完全に担保されたものではないため、伝送エラーやデータの欠落などが発生することが想定される。このためFEC(Forward Error Correction)などの技術を用いて伝送誤りを補正できる冗長部を同時に伝送し、受信部でエラー訂正することによりエラー耐性を高める方法がとられる。ただし、それでもパケットの欠落などが発生する事態が考えられる。
そこで、上述したOFDMフレーム復元部205は、Nullパケットまたは所定のTSパケットをダミーパケットとして発生するダミーパケット生成部(図示せず)を有してもよい。IIP解析結果に基づいて生成された放送TSのOFDMフレーム(放送TSフレーム)に対して、放送TSのTSPカウンタとバッファ部に蓄積したTSPのカウンタを比較し、カウンタ値が一致したときバッファ部からTSパケットを読み出して放送TSフレームに多重する。一致しないとき、すなわち、TSパケットバッファ部203に所望のTSパケットがない場合、ダミーパケット生成部で発生したダミーパケットを多重し、放送TSを復元する。
フレーム復元部205は一度変調設定情報が与えられれば、その後はその状態を保持したまま放送TSフレームを生成し続ける。TSパケットバッファ部203に該当するTSパケットが存在しなかった場合は、Nullパケットを出力することにより放送TS出力を維持する。その結果、データ欠落による映像や音声への影響は発生するものの、信号出力自体は維持することが可能である。
(3)IIPリカバリ
伝送されてくるべきTSパケットのうち、欠落したパケットがIIPであった場合は、フレーム同期の検出が1フレーム分無くなってしまうため、フレーム単位で変調波が途切れるという事態になる。そこで、このような事態を防止するために、一度受信したIIPパケットを保持し、IIPが欠落した場合には、保持したデータを出力することによりフレーム同期の状態を維持するIIPリカバリ部(図示せず)を設けてもよい。IIPリカバリ部は、OFDMフレーム復元部205もしくはその近辺に設けることができる。
上記のリカバー系の各ブロックは、実際の伝送の状況を確認する過程で、安定動作のために追加することができる。GPSやTS伝送については、常時安定して送受信されている状況が理想であり、理想環境の下ではこれらのブロックは必要ない。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、特許請求の範囲を逸脱することなく、種々の変形、変更を行うことが可能である。
10…演奏所
15…IP回線網
20…送信所
30…GPS衛星
100…IP送信装置
101…ASI受信部
103…PSI/SI修正・放送TS化部
105…階層抽出部
107…IPパケット化部
111…GPS受信部
113…STC発生部
114…SFN情報生成部
115…IIP生成部
117…基準信号発生部
200…OFDM変調装置
201…IPデータ受信部
202…IIP抽出・設定デコード部
203…TSパケットバッファ部
204…STC比較・遅延量算出部
205…OFDMフレーム復元部
206…遅延制御部
207…符号化部(符号化・IFFT・GI付加部)
208…遅延用メモリ部
209…DAC・周波数変換部
211…GPS受信部
213…STC発生部
215…基準信号発生部

Claims (6)

  1. 放送コンテンツの送信元に設けられたIP送信装置と、このIP送信装置にIP回線で接続された複数のOFDM変調装置とを備えた、IP回線を利用したSFN放送システムであって、
    前記IP送信装置は、
    放送コンテンツに対して、多重フレームの構成に適合したTSパケットの配置(再多重)、PSI/SIの付加、IIPパケットの挿入を行い、放送TSを生成する放送TS化部と、
    前記放送TSのダミーバイト部に記載された付加情報に基づきワンセグ階層のTSパケットおよびIIPパケットを抽出して、ダミーバイト部付きのTSパケットを生成する階層抽出部と、
    前記ダミーバイト部付きのTSパケットをIPデータに変換し、前記複数のOFDM変調装置へ配信するIP変換部と
    とを有し、
    前記複数のOFDM変調装置の各々は、
    前記IPデータを受信し、受信したIPデータからTSパケットを分離して出力するIPデータ受信部と、
    分離されたTSパケットからIIPパケットを抽出し、その内容を解析するIIP抽出・設定デコード部と、
    受信した各TSパケットをアドレス管理されたメモリに格納すると共に、格納したTSパケットのダミーバイト部から階層情報およびTSPカウンタの値を読み出し、格納したアドレスと紐付けて保存するTSパケットバッファ部と、
    前記IIP抽出・設定デコード部で取得された変調設定情報およびフレーム同期に基づいて、TSPカウンタおよび階層情報を生成し、OFDM多重フレームとして放送TSの枠組みを生成し、前記TSパケットバッファ部から読み出したTSパケットをOFDM多重フレームの該当部に多重することにより放送TSを復元するOFDMフレーム復元部と、
    前記OFDMフレーム復元部から出力される放送TSの情報に基づいて、伝送路符号化およびOFDM変調を行う符号化IFFT部と、
