JP2015093891A - ポリグリセリン系樹脂可塑剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】高温下でも揮発しない優れた耐熱性を有し、且つ樹脂との相溶性が良好な可塑剤を提供すること、及び柔軟性、耐湿性に優れたポリビニルブチラール樹脂組成物を提供すること。【解決手段】樹脂可塑剤として、ポリグリセリン2−エチルヘキサン酸エステル、特に、構成するポリグリセリン中のグリセリン濃度が0.1〜20重量%の範囲であり、且つテトラグリセリン以上の濃度が30重量%以上、水酸基価から算出されるエステル化率が30〜80mol%であることを特徴とするポリグリセリン2−エチルヘキサン酸エステルを用いることにより、ポリビニルブチラール樹脂との相溶性が向上し、柔軟性、耐湿性に優れるポリビニルブチラール樹脂組成物を提供できる。【選択図】なし
Description
本発明は、特定のポリグリセリン2−エチルヘキサン酸から構成されるポリグリセリン系樹脂可塑剤、及びこれを含有するポリビニルブチラール樹脂組成物に関するものである。
ポリビニルブチラール樹脂は、優れた接着性、透明性、耐候性を有することから、自動車、及び建築物の合わせガラス中間膜、太陽電池封止材、積層セラミックコンデンサのバインダー等に使用、及び検討されている。一般に、ポリビニルブチラール樹脂は、フィルムやシート等へ応用する際、加工性の向上や成形品への柔軟性の付与を目的に可塑剤が添加されている。
ポリビニルブチラール樹脂に使用される可塑剤としては、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート等が開示されている(特許文献1)。しかしながら、これらの可塑剤は極性が低いため、ポリビニルブチラール樹脂との相溶性が低いという欠点があった。また、特許文献2には、可塑剤としてグリセリン2−エチルヘキサン酸エステルを用いた例が記載されている。この可塑剤は、ポリビニルブチラール樹脂との相溶性は良いものの、耐熱性が低いことから、溶融混練を行う際の揮発量が多くなり、樹脂組成物中の可塑剤残存量が低下し、柔軟性や耐湿性等の樹脂組成物の性能、物性面で問題が生じることが懸念される。
本発明は、こうした事情に鑑み、高温下でも揮発しない優れた耐熱性を有し、且つ樹脂との相溶性が良好な可塑剤を提供すること、及び、柔軟性、耐湿性に優れたポリビニルブチラール樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らが鋭意研究を重ねた結果、構成するポリグリセリンのグリセリン濃度が0.1〜20重量%の範囲であり、且つテトラグリセリン以上の濃度が30重量%以上であるポリグリセリン2−エチルヘキサン酸エステルを用いることによって、上記の課題を解決することができることを見出した。さらに、上記ポリグリセリン2−エチルヘキサン酸エステルにおいて、水酸基より算出されるエステル化率が30〜80mol%の範囲であることによって、より優れた機能を有するポリビニルブチラール樹脂組成物を提供できることを見出した。
本発明のポリグリセリン2−エチルヘキサン酸エステルをポリビニルブチラール樹脂に配合することにより、柔軟性を向上することができ、さらに高湿条件下において白化・ブリードが全く見られず、優れた相溶性を有することから、経時的な性能劣化や、品質変化を起こさず、所望の改質性能を長期間維持することができる。
以下、実施形態に基づいて本発明を説明するが、本発明の範囲はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲で変更が加えられた形態も本発明に属する。
本発明で使用されるポリグリセリン2−エチルヘキサン酸エステルのポリグリセリンは、グリセリンの脱水縮合反応、グリシドール、エピクロルヒドリン、グリセリンハロヒドリン等のグリセリン類似物質を用いての合成、あるいは合成グリセリンのグリセリン蒸留残分からの回収等によって得られるが、一般的には、グリセリンに少量のアルカリ触媒を加えて200℃以上の高温に加熱し、生成する水を除去しながら重縮合させる方法により得られる。反応は、逐次的な分子間脱水反応により順次高重合体が生成するが、反応組成物は均質なものではなく、未反応グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン等の複雑な混合組成物となり、反応温度が高いほど、あるいは反応時間が長いほど反応は高重合度側にシフトする。また、未反応のグリセリンは減圧蒸留による蒸留が可能であり、ジグリセリンは分子蒸留による蒸留が可能であるため、一般的にはジグリセリンは高純度品が使用され、それ以上の重合度のポリグリセリンは、複雑な他成分の混合物やグリセリン、ジグリセリンを蒸留した残分が使用される。