    前記符号化IFFT部で生成されたIQデータをアナログ信号に変換するとともに所望の周波数チャンネルに変換する周波数変換部と
    を有することを特徴とするIP回線を利用したSFN放送システム。
  2. 前記OFDM変調装置は、
    前記符号化IFFT部で生成されたIQデータを一時蓄積しておく遅延用メモリと、
    1秒未満の精度を確保するためのSTC信号を生成するSTC発生部と、
    自己のGPS受信部で取得されたGPS時刻およびSTC信号と、前記IIPパケットから取得されたIPデータ送信側のGPS時刻およびSTC信号とを比較することにより、前記IP回線の伝送遅延量を算出するSTC比較・遅延量算出部と、
    前記IIPパケットから取得された遅延設定値から伝送遅延量を差し引いた値を修正遅延設定値として記憶し、遅延用メモリから読み出すタイミングを修正遅延設定値分遅らせ、OFDM変調波を出力するよう、フレーム同期信号を、前記修正遅延設定値に相当する補正遅延量分だけ遅延させて、前記遅延用メモリから前記IQデータを読み出す遅延制御部と
    を有することを特徴とする請求項1に記載のIP回線を利用したSFN放送システム。
  3. 前記IP送信装置の放送TS化部は、秒単位のGPS時刻情報および1秒以上の秒単位の遅延設定値をTSパケットのIIPパケットに記載して、前記OFDM変調装置に配信し、
    前記OFDM変調装置は、前記IP回線を通じて受信したTSパケットからIIPパケットを抽出し、IIPパケットに記載されている時刻情報と、自己のGPS受信部で得た時刻情報とを比較してIP伝送経路の伝送遅延量を算出するとともに、前記IIPパケットから取得された1秒以上の遅延設定値から前記伝送遅延量を差し引いた値を修正遅延設定値として記憶し、前記遅延用メモリから読み出すタイミングを修正遅延設定値分遅らせることを特徴とする請求項2に記載のIP回線を利用したSFN放送システム。
  4. Nullパケットまたは所定のTSパケットをダミーパケットとして発生するダミーパケット生成部をさらに備え、
    前記OFDMフレーム復元部は、前記IIP抽出・設定デコード部でのIIP解析結果に基づいて生成された放送TSのOFDMフレームに対して、放送TSのTSPカウンタと前記TSパケットバッファ部に蓄積したTSPのTSPカウンタとを比較し、両カウンタ値が一致したとき前記TSパケットバッファ部からTSパケットを読み出して前記OFDMフレームに多重し、一致しないとき、前記ダミーパケット生成部で発生したダミーパケットを多重する請求項1、2または3に記載のIP回線を利用したSFN放送システム。
  5. 前記OFDM変調装置は、一度受信したIIPパケットを保持し、伝送されてくるべきTSパケットのうち、欠落したパケットがIIPであった場合は、保持したデータを出力することによりフレーム同期の状態を維持するIIPリカバリ部を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のIP回線を利用したSFN放送システム。
  6. 放送コンテンツの送信元に設けられたIP送信装置と、このIP送信装置にIP回線で接続された複数のOFDM変調装置とを備えた、IP回線を利用したSFN放送システムにおける放送TS伝送方法であって、
    前記IP送信装置において、
    放送コンテンツに対して、多重フレームの構成に適合したTSパケットの配置(再多重)、PSI/SIの付加、IIPパケットの挿入を行い、放送TSを生成するステップと、
    前記放送TSのダミーバイト部に記載された付加情報に基づきワンセグ階層のTSパケットおよびIIPパケットを抽出して、ダミーバイト部付きのTSパケットを生成するステップと、
    前記ダミーバイト部付きのTSパケットをIPデータに変換して、IP回線を介して前記複数のOFDM変調装置へ配信するステップとを有し、
    前記複数のOFDM変調装置の各々において、
    前記IPデータを受信し、受信したIPデータからTSパケットを分離して出力するステップと、
    分離されたTSパケットからIIPパケットを抽出し、その内容を解析するステップと、
    受信した各TSパケットをアドレス管理されたメモリに格納すると共に、格納したTSパケットのダミーバイト部から階層情報およびTSPカウンタの値を読み出し、格納したアドレスと紐付けて保存するステップと、
    前記IIP抽出・設定デコード部で取得された変調設定情報およびフレーム同期に基づいて、TSPカウンタおよび階層情報を生成し、OFDM多重フレームとして放送TSの枠組みを生成し、前記メモリから読み出したTSパケットをOFDM多重フレームの該当部に多重することにより放送TSを復元するステップと、
    前記放送TSの情報に基づいて、伝送路符号化およびOFDM変調を行うステップと、
    前記伝送路符号化およびOFDM変調により生成されたIQデータをアナログ信号に変換するとともに所望の周波数チャンネルに変換して出力するステップと
    を有する
    ことを特徴とする、IP回線を利用したSFN放送システムにおける放送TS伝送方法。
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