ポリグリセリンの組成分析は、一例として、ポリグリセリン試料を約0.5g、及び内部標準物質としてパルミチン酸メチル(1級試薬;キシダ化学)を約0.05g精秤し、ピリジン(特級試薬;キシダ化学)約1.8mLにこれらを溶解させ、次いで、この溶液20μLに対してTMS−HT(試薬;東京化成工業)を0.2mL注入し、温浴にて反応後に上澄み液1μLを下記の分析に供することで判定される。
ガスクロマトグラフ:GC−14B(島津製作所)
カラム:OV−1(GLサイエンス製、内径3mm、長さ1.5m)
カラム温度:100℃〜350℃(昇温速度10℃/min)
キャリアーガス:窒素(50mL/min)
注入部温度:350℃
検出器温度:350℃
検出器:FID
カラム:OV−1(GLサイエンス製、内径3mm、長さ1.5m)
カラム温度:100℃〜350℃(昇温速度10℃/min)
キャリアーガス:窒素(50mL/min)
注入部温度:350℃
検出器温度:350℃
検出器:FID
本発明のポリグリセリン2−エチルヘキサン酸エステルを構成するポリグリセリンは、その組成に特徴を有するものである。具体的には、グリセリン濃度が0.1〜20重量%、好ましくは5〜15重量%の範囲に含まれるものである。グリセリン濃度が0.1重量%未満のポリグリセリンからなるポリグリセリン2−エチルヘキサン酸エステルを用いた場合、ポリビニルブチラール樹脂組成物の柔軟性が低下する。
また、本発明のポリグリセリン2−エチルヘキサン酸を構成するポリグリセリンは、テトラグリセリン以上の濃度が30重量%以上のものであり、好ましくは40重量%以上である。テトラグリセリン濃度が30重量%未満のポリグリセリンからなるポリグリセリン2−エチルヘキサン酸エステルを用いた場合、吸湿性が高くなり、ポリビニルブチラール樹脂組成物の耐湿性が低下する。
本発明のポリグリセリン2−エチルヘキサン酸エステルを構成するポリグリセリンは、グリセリン濃度が0.1〜20重量%の範囲であり、且つテトラグリセリン以上の濃度が30重量%以上であれば、単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。また、グリセリンを添加、及び上記ポリグリセリン組成範囲外の2種以上の異なる組成のポリグリセリンを併用し、最終的に上記組成となった場合でもよい。
本発明で使用されるポリグリセリン2−エチルヘキサン酸エステルは、炭素数8の分岐アルカン酸である2−エチルヘキサン酸から構成されるが、95%以上の純度を有するものが好ましい。なお、このような2−エチルヘキサン酸の市販品の例としては、オクチル酸(協和発酵ケミカル株式会社製)などが挙げられる。
本発明のポリグリセリン2−エチルヘキサン酸エステルのエステル化率は、好ましくは30〜80mol%であり、さらに好ましくは40〜70mol%である。この範囲を外れると、ポリビニルブチラール樹脂との相溶性が低下する傾向があり、ポリビニルブチラール樹脂組成物の耐湿性、及び柔軟性が低下する可能性がある。ここで、エステル化率とは、末端基分析法による水酸基価から算出されるポリグリセリンの平均重合度(n)、このポリグリセリンが有する水酸基数(n+2)、ポリグリセリンに付加している2−エチルヘキサン酸のモル数(M)としたとき、(M/(n+2))×100=エステル化率(%)で算出される値である。また、水酸基価とは、ポリグリセリンに含まれる水酸基数の大小の指標となる数値であり、1gのポリグリセリンに含まれる遊離ヒドロキシル基をアセチル化するために必要な酢酸を中和するのに要する水酸化カリウムのミリグラム数をいう。水酸化カリウムのミリグラム数は、社団法人日本油化学会編纂、「日本油化学会制定、基準油脂分析試験法(I)、2003年度版」に準じて算出される。また、平均重合度は、末端基分析法による水酸基価から算出されるポリグリセリンの平均重合度(n)である。詳しくは、次式(式1)および(式2)から平均重合度が算出される。
(式1)分子量=74n+18
(式2)水酸基価=56110(n+2)/分子量
(式1)分子量=74n+18
(式2)水酸基価=56110(n+2)/分子量
本発明のポリグリセリン2−エチルヘキサン酸エステルは、一般的なエステル化反応により合成される。一例として、還流装置を備えた合成条件にて、反応温度160℃以上に加熱し、生成水を系外へ除去しながら反応を進行させる。
本発明のポリグリセリン2−エチルヘキサン酸エステルは、無触媒、または触媒の存在下にて合成することができ、使用できる触媒としては、塩基性触媒と酸性触媒が挙げられる。塩基性触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが好ましい。また、酸性触媒としては、(オルト)リン酸、ポリリン酸、及び、2−エチルヘキシルアシッドホスフェイト、オレイルアシッドホスフェイト、ステアリルアシッドホスフェイトなどの酸性リン酸エステルの何れかが好ましく、これらを単独で使用しても、2種類以上を併用しても良い。この他に塩酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸、また、塩化第一スズ、塩化第二スズ、ジブチルスズビス(2−エチルヘキサノエート)、ジブチルスズジアセテート、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタンなどが挙げられるが、これらに限定するものではない。
本発明のポリグリセリン2−エチルヘキサン酸エステルは、グリセリン濃度が0.1〜20重量%の範囲であり、且つテトラグリセリン以上の濃度が30重量%以上のポリグリセリンから構成されるが、この範囲外のポリグリセリン2−エチルヘキサン酸エステルにおいても、2種以上を併用した場合、それらの配合比率より算出されるポリグリセリン組成が上記範囲内にあれば、可塑剤として優れた機能を発揮する。
本発明のポリグリセリン2−エチルヘキサン酸エステルは、25℃から300℃まで毎分5℃の速度で昇温させた際の、重量減少率が5重量%以下であることが好ましい。重量減少率が5重量%を超える場合では、ポリビニルブチラール樹脂と溶融混練を行う際に揮発量が多くなり、樹脂組成物中の可塑剤残存量が低下するため、性能や物性面で問題が生じる可能性がある。また、作業環境面でも揮発成分による臭気の充満など問題となる可能性があるため、この範囲に抑える必要がある。
また、本発明は前述のポリグリセリン2−エチルヘキサン酸エステルを提供すると共に、これを含有するポリビニルブチラール樹脂組成物も提供する。ポリビニルブチラール樹脂(A)と可塑剤成分として配合するポリグリセリン2−エチルヘキサン酸エステル(B)の混合割合は、(A)/(B)=97/3〜50/50(重量比)の範囲内であることが好ましい。ポリグリセリン2−エチルヘキサン酸エステルの含有割合が3重量%未満では、可塑化効果が十分に発揮されず、また、50重量%を超える場合、ポリビニルブチラール樹脂組成物の機械物性が低下する原因となるため、この範囲が好ましい。
本発明のポリビニルブチラール樹脂組成物に用いられるポリビニルブチラール樹脂は、特に限定されるものではないが、平均重合度200〜4000のものが好ましく、また、可塑剤との相溶性の観点からブチラール化度は60mol%以上のものが好ましい。
本発明のポリビニルブチラール樹脂組成物においては、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望により、各種添加剤、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、熱安定剤、光安定剤、着色剤、発泡剤、難燃剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、フィラーなどを適宜配合することができる。
本発明のポリビニルブチラール樹脂組成物の調製方法としては特に制限はなく、従来公知の方法を用いることができる。例えば溶融混練法や溶剤に溶解して混合する方法などにより調製することができるが、これらの方法の中で、溶融混練法が好ましい。この溶融混練法を適用する場合には、ポリビニルブチラール樹脂、本発明のポリグリセリン2−エチルヘキサン酸エステル、及び所望により用いられる各種添加剤を配合し、単軸押出機や多軸押出機、ニーダー、バンパリーミキサーなどを用い、80℃以上の温度で溶融混練することが好ましい。
以下、実施例に基づき、本発明を具体的に示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、今回使用したポリグリセリンは、下記の合成例に示すポリグリセリンA〜Gを用いた。また、2−エチルヘキサン酸は、オクチル酸(協和発酵ケミカル株式会社製)を用いた。
(ポリグリセリンA〜Gの合成)
温度計、窒素導入管、撹拌装置を備えた四ツ口フラスコに精製グリセリン(阪本薬品工業株式会社製)、及び触媒として水酸化ナトリウムを添加し、窒素気流下にて250℃で反応させ、ポリグリセリン組成物を得た。次いで、この組成物を減圧蒸留し、表1に示すポリグリセリンA〜Fを得た。尚、減圧蒸留工程を実施しないものとして、ポリグリセリンGを得た。
温度計、窒素導入管、撹拌装置を備えた四ツ口フラスコに精製グリセリン(阪本薬品工業株式会社製)、及び触媒として水酸化ナトリウムを添加し、窒素気流下にて250℃で反応させ、ポリグリセリン組成物を得た。次いで、この組成物を減圧蒸留し、表1に示すポリグリセリンA〜Fを得た。尚、減圧蒸留工程を実施しないものとして、ポリグリセリンGを得た。
(ポリグリセリン2−エチルヘキサン酸エステルの合成)
温度計、攪拌機、窒素吹き込み管、Dean−Stark還流装置を備えた反応器に、ポリグリセリンAを310.6g、2−エチルヘキサン酸を480.5g仕込み、200℃から250℃でエステル化反応を行った。なお、エステル化反応は、窒素気流下において撹拌しながら、酸価が1以下となるまで行った。その結果、エステル化率が65mol%であるポリグリセリン2−エチルヘキサン酸エステル(PGFE1)を得た。以下同様に、ポリグリセリンの種類、混合比率、及びポリグリセリンに対する2−エチルヘキサン酸のモル比率を変化させてPGFE2〜14を合成した。これらの組成を表2に示す。
温度計、攪拌機、窒素吹き込み管、Dean−Stark還流装置を備えた反応器に、ポリグリセリンAを310.6g、2−エチルヘキサン酸を480.5g仕込み、200℃から250℃でエステル化反応を行った。なお、エステル化反応は、窒素気流下において撹拌しながら、酸価が1以下となるまで行った。その結果、エステル化率が65mol%であるポリグリセリン2−エチルヘキサン酸エステル(PGFE1)を得た。以下同様に、ポリグリセリンの種類、混合比率、及びポリグリセリンに対する2−エチルヘキサン酸のモル比率を変化させてPGFE2〜14を合成した。これらの組成を表2に示す。
(ポリグリセリン2−エチルヘキサン酸エステルの熱重量測定)
合成したポリグリセリン2−エチルヘキサン酸エステルについて、耐熱性の指標として、差動型示差熱天秤(Thermo Plus TG−DTA TG8120、RIGAKU製)を用いて、熱重量測定(TG)を実施した。アルミ製試料セルに上記のポリグリセリン2−エチルヘキサン酸エステルと、対照物質としてα-アルミナをそれぞれ10mgずつ量り取り、空気雰囲気下にて室温から200℃まで毎分5℃で昇温させた際の、重量減少率(重量%)を求めた。測定した結果を表2に示す。
合成したポリグリセリン2−エチルヘキサン酸エステルについて、耐熱性の指標として、差動型示差熱天秤(Thermo Plus TG−DTA TG8120、RIGAKU製)を用いて、熱重量測定(TG)を実施した。アルミ製試料セルに上記のポリグリセリン2−エチルヘキサン酸エステルと、対照物質としてα-アルミナをそれぞれ10mgずつ量り取り、空気雰囲気下にて室温から200℃まで毎分5℃で昇温させた際の、重量減少率(重量%)を求めた。測定した結果を表2に示す。
(実施例1)
ポリビニルブチラール樹脂(平均重合度800、ブチラール化度75〜80mol%)70.0gに対して、可塑剤としてポリグリセリン2−エチルヘキサン酸エステル(PGFE1)を30.0g添加し、二軸押出し機を用いて160℃にて溶融混練を行うことにより、ポリビニルブチラール樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を、加熱プレス機で140℃、10分間プレス成形することにより、厚さ0.3mmのフィルムを作製した。
ポリビニルブチラール樹脂(平均重合度800、ブチラール化度75〜80mol%)70.0gに対して、可塑剤としてポリグリセリン2−エチルヘキサン酸エステル(PGFE1)を30.0g添加し、二軸押出し機を用いて160℃にて溶融混練を行うことにより、ポリビニルブチラール樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を、加熱プレス機で140℃、10分間プレス成形することにより、厚さ0.3mmのフィルムを作製した。
(実施例2〜10)
実施例1にて使用したポリグリセリン2−エチルヘキサン酸エステル(PGFE1)の代わりに、ポリグリセリン2−エチルヘキサン酸エステル(PGFE2〜10)を使用した以外は、実施例1と同様の方法でポリビニルブチラール樹脂組成物を調製し、フィルムを作製した。
実施例1にて使用したポリグリセリン2−エチルヘキサン酸エステル(PGFE1)の代わりに、ポリグリセリン2−エチルヘキサン酸エステル(PGFE2〜10)を使用した以外は、実施例1と同様の方法でポリビニルブチラール樹脂組成物を調製し、フィルムを作製した。
(実施例11)
ポリビニルブチラール樹脂(平均重合度800、ブチラール化度75〜80mol%)90.0gに対して、可塑剤としてポリグリセリン2−エチルヘキサン酸エステル(PGFE1)を10.0g添加した以外は、実施例1と同様の方法で、ポリビニルブチラール樹脂組成物を調製し、フィルムを作製した。
ポリビニルブチラール樹脂(平均重合度800、ブチラール化度75〜80mol%)90.0gに対して、可塑剤としてポリグリセリン2−エチルヘキサン酸エステル(PGFE1)を10.0g添加した以外は、実施例1と同様の方法で、ポリビニルブチラール樹脂組成物を調製し、フィルムを作製した。
(実施例12)
ポリビニルブチラール樹脂(平均重合度800、ブチラール化度75〜80mol%)50.0gに対して、可塑剤としてポリグリセリン2−エチルヘキサン酸エステル(PGFE1)を50.0g添加した以外は、実施例1と同様の方法で、ポリビニルブチラール樹脂組成物を調製し、フィルムを作製した。
ポリビニルブチラール樹脂(平均重合度800、ブチラール化度75〜80mol%)50.0gに対して、可塑剤としてポリグリセリン2−エチルヘキサン酸エステル(PGFE1)を50.0g添加した以外は、実施例1と同様の方法で、ポリビニルブチラール樹脂組成物を調製し、フィルムを作製した。
(実施例13)
ポリビニルブチラール樹脂(平均重合度800、ブチラール化度75〜80mol%)70.0gに対して、可塑剤としてポリグリセリン2−エチルヘキサン酸エステル(PGFE2)を27.0g、ポリグリセリン2−エチルヘキサン酸エステル(PGFE14)を3.0g添加し、二軸押出し機を用いて160℃にて溶融混練を行うことにより、ポリビニルブチラール樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を、加熱プレス機で140℃、10分間プレス成形することにより、厚さ0.3mmのフィルムを作製した。
ポリビニルブチラール樹脂(平均重合度800、ブチラール化度75〜80mol%)70.0gに対して、可塑剤としてポリグリセリン2−エチルヘキサン酸エステル(PGFE2)を27.0g、ポリグリセリン2−エチルヘキサン酸エステル(PGFE14)を3.0g添加し、二軸押出し機を用いて160℃にて溶融混練を行うことにより、ポリビニルブチラール樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を、加熱プレス機で140℃、10分間プレス成形することにより、厚さ0.3mmのフィルムを作製した。
(実施例14)
ポリビニルブチラール樹脂(平均重合度800、ブチラール化度75〜80mol%)70.0gに対して、可塑剤としてポリグリセリン2−エチルヘキサン酸エステル(PGFE11)を21.0g、ポリグリセリン2−エチルヘキサン酸エステル(PGFE12)を6.0g、ポリグリセリン2−エチルヘキサン酸エステル(PGFE14)を3.0g添加し、二軸押出し機を用いて160℃にて溶融混練を行うことにより、ポリビニルブチラール樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を、加熱プレス機で140℃、10分間プレス成形することにより、厚さ0.3mmのフィルムを作製した。
ポリビニルブチラール樹脂(平均重合度800、ブチラール化度75〜80mol%)70.0gに対して、可塑剤としてポリグリセリン2−エチルヘキサン酸エステル(PGFE11)を21.0g、ポリグリセリン2−エチルヘキサン酸エステル(PGFE12)を6.0g、ポリグリセリン2−エチルヘキサン酸エステル(PGFE14)を3.0g添加し、二軸押出し機を用いて160℃にて溶融混練を行うことにより、ポリビニルブチラール樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を、加熱プレス機で140℃、10分間プレス成形することにより、厚さ0.3mmのフィルムを作製した。
(実施例15)
実施例1にて使用したポリビニルブチラール樹脂(平均重合度800、ブチラール化度75〜80mol%)の代わりに、ポリビニルブチラール樹脂(平均重合度800、ブチラール化度70〜75mol%)を使用した以外は、実施例1と同様の方法でポリビニルブチラール樹脂組成物を調製し、フィルムを作製した。
実施例1にて使用したポリビニルブチラール樹脂(平均重合度800、ブチラール化度75〜80mol%)の代わりに、ポリビニルブチラール樹脂(平均重合度800、ブチラール化度70〜75mol%)を使用した以外は、実施例1と同様の方法でポリビニルブチラール樹脂組成物を調製し、フィルムを作製した。
(実施例16)
実施例1にて使用したポリビニルブチラール樹脂(平均重合度800、ブチラール化度75〜80mol%)の代わりに、ポリビニルブチラール樹脂(平均重合度800、ブチラール化度80〜85mol%)を使用した以外は、実施例1と同様の方法でポリビニルブチラール樹脂組成物を調製し、フィルムを作製した。
実施例1にて使用したポリビニルブチラール樹脂(平均重合度800、ブチラール化度75〜80mol%)の代わりに、ポリビニルブチラール樹脂(平均重合度800、ブチラール化度80〜85mol%)を使用した以外は、実施例1と同様の方法でポリビニルブチラール樹脂組成物を調製し、フィルムを作製した。
(実施例17)
実施例1にて使用したポリビニルブチラール樹脂(平均重合度800、ブチラール化度75〜80mol%)の代わりに、ポリビニルブチラール樹脂(平均重合度1600、ブチラール化度75〜80mol%)を使用した以外は、実施例1と同様の方法でポリビニルブチラール樹脂組成物を調製し、フィルムを作製した。
実施例1にて使用したポリビニルブチラール樹脂(平均重合度800、ブチラール化度75〜80mol%)の代わりに、ポリビニルブチラール樹脂(平均重合度1600、ブチラール化度75〜80mol%)を使用した以外は、実施例1と同様の方法でポリビニルブチラール樹脂組成物を調製し、フィルムを作製した。
(比較例1〜4)
実施例1にて使用したポリグリセリン2−エチルヘキサン酸エステル(PGFE1)の代わりに、ポリグリセリン2−エチルヘキサン酸エステル(PGFE11〜14)を使用した以外は、実施例1と同様の方法でポリビニルブチラール樹脂組成物を調製し、フィルムを作製した。
実施例1にて使用したポリグリセリン2−エチルヘキサン酸エステル(PGFE1)の代わりに、ポリグリセリン2−エチルヘキサン酸エステル(PGFE11〜14)を使用した以外は、実施例1と同様の方法でポリビニルブチラール樹脂組成物を調製し、フィルムを作製した。
(比較例5)
実施例1にて使用したポリグリセリン2−エチルヘキサン酸エステル(PGFE1)の代わりに、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサンノエートを使用した以外は、実施例1と同様の方法でポリビニルブチラール樹脂組成物を調製し、フィルムを作製した。
実施例1にて使用したポリグリセリン2−エチルヘキサン酸エステル(PGFE1)の代わりに、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサンノエートを使用した以外は、実施例1と同様の方法でポリビニルブチラール樹脂組成物を調製し、フィルムを作製した。
(比較例6)
ポリビニルブチラール樹脂(平均重合度800、ブチラール化度75〜80mol%)30.0gに対して、可塑剤としてポリグリセリン2−エチルヘキサン酸エステル(PGFE1)を70.0g添加し、二軸押出し機を用いて160℃にて溶融混練を行うことにより、ポリビニルブチラール樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を、加熱プレス機で140℃、10分間プレス成形することにより、厚さ0.3mmのフィルムを作製した。
ポリビニルブチラール樹脂(平均重合度800、ブチラール化度75〜80mol%)30.0gに対して、可塑剤としてポリグリセリン2−エチルヘキサン酸エステル(PGFE1)を70.0g添加し、二軸押出し機を用いて160℃にて溶融混練を行うことにより、ポリビニルブチラール樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を、加熱プレス機で140℃、10分間プレス成形することにより、厚さ0.3mmのフィルムを作製した。
実施例1〜17、及び比較例1〜6で得られたポリビニルブチラール樹脂組成物について、以下に示す柔軟性、耐湿性の評価を実施した。また、各実施例、比較例に使用した可塑剤とポリビニルブチラール樹脂の相溶性は、以下に示す方法にて評価した。評価の結果を表3に示した。
(柔軟性)
作製したフィルムについて、オートグラフ AG−IS(島津製作所製)を用い、JIS−7217に準じて引張試験を実施し、ひずみ(%)を求めた。ひずみが450%以上のものを◎、400%以上450%未満のものを○、350%以上400%未満のものを△、350%未満のものを×とした。
作製したフィルムについて、オートグラフ AG−IS(島津製作所製)を用い、JIS−7217に準じて引張試験を実施し、ひずみ(%)を求めた。ひずみが450%以上のものを◎、400%以上450%未満のものを○、350%以上400%未満のものを△、350%未満のものを×とした。
(耐湿性)
作製したフィルムを23℃、95%RHの雰囲気下に1週間静置した後、濁度計NDH−2000(日本電色工業製)を用いてヘイズを測定した。ヘイズが10%未満のものを◎、10%以上20%未満のものを○、20%以上30%未満のものを△、30%以上のものを×とした。
作製したフィルムを23℃、95%RHの雰囲気下に1週間静置した後、濁度計NDH−2000(日本電色工業製)を用いてヘイズを測定した。ヘイズが10%未満のものを◎、10%以上20%未満のものを○、20%以上30%未満のものを△、30%以上のものを×とした。
(相溶性)
ポリビニルブチラール樹脂/可塑剤=1/100(重量比)の混合物を160℃にて1時間静置後、室温まで冷却した際の外観を目視にて判定した。溶液の外観が透明均一なものを◎、僅かに濁りを生じたものを○、白濁したものを△、沈殿が生じたものを×とした。
ポリビニルブチラール樹脂/可塑剤=1/100(重量比)の混合物を160℃にて1時間静置後、室温まで冷却した際の外観を目視にて判定した。溶液の外観が透明均一なものを◎、僅かに濁りを生じたものを○、白濁したものを△、沈殿が生じたものを×とした。
本発明において、構成するポリグリセリンのグリセリン濃度が0.1〜20重量%の範囲であり、且つテトラグリセリン以上の濃度が30重量%以上であるポリグリセリン2−エチルヘキサン酸エステルを添加したポリビニルブチラール樹脂組成物は、相溶性、柔軟性に優れ、さらに高湿条件下において白化、ブリードが見られず、経時的な性能劣化や品質変化を起こさないことから、所望の改質性能を長期間維持できることが分かった。
本発明のポリグリセリン2−エチルヘキサン酸エステルを含有するポリビニルブチラール樹脂組成物は、柔軟性、相溶性、及び耐湿性に優れることから、各種フィルム・シート類、プラスチック成型品などの用途において応用できる。
Claims (3)
- ポリグリセリン2−エチルヘキサン酸エステルからなる樹脂可塑剤であって、前記ポリグリセリン2−エチルヘキサン酸エステルを構成するポリグリセリンのグリセリン濃度が0.1〜20重量%の範囲であり、且つテトラグリセリン以上の濃度が30重量%以上であることを特徴とする樹脂可塑剤。
- 前記ポリグリセリン2−エチルヘキサン酸エステルの、水酸基価から算出されるエステル化率が30〜80mol%の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂可塑剤。
- 請求項1ないし2に記載の樹脂可塑剤とポリビニルブチラール樹脂を含有することを特徴とするポリビニルブチラール樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013232716A JP2015093891A (ja) | 2013-11-11 | 2013-11-11 | ポリグリセリン系樹脂可塑剤 |
